約 70,252 件
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/4159.html
219: 影響を受ける人 :2016/10/30(日) 22 40 59 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 オリジナル設定、個人的解釈が入っています。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第九十九話 ―扶桑海事変-03― ――第一打撃艦隊―― 補足された第一打撃艦隊に続き、第二打撃艦隊も補足されたという報告が入った。 ついでに第三打撃艦隊から、不調を訴える戦艦二隻を置いて【陸奥】が第二打撃艦隊に合流すべく離脱。 その際に抗議が寄せられたが完全に無視し、ついでとばかりに雲仙型重巡【田代】【焼石】の二隻と、駆逐艦四隻も追従させたという。 それを聞いた夢幻会は笑みを浮かべるが、今合流しても陣形が崩れるだけなので、しばし待機するように要請して置いた。 彼等にとって忸怩たる思いがあるかもしれないが、そこは理解してもらうしかない。 それはともかく、狙い通りにネウロイは打撃艦隊に食い付いた。 すぐさま “アホウドリ”を送り込み、これまた狙い通りに通常戦闘機部隊が小型ネウロイを引き付け、ウィッチが攻撃を仕掛ける。 「うしゃぁ!いい位置だ!」 【瑞鳳】飛行隊長、天龍空姫が急降下で敵陣中央に位置する“アホウドリ” を狙った。 無論部下も追従しているが、一番先頭になって突っ込んでいく隊長の姿に、内心で溜息を吐く。 「おらおら! へっぴり腰で撃つんじゃねぇ!!」 護衛として残っている“スズメバチ” の弾幕をかいくぐり、つづいて“アホウドリ”自身の迎撃を避ける。 視界は赤い光に包まれ、上下左右に避けようとすると当りそうだ。 その中を狂暴な笑みで突進していく。 ちなみに銃撃は一切せず、扶桑刀を抜いているだけ。 「はっはー!」 当の天竜は終始ハイテンション。 若干ネウロイ側が引いている様に見えるのは気のせいだろう。 そして、すれ違いざまに一閃。 “アホウドリ”の機首を切り落とす。 続いて降下してきた隊員が同じように胴体を切り落とす。 三人目は墳進砲で、翼の付いている胴体を破壊。 四人目が翼以降の尾翼部位を縦に切断した。 「かぁー! 全員はずれか!!」 狙いが外れ、天竜は悔しさに悪態をついた。 ネウロイの“核”がわからない以上、ヤマ勘で狙うしかないのはわかる。 しかし、あまりにも豪快なやり方に一瞬だがネウロイ側の攻撃が止まった。 輪切りにされた“アホウドリ”は大慌てで“核”のある部位から再生を行おうとする。 その間にも飛行能力をそがれた体が、重力に従って降下していく。 だが敵はその隙を逃がしてはくれない。 棒状シールドで急旋回した天竜が再び上昇してきていた。 「お前が本命か!!」 狙いを定め、再び一閃し、仕留める。 思わずガッツポーズを取ろうとしたが、僚機をとされた“アホウドリ”が猛烈な弾幕で攻撃してきた為、急いで離脱する。 「おわわわ!」 『何やっているんですか!』 「わりぃ、今それどころじゃない!」 『知っています。そいつを引き攣れてこっちに来て下さい。』 「おう。」 いきなり引き返した隊長に、隊員が文句を言いつつも座標を伝えた。 すぐさま表情を引き締めて回避に専念する。 と言っても“アホウドリ”の方が速力がある。だからすぐに追いつかれるわけだが・・・ 「あ、わるいな。」 振り返った天竜が全力で、術符も使って強化した高圧縮シールドを展開して衝突させた。 「ここからは通行止めだ!」 巨大重量物の衝撃音があたり一帯に響き、機首が潰れて勢いのままエビ反りのように体を持ち上げる。 220: 影響を受ける人 :2016/10/30(日) 22 41 41 『そのまま!』 ほぼ縦に真っ直ぐ持ち上がった“アホウドリ”に対し、通信を繋げていた隊員が突っ込んで来た。 慌てて対処しようとするが、こんな事態なんて初めてであり、慌てているために全くあたらない。 それどころか救援にきた“スズメバチ”に当ててしまい、さらに混乱してしまう。 『切!』 二振りの扶桑刀を交差させ隊員が、 『断!』 鋏の様な魔力刃でもって上下に切断し、 「お。こりゃいいな!」 刀を納刀し、抜刀術の構えを取った天竜が一気に魔力を溜め、 「二体目頂きだ!」 振り抜くと同時に、下向きになった前方部分を左右に割った。 「うし。」 砕け散る敵をを見つつ、両手を振る。 流石に固定型で、最高出力、高圧縮のシールドにしたのは良かったが。 大質量物体衝突の衝撃は手首や腕を痛めた。 少し離れる様にして飛行しつつ、術符による回復を始めると、先程の隊員がやってきて頭を下げた。 「すみません。無茶を・・・」 「なに。出来るからやった。お前は信頼してくれた。そうだろう?」 謝る隊員に対し、天竜はニッカリ笑う。 自分達の隊長は、冗談は言っても嘘はつかない。だからこそ、この信頼が嬉しい。 「とりあえず大物はやった。小物を仕留めるぞ。」 「了解です。」 ――――― 迎撃に出たネウロイ側の被害は、思った以上に甚大な被害を出していた。 それぞれ派遣した戦力は想定通りに迎撃されたが、それでも“アホウドリ”の速力で突っ切れると思っていた。 しかし現実はそう甘くは無く、出した4体全てが殲滅させられてしまう。 指揮官たる“ヤマ”は、臆病な性格も相まって、手持ちにどうしても“アホウドリ”6体は残しておきたいと考えていた。 そこに異を唱えたのは例の小型ネウロイ。 知り合いが撃墜されたと知り、少なからず動揺していた彼だが、小出しの戦力投入は避けるべきだと進言。 “オニグモ”もつけて護衛戦力は“アホウドリ”8体と、“スズメバチ”を残存戦力80%程投入し、“ウシアブ”は全力投入すべきだと。 ―え? そんなに!― ―でなけりゃ磨り潰されるだけだ。― ―イヤイヤちょっと待ってよ! そうすると護衛が少なくなる! 自分はそんなに動けないんだよ!!― ―一応自分が護衛部隊をを率いるし、あいつ等も残す― そう言って“ヒラクモ”と、 “コバエ”の方を見る。 扶桑皇国が行った最終偵察時にはいなかった戦力。 これはちょうど“ヤマ”の傍で飛行していたので、まったく識別ができなかったせいだ。 ―ええ! あれだとそんなに心許ないんだけど・・・― ―わがまま言うな!! それにちょうど、全員で交代するはずだった連中がこっちに来ているはずだ。― ―あ、そう言えばそうか・・・― ―忘れていたな・・・― ―わ、忘れていないよ! ただ単純に目の前の仕事に忙殺されていただけだ!!― 呆れる“スズメバチ” に対しプンスカ怒る“ヤマ”。 周りの護衛達も、どっちが上なのかわからなくなる。 ―とにかく。巣からの増援が来たらそいつらを護衛まわす。それでいいだろう。― ―わかった。それでいいよ。― ―よし! そうと決まれば・・・― 早速指揮を始める“スズメバチ”。 それを見ていた“オニグモ”は・・・ ―あいつを怒らせるのだけはやめよう。― ―そうだな。― と、悟る。どこの世でも、怒った奴は怖いのだ。 そしてどうせ二手に分かれるとわかっているので、名残惜しさを消すために雑談を始めた。 221: 影響を受ける人 :2016/10/30(日) 22 42 29 ―にしても、俺ら。無事に叩けるかね?― ―うーん。どうも敵さん。大きい奴を目の敵にしているみたいだしな。― ―そうなんか・・・― ―まあ。そこそこ頑張ろうぜ。― ―ああ。― ―それにしても、なんか“アレ”多くなってないか?― ―そう言えばそうだな。なんか多くなってきたような気がする。― ―隠れるのに適してはいるんだけどな・・・― ―嫌な奴の塊らしいけど、気にし過ぎだろ?― 2体の言う“アレ”とは雲の事。 人類側の作戦を知らない彼等にとっては、ただ単に嫌なものが多くなっているとか、隠れやすくなったとしか考えられない。 それこそ、人類側にとっての優位性の一つとなるのだ。 ――第一機動艦隊 旗艦【天城】―― 天を仰ぎ見れば、帰ってきた海鷲達が着艦するために待機しているのが見えた。 その数は数えられないが、明らかに少なくなっている。 一応作戦海域には潜水艦が待機しており、無事に脱出できていれば、本土帰還後に安否がわかる。 それまでは心情に悪い状態のままだが。 「艦長、ただ今戻りました。」 「うむ。どうだった?」 先に着艦し、すぐさま艦橋に上がってきた飛行隊長が敬礼をし、返礼をすると早速切り出す。 「奴さんら、ベテランで固めているとみて間違いないですね。 挙動がこちらの機動戦顔負けですよ。」 「そうか・・・」 「あと、未確認だった指揮官の様な奴もいました。」 「なんだと?」 思わぬ情報に片眉が動く。 「事実です。自分と同じように戦場を俯瞰しているような奴がいました。 何度追い駆けても同じ様に、元の場所に戻ろうとしましたし。」 実際に戦った隊長としては、他のネウロイよりも歯ごたえがあり。 不謹慎ながらも思わぬ強敵に胸が躍った。 「そうか・・・」 反対に艦長の表情はすぐれない。 それが本当だと言うなら、今後はもっと厳しい戦いになるはずだからだ。 「すぐに報告しよう。 飛行隊長ご苦労だった。短いかもしれんが次に備えて休憩してくれ。」 「はっ!」 敬礼をかわし、それぞれの仕事に戻る。 その数分後。第一第二打撃艦隊共に“オニグモ”襲来の報を聞いて、作戦が第三段階に移ったのを知ることになる。 以上です。 久々に二回連続投稿だ。 三回目は無い・・・ チカレタ・・・・・・ 248:影響を受ける人:2016/10/31(月) 22 10 20 うぇい。間違い見つけてしまった。 掲載時に 220の “オニグモ”もつけて護衛戦力は“アホウドリ”8体と、“スズメバチ”を残存戦力80%程残し、“ウシアブ”は全力投入すべきだと。 ↓ “オニグモ”もつけて護衛戦力は“アホウドリ”8体と、“スズメバチ”を残存戦力80%程投入し、“ウシアブ”は全力投入すべきだと。 に変更をお願いします。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/4158.html
