約 70,235 件
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/417.html
提督×曙シリーズ 256 :提督×曙 その後:2014/06/01(日) 23 50 05 ID MpmLk9d2 うーん、どうしたもんかしら。 あたしは駆逐艦娘、曙。 今、あたしは金剛さんの部屋にいる。金剛さんはお茶を淹れている最中だ。 どうしてこうなったか、ちょっと思い返してみる。 * 「ケッコンカッコカリ」を巡る諸々の騒動から何日か経った。 あれからあたしの提督への態度は、ほとんど変わっていない…と思う。少なくとも表面上は。 まあ、提督はあたしと会話するたびに露骨に嬉しそう、というか浮かれまくっているんだけど。 他の娘もいるってのに、全く恥ずかしいったらありゃしない。 うん、でも、まあ、あたしだってその…嬉しくないわけじゃないし、今まで提督にもらったものを、何らかの形で返してあげたい。 しかし、あたしはその方面はとんと疎いのだ。 『前』は当然こんなこととは無縁だったし、艦娘となった後もまさかそんな…と気を払うこともなかったから。 一日の仕事を終え、駆逐艦寮へ歩いている間、あたしはそんなことをずっと考えていた。 しかし、寮にたどり着くと、入り口にあまり見かけない人が立っていたのだ。 「ヘイ、曙」 「あ、こ、金剛さん…」 今一番会いたくない人に会ってしまった。この人が提督に日常的にラブコールをしていたのは周知のことだ。 ケッコンカッコカリのことはもちろん隠せるわけがない。なんせ、あたしの手には指輪が光っているのだ。 カッコカリだから、なんて言い訳にもならないし。 陽炎型みたいに手袋をはめていればまだ何とかなっていたかもしれないけど、生憎特型にはそんな都合のいいものはない。 提督も「隠す必要はない、しっかりとお断りをした」と言っていたけど…気まずいものは気まずい。 微笑みながら、しかし歴戦の戦艦特有の余裕と威圧感を隠そうともせず、金剛さんが話しかけてくる。 「Youを待ってたネ。時間空いてる?」 「え、いや、特にこの後は何も…」 思わず正直に返事をしてしまった。 しかしこの場を適当にごまかしても、問題を先延ばしにするだけだろう。 「そう、良かった。ちょっと私に付き合って欲しいノ」 そう言うなり、あたしの手を掴んで歩き出した。 「ど、どこへ?」 「もちろん、私のteatimeに…ネ」 半ば引きずられるように戦艦寮に連れ込まれ、今ここでこうしている…というわけ。 まあ、こうなってしまったものはしょうがないわね。あたしも覚悟を決めなきゃ。 そんなことを考えているうちに、ティーセットを携えた金剛さんが戻ってきた。 優雅な手つきで2つのカップに紅茶を注ぐ。 「どうぞ。アナタ、運が良かったネ。一昨日、かなりいい茶葉を買ったとこなのよ」 「ど、どうも…」 金剛さんには悪いけど、あたしはあまり紅茶に詳しくない。というか、それ以前にこの状況で味なんてわかるわけ無い。 それでも勧められるまま一口すすると、いくらか気持ちも落ち着いた…ような気がした。 向かいに腰を下ろした金剛さんもカップを傾け、あたしをまっすぐ見てくる。 「別に取って食べようってわけじゃないわ、そんなに身構えないで欲しいノ。もうちょっとrelaxして…って言っても難しいわよネ」 当たり前じゃない。 「ンー、世間話も何だし…じゃあ本題を始めマスね」 ついに来たか。用件はおおよそ見当付いている。提督からのいきなりの告白だったとはいえ、あたしは譲るつもりなんて毛頭ない。 たとえ相手がこの人でも…ううん、誰だって、絶対に、譲らない。駆逐艦を舐めるな。 「アナタ…見ててじれったいのよ!」 「お断りしま…! え?」 プフーッと金剛さんが噴き出す。え?何?この状況。 「フフフッ、今更アナタからテイトクを奪おうなんてしまセンよ」 「え…」 「そりゃあまあ超悔しいデスケドね。さっきまでアナタを脅かしてたのは、ささやかな八つ当たりヨ。ごめんなさいね」 「…」 「でも、それももうオシマイ。私だって、アナタのことはそれなりにわかってるつもりデス。アナタは誇りある、立派な艦娘。 アナタに助けられたことだって何回もあったし、実は結構respectしてたのヨ。そんな娘が相手なんだから、私だって諦めます」 「…」 全く予想外の状況にあっけにとられていたが、まさかそんなことを言われるとは思っていなかった。 「それにテイトクから聞かされたワ。アナタのこと、いろいろね」 「え…?」 「あの曙が俺を尊敬してくれてたんだって!とか、あの曙が顔真っ赤にしてて死ぬほど可愛かったんだぞ!とか」 「な…なっ…!?」 「あんまり嬉しそうに話すものデスから、もう妬くを通り越して私まで嬉しくなっちゃいましたヨ」 あんのクソ提督、何こっ恥ずかしいことくっちゃべってんのよ…! 「あのテートクにあそこまで言わせたんだから、…な、何かしてあげないとイケマセン」 「う…あ、あたしだって…何か、して、あげたいんです…で、でも、あたしこういうのく、詳しくなくて、その… …?」 金剛さんの様子がちょっとおかしいことに気づく。目を逸らしたまま何やら笑ったような顔で、プルプル震えてる。 「曙…アナタ、いつもとのgap激しすぎ……テイトクが惚れるのも無理ないネ…」 「え…あう…」 「フウ…私としたことが、不覚を取ったワ… で!ですネ、カッコカリとはイエ、曙はテイトクとMarriageしたわけですヨ」 「…えっと、その…はい」 「その後は?私が見る限り何も進展無さそうデスけど」 「…はい…」 「フーム…何かしてあげないとって言いましたが、テイトクにも問題がありマスね。 あのヒト、変なところでshyでオクテで真面目ダカラ…」 そうだろうか?あの時、提督のセリフは馬鹿みたいに直球ドストレートだったし、思い切り抱きしめられて、その上― だ、だめだめ!思い出すと、また恥ずかしくて顔から火が出そう。回想やめ! 「どうやら少し強引な手に出てあげる必要がありそうデスね…」 「え…?」 ケッコンカッコカリから数日経った。 俺の一世一代の大勝負は見事成就したと言っていいだろう。あの時の曙を思い出すだけで、ニヤつきが止まらない。 しかし…問題はその後である。何か問題が発生したわけではない。その逆、何も起きていないのだ。 普通なら、デートに誘うあたりが定番なのだろうが…生憎、そっちの方は全く詳しくない。 というか…趣味、非番の時の過ごし方、好きな食べ物etc.… 曙のプライベートも殆ど知らないのだ、俺は。 オマケに提督業を縫って計画を立てねばならない。というか、最近は深海棲艦の新たな活動域が判明し、 俺の労働時間は不規則かつ長時間化。デートする時間などとてもじゃないが取れなくなっていた。 ベッドの中が唯一の癒しの空間である。 「ハァ~…曙に触りてェ…」 そんな欲望を漏らしながら寝室の扉を開ける。寝室と言っても執務室の奥にあるこじんまりとした私室である。 簡易ベッドと、少々の着替えや私物が置いてあるだけであり、実質仮眠室に近い。 しかし、鎮守府内では俺のただひとつのプライベートルームなのだ。 軍服を乱暴に服掛スタンドに引っ掛け、着替えもそこそこに布団に潜り込― 「…」 「…」 布団をめくると、曙がいた。目と目が合ったままお互い無言で固まる。 普段のセーラー服のような艦娘制服ではなく、薄いブルーのパジャマである。初めて見た。可愛い。 …などと、見とれている場合ではない。 「えっと、え…?曙?」 「な、何よ…」 「ほ…んものの?」 「は?何言ってんの?」 おお…この反応は、どうやら幻覚とかではなさそうだ。 「え…じゃあ、なんで?」 「…よ、夜這いよ」 ヨバイってあ、あの夜這いか!?あまりに予想外な単語に思わず素朴な疑問がこぼれ出る。 「…夜這いは相手が寝込んだところをに忍び込むものだから、正確には違うのではないだろうか」 「う、うるさいわね!そんな細かいトコどーだっていいでしょ!」 「しかし、よ、夜這いってお前…」 「…あの時に、あっ、あたしも返してあげるって言ったでしょ」 「…おう」 「で、でもっ…あ、たし…は、どうしてあげたらいいのかわかんなくって」 「…」 「こん…ある人にこんぐらいしなきゃ駄目だって、言われて…それで」 あ・い・つ・かー!! あの恋愛ジャンキーめ! しかし同時に脳内で高らかなファンファーレが鳴り響き、金剛への感謝と賛辞の合唱が始まる。 でかした金剛、特注家具職人を好きに1回使える権利を贈呈しよう。 「え…っと、あと、その人から言伝があって」 「な、なんだ!?」 「『女の子にこんなことさせるほど放置スンナこのクソテートク』…だ、そうよ…」 「……お、おう…」 暴走気味に上がっていたテンションが一気にどん底に突き落とされる。ファンファーレ中止。 俺は。あの、あの曙をこんな行動に走らせるほど、不安にさせていたのか… 「ち、ちょっと!そんなに落ち込まないでよ!」 「いや… こん…その人の言う通りだ…済まなかった、曙…」 「ふん…もういいわよ… で」 「え」 「…で?」 ベッドに横たわったまま頬を染めてそっぽを向いている曙。 全てを理解した俺は、そのまま布団の中に潜り込む。曙の、隣に。曙の覚悟に、報いるため。 て、提督が布団の中に、入って、入ってきたあ! 「曙」 「…っ」 隣に寄り添われているのがわかる。後ろにいる提督の腕があたしの体の横から伸びてきて、すっと抱き寄せられる。 わ、わぁーっ! さっきまでもこれ以上ないってくらいドキドキしていたのに、更に鼓動が激しくなったみたい。 「触るぞ」 緊張と高揚感でいっぱいいっぱいだったあたしは、何を言われたか理解する前にコクコクと頷いていた。 さ、触るって、え、えぇっ!?そういえばさっき部屋に入ってきた時触りたいとかって言ってたしでも触るってドコを!? しかし、あたしのイロイロな予想に反して提督の大きな手は、あたしの頭をくしゃくしゃと撫で始めた。 少し拍子抜けしたけど…いい。これはこれで、すごく気持ちいい。 心地よい刺激が、密着した提督の熱と合わさって、コチコチだったあたしの体と心を蕩かしていく。ずっとこうしていたい。 でもあたしの心は欲張りで、だんだんそれでは物足りないと叫びだす。もっと。もっと欲しい。 それを知ってか知らずか、頭を撫でていた提督の手も少し下がってきて、あたしの耳やほっぺたをスリスリと撫でる。 直接素肌に触れられると、安心とは違う別の熱い感情が膨らんでくる。 「…ぁ」 提督の指が唇に触れると同時に、あたしはほとんど反射的にそれを咥えてしまう。 少し驚いたように止まった指が、わずかに逡巡した後、あたしの口の中に入ってくる。 あたしはそれに夢中で吸い付いた。 「ちゅ… ふ、… んん、ちゅう…」 少ししょっぱい提督の指はたちまち無味に変わり、指どころか手のひら全体があたしの唾液でベトベトになる。 提督の手をあたしで汚してあたしのものにすることに、背徳的な満足感を覚える。と… じゅる、じゅちゅうううっ! 「ひゃ!?」 突然耳を舐められた!え、そ、そこって舐めるとこなの!? 「曙…耳、弱いんだな」 「な、にゃに言って―ぅぁっ…」 ヌルヌルした温かい舌の感触と大きな水音が耳朶から入り込み、頭の中が侵される。 それに堪えるだけでも精一杯なのに、あたしを背後から抱きしめていたもう一方の腕が、 あ、あたしの、胸を、服の上からさすっていて、布地と先っぽが擦れる甘い刺激が背筋を走る。 「はぁっ、はぁっ、ぁ、はぁっ、て…とく、んんっ、あっ、はぁっ…」 信じられないぐらい甘い声があたしの口から漏れていて、自分が興奮していることを否が応でも自覚させられる。 体を触られてるのに嫌じゃない。それどころか嬉しくて、もっと欲しくなってる。 あたしって…こんなに、えっちな子だったの? 「直接、触るぞ…」 「ぷぁっ、はぁっ、はぁっ、ああ…」 あたしの口の中から撤退した提督の指がパジャマの裾から侵入して、じ、直に、あたしのっ、お、おっぱいを、触ってっ… しかも指にはあたしの唾液がべっとりと付いたままで、それを塗りつけるように乳首を撫で、優しく押し潰されて… いつの間にかコリコリに硬くなっていたソコは、提督の指にヌルヌルと撫でられるたびにビリッと甘く疼き、 そのたびに堪えられない喘ぎ声があたしの口から漏れ出す。 「ひゃう、あ、ああ、そっ…こ、はぁぁっ、ああ、ひぃんっ…」 「曙。こっち向いて。俺を見て」 「はぁ、はぁ、…?」 首をひねると目の前に提督の顔があってドキッとする。軽口を叩いて笑っているいつもの顔じゃない、真剣で必死な表情。 ああ、そっか。こいつもあたしと同じなんだ。あたしの体を触って、あたしを抱いて、興奮してるんだ。 それを理解した瞬間、どうしようもなく提督が愛しくなって、あたしは自分から唇を重ねていた。 「ん…んん、ん…ちゅ、ふぅんっ…」 この間された時はびっくりするばかりだったけど、自分からするキスは、全く別物だった。 提督の唇や舌の感触。提督の熱い吐息。もう全部が気持ち良くて、あたしは夢中で舌を伸ばし、唇をはみ、唾液を舐めとった。 「んん!?ふうんんーっ…」 し、舌が入ってきたぁっ!?しかもあたしの頭の後ろに提督の手が回っていて、逃げられない。 くるしい。あたまのなかがあつい。でもきもちいい。もっとしてほしい。 「んふぅ、んっ、んちゅっ、んんーっ…ぷはっ! はぁっ、はぁっ、はぁっ…」 提督の舌があたしの口の中をさんざん蹂躙したあと、ようやく開放される。 いつの間にか提督はあたしに覆いかぶさっていて、全身を抱きしめられている。 熱に浮かされたまま、あたしもぎゅっとしがみつく。 そうしていれば、いつまでも提督と一緒にいられる気がしたから。 「…触るぞ」 「ふぇ…? ふあぁっ!?」 これ以上どこを触るのよ…のぼせた頭で、そうぼんやり考えていたら… …あたしの股の間に入り込んできた手が、パジャマ越しに、あっ…あたしの…をクニクニと揉んでいて… 「ひぁ、あっ、て、とく、そっこ、だ、だめっ、あ、あうぅ、あ、ああっ」 しかも、知らない間にソコは汗ではない液体で潤んでいて、揉まれるたびに濡れそぼった下着が擦れてビリビリと電流が走る。 「曙のここ、すごく熱い」 「ひぃん、はぁっ、や、やだぁ、そんなっ、こと、いわな、あ、ああっ!?」 今度はズボンの中に侵入してきた提督の指が、直接っ…あ、アソコを弄り始める。 自分でも数度しか触ったことのないソコはもうヌルヌルになっていて、それがアソコ全体に塗り広げられてクチュニチャといやらしい音を立てる。 特に、アソコの上にある…アレが撫でられる度、特大の電流が頭まで走って、言葉にならない声が喉から漏れだす。 アソコからの刺激が密着した提督から伝わる熱と一緒くたになって体の中で荒れ狂い、頭の奥でバチバチとスパークを散らす。 「やっ、やぁ…あ、あたしっ、なん、か、きゅうって、なんか、あついの、きちゃううっ…!」 「ああ。我慢しなくていいぞ…」 「はぅぅ、はっ、やっ、あっ、あ、あ、あうううぅ~~っ…!」 やがて…体内を駆け巡っていたうねりが頭を突き抜けていって、ポッカリと空いたそこに流れこんだのは、心地よい倦怠感と爽快感。 荒く息を吐いている間に熱も徐々に引いて、気だるげに首をひねると、心配そうにあたしを見る提督の顔が目に入った。 「ちょっと抑えが効かなくなってしまった…すまん。 曙、大丈夫か?痛くなかったか?」 こんな時まで気遣わせて。何やってんだ、あたし。 「…がう」 「え?」 「違うの。こんな…あたしがしてもらうんじゃないの。あたしが、して、あげるの。提督に」 そう。あたしがここまで来たのは― 「言ったでしょ…返してあげるんだって」 「いや、でもお前―」 「うるさい。黙って大人しくしてなさい」 少しふらつきながらも上体を起こし、提督を押し倒す。 そのまま汗で蒸れたパジャマを脱ぎ去り、用を為さなくなったぐしょぐしょの下着も脱ぎ捨てる。 この時点であたしの羞恥心は吹き飛んでて、意地でも提督を気持ちよくしてやるんだと意気込んでいた。でも… 「曙…」 「なによっ」 「体、きっ、綺麗だ…」 「~~~っ!?」 提督の言葉で一気にぶり返してしまった。恥ずかしさと嬉しさで力が抜けて、提督の体に倒れこみそうになるのをどうにか堪える。 多分無意識に言ったんだろうけど…全く、油断ならないんだから。 気を取り直して、金剛さんのレクチャーを思い出す。そう、実は付け焼き刃ながら、その…やり方を教わったのだ。 (そんなに難しくないのヨ。要は、自分がしてもらったらPleasureなコトをしてあげるのデース!) ふむふむ。つまり、さっきしてもらったようなことをしてあげればいいのね… さ、さっきしてもらったこと… ……! 「ど、どうした曙。大丈夫か?さっきから固まってるが…」 「だっ、大丈夫よっ!じゃ、じゃあ、始めるわ…!」 意を決して提督に覆いかぶさり、唇を食みながら頭や顔、腕を撫でる。 「ん…ちゅ、ぷぁ、ふぅんっ はぁ、ううんっ…はぁーっ、はぁーっ、ああ…」 デスクワークが中心なはずなのに、意外に筋肉が付いている…やっぱり軍人ってことかしら。 「ううっ…あ、あけぼの…うあっ」 さっきのあたしみたいな声を上げてる…気持よく出来てるってことよね、うん。 キスも、目についた場所に次々投下していく。喉元にしてあげるのが一番いい反応してくれることを発見。ちょっと気分がいい。 してあげている間、提督はずっと頭や背中を撫でてくれてて、まるで褒められているようで嬉しくなってしまう。 もっとしてあげたい。提督のシャツを脱がして、露わになった肌に覆いかぶさる。 遮るものがない素肌同士の密着は、やっぱり布越しとは比べ物にならなくて、その熱だけであたしの思考能力を奪っていく。 「ちゅ、れろ、んふ…ちゅっ、ちゅ、ふう、ふうっ…んん…」 肌に舌と唇を這わせながら、少し手こずりながらも提督のズボンを脱がせることに成功。 うわっ…すご、膨らんでる… (女の子のとおんなじで、ビンカンで気持ちいいそうデース。そっと触ってあげるのがbetterでショウ!) 恐る恐る下着の上から触っただけでも、ソコが放つ熱で手が熱くなる。 「うあっ…! そこ…ううっ」 うん…痛がってる様子はない。というか…提督の懇願するような表情がやばい。ゾクゾクする。 気を良くしたあたしは、パンツを脱がせてそれを露出させる。 …うわっ、うわあ…これが、提督の… うん、よし… (いきなりだとトテモpainだそうデスから、ゆっくりネ。入りやすいように濡らしておけばmore betterヨ! これでアナタもテートクと一つに…!so fantastic! テ、テートク、そんな大胆な…oh YES…! ah…) 始まってしまった脳内金剛さんから意識を切り離し、目の前に集中。 意を決して提督にまたがり、熱いソレを持ってあたしにあてがう…ああ…あたしのが、提督のに、当たってるよお… 少しずつ、少しずつ、腰を落としていく…先っぽが、あたしに、入ってくる…っ… 「…~~ッッ…」 やっぱりというか、提督のソレは大きくって…あたしのが小さいのかもしれないけど…すごく、痛い。文字通り、体が引き裂かれてる。 でも、でもっ…! 「っひゃっ…!?」 …と、寝ていた提督がいきなり起き上がって天地がひっくり返った!何!?どうなったの!? ばふん、と音がして、あたしは提督に抱きしめられたまま仰向けになっていた。 「…いい。曙。無理しなくていい」 「違っ…無理なんてしてない!あたしは―」 「貰ったよ。十分…お前の気持ちは伝わった。でもな…こういうことは、女の子にやらせるのは…なんかその、ダメだ。 ケッコンしてくれなんて言っといて、放っぽってた俺が悪かった…すまん」 「違うの…謝んのは、あたしなの… 『前』の、あいつらは、あたしたちのことっ…全然、見てくんなくって…」 「うん」 やばい。頭の中が沸騰してて、何言ってるかわかんない。勝手に口が動いてる。 「悔しくって、悲しくって、でも、あんたはっ…違って、あ、あたし、酷いことばかり、言ったのにっ…」 「大丈夫。俺はお前を見てる。ずっと居てやる…いや、居てくれ…曙」 「提督、ごめんなさい…ありがとう、提督…」 「うん、うん…曙」 「ん…んちゅ…ふ、ふう…ん…ちゅ、ちゅくっ、あ、んん…っ」 慰めるような、優しいキス。昂っていた心が落ち着いて、でも、ふわふわとした高揚感で満たされていく 戦闘に勝利した時とも、朧や漣たちと過ごしている時とも違う、甘くて熱い、幸福感。 「曙…いくぞ?」 「…うん」 抱きしめられたまま、耳元で囁かれる。 「…っ」 直後、さっきと同じように提督のがアソコにあてがわれる。やっぱ…大きい。 大きいけど、さっきあたしが入れようとした時よりも…なんか… 「そう…そのまま、力抜いて…」 「ふっ…う…うう…」 提督の先っぽが…あたしのを押し分けて…入ってっ…くる…っ 痛みはさっきほどでもないけど…異物感というか、圧迫感が…すごい。 やがて…ぶつんという感触のあと、てい、とくのがっ…あ、あたしの、ナカに…っ 「かはっ…!あ…あっ…はっ、はっ、はっ…」 「はあっ、はあっ、お、奥まで入ったぞ、曙…」 「は…はい…って…?あ、あた、し、て、とくと、ちゃんと、できて、る…?」 「ああ…!