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注)この作品は「消失」の改変世界が舞台になっています 「──僕は涼宮さんが好きなんですよ」 「……正気か?」 ここは光陽園学院の近くにある喫茶店。学校帰りだろう、黒ブレザー姿の女子が何人か目に映る。 といっても、のんびりお茶をしているわけではない。あとは勘定を済ますのみになっている。 相手の男──ジョンが驚いているような……そんな顔をしている。 自分はいつだってほどほどに正気のつもりだ、と古泉は思う。 むしろ彼、ジョンの話すコトにこそ、正気かと小一時間問い詰めたい。 「魅力的な人だと思いますが」 SOS団、宇宙人に未来人……そして自分が超能力者だと? 彼の話は古泉にはまるで信じられない。自分はただの人間だ。謎の転校生ではあったけど。 ──ズキリ、と頭がシビれる感じがする。 こいつもまた、涼宮さんに言い寄るために適当な事を言ってるんだろう。古泉はそう思っていた。 彼が言うには、涼宮さんが神様であり、世界が3日前に始まったかも知れないという。人間原理まで引き合いに出してきた。 ……何故だろう?前にも同じことがあったような気がする。不思議な既視感を振り払う。バカな話だ。 古泉は3人分の飲料費を精算して店の外へと急いだ。 すこし頭が痛んだ気がした。 涼宮ハルヒの止めたタクシーに乗り込みジョンの高校、北高へと向う。 途中で提案された北高侵入作戦には、勘弁してほしいと正直に思う。 確かにこの学院の制服のままではよその高校に入るなど難しい……。 しかし涼宮ハルヒを止めることなど古泉には出来ない。タクシーの代金を払い……と、また軽く頭痛を覚える。 違和感を感じる。なんだろう。古泉は自分が自然に代金を払っていることに驚いていた。 別にこれが初めてというわけでもないのに。涼宮ハルヒと古泉が市内を歩くとき、財布係なのが自分の役割だ。 そうだ。いつものことだ。 古泉は自分に言い聞かせるように頭をすこし横にふりながら思った。 しばらくしてジョンが学校から自分の体操着を持って帰ってきた。 涼宮ハルヒはなんの躊躇なくジョンのジャージを手に取り路地裏で着替えを開始した。 ジョンに流し目をしながらニカリと笑っている。 彼の言うことを素直に聞きポニーテールにまでしている。うれしそうだ。 そういえば僕は一度も涼宮さんの笑顔を見ていない。 僕は涼宮さんが好き……な筈だ。でもこんな顔をする彼女のことを知らない。 知らない、はずだ。 そもそもなぜ彼女を好きになったのか。 何時?どこで?彼女のどこに惹かれた?……この僕の想いは、本物か? 思い出せない……いや記憶が無いわけではない。 光陽園学院に転校してきて、涼宮さんに声を掛けられて、それで……? おかしい。まるで昨日読んだ本の内容を思い出しているかのような、不確かな記憶。 古泉は既に、自分の記憶なのに、自分が体験した事とは思えなくなってきていた。 ──脳が揺れた気がした。歪まされた歯車が必死に動いている。 涼宮ハルヒに遅れて古泉もジョンの体操服に着替えた。 季節は冬だ。半袖短パンでは寒い。震えながらも考える。 どうして自分は光陽園学院に転校してきたのだ? マラソンのフリをしながら校舎の玄関にたどり着く。 すこしは体が温まったが、逆に汗のせいで風が痛いと感じる。 涼宮さんは彼に案内されながらも校舎を我が物顔で進む。それを見ながら、なぜか安心する自分に気づいた。 朝比奈さんという小柄で可愛らしい、庇護欲を掻き立てられるような上級生を捕まえた涼宮さん。 その姿にまた既視感を覚える。 彼女が未来人、か。やはり見覚えはない。でもいつか、どこかで……? 次は部室、宇宙人の番だ。そして僕らの本拠地でもある、と。 何事もなく文芸部の部室に到着し、古泉はまたも不思議な感覚に見舞われた。 何もない、静かな文芸部の部室に心休まるような気がした。 ひどく、懐かしい……。 ──脳が軋む。歪んでいた歯車が元に戻る感じがした。 彼と笑顔で話す涼宮さんを見ると安心する。 彼女の精神が安定してきている。僕といるときの不機嫌さなぞもう見当たらない。 もう古泉は涼宮ハルヒのことが好きだとは思えなくなっていた。 ジョンがまじめな顔で突如電源の入ったパソコンを見つめている。 なにか操作しているようだ。 古泉は唐突に気がついた。 そうか……この場所こそが、僕のかけがえの無い居場所なんだ── ジョンの指がエンターキーを押した。 そして古泉の意識は闇の深くに沈んでいく。 古泉は気がつくと床に転がっていた。 頭がうまく働かない。なにか夢を見ていたような気がする。 ここは……そう、機関に関わりのある私立の総合病院だ。 彼、キョンの眠る個室の床に、古泉は転がっていた。そばにはさっきまで座っていたであろうパイプ椅子がある。 ──どうやら彼の寝顔を見ながらウトウトしてしまったようだ。 キョンが意識不明の状態になってからもう3日目の朝である。隣には寝袋にくるまっている涼宮ハルヒが居る。 学校にも行かず、ずっと彼のそばで目覚めるのを待っている。 「……古泉くん?」少々寝ぼけた声が聞こえる。 「すいません。起こしてしまいましたか」古泉は素直に謝る。