約 3,955,112 件
https://w.atwiki.jp/newgenreschool/pages/242.html
side シュー 扉の隙間から様子を伺っている俺氏の姿はどう見ても怪しい。 カメラがあれば撮っておきたいくらいだ。 先ほどから幾度となく扉をくぐっている。 その度に、私達を嘲笑うかのように扉が閉まる音が聞こえてきた。 俺「ぜってー罠だよ」 シュー「そうね。次の扉辺りで上からタライが落ちてくるわ」 俺「地味に嫌だな」 私としては黒板けしの方がポイントが高いわ。 俺「なんかもうめんどくさい。こそこそするのは止めだ」 そういうと俺氏は普通にがちゃがちゃ扉を開けて進む。 私はそんな彼の背中に米粒をぶつけながら付いて行くだけ。 正面から見たときはそんなには思わなかったが、かなり広い建物のようだ。 かなりの数の部屋と廊下を渡っている、はずだ。 無駄に広いので迷子になりそうね。 私のお米が役に立てばいいけど。 ぴん、ぽと、ころころ。 お米がころころ。 俺氏の背中が不意に止まる。 俺「……」 シュー「どうしたの?」 俺「……別の道を探す。ここは通れない」 何事かと思って背後から覗き込むと……。 シュー「……あらあら、ホルモンね」 狭い廊下にぶち撒けられた人間?の残骸。 肉片や血が、まだ乾かずにそこら中に飛び散っている。 ぴちょん、と天井から粘着質な液体が糸を引いて零れ落ちる。 俺「一体何があるってんだ?」 俺氏が不快そうに表情を歪めながら、惨殺空間を観察していた。 …………ばたん。 その惨殺空間の奥から、扉が閉まる音。 シュー「変ね」 俺「そうだな」 この先の部屋に行ったというのなら、此処を通ったはずである。 なのに、廊下には足跡らしきものが付いていない。 シュー「あらあら、ゾンビが出る洋館かと思ったらお化け屋敷なのね」 俺「ともかく一旦戻って別のルートを……」 ルートを? 振り返って呆然としている俺氏。 また化物でも出たのかしら、と振り返る。 振り返ってみて、判った。 なるほど。あの音は初めから私達を嵌めるつもりだったのね。 複雑怪奇な作りの洋館。 慣れていない私達が元来た道を正確に戻れる訳が無い。 ふふふ、だが安心して。 こんな事もあろうかとお米を撒いてきたのよ。 俺「その米も見当たらないんだが」 シュー「なんですって!」 廊下をつぶさに観察しても、確かにお米は見つからなかった。 シュー「きっと、おなかを空かせた小鳥さん達が食べてしまったのね」 俺「ここ、めっちゃ室内」 いいのよ、いいのよ。 私のお米はおなかを空かせた皆の味方なの。 俺「現実逃避すんなよ……。まあ、片っ端から開けていけば何処かに出るだろ」 俺氏が手近の扉のノブに手を掛ける。 がちゃ。 俺「!」 静電気でも走ったかのように、俺氏はノブから手を放す。 私も見た。 ノブが、勝手に回ったのを。 つまり、誰かが反対側から開けようとしている。 本物の幽霊かしら? だとしたら初めて生で見る事に……。 そういえばC組に幽霊ちゃんがいたわね。 ちぇ。 side other ゆっくりと、扉が開かれる。 ごくり、とどちらかが唾を飲む音が聞こえた。 ぎぎぎぎぎ。 非常にゆっくりと開かれる扉。 開いた隙間から覗く闇は、冥府の底にも似て。 少年と少女は勝手に開く扉から距離をとる。 俺「……ふわぁ」 シュー「……Zzz」 二人とも眠いのか余裕をかましていた。 俺「誰だ?」 …………。 返事は在らず。 シュー「幽霊だったら壁を突き抜けて出てくるわよね」 何かに失望したように、少女。 俺「お誘い?」 シュー「かもんべいべー」 少年はおもむろに扉を蹴りつけ、一気に扉を開きに掛かる。 ばこん! ?「ぐぇ!」 その扉の影に誰かいたのか、勢いよく開いた扉にぶつかったようだ。 俺「なんだ、誰かいたんじゃねーか」 シュー「典型的なギャグで駄目ね。三点」 少女の評価は厳しかった。 ?「ちょ!誰だよいきなり開けやがって」 少年と少女は、その聞き覚えのある声に。 シュー「此処はハズレね」 俺「違う部屋を探そう」 B「ちょ!ひでぇ!」 Bと呼ばれる少年だった。 俺「お前、こんなとこで何やってんだ?」 B「それは俺のセリフだよ。あんたらこそ何やってんだ?」 シュー「愛のランデブー」 俺「……」 B「……」 シュー「ランデブーとは、走るデブの事じゃないわ」 俺「しっとるわ」 B「ま、まさかあんたら……」 俺「信じるんじゃねぇ!」 シュー「米」 合流した二人と一人は、互いの状況を確認しあった。 先の二人は、以前説明したとおり。 館で出会った少年が言うには。 B「俺は気付いたらここに居たんだよ」 俺「気付いたら?」 B「ああ。普通に、普段目が覚めるような感覚で起きたら、ここに居たって訳」 嘘を吐いているようには見えないし、吐いて得があるとも思えない。 シュー「他には誰か居なかったのか?」 B「ん?あー、知らないなぁ。だって無駄に広い館なんだぜ?怖くて大人しくしてたよ」 俺「……」 B「?小声でなんだよ」 シュー「ヘタレって言ったぞ」 B「うわああああぁぁん!」 俺「ともかく動こう。他に誰か居るかもしれないし、そいつが何か知ってるかもしれない」 B「ま、まじで?