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◆jiPkKgmerY 氏が手がけた作品 話数 タイトル 登場人物 007 二人の兄と召喚士 ミリオンズ・ナイブズ、殺生丸、キャロ・ル・ルシエ 024 SWORD DANCER meet TYPOON アレクサンド・アンデルセン、ヴァッシュ・ザ・スタンピード 030 童子切丸は砕けない(前編)童子切丸は砕けない(後編) インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシング、ギンガ・ナカジマ、殺生丸、ミリオンズ・ナイブズ、キャロ・ル・ルシエ、高町なのは(A s)、カレン・シュタットフェルト 037 クロノは大変な超人達を集めていきました 武蔵坊弁慶、アグモン、ヒビノ・ミライ、アーカード 049 光が紡ぐ物語 L、ザフィーラ、アレックス、柊かがみ 051 ちぎれたEndless Chain ミリオンズ・ナイブズ、高町なのは(A s)、カレン・シュタットフェルト、キース・レッド 055 それでも台風は微笑う。そして奔る アンジール・ヒューレー、アレクサンド・アンデルセン、ヴァッシュ・ザ・スタンピード 066 パンドラの箱は王の手に 八神はやて(StS)、キング、ヒビノ・ミライ、ヴィータ、天道総司、キャロ・ル・ルシエ 076 絶望の罪人~夜天の主~絶望の罪人~フタリボッチノセカイ~絶望の罪人~双翼~絶望の罪人~大災害、そして終わらない宴~ アーカード、セフィロス、八神はやて(A s)、アレクサンド・アンデルセン、ヴァッシュ・ザ・スタンピード、アンジール・ヒューレー、キース・レッド、フェイト・T・ハラオウン(StS) 161 E-5涙目ってレベルじゃねーぞ!! ~自重してはいけない・なのロワE-5激戦区~(前編)E-5涙目ってレベルじゃねーぞ!! ~自重してはいけない・なのロワE-5激戦区~(後編) キース・レッド、アレックス、天上院明日香、八神はやて(StS) 登場させたキャラ 3回 ミリオンズ・ナイブズ、キャロ・ル・ルシエ、アレクサンド・アンデルセン、ヴァッシュ・ザ・スタンピード、キース・レッド 2回 殺生丸、高町なのは(A s)、カレン・シュタットフェルト、ヒビノ・ミライ、アーカード、アンジール・ヒューレー、アレックス、八神はやて(StS) 1回 インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシング、ギンガ・ナカジマ、武蔵坊弁慶、アグモン、L、ザフィーラ、柊かがみ、キング、ヴィータ、天道総司、 セフィロス、八神はやて(A s)、フェイト・T・ハラオウン(StS)、天上院明日香 コメント トライガンキャラの書鬼。 対主催涙目な展開を好んで書く、このロワきってのドS書き手 -- 名無しさん (2008-09-02 22 17 03) 言わずと知れた殺生丸対ナイブズの人。 ロワ序盤でありながら全く自重しない激戦は、多くの読み手のハートを熱く燃え上がらせた。 -- 名無しさん (2008-09-02 22 56 06) キャラ描写が困難なトライガンキャラを上手く書き上げてくれる書き手さん。 また『アーカード・ザ・パニッシャー』や『ゲッター蒼龍破』などネタにも富んでいる -- 名無しさん (2008-09-10 21 17 25) 名前 コメント
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Amazing Grace(The Chains are Gone)(後編) ◆Qpd0JbP8YI 「おはようございます」 Lはトレーラー内に据え付けられた簡易ベッドの上で横になっていた柊かがみが起きたのに気がつくと、 アレックスに向けたのと同様に朝の挨拶を告げた。 「ああ、おはよう。って、あんただれっ……!」 Lに挨拶を返しながら、身を起こそうとすると、途端に激痛が彼女を襲った。 「っつ~! って、痛い! 待って、本当に痛い!」 痛みに顔を歪めながら、痛む部分に手を宛がおうとするが何故か手が動かない。 不思議に思ってそこに目を向けてみると、手がガムテープで拘束されていた。 それに気がついた瞬間、怒りが彼女の内に湧き起こり、自分を苦しめる痛みを一時にしろ忘れさせた。 「ちょっと、あんた! これは一体何の真似よ!」 かがみは少し離れた所で椅子の上に膝を抱えて座り、のんびりと角砂糖を口にしているLを睨みつけた。 だけどLはそれには動じもせずに、クマの出来た両目でただ黙ってかがみの様子を窺っていた。 Lのその異様な姿に多少怯みはしたものの、生来の勝気さからか、彼女は負けじとLを睨み続けた。 その睨み合いに負けたというわけではないが、しばらくしてLがやっと口を開いた。 「私はLという者です。申し訳ありませんが、こちらで拘束させて頂きました」 「だから何でって訊いてんのよ!」 「あなたが殺し合いに乗っている可能性が高いからです」 「殺し合い? ……一体な……に……をっ!」 は~ん、こいつは一体何を言っているんだ、とかがみが目を細めたが その途中に頭の中にある映像が痛みと共にフラッシュバックした。 それは赤毛の少年が自分を庇って死ぬ姿であり、 桃色の髪をした精悍な女性を自らの手で突き刺した姿であった。 途端に言い知れぬ恐怖が彼女を支配する。 「ここ……? ここはどこよ! 何で私はここにいるのよ!」 「ここはトレーラー内です。あなたが地図でいうF-3で倒れていたところを……」 「そうじゃない! ここは一体どこ!?」 「……ここが正確にどこかというのは私にも分かりません。 私自身も気づかぬ内にプレシアさんにここに連れてこられてしまったので」 「プレシア?」 「一番最初に私たちが集められた場所を覚えていますか? そこで私たちに殺しあえと言っていた中年の女性の名前です」 Lの言葉と共に先程まで忘れていた記憶が沸々と色を付けて蘇ってくる。 だけど、それはあまりにも馴染みがない陰惨な光景だった。 自分はごく平凡な普通な女子高生であり、あんな事とは無関係なはずだ。 だから彼女は声を出して否定する。 「違う! 私じゃない! アレは私じゃない!」 確かな実感をもって刻まれた記憶から逃げるように首を左右に振って彼女は叫ぶ。 このゲームにおいては制限時間があるらしいデモンズスレートの効果は既に消え失せ、今は柊かがみ本来の姿を取り戻していた。 だけどそれは彼女にとって幸福とはなり得なかった。 何故ならデルタギアによって起こした凶行は、心優しい彼女と整合が取れるはずもなかったのだから。 「だって私は! 私は……!」 気がつけば、先程見せていた意思ある瞳も消え、今は焦点が定まらず絶えず揺れ動いていた。 どうやら彼女は錯乱しているようだ。 その結論に達したLはすぐさまかがみに声をかけた。 「落ち着いてください。私の名前はLです。あなたの名前は?」 「……な……まえ?」 「はい。あなたの名前です」 「なま……え……柊……かがみ」 「柊かがみさんですね。あなたは学生ですか?」 「学生……稜桜学園の三年生」 「なるほど。ご家族は?」 「か……ぞく? お父さんにお母さんに……姉のいのり、まつりに……妹のつかさ。家は神社を……」 「普段はどういった生活を?」 「生活? 普段の?」 「はい、そうです」 「朝起きて……妹のつかさと一緒に登校して……休みの日はゲームしたり、ラノベ読んだり、こなた達と遊んだりして……」 段々と言葉に意味が成してきて、彼女の精神も落ち着きを見せてきた。 その事にLは安堵しつつも、かがみの口からこのゲームの参加者名簿に記されていた名前が発せられていたのを聞き逃さなかった。 どうやら柊かがみ自体は普通の学生みたいだが、彼女の知り合いが多く参加させられていることからして 彼女のいた世界もしくは彼女の知人らがプレシアにとって何か意味のあるものだったのかもしれない。 その確認の為にもLは質問を続けていった。 「あなたのお友達の名前を教えていただけませんか?」 「こなたにみゆきに日下部、峰岸。こないだ転校してきた……」 途端に言いよどむかがみ。 それをLが訝しく見つめていると、いきなり彼女は叫び出した。 「そうだ! なのはが! なのはがあんなことを……!」 柊かがみは大切な友人の一人である高町なのはとこの殺し合いの地で無事に出会った。 そしてなのははエリオの死に責任を感じ、自分の生に諦観を感じていたかがみを優しく抱きしめて、彼女の不安や厭世を拭ってくれた。 そこまではいい。だけど、その後、高町なのはどうしたか。 友達であるはずのかがみを他人と切り捨て、彼女の感謝を、想いを侮辱したのだ。 そんな事をするために態々自分を生かしたのだろうか。 かがみが抱いた疑問は地獄のような苦痛をもって彼女を責め立てた。 あの時、なのはがいなければ、自分は死んでいた。 きっと誰にも迷惑をかけずに、誰も殺さずに済んだ……。 そうすればこんなにも苦しむ必要はなかった。 それを………… 「なのはのせいで!」 彼女の理不尽ともいえる怒りはデルタギアによって得た能力を無意識の内に呼び覚ました。 彼女の身体からはその内にあった感情を示すかのように電気が迸る。 その猛るような電撃は彼女を拘束をしていたガムテープを焼きちぎるだけにとどまらず Lの所までに届き、彼を椅子から転げ落とした。 手を床につけながらLは人間が電気を発するという現象を驚きをもって見つめる。 だけど、その見開かれた目を恐怖によるものと取った柊かがみは再び自己嫌悪に陥った。 「ちっ、違う! そんなつもりじゃ……そんな目で私を見ないで!」 自分に怯える人間、自分に向けられる恐怖の眼差し。 自分自身の呵責に苦しむ今の彼女にとって、それは到底耐えられるものではなかった。 そしてその場に居た堪れなくなった彼女は、Lの横を通り抜け、トレーラーの外へ猛然と駆け出していった。 その一連の様子を見届けるのが終わると、Lはゆっくりと立ち上がった。 幸いにも電撃により怪我を負うことのなかったLは、かがみの姿を思い出しながら一人呟いた。 「あれがデルタギアの力ですか。 ユーザーズガイドを読んで知ってはいましたが、やはり実際に目にすると驚きます。 