約 41,368 件
https://w.atwiki.jp/jcbr/pages/522.html
0414:一人で出来るもん ◆HKNE1iTG9I 【幕間の1/名前もない野生動物の場合】 彼女は、一度死んでいた。 最期の記憶は、迫る巨大な鉄の塊。危険なものであることは、承知しているはずだったのに。 空を飛ぶのは、一羽の烏。ビロードよりもなお黒い翼を広げ、 水面よりも尚青い空に、一羽の烏。 彼女に”分かる”のは、”分からない”ということだけ。 記憶にない場所。自分が今まで住んでいた塒も、今はもう影すら見えず。 餌場だったはずの街――まるで動いているような模様を映す板や、雑多な人間――はもはや無く。 一羽、唯一羽で空を飛ぶ。 変わらぬ空で出会ったのは。 何故か意思疎通を行っているように見える、数羽の同族。 彼らは、彼女が鳥の言葉を解さない(鳥なのに!)と分かると、 まるで別種の生き物のように扱い、邂逅すら存在しなかったように飛び去って行った。 彼女の世界では、鳥類が言語を使って意思疎通を行っているというような記憶はなかったし、 そもそも複雑な言語という概念自体、彼女には存在しなかった。 そもそも、鳥が言葉を話すわけがない。ファンタジーやメルヘンではないのだから。 彼女は、そういう、所謂ごく普通の世界から、殺し合いの世界に招かれた。 (名を書くだけで人を殺せるノートがある世界ではあったが) 三十もの世界から呼び出された参加者と同様に、彼女もまた、 一つの世界から呼び出された贄の一欠け。 だが、彼女は世界の変容にも深い疑問を抱くわけでもなく。抱けるわけでもなく。 世界は常からままならぬものであるし、そして何より。 何より、彼女は単なる一羽の烏なのだから。 だから、彼女は飛び続ける。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 【幕間の2/津村斗貴子の事情】 彼女は、既に死んでいるはずだった。 最後に思うは、自分が光を奪った勇者か。解体した、天馬のような雰囲気の少年か。 首を落とした、二人の女性か。愚かな、とてつもなく愚かな希望にすべてを賭け、自分に殺された青年か。 ―――陽光のような笑顔を持つ、守れなかった最愛の人か。 彼は、自分にとっての光だった。一番、守りたい人だった。 死ぬ時は一緒だと誓ったはずだった…一緒に生きていくと誓ったはずだった! 地を駆けるのは、一人の女性。血濡れたブレードは翼の如く、 戦場よりも尚昏い大地に、独りの少女。 大切な人は既に亡く、自分は未だに生き恥をさらしている。 記憶に焼きつくのは、一つの誓い。唯そのためだけに、彼女は駆ける。 無力なものを手にかけ、他の参加者の光を奪って。丁度、武藤カズキという光が、彼女から奪われたように。 大切な人を亡くす悲哀は、身を裂くような喪失は、自分が何より知っているのに。 奇跡と呼ぶことすら憚られる御伽噺に全てを委ね、皆を救うためという大義名分を掲げて奪い続ける。 これこそ、偽善。 太陽の様な彼女の思い人と同様に、彼女――津村斗貴子もまた、偽善を背負い駆けていく。 自らの全てを、曝け出して、投げ出して、引っくり返してただ賭ける。明らかに分の悪い、勝ち目さえも分からない賭けに。 この全ても、狂気の遊戯の慟哭の一欠け。 彼女を見知った人間が見れば、昔に戻ったのかと驚くだろう。 彼女をよく知る人間が見れば、もう戻れないのかと嘆くだろう。 津村斗貴子は駆けていく。覆いようのない血の匂いを幽鬼の様に引き連れて。 目指す先は、ピッコロという参加者。己が心の羅針盤を、固定するため、それだけに。 宇宙人という荒唐無稽な存在に縛られなければ、彼女の心は崩れ落ちる。 彼女を支えることのできた、唯一無二の人間は今は亡く。誰も、代わりになどなれるはずもない。 だが、世界は彼女の変容にさしたる反応を返すわけでもなく。 世界は常からままならぬものであるし、そして何より。 何より、彼女も単なる駒の一つなのだから。 だから、津村斗貴子は駆け続ける。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 【幕間の3/桑原和真の行程】 彼は、未だ死ぬわけにはいかなかった。 最後に見たのは、仲間の死に顔(デスマスク)。穏やかに微笑むその貌と、涙に崩れた自分の顔と。 歩を進めるのは、一人の少年(年齢的には)。 黄金色に輝く装束は、自責の枷にも似て。 全てを優しく覆い隠す雪を越え、命への賛歌を奏でる、新緑の上を越え、 血塗られ汚れた奈落の底に、一人の少年(年齢的には)が。ただ、一人の。 死んだ。ボンチューは、自分の目の前で。翼は、ブチャラティは、まるで自分の与り知らぬ、遠い、遠い場所で。 自分のしたことは間違ってはいなかったと理解はできるが、納得することは微塵もできず。 あの時、自分が無理やりにでもボンチューを止めていれば。引き摺ってでも連れて帰っていれば。 あの時、戦力を分断させるような愚を犯さなければ――平易に言うならば、ヘタァ打たなければ、 死ななかったかもしれない。翼も、ブチャラティも、ボンチューも。 悲しませずに済んだかもしれない、泣かせずに済んだかもしれない――ルキアを。 黄金の装束、今は鉛の如く。だが、それでも。 ――テメェの体引き摺ってでも、這いずってでも、オレァ戻るぜ。 ルキアんとこへ。承太郎んとこへ。雷電のとこへ。 心の内に、黄金を灯して。 ――泥水を啜ってでも、地べたでのたうち回ってでも、オレァ届くぜ。 フレイザードのヤロゥの首に。ピッコロのヤロゥの心臓に。主催者のクソッタレ共の喉笛に。 ――だから…だからよォ… 「バッキャロオオォォオオォォッ!何で死にやがった!!! ボンチュゥゥゥゥゥゥゥッ!!!ブチャラティィィィィィッ!!!翼ァァァァァッ!!!」 一人。唯一人。他に誰も聞くことがない怒号は、風に呑まれて記憶の果てへ。 「オレァ死なねェぞ!テメェ等を殺しやがったクソヤロウどもをぶっ殺し返して、主催者のクサレ外道も叩き殺して! 生きて帰って、雪菜さんと幸せな家庭を築いて、散々人生楽しみつくして、 テメエ等がウンザリするほど生きて、生きて、生き抜いてやるからなァッ!! そっちに行ったら、テメェ等が血尿流して勘弁してくださいって言うまで、 人生自慢し倒してやるから覚悟してやがれバッキャロオオオウゥゥ!!」 一人の少年(年齢的には)の叫び。それは、彼が一人ではあっても、独りではないという力強さを帯びていて。 というか、注釈付けるのも面倒くさいが、その顔は少年ってレベルじゃねーぞ! ともかく。 執拗に眠りを要求する身体を張り倒し、ともすれば縺れそうになる両足に檄を入れ。 少年は、唯ひたすらに歩き続ける。南へ。 あの場で待っていれば、仇敵に会えたことを知らず。 自分が、今何処を歩いているのかも知らず。 生きて帰ることができるのかも知らず。 だが、彼は世界の現実に絶望を持って返すわけではなく。 世界は常からままならぬものであると諦めていない上に、そして何より。 何より、彼は一人ではないのだから。 だから、桑原和真は歩き続ける。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 【栃木県・街中/日中】 【桑原和真@幽遊白書】 [状態]:全身各所に打撲、戦闘によるダメージ大、重度の疲労、軽度の火傷 次元刀が覚醒(しかしまだ不安定) [装備]:蟹座の黄金聖衣@聖闘士聖矢 [道具]:荷物一式(水・食料一日分消費) [思考]1:悲しみと怒り。決意。 2:承太郎達との合流:とりあえず、南へ。 3:ルキアのことが気になる。