ちゃんと、できてるぞ…曙、俺と、セックスしてる…っ」 「はあ、はあ、よ、かった…す、すきにして、いいからっ…!」 金剛さんに教わった最後のワードの効果はてきめんだった。 提督の目から理性の光が消え、あたしのおなかのナカを提督のがぐりぐりとかき回し始める。 「…っ!う…うう、う、あ…っ、てい、とく、ゆ、ゆっくり、あ、痛っ…ああっ…」 「すまん…っ あ、あけぼのっ…やば、俺、とめらんなっ…も、もうちょっと、がまん、うあああっ…!」 いたい。あつい。くるしい。でももっと。もっとあたしにむちゅうになって。もっとあたしをみてほしい。 あたしも、ていとくがくれるもの、ぜんぶうけとめてあげる。 「う、ああっ、てぃ、とく、のが、ああうっ、お、おく、まで、あ、そんな、ついた、らぁっ…」 「ああ、あけぼのの、なかっ、すごいっ… うあっ、はあ、はあ、そんなに、しめられると、や、ばいって」 「し、しらないわよっ、はあ、ああっ、か、かってに、なるん、ああっ!?そこだめ、へんになるよおっ」 「うああっ…あけぼのっ…好きだっ…あけぼのっ…!」 「んぅっ、はうっ、あっ、あ、たしもっ、あんっ、ふぁっ、あっあ、ああぅ、んんっ」 「あけぼのっ… もうっ、俺…っ イ、く… っ」 そして、提督が一番奥に突き込んだ瞬間…それは突然訪れた。 どぐっ!びくっ、びゅぐーっ!どぷっ…びゅくっ、びゅく、びくっ、びくっ… 腰をめいいっぱい密着させたまま、あたしの中で、提督のが大きく脈打って、熱いものを次々と注ぎ込んでくる。 その間熱くなりすぎた提督の体にギュッと抱きしめられてて、今更ながらに苦痛がほとんどなくなっていることに気づいた。 「はぁっ、はぁっ、あ、あけぼの…はぁ、はぁ、だ、大丈夫か…?」 「はぁ…大丈夫なわけないじゃない…痛いって言ったのに」 「す、すまん!」 「ゆっくりしてって言った」 「悪かった!アタマに血が昇って止められなかったんだ!すまん!」 「…で?」 「…え」 「その…キモチ…よかったの…?」 「あ、ああ!そりゃもちろん!さっきの俺見てりゃわかるだろ?」 「…そ。ならいい」 「え…」 「提督に…ちょっとでも、返してあげられたんなら、…よかった」 「~~~っ お、お前ってやつはぁっ…」 そう、あたしの体はどう贔屓目に見てもかなり幼い。 正直、提督を受け入れられるのか、満足させられるのか…それが一番怖かったのだ。 でも何とかなったみたい。何か悶えてる提督を横目に見ながら、あたしはそのことに小さく安堵し… …あれ…なんだか、視界が狭く… 「…でも…次は、もっと、やさし…く…」 「つ、次って…お?あけぼの? ―ぼのさん?おーい…―」 「…ここ…あたし…?」 「おー。やっと起きた。おはよう曙さん」 視界の隅で、ベッドからむくりと起き上がる曙の姿を捉え、俺は時刻的にだいぶ遅めの挨拶をかけた。 ぼんやりと見渡す曙の目に突然理性が灯り、次いで面白いように赤くなっていく。 「う、あ、お、おはよ…」 「あー…まあ何だ。…すごく可愛かったぞ? ぶほおっ!!」 いろいろ思い出しながら曙の方に再び目を向けると、ちょうどそこにはすごいスピードで俺の顔面めがけて飛んでくる愛用の枕(少し固め)が。 その衝撃から何とか立ち直り、何やらテンパっている曙に声をかける。 「待て落ち着け、今日は曙は出られないと説明してある。落ち着け」 「そっ… そうなの…?」 「ってて…う、動けそうになかったしな…俺が面倒見るということにした。体、大丈夫か…?」 改めてぺたぺたと自分の体を触り、なぜか少し赤くなる曙。 「…だるい」 「だろうな。一応蒸しタオルで拭いておいたが…風呂に入って、今日は一日休みな」 「えっと…ありがと。そうするわ…わわっ!」 「おっと…大丈夫か?」 ベッドから起き上がろうとした曙があえなく失敗する。やはり、昨日は少し無理をさせすぎたようだ。 「腰…力、入んない」 「しょうがないな…ほら、おぶされ」 「あ…う、うん」 いつになく素直な曙を背負って、部屋を出る。 …たまには、こんなしおらしい曙もいいもんだ。いや、いつもの曙もあれはあれで可愛いんだが。 「いや~、昨日はちょっと張り切りすぎた…いたっ!いててて、な、殴るなって!」 背後から無言の抗議が飛んでくる。やっぱり、もうちょっとしおらしい曙が増えてくれてもいい。 「ってて…なあ、曙」 「…何よ」 …さて、朝から考えていたことを切り出さないと。金剛の、耳に痛くて有り難いあのセリフが脳裏に蘇る。 曙にあんなことをさせた失態は、俺が挽回せねば。 「今度、どっか行くか…二人で」 「え、あ…うん」 それだけかよとか言うな。これでも精一杯考えたセリフだ。すこしずつ、第一歩が肝心なのだ、うん。 「今までの分、取り返さないとな」 「…あたしも」 「うん?」 「あたしも。これからたくさん、お返ししてあげるから」 「~~っ、お、おう…」 思わぬ返答に悶えながら、俺は辛うじて返事する。 この憎たらしい、愛すべき小さなクソ艦娘との『これから』を夢想しながら… + 後書き 270 :名無しさん:2014/06/02(月) 00 01 04 ID 8msYtwJY おわり。スレ汚し失礼しました ノベルの陽炎抜錨の曙がクッソ可愛いので、皆買うように(ダイマ) これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
https://w.atwiki.jp/seisoku-index/pages/315.html
???「あれ?今日のシャケ弁と昨日のシャケ弁はなんか違う気がするけど。あれー?」 ???『結局さ、サバの缶詰がキてる訳よ。カレーね、カレーが最高』 ???『香港赤龍電影カンパニーが送るC級ウルトラ問題作・・・・・・様々な意味で手に汗握りそうで、逆に超気になります。用チェック、と。 さんはどう思いますか?』 ???『・・・・・・南南西から信号がきてる・・・・・・』そしてそんな彼女らを見て呆れたような顔を浮かべている茶髪でチンピラの様な少年が居た久しぶりに【これ】を見たが・・・・・・平和ボケしている奴等を見ていると腸が煮え繰り返そうになる最初にこれを見たのはいつだったか、確か何も知らないガキの頃だった筈だ、他の事は曖昧になっている癖にこれだけは鮮明に覚えていやがる、あー糞ムカつく、明日の仕事相手には五割増しでサービスしてやんねぇとな 第二幕 垣根帝督は人生を 学園都市第7学区某所 ???「あら、今日は早いのね帝督」垣根「お前がいつも一番乗りだろうが、心理定規、どこで何やってんだか」心理「プライベートについては、お互いに一切干渉しない、これがお互いの為よ」垣根「はいはい、そうでしたね・・・・・・所であいつ等はまだ来てないのか」心理「今日のお仕事は私達だけよ」垣根「んな連絡、受けてないぞ」心理「それはそうよ、連絡していないし、私が知ったのもついさっきだもの」垣根「そうかい、で今日の仕事相手はどこのどいつだ?」心理「学園都市の技術を外に売ろうとしている研究施設、そこに所属している研究者三十人だって」垣根「三十人ねぇ・・・・・・最近は相手さんが温くて退屈なんだが」心理「いいじゃないの、私はこんな所で死ぬのは嫌だし、お相手が只の研究者でよかったわ」垣根「もっと張り合いのある奴ってのは居ないもんかねぇ、例えば第一位とか」 心理「あら、やっぱり学園都市のレベル5の第二位なんて化け物となると、暇で暇でしょうがないのかしら」垣根「別に暇じゃないさ、上を潰すなんていうでっかい夢って物があるじゃねぇか」心理「それもそうねぇ、そういえば、どうしてそこまで上を潰す事に執着しているのかしら?」垣根「おい、プライベートについては、お互いに一切干渉しない、お前が言ってた事だ忘れたのか?」心理「まさか、ごめんなさいね、ちょっと興味がわいてしまってね」垣根「あっそ、そろそろ着くみたいだが、準備出来てるのか?」心理「とっくの昔に終わってるわよ」垣根「んじゃあ、行くか」心理「了解っと」 とある研究施設垣根「おいおい、ちったあ楽しませてくれよ、俺は今凄く苛々してるんだ、解消の為に付き合ってもらおうと思ったんだが・・・・・・」そう言いながら彼は六枚の白い翼を動かした垣根「おもしろくねぇなぁ、お前ら歯応えが無さ過ぎだ」ここで起きている事、それは一方的な虐殺研究者「くそっ!」バン垣根「銃弾が通用しないからって、驚いた顔すんなよ」銃弾が通用しない、勿論この町で超能力が開発されている事位知っているけれど三十人で同時に発砲しても、彼には傷一つつかなかった垣根「不思議そうな顔を浮かべてるなぁ、自分達の常識が通用しない相手に思考停止してんのか?」研究者「くそぉぉぉ!」バン垣根「おいおい、さっき体験したばっかだろうが、俺の未現物質にお前らの常識は通用しねぇ」未現物質、それは垣根帝督の有する能力 垣根「この世に存在しない物質を引きずり出し、この世界の常識を捻じ曲げ、作り変える、それが未現物質だ」垣根「この常識についていけないお前らでは、俺に傷一つつける事すら適わない」垣根「I m your angel Only a ring awayってなぁ、残念だがお前らはここでゲームオーバーだ、サヨウナラ」その瞬間彼の周囲で爆発が起こった、そして生き残っていた研究者二十人程をぐちゃぐちゃに吹き飛ばした垣根「お前も隠れてねぇで手伝えっての」心理「だって、そんな大人数の中に突っ込みたくないわよ」垣根「お前の能力は人数が多けりゃ多い程効率が良くなる性質だろうが」心理定規、それは相手の心の距離を自在に調節する能力、自分と相手の距離を近くすれば、情報を引き出し易くなり相手が複数の場合、相手同士の距離を離せば相手同士で潰し合うという、非常に強力な能力だ心理「こんな狭い所で貴方と一緒に戦うと、巻き添えを食らいそうじゃない」垣根「仲間に攻撃が当たらないように計算する位朝飯前だっての、学園都市第二位の頭脳舐めんな」心理「ふーん、それじゃあ信頼してるわよ?帝督」垣根「んじゃあ俺は帰る」心理「はいはい、お疲れ様ー」 ???「んでね」 ???「昼前に統括理事会の一人、親船最中が狙撃されかけた事件があったよね。 あれについて、そろそろこっちも動きたい訳なんだけど」垣根(統括理事会?親船最中?こいつら、一体何者なんだ?学園都市の中なのは分かるが・・・・・・) ???『つか、結局その情報、私は持ってないよ』そう金髪の女が言うと半袖コートの女は茶髪の男に目をやった ???「 。全員のケータイに事件の情報を転送」へいへい、そう言って茶髪の男は自分の携帯電話に保存されていたデータを四人全員にまとめて送信するそして四人の携帯電話の画面に出たのは、ネットで落としたエロ動画だった その瞬間四人はバシンと携帯電話を畳んだ。彼女達は軽蔑の眼差しと共に心の扉をガシャンと閉めるとしっかりと心の戸締りをし、さらには心の地下エレベーターを下って、心の核シェルターへの退避を完了させた ???『違っ、待て!!やり直させろ!これは何かの間違いなんだッッッ!!』しかし四人は ???「 ・・・・・・」 ???『結局、 ってキモいんだけど」 ???『 的にはバニーさんが超ヒットだったんですか」 ???『大丈夫だよ、 。私はそんな らを応援してる暖かい言葉を受けて小刻みに震える彼は、今度こそ親船最中狙撃未遂事件の情報を全員に転送するすると、一番幼いであろう少女が呆れたような声を出した ???『ああ、『スクール』の連中が超計画していたあれですね。確か、あそこに所属していた暗殺用のスナイパーは三日程前にこちらで超始末したはずですけど』垣根(スクールだと?親船最中の暗殺計画なんて企ててなんかいねぇし、うちのスナイパーは殺されてなんかいねぇぞ、三日前はそいつと仕事もした・・・・・・一体どうなってやがる) ???「新しく雇ったんだろね、ま、つまりこっちの『警告』は無視されたって訳かな?」 ???『結局、あの時も『何で親船最中なのか』って事で議論してなかった?』金髪の女がサバの缶詰の中身をフォークで刺しながら言った垣根(何なんだ、こいつら・・・・・・スクールの事を知っているって事はこいつらも暗部なのか?こいつらが言ってるのは俺達なのか?俺達がやっている事と全然違うぞ? もしかしたら只のお遊びなのかも知れないが・・・・・・分かんねぇ・・・・・・一体・・・何なんだ・・・・・・?) 垣根「はぁっはぁっはぁっ・・・・・・」まるで魘されていたかのように荒い息遣いで目が覚めた垣根(夢・・・なのか?いや、夢にしちゃあリアル過ぎた、この町並みをそのまま再現したかのような・・・・・・分かんねぇ・・・・・・一体何なんだ? 幸い今日は何も無い、調べてみるか・・・・・・) 第7学区とあるネットカフェ垣根(さぁてどうしようか、書庫にアクセスしようとしてもセキュリティが突破できねぇ)垣根(そういやぁ、ハックが得意な奴が下部組織にいたっけか、呼んでみるかな)ピ下部組織1『はい、もしもしどちら様でしょうか』垣根「俺だお前時間空いてるか?出来れば第7学区のネットカフェまで来て欲しいんだが」下部組織1『私も暇をしていた所なので、私でよろしければ』垣根「おう、頼りにしてるぜ」下部組織『はい、分かりましたではまた後で』垣根「ん」ピ垣根(書庫に入るのはあいつなら簡単だろう、対象の顔も分かってる、問題は情報の改ざんだな・・・・・・改ざんされていたなら また別の方法を探さなきゃならねぇが・・・・・・)十五分経過下部組織1「申し訳ありません、遅れました」垣根「いや、別にそこまで待ってねぇよ、やってもらいたいのは書庫へのアクセスだ」下部組織1「書庫・・・・・・ですか少しばかりお時間を頂ければ無理ではありませんね」 垣根「具体的にどれ位だ?」下部組織1「今のセキュリティがどのような状態になっているかは分かりませんが、早くて十五分、遅ければ三十分といった所でしょうか」垣根「おう、分かったありがとな、これは個人的な報酬だ、いいか?個人的なだ」下部組織1「ありがとうございます、しかしこれ程の大金は・・・・・・?」垣根「俺がそれだけやるのは今俺にとってそれだけの価値があるからだ、取っとけ、但しヘマはしないでくれよ」下部組織「分かりました、出来るだけ慎重かつ迅速にやらせて頂きます」垣根「ああ、俺は一回出る、誰も居ないほうが集中出来んだろ」下部組織1「はい、お気遣いありがとうございます」垣根「終わったら連絡くれよ」バタン第7学区とあるファミリーレストラン垣根(適当に何か飲むかな・・・・・・あいつらは!) ???「結局麦野と絹旗が強行突破って事でOKなのかな?」 ???「私は麦野がいいならそれで構いませんよ?」 ???「私もOK、フレンダは滝壺を護衛しなさい、滝壺は常時対象を確認しておいて」 ???「了解な訳よ」 ???「分かった」 店員「一名様でしょうか?」垣根「ああ」店員「ではこちらへどうぞ」垣根(話を聞く限りでは、一番背が高い奴が麦野、金髪の女がフレンダ、小さい奴が絹旗ボケーっとしてんのが滝壺か・・・・・・) ???「じゃあそろそろ行くわよ」 ???「了解な訳よ」 ???「はーい」 ???「分かった」垣根「コーヒー一つ」店員「分かりました、少々お待ちください」垣根(後は書庫を確認するだけか)垣根(食い終わったし、そろそろ行くかな)ピピピ下部組織1『アクセス成功しました』垣根「分かった、すぐ行く(ちょうどいいタイミングだな)」 五分程歩き第7学区とあるネットカフェ垣根「なんだこりゃ・・・・・・」目の前にあるのは破壊されたネットカフェ、大穴が空いた壁に何かをぶつけた痕、そして火薬の匂い垣根「ボロボロじゃねぇか」垣根(まだ犯人が中に居るかもしれねぇ、一応警戒しておくか・・・・・・)垣根「おい、誰か生きてるか?」垣根がそう言った瞬間、青白い閃光が目の前を横切ったそして瓦礫の奥から少女が出てきた垣根(こいつは・・・・・・麦野って言ったか?)麦野「確かお前ファミレスに居たな、見ちまったモンは仕方がねぇ、ここで[ピーーー]」垣根(やっぱり暗部だったか)麦野が青白い閃光を放つ瞬間、垣根は六枚の白い翼を展開させた垣根(粒子でも波形でもねぇ曖昧なままの電子か)麦野「んだぁ、そのメルヘンな翼は?」垣根「心配するな、自覚はある」 六枚の白い翼で麦野を攻撃しようとしたその時、横から声がした ???「むぎの、その人が未現物質だよ」麦野「へぇ、現場に標的が居なかったから変だと思ったら、ファミレスに行ってたとはねぇ」垣根(こいつ・・・・・・滝壺か?)麦野「何余所見してんだお前」そう言うと何十もの青白い閃光が垣根に襲い掛かる垣根「遅いな」素早く六枚の翼で閃光を打ち消す ???「相手が一人だとは超思わない方がいいですよ」背後から背の低い少女が殴り掛かろうとしていた垣根(背の低い女、こいつが絹旗か)閃光を打ち消した六枚の翼の内、一枚を絹旗の方へ向わせる垣根(圧縮した窒素か) その攻撃を受け止めたその時すぐ側で爆発が起こった垣根(何の変哲も無い只の爆発か) ???「さすがにこれだけの爆弾は防げないでしょ」垣根(煙で見えないがこいつはフレンダか?麦野「ちょっとフレンダ、こんなに煙出さないでよ」絹旗「標的が見えないじゃないですか」垣根(さすがにこれでは分が悪いな、そろそろ警備員も来るだろうし・・・・・・逃げるか)フレンダ「アポートだけでどうしろって訳よ?」麦野「だからってこんなに爆弾使う事ないでしょ」滝壺「標的が動いた」垣根(んなっ、姿消してるのに何で気付くんだよ!透視能力か?いやなら何で俺の能力が分かった?)麦野「どこ?」滝壺「そこ」そう指を指した場所には確かに垣根が居る場所だった 垣根(だから何で分かるんだっての)そんな事を考えながら移動する、すると先ほどまで居た場所に閃光が突き刺さった垣根(精度も抜群か・・・どうやって出し抜くか滝壺「え?」麦野「どうしたの滝壺?」滝壺を視認出来ない物質が拘束していた滝壺「動けない・・・」麦野「おい!未現物質、お前滝壺に何しやかった!」しかし既にその場所には垣根は居らず、既に一キロ離れたスクールの隠れ家に居た垣根(結局あいつは死んじまったしなぁ・・・どうするか)垣根の携帯電話に着信が入った垣根「はい、もしもし?」心理『仕事よ、今から三時間後に迎えに行くわ』垣根「はいはい、じゃあまた後で」ピ 第7学区スクールの隠れ家心理「久しぶりー、って言ってもまだ二日経ってないけどさ」垣根「俺からしたら随分と久しく感じるな」心理「あら?何かあったの?」垣根「どっかの暗部連中に襲われた」心理「ああ、確かネットカフェが襲われたって聞いたわね」垣根「その標的が俺だったんだよ」心理「ふーん、個人的に調べてみたんだけどね、あなたを襲ったのは【アイテム】だってさ」垣根「アイテム?」心理「ええ、メンバーは四人でレベル5が一人、レベル4が二人、レベル3が一人らしいわ」垣根「なかなかの高スペックなんだな、で名前は割れてるのか?」心理「ええ、レベル5は第四位の麦野沈利、能力名は原子崩し、その場に留まる性質を持つ曖昧なままの電子を強制的にあやつる能力レベル4の一人は滝壺理后、能力名は能力追跡、対象のAIM拡散力場を捕捉しどこまでも捕らえ続ける能力、ただし使用には体晶が必要不可欠、アイテムの核と言っても過言では無いわねもう一人のレベル4は絹旗最愛、能力名は窒素装甲、大気中の窒素を操る能力とあるけれど、範囲が狭く掌の先から数センチだそうよ、後は暗闇の五月計画の被験者だったらしいわレベル3はフレンダ、能力はアポート系、主に爆弾を使用するタイプでアポート系の能力を最大限に活用する私が調べられたのはここまで、さて時間も無いし、早く行きましょう」 移動中のキャンピングカー内垣根「で、今日の仕事相手は?」心理「アイテムの皆さんよ」垣根「・・・・・・はぁ?」心理「上があなたが襲われた事に怒っていてね、仕返し?らしいわ、バカな上司に付き合わされるこっちの身にもなってよ」垣根「まぁ、そうだな」垣根(しかし、何でこいつはこんなに情報を持っていやがる?俺が一日掛けても分からなかった事をあっさりと・・・・・・)心理「何ボーっとしてるのよ」垣根「ああ悪い悪い」心理「さって、別に殺さなくてもいいからね?むしろ殺さない方が楽だわ」垣根「あぁ分かってるっての、ああそうだ聞いておきたいんだが」心理「何よ?」垣根「お前、どこからそれだけの情報を仕入れてくるんだ?」心理「所謂雑貨稼業って奴よ、情報系の、それに私は連絡を受ける立場だから、そういうものも聞いているのよ垣根「そうかい、疑って悪かったな」 心理「疑われる筋合いなんて無いわよ、このお話は止めにしましょう」垣根「そうだな、そういえば最近あいつらを見ないんだが」心理「あいつら?」垣根「ゴーグル着けた野郎とスナイパー」心理「ああ、あの人達なら別の仕事をやってる筈だけど?」垣根「別の仕事?」心理「ええ、主に裏工作・・・といっても下部組織とは違った形でね」垣根「ほぉ、そりゃあ面白そうだな」心理「あなたの性格からしたら三日もせずに投げ出すんじゃないかしら?」垣根「どういう意味だコラ」心理「そのままの意味よ、あなたも私も派手な殺し合いの方が好きでしょう?」垣根「まぁそうだけどな」心理「そろそろ着くし、準備しちゃいましょう」垣根「分かった」 第7学区アイテムの隠れ家前心理(そろそろ十分な時期かしらね・・・)垣根「おい、着いたぞ、早く来やがれ」心理「はいはい」第7学区アイテムの隠れ家内麦野「滝壺、今アイツがどこにいるか、分かるか?」