発せられる電気の量も予想外でしたし、警戒が足りなかったのかもしれません。 ……しかしデルタギアによってかがみさんはあのような精神状態に陥ったのでしょうか? ガイドには闘争本能を活性化すると書いてありましたが……どちらにしろ迂闊な使用は避けた方がいいですね。 尤もこんな道具程度で私の意志が揺らぐとも思えませんが」 角砂糖を口にひょいと放り込みながら、かがみが出て行った扉を見つめる。 「なのは……恐らく高町なのはさんの事でしょうが、彼女との関係も気になるところですね。 とはいっても、かがみさんのような人と一緒にいるのは、あまり気の進むことではありません……が、あのままにしとくのは少し後味が悪い。 それに他の参加者の方々に迷惑をかけても何ですし…………」 もう一つ角砂糖を口の中に放り込み、Lは新たなパートナーの名前を呼ぶ。 「メタルゲラスさん」 その瞬間、Lが持っていた手鏡からモンスターが飛び出る。 それは2メートルを超える屈強な肉体をもったサイ型のミラーモンスター、メタルゲラス。 その身体には既に幾つかの戦闘を経験したのか、所々に裂傷が見られた。 「メタルゲラスさん、怪我をしているようですが、大丈夫ですか?」 モンスターは首を大きく縦に振り、いななく。 それを見て無事だと判断すると、Lは言葉を続けていった。 「あなたの前の持ち主である柊かがみさんを覚えていますか? そのかがみさんを捕まえて、私のところに連れてきてください。 まだそう遠くへは行ってないと思いますが、時間がかかるようでしたら、機動六課隊舎に来てください。 私はそこにいます。 あと彼女のことは勿論ですが、他の参加者の方々に攻撃を加えることは許しません。 以上ですが、分かりましたか?」 メタルゲラスは両の拳を胸の前でぶつけながら、何度も頷く。 「そうですか。それではメタルゲラスさん、早速お願いします」 メタルゲラスはLの声を聞き終えると、再び鏡の世界へと戻り、かがみの追跡を開始した。 【1日目 朝】 【現在地 F-3】 【柊かがみ@なの☆すた】 【状態】疲労(小)、肋骨数本骨折、全身打撲、強い自己嫌悪 【装備】なし 【道具】なし 【思考】 基本 ??? 1. 一人になりたい 【備考】 ※なの☆すた第一話からの参戦です ※デルタギアを装着したことにより、電気を放つ能力を得ました ※参加者名簿や地図、デイパッグの中身は一切確認していません ※一部の参加者やそれに関する知識が消されています。ただし、何かのきっかけで思い出すかもしれません ※錯乱に近い状態の為、怪我の痛み、身体の疲労を感じていません ※デルタギアによる凶行に強い後悔を感じています ※高町なのはのせいで自分が辛い目にあっていると思っています ※自分のせいで周りにいる人が傷つくと思っています ※Lが自分に恐怖していると思っています ※第一放送を聞き逃しました 【メタルゲラス@仮面ライダーリリカル龍騎】 【状態】幾つかの裂傷(戦闘には支障ありません) 【装備】なし 【道具】なし 【思考】 基本 猶予時間まではデッキの持ち主の言うことを聞く 1. かがみを連れてLの所に戻る 【備考】 ※Lからゲームの参加者に攻撃を加えるなと命令されています ※猶予時間が過ぎたら、どう動くかは分かりません メタルゲラスへの命令が終わると、Lはついでとばかりに外に出て、もう一体のパートナーに声をかけた。 「ベノスネーカーさん」 その声に反応し、出てきたのは全長10メートルを優に超える巨大なミラーモンスター、ベノスネーカー。 ベノスネーカーはLの前に躍り出ると、威嚇するようにシャーッとけたたましい声を上げた。 「ベノスネーカーさん。このトレーラーを川の向こうに運ぶのを手伝ってくれませんか?」 ベノスネーカーはLの命令を耳にすると、その巨大な顔をLの前に近づけ、 舌をちらつかせながら、猛禽のごとき鋭い目でLを睨んだ。 それと対峙させられるLは別に怯むわけでもなく、相変わらずの猫背のままベノスネーカーを見据えた。 そのまま睨み合いが続くこと数十秒。 やがて何かに納得したのか、ベノスネーカーはLが視線を外し、トレーラーと川を交互に見比べ始めた。 そして唐突にその巨体を川に沈ませ、幅広い背中を崩落した橋の部分に宛がった。 ベノスネーカーの意図を察したLは早速トレーラーのエンジンに火をつけ、 車体をゆっくりと橋とベノスネーカーの上に乗せ、慎重に向こう岸へと進めていった。 「ありがとうございます、ベノスネーカーさん」 危なげながらも、ようやく橋を渡り終えると、Lはベノスネーカーに礼を言いミラーワールドへと還した。 「しかし便利なものですね、ミラーモンスターとは」 トレーラーを運転しながら、Lは一人呟く。 鏡があればどこへにも行けて、その存在は人に知られることはない。 それは犯罪捜査のあらゆる面において、有効に活用出来そうだ。 尤も人間を餌にして活動するという点で、その存在は許されるものではない。 ミラーモンスターと人間とは決して友好的な関係を結べることはないだろう。 そしてそういった問題は、カードデッキを持つ今のLにも投げかけられていた。 だけど、Lはそれに対しては恐怖する事も頭を悩ませることもなかった。 何故なら既に幾つかの対応策を用意していたのだから。 その内の一つはメタルゲラスとベノスネーカーを争わせることだった。 幸いにも2体のミラーモンスターを保持しているのだから、それを利用しない手はない。 これならモンスターの共倒れを狙えるし、どちらかが勝ち残っても、決して万全とは言えない状態。 そこをザフィーラ、アレックスと叩けば、さしたる危険もない。 とは言っても、相手は腹が減ったらデッキの持ち主を襲うという、どちらかと言えば保身に長けた生物だ。 戦わない、共闘してこちらを襲ってくるという可能性もあるだろう。 その場合には幾らか危険性は増すが、一体のミラーモンスターを使って変身。 そうして三人で一体ずつ確実に倒していけばいい。 無論、これらを行うに当たって問題はある。 それはミラーモンスターを利用できる時間までにやらなければならないこと、 その時間までにザフィーラたちが確実に戻ってくるか分からないこと。 要するに時間的な余裕がほとんどないのだ。 一応は本来の猶予時間より2時間早い10時までにとザフィーラに告げたが不安は尽きない。 既にカードデッキが使われて猶予時間が減ってしまった可能性を考えれば当然だ。 最悪の場合には、L一人で2体のミラーモンスターと対峙しなければならなくなる。 尤もそれでもLは悲観したり、動揺したりすることはなかった。 ミラーモンスターはそれなりに力があるらしいが、ちゃんとした弱点もある。 それは鏡のように光を反射する物がなければ、ミラーワールドから決して外に出れないこと。 もし最悪に陥いったとしたら、大人しく鏡のない部屋で2人が帰ってくるのを待ってればいいのだ。 ミラーモンスターの旨はザフィーラにも伝えてある。 自分が外に迎えに行かなければ、自然と何があったかを察してくれるだろう。 そんな事を考えながら、トレーラーで南下していると、 アスファルトに寝そべる女性の姿がLの目に入った。 Lは慌てて手元に置いてあった首輪探知機を確認するが、依然と反応はない。 それによりLは一つの可能性を得るが、だからといって軽率な真似は出来ない。 Lはトレーラーを下り、手鏡を持ち、慎重に倒れている人間の下に歩み寄った。 そしてその身体の節々が溶け落ち、胸に空いた大きな穴を見て、Lはようやく確信する。 この人は死んでいる、と。 死体にあるのはピンク色の長き髪に溶解液に溶かされながらも僅かに残る面影。 それらからLはこの人物はヴォルケンリッターの一人、シグナムと当たりを付けた。 そして彼は辺りを見回し、念の為に首輪探知機で周りに誰もいないことを確認すると、 軍事基地から抜け目なく頂戴してきたサバイバルナイフをバッグから取り出した。 (どうやらあそこでザフィーラさんと別れて正解だったようですね) ギラリと銀色に光るナイフを両手に持ち、それをシグナムだったものにLは宛がう。 「シグナムさん、あなたの死は無駄にはしません」 そしてLはナイフに力を入れていった。 * * 「やはりナイフで首を落とすというのは難しいものですね。 何より不愉快で仕方がない。たまにこんな事をする犯罪者がいますが、気がしれませんね」 手についた血をハンカチで拭いながら、Lはぼやく。 そしてシグナムがつけていた首輪を手にとり、早速検めてみようとするが、 ふと足元にある首の離れたシグナムの死体がLの目に入った。 彼はしばしそれを見つめると、やがて何か思いついたようにトレーラーに戻った。 そして再びLがそこに戻ってきた時には、彼の手にはベッドに使われていたシーツがあった。 「これであなたにしたことが許されるとは思いませんが……」 本音を言えば、シグナムの死体をどこかに隠したいというのがLの気持ちだった。 ザフィーラたちはこんな瓦礫だらけのF-3ではなく、 怪我や疲労した人が逃げ込むような安全と思われる場所を探る確率が高いとはいえ、万が一のこともある。 首を切られたシグナムの死体をみれば、ザフィーラは怒りで激昂することだろう。 そしてそれがLの手によるものだと知られれば、折角築けたザフィーラとの関係も台無しになる。 だけど、Lにはそれが出来なかった。 手間がかかるというのも一つの理由だったが、 何よりもこれ以上シグナムの死を辱めることに抵抗を感じたのだ。 「やれやれ…………私はこんなに感傷的だったでしょうか……」 そう言い、Lはシグナムの上にゆっくりと、丁寧に真っ白なシーツをかぶせていった。 【1日目 朝】 【現在地 F-3 南側】 【L@L change the world after story】 【状態】健康 【装備】カードデッキ(王蛇)@仮面ライダーリリカル龍騎、サバイブ“烈火”のカード@仮面ライダーリリカル龍騎、手鏡@オリジナル 【道具】支給品一式×5、首輪探知機、ランダム支給品1~10個 、ガムテープ@オリジナル、サバイバルナイフ@オリジナル ラウズカード(ハートのJ、Q、K)@魔法少女リリカルなのは マスカレード 、デルタギア一式@魔法少女リリカルなのはマスカレード、 デルタギアケース@魔法少女リリカルなのはマスカレード、シグナムの首輪 【思考】 基本 プレシアの野望を阻止し、ゲームから帰還する。 