約 2,956,473 件
https://w.atwiki.jp/kameyama2011/pages/381.html
要約:東浩紀『一般意志2.0』講談社、2011 著者について 1971年東京生まれ。哲学者・作家。専門は現代思想、表象文化論、情報社会論。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。東京工業大学世界文明センター特任教授。早稲田大学文化構想学部教授。著書に『存在論的、郵便的』、『クォンタム・ファミリーズ』、『動物化するポストモダン』など。 要約(全十五章のうち第十章までの内容) 一般意志と社会契約(第一章~第四章) ルソーにおいて社会契約とは、人民ひとりひとりが「自分の持つすべての権利とともに自分を共同体全体に完全に譲渡すること」を意味している。社会契約が社会(共同体)を作る。その結果として生まれるのが、個人の意志の集合体である共同体の意志、すなわち「一般意志」である。共同体の主権者はこの一般意志であり、市民は一般意志に絶対に従わなくてはならない。政府はこの一般意志の代行機関として設けられる。 一般意志とは「全体意志(みんなの意志)」の対概念であり、どちらも複数の個人の意志、「特殊意志」の集合である。しかし全体意志が特殊意志の「総和=合計」であるのに対して、一般意志は総和から「相殺しあうもの」を除いたうえで残る「差異の和」として定義される。著者によれば、これらは「スカラーの和」と「ベクトルの和」に喩えることができる。全体意志は誤ることがあるが、一般意志は誤ることはない。 一般意志の成立過程において、ルソーは、市民間の討議や意見調整の必要性を認めていない。一般意志は、集団の成員の意見間の差異が消え合意が形成されることによって生まれるのではなく、様々な意志が互いに差異を抱えたまま公共の場に現れることによって一気に成立する、とルソーは考えた。彼の主張は、一般意志の成立のためにはそもそも政治からコミュニケーションを追い出すべきだ、と要約できる。ルソーは一般意志を「モノ」になぞらえてそれを人間の秩序ではなくモノの秩序に属するとする。一般意志は社会が作り出す秩序の外部にあり、社会契約は自然状態の外側に一般意志という新しい基盤を生み出すための儀式である。彼は人間が人間の秩序(コミュニケーション)から自由になり、モノの秩序(一般意志)にのみ基づいて生きることを理想とした。 「データベース」としての一般意志(第五章) 一般意志はルソーの時代においては理念に過ぎなかったが、現代の総記録社会においてそれは「データベース」として可視化できるというのが本書の核となる主張である。 現代社会は、リアルでもネットでも見境なく、膨大な個人情報を蓄積し始めている。ある人間がいつどこで何を欲し、何を行ったのか、本人が記憶しなくても環境のほうが記憶している。それは監視社会として理解すべきものではなく、むしろ自由な個人が、SNSやグーグルなどのサービスに、自発的に個人情報やプライバシーを委ねてしまうような社会である。来るべき総記録社会は、社会の成員の欲望の履歴を、本人の意識的で能動的な意思表明とは無関係に、そして組織的に、蓄積し利用可能な状態に変える社会である。そこでは人びとの意志はモノ(データ)に変えられている。(呟き、ブログ、書き込み、…)膨大なデータの量は、もはや個々人の思いを超えた無意識の欲望のパターンの抽出を可能にする。 このようなデータベースとしての一般意志を、本書ではルソーのそれと区別して「一般意志2.0」と呼ぶ。一般意志2.0はデータを解析することによって可視化できる「モノ」である。 「公共圏」や「熟議」の限界(第四章、第五章) 現代の民主主義と政治において軸となっているのは、「言論」や「言説」といったコミュニケーションによって公共空間を作るという思想(アーレントやハーバマスが代表的)である。ハーバマスは『公共性の構造転換』において、「《政治的公共圏》は、国民からなる公衆が行う討議を通じた意見形成や意思形成が実現しうるためのコミュニケーションの条件を総括するものであり、それゆえ、規範的な側面を内蔵した民主主義理論の根本概念にふさわしい」と述べている。公共性・政治が立ち上がるためには、討議を通じた意思形成が欠かせないというのがその柱である。 他方で「熟議民主主義」という考え方がある。政治学者の田村哲樹によれば、それは「集合的意思決定の『正当性の源泉』」を「『諸個人の意志』ではなく、『熟議の過程』そのものに求め」るもので、民主主義で重要なのはみんなの意思が集まることではなく、その意志集約の過程でひとりひとりの意志が変わっていくことだと主張する。 これらの枠組みから捉えれば、一般意志に基づく「コミュニケーションなき政治」は「政治」の名に値しないことになる。しかしこの枠組みにはある罠がある、と著者は述べる。それはこれらの思想が、公的な議論が成立する条件として「世界」(文化や生活様式)の共有を前提としていることである。例えばハーバマスは、コミュニケーションの不安定性の指摘に対する反論として、「コミュニケーションの参加者は、相互主観的に同一の意味を認めうるという条件のもとでのみコミュニケーション行為を行うことができる」と断言している。しかし現実には私達はいま、その前提こそが成立しない時代に行き始めている。(cf.