約 754,304 件
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/5368.html
彼女の部屋はいつも暗い。 部屋が暗いのは、彼女は人間でないから電気の光を必要としなくても支障なく生活出来るからだ。 その部屋に電気を付ける必要があるのは、人間である『彼ら』が訪れに来た時だけだ。 …その日も彼女は暗い部屋の窓を眺めていた ―― 夏休みも早いもので残り2週間。 我らが団長様は憂い無き夏休みにしようと、たかが2週間では到底消化出来そうもない課題を立てやがった。 事は、市民プール直後の、俺奢りの喫茶店にて…… 意味もなく張り切るハルヒはA4サイズの紙にこれからの予定を、それはもうびっしりと書き綴った。 「私は金魚すくいがしたいです~」 朝比奈さんは可愛いらしくハルヒに希望する。 金魚すくいなどあの方らしい可愛いらしい提案だ。 ぜひとも俺もその場に居合わせたいね。 しかしながら出来ればこれ以上課題を増やしてもらいたくないのも本音ではある。 課題を終えずに夏休みを終えてしまったらハルヒのヤツがなにしでかすかわかったものではなく、もしかしたら8月のカレンダーの日数が増えてしまう事だってあるかもしれん。 それぐらいで済むなら大いに結構だけどな。 まぁ、金魚すくい程度ならどうってことは無いだろう。 そしてその日はハルヒによる夏休み予定表が出来上がるとそのままお開きとなった。 ――翌日俺はハルヒにより安眠を奪われ、なんでも祭りに行くため、女性浴衣を買いに行くんだそうだ。 俺らはさっさと浴衣を買いに行き、さっさと買って、さっさと一旦解散して家に帰って、時間になりさっさと夜の祭り開催地に足を運んで、そして再集合と皆そろう。 祭りらしく、中心では人間が円を囲って何かの音頭をとっており、太鼓のドンドコ音とか笛のピロピロ~ッとした音色が聞こえてくる。 「みくるちゃん!金魚すくいに行くわよ!」 「あ、は、はぁ~い」 集合して間もなくして、すぐにハルヒは朝比奈さんの手を引っ張って忙しく金魚すくいの屋台へと走って行った。 「僕らも一勝負いかがです?」 走って行く二人を眺めながら古泉が喋りかけてくる。 「そうだな…」 朝比奈さんの金魚すくいの模様を傍らで拝むのも悪くはない。 古泉に同意しかけたが、 ふと、視界に、ぼんやりとしながら辺りを見回す長門の浴衣姿が目に入った。 「やめとく」 俺がそう言うと、古泉は残念そうに肩をすくめてみせたが、演技なのはみえみえだぜ。 「長門?こういうとこは初めてか?」 長門は俺を見上げると、数ミリ顎を引かせたように見えた。 だろうな、と頷いてから俺は周囲の屋台を見回す。 食い物でもいい気したが、 俺が長門を連れて行った先はお面屋である。古泉も後から付いて来る。 「お、懐かしいなコレ」 壁紙に立掛けられた、ズラリと並ぶお面の中には、俺の幼い記憶を呼び起こさせる懐かしいモノがあった。 それは俺が幼い頃によくTVで見てた特撮ヒーローものだ。 「ハイよ!800円ね!」 ゲっ!そんなすんの!?と、 思いの外お面の値段が高かった事に後悔しつつも屋台のオッチャンに渋々金を手渡した。 「古泉、覚えてるか?スペシウム光線」 なんとなく俺は買った面を被ってスペシウム光線のポージングを古泉に向けてみた。 普段なら絶対にしないが、これが祭りなんだろう。そう思う事にする。 「えぇもちろんです。 幼い頃は僕もよく真似をしましたよ。」 相変わらずの微笑みで返す古泉。 それから2~3分ほど古泉と某特撮ヒーローものの話題となり、案外その話をするのは楽しく、 危うく俺はお面を買った目的をうっかり忘れるところだった。 「はいよ。これやるよ」 長門に、俺は買ったお面を差し出した。 「……なぜ」 相変わらず必要最低文字数しか話さないやつだ。 「なんとなくお前にはお世話になってるしな。 それにほら、このお面のヤツも宇宙生まれなんだぜ。 たしか、ウルトラ星とかそんな名前の星だった気がする。」 長門は差し出されたお面を二秒程見つめ、ゆっくり手にとると、 「該当する惑星は存在しない」 と、言った。 「だろうな。 でも、その事は…そうだな…小さい子供には言わないでおいてくれ。俺の妹ぐらいの年齢までだ」 「……わかった」 長門はそう答えると、俺がさっき面を被ったのと同じようにして面を被った。 なんというか、シュールな光景だ… ふと古泉と目が合い、アイツは苦笑いを浮かべた。多分俺と似たような事を長門に思ったんだろう。 それからして、間もなくハルヒと朝比奈さんが帰ってきて、 ぶらぶらーッと皆で屋台を巡る事になる。 「あれー有希?そのお面どうしたの?」 喧騒とは少し離れた敷地内、 ハルヒはたこ焼きをつつきつつ、今更ながらの問題に着眼点を置いたようである。 「買ってもらった」 「誰にー?」 気が抜けている感じのハルヒの問いに、長門は俺の方に指をさした。 「ふーん」 と、無関心そうに俺を見るだけのハルヒ。 なんだ、何もつっかかって来ないとは珍しい。 「じゃあ次は花火しましょう!」 