ゲームに乗った相手は、説得が不可能ならば容赦しない。 1.機動六課隊舎でザフィーラ達を待ちながら、首輪の解析 2.メタルゲラスがかがみを連れてきたら、改めて拘束するなり、落ち着かせるなりして、尋問 3.10時までにザフィーラ達が来たら、ミラーモンスターを倒しにかかる。来なかったら、鏡のない部屋に引きこもる。 4.以上のことが終わったら、船を調べに、その後は駅を調べにいく 5.通信で誰かと連絡がついたら、その人と情報交換、味方であるなら合流 【備考】 ※第三話からの参戦です ※参加者の中には、平行世界から呼び出された者がいる事に気付きました ※盗聴の可能性に気付きました。 また、常時ではないにしろ、監視されている可能性もあると考えています ※クアットロは確実にゲームに乗っていると判断しています ※ザフィーラ以外の守護騎士、チンク、ディエチ、ルーテシア、ゼストは、ゲームに乗っている可能性があると判断しています ※黒の騎士団専用車両にあったのは、黒の騎士団専用トレーラー@コードギアス 反目のスバル でした ※首輪に何かしらの欠陥があると思っています ※アレックスからセフィロスが殺し合いに乗っているという話を聞きました ※ベノスネーカーとメタルゲラスは回復中です。餌を食べれば回復は早まります ※王蛇のカードデッキには、未契約カードがあと一枚入ってます ※王蛇のカードデッキには、サバイブ“烈火”のカードが入ってます 【手鏡@オリジナル】 黒の騎士団専用トレーラーにあった普通の手鏡です 【サバイバルナイフ@オリジナル】 軍事基地で見つけて持ってきた物です。 Back Amazing Grace(The Chains are Gone)(前編) 時系列順で読む Next Deathscythe 投下順で読む Next Deathscythe L Next 変わる運命(前編) ザフィーラ Next 変わる運命(前編) アレックス Next 変わる運命(前編) 柊かがみ Next 変わる運命(前編)
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【オープニング】 No. タイトル 登場人物 000 はじまり、はじまり 鳴海清隆、鳴海歩、竹内理緒、キュゥべえ 【第一回放送までの本編SS】 No. タイトル 登場人物 001 意思持ち支給品は参加者を食わないように気をつけよう 坂田銀時 002 41cm 小早川ゆたか、手塚国光 003 想いは 正しく伝わらない 桐山和雄、津村斗貴子 004 絶望の片翼 ミズシロ火澄 005 The style of Otaku 泉こなた、月島亮史 006 魔法少女リリカルまどか 鹿目まどか、仮面の男、ユーノ・スクライア 007 魔法少女ほむら☆マギカ 暁美ほむら 008 人間失格 菊丸英二、相馬光子、竹田千愛 009 人生は舞台、人は皆役者 不二周助 010 さあ皆さんご一緒にあの台詞を 関口伊万里、夜神月 011 あなたならどうしますか? 坂崎嘉穂、瀬田宗次郎 012 血と死 上弦、柊かがみ 013 〝文学少女〟と恋する幽霊【ゴースト】 天野遠子、雪村舞 014 胸を刺す痛み、届かない想い フェイト・テスタロッサ、李小狼 015 どうしてこうなった(前編)どうしてこうなった(後編) 蝶野攻爵、一之瀬弓子、緋村剣心、琴吹ななせ 016 崖の上の魔女 森下こよみ、越前リョーマ、ツル 017 祈りから始まって、呪いで終わる 美樹さやか、木之本桜、雨苗雪音 018 三者三様考察 沢村史郎、ブルー、三村信史 019 「家探しの話(問題編)」―Life goes on―「家探しの話(解決編)」―Life is Spiral― キノ、鳴海歩 020 黒い天使 カノン・ヒルベルト 021 眼鏡置き機とチャイナ娘 浅月香介、神楽 022 そんな感覚 柊かがみ、柊つかさ、高町亮子 023 偶然の一致 小早川ゆたか、手塚国光、夜神月、関口伊万里 024 なくしたもの 探しにゆこう シズ、レレナ・ツォルドルフ 025 「別に友達じゃねーよ」 佐倉杏子、ゴールド 026 VSキラーレイビー 櫻井流人、シルバー 027 ログの樹海 経験の羅列 坂崎嘉穂、瀬田宗次郎 028 Gun with Wing 志村新八、高町なのは、カノン・ヒルベルト、津村斗貴子、桐山和雄 029 想いが全てを変えていくよ 木之本桜、美樹さやか 030 腹黒いヤツほど笑顔がキレイ 土方十四郎、結崎ひよの 031 これより先怪物領域 巴マミ、L 032 ダヴィッド同盟 七原秋也、アイズ・ラザフォード 033 「侍の国」―White― 志々雄真実、ティー、坂田銀時 034 引きが悪いのは彼女なのか? 岩崎みなみ、レッド 035 ガンバレトリガー 森下こよみ、越前リョーマ 036 魔導師VS吸血鬼 フェイト・テスタロッサ、上弦 037 バトルロワイアルは魔法で満ちている 姉原聡史郎 038 半熟作家と〝腐女子〟な漫画家【ガール】 井上心葉、田村ひより 039 さらばいとしき女(ひと)よ フェイト・テスタロッサ、姉原聡史郎、師匠 040 Open Death Trap ゲーリー・ホアン、武藤カズキ、坂崎嘉穂、瀬田宗次郎 041 二次に本質あり 泉こなた、月島亮史 042 道化(ピエロ)のつぶやき 竹田千愛 043 2つのラプソディー ~serendipity~ 不二周助、七原秋也、アイズ・ラザフォード
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名簿 01 相羽シンヤ 02 赤木しげる 03 朝倉涼子 04 朝比奈みくる 05 阿部高和 06 泉こなた 07 岩崎みなみ 08 風見志郎 09 桂ヒナギク 10 門倉雄大 11 ギャバン 12 キョン 13 キョン子 14 古泉一樹 15 修正したあとすぐ熱血~狂気のKX.Hw4puwg 16 城茂 17 涼宮ハルヒ 18 スバル・ナカジマ 19 ゾフィー 20 高良みゆき 21 滝和也 22 タケシ 23 チンク 24 ドラス 25 長門有希 26 渚カヲル 27 初音ミク 28 柊かがみ 29 柊つかさ 30 マサキ・アンドー 31 マリオ 32 ミオ・サスガ 33 南夏奈 34 南光太郎 35 峰岸あやの 36 八雲紫 37 ユーゼス・ゴッツォ 38 ランキング作成人 39 ルイージ 40 ◆6/WWxs9O1s 40/40 顔写真 ┌┤´д`├┐<カオススギルッテレヴェルジャネーゾ!!
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◆YbPobpq0XY 氏 氏が手がけた作品 043 マリアさんが見られてる 058 全滅エンド直行フラグ立ちまくり 073 帝王と死神 121 君には花を、いつも忘れないように 127 もうメロディに身を任せてしまえ 133 『不死王は星を見た、拳王は月を見た、そして帝王は……』 141 サイアクだあなたは、沈黙したその目にヤラれそう 156 コドクノテイギ 223 深い傷を抱いて、繰り返そう 悲劇が待ってたとしても……! 氏が執筆したキャラ 2回 綾崎ハヤテ、ジョセフ・ジョースター、三村信史、柊かがみ 1回 三千院ナギ、空条承太郎、DIO、吉良吉影、エンリコ・プッチ、ガモン大佐、マリア ケンシロウ、鷲巣巌、愚地独歩、桂ヒナギク、村雨良
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幕張メッセの内部で机の上に立つ女子高生と何人かが彼女を囲むように立っていた。 そう、幕張メッセにて神の軍団は集結していた。保坂と692を除いては。 メンバーが揃っていないことを不満に思ったのかハルヒは文句を言う 「ねぇ、保坂と692がいないんだけど。光秀、アンタは692と一緒だったんじゃないの?」 光秀と呼ばれた大鎌を二つ背負ったロン毛の男が答える。 「一緒だったんですけど、692さんは『6/を殺してから幕張向かう』と言って私と別れました。」 「…まぁいいわ。まだ来ないってことは保坂や692はどっかでくたばってんでしょ。もう放っておきなさい。」 ハルヒは不満げに地団太を始めた。 「あぁ…もうイラつくわ…何だか変な軍隊が邪魔をしてきたし(もう全滅しているが)。それにオルトロス!!テュポーンはまだ来ないの?」 オルトロスと呼ばれたタコが申し訳なさそうに返事をする。 「はぁ…確かに大先生は来ると言ってたんですよ…(遅いなぁ…テュポーン先生)」 そしてハルヒと同じくらいの年齢のツインテールの女子高生がハルヒに質問する。 「どうしますか…?もう、あいつらもここの近くに来てますし…メンバーが足りないとはいえそろそろ動いたほうがいいのでは?」 「そうね…そろそろ動かないとね…ウーロンは囮になって不信者どもをここに追い込んで、それを私達が殺す。それでいいわよね?」 その発言に対し、かがみが意見を言う。 「すみません。私はどうしても殺したい奴がいるんです?私だけ別行動というのはいけませんか?」 「別に構わないわ。この唯一神HALの力があれば誰だってちょちょいのちょいよ!!」 「柊さん。ちょっといいですか?」 光秀がかがみに声をかける 「私も柊さんと同行してもよろしいでしょうか?」 「何でよ?」 光秀はかがみの耳元で小さい声で囁いた。 「退屈は嫌いなんですよ。」 「ふぅんまぁ別にいいけど?」 こうしてかがみと光秀は幕張メッセを出発した。 「さあてウーロンも行ってきなさい。あいつらに見つかったらここに追い込むのよ?」 「わ…わかりましたっ!」 ウーロンは急ぐように、幕張メッセを飛び出した。 「けひゃひゃひゃ♪踊れ…踊れ…神の手の中で踊りなさい愚民どもっ!!」 ハルヒの策略がついに動き出す… 【二日目・3時頃/幕張メッセ外】 【柊かがみ@らき☆すた】 [状態]腐れ外道 [装備]エクスカリバー、その他色々 [道具]色々 [思考] 1、こなたと6/を自分のものにするためならなんでもする 2、明智光秀と行動する 【明智光秀@戦国BASARA】 [状態]変態殺人狂 [装備]大鎌×2 [道具]不明 [思考] 1、殺しを楽しむ 2、柊かがみと行動する 【ウーロン@ドラゴンボール】 [状態]健康 [装備]なし [道具]不明 [思考] 1、こなた達に見つかったら幕張メッセに誘い込む 2、どうしてもピンチになったら『神の軍団』を見捨ててまでも逃げる 【二日目・3時頃/幕張メッセ内部】 【涼宮ハルヒ@ハルヒシリーズ】 [状態]神(笑) [装備]不明 [道具]不明 [思考] 1、こなた達不信者に神罰を与える 2、自分の部下は除いて、参加者と主催者は全員抹殺し、新世界を作る 3、自分こそ唯一神!! ※遊戯と同等のチート力を持ちます ※神人は自由自在に出せるようです 【オルトロス@FFシリーズ】 [状態]健康 [装備]不明 [道具]不明 [思考] 1、ハルヒに従う 2、ウーロンに誘い込まれた参加者を殺す 3、テュポーン先生はやく来ないかなぁ
