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/ l ヽ | ヽ ィ´/ | | \ Y´ / / , --、 ,' \ ̄`ミト. | / } / ミト.、 \ | / /> ミ_ \\ミ ヽ _ \ __! 彡'/ ___ヽ/` < ヽj_` < \| -- 、 7 / / >//⌒ θ、 丶 `Y丶 \_ \ \l ,' / ト、ゝ´ ´ r...、 ト、 ∨ j|__ \ ∨ ` _! i !ヽ /! 丿 \ \ ー─ 彡 ト、 `Y \',、. / l!l |// l| / ヽ. \ | _ {\/- / ,'Vト、 | ` l | ヽ )/ l ト、 ヽゝ ⌒Lヽ. / . /! ゝ「 ヽ ` ` ー─/ | ┌ヽ- .、 八_ ノ「ヽ| ─ ´ | ト ヘ ',θ /. ̄ ス 二二ト、 ̄\トゝ┘ __\ | ', `ー ゝ , _ 乍L__/ !ヽ\ ヽ. ヽ ̄\ミー─‐ ヘ. ', ', ⊂ニヽ=、7' -‐‐`ヽ ト !! ', ヽr'ヽ \ Y. . . . . . . . . ', ⊂ニ´ / Y´ゝ | l \ `ヽ. . . . . . . . .ノ ', ', 八__/', l7┘  ̄ ヽ !. . . . . / ∨ ∧ ヽ 人 ハ , < l. . ./. ∨ ∧ ∨ヾト- 爪 ヽ / _ イ ○ 「 \ ', {  ̄ i. . \ \/ ̄ < \┏━━━┓┃モッチー┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 種族:八九寺真宵 ♀ +2 性格:高揚 LV27 HP:340/340 MP:275/275 こうげき D- ぼうぎょ D+ すばやさ C- かしこさ D+ 【特技】 ・タメトラ 消費:8MP 種別:魔法(攻撃) タイミング:メジャーアクション 敵単体のテンションを吸い取る ・マホトラ 消費:なし 種別:魔法(攻撃) タイミング:メジャーアクション 敵単体のMPを吸い取る この特技は対象を単体から変更する事はできない ・マホヤル 消費:全て(最低1) 種別:魔法(補助) タイミング:メジャーアクション 味方単体にMPを与える魔法 ・ダモーレ 消費:1MP 種別:魔法(解析) タイミング:セットアッププロセス 相手の【特技】か【特性】を解析する魔法 ・おたけび 消費:3MP 種別:体技 タイミング:メジャーアクション 敵全体に低確率で【朦朧】状態を与える 【特性】 ・霊体 物理攻撃の被ダメージが半分になる ただし魔法攻撃の被ダメージが二倍になる ・いきなりテンション 戦闘開始時、テンションが1増加する ・憑依 戦闘開始時に憑依する味方を指定 その戦闘中、【憑依状態】になる この状態ではパーティーの必要枠数を-1して戦闘に参加する事でき、さらに攻撃の対象とならなくなる ただし枠を幾ら軽減しようと1パーティーに4体以上のモンスターを存在させる事はできず、 同一の対象に複数憑依する事も不可能である また自身の行動で物理攻撃及び物理攻撃に準ずる特技の使用を行う事はできず、 憑依対象が戦闘不能になった場合、自身も共に戦闘不能となる┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 3スレ目6913にて参入 憑依のウィークポイントとしては、 能力値が総じて低めになる(特にHPが凄く低い) 攻撃対象を指定しない一部のダメージ効果はダイレクトに抜ける 大きなところでこんな感じでしょうか。 安全圏から大砲かますのが安牌に見えますが、攻撃する方もタゲを集中できるので一体落とす分の火力で二体落とせるというメリットがあります。 なので憑依先を庇うしてても貫通マキナをかまされて一瞬で二人消える、という展開は十分にあり得ます。 あとクリンナププロセスでHP減少させるような効果を持つ特技・特性は高確率で抜けるので、それらにひっかかってダイレクトにHP減らされて死ぬ事もあります。 今まで出たモンスターの中だとメルランが憑依キラーですね。 魔物のレクイエムでじわじわ中身を削る事が可能です。 対象指定してない攻撃(ぶっちゃけ味方ごと巻き込む攻撃)も憑依抜けるので、そういうの一発で落とされる、というのもあり得ますね。 なので言う程バランスキラーでも無いです。 マスター目線から言うと憑依は暁が物理に滅茶苦茶強い程度の利便性と変わらないんじゃないかと。
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319 おっちゃん牛乳 ◆2nkMiLkTeA [sage] 2011/05/09(月) 22 43 45.74 ID 4yawQF/m Be 先日は誤爆失礼しました。 では。 『今更そんな』 一件の、新しいメッセージを再生します―― 携帯に残っていた着信は、自分の実家からによるものだった。 マナーモードにして電車に乗っていたので、気づかなかった。 だいたい最近は、携帯に仕事以外での連絡が入ることは滅多にないし、 その仕事の連絡すら来ることはほとんどないのだから、携帯など あってないような扱いをしていたのだ。 それにしても、いったいなんの用だろう。四十も半ばを越え、 もはや見合いさせようとする気力すら、最近の母は失ったようだった。 最後に連絡を取ったのは一昨年の正月だった。帰ったのは――何年前だ? 親父が亡くなった時だったのは辛うじて覚えているが。と―― そうこう考えている間に、メッセージが再生される。まずはこちらの 健康を気遣うこと。次にちゃんとしているかということ。世間話。 この辺りで思わずため息がついて出た。世間話が終われば、たまには 帰ってこいといい、やっと本題に入るはずだ。いつもの母だ。 大した用事ではないだろうと自分――津川正良はたかをくくり、 着替えながらメッセージを聞くことにした。携帯を机に置く。 従姉妹の息子が地元の大学に入学した話を聞きながら、簡単な部屋着に着替える。 昨日の夜も同じのを着ていたが、構うことはないだろう。あまり汚れていないし、 これで誰に会うわけでもない。 着替えが終わると、次は夕飯の用意だ。冷蔵庫からラップされた米を出し、 レンジに入れる。後はスーパーで安売りしていた惣菜と、簡単に味噌汁を 作って終わり。気力があれば、サラダくらい作るが今日はいいだろう。 そろそろ母の世間話が終わりそうだった。 「――ああそうそう、それでね、この間たか子ちゃんの娘さんから 電話があって――」 たか子……その名前を聞いて、一瞬身体が強ばった。味噌汁をよそっていたのも構わず、 顔が思わず携帯の方に向いた。 だが、こちらの様子など構わず、数時間前に録音された母親の声は続いた。 たか子が今入院しているらしいこと。入院先と、正良と連絡を取りたがっているとのこと。 住所と電話番号を教えたこと……しかし、全て耳から耳へと声は頭をすり抜けていった。 たか子。幼馴染みだった。そして、昔付き合っていた。 ◆◇◆◇◆ たか子から手紙が届いたのは、それからすぐ、母の電話から一週間も経たないうちだった。 見慣れた彼女の字で、急に手紙を送ったことと、 断りもせずに正良の実家へ連絡を取ったことへの謝辞が並ぶ。それから、 ただひたすら懐かしいという内容が綴られていた。責める文句など一切ない。 幼馴染みのたか子と付き合い始めたのは、高校生の時だった。 切っ掛けはなんだっただろうか。幼少の頃から続いた関係に終止符を 打ったのは――若き自分の見栄ではなく――たか子からの告白だったと記憶していた。 順調に交際を続けたが、高校卒業を期に自分が上京したため、遠距離恋愛になった。 あの頃の自分には、夢があった。俳優になりたかったのだ。 それからの付き合いは、主に文通だった。会おうにもお互い金が無かったからだ。 そうした関係が六年続いた。 彼女はよく我慢したと思う。彼女が両親から責められていたのは、恐らく間違いないだろう。 別れる寸前の手紙には、結婚や、地元に帰ってきて欲しいという内容が多かった。 だがそれでも正良は夢を諦めきれなかった。20代も半ばを過ぎても、 必死にしがみついていた。 そうして、二人の仲は破滅した。彼女の手紙が煩わしいとしか感じられなくなった自分が、 一方的に断ち切った。 なのに。 なのに結局夢を叶えられなかった自分を。 なのにそれでも未だ地元に帰ることができない自分を。 何故一切咎めることがないのだろうか。自分は己が夢のために彼女の人生を 大きく食い潰したのに。恨み言もなく、返事が欲しいとすら書いてある。 正良は、一週間迷った後に返事の手紙を出すことにした。 ◆◇◆◇◆ 携帯のメール着信音が鳴った。最近のこれは大活躍で、三ヶ月前とは大違いだ。 相手はここ最近いつも同じ相手だ。今のメールもそうだった。たか子だ。 たか子との文通は、気づけばメールに移っていた。 お互い手紙に執着があったわけではないし、便利なものは便利なのだから、 当然の帰結と言える。 それにしても、文明の利器とは大したものだ。昔なら相手に届くまで数日かかったものが、 今や一瞬だ。おかげで、毎日何十通もメールを交わしている。 もっとも何故か、彼女とメールのやり取りができるのは、毎日一定の時間内だけだったが。 病院の決まりだろうか? たか子は今、母が彼女の娘から聞いた通り、入院しているらしい。 彼女は大したことはないと言っていたが、気にならないはずもない。 だが、それとなく聞いても答えて貰えず話を反らされたし、メールの内容からは体調の悪さは伺えないため、 いつの間にか気にしないようになっていった。 たか子が結婚していたことは、自分と彼女の共通の友人から既に聞いていた。 娘がいることも、驚きはない。ただ、最近彼女と連絡を取りすぎていることが気になった。 ただメールでやり取りをしているだけだが、たか子の旦那のことを思うと、 少し自重すべきではないかと何度も思った。まして自分は彼女と昔交際していたのだ。 怪しまれた結果、家庭が壊れたりしたらますます彼女に申し訳がたたない。 そう思うのだが、彼女とメールをしていると、まるで昔に戻ったような、 若さを取り戻したような気がして、やめられなかった。 結局、彼女と直接会わなければいいのだと、自分を納得させていた。 そんなある日、『彼女』はやってきた。 ◆◇◆◇◆ 《今からびっくりさせてあげる》 彼女からそうメールがきたのは、ある夜のことだった。その日は金曜日で、 明日は休みだ。少し前までは寝ているだけだったが、最近はたか子とメールをしたり、 メールの内容にできることを探して出掛けることが増えた。 彼女のほうも、最近ではメールのやり取りができる時間が増えてきて、 まずいと思いながらも、正良は彼女との会話にますますのめり込んでいた。 それというのも、彼女のメールの内容が、段々若者のそれのようになっていったからだ。 若い女性とメールをしたことなど正良にはないが、たか子のメールから受ける印象がそう感じた。 それが、正良の忘れかけていた青春への渇望を刺激した。 それにしても、驚かせるとはいったいどういうことだろう。 写真を添付したメールでも来るのか?それともまさか……通話? それはもう少し、心の準備ができてからにしてくれないだろうか。 などと思っていた時――正良の部屋の扉がノックされた。 「ん?」 最近は気のせいかと思った。自分を訪ねる人間なんて、押し売りとか新聞屋とか、 後は大家とかぐらいで、こんな夜に来る人間はいないからだ。 しかし、ノックはもう一度聞こえた。 (まさか……) これがびっくりさせること、か? (いや、まさか……) いくらなんでもそれはないだろうと、自分の想像を否定する。でも、なら誰だと言うのか。 そうやって自問する間も、ノックは続いた。 ここは居留守を使うという手もある。しかし……とまた自問。そうこうしていると、 また携帯が鳴った。ビクッと身体が震え、恐る恐る携帯を見た。またたか子からのメールだ。 《開けてよー》 更に顔文字が続く。だらだらと、嫌な汗が吹き出した。たか子、か?本当に?入院は? いや、迷っている場合ではない。正良はやっと重い腰をあげて、玄関に向かった。 鍵に手をかけ、ゆっくりと……外す。 そして扉を開けると、そこには―― 「マサくん!!」 確認する間も無く、抱きつかれた。 「ま、マサ……?」 「会いたかったー久しぶりー」 いや、間違いなく初対面だろう。と、言いたかったが、そう考えたやたら冷静な脳の一部は、 混乱しきったその他大多数に負けて、口をぱくぱくさせることしかできなかった。 その冷静な脳が、正良に抱きついている女を――少女を観察する。 見た目からして間違いなく十代後半、着ている制服が確かなら女子校生に違いない。 こんな時間に外を歩いてきたのなら、よく補導されなかったと思う。 というか、悪漢に手を出されなかったのが奇跡だ。そのくらい綺麗な目鼻立ちをしている。 このまま成長すればかなりの美人になるだろう。 そして一番重要なことだが、正良にはその少女に見覚えはなかった。 「えっと、誰……かな?」 絞り出された正良の声を聞いた少女がびくりと震えた。顔をあげて、 涙の溜まった目をこちらに向ける。 「……そっか、わからないんだ」 「おじさん、君と会ったこと、ある?」 知り合いの子供だったりするのだろうか。だとしてもマサくんはないだろう。 人生でそう呼ばれたのは初めてだ。 「たか子……」 ん?ぽつりと少女が呟いた。聞き間違いだろうか。 「私がたか子です」 「君……が?」 いや、それはない。冷静な脳は、またしても冷静なツッコミを入れた。 続く。 最近完結させる気力がもたないことが多いので、 今回はがんばろうと思います。
