約 756,593 件
https://w.atwiki.jp/akatonbowiki/pages/11217.html
このページはこちらに移転しました 本棚の虹 作詞/あくし 作曲/せきゆ 飴色の窓 カビ臭い部屋 本棚の裏 古ぼけた写真 あの頃はただ 無いはずの先 夢見続けて 歩いていました いつの間にか僕らの間に 小さな隙間が開き始めていて いつの日にか僕らは共に 別々の道を歩き始めていた あの日二人で見た 小さな小さな虹を あの日思い出していたら 二人は一緒だったかな 小さな手と手 握って 音源 本棚の虹
https://w.atwiki.jp/lord_of_vermilion/pages/2806.html
C ベドラム 最終更新日時 2019年02月28日 (木) 14時16分52秒 基本情報 名前 ベドラム 種族 不死 ジョブ ディフェンダー 召喚コスト 20 セフィラ なし タイプ ダークパペット HP 350 ATK 30 DEF 30 PSY 10 武装 可 血晶武装 可 アーツ 無 CV 菅谷 弥生 対象称号 アビリティ 状態 ボーナス アビリティ 召喚 なし なし 武装 なし なし 血晶武装 なし トライブデッドマナ 自身が死滅したときマナを生み出す。この効果は、デッキ登録した自ユニットが全て同じ種族のとき上がる。 パラメーター 状態 HP ATK DEF PSY 備考 召喚 350 30 30 10 武装 400 50 50 30 血晶武装 450 80 80 50 修正情報 + 修正履歴 修正履歴 ▼Ver4.209(2019.02.28)にて、下方修正 トライブデッドマナ マナ:+20デッキが単種族のときマナ:+40→+35 ▲Ver4.207(2018.12.20)にて、上方修正 トライブデッドマナ デッキが単種族のときマナ:+30→+40 ▲Ver4.203(2018.10.02)にて、上方修正 トライブデッドマナ デッキが単種族のときマナ:+25→+30 DATA・フレーバーテキスト + Ver4.0/EVR Ver4.0/EVR Ver4.0 No 不死 029/029EV 身長 1.4[meter] 体重 29[kg] 届けるもの 破滅の恋 尋ね人 ダペルトゥット 望み "彼"の真の救済 その方法 自身の破壊 イラストレーター Tomatika フレーバーテキスト(通常カード裏面) ごきげんよう マスターじゃない マスターさん フレーバーテキスト(EVRカード裏面) ダペルトゥットって悪魔を探しているの 知らない? フレーバーテキスト(LoV4.net) あなたとわたしは、わたしとあなた。それはとってものどかに見えて、どうしようもなく秘密の話。どうせ時は残酷だもの。全てを語ってしまったなら、先立つわたしを追ってあなたは悲しみに消えてしまう。あなたと過ごしたあの日々は、わたしの大事な宝物。無くしたら最後、二度と戻ってこないものだと知っていてはじめから無くなることがわかっていた宝物。ねぇ、誓いのキスを覚えてる? 暗闇の中でもあなたは気どった顔を崩すことなく、優しい声音で、美しい詩をうたってくれたわね。それが嬉しくて、幸せで、なのにのたうつ程に心が痛かった。怖いのよ。愛も、悦びも。幸せも。だってその時間は偽物なんだもの。そんなあなたをわたしは愛し、愛で飾った綺麗な嘘にわからないふりをしていたの。とてもとても辛かった。あなたの話はいつも怖いの。幸せな未来が見える程苦しいの。でもね、それを選んだの。ねぇ教えて…そんな恋ためしてみたい? こんなの可笑しいかしら? ものめずらしいと笑うかしら…もしそうなら、あなたの話に壊れてあげる。だからそっと秘密で囲って頂戴ね。 + Ver4.2 Ver4.2 Ver4.2 No 不死 2-017 身長 1.4[meter] 体重 29[kg] かつての操り手 ダペルトゥット 今の操り手 “彼”への想い “彼”の救済方法 自身の消滅 姉妹人形 ベスレム イラストレーター 創-Taro フレーバーテキスト(カード裏面) 私は恋の操り人形……それ以上にはなれないわ フレーバーテキスト(LoV4.net) 工具や様々な人形の部品が雑然と転がる暗い部屋の奥、ランプの明かりが、作業机の前で椅子に深く腰掛けた初老の男を浮かび上がらせる。男は綺麗に整えられた口髭を片手で撫でつけながら、もう片方の腕に優しく抱いたビスク・ドールを眺めている。その目はとても温かで、時折りドールの髪を撫でる手つきが限りなく繊細で、柔らかい。男はドールの顎に手を駆けると、軽く右へ、左へと首を動かし、頬に手を添えて微笑みかけ、「やはり、駄目だな」と、その頭を叩き割った。「どのような体を造っても、どのような魂を入れたとしても、“あの域”には達しない……」男はため息をつくと、割れた人形の頭から転がり落ちたドールアイを拾い上げ、ランプにかざしてみる。「この眼にも、あの輝きは宿らない。あの子の代わりにこさえた『鍵』も、私にとっては曇ったガラス玉同然だった。より“確かな愛”を引き裂いてみればと思ったのだが――英雄と戦乙女の悲恋など、役者の名声に頼っただけの安いオペラ、いかにも見かけ倒しの陳腐な作品でしかなかったよ。後悔――そう、私は後悔している。君を手放すべきではなかった……君は、ドリアン・グレイなどという凡庸な箱に収めるにはもったいない至高の原石だったのだ。私の美しいべドラム――シヴィル・オランピア・ヴェイン――嗚呼、私は君を“完璧”にしたい」呟き指で撫でるドールアイが、さらさらとガラスの砂と化して崩れていく。そうして手の中の眼球がすっかり消え去ると、男は立ち上がり、作業机のすぐ傍、特段豪奢な椅子に座らされた人形の前に跪いた。「……そのためには、仕方がない。今まで、君まで失ってしまったらと決心がつかないでいたのだが――」薄暗い部屋の中でも仄かに光を発しているように見える白い肌、美しい形の唇、儚げな緑の瞳と柔らかそうな薄青い髪のドール――。男は愛おしそうにドールを見つめ、恭しくその手を取るとそっと手の甲にキスをした。そして顔を引き寄せ、「――許しておくれ」指をねじ込み、片側の目を抜き取る。ドールの指先が、ビクンと震えて見えた。「これで私の未練も断てた……“醜いベスレム”、あの子の心の全てを消して、このダペルトゥットの元へと連れ帰ってきておくれ。私の工房へ――私の、暗闇へ――」ランプの明かりが、腰をかがめてドールを抱きしめる男の影を壁に映しだす。その影の異様は――。男は、視界に入った自身の影を見てひどく不愉快そうに顔をしかめると、ランプを手に取り、ふっと息を吹きかけ明かりを消した。 セリフ一覧 + 通常版/Ver4.0、Ver4.2 通常版/Ver4.0、Ver4.2 召喚 ごきげんよう、マスターじゃないマスターさん 武装 私は恋の操り人形、それ以上にはなれないわ 血晶武装 だから、そろそろあなた、さよならね 通常攻撃 はい… タワー制圧 そんなに求められても応えられないんだけど… ストーン破壊 どお? 少しは恋を楽しんで頂けたかしら 死滅 あら、壊れちゃった… サポート(Ver4.0) この人を殺せばいいの? サポート(Ver4.2) あの悪魔を知らない? + EVR EVR 召喚 ダペルトゥットって悪魔を探しているの 知らない? 武装 私ね 愛しい人に出逢えたの 血晶武装 だから もう私の存在はおしまいなのよ 通常攻撃 あなたは私を壊せる? タワー制圧 彼を見つけてどうするかって ~(?) ストーン破壊 私の身体を直してもらうか 壊してもらおうと思ってるの 死滅 でもそれでいいの それがいいの… サポート ドリアンのおかげよ 考察 不死の20コストディフェンダー。 血晶武装でトライブデッドマナが発動し、自身が死滅するまで荒らし続けることが可能な攻めの使い魔。 死滅時に20マナ、不死単色の場合は35マナを得ることができる。 ベドラムで荒らし、相手がマジシャンを出して防衛してきたら、死滅後に佐々木小次郎などを呼ぶのが強い。 アルプと違って次の召喚使い魔を選べるのも利点。 ただし不死単時は返還マナが多いため60マナ以上所持してる状態で死滅するとマナが溢れてしまう点に注意。 運用上の注意点はPSYの低さ。 根元使い魔でもフリックで弾き飛ばされてしまうので、タワーに進入する際はガーディアンスタイルを心がけよう。 キャラクター説明 過去作より続投。 "ペ"ドラムではなく、"ベ"ドラム。 元はイギリスにある王立ベスレム病院の略称。精神病院であり、かつては治療と言うより監禁に近い患者の扱いや、それを見世物として公開することで悪名高かった施設である。 後にbedlamという単語で「精神障害者の保護施設」の他に「騒ぎ」「混乱」などを意味するようになった。 フレーバーでの言葉遊びに定評があり、今作でも中々の凝りよう。 キャラクターとしての元ネタは「ホフマン物語」のからくり人形オランピアと「ドリアン・グレイの肖像」のシビル・ヴェイン。 ドリアンが不死を得るために彼女の魂を悪魔ダペルトゥットに売り渡し、その魂を記憶を消した上で人形に移したもの。 紆余曲折を経て記憶を取り戻し、自身の罪を悔いていたドリアンと和解した。 とはいえ未だ自身が暗殺用の呪われた人形である事には変わりなく、ドリアンの呪いを消す方法を探す傍ら、ベドラムとしての仕事も続けている。 + 編集用コメント *編集が苦手な方はこちらへ情報提供お願いします 基本データの数値、一部のセリフ、声優さんは聞いた感じ同じだったので前作からそのまま入力、 キャラクター説明は前作のページから一旦そのまま持ってきました。 -- 名無しさん (2017-07-22 21 40 04) 考察の叩き台を追加してみました。 突っ込みどころあると思うので何かあればコメントか編集をお願いします -- 名無しさん (2017-07-22 22 41 01) 混種でのマナバックは20マナでした。 -- 名無しさん (2017-08-30 22 02 07) 名前 コメント 余りにも当Wikiやゲームから逸脱した無関係な雑談や、誹謗中傷めいた暴言、ページに関係ないコメントはおやめ下さい。 wikiは不特定多数の人が利用する場です。プレイヤーの個人名や所属ギルドなどを書き込む行為は慎んで頂きますようお願いします。 個人的な日記として使用するのも控えて下さい。 + コメント *雑談や使用方法などの相談にご利用下さい 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/digimon-de/pages/18.html
Unsere Digiwelt Sterne über den Wolken haben uns hierher gebracht. Wir wollten ihnen folgen jeden Tag und jede Nacht. Das Meer war unser Begleiter endlich war dann Land in Sicht. Unsere Reise geht jetzt weiter, über uns das Sternenlicht. Welches Abenteuer steht uns bevor sag mir wann nur öffnet sich für uns jedes Tor? Wir ziehen weiter durch die Digiwelt. Wir breiten unsere Flügel bis hin zum Horizont und wir fliegen gemeinsam hoch unter dem Himmelszelt Wir ziehen weiter durch die Digiwelt und mit uns ziehen alle die auf der Suche sind Denn es ändert sich alles wenn man zusammenhält. Abenteuer finden wir und du bist mit uns unterwegs. Wünsche sind so wie Sterne so grenzenlos und frei und siehst du sie aus der Ferne sehnst du sie ganz nah herbei. Große Wünsche sind Still, bis sie endlich jemand weckt. Und der Freund den ich will hat sich in meinem Wunsch versteckt. Unseren Träumen fliegen wir hinterher über die Berge, und dann über das Meer! Wir ziehen weiter durch die Digiwelt. Wir breiten unsere Flügel bis hin zum Horizont und wir fliegen gemeinsam hoch unter dem Himmelszelt Wir ziehen weiter durch die Digiwelt und mit uns ziehen alle die auf der Suche sind Denn es ändert sich alles wenn man zusammenhält. Abenteuer finden wir und du bist mit uns unterwegs. 訳詞 【メドレー動画07/09/09コメントより転載】 雲の上の星々が 僕らをここへ導いてくれた いつも、いつでも その光を目指していきたい いくつもの海を越えて ようやく陸が見えてきた 僕らの旅がまた始まる 空に星々が輝いている限り どんな冒険が僕らを待っているの? 教えて、どうすれば前へ進むことが出来るの? 僕らはデジタルワールドを進んでいく 翼を大きく、地平線に届くほど広げて 一緒に、自由にこの大空を飛んでいこう 僕らは立ち止まらない 同じ夢を持った 仲間達がいるから 力を合わせれば 奇跡を起こすことだって出来るから 僕らの旅はまだまだ続く 僕らはまだその途中だよ 人の願いは、まるで星のよう 果てしなく、そして自由で 今は手の届かないあの星たちに 君もあこがれているの? 強い想いが人を変え そして力を与えてくれる 僕の大切な仲間は まるで、僕の "想い” そのもだ 僕らはどこまでも夢を追い続ける たとへ道がどんなに険しいとしても 僕らはデジタルワールドを進んでいく 翼を大きく、大地に広げて 一緒に 自由にこの世界を飛んでいこう 僕らは前へ進んでいく 同じ夢を持った 仲間達がいるから 皆が一緒なら どんな困難も乗り越えられるから 僕らの旅は まだまだ続くよ