こうしてその後は屋台で買った花火で夜を彩ると、その日は終わった。 ――― その日の夜。 部屋に帰って来た彼女は夜の窓を眺める事はやめて、 今日彼からもらったお面を、膝元に置いてただ眺めた。 部屋は相も変わらず暗い。 彼女が何を思って、その面を見ていたのかはわからない。 それから夏休みが終わるまでの2週間の夜は、彼女は彼からもらったお面を同じようにずっと眺め続けていた ――― 「うーん…、こんなものかしらね」 夏休み最終日の前日。 いつもの喫茶店にて、ハルヒは×印が付いてる課題表の紙を眺めながらそう言った。 何かまだ物足りないといった感じなのは一体なぜだろう。 せめて夏休み最終日の明日ぐらいは休ませて欲しいんだがな。 「うん。こんなもんでしょ。 明日は予定空けておくから、皆ゆっくり休んでいいわよ。」 ハルヒは伝票を俺に渡すと席を立ち、そのまま帰っていった。 「やれやれ、ようやく終わったか」 深い息を吐き出して俺はもたれる。 「でも楽しかったぁ~」 と、笑顔が眩しい朝比奈さん。 「何にせよ涼宮さんが満足したようで良かったです」 と、常時スマイル顔の古泉。 そうかね、なんとなく俺にはそうは見えなかったけどな。 しかし実際、アイツが夏休みをああまでやって過ごして不満足だというなら、こちらとしては手の打ちようが無い。 まぁ、ハルヒも口では満足したようなこと言ってたから、その言葉を信じるとしよう。 それにまさか、不満だったからといって8月の日数を増やしたりとかするほどハルヒもガキではあるまい。 まさかな… 何にせよ、もう今年の夏休みは終わった。 そして、この日は長門がコーラを飲み終えると同時に解散となった。 ……あ、宿題終わってねぇ ――― その夜も、暗がりの部屋で、彼女は彼からもらったお面を眺めていた。 翌日も、彼女は同じように過ごしていた。 ……次の日、学校の始業式となる日の『筈の』朝。 窓から指す太陽の光によって長門は目覚めた。 ヒューマノイド・インタフェースといえど、疲労を起こすと眠ってしまうものらしい。 昨日の夜は気が付かない内に眠ってしまっていたようだ。 だから彼女は『異変』にはしばらく気付かなかった。 『異変』に気付いたのは、『彼』からもらったお面が無くなってるとわかった時だ。 その時、彼女は持てる全ての能力をかけてお面を探したが、見つからなかった。 思念体と連絡をとり、ある事が判明する。 ……時間が…2週間前へと戻っていた。 ―――
https://w.atwiki.jp/wrtb/pages/2555.html
フォルテ 名前:Forte デビュー:『美女と野獣 ベルの素敵なプレゼント』(1997年) 概要 野獣の城*の宮廷音楽家。呪いによってパイプオルガンに姿を変えられたマエストロ。 野獣が絶望感から自分の音楽を心の拠り所にするようになったため、城のメンバーの中では唯一魔女の呪いを歓迎している。そのため、呪いを解く条件である野獣とベルの愛を引き裂こうと企む。 生まれつき音楽の才能があり、特段レッスンを受けたことはない。自分の天才的能力を誇示しており、人間時代には正当に評価されないとして不満を持っていた。 パイプオルガンの姿はCGで描かれており、人間時代は手描きのアニメーションで描かれている。フォルテ自体は暗い部屋に設置されており、野獣の召使いの中では珍しく自発的に動くことができない。小心者のピッコロであるファイフに「ソロをやらせてやる」という条件を提示し、手下として手足のように扱う。人間の頃は真っ白な肌にピンクの頬で、犬歯が見えている。 フォルテがクライマックスで繰り出すルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン*の「交響曲第5番」は1804年から1808年にかけて作曲されたものであるが、映画の舞台は18世紀後半とする説があるためそれが正しければ矛盾する。 また、フォルテの計画の動機は呪いにかけられてた状態のほうが自分の才能が評価されるからというものだったが、前作によると呪いが解けなくなるとフォルテは意思を失いただのパイプオルガンになってしまうという設定であるため、フォルテの本来の目的は果たされなくなってしまう。 歴史 彼の名前は「強く」を表す音楽記号「フォルテ」に由来している。当初、本作は映画の続編で、悪役はジャン・コクトー版『美女と野獣』(1946年)に登場する悪役のアヴェナントとなる予定だった。アヴェナントは前作『美女と野獣』でもガストンの弟として登場し、兄の復讐のためにベルと野獣の仲を引き裂く予定だった。本作が続編ではなくサイドストーリーになったためアヴェナントの出番は無くなったが、ベルと野獣の間を引き裂くという悪役の目的はフォルテに引き継がれている。 エピソード 美女と野獣 ベルの素敵なプレゼント クリスマス*のイブ、王子はルミエールから絵本をもらうが気に入らなかった。その後、宮廷音楽家のフォルテにもっと良いものをよこせと要求し、フォルテは「ひいらぎ飾ろう*」を演奏するが、王子は文句を言う。