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330 【おばあちゃんの日 7話】 [sage] 2010/06/16(水) 19 37 49 ID ca+sg0Zs Be 「さって、いっくかなー!」 いつものノリで出発しようとしたところで、麻由美は今の自分が着物姿、しかも肉体は70近い老人のものになっていることを思いだした。 「あらまあ、私としたことが…ほほほほほ。」 誤咬ますように口元に手を当てると、麻由美は日傘…そろそろ初夏だけに日射病や熱中症への用心にと祖母がもたせてくれたものだ…をさし、しずしずと小さな歩幅で歩き始める。 着物にアップにまとめた髪型、落ち着いた雰囲気の老婦人が日傘をさして、ゆるりゆるりと歩く様をみていると、半径3メートル圏内が京都か奈良かというような錯覚に陥りそうになる。 幸いにも、まだ午前中だけに日差しはそれほど強くない。慣れない着物ではあるが、麻由美は10分ほどかけて住宅街を抜けて商店街に入る。 ふと、店舗の1つに目を向ければ、そのショーウィンドウガラスに映るのは、優しそうな表情を向ける老婦人の姿。 少し前まで、早く大人になりたいという思いだけが強くて、老齢に差し掛かった自分の姿など想像したこともない麻由美だったが、こうして落ち着いた雰囲気の老婦人になれるのなら、それもまんざら悪くもないと彼女は思っていた。 「さて、次のバスは…」 目当てのバス停まで辿り着いた麻由美はとりあえず時刻表を確認する。 「えっと、後10分か…どこかで時間をつぶす…ほどもないか…」 近くに行きつけの店も多いが、下手に足を伸ばしてバスに乗り損ねては本末転倒。しかも、その店の多くは、女子高生など若い子向けばかりで、今の麻由美のような老人が足を入れるような場所ではない。 他にバス待ちのお客もおらず、麻由美はベンチに腰掛けてバスを待つことにした。 (えへへへ、もしかしておばあちゃんに断られると思ったけど、うんと言ってもらえてよかった。あたしがおばあちゃんにならないと、こんなコトできないもんね。けどおばあちゃんがこんなことできるなんて思ってもみなかったよ。) 麻由美は、祖母が初めてこの年齢逆転をやって見せた時のことを思いだしていた。
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少し放置で再開時はまとめへの誘導部分を最初はカットした方が無難では? -- (名無しさん) 2017-01-15 00 06 55
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692 名無しさん@ピンキー [sage] 2012/03/10(土) 23 27 51.57 ID ZUE4s1y3 Be 『世にも不幸な女の話』 中国の都が洛陽というところにあり、権威は失せていたものの皇帝が健在だったそんな時代のこと。 都の街を取り締まる警察の長官にあたる職に就いていたオウインという男の私邸に盗賊団が押し入 り、撃退されて、その首領の女が捕縛された。 女の名はキョウコといい、凶女の二つ名で悪名を知られる四十半ばの大背肥満だった。赤黒く日焼 けした顔の至る所には新旧とりまぜて無数の刀傷がはしっており、その形相をさらに恐ろしいものに 演出していた。 縄を打たれてオウインの前に連れ出されても、キョウコはまるで恐れた様子も見せずに、平然と鼻 歌を楽しむ始末だった。 「おい、お前さんはこれから棒で叩かれて、それから全身に墨を入れられてしまうというのに、なん でそんなに平気な様子なのだ?」 不思議に思うオウインは、片手に髭をもてあそびながら興味深げにゴザの上に胡坐するキョウコに 問いかけていた。 「いやさ、おっさんよう。あたしもこれまで数えきれねえほどいろんな奴らからぶっ叩かれてここま で来たもんだからよう、そんなくらいじゃまるで堪えねえって、そういうことなのさ」 キョウコはにいっ、と反っ歯を見せて笑っていた。 「それに、この赤黒い肌と来た日にゃあ、かえって入れ墨のほうが気の毒なぐれえだぜよ」 その言葉を裏付けるように、彼女の太い二の腕には、無数の入墨の輪の跡が付いているのだが、な るほど、まるで目立った様子をみせないのである。せいぜいが薄い縞模様に見えるくらいだった。 ほう、とオウインは感心してさらにキョウコへと言葉を投げかけていた。 「聞けばお前さんたちは、奪った金品や穀物を貧しい者たちに分け与えるようなことをしているそう だが、それではお前さんたちは義賊ということなのかね?」 丸い目でのぞきこむオウインの質問がおかしかったのか、それとも真面目な顔がおかしかったのか、 キョウコはぶはっ、と吹き出すように笑って答えていた。 「いやいやいや、笑ってすまねえな、おっさんよ。あたしたちは白浪(当時はやっていた黄巾族とい う盗賊のこと)みてえに高尚なお題目で働いてるわけじゃねえさ。ただ、うちの下っ端の奴らはいつ でも食うに困ってるものだから、結果としてそんなふうに見えちまうだけなのさ」 しかし、そのキョウコの言葉にオウインはますます興味を深めた様子であった。 「なるほどなあ、それでそんな噂になっているということなのか、いや勉強になった」 「いや、さ。遠慮なしついでに言っちまうとだけどさ、あんたがたにもっと取り締まってもらいたい ような腹黒い奴らはもっと他にいるみたいなんだけどねえ」 キョウコは太い眉をしかめて嫌味を言った。 693 名無しさん@ピンキー [sage] 2012/03/10(土) 23 28 45.24 ID ZUE4s1y3 Be 「ロクに働きもしないくせにさ、やたらと立派なお屋敷に住んで、きれいな服を着て旨いものを食べ る奴らさ。生まれついての高貴なお方がたは、どんなにあたしらが腹を空かせていてもおかまいなし に贅沢を重ねているじゃありませんかね」 言葉はなおも続く。 「同じ貧しい女でも器量のいいのは可愛がられていい思いができるさ、でもあたしみたいにびっくり なご面相じゃ男に甘えることもできやしない。せいぜい、ゆすりかかっぱらいなんかで生計を立てて いくのが関の山。どうだい、あたしがいい例じゃないか」 言葉は流暢に紡がれるようでも、口調には熱がこもっていた。 「誰もが心安く生きられる世の中を、作ることができるのに、それをしようとしない、むしろさせな いなんて、そんな不届きな奴らこそ、あんたがぶっ叩かなけりゃならない相手じゃねえのかい?」 ふざけたような口振り素振りでも、言っている言葉は真実であった。 「まあ……そうだな。まったくもってお前さんの言う通りだ」 オウインは面目ないとばかりに頭をぽりぽりと掻いていた。 「だがさ、わかっておくれよキョウコさんよ。私ていどの力では取り締まれないような怖い奴らがこ の都にはごろごろ巣食っているんだよ。そいつらをやっつけようとするのには、もっともっと大きな 力がほしくなってくるんだよ」 しかし、キョウコの返答もすげない。 「だからって、おっかない兵隊を増やせば増やすほど街は息苦しくなってくるし、それに畑を打った り狩りも釣魚さえもしないような奴らを養うために、もっともっと貧乏な奴らは苦しくなってくるん だよ。そりゃ、どういうことだい?」 これには、オウインには返す言葉もない。 「力でどうこうしようなんて考えじゃなくて、知恵でやり返すのさ。弱い奴らはみんな工夫して生き てるんだ。