約 4,333 件
https://w.atwiki.jp/nikuq-niuniu/pages/1629.html
連載第一回「開拓魂、ここにあり」 依頼主 :ムジ・ミュリラー(イシュガルド:下層 X9-Y12) 受注条件:園芸師レベル53~ 概要 :エーテライト・プラザのムジ・ミュリラーのもとに依頼が届いたようだ。 ムジ・ミュリラー 「よくぞ、いらしてくださいました! バジールさんから依頼が舞い込んできましたよ~! アバラシア雲海まで来てほしいそうですっ。 さっそく取材開始ですっ。 キャンプ・クラウドトップの「バジール」さんに、 突撃しちゃいましょう~!」 キャンプ・クラウドトップのバジールと話す ムジ・ミュリラー 「「空の果ての最前線、雲海の栽培事情 開拓魂、ここにあり」・・・・・・。 どうです、連載第一回にふさわしい題名じゃないですか?」 バジール 「ああ、よくぞいらしてくださいました。 ご依頼したいことは、この土地に適した農作物の調達です。 現在、栽培している主要な作物は、パンプキンの近縁種・・・・・・。 元から浮島に自生していた品種を、どうにか栽培化し、 作物として活用することに成功しました。 しかし、雲海は風属性のエーテルが濃い地域・・・・・・。 クルザスの土壌と比較すると、土属性のエーテルが弱く、 人が食するに足る栄養価を持った作物が育たないのです。 パンプキン以外で、なんとか畑に根付いたのは、 あちらにたくさん植わっている、ギサールの野菜だけ・・・・・・。 それも、不思議なことに、クルザス原産種ではないんです。 物は試しと、ロアトゥロアンに頼んで、 グリダニアの園芸師ギルドから取り寄せた品種なんですよ。 ・・・・・・ですが、ギサールの野菜は、あくまでチョコボの飼料。 浮島という土地柄、物資の支援は乏しく、 駐屯部隊である「薔薇騎兵団」の食糧事情は深刻。 補給が遅れれば、ギサールの野菜を食わねばならぬ有様・・・・・・。 どうにか対処したいのですが、何を重視して作物を選ぶべきか、 助言を願えたらと思いまして・・・・・・。」 (何を重視すべき?) (寒冷地への適応力) バジール 「なるほど、まずは寒冷地への適応力のみを考えよと。 寒さに強いと言えば・・・・・・オニオンあたりですな。」 (高地への適応力) バジール 「やはり、標高が問題というご意見ですか。 となると、標高の高い地域に自生する品種にかぎられますな。」 バジール 「はっ、そういえば・・・・・・! 高地ドラヴァニアで、オニオンの球根に似た植物を見たという話を、 猟師の方から聞いたことがあります! 食することができれば、調理の幅も広がりますし、 高地に原生している種なら、この地にも根付く可能性は高い。 この「サイクロプスオニオンHQ」を10個ほど探してくれませんか?」 高地ドラヴァニアでサイクロプスオニオンHQを草刈 キャンプ・クラウドトップのバジールにサイクロプスオニオンHQを納品 バジール 「高地ドラヴァニアに生息しているという、 「サイクロプスオニオンHQ」を10個ほど探してくれませんか?」 (サイクロプスオニオンHQを渡す) バジール 「ありがとうございます、なんとも大粒な品種ですね! さっそく、実験畑で栽培を試みてみます!」 ムジ・ミュリラー 「えっ、ここに畑を作るんじゃないんですか?」 バジール 「サイクロプスオニオンHQが、隣接する畑や周辺の植生に、 悪影響をあたえないともかぎりません。 まずは、隔離しながら慎重に試してみる必要があります。 食事情を改善するのも大事ですが、 焦って、この土地の環境を壊してしまっては、 元も子もありませんからね。」 ムジ・ミュリラー 「なるほど、なるほど・・・・・・。 開拓には、慎重さも肝心なのですね! よーし! 取材結果をまとめて、グリダニアに送らないと! わたしは一足先にイシュガルドに戻ります。 「エーテライト・プラザ」で待ってますね~!」 バジール 「依頼のときには、また「エーテライト・プラザ」を訪ねます。 しかし、彼女は本当に元気ですね・・・・・・。」 イシュガルドのムジ・ミュリラーと話す ムジ・ミュリラー 「連載第一回ですが、無事に週刊レイヴンに採用されそうです! 概要を編集長に伝えてみたのですが、 と~っても好評でした! あ、もちろん、詳しい場所については秘密ですよ。 曲がりなりにもイシュガルドの軍事拠点ですからね。 バジールさんの名前も、しっかり匿名にしてありますっ! 「・・・・・・かくして、彼の地での品種適応に伴う技術的困難は、 ひとりの園芸師の才覚によって、事実上克服された」 「開拓地にもたらされたサイクロプスオニオンHQが、 雲上の畑を覆う日は近いだろう・・・・・・」 ・・・・・・連載第一回の締めは、こんな感じですっ! ・・・・・・まだ、克服はされてないぞ、って顔ですね? 大丈夫ですっ、ちゃんと「事実上」って書いてあります。 あなたが採ってきた球根なら間違いありませんって! 私はここで、引き続きバジールさんの依頼を待ちますので、 また、よろしくお願いします~!」
https://w.atwiki.jp/kakis/pages/6205.html
janke /// / 飛行 jan\ke \ 13 seren klel 空を行く \ [ yuo ] \ onを離陸させる、飛行させる、フライとさせる \ [ ova ] \ 曲芸飛行 \ 低空飛行 \ 処女飛行 \ 長距離飛行 \ 無着陸飛行 \
https://w.atwiki.jp/krkrsrc_datas/pages/60.html
グラニM(ユイマ機) 愛称 グラニM(ダイバー) デフォルトパイロット ユイマ=トービノ 機体区分 機動マシン 専用指定 無し 別状態 グラニM(ユイマ機)(ダイバー) HP EN 装甲 運動性 移動力 サイズ 修理費 獲得資金 経験値 スロット 3800 110 900 80 4 M 2600 1300 90 3 地形適応 空 陸 水 宇 - A A A 特殊能力 変形 寒冷地仕様 武器名称 攻撃力 最短射程 最長射程 命中 弾数 EN 気力 地形(空陸水宇) CT 属性 アームマシンガン 1100 1 2 +0 8 - - AABA +0 連L5P ヒートダガー 1400 1 1 +10 - - - AAAA +0 武 マイクロミサイル 1500 2 4 +5 6 - - AABA +0 実 試作ビームマシンガン 1700 1 3 +0 8 - - AA-A +10 B連L5 ユイマ=トービノ専用カラーのグラニ、コッソリ頭部形状が他のグラニMと異なる ダイバーと同じくファーストロットの意地か通常のグラニMより運動性が5高い 寒冷地仕様能力と近接武器のダガー・曲芸攻撃の変わりに有射程のビームマシンガンが追加されるが曲芸飛行の効力は消滅してしまう 基本的な使用方法はダイバーモードと同様だがあちらが回避能力+特殊技能で回避を狙っていくのに対して、こちらは回避能力+地形補正での回避を狙っていくことになるだろう こちらも、3つあるパーツスロットでさらに回避を伸ばすか継戦能力を伸ばすかはアナタ次第 SRC用データ グラニM(カナダ軍) グラニM(S), ぐらにますぷろだくとそるだあとかなだぐんしよう, 機動マシン, 1, 3 陸水, 4, M, 2600, 90 特殊能力 メッセージクラス=グラニ 迎撃武器=アームマシンガン 変形=チェンジ・ダイバー グラニM(ダイバー)(カナダ軍) 地形適応=寒冷地仕様 雪原 戦闘アニメ=グラニM 3800, 110, 900, 85 AAA, UE_GraniYuimaCustom(Soldato).bmp アームマシンガン, 1100, 1, 2, +0, 8, -, -, AABA, +0, 連L5P ヒートダガー, 1400, 1, 1, +10, -, -, -, AAAA, +0, 武 マイクロミサイル, 1500, 2, 4, +5, 6, -, -, AABA, +0, 実 試作ビームマシンガン, 1700, 1, 3, +0, 8, -, -, AA-A, +10, B連L5
https://w.atwiki.jp/psyka_trpg/pages/27.html
クグツ枠 M.A.I.D.s.アタッカー版:200点・達成値MAX26 リアクショナー版:200点・達成値MAX26 サポーター版:200点・達成値MAX26 トーキー枠 “曲芸報道”高縄雄哉121点・達成値MAX25 199点・達成値MAX26
https://w.atwiki.jp/vip_mmr/pages/119.html
趣味 趣味一般 手品・曲芸 トランプ パズル ハンドクラフト おもちゃ ゾイド 時計・小物 煙草銘柄・器具 刃物 お人形 園芸 犬猫大好き ペット大好き アクアリウム 昆虫 生き物苦手 バイク 車 車種・メーカー 中古車 大型・特殊車両 軍事 無線 鉄道総合 鉄道路線・車両 バス・バス路線 エアライン 模型・プラモ RC(ラジコン) サバゲー 花火 三国志・戦国 ダンス 野鳥観察 コレクション
https://w.atwiki.jp/milq/pages/18.html
■ソーマ系 即ソーマ系 大いなる獣の地図 58 ゆの 即明け系 スカイソーマ-1 即ソーマ(B12,B13×2) 【即明け】ソーマ(10F、12F) 即メタ槍(13F) 10sソーマ(9F)⇒即ソーマ(10F)⇒即ソーマ(12F)ソーマ3獲得まで3:00分 見えざる風の地図 61 みるきゅ 即明け系 みるきゅソーマ B9即ソーマ×2 【即明け】即ソーマ×2(B9×2)げんま(B13) ヴェオルソーマの発見者違い9F即ソーマ×2が3分20秒 水マップで安定して回収しやすい あらぶる風の地図 63 あゆみ 即明け系 あゆみソーマ B9即ソーマ×2 きゅうじ 即明け系 きゅうじソーマ 〃 【即明け】即ソーマ×2(B9×2) 9F即ソーマ×2が3分10秒で回収可能 見えざる魂の地図 89 ロンメル 即明け系 ロンメル 即ソーマ×3(B9,B13×2) 【即明け】即ソーマ×3(B9F×1 B13F×2) 即せかいじゅのは(B13F) 即ソーマ×3(B9,B13×2) ふなつきば横の好立地 とどろく大地の地図 77 ルパン 即明け系 白スピカ 即ソーマ×4(9F,11F,13F,14F) 【即明け】即ソーマ4個(B9,B11,B13,B14)ドラゴンの杖(B4,B5) メタスラのやり(B6)即大地くだき(B14)せかいじゅのは(B15)リサイクルストーン(B16) あらぶる運命の地図 78 ひでき 即明け系 横浜ソーマ B9即ソーマ×2 B9即ソーマ×2 3分10秒 あゆみソーマ-2フロア 回収後地図発掘も兼用出来る とどろく大地の地図 81 コウスケ 即明け系 白やまおっち 即ソーマ×4(9F,11F,13F,15F) 81 アオイ 即明け系 あおいっち 即ソーマ×4(9F,11F,13F,15F) 【即明け】ソーマ×4(9F,11F,13F,14F)世界樹の葉(15F)大地くだき(14F)メタスラのやり(6F)ドラゴンの杖2(4F,5F) 残された悪霊の地図 90 セラ 即明け系 セラ大富豪ソーマ 即ソーマ×3(10F,12F,14F) 即ソーマ×3(10F,12F,14F) B3のB箱×2マラソン 時速220万 とどろく光の地図 95 くりっち 即+体感系 白かな 即ソーマ×3+体感ソーマ×3 【即明け】即ソーマ×3(12,14,16F) 10F中断11,13s、11F中断10,12s、13F中断10sソーマ。体感含めソーマ×6以前出回っていた発見者かなの黒地図と同内容。場所・発見者違い。 体感ソーマ系 大いなる獣の地図 65 ベアト 体感系 ベアトソーマ B9&B10 体感ソーマ×3 【即明け】天使のソーマ×2(9F,16F)、ベンタグラム(4F) 9Fに中断11秒ソーマ2個、更に10Fに中断12or14or16秒ソーマあり体感技で現状タイマー無しでソーマ×3が取得可能。 