そこへみすぼらしい老婆がやってきて一晩の宿を求めたが、王子がひどい口調で追い返したため、魔女に呪いをかけられ、王子は野獣に、召使いは道具に姿を変えてしまう。フォルテはパイプオルガンに姿を変える。 絶望した野獣は、フォルテの暗く寂しい音楽を心の拠り所にするようになり、フォルテはようやく自分の音楽の才能が評価されるようになり、今の呪いの状況を歓迎していた。呪いを解くには野獣が愛し愛されなければならないのだが、野獣の城*へ美しい娘ベルがやってきたことから、フォルテはベルと野獣の仲の進展を危惧する。 フォルテはファイフにソロ曲を担当させるとそそのかし、ベルと野獣の仲を引き裂く手伝いをさせる。作戦がうまく行かず痺れを切らしたフォルテはベルとチップを呼び出し、クリスマスツリーにピッタリの木が黒い森*にあることを知らせる。ベルは野獣を喜ばせるために森へ行くが、野獣はベルが城から逃げたと勘違いして激怒。ベルを連れ戻して地下牢に繋いでしまう。野獣はベルから与えられたクリスマスプレゼントの本を読み、自分の行いが間違っていたと判明する。野獣はフォルテの反対を押し切ってベルとクリスマスを祝うことにする。 これに怒ったフォルテは城全体を破壊しようと試みる。必死に止めようとするファイフは、フォルテが自分のためにソロ曲を用意していないことを知り落胆する。ファイフは野獣を助け、フォルテを止めるためにはキーボードを破壊する必要があると教えた。野獣はそのとおりにし、バランスを崩したフォルテは壁から外れて破壊された。 登場作品 1990年代 1997年 美女と野獣 ベルの素敵なプレゼント 声 ティム・カリー(1997年) 壤晴彦(1998年)
https://w.atwiki.jp/paraque/pages/5.html
とある私立高校に通う高校2年生の紗代子と音弥はひょんなことから家の近くの公園の池に落ちてしまう。 目覚めた先は明らかに現代日本とは呼べない巨大な空飛ぶ城の中。 その世界で紗代子と音弥は何者かに自らの影をとられてしまう。 そして出会った紗代子と同じ顔を持つフィーナと名乗る少女と彼女を守るセピアという少年。 紗代子はそこでフィーナに「私は別の世界のあなた」だと説明され、この世界を侵食する悪についても教えてもらう。 世界の危機を救うため、影を取り戻すため、紗代子達は世界を救おうとしているセピア達の手助けをすることを決意する。 音弥だけでなく、友人の理玖も合流し、セピアとの4人で世界を救うためにフィーナからのクエストをこなしていき、 その過程で何人もの強者に出会い、紗代子、音弥、理玖自身も成長していく。 果たして彼らは影を取り戻せるのか、そして世界を救うことが出来るのか。 っていうベッタベタなお話。
https://w.atwiki.jp/akatonbowiki/pages/2524.html
このページはこちらに移転しました 僕らの未来 作詞/D.I 奇跡的な朝サンシャイン 腐った世の中ノーサイン コイン片手に歩きだす 希望と言う名のスターマイン 過去と現実の時空の歪みが 世界を動かすライトビーオン 自由はないのさ僕らには 未来と言う名のディスティニー それでも僕らは止まらない 一足先に待ってるよ 歴史が決めたこの時代 夢心地だねサンシャイン (このページは旧wikiから転載されました)
https://w.atwiki.jp/toho_yandere/pages/2770.html
アルカナゲーム4 暗い部屋の中で僕は一人椅子に座っていた。 反射的に周囲を見回すも辺りは闇に包まれて何も見えない。 視線を手前に戻すと、目の前の机に幾枚かのカードが散らばっているのが見えた。 闇の中に浮かびあがるカードを見ていると、手前に二枚のカードが飛び出してきた。 青い髪の幼い少女が描かれたカードと、それよりかは少し大人びているであろう桃色の髪をした少女が描かれたカード。 自分の目の前に浮かぶカードはまるでゲームのようにゆっくりと回転していた。 まるで、どちらかを選択するのを待っているかのように。 この中からどちらかを選ばなければならないのだろうか?何のことかも分からずに、 突然何かを選択しないといけないのだろうか?それはあまりにも唐突で、そして説明がなさ過ぎた。 これではあまりにも無茶苦茶ではないか。 これから一緒に過ごすパートナーを決めるには…。 「…ん、パートナー…?」 自分の思考に疑問が湧く。一体どういうことだろうか?パートナーとは何のことだろうか? どうして僕はそれを、いや、そのことだけを知っているのだろうか?疑問が頭の中を駆け巡る。 思い出そうにも、それ以外のことは一切浮かばず、焦燥だけが過ぎていく。そんな時に、声を掛けられた。 「お困りの様ですね。」 いつの間に現れたのだろうか、僕の目の前には女性が座っていた。 胡散臭げな紫色のドレスを身に纏い、ニヤリ、ニヤリと笑みをうかべていた。 童話に出てくるチェシャ猫のように、まさに人を食ったような表情で、彼女は話す。 「色々と疑問がありますね。ですがそれらは些細な事。これから貴方が選択することに比べれば、ですが。」 