193 :影響を受ける人:2016/10/30(日) 00 05 37 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 オリジナル設定、個人的解釈が入っています。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第九十八話 ―扶桑海事変―02― 先手を取られた通常戦闘機部隊であったが、その後は何とか迎撃に成功し、体勢を立て直す事ができた。 敵を誘引し、護衛の数を減らす目的であるが故に、その空域での格闘戦に移行している。 そしてネウロイの“学習能力”は此処でも発揮された。 「こんにゃろ!」 操縦桿を引き上げ、右旋回に入るとレーザーが通り過ぎていく。 それを追うように“スズメバチ”が突っ込んできて、その後ろに着こうとするが・・・ 「やっぱし来るか!」 二機連携を重視している連中が出張ってきていた。 同時にこの連中はレーザーの発射感覚が短く、連射するように攻撃している。さながら機関銃の様に。 いままではチャージする数秒の間が有ったのだが、この方法での攻撃はその数秒が無い。 高速で避け辛いと言うのに、速射能力が付与されたのだ。 幸いなことに短射程となり、薙ぎ払う事が無くなったのが救いか。 二体目の攻撃も避けて一時的に離脱する。 自分は隊長だ。だから俯瞰して味方に指示と援護をしなければならない。 それに専念したいのだが、敵も許してはくれない。 下手に一人で離れるとあっと言う間に攻撃される。 「ちくしょうめ・・・」 悪態をつきながらも空戦領域を見やる。 明らかに味方の数が少なくなっており、敵の数は変わっていない様に見える。 「“スズメバチ”ばっかかよ。“ウシアブ”はいないのか?」 当たりを見回してみるが、急降下戦法が得意なはずの敵が見えない。 大陸で“スズメバチ”以上に沢山撃墜されたから、もう繰り出せるほど残っていないのだろうか? 「もしくは、温存しているかだな・・・」 実際問題、あの攻撃方法は有効だ。 急降下するが故に命中率が高く、たとえ上昇しても攻撃を後方から繰り出すから厄介だ。 実際に大陸で後方に食らいついた味方が何人もやられている。 対処法は前後以外から攻撃するくらいだ。 「ん?」 旋回しつつ視線を動かし、すぐに味方の援護に行ける様にしていたのだが。 視界の端で同じように旋回しているネウロイを発見した。 噂の、ベテランのネウロイか? 「まさかな・・・」 そう思っていると一体の “スズメバチ”がやってきて、しばらく並行飛行していたと思ったら、そのまま空戦に戻っていった。 例のネウロイを置き去りにして。 「いっちょ、やってみるか。」 ――同空域―― ―だぁぁぁ! しつこい!― 追い掛け回されるリーダーネウロイが叫ぶ。 ベテラン組から教育され、実戦を経て経験を積んだからこそ下手に攻撃をしていなかった。 だから余力が有ったのだが・・・狙われてからは全く余裕が無い。 ―散れ! 散ってくれ!!― 指揮に専念したいが、敵は全く許してくれない。それどころか執拗に狙ってくる。 一応空戦している空間に突入して動き回れば、撒くのは容易にできる。 しかし一度でも離れた俯瞰しようとすると、すぐさま反応して攻撃してくるのだ。 堪ったものではない。 それにしても先制攻撃できたというのに敵が全く減る気配が無い。 取りあえず再び空戦域に突入し、撒くことに成功した。 そして、今度は飛び出ずにあたりを用心深く観察する。 しばらく様子を見つつ、後ろに食い付かれた味方を援護していたら、迂回するように飛行する“アホウドリ”の一団を発見した。 雲塊を利用して空戦領域を離脱し、発見した一団に、知り合いの“アホウドリ”へと向かう。 194 :影響を受ける人:2016/10/30(日) 00 06 28 ―おーい。どうしたんだ?― ―ん?― ―おまえら、外周部の護衛だったろ?― ―ああ。でも敵を見つけた奴がいてな。撃ち落とされたみたいだけど。― ―ここ以外にか?― ―そうだ。見つけたのは、お前の所の部下じゃないがな。― ―さっきから追いかけまわされて、状況判断なんかできなかったぞ・・・― ―連中もいろいろするなぁ。― ―話を聞く限り。デカイ、やばい奴を沢山持っているらしいから、優先で攻撃しろってさ。― ―そうか。ってことはデカブツ二体も後から行くのか?― ―確認でき次第な。― ―そうか・・・気を付けろよ。― ―そっちもエネルギー残量に注意しろよ?― ―そろそろきついから戻るつもりだ。交代の連中が来るまでだが・・・― 話を切り上げ、すぐさま離れる。 襲撃をする仲間を気付かれて、迎撃されるのは不味いと自分でもわかるから。 ―小さい奴に気を付けろよ。― ―わかってる。アイツらが一番危険だ。― 最後の言葉を交わし空戦領域に戻る。 目の前で部下が後方に食い付かれたのを見つけ、牽制に一射した。 残念なことに直撃はしなかった。しかし敵を追い払うことは成功し、そのまま僚機として共に飛ぶ。 ―何時まで戦うんですか!?― すぐさまヒステリックな叫びが木霊したが、自分だって叫びたい。 実際もうすでに何度も交代要請を出していた。 が、待てども暮らせども全く音沙汰なし。新たな敵にかかりっきりになって・・・いたわけではないだろう。 それもこれも、図体が一番デカいくせに、一番臆病なアイツが悪い!! ―わかってる!― ―具体的にはどうするんですか!― ―ああ、もういい! 付き合ってられるか! 相手が引くのを見越してこっちも引くぞ!― ―え? 本隊に敵がきませんか?― ―知るか! 第一こいつらが来た時点でばれてるのがわかるだろうが!!― ―それもそうか。― 結論をだし、戦域すべてに聞こえるように叫んだ。 それに答える声は明らかに当初より少なくなっているが、それでも健在の味方を確認するとホッとする。 現金なものだ。 その後、なんとか本隊と合流する事に成功するも叱責を喰らうのだが、逆に大声で非難八倒しまくって怯えさせてしまった。 もし彼等の声を理解できたら、この場面を見ていたら、夢幻会は大いに戸惑って笑うだろう。 何せ超大型ネウロイを、小型ネウロイが言葉だけで打ちのめしたのだから。 彼はそのまま補給を兼ねる大型ネウロイ周辺を飛んで回復に専念し、次なる戦いに備えた。 もちろん大型ネウロイに対する愚痴をネチネチ聞かせながら。 ――第一打撃艦隊―― 「敵部隊。我が方に接近中!」 「そうか。」 報告を聞いた古賀峯一はちょっとだけ溜息を吐く。 それに気が付いた副官が苦笑した。 「先に発見されてしまいましたね。」 「まあ予定通りだ。問題はない。 それよりも対空戦闘用意を。」 「はっ! 対空戦闘用意!」 命令が復唱され、すぐさま艦隊全てに通信により通達される。 陣形は対空戦に最も強い輪形陣。 とは言え、相手はレーザーを使う相手であるので対処は格段に難しい。 大型艦である戦艦は回避が遅い、放たれた事を確認してからでは遅いのだ。 これはもう個艦の操舵手の技量に賭けるしかない。 ふと上空を仰ぎ見れば、陸軍の通常戦闘機部隊が飛んでいくのが見える。 恐らく交代の為だったのだろうが・・・今はこちらに向かう有力な敵集団に向かっているはずだ。 「それにしても。」 「なんでしょうか?」 「前世において漸減作戦を否定していた我々が、この世界では漸減作戦を展開している。 何とも言えんな。」 「そう言えばそうですね。」 一応今世においても航空戦力は無視できないファクターだ。 しかしながら相手が国家ではなく、まったく未知に相当する敵となると話が違う。 生産工場があるならそこを叩けばいい。 海上なら航空母艦を叩いてから潰せばいい。 対空砲火がきついなら遠距離から命中率の良い武器で潰せばいい。 195 :影響を受ける人:2016/10/30(日) 00 07 24 これらが全く通じる相手ではないのだ。 エネルギーに関しては金属が補給元だと思われいるが、どのくらいの効率なのか不明だし補給の仕方も不明。 住んでいる所から滑走路無しで飛んでくるし、命中精度も嫌になるほど高い。 某青狸を友達とする泣き言少年、背後に立つと死ぬ暗殺者、泥棒一味の渋い男ほどではないが。 「お、ウィッチが飛んでいくぞ。」 「外に出て坊振れしている連中がいますね。」 「“アホウドリ”を相手取る為だろうな・・・ どこの所属だったか?」 「【瑞鳳】です。」 そんな会話をしつつ双眼鏡で上空を飛行する彼女等を見る。 「・・・見えないな。」 「・・・・・・見えないですね。」 何がとは言わない。 艦長が溜息を吐く事以外は平和な【紀伊】の艦橋であった。 ――第二打撃艦隊―― 「それで、第三打撃艦隊は!」 「そ、それが・・・」 堀川吉郎が怒鳴ると、恐縮した通信兵がおずおずと報告する。 「『【山代】 【若狭】 二艦 共 ニ 機関部 不調 ナリ』としか返答が有りません。」 「クソが!」 嫌な予想とはよく当たるものだ。 作戦開始時は足並みをそろえていた第三打撃艦隊は、件の報告を上げてからと言う物、まったく速力を上げていない。 そのせいで堀川の機嫌は下がっていく一方だ。 だらと言って当り散らしてもどうにもならない。 片手で顔押さえつつ指示を下す。 「仕方がない。【陸奥】に【山代】【若狭】を置いて此方にくるように言ってくれ。」 「越権行為ではないでしょうか?」 副官が心配げにしているのを見やり、大丈夫だと言う。 「あまり考えたくはなかったのだが、この場合も想定していた。 故に対策を取る許可も得ている。」 「【陸奥】は来るでしょうか・・・」 「流石に連合艦隊司令長官からの命令だと言えば従うさ。それに【陸奥】に詰めている連中は九鬼大将一派だ。 何の問題も無い。」 「了解しました。すぐに連絡をします。」 きびきびと動き始めた部下を横目に見つつ、敵の動向をかんがえる。 撤退していく上空の味方は、こちらの上を通るルート。 すでに第一打撃艦隊より敵襲来の報は届いている。 その内此方にも敵は来るだろう。それに備えて気持ちを引き締めた。 以上です。 最後の方はこれで大丈夫だろうか不安だ。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/4629.html