テロリズム、ネットでのコミュニケーション)現代社会は複雑すぎる上に、その複雑さが新しい情報技術のためにあまりにもそのまま可視化されてしまい、人々のコミュニケーションは処理が追いつかずに麻痺してしまっている。市民は議論の場そのものの共有を信じることができない。 新たな民主主義(第八章、第九章) ではどうすべきか。目指すべきは、熟議の限界をデータベースの拡大により補い、データベースの専制を熟議の論理により押さえ込む国家である。公(全体意志)と私(特殊意志)の対立を理性の力で乗り越えるのではなく、その外側にある無意識の共(一般意志)を情報技術によって掬い出しそれを制約条件として統治の基盤とすること。 ヘーゲルは『法の哲学』において、国家と社会をおおむね図8-1のようなかたちで捉えている。「社会」は個人と個人の関係の集積からなり、その関係を成立させるのは各人の欲望である。ひとはみな世空棒を満たすために他者と関係を持ち、社会はその関係の総体として存在している。(「欲求の体系」)この欲求の体系は誰にも認識することはできない。ヘーゲルは、「国家」とは、それを認識し統合するもの、即ち市民社会の「自己意識」として立ち現れるとした。個人をいくら集めても社会はできず、特殊意志をいくら集めても一般意志にはならない。 しかし「一般意志」をデータベースとして捉えたとき、国家と社会の関係を新たに考えることができる。(図8-2)ここでは無定形な市民社会に同一性を与える「社会の意識」の機能が二方向に分化している。上矢印は社会の現実についての意識的な理解、ヘーゲル的な「国家」への動きである。他方下矢印は社会の現実を廻る無意識的な記録、「データベース=一般意志2.0」の産出過程である。情報技術に覆われた現代社会は、自分自身を認識するために国家とデータベースという二つの手段を持っている。 まとめ(第十章) ①近代民主主義の基礎である「一般意志」は集合的な無意識を意味する概念である。 ②情報技術は集合的な無意識を可視化する技術であり、これからの統治はその分析を生かすべきである。 ③熟議の限界から、公共性や正義、自由といった観念をめぐる議論に、情念=無意識(一般意志)の取得という課題を再び結び付けるべきである。 未来の統治は、大衆の無意識を排除するのではなく、かといってその無意識に盲目的に従うのでもなく、情報技術を用いて無意識を可視化した上で、その制御を志すものとなるべきである。 論点 「無意識による制約」は熟議の限界を解決するのか。 そもそも集団の無意識がなんらかの方向性を持つという保証はないのではないか。 (菊地)
https://w.atwiki.jp/mori90s/pages/5.html
まとめサイト作成支援ツールについて @wikiにはまとめサイト作成を支援するツールがあります。 また、 #matome_list と入力することで、注目の掲示板が一覧表示されます。 利用例)#matome_listと入力すると下記のように表示されます #matome_list
https://w.atwiki.jp/mori90s/pages/9.html
@wikiにはいくつかの便利なプラグインがあります。 アーカイブ コメント ニュース 人気商品一覧 動画(Youtube) 編集履歴 関連ブログ これ以外のプラグインについては@wikiガイドをご覧ください = http //atwiki.jp/guide/
https://w.atwiki.jp/mori90s/pages/10.html
関連ブログ @wikiのwikiモードでは #bf(興味のある単語) と入力することで、あるキーワードに関連するブログ一覧を表示することができます 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_161_ja.html たとえば、#bf(ゲーム)と入力すると以下のように表示されます。 #bf
https://w.atwiki.jp/otakukenkyu/pages/44.html
東浩紀、『動物化するポストモダン:オタクから見た日本社会』、東京:講談社、2001. Amazon.co.jpでの紹介 <著者> (本の裏表紙より) 東浩紀 本人サイト、wikipediaでの紹介 一九七一年生まれ。東京大学大学院総合研究科修了。批評家。専攻は哲学および表象文化論。著書に『存在論的、郵便的』―新潮社、第二一回サントリー学芸賞受賞―『郵便的不安たち』、『不過視なものの世界』―ともに朝日新聞社―などがある。 <内容> (「BOOK」データベースより) オタクたちの消費行動の変化が社会に与える大きな影響とは?気鋭の批評家が鋭く論じる画期的な現代日本文化論。 <目次> 第1章―オタクたちの疑似日本 1―オタク系文化とは何か 2―オタクたちの疑似日本 第2章―データベース的動物 1―オタクとポストモダン 2―物語消費 3―大きな非物語 4―萌え要素 5―データベース消費 6―シミュラークルとデータベース 7―スノビズムと虚構の時代 8―解離的な人間 9―動物の時代 第3章―超平面性と多重人格 1―超平面性と過視性 2―多重人格 <書評> 『デ・ジ・キャラット』、『Air』など個々の作品を取り上げ分析しているので、それだけでもおたくの人にとって楽しめる内容であることは間違いない。また、インターネットのようなテータベース構造が現代人の心性に与える影響について論じられているので現代社会に興味がある人にとっても読む価値はあるだろう。 