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蒼「みなさん今晩和。今夜も(翠星石と蒼星石のお騒がせラジオ)の時間がやってまいりました。 パーソナリティは僕、ローゼンメイデンの第4ドール・蒼星石が務めさせて頂きます。」 蒼「えぇ、まず残念なお知らせです。ずっと相方だった翠星石が、あまりの罵りの激しさに苦情が相次ぎ、降板となってしまいました。 翠星石の罵りを期待していた方々、ごめんなさいっ!」 蒼「その代わり、今日はスペシャルゲストをお呼びしております。後程到着の予定です。 さて今夜も皆さんと、楽しい夜を過ごしましょう。」 蒼「たとえ僕だけでも、翠星石と蒼星石のお騒がせラジオ、今夜も始まります!」 Title:翠星石と蒼星石のお騒がせラジオ 蒼「まず最初のお便りは、ラジオネーム・阿部高和さんから・・・」 「や ら な い か」 蒼「・・・」 蒼「勘違いされてる方も多いですが、僕は女です。後から(ごめん、男の子だと思ってたんだ)では済まされませんよ。」 蒼「気を取り直して、次のお便りは、東京都の住所不定無職、ラジオネーム・ダディクールさんからです。」 「いつも楽しく聞かせてもらっています。ところで蒼星石さんは皆から(蒼星石は俺の嫁)と言われていますが、 本当の所、誰の嫁なのでしょうか。」 蒼「いつも聞いて頂きありがとうございます。僕は誰の嫁とかではありません。皆さんの心の嫁です。 皆さんに楽しい一時を与える、それが僕の役目ですから・・・」 蒼「次のお便りは・・・えーと・・・読みにくいな・・・ラジオネーム・蒼星石の双子の姉さんからです・・・!!」 「(蒼星石!翠星石を差し置いてラジオに出るなんてひどいですぅ!翠星石と蒼星石はいつも一緒だって言ったんじゃないかですぅ!!)」 蒼「(翠星石・・・あれほど番組にお便り出すなって言ったのに・・・)」 蒼「えぇ・・・ひとまずこのお便りは置いておきましょう・・・さて、ここらで恒例の(サウンド・オブ・ラピスラズリ)コーナーです!」 蒼「このコーナーは、僕が印象に残ったサウンドを、僕的偏見を交えて流すコーナーです。 まず最初は・・・懐かしのユーロビート、King Kong D.Jungle Girlsの名曲・Boom Boom Doller!!」 (曲が流れる) 蒼「この曲の何が印象に残ったかと言いますと・・・」 (曲のサビに入る) 蒼「⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーン ⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーン」 曲「(Boom Boom Boom Boom) Shoot you like a bombar (Boom Boom Boom Boom) At your order」 蒼「非常に⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーン出来る曲ですねこれは。一部の方には涙モノではないでしょうか。」 蒼「さて、お便りがぞくぞく届いて居ます。ラジオネーム・ジョルジュ長岡さんから・・・」 「蒼星石のバストの大きさはどれくらいですか?おっぱい!おっぱい!!」 蒼「・・・」 ┌──┐ i二ニニ二i i´ノノノヽ))) W////ノリ (つ⊂) 〈__l__〉 〈_ハ_〉 蒼「・・・えっと、僕は人形で・・・おそらく人間で言えば14歳程度のプロポーションに作られてますので・・・ それで察してください・・・(こんなの恥ずかしいよぉ!!)」 蒼「えぇ・・・次のお便りは、ラジオネーム・荒巻スカルチノフさんからです。」 _,,..,,,,_ / , 3 `ヽーっ l ⊃ ⌒_つ ` ー---‐'" 蒼「(・・・これに何を突っ込めと・・・!!やっぱり翠星石がこういうお便りにストレートな罵り入れれるってのは凄い事だよ・・・)」 蒼「えっと・・・とりあえず日本語でおk?」 蒼「あ、スペシャルゲストが到着した模様です。ではゲストが準備出来るまでの間、皆さんのリクエスト曲を流すとしましょう。 今日のリクエストは、兄者さん・弟者さん・妹者さん・ギコさん・・・他多数の方のリクエストで・・・ おっくせんまんのテーマです!!」 蒼「(・・・マスター、確かにロックマン2のあの音楽は名曲ですよ・・・でもこんなアレンジって・・・!!)」 蒼「さて、準備が出来た模様です。今日のスペシャルゲストは・・・」 翠星石と蒼星石のお騒がせラジオ(後編)
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「マスター、名前ってのは大事なんだよ。」 蒼星石が意味ありげな表情に、これまた意味深な言葉を乗せる。 「名前には力があるんだ。イキモノでもモノでもその名を冠することによって、その名を持つモノと同じ 力を持つこともできる。」 そう語りながら蒼星石は俺が手渡した金属バットに、油性ペンで字を書いているようだ。俺はというと、 まったく話が見えてこない。 しばらくすると蒼星石が油性ペンのふたを閉めた。キュ、と耳障りな音の後、蒼星石がバットを右手で 掲げ、俺に見せ付けた。 バットには“斬鉄剣”と書かれていた。 「ま、まさか・・・!」 俺の予測通り、蒼星石はそれをスイカに向かって一閃させた。ヒュッ、とバットとは思えない音がし、スイカが 真っ二つに割れる。しかし普通に割れるはずもなかった。スイカのごつい皮だけが真っ二つとなり、紅い中身 は無傷で皿の上に巨大な腰を据えていた。 「持ち主の斬りたい時にだけ斬れる、これが名刀だよね、マスター。」
