約 1,827,526 件
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/119.html
あいつらがやって来たの段 ルイズは自分が召喚したものが何であるか分かった。しかし、いくら才能がない自分でもしかも・・・・・・。 悲しいことであるがルイズは自分があまり、いやほとんど魔法を使えない事をよく自覚していた。 自分が魔法を失敗するたびに周りから笑われていた。使い魔の召喚も成功するはずがないだろうと半ば諦めていた。 でも、もし、万が一成功することが出来たら。サモン・サーヴァントで周りがあっと驚くようなヤツを召喚出来たら。 ルイズはそんな淡い期待を込めて臨んだ。 呪文を紡ぎ、杖を振る。すると、目の前の空間に召喚のゲートが開かれた。 やった、これであたしにも使い魔が・・・・、何がくるのかしら・・・・そこまで考えたときそれは現れた ルイズは嬉しかった。ゲートが開いた瞬間に使い魔が来てくれたのだから。 その幸せは使い魔が何であるかを認識すると落胆に変わったのだが。 ルイズの前に現れたのは人間であった。おまけに、3人。人間を呼んでしまった事を悟ったルイズは激しく動揺していた。 さらに、呼び出された使い魔の方も慌てふためいていた。なんとなく、間抜けな風貌である。よく見ると年下のようだ。 ルイズ「あんた達何なの」 3人はしばらく間を置いてこう答えた。 「乱太郎」 「きり丸」 「しんべえ」 名前までも抜けててるなぁとルイズは思った。
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/931.html
「何だったんだろうなあの光は」 「さあな、ただ今わかるのはてめぇがやかましかった事だけだ」 「しょうがねえよ。ションベンに行こうと思ったらいきなり街が光ったんだぜ」 「だからって俺を起こす必要はねぇだろ」 巨大な樹の一本枝の先に、突き刺さる様に船が停まっている 船の甲板の上では二人の船員が言い争っている 二人の前にワルド達が現れた 「な、なんでぇおめぇら!」 「船長はいるか?」 「寝てるぜ。ようがあるなら明日の朝、改めて来るんだな」 男は酒瓶をラッパ飲みしながら、酔いで濁った目で答える ワルドは杖を引き抜いた 「僕は船長を呼べと言っている!」 「き、貴様!」 船員の一人は慌てて船長室に駆け込んで行き、しばらくするとその船長が現れた 「なんの御用ですかな?」 船長は胡散臭げにワルドを見つめた 「女王陛下の魔法衛士隊隊長、ワルド子爵だ」 第9話 燃える白の国 二つの月の下で、タバサ、キュルケ、ギーシュは遠くで出港する一隻の空飛ぶ船を見届けていた 「どうやら無事出発した見たいね」 キュルケは満足そうな顔で船の様子を眺めている 「さて、私達はどうしましょ」 「決まっているさ。このまま彼らを追いかける。姫様の任務を完了させなければ帰れないよ。僕は姫様のご期待に答えなければ」 ギーシュはスペアの薔薇の造型を取り出すと夜空に向けて掲げる 「そうね。私は姫様の任務なんてどうでもいいけどロムが心配だわ。あんな女に取られてたまるものですか」 キュルケが足下にある小石を蹴りながらつまらなさそうに答えるとタバサの顔を覗いた 「タバサ?あんたも手伝ってくれるでしょ?」 シルフィードに降りてからずっと本を読んでいたタバサは本をパタンと閉じる その横で翼を休ませているシルフィードに耳打ちすると、キュルケの方を向いて顔を縦に動かした 「さすがタバサ、話が早くて助かるわ!じゃあ少し休んだら出発ね!」 手をパン、と叩いてキュルケが微笑む (しかし彼、ロム兄さんは一体何者なんだろうか?今日はゴーレムになってしまった) ギーシュが怪訝な顔をしてそんなことを考えていると、突然地面がモコモコモコと盛り上がった 「きゃあ!な、なに?」 キュルケが驚きながら身を退く しかしギーシュはそれに近づいて言った 「もしかして・・・・」 地面から茶色い影が飛び出た 「アルビオンにはいつ着く?」 ワルドが尋ねる 「明日の昼過ぎには到着しまさあ」 と船長が答えた ルイズとロムが舷側に乗り出し地面を見た 大樹の枝の隙間に見える街の光は遠のき、船はぐんぐんとかなりのスピードを出して飛んでいる ルイズがロムに近づく 「ロム、傷は大丈夫?」 ルイズが心配そうな声で尋ねた 「大丈夫だ。手当てだけですぐに癒える」 「ごめんなさい。私のせいで・・・・・・・」 ルイズは自分に気を負っていた 自分が不甲斐ない性で仮面の男に捕まり、ロムは傷ついた もしあの時捕まったのがキュルケかタバサならば自分で逃れることが出来ただろう しかし自分は何も出来なかった 頭が混乱して杖を引き抜いて戦うということも考える事が出来なかった メイジが杖を使わずして事を終えるなんて出来るわけが無い 自分はメイジとしても使い魔の主としても失格だ そんな自分が危険な任務をこなせることができるのか? 「マスター、大丈夫か?」 ルイズはロムの声ではっとした顔になった 「顔色が悪い。酔ってしまったのなら床で横になって休んだ方がいい」 「大丈夫よ。大丈夫だから・・・・」 いつの間にか自分が心配される側になっている ルイズは自分が情けなく思い、口の中を強く、噛み締めた 「大丈夫かい?ルイズ」 二人の前にワルドが寄ってきた 「船長の話では、ニューカッスル王軍は攻撃されて苦戦中のようだ」 「ウェールズ皇太子は?」ルイズが聞くとワルドは首を振った 「わからん、生きているようだが・・・・」 「港町は反乱軍に全て押さえられているんでしょ?」 「そうだね」 「どうやって連絡を取ればいいのかしら」 「陣中突破しかあるまいな。この先のスカボローからニューカッスルまでは馬で一日かかる」 ワルドが口笛を吹いて船の下にいるグリフォンを呼ぶ グリフォンはそのまま甲板に着陸して船員を驚かせた 「さてと、そうと決まればそろそろ休むか」 ワルドがそう言うとロム達は舷側に座り込んだ ロムは深く目を閉じた (・・・・あの仮面の男と剣を交えた時・・・・) ロムは大樹の階段で戦った男の事を思い出していた 自分は数多くの戦いをこなしてきた その中でその相手が自分に与えてくる殺気、威圧の類は一戦交える事で覚える事が出来ていた (悪意の方が上回っていたが、僅に感じる事が出来た。しかし、それが真実ならば何故こんな事を・・・・・・・・) ルイズとワルドが相談している声は耳に入らない いつの間にかロムは浅くも眠りについた 船員たちの声と眩しい光でロムは目を覚ました 青空が広がり、舷側から下を覗き込むと白い雲が広がっている 「アルビオンが見えたぞー!」 鐘楼の上に立った船員が大声をあげる ロムは目下を見たが広がるのは白い雲ばかりで陸地など見えない 隣で寝ていたルイズが起き上がる 「どこにも陸地がないじゃないか」 ロムが呟くと、ルイズは「あっちよ」と指を差した ロムは指差す方を仰いでみると雲の切れ目からなにかが見える 「・・・・巨大な岩が?水が流れている」 「驚いた?あれがアルビオンよ」 巨大な大地、いや、大陸がそこにあった 大陸ははるか視界の続く限り延びている 地表には山がそびえ、川が流れている 「浮遊大陸アルビオン。あれでトリステインより大きいのよ?」 「凄いな・・・・」 ロムはあっけにとられた声で呟く 「通称『白の国』」 「何故『白の国』なんだ?」 ルイズが指差す方向で、大河から溢れた水が空に落ちて込んでいた その際、それが白い霧となって、下半分を包んでいた 霧は雲となり大範囲に渡ってハルケギニアに雨を降らすのだとルイズは説明した 「右舷上方より、船が接近しています!」 