滝壺「ちょっと待って、検索中」ブレンダ「それにしても、あれだけの量の爆弾使っても無傷って、どんだけ防御力あるのよ」絹旗「そうですね、私の窒素装甲を使っても超傷一つ付かなかったんですから」麦野「問題はあの翼だ、六枚あるから厄介だ、三人で攻め込んでも、六枚ありゃ全部防がれちまう」絹旗「そういえば何で拡散支援半導体を超使わなかったんですか?」麦野「あの時は持ってなかったのよ、次は絶対に仕留めてやる」そう言った時、隣から機械的な声が聞こえた滝壺「結論。未現物質は、この建物の中にいる」麦野「な・・・ッ!」 垣根「よぉ、久しぶりだな、と言ってもまだ半日経ってないか」六枚の白い翼を広げドアを突き破り垣根が現れた麦野「未現物質・・・今度こそぶっ殺してやる!」拡散支援半導体を自らの前に出し、それに向って原子崩しを発動させる、すると麦野の前面広範囲を原子崩しが破壊した麦野「流石にこれは避けらんねぇだろ・・・」土煙の中から、六枚の翼と共に声が聞こえた、垣根「甘いな、避けられないなら守ればいい、簡単な事だ」麦野「へッ、簡単にはやられませんってか!面白れぇ!絹旗!」絹旗「おりゃぁぁぁぁぁぁ!」その小柄な体を生かし、垣根の死角から窒素装甲で強化した拳を垣根に叩きつけた垣根「甘めぇよ、お前」しかしフレンダが使った爆弾が爆発する音で、その言葉は遮られたフレンダ「甘いのはお前の方って訳よ」垣根「いいや、間違い無く、お前らの方だ」 その瞬間、一枚の白い翼が麦野に襲い掛かった、その翼は麦野の右目を潰した麦野「うぁぁぁぁぁぁぁ!」 フレンダ「麦野!」絹旗「フレンダさん!滝壺さんと麦野を連れて早く外へ!」フレンダ「了解な訳よ!」心理「あら、そんな事させると思う?」フレンダ「あんたはッ!」心理「駄目よ、貴女は私を殺せないわ、貴女が窒素装甲を殺せないように」麦野「フレンダ、離せッ」フレンダ「駄目だって!そんなに血が出てるんだから、戦える訳無いでしょ!」麦野「離せって言ってんだよ!糞ったれが!」麦野が発動させた原子崩しがフレンダの下半身を吹き飛ばしたフレンダ「え・・・・・・?」心理「あら怖い、仲間を真っ二つにしちゃうなんて」 フレンダ「え・・・・・?え・・・?え?え?え?え?え?え?え?」麦野「未現物質!よくも私の目を潰してくれたな!絶対に殺してやる!」フレンダ「どういう事・・・?ねぇ、麦野・・・?どうして・・・?」麦野「お前が離さねぇのが悪いんだ」心理「あらあら、仲間を殺してそれだけ?血も涙もないのね」麦野「うるせぇ!まずはお前からだくそったれ」心理「だから、貴女では私を殺せないのよ?」麦野「んな訳ねぇだろうが、私の原子崩しに壊せない物は無ぇんだよ!」けれど能力を発動させようとしても、発動しない麦野「・・・なんで能力が発動しねぇんだ?」心理「だから言ったでしょう?貴女じゃ私を殺せない、貴女が彼を殺せないように」麦野「何の事だ!お前は何をした!」心理「私の能力は心理定規、人と人の心の距離を自由自在に操る事が出来るの、今は私の貴女の距離を彼と貴女の物にしているから、貴女は殺せないのよ」その瞬間、麦野の左腕が宙を舞った 麦野「は・・・・・・?」垣根「何こいつに危害加えようとしてやがんだ?この糞アマが」心理「あら、心配してくれるの?帝督、大丈夫だったのに」垣根「仲間でも殺すような奴に、お前の能力が通用しないと思ってな」心理「大丈夫よ、だって彼女には仲間よりも大切な物があるみたいだからね、それはそうと、他の人達は?」垣根「大丈夫だ、気絶してるだけだしな」心理「そう、一人死んじゃったけど・・・まぁ利用価値のなさそうな人だし、大丈夫かしら」垣根「んじゃそろそろ行くか」心理「そうね、依頼主さんが待ってるわ」麦野「何・・・無視してんだ?糞野郎共・・・」垣根「ほう、右目を潰されて、左腕を吹き飛ばされてもまだ意識があるなんてな」心理「どうせ攻撃出来ないんだし、早く行きましょうよ、飽きちゃったわ」垣根「そうだな・・・・・・それと一つ、いつもならぶっ殺してやる所なんだが、命令のせいで殺せないんだ、命拾いしたな雌豚」心理「またいつか、会えるといいわね、雌豚さん?」麦野「糞が!糞が糞が糞が糞が!糞がぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 電話の男「まぁレベル3のアポートですからね、それも仲間割れなのなら仕方ないですよね、とにかくお仕事、お疲れ様でした」心理「どうも、あと一つ、いいかしら?」電話の男「はい、なんでしょう」心理「あなたも聞いているだろうから言うけど、まさか、【あの子】の人形なんて作ってないでしょうね?」電話の男「人形?何の」ブツ ???『・・・・・・どうだろうな、しかし【君】が干渉するような事では、無いと思うがね」心理「そうだけど、【時間】が来たときに彼が壊れてしまわないか心配でね」 ???『・・・・・・・情が移ったか?』心理「まさか、計画が失敗しない為に助言をしているだけよ」 ???『君が考える事は私が考えている事だ、君に助言されても意味は無いぞ』心理「あら、ごめんなさいね、それともう一つ」 ???『何かな?』心理「【あれ】は元気にしてる?」 ???『まぁまぁ、と言った所かな、中学一年生程度だと密室に五ヵ月は中々堪えるようだ』心理「それが普通なのよ、私が回りを見渡す限りは、・・・そろそろ怪しまれそうだから切るわよ?」 ???『そうだな、次からは専用回線にしてくれよ、一々【換える】のも面倒なんだ』 心理「ごめんなさいね、遅くなっちゃったわ」垣根「何か揉めていたみたいだが」心理「依頼主が我侭でね、揉めてたのよ」垣根「で、折れてもらえたのか?」心理「ええ、後、アイテムの事だけど」垣根「へぇ、もう連絡が来たのか」心理「死者一名、重傷者一名、残りはほぼ無傷だってさ」垣根「確か、腕一本に目を一つだっけか」心理「ええその筈よ、そういえば残り二人はどうしたの?」垣根「即効性の睡眠作用がある物質を撒いてきた」心理「でも私の方には来なかったわね」垣根「ドアにその物質を通さない物質を張ったんだよ」心理「便利な能力ねぇ、羨ましいわ」垣根「男からしたら、お前の能力の方が羨ましいぜ、距離を近くすれば、ヤリまくれるんだからな」 心理「でもねぇ、距離を近くしても危ない事はあるわよ?愛しさ故に殺したい、なんてのも居るんだから」垣根「んなやつ、滅多にいないだろ」心理「それが居るのよねぇ」垣根「どんな奴だよ」心理「たとえば、好きだったのに裏切られた!殺したい!なんていうのはたまにしか居ないけど」垣根「いないのかよ」心理「心が歪んでいそうな奴、暗部に居る人は大抵そうかもね、アイテムは仲が良かったみたいだけど」垣根「おー怖い怖い、それはそうと、次の仕事はいつだ?」心理「未定よ、オーダーが入ったら伝えるけど」垣根「そうか、んじゃあ俺は行く」心理「はいはい、お疲れ様ー」心理(確かに、あなたの言っている事は正しいのかも知れないわね・・・・・・)心理(人の心の距離は操れても、自分の距離は操れないなんてね・・・・・・) 垣根「へっくし!」垣根(誰かが噂でもしてやがんのか?にしても、寒くなって来やがったな・・・・・・今夜はあいつを誘って鍋でもするか)心理(帝督からメール?)ピピピ寒くなって来たし、予定が無いなら、今夜俺の家で鍋パーティでもするか?食材を少し、特に野菜買ってきてくれると助かる心理(全く、どうせ気付いていないんでしょうけど)ピピ心理(望んではいけない事なのに、なんで望んでしまうんでしょうね・・・・・・)心理(帝督・・・・・・)垣根(返信来たか)ピピピいいわね、今夜お邪魔させて貰うわ、言っておくけど、襲ったりはしないでよね垣根(誰がお前みたいなガキに欲情するかボケが)心理(ん、返信かな?)ピ誰がお前みたいなガキに欲情するかよ、そういう事はもっとメリハリがある体になってから言いやがれ心理(・・・・・・決めた、やってやろうじゃないの鈍感野郎!) 垣根「よく来たな、心理定規」心理「こんばんわー、そしてご馳走になりまーす」垣根「寒いし早く中入れよ」心理「そうさせてもらうわ、お邪魔します」垣根「さて、食べようぜ」心理「・・・・・・この鍋、お湯しか入ってないけど・・・」垣根「ああ、今から作るんだ」心理「へ?ってか何で電気消すの?」垣根「そりゃ闇鍋パーティだからな」心理「そんなこと・・・聞いてないんだけど」垣根「大丈夫だって!食っても死なないから」心理「・・・だから食材を持ってきてって言ってたのね・・・」心理(こんな事なら危ない物持ってくればよかった)かくして始まった闇鍋パーティ、垣根が言うには安全らしいが、大丈夫なのか? 心理「な訳無いわよね・・・そもそも帝督の家なんて知らないし」ピ垣根『はい、もしもし』心理「あのさ、私あなたの家知らないんだけど」垣根「ああ・・・そうだっけか、迎えに行くけど、今どこに居る?」心理「セブンスミストの近くよ」垣根「んじゃあ迎えに行くかな」心理「早くねー」垣根「はいはい」目の前にある建物、セブンスミスト、そこには何も変わらない日常を送る、学生達の姿があった心理(平和ねぇ・・・)友達と他愛の無い会話をして、友達と喧嘩をして、そんな変わらない日常心理(どうして、私はあの中に入れないのかしら)目の前を一組のカップルが横切った心理(次こそは・・・次こそは、普通の学生として生きて行きたいな・・・) 垣根「おい、大丈夫か?ボーっとして」心理「ヘ?あ、うん大丈夫、随分と早いのね」垣根「早く来いって言ったのは、お前だろうが」心理「そ、そうだったわね、そういえば、どうやって来たのよ」垣根「ん?能力で」心理「はぁ?」垣根「だから、未現物質で飛んで来たの」心理「そんな事したら騒ぎになるでしょ」垣根「大丈夫だ、俺達を見えなくする物質を作ればいい」心理「常識的に考えて無理でしょ・・・」垣根「俺の未現物質に、常識は通用しねぇ(キリッ」心理「・・・まぁいいわ、で私はどこに乗れば良い訳?」垣根「?俺が抱きかかえて」心理「は・・・?」 垣根「だから、俺が抱きかかえて」心理(俺が抱きかかえて俺が抱きかかえて俺が抱きかかえて俺が抱きかかえて俺が抱きかかえt(ry心理「じゃ、じゃあそれでいいわ、お願いね帝督」垣根「はい、お願いされました」 第十五学区のとある場所心理「第十五学区にこれだけ大きい家って・・・・・・」垣根「おいおい、俺は学園都市第二位の超能力者だぞ?」心理「それはそうだけど・・・」心理(レベル5って皆こうなの?)垣根「寒くなって来たし、早く入れよ」心理「あ、はーい、おじゃましまーす」垣根「いらっしゃいませ、お姫様」 心理「そういえば鍋って何にするの?」垣根「そうだそうだ、お前どんなの買ってきたよ?」心理「普通の鍋に使うような、白菜とか白滝とか、後は水菜にしめじ、それに豚肉」垣根「うーん、じゃあ、すき焼きにでもするか」心理「豚肉ですき焼き?」垣根「それも使うが、ちゃんとした牛肉もあるぞ」心理「へぇ、ちなみにどんな肉?」垣根「聞いて驚け!最高級の黒毛和牛(霜降り)だ!ちなみに500gあるぞ!」心理「500gも食べれないでしょ・・・」垣根「って、最高級の黒毛和牛(霜降り)には突っ込まないのかよ」心理「暗部のお給料と、実験協力でそれくらい食べられるわよ・・・」垣根「あー、それもそうですね・・・」心理「言っておくけど、私50gしか食べられないわよ?一人で450gも食べられる?」垣根「なら・・・そうだな・・・今日500g使う必要も無いし、今日は200gだけ使って残りは明日以降にでも、と言う訳でしばらく鍋が続くが、俺一人じゃ食いきれない、と言う訳で来るか? 心理「ええ、大丈夫よ、それにタダで良いお肉が食べられるなら、来ない理由が無いわ」垣根「そうか、そりゃ良かった、一人だと飽きてきそうだからな、助かったぜ」心理「こちらこそご馳走になります」垣根「んじゃあ作りますか」心理「そうしますか、それにしても、帝督が料理出来るっていう事に驚きだわ」垣根「・・・男でも自炊はするもんだぞ?」心理「男でも自炊出来るのは分かるけど、まさか帝督が料理出来るとは思わなかった、って意味よ」垣根「・・・・・・んじゃあ、次から仕事の時、毎回弁当作ってきてやる」心理「あら嬉しい」垣根「っと、無駄話は止めにして、さっさと作るぞ、腹減っちまった」心理「了解」心理(ふっふっふ、計画通り)ニヤリ垣根「何にやけてんだ?」心理「な、なんでも無いわよ!」 垣根「醤油と砂糖取ってくれ」心理「はいはい」垣根「もうちょいで出来るし、お前あっちでテレビ見てていいぞ」心理「じゃあお言葉に甘えて」数分後垣根「ん、良い感じじゃないか?」鍋の中には野菜や肉が、ほのかに甘い香りのする醤油ベースの汁に入っていた、しかし心理「・・・あのさ、帝督」垣根「ん?なんだよ」心理「肉、多すぎない?」鍋の中身全部を十とすると、野菜が三で肉が七と、とてもアンバランスだった垣根「そうか?俺はいつもこんな感じだから・・・」心理「太るわよ」垣根「いや・・・上手い具合に未現物質を使えば、太らないし・・・」 心理「何その女の子からしたら羨ましすぎる能力!ていうか常識的に考えて無理でしょ!」垣根「だから俺の未現物質に常識は通用しねぇ(キリッ」心理「キリッじゃないわよ、これは肉多すぎ、一回別のお皿において置きなさい」垣根「いや・・・だれも二人で食うとは言ってないんだけど」心理「え?」垣根「さっきな、ゴーグルの野郎とスナイパーと連絡が取れてな、来る事になった」心理「・・・・・・え?」垣根「だから四人分って事」心理(確かにこのお肉の量は250gじゃない・・・鍋も二人用にしては大きすぎる・・・)心理「このお肉、何g使ったの?」垣根「ん?450gだけど」心理「・・・・・・」垣根「というわけで、肉も無くなっちゃったんで、明日以降の鍋パーティは、無しって事で・・・」心理(何よそれ・・・・・・) 垣垣根「ああ、でも弁当は作って行ってやるから安心しろ(そんなに肉食べられねぇのが悲しいのか?)」心理「うん・・・ありがとう、帝督・・・」ショボーン垣根「あ、あさぁ、心理定規・・・?」心理「何よ・・・」垣根「時間が出来たら、今度は二人でどっか食いにでも行くか?」心理「行く!」パァ垣根「まぁ・・・いつになるかは分からねぇけどな」心理「うん」垣根(何はともあれ、元気?になって良かったぜ・・・)ピンポーン垣根「ん、来たか、心理定規悪いが出てくれないか、俺は準備しておくから」心理「了解ー」心理「はい、いらっしゃーい」ゴーグル「あれ?なんで心理定規がここに?」心理「私も鍋パーティに参加するの、悪い?」スナイパー「いや、悪くはないっすけど」心理「じゃあ早く入りなさい」ゴーグル&スナイパー「「おじゃまします」」 ゴーグル(何か・・・若奥様な感じが・・・)心理「何か?ゴーグル君?」ゴーグル「何でも無いです、申し訳ありませんでした、心理定規様」心理「ならいいのよ」スナイパー(これは・・・高飛車なお嬢様?)心理「何か?スナイパーさん?」スナイパー「何でもありません!申し訳ありません、心理定規様!」垣根(なんだ?あの女王様)心理「帝督、準備出来た?」垣根「お前が仕切るなよ、出来てるけどさ」ゴーグル&スナイパー「「何すか・・・この肉、そしてこの量は・・・?」」垣根「最高級の黒毛和牛(霜降り)450gだ!」ゴーグル&スナイパー「「なん・・・だとッ・・・?そんな高級な肉・・・食べさせて貰っていいんですか!?」」垣根「これだッ!俺が欲しかった反応はこれだッ!ありがとうお前ら!思う存分食べて行ってくれッ!」ゴーグル&スナイパー「「はいッ」」心理(私には分からないわ・・・) ゴーグル&スナイパー「「うまー!」」ヒョイヒィ垣根「どうした?お前も取れよ」ヒョイヒョイ心理「う、うん・・・」ヒョイ垣根「どうだ?旨いか?」心理「うん・・・美味しいわ」垣根「そりゃ良かった」 ~数分後~ゴーグル&スナイパー「「御馳走様でした!」」心理「うわぁ・・・ものの五分で450gの肉が消え去ったわ・・・」垣根「まぁ男なんざこんなモンだ」心理「じゃ、じゃあ私、洗ってくるわ・・・」垣根「いや、大丈夫だ、皿洗い機あるからそこにおいて置いてくれ」心理「分かったわ」垣根「んじゃあ、お開きにしますかね」 ~ゴーグルとスナイパーは先に帰りました?~心理「ご馳走様でした、今日は有難うね、帝督」垣根「なんてこた無ぇよ、また来いよ」心理「ええ、そうさせて貰うわ」垣根「家まで送っていくけど、どうする?」心理「じゃあ、ボディーガードお願いね」垣根「お願いされました、と」 ~@近くの茂みの中~ゴーグル「なんか良い感じじゃないですか?」スナイパ「そうっすね」ゴーグル「と、言う訳で尾行したいと思いまーす」スナイパ「・・・死にたいんすか?」ゴーグル「いやいや、ちゃんと対策はするぞ」スナイパ「・・・俺は帰ります・・・」ゴーグル「じゃあ次の仕事の時に・・・ってもう居ないし」 第七学区窓の無いビル周辺垣根「なんなんだろうな、この建物」心理「さぁ?何か名物みたいな物を作ろうとして、失敗した落ちじゃないかしら」垣根「ま、そうかもな」心理(・・・もう、来れなければいいのにね・・・・・・)垣根「おい、何ボーっとしてんだって」心理「うん、ごめんなさいね、この辺りでいいわよ」垣根「そうか?じゃあ次の仕事の時にでも」心理「ええ、じゃあね」垣根「ああ、そうだ心理定規」心理「え?何かしら?」垣根「何かあったんなら、俺に相談でもしろよ、一人で抱え込んでたらいつか壊れちまう」心理「ええ、何かあったら、相談させてもらうわ」垣根「じゃあな」心理(1人でか抱え込んでたらいつか壊れちまう・・・か、ならどうして貴方は相談してくれないの?) ~第七学区@ビルの陰~ゴーグル「おーおー、中々お似合いじゃないか、あの二人」垣根「へぇ、そりゃ嬉しいな」ゴーグル「全く、リア充爆発・・・し・・・ろ・・・・・・?」垣根「何お前尾行してんの?バカなの?死ぬの?」ゴーグル「え?い、いや・・・あの」垣根「プライベートに踏み込むのは、止めた方がいいぜ?」ゴーグル「あ、あの・・・お願い翼・・・出さないで、未現物質で拘束しないで!」垣根「一回吹っ飛べこのやろう!」ゴーグル「くぁwせdrftgyふじこlp;@:」アッー垣根「ったく」垣根(1人でか抱え込んでたらいつか壊れちまう・・・まんま昔の俺じゃねぇか、くっそったれが)
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/606.html