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Title:蒼星石ともみじ狩り 蒼「マスター見てください、山がこんなに色づいてますよ。」 蒼星石がテレビに映し出された紅葉に彩られた山を見ながら言った。 マ「お、もうそんな季節なのか…」 蒼「綺麗ですよね…こう風情があるというか。」 俺は別に紅葉など、見飽きているのだが 外国での生活が長かったのか蒼星石は目を輝かせながら テレビに映っていた景色を見ていた。 マ「そうだ明日にでも、もみじ狩りに行くか?」 俺の提案に蒼星石は驚いたような顔でこちらを見てきた 蒼「な、何を言ってるんですか!?ほら、僕は人形ですし…」 マ「大丈夫だって、普通の子供服を着てたら誰も蒼星石の事を人形だなんて思わないさ それに自分の眼であの景色を見てみたいと思わないか?」 蒼「はぁ…そこまで言うなら仕方ないですね…」 最終的には俺の必死な説得に蒼星石が折れるといった形になった 俺が必死になっているのには訳があった、 俺が蒼星石と契約して早1ヶ月経とうとしているのだが、 相変わらず蒼星石とはあまり打ち解けていないのだ なので、このもみじ狩りで少しでも蒼星石との距離を縮めようと考えたのだ。 そして翌日、もみじ狩り当日の日… マ「ほら蒼星石、出かけるぞー」 蒼「あの、マスター…何故僕の服が女物の服なのですか?」 マ「いいじゃん、似合ってるぞ~♪」 蒼「もう!質問と答えが違ってますよ。」 蒼星石は俺が用意した白いワンピースがどうも気に入らないらしい 白いワンピースはとても似合っているのだが 蒼星石は普段から女物の服とか着ていないので抵抗があるのだろう。 蒼「この服で出かけるの、今回だけですからね…?」 マ「えー、物凄く似合ってるのに…」 蒼「ほらほら!早く出かけないと晩御飯までに帰って来れませんよ?」 蒼星石が顔を真っ赤にして言った、可愛いなこんちくしょう そして俺と蒼星石は家を後にし、目的地のA山目指して車で移動を始めた。 蒼「あの、これから行くA山ってどのような場所なのですか?」 マ「ん~…そうだな、標高はあまり高くないから登るのは楽だと思うぞ。」 蒼「そうではなくてですね…出来れば景色の話を…」 マ「景色か…、テレビに映ってた山ほどではないが綺麗だと思うぞ。」 40分後、やっと目的地のA山に着いた 蒼「わぁ…凄く綺麗ですね…」 マ「頂上から見たほうがもっと綺麗だと思うぞ。」 蒼「そうですね、では登りましょうか。」 20分かけてやっと山の頂上に到着した 蒼「見てください!凄く綺麗ですよマスター!」 目の前に広がる色づいた山、その景色を見た蒼星石がはしゃぎだす。 マ「え?ん…あぁ…」 蒼「どうしたのですか?ひょっとして…楽しくないですか…?」 マ「いや、そうじゃなくてな、やっぱり蒼星石も女の子なんだなって。」 蒼「えっ…?」 マ「だって、紅葉を見ながらはしゃぎまわってたし、目も輝いていたよ?」 蒼「あぅぅ…それ以上言わないで下さい///」 蒼星石の顔が見る見る赤くなっていく。 今辺り色づいているもみじよりも赤いかもしれない。 マ「そろそろ下りようか。」 蒼「そ、そうですね、」 蒼星石の顔は未だに赤いままだった。 マ「帰り道は少し遠回りしてみようか。」 蒼「え?どうしてです?」 マ「行きと帰りが全く同じだと面白みが無いでしょ?」 蒼「そうですか?僕はそんな事無いと思いますが…」 マ「いいじゃないか、まだ遠回りしても夕飯に間に合う時間だろ?」 蒼「確かにそうですけど…はぁ…仕方ないですね。」 そして、登った時とは違う道順で山を下りて行った。 30分後… マ「あれ?ここさっきも通らなかったか?」 蒼「ええ!?ひょっとしてマスター迷ったんですか…?」 マ「そうみたいだな…」 蒼「どうするんですか!もう辺りも暗くなってきましたよ…。」 マ「うーん…こんな事になるなんて思ってなかったから地図やコンパスも持って来てないし…」 蒼「そ、そうだ!携帯電話があるじゃないですか!」 マ「落ち着け蒼星石、こんな山の中じゃあ携帯電話は圏外だ。」 蒼「マスターが落ち着きすぎなんですよ! も、もしかしたらこのままずっと迷うなんて事に…ううっ…ぐすん」 よっぽど怖いのかその場で蒼星石がへたり込んで泣き出してしまった。 マ「よしよし、怖くないからな…」 蒼「ま、ますたぁ…少しの間…手を繋いでもらってもよろしいですか…?」 蒼星石が涙目+上目使いでこちらを見ながらそう言ってきた。 マ「お、おう…蒼星石がそれで落ち着くなら…」 うぅ、この表情+白いワンピースの破壊力は異常だ… 蒼「ありがとうございます…」 マ「とりあえず、このままじっとしてても埒が明かないから歩こうか。」 蒼「でも、下手に動いて更に状況が悪くなるかもしれませんし…」 マ「大丈夫だって、帰り道は分かってるし」 蒼「…はい?」 蒼星石は俺の発言に目が点になっていた 当然だ、迷ってた筈の人間がいきなり「帰り道は分かってる」なんて言い出したら 誰でも驚くだろう。 マ「悪い、蒼星石実は今までの迷った云々は全部嘘、ドッキリね」 俺がそう言ったとたん蒼星石は俺の胸を叩き始めた 蒼「もう!マスターの馬鹿馬鹿!僕…凄く怖かったんですからね!」 マ「悪い悪い、こうした方が思い出として残りやすいかなと思ったんだが… よく考えたら思い出に残ったとしてもいい思い出ではないよな…すまなかった」 蒼「もういいですよ、ただしこれからはこんな性質の悪い悪戯はしないでくださいよね それと…これからも時々先ほどみたいに甘えても宜しいでしょうか?」 マ「大歓迎だよ、時々じゃなくて常時甘えて頂きたい位だ!」 蒼「もう!マスターったら調子に乗りすぎですよ!」 こうしてめでたく俺と蒼星石とは少し打ち解けた。 ちなみにこれは余談だが、俺はおイタをした罰として2日間夕食を抜かれた。 完