https://w.atwiki.jp/azum/pages/68.html
闇が吹雪いていた。暗い雪の底で。ちよと榊、彼女たちに夜が明けることはついに無かった。 「どう……し……て……」 神楽は泣いていた。榊の遺体にしがみついて。一片の陽の光も差し込まぬ中、 ただ、激しくガラス戸を打つ吹雪だけが、世界の輪郭を顕わにしていた。 智は暗い面持ちで大阪を見やった。 「――大阪……何があったか聞かせてくれないか」 「……うん」 大阪がおもむろに語りはじめる。頭には痛々しげに包帯が巻かれていた。 「私らは、よみちゃんについていって、西側の廊下を歩いとったんや……。真っ暗で、 どの部屋に誰が潜んどるか分からんかった。みんな、気ぃつけよっていって……。それで、 よみちゃんが懐中電灯を手に先頭にたっとった。三番目の廊下をまがって、そのときやった。――誰かが廊下を横切ったんや」 部屋に、大阪の静かな声が響いた。もう三人だけになってしまった部屋に。 「確かに、みたんや。誰かが横切るのを……。私らはすぐに追いかけた。でも、みんな走っていくやろ。 私は足が遅いから、ついていくうちに遅れてしもうて……。それで二人が先に角をまがったとき、 悲鳴があたがったんや。あたしはあわてて角をまがったんやけど、誰かに後ろから殴られて、そのまま……」 「それで、よみがどうなったかは?」 大阪は首を振った。 「そうか……」 「よみだ」 不意に神楽が呟く。 「なんだって?」 「よみが殺したんだ!」 「なに……!?」 智が目を見開く。すぐにその顔が激情に歪んだ。神楽の襟首を掴む。 「おい、おまえ今何といった!? もういっぺんいってみろっ!」 「よみが殺したんだよ、榊を、ちよちゃんを!」 「ふざけるな! 何でよみが二人を殺さなくちゃならないんだ! でたらめもいい加減にしろ!」 「だってそうじゃないか!」 神楽が負けじと大声を出す。 「あいつも一緒に襲われたのならなぜ姿を現さない!? 怪我をしているならどこかから 私たちに助けを求めるはずだろう? あるいは、もう殺されているのだとしたら、 どうしてよみの死体が見つからないんだ? 忽然と消えちまっているなんて可怪しいじゃないか!!」 「それは……」 智が言葉につまる。確かに、暦の姿が消えてしまっているのは不可解だった。 ちよと榊を殺した手口といい、犯人は殺害の痕跡を隠そうとはしなかった。 誰かが来るかもしれない中、わざわざ暦の死体を運んで隠す理由が分からなかった。 「あいつが油断させておいて榊を刺したんだ。そして、あとからついてきた 大阪の頭を後ろから殴った。だけど殺し損ねて、それでどこかへ隠れたんだ」 「いいかげんなことを言うな!」 智が怒鳴り散らす。 「じゃあ聞くが、よみに、ちよちゃんと榊を殺す何の理由があるってんだ? いってみろ!」 「理由ならあるさ――よみは榊を憎んでいたんだ」」 智が口をあけたまま固まる。 「――何だって?」 短く、驚きの声が漏れた。 神楽はそんな智を冷ややかな目でみていった。 「よみの奴は前々から榊を忌々しく思っていたんだ」 神楽が言葉を続ける。 「美人でスタイルがよくって、男子にも人気があり、スポーツは万能。頭だって悪くない。 あいつはそんな榊を妬んでいたんだ。よみは別のグループとも付き合いがあるだろうが? 実はあいつ、陰で榊の悪口を言いふらしていたんだよ。こそこそとな。お前、かおりんが なぜ私らのグループから離れていったか知ってるか? 榊が嫌いなあいつとはそりが合わず、あいつに追い出されたんだよ」 「そ、そんな……」 襟首を絞める力が弱弱しくなっていく。 「クラスの中で孤立している前は知らないだろうがな」 ふん、と神楽は鼻を鳴らした。 「――実を言うとよ、私もお前が大っ嫌いだった」 「え?」 智の口からかすれた声が漏れた。 「勘違いするなよ。私は榊といるためだけによみたちのグループにいたんだよ。それだけさ。 だけどお前のことは本当にうざかったぜ。はっきりいって大嫌いだった。榊と一緒にいるために我慢して、 適当に調子を合わせていたよ。だけど、たまにマジで殺したいと思った。お前はクラス中から嫌われてるんだよ。 私らのグループ以外の女子は、いや男子も、誰もお前のことなんか相手してなかったろうが? 話しかけても無視されたとき、何かの気のせいだとでも思って自分に言い聞かせてたのか? ハハハッ! 大笑いだな。 よみだけは幼馴染の腐れ縁でしぶしぶお前の面倒をみてたようだけど、それでも半ばうんざりしてたぜ」 智は一点を凝視し、死んだように固まって、残酷な言葉を聞いていた。 神楽が構わずに立ち上がる。手提げの中に水の入ったペットボトルと、食料の一部を詰め込んだ。 「私は、勝手にさせてもらうぞ。もう、うんざりだ。いまさら、お前なんかと一緒にいるつもりはない」 戸口に立ち、そうやって大阪に振り向く。 「大阪、お前も私と来い。こんなやつと一緒にいるとロクなことないぞ」 智は固まっていたが、はっとして面を上げた。哀願するようなまなざしで大阪をみる。 大阪はなにやら考えているようであったが、智と目を合わせようとしない。 「――私も、神楽ちゃんといく」 そういうと、智を振り返ろうともせずに部屋を出て行った。 智はただ一人取り残された。二人の死体が残るその部屋へ。 頭の中がぐちゃぐちゃになり、神楽のさっきの言葉が何度も意識の面に出ては消えていった。 ふと手を見ると、榊の遺体を運んだときの血糊がべっとりとこびりついていた。 「なんで、こうなってしまったんだろうな――」 自分では泣きたくなんかないのに涙が溢れてきた。 拭っても拭っても、とめどもなく溢れてきて、ポタポタと畳の上に染みをつくった。 智は立てひざに顔をうずめてなきじゃくった。 「よみが殺したんだ!」 その言葉が反芻される。 本当に暦がちよや榊を殺したのだろうか。確かに、老人が犯人だと強く主張していたのは暦だった。 そして、二手に分かれて老人を探しに行かせたのも。 それが、疑いを老人に向けさせ、皆を分散させる手段だとしたら―― 「違う! そんなはずはない!」 智は激しくかぶりをふった。自分と死体以外誰もいない部屋に叫び声が響き渡る。 「よみは、よみはずっとあたしの友達だったんだ。そんなことするはずなんて、あるわけ……」 幼稚園からずっと、暦は同級生だった。どんな時でも一緒だった。 中学校のとき、智は陰湿なイジメにあっていた。そのとき、智は今からは想像がつかないほど、 内気で無口な生徒だった。そこをつけこまれて、気の弱くて頭もよくない智はイジメのターゲットになっていた。 毎日が地獄だった。死のうとも考えた。そんな智の唯一の友達が暦だった。暦がいなかったら智はとうに自殺していただろう。 高校に入り、智は自分を変えようと必死になった。もういじめられるのはまっぴらだと。 明るく元気な強い自分に生まれ変わるのだと。必死に勉強して暦と同じ高校に入ると、 中学のころの自分を忘れるかのように強気に出た。しかし、それは裏目に出た。 はしゃいで皆のウケを狙おうといろいろとふざけてみた。だが、本質は昔のいじめられっこままの、 まるで空気が読めない彼女のやることは、皆からひかれ、疎まれるだけだった。 智はいつの間にかクラスで孤立していた。そのことに智は気づかないふりをしていた。 それを認めてしまえば智の心はどん底までおちてしまうから。そうして暦のグループで はしゃいでるときだけが生きていると実感できた。暦だけが智の心の支えだった。 それなのに、暦が犯人だなどと―― 「そんなはず、ない……」 智はただ俯いて泣きじゃくっていた。 ――どれほど時間がたったろう。再び、屋敷に響き渡った。誰かの悲鳴が。
https://w.atwiki.jp/storyteller/pages/1805.html
スペースチャンネル5 当Wiki連絡用掲示板内「差し替え・追加スレッド」-424~429 424 :名無しさん:2013/06/06(木) 20 24 56 ID ??? なぜかパート2はあるのに、初代がwikiにないスペースチャンネル5を書く。 ドリームキャストとプレステ2のゲーム。音ゲー。 25世紀。モロ星人と呼ばれる宇宙人達が地球を侵略、当たった人は踊り続けるビームで地球人を襲う。 宇宙放送局スペースチャンネル5は、リポーターである主人公「うらら」を派遣し生放送を開始。 モロ星人達のステップをやり返す事で撃退・踊る人々を解放できる事がわかり、うららは踊って、時にはビームで、モロ星人たちを倒していく。 うまくダンスするとシチョーリツも上がる。失敗すると下がる。 425 :スペースチャンネル5:2013/06/06(木) 20 25 41 ID ??? 西暦2489年。 ピンクの宇宙服を着た少女が、宇宙を漂っている。 「こちらチャンネル5。スペースシップ遭難事故の行方不明者、最後の一人を発見しました」 青い宇宙服を来た人物がそれを抱きとめる。 「よく頑張ったな、もう一人じゃないぞ」 十年後。 宇宙船の飛行場に突如、たくさんのUFOが飛んでくる。 中からモロ星人が降り立つ、モロ星人たちは逃げまどう人々にレーザー光線銃を撃っていく。 宇宙を漂う放送局「スペースチャンネル5」。 宇宙放送艇「アストロビート号」に乗るうららに、ディレクターのヒューズから通信が入る。 通信「スペースポートで事件だ、宇宙人が人々を踊らせているという情報が入った。うらら、アストロビート号で発進するぞ」 「了解!」操縦席に乗ったうらら。アンテナの突いた宇宙放送艇が現場へと向かって飛び立つ。 『うらら登場!の巻』 逃げまどう人々で一杯のスペースポート。マイク片手にうららは進む。ちなみにこの時点のシチョーリツは10%。 「皆さん、こんばんは。今夜のうららリポートショーは、スペースポートに襲来した宇宙人が人々を踊らせているという、異常事態を生放送します」 ヒューズからの通信。以降、通信=ヒューズ。 通信「通信状態良好。うらら、はりきって行け」「了解」 歩き続けると、踊るモロ星人三人と、バックで踊る人々が二人いた。 「ご覧ください、宇宙人です! 後ろの人は踊らされた人でしょうか」 画面上部ににテロップが入る。ニュース速報:宇宙人の動きをマネるのが有効! 通信「宇宙人の動きに注意しろ! リズムに合わせて入力だ」「レッツダンス!」 「救出成功です!」通信「なかなか決まってたぞ、うらら!」 助けた二人がバックダンサーになる。つき進むうらら。 通信「注意しろよ……物陰からくるぞ、宇宙人にはAボタンビームが有効だ」「了解、レッツチュー!」 飛び出してくるモロ星人たち。ステップに合わせてAボタンビームで撃退するうらら。 通信「地球人にはBボタンビーム」ニュース速報:地球人にはBボタンビーム 飛び出してくる地球人達を、ステップに合わせてBボタンビームで救出。「完璧に救出しました」 その後もバックダンサーの地球人を増やしていく、カメラを撮るスペース・ニホン人などを助けシチョーリツもあげていくうらら。皆で突き進む。 管制塔の屋根の上を歩くうららと一同。丸い屋根の上を音楽に合わせて突き進む。 「管制塔にやってきました。情報によると出動したスペースレスキュー隊が、ここで踊らされているとの事です」 通信「宇宙人、接近。滑って落ちんなよ」「了解……レッツシュー!」 出てくる敵を打ち倒すうらら。「救出大成功です」画面を何者かが横切る。通信「おい、なんだ今の奴は!?」 青い服の女が、画面の真ん中に登場する。 「はぁい、みなさん、こんばんは。プリンで~す」通信「同業者か?」 「リポート見るなら42チャン」通信「負けるな、うらら」「了解」「「踊りで勝負よ!」」 プリンに踊りで勝つと、相手の親衛隊のギターがバックダンサーになる。「チャンネルはそのまま」 「発射台にやってきました、なんでしょう、怪しい気配がギュンギュンします」 通信「何かが接近、注意しろうらら!」「了解」 ピンク色のデカイ何か、ココ★タピオカがUFOから落ちて地面に着地。 「生物でしょうか? ロボットでしょうか? とりあえず踊ってみたいと思います!」 踊り勝っていくと、口を開けて黄色い足の生えた奴がたくさん出てくる。 「ご覧ください、ボスの口から何か出てきます」通信「なんじゃこの黄色い奴らは!?」「レッツシュー!」 黄色い奴らを撃ち倒していくと、タピオカがあらぶり始める。「あ、怒っています。激しく怒っています」通信「もう少しだ! 気を抜かないで行け!」 大きく開いて光り輝くタピオカの口に、ステップに合わせてビームを放つうらら。タピオカはその場で後ろに倒れた。 「以上、スペースポートよりうららがお送りしました。――スペースチャンネル5」通信「ハイ、カット!」 426 :スペースチャンネル5:2013/06/06(木) 20 26 23 ID ??? モロ星人たちが暗い部屋で、大きな机を囲んで会議している。 「あまり踊らせられなかったモロ! なんか邪魔も入ったモロ!」 「そ、その件につきましては…」 「言い訳はいいモロ! 次の作戦を言うモロ?」 「は、はいモロ! 今回の敗北原因があまりにも「正直すぎた」のでは? という分析結果を考慮し…「卑劣で卑怯、けど優雅」というコンセプトの作戦を練ったモロ」 「いいモロね」 「そのための舞踏メカはこちらモロ」 大きな扉の上のビジョンがアップになる。「おおーーっ」 『スペースシップ SOS!の巻』 「みなさんこんばんは。今夜のうららリポートショーは、宇宙人が踊り暴れるスペースボート客船から生中継でお送りします」 画面が切り替わる。「コックピットまできました」通信「気を抜くなうらら、前方に宇宙人反応」「了解、レッツシュー!」 モロ星人たちを倒し、乗組員を救出。「救出大成功です」通信「おー、いい感じ。まわれー、右」 コックピットから出て行こうとするうらら達。 「は!? 前方に踊らされたスペースシップキャプテンです!」 通信「うらら、歌って踊って救出だ!」 モロ星人を踊り倒したうらら。キャプテンがバックダンサーになる。