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本編SS目次(時系列順) 第1回放送(1日目6時)までの本編SS No. タイトル 作者 登場人物 000 OP 開演 ◆KuKioJYHKM 泉こなた、柊かがみ、柊つかさ、高良みゆき、ピエモン、ジェネラルシャドウ、村雨良、愛媛 深夜 No. タイトル 作者 登場人物 001 ロワ参加者として軸がぶれている ◆nkOrxPVn9c 南千秋、ピッピ 002 笑いと歌と二人の決意 ◆KX.Hw4puWg いさじ、笑点のピンク 003 合成獣(キメラ)が哭く夜 ◆B00Kx53zOs アルフォンス・エルリック、でっていう 004 愛しい人のために ◆KuKioJYHKM 素晴らしきフラグビルド、桂言葉 005 忘却の決闘者 ◆0O6axtEvXI 遊城十代、忘却のウッカリデス 006 魔女狩り・再び ◆G/G2J7hV9Y 三村信史 007 アンドロイドvsホムンクルス ◆OGtDqHizUM パピヨン、朝倉涼子 008 やる夫は神(笑)相手に一歩も引かないようです ◆jVERyrq1dU 涼宮ハルヒ、やる夫 009 イノセント~罪を負いしままで~ ◆xrS1C1q/DM ジョセフ・ジョースター、ゴマモン 010 赤木しげるはシゲラナイ ◆EKhCqq9jsg 南春香、赤木しげる(19歳) 011 めぐりあう双星 ◆DiyZPZG5M6 柊かがみ、高町なのは(StS) 012 6/「俺三人とか多くね?」 ◆KX.Hw4puWg 6/(外見かがみ)、柊つかさ 013 CHAOS;ROYAL ◆h6KpN01cDg 6/氏、阿部高和、桂ヒナギク、前原圭一 014 せめて歩ませよ我が外道の道を ◆KuKioJYHKM 黒井ななこ 016 knights ◆UcWYlNNFZY 岩崎みなみ、Dボゥイ 017 愛ゆえに ◆EKhCqq9jsg 真・長門有希、高良みゆき 018 激突!仮面ライダーゼクロスVSテッカマンエビル激突!仮面ライダーゼクロスVSテッカマンエビル(後編) ◆40jGqg6Boc 村雨良、相羽シンヤ 019 ど う す れ ば い い ん だ ◆IAfXeP1LXM 小早川ゆたか、キョン、ルイズ 020 魔王アナゴに死ぬほど騒がれて眠れないCD ◆OGtDqHizUM アナゴ、6/氏(神) 021 反逆者は動き、冒険家は静観する ◆KuKioJYHKM 静かなる~Chain-情~、ロアルド・アムンゼン(その3) 022 烈火の爪(れっかのそう) ◆G/G2J7hV9Y シグナム、アナゴ 023 『笑☆点』 ◆nkOrxPVn9c いさじ、村雨良、笑点のピンク 024 パロロワ大戦3~主催側の決意~ ◆KX.Hw4puWg 武藤遊戯、前原圭一(ニコ) 026 鳥獣闘劇戯画 ◆B00Kx53zOs 衝撃のアルベルト、竜、かえる 027 救いを求めるその相手 ◆0O6axtEvXI フェイト・T・ハラオウン(StS)、熱血王子 028 その少女、ゼロのリスタート ◆BOMB.pP2l. 結城奈緒 030 夜天の天使、飛び立つ ◆0O6axtEvXI セフィロス 032 四度目のスタートライン ◆KuKioJYHKM 川田章吾 033 やろうぜ、バトルロワイアル!~らき☆ロワ編~ ◆h6KpN01cDg ランキング作成人、ラッド・ルッソ 黎明 No. タイトル 作者 登場人物 015 既知との遭遇 ◆BOMB.pP2l. 地球破壊爆弾No.V-7、泉こなた 025 パロロワクロスマッチ!真・驚きの黒さVS魔女かがみん(代理戦争編) ◆jVERyrq1dU 園崎魅音、三村信史 029 空を見上げる少女達の瞳に映る世界 ◆nkOrxPVn9c 地球破壊爆弾No.V-7、泉こなた、6/氏、桂言葉 031 チートと神域と時々古代 ◆LcLEW3UbhI 武藤遊戯、赤木しげる(13歳) 034 おまえら人間じゃねぇ!(読者視点) ◆nkOrxPVn9c 相羽シンヤ、園崎魅音 035 変種第二号 ◆BOMB.pP2l. 黒井ななこ、キョン、小早川ゆたか、クールなロリスキー 036 パラレルワールドって怖くね? ◆OGtDqHizUM スバル・ナカジマ、アルフォンス・エルリック、シグナム、アナゴ、でっていう 037 「狂気の沙汰ほどおもしろい…ッ!」 ◆75Ilw0PY2s 南春香、赤木しげる(19歳) 038 変態に縁のある女変態に縁のある女(後編) ◆jVERyrq1dU 桂ヒナギク、阿部高和、前原圭一(やる夫) 039 まあ、どうせここヘンタイさんばっかだし。 ◆G/G2J7hV9Y 小早川ゆたか、クールなロリスキー、いさじ、村雨良 040 Advent:One-Winged Angel Advent:One-Winged Angel(後編) ◆9L.gxDzakI 柊かがみ、高町なのは(StS)、セフィロス 041 人間賛歌 ◆LcLEW3UbhI ジョセフ・ジョースター、竜 042 純白サンクチュアリィ ◆OGtDqHizUM 岩崎みなみ、Dボゥイ、真・長門有希 043 作成人のパーフェクト?メタ考察教室 ◆KuKioJYHKM ランキング作成人 045 切り札はキミの中 ◆nkOrxPVn9c 南春香、赤木しげる(19歳) 046 どこまでも続く罪のという名のフラグ ◆0O6axtEvXI 三村信史、クールなロリスキー 047 たった一つの強がり抱いて ◆BOMB.pP2l. 素晴らしきフラグビルド 048 小早川ゆたかの遺言 ◆vUo//O.X1M 小早川ゆたか、セフィロス 051 今、会いに行き…ます? ◆KX.Hw4puWg クールなロリスキー、いさじ、村雨良 061 神は神と出会い、神の武器を持つ ◆KX.Hw4puWg 涼宮ハルヒ、やる夫、6/氏(神) 067 彼女のフラグ取捨選択 ◆UcWYlNNFZY 素晴らしきフラグビルド、フェイト・T・ハラオウン 早朝 No. タイトル 作者 登場人物 044 ぶっちぎりバトルヴァンパイアーズ ◆DiyZPZG5M6 地球破壊爆弾No.V-7、泉こなた、6/氏、桂言葉 049 リバーワールド ◆BOMB.pP2l. Dボゥイ、岩崎みなみ、かえる 050 シスターバルサミコス ◆nkOrxPVn9c 6/(外見かがみ)、柊つかさ 052 隠し砦の三狂人 ◆OGtDqHizUM 赤木しげる(13歳)、ロアルド・アムンゼン(その3) 053 毒をもって毒を制す ◆KuKioJYHKM 遊城十代、忘却のウッカリデス、小早川ゆたか 054 衰弱と不満 ◆LcLEW3UbhI ゴマモン、ラッド・ルッソ 055 K-パックス ◆BOMB.pP2l. 柊かがみ、高町なのは、前原圭一(やる夫) 056 狂人にも五分の理(ことわり) ◆G/G2J7hV9Y 桂言葉 057 Double-Action Rascal formDouble-Action Rascal form(後編) ◆nkOrxPVn9c スバル・ナカジマ、アルフォンス・エルリック、シグナム、アナゴ、でっていう 058 男の戦い ◆OGtDqHizUM 南千秋、ピッピ、川田章吾 059 GHOST IN THE SHELL ◆BOMB.pP2l. 朝倉涼子 060 誰かが死ぬのが怖いのか? ◆BOMB.pP2l. 園崎魅音、6/氏(外見かがみ)、柊つかさ、相羽シンヤ、ラッド・ルッソ 062 憂鬱アンドロイド ◆BOMB.pP2l. 真・長門有希、南千秋、ピッピ、川田章吾、静かなる~Chain-情~、ランキング作成人 063 プレデター ◆BOMB.pP2l. 阿部高和 064 二人がここにいる不思議 ◆BOMB.pP2l. 衝撃のアルベルト 065 彼 ら の 行 方 ◆OGtDqHizUM 小早川ゆたか、パピヨン、三村信史 066 ピンク色の誓い・らきロワ編 ◆G/G2J7hV9Y 熱血王子、笑点のピンク 068 涼宮ハルヒの雌伏 ◆DiyZPZG5M6 涼宮ハルヒ 069 ネクストらき☆ロワヒント「窓からの視線」 ◆KX.Hw4puWg 泉こなた、地球破壊爆弾No.V-7、6/氏、結城奈緒 070 1984年 ◆BOMB.pP2l. 6/氏(神)、やる夫、ジョセフ・ジョースター 071 集結するカオス ◆LcLEW3UbhI 真・長門有希、南千秋、赤木しげる(13歳)、武藤遊戯、ロアルド・アムンゼン(その3) 072 いいぞがんばれ!ドラゴンズ! 燃えよドラゴンズ!! ◆jVERyrq1dU 竜、でっていう 073 ここにいるのは―― ◆BOMB.pP2l. クールなロリスキー、いさじ、村雨良、黒井ななこ 074 Welcome to this crazy Time ◆EKhCqq9jsg 赤木しげる(19歳)、南春香、素晴らしきフラグビルド、フェイト・T・ハラオウン 075 湖につつまれて ◆G/G2J7hV9Y かえる、ゴマモン 076 夢のかけら ◆nkOrxPVn9c 赤木しげる(19歳)、南春香、素晴らしきフラグビルド、フェイト・T・ハラオウン 第1回放送 No. タイトル 作者 登場人物 077 第一回定時放送 ◆nkOrxPVn9c ピエモン、ジェネラルシャドウ
