約 32,351 件
https://w.atwiki.jp/monaring/pages/2492.html
こうりんどうてんしゅ りんのすけ 香霖堂店主、霖之助 1白 伝説のクリーチャー ─ スピリット・人間 1/1 習合(森近 霖之助) (ゲーム中、このカードは「森近 霖之助」という名前である。) 1緑青:香霖堂店主、霖之助はターン終了時まで+X/+Xの修整を受ける。Xは場に出ているアーティファクトの数に等しい。この能力は、各ターンに1回のみプレイできる。 香霖堂店主、霖之助が場に出たとき、あなたの墓地にあるクリーチャーでないアーティファクト・カード1枚を対象とし、それをあなたの手札に戻す。 33版の 244 [部分編集] サイクル 同人ゲーム、東方Projectの登場人物を元ネタにした、習合を持つ2マナ1/1の伝説のクリーチャー。 いずれも友好色のマナによるパンプ能力を持つ。霖之助は書籍主人公。 楽園の巫女、霊夢 普通の魔法使い、魔理沙 小さな百鬼夜行、萃香 香霖堂店主、霖之助 境界の妖怪、紫 イラスト _______  ̄二つ )、_ _,. -'" `ヽ、____ ,.'" < , ' γ 、 -、 、 `, .,' ノ_ ハ ハヽ、ヽ i ハ i ゝ i' く レ イ,.--=.、ハノ_イ、ハノイ´ i i ヘイハ'゜ _ノ⌒i Lォ.!ハ ノ ハ |  ̄ 、`ー-'l | |,.イ λ ゝ. -_- ハ リ レヘハ イiヽ、 /iノ __,.-.イ V L_ゝ、ニT´、!/ γ ヽ \ \_ _/ / i `゙r、 / i〉 \ y' / |/ _.〉_ i _,,...--...,,ヽ / / /| Y ',. ,.イ、 / / / .|、 ', ハ! ._ヽ!イ__イ____/___yゝ、ヽ, ', r '"´ `', ', ', ヽ!
https://w.atwiki.jp/churuyakofu/pages/245.html
前の話へ 【彼女の葛藤】後日談 霖之助とめでたく結ばれて以来、紫は香霖堂に生活の場を移すことになった。 これから記すのは、2人の幸せな日常の一幕である。 朝、霖之助はいつもどおりの時間に起床した。その傍らでは紫が霖之助の腕を抱きしめ、安らかな寝息を立てている。 紫と暮らすようになって以来、布団は2人用の大きなものを購入し、毎晩こうして仲良く寄り添って眠っている。 霖之助は紫を起こさぬようそっと腕を抜き取ると、艶やかな金髪に手を滑らせ、額に軽く口付けた。 振られたり立ち直ったり一芝居打ったりする間にどうも感覚がずれたらしく、今ではこういうことも恥ずかしげもなくできるようになってしまった。 着替えて顔を洗った霖之助は朝食の支度を始める。 そろそろ完成という頃合になって寝室に戻ると、まだ半分眠っている紫は目を閉じたまま、 「ん~……」 と切なそうな声を上げ、霖之助が眠っていたあたりを手で擦ったり叩いたりしている。 起きた瞬間霖之助がそばにいないのが寂しかったようだ。 そんな紫の様子に苦笑しつつ、もぞもぞしている紫の体に手をかけて上半身を起こす。 それでもぼや~っとしている紫の顔を真っ直ぐ見つめ、朝の挨拶を告げた。 「おはよう、紫」 紫はしばらく眠い目を瞬いていたかと思えば、もそもそと霖之助の首に手を回して抱きついてきた。 そんな紫の背中をさすりつつ、朝食が出来たことを伝える。 「紫、朝ごはんが出来たから起きてくれないか」 「いやぁ~、もっとこうしてるぅ~」 寝起きだからかやたらと甘えてくる紫が微笑ましいが、折角作った朝食を冷ますのも勿体無い。 「ちょっと失礼……よっと」 しがみついて離れない紫の背中と膝の裏に手を回し、いわゆるお姫様抱っこで居間へと運ぶ。 座布団の上に降ろそうとするものの、紫はいまだに離れようとしない。 「紫、御飯が冷めてしまうよ」 「……まだ離れたくないんだもん」 「やれやれ、全く仕方ないな」 ちっとも仕方なさそうに見えない霖之助は、そのまま胡坐をかいて紫を横向きに抱く格好を取った。 紫は霖之助の腕と胸に支えられ、何とか座っている状態だ。 「ん」 目を閉じて口を開ける紫。迷いがないところを見ると、こんなことを割りと頻繁にやっているらしい。 霖之助はさながら小鳥に餌をやる親鳥のように、朝食を紫の口に運んでやった。 最初の一口で紫の目はほぼ完全に覚めているのだが、二人ともやめる気配は微塵もない。 紫は満面の笑みを浮かべて愛する人の手料理を食べさせてもらい続けた。 朝食を全て食べさせてもらうと、今度は紫が箸を取って霖之助の口に料理を運ぶ。もちろん霖之助の上に座ったまま。 「「ご馳走様でした」」 「それじゃあ、僕は食器を片付けてくるよ」 「ええ、よろしくね霖之助さん」 チュッと軽いキスを交わし、霖之助は食器の片付けに台所へ、紫は着替えや洗顔などの身繕いを済ませに別れた。 霖之助は片づけが終わると開店準備を始め、紫はエプロンをきて掃除に取り掛かる。 朝の様子とは打って変わり、今度は紫が霖之助の世話を焼いていた。 掃除が終わったかと思えばお茶と茶菓子をそっと置き、霖之助の目が疲れる頃を見計らっておしぼりを渡す(目に当てると非常に効きます。念のため)。 さらには洗濯ものなどを干しつつ、1時間に一度は霖之助のそばに来て肩をもんだりお茶を入れ替える。 