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この世でもっとも生物を殺したのはなんだろうか。 それは刃か? それは火か? それとも銃弾か? いや、毒である。 肉体を蝕み、血肉を腐らせ、悶え苦しんだ後に残酷に息を止める。 無念にも毒で死んだ者。 諦めの果てに服毒した者。 勝てぬ化け物に挑み、毒を持って打ち勝った者。 毒とは総称だ。 それは体を蝕むもの。 それは心を蝕むもの。 痛みを、苦しみを、誰かが望むがままに与える痛みの塊である。 ――煙草の焼け焦げを残した紙片より 【AnrimitedEndLine】 外伝 『Biscuit・Shooter/2』 その日、別れを告げた ……ニコチンは毒だ。 煙草に付随するタールもまた毒だ。 体を蝕み、肺を黒く汚して、毛細血管を収縮し、舌を麻痺させ、体力を削る。 どう足掻いても吸うことに意味はない。 けれど、手を伸ばすのは……もはや中毒なのだからだろうか。 「プハ~……」 武装隊の詰め所にある喫煙所。 そこでヴァイスはいつものように煙草に火をつけて、紫煙を吸い込んでいた。 喫煙所には他には誰も居ない。 元々肉体勝負の武装隊には禁煙を心がけている奴も多いし、それ以前に今は武装隊の一チームが出動したばっかりだ。 ヴァイスは、その出動する人員には……含まれていない。 「今日でここもおさらばか」 煙を吐き出して、紫煙を揺らめかした煙草の先端を見つめながら、ヴァイスは天井を見上げた。 普段にはないだらけた姿勢で、スプリングの壊れたまま修理申請の通らないソファーに背を預ける。 ギシギシと軋んで休めない固いソファー。 これも今日でおさらばだ。 「そう考えるとなんだか名残惜しく……はならねえな」 座り心地最悪のクッションに思い出なんて求めちゃいない。 この一本を吸い終わったら、行くか。 そう考えて煙草の先端を見る見る灰に変えていった時だった。 「誰かいるのか?」 「あ?」 ガチャリと煙から隔離するための扉を開けて、見覚えのある赤いポニーテイルが見えた。 「ヴァイス、か?」 「シグナムの……姐さん?」 そこに居たのは同じ航空武装隊の同僚であり、先輩とも呼べるシグナムだった。 窓を開け、換気扇を回す。 そうすることで部屋一杯に立ち込めていた紫煙の煙が薄れていく。 大して高級でもない安い煙草はただ煙臭い香りと苦々しい味しか齎さない。 そんな中に煙草を吸わない非喫煙家のシグナムには厳しいだろうという配慮だった。 「すまないな」 ヴァイスが座っていたソファー。 その対面に当たるやはりスプリングが利いていないソファーにシグナムは腰掛けていた。 「いや、大したことでもないすから……ところで姐さんはなんでこんなところに?」 喫煙家どころかあまり煙草の煙自体を好んでいないはずのシグナムが、喫煙所にやってきた理由をヴァイスは尋ねた。 「そうだな……率直に言えば、お前に会いに来た」 「へ?」 「武装隊から部署換えするのだろう? なんでもヘリパイロットを目指すらしいな」 「参ったな……知ってたんすか?」 ガリガリと頭を書き上げて、煙草の端を噛みながら苦笑するヴァイス。 それを見ながら、シグナムは内心不安を感じていた。 (例の誤射事件から顔を合わせていなかったが……随分とやつれているな) 同じ航空武装隊とはいえ、別の班の所属だ。 大掛かりな任務でもなければ任務で顔を合わせることも無い。 最後に顔を合わせたのは数ヶ月も前の話だ。 (ティーダが亡くなった時もそうだったが……さらに悪化しているな) たった数ヶ月前の記憶と現在を見比べてみると、愕然とする。 過酷な任務で疲労の色はあったものの軽口を叩きながら笑っていたヴァイスの面影は殆ど残っていない。 確かに口調や態度は記憶のままだが、どこかで違和感を覚える。 無理して取りつくろっている。 そんな気がするのだ。 笑いたくもないのに笑っていて、苦しいのに苦しくない振りをする。 「ところでヴァイス。体調の方は……どうだ?」 「は? 姐さん、なにを藪から棒に」 「いや、な。又聞き程度だが、お前の調子が悪いと聞いてな。違う部署に行くのだ、調子を崩していたら最初から躓いてしまうだろう?」 「うー、いや確かにちょっと調子は悪いすけど。大したものじゃないっすよ」 調子が悪い。 そんなレベルではなかった。 少なくともシグナムが知っている限りでは、そんなレベルではない。 初めに聞いたのは銃がマトモに握れなくなったという話。 射撃場でガタガタと震える腕を押さえつけて、デバイスの引き金を引いていたという噂。 任務が終わるたびに嘔吐し、誰とも口を利かないまま姿を晦ますという。 昔はまったく手を出していなかったはずなのに飲酒に手を付け、決して吸おうとしなかった煙草をシグナムの前で吸っている。 おそらく煙草や酒は不安感やイラつきを抑えるためにやっているのだろう。 明らかなPTSD(心的外傷後ストレス障害)の傾向だった。 明らかな重病人であり、本来ならば心身共に酷使する武装隊になど続けられるはずのない状態だった。 なのに、ヴァイスはそれでも武装隊をやめようとしなかった。 昔のままに……否、以前よりも鬼気染みた雰囲気と態度で戦歴を挙げ続けた。 壊れたように、狂ったように働き続けていた。 いつか死ぬんじゃないか? とまで囁かれていた。 そんな彼が唐突に転属願いを出した。 それも荒事とはさほど関係のない運搬部への転属願い。 良い傾向だと思った。 確か昔ヘリが好きだと聞いていたから、本当に好きなものに熱中することが出来るのならば多少は傷を癒せるかもしれない。 そう考えていた。 「そうか……それならいい」 「えっと、それだけすか?」 「ああ。ちょっと心配になっていてな」 シグナムは何気なく成長した同僚であり、後輩のヴァイスを見つめた。 二年だ。 新米として武装隊に入ってきた十代の少年は二年の月日でここまで成長し、そして変わり果てた。 (私は未だに成長も衰えもしないのにな……) 闇の書――否、蒼天の書の防衛プログラムとして生み出された仮初の命。 記憶はある。 心もある。 命もある。 けれども、それは不変だった。 おそらくは十年経っても、二十年経っても、主が年老いても自分は同じままなのだろう。 そして、目の前の後輩であり同僚だった若者はこれからも成長し、変わっていくのだろう。 (少々羨ましくもあるがな) 「姐さん? ……なんか用があるんすか?」 そんなことを考えていたら、ヴァイスがこちらに目線を合わせていた。 どうやら無意識に見つめていたらしい。 「いや、少し考えごとをしていただけだ」 「そうすか……」 そうヴァイスは呟くと、ゴソゴソと胸ポケットから取り出した煙草を咥えようとして――不意にシグナムに眼を向けた。 (吸ってもいい? ということか) シグナムは苦笑しながら、手を振って構わないという態度を取ろうとした時だった。 『臨時ニュースです』 「ん?」 『市民街で起きた違法魔導生物の脱走事件ですが、武装隊の迅速な対応で無事確保されました。しかし、その際に市民に数名の軽症者が出ており、地上本部の治安体制に抗議の意見が殺到しており――』 ブツン。 喫煙室に取り付けられていたディスプレイが、ヴァイスの握った端末によって電源を落とした。 「……どこもかしこも文句しか出ないすね」 「ああ。ただでさえ地上本部は忙殺されるほど動いているというのにな」 度重なる治安問題。 未だにはこびる違法魔導師や管理局への反テロ運動。 異常とも言える管理外世界への勢力拡大に、性急な動きによって海はより広まる活動範囲に人手と人材が足らず、それによって引き抜かれた地上本部はより深刻な人材不足と戦力不足に悩む。 急激な運動に管理局という組織自体が軋みを上げて、その動きに耐え切れずに組織のパーツ……すなわち人材が磨耗して擦り切れていく。 「上層部は何を考えているんすかね……」 「さあな。少なくとも私達程度では口の出せない領域だということには変わりあるまい」 如何にSランク魔導師といえども、所詮組織の端末だ。 