「彼はまだ……」 「そう」 さすがに疲労の色が見える。ほとんど寝ていないはずだ、無理も無い。 「僕はこれから学校に行きますが」 「あたしはここにいるわ」声にも覇気がない「今日も部活はやすみね」 「……また放課後に来ます」 古泉は病室を後にして考える。 涼宮さんは人影を見た、と感じたと言う。しかしそんな生徒は存在しなかった。 彼女が言うことには意味がある。犯人は必ず居るはずだ。 機関に敵対する組織か、新手の宇宙人か、それとも未来人か……。 彼をこんな目に遭わせた奴だ。必ず見つけ出すと古泉は心を固める。 彼も涼宮さんも、少なくともここにいる限り安全だ。 ──早く目覚めてください。世界の安定のためにも。 放課後の退屈で平和な時間。彼とするたわいのない会話、アナクロなゲーム。 まだ3日しか経っていない。けれどそれが随分と昔のような気がする。 それを思うとき、古泉は気づかない。その顔がすこし和らいでいるのを。 終
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愛のままにわがままにこの二人は自分の都合しか考えない ◆7PJBZrstcc 一見凡庸に見える高校生、笹原卓は殺人鬼である。 それも過去にトラウマがあってそうなったのではなく、生まれた時からずっとそうだった生粋の殺人鬼である。 だから彼は一切の躊躇なく殺し合いに乗った。 いきなり起きた瞬間移動や、ヒューマが言った異能について多少は気にしつつも彼はこの殺し合い受け入れた。 「さてさて、俺の異能は何かな~」 楽しげな声色を浮かべながら卓はデイバッグを漁る。 そして最初に出てきたのは、1mほどの装飾のない赤色の棒だった。 「えぇ……」 それを見て卓のテンションは途端に下がる。 こっちは銃とかナイフみたいな武器が欲しいのであってこんな棒が欲しいんじゃない、と不満を思う卓。 だがしかし、赤色の棒に付いていた説明書きを見て卓は驚愕する。 その説明書きにはこう書かれていた。 『如意棒。ドラゴンボールの主人公、孫悟空が持っていた武器。 これを持った状態で伸びろ如意棒と唱える事で伸ばすことができる。ただしこの殺し合いの中では10メートル程が限度となっている』 「マジかよおい!?」 その説明書きの内容に思わず叫ぶ卓。 異能というファンタジーがあるから多少の事では驚かないつもりだったが、こうして漫画の中のアイテムが目の前にあるとなると流石に驚く。 「と、とりあえず使ってみるか」 そう言って卓は如意棒を構え、「伸びろ如意棒!」と唱える。 しかし如意棒は伸びることなくそのままだった。 「何だよ伸びねえじゃねーかクソが!!」 卓は叫びながら如意棒を叩きつける。 柄にもなく結構ワクワクしたというのに、その期待を裏切られたからか怒りは大きい。 だが卓の怒りはあっさり静まる事となる。 「ん?」 卓はふと人の気配を感じ、右を向く。 するとそこには1人でこちらに向かって歩いてくる少女の姿があった。 それを見て卓は思う、この苛立ちをぶつけようと。 「クックックッ、お前が(多分)この殺し合い最初の犠牲者だ―」 そんな事を小声で呟きながら卓は少女に近づく。 しかし少女の姿が良く見える位にまで近づいた時、卓は思わず足を止めてしまった。 その少女は顔立ちの整っているセーラー服を着ていた。 だが目の隈が目立ち、貧血気味なのか肌が不健康に白い。 そして何よりもその少女は片手剣を両手で持ち、不気味な笑顔を浮かべながら 「ダーリンダーリン何処にいるの? 大丈夫だよダーリンは私が絶対守ってあげるからね。 あぁでも心配、ダーリンって優しくてとってもカッコイイんだもの。人を殺すなんて絶対できないしもしかしたら他の泥棒猫がダーリンに恋しちゃうかも。 でも大丈夫よダーリン、私が代わりにいっぱい殺してダーリンを優勝させるからね。死ぬのはちょっと怖いけどダーリンの為なら我慢できるもん。 ダーリンダーリンダーリンダーリンダーリンダーリンダーリンダーリンダーリンダーリンダーリンダーリンダーリンダーリンダーリンダーリンダーリン……。あぁ……、愛してる」 と呟いているのだから。 それを見て殺人鬼は一言。 「何アレ超怖い」 ◆ 時は少し遡る。 一見しても普通にはちょっと見えない女子高生、月宮埜々香はストーカーである。 それも盗撮盗聴お手の物、隠蔽工作だって自信のあるストーカーである。 そんな埜々香は大好きなダーリン、天草士郎の写真を自室で眺めている所で殺し合いに呼ばれた。 最初は何が起きたのか分からなかった。自分の部屋にいたはずなのに気づけば違う場所にいるし、手に持っていたはずのダーリンの写真がいつの間にかなくなっていた。 だがそんな不安はすぐに吹き飛ぶ。 何故ならダーリン、天草士郎がそこにいたから。 すぐに駆け寄ろうと思ったが、その前にナオ=ヒューマと名乗る変な男が現れて自分たちを殺し合いの為に呼んだと告げる。 埜々香としてはそんな戯言気にも留めなかったのだが、靴を投げつけた人が爆発して死んだのを見て流石にちょっとだけ驚く。 その後ナオ=ヒューマは、異能やどんな願いも叶えると言っていたが埜々香にとってはどうでもいい事だった。 