そして大体午前11時頃になると、紫は包みを1つ拵えて霖之助に渡した。 「それじゃあ、結界の点検に行ってくるわね。はい、お弁当。 夕方には帰るけど、晩御飯は何か食べたいものはある?」 「別になんだって構わないよ」 そっけない言葉に困ったような笑みを浮かべ、紫は霖之助に近づく。 その頬を両手で掴み、おでことおでこをコツッとぶつけた。 「もう、そういうのが一番困るっていつも言ってるじゃない」 「僕もいつも言っているが、君の作る料理に優劣なんか付けられないよ。どれも最高さ」 鼻がつくほどの近さにある紫の顔を見つめて言い返すと、霖之助は本を置いて紫の背中に手を回し、その体をグッと引き寄せた。 「んんっ」 霖之助の舌に口内を蹂躙され、紫はわずかに悲鳴を上げたが、がっちりと霖之助に掴まれているので逃れられない。 もちろん逃れる気などないが。 たっぷり数分間そうした後、やっと霖之助は紫を解放した。紫の頬は薄っすら上気し、目は潤んでいる。 「いきなりなんて随分ひどいんじゃない?」 「夕方まで君にあえないんだ。こうでもしておかないと寂しくて死んでしまうよ」 「それは大変ね。じゃあもっとしておこうかしら」 今度は紫のほうが霖之助を抱き寄せる。 結局、紫が香霖堂から出て行ったのはさらに十数分が経過してからのことだった。 夕刻。 霖之助がちょうど本を読み終わり、ぐうっと伸びをした瞬間、目の前にスキマが開いて紫が膝の上に降りてきた。 「ただいま霖之助さん。今日も疲れちゃった~」 紫は霖之助の首に手を回し、霖之助は体を傾け、紫が自分にもたれやすい姿勢をとる。 「お疲れ様。夕飯にはまだ少し早いし、ゆっくり休むといい」 「うん」 紫が夕食を作り始めるまで30分強、2人はただ互いの体温を感じていた。 そして、夕食。 この日の献立はうなぎ、にらたま、ニンニクの蜂蜜漬け、レバ刺しなどなど。 「……いくらなんでも露骨過ぎないか?」 「あら、霖之助さんはお嫌?」 「まさか。むしろ望むところさ。今晩は覚悟しておくといい」 その後見事に完食してみせた霖之助と紫。 この日香霖堂のそばを通った者は、なぜか皆顔を真っ赤にして帰ってきたそうな。 終われ 前の話へ
https://w.atwiki.jp/pmvision/pages/2740.html
《森近 霖之助》 No.1927 Character <第二十弾> GRAZE(2)/NODE(5)/COST(2) 種族:人間/妖怪 (自動γ): 〔あなた〕は自分のターン中にコマンドカードをプレイした場合、ターン終了時に1ドローする。この効果は重複しない。 攻撃力(5)/耐久力(3) 「記念に使わないで取っておいてやろうかな」 Illustration:もちぬ コメント 収録 第二十弾 関連 森近 霖之助/1弾 森近 霖之助/7弾 森近 霖之助/12弾 森近 霖之助/16弾 森近 霖之助/20弾
https://w.atwiki.jp/churuyakofu/pages/225.html
前の話へ 次の話へ あらすじ 休日に香霖堂へ向かった後、様子がおかしくなった美鈴。 事情を聞いたレミリアに張本人が何とかしてくれと言われ、何とかした霖之助だった。 美鈴はその過程でほめ殺されて撃沈。 霖之助の説得が効いたのか、普段の調子を取り戻した美鈴。 例の件のショックはもう感じさせず、むしろいつもより元気がよい。 また、昼寝が減ったのはレミリアや咲夜にとって嬉しい誤算と言えた。 そして、休日に香霖堂を訪れるのが、最近の美鈴の楽しみとなった。 雨降って地固まる。2人の心の中で、徐々にお互いの存在が大きくなっていく。 基本的には美鈴が商品を物色し、たまに霖之助が解説する。 いつも邪魔をしているからと、昼食や夕食は美鈴が中華の腕を存分に振舞い、毎回霖之助に絶賛される。 ある日は美鈴の服のすそがほつれているのを霖之助が直し、料理の腕に比して裁縫の苦手な美鈴が手取り足取り教わった。 ある日は霖之助の体が硬いことに気付いた美鈴が半強制的に柔軟運動をさせた。 どちらも教わるときは普段より接近する相手に緊張し、その割りに教えるときは集中していてそのことは気にならない。 結果、お互いに『もっと異性ということを気にして欲しい』と願いあう、奇妙な関係が出来上がる。 少し変わってはいるが、お似合いの上に相思相愛。 しかし、2人ともこれ以上お互いの仲を進展させる行動に出ることはない。 霖之助はこう考えている。 美鈴は紅魔館の門番であること誇りに思っており、自分などその誇りの前では小さなものだ、と。 だから、好意を寄せてくれていることは確信しているが、自分のために紅魔館での生活を捨てることはないだろう、そう諦めていた。 そんな霖之助の考えとは裏腹に、美鈴にとって霖之助はすでに恋愛の対象にまで昇格している。 実際、霖之助のパートナーとして生きる道を真剣に考えたことは1度や2度ではない。 しかし、その度に何か違和感を感じるのだ。 何か大切なことを忘れている、そんな違和感を。 その違和感が、なんとなくだが積極的になることを阻んでいた。 「こんにちは!」 「おや、今日はお休みかい? 美鈴」 「はい、また来ちゃいました」 そして、いつもどおりの一日が始まる。 