「選択って言っても、この中から二人を選ぶなんて、色々と無茶じゃないか。」 「残念ながら貴方には選んで頂きます。…それはとてもとても残酷なこと。」 人間の癖に、まるで融通が利かないポンコツのプログラミングが組み込まれたコンピューターもどきの回答をする彼女。 目の前の彼女から情報を得ることを諦めて、浮かんでいる二枚のカードをジッと見つめる。 しかし、いくら考えても選べない、いきなりどちらかの少女を選べなんて言われても、どだい無理な話しだろう。 いっその事、二人とも選べば良いのではないかと思った。 「あら、本当にそうされるおつもりですか?」 こちらの心を読んだようなことを言う彼女。ならば勿体ぶらずに言って欲しいものだという感情が湧いた。 「地獄の炎にも勝る二人の嫉妬を同時に受けて、果たして無事で済むとお思いですか?片方と一緒に居れば反対から恨まれて、 三人でいれば針の筵。どちらからも逃げれば…。さてはて、逃げられれば良いですね。針の穴にラクダを通す試みに他なりませんが。」 そこで言葉を切る彼女。そうまで言われれば、どちらかを選ばなければならないのだろう。そして僕は- --------------------------------------------- 「ありがとう。選んでくれて。」 カードを選んだ僕は気が付くとさっきとは別の場所にいて、そして目の前には選んだ方の少女がいた。 恋人のカードに描かれていた彼女。桃色の髪をした彼女が僕の手を両手でギュッと握る。 「さあ、私を選んでくれたのだから一緒になりましょう。」 ドキリと心臓が鳴る。美しい彼女にそう言われたためだけではなく、むしろ本能が警告を鳴らしたような気がした。 僕に抱きつく格好で腕を背中に回す彼女。彼女の綺麗な声が歌うように耳に届いた。 「ドロドロに溶かしてあげるわ。意識を溶かしきって何も何も無くなる位に。」 途端に空気が歪んだ。視界はそのままの景色を普通の世界を映している筈なのに、世界が曲りグニャリと歪む。 皮膚の感覚が切り離されて、目の前の彼女の感覚を感じるだけになり、 怖くなった僕は彼女を強く抱きしめる格好となった。 「ふふふ、大丈夫、意識の垣根を取り払うだけだから。深い深い海に溶けるように、 貴方の意識を私に溶け込ませてあげる。とても気持ちが良い世界。ドロドロの快感を味わわせてあげる。」 感覚が消え上も下も解らない世界。 グルグルと螺旋を描くように彼女だけを見ながら沈んでいく。 神経は泥が詰め込まれたかのように伝わらなくなり、脳の方に彼女から伝わった何かが迫っていく。 手足は動かないのに、意識は体を越えてどこかに飛んでいきそうだった。 「…あっちの方よりかはマシよ。私は心を溶かすだけだから。」 僅かに残った心の残渣が取り払われて、僕の意識は眠るように沈んでいった。 感想 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kagero_tg/pages/82.html
ノイルース・ファイヤーボール 台詞 + クリックで表示 001秘密のエピソード あら、あるじ様。何か御用でしょうか。あっ、扉を閉めて頂けますか?光が入ってしまっては、折角の火が勿体有りません。はい、ありがとうございます。ではこちらへ。あるじ様もご一緒に。 それで、何をしてるかと申しますと…あぁ、気づかれましたか?実はこの火、香木で起こしているんです。強い香りは苦手ですので、少しだけですが。仄かに甘い香りがしませんか?こうして外の光を断って、暗い部屋を小さな火で照らす。ゆらぐ明かりの中で香りを聞いて、ゆったりとした時間を過ごすのが、最近のお気に入りなのです。 ですので、誰にも邪魔されず一人で、と思っておりましたが…二人というのも、悪くないものですね。あっ、失礼しました。ご用件は何でしょうか? 002タイトルコール 影牢、トラップガールズ 003ゲームスタート あるじ様が目覚めました 004自己紹介(初対面) ファイアーボール、火焔のノイルースと申します。不届き者は、私の炎で追い払います。接し方を間違えると危なそうとか、思わないで下さいね 005自己紹介(魔神帳) ノイルース・ファイアーボール 姉妹の中では"火焔"の名を頂いております 「火」は命・文明の象徴……そしてそれを守るのもまた火の力 しかし、使い方を誤ればそれは危険なものとなります. ですので、私が正しい火の使い方を教育…… すみません、あつくなりすぎました とにかく、あるじ様はこのノイルースがお守りいたします ご安心ください 006朝のご挨拶 あるじ様、ノイルース・ファイアーボールにございます。今日もよろしくお願いします 007ホーム1 どうされました?あるじ様 008ホーム2 この杖は…あっ、駄目ですよ触っては。火傷してしまいますから 009ホーム3 火を見てると、心が安らぎますよね 010放置 あるじ様、どこにいらっしゃるのでしょう。火から目を離すと危ないのに…んっ、んん。誰も、居ないですよね 011お知らせ 何やら知らせが有るようです。何でしょうか 012お休み 体を暖めて来ますね。 