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オレンジ・シャーマン(アニメ) 効果モンスター 星4/闇属性/魔法使い族/攻 0/守 0 相手の効果モンスターが召喚・特殊召喚に成功した時、 手札から「シャーマン」と名のついたモンスター1体を特殊召喚する事ができる。 シャーマン シャーマン補助 下級モンスター 闇属性 魔法使い族
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version Steam v.4.0.49.0 マグロステーキのグリル オレンジサラダ添え(Grilled Tuna Steak with Orange Salad)のレシピ マグロステーキのグリル マグロを取る[200g], 以下で味付けする, 塩[5g], 黒コショウ[5g], タイム、乾燥[5g], 各面80sグリル, 皿に移す:熱い状態で提供する. シチリア風オレンジサラダ カット: オレンジ[100g][20g]のピースに. 玉ねぎ[60g][15g]の4分の1ピースに. 以下で味付けする. 塩[5g], 黒コショウ[5g], ボウルに加える. オリーブオイル[20ml], ホワイトビネガー[10ml], 以下の中に入れる:混ぜたもの. その皿に移す.冷えた状態で提供する. 飾り用オレガノ オレガノ1枝で飾る[8g]. 攻略 食材 玉ねぎ オレンジ マグロ オレガノ1枝 ホワイトビネガー オリーブオイル 塩 黒コショウ タイム、乾燥 注意点 へらを使って両面をしっかり焼こう。 サラダの味付けは切る前に行うほうが確実。オレンジ1個に5g/5g/20ml/10ml、玉ねぎ半個に3g/3g/2ml/2ml程度が適量。 玉ねぎに2mlは実際足りていないのだが水没するほどかけても2ml以上にはできない模様? 採点の詳細
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ホウオウレンジャー 種類:Sユニット カテゴリ:ミスティックアームズ BP:2000 SP:! 必要パワー:3 追加条件:なし CN:3 特徴:ピンク/女 テキスト: 【天風星・一文字竜巻】「SP1」自軍ラッシュエリアのSユニットを、敵軍Sユニットの数まで好きな数選び、手札に戻してもよい。そうしたとき、自分が手札に戻した数と同じ数、相手は自分自身のSユニットを選び手札に戻す。 フレーバーテキスト 天地に開く気力の門。鳳凰は翼もて一文字に昇り行き、門から門へと風の道を通すなり。 イラストレーター:Mitsuhiro Arita レアリティ:ノーマル 作品:五星戦隊ダイレンジャー 収録:四雄の覚醒 自販:パック 再録:リバイヴァ 自販:パック Q A Q1 敵 軍ラッシュエリアに「RS-140 コロン」が1体以上ある状態で、「RS-209 ホウオウレンジャー」の効果【天風星・一文字竜巻】を発動させ、SP1を得ると同時に、自軍ラッシュエリアのSユニットを手札に戻しました。このとき、相 手は手札に戻すユニットのうちの1体に「RS-140 コロン」を選択したため、「RS-209 ホウオウレンジャー」のナンバーが現在の並び順と違う値になってしまいました。この場合、「RS-209 ホウオウレンジャー」のNCの効果は無効となり、一度得たSP1を失ってしまいますか? A1 いいえ、SP1のままです。「RS-209 ホウオウレンジャー」は、NCの効果を発動させた時点で、そのターン中はSP1になっています。 カード評価 【天風星・一文字竜巻】は自軍のユニットを手札に戻す必要があるため単体だと使いづらい。コールやコマンド加速と組み合わせて手札に戻すユニットを確保できるようにしたい。 マーフィーK9のような、ラッシュ時に効果が発動するユニットの再利用にも使える。 関連カード 特徴「ピンク」関連 特徴「女」関連 コメント 名前 コメント
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トリケラレンジャー 種類:Sユニット カテゴリ:ワイルドビースト BP:2000 SP:- 必要パワー:2 追加条件:なし CN:3 特徴:ブルー/男 テキスト: 【トリケランス】敵軍コマンドを1つ選んでホールドする。 フレーバーテキスト 勇気の矛が貫くものは、敵の鎧と己の意思。 イラストレーター:森下直親 レアリティ:ノーマル 作品:恐竜戦隊ジュウレンジャー 収録:二人の黒騎士 自販:パック カード評価 マンモスレンジャーに似た能力だが、こちらはホールドする敵軍コマンドを選べるため、カウンター対策として有用。また、NCも3番のため、WBのストライカーの邪魔もしない。 8弾で実用性の高いトリケラレンジャー(2nd)が登場。 関連カード トリケラレンジャー(2nd) 特徴「ブルー」関連 特徴「男」関連 コメント 名前 コメント
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封魔右神オレンジジュース (R) (無色) (7) クリーチャー:ゴッド・ノヴァ/グランド・デビル 7000 ■相手は自分自身のマナゾーンのクリーチャーでも呪文でもないカードをアンタップできない。 ■相手のカードは、タップされた状態でマナゾーンに置かれる。 ■W・ブレイカー ■右G・リンク 作者:(鬼威惨) 能力上、ガイアクラッシュらと違いツインパクトカードは封じられない カード名としては、バンドと水オラクルの命名ルールをかけた名前です フレーバーテキスト 評価 Orange Juice好きなのでびっくりしちゃいました、、、それっぽいバンド名探してこれに出会ったならそれはそれですごい。。。 -- 有余 (2019-01-19 01 09 26) ウィキペディアなどを見ると、2種族、3種族の命名ルールをかけた名前の項目が見当たったりします(これにオラクルはないけど -- 鬼威惨 (2019-03-17 23 28 48) 名前 コメント
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Format Title Artist Label Model Number Release Press 7 オレンジロード(promo) INDARA NEW JAPAN RECORDS,SETTLEMENT D SN-001 2015/10/04 200 228772917_624.v1444135303.jpg Side Track Title Produce A 1 オレンジロード B 2 オレンジロード(Inst) PERTAIN RECORD オレンジロード
