約 3,978,428 件
https://w.atwiki.jp/kairakunoza/pages/2280.html
人の運命を狂わせるもの。 そう聞いて、あなたは真っ先に何を思い浮かべるだろうか? ギャルゲ好きの誰かさんなら、「選択肢を間違えること」とでも答えるだろうか。 ところで洗濯機。 これを真っ先に挙げる人は例外中の例外、少数派中の少数派と断定してまず差し支えないであろう。 そしてその日。 カレーを食べに行くと指切りしたその日。 みゆきは例外中の例外で、少数派中の少数派になった。 みゆきを乗せた糖武伊瀬崎線は、つかさとカレーの待つ鷹宮まであと一駅半というところで緊急停止を強いられた。車内アナウンスがこの先の区間での事故を告げ、やがて電車は徐行運転で九喜に入ったもののそこで停止。すぐの復旧は望めないらしいので、一旦電車を降りる。 時刻は九時近かったが、帰宅途中の勤め人や部活動で遅くなったであろう学生たちなど、足止めを食った人も多くホームは混んでいた。そこへ今度は構内アナウンスが入り、九喜―鷹宮間で「線路を横断中の洗濯機が列車に轢かれた」事が事故原因だと告げられると、足止めを食った乗客たちは一様にどよめいた。何のジョークかはたまたネタか。どちらにしても、週末の帰宅を妨害される理由としては、あまりに理不尽だ。 みゆきとしても突っ込みたい所が満載であったが、今はとにかくカレーである。携帯電話を取り出し、柊家をコールする。 「もしもし、つかささんですね」 「あ、ゆきちゃん。カレーできてるよ。今どこ?」 「実は……」 気が進まない事この上なかったが、みゆきはありのままを話した。 「洗濯機?」 首を傾げているつかさの姿が、電波越しに見えるような気がした。 「はい……。線路を横断中に轢かれたらしいです」 受話器を置くカタンという音がして足音が遠ざかり、やがて戻ってくる。つかさは何を確認しにいったのか? 「つかささん?」 「うちの洗濯機、無事だったよ」 「それは何よりです」 これは添加物なしでみゆきの本心だった。洗濯機が自らの意思で線路まで行って自害するはずもなかろうから、これは悪質な悪戯か盗難品を運搬中だったということにでもなるだろう。もし轢かれたのが柊家の洗濯機だったら……一大事である。洗濯できなくなるという事以上に。 「というわけで、到着が遅れてしまいそうです」 「うん……」 つかさの返事は、やけに重苦しい。 「あの、ゆきちゃん? 夕飯まだなんでしょ?」 「はい」 「無視しなくていいよ。ただでさえもう遅いし、わたし一人でもどうにかなるから」 口ぶりとは裏腹に、つかさが心底怯えているのがみゆきには分かった。怖がりな人間にとって闇の向こうは、百鬼夜行の世界なのである。 「そうはいきません」 みゆきは強い口調で言う。彼女としては、洗濯機を盗むような輩の出没する地域に、つかさを一人にするわけにはいかない。 「指切り、したじゃないですか」 「ゆきちゃん……」 「カレーを食べに行くという約束は、世界で最も尊く、万難を排してでも守るべきものなのです」 「……そうなの?」 「ばんなん」てどういう字だろ? と思いながら、つかさは聞いた。 「今この時からそうなりました」 「……」 「……」 「うん」 つかさが笑ったのが見えた気がした。 「じゃあ待ってるね」 最後は元気になって、つかさは電話を切った。 とはいえ……。 電話をポケットに仕舞ったみゆきは、険しい顔になって考えを巡らせる。 さしあたり最初の選択肢は二つあるように思えた。糖武線の復旧を待つか、駅を出るか。 復旧にはどれくらいかかるだろう? 線路を横断中の洗濯機……ということは、駅の近くではないだろう。それに、事件性があれば事故の片付けだけではなく、警察の捜査も行われるだろう。何より、洗濯機が轢かれたという前例があるとは思えない。前例がない事項の処理には時間がかかるということを、みゆきは生徒会の活動を通して知っていた。 では、駅から出るべきか? その場合はバスかタクシーを使う事になる。タクシーが捕まれば何の問題もないだろうが、財布の中身に問題があった。柊家行きとゆたかを迎える準備に追われるあまり、財布の中身をおろそかにしたまま家を出てしまった事に、埼玉に入ってから気付いた。 やはり待つよりありませんか……。嘆息し、肩を落としたところに、不意に第三の選択肢が走行音とともにやってきた。考えに熱中するあまり、構内のアナウンスが電車の到着を告げた事に気付かなかったのである。 灰銀色にオレンジのラインの入った211系と呼ばれる車体の上り列車。 九喜にはUR線も乗り入れていたのである。 ここからだと、泉さんのお宅も近いのですね……。 UR東鷹宮駅を前景に、みゆきは蒼い闇に溶けた東の空を見上げていた。倖手の中心は市の西寄りにあり、市民の多くがこの東鷹宮駅を利用するという。 あの深い闇の下では、今頃こなたとかがみが暖かな一時を過ごしていることだろう。寝込みを襲われた復讐などと言ってはいたが、本当はこなたが心配で仕方ないのだ。来週の月曜には、再び元気な顔を見せてくれるだろうと思うと、みゆきの顔も綻んでしまう。あるいはそう―明日、訪ねてみるのもいいかもしれない。つかさが作ったカレーを差し入れに携えて……。 西の空に目線を転じる。鷹宮神社は町のほぼ西部にあるので、ここからだと町を横断する格好になってしまう。距離は3キロくらいだろうか。町の西部に達すれば土地勘も皆無ではなく、どうにか行き着くことが出来るだろうと踏んでいた。 今、会いに行きます、つかささん……。 みゆきは意気込み、西に向かって第一歩を踏み出した。そして小さな段差に躓いてこけた。 「きゃあ」 地面にハンコでも押すかのように、びたーんと倒れる。手を突いた際に、手にひらから出血してしまった。ポケットのハンカチを探り、取り出して拭う。みゆきの柊家行きは、その第一歩から前途の多難さを感じさせるものとなってしまった。 多難の一つ目が、程なくみゆきの目の前に立ちはだかった。 それは二つの目と、二つの耳があり、顔の真ん中には鼻があり、その下には口があった。口の横にはヒゲがあり、全身は毛むくじゃら。何と何を掛け合わせたかは知らないが、雑種の中型犬である。足を踏ん張り、今にも飛び掛からんばかりの体勢でみゆきを見ている。 「や、そんな……。わたしは美味しくないですよ。そもそも食べ物じゃありませんし、きっとつかささんのカレーを食べてからの方が美味しくなると思うのですが……。ああ、辛い物はお好きじゃないですか?」 混乱気味の理屈を駆使して説得を試みるが、相手は応じてくれる気配はない。 一触即発。 どちらかが動いた瞬間、戦いが始まるだろう。