013貰い物 えっ、いやぁ、ちょっと…はぁ、取り乱しました。ちょっと暑いですね、ここ 014感謝 うふっ、嬉しいです 015依頼 はい、かしこまりました 016成功 どうでしょうか 017失敗 力不足で、申し訳ありません 018討伐出撃 さぁ、明かりを点けに参りましょう 019戦闘開始 火を甘く見ないで下さい 020交代登場 はい、わかりました 021動かされ中 わぅわぅっ! 022体力回復 倒れるわけには… 023勝利 ここにも明かりが灯りました 024撤退 逃げましょう 025レベルアップ うふっ、暖かいですね 026勝利MVP ちょっと、照れてしまいますね 027探索出発 すぐに戻ります、では 028攻撃1 えいっ! 029攻撃2 せい! 030攻撃3 はっ! 031攻撃(発射) はぁ! 032挑発 これでは燃えません 033敵を倒した さようなら 034チャージ完了 燃やします 035トラップを当てられる 今です 036トラップ発動1 炎よ! 037トラップ発動2 燃えよ! 038悲鳴1 うっ 039悲鳴2 はぁっ! 040悲鳴3 うぅぅっ! 041悲鳴(悔しい) うぬぅっ! 042悲鳴(恥ずかしい) こんなぁっ…! 043悲鳴(間抜け) おぉっ!? 044悲鳴(怒り) 許しません 045悲鳴(炎上) この程度っ… 046悲鳴(氷結) つめたっ! 047悲鳴(感電) ひゃうあ゛ぁあ゛ぁぁあ゛っ! 048悲鳴(吹っ飛び) はあぁぁぁうっ 049悲鳴(地味に痛い) っつっつぅ… 050悲鳴(潰され) うぅぅ! 051悲鳴(秘密の一撃) うぁはっ、あんっなぁぁぁぅっ! 052悲鳴(からみつかれ) やぁめぇひゃぁっ! 053悲鳴(回転) はうぉぉぉおぉぉぉっ! 054悲鳴(死亡) はぁあぁぁぁぁあぁぁぁぁぁっ! 055アーマーブレイク 何を…許しません 056重症 これ以上は後悔しますよ… 057瀕死 そんな…消えちゃう… 058弱点 ふわぁぁぁあんっ! 059捕獲 火傷、しますよ…! 060消失 どうかこの火は…絶やさないで… 061還元 私では、あるじ様の心に…火を点けられませんでしたね 概要 「火焔」の二つ名を持つ、アロー四姉妹の長姉。姉妹の中でも最も落ち着いた性格をしている。割と饒舌な方らしく話味メルト熱くなる性格の模様。 画像 + クリックで画像表示 3D画像 SD1 SD2 SD3 SD4 + クリックで画像表示 立ち絵 フォージド兵 アーマーブレイク・ウィークポイント https //ux.getuploader.com/kagreo_tg_gazou/download/223
https://w.atwiki.jp/moemonss/pages/551.html
電灯の落とされた暗い部屋に、着流し姿のもえもんが一人、窓辺に腰掛けている。 手には杯、床に酒瓶。満月を肴に、ゆっくりと酒宴を楽しんでいる。 満月の柔らかな光に照らされたもえもんは、じっとしていると芸術品と言っていいほどの美麗さを醸し出す。 白の長髪は、月明かりで煌いて銀糸へとかわる。一房だけある黒髪だけは、光を反射せず、漆黒の輝きを見せている。 紅玉の瞳は何を思うのか、誰にもその感情を読み取らせることなく、静かに夜空をみつめる。 時おり、くいっと杯を傾けるだけで、ほかには何も動くものなどない静寂の空間に、誰かがやってくる。 その気配に、気づいていても気にすることなくもえもんは、一人の酒宴を続ける。 「……アブソル、ここにいたんだ」 カチャリと小さな音を立てて、開いたドアの向こうにいたのはアブソルのトレーナー。 少しアブソルに見惚れた少年は、顔を赤くしたまま声をかける。 「なんのようだい、坊主」 目は外に向けたままアブソルは、自らの主人に問う。 それを少年は気にせず、アブソルに近寄っていく。電気をつけなかったのは、この光景がなくなるのがもったいなかったからなのか。 「リーグ挑戦激励会の途中でいなくなっただろ? どうしたのかと思って」 「十分楽しんだからね、一人でゆっくりしたくなったのさ」 「そうなんだ……少しお邪魔していい?」 「いいぜ」 再び杯を傾ける。 こくりと艶かしく動く白い喉に、少年は見惚れる。それに気づいて、ついっと目をそらす。 少年とアブソルの付き合いは古い。カントーとは違う地域から流れてきたアブソルに、七年前出会ったのが付き合いの始まり。 仲間の中で、付き合いが一番長いが、いまだにアブソルのこういった雰囲気に少年が慣れることはない。 いや、こういった色気がわかるようになって、接し方がわからなくなっているのだろう。 そんな若い反応を見せる少年をアブソルは、面白がっていた。今も、クスリと少年に見えないように笑っている。 「お酒って美味しい?」 少年は照れ隠しに話しかける。 「美味い。興味あるなら、飲んでみるか?」 「いいの?」 「少しだけならな」 そうういって手に持った杯を、少年に渡す。 受け取った杯を口に持っていき、くいっと傾け一瞬止まって、アブソルに返す。 顔が赤いのは、酔ったからではないだろう。初めて飲んだとはいえ、酔うほどの量は飲んでいない。 