564: 影響を受ける人 :2017/04/16(日) 22 35 41 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 オリジナル設定、個人的解釈が入っています。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第百六話 ―扶桑海事変-10― ―― 北郷隊:観測班 ―― 三人のウィッチが、良い観測地点を見つけるために部隊から離れた。 「気が付いてないかな?」 坂本美緒は先程まで交戦していた“コバエ”の挙動が気になるのか、しきりに背後を確認する。 それに対して若本徹子は呆れたような表情になった。 「大丈夫さ。隊長達が引きつけているしな。」 「そうだね。それに、敵は戦艦の相手に夢中みたいだし。」 傍目から見れば、“コバエ” の群れは第二打撃艦隊に集中して向かっている。 しかしながら対空戦艦二隻の火力に翻弄され、まごついているのが事実。 更に挟撃するはずだった“アホウドリ”二体も大急ぎで“ヤマ”のそばに戻っていた。 つまり、邪魔物はいない。理想的な状況だ。 「なら。さっさと済まそうぜ。」 「そんなに離れられないし。行くよ!」 気合を入れて美緒は“ヤマ”に対して魔眼を行使する。 魔眼の性能を見れば、導術士学校歴代最高峰の眼。某運命世界の様なものではないが、古代の神々と称される人物たちが持つ魔眼に最も近いとまで言われている。 原作よりも性能が向上している分、制御も難しいが、魔眼制御用の眼鏡がそれを全力で補助する。 遠視と透視の同時運用でくまなく観察していく。 (核はどこだ?) セオリーから言えば中心部。しかし弱点をランダムにした“アホウドリ”という例外がいる。 同じ様な個体でも、攻略方法が違う事を強く認識し直す。 (どこだ。どこにある?) 少なくとも表面上には無い事を確認し、更に内部を透視する。 っと。 「・・・最悪だ。」 「美緒ちゃん。・・・報告を。」 振るえた声に、醇子は努めて冷静に促す。 「敵の核は、中心部。ど真ん中にある。」 ―― 指揮官型“スズメバチ” ―― “スズメバチ”は焦りを抑えつつも考える。今、この状況は不味過ぎる。最悪な状況だ。 敵の戦力を見誤ったの有るが、そろそろ帰ってくるはずの味方が帰ってこない。 殲滅されたのは考えにくい。あれだけの戦力だ、大損害を受けたといても少なからず生き残りがいるはず。 にも拘らず帰ってこないという事は・・・ ―エネルギー切れ・・・― 護衛のネウロイ達は“ヤマ”からの供給を受けていない。正確には 受ける事ができない のだ。 “ヤマ”は補給拠点型要塞。敵陣に強襲し、その図体でもって居座る事が前提。 その図体を維持する為、移動のエネルギーを無駄に消費しない為には、別の補給が必要だ。 それこそ“ヒラクモ”の役割。しかし・・・“ヒラクモ”には戦闘力が無い。飽く迄も補給できる味方でしかない。 もはや打つ手は殆ど無くなった。 拘束していた小さな脅威達も、足止めを殆ど殲滅してしまっている。 もう、温存などという考えは捨てるべきだろう。 指揮官型はイラついている“ヤマ”に話かけた。 ―仕方がない・・・ おい。― ―ウザイウザイウz・・・ なに?― ―あれを使え。― ―いいの? あれって切り札にするんじゃなかったの?― 使用許可を出したら、うざい口調で聞いてくる。正直攻撃をブチ当ててやりたいが、無駄なエネルギー消費になるので耐える。 565: 影響を受ける人 :2017/04/16(日) 22 36 36 ―さっさとやれ。― ―おーし! ぶっ飛ばしてやる!!― 人類側が“オカ”と呼ぶ、今ままで周回飛行していた円錐状のネウロイが円周飛翔を止めた。 そして 外 装 を外して透明な本体をさらけ出す。 核は存在せず、ガラスの様に、水晶の様な体を太陽の元に晒した。 外装が全て剥げ落ちると同時に、円錐から緩い楕円形…レンズ型…に変形する。 準備は整った。 ―よし。全員よく聞け。― 砲弾が降り注ぐ中、指揮官型は指示を下し、全てのネウロイが一斉に“オカ”に向けてレーザーを発射した。 レンズに命中したレーザーは、“オカ”の絶妙な調整により、全て次の“オカ”に向けて突き進む。 “ヤマ”“アホウドリ”“スズメバチ”“コバエ”四種多数の火力を受けてなお、“オカ”は解ける様子も無くレーザーを受け止めた。 充分レーザーを蓄えたと判断した指揮官型は、適当に発射命令を下した。 ―― 狐狸部隊 ―― 敵がいきなり外装を捨てたと思ったいたら味方に攻撃して、攻撃した奴は平然と受け止めて攻撃を一つに纏めてはなってきた。 幸い射線上にはでもいなかったが、下から吸い上げるように放たれた攻撃により巨大な水柱が発生。 戦艦が揺れる様子を上空から見てしまった。 さらに、結界の端まで到達した攻撃は、展開されたシールドとわずかに拮抗した後、耐え切れなくなったシールドが崩壊してしまう。 そのまま攻撃は台風に突入し、雲海を二つに切り裂くまでレーザーの照射は止まらなかった。 幸いな事に攻撃は戦艦にあたらず、二つのウィッチ部隊にも被害は無かった。 しかし、先程まで自分達を守っていた強固なシールドが破られた事が、大きすぎるショックとなって行動を止めてしまう。 ネウロイ側も凄まじい攻撃力に、歓喜の感情により停止していた。 この場にいるネウロイ達も詳細は知らないが、このレンズ型ネウロイは“採掘された”古代の怪異。 その現存していた一部を改良して使っているのだ。 と言っても、このネウロイの一部には意思が無い。それ故、“ヤマ”の一部として運用している。 もう一つ採掘された怪異もあるのだが・・・この場では関係ないので説明は不要とする。 採掘された“オカ”には攻撃力が無い。実弾攻撃も出来なければ、レーザー攻撃も出来ない。高速飛翔も出来ない。 欠陥だらけのような印象が受けられるが、先程の様に味方の攻撃を吸収して反射させる事ができた。 自身の内部に溜め込むことは出来ないので、同じ媒体をリレー方式で保存するしかない。 「冗談でしょ・・・」 穴吹智子が呆然とした表情で、切り裂かれた雲海を顔だけ振り返って見ていた。 作戦の胆である〔戦艦群を、台風のエネルギーを利用して、強力なシールドで守る〕が、あの攻撃により崩壊してしまったのだ。 「た、隊長・・・」 部下の一人が青ざめた表情で問いかける。 強固なあのシールドを貫くというなら、自分達のシールドなど紙以下の耐久力しかない。 そんなモノを受ければ・・・遺体など残らず消滅するだろう。 「・・・このまま攻撃は続行よ。」 「し、しかし!?」 カラカラに渇いた喉を潤すようにつばを飲み込み、答えようとすると、 「どうする?」「どうする?」 今度は双子が背後から寄ってきた。 あの攻撃を見ても何時も通りに振舞っているのは豪胆なのか、それとも計算してか。 取りあえず、部下の前で無様な姿は出来ない。年長の加東圭子に推薦され、それなりに隊長職を全うしてきたからこそ啖呵を切る。 「決まってんでしょうが。狐火隊は攻撃あるのみ!」 「勇ましい。」「男らしい。」 「ああ・・・ 隊長に難しい事は無理でしたね。」 「なんだとぉぉぉ!!??」 部下に言われ放題の智子だが、内心ではホッとしている。 すぐに意識を切り替え、部下全員に武装のチェックをするよう通達。 自分も機関銃を取り出して残弾を確認。やはり少ない。後三回突撃すれば尽きるだろう。 弾薬係は大忙しで交代で補給に戻っている。あの台風の中を突っ切るのだから、体力消耗は自分達の比ではないだろう。 それでも頼らざる負えない。そう思いていると、その弾薬係が寄ってきていた。 「補充頼むわ。」 「了解です。でも、優しくとは言いませんけど、乱暴におかないでくださいね。整備が大変なんですから。」 「ごめんごめん。」 そう言いつつ空の弾倉を取り換える。扶桑刀はまだ使えるから換えない。おっと、擲弾筒の球が無かった。 補充補充。 566: 影響を受ける人 :2017/04/16(日) 22 37 36 「弾が無い。」「お腹すいた。」 「はい、弾倉六つです。一口塩羊羹でよければ。」 「銃身が焼け付いている。代わりを。」 「右のを取って下さい。あっと、弾倉四つ持って行ってください。無いでしょ。」 半数ずつとは言え、群がって補充する姿は何とも言えない。 何というか、飢えた豚の群れと言うか・・・ 『全員傾注。悪い報せだ。』 補充が終わり、敵の睨むように銃を構え直すと、総隊長の加藤武子から通信が入った。 敵は攻勢を止めて“ヤマ”の周りに集まっている。 訝しんだ智子であったが、先程の攻撃が敵火力の集中だったので、その為に集まっていると考えていた。 『敵の核の所在が判明した。』 「悪い報せ・・・」「最悪なパターン・・・」 双子が嫌そうに呟く。自分だって聞きたくないと智子は思ったが、努めて冷静に取り繕う。 『敵弱点は中心部。数回再確認し、位置を変えても同じ結果だそうだ。』 『・・・確度は?』 振るえた声の通信が入る。それは援護し続けてくれている犬化隊隊長加東圭子だろう。 否定してほしいのだろうが、答えは無常だった。 『十割。より正確に言えば中心より若干下寄りと・・・言う事だ。』 この報告は下の打撃艦隊にも届いているだろう。先程から砲声が途絶えている。 シールドを破壊した攻撃に驚いているのもあるだろうが、絶望的な状況に悲嘆しているのかもしれない。 智子が作戦続行かどうか問おうとした時、再び砲声が聞こえた。 砲声の主は【紀伊】。 何の意図を持って攻撃したの解らないが、諦めるつもりはないという意思が感じられた。 続いて【駿河】も射撃を再開した。遅れて【長門】【陸奥】【伊勢】【日向】も砲撃を開始する。 【伊勢】【日向】は“ヤマ”に群がるネウロイに対して攻撃していた。 あのバカげた火力の源が奴らならば、それを潰してしまえばいい。 その考えを見抜いた智子は、自分達も更なる接近戦を仕掛けるべく進言しようとし。 しかし相手はそれをも潰す行為をしてのけた。 戦艦六隻、放った砲弾の数52発。 それら高速飛翔する砲弾を、再充填した“オカ”の射撃により全て撃ち落とされてしまう。 再び絶句する一同。 凍りついた敵に対して“オカ”は無慈悲に、全ての戦艦に対してレーザーを放つ。 流石に六隻に分割しての攻撃は、火力が大きく減殺されてしまうらしくシールドを貫くには至らなかった。 だが・・・着弾地点をよくみれば、全て戦艦の中心部を正確に狙って放たれたものだとわかる。 “オカ”のもう一つの能力。精密射撃であった。 以上です。 大雑把な火力に、精密射撃が加わったよ! やったね指揮官型!! 567: 影響を受ける人 :2017/04/16(日) 22 38 56 書き忘れ。 次回は若本徹子を活躍させたいねん。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3713.html