今日の話題は、2人の中が進展するきっかけとなった例のものだった。 「霖之助さん」 「なんだい?」 「例のブルマなんですけど、たしか『外の女性が運動するときに穿くもの』って言ってましたよね? 上に着るものはないんですか?」 「あるにはあるよ。君には必要ないと思って言わなかったが、こちらは体操服というらしい。 確かこの辺にしまったはずだが……。お、あったあった」 体操服の入った箱を持ち出す霖之助。 中を覗き、そのうちの一着を手に取る美鈴。 「こっちも不思議な素材ですね……」 「何なら着てみるかい? それなりに数はあるから進呈しても良いよ」 「え……ええっと……」 興味がなくはないが、やはり気恥ずかしいようだ。 しばし悩んだ末、美鈴は霖之助に一つ聞いてみることにした。 「霖之助さんは……私がこれを着ているところを見てみたいですか……?」 顔を赤らめて探るようにこちらを見る美鈴。 こんな美鈴も久しぶりだな、などと考えつつ霖之助は率直に言ってみる。 「そうだね、運動するための服だし、君ならさぞ似合うだろう」 美鈴はその言葉が最後の一押しになったらしく、 「……わかりました。奥の部屋を借りますね」 むん、と小さくガッツポーズをして気合を入れ、店の奥へと上がっていった。 数分後、着替えたのであろう美鈴の足音を耳にした霖之助が顔を向けると、顔だけを出してこちらを伺っている美鈴と目があった。 「「……」」 とりあえずこのままにらめっこをしていても仕方がない。 自分が折れることにして声をかける霖之助。 「やはり恥ずかしいのかい?」 「だ……だってこの服、いつも着ているのと比べてすごく露出が多くて……足なんて腿の付け根まで丸出しなんですよ?」 「そんなことを言ってももう着てしまったんだろうに……。 ここまできたらもう観念して見せてくれないか?」 「うぅ~、わ、わかりました」 ついに腹をくくったのか、美鈴はおずおずとその全身を見せる。 「ほう……」 思わず見とれてしまった。 スタイルは抜群で、すらりとした白い足がまぶしい。 恥ずかしいのか体操服のすそを引っ張って隠そうとしているのが微笑ましく、 なにより全身から放たれる健康的な魅力が霖之助をひきつけてやまなかった。 「そ、そんなにじろじろ見ないでくださいよ~」 困惑したような美鈴の言葉が耳に届くと同時に、不躾に見ていた自分に気付く。 「あ、ああ。すまないね。いやしかし、思っていた以上に似合っているよ。 思わず我を忘れて見とれてしまったくらいにね」 「そ、そうですか? えへへ……」 恥ずかしいとは思っていても褒められると嬉しいようだ。 その後、2~3回ほど立て続けに霖之助が褒め続けたためか、危うく今日はブルマで過ごすことになりかけたが。 昼食をとり、再び定位置に戻る霖之助。 すると、美鈴があるものをもってきた。満面の笑みの中に、何か企んでいるような雰囲気が見て取れる。 霖之助はその能力を使うまでもなく、美鈴が握っているものの名前を思い浮かべた。 すなわち、耳かき。 「……君が次に何を言うか確信している僕がいるんだが、聞きたいかい?」 「はい、是非」 「『霖之助さん、耳掃除してあげましょうか』だろう?」 「ちょっと惜しいですね。正解は『掃除してあげましょうか』、 じゃなくて『掃除してあげるので横になって下さい』、です」 「つまり僕に拒否権はないと」 「よくわかってるじゃないですか」 「さっきまで恥ずかしがってた割には少々積極的な気がするんだが?」 「流石にあの格好じゃ無理ですけど、今は普段の服ですし。 それに霖之助さんには散々恥ずかしい思いをさせてもらいましたので、このあたりでお返しを、と」 これ以上何を言ったところで彼女の意思は曲がらないだろうし、どうせ腕力では彼女に適わない。 なまじ力づくで抑え込まれるよりは、進んで受け入れたほうがマシだ。 男としてのプライドが傷つく感覚に既視感を感じつつ、美鈴の腿に横たわる霖之助だった。 「はい、終わりましたよ。……霖之助さん?」 見れば霖之助は安らかな寝息を立てている。 「んー、寝ているなら眼鏡は邪魔ですよね。 よ……っと。 ふふ、こうしてみると霖之助さんって結構かわいいですね」 母性本能が刺激されたのか、優しく微笑んで霖之助の髪を撫でる。 すると、霖之助は小さな声で、しかしはっきりとこうつぶやいた。 「……母さん」 きっと母の夢でも見ているのだろう。 一筋流れた涙をそっとぬぐい、美鈴は霖之助の髪を撫で続ける。 やはり自分は彼に好意を抱いているようだ。 最初はありえないと思っていたが、やはり彼と生きていくのも悪くないかもしれない。 紅魔館との生活を天秤にかけるほどに男性と親密になるなど、考えたこともなかった。 そう思った瞬間だった。最近感じていた違和感の正体を思い出してしまったのは。 忘れていたのは、かつて自らに科した誓い。 すでにどれほど前のことかも定かではないが、荒んでいた自分を救い上げてくれた主に、確かに告げた。 ――これからの一生の全てを、あなたに尽くして生きていきます―― ザァッ、と言う音が聞こえるほどに血の気が引く感覚。 例え他の誰かから見ればくだらない誓いでも、この誓いと引き換えに全てを失うことになっても、……例え主が忘れていたとしても。 この誓いだけは守り通すと決めたはず。 それなのに、今の自分はなんだ? なぜ忘れていた? そして今、 自 分 は 何 を 考 え て い た ? 美鈴の顔が悲痛なものへと変わる。 起こさないように霖之助の頭をゆっくりと退かせ、起きたときに体が痛まないよう、慎重に体勢を整えて店の外へ。 寂しそうに店を見つめた後、一度だけ頭を下げると、美鈴は紅魔館へ戻って行った。 それから3週間、美鈴は香霖堂に姿を見せなかった。 前の話へ 次の話へ