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前ページオレンジ色の使い魔 オレンジ色の使い魔 第6話 学院長室を辞したハミイーは学内掲示板の前で足をいったん止めた。 あれこれと張り紙されているが、どれも読めない。 ここハルケギニアではノウンスペースで使われている人類共通語が不自由なく通じる一方で文字体系が全く異なることはすでに知っていたが、この事実から何かを読み取れはしないか。 「話し言葉のみが伝わり、文字体系が伝わらない」 ノウンスペースとハルケギニアとの文化交流あるいは片道伝達は、そのような性質を持つことになる。 地球へ赴任していたころに学んだ豆知識を思い出してみる。 話し言葉の体系が全く異なる複数の国が、共通の祖を持つ文字体系を使っていた事例がいくつかあったはずだ。 人類の間では話し言葉は文字よりも速く変化するのかもしれないし、あるいは違うのかもしれない。 これについて判断する知識を持ち合わせていないことに気づき、ハミイーはこのアプローチを保留することにした。 ルイズの部屋へ向かって歩みつつ、状況を整理する。 すれ違う人間が奇異の目を向けてきたりもしたが、かつて地球で経験したものと違い敵意は感じなかった。 我等クジン人とノウンスペースの人類とは互いの絶滅を賭しての大戦争を何度も繰り返した間柄だが、ここハルケギニアの人類にとってはクジン人は父祖の仇ではないということだろう。 言葉は伝わっているが、歴史は伝わっていないということになる。 歴史。 状況を整理するために、ノウンスペースそのもの、銀河系そのものの歴史から考えてみるのが良いかと思い至った。 およそ15億年前、銀河系全域を支配する大帝国が存在していたことが各種の出土品あるいは遺跡などによって明らかになっている。 その種族は自らをスリント人と呼んでいたが、今日のノウンスペースの各知的種族が彼らについて語るときには『奴隷使い』(スレイヴァー)と呼ぶのが普通だ。 スレイヴァー族は人類程度にも賢明でも幸運でもなければ、クジン人のように頑健でもなかった。 しかし彼らはそのようなハンデを飛び越える能力を備えていた。 他の知的種族の意識を操り、自らの奴隷として思うがままに操る能力を。 その能力に頼りきりだったがゆえにスレイヴァー族は知的能力や肉体的能力を発展させなかったのだとも言われる。 自らよりも賢く頑健な知的種族を奴隷として思うがままに操れる存在が、自らの知性や肉体を鍛える必要など無いというわけだ。 しかし彼らの栄華も永遠ではなかった。 奴隷種族の中でもっとも科学技術に優れていたトゥヌクティプ族が、いかなる手段によってか大反乱を起こしたのだ。 この戦争そのものはごく短期間の間にスレイヴァー族の勝利に終わった。 スレイヴァー族は反乱に加担した全ての奴隷種族に対して自殺命令を発したとされている。 それは今日のノウンスペースに住まう各知的種族が出土品からの分析を積み重ねた推論だが、確度は高いと見て良い。 勝利を収めたスレイヴァー族は自動的に滅亡することになった。 ほぼ全ての奴隷種族を死滅させた彼らは、自力で文明を維持してゆく能力を持っていなかったためだ。ハミイーから見ればなんとも間の抜けた話ではある。 我等クジン人も人類と接触する前はいくつもの知的種族を奴隷化していたが、人類との戦争に敗れて奴隷たちの独立を認めた今でも滅亡などしてはいない。 ともあれスレイヴァー帝国の滅亡後、銀河系の各地には帝国を支えていた各種の食料生産惑星が無数に残された。 かつてのクジン星も、地球もそれら食料生産惑星のひとつだった。 食糧生産の原料とするために養殖されていた微生物は管理者を失い、突然変異を繰り返す。 そして数億年前、突然変異を繰り返した生物たちはついに多細胞生物への進化あるいは変異を遂げ、人類やクジン人へとつながる生命の歴史を歩みだした。 同じ変化は相前後していくつもの惑星上で生じ、多種多様な生物圏がそれぞれの惑星に形成された。 今では同じ先祖を持つとは思えないほどに変異を重ねている。 それにも関わらず、生命を支える基礎的な化学が同じであるのはこの歴史的経緯に拠っている。 だからこそ、我等クジン人は地球産の動物の血肉を食して栄養に換えることが出来るのだ。 その逆も成立する。クジン星の動植物を原料として人類向けの食事を作ることも出来る。 ここハルケギニアでも同じ歴史を辿った……とは考えられない。 同じ先祖からの進化を重ねた偶然と考えるには、あまりにも地球原産の動植物と似すぎているのだ。 そして保留したものの、言葉と言う証拠もある。 また先ほどオスマンが語ったことの一部でも事実であるのなら、他の惑星から高度技術製品や書籍がもたらされることもあると言う。 それにも関わらずハルケギニアの文明は低い水準に留まっている。 その一方、『魔法』と称する高度技術が存在している。 個人用の重力制御、さらにロボットの生成とリモートコントロール、あるいはダミー人間の生成。 ただひとつの事例を除き、それらはノウンスペースの技術でも再現できるものばかりだが、再現するにはあの杖や人体よりも大きなハードウェアを要するだろう。 オスマンの言葉を信じるならば魔法とは杖ではなくハルケギニア人の体内に組み込まれたなんらかの器官によって発動し制御される技術ということになるが、ハミイーにとっては「杖か人体か」は重要ではない。 重要な事実は、未だに人力や畜力に頼るような低水準の文明しか持たない(ように見える)ハルケギニア人がノウンスペースの高度技術文明と類似した、小型化と言う面では上回る技術を用いているということだ。 人力や畜力に頼っている人々が重力制御の概念を持つことは不可解であり、不自然でもある。 しかし類似例が無いではない。 かつて我等クジン人は、人類に稀に現れるテレパス能力(他の人間やクジン人の心を読む能力)者の個体を捕獲し生体実験を重ねてその正体を突き止めた。 人類の頭脳の、普通は使われていない機能野がテレパス能力に対応している。 それと同じように、人類には未発現の特殊能力を持っている可能性がある。いや、少なくともひとつの特殊能力は明らかになっている。他ならぬハミイー自身、その能力を発現させた個体に遭遇したことがある。 その結果として片道200光年の遥かな旅の末に、クジン星や地球の300万倍の可住面積を持つ壮大な人工天体へと到達しその天体上で冒険を行う羽目に陥った。 