だってあんたらの話だと、化物がいるってゆーじゃない?」 シュー「残りたければ勝手に残れ。米は置いていってやる」 B「ま、待ってくれよ!置いてかないでー」 三人が出て行った部屋は、再び闇に飲まれた。 side 俺 Bを加えて俺等三人は迷路のような洋館を進む。 鍵の掛かっている部屋は、とりあえず内部に誰か居ないかの確認だけをしていた。 B「疲れたー。休もうぜー」 俺「そこで寝てろ」 B「うう、鬼ぃ。友君の苦労が判るぜ」 友、か。 他の連中もこのおかしな世界にいるのだろうか? シュー「俺氏」 俺「なんだシュー氏」 シュー「おなか減った」 俺「そういやいい加減何か喰いたいな」 俺達がこの世界に来てから、何時間経ったのだろう? そもそも今はいつで何時なんだ? そんなこんなで迷っていると、廊下奥の扉からかちこちと音が聞こえてきた。 その音には聞き覚えがある。 ホールから最初に入ってきた食堂に在った時計。その音だ。 俺は足早に扉に近づき、開け……そして閉めた。 シュー「どうした?」 B「なんかあった?」 俺「あー……」 まあ、見てみるがいい。 俺は無言で扉を開き、二人を食堂に招いた。 B「おお!」 シュー「これは……?」 食堂のテーブルの上に、色とりどりの豪華な料理が乗せられていた。 俺「喰えると思う?」 B「腹減ってたんじゃないの?」 それはある。だが……。 俺「こんな不気味な館にある料理だぜ?」 どんな材料を使ったか、ましてや毒が盛ってあるかもしれない。 それに、なんか部屋の雰囲気が最初に入った時と違う気がする。 料理が添えられている事じゃなくて、なんかもっと根本的な……。 シュー「俺氏、あれ」 あれ、とシューが指し示したのは時計。 これで時間が確認できる、と思ったが。 俺「……逆回転してやがる」 電池の入れ間違いかをい? 今がいつで、何時なのかの確認は出来そうに無い。 B「で、これどーすんの?」 Bがテーブルの上の料理を指す。 俺「喰いたきゃ喰え」 責任は取らん。 side シュー 先ほど食堂に入ってきた時から違和感があった。 なんだろうと、それは俺氏も感じているらしかったが、私は時計を見てその違和感がなんなのか理解した。 この部屋は、全てが逆なのだ。 最初見たあの部屋と、配置が。 だから違和感を感じている。 Bはテーブルの上の料理をおっかなびっくり眺めている。 私もおなかが空いているが、この料理には手を出さない。 何故なら、ほかほかご飯が無いから! 俺「あー、駄目だこりゃ」 B「どうしたん?」 俺「出られん。つか出口らしきものすらない」 どうやら俺氏は、まだここが最初に入ってきた部屋だと思っているらしい。 B「どうするんだよ……」 俺「こっちが聞きてぇよ」 男二人は椅子に座って。 だけど料理には手を付ける気はないようだ。 その時だった。 がちゃ、と扉のノブが回る音。 それに反応する私達。 ?「あら、この部屋は開いてるわね」 なんと あらわれたのは ツンだった。 ツン「……なんであんた達が居るのよ?」 俺「それはこっちのセリフだ」 俺氏は、これから先、何度と無く繰り返されそうな返答に頭を抱えている。 そういった面倒ごとは全て任せてしまおう。 てへ☆ 俺「『てへ☆』じゃねぇーよ……。ツン、お前一人か?」 ツン「ゆうやと日和、鮫子も一緒よ」 シュー「お前は一人で何を?」 ツン「別にー。じっとしてても退屈だったから探索」 おお、なかなかに度胸が据わっているな。 どこぞのヘタレのBとは大違いだ。 B「と、名指しっすか」 俺「案内してもらえるか?ちょっと今の状況を皆と話し合いたい」 ツン「別にいいわよ。付いて来て」 ツンはそのままくるりと背を向けて食堂から出て行ってしまう。 俺氏とBは慌てて椅子から下り、その後を追う。 ……なんか変ではないだろうか。 シュー「……ああ、なるほど」 私はテーブルの上にある料理を見た。 B「シューさん何してるん?行くよー」 シュー「ああ。今行く」 どうしてツンは、料理に目もくれなかったのだろうか。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau9/pages/1884.html
妊娠しているゆっくりを探すには洞窟を見つければいい。 家族単位で生活するためには、番2匹で生活するよりも広いスペースが必要になり 妊娠してからは餌集めに労力を割くため、まず大きな巣を作ってから子作りに励むのが理想だ。 しかし、実際には何も考えずにすっきりを行い、いざ子供が生まれるときになって巣が小さいことに気づく。 慌てて巣を広く掘ろうにも、自身は動けずパートナーは餌を集めないといけない。 故に、洞窟など人間も進入可能な安全でない住居を住まいにするゆっくりは珍しくないのだ。 「ゆっくりしていってね!」 洞窟の入り口で声をかける。 すると・・・ 「「ゆっくりしていってね!」」 奥の暗がりから2匹のゆっくりの声が木霊した。 「ゆっ、ここはれいむのおうちだよ!かってにはいってきたお兄さんはでていってね!」 「お兄さんはゆっくり出来る人?ゆっくり出来る人ならまりさにおかしをちょうだいね!」 洞窟にいたのは、成体のれいむ種とまりさ種だ。 