重要性と戦力という意味では重宝されているかもしれないが、自分たちヴォルケンリッターは闇の書の収集行為という 度重なる重罪を犯し、本来ならば何の関係もない主ともども管理局に組している。 時折、組織の方針に疑問を抱くこともある。 ヴィータは特に気づいていないだろうが、シャマル或いは少なくともザフィーラも同じ心境だろう。 ――“完全無欠の正義”など存在しないことに。 けれども、この管理局は主が夢見る願いを叶えるための組織であり、数多くの恩人が所属している組織だ。 鎖に繋がれた囚人も同然とはいえ、自らが幸せを望む主と友人たちのために剣を振るい続けることは間違っていない。 決して間違っていない。 少なくとも私はそう信じている。 「……口は出せない、か。いつまで続くんだろうな、こんな事件が」 「ヴァイス?」 私が思案にふけていると煙草を噛み潰し、ディスプレイを見上げたヴァイスが居た。 「え? あ、いや、ちょっと……イラついただけっす。すいません」 「腹立たしいのは分かる。しかし、ここでお前が怒る理由にはなるまい?」 「あー、そう……すね」 噛み潰した煙草の根元を指で掴み、ヴァイスはライターを取り出す。 カチンカチンと鳴らして、火を出そうとするのだが、オイルが切れたらしく火が出ない。 「っ、くそ」 「ちょっと貸してみろ」 私は立ち上がり、ヴァイスの口元に手を運んだ。 「姐さん?」 眼を丸くするヴァイスの前で、軽く魔力を放出し、変換資質で火へと変質させる。 パチンと指を鳴らすように、指の間から躍り出た火が煙草の先端を焦がした。 「おー。シグナムの姐さんがいると、ライター要らずっすね」 「そういわれると、途端に安上がりな気分になるな」 シグナムは軽く苦笑し、ヴァイスもまた笑みの形を取り繕いながら紫煙を吸い込む。 そして、ゆっくりとシグナムには掛からない位置に煙を吐き出して、喫煙所に備え付けられた灰皿で折れ曲がった煙草の先端を揉み消した。 「それじゃあ、俺はそろそろ行きますわ」 「ああ」 よっこいしょっという声と共に、ソファーにおいておいたのだろう肩下げバックを腕にかけ、ヴァイスは喫煙所の扉を開けた。 「じゃあ、シグナムの姐さん。またなんかの機会があったら会いましょう」 「ああ。楽しみにしている。いずれはまた模擬戦でもするか」 「そいつは勘弁を。勝てないですって」 苦笑しながら、ヴァイスは最後に手を振って、喫煙所の扉を閉めた。 そう告げて、ヴァイスは武装隊の宿舎から姿を消した。 シグナムはそれを見届けた。 彼は知っている。 近き日か、遠きいつかの日に起こりえるであろう事態を。 彼女は知らない。 近き日か、遠きいつかの日に起こる出来事を。 かつての同僚にして、先輩。 かつての同僚にして、後輩。 同じ部隊に所属するであろう烈火の騎士と落ちぶれたエーススナイパー。 二人の信念をかけた激突を。 「シグナムの姐さん。悪いが、ここで墜ちてくれ」 「ヴァイス! お前はぁあああああああ!!!」 万物一切の敵を断つ烈火の騎士。 万物一切の障害を撃破するビスケット・シューター。 剣と銃。 真っ向から打ち破る騎士と死角から仕留める狙撃手。 相反する存在の対立。 彼と彼女の激突は、遠き六年後に演じられることになる。 そう、それは燃え上がる噴煙と爆炎の戦場で。 戻る 目次へ 次へ
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琥珀色の黄金水に白い泡。 つまりはビールなのだが、ビールの入ったグラスを高らかに掲げるとやたらと陽気な声。 「乾杯!!」 言うや否や一気に呷る。 続いて二杯目のビールを溢れんばかりにグラスに注ぎながら我らが兄貴、ヴァイスはご機嫌であった。 どれくらいご機嫌なわけかというと、「歌でも歌い出したい気分だ、んんっふ~ん♪」 まぁこんな感じ。 ウサギもかくもやという瞳をジトッと半目にしながらシンはご機嫌な兄貴を冷たく見つめていた。 「いや~たまには男だけで飲むってのもいいやねぇ~」 「あのヴァイスさん…」 意を決したのか、そろりと声をかけるが、ヴァイスは何処吹く風といった感じだ。 「おう、シン遠慮せずぐいぐい行けよ。奢りだ」 「いや、だからヴァイスさん……」 尚も言い募ろうというシンを他所に、ヴァイスはおつまみを物色しつつ早くも二杯目を空ける。 「お、何だよチータラが無いじゃんよ~カマンベールチーズしか無いって」 「オッサン!!」 おつまみのチョイスに文句を言い始めたヴァイスにシンがキレた。 「オッサンじゃな~い!!何だよシン。飲め飲め!!」 「飲めじゃねぇよ……俺未成年だっつーの」 「細かい奴だな~」 「細かくない!!百歩譲って俺は良いとしてもエリオまで呼ぶとはどういう了見だよ」 視線をヴァイスが移してみれば、手元のグラスを困ったように見つめる赤毛の少年の姿がある。 「ビールは苦手か?ワインにするか?」 「だからそういう問題じゃねぇ!!」 「何だよ……」 「飲み会をするのは勝手だけどさ、何で俺とエリオが入ってるんだよ」 飲み会のメンバーを見ればシンの疑問も最もであった。 エリオとシン、そして普段は中々接する機会の無い無限書庫の司書、ユーノの姿があった。 ユーノはただただ苦笑してグラスをちびりちびりと舐めるようにしている。 「飲むんなら普通に同僚とかで良いだろ?」 憮然としたシンに対して、ヴァイスはチッチッチと人差し指を振る。 その指をへし折ってやろうかこの野郎、そうシンが静かなる殺気を高めると、三杯目を空けたヴァイスがにやりといやらしい笑みを浮かべる。 そしてエリオをビシリと指差す。 指されたエリオはキョトンとしている。 「素直系ショタっ子!」 「は?」 何を言っているのかわからないという顔のシンを他所に、ヴァイスは次いでユーノを指差す。 「中性的美形!!」 「は?」 そして、最後にシンを指差す。 「ツンデレ美少年!!!」 「は?」 ヴァイスは立ち上がると、酒瓶を手に堂々とした様子で叫ぶ。 「どうせ飲むなら、お兄さん綺麗どころと飲みたい!!」 「死ね!!」 間髪いれずに叫ぶシン。 叫ばれたのはある意味とても真理であった。 しかし、悲しいかな、シンには理解出来なかった。 「見ろ!!この隙の無いメンツ!!合コンしたってここまでのクォリティーは期待出来まい」 「アンタの頭の中は隙だらけだな……」 ヴァイスの手には名酒『美少年』。 その酒瓶で頭をかち割ってやろうかとシンは思った。 きっとからんと良い音を立てるであろう。 ユーノは苦笑しつつワインを口にしている。 同じ男かと、シンは自分を棚に挙げながら内心呟く。 エリオは観念したようにぺろぺろと子犬の如く酒に手を出す。 頭痛を覚えながらヴァイスをもう一度見つめると、兄貴は元気にサムズアップ。 「何ご満悦って顔してるんですか……」 「バッカ、オメェ汗臭い野郎共と飲まず、かといって後腐れのある女でもなく、それでいて目の保養になってるんだ。もうサムズアップしかねぇだろ」 「散々人を合コンに誘ってるのって誰でしたっけ…?」 「色々後が面倒なんだよ!!具体的に言えばブッキングしてだなぁ…」 「もう良いです」 「事の最中に『来ちゃった♪』なんつーてもう…」 「もう良いっつてんだろうがよ!!」 「『来ちゃった♪』ならまだ良いけどよ、『来ないの♪』とか言われた日にゃあ、お前…」 「最低だ……性病移されて真実の愛とかお寒い事を言いながら肉欲に溺れつつ不治の病とかそれ何てケータイ小説?みたいな感じで死んでしまえ」 「ワンブレスで言い切った!!ツンデレだなぁ少年~~で、シンちゃんはいつ頃お兄さんにデレてくれるのかにゃ?」 「未来永劫ありません……つかデレって何ですか!」 「まぁまぁ、シン君」 シャム猫の如くツンケンしているシンと、それを楽しそうに受け止めるヴァイスの二人に待ったを掛けたのは第三者のように傍観していたユーノであった。 「ユーノ先生……」 「折角男だけでこうして騒ぐ機会をヴァイスが設けてくれたんだから、お言葉に甘えようよ」 「先生まで……」 「さっすがユーノ。わかってる♪伊達にスキンケアは怠ってないなぁ」 「オッサンは黙ってろ!!」 