合わせる顔がないとも考えているが。 4:友情マン達との合流(友情マンに対し多少の罪悪感) 5:さらにフレイザード、ピッコロを倒す仲間を集める(飛影を優先) 6:ゲームの脱出 【大阪府/日中】 【津村斗貴子@武装練金】 [状態]:軽度疲労、右拳が深く削れている,、顔面に新たな傷 核鉄により常時ヒーリング、絶対に迷わない覚悟 [装備]:核鉄C@武装練金、リーダーバッヂ@世紀末リーダー伝たけし! [道具]:荷物一式(食料と水を四人分、一食分消費)、子供用の下着 [思考]1:さらに東へ。 2:クリリンを信じ、信念を貫く。後を継ぎ、参加者を減らす。 3:ドラゴンボールを使った計画を実行。主催者が対策を打っていた場合、攻略する。 4:ドラゴンボールの情報はもう漏らさない。 5:ダイを倒す策を練る。 6:ピッコロ、友情マン等宇宙人にあった場合、ドラゴンボールの情報を聞き出す(友情マンはその後地獄の苦痛の中でブチ撒ける) ※”武装錬金”勢と”JOJOの奇妙な冒険”勢は同じ世界から来ています(公式設定:カズキが岸辺露伴の大ファンから) 時系列順に読む Back 410 暴走列島~信頼~ Next 403 愛をとりもどせ!! 投下順に読む Back 413 穏やかな春の陽射しの下で Next 415 アビちゃんの撤退大作戦 407 彼女の功績はあまりに大きく、あまりに残酷 津村斗貴子 425 噫無情 379 雪の陣~memento mori~ 桑原和真 424 見えない未来へ
https://w.atwiki.jp/mangaroyale/pages/542.html
キック力増強シューズ@名探偵コナン 津村斗貴子に支給された。原作では江戸川コナンが使用している阿笠博士の発明品である。 履くことにより、足のつぼを刺激して超人的な脚力を得る事が出来る。本来の使用者が小学一年生であるのに対し、 これを履くと大人をも上回る脚力が得られる。その筋力増強効果は、恐らく支給品随一だと思われるのだが、 やはり本来の使用者が小学一年生のため使用可能なものは極めて少ない。
https://w.atwiki.jp/magoriatcg/pages/1562.html
https://w.atwiki.jp/jcbr/pages/502.html
0384:暴走列島~信念~ 血が止まらない。 背負った新八の右腕から滲み出る血液は、越前の右肩を染め続けていく。 (失血死って苦しいっていうよね……) 嫌な事実を思い出してしまい慌てて思考を切り替える。 (……乾先輩……) 先程の放送で、ついに呼ばれてしまった最後の一人。 いっつも飄々としていて、嬉々として怪しげな汁ばっか作ってて、人のデータがどうとか言ってて、 俺があんまり好きじゃないって知ってるのに牛乳飲めってうるさくて。 …………そういえば、俺が初めて声を出して応援したのは、アンタだった。 (……アンタのテニス、嫌いだけど嫌いじゃなかった) ……やっぱり、もっと違うことを考えよう。 今、乾先輩のことなんか考えたら足が止まってしまいそうだ。 (そういえば、あの女の人は一体何だったんだろう) ああやって襲ってきたっていうことは、この殺し合いに乗っちゃったってことなのかな。 なんだか妙な武器を持っていたけど…… そう言えばどうしてあの人は俺たちにあの場でとどめを刺さなかったんだろう。 なにか理由があったのかな。 こんな風に俺が考えたって答えがでるわけじゃないけど。 自分より大きな新八を背負う越前の歩みは遅々として進まず、その遅さが新八の命を削っていっているようで、焦りが更に疲労を上乗せする。 それでも足を止めるわけにはいかない。 今のところあの危険な女は追ってきてはいないようだけど……追ってこない確証などないのだ。 「……ね、うえ……」 聞いたこともないような頼りない声で、新八が何事かを呟いた。 ずれ落ちかかる新八を背負い直し、越前は真っ直ぐに前を見据える。 肩に、背に、腰に、足に、かかる負担はそのまま人一人の命の重さで…… 今まで考えたこともないような重い枷となり、容赦なく越前を地に倒そうとする。 だけど。 (死なせない……絶対に……死なせてたまるか……!) 進む先に当てなんかない。 ただただ、新八をどうにかしてくれる人間に出会いたい。 こんな簡単な止血よりも効果的な……できれば劇的な治療をしてくれる人物に。 最悪の状況の中、それでも負けることを嫌うテニスの王子様は一歩一歩、確かに進んでいく。 ほんの数時間前に……先輩の乾が、今の越前と同じように仲間を背負って走り続けたように。 今、門は閉じられた。 選んだ赤き修羅門は斗貴子の胸の奥へと沈み、決意の火となってその心を照らす。 道に転々と続いていく血痕。 それはまるで斗貴子を人ならざる世界へと誘う篝火のようで。 (スカウターを使うまでもないな……) スカウターのスイッチを切り、血痕の続く先を見やる。 荷物は拾った。銃も手にした。 もう、立ち止まっている理由はない。 しばし血痕を見つめ、斗貴子は、ふ、と息を吐くとそれに沿って歩き始める。 もう、躊躇はしない。 殺す。 今度こそ。 確実に。 そう思いながらも心の片隅で、深手を負ったであろうあのメガネの少年の安否を気にしてしまう。 いや、はっきりと「無事であればいい」と思ってしまい、そんな自分を嫌悪する。 傷つけたのは――――殺そうとしたのは、しているのは自分なのに。 決意したばかりだというのにどうしてこう自分は弱いのだろう。 ――――――――『最後まで貫き通せた信念に偽りなどは何一つない』 誰よりも尊敬する戦士長の言葉が胸をよぎる。 この腐ったゲームに巻き込まれた全員を……カズキを日常に帰すためならば。 そのためなら、どんなに蔑まれようと構わない。 「私は……悪にでもなる」 唇を噛みしめ呟く。 緩やかだった歩みが速まり、徐々に斗貴子はスピードをあげる。 血痕はまだ続いている。 ――――――――新ちゃん、新ちゃん ――――――――おい、新八 ――――――――新八~新八~ あああうるさいなもう! 嫌になるほど聞き覚えのある沢山の声が一斉に僕の名を呼ぶ。 ああもう。またですか。またこのパターンですか。 いい加減起きろよ、僕。 今けっこうなピンチなんだからさ。 って―――――――――――――――――――― 「僕まだ生きてるゥゥゥゥゥううううう?!」 「……一応ね。耳元で怒鳴らないでくれる?うるさいから」 「あれ?越前くん?あぁ……やっぱあれは夢だったんだ……よかった…… そうだよな。必殺凶悪ミニスカセーラー狂戦士に突然襲われるなんてありえな……」 「それ現実だから」 「そんなあっさり希望を消さないでェェェ!」 「てゆ~か起きたんなら降りて。重いから」 「…………ハイ。スイマセンでした」 呆れたような越前君の声に、僕は慌てて越前君の背中から降りた。 というか、慌てて降りたせいで転んでしまい、怪我した肩を強打して転げ回った。 「痛ってェェェェェ!痛いよコレちょっとやばいよ!」 肩も腕も痛いけどなんか頭もぼーっとしてて、今ならいろんな見えちゃいけないモノが見えちゃいそうだ。 「……貧血だね。当然といえば当然だけど」 そう言って越前くんは僕の隣に座り込む。 僕の腕を押さえ、もう一度布をきつく巻き直してくれる。 出会ったときと同じ様な容赦のない治療に悲鳴を上げつつ、僕は改めて周囲を見回した。 よく見てみればここは林の中。 しかも茂みの陰になっていて、向こうから見た限りではかなり僕たちを見つけづらいだろう。 「越前くん!肩!」 ぐっしょりと赤く染まった越前くんの肩が目に入り、心臓が止まりかけた。 越前くんも怪我をしてたんだろうか。 