約 1,929,009 件
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/194.html
「てんくうちゅうしんけん?何それ?」 ロム・ストールの発した聞いたことの無い単語を不思議に思うルイズ 「悪を断ち、弱きものを守る正義の拳法、俺は亡き父の遺言によりそれを用いて旅を続けていた」 「ふ~ん・・・、ってそんな話をしている暇はないわ!今すぐ契約するわよ!!」 「契約?何の?」 「主と使い魔の契約よ!今から貴方は私の使い魔になるのよ!」 ルイズは力みながら説明した 第1話 新たなる大地!その名はハルケギニア! 「つまり使い魔とは君たち魔法使いのしもべになること、俺は君に召喚されたから君の使い魔として契約をしなければならない」 「そうよ、物分かりが早くて助かるわ、では早速・・・・」「断る」 「んな!何を言っているの!貴方は私に」 「君達魔法使いが伝統に従うように俺には亡き父の遺言に従って悪を討つ旅を続ける義務がある。それを途中で止めるわけにはいかない」 「そーいうことなら私も言うわよ!召喚のやり直しは出来ないのからもう私には貴方に使い魔になってもらうしか道がないのよ!」 ロムの言い分にルイズは真っ赤な顔をして反論する ルイズは思っていなかった まさか貴族である自分が平民(?)であるロムからここまで拒絶されるとは さらに周りの見回すと既に契約を済ませた級友達はそれぞれ使い魔の自慢話をしつつルイズをニヤニヤしながら見ている 当初の予定なら今頃自慢話の中心にいるのは自分のはず・・・・ しかし現実はそうではなかった ルイズの涙腺は爆発寸前だった (気の毒だが俺は一刻も早く仲間達の戻らなければならない。) ルイズに同情しつつ、ロムは手を空に掲げた (彼女の話からここはクロノスではない事は確かだ。だが彼女は俺をこの世界に呼ぶ事が出来た) (っという事は戻る事も可能なはずだ・・・・、よし、剣狼よ!我に導きを!!) しかし何も起こらない (ばっ・・・馬鹿な!剣狼が現れん!?) 父から受け継いだ狼の紋章を持つ剣、剣狼が今まで自分の下に現れないとはこれまでに無かったのだ さすが多くの修羅場を乗り越えたロムもこれには焦った 「聞きたい事がある」 「何よ!」 ロムは少し青い顔でルイズを見る、ルイズは再び目に涙を溜めていた 「帰る手段はあるのか」 「無いわよ!サモン・サーヴァントは呼び出す事しか出来ないのよ!」 「・・・・本当か?」 「本当よ!嘘付いてもしょうがないでしょ!」 少し思考した結果・・・・ 「わかった、君の使い魔となろう」 「ほっ本当!?本当に本当!!?」 「ああ、ただし帰る手段が見つかったら必ず帰る、それまで俺が使い魔としての働きをする」 ルイズは片手で涙を拭い、胸に手を当て息を吸った 一度は閉ざされたと思われた道に光が差したのだ・・・・・・ 「ではコントラクト・サーヴァントを始めるわよ。そこに座りなさい」 ロムは言われるままに膝を地に付ける、するとルイズは目の前に杖を掲げた 「我が名は、ルイズ・フランソワーズ・ド・ル・ブラン・ラ・ヴァリエール。 五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我が使い魔となせ」 (成る程、これが契約か・・・・これで俺は、ってな!?) ルイズは呪文を唱えたあとロムに顔を近づけ、口付けを交わした 「ふう、これで契約は終わりよこれであんたは私の使い魔になったわ」 「・・・・・・・・」 唖然としたロムはルイズの顔をじって見ていた その透き通っている目に思わずルイズは頬を赤らめる 「なっ何よ、ひょっとして照れているの?しょ、しょーがないじゃない!私だって好きでやってるわけじゃないんだから・・・・」 「いや、女に迫られるのは慣れているがいきなり口付けをするのは初めてだと思ってな。意外と大胆なのだな」 ルイズの顔が全面真っ赤になる 「仕方がないでしょこれが儀式なんだから!それより今からあんたは私の使い魔よ!!」 「ああ、出来る限り努力しよう・・・む?体中が・・・・あ、熱い!!」 ロムの左手の甲から文字が浮かび上がる 「それは使い魔のルーンよ、使い魔になった証拠よ」「ふむ、珍しいルーンだな、どれもっと良く見せてくれないか」 コルベールがロムの左手に自分の手を添える、するとコルベールが段々悩ましい顔になっていった (こっこれはどういうことだ!?この平民何かおかしい・・・・!これでは・・・・) 「もういいか?」 「あ・・・・、すっすまん、では皆、教室へ戻るぞ」 ギャラリー達が宙に浮き始め、建物の中へと入っていく。 色々話している声があったがもちろんそれはルイズの事であった 「ルイズの使い魔にはあんな平民がお似合いだな」 そんな声が聞こえた気がする 「なんだ、マスターは飛ばないのか」 「うるさい!さっさと行くわよ!全く、何で私の使い魔が平民なのよ!」 ルイズはまだ怒っていた その夜・・・・ ルイズの部屋にてロムは窓から夜空を見上げる 「ふむ、この世界の月は2つあるのか」 「そんなの当たり前でしょ」 「俺の世界には太陽が2つあるが・・・・」 「太陽が2つ!?暑くないのそれ!!?」 「いや、それほどでもない、環境はこの世界とはあまり変わり無い。それに俺が仲間と共に旅をした場所には全てが氷でできた大地もある」 「あんた今までどんな生活してきたのよ・・・・」 ルイズは呆れながらも言う ロムはルイズに自分の世界の事を話していた。自分の事や、世界に住人の事、そして仲間達と共に旅をしていたこと 「要するに貴方の世界の住人は貴方の様に体を鋼で包み、それ所か別の物に姿を変えることができるのね。じゃあ貴方も姿を変えることができないの?」 「できん、俺はクロノス族に属している。クロノス族は人間の姿が基本だ」 (何よそれー!平民の使い魔を連れているなんて馬鹿にされないためにずっと姿を変えさせておこうと思っていたのにー!) ルイズがぶわぶわと長い髪をかきあげる ロムが再び口を開ける 「しかし君を悪人から守ることはできる。天空宙心拳は人を活かす拳だ」 確かにロムは見掛けかしてとても強そうだ 顔立ちも昔家に招待された高名な騎士と似ている しかしその騎士との決定的違いは魔法が使えないという事 もしも悪人が魔法を使ってきたらあっという間に吹き飛ばされてしまいそうだ 「まぁ期待しておくわ、それよりもあんたにやってもらうことは沢山あるわよ!覚悟しなさい!」 「ああ」 ロムがこくりと頷く 「じゃああんたの寝床はそこ」 ルイズが指を床にさしたあとロムに毛布を渡す 「ああ、野宿には慣れている」 それからブラウスのボタンを一つずつ外していき、下着姿となった 「なっ、なにをしているんだ!」 ロムがすっとんきょうな声をあげる 「寝るから着替えるのよ」 「何故人前でやる!」 「別に、使い魔に見られたって何ともないわ」 迫られるのは慣れていると答えたが元々女性自体に慣れてないロムは流石にルイズの行動にまたもや唖然とした 「それとこれ朝までに洗って置いてよね」 っと言って純白の下着類を渡す 「少し、夜風に当たって来る・・・・」 ロムがドアノブに手を掛ける 「あらそう、言っておくけど帰るなんて事は考えない方がいいわよ。明日から雑用三昧だから、それじゃおやすみ」 一度召喚された場所へと戻るロム 「あの時剣狼は確かにこの手にあった、っということは剣狼もこの世界にあるはずだ。」 自分の手のひらを握りしめる 「バイカンフーを呼べば次元を貫いて下の世界へ戻れるはず、きっとクロノスへ戻ることができる」 空に浮かぶ2つの月を見上げる 「ジェット、ドリル、ジム。俺がいなくなった世界で何を思っている?」 共に父が印した狼の印を探す旅を始めた仲間達、夜空を見ていると彼等の顔が浮かび上がる 「レイナは今頃、泣いているのか?」 自分に良くくっついていた可愛らしい妹が大きな月に浮かび上がる 「待っていろ皆、俺は必ず帰って見せる」 そっとドアを開けると薄暗いランプに肢体を照らしながらすやすやと眠るルイズがいた 「だが、俺はこの娘を守る事が・・・今後の日課だな」 ルイズをレイナに照らし合わせながらロムはランプの火を消した おまけ 金髪の少年がセミロングの髪の少女と共に学院のベランダに出ていた 「確かに君の言う通り今日の夜空は星が多くて美しい・・・・、素晴らしいよカレン」 「ありがとうございますギーシュ様・・・・」 カレンと呼ばれた少女は両頬にそれぞれ手を当ててうっとりしていた 「おお、今蒼い流星が流れたよ」 「私も見えました、まるで妖精が夜の運河を滑るように・・・・」 「カレン、夜が深くてもこの星の輝きの下なら遠く都を探すことができるよ。それに、今は君の顔をしっかり照らされていてとても美しい・・・・」 「ギーシュ様・・・・」 二人は互いの唇を合わせようとする、すると下の方から足音が聞こえる 「誰だ?二人の時間に割り込んで来た無粋な者は」 下を見ているとそこにいたのはあのゼロのルイズが召喚した平民であった (全く、貴族の楽しみに土足入ってくるとは。これだから平民は・・・・) 「あの方・・・・素敵」 (な、なんだってー!) 「あのしなやかな体付きを思わせるスマートな鎧、キリッとした目付き・・・・素敵ですわ・・・・。でもあの人はあのルイズの使い魔で平民・・・・ああ、何この気持ち!?これが恋心!?」 拳を握りしめて男を睨み付ける (あの男平民でありながらこの僕から(何人もいる)ガールフレンドを誘惑するなんて・・・・、・・・・この代償、高くつくよ・・・・) しかしその後酷い目にあうのは自分だったりする・・・・
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/218.html
「ちょっと!あんた達何をやっているのよ!!」 もの珍しさに二人の周りを囲む人の壁から血相を抱えたルイズが出てくる 「ギーシュ!貴方何を考えているの!?貴族が平民に決闘を申し込むなんて!!」 「これはこれはミス・ヴァリエール、君の使い魔がとある二人の名誉を傷つけてね。それで僕が君の変わりに礼儀を教えようかと思ってさ」 「だからってそんなの!そいつは平民なのよ!」 決闘を申し込まれた男、ロムに杖を向けるルイズ 「そんなの関係ないさ。貴族と平民での間ではね」 第3話 ハルケギニアに巻き起こる拳 トリステイン魔法学院の図書館は食堂がある本塔の中にある。 おおよそ30メイルの高さの本棚が壁際に並んでいる様子は壮観だ。 ここには始祖ブリミアがハルケギニアに新天地を築いて以来の長き歴史が詰め込まれている。 そんな図書館の中には教師のみが閲覧を許される『フェニアのライブラリー』がある そこに一人の中年魔法教師が昨日の夜から寝ずに書物を調べている、コルベールだ 彼は今、一心不乱に自分の疑問を答え本を探している その疑問とは彼の手に持つスケッチに書かれていた。 スケッチに書かれていたのはロム・ストールの左手に浮かび上がったルーンであった (やはり見つからない・・・・、あの様なルーンは召喚の監督を担当してから初めて見るからな・・・・、いやしかしそれ以上に疑問なのは) 一呼吸して自らを落ち着かせる (彼女の使い魔!一応、人間であるか確かめたがディテクト・マジックを使ったが・・・・、人間所では無い!生物でも幻獣でも無かった!!) 彼の読んでいるルーンに関する本の横には、古代魔法によって作られたゴーレムに関する本、過去のエルフにの交流に関する本も置いてあった (一体彼は何者なんだ・・・・)そう考えながらレビテーションで手に届かない本を取る、そして見つけた、それは始祖ブリミルが使用した使い魔達について記述された古書であった (こっこれは!) ページの一節とスケッチのルーンを見比べ目を見開き驚くコルベール (早くオールド・オスマンに伝えねば!) 慌てて本を抱えて飛び出して行った 「いいだろう、受けて立とう」 ロムの一言に周りが騒ぎ出す、今まで平民が貴族と決闘をするなんて事は無かったのだから当然である 「ちょ、ちょっと勝手に話を・・・・」 「うん、それでいいんだ。では食後にヴェストリの広場に来たまえ。