574 :名無しの紳士提督:2015/01/01(木) 00 06 21 ID JVCB8H3c あけおめこ とよろ 姫はじめって聞くとイベント海域ぽくて不穏だけど鶴はめでたいからいいよね 1月1日 元旦朝 鎮守府の年明けは静かなものだ。 「「明けましておめでとうございます」」 提督の小さな部屋で互いに挨拶を交わす提督と翔鶴。 正月といっても特に何かある訳でもなく、挨拶を交わす以外には正月らしい点は今のところない。 しかし鎮守府内は正月らしい静けさがあった。 戦艦組は昨日の夜から臨時任務に就いている。 といっても戦闘海域にいるのではなく、近所の神社へ駆り出されているのだ。 神社にとっては一大イベントである初詣に備え、臨時の巫女として戦艦組、中でも普段からそれらしい格好で知られる金剛型、扶桑型、伊勢型に白羽の矢が立つのが最近の年末年始の恒例行事となっていた。 特に伊勢型はその名前から神社から有難がられ、毎年引っ張りだこだ。 これらは名目上ボランティアとなっているが、実際には謝礼やご祝儀という形で彼女達の臨時収入となり、お神酒やおせちが振る舞われたりする。 神社や町内会の方々も彼女らの立場を知っているので、おせちは包んでくれるケースが多く、鎮守府のおせちとして流用される。 また、もらったご祝儀は当然ながら彼女達の懐に入る訳だが、そのうち半分ぐらいは鎮守府で景気よく振る舞っている。 このため鎮守府では、戦艦組の帰還をもってようやく正月らしくなる。 他にも、秋雲と夕張は十二月に入ってからはイベントに向けて常在戦場の様を呈しており、その修羅場後に休む間もなく大掃除に駆り出されるため、今頃は夢の中だ。 「80センチ六五口径三連装砲ちゃんが見える」等のうわ言を言うぐらい疲れていたようなので、多分何があっても起きないだろう。 那珂は正月にイベントがあるため、昨日の夜からいない。 他の連中も大掃除後の忘年会で羽目を外してぐっすりというのが定番で、特に人手不足になる戦艦正月残留組やその不足を補う重巡組、 正・軽空母組は年末のあらゆる分野において主戦力であるため、正月はのんびりするのがおなじみになっていた。 残りは提督と翔鶴のように正月待機任務組であるため、暇なとき―ほぼ全てなので気が向いた時に初詣に行くぐらいが精々だろう。 このため、正月ムードは夜から始まると言え、朝方は年始の挨拶を交わす程度しかない。挨拶は実際大事。古事記にもそう書いてある。 575 :名無しの紳士提督:2015/01/01(木) 00 09 37 ID JVCB8H3c 「今年も寝正月だな」 「ゆっくりできて、私は好きですよ」 二人でこたつに入りながら、翔鶴の淹れたお茶をすする。 寝正月と言う程だらだら過ごすという訳でもないのだが、普段に比べればほぼ開店休業状態だ。 事実、翔鶴も普段の胴鎧と籠手を外している。 「そうだな。正月ぐらい平和でいい」 「ええ、本当に」 そう言ってお互い微笑を浮かべ、しばし取り留めのない話をしながら、暇つぶしにテレビをつけて正月番組を見るでもなく見る。 「さあ続いては、今売出し中のこのコンビが登場です!張り切ってどうぞ!!」 司会者が陽気にコールすると、出囃子と共に舞台に女性二人組の漫才コンビが駆け上がる。 「はいどーも!大和です!」 「武蔵です!」 「「二人合わせて播磨です!よろしくお願いしまーす!」」 「ぶふっ!?」 提督がお茶を噴き出し、テレビに釘付けになる。 画面の中で軽快なトークと鋭い突っ込みで笑いを生み出しているのはまごうことなく大和と武蔵だ。 (いやいや待て待てあれはうちの連中じゃないそうだそうだそのはずだそうに違いない だって俺の知っている大和はあんな舞台に上ったら緊張のあまりまともに話せないだろうし 武蔵のあんな笑顔は見たことないしきっとどこか別の艦隊の大和と武蔵だそうに違いない) しかし提督自身、その思い込みが無茶であるというのは分かっている。 提督という生き物は付き合いが長い艦娘であれば、自分のところの娘をその仕草や様子から見分けることができる。 その提督の眼からして、今画面の中で「名前だけでも覚えて帰ってくださいねー」とか言ってるのは確実に彼の艦隊の大和と武蔵だ。 「あー完全にうちのだこれ」 神社に駆り出された訳でもないのにいない理由が今になって分かった。 「すごいですね二人とも。新年を機に新しい事へ挑戦したんですね」 (いや正月番組に出られるんだから去年からそれなりにやってたんだろう) 自分の左斜め前、何故か畏敬の念を持って二人を見ている翔鶴にそんな事を考える提督。 「まあ、新しいことに挑戦するのはいい事だな」 驚きから立ち直った提督はそう呟く。 そのとき不意に、こたつの下に忍ばせ、床につけていた提督の左手が、同じような体勢でいた翔鶴の右手の指先に触れる。 一瞬、びくりと指を動かした翔鶴だが、そこでふと思った。 576 :名無しの紳士提督:2015/01/01(木) 00 12 41 ID JVCB8H3c 「……よし」 何かを決心したような翔鶴の呟きは、提督には聞こえなかった。 二人の間柄は鎮守府の中にあって公然の秘密ではあったが、当の本人にそれを一歩進めることができないでいる。 翔鶴の白い指が、恐る恐る提督の指に近づき、やがて触れる。 「おっ」 指先の感覚に気付いた提督がその手の主の方を見ると、彼女は指の動きと同様にもじもじしながら、薄化粧の顔を紅潮させ、 目をこたつの上の蜜柑に落としたり、触れている手の方にやってすぐ戻したりしながら、時折恥ずかしそうな上目遣いで提督の方を見る。 「わ、私も今年は…、積極的になれるように挑戦してみようかな……なんて」 直後、一瞬の沈黙。 テレビの音だけが部屋に響く。 音のないままぐっと提督の手に力が入りそして、 「きゃっ、ていと―」 翔鶴の手を引き寄せ口で口を塞いだ。 「ん……っ、んん……」 提督の舌が翔鶴のそれと絡み合い、それとシンクロするように互いの背中に廻された腕も、しっかりと力が入る。 「はぁ……。提督…ひゃん!」 熱っぽく潤んだ翔鶴の瞳から一瞬提督が消え、直後その舌が翔鶴の首筋を舐め上げる。 「ひゃひ!て、提ふひゃあ!はぁ、はぁ、ひゃん!」 提督の舌は翔鶴の敏感な首筋を愛撫し、位置的に顔に近づいている鼻から流れ込む彼女の微かに甘い香りを味わっている。 「ふひゃ!あっ、ああっ!!」 舌が動く度に翔鶴の体がビクビクと震え、その度に彼女の体が雌のそれへと変わっていく。 シュルシュルという衣擦れの音が、翔鶴の喘ぎにかき消され、ずり下された袴と下着がこたつの中へ沈む。 577 :名無しの紳士提督:2015/01/01(木) 00 14 54 ID JVCB8H3c しっかりと強張りのとれた翔鶴の中へ、提督の一物が滑り込んでいく。 「あっ、あぁっ!」 少し進むごとに翔鶴の嬌声が上がり、火照った体は更に提督を求める。 「あひっ!あぁ、ああぁっ!」 一物をしっかりと銜え込んだ翔鶴は、最深に到達したそれが動く度、ビクンビクンと体が波を打つ。 「ひっ、あっ、あっ、あああああっー!!」 一際大きく上がった嬌声と共に、翔鶴の体がびくりと大きく震え、白銀の長い髪を広げて力尽きたようにぐったりと動かなくなった。 やがて、力の入らない翔鶴を提督が優しく抱き起こし、腕に掻き抱いたまま再び口づけを交わす。 口が離れた後も暫くそのまま見つめ合っていた二人だったが、不意に提督が翔鶴を楽な姿勢で座らせ、自身は部屋の隅に置かれた小さな金庫に向かう。 「新しいことへの挑戦か……」 そんな独り言を言いながら服の乱れを正している翔鶴の前に再び座り込む。 「なら俺もそうしよう。翔鶴」 「はい」 提督の改まった雰囲気に思わず自分も座りなおす翔鶴。 「……結婚しよう」 金庫に保管されていた指輪が差し出された。 翔鶴は目を見開き、両手で口元を覆い、耳の先まで真っ赤になって硬直している。 再び一瞬の沈黙。 テレビの音だけが部屋に響く。 「……はい」 幸福がこの上なく大きい場合には微笑と涙が生まれると昔の偉い人が言ったそうだが、だとすれば翔鶴は今この上なく幸福なのだろう。 つけっぱなしのテレビから、今日何度目か分からない「おめでとうございます」が聞こえてきた。 終 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/355.html
62 :3-91:2014/04/22(火) 01 14 13.68 ID wHbOr9s/ おおイベントを前になんか素晴らしい投下の流れが…! 僭越ながら自分も一本 提督×球磨 お姉ちゃん肌なクマーに甘えっぱなしのイチャラブ純愛 人類敗北後の話だけど鬱要素はあまり無いつもり 連投規制で間隔空きますご勘弁を (ついでにハートマーク出るかテスト ♥) 63 :提督×球磨:2014/04/22(火) 01 15 50.12 ID wHbOr9s/ 数週間ほど前から、球磨と二人、山の中の穴蔵で生活している。 いや、まあ何故かと言えば、横須賀は深海棲艦に占領されてしまったからだ。 それで球磨と二人、呉へと逃げるつもりで脱出したら、呉も敵の手に落ちてるらしい。 こりゃどうすんべと思ってたら、球磨が船を出してくれて、かろうじて敵船が跳梁してない日本海を二人逃げる逃げる。 それでどこをどう逃げたものか俺は覚えてないが、球磨に聞けば、現在地は北海道某所の山中だという。 球磨は「の・ぼ・り・べ・つ! 登別行きたいクマー」などと無邪気に言っている。何のことやら。 ……あ、書き忘れたかもしれないが、人類は深海棲艦に敗北した。 もちろん完全な敗北までには、各鎮守府の重雷装巡洋艦への「アレ」の配備通告、「日乃レポート事件」に始まる大規模な政変、 挺身特攻隊「暁の戦力外部隊」による深海棲艦の巣への神風突撃、飛行/潜水能力を有した「合体変形種」深海棲艦の出現と戦況の悪化、 太平洋を中心に投入された巨人兵器「イェーガー」の活躍、米国が主導で唱えた核兵器による徹底殲滅論と、 それを察知した深海棲艦側の「巨大深海氷山空母姫」のワシントンD.C.への先制攻撃と陥落、などなど…… 今後100年は映画の脚本のネタに困らないようなドラマと涙の数々があったワケだが。 とにかく結果的に。 人類は敗北した。 ………… …… しかし今の球磨との二人の生活の中では、なぜかそんな敗戦の事実さえ、遠い星の出来事のように思えるのだった。 *** 「おっ、提督、起きたクマー?」 まぶたを開けると、球磨のぱちくりした目と目が合った。 俺の目は、涙と目やにでかすんでる。おまけに頭は熱でフツフツ煮えるようだ。球磨の輪郭線もぼやけて見える。 「クマー、あいかわらず熱があるみたいだクマー」 「……ああ、治すように努めてるが……すまないな」 球磨が、湿った布で俺の顔を拭いてくれながら言う。 その手つきがすごく優しくて気持ちいいので、つい口の周りを汚した子供みたいに、球磨にお世話されるままになってしまう。 ここ一週間ほど、ガラにもなく熱なんて出して臥せっているのだった。 その間の看病をずっとこいつが、球磨が、一人っきりでしてくれている。 「ご飯は食べられるクマー? 出来れば少し栄養付けとくといいクマ」 顔を拭われて少しはしゃきっとした俺に球磨が言う。 言われてみれば、穴蔵の中にふわりと漂ういい匂い。 川魚の塩焼き、ふかして潰したジャガイモ、山菜にキノコ。そんな食事が、テーブル代わりにしてる木箱の上に並べられていた。 球磨が俺のために一品一品、苦労して山の中を集めてきてくれたのだろう。 熱のせいで、食欲はさほど湧かない。 けれどそんな球磨のいじらしさを思うと、何としても食べてやらねばという気になった。 寝床の上から身を起こす。 「提督、ムリに起きなくていいクマ-、球磨が食べさせてやるクマ」 ……球磨の手で寝床に戻されてしまった。 仕方なくその言葉に甘えることにする。 「……すまん」 「気にするなクマー、提督だってきっと、球磨が風邪ひいたらおんなじことするクマ」 艦娘に風邪やらなんやらがあるのかはわからないが、球磨はそんなことを言う。 もしかしたら冗談なのかもしれない。 いずれにせよ俺も熱でふわふわする頭では適当な返しが思いつかないから、曖昧に笑って返す。 「ほれ、『あーん』だクマー」 「……」 「提督、『あーん』だって言ってるクマー」 「……あ、あーん」 逡巡したが結局、球磨に「あーん」で食べさせてもらう(所詮人間、その気になった艦娘の力には逆らえないから、従っておくのが賢いのだ)。 食べやすいように潰したジャガイモが、スプーンで口に運ばれる。 ほくほくして、塩気があって、噛むとジャガイモの甘みが出てきて、旨い。甘い。北海道だからか。 「うまいなー、球磨。うまいよ……にしてもコレ、どこで採ってきた?」 「ふふーん、球磨が山を下りてったら村があって、そこの地面一面にジャガイモが『生えてた』んだクマー」 「……すまんな、俺のために畑ドロボウまで」 自分のせいで軽巡・球磨に野生の熊さながらのマネをさせてると思うと、申し訳ない。球磨と、あと農家の人に対して。 「いーや違うクマ! すぐ近くに人の家もビニールハウスもあったけど、たぶんアレは野生のジャガイモだクマー、 球磨に採って採ってーって言ってたクマ」 「うーむ……野生かー、球磨が野生って言うんじゃしょうがないなー」 なんだか、球磨は俺に徹底的に気を遣わせないつもりらしい。 俺も特にそれを追求することはなく、今は旨いからいいか別に、などと思いつつ、モグモグと球磨の手からジャガイモを食べさせてもらう。 ジャガイモもふわふわなら、球磨と俺の会話もふわふわしてて、熱に当てられた俺の頭もふわふわで。 ついでに人類が深海の敵に負けてしまった事実さえ、何だか現実味がなくてふわふわしてて。 ぜんぶがぜんぶ、ぬいぐるみの中身のようにふわふわしてる。 それがこの、球磨と二人きりの空間だった。 「ほい、『あーん』だクマ」 「あーん……んむ、むぐ、うむ」 球磨の獲ってきた魚も、また格別旨かった。 しかも俺には自分で骨をとる苦労すらない。 ほぐされた状態の切り身を口に運ばれるたび、なんだか赤ん坊の頃に戻るような、イケナイ快楽が芽生えそうになる。 ……このままでは俺は、球磨をお母さんだと思いこんでしまうんじゃなかろうか。 「提督、気に入ったクマ?」 「ああ、うん……この魚もうまい」 「そっちもだけど、その……球磨に『あーん』されるの、気に入ってしまったクマー?」 「…………!!!?? い、いや、そんなことはないぞ!? 断じてない!!」 いけないいけない。普段はゆるキャラみたいな言動してるくせに、こいつは妙に察しがいいのだ。 「ふっふっふ~そりゃ残念クマ、なんなら提督が元気になった後も、食べさせてあげてもいいと思ったのにクマー」 「……~~~~~!!!!!」 やばい、ちょっとしてもらいたいと思ってしまった。 「あ、あぁ~~~それより、よく温かい料理が作れたな、大変だったろう?」 あわてて俺は話題を変える。 「大変?」 「ほら、山の中とはいえ、火を焚いて煙が出たら、たぶん山狩りに見つかるだろうし」 「あぁ……そのことかクマ」 事実、俺たちは追われる身だった。だから戦争が終結した今も、こうして隠れ潜んでいる。 追われると言っても、かつての敵、深海棲艦ではなく、人間の手によって。 そう。今回の敗戦の責を一方的に負わされたのが我々――提督や艦娘たちなのだ。 俺たちは各地に落ち延びたあとも、懸賞金をかけられ、鵜の目鷹の目で捜索され、追い立てられる運命だった。 「まあ、燃料用アルコールがあるから、しばらくは煙の出るたき木を燃やさないで済むクマ」 「なるほどな……まあ、何にせよお前たち艦娘には、本当に苦労をかけるな」 「……こっ、こんなの、昔の戦に比べたら苦労のうちに入らんクマ!」 しばらく穴蔵の中に沈黙が落ちた。さっきのふわふわした雰囲気なんてどこにもない、澱のような沈黙。 けど俺はやっぱりその重苦しさを引き受けねばならない気がした。だからこんな風に話題を変えてみせたのだ。 俺にはその責任があった。 実のところ、深海棲艦は重要な拠点や泊地を除いては、いっさい陸への侵攻をしてこなかったのだ。 ただ人類をすべての海域、すべての空域から追い出して、深海棲艦は満足してしまったらしい。 だから人類は滅ぼされることなく生き残った。俺と球磨もおかげで生き残った。 しかし生き残った人類が、当然そのやり場のない怒りの矛先を向けたのが、人類の海と空を守る戦に敗北してしまった軍人たちだ。 海と空という希望を失った世界で、俺や球磨たち艦娘は、地を這いずって生きていかねばならない。 人類すべての怨みを受けながら。 「すまん…………ぜんぶ、俺のせいだ」 ぽつりと呟いた瞬間、球磨にガッ!と胸ぐらをつかまれた。 これがベアクローか、と冗談を言う間もない。息がつまる。 「~~~ばっ!! ばか言うんじゃねぇークマ!!! そんな、一人でそんな風に思っていたのかクマ!? ひとりで、世界ぜんぶの運命をしょいこんだみたいな顔して、どうすんだクマー!!!?」 球磨に、そんな風に本気で叱られた。 ほとんど球磨の顔も涙まじりなのに、不思議とすごい気迫があって押されてしまう。さすがは球磨型5人の長女だ。 「こ、こら、な、なんとか言えクマー!!!」 「球磨、あの……く、くるしい……」 「!? ……あ! す、すまないクマ~!!」 「い、いや大丈夫だ……」 球磨の手をぺしぺしとタップすると、あわてた球磨が離してくれた。 「……提督、やっぱり、そのことを気に病んで、それでこんな熱を出してしまったんだクマー。気づいてやれなくて、本当にすまんクマ……」 「何言ってる……机仕事だった俺なんかより、きっと本当に辛いのを我慢してるのは、矢面で戦っていたお前たちだろ……」 そうだ、結局俺の苦労なんて、ものの数ですらないのだ。 本当に最前線で敵艦と砲火を交え、仲間が沈んでいく横で、痛いのも泣きたいのも押し殺して、戦ってきた彼女らに比べれば。 なのに結局戦争を取り仕切るのは、俺のような安穏として無能な指揮官たちで、 彼女らがどれだけ戦争を終わらせたくても戦略に口を出す権限などなく。 帰ってきたら言われもない敗戦の責を負わされて、一方的に追い立てられる。 「……なあ、球磨。俺を自警団かどこかへ突き出して、その懸賞金でお前だけ逃げるといい。俺みたいな顔が売れてる士官と違って、うまく隠れ潜めるはずだ」 俺は球磨にも、きっと今までたくさん苦労をかけ、我慢させてきたはずだった。 だから球磨を、せめてこれ以上束縛したくはない。そういう思いがあった。 「なっ……何を言ってるクマー!!?」 「女だから尼寺に隠れたっていい。何にせよ、俺をかくまって逃げたり俺のために苦労するより、よっぽど自由で気ままな……」 「……て、提督……」 球磨の震える声に気づいて、顔を向ける。 「提督は、それが本当に球磨にとって幸せだと思っているクマ?」 球磨が、今度は本当にぽろぽろと涙をこぼしている。 俺はあわててその手を取る。 「い、いや俺は可能性の一つを述べてるだけであってだな」 「球磨の幸せは……苦労しないことでも、自由になることでもないクマ……」 そう言うと球磨が、寝床に横たわったままの俺の体に覆いかぶさってくる。 やわらかくて、温かくて、細っこい球磨の体が、ぎゅーっと押しつけられる。 人なつこい動物に抱きつかれてるみたいだ。 「球磨のしあわせは、好きなもの、守りたいもののために生きることだクマ。もしも、好きなものを守るために戦えるなら、 どこだってそこが戦場クマ。守りたいものが側にいてくれるなら、どこだってそこが球磨の家なんだクマ」 潤んだ瞳で俺の瞳を覗きこみながら、球磨が一言一言、はっきりと俺に語る。 「だから提督は、球磨の生きがいだクマー。ずっと……ずーっと、離さないクマー」 球磨にしつらえてもらった寝床の上で、球磨の腕と体に抱かれながら。 そんな風に宣言されてしまった。 なんでだろう。球磨の涙ぐんだ目に見つめられて、俺も涙が出てきてしまう。 俺を非難し、糾弾し、ひっぱたき、ののしる権利だってあるはずのこの球磨は。 俺が生きてるだけでいい、そう言ってくれている。 そんな風に言われると、何だか自分でも、それでもいいのかもなあという気分にさえなる。 このままずっと、球磨の腕に抱かれてても、いいのかもしれない。 「んっ……そうだ提督、食後のデザート、忘れてたクマー」 「デザー、ト……?」 言いながら球磨は、ほこほこ湯気を立ててるティーカップをテーブルから取り上げると。 その中身の液体を、自分でくいっとあおる。 そうしてから、球磨は俺に口づけた。 「……っ、んッ……ぅむっ」 球磨の口に含まれた液体が、俺の口に流し込まれる。 球磨の舌を伝って、喉の奥へ。口移しだった。 液体はあったかくて甘い。何よりとろりとなめらかだ。 そんな甘くて深い液体を、こくこくと、球磨の唇から分け与えてもらうのは、 まるで球磨から、あふれるような生命を分けてもらってるみたいだった。 「蜜湯だ、クマー。ハチミツと生姜を湯に溶いたクマ」 ぷは、と離した唇をちょっと舐めてから球磨が言う。 「元気の源だクマ」 たしかに甘さの中から活力を湧かせるみたいな、やさしい味だった。 けどそれがハチミツの味なのか、球磨とのキスの味なのかは、よくわからない。 そして、何よりも眠かった。 温かいものをたっぷり胃に入れたせいだろうか。 熱に悩む体が休息と回復を求めてるかのように、急に猛烈な眠気に襲われてしまう。 「球磨……すまん、少し、眠る……」 「ん、それはいいことだクマ。きっと起きたら今までどおり元気だクマ。球磨が、保証するクマ」 「……うん、球磨がそう言うなら、そうなんだろうな……」 「ふふふ~、提督、目がとろんとしてきたクマ。おねむだクマー」 球磨がそう言いながら、俺の上に覆いかぶさってた体を少し動かす。 そして今度は、球磨が隣に寝ながら、俺をひしっと抱きしめる姿勢になる。 布団代わりのハグだ。 球磨が胸に俺の頭を抱いて、脚でしっかり、俺の腰につかまっている。 上質な毛皮につつまれてるみたいな、心地よい窮屈さと暖かさ。 球磨の胸もとから、汗と、女の子の香りと、ハチミツみたいないい匂いがした。 「球磨が抱きしめてやるクマー。こうして、あったかくして、眠るクマー」 こうして。 人類が敗北した世界で俺は。 暖かい巣穴の中、球磨に包まれながら、とろとろ、とろとろと眠ったのだった。 *** 起きると、なんだか妙に寝覚めがスッキリとしていた。 昼寝から起きると怖いくらい頭が冴えわたってる時がたまにあるが、正にそんな感じだ。 と、そこで気づいたことだが、今まで患ってた熱がすっかり引いている。 ダルさも辛さも、体から抜けている。どうやらこの爽快さの原因はそれだった。 その代わり、何だか体全体がぽかぽかと暖かい。 狭くて、匂いがこもってて、ぬくい、獣のすみかにいるみたいだ。 「……球磨?」 思い出した。俺は球磨の体そのものに包まれて、寝ていたのだ。 球磨は起きてたらしく、俺が呼ぶとすぐに返事が返ってくる。 「クマ~、提督、お目覚めクマー?」 「うん……おかげで、すごくよく眠れた」 「……そうかクマー」 「ああ、もう熱もすっかり引いたみたいだ」 「ん。なら、よかったクマー」 俺を胸に抱きながら喋るという奇妙な格好のせいか、何だかぎこちない球磨の返事。 「なあ……球磨?」 「なんだクマー?」 球磨の胸もとからもぞもぞ顔を出して、球磨の顔を見すえて言う。 その顔はちょっと蕩けていて、夢見るようだ。もしかすると眠いのかもしれない。 「その……ありがとう、な。さっきも、今までも、ずっと……」 「ふふふ~~、大したことじゃないクマー」 「いや、ほんとうに感謝してるんだ…………なあ、ところで、球磨」 「クマ~?」 「お前、顔が赤くないか?」 いま気づいたのだが、球磨の顔はとろんと蕩けているだけでなく、なんとなく赤かった。 もし俺の看病のせいで伝染ったりしたのなら、申し訳ないどころの話ではないので、俺はちょっと本気で心配する。 