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… ガタタンッ…ゴトトンッ… ガタタンッ… ゴトトンッ… 『マスター、次の駅は 《ぷれあです》 って言うんだよ?』 『…すばる星、か。 冬の夜空では一番に好きだ。』 『うんっ、とっても綺麗なんだ。 …もうすぐ見えてくるよ?』 列車の窓から外を見る。 遠く、近く、美しい星々の輝く、漆黒の夜。 真向かいに座った蒼星石の顔が、窓のガラスに反射して微笑む。 『ほらほらっ、見て…!』 蒼星石の指差す方角へ、俺は身体をねじ向けて、外を眺めた。 ゆるやかなカーブを描く軌道。 その先に… 大きなアセチレンランプのような、限りなく青白いガス燈のような、冷たく、やさしい光。 あまりの美しさに、思わず見とれてしまう。 と… いつのまにか、蒼星石がかがみこんで、俺の頬に顔を寄せていた。 「ちゅっ」 頬にキスをして、顔を赤らめて、イタズラっ子のように微笑む蒼星石。 甘やかなミルクのような肌の匂い。 髪の毛のかすかなミントの香り。 俺は笑いかえして、蒼星石の唇をやさしく吸う。 俺は… 眠りから醒めると、いつのまにか夜行列車の中に居た。 客車の中には、俺と蒼星石以外、誰も居ない。 古びた、あちこち木造の、薄暗い白熱灯に照らされた車内。 …… 蒼星石の話では、この列車は 《銀河鉄道》 という名前らしい。 地上ではなく、星々の間の宙空を走り、遠い彼方へと続いてる… そうだ。 果てしなく遠い、どこかへ。 … キスをやめて、蒼星石を抱き寄せながら、向かい側の席へと移る。 …今まで蒼星石が座っていたぬくもりが、腰に気持ち良い。 『綺麗でしょ、マスター…?』 『ああ。 素晴らしいな。』 蒼星石を膝の上に乗せて、一緒に顔を並べて、近付いてくる駅を眺める。 今は、車内全部を明るく照らし出すほどの輝き。 幾つもの大きな光球が浮かぶ中、青LEDのような方向指示燈が整然と並び、彼方へと続いている。 『あれ? この駅には… 停まらないのか?』 『うん。 ここは、まだマスターの降りたい駅じゃない、みたいだね…。』 残念そうに、でも何故か嬉しそうに答える蒼星石。 列車は、ゆっくりと、輝く水晶のような美しい駅を抜けて、そのまま進んでいった。 やがて… 後方からの輝きは弱まって、また黒々とした宇宙が、目の前に。 『なぁ、蒼星石。 …俺たちは、いったい何処に向かってるんだ?』 『…。』 列車の単調な 「ガタタンッ…ゴトトンッ…」 の音だけが、鳴り響く。 蒼星石は、俺に全身を預けたまま、黙っている。 『もしかして… 蒼星石も知らないのか?』 『ううん。 知ってるよ。 …でも、解らないんだ。』 『知ってるのに、解らない?』 蒼星石は、振り返って、俺の目を覗き込んだ。 暖かで、哀しそうで、吸い込まれそうな… その赤と緑。 『マスターが、ね。 「降りたい」って思うはずの場所が、目的地なんだ。 それだけは知ってるよ。 でも、それが何処なのか… ボクには、解らない。』 そう言うと、蒼星石は、また少し哀しそうに笑った。 『ボクの役目は… マスターの居るべき場所へと案内すること。 無事に、目的の駅まで送り届けて、それから… 』 『… それから?』 『… ボクはっ、ぼ、ぼくは… 』 突然、蒼星石の目から涙が溢れ出した。 遠い星に照らされて小さく輝く、涙。 俺は… 強く抱きしめて、その涙を吸ってやる。 暖かい。 『ますたぁあああ!』 泣きじゃくって身体を押しつけてくる蒼星石。 互いの身体を撫であい、求め合って、…せつない火照りに熱くなり、ひとつに交わって。 誰もいない、仄暗い客車の中。 座ったまま、下から貫いて、レールの振動に合わせて揺れあって。 …… また、いつものように一緒に絶頂して。 蕩けるような余韻に浸りきり、身体を重ねたまま、暖かな吐息を交わして。 やがて身体を起こし、服を調えて、俺の横に座る蒼星石。 俺に身体をもたれかけて、静かな吐息を吐いて… 甘えて、小さな鼻梁をこすりつけて。 でも、哀しそうな空気は、消えぬまま。 『なあ。』 俺は… 蒼星石の目を覗き込んだ。 遠い瞳が、一瞬、俺に焦点を合わせて、…また、遠ざかる。 『あのさ… 正直に、本当のことを話して欲しいんだけど。』 『……』 『俺は… 死んじまった、のか?』 『……』 『俺は何かの理由で、もう死んでいて、 蒼星石が俺の魂を、どっかの世界へと導いてくれている、 …そんな感じじゃないのか?』 『… そう、だよ…。』 殆ど 「確信」 を持っていたから… 驚きはしなかった。 むしろ、ホッとした。 小心者だった自分。 いつもいつも 「死」 を恐れてて、忘れるためにいつも 「祭り」 を追っていて、 結局は無目的のまま、くだらない人生を延々と垂れ流しながら、 「悔い」 ばかりに埋もれ始めていた、自分。 でも… いま、思い出そうとしても、死んだその瞬間の苦しみや痛みの記憶は、無い。 『(あるいは… 蒼星石が、その辛かった部分を消してくれたのか…?)』 解らない。 でも、俺はいま、こんなにも安らぎに包まれて、最後の旅を続けている。 どこまでも遠く、深い蒼。 星々の輝きは青白く、ときおり真紅や橙色を交えながら、遥か彼方まで広がって。 蒼星石は、俺の胸に顔を埋めると、小さく吐息をついた。 『マスター… ごめんなさい。』 『いや。 …ありがとう、蒼星石。 本当に。』 『… マスター…。』 『とっても良い気分だよ… これで、蒼星石とお別れするのが無ければ、最高なんだけどな…。』 『マスター… 』 蒼星石が、顔を見上げて、俺の瞳を覗き込んできた。 …… すがるような、壊れそうな、真剣な目。 『ひとつだけ、方法があるよ…? 』 『え?』 『でも… それは、マスターにとって、良くないことだから… 』 『…なんだい? ぜひ教えて欲しいな。』 『… ずっと、この列車から、降りないこと… 』 蒼星石は、悲しそうに頭を降った。 『あのね… 死んじゃった人は、みんな、この列車に乗って運ばれて、 降りたい駅に着いて、次の 「転生」 を待つの。 とっても素敵な場所で、ゆったりと寛いで… 生きてたときの苦しみを癒されて。』 『天国、のような…?』 『そう。 …たとえ苦しくても、良い生き方してきた人は、その御褒美に、 次に生まれ変わるとき、前世よりももっと良い命を与えられて、産まれるの。』 『なるほど… 』 『そして、マスターは… 頑張って、ずーっと一所懸命に生きてきたから、 降りれる駅も、とても素晴らしいはずで、本当に幸せになれるはず、なの…。』 蒼星石の瞳は、暖かな尊敬と慈愛に満ちて、輝いている。 哀しそうなまま… 切なそうなままに。 『でも… この列車に、いつまでも乗ってると… 「転生」 もできないまま、二度と、生きる喜びも得られないまま、旅を続けることに… 』 『蒼星石。』 