「酷い!!シンちゃん酷い!!パパそんな子に育てた覚えは無いぞ!!」 「既に出来てるのかよ!!酔っ払い!!!」 苦笑するユーノの前で、シンとヴァイスのじゃれ合いが再開された。 ◇ 「う~~……もう無理ですぅ~」 シンはゆっくりとした動きで赤い髪を撫でる。 チクチクとした手触りが自分の髪質とは異なり、それが面白くて撫でる手を休めない。 シンに撫でられているのは早々に酔いつぶれたエリオ。 顔を赤くし、自身の膝枕で潰れてしまっているエリオを眺めながら、シンは疲れた視線を向こう側で転がっているモノに向けた。 「ごぁぁ~~んごぉ~~」 空いた酒瓶を抱えながら、高鼾をかいて眠っているヴァイスを見ると、シンは深々と溜息を吐く。 ユーノはそれを見てクスクスと笑う。 憮然としたシンの視線を受けても、尚、楽しげにユーノは微笑む。 「ヴァイスさん……飲むだけ飲んで潰れちゃったよ……ったく……」 「はははは……でも少しは気が晴れたんじゃない?」 「え?」 思いも寄らぬ言葉に、シンはギョッとさせる。 ユーノは微笑みを絶やさずに、何杯目かになるワインを空ける。 その目元は微かに赤い。 「何か物思いに君は耽る事が多いみたいだね。今も」 「そんな事……」 「シン君。ここにはなのはもフェイトも、誰もいないよ?」 不意に向けられた真っ直ぐな視線に、シンは言葉に一瞬詰まる。 幾ばくかの逡巡の後、観念したようにシンは視線を膝の上のエリオに向けながらぽつりと零す。 「正直……こうやって楽しく騒いでると……不安になる事があるんです……」 「不安?」 「俺はここにいても良いんでしょうか?」 その声に、縋るような色が押し止められている事に、ユーノはシンという少年の強さを感じた。 けれども、見え隠れする程に弱っている、それもまた事実だと思いながら、シンの言葉の続きを待つ。 「俺は他所の世界から来た異邦人で………そんな俺がここに居続けて、皆と仲良くなって……」 「場違いだって……思うのかい?」 こくりとシンは頷く。 紅の瞳が寂しげに揺らめく。 喉を潤すように、ユーノは残り僅かなワインを流し込む。 「君は……昔のフェイトみたいな目をしてるね」 「……隊長ですか……?」 「うん。ここに居ても本当にいいのか、常に自問自答しているみたいな……そういう目をするね」 「でも……俺は隊長と違います……」 「さっき言ってた異邦人っていう話かい?」 「…………俺は他所の世界から来た……ホントの余所者だ……それが皆と深く関わっても……」 「なのははね」 「え?」 「なのはは魔法なんて関わりの無い子だったんだ……僕がミッドチルダからやって来るまでは。 僕もなのはにとっては異邦人だよ。フェイトにとっては自分の世界を壊してくれたなのはは異邦人以外の何者でもない。 みんなそれぞれがそれぞれにとっては異邦人なんだ」 「それは……それは屁理屈ですよ……」 「いいんじゃないかな、屁理屈で」 「いいって……そんな……」 「誰も幸せにしないような理屈なんていらないと思うよ。少なくとも、君は幸せじゃないみたいだ」 「幸せ……わかりません……」 「じゃあ、聞くけど、なのは達……スバルやティアナが悲しい顔をしているのを見てシン君は幸せなのかな?」 その言葉に弾かれたようにシンは顔を上げると、勢い良く首を振る。 正直なその反応に、ユーノは笑みを浮かべる。 真っ直ぐな紅の瞳は一見苛烈なようで、その実優しい。 それが伝わってきただけで、ユーノはシンを好ましいと思った。 「じゃあ、やっぱり誰も幸せにしてくれない理屈だ。僕が見た限り、君が落ち込んでて幸せになるような人は六課にはいない」 「そう……なんでしょうか…?」 「そんなんです」 きっぱりと言い放たれた言葉に、シンは呆気に取られる。 ユーノはワインを空いたグラスに注ぐと、一口、ゆっくりと含む。 「じゃあ、屁理屈でも皆が幸せになれる方が良いよ。皆が皆異邦人なんだ。君だけじゃない。君は一人じゃない。それに………」 「う~ん……むにゃ……シンさん…ハメ技は酷いですよ~~」 シンの膝に頭を乗せたエリオが寝言を呟く。 エリオの寝言は、シンとユーノの間に生まれた沈黙にするりと入り込んだ。 ぷっ、とユーノが噴き出す。 戯れに、赤いエリオの髪を撫でると、ユーノはエリオに向けていた視線をシンに移す。 「少なくとも、この場に居る三人は君に居て欲しいって思ってるよ」 その言葉に、シンはただただ無言でゆるりと膝の上のエリオの横顔に視線を移した。 穏やかなその寝顔に、自然と笑みが零れる。 「ありがとう……ございます……」 ◇ ユーノは毛布を持ってくると、兄弟犬のように身を寄せ合って眠っているシンとエリオに優しくかけてやる。 その穏やかな寝顔に、つられて笑みが零れる。 「もう狸寝入りは良いよ、ヴァイス」 そうっと、シン達を起してしまわぬように囁かれた声に反応して、むくりと起き上がる人影。 ヴァイスは、苦笑を零すと、プルタブを開けていない缶ビールを手繰り寄せると、勢い良く流し込む。 「バレバレか?」 「大丈夫、シンは気付いてないよ」 二人が穏やかに寝入ってしまっているのを確認すると、ヴァイスはユーノの隣りに腰掛ける。 ヴァイスは黙ってユーノのグラスにビールを注ぐ。 「やっぱりユーノ先生に任せて良かったぜ」 「普段からおちょくるのを止めればいいのに……そうすればこんな役人任せにしなくても良かったんじゃないの?」 ヴァイスは首を振ると、普段は中々触れないシンの猫の毛のような髪を撫でる。 その感触が気持ち良く、何度も撫でるヴァイスの瞳は穏やかで柔らかい。 其処には、バカなことを言ってシンに冷たい目で見られていた姿は無い。 「いんや、やっぱりユーノが適任だったぜ」 「面倒見が良いんだね」 「そんな事は無いけどよ、まぁただこのツンデレボーヤが随分と思いつめてたみたいだからな」 「僕にはアレだけ六課の子達に好かれていて自分がここに居ていいのか不安に思えるこの子が少し不思議だけどね」 「コイツはまぁ、ガキのクセに随分と無くしちまったモノがあるみたいだからな。誰かがハッキリ居ても良いって言ってやらなきゃ信じられないんだろ……」 「………そっか……それは好きとは少し違うから……そうなのかもね………」 シンの鴉の濡れ羽色の髪を指先に絡めながらヴァイスはビールをあおる。 「しかしまぁ………ティアナ達もまだまだだねぇ」 「何がさ?」 「惚れた男の不安一つ摘み取ってやれねぇようじゃあ、まだまだ女の経験値足らねぇな」 「ふふふふ、仕方ないよ。彼女達も彼女達で大変なんだよ」 「ま、まだまだお嬢ちゃん達には可愛い弟達はやれないな」 「そうだね」 二人は顔を見合わせると小さく笑う。 シンは普段の険が取れた穏やかな子供のような寝顔をしていた。 ツンつん×デレでれ 13話へ進む 一覧へ
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E・HERO プラズマ・ヴァイスマン(アニメ) 融合・効果モンスター 星8/地属性/戦士族/攻2800/守2300 「E・HERO スパークマン」+「E・HERO エッジマン」 このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が越えていれば、 その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。 手札を1枚捨てる事で相手フィールド上の攻撃表示モンスター1体を破壊する。 モンスター破壊 地属性 戦士族 融合モンスター 貫通 E・HERO 同名カード E・HERO プラズマ・ヴァイスマン(OCG) 関連カード E・HERO エッジマン E・HERO スパークマン