第一章でコミック、アニメ等を中心とする文化をオタク系文化と曖昧に呼び、そこでは擬似的な(例えばハイテクと江戸時代の町並みが共存しているというような)日本文化が見られると指摘する。しかし残念なことにその分析はほとんどなされていない。 第二章からおたくはポストモダン的であるとの主張が始まる。具体的には同人誌などの二次創作を見てもらえればわかるようにオリジナルとコピーとの区別が失われ、大きな物語よりもキャラクターの設定などが重視されることがその特徴である。この線でキャラクターのイラストを交えて「触角のような髪型」、「猫耳」、「メイド服」などを「萌え要素」と命名したことは画期的である。俗に「ギャルゲー」と呼ばれるノベルゲームは、同一の物語内で複数のキャラクターを攻略することが前提とされているので、解離的、さらに動物的であるとしている。この観点はおたくに限らず現代的な現象を論じる際に一つの理解をもたらしてくれるだろう。 第三章では少し視点を変え、ウェブページのような見えるものとその背後にあるHTMLや0-1の記号のような見えないものとが並列している状態は超平面的(スーパーフラット)と呼ぶにふさわしいとして、村上隆の作品もここに位置付けて評価している。 一冊の本でおたくを中心にすえてポストモダンと関連付けて論じたのは、私の知る限りでは本書が最初である。 <他の書評> 吉岡洋、「書評 東浩紀『動物化するポストモダン--オタクから見た日本社会』」、『美術フォーラム21』、6、2002、p.181-183. 高原英理、「東浩紀「動物化するポストモダン」--主体の位置の確かな計測 (味読・愛読 文學界図書室)」、『文學界』、56、2、2002、p.298-300. スガ秀美、「BOOK STREET 今月の新書 東浩紀『動物化するポストモダン』講談社現代新書 「オタク系文化」の精緻な分析」、『Voice』、2002.2、p.214-215. 永江朗、「文春図書館 東浩紀『動物化するポストモダン オタクから見た日本社会』講談社現代新書 気鋭の批評家による現代日本文化状況論」、『週刊文春』、2002.1.17、p.146. 張競、『毎日新聞』、2002.1.27. 大澤真幸、『読売新聞』、2002.1.27. Amazon.co.jp セブンアンドワイ オンライン書店ビーケーワン
https://w.atwiki.jp/mori90s/pages/3.html
更新履歴 取得中です。 ここを編集
https://w.atwiki.jp/mori90s/pages/8.html
動画(youtube) @wikiのwikiモードでは #video(動画のURL) と入力することで、動画を貼り付けることが出来ます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_209_ja.html また動画のURLはYoutubeのURLをご利用ください。 =>http //www.youtube.com/ たとえば、#video(http //youtube.com/watch?v=kTV1CcS53JQ)と入力すると以下のように表示されます。
https://w.atwiki.jp/mori90s/pages/7.html
アーカイブ @wikiのwikiモードでは #archive_log() と入力することで、特定のウェブページを保存しておくことができます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/25_171_ja.html たとえば、#archive_log()と入力すると以下のように表示されます。 保存したいURLとサイト名を入力して"アーカイブログ"をクリックしてみよう サイト名 URL
https://w.atwiki.jp/mori90s/pages/14.html
2011『サイバースペースはなぜそう呼ばれるか』(河出文庫) 1997-2000 サイバースペースはなぜそう呼ばれるか(全10回の連載) 論考 対話 特別インタビュー 解説 濱野智史
https://w.atwiki.jp/mori90s/pages/12.html
人気商品一覧 @wikiのwikiモードでは #price_list(カテゴリ名) と入力することで、あるカテゴリの売れ筋商品のリストを表示することができます。 カテゴリには以下のキーワードがご利用できます。 キーワード 表示される内容 ps3 PlayStation3 ps2 PlayStation3 psp PSP wii Wii xbox XBOX nds Nintendo DS desctop-pc デスクトップパソコン note-pc ノートパソコン mp3player デジタルオーディオプレイヤー kaden 家電 aircon エアコン camera カメラ game-toy ゲーム・おもちゃ全般 all 指定無し 空白の場合はランダムな商品が表示されます。 ※このプラグインは価格比較サイト@PRICEのデータを利用しています。 たとえば、 #price_list(game-toy) と入力すると以下のように表示されます。 ゲーム・おもちゃ全般の売れ筋商品 #price_list ノートパソコンの売れ筋商品 #price_list 人気商品リスト #price_list