俺は、話の途中で答えた。 『なあ。 …俺が、「転生」 する先の世界でも、蒼星石は現れてくれるのか?』 蒼星石の顔が、寂しそうに歪む。 『たぶん… 無理です。 ここでお別れしたら、もう二度と… 』 『…。』 『マスターの記憶から消えて、でも、ボクはっ! マスターのこと、いつまでも覚えてて、 存在をやめるまで、お、想い出の中にだけっ、…マスターがっ、 』 声が嗚咽の中に沈む。また溢れ出してきた、涙。 俺は… 力の限り、蒼星石を抱きしめる。 『だったら… オレ、何処にも降りない。 ずっと一緒に行こう… どこまでも。』 『… ま、マスター… う…、そ、そんな、そんなっ…!!!』 絶対に手放したくない、最高の存在。 蒼星石は、俺の胸の中で、いつまでも泣き続けていた。 … 無時間の虚空。 遠い星々。 古びた円盤状の速度計を見て、針の振れを確かめる。 少し速度が上がり過ぎ… か。 …… 蒸気のバルブを調整し、出力を抑え、徐々に近づいてくる運行指示塔へ信号を送る。 「正常。問題ナシ」 指示塔から、グリーンの点滅が返されてくる。 いろいろ、結構忙しい… 鉄道の運転って。 『お茶、淹れてきましたーっ。』 振り返ると、蒼星石の笑顔と敬礼。 車掌の制服が、本当によく似合う。 抱きしめてキスを交わし、熱いミルクティーを啜りながら、再び計器に目を戻す。 俺たちは、遠い銀河核の中心へと行き着いた後、そのまま銀河鉄道システムの一員となった。 無限の軌道を走り、死者の魂を運び、星々の奥へと連れて行っては、別れを告げて去る。 ときおり、次の人生を営める 「転生」 を、少し羨ましくも思うけど… いつも一緒に居てくれる蒼星石のおかげで、寂しくはない。 『マスター、いま乗ってきたお客さん、とっても綺麗な人ですよっ。』 『んー、見に行きたいけど、ちょっと、なんか蒸気圧が安定しなくってさ…』 蒼星石は、俺の腕にもたれかかると、 ちょっと不安そうな、でもイタズラっぽいような声で。 『見に行けないほう、嬉しいかも。 …マスター、惹かれて一緒に 「転生」 行っちゃったら、哀しいから。』 『何言ってんのかな全くっ…』 苦笑しながら、蒼星石の髪に顔を埋めて、暖かな香りと温もりに、くつろいで。 『この軌道、そういえば初めてですよね… 「フォーマルハウト」? 「秋のひとつ星」 でしたっけ?』 『ああ… 周囲に何も無いけど、空間が澄み切ってて、とっても良い感じだ。』 …… 『蒼星石、おまえは俺の 「ひとつ星」 さ。』 そんな 「いまさら」 な台詞を言おうか、言うまいか、少し迷いながら、 俺は、遠い彼方に見え始めた光輝を見つめていた。 END
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わっかのまーち【検索用 わっかのまーち 登録タグ 2018年 CeVIO Jimmy’z VOCALOID VOICEROID _yuragi v flower wotaku さとうささら わ 初音ミク 曲 曲わ 琴葉茜 鏡音リン 鏡音レン】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:wotaku(Jimmy z) 作曲:wotaku(Jimmy z) 編曲:wotaku(Jimmy z) ボカロプログラミング協力:_yuragi(from Jimmy z) 唄:初音ミク 演説:琴葉茜(VOICEROID) コーラス:wotaku、初音ミク、鏡音レン、鏡音リン、flower、さとうささら(CeVIO) 曲紹介 「諸君はこの暗澹たる深海から逃げ出す術を悟っている」 曲名:『輪っかのマーチ』(わっかのまーち) 歌詞 (piaproより転載) サカサマに 伸びてく身長 影の中で ひとりで泣いている 空気が染みてく 黄昏を成し 浮かんでいる 旅の中で どうせ 奇跡も魔法も無いのにね もう恐れるな ひとりでは無い 仲間は常にいる さあ飛びたてよ 涅槃の向こう 勇気と言う希望の回答 燃える星にファックして 明け方にゃ 後光証明 振り返る間も無いくらい 急ぎ 天に召して 恋に堕ちてしまったんだ 死神にアポを取って 腸を産み転がして 喰らう縁の首輪 相応しい 安息を アベコベの輪に縋っている 千切れそうで 今日も直して カサブタをしゃぶる 泡沫に消ゆ 不恰好な夢の淵で 前も後ろも 未来も無いのにね もう案ずるな 迷える人よ 助かる道はある さあ飛びたてよ 寂滅は今日 勇気と言う希望の先へ 今日も口はチャックして ぶち撒けりゃ死亡解剖 泣き出す間も無いくらい 急ぎ 天に召して 恥の多い生涯でした でも良いことは無いんでした 腸を蹴り転がして オーバーヘッド決めろ 相応しい 安息を 燃える星にファックして 繰り返す希望証明 振り返るな 前を向いて 急ぎ 天に召して どうか一刻も早く この一切合財手放して 何もない幽玄にほら 進め いざ進め 相応しい 安息を コメント 好きだー -- 名無しさん (2024-04-28 16 40 15) 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
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【岸野 星来】 ※名前:岸野 星来 ※読み:きしの せら 身長:160センチ 体重:48キロ 3サイズor体型:(C)85・56・86 ※髪型:ふわふわショートボブ 髪色:ダークブラウン / 赤メッシュ ※一人称:私 ※性格:ハイテンション / ずぼらだが変なところにこだわる / 変なプライドがある 誕生日:7月18日 血液型:A型 ※所属クラス:1年1組 ※部活動:アーチェリー部 ※桜花or菊花or自宅等:菊花寮 ※入学時期:高1 好きなもの:エナジードリンク / 鮭のおにぎり 嫌いなもの:匂いの強いもの お気に入りのシャンプー:ラックス ルミニーク 家族構成:兄が二人、両親 イメージCV:上田麗奈 備考:中学時代にアーチェリーで好成績を残し推薦入学をした。推薦入学だということにプライドを持っており、部の先輩と衝突することもしばしば。が、ポジティブな性格で基本的には好かれるタイプ。弓や矢は黒や赤基調のスタイリッシュなものを使用しており若干厨二が入っているのか? ずぼらだが運動部特有の匂いには気を遣っていて、汗臭いと言われるとかなり凹む。 台詞例:「っしゃぁぁぁっ! やったぁぁぁぁ!」 「君のために勝ってくるよ!」 「うわぁぁぁっ! ちょ、なに! なにやってんの!?」 「もうだめだぁぁぁ……」 登場作品 メイン登場作品 【作品名と作品へのリンク】 サブ登場作品 【作品名と作品へのリンク】 【作品名と作品へのリンク】 【作品名と作品へのリンク】