あらぶる夢の地図 67 ナイン 体感系 滋賀45秒ソーマ B9F45sソーマ×3 大いなる空の地図 69 ウミ 体感系 ウミ体感ソーマ 13秒ソーマ(9F)35秒ソーマ(9Fx2)ソーマ3最速3分35秒 大いなる光地図 76 セレン 体感系 半導Ⅳソーマ 体感ソーマ4最速5分5秒 ふなつきば横 【即明け】メタスラヘルム(B4)、メタスラブーツ(B6)、天使のソーマ(B11) (B10)12sソーマ⇒(B11)11sソーマ×2⇒(B12)12sソーマ 体感ソーマ4個回収まで5分5秒 ふなつきば横 大いなる大地の地図 77 ○ィ 体感系 べクセリアⅣソーマ 体感ソーマ4 回収5分5秒 B9 13sソーマ、B10 29sソーマ+45sソーマ、B13F75~100sソーマ ソーマ4回収5分5秒 大いなる魂の地図 81 ジルコニア 体感系 ジーク13スターダストソーマ 10階13sソーマ2個、14階13sソーマ、13s星屑の剣 残された影の地図 82 ユウスケ 体感系 天むこVソーマ 体感5ソーマ 9F(14s),11F(12s),13F(12s),14F(即),15F(10s) あらぶる悪霊の地図 87 ゆりっぺ 体感ソーマ系 ゆりっぺⅣソーマ 9F 11s,10F 11sソーマ×2,11F 10s or 12s,合計4ソーマ最速4分30秒 【即明け】天使のソーマ(10F)、メタスラヘルム(3F)、メタスラブーツ(5F) 9F 12sソーマ×1個、10F 11sソーマ×2個、11Fの10sまたは12sソーマ×1個を体感で回収ステルス無しの最速タイムは4分30秒。安定させるならステルス推奨、ほぼベアトソーマの+1フロア版 見えざる光の地図 93 ユウスケ 体感系 天むこ竜ソーマ B9 13sソーマ⇒20sソーマ⇒B11整列S箱 100s~126sソーマその後中断再開後もう一つのS箱から14秒ソーマ 大いなる風の地図 67 そめまる 曲芸系 曲芸疾風ソーマ 曲芸技で体感B9ソーマ×3 【即明け】ソーマ(9F)、世界樹の葉(9F)、ひかりの杖(14F) 曲芸技で体感9Fソーマ3個を3分20秒で獲得 あらぶる光の地図Lv82 S6A2 サトミン 通称:サトミンシーV 【即明け】ソーマx3(11F、13F、15F) 即ソーマ3+体感ソーマ2で合計5ソーマ 体感ソーマ系
https://w.atwiki.jp/nikuq-niuniu/pages/1035.html
あらぬ噂と悪だくみ 依頼主 :モキシア(黒衣森:東部森林 X22-Y26) 受注条件:レベル48~ 概要 :シルフの仮宿のモキシアは、冒険者にやってもらいたいことがあるようだ。 モキシア 「むむむ・・・・・・冒険者さん、聞いてほしいでふっち! 悪い子シルフの3人組がヒトに化けて、 グリダニアに潜り込もうとしてるらしいのでふっち! きっと、仮宿のシルフ族の悪口をいいふらして、 グリダニアのヒトたちが、わたぴたちをいぢめるように、 ダマくらかすつもりでふっち! 悪い子シルフがグリダニアに潜り込む前に止めるでふっち! シルフ領の西側へ向かって、 「怪しいグリダニア人」を見つけるでふっち! この「看破の鱗粉玉」を使って、 「グリダニア人」に化けた悪い子シルフの正体をあばいたら、 やっつけてほしいでふっち!」 モキシア 「シルフ領の西側で「怪しいグリダニア人」を見つけたら、 この「看破の鱗粉玉」を使うでふっち。 悪い子シルフが正体を現したら、やっつけちゃってでふっち!」 シルフ領西部の怪しいグリダニア人に看破の鱗粉玉を使いシルフィード・キャックルを討伐 怪しいボルセル大牙佐 「やぁ君か・・・・・・僕だよ、双蛇党のボルセル大牙佐だ。 仮宿のシルフ族がグリダニアを滅ぼそうとしているようでね。 急いで、仮宿のシルフ族を討伐してくれないかい?」 (看破の鱗粉玉を使う) (悪い子シルフ 「なんでバレたでふっち!?」) 怪しい木工師 「冒険者さん・・・・・・大変です・・・・・・。 仮宿のシルフ族のイタズラのせいで、木材の質が落ちています。 仮宿のシルフ族こそ・・・・・・グリダニアの民の敵なんですよ・・・・・・。」 (看破の鱗粉玉を使う) (悪い子シルフ 「あったまきたでふっち!」) 怪しい革細工師 「あんた、仮宿のシルフ族を見かけたら、とっちめて! やつら、革細工ギルドで干してる皮を切り裂いてしまうの。 仮宿のシルフ族を放っておくわけにはいかないわ!」 (看破の鱗粉玉を使う) (悪い子シルフ 「ただじゃおかないでふっち!」) 怪しい園芸師 「私はフフチャ、園芸師ギルドのギルドマスターです。 私たちが作った野菜を、仮宿のシルフ族が食べてしまって・・・・・・ ひどいやつらだと思いませんか?」 (看破の鱗粉玉を使う) (悪い子シルフ 「くやちーでふっち!」) 怪しい商人 「わたしは黒兎堂のマイセンタ。 仮宿のシルフ族が、うちの大事な商品を盗んでいったの! やつらこそ、グリダニアの民の敵なのよ!」 (看破の鱗粉玉を使う) (悪い子シルフ 「あったまきたでふっち!」) 怪しい物静かな道士 「グリダニアの危機は、仮宿のシルフ族の仕業だと判明した。 やつらの討伐作戦のため、カヌ・エ様が貴殿をお待ちだ。 さっそく「不語仙の座卓」へ向かうか?」 (看破の鱗粉玉を使う) (悪い子シルフ 「くやちーでふっち!」) 怪しい子供 「聞いてくれよ、冒険者! 最近、俺の仲間が森に行ったきり、帰ってこないんだ。 どうも仮宿のシルフ族のせいらしい、許せないだろ!?」 (看破の鱗粉玉を使う) (悪い子シルフ 「ただじゃおかないでふっち!」) モキシアに報告 モキシア 「よくやってくれたでふっち! まったく、悪い子シルフは悪知恵が働くでふっち! きっとあいつら、まだまだ懲りないでふっち。 冒険者さん、次もまた力を貸してほちいでふっち。 よろしくでふっち。」 看破の鱗粉玉:蝶の鱗粉に幻術をかけて作った玉。完璧な変化を看破する効果がある
https://w.atwiki.jp/quatropiliastro/pages/211.html
聖杯戦争開始一日目。ある者達は始まった戦いに備え、ある者は獲物を求めて徘徊する。 そんな面子の中で、偽りとはいえ変わらぬ日常を過ごす者達もまた存在した。 (良い、笑顔です) 本来なら二ヶ月前に決まっていたデビューが流れたにも関わらず、挫けることなく笑顔で、更なる努力を誓った卯月は本当にシンデレラの名に相応しいと思う 夜が更けるまでレッスンに励んでいた島村卯月を、自宅まで送ったプロデューサーは、別れ際の卯月の笑顔を思い出して心中呟く。 大方、聖杯戦争に関するのであろう、昨今の不穏な世情を抜きにしても、少女を一人で夜道を歩かせるわけにはいかない。 卯月の笑顔は、NPCであるにも関わらず心に残る。あの笑顔を大切に思うプロデューサーは、彼女に聖杯戦争の巻き添えで傷ついて欲しく無い。 尤も、こうやって卯月を送ることで、マスターである自分と接触があることが知られるのは好ましく無いかもしれない。 しかし、だからと言って、一人で帰宅させる訳にもいかないだろう。 変質者は自分の外見を見れば逃げるし、それでも手に負えない相手は、上空で周囲を警戒しているアサシンが対処するだろう。 聖杯戦争が終わるまで、プロデューサーは卯月を送迎する事を決め、卯月の両親にも告げていた。 ─────こんな状況下では、島村さん一人だけの現状は、かえって良かったかも知れません。 何しろ全員の送迎は大変などというものでは無い。些か寂しくはあるが、護りやすさという点では今の方が望ましい。 この世界の何処かにシンデレラプロジェクトのメンバーや、346プロダクションのアイドル達が再現されているかもしれないが、神ならぬ身では知る由もない。 ─────という事は無い。 この世界でも高垣楓や城ヶ崎美嘉はトップアイドルとして活躍していたし、事もあろうに卯月のデビューが流れたのは、此処に来る直前にプロデュースした“アスタリスク”が大手プロダクションから卯月のデビュー時期に重なってデビューした為だった。 幾ら何でも、大手プロダクションのプッシングを受けてデビューするユニットに、対抗する術は無く、卯月のデビューの時期をずらす事になった。 この時一番面倒だったのは、ファントムを宥めることだったが。 ─────後日起きた殺人事件が気になって仕方が無いが。証拠は無いし、面と向かって聞く機会が無いので放置しているのは仕方ない。しかし早いうちに晴らしておく必要がある疑念だ。 そこまで考えた処で、付近の学校から爆発音が聞こえてきた。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 美樹さやかは夜の学校の中庭に居た。別段に夜歩きをしているわけでは無い。 元いた世界で魔法少女の先輩であった巴マミ。そのマミが同じ中学の先輩であった事を鑑みれば、学校にマスターが居るかも知れないとさやかが考えるのは無理もなかった。 その事を自身のサーヴァント、ラゼィルに相談したところ。 【陣地作成スキルを用いて、学校に布陣しましょう】 との答えが返って来た。 ラゼィルの作成する陣地は、ラゼィルとその仲間の力を増す効果が有るという。もし仮に学校で戦う様な事になった場合、さやかは決して負けるわけにも、退く訳にもいかない。 学校にはNPCとは言え、まどかや仁美がいるのだから。 其処を踏まえれば、学校での戦闘に有利になる様に備えておくのは悪く無い考えだった。無駄な備えとなれば良いが。 かくしてさやかはラゼィルと共に夜の学校に忍び込み、学校の敷地内をラゼィルの陣地としつつ、他にマスターが居ないかどうかを調べていたのだ。 さやかからの相談に応えた時のラゼィルの本心は、マスターの眼を誤魔化す手立てを講じずとも、“狩場”を人の多い処に設置出来る。というものであったとは、さやかは夢にも思うまい。 “狩場”の効果で強化された龍骸装“凄煉”を昼間に校舎に撃ち込めば、逃亡を許さぬ性質と相乗して、校舎内の人間全てを“餓えし混沌の君”への供物とできるだろう。供物の中に他マスターが居ればなお結構。 そんなラゼィルの心中を察することなど到底できぬさやかは、ラゼィルの作業が終わったと見て話しかけた。 「どうだった、キャスター。他にサーヴァントの居た気配は有った?」 「やはり人が居なくなってからでは、皆目見当もつきません。人が居る昼間に探ればまだ判るのですが」 流石にサーヴァントが校舎にいたとしても、霊体化した上で、何もしなければ、その痕跡を掴むのは難しい。 実際に『居る』ならまだしも、『居た』では発見はまず無理である。 「そうか、ならばサンタからのプレゼント。他のサーヴァントのいる場所の情報だ、ありがたく受け取れ。因みに居る場所はお前達の後ろだ」 不意に背後から聞こえた、此処にいるはずの無い三人目の言葉。 「サーヴァント!?」 愕然とさやかが振り向き。 「一応そちらのクラスも聞いておこうか」 ラゼィルが素手のまま、ゆっくりと振り向いた。 「サンタさんがライダー以外のどんなクラスに適応するのか、教えて欲しいものだ」 そう宣う淡い金色の瞳と髪の少女は、確かにサンタと言えばサンタの格好をしていて、何かが詰まった袋を持っていた。衣装の色は黒いけど。漆黒の剣を手にしているけど。 「いや、キャスターでしょ!アンタ」 マスターとしての能力で、自称サンタの少女のクラスを見たさやかがツッコミを入れる。この格好でこの言動。キャラが立ちすぎだろうとさやかは思った。 「キャスターという在り方は封印した。私はトナカイというマスターに乗るライダー。聖杯戦争に現れた一陣の烈風に過ぎない」 そうドヤ顔で言ってのけたナーサリー・ライムにラゼィルが無手のまま一歩を詰める。 「用件を聞こうか」 「こんな夜中に学校に忍び込んで、悪戯する悪い子に、お仕置きをしに来た」 【マスター、彼女のステータスを見て頂けますか】 【敏捷でこっちが優ってるけど、それ以外は向こうが上か互角。