みゆきは荷物を入れたボストンバッグを盾にして、じりじりと間合いを広げる。 一人と一匹の間を流れる空気が緊張で飽和した瞬間、みゆきは踵を返し逃げ出した。 ワン ワン ワン 激しく吼える声と、爪がアスファルトをける音が迫ってくる。みゆきは脚力の限り走ったが、犬相手の鬼ごっこではいくらも続かない。跳躍した犬の前足がみゆきの背中を捉え、この日二度目の転倒させしめた。 転んだことを認識しきった瞬間、肩口に犬の顔を感じた。狙いは頚動脈か。 ああ、つかささん。 待ち人の顔が頭をよぎる。 ごめんなさい。わたし、カレーを食べに行くという約束を果たせませんでした。今生ではわたしの方が遅く生まれましたが、来世ではあなたのような妹が欲しいです。さようなら……。 辞世の句(?)を心で詠み、お祈りを済ませる。思い残す事数あれど、ここに至っては致し方ない。目を閉じ、覚悟を決めたその瞬間― ぺろ~ん 顔を舐められた。 ぺろん ぺろん 続けざまに舐められる。どうやら、犬はみゆきを食べ物と勘違いしたのではないらしい。 「あなたも、おひとりですか?」 半身を起こし、尻尾を振る犬の頭を撫でるてやると、もっともっとと顔を寄せてくる。これはもしかして……。 「お腹が空いているのではないですか?」 図星らしい。犬は悲しそうにくぅ~んと鳴いた。みゆきの腹の虫も、呼応して(?)鳴く。 「旅は道連れ、世は情けといいますが……」 柊家まで連れて行っていいものかどうか? というか、この人懐っこさは飼い犬のものではなかろうか。みゆきがそう思ったとき、はるか右方向から女性の声が聞こえてきた。 「ちょいばるさん、どこ行ったの~?」 わう ちょいばるさん君は答え、声の方へ走って行ってしまう。 「おひとりじゃなかったのですか……」 ちょいばるさん君が闇に溶けて見えなくなるまで見送ったみゆきは、思わず呟いた。この空しさは、一体何なのだろう? ――といいますか……。 「わたしはどちらから来て、どちらに行こうとしていたのでしたっけ?」 哲学的な問いではない。右を向いても左を向いても、あるのは見知らぬ家並みばかり。ちょいばるさん君から逃げ、転ばされた拍子に方向感覚がリセットされてしまったのだ。まさに夜逃げでリセットである(非一家離散的な意味で)。 そこへタイミング良く、一人の通行人がやってきた。みゆきから見て左方向から。実はこの人こそ「ちょいばるさん」である可能性もあるが、さしあたり重要なのは道を尋ねることである。 「あの~」 「はいはい」 ステッキを手にしてはいるが、足取りの軽い人の良さげな老人だった。頭髪はきれいになくなっており、かなりの痩せ型。水色のポロシャツに下は灰色のスラックス。足元はサンダル履きである。みゆきの呼び止められて、にこやかに立ち止まった。 「夜分遅く申し訳ありません」 「はいはい、今年の桜はきれいでしたね」 「鷹宮神社へはどう行ったらいいかご存知ではありませんか?」 「クリーニング屋ならあっちじゃよ」 老人は、ちょいばるさん君が消えた方向をステッキで指して言う。 「いえ、クリーニング屋ではなくて……」 「最近、娘の作るカレーの味が、死んだばあさんのに似てきてのう」 「そ、そうですか。実はわたしも、カレーを食べに行くところなんです」 「このお人好しめ」 「はあ、よく言われます……」 「最後にハレー彗星を見たのは、いつだったかのう?」 「22年前だと思いますよ。わたしは生まれてませんが……」 ……どうにも、会話が成り立たない。 「それでは、わしはこれで」 老人は丁寧にお辞儀すると、ちょいばるさん君と同じ……つまりクリーニング屋のある方向へと消えて行った。 道を聞けなかったみゆきは、仕方なく老人やちょいばるさん君やクリーニング屋とは反対の方向へ、とぼとぼ歩き出した。 鷹宮神社はこちらでしょうか……。 何気なく曲がった小さな角。しかしその先に現れたのは、鳥居ではなく墓石の群れであった。墓地だったのである。 「はわわわ……」 例え正しい道筋だったとしても、ここを通り抜けるのは憚られますね……。 そう思って踵を返すと、 どん 何かに……いや、誰かにぶつかった。 「も、申し訳ありません……」 頭を下げて、上げて、目に入ったのは、白い服を着た、髪の長い、生気のない顔をした若い女……。 「で……で……で……」 ……実は、白い服を着た女のヨッパライが、帰宅すべく道を歩いていただけなのだが、場所が場所だけにみゆきはこう思ってしまった。 「出た~!!」 それからどこをどう逃げたか分からない。 闇の中にたむろす一団を見つけて、そちらに駆け寄っていく。 とにかく一人でいるのが怖かった。出来ればつかさが良いが、この際ハレー彗星老人でも、ちょいばるさん君でもかまわない。誰かといたかった。 一団は駆け寄るみゆきに気付き、そちらを見る。 その連中の外見ときたら、口が裂けているは、目が三つあるわ、角やら尻尾があるわ、頭に皿を載せているわ……。 「出た~!!」 ……実は、悪魔系に対抗して和風妖怪メイクを施したアマチュアのデスメタルバンドのメンバーが、メイクを落とす暇を惜しんでライブの反省会をしていたのだが、逃げてきた経緯が経緯だけに、本物の妖怪が待ち構えていたのかと思ってしまった。 その後みゆきは、水のない側溝に片足が嵌ったり、電柱に激突したり、用水路に落ちそうになったり、畑にダイブして自分の荷物に潰されたりと散々な目に遭うのだが、それはひとまず置いておくとして……。 一方その頃……。 すなわち、みゆきが水のない側溝に片足が嵌ったり、電柱に激突したり、用水路に落ちそうになったり、畑にダイブして自分の荷物に潰されたりしていた頃……。 ゆいのきよたかの成実夫妻は、鷹宮町内を歩いていた。鷹宮神社に参拝するためである。 「こんな時間に行って、何をお祈りするんだい?」 きよたかが尋ねる。こちらでの仕事が片付いた彼は、月曜に単身赴任先に出社すればいいので、大体日曜の午前中くらいまでは埼玉にいられるから、金曜の夜に無理して参拝する必要はないだろうと思う。そもそも、こんな時間に開いているのだろうか? 大人不足の問題はきよたかも知らされていたが、こなたとゆたかは友達と協力してどうにかするつもりらしいが。晴れて甘い時間を過ごせる自分たちが、その友達の家の神社に行こうというはこれいかに? 「ん~、子宝とか子宝とか子宝かな~」 ゆいはにべもなく答える。 「……」 「あたしも明日は非番だからね~」 「ははは……」 身も心も休まらない休日が運命付けられているというわけである。その代わりきよたかは、「ゆいは運転がアレだから……」と妥協を勝ち取り、電車での移動となった。糖武線が止まったことすら僥倖で、二人は東鷹宮駅からの深夜デートを楽しむ事にした。 