https://w.atwiki.jp/churuyakofu/pages/277.html
聖典とは、主にひらふみ氏のサイト「ホットドックチャック」より発行されている、 霖之助を主人公とする同人誌を指す。 ちなみにその要素を求めて買う人は少ないだろうが、成年向け要素も含まれる。 そもそも同人界隈における霖之助の人気度は低く、二次設定の産物であるこーりんの使用頻度の方が高い始末であった。 そんな中、しっかりと霖之助らしい霖之助と紫らしい紫の色事を流れのままに書き連ねた作品が登場し、 センセーショナルを巻き起こした。 以後、霖之助×紫のカップリングの代名詞的存在になっている。 霖之助がメインとなって登場する作品は以下の通りだが、氏の作品はいずれも(色んな意味で)素晴らしい作品ばかりである。 「心の隙間に咲く華」 「ハルヨコイ!」 「名をさがす旅」(霖之助?×メリー描写も) 「Ride on Shooting Star」(上記三作品+解説を収録) 「君に捧げるカノン」
https://w.atwiki.jp/churuyakofu/pages/192.html
前の話へ 次の話へ あらすじ 香霖堂で和服に興味を持ったアリス。 霖之助に教わりつつ日本人形を完成させる。 ささやかな祝宴。双方にフラグ? ここ最近、アリス=マーガトロイドの生活は非常に充実していた。 新しい技術に出会った。 習得するために努力を続けた。 その成果は自分の予想をずっと上回るものとなった。 まだまだ反復し体に覚えさせなくてはならないが、自分を成長させるためならそれすらも喜びと言える。 なのに、 「はぁ……」 口から漏れるのはため息ばかりだった。 数日前に日本人形を完成させたアリス。 生まれて初めて作ったそれは、商品として見ても申し分のない完成度であり、アリスにとって師といえる霖之助も太鼓判を押してくれた。 とはいえ、まだまだ基本を修めたばかり。和と洋の技術を融合させるには至らない。 今は続いて2体目の製作に取り掛かっているところである。 1体目に比べ作業は順調そのもの。 不満などあるはずがないのだが、気がつけば手を止めて物思いにふけっている。 「……私がこんなに寂しがりやだとは思ってなかったわね」 所変わってここは香霖堂。 今日も今日とて、店主の霖之助は読書に没頭……してはいなかった。 なにかやることがある訳ではない。いつもどおりに椅子に腰掛け、いつもの姿勢で本を開く。 後はいつものとおりに本の世界にのめり込むだけなのだが、気がつけば店の扉に目をやり、本をめくる手は止まっている。 「いったい何を期待しているんだろうね……僕は」 ここ最近、森近霖之助の生活は非常に充実していた。 同じ趣味を持つ仲間に出会った。 自分の持つものを惜しげもなく伝授した。 教え子は全幅の信頼を寄せてくれるばかりか、想像以上の成長を見せてくれた。 すぐに自分など追い抜いていくだろうが、それすらも楽しみにしている自分がいる。 なのに、 「ふぅ……」 口から漏れるのはため息ばかりだった。 最初の人形が完成して以来、アリスは1度も香霖堂に訪れていない。 自分ひとりの力で2体目を完成させたい。いつもいつも霖之助を頼るわけにはいかない。 純粋な向上心から霖之助にそう言ったアリスだが、すぐにどうにも落ち着かない自分に気付いた。 霖之助に助言を請い、そのまま香霖堂で人形を作っていたときを思い出す。 会話こそほとんどなかったが、どこか暖かさと安らぎを感じていた。 別に毎日香霖堂で過ごしたわけではない。自宅で人形を作る時間も決して短くはなかった。 それなのに、たった数日霖之助に会っていないだけなのに、心に穴が開いたように感じられてならない。 今まで普通に生活してきた家の中がやけに広かった。 「うー……」 テーブルに頬を押し付けて唸ってみるが、そんなことで気が紛れるわけもない。 香霖堂に行きたい。それは間違いないのだがどうにも踏み出せない。 霖之助に呆れられるのが怖いのだ。 ―――君はもう少し意志が強いと思っていたんだけどね――― そんな台詞が頭をよぎるだけで全身が凍りついたような錯覚すら覚える。 実際には彼がそんなことを言うはずはないとわかっているのだが、万が一を考えると二の足を踏んでしまうのである。 ここ2日ほどそんな葛藤を繰り返していたのだが、 「あーもうやめやめ! 自力で頑張るったって、こんなんじゃいい人形ができっこないわ!」 ついに限界がきたようだ。 霖之助がどうこう言い出しても押し切ってやろう。 そもそも自分がこんなことで悩むようになったのは霖之助の責任だ。 責任がある以上霖之助にはこのもやもやを取り払う義務がある。 理不尽なようだが、ぐるぐると考えることに疲れたアリスはそのことに気付かない。 「見てなさい!