通信「うらら、次はビッフェに向かえ」「了解」 通信「あ、まだいた、チューと言ったらAボタンビーム」「了解」 銃を撃って、モロ星人を倒すうらら。「チャンネルは、そのまま」通信「ビューティフルシューティング!」 「ビッフェにやってきました。美味しい匂いがぎゅんぎゅんします」 通信「気を散らすなうらら」「了解」ニュース速報:各方向に出現する集団は、左のヤツから撃ってくるぞ「レッツシュー」 モロ星人と客が混じって出てくるのを的確に倒し、救出。「完璧に救出しました」通信「大変よくできました、うらら」 「スペーススーパーモデルが踊らされています」通信「うらら、救出して差し上げろ」「レッツダンス!」 モロ星人を踊り倒し、スペーススーパーモデルをバックダンサーにしたうらら。 そのまま突き進むが、音楽が小さくなる。宇宙船の外を見ると別の宇宙船が登場する。 宇宙海賊放送艇「バッドチューニング号」が外にあった。 「スペースチャンネル5、番組をいただくぞ」 「なんですって!? きゃ!?」 画像が砂嵐になり、「しばらくおまちください」とメッセージが出る。 通信「どうしたうらら、何が起こっているんだ!? 放送システムチェック急げ!」 画像が戻ると男たちが踊っている。通信「や、やつらは!? 宇宙海賊放送局!」「え?」 「私の名前はジャガー♪(バックコーラス付き)。真実を伝えるのは我々だ! ……邪魔するなら」「「踊りで勝負!!」」 長いステップを覚えて、ジャガーを踊り倒す。一人バックダンサーを貰う。 「以外とやるじゃないか。また会おう」「待って!」去っていくジャガー。 通信「うらら、次はパノラマ展望室へ向かえ……あ、まだいた、チューと言ったらAボタンビーム!」 「撃ちます」モロ星人を倒すうらら。「チャンネルはそのまま」通信「デラックスシューティング」 「パノラマ展望室へやってきました……ああ!」 「UFOの母艦はすでに撤退を始めているぞ、追わなくていいのかチャンネル5」 UFOを追う海賊放送局の宇宙船。くやしそうな声を出すヒューズ。通信「ジャガーめ!」 「あ、なにかが転送されてきます。タコでしょうかイカでしょうか」 触手の生えたロボット。えっちいな舞踏メカ『モロリ~ナ』。 通信「小学生たちが捕まっているらしい!」 先生「あー、生徒たちが!」通信「まだキッスが優先だ!」 小学生「きゃー、お姉さん助けて!」通信「小学生にはBボタンビームで救出」ニュース速報:スペース小学生にはBボタンが有効 的確に触手の先のモロ星人とスペース小学生を撃っていくと、メカが爆発し出す。 「ボスがシクシクしています。でも、これで終わるとは思えません……やっぱり動き出しました」 通信「まずい、重力がなくなった」ニュース速報:重力発生装置が破壊されました 互いに浮いた状態で、それでも的確に撃っていくうらら。大きな舌がメカから出てきてうららを巻き取る。 「きゃー! 巻かないで!」通信「うららー!」 「ぬるぬるします! 激しくぬるぬるしています!」 その状態でもステップに合わせて撃ちまくるうらら。そして撃破する。 「以上、スペース豪華客船より、うららがお送りいたしました。――スペースチャンネル5」「うららさん、ありがとう」通信「ハイ、カット」 427 :スペースチャンネル5:2013/06/06(木) 20 27 01 ID ??? モロ星人たちが暗い部屋で、大きな机を囲んで会議している。 「やばいモロ! UFOが追跡されて、秘密基地の位置がばれたモロ!」 「そ、その件につきましては…」 「言い訳はいいモロ! 対応策を言えモロ?」 「は、はいモロ! すでに、あの秘密基地周辺に「隕石型踊らせミサイル」を、基地内部通路に「精鋭部隊」を、そしてとどめの中心部には最強の舞踏メカを配置したモロ」 「なかなかいいモロね」 「ちなみに最強舞踏メカはこちらモロ」 大きな扉の上のビジョンがアップになる。「ひょーーっ」 『突撃! スクープ争奪戦! の巻』 「みなさんこんばんは。宇宙人の秘密基地が、ここアステロイド地帯にあると発見しました」 通信「遅れをとるな! スクープ持ってくるんだ! ここでは何でもかんでもAボタンビーム!」ニュース速報:なんでもかんでもAボタンビーム 隕石を、ついでに同業者たちを撃ちまくるうらら。途中、海賊船が巨大隕石を撃破する。そしてジャガーが飛んでくる。 「またチャンネル5か……いくぞ!」 飛んでくるジャガーの海賊たちを、撃墜するうらら。 「なかなか、やるな」 「リポート見るなら42チャン」通信「プリンに先を越された!?」追いかけるうらら。 基地内の通路はカラフル。警告速報:部屋を明るくしてTVから離れてね 乗り物で追いかけるうらら。モロ星人達が邪魔をする。 「た、助けてくれてもよくってよ?」通信「踊らされているのはプリンか!?」「はやく助けてー」 モロ星人精鋭を踊り倒すうらら。去っていくプリン。「一応、ありがとう」 突き進んでいくと上下左右からモロ星人が出てくる。撃ち倒すうらら。 「ついに中心部にやってきました……TVです、とても大きなTVがあります。怪しい気配もぎゅんぎゅんします!」 最強舞踏メカ『モロリン! モンロー!』。 画像の中に一つの目玉を持った丸いモンスターが出てくる。撃ち倒していく。 「ご覧ください、モニターの中から何か出てきます。あ、ぷるぷるしてる」通信「なんじゃこりゃ!? これが奴らのボスか!?」 でっかい緑とピンクが合体したロボットが出てくる。踊り倒していく。 メカはぐるぐる回転し、二体に分かれる。 「なんと今度は分裂しました! ちょっとピンチの予感です!」 ステップを着実に決めるが、敵メカからの一撃を喰らい膝をつくうらら。 「その程度か、チャンネル5」通信「しまったジャガーに追いつかれた!」 「逃げるなら今のうちだぞ?」「負けないわ!」 一緒に銃を撃ってくれるジャガー。 メカは今度は人質とモロ星人を混ぜてくる。ニュース速報:モニタをよく見て撃ち分けよう! うららは的確にモニターを倒し、ジャガーは敵メカを攻撃、撃破する。 通信「よし、スクープはバッチリ取れたぞ! よくやったうらら!」 「ごらんのように宇宙人基地を壊滅させました。これで地球にも平和が訪れるでしょう。以上、秘密基地よりうららが…」 通信「テレビの様子が変だ」 画像にはモロ星人がビームを撃つ所。「踊らせろ! 踊らせろ!」。 「やあ、なに!? この映っているのは……これは洗脳放送?」 モロ星人に囲まれるうらら。通信「テレビだ、テレビを撃つんだうらら!」「了解!」 うららのビームで破壊される巨大テレビ。モロ星人たちが自由になる。通信「やつらも踊らされていたのか」 「大変、基地が崩れる、みんな逃げて!」緊急警告:部屋を明るくしてTVからはなれよう 今まで来た道を全速力で逃げるうらら。爆風が追いかけてくる。 通信「うらら脱出を急げ! 宇宙人たちもAボタンビームで救出だ!」「任せて!」 炎にまかれて吹っ飛んでくるモロ星人たちを救出しながら、脱出する。 通信「炎が迫ってるぞ、急げ!」通信「さらに迫ってるぞ、急げ!」通信「もう、すぐうしろ!」 「ちょっと熱いです!」通信「こらえろ、出口は近いぞ!」 「了解!」通信「あらかた脱出!」 そのときジャガーから通信が入る。 「洗脳放送の放送元が特定で来たぞ! チャンネル5の周波数と同じはずだ! なぜなら」通信「なんて言った!?」 「脱出しまーす!!」通信「ハイ、カット」 428 :スペースチャンネル5:2013/06/06(木) 20 28 05 ID ??? モロ星人たちが暗い部屋で、大きな机を囲んで会議している。 「え!? 我々って洗脳されてるモロ? そうなのモロか!?」 一人、通路を誰かが進む。 「ワ、ワタシに聞かれましてモロ…」 「む、そうだモロよな。うん…。たぶんそんなコト無いモロよなあ…」 二人、通路を誰かが進む。 「次の作戦、いくモロ! やはり理論先行の作戦は、我々に向かないのではと考え、欲望の赴くままに最初にまず、メカをつくってみたモロ」 「なかなかいいモロね」 三人、通路を誰かが進む。 「こんなカタチになった…モロ!?」 大きな扉の上のヴィジョンがアップになる、しかし画像は映らず代わりに扉が開いた。 光り輝く扉の奥、うらら・ジャガー・プリンの三人が立っていた。 『銀河最大の悪を暴け! の巻』 「チャンネル5局長のブランクさん。罪のないモロ星人を操っていたのは、あなたですね」 モロ星人の座る大机の奥に、男が座っていた。 「私の踊りとマイクで、真実を暴いて見せるわ」 うらら、そしてその後ろでジャガーとプリンが踊る。そして突き進む。 「みなさん、こんばんは。今夜は宇宙人襲来の真相究明リポートを、とことん追っていきたいと思います。犯人はどうやら、そこに座っている男の様です」 部屋の奥に座っている男。スペースチャンネル5局長「ブランク」がいた。 「はっはっは」通信「本当に局長が犯人!?」「あなたたちはブランクにあやつられているのよ。目を覚まして」 通信「洗脳を解くにはデラックスAボタンビーム」ニュース速報:宇宙人には、デラックスAボタンビーム!! 襲い来るモロ星人を撃ち倒すうらら。ワーイと言って飛んでいくモロ星人。ブランクが消える。通信「ブランクが逃げたぞ」 モロ星人たちをバックダンサーに、扉を開けて追いかけるうらら。通信「注意しろ、警備システムが操作されている」 「了解。……マイケルです、スペースマイケルが踊らされています」 踊らされた「スペースマイケル(本人)」。ダンスの合間にフォウッと相槌を打ってくれる。通信「全力で行け、うらら」 モロ星人を撃ち倒し、地味に本気で踊っているマイケルをバックダンサーにする。 通信「十点、十点、十点! パラララララ、ヒュウ!」 突き進むうらら。通信「ブランクはコントロールルームへ逃げたぞ」 「了解」通信「あ、侵入者撃退砲台が狙っているぞ」 「撃ちます!」つり下がった砲台を撃つうらら。「チャンネルはそのまま」通信「ステキー」 薄暗いコントロールルームを歩くうらら。下に向かって飛びおりる。 「ブランクは果たして、どこにひそんでいるのでしょうか?」通信「うらら来るぞ、落ちついていけ」「レッツダンス」 モロ星人を踊り倒し、踊らされたキーボードギャルを助ける。「救出成功です」いつもの音楽にキーボードが足される。 うらら達が突き進むと、大きな扉が開く。たくさんのモニターに囲まれた空中にある大きな椅子、そこにブランクが座っていた。 「ブランク!」「ふむ、お前の様なリポーターがうちにいたとはな。真実を知りたければ上がってくるが良い」「まてー」 椅子が天井へとせり上がって消える。うらら達の前にモロ星人が立ちふさがる。それらを倒し、エレベーターへ向かう。 通信「この先のメインアンテナへ向かえ」「了解」通信「最後の最後にまだいた、いくぞ」 撃ち倒し、うららは画面に向かって言う。「ブランクを追います」通信「すてきー」 真っ暗な部屋へと辿り着く。ブランクの言葉が聞こえる。 「真実を求め過ぎるリポーターには、残念だが消えてもらおう」 うららがライトアップされる。前方に大きなロボットの群が、そしてその先頭に人型サイズのロボットが下からせり上がってくる。 うららそっくりの白と緑のロボット。パーフェクトリポーター「イビラ」。全体が光り輝く部屋に、対峙する互い。 「リポーターは私のために、シチョーリツさえ稼いでいればよい、この子の様にな」 イビラはロボット声でしゃべる。 「私はイビラ。完璧なリポーター。うらら倒す」通信「魂なきリポーターにうららが負けるか!」 序盤のダンス勝負でうららが競り勝つ。 「どうしたんだ、お前は完ぺきなはずだ!?」通信「なかなかいいぞ、その調子だ!」「私が踊りで負けるもんか!」 そしてうららが踊り勝った。 「ただの操り人形に、リポーターは無理だった様ね」通信「!? うわ、うらら、助けてくっ!?」 停止するイビラ達。そして全周囲の天井と壁が開き、宇宙が見える。 429 :スペースチャンネル5:2013/06/06(木) 20 29 32 ID ??? ニュース速報:ディレクターが宇宙中継艇ごと捕まった模様 巨大なオレンジ色のロボットが外にいた。その手に宇宙中継艇を持っている。 「消えてもらうと言ったはずだ、うわっはっはっは!」「ディレクター!」 お立ち台の様な小型の乗り物が宇宙から飛んでくる。それに飛び乗るうらら。ジャガーとプリンも別々の物に乗ってついてくる。 通信「うらら、逆転だ! システムの逆方向に入力してからAボタンビーム!」続報:指示とは逆方向に入力してからAボタンビーム!! ジャイアントイビラが宇宙中継手を手に、ミサイルを出してくる。ジャガー・プリンと共に迎撃。 「シチョーリツが上がればいいんだぁあああ!!」「きゃあああ!!」「プリーン!」 プリンがぶん殴られて、ぶっ飛んでいく。怯まず攻撃するうららとジャガー。 「真実など必要ないのだ!!」「うおおおお!?」「ジャガー!」 ジャガーもぶっ飛ばされる。それでも一人、戦い続けるうらら。しかし、曲が止まる。 通信「サウンドシステムが、きょく、が、っ」 音楽がなければステップを踏めず。ミサイルが次々と直撃。吹っ飛ばされるうらら。 宇宙を漂ううらら。 そこにジャガーの乗った、宇宙船が助けに来る。うららを助けてくれた十年前の出来事に酷似していた。 「うららよく頑張った、もう一人じゃない」「じゃ、ジャガー」 うららは乗り物に戻る。 BGMは消えたまま。だが、たくさんの人々の声がアカペラで音楽を作り出していた。それに合わせてステップを踏んで攻撃するうらら。 ジャイアントイビラの頭が飛んで変形。大きなモニターになる、そこにブランクが映っていた。 洗脳放送発信メカ『ブランクTV』。 「シチョーリツこそが、シチョーリツこそが、し、シチョーリツこそが人生そのもの……洗脳放送で宇宙人を操って何が悪い!! 全てはシチョーリツのために!!」 「お聞きいただけたでしょうか? 今回の騒動の黒幕が、自ら白状しました」 うららに「ブランクTV」が襲いかかる。うららがTVに取り込まれる。 今まで助けてきた人が、モロ星人が、メカが、たくさんの人々がブランクTVの前に集まってくる。 「うらら頑張れ!」 たくさんの人がうららに合わせて声を出す。もっともっとたくさんの人が集まってくる。 「うららガンバレー!」 踊り勝っていくうらら。テレビから脱出し、たくさんの人々の前に着地する。マイク片手に、指をさす。 「みんないくわよ!」みんな「Let s Dance!!」 全員同時にブランクTVに対して踊る。苦しむブランクTV。 「し、シチョーリツが……」通信「今だ! 皆の踊りエネルギーをアンテナに集めるんだ!」 うららは踊る。「了解! ブランク、悪さが過ぎた様ね!」 ジャガーも踊る。「真実を歪める奴は許さん!」 プリンも踊る。「リポーターを道具扱いする奴も許せない!」 モロ星人たちも踊る。「あやつるなんて酷いモロ!」 「さあ、みんなで一緒に決めるわよ!」通信「タイミングを外すなよ!」 アストロビート号の巨大アンテナに光が集まっていく。収縮した光がブランクTVを吹き飛ばす。「まーた来週」 ブランクTVは宇宙のかなたへと、飛んでいった。踊り喜ぶ人々の前で、うららが冷静にリポートした。 「モロ星人の疑いが晴れて良かったですね。以上、モロ星人襲来の真相究明リポートをうららがリポートしました。スペースチャンネル5」 通信「銀河一、良かったぞ、うらら」「さあ皆、銀河の果てまで行進よ!」 アストロビート号が、宇宙に光の橋をかける。そして今までのキャラクター達が、その上を更新する。 スタッフロールが延々と続く。 モロ星人「アップ」 うらら「アップ」 通信「ハイ、カット!」ちなみに失敗すると通信「おいおい」。 二週目はミス無しだとEXという、それぞれの中間地点の別ステージに行ける。そのステージの始まり・終わりは同じ。