ハミイーが領地を得て個人名を名乗るようになったのは、あの冒険の末に故郷へと持ち帰ったあるものが評価されてのことだ。 ルイズによってこの惑星へと呼び寄せられたことが、人類の持つ潜在能力に翻弄されると言う経験の二度目なのかもしれない。 今回、その結果によっては個人名を名乗るばかりか家名を与えられるかもしれない。 ハミイーは廊下の窓際に立ち止まった。 夕暮れの空を見上げ、ハルケギニアの太陽を見上げる。 何か違和感を感じたが、とりあえず気にしないことにする。 この惑星が巡っているその恒星はクジンの太陽よりも温度が高く、黄色っぽい。見た目にはほとんど地球の太陽(訳注:太陽系の太陽、LCC0000のこと)と見分けが付かない。 このような黄色あるいはオレンジ色の恒星は銀河系にはありふれていて、平均すると20から30光年くらいの間隔を隔てて分布している。 地球の太陽や、人類が猟犬座ベータと呼ぶ恒星、同様におおぐま座61番星と呼ぶ我等クジン星系の主恒星などがそれだ。 しかし、それらを巡る惑星から見上げると色調の違いが見て取れるのが普通だ。 肉眼で見分けが困難なほど地球の太陽と似ている恒星となると、既知なる知的種族の領地の総称である半径30光年のエリアすなわちノウンスペースの中にはひとつも存在していない。 人類はそのような、見分けが付かないほど地球の太陽と似ている恒星を「ソーラーツイン」太陽の双子と呼ぶ。 確か、ノウンスペースから最も近くにあるソーラーツインであっても200光年以上も離れているはずだ。その次に近いものは300光年以上離れており、そこまでの航続距離を持つ宇宙船はノウンスペースに1隻しか存在していない。 いつの日か我等クジン人がそのような恒星系に人類よりも先んじて到達し、領地とすることがあるやもしれない。 それほどまでに、現代の技術の限度を超えて遠いのだ。 にも関わらず、ルイズは一瞬のうちに少なくとも200光年以上の距離を飛び越えてハミイーを呼び寄せた。 ノウンスペースの技術で再現可能な他の魔法と、ルイズの魔法との根本的な違いがここにある。 ハミイーがこれまでに目にした他の魔法はすでにノウンスペースの技術者が実現しているものばかりで、違いと言えば小型化あるいは生体組み込みの可否くらいのものだ。 もし人類の潜在能力に魔法と言うものがあるのなら確かに重大な発見ではあるが、ルイズの示した可能性の前には小さなものだ。 今のところ、ただ1隻の例外を除き超光速宇宙船の速力は100C(光速の100倍)に留まっている。 もし200光年の距離を渡ろうとするなら乗員は2年の船内時間を耐えねばならない。 しかも、ある理由によってコンピュータによる自動制御では超光速航法は成立しない。必ず、適性を持つ知的生命の個体がモニターし適時制御しなくてはならない。 それがために、人類やクジン人が超光速航法を実用化してから400年以上が過ぎた現代、人類の暦で言うところの29世紀半ばにおけるノウンスペースは未だに半径30光年に留まっているのだ。 この制約を越えた船がただ1隻だけ存在してはいる。 その船はおよそ42万Cでの航行が可能だが、最高度に熟練した船乗りによってしか扱えない。しかも同じ性能を持つ船を追加建造する試みはことごとく失敗に終わっている。 この船は200年ほど前にある種族が別の目的で建造した実験船であった。 なぜか42万Cを発揮し、その原因が未だに判明していないと言う代物である。 ルイズの魔法はそれさえも超えている。 もしルイズの魔法がいかに発現するのかを解明し、数百光年を一瞬で飛び越える船をクジン族長の下に並べることが出来るならばどれほどの功績となろうか。 ただしルイズは異種族とは言え未成年であるから、決闘を申し込み服従させてクジン星へ連れ帰るというわけには行かない。ハミイーの決闘相手にふさわしくなるまで何年か待つか、同じ能力を持つハルケギニア人の成体を見つけ出す必要があろう。 もちろん各種実験のためには複数の個体があったほうが良いし、魔法が人体ではなく杖によるものだとしてもやはり複数サンプルが欲しい。 ここで、ハミイーはひとつの可能性に思い至った。 果たして本当に一瞬での転移だったであろうか。 たとえば、時間停滞フィールドに包まれて数千年を費やしてこの惑星へと転移させられたのであればハミイー本人には一瞬としか感じられない。 たっぷりした毛に隠している携帯通信機そのものにとってさえもそれは同じことだ。 が、検証方法はある。 超光速航法の実用化と並行して超光速通信技術が実用化され、かつては惑星の反対側と会話するのにさえ付きまとっていた光速によるタイムラグが解消されて久しい。 ハイパーウェーブ通信は距離の制約とタイムラグを事実上持たず、少なくとも200光年を隔てたこの惑星とクジン星との間で会話することさえ可能だ。 もしそれが出来ないとするなら故障しているか、ハイパーウェーブ通信の限界を超えたとてつもない距離を隔てたところまで転移させられているか、主観的には一瞬だった転移の間にノウンスペースの文明が消え去ったことになる。 ハミイーの巨大な頭の上で耳がうごめいた。 通信機を試すにしても、今現在のところこの惑星がどこなのかさえ突き止めていない。 「方法は不明だが誘拐された。現在地も不明」そのような報告を、クジンの戦士にして貴族たるハミイーが行ってよい理由は無い。 狩猟公園に置き去りにしてきた長男は無事に決まっているが、なにせまだ幼いのだ。 ハミイーの不在を不安に思っているかもしれぬ。 城館に住まう女たちの世話も誰かが行わねばならないし、領地の運営にともなうさまざまな事柄も処理せねばならない。 幼い長男に任せてしまってよいのだろうか。 窓際でハミイーはしばらく悩んだ。 そして日が傾き、満ちかけた月が二つ昇ってきたことに気づいた。 ハミイーが目にしたものを理解するまで少し時間が掛かった。 戦慄に全身の毛穴が収縮し、毛が逆立つ。傍目には太った猫が全身の毛を逆立てて毛玉のように膨れ上がったように見えただろう。 ややあってハミイーは落ち着きを取り戻し、逆立っていた毛が元に戻った。 ここハルケギニアが人類の秘密領地と言う可能性は非常に低い。その根拠は距離だけではない。 その一方で、より強大な種族の実験領地である可能性がある。 もしそうならば、かつてあの人工天体で得た知見のひとつをクジン星の族長執政府に報告せず心に秘めたのと同じように、報告や増援要請の内容には選択を要しよう。 通信機を試すのは先延ばしすることにして、ハミイーは再び歩き出した。 ぼふ、ぼふ。 独特なノックの音に、眠りかけていたルイズは起き上がった。 