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孤独は湿度のない乾いた空気であり、冷たい風のようなものだ。 乾いた空気は喉を痛めつける。 冷たい風は体を冷やす。 乾いて、傷ついた喉は水を求めて熱を発し。 冷えた体は熱を求めて、震え出す。 最初は辛い。 寒さに震え、痛みにもがくだろう。 しかし、何時しか慣れる。 冷え切った体と声すら出せない喉を残して。 ――岩陰で朽ちて死んだ男の口癖より 【UnrimitedEndLine】 外伝 『Biscuit・Shooter/5』 その日、足音が聴こえた。 古代遺失物管理部【機動六課】 地上部隊に置かれておきながらも、その所属は本局に属しているという異例な部隊。 所属している魔導師は最低でもBランク以上。 五名存在する隊長陣に至ってはAAA以上、リミッター保持でもAAクラスという常識外れの部隊。 その存在を知った地上部隊の人間はこう囁く。 ――海から送り込まれた地上への牽制だと。 ――金と権力を持て余した馬鹿が作ったお飾り部隊だと。 ――海と地上の戦力差を見せ付けるためだと。 そう囁かれる。 好意的な意見もあれば、悪い噂もある。どんなものにもマイナスな面があるように、妬む者も居れば憎む者もいる。 稀に出てくる才能ある魔導師はその待遇の良さ故に本局――『海』へと渡り、地上所属――陸は限りある戦力で任されている次元世界を保護する。 年々監視規模を増やす次元世界の調査や対処に海は人手不足を嘆き、陸は少ない戦力で嘆きながらも見捨てられない人々のために力を尽くす。 海は扱っている規模故に一つ次元の世界で戦う地上を軽んじて、地上は戦力を引き抜いていき防げるかもしれない事件への対処を遅らせる海を憎悪していた。 人は全て善人なわけがない。 治安を護ることを理念とする管理局に所属していても、全ての人間が清らかな面を持っているわけじゃない。 次元世界を管理するなどと謳っても、そこに所属し、そこで働くのはヒトだ。 もちろん次元世界には様々な生命体がいる。 様々な獣人、知能を持った獣、限りない情報から生まれた情報構成体、発展した文明から産み出された電子生命体、鋼鉄の血肉と配線と電子部品の頭脳を持った機械生命体 その他にも沢山の存在が居る。 けれど、決して完全なる善性を持った存在などいなかった。 失敗を起こさぬものが居ないように、悪が産まれない世界などどの次元にもなかった。 穏やかな性格の獣人たちが住む惑星があった。 けれど、そんな彼らでも誤解から喧嘩になることもある。 暴力を嫌う故に起こるのは小さな子供のような喧嘩だったが、それでも争いというものは産まれる。 ある研究者は言った。 「もし本当の意味であらゆる次元を作った創造主がいるのであれば、それはおそらくヒトなのだろうね」 ヒト。 それは不完全な存在を指し示す言葉だと、研究者は告げた。 不思議なことにどんな世界にも同じように伝わる神話がある。 神は土よりヒトを創り、己の分身とした。 己の手足である天使とは違う、己と同じ存在を産み出したのだ。 神話にはそう語られている。 だからこそ、ヒトは不完全なのだと研究者は言った。 創造主が完璧な存在ならば、生み出されたものも完璧になるはずだと。 完璧な存在が悪などという不具合を産み出すはずはないと。 その研究者はそう告げると、静かに笑った。 「だからこそ、可能性というものもあるのだがね」 不完全な存在だからこそ、完璧なものはない。 完璧ではないからこそ、可能性がある。 可能性があるからこそ、不完全。 不完全だからこそ、心がある。 心というのは不完全だからこそ生まれるのだから。 メビウスの輪のように永遠に結論へと辿り付かない疑問、ループし続ける きっと千年経っても見つからない答えを探しながら。 もがき続けるんだろう。 海と陸は油と水のような関係だ。 決して混じり合えない、反発するだけの存在。 水の中に油を垂らすように、機動六課という存在は地上部隊からどこか浮いている。 もしも混じり合わせたければ、それこそ石鹸水でも使わないといけないだろう。 「まあその場合、石鹸水になるのは親交関係ってとこか」 隊舎の寮。 ヴァイスはハッカの飴を舐めながら、地上本部の連絡員から渡された情報を見ていた。 手には待機状態のストームレイダー。演算処理と簡単な処理ならそのままでも行えるので、問題は無い。 空間に展開するモニターではなく、直接網膜に画像を投影しながら目を走らせる。 【陸士108部隊 部隊長――ゲンヤ ナカジマ】 映し出されているのは二日後、機動六課の面子がホテル・アグスタへの警備任務に向かう際に合同任務を行う部隊の隊長。 スターズのフォワードであるスバル・ナカジマの父親である人物であり、それ以前にヴァイスはこの人物を知っていた。 「あの時のおっさんか」 思い出すのは六年前。 “ティーダが死んだ事件”のこと。 かつてミッドチルダで起きた事件、今よりも遥かに多かったテロ行為。紛争があった時代。 ヴァイスとシグナムとティーダが。 地上本部の部隊全てが一丸となった大規模紛争。 【ミッドチルダ閉鎖事件】 ミッドチルダが7日間に渡り次元閉鎖された悪夢のような一週間。 その中で、直接は見ていないが著しい働きをした部隊の隊長として彼の名前をヴァイスは知っていた。 「古参組……か」 ヴァイスはどこか含みを持った呟きを洩らした。 そこに篭められたのは過去を思い出す感情。 地上本部も六年前と比べて大分状況が変わった。 頻発していたテロを鎮圧していた熟練の局員は退役や本局に引き抜かれて、今地上本部にいるのは碌なテロも知らない新人ばかり。 そんな中でも実戦を知り尽くし、熟練した隊員を揃えているのが陸士108部隊だった。 「純粋に警備だけなら、奴らに任せれば安心だろう」 ヴァイスはファイルを閉じて、証拠隠滅にデータを削除する。 大体必要な情報は頭に叩き込んだ。 主要な人員の顔も覚えたし、後は現場で何も起こらないことを祈るだけだ。 「俺は出ないしな」 そうなのだ。 今回の警備任務の舞台はクラナガンにある高級ホテル。 少々僻地にあるとはいえヘリで向かうわけがなく、陸で活用される移動トレーラーで輸送されることになっている。 ヘリパイロットであるヴァイスは緊急時に備えた交代部隊の輸送要員として、待機が決まっていた。 華やかな人員と優秀極まる魔導師が数を揃えたスターズとライトニング分隊だが、それの予備であり、交代部隊である人員もまた優秀な人員である。 B以上の陸戦魔導師が大半を占めており、その人員は地上本部から出向した隊員による部隊。 人手不足だというのに、なんとか運営に支障がない分の人員や面子を揃えて、差し向けたレジアスの苦労には頭が下がる一方だった。 彼らはレジアスから渡されたストッパーでもあり、同時に地上の地形や事情に疎いスターズやライトニングでは任せられない任務を請け負っている。 何かと癖の多い面子が揃っているが、陸の所属だったシグナムが指揮を取っていることで今のところ問題は起こっていない。 まああまり顔を合わせないこともあって、フォワード四人は交代部隊の人員のことなど殆ど知らないだろうが…… ――ピッと不意に音が鳴った。 「ん?」 ベッドの脇に置いておいたストームレイダーが電子音声で内容を伝えた。 『It is Time(時間です)』 「そんな時間か」 パキリと噛んでいたハッカの飴を噛み砕き、ヴァイスは立ち上がると、自室の隅のハンガー掛けに掛けたプライベート用のジャケットを羽織る。 ベットの縁の置いておいた待機状態のストームレイダーをズボンのポケットに入れ、机の上に置かれた小さな鏡で身だしなみを軽く確認しながらタバコの箱をジャケットの内ポケットに放り込む。 事前に申請しておいた外出許可証を手に持ち、ヴァイスはドアを開いて歩き出した。 エンジンが唸りを上げる。 己の手でチェーンナップしたエンジンが、タイヤに効率的にエネルギーを伝えて、低く唸るような咆哮を上げていた。 太陽も翳る夕闇の中、点灯もしてない大型二輪が一直線にクラナガンの路地裏を疾走し、その乗り手であるヴァイスは迷いもせずに狭い路地裏を突破し、転がっている紙切れやゴミなどを吹き飛ばしながら走っていた。 硬質な樹皮の感触がグローブ越しに伝わってくる。 狭い路地裏の曲がり角を、角に差し掛かる数秒前に体を大きく傾けて――曲がる。 アスファルトに傾いた体が擦れそうになりながら、握り締めた手でグリップを回し、加速。 