そして殺し合いが始まった。 埜々香にとって異能や願いなんてダーリンに比べたら全部些細なことである。 彼女にとってダーリンこそが一番であり、ダーリンへの愛が全てだ。 だから彼女の行動は早い。 手早くデイバッグを確認し、武器になりそうなものと地図を取り出すとあてもなく歩きはじめる。 最初は人の気配がしなかったものの少し歩くと 「マジかよおい!?」 という叫び声が聞こえた。 埜々香はその声が聞こえた方に向かって進む。するとそこには赤い棒に当たり散らす少年の姿があった。 その少年がこちらに気付いたのかこっちに赤い棒を持って向かってきている。 これはチャンスだ、ダーリンを守るために他の人を殺せるチャンスだ。 そう思い片手剣を強く握る。 だが何故か手が震え始めてしまう。 それも必然、何故なら月宮埜々香にとって人を殺そうと思うこと自体生まれて初めてなのだから。 彼女にも一般人と比べると薄い物の殺人への忌避感が無い訳では無い。 こんなんじゃだめ、そう思った埜々香は言葉を口にすることにした。 言葉で自分を奮い立たせれば、きっとあの少年を殺せるはずだから。 「ダーリンダーリン何処にいるの? 大丈夫だよダーリンは私が絶対守ってあげるからね。 あぁでも心配、ダーリンって優しくてとってもカッコイイんだもの。人を殺すなんて絶対できないしもしかしたら他の泥棒猫がダーリンに恋しちゃうかも。 でも大丈夫よダーリン、私が代わりにいっぱい殺してダーリンを優勝させるからね。死ぬのはちょっと怖いけどダーリンの為なら我慢できるもん。 ダーリンダーリンダーリンダーリンダーリンダーリンダーリンダーリンダーリンダーリンダーリンダーリンダーリンダーリンダーリンダーリンダーリン……。あぁ……、愛してる」 こうつぶやいた後、埜々香の中から殺人への忌避感は消えた。 埜々香の天草士郎への愛によってかき消された。 そうなればもう躊躇する理由は無い。 埜々香はいつの間にか近くに来ており、何故か茫然としている少年に向かって剣を振り下ろした。 ◆ 「うおおおおおお!?」 自分が殺すつもりの少女、月宮埜々香に片手剣で斬られそうな極限状況に、笹原卓は持っている如意棒を動かして剣を受け止める。 「……何で殺されてくれないの?」 剣を受け止められたことが不満な埜々香は目の前の卓に問う。 早く死ね、あなたに時間を取ったらダーリンが危ないじゃないの。そんな情念が目に見える。 だが卓はそんなものに怯まない。毅然とこう言い返した。 「何で殺されないかって? 決まってる、それは俺がこの殺し合いを楽しむため! 日常だとこっそりやらなくちゃいけない俺の趣味である殺人を、大っぴらにやるためだ!!」 「……え?」 卓の回答があまりにも想像を超えていて埜々香は一瞬思考が止まる。 その隙を見逃さず卓は如意棒を彼女に振るう。 「きゃっ!」 その攻撃を喰らい地面に倒れる埜々香。 卓は彼女に如意棒を突きつけて一言 「形勢逆転だな」 「くっ……!」 「後ろに『殺せ!』とかつけたりしない?」 「……何で?」 「いや、流れ的に」 軽くとぼけた会話をしつつ卓は埜々香を見る。 多少は整っているものの、卓には埜々香が貞○にしか見えないせいで少し怖い。 だがそんな様子はおくびにも見せず、卓は埜々香に話しかける。 「まあ殺してもいいんだけど、殺さない方が面白そうだからいくつか質問に答えて、頼みを聞いてくれる解放してやるよ」 「私の処女はダーリンの物よ!」 「いや正直今の俺、性欲より殺人衝動の方が強いからお前に欲情なんかこれっぽっちもしてないんだけど」 「ならいいわ」 「いいのかよ!?」 あまりのセメント対応に思わず驚く卓。 殺人衝動とか色々衝撃的なこと言ったんだけどなー、と思いつつ卓は話を進める。 「まず最初、お前の名前は?」 「月宮埜々香」 「オッケー月宮。次の質問だけど、お前なんで殺し合いに乗ったんだ?」 「ダーリンを守るためよ」 「……ダーリン?」 「そうダーリン! 格好よくて優しくて赤い長髪が似合うイケメンでキリスト教を信じている私のダーリン! 得意なことはフルートの演奏でとっても上手なの! あとアニメや特撮が好きなちょっと子供っぽい所もあるんだけど、自分を偽らずオープンに生きるって素敵よね!!」 「いやダーリンはともかくお前はもうちょっと隠せ」 「いつも首から十字架を掛けてるんだけど、それは亡くなったお義母様の形見らしいの。 それでいてお義父様を尊敬していて義妹とも仲がいいのよ。家族を大切にするなんて素晴らしいでしょ! きっと私の事も大切にしてくれるはずよ!!」 「聞けよ人の話。後全部に義の字つけんな、お前の家族じゃねえだろ」 「そのうちなるわ」 「なんなんだコイツ」 いい加減イライラしてきたので無理やり話を進める事にした。 これが最後の質問だ、と前置きし埜々香に問う。 「何でお前、反撃してこないんだ?」 その質問に埜々香は唖然とする。だが卓はずっと疑問だった。 倒れているとはいえまだ剣を奪っておらず、如意棒を突き付けているとはいえいくらでも反撃する隙はあった筈だ。 にも拘わらず無抵抗に質問に答えている、これが卓には理解できない。 一方埜々香は唖然としていたが平静を取り戻しこう言った。 「簡単よ。