予定通り、れいむ種が植物型の妊娠をしていた。 れいむの頭から1本生えている茎に6つの実をつけている。 実の大きさからみて、いつ生まれてもおかしくない。 「僕は、ゆっくり出来るお兄さんだよ。その証拠にお菓子をあげよう。」 登山用リュックから円形のクッキーが入った包みを取り出すと、それを2匹の前に撒いた。 まりさが我先にと地面に落ちた砂まみれのクッキーにむしゃぶりつく。 「とってもゆっくりできそうだよ!むーしゃ、むーしゃ、しあわせー♪」 「ゆっ、れいむもお菓子食べたいよ!むーしゃ、むーしゃ、しあわせー♪」 2匹はあっとういう間に数枚のクッキーを平らげた。 まさに味を占めたゆっくりは更にお菓子を要求してくる。 「ゆゆっ、お兄さんお菓子が足りないよ!」 「もっとちょうだいね!」 ここで交渉を行う。 「お菓子をもっとあげるからお兄さんも、ここに居ていいかな?」 無理にゆっくりを家に連れて帰ってもいいが これはちょっとしたイタズラがしたいだけなのでこの場で行う。 「ゆっ、おにいさんはゆっくりできそうだね!」 「もっとお菓子をくれるなら、とくべつにまりさのおうちにいてもいいよ!」 れいむとまりさは少し押し黙った後、快く了解してくれた。 「ありがとう。お菓子はまだまだあるから、2匹で仲良くゆっくり食べていってね!」 「「ゆっくりしあわせー♪」」 これは、ただのクッキーではない。 アルカリを含んだ化学物質を混入してある、強アルカリクッキーだ。 アルカリは毛に含んだケラチンという物質を溶かす効果がある。 それが脱毛剤の仕組みだ。 簡単に言うと、いまゆっくりが食べているのは脱毛クッキーである。 ただし、含有アルカリは成体には無毒化出来る様にごく適量 お腹いっぱいに食べたとしても、毛が抜けるようなことはない。 その効果は体の小さな赤ゆっくりや、いま生やしている実ゆっくりに対してのみ影響を及ぼす。 チクタク、チクタク・・・懐中時計を眺めるお兄さん。 そろそろかな・・・。 れいむの頭上に生えている実ゆっくりの1匹がプルプルと震えていた。 「ゆ?ん、まりさにそっくりな赤ちゃんが生まれそうだよ!」 自分では見えないれいむのために、どの赤ちゃんがこれから生まれるのか教えてあげたまりさ。 2匹は自分達の初めての子供にわくわくと胸を躍らせている。 「赤ちゃん、ゆっくり生まれてね♪」 そんなれいむの願いとは裏腹に、赤まりさは今にも茎から落ちようとしていた。 プチッ 実ゆっくりと茎が自重により切り離される音である。 しかし、自重により切り離されたのは髪の毛 茎には金髪とその上に乗っている黒いお帽子が残されていた。 そして生まれると同時にそれらを失った赤まりさが落下し あらかじめ、まりさがひいて置いた葉を重ねた柔らかいお布団にポフッと着地する赤まりさ。 お兄さんは、その様子をニヤニヤと眺めていた。 「ゆっくちちていっちぇね!」 「「ゆ”っ?」」 れいむとまりさは凍りついた様に驚愕の表情を浮かべて固まった。 両親の不可解な反応に、赤まりさも疑問に感じ 自分の挨拶がなにかおかしかったかなと思い、もう一度言い直す。 「ゆっくちしていっちぇね!」 「「・・・・・・・・・・・・。」」 2匹の冷ややかな視線。 不安になった赤まりさは親の元に駆け寄った。 しかし・・・ 「ゆげっ!」 親まりさに体当たりをされ転がる赤まりさ。 赤まりさの体重が軽いため絶命にはいたらなかったが手加減のない体当たりに 餡子の隋まで衝撃が走り、そのまま昏倒した。 「なにこの、変なゆっくり?どこから入ってきたの!」 「ここは、れいむ達のおうちだよ!ぷくー!」 お兄さんは笑いを一生懸命こらえた。 ゆっくりは飾りで固体認識をする。 だから、飾りのないゆっくりは例え肉親であってもそれがわからない。 例外として、目の前で飾りを失う場合は固体認識が出来るのだが 生まれる前であった場合はそれが当てはまらないらしい。 続けて、他の5つの実もケラチンが十分アルカリで分解され 禿饅頭が落ちようとしている。 「ゆゆ?ん、赤ちゃんがたくさん生まれそうだよ!ゆっくり頑張ってねれいむ!」 「ゆっ、こんどこそれいむの赤ちゃんが生まれるんだね!」 赤れいむが3匹と赤まりさが2匹。 それらも、いまから判別しようのない禿饅頭と化す。 プチプチプチプチチッ! 先ほどの赤まりさの様に、柔らかい葉っぱに落ちる赤ゆっくり。 「「「「「ゆっくちちていっちぇね!」」」」」 元気いっぱいの可愛らしい挨拶。 親の反応は相変わらず冷ややかだ。 「ゆぎゃああぁあああ、変なゆっくりがきゅうにわいてきたよ!」 「どぼぢであがじゃんがいなくなっちゃうのぉおおお!」 片時も目を離さずに見ていたまりさにとっては、まるで手品をみているかのようだろう。 さっきまで、自分にそっくりな子が2匹もいるよ!他の3匹もれいむに似てかわいいね!なんて思っていた。 それが、一瞬にしてゆっくり出来ない変なゆっくりに変わってしまったのだ。 それに対して、赤ゆっくり達は状況がまるでわかっていない。 「みゃみゃー、どうちたにょ!」 「なんでゆっくちちてにゃいの!」 「ゆっくちちちぇいっちぇね!」 「まりちゃはみゃみゃとすーりすーりちたいよ!」 