タイヤの溝がアスファルトを噛んで、ギャリギャリと音を立てながら、されどスリップする事なく走る。 そして、直進。 数百キロにも至る鋼鉄のボディを引きずりながら、僅かに浮かんだ前輪を押しあげる様に後輪が回転する。 傾いた体が真っ直ぐに進む道に合わせて体勢を立て直し、バイクが唸り声を上げながら走った。 「んっ」 目的地が見えた。 路地裏を活用し、大きくショートカットした末に通常よりもずっと早く目的の店が見えたヴァイスは速度を落としながら、ブレーキを掛けていく。 目的地の十数メートル前、誰もいないことを確認し、ヴァイスは大きくバイクを振り回しながら後輪を滑らせた。 焦げ臭い臭いを撒き散らしながら、ギャリギャリと引き攣るような音を立ててバイクが止まる。 遠心力を失い、自然に傾くボディを地面に差し出した脚が支えた。 「着いたな」 バイクから居り、駐輪出来る位置にまで手で押すと、キーを抜く。 ヴァイスはフルフェイスのヘルメットを外すと、ヘルメットをハンドルに被せた。 一応チェーンを付けると、彼は静かに顔を見上げた。 そこにあったのは――六年前、一つの信じるものを教えられた場所だった。 カランと静かに音がした。 ドアに付けられた鈴が音を立てる。 「いらっしゃい」 ヴァイスが入ったドアの向こう、外見からは想像付き難いぐらいに大きなバーの中で、マスターがグラスを磨いていた。 八年前、今は死んだ先輩にして同僚の男に連れられてやってきた時から多少老け込んでいるものの、変わらない動きと笑みでこっちを見つめていた。 「おや? ヴァイス君か、一月ぶりだね」 「お久しぶりです」 返事を返しながら、ヴァイスは店内を見渡す。 まだ夕暮れに差し掛かった時刻、夜勤明けもいなければ通常業務が終わる時間でもない店には殆ど客がいなかった。 ――奥に座る見覚えのある人物を除いて。 「奥の席は空けてあるよ。存分に話すといい」 「ありがとうございます」 「なに、君は八年以上の付き合いだからね」 店と客という立場の違いあっても、人同士ということには変わりは無いとマスターは付け足した。 静かに飲みたいのなら静かに飲ませ、騒がしく飲みたいのならば騒がしく飲ませる。 望まれるままに品を出し、温かく見守るだけ。 そんなスタイルを保ち続けているから、どこか癖の強い陸の隊員がよく寄り付く場所になっているのだろうなとヴァイスは思う。 「それと注文は?」 「ロックの水割りで」 指二本並べてヴァイスが告げると、マスターは承知したように後ろに並べてある酒瓶を手に取り、準備を始めた。 その間にヴァイスは歩き出す。 奥のテーブル席へと近づいて、挨拶をした。 「えっとお久しぶりです、オーリスさん」 「久しぶりですね」 そこには私服姿に鞄を膝の上に置いたオーリスがカクテルを手に座っていた。 プライベートと仕事では使い分けているのか、前に地上本部では見かけた時よりも若干大きめなメガネを付けていた。 上には っと、観察はそこまでにしてヴァイスは用件を切り出した。 「連絡員なら、ドゥーエでも来ると思っていたんすけど」 それなりに顔馴染みになっている隠密諜報用の戦闘機人の名を上げる。 「彼女なら博士のところに連絡に向かわせました」 彼女が博士と言って、該当する人物は一人しか居ない。 ジェイル・スカリエッティ。 ヴァイスも良く知る科学者。広域指名手配犯、レジアスとの共犯者。 ――“奴ら”を叩き潰すための仲間。 「彼女の擬態能力はとても優秀です。連絡要員としてはこちらとしても欠かせないのですよ」 説明が足りないと思ったのか、オーリスは少しだけ早口で言葉を継ぎ足した。 実際ドゥーエは優秀だ。 顔を変え、体型も、見かけ上ならば性別も変更出来る彼女はどんな立場にも縛られないフリーな存在として動ける。 諜報員としてあれ以上の存在はいないだろうと、ヴァイスは承知していた。 「あ、いや、それは分かりました」 「それならいいのですが」 ほぅっと息を吐くオーリスを見ながら、ヴァイスはオーリスの正面から少し外れた横の位置に座る。 っと、そこでトレイを持ったボーイが二人のテーブルの上に水割りのグラスを置いた。 「どうぞごゆっくり」 礼式めいた言葉を残して、ボーイが立ち去る。 彼が立ち去ったのを確認し、ヴァイスは口を開いた。 「そういえばレジアスの大将は元気ですか?」 話の切り口としてヴァイスがレジアスの名を上げると、オーリスは彼独特の呼び方も含めておかしかったのか少しだけ微笑を浮かべた。 「ええ、元気です。少し仕事をし過ぎだと注意はしても、あまり聞いてくれないところが困ったものですが」 昨日も栄養ドリンクを飲んで、書類を書いてましたと少しだけ呆れたように呟くオーリス。 その言葉に、レジアスが目の下に隈を浮かべて、大量の書類に目を通している姿がヴァイスの目に浮かんでくるようだった。 「あー、それならよかったっす」 まずまずな会話の出だしに、ヴァイスが少しだけ笑みを浮かべた。 彼は別に初心な男というわけでもないのだが、女誑しというほど女になれているわけでもない。 あまり親しくもない女性には多少は気を使うし、そういう場合には普通の対応ぐらいしか出来ない。 「そういえば、あまり話したこともないですね」 「あ、そうっすね」 オーリスが不意に口を開いて、ヴァイスを見つめた。 氷のように冷たい女だと地上本部に所属する心無い人間が囁く怜悧に相応しい、切れ長の瞳が少しだけ和らぐ。 唇を湿らせたカクテルの縁には、口紅の跡。 「折角の機会ですので、礼を言わせていただきます」 「え?」 「貴方のお陰で、中将が――父が救われています」 淡々とした、けれどどこか感情を篭った言葉がヴァイスの耳に届く。 「父は喜んでいます。地上にも正義を理解している人がいるということを」 どこか冷たく、乾いた目に力が篭っていた。 「海は知らない。陸の窮地に、外へと羽ばたく人々の後ろを必死で護っている人間の正義を」 多少の酔いはあるのかもしれない。 けれど、それは本心なのだろう。 「父は孤立しています。海からは危険分子を軽蔑され、陸からは英雄だと尊敬されていますが、誰もその苦悩を知りません」 よく耳に届くレジアスの中傷。 海よりの局員が在籍する機動六課。そこには陸への軽視がある。 「たった100年でいい。ただ平和が欲しいだけなのに」 海には海の事情があるのだろう。 けれど、それは陸も同じだ。 外へ目を向け、次元を救うのはいいことだろう。 誰もが称える栄誉であり、誇らしいことだろう。 けれど、だからといって人々を護る陸が無駄なのか? 否。 そんな偉業よりも、オーリスはただ平和を求めていた。 そのために、父の反対も押し切って、今の職場にいる。 平和の殉教者に仕えていた。 「……と、すみません。礼を言うはずなのに、愚痴をもらしてしまって」 「いや、いいっす。気持ちは、その……よく分かりますから」 普段抑えていたものがお酒で噴出したのだろう。オーリスの目は少しだけ潤んでいた。 ヴァイスは取り繕うように、けれどしっかりと本音が混じった言葉で慰める。 「それで今回の用件なのですが。これをどうぞ」 コホンと調子を整えたオーリスが、持っていたカバンから数枚の書類を手渡す。 そこに書かれていたのは何らかの地図と地上本部の武装隊で使われる用語を多用した作戦書。 ヴァイスはそれを読み、そして次第に怪訝な顔つきを浮かべて――不意に目を厳しく細めた。 地図と作戦書に書かれていた場所の名前に。 「これは、まさか」 「その通りです。博士から依頼ですが」 「ビスケット・シューター。あなたへの狙撃任務です」 痛みがある。 誰もが痛みを抱えている。 生きるということは痛みだ。 苦しみながら悶える日々だ。 だから、これから行うことも平気だ。 痛みは増したところで、痛みなのだから。 覚悟を決めろ。 親しみを持った仲間を撃ち抜けるだけの覚悟を―― 戻る 目次へ 次へ