「ん? あー……別に、気にするような理由じゃないクマ」 「そ、そうなのか? 何か出来ることがあったら、言ってほしいんだが……」 「……じゃあ、提督にひとつ頼み事してもいいクマー?」 「あ、ああ! もちろん、球磨のためなら何でも!」 「クマー。それじゃあ……」 球磨がちょっといたずらっぽい、不敵な笑みをうかべて言う。 「なら、ちょっと腰を引いてほしいクマー」 「……え?」 「その……提督の……が、当たってて……」 「……~~~~~!!!!!? すっ、すまん!! 球磨っ、すぐ、離れるからっっ!!!」 寝床の中、隣り合って並ぶ球磨と俺の下半身。 その片方、俺の腰から、朝の元気にまかせて突き出たモノが。 球磨の腰に、無意識のうちにくいくいと自身を押しつけているのだ。 球磨が頬を染めてたのはそれでか! しかし俺があわてて腰を引こうとした途端、球磨の両脚がガッチリと俺の腰を押さえてホールドしてきた。 「あーはっはっは!! あはは、はーっ、て、提督、冗談だクマ~! 球磨はぜんぜんイヤじゃないクマ、本気に受け取らないでほしいクマー」 なるほど体がぽかぽか暖かいのは、まんざら球磨に包まれてるせいだけでもないらしかった。 まるで頭の熱がすべてそっちへ移ったように。 あるいは抵抗力が弱まっている間、体に入った微菌や悪いものを、ぜんぶそこから排出したいとでも言うように。 とにかく俺のモノは、極限まで熱く硬くなっていた。 ……有り体に言えば、『溜まってる』状態なのだろう。熱のせいで寝込んで処理も出来なかった、この一週間分が、丸々。 そして俺の分身は、まるでその切ない熱のはけ口を球磨に求めているかのように、キュロット越しの球磨のそこへと、 厚かましくぐいぐい、ぐいぐいと自身を押しつけている。 そんな体の動作に気づいてしまうと、俺の中でも、腰の奥から登ってくるそわそわした欲望が、むらっと鎌首をもたげる。 「ふっふっふ~……提督が寝てる間ずーっと、この子は可愛かったクマー」 「か、可愛いって……っ!」 「提督がくーくー眠り出すと、球磨の腰とくっついてるところで、この子がむくむく大きくなってきたクマ。 さすがに恥ずかしくて球磨がちょっと腰を引いたら、今度は寝てる提督が、自分から腰をくっつけてきたクマ~」 「…………~~~~~!!!」 「この子は球磨のお腹でも太ももでも、とにかく先っぽでつんつんしたり、すりすりしたり、くっついてきたがったクマー。 必死で球磨の中に入りたい入りたいって言ってるみたいで……ふふ、すごく可愛くって、球磨まで照れちゃったクマっ」 顔から火が出るような恥ずかしさで、しばらく絶句してしまう。 ……そう言われるとまるで、俺が自分の体と性欲の操り人形のようではないか。いや、事実そうなのかもしれないけど。 しかしさすがに、寝起きの勃起と溜まった性欲に任せて、ずっと付きっきりで看病してきてくれた相手を抱く、 なんてのは、さすがに恩知らずとかいうレベルではないだろう。 球磨がどんなに無邪気に触れてきたり、どんなにこっちの無遠慮を許してくれても、そこまで甘えてはいけない。 こんな山の中の生活ではあるが、まだ俺は動物じゃなく、人間のつもりなのだ。 「な、なぁ球磨……離れてくれないか」 今度は俺が頼む番だった。 「クマー? 提督は、球磨としたくはないクマー?」 「そうとは言ってないが、そうじゃなくてだな……」 男の精神、というか男心は、必ずしも不随意な勃起と連動するものではないのだ。 しかしそれを女の子の球磨にどう説明すればわかってもらえるだろう。 と、そんなことを思っている合間にも、きゅーっと球磨の腰に密着させられている部分から、とても無視しがたい感触が伝わってくる。 キュロット越しの球磨のやわらかい丘の丸みが、屹立をやさしく包みこんでくれる感触。 いかん。このままでは本能に理性が負けて、ほんとうに獣になりかねない。 「クマー……うーん、提督は、ハチミツが媚薬の一種だって話、知ってるかクマー?」 「は、えぇ?」 突然そんな話を持ち出す球磨。 「もちろん球磨も詳しくは知らないクマー。けど、人間の食べ物が貧しかった昔は、栄養満点のハチミツはきっと、 それだけで身体を興奮させたはずだクマ。だから、最近精力のつくモノを食べてない提督にも、 ちょ、ちょっとはそーいう効果が出るかもとは、き、期待してたクマ……」 「球磨、お前……まるで『一服盛った』みたいな言い方を……」 「そうクマー! だーかーらっ」 そう言って球磨が背中を抱いてくる。 「球磨の、『計画通り』なんだクマっ」 「く、球磨……だって、何のために?」 「むぅー……好きだから、くっつきたい、つながりたいって、それだけじゃ、いけないクマー?」 そう言って球磨がもっとひしっと抱きついてくる。 いまや腰と同じように、お互いの腹と腹、胸と胸もくっつき合っていた。 球磨の鼓動が、こっちの体の中にも伝わってくる感じがする。 「提督の方は、どうなんだクマー?」 「俺の、方……」 「球磨のこと……その、好きクマー? 球磨と、くっついたり、つながったりしたいクマ?」 「俺は……」 そんなことを聞きながら、球磨の手が不安なようにこっちの背中をさ迷う。 その仕草に気づいて、思わずこっちも球磨の背中をぎゅーっと抱いてやる。 球磨の体はあたたかくて、やわらかいのに、しっかりと質量があった。 すごく、『生き物』だと実感する手触りだ。 何だか、こんなにあったかくてやさしい生き物に、自分が想われてることを、何かに感謝したい気持ちだった。 「球磨が好きだ……くっつきたいし、つながりたいと思ってる」 そう言って、球磨をもっと固く抱きしめる。 抱きしめると、球磨の言ってる「好き」と「くっつく」と「つながる」という言葉がもっとよく理解できる気がした。 三つはひとつづきの同じ意味の言葉のように思えた。 洞穴で二匹暮らすつがいや、母を求める哺乳動物の子供。あるいは群れで暮らしお互い依り添い暖め合う生き物みたいに。 相手を求めてくっつき合うのは自然なのだ。 好きな気持ちだけでも、下半身で球磨とつながりたいだけでもなくて。全身で球磨と『くっつきたい』のだ。 「……わかったクマー、それじゃあ……」 頭をこちらの肩に乗せたまま、球磨がささやく。 「いっぱい、くっついて、つながり合うクマ」 *** 布団もない草の寝床の上で、球磨が下になり、俺が上になって、重なり合う。 ゆっくり、くすぐり合うような手つきでお互いの服を外していく。 まずは球磨のセーラーの上を脱がす。 すると、下着も何もなく、そのままの乳房が転がり出てきた。しかも結構、ある。 「ふっふっふ~……意外におっきい球磨ちゃんって、よく言われるクマー」 白くてふわふわした胸を自慢するみたいに揺らしてみせる球磨。 「……感触、確かめてみたいクマー?」 その言葉に誘われるまでもなく、すでに両手が、丸くてやわらかいモチみたいなのに伸びていた。 初めは吸いつくようで、そしてふよふよふよふよと、どこまでもやわらかい感触。 あんなにしっかり締まった球磨の肢体に、こんなふわふわしたモノがくっついてるのが不思議でならない。 不思議でならないので顔をうずめてみる。 「ク、クマーっ?」 森の熊さんが驚く声がするが、気にしない。 球磨の胸の間は、ぎゅーっと挟みこまれる圧迫感があって。 そして心臓の鼓動がとくとく、とくとく、と聞こえてくる。思ったとおり、とても落ち着ける場所だった。 いい発見である。 「……ふふ、提督は甘えん坊さんだクマー」 「……うん」 球磨にそんな風に甘やかされながら、球磨の体を下へ、下へと降っていく。 球磨のお腹は、胸よりは数段しっかりした肉付きをしていて、うっすら筋肉が感じられる。これも、心地いい手触りだ。 その下、球磨のキュロットパンツの部分に至ると、さすがに球磨がちょっと身を震わせた。 「あ、て、提督……」 まだ何だか脱がせるのが勿体なくて、やっぱりその部分に顔をうずめてみた。 キュロットの股間の丸みの中に、球磨の大事な部分の形が隠れているのが感じられる。 圧迫されると気持ちがいいのか恥ずかしいのか、球磨の腰がふるふる、切なそうに震えて面白い。 ふくらみの部分に鼻先を押しつけて少し息を吸いこんでみる。 やっぱり汗の匂いと、それから山道の草みたいな匂いがする気がした。 「は、恥ずかしいクマ~! そんなところ嗅がないでほしいクマーっ!」 「う、うわっ、球磨っ!」 ぐわしっ、と。 跳ね上がってきた球磨に押し返されて、逆に寝床にのされる。 そうして今度は球磨が上になって、俺の動きを封じ押さえつけてしまった。 形勢逆転、というワケらしい。 「ふしゅーっ……提督、おまえ、うまそうだクマー……」 そんなことを言いながら球磨が俺の体の上を、獲物の弱い部分を探し当てるみたいに、ふんふん、ふんふん、と嗅ぎ回る。 正直ちょっと冗談に聞こえない。 そのうち球磨の鼻がぴたりと、俺の首筋の上で止まった。 次の瞬間、狙い定めたようにその箇所が、ぴしゃ、ちゅるる、と水音を立てるようにして吸われる。 「うあ、あぁっ……球磨っ……!!」 首という生命につながる器官の周りを吸われると、くすぐったくって仕方がなかった。 きっと生命の危険を知らせる信号の一番弱いようなのがほとばしって、体を疼かせるからだろう。 その信号は下半身にも届くのか、俺の腰の奥にも小さな快楽の電流が、連動したように流れる。 「ぷはぁっ……提督の体、まだ熱いクマ。熱が残ってる感じがするクマー」 首筋に口づけたまま、球磨の手が俺の肩、胸骨、腹、脇の下と、遠慮なくするすると這い回る。 こんな硬いだけの身体のどこが面白いのだろう。いい匂いもしないし。 けれどどうやら球磨は、その雄臭さとでも言うべきものに興奮を覚えているらしい。 撫でまわすうちに淫靡さを増す球磨の手つきに、こちらまでつられて、昂ぶらされる。 「はぁーっ……すごく、熱いクマー……」 腰骨に頬ずりするようにしながら、球磨の手も熱を求めてそろそろと下へ降っていく。 まだ脱がされていない下半身の中心で屹立しているモノも、期待に身を震わせてしまう。 「クマ~……いちばん熱いのは、ここかクマー?」 しゅるっと。履いたままだったズボンと下着を一気に下ろされる。熱の中心が外気にさらされた。 そしてソレが下着から顔を出したかと思う間もなく、球磨が顔を近づけ、鼻をよせてくる。 そのまま球磨が、ふんふん、ふんふん、と鼻をひくつかせた。 「あ、あぁっ……!! 球磨ぁっ……」 球磨の発情したような熱い吐息と、ときどき当たる鼻の感触。 溜まっていたばかりでなく、外の空気に触れるのすら久方ぶりのソレには、もどかしいぐらいの、繊細すぎる刺激だった。 「ふふ~……はちきれそうで、雄の匂いがいっぱいしてるクマー」 そう言って一度舌なめずりをしたかと思うと。 ちろちろ、ちろちろと踊る球磨の舌先が竿全体を舐め回し始めた。 「ああぁぁぁ……っっ!!! く、球磨っ……! は、あぁっ……!!」 根本の茂みの生えてる辺りから、裏筋、敏感なカリの周り、そして先端の割れ目まで。 汚れを気にもせず、それどころか、より興奮しているかのように。 一週間分の垢をこそげ取ってくれるかのように、球磨の舌が俺のモノの上を這い回る。 獣が毛繕いをするみたいな、そんなさりげない動きなのに、俺は幾度となく腰を浮かせてしまう。 「仕上げだクマ」と球磨が、ついばむようにちゅう、ちゅっ、とそこかしこにキスを残していった後は、 ソレはもうてらてらと濡れて、先端から先走りすら溢れさせていた。 「ん……もっと、提督と全身で、くっつきたいクマー」 そう言いながら球磨が、俺の上に乗ったまま器用にキュロットパンツと下着を脱ぐ。 球磨に腰から下を押さえられている俺は、その動作にただ見とれるだけだ。 今までキュロットの奥に隠されていた場所には、わずかに茂みに覆われた、控えめな割れ目が現れていた。 そうして球磨が俺と球磨の付けていた最後の布を取り払ってしまうと、二人とも本当のむき出しの姿になる。 間に何も挟まるものはなかった。 「このカッコで、くっついてみるクマ?」 「え? ……あ、ああ、そうしよう」 そう言うが早いか球磨が両手を広げてぎゅーっと抱きついてくる。俺も両手を広げて受け止めてやる。 球磨のすべすべした頬と俺のヒゲでちりちりした頬。 ふっくらした胸と硬い胸。ふっくらした腰と硬い腰。 両者はぜんぜん違うもののはずなのに、何故だかぴとっ、と、一つにくっつくようだった。 こっちが呼吸するたびに球磨もそれに合わせて呼吸し、だんだん同じリズムで呼吸するようになる。 そうすると、本当にまるで二人が一つの生き物みたいだ。 境目のない世界で、球磨をぎゅーっと抱いてぎゅーっと抱かれて、ハチミツのようにとろり溶けて一つの体になる。そんな錯覚すら覚えた。 「……提督の、さっきよりすごい勢いで、球磨を突っついてるクマー」 「……うん」 そんな心地よさの中でも、やっぱりこの熱をもったモノの疼きだけは、どうも無視しようがない。 いまや球磨のぴったりとした割れ目に、直に押しつけられている屹立。 たしかに快感ではあるけれど、何だか同じ場所で足踏みしているだけのような焦燥感がある。 もっとやさしく自分を包んでくれる、ふさわしい入り口があるはずのソコの前で、 おあずけを食らっているのがもどかしくてしょうがないのだ。 「クマァ♥……提督、球磨にもっと、きゅーって、抱いてもらいたいクマ?」 そんな焦れた欲求を抱えているのを見透かすように、球磨が聞いてくる。 「あったかくて、とろとろして、ふわふわした球磨のナカで、きゅぅーっ、て、抱きしめられたいクマ? 提督のも、すっごく球磨の中に入りたがってるクマー」 「ああ……球磨の中に、入りたい」 「ふっふっふ~、よく言えたクマー」 そう言うと俺の体の上で、球磨が少し身を引いて、腰を浮かせて膝立ちになる。 「それじゃ、球磨の方から迎え入れてやるクマー」 くち、と熱に喘いでひくひく震えている先端に、湿りのあるモノが触れた。 「は、あぁっ……!」 そして息をつく暇もないまま。 にゅる、ぬぷ、と、球磨が腰を深く沈めるにつれて、にゅくにゅくと球磨の暖かい蜜壷に入りこんでしまう。 気づいたときにはもう、肉茎全体がとっぷりと湯に浸かったみたいに、心地いい感触で満たされていた。 球磨の言ったとおりにあたたかくて、とろとろしてて、ふわふわしている。 「は、んぅっ……」 「く、球磨、その……大丈夫か?」 「……んっ……心配ご無用クマー、提督のがあったかくて、気持ちいいぐらいクマー」 さっき球磨にうながされるまま、わずかな抵抗をする膜に当たったときも、それをぷつりと破って進んでしまったが、 球磨は少しの痛みの他は、何も苦にしていないらしかった。 「ふふ~、こんな体勢でつながる生き物は、きっとそうそういないクマー」 「まあ、そうだな……」 俺は球磨に上にのしかかられたまま、いわゆる⊥字不利……もとい、騎乗位の体勢で球磨とつながっていた。 こんな風に、雌が上位になって雄を搾りとるなんて交わり方をする動物が他にいたものか、寡聞にして知らない。 「でも、この方が球磨には動きやすいクマー。だから、提督……ふふ、動いて気持ちよくしてやるクマー」 そう宣言すると、球磨は俺の上で動き出す。 暖かい洞の中ぬくぬくしていたモノが、ちゅぷちゅぷ、ぬるぬると上下に激しく擦り上げられる。 ハチミツみたいな時間がとつぜん動き出したかのようだ。 球磨の荒い呼吸と共に、収縮しては痙攣する球磨の内側の秘肉。 それに圧迫され、揉み上げられ、ただ横たわったまま、敏感な部位へ与えられる快感を享受するのは、至上の快楽だった。 球磨が腰を沈め、苦しそうなくらいに俺の剛直をくわえ込み、そしてぬるぬると腰を動かして、 色んな液体に濡れた竿を見せつけるように引き抜き、またくわえ込む。 純粋で、白くてふかふかしてて、女らしさや淫らな部分なんてのが想像もつかない球磨が行う仕草だけに、それがとても淫靡で鮮烈な姿に写る。 「あっっ……く、球磨っ、ちょ、ちょっとタンマ!」 「クマ~? どうしたクマー?」 制止の声をこちらが上げる間にも、にゅくにゅくと腰を振り立てる動きをやめない球磨。 そのたびに生まれる途方もない快感に、下半身からそろそろ危険信号が告げられる。 「そっ……そのっ、このままだと出っ……ヤバいから、一旦、抜いてくれるとっ……!!」 「んー? 提督は、気持ちよくないクマー?」 「いっ、いや、そうじゃなくて……」 しいて言うなら死ぬほど気持ちがいい。 「気持ちいいなら、何もガマンすることなんてないクマー。このまま、んっ、球磨のナカに、出してほしいクマ~」 そう言うが早いか、球磨の腰の動きが、ただの上下運動から、こちらのモノを絞り上げるような動きに変わる。 「…………~~~~!!!!」 きゅう、きゅう、と。脚を閉じるようにして、蜜穴の中もいっしょに締めつけ、くわえ込んだ肉茎を圧迫するような動き。 そして脚を開いたかと思うと、今度はふりふりと、媚びるように腰を横に振ってみせ、中へと振動の快楽を送り込む。 さっきまでの、ただ性急なだけの動きが可愛く思えるほどだ。 同時に、その雄の快楽を誘うような動きの中に、これまでにないくらいに、『女』としての球磨を見出してしまう。 「く、球磨っ……!! もうヤバいっ、出、出るっ……!!!」 「大丈夫クマ、提督……来てほしい、クマー……」 腰を振り立てる球磨に追い詰められ、すべての部位を余すところなく刺激されるような、めくるめく快楽に浸されて。 こらえるために腰を引くことも出来ず、そろそろと登ってくる、じくじくした快感に押したてられるまま。 「~~~~ぁ、ああぁぁ……っっ!!」 やがて止めることの出来ない奔流が先端に登ってくるのを感じると、抵抗する間もなく。 びゅく、びゅく、と、溜まりにたまっていた熱い精を、球磨に捧げるように、内側へと漏らしてしまっていた。 もちろん一週間分の射精は一度の放出では途切れずに、二度、三度と、脈動しながら吐き出される。 そのたびに暴れる肉茎を、球磨の蜜穴がやさしくあやすみたいに抱きとめてくれるようで、 その心地よさにまた新たな快感を呼び起こされてしまう。 結局俺の分身は、長く尾を引く快楽の証を、ぴゅーっ、ぴゅっ、と球磨の中に噴き出させた後、 ようやく降参したようにくったりとなったのである。 「んっ……提督、気持ちよかったクマー? 球磨の中に、たくさん出てるクマー」 内側に射精されたばかりの自分の下腹部を撫でながら、球磨がそんなことを言う。 こうして尽くすのが何より嬉しいとでも言うような、慈しむようなその表情。 けれどその顔を見るたび、やっぱりそんな球磨の優しさにすがってばかりではいけないという気持ちが、心の奥で湧き起こる。 欲求を解放してひとここちついたせいか。また、球磨に対してすまないと思った。 「球磨……その……ごめん」 「なっ、なんで謝るクマー?」 「その、ホントは出す前に引き抜くなり何なり、しようと思ってたんだが……」 「……て、提督は、球磨との間に子供、作りたくないクマァ!??」 「……な、ええぇっ!!?」 絶句する。 いや、こんな風になる前は、そもそも球磨が子供の作り方を知っているとすら想像しなかった俺も悪いが……。 球磨が、俺との間に子供を、欲しがっている!? 「く、球磨は欲しいのか、子供……?」 「と、当然だクマっ!! 好きな相手といっしょに、子供作って、産みたいって思うのは、あ、当たり前の気持ちだクマー!!」 俺の上に覆いかぶさったまま抗弁する球磨の目は、真剣そのものだった。 「そっ、それに……」 球磨が俺の胸に顔をうずめながら、続ける。 「……たしかに球磨たちはこうして、深海の敵に負けてしまったクマー……けど、子供を作って、 その子供たちが戦いの記憶を受け継いで、新しい世界や、新しい戦いのための礎にするんなら、負け戦も、ちっともムダではないクマー」 「球磨…………」 ふたたび俺は言葉も紡げなくなる。 理解できないのではない。むしろ、ああそうか、平静感じていた球磨の強さは、ここにあったのかと実感したからだ。 俺が再戦のために奮起するでもなく、敗北を受け入れて生き方を考えるでもなく、ただのろのろと。 漫然とした自罰感に引きずられ、何かを生み出すことも出来ず、ただ球磨との安楽な生活を引き延ばしていた間に。 球磨はこんなにも希望にあふれた未来を思い描いていたのだ。 それでいて俺を無理に付き合わせようとせずに、ハチミツを媚薬代わりに盛ったり、 添い寝をしてくれたりして、事が自然に進むようお膳立てしてくれたのだろう。 体を重ねながら、俺との子供を産む未来に思いを馳せていただろう球磨に対して、俺は快楽を求めていただけだったなんて。 「……そうだよな、球磨。気持ちいいだけじゃ、ないもんな」 「く、クマっ?」 俺が身を起こすと、球磨がびっくりしたように身をすくめる。 「ずっと、考えてた。こんなに俺に尽くしてくれるお前自身は、何か望むものはないのかって。俺は何かしてやれないのかって」 球磨が驚いている隙に、そっとその顎に手を添えた。 「子供、作るぞ球磨。何人でも」 「あ、提督……」 ゆるやかに開いている球磨の唇に口づける。 やっぱりさっきの口移しの甘さは、ハチミツのせいだけではないらしい。 