「……あぁ……アンタの血だから、これ」 あっさりと言った越前くんの言葉に安堵しつつ、僕は越前くんの肩がこうなってしまったわけに思い至った。 越前くん……僕を背負ってきてくれたんだ。ここまで。こんな小さな体で。 よく見たらすごい汗かいてるし。 「そういえば君の怪我は?!」 「平気。かすっただけだし」 そう言うけど、切られて痛いわけはない。 でも越前くんは弱音なんか漏らさない。 意地っ張りなのか本当に強い人間なのかはまだよくわからないけど。 「越前くん……ありがとう……」 「……別に」 僕の言葉に越前くんはプイ、とそっぽを向いてしまった。 照れてるんだ、ってことがわかり越前くんに気付かれないように小さく笑う。 肩は物凄く痛いけど、なんだかちょっと気分がいい気がする。 「僕、ここに来て最初に会えたのが君で良かったよ」 「……そ」 相変わらず越前くんの返事は素っ気なかったけど、そんなことはどうでもいいや。 「もう少し休憩したら、行くよ」 「……うん」 頷いて僕は、ぐらぐらする頭を我慢しながら空を見上げた。 「……ねえ、越前くん」 「なに?」 「朝の放送……誰が呼ばれた?」 「…………」 「……そっか」 夢であればいいと思ってたけど……やっぱり現実だったんだ。 「……ナンバー2……」 僕の呟きに、越前くんも曇り空も、誰も何も答えなかった。 突然、アスファルトに残っていた血痕が途切れた。 足を止め、斗貴子は逡巡する。 あのメガネの少年の血が止まったのか。 それとも進路を変えたのか。 前者であればいい、と反射的に思ってしまい何度目かの自己嫌悪に陥る。 さっきからこの繰り返しで、そのことも斗貴子の自己嫌悪に拍車をかける。 頭を振り、無理矢理に思考を切り替えた斗貴子はスカウターのスイッチを入れた。 「…………」 いくつかの反応を見、眉を寄せる。 斗貴子の今いる場所からわずかに左手側にある反応は、数字の小ささから見てあの少年達だろう。 問題はその先。 ここ、京都から十分に近い所……おそらく大阪と思われる辺りに4つの反応が固まっている。 そのうち3つはたいした数字ではないが……残りの一つははっきりと斗貴子よりも高い戦闘力を示している。 そのうえ、 (なんだ?こっちへ向かってくるこの4つの反応は……) まとめて4つ。高めの数字を持つ人物3人+そこまで高くない数字の人物1人が、かなりのスピードでこちらへ向かってくる。 (4人で走って行動している?……いや、それは無理がある……そうか、電車か!) 今までまったく頭になかった移動手段がここにきて使われているというのか。 恐らくは……あの放送のせいだろうが。 (このままいくとこの2つのグループは遭遇する) それが一体どのような意味をもたらすのか。 大きなグループができあがるのか……それとも血で血を洗う戦闘が起こるのか。 しばし考えるも答えは見えない。 「……今は」 今はとりあえず、“人数減らし”に集中すべきだろう。 そう思い斗貴子はショットガンをしまった。 距離を考えると微妙なところだが、発砲音を聞きつけられないとも限らない。 ここは安全に確実に―――― 「バルキリースカートで……」 心の奥底では、人を殺すために使いたくなかった自分だけの武器で。 私は。 人を殺す。 気配を消し、足を踏み出す。 数メートル進んだところで、気配を殺していたのが馬鹿らしくなるような会話が聞こえてきた。 「だから僕はこう叫んだんだ。『ノーパンになって得られる平和なんか俺は認めんぞォォ!!』って」 「……ふーん」 「だってそうだろう?!姉上はどう考えたってSなのにMになんかなれるわけないんだよ!」 「……ふーん」 (……一体何の話をしているんだ) 趣旨のよくわからない話に毒気を抜かれてしまい、思わず足を止める。 木の陰に影に隠れそっと茂みの中を覗き込むと、2人の少年の背中が見えた。 間違いない。あの子達だ。 真面目なのかふざけているのか判断をしかねる彼らの会話はなおも続いていく。 (私は何をしているんだ!) さっさと、バルキリースカートの刃を彼らの背中に突き立てればいい。 卑怯者らしく、悪者らしく、あっさりと。 「……誰?そこにいる人」 いつ気付かれたのだろう。 小柄な少年の鋭い瞳が、茂みの中からこちらを睨み付けていた。 沈黙が広がる。 あの木の陰にいる人は動かない。 「出てくれば?」 決して気の長い方じゃない俺の言葉に姿を現したのは、予想通りの人物だった。 あまり、いや、かなり再会したくなかったオネエサンだ。 「で?オネエサンは俺たちを殺しに来たの?」 さりげなく腰を上げ、新八さんを庇える位置に移動しながら目前の人に尋ねる。 新八さんの顔色は未だに物凄く悪い。 土気色っていうんだっけ?こういう色。 乾汁を一気に10杯くらい飲んじゃった感じだ。 「……ああ。私は……君たちを殺しに来たんだ……それが……君たちのためだから」 うわ。なんかこの人すっごい眉間に皺寄ってる……部長といい勝負。 思い詰めてます、って顔は見ていて痛々しいくらいに怖い。 「は?意味わかんない」 視線はそのままに、俺はいつでも駆け出せるように心を準備する。 武器も何にもない今、このオネエサンと戦って勝てるとは思えない。 それに俺にとっての勝利は、ここで戦って勝つことじゃないし。 俺にとっての勝利は、無事に帰って全国制覇をすること。 テニスを、またすること。誰も殺さないし、殺されない。 これ以外にはない。 「許してくれとは言わない。憎んでくれて構わない。私は――――――――――――」 キチキチと変な音がする。 オネエサンのスカートが少しだけ持ち上がり、中から鈍く光る刃物が姿を現す。 完全に刃を伸ばしたらしいその鎌の切っ先が俺たちに向く。 空気がピリピリして、全身に悪寒が走る。 「君たちを殺す」 「やだ」 一言言い返し、俺は立ち上がるときに持っていた土をオネエサンに投げつけた。 思わぬ目くらましを喰らって、オネエサンの注意が一瞬だけ逸れる。 その隙に新八さんの腕を掴んで、俺は全速力で走り出そうとして―――――――――――― 「無駄だ」 確かに背後にいたはずのオネエサンが、どうやったのか俺たちの目の前にふわりと舞い降りた。 「……必ず後で生き返らせる。だから今だけ我慢して私に殺されてくれ……」 「どういうことですか?!」 何言ってんのアンタ、と言おうとした俺の言葉を遮って、新八さんがオネエサンに詰め寄った。 「生き返らせるって、優勝するってことですか?でもアレ、生き返るのは一人だけで、それだってインチキくさいじゃないですか」 「……全員が生き返って、元の世界に戻れる方法があるんだ」 「……なにそれ」 何言ってるの、この人? 頭がやられちゃったんだろうか。 「何か訳ありみたいですね。話、聞かせてくれませんか?」 思いっきり疑いの目を向ける俺を退けた新八さんの言葉に、オネエサンは一瞬迷った後「わかった」と頷いた。 「馬鹿じゃないの?」 予想通りの反応だが、言われた言葉は予想よりも率直なモノだった。 ポカンと口を開けたままの志村にも、肩をすくめる越前にも、もう何も言うつもりはない。 こうなることはわかっていた。 自分だって初めてこの話を聞いたときは頭から疑っていたのだ。 『7つ揃えると竜型の神が現れ、何でも願い事を叶えてくれる玉』 お伽話の中に出てくる夢話と同じくらい不確かな存在。 だが―――― (私は、この小さな希望に賭ける……!!) 全員を救うために。今。この二人を。 「アンタだって、本当は信じてないくせに」 まったく予想外な言葉に、動きかけていたバルキリースカートがピタリと止まった。 「……どういうことだ?」 「そのまんま。本当はアンタも信じていないんでしょ?