弱いからこそどうにかしようって気持ちが湧いてくるんだよ」 縄に縛られても自分の考えをずけずけと言うキョウコの大した肝の太さに触れて、オウインの中に は彼女に対する不思議な同調が生まれていた。 この女は、自分が助かりたいからと縦横の能弁を講じているのではない。もっと、純粋に自分に対 して社会への強い憤りをぶつけているのだ、と。 「……わかった。わかったよ、キョウコさん。あんたの言いたいことは私に通ったよ」 オウインはゆっくりとキョウコに近づいていき、手ずから縄を解いてやった。 「私は、これからこの乱れた世の中の歪みをなんとかしていこうと思うんだ。それこそ骨組みから、 替えていくような、ね、だが、それには強い協力者が必要なんだよ」 「ぶはっ、こんな、あたしみたいな凶女をかい?」 目を丸くしてオウインに見入るキョウコ。 「もちろん、そのままではいけないね。あんたは顔が売れすぎているし、なにより見た目でしか人を 判断できないような呆け者たちに取り入るのには、失礼だがそのナリでは無理だろう?」 ぶすっと口をへの字に曲げながらも、オウインの言葉には頷くしかないキョウコだった。 694 名無しさん@ピンキー [sage] 2012/03/10(土) 23 29 42.74 ID ZUE4s1y3 Be ついておいで、と中庭から長い渡り廊下を抜けて、オウインの簡素な私室へとキョウコは連れられ ていった。 オウインは、部屋の隅に調度として飾ってあった小ぶりな壺をどけると、その下の空洞に隠してあ った小さな箱を取り出していた。 「ああ、とうとうこいつを使うときが来たんだなあ」 小さな感慨をこめて箱の鍵をがちりと開けるオウイン。そして、その中に並んでいたものをキョウ コに向けて指し示していた」 「こいつは……ヒスイか何かかい?」 五つ並んだ小さなそろばん玉のような白い塊を、キョウコはしげしげと見ていた。 「いいや、こいつは骨さ。それも人間のね」 わざと何事もない様子で言うオウイン。 「へえ、そうかい、そういやそんな色だねえ」 怯えた様子など微塵もみせないキョウコは、さすがに胆が据わっていた。その様子に満足してオウ インは説明を続けていた。 「うん、こいつはね、女の骨を磨いたものなんだ。それも当代古代に名高い五人の才媛や美姫のね」 白い骨の粒の表面には、小さく幾何学的な文様が篆刻されている。 「へえ、それでそれで」 「これを飲み下せばたちどころにその女たちの魂がその女に宿って、どんな醜貌も絶世の美女へと早 変わりってなもんなんだよ」 オウインはその骨粒の一つをつまみ出して、キョウコの手のひらに乗せてやった。 「まずは、一つめさ。皇帝のお気に入りだった芸妓のうちでも際立っていた娘のだよ」 「わかった、さっそくやってみるかい」 キョウコは、それを躊躇なくガリっと咀嚼して、胃の腑へと収めてしまっていた。 変化は、なかなか現れなかった。 「……おかしいなあ、効き目がないはずはないんだがね」 オウインが不服そうな顔をする。 「あははは、何だよ気を持たせやがって、まがい物をつかまされたんじゃないかよ」 にやにやとしていたキョウコの顔がびくん、と引き攣った。 「うひゃ、ひゃ、なんだ、これは」 突然キョウコの肌の上に浮き出してきたほくろのようなものは、あっという間に面積を押し広げて 顔と言わず体と言わず、彼女のその全体を黒いかさぶたのようなもので覆ってしまっていた。 「うげっ、ぺっ、ぺっ。なんだよこりゃあ、バカにしてるぅ」 びり、びり、とかさぶたを剥ぎ取るキョウコだったが、別に痛みは感じられなかった。 「……ほう、つまりはこういうことだったか」 感心して声を出すオウイン。 キョウコは下穿きまでも脱ぎ去って全身に生じたかさぶたを除去していた。隣に人がいようとも、 まるで羞恥もない。あられもないどっしりとした大柄の裸身をさらしていた。 「はあ、なんだよこりゃあ」 かさぶたの下から現れたのは、シミや皺、もちろん刀傷などまるでない絹布のように白く輝く若い 肌だった。 「その子は色の白くて綺麗な肌で評判だったからね、その魂が作用すればこうなるというわけだ」 姿見の金属鏡を持ち出して、オウインはキョウコにその姿を見せてやっていた。しかし、キョウコ はそれにも浮かない顔で、 「なんだよ、美人になれるってならまだしも、ただ色が白くなったってだけじゃあ猪豚が白豚になっ ただけじゃないか。生っ白くなっちまって、かえって箔が無くなったようなもんだ」 鏡を覗き込んで、不平を口にしていた。 695 名無しさん@ピンキー [sage] 2012/03/10(土) 23 30 36.51 ID ZUE4s1y3 Be 「いやいや、それでも一度に変身するよりは面白いじゃないか、それ次をいってごらんよ」 オウインが二つめの粒を投げつけると、それをキョウコはぱくりと口で受け止める。 「まあ、それもそうなんだがねえ……」 もがもがと複雑な表情でキョウコはそれを飲み下していた。 次なる変化は、わりと早く現れていた。 「……あ、ああっ、らっ、ららっ?」 「ほう、次のはたしか、楽人のうちの一人で美声の持ち主だった娘じゃな」 うんうん、と一人頷くオウインだった。 「……ううん、こんな声なんてどうだっていいんだからさぁ、もうちょっと大事な部分をどうにかし てくれないかしらぁ」 玉を転がす透き通った少女の声で、熊のような大女は甘えた口ぶりをみせていた。 「うん、悪くないよ。なかなかに可憐じゃないか……ぷふっ」 思わず吹き出してしまうオウインを責めることはできないほどのアンバランスさであった。 「いやぁん、もう、バカにしてぇ……」 口調がまるで変わってしまうのだ。よほど意識して発声しなければこんな話し方になってしまう。 「ま、ま、謝るから気を取り直しておくれよ。そして、私の考えが正しければ、お前さんにはもう、 歌舞や音曲に関する達者の技能が備わっているはずだからね、それもゆくゆく役に立ってくれるだろ うよ」 少しだけ拗ねた様子をみせていたキョウコだったが、それでも気を取り直して、 「じゃあ、次のを頂戴。もっとそう、ぱっ、と美人になれるのとか、この固肥りの体をすっきりとさ せてくれるのとか、私、そういうのがいいわ」 「物事には万事、順序があるさ。それを弁えずに急流に逆らうからこそ、人は溺れる憂き目に遭う。 少しずつ変わっていくからこそ心を保っていることができるのだよ。わかるね?」 オウインは三つめを差し出しながらも、はやるキョウコに釘を刺していた。 キョウコにも、オウインの言葉の意味は伝わっていた。なにしろ、これはただの変身薬ではなく、 魂の塊なのだ。うかつに服用していけば、自らの自我を乗っ取られてしまう。そうなったら美人どこ ろの騒ぎではない。心を低く鎮めつつ、三つめの粒を静かに服用していた。 次なる変化は頭部に現れた。 「いやっ、何よぉ、これぇ!」 するする、と抜け落ちる髪は床に散らばり、あっと言う間もなくキョウコは完全な禿頭になってし まっていた。ぺたぺたと手の触れるところは全てつるつるになっていた。 「ああ、大丈夫だよ。これは医師どのの若死にされた奥方のものだ。だとすれば、すぐに、ほら」 みるみるうちに、新しい黒髪が生え伸びていく。