船員が大声を上げると、ロムとルイズは言われた方向を向いた 確かに巨大な船がこっちに向かって近づいてくる 黒く染まった船体に舷側に開いた穴からは大砲が突き出ていた 「あの船、武装しているな」 ロムがそう呟くとルイズは眉をひそめた 「嫌だわ、反乱勢・・・、貴族派かしら・・・・」 後甲板でワルドと並んで指揮を取っていた船長の顔が青ざめていく 「あの船は旗を掲げてはいません!」 「してみると、く、空賊か!?」 「間違いありません!内乱の混乱に乗じて活動が活発になっていると聞きますから・・・・」 「に、逃げろ!取り舵一杯!」 船長は船を空賊から遠ざけようとするが、時すでに遅し 黒船は併走を始め、脅しの一発をロム達が乗り込んだ船の針路に打ち込んだ 黒船のマストに旗流信号が登る 「停船命令です。船長」 船長はワルドに助けを求めるように見つめる 「魔法はこの船を浮かべる為に打ち止めだ。諦めて停船した方がいい」 確かに船の燃料となる『風石』がなかったので風系統のワルドが魔力を注いでいた 船長はその事を思い出すとがっくり肩を落とし命令した 「・・・・ああ、これで破産だ。裏帆を打て。停船だ」 舷側では襲撃に備えているロムとそれに怯えながら寄り添うルイズ ルイズは不安そうに黒船を見つめていた 「空賊だ!抵抗するなよ!」 「空賊ですって?」 黒船の舷側にそれぞれ飛び道具をもった男達が並び、こちらに狙いを定めている 鉤付きロープが放たれ舷縁に引っ掛かり、手に斧や刀など獲物を持った男達が次々とロープを伝ってやってくる その数およそ数十人 「ロム・・・・」 ルイズが呟くとロムは首を振った 「駄目だ、あの船は水兵だけじゃない。大砲が狙いをつけているあれでは迂濶に戦う事が出来ない」 「そのとおりだ。おまけに向こうにはメイジがいる。見ろ、あれを」 いつの間にか現れたワルドが前甲板で、突然の襲撃に驚いて暴れているグリフォンに指を差す グリフォンの頭が青い雲に覆われると、グリフォンは大人しくなって寝息を立て始めた 「眠りの雲、だ」 ワルドがそう言うとドスンと音を立てて空賊達が降りたってきた その中で派手な格好の男が近づいてきた 「船長はどこでい」 どうやらこの派手な男は空賊の親分のようだ 「わたしだが」 震えながらも威厳を保とうと努力しながら船長がやってくる 「船の名前と積み荷は」 「トリステインのマリー・ガラント号。積荷は硫黄だ」 「船ごと買った。料金はてめえらの命だ」 男がそう言うと船員は恐怖と屈辱で震える、それから男はルイズとワルドに気付いた 「おや、貴族の客まで乗せているのか」 ルイズに近づき顎を手で持ち上げた 「こりゃあ別嬪だ。お前俺の船で皿洗いやらねえか?」 男達が下卑た笑い声を上げるとルイズはびしゃりとはねた 「下がりなさい!下郎!」 「驚いた!下郎と来たもんだ!」 男達は笑い声をあげる 「やめろ貴様等!」 「あん?なんだおめえは?」 男達は突然声を上げたロムを睨み付け、罵声をあげる 「てめえ・・・・自分の身をわきまえているのか?おい?」 親分かと思われる男はロムに近づき、睨みをきかせる ロムは強い眼差しで男を見る 睨みあいが続くと、親分の方は黙って一歩づつ退いていった 「・・・・てめえら。黙ってこいつらを運べ」 「親分?どうしたんですかい?」 「早くこいつ等をつれていけ。なるべく早くだ」 空賊に捕らえられたロム達は船倉に閉じ込められた ロムはデルフリンガーを、ワルドとルイズは杖を取り上げられた 「ねぇロム?ケンリュウを呼んでどうにかできないの?」 ルイズがロムに尋ねた 「駄目だ。もっと広い所に出てからでは・・・・つっ!」 ロムが顔をしかめるとルイズは不安げな顔になった 「・・・・やっぱり怪我が痛むんじゃないの」 「・・・・大丈夫だ。この位自然に直る」 ロムはそういうがルイズには辛そうに見えた ロムの左腕の鎧は黒く焦げている 傷は見えなかったがそれだけでも痛々しさが伝わってくる ルイズは大声を出した、立ち上がりドアを叩いて 「誰か来て!」 看守の男はむくりと立ち上がった 「なんだ?」 「水を!水系統のメイジはいないの?怪我人がいるのよ!治して!」 「いねえよそんなもん」 「嘘言って!いるんでしょ!」 ワルドは呆気に取られて取り乱したルイズを見つめている ロムはそんなルイズの肩を押さえた しばらくしてルイズが落ち着く 落ち着いたルイズは唾を飲み込んで涙を溢れるのに耐えた 「なんでそうやって我慢するのよ。痛ければ痛いって言えばいいじゃない。その方が私も楽になれるのに」 「・・・・泣かないでくれマスター」 「泣いてなんかないもん。使い魔の前でなく主人なんかいないもん」 ルイズはその場に立つと壁際まで歩いて行き、そこでまたしゃがんだ 扉が開くと太った男がスープが入った皿を持ってきた 「飯だ」 ロムがそれを受け取ろうとすると男は皿をひょいっと持ち上げた 「質問に答えてからだ」 目が真っ赤のルイズが立ち上がった 「いってごらんなさい」 「お前たち、何の用でアルビオンに?」 「旅行よ」 「トリステイン貴族が今時のアルビオンに旅行?何を見学するんだ」 「そんな事あんたに言う必要ないでしょ」 「泣いていた癖に随分強がるな。ほらよ」 空賊が笑うと皿と水の入ったコップをロムに渡す すると太った空賊の後ろから痩せぎすの男が現れた 「話は聞いたぜ。お前等はもしかしてアルビオンの貴族派かい?」 ルイズはピクリと反応を見せた 「いやねぇ。俺達実は貴族派の連中と組んでいてねぇ。王党派に味方しようとする酔狂な連中がいてな。 そいつ等を捕まえる密命を帯びていてなぁ。 ・・・・わかるか?答えによっちゃきちんと港まで送ってやるよ」 それを聞くとロムはホッとした、これで貴族派と答えれば事なきを得る しかし 「誰が薄汚いアルビオンの反乱勢ですか。私達は王党派の使いよ!私達が用があるのは正統な政府、アルビオン王室なの! 私はトリステイン代表!つまり大使ね!だから、大使としての扱いを要求するわ」 ・・・・ロムは額に手を当てて首を振ってワルドは呆気に取られていた 「マスターこういうのは時と場合を!」 「うるさいわね!あんたは怪我人だから静かにしてなさいよ!」 そんな様子を見て空賊達は笑った 「正直なのは良いことだ。だけどな、使い所っていうのは何処にいっても大切なんだぜ。ちょっと待っとけよ。頭に報告してくる」 空賊は去っていくとロムは剣狼を出して構えた 「・・・・こうなったら強行突破も考えなければ」 「そうよ、最後の最後まで私達は諦めないわ」 「いいぞルイズ。流石は僕の花嫁だ」 ワルドがルイズの肩を叩きながらそう言うとルイズは突如複雑な表情を浮かべた 再び、扉が開く。先程の痩せぎすの空賊だった 「頭がお呼びだ」 痩せぎすの男に三人が連れていかれた先は立派な部屋だった ガチャリとドアを開けると、そこには大きな水晶のついた杖ををいじっている空賊達の頭が居た 「おい、お前たち、頭の前だ。挨拶しろ」 痩せぎすの男につつかれる ルイズは前に出て頭を睨んだが、頭はニヤッと笑った 「気の強い女は好きだぜ。さてと、名乗りな」 「その前に大使としての扱いを要求するわ。そうじゃなかったらあんた達なんか口をきくもんですか」 ルイズはとんがったとした態度と口調で言った 「王族派と言ったな」 「ええ、言ったわ」 「何しに行くんだ?」 「あんたらなんかに言うことじゃないわ」 頭はヒュウっと口笛を鳴らすと楽しそうな声で言った 「貴族派につく気はないかね?あいつらメイジを欲しがっている。礼金弾んでくれるだろうぜ」 「死んでもいやよ」 ルイズはそう言うとロムに寄り添った この時、ルイズの体が震えていることにロムは気付いた 恐いのだ ロムはルイズが弱い女の子だということを知っている しかしそれでも困難に堂々と誇りを賭けて立ち向かおうとしている 自分の心の中にある大切な物を守ろうと戦っている ロムはそんなルイズの姿が何時もより気高く見えた 「もう一度言う。