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「最近さー、やたらとダルいくない?」 「ゲームのし過ぎじゃないの?」 コチコチ・・・リビングにある時計は19時を刻む。どんな時でも、同じペースで時を刻む。 それなのに、最近、時間が早く過ぎる気になるのは何故だろう? 「違うよー。ダルいからゲームに走っちゃうんだよね。」 「あー、分かるかもそれ。私もやる気出ない時はつい勉強よりラノベに夢中になっちゃうわね。」 「でしょー?桜藤祭の準備で疲れてるからかな・・・あ、チキンカレーできたよ!」 お腹減ったなー。今日はあんたの当番だよね?あんたのチキンカレー、食べたいな。 そんな会話をしたのが30分前。あっという間に夕飯の出来上がり。 「美味しそうね!いただきまーす!」 「オカワリあるからね。食欲旺盛なかがみんの為に愛を込めて沢山作ってみました。」 「ば、ばか!気持ち悪いこというなっ!」 「うぅ・・・私の愛はかがみに届かないのか・・・」 本当にあっという間。春、夏、そして初めての秋。毎日が楽しくて、何を思い出にしたら良いか分からないくらい。 私の時計は狂っている。それに伯爵をかける友達。特に不思議な同居人。氷がとけた同居人。 「愛かどうかは分からないけど、凄くおいしわよ。はやくこなたも食べたら?」 「ひとえに愛だよ。んじゃいただきまーす!」 「ったく・・・」 恥ずかしげもなく愛だとか騒ぐ同居人。こいつのせいで私の時計はリビングの時計よりも早く回る。でも、それが心地いい。 同居人、妹、隣のクラスの学級委員。そこにある確かな私の居場所。そこは時間の歪み。幸せの、在処。 「あ、そういえばこなた達のクラスは桜藤祭何やるの?今週だからもう準備出来てるんでしょ?」 「んー?・・・禁則事項です。」 「・・・要は本番のお楽しみって事か?」 「びっくりするから楽しみにしててよ!つかさとみゆきさんもすごいから!」 「分かったわよ。楽しみにしてるわ。」 早く刻め。私の時計。そんな事を考えながら食べるチキンカレーはとても美味しかった。 ‐‐‐‐ 「えへへ。似合うかな?」 「とても恥ずかしいのですが・・・記念だと思えばいいものですね。」 「二人とも似合ってるよ!これを着たからにはご主人様に奉仕しないとね!」 「あのさ、一緒にいて恥ずかしいのだが・・・」 賑わう陵桜。私の通った中学でも文化祭はとても賑やかだった。でも、その比じゃない。 色々な格好をした生徒。クラスのコスチュームで色めく廊下。でも、私の隣にいる3人は郡を抜いて目立っている。 「でも可愛いでしょー?ホントのメイドさんになったみたい!」 「あんたね・・・ていうか提案したのこなただろ?」 「いいえ。クラスの男性の方々が是非、と言って引き下がらなかったので・・・」 「独断と偏見はいけないよ、ご主人様。」 「誰がご主人様だ?」 パシャ。私達が他愛無い話をしながら歩いていると横からシャッター音。 音源を見るとそこにいたのは中年の男性だった。これが俗に言う犯罪者予備軍なのか? 「すみませーん。もう1枚いいですか?」 私達が返事をする前に、シャッター音がなる。呆然とするしかなかった私達を余所に中年の男は、3枚、4枚とどんどん写真を撮ってゆく。 「もうちょっと笑ってね!はい、もう1枚!ピースでもしてみようか?」 「ちょ、ちょっと!勝手に撮るなっ!」 私ははっ、と我に返って慌てて男性に抗議した。 その時、深い青色の髪が目につく。そしてふと目があう。とても、優しい目をしていた。 「君は・・・もしや噂のツンデレ少女かい?はいチーズ!」 「はぁ!?」 ワケが分からないうちにまた1枚。なんだろう?この感覚。どこかで味わったことがある。 「あ、いいね、その表情。流石、俺の娘が目をつけただけの事はあるね。」 暖簾に腕押し。柳に風。掴み所がない。 「ちょっと!こなた、つかさ、みゆき!あんた達も何かいいなさいよっ!」 未だ呆然としている3人に助け船を求める。私一人では無理です。 するとこなたが、はぁっとため息をつきながら男に向かって声を発した。 「そろそろ自重しなさい、お父さん。」 オトウサン?思考回路がショートしたような、気がした。 ‐‐‐‐ 「す、すみませんっ!こなたのお父さんだとは知らずに・・・」 「あはは。ごめんは俺の方だよ。今日は娘がコスプレすると聞いててね。」 「ったく・・・皆困ってたよ。皆、これ、ウチのお父さんだよ。お父さん、クラスメイトのつかさとみゆきさん。あと、同居人、噂のツンデレ。」 「柊つかさです。」 「高良みゆきです。」 「・・・誰がツンデレだ。柊かがみです。」 「どーも、こんにちは。」 柔らかい雰囲気。笑顔がまだあどけない。なんだか不思議。 「全く・・・お父さん一歩間違ったら捕まるよ?」 「何を!?オレはこなた達の発育、もとい成長を見届けるためにだな・・」 ・・・やっぱり、こなたのお父さんだ。雰囲気云々より、言動がこなたの強化版。これだけで判断できる。 「気をつけてね、お父さん・・・かがみみたいなじゃじゃ馬がいるからね。通報されないように。」 「ちょっと待て!じゃじゃ馬は百歩譲ってつっこまんが、他に言うことがあるだろ!?」 「ふむ・・・お父さん、これが私の嫁です。」 「違うだろ!?」 「そうなのかこなた!?いやー、オレもついにお義父さんと呼ばれるのか・・・それも萌えるなぁ。」 な、なんなんだこの親子。この子にしてこの親ありだな、泉家。ため息が出てしまう。 でも相変わらず、嫌という感情はない。居心地はマル。難点はちょっと疲れるだけ。 「あ、泉さん、つかささん、そろそろ・・・」 「あー、私達の番かな?じゃお姉ちゃんちょっと行ってくるね。」 「お父さん、自重してね。かがみん、淋しくなっても泣かないんだよ?」 「誰が泣くかっ!あ、それより、あんた、ダルそうよ?大丈夫?」 先週から、ずっと引かないダルさ。余計な心配をしてしまう。 「んー大丈夫。なんとかなるさ。」 「無理しない事。」 「ふぇーい。」 いつものこなた。どこも変わらないのに、心配しちゃう私。よっぽど、友達にゾッコンなのか? 「柊かがみちゃん、だよね?」 「え、あ、はい?」 意外な声が私の名を呼ぶ。後ろにいた、こなたのお父さんだった。 「さっきはごめんね。今、少し時間あるかな?」 ‐‐‐‐ カチコチ・・・時計はゆっくり時を刻む。ベッドに横たわる私の枕元にある時計の音。もう少しで日付が変わる。 それでもまだ昼間の喧騒、熱気は私の中で続いている。初めての桜藤祭。皆で歩いた。皆で遊んだ。新たな思い出が私に刻まれる。 「楽しかったな・・・」 自然と頬が緩む。だからまだ熱が引かない。炎が燻っているような感覚だ。 それと、原因がもう1つ。 『こなたが近況報告する時、いつも楽しそうに、君達の事を話すんだ。』 こなたのお父さんの言葉が反芻される。 『特にかがみちゃん、君の話をよく聞く。ツンデレだとか、お節介だ、いつも怒られている、とかね。』 悪いトコ、だらけ。可愛くないな私。素直になれないんだから、仕方ないじゃない。でも、こなたは。 『愚痴みたいに、俺に話すけど、こなたはかがみちゃんとの同居を心から喜んでいるよ。』 私が、こなたにお節介して、こなたを怒って、それで喜んでいる? 『・・・こなたは、誰かに怒られたり、世話を焼かれたりって事を知らないまま育ってしまった。』 この時のおじさんの顔はどこか影があるようで。私はこの言葉の意味を半分しか理解できなかった。 『だから、かがみちゃんのような友達を作って、普通を味わって、こなたは変わった。ありがとう、かがみちゃん。』 普通?変わった?疑問はまだ残る。斑のように存在する謎。でも確かに分かる事がある。 私は、喜んでいるんだ。おじさんの言葉が、まだ響いているのは、私が意識しているから。心から喜んでいるから。 『こなたは甘えるのが苦手だったり、とっつきにくかったり、臆病なとこがある。普通の女子高生とはちょっと違うかもしれない。』 思い当たる節はある。それでも、臆病でも、私達に心を開いてくれたのは 『でも、これからも同居人として、友達として、仲良くしてやってくれないかな?』 私達が友達だから。少し変だって、普通とはちょっとズレていたって、それは変わらない。 『ありがとう、かがみちゃん。』 「あいつ・・・まだ起きてるかな?」 昼間もダルそうにしてたっけ。よし、かがみ様お手製の温かいココアでも作ってあげよう。大切な友達へ。 ‐‐‐‐ 光が漏れるこなたの部屋。コンコン、とノック。けれど返事がない。 「こなた。入るわよ?」 ドアを開けて目に映った光景。机に突っ伏しているこなた。 「こなた!?どうしたの?大丈夫?」 「・・・かがみ。いや、ちょっと、ダルい、だけ。」 「あんた・・・熱あるわよ!?」 「いや、大丈夫。心配、しないで・・・」 普通とは異なる、たどたどしい言葉使い。いつものエメラルドに光が宿っていないように見える。 「・・・いつから?」 「・・・たぶん、1週間前の、チキン、カレー、作った時、から。」 「バカ!なんでもっと早く言わないのよ!?」 こなたの小さな体躯をベッドに運ぶ。心なしか、いつもより軽く、熱く。 「・・・ったから・・・」 「え?」 「・・・かがみに、迷惑、かけたく、なかった、から・・・」 胸に突き刺さる朿。何でこんなに?夏の時も、今も。何でこんなに、嫌われないようにするのだろう? 何でこんなに、甘えないのだろう?何でこんなに、私を信じてくれないのだろう? 「バカ、バカ、バカ、バカ、バカ!こなたのバカ!」 「うん・・・風邪、引いちゃって、迷惑、かけて、ごめんね、かがみ。」 「・・・まだ分かってない・・・」 「え?」 こなたをベッドに寝せ、私が作った、こなたの為に作った、甘すぎるココアを、こなたに差し出す。 「これ何だか分かる?」 「・・・ココア。」 「甘過ぎココア。あんたの為に作ったのよ!?言っている意味分かる?」 「・・・」 「迷惑だなんて思わない。だから、もっと甘えなさいよ!もっと迷惑かけなさいよ!・・・もっと信じなさいよ。」 「・・・うん。」 「私達、親友でしょ。」 「・・・うん。」 「分かったら、罰としてこの甘過ぎココア飲みなさい。今風邪薬持ってくるから。」 そう言って、部屋を出ようとした。すると、不意に感じる力。こなたが、私の手を握っていた。 「・・・甘えていい?」 「うん。」 「・・・薬より、傍にいて・・・寝るまで、傍にいて、かがみん。」 「・・・もちろん。」 手に感じるこなたの温度。私より熱い。この熱さが、私の想いを加速させる。 ふと、目があった。エメラルドには光があった。私は惹かれる。 大切に、しよう。もっと信じてもらえるように、もっと迷惑かけてもらえるように。大切な親友だから。 ‐‐‐‐ 6話 絆の作り方へ続く コメントフォーム 名前 コメント (≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-01-04 16 34 41)