https://w.atwiki.jp/tsundereidayon/pages/226.html
いつものノイズが、またやって来る。 廊下のむこうから肩をいからせて眦を吊り上げて。 赤い唇から紡がれるのが意味を成している言葉なら、まだ俺も気が休まるのだろうが……。 …は………で……… ……よ… っ ……… それはまるで受信状況の悪いラジオみたいだ。 まったくもって、単なるノイズでしかない。 懸命に何かを訴えているのは分かるが、それだけのこと。 聞き取れないし意味が分からない。故にノイズだ。 …………ぃ…わ……… ……つ………し…… 呆れかえったような表情で溜息をつく姿だけは克明に見えるのが逆に癇に障る。 長い髪をかき上げながら何やらぐちぐちと呟いているようだが、愚痴りたいのはこっちだ。 ある日突然自分の部屋に幽霊が出現した方の身にもなって欲しい。 イライラしながら足早に女の横を通り抜け、最奥の寝室に向かう。 このところ仕事が忙しい所為で、深夜に帰宅してはただ眠るだけの生活が続いている。 これ以上益体も無い面倒を抱えるのは真っ平ゴメンだ。 明かりも点けずにベッドに潜りこむと、急速な眠気に襲われる。 ……心を亡くすと書いて「忙しい」とはよく言ったものだと思う。 際限の無い激務に追われると、その日にあったことを思い出すことすら難しくなる。 急速に襲い来る睡魔に身体を明け渡しながら、「辛いなあ……」と一言だけ呟いてみた。 意識が途切れる間際に脳裏をよぎったのは、何故かあの女の顔だった。 今日も今日とて深夜の帰宅。いつものノイズがお出迎え。 いい加減相手をするのも億劫なのだが、なんせ触れることも出来ないので 強制退去させられないのがどうにも歯痒い。 初めてこの女を目撃したのは……えーと……まあ、とにかくちょっと前のことだ。 とある深夜、俺がマンションの部屋に帰るとこの女が廊下に突っ立っていたのだ。 泥棒にしては堂々としているし、身なりも容姿もそう悪くない。 ではこの女はなんなんだろう? 「あんた誰。ここで何してんの?」 ………よっ! ………れ……が………… に……のっ…… 「いや、何言ってるか全然わかんね。それ何? 新手の腹話術?」 あ… っ…! ………は……て…… でっ!…… とにかく、怪しげな女が部屋にいることは間違いないのでつまみ出そうと試みて―― 「…あれっ?」 その手は空しく宙を掻いた。 確かに俺は二の腕を掴もうとしたはずだが……。疲れで目測誤ったか? んじゃ、リトライ。 「…………なんで?」 やはり俺の手は女の身体をすり抜ける。その時点でなんとなく嫌な予感はした。 身体を庇うように後ずさる女に問いかけてみた。あんたは幽霊ですか? と。 ………っ……… よ! さすが幽霊。この世界の言語は通用しないらしい。 こちらが恐怖を感じるような見てくれや態度でないのが幸いだ。 「まあ……触れられないなら害も無いか……そんなことより俺疲れてるんだよ」 一晩眠ればこの女もどこかに消えるかもしれない。 胡乱な頭でそんなことを考えながら、寝室へ向かった。 それが少し前の出来事。 ――以来、毎日のようにディスコミュニケーションが繰り返されているというわけだ。 変化が訪れたのは数日の後だった。 玄関をくぐった俺をねめつける強い視線は、腕組みした女から発せられるものだ。 そこまでは良かった。いつものとおりだ。 「……私の声、聞こえる?」 俺は多分、呆然としていたに違いない。 今までこの女の口から意味のある言語が放たれたことは一度だって無かったからだ。 女の言葉はさらに続く。 「今度は聞こえてるわよね? 苦労したわよ……ツテを頼ってあんたに “チャンネル”合わせてあげたんだから。感謝しなさいよ?」 「チャンネルって……そんなの簡単に合わせられるもんなのか?」 「あんまりやりたくは無いのよ。“向こう”に“引っ張られる”のは嫌だから」 「………?」 言葉は聞こえるようになったのに、今度は意味が良く分からない。この女は何を言ってるんだろう。 「ねえ、もう分かってるんでしょ? 本当のこと」 「……何、言って……」 「分かりたくないだけなんでしょ?」 何が分かってるって? 俺は何も分からない。分からないから問いかける。 「なんだよ。一体何が言いたいんだ? ここは俺の部屋で――」 「今は私の部屋なのよ……幽霊さん」 ヘンなこと、いうなよ 「……毎晩遅くまでお仕事ご苦労さま。でも、あんた今日の仕事思い出せる?」 仕事 おれ、は、会社で えーと会社で なんだっけ 何の仕事したっけ 「この部屋が自分の部屋に見える? 全部私の趣味で固めてあるのに」 俺の部屋 ? こんな、女っぽい部屋 違うな あれっ 俺のギターも 無い 学生の頃バイトしてかった 「見ようとしなかっただけ。聞こうとしなかっただけ。あんたはもう――」 ああ そっか 俺…… 「死んだのか」 言葉に出すと、その事実はストンと胸に収まった。 「そう、もう半年も前にね」 「……なんで死んだんだろう」 「居眠り運転。夜遅くにこの近くで信号柱に突っ込んだんだって」 「詳しいね。俺も忘れてるようなことを」 「ここを管理してるのは伯父の会社なの。あなたが出るから住人が居つかない、って泣きつかれてね……」 苦笑まじりに言う女の顔を眺める。 綺麗な女だな、と今頃になって気付くのだから俺は本当に何も見えていなかったんだろう。 「迷惑、かけたな」 「どういたしまして」 穏やかな顔で笑う女の目には、いくばくかの憐憫が垣間見えた。 自身を理解した今ならあっさり消えられそうな気がしていたのに、少しだけ心が弱くなる。 俺は僅かに逡巡してから口を開く。 「……泣き言、言っていいかな」 「どうぞ。聞くだけしかできないけど」 「もう少し……生きてたかったなあ」 「うん」 「仕事だって結構がんばったんだぜ? 一流大卒の奴らに負けてたまるか、って」 「うん、わかるよ」 「毎日クタクタになるまで残業して……それで……」 「うん。私は毎晩あなたを見てたから、知ってる」 優しい声がかけられる。眦が熱くなる。 「あなたのお仕事は知らないけれど、あなたが頑張ってたのは知ってる」 暗い部屋に一人で帰っていた頃には、こんなことはなかった 「何も心配いらないから、もう休んでいいのよ?」 ありがとう。……じゃあ、少し休むとしようか…… 「さよなら、幽霊さん―――」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「助かったよ……これで安心して物件を薦められる」 「伯父さん。私は拝み屋さんじゃないんだからね、こういうのはこれっきりにしてよ?」 「しかし、美紗はあの幽霊をどうやって祓ったんだ? 参考までに是非……」 「……別に悪い霊じゃなかったから、祓うなんて言い方はよしてよ」 「あ、ああ……で、どうやって……」 「何も変わったことなんかしてないわよ? 頑張ってる人にはね、こう言ってあげるの。――お疲れ様、って」
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/3076.html
えたーなるわーるど【登録タグ え ジンジャーP 初音ミク 曲】 作詞:ジンジャーP 作曲:ジンジャーP 編曲:ジンジャーP 唄:初音ミク 曲紹介 架空のゲームを題材にしたジンジャーPによるピコピコナンバー。 歌詞のなかの「僕」は一体何を思ってこの世界を旅したのだろうか。 間奏必聴。 歌詞 おとぼけ勇者と インテリ賢者と 今日も旅に出ましょ 準備は出来たの? 仮想の空間に 生きるお姫様 窓の外の景色は 日々遠くなる レベルもお金も武器も 十分にありすぎて 頼りにされていたり そんな毎日 淡いグラデーションの空の下 僕らはいつも手を取り合って 戦ってきたんだ 長い夜 白い部屋 寂しくても 戻ればみんなが優しかった エターナルワールド リアルとバーチャル 広い世界はどっち 窓の外の記憶は日々薄れてく 思い切り走ることも おしゃべりすることも 自由なこの世界が 魅力的なの 果てしなく広がる海の向こう まだ見ぬ場所を目指して進め 胸がときめくでしょ? 退屈の部屋から逃げてきたの そんな事さえ忘れてしまう エターナルワールド 願わくばこのまま 幸せな時間が 続きますようにと 祈っていたの 淡いグラデーションの空の下 僕らはいつも手を取り合って 戦ってきたんだ 沢山の思い出 データになって みんながいたから 僕は生きた エターナルワールド コメント 歌詞を裏読みすると哀しさが見えてくる -- 名無しさん (2008-11-28 22 48 25) 歌詞はもちろん、曲の明るさがまた切ない(´;ω;`) -- 名無しさん (2008-12-20 22 39 00) 切ない・・・・゜・(PД`q。)・゜・ -- 名無しさん (2009-01-10 16 42 23) 白い部屋=病室?明るい曲調なのにどこか切ない感じがたまんない -- 名無しさん (2009-03-08 12 33 30) いい曲です(T-T) -- 名無しさん (2009-09-04 18 43 51) 架空ゲームのなか旅をして・・・ 歌詞の中切なさがありますねww 曲の明るいテンポに でもいい曲で聞きほれた ゲームしているとき思い出すと思います -- 麻里亜 (2010-06-27 05 20 44) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/imas_cg/pages/610.html
同名アイドル [ウィンターホラーグリーン]白坂小梅データ [ウィンターホラーネイビー]白坂小梅データ [ウィンターホラーボールド]白坂小梅データ [ウィンターホラーブルー]白坂小梅データ プロフィール セリフ集 [部分編集] 同名アイドル 白坂小梅 [メイドコレクション]白坂小梅 [ハロウィンナイトメア]白坂小梅 [ウィンタースタイル]白坂小梅+ [ホワイトナイトメア]白坂小梅 [納涼浴衣娘]白坂小梅 [CDデビュー]白坂小梅 [ゴシックホラーナイトメア]白坂小梅 [部分編集] [ウィンターホラーグリーン]白坂小梅 データ [ウィンターホラーグリーン]白坂小梅 属性 クール レア度 レア Lv上限 1 親愛上限 0 Lv1攻撃値(アルバム値) 900(1コスト比112.5) Lv1守備値(アルバム値) 1200(1コスト比150) Lv1攻撃値(実際値) 同上 Lv1守備値(実際値) 同上 コスト 8 移籍金 2,900マニー 特技 ナイトメアスノー(全タイプの攻 小ダウン) 入手 招待キャンペーン第9弾(2012/12/10 16 00~2012/02/12 15 00)間に招待1人モバ友招待ガチャ 備考 ・特別移籍させることはできない・レッスンさせることはできない [部分編集] [ウィンターホラーネイビー]白坂小梅 データ [ウィンターホラーネイビー]白坂小梅 属性 クール レア度 レア Lv上限 1 親愛上限 0 Lv1攻撃値(アルバム値) 1020(1コスト比127.5) Lv1守備値(アルバム値) 1460(1コスト比182.5) Lv1攻撃値(実際値) 1200(1コスト比150) Lv1守備値(実際値) 1700(1コスト比212.5) コスト 8 移籍金 2,900マニー 特技 ナイトメアスノー(全タイプの攻 小ダウン) 入手 [ウィンターホラーグリーン]白坂小梅と[ウィンターホラーグリーン]白坂小梅を特訓 備考 ・特別移籍させることはできない・レッスンさせることはできない [部分編集] [ウィンターホラーボールド]白坂小梅 データ [ウィンターホラーボールド]白坂小梅 属性 クール レア度 レア Lv上限 1 親愛上限 0 Lv1攻撃値(アルバム値) 1290(1コスト比161.3) Lv1守備値(アルバム値) 1710(1コスト比213.8) Lv1攻撃値(実際値) 1500(1コスト比187.5) Lv1守備値(実際値) 2000(1コスト比250) コスト 8 移籍金 2,900マニー 特技 ナイトメアスノー(全タイプの攻 小ダウン) 入手 [ウィンターホラーネイビー]白坂小梅と[ウィンターホラーグリーン]白坂小梅を特訓 備考 ・特別移籍させることはできない・レッスンさせることはできない [部分編集] [ウィンターホラーブルー]白坂小梅 データ [ウィンターホラーブルー]白坂小梅 属性 クール レア度 レア Lv上限 1 親愛上限 0 Lv1攻撃値(アルバム値) 1560(1コスト比195) Lv1守備値(アルバム値) 1980(1コスト比247.5) Lv1攻撃値(実際値) 1800(1コスト比225) Lv1守備値(実際値) 2300(1コスト比287.5) コスト 8 移籍金 2,900マニー 特技 ナイトメアスノー(全タイプの攻 小ダウン) 入手 [ウィンターホラーボールド]白坂小梅と[ウィンターホラーグリーン]白坂小梅を特訓 備考 ・特別移籍させることはできない・レッスンさせることはできない [部分編集] プロフィール アイドル名 [ウィンターホラーグリーン]白坂小梅 [ウィンターホラーネイビー]白坂小梅 [ウィンターホラーボールド]白坂小梅 [ウィンターホラーブルー]白坂小梅 フリガナ しらさかこうめ 年齢 13 身長 142cm 体重 35kg B-W-H 66-51-70 誕生日 3月28日 星座 牡羊座 血液型 AB型 利き手 左 出身地 兵庫 趣味 ホラー・スプラッタ映画鑑賞・心霊スポット巡り [部分編集] セリフ集 セリフ 内容 プロフィールコメント 「プロデューサーさん…ゆ、雪のスキー場…行くって、聞いたから…ふ、冬のホラー映画…見て…お仕事の予習する…?……雪山は…きっと、いっぱいる…と思う、けど、一緒なら…あ、安心だから…ね?」 親愛度UPコメント 表示 「あ、あの…○○さんの好きな…映画…教えてほしい…」 リーダーコメント 「こ、怖く…ない…よ……?」 あいさつ 「ス、スキー場…は、初めて…行く…」 あいさつ 「スキー…で、出来ない…ソリ…なら…」 あいさつ 「あ、あの…もう一本…いい…?」 あいさつ(グリーン) 「こ、これ…見たことない…から……か、借りてみよう…かな…?」 あいさつ(ネイビー) 「これは…オススメ…。アレが…グチャってなるの…。面白い…ホラー…!」 あいさつ(ボールド) 「日本のだと…これイイ…。いきなり…降ってくるの…アレが…。」 あいさつ(ブルー) 「いっぱい…いっぱい…ホラー映画ざんまい…楽しみ…ふふ…」 あいさつ 「○○さんといっしょに…ホラー映画鑑賞会…ふふふ…」 仕事終了時 「ゆ、雪山…LIVE…ド、ドキドキ…」 仕事終了時 「お仕事の予習…大事だと…思う」 仕事終了時 「リ、リアル…サイコ…サスペンス……ごっこ」 仕事終了時(グリーン) 「ホラー映画…見るときは…部屋、暗くして…観る…よね…?」 仕事終了時(ネイビー) 「暗い部屋で、ホラー映画見るの…好き……でも…ママに…怒られる…」 仕事終了時(ボールド) 「ホラー映画見始めると…いつの間にか…あ、朝日が……」 仕事終了時(ブルー) 「1人でホラー映画…見るの…こ、怖い…?ふ、ふふふ…かわいい…」 仕事終了時 「○○さんと…一緒に…映画、見るの…た、楽しい…です」