貴族派につかねぇか?」 ルイズが顔を上げ、胸を張る そして口を開こうとした所でロムが前に出た 「生憎だが、マスターはどうしても付かないと言っている。そっちから引いてもらおうか」 頭はじろりと鋭い眼光で睨んだ 「・・・・昼の一件といい、何なんだ?貴様は」 ロムは言った 「使い魔だ」 「使い魔?」 「そうだ」 すると頭は大声で笑い始めた 「トリステインの貴族は、気ばかり強くってどうしようもないな。まあ、どこぞの国の恥さらしよりは何百倍よりはマシか」 頭が笑いながら立ち上がる ルイズ達は頭の豹変ぶりに驚き戸惑った 「失礼した。貴族に名乗らせるならこちらから名乗らなくてはな」 周りで控えていた空賊たちが一斉に直立になる 頭は突然カツラと思われる髪を剥ぎ、眼帯を取り外し、付け髭をはがした そこに立っていたのは、海賊の頭ではなく凛々しい金髪の若者であった 「私はアルビオン王立空軍大将、本国艦隊司令長官。いや、今は無力に等しいこんな肩書きよりこちらの方が通りがいいだろう」 男は威風堂々と名乗った 「アルビオン王国皇太子、ウェールズ・テューダー。アルビオン王国へようこそ大使殿」 ロムは目を見開いて驚き、ルイズは口をあんぐりと開けた
https://w.atwiki.jp/mangaroyale/pages/615.html
【ルイズ】 ルイズとはゼロの使い魔からの参戦者である。 詳しくは書かないが、パロロワとゼロの使い魔は長い因縁があり、 どうせ序盤、もしくは無惨にゼロの使い魔キャラは死ぬだろうという噂が後を絶たなかった。 しかし、彼女が覚悟を決め、死に行く流れを見て評価は一変。ロワ全体に波紋を呼ぶことになる。 疎まれるキャラであろうと全力で魅力を引き立て、散らす。これも漫画ロワの特徴であろうか。 追記 人気投票で杉村も成しえなかった、四冠制覇&ワンツーフィニッシュを達成。
https://w.atwiki.jp/fantasicfarmeryaruo/pages/88.html
ルイズ 職業;トリスティン王国の魔法使い 説明 国を救う為に勇者(スザク)を召還する アンリエッタの淫乱ぶりに処女を奪われないか心配している オナニーもしてないし、処女だし、パイパンとのこと 対アンリエッタのツッコミ要因 おそらく出奔したらトリスティンが崩壊するブレーカー的存在 アンリエッタのビッチやスザクが役に立たなかったり、勝手に姉の結婚を決められたりと胃に穴が開きそうらしい ほどなくしてその姉のアヘ顔Wピース映像が送ってこられ、それを見たルイズは気絶。アンリエッタに睡姦レイプは思いとどまってもらえたものの、くぱぁ画像を取られ、スレにUPされてしまった
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1692.html
「仕切るの?春日部さん」よりモロヤマ1号 仕切るの?ルイズさん1話「召喚したの?ルイズさん」 仕切るの?ルイズさん2話「普段通りの1日なの?ルイズさん」 仕切るの?ルイズさん3話「燃えすの?キュルケさん」 仕切るの?ルイズさん4話「仕事なの?ルイズさん」
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/818.html
戻る マジシャン ザ ルイズ 進む マジシャン ザ ルイズ (9)無謀なる特攻 「どうしてあのようなことを言ったのかね?ミス・ルイズ」 「あのようなこと?」 「捜索隊に志願する、ということだ」 ここはルイズの部屋。 現在は『禁断の剣』捜索に出発する準備の最中である。 「そんなの決まってるじゃない、私が貴族だからよ」 「貴族だから…それだけかね?」 「学院長先生も仰っていらしたけど、これは魔法学院の問題だから、私達貴族の手でフーケを捕らえなくちゃいけないと思うの。 それに…貴族にナメたマネしたフーケが許せない。貴族としての誇りの問題よ」 「本当に、それだけかね?」 「………昨日、初めて魔法が成功した。だから、その力で誰かに認めてもらいたい。そういう気持ちが無かったといったら嘘になるわ。 でも、そんなことを抜きにしても、私はきっと志願したわ。」 「お待たせしました、ミス・ロングビル」 「それでは出発しましょう。皆さん、よろしいですか?」 「はい」 「いいわよ、出してちょうだい」 こうして、トリステイン魔法学院から、ルイズ、ウルザ、キュルケ、タバサ、そして案内役も兼任するロングビルの五人が『破壊の剣』捜索隊として派遣されたのであった。 暫くの時を馬車で過ごし、一行は、フーケが潜伏していると目される森に到着した。 「この先は森が深く、馬車では進めません。ここからは徒歩となります」 ロングビルが他のメンバー達に馬車を降りるように指示する。 「農民に聞いた廃屋はこの先にあります、皆さんはそちらへ。」 「ミス・ロングビルはどうするんですか?」 「他にも何かあるかもしれません。わたくしは怪しいところが無いか偵察にいきます」 ロングビルが先行し偵察を行い、他のメンバーはフーケが潜伏する廃屋へ向かうこととなった。 「ミス・ロングビル、お一人で大丈夫かしら?」 「気にすることはあるまい、どうやら彼女は魔法の腕前も中々のようだ」 そう応えるウルザの背中には二本の剣が背負われている。 本来は昨日の勝負で勝ったキュルケの剣をウルザが使うということだったのだが、 『片手に一本づつ持つならば構わんのだろう?』 との本人の発言で、結局両方の剣を使うということになったのだった。 (に、二本同時に使えるんだったら最初にそう言いなさいよっ!) 「人の事より自分の心配しなさいよ。フーケが現れたらあんたはどうせ逃げ出して、後ろから見てるだけでしょ? おじさまに戦わせて、自分は高みの見物――そうでしょう?」 「なっ、なっ、何言ってるのよ!誰が逃げ出すもんですか!見てなさい!フーケなんて私の魔法で!」 「あら~~~~~?声が震えてないかしら~?ビビッてんじゃないの?」 「誰がビビッて何か!」 「まあ、しょうがないわよね。ここは昼間だってのに薄暗くて、気味が悪いもの。 あ~ん、おじさま~、キュルケこわ~い」 キュルケが豊満な胸をウルザに押し付ける。 「問題無い、周囲にはゴースト等の魔力の気配は無い ………それより、廃屋というのは、あれではないかね?」 ウルザの指し示した先に、確かにそれはあった。 フーケが潜むとされる、廃屋が。 左手にキュルケの大剣、右手にデルフリンガーを持ったウルザが先行して廃屋の周囲を探っている。 やがて、何も無いというしぐさで後ろの三人に合流を促す。 「あ……あった『禁断の剣』……」 「なーんか、呆気ないわねぇ、でも冒険なんて実際はこんなもんなのかもねぇ」 「……任務完了」 「何も無ければ、それが最上だ」 ズシンッ!! 突然の衝撃、何かに掴まらなければ立っていられない。 柱に掴まりながらルイズが叫ぶ。 「な!何…!小屋全体が揺れてる!?」 「むう!これはっ!皆、床に伏せろ!」 次の瞬間、横殴りの力で天井が吹き飛ばされた。 そして本来天井が見えるはずのそこにあるものを見て、ルイズが驚愕の声をあげる。 「ご、ゴーレム!!??」 幸い、速やかに廃屋を脱出し、全員無事であった一行であったが、その前にそびえるゴーレムには絶句するばかりであった。 「大きい、、、20、いえ、30メイルはあるわ…」 「あれだけ大きいとなると、フーケがトライアングルメイジだって噂も、間違いじゃないかもね」 「……どいて」 タバサはルイズとキュルケの二人の前に出ると、呪文詠唱を開始する。 「…氷の……矢」 ドゥゥンン!! 「あ、アレはウィンディ・アイシクル!」 「やるわね、タバサ!やっぱそう来なくっちゃね! よーし、次はあたしよ!………フレイム・ボール!!」 