ゆいはきよたかと一緒なら怖いものなどないし、きよたかも警官と一緒なので深夜の出歩きも怖いものではない。電車がなくなれば、手近なホテルにでも飛び込んでしまえばいい。 だから、何気なく曲がった角の先に、墓石の群れが現れてもどうということはない。 「ここ、神社じゃなくてお寺みたいだけど……」 「あははは、間違えちゃった。お姉さんびっくりだ」 角まで戻り、右、左と見渡す。 「どっちかな?」 「ん~、きよたかさんと一緒ならどっちでも」 「じゃあこっち」 二人は知る由もなかったが、それはハレー彗星老人やちょいばるさん君やクリーニング屋と同じ方向だった。 カツーン カラカラカラ…… 駄弁りながら少し歩いたところで、きよたかの足に何か重みのある物体が当たって転がった。 「何だ?」 きよたかが屈みこんで目を凝らす。 「おーっと、いくら愛するきよたかさんといえども、ネコババは見過ごさないよ。盗むのはわたしの心だけにしてくれたまえ」 ゆいときては、きよたかが埼玉に来てからずっとこの調子で、口実あればのろけたりニヤけたりし通しなのである。 「そんなことしないよ……ゆいさえ魔が差さなければね。あれだ」 街灯と街灯の狭間にそれらしいものを見つけて拾い上げる。 「これは……」 ……シガレットケースくらいの大きさ。長方形の軽金属で覆われた先端テクノロジーの産物……携帯電話だった。 一方その頃。 柊家ではみゆきを待ち疲れてうたた寝をしていたつかさが、目を覚ましたところだった。 寝ちゃったんだ……。 かすむ目を擦り時計を見ると、日付が変わるまで一時間を切っていた。普段ならもう寝てしまっている時刻だが、今日は夕食も食べずにみゆきを待っている。 ゆきちゃん、遅いな……。 キッチンへと行き、カレーの味が変わってないか確かめる。 うん、平気……。 味見を済ませたつかさは、弱弱しく笑った。 スーパーにあった一番高いカレールゥを使ったのだから、こうでなければ困る。ところでこのカレールゥ、実は日本人の発明だという。日本人と結婚したインド人が本国への輸出事業を始めてしまうほどだから、その味の確かさはお墨付きなのである。何も本場のインド流に拘ることはない、誇るべき日本の味なのである。話のタネにしようと前々から仕込んでおいたネタだが、披露する相手がなかなか到着しない。 そういえば……と、みゆきも自分と同様早寝だということを思い出した。まさかとは思うが、路上で眠ってしまっているかもしれない。そうでなくても、絶好調迷子中の可能性は大いにある。つかさは電話を掛けてみる事にした。 五回のコールの後、相手が出る。 「もしもし、つかさです」 『もしもし~……あれ~? どっかで聞き覚えのある声だね』 つかさも同感だった。 「もしかして、こなちゃんの従姉さん?」 『お~、やっぱそうか~』 電話に出たのはゆいだった。 『いや~、春休み以来だね。実は今、そっちにお参りに行こうとしてたんだよ。子宝に恵まれますように~ってお祈りをしに』 ゆい……と、咎めるような男性の声が聞こえてきた。 「それより、何でゆきちゃんの携帯持ってるんですか?」 『ゆきちゃんてのは、あの眼鏡の娘だっけ? ゆたかが今日その娘の家に泊まるって言ってたね』 「はい。でもゆきちゃんは、わたしの家に来る事になってるんですが……」 『そうか……。実は、糖武線が止まっちゃってね。わたしたちは東鷹宮から神社に向かってて、その途中で拾ったんだけど……』 「東鷹宮から!?」 ゆきちゃんも同じ事考えたのかな? ここでゆいは、声のトーンを最低かつ「最暗」に落として囁くように言う。 『何か血みたいなものがついててね』 「血? 携帯電話に血がついてるんですか!?」 つかさの声が思わず上ずる。 『いや、まだ血だと決まったわけじゃないんだけど……。そっちには着いてないんだよね? 予定では……?』 「分かりません。でも、九喜駅から電話を掛けてきたのが二時間以上前……」 電話の向こうの二人が息を飲んだ。 『……分かった。とにかく、本人の所在を確認しないとだね。誘拐の可能性もあるから、この事は内密にね。バッテリーがやばいみたいなんで切るよ』 電話が切れると、つかさは暗闇に放り込まれたような心境になった。 血塗りの携帯電話に、なかなかやって来ない待ち人。不吉すぎる物的証拠と状況証拠に吉兆を見出せるほど、つかさは塞翁ではない。 実は、東鷹宮駅から第一歩を踏み出した際の負傷の血が、ポケットのハンカチを探った際に携帯につき、ちょいばるさん君に転ばされた際には携帯がポケットから零れ落ち、それに気付かないまま墓場の方へ行ってしまったというのが真相なのだが、この時点ではつかさ、ゆい、きよたかはもとより、当のみゆきですらそんな事は想像も出来なかった。 吐き気にも似た不安が、つかさの小さな胸にもたれかかる。 血塗りの携帯……。 誘拐……。 行方不明……。 考えれば考えるほどに、想像の翼は最悪の空へと羽ばたいて行ってしまう。 ゆきちゃん、もう会えないのかな……。 零れ落ちた涙が、最後にみゆきとの間を繋いだ携帯電話へと落ちて弾けた。 つかさの頭は、みゆきのことでいっぱいである。 だからつかさは気付かなかった。 ちょうどその時、鷹宮町の防災行政無線が、街中にある人物について放送したのである。 ♪ ピンポンパンポ~ン こちらは防災鷹宮です 鷹宮町役場から尋ね人について…… 翼よ、あれがパリの灯だ。 ……とは、目的地に達した感慨がチャールズ・リンドバーグをして、愛機の「スピリット・オブ・セントルイス」号に語らしめた言葉らしいが、みゆきはというと、「双脚よ、あれが柊家の灯だ」とでも叫びたい心境だった。 そう、紆余曲折、七転八倒、艱難辛苦を乗り越えて、みゆきはついに柊家の灯を拝める場所に到達したのである。距離にしてリンドバーグの何千分の一だろうが、そんなのは関係ない。遅くなった非礼を詫びようと電話を掛けようとしたのだが、いつの間にか紛失していて叶わなかったが、それさえも今は関係ない。直接会って詫びればいいだけのことだ。 今行きますよ、つかささん……。 しかし行軍を再開するみゆきの前に、物陰から不意に現れたあの人が立ちはだかった。 「あ、あなたは……!」 「やあ、また会いましたね」 ハレー彗星老人だった。町の東部と思しき場所で見かけた人が、何故今ここにいるのか? 「そうですね……」 「それでは、わしはここで」 そう言い残すと、老人はどこかへ去っていってしまった。 一体何物なのか? そもそも、こんな時間に一人で出歩いて何をしているのか? 答えは防災行政無線が教えてくれた。 ♪ ピンポンパンポ~ン こちらは防災鷹宮です 鷹宮町役場から尋ね人についてお知らせします。 