「おかあぁしゃ?ん!」 「変なゆっぐりはまりざたちのおうぢがらででいげぇ!」 「ゆっ、きっとこの変なゆっくり達がれいむたちの赤ちゃんを隠したんだよ!」 れいむとまりさは、散々心待ちしていた我が子に襲い掛かった。 2匹にしてみれば彼らは侵入者であり未知の外敵なのだ。 「やべちぇ?!」 「たちゅけておかあちゃ?ん!」 「こっちにこにゃいでにぇ!」 「もう、おうちかえりゅ?!」 「ゆっくちできにゃいよぉ!」 5匹は巣穴を逃げ回るも、次々と親に踏み潰されて息絶えた。 途中、姉妹をつきとばして、それを囮にして逃げようとしたゆっくりがいた。 あっ、まりさ種だなんて気がついたが、すぐにそいつも潰されてただの餡子と化した。 「もっちょ・・・ゆっくちちゃかった・・・」 全滅したところで、茎に残っていた赤まりさのお帽子をもぎとると それを、最初に親まりさの体当たりで昏倒していた赤まりさに被せてやった。 「ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”」と痙攣しているので、もう長くはもつまい。 その様子にれいむもまりさも気がついた。 「れいむのあかちゃんどうしたのぉぉおおお!」 「まりざのあがじゃんがどぼぢでこんなめにぃぃい!」 お前がやったわけだが(笑) さて、ここでネタバレ この赤まりさのお帽子をとってやると、はい禿饅頭が出現です。 「「ゆ”っ?」」 再び凍りついたように固まる、れいむとまりさ。 もっとよくわかるように、ホイッホイッと帽子をとったりつけたりして繰り返す。 「お前らは自分の赤ちゃんを潰してたんだよぉ?ホイホイッホホイッ!」 念入りに手品のタネを明かしてやる。 「「ゆぎゃあああぁぁぁぁああああadawksaa!!」」 ようやくゆっくり理解した2匹の親ゆっくり。 悲鳴の終わりには泡を吹いて失神した。 「ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”・・・ゆ”・・・」 ほどなくして、昏倒していた赤まりさも息を引き取った。 せめてもの情けでお帽子で被せたままにしておいたやろう 起きたときに、ちゃんと自分の赤ちゃんの赤まりさだとわかるようにね♪ 過去の作品 ゆっくりいじめ系1222 ゆっくり繁殖させるよ! ゆっくりいじめ系1254 赤ちゃんを育てさせる ゆっくりいじめ系1261 水上まりさのゆでだこ風味 ゆっくりいじめ系1297 ゆっくり贅沢三昧・前編 ゆっくりいじめ系1466 ゆっくり贅沢三昧・後編 ゆっくりいじめ系1467 まりさの皮を被ったアリス ゆっくりいじめ系1468 肥料用まりさの一生 ゆっくりいじめ小ネタ222 ゆっくっきんぐ ドナーツ編 ゆっくりいじめ系1532 可愛そうな赤ちゃんにゆっくり恵んでね ゆっくりいじめ系1580 ゆっくりしなかった魔理沙と愛のないアリス ゆっくりいじめ系1673 ゆっくりクアリウム ゆっくりいじめ系1715 ゆっくりトイレ ゆっくりいじめ系1735 ゆっくりれいむと白いお部屋 ゆっくりいじめ系1743 プラチナまりさとフリーすっきり権 作者:まりさ大好きあき
https://w.atwiki.jp/uyoku310/pages/133.html
俺達が着いて5分もしないうちに一輝が現れた。後には仁さんもいる。一輝は顔中ボコボコだった。ただでさえ重い話なのに場はさらに静まりかえる。仁さんの目が恐い。沈黙を破るように一輝が話始めた。今回の戦争の原因や今の状況。とても聞けたもんじゃない様な話だった。戦争の原因は幽鬼連合の傘下のチームがなんの断りなしに浜にやってきた事だった。奴等に土足で地元を踏み荒らされた仁さんは怒り、後輩の一輝に電話してすぐさま迎撃させた事が始まりだった。その時は地元の利を活かして雹が圧勝したけど、次の日、また幽鬼連合が浜にやってきた。今度は本隊を引き連れて。さすがに人数では全然敵わなかったらしくあっさり退散する。でも、後ろに控えた仁さんはそれを許さなかった。一輝達にヤキをいれて次の日から県南方面への流しを日課にさせる。最初こそ勢いよく潰してったけどやっぱり数には敵わない。そして、慣れない場所での喧嘩は雹に逮捕者を続出させてった。気がついたら一輝以外に残ってるのは1人だけになっちまってた。それ以外の連中は捕まったか病院のベッドにいるかだ。正直一輝には同情した。よくこんな状態で戦争続けられたもんだ。ウチのチームは最初に先輩潰しちまったから口うるさく言われる事なんかないからいいけどきっと一輝は上からも言われて地獄だったと思う。ただだからっていま言われてどーなる問題でもない。雹はすでにチームとしての形を保てない程消耗しちまってる。元々20人近くいた人数もいまは2人しかいない。こっからひっくり返すのは無理だ。 「このまま行くと浜は幽鬼連合に持ってかれちまう。ウチのチームが潰れるだけならいいけどそれだけは避けなきゃならない。悪ぃけど力貸してくれ。」 一輝が頭を下げた。だけど元々の人数が違いすぎる。こっちは雹がフルメンバーで残ってたとしてもウチとナイトとイーグル合わせても70、奴等は倍以上の150だ。はじめから沈むのわかってる泥船に好きこのんで乗っかる奴はいないだろう。だけど今回だけはそーも言ってられない。雹が潰れるだけならまだしも浜は絶対に渡せない。俺達は最初から乗るしかなかった。小さなイザコザから始まった喧嘩は勢いを増し誰も止められない程の大きな抗争に変わっていった。大事なモノを守るための戦争だったはずなのに。大事なモノを失うきっかけになっちまったなんて。