ドドドドドドゥン!! 「やったわ!命中よっ!」 「いや、まだだ」 周囲から煙が薄れ、現れたのは変わらぬ姿のゴーレムであった。 「う、うそっ!直撃したのにビクともしないなんてっ! こんなものどうやって倒すのよっ!」 「私が何とか時間を稼ぐ、安全な場所まで逃げ給え」 「おじさま……でも、安全な場所って…そうだ!タバサ!?」 キュルケの問いかけにこくんと頷くタバサ。 タバサが杖を掲げると、上空から飛竜の幼体が降りてくる。 これで避難するつもりなのだろう。 「ミス・ルイズ!君も逃げたまえ!」 「…いやよ!私は戦うわ!」 言うが早いか、ルイズは杖を掲げ、ゴーレムに向かって呪文を叫ぶ。 「……デストロイ!!」 ボンッ!! しかし、放たれたのは先日の魔法の手ごたえとは全く違うもの、失敗魔法。 「え!ええええ!?なんでっ!昨日は使えたのに!?」 「ミス・ルイズ!君は下がっていたまえ!」 「いやよ、いや!もう一度よっ!今のはたまたま失敗しただけなんだから!次は成功するわ!」 「今の君では無理だ!」 「無理って何よっ!私はっ!私はちゃんと魔法を使えるようになったんだもん!ここで逃げたら!またゼロのルイズに逆戻りじゃない! それにっ!私は貴族よ!貴族は敵に後ろを見せなわ!」 「ミス・ルイズ!」 ゴーレムが小生意気な虫けらを踏み潰すべく、片足を上げ、そして勢い良く地面を踏みしめた。 ズズゥゥン! 「い、いたぁ………」 間一髪、ウルザがルイズを突き飛ばしたことで、ルイズは何とか直撃を免れた。 「よっ、余計な真似しないでよ使い魔が!あれくらい私にも避けられたわ!」 「ミス・ルイズ。君のプライドは分かった」 「だったらっ……っ、え?」 ルイズをかばったウルザ、その額からは一筋の血が流れていた。 よく見れば、それ以外にも何箇所か血が滲んでいる場所がある。 「ちょ、ちょっとあんたっ!怪我してるじゃない!」 「……君の誇りにかけて引くことが出来ないのはわかった。 しかし、私はこれでも使い魔として召喚された身だ。加えて女性を守るのは男の勤めだ。 君を守るという、私のプライドを立てて、ここは引いてくれないかね?」 「………わ、私、私っ………」 泣き始めるルイズを背に、ウルザが立ち上がる。 左右の手には二振りの剣。 若さとは時に、人を衝動のままに駆り立てるものだ ―――ウルザ 戻る マジシャン ザ ルイズ 進む
https://w.atwiki.jp/touhoupuppetshow2/pages/54.html
ルイズ No.174 タイプ:こころ 特性:マイペース(こんらん状態にならない) れいきのかべ(ほのおタイプ・こおりタイプの技によるダメージを受ける時、相手のとくこうが半減する) HP 攻撃 防御 特攻 特防 素早 90 60 100 100 70 90 ばつぐん(4倍) --- ばつぐん(2倍) ゆめ/しんとう いまひとつ(1/2) おばけ/あんこく/ことわり/こころ いまひとつ(1/4) --- こうかなし --- ※特性「れいきのかべ」の場合、ほのお,こおり半減(特殊技のみ) コスト:25(コスト技の威力:40) ルイズ 解説 覚える技レベルアップ タマゴ技 技マシン 解説 広い耐性範囲を持つ、魔界の旅人 完全に耐え切るタイプのかぐややDもこう、Hえいりん等とは異なり、硬さに物を言わせて味方をサポートすることに長ける 特性冷気の壁の関係上、特殊技のみではあるものの耐性タイプが+2されているのが意外と大きい ゆゆこ系やゆめみのれいとうビーム・ふぶき、Sルーミアの大文字など、炎・氷はメインで通しやすく、サブウェポンで採用している場合もそこそこ多いため、見かけ以上に特殊にも硬い 卵技催眠術、他にも癒しのすず、願い事、どくどく、身代り+金縛りなど、補助技周りもかなり優秀で、スペック以上の鬱陶しさをもっている ステータスの平坦さから、注目されにくいもののいわゆる使われて初めて鬱陶しさが分かるカケラ 覚える技 レベルアップ ちびルイズ ルイズ 技 威力 命中 タイプ 分類 1 - はたく 40 100 幻 物理 5 - かなしばり - 100 化 変化 8 - しめつける 60 90 心 物理 12 - うたう - 60 飛 変化 15 - ミラーショット 65 90 心 特殊 19 - ねむる - - 幻 変化 22 - ねごと - - 幻 変化 26 - エナジーライト 80 100 然 特殊 - 1 こごえるかぜ 55 90 氷 特殊 - 1 ナイトメア 70 100 化 特殊 - 1 しんぴのしずく - 100 水 変化 - 1 エナジーライト 80 100 然 特殊 - 1 スマイル - 100 心 変化 - 1 ねがいごと - 100 神 変化 - 1 みがわり - - 幻 変化 - 1 あやしいかぜ 70 100 化 特殊 - 1 まもる - - 幻 変化 - 31 トライアタック 80 100 心 特殊 - 34 てんしのキッス - 90 心 変化 - 37 スマイル - 100 心 変化 - 40 マナバースト 90 100 理 特殊 - 44 いやしのすず - - 心 変化 - 48 ミストボール 120 80 心 特殊 - 52 あやしいかぜ 70 100 化 特殊 - 56 まもる - - 幻 変化 タマゴ技 技 威力 命中 タイプ 分類 PP おきみやげ - 100 化 変化 10 さいみんじゅつ - 60 理 変化 20 ふういん - 100 神 変化 10 のろい - - ? 変化 10 どくどく - 85 瘴 変化 10 技マシン 技マシン 威力 命中 タイプ 分類 PP 03 みずのはどう 60 100 水 特殊 20 06 どくどく - 85 瘴 変化 10 13 れいとうビーム 90 100 氷 特殊 10 14 ふぶき 120 75 氷 特殊 5 16 ひかりのかべ - - 神 変化 30 17 みきり - - 夢 変化 10 18 あまごい - - 水 変化 5 20 しんぴのまもり - - 神 変化 25 21 シグナルビーム 90 100 心 特殊 15 27 おんがえし 102 100 幻 物理 20 29 マナバースト 90 100 理 特殊 10 32 かげぶんしん - - 幻 変化 15 43 ひみつのちから 70 100 幻 特殊 20 44 ねむる - - 幻 変化 10 45 メロメロ - 100 心 変化 15 50 マインドボム Cost 100 心 物理 20
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/720.html