アブソルが飲んでいたところと同じ箇所で飲んだと、気づいたからだ。 「どうだ?」 「喉が熱くなるだけで、あまり美味しくは感じない」 「まだまだ子供だな」 杯に酒をなみなみと注いで、いっきに傾けた。 くはぁと熱い吐息が漏れる。 美味しそうに飲むアブソルを、若干羨ましそうに少年は見る。 「そんなに美味しいなら、いっきに飲むのはもったいないんじゃ?」 「酒は、ちびりちびり味わいながら飲むか、水のようにごくごく飲むかだ。 だから、いっきに飲むのも間違っちゃないんだよ」 「へー、俺もそんなふうに飲めるようになるのかな?」 「坊主が飲めるようになったら、またこうやって一緒に飲むか」 「うん」 「酒の味がわかるようになるのは、当分先だろうけどな」 「すぐにわかるようになる」 少し急いた感じで少年が答える。 「急がなくていい。私は逃げやしないから、ゆっくりと成長していけ。 急いだっていいことはないぞ」 アブソルが諭すように言う。 それと同じタイミングで、部屋の外から少年を呼ぶ声がする。 「ほら、あいつらが呼んでる。行ってやりな」 「アブソルは?」 「私はまだここで飲んでるよ。 満月が綺麗過ぎて、離れるには惜しいからな」 ドアノブに手をかけた少年に、付け加えるように声をかける。 「激励のプレゼントはあげたんだ、明日から頑張れよ」 「何かもらったっけ?」 「間接キス」 不思議そうだった少年の顔が、瞬時に真っ赤になる。 「いやっあれはって気づいて!?」 「わざとそうなるように渡したからな」 くくっと笑うアブソルを、情けない表情で少年は見返す。 何も言い返すことなく、少年は部屋を出る。 「可愛いねぇ」 楽しそうに笑い、杯を傾ける。 「ああいった反応が見られるうちは、一緒に酒は飲めないか? ふふ、あの坊主が、どんなふうに大きくなるのか楽しみだ」 満月に加えて、少年の成長を楽しむということを酒の肴に、さらに杯を傾ける。 本当に楽しそうな顔のアブソルを見ていたのは、満月だけ。 そんな満月に、アブソルはもう一つの杯を用意して、酒を注ぐ。 乾杯と当てられた杯は、リーンと涼やかな音を響かせた。
https://w.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/1538.html
14話:ボロボロのその羽にだって空舞う力は残されてる ダダダダダダダッ!! 静寂を切り裂く連射音。廃墟と化した病院内に銃声が響き渡る。 「くそっ…」 眼鏡を掛けた黒い制服姿の男、伊東鴨太郎は苦い顔をする。 短機関銃を持った、白髪の猫耳猫尻尾姿の少女に襲われていたためだ。 「…こちらには殺し合う気は無いが?」 「アンタに無くても、こっちにはあるんだよ!」 少女――シルヴィアは支給された短機関銃、PPSh41を、 伊東が隠れる曲がり角付近に向け乱射する。 ダダダダダダダッ!! 壁に無数の弾痕が空いたが何とか伊東は無傷でいられた。 しかしこのままでは距離を詰められ撃ち殺されるのは目に見えている。 現在位置は廃病院二階、下の階へ下りるための階段は少女の向こうにある。 非常階段は酷い錆に覆われており通るのは危険であった。 「あの窓から…逃げられるか?」 伊東はすぐ近くに一つだけあった窓から下の様子を見る。 薄暗いが、どうやら植え込みがあるようだ。 「あそこに飛び降りるしか無さそうだな……」 背後から足音が聞こえ、伊東は一刻の猶予も無いと、眼鏡を外しズボンのポケットに入れ、 意を決して窓から飛び降りた。 「このっ!!」 ダダダダダダダダッ!! 伊東の背後からシルヴィアがPPSh41を乱射したが、窓周辺の壁や床に細かい穴を空けるに留まった。 すぐにシルヴィアも窓から身を乗り出し、走り去っていく男に向け発砲する。 しかし、結局男を仕留める事は出来なかった。 「逃げられた…くそ…」 獲物を取り逃がした事を悔やむシルヴィア。 (前の殺し合いん時は森屋とかに邪魔されたけど…この殺し合いに森屋や仲販はいない。 代わりに私を殺した鈴木の奴はいる…やっぱり、私にはこの道しか選べないよ) 煙を噴くPPSh41を携えながら、白髪猫耳の少女は次の獲物を捜し始めた。 ◆◆◆ いつの間にか海沿いの道路に出ていた伊東。 息を整え、後ろから追ってくる者がいないと確認する。 「…サブマシンガンに真正面から突っ込むのは得策じゃないからな。 土方君ならそうするかもしれないが」 支給品の一つ、日本刀の姫鶴一文字を手にしながら伊東が言う。 デイパックの中にはインスタントカメラが入っている。もう一つの支給品だ。 「……生きているんだな、僕は…確かに死んだはずなのに……」 伊東鴨太郎は一度死んでいた。 だが、現にこうして息をして立っており、失ったはずの左腕も元に戻っていた。 傷も全て癒え、万全の状態で――この殺し合いに参加させられた。 あの暗い部屋で、テレビに血のように赤い文字で浮かび上がったメッセージ。 姿も声も分からない存在によるこの狂った殺し合いゲームに、伊東は反逆するつもりだった。 なぜ自分が生き返れたのかはこの際考え無い事にした。 