私だって我侭言いたいときくらいあるんだから!」 「……着いた」 勢いのままに香霖堂の前まで来てしまったが、ここまで来ると多少冷静にもなる。 大丈夫よアリス。この前まで普通に話していたじゃない。拒絶されることなんてありえないからそんなに心臓バクバク言わせてんじゃないわよ。 大きく深呼吸を2回。よし、少なくとも顔には出さなくてすむだろう。あとは淡々と、しかし強気で押し切るのみ。 バタン 店の戸を開く音が来客を知らせてきた。だが今回の訪問者は自分の望んでいる人ではないだろう。 何しろ、彼女はもうしばらくは家から出てこないと言ったのだから。 そんなことを考えつつ顔を上げた霖之助が見たものは、 「いらっしゃ・……い……?」 「お久しぶりね、霖之助さん」 来るはずのない、されど待ち焦がれた人形遣いの姿だった。 完全に意表を衝かれ、動かなくなる霖之助。 アリスはアリスで、さっきまでの強気はどこへやら。 「何で来たんだい?」 とか言われやしないかと気が気ではない。 2人の間に沈黙が降りる。 真顔で行われるにらめっこに、先に耐えられなくなったのはアリスだった。 先手必勝とばかりに言葉がつむがれていく。 「その、まだ2体目は完成したわけじゃないんだけどね。なんていうか今まで事あるごとに相談してたから一人で篭ってると しっくり来なくて。そりゃ私も『自力で完成させるまで助言は請わないから!』なんていった手前ここに来るのはちょっと 気が進まなかったんだけど、そもそも私の目的は人形作りの技術を身につけることであって、一人で人形を完成させるの はその手段に過ぎないわけ。だから調子が出ないのに意地張って作業を停滞させるくらいなら、当初の方針を少しくらい 曲げてでも、目的を達成するために有効な手段をとるのは悪いことではないでしょ? 言っとくけど別に霖之助さんがいな くて寂しいなとかそういうんじゃないから。環境を変えたせいで調子が出なかったのを何とかしようと思ってここに 来ただけだから。あとここのほうが家よりはかどるなら家で作業する必要はないわよね。これから毎日朝から夕暮れまで 通わせてもらうわ。言っとくけどあくまで作業効率のためよ。 本当は夕方とは言わず夜まで居たいところだけど、前に霖之助さんが心配してくれたし、暗くなる前には帰ることにして おくから。もちろんただとは言わないわ。家事は人形たちにさせるし、料理は私が作ってあげる。 霖之助さんも読書に集中できるし、私は魔理沙や紫や霊夢と違って霖之助さんの邪魔はしないから悪い条件じゃ ないでしょ?というかもうそのつもりで用意してきたから空いてる部屋に荷物置かせてもらうわよ」 本人はいたって冷静なつもりだが、誰がどう見てもいつものアリスには見えない。 おまけにごまかそうとして逆に本音がちらほら漏れている。 そもそも普段自分がこんなにまくし立てたりはしないことに気付いていないあたり、アリスもかなりテンパっているようだ。 そんなアリスを呆然と眺める霖之助。 反応が返ってこないことで再び不安になるアリス。 なんで何も言ってこないのよ。 唐突過ぎて驚いているのかしら? それとも呆れられた? 自分から来ないと言い出して連絡もしなかったくせに今度は毎日来るとか言い出したのは拙かったかな。 でも理屈としてはおかしいところはないはずよね……いやでも……。 ええい! なんでも良いから早く何とか言いなさいよ! 緊張のあまりすでに足元の感覚すらなくなっている。 ほんの数秒が永遠のように感じられて気が遠くなりそうだ。 一方の霖之助はというと、普段と違うアリスに戸惑ってはいたものの、要はまた足しげく通ってくれるのだなと結論付けることにした。 「わかった。そういうことなら協力することもやぶさかじゃないよ。 奥に入って突き当たりを左の部屋が空いているから好きにしたまえ」 一瞬その言葉が理解できずに固まるアリス。頭の中で霖之助の言葉がゆっくりと翻訳されていく。 好きにしたまえ → 部屋を使っても構わない → 毎日通ってきてもいい! そこまで理解した瞬間、アリスの頭の中で数万人のミニアリスが一斉に諸手を天に向かって突き上げ、大歓声が響き渡った。 おもわず自分まで叫びそうになるが、ここまで喜んでいるのを気取られるのも恥ずかしい。 落ち着け。声を上ずらせるな。後一言、一言だけ返せば部屋で思い切り喜べる。 「そそ、そう? よかった。じゃあ勝手に使わせてもら、もらうわね」 多少噛んでしまったが問題ない。この心境でここまで抑えられれば上出来だ。さあ早く部屋に。もう平静を装うのは限界だ。 だがここで奥に上がろうとするアリスに霖之助が声をかける。 「ああ、アリス」 ビクッと肩が震える。 いったいこれ以上何があると言うのか。話なら後でするからもう開放してほしい。 それともやっぱりダメと言われるのだろうか。 いい加減爆発しそうな心臓の鼓動を感じながら振り返ったアリスが見たものは、 「ありがとう。また来てくれて嬉しいよ」 心の底から嬉しくたまらない、そんな霖之助の笑顔だった。 前の話へ 次の話へ
https://w.atwiki.jp/ankasekai/pages/202.html