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『こなかが1/2 第1-A話「3月20~28日 柊かがみの9日間」』 3月20日、終業式もとうに終わった夕方、私はとても上機嫌だった。 それは別に明日から春休みだーなどといった開放感でも、成績表に書いてある数字が非常によかったという理由ではない。 私が上機嫌の理由。それはこなたが私に接するときの態度。 友情などではない、なんともいえない気持ち。それをこなたから感じるようになった。 最初は私の気のせいかと思った。だけど、それでも私はよかった。 今までそんな気のせいすらも、こなたから感じることはなかったのだから。 嬉しかった。もしかしたら想いが通じるかもしれない。そう思うだけで心が躍った。 私はこなたの事が好き。もちろん友情としてではなく、恋愛感情としての好き。 今でもこの感情に悩むこともあるけれど、それでもこなたの事が好きだった。 私の駄目なところ、弱いところも全部受け入れてくれるこなた。 そんなこなたに、私は強く惹かれてしまったのだ。 こなた風に言うなら、フラグでも立てられちゃったのよ、きっと。 だけど、私がどんなに想っていたとしても現実は厳しい。 こなたが同性である私に友情以上のものをもつはずが無い。ありえない。そんなことは分かりきった事だ。 ならこの想いは隠したままにして、親友としてずっと傍にいよう。 そしてこなたのことはずっと好きでいよう。友情ではなく、恋愛感情として。 最近ではそんな諦めの気持ちも持ちつつもあった。 けど、昨日でそれはありえなくなくなった。0%の可能性に、小さな小さな1が足された。 本当に本当に小さな数字。それでも構わなかった。だって、可能性が出来たんだ。 それがどんなに素晴らしい事か! ――――春休みはきっと楽しくなる。 そうだ。きっとそうに違いない。もしかしたらこなたに告白なんかされるかもしれない。 それで両思いになって、デートなんかもしたりして。うわっ、そうしたらなに着ていこうかな? 学校が始まってもクラスが一緒になって、一緒に行事に参加したり、勉強したり…… 馬鹿な妄想だと思う。だけど、そんな妄想すらこのときは楽しかった。 ―――――――――――――― 3月24日、私とこなた、それにつかさとみゆきの4人でお花見に出かけることにした。 発案者は私。昨日このあたりの桜が満開と言っていたので、是非見たくなってしまったのだ。 用事があって一人出かけていた私は、少し早めに待ち合わせ場所にたどり着いた。 周りを見渡してみたけど、当然のことながら、まだ誰も来ていない。 「それもそうよね、まだ30分前だし。」 私は近くにあるベンチに腰を下ろした。そして私は今日買ってきた赤本を鞄から取り出してページをめくった。 赤本を買う。これが今日の用事の内容だ。つかさも誘ったのだけど、徐に断られた。 つかさは専門学校にするか、大学にするかでまだ迷ってるみたいだから、それも仕方がないか。 そう言えば、こなたとみゆきは進路とかどうするのかな?……特にこなたが。 みゆきの志望学部は医学部だと聞いた。医学部は理系だから、今文系を選択しているみゆきにはきっと大変だろう。 二年の時に理系を選んでおけばよかったのに。 なんて思ったりもするけれど、それはみんなと一緒にいたくて文系を選んだ私に言えた義理はないだろう。 こなたは……きっとなんにも決めてないな。まったく、志望学科ぐらい決めておかないと勉強できないぞ。 そんなことを一通り考えつくして、さあ、読もうかと思ったその時、 「おお、かがみ~。」 ありえない声が遠くから聞こえた。おかしい、この時間にこいつがいるはずがないのに。 あいつは最後の最後。みんなが痺れを切らしたその時に、ようやくやってくるはずだ。 でも、やっぱりこなただった。こなたが手を振りながら、おもむろに近づいてくる。 「遅刻魔のあんたがどういう風の吹き回し?」 「失礼だな、かがみは。私だって早く来ることぐらいあるよ。」 こなたはそう言って、私の横に腰を下ろした。 いつもより、ほんの少しだけ互いの距離が近いような気がした。 もう少し近ければ肩が触れ合うんだけどなぁ。ちょっと残念だ。 「かがみ、なにそれ?」 こなたがそう言って赤本を指差した。 「ああ、赤本よ。志望校は決まってないから、有名な奴を適当に選んだんだけど。」 「赤本ってなに?」 こなたさん、それが今年の受験生の台詞ですか? 先ほどの想像はどうやら当たっていたらしい。こいつは受験生の自覚ゼロだ。 「ん~そうね、簡単に言うと大学専用問題集って感じかしら?」 「ふ~ん。かがみはもうそんなのやってるんだ。」 「…ちょっと買ってみただけよ。」 本当にちょっと買ってみただけだ。 私達がこれからどんな試験を受けるのか、そして試験の問題がどんなに大変か、少しでいいから知っておきたかった。 その程度の気楽な理由だ。 それに赤本っていったら受験生の必須アイテムに近いし。 「でもやってみるんでしょ?問題。」 「うん、もったいないし。」 こういったことに絡んでくるなんて、こなたにしては珍しいことだった。 こなたは興味のないことには、あんまり絡んでこないんだけど。 あんなにラノベをお勧めしてるのに、まったく読んでくれないしね …なにか思うところでもあったのだろうか? 「ねえ、かがみ。」 「なによ。」 「おいてかないでね。」 こなたが私の顔を覗きながらそういった。 私達の距離はいつの間にか片腕がくっつくほどに近くなっていた。 服越しからこなたの体温がほのかに伝わってくる。 私を見つめるこなたの瞳はとても儚げで、それだけで心臓がドキドキした。 叶うのなら、抱きしめたい。そう思うほどだった。 「何心配してるか知らないけど、私がこなたをおいていくわけないでしょ。」 そんな私の気持ちがばれないように、いつも通りの口調で言った。 「うん、そうだね。」 こなたは私だけを見つめたまま、小さくうなずた。 ―――――これってもしかしていい雰囲気? だって、こなたのこの視線。絶対に友達感覚で出せるものじゃない。こなたをずっと見てきた私が言うんだ。間違いないわ。 ……あれ?これってもしかして、チャンス? 今なら私の想いを口にしてもいいんじゃない? というか、これ以上のチャンスなんて今まで一度もなかったじゃない。 そうだ、言え、言うのよ!! 「こなた……」 ドクン、ドクンと心臓の音がはっきりと聞こえた。その音の感覚が、だんだんと早くなる。 「私、あんたのことが……」 「あら、泉さんとかがみさん。お早いですね。」 ほら、ラブコメとかでよくあるじゃない。いざ告白って時に誰かやってきたり、電話が鳴ったり。 私はそれって絶対にありえないって思ってた。だけど、残念ながらそのお約束に私も加わってしまったようで。 ああ……もしかしてタイムリミット? 漫画的表現なら、私はきっと滝のような涙を流しているだろう。 そんな気持ちも露知らず(いや、知って欲しくないけど)、みゆきが私達のほうへ近づいてきた。 「やふ~、みゆきさん!2年ぶりくらい?!」 先ほどの空気は何処へやら。 ベンチから立ち上がり、みゆきの方へ向かうこなた。 「もっと遅く来てくれればよかったのに。」 二人に聞こえないように、小さく小さく呟いた。 ああ、今はみゆきのこの性格が憎いわ…… 「それでも……」 私が感じていたこなたからの気持ち。やっぱり私が感じている通りなんじゃないかしら。 だとしたら、うれしいなんてもんじゃない。 想いが伝わる可能性。胸の中で私はそれを大きく大きく増加させた。ざっと20%くらいは増えたかしら。 うん、0%の頃に比べると大きな進歩だ。 そんなことを考えながら、私はみゆきとこなたの方へ向かう。 こなたに触れていた片腕からは、まだこなたの温もりを感じた。 ―――――――――――――― その夜、私は久しぶりに読書にいそしんでいた。 難しい本だったので敬遠していたのだが、今日はやけに内容が分かった。 やっぱり、気分によって理解度が違うのかな? 「おねえちゃん、お父さんとお母さんが呼んでるよ。」 ノックの音とつかさの声が聞こえた。 「んー。ありがと、つかさ。」 はて、わざわざ呼び出されるとは、何かしでかしたかな? 顎に手を当てて考えてみる。 学業・・・通知表は比較的良かったはず。 生活態度・・・今日の帰りはちょっと遅かったけど、連絡入れていたので問題なし。 金銭関連・・・おこずかいは必要以上にもらってはいない。 進路・・・もうすでに学部は説明済み。 考えられる節が見当たらなかった。せいぜい進路くらいかな。 「まあ、とりあえず行くか。」 階段を下りて居間に行くと、テーブルの前でお父さんとお母さんが座っていた。 「ああ、かがみ。とりあえず座りなさい。」 「はい。」 言われたとおり、私はお父さん達の前に座る。 「驚かないで聞いて欲しい。」 驚かないでって、それこれから驚く事を話すって言ってるようなものじゃない。 「なによ、お父さん。かしこまっちゃって。」 「うん、実はね。かがみは許婚がいるんだよ。」 私の周りの空気が………凍った。 「えっ?なに?よく聞こえなかった。」 気のせいだから。今聞こえた事は、私の聞き間違いだから。 だって、このご時勢に『許婚』だ。一体何時の時代よ!時代錯誤にもほどがある。 「うん、だからかがみには許婚がいるんだよ。それで、4日後に会うことになったんだ。」 お父さんは冗談を言う人じゃない。それにお母さんまで隣に座ってる。 