そんな話。だから」 「だから……僕たちを殺すことをそんなに躊躇っているんでしょう?」 越前の言葉を引き継ぎ、志村が口を開く。 彼らを殺すことを躊躇っていることを見抜かれ、私は彼を睨み付けた。 「……そんなことはない……!」 「だったらどうして僕たちを見つけた瞬間に殺さなかったんですか?」 「それは……!」 「それに、どうして僕たちにこんな話をしたんですか? 本当にドラゴンボールの話を信じているんなら、僕たちを殺してさっさと次を探しに行けばいいのに。 こんな話をする必要なんかないのに」 志村の言うことはもっともだ。 本来ならば一刻も早く人を減らし……ピッコロを見つけ、優勝してもらわなければならないはずなのに。 「……信じてないから、だから誰かにこの話を肯定して欲しかったんじゃないですか?」 「…………」 初めてこの話をした人はリサリサという名の女戦士だった。 そして、つかさ。ケンシロウ。サクラ。アビゲイル。 皆が皆――――言った。『そんなことはありえない』のだと。 唯一人、クリリンと同じ世界から来たヤムチャだけがドラゴンボールの存在を信じ…… いや、知っていてあっさりと計画に乗ってはいるが…… ヤムチャ以外は、誰一人この話を信じてくれなかった。 一度ホムンクルスになった人間が、もう元には戻れないのと同じように…… 死んだ人間はもう生き返らないのだと、本当は心の中では、私は………… 「それでも……私は希望を捨てることはできない……!!」 「現実を認めるのが怖いの?」 「なっ……!」 「新八さんの言うとおり、本当にその話を信じてるんなら、アンタは俺たちをあの小屋で殺してなくちゃいけなかったんだ。 なのにここまで来てもアンタはそれができない。アンタは弱いんだ。 仲間が死んだ現実を認めることも、嘘みたいな話を本気で信じることもできない」 自分よりも幼い小柄な少年の瞳が、私を真っ直ぐに射抜く。 頼りなさそうなメガネの少年の瞳が、私を真っ直ぐに射抜く。 ギリギリと奥歯を噛みしめてしまうのは、この二人の言うことが正しいからか。それでも。 「……『最後まで貫き通せた信念に偽りなどは何一つない』。だから私は最後まで……!」 貫き通す。 自分の信じた希望を。 例えこの信念が悪なのだとしても。 「アンタみたいな弱い人間に、信念なんか貫けない」 「…………れ……」 俯いた自分の声は思ったよりも低く、感情が膨れあがる。 ((私は決めたんだ!もう覚悟をしたんだ!) なのにどうして。 どうしてこんなに、心が乱れるのか。 キチキチと小さな音を立て、死神の鎌が持ち上がる。 だが、越前は退かない。 志村も退かない。 「アンタみたいに弱い人間に、俺は絶対に殺されてなんかやらない」 「…………黙れ…………!」 志村の視線が、越前の言葉が、私の心に突き刺さる。 認めたくなかった、気が付きたくなかった自分の心が晒され、そこに言葉の刃が突き立てられる。 「俺は……絶対に負けない――――――――――――――――!!」 「黙れ――――――――――――――――――――っっ!!」 「越前くん…………!!」 鋭い刃が越前の眉間に一直線に向かう。 狙いは違わない。バルキリースカートの最大の特性は高速精密機動だ。 歯を食いしばり、越前は真っ直ぐに自分を睨み続けている。 逃げられないのか?いや、彼は……! ――――――――越前の眉間の皮膚に後3㎜というところで、刃の動きが止まった。 「……なぜ……」 ようやく出せた声は、自分でも驚くくらいに震えていた。 動けなかった、のではなく避けなかった越前は、なおも私を睨み続けている。 「なぜ……」 なぜ、私は迷ってしまうんだろう。 何度も何度も覚悟を決めたと、全てを捨てるのだと、そう思ってきたのに。 カズキを、全員を日常に帰すためならばと決意したはずなのに。 「簡単な事じゃないですか」 越前の隣にいた志村が、一歩踏み出した。 握りしめた拳が震えているのが見て取れた。 「自分の心に嘘ついたまま信念なんか貫けっこないんだよ!!アンタそんな簡単なこともわかんないんですか!!」 僕の絶叫が林の中に響き渡る。 大声を出したせいでまた頭がグラグラするけど、そんなのに構ってる場合じゃない。 目前のお姉さん……津村さんが呆然とした顔で僕を見る。 さっきまで地獄の鬼より怖い顔をしてたのに、今はその目が少し潤んでいる。 「それでも……私はもう引き返せないんだ……」 「引き返せないわけがあるかボケェェェェェ!そんなこと死んでから思え!!」 「ちょっと新八さん……」 びっくりしていた越前くんが僕を抑えようとするけどそんなことどうでもいい。 腹が立って仕方がない。 「なに『自分だけが不幸』みたいな顔してんだ!大切な人を亡くしたのはあんただけじゃないんだよコノヤロォォォォォ!!」 「……」 呆然としたままの津村さんの胸ぐらを掴み、僕は思いつくままに叫び続ける。 ドラゴンボールが全てを解決してくれるなら僕だって信じたい。 でも死んだ人はどうしたって生き返らないんだ。 だから僕たちは。 「死んじゃったら生き返れないから!だから!気合い入れて生きてるんでしょ?!一回しかないから!」 叫んだせいで息があがる。 ただでさえ貧血だったのに酸欠までプラスされてきてない、これ? 「もう……私に構わないでくれ……」 俯いた津村さんが小さな声を出した。 「は?」 言っている意味がよくわからず聞き返す。 それでも津村さんは顔を上げない。 「今なら君たちを殺せない……一人で考えたいんだ……だから……」 「嫌です」 むかついたから即答してやった。 何言ってんだ、この人。 「あんた放っておいたら何するかわかんないだろ!それに……」 心臓よりも大切な器官があるって言ってましたよね、銀さん。 頭っから股間を真っ直ぐ貫く大切な器官があるって。 それは、自分の魂に収めた……折れてはいけない刀。 もう、僕は誰も目の前で死なせたくない。 誰にも誰かを殺させたくない。 この、津村さんにも。 「それに……そんな風に泣いてる女の人、放っておけませんよ……」 言われて初めて気が付く。 私の頬には、いつのまにかいくつもの涙が流れていた。 【京都府 朝】 【志村新八@銀魂】 [状態]:重い疲労、全身所々に擦過傷、特に右腕が酷く、人差し指・中指・薬指が骨折、上腕部に大きな切傷(止血済み) 顔面にダメージ、歯数本破損、朦朧、たんこぶ多数、貧血 [装備]:無し [道具]:荷物一式、 火口の荷物(半分の食料) 毒牙の鎖@ダイの大冒険(一かすりしただけでも死に至る猛毒が回るアクセサリー型武器) [思考]:1、斗貴子を止める。 2、藍染の計画を阻止。 3、まもりを守る。 4、銀時、神楽、沖田、冴子の分も生きる(絶対に死なない)。 5、主催者につっこむ(主催者の打倒)。 【越前リョーマ@テニスの王子様】 [状態]:非親衛隊員、重い疲労、脇腹に軽度の切傷(止血済み) [装備]:線路で拾った石×1 [道具]:マキ○ン [思考]:1、切れた新八を止めたい。 2、新八の傷を治してくれる人を捜す。 3、藍染の計画を阻止。 4、死なない 5、生き残って罪を償う 【津村斗貴子@武装練金】 [状態]:肉体的・精神的に軽度の疲労、左肋骨二本破砕(サクラの治療により、痛みは引きました) 顔面に新たな傷、ゲームに乗る決意、核鉄により常時ヒーリング [装備]:核鉄C@武装練金、リーダーバッヂ@世紀末リーダー伝たけし!、スカウター@DRAGON BALL [道具]:荷物一式(食料と水を四人分、一食分消費)、ダイの剣@ダイの大冒険、 ショットガン 真空の斧@ダイの大冒険、首さすまた@地獄先生ぬ~べ~、『衝突』@HUNTER×HUNTER、子供用の下着 [思考] 1、新八の言葉に動揺 2、ドラゴンボールについてもう一度考えたい 時系列順で読む Back 暗雲に包まれし世界 Next A列車で交渉をしよう 投下順で読む Back インフェルノ Next 天に立つ者、地に伏すけもの 375:そして扉は閉ざされた 志村新八 388:関西十一人模様 375:そして扉は閉ざされた 越前リョーマ 388:関西十一人模様 375:そして扉は閉ざされた 津村斗貴子 388:関西十一人模様