町内の86歳の男性が、夕方家を出たまま行方不明になっています。 特徴は身長160cmくらい、痩せ型で、服は水色のポロシャツに灰色のスラックス。履物はサンダルで、手にはステッキを持っています。 このような方を見かけたら、九喜警察署までお知らせください。 ♪ ピンポンパンポ~ン 「そういう事だったんですね……」 みゆきは柊家の灯を見る。このまま柊家へ行くべきか? それとも……? 「なんて、考えるまでもないですよね……」 ここでみゆきがハレー彗星老人を見捨てる(?)ようなら、そもそもゆたかのもしもに備えて泉家に行こうなんて言い出さなかっただろう。 だが携帯がないため、警察への連絡は出来ない。みゆきは慌てて闇に消えかけている水色のポロシャツを追った。 ここでこうしなかったら、必ず心残りになる。だが、こうすることで別の心残りが出来てしまうのも避けられない。 みゆきは心で謝った。 ごめんなさい、つかささん……。 ハレー彗星老人の足取り軽やかなる事、ハレー彗星の如し(?)。 光と闇の中に見え隠れし、何度も見失いかけ、また見失った水色のポロシャツを追っている内に、みゆきは糖武線の線路を越えてしまった。運転は再開していないようである。そしてようやく追いついた時、目の前には交番があった。 「ちょっとわたしと一緒に来ていただけませんか?」 そう言ってハレー彗星老人を手を引き、交番に入る。なぜか大人しくついてくる。最初からここが目的地だったのかもしれない。 「ごめんください」 そこでは奇妙な光景が繰り広げられていた。制服警官の姿は見えず、代わりに男女が一人ずついて、女のほうはそこの電話でどこかへ連絡を取ろうとしていた。 「あの、おまわりさんは……?」 女性の二歩後ろに立っている男性に聞いてみる。私服警官だろうか? 男性は転んだり落ちたりでボロボロのみゆきと、人の良さげな老人という奇妙な組み合わせに面食らいながらも答えてくれた。 「パトロール中らしいよ。すぐに戻るんじゃないかな」 口ぶりからして、彼は警官ではないらしい。ならば女性は、交番の電話を勝手に使っていることになるのだろうか? 「ダメだあ」 執拗に呼び出していた女性が、音を上げて受話器を置く。 「繋がらないのかい?」 男性の問いに首を振って女性はデスクに肘を突き、眼鏡の横顔を曇らせて呻く。 「呼び出しはするんだけど、実家も母親の携帯も出ないよ~」 デスクには備品の有線電話の他に、もう一台携帯電話が置かれていた。メモリーにある番号をかけていたようである。 それにしても見覚えのある携帯である。みゆきがなくしたものにそっくりだ。ディスプレイに映された番号にも見覚えがあった。まるっきりみゆきの自宅の番号……というか、そのものである。 「きよたかさん、どう思う?」 女性は顔を上げて男性に尋ねる。女性の顔にも見覚えがある。去年の夏休みに一緒に海に行ったまるでこなたの従姉の顔である。 「警視庁の連絡して、自宅を確認してもらった方がいいんじゃないかな。もしかしたら娘さんだけじゃなくて、一家を狙った犯行かもしれない」 「あの……」 みゆきは注意を引こうとするが、女性はきよたかと呼んだ男性しか見てなかった。 「きよたかさんがそう言うなら、そうしましょ」 「いや、警官のゆいが判断して欲しいな」 「成実さん……」 「そうだ、ゆたか……」 「ゆたかちゃんがどうした?」 「小早川さんならわたしの家に……」 「今日、この娘の家に泊まるって電話で言ってた……。みなみちゃんの看病だって」 「この娘!? 携帯の持ち主!?」 「それはわたしの……」 「一家が狙われたとすれば、ゆたかも巻き添え……!」 「それは大変だ! すぐに警視庁に連絡しないと!」 「な、何でそうなってしまうんですか……??」 「いーや、きよたかさん。可愛い妹の危機に、埼玉で手をこまねいていることなんて出来ないよ。ヴィヴィオぶっ飛ばして直接乗り込む!」 「……家の場所、知ってる?」 「知らない! でもぶっ飛ばす!」 「単にぶっ飛ばしたいだけじゃ……」 今しかないと思った。みゆきは二人の間に割り込み、おずおずと申し出る。 「その道案内、わたしがお引き受けしましょうか?」 「え……え……? ええ~~ッ!!」 向き合う同じ身長の眼鏡っ娘たち。片や呆然とし、片や微苦笑。男たちはというと、きよたかはやはり呆然とし、ハレー彗星老人は平然としている。 「うわ~、びっくりだ。犯人のアジトから脱出できたんだね~?」 「いえ、普通に……普通でもないんですが、ここに来てしまっただけです」 どうやら、お互い説明に長きを要すること大のようである。 カタン 交番の外で自転車のスタンドを立てる音がした。間が悪いことに、交番のおまわりさんが夜回りさんから帰ってきたらしい。説明の手間が倍増しそうな、そんな予感がした。 つかさはずっと闇の中にいた。 居間の灯りはつけたままだったが、後悔と喪失感の深く濃い闇が、心の地平線までを覆い尽くして、なかなか晴れそうにはなかった。 だからつかさは泣いた。泣いて泣いて、泣き疲れたら気を失うように眠りに落ちて、また起きて、泣いて泣いて……。 空腹も疲労感も限界を超えていたが、まるで自傷するかのように、満たすことも癒すことも拒否していた。 だから玄関でなった呼び鈴にも機械的に立ち上がり、断頭台に向かう死刑囚のように廊下を歩き、誰何もせずにドアを開けた。危険極まる行為だが、訪問者がこれ以上悪い知らせをもたらすとは思えなかったし、最悪を極めてしまえばそれはそれでいいとさえ思った。 吹き始めた夜風がもたらす寒さに震える気力もない。その夜風に吹かれて、彼女は立っていた。服はボロボロ泥だらけ。それでも彼女は立っていた。月に照らされ立っていた。 「遅くなりました……」 彼女は月の化身のように柔らかく微笑んだ。 「ゆきちゃん……なの? 幽霊じゃないよね?」 「途中でそれらしいものを見かけましたが、わたしはまだ違います」 「魂が最後のお別れを言いに来たとかでもないよね?」 「そんな事はありません。わたしはただカレーを―」 ―食べに来た、と言いかけて慌てて言葉を選ぶ。 「約束を果たすために来ただけです」 つかさは俯き肩を震わせ、大粒の涙を地面に吸わせる。カレーを作るのにどれだけ張り切っていたかを思えば、怒るのも無理はない、とみゆきは思う。ここは殴られても仕方ないだろう。だから歯を食いしばった。 「わあああぁぁぁ」 衝撃は頬ではなく胸に来た。飛び込むように抱きついて、顔を埋めて泣きじゃくる。 「大丈夫」 髪を撫で、リボンに頬を寄せ、とても不恰好ながら背中に回された手の小指に小指を絡める。 