https://w.atwiki.jp/dangan_eroparo2/pages/114.html
そこはジャバウォック島の舞台裏のような場所だった。ノイズの走る壁。 切れかけた蛍光灯のように瞬く天井。時折現れては消えていく数字の羅列。 「はっ! あ、あちしはどうしたんでちゅか!?」 ホテル・MIRAIのロビー程度の広さだろうか。狭苦しく暗い部屋の中で、 ウサギを模した不恰好なピンクと白のぬいぐるみ――モノミは目を覚ました。 黒と赤の双眸に、部屋に積まれた残骸が映る。 血のついたテーブルクロス。大量のペットボトル。壊された監視カメラ。 どこかで見た柱の破片。どうやらここは不要なデータを一時的に収納しておく 『ゴミ箱』の一部らしい。よく見るとゴミ山の中に、モノクマに『モノミ』として 改造された際、むしりとられた羽や折られた杖が紛れている。 アンバランスなぬいぐるみの体躯をよいしょと起こして、モノミは首を傾げる。 どうして自分はここにいるんだろう。同じ監視者である七海千秋と共に『おしおき』 されて潰れたはずではなかったか。 「やあ、不思議そうな顔だねぇ……うぷぷぷぷ」 突如聞こえた声にモノミは振り向く。ところが急いで振り向いたせいで、 バランスを崩して転んでしまう。きゃっ、とか細い悲鳴を上げる彼女の頭を、 ぽてっと何者かが蹴った。 「モノクマ……!」 モノミとよく似た体型、白黒にすっぱり塗り分けられた身体。モノクマが、 相変わらずの不敵な笑みを浮かべてそこに立っていた。 「何かに使えるかと思ってさぁ。一体だけこっそり機能停止させて、ここに 隠しておいたんだよね。でもぉ、……もう、いらないや」 コミカルな動きでモノミの前ににじりよると、モノミの半ばから折れている 左耳をむんずと掴む。 「なにするつもりでちゅか!?」 「前から思ってたけど、兄より耳が長いなんてナーマイーキだーよねーぇ。 そんな妹にはおしおきしなくっちゃ」 自分で作った兄妹設定をあっさり否定したことなど忘れたかのように、モノクマは 頬を染めてニコニコしながらそんなことを言い放つ。そして、どこからか大きなハサミを 取り出すと、モノミの両耳を途中からヂョキンヂョキンと切ってしまう。 「ぎゃあああああああああああああああああぁっ!」 モノクマドS閃のときとは比べ物にならない痛みがモノミを襲った。作り物であり、 プログラムに過ぎない彼女は、部位の欠損くらいでは生命に関わらない。 が、擬似的な物理ルールを持ったこの世界の中で、それなりの痛覚を設定されている。 「あっはっはははははは!」 綿のはみ出た耳を押さえ、涙を流してて転げまわるモノミを見て、モノクマが 腹を抱えてゲラゲラ笑う。笑い声は次第に増幅し、ゴミ山の陰から別のモノクマが一体、 また一体と姿を現す。無機質な微笑を浮かべたマスコットたちは、モノミを取り囲むと、 暴れる彼女の手足を押さえつけた。 「ねぇねぇ、ボクさぁ、一回『キンシンソウカン』ってやってみたかったんだよねぇ」 「……う、うぅ……う?」 耳の痛みというノイズの嵐に阻まれ、よく聞き取れずにモノミは相手を見返す。 「『やめてえぇ、おにいちゃああぁん』とか言ってもムダだからね! そういう台詞は相手をますますその気にさせるだけなんだからね、妹よ」 五体のモノクマ達にモノミの四肢と頭をそれぞれ固定させ、最初からいた一体が 両足の間に陣取り、オムツをひっぺがす。 「ん?」 ふいにモノクマは首を傾げた。何かが邪魔をして、モノミの腹部がまっすぐ上を向かず 傾いてしまっている。ピンクと白の体の下を覗き込むと、臀部(とおぼしき箇所)に ちょこんと生えた丸い尻尾のせいらしかった。 「ジャマなシッポだなあ。ほんと、いらないとこばっかり出っぱっちゃってぇ」 「ま、まさか……」 モノクマが手にするハサミを見て、モノミは表情を歪める。 「いやいや、これはもう使わないよ。ポイッと」 投げ捨てられたハサミがゴミ山のてっぺんに突き刺さる。そしてモノクマは再び どこともしれない場所から、今度は大きな『おろし金』を取り出した。 「ひうっ」 「おやおや。何に使うか分かったみたいだね。頭の悪いモノミちゃんにしては珍しい」 拘束から逃れようとジタバタもがく無力なぬいぐるみを持ち上げ、尻尾の真下に おろし金を配置する。 「やめるでちゅ! やめて、やめてってば!」 『うぷぷぷぷ……』 モノクマたちは不気味な含み笑いを漏らしながら、モノミの身体をおろし金の上に 下ろし、尻尾を金属のギザギザした細かい刃に擦り付け始めた。 「やめ、や、ひぐぅっ、いぎぁあああぁぁああ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っ!!!」 モノミは顎が外れそうな勢いで叫び声を上げる。キリキリ、ズキズキ、ジクジク、 グチャグチャ。どんな擬音語でも表せないような痛みが、全身の神経を駆け巡った。 ふわふわのフェルトに包まれた小さな尻尾は、押し付けられて変形しながら徐々に 崩壊していく。おろし金の刃に引っかかった布や綿が縮れてだんごになる。 尻尾と一緒に押し付けられた臀部全体が綿をむき出しにするに到る頃、モノミは みじろぎする気力もなくしてぐったりしていた。こぼれた涙で目の周りはぐっしょり 濡れて変色し、短くなった耳だけがピクピク痙攣している。 「うーん……耳も尻尾もなくなって。これはもう、ウサギでもマスコットでもない 謎の物体だよ。名前にモノクマの『モノ』を入れるのももったいないね。 おい、おまえなんかもうモノミじゃなくて『ミ』! ただの『ミ』だっ!」 無茶苦茶なことを言うモノクマに反論する気力も起きない。 「しょぼーん……なんの反応も返ってこなくて、これじゃボクが馬鹿みたいじゃないか。 まったく、リョナり甲斐のない妹だなあ。面倒くさいからさっさとヤっちゃおーっと」 モノクマは肩を竦めておろし金をどかす。ピンクと白の繊維が引っ張られて、 ぷつぷつと切れた。 「はい、ここで皆さんに問題です。赤ちゃんを作るために必要なのはなんでしょう。そう、 お父さんとお母さんですよね? つまるところ、おしべとめしべなわけです」 モノクマの股間から機械のモーター音と共に、勃起した男性器の形の突起が伸びる。 色はきっかり左右で白と黒。その先端をモノミの脚の間に押し当てると、白とピンクの 境界にある縫い目がひとりでにするするとほつれ、突起が入るだけの裂け目ができた。 「……ふえぇ? モノク……なに、す……」 「言っただろ? 皆さんお待ちかねの、近、親、相、姦、だよ」 ずずっ、と突起が縫い目に押し入った瞬間。電流でも流されたかのように、モノミの 体が跳ねた。 「うああああああああああああああああああああ!!」 バチバチと火花が飛び、フェルト地のあちこちがはじけて綿が飛び出す。モノクマの ペニスから放たれたのは精子ではなく、モノミの身体を蝕むウィルスコードだった。 「やメテぇー! ヤメて、死んじャイまちゅヨぉぉォオおおおっ!」 モノクマはシワが寄るほど強くモノミの腰を引き寄せ、ひょこひょこと滑稽な動きで ピストン運動を繰り返す。それに連動して結合部からデータの切れ端が飛び出した。 「いヤああああアあぁぁぁっ!!」 モノミは絶叫し続ける。存在そのものを書き換えようとするウィルスが全身を苛み、 無意味なデータの群れが体中を侵食しようと暴れる。 モノクマ自身も感電したようにがくがくと震え、呻き声を漏らす。 「ううぅっ、あはぁ、イっちゃいそ、う」 「ダめェええエえ、あ、ウあああアアあァぁああaあアアああaa亜あっ!!!」 一際強いウィルスの波がモノミを襲い、電球が切れるときのように一際強い光を放った 後、残骸となった小さなぬいぐるみは動きを止めた。 「さてと、卒業試験の準備をしないとね」 モノクマ達は来た時とは違い、特に何の演出もせず部屋から消え去った。 「うウぅ……」 暗い部屋の中、後に残されたのは、あちこちから綿がはみ出てフェルトの生地も ぼろぼろのぬいぐるみが一体。ピンク色の左手を持ち上げると、モザイクのような ノイズが走る。 基本システムにまで損傷が及んでいて、無理に動くとあっという間にエラーの嵐に 飲まれそうだった。惨めさと心細さと、何より絶望感が胸をじわじわと満たす。 (あちし、このまま消えちゃうんでちゅかね) 七海と一緒におしおきされたとき、覚悟は決めていた。結果がほんの少し、先延ばしに なっただけのこと。 新世界プログラムを監視するAIとして生まれ、ぬいぐるみの姿と『先生』としての 人格を与えられたモノミ。彼女は彼女なりに、その役割に誇りを持っていた。 生徒達を引率し、見守り、彼らが希望を持って現実世界へ卒業していくのを全力で助ける。 ツクリモノの自分にそんな素敵なことができるなんて、とっても幸せだと思ったのだ。 だからモノクマによってシステムが乗っ取られた後も必死に抵抗した。権限の ほとんど全てを奪われ、貶められながらも、ムダとも思える足掻きを続けた。 それもここで終わりだ。そう思ったら急にさびしくなってきた。 (千秋ちゃん……お父さん…………みんなぁ……) 枯れたと思った涙で再び視界が滲む。 役割とかそんなもの関係なく、モノミは生徒のみんなが大好きだった。驚くほど 個性的で、生き生きと動く、プログラムの自分とは違う生身の彼らを愛していた。 先生として見てもらえなくても、信用されなくてもいい。みんなを助けてあげたかった。 (十神くん、花村くん、小泉さん、辺古山さん……澪田さん、西園寺さん、罪木さん、 弐大くん、田中くん、狛枝くん、……千秋ちゃん。ごめんねぇ、助けてあげられなくて) ――いや。 彼女は自身がこんな状況に及んでも、まだ。 (日向くん、左右田くん、九頭竜くん、それに終里さん、ソニアさん) 彼らを、“助けたい”のだ。 「……ま、負けナイデちゅ…………」 こんなところで絶望してしまうわけにはいかない。七海は最後まで他のみんなに 希望を残して逝ったというのに。愛する生徒達がまだ五人も残っているというのに、 こんな所でへこたれているわけにはいかない。 「あ、アチしはみなさんノ、『先生』なんでちゅ……!」 持てる力の全てを使い、己のシステムの修復を試みる。せめて、身動きできる くらいには。それが終われば今度はマジカルステッキだ。完全に修復できずとも、 あの機能の何分の一か、いや、百分の一でもいい。それが使えれば、きっと『希望』が 見えてくるはずだ。 幾ばくかの時を経て。モノミ……いや、ウサミは江ノ島アルターエゴの前に出現する。 最後の力を振り絞って、『先生』としての責務を果たすために。 この仕事を終えれば彼女は今度こそ消滅してしまうだろう。それを知っていてなお、 ウサミの笑顔は晴れやかだった。 「行っきまっちゅよ――!」 柔らかなフェルトの手に握り締めたマジカルステッキを振り上げると、七色の光が迸る。 真っ白な綿と溢れんばかりの愛情が詰まった小さな身体が、江ノ島の巨体へと 飛びかかっていった。 「……らーぶ、らーぶでちゅ!」
https://w.atwiki.jp/oyatu1/pages/1048.html