https://w.atwiki.jp/chaos-tcg/pages/1761.html
"水着"の「紅葉 知弦」 読み:"みずぎ"の「あかば ちづる」 カテゴリー:Chara/女性 作品:生徒会の一存 属性:地 ATK:1(+2) DEF:2(+3) [自動]このキャラが登場かレベルアップかオートレベルアップした場合、自分の"水着"1体を【裏】から【表】にする。 [自動]このキャラがガードキャラに選ばれた場合、カード1枚を引いてもよい。 R:ちょっと小さいけど RRR:あ、アカちゃんポロリ illust:服部憲知 SI-008 R RRR 収録:ブースターパック 「OS:生徒会の一存 1.00」
https://w.atwiki.jp/tvsponsor/pages/1776.html
ドキッ!丸ごと水着 女だらけの水泳大会 『ドキッ!丸ごと水着 女だらけの水泳大会11』 2'00″…花王 1'30″…永谷園 1'00″…リンナイガス器具、エスエス製薬、FUJIYA 不二家、昭和シェル石油、日本通運、任天堂 0'30″…SUZUKI 『ドキッ!丸ごと水着 女だらけの水泳大会X』 2'00″…花王 1'30″…永谷園 1'00″…昭和シェル石油、日本通運、任天堂、リンナイガス器具、エスエス製薬、FUJIYA 不二家 0'30″…井関農機(PT) 『ドキッ!丸ごと水着 女だらけの水泳大会VI』 2'00″…花王 1'30″…永谷園 1'00″…エスエス製薬、FUJIYA 不二家、昭和シェル石油、日本通運、任天堂、リンナイガス器具 0'30″…井関農機(PT) 『ドキッ!丸ごと水着 女だらけの水泳大会8』 2'00″…花王 1'30″…永谷園 1'00″…エスエス製薬、FUJIYA 不二家、昭和シェル石油、日本通運、任天堂、リンナイガス器具 0'30″…井関農機(PT) 『ドキッ!丸ごと水着 女だらけの水泳大会7』(1991.02.12) 2'00″…花王 1'30″…永谷園 1'00″…リンナイガス器具、エスエス製薬、FUJIYA 不二家、昭和シェル石油、日本通運、任天堂 0'30″…井関農機(PT) 「ドキッ!丸ごと水着 女だらけの水泳大会IV」 2'00″…花王 1'30″…永谷園 1'00″…エスエス製薬、FUJIYA 不二家、昭和シェル石油、日本通運、任天堂、リンナイガス器具 0'30″…井関農機(PT) 「ドキッ!丸ごと水着 女だらけの水泳大会2」 2'00″…花王 1'30″…永谷園 1'00″…リンナイガス器具、エスエス エスエス製薬、FUJIYA 不二家、昭和シェル石油、日本通運、任天堂 0'30″…井関農機(PT)
https://w.atwiki.jp/mangaroyale/pages/281.html
交差する運命 ◆1qmjaShGfE 川田章吾は彼の考えを同行者である津村斗貴子へと語った。 「俺達が相手にすべきは、自分を弱者だと思ってる連中だ」 川田の真意がわからない斗貴子は怪訝そうな顔をする。 「自分が強いと思ってる奴は、勝手に強い奴相手に勝負を挑んで潰しあってくれる。そんな奴をわざわざ相手にする必要は無いって事さ」 自分が肩に担いでいる巨大なライフルをコンと指で弾く。 「道具と戦う意思があれば、どんな奴だって戦える。そいつに気付く前に殺すんだ」 その言葉に深く頷く斗貴子。 見るからに弱者としか思えない者達の足掻きには、何度か苦汁を嘗めさせられている。 「だが、自分を弱いと思っているのなら、何処かに隠れるなり何なりしているのではないのか? これだけ広い中に隠れられたら見つけるなんて不可能だぞ」 斗貴子の至極もっともな言葉を、川田は鼻で笑う。 「そいつを見つけるんだよ。支給された地図を覚えているか?」 人を馬鹿にしたような物言いには腹が立つが、そもそも好意とは程遠い間柄だ。 不愉快そうに川田を睨みつける斗貴子。 「ああ」 「今の時点まで生き残ってる奴は恐らく二種類に分かれるだろう。守る者と守られる者。単独で何処かに隠れ続けてる可能性も否定出来ないが、それは実はあまり無いだろうと俺は踏んでいる」 「何故だ?」 「隠れ続けるって選択肢を選ぶには、このプログラムがどんなものか予め知っているという前提が必要だ」 やはり川田の言う事はわかりずらいのか、斗貴子は口をへの字に曲げる。 それだけで意図が通じたのか、川田はよりわかりやすく説明してやる。 「いきなり見知らぬ場所に連れてこられて、とりあえず誰とも会わないように隠れようなんて考える奴居るか? 普通はどういう事なのか確認しようとするだろう?」 殺し合いをしろ、と言われたからといって、はいそうですかと殺し合いをする方がおかしいのだ。 川田の言葉は納得出来る。 「そうやってふらふら出歩いた者達が淘汰され、その上で生き残っているのが今居る連中というわけか」 手馴れた仕草でタバコに火をつける川田。 「偶然出会ったのが葉隠みたいな奴だった幸運な弱者。だが、強いと思ってる連中からすりゃ明らかに足手まといなそんな連中を、さて何処に隠そうかって話だ」 斗貴子は言われるままに想像してみるが、まるで思いつかない。 静かにしているのなら、何処に隠れていようと一緒ではないか。 そう、思うままに口にしたらまた川田に馬鹿にされそうなので何も言わなかったが。 「地図の端はダメだ、距離が離れすぎると不安になる。その上で誰も寄り付く事すらしなさそうな、何の役にも立たなそうな場所」 まだわからない顔をしている斗貴子に、川田は最後のヒントを提示した。 「弱者にはどんな連中が多い? 大人も子供も一緒くたに放り込まれてんだ。なら子供の方が弱いに決まってる。そんな子供にとって馴染みも深い、部屋数も多く、敵を迎え撃つ為の仕掛けもしやすい。外から見れば極めて単純な造りだが、実際は案外複雑に出来てる建物」 何かを思いついたのか、地図を引っ張り出してそれを見直す斗貴子。 「地図に描かれてる場所なら、場所を忘れる心配も無い。地図に印なんてつけたら、万が一殺しを考える奴に奪われた時最悪だからな」 じっと地図を見つめる斗貴子。 確かにある。川田の言う条件にぴったりの場所が。 災害時の緊急避難先にすら指定されるような、こんな時の為の最高の避難場所。 「学校……だな。確かに、あそこは避難場所としては最高だ。それと気付いてなければ全く無意味でわざわざ行こうとも思わないしな」 ようやく理解が得られた所で川田は次の話にうつる。 「あくまで予想だがね。それでだ、もし人が居るのがわかったなら、そこに居る奴を完璧に殺す。いいか、パーフェクトにだ。一切の反撃を許さず、一瞬でカタをつける。その為に必要な事は?」 事が戦闘に関わるならば斗貴子は極めて優秀だ。 「敵の情報。誰を見つけてもまずはそれを見極めてから判断しろ、そう言いたいんだな」 だが、川田にとってその答えではまだ不足だったらしい。 「それだけじゃ完璧には殺せない。こちら側が一方的に相手の情報を得られる状況を立ち上げないとな」 肩に背負ったライフルを担ぎなおす川田。 「主道を避け、裏道を使い走って移動する。都度休憩を取り疲労を溜めない。