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ある日の夜。俺は缶ビールを飲んでいた。 「もうマスター、飲みすぎです。飲みすぎはよくないですよ。」 確かに、もう三本目だった。だがまだその三本目はまだ半分位残っていた。 そこで、俺は思いついた。 「なあ蒼。そう思うなら、この残りのビールを飲んでくれよ。」 「ええー。流せばいいじゃないですか。」 「そんなの勿体無いじゃないか。」 「…。それに、僕お酒飲んだことないからどうなるかわからないし…」 「ビール位で大したことにならないだろ。それに酔ったとしても、受け止めてやる。」 そんな俺の期待の眼差しに負けたのか、蒼星石は観念したようだった。 「じゃあ、飲むよ…」 渋々缶ビールを持った蒼星石。少しためらった後、一気に飲み始めた。 「お、おい。なにも一気に飲むことないだろ。」 「プハァ。はい、飲んだよ…。あれ?何だかフワフワする…?あれれ…?」 そう言って、蒼星石はテーブルに突っ伏してしまった。 「蒼…?」 ビールでこんなになるとは、ドールは酒に弱いのか?まずいことしちゃったかな? しばらくして… 分岐点。「蒼星石のあなたに対するストレス度は?」 ①低い ②中くらい ③高い
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マスターが仕事場から帰ってくるまで、蒼星石は居間のテレビでくんくんを見ていた。 場面はくんくんの宿敵であるドロボウキャットが、くんくんを眠らせ、監禁している緊迫シーンである。 くんくん最大のピンチに、蒼星石は画面を食い入るように見つめる。 ドロボウキャットが、縄で縛られイスに座らされたくんくんに妖しく話しかける。 ド:「お目覚めのようだな、くんくん。」 く:「は! ここは!? おまえはドロボウキャット!」 ド:「フッフッフ、今君を亡き者にするのは簡単だ。だが、今回は我慢しよう。」 く:「どういうことだ!? ドロボウキャット!」 ド:「今回の我輩の計画に、君の力が必要なのだよ。」 く:「わたしはお前のような犯罪者の力なんかにはならないぞ!」 ド:「フッフッフ、果たしていつまでそのような強気の態度でいられるかな?」 く:「なんだと!?」 ド:「これを見たまえくんくん。」 ドロボウキャットがくんくんの目の前で振り子を構える。 く:「?」 ド:「さぁ、これをよく見るんだ。くんくん。」 ドロボウキャットが振り子を揺らす。振り子の先には固形ドッグフードが付けられていた。 く:「(お、美味しそうなドッグフードだ! くんくん! い、いい匂い!)」 くんくんは食事前に誘拐されたため、ハラペコだった。 振り子の動きに釣られ、顔を左右に揺らすくんくん。 ド:「さぁ、あなたはネコだ。今からあなたは子猫になるのだ・・・・。」 ドロボウキャットの顔がドアップで映し出される。 ドロボウキャットのくんくんに対する暗示シーンが続いた。 背景の画面もどんどん薄暗くなる。 そして、ついに・・・ く:「く・・・くんく・・・に・・・にゃ・・にゃんにゃん!」 くんくんはネコの暗示に掛かってしまった。 ド:「(ククク・・・。これで今度の我輩の犯罪計画は完璧な物となる・・・!)」 く:「にゃんにゃん!」 くんくんには、もうかっての名探偵の面影は残っていなかった。 ド:「無様だな、くんくんよ。だが、安心しろ。その暗示は時限式だ。 明日の朝には自然に治る。まぁ、その頃には宝石は我輩の物だがな!ハーッハッハッハ!」 このシーンで来週への放送の引きとなり、次回予告とエンディングが流れ、くんくんは終了した。 蒼:「・・・・・。」 そして、蒼星石の目が虚ろだった。 それから数十分後。 マ:「ただいま~。」 ?:「にゃ~~ん!」 居間からおかしな声が聞こえた。 間違いなく蒼星石の声だと思うが・・にゃ~ん? マ:「わ!」 蒼星石が四つん這い(正確に言うと赤ん坊のハイハイに近い)で俺の元に駆けてきた! 笑顔で俺に飛び掛る。 マ:「お、おい!」 俺は蒼星石を両手で受け止める。 マ:「ど、どうした? 蒼星石。」 蒼:「にゃ~ん。」 甘えた声で俺の胸に顔を擦り付ける。 ??? マ:「おまえ、また酒でも飲んだのか?」 蒼:「にゃ~ん?」 別に顔は赤くなって無いし、呼吸も正常だな。酔ってはいないようだ。 マ:「なんだ、ネコみたいな振りして。甘えたいのか?」 蒼:「にゃーん。」 とりあえず、機嫌とっておくか。こんなに甘えてくる蒼星石も珍しい。 マ:「よしよし。」 俺は頭を撫でる。 蒼:「ごろごろごろ。」 ふふ、口でごろごろ言ってるよ。 マ:「さ、ネコの真似もこれぐらいにして。蒼星石、ご飯は出来てるか?」 蒼:「にゃん?」 マ:「いや、ご飯は?」 蒼:「にゃあ。」 マ:「ネコの真似はもういいって。 そんなに気に入ったんならまた後でな。」 蒼:「にゃ~ん。」 俺の言葉が通じてないのか、蒼星石は再度俺の胸に顔を擦り付ける。 マ:「おい。」 ??? 蒼:「にゃあ~ん、にゃあ~~ん。」 まるでネコが『遊ぼうよ』と言ってるようだ。 むむむ、おふざけにしてはちょっと度が過ぎてるような。 マ:「おい、そろそろ・・・。」 俺が蒼星石を諭そうとすると電話が鳴った。 蒼星石が電話のベル音にビクっとする。 マ:「ふむ。」 俺は電話の元に行くと蒼星石を降ろし、受話器をとる。ジュン君からだった。 ジ:『た、助けて・・・!』 !? マ:『お、おい!?』 