23 :ひゅうが:2016/08/24(水) 21 45 33 艦こ○ 神崎島ネタSS――「第二次上海事変」その13 ――同 神崎島 昼餐会場 アメリア・イアハートは歓待に上機嫌だった。 アメリカからみれば西の果て、あるいは東の果てにある島という印象であったのだが、この島はイメージした以上に都会であり、快適に過ごすことができたからだ。 ホテルの中のラジオでは、米本土からの放送を受信することもできたし、ホテル内で食べることができたのは本格的なフランス料理だった。 いささかアレンジしているらしく生魚のカルパッチョが出てきたときには驚いたが、食べてみればこれはとてもおいしい。 冒険旅行の覚悟を決めて旅立った中にあって、この島はシンガポールあたりで期待していた蛮地の中の文明そのものだった。 何しろ冷房すらあるのだ! そして、夏らしく雨が降ったのを理由に一日ゆっくり休んだアメリアとナビゲーターのフレッド・ヌーナンは、盛装してこの島の政府である鎮守府本庁舎へと足を運んだ。 記者の数は少なかったが、珍しい女性記者がいるあたりこの島は開明的なようだ、と再び評価を上方修正。 この島駐留の日本の大使的な役割であるという高等弁務官の案内で、若きこの島の指導者に面会し、無事ルーズベルト大統領の親書を渡すこともできた。 この時点で彼女の任務はすでに終わったといってもいい。 だが、彼女は先方の厚意に甘えてもう2,3日この島に滞在するつもりだった。 情報収集というだけではない。 機体のエンジンをオーバーホールし、オイル交換などをやってくれるというからだ。 オクタン価106と120の燃料を無償で給油してくれるというのは何より彼女らを喜ばせた。 心配せずとも、機内に取り付けられた記録機材は二重に施錠されている。 飛行許可も、余裕をもって7日間、それも希望すれば発進可というものをもらっている。 控えめにいっても歓待といってよい。 そして、二人は正式な鎮守府側の招きにしたがって昼食を共にすることとなった。 希望時間帯はと聞かれて二人は午後2時すぎといった。 飛行機パイロットとしては、太陽の南中からの位置測定が日課になっていたし、着替える時間も必要だったからだ。 この時代の会食には、ドレスコードというものがある。 よくTVドラマなどでも晩餐を蝶ネクタイ姿で過ごしているように、昼食には昼食にふさわしい格好があるのだ。 男性はネクタイ姿が基本であるし、女性はワンピースにバックをあわせるのがふさわしい。 このルールを守らなければ、会場に入ることすらできないのだ。 アメリアは、米国女性らしく裾の広いスラックスとごく薄いアイボリーホワイトの帽子をあわせることにした。 既婚者であるから、純白はまとわないのだ。 同僚のフレッドはジャケットにネクタイ、白いズボンという姿だ。 まことに新大陸的な格好だった。 これにパナマ帽をあわせればマニラあたりの小洒落た二人連れになる。 男性が帽子をかぶらないのは、外を歩くわけではないからだ。 今回は、鎮守府さしまわしの車で会場へ向かう。 「静かな車ですね。」 「これは電気駆動ですからね。市内の騒音に配慮しているんですよ。」 未来的な流線型の車に迎え入れられた二人に、運転手の女性は笑った。 制服制帽であるあたり、正規に雇用されたスタッフなのだろう。 24 :ひゅうが:2016/08/24(水) 21 46 57 「どうりで。何キロ走れるんですか?」 今度はフレッド。 30年ほど前には、電気自動車は米国でもガソリン車と市場を二分する存在だった。 T型フォードが市場を席巻する前は。 加速も安全性も当時は電気自動車の方が上であったそれがみられなくなったのは、アメリカ的には充電時間と航続距離というボトルネックがあったからである。 重い蓄電池というデッドウェイトもある。 「正規で200キロは。特別製の電池と回生ブレーキのたまものです。」 「それはすごい。」 昔の4倍以上である。 「輸出の予定は?」 興味本位でアメリアは聞いた。 「島はアメリカさんのような訴訟地獄はごめんですから。」 「なるほど。」 この当時、アメリカでは路面電車を買い取りその路線をバスに置き換えようという動きが加速していた。 主要自動車会社や石油企業がタッグを組んだこの動きは、要するに自分たちの市場確保のために電気動力を締め出すという意図をもっているといわれ、100以上の路面電車運営会社が買収され、次々にスクラップにされていたのである。 もちろん陰謀論者のたわごとと片付けることもできるが、そうしたトラブルを抱えるのはごめんということを運転手は一言で言ってのけたのだった。 「そろそろ到着です。」 運転手がいった。 鎮守府本庁舎のヴィクトリア調の建物の前には、数人の記者とそれに数倍する歓迎の人員が待っていた。 提督をはじめ、主要スタッフとおぼしき人々もいる。 「お招きにあずかり光栄です。」 「あらためてようこそ。」 二言三言話し、昼餐会場にゆく。 今回は南欧風の食事であるようだ。 前菜に生ハムとほどよい甘さのメロンに加え、この島産だというキャビアが出、ついでコンソメスープの冷製――ジュレといったものが出る。 ほどよいスパイシーな香りは、山椒という調味料によるものだという。 続いて、真鯛のポワレに夏野菜のラタトゥイユ(刻み野菜煮)がけ。 アメリアとフレッドは料理を堪能し、バケットを二度おかわりした。 「失礼します!」 楽しい昼餐の最中、恐縮した様子のオオヨド…たしか提督の秘書官の女性と、厳しい顔をした男性が会場に入ってきて、そしていった。 「提督。緊急事態です。上海特別陸戦隊および日米英三カ国艦隊に対し中国軍機の爆撃が行われ、米砲艦『パナイ』が轟沈。脱出船団の輸送艇1隻も運命を共にしました。 死者は少なくとも300名を超えています。」 「なんだと。」 一瞬で軍人の顔になったアドミラル・カンザキに対しオオヨドが言葉を続ける。 「また、米アジア艦隊旗艦および英香港戦隊旗艦に対し爆撃が行われ炎上中。 日本海軍の空母『カガ』も大破炎上しています! 現地報告によると陸戦隊はアメリカ・フィリピン駐留軍とともに居留民5万および在住住民120万人を守るべく戦闘を開始したとの報告!」 「ミセス・イアハート。申し訳ない。少々中座いたします。ここの牛フィレとカレーソースは絶品ですよ。こんなときで恐縮ですがぜひ味わっていってください。」 「アドミラル。私たちにできることがあれば何でも仰って下さい。あそこには…」 口をついて出た言葉に、若き提督は微笑して言った。 「わかっております。居留民は私たちと日本帝国陸海軍が必ずやお守りいたします。 幸い、たのもしい米比軍がついておりますので。」 一礼し、軍服姿のカンザキ提督は悠々と歩き去った。 次の料理として、メインの牛フィレのカレーソースかけが出てくるまでの3分間、二人の旅行者は上の空のままだった。 彼らが英語で喋っていたことにも気がつかず、忘れてしまうほどに。 25 :ひゅうが:2016/08/24(水) 21 47 51 【あとがき】――計画通り。 その11を13に修正
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/616.html
160 :ひゅうが:2012/01/18(水) 19 11 12 ――同 皇紀4249(宇宙暦789=帝国暦480)年1月 銀河系 南十字腕 「伊予・安芸星域」 大日本帝国の地方制度はいくつかの星系(国)をあわせた「道」あるいは「州」と呼ばれる行政区画を基本としている。星系ごとの自治制度こそ緩いが、道あるいは州への中央政府の監査統制と自治は司法をあわせた疑似的な三権分立という厳しいものになっている。 一例を挙げれば、自由惑星同盟における星あるいは星系首相は「知事」とされ官選。副知事が民選である。 こうした点を見る限り、日本帝国という国家はどちらかといえば中央集権的といえる連邦制をとっている。 これは、銀河連邦崩壊時にルドルフ・フォン・ゴールデンバウムに対抗し「大遷都」を実行するために行われたものの名残であり、常に銀河帝国による追撃を警戒していたためであった。 銀河連邦時代の自国領内には日本神話の神々の名がつけられていたのではあるが、「大遷都」後の日本帝国は各地の星系に地球時代の日本列島やその古名を名付けている。 彼らは二度と本土喪失という事態を引き起こす意思は持っていない。言いかえれば、新たな大地を是が非でも守り切るというそれは決意表明であるのだ。 「すごい密度ですね。」 「この『瀬戸』は南十字腕の大動脈ですからね。帝都へ向かうためにこれから向かうサザンクロス回廊を通る『東海道』はこんなものではありません。」 艦長の言になるほど。とヤンは頷いた。 ここは、日本側の汎用戦闘艦「秋月」のブリッジ。 連絡武官として交換の形で日本側の武官と引き換えに彼はこちらへ乗り込んでいた。 当初はどんな中身なのかと戦々恐々としていたヤンだが、ブリッジは思いのほか普通に見える。 配置は同盟軍の戦闘艦に似ているが、視界を重視するために全天モニターで囲まれた中心にコンパクトにまとめられたブリッジが配置されているのでヤンにとっては単座式戦闘艇に乗った時のように宇宙空間にぽつんと浮かんでいるような気分になり、あまり落ち着かない。 ブリッジには艦長だという男性と操艦手と呼ばれる女性のほかは増設されたアドミラルシートに座る嶋田中将とヤン以外に人はいなかった。 不思議に思って尋ねてみると、小型艦のために制御にそれほど人手を使うわけではないらしい。それに、必要となれば機関長や各砲塔にいる乗組員をモニターに投影し疑似的な艦橋を作りだすこともできるため常に艦橋につめる必要もないのだという。 嶋田提督いわく、「電脳化が前提のシステムだが、こういうものはなくならない」らしい。 ヤンたち一行が回廊を抜けてから初の長距離ワープを行った先にあったのは、まるでハイネセンのフリーウェイのような宇宙船の列だった。 一行はその外側を悠然と高速で進み始めていたのだ。 「周囲の船舶には十分距離をとるように伝達。」 嶋田提督が脚を組み直しながら言った。 「了解しました。」 見ていると、艦長がどこからか空間投影パネルに文章を呼び出し、それを指先ひとつで「通信」と書かれたアイコンに投じている。 どうやら信号発信も自動化されているらしい。 161 :ひゅうが:2012/01/18(水) 19 11 50 「自動化が進んでいるのですね。」 「おや?漢字が読めるのか――そうか。