/| │ヽ. .ヽ、ゝ-──―--...,,_ > `ヽ、 >'"´ / ヽ ,ヘ ,ヘ ,ヘ / | ヽ. ', /ヽ / ∨ \/ ∠, /! ! ハ_ .l ', i l\/ `′ | ./ /__|_∧ ./_」u_ソ l. | _| | l r= ‐モミ、Vr;==ェ;ュ、ヽ| !. '、! \ '、 .! .|!  ̄リ´ `!` ー‐‐' l ,ハ /、 \ \| ハ`ー‐ イ ` ー‐ イ |/|ノ | ̄∠__ さっきの衝突で入れ替わった!? ∨ .| `___,.、 u .|/ | '、 / .,' ヽ }z‐r--| ,.' .,' l 「` /_ こ、こんな非科学的な事が現実に起きるなんて…! | ハ /\ `ー-- ' ∠、 , / ,ハ | | ,、 ∨ .レ' \/ヽ,___,,. イ |/レ| / レ' l/ ヽ ,ヘ ,ヘ ,ヘ /Zi ト 、__/ / ・ \/ \、 \/ ヽ/ \/ - ‐ '''"  ̄ | ∠ |ヽ /\  ̄ / `'''‐- 、.._ \ |∠_ l `‐―‐´/ ・ \/ / _L/ l ∠ヘ`ー-―'/\ ̄ ̄, --、 i´!⌒!l r ,=i . ヘ / ヽ / ・ \/|l⌒l l | ゙ー=' | |. L._」 )) ヽ ̄・フ\/\ ̄ ̄i´|.ー‐' | | |. ! l . ヽ∠・ / ・ \.,|"'|. l' │-== |. ! ==l ,. -‐; \/\ ̄ ̄/ i=!ー=; l | l. | | / // / ・ \ / │ l l、 | | } _|,.{ 7 )) /\ ̄ ̄/ |__,.ヽ、__,. ヽ._」 ー= レ' |; 7 . / ・ \ / \ \ ヽ !′ | . / . /\ ̄ ̄ / ヽ ` .... ..../ 名前 森近霖之助 原作 東方Project 出演物語数 4 アイドルマスター01 ビギニングスター アイドルのトレーナー。 +ネタバレ注意 ネタバレはここに書く 教授がビルダーでビルダーが教授で ボディビルダー ボディビル大会に行く途中大学教授である聖徳太子と入れ替わってしまう。 +ネタバレ注意 大会を諦め、なんとか大学の研究発表を無事に終わらせる。 その後元の体に戻り、数か月後われたボディビル大会で見事優勝した。 貨幣プロジェクト~破滅への序曲~ ルージョン・アーネ=フィアカントの師匠として登場 選別として元相棒の仮面ライダーオーズを彼女に託す +ネタバレ注意 ネタバレはここに書く 安藤は怠惰なバルタンなようです 安藤と同じ移民したバルタン星人の一人。 +ネタバレ注意 ネタバレはここに書く
https://w.atwiki.jp/propoichathre/pages/1106.html
霖之助(レス)1 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「いやー、今日は人来ないねー」 「…店主の前で堂々と言うのはどうかと思うよ、○○」 「どうせこの時間には来ないだろうしそろそろ店閉めようぜ、香霖」 「ん、そうだね 閉めようか」 「なあ香霖」 「なんだい?」 「いくら俺に住む場所が無いからといって男同士で一緒の布団で寝るのはおかしいと思うのだが」 「しょうがないだろう?布団が一つしかないのだから」 「しかしこれは…なんというか危険な気が…」 「…何を今更、ま、安心してくれ。こう見えても僕は君よりかなり年上だし手を出したりするつもりはないさ」 「そいつはよかった、安心して寝られる。おやすみ、香霖」 「おやすみ、○○」 「…少しくらいなら手を出してくれてもいいのにな」 「… ん、何か言ったかい?○○」 「な、何でも無い!」 父の日→男→東方の男キャラ→こーりん→こーりんとイチャついてみよう 俺の思考回路はどうなってんだ しかもイチャついてない気が 16スレ目 655 ─────────────────────────────────────────────────────────── 女○○とこーりん。 ただしちょっと悲しい話。長くてすいません。 「今日ね、」 私の枕元に座る彼がぽつりと声を出した。 「彼が完全に吸血鬼になったそうだよ。天狗が号外を出してたんだ」 ほら、と私の前に新聞を広げる彼。 「……」 「一時は自分の変化に戸惑って暴れることもあったそうだから、本当に良かったね」 愛の為せる技かな、微笑する声と一緒に新聞紙が私の視界から消えた。 「僕達も変わったよね。彼らみたいに派手な変わり様は無いけど、少なくとも人間のお客さんが増えた」 私の視界に彼の顔は無いけれど、誇らしげに笑っているのは分かる。 ただそれを見ることが叶わない自分の身が憎い。気持ちが口を動かしたらしい、きぬ擦れの音と視界に彼の顔が入ったのは同時だった。 「はっきり言ってくれ、○○。いつも君はそうだったじゃないか」 彼の優しい瞳は私をじっと見つめていた。私がそれを気に入っていることを彼はよく知っている。 もう十分だよ。満足した私は目を閉じた。 「逝くな…!」 暗くなる視界と遠ざかる声。 その中で私は確かに聞いた。 愛してると、囁く彼の声。 「私もだよ、こーりん」 私の声は彼に届いたのだろうか。 薄れて行く意識でも私はとても幸せを感じていた。 