球磨が、んっ、と鼻にかかったような切ない声を漏らし、体がちょっと弛緩する。 その瞬間を見逃さず、腰をバネに力をこめて、体を倒す。 そうして俺は、球磨をふたたび押し倒す格好になった。 「て、提督……やっぱり、この体勢が好きクマー?」 「なに、お前にしてもらってばっかりじゃ、男としてアレだからな」 押し倒されると弱いのか、ちょっと身を縮こまらせる球磨。 その胸の上で、同じくふるふる揺れてるモノを掴み、やさしくマッサージするように揉みしだいてやる。 「あ、く……クマァっ!」 さっきの騎乗位の間中もずうっと、ぶるんぶるんと自己主張していた胸に、 ふかふかと指を沈め、こねるように揉む。コリをほぐすような感じだ。 やがて中心で、ピンク色の乳首がぷっくりと立ちふくらむ。何となく白米にちょんと乗った鮭の切り身みたいで、可愛らしい。 球磨の反応を楽しみつつ、ソレを口にふくみ、吸い上げてやる。 「ふぁ、はあぁぁっ……!! だ、だめクマァっっ!!」 ピンと勃ち上がったのを口の中でねぶり、転がすたびに、球磨がそんな嬌声と呼ぶにはあまりに可愛らしい声を上げる。 「こ、これは子供が出来たときにすることクマァ……子作りには、ぁんっ、関係ないクマァっ……!」 「いいや、関係あるぞ球磨。お前も一緒に気持ちよくなった方が、子供を作るにはいいんだ」 「え、えぇっ……!?」 それを証明するように俺は、二本の指をそっと、球磨の湿りの中に浸す。 そうして次第に指の動きを激しく、壷の中の蜜を探るように、わざとくちゅくちゅ、と音を立ててやる。 「はあぁ、ああぁッ……~~~んんっ……!!」 「ほら球磨、この中、球磨が濡らしてビショビショにしてるけど、俺が放ったモノはだいぶ、こぼれ落ちちゃってるだろう?」 「……!? あ、あぁっ~~!? ほ、ほんとだクマ~っ……!!」 その言葉に思わず自身の足の間に目をやった球磨が、驚きの声を上げる。 さっき俺があふれるほど放った精液が、割れ目の外へとかなり滴り落ちてしまっているのだ。 雌が騎乗位で雄から搾りとってしまっても、そのあと跨がったままの姿勢でいれば、重力に従って子種はこぼれ落ちる。自然の摂理だった。 「……その、俺を気持ちよくさせようとしてくれて、ありがとうな、球磨。だけどやっぱり、俺がちゃんと自分で動かなきゃダメだ。 球磨にしてもらうんじゃなくて、俺が動いて、球磨が身を起こせなくなるまで気持ちよくしてやんなきゃ」 「提督が、球磨を……」 「ああ。だから球磨、体を楽にしろ。あんまり、恥ずかしがるな」 「ク、クマぁ…………っ」 球磨は最初、女の子らしいためらいと恥じらいを見せつつも、次第に俺にゆだねるように、体の力を抜く。 それを確認すると、俺はゆっくり球磨の体に覆いかぶさり、曲線を愛でるように、 球磨の乳房や、腰や、球磨の体に官能をもたらすだろう場所を撫でさする。 そうして球磨が、安心したような、深い息で呼吸するようになったのを確かめると。 「……じゃ、もう一度、挿れるぞ」 「ん……クマァ♥……っ」 声をかけて安心させる。そして俺の肉茎の前にさらけ出されている球磨の秘肉の中へ、にゅくく、と、かき分けるように差し挿れた。 「……ん、あ、ああぁぁッ……!!」 自分から快楽を貪るため動かすのと、待ち焦がれた快楽が入ってくるのでは、やはり違うものなのか、 球磨が騎乗位のときは上げなかった甲高い声を放つ。 「あ、提督にっ……してもらう、のっ……ふぅっ、す、すごいクマっ……あぁッ!!」 にゅぷにゅぷと、球磨の予想もしない角度で突き入れてやったり、 膣壁を擦る竿の動きに合わせて乳首にも刺激を与えてやったりすると、涙を流して吐息を漏らす球磨。 そんな球磨のむき出しの反応が、俺も嬉しかった。 俺自身も、さっき球磨に跨がられていた時より快感が劣るなどということはない。 むしろ一突きごとに昂ぶりを見せる球磨の愛らしさに、ぞくぞくと、背中から腰まで快感の電流が流れる。反作用のように。 「んうぅっ……てっ、提督ぅっ……く、球磨がちゃんと気持ちよくなったら……あぁっ、子供、ほんとうにっ、出来やすくなるクマァ……っ!?」 「俺もよくはその、知らない……けど、自然な営みなんだから、これでいいんだ、球磨っ…… 二人とも気持ちよくなれるやり方が、自然で、正解なはずだ」 少なくとも球磨の体の反応は、きっとこれだけでも子供を作るには十分だろうと思うくらい、熱心で意欲的だ。 どんなに激しく抜き挿ししても、決して子種を生むソレを離しはしないという風に、肉茎に吸いつき、からみついてくる秘肉。 射精を待ち焦がれ、あるいは煽り立てるように、とろりと愛液をまとった粘膜でつつみこみ、くにゅくにゅと収縮する内壁。 それらの動作をどれだけ球磨が自身の意思で行っているかはわからなかったが、とにかく刺激が繰り返されるたびに、 射精という見えつつある頂点へ向かって、一段一段確実に、登り詰めさせられていく。 「はッ、ああぁぁぁっっ……!! 提督、提督ぅっ……!! なんか……なんかっ……きちゃうクマァっ……!!!」 一方逆を言えば、そんな不随意の運動を繰り返す球磨の体も、限界が近いということなのだろう。 いまや球磨は、俺の手が触れるすべての箇所にこらえがたい快楽を感じるのか、 そのたびにお腹を押すと鳴き出す人形みたいに、切ない吐息まじりの声を上げている。 球磨の反応が俺を昂ぶらせ、昂ぶった俺の動きが、また球磨から好い反応を引き出す。 まったく自然はなんて生き物に都合よく出来ているのだろう。 「いいんだ球磨っ……気にせず受け止めろ、それが、気持ちいいって、ことなんだからっ……!」 「く、んうぅっ……!! 提督は……提督も、気持ちがいいクマァ……っ!?」 「ああっ、すごく、いい……! でも、もうそろそろ……っ!!」 俺が最後のスパートに腰の動きを一段と早めると、球磨もそれに気づいた様子を見せる。 「ひ、ぁああっ……!! 提督っ……! 提督の子種っ、いっぱい、んうっ、球磨の中に……ほしいクマァっ……!! 球磨に子供、作らせてほしいクマっ、あ、ああぁ……っっ!!」 「わかってる、球磨っ……! たくさん作るぞ……っ!! 俺の、俺の子供を生んでくれ、球磨ッ……!!」 「クマぁぁっ……あ、や、ぁん……んっ~~~ぁぁあああっっ!!!!」 球磨がひときわ大きな声を出したかと思うと、背中を反らせて全身を大きく震わせた。 同時にきゅうっと締め付けを強くする蜜壷と、タガが外れたような球磨の乱れっぷりに、俺も完全に余裕を失う。 数回、きつく締め上げる球磨のナカに突き入れた後、最も深くに至った瞬間に、痺れるような快感が腰に走り、とうとう限界を迎えた。 どぷどぷと、球磨の最奥へと思う存分、精を叩きつける。それを待ち望んでいたかのように、球磨の内壁も合わせて動く。 蠕動する蜜壷にきゅうきゅうと揉みしだかれながら、最後の一滴まで搾りとられ球磨に捧げる快楽を俺は味わった。 *** 恍惚をしばし味わいながら、球磨の上に折り重なるように倒れ込む。 隣に横たわる球磨も、深い快楽を感じているような蕩けた顔をしている。 見つめると少し照れたように笑った。 「ふぅ、んっ……提督の、あったかいのが、今度こそじんわりお腹の中に、広がってるクマァ……」 そう言う球磨の様子は、本当にお腹に子供を抱えた生き物のように、おごそかで安らかだ。 引き抜いた後の縦筋からは、わずかに白い液が滴っている。 まるでほつれた縫い目から綿いっぱいの愛を溢れさせるぬいぐるみだった。 まあこうして激しい動きもしなければ、俺の出したモノも無駄になることはないだろうからいいか、なんて思った瞬間。 「ふっふっふ~。提督も、がんばったクマァ、えらかったクマー。クマクマァ♥」 などと連呼されつつ、頭を胸のところに抱かれ、撫でられてしまう。 ……やっぱり球磨は元気である。 俺のしたことと言えば、ほとんど気持ちよさに任せて腰を振ったことにすぎないと思うのだが、 何だかそんな風に球磨にほめられると、自分でも本当に、何かを成し遂げたような気さえした。 そして二回続けて果てたことの疲れもあってか、なんとなく球磨に抱かれるこの体勢に落ち着いてしまう。 「なぁ、球磨」 「クマクマ?」 「その、なんだ……こうしてつがいになったからにはさ、俺も男として頑張るよ。 お前の夫の役目も果たすし、子供が生まれてきたら、ちゃんとした親になる覚悟がある……だから、その……」 両手で球磨の背中をぎゅっと抱き、球磨に身を寄せる。お気に入りのぬいぐるみを抱く子供のように。 球磨の頭と胸の間。球磨の吐息を頭の上で、球磨の鼓動を間近で感じられる、安らぎの場所へと顔をうずめてみる。 「あと少しだけ、球磨に甘えさせてくれ」 「ふふふ~ん。お安い御用クマー」 そう言って球磨が、二人の体がぴったり一つにくっつくぐらいに、強い力で抱き寄せてくれる。 こうすれば二人の体温の間にはすきま風すら通ることなく、やがて寝床の中はぬくぬくした熱で満たされるだろう。 二人の巣になったこの穴蔵の外では、雨がしとしと降っている気配がした。 その他には、球磨と俺の吐息、球磨と俺の心音だけ。あとは、何の音もない。 もしかしたら球磨と俺、二人の他は、誰ももう世界には残っていないような気さえした。 けれどそんな二人の間にも、いつか新しい生命の灯火が宿るのであり。 そして何より。俺は。 「……クマ~……クマ~……」 スピースピー、と。 いつの間にか眠りについた球磨の吐息と鼓動と体温を間近に感じつつ。 たとえこれが世界の終わりでも、球磨の腕の中に抱かれながら、俺は今例えようのないぐらい幸せなのだった。 (了) +後書き 78 :3-91:2014/04/22(火) 01 41 53.94 ID wHbOr9s/ 「球磨のセリフからクマの語尾を取るとすごくカッコいい」との話を聞いて以来、自分の中ではすっかり 『球磨=お姉ちゃん=甘えさせてくれそう』のイメージです。もちろん愛玩動物なクマーも好きだけど。モコモコボンボン! イベントで資源がボロボロになってしまったらぜひ艦娘にたっぷり甘やかされたいものです ちなみにこの話の後は、世界中で人類と艦娘のハーフが生まれて深海棲艦と対話が可能になり滅茶苦茶和解した とかそんなご都合主義ハッピーエンド では長文失礼しました
https://w.atwiki.jp/yaginuma/pages/650.html
神獣提督ギアス・バウド レア 自然 (7) クリーチャー タイタロン 6000 相手のターン中、このクリーチャーが自分の手札から捨てられる時、墓地に置くかわりにバトルゾーンに出してもよい。 自分の名前に「神獣」とあるクリーチャーがバトルゾーンを離れる時、マナゾーンに置いてもよい。 W・ブレイカー (F)生き残った神獣達は星の民に全てを捧げ神獣巨星へと生まれ変わった。 作者 チッサ 評価・意見 提督サイクルが神獣にも! 他の提督たちと違い、手札補充効果がありませんが、マナブーストの手助けとなる効果が付いているため、同じW・ブレイカー持ちのアークデラセルナをどかせるほどの実力の持ち主です。 神獣の専用デッキではもちろん、それ以外のマッドネスデッキでも十分に活躍できるカードですね。 柳 収録セット DM--4 伝説編 第3弾 伝説終焉
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/388.html
「遅いぞ。…なんだその顔は」 古めかしい板張りに朝の冷気が心地よい、早朝の舞鶴鎮守府内・修練場。 そこから一段降り、弓道場も兼ねた庭場に、飾り気のない簡素な道着を来た艦娘の姿があった。 「…まさか今日、普通に朝練してるとは思わないじゃないの」 油断して寝過ごし、いつもより30分ほど遅れて現れたもう一人の艦娘は、抜身の木刀を一人振るっていた相方に向かって口を尖らせる。 「いつも言っているだろう。私のような弱い人間には、地道に毎日続けるということが大きな心の支えになっているんだ」 「良く言うわー。アンタが弱いってんならここの艦娘はほとんど戦力外だわよ」 「そんなことより早く用意をしろ。素振りばかりでは修練にならない」 手ぬぐいで額の汗を拭いながら板張りに上がってきた日向に背を向け、伊勢は立てかけてある木刀を取る。 「はいはい。…つっても、今日ばっかりはヘタなケガさせるワケにはいかないのよね…」 「なんだと?らしくないことを。遠慮なんかしてくれるな」 「あたしが後で皆に怒られるでしょーが!」 本気で首をかしげる相方に、ため息を付きながら首を振る伊勢。 ――本当にこいつは、今日自分が何をする日なのか分かっているんだろうか? *** 「時間だな。――ありがとうございました」 型通りにぴっと頭を下げるその姿は、美しくないと言ったら嘘になるだろう。 「ありがとうございました。で、今日は遅れる訳には行かないんだからね。きちっと予定開始時刻までに現地に移動しなさいよ」 「分かっている、大丈夫だ。今日は一級主力として、役目をきっちりと果たさせてもらう」 悩む時期はもう過ぎた、と。 気遣うような、やや心配気な表情の相方に向かい、軽く微笑んでそう呟く。 見たことのない表情だ、と伊勢は思った。 「明日の朝も――」 「明日の朝は、アンタは来ないんじゃないかな」 賭けてもいいよ、とにやにやしながら伊勢は言った。 私の話をちゃんと聞いていたのか、と日向は若干むくれて答えた。 *** 高い高い蒼空。 笑顔で祝福してくれる、仲間たち。 幸福と慈愛に満ちた態度でエスコートしてくれる、――愛しい人。 こんな日が来ることを、一体誰が予想しただろうか。 「すごい――綺麗よ、日向。今日の貴女は、間違いなく、世界一美しい軍艦だわ」 そう言われても、なんと答えていいか分からない。柄にもなく頬が熱く、頼りない純白の艤装の奥で、胸が高鳴るのを覚える。 「――美しさと強さを両立した扶桑型の一番艦に誉められるとは、光栄の到りだよ」 いいえ、今日は素直に負けを認めるわ。華のような笑顔でそう答えた彼女は、ブーケ・トスを受けるべく祝福者の輪の中に下っていった。 仲間たちに背を預け、全艦隊の旗艦を務めるかのような錯覚を一瞬、覚えた後―― 慣れない指輪の嵌った手で、彼女はブーケを背後の虚空に放った。 *** 「しかし――物好きだな、キミは。本当に私で良かったのか?」 「何回同じことを言わせる気だい?」 ベッドの中で抱きかかえられる、顔が近い。 かつて、いや、今も上司である人。提督。 私は今日、この人のものになった。 何らの実感はないが、独特の安心感はあった。まずはそれでいいか、ととりあえず日向は思った。 「これ――傷かな?」 肩のあたりの古傷を見つけたらしい。 「あいにくと、誰かに差し上げるつもりなど無かった身体でね」 今さら失望されても困るぞ、と日向は言った。 しかし。優しく抱きしめて唇を合わせてくるその反応は予想通りで――少し卑怯なやり方だったかもな、と日向はぼんやりと思った。 「…ん…」 互いに舌を絡め合う。燃えるような溶けるような、本能の予感。 相手の興奮を感じる息遣いが、更に自分を高めてゆく。 ほとんど全てのことは、邪魔な理性と共に思考から追い出されていった。 *** 一糸まとわぬ姿にシーツを手繰り寄せてベッドの上に座った日向の背を、提督の指が背を撫ぜる。 「ここにも傷がある。本当にたくさんあるね」 無神経といってもいい言葉だったが、全く気にはならなかった。人徳故か、はたまた――惚れた弱みか。 「正面も。見ていい?」 囁くような声。断れるはずがない。 他の誰にも晒したことのない双丘を、熱意と好奇心に溢れた表情が見つめる。 最初はおそるおそるという風に、やがて大胆にやわやわと愛撫する提督の感触が、視線が、――たまらない。 「提督…あまり見られると、恥ずかしいんだが」 「…本当、可愛いな。日向さんは」 日向さん、というのは嫁になっても継続するつもりなのだろうか。 嫁、という単語が平然と脳内に現れたことに、自分で軽いショックを受けていると―― 「…んぁっ」 色づいた左胸の先を、指先がぴんと跳ね上げた。痺れるような感触が頭頂を突き抜け、おかしな声が漏れる。 「て、提督、そこは…ぁ…」 意外にも無骨な指が、しっかりと日向の感じる場所を捉え、甘く切ない感触を脱力するほどに伝えてくる。 右乳房の下から先端までを爪先でなぞられ、総毛立つ感覚に思わず背を反らし、短い髪がふるふるとうなじを撫で擦る。 脇のあたりからちろちろと攻めてきた提督の舌先が、これまでに経験のないほど固く屹立した日向の乳首を掠め、焦らし、 「ぅあぁぁっ!」 ――それをついに咥えられ口中で転がされた瞬間、日向は快楽に一際高く啼いた。 「あっ、あ、はっ…あぁぁ…っ」 指が腰をなぞり、首筋に触れ、髪を撫ぜる。 そのたびに発せられる、刺激と快楽をねだるような、みだらな雌の声。 快楽に喘ぎながら、次々に女を目覚めさせられる自分。 ――伊勢には見せたくない姿だな、という思いがちらりと頭を掠めた。 *** 「あっ?!」 全身に及ぶ愛撫にくったりと力も抜けきった頃、その手が唐突に、片方の膝裏を持ち上げた。 とろとろに熱く焦らされてしまった秘肉に、指先が触れてくる。 「ここも、綺麗だね…日向さん」 「やだ…ぁっ」 つぷ、とさしたる抵抗もなく、濡れた谷間に提督の指が第一関節のあたりまで浅く埋まった。日向の身体がびくりと震え、それにもまして心が期待し、逸る。 ゆっくりと襞を押し開き、狭い膣内の壁を味わうように、心地よいそれが自分の中をなぞり、抜かれ、――再び、今度は根本まで、深く、深く。 「――くっ、あっ、あっ、」 半身を寝床に押し付けて、高く開かれた脚をわななかせながら、自分の性が、反応が、くちゅくちゅと隠微な水音を寝室に響かせる。 「や、あっ、それ、気持ちいい…気持ちいい、ていと…く…っ!」 片足を抱えられたまま、指先を出し入れされ、肉芽をぬるぬると摘まれ、もはや理性など欠片も残っていない。 シーツを握りしめた左手に、更に力が入る。 「そろそろ、いいかな…少し、痛いかもしれないけれど」 こんな疵物の身体でも、欲してくれるのか。――愛して、くれるのか。 得体の知れない温かさが、腹の中から上がってくる。 好きだ。繋がりたい。――このひとと。 「いいぞ…乱暴でも、激しくても……思うように、愛してくれ。提督」 開いた両膝を立て、両手を伸ばして誘い入れる。提督が、日向の白い身体に覆いかぶさる。 「――うっ、くっ…」 熱くて固いそれを自分の中に受け入れた瞬間は、かすかな違和感と痛みに呻いたが。 「日向…さん…」 「大丈夫だ…もっと、奥まで来てもいいぞ」 やがて獣のように足を絡ませ、互いに自分からくねる腰を打ち付け合い、唇を合わせ、互いの体温を感じて、 「…っ、ふぅっ、うぁ、ぁっ…」 ぬちゅ、ぬちゅ、と巨きくて温かいそれが胎内をこするたび、これまで想像もしたこともない、痺れるような快楽が背筋を駆け上り、 「提督、もう、ダメだ、き、気持…よすぎ…、う、あぁん――!」 「っく…日向…さん…ッ!日向さん、日向さんっっ!」 やがて最高潮の快楽が、びくびくと提督の自身を震わせ、精を自分の中に放たせた瞬間―― 呼吸すらも続かない悦楽の中。 日向は、幸福とは何かをはっきりと知ったような気がした。 *** 「――好きだよ、日向さん」 「私も――と、言ってやればキミは満足するのかな」 結局、何度身体を重ねただろう。心地よく火照った頬を、彼の胸に押し付けた形で呟くような睦言を交わす。 「病めるときも健やかなるときも、真心を尽くすことを誓いますか?」 「それはもう、昼に誓うと言ったろう。私は」 「中破状態での無理な進軍は、今後しないと誓いますか?」 「――あのな。私は戦艦だぞ。武人だ。攻めるべき時に生命を惜しんでは――」 「誓いますね?」 もう君一人の身体じゃないんだよ、と提督は言った。 その言葉に秘められた意味を悟り、日向には言い返す言葉はなかった。 「ま、その時は秘書艦としてそばに居てくれればいい。君がどう思ったとしても、殺気立ったみんながきっと、君を戦場には立たせてくれないだろう」 「それは――なんだかくすぐったいな。この私が、守られる側になるなんて」 それこそ、想像もしなかった未来だ。 しかし自分はもう、その道を選んでしまったのだ。 「分かった。誓うよ。――それで、キミは何を誓ってくれるんだ?私だけってことはないだろう?」 「取っ組み合いの夫婦喧嘩は、一生しないと誓います」 日向はまるで少女の頃のように、声を上げて笑った。 「さて、…そろそろ離してくれ。朝の修練に行く時間になってしまった」 駄目ー。と、普段の姿からは想像もつかないような声でぎゅっと自分を抱きしめた提督の姿に、思わず眉間が寄った。 「こら。こんな甘えた男を、旦那にしたつもりはないぞ」 やだー、と同じ声が応える。こんな姿、他の艦娘が見たらどう思うだろう。 「それは命令か。提督としての」 「いいえ。愛する夫のお願いです」 「それなら――」 伊勢は正しかった訳か。 彼女の笑いが目に浮かぶようだったが――愛しい人と唇を合わせた瞬間、そんなことはどうでも良くなった。 これまでと殆ど同じで全く違う、新しい日々。 これからはこの幸福を、いつまでも続けるための努力をしてみようか、と日向は思った。 (End.)