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~EGO本部・地下室~ ヴォルケイン(AIS)「いくぞ!」 ガコン! ヴォルケインの背負う巨大な砲塔が展開される。 ギュゥゥン!! 砲塔の先端に収束していくエネルギー。 ヴォルケイン(AIS)「消えろ!」 ドゴォォォン!! 砲塔から放たれる巨大なエネルギー砲。 十也「みんな!よけろ!」 エネルギー砲を済んでで躱す4人。 レイジ「この駆動鎧は高速移動からの高火力による一撃必殺を得意としている。奴の動きを封じなければ手が付けられない」 先ほどの戦いの経験からヴォルケインの特性を見抜いているレイジ。 ヴァイス「でも…」 手に持った白い長銃シュルゲン・イェーガーでヴォルケインに狙いを定めるヴァイス。だがヴォルケインは高速で動き回りヴァイスの照準は定まらない。 ヴァイス「これじゃあ動きを止めようにも…」 十也「ブレオナクアンカー!」 バシュン! ブレオナクの刃部分が射出され、ヴォルケインへと狙いを定める。 ヴォルケイン(AIS)「遅い!」 シュン! ヴォルケインはいともたやすくブレオナクを躱す。 ヴォルケイン(AIS)「はははは!」 高笑いを上げるAIS。 ゲイン「奴を捉えられん!」 ヴォルケイン(AIS)「さらなる絶望をみせてやる」 ボゴン! 地面から2体のヴォルケインが姿を現す。 レイジ「増えただと!?」 ヴァイス「一体だけでも厄介なのに…さらに2体なんて」 十也「だったら!」 ガコン! ブレオナクの刃が柄の部分へ装着される。 十也「本体を狙う!」 不気味に脈打つAISへとブレオナクを構え斬りかかる十也。 シュン! ヴォルケインが十也の目の前に現れる。 十也「なっ!」 あまりの高速移動に反応が遅れる十也。 ドゴン! ヴォルケインの拳が十也に撃ち込まれる。 十也「ぐはっ!」 ヴォルケイン(AIS)「やらせるはずがない。人間の思考回路は浅はかだ」 その場に膝をつく十也。 レイジ「十也!」 シュン! 二体のヴォルケインが十也を囲むようにその場にたたずむ。3体のヴォルケインが十也を取り囲む。 ヴァイス「まずい!十也が!」 ヴォルケイン(AIS)「まずは一人」 ガキン! ヴォルケインの腕部の装甲が変形し円盤のカッター状となる。 キュィィン!! 高速で回転するカッター。 ゲイン「へレティス2!やむを得ないか…!出てこい!」 ヴォルケイン(AIS)「消えろ!」 その手を十也に振り下ろすヴォルケインたち。 十也「くっ…」 ズン! 十也「…あれっ?」 ヴォルケインのカッターにより切り刻まれるのを想像していた十也は目の前の事態に驚く。 十也「駆動鎧が…倒れている?」 ヴォルケインたちがその場に撃ち伏している。いやよく見ると違う。ヴォルケインたちは何かに上から押し付けられているような様子で立ち上がろうとしていた。 上を見上げる十也。そこには彼の見覚えのある姿があった。 十也「ティスシス!?」 ティスシス「お久しぶりですのお兄様」 ふわりとその場に浮かぶ白髪の少女。 レイジ「あいつはレーヴェンズの!」 ヴァイス「なんであの子が?」 突如現れたティスシスに驚きを隠せない十也とレイジ、ヴァイス。 ゲイン「詳しい説明はあとだ!へレティス6!」 ティスシス「かしこまりましたの」 ジャキ! どこからともなく取り出した身の丈以上の長さを持つ日本刀を手に持つティスシス。 ティスシス「サクッといきますの」 ザシュ!ザシュ! ヴォルケインを切断していくティスシス。 ティスシス「これで」 長刀を突き刺すように構えるティスシス。 チャキ! ティスシス「おしまいですの」 ザシュ! 最後の一体へと長刀を突き刺すティスシス。 バシュゥゥ… ヴォルケインたちは霞のように消滅する。 十也「なんでティスシスが?」 ティスシス「黒の魔導書の力で私は新たなる生命として生き永らえましたの。今度は…」 チャキ! 長刀を構えるティスシス。 ティスシス「お兄様たちとともに戦いますの。私のパートナーのゲインとともに」 十也「パートナー?」 ゲイン「気にするな。戯言(ざれごと)だ」 ティスシス「恥ずかしがることはありませんのよゲイン」 ゲイン「まったく…調子がそがれるな」 やれやれと首を振るゲイン。どうにもティスシスには毎回調子を崩される。 レイジ「レーヴェンズが生きていたとは…」 ヴァイス「驚きね」 ティスシス「私だけですの。ほかの仲間たちはもう消滅しましたの。あれを除いては…」 目の前を指さすティスシス。彼女が指さす先は… ドクン!ドクン! 怪しく脈打つAISだ。 十也「あれもレーヴェンズなのか!?」 ティスシス「混ざりもの。正しくは私の同胞を取り込んだ存在ですの」 ゲイン「レーヴェンズと未元獣、その細胞を取り込み人工知能による制御を試みた異物だ」 ヴァイス「こいつがボスを…」 レイジ「AIS…アルバド隊長の仇。今度こそ決着をつける!」 ナイフを構えるレイジ。 AIS「……」 シュルルル!! AISの周囲の触手がAISを囲んでいく。無数の触手がAISを包み込む。 ゴゴゴゴ!! 地震のようにあたりが激しく揺れる。 十也「うわっ!」 レイジ「天井が!」 地下室の天井が崩れ落ちていく。 ドゴン!ドゴン! 崩壊していく地下室。 ヴァイス「なにあれ!?」 十也たちの前には巨大な球体が鎮座していた。 レイジ「これは…触手か!」 無数の触手が絡まりあい巨大な球体を形成している。 ウジュル!ウジュル! 球体状に絡まりあう触手が不気味にうごめく。 ゲイン「この中に本体が隠れているか」 十也「こいつを倒せば暴走する触手を止められる!」 ティスシス「なら倒すほかに選択肢はありませんの」 ヴァイス「いくわよ!『シュルゲン・イェーガー』!」 バシュン! ヴァイスの持つ白い長銃から放たれる複数の銃弾。拡散弾のように放たれるそれはAISを覆う触手へと直撃する。だが分厚く何層にも重なった触手はヴァイスの攻撃だけではびくともしない。 ゲイン「これでどうだ!『轟迅弾』!」 ゲインの右腕に装着された腕部ユニットが触手へと放たれる。 ドゴン! その一撃は触手へダメージは与えるが切断したるには至らない。 ウジュル!ウジュル! 依然として平気な様子でうごめく触手。 AIS「……」 バシュ! 触手が十也たちを突き刺そうと襲い掛かる。 ティスシス「私の後ろに」 ティスシスの後ろに集まる4人。触手はティスシスへと襲い掛かる。 ギン! ティスシスの目の前で止まる触手。まるで見えない壁でもあるかのように触手はそれ以上ティスシスに近づけない。 シュルルル! 触手がティスシスを覆う見えない壁に沿って進んでいく。 シュルル! ティスシス「なんですの!?」 触手がティスシスを中心に球体状に展開されている壁ごと彼女を覆いつくす。 ゲイン「へレティス6!」 ブン! ティスシスを覆いつくした触手が手を振り上げるかのように触手を振り上げる。 ブン! そのまま地面へと勢いよく叩きつける。 ドスン!ドスン! 何度も地面へと触手を叩きつけるAIS。 ウジュルル!! ティスシスを覆っていた触手がAISの元へと戻っていく。触手の中から現れたティスシスは… ティスシス「うぅ……」 フラフラ ふらつくティスシス。外傷はないが、激しく何度も揺さぶられたせいで平衡感覚を失い気分が悪そうに見える。 ティスシス「ゲイン…しばらく戦えそうにはありませんの…」 ゲイン「休んでいろヘレティス6。あとは俺たちが始末をつける」 ティスシス「お任せしますの。それでは…」 シュン! 光となってゲインの体に入るティスシス。 十也「えっ!?ティスシスがゲインの中に!どうなってるんだ?」 慌て驚く十也。 ゲイン「今は説明している暇はない。状況に集中しろヘレティス2」 十也「あ、あぁ。でもティスシスがいないんじゃ次は防げない」 ヴァイス「防御する術(すべ)がないならやることはひとつね」 レイジ「そうだな。こちらから撃って出るのみだ!」 ゲイン「奴が動く前に攻める!」 ジャキ! 両腕を構えるゲイン。 ゲイン「はぁぁ!!」 アーヴァヘイムの腕部ユニットでAISを包み込む触手へと殴り掛かるゲイン。 ドゴン! 触手は拳撃による攻撃では大したダメージは受けていないようだ。 ゲイン「砕けぬならば断ち切る!