「今夜は、もう一人にはさせませんから……」 みゆきは単に、寂しかったからつかさがこんなにも泣いているのだと思った。まさか自分が、つかさにまで誘拐されたり殺されたりしたのだと思われているなどとは知る由もない。というのも交番での成実夫妻は、つかさに間違った推理を吹き込んでしまったことを、みゆきの説明しなかったのである。むしろ応答のない高良家の方が心配だったため、みゆきは高良家が契約している警備会社に連絡し、状況を確認させたのだが、結果は何の事もない。家人も客人も単に熟睡していたというものだった。 夜回りさんから戻ったおまわりさんは、突然変異的に物分りのいい人だったので、説明の手間は倍増とはならず、1.42倍くらいで済んだ。尋ね人のハレー彗星老人は無事に警察に保護され、携帯電話はみゆきの手に戻った。ちょうどバッテリーが切れてしまっていたため、つかさへの連絡は出来ず、結果的には失くしたのと変わらない状態であった。 音もなく冷える夜の中で、つかさは燃える様に泣いた。泥に汚れた服を濡らす涙が、みゆきの心まで蚕食する。やっと会えた会いたかった人が泣き続けているなんて、なんて悲しいのだろう。みゆきは泣かないと決めていた。つかさのカレーのためであれば、これくらいの労苦は物の数ではない。だからもし泣いてしまえば、それは唾棄すべき自己陶酔である。だからみゆきは、泣かないと決めていた。だからといって、泣かすことが本意であるわけでもなかった。 みゆきはつかさの顔を上げさせ、泣き声を上げ続ける口を自分の口で塞いだ。 「うわ~」 「すげ……」 物陰から見ていた深夜の参拝客たちがたじろぐほど激しい口付け。この光景が、二人にとってのこの夜の呼び水となるかもしれない。 つかさはというと、みゆきの腕の中で腰砕けになり、胸の突出部に頭部が引っかかってぶら下がるようにもたれかかった。味見でもしたのだろうか。初めてのキスは、涙とカレーの味がした。 「やっと泣き止んでくれましたね」 「ゆきちゃんのせいだもん……」 唇を奪われたことを怒るでもなしに、でも拗ねたような表情をつかさは見せる。 「どうすれば許してもらえますか?」 「一緒にカレー食べてくれたら……」 その答えにみゆきは苦笑を禁じえない。それでは、最初から許されているということではないか。 「わたしにもお願いがあります」 「なあに?」 花のつぼみのように唇を尖らせたまま、つかさが聞く。 「わたしもカレーが食べたいです。つかささんと一緒に」 つぼみが開き、笑顔が咲き、報われるという幸せが蚕食されたみゆきの心の隙間を埋めていく。 二人は同時に口を開く。 答えはもちろん……。 おわり コメントフォーム 名前 コメント やばい、ラストにウルッときた -- 名無しさん (2008-09-10 19 30 17) キスは想定外だった。 -- 名無しさん (2008-08-25 22 02 18)
https://w.atwiki.jp/maimai_database/pages/70.html
チキンカレーピラフ 提供者:森田(聖) 活動日:2011年12月17日 分類:洋食 材料 米 1合 玉ねぎ 1/2 人参 1/4 鶏肉 約50g? カレー粉 小さじ1 塩コショウ 適当 バター 10g 作り方 下準備 米をとぎ、1時間ほど水に浸して吸水させる。 1.たまねぎ、にんじんをみじん切りにする。 2.みじん切りにした玉ねぎ、人参をバターで炒める。 3.鶏肉を入れて火が通ったら、十分水を切った米を入れる。 4.米が透明になったら、カレー粉・塩コショウを加えてさっと炒める。 5.水200ccを加えて炊く。 トップページへ戻る
https://w.atwiki.jp/kt108stars/pages/10905.html
672 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/10/26(月) 22 49 23.90 ID y77/uRLJ0 本物の吟遊GMはなあ! ダンジョンの分かれ道でPC達がGMの望む方を選ばないと いじけて外に煙草吸いに出やがるんだぞ!! なおどっちを選ぶべきかのヒントは無い なお、それで懲りたらしいGMは分かれ道のない道中をシナリオ舞台にした上 PC側の調査探索一切無意味なくせに時間経過を待って何もしないことさえ許さなくなりましたよ スレ426
https://w.atwiki.jp/vipdetenho/pages/167.html
**怪盗レトルト 元カレーカツうどん リアルでカツカレ、妹とは友人だとか 最近配信し始めたらしい だが、その内容は天鳳に限らずとのこと 好きな役 平和 一通 タンヤオ 別ID 手動販売機 初段 宇宙メダロッター #ref(http //www22.atwiki.jp/vipdetenho?cmd=upload act=open pageid=167 file=060928.jpg)
https://w.atwiki.jp/dqff1st/pages/665.html
ざくざくとクーパーは自分の足元の雪を手にした棒でつついていく、まったく手応えが無い…。 「だめだ、バッツ兄ちゃん…ここもクレバスだよ」 「そうか…」 2人の足取りは遅々として進まない。 東に向かった二人を待ちうけていたもの…それは無数のクレバスとアイスバーン。 それを避けて進んでいる間に2人は道に迷いつつあった。 かなりの長い時間が経過しているにも関わらず、 直線距離にしてわずか数百メートルも進んでいないのがもどかしくてならない。 ちなみに彼らは知る由もなかったが、エドガーたちが結局南に向かわざるを得なかったのも、 実はそのためだったりする。 「戻ろう…これ以上はとてもじゃないけど進めないよ」 疲れ果て地面にへたり込んだクーパーが提案する。 これ以上進めば日が暮れる、日が暮れる前に何とか野営の出来る場所を見つけなければ…、 「あの時引き返していれば…」 申し訳無さ気に頭を下げるクーパーをバッツは慰める。 「気にすんなよ、仕方が無いさ」 そう言って引き返そうとしたバッツだったがその時、足元が不意に滑った。 慌ててクーパーへと手を伸ばすがわずかに遅い。 「う!うわぁぁぁぁぁ!」 ごろごろと氷壁を滑り落ちていくバッツ、転落しながらも必死で体勢を立て直そうとするが なかなか上手く行かない、ならばブレイブブレイドを氷に突きたてて、滑り止めにしようとするが 刃は氷の上で火花を散らすのみで刺さってはくれない。 「だったら…ちくしょう、ファイア!」 バッツの声と同時に剣が赤く輝き、同時にしゅうしゅうと音を立てて氷が溶けて行く。 