https://w.atwiki.jp/siika/pages/126.html
【新領民受け入れ態勢の様子】 文・画:18-00346-01:花陵:詩歌藩国 【仮設住宅建設現場にて】 最近、共和国の政治不安で、国民が帝國に大勢流出している。と、言う噂は本当だった。 詩歌藩国は帝國でもっとも端に位置している上、国民性もどこかののほーん。としているせいか、どこか遠いところの話しのような気がしていたのである。 しかし実際に新領民を受け入れる段になると、詩歌藩王の号令の元、着々と受け入れ体制を整えていった。 ここは、森国人用の仮設住宅建設現場だ。 故郷を遠く離れた共和国の人々に少しでも、寛いでもらえるように。との気持ちがあり、森国人用の仮設住宅は木造で建設されていた。幸いにも、詩歌藩国には森林が多く存在している。ログハウスなどの建設技術もある。建設資材も元から生産されており、建設期間を縮めることができた。 現場では多くの共和国民や詩歌国民が雇い入れられており、暖かいシチューやスープの炊き出しも行なわれていた。共和国民と詩歌国民が現場で協力して、作業を着実に進めていたのである。 おじさん「よー。若いの。頑張るなー!」 わかもの「お世話になってます。」 おじさん「国を離れなきゃいけないなんて、大変だったなー。詩歌藩国は寒いだろう?少しは慣れたか? それから、なれない仕事で疲れてないか?あんまり根をつめない方がいいぞ!」 わかもの「ええ。でも、俺が頑張らないと!弟たち、まだ小さいんですよ。 それに、俺は家族がバラバラにならなかっただけでも、いい方ですから。」 わかものの様子は、流れてこの国まできたわりには明るい。「空元気」なのかもしれない。しかし、弱ってる姿はあまり見せたくないものだろう。それに、彼にとってはここはまだ異国の地なのだ。 おじさん「そうかー。家族がバラバラにならなかっただけでも…か。 あ、そうだ。炊き出しでシチューが振舞われている筈だ。昼は、そこで食ってくるといい。 それから、休みの日には、弟たち連れてラグーンで体を休めるといいぞ!疲れが取れるからな!」 わかもの「ありがとうございます。ラグーンかー。行ってみます。きっと弟たちも喜びます。」 おじさん「ああ。どんな時でも、肩の力を抜く時間は大切だからな。覚えておけよー。 それから、今度家に遊びに来ないか?弟たちも一緒にな! 俺んちの息子に、故郷の珍しい話をしてくれるとうれしい。 何しろ、俺も家内もこの国から出たことがないからなー。森国人本場の話し。ってやつを聞かせてくれよ! お礼は、北国人本場の料理だ!」 わかもの「ええ。喜んで。」 はにかんだ笑顔と、がはは。と豪快な笑いが重なった。 ここにいる間は、少しでも心穏やかに過ごして欲しい。とおじさんなりの気遣いなのだろう。 ごくありふれた日常。みなが大切にしている日常。元の生活と同じとは行かないまでも、少しでも近づけることが出来るようにと願う。誰もがそう思いつつ、力を合わせて働いていた。
https://w.atwiki.jp/akatonbo/pages/2863.html
もう居ないから 作詞/一(にのまえ) ウィスキーグラスがキラキラと 琥珀色に太陽反射して 風の強い 春先だった あなたとの思い出はいつも 雨の中 一緒の思い出ばかり 雨の思い出ばかり あなたの声が聞きたい あなたの声が聞きたい 今すぐ 聞きたい 私の頭の中に存在する あなたはいつでも雨の中で笑って 傘花開き 水輝いて 幻想 夢想 居ないものは居ない もう居ない あなたは私置いていった もう居ない あなた居た頃の 私のの笑顔は もう居ない あなたの声が聞きたい あなたの声が聞きたい 今すぐ 聞きたい カラになったウィスキーグラスは 氷だけ残して 少し温かい風の強い日に 汗をかいていた 似ていた
https://w.atwiki.jp/akatonbo/pages/2244.html
殺りたいから殺る 作詞/一(にのまえ) 食いたいから喰う 犯したいから犯す 殺したいから殺す 殴りたいから殴る 別に理由なんて 無い そんなものは必要だとは 思わない 生きるのに理由が 無いように 僕は やりたい事をやりたいようにやるんだ それは決して間違ってないと 思うから 僕はなにも疑問には 思わない ムカツク奴がいたら撲殺 気に喰わなかったら撲殺 撲殺しちゃえばいいんだよ なんだっていいんだよ 僕等を縛るものはないんだよ 真実はいつも自由だった 食いたいから喰う 犯したいから犯す 殺したいから殺す 殴りたいから殴る 別に理由なんて 無い やりたいからやるだけ それだけさ 死んでいくのに理由が 無いように 僕は やりたい事を我慢しないでやってやる それは決して間違ってないと 思うから 僕はなにも疑問には 思わない ムカツク奴がいたら撲殺 気に喰わなかったら撲殺 撲殺しちゃえばいいんだよ なんだっていいんだよ 僕等を縛るものは実は無かったんだ 世界はいつも自由だった