合計は向こうが上】 【彼女の属性は?】 【秩序・善…だけど】 ラゼィルは心中ほくそ笑んだ、この相手のステータスと属性なら“狩場”の中で戦えば負けはしない。 【キャスター……戦いになったら勝てる?】 【布陣は終えました。早々引けは取らないでしょう。戦いになったらマスターは事前の打ち合わせ通り、姿を隠して敵マスターの捜索を】 “狩場”でさやかを戦わせないのはラゼィルの基本方針である。この陣地はラゼィルとその同胞のステータスに+の補正を付けるが、此処で言う同胞というのはグルガイアの信徒を指す。 要するにさやかには何の恩恵も齎さない。その事がさやかに知られない様にする為、さやかを遠ざけるのだ。 そんなラゼィルの思惑を知らず、素早く念話で行動を取り決めた後、さやかは説得を試みる。 さやかの狙いは聖杯の破壊と主催者の打倒。優勝狙いでは無い為に、積極的に他の参加者と殺しあう理由は無い 「私達は……」 さやかの声を合図としたかの様に、サンタは地を蹴り、20mは有った距離を、刹那の間に零にした。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ナーサリー・ライムは考えた。 遂に本戦始まった。はてさて困ったどうしよう。 方法としては戦わないで隠れ潜むか、若くは積極的に打って出るか。 同盟を組むという手もあるが、組むにしても、信用できる相手は居るのか? 欲得に狂った者なら、素知らぬ顔をして盟を結び、平然と寝首を掻きに来るだろう。 ありすの戦闘能力は皆無である。故に信の置け無い相手には近づいて欲しく無いし、近づきたく無い。 ナーサリー・ライムは考えた。 守る為にはどうすれば、はてさて困ったどうしよう。 考える事暫し、今の彼女の思考は、ブリテンの騎士王の其れ。己が力と剣で以って、全ての困難と敵を退けた常勝不敗の王の精神と思考を持つ。 取り敢えず外を見て回って危険そうな手合いは排除。話せそうな奴とは話をしてみる。 そう結論づけたナーサリー・ライムは、眠っているありすを置いて外に出た。 先ず目指すは学校。ありすが一日を過ごす場に、ロクでも無い仕掛けが施されているかも知れない。 そんな事が有れば、予め対処しておくのも己の務めだろう。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 振り下ろされる無音の剣撃を、ラゼィルは僅かに下がって回避する。 剣が眼前を過ぎた後、遅れて刃鳴りが聞こえた時には、既にサンタはラゼィルの腹目掛けて突きを放っていた。 凡そ人体の中で、最も可動せず的も大きい為に攻撃を回避しづらい腹部を攻撃し、動きが止まった処で仕留める算段なのだろう。 確殺を期するが故の、致命にならない第二撃目。ラゼィルはこの敵が、剣技に於いて卓越しているのみならず、人を殺すという事に精通している事を悟った。 高いステータスにこの剣技と知識、紛うこと無き強敵だ。聖杯戦争でも小細工抜きの殴り合いなら最上位に位置するであろう剣士にいきなり遭遇したらしい。 だが此方も、殺戮を技芸として嗜み、芸術の域にまで昇華させたダークエルフ族の中でも、生きながらにして伝説となった比類無き戦士。 凡そ力や速さで劣るとも、“混沌の英雄”であるラゼィルには、“人を殺す”ということに於いて、獲得した知識と費やした研鑽と積み上げた経験は、この地に招かれた英霊共の誰にも負けぬ自負が有る。 「─────ッッ!?」 驚愕の表情を浮かべて自身の間合いの外まで飛びすさるサンタ。ラゼィルが予め影に変えて右袖に忍ばせておいた1m20cm程の長さの槍『群鮫(むらさめ)』を実体化させ、サンタの口を狙って突いてきたのだ。 腹を刺された処で致命傷にはならない。だが、後頭部まで貫通する勢いで口に槍を突き込まれれば、脳幹が破壊されて絶命する。 サーヴァントと化して回復能力と耐久力が生前より向上しているとはいえ、こんな手を使う者が居るとは、サンタは全く想定しておらず、不意を突かれて大きく体勢を崩してしまった。 実際にはラゼィルは胴着の強靭さも計算に入れていたのだが、サンタには解らない。 「クッ!?」 群鮫の長さにラゼィルの腕の長さを加えれば、サンタの間合いの外から攻撃することが可能になる。サンタはラゼィルが槍の間合いの広さを活かしてくるものと予測したが、ラゼィルは再びサンタの予測の外を行った。 左の袖口から三枚の柳葉状の手裏剣を取り出すと、サンタの右肩と腹部に投擲してきたのだ。 右手一本で剣を持つサンタが、剣で受けるのが最も困難な右肩と、身体を動かして回避するのが最も困難な腹部への同時攻撃。殺すのではなく、戦闘能力を奪う為の攻撃は、『当てる』事に重きを置く為に、受けも回避も困難。 それを裂帛の気合と共に左手の袋を振り回して撃ち落とし、サンタはそのまま後ろに飛び、30m程の距離を取る。 己が相手にしているキャスターは、己と同じくキャスターとは思えない戦技の使い手。その戦い方も変幻自在で掴み難い。一旦距離を置いて仕切り直す事を選んだのだ。 そうして改めて長身痩躯のキャスターと向かい合って─────居ない。 キャスターもそのマスターも姿が見えない。 愕然とするサンタ─────不意に首目掛けて飛来した刃を叩き落とせたのは、優れた直感スキルの賜物だ。 「ターキーにしてくれる!!」 魔力放出を用い、手裏剣が飛んできた先に有る樹木にサンタは瞬間移動じみた速度で跳躍する。 勢いのまま横薙ぎに剣を一閃。剣身が触れた瞬間、幹は爆発したかの様に爆ぜた。 其処に立っていたのが樹木ではなく鋼鉄の柱で有ったとしても、同じ結果で有ったろう。其れ程の斬撃だった。 「─────ッッ!?」 咄嗟に跳躍しなければ、サンタの両脚は足首の処から斬り離されていただろう。上空20mの距離から見下ろせば、奇怪な紋様が施されたマントを纏い、長さ90cm程の曲刀を持ったラゼィルが、這った姿勢から立ち上がる処だった。 あのマントに姿を隠す秘密があるのだろう。そうサンタは当たりををつけた。 然し今は手品のタネを解いている時では無い。 サンタは上空で殺気の籠った眼でラゼィルをしかと見据え、大きく剣を振り上げて、剣身に膨大な魔力を纏わせる。 剣に纏わせた魔力は街を瓦礫と変える竜巻の如くに荒れ狂い、それ自体が剣身を構成し、漆黒の剣を長大な斬馬剣へと変貌させる。 「イイィヤアアアアアアア!!!」 そして夜気を震わす大音声と共に─────着地した。 自在に動けぬ空中で攻撃に映れば、大きな隙を生むことになる。今までの劣勢は、此方の行動した隙にラゼィルが付け込んだ為。 ならば如何にも行動すると見せ掛けて、ラゼィルを『待ち』の状態にすれば、此方が仕切り直すまでラゼィルの動きが鈍る。 そう考えての行動だったが、巧くいったようだ。意表を突かれ、己の間合いで突っ立っているラゼィル目掛けて、サンタは膨大な魔力を籠めた剣を振るう。 ─────卑王鉄槌(ヴォーティガーン)。 巨人が大槌を思い切り地面に叩きつけたかの様な轟音と激震。 これが人の形をしたものが生み出すエネルギーの生んだ結果だと誰が信じよう。 振るわれた刃が、空気を音速を超えて押し出し衝撃波を発生させる。 サンタの横殴りの斬撃を、右の曲刀と左の投槍を交差させて受けたラゼィルは、地面と水平に宙を飛び、先程のサンタの攻撃で半分になった樹に激突。ラゼィルの身体を受け止めた樹は爆散した。 「グオ……」 短く呻いたラゼィルに、サンタが止めの一撃を加えんと刃を振り上げ───── ラゼィルを見据えたまま剣を右方に振り下ろす。 魔力で生成されたのであろう、振り下ろされた剣の軌跡に沿って生じた漆黒の刃が、地面に溝を作りながら走り─────30m程で不意に消失。 その場所目掛けて、全身に漆黒の魔力を纏ったサンタが剣の切っ先を真っ直ぐ前方に向けて突撃する。 「うおっと!?」 突如として虚空から男が出現した。 卑王鉄槌(ヴォーティガーン)を放った際、発生した衝撃波がある一点だけ不自然にみだれたのを、サンタはその超感覚で感じ取り、攻撃を放ったのだ。 結果、見事に隠れて見ていた出歯亀を釣り上げるに至った。 「初っ端がキャスターとは、ハズレも良い処だと思ったんだがな」 運命の女神は余程争いを好むのか、四人目、サーヴァントとしては三人目になる登場人物の出現だった。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 二人からおよそ40m程の距離に立つ、白い布を巻いた朱槍を肩に担いだ青い鎧の男の印象は戦士そのもの。勇猛、精悍、不屈、気迫、鋭敏。およそ戦士に求められる全てを併せ持った大戦士。 素手であったとしても千人の勇士を追い散らし、槍でも持てば万騎を撃ち破る。 そう、見るものに思わせるものが有った。 「覗き見とは良い趣味をしているな。狩られる覚悟あってのことだろうな。七面鳥」 「一応クラスを聞いておこうか」 低い声でサンタが恫喝し、淡々とラゼィルが最低限の質問をする。───── 「ランサーさ。狩られる覚悟……ねえ。自分が獲物かも知れないと思わんのか」 飄々とした態度で、然し鋼の如き強さを内に秘めて槍兵が応える。 【キャスター…】 只ならぬ戦況を感じたのだろう。さやかが不安気に念話を送って来た。 【まさか新手が現れるとは】 告げる内容は深刻だが、口調は平然たるものだ。 【私も戦う!!】 【いえ…マスターはそのまま姿を隠して、敵マスターの捜索を】 【……分かった】 ラゼィルはマスターとの念話を打ち切り、新旧の難敵を見据える。 “混沌の英雄”スキルと陣地の効果が無ければ、龍の毛を編んで作った胴着が有ったとはいえ、今の一撃で背骨が砕けて決着していただろう。 それでもかなりのダメージを受けたが、スキル効果で戦闘の継続は可能。あの妙な格好のキャスターが近づいてきたら、不意打ちを見舞うつもりだったが、青い槍兵の登場でご破算となった。 心中に舌打ちすると、ラゼィルは左の槍を影にして袖に収め、右の凍月を構え直す。 こうしている間にも、予め渡しておいた姿隠しのマントを使い、敵マスターを捜索している己のマスターが、敵マスターを捕捉するかもしれない。そうすればまた戦況は動くだろう。 【キャスター…何処…?】 一方その頃、サンタもまた、マスターからの念話を受けていた。 【おおトナカイや、起きてしまったか。ターキーの調達に出たのだが、思いのほかハードワークでな】 【戦ってるんですか?】 【中々手強い七面鳥でな、ああトナカイ。安心して待っておれ、じきに七面鳥を持って帰る】 念話で会話を終えるのを見計らったかの様に、青い戦士が話し出す。 「キャスターのクセに打ち物取って斬り結ぶとは、羨ましいにもほどが有る。」 キャスターとしての現界をした場合、『虐め』呼ばわりされる青い戦士の述懐であったが、言われた二人には到底理解でき無い事であった。 「戯言は良い、祈りは済ませたか。ターキーにしてくれる」 「七面鳥か…あいにくと俺は『鳥』じゃあ無いんでね……まあいいさ。んじゃまあ、ぶちかますかねぇ!!」 青い大戦士は一気に距離を、飛び道具のそれから槍の其れへと詰めた ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ランサーのサーヴァント、クー・フーリンが、マスターであるケイネスから与えられた指令は二つ。 他の主従の探索。聖杯戦争に乗っているものが居れば詳細を調べる。乗っていないものが居れば、予め交渉用にある程度の布陣をしておいた廃工場の場所を教え、指定した時間に来る様に伝える。 絶対に生還する事。無理は決してしてはならない。 この二つで有る。 ケイネスが工房の中に篭るのは、今がまだ序盤であり、様子見の時期である為だが、クー・フーリンにした処でこの方針に異存は無い。 ケイネスの目的は聖杯戦争そのものに挑む事。その為に魔術師としての頭脳と知識を活かすことに全力を傾注しなければならない。 