さらにバッツは両手で剣を握り、両足に力を込めて渾身の力で踏ん張っていく、 やがてがきんっという鈍い音と同時にようやくバッツの身体は停止する、炎が氷を溶かし、 刃が元の岩肌に突き刺さったのだ。 ようやく一息つけたバッツはそろそろと下を覗きこむ…地面は自分の遥か下だ。 さらにその時剣が滑り、またバッツの身体が谷底へ滑っていく。 結局、それからしばらくしてクーパーがロープを上から投げてくれるまでの間、バッツは身動き一つ出来なかった。 こうして命からがら救出されたバッツだったが、その時にはすでに日は沈みつつあった。 「よかった、バッツ兄ちゃん本当によかった」 救出の喜びを隠そうともせず、バッツにすがりつくクーパー、だがバッツは喜んでばかりもいられなかった。 「ああ…だけど困った事になってしまった」 「?」 「俺の荷物は全部谷底だ、したがって食料は全部パーだ」 荷物を分けていたのが裏目に出た、先頭を行くクーパーをなるだけ身軽にするために、 彼には地図等の最低限の装備のみを持たせて、残りの食料などは全部自分が抱えることにしたのだが 自分がそれを失ってしまったのでは話にならない。 さっきとは逆にうなだれるバッツをクーパーが励ます。 「とにかく戻ろう…今ならまだ安全な場所までは帰れると思うから」 【バッツ@魔法剣士(アビリティ:時魔法) 所持品:ブレイブブレイド 第一行動方針:安全圏まで引き返す 第二行動方針:アリーナ(アニー)、とんぬら、パパス、エーコの仲間(名前しか知らない)を捜す 基本行動方針:非好戦的だが自衛はする 最終行動方針:ゲームを抜け、ゾーマを倒す】 【クーパー 所持品:天空の盾 第一行動方針:安全圏まで引き返す 第二行動方針:アリーナ(アニー)、とんぬら、パパス、エーコの仲間(名前しか知らない)を捜す 最終行動方針:ゲームを抜け、ゾーマを倒す】 【現在位置:ロンタルギアの中央北西の山地】 (バッツは武器以外の荷物を全て、それから食料は2人共通で全て失っています) ←PREV INDEX NEXT→ ←PREV バッツ NEXT→ ←PREV クーパー NEXT→
https://w.atwiki.jp/timeismoney/pages/34.html
カレーショップ エス 札幌市中央区3条4丁目 シルバービル地下1階 011-219-1235 営業 11:00~22:30(LO22:00) 休み 水曜日 ホームページ http //www.curryshop-s.com/ さっぱり! 店長きれい -- (小僧さん) 2009-10-28 18 33 50 名前 コメント すべてのコメントを見る 大きな地図で見る
https://w.atwiki.jp/kt108stars/pages/1187.html
460 名前: 人数(略) 2005/06/26(日) 17 27 57 ID ??? ウチのサークルのL→Rな困ったちゃんが、ある日TRPGの勉強の為、面白い本があったら 貸して欲しいと言ってきた。 で、オレ的SF初心者にオススメベスト3の一つであるハインラインの「月は無慈悲な夜の女王」を貸した。 そして、一ヵ月後・・・ ヤツ「面白かったです!」 オレ「良かった。少し小説が長いから心配してたんやけどな」 ヤツ「ええ、大変でした!でも、30分で読めましたよ!」 オレ「そ、そうか・・・、、で、どの辺が面白かった?」 ヤツ「覚えてません!」 ・・・他のサークルのメンバーに借りたすべてのオススメの本にも同じコトをしたらしい。 そして、誰も本を貸さなくなった。 10年来のリアル友人だが、コイツは「モノが違うな」とよく思う。 462 名前: NPCさん 2005/06/26(日) 17 38 42 ID ??? 多分それは「勉強熱心な奴」という印象を与えたくてやったんだろう 読んでないのが丸わかりだから逆効果だけど 463 名前: 人数(略) 2005/06/26(日) 17 47 03 ID ??? 462 いや、10年以上の付き合いのオレは知っている。彼は正真正銘の「勉強熱心な奴」なんだよ。 ただ、普段、本を読まない人間が、2cmの厚みの文庫本を読むのに「30分」というおかしな時間を 提示するのも そもそも自分がどれぐらいの時間をかけて本を読んだかも忘れている から仕方がないんだ。 基本的に食べ物のコト以外の記憶がないんだ、コイツ。 スレ74
https://w.atwiki.jp/tetrismaps/pages/458.html
エスカレーター積み開幕エスカレータ積み
https://w.atwiki.jp/kansai_curry/pages/37.html
スパイスバー 種類 営業時間 [月~金] 11 00~20:30 [土,祝] 11 30~15 00 定休日 日曜 住所 大阪府大阪市中央区北久宝寺町2-5-3 船場ビル 1F TEL 06-6251-2708 メニュー ・プレーンカレーライス 390円 ・生たまごカレーライス 440円 ・チーズカレーライス 580円 ・とんかつカレーライス 630円・野菜カレーライス 630円 ・煮込みカレー 680円 公式ホームページ 備考 Facebook Twitter 大きな地図で見る コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/44297.html
登録日:2020/03/11 Wed 12 30 29 更新日:2024/08/07 Wed 09 44 45 所要時間:約 5 分で読めます ▽タグ一覧 STARTER BOX新規収録カード Z-ONE もうやんカレー カレー コラボカード ビーフカレー モウヤンのカレー ライフ回復 レイン恵 特殊裁定 絶版 通常魔法 遊戯王 遊戯王OCG 遊戯王デュエルモンスターズ 魔法カード モウヤンのカレー 通常魔法 ライフポイントを200ポイント回復する。 ●目次 概要 特徴①:遊戯王OCGで「単発では最も低い回復値のカード」である ②:特殊裁定を持っている ③:作中において、特定の人間をリアルに回復させられる ④:融合素材である ⑤:実在する 概要 モウヤンのカレーとは遊戯王OCGの1枚。 1999年のSTARTER BOXに収録されてから現在に至るまで1度も再録を経験していない。 ちなみに海外ではなぜかカード化がかなり遅く2010年にカード化がなされた。 ……だがこのカード、現在に関してはもちろん、出た当時も「なんだこれ?」という反応になったであろうカードである。 まず「ライフ回復」はそれ単体では相手の盤面には何も影響を及ぼさない上に、自分のライフポイントも0にならない限り惜しみなく削って盤面展開を押し進めるのが、高速化した現在の環境においてのライフの運用方法。 