粒子ブレード!」 キュィィン! 腕部ユニットの球体が赤く輝き粒子の刃が肘から展開される。 バッ! 両腕を交差するゲイン。 ゲイン「粒子ブレード!最大出力!!」 ヴン! ゲイン「轟翼鳳(ごうよくほう)!!」 ザシュン! 肘から展開された巨大な刃がAISの触手を切り刻む。 ボドボド… 切り刻まれた触手がその場に落ちていく。 だがゲインの攻撃は触手の中にいるAISの姿をさらけ出すには至らない。 十也「AISを覆う触手をどうにかしないと…」 レイジ「ヴァイス!」 ヴァイス「おっけー!いくわよレイジ!」 ジャキ! シュルゲン・イェーガーを構えるヴァイス。レイジはシュルゲン・イェーガーの銃口の前に佇む。 レイジ「触手の中の奴を直接叩く!」 シュッ! 超合金性の特殊ナイフを両手で持ちシュルゲン・イェーガーの銃口の先端へ構えるレイジ。 レイジ「『狼の眼(ウォルフス・アーケ)』」 レイジの両目が蒼く輝く。 レイジ「こい!」 ヴァイス「遠慮なく!シュルゲン・イェーガースプレッドモード!」 バン! ヴァイスの持つ白い長銃シュルゲン・イェーガーから無数の銃弾が放たれる。 キン!キン! 銃口の先端に置かれたナイフに弾が当たり、次々と半分に切断されていく。普通の人間ならば放たれた銃弾をその眼に捉えることなど不可能だ。だがレイジの能力『狼の眼』は眼に映る事象をスローモーションで捉えることができる能力。物体の動きが数万分の一で動く世界を彼はその眼に捉える。常人が見る世界とは違う世界で彼はその身を動かす。 ヒュン! 切断された弾丸はAISを覆う触手に向かって飛んでいく。 バス! 触手の中央に着弾する銃弾。 バス!バス! 十也「弾が全部同じ位置に!」 一点を狙ったかのように同じ場所に着弾していく無数の銃弾。 レイジ「ナイフで射角を調整した。奴を撃ち抜く」 手に持ったボロボロのナイフを捨てるレイジ。 バス! 次々と一点に向け放たれる銃弾は前の弾を次の弾が押し込むように触手の奥深くへと撃ち込まれていく。 バス!バス! そして… バン! 触手の中央を貫通する銃弾。 ヴァイス「よし!」 レイジ「奴を貫いたか?」 AIS「……」 ウジュウジュ! 触手が手足を広げるように大きく展開する。 ゲイン「姿を現したか」 AIS「……」 ドクン!ドクン! 怪しく脈打つ球体が触手の中から姿を現す。球体の一部に銃弾が貫通した穴が開いている。そこからなんらかの液体がドロドロと漏れている。 レイジ「さっきの攻撃は効果があったみたいだな」 ヴァイス「自ら現れてくれるなんて好都合ね」 ジャキ! 長銃を構えるヴァイス。 AIS「……」 ボド!ボド! 触手を切り離すように地面に落とすAIS。 十也「なんだ…?」 ウジュウジュ! 触手が変形していく。 ゲイン「こいつは…」 ヴォルケイン「…」 変形した触手は無数のヴォルケインへと姿を変える。 ヴァイス「こんな数相手できるほど余裕はないわね。本丸をたたく!」 バッ! ヴァイスの前に立ちはだかるヴォルケイン。 ヴァイス「AISは狙わせないってことね」 レイジ「消耗戦になったら勝ち目はない!一気にケリをつける!」 ゲイン「あぁ。リミット解除!」 十也「AS(アクセラレート・シフト)!」 ドドドド!! ヴォルケインたちと十也たちの激戦が繰り広げられる。その奥にたたずむAISを倒すために。 シュッ! ヴォルケインたちの合間を縫って誰かがAISの目の前に現れる。 レイジ「終わらせるぞAIS!」 ジャキ! 両腰からナイフを取り出すレイジ。 AIS「……」 バシュン! AISから触手がレイジに襲い掛かる。 レイジ「見えている!」 バッ! 触手を躱すレイジ。 レイジ「これで!」 ザシュ! ナイフをAISに突き刺す。 ドボドボ… AISから血のように溢れ出る液体。 AIS「……」 ドクン…ドクン… AISの鼓動が次第に弱くなっていく。 ヴォルケイン「…」 十也「なんだ?」 バシャァァ… ヴォルケインたちが砂のように崩れ落ちる。 ゲイン「やったか」 ヴァイス「レイジ…」 レイジ「アルバド隊長…あなたの仇はとりました」 ゴゴゴゴ!! 激しく振動する地下室跡。 十也「地震!?」 ゲイン「脱出だ。まもなく崩壊するぞ!」 レイジ「速く地上へ!」 十也「あぁ!」 ドゴン! 天井が崩れ落ちていく。 ヴァイス「急ぐわよ!」 地下室跡を脱出する4人。 AIS「……」 ボロボロ… 球体のダメージを追った箇所から液体がとめどなくあふれるAIS。 ドゴン!ドゴン! AISの周辺の天井も崩落していく。 ドガガガ!! AISの頭上の天井が崩落する。 ガゴン!バコン! 崩落する地下室跡。無数のがれきに埋もれたそこはもう見る影もない。 ~EGO本部・正門前~ バシャァァ… 無数の触手が砂のように崩壊していく。 ツバメ「これは…」 ヒルデ「やったようですね」 結利「あれは…」 結利が倒壊した本部のほうに人影を見る。 ウルズ「やったか十也」 十也たちの帰還だ。彼らは無事地下室跡から脱出したのだ。 レイジ「AISは倒した」 十也「これでEGOとの闘いは終わったんだな」 ツバメ「そうね。もう私たちはテロリストではないわ」 ゲイン「だがどうするつもりだ。EGOが崩壊した今、多くの問題が出てくるぞ」 モニカ「本部が壊滅した以上、態勢をすぐにでも再築しなければなりません。ですがそれだけのことをできる人物が…」 ???「それは私が責任をもって行おう」 モニカの前に現れた人物。それは… モニカ「グリンツ前長官!」 グリンツ「元EGO本部長官としてその責を果たそう」 ツバメ「本部に幽閉されていたの。私たちが見つけたのでそのまま連れ出したのよ。あぁそういえばこの子もね」 チフ「…」 寝ている少女。 レイジ「チフ!」 ヴァイス「無事だったのね!」 ツバメ「後はアポロンたちにも連絡を入れないとね」 ~EGOグリフ大陸支部~ キノ「はぁ…はぁ…」 アポロン「くっ…」 ディック「なんていう強さだ…」 疲弊するアポロンたちの前に立ちはだかる赤、青、緑の鬼。 ニーノロータ「これが地縛民の力だ」 ジョルジュ「世界は神の思うがままに」 モリコーネ「哀れな人類に救済を」 ザッ!ザッ! 3人の鬼の後ろから歩いてくる人物。少年の姿をしたその人物はアポロンたちに告げる。 ニコロ「メサイアの直系。その血はこの時代で途絶えるんだ。君たちの旅もここで終焉を迎える」 to be continued
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はやて「さて最近のyagami復権運動を鑑みるに、これは早々にシンとくっ付けという天啓と解釈してええんやな」 なのは「ええわけないよ。現在進行形で頭冷やそうか。っていうかいっそ凍りつこうか」 フェイト「復権運動が実際起こってるかは置いといて、それはちょっと便乗出来ないな」 ヴァイス「おおッ、火花散らしてるね~」 エリオ「あ、ヴァイスさん」 ヴァイス「なんだよ、モンハンやるなら声かけろってエリオ」 エリオ「スイマセン」 ヴァイス「で、景品もとい、シンは何してるんだ?」 くい(エリオ、PSPから目を逸らさずに指差す) ヴィヴィオ「シンパパ~♪」 シン「お、ヴィヴィオどうした~」(駆け寄ってきたヴィヴィオを抱き上げるシン) ヴィヴィオ「んとね、えっとね、ハイ!!」 シン「携帯?」 ティアナ「今日は父の日でしょ?」 シン「もしかして……これヴィヴィオが買ったのか?」 ヴィヴィオ「うん!!」(頬を赤らめつつ頷く) スバル「三人で選んだんだよ?」 シン「赤色か」 ヴィヴィオ「シンパパのお目めの色~」 ティアナ「開いてみなさいよ」 シン「ん」 待ち受けにはシン、シンの膝の上に座るヴィヴィオ、右隣りのティアナ、左隣りのスバルの四人の写真 ヴィヴィオ「シンパパ、シンパパ、お揃いだよ」(ピンクの携帯を取り出しながら) スバル「皆で色違いのにしたんだよ♪」(青い携帯を出しつつ) ティアナ「ま、まぁ、私も一応合わせたわよ。きょ、協調性って大事でしょ?」(照れながらオレンジの携帯を取り出すティアナ) ヴィヴィオ「ティアナママとスバルママもお揃いお揃い♪」 ティアナ「ママって///////」 スバル「何だかくすぐったいね」 シン「ヴィヴィオ~~ありがとうな~~~チュッ」(ヴィヴィオの頬にキス) ヴィヴィオ「きゃう~~~~♪♪」 ティアナ・スバル(*1) ヴァイス「……和むな……」(狩りをしつつ) エリオ「和みますね」(同上) キャロ「微笑ましいですね。出し抜かれてる御三方は脇に置いておいて」(PSPをしつつ) ヴァイス「………キャロは狩りか?」 キャロ「いえ、『戦場の絆~オールガンダム勢ぞろい~』です」 ヴァイス「ジムスナイパーて渋いな………」 yagami「そろそろ決着付けなアカンな。今は亡き偉大なる虎、三沢の魂よ、私のエルボーに宿れ!!」 魔王「刈り取ってあげるの」(フリッカースタイル) 便乗「フェ・イ・ト!フェ・イ・ト!!」(∞の円を描きながら) ツンつん×デレでれ 14話へ進む 一覧へ