では皆、食事を楽しもう」 慌てるルイズにギーシュが話を進めてギャラリーを解散させる 残っていたのはルイズ、ロム、シエスタの三人であった 「あ、あなた殺されちゃう・・・・、貴族を怒らせるなんて恐ろしい事を・・・・」 シエスタが恐ろしいものを見た顔で震えている 「シエスタ、君は先に厨房に戻ってくれ俺はマスターと話がある」 シエスタが横を見ると今でも何かを言いたそうなルイズがいた、そしてそのまま小走りで厨房へ向かった 「あんた、何をしているのよ!勝手に決闘の約束なんかしちゃって・・・・、今すぐ謝りに行きなさい!」 「何故だ」 ロムが表情を変えずに言う 「何故って怪我するかもしれないのよ!いいから謝りに行きなさい!今なら許してくれるかもしれないわ!!」 「駄目だ、彼は言っていた、名誉を賭けて闘うと、俺はそれに答えなければならないんだ」 「こんな時に何を言っているのー!」 この時ルイズは心配していた、いくらロムが強い戦士でも魔法が使えなければこの世界では通用しない ただ単にロムを身の安全を心配していた 「あのね?!闘ったら絶対勝てないし怪我するわ!いや、怪我で済んだらいい方よ!!」 「そんな事はやってみないとわからないだろう」 「聞いて!平民はメイジには絶対に勝てないの!」 するとロムはじっとルイズを見る、 「な、何よ・・・・」 「頼むマスター、この決闘、認めてくれないか」 ロムは続けて言う 「戦士として決闘を申し込まれたからには潔く闘いたい。その代わり俺は必ず勝つ」 ロムの澄んだ目に悩んでしまうルイズ、そして・・・・ 「あ~も~!分かったわ!受けてきなさいよ分からず屋!!けちょんけちょんにやられて少しは反省してきなさい!!」 「感謝する!」 ルイズは起こりりながら自分の席に座る、そしてロムは厨房に戻って行った 「只今戻ったぞ・・・・うん?」 ロムが厨房に戻るとおどおどしたシエスタが、そしてその後ろにはマルトーを中心としたコック達が 「聞いたぞ!あんた貴族と決闘するんだって!?」 「応援しているからな!!」 「あんたが勝ったらここの奉公人皆集めてパーティだ!っと言っても料理は余り物だけどな!」 もう既にお祭り状態だ、シエスタが言うには余りにも心配であったので先輩メイドに相談した所、それがあっという間に広まったらしい 「あの、怪我はしないようにしてくださいね・・・・」 「ああ・・・・」 一方ルイズはと言うと心配をしていた さっきは勢いであんな事を言ってしまったが冷静に考えるとそれはとんでもない事だ、平民がメイジに挑むなんて・・・・ 「あらあらなんであんたそんなに暗い顔してるのよ」 ルイズの隣にキュルケが座ってきた さらにその隣にずっと本を読み続けている小柄で眼鏡をかけ、水色の髪をした少女タバサが座った 「何のよう・・・・」 天敵相手に小さな声を出すルイズ 「聞いたわよ、あんたの使い魔、そうそうロムがギーシュと決闘をするんだってね。 それであんた自身どう思っているのかなーって。心配なの?」 「心配なわけないじゃんあんな奴・・・・」 ルイズは前にあったコップの中身を飲み干しながら言った 「私はあの人が勝つと思うわよ。だってあんなヒョロ男なギーシュより強そうじゃない!タバサあなたどう思う?」 「・・・・・・・・」 タバサは前の皿からパンを千切って黙々と食べている 「・・・・どっちとも興味ない」 「あらそう、面白そうなのにね~」 するとルイズが立ち上がる 「あんたの顔見てたら食欲失せたわ。授業始まるまで部屋で寝てる」 そう言って食堂から出ていった 「あ~あ、何なのあいつ、さっきまで元気だったのに」 「・・・・責任を感じているのよ」 タバサがポツリと言った ヴェストリスの広場は学院の敷地内、『風』と『火』の塔の間にある そこは日中でも日があまり差さない、決闘にはうってつけの場所だがすでにそこは噂を聞き付けた生徒達で溢れていた なんたってあの色男ギーシュとあのゼロのルイズが呼んだ平民の使い魔が闘う、それだけ聞いても見る気を注がせる 「結構集まっているじゃない」「・・・・・・・・」 キュルケとタバサが火の塔側のギャラリーにつく 「ロムさん・・・、大丈夫かしら・・・・」 シエスタも心配して見に来ている、そして・・・・ 「ハァハァ・・・・、何よあいつ、あれだけ偉そうに言っておいて、まだ始まってないじゃないの!!」 あれだけ心配していたルイズもやはり来ていた ギーシュは真ん中に立っていたがそこにはロムは居ない、そしてそのまま時が過ぎた ギーシュが薔薇の花を掲げる 「諸君、僕はとある平民と決闘をする為にここに来た。しかし、肝心の平民はまだ来ていない。これでは決闘が出来ない・・・・」 ギーシュが続ける、その顔には笑みが浮かんでいた 「それは何故だと思う・・・・、そこの君!」 「・・・貴族であるギーシュに怖じけついたから?」 「皆はそう思うかい?」 周りがざわつき始める、まさか・・・・本当に逃げ出した・・・・? 周りがそんな推測をし始める 「彼は今頃になって闘う事が恐ろしくなったのだ、決闘に遅れるなどあり得ないだろう。 しかし僕はそんな事は気にしない次彼に会ったら暖かく迎えようと思う」 (ちょ・・・・ちょっと待ちなさいよ!なんでそう決めつけようとするのよ!) 「まああれだな、主人がゼロだと使い魔もゼロなんだな!」 (マリコルヌあんた何言ってるのー!) まあゼロだからな、ゼロだから仕方ないか、あはははは! 周りがそんな声をそんな事を口にし始めた (何でよ・・・・何でこうなるのよいつもこうなるのよ・・・・) 真っ赤になったルイズは早くここから抜け出しいと思うようになる (ふむ、まさかこうなるとは思ってはいなかったが取り敢えずよしとしよう、これで初勝利だ!) 何に勝利したかは読んでいる貴方に任せた! 「ではこの決闘!これでお開きに・・・・」 そう言おうとした瞬間であった!! 「待てぃ!!!」 「!!?」 突然の声に驚きを隠せない生徒達、彼らは一斉に声の出所を探し始めた ~握れば落ちる砂の一粒は元は巨大な岩石であった~ (いっ今のロムさんの声!どこから!?) シエスタもキョロキョロと当たりを見回す 「・・・・・・・・あれ」 「え?ってあれ!?」 タバサが杖を向けた先にキュルケが絶句する ~風によってそれは砕かれていったのだ~ 「あんた・・・・、何でそんな所にいるのよー!!!」 ルイズが叫んだ先は・・・・、風の塔の頂上に立つ人影に向けたものであった 「我は風となりて敵を討つ・・・・、 人、それを『風蝕』と言う!!」 「何者だ!?」 ギーシュが叫ぶ! 「お前に名乗る名前は無い!!とうっ!!!」 人影は頂上から飛び降り、着地、何事もなかったかの様に立っていた そこに居たのは、紛れもなくロム・ストール本人であった
https://w.atwiki.jp/2jiwiki/pages/336.html
ルイズ 誕生日: 2006/07/02(アニメ「ゼロの使い魔」放送開始日) 主な活動場所: img 概要: 別名:レモンちゃん。 「」にセクハラされたり使い魔を召喚する際に変なものを呼び出したり巨女にされたりといろいろな目にあっている。 全てが同一キャラ扱いではなく、4種類以上のスレに個別の彼女が存在している。 解説: 【元ネタ】 アニメ&漫画版「ゼロの使い魔」のルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。 【二次裏での動向】 とある同人誌の使い魔を召喚して契約するシーンで他の作品をはじめ様々なキャラを召喚してしまうコラが作られた。 ベル様のスレでは彼女を召喚してしまい、つい彼女のジャージ姿をけなしたために故郷のハルケギニアを滅ぼされてしまい、元通りに直したときにもう一人の自分が作られたため居場所を失って虹裏町の「」ィザード(未)のアパートに居候するはめになった。ベル様を恐れてしばらく押入れに引きこもる日々が続いた後、ゆりえ様(未)の神通力によって日本語を憶えたが同時に故郷を一度滅ぼした原因が自分に有った事を理解してしまい、ますます引きこもることになった。 「こ…こんなのが神聖で美しくそして強力な…私の使い魔…?」 カテゴリ: アニメネタ 漫画ネタ 関連項目: ベル様 関連リンク: なし 上に戻る memo: 訂正、追加情報等。 名前 コメント 最終更新日:2012年05月14日 (月) 04時34分28秒
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/210.html
「やっちゃったね・・・・・」 これで何度目だろう。性懲りもなくまたやってしまった。 食堂から流れてくるおいしそうな匂いが恨めしい。 「きり丸!なんであんなこと言ったの!僕もう昨日から何も食べてないんだよ」 普段はおとなしいしんべえが声を荒げる。無理もない。しんべえにとっては一食抜かされただけでも一大事なのに、丸々一日何も食べることができないなんてのは拷問としか言いようがない。 「まぁまぁしんべえ、きりちゃんだって悪気があった訳じゃないんだし。仕方ないよ」 半ば自分に言い聞かせるように乱太郎が言った。 乱太郎は肩を落とした。まさか、丸一日分の食事を没収されるなんて夢にも思っていなかった。土井先生や山田先生でもこんな罰は与えないだろう。せいぜいゲンコツが飛んでくるぐらいなものだ。 これからどうしようかと考え、隣を見るとボケェと前を見ているきり丸の顔が目に入った。 (きりちゃんもご飯食べられなくてガッカリしてるんだよね) そう思った矢先きり丸の目が輝きだした。乱太郎はこれが何を意味するのかよく知っている。 「金~金金金金かね~」 どうやら彼の探知機が金を探し当てたらしい。 「行ってらっしゃい」 きり丸はこちらの世界の金の音も聞き分けることができるようになっていたらしい。さすがはきり丸である。 しかし、きり丸を見送ってしまってからはたと気づいた。ルイズが食事を終えて戻ってきた時、きり丸が居ないとまた怒られるんじゃないだろうか。 「『使い魔のくせに勝手に歩き回ってんじゃないの!罰として一週間食事抜き!』なんて言われたらどうしよう」 呼び戻そうにも二人とも一文無しである。きり丸召喚魔法は使えない。 「どうしようしんべえ。またルイズさんに怒られ・・・・・あれ?しんべえ?」 乱太郎は隣にいたはずのしんべえに話しかけていたつもりだったのだが・・・・・。なんとしんべえまでもがいなくなっていた。 (どこに行っちゃったのさしんべえ?)私一人にしないでよ。あぁどうしよう、どうしよう・・・・・・・。 「あんた何ぶつぶつ言ってんの?」 キター。 ビクビクして何も言えないでいる乱太郎にルイズは畳み掛けた。 「他の二人はどうしたの?」 「どうしたの?答えないよ」 乱太郎は突然の襲撃に口をパクパクさせていた。怒ってはいないようだが、ルイズの顔が真ん前にある状態で質問されると正常に頭が働かなくなる。 「まさか、何かやましい事でもしてるの?」「ち、違いますよ」 「じゃあ何なのよ」 「トイレに行くって言ってました」 こんな言い訳を考えつくのに普段の10倍かかってしまった。 「あっそう。じゃあ行くわよ」 落ち着いて考えれば心配する必要はなかったのかもしれない。まぁルイズにとって何が気に障るのか乱太郎はわからなかったので仕方がないことではあるが その頃しんべえは久し振りのご馳走を頬張り満面に笑みをたたえていた。次から次へと口に運ぶ。昨日の夕飯は抜かされたし、ここに来てまともに食べた料理と言ったらスープぐらいのものだ。いつにも増して美味しく感じられる。 さっききり丸が金を求めて走り出したのと同時にしんべえは食堂に足を踏み入れた。余りにも美味しそうな匂いだったので磁石の如く引き寄せられてしまったのだ。 一段落してしんべえが口を開く。 「さっきはありがとう。ここの料理美味しいね」 しんべえの隣には青い髪の少女が座っていた。
https://w.atwiki.jp/animerowa/pages/432.html