戻る マジシャン ザ ルイズ 進む マジシャン ザ ルイズ (3)錬金術の教示 「偉大なる始祖ブリミルと女王陛下よ、今朝もささやかな糧を我に与えたもうたことに感謝します」 食堂での朝食が始まった。 ここは若い少年少女達がその旺盛な食欲を満たし、あるいは共同生活を送る仲間との連帯感を高める場である。 そんな若者達の中、初老の男が一人。 そう、ルイズ・ド・ヴァリエールの使い魔となったメイジ・ウルザである。 本来なら使い魔であるし執事という立場を取らせると決めたのであるから、食事はあとで別に取ってもらうのが筋なのだが、生憎とメイジと使い魔の関係初日のルイズがそのような手配を行っているわけが無かった。 しょうがないので、今日は同席ということになり、今ウルザはルイズの横に座っているのだ。 勿論、少年少女達の中にとあって、周囲からは距離をとられている、かなり。 ゼロのルイズが高位のメイジを召喚したということは、すでに学院中に知れ渡っており、同席した生徒は皆そのメイジがルイズの隣に座っている男だということに気付いていた。 (重い、重いわ…空気が重いわ…) 周りがウルザに身体的にも精神的に距離を取っている為なのだが、隣のルイズにはたまったものではない。 (何か…何か考えなくちゃ……っ!) その時、ルイズはふっと誰かの視線を感じた。 きょろきょろと周りを見回してみると、視線の主は直ぐに見つかった。 長身に、同世代とは思えない発育の良さ、燃えるように赤い髪。 そして、今はその頬も茹で上がったように紅潮している。加えて瞳も潤んでいる。 (ちょっ!ツェルプストー!あんたっ!何で私!そんな趣味はないわよっ!) 昨日から何度目か分からない悪寒を感じで体を震わせた。 しかし、注意深く、かつ相手に気付かれないように視線を追ってみると、微妙に自分が相手では無いことに気付いた。 そう、視線の先は………横にいる男に向けられていた。 キュルケの唇が何事か呟くのが見えた。 当然ながら、ルイズは読唇術も読心術も使えない。 しかし、この時ばかりはキュルケがなんと呟いたのかを明白に理解することが出来た。 ――素敵なおじさま… 食事が終わり、教室へ向かう最中のことである。 「ミス!ミス・ヴァリエール!ミスタ・ウルザ!」 「あ、おはようございます。ミスタ・コルベール」 「おはようございます。ミスタ・コルベール」 禿げ上がった頭の教師、コルベールに声をかけられたのである。 「すみませんが、ミスタ・ウルザの左手のルーン文字を見せて頂きたいのですが」 「私は別に構いませんが…ミスタ・ウルザも構わないかしら?」 「無論。私も異議はありません」 ウルザが左手を出すと、コルベールは素早くメモをとり始めた。 「いやはや、召喚の儀式の後、ずっとこのルーンのことを調べているんだよ」 「え?どうかしたんですか?」 「メイジを召喚したなんて前例が無いからね、おまけに君が召喚したというのも……まあ、兎にも角にも知的好奇心が刺激されてしまってね!」 「ふむふむ、成程。そういうことでしたら今晩ご一緒に分かったことについて報告し合うというのは如何ですかな?」 「おお!?既にご自身で解読がお進みでしたか!?流石ですなミスタ・ウルザ!しかし、こちらはまだ報告するほどには…」 「いやいや、ミスタコルベール、私は貴方の意見が……」 「おおっ!……でしたら……!」 「それは……たい……是非……」 「…っ!……!!」 ルイズは妙に盛り上がる二人を置いて教室に急ぐのであった。 「―――というわけで、皆さんご存知の通り、魔法の四大系統「火」「水」「土」「風」「虚無」、五つの系統がある訳ですが、その中で「土」は万物の組成を司る重要な系統なのです」 今日の授業は赤土のシュヴルーズ教師の錬金の授業である。 なお、使い魔であるメイジは先ほどふらりと教室に入り、今は授業を聞きながら一心不乱にメモを取っている。 (メイジなのに、こんな初歩的な授業を受けて楽しいのかしら?) 「オホンッ!ミス・ヴァリエール!」 「は、はい!」 余所見をしている生徒を当てるのは、どの世界でも共通である。 「では、土の基本魔法を説明してください」 「え、あ、はい…… 『土』の系統の基本魔法は『錬金』です。 金属を作り出したり建物を建てる石を切り出したり、農作物を収穫するなどの生活により関係した魔法が『土』です」 「よろしい、ミス・ヴァリエール、よく出来ました。……では次に、実際に錬金を行ってみます」 そう言うとシュヴルーズは錬金の実技を披露してみせた。 シュヴルーズが呪文を唱えると、教壇の上に置かれた石が輝き、金属へと姿を変えたのだった。 これを見たウルザが「ほお…」と呟くのをルイズは聞いた。 「先生!ゴールドですか!?」キュルケが聞くと 「いいえ、真鍮です。」と応えるシュヴルーズ。 「さて、次は誰かに錬金をやってもらいましょうか……ミス・ヴァリエール!」 「え、はい!」 また自分かという考えを払って姿勢を正す。 「貴女は……随分と変わった使い魔を召喚したそうですね。 どうでしょう?その使い魔の方に錬金の実演をして頂けませんか?」 教室中の生徒がルイズとその使い魔に注目する。 あ、ちょっとこの感じいいかも、とほんの少しだけ抱いたが、それを出さずに、ウルザに声をかける。 「ミスタ・ウルザ、先生の仰るとおりに」 「……分かりました、ミス・ルイズ」 ルイズはウルザが軽くため息をついたのを感じた。 (別に錬金くらい初歩の術じゃない、減るもんじゃないし…そりゃ、私は使えないけど…) ウルザが教壇に立つ。 (さて、このように生徒に囲まれ教壇に立つなど久しいことだ…) さて、目の前には先ほど錬金された石と同じくらいの大きさの石が置かれている。 確かに、ウルザは数々の世界を渡り歩いた魔法使いであるが、初めて接した魔法系統を直ぐに使いこなすような超人ではない。 よって、ハルケギニアの系統魔法を使えるわけが無い。 しかし、今メイジという立場をこの世界で失うのは得策ではない。 ウルザが何事か呟き、呪文が完成して、石が輝く。 そして、石はシュヴルーズ教師が錬金したのと同様に、真鍮へと姿を変えてきた。 「おおおおおお!!」「凄い!」「ルイズの使い魔はスクエアメイジか!」 教室中が喧騒に包まれる。 「こんなものでよろしいかな?」 「ええ、結構です、ええと…ミスタ・ウルザ」 ただ一人、首を捻っていたのはモンモランシーである。 「あ、あれ?今、水の系統魔法を使って、なかっ…た、…わよね。私の勘違いね、きっと」 「さて、次はミス・ヴァリエール。あなたがやって御覧なさい」 「先生!」 キュルケが声を上げる。 「ルイズは危ないです!ゼロのルイズですよ!?」 それを聞いたシュヴルーズが応える。 「ミス・ツェルプストー、貴女は彼女をまだゼロのルイズと呼ぶのですか?彼女の使い魔であるミスタ・ウルザが錬金を成功させたのを見たでしょう。 使い魔が出来て、主人が出来ないなんてことがありますか」 それを聞いてルイズが立ち上がる。 「私、やります!」 ルイズが教壇に立つ、前には先ほどと同様の石が置かれている。 「ふむ、これは興味深い」 ルイズはウルザの魔法が見たいと思っていたが、それはウルザとて同じことである。 プレインズウォーカーである自分を強引に召喚するほどの腕前である、そしてその手による知らぬ魔法体系の呪文、狂人ならずとも魔法使いなら心引かれる演目である。 ルイズが呪文の詠唱を始める。 同時に、一斉に机の下に避難を始める生徒達。 意味を理解出来ないまでも、何処かで見たような既視感を覚える。 ルイズの呪文が完成する。 爆発 なんの防御もしていなかったウルザは爆発に巻き込まれたのだった。 危険に対して敏感なのは、いつだって生徒だ。 ――ウルザ 戻る マジシャン ザ ルイズ 進む
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/6002.html