腰まで届くような艶やかな髪は、癖もなく揃って 広がり、青い輝きを周囲に放っていた。そのこぼれ落ちる様は、まさに流水のごとし、だった。 「いいわ、ね。これは。私はいつもぼっさぼさの赤毛を気にしていたんですもの」 キョウコは気に入った様子で髪に手櫛を梳く。 そして、彼女は知覚した。彼女の中に医師の妻としての知識や技術、そして感情までもが流入して きていくことを。 696 名無しさん@ピンキー [sage] 2012/03/10(土) 23 33 48.97 ID ZUE4s1y3 Be 「どうだね、少し休みをとってから続きにしようか?」 額に脂汗を浮かべるキョウコにオウインは声を掛ける。 「ううん、大丈夫。なんとなく、変化の癖っていうのか、なにかが掴めてきた気がするから」 五つの骨粒は、単なる変身薬などではなく、女たちの執念の塊だった。この世の最期に強い無念を 残した女たちの死に様が、そこに凝縮しているのであった。 オウインが差し出した四つ目の骨粒は他のものと比べると、やや黄ばんでいて年月を経た様子を示 相するものであった。 それを口にして噛み下したキョウコの全身に激痛が奔る。 「ふ……ぐわっ!」 かがめた背中に瘤のように盛り上がった筋肉が密度を高めていく。猪のようだった手や足はしなや かさを増していき、腰は柳のように細められ、胸は形よく隆起し、尻は若々しい丸みを帯びていく。 「かつて、楚の将軍に寵姫がいたのだが、これはその女の骨だよ」 将軍とともに非業の死を遂げたその女は、後に草花の名となって知られるほどの美姫だったという。 みるみるうちに熊のようだった体格の女は牝鹿のように軽やかな乙女へと姿を転じていた。 「あ、ははぁ、すごいすごい、すごいよぉ」 帯の身ごろを半分ほどに締め直し、ぶかぶかになった衣服を整えて身体を軽く揺すると、ふわりと 花のような立ち姿である。あくまでも顔を隠せば、という限定ではあったが。 「しかし、なんだね。お前さんのせっかくの鍛錬された膂力を失わせることは惜しいことではあるが なぁ」 すると、にやり、と笑ったキョウコは右手をすっと差し出して、オウインに握手を求める格好をと った。 何事か、と同じく右手を差し出したオウインの手を掴むと、そのままに力み寸毫発することなく、 「そうれっ、と」 そのままオウインの身体を片手で持ち上げてしまっていた。それほどに巨漢ではなくとも、成人男 性の身体を片手の力のみでやすやすと持ち上げたのである。 「わわっ、おろしてくれよ」 慌てたオウインに、にやり、と黄色い歯を剥きだして凶悪な笑みを漏らすキョウコ。 「力は無くしちゃいないの。ただ、その上に新しい姿が重ねられただけ」 謎掛けるように呟き、とん、とオウインを床に下ろしながら、キョウコは最後の骨粒を要求した。 「さあ、それじゃあ最後のひとつ……頂戴」 697 名無しさん@ピンキー [sage] 2012/03/10(土) 23 34 45.98 ID ZUE4s1y3 Be ふう、と息を整えたオウインが最後の骨粒を手にした時、その表情に複雑なものが瞬間奔ったこと を、キョウコは視認して、あえてそれを黙っていた。 「ああ、それじゃあこいつが最後の一つだよ、さあ……いってみようか」 うっすらと桜色がかったその骨粒を染めていたのは、おそらくは染みついた血の赤だった。 かりっ、と音を立ててキョウコはそれを咀嚼する。 うっ、と口元を覆うキョウコの口からばらばらと黄色い歯が抜け落ちた。 「うくぐっ、くっ」 苦痛に押さえていた顔をようやく上げたキョウコの顔は、もはやそこにはなかった。 代替として生え揃う白玉のように整った歯。そしてごつごつとしていた輪郭は、小さくうりざねの 形に整い、あぐらをかいていた鼻が形よく隆起して、口元が涼しく引き締まり、笹の葉のように青々 しい眉が一条整った下には、長く濡れた睫毛の奥で、青く輝く瞳の色が冴えていた。 鏡に向かって微笑めば四季の花が恥じらい、哀愁に表情を曇らせれば、そこには深い湖のほとりを 覗くような神秘的な憂いが形作られていた。 「これが……私なんだぁ」 男の庇護欲をかき立てる甘やかな口調も、ここに至ってようやく真価を発揮していた。 オウインは、キョウコの作り変えられた顔をしばし放心の態で眺めていたが、 「ああ、この娘はね、皇帝の後宮に入れられるのを嫌って、逃げ出そうとして、そしてついには処刑 された、そう……かわいそうな子なんだ」 すると、キョウコはそのオウインの言葉を受けて、 「……ええ、そしてあなたがこの世で唯一愛した女性なんでしょう」 口調、というよりも声までもまるで別人に変えて、一言を発していた。 石のように表情を凍りつかせるオウイン。 「ねえ、あなた……どうしてあのとき、私のことを連れて逃げてくださらなかったの?」 責めるような口調で、キョウコに宿った女は声を発していた。 顔を蒼白にして、額に汗を玉のように浮かべるオウインに、キョウコは微笑んで一言。 「いやいや、悪かったねえ。どうにもあたしは意地が悪いもんだから、ついこんな悪戯をしちまう」 生来の太い声でキョウコは詫びを口にした。 「……大概にしてくださいね」 オウインはやっとそう返答するのがいっぱいだった。 五人の女から長所を受け継いだキョウコは、今や光の女神もかくや、という美しさである。 「それで、私はこれからどうしたらいいのかしら」 手近な樽に腰掛けたキョウコは髪を指先でもてあそびながらオウインに尋ねた。 うん、とオウインはひとつ頷いて、 「美人はそれだけで万人の兵にも勝る強力な兵器だよ」 そして、キョウコを自らの養女に仕立てて、しかるべき機会を得て権力者のもとへと送り込もうと いう筋書きをキョウコに教えたのだった。 「と、いったところなんだが……ん、聞いていたのかね、キョウコさん」 「ええ、ごめんなさい。ちょっとだけ、ぼうっとしていたかしら」 絶世の美貌を手に入れながらも、キョウコの心は今、不安ゆえの暗灰色に翳っていた。 彼女は、醜く生まれたために、ろくな生き方ができなかった。今までずっと、そうだった。 ところが彼女が取りこんだ女たちは皆、すばらしい美女揃いであったにも関わらず、佳人薄命の例え を具現して一人残らずろくな死に方をしていなかったのである。 きっと、美女に生まれ変わった彼女もまた、同じ末路をたどるのだろう。ろくな生き方も、そして 死に方も与えられない自分は、もしかしたらこの世で一番の不幸な女なのではないか、と。 まあ、それでもいいかもね、と覚悟が決まったら再び彼女の瞳には強い光が戻っていた。 「それじゃあ、お父様。私、可愛い名前が欲しいわ。何か考えてくださらないの?」 「うん、そうだね……それじゃあ、こんなのはどうだろうね」 その後、彼女たちが本懐を遂げる事ができたのか、それともむざむざとその方策を破られてしまっ たのか。 厚く積み重なる歴史の層に圧縮されては、それらの事実を確認する術は今となっては何も残っては いないのである。ただ、曲がり曲がった口伝で、物語が伝承されるばかりなのである。 了