ドアを開けるとオレンジ色の毛皮の壁があった。 「……おかえり。聞きたいことがいくつかあるんだけど」 「俺の質問に答えてからだ。この惑星ハルケギニアには2つの大きな月がある、これは間違いないな?」 「見れば判るでしょ?」 ルイズは窓の外を指差した。 「あれらの月は夜毎にその位置を変えてゆく、これも間違いないな」 「もちろん。昨日とはちょっと角度が違うし、満ち方も違うでしょ?」 「月の位置によって海の水位が変わるか」 「潮の満ち干きだけでなく、風の流れも変わるわ。船乗りは毎月の暦を参照して運行スケジュールを決めるとか聞くけど」 「月が交差してから次の交差までの期間はどの程度変化する?」 「ほとんど一定だけど?あなたの言う『期間』を私たちは『1ヶ月』って呼んでる。クジンでは違うの?」 「……なるほど」 ハミイーは何か感銘を受けた様子に見える。 ルイズはそれを見て考え込む。なぜ、この大猫の仕草や表情はこうも人間的なのだろう? 「ハミイー、あなたは毛皮を被った人間なんかじゃあないわよね」 「当たり前だ。なぜそんな事を聞くのだ」 ルイズが疑問を説明すると、ハミイーは頷いた。 「俺はかつて、お主らの概念で言うところの外交官として地球に赴任しておったのだ。人間と会話するために人間の表情や仕草を学び、それを用いる習慣を身につけた。 その習慣がお主と会話するにあたって出てきたのだな」 その答えにルイズはひとつばかりかもうひとつの疑問を解消したように思った。 この大きな猫は貴族だと言う。 ハルケギニアの各国と同じように、代々外交官に任ぜられる貴族の家系があってハミイーもその一員なのだろう。クジン人の社会もハルケギニアのそれと似た部分があるということかもしれない。 念のために確認してみると、ハミイーの答えは違っていた。 「俺個人は外交官を務めておったが、一族は代々が宇宙船のパイロットだ。俺も外交官とパイロット兼務と言うべきある任務をこなして領地を拝領した」 「空間船の航路先案内人?」 ルイズは想像してみた。この大きな猫が港で小船を操って大船を先導して入港させる。あるいは横付けして乗り込み大船の船長から舵輪を預かる。 もちろん船長も航海士もふわふわもこもこした大猫ばかり。 「そうだ。それゆえに、一族の教養として天体の軌道力学を叩き込まれておる」 「じゃあやっぱり、クジンでも船乗りにとって暦は大事なものなのね」 相槌を打ちながら、ルイズはこの大きな猫の言葉に疑問点を見つけた。 この大地のどこかに猫の国クジンがあるとして、月の動きを知らないなどと言うことがあるものだろうか? もしかしたら、本当に他所の星からやってきたと言うのだろうか? 「俺がここへやってきた当日、おぬしは俺を質問攻めにしたな。その時に地動説について話したことを覚えているか」 「地動説は仮説ではなく事実だって言うんでしょ。でもやっぱり無理があるわ、もし事実なら1年で何億リーグもこの大地が動くことになるじゃない。 大地の上の何もかも吹き飛ばされてしまうことになるわよ、何千年も前に賢者アリスタルコスやピロラウスが地動説を唱えたけど受け入れるものがほとんど居なかったのはそのせいだし」 「しかしその一方、作業仮説としての地動説は定着しておるのだな?」 「千年ほど前からね。えーと、確か聖職者にして天文学者たるニコラウス・コペルニクスが地動説を整理しなおし、その何十年か後に賢者ティコ・ブラーエとヨハネス・ケプラーが正確な暦を作れる地動説理論を作り上げた。 現在使われているグレゴリオ暦は賢明にも地動説論争への言及を避けた上で、当時の教皇さまが制定されたものよ」 「ふむ、おぬしらは千年前から正確な暦を作れる文明水準にあるのだな。そしてお主らの暦の上で、月の満ち欠けと交差は安定したものであると。うむ、重大な事実がひとつわかったぞ。 賢者ルイズよ、ひとまず感謝しておこう」 「私は見習いだけど、メイジよ!それと、私たちを未開の蛮族みたいに見下さないで!」 窓際に脚を進めたハミイーをルイズは何度か叩いてみたが、まるで堪えた様子がない。 ハミイーは再度、二つの月を見上げた。 彼の経験から判断するに、ルイズは手の込んだ嘘をつける類の人間ではない。これは知性の優劣ではなくその性格によるものだ。 さてここハルケギニアでは惑星上の海や大気に影響を与えるほどの質量を持った衛星が二つ存在し、安定した周期で互いに逆行公転している。 塵とガスの雲から惑星系が形成されるとき、このような軌道に個々の天体が乗る可能性はほとんどゼロと言ってよい。 そして、もしそのような偶然があったとしても個々の大衛星が安定軌道を保てる期間は極めて短い。 逆行する大衛星は軌道交差の度ごとに互いの引力によってお互いの軌道を歪める。今見上げているような大衛星ともなれば、ほんの数十回の交差で軌道が不安定になる。 にもかかわらず、少なくとも千年に渡りあの二つの衛星は安定した軌道を保っているという。 二つの衛星が見た目より遥かに小さな質量しか持たないと言う可能性は、惑星に潮汐力を及ぼしハルケギニア人の生活に影響しているという証言から否定された。 仮にルイズの思い込みだとしてもすぐに検証できよう。 可能な解はひとつしかない。 あの二つの衛星には、その軌道を修正する推力が常時働いている。 その力の大きさはそれぞれの重力場に匹敵する値を持ち、一定方向に一定の強さで働く類のものではなく軌道上の位置関係に応じて能動的なベクトル制御がなされている。 そうでなくては二つの衛星は安定軌道を保てない。 そしてこの強大な推力は惑星上からは噴射を観測できない類のものでもある。 無反動スラスター推進あるいはより高度な何らかの機関、それもノウンスペースのどこにも無いようなスケールの機関と航法制御システムが二つの月には備わっている。 そのようなシステムを誰が何のためにあの月へ組み込んだのか、あるいは月に見える巨大宇宙船をどこかから何のために持ってきたのか、それはまだ判らない。 それが何者であれ、クジン人や人類よりもある面では強大な種族であることはほぼ確実だ。 今後の行動に際して考慮せねばなるまい。 前ページオレンジ色の使い魔