ここで貴方に反撃して殺せたとしても私は多分ダメージを受けるわ」 「そうだな」 「参加者が私とダーリンとあなただけだったら何が何でも殺すけど、そうじゃないでしょ」 「俺が見た限りあの会場には40人くらいいたな」 「だからよ。私はダーリンを守らなきゃいけないの。ここで死んだら誰がダーリンを守るの? 私はダーリンを守る。その為ならどんな事でもするわ。泥にまみれても這いつくばることになってもね」 「成程気に入った、殺し合いの場じゃなかったら友達になりたいくらいイカレてるなお前。LINEのID交換しようぜ」 「覚えてないわよ」 「俺もだ。まあそれはそれとして」 「……何?」 そこで卓は如意棒を突き付けるのをやめて埜々香に言う。 「その剣とこの如意棒、交換してくれ」 「……いいけど」 予想外の頼みにちょっと驚きつつ、埜々香と卓は互いの武器を交換する。 如意棒を軽く振り回しながら埜々香は質問する。 「何で交換するの?」 その質問に同じく剣を振り回し「あ、これ片手剣か」と言いながらも卓は答える。 「いや、なんかその棒『伸びろ如意棒』って言ったら伸びるって説明書きに書いてたのに伸びないからさ」 「ええ……? 伸びなきゃただの棒じゃないの」 「酷い話だろ?」 「……そうね」 そう言いながらもちょっと気になったのか、如意棒を卓に向けないようにしながら構え小さく「伸びろ如意棒」という。 すると如意棒はグングン伸びていき、10m位になった所で止まる。 それを見ていた卓は叫ぶ。 「何でだよぉぉぉおおお! 何でお前が使ったら伸びるんだよ!!」 叫びながら卓の右手が伸びている如意棒を掴むと、如意棒は途端に元の長さに戻る。 卓は埜々香から如意棒をひったくると、狂ったように叫び続ける。 「伸びろ如意棒! 伸びろ如意棒!! 伸ーびーろ―――!!!」 それを傍から見ていた埜々香はある事に気づく。 「ねえ、あなたが右手で触れた途端に如意棒が元の大きさに戻ったんだけど」 「右手?」 それを聞き、卓は右手を放し左手だけで如意棒を持ち「伸びろ如意棒」と言う。 すると如意棒はさっきと同じようにグングン伸びていき、10m位になった所で止まる。 そして右手で如意棒に触れると元の大きさに戻った。 「あーはい、そういう事ねうん」 「何だかよく分からないけど、私もう行っていい?」 「おう、何処にでも行けよメンヘラ女。お前が生きてる間はなるだけダーリンっぽい奴は殺さないからさ」 「そう。じゃあね腐れ殺人鬼」 そう言って埜々香は去って行った。 それを見送ることもなく、卓は自分の右手を見ながらこう思った。 俺の異能幻想殺しかよぉぉぉおおおお!!! 強いよ!? 能力的には強いよ!? 殺し合いでは結構優位に立てると思うよ!? でもこんなもん貰っても俺どうしろってんだよ!? 日常生活で何一つ役に立たねえよ!? 俺学園都市にも通ってないし魔術師とも戦ってないし!! 優勝賞品でくれてやるとかヒューマ言ってたけど、要らねえよ!? というかあの主催者、俺の異能を分からせるために如意棒支給しやがったな!? 何その回りくどさ、ジュ○ル星人かあいつは!? そんな気を回すくらいなら素直に紙にでも書いとけ!! そもそも如意棒って異能の内に入るのかよ!? 「ハァ……ハァ……」 一通り内心で憤ったことで、卓は落ち着きを取り戻す。 そして出発支度を整えようとした所で、ある重要な事に気づいた。 それは―― 「あ、俺月宮に自分の名前名乗ってねえ」 【一日目・1時00分/F-5】 【月宮埜々香@ペテルギウス・ロマネコンティの怠惰の権能と憑依能力/Re:ゼロから始まる異世界生活】 [状態]:健康 [装備]:如意棒@ドラゴンボール [道具]:基本支給品、不明支給品(0~2) [思考・行動] 基本方針: どんな手を使ってでもダーリンを守る 1:ダーリンダーリンダーリン、何処にいるの? 2:あの殺人鬼、なるだけ早く死んでほしいな [備考] ※天草士郎の参加を把握しています ※笹原卓の名前を知りません 【笹原卓@幻想殺し/とある魔術の禁書目録】 [状態]:健康 [装備]:片手剣 [道具]:基本支給品、不明支給品(0~2) [思考・行動] 基本方針:楽しく気ままに人殺し 1:幻想殺しか……、強いけどさぁ…… 2:月宮のダーリンっぽい奴(赤毛のイケメン)はなるだけ殺さない [備考] ※自身の異能について把握しました 【如意棒@ドラゴンボール】 ドラゴンボールの主人公、孫悟空が持っていた武器。 これを持った状態で伸びろ如意棒と唱える事で伸ばすことができる。ただし本ロワでは10メートル程が限度となっている また、本ロワでは自在に伸び縮みすることは異能の部類に入るので無効化能力で打ち消すことができるようになっている。 その始まりは喜劇 時系列順 「幸福な」少女とウソつきの話 その始まりは喜劇 投下順 「幸福な」少女とウソつきの話 GAME START 月宮埜々香 恋は渾沌の隷也 GAME START 笹原卓 さあここに築いて見せろ 天に届く死体(ヒト)の山を