30スレ目 440 ─────────────────────────────────────────────────────────── 最近俺の霖之助が可愛くてしょうがない この前宴会に誘ったんだが、いつにも増して反応が薄い 「どうした?」 なんて聞いてみたら騒がしいのは嫌いだと 「じゃあ五月蠅くないなら良いんだな?……俺と二人ってのはどうだ?」 って言ってみたら顔真っ赤にして 「君は……どうにも僕を困らせる」って、なんだお前可愛すぎるぞコンチクショウ 更に「お前のその顔が見たいから困らせてんだよ」って言ってやったら 「き、君は馬鹿か!!」って耳まで染めてやんの 今日の夜は一番いい酒を持ってこなきゃなぁっと俺は思ったね ちなみに僕は男です^^ 31スレ目 42 ─────────────────────────────────────────────────────────── (編者注:女性○○の流れで) 今日も、森の中を歩く。毎日毎日。 あたしのいく先は決まっている。 『香霖堂』 ここの店主、森近霖之助は、〇〇の心の王子様なのである。 「毎日、よくあきないねえ。」 「こんにちは、霖之助さん。」 いつも緊張して、これ以上の会話はあまりできない。しかし、今日はこれでは帰れない。 「あ、あのっ。」 「ん?なんだい?」 この眼。眼鏡の奥にすっと光る、優しげな目にあたしは弱い。ごくんと喉が鳴る。 「あのあの、こ、今度の定休日、紅葉でも、見に行きませんかっ?」 言った!挨拶くらいしか交わしてない相手に、いきなり誘ってしまった。しかし。 「ああ、いいかもしれないね。行こうか。」 「!?」 … 「で?私に媚薬を作れって?そんなのなくたって、なんとかなるだろ。」 「そう言わないでよ魔理沙ぁ。」 この恋を成就すべく、あたしは友達の魔理沙に相談していた。 「お弁当作っていくから、なるべく味が変わらないのがいいな。あと、即効性も。 作ってくれたらキノコ採りでも実験台でも何でもやるから!お願いっ。」 あたしだって、惚れ薬なんて使いたくないよ。でもでも、どうしても。 「今度の定休日だっけ?…時間がないから、高くつくぜ~?ま、いっちょやってみますか。」 「ありがと魔理沙!愛してる!」 しかしてあたしは、当日の朝、媚薬入りのおにぎりを作って、持っていったのだった。 「結構綺麗に染まってるね」 「そ、そうですね!」 紅葉なんて目に入らない。あたしは今日、彼に思いを告げる気でいるのだ。 「あそこなんか眺めがよさそうだ。登れる?」 「はいっ、わわ」 なれない山道にバランスを崩しそうになった刹那、手を握られた。 ぷしゅー 音が聞こえそうなほど、あたしは赤面してしまった。 (手がっ、手がー!!) も…もう…死んでもいい…はっ、いやだめだめ、しっかりしなきゃ。 そして、いよいよ魔理沙特製の惚れ薬を試す時がきてしまった。 「あたし、お昼、作ってきたんです。あの、それで、はいこれ!どどど、どうぞ!」 (魔理沙が言うには、食べたあと眼の前にいる人間を無条件で好きになる…) 「これは豪勢だな。では、いただきます。」 朝、早起きして(眠れなかったのもある)いろんなおかずを作った。 男は胃袋をつかめって。魔理沙は一体どこからそんな知識を仕入れてくるのか、そう言っていた。 薬は薬でしかなく、効果が切れるものだからと。 (あ…、霖之助さん…おにぎり、食べちゃった…) なんとなく様子をうかがうけど、何も変わりはないようだ。 「○○さんも、食べないの?」 「あっ、いただきますっ」 「このお弁当、おいしいよ。料理は得意なのかい?」 「はっ、あの、はい…」 (今日のために練習しました…数人の胃袋を犠牲にしました…) やがてあたしたちはお弁当を食べ終わり、お茶を飲み、帰ることになった。 この時間も終わってしまう。 「今日は楽しかったよ。景色も良かったし、お昼も美味しかったし。」 嬉しい。思い切って誘ってみてよかったな。 しかし、今日の一大イベントはこれから。今から。 「じゃあ、また。」 「あっあのっ。」 「?」 「霖之助さんっ。あ、あたあた、あたし、その、霖之助さんのことっ、す、す、」 きっと目でわかるくらい顔は赤いだろう。耳なんてやけどしそうなくらい熱く感じる。 ええい、ままよ。 「好きなんデスっ!その、その…お付き合い、してください!」 「…」 ばっと頭を下げた。そしてちらっと見上げた。目が合う。 「驚いたなあ。毎日うちに通いつめていたのは商品が目当てなんじゃなかったのかな?」 「へっ?あ、あの、はい…」 霖之助さんは冷静だ。媚薬なんて意味なかったの? 二の句が告げなくて、黙りこんでしまう。もうしばらくは、お店、行けないな… そう思っていたら、目の前に手のひらが差し出された。 「…俺で良ければ。どうぞ。」 「ねえ~まだなの~?」 「成功したらなんでもするって言っただろー?おっ、このキノコ、探してたんだよな~。」 背中にかごを背負って魔理沙の後を歩く。数時間後には霖之助さんとのデートなのに、汗臭くなっちゃう。 「おっ、香霖堂も近くじゃんか。この姿のままいくか?」 「意地悪言わないでよ~。ちゃんとおめかししたいの!」 「へえへえ。じゃあ材料も揃ったことだし、帰るとするか。」 「霖之助さん、お待ちどおさまっ。」 「じゃ、きょうはどこにいこうか?」 「そうですねー…」 まだちょっと緊張するけど、それもまた楽しい。 媚薬の効果はわからなかったけど。魔理沙のへの借りは返したし、結果オーライだ。 あたしたちは、手をつないで、歩く。 32スレ目 538-539 ───────────────────────────────────────────────────────────