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autolink LB/W06-075 カード名:はかない存在 カテゴリ:クライマックス 色:赤 トリガー:2 【永】あなたのキャラすべてに、ソウルを+2。 リトルバスターズ、悪くなかったです レアリティ:CC illust.VisualArt s/Key シナジー対応キャラの早出し能力を発動できるCX。 場のカードが変化してしまうため「永続」である内容との相性は良い反面、 かかるコストを考えればストックブーストであれば…という思いも。 ソウル+2という能力は終盤のチャンプアタックに有効なので、使い難いというわけではないが… ・対応キャラ カード名 レベル/コスト スペック 色 木陰で休む美魚 1/1 5500/1/1 赤
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PV 序章「にくにくしいもの」(前編) 最新話 私達はサーカイト、肉の信仰者 あらすじ 傭兵(レイヴン)のヴァイスは、地下水道内で錯乱した女性を追い払うという依頼を受注した。 依頼はあっけなく達成されたかに見えたが、謎の少女・虎尾伊吹の襲撃、そして女性の頭が砕けて怪物が出現するという異常事態に晒されてしまう。 やむなく地下水道の深部に逃げ込んだヴァイスだが、そこには血肉に支配された狂気の世界が広がっていた…。 解説 綿野郎氏が作成したMUGENストーリー動画。 世界観は『The SCP Foundation』『アーマード・コア』『仮面ライダーアマゾンズ』などを基にしているようで、 元ネタ通りSFホラー寄りの物語が展開されているほか、登場するMUGENオリジナルキャラクターの設定も組み込まれている。 かなりキツめのゴア描写や性的な描写もあるので閲覧の際は注意が必要。 登場人物 主要キャラクター ヴァイス 自らを高めるため傭兵を生業とする女性。キサラギの依頼で地下水道に進入し、狂気の世界を目撃する。 ロールシャッハ 窮地に陥った晴香たちの前に現れた謎の男。赤い怪人の姿へ変身する能力を持つ。 藤堂晴香 キサラギ社調査班『Butcher』の班員。母親の命令で作戦に参加させられたが、突如として異形の姿に変身する。 キサラギ社 ムラクモ ヴァイスに任務を依頼したキサラギ幹部。一連の事件の真相を知っているようだが・・・ シグルド キサラギ社調査班『Butcher』の指揮官。偉大な戦士と呼ばれている。 スリー 『Butcher』班員。陽気な性格で晴香に接する。 グラ 『Butcher』班員。怪獣の街と呼ばれた学園都市「猿梨市」に住んでいたらしい。 シール 『Butcher』班員。メモリの力による変身能力を持つ少女。何故か春香を慕っている。 + その他 アンバー キサラギ社員。ヴァイスの義手を作成した。 アドラー キサラギ社員。ヴァイスの義手の調整のため、模擬戦闘を行った。 アカツキ キサラギ社員。ムラクモの部下。 ウェザー ムラクモに協力する研究者。調査班に被検体を提供する。 サーキック 虎尾伊吹 地下水道に棲む謎の少女。人間を喰い殺し、「種」を植えつけて異形化する能力を持つ。本動画のエログロ要素を加速させる元凶。 沙耶 伊吹と行動を共にする謎の少女。戦闘は苦手だが頭脳労働を担当しており、何らかの計画を進めている。 ペルフェクティ 「飢えを統べうる者」を名乗る謎の女性。 + その他 種 伊吹が人体に植えつけた「種」が孵化して生まれた怪物。 ??? 地下水道の深部に存在していた謎の巨像。 ??? 沙耶が率いる怪物。無数に召喚されて『Butcher』やヴァイスに襲い掛かった。 ノスフェル 『Butcher』に襲い掛かった怪物。人体を一撃で引き裂く鋭い爪を持つ。 ??? 切奈が赤死の力によって変異した異形の姿。 ??? グローリア ヴァイスの前に現れ、謎めいた忠告をした女性。 レジセーア グローリアの関係者らしい謎の女性。自らを『ブラッドスターク』と名乗る。 一般市民 両儀式 探偵事務所を営むソフト帽を被った女性。ヴァイスの高校時代の先輩らしい。 シャルラッハロート 式の探偵事務所に住んでいる少女。フィリップという偽名を名乗る。 御曉切奈 夜道で伊吹の襲撃を受けた少女。不死の能力と浄化の力を持つ。 + その他 伊吹萃香 伊吹亭の女将。地下水道内で錯乱した状態で発見されるが・・・ 黒桐幹也 式と共に探偵事務所を営む男性。 ゆき 式に行方不明の両親を捜索するよう依頼を持ち込んできた少女。 朝倉涼子 ロールシャッハの知人の少女。 鎌口紗絵 猿梨市出身者で、伊吹との因縁を持つ少女。 遠野秋葉 朝倉や鎌口のクラスメイト。ごく普通の少女に見えるが・・・? 教会 リム・シルベリア 教会に所属する吸血鬼ハンター。洗脳された切奈に襲われ、ヴァイスに助けられる。 フィアー・メイス・ローゼンクランツ リムが救援として呼んだ吸血鬼ハンター。伊吹となんらかの因縁を持つ。 関連動画 他ストーリー動画とのクロスMAD 【異世界対抗!体育祭リスペクト!】 コメント + ネタバレ注意 ページ作成乙。これはまさか…サーキック・カルt(ry -- 名無しさん (2018-05-05 16 54 44) ぺ、ページ作成ありがとうございます! -- 綿野郎 (2018-05-05 19 40 00) 名前 コメント マイリスト
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現在成長期な人気者 ヴァイキンマンへのコメント あんぱんまん -- 名無しさん (2008-04-05 06 43 54) ヴァイセクシャル -- 名無しさん (2008-04-09 01 49 26) きもてぃ・・・ -- 名無しさん (2008-04-24 00 53 06) ヴァイシャルハラスメント -- 名無しさん (2008-04-24 01 00 50) ↑ これはない -- 名無しさん (2008-04-24 01 02 39) 究極のエロス -- 名無しさん (2008-05-15 13 33 17) ( ^ω^) -- アンダーソン (2008-05-16 12 30 23) ヴァイシャルハラスメントwwwwwww -- 柊あんり (2008-07-09 16 51 58) アッー! -- ヴァイ (2008-07-11 00 28 51) 今晩セックスしよう。札幌駅北口のトイレで。 -- 追悼記念 (2015-12-15 14 10 45) おるぁもういないと思って油断しただるぉ!?ケツ出せよぶち犯すぞゴラァ嬉しいだるうるぉ!? -- ヴァイ (2015-12-15 15 04 41) @#!w -- 名無しさん (2020-01-14 03 50 24) おーーーーい!@#!ww -- 名無しさん (2020-09-13 05 32 01) 女の子あつまれ~~~~~~~~~~~~~~~~~ -- ヴァイ (2020-09-14 03 36 48) 名前 コメント