黒幕に真っ向から対立する、ケイネスの方針に対する妨害や刺客こそ、クランの猛犬の望むもの。 望みのものを得る前に、ケイネスの身に何かが起きるのは、できるだけ避けたいのだ。 其れにケイネスの方針を支持した以上、その方針にとって最善とも言えるケイネスの籠城に文句を言える立場でも無い。 ─────立ち回りは存外に慎重だな。 交渉用の場所に呼ぶという方針をクー・フーリンはそう評価した。 尊大とも言えるほどにプライドが高い割には、自らの本拠地に他者を招き入れる様な愚を犯さない。 鉄壁と呼んで良い布陣をしたにも関わらずだ。 誇りでは無く虚栄心で動く者ならこんな配慮は出来ないし、思慮では無く蛮勇で動く者ならこんな事は考えもしないだろう。 傲慢で他者を見下している様に見えて、決して聖杯戦争を侮ってはいない。ケイネスの知に於ける優秀性が顕れた指示だった。 交渉の地に選んだ廃工場を陣地化した際、何やら凄まじく嫌そうな顔をしていたのが気に掛かるが。 ともあれ、二つの指令を受けて出撃したクー・フーリンには、ある程度の裁量が許されていて、戦力を調べる為に刃を交えることや、交戦しているサーヴァントの間に割って入ることが許可されている。 ケイネスとしては、ランサーに戦わせるのはもっと後にしたかったのだが、この魂の髄まで戦士である大英雄との良好な関係を保つ為、ある程の譲歩をしたのだ。 そして今、クー・フーリンは受けた指示に従い。ラゼィルとナーサリー・ライムの戦いをある程度見て、そろそろ制止しようとしたところで、サンタに気付かれたのだった。 さて、順当に行けば、此処で戦闘を止めさせ、キャスター二人にケイネスの要望を伝えれば、彼の任務は終わりである。 しかし、登場の仕方が悪かった。隠れて覗き見していたところを見つかったのでは、幾ら何でも此方の言葉を信じてもらえそうに無い。 それに、サンタの剣技を見たクランの猛犬の戦意は、最早刃を交えなければ収まらない程に猛っていた。 そしてもう一つ。己の眼を通して、キャスター達のステータスを見たケイネスから教えられた、ラゼィルの戦力が明らかにおかしい。 スキルか宝具でステータスを向上させているとしか思えない。その謎を解明したくもあった。 ─────此処で己が武威を示す事で、キャスター達とそのマスター達に、ケイネス・エルメロイ・アーチボルトとそのサーヴァントの優越性を示し、ケイネスの指揮権を確立させやすくする。 咄嗟にそんな口実を考えてケイネスに伝えると、クランの猛犬は鎖を解かれた猟犬が、獲物目掛けて飛びかかるかの如くに、戦場へと駆け込んだ。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ナーサリー・ライムは心中密かに算段する。 青い槍兵が何時から見ていたかは不明だが、最初から見ていないのであれば、おそらくもう一人のキャスターに向かうだろう。 あのキャスターの戦い方は、一見した限りでは奇手により不意と死角を突くアサシンのもの。 しかしあのキャスターとの最初の攻防。あの時自分の攻撃を僅かな動きで回避すると同時に、致命となる攻撃を精確に放ってきた。 ナーサリー・ライムは、このキャスターは決して奇手に頼るだけのアサシンもどきとは思っていない。練達の武技と膨大な経験に裏打ちされた確かな強さを持ち、その上で奇手を用いて戦う曲者であり強者だと。 だが、このランサーがそれを知っているとは限らない。 知らなければただの曲芸師と思って、あのキャスターを狙うだろう。 ならばその隙に乗じて槍兵を斬る。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 三人目が現れた時、ラゼィルは逃走を考えた。確かに此処を“狩場”としたが、未だ“神楽”の時期では無い。 “神楽”となれば、グルガイアを奉じるダークエルフの戦士達は、己の命を度外視して殺戮の業を振るう。“神楽”で死ねば魂はグルガイアの贄となる、それはダークエルフにとって最上の誉であり喜びだ。 しかし今は“神楽”の時では無い。此処で死んではグルガイアに贄を捧げることは出来ぬ。人の子に崇められ、人の子の歴史に燦然とその名を輝かせる英霊共、そんな至高の贄を捧げぬまま死ぬなどあり得ない。 そう、考えたラゼィルの足を止めたのは、青い槍兵から感じる気配だった。 闇の地下世界に生きる混沌の僕にとって、憎んでも憎みきれぬ生命と浄火の象徴。 地上に生きる者共に、此の上無い恩恵を齎す日輪。其れと同じ気配を槍兵から感じたのだ。 おそらくあの槍兵は太陽神、若しくはそれに連なる神の血を引く。 生前にグルガイアへの最後の供物とすると思い定めて、遂に叶わなかった日輪に連なるものが此処にいる。 その事実の前に退く理由は消し飛んだ。天に輝く日輪に変わり、この男を供物とすると、そう誓ってラゼィルは戦闘を継続する。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 刹那に距離を詰めたクー・フーリンが、奔る雷火の如く槍を繰り出す。青い槍兵の優越性は“速度”。気付いた時には距離を詰め、気付いた時には槍が身を穿ち、気付いた時には間合いの遥か外にいる。速度を活かし常に主導権を握り、相手に行動の自由を許さない 並のサーヴァントが一撃繰り出す間に複数の異なる種類の攻撃を行い、その全てに必殺の威を持たせられる程に彼の速度は優れている。 サンタが漆黒の剣を遥かな高空から落下してきた巨岩を思わせる勢いで振り下ろし、次いで押し寄せる津波の如き下段からの斬り上げを送る。 サンタの優越性は“威力”。鋼の装甲であろうとも、紙の様に斬り裂いて中の人体を貫き、繰り出される攻撃を武器で受ければ、武器ごと敵の肉体を撃砕する。 先手を取られたところで、繰り出される武器に剣を振るえば、武器を砕けるか、相手の体を崩すことができる。 故にその剣に触れぬ様、を全て躱すしか無い程に、サンタの威力は逸脱していた。 ラゼィルは槍兵の攻撃を捌き、効果的な追撃ができない位置に移動する。次いでサンタの攻撃を、その威力が充分に発揮できない位置で捌く。 ラゼィルの優越性は“知識と経験”凡そ人以上の身体能力を持つサーヴァントと言えど、人以外の形をしているわけでは無い。 その身体構造はあくまで人類のそれと同じ、故に身体がどう動くのかを見て取ることも、何処までしか身体を動かせないのかも、どの辺りから攻撃に最大の威力を発揮し、どの辺りから攻撃の威力が弱くなり、追撃をし辛いのかを、収めた知識と積み上げた屍山血河に基づく経験で知っていた。 他の二人を打ち倒してこの戦場に只一人立つ者となるべく、三者は三様の優越性を存分に活かし、己の全知全能を駆使して相争う。 刃圏に捉えたもの悉くを斬り滅ぼさんとするサンタの剣。 点と面の攻撃を縦横に織り交ぜ、戦場を自在に繚乱するクー・フーリンの槍。 投槍と曲刀を自在に操り、時折何処に触れても鮮血を噴きそうな、剣呑な形状の手裏剣を投擲し、籠手を用いて直接刃を払うラゼィルの戦技。 世の摂理の外に有る暴威と、世の摂理の極限域に有る術技とが、乱舞し、交錯し、激突し、争覇する。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ─────これが聖杯戦争ですか。 その様子を卯月の家の前で、アサシンの目を通じて見ていたプロデューサーは只々呆然としていた。 爆発音を聞いた後、アサシンに気配遮断スキルを用いて様子見に行ってもらったのだが、其処では正しく彼が巻き込まれた事態が勃発していた。 只事では無い事態に巻き込まれたのは認識していたが、今見ているものは、人の世の理を越えている。こんなものにいきなり遭遇したら、為す術無く殺されたのでは無いか。 そんなプロデューサーの思いをよそに、戦いはより激しく、苛烈さを増していく。 音を置き去りにして舞う刃は、風を切る音も鋼の激突する響きもさせず無音。にも関わらず剣戟の音が聞こえてくるのは、遥か過去に生じた音が遅れて耳に到達したものだ。 三人の周囲が白昼の様に明るいのは、剣戟と共に舞い散る火花が余りにも多く、篝火の様に三人を照らしているからだ。 其処で行われているのは御伽噺の中の出来事。神話の再現。只人でしか無いプロデューサーには、三人の業の把握どころか、僅かな概要すら見えはしない。 然し、三者が共に『決め』に動いた、その瞬間だけは理解できた。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 「そらっ!」 瞬きすれば、その間に脛骨を切断する勢いで首を貫き、そのまま首と胴を泣き別れにする勢いで、ラゼィルの喉目掛けて朱槍が奔る。 ランサーの目的は戦う事と、ラゼィルの力を見極める事。故にマスターの意を越えて、全力で槍を振るう。槍に籠めた殺意は紛うこと無き本物。でなければ力を量る事などできはしない。 「祝え」 軌跡に在る空気原子すら撃砕しかねない勢いで、漆黒の剣が唸りを上げて、クー・フーリンの胴を薙ぐ。 展開は大きく異なったし、サンタの推測とは全く異なる理由だが、槍兵は決めの攻撃はアサシンもどきに向かって行った。故にサンタは槍兵を狙う。最初の思惑通りに。 此処でこの二人を斬る。そうすることでマスターの安全をより確かなものとする。 その意思の元に振るわれるサンタの剣に籠められる意思は必殺。目の前に立つ者全てを斬り滅ぼすと、唸りを上げる剣風がそう叫ぶ。 「フゥッ!」 短く息を吐いてラゼィルが動く。 青い槍兵の様な迅さも無く、サンタの様な暴威も無いが、無駄を完全に廃した動きで曲刀が最短距離を通り、槍兵の頭へ落ちる。 喉元へ迫る刃の軌道へ、籠手に包まれた腕を割り込ませて切っ先を逸らし、攻防一体の動きで槍兵を斬ろうとするその動きは、精巧な機械を思わせる。 人には到底得られぬ時間を、殺戮の技の研鑽と研究に費やし、費やした時間を遥かに超える長さの時を殺戮に明け暮れて過ごして獲得した殺戮の技巧。それを駆使するラゼィルの意思は必滅。 この地に招かれた英霊共とそのマスターを一人でも多く。そしてやがては一人残らず“餓えし混沌の君”の贄にするとの意思を、ラゼィルの振るう芸術の域にまで昇華された、ダークエルフの殺戮の業が告げている。 「チィッ!?」 槍を逸らされ、胴と頭に致命の一撃を受けそうになって、クー・フーリンは後ろへ下がる。 クー・フーリンが下がったタイミングを捉え、サンタとラゼィルが同時に動く。 自身の右側にいるラゼィルに向き直り、寝かせた剣をラゼィル目掛けて繰り出すサンタ。左右どちらに逃げても、刃を返す手間無く、即座に追撃に移れる追撃を含んだ一手は、既にラゼィルが先制していた為に中途に終わる。 ラゼィルは左側にいるサンタに、左手で四本の手裏剣を取り出し、自身に攻撃しようとするサンタの隙に乗じ、喉と右肩と腹を狙って投擲する。 「クッ!?」 大きく動かなければ躱すのが困難な喉と腹、剣で受けるのが困難な右肩狙いという悪辣な攻撃ではあるが、受けるのはこれが二度目、迅速に左に跳んで回避する。 サンタが跳ぶと同時にラゼィルは、残った手裏剣をクー・フーリン目掛けて投擲して動きを封じ、自身は後ろに跳ぶ。 こうしてサンタはクー・フーリンとラゼィルの間に挟まれる格好となった。 好機とみたのか、クー・フーリンが朱槍でサンタの胴を薙ぐ。槍の間合いの長さを活かし、点の攻撃である突きでは無く、面を攻撃する薙ぎを選ぶ。其処にはラゼィルだけで無く、サンタの力量を量る意図が込められている。 「ハアアアアッッ!!」 挟撃される不利を悟ったサンタはここで、『魔力放出』スキルを用い、剣に濃密な魔力を纏わせる。 同時に全身から魔力を噴出させて加速、音の速度を遥かに越えて大きく一回転した。 範囲は極小だが、強力無比な竜巻が突如発生した様なものだ。朱槍を巻き込まれたクー・フーリンが横に射出された砲弾の様に飛んでいく。 槍を手から飛ばされぬ様に自分から跳んだのが、予想外のサンタの暴威により着地を決めることができずに地面に激突するも、勢いを活かして数度回転してから起き上がる。 ─────居ない!? サンタの感じた手応えは一つ。青い槍兵の朱槍を弾いた感触のみ。あのアサシンもどきは何処に─────そんな思考を貫いて、直感が警告を発した。 「くっ!?」 第六感に従い地面に身を投げる最中サンタは見た。 大樹の根の如くしっかりと身体を支えるラゼィルの下肢を。 身体を限界まで捩り、充分過ぎるほどに力を蓄えたラゼィルの上半身を。 大きく後方に引かれた右腕に握られた投槍を。 サンタがあの状態をどう脱するかを読んだ上で、予め距離を取り、投槍の準備に入っていたのだ。 サンタが優れた直感を持っていなければ、気づいた時には既に手遅れ。最悪気づく間も無く絶命していた速度と威力で投槍が放たれる。 刹那の差で投槍は、サンタの頭が在った空間を奔り抜け、石突までコンクリの壁に埋没した。 決めるつもりで放った攻撃を躱されたラゼィルも。 致命の攻撃を躱したサンタも。 サンタの暴威に弾き飛ばされたクー・フーリンも。 全員同時に立て直し、そしてそのまま膠着した。 殺気のみが、より熾烈に、濃密になっていく中で、三者は只睨み合う。 誰か一人が早いか遅いかすれば其処を軸に戦闘が続いたのだろうが、全員同時となれば付け入る隙など無く。誰かに向かって動けば他の敵に隙をを晒す。 故に三人共動けなくなったのだが、これはクー・フーリンには好都合。 マスターの意向を伝えると言う、本来の使命を果たす時。 「あ〜、一つ聞いとく。お前等とお前等のマスターに、人殺してまで叶えたい願いは有るのか?」 問われたキャスター二人は妙な事を聞く、と怪訝な顔をしたが、問いに答えるべく口を開く。無論、峻烈な殺気を微塵と緩める事無く。 「我が主の願いは聖杯の破壊と、この戦いを引き起こした者の打倒だ。そして私の願いは私の信じる神に、私の信仰を示すこと。其処に杯など不要」 「トナカイの願いは生還。私の願いはトナカイを生きて返すこと。聖杯に願うまでも無く叶うなら、それに越したことは無い」 「あ〜、うん。それなら俺のマスターの話を聞いて欲しい。俺のマスターはこの聖杯戦争の打倒を考えていて、その為に仲間を集めている。お前等にとって悪い話じゃ無い筈だ」 「確かに悪く無い話だが、それを信じろと?」 「お前が言うか?アサシンもどき。此処で何をしていたかまだ答えを聞いていないぞ」 「私の主は此処の関係者だ。故に此処で事が起きた場合に備えて布陣していた。何しろ人が多く集まるからな。大体答えるも何も、主が話す前に斬り掛かられてはな」 そっぽを向いて黙るサンタ。 「まあサーヴァントが勝手に決めて良い話でもなし、マスターと相談して決めろ。こっちのマスターと会う場所は俺が案内しよう、また此処に集まれ、集合時間は……」 「明日の今と同じ時間で構わないだろう」 ラゼィルが言うとサンタも頷き、サンタは己がマスターの許へ、ラゼィルは校舎に刺さった群鮫を回収しに、ランサーは新たな主従を求めてその場から立ち去った。 【C-6/学校周辺/1日目 夜(23 37)】 【美樹さやか@魔法少女まどか⭐︎マギカ 】 [状態] 健康 [令呪]残り3画 [装備] ソウルジェム(濁り無し) [道具] 姿隠しのマント×2。一枚は効果切れ [所持金] 貧乏(一般学生の小遣い程度) [思考・状況] 基本行動方針:主催者をゆるさない。聖杯を破壊して二度とこんな事が出来ない様にする。恭介やまどかの居る世界に帰還する。 1. 取り敢えず学校で戦っているサーヴァントのマスターを捜す。 [備考] 1.キャスター(ナーサリー・ライム)を直接、ランサー(クー・フーリン)をラゼィルの目を通して認識。ステータスを確認しました。 2.現在、ラゼィルが製作した姿隠しのマント(二枚目)を纏ってマスターの捜索中です。 【C-6/学校/1日目 夜(23 37)】 【キャスター(ラゼィル・ラファルガー)@白貌の伝道師】 [状態] ダメージ(小) [装備] 龍骸装一式。神の眼。白貌(ホワイトフェイス) [道具] 姿隠しのマント(効果切れ [所持金] マスターに依存 [思考・状況] 基本行動方針:マスターを護る。 この地に集められたマスターと英霊共を皆グルガイアの供物とする。最後の供物は…… 1. あのランサー(クー・フーリン)は絶対にグルガイアの供物とする。 2. 同盟の件についてマスターの考えを聞く。 3.取り敢えず群鮫と手裏剣を回収する [備考] 1.キャスター(ナーサリー・ライム)、ランサー(クー・フーリン)を認識。ステータスを確認、戦ってある程度手の内を知りました。 2.学校に布陣したことで、敷地内では全ステータスに+が付きます。 3.ランサー(クー・フーリン)から聖杯戦争の主催者に対抗しようとしているマスターの存在を知らされ、同盟を申し出されました。 ※姿隠しのマント 炭で染め抜いた布に黒光りするタール上の粘液で、魔術的な紋様を描いたもの。 闇夜の陰影に身を隠す効果があり、建物の影に寄り添ったり、地面に這いつくばっていると、カンテラの明かりで照らされても気付かない。効果は十五分 呪術的な編み方した縄で括っておくことで、魔力の発散を封じられる。 ラゼィルが道具作成スキルで製作。布は現地調達。塗料は魔力で生成。 【C-7/自宅/1日目 夜(23 37)】 【橘ありす@アイドルマスターシンデレラガールズ 】 [状態] 健康 [令呪]残り3画 [装備] トンプソン・コンテンダー&起源弾@Fate/Zero [道具] 携帯型タブレット [所持金] 貧乏(一般学生の小遣い程度) [思考・状況] 基本行動方針:生き残る 1. キャスター(ナーサリー・ライム)の帰還を待つ [備考] 1.キャスター(ラゼィル・ラファルガー)、ランサー(クー・フーリン)をナーサリーライムの目を通して認識。ステータスを確認しました。 【C-6/学校/1日目 夜(23 37)】 【キャスター(ナーサリー・ライム)@Fate/EXTRA及びFate/Grand Order [状態] 魔力消費(小) [装備] 約束された勝利の剣(エクスカリバー・モルガン)。ラムレイ二号 [道具] 無し [所持金] マスターに依存 [思考・状況] 基本行動方針:ありすを護る。子供達を護る。 1. マスターの許へ帰る。 2. 無断出撃の言い訳を考える 3.同盟の件についてマスターの考えを聞く。 [備考] 1.キャスター(ラゼィル・ラファルガー)、ランサー(クー・フーリン)を認識。ステータスを確認、戦ってある程度手の内を知りました。 2.ランサー(クー・フーリン)から聖杯戦争の主催者に対抗しようとしているマスターの存在を知らされ、同盟を呼びかけられました 【C-6/学校周辺/1日目 夜(23 37)】 【ランサー(クー・フーリン)@Fate/stay night 】 [状態] 健康 [装備] 刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)、現在はケイネスが用意した宝具の正体を隠すための呪符が巻かれておりそれを外さなければ真名解放は不可能である。 [道具] 無し [所持金] マスターに依存 [思考・状況] 基本行動方針:マスターに従う。強者と死力を尽くして戦う。 1. 他の主従を捜す [備考] 1.キャスター(ラゼィル・ラファルガー)、キャスター(ナーサリー・ライム)を認識。ステータスを確認、戦ってある程度手の内を知りました。 2.同盟の申し出を受けた組には、二日目の(23 40)頃に【C-6/学校】に集まる様に伝える。 投下順で読む 前ページ 次ページ 01.無秩序な切っ先 03.早く来てくれちひろーー!! 時系列順で読む 前ページ 次ページ 22.涎垂らす死神は直ぐ側に 03.早く来てくれちひろーー!! キャラ別で読む 前ページ 今回の登場人物 次ページ 00.初めの一捲り~「争」の章~ 橘ありす 26.戦わせて、生き残らせない キャスター(ナーサリーライム) 00.初めの一捲り~「飢」の章~ 美樹さやか 13.目指す理想はZEROランサー キャスター(ラゼィル・ラファルガー) プロデューサー 03.早く来てくれちひろーー!! アサシン(ファントム・オブ・ジ・オペラ) 12.網も丸まれば繭となる ランサー(クー・フーリン)
https://w.atwiki.jp/girlwithlolipop/pages/179.html
ALL HAZARD PARANOIA/オール・ハザード・パラノイア Ⅳ ◆EAUCq9p8Q. ☆フェイト・テスタロッサ まさに急展開に次ぐ急展開だ。 何故か空に現れた円盤型の飛行物体に突如救われた。 かと思えばフェイトを掴んでいた腕が破壊され、森に放り出され。 どことも知れぬ森のなかに墜落し、気づけば遭難同然の状態だ。 森に投げ出されて無傷で居られたのは、握りしめていた巨大な手のひらのおかげだった。 かなりの耐久力を誇っているらしく、木々に衝突する衝撃からフェイトの身体を守りぬいてくれた。 だが、気力体力ともに消耗が激しい。 よろけて手を木につくと、小学校で受けた肩口の傷から閃光のように鮮烈な痛みが走る。 深手もおってしまった。しばらくは、戦闘は無理そうだ。 よろめきながらも歩いて森の外を目指していると、木立の奥から人影が飛び出した。 一瞬アーチャーが迫ってきたのかと思い身構えたが、その姿はあの異形とは程遠い、貧相なものだった。 「サーヴァントを霊体化させて武装を解除しろ」 その貧相な体つきの男こそ、あの時フェイトと同じように巨大な手のひらに掴まれていた胡散臭いキャスターだった。 小学校で彼が口走った名前のこと。霊体化すれば即座に逃げきれるだろうに捕まったままで居たこと。 また、開口一番のこの言葉も加えて、フェイトの中での彼への猜疑心はやはりとどまるところを知らない。 聞く耳など一切持とうとせずに、バルディッシュを構えて、キャスターにつきつける。 「何を―――」 「あのアーチャーが円盤自体ではなく腕を狙った理由も分からないのか。奴の狙いはお前だ、フェイト・テスタロッサ」 猜疑心に任せて声を荒げようとしたがぐ、と声を飲み込む。 声を上げれば敵に見つかるという可能性に遅まきながら気づいた。 傍にいたランサーを霊体化させ、言われたとおりにバリアジャケットも解除した。 胡散臭いキャスターは武装を解除したフェイトを見て、鼻を一度鳴らし、悪態をついた。 「フン。最初からそうしていればいいんだ。行くぞ」 キャスターはフェイトの手を取り、ずんずんと歩いて行く。 木々を縫うように、UFOの進行方向とは全く別の方向へ。 徒歩で逃げられるのかという心配も有ったが、宝具と思われるUFOが空を飛ぶ中で魔力反応を極限まで抑えれば、件のアーチャーが索敵能力を持っていないかぎり見つかることはないだろう。 あまりに乱暴な扱いで、矢に貫かれた傷が痛むが、必死に声を抑える。 あのアーチャーは、チェーンソーのバーサーカーすら超えた難敵だ。交戦に入れば一方的に蹂躙されるだけだ。 ◇ いつまでたっても霊体化という安直な逃げ方を選ばない(やはり胡散臭い)キャスターに手をひかれ十数分。 山林部を抜け、住宅街になんとかたどり着き、そこからは舗装された道路をしばらく走り。 アーチャーが襲ってくる気配が全くないのを確認して、キャスターはようやく立ち止まった。 「どうやら撒いたようだな」 キャスターが背後を振り返り、追手を確認する。 音も姿もない。追手は完全にフェイトたち二人を見失ったようだ。 フェイトもそれを確認し、無事が確保できたことを確信すると、キャスターの握っていた手を跳ね除けた。 また、肩の傷がズキリと痛み、思わず顔を歪めてしまう。 そんなフェイトの様子を見て、キャスターはとても面白そうに口角を釣り上げた。 「結局はこうなるんだよ、フェイト・テスタロッサ。俺を妨げられるものは居ないんだ」 何を指しているのかが全くわからない一言。 