今考えるべき事はそれでは無い。 「…誰だか知らないが、僕はこんな殺し合いに甘んじるつもりは無い…。 再び与えられた命で、出来る事をする」 伊東はやや荒れた海を見通しながら、殺し合いに抗う決意を新たにする。 【一日目/早朝/E-7市街地跡東南部の海沿いの道路】 【伊東鴨太郎@銀魂】 [状態]良好 [装備]姫鶴一文字 [道具]基本支給品一式、インスタントカメラ(残り使用回数5) [思考] 1:殺し合いには乗らない。首輪を何とかしたい。 2:志を同じくする仲間を捜す。 [備考] ※本編死亡後からの参戦です。 ※シルヴィアの外見を記憶しました。 【一日目/早朝/F-7廃病院】 【シルヴィア@自作キャラでバトルロワイアル】 [状態]良好 [装備]PPSh41(40/71) [道具]基本支給品一式、PPSh41のドラムマガジン(5) [思考] 1:殺し合いに乗る。優勝を目指す。クラスメイトでも容赦しない。 2:獲物を捜す。 [備考] ※本編死亡後からの参戦です。 ※伊東鴨太郎の外見を記憶しました。 ※F-7廃病院周辺に銃声が響きました。 ≪支給品紹介≫ 【姫鶴一文字】 支給者:伊東鴨太郎 日本刀。名刀の一つ。 【インスタントカメラ】 支給者:伊東鴨太郎 撮影直後に自動的に現像を行う写真フィルムを使ったカメラ。 撮ったその場で写真を見ることができるという最大のメリットがある。 【PPSh41】 支給者:シルヴィア(予備ドラムマガジン5個とセット) 旧ソ連が1941年に制式化したゲオルグ・シュパギン技師開発の短機関銃。 PPSh41は、Pistolet-Pulemjot Shpagina (Пистолет-пулемёт Шпагина)1941: シュパギン式短機関銃1941年型という意味。堅牢かつ取り回しも良い。 最後まで読んではいけない 時系列順 精神崩壊クラッシュミタル 最後まで読んではいけない 投下順 精神崩壊クラッシュミタル ゲーム開始 伊東鴨太郎 The great friend of mine is where. ゲーム開始 シルヴィア 海が見える、濁った水面が見える
https://w.atwiki.jp/yamata0921/pages/58.html
合計 Player score 1st カルビ 983 2nd 3rd シンセリード① ☆8 Player score 1st カルビ 100 2nd 3rd シンセリード② ☆8 Player score 1st カルビ 99 2nd 3rd シンセベル ☆9 Player score 1st カルビ 99 2nd 3rd ピアノ ☆9 Player score 1st カルビ 98 2nd 3rd ストリングス① ☆8 Player score 1st カルビ 99 2nd 3rd ストリングス② ☆8 Player score 1st カルビ 99 2nd 3rd OD・ギター ☆9 Player score 1st カルビ 96 2nd 3rd D・ギター(ギター) ☆8 Player score 1st カルビ 98 2nd 3rd ピックベース ☆9 Player score 1st カルビ 99 2nd 3rd ポップドラム ☆10 Player score 1st カルビ 96 2nd 3rd
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/225.html
100 :深月 [sage] :2008/01/14(月) 22 43 50 ID pk/0UBFF 闇に包まれた山道を深山蒼佑(みやま そうすけ)は走っていた。立ち止まることもなく、後ろも振り返らずに。切れ切れに吐き出される吐息は白く、瞬く間に昏い空に溶けていく。 今宵は満月。見慣れていたはずの月はいつもより、ひと際白い気がする。 その中で火照った体を冷やしてくれる冬の寒さと、夜の山道を照らし出してくれる月の光だけが彼にとって唯一の救いだった。 もうどれほど走っただろうか。 今は少しでもあそこから離れ、街に近づけさえいればいい。 街にさえ出ることができれば救いはきっとある。そう信じて蒼佑は走り続けた。 「っ!……あった」 闇の向こう側一筋の光が見える。ようやく山道から街へ続く道路へ出たのだ。 ここまで来れば、街はそう遠くはない。やっとあいつから逃げられる。 走り際に標識を見ると、あと数百メートルで街に出られるようだ。 数百メートル。陸上部だった彼からすればそんな距離、五分も満たない内に完走できただろう。 けれど―――――――――――――――――――― 「…は、はは……」 冷たい月の光がその人影を映し出す。 希望を絶望に変えるかのように、蒼佑の前に一人の少女が立塞がっていた。 西岡満月(にしおか みつき)。小学校からずっと一緒だった、幼馴染。 「そうだよな…無闇に追うよりも逃走経路に網張った方が確実、か。まあ、予想はしてたけど……」 それでも彼女とは会いたくはなかった。 蒼佑から乾いた笑いが自然と零れる。 