ヤン中佐は中華系だったな。そうだ。我々は銀河連邦を継承した帝国に対抗するためには圧倒的に数が足りなかったからな。 経済的発展を優先するためにどうしても省力化が必要だった。」 嶋田提督はそう説明してくれた。 この人物は意外と面倒見がいいようで、ヤンの質問にはたいてい答えてくれている。 嶋田にしてみれば物語で知っている主役級の人間を相手にして少し舞い上がっているのだが、軍用義体は某義眼レベルで嶋田の「見せたくない」表情を隠しきっていた。 「はぁ。名前表記がE(イースタン)式である以外はそれほど自覚があるものでもないですが。」 「だろうな。あの戦争以後は特にそうなっている。」 ヤンは頷くにとどめた。 内心は驚きの感情を覚えている。伊達に4000年以上の歴史を誇るわけではない。でなければ900年前のシリウス戦役をこともなげに「あの戦争」などとは言わない。 「ヤン中佐は――」 ヤンの思考を中断させ、嶋田提督は言った。 「民主主義は最悪の政治体制だという言葉を知っているかな?」 「いえ。」 「はは。そうしかめっ面をしないでほしい、悪かった。その言葉には『それ以外に比べてはるかにマシであるが』と続く。ウィンストン・チャーチル卿の言葉だ。」 「第2次大戦時の悲劇の英国宰相でしたか。」 ヤンの返答に嶋田は頷いた。 そうか。我々が変更した歴史にあってはチャーチルはそうなっているな。第2次大戦回顧録も書いていない。 「そうだ。統治者にNoを言え、無血で交代させることができるという一点において民主政治――というよりは議会政治は独裁や専制政治に勝っているという意味だ。」 「君主制国家の方からそんなことを聞くとは思ってもみませんでした。」 「まぁ、ギリシアとペルシャの昔から民主政治と君主制時のどちらがマシかという問題は議論されてきたがね。 私は共和制よりも立憲君主制――いや統治者と権威者を分離する方式の方がいいかもしれないと言っておくことにするよ。これでも私は大日本帝国の軍人だから。」 「権威者と統治者、ですか?」 うん。と嶋田は頷く。 「専制者というものはその人格や伝統をもって権威を帯び、統治にあたって独裁的な権力を振るう。 だが、最初から権威を持つ者から統治権を離しておけば、独裁的にはなっても専制者にはなれない。権威を持つ者が権威としての継続性と伝統を継承している限り専制者はそれを上回るものを持てない。 よしんば制度疲労を起こしても、権威者はそのままにして統治機構を作りなおせばいい。」 「王権神授説の神の役割を君主に置き、統治者を王にするわけですか?どうも納得しがたいのですが。」 「日本の歴史はそうしたことの繰り返しだよ。ヤン中佐。統治者がいくら変わろうとも皇室はそのまま君臨され続けてきた。現状の議会政治が暴君を生まない、生んでも排除するシステムであるなら、皇室は議会と統治者の両方に任免の正当性を付託するシステムであるといえるのかもしれないな。三者ともに幸福でいられる。」 おっと、これは言いすぎか。と嶋田提督は話題を打ち切った。 「少なくとも、我々は陛下を敬しているし、人間が皆賢いとも思っていない。それだけは覚えておいてほしい。」 ヤンは頷いた。 自由惑星同盟の中の極右共和制一派が日本帝国の共和主義者への援助を主張していることへ釘を刺したのだろう。と彼はそう理解していた。 「さて。今日中には呉へ寄港し、帝都へ出発できるだろう。そろそろ食事にしないかね?」 どうも似合わぬことをすると腹が減る、と言った嶋田に、ヤンは「お供します。」と返した。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/6995.html
223: 635 :2021/03/17(水) 07 24 45 HOST 119-171-231-231.rev.home.ne.jp 銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようです 幕間の小ネタ 日本政府、銀河連合日本との間に友好条約締結 また、特殊技術による福島第一原発解体、除染及び新型コロナウィルス用ナノマシンの供給に合意 日本の新聞の記事 「ナノマシンなどという訳の分からないものを使い政府は人体実験でもするつもりですか!?」 国会委員会での野党議員による質疑応答 『政府の発表によりますと原発の解体と除染の為にテラフォーミングが出来るという惑星工作艦デルメルという宇宙船が派遣されるとのことです。』 「寺なんとかってそんなので除染出来るんですかねえ?」 「××さん、寺なんとかじゃなくてテラフォーミングですよ。SFなんかに出てくる未来の技術ですね。」 『えー、テラフォーミングとは火星などを生命体が居住可能にする技術でその技術のお陰で向こうの原発解体も除染も出来たそうです。』 「ほぉぉぉぉ、でもハワイのゲート通れるんですかね?」 『此方側への移動方法については問題ないと…。』 とあるワイドショー番組 名前:名無しのマスター[sage] 投稿日: デルメルって宇宙船派遣されてくるらしいね 名前:名無しのマスター[sage] 投稿日: デルメルで船っていうとアレしか思い浮かばない 名前:名無しのマスター[sage] 投稿日: もしかして? 皆のトラウマ 名前:名無しのマスター[sage] 投稿日: ヤメロー!!思い出させるんじゃない!! 名前:名無しのマスター[sage] 投稿日: 話を変えよう。そういえば次のイベントは? 名前:名無しのマスター[sage] 投稿日: 向こうで配信されてるやつじゃねえかって話があるな 名前:名無しのマスター[sage] 投稿日: 対馬が舞台のやつだっけ? 名前:名無しのマスター[sage] 投稿日: そうそう2010年代後半の日本のな、名前は『神機呪詛海域』だったか? 名前:名無しのマスター[sage] 投稿日: 副題が太母の目覚め、太母って誰やねん? 名前:名無しのマスター[sage] 投稿日: 名前からしてオリュンポス十二機神が出てきそうやな デルメルクルー? 名前:名無しのマスター[sage] 投稿日: 太母…グレートマザーやからティアマト再登場とか? 名前:名無しのマスター[sage] 投稿日: ビースト再出現とかやめて下さい(白目) 某聖杯探索ゲースレにて 「そちらの日本へ派遣予定の大使候補一覧です。希望があれば考慮します。」 「総理の祖父の昭和の妖怪に…前年に亡くなられた大勲位って(汗)。」 「鉄の男にドゥーチェとかどないしろと(汗)。」 「鉄の男にドゥーチェは本人達が面白がって立候補しただけだから無視して構わないですよ。」 「ええええ…。」 「所でこのクラウディウスとニコラエヴナという女性は?」 「え?元ローマ皇帝とロマノフ朝の皇女ですが、それが何か?」 「「 」」 此方側と向こう側の会議にて 224: 635 :2021/03/17(水) 07 26 46 HOST 119-171-231-231.rev.home.ne.jp キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━!! 向こう側のフィンランド公式スミオネイトが某ユーティライネンであることを知ったフィンランド大使館のツブヤイター 名前:名無しのべいてー士官[sage] 投稿日: ツシマ沖海戦に参加したが艦これ/グランドオーダーだった 名前:名無しの提督[sage] 投稿日: グランドーダーってどういうことだってばよ? 名前:名無しの提督[sage] 投稿日: FGO? 名前:名無しの提督[sage] 投稿日: 人理焼却でも人理漂白が起きたの? 名前:名無しのべいてー士官[sage] 投稿日: 神代で冥界でバビったわ 名前:名無しの提督[sage] 投稿日: マテ こちら側の掲示板に出没した向こう側の人物 「次のニュースです。訪米中の向こう側のハリソン元アメリカ大統領が各国駐米大使と懇談し。 複数の大使が向こう側の自国との交渉を求めました。その際にハリソン元大統領は内複数の国家が既に存在しないと発言し…。」 公共放送午後七時のニュース 「始めまして向こう側のオランダ外相です。」 「始めまして、それで御要件とは?」 「はい、アムステルダム始めこちらのオランダ諸都市や各種文化財のデータを取らせて頂きたいのです。」 「それは構いませんが…何故?」 「ええ先の欧州大戦でのドイツによるオランダ侵攻で建造物や文化財の多くが消失してしまったのでそれら再現したいのです。」 「はぁっ!?」 「いえですからドイツによる侵略で…。」 此方側の駐米オランダ大使と面会するハリソンらに同行した向こう側のオランダ外相 「そういえばお姉ちゃん達はこれからどうすんだっけ?」 「サルカスの復興も一段落ついたからヤルバーンは数年越しデスガ元々の任務に戻る予定デスヨ。」 「ヤルマルティアって国探すんだっけ?」 「エエ、ここ数年でティエルクマスカであの病気も急速に拡大して来てマスから急がないと…。」 「寂しくなるなあ…。」 悠遠の王国、王都を見下ろす丘にて姉妹の会話 225: 635 :2021/03/17(水) 07 27 17 HOST 119-171-231-231.rev.home.ne.jp 以上になります。転載はご自由にどうぞ。 ゲートが繋がった時代を忘れた訳ではありませんので(笑)
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/4700.html