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/359.html
87 :北上×提督:2014/04/25(金) 02 16 55.76 ID eNyf9BLw 「提督……」 か細い声に振り向くと、先日重雷装巡洋艦からさらに改二へと改造を果たした北上が立っていた。 出撃や工廠での調整以外、鎮守府では艤装の所持を許可していない。 扉の前に立っているのはただの人、北上という一人の女性でしかなかった。 ふと思い立ち、自らの懐中時計に目をやると針は日付が変わる頃を指している。 「どうした、こんな時間に。珍しいな、消灯時間はとっくに過ぎてるぞ?」 「うん、ごめん。でもなんだか眠れなくってさ~」 机に向き直って書類を集めながら、北上が起きている理由を考えてみる。 冷静に考えてみれば珍しいこともあったものだ。 大怪我して帰ってこようが、一日中ごろごろしていようが、北上はいつも決まった時間に寝ている。 もとい大井と同じ部屋に入れば、寝るなと言っても気付けば二人で抱きあって寝ている。 我らが鎮守府の名物、仲良し重雷装巡洋艦コンビ。 仲の良さが間違いなく目覚ましい戦果に繋がっているのは非常に喜ばしいことだ。 だからこそ珍しい、大井と起きているわけでもなく単独で北上が起きているのだから。 「大井はどうした?」 「んぁ~、大井っちは部屋で寝てる」 「なおさら珍しいな、いつも二人で部屋に入れば電気が消えているところしか見ないのに」 「それは少し失礼じゃない? 人の事をいつも寝てるみたいに……」 「ははは、すまんすまん。どうした? 何か俺に用があってきたのか?」 「ん~、まぁね~……少し」 書類をまとめて立ち上がり、半身振り返ったところで一瞬頭が回らなくなってしまった。 廊下からの逆光で見えなかった北上の姿が目に飛び込んでくる。 改二になったのと同時、北上は若干服装が変わった。 服の色調が全体的に明るくなり、上着の裾が短くなったおかげでへそは露出している。 艦娘にとって中破、大破で服がお釈迦になることは決して少なくない。 出撃から戻ってきた艦隊を出迎えれば、全員そろって服が破れていることもある。 「あれ、どうしたの? 提督、目が点になってるけど?」 「あ、あぁいや、何でもない。なんでもないぞ」 「……ふ~ん?」 怪しむように細められた北上の視線が突き刺さる。 見慣れていたと思っていた露出も、帰還直後ではなかったり艤装がなかったりするだけでここまで違うものか。 しかしこちらの視線を捕えて離さなかったのは、へそでも太ももでもない。 寝る前だったせいか、普段から結っている髪を全て解いた北上の姿だった。 「北上、今日はその、あれなんだな。髪の毛はまとめてないんだな?」 「髪? うん、寝る時まで結んでたら邪魔だしね~、変?」 「へ、変だなんてそんなこと――!?」 変なことなんてない、むしろ普段のそっけなさからは想像も出来ないほど綺麗だった。 長い長い黒髪は北上の腰辺りまで伸び、山の裾野のように広がっている。 歩き出した北上の動きに従い、左右に軽やかに揺れる髪は艶やさを見せつけてくる。 露出したへその背景のように広がる髪と北上の白い肌とが重なり、色白な肌は純白に輝いているようにさえ見える。 艦娘? 否、今、目の前にいる北上を確かに女性として意識してしまっている自分がいた。 「ま、待て待て北上。何か用があって来たんだろう?」 「そうだけど、提督、何慌ててるの? 顔赤いんだけど……まさか提督、私のこと気になってんの?」 ギクッ、なんてありきたりな擬音が心臓から響いた気がした。 すぐに分かる、表情どころか身体が凝り固まったように動かなくなってしまっている。 さして広くない執務室、北上が僕の目の前に来るのに時間は掛からない。 顔が熱い、普段見ない黒い長髪をなびかせる北上にここまで心が揺さぶられるとは思わなかった。 もうばれないはずがない。 北上は僕の目の前で足を止めて、まじまじと顔を見つめてくることほんの一拍。 自信に満ちたような笑みを浮かべ―― 「そりゃあ趣味いいね、実にイイよ! 提督!」 「ちょ、北上、止まって、やめっ!」 むにゅ、ふわぁ、ぎゅうう……男でよかったと思う瞬間である。 倒れこんできた北上の胸元に、柔らかなぬくもりと同時に幸せがあふれ出す。 入渠後ということもあって長く揺らめく髪から、風呂上り特有の石鹸のような甘い匂いが鼻を包む。 腰に回された北上の細い腕なら簡単に振り払えるはずなのに、万力のような力強さを感じる。 あぁ、許せ、呆れてくれ北上――僕はお前で女の子の柔らかさを満喫してしまっているのだ。 今では下がることを許さない大きな机に感謝すらしてしまい、今の状況を楽しんでしまっていた。 「あ~……なんか、すっごい落ち着く……」 「そ、そそそ、そうでございますか?」 「提督は落ち着かない? 私はすっごい落ち着くんだけどな~」 落ち着くわけがない、落ち着けるわけがない。 一歩間違えれば、露わになっている北上のへそに主砲がご挨拶しかねないのだ。 そんなことをすれば大井と北上の酸素魚雷が、愚息ごと僕を海へ葬るだろう。 しかしこちらのことも露知らず、北上は追い打ちと言わんばかりに恐ろしい事を言い放った。 「提督……」 「は、はい?」 「私とちゅーして?」 「……はい?」 「女の子に二回も言わせる気? ほら、ちゅーして」 北上はそう言いながら若干背伸びと同時に目を閉じ、唇を突き出してくる。 あまりにも無防備、そして可憐な目の前の少女に僕はどうすればいいのか分からなくなっていた。 +後書き 89 :北上×提督:2014/04/25(金) 02 18 32.66 ID eNyf9BLw 今のところはこんな感じです 駄文の癖に中途半端で申し訳ないですけど、書けるなら続き書きたいな~と思ってます キャラ崩れたりしてたらごめんなさいな
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/539.html
「翔鶴と、提督の決断」 「翔鶴と、提督の決意」 コメント 最新の30コメントを表示しています。 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/396.html
139 :139:2014/05/20(火) 23 21 54.02 ID FIAR9bk5 提督×浜風9-43と提督×浜風9-174に浜風ものを投下した者です。 あれの最終話を書いたのでこれから投下します。 140 :139:2014/05/20(火) 23 25 12.03 ID FIAR9bk5 1 シーツの縒れを手元に見て、せり出す嬌声は枕にくぐもる。下手な息継ぎの度、胸を満たす枕の香りがより一層の恥辱を煽っていた。 水音の響きと連動するようにして腰が婀娜やかに蕩揺し、淫らな雫がつぅと大腿を滑っていた。後には蛞蝓の這ったような光沢が一直 線に刻まれて、そのこそばゆさに思わず掌の力が強まった。浜風は四つん這いの体勢で、彼からの刺激をただただ無抵抗に受け続けて いる。 朱の孔は熱く、時折呼吸するように蠢いた。まるで童女のそれと違わないばかりであった彼女の女陰も、毎夜のように施された悦楽の 指教によって、今や爛熟の滴りである。 彼の指先は、肉芽の上を叩くようにして刺激した。まるで掌が腰を支えるように添えられて、中指の全体は陰唇に埋まっている。跳 ねた愛液は彼の手首までをも汚し、尚一向に留まりはしない。 背筋から腰にかけて、電流の流れたような痙攣が彼女の絶頂を示した。くたりと仰向けにへたり、柔らかな乳房は胴の上、重力によ って平たく潰れる。彼女は顔を背け、目尻に重なるように腕を置き、荒い息をつくだけになった。そしてやはり、提督はそれ以上手を 出す事もせず、クリネックスを取りに立ち上がったのだった。 今回で何回目の伽であるのか。終わった後にはじっとりと汗ばんでしまう季節になって、だが胸を刺す寂寥は、未だに亭々と根を張っ ている。この切なさを恋を認知するに浜風は存外時間を要した。いや、今でも深層の部分においては認めていないのやも知れない。彼 女が思い描き正道とした恋心は、春水沸き出ずる果て、清らかに咲く一輪の花のようなものなのである。微恙の際の熱と似たものが、 ぽっと胸底に燈った時、それこそが真正の恋であるのだと夢想していた。故に情欲をきっかけとしたこの想い、穢れの中に生まれた感 情を一絡げに定義するのは憚られた。 愛して欲しい。そう心の中で独り言ち、途端憂鬱に苛まれる。自身が酷く驕慢な、醜いものに思われた。求められたいという欲求が 切なく胸を締め付けて、ますます自己嫌悪の陰気に当てられる。 提督が褥に戻ったのを横目に見て、彼女は身を起こした。怪訝な視線を受けながら首に腕を巻きつけると、持ち上げた体を再び蒲団 へと寝かした。引っ張られた彼は堪らず腕立て伏せのような格好で彼女の上にしなだれて、それは端から見れば押し倒した風にも見える 状態であった。 「キスを、ください」 真剣でいて悲壮の色を湛えた瞳が、突き刺すように彼を見る。息を飲んだ提督は、だがやはりそれを憫殺した。 額に唇が押し当てられる。そうして前髪を梳くように撫でてから、彼は身を捩り隣に寝転んだ。視線を交わす事も無く、たったそれ だけで終わりである。 胸を開いて中を覗き見る事が出来たならどれだけか楽になれるだろう。諦観と少しの願望を乗せた溜め息が、口から独りでに漏れ出 した。浜風は提督を信用してはいなかったが、失望をしているのでもなかったのだ。何時か、いづれ何時かはと、彼の優しげな愛撫にその 先を幻想しながら、一方では口惜しさに歯を食いしばる。彼にパジャマのボタンを閉じてもらう度、競り上がる涙を堪えながら拳をぎ ゅっと握るのだった。 あなたを殺して私も死ぬ。この頃、彼女の頭の中にはこの短文が居座りだした。浅ましい甘ったれの、エゴイスティックな人間が使 う台詞だと自覚しながら、しかし彼の顔を見ると知らずの内に心内で唱えてしまうのである。あなたを殺して私も死ぬ。あなたを殺し て私も死ぬ。あなたを殺して私も死ぬ、と。 心中の美学は、この国に生まれた者ならば生まれつきに理解している事柄なのだろう。かつて死に行く皇国のため、仲間のために自 らも海中へ没した彼女は、それを醜悪とは思わなかった。むしろ、純粋な恋。春水の沸き出ずる……に近似した究極の白壁。微瑕一つ も有らざりき、誠の心。そう思われた。 浜風は彼の手を取ろうとして、しかし止めた。 141 :139:2014/05/20(火) 23 27 53.31 ID FIAR9bk5 2 子の刻。夜の重たい静けさを裂く、賑やかな談笑の声があった。間引きに付けられた蛍光灯が廊下を薄暗く照らす中、唯一食堂だけ は真昼と思えるほどの目映さを放つ。 限定海域攻略完了の祝いとして開かれたこの酒宴は、その姦しさの峠も越え、ぽつぽつと自室へ帰る者の姿も現れだした頃合である。 こと駆逐艦の大半はその姿を消していたのだが、唯一浜風だけは提督の隣に座り続けており、その雰囲気たるや沈欝の極みであった。 彼女は視線を虚空に固定しながら冷えたグラスに唇を当て、中のモスコミュールを舐めるように飲んでいた。他方、提督は思い出し たように声を掛けるが、どれも無視をされるか一言相槌を打たれるばかり。酔いも回りだした頃には何やら無性に苛立ちが募り、日本 酒を手酌してはその感情を無理やり腹底へ下している。 壁掛けの時計を眇め見つつ、提督はとうとう痺れを切らすと、 「僕はもう寝るけど……」 と言った。引き止めて欲しかった訳でもなく、ただ報告しておこうというような心緒である。最後に口を開いてから既に一刻は過ぎ ており、ざらついた喉が不快な音を発した風だった。 「そうですか」 果たして浜風の反応も平坦の極み、清閑な湖の水面が如く起伏の一端もありはしない。提督は憮然と立ち上がると、早足にその場を 後にした。 彼の背中を眺め、浜風の心内には猛然と湧き出すわだかまりがあった。悲観の憤怒と諦観の絶望とが、体に巡るアルコールの熱に火 をつけたようだった。上ずった気が何が何やら分からない内に涙となって溢れ、堪え切れなかった幾らかの嗚咽がしゃっくりのように 零れ出す。噛み締めた下唇は真っ白に、濡れる眼は真っ赤になった。 競り上がろうとする嗚咽を何とか飲み込んでいると、力の込もる拳や肩が独りでに震えだす。それが厭に無様に思われて、恥辱の涙 をも混ざりだした。浜風はグラスの残りを一気に呷り、うずくまる様に下を向いた。 どれほどか時が過ぎ、涙は留まる事を知らないが呼吸は落ち着いてきた頃合、隣に腰掛ける艦娘がいた。右手には冷酒の徳利とお猪 口が二口、左手には荒く千切られたキャベツ盛り。唯でさえ露出の多い服を更に乱しながら、武蔵は朗らかな笑顔で席についた。 「浜風よ。貴様、まだこういうのは知ら無いだろう。まぁ飲め」 差し出したおちょこに並々と透明の雫を注ぎ入れ、彼女は開口一番にそう言った。体中の元気がごっそりと消え去っていた浜風にと って、その絡み方は何とも煩わしいものであったのだが、わざわざ遠慮すると言うのもそれはそれで面倒くさく思われ、逡巡の後に結 局は渋々、その小さな器に口をつけた。 焼かれたのかと思えるほどの膨大な熱が、一気に胃の底へと駆け下りた。切羽詰った浮遊感が呼吸を乱し、しかし不快な感触ではな い。目の覚める強烈な苦味が舌の上で踊り続け、それは刺青のようにずっと刻まれたままであるようだった。 形容するならば、多幸感である。忘却の彼方へ打ち捨てられていた胸の温かみが、じんわりと体に広がってゆく。たちどころに良く なる機嫌をどこか不気味にも感じながら、しかし気持ちのいいことに変わりは無い。悲観や苛立ちは流され出て行き、唯一残った負の 感情は、してやられたという悔しさだけである。得意げな顔つきの武蔵を恨めしく見ながら、彼女は杯を置いた。 「もっとください」 そうして、待ってましたと言わんばかりに、徳利は傾けられたのだった。 142 :139:2014/05/20(火) 23 31 03.34 ID FIAR9bk5 「提督と何かあったのか」 自身も杯を呷りながら、武蔵は浜風を横目に見、窺う声音にそう聞いた。当人は気が付いていないようであったが、先ほどの落涙を 見た者は存外に多く、そしてその誰もが聞きたいであろう質問でもあった。 武蔵には別段、それを言いふらそうというような魂胆は無かった。あるのは好奇心と彼女への配慮のみである。しかし浜風は気丈に も顔を上げ、空元気に答えたのだった。 「いえ、別になんでもありません」 「よく言うぜ……。まず目の充血をどうにかしてから言うべき台詞だな」 「少し、酔っ払ってるだけです。提督は関係ありません」 彼女がそういった方向について厭に意固地になることを、武蔵とて心得ていた。懐柔に時間を惜しまず、兎に角酒を注ぎながら辛抱 強く聞いてゆく。どれだけ強大な意思があろうとも、本能の方は内包している思いをぶちまけたいはずであった。なれば、酒さえあれ ば何れか理性が頽れる。果たしてその目論見どおり、彼女の口はお猪口の呷られる度、徐々に徐々にと緩くなっていったのだった。 二本の徳利が空になる頃、浜風の瞳は再び潤みだしていた。口から漏れ出す提督への呪詛。最初こそは抽象的な、ただ言いたい文句 を連ねただけだったそれは、次第に同情や憐憫を売りたい為に、より事実の暴露に迫っていった。武蔵がうんうんと気前良く聞いてく れる事もあり、とうとうその全てを告白しなくてはもう恨み言も言えない段になると、浜風は意を決し、事のあらましを口に出し始め た。 あの口淫や、自慰や今の半端な同衾関係についてである。羞恥も惨めも打ち捨てて、赤ら顔に告白し続けた。 まさかそういった所にまで発展しているとは思っていなかったのだろうか。武蔵は目を見開き、唯何も言わずにそれを聞いていた。 「私、提督の事が好きみたいなんです」 最初、明るく始まったその物語も、結びの文言に至ると余りに重苦しい悲惨さ。息の詰まるような激情を冷静さの奥に見出して、武 蔵はため息をつかずにはいられない。彼女の瞳に映る純真と、表情に顕れるくたびれが痛々しく思えてならなかった。 絶対に報われない恋慕である。本人にも自覚があるらしい事が、なお一層不憫であった。痛みを伴わない解決の機会は永遠に失われて おり、あとはどれだけ傷を浅く済ますかという不承の始末だった。武蔵はお猪口を呷ると、一口に飲み込んでから口を開く。 「まだこの艦隊に来て間もない頃の話だがな、今の貴様みたいに練度向上を目的として秘書艦をやっていた時期があった」 浜風はあの痛ましい眼を向け、無言に話の続きを促した。前口上を終えてしまった今の段になって今更席を立つことはできないと知 りながら、武蔵は逡巡に口を閉ざしてしまう。 果たして自らが終端のきっかけとなってもいいのかと自問した。これから話す内容によって、浜風のもしかしたらという希望は呆気 なく潰えるだろう。客観視して間違えなく最善だった。しかし苦しみの伴う事も明白である。決断は、疎ましくも自身に委ねられてい た。 十秒は経った後、彼女はおずおずと話を再開した。心内では謝罪を呟きながら、平然とそれを口にする。 「提督に押し倒された事があった。その時は酒も入っていたし、私とて別段嫌ではなかったのだがな。……まぁ、色男だ。決して尊 敬はできないが、魅力はある。まぁいいかとも思って、なされるがまま好きにやらせていたんだが……。あいつ、私が処女だと知った 途端に止めやがった」 143 :139:2014/05/20(火) 23 33 49.19 ID FIAR9bk5 そこまで一息に言い切って、武蔵は浜風を盗み見た。今、彼女の心が一体どれだけ荒れたのか。口を堅く結び、無表情に見つめるそ の様子からは一切憶測もできはしないが、尚それでも覚ろうとした。 虚ろな視線に薄ら寒い思いを抱きもする。しかし武蔵はあくまで彼女を案じ続けていた。嫌悪をされたとしても、事実の客観を意識さ せることこそが唯一残された救いへの道。そう考えていた。 「あいつは慣れすぎているんだよ。女心を弄ぶのは得意だが、気遣うことは一片もできやしない。提督職を追われたなら、まず間違 いなく男妾になるぜ」 浜風の胸の内に、男妾。その一単語がずんと響いた。今驚くほどの心の粛然。その裏に燃え上がる嫉妬や落胆はそのまま、何故だか 男妾という言葉が残響するように胸を打った。 まさしく提督の性質だと、感心にも似た清々しさが感じられた。彼女は、自身がどこか集合住宅に住まい、提督が居候している生活を イメージした。尽くせども尽くせども言い寄る女を邪険にしない彼は、ふらっと外へ出ては遊戯する。愛想尽き果て打ち捨てる事がで きたなら良いのだろうが、なまじその男妾の性質が楔である。何時までも期待を抱き続け、そして破滅。そういった物語が克明に再生さ れたのだった。 「あんな男、真剣になればなるほど損しかない。早く諦めたほうが良い」 纏められた終わりに、確かにそうだと同意した。あんな男は打ち捨てたほうが良い、何の得にもなりはしないと思えども、しかしど うしようもなく惹かれる心。……魂と呼んでもいいやもしれない。彼を欲する感情は、ひたすらに強大で堅牢だった。彼さえあればそ れでいいと、彼が愛してくれるのならばそれだけで全てが満たされるのだと、心内で増殖する渇望は、完全な理屈をもってしても制圧 叶わないように思われた。 