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ギレンジャー議論所とかのまとめのページ。 変更可能性有り ▼あらすじ ▼序盤でのキャラクター紹介 ▼ストーリー展開 ▼最終局面へ ▼できごとの順番 ▼その他 ▼あらすじ 突如現れた街を襲うモンスターたち。 急遽組織されたマイティードファイブによって街は平和に守られているかに見えた。 しかし、彼らの戦闘行為による市街への被害は決して小さいものではない。 そこへ名乗り出たのがギレッドことぇぎと彼が個別に集めた4人の超能力者、ギレンジャー。 目的は違わずとも、両者の力が合わせられる事はない。 モンスター退治の度に過熱してゆく、ヒーロー同士の諍い。 そして、徐々に強大になるモンスターたちの力。 モンスターはなぜ生まれたのか?超能力者の秘密とは?そして明かされる野望! 日本の、世界の平和はどうなる!!! ▼序盤でのキャラクター紹介 ギレンジャー:5人のみで行動する民間軍。銃器は使用せず、体術と超能力で戦う。 ぇぎ(ギレッド):リーダー。熱血キャラ。でも全裸。ギレンジャー結成以前の記憶が無い。ちょっとバカだけど熱血で補う。でも全裸。なぜか超能力を使えない。 ぇりんぎ(ギブルー):ヌンチャク使い。ジャージ。いつも戦闘時にいなくなる。行方不明になった双子の姉と会えるかもしれないので参加しているが、実は臆病者。 ぽぎ(ギブラック):荒っぽいヒールキャラと見せかけて実は一番の頭脳派。その上なんだかんだでいい奴なので、ヒーロー精神でヒーローやってる唯一のキャラかも。 まぎ(ギピンク):紅一点。きぐるみ。自分を解き放ちたくて参加。 やなぎ(ギグリーン):変態。3話で死亡。参加理由は幼女にモテたいから。 ※5人ともグラサン常用。超能力の代償としてどうのこうの。 ※超能力者はみな超人的な身体能力を有し、また個々で異なる超能力を使う事ができる。 マイティードファイブ:とある企業による対モンスター私設軍。銃器・ロボを駆使。 マイティードレッド:どう見てもオレンジです。本当に(ry マイティードブルー: マイティードブラック: マイティードピンク: マイティードグリーン: ※5人のコスチュームはただの色違いである。 長官:大人の魅力な女性長官。 ▼ストーリー展開 第3話:「早すぎるさよなら」 敵怪人は「回り込みに定評のある怪人」。 やなぎ(ギグリーン)が死亡、両ヒーローの対立深まる。 第72話:「嘘と真実」 実はぇりんぎが敵のリーダーたるマイティードレッドだった! ぇぎ「そう言えば…ぇりんぎはいつも戦闘の時にいなかった!」 ぽぎ「あのやろうだましていやがったんだな」 前回、ぇりんぎがいつも戦闘に参加していない事に気付いたマイティードファイブ側による作戦回。 長官の指令により、マイティードレッドの正体がぇりんぎであると偽装。 作戦は成功。ギレンジャー内に疑惑と軋轢が生まれ、ぇりんぎは1人で戦うとギレンジャーを抜ける。 ここらへんで怪人ってレベルじゃねぇぞwww怪獣だよもうww…って感じなモンスターばっかになってくる。マイティードロボ発進! 第109話:「明かされる真実」・・と、思っていたけどぇりんぎはただの臆病者で戦うのが怖いだけだった! ぇりんぎと思われていたドレッドはぇりんぎの双子の姉まいたけだったのだ!! ぽぎ「あの女・・俺の好みだ」 まぎ「お、お母さん・・!!」 サザエさん「ジャーンケンポン!ウフフフフ」 マイティードファイブの新兵器により、危機に陥るギレンジャー3人。 間一髪の所でぇりんぎが援護。マイティードレッドとの一騎打ちの末、勝利する。 そして明かされるマイティードレッドの真の正体…それは、○年前に姿を消したぇりんぎの双子の姉、まいたけであった。 ぇりんぎはまいたけにマイティードファイブを抜けるよう言うが、まいたけはぇりんぎの事など知らないと言う。 失意のえりんぎ。まぎも何だかまいたけがお母さんに生き写しとか何とかで戦意喪失。 苦悩を抱えたまま、モンスター及びマイティードファイブと戦うギレンジャー。 ▼最終局面へ 徐々に3者の戦闘は激化してゆき、ついにマイティードファイブの最終兵器が完成する。 それは、もはやこの国の正規軍をさえ圧倒する力を持つものであった。 最終兵器の完成に、秘かにほくそ笑むまいたけ。 丁度その頃、ぇぎは全てを思い出していた。//ここ、何かイベントが起きたのが原因って方がいいけど 彼こそが、いや彼の精神こそが本当のまいたけの精神だという事実。 まいたけとぇぎは○年前にとある実験によって精神が入れ替わってしまっていたのだ。 その後、まいたけ(体はぇぎ)はぇぎ(体はまいたけ)の超能力・記憶操作を施され…ギレンジャーを作ったのもぇぎの思惑であった。一体なぜ? ぇぎがまいたけにギレンジャーを作らせた目的、それはまさにこの最終兵器の完成そのものである。 彼の最終目的は、復讐。 故郷を、家族を、そして体さえも奪った国家に対する復讐。 しかし国家による超能力者の研究は秘かに、しかし着実に進んでおり、超能力を使っての復讐には限界がある事は分かっていた。 だが、復讐のチャンスは訪れた。 それがモンスターだ。 モンスターたちがなぜ、何のために生まれたのかはぇぎにとってはどうでもよかった。 彼に見えていたのは復讐への道のり、ただそれのみ。 まいたけと彼の精神が入れ替わっている事は、その実験に関わった誰にも気づかれなかった。 精神が入れ替わった2人は超能力も入れ替わっていたのだが、そもそもまいたけは(超能力者の反応を示すにも関わらず)超能力を使えないのだ。 よってぇぎは超能力を失ったように見えたし、まいたけは(ぇぎが超能力を隠していたために)以前と変わらないものと思われていた。 研究者たちに理解できたのは、彼らにとって2人が必要のないものになったという事だけ。 そして何の措置も無く社会に返される2人。 まいたけ(体はぇぎ)は弟に会わせる顔も無く、新しい暮らしを始めた。 彼(体はまいたけ)は復讐を決意し、様々な計画を練っては破る日々を過ごした。 ○年後、ぇぎは対モンスター私設軍に志願する。 彼の超能力をもってすれば、試験をパスし、その上リーダーとなるのも容易い事であった。 だが彼はすぐにある事に気付いた。 モンスターが弱すぎる。 もちろん、強化スーツと最新兵器を使用してやっと勝てている相手を弱いと呼ぶのはおかしな話だ。 しかし間違いなく、このままの装備では彼の目標は遂げられない。 もっと強い装備を要求するには、それを許可させるには…敵を作るしかない。 モンスターを倒す上で障害になる敵がいれば。そしてそれは強ければ強いほどいい。 彼はその超能力でまいたけを操り、ギレンジャーという強力なライバルを作り出した。 さらに、戦いの度に2者が反目するよう仕向けたのだ。 そしてその結果は今、実った。 長官の制止を振り切り、単独最終兵器を起動させ飛び立つぇぎ。 呆然とするマイティードファイブの元へ入る、ライバル・ギレンジャーからの連絡。 ぇぎの陰謀を阻止するために、初めて力を合わせる2組のヒーローたち。 激しい戦闘の末に訪れたのは、レッド同士の一騎打ち。 復讐の無意味さを説くまいたけ。それでも止まらないぇぎ。 同じ苦しみを味わった2人が、その因縁に終止符を打つ…と思われた。 まさにその時、2人の前に現れる過去最大級のモンスター。 そしてもう1つの因縁、モンスターと超能力者との関係が明らかになる。 まいたけの秘められた超能力とは。そしてまぎの母親とまいたけとの関係とは。 だいたいそんな感じ ギレンジャー日和 5年後、蘇ったやなぎが一言。 サザエさん「ジャーンケンポン!ウフフフフ」 ▼できごとの順番 ぇぎとまいたけの精神交換 ○年後、モンスター出現 ぇぎ(体はまいたけ)、マイティードファイブに入る ぇぎ、まいたけ(体はぇぎ)の記憶を操作 まいたけ、能力者を集めてギレンジャーを作る ▼その他 ぇぎ(中身はまいたけ)以外の超能力は何かカッコイイのが欲しいな なんとかの生き残り