23: 弥次郎 :2017/07/23(日) 20 04 04 銀河連合日本×神崎島 支援ネタ3 神崎島の出現。 それは、ティ連との接触という地球外生命体とのコンタクトで沸き上がる世界に新たな波紋を生み出した。 そんな中でも、人々はたくましく商売を重ねていくものであった。特に日本人はこのお祭り騒ぎに乗じて新たな商売をはじめようとしていた。 今日は、そんな中で世に放出された様々な品々を一部であるが紹介する。 〇万年筆 神崎島と日本国の間に結ばれた条約の調印式において神崎提督へと二藤部総理が差し出した万年筆と同じモデル。 調印式の直後から注目が集まり、一時メーカーのサーバーや電話対応窓口が飽和するレベルで問い合わせが殺到。 メーカー側は急遽対応を行い、可能な限りで増産を行うとともに、これを好機と見て攻勢に出た。 神崎島帰属記念モデルを数量限定で販売することで大きく売り上げを伸ばし、自社製品を広くPRすることに成功した。 〇五寸釘&藁人形 日本の伝統的ともいえる呪法である「丑の刻参り」に必須のアイテム。 こちらも神崎島について、というか、神崎提督の一夫多妻を通り越したハーレムに嫉妬した全世界のT督達によって需要が爆発的に増大した。 神崎提督を呪おうとする人間が余りにも多く、丑の刻参りをやろうとするT督同士が互いを目撃してしまい、 丑の刻参りの効果が失われたとするネットの書き込みがみられたが、その真偽のほどは不明である。 実際にやると御神木に傷をつける行為であるため神社側に非常に迷惑がかかり、場合によっては警察沙汰になりかねないのでやってはならない。 人を呪わば穴二つ。呪いは自分や自分の縁者へと返って来ることもあるので、軽々しく手を出してはいけない。 神崎島鎮守府には陰陽師スタイル(呪術師?)の艦娘が複数いるため、下手をすればリアルで呪いが返されるとも噂される。 〇神崎島鎮守府白書 神崎島および角〇、〇MMの監修のもとで発行された解説書。メタなことを言えば、元ネタ解説書。 実装済みの艦娘たちの戦歴・建造経緯・艦艇としての性能・容姿の元ネタなどを解説している。 この手の雑誌は多くの出版社から出されたのであるが、非常に玉石混合で、中には明らかな間違いを含むものまで流通し始めたため、 その対策の一環として発刊された。解説を行いながらも、神崎島そのものについても簡単に説明している。 例によって官民癒着だの騒いだマスコミもいたのであるが、各方面からの凄まじい圧力を受けて沈黙させられている。 〇神崎島鎮守府懐中時計シリーズ 神崎島鎮守府の妖精さんたちが装備として付けている懐中時計を参考に、日本の時計メーカーが作ったもの。 概ねデザインについては史実帝国海軍のそれを踏襲しており、デザインや寸法などはほぼ同じである。 妖精さんによっては各国海軍(ドイツ アメリカ イギリス イタリア ソ連)の懐中時計などを保有しているため、 その気になれば各国の懐中時計をモデルとしたものを生産及び販売することができるとされている。 現状では帝国海軍のそれをモデルとしたものの販売に留められているが、前述の理由から販売の打診が後を断たない。 〇1/72スケール 瑞雲11型/瑞雲(神崎島鎮守府配備型) 神崎島の航空戦艦及び航空巡洋艦の運用している水上機「瑞雲」の模型。 神崎島からの資料提供を受けてより本物に近い形状を得ており、さらに妖精さんの証言から得られたエピソードを付属の解説書に載せている。 勿論神崎島においては現役の軍用機であるために、意図的に構造がぼかされており、あくまでもそれっぽい模型といえる。 神崎島鎮守府配備型には妖精さんの模型も付属する。 〇間宮の洗濯板 神崎島鎮守府所属の給糧艦「間宮」が提供していた、史実において間宮羊羹と並んで称された食べ物。 その正体は史実においてはまだ不明であったが、ついに「本人」からの証言が得られ、現代によみがえった。 現在は神崎島でのみ味わえるが、今後の日本国との交流が活発化することで一般にも提供される可能性が出てきた。 〇「神崎島鎮守府」掛け軸 現実の掛け軸ではなく、艦これにおける執務室の家具。 神崎島鎮守府サーバーの開設を記念して家具屋のラインナップに並んだ。 一説には、モデルとなった掛け軸は神崎提督直筆のもので、艦これ運営に寄贈されたとされる。 〇「神崎島鎮守府」模型と桐箪笥 こちらも艦これにおける執務室の家具。 神崎島鎮守府サーバーの開設を記念して実装。家具職人と多額の家具コインが必須。 神崎島を簡単にデフォルメした模型が桐箪笥の上に置かれている。 〇神崎島日本国帰属記念切手/記念コイン 日本国への帰属が決定し、その帰属を明文化した条約の締結を記念して発行された記念切手と記念コイン。 どちらにも神崎島及び神崎島鎮守府施設、あるいは艦娘がデザインのモチーフとして使われている。 パターンは数種類存在しており、各地で販売されている。 24: 弥次郎 :2017/07/23(日) 20 04 58 以上。wiki転載はご自由に。 すぐに飛びつく日本人ならこういったものを作ってくれるはず…!(期待という名の無茶ぶり
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/5436.html
847: 第三帝国 :2018/10/31(水) 23 21 04 HOST 70.244.32.202.bf.2iij.net 銀河連合日本×神崎島ネタSS――——――「出発」 「はい、吹雪ちゃん、黒雨ちゃん。 おはぎだよ、宇宙船でみんなで食べてね」 「間宮の羊羹もあげるっぽい。 吹雪ちゃん達だけでなくフェルさん達の分もあるっぽい」 「わぁ、おいしそう。 睦月ちゃん、夕立ちゃん、ありがとー!」 「アリガトウ」 「こっちはカレーで向こうはおはぎに羊羹、 宇宙行くって話なのに遠足かハイキングな気分だなぁ・・・」 記者会見でガークによる騒乱騒ぎがあってから数日。 ついに宇宙へ旅立つ日が訪れ羽田空港のVIP用待合室に待機していた。 記者会見での投石騒ぎがあっただけに、 周囲だけでなくVIP用待合室内部にも護衛が隙間なく警戒している。 とはいえ、睦月、夕立、吹雪、駆逐棲姫、もとい黒雨のやり取りは完全完璧に遠足気分で思わず柏木がぼやく。 「遠足ではなくてどちらかと言えば二ホンで言うところの、 『ふぇりー』の旅に近いデスヨ、マサトさん・・・んぐんぐ」 白木の手土産であるカレー弁当を早速口にするフェルが回答する。 なお【原作】あるいは平行世界ともいうべき世界線と違って2人で堂々とイゼイラへ行くことになっている。 何せ、 「私達結婚することにしました、 世界初の異星人間婚姻でちょっと嫁の実家へ行きます」 と派手に記者会見で発表したもんだから隠す必要なんてまったくない。 ついでにこのお陰で「日本だけ異星人国家に行くなんてずるい!」という批判も、 「嫁の実家に行く」という大正義を前にして表面上祝福モードとなって政治的批判は抑え気味となっている。 「いや、無理もねーぜ。 考えてみろよ今人類が宇宙に行くためにはどれほど訓練が必要なのかと、 民間による宇宙旅行計画はあるがまだまだ先に話だしそれがお前でも行けるから相当なもんだぜ」 「お前でも行けるなんて失礼だな、白木。 まあ、確かに宇宙服なしでスーツ姿で問題なしなんて地球にとってはチートだわな。 ・・・しっかし、なんか似たような話をどこかで読んだ記憶がするな、学生時代読んだ小説で」 白木の言葉に突っ込みつつ首を傾げる柏木。 848: 第三帝国 :2018/10/31(水) 23 21 41 HOST 70.244.32.202.bf.2iij.net 「星新一の『空への門』ですね」 と、ここで入室してきたサラトガが答えを提示した。 「おお、それだ! いやあ、よく知っているなぁ」 「ふふふふ、 最近二ホンの小説を読むのが好きなのです」 と、笑顔で答える。 あふれ出る母性とお嬢様オーラに部屋に男衆は思わずときめく。 既に既婚者で神崎提督の嫁であるという事実は一時的にフェードアウトする。 そしてフットボールといえばキチンとした制服を着こんでいても、 なお自己主張する胸部装甲の大きさも丁度フットボールぐらいありそうで思わず視線が・・・。 「マ・サ・ト・サ・ン?」 などとアホな事を考えていた柏木だったが、 先祖は鳥さんな嫁ことフェルがとってもとっても良い笑顔を浮かべていた。 しかし目はちっとも笑っておらず米神にはうっすらと青筋が走っている。 ―――――笑うという行為は本来攻撃的なものであり、獣が牙をむく行為が原点である。 そんな言葉が脳内に浮かび、 片腕のない某侍のように神妙な表情を浮かべると・・・。 「ご、誤解だ、フェル! というかすまなかった、ごめん!」 「ふ~ん、ふ~ん。 いいですもーん、どうせ男の人はみんなおっぱい星人なのデスカラ」 即座に平謝りを始めた。 フェルは『3』な口元を作りそっぽ向いている。 「ぶはははは! 相変わらずだな先生」 「仲がよくて何よりです」 2人の様子を見ていた三島が爆笑し二藤部が微笑まし気に見ている。 「・・・で、先生よ。 そろそろ出発の時間だけど、 陛下から託された物だからくれぐれもよろしく頼むぜ」 「フブキさん、黒雨さん。 提督から託されたのを必ずサイヴァル議長閣下へ渡してくださいね」 「はい、必ずや」 「分かりました!」 「・・・ウン」 柏木は天皇陛下、吹雪と駆逐棲姫は提督。 それぞれから託された物の重みを再度確認した。 「んじゃ、いこうか」 そして間を開けず、 柏木がピクニックに行くような口ぶりでVIPルームからロビーへ踏み出た。 849: 第三帝国 :2018/10/31(水) 23 22 42 HOST 70.244.32.202.bf.2iij.net んで、予想はしていたがそりゃもう凄い人手であった。 仕事がら人に囲まれることは慣れている柏木も思わずたじろぐ程で、 群衆から噴出している熱気と歓声からかかるプレッシャーは半端ない、とはいえ。 【祝!!しばふ村代表吹雪殿、宇宙開拓!】 【フェルさん結婚おめでとう!だが柏木、テメーは絶対許早苗】 「頑張れ」というプラカードに混じって、 ネタに走った物がチラホラと見受けられ思わず吹き出しそうになる。 名前: 名無しさん@T督たちの憂鬱投稿日:~ 柏木氏ねええええええーーーー!!! 名前: 名無しさん@T督たちの憂鬱投稿日:~ 堂々と手をつなぎやがって・・・ぱるぱるぱるぱる 名前: 名無しさん@T督たちの憂鬱投稿日:~ で、ブッキーといえば何度見ても芋である 今夜もお芋の味噌汁だべ! 名前: 名無しさん@T督たちの憂鬱投稿日:~ あっさりーしっじみーはーまぐーりさーん 名前: 名無しさん@T督たちの憂鬱投稿日:~ 芋をよこせ! 芋をよこせ! しばふ芋の見返りに我が鎮守府をくれてやる! 名前: 名無しさん@T督たちの憂鬱投稿日:~ リチャード3世提督乙 なお電子空間でもやんややんやの大騒ぎである。 柏木に対する嫉妬団が大量発生し、しばふ村の住民がしばふ芋を称えるカオス空間と化しつつあった。 「アハハ・・・すごい人手ですネ」 女性から熱烈な歓声を浴びるフェルが苦笑気味に呟く。 「それだけ注目されているってことですよ! これを機会に私も那珂さんみたくアイドルデビューしたり、したり!?」 「ソレハナイト思ウカモ、吹雪チャン」 すっかりテンションが上がっておのぼりさん丸出しな吹雪。 対して黒雨(駆逐棲姫)が突っ込みを入れる。 などと言っている間にやがて出発ゲートに到着。 空港で停止しているデロニカまで送り届ける黒塗りの政府公用車が待機している。 乗ってしまえば後は宇宙へ行ってしまう。 そう思って一物の寂しさを感じたのか吹雪が振り返る。 「・・・・・・・・・」 振り返った先にいつもいる提督はいない。 あるのは歓声の声を上げる群衆だけだ。 「・・・行ってきますね、司令官」 吹雪は小さく呟き、踵を返して再び歩き始めた。 おわり 851: 第三帝国 :2018/10/31(水) 23 27 47 HOST 70.244.32.202.bf.2iij.net 以上です。 皆様方の創作意欲を刺激できたら幸いです、では。 追記 以前自分のゲートネタで盗作疑惑云々の話がありましたが、 見たところ内容丸パクリとかが特に見受けられなかったのでそのままにします。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3179.html