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76 和子 [sage] 2010/12/06(月) 23 57 01 ID iT/GaOou Be 美代子(7) 小学2年生は、いとこの恭子(20) 女子大生にあこがれていた。 長い髪、大きな胸、長い脚、大人っぽい服装にしぐさ。 それに引き換え自分は、髪は短いし胸は小さい(当然ない)、低い身長、子供っぽい服装しかない。 でも、もう小学2年生だし、あと数カ月で弟か妹も生まれる。 ママからは、お姉さんになるんだよと言われているので、 しぐさは大人っぽく、ふるまっているつもりだ。 美代子が家で留守番をしていると、恭子お姉ちゃんが家に来た。 もうお姉ちゃんになるんだからと、自分に言い聞かしておもてなしをすることにした。 恭子お姉ちゃんを居間に通して、お茶の準備。 届かない戸棚に椅子を使ってお茶を取り出した。 しかし、お茶葉の容器は空っぽだった。 他の代わりになるものと探したら、小さいビンに入ったお茶葉を見つけた。 自分とお客さん用のお茶碗にお茶を入れて、お盆に載せて持っていく。 美代子「どうぞ」 77 和子 [sage] 2010/12/06(月) 23 57 31 ID iT/GaOou Be 恭子「ありがとう。すっかりお姉ちゃんね」 恭子お姉ちゃんにそういわれて、うれしくなった。 自分もお茶を飲んだがすごくへんな味がする。 恭子お姉ちゃんを見ても平気で飲んでいるので、これが大人の味なんだろう。 自分も平気な顔をして飲んだ。 しかし、いつ見ても恭子おねえちゃんは素敵だなとボーっとしてみていると、 なんだか眠くなってきた。 お客さんの前で寝ちゃいけないと思ったが、睡魔に勝てずに眠ってしまった。 目が覚めると自分が寝ている。 起こさなきゃと手を伸ばすと、手が異様に長い。それになんか肩が重い。 下を向くと大きな胸があった。 あわてて、戸棚のガラスに映った自分を見ると、なんと自分が恭子お姉ちゃんになっている。 もしかして、神様が恭子お姉ちゃんみたいになりたいと思った願いをかなえてくれたのだろうか? どうしようと思う反面、このまま外に出て大人の世界を探検したいとも思ってきた。 そして、そのまま外に出ることにした。 いつも通っているところだが、背が高いとまるで違って見える。 違って見える景色をきょろきょろしながら歩いていると、何かブーンブーンという音がしているのに気がついた。 カバンから音がしているので、携帯電話だと気がついた。 78 和子 [sage] 2010/12/06(月) 23 57 59 ID iT/GaOou Be 携帯電話はママのを使ったことがあるし、恭子お姉ちゃんのも使わせてもらったことがある。 でなくちゃと思ってすぐに出た。 美代子「もしもし、恭子お姉ちゃんの電話ですけど」 男「あー恭子?何だそりゃ?美代子ちゃんのマネかよ。ハハハハ」 笑われてから、しまったと思った。 自分のことを恭子お姉ちゃんだと言う、恭子お姉ちゃんがどこにいるだろう。 美代子「間違いました、恭子の電話です。」 男「・・・知ってるよ。」 以前紹介されたことがある恭子お姉ちゃんの彼氏だと、すぐにわかった。 携帯電話にはタケシと名前が表示されている。 タケシ「ごまかしてないで、今どこにいるんだよ?俺、もう待ち合わせの場所についてんだけど」 美代子「?」 タケシ「まさか、デートのこと忘れてんじゃないだろうな?」 デート!美代子はデートをしたことがなかった。 実に大人っぽい響きだ。 デートをしてみたいと思った。 美代子「今行きます!どこに行けばいいんですか?」 タケシ「本当に忘れてんのかよ・・・しょうがねえな今どこ?」 79 和子 [sage] 2010/12/06(月) 23 58 26 ID iT/GaOou Be 美代子「わた・・・美代子ちゃんの家の近くです」 タケシ「何だ近いじゃん俺のほうから行くよ。公園であおうぜ」 タケシはそういうと電話を切った。 公園の場所は分かる。 公園にいるとタケシが現れた。 タケシ「よお!さて、どこに行くか?」 タケシは待ち合わせをすっぽかされたことには触れなかった。 怒られると思っていた美代子は拍子抜けした。 美代子「怒ってないの?」 タケシ「ん?まあいいって、美代子ちゃんの家に行ってたんだろ。」 美代子「うん」 タケシ「じゃあ、今からホテルに行くか?」 ホテルと聞いて美代子は目を輝かせた。 旅行で泊まったホテルのジャングル風呂を思い出したのだ。 美代子「行きたい!ホテル行きたい!」 タケシ「え!?ほんとに?」 タケシは驚いた。 いつもだと「真昼間から何言ってんの!」と、ツッコミが入るのだ。 80 和子 [sage] 2010/12/06(月) 23 58 54 ID iT/GaOou Be タケシ「別に俺、怒ってないから行きたいとこに行こうぜ」 美代子「え?でも、ホテルに行きたい・・・」 タケシ「ほんとに?・・・たまには昼間からいってもいいか!」 タケシとしては、いつも真面目な恭子がHに積極的なのにちょっととまどっていた。 美代子がタケシについていくと、親に行くなといわれている通りに入っていくのに驚いた。 美代子「あ、そうか!今は大人だから行っても良いんだ」 美代子は一人で納得するとタケシの後を追った。 タケシは、建物の前で待っていた。 その建物は何か薄暗くて、気味が悪かったが 中に入るとロビーに部屋の写真が壁に貼られていて楽しそうだった。 タケシ「好きなの選んでいいよ」 タケシにそういわれて、美代子は面白そうな部屋を見つけた。 プールのような湯船に滑り台とブランコがついているのだ。 美代子「これがいい!」 タケシ「ええ!一番高いじゃん・・・まあいいか」 タケシと美代子は従業員から部屋の鍵を受け取るとエレベータに乗った。 部屋に着くと美代子は、始めてみる部屋に驚いた。 丸いベッドにガラス張りの風呂。 81 和子 [sage] 2010/12/06(月) 23 59 20 ID iT/GaOou Be 美代子「すごーい!」 美代子は大はしゃぎだった。 タケシ「先に風呂入ったら?」 美代子「え!あれ、お風呂なの!?」 美代子はプールだと思っていたのだ。 タケシ「そうだけど・・・」 美代子「すごーい!」 美代子は大はしゃぎでお風呂に走っていった。 タケシ「・・・」 美代子は時間が惜しいという具合に服を脱ぐとすぐ風呂に入った。 風呂はガラス張りで部屋から丸見えだったが、そんなことは気にしなかった。 風呂には小さい滑り台があり、その先は湯船につながっている。 ブランコもあった。 美代子は滑り台に上ると早速滑った。 ザブンと湯船に突っ込む。 美代子が風呂ではしゃいでいると、タケシが風呂に入ってきた。 美代子は父親とも風呂に入っているので、タケシが風呂に入ってきても特に気にしなかった。 タケシとしては、一緒に風呂に入るという念願の夢がかなって興奮していた。 82 和子 [sage] 2010/12/07(火) 00 00 05 ID iT/GaOou Be いつもは恭子が恥ずかしがって、入ってもすぐ追い出されるのだ。 