「なんで、こうなったんだろうな……満月」 彼女の着た白いワンピースは血塗られている。 彼女の白い肌は血塗られている。 故にそれを意味することは一つ。 「……ねえ、そー君」 幼馴染はいつものような柔和な笑顔を浮かべる。 何一つ変わったことなど無い、とでも否定するように。 「早く帰ろうよ。お家は向こうだよ?」 彼女が指差す方向は数時間前まで自分が監禁されていた場所。逃げ出した地獄。 そこに戻れ、と彼女は言う。 まるでそここそが深山蒼佑の帰る唯一の場所とでも言うかのように。 101 :深月 [sage] :2008/01/14(月) 22 45 26 ID pk/0UBFF 蒼佑はポケットから小刀を取り出す。ずっしりと手にした重量感が、これは“目の前に居る者”を殺す凶器なのだと告げている。 それを慣れない手つきで幼馴染に向けた。 「そこを、退け」 短く。自分の感情を抑えるように、警告する。 けれどそこに躊躇いがある限り、今の彼女に通用するとは思わない。 「……そー君。そんなことしても無駄だよ」 満月は彼の持つ凶器を気にも留めない様子で近づいてきた。 「いつもそうだったよね。テスト勉強頑張っても勉強する範囲を間違えたり、大会のために必死で練習してたら大会当日に風邪引いちゃったり……そー君って頑張れば頑張るほど空振りするんだよね」 呼吸は荒く、手の震えが止まらない。 「だからね―――――――――」 彼女が近づく度に、足は自然と後ろに下がる。 「これもきっと無駄。いつもみたいに徒労に終わるよ」 白い月の下。 昏い空は深く、底が見えない湖の様。 今宵はいつもよりも月が白かった。 何故、こうなってしまったのだろう。 106 :深月 [sage] :2008/01/15(火) 00 18 19 ID QJH77RNn 夢を、見た。 白く、儚く、孤独な少女が出てくる夢。 そこが何処だったかは思い出せない。その子が誰だったかは思い出せない。 けれど、確かに僕はその少女を知っているような気がした。 夢に出てきた場所はどこか山の中。古い日本屋敷の最奥。 僕は今は亡き祖父に連れられて、幾重にも連なる赤い鳥居を潜っていた。 どこまでも続く同じような風景に飽きていた僕は「どこに行くの?」と尋ねると、祖父は困ったような顔をして、「これからね、蒼佑と同い年の女の子と会ってもらうんだよ」 それだけでは意味が分からない、と僕は答えた。まるで祖父は僕に何かを、いや自分から本題を遠ざけるような、そんな態度だ。 「その子はね、お前の番いになるかもしれない大事な子なんだ」 「つがい、って何?」 「んー…分かりやすく言うと、お前のお嫁さん、かな?ああ、でも、絶対というわけではないんだよ?何人もそういう“候補の子”がいてね、その中の一人から選ばれるんだ」 その時の僕は、祖父が言っていたことがよく理解できなかった。まだ会ったことも、話をしたこともない女の子をなぜ嫁にしなくてはならないのか? 「もし、選ばれたら――――――――――」 だから僕は祖父に聞いた。 「断ったらいけないの?」 暫くの沈黙が続いた後、祖父は今にも泣き出しそうな顔で、 「これはね、【新月】が決めたことなんだ」 【新月】。それは昔から僕にとって大嫌いなものだった。 父と母は【新月】のせいで死んだ、と祖母は言っていたし友達と遊べなくなるのも、決まって【新月】に呼び出されるからだ。 だからきっとこれも、ロクでもないことだろう。ようやく辿り着いた離れの門を前にして、僕はそう確信していた。 107 :深月 [sage] :2008/01/15(火) 00 20 46 ID IKcIIjn4 ようやくあの子に会える この刻をどれだけ待ち侘びただろう この瞬間が来るのをどれだけ夢見ただろう 彼が来るというだけで、何事にも無関心だったボクの心は掻き乱される 彼の笑顔を思い出すだけで、氷のようなボクの体は熱くなる 彼のことを想うだけで、空っぽだった自分の中が満たされるような気がする…… でも……まだ足りない。想うだけでは足りない…… だから――――――――――――――――ボクはアナタのことが、欲しい 部屋に入った瞬間、彼女と目が合った。そして魅入られるように、僕は彼女から目が離せない。 白い、月。 それが彼女を目にした感想。 光の届かない部屋の奥で、白い少女は幽閉されるように“存在”していた。 だから、暗い部屋の奥に居た白い少女がまるで夜空に浮かぶ白い月のように思えたからだろう。 彼女の着た藍色の着物は闇に溶け、足元まである長い銀髪と色素を感じさせない白い肌、そしてその奥に光る朱い瞳。外国人とも違う異質な雰囲気に、自然と息を呑んだ。 それはまるで人形の様に。 全てを見透かすような朱の瞳はそれまで何も、誰も見てはいなかった。たった今入ってきた自分を除いては。 「――――――」 彼女は何かを呟いた後、僕に向かって、笑った。 声は聞こえなかったけれど、何故か彼女が呟いたことがはっきりと理解できた。けれど、なぜ彼女が僕にあんなことを言ったのかは、理解できなかった。 彼女は言った。「お帰りなさい」、と。 まるでここが僕の帰る家だとでもいうように。