「うーん、お父さんに聞いてみよ」 「あ、それはいいアイディアかもね」 こなたの父そうじろうは小説家なので、大抵は家にいる、トテトテと小さな歩幅で父を呼びに行くこなたの背中をかがみは見送った。 なんとなく待ち時間にPCでssを眺めてみると、甘甘なssが存外多い事に気づく。むしろ犬井部長のように、起承転結を気にしてキチンと物語の書式に従って書いている方が少ないのではないか、と思うほどだ。 こなたがおじさんを連れて戻ってきた。 「おー、まさかこなたが小説を書こうとするなんてなあ」 と言いながらやってきたおじさんはどこか嬉しそうだった。やはり自分の領域に娘が興味を持つと嬉しいのだろう。 「小説じゃなくてssだよ、お父さん」 「まあでも、類似品じゃあないか。どれどれ、これがこなたの書いたssか……ぶはっ!」 おじさんは耐え切れずに息を噴き出して言った。 「こ れ は ひ ど い」 「もう、酷いのは分かってるってば!」 「あはは、まあ、最初は誰でもこんなもんさ。特にこなたは小説を読む癖がないからな。さてさて、で、こっちはこなたが倒さなきゃいけないライバルの方か……ほう」 おじさんは、犬井部長のssの方は真剣な目をして眺めて、読み終わると腕を組んでうーんと唸った。 「こりゃ勝ち目がないなあ」 「まあ、そう言うと思ったけど、お父さん、何とかならない?」 「三日しかないんだろ?いきなり、三日後に試合があるからプロボクサーにしてくれ、とか言うのと一緒だぞ、それは」 確かに、一朝一夕でうまくなる訳がない。 「お父さんは、小説を書く時に、どんな事を気にしてるの?」 「そりゃまあ、色々あるけど……起承転結、序破急、人物や背景の設定とか、小説の思想コンセプトとか……でもこなたはまず、物語をどう書くか、とかそんな段階だろうからなあ。普通に物語を書くなら、まず往還を意識するところから始めるのが早いとは思うが……」 おじさんはそれからこなたに、物語のプロットの作り方のようなものを説明した。たぶんそれは初心者がやるための、基礎的な作り方の説明で、そういう部分から始めるのは確かに正しかったが、犬井部長に追いつくには遠すぎるのも確かだった。 「プロットの考え方はいろいろあるが、行って帰ってくる往還の運動を基礎にすえる、という考え方や、主人公が問題を克服して周囲が幸せになる、というような発想なんかを意識した方が手っ取り早いだろうな。よくわからないが、こなたが書こうとしているのは、少女二人の物語だろう?ボーイ・ミーツ・ガールの形式を転用して、ガール・ミーツ・ガールの冒険ものとかでもいいんじゃないか?」 違う、そうじゃないんだ。とかがみは直感的に思った。イエみてssで、冒険なんかしたらむしろおかしい。おじさんの考え方は、オリジナルの小説を書く時の発想で、ssとはほんの少しずれている。もちろん、オリジナルの小説を書くのと同じ発想でssを書いても良い。でも……なにかが、違う。 「あの、おじさん」 思わず、咄嗟にかがみはそうじろうに尋ねていた。 「二人がただ、甘く過ごすだけでは駄目なんですか?」 その問いに対するそうじろうの答えは、小説家として実際的なものだった。 「それじゃ、読者はそれを読む意味がないよ」 かがみはその言葉に反論したかったが、上手い言葉が見つからない。こなたはそんなかがみの気持ちを察したように、小さくかがみに目配せした。 「お父さん、とりあえず、今日、みっちり私を指導してくれない?」 「いいぞ、そんなに厳しい締め切りの仕事は抱えてない」 「じゃあとりあえず、私が書こうとしたssの梗概を説明するから、そこから訓練していきたいんだけど」 「任せとけ」 二人がやる気になりだしたので、かがみはそっと立ち上がる。 「じゃあね、こなた、また明日。学校で」 「あ、かがみ、帰っちゃうの?」 そう言うこなたが少し寂しそうで、かがみは微笑した。 「私が居ても邪魔でしょ。またね」 「ん……うん、またね」 少し名残惜しかったけど、邪魔しちゃいけない、と思ってかがみは泉家を辞去した。玄関までこなたとおじさんが送ってくれて、家まで送るというおじさんの言葉をかがみは断った。少しでも長くこなたにssのこと教えてほしかったから。 家を出ると、殆ど夜になっている泉家周辺の住宅街は静かで、街灯の明りが夜を切り取るように丸くぽつんぽつんと続いている。月の白い光がかがみの背を見つめて、泉家から少し歩いてから振り返ると、こなたの部屋の明りが遠くに見えた。 あそこでこなたが頑張っている、と思うと胸の中がじんわりと熱くなって、本人の前では勇気がなくて言えない言葉を、かがみはその窓に向かって言った。 「すっごく応援してるんだから、絶対勝ってよね!」 言うだけ言うと恥ずかしくなって、かがみは駆け出す。 月の照らす青白い夜の中を、こなたの事を想いながら。 ……… 「それで、泉先輩の様子はどうっすか?」 今日も放課後、田村さんがかがみのクラスまで来る。こんなにしょっちゅう来るのは、彼女なりに責任を感じているせいだろう。こなたが犬井部長に勝てるか気が気じゃないのだ。 「まあ、いちおう、あいつの書いたssを見たけど……」 「ど、どうでした?」 「強いて言うなら、アミーゴ、とだけ……」 「うはあああ!もう駄目だあああ!思わずメキシカンになるほど駄目だああ!」 ひよりが頭を抱えるのを見ながら、かがみも頭を抱えたくなる。どう考えても勝ち目がない。そこへ追い討ちをかけるように、ひよりがプリントアウトした紙束を取り出した。 「これが今回、犬井部長がコンペに出したssっす……」 まるで死亡通知のように重々しく差し出されたそれを、かがみは読み始めた。 内容は、イエみてのキャラクター達が左翼闘争に関わっていき、理想を求め、理想を信じ、裏切られ、大人になろうとして、なれず、憎悪と苦しみの中で社会に裁かれ次々と非業の死を遂げるとてつもない大作だった。 メインキャラクターの死に様が全て凄まじく、投獄されても完全黙秘を貫く彰子さま(イエみてのメインキャラの一人、以下、名前が出てくるキャラは全員メインキャラ)が、とことんまで黙秘を貫くなか、しかし自分が意地になってまで求めた理想が結局は全て無意味で、踊らされていただけと知り、それでも黙秘を貫いたにも関わらず、最後の最後でもっとも人情と知恵に溢れる刑事に、自分が何を求めたのか語ろうとし、しかし、語るべき何事もないのに気づき、哀れなほどにもつれる舌で言うのである。「わ、わ、わたしは、む、む、むかし、ゆ、ゆ、ゆめをみた……」そしてその後に彰子は自殺する。 愛する姉である彰子の死を経て、ますます闘争に走るしかなかった由美は、とことんまでの過激派路線を採用し、日本の左翼はしょせんままごと、と言わんばかりのあらゆる言論人に反論するかのように、爆破と殺人を繰り返し、最後には飛行機をハイジャックし、外国の戦場にまで行く事になる。「私はただ、私の望む大人になりたかっただけだった、それはここでは無理で、ここではないどこかでなら……」外国の、死に溢れた酸鼻極まる戦場で仲間に裏切られ、ゲリラの凄まじい拷問を受けながら、由美はしかし、結局は自分が大人にはなれなかった事を知る。「本当は、どこかへ行っても駄目だったんだ……ほかのどこでもないここで、私は大人にならなきゃいけなかったんだ……」そして由美はゲリラに嬲り殺される。 縞子は大人になるのを拒否し、自分は絶対に大人にならない、と決めながら自分の理想の党派を築こうと奔走する、しかし党派を党派として維持するために必要な策謀や裏切り、虚偽と駆け引きに縞子は疲弊し、気づけば膨れ上がった党派は、どこにでもある、利権とべったりくっついた腐臭漂うありふれた党派に過ぎなかった。大人と共闘すべきだ、大人と協力すべきだ、それは裏切りだ、セクトを維持せよ、裏切り者を殺せ、理想のためだ……そして縞子は子供であった仲間たちが全て、ただの利権屋に変貌した寒々しい荒野のような風景の中で言うのだ。「気づけば、私達は大人になっていた」縞子は理由さえ不明な、複雑怪奇な党派内政治のために殺される。 以下は省略するが、大体上記のような凄まじい争いの末に全キャラクターが死亡して終わる大迫力のssだった。 「欠片もイエみてじゃねえ!」 「まあそうっすけど、凄いのは凄いっす!とにかく、異様なssっす!」 確かに、狂ったような迫力がある。イエみてssとして書くのは正気とは思えないし、かがみは好まないが、ファンがいるというのも分かる気はした。 「ちょっと、こなたに見せてくる」 かがみが紙束を持ってこなたの教室に行くと、何故かそこには犬井部長が居り、こなたの手には既に紙束が握られていて、こなたはそれを読み終えたところのようだった。 「一応、私のssも見せてあげようと思ってね」 という犬井部長は、自分の力を誇示するような様子だった。彼女はわざわざ放課後に、こなたに自分のssを見せるためだけに紙束を渡しに来たのだ。まるで自慢の彼氏をみせびらかすみたいに。 こなたは無表情に犬井部長を眺めて、不思議そうに首を傾げ言う。 「犬井さんは、私達と同じ三年生だよね。卒業も近いし……どうして、ssを書いているの?」 こなたは悪意からではなく、純粋に疑問だという風に尋ねた。その質問は犬井部長の心の中の柔らかい何かを傷つけたらしく、憤激したように犬井部長は言った。 「私がss書くのは私の自由でしょ!一体貴方に何の関係があるわけ?!」 「いや別に、ただの疑問なんだけど……これ、凄く長いし、力作だっていうのは分かるから、ここまでするのは何でかなあ、って」 こなたが犬井部長のssを、力作、と褒めたので部長の機嫌は幾分良くなったようだった。いつも不機嫌だから分かりにくいが、案外この人は幼く、扱いやすい人なのかも知れない。犬井部長は機嫌の良さを隠すためか、吐き捨てるように言った。 「ただの暇つぶしよ」 「ふうん……このssって、みんな理想を求めたり、大人になろうとして失敗する話だね」 「それには思想的意義がある」 犬井部長は水を得た魚のように、近代化する日本が、世界の中で大人になろうとすること、左翼運動が理想を求め、子供のままでいようとする失敗、生きる意味を見失う現代人、成熟というテーマの文学的正当性などを語ったが、こなたはそれには興味がないようだった。もちろん、かがみだって興味はない。 そういう話をする時だけ、犬井部長は機嫌よく嬉しそうで、可哀想なくらい愚かで孤独な人に見えた。 こなたは話し終えた犬井部長に、ぽつりと言う。 「それで貴方は、どんな大人になるの?」 犬井部長は、鉄の壁のように冷たくぴしゃりと言った。 「私個人の事は、ssとは関係ないわ」 こなたは話は終わった、と示すために鞄を持って立ち上がった。 「ほんじゃ、私は帰るんで」 犬井部長はまだ語り足りないような様子だったが、こなたはかがみの所までまっすぐ歩いてきて「帰ろ」と声をかけた。かがみもこなたも、犬井部長の思想には何の興味もないのだ。 下駄箱で靴を履き替え外に出て、校門で待つみゆきやつかさに追いつく前に、かがみは言った。 「犬井部長のss、力作だったわよね」 「そうだねー」 「あんた、昨日の間に、プロットくらい出来た?」 「あはは、それが全然!」 さすがに、かがみの顔も引きつる。 「ちょ!?おま、それはやばくないか!?」 「いやー、余りのやばさにワクワクしてるよー」 だ、駄目だこいつ、早くなんとかしないと……。 「こなた……ちゃんと勝つ気あるのよね?」 「いやー、もちろんそうなんだけど、なかなか、勝利への糸口が見えないのだよねー。漫画ならこういう時、何かにティン!と来て勝利できるんだけどなー」 「おいおい」 ここまで来て漫画かよ! と突っ込みたくなるかがみだったが、ふざけた様子に見えたこなたの横顔が、想像以上に真剣な事に気づく。こなたはこなたなりに、この追い詰められた状況に思うところがあるようだった。 「私、負けちゃうかなあ」 確かにいま、勝てる要素が見当たらない。 「大丈夫よ、負けたら私も一緒に謝ってあげるから」 「駄目だよ!」 とこなたは予想以上に強く反論する。 「私、かがみに勝つって約束したもん。絶対、絶対勝つよ!」 「どこからそんな自信が出てくるんだか……でも」 できるかぎりの心を込めて、かがみはこなたの背中をぽんと叩いた。 「それなら、頑張りなさいよね」 「うん!」 犬井部長は、夢や理想を追い求めて大人になれず死んでいく少女たちを描いた。 今、私達は大人になる途中で、どんな大人になればいいか分からなくて。 でも校門の前ではつかさやみゆきが待っていて。 私達は一人じゃない。 だからきっと、見えない未来でも歩いてゆける気がした。 「こなちゃん、お姉ちゃん、遅いよ、早く帰ろ」 とつかさが笑う。 私は思いっきり笑顔で「うん!」と頷いた。 ………………………… もう余り時間もないのに、こなたは自室のPCに向かっていてもssを書く訳でもなく、うんうん唸っていた。さっきから同じ姿勢で唸るばかりで、手はまったく動いていない。時間は恐ろしいほどゆっくりとしか流れず、かがみは読んでいたラノベから顔をあげて言った。 「そんな無理に書こうとしても無駄なんじゃない?」 こなたは珍しく困った顔でかがみに振り返り、気弱な声で言った。 「でもこのままじゃ、本当に負けちゃうよ」 「ssってでも、勝つために書くもんじゃないだろ」 「それはそうなんだけど……」 ああ、こなたも必死になったりするんだな、とかがみは思う。 ふざけてる様子しか見せてなかったけど、やっぱりこなたも負けそうで不安なんだ。 それなら……力になってあげたいな、とかがみは思う。でもこれは、どう手伝ったらいいか分からない問題で、宿題みたいに、はい見せてあげる、という風にはいかない。 「気分転換に、他の人のssでも見たら?そういう事をする人多いらしいし」 「ええー!?ssに詰まって他人のssを見だして、自分の才能の無さに絶望して寝る、というのは鉄板コースなのにー?!」 「いや寝るなよ、何とか参考にしろよ」 「うーむ」 こなたは言われた通り、いくつかのssを見て、結果、自分の文章力がかなりやばいという事を思い知らされるばかりだった。 「かがみん……」 「なに?こなた?」 「私もう、駄目なのかな?」 「重症で死ぬ寸前みたいな台詞を言うなよ」 「だってこれもう、勝ち目ないよ……今日と明日しかないのに、プロットだって出来てないし、昨日、お父さんとミッチリ特訓したけど、何の成果もあがらなかったんだもん!お父さんも流石に苦笑してたよ。三日じゃ無理だって!」 こなたは真剣に、追い詰められた顔で訴えてきて、かがみは何とかしてあげたかったが、何を言っていいか分からなかった。 「私、負けたくないよ、だってかがみと約束したもん!かがみと真剣にした約束は、絶対破りたくない。それに、やっぱり、かがみに言ったこと、謝らせたいもん……」 しょげた様子のこなたは俯き、部屋の中には沈黙の帳が降りた。かがみは何か言おうと言葉を探すが、適切な言葉は見当たらず、視線は泳ぐばかりだった。秒針は滑らかに進んでいき、時間だけが無情に過ぎていく、かがみは途方にくれた気持ちでただこなたを見つめた。本当に、どうしていいか分からなかった。そんなかがみの様子にこなたがすばやく顔をあげて、取り繕うように言った。 「あはは、らしくないね。ごめんごめん、空気も読まずに変なこと言って。弱音吐いても空気悪くなるばかりだもんね」 そう言って笑うこなたが痛々しくて、かがみは少し腹をたてる。 「無理しなくていいよ。思うこと、好きに言えばいいじゃない。友達でしょ?」 「友達だからだよ。嫌な思いとかさせたくないもん……あー、またこんな話題になっちゃって、今日の私は駄目だ!うがー!」 そう言ってPCに向かうこなたの背中を、少し寂しくかがみは眺め、こなたは負けちゃうのかな、勝ってほしいな、と祈る。何より、こなた自身のために。 どうすればいいのかな、どうすれば勝てるかな……。 