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結構シリアスに締めた続きなのに悪いけども、私も真面目なことばかり考えて生きてるわけでもなかった。 運動をするとお腹が空く。 だから、ぐうぐう鳴ってるお腹の、出てるへその上あたりを覆って私がいそいそと食べ物屋に急ぐのも、何の不思議もないわけである。 関係ないけどレンジャー連邦では、愛はお腹に宿るといって、既婚者はへそを覆う風習がある。未婚者は、へそを覆わない服装がデフォルトだ。関係ないけど。今の話の流れと、すっごく関係ないけど! むかしから女系の強いお国柄だけあって、甘いもの屋はそこかしこにある。甘いものと言えば帝国の星鋼京、なんだけど、そこはさすがに地産地消という奴で、観光立国もしている我が国には、ちゃーんと非輸入もののスウィーツがいっぱいある。原材料までは手に入らないものも多いらしいと教えてもらったが、あるったら、ある。 女子高生、運動部、部活帰り、甘いもの。なんて違和感のないキーワード群だろう。 だから当然私がケーキ屋なんかに足を運ぶのも、高校生がドーナツをパクつくように、水が高きから低きに流れるように(ルリハちゃんがなんか使ってた。由来のあることわざじゃないのでさすがに私でも意味がはっきり分かるぞ、これは物理だ!)、自然の法則と言っても過言じゃないのだ。 競技場のある通りから大分進んで10分くらい、家のある側とは反対方向の西向き、角のやたら大きな一軒家を目印に住宅街の中へと分け入ると、一つ、二つ、三つ目のブロックの奥角っこに、紳士のかぶる背高帽みたいな、白くて、横幅の割に少し縦長に見える、ひょうげた形の二階建てがある。 大きな金のリボンでハートを作った上に文字プレートを並べた意匠の、お店の看板には、こうあった。 『スウィート・ハート』 ガラス張り南向きの店構えは、今は西日よけに布製シェードが降ろされていて、客席のあたりは中の様子が伺えない。「AM10 00~PM10 00(月木定休日)」と、ドアの横に据え付けられた黒板には白墨で書かれていた。添えてあるイラストのケーキは、実は毎日種類が変わっている。 けれど、そう。そんな芸の細かさは問題じゃない。 どきどき、緊張しながら中に入ると、コックコートにバンダナ姿の彼が、レジにいた。 「いらっしゃいませー」 /*/ 告白してしまおう。 私は甘いものが苦手だったりする。 どーしてケーキ屋なんかに行くんだよ! って、怒られてしまいそうな気もするけど、カレーなら断然辛口5倍以上、部活帰りにカレーのおかわり三皿はいけるほどの辛いもの好きだ。なんでケーキに対する比較対象がカレーなのかはあまり深く考えないでほしい。好きとか嫌いとかではない。重力と戦う乙女には(走高跳とあわせて二重に物理に抗っているのです、女の子がみんな甘いもの好きだなんて誰が決めた!)、カロリー源の炭水化物と、肉・魚介、なんでもタンパク源を受け容れる、カレーのタフな香辛料パワーが必要なだけだ。 ……べ、別にクミンシードとかレモングラスの小瓶を持ち歩いてたりしないよ? ほんとだよ? 「ご注文はお決まりでしょうか」 おっと。 ぼうっとしてしまっていた私に、あからさまな棒読みで注文を促してくる、スウィート・ハートの店員が、彼だった。 あ……、かかか、彼といってもただの三人称表現ですよ? 具体的な描写をまだ避けているのも他意はないですだよ? とにかく私は慌ててショーウィンドウの三段に並んだスウィーツを眺める。ガラス張りの向こうで、定番の生クリームやらフルーツやら、スポンジ生地、クッキー生地、パイ生地と、素材はみんな砂糖だろうに(暴論)、どうやって作ったんだかわからないくらいに、可愛らしくてびっくりする商品が、ちんまりと選ばれるのを待ちながら座っていた。 あと、芸も細かいんだ。 例えばショーウィンドウを形成している銀色の、多分アルミか鉄なんだろうけど、甘味を載せた三段のプレート。この先っぽの方が丸められていて、のぞきこんでいても威圧感をまるきり受けない。私だったら載ればいいやと四角いプレートを差しちゃうだろう。 華やかな手製カードの品評と共に値札が添えられていて、主役の甘味たちをひっそりと盛り立てているのも心憎い。一個あたり平均7~8にゃんにゃん(日本円で計算するなら100倍換算)という価格設定も、財布に憎い。カロリー的には等価値なのかもしれないけれど、チェーン店なら連邦カレーの蝶盛りが食べられてしまうお値段だ。 でも、悔しいけど、納得してしまう味、らしい。 何故疑問形かというと、 「えっと、じゃあ、この、マスタードケーキを珈琲セットで」 私が選ぶケーキは必ずキワモノだから、だった。 ううー、だって、だって、キワモノでもおいしいんだもの! 何故か週替わりで置いてくれてるんだもの! 珈琲とマスタードの風味が合ってたっていいじゃない! ほんのり甘いくらいなら食べられるんだもん! 見た目だって、細いビターチョコで飾り付けられてて、蝶が飛んでるみたいで綺麗だし、形だって華やかだし、味を引き締めるためのナッツ類のクラッシュも絶妙そうだし、うー、うー、うー! 「ぷっ」 「はっ」 表情に、出てしまっていた、だろうか。 耳の錯覚でなければ、笑われちゃった気がする。 パッとショーウィンドウから顔を上げると、いつもと同じに彼は、棒読みとマッチングする無愛想な鉄面皮を貫き通していた。しみじみ思うけど、接客業としてはありえない。 けど……。 体をよく動かす人にだけ伺える、精悍な肌の張りをした、力強さに満ちた顔立ちや、ああ、白状してしまおう、それなのに野蛮になったり男臭くならない、太すぎない骨格……もっとありていにいうと、見た目がものすごく格好良いんだ。 