前ページ次ページ聖剣と、ルイズ 「すげ……」 誰かの呟きの通り、それは凄まじかった。 今までの爆発とは、明らかに規模が違った。爆風や爆音はいつもの通りだったが、絶対的な範囲の違いが感じられた。爆心は遥か遠くだったのが、その場にいた者達の命を救った。今まで彼女を野次っていた同輩の少年少女達は、爆煙に巻かれながら、自分達と彼女が『全くの別物』である事を、この時点で知ってしまった。 「手応えありよ!絶対に成功したわ!」 自信満々で宣言する、見えざる同級生の少女。恐らく小さな胸を張り、煙が晴れて使い魔の姿を見る事を心待ちにしているのだろう。今まで自分を嘲ってきた連中を見返す事が、やっとできると。既にそれは達成されているが、憐れな同級生の姿が、彼女────ルイズには見えなかった。 やがて、煙は少しずつ晴れ、だんだんとそのシルエットを現す────筈だった。 その場にいる全員の視線の先に、いつまで経ってもそれは姿を見せない。全員が、今までの爆発の中心を見ていた。抉られた大地、それだけだ。 「なんだよ、驚かせやがって」 「やっぱりゼロはゼロね」 「これが最後って約束だろ?」 「何が『絶対に成功したわ!』よ。ただ派手になっただけじゃない」 皆が口々にルイズを罵る。不安の裏返しだった。あんな威力、どんなメイジであっても絶対に出せない。自らの存在理由を脅かされそうな、そんな予感から自分を護るための、僅かな抵抗だった。 少ない例外は、赤い髪の少女と蒼い髪の少女、そして禿げ上がった中年くらいだった。 彼らも、失敗したと思っていた。この時は、まだ。 「あー……、ミス・ヴァリエール。残念だが……」 「……なあ、あれ、さっきまであそこにあんな塔あったか?」 禿げ上がった中年、コルベールの言葉は、その小さな問答により、波紋の様に広がったざわめきにかき消された。 「塔?」 「あれだよ。かなり高い」 「何個かあるぞ?」 「何あれ」 学園の塀の向こう、森の先に、空を切り裂く様な長い黒いシルエットが見えた。細く遠く、高い。幾つかの最も近い『それ』もかなり高いが。最も遠いそれは、一際眼を惹いた。 「なあ、もしかして……」 「もしかすると、ね」 数人の生徒達が、レビテーションやフライの魔法で宙に浮かぶ。上からなら、何か見えるかも知れない。そう思ったのだろう。 果たしてそれは正解だった。彼等の眼には、有り得ないものが映っていた。 やたらと静かな上空が気になったのか、一人、また一人と彼等に続いて宙に浮かぶ生徒が増える。そして、それを見て絶句するのだ。 唯一飛べないルイズと、赤髪と蒼髪の少女達、そして教師であるコルベールだけが、大地に残された。 「なんかとんでもないものが見えるみたいね」 赤髪の少女、キュルケが最も遠い塔を見て呟く。 「…………」 蒼髪の少女、タバサは無言だ。何かを考えている様にも見える。 「なに……なんなのよ……私にも見せなさいよー!」 ルイズは喚いている。 それを尻目に、タバサは召喚したばかりの使い魔、風竜の背に乗る。そしてキュルケに眼をやると、彼女は頷いた。最後にルイズに視線をやり、 「乗る」 とだけ、言う。その意味を理解した瞬間、ルイズは風竜に飛び乗った。 そこには、壮大としか言えない光景があった。 森だった場所が綺麗に円形に切り取られ、その中心に最も高い、有り得ないくらい高い塔がある。その周りに中央の塔の半分くらいの背丈の塔が六つ囲んでいる。かなり間を開けて、その更に外周に背丈の低い建造物と得体の知れない何かが四つ。後は手前側に建造物が四つ密集していた。塔から伸びる道が、離れたそれらが付属物であることを示していた。 余りにも巨大で、余りにも美しく、余りにも禍々しい、余りにも巨大な施設だった。誰もが絶句するくらいに。 そしてこれ程の物を造る技術は、この世界、ハルケギニアには絶対存在しない。有り得ないのだ。せいぜい数十メイルが限度の技術で、何百メイルもある塔をどうやって造るのだろうか。 「綺麗……」 ぽつりと、ルイズが呟いた。確かに、ここまで巨大で、かつ精密な建造物は美しかった。感動、いや、畏怖すら覚える。そこにいる全員がそう感じただろう。 「あー、すまないが、コントラクト・サーヴァントを済ませて貰えないだろうか、ミス・ヴァリエール?」 情緒もへったくれもあったものではない。が、コルベールが声をかけたお陰で、その場の全員が正気に戻った。 「ミスタ・コルベール……これも……使い魔なんですか?」 ルイズが不安げに問うが、 「状況から言って、ミス・ヴァリエール。あなたの召喚した使い魔で間違いないでしょう」 と、太鼓判を捺した。 「…………。……タバサ、あの塔に。お願い」 数瞬悩んだが、すぐに彼女はその光景について考えるのをやめた。これは人知を越えたもの、これが何かなんて考えるのは愚かしい、と、あ、タバサのこと、初めて名前で呼んだ、なんてことは思っていた。 タバサは頷き、中央の塔に風竜を飛ばす。あまりにも巨大で広大なため、風竜でもそこそこ時間がかかる。後ろから同級生達が追ってくるが、風竜に追い付ける筈がなく、次々に諦め、高見の見物に入る。 やがて風竜は高度を下げ、中央の塔の根元の近く、ではなく、それよりかなり手前に着地した。塔の非常識な大きさが、距離を見誤らせたのだ。 「嘘、まだあんなに遠いの?」 どれだけの距離があるのかは判らない。だが、ルイズは風竜を飛び降り、塔に向かって駆け出す。 案外短かったが、それでも走るには長い。一体、幅は何メイルあるのだろうか。天辺からは何が見えるのだろうか。汗だくになりながら、その塔の壁に手を突き、霞んで見えない天頂を見る。初めての、成功した魔法が、前例の無いくらい大規模な『施設』。ひょっとして、私は凄い存在なのか、などと思うのも無理はない。 一通り感慨に耽り、しかし風竜の羽音を聞き、あまりゆっくりしていられないと思ったルイズは、さっさと契約してしまう事にした。 「……我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我が使い魔となせ」 呪文を唱え、塔にキスをする。途端、地面が光り、ルイズに何かが流れ込んだ。 その頃、コルベールをはじめ生徒達は中央の塔に向かいながらその光景を見ていた。 巨大すぎて時間がかかる。先行したルイズ達が豆粒の様に小さく見えるのだ、無理もない。 「コルベール先生、この施設、一体何なんですか?」 生徒の一人に訊かれ、師は困り果てた。一見して、ハルケギニアには存在しないものなのだ。学者としての性格が強い彼にも、この施設が一体、どんな目的で、どんな用途があり、どう使うのか、皆目見当がつかなかった。 「わかりかねますな。ハルケギニアにはこんなもの、存在しませんからな。異世界かも知れませんぞ」 故に、そう答えるしかなかった。彼のその言葉は正解だったのだが、今は知る由もない。 と、その施設に変化が起きた。綺麗に舗装された地面が光り輝いていた。 「先生!なにが……」 「わかりません!皆さん落ち着いて!」 騒ぎのだす生徒達を制し、その光景をじっと観察する。眩しい。 やがて光は外側からゆっくりと輝きを失い、一部を除いて完全に消えた。 それはまるで、何かの紋様に見えた。 「まさか、これは……ルーンか?いやはや、これ程大きいと、案外判らないものですな。しかし珍しい形だ……ッ!」 慌ててメモ帳にその図形を書き写すコルベール。今まで抑えていたが、学者としての血は騒ぎまくっていた。 タバサは、眼下に倒れているルイズに向かい、風竜を下ろした。 駆け寄り、首に手を当て、脈が有ることを確認し、ゆさぶる。 「う……」 ただ気絶していただけのようだ。すぐに眼を醒ます。 「う……ん。頭、痛い……」 頭に手を当て、躯を起こそうとはしない。 「大丈夫?」 タバサも心配するが、全く動かない。ぶつぶつと、痛みを訴えるだけだ。眼に光が無い。 「え……?これ、もしかして……ハルケギニア?あれ?」 だんだんと痛みを訴える呟きから、意味の判らない単語を呟く。 「私……?なんで?い……嫌……これ……」 「ここ……世界の……外側?」 彼女の眼は、自分を、いや、世界を『外側』から見ていた。使い魔の一部によって。 痛みを対価にする様に、それが『何』なのか、ゆっくりと理解する。 「凄いわ……私……力を、手に入れちゃった」 感覚の共有で、視界をジャックしていた。この施設と共に召喚された、遥か天空の彼方に存在する、軍事衛星の視界を。 そして、知識も。 「素晴らしいわ、エクスキャリバー。私の、使い魔」 彼女は、聖剣の名と共に、それが異世界の戦略兵器だという事を知った。 前ページ次ページ聖剣と、ルイズ
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/7608.html