「……どうやったら諦める事ができますか」 顔を伏せた浜風に、武蔵は間髪入れず答えた。 「まず何より、もう逢わないことだな」 144 :139:2014/05/20(火) 23 37 12.17 ID FIAR9bk5 3 蠅取り蜘蛛の足音さえ聞こえそうなほど静まり返った執務室。その窓際に立ちながら、提督は一人キャスターマイルドを喫んでいた。 一人の時にしか喫煙しないのは、勿論艦娘の健康を考えているからでもあるのだが、最大の理由は女々しい銘柄に魅せられていること への羞恥があった為である。かなりの昔、海軍兵学校にいた頃の話であるが、初めて買った娼婦から銘柄を揶揄されたことがあった。 JPSを愛喫していたその女からすれば、どんなパッケージを見たところで子供の遊びにしか思えないのだろうが、まだその時分、不 慣れの純朴な田舎上がり。精白に近い心は大いに傷ついて、以来人前でタバコを吸うのに抵抗を覚えるようになったのだった。背伸び してタールの多いものへ乗り換えようとした時期もあったが、バニラの甘みが無いと何とも口寂しく苛々も募る。中毒なほど多く吸う わけでもなく、結局はキャスターを愛飲し続け今に至る。 一人広い部屋に閉じこもると、何とも集中の切れやすい提督であった。秘書の浜風は珍しくも大破。入渠に掛かる時間を見、練度の 高まりが意識された。お小言を言う艦娘がいなくなれば元より自堕落な彼であるから、積まれた書類は見て見ぬふりをし、開けた窓か ら朱に染まる岸辺を眺める。吹き込む風の湿り気に、梅雨の気配が感じられた。 つと、扉をノックする者があった。提督は大仰に背筋を震わすと、慌てて煙を扇ぎ吸殻を外へと投げ捨てた。別段、喫煙しているこ とそのものを秘匿にしていたつもりも無いが、どこかこれは疚しい事なのだとも思えている。少し待てと大声に返答し、スプレーを吹きか けてから椅子に座った。さも執務に忙しい風を装い、万年筆を手に取って入れと言う。 戸を開け目に付いたのは、大胆な白さらしに褐色の肌。颯爽と入室した武蔵は 「邪魔するぞ」 と一言、執務机の対岸に立った。 「何か用か?」 「いや何、“浜風の奴がいる前ではできない話”だ」 「……お説教かな」 威圧を不敵な笑みに載せ、射抜く視線は凄みに煌く。提督は背筋に冷や汗が滲むのを感じながら、腕を組み佇立する彼女を窺い見た。 「何でも貴様は、私と気まずくなるだけでは飽き足りないらしい」 「別にそういう訳じゃない」 「ならどういう訳なんだ?」 提督は一瞬、何かを言いたげに口を開けたが、そのまま黙し顔を伏せてしまった。どういうつもりかと問われても、特にどういうつ もりもないのだから、答えようも無かったのだ。浜風が望んでいる事は知っていて、だがそれを叶えるのは嫌であった。ならどうして 毎夜遊戯するのかと言われれば、それもよく分からなかった。謗られるべき悪行なのだろうし、そういった自覚もある。しかし、いつ の間にか気が付いたら習慣化していたのだから、もうそれは仕様が無いじゃないかとも思うのだ。 「分からない」 静寂の意識された頃、彼は正直に答えた。 「言うと思ったぜ」 すかさずに吐き捨てたれた言葉の語調には、呆れと怒りが垣間見えた。武蔵は続けて、 「お前、そんな調子じゃいつか刺されるぞ」 「実は昔、ここに着任する前なんだけど、住んでた下宿に包丁を持った娘が来襲した事があってね」 「経験済みだったのか」 「幸か不幸か死にはしなかった。……なんで僕はこう、好かれてしまうんだろう。嫌ってくれたほうが楽なのに」 「よく言う。寧ろ積極的に関係を持ってるのはお前の方じゃないか」 提督は再び沈黙という逃避、部屋には武蔵の来るより前とまったく同じような静寂が広がった。その場に立ち続ける彼女と、ペンを 握り顔を伏せた彼の足元を、ゆったりとした時間が無意味に通り過ぎていった。 145 :139:2014/05/20(火) 23 40 18.66 ID FIAR9bk5 「貴様のせいで私は疵物」 どれほどか経ち、沈黙を破った武蔵の呟きは、耳が静寂に慣れてしまったせいかかなり大きく聞こえた。声音に怨みは無く、ただ寥々 たる響きである。 「最後までした覚えはない」 提督はすかさずにそう言った。 「だからこそだよ。あの後私は一人外で飲んで……。まぁ、顔には自信があるんだぜ。引く手は数多。一番マシな奴を見繕ってな」 「おい、冗談だろう」 珍しくも彼の顔つきは険しくなっていた。それを見ると武蔵の心内には途端、愉快な気持ちが沸いてきて、何時もの笑みから更に口 角が吊りあがった。 「貴様が処女は嫌だって言ったんだぜ?」 「別にそうとは言ってない! あれは……僕がただ臆病なだけだったって話じゃないか」 「なんだ生娘は嫌う癖に独占欲はあるんだな。つくづく度し難い奴だ」 「からかうなよ」 必死な声音にとうとう堪えきれなくなると、彼女は腹を抱えて破顔した。目尻には涙が浮かび、床へ悶え転びそうなほどにふらついて、 ひたすら喉を振るさせている。 「お前、僕を馬鹿にしてるな」 「すまんすまん」 「嘘だろう、それは。僕をからかいやがった」 「どうだろうな。……確認してみるか?」 笑いを引き摺り高い声でそう言うや、彼女は早足に机を回り、提督の側まで近づいた。狼狽し慌てて椅子を引く提督の姿。それを嘲 謔する心地に見て、横合いから体躯を滑り込ませる。肩に手をかけ背もたれへぐいと押さえつけると、情交への興奮、眠っていた嗜虐 の心が悦楽への欲望を燃え上がらせた。 「ほら、脱がせてくれ。……あの時みたいに」 彼女の体躯がしな垂れかかり、提督の胸板の上では柔らかな乳房が押し潰される。熱い吐息が頬を撫ぜ、それは次第に下へと下がっ ていった。顎を過ぎ、首筋を滑り、そして首根に到達すると温い柔らかさが愛撫を始めた。人の最大の弱点へ人の最大の凶器が迫る。不 安や恐れ、どこと無く胸騒ぎがして落ち着かないこの感覚こそ、首へのキスの本質的快楽であると思われる。信頼という保証があるに しろ、自身の生命を完全に預けるという危うさ。相手の支配に堕ちるという悦が、背筋をすぅと駆け下りた。 提督は彼女の背中に手を回し、さらしの横筋一本一本をなぞった。時折敏感な所を指が滑ると、肩が僅かにぴくりと跳ね、口の隙間 からは、か細い声が漏れ出した。どこか羞恥があるのか、そういった反応を寄こした彼女は直後には首へ強く吸い付き、朱の跡を刻み 込む。 悪戯に仕返す悪戯。子供の遊戯のような睦み合いは次第にその淫靡さを増してゆく。鎖骨にまで唾液の垂れる頃、武蔵は顔を上げる と濡れ光る唇を彼の口へと近づけた。開いた隙間から舌が探りを入れるように進入すると、彼もまたそれを向かい入れる。踊るように弄 り合い嬲り合う紅は、段々とその水音を大きくさせていった。 一度離された口の両端に、雫の橋が掛かった。それは行為への名残惜しさを代弁するが如く粘性を保ち、そして遂には自重で崩れ落 ちた。 「煙草、吸っていたんだな」 「ああ」 「……脱がせてくれ。今度は最後まで」 提督は再び彼女の口へ吸い付くと、さらしの結び目に指を掛けた。 146 :139:2014/05/20(火) 23 43 17.50 ID FIAR9bk5 4 のぼせた頭の疼痛に息を荒らげながら、浜風は服を着込んでいた。 酒宴での警告はしこりとして胸にわだかまり、尾を引いていた。夜伽は最早習慣として体に組み込まれて、今更引き剥がす事など無 理であった。彼の手を受け入れるたび危機感のようなものが心を痒がらせ、その感触は背徳の快楽を現出させる。今日こそは、今日こ そはと思い続け、しかし重ねてきた同衾の悦。今や他人の温みの無い、冷えたシーツの感触を思い出せない彼女である。さっぱりとした 体と更けた時分は、これからするであろう事にお誂え向きとも思われた。 自己嫌悪に涙することなど今の彼女には日常茶飯事で、だから幾つかの雫が目尻から頬へ流れたことにもしばらくは気が付かなかっ た。顎先がくすぐったく、服の裾で掻いてみれば小さく染みができたので、そこでようやく自身が泣いているのだと分かったのだ。 止まろうと思えば止まる事ができるのに、破滅への街道を一夜一夜と進んでゆく。そして今日とて歩は止めず、彼の手に溺れるのだ。 なんて浅ましく卑しい事だと、自嘲の言葉は心内に尽きない。 入渠施設を出て執務室へ向かう途中、廊下の果てに人影を見た。間取りからその人物は提督のの元へ行った帰りなのだと分かったが、 ともすれば幾らかの駆逐艦などは就寝している時刻である。とりとめもない用事なら明日に後回すであろうし、そして何より自身の入 渠中に会っているということが彼女の心に波風を立てていた。目を凝らしその娘の姿を見んとすると、果たして浜風は息を飲んだ。 武蔵はどこか幸福に浮かれた様子で、跳ねるように廊下を進んでいた。浜風が姿を認めてから大分遅れて彼女も気付き、何時もの微 笑みで軽く手を振ってくる。 「入渠上がりか」 声を掛けられ、すかさず 「はい。……あの、執務室に何か?」 「別に、とり止めもないことさ」 武蔵は会話に立ち止まる事もせず、呆然と立っている彼女の横を通り過ぎた。 徐々に小さくなる背を眺め、胸に切羽詰ったような苦しさが広がる。焦燥や不安に駆られ、頭に思い出されたのは男妾と言う言葉で あった。いやに上がってしまった呼吸を飲むようにしていると、今度は胸を叩く動悸が気持ち悪いほど大きく響く。そんな筈はないと 思ってみてもその根拠の薄弱さ、結局は信頼という一言に集約されてしまうのだった。信用に足らない相手であった。だのに心は夜を 重ねるたびに少しずつ、侵略されていたのである。 幾分かは落ち着いた後、執務室へ向かい戸を開いてみると、まず書類の片づけをしている提督が見えた。彼は彼女の入ってきた音が 聞こえるなり、顔を向けないまま口を開き、 「お帰り。もう僕は寝るけれど」 「あの、さっきまで武蔵さんがいませんでしたか?」 「うん。まぁ、少しちょっとした野暮用でね」 屈んだ姿勢に露出した首筋。浜風はそこに咲いた朱を見逃しはしなかった。 147 :139:2014/05/20(火) 23 46 18.56 ID FIAR9bk5 決定的であった。その瞬間彼女は、自身の願望が一片も叶えられはしないことを心底から悟った。彼の目は決して自身を向いてはい ない、例え抱かれていてもそれは好意によるものではない。今までの全ては無為であったのだと気が付き、願望は砂地に水が立ち消え るが如く霧散した。そして途端心内に、この想いを断ち切らねばならないという決意にも似た覚悟が芽生えたのだった。 嫉妬ではない。寧ろ、武蔵はそれを分からせるために提督に跡を残したのかとも考えた。だが幾ら予想を立ててみた所で、それは本人 にしか分かり得ないことであったし、わざわざ彼女がそれを告白するとも思えなかった。 提督の怪訝な視線を受けて、自身が再三泣いている事を自覚した。今度は空虚とやるせなさの涙であって、もうこの数ヶ月で全ての 涙を制覇した気にもなる。 早急に区切りをつけなければならない。そう思い至ったのは、元よりの彼女の性質の為か、或いは傷付き過ぎた心が自衛として仕向 けた事なのか。 思考の纏まるより先、言葉が口に上った。それは奇しくも、最初の夜と同じような心地であった。昂ぶった感情と、どこか冷静な客 観。そして何より、自分の楽を求める為だけにするという、エゴの自覚。 「提督、私を抱いてください」 嗚咽交じりに吐き出された言葉は、どこか床へ沈殿するようだった。 「もう、もうこれで終わりにします。抱いてくれさえしたら、もう普通だった頃に戻りますから。……抱いてください。でないと私、 何時かあなたを殺してしまう」 それから泣き声だけの静寂が、厭に長く経過した。 提督は彼女に歩み寄ると、髪を梳くように撫でてから背中へと手を回した。 褥に座り、浜風は何よりも先にキスをせがんだ。唇と口腔へ望んだ感触が得られるや、それまでの後ろめたい陰鬱は歓喜によって吹 き飛ばされた。飽きることなく吸い吸われ、いよいよ息づかいの切なさ極まり、彼女は自ずからセーラー服のボタンを外す。彼の後頭 に掌を当て一時も離れないようにすると、後は舌根が疲れ果てるまでひたすら接吻を続けた。 服を脱ぎ去るのは早かった。何時もは皺にならないように畳むそれも、脱げた側から捨てるように放る有様。提督が彼女を組み伏せ ば、下着や上着の幾らかは折られたまま背に押し付けられた。流石に気を遣い、引っ張り抜く為身を起こそうとした彼であったが、浜 風はすかさず首に手を掛け離反を許しはしなかった。そのまま怒った風に烈しく口へ吸い付き、舌の運動は益々苛烈になる。唾液の零 れるのを厭わず、どちらの物とも知れない雫が頬を滑ってもそれを掃いはしなかった。 148 :139:2014/05/20(火) 23 49 43.08 ID FIAR9bk5 「いい加減、苦しい。がっつき過ぎ」 肩を押さえ、無理やりに体を話した提督は息も絶え絶えそう言った。彼としては半ば冗談のつもりで放った言葉であったが、つと見 下ろせば彼女の眼は潤みを湛えている。やはりそういった所について、提督は浜風を好んではおらず、僅かに沸いた苛つきから表情を 保つのには労をとった。 堪った鬱憤を晴らすかのように、彼は双丘の片方を乱雑に掴んだ。指や掌が捏ね、のたうち動くと、乳房は従順に波打った。数多愛 撫を受け続けてきた浜風は、痛みと快楽の境界にあるようなこの荒々しい行為に、しかし被虐の悦を享楽している。 「もっと、ください」 嬌声の最中、自身でも羞恥を感じるほどの声音で彼女は言った。提督は白く細い首筋へ唇を近づけ、吸い舐め弄ぶ。 接吻は首筋のみに留まらず、耳の端、鎖骨の窪み、頤などにまで及んだ。その悉くが切なさを際立たせる性感帯。行為の度に思うこ とではあったが、今回は一層、そういった慣れを垣間見るといよいよ心苦しくなるのだった。 仕返しをする心緒に浜風はぐいと彼を抱き寄せ、その首筋、既に刻まれた跡を上書きするが如く吸った。充分すぎるほどに経過して 一舐めした後口を離すと、そこは虫刺されやら打撲痕やら、そういった言い訳の聞かぬほど婬猥な造形に紅く染まった。 胸のすっとするような心地に恍惚があり、蕩けた眼に再びキスをせがんだ。唾液の跳ねる音を聞きながら、まさしく恋人のような睦 み合いをしている事。それが悦びの極地なのである。呼吸の合間、浜風は身を捩ると提督の下を抜け出した。 「どうしたの」 「口でします」 言うと同時、彼の寝巻き甚平の下へ手を掛ける。 露出したそれが硬度を持っているのを見て、言い得も知れぬ満足感が湧き出した。感情は兎も角、肉体的には発情しているのだという 事実に、鬼の首を取ったような心地になる。浜風は得意なままに、肉槍へ接吻したのだった。 竿の根元から舌を這わし、時折唇で挟むようにした。膨らんだ部分に辿り着けば再び根元へ戻っていって、ぴくりと反応を寄こす所 を見つければ執拗にキスを繰り返す。 しばらくの後、陽物の先端には付着した唾液とは別の雫が、一粒の玉となって溢れていた。彼女は一旦口を離すと、とうとう陰茎の 先からを頬張っていった。 無理に喉まで押し込もうとはしなかった。苦しくなる限界までで妥協して、代わりに亀頭の返しや膨らみを舌で舐めまわしていく。 時折、口腔内に苦く潮っぽい味が広がって、彼女は眉を顰めた。とても美味しいとは言えないそれは、だが確かに幸福の味でもあった。 嚥下すると彼のものを体に取り込めたという悦が、より興奮を促してゆく。 顎の疲れに一旦の小休止のつもりで口を離すと、提督は彼女の肩を押してゆっくりと蒲団へ倒した。物足りないという気にもなった が、彼の眼光には先に進む意思が見て取れて、途端不満は消失した。 149 :139:2014/05/20(火) 23 53 12.26 ID FIAR9bk5 提督は確認するように、彼女の陰唇を指でなぞった。そこは既に湿潤に蒸れ、指には多分に愛液が粘る。竿の先を宛がって、彼女の 様子を見下ろしてみれば、肩が異様に持ち上がり掌はぎゅっと握りこまれていた。 「するよ。力抜いて」 肩や手をとんとんと叩かれ、浜風は羞恥に頬を赤くした。言われるがまま息を吐き出し、体中の力を緩めた瞬間、烈々とした異物感が 下から込み上がってくる。 臓腑を直接押されるような苦しさであった。熱さと、痛みと、圧迫感。待ちに待ち望んだ歓喜の苦痛に、だが違和感もあった。彼女は すぐにでも、また肉槍による衝撃が下腹を突くと身構えていたが、提督に一向動く気配はなかった。彼は入れたままに髪や頬へキスを し、小さい子をあやすが如く頭をよしよしと撫でている。 屈辱でもあった。元より昂ぶっていた感情が更に波風を荒らげて、冷静さが悉く消え果てる。彼女は怒りに口を開き、叫ぶようにし て言った。 「動いて、動いてください!」 「生娘が生意気言うよ。辛いでしょ。しばらくこのままでいい」 それを聞くと、途端口惜しさに詮方無く悲しいやら嬉しいやらの胸の痛み。一体彼の気持ちはどこに向かって、そして自身の気持ち は何を目指してと言った台詞が頭の中をぐるぐると巡った。 「……優しくしないでください」 か細い哀れな懇願は無視をされ、益々惨めな気になりながら、それでも確かに欣喜がある。彼は優しく接吻すると、ようやくじれっ たい速さに動き出した。 鈍痛和らいで、下半身のみが自分の体から切り離されたように感じる頃、彼の温かみが腹内に広がった。それが唯一の、この恋慕に よって得られた証でもあった。そして彼は引き抜かれ、尚浜風は死体のように動かなかった。 終端の景色を目の前に、彼女の胸中には何もない。穴の広がり続ける虚無が、ずっと地平まで続くようだった。目の前の男への愛し さは、だがそれも寝て起きれば忘却の彼方に捨て去る約束である。無常へ寂寥を思うに、体の熱が熱すぎた。 事後の処理を終え、隣に彼が寝そべった。最後に眺める事のできる横顔であるし、最後に感じられる体温でもある。何もかもが、終 わり。そう思うと途端胸が一杯になって、思わず提督の手を握っていた。果たして、握り返される事はなかったが、それでもいいと本 心から思えていた。 眠りにつくまで、枯れた涙の辛さが心を抉るように痛めつけた。 150 :139:2014/05/20(火) 23 54 25.83 ID FIAR9bk5 以上でシリーズ完結です。長々と失礼しました。 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
https://w.atwiki.jp/dmorika/pages/242.html
《剛樹提督ジャステム》 剛樹提督ジャステム R 自然文明 (7) クリーチャー:ジャイアント/ミステリー・トーテム 5000 このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から3枚を表向きにする。その中にあるすべてのジャイアントとミステリー・トーテムを自分の手札に加え、残りを好きな順序で山札の一番下に戻す。 相手のターン中にこのクリーチャーが手札から捨てられる時、墓地に置くかわりにバトルゾーンに出してもよい。 《剛撃戦攻ドルゲーザ》を入れるデッキなら、このカードか《戦脳提督クロリン》を入れると良い。 収録セット DMO-02 「時空編 第2弾 天魔謀略(カオス・ミッション)」 参考 [[]]