だとしたら、これはきっと本当のことなんだろう?今日はエイプリルフールじゃないし。 ああ、人間本当に驚くと声も出せなくなるんだ。 驚きと、ショックで体が震える。 「あ、相手は誰?」 「かがみが絶対喜ぶ人よ。」 そういったのはお母さん。その笑顔から、どうやら本当に私が喜ぶと思っているらしい。 「だから、その喜ぶ人って誰なのよ!」 「ごめんね、かがみ。言えないのよ。」 「言えないって……」 そんな馬鹿な話があるだろうか?仮にも将来の結構相手なのに。 「それじゃあ、なんで今日まで教えてくれなかったの!?こういうのってずっと前から決まってたんでしょ!」 「すまないね、かがみ。この理由も、先方との約束で言えないんだ。」 「じゃあ、なんで私なのよ!いのり姉さんやまつり姉さん、それにつかさだっているじゃない!!」 「それも言えないのよ。」 「また先方の理由?!その先方って一体誰よ?!」 「すまないが、それも言えないんだ。」 この後一時間以上話し続けたけど、終始こんな感じだった。 私に知らされた事、それは『私に許婚がいると言う事』、『3月28日にその人に会いに行くという事』。 この二つだけだった。 そして最後に、お父さんはもう一度言った。 「かがみには許婚がいるんだよ。」 納得なんかできるはずがなかった。 ―――――許婚がいる その事実だけが私に深く深く突き刺さった。 ―――――――――――――― 部屋に戻った私が最初にしたことは、ベットに倒れこんで、そして声を殺して泣くことだった。 さっきまでは怒りの感情の方が強かった。勝手に許婚なんてものを結ばされた怒り。 でも怒りながらも私は思っていたのだろう。どんなに怒っても、嫌がってもこの決定からは逃げられないんだって。 せっかく可能性が出来たのに…… 今日のこなたのことを思い出す。 ようやくこなたと想いが通じるかもしれないのに…… そう思うと、悔しくて悲しくて涙が止まらなかった。 そして散々泣いた後、ふと携帯電話が目に映った。 ―――――そうだ、こなたに電話…… 私は携帯電話を手に取り、こなたの電話番号を選択し、そして… 「馬鹿……できるわけないじゃない……」 そこで私の行為は止まった。 こなたに電話して、一体何を話せばいいのか。 『私に許婚がいた』って素直に言うのか。 ……言えるはずがなかった。いつかはばれる。 でもそれでも、今は言いたくなかった。 私は携帯電話を閉じると、適当に投げ捨てた。するとまた涙が止め処なく溢れてきた。 「こなた!こなたぁ~!!」 こなたの名前を言いながら、見得も外聞なく私は泣き続けた。 泣いて泣いて泣きつくして、そしてそのまま眠ってしまった。 それから昨日までのことは良く覚えていない。 私のことだから、きっと勉強をしたり、本でも読んでいたのだろう。 つかさが何か言っていたような気がしたけど、そんなことはどうでもよかった。 ああ、でもこなたに毎日電話をかけたのは覚えてる。 ただ、ほんの少し声が聞きたかっただけ。 結局、一度も電話に出てくれなかったけど。 ―――――――――――――― そして今日3月28日、こうして件の許婚に会いに来ていた。 場所はちょっと有名な料亭で、テレビのお見合いのシーンとかに出てきそうな場所だった。 その店の廊下を、私達はゆっくり歩いていく。いつもと服装が違うせいか、妙に歩きづらかった。 私の服装は洋服じゃなくて着物。着物なんて着るのは成人式の時かななんて思っていたのに。 髪型もいつものツインテールではなく、そのまま髪を下ろしただけのものだった。 ああ、もうそんなことどうでもいいや。 「ああ、この部屋だ。」 お父さんが突き当たりの部屋を指差した。 部屋の前まで来ると、お母さんが襖を少し開いた。よく分からないけど、中の様子を確認しているようだった。 「どうやらもういるみたい。先に入ってお話でもしてて。お母さん達は先方と話をしてくるから。」 「それじゃあ、頼んだよ。」 お母さん達はそう言うと、襖を閉めて奥の方へと歩いていった。きっと奥にもうひとつ部屋があるんだろう。 そうして、廊下に私だけが一人取り残された。 私は目の前の襖を見つめた。この奥に私の許婚がいる。 そう思うと気が滅入った。 こういう時って普通ドキドキするんじゃないかしら?…なんて醒めた考えがよぎる。 入ろう。何時までもここにいても、どうなるわけでもない。 私は思い切って襖を開いた。 部屋の中は思ったよりも狭かった。 ししおどしが外にあるのだろう。コーン...という音が時折聞こえてくる。 そんな旅館のような床の間付作りの和室に、比較的大きなテーブルが真ん中を陣取っていた。 その床の間の側、着物を着た人が一人、顔を下に向けて小さく座っていた。 そして震えて……いや、声を殺して泣いているようだった。 この人も、本当は嫌なんだな。ちょっとだけ、この人に親近感が沸いた。 でも…… ―――――この人が許婚なんだ。 そう思うと、途端に相手の事はどうでもよくなる。 ああ、何もなかったら、この人と結婚するんだ。それで子供を産んで、年をとって…… そんなの嫌だった。 目を背けたくなった。私の方が泣きたくなった。 諦めたはずなのに、どうしてもこなたの顔が頭に浮かぶ。 助けてよ……こなた…… 今から急いで逃げ帰ろうか? それでこなたに会うんだ。こなたなら事情を話せば分かってくれる。助けてくれる。私を受け入れてくれる。 そうよ、こなただったら! そこまで思って、ようやく私は我に帰った。 できるわけがないじゃない。逃げ帰ったって『許婚がいる』っていう事実は残るんだ。 それにお父さん達にだって迷惑がかかる。 そんなこと、とっくにわかってたはずなのに…… 「諦めろ、かがみ。」 目を瞑って、心の中でそう呟いた。そうだ、もうどうしようもないことなんだ。 世の中には自分の意思ではどうしようもなことがあって…… それが私にとってはこれだった。ただそれだけのことじゃない。 こなたのことだって、結局結ばれない運命だったんだ。今までだって、全然気が付いてくれなかったし… 諦観の気持ちが広がったからか、もうどうでもよくなったからか、少しだけ楽な気分になる。 私は瞑った目を開き、そしてゆっくりと床の間の向かい側の席に座った。 そしてゆっくりと、目の前の人物を見渡した。 髪の色は蒼色、そして頭の天辺には癖毛があった。 座っている背格好からして、その人は本当に小さくて、中学生……いや、下手すれば小学生にも見えた。 まるでこなたのようだった。 よりにもよって、なんでこなたにそっくりなの?私は少しだけ苛立った。 そんな気持ちを抑えながら、なおも見渡し続ける。 気が付かなかったが、髪もどうやら長いみたいで、後ろでそれを束ねていた。 着ている着物は華やかで、どこからどうもても男の人の物とは思えなかった。 ……いや、何で気が付かなかったんだろう?帯があからさまに太い。 この着物は女物、つまり目の前にいる人は女性だ。 ………?! あれ、このタイミングで部屋を間違えた?! で、でもお父さんもこの部屋だって言ってたし…… ああ、付き添いの人? いや、お母さんは一人で待ってるって言ってた。 いくらなんでも、自分の娘の許婚を見間違えはしないだろう。お母さんは相手のことを知ってるみたいだったし。 考えれば、考えるほど分からなかった。 そんな堂々巡りの考えの中、ようやく私は『目の前の人に事情を聞く』という当たり前のことに気が付いた。 「あっ、あの!」 今日初めて、その人に話しかける。 すると、今までずっと下を向いていた人がゆっくりを顔を上げた。 まず飛び込んできたのは、涙を溜めた深緑の瞳だった。 擦ったせいだろう。周りが赤くなっていた。 そして次に左目にある泣きぼくろ。そして幼い顔。 目の前の人、それはまるでこなたの様だった。 ―――――うん、これは幻だ。 私はそう思い、目を強くこすった。それでも幻はそのままだった。 私は再び目を瞑る。 そして深呼吸を1回...2回...3回。 よし、これで見間違いなど無いはず。幻なんか見えないはずよ。 だって、こなたがいるなんてありえない。今日私は許婚に会いに来たんだ。 許婚ってことは、互いの両親が認めていて、将来結婚するってことなんだから。 だからどんなに望んでも、こなたがいるなんてことはありえないんだ。 そう思いながら、私はゆっくりと目を開いた。 目の前には変わらず、こなたの姿があった。どうやら幻じゃないみたいだ。 私はもう一度、目の前の人物を確認するように見つめた。 束ねてはあるけれど、長くそして綺麗な蒼色の髪、頭の癖毛、深緑の瞳、左目の泣きぼくろ。 見れば見るほど、こなただった。 ああもしかして、こなた似の人とか…… 「かがみ?」 「―――――?!」 こなたの声が聞こえた。私の好きな人の声だ。私に幸せをくれる声だ。 そっくりさんなんかじゃなかった。 目の前にいる人、それは間違いなく泉こなた本人だった。 「こ、こなた?!なんでこんなところにいるの?!」 思わずこなたのほうに身を乗り出した。 「かがみこそ、なんでいるのさ?!」 驚いたのはどうやらこなたも同じようだ。口を大きく開けて、眠そうな目を大きく見開いている。 こなたのこんな表情を見たのは初めてだ。 えっ?えっ? 何これ、ドッキリ?それともこなたのいつもの冗談? お父さんとお母さんをまで巻き込んで、とうとうこんな事までしてしまったの? いくらなんでも、これは冗談じゃすまないぞ。 いや、でもこなたも驚いてたし……… あれ? 頭が回らなかった。この状況に思考がついてこない。 それはきっとこなたも同じなのだろう。顔を見つめたまま、視線を逸らそうとはしなかった。 急にスーッと襖の開く音が聞こえる。私達は同時に襖の方に振り向いた。 そこにはお父さんとお母さん、そしてこなたのお父さんが笑いながら立っていた。 「な?こなた。絶対喜ぶって言ったろ?」 そういったのはこなたのお父さん。 その声は本当に嬉しそうで、まるで悪戯に成功した男の子のようだった。 本当に……どういうこと? この余りにもありえない状況に、私とこなたは何も言う事が出来なかった。 お父さん達は笑っているだけで何も言わなかった。 コーン... コーン... ししおどしの乾いた音だけが部屋中に響きわたった。 こなかが1/2 1-B話 前編へ続く コメントフォーム 名前 コメント (≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-07-14 18 02 51) えっ えっ マジで? かがみの許嫁がこなた…… なの? キイィィィィィタアアァァ こぉれえぇぇぇ!!!!!!!! -- ラグ (2009-01-26 02 32 19) 「別れ?」を覚悟したお互いの涙が喜びの涙に変わるのかな?? 続きを激しく希望しながらG.J!! -- kk (2009-01-12 00 02 21) GJ -- 名無しさん (2009-01-09 00 32 40) おぉぉおぉ… またあなたは私の毎日に楽しみを 与えてくださるのですね。 つづき待ってます。 -- 無垢無垢 (2009-01-08 19 32 58) 前半の乙女妄想かがみかわいいなw 続きに期待しつつGJ! -- 名無しさん (2009-01-07 22 04 45)