そのため専用構築か、《活路への希望》などのライフポイントの数値や差分を参照するカードと併用でもしない限りはあまり積極的には採用されない。 しかも百歩譲ってライフ回復に主眼を置いたデッキを作ったとしても、このカードにお呼びがかかる可能性はかなり低い。200程度の回復では戦況に変化を及ぼすのは難しいからである。 せいぜい「あと少し足りなかったコスト分のライフをこのカードで補えた」程度だろう。 より回復できるカードはいくらでもあるのでそちらを採用するうちに枠がなくなってしまう。 他に可能性を見出すとすれば発動条件等が一切ないので、特定のカードに魔力カウンターを気軽に貯められるという点である。ライフ回復カードは全部が全部魔法というわけではないのでこの点でいくつかのカードとは差別化が可能なのだが、それでもライバルがいなくなるわけではない。 このカードをサーチできる特別なカードなどがあるわけでもないので、デッキ構築の面においてはこのカードは役には立てにくいだろう。 そんな微妙さ故か『GX』に登場した「カレー仮面」こと樺山先生のカレーデッキにも入れてもらえなかった。 まあそもそも実質上位互換の《マジックスパイス-キャラウェイ-》(*1)が入ってる上に、仮に入っててもあんま使い道無いし……。 特徴 そんな《モウヤンのカレー》だが、実はこのカードには特筆すべきいくつものポイントがある。 ①:遊戯王OCGで「単発では最も低い回復値のカード」である これに関してはあまりいい意味での特筆点ではない。 上述した通り《モウヤンのカレー》はライフ回復カードとしてはあまりに心許ない。 遊戯王のライフコストやバーンダメージは500の倍数値が多い(もちろん例外も多々ある)ため、ライフ回復としてはどれだけ少なく見積もっても500、理屈抜きの現実的な回復量としては1000は欲しいところである。 200のライフ差がゲームに響くということは可能性としては0ではないがかなり低い。 もちろん《折れ竹光》の様にそれ単体では何の意味もないカードや単体ではデメリットのカードも遊戯王ではたくさんあるのでそれらと比べればこのカードでは単体ではちゃんとメリットなのでマシではある。え?メリットがないも同然だって? ②:特殊裁定を持っている ここまでこのカードを「ライフ回復カード」としか言ってこなかったが、よく見るとこのカード、テキストには「ライフポイントを200ポイント回復する」としか書いておらず、「誰のライフを200回復させるのか」が具体的に明示されていない。 この点からこのカードには「発動時に自分・相手のどちらのライフポイントを回復させるかを指定し、指定した方のライフの回復ができる」という特殊裁定が下っている。 ちなみにこの効果は対象を取る効果ではないという裁定が下されている。 「相手のライフを回復させて何をするんだ?」と思う人もいるかもしれないが、自分よりもライフが上であってほしいときの調整、《シモッチによる副作用》でダメージに変換など、用途はある。 ただし相手を選んだ場合でも当然回復量は200である。見ようによっては「相手ライフを極度に増やさない」とポジティブにも見られるが。「なら増やさなきゃいいじゃん」とツッコんではいけない。 ちなみにこの効果を利用して初期の遊戯王デュエルリンクスにてCPU側のライフを回復させることで「ノーダメージ」「逆転勝利」のボーナス獲得に役立っている。回復量が少ないことも逆転に必要なカードを無駄に増やさないというメリットとみることもできた。 これについては回復先が明記されていなかった回復カードは実はこのカード以外にもあったのだが、それらは当時(《モウヤンのカレー》を含めて)自分のライフ回復にしか使えない裁定になっており、再録時に「自分のライフを回復する」とエラッタされ、効果の適用先が明記された。 だがこのカードは再録の機会がなく、テキストの改定がなされなかったことによりに特殊裁定が下り、現在に至っている(*2)。 エラッタされなかったことで他の回復カードと差別化が可能になった珍しい例である。 ちなみにOCGに準拠していないゲームやエキスパートシリーズにおいては特殊裁定前の裁定に従ったものになっており、他の回復カードの下位互換になっていた。 ③:作中において、特定の人間をリアルに回復させられる 『5D s』のラスボス・Z-ONEの生命維持装置の中には《治療の神 ディアン・ケト》らと共にこのカードが入っている。 さらに『遊☆戯☆王タッグフォース』ではどういう訳かシナリオ内でこれを使ってリアルライフを回復させられるキャラがいる。 他の回復カードじゃ駄目なのかと聞きたいところだが、相手を回復させられる点や、カレーは美味しいという点が大事なのだろうか。 ④:融合素材である 一見「?」なのだが、多くの融合パターンが設定されているるネタゲー過去のゲーム作品・「封印されし記憶」では、《モウヤンのカレー》を使用した融合パターンが用意されていたのだ。 +《火の粉》=《体温の上昇》:スパイシーなカレーで身体も温まるのだろう。 +《ドラゴンの秘宝》=《ドラゴン族・封印の壺》:その美味しさにドラゴンまっしぐら。 +《秘術の書》=《ハンバーガーのレシピ》:ハンバーガー作成にも繋がるらしい。 +《モウヤンのカレー》=《シモッチによる副作用》:食べ過ぎに注意ってこと?ちなみにポケステの通信融合で全てこのカードだった場合にも出てくる。(*3) +《マーダーサーカス》=《マーダーサーカス・ゾンビ》:食中毒でしたか……。 +《美しき魔物使い》(美女)=《地獄の魔物使い》(ヒゲのおっさん): おいちょっと待て 。(*4)だがこの組み合わせ、実は相互関係にある中の一つになっている。内容は以下の通り。 融合素材1 融合素材2 完成品 美しき魔物使い モウヤンのカレー 地獄の魔物使い 地獄の魔物使い サイバー・ボンテージ 美しき魔物使い 上記のどちらか 戦士抹殺 電撃鞭 ……持ってるものがドロップアイテムになるのはともかくとして、あのヒゲのおっさんがオカマだったりボンテージに女体化する能力があるとでも言うのか!? ⑤:実在する 「カード名にある『モウヤン』って何だ?」と思う人もいるかもしれないが、実はこれ、東京都を中心に全国7店舗で経営されているカレー店「もうやんカレー」のことである。(*5) つまりこのイラストのカレーも実際に存在するのだ。(*6) というのもこのカード、店のほうがネタを提供したらしく、店の方でもこのカードをラミネート加工した上で飾っていた。