「ゼロのルイズ」(前編) ◆LXe12sNRSs 「……ミス・ヴァリエール! ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール!」 教員の怒鳴り声に刺激され、ルイズは机に突っ伏していたその身をがばっと引き起こした。 涎の垂れた口元を拭おうともせず、ぼやけた頭を振って周囲の光景を確認する。 そこは、無数の椅子や机と黒板の置かれた教室内。タバサやキュルケ、ギーシュやモンモランシーといった級友の姿が窺える。 ……どうやら、こともあろうに授業中に居眠りをしてしまったらしい。 恥ずかしさに口を噤みながら、ルイズはクラスメイトたちの笑い声を浴びせられて顔を赤面させる。 その笑いの渦中に、やたらと聞き慣れた男の声が混じっていた。 異変を感じ取るように訝しげな顔で横を向くと、隣の席には黒い短髪に平凡な様相を構えた、平民の少年がいた。 「ルイズは相変わらずドジだな。迂闊者っていうかさ」 「な、なんでアンタがここにいるのよ!」 「いちゃ悪いかよ。俺はルイズの使い魔だぞ」 「いちゃ悪いのよ! アンタは私の使い魔で平民! ここは貴族の学び舎よ! 犬は外で洗濯でもしてなさいよ!」 晒してしまった失態からくる恥ずかしさを怒りに変えて、まるでその少年が全ての元凶であるかのようにルイズは非難を浴びせた。 少年はちぇっ、と言い捨て、素直に教室を退出していく。 そうなのだ。使い魔は主人の命令には逆らえない。 召喚された時点でその主従関係は絶対であり、例外が生まれることはないのだ。 「だから、アンタはこの私に絶対服従でいなければいけないの! 分かった!?」 「はいはい分かりましたよ御主人様。俺は平民であって使い魔、ルイズは貴族であって主人。近いようで遠い関係だよなコレ」 場所を寄宿舎の外に移し、少年は洗濯をしながらあーあと空に向けて溜め息を吐く。 その横顔を見て、ルイズは自分の頬が薄紅色に染まっていることも気づかずこう発言した。 「で、でもまぁアンタも使い魔にしちゃ結構やるほうだし、そんなに遠くはないんじゃないかしら」 「? 遠くないってなにが?」 「だ、だからその…………カ、カ、カカカカンケイ…………とか」 「カンケリ? ルイズ、カンケリがしたいのか? つーかこの世界にもカンケリなんて遊びあるんだ……」 「な、なななななななななな違うわよ耳腐ってんじゃないのこのバカ犬!」 「イタっ、イタタタタ!? 耳引っ張るなよ!」 茹蛸みたいに顔を火照らせて、ルイズは少年の耳を力いっぱい引っ張った。 ……何故だろう。この少年の前に立つといつもこうだ。 言いたいことが言えなくて、発言を失敗するたびに胸が締め付けられるように苦しくなる。 病のようで怪我のようで、そのどちらでもなくて。 ルイズは純真な瞳に笑う少年の素顔を映し、正体の掴めぬ感情に胸を焦がすのだった。 「……ったく、こんなガサツで乱暴な性格だから、みんなに『ゼロのルイズ』なんて呼ばれるんだよ。少しはシエスタとかを見習えよな」 「そ、それは昔の話じゃない! っていうかなんでそこでシエスタの名前が出てくるのよ!」 「え? い、いやぁ~なんでだろうなぁ……ハハハ」 冷めた笑いではぐらかす少年の胸ぐらを揺さぶりながら、ルイズはまた怒り出す。さっきから顔を真っ赤にさせっぱなしだった。 ……少しは素直にならないとね。 表の思考ではなく、本能でルイズはそう思った。 このまま意地を張ってばかりでは、いつかきっと後悔してしまう……そんな予感を本能が感じ取っていたから。 「……もう、ゼロのルイズなんかじゃない」 「分かってるよ。ルイズはもう立派な――」 「そうじゃない! そうじゃなくて……その……私には…………才人、がいるから」 「へ? オレ?」 おどけた表情で言葉の意味を探る少年に、ルイズは依然赤面したまま、思いの丈をぶつける。 「……私には、『才人』がいるから! だから……だからもう『ゼロ』じゃない。才人が、才人さえいれば私は……」 意を決した反動で涙まで流す健気な少女に、少年――平賀才人は優しく微笑み、その小さな頭にそっと手を置いた。 ◇ ◇ ◇ 今宵の城は、漆黒ではなく真紅に染め上がることだろう。 爆砕か、炎上か、血染か、それとも――真紅を超越した『虚無』か。 「我が名はルイズ! ルイズ・ド・ラ・ヴァリエール!」 杖である戦鎚を振り、唱える。 「宇宙の果てのどこかにいる私のしもべよ!」 サモンサーヴァントだけは自信があった。 「神聖で、美しく、そして強力な使い魔よ!」 あの召喚の儀式の日が、全ての始まりだった。 「私は心より求め、訴えるわ!」 ルイズと、才人の。 「我が導きに、答えなさい!」 運命の出会い――。 『…………まずは悲しい知らせから――!』 バトルロワイアル会場の中心地に位置するホテルという名の巨城。 その最上階にて、ルイズはグラーフアイゼンを振るい、破壊の力を行使する。 爆音が木霊し、壁が、天井が、床が崩壊。ほぼ同時に始まったギガゾンビの定時放送すら、その轟音で掻き消した。 横に、縦に、斜めに自由自在に振り回し、まるでウサ晴らしをするようにありったけの魔力をぶち撒ける。 これまでの激戦で損傷が進んでいた巨城はすぐにその身を揺るがし、ボロボロと破片を零していく。 『――涼子、前原圭一、竜宮レナ、古手――』 放送は既に、ルイズの耳には入っていなかった。 ギガゾンビの声を掻き消すほどの音も原因の一つだが、ルイズにはもはや、誰が死のうがどこが禁止エリアになろうがどうでも良かったのだ。 ホテルを壊して、目に入った人間は殺して、グリフィスの下へ、才人と一緒に帰る。 それだけ。たったそれだけで、才人は帰ってくる。 誰にも邪魔はさせない。朝倉涼子も問題じゃない。 才人と一緒にいれば、なんだって出来る。 だって才人は、ルイズが召喚した世界でたった一人の平民の使い魔だから。 神聖で、美しく、そして強力なゼロの使い魔だから。 「私はもう――ゼロじゃない!」 懐に忍ばせておいた才人の眼球を取り出し、屋外へと飛翔する。 天高く舞い上がったルイズは手の平に才人を転がし、同じ視点で崩壊していくホテルを見下ろした。 未だ鳴り止まぬ轟音は、依然として破壊が続いている象徴でもある。 スプーンで半分だけ掬ったアイスのように、ホテルは中途半端な半壊状態を迎えたところで鳴動を止めた。 このコンクリートの巨城は、ルイズにとっては砂の城だ。 そう形容するくらいに脆く、崩れやすく、壊しやすい。 才人と再び出会うための、単なる糧に過ぎない。 「見て、才人。お城が崩れていくわ」 地上から舞い上がってくる突風を受けて、ルイズの桃色の髪が揺れた。 生気を宿さない眼球は何も言わず、ただ死んだ瞳に崩壊寸前の巨城を映す。 「召喚魔法は一生で一度きりのもの。使い魔は生涯添い遂げるべきパートナー。私にはもう、才人しかいない」 ルイズが召喚した使い魔は、人間だった。 ルイズが召喚した使い魔は、平民だった。 ルイズが召喚した使い魔は、才人だった。 「もう一度やり直そう、才人。あの召喚の儀式から、私たちの出会いから――」 グリフィスはそれを叶えてくれる。 壊して、殺して、ぶっ壊して、皆殺しにすれば、才人は戻ってくる。 ルイズはグリフィスの虚言に一欠けらの疑念も持たず、ただ単純に――すごい、と思った。 「帰ろう、才人」 ――そこにはいないはずの才人と交わす、二度目のファーストキス。 突き出した唇は空を捉え、ただ唯一といえる彼の象徴は、何も返してはくれなかった。 今は、まだ。 でも、これが終われば、きっと。 グラーフアイゼンを頭上高く振り上げ、彼女の内に眠る潜在魔力を解放させる。 生み出された特大の鉄球の数は、一発。その一発に、ルイズの魔法の特性である『虚無』の力を加える。 「これが、決まれば!」 鉄球を狙い、グラーフアイゼンを当てんと振り被る。 虚無により強化された、本来の使い手であるヴィータのものを越えるシュワルベフリーゲン。 命中すれば半壊状態のところで食い留まったホテルも爆発と共に弾け、辺り一帯は焦土と化すことだろう。 そこに、ルイズ以外の生存者はいない。 「――っぉわれろおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」 呂律の回らない口ぶりで叫び、ルイズはグラーフアイゼンを振り下ろした。 「やめなさあぁぁぁぁぁぁいっ!!」 「――ッ!?」 鉄槌が鉄球を穿つ――その直前だった。 ルイズの横合いから飛び込んできた黒い斧が、振り下ろされたグラーフアイゼンを弾き、同時に鉄球を空高く打ち上げた。 ホテルを狙うはずだったシュワルベフリーゲンは空中で花火のように霧散し、黒味がかってきた空を茜色に染める。 バランスを崩したルイズはなんとか体勢を立て直し、謎の乱入者へと矢庭にハンマーを向けた。 その場にいたのは、ルイズと同様に魔法の杖を持った、飛翔する女の子。 白を基調としたロングスカートは、平凡な小学三年生の女子児童が思い描く、典型的な魔法少女の兵装。 胸元で結ばれた大き目のリボンが際立ち、またそのリボンのイメージとは対極に位置する厳格な瞳を、ルイズに向ける。 「なによ……なんなのよアンタ!」 歳相応とはいえない殺気の込めれらた睨みを利かせ、ルイズは少女を牽制する。 だが少女はそれをものともせず、怯むでもたじろぐでもなく真っ向から視線を合わせていった。 純白の清楚なバリアジャケットに、使役するは親友が愛用していたインテリジェントデバイス。 闇を貫く雷神の槍、夜を切り裂く閃光の戦斧――その名は、バルディッシュ・アサルト。 そして使い手は、『魔砲少女』、『管理局の白い悪魔』など、呼び名を悪名の如く周囲に認知させ、若輩を意識させないほどの実力を持った一流の魔導師。 「高町なのはとバルディッシュ・アサルト――これ以上の破壊は見過ごせない!」 杖とは形容しがたい戦斧を構え、飛翔する少女は高らかにその名を宣言した。 ――狂った。邪魔が入って、何もかもが狂ってしまった。 直感でなのはを外敵と捉えたルイズは、奥歯を噛み締め、憤怒の思いを逆巻く風に乗せた。 あと少し、あと少しで終わったのに。いつも、いいところでいつもいつもいつも、邪魔が入る。 「どうしてホテルを破壊しようとするの? それに、なんであなたがヴィータちゃんのグラーフアイゼンを……」 「……キュルケにシエスタに、アンリエッタにタバサ……こっちに来てからは朝倉涼子! みんな、みんな才人と私の邪魔をする!」 慟哭を鳴らし、ルイズが雄叫びを上げた。 子供とも女とも思えない、獣性を帯びた咆哮はなのはを唖然とさせ、身を引き締めさせた。 同時に、虚無の力を更に行使する。 グラーフアイゼンにこれでもかというくらい魔力を込め、その形状を変えていった。 ハンマーヘッドの片方に推進剤噴射口が現れ、もう片方にはスパイクが取り付けられる。 通常のハンマーフォルムに比べ、近接戦闘に特化した変形形態ラケーテンフォルム。 『鉄の伯爵』と呼ばしめる戦鎚型アームドデバイス、グラーフアイゼンのもう一つの姿である。 「殺して、壊すだけで終わるの! だから、だから……だから大人しく殺されなさいよぉぉぉぉぉ!!!」 『Raketenhammer』 貴族の優雅さなど欠片も見せず、ルイズは感情のままになのはへと突進した。 ロケット噴射による推進力がルイズの速度を加速させ、回転。遠心力も味方に付け、グルグルと円盤のように回りながら大気を巻き込む。 なのはは咄嗟に防壁を張るが、グラーフアイゼンのラケーテンハンマーは基礎的なプロテクションなどで防げるものではない。 (すごい勢い……! ひょっとしたら、ヴィータちゃん以上――!?) 絶大な威力を防ぐには敵わず、魔力防壁はガラスのように砕け、飛び散った。 破壊力は強大でもそのコントロールはまだ不完全なのか、空中でグルグル回り続けたままのルイズの隙をつき、なのはは距離を取る。 「バルディッシュ、お願い!」 『Haken Form』 なのはの声に答えた機械音声がスイッチとなり、バルディッシュ・アサルトの形状を変えていく。 変形前を斧と言い表すならば、この変形後のハーケンフォームはその名の通り鎌。 グラーフアイゼンのラケーテンフォルム同様、近接戦闘に特化した直接攻撃タイプの形態である。 「うわぁあぁああああぁぁあぁあああぁぁぁあぁぁあぁぁあっぁぁ!!」 力任せに突っ込んでくるルイズはグラーフアイゼンを使いこなしているというより、武器として利用しているだけのように思えた。 デバイスと意思疎通を図り、共に戦略を組み立てるなのはとレイジングハートのような関係とは違う。 グラーフアイゼン本来の使い手であるヴィータ以上にムチャクチャな攻撃方法――それを見て、なのはは再度思う。 