身長は180にはギリギリで満たないぐらいだろうか。押しなべて体格がいいとも悪いとも言えない、ニューワールドの中では平均的なレンジャー連邦でも、やっぱり平均よりかはちょっとだけ抜きん出た背丈は、頼もしさを醸し出していて、163センチの私と、ちょうど手のひら一つ分くらい違うはずだ。 フライパンで叩いてもびくともしなさそうな、男の人らしい肩幅に、コックコートの上からでもわかる筋肉の張り。しゅっと逆三角形の広背筋が、体をねじったり、かがんだりする、ふとした動作に浮き上がって、も、たまらない! これを言うとルリハちゃんに趣味がマニアックだよと引かれると思ったので連れてこなかったんだけど、運動部なんかをやっていると他人の筋肉の具合が気になってきたりする。一種の職業病なんだろうか、佇まいだけを見ても、その人の鍛え方がわかるようになる。漫画じゃないが、「出来ておるのう」と、歩き方だけで感心しちゃう相手にたまに出くわした時の感動ったらない。 このスウィート・ハートの店員さんの彼も、ちょっと胸を突いたぐらいじゃ、たじろぎもしなさそうな見事な鍛え方なんだ。 「お待たせしました。ただいまご案内いたします」 「はい」 レジの左手からするりと出て、奥に広がる20席程度の小さな客席へと案内される。私は私で、うっとりした感じで男の人の後ろ姿を眺めている不審者顔になるのを必死に抑えながら、それについていく。体当たりしてむしゃぶりつきたくなる背中だ……。 そう。 私、卯ノ花ミハネは、恥ずかしながら、 この店員さん目当てで店に通いつめている、ある意味嫌な常連さんなのでした。 →次へ (城 華一郎)
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前ページ次ページオレンジ色の使い魔 翌朝、トリステイン魔法学院、食堂の裏手。 職員と生徒向けに朝食を用意し終え、使用人のひとりが肉や野菜の端切れを満載した台車を押して使い魔の餌場へ と向かう。 毎年のことだが、新しく召喚された使い魔がどれほど餌を食べるのか事前に見積もるのは難しい。 だからこの日は料理長と経理長が使い魔の餌にまで配慮する。 貴族子女の食べ残しを与えれば安く上がりそうなものだが、残飯を与えることは使い魔ばかりかその主をも侮辱す ることであるとして禁止されている。 だから、肉も野菜も使用人の賄い料理に使うのと同じもの、良い部分を貴族用に切り分けたあとの残りが用意されている。 餌場につくと、すでに使い魔たちはその食性に分かれて集まっていた。 「ふむ……殺したてとは言いがたいな」 ふいに背後から声を掛けられ、使用人は驚いて餌やりの手を止めた。 振り向くと、毛皮に覆われた壁があった。使用人は二度驚き、すぐに思い出した。あの可哀想なミス・ヴァリエール の使い魔だ。 ヴァリエール公爵の三女が「魔法成功率ゼロのルイズ」と仇名され生徒たちから馬鹿にされていることは使用人の間 にも知れ渡っていたし、その彼女が昨日初めて魔法に成功して立派な使い魔を召喚した噂は昨日の夕食の配膳と片づけ 中に聞いたことだ。 なるほど大きい。しかも人の言葉をしゃべるとは珍しい。 「に、肉で良いのかい、ミス・ヴァリエールの使い魔さん?」 「俺は少なくとも今のところ、使い魔ではない。ヴァリエールの客と言うのが今の立場だが、人間の食事は口に合わぬと 言ったらこちらへ行けと言われたのだ。さておき、殺したての新鮮な肉が良い。俺だけでなく、あの竜や火トカゲ どももおそらくは同じ意見であろうよ」 大猫はじろりと使用人の頭から爪先までを眺め回し、付け加えた。 「おぬしの意見によっては、自分で殺したての肉を用意しても良いのだが」 「美味いか?」 きゅいきゅい。きゅるきゅる。がうがう。 ハミイーが食事の手を止めて問うと、新鮮な肉塊に群がった肉食の使い魔たちが一斉に返事をした。 最初に食事係の人間が持ってきた、殺してから時間が経った肉を前にしたときとは勢いが違う。 地球でもこの惑星でも、人間は新鮮な肉をわざわざしばらく放置してから(そして火に掛けるあるいは湯につけて) 食べる奇妙な習慣を持っていることは変わらないようだ。 これも不自然な一致だ。 食性ばかりではない。 昨日から目にした生き物はどれもハミイーが地球に赴任していたころに目にしたものばかりだ。 地球に実在しない生き物も居る。たとえば、そこで肉を骨ごと噛み砕いている竜や火トカゲがそれだ。 それ以外にも地球で目にした人類向け娯楽映像に出てくる生き物がこの場所には実在している。 遺伝子工学を駆使すれば作れるであろうし、進化のきまぐれの中から自然に発生してくることもあろう。だがそれら の姿がどれもこれも皆、地球で目にしたものとあまりに似通っているのは何故だ? しかし、それらの不思議もここの人類が流暢な人類共通語(インターワールド)を話すことに比べればいかほどの ことでもない。 クジン人の間でも人類の間でも、交流なく孤立した社会では時間と共に言葉が変化してゆく。再会するまでの断絶が 数世代に及べば、ちょっとした会話にさえ苦労することになる。 だが、この惑星の人類は流暢な共通語で会話をしている。 昨日ルイズが語ったことが事実であれば、このハルケギニアは少なくとも6000年に渡って恒星間文明から孤立している。 地球の人類が恒星間航行技術を手にする遥か以前からだ。 恒星間航行どころか、昨日の日没後に観察したところでは周囲に街道の照明さえ見当たらず、建物の中にはディス ポーザーひとつ、電灯のひとつも見当たらない。 昨夜は夜空も観察してみたが、軌道上に施設がある様子も宇宙船が航行する様子も無く、二つの月の表面を観察し ても都市の灯りは見当たらなかった。 さきほど、この食事場まで歩く途中で観察したがガレージに収まっているのは馬(これも地球のものそっくり)に 引かせる車両だ。 まるで宇宙進出以前の文明、それも機械を普及させるに至っていない文明のようだ。その一方で個人用の重力制御装置 や電灯に相当する器具あるいは能力は存在している。 どうにも理解しがたい。 仮に、文明の証拠を秘匿または偽装していると考えよう。では何ゆえに、奴らは人類共通語で会話し既知宇宙(ノウンスペース) との交流があることを誇示しているのか。 ルイズが語ったところによると使い魔には言葉を聞き取る能力が付与されるということだが、その言葉さえ人類共通語だ。 今しがた、人類共通語で話しかけたところ使い魔たちは一斉に返事をした。 そして、このハルケギニア地域で使われる度量衡の単位はノウンスペースの人類、クジン人が知る範囲の人類が使う 単位系に酷似している。 