https://w.atwiki.jp/akatonbowiki/pages/1413.html
このページはこちらに移転しました 殺りたいから殺る 作詞/一(にのまえ) 食いたいから喰う 犯したいから犯す 殺したいから殺す 殴りたいから殴る 別に理由なんて 無い そんなものは必要だとは 思わない 生きるのに理由が 無いように 僕は やりたい事をやりたいようにやるんだ それは決して間違ってないと 思うから 僕はなにも疑問には 思わない ムカツク奴がいたら撲殺 気に喰わなかったら撲殺 撲殺しちゃえばいいんだよ なんだっていいんだよ 僕等を縛るものはないんだよ 真実はいつも自由だった 食いたいから喰う 犯したいから犯す 殺したいから殺す 殴りたいから殴る 別に理由なんて 無い やりたいからやるだけ それだけさ 死んでいくのに理由が 無いように 僕は やりたい事を我慢しないでやってやる それは決して間違ってないと 思うから 僕はなにも疑問には 思わない ムカツク奴がいたら撲殺 気に喰わなかったら撲殺 撲殺しちゃえばいいんだよ なんだっていいんだよ 僕等を縛るものは実は無かったんだ 世界はいつも自由だった (このページは旧wikiから転載されました)
https://w.atwiki.jp/kyoronosuke/pages/422.html
男「はは。また今度な。そんなことより香水のことを……」 (=ω=.#)「や」 男「…………や?」 (=ω=.#)「嫌」 男「……えーと……こなたさん?」 (=ω=.#)「続きがしたいんだよ!」 男「え……あ……ちょ、ちょっと……」 (=ω=.#)「だってここ最近の私達、ヘコみまくりのぼっこぼこだったじゃん!」 男「ま……そうだな……」 (=ω=.#)「せっかく元気が戻ったんだ! でも最後の一押しが足りない!」 男「最後の一押し?」 (=ω=.*)「愛だよ」 男「愛か!」 (=ω=.*)「愛だよ!」 男「じゃあ仕方ないな!」 (=ω=.*)「オトーコ! オラにちょっとだけ元気をわけてくれーっ!」 男「甘いぞ、コナタット! 俺はサイヤ人の王子だぞ!? ちょっとと言わず限界まで絞り取れ!」 (=ω=.*)「オトーコ!」 俺「コナタット!」 (省略されました……) (=ω=.*)「はふぅ……」 男「……」 (=ω=.*)「オトーコのファイナルフラッシュ……効いたよ……」 男「……」 (=ω=.*)「あれ、男?」 男「……」 (=ω=.*)「どうしたのさ。外なんか眺めて……」 男「……いや」 (=ω=.*)「いや?」 男「……台風……行っちまったな、ってさ」 (=ω=.;)「はぁ? いつの話してんの?」 男「……はは。そうだな。いつの話だろうな」 翌朝。 男「さて」 (=ω=.*)「さて」 男「愛のパワーは充電出来たよな」 (=ω=.*)「うむ! 泉こなたは、後半日は内部電源のまま動けるよ」 男「短っ」 (=ω=.*)「男のせいでこうなったのだよ?」 男「俺の精でこうなったとな」 (=ω=.)「……」 男「……」 男「じゃ……取り掛かりますか」 (=ω=.)「あ」 男「な、なんだよ?」 (=ω=.;)「そういえばさ」 男「もういい加減にしろよなー。さっさとこの香水を調べてみようぜ」 (=ω=.;)「……今日って、何曜日だっけ?」 男「は? そりゃあ火曜――」 (=ω=.;)「……」 男「……ち」 (=ω=.;)「遅刻だぁーっ!」 昼休み。 (=ω=.;)「こっぴどく叱られたね」 男「うーむ。重要なイベントがあっても学校はあるのが、現実の辛いところ」 (=ω=.*)「ふっふっふ」 男「ん?」 (=ω=.*)「たらららー(道具を出すときの効果音)」 男「何を出す気だ、こなたもん」 (=ω=.*)「かがみんの香水ぃー」 男「ばっ! 馬鹿! いつの間に持ってきたんだ!」 (=ω=.*)「いつ、という概念は四次元上に存在出来る、このこなたもんには当てはまらないんだよ?」 男「こ、こなたもん、なんかその表現、怖いよ!」 (=ω=.*)「じゃ、何処で調べようか」 男「は?」 (=ω=.*)「だから、これ、調べたかったんでしょ? 今やろうよ」 男「……マジっすか」 (=ω=.)「この目が冗談を言ってる目に見える?」 男「……」 (=ω=.)「まるで、数学のイコールマークのよ」 男「 せ か い の ほ う そ く が み だ れ る ! 」
https://w.atwiki.jp/83452/pages/11247.html