(*7) さらには店の公式ブログにもコメントを付随させてこのカードの写真が載せられるなど、店の側からも愛されるカードとなっている。 以前は通販でこのカードを販売したり、このカードを店に持ってきた客への割引サービスもしていた。ここまでの公式(?)プッシュから遊戯王ファンにとってはちょっとした名所の1つになっている。 ゲーム内ではイラストに描かれたカレーは「ビーフカレー」として紹介されているが、もうやんカレーでは当然それ以外のカレーもある。(*8) 興味がある人はカードを見に、そしてカレーで英気を養いに行くのもいいかもしれない。 レトルトもあるぞ! 実在の店の名前を使ってる割に効果が小さすぎるんじゃ?と言う意見もあるが、これ以上の回復カードのラインナップが 怪しい薬 ゴブリンの隠し持つ秘薬 天使の生き血 むしろ神様そのもの という人間には手に入れにくいものだったり倫理的、気分的にアレなものだったりする。 というわけで一般人に比較的安価に提供できるカレーで生命力を補えるのは世界観的に破格の効果なのかも知れない。 追記・修正はおいしくカレーを食べた後に支払いを自分と相手のどちらがするかを決めた上でお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 初期のスターターデッキに入ってた -- 名無しさん (2020-03-11 12 38 47) Z-ONEの命を繋ぎ止めていたカードの一種 -- 名無しさん (2020-03-11 12 53 09) 2番目のポイントでの特殊裁定故にレイン恵を回復できたんだっけ? -- 名無しさん (2020-03-11 13 17 16) カレー好きのスタッフでもいたのか?と思ってたが店名だったのか -- 名無しさん (2020-03-11 13 31 56) 再録はしません。もうやんなったから…モウヤンだけに -- 名無しさん (2020-03-11 13 34 39) 再録されない理由は3を見るに「コラボカードだから」って事かな? -- 名無しさん (2020-03-11 13 49 35) GB版遊戯王の初期デッキに必ず入っているカードだったから妙に印象に残っている。まあ実用性ならご隠居の猛毒薬や成金ゴブリンなどには遠く及ばないよね -- 名無しさん (2020-03-11 14 24 35) ハヤテのごとくにももうやんカレー出てくるよ -- 名無しさん (2020-03-11 15 03 39) 美しき魔物使い+モウヤンのカレー=なんということでしょう -- 名無しさん (2020-03-11 18 14 32) 遊戯王初のバーンカードだった火の粉とと違いこちらは既にレッド・ポーションという上位互換が居たのがネタ性に拍車をかける -- 名無しさん (2020-03-11 18 22 05) ↑アンチ乙。モウヤンのカレーは見た目アドがあるから 相手に空腹のデバフをかけられるのは正直美味しくなさそうなレッドポーションにはない利点 さらに相手の許可が取れればカレーの匂いをつけてデッキにあるだけで空腹を誘うアロマタクティクスが使えるぶっ壊れカードだぞ -- 名無しさん (2020-03-11 19 51 29) さらには割引を受けられたというリアルマネーアドもあったからなモウヤンのカレー -- 名無しさん (2020-03-11 20 12 04) 実在しているのは子供の頃から知っていたけど水曜日のダウンタウンでクロちゃん(安田大サーカス)を尾行する企画で出てきて「まだ営業してるんだ」と思った そしてチェーン店だと今初めて知った -- 名無しさん (2020-03-11 21 00 14) ちなみに地獄の魔物使いはサイバーボンテージと融合させると美しき魔物使いに戻すことができる、 -- 名無しさん (2020-03-11 21 43 19) 非常食と比べて数段回復量が劣ることから「本当は不味いのでは」という疑惑が絶えないカード(逆に非常食側の安全性を疑う声も…)。ある意味本家への風評被害である。 -- 名無しさん (2020-03-11 22 26 29) 美味しいものが体に良いとは限らないゾ。ゴブリンの秘薬とか絶対まずい -- 名無しさん (2020-03-12 00 32 50) 閃刀姫カイナが閃刀魔法が発動するたびとはいえ100しか回復しないし「遊戯王OCGで最も低い回復値」は違うんじゃない? -- 名無しさん (2020-03-12 01 09 56) ↑2 薬系に負けるのは所詮食べ物だしって納得できるんだけど、同じ食べ物のはずの非常食(それも極めて平凡な見た目)に負けてるからネタにされてるんだよなぁ -- 名無しさん (2020-03-12 06 10 37) ↑2 カイナはリンク向きとかレイで相手の攻撃1回防ぐとかのおまけで回復がついてるんであってライフ回復がメインではない、それにカイナは複数回トリガー出来るしおまけで付いているライフ回復は概ね強い とはいえ指摘には一理あるのでちょっと変えた -- 名無しさん (2020-03-12 10 03 58) もうやんのカレー旨かったしもう一度食いたい -- 名無しさん (2020-03-12 16 02 20) まだ実物が展示されてた頃に池袋店に行ったなぁ…トマトの酸味の主張が強くて好みが分かれるなって思った -- 名無しさん (2020-03-12 22 00 05) 何故か封印されし記憶では、パスワードで手に入れる際にスターチップを最大量要求される。なんで? -- 名無しさん (2020-03-15 10 27 46) ↑儀式魔法の素材になるからじゃね(適当) -- 名無しさん (2020-03-15 11 52 58) ラッシュデュエルでまさかのブルー・ポーションのガチカード化。カレーもラッシュデュエルに登場できていればサポートで化けたのかもしれない…けど素性能がアレだから強化用のエサとかそういう扱いになる未来しか見えんが -- 名無しさん (2020-12-28 18 52 47) マスターデュエルに無いのが惜しい。 飯テロデッキの第一候補なのに…軍貫やハングリーバーガーが支えているけど -- 名無しさん (2022-07-13 10 40 25) だいぶ前に池袋店に行ったけど、入口のドアに某極左政党のポスターが何枚も貼ってあったり、店に置かれてるスパイスの効能が万病に効く的なすさまじく胡散臭いものだったりと、控え目に言っても独特の雰囲気だったな。カレーは正直口に合わなかったけどタンドリーチキンとカレーうどんは美味しかった。 -- 名無しさん (2022-07-13 11 06 26) 名前 コメント