ヴィータは、いったいどうなってしまったのだろうか。 主である八神はやての死亡と同時に、彼女の守護騎士であるヴィータとシグナムの二人も消滅したものだと思っていた。 しかし先ほどのホテル倒壊と同時期に行われた放送――告げられた死亡者の中には、確かにヴィータの名前があった。 真相が分からない。シグナムはまだこの世界に存在しているのか、ヴィータは誰かに殺されてこの世から消えたのか。 ルイズの持つグラーフアイゼンに訊けば、何かが分かるかもしれない。が、今はまだ。 そもそも、悲しんだり考えたりする暇はないのだ。 (ホテルには、まだみさえさんやガッツさんがいる。これ以上壊させるわけにはいかない……全力で止めてみせる!) なのはは向かってくるルイズと真っ向から対峙し、加速するハンマースパイクをバルディッシュの刃で受け止めた。 圧し掛かってくる力は過去ヴィータと交戦した時と等しく、重い。 でも、挫けたり諦めたりすることはできない。普通の少女みたいな甘えは、なのはには許されない。 守りたいものがある。友達と、仲間の、大切な命。失うわけには、いかない! 「死ね! 死ね! 死になさいよォォォォォ!!」 「……ぜったい、ダメェー!」 何度も何度も打ち込まれる鉄槌を、バルディッシュの一薙ぎで全て振り払った。 どうにかしてルイズからグラーフアイゼンを奪取し、無力化しなくてはならない。 故になのはは不得手な近接格闘戦に挑むが、使い慣れない鎌は振るうだけで疲労が溜まる。 そのため、隙も生じやすい。 「!」 がむしゃらに振り回され続けてきたグラーフアイゼンが不意に軌道を変え、なのはの顎下を狙ってきた。 バルディッシュの間合いを縫うように潜り込まれた一撃は、バリアジャケットに包まれていない頭部を掠めようとしている。 反射的に身を引いてそれを回避するが、そこからさらなる隙が生まれてしまった。 横合いから、真っ直ぐな軌道で振るわれるグラーフアイゼン。 バルディッシュのか細い柄がそれを防ぐが、発生した衝撃はなのはの小柄な身体を容易く吹き飛ばした。 流星のように煌びやかに、暗闇を帯びてきた市街地へとなのはが落下する。 受身として即席の防御魔法を展開するが、それでも落下の勢いを減少させるほどの効果しかなく、音を立ててビルの壁へと衝突した。 「――っいたた……大丈夫、バルディッシュ?」 『Yes, it is safe』 「にゃはは……やっぱり、フェイトちゃんみたいにうまくはいかないね」 コンクリートでできた壁に激突――常人、しかも小学三年生の少女ともあれば、笑って済ませられるものではない。 だがなのはは、普通なら大怪我のところを掠り傷程度で抑え、バルディッシュも目立った損傷はなかった。 戦いは始まったばかり、これからが本番。泣き言を言う暇も、言うつもりも、なのはとバルディッシュにはない。 (接近戦で対応するのは不利……かといって遠距離攻撃を仕掛ければ、あの子はシュワルベフリーゲンで攻撃してくる。 もし流れ弾が一発でもホテルに命中すれば、中にいるみさえさんたちが危ない……なら!) なのは立ち上がり、再び飛翔した。 空中で待ち構えていたルイズは未だ牙を剥き出しにした状態。 戦意を治めず、むしろ高ぶらせて、まずは目の前の邪魔者を排除しようと躍起になっていた。 ホテルからの注意は逸れている――引き離すなら、今がチャンス。 「あとで絶対、お話は聞かせてもらうから。でも今は――」 「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」 再び突進してきたルイズに対し、なのははバルディッシュで受けようとも範囲攻撃で反撃しようともせず――身を翻し、急加速で撤退した。 頭に血が上っているルイズは逃げる敵に意識を奪われ、闘争本能のままになのはを追跡していく。 高速で飛行する魔法少女が二人、戦地をホテルの外周へと移す。 ――これは、序章のほんの一部。 【D-6・上空/一日目/夜】 【ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール@ゼロの使い魔】 [状態]:精神完全崩壊/グリフィスへの絶対的な忠誠/全身打撲(応急処置済み)/左手中指の爪剥離 [装備]:グラーフアイゼン(ラケーテンフォーム)(カートリッジ二つ消費)@魔法少女リリカルなのはA s [道具]:平賀才人の眼球 [思考・状況] 1.殺す(なのはを) 2.壊す(ホテルを) 3.生き返らせる(才人を) [備考]:第三放送を聞き逃しました。 【高町なのは@魔法少女リリカルなのはA s】 [状態]:全身に軽傷(掠り傷程度)、友を守るという強い決意、やや疲労 [装備]:バルディッシュ・アサルト(ハーケンフォーム)(カートリッジ一つ消費)@魔法少女リリカルなのはA s、バリアジャケット [道具]:グルメテーブルかけ@ドラえもん(回数制限有り:残り18品)、テキオー灯@ドラえもん、支給品一式 [思考・状況] 1:ルイズをホテルから引き離し、無力化する。 2:グラーフアイゼンを奪取し、ヴィータがどうなったかを訊く。 3:シグナムが存在しているかを確認する。 4:フェイトと合流。フェイトにバルディッシュを届けたい。 5:はやてが死んだ状況を知りたい。 6:カズマが心配。 ◇ ◇ ◇ 破壊神が通り過ぎた跡は、それはそれは無残なものだった。 八階建てという、高く堅牢な誇りを掲げていたホテルという名の巨城は面影もなく崩れ落ち、今や元の半分、四階フロアまでを残すのみとなっていた。 五階から上は既に残骸として地に落ち、周囲に散らばっている。 ガッツや野原みさえがホームとしていた三階フロアも、上の階層から雪崩れ落ちてくる天井やら何やらによって、凄惨な有様となっていた。 壁に穴が空いているのも別段珍しくはなく、中からでも日の落ちた世界が一望できる。 崩れゆく鳴動は止まった。だが、これで崩壊が終わったとはとても思えない。 三階フロアの天井は現在進行形でパラパラと崩れ落ち、なおも残骸の数を増していっている。 いつのことだったか――野原みさえは、家族の住まうマイホームがガス爆発により崩壊した時のことを思い出した。 あれは一瞬の内に弾け飛んだ分ジリジリと迫る恐怖は感じ取れなかったが、このホテルの状況は違う。 いつ来るかは分からないが、いつか必ず来るであろう完全倒壊の時。一秒後か、一分後か、一時間後か、考えるほどに怖くなってくる。 関東大震災などがこんな感じだったのだろう。日頃テレビのニュースで見る被災者の方々の気持ちになり、みさえはその身を震わせた。 「ガッツ……それに、ゲインさんやキャスカさんは……?」 身体が満足に機能するのを確認した後は、改めて周囲を見渡した。 確認できるのは、乱雑に散りばめられた瓦礫の山々のみ。ベッドやら電話やら冷蔵庫やら、室内にあったはずのものは全て埋もれ、その姿を隠している。 見当たらないのはホテルの備品ばかりではない。ガッツやベッドで寝ていたはずのゲインもまた、その影をどこかに潜めたままだった。 まさか、彼等も生き埋めになってしまったのだろうか……渦巻く嫌な予感に駆り立てられ、みさえは足場の整わない残骸の上を歩く。 「あっ……痛ッ!?」 そこでようやく、自分の足が負傷しているという事実に気づいた。 瓦礫の破片に足を躓かせ、転倒。原因となった左足は青く膨れ上がり、今頃になって痛みを訴えかけてくる。 どうやら軽い打撲のようだ。これしきの怪我、ホテルの負った被害状況を考えれば随分と程度が低い。 みさえは意識を奮い立たせ、立ち上がろうと力を込める。その背後から、 「フリーズ。動くなです人間」 土埃に塗れた人形が、銃を突きつけてきた。 「あなた……どうして!?」 「まったく、あんな大爆発が起こったっていうのにしぶとい人間ですぅ。まぁ、そのおかげで翠星石も自由になれたわけですけど」 その人形――翠星石は、取り上げたはずの銃を構え、今にもみさえの後頭部を撃ち抜かんと牽制している。 「爆発……? 爆発って……あ」 翠星石の言葉で、みさえはようやく思い出す。 あれはたしか六時丁度、ギガゾンビの声がしたと思った瞬間の出来事だった。 凄まじい怒号と地震のような波に襲われ、すぐに天井が崩壊してきたのだ。 おかげでみさえも翠星石も、放送での死者や禁止エリアの情報を聞き逃してしまった。 しんのすけは無事なのだろうか、蒼星石は無事なのだろうか、考える暇もなく、自分の命を拾うことに精力を注がなくてはならない状況に陥る。 結果として、二人はホテルの倒壊にあっても即死は免れた。その際翠星石は意識を回復させ、同時に強奪された銃も奪還することに成功したのだ。 みさえは微かに振り向き、翠星石のやや後方に目を向ける。 そこに転がっていたのは、引き裂かれ、使い物にならなくなっていた誰かの四次元デイパック。 おそらく翠星石は、あのデイパックから零れた銃を回収したのだろう。だとすれば、あのデイパックは銃を取り上げていたガッツのものに他ならない。 彼のデイパックがあのような無残な姿を晒しているということは、つまり―― 「ガッツ……ねぇ、ガッツはどうしたのよ!」 「あんなデカ人間しらねーです。ま、大方この瓦礫の下のどこかで野垂れ死んでるんじゃないですか。翠星石には関わりのないことです。それよりも」 翠星石は突きつけた銃口をみさえの旋毛にグリッと押し付け、覇気を込めた声で言う。 「よくも! よくも翠星石をあんな目にあわせてくれやがりましたねぇ! 人間如きにあんな仕打ちを受けるなんて屈辱ですぅ!」 「仕打ちって……あなたがトンチンカンなことを言ってるからお仕置きしただけよ! それの何がいけないわけ!?」 「あーもう! これだから知能の低い人間の相手をするのは嫌なんですぅ! 今の状況が分かっていないですか!? お前は今から翠星石に殺される運命にあるのです!!」 癇癪を起こしたように顔を染め上がらせ、翠星石は力の限り銃の引き金を引いた。 銃声が鳴り、黒く開いた口から殺意の弾丸が飛ぶ――が、それは狙っていたみさえの後頭部を逸れ、天井へと放たれる。 何が起こったか理解できない翠星石は、同時に自分の身体がみさえの手によって乱暴に振り回されていることを知った。 隙を突き、小さな人形の身体を捕縛した――このまま投げ飛ばし、抵抗するつもりか。 翠星石は考えたが、答えはまるで見当違いであり、みさえの行動の真意も一瞬が過ぎる内に知ることとなる。 「――危ない!」 時間差で届いたみさえの危機を知らせる声は、翠星石に事態を把握させた。 振り回された体勢のまま、視覚でも確認する。 翠星石とみさえの後方に、剣を振るう褐色肌の女剣士がいた。 みさえに気を取られている間に、この女は翠星石の背後に忍び寄っていたのか――ようやく自分がとんでもない窮地にあったことを自覚した翠星石は、遅すぎる恐怖に身を震わせる。 あと数秒遅れていたら真っ二つという状況だった。げんこつの恨みは消えないが、この時ばかりはみさえの機転に感謝せざるを得ない。 というか、この女剣士はいったい誰だ。翠星石は一瞬考え、すぐにキャスカという名のミニ人間がいたことを思い出した。 「……スモールライトの効果が切れたのね。それにその剣も……最悪」 「うっ…………ぐぅぅぅ……」 キャスカが握っているのは、翠星石の銃と同じくガッツが預かっていたはずのエクスカリバーだった。 あれが彼女の手に渡っているということは、やはりあのズタズタに引き裂かれたデイパックはガッツのものなのだろう。 だとしたら、なおさら彼の安否が気に掛かる。みさえは未だ姿の見えぬ仲間を捜したい衝動に駆られるが、どうやら眼前の女騎士はそれを見逃してはくれないようだ。 獰猛な獣のように声を漏らし、現状が把握できていないのであろうキャスカは、混乱気味にみさえと翠星石を襲った。 グリフィス以外は敵。これはキャスカが定めたルールのようなものであり、目に付く人間、殺せるチャンスがあれば、深く考えずに襲えという本能からくるものだった。 女と人形のように小さな子供……戦力的に見てもなんら問題ない。左足は骨折により使い物にならなくなっていたが、腕さえ動けば十分に殺せる。 キャスカはエクスカリバーの柄を握る力を強め、片足で跳躍してみさえに飛びかかった。 