出会い頭から思っていたが、このサーヴァントは一方的なコミュニケーション以外行おうとしていない気がする。 ならば相手の望む会話をすることはない、と。 フェイトもまた、一方的に、キャスターに向かって問いを放った。 「一つ聞かせてください」 「なんだ」 「何を知っているんですか」 「何を?」 沈黙が流れる。 フェイトの視線は、まっすぐにキャスターの瞳をとらえたままだ。 キャスターは目を細め、口を三日月に裂き、それはそれは楽しそうに言い放った。 「よく知っているよ。お前のことは。 いつも一緒の犬ころはどうした? 主催者に刃向かって殺されたか?」 あまりの言い草にかっと頭に血が登った。 だが、この場に居ないアルフのことをズバリと言い当てたキャスターの『全てを把握している』という言葉に、登った血はたちまち引いていった。 キャスターの『よく知っている』というのは、決してハッタリではない。 プレシアについて。アルフについて。他の何かについて。キャスターはフェイトについてを把握している。 キャスターはフェイトの混乱など気にしていないような様子で、言葉を続ける。 「これ以上下らない問答を続ける気はない。もう一度聞かせてもらう。 聖杯が欲しいか、フェイト・テスタロッサ」 繰り返される問いは、三度目の問い。 小蝿も、バーサーカーもこの場には居ない。答えを遮るものは消えた。 フェイトは息を呑み、そして答えを口にする。 「……欲しい」 当然だ。 母のため、聖杯を勝ち取ると誓ったのだから。 この胡散臭いキャスターと出会う少し前、屋上でのエプロンドレスのキャスターや幼いアサシンとの問答の時から、その心は変わっていない。 「ならば俺に協力しろ。俺は聖杯を望んではいないが、やらねばならないことがある。そのためには、お前が居ると都合がいい。 お前が俺に協力するというならば、俺もお前に協力しよう」 フェイトの答えを聞くと、キャスターは待ちわびたと言わんばかりに、言葉を続けた。 『協力』。 それは何気ない、どんな時でも使われる単語。 だが、キャスターの口からその単語が出た時、フェイトは思わず身震いをしてしまった。 その身震いの感覚を、フェイトは知っている。 それは、フェイトが時折母に覚えるものと同じだ。 目の前のキャスターは何か、『大きなもの』を抱え込んでいる。そんな気がした。 「私に、何をしろって言うんですか」 尋ねれば、キャスターはすぐに手の内の一部を晒してみせた。 そんなところまで、母によく似ていた。 「簡単なことだ。俺は今から図書館へ向かう。お前はそれについてくるだけでいい。 報酬の令呪は俺のマスターではなくお前に譲るよう掛けあってやる。協力の証としてな」 それは、唯一与えられた『主催者』の手の内の情報。 ルーラーから突如言い渡された討伐令に、自ら飛び込むという暴挙の誘い。 風が吹いた。 嵐の前触れのような、強い、強い、風が。 フェイト・テスタロッサという少女の分岐点は、ひょっとするとここかもしれない。 【D-2/北部の道路/一日目 夕方】 【フェイト・テスタロッサ@魔法少女リリカルなのは】 [状態] 疲労(中)、ストレス、魔力消費(極大)、右肩負傷(中) [令呪]残り三画 [装備] 『バルディッシュ』 [道具] [所持金]少額と5000円分の電子マネー [思考・状況] 基本行動方針:聖杯戦争に勝利する 1. 木原マサキの提案に―――? [備考] ※ランサー(姫河小雪)、キャスター(木原マサキ)、大道寺知世&アサシン(セリム)、バーサーカー(チェーンソー男)、輿水幸子を確認しました。 ※木原マサキがプレシア・テスタロッサやアルフについて知っていることを知りました。 ※小学校に通うつもりでいます 【ランサー(綾波レイ)@新世紀エヴァンゲリオン(漫画)】 [状態] 健康、霊体化中 [装備] [道具] なし [所持金] なし [思考・状況] 基本行動方針:マスターに従う 【キャスター(木原マサキ)@冥王計画ゼオライマー(OVA版)】 [状態]健康 [装備]なし [道具]なし [思考・状況] 基本行動方針:冥王計画の遂行。その過程で聖杯の奪取。 1.フェイト・テスタロッサをダシにして主催者に探りを入れる。 2.予備の『木原マサキ』を制作。そのためにも特殊な参加者の選別が必要。 3.特殊な参加者が居なかった・見つからないまま状況が動いた場合、天のレイジングハートを再エンチャント。『木原マサキ』の触媒とする。 4.ゼオライマー降臨のための準備を整える。 5.余裕があれば、固有結界らしき空間を調査したい。 6.なのはの前では最低限取り繕う。 [備考] ※フェイト・テスタロッサの顔と名前、レイジングハート内の戦闘記録を確認しました。バルディッシュも「レイジングハートと同系統のデバイス」であると確認しています。 ※ランサー(姫河小雪)、バーサーカー(チェーンソー男)、輿水幸子を確認しました。 ※天のレイジングハートはまあまあ満足の行く出来です。呼べば次元連結システムのちょっとした応用で空間をワープして駆けつけます。 あとは削りカスの人工知能を削除し、ゼオライマーとの連結が確認できれば当面は問題なし、という程度まで来ています。 ※『魔力結晶体を存在の核とし、そこに対して次元連結システムの応用で介入が可能である存在』を探しています。 見つけた場合天のレイジングハートを呼び寄せ、次元連結システムのちょっとした応用で木原マサキの全人格を投影。 『今の』木原マサキの消滅を確認した際に、彼らが木原マサキとしての人格を取り戻し冥王計画を引き継ぐよう仕掛けます。 ※上記参加者が見つからなかった場合はレイジングハートに人工知能とは全く別種の『木原マサキ』を植え付け冥王計画の遂行を図ります。 ※ゼオライマーを呼び出すには現状以下の条件のクリアが必要と考えています。 裁定者からの干渉を阻害、もしくは裁定者による存在の容認(強制退場を行えない状況を作り出す) 高町なのはの無力化もしくは理解あるマスターとの再契約 次元連結システムのちょっとした応用による天のレイジングハートへのさらなるエンチャント(機体の召喚) ※街の裏に存在する固有結界(さいはて町)の存在を認知しました。 ※アサシン(ウォルター)の外見を確認しました。が、『情報抹消』の効果により非常にぼんやりとしか覚えていません。 ☆アーチャー 随分と出遅れてしまったようだ。 遠くからも確認できていた戦闘の光は、聞こえてきていた戦闘の音は、すでに止んでしまっている。 アーチャーが付く頃には、遠くに視認できた小学校での戦闘はもう一区切りしてしまっていることだろう。 つまらない。 こんなことならばあれこれ歩きまわらず、図書館の周辺を貼りこんでおけばよかった。 後悔しながらビルの屋上に腰掛け、ため息をこぼす。 アーチャーのため息が風に乗り、橙に染まり始めた街に溶ける時、そいつは現れた。 どるん。 聞き慣れない音。 アーチャーが振り向けば、腰掛けたビルの屋上の入り口付近に、一人の大男が立っていた。 異様な出で立ちだ。 フードですっぽりと覆われて窺うことのできない顔。手に持ったのはおおぶりなチェーンソー。 不思議な事に、その男の出現にアーチャーの類まれな聴力を持ってしても気づくことができなかった。 導き出される答えは一つ。 「……ああ、良かった。ここまで来て何もなしだと、興が冷めてしまうので」 どるん。 男は答えない。 ただチェーンソーに命を吹き込むように、何度も、何度も、エンジンをふかす。 ここまで露骨な殺意を受けるのは、アーチャーとしては久しぶりだ。 少しは楽しめるだろうか、と心を踊らせながら一歩を踏み出す。 チェーンソー男も一歩を踏み出し、お互いがお互いのリーチに相手を捉えるまで歩み寄っていく。 しかしそこで、問題が発生した。 歩き続けて数歩。アーチャーはすでに、チェーンソーの間合いギリギリまで接近している。 だというのに、チェーンソー男は戦闘態勢に移ろうとしない。 「そうですか」 アーチャーの類まれな経験と五感は、ただの一目で目の前のチェーンソー男の習性を見ぬいた。 目の前のチェーンソー男には殺意はあるが戦意がない。 令呪か何かによって戦うことを封じられているのか、あるいはスキルか。何か理由があって、チェーンソー男は『戦いたいが戦えない状態にある』。 そこに至ってのアーチャーの思考は、とても単純だった。 ならばその殺意に火をつけて、チェーンソー同様、エンジンを掛けてやるだけだ。 戦うきっかけを作れば、戦わざるを得なくなる。 「さあ、始めましょう」 数歩分の間合いを、魔法少女の身体能力で一気に踏み込んで拳撃を放つ。 チェーンソー男は、まだ黙って立っていた。 男の顔面にアーチャーの拳は、当然のように鋭く突き刺さった。 殴られた勢いで男が宙を舞う。 フードの奥に隠された無貌と、アーチャーの視線が一瞬だけ交わり、そしてまたすれ違う。 どる、る、る、る、る。 空中を舞いながら、チェーンソーのエンジンが音を立てて回り出す。 それがきっかけだった。 瞬間、空気が塗り替わった。 殺意の方向が、まっすぐにアーチャーへと向いた。ようやく敵意が現れた。 チェーンソー男が空中で一回転を決め、階段へと続くドアを地面代わりに着地する。 大柄な身体からは想像できない曲芸師のようなそのその身のこなしに、アーチャーが感嘆の声をあげようとした時には、すでに戦闘は始まっていた。 構えたチェーンソーで屋上を削り、火花を散らしながらチェーンソー男が駆けてくる。 魔法少女とはいえ今は英霊。なんてことはなさそうなあのチェーンソーでも今のアーチャーは容易に傷つけられてしまうだろう。 倒すのは簡単だ。遠距離から破壊音波を打ち続ければいい。そうすれば、近接攻撃しかできなさそうなあの男を一方的に倒してしまえる。 だが、それの何が面白い。 アーチャーが望むのは、闘争だ。不完全燃焼な勝利ではない。 チェーンソー男に向かってアーチャーも駆け出す。徒手空拳故、リーチはチェーンソー男に分があるが、そんなものでこの戦闘への高揚は止まらない。 瞬きするよりも早く、お互いの射程距離が重なった。 地面を跳ねていたチェーンソーが跳ね上がる。狙いはまっすぐに、走っているアーチャーの正面だ。 振り上げられたチェーンソーを、飛び上がって回避。そのままチェーンソー男をも飛び越え、背後に回る。 振り向きざまに拳を突き出す。先ほどのような戦闘を始めるための軽いジャブではない、殺すための一撃だ。 しかし、想定していた場所にチェーンソー男の顔はない。 彼もまた、アーチャーの回避を見たうえで攻撃を察知し、身を屈めていたのだ。 どるるるるるるるるるるん。 地鳴りのような音とともにしゃがんだままのチェーンソー男がぐるりと体を捻る。 それに合わせて、チェーンソーが大回りでぐるりと回り、がら空きのアーチャーの腹部を横断しようと迫る。 体勢の維持ができていないので単独での回避は不可能。 ミリ秒にも満たぬ時間の中魔法少女の思考能力でそう判断したアーチャーは、突き出していた拳で、振り向こうとしているチェーンソー男の頭に突き出したままだった手を乗せた。 そして、チェーンソー男の頭を支えに、大きく飛び上がる。 ぢゅん、と響く切断音。 魔法少女の可愛らしい靴の底が数ミリ吹き飛ばされた。 そのチェーンソーの一撃がやはり魔法少女を傷つけられる一撃だということを再確認しながら、アーチャーは飛び上がった勢いで足を動かす。 空中で振り上げた右足が、チェーンソー男の左肩を踏みしめる。 足が乗ったのを確認したなら、今度は左足。 右足と、その下にあるチェーンソー男の身体を支えに、チェーンソー男の頭に置いていた手を離し、軽業師のようにチェーンソー男の肩の上で立ち上がる。 そしてそのまま、左足を、彼の顔めがけて振りぬいた。 クリーンヒットとは行かない。 攻撃を察知したチェーンソー男が、寸前で左肩を大きく落とし、アーチャーのバランスを大きく崩したからだ。 しかし、多少軽減されたがその一撃の威力は完全に死んではいない。 顎を蹴り飛ばされたチェーンソー男がよろける。 