受話器からジュン君とは別の声が聞こえた。 真:『にゃ~ん!』 翠:『にゃん~!』 雛:『にゃにゃん!』 ジ:『うあ!』 ガチャン! ツー、ツー、ツー・・・・ マ:「・・・・・。」 むむむ。 確かに真紅と翠星石と雛苺の声が聞こえたが・・・・全員ネコの鳴きまね・・・? 翠星石や雛苺はともかくとして、あのネコ嫌いの真紅も・・・? んんん? 俺は足元の蒼星石を見やる。 ご満悦の表情でネコみたいに俺の脚に顔をこすり付けていた。 マ:「むむむ。」 これは・・・・。 マ:「蒼星石。」 蒼:「にゃん。」 名前には反応するようだ。 マ:「ネコか? ネコなのか?」 蒼:「にゃ~ん?」 ネコだな、こりゃ。 ジュン君を助けに行きたいのはやまやまだが、こちらも大変なのだ。ジュン君ごめんよ。 俺は突如ネコになった蒼星石を持て余し、ソファに座ったまま途方に暮れていた。 当の蒼星石は俺の膝で丸くなっている。 マ:「いったいどうしちまったんだ。蒼星石?」 蒼:「ふにゃ・・・。」 さっきから俺はそんな質問をネコ蒼星石に繰り返してたが一向に埒が明かなかった。 マ:「腹、減ったな・・・。」 夕飯は用意されていなかった。だが、夕食のために下ごしらえしてあったと思われる 豚肉を生姜と調味料で漬けてあったものが冷蔵庫から出てきた。 マ:「飯は・・炊けてるな。」 俺は野菜を切り、サラダを作る。豚肉は焼く。 その間もずっと蒼星石は俺の足元で隙あらばじゃれつこうとしていた。 マ:「もうすぐできるからな。」 俺は蒼星石にそう言い、食卓にご飯とおかずを用意する。 マ:「さ、食べよう。蒼星石。」 俺はイスに蒼星石を座らせる。 蒼:「にゃ?」 今の蒼星石に食べれるかな、人間の食事。 けど誇り高い薔薇乙女にネコマンマを食べさせるわけにもいくまい。 蒼:「にゃん♪」 蒼星石はお茶碗にネコパンチを食らわせ、ひっくり返してしまった。 これは駄目だな。これでは箸を持たせるのも危ない。 蒼星石は皿の上の豚肉の生姜焼きにカブリつく。 お行儀悪すぎだが、今それを咎めてもしょうがない。 だが、 蒼:「にゃあ!」 生姜焼きの予想外の熱さに驚いて反射的に皿から顔を遠ざける蒼星石。 もうそんなに熱くないはずだったが、なるほど猫舌ってやつか。 熱さに懲りたのか、それっきり蒼星石は生姜焼きに手をつけようとはしなかった。 マ:「困ったな。お腹、空いてるんだろ?」 蒼:「にゃ~。」 俺は冷蔵庫から今の蒼星石でも問題なく食べれそうなものを探した。 マ:「牛乳ぐらいしかねーや。」 冷蔵庫の中身はほとんど空だった。そういえば蒼星石に明日買出しを頼まれてたっけ。 外出して何か買ってこようかとも思ったが、今の蒼星石を一人にできないし、 外に連れていくのも危ないと思い、やめた。 マ:「ごめんな。こんなものしかなくてな。」 俺は牛乳を皿に注ぎ、蒼星石の前に置く。 蒼:「にゃあ。」 『ありがとう』って言ってるように聞こえた。 ピチャピチャと舌で牛乳を飲む蒼星石。 マ:「・・・・。」 ネコのような飲み方をする蒼星石。 俺はなんだか居た堪れなくなる。 マ:「そんな飲み方はよせ、蒼星石。お前は誇り高い薔薇乙女なんだろ?」 蒼:「にゃ~!」 マ:「・・・・。」 蒼星石は美味しそうに牛乳を飲み続ける。 ピチャピチャ・・・ピチャピチャ・・・・ マ:「・・・・。」 不安感と焦燥感が俺の心に沸き起こってきた。 しかしだ、こんなときマスターがしっかりしなくてどうする? マ:「いいさ、別に変わらない。」 蒼星石がネコになったところで何も変わらない。 蒼星石は変わらず俺の目の前に存在してるし、元気だ。 しかし、 マ:「・・・・元に戻りたいか、蒼星石? 自分の意思でネコになったのか?」 ただ、それだけが知りたかった。 マ:「あ!」 蒼星石が皿をひっくり返してしまった。 牛乳まみれになる蒼星石。 マ:「あちゃちゃ・・・。」 一瞬キョトンとする蒼星石だったが・・・ マ:「う・・・!」 顔が牛乳まみれの蒼星石を見てると・・・なんと言うんですか・・・その・・・。 蒼星石は自分の唇に滴ってくる牛乳を舌を出してペロリと舐める・・・。 う・・・。 マ:「い、今拭いてやるからな、蒼星石。」 俺は食卓テーブルのイスから慌てて腰を浮かすが、 うっかり出しっぱなしだった目の前の牛乳パックを倒してしまった。 牛乳が俺の股間に掛かる。 マ:「あちゃーちゃちゃ。・・・・ん?」 蒼星石が俺の牛乳まみれの股間をジィっと見ている。 マ:「お、おい・・・?」 蒼:「にゃあん、にゃん?」 なんかまるで、『その牛乳、僕の?』って言ったような・・・・ ああ、蒼星石が俺の元に寄ってくる! 股間めがけて! あ、あわ、あわわわわわ! マ:「撤退! 撤った~~~~い!」 これはまずい! 俺は逃げ出した。だが蒼星石が付いてくる! 俺は自室に逃げ込み、鍵を掛け、大急ぎで下の衣服を着替えた。 勘弁してくれよぉ。 マ:「蒼星石~!」 今の蒼星石は一瞬でも目を離しておきたくはないのだが、さっきのは緊急事態だった。 俺が部屋から出たとき蒼星石の姿は無かった。 マ:「どこだ~?」 いた~! 食卓テーブルの上だ。 もう食卓の上は滅茶苦茶だった。 マ:「ふぅ~。」 蒼星石は牛乳やサラダのドレッシング、醤油などでベトベトになっていた。 あーあ、こりゃ着替えさせないと駄目か・・・。 いや・・・ この汚れぐあいだと・・・。 お風呂入れさせないと駄目か・・・!? 今の蒼星石はネコだから・・・お、俺が・・・・!? マ:「し、失礼します・・・!」 蒼:「にゃ?」 蒼星石の衣服を脱がしに掛かる俺。 うう、まさかこんな形で・・・。 しかし、乙女の衣服を、断りも無くいきなり脱がしていいものだろうか? マ:「脱がしていいですか?」 蒼:「にゃん。」 アホか、俺は。 で、でもしょうがないよな? こればかりは、ほんと。 あ、というか俺ら恋人同士だもんな! 恋人同士ならこれぐらい当たり前か! うん、きっとそう! 俺は蒼星石の服に手を掛ける。 蒼:「にゃ、にゃああ!」 抵抗しだす蒼星石。 マ:「お、おい。暴れるな。」 ジタバタもがく蒼星石。 これじゃ傍から見ると俺、暴漢だよ・・・。 