巻き起こる剣風は、みさえのような平凡な主婦には到底回避し切れぬ代物だったが、キャスカが満身創痍なこともあってこれは難なく回避する。 「ねぇ、ちょっと落ち着いてよ! おち……落ち着きなさいってば、ねえ!」 攻撃を回避しつつキャスカを宥めようとするみさえだったが、混乱の度合いが強いのか、彼女は剣を収めようとしない。 朝比奈みくるという少女を殺害し、ゲインやセラスに手傷を負わせた凄腕の女剣士――ガッツは保護対象として捉えていたが、やはりセラスの言うとおり彼女は殺し合いに乗ってしまったようだ。 相手が刃物を持っている以上、翠星石のようにげんこつやぐりぐり攻撃で鎮圧することは難しい。大人しく逃げるのが得策かと考えたが、みさえ自身も怪我人の身。 いつ崩壊するとも分からないホテル内を、キャスカの剣をかわしつつ負傷した足で脱出する自信はなかった。 何より、ここにはまだガッツやゲインがいるはずである。彼等の安否を確かめるまでは、安心して避難などできるはずがない。 「くあああああああああああああッッ!!」 「――ッ!?」 気合の咆哮と共に、キャスカはエクスカリバーを大きく振り上げた。 その奇声に一瞬怯んだみさえは瓦礫の足場につんのめり、転びそうになった身体を寸でのところで制御する。 その間、回避行動はままならず、停止したみさえの上空から真っ直ぐな一閃が振り下ろされた。 「――――」 目を瞑り、覚悟を決めた。 これはもう避けようがない。恐れから来る痺れが身体を固めさせるが、死にたくないという強い意識はまだ保っている。 たとえどうしようもない窮地だとしても、みさえは願った。 助けを。ピンチを救ってくれる、ヒーローみたいな誰かを待ち望んだ。 ――その脳裏に荒くれた大男の姿がよぎったのは、否定しない。 「お前はッ!」 (……え?) 突如、キャスカの驚きに満ちた声を耳にし、みさえはそっと瞼を開けた。 気づけば、両断されるはずだった我が身は五体満足のまま存在している。 いったいどうして――答えを求めた視界の先で、キャスカの剣を一心に防いでいる男の姿があった。 「ガ――」 その名を呼ぼうとして、みさえは異変に気づく。 目の前で自身を守る障壁のように君臨している男は、脳裏をよぎった彼ほど大柄な体躯ではない。 晒した上半身に包帯を巻きつけ、荒い息遣いでなんとか立っているその男は――ゲイン・ビジョウだった。 「ゲイン・ビジョウ!」 「よぉキャスカ。一度は撤退したかと思ったが出戻りか? そんな傷まで負って、そこまでして生き残りたいか?」 ――昼に起こった闘争を再びなぞるかのように、ゲイン・ビジョウとキャスカの二人は対峙する。 ゲインはみさえがベッドの傍に立てかけて置いたバットを得物とし、キャスカの剣を防いでいた。 調子が万全ならば両断することも容易かったであろう代物だったが、キャスカ自身もいっぱいいっぱいらしい。 エクスカリバーを握る手はどこか弱々しく、数多の兵士を率いていた頃の力強さは感じられない。 「驚かせてしまってすまない、ご婦人。少し尋ねたいんだが、君はシドウヒカル、もしくはセラス・ヴィクトリアの知り合いか?」 「両方よ! 二人は今外に出てていないけど、あなたの看病をしていたら突然ホテルが崩れ出して、っていうか今も崩れてる真っ最中で……」 「なるほど……なんとなくだが、状況は把握した。ここにキャスカがいる理由は後でゆっくり聞くとして、とりあえず彼女には眠ってもらわないと……な!」 降りかかる刃の切っ先をバットで流し、ゲインはキャスカを沈静化させようと腹部に蹴りを放つ。 だが負傷している身とはいえ、剣を持った傭兵に安易に隙が生まれるはずもなく、ゲインの一撃は空振りで終わった。 「相変わらず鋭いな。女性のものとは思えぬ剣捌きだ。……それだけの力を持ちながら、自分のことしか考えていないってのがマイナスだがな」 見た目にそぐわぬ豪快さもまた、女性のステータスの一部。ゲインはそう捉えていた。 だがその力を自分のため『のみ』に使うとあっては、とても褒められたものではない。 血気盛んなレディは嫌いではないが、少々痛い目を見てもらう必要がありそうだ……ゲインは疼く脇腹を押さえ、キャスカの剣とバットを交わした。 (自分の命に、興味などはない……。私は決めたんだ。グリフィスを優勝させ、鷹の団を再興する) 囁くように発した言葉は、ゲインの耳には届いていなかっただろう。 ゲインは思い違いをしている。キャスカは決して自分が生き残りたいがために戦っているのではなく、ただ一人、敬愛した男の無事を祈り剣を振るっているだけなのだ。 (グリフィス……ジュドー……ピピン……リッケルト……コルカス) 誰にも思いつかないような知略と、カリスマ性溢れる指揮でみんなを率いてくれたグリフィス。 投げナイフを得意とし、何事もそつなくこなす参謀役でもあったジュドー。 巨体を盾にして何度も敵兵の強襲を食い止め、白兵戦の要として活躍していたピピン。 幼いながらも常に皆のことを思い、鷹の団を支えていてくれたリッケルト。 身勝手ではあるが、いざという時には誰よりも果敢に敵に攻めていったコルカス。 何ものにも変えがたい、鷹の団の戦友たち。 (……ガッツ!) 一年前に鷹の団を去り、仲間を、グリフィスを裏切り我が道を進んだ――今はもういないガッツ。 (ガッツも、私も、いらない。グリフィスが、いれば……) ふと、自分でも驚くくらい仲間に対して献身的な思いを抱いていることに気づく。 その正体は、あの一年を無駄にしたくないという意地か、未だ潰えぬグリフィスへの思いか、傍を離れていったガッツへの怒りか――。 (深く……考えるなキャスカ。私はただ、敵を斬る。それ、だけでいい……!) エクスカリバーの握り手に再度、力を込める。 グリフィス以外の敵を消す。ガッツであろうと、誰であろうと。そのためにもまず、この場を生き延びてやるんだ。 「いくぞ……ゲイン・ビジョウ!」 「やれやれだな……」 鷹の団の千人長たる女戦士は、たった一人の男と残してきた仲間のために剣を振るう。 黒いサザンクロスの通り名を持つエクソダス請負人は、その肩書きの誇りに掛けて、脱出を願う者たちでのエクソダスを目指す。 観戦するしか道が残されていなかった主婦は、自分にでき得る最善の行動を模索し、そして速やかに取り掛かる。 他者を恨んでばかりの人形は、いつの間にか姿を消していた。 ――これは、序章のほんの一部。 【D-5/ホテル3階(倒壊寸前)/1日目/夜】 【キャスカ@ベルセルク】 [状態]:左脚複雑骨折+裂傷(一応処置済み)、魔力(=体力?)消費甚大 疲労大、全身各所に軽傷(擦り傷・打撲)、軽い混乱症状 [装備]:エクスカリバー@Fate/stay night [道具]:なし [思考・状況] 1:目に付く者は殺す 2:他の参加者(グリフィス以外)を殺して最後に自害する。 3:グリフィスと合流する。 4:セラス・ヴィクトリア、獅堂光と再戦を果たし、倒す。 [備考]:第三放送を聞き逃しました。 【ゲイン・ビジョウ@OVERMANキングゲイナー】 [状態]:疲労大、全身各所に軽傷(擦り傷・打撲)、腹部に重度の損傷(外傷は塞がった) [装備]:悟史のバット@ひぐらしのなく頃に [道具]:なし [思考・状況] 1:キャスカを止め、ホテルからエクソダス。 2:市街地で信頼できる仲間を捜す。 3:ゲイナーとの合流。 4:ここからのエクソダス(脱出) [備考]:第三放送を聞き逃しました。 【野原みさえ@クレヨンしんちゃん】 [状態]:中度の疲労、全身各所に擦り傷、左足に打撲 [装備]:スペツナズナイフ×1 [道具]:なし [思考・状況] 1:ガッツ本人と、戦闘中のゲインの援護になるような物を掘り起こし、キャスカを止める。 2:ホテルが完全に崩壊する前に逃げる。 3:セラスら捜索隊と合流。 4:契約によりガッツに出来る範囲で協力する。 5:しんのすけ、無事でいて! 6:しんのすけを見つけたら、沙都子の所に戻る。キャスカを監視。グリフィス(危険人物?)と会ったらとりあえず警戒する 基本行動方針:ギガゾンビを倒し、いろいろと償いをさせる。 [備考]:第三放送を聞き逃しました。 【翠星石@ローゼンメイデンシリーズ】 [状態]:全身に軽度の打ち身(左肩は若干強い打ち身)、頭が痛い、全身各所に擦り傷 服の一部がジュンの血で汚れている、左肩の服の一部が破れている、人間不信 [装備]:FNブローニングM1910(弾:4/6+1)@ルパン三世 [道具]:無し [思考・状況] 1:あんなバカな人間共は放っておいて、さっさとここから逃げるです! 2:真紅や蒼星石と合流するです。 3:まずは魅音を殺してやるです。 4:水銀燈達が犯人っぽいから水銀燈の仲間は皆殺しです。 5:水銀燈とカレイドルビーを倒す協力者を探すです、協力できない人間は殺すです。 6:庭師の如雨露を探すです。 7:デブ人間は状況次第では、助けてやらないこともないです。 基本:チビ人間の敵討ちをするため、水銀燈を殺してやるです。 [備考]:第三放送は聞き逃しました。 ※ゲインのデイパック: 【支給品一式×2、工具箱 (糸ノコ、スパナ、ドライバーなど)】 みさえのデイパック: 【糸無し糸電話@ドラえもん、銃火器の予備弾セット(各40発ずつ)、ウィンチェスターM1897の予備弾(30発分)、石ころ帽子@ドラえもん、スモールライト@ドラえもん(電池切れ) 】 バトーのデイパック: 【支給品一式(食糧ゼロ)、チョコビ13箱@クレヨンしんちゃん、煙草一箱(毒)、 爆弾材料各種(洗剤等?詳細不明)、電池各種、下着(男性用女性用とも2セット)他衣類、茶葉とコーヒー豆各種(全て紙袋に入れている、茶葉を一袋消費)】 ロベルタのデイパック: 【支給品一式×6、マッチ一箱、ロウソク2本、9mmパラベラム弾(40)、ワルサーP38の弾(24発)、極細の鋼線@HELLSING、医療キット(×1)、病院の食材、ドラムセット(SONOR S-4522S TLA、クラッシュシンバル一つを解体)、クラッシュシンバルスタンドを解体したもの】 翠星石のデイパック: 【支給品一式×4、オレンジジュース二缶、ロベルタの傘@BLACK LAGOON、破損したスタンガン@ひぐらしのなく頃に、ハルコンネン(爆裂鉄鋼焼夷弾:残弾5発、劣化ウラン弾:残弾6発)@HELLSING、ビール二缶、庭師の鋏@ローゼンメイデンシリーズ】 パチンコ、パチンコの弾用の小石数個、トンカチ、ウィンチェスターM1897(残弾数3/5)、支給品一式、空のデイパック、スペツナズナイフ×1、銃火器の予備弾セット(各120発ずつ)、首輪 がホテル内、もしくはホテル周囲の瓦礫の下に埋もれています。全て破損状況は不明。 ※ガッツの持っていたデイパックが崩落により損傷、中身が全て吐き出され、使い物にならなくなりました。 時系列順で読む Back 【背中で泣いてる 男の美学】 Next 「ゼロのルイズ」(後編) 投下順で読む Back 【背中で泣いてる 男の美学】 Next 「ゼロのルイズ」(後編) 195 【黒禍】 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール 207 「ゼロのルイズ」(後編) 190 魔法のジュエル ほしいものは 高町なのは 207 「ゼロのルイズ」(後編) 194 復讐少女 ~rachen Sie Madchen~ キャスカ 207 「ゼロのルイズ」(後編) 194 復讐少女 ~rachen Sie Madchen~ ゲイン・ビジョウ 207 「ゼロのルイズ」(後編) 194 復讐少女 ~rachen Sie Madchen~ 野原みさえ 207 「ゼロのルイズ」(後編) 194 復讐少女 ~rachen Sie Madchen~ 翠星石 207 「ゼロのルイズ」(後編) 195 【黒禍】 アーカード 207 「ゼロのルイズ」(後編) 190 魔法のジュエル ほしいものは 園崎魅音 207 「ゼロのルイズ」(後編) 190 魔法のジュエル ほしいものは 獅堂光 207 「ゼロのルイズ」(後編) 189 鉄の鎧纏った僕を動かしてく Going on フェイト・T・ハラオウン 207 「ゼロのルイズ」(後編) 189 鉄の鎧纏った僕を動かしてく Going on タチコマ 207 「ゼロのルイズ」(後編) 189 鉄の鎧纏った僕を動かしてく Going on ゲイナー・サンガ 207 「ゼロのルイズ」(後編) 200 へんじがない。ただのしかばねのようだ。 ストレイト・クーガー 207 「ゼロのルイズ」(後編) 200 へんじがない。ただのしかばねのようだ。 セラス・ヴィクトリア 207 「ゼロのルイズ」(後編) 194 復讐少女 ~rachen Sie Madchen~ ガッツ 207 「ゼロのルイズ」(後編)