https://w.atwiki.jp/churuyakofu/pages/2.html
メニュー 検索 and or ジャンルやキャラ名でSSを調べたいときなどにご利用ください このwikiの管理者に連絡 練習帖 公式森近霖之助 霖之助・香霖堂関連 創想話創想話投稿作品一覧1~100 創想話投稿作品一覧101~ 創想話ジェネリック投稿作品一覧 ピックアップページ その他の投稿作品一覧 同人誌 霖之助スレ的キャラ紹介 霖之助スレ用語集 霖之助ウフフスレKENZENまとめ コメントログ リンク 更新履歴 取得中です。 ここを編集
https://w.atwiki.jp/churuyakofu/pages/191.html
前の話へ 次の話へ あらすじ アリス、霖之助に協力してもらって日本人形を作成。 完成のお礼に料理を振舞う(作ったのはアリスの人形)。 霖之助への好意を自覚した。 「ご馳走様。実に美味しかったよ」 「はい、お粗末さまでした」 食事が終わった後も2人の会話は途切れることはない。話題は主に今日完成した人形について。 どこどこが大変だった、あそこは割りとスムーズに行ったとアリスが語り、 その割には良くできていた、流石高名な人形遣いだと霖之助がほめる。 会話は収まる所を知らず、むしろさらにヒートアップしていく。 霖之助が人形を手に取って、細かい箇所を指で示しながら語り出し、アリスも霖之助の真横に腰を下ろして手元を覗き込む。 その状態で霖之助の講釈を聞いているうち、いつのまにか霖之助にしなだれかかるような体勢になっていることに気付く。 そのときアリスが感じたのは、拒絶でも喜びでもなく、驚きだった。 話に夢中だったとはいえ、自分がここまで無防備に他人に近寄っていることに。そしてその相手が男性であることに。 しかしその変化は忌避する類のものではない。むしろなんとなく心地よさを感じる変化と言えた。 こうなると気になってくるのは霖之助がどう思っているのかである。 こっそり様子を伺うが、霖之助のほうは気にした様子もなく口を動かし続けている。 別に霖之助を誘惑するつもりはない。 好意を抱いていることに間違いはないが、まだ積極的にどうこうなりたいというほどに強いものでもない。 それでも自分は女性で、彼は男性だ。こんなに近くに居るというのに、本当になんとも思っていないのだろうか。 そもそも自分から通っていたとはいえ、ここ数週間の間に何度も2人きりになることがあった。 それなのに、一度も自分はそういう目で見られなかったのか。 自分もついさっきまでそういう目で見ていなかったことを完全に棚に上げているが、まあそこはご愛嬌。 とにかく、ちょっとだけ女としてのプライドが傷ついたアリスだった。 「おや、もうこんな時間か」 気付けば日はすっかり落ち、辺りはすっかり闇の帳が落ちていた。 「普段なら帰るよう促すところだが……」 そう言いつつ立ち上がった霖之助は、ちょっと待っていたまえと言い残して奥に引っ込む。 戻ってきた霖之助の手には酒瓶とお猪口が2つ握られていた。 「これは霊夢の略奪から運よく逃れた一品でね。折角のお祝いだし、今日飲んでしまおう」 霖之助としても、完成した人形を褒めるだけでは物足りない。 優秀な弟子を労うべく、縁側に出て月見酒と洒落込むことになった。 「僕はこうして月を肴にちびちびとやるのが好きでね。 魔理沙なんかは『酒は豪快に飲んで豪快に酔うもんだぜ』などと言って風情を楽しむということをしない。 その点、君は繊細さで言うと魔理沙とは比べ物にならないし、きっと理解してくれると思うんだが」 乾杯、と杯を軽く合わせ、注がれた酒を少し口に含む。 普段余り酒を飲まないアリスでも、なんとなく良い酒なのだろうとわかった。 「これって結構いいお酒じゃないの? 私より他にお酒の事がよくわかる相手がいると思うんだけど」 「構わないさ。君は僕にとっていわば弟子のようなものだ。頑張った弟子にご褒美を上げるのも師匠の義務というものだよ」 「そう、そこまで言われちゃ断るのも失礼ね。ありがたく頂くわ」 先ほどまでとは打って変わってほとんど会話はなかったが、アリスも霖之助もこの雰囲気を楽しんでいた。 杯を開けては互いに酒を注ぐ。月を眺め、風の音を聞き、ちびりちびりと酒を味わう。 たしかにこれは良い。じんわりとなんともいえない心地よさが広がっていく。 「霖之助さん」 「うん?」 「ありがとう。今日は最高の一日だわ」 月を眺めながらそうささやく。 白い肌は酒のせいかうっすらと上気し、月明かりを受けて神秘的なまでに美しい。 そして何よりも、その微笑みがとても綺麗で、思わず我を忘れて見とれていた。 (参ったな・・・) 自分は当の昔に枯れ果てている。そう思っていたが、 (僕の中にも、まだ男としての感性が残っていたとはね・・・) そんなことは、自分の勝手な思い込みに過ぎなかったようだ。 前の話へ 次の話へ