前ページ次ページTALES OF ZERO 第二話 ゼロのルイズ 「才人、起きろ。」 クラースと才人が異世界ハルケギニアに召還されて、一日目の朝がきた 才人はクラースの声に未だ眠気が残っている中、顔を拭いながら起き上がる 「ふわぁ……あっ、おはようございます、クラースさん。」 「おはよう…よく眠れたかな?」 「はい、それなりに。」 寝袋で寝るのは初めてだったが、意外とよく眠る事は出来た そのまま床で寝ていたら、体中が痛くて仕方なかっただろう 「それは結構…さて、使い魔としての仕事を始めるとしようか。」 使い魔…一瞬、それがどういう意味なのか才人は理解できなかった だが、後ろのベッドでルイズが眠っているのを見て、ようやく今の状況を思い出した 「ああ、そう言えば俺達こいつの使い魔になったんだっけ…夢だったらよかったのに。」 そう言って、自分の頬を軽く抓る才人…痛みを感じるので、これは夢ではない 「夢であるように、とはいかないさ…さて、私は洗濯に行ってくるから、君は彼女を起こしてくれ。」 クラースは才人を諭すと、昨日ルイズが投げて寄越した下着類を拾い集める 「良いんですか?俺がやれって言われたのに…。」 「何、少しばかり外で朝の空気を吸いたいからな…じゃあ、後は頼むぞ。」 後の事を才人に任せ、洗濯物を籠に入れてクラースは部屋を出る 扉を閉めると、洗濯を行う為に下の水汲み場へと向かう 「確か、此方の方にあるのだったな。」 昨日の夜、少しばかりこの辺を散策しており、洗濯を行う場所も大体把握していた クラースは静かな廊下を歩き続ける…まだ朝が早いためか、人の姿は見えない 「それにしても、魔法学院か…こうして見ると、まるで城だな。」 自分が通っていた王立学院や、知っている学校とは比べ物にならない そこはやはり、貴族を教育する為だけはあるのだろう 「ああ、あったあった…此処だな。」 その後、階段を下りて中庭に出ると、クラースは目的の場所へと到着する そこには既に先客がおり、この学院に雇われていると思われるメイドが洗濯を行っていた クラースがある程度近づくと、気付いたメイドが此方へと振り向く 「おはようございます。」 黒髪のメイドは微笑みながら、クラースに向かって頭を下げて挨拶する おはよう、とクラースも挨拶を返すと彼女の隣に並んだ 「ルイズ・ド・ラ・ヴァリエールの使い魔だが…洗濯は此処で行うので良いのかな?」 「そうですけど…じゃあ、貴方が噂のミス・ヴァリエールの使い魔さんなんですね。」 「噂?」 自分達が噂になっていると言われ、それについてメイドに尋ねる 「はい、もう噂になってますよ…ミス・ヴァリエールが黒髪の少年と全身刺青の男を召喚したって。」 そう言えば、昨日ルイズの部屋に行く途中に此処の生徒達とすれ違っていた そこから、自分達が使い魔である事が周知されたのだろう 「ああ、申し送れました…私、本学院で生徒の皆さんのお世話をさせて頂いているシエスタといいます。」 「私はクラース・F・レスターだ…よろしく、シエスタ。」 互いに自己紹介を終えた後、シエスタはクラースの体をじっと見つめた 「それにしても、本当に全身刺青なんですね…一体何の為にしているんですか?」 「これは、特殊な術を使う為に必要なものなのでな…後、刺青ではなくペイントだ。」 本当は刺青にしたかったのだが、ミラルドの事を考えて消えにくいペイントを使用している 術を使うと聞いて、シエスタは驚きの表情になる 「術を使うって…もしかして、貴方メイジなんですか!?」 「まあ、此処の定義に合わせるのならそうなるかな…とはいえ、今は彼女の使い魔という立場だが。」 そう言うと、クラースは洗濯物を取り出して、洗濯を始める 「ああ、メイジの方に洗濯をさせるわけには…。」 「私は貴族ではないから、気にしなくて良いぞ…だから、君は君の仕事をすれば良いさ。」 「ですけど…。」 シエスタが止めようとするが、クラースは洗濯を続ける 最初は戸惑うシエスタだが、結局自分がやらなければならない洗濯に取り掛かった 「凄いですね、クラースさんって…メイジなのに洗濯がお上手で。」 慣れた手つきでルイズの洗濯物を洗っていくクラースに、シエスタは関心する 普通、メイジは貴族なので、こうした家事仕事は出来ないと思っていたからだ 「昔、仲間と旅をしていたのでね…自然と身に付いたのさ。」 研究を行っていた事はミラルドに任せっきりだったが、あの旅では当番性で行われていた ミントから指導を受けながら悪戦苦闘していた頃を思い出しながら、クラースは答える 「旅をされていたんですか…一体どんな所に行かれたんですか?」 「そうだな…風が吹く谷や、マグマが煮えたぎる炎の洞窟、とある一族が暮らしていた坑道とかだな。」 洗濯物を洗いながら、簡略的に自身の冒険談を語るクラース それを、シエスタは仕事をしつつも目を輝かせながら聞く その間に時間は流れ…二人が洗った洗濯物は竿に干された 「よし、これで終了…だな。」 風に揺られている洗濯物達を見ながら、クラースは額の汗を腕で拭った 「すいません、私が洗う分まで手伝って貰って……。」 「何、これから才人…もう一人の使い魔君と一緒に世話になるからな、これくらいは当然だ。」 しばらく此処で生活する以上、ルイズを含む学院の人間との交流は重要になる それなりに関係をもてれば、色々と勝手が良くなるからだ 「でしたら、もう一人の使い魔さんと一緒に空いている時間に厨房に来てください…手伝ってくれたお礼がしたいですから。」 ああ、行く事が出来たらな…と、彼女とまた会う約束をする シエスタは礼をすると、次の仕事へと向かっていった 「さて、部屋に戻るとするか…もうそろそろ我らの主も起きているだろうしな。」 シエスタと別れ、クラースはルイズの部屋へ戻る事にした ……………… 「ん?あれは……」 ルイズの部屋がある辺りまで来ると、才人とルイズがいるのを見つけた 二人の前にはもう一人いる…服装からして、どうやらルイズの同級生のようだ 隣には、彼女の使い魔と思われるサラマンダーらしき火蜥蜴の姿もある 何やら、ルイズと言い合い(ルイズが一方的に言っているようにも見えるが)になっているようだが… 「あっ、クラースさん。」 一番初めに才人が気付き、クラースに向かって声を掛ける 才人の言葉に、それに続いてルイズとその同級生もクラースを見る 「あら、もう一人の使い魔さんの登場のようね。」 「クラース、遅いじゃない!!」 「朝からやけに騒がしいな…どうしたんだ?」 ルイズの方を見てそういいつつ、クラースは才人達に歩み寄る 赤髪の少女は良く見ると、ルイズと同年代とは思えぬ程の美貌とプロポーションを持っていた 何より、その強調されたバストはミント並みか、それ以上であろう 「騒いでいるのはゼロのルイズだけですわ…この子ったら、礼儀が無作法だから」 「五月蝿いわよ、ツェルプストー。」 同級生に向かって、ルイズが噛み付くように告げる…どうやら、仲はイマイチ良くないらしい 取りあえず、クラースは自己紹介を行う事にした 「我が主が無作法で申し訳ない…私は昨日より主の使い魔になったクラース・F・レスターと申します」 それなりに無礼のないよう、頭を下げて自分の名を告げるクラース ルイズが「ちょっと!!」と声を荒げるが、気にせずに話は続く 「私はキュルケと申します…そしてこの子は私の使い魔のフレイムですわ。」 キュルケが自分とサラマンダーの自己紹介をすると、火蜥蜴は口から軽く炎を出す 「それと、別に畏まらなくてもよろしいですわよ、ミスタ・レスター。」 そう言うと、キュルケはゆっくりと此方に近づいてくる 「ルイズから話は聞いておりますわ…異国から来たメイジだそうですわね。」 「一応、そういう事になるかな。」 