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185 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2011/09/12(月) 07 29 12.65 ID ??? 昔のNOVAで演神(職業ごとの人格カードが用意されており、カードに応じてその職業になりきれるようなサイバーウェア)を 入れて、不慣れなジャンルでのサポートをGMに依頼したら自分で考えろといわれたなー キャラメイク時点で、サポートなしじゃ提示されたハンドアウトはどれも微妙に困るぞ、 と事前に宣言しといたのでプレイ中は他PLがサポートしてくれて問題はなかったが。 GMが終始不機嫌だったのはかんべんしろと思った。 263 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2011/09/12(月) 22 01 47.44 ID ??? 185 やぁお友達、災難だったな でもこの手の思考パターンでプレイしている奴は案外多いんだぜ PCは参加者のバランスよりも自分の趣味重視、同経験点でも組み方によって圧倒的な性能差、 背負った設定の為PCに撤退や逃走の選択肢なし、敵データの詳細は戦闘開始するまで不明 こんな環境で遊んでたら誰だって“PCが敵に勝てるのは当たり前”って考え方に染まってしまうさ 賢い奴は遊ぶシステムによって思考パターンを差し替えられるんだけど ずっと同じ鳥取で似たような傾向のシステムばっかりで遊んでると、TRPGが全てそうだと思いこんじまう スレ283
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全ての雨が空中で停止していた。 まるで時間を止めたかのように雨が微動だにせず動きを止めている。 そんな停止した雨の中を進み歩く黄金の甲冑を纏った男がいた。 彼の名は黒崎一誠、仮面ライダーコーカサスに変身し クロックアップによって時間の流れを操作し あたかも時間が止まっているかのように見えるのだ。 数秒ほど経ったタイミングでクロックアップは解除され 停止していた雨は再び降り続ける。 「妙な事になってますね」 屋内に入った黒崎一誠は変身を解除し近くにある椅子へ腰かけた。 変身した理由はライダーシステムに異常が無いかの確認、それと 単に白いタキシードを雨や泥で汚したくない、という理由である。 その結果、クロックアップの使用時間が普段より短くなっている事と ハイパーゼクターがどこかへ消えてしまっている事に気が付いた。 「あの老婆の仕業ですか。小癪な真似をしますね」 主催者たちにはくだらぬ小細工を仕掛けた罪をその血で償わせよう。 だが今は他にやらなければならない事がある。 「森嶋帆高、あの少年を始末すればそれで終わる」 信憑性は定かではないが老婆の言う事が本当なら一人の少年の命を奪うだけで 他の全ての参加者が助かるという事になる。 「……それでは面白くありませんね」 黒崎一誠、彼は自分が頂点に君臨さえしていれば 人類が滅びようと何とも思わない究極のエゴイストである。 会場に集められた幾人の猛者達を目にして生かすつもりなど無かった。 「参加者達はあの少年の命を奪おうと、または保護しようと動くでしょう。 必然的に少年の周りに強者が集まる事になる」 森嶋帆高は殺さない。 むしろ囮として生かし、彼に近づく参加者を狩り続けよう。 そして他の全ての参加者が死に絶えた後で最後にこの少年を殺し 唯一の勝利者となった私一人が生還すればそれでいい。 「他に強者はいらない。最も強く、最も美しいのは私だけです」 懐から取り出した青い薔薇を見つめる。 薔薇は最強の証、即ち薔薇に愛された私こそが最強。 【黒崎一誠@仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE】 [状態] 健康 [装備] カブティックゼクター [道具] 基本支給品、ランダム支給品×1、青い薔薇 [思考・状況] 基本方針:全ての参加者と主催者の殺害。 1:森嶋帆高の確保。 2:森嶋帆高を囮として利用し、他の参加者を狩る。 [備考] ※参戦時期は原作登場前です。
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前のページ:ネットは匿名ではありません ネットでは自分を隠して発言する人がいます インターネットや 携帯サイトの掲示板を見ていると 自分の名前を隠した 匿名の書きこみをよく見かけます。 掲示板では、 書きこみの内容のほかには 書きこんだ人の名前と 書きこんだ時間くらいしか わかりません。 ですから みんなが同じ名前を使って 書きこめば 一見すると 誰が書いたのか わからなくなります。 この「匿名」を利用して いろいろなひどいことをする人がいます。 たとえば 最近よくニュースになっているように 人殺しの予告をする人がいます。 また 人を傷つけるようなうそをついたり 他人に知られたくない秘密を 勝手にばらしてしまう人がいます。 みなさんも 掲示板やブログ、ゲストブックなどで だれかの(もしかしたら自分の)悪口が 書かれているのを 見たことがあるのではないでしょうか。 