先に体勢を整えたのはアーチャーだった。 チェーンソーの重量に振り回され、二歩、三歩とよろけているチェーンソー男に、今度はアーチャーの方から距離を詰める。 男が体勢を立て直すよりも早く、チェーンソーの間合いを駆け抜け、拳の間合いに入り込む。 息を吐きながら拳を突き出す。 助走の勢いの上乗せされた魔法少女の拳が、男の胸にめり込む。 男は軽々と吹き飛んだ。 「あ」 それは、アーチャーにしてはマヌケな声だった。 チェーンソー男の身のこなしについつい楽しくなってしまい、勢い余って、場所のことを忘れて思い切り殴り飛ばしてしまった。 宙を舞う。 その形容がぴったりだった。 チェーンソー男は屋上から放り出され、弧を描きながら飛んでいってしまった。 「ああ……なんてことを」 少しだけの後悔。だが、切り替える。 身のこなし。身体能力。反応速度。そして言葉をかわすことのできない特性。間違いなくバーサーカーだ。 狂戦士の名を冠するクラスの英霊が、屋上から落ちたくらいで死ぬはずがない。 魔法少女だって、殴られて屋上から落ちたくらいでは死なないのだから。 屋上のへりに足をかけ、チェーンソー男の姿を探す。 ついでに周囲を見回す。小学校方面に人が集まってきていた。 決着を急いだほうがよさそうだ、と結論をつけて飛び上がる。 そのまま飛ぶようにビルの壁面を駆け、突き落としてしまった強敵の元へと急いだ。 ◇ 吹き飛ばしてしまったチェーンソー男を追って、大通りに降り立つ。 すると、そこではすでに元気を取り戻したチェーンソー男が暴れていた。 電柱が切りつけられている。 ガードレールが切り裂かれている。 人が血の海の真ん中で倒れている。 予想以上に大事になっている。すぐに人が集まってくるだろう。 再び楽しむような時間はなさそうだ。 靴音を鳴らしながら一歩を踏み出す。 音に敏感に反応し、チェーンソー男は凶刃を振るうのをやめて振り返った。 そして、今度は見つめ合いで過ごすこともなく、臨戦態勢に入る。 「ああ、覚えていてくれたんですね」 少しだけ嬉しくなったのをおかしく思いながら、アーチャーもまた拳を構える。 人に見つかるよりも早く、次の一撃で勝負を決するために。 どぉるるるるるるるるるるるる――――――!!! チェーンソー男が、怒号の代わりにエンジン音をばら撒きながら駆けてくる。 五メートル、四メートル、三メートル。 チェーンソーが振り上げられ、間合いを詰める最後の一歩が踏み出される。 凶刃がアーチャーのもうすぐそこまで迫り、ようやくアーチャーは動き出した。 ぱちん。 指を一度弾く。 生まれた音が空中で衝撃波の壁になり、チェーンソーを弾きあげる。 またもがら空きになったチェーンソー男のボディに拳を叩き込み、そして今度は、追撃も放つ。 「『内部破壊音(スフォルツァンド)』」 殴ったことでチェーンソー男の体内に発生した音を、一気に増幅させる。 人間ならば瞬間でミンチになると断言できるほどの威力の音が、男の体の中で木霊した。 倒れ伏すチェーンソー男。見下ろすアーチャー。 勝敗は決した。だが、アーチャーの顔には高揚感よりも別の感情のほうが多く現れていた。 予選でのサーヴァントとの戦闘で内部破壊音を使ったこともあった。その時の相手は食らった瞬間仁王立ちのまま消えていった。 文字通り内部を侵食し霊核を破壊し尽くすほどの攻撃だが、チェーンソー男の身体に変化はない。 自前の変装用フードをかぶり直し、観察を続ける。 するとチェーンソー男はがばりと起き上がり、アーチャーには目もくれず飛び上がり、屋根を伝いながら走って行ってしまった。 「……『不死』ですか」 その光景を見て、ようやくアーチャーには合点がいった。 思い出すのは、アーチャーの知る魔法少女の一人。 『ハードゴア・アリス』。アーチャー最後の試験の参加者。不死の魔法少女。たとえ致命傷だろうと即座に治癒し、復帰できる魔法を持っていた。 彼女の魔法と同じような特性を、あのチェーンソー男は持っていたということだろう。 倒れたままだったのは復活の時間稼ぎだったのかもしれない。 だとすると、とアーチャーはその先のことを考える。 不死の相手を殺すにはどうすればいいか。 聖杯戦争のルールに則るならマスターを攻撃するのだが、それではあまりおもしろくない。 できることなら正面から、不死をぶち抜いて殺したいが。 再度の戦闘に備えて、自身の経験した闘争の中からあれこれと情報を整理する。 あの男との戦闘は、もう少し楽しめそうだ。 そんな、高揚感と寂しさが綯い交ぜになったアーチャーの視界に、一つの死体が飛び込んできた。 「おや」 傷口は見えないが、あのチェーンソー男に襲われたのだろう。 不用意なものだ。攻撃しなければ襲いかかって来ないのだから、おとなしくしていればよかったものを。 ただ、彼女の命がけの足止めがチェーンソー男を引き止めてくれていたのかもしれない。 そう思うと、少しだけ感謝の気持ちは湧いてきた。 ただ、それだけだった。 それ以上の感情はない。 「逃げられてしまった以上、次の戦闘まではもう少し間が空きそうですね」 死体への興味はすぐに失せ、またチェーンソー男について考えだす。 逃げたということは、もう今日は戦う気がないということ。 追ったところでどこか遠くで霊体化して、アーチャーをやり過ごすことだろう。 となると、アーチャーの方針はまた少し変わることになる。 別の闘争を探さなければならない。 図書館周辺はもう望み薄だ。 小学校での戦闘、先ほどのチェーンソー男の暴れる音、この死体、すぐにNPCが押し寄せてくる。公の場所で戦闘は起こらない。 ふと、視界の端に見慣れぬ何かが映る。 何事だろうと見上げた先、小学校の向こうの裏山に、マントを靡かせる巨人が立っていた。 その大きさは、エリアにして二つは離れている場所からでもはっきりと視認できるほど。 いつかの試験の時、巨大化する魔法少女チェルナー・マウスが30mほどに巨大化したことがあるが、あれよりもさらに大きいかもしれない。 また、熱が回りだす。 飽くなき闘争への欲求が疼きだす。 あんな大物が立ちまわっている。 相手はどんな強敵だろう。 どれほど強いのだろう。 次は間に合えばいいのだけれど。 影に隠れて大きく飛び上がり、屋根を伝って走りだす。チェーンソー男が逃げていったのとはまた別の、小学校の裏山の方へ。 この舞台は、まだまだアーチャーを楽しませてくれそうだ。 【D-2/屋根の上/1日目 午後】 【アーチャー(森の音楽家クラムベリー)@魔法少女育成計画】 [状態] 健康、気分やや高揚 [装備] 黒いフード付きコート [道具] なし [思考・状況] 基本行動方針: 強者との闘争を求める 1. 裏山地区(D-1)へ。 [備考] ※木之本桜&セイバー(沖田総司)、蜂屋あい&キャスター(アリス)、高町なのは、バーサーカー(チェーンソー男)を確認しました。 ※チェーンソー男のスキル:不死を確認しました。 ※フェイト・テスタロッサを見つけてもなのはに連絡するつもりはありません ※小学校屋上の光の槍(フェイト)を確認しました。 ☆大井 緊急事態により少し早い放校となった。 聞くところによれば、小学校の屋上で爆発事故が起こったらしい。 教師の慌てふためいた様子を尻目に、心のなかで笑う。 その爆発は、おそらく大井のサーヴァント・アーチャーのしわざだ。彼が敵を発見し、強襲したのだろう。 素晴らしい速さだ。これこそ、重雷装重巡洋艦の戦争だ。 相手が気づくよりも疾く駆けつけ、相手が気づくよりも疾く仕掛ける。相手が気づいた頃には蹂躙を終え、意気揚々と帰路につく。 戦争とはすなわち速さなのだ。先手を取る勝負なのだ。決して相手の出方を伺いながら後手後手で行うものではない。 少し情報が伝わるのが早い気がするが、個人レベルでさえスマートフォンのような情報伝達機器があるのだから、学校間での情報交換はもっと迅速に行えるのかもしれない。 成程、技術発達かくの如くか、と一人で頷きながら、NPCとしてのルーチンを乱さないように帰路につく。 歩く途中で、ふと、小学校のほうが気になった。 アーチャーが帰ってくる気配はない。 なにか手こずっているのだろうか、と思うが不安はない。 大井は、自身のサーヴァントのパラメーターの強さをしっかりと理解している。 更に宝具の開放まで許可しているのだ。 余程のことが起こらないかぎり、一方的に負けるようなことはないだろう。 もし負けて帰ってくるようなことがあれば……その時はその時だ。 作戦を練り直し、今度はこんな突発的なものではなく万全の状態を整えて挑めばいい。 そうすれば、負けることなんてない。 通い慣れた大通りを歩く。 人影が見えない。 遠くからがやがやと声が上がっているのを聞くに、皆、小学校方面に野次馬に行っているようだ。 NPCに扮しているのだし、大井も野次馬に行くべきかと思ったが、やめておいた。 近づいていいことなんてなにもない。戦闘に巻き込まれ、負傷でもしたら後悔してもしきれない。 それに、教師の指示に従っているという形のほうが、よりNPC然として振る舞えている、といえるはずだ。 大井はこの聖杯をめぐる戦争の大局を見て動いている。 目先の情報に踊らされ、あわや敗北というところまで追い込まれるようなへっぽこ艦隊とは本質的に違うのだ。 人目がないのをいいことに、左手を出し、お守りを握りしめる。 愛が通い合う。北上を思えば、負ける気なんてしなかった。 愛を語らうことはできないが、それもまたしばしのこと。 すぐに取り戻すことを再びお守りに誓いながら道を歩いていると、突如空が陰った。 見上げれば、大通り目掛けて空から何かが降ってきた。 猛スピードで降ってきた何かは大井の目の前で大きく跳ねる。 道路にたたきつけられたことで勢いが失せ、それでようやく、大井は落ちてきたものの正体がわかった。 『バーサーカー』と書いてある。予選を勝ち残った参加者の英霊だ。 ひょっとしたら、アーチャーが戦っている相手かも。 そこまで考えて、大井の思考は急停止した。地面をバウンドしたバーサーカーが、大井に衝突したのだ。 勢いはだいぶ死んでいたし、大井自身が艦むすとしての恵まれた耐久力を誇っていたことが幸いし、怪我を負うことはなかった。 だが。 「な、ない!」 弾き飛ばされて、何事かと起き上がってみれば、手に持っていたはずの北上のお守りがない。 倒れていた周辺を見ても、落ちていない。 気が動転しそうになる。 ないわけがない。 数秒間血眼で探し続け、そしてようやく見つけた。 お守りは、大井と同じように投げ出されていたバーサーカーの左手の下に潰されていた。 マグマもかくやという怒りが、髪の毛の一本一本まで巡る。 そのお守りに触るな。 そう叫びながら、駆け寄り、その大男の左手を弾き、お守りを広い上げる。 ぐるんと、虚ろな顔が大井の方に向いた。 ぎゃり ぎゃり ぎゃり ぎゃり ◇ 足音が去っていっている。 現れた誰かが、あの忌々しいバーサーカーを撃退したらしい。 大井を助けないところを見ると、大井のアーチャーではなかったのだろう。 身体から熱が抜けていく。 大事な何かが、体中から抜けていく。 熱を帯びていた傷口からはもう何も感じない。 有無を言わさぬ理解が頭のなかに訪れた。 大井は、死ぬ。 怒鳴る力もなかった。 ほとほと、この世界に嫌気が差した。 大井の胸を埋め尽くすほどの愛は、どの世界でも羽毛よりも軽い。 どいつもこいつも、この一変の曇りもない愛を、軽んじている。 ようやく理解した。 世界は、愛を求めていないのだ。 あの時の長門と一緒だ。下らぬ屁理屈を並べ、大井の愛を無下にしたいだけなのだ。 力を振り絞り、左手を少しだけ浮かせる。 これでお守りが血に濡れることはない。 大井の心は決まった。 世界すらも大井の愛を求めていない。 愛に生きた北上を殺し、次は愛に生きる大井を殺しに来た。 ならば、望み通り、死んでやろうじゃないか。 大井だって、そんな世界はお断りだ。 北上という概念の存在しない退屈な世界に別れを告げる時が来た。 