「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず、とは言うけどねえ……」 己を知った時点で、勝てない事まで知ってしまう有様だ。 「敵かあ……」 ふとこなたは思いついたようで、犬井部長のssをいくつか読みはじめた。その目は真剣で、あの難解で長大な犬井部長のssを、文句も言わずによみこなしていく。かがみはその横顔を見つめながら、頑張れ、と心の中でエールを送る。まじめな顔をしたこなたの横顔は、胸が締め付けられるくらいまぶしい。 「この人、やっぱり上手いね」 昨日まではまともに読むことさえ出来なかった筈なのに、今ではちゃんとこうして感想まで言える。こなたは、本当に頑張っているんだ、とかがみは思った。 「そうね、文章は随分老成というか、難解というか、そういう感じだけど、やっぱりそれは上手いから書けるんだと思う。複雑な文章を書ける人は多分、簡素な文章も書けるだろうし……」 かがみが言おうとした続きを、こなたは先読みするように言った。 「それにシナリオもちゃんとしてる。お先真っ暗な絶望的展開しか書かないから、人は選ぶけど、その破滅に至る過程も無理がなくて説得的だし、破滅する瞬間は最高に盛り上がってる……その破滅も、ただキャラを破滅させたいとか、ただ欝展開をしたいとかいう、キャラヘイトみたいなノリじゃなくて、たぶん教室で言ってたような、何か思想みたいなものがあって、そのせいでssにも筋が一本通ってて、簡単には否定できない力があるね」 すらすらと感想を述べるこなたに、ちょっとかがみは感心して言った。 「こなた、何か、えらく『分かってる』のね」 「私もともとおたくだし、消費者として作品を見る目はかなりあるよ。でもこうして見ればみるほど……」 こなたは視線を下げて、頭のアホ毛まで萎れるように垂れ下がる。 「勝ち目ないなあ、って……だって私さ、結局、星と陽子がただいちゃいちゃするようなssしか思いつかないもん。書きたいのも、そういうのしか思いつかない。こんな、思想とか、時代背景とか、序破急の盛り上がりとか、できないよ……」 「そ、そんな事ないわよ」 かがみは慌てながら、みるみるしょんぼりするこなたの肩を叩こうとし、謝ってマウスに触れた。 「お?」 「あれ?」 クリックして飛んだ画面には、簡素な文字が行儀よく、交互に並んでおり、そこはどうやらssの感想をやりとりするところで、犬井部長と読者のやりとりが二人の目に入ってきた。 ……………………… 528 名前:名無しさん ID UC6L3qgc 今回のss読ませて頂きました。由美達の辿る運命が余りにも酷すぎると思います。いっそオリジナルで書いたらいいんじゃないかと思うんですけど……。 529 名前:イヌイ ID cih/UXvA ssを書くものにとって、書いたssが全てであり、貴方が彼女たちの辿った運命を過酷過ぎると思うのなら、それは貴方にとって真実なのでしょう、というそれ以外の言葉が必要だとは私には思われない。 しかし敢えて言うなら、運命というものは元から過酷であり、私はまったく過酷さの無い、ただ甘いssを書くことなど出来ないのである。なぜならば、それは己に嘘をつく行為であり、人間関係がただ甘く、やさしく過ぎていくというのは確かに理想的ではあるだろうが、そのように夢ばかり見ても甘さで歯をやられるのが関の山である。 ストーリーも内容もないただ甘いだけのssなどに存在意義があるように私には思えないし、そのような夢ばかり見るのも愚かな事であろう。また、オリジナルで書くかssで書くかは私の自由である。 過酷でない運命を書け、という貴方は、甘くやさしい運命を望むのだろうが、それは不可能な事だ。 何故なら、私はもう、夢ばかり見るような年ではないからである。 ……………………………… ネットでさえ、こんな性格の悪い文章を書いちゃうんだ、とかがみが驚いていると、不意にこなたがマウスを取り落とし、食い入るように画面を見ている事に気づいた。 「こなた?」 こなたは殆ど呆然とした表情で言った。 「私、分かっちゃった……」 その目が徐々に、鋭い光を帯びていく。 「何を書けばいいのか……」 かがみには、こなたが何を見つけたのか、分からない。 「そうなの?」 「うん、少年漫画風に言うなら……。見つけたよ……犬井部長の弱点」 そう言ってこなたはにやりと笑った。だんだん、いつもの元気なこなたに戻っていくようで、それがかがみには嬉しかった。 「良かったじゃない」 「うん!それで今から……あと、明日の休み一日全部使ってss書くから!期待しててね!」 こなたが猛然とPCに向かい始めたので、かがみは立ち上がって帰り支度を始めた。作業に夢中になっているこなたはちょっと会釈しただけで、大して振り返りもしない、仕方なくかがみは部屋を出たが、悪い気はしなかった。 いつものこなたに戻って、あんなに活き活きと書き始めたんだから、きっと大丈夫。 かがみは家に帰る前に再び泉家の、こなたの部屋の窓を振り返って思った。 こなたが何を見つけたのか分からないけど…… 信じてるからね!こなた! ……………………………… 翌日の休みは、こなたの事が気になっていまいち落ち着きのない一日になってしまった。勉強も買い物もどうも身が入らず、ぼうっとテレビを見ても考えるのはこなたの事ばかりで、結局、こなたのssがアップされた夜の六時くらいまでソワソワし続け、アップされた瞬間、かがみは待ちきれないようにそのssに飛びついたのだった。 こなたの書いたssは、以下のような内容だった。 いつも宿題を陽子に見せてもらう星は、内心、陽子の事を愛している。かつて孤独で刺々しかった星は、この日常がどんなに大切で、かけがえのない時間なのかを知っていて、でも陽子に愛を告白する事は出来ない。 そんな二人の静かな、愛しい日常が、これでもかこれでもかと胸に迫るような優しく、暖かく、美しい文体で綴られる。二人のほんの些細なしぐさ、やりとり、微かな心のふれあい、その積み重ね、私達の日常そのもの。 それは他愛のないものかも知れないけれど、決して下らなくはない、と確かに感じる事が出来る。私達の人生は一瞬で、そして後世に名が残る訳でもない。歴史や世界の圧倒的な力の前で人間は余りにも無力で、しかしだからこそ、私達が誰かを愛したということ、笑顔で今日の一日を過ごしたということ、ただ毎日を頑張って生きているということが、何よりも大切で、それだけが無力な人間が歴史や、世界にさえ対抗できる唯一確かな人間の証なのだと、かがみは確信できる。 偉大な思想を語る事や、歴史に名を残す事だけが大事なのではない、どんな物事もいつか時間の暴力に流されて、きっと地球や宇宙だって滅びさるだろう。全てが無意味なこの世界で、それでも人間が人間として生きる時、『本当に意味があるのは』、確かに、この日常だけなのだ。 愛する人に、愛しているって言えないもどかしさ、好きな人の優しさに心が暖かくなること、ほんの少しのふれあいで嬉しくなって舞い上がっちゃうこと、それが、思想と比べて劣るなんてこと、決して無い。 こなたのssは、全力でこの『些細な』日常を肯定していた。だからかがみも全力で頷く事が出来る。 私、この毎日が、大好きだよ、って……。 物語の終わりに、星は陽子に想いを告白しようとして終わる……とてつもなく愛しく、美しい物語だった。 かがみは感動し、自分が泣いているのに気づいた。 こなたのやつ……こなたのくせに……感動しちゃったじゃない。 そして、決戦の投票締切日が来る。 ……………………………… かつかつ、と靴音も慌しく廊下を、文芸部の部室に向けて緊張に満ちた音をかがみが響かせている。その横を同じく足早に歩くひよりが、鋭く強張った口調で言った。 「泉先輩はもう、先に部室に行ってるっす」 かがみは小さく頷く。 「こなたは……勝てそう?」 一瞬、ひよりの眼鏡の奥の目が見えなくなる。ひよりは極めて慎重な口調で言った。 「昨日の段階では、犬井部長有利で……でも、ほぼ互角っす。こうなると勝敗は、どうなるか分からないっす」 「そう……」 かがみは身震いしそうなほど緊張しながら、冷え冷えとした廊下を急いで歩いた。ひよりも沈黙し、どうなるか分からないこの決戦の緊張に耐えている。 たどり着いた部室のドアを開けると、一番奥の席で犬井部長が腕を組んで侵入者を待ち受けるようにふんぞり返り、一番手前の場所でこなたは椅子にも座らず、まるで犬井部長と対峙するかのように立っていた。部員たちはそれぞれ脇の椅子に座り、緊張のためか顔を青ざめさせながら結果を待っている。 「ごめん、こなた、遅れた」 部室に入ってくるかがみとひよりを、部屋の中の全員が注視し、こなたもまた振り返り、針の上のように緊張した空気の中でも、かがみを見つけるとこなたは微笑んだ。 「やふー、かがみん」 「ど、どうなってるっすか!状況は!?」 ひよりの慌てた問いに、三つ編みの生徒がPCを見ながら答えた。 「現在、得票数は、犬井部長が327、泉さんが302です」 「あと三十分……」 こなたの状況は苦しい。 「まだ分からないっすよ!締め切りギリギリで投票する人たちがいるはずっす!」 「どうかしらね?」 と犬井部長が尊大な様子をことさら強調して言った。 「結局は、甘いだけの中身のないssでしょ?文章は綺麗だけど、キャラクターは夢ばかり見て、甘さばかりが伝わって、胸焼けしそうじゃない?本当に作者が伝えるべきなのは、人間のすばらしさとかそういう事でしょ?でもこのssじゃ、伝わるのは甘さばかりだわ」 三つ編みの生徒が、犬井部長330、こなた303と言った。 負けちゃうの?こなた? かがみは緊張と激しい胸の痛みの中で、悪意あることばかり言う犬井部長が憎らしく、こなたに勝って欲しいと心底想った。 こなた……! かがみが祈るようにこなたを見ると、こなたが小さく呟いた。 「……それでいいんだ」 犬井部長がこなたを睨む。 「何?」 こなたは睨み返す。 「……ssは、これで」 こなたの続けようとした言葉を無視して、犬井部長が自分の主張を始める。 「夢ばかり見て、甘さしか伝わらないのはこのssの欠陥……」 そんな犬井部長の言葉を、一つの叫びが遮った。 こなたの、心からの叫びが。 「甘くていーーーーーーーーんだっ!!!!!!」 部室を揺るがすような叫びに、一瞬水を打ったように部室が静まり返り、そのままの勢いでこなたは言った。 「甘さこそが、私の伝えたい全てだから……!それが伝わればこのssは成功しているんだ!私のお母さんは、私が生まれてすぐ亡くなっちゃった。『私達の人生は短い』本当はとても短いんだ。私達は若くて、まだ青春と呼べる時間の中に居て、それでも社会や運命の過酷さを知っている。でもいま、私達はこの短い人生の中で、唯一甘さを許される時間の中にいる、それなら──」 「夢見なきゃ損じゃないか……!!」 こなたが殆ど絶叫するように言った言葉に、かがみの胸がこの上もなく熱くなり、思わず泣きそうになる。三つ編みの生徒が叫んだ、犬井部長331、泉さん331! 「並んだっす!!」 「そんな……!?」 驚愕の表情を浮かべる犬井部長に、こなたは言う。 「犬井部長、貴方だって本当は分かってる筈なんだ。何より貴方自身が、夢を見たい人の筈だから。でもその自分を抑えつけるから、夢を見た少女たちは激しい制裁の中で死なねばならず、大人になれない。でもそんなの違う。もう夢を見るような年じゃない?何で大人ぶるの?高校三年生なんて、まさに夢を見るための年だよ。だから、貴方には本当は、夢がある筈」 「何よ、作品から、作者の精神分析?そんな事をする資格は誰にも……」 「犬井部長はかがみの精神を罵った。だからという訳じゃないけど、他人のssから他人の人格を批判するなら、一度くらい、それを自分でも体験してみていい筈だと私は想う。貴方はssに逃げ、でも本当は不満足で、だから回りに自分のssの力を誇示して当たり散らし、臆病に本当の夢から逃げてる。貴方が逃げ出している本当の夢は」 「うるさい!」 「小説家になる事の筈だよ」 犬井部長332、泉さん333!と三つ編みの生徒が叫ぶ。 「追い抜いたっす!」 「勝手に決めるな!私のことを、勝手に決めるな!私の何が、あんたなんかに分かる!あんたなんかに何が……!」 激昂した犬井部長が、口角泡を飛ばしながらこなたに詰め寄った。 「私が勝ったら、土下座させて、今言った全ての事を謝らせてやる!!」 「勝ったなら、いいよ」 こなたの言葉に重なるように、三つ編みの生徒が言う、犬井部長335、泉さん334! 「こなた!」 無茶な賭けを止めようとしたのか、それとも応援の声なのか、かがみは思わずこなたの名を呼ぶ。 「犬井部長336、泉さん336!」 「また並んだっすか!?」 こなたは犬井部長とにらみ合い、その小さな背丈で犬井部長を見上げながら、いつもの、本当にいつものように不敵な笑みを浮かべて言う。 「ssに本当に必要なものは一つだけ、たった一つだけ……」 犬井部長337、泉さん338、という声。 こなた…… 犬井部長340、泉さん339! ……勝って!こなた!! 「どうなってるっすか!投票は!?もう時間がないっす!」 「犬井部長340、泉さん339のままです!」 「もう時間ないっす!一分もないっす!」 340、339。 数値が動かない。 かがみの心臓が、大きく脈打つ。 祈り、願い、想い。 思えばこの数日、ssのことばかり考えてきた。そして、こなたのことばかり考えた数日だった。 ただ一つの事を追い求めて、頑張って、こんなに充実した日々、今まで無かった……。 そしてその結果が、今、出ようとしている。 犬井部長340、こなた339 数値が、動かない。 かがみは殆ど生まれて初めて、強く強く願う。 勝って……! こなた……! 数値は無情なほど動かない。 そしてかがみは初めて、本人の前で応援の言葉を口にした。 「お願い……勝って!勝ってよ!こなたっ……!」 こなたは笑顔で振り返り、親指をたてて言う。 「当然っ……!」 かがみはその笑顔に涙目で頷き、そして時計が、終了の時間を指し示した。 「投票終了ーーーーーっす!!」 ひよりの声に反応するように、三つ編みの生徒が言う。 「結果は……」 裁かれる、運命の時。 「犬井部長……341!」 あそこから、まだ1票入ったんだ……。 お願い、神様……! こなたがぎゅっと拳を握り、かがみは思わず、その手をそっと握った。 こなたがかがみに向けて小さく頷く。 三つ編みの生徒の声。 「泉さん……」 運命の審判は、下される……! 