「……あの、ゆ、いや……」 頬杖を突いて、ゆっくりとした動作で、先生は紅茶を飲んでいる。 あまり私の話に興味がなさそうだったので、私も、案外自分の悩みは大したことでもないのかも知れない、と思える。 「えっと、大人になったら友達が減るんですか」 「忙しいからね」 「忙しいと、友達が減るんですか」 先生はフォークを動かすのをやめて、じっと私を見つめた。 驚いているようでもある、非難しているようでもある、助けを求めているようでもある。 一瞬、フォークを反射して彼女の目に飛び込んだ光は、淡い期待と独占欲にも見えた。 「嫌なこと訊くのね」 そう言って、先生はまたケーキを口に入れる。 そうして、また同じようなことを、違う言い方で繰り返した。 「嫌な言い方するのね」 今度は、さっきの言い方よりも、ずっと私に非があるように聞こえる。 私から踏み込むのは不躾な気がして、私は口をつぐんだ。 「……友達は、減るのかしら……いや、でも、そうねえ……」 独りでうんうんと唸って、先生は宙を見つめた。 いつの間にかフォークはテーブルの上に置かれている。 先生は腕を組んで、指で拍子を取っている。 たん、たん、たたんた。 「むう……そうね、じゃあ、こんなところでどうかしら」 たん。 指の動きが止まる。 先生は少し得意げに話しを始めた。 「あなたは朝早く起きる。家を出る、澄んだ空気を吸い込む」 先生の指が宙で踊っている。 妙に惹きつけられる、唄うような調子だ。 そのうち、先生が声に強弱と緩急を付けて、足で拍子を取っていることに気がついた。 「太陽は低い、影は長い。けれどあなたは、そんな朝早くに誰かに会うことはないから、問題ない」 影は長い。 窓ガラスは相変わらず先生の後ろにあって、先生の顔は影に覆われている。 「そのうち日は登ってくる。それでもまだ影は長い。誰かと会って、お話をする」 「誰か?」 「誰でもいいの。唯ちゃんでもいいし、私でもいいし、本当に誰でもいいの」 私はまた黙り込んだ。 先生は続ける。 「楽しくお喋りをする。そのうち日は真上に来る。その時になってようやく、影は極々小さくなる」 「かげ」 「かげ。そのときまでにね、もし、相手の――例えば唯ちゃんの――本体じゃなく、影とお話ししていたのなら。 きっともう友達でいられなくなるでしょうよ」 「それは、つまり」 先生は紅茶を飲もうとして、もうカップが空になっていることに気づいた。 頬杖を付き、私を見つめる。 「黄昏時になる。影が長くなる。夜になる。影しかなくなる。 そんなわけで、大人になった私は誰の手も握れずに、誰かとお話をするのです……どう?」 「はあ」 「割といい感じじゃない? なんか、頭よさそうだったでしょう」 けらけら笑う。 ティーカップが小さい音を立てて揺れた。 私は先生を見つめるけれど、光が差し込まない瞳の奥は、なにがあるのか分からない。 「まあ、ずっとついていけるならいいのよ。影が伸びても縮んでも、ずっとその影についていけるなら。 でも、相手が唯ちゃんみたいにふらふらした子だと難しいかも知れないわよね」 「そうですねえ……そうなんです」 ずず、と啜った紅茶は少し冷えていた。 「あ」 私が声を上げると、先生は、ふふ、と笑った。 「別に私は唯と……」 別に、なんなのか。よく分からない。だから、 「あら、そう?」 と言った先生に、私は何と返したらよいものか分からずに、 「……別に、仲いいですもん」 などと妙な返答をした。どこまでも嘘くさい。 先生の背後の窓から差し込む光が、それを浮き彫りにしている。 ぽん、と先生が私の頭に手をおいた。 「ま、頑張んなさいな」 先生はさっさと勘定を済ませて出て行った。 ひとり取り残されて、私は冷えた紅茶を啜る。 窓ガラスは透明だ。影はない。 頑張ろう、の決意表明に、先生の、頑張んなさいなが加わった。 輪唱が響いて頭が割れそうだ。 家に帰ると、妹弟がぎゃあぎゃあと喚いていた。 「姉ちゃん、腹減った」 「お母さんたちは?」 「どっか出かけてるよ」 適当にあしらって冷蔵庫の中を探してみるが、いまいち食材が十分に揃っていない。 適当に玉子焼きと味噌汁と冷奴だけで済まそうと思ったが、妹弟は嫌そうな顔をした。 「そんな年寄り臭いの、やだな」 「そうなんだ。じゃあ私スーパーでなんか買ってくるね」 ふう、とため息を突いて、我侭な彼らのために買い物鞄を手に下げる。 扉を開いて家を出る寸前に振り返ると、妹が大きく手を振っていた。 にぱ、と笑っていた。 相変わらず背丈は小さい。 「いってらっしゃい」 「ん、いってきます」 言葉が届くか届かないかするうちに、扉は閉まった。 スーパーの中は空調が効いている。効きすぎている。 外との気温の差が不快感を催すほどだ。 とっとと買い物を済ませて帰ろう、そう思って、野菜やら肉やら手当たり次第にカゴに詰め込む。 「あれ、和ちゃん」 声をかけられる。振り返ると、幼馴染の妹が買い物かごと、ついでにポニーテールを揺らして笑っていた。 「そんなに色々買ってくの?」 「不味いかしら」 「うん、ちょっと……傷んじゃうよね、多分」 「そう」 私は彼女の買い物かごの中をざっと見て、結局全部真似をすることにした。 ただ、今日は姉の希望でチョコレート鍋だとかなんとか言ってきたので、チョコレートに関するものは抜いておいた。 もうすっかり日は暮れてしまい、ビル、電柱、果てはポストまで、一生懸命影を伸ばして虚勢をはっている。 「寂しいねえ」 スーパーの自動扉が開いたとき、憂が言った。 その意図を質す前に、私の体は全部、スーパーから出てしまう。 