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/7128.html
前ページ次ページ東方のキャラたちがルイズたちに召喚されました 01.夢と現の境界(*1) 「へぇ、東方、終わるんだ」(*2) 自室で修理から戻ってきたノートパソコンを起動し、久しぶりにインターネットを見ていた 平賀才人は、そんな記事を目にしていた。 東方プロジェクト――同人にあまり興味のない彼でも知っているそれは、シューティング ゲームを中心に音楽、漫画等に展開する一連の作品群であり、ゲームに関しては『神主』と 呼ばれる一人の人間の手により全てが創られていることは、あまりにも有名である。 彼が見たのはその『神主』が数ヶ月ぶりに更新したブログで、これ以降東方プロジェクトを 冠する作品は創らないと宣言した、という記事だった。 「やっぱ、へんな動画とか作られたからかな?」(*3) 彼が東方を知ったのも動画共有サイトにあげられた、通称マッドムービーからである。 とはいっても知っているのはそれぐらいだ。ゲーム自体を遊んだことがあるわけでもない。 思い入れもない。彼にとってそれは、多くの中の一つでしかないのだ。 「おっ、返事が来てるじゃん……えっ、明日!?」 出会い系からのメールが来ていることに気がつき、才人は急いで立ち上がった。 明日の準備をしなければ。 「才人、なにやってるの? もうご飯よ」 「はーい」 母親の呼び声に、ノートパソコンを閉じる。そういえば今日の夕飯は好物のハンバーグ だっけ。自室の扉を閉める頃にはもう頭の中は、夕飯のハンバーグと、明日会う女の子の ことで一杯になっていた。(*4) こうしてまた一人、東方プロジェクトを――幻想郷を気にとめる人がいなくなった。こうして 幻想郷は世の人から忘れられていくのだろう。 さて、幻想郷は世界の非常識が集まる場所。世の中から忘れられたものが集うところ。 ならば、幻想郷自体が世間から忘れられたとしたら―― *1 タイトルは音楽アルバム「夢違科学世紀」内の曲名より借用 *2 このお話はフィクションです。妄想です。或る意味、夢です、タイトル的に。 *3 バーのマスターになる準備が整ったとか、酒に関係する理由である可能性の方が高い。神主的に。 *4 きっと頭の中の妄想彼女は、ロリ系ツンデレ少女。本来的に。 *5 脚注も必要だと思った。求聞史紀的に。 前ページ次ページ東方のキャラたちがルイズたちに召喚されました
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/196.html
食事を終えて教室に移動する 生徒達は各々横に自分の使い魔を置いて授業の準備をしている ルイズも机に座り準備を始めた シュヴルーズは生徒達にお復習のつもりで淡々と魔法の四元素説明していく そしてそれぞれの元素をマスターする事によってドットからライン、トライアングル、スクウェアとランクを上げていく事も、魔法が無い世界の住人であるロムも理解することが出来た 「ではこの魔法を実際に・・・・、ミス・ヴァリエール、貴方にやってもらいましょう」 「ふぇ?私ですか?」 ルイズが指名された途端、教室がざわめき始める。 (なんだ?急に部屋の空気が・・・・) ロムが疑問に思う頃にはルイズが席から立ち上がり教壇に向かおうとする 「ルイズやめて、お願い」 キュルケが青い顔をしてルイズに言う 「成功させれば文句無いでしょ」 「でも貴女はゼロ・・・・」 「皆さん冷やかしはお止めなさい、ではミス・ヴァリエール宜しくお願いします」 この会話を聞いていたロムは閃いた (ふむ、どうやらゼロという理由がこれでわかるらしいな) 教壇に立ち、呪文を唱え触媒に杖を向けるルイズ。 その時、触媒が爆発し周りのものがぶっ飛んだ。 煙が明けるとシュヴリーズは気絶しており、ルイズはは真っ黒になりながらも平然と立っていた 「ちょっと・・・・、失敗しちゃった見たいね」 ルイズがそう言うと周りからブーイングが起こる 「何をやっているんだよー!」 「だからゼロのルイズにやらせたくなかったんだ・・・・」 「魔法の成功率ゼロのルイズ!これどうするんだよら!!」 (ケホッケホッ、成る程・・・、だからゼロなのか) ロムは納得した 「マスター、これで終わりだ」 授業の後、二人は罰として教室の片付けを命じられた ロムが言われるがままにテキパキと仕事をこなしたので思ったより早く終わった「あ~も~どうしていつも失敗しちゃうのよ!」 「マスターそんなに癇癪を起こすな。次は失敗しないようすればいいじゃないか」 「それが出来れば苦労してないわよ!」 どうやらそれなりに自覚はしているようである 「は~あ~、こんな事じゃ何時までゼロって呼ばれるわ・・・・、私これからどうなるんだろ・・・・」 そういってもう一つ深いため息をつく そんなルイズを見てロムが下を向いて語り始めた 「どんな夜にも必ず終わりが来る。」 突然雰囲気の変わったロムに驚くルイズ 「闇が溶け、朝が世界に満ちるもの・・・・、人、それを黎明と言う」 「な・・・、何言っているのあんた」 「つまりそういうことだ。今は後先が見えぬ状況でも、必ずそれを打破するきっかけが見つかるものだ。 今日の失敗を乗り越え、明日の成功の為に努力する。 それは魔法使いにでも言える事じゃないのか?」 「・・・・・・・・」 顔を上げて微笑むロム、確かにそうだ 今日失敗した事を明日の成功の為に反省すればよい。 確かにそうだ、確かにそうだが・・・・ 「あんた・・・・」 「ん?」 「ご主人に何説教しているのよー!!!」 「なっ・・・・!」 ルイズが突然の怒鳴り声に驚くロム、確かにロムの言っていた事は筋が通っている しかし自分は貴族。 ロムは平民でしかも自分の使い魔。 使い魔に説教される貴族なんて末代まで言えぬ恥である。 ロムは無意識にルイズのプライドを傷つけたのであった。 「あんた、今日一日ご飯抜きよ!でも雑用はしっかりやってもらうからね!」 そういうとルイズは真っ赤な顔で教室から出ていき、ロムだけが残された。 (う~む、前の戦いから取り入れたエネルギーは今日の朝のみ、その量も多いとは言えない。 流石に今日一日はキツいな) そんな事を考えながら食堂の前を通り掛かると 「あの~」 「ん?」 「今お一人でしょうか?」 後ろを向くとメイド服を着た少女、シエスタが立っていて自分に語りかけた 「ああ、一人だ」 「じゃあ厨房に来てくれませんか?料理長が呼んでいますので」 (料理長?何故俺に用があるんだ?) 不思議に思いながらもシエスタに連れられ厨房に付いたロム 「マルトーさーん!連れてきましたよー!!」 「おおー来たかー!そこのテーブルに座らせてやってくれ!!」 「はーい!では、ちょっと待っててくださいね」 言われるままに待っているとシエスタは焼き立てのパンと湯気のたったスープを持ってきた 「これ、食べてもいいのか?」 「はい、私達の賄い食の余りですがどうぞ」 ロムの質問に微笑みながら答えるシエスタ、この世界に来て初めて人の心の暖かさに触れた気がする 「有難い!では、いただくとする」 そういうと綺麗に食べて行くロム、うん、これこそ究極のパンだと心の中で頷く 「いやーいい食いっぷりだね兄ちゃん!全く俺はあんた見たいな人に飯を作りたいよ!!」 奥から男が現れる 「俺は料理長のマルトーって言うんだ!宜しくな!!」 「俺はロム・ストール、貴方がこの料理を?」 「ああそうだ!」 「感謝する」 ロムが礼を言うとマルトーは笑う 「わっはっは!いいって事よ!同じ平民じゃねえか!」 「平民?じゃあここにいる人達は皆?」 するとシエスタが答える 「はい、皆貴族様にご奉仕する為にここで働いているのです。 でも昨日平民が貴族様の使い魔になったって噂になったから皆心配だったんですよ」 「案の定シエスタがあんたが貴族どもの横で床下に座りながらパンにかじりついていたのを見ていてよ、それを聞いた俺は頭にきていたんだ!」 ロムはそのパンを作った人間が誰かを聞こうとしたがやっぱりやめた 「いや~それにしてもあんた立派な鎧を着ているな!」 「どこかの騎士だったのですか?」 「いや・・・・まあ、そんな感じだ」 異世界から来たなんて信じられないようなので言わないでおく 「それより、食事の礼をしたいのだが」 「そんなのいらんいらん!」 「いや頼む、一応の礼儀は突き通したいのだ」 「じゃあお皿を並べてもらいましょう。もうすぐお食事の時間ですし」 厨房から出ると授業を終えた生徒達が食堂へと入ってきて、その中で長いテーブルの上に黙々と皿を並べていくロム そこへ金髪の少年がバラをくわえながら複数の取り巻きと共に入ってくる 「なあギーシュ、結局君の彼女は一体誰なんだ?」 「ふっ、僕の心の中には特別な女性なんかいないよ。それぞれが僕の花なんだ」 ギーシュがギザっぽく取り巻きの一人の質問に答える するとギーシュのマントから紫色の小瓶が落ちる 皿並べを終えてシエスタと共に厨房に戻る途中のロムがそれに気付き拾う 「君これを落としたぞ」 ロムが声をかけられギーシュが振り向く、 (あ!この男昨日の!昨日はよくも・・・・ん・・・・?) ロムの持つ小瓶に気付くと顔に焦りが表れ始める 「君、それは僕のでは無いよ、勘違いしていないかい?」 「いや、確かに君が落としたものだ」 (ちぃぃぃぃ!平民を本気で殴りたいと思ったのは始めてだ!) 「あっ!その紫色の香水はモンモランシーが特別に調合したものじゃないか!」 「っということは本命はモンモランシーか!」 ギクっ!と焦りが更に顔に表れる そして横を見ると可愛らしい栗毛の女の子が涙を目に溜めてギーシュを見つめていた 「ギーシュ様、やはり貴方はあの人と・・・・」 「ち、違うんだよケティ。僕の心には何時も君が・・・・」 ばちん、と音がしてギーシュが頬を赤く腫らした後「さようなら」っと言って少女が走り去って行く 「まっ待ってケティ話を・・・・」 ギーシュが追おうとすると・・・・ 「待てぃ!!!」 「!!!???」 ギーシュと取り巻き、それにロムとシエスタが声の出場所に向くと強烈な光がありそこに誰かが立っていた 「一つの恋を通さず、平気で別の恋をする不純な気力。 人、それを『浮気』という・・・・」 「誰だ!?」 「貴様に名乗る名前は無い!!」 光が消えるとそこに立っていたのは腕を組んで鬼の様な形相をしたカールが目立つ少女であった・・・・ 「げぇ!モンモランシー!ちっ違うんだよこれは・・・・」 「あんたやっぱり他の女の子と会ったのね!喰らえ!乙女の怒り!彗星脚!!」 「がふう!」 モンモランシーの踵落としが炸裂する、ギーシュは無惨にも床に叩きつけられた そして少女は去っていく 「す、凄かったですね・・・・」 「・・・・・・・・何なんだ一体」 あまりの気迫にロムとシエスタは固まっていた、特にロムは色んな意味で固まっていた・・・・ 「とっとにかく厨房に戻ろう」 「待ちたまえ!」 一声出して立ち上がるギーシュ、凸は真っ赤になっている 「君のおかげで二人の女性の名誉が傷ついてしまった・・・・、どう責任とっつくれるのかい?」 どう考えてもお前が傷ついている 「それは君が浮気をしていたから悪いのだろう」 あっさりしたロムの反論に周りが肯定する 「ふっ・・・・、平民がこの僕に・・・・、よし、決闘だ!」「何・・・・?」 周りが突然ざわつき始める 「お待ち下さい貴族様!貴族同士の決闘は禁止されています!!」 シエスタがなだめるが 「これは貴族の決闘ではない。貴族と平民の決闘だよ。互いの名誉を賭けたね さあどうする?」 「・・・・・・・・」 果たしてロムは決闘を受けるのか!? (それにしてもモンモランシー、いつあんな魔法を覚えたんだ?)