なんとか蒼星石をドロワース姿にできた俺。 つ、次にこのドロワースを脱がして蒼星石をスッポンポンに・・・。 蒼:「にゃ、にゃにゃああ!」 より一層蒼星石の抵抗が激しくなった。 あと少しで脱げるというところで・・・ 思いっきり手の甲を引っかかれた。 血が滲む。 マ:「いっ・・つぅ・・・・。こら、蒼星石・・・!」 蒼:「にゃ・・・?」 蒼星石は俺の手の甲の傷に気付いた。ジィーと見てる。 そして マ:「あ・・。」 俺の手の甲の傷をペロペロと舐めだした。 マ:「あ、あの、ちょっと・・・。」 蒼星石は今、半裸だ。 これはちと・・・・。 マ:「だめ! 駄目だ! おかしな気分になってしまう!」 俺は手を引っ込める。 蒼:「にゃあん!」 『ああ、もっと舐めさせて!』と言っているようだ。 蒼星石の舌が俺の血で真っ赤になっている。なんて妖しさだ。 俺はもう問答無用で蒼星石のドロワースを脱がす。 そして、なるべく何も考えないようにして全裸の蒼星石をバスルームに連れて行く。 せっかくのお風呂シーンですが音声のみのダイジェストでお楽しみ下さい。 マ:「シャワーだぞ~。」 シャ~~~~! 蒼:「にゃ~~!」 マ:「わ、だから暴れるなって! あー、俺の服もびしゃびしゃだよ・・・。」 マ:「こ、擦るからな・・・。」 蒼:「にゃん?」 ゴシゴシ・・・ 蒼:「にゃあ~~ん、にゃあああん・・・!」 マ:「頼むからそんな悶えた声を出さないでくれ・・・。!」 マ:「背中洗ってと、次は・・・む、胸か・・・・し、失礼します・・・。」 つるつるつる・・・・ マ:「・・・なんでここだけ『ゴシゴシ』じゃねぇんだ?」 蒼:「にゃあああ~~ん、にゃああああああん・・・!」 マ:「ああ、そんな切なくて悶えた声を出さないでくれ・・・!」 マ:「んん? ああ! 蒼星石、そ、そんな、はしたないポーズとっちゃ駄目!」 蒼:「にゃ・・・?」 マ:「ああ、そんな姿勢のまま見つめないでくれ・・・!」 蒼:「にゃ~ん。」 マ:「頑張れ、俺の理性!」 そんなこんなでバスルームから上がった俺と蒼星石。 耐えた! 俺は耐えたよ! 俺は自分の精神力を誇りに思う。 マ:「あ、着替え用意しとくの忘れてた。」 俺はバスタオルで蒼星石の水気を取ってやると もう一枚のバスタオルで蒼星石をくるんでやる。 マ:「はて、蒼星石の着替えってどこだべか。」 いつも着てる蒼い服を洗濯したときなどに、臨時で着ている子供服があったはずだ。 しかし服に関しては蒼星石に任せっきりで俺には何処にあるのか全然わからない。 蒼:「くちん!」 室内をウロウロしてると蒼星石がくしゃみをした。 マ:「うぅ、、バスタオル一枚じゃ寒いよなぁ。」 ドールは風邪を引かないと思うが・・・ 今の蒼星石はネコだ。ネコは・・・風邪引くよなぁ・・・。 しょうがないので俺の服を着せることにしよう。 たしか自室の押入れの中に秋用のセーターが眠ってるはずだが・・・ あった! 蒼:「にゃん?」 俺のブカブカのセーターを着せられ、不思議そうに俺を見上げる蒼星石。 マ:「はぁ~、今日は色々と疲れた。 これからのことは明日考えて、今夜はもう寝るか。」 蒼:「にゃん。」 鞄の中に入れようとすると蒼星石が暴れだした。 蒼:「にゃっ! にゃにゃ! にゃああ!」 マ:「おい、眠たくないのか?」 蒼:「にゃ~~ん。にゃあ~~~ん。」 蒼星石が俺のベッドの方を見ながら切なげな声を上げる。 マ:「もしかして、一緒に寝たいのか?」 蒼星石は俺の手を離れ、俺のベッドに潜り込んだ。そして 蒼:「にゃ~ん、にゃ~ん。」 俺の方に『寝よう~、寝よう~』と呼びかけてるようだった。 マ:「・・・『しょうがない子猫ちゃんだ』ってやつか・・・。」 俺もベッドに入る。 俺は蒼星石の喉元を指で擦ってやる。 蒼:「ごろごろごろ。」 気持ちよさそうだ。 マ:「おやすみ、蒼星石。」 俺は電気を消す。 いつもなら『おやすみなさい、マスター』って返ってくるはずなんだが・・・。 蒼:「にゃん。」 確かに蒼星石の返事なんだが・・・。 これからのことを考えると、なんかちょっと、ほんのちょっとだけ俺は淋しい気持ちになった。 翌朝 蒼:「ねぇ、マスター。起きて! ねぇ起きてってば!」 マ:「ん、むにゃ?」 蒼:「ねぇ、マスター、なんで僕マスターのセーター着てマスターと一緒に寝てるの!?」 マ:「!?」 蒼:「どうしたの、マスター?」 マ:「元に戻ったか、蒼星石ぃ!」 蒼:「あ、苦しいよ! マスター。」 マ:「よかった・・・。」 蒼:「あれ、マスター泣いてるの?」 マ:「・・・! あ・・・ア~ッハッハッハッハ! 何言ってんだぁ!? 泣いてなんかいないぞぉ!」 蒼:「マスター、僕。昨日の夜の記憶が全然無いんだ。 もしかして僕、何か迷惑かけちゃった・・・?」 マ:「迷惑ぅ・・・?」 俺は蒼星石の頭をくしゃくしゃに撫でる! 蒼:「あ、やめて、マスター。」 マ:「どうした? いつもは撫でられて喜ぶくせに!ハッハッハ!」 蒼:「もう、マスター!」 その後俺は桜田家に連絡をつけ、ドールズネコ化の原因を突き止めた。 まさかくんくんの作中で出てきた催眠術にドール達が掛かるとは。 人形による催眠術に人形である彼女達が掛かるのも不思議じゃないと言えば不思議じゃないが・・・ まぁ、時限式の催眠術とかで、自然に治って良かった。 真紅、翠星石、雛苺も翌朝には元に戻ったそうだ。 しかし、こんの、くんくんめが! 遊園地のことといいどこまで俺を苦しめる! あ、いや感謝してることもあるぜ? バ、バスルームのこととか・・・ 蒼:「マスター、何赤くなってるの?」 マ:「な、なんでもない!」 終わり