当然だが移動中は無駄口を叩かない。休憩のタイミングは俺が指示する。何か質問は?」 さりげなく指揮を自分がやると川田は言っているのだが、その役割分担を斗貴子は自然に受け入れた。 「索敵は基本的には私の役目だな」 あっさりとした斗貴子の返答に、僅かだが意外そうな顔をする川田だったが、静かに頷く。 「そこまでわかってるならこれ以上の説明は不要だな。行くぜ」 二人は第一攻撃目標である学校を目指して夜の街へと走り出した。 赤木シゲルと泉こなたの二人は食い入るようにパソコンのモニターに見入っていた。 【Dr.伊藤】を名乗る何者かからのオンライン麻雀を介したコンタクト。 「どうする?」 こなたの問い。答えは決まっている。 「OKだ。新しい参加者を加えて麻雀を楽しむとしよう」 ぴろーん。 許可の合図を送ると【Dr.伊藤】が卓を囲むメンツに加わる。 「クククッ、泉、俺の言う通りにちゃっととやらで会話を試みてくれ」 「了解。……ねえ、これもしかして物凄く危ない橋なんじゃないかな?」 「そうだな。なら止めるか?」 少し考えた後、こなたは真顔で言った。 「渡るなって言われてる橋を渡る時は、端をこそこそと通るんじゃなくて、真ん中を堂々と通るもんなんだって。一休さんが言ってたよ」 赤木は歯を見せ愉快そうに笑う。 「うまい事を言うな……まずは『少ししたら用があるから、ゲームが止まるがそれでも構わないか?』と言ってみてくれ。出来るか?」 「お安い御用♪」 こなたが言われた通りに画面に打ち込むと【Dr.伊藤】からの返事が返ってくる。 『もちろんだ、大事な事だからな』 こなたが赤木の方に振り返る。 大きく頷く赤木。 これでこの【Dr.伊藤】が放送の存在を知っている事がわかった。 無関係な第三者ではない、モニターの向こう側の人間は、おそらくこの件に関わりのある人間だ。 そしてそれを隠そうとしていない事も。 赤木は次々とこなたに指示をしていく。 『時間も遅いが、明日仕事は大丈夫なのか?』 『例のイベントの真っ最中だよ? 大丈夫な訳あるもんか。実は今も仕事の合間だよ』 『いいのかい?』 『実は今うまい事仕事が空いてね。こんな機会はもう二度と無いだろうから、せいぜい楽しむとするよ。チャットも大歓迎さ、何でも話してくれていいよ』 『イベントね。アンタは何をやってるんだい?』 『主軸を担っている自覚あるよ。何なら少しぐらい特秘事項リークしてやろうか? 何、どうせ幹部は私達のこんな遊びサイトまでチェックはしてないだろうさ』 お互いそれと気付いていないが、双方の利害は一致している。 驚く程スムーズに話は進んだ。 『そいつは凄い! 不思議でならなかったんだが、首輪なんてちょっと詳しい奴がいじればアレ簡単に外れないか?』 『ははっ、それは無理だよ。あの首輪は霊的に守護されている。まずはそいつを祓うなり何なりしない事にはね』 あんまりなお返事に天を仰ぐこなた。 霊だのなんだのと平然と言ってくるとは思わなかった。 御祓いなんて、どうやって……とそこまで考えてこなたははたと気付く。 慌てて紙とペンを取り出してそこに文字を書き記す。 『友達のかがみとつかさが実家が神社で巫女さんやってるって。もしかしたら御祓いのやり方知ってるかも。二人共参加させられてるから、何処かに居るはずだよ』 赤木は静かにこなたの肩を叩く。 「良い手が来た時程冷静に……だ」 【Dr.伊藤】との会話は続く。 『なんだよそれ、もっとテクニカルに守られてるんじゃないのかよ?』 『付け外しの技術だけなら大した事はしてないよ。霊的防御さえなければ、継ぎ目に鋭利な金属でも当てて押し込んでやるだけで、割れるように開く程度のものさ。それで爆発するような事も無いしね。大体、他の機能山盛詰め込んでるんだ。 そんな所に割く余分なスペースは残って無いさ』 『他の機能?』 『スタンド適正の付与、エネルギー抑制機能、この二つをあのサイズに詰め込むのに、どれだけ苦労したと思ってるんだ。盗聴機能外せればもっと楽出来たってのにねえ』 今一理解しずらい単語であったが、重要な事に思えたので二人はこの言葉を一字一句間違いのないよう記憶した。 『盗聴なんてするぐらいだったら、会場のそこら中に隠しカメラでも仕掛けておけばいいんじゃない?』 『二十四時間体制で無いと意味無いんだぞ? 誰がその無数の隠しカメラ監視するんだよ。人数分の盗聴器ってだけで既に手一杯どころか人足りてないって』 『もしかして、盗聴も二十四時間体制維持出来てない?』 『内緒だぜ。録音はしてるけど内容確認は要所要所だけさ。全部チェックなんてしてないよ。ちょうど開始から二十四時間。生存者分だけでも確認するのに全部で五百時間近くかかるんだから、やってられないって』 何とも人間臭い返答に、こなたは苦笑する。 『大変だねぇ』 『そりゃ戦闘員は多いさ。だけど低級の改造人間は判断能力に乏しいからねえ、機転もきかないし。この手の監視作業は改造前の人間に頼るしかない。BADANの構造的欠陥の一つだよこれ』 『そんなんじゃ参加者にやり返されないか? めちゃくちゃヤバイ奴集めたって聞いたぜ?』 『確かに首輪さえ外せれば城のある、地図外へはいける。でもそいつは例の雷雲の中だ。あれを雷の直撃食らわずに抜けるにはそれこそ時速六百キロは出るマシン使わないと不可能だよ。やれるもんならやってみろって』 こなたは少々投げやりになりながら呟く。 「竜の巣だー」 『だとしても、首輪外されたらマズイだろ。参加者でそういう事してる奴って居るの?』 『居るねぇ。骨のある奴ばかりで鬱陶しいったらない。一人、霊的防御突破した奴居るしな』 『マジ!?』 『ま、他に大した力も無い女の子だから心配は要らないだろうがね。手強いのに守られてはいるが、放っておけばすぐに殺されるさ』 そこまで話した所で赤木が時計を確認すると、もう放送一分前になっていた。 「泉、時間だ。一度引くぞ」 「うん」 放送の時間が近い旨を【Dr伊藤】に伝えると、彼も了承して麻雀はお開きとなった。 パピヨンは勝の死体があると思しき場所まで戻りながら、口を利く剣、デルフリンガーと会話をしていた。 『……おでれーた。あんた人間じゃないんだ』 どうやらこの剣は持ち主がどんな存在なのかわかるらしい。 話が早くて助かる。 「人間じゃ無いのはお前もだろ」 パピヨンの返事が愉快だったのか、鞘の飾りをかたかたと鳴らして笑うデルフリンガー。 『で、DIOはどうした?』 「死んだ」 『なんだってーーーー!? 何てこった、良い奴だったのに。冥福をお祈りするぜ……んで、アンタは?』 「パピヨンだ。お前にはこの場で知っている事を話してもらおうか。どんな時でも情報は貴重なんでな」 横柄な言い方だったが、ただのインテリジェンスソードと馬鹿にせずに、すぐにパピヨンが名乗り返してくれた事でデルフリンガーはこいつを許してやる事にした。 デルフリンガーが元居た世界ではしゃべる剣の存在自体はあまり珍しくなく、デルフリンガーが今の主人に出会う前までは武器屋で小汚い粗大ゴミ扱いされていたのだ。 『知ってるも何もほとんど鞘の中だったからなあ。そういやサイトって俺っちの相棒知らないかい? ああ、後ルイズって娘っこも居るみたいなんだが』 パピヨンが記憶を辿ると、どちらもその名前に聞き覚えがあった。 「聞いた名だな。どちらも既に死んでいるらしいが」 今度はDIOのそれを知った時の比ではない。 とんでもない大声で叫ぶデルフリンガー。 『何だとーーーーーーーーーーーーーーーー!! 相棒も娘っ子も死んじまったってのか!? 冗談だろ! 相棒はガンダールブなんだぜ!? どうやってそんな奴殺すってんだよ!』 「やかましい。