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/8250.html
前ページ次ページBRAVEMAGEルイズ伝 第一章~旅立ち~ その6 ギーシュやぶれたり! 「ワルキューレぇっ!!!」 「遅ぇ!!」 雷光のような一文字斬り、そして続けざまに縦。 二つの斬撃が、ここハルケギニアには無い漢数字『十』の形を象る。 騎士ラードから伝授された必殺技だ。 曰く、十文字斬り。 鋭く研ぎ澄まされた技は、襲いかかる銅像を4つに分断した。 「てンで歯ごたえがねえぜッ!?」 「くそ……こんな……こんな馬鹿な!!」 ギーシュの奥歯が、火花を散らすのではないかというほどに擦られる。 ここで自分は負けるのか。 年端も行かない子供が振るう剣の前に屈するのか。 武人の一家としての誇りは、すでにズタズタになっていた。 「こんな……こんな所で……グラモンの、戦でも誉れ高き一族の名を……汚すことに……!!」 焦燥に駆られ整ったヘアスタイルをかきむしるギーシュの目に、『ゼロ』のルイズの姿が留まる。 あいつが剣を渡さなければ。 いや、もともと彼女の躾が悪かったのが原因だ。 いやむしろ、あんな小僧を召喚したルイズが全面的に悪い!! 焦りに焦ったギーシュの苛立ちの矛先がルイズへ向くのには、そう時間はかからなかった。 ギーシュの薔薇が、理不尽な方角へと振るわれる。 「『ゼロ』、め……!よくも決闘に水を差してくれたなッ!」 「え!?」 最後のワルキューレを向かわせたのは、決闘相手の主の元だった。 ギーシュのプライドを守るための、苦肉の策。 「!?ルイズッ!」 「きゃあっ!!」 銅の巨像が少女に迫る。 握られているのは剣、切れ味は鈍そうだが当たればきっと痛かろう。 ルイズはぎゅっと目を閉じた。 恐怖で身がすくむも、いくら待てども痛みが訪れることが無い。 目を開けると、そこには動きを止める騎士像の姿があった。 「……ルイズにまで、手を出しやがったな」 ムサシの投げた黄金の刀が、ワルキューレに刺さっている。 不思議なことに像から光が湧いて、それが刀身へと吸い込まれているように見えた。 わずかに間を置いて、力を失ったワルキューレは崩れ消滅していった。 刀はまるで魔法のように宙を舞い、持ち主である少年の手元へ戻って行く。 その顔は、静かな怒りを秘めているようにも見える。 ギーシュも生徒たちも皆言葉を失い、見ていることしかできなかった。 「女を泣かせてあげくに手を上げるなんて、色男が聞いてあきれるぜッ!!」 「ぐ、ううッ!!」 今の不思議な出来事を問いただす気にもなれない。 終わった、とギーシュはそう思った。 初めは単なる八つ当たり、あんなチビならば赤子の手をひねるよりも容易い。 そう思ったのが、愚かな選択の始まりだったのかもしれない。 その結果がこの醜態だ、明日からは男子連中から後ろ指を刺され、麗しい女子には背を向けられるに違いない。 ルイズを笑える立場では無くなるだろう、ギーシュは絶望し、がくりと膝を折ってしまった。 予想外の展開に辺りがざわつく中、少年はツカツカと歩み寄りギーシュの手から薔薇の造花を奪い取った。 「……僕の、負けだ……さあ、どうとでもするが……」 「おし、じゃあ決闘だ!!」 「……は?」 ムサシはギーシュの杖である薔薇をぽいっと投げ捨てながら、そう言った。 手に持っていたワルキューレの剣が、差し出される。 「け、決闘ならたった今……」 「何言ってやがる!!」 ギーシュの背筋を悪寒が駆け抜ける、まさかこの少年はまだ自分を許す気は無いのだろうか。 まいったと言っても、こてんぱんに叩きのめす気なのでは無いかと想像して身震いした。 だが、その考えが杞憂であるとすぐに理解した。 「花うらないや人形遊びはここまでだ!!男の決闘ってのは……」 そう、コジローの持ちかけた花うらないでの決闘なんかでは無い。 自分が望むのはこういうものだ。 そう思ったムサシはギーシュの手にむりやり剣を握らせ、距離を取る。 振り返り切っ先を向け、白い歯を見せて笑った。 「剣でするもんだろ?お武家様なら、なおさらな」 ギーシュは剣を手にしたまましばし呆然としていた。 しかし、やがて悟って薄く微笑む。 ムサシに悪意は感じない、そしてどこまでも真っ直ぐな眼差し。 彼はただ、どこまでも決闘を欲しているのだ。 痛めつけたい、屈服させたいという自分の下卑た欲求とはまた違う、ただ、剣を振るう兵法者としての、純粋な思い。 強くありたい。 この身に流れる血故か、ギーシュにもそれが今なら理解できた。 「……我が名はギーシュ、ギーシュ・ド・グラモン。一対一、剣と剣での穢れない純然たる決闘を……受けて立とう」 ギーシュの顔つきが変わった。 周囲を囲んだ女子生徒や、恋いて止まないモンモランシー、そして立ち向かうムサシにもそれが解った。 決闘を望んでいなかったルイズですら、今や言葉を挟む気にはならない。 場が、戦場のそれと同じく張り詰める。 ムサシが剣を両手で正眼に構える、ギーシュもまた、不恰好ながらその腰は引けていなかった。 「……」 「……勝負ーーーッ!!!」 動いたのは、ギーシュが先だった。 いつもの格好つけた立ち振る舞いではない、細身には似合わぬ剣を腰だめに構えて、ただ愚直に突っ込む。 二人の剣士は、交錯した。 「……」 「……ぐッ」 ギーシュが倒れた。 観衆に驚きが伝染する。 「おい、ギーシュがやられた!!」 「マジかよ!」 「ムサシ!」 「ギーシュ!ギーシュ!!」 ルイズと、金髪を巻き毛にした女子生徒が人ごみから飛び出る。 ムサシはああ、ギーシュをひっぱたいたあの子か、と思い出した。 「ムサシ、あんた……」 ルイズは迷った。 決闘に勝つだなんて思わなかった。 『勝って』と望んでしまったのは自分、しかしギーシュは犠牲となったのだ。 叱咤も激励も、喉に詰まる。 「よくも、よくもギーシュを!!」 「そ、そうだわ……はやく医務室へ」 「おいおい、落ち着けって」 モンモランシーは横たわるギーシュの頭を抱きすくめ、涙まで零して怒る。 ルイズは焦った、その叫びにようやく級友の命の危機を感じたのだった。 虐めを受けたとは言えど、ルイズはそこまで冷酷にはなれない。 と、ギーシュがかすかに身じろいだ。 「……う、う~ん……す、すまないモンモランシー君には寂しい思いをさせてしまった…… 僕という輝ける存在を失っても君はきっと輝ける最高の女性になるだろう……なぜなら 君は光を失っても輝ける、僕にとっての太陽のような女性だったから……ああ……せめて 最後は君の胸の中で……」 「ムダに長くしゃべる元気はあるじゃないのよぉーーーッ!!」 「安心しな、『みねうち』だゼ!」 「それならそうと言いなさいこのバカチビーーーーーッ!!!」 ギーシュとムサシ、二人の頭がスパーーーンと気持よく音を立てる。 ムサシはケラケラ笑い、ルイズも気づいたときには笑っていた。 ギャラリーも大いに沸き、気がつけば決闘の刺々しい空気はどこかへ立ち消えていた。 『ゲット・イン』みねうち。 雷光丸に秘められた神秘の能力、敵の力を奪いとり己がものとする魔法。 先ほどのワルキューレから奪い取った能力で、ギーシュを傷つけることなく無力化したのだった。 「あいたたた、慣れないことはするものじゃないね……ああモンモランシー、自分で立てるよ」 「いい戦いだったゼ!」 「はは、完敗だったよ……だが、不思議と悪くない気分だ」 よろよろと立ち上がったギーシュ、どうやら傷は浅いらしい。 その表情は晴れやかだった。 「おいらはいつでも相手になるからさ、またやろうぜ!!」 ムサシもまた晴れやかな表情で、手を差し出した。 この少年は今の今まで剣を交えた自分と、今度は手を取り合うと言う。 今までの自分がずいぶんと小さい存在に思えて、ギーシュは苦笑した。 すべてを反省し、少年のあたたかな手に手を重ねる。 「君には敵いそうもないが……よろしくたのむ。そしてすまなかった、ムサシくん」 「ムサシでいいぜ!それよか、謝る相手を間違っちゃいねえか?」 自分よりはるかに小さな少年に頭を下げるギーシュ。 あっぱれだという声が、周囲から乱れ飛ぶ。 今ここにルイズを、ギーシュを笑う者は、いなくなっていた。 そのギーシュはというと、ムサシの声に顔を上げる。 ルイズとモンモランシー、謝罪すべき双方がそこにいた。 「あらら、あのギーシュがルイズに謝るなんて。こりゃ明日は雨かしら、ね?」 ギーシュの謝罪は、すぐにとは言わないがきっとルイズと皆の関係を変える切っ掛けとなるだろう。 視線を落とすと、親友は少年の方をじっと見つめていて反応が帰ってこない。 春が来たのかしらとからかい半分に微笑んだ。 しかし、タバサが見つめているのは彼の武器の方だったと、誰が気づいただろうか。 向き直ってルイズを見ると、使い魔をぽかぽかとぶっている。 しかしその顔は本当に心配していたようだ、ムサシも解っているらしい。 ギーシュがモンモランシーに謝罪している、その饒舌さが災いして平手を食らっていた。 また観客がどっと沸く。 その声に紛れてキュルケは隣の友人にすら聞こえないほど小さく、つぶやいた。 ケンカ友達の、照れ混じりの祝福だった。 「ルイズ、けっこうイケてる使い魔じゃないの。……おめでと」 オスマンとコルベールは『遠見の鏡』から目を外した。 年端もいかぬ少年が、メイジに勝った。 『ガンダールヴ』の力はやはり本当、というのが二人の結論であった。 「左手に剣を持った時、輝いておりましたね」 「うむ、ルーンの効力もあるじゃろうがあの少年、かなりのもんじゃぞ」 オスマンはほっほっほと笑っている。 コルベールが笑い事ではありません、とたしなめた。 「始祖ブリミルの使い魔であるガンダールヴと同じルーンを持つ使い魔……王室に報告すべきではないかと思うのです」 「何を言うとる」 今度はオスマンがたしなめる番だった。 仮に本物の『ガンダールヴ』であればその力を利用、ないしは悪用する連中が湧いてでるに違いない。 今は他言無用、とオスマンは威厳たっぷりに言った。 「はっ、いささか浅慮でありました。オールド・オスマン」 「よいよい」 「では、私はもう少し独自に調べてまいりましょう。失礼致します」 コルベールが退室し、静まり返る学長室。 使い魔のねずみを指先であやしながら、独りごちた。 「……名前まで同じとは、偶然かのう」 前ページ次ページBRAVEMAGEルイズ伝