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マ「ねえねえ、夏休みはどう過ごすのがいいかな?」 蒼「うーん、朝はだらけず早起きしてご飯もきちんと食べて・・・」 マ「ほうほう。」 蒼「それでせっかくだから運動する時間もとって体力を付けて・・・」 マ「うん・・・。」 蒼「だけど勉強も疎かにせず知的な・・・」 マ「ちょっと待った!」 蒼「何?」 マ「そんな模範的な過ごし方を聞きたいのではなくってさ・・・。」 蒼「そりゃあ別に聖人君子みたいになってくれなくてもいいんだけど・・・ 言っちゃなんだけどさ、マスターって夏休み最終日に徹夜で宿題を仕上げてたタイプでしょ?」 マ「そんな事無いぞ!」 蒼「あ、そうなんだ。失礼な事を言っちゃってごめんね。」 マ「徹夜しても終わらなかったなんてのもザラだった!」 蒼「威張らないでよ。」 マ「ごもっとも。・・・で、聞きたいのはそういう事じゃなかったんだって。」 蒼「じゃあどういう事?」 マ「蒼星石は自分の夏休みをどう過ごしたいのかなって事。」 蒼「夏休み?別に僕には夏休みも何も無いじゃない。」 マ「いやあ、そりゃそうだけどさ、何かしたいことは無い?海に行きたいとか。」 蒼「海ねえ、何をしに?」 マ「え、ああっと・・・イルカさんとお友達になるとか?」 蒼「そんな事できるの?」 マ「ごめん知らない。でも希望があれば調べるし、場合によっては翠星石とかにも呼びかけるから。」 蒼「マスターが?」 マ「うん、たまには翠星石と水入らずでしばらく過ごしたいとかあるんじゃない?」 それを聞いて蒼星石がちょっと考え込む。 蒼「あのさ・・・厄介払いなら・・・普通に言ってくれれば・・・」 マ「え?」 蒼「たまの長期休みだもんね。誰かとどこか行くの?別に僕は独りで居ればいい・・・」 マ「違う違う!そんなんじゃないよ。ただちょっと思いついたから・・・。 本当に何でもいいんだよ?香港に行って美味しい物いっぱい食べたい!とかでも。」 蒼(ああなるほど、今日見に行った映画の影響か) ようやく唐突な発言の理由が分かり安堵する。 蒼「それなら別にいいよ。わざわざそんな時間を設けてもらわなくても不満も無いし。」 マ「たまの機会にやってみたいなって事の一つや二つは・・・」 蒼「無いよ。」 マ「でもさ、自分でこうしたいって事があっても普段はなかなか思うように出来ないでしょ?」 きっぱりと断言するもマスターの方も一向に引き下がる気配が無い。 マ「いつも良くしてもらってるからさ、ちょっとしたお返しって事で可能な限り力になりたいんだ。 例えば思い出の場所があるならそこまでは連れて行けるかもしれないし、 もっと単純にこれ食べてみたいなとか欲しいなってのとかがあれば買って来るとか出来るだろうしさ。」 蒼「うーん、気持ちはありがたいんだけど、特に無いなあ。」 マ「別に難しく考えなくてもいいよ?夏休みなんて言い方も意識しなくていいし。 こういう事したいってのがあればそのために時間と労力は割かせてもらうよって事だからさ。」 蒼「時間と労力か、でもそんな長くは無理だよね?」 マ「二、三日くらいなら余裕でなんとかなると思うよ。出来る限り頑張るからさ。」 蒼「・・・そうだなあ・・・翠星石やみんなには内緒にしてもらえる?」 マ「もちろん。細かく話したくなければ詮索したりもしないよ?」 蒼「約束だよ?」 マ「うん、約束ね。」 蒼「じゃあね・・・」 翠「翠星石、満を持して参上!」 マ「あ、いらっしゃい。」 テーブルに着いたマスターが元気よく現れた翠星石を出迎える。 マ「今日は何の用?」 翠「夏休みだから真紅の提案でくんくん尽くしを開催するですよ。」 マ「ほう。」 翠「くんくんが名探偵としての開花を遂げる劇場版『くんくん、誕生!』から時系列に沿ってマラソン上映をするのです。」 マ「そりゃあハードだね。」 翠「まあ夏休みですからね。で、蒼星石はどこです?お誘いに来たんですが出かけてるんですか?」 蒼「いや、ここに居るよ。説明も聞いてた。」 翠「ありゃりゃ?」 蒼「残念だけど今回は参加を見送らせてもらうよ。」 翠「んー?」 翠星石が声を頼りにテーブルの周りを回り込むとさっきまで隠れていた蒼星石の姿が見えた。 翠「おやまあ、そんな所に居たんですか。」 蒼「うん・・・変かな?」 さっきまでは丁度テーブルの陰に隠れている形だったが、蒼星石はマスターに抱っこされていたのだった。 翠「いや、別に変じゃないですけどね、今までそうしてるのにお目にかかった事は無かったので・・・。」 マ「あはは・・・」 翠「で、なんでそんな事をしてるんですか?」 マ「え、ああそれは・・・」 蒼「・・・・・・。」 蒼星石がマスターを見上げてくる。 その目が何を言いたいかは言葉で聞かずとも分かる。 マ「えーとね、夏休みしか一緒にこうして過ごせないし、たまにはゆっくり一緒に過ごさせてって・・・“僕の希望で”!」 翠「お前が、ですか?」 マ「うん、“僕が”!!」 翠「・・・ふむ、あまり蒼星石を振り回すんじゃないですよ?」 マ「はい。」 蒼「ごめんね、そういう事だから今回は不参加で頼むよ。」 翠「仕方ないですね、くんくん尽くし第二部にまた誘いに来るです。 ちなみにくんくんカムバックの劇場版『ミッシングくんくん』から開始ですよ。」 蒼「了解。わざわざごめんね。でも四、五日の間は無理だから。」 マ「四、五日!?・・・いや、そうなんだよ。」 翠「四、五日ですか・・・まあいいですよ。代わりに年中夏休みの人間で妥協しときますから。」 蒼「あ、それと・・・」 翠「大丈夫ですよ。他の連中には適当に説明しておきますから。それじゃあ失礼しますよ。」 翠星石が踵を返す。 マ「もう帰るの?お茶くらい出すけど。」 翠「他の連中が待ってるし結構ですよ。それにせっかくわがままに付き合ってくれてるのなら時間を大事にしろです。」 マ「あ・・・分かった。」 蒼「じゃあここからでごめんね。」 翠「構いませんよ。じゃあまた。」 翠星石がそう言って部屋から出て行った。 蒼「ふふっ、ばれなかったみたいだね。」 マ「怒られなくて良かった・・・。」 蒼「そうだね、もっと何か言われるかと思ったよ。」 蒼星石がほっとしたようにマスターに寄りかかった。 そんな蒼星石を見てマスターも思わず微笑むと、改めて蒼星石を抱き寄せる。 翠(やれやれ、双子の姉をないがしろにして・・・腹に据えかねるのも確かですが・・・ 隠してたつもりかもしれませんが、蒼星石が幸せそうなら姉としては引き下がるしかありませんね) そんな風にして蒼星石は一週間程の楽しい夏休みを過ごしたのだった。