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東の空から、ようやく朝日が昇り始めた。俺は肉の入ったビニール袋を抱えて、山中で見つけたとある廃屋に戻る。 「おい、食い物を探してきてやったぞ」 俺は廃屋の中に置いた生首に声をかける。生首は答えない。俺の目を見ようともせずにむくれている。 まあ、俺が悪いといえば悪いのだろう。 だが、こんなことを言うのもイヤだが所詮二次元キャラは二次元キャラだ。 実在の人物ではないのだから、俺はその人格を尊重する気持ちは無い。 さっきのアレは、エロ同人やエロゲーで抜くのと同じような行為だ。少なくとも俺はそう思う。 そうだ、むしろ俺は被害者だ。初体験が二次元キャラなど末代までの恥ではないか。 俺の始めては妹と決めていたのに!! 第一俺の嫁はみなみだしな。かがみなどどうでもいい。 「首だけで腹が減るのかどうかは知らんが、一応お前の分もあるんだぜ。気が向いたら食べてくれ」 俺の食料も含まれていた初期支給品は最初の最初で無くしてしまった。 なので俺は食料を調達するために遠くのコンビニまで足を伸ばさないといけなかった。 俺はビニール袋に入れて持ってきた焼肉を、かっぱらってきたペットボトルの水と一緒に胃に流し込んだ。 ちなみにこの焼肉は俺が焼いたわけではない。コンビニの中に、何故かホットプレートで焼きかけのまま放置されていたのだ。 肉を齧りながら(何の肉かわからないが、奇妙な味がした)横目でかがみを見ると、俺のほうをだいぶ殺意の篭った目で見ていた。 やはり先ほどのあの行為を怒っているのだろう。 あるいはその後、精液を川の水で落とそうとしたらうっかり手が滑って溺死させかけたことを怒っているのかもしれない。 あるいはまた、その後ここに来るまでにドブに三回水洗トイレに二回肥溜めに一回落としたことを怒っているのかもしれない。 あるいはさっき(以下略 (それにしても、今の俺ってかなり最悪な状況なんじゃないか?) 頼みの綱だった電ノコも無くしてしまった。さらに俺の誤解を解いてもらう予定だったかがみはさっきから口も聞いてくれない。 ほとんど自分のせいとはいえ、こんな誤解フラグに囲まれた状況下では手痛い誤算だった。 せめてかがみの信頼を取り戻すか……それが無理なら、どっかに捨てるしかない。 生首所持のせいでマーダーだと誤解されるのはもう沢山だ。 「……ねえ」 だが武器も無い今、強力な武器として使えるかがみの首を手放すのも惜しい。 「ねえってば」 そもそも俺はもともと主催を倒すために頑張っていたはず。なのにどうしてこんな目に遭う?どうして―― 「ちょっと、人が呼んでるんだから返事くらいしなさいよ!!」 その時やっと、俺はかがみの声に気がついた。 「なんであんた一人で食べてるのよ。こっちは自分じゃ食べられないんだからね!!」 俺は手足のないかがみのために、焼肉を箸で直接口に運んでやった(正直に言ってエグイ)。 「これって何の肉? 美味しいけど変わった味だわ」 「さあな。コンビニで誰かが焼肉パーティーをしてたんでパクってきた。それよりさあ」 「何?」 「お前の食事風景見てたら俺の食欲がなくなるから、あっち向いててくれね?」 俺は焼肉を食べながら、かがみに今までの経緯を説明した。 隠し事をしても仕方ないので、何人かに誤解フラグを立てたことやさっき男を殺そうとしたが返り討ちにあったことも正直に話した。 その間、何回も「はあ?」とか「バカじゃないの?」とか「何でそんなことしたのよ!!」などと叱責された。 こういうキャラだとはわかっているが、だんだんムカついてくる。 そして俺の話を聞き終わったあとの 「あんたねえ、そんな考えなしな行動ばっかとってるから人に誤解されるのよ。 今後は絶対に人を殺そうなんて考えないことね」 その一言で、俺の張り詰めていた感情は容易に爆発した。 俺はかがみの首を思いっきり蹴っ飛ばしていた。 「てめえ……アニメキャラの分際で何俺に指図してやがんだ? 誰のせいで生き返れたと思ってんだ、このガチレズツインテールが!!」 転がったかがみの首を追いかけ、更に蹴り上げる。首はボールのように、廃屋の壁や天井にぶつかって跳ね回る。 最後にかがみは口から血を流しながら俺の前に転がってきた。気絶したようだ。 (殺すか) そうだこいつだって二次元キャラだ。それにそもそもなんで俺にこんなに誤解フラグが立っている? ほとんどこいつのせいじゃないのか? そうだ、そうに決まってる。こいつはもういらない。ここで誰にも見られないうちに殺す。 そう思って、かがみの頭を一思いに踏み潰そうと足を上げた時、俺の目にそれが飛び込んできた。 かがみの食べかけの焼肉だった。 「あれ……私は確か……」 気がついたときには、顔中に絆創膏や湿布を張られていた。「しないほうがマシ」なくらいの不器用な治療だったが。 そして、目の前にあの男が背を向けて座っていた。 「その……蹴っ飛ばして悪かったな。誤解フラグのこととかでさ、ちょっとムシャクシャしてやったんだ。今は反省している」 かがみの位置からは男の顔は見えなかったが、声の調子からどうやら本当に反省しているらしいことはわかった。 「ったく、アンタ謝れば何でも済むと思ってない?」 「……悪い」 もちろん許せるわけでは無い。しかし命を救われた借りがある上に、こっちは自分ひとりでは移動できないのだ。 あまり強くは出られない。 一方の◆6/WWxs9O1sも、これ以上争っても仕方が無いので多少の暴言は許容することにした。 何しろいくらムカつく奴でも、今の彼には他に誰も味方がいないのだ。 それに誤解フラグを解いてもらったり、さっきみたいな時には処理に使ったりとまだまだ使い道はある。 (そうだ、所詮二次元キャラなら利用できるだけしてやればいいんだ。それでいい。いい、はずだ……) まるで自分に言い聞かせるように彼は心中で呟いた。 (俺はあくまでも自分のために行動する。情けをかけたわけじゃない……) 「まあとにかくだ、これから俺は何とかこの殺し合いの主催者を倒す方法を見つけるつもりだ。お前はどうする?」 ◆6/WWxs9O1sはかがみに背を向けたまま尋ねる。 「そうねえ、私もあんたのその考えにだけは賛成だわ。それにどっちみち私は一人じゃ歩けない体だし、 何よりあんたにはあとでたっぷり責任取らせてやらないと気がすまないから」 「じゃあ決まりだな」 ◆6/WWxs9O1sはかがみのツインテールの一房を握って立ち上がった。 「一つ確認しておく」 廃屋の戸を開けながら◆6/WWxs9O1sは呟く。 「俺はお前の言いなりにはならない。殺すべき奴は殺す。お前のような二次元キャラならなおさらな」 「……わかったわよ」 説得できるようなまともな頭の奴じゃないということはわかったので、かがみは大人しく妥協した。 (こなたやつかさも死んだらしいってことは、まあ、言わないほうがいいんだろうな) 彼は何故か、そんな配慮をアニメキャラに対して取った。 「あちゃー、やられましたよ柊さん。私たちが寝てる間に残ってた焼肉を盗まれました」 ノリスケは、目の前の『惨状』を見てがっくりと膝をついた。そこにはからっぽになったホットプレートが残るばかりだ。 「まあいいじゃないですか波野さん。もう私たちはお腹いっぱい食べましたし、ここには他に食べるものもありますし」 「はーあ、ついて無いよー」 あれだけ鱈腹食べておきながら(実際焼肉のほとんどはノリスケが食べた)、この意地汚さ。ただおは苦笑した。 そう、彼らは寝過ごしてさっきの放送を聞いていなかった。 よって、ただおは自分の娘たちが死んだことをしらない。もちろん、自分の娘の一人が変わり果てた姿で傍にいることも知らない。 自分の娘の一部が自分の腹に収まったことも知らない。 まあ、それが良いことかどうかはわからないが―― 【一日目・朝/東京都を走るどこかの線路沿いの山】 【◆6/WWxs9O1s氏@現実】 [状態]:健康 [装備]:柊かがみの頭部 [道具]:ふっかつそう@ポケットモンスター×1個 [思考] 1:とにかく自分だけは生き残る 2:かがみと行動を共にし、利用できるだけ利用する 3:自分から現実の人殺しはしない/二次元キャラは妥協気味 4:誤解する奴には口封じも辞さない(二次元キャラ優先) 5:出来れば主催を倒す ※大臣の取引には乗ったふりをしていますが、実際に手を貸すつもりはありません。 【柊かがみの頭部@らき☆すた】 [状態]:首から下無し [装備]:なし [道具]:なし [思考] 1:◆6/WWxs9O1s氏と行動を共にする 2:自分の胴体と友人、家族を探したい 3:出来れば主催を倒す ※第一回放送を聞いていません 【波野ノリスケ@サザエさん】 状態 焼肉が無くなったショックで呆然 装備 なし 所持品 支給品一式、ホットプレート 思考 1 まずは家族を探し出す 2 出来れば主催を倒したい ※第一回放送を聞いていません 【柊ただお@らき☆すた】 [状態]:健康 [武装]:不明 [所持品]:支給品一式 [思考]: 1・娘たちを探し出す ※第一回放送を聞いていません 【柊かがみ@らき☆すた(胴体部分) 完食】 (◆6/WWxs9O1s氏、柊かがみの頭部、波野ノリスケ、柊ただお)