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/7115.html
召喚キャラは「ナイトウィザード」から柊蓮司と志宝エリス 基本TRPG「ナイトウィザード」の各種設定をふまえて ただし宝玉の少女の件に関してはアニメ版準拠 シェローティアの空砦は起こらない エル=ネイシアについては起こるかもしれない 下二つについて、一応分類として「セブン=フォートレス」のものなので除外 ルイズと夜闇の魔法使い-01 ルイズと夜闇の魔法使い-02 ルイズと夜闇の魔法使い-03 ルイズと夜闇の魔法使い-04 ルイズと夜闇の魔法使い-05 ルイズと夜闇の魔法使い-06 ルイズと夜闇の魔法使い-07 ルイズと夜闇の魔法使い-08 ルイズと夜闇の魔法使い-09 ルイズと夜闇の魔法使い-10a ルイズと夜闇の魔法使い-10b ルイズと夜闇の魔法使い-11 ルイズと夜闇の魔法使い-12 ルイズと夜闇の魔法使い-13 ルイズと夜闇の魔法使い-14 ルイズと夜闇の魔法使い-15 ルイズと夜闇の魔法使い-16 ルイズと夜闇の魔法使い-17 ルイズと夜闇の魔法使い-18 ルイズと夜闇の魔法使い-19 ルイズと夜闇の魔法使い-20 ルイズと夜闇の魔法使い-21a ルイズと夜闇の魔法使い-21b ルイズと夜闇の魔法使い-22 ルイズと夜闇の魔法使い-23a ルイズと夜闇の魔法使い-23b ルイズと夜闇の魔法使い-24 ルイズと夜闇の魔法使い-24b ルイズと夜闇の魔法使い-25 ルイズと夜闇の魔法使い-26 ルイズと夜闇の魔法使い-27 ルイズと夜闇の魔法使い-28
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/318.html
「さすがは魔法学院本塔の壁ね・・・・。物理衝撃が弱点?あの禿のオッサン適当な事言って・・・・」 そういって巨大な2つの月の下で舌打ちをしたのは『土くれのフーケ』、今最もトリステインで有名な神出鬼没な怪盗である ちなみに土くれとは盗みの技からつけられたものであり、その一例にまず『錬金』によって扉や壁を土くれに変えて警備を無力化、 そして巨大ゴーレムによる力技で兵士達を蹴散らし白昼堂々とお宝を盗む 最後に犯行現場自分のサインを置いていく、こんな感じである そして今回もこのトリステイン魔法学院に安置されているマジック・アイテムを頂きに来たのであった 「せっかくここまで来たんだから何としてでも持ち帰りたい・・・・、ん?」 人の気配を感じたのかフーケは『レビテーション』を小さく唱え、宙を浮き静かに中庭の植え込みに消えた そして代わりに現れたのはルイズ、キュルケ、風竜に乗ったタバサ、そして二本の剣を抱えたロムであった 少し時間を遡る 「あんた・・・・その剣はなんなの?」 「見ればわかるじゃない、ロムへのプレゼントよ」 「・・・・・・・・」「・・・・・・・・」 ルイズ達が街に買い物に行ったその夜、修羅場の第2ラウンドがルイズの始まろうとしていた 「どういう意味ツェルプトー?」 ルイズが両手を腰に付け天敵キュルケを睨む そしてルイズの問い掛けにキュルケが悠然と答える 「だから、私今日、ロムが欲しがっていた剣を街まで行って買ってきたのよ」 「おあいにく様、使い魔の使う道具くらい主である私が揃えてあげましたから」 二人が虎と竜の如くにらみ合いを始める 一方ロムは (レイナもこんな風に他の女性と喧嘩していたな・・・・、それにしてもこれではまた決闘になってしまう! 早く止めなければ) 「なあ二人ともそろそろ止めにしないか」 「ちょっと!あんたまたこの女に尻尾を振る気!?」 ルイズがロムを睨む 「いや、そうではないが」 「ねぇロム?あなたはゼロが買ったボロい剣よりも 私が買ったこのピカピカで大きくて太い剣の方がいいでしょ?」 キュルケがロムの腕に大きな胸を押し付けながら言う デルフリンガーがカタカタ震えているが今は気にならなかった 「だ~れがゼロですって!それにそいつから離れなさいよツェルプトー!!」 「嫉妬はみっともないわよ?ヴァリエール」 キュルケが勝ち誇った感じで言った 「嫉妬?誰が嫉妬しているのよ!」 「そうじゃない、ロムが欲しがってた剣をあたしが難なく手に入れてプレゼントしたから嫉妬しているのよ!」 「誰がよ!そんな勘違いやめてよね!ゲルマニアで男漁りし過ぎたからトリステインまで留学してきた癖に!!」 その一言でここまでまで優位だったはずのキュルケの顔色が変わった 「言ってくれるわねヴァリエール」 「何よ、本当の事でしょ?」 キュルケの変化に気付いたルイズは冷たい笑みを浮かべながら挑発を続ける そして同時二人は手に杖に手をかけた 「いかん!二人とも止めてくれ!」 ロムは二人を止めようとした所で二人の間につむじ風が巻き起こり杖が吹き飛ぶ 出所はタバサであった 「室内」 タバサが淡々と言った ここでやったら危険だと言いたいのだろう それでもルイズとキュルケはにらみ合いを続けた 「ねぇ、このままでは埒があかないわ、決闘をして勝った方の剣をロムが持つことにしない?」 「いいわよ、負けた後に泣きべそかかない用に努力しなさいよ」 「それはこっちのセリフよ!」 遂に恐れていた事が現実になった事にロムは落胆した 決闘の場所は中庭の本塔前に決まり四人は部屋を後にした ロムも二本の剣を持って部屋を出ようとした時こんな声が聞こえた気がした 「・・・・御愁傷様」 「何故こうなるんだ・・・・」 「これが一番早く決まる」 「君はひょっとして楽しんでいないか?」 ロムの問い掛けにタバサが小さく答える タバサは風竜に乗って飛んでいるがロムはロープで本塔に吊るされていた 「いいことヴァリエール!あのロープを切ってロムを地面に落としたほうが勝ちよ。勝った方の剣をロムが使う。いいわね?」 「いいわよ」 キュルケの問い掛けにルイズは硬い表情で頷いた 「使う魔法は自由、ただし、あたしは後攻、ハンデよ」 「いいわ」 「じゃあどうぞ」 「頼むぞマスター・・・・、また顔の前で爆発なんて事はナシだからな」 ロムが静かに呟くと同時にルイズは短くルーンを唱え始めた そして呪文詠唱を完了させる、そして気合いを入れて杖を振った 「えーーーい!!」 呪文が成功すれば火の玉がでるはず・・・・なのだが杖からは何もでない しかし一瞬遅れてロムの後ろの壁が爆発した 爆風に少し巻き込まれる 「マスター!」 ロムの叫びが響いた、しかしローブが切れた様子がなかった 「あはははは!流石ゼロのルイズ!ロープを切らずに壁を爆発させるなんて器用ね!!」 キュルケが笑うとルイズがとても悔しそうな表情を見せた 「次は私の番ね、それ!」 既に詠唱を終えたらしく付けから突然巨大な火の玉『ファイヤーボール』が出てくる それは高速でロープに向かって行き、切り裂いた ロムは地面に落ちるが見事着地、その瞬間上からパチパチパチと小さく拍手なようなものが聞こえた (まさか彼女これを見たいが為にこんな条件を・・・・) 上を見上げたらその彼女は無表情でロムを見ていた 一方フーケは中庭の植え込みから一部始終を見ていた ルイズの魔法で壁にヒビが入ったことにも気付いていた 一体あの爆発する呪文は何なのだろうと疑問に思ったが取り敢えず今は目の前のチャンスを逃さない為に詠唱を始めた そして長い詠唱を終えて地面に向けて杖を振り薄く笑う 音を立て地面が盛り上がった 「残念ねヴァリエール!」 勝ち誇ったキュルケは大声で笑った。 ルイズは勝負に負けたのが悔しいのか膝をついてしょぼんと肩を落としている 「マスター・・・・」 ロムはそんなルイズの姿を見て複雑な気分になった 「さてダーリン、今すぐに縄を解いてあげるわ」 そう言って嬉しそうにロムに近づくキュルケ、その時であった なんとルイズの後ろから突然巨大なゴーレムが現れた! 「なっ・・・・・・・・」 「な、何あれ、きゃあああああ!」 キュルケが悲鳴をあげる、ルイズは恐怖まだ膝を地に付けており立てないでいた 「マスターー!!」 ロムは力技でロープを内側からちぎり、ルイズを飛び込みながらゴーレムに踏み潰される間一髪の所で救出する そして地面に引きずられる 「マスター大丈夫か!」 「ロ、ロム・・・・」 ルイズは恐怖で震えていた「タバサ!剣をくれ!ルイズを頼む!」 既にキュルケを救出していたタバサはコクッと頷き、ルイズを風竜に掴ませ、キュルケが買ってきた剣をロムに渡す ゴーレムは既に宝物庫の壁を破壊しており、その穴から細長い箱を抱えた黒いローブの人間が出てきた そしてローブの奥の顔の笑みが深くなった 「さあ行くわよ」 「逃がすか!」 ロムは思いっきり剣を黒ローブを纏った人間に投げるがゴーレムに防がれ剣は折れてしまった そしてゴーレムは突然砂ぼこりを起こして崩れ去り、収まったころには既に黒いローブは去っていた 残ったのは茫然とする四人と風竜 そして壁に刻まれていたメッセージ 『巨人の剣』確かに徴収いたしました 土くれのフーケ