外の空気はやはり、店内の空気とはまるきり別なもので、なんとなく、私は何も言えなくなった。 「おお、ポストの影だ。何の影かと思った」 「そうね。あっちは……あら、あれは、ほら、あそこの塀の猫の影ね」 「長いね」 「見栄っ張りね」 そんなことを話しながら歩く。 憂が近づいていくと、猫は逃げ出した。 あらら、と肩をすくめる。 「臆病者なんだね」 「だって、本当は小さいもの」 「そりゃあ、猫さんだから」 猫さん。そう言われてしまっては、野良猫もかしこまらざるをえないだろう。 逃げ出した猫は、少し離れたところでちらとこちらを振り向いた。 ばいばい、と憂が手を振ると、安心したように歩いて行った。 「可愛いなあ」 くすりと笑って憂が言う。 彼女の顔は夕陽に赤く燃やされていて、影はなく、柔らかい目鼻立ちが目立っている。 私の方を振り向いたとき、顔に影が落ちたけれど、それでもやはり笑顔はくっきりと見えた。 「ねえ」 そこで一旦区切って、照れくさそうに憂は笑う。 「昨日、久しぶりに一緒に登校したね」 「うん」 「それで、思ったんだけど、和ちゃんってさ」 彼女はまた前を向いて歩き出す。 影を強く、半ば憎々しげに、半ば親しげに踏みつける。 「和ちゃんって、変わらないね……なんか安心した」 私も彼女に習って、強く影を踏みしめようとしたけれど、止めた。 しかし、結局は足を下ろしたところに影はついてきてしまった。 足の裏にひっついて離れない影は、自分から来ておいて、少し恨みがましい様子だ。 「変わらないかしら……そうかしら」 「自分で変わったと思うの?」 「そりゃあ、まあ」 「どんなところが?」 すぐには言葉が出てこずに、私は宙を眺める。 夕陽に焼けた空気を吸い込んで、吐き出すと、ついでに言葉も口から漏れていった。 「勉強が大変になったでしょ、生徒会の仕事も増えたわね。 あと、付き合う人もちょっと変わってきたかな」 「そうかなあ、今だって私とこうしてお話ししてるじゃない」 「いつもしてるわけじゃないもの。曽我部先輩みたいな、生徒会の人と接する機会のほうが多くなったわ」 「それだけ? 他に変わったことはない?」 憂が私の顔を覗き込む。 私の影が憂の影と重なった。 「ないわ」 「そう」 憂は笑って、私の肩をちょん、とつついた。 「じゃあ、変わってない」 憂はそればかり言う。 十年来の付き合いの彼女から、こうも何度もそう言われると、そんな気がしてくる。 しかし、認めてはならないような気もする。 「変わったはずなんだけどね」 「そう。じゃあ、変わったことにしておこうか」 くすくすと笑った。 こう言われると、この話はもうおしまいになってしまう。 これから先、私が何を言おうと、結論はもう変わり様がない気がする。 そんなわけだから私たちはしばらく黙って歩いた。憂は私の少し前を行く。 影は相変わらず重なっている。 「和ちゃん」 交差点に差し掛かったところで、憂が微笑んでいった。 「なんか、悩んでる?」 私は答えない。ただ、じっと憂の顔を見つめた。 憂は一層明るく笑って、図々しい真っ赤な西日を脇に追いやって、手を高く掲げた。 私もつられて手を上げる。 「頑張って!」 ぱあん、と高い音が、ぶつかり合った掌から鳴った。 憂は満足したように、交差点を曲がり駆けてゆく。 「……ばいばい」 憂いと私の影が離れて、聞こえたかどうか分からない私の声がすっかり夕陽の中に溶けこんで、 憂の姿も足音も消えてしまった後でも、掌の、じんじんと震える暖かい感触は残っていた。 頑張ろう、頑張んなさいな、頑張って! 気持ちは疾るばかりだ。 実際の行為がそれについていけているかというと、そうでもないのが悔やまれる。 今日も殆ど上の空で授業をうけている。 昼休み、互いに机を並べて弁当をつついていると、澪が少し興奮した様子で言った。 「なあなあ、今度の文化祭のライブさ、和も観に来てくれよ?」 「あら」 私はほうれん草のおひたしを噛んで、飲む。 澪がこんな風に、自信満々な様子で部活の話をするなんて珍しい。 私は心持ち首を傾けて言った。 「去年のトラウマは乗り越えたの?」 少し古傷を掘り返すような話だが、去年のライブで転倒し、下着を衆目にさらしてしまってから暫く、 澪は塞ぎ込んでいた。しかたのないことではあるが。 「いや……それは乗り越えてないけど」 一瞬眉を下げて嫌そうな顔をしたけれど、直ぐにまた顔を輝かせる。 でも、と明るく言った。 「今年のライブは絶対大成功だよ。新入部員の梓だって頑張ってるし、それに、なにより唯がさ」 「唯が?」 3
https://w.atwiki.jp/ws_wiki/pages/14447.html
KMN/W51-097 カード名:ちょっと休憩 イワビー カテゴリ:キャラ 色:青 レベル:0 コスト:0 トリガー:0 パワー:1000 ソウル:1 特徴:《フレンズ》・《音楽》 【永】 応援 このカードの前のあなたのキャラすべてに、パワーを+500。 【自】 あなたのクライマックスがクライマックス置場に置かれた時、あなたは自分のキャラを1枚選び、そのターン中、パワーを+1000。 もういっちょう練習するかー! レアリティ:C けものフレンズ収録 新婚生活 アスナ互換。