大井は、世界の望むままに、愛という大海原に溺れて、死んでやる。 「がほ、ご、は……れ、れいじゅを……」 だが、ただでは死んでやるもんか。 愛を馬鹿にした代償をきっちり払わせる。 全てを破壊し尽くす。 この世界の全てをだ。 この聖杯戦争の舞台も。 大井と北上の幸せを奪った鎮守府も。 大井の愛を利用し、踏みにじった聖杯も。 できることならばこの地球すらも。 大井の死とともに、消滅させてやる。 大井には―――大井のサーヴァントにはその力がある。 断りを入れる必要はない。 アーチャーの願いはプレゼンターに出会うことなのだ。この宝具を発動して、喜びこそすれ、悲しむことなんてありえない。 「令呪を、持って、命じるわ……」 脳裏に浮かぶのは様々な人の顔。一様に笑っている。北上を救えなかった大井を笑っている。 駆逐艦共、軽巡洋艦共、重巡洋艦共、戦艦共、提督。 双葉杏、コシミズサチコ、チェーンソーのバーサーカー。 お前も。 お前も。 お前も。 お前も。 愛に溺れて死んでいけ。 大井のために死んでいけ。 「アーチャー……ね、かは、ネビュラ、ゲートを」 お守りを握りしめ、なけなしの力を振り絞って左手を更に振り上げる。 あと六文字で世界が終わる。 その瞬間、世界はようやく、大井の愛の深さを認めた。 「おおい―ち――――――大丈夫―――」 大井の声を遮り、左手が誰かに握りしめられる。 お守りよりもあったかい何かが、大井の心に流れてくる。 倒れた大井に手を差し伸べた人物の姿は見えない。 大井に見えているのは、先程から、時化の海のような灰色と燃えるような赤の混ざった地面だけだ。 でも。 懐かしい声。 懐かしい響き。 その笑顔はもう見えないけど。 そこに居る、貴女のことを間違えるはずがない。 続けるはずの六文字は、頭から消え去った。 握られた左手のぬくもりで、世界への破壊衝動はすぐに霧散した。 ―――ああ、北上さん。 そこに居たんですね。 危なかった。 もう少しで、世界ごときのために、また貴女を死なせてしまうところでした。 「き、たか―――み、さ―――」 胸は喜びでいっぱいなのに、言葉はうまく出てくれない。 血が喉に絡んで、わけもないのにどもってしまう。 ―――駄目ですよ。北上さん。 私今、汚いから、汚れちゃいますよ。 大変だわ。 すぐにお風呂に入って、綺麗にならなくちゃ。 「大丈夫、大丈夫―――」 最初に一度、そしてもう二度、大丈夫と繰り返される。 やはり、北上は北上だ。大井に優しくて、大井を愛してくれている。 それでいい。それだけでいい。 世界程度が愛をどれだけ軽んじようと、大井には北上がいればそれでいい。 ―――嬉しい。 ようやく会えた。 聖杯なんていらなかった。 結局。 私が望めば、それだけで。 もう一度、会えたんですね。 無事でよかったです。北上さん。 さあ。 ここは危ないですから。 早く逃げましょう。 今度は。 二人で。 手を離さずに。 ちゃんと。 …… ☆ 「おーい、ちょっと、大丈夫!? 救急車呼ぶから、気をしっかり持って!!」 「き、たか―――み、さ―――」 震える手。 何かを求めて差し伸べられた手。 「大丈夫、大丈夫だから! すぐ救急車来るからね!」 差し伸べられた手を反射的に握り返す。 そのことに、血まみれの少女は気づいただろうか。 NPCの少女にそれを知る術はもうない。 ◇ 「……誠に残念です」 「……ごめんなさい、私がもう少し早く連絡してれば」 「いえ、怪我の大きさから言って、致命傷です。たとえ斬られた瞬間に通報していたとしても、死亡は免れたかったでしょう。気に病まないでください。 傷跡を見るに、最近目撃情報が寄せられていたチェーンソー殺人鬼かと。物騒なので、気をつけてください」 「はい……」 血まみれの少女の死体は、運ばれていき。 NPCの少女は、手を合わせて祈りを捧げたあと、自身の務める店から花束を持ってきて、血だまりの側に添えた。 これは、なんてことのないNPCの日常に起こった、奇妙な物語の一つ。 誰にも語られず消えていく、なんてことない物語。 ただひとつ。 そんな物語に奇跡があったとするなら。 大井に駆け寄ったNPCが、聖杯によって学生ではなく花屋の店員として再現されていた『北上』本人だったということだけだろう。 それは、きっと意味のない奇跡だ。 死力を尽くし戦い消えていったライダー、星輝子にとっても。 戦い、再び戦場に消えていったアーチャー、バーサーカーにとっても。 嵐に巻き込まれ、傷ついた多くの人びとにとっても。 死んでいった大井にとっても。 彼女の手をとったNPCにとっても。 駆けつけた救急隊員にとっても。 何の変化ももたらさず、何事も無く通り過ぎて行くだけの無意味な奇跡。 でも。 誰にとって意味がないものでも。 誰にとっても意味がないからこそ。 それはきっと、聖杯の起こす作られた奇跡ではなく。 世界が大井を思い、大井に向けて放ち。 大井の強い愛が掴んだ。 大井だけの奇跡だったはずだ。 【大井 死亡】 ☆雪崎絵理 小学校側に出ていたチェーンソー男の反応は、絵理が到着するよりも早くに消えた。 消えた頃に何事かと小学校の方を見れば、見上げれば遠い空にUFOが飛んでいた。 もしかして、チェーンソー男はキャトルミューティレーションされてしまったのだろうか。 意味がわからなかった。 とりあえず、来た道をただ引き返すというのも癪に障ったので人垣越しに小学校を確認してみた。 校門を過ぎた向こう側には、明らかにチェーンソー男と何かが戦った痕跡が残っていた。 誰かが絵理よりも早くチェーンソー男を発見し、倒した、ということだろうか。 今朝の事件を思い出す。 金髪のアシメヘアの少女、白坂小梅が『バーサーカーさん』と呼んでいた男は、特に理由を説明するまでもなくチェーンソー男と戦い、彼を退けた。 ひょっとすると、彼と彼女がこの周囲に偶然居て、もう一度チェーンソー男を倒してくれたのかもしれない。 だとしたら、お礼を言わなければ。 お礼とともに、正式に協力を依頼してみようかなんて考えていた時、不意にまた嫌な感覚が絵理の身体を包み込んだ。 チェーンソー男の反応だ。 場所は丁度来た道の方。まさかこんなに早く気た道を戻らなかったことを後悔するなんて思っても見なかった。 駆け出し、胸騒ぎの向かう先を感じ取る。 場所は近くのマンションの屋上のような気がした。 どうやって移動したかは分からない。 それに、再度出現する速度が早過ぎる。 だが、疑問を胸に立ち止まっている暇はない。 一歩でも早く辿り着いて、倒さなければ。 マンションに向かって走っていると、急にチェーンソー男の反応が一気に近づいてきた。 どうやら、屋上から飛び降りたようだ。 周囲を確認する。 人はまばらにしか居ない。いや、まばらに『いる』。 暴れだせば、被害者が出るかもしれない。 足に力を込めて走りだす。 速く。 速く。 まだ速く。 少しでも速く、奴のところへ。 ◇ 絵理が現場にたどり着いた時、全ては終わっていた。 チェーンソー男の撤退。それは現場にたどり着く直前に絵理も感じていた。 嫌な胸騒ぎが消えた。しばらくは出ない……はずだ。 だが、絵理がその事実に喜ぶことはなかった。 絵理が数十秒遅れて辿り着いた時、現場は無残な状態だった。 壁が破壊され。 電柱が切りつけられ。 ガードレールが切り裂かれ。 そして、道路に力なく横たわる『チェーンソー男の被害者』と、彼女の手を取る一人の少女が居た。 詳しい経緯は分からない。 横たわっている少女が誰かも知らない。 だが、はっきりと刻み込まれた烙印が一つ。 雪崎絵理は初めて、チェーンソー男に敗北し、世界にまた悲しみを刻ませてしまったのだ。 【D-2/大通り/一日目 夕方】 【雪崎絵理@ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ】 [状態]魔力消費(?)、ショック(大) [令呪]残り三画 [装備]宝具『死にたがりの青春』 、ナイフ [道具]スマートフォン、制服 [所持金] [思考・状況] 基本行動方針:チェーンソー男を倒す。 0.――― [備考] ※チェーンソー男の出現に関する変化に気づきました。ただし、条件などについては気づいていません。 ※『死にたがりの青春』による運動能力向上には気づいていますが装備していることは知りません。また、この装備によって魔力探知能力が向上していることも知りません。 ※白坂小梅&バーサーカー(ジェノサイド)を確認しました。真名も聞いています。 ※記憶を取り戻しておらず、自身がマスターであることも気づいていません。 ※もしかしたらルーラーも気づいてないかもしれません。 ※聖杯戦争のことは簡単に小梅から聞きました。詳しいルールなどは聞いてません ☆バーサーカー 足音が聞こえる。 地獄へと続く黄泉路へ導く、荒くけたたましい足音が。 どるるん。どるるん。どるるるん。 足音は再びどこかに消えていく。この世界のどこかにある、この世界のどこにもないどこかへ。 彼の正体を知るものは、世界のどこにもいやしない。 因縁深い雪崎絵理だって、その正確な内容は理解していない。 ただ、彼についての逸話だけは、聖杯に残されている。 絶対に死なないということ。 襲ってきた相手は襲い返すということ。 そして、『雪崎絵理が希望を抱けばその分弱くなり、絶望すればその分強くなる』ということ。 消えぬ傷跡が刻まれた。 次に出会うときは、もはや先刻の彼ではない。 異界の底で、チェーンソー男は再び機会を待ち続ける。 【???/???/一日目 夕方】 【チェーンソー男@ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ】 [状態]復活まで時間が必要。 [装備]チェーンソー [道具]なし [思考・状況] 基本行動方針:雪崎絵理の殺害 [備考] ※雪崎絵理がマスターだとかそういうことは関係ありません。 ※雪崎絵理の絶望に呼応して、戦闘能力が向上しました。 ※聖杯戦争中、チェーンソー男は夜以外にも絵理がサーヴァントの気配を感じた場合出現し、当然のように絵理を襲います。 ※致命傷を受けての撤退後、復活にはある程度の時間を要します。時間はニュアンスです。 ※アーチャー(森の音楽家クラムベリー)、ランサー(姫河小雪)、フェイト・テスタロッサ&ランサー(綾波レイ)、 キャスター(木原マサキ)、白坂小梅&バーサーカー(ジェノサイド)、輿水幸子を確認しました。 ☆ 日が傾き、少女たちの楽園が赤く染まる。 儚くも美しい日常たちは、黄昏を纏い闇に落ちる。 嵐の訪れを告げる鬨の声は上げられた。 夜の闇が広がりだす舞台の上で、危険な妄執たちが蠢きだす。 ALL HAZARD PARANOIA/オール・ハザード・パラノイア ☆ 【追記】
https://w.atwiki.jp/pad_se/pages/29.html
チーム詳細 チーム詳細 リーダースキル 闇を4個以上つなげて消すと、攻撃力が9倍、ダメージを25%軽減。 HP 回復力 操作時間 39800 2790 25秒 モンスター名 属性(主/副) 攻撃力 覚醒能力1 覚醒能力2 覚醒能力3 スキル効果 スキルターン 霊龍契士・ラジョア 闇/闇 2506 闇列消し強化 スキルブースト バインド耐性+ 闇と回復ドロップを3個ずつ生成HPを40%回復 6 闇黒魔王・ヴァンパイアデューク 闇/水 2222 闇列消し強化 スキルブースト スキルブースト 回復ドロップを闇ドロップに変化1ターンの間、攻撃力が1.5倍。 4 影嵐の武芸師・スカアハ 闇/木 2048 闇列消し強化 闇列消し強化 バインド耐性+ 全ドロップを木、闇、回復ドロップに変化1ターンの間、ダメージを30%軽減 8 惑乱神・エリス=ドラゴン 闇/火 2733 闇列消し強化 スキルブースト 毒耐性 上から2段目と下から2段目横1列を闇ドロップに変化 6 忘却の死神・グリザル 闇/闇 2344 闇列消し強化 闇列消し強化 毒耐性 光ドロップを闇ドロップに変化 4