美代子がブランコをこいでいると、後ろからタケシもブランコに乗ってきた。 美代子は楽しくなってきた。 タケシは興奮してきた。 ブランコが止まるとタケシは美代子の胸を揉んできた。 美代子「アハハハ!」 美代子はくすぐったくなり笑ってしまったが、タケシの手が乳首に伸びると くすぐったいのとは違う初めての感覚を感じた。 美代子「あ・・・はぁん・・・・」 自然と吐息が漏れる。 タケシの手はアソコにも伸びる。 美代子はアソコを触られることを、なんとなくいけないことだと感じて、 美代子「ダメェ・・・」 と拒絶したが、それはタケシの興奮を増しただけだった。 タケシの指がアソコの内部に侵入する。 そこはすでに十分潤っていた。 美代子は、まだ濡れたことなどなかったが、体が勝手に反応するのだ。 美代子「あぁ・・・あぁぁぁ・・ん・・・」 83 和子 [sage] 2010/12/07(火) 00 00 39 ID iT/GaOou Be 美代子は感じたことのない快感に戸惑っていた。 美代子「あぁぁん・・・こわいよぉ・・・ん・・・・」 タケシは、美代子のいつもと違う反応に戸惑っていた。 なんだか別の人と、セックスしている様な気がした。 その新鮮さが興奮に変わり、タケシの息子はすでに痛いほどに膨張していた。 タケシはタイルの上に美代子を寝かせると、足を開かせて息子の挿入を開始した。 美代子「ああああああああぁぁぁぁぁぁ!!」 自分の中に何かが入ってくる。 美代子は何が起きているのか分からなくなっていた。 タケシはピストン運動を開始する。 美代子「あん!あん!あん!あん!あん!あん!あん!」 美代子の中の快感は徐々に絶頂に近づいていく。 初めての感覚に美代子は恐怖を感じていた。 美代子「こわいよぉ・・・こわいよぉ・・・」 タケシは、幼女とHしているような、いけない気分になってきた。 しかし、腰の動きは徐々に速度を増していく。 美代子「ああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 美代子は、のけぞり痙攣すると絶頂に達した。 美代子にとっては初めての絶頂だった。 タケシも美代子の中で絶頂に達した。(コンドームはつけている) 美代子「ハァハァハァ・・・・」 美代子は気が遠くなっていった。 84 和子 [sage] 2010/12/07(火) 00 01 13 ID iT/GaOou Be 恭子「あれ?」 恭子は気がつくとベッドに寝ていた。 横にはタケシが心配そうな顔をして、こっちを見ている。 恭子「タケシ?」 タケシ「よかった・・・お前いきなり気絶しちゃうから焦ったぜ」 恭子「私・・・」 恭子はあたりを見渡した見たことのない場所にいる。 タケシに話を聞くとHをしているときに、気絶したという。 タケシ「なあ、そんなに気持ち良かった?」 恭子「バカ・・・」 しかし、恭子はラブホテルに入った覚えもなかった。 美代子ちゃんの家からの記憶がない。 しかし、タケシに聞くと話もしていたという。 タケシ「でも、お前様子がおかしかったけどな」 恭子は気になって美代子の家に電話をしてみた。 美代子の母は既に帰宅していて、美代子も元気だという。 恭子「まあいいか・・・」 恭子は細かいことを気にしない、サバサバした性格だった。 85 和子 [sage] 2010/12/07(火) 00 01 48 ID iT/GaOou Be 美代子は気がつくと自宅だった。 美代子「あれ?」 起き上がると、恭子お姉ちゃんはもういなかった。 自分も元の美代子に戻っている。 美代子「夢だったのかな・・・」 しかし、体験したことは鮮明に覚えていた。 母親「ただいま」 美代子「おかえりなさい」 母親「あら?誰か来ていたの?」 美代子「恭子お姉ちゃん。私がお茶も出したんだよ」 母親「そう。えらいわねぇ」 美代子は母親に褒められてうれしかった。 美代子「そうだ、宿題あったんだ。宿題するね。」 母親「そう?おやつ食べちゃダメよ。すぐにゴハンだからね」 美代子「はーい」 美代子は自分の部屋に行った。 86 和子 [sage] 2010/12/07(火) 00 02 14 ID iT/GaOou Be 母親「そういえば、お茶葉はきらしていたと思ったけど・・・」 母親はお茶葉の容器を確認したが、やはり空っぽだった。 きゅうすを確認してもお茶葉は残っていない。 母親「あの子、何を飲ませたのかしら・・・」 母親は台所で小瓶を見つけた。 母親「これ・・・美代子のかしら?」 その小瓶は母親が新婚旅行で東南アジアに行った時に夫婦で買った入れ替わりの秘薬だった。 買ったものの、何が入っているか分からないので、結局つかわなかったのだ。 もう十年以上前の事なので母親自身も忘れていた。 母親が首をかしげていると電話がなった。 恭子からだった。 母親は今日来てくれたことの礼を言うと、恭子から奇妙なことを聞かれた。 恭子「美代子ちゃんの、様子どうですか?」 母親「え?美代子?元気みたいだけど・・・どうかした?」 恭子「いえ何でもないんです。失礼します。」 電話が切れた。 母親「・・・あ!晩御飯の用意しないと」 母親は家事に追われ小瓶のことは頭から消えていた。 -完-
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投稿日:2009/04/14(火) ○月×日 あたし、小島さや。 へんな人のせいで、首から下がみどり先生と入れかわっちゃったの。 あれからみどり先生に、ブラジャーとかナプキンとか いろいろ大人のことをおしえてもらったけど、すごくめんどくさい。 おっぱいがおっきくなったのはうれしいけど、 男の子たちがエッチな目で見てくるし、ちょっとイヤ。 でもこれから、このカラダでガンバるって、先生とおやくそくしたから いっしょうけんめいやっていこう。 ミカちゃんたちもいっしょだし、こわくないもん! あたしもミカちゃんを見ならって、にっきをつけようっと。 今日はこれでおしまい! ○月×日 あのときから、お母さんはさちちゃんの、赤ちゃんのカラダになってる。 かおはいつものお母さんなのに、カラダは赤ちゃんだから、 ちょっと気もちわるいかも。 ちっちゃな手をふりふりするのは、とってもカワイイんだけど、 ミルク作ってとかダッコしてとか、赤ちゃんになっても口うるさい。 でも今は、あたしが大人なんだからガンバらなくちゃ。 今夜もお父さんにおちんちんを入れてもらった。 ヒロくんのとくらべて、すっごいかたくておっきくて、 あたしのおまたに入るのかなぁ、とはじめは思ってたけど、 みどり先生のカラダだから、カンタンに入っちゃう。 パンパンされて中でオシッコされるのは、きたないカンジなのに とっても気もちよくて、あたしねちゃった。 お父さん、またしようね。 ○月×日 お母さんがハイハイをするようになった。 ずっとたいくつだったみたいで、いえの中をいったりきたり。 やっぱりカワイイ。 ○月×日 このごろ太ったみたいで、おなかが出てきちゃった。 