一方、メールでは 送信者のメールアドレスが 必ず表示されます。 ですから 匿名ではない と思われるかもしれません。 しかし送信者の情報は 他の人のメールアドレスに すり替えることができます。 送信者のメールアドレスをいつわって メールを送信することを 「なりすまし」 と呼びます。 迷惑メールの多くも 「なりすまし」たメールアドレスから 送られてきます。 実際にあった話ですが 自分のクラスの同級生全員から 「うざい」 というメールを送られた 中学生がいたそうです。 その生徒は 怖くて学校に行けなくなってしまいました。 しかしよく調べてみると 実はたった1人の生徒が クラス全員のメールアドレスを使って メールを送っていた というのが真相でした。 このように「なりすまし」は 本当の送信者をわからなくする という意味では 匿名に近いものだ といえるでしょう。 次のページ:コラム ギュゲスの指輪
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[ 田井中家・居間 ] ・・・ 休日 聡「ただいまー・・・あ、紬さん・・・いらっしゃいです」 律「おっかえりー」 紬「こんにちは~w聡くん お邪魔しています」 聡「映画みてたの?ちょうど終わったとこ?」 律「ムギが『ローマの休日』をみたことないっつってなー」 聡「・・・またずいぶんと古い映画だね」 律「『原子怪獣現わる』にこだわるおまえが古い言うな!」 紬「でもすごくよかった~///最後ちょっと泣いちゃいました~」 律「ムギは涙もろいなーw箱入りのお嬢様としては共感しちゃうのかー?」 聡「ねーちゃん!紬さんに失礼だろ!」 律「へいへい・・・んじゃ私はお茶でもいれてきますよん。聡はムギの相手してて」 聡「すいません、ねーちゃんが失礼なことを」 紬「ううん、それに・・・家で時々、息苦しさを感じているのも確かだから」 聡「そう、なんですか?」 紬「そんなことより・・・聡くんもこの映画みたことあるの?」 聡「まあ、ねーちゃんにつきあって1回だけ・・・あんまり好きになれませんでしたけど」 紬「ええ~~やっぱり男の子ってラブストーリーきらい?」 聡「そういうわけじゃなくて・・・」 紬「どういうわけ?」ズイッ 聡「(ち、近っ!)///え~と、つまり・・・王女さまは結局、自分の殻を破れなかったですよね?」 紬「自分の、殻を・・・?」 聡「最後は王女たる、もとの自分に戻ってしまう・・・そこが俺にはちょっと」 紬「でも、それはしょうがないことだと思うの・・・・・・私も、」 聡「紬さん、最近バイト始めましたよね?」 紬「えっ?」 聡「こないだ、ねーちゃんから聞きました。ファーストフードのお店の」 紬「う、うん・・・なんで、その話を?」 聡「それって・・・紬さんが自分の殻を破ること、だったんじゃないですか?俺の勝手な想像ですけど」 紬「・・・・・・」 聡「俺、そんな紬さんのこと、すごいなって尊敬しますし・・・え、えと、なんの話でしたっけ///」 紬「・・・聡くん」 聡「そ、そうだ!こんど紬さんがバイト入ってる時に、お店に行ってみようかな」 紬「ええっ!?ダメ!恥ずかしいから・・・」 聡「あのお店の制服姿の紬さん・・・ニヤリ///」 紬「聡くん!!」 聡「友達と行って、やつらに自慢しちゃおうかな・・・こんな美人の知り合いがいるって」 紬「さ、聡くん!///私は、ガールフレンドだって・・・紹介して、ほしいけど・・・」 聡「え///」 紬「・・・・・・クスッw・・・本気にした?」 聡「!!・・・ひ、ひどいです・・・いたいけな少年の心をもてあそぶなんて・・・」 紬「いたいけな少年は、女の子にこんなイジワルしませんw」 聡「ええ~~こんなのイジワルのうちに入りませんってw」 律「・・・(ちょっと!あの空気の中、どんな風にあそこに戻れと! 『私だよん!』とか言って入ればいいのか?)・・・」 (おしまい)
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TL/W37-006 カード名:“自分の心”ヤミ カテゴリ:キャラ 色:黄 レベル:2 コスト:1 トリガー:1 パワー:7000 ソウル:1 特徴:《変身》?・《たいやき》? 【永】 あなたのキャラすべてが、《変身》?か《家事》?なら、このカードのパワーを+2000。 【自】 共鳴 [① 手札の「金色の闇」を1枚公開する] このカードのバトル相手がリバースした時、あなたはコストを払ってよい。そうしたら、あなたは1枚引く。 でも…私には自分の心がわからない時があります レアリティ:R 15/09/08 今日のカード ・関連カード カード名 レベル/コスト スペック 色 備考 “沈着冷静”ヤミ 1/0 4500/1/0 黄 擬似チェンジ元 金色の闇 3/2 8500/2/1 黄 共鳴