キュルケの問いに、クラースは彼女の言葉通り普通に答える 昨晩、ルイズと話し合って自分達は東にあるロバ・アル・カリイエの出身だという事にしておいた 自分はそこのメイジで、才人は使い魔であるという設定だ 「そして、特殊な術をお使いになるとか…その体に刻まれた刻印から察するに、とても強力な術のようですわね。」 「そうよ、クラースの術に比べれば、あんたの火蜥蜴だって霞んで見えちゃうんだから!!」 まるで自分がそうであるかのように、ルイズが得意げにキュルケに告げる 「まあ、それは興味深いですわ…もし宜しければ、私にご教授頂けません事?」 キュルケは自慢の胸をクラースの腕に押し付けながら、召喚術を見せてくれるよう頼む 彼女の色気も合わさって、普通ならこれを受けた男性の殆どは彼女の頼みを断らないであろう 「悪いが、私の術は無闇やたらに見せびらすものではないからな…お断りさせて頂こう。」 だが、クラースは失礼のないよう、彼女から離れつつ申し出を断った 大体、そんな事で呼び出しては、流石のシルフも怒るだろう 感の良いキュルケは、彼は見せ掛けではなく本物だという事を察した 「つれないお方…でも、私貴方に興味が沸きましたわ。」 うっとりとした瞳を向けるキュルケ…ルイズは、この時のキュルケが危険である事を知っていた この女は、恋をするとこのようになるのだ 「無駄よ、キュルケ…クラースには奥さんがいるんだからね。」 「あら、そうですの…ですけど、それくらいで私の恋の炎は消える事はありませんわ。」 念の為に釘を打つルイズだが、その釘も恋多き彼女の前では無意味に等しかった 「ミスタ・レスター、ゼロのルイズに飽きたら私の所にいらしてください…何時でも歓迎いたしますわ。」 畏まった口調でそう言うと、彼女はフレイムと共に一足早く食堂へと向かっていった 「行ったか…しかし、君の友人は色々と強烈だな、ルイズ。」 キュルケの姿が見えなくなった後、クラースは苦笑しながらルイズにそう告げる だが、彼女を自分の『友人』扱いした事に、ルイズは憤慨する 「あんな奴、友達でもなんでもないわ。」 そう、彼女の実家であるツェルプストー家とルイズの実家であるヴァリエール家は宿敵同士である 恋に戦場に、幾つもの因縁を持つ両家 それを語ろうとするが、それを止めるようにルイズのお腹の虫が鳴る 「ん…まあ、この事はまた後で話すとして…早く食堂に行くわよ。」 食欲の方が勝ったルイズは、一足先に食堂へ向かって歩き出した その後に続いて才人とクラースも歩き出し、クラースは才人の横へと歩み寄る 「才人…彼女を起こすのは大変だったんじゃないのか?」 「よく解りましたね…あいつ、俺に下着の準備から服の着せ替えまでさせたんですよ。」 逆らったら、ご飯抜きだって言うし…才人はクラースにルイズに対する文句を言い続ける まあ、それが貴族だからな…と、そんな才人を宥める 「それにしても…。」 しばらく愚痴が続いた後、才人が腑に落ちないといった表情で言葉を漏らす 「ん、どうした?」 「いや、さっきのキュルケって奴…ルイズの事を「ゼロのルイズ」って呼んでたんですよ。」 「ああ…そう言えば、呼んでいたな。」 恐らく、『ゼロのルイズ』とは二つ名の事なのだろう 才人は、その『ゼロ』が何を意味するのか、疑問を感じているのだ 「ルイズに聞いても、教えてくれなかったし…何か意味があるのかなぁって…。」 「ふむ、ゼロか…果たしてそれは…。」 「ちょっとぉ、何ゆっくり話なんかしてんのよ、朝食に遅れちゃうじゃない!!」 クラースが答えようとすると、既に先の方まで行ったルイズが二人に呼びかける 話をそこで中断すると、二人は駆け足でルイズの所へ向かった 『使い魔生活スタート』 クラース「さて、私達の使い魔生活が始まったわけだが…今の所の感想は?」 才人「最悪ですよ、あいつ目の前で着替えるわ、下着を用意させるわ、服を着替えさせるわ…。」 才人「おまけに、全然羞恥心見せないし…俺、男としての自信なくしそうです。」 クラース「完全に召使の扱いだな…何、可愛い彼女が出来たと思えば少しは気が紛れるさ。」 才人「冗談じゃないですよ、あんな奴。」 才人「確かに顔は良いのは認めますけど、それ以外は全然駄目じゃないですか。」 才人「性格は高慢で最悪だし、胸はぺったんこだし、地位とかで俺を振り回すし…。」 才人「そんな奴と恋人だなんてこっちからお断りしますよ。」 才人「大体、あんな女に恋人なんて出来るんですかね?」 才人「あんな女を恋人にしたい奴って、余程の変人ですって。それから……。」 クラース「お、おい、才人…後ろ…。」 才人「えっ、後ろ……げっ、ルイズ!?」 ルイズ「ルイズじゃなくて、ご主人様でしょ……この、馬鹿犬~~~!!!!」 才人「ぎゃああああああああ!!!!!!」 クラース「男の急所を強烈なキックが…切ないな、才人。」 『宿敵ツェルプストー』 ルイズ「ああ、むかつく…朝からツェルプストーが私の使い魔に色気振りまいてくるなんて。」 才人「随分あいつの事を嫌ってるんだな…何かあったのか?」 ルイズ「というより、あいつの家とね…私の家とツェルプストー家は昔から因縁が多いのよ。」 ルイズ「あいつはゲルマニア出身の貴族で、ツェルプストー家は家の領地と国境を挟んだ隣の領地を治めているの。」 ルイズ「だから昔から、ゲルマニアと戦争が起こったら、ツェルプストー家と何度も殺しあった歴史があるのよ。」 クラース「血の因縁、というわけか…何とも恐ろしいものだな。」 ルイズ「それに、あいつの家は色ボケの家系で、昔からヴァリエール家にちょっかいを掛けてくるのよ。」 ルイズ「何度あいつの一族から、家の一族の恋人や婚約者、果ては奥さんまでが奪われた事か…もう、考えただけで腹が立つ~~~。」 才人「…恋に戦場に…大変なんですね、メイジって。」 クラース「そうだな。」 『使い魔の故郷 クラースの場合』 ルイズ「ねぇ、クラース…あんたの故郷ってどんな所?」 クラース「私の故郷か?そうだな…自然が多い、のどかな所だな。」 才人「そうそう、それに住んでいる人達も良い人ばっかりなんだぜ。」 ルイズ「あんたには聞いてないわよ…じゃあさ、クラースはそこで領主様だったりするわけ?」 クラース「いや、そうじゃない…私のいた所は此処のようにメイジが貴族や王族というわけではないからな。」 クラース「大多数が魔術は使えないが、聡明な貴族や王族が国や地方を治めているんだ。」 ルイズ「ふーん…魔法も使えない貴族や王族が国を治めるなんて、変なの。」 才人「俺はクラースさんが領主とは思わなかったな、だって何時もミラルドさんの尻にしかれてるし…いててっ!?」 クラース「はははは、口は災いの元だとアーチェから学ばなかったのかな、才人君?」 才人「す、すいまふぇん……。」 ルイズ「?」 『見せてくれ』 クラース「頼む、一度だけ…一度だけで良いんだ」 ルイズ「嫌よ。」 クラース「そこを何とか…私達の今後を考えればな…よい付き合いというのも必要だろう。」 ルイズ「そ、それはそうだけど…。」 クラース「だから、見せてくれ…君の奥底にあるそれを…。」 ルイズ「……悪いけど、今は気が乗らないからまた今度ね。」 クラース「ああ、ルイズ…少しだけでも良かったんだが…。」 才人「く、クラースさん、ミラルドさんがいるのにあいつに何をしようとしたんですか!?」 クラース「何って…参考がてらに、ルイズの魔法を見せて欲しいと頼んでいただけだが?」 才人「へ?」 クラース「しかし、彼女は中々頑固でな…どうしても見せてくれないと言うんだ。」 クラース「で…何で彼女の魔法を見せてもらうのに、ミラルドの名が出てくるんだ?」 才人「えっ、いや、別に…何でもないですよ…はは、ははははははは…はぁ。」 クラース「?」 前ページ次ページTALES OF ZERO