869 :影響を受ける人:2015/10/25(日) 21 55 17 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 オリジナル設定、個人的解釈が入っています。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第七十八話 ―翼は帰郷する― 北郷部隊、江藤部隊は何事も無く扶桑海を渡り、舞鶴に帰る事ができた。 あの演説の後、退役を決めた学兵は僅か9名。 船内でも考えて決断を下したのだろうが、あまりにも少ない。 両隊長はもう一度問いただしたかったが、一時的な帰還時間が迫っていているために、断念せざるをえなかった。 しかし母校に、故郷に戻り、家族にあえば変わるかもしれないと思い、帰還時刻までに戻らなければ除隊と判断する旨を伝えるにとどめる。 取りあえず学兵達は法術士学校・導術士学校に一時的に戻る。 一泊二日してから帰郷し、期間は長めの二週間。 ゆっくり疲れを取って欲しいという願いもあって長めだ。 まあ。隊長陣はその間忙しく動き回るのだが。 ――――― 陸軍海軍合同機械化航空歩兵部隊と言う、未知なる部隊設立のために奔走する二人。 北郷章香と江藤敏子は、信頼と畏怖の念を持つ上司達から「やってみろ。」と言われて作業に没頭している。 投げやりに聞こえるかもしれないが、一応フォローは入れてくれているので助かってはいる。 「ストライカーユニットと武装は共通化が進んでいるからいいけどね・・・」 「やっぱり組織的な問題がなぁ・・・」 夢幻会が推し進めている共通化により、現場ではある程度負担は軽減されている。 さらに政府も共通化の利点を理解し、世界的な共通化を目指すべく動いている。 それはいい。それはいいのだ。 問題は陸軍と言う枠組みと、海軍の枠組みの違いだ。 両組織とも歴史があるし、世界共通の様に仲が悪い。 その中でウィッチのみとはいえ、統合しようというのだ。 新しい組織組を一から作らないといけない。はっきり言って自分達の仕事じゃないと思う。 「無理に総合するのは難しい。やっぱり別々で考えた方がよくないか?」 「そうよね・・・ まだ戦争しているし、新組織は無理だって上げるしかないわね。」 「そうなると、まずは防衛戦においての運用か。」 「まず陸戦戦力は考慮しなくて良いわ。偵察機による防空警戒網の構築が急務?」 「それは通常戦力で賄えるな。確か試作で木製偵察機を作っていた筈だが。」 「え、なにそれ。知らないんだけど?」 話題に上がった木製偵察機は、対ネウロイ戦において威力を発揮するだろうと思った夢幻会主導の物。 長距離偵察をこなし、爆撃も出来る。この世界製のデ・ハビランド モスキートを作ろうという野心的なものだ。 話を聞いた敏子はちょっと興奮気味であったが、章香はあっさり切り捨てる。 「まだ試作だし、投入できない。」 「意味ないじゃない・・・ 将来に期待ね。」 「とりあえずは航空母艦での警戒が主になるか。」 「機動艦隊を貼り付けるの? 良く知らないけど燃料とか、整備とかは?」 「自分も、主な勤務場所は陸上だからな・・・ 今度、アイツに聞いてみるか。」 「とりあえず、混乱しない様に指揮系統をはっきりさせた方が良いわね。」 「そうだな。情報のやり取りは円滑にした方が良いだろう。」 「同じ基地に同居していたのって、これを考慮していたのかしら・・・?」 「そうかもしれん・・・」 ちょっと冷や汗が流れる。やっぱりウチの上司は怖い。 そんなこんなで作業をしていると、ノックが聞こえた。 許可をすると、副隊長に戻った旭川梨奈が書類をもって入室してくる。 「隊長、持ってきましたよぉ。」 「ああ、すまいない。」 「いいですってぇ。」 軽く礼を言い、梨奈は小さく笑ってそのまま出て行いく。 書類は部隊運営に必要なモノから要望まで多岐にわたる。 そして手紙、も何通か入っていた。 誰からだと思い、目を通していく。 「大佐に、源田・・・ げっ!」 「どうしたのよ?」 最後の手紙を確認した章香が変な反応をしたので、書類を書いていた敏子が顔を上げる。 見上げた先では「どうしよう。」と困っている章香がいた。 「どうしたのよ。」 870 :影響を受ける人:2015/10/25(日) 21 55 54 再度尋ねると、言いたくなさそうな感じだではあるが答えてくれた。 「両親からの、手紙だ。恐らく、見合いの・・・」 「あ、ああ・・・」 ――――― 導術士学校は大阪にあるが、少し兵庫県よりだ。 と言うのも最初に海外からの留学生を受け入れていたのがこちらだからだ。 設立が早かったのもこちら。法術士学校の方が後なのは、入校して初めて知る事実だったりする。 九曜葛葉が陰陽道、その技術が消えるのを恐れたが故に。 それは成功し、結界士・呪歌使い等の特殊技能が生まれてこの世界で活躍している。 疑似的な能力模倣すら可能にしているのだから、世界が瞠目するのも分かる。 それはともかくとして、坂本美緒・若本徹子・竹井醇子は母校に戻ってきた。 バスから降り立った母校は相変わらず広く、多くの女子生徒たちが運動していた。 時間的に授業中なのだから仕方が無い。 グラウンドにいた同級生の生徒達がこちらに気がつくが、先生が押しとどめつつ叱り付ける。 「・・・(クスッ)」 それをみて小さく笑った美緒に、醇子が近寄った。 「どうしたの?」 「え、あ・・・いや。」 問いかけられたのだがどうにも答えにくい。 困り果てた美緒ではあるが・・・彼女は同級生たちの行動を「子供らしい」と思ったのだ。 戦争に出たがゆえに精神年齢がいびつに上がった影響なのだが、美緒が気がついた様子は無い。 学兵一行はそのまま体育館に移動し、教頭先生と校長先生から労いの言葉をもらうが・・・どうにも実感がわかない。 意識的にはまだ戦争は続いていると、認識しているからだろうか? とりあえずそのまま昼休みの時間となったので、彼女らは自分達がいた教室に一時戻ることになった。 学友達と交流してほしいという思いと、それとなく知らされた徴兵期間延長をさせないために。 美緒等は一緒の学年で、一緒の教室にいるから戻る場所も一緒だ。 教室に入ると、いっせいに学友たちが押し寄せてきて揉みくちゃにされてしまう。 「うわわわわ!」 「おかえり!」 「心配していたのよ!?」 「怪我してないよね・・・?」 「おう。大丈夫だ。」 「あっちでも、二人共勉強してた?」 「うん。分からないところは先輩に教えてもらっていたよ。」 三人は質問攻めに会いながら、冷静に答えていく。 すると、外側から参加せずにいた一人の生徒が、気が付いたように呟いた。 「なんか・・・ 落ち着いてない?」 「え、そう?」 小さく呟いたつもりだったのに、隣の友人に聞こえていたのに驚きつつも頷く。 「美緒ってさ、こういう状況だともっと慌てていたような感じがする。」 「言われてみれば・・・」 視線を騒ぎの中心に戻せば、美緒は抱きつかれていたのをやんわり外し、少し距離を取らせている。 そして冷静に受け答えしていた。 徹子は答えつつも背中を醇子のほうに向けている。醇子も自然と美緒と徹子の間に入れていて、けして背中側を見せないようにしている。 これは、三人は意識せずに背中を見せないように行動しいていたのだ。 別に危険も無いのに、「取り囲まれている」というこの状況で体が動いていた。 そして一定の隙間を空け、三人の視線が時折扉と、人垣が少ないほうを見ているのにも気が付く。 異常だ。この三人の行動は異常すぎる。 まだ幼い生徒は、軍隊の生活に慣れきった目の前の人物たちが怖くなった。 あれは本当に同級生なのだろうか? 自分の知っている人物とは違いすぎる。 身にまとう雰囲気も上級生・・・ いや、大人のようにも見えなくも無い。 戦場に出ると、人はこうまで代わるのか? それが恐ろしいものに見えて、彼女は近づくのをためらった。 ――同じはずなのに違う。 それは美緒達も感じていた。 同級生たちの近況の話を聞くが、どうにもついていけない。 こういう御店が出来ておいしいとか、可愛い洋服があるとか、誰それが失敗して先生に怒られたとか・・・ 確かに久しぶりの会話は楽しい。 しかしここは本当に自分の知っている学校なのか、どうにも確信が持てない。 871 :影響を受ける人:2015/10/25(日) 21 56 40 精神的成長を遂げた三人にとって、微妙な齟齬が違和感となって感じられる。 何時も見ていた教室。 何時も見ていた窓の外。 何時も一緒だった同級生たち。 良く知っているのに、何か違う。 何処か、疎外感を感じて寂しさがこみ上げてきた。 自分はここにいていいのだろうか? そう疑問に思い始めた時、昼休みが終わる鐘がなる。 「ほら皆、椅子に座って!」 学級委員長がいうと、質問をしていた子達は名残惜しそうに美緒達から離れていった。 ようやく解放されてホッと一息をつき、自分達が座っていた席に座る。 そして先生が入ってくると、いきなりテストをすると言って大ブーイングを受けてしまった。 これは学兵の為の措置だ。取りあえず午後の授業を受けてみて、自主勉強がどこまで出来ているかを見ることになっている。 美緒達としてもいきなりの抜き打ちテストに冷や汗が止まらない。 一応勉強はしていたが、どこまで進んでいるかなんてわからないのだ。 