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自分の歌を好きになる これまで上げた項目以外の質問について、簡単にまとめました。 自分の声に自信を持つための、自分が歌った歌を好きになるための、ヒントにしていただけたら幸いです。 自分の歌にクセがあるみたい、どうしたら? ・回答1 自分自身が好きなくせかどうかで扱いは変わってくると思います。 自分の好きなくせなら、そこを残しつつ音が悪く聴こえないようにする必要があるでしょうが、難しいでしょうね……。 歌い方のくせというのは、修正した方が歌が良くなる場合がほとんどなので、多少時間がかかっても直していった方がいいと思います。 ・回答2 無意識にやっている癖は、なかなか直せないと思います。直さないといけない、という類のモノでもないですが 癖を自分でコントロールして(意識して)やれていないと、歌わされてる、という聴く側の印象につながることもあります。 男ですが、女声曲を原曲キーで歌ってみました! ハイトーン全部叫んでますね~。もう、無理してる感がひしひしと伝わってきちゃいます。 無理ならキー変えるなどして、もう少し余裕のある歌い方をしては。 これは、表現のひとつ、と取れなくもないですが、そうだとしてもあまりいい表現だとは感じないです。 声が前に飛びきっていないのでこもっているというか、自分の手の届く範囲にしか世界がない印象を受けます。 マイクに向かって歌う、喋るではなく、もっと遠くに向かって歌うんだーという意識を持つだけでもだいぶ違ってくると思います。 歌で感情を表現する際の注意点 ・表現しよう、という意識が先行していて、内容がついてきていないことがあります。ヒトのココロをつかむ表現をするには、逆に感情を抑える必要もあります。 演奏時に感情を込めることに気を取られすぎて、表現のための細かい気配りが疎かになると、酔っぱらいの歌みたいになってしまいがちなものです。 私が歌うと、曲のイメージと違うものになってしまうような気がします。 ・歌詞のイメージ云々は、あまり気になりませんでした。 というか、聞き手に「そういうもんだ」と思わせるオリジナリティが「歌ってみた」には必要じゃないか、と私は思っているので。 ・「(某ボーカロイド人気曲のタイトル)」は、他にも男性歌い手さんが多いせいか、歌い方に似たり寄ったりなイメージがあります。 「これが俺だ!」というような歌い方や曲が見つかるといいですね。 歌ってみたい曲があるのに、私の声質には合わないみたいです……。 ・私も同じようなことで悩んでます。 どうやっても声にハリが出なくて……。 練習次第で改善されることもあるようですが、私は自分の個性と捉えて、あまり無理せず、自分の声に合ったうたをうたうようにしています。 それでも、好きな曲はガンバって歌っちゃうんですけど(^^; 声にビブラートをかけるの注意点 ・曲にもよりますが、全然かけないのもさびしいですし、かけすぎるとウザいです。
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最近、楓の視線が痛く感じる。いつもの細めを見開いた状態にしてじっと見ていた。 まるで獲物を狩るライオンかトラのような目つきである。 「どうした龍宮」 刹那に声をかけられて一気に現実に引き戻された。それを見てなのか楓は振り向いて廊下を歩いていく。 気にならないわけではないが、その目は何かを訴えるような目をしている。 「いや、なんでもない」 真名にはその感覚が別の何かであることを知っている。 いや、知っているからこそ表に出したくないことなのだ。 「龍宮さん、この本お願いしますね」 「分かった」 その日はネギに魔法関連の本を探すように頼まれた。 図書室に入ってその本を簡単に見つけることが出来てすぐにでも帰ろうとした時。 「楓……」 「そこにいたでござるな」 話によればさらに追加の本があってたまたま近くに居た楓に頼んだと言うことだ。 別に一緒に探してくれるのは嬉しかったのだが、やはり目は閉じていてもあの視線の感覚だった。 本を探し終えると真名は一刻も早くこの場から去りたかった。 どうしてもあの視線が苦手で、そしてその意味を……。 「助かった、後は私だけで……」 すると楓は真名の手をしっかりと掴んで本棚に向かって体を押さえつけた。 「な、何をする。離せ!」 「………」 だが楓は何も応えようとしない。 じっとあの時の視線のまま睨むような訴えるような目つきだ。 「なん…だ、いきなり」 やっと言葉を発するがそれでも楓は何も応えない。 その鋭い目つきが苦手だ。 「何故でござる……私の知っている真名は凛々しく、強さと自身に満ち溢れていたでござるよ」 そんなことを告げられてもいきなりのことでどう反応していいのか分からない。 その問いの意味を知ってしまえば、きっと……。 「何を怯えた顔をしているでござる」 「たまたま調子が悪いだけだ、お前が勘違い…っ!」 楓の手が動いた瞬間、真名の持っていた本が地面に落下した。 そしてそのままの体勢で持っていたモデルガンを楓に突きつけてしまった。 ただ手をこちらに差し伸べただけなのに、過剰に反応してしまう。 「す、すまない。咄嗟に反応してしまって」 「勘違いでござるか……」 モデルガンとはいえいきなり武器を突きつけられたはずなのに、楓は殆ど無反応だった。 慌ててモデルガンを片付けるがその瞳のせいでどうしても手放しに出来ない。 