がんだるだかカンタムロボだか知らんが、死んだものは死んだんだろう。俺がやった訳じゃあるまいに文句を言うな」 デルフリンガーは刀身を震わせて嘆き悲しむ。 『ちくしょう、なんてこった……相棒よう、お前は強情で見栄っ張りでガキ丸出しだったが、俺は気に入ってたんだぜ……成仏しろよな』 どうやら大して役に立つ事を知ってそうではない。 騒々しい分マイナスだ。 しゃべる道具に使える物は無いのか。と、先ほど出会ったしゃべる鞄を思い出してそんな事を呟くパピヨン。 『ちっと目を離した隙によう。きっと武器も無い状態で殺し合いさせられたんだろうなぁ、俺が側に居てやれりゃこんな事には……』 愚痴愚痴と溢すデルフリンガー。 何故だろう。何故だか無性に泉の顔が見たくなってきた気がする。 バカバカしいとそんな感傷を一笑に付すが、それでもどうしてだか落ち着かない。 デルフリンガーが鬱陶しく愚痴っているのも気にならなくなった。 それよりも、妙に胸がざわつくこの感覚の方がよっぽど気になる。 そこで、パピヨンの耳に定時の放送が聞こえてきた。 ビルの屋上、見通しの良いそこで動く人影を探していた覚悟は、絶望的な放送を聞いてその場に俯いていた。 つい先ほど別れたばかりの綾崎ハヤテ。 ヒナギクを託した彼の訃報は、完膚なきまでに覚悟を打ちのめした。 そして、病院組で生き残っている二人の内の一人、吉良も亡くなったという。 目の前に居ても守れず、目を離してもまた守れず。 それでも、それでも尚! 覚悟の膝は折れてくれなかった。 その背中をまっすぐに伸ばして前を見る。 それでも守り、救うのだ! 自らに厳しく生きてきた半生が、零式防衛術への誇りがここで立ち止まる事を覚悟に許さない。 やるべき事、やらなければならない事は多く、そして達成は困難を極める。 絶望的な勝率に挑み、敗れる都度深く傷つき、後悔と自責に苛まれる事がわかっていても。 『倒れていった皆が見ている。その前で、戦う事を諦めるなど出来ようはずがあるか!』 悲しみを、怒りを、前へと進む足に込める。 父より零式防衛術を学び、その言葉通りに生きてきたが、覚悟はその父より賜った言葉の重みを、真の意味で理解しえた気がした。 そうして前を向き続ける者のみに、勝利の光明は差し込んでくるものなのかもしれない。 頭を上げた覚悟の視界の片隅に、僅かに動く人影が見えた気がした。 距離がありすぎる為、何者かはわからないが、その向かった方角はわかる。 覚悟は、一心不乱にそちらに向かって駆け出した。 放送を聞き終わると、パピヨンは気難しそうに小首をかしげる。 ナギが死んだ。しかし独歩も泉も生きている。そしてついさっき出会った三村が死に、一緒に居たジョセフは生きている。 綾崎ハヤテは行方不明になったまま死んだ。DIOは倒れたが、彼のような殺しに乗った凶悪な能力を持つ人物はどうやら他にも複数居そうである。 ついでに、泉の知り合いである柊つかさも死んだらしい。 「…………。」 やかましいデルフリンガーは鞘に入れて紐で縛ってある。散々文句を言ってきたが、また三村の時のように無駄口に邪魔されては敵わない。 小首を傾げたまま、うろうろとその辺を歩き回り、ふんっと鼻を鳴らして行くべき道を行こうとするが、その足が止まってしまう。 何度も何度も、行ったり来たりを繰り返し続けるパピヨン。 「あーっ! くそっ! 気になる!」 ぐだぐだ考えてるぐらいだったら、確認した方が早い。 パピヨンは近くの民家に押し入り、中にある電話機の前に立つ。 受話器を手に取り耳に当てると、どうやら繋がっているらしく、例のつーという音が聞こえた。 すぐに電話機を置いてある台の所にあった電話帳を引っ張り出し、微かに名前を覚えていた喫茶店と、この地図上にある学校の電話番号を調べた。 まずは喫茶店にかける。 数分待つも、誰も出ない。 ナギが死んだ事から考えるに、何者かの襲撃を受けたか。 ならばと今度は学校に電話をかける。 おそらくかかるのは職員室だろう。ならば気付かない可能性も高い。 それでもパピヨンは、かけずにはいられなかったのだ。 放送が終わると、泉こなたは椅子に座って呆けた顔で彼方を見ていた。 つかさ、そしてたった今別れたばかりのナギ、行方をくらましていたハヤテも死んだという。 信じられない。こんなにあっさりと人の命が失われていいものなのだろうか。 せっかく首輪を外す希望が見えてきたというのに、一緒に帰るべき人間が次々と死んでいく。 隣に居る赤木は、こなたの様子を見て確認の為に問いかける。 「状況の確認をしたいんだが……出来るか?」 「…………ごめん、ちょっと無理」 赤木はその部屋の正面にある黒板にチョークで文字を書き始める。 「泉、言っておくがお前のそれは、時間が経てば落ち着くなんて類の症状じゃないぞ。そいつを期待してるんなら……諦める事だな」 ぎこちなく顔を上げるこなた。 「そ、そうかな?」 赤木はこなたの方を見ようともせずに黒板に文字を書き続ける。 「それが出来るのは、自らが寄って立つ何かを持った心に芯のある人間だけだ。そうでないあやふやな立ち位置の人間がそんな事したら、余計落ち込んで何も出来なくなるだけだ」 思いやりの欠片も感じられない赤木の言葉に、さすがのこなたも非難じみた声をあげる。 「じゃ、じゃあどうすればいいのさ」 手を止め、振り向く赤木。 「生き残るのに必要な事だけ考えて、他は全て無視しろ。ベストでないにしても、お前にとってはベターな選択肢ではあるさ」 何ともやるせなさそうな顔になるこなた。 「……そんなの、つかさやナギちゃんやハヤテの事無視するなんて出来ないよ」 「クククッ……今のお前が、知人の死を正確に受け止めてその上で自分を見失わない方が、よっぽど難しいだろう?」 引き続き黒板への記入を始める赤木。 「一番大事なのは、お前がお前である事をいかに見失わないか……どんな時でも、何が起ころうとも。そうでないと、あの女みたいになる……」 硬く握り締めた震える両手を見下ろすこなた。 「ずっと……誤魔化して……色んな事考えないようにして……そうやってきたけど……本当にそれでいいの?」 「ククククッ、駄目に決まってる」 驚く程素早く即答する赤木に、こなたもすぐさま聞き返す。 「どっちさ」 「良い悪いだの、善悪だのはお前がうまくやる事とはまるで別の問題……そこを履き違えるな。さて、状況の説明だが……」 赤木のこの場での目的は、こなたの気を紛らわせ、少しでも早く状況に立ち向かわせる事。 それには第三者との会話が一番。 話の内容は実は赤木がどうしてもこなたに伝えたいと思った事柄でもなんでもない。 ただ、彼女が返事せずにいられないような、そんな話を振っていただけだ。 だからといって嘘を言ったつもりもない。 つまるところ、赤木は落ち込むこなたを励まそうとしたという事だが、それはあまりに赤木的すぎてその意図がこなたに伝わる事は無かった。 しかし、赤木の目的は果たされたようで、あまり乗り気でないながらもこなたは赤木の話を聞こうとしていた。 そこに、遠くで鈴虫が鳴くようなか細い音で、りーんという古めかしい電話の鳴る音が聞こえてきた。 イライラしながら受話器を握り締めるパピヨン。 こんな真似をするぐらいだったら、素直に喫茶店なり学校なりに行った方が早いのではないか、などと後悔しながら電話機の台を忙しなくトントン叩く。 結構な時間そうしていたパピヨンは、ついに苛立ちが頂点に達したのか、持っていた受話器を電話機に叩きつけてやろうと振り上げる。 『……誰だ?』 高らかと掲げた受話器から、そんな声が漏れ聞こえてきた。 驚いてそのまま落っことしそうになるも、何とか持ち直すパピヨン。 「そこは学校だな? 