「342……!!!」 うおおおおおおお!という歓声が、部室を一瞬で包んだ。 まるで祝祭が突然訪れたように、部室の熱が最高潮に高まり、三つ編みの子が飛び上がり、ひよりが雄たけびをあげて震え、こなたは名も知らない文芸部の部員たちにもみくちゃにされた。 「よくあの部長を倒した!」 「あんたはやった!やってくれた!」 「魔王は死んだ!開放されたんだ!」 「うおおおおおお!やった!勝った!第三部完!」 中には、初めて部室に来たとき、部長に泣かされていた子もいて、あらゆる部員が部長が負ける事を望んでいたらしいのが分かった。 何故かそのまま、こなたは持ち上げられ、部室の中で胴上げされ、万歳三唱までが始まって、かがみは思わず突っ込んだ。 「何だよ、これ……」 わっしょいわっしょい、と祭りのようになっている文芸部の部室の中で、ただ一人犬井部長だけが、敗北者として椅子の中で小さくうなだれていた。皆がこなたを見ている中、三つ編みの生徒だけが犬井部長の方をじっと見ている。 「ちょ!?降ろして!?降ろして!?」 何とか胴上げから降ろしてもらったこなたが少しふらつくのを、かがみがそっと支えた。 「勝ったね、こなた……」 「約束守ったよ、かがみ」 見つめ合う二人の空気に気づかず、ひよりはこなたの肩をバシバシ叩いた。 「いやー!凄いっす泉先輩!やっぱ凄い才能があったっす!尊敬っす!」 「あはは……まあ、そんなことないんだけど」 祝福されるこなたに向かって、全てを失ったように惨めな様子の犬井部長が言う。その視線はどこか、達観して遠くを見ていた。 「私の負けだわ。貴方の言う通り、土下座でも何でもするわよ……」 うなだれる犬井部長に、こなたは少し首をかしげてかがみに尋ねた。 「こう言ってるけど?」 「別にもうどうでもいいわよ。最初から気にしてないし」 こなたには勝って欲しかったが、犬井部長の謝罪には最初から何の興味もない。こなたは犬井部長に向け、いかなる敵意も持たず、敬意さえ感じさせる口調で言った。 「たぶん、犬井部長は、もうここに居るべき人じゃないと思う。貴方の本当に書きたいものは、イエみてssじゃないと思う。夢や甘さを恐れて何かを書いても、不幸なssが生まれるだけじゃん」 犬井部長は、微かに笑いながら俯き、憑き物がとれたように晴れ晴れとした顔をしていた。誰かが彼女を、打ち負かさなければならなかったのだろう。犬井部長はゆったりと、深々と安堵するように椅子に沈み込み、苦笑しながらこなたに聞いた。 「貴方、最後に、何て言おうとしたの?ss書きに必要な、ただ一つのものって?」 こなたはいつも教室で見せる笑顔で、親指をたてながら言うのだった。 「愛だよ、愛」 と。 ……… 二人で帰る放課後に、靴箱で靴を履き替えるこなたを待ちながら、かがみはいつになく嬉しい気持ちで、それでいて胸がまだドキドキしているままで、追いついて隣に立って歩き出すこなたに尋ねた。 「でも本当……凄かったわ。あんたにあんな文才があるなんて思わなかった」 そう言うとこなたは猫のような口をしてにやりと笑い、ちっちっちっ、と何かをたしなめるように言った。 「馬鹿だなあ、かがみん。三日やそこらであんなに文章が上手くなる訳ないじゃん。そんなの、世界中のss書きが涙目だよ」 「は?なんだと?」 嫌な予感がする。 「ssを一応書き上げたけど、もう酷いのなんのって、書きたい事やコンセプトを必死に伝えて、物凄い勢いでお父さんに添削してもらったよ」 「おい、ちょっと待て」 「殆どお父さんが書いた部分とかあるしね。実際、お父さんにこうしなさい、って言われて私がパソコンで打っただけの部分も多いし、まあ、原案・泉こなた、作・泉そうじろう、って感じだよね~」 「ちょ!?おま!?それ反則だろ!?」 何それ!?思いっきりルール違反じゃないのか!? 「別に家族に手伝ってもらっちゃ駄目なんてルール無かったし~。それに、やっぱり一度、犬井部長はただ甘いssに負けるべきだって私は思って、頑張ってお父さんを説得したよ~。お父さんも快諾してくれたし」 「な、な、な……」 かがみは思わず叫んでいた。 「納得いかねええええええええ!!」 「いやー、それにしても、幾ら私の原案とは言え、プロの書いた文章と互角に戦うんだもん。犬井部長には頑張って欲しいね」 「それは、お前書いてないって意味だよな!?あのss、お前は書いてないって事になるよな!?」 あははは、と笑って誤魔化すこなた、考えてみれば当然じゃないか、私も私だ、あんな短期間で文章が上手くなる訳ないのに、と、かがみは騙された気分になって思った。 「あんた、本当にそういう抜け道だけは得意だよな。ろくな大人ならんぞ」 「うーん。でもさ、原案として書いた時の、私の気持ちだけは本物だよ。それはお父さんとよく相談して、私の気持ちが伝わるように書いたもん。あのさ、かがみの書いたssあるよね」 「え?」 突然、自分の書いたssの話になって、かがみは動揺する。なんで突然? 「あれってさ……かがみの気持ちが入ってるんだよね?」 そう尋ねるこなたの目は、ふざけていなかった。 「宿題をいつも見せる陽子は、本当は星の事が恋愛対象として好きで、でも言い出せない、そういうssだったよね?」 まるで少しづつかがみの精神の内奥に迫るようなこなたの口調に、かがみは気おされながら答える。 「う、うん、まあ、一応、でも勘違いしないでよね、別に私は……」 「私のssは、いつも陽子に宿題を見せてもらう星は、本当は陽子の事が恋愛対象として好きなんだけど言い出せない、そんなssだったよね。これってまるで、一対のssみたいじゃない?まあ、私がそうなるようにしたんだけど」 かがみは口を噤む。余りにもこなたの表情が真剣そのものだったから、何も言えなくなってしまった。 「私のssだと、星は最後に陽子に告白して、陽子も実は星の事が好きで、互いの想いが通じ合って、めでたしめでたし、となって終わるんだ」 「……うん」 頬を撫でるように風がさあっと通り過ぎて行った。校門にほど近い、自転車置き場の屋根の下で、こなたの長い髪が風に揺れた。硬く緊張したこなたの様子と、深い湖のような瞳の真剣さに、かがみの胸が高鳴り、言葉もなく吸い込まれるようにこなたを見つめるしかなくなった。 こなたは、まっすぐにかがみを見ていた。 「私、今回、凄く頑張ったんだ。もし、もし私が犬井部長に勝てたら、かがみに言おうと思ってた事があったから。だって、私みたいなド素人が、犬井部長みたいな人に勝つなんて奇跡じゃん。そんな奇跡が起きるなら、凄く甘い甘い夢を見てもいいと思ったんだ……。だから、言うよ」 「うん」 たぶんそれは、私が待っていた言葉。 かがみは放課後の日差しに目を細める。 こなたは言う。 「あのね、私ね……」 前方の空はどこまでも青く広がって、私達が駆け出すのを待っている。 甘い甘い夢を私たちはいつも見て、そしてきっといつだって物語は、めでたしめでたしで終わるんだ。 晴れ渡る空の下で、かがみは、何よりも待ち望んでいるこなたの声を待っている。 ここから先、きっと大変な事は一杯ある、でもそれでも、私達は若くて、青くて、青春で、幾らでもやり直す事の出来る希望がある。 だからかがみは、遂に告げられたこなたの言葉に、最高の笑顔を返して…… そして私たちは、長く長く夢を見る。 了 コメントフォーム 名前 コメント やはり感動系しか勝たん...泣 GJ!!b(≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-07-24 13 51 05) 自分は好きですよ、このSS 作者さま 書かれた文面の表面と、あなたが伝えたかった内面。 私は区別して読み取れたつもりです。 主要3人の主張、立ち位置、そして、こなかがらしい甘いSS。 凄く面白かったし、甘さが良いことだとの訴えは、まさに一つの真理だと思いました。 また、深い、そして熱い、あなただけの表現を見せて下さい。 -- 名無しさん (2010-04-05 18 32 17) 難しかったけど面白かったから良いと思うけどなぁ?オイラは作者サンの作品好きです♪ちっと難しいけど内容あるし、シリアスがあってもハッピーエンドほっとできるし♪ -- 名無しさん (2010-04-05 02 30 54) 色々思いますが、リアクションを返すのが必要だと思うので書き込みます。 名無しさまは書き込みの内容も時間も一緒なので、まとめて書かせてもらいます。 自作を解説しなければならない愚行を行ったのは、「ここの新人」さまが、胸が痛い、出て行けと言われている、作風を変える、などの、直接ssに対する感想だけではない、自身の今後を含む事を書かれていたからです。 それに対してはやはり、黙っていると本当に出て行ったり作風を変えたり胸が痛んだままになったりしますので、黙っている事が出来なかったのです。 出て行ったり作風を変えたりする必要はないよ、といいたかったという事です。 当然、名無しさまのおっしゃるように、本来感想欄で解説などを書く必要はありません。 ただ、商業作品にもしばしばあとがきや解説が文庫の後に付く事は珍しくなく、著しくルールに反している、とは思っていないのも確かなのです。 そして、名無しさまが作品の完成度を疑うのは全く自由であり、それに対して私が言う事は何もありません。 強いて言うなら、未熟で申し訳ありません、という謝罪だけです。 それでは、失礼いたします。 -- H4-53 (2009-02-27 17 33 05) 作者が延々と自作の解説をここで行ったと言う事例はなかったと思う。思想中心の作品でその核心部分について解説が必要なことは作品としての完成度を疑問に思う。 -- 名無しさん (2009-02-27 15 14 43) 作者がここで延々と自分の作品の解説をする行為もしなければならない作品と言うのはかつてなかった。シリアスと言うか思想中心の作品でその部分が誤読される作品と言うのは作品の完成度としてどうなのとは思う。 -- 名無しさん (2009-02-27 15 09 59) 本来、どのようにssを読んでも読者の自由であり、作者である私がそれについてどうこう言うのはルール違反ではあると思います。 しかし、ここで無言でいると、本当に私が哲学かぶれは出て行け、と言っているのと認めているように見え、それはそれで読む側の自由ではあるものの、やはり常識的にフォローが必要ではあると思われますので、あえて言わせてもらいます。 それは誤読です。 どの辺でそう思ったかは不明ですが、基本的に、一度たりとも直接に、哲学かぶれは出て行け、などという事を述べていないというのが一点。 次に、なんらかの特定の作風のssを批判したい訳ではない、というのが二点。 イヌイ部長のモデルは、実際には私自身のある面を誇張したのであって、誰か別のss書きの方々は一切想定していないのが三点。 また、作中において、イヌイ部長の作風を否定しているかというと、実際には否定していないというのが四点。 以上の四点をもって貴方様の読み方が誤読であると、本来ルール違反と分かりながら、作者自ら指摘するという無粋な事をさせていただきます。 イヌイ部長が一見否定されているように見えますが、それは彼女の作品自体ではなく、彼女の尖り過ぎた人格の方をいさめているのです。 実際には殆どのキャラクターはイヌイ部長のssに対して、凄いと認めておりまた、こなたもそれを敬意をもって扱っているよう描写している筈です。 投票に関しても、ほぼ同数だった、という描写からして、そのssを否定していると読める書き方はしていない筈なのです。 だから貴方の読み方は誤読なのですと、再度主張させてもらいますね。 私が言いたいのは、シリアスが甘いssより上とか、技術があるからあのssよりこっちが上とか、また、コンペという性質上起こる、得票が上のssの方が上とか、あのssは出て行けとか出て行くなとか、そういう全てに対して、ただ愛があればいいんだ、それだけがssの全てなのだといいたいのです。 究極的に、ssに必要なのは愛であって、愛さえあれば全く出て行く必要はありません。 もう一度言いますが、哲学にかぶれていようが、どのような内容であろうが、愛さえあれば必ずどこかで必要とされているのです。 このssのタイトルは、十年以上前にどこかで立ち読んだ漫画の最終回からとってますが、その漫画は俳句の漫画で、俳句の大会の決勝戦らしき場面で、主人公がタイトルとなった俳句を読み上げると、その大会のルールなのか、その俳句を批評する手番になります。 そこで相手のライバルは、この句では甘さばかりが伝わってきて、中身がないというような事を言うのです。 それに対して主人公が行うのが、喘息で叫んでは体に支障がある体なのに、仲間の制止を振り切ってまでの、作中の「甘くていーーーんだっっ!!」という絶叫なのです。 実は主人公は喘息のせいで一年留年しており、それが明かされながら、彼は語ります「僕は体のせいで他の人よりも一年長く夢を見る時間を与えられている」と、僕達は弱く、甘く、しかし夢を見る時間を今だけは許されている、それなら「夢みなきゃ損じゃないか」と再び主人公は喘息をおして絶叫するのです。 私の下手な説明で伝わるかどうか分からないのですが、私はそれに強く強く感動して、こうして十年以上経ってもその内容を覚えている。 かつて一度だけ最終回だけ立ち読みして、単行本が出たかどうかも分からない、何か反応を返した訳でもない。 その漫画が短期集中連載だったのか、打ち切りだったかも分かりません。商業的にはおそらく失敗だったかもしれません。 しかしこうして、その内容をずっと覚えていて、それで胸が熱くなった「熱さ」を忘れない人間が確かにいるのです。 感想がつかず、全く相手にされていないように見えるssでも、同じように誰かに「届いている」。 この「届いている」という事が全てで、そこに確かに「愛」と「熱さ」があるならば、今こうして十年以上前の立ち読みで蒔かれた「種子」がいきなり芽吹くように、どこかでその熱さは伝わっていくのだと私は信じているのです。 だから私が言いたかった事はそれが全てで、哲学かぶれは出て行け、などといいたかった訳ではない、とあえて断言させていただきます。 ご無礼お許しください。 -- H4-53 (2009-02-27 05 26 48) なんだか… 『哲学かぶれは出ていけ』って言われてるようで、読んでて胸が痛い。 私も少し作風を変えたほうがいいかな… -- ここの新人 (2009-02-27 01 36 25)