「本当は気付いているのでござろう」 その瞬間、自分と楓以外の世界が一瞬にして凍りついた。 真名の頭の中で警告灯が静寂の深夜を切り裂くパトカーのごとく大音量で流れ出す。 そこで『何が』と返してはいけない。 「……」 何も言えない。何かを言えばすべてを言い当てられてしまいそうだから。 「まただんまりでござるか」 「知らないな、何のことだか」 だが平静を装ってもすぐに無意味なことに気付く。 楓は真名の体を抱き寄せてキスをしてきたからだ。 仮契約という意味合いを別とするなら、これが始めてだった。 唇か重なり合う心のこもったキス。すると楓はそのまま舌まで入れてきた。 「―――っ! 何の真似だ!!」 真名は楓を力の限り振り払った。 口元を押さえている楓、どうやら舌を噛まれたようだ。 楓は口元から流れてくる赤い血を見ると、さらに睨みつける。 「真名はずるいでござるな」 「……」 「分かっていて、気付いているはずなのに気付かないフリをする……卑怯でござるよ」 知っていた、気付いていたんだ。 あの視線も態度の意味もすべて、一体自分にどんな思いを込めているか。 「……あ」 「この本は拙者が代わりに渡してくるでござるよ」 床に落とした本を拾うと、楓は一度も真名に振り向くことなく図書室から去った。 扉を閉める際、軽く咳き込んだのが見えたが、そんなことを気にする今の余裕は真名にはなかった。 「………」 真名はそのまま尻餅をついてそこから動かなかった。 気付きたくなかった、ずっと戦友―とも―として、ライバルとしていたかった。 だがこのことに気付いた以上、もう言い訳も何も出来なくなった。 自分にすら嘘をつくことも苦痛に感じてきたからだ。 翌日、楓は学園に来なかった。 「えーと…楓さんは風邪のためにお休みです」 朝のHRでのネギの言葉に一瞬動揺の顔を見せた真名。 昨日の咳き込みは風邪の前兆だったのかと思うと、胸がキリキリと締め付けられる衝動に駆られた。 また知っていて何も告げられなかった。 こんな感情は初めてで、自分がどうしていいのか分からず自問自答する。 ――どうすればいい。私は一体何をすればいい。 どんな顔して楓に会えばいいのかすら検討もつかなかった。 『軽い風邪でござるから、一日休めば明日には出てこれるでござる』 「そうか……」 休み時間に携帯電話で楓に連絡をしてみた。 なかなか気の利いたセリフが思い浮かばず、逆に楓の問いにうんうんと答えるのみだった。 『…昨日は悪かったでござる。あんなことはもう言わないから、気にするなでござる』 何故そんなに優しくする。 そんなことを言われると自分がまた惨めに見えてくる。 最強のスナイパーだとか隊長だとかの肩書きなど全く役に立たない。 楓は自分以上に悩んで言ったのに自分は何一つ解決しようともしない。 答えが出ているくせに口には出さずに逃げている自分を……だから。 「先生! 一身上の都合により早退させてください」 それが答えだった。 真名は授業を午前で切り上げ早退すると真っ先に楓が寝ている寮に向かった。 それまでの道のりはいつもの通学路のはずなのにすごく遠く見える。 到着してすぐ扉を捻ると、丁度風邪薬を飲んでいた楓と出くわした。 「真名!? 学校は」 「早退した」 真名は鞄をその場に投げ捨てると楓と向かい合う。 「楓。お前の言う通り、私は卑怯だ」 その言葉に楓のあの視線が戻ってきた。 だが今度は怖くない、自分も同じ目をするから。その行為の意味を楓は理解した。 「こんなことは始めてで、私はお前の気持ちからも自分の気持ちからも逃げた……だから」 そしてしばらくの間を置いて、真名は喉の奥に引っかかっていた言葉を投げかける。 「楓、私はお前が好きだ」 やっと言葉にしたと思えば、真名は顔を反らして歯を必死になって食いしばっていた。 今にも泣きそうな顔をしている真名を楓はそっと抱き寄せる。 「拙者も真名のことが好きでござるよ」 まるで憑き物でも落ちたかのような顔をする楓は真名に自分の思いを伝えた。 そしてそのまま二人はそっとキスをした。 「ははは、何て顔をしているでござる」 「う、うるさい!」 さっきまで泣きそうだった顔のため、目が限界まで潤んでいた。 その目を擦って必死に弁解を図ろうとしたが無意味だった。 「楓、私はお前に伝えたいことがいっぱいあるが……今はまだ上手く伝えきれないけど」 「それまで待つでござるよ」 初めての感情に怯えていたけど、これからゆっくり話そうと思う。 そう考えるだけで、真名の顔は自然と笑顔に変わっていった。 これから、ゆっくりと今の気持ちを話そうと思う。それでいいのだ。 終
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ニートをバカにしたり批判したりするのは何故だ? 大物Youtuber速報 8. syamu_game2024年02月22日 05 08 60 56自分で考えろ 69 65考えろそして考えたことを実行してみろ 何も解説したり反論できないが偉そうにしたいやつの常套句きちゃったね あーあ、黙ってれば醜態さらさずに済んだのにね こんなセリフが令和の時代にまだ通用すると思ってる可哀そうなオジサマ