手探りで進めつつ、先輩たちに聞いてようやくと言うレベル。 配られた答案用紙を見詰めつつ、帰国早々の戦闘に鉛筆を取り出す。 (*1)) 意気込んでテストに臨んだ三人だが、結果から言えば半壊判定だった。 それは他の学年にいる学兵達も同じであり、学校側も困ってしまったので、急遽学兵を集めた特別な教室を作る事に。 今は低学年の学兵が全員帰ってきているが、まだ戦場に残っている学兵もいる。 彼女達の未来の為に、一肌脱がなければならない。 この有り難い説明を帰郷前に聞いた学兵達は、嬉しさに泣いた。 ついでに宿題も沢山渡されたので、絶望にも泣いた。 ウィッチになる女性達は才女が多い。だから要求される能力も高くなり、授業も難しくなる。 社会進出しているウィッチ達も、猛勉強の末にその地位に立っているのだ。 泣き言なんて許されない。 学兵達は宿題の量に頭を抱えつつ学校を後にした。 お見送りにやってきた学友達の視線は同情の視線。 先に夏休みの宿題を手渡され、たった十二日でこなさなければならないことへの同情。 美緒はその視線にさらされる事で、ようやく元に戻れたような気がした。まったく嬉しくないが。 帰郷に旅立ったその日は7月14日・・・ 原作において大反抗作戦を開始し、潰走。空戦ウィッチの尽力により、一時的に戦線の再構築をした日にちだった。 超大型ネウロイ、コードネーム“ヤマ”。その発見がされるまで、あともう少し。 以上です。 今回初めて明確な日にちを出しました。 しかし・・・“ヤマ”が確認されたのっていつ頃なのかな? 個人的予想では7月の28日・29日・30日だと思うのだが・・・
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3488.html
740 :ひゅうが:2016/07/07(木) 17 25 53 艦こ○ 神崎島ネタSS――「接触」その4 「こんなものを見せて、我々に何をさせる気なのかね?我々はこんなものを見せられてはいそうですかと返す程度の無能ではないぞ。」 「さすがは俊英をうたわれた米内提督だ。話が早い。」 「というよりは君らが露骨すぎるのだ。君らが我が帝国に単純ならざる感情を持っていることは理解したよ。いやというほどね。」 米内光政は肩をすくめた。 ここで腹の探り合いをする気がないのは理解した。 映像の持つ魔術的な作用も。 「わが鎮守府は、今後約70年間の医学的・科学的成果を大日本帝国に提供する用意があります。 加えてわが鎮守府が実効支配する島嶼のうちいくつかを防衛目的で提供し、さらには本島から採掘される豊富な資源も。」 「具体的には?」 掛け金を釣り上げてきやがった。と米内はもとよりGF司令部の面々の表情が固まる。 「まずは年間40万バレルの製油済み重油・軽質油・高オクタン価ガソリン。 同じく年間30トンの金、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデンなどのレアメタル各種年間3000トン程度。 高品質調整済み鋼材100万トンもおつけしましょう。もちろん無償で。」 さらりと挙げられた数字に今度こそ参謀どもが目を剥く。 「加えて、南鳥島北方、大東島東方、伊豆諸島西方の泊地。 ドイツ製のそれを桁で2つほど上回る精度の新品の工作機材、そして――わが神崎島鎮守府の保有する兵器類とその部品も。」 「…剛毅な話だ。」 それだけの物品を生産する能力があるということか? しかし、本邦の石油消費量は現在のところ年間450万トン――多く見積もっても28万バレル。 そのすべてを賄ってのけるだけの石油を提供するという。 それはすなわち、帝国海軍のアキレス腱である石油問題が解決することを意味する。 さらには、帝国海軍が決戦海面として想定するフィリピン海から太平洋にかけての泊地まで。 そして、兵器類。 これは…今乗るこの巨大戦艦も、ということか。 「それで。そこまで大盤振る舞いしたのだ。何を望む?帝国臣民ならざる日本人。」 「大日本帝国への編入。」 ぴしゃりと神崎提督はいった。 「我々は、帝国陸海軍および帝国政府に大きな疑念を抱いておりますが、不忠や叛逆をたくらむようなことはいたしませぬ。 理由は、お分かりでしょう?」 「君らが、未来ないしは別の世界から来たというならそれも当然だろう。 一夜にして深い森林を有する巨大な島が出現するなど、尋常なことではない。」 そう。 彼らは、自分達が何者かという問いに答えていない。 ただ、巨大な島を前にして自らの力を見せ、映像を見せ、要求をしているのだ。 映像を信じるならば、だが。 しかし、この交換条件をみるところ、あの島に先に到達したのは彼らである。 でなければ資源採掘量を詳細に算定することも、製造能力をさらりと述べることはできまい。 あの島は彼らごと、唐突にこの世界に現れたというのが自然な解釈だろう。 「だが、よいのかな? 帝国へ編入されれば、君らはその帝国政府のもとに統治され、艦艇は我々帝国海軍のものとなる。 我々としてはもろ手を挙げて歓迎するが。」 741 :ひゅうが:2016/07/07(木) 17 26 32 「ええ。しかし帝国政府に島とそこに暮らすわが鎮守府の『市民』をあなた方のもとに引き渡すことはできない。」 「それが理由か。資源供給の。だが貴官は琉球処分を忘れたのか。朝鮮併合を忘れたのか。 わが帝国は国内政権を許さない。」 「承知しています。ですが戦争は避けるべきだ。」 「やってみようじゃないか。この島にはそれだけの価値があるのだろう?ならば帝国のものとする。」 「結構。ならばわが鎮守府の保有する戦艦17 空母24 航空機3000をもって帝国海軍を殲滅し、そのまま放置いたしましょう。わが鎮守府には帝国本土を統治する意思も能力もありませんからね。」 視線がぶつかる。 「帝国に属しはする。しかし安易には従いはしない気か。 どうやって?」 「畏れ多くも、畏きところに奏し奉る。」 「貴様!!」 憤怒の表情で米内は唾を飛ばす。 「外道が。見切ったぞ。貴様らはあの昭和維新を呼号したバカどもと何の変りもない。 何が不忠はしないだ。 貴様らこそ日本の禍。貴様らこそが罪悪だ。この米内、艦隊が全滅しようとも貴様らを滅ぼしつくし、もって宸襟を安んじ奉る。」 「実に結構。その頑迷さをもって貴官らが日本を滅ぼしたことを確認できた。 かかってこられよ。」 GFの参謀どもが立ち上がる。 対して、神崎提督側は男女の士官たちが鋭い目でGF側を睨みつける。 対峙すること1分余。 米内は鬼の形相を崩さぬままに問う。 「問おう。貴様何者だ。」 「ある日本人の亡霊。」 「問おう。貴様ら、何者だ。」 「太平洋戦争において奮戦し、その悉くが水底へ斃れた『軍艦の英霊』たち。」 「問おう。亡者ごときが何をなす。」 「再びの護国。此度は国を焼かれ、国民に塗炭を舐めさせぬよう。」 「問おう。なぜ帝国に叛す。」 「再び国を焼かぬため。」 「問おう。――ならば何を護る?」 「1億の民を背に立ったある御方と彼の愛した民を。」 742 :ひゅうが:2016/07/07(木) 17 27 09 その言葉に、米内は苦いものを飲み込んだような表情を面に出した。 ゆっくりと、座る。 「帝国では…役者不足か。」 「負けた、と言いたくないがために国を滅ぼすような自尊心のみ肥大化した組織を信用するのは難しいでしょう。誰でも。」 「そう。そうだな。たとえその中には廃墟から国を新たに作り直した傑物たちがいるとしても『僕』なら色目で見るだろう。」 やっと理解に達したか、という表情でこちらを見る神崎提督側の面々に、米内は疲れたような目を向ける。 「軍艦の英霊、か。信じられぬが、突拍子もないことを言うからにはその証があるのだろう。」 「はい。たとえば…陸奥などは米内長官の秘密を知っていたりも…」 「なるほどな。検証はあとに任せるとして、君らはあくまで君らの体制を守りつつ帝国を護るつもりか。 そのためには何でも利用する。」 「防衛には協力しましょう。しかし、使い潰されるのは御免です。」 743 :ひゅうが:2016/07/07(木) 17 28 05 ゆえに…と神崎提督はいった。 「帝都東京において、わが神崎島の『政権を維持したままでの』日本領編入を願い奉りたく。」 「帷幄上奏か。少し違うが。」 帝国憲法によると、軍の統帥権は天皇のみが持っている。 実態はその行使にあたって陸海軍と政府による曖昧な文民統制がとられている国民軍なのであるが、それでも連合艦隊司令長官にも上奏を行う権利があった。 「そうでなければ、握りつぶされてしまいます。」 「よろしい。」 米内はいった。 「すべては検証を待ってからだが、今ここでは君の要求を容れよう。 どちらにせよ、新島発見報告は満天下に宣言する必要があるからな。」 「ご配慮、有難く。ついては、国際水路機関にこれを提出していただきたく。」 神崎提督が目配せすると、彼の横に座る女性士官が鞄から黒い筒を取り出す。 「測量済みの神崎島地図と水路図です。歴史的経緯などについてはこちらに…」 「はじめから計画通りか。抜け目のないことだ。」 ――1937(昭和12)年1月8日 午前11時30分。 連合艦隊司令長官米内光政名義で全周波数帯に対し「新島発見」の宣言が発せられる。 「なお、最低数万の島民は日本人」との但し書きと即刻編入の許可を求める米内からの電文を受けた広田内閣は国土への編入を即日閣議決定。 開催中の帝国議会においてこれを公表するとともに、国際放送においてこれを諸外国に通知した。 同日、米国の定期航空航路に属するチャイナクリッパー水上機が神崎島を視認。 アメリカ本土に報告を上げていたが、迅速な対応により日本側はこれに十数時間先んじることに成功する。 帝国議会では万歳三唱によって新領土の編入が祝われ、早くも新領土の開発計画が議題に上がり始めた。 だが、これと同じ日、帝都東京にたどり着いた水上機から大量のフィルムが運び出されたことや、そのフィルムある官庁へと向かったことに気付いたものはごく少数だった。 これを受け取った人物の名を、鈴木貫太郎。 彼は、走り書きのような文章を一瞥すると、麹町の海軍予備役大将 百武三郎に電話をかけた。 744 :ひゅうが:2016/07/07(木) 17 29 43 【あとがき】――以上です。書いていて地雷原でタップダンスしているような気分になりました。 重いネタは嫌いな人も多いみたいですので、この辺で止めておくべきかな…