俺の名はパピヨン、お前は?」 『クククッ……赤木しげる。喫茶店では世話になったな』 「大した世話した覚えは無い。お前だけか? 他の連中は?」 『居るが……わかった、わかったから袖を引っ張るな。待て、今代わる』 何やら揉めているらしいが、少しすると今度は女性の、電話越しでもわかるあの声に代わった。 『はろー! ぱぴよん元気ー!』 嬉しそうな泉の声。 「ああ、そっちも大事無いようで何よりだ」 『あー、まあ色々あったけど、私は元気だよ。パピヨンは? 怪我とかしてない?』 心配されるのが、鬱陶しいと感じない。それより、何というか、少し、嬉しい、かも、しれ、ない。 「誰に言っている。蝶人パピヨン様をどうこう出来る奴が居るものか」 『うわ、言い切ったよこの人。それでも早くこっちにおいでよ。実はさ、すっごい重要な事がわかったんだ』 目的は既に果たされた。それでもまだ話し足りない。 「ほう、それはここで話せないような事なのか?」 『ふふふふふ、合流してのお楽しみだよ』 イカン、本気で楽しみになってきた。 「そうか、じゃあそれを楽しみに戻るとしよう。そこには赤木だけか?」 『うん。追々独歩さんとかも来ると思う』 泉の口調が変わった。やはり何か嫌な事があったのだろう。 「何か土産でも持っていくか? そこらのスーパーにでも寄って適当に何か持っていくぞ?」 『え? いいの?』 そんな声聞きたくない。お前は何時でも嬉しそうにしていろ。 「蝶特急便だ。滅多に無い事だからありがたくオーダーしろ」 『えーっと、じゃあポテチと炭酸なんでもいい。それとアイスー』 食事より菓子か、まったく、仕方の無い奴だ。 「適当に見繕っておいてやる。他に注文はあるか?」 『うーんとね、待ってね。今考えるから、えっと……』 別に焦らんでもいい。お前は、ただそうやって話してくれているだけで、充分なんだ。 『そうだ! 一つ注文!』 「なんだ?」 またどうせ下らんものなのだろう。まあいい、もののついでだ。何でも持っていってやるさ。 『えっとね、仲良い友達は私の事泉じゃなくて、こなたって呼ぶんだ。だからパピヨンもそうしてよ』 「何?」 何? 『そのほうが何か収まりが良いっていうかね、何かそんな感じなんだ』 お、おいおい。何が仲が良いだ。お前、何言ってるんだ。 「別にその程度構わんが……確か、下の名前は……」 知ってる。泉こなただ。 『あー! もしかして忘れた?』 「こなた。泉こなただな」 忘れるものか。この天才がそんな簡単な事忘れるはずなかろうが。 『ちっちっち、違うよパピヨン。こなたっ♪ もっと愛を込めて!』 噴き出してしまった。 「お前……それが言いたかっただけだろ」 楽しそうに笑う泉、いや、その、こなたの声が聞こえてくる。 何だ、何故こんなに顔がにやける? くそっ、くそっ、何なんだ。俺は一体どうしたというんだ。 『バカンッ!! ッザーーーーーー!!』 不意にそんな轟音が受話器から轟いたかと思うと、通話の切れた合図であるモールス信号のような規則正しいツー音が聞こえてきた。 「おいっ! 何だ今のは! おいこら泉! 返事しろ!」 通話の状態がこうなっては、向こうに聞こえるはずがない。 それでもそう言わずにはおれない。 「泉! 何があった泉! あー、もうこなたでも何でもいいから返事しろ!」 冗談でやってるのでは? 「答えろと言っている! いい加減にしないと怒るぞ!」 泉はこんな状況を弁えないような真似はしない。 ならば、本当に向こうで何かが起こったのだ。 「クソッ!」 受話器を電話機に叩きつけると、家から飛び出す。 周りの物が目に入らない。 とにかく一秒でも早く学校へ、それしか考えられなかった。 川田章吾は予想以上の轟音に、顔をしかめていた。 「何だこれ? ライフルにしちゃゴツすぎるとは思っていたが……」 学校を一望出来るビルの一角に陣取り、長大なライフル、ハルコンネンを使って狙撃を試みた川田は、再度スコープを覗き込む。 「……壁まで崩れ落ちてるじゃねえか。おーおー、煙まで噴いて。ひでぇな、これじゃ当たったかどうか何てわかりゃしねえよ」 とにかく賽は投げられたのだ。後はフロントの斗貴子に任せて、川田は川田のやるべき事をやるだけだ。 中編
https://w.atwiki.jp/trialcosme/pages/50.html
夏になると、マリンスポーツが人気でますよね? もう少し経ったら夏休みに入るし、遊びのお誘いも受けているけど、マリンスポーツには抵抗してしまいます。 今年も、マリンスポーツのお誘いは断ったのよ。 だって、水着になる勇気がないのよね~ バストの大きい子は、自分の胸の大きさに自信があるからいいけど、本当にないと水着姿になることや、下着姿になるのも自信がないのよ!! まして、ビキニ姿なんて「無理無理無理!!」って言っちゃいそうだもん。 裸に近い姿だから、露出度はもちろん高くて、隠すことも出来ないし、鏡で自分の姿を見るだけで凹むからね~ それだけで憂鬱になって、行きたくないって思ってしまい、もう、働いてからは海やプールに行ったことがないね。 気にしていない子もいるけど、こればかりはメンタル系の問題だからね・・・。 こんな時にバストの小さい子は、ヌーブラを使って大きくするけど、今、同じ悩みを持つ子達の間では、ヌーブラビーチ キュート が流行っているんだよね~ ヌーブラビーチって、水着を着る時に付けるだけでバストアップができて、しかも安全な医療用シリコン100%だから、アレルギー体質の人でも使うことができるから、今の時期にはおススメなのよね~ しかも、動かすことができるから、色々な角度からのバストアップが期待できるから、私もちょっと気になっています!
https://w.atwiki.jp/busoushoujo/pages/104.html
00056 SR 胸甲兵 [水着]クラウディア・モーリス CV 桜木アミサ 人懐っこくて明るく元気な女の子。テンションが上がると警棒でバシバシ叩いてくる。警棒を取り上げるとすぐに泣くが、お菓子を差し出せば泣き止む。 誕生日:8月8日 身長:142cm BWH:70/52/73 血液型:B 出身:アメリカ カード画像 限界突破カード画像 #ref error :ご指定のページがありません。ページ名を確認して再度指定してください。 トップ画像 限界突破トップ画像 #ref error :ご指定のページがありません。ページ名を確認して再度指定してください。 コミュニケーション画像 ストーリー1「あたしの警棒!」 ストーリー2「こっちは平気」 ストーリー3「」 #ref error :ご指定のページがありません。ページ名を確認して再度指定してください。 ストーリー4「」 #ref error :ご指定のページがありません。ページ名を確認して再度指定してください。
https://w.atwiki.jp/chaos-tcg/pages/1353.html
"水着"の「椎名 深夏」 読み:"みずぎ"の「しいな みなつ」 カテゴリー:Chara/女性 作品:生徒会の一存 属性:火 ATK:5(+2) DEF:2(+1) 【登場】〔自分のキャラ1体を【表】から【裏】にする〕 Battle 〔自分の手札の 生徒会の一存 のキャラカード1枚を控え室に置く〕目標のキャラ1体に自分の"水着"の体数分のダメージを与える。この能力は1ターンに1回だけ発動できる。 RR:修行みたいで楽しいなーこれ SR:意外と、鍵の知らねー秘密が、あたしにもあるかもな illust:服部憲知 SI-015 RR SR 収録:ブースターパック 「OS:生徒会の一存 1.00」