おかしの食べすぎかなぁ? ダイエットしないと、みどり先生におこられちゃう。 先生はしょっちゅううちに来て、おりょうりとかおそうじを 手つだってくれるから、とっても助かる。 あたしもそのうち、ごはん作れるようになりたいな。 ○月×日 みどり先生に言われて、びょういんに行った。 けんさしたら、あたしのカラダの中に赤ちゃんできてるって言われて すごくビックリしちゃった。 赤ちゃんがお母さんのおなかの中でおっきくなるのは知ってたけど、 それじゃあたしもお母さんになっちゃうの? お父さんはとってもよろこんでたけど、お母さんは泣いてた。 みどり先生もニコニコ笑ってたけど、こっそり泣いてたのはなんでだろう? ○月×日 なんと! はじめてお母さんがアンヨをはじめた。 あたまが大きいからふらふらしてるけど、けっこうじょうず。 「さや! 見て、見て!」ってよろこぶお母さんを見てると あたしも幸せな気もちになってくる。 そのうちいっしょにおさんぽ、行きたいなぁ。 あたしのおなかもすっかり大きくなって、体育は見学。つまんない。 マイちゃんもこないだ赤ちゃんうんだけど、すっごいうれしそうだった。 ぷっくりふくれたおなかをなでると、あたしもなんかうれしくなるの。 ときどき赤ちゃんがうごくみたいで、それがあたしにはわかっちゃう。 名前はお父さんが考えてるけど、カワイイのがいいな。 ○月×日 さい近、さちちゃんはお母さんのカラダで立ったり歩いたり、 まだ赤ちゃん言葉だけどしゃべったりもする。 もうちょっとしゃべれたら、カンタンにトイレに連れていけるんだけどなぁ。 お母さんもさちちゃんも、まだまだオムツはひつようみたい。 みどり先生は、さいきんいそがしいみたいであまり来てくれないから、 あたしがガンバってお母さんとさちちゃんのお世話しないと! この前はおばあちゃんも来てくれて、すごくうれしかった。 あたしのおなかはもうパンパンにふくれちゃって、 とってもおデブに見えちゃうから学校に行くのがはずかしい。 ミカちゃんがうらやましそうにしてたのがよかったです。 びょういんに行ったら「来月ですよ」って言われちゃって、 みどり先生にもおでんわした。 そしたら、またいろいろ手つだってくれるんだって。やった! ○月×日 赤ちゃんうむのはすーーーっごくいたくて苦しかった。 おばあちゃんがお母さんとさちちゃんを見てくれて、 あたしはびょういんで、お父さんとみどり先生にガンバれって 何ども何ども言われたけど、すごくしんどかった。 わんわん泣いちゃったし気ぜつしちゃったし、もうこんなのイヤだ! 赤ちゃん見せてもらったけどしわくちゃで気もちわるい。おさるさんみたい。 男の子で名前は「タクヤくん」だって。 お父さんはうれしそうに赤ちゃんをダッコしてたし、 みどり先生もちょっと泣いてたけど赤ちゃんをダッコしてた。 うー、家に帰りたいなぁ。 ○月×日 さちちゃんがあたしのこと、ママってよんでくれた。 ホントはちがうんだけど、そう言っても聞いてくれない。 あたしとおなじ大人のカラダをしたさちちゃんに「ママ」って呼ばれて だきつかれるのはちょっとこわい。 でもあたまをナデナデすると気もちよさそうにねむっちゃうの。 そういうところは、さちちゃんもとってもカワイイ。 タクヤくんにおっぱいをあげた。 あたしのおっぱいをくわえてチューチューするタクヤくんはカワイイけど、 チューチューしてると、さちちゃんもほしがるからこまっちゃった。 さちちゃんは大きいお姉さんなんだから、ガマンしてよ! ○月×日 買い物に行ったら、お母さんが転んでドロだらけになった。 しかもいっぱい血が出てて泣いてたから、あたしもビックリしちゃった。 これからは気をつけてほしいです。 ○月×日 お母さんがようち園に入ることになった。 カワイイ制服を着せてぼうしをかぶせてあげると、歯を見せてにっこり笑う。 髪は長いから、あたしと同じおさげのみつあみにした。 ようち園の先生がお母さんの顔を見ておどろいてたけど、 説明したらうんうんうなずいてくれて助かった。 友達いっぱいできるといいね、お母さん。 今日は久しぶりにお父さんとセックスをした。 おチンチンをくわえてペロペロするととってもうれしそう。 でも、顔にかけるのは汚いし臭いからやめてほしい。 「子供、もう一人作るか?」なんて言われたけど、 沙智と卓也に手がかかってるから無理だと思う。 仕方ないからゴムをつけてセックスした。 お父さんは胸をもむのが大好きで、あたしは四回イカされた。 ○月×日 みどり先生の結婚式に行ってきた。 あたしの体のみどり先生は、やっぱりまだ小学生にしか見えなかったけど 相手の人はそれでもいいんだって。ロリコンって言うの? みどり先生は白いウェディングドレスを着て、とても幸せそうだった。 入れ替わりがなかったら、結婚はもっと早かったのかな。 これからあの男の人とセックスすると思うと、ちょっとフクザツ。 ○月×日 首から下がお母さんだから幼稚園や保育園に行けない沙智に、 あたしが文字や計算を教えている。 でもあたしも学校があるから結構忙しい。 卓也も幼稚園で大人しくしてるみたいだし、 お母さんもイジメとかはないみたいで安心している。 ○月×日 ミカがD組の御手洗君と付き合い出した。 ミカはうちの中学のアイドルだから、男子の注目の的だったけど やっぱり男の子は女のカラダしか見ていないのだろうか。 そう思うと私も彼氏を作る気にはなれない。 子持ちだけど今でもスタイルには自信があるし、 今でも週に一度はお父さんを喜ばせている。もちろん避妊はしてるけど。 佐和子はすっかり卓也のお姉さん気取りらしい。 しょっちゅう卓也を叱りつけ泣かせている。 卓也は私の産んだ子だけど、どっちもお父さんの子供だから 首から下は異母姉弟ってことになるのかな? 何だかややこしい。 あんまり卓也をいじめるものだから、ふんづかまえて 佐和子のお尻を何度も叩いてやったら泣いて謝ってきた。 うむ、これからは気をつけるように。 ○月×日 今日から私も高校生。 最近はもう周囲との体格差で困ることはなくなったけど、 このみどり先生の体も三十歳を過ぎ、体育とかは少し辛い。 クラスメートと比べて自分がおばさんってことを 思い知らされるとつい落ち込んでしまう。顔はぴちぴちなのに。 ○月×日 ミカに聞いたけど、あの子、御手洗と子供作るんだって。 年齢的に仕方ないけど、思い切ったことするもんねぇ。 私はもう子持ちだから余裕あるけど、彼氏の一人くらいはやっぱり欲しい。 いい人にめぐり合えますように。 最近卓也は生意気盛りで、チョロチョロとよく動く。 佐和子がよく怒ってるけど聞かず、逆にスカートめくって反撃とか 母親としてちょっと見過ごせないこともしている。 あんなので、学校でうまくやっていけてるのかしら。 沙智には自宅学習の教材をやらせているが、なかなか賢い。 頭脳は子供、見た目は大人だから大丈夫かなと心配もしたが 佐和子とも卓也とも非常に仲が良い。安心。 ○月×日 センパイと付き合って二年、そろそろ結婚することにした。 まだ高校生だから普通なら早すぎるのだろうが、私は普通とは違う。 顔