あまりにもあからさまにノウンスペース文明圏との繋がりを誇示し、そして何かを隠している。 ふたたび、ハミイーは骨付きの肉をかじりはじめた。 腰に下げ、たっぷりの毛で覆い隠した携帯通信機を試すのはそれなりに調査を進めてからのことだ。 何も判らぬに等しい今の状況で救助や増援を求めることは、ハミイーの誇りと立場が許さない。 嘘、謎、未知。何かを突き止めてからでなくてはなるまい。 生徒と使い魔がそれぞれに朝食を終え、新学期最初の授業が始まった。 「みなさん、春の使い魔召喚は大成功のようですね。このシュヴルーズ、こうやって春の新学期に、様々な使い魔たちを 見るのがとても楽しみなのですよ」 教壇から教室を見渡し、おっとりした声でシュヴルーズが言う。進級したばかりの新二年生たちはそれぞれに使い魔を 従えている。 大きすぎて同じ席につけない使い魔は教室の後ろに、さらに大きな使い魔は教室の外に。 ルイズは思わず身を縮めた。自分は確かに召喚には成功したが、まだ使い魔は持っていないのだ。進級試験の条件は 「召喚成功」と明記されている。 これまで召喚に成功して契約できなかった例は記録にないらしく、自分は条件の隙をついて進級したことになる。 にも関わらず、今日は今の所は周りの生徒から嘲笑を浴びせられてはいない。視線の多くは相変わらず非好意的だが、 一応は魔法に成功するところを見せたのだ。 これから他の魔法も成功してゆけば良い。両親も姉たちも、最初に魔法を成功してからは次々に他の呪文に成功したと 言っていた。自分に同じことが出来ないはずがない。 なにより、父も母も高位のメイジ。その血を受け継ぐ自分はどの程度のことが出来るようになるのだろう? 「ミス・ヴァリエール!授業に集中なさい」 「はっ、はい!」 授業そっちのけで空想にふけっていたルイズは教師の鋭い声によって現実に引き戻された。 「ちょうど良いでしょう、ミス・ヴァリエール。錬金を用いてこの石を金属に変えてご覧なさい」 シュヴルーズがどこからともなく小石を取り出し、教卓に載せる。 「はいっ!」 ルイズは勢い良く立ち上がり、教壇へ歩み寄る。周囲からは非難と抗議の声。 早速機会がやってきた。『錬金』のスペルは諳んじている。いつか使えるようになる日の為に、読める限りの呪文は 暗記してあるのだ。 『錬金』にはこれまで一度として成功したことは無いが、これが最初の機会だ。 「先生、危険です!」 女生徒の高い声、たぶんモンモランシ。 「なぜです?」 「ルイズの魔法は爆発するんです」 「それは私も聞いておりますが、昨日サモン・サーバントに成功したとも聞いております。みなさんも最初に魔法に成功した 時のことを思い出してごらんなさい」 その言葉に生徒たちは不平を唱えつつも口を閉じ、腰を下ろす。 ああ、先生も級友--というには親しくはないものばかりだが--も同じなのか。 これが二つ目の魔法、何をイメージしよう? 金?銀?高望みはやめておこう、少しずつ上手くなって行けば良いのだ。見渡すと、失礼にも級友たちのほとんどが机の 下に隠れている。使い魔を教室の外へ避難させているものまでいる。 ルイズは銅のささやかな粒をイメージし、よどみなく呪文を唱えた。 杖を振り下ろす。 爆発は教卓を叩き潰してルイズとシュヴルーズを吹き飛ばし、さらに数列の机をなぎ倒した。 「おぬしの魔法はなかなかの出来だ」 授業が中止になった教室をルイズと共に片付けながらハミイーが言った。ハミイーが軽々と起こして並べなおした机に 雑巾を掛けていたルイズの手が止まり、震える。 「ば、馬鹿にしてるの?」 「なにを言う。これだけ規模の爆発をその小さな棒切れひとつで狙った場所に起こせるとなれば、暗殺でも決闘でも思い のままではないか。物質変換などより役に立つ場合もあろうよ」 狙いどおりの場所には起こせないと言いかけて、ルイズは肩を落とした。ため息をつく。やはり人間とはメンタリティ が異なるのだろうか。 しかし、何故使い魔でもないのに自分の手伝いをしているのか? ふと気になり、ルイズは尋ねて見た。 「なに、昨日の寝床と今朝の朝食の代償だ。使い魔契約はしておらずとも、利益供与と返還は行えるというわけだ」 「……ありがとう」 「む?まあ良い。聞きたいことがあるのだがな」 最後の机を並べなおし、ハミイーが問うた。 「わたしに判ることなら」 雑巾を掛けながらルイズが答える。 「昨日、地図を見ながら説明を受けたところによるとおぬしらの魔法はいろいろなことが行えるようだ。それによって 社会を支えておると考えてよいのか」 「ええそうよ、でも私は何もできない。サモン・サーバントに一回成功しただけで、相変わらずゼロのルイズ」 「おぬしは物質変換に成功しておるではないか」 ハミイーはルイズの手元を指して言った。 「このどこが『錬金』に成功してるって言うのよ!」 「その煤はどこから発生したのだ?」 ルイズは息を飲んで雑巾を見つめた。確かに……チリひとつなく掃除が行き届いていたはずの教室を黒く汚し、 今は自分の手元で雑巾を黒く染めている煤は、いったいどこからやってきたのか? しばらく考え、ルイズは掃除を再開した。 もし自分が煤の錬金が得意なのだとしても、「煤のルイズ」と呼ばれるのは嫌だ。だからこれは錬金の成功ではない。 しばらく無言で机を拭いていたルイズはふと気づいた。 「ねえハミイー、あなた本当に魔法を知らないの?」 「作り話ではなく実際に目にしたのは昨日が初めてだ」 「でも、『錬金』を物質変換と言い換えたり、概念を知ってるように思えるわ」 ルイズは考え込みつつ言った。 「うむ、魔法ではなく技術によって同じことを行う事例を知っておるのだ。多少の金と手間を投じれば、物質変換装置 という機械でいろいろな物質を作り出すことが出来る」 「じゃあ、猫の国クジンでは職人を抱えていれば『錬金』できるの?他にもあるわ、昨日サモン・サーバントで召喚 されたとき、あなたは『転移』と言う言葉で表現した」 「むむ、これはうかつであったな。まあよい、転移ボックスと言う装置が我々の街のあちこちに用意されておるのだ。 それを用いることで、瞬時に場所から場所へ移動することが出来る」 「それで……その装置を使って誘拐したと考えたのね」 「そうだ。ただし、普通は転移ボックスで移動できる距離には限界がある。おぬしが俺に対して行ったように光年単位の 距離を飛び越えることは出来ぬな」 ハミイーはなぜか探るような視線を向けてきたが、ルイズは気のせいだと思うことにした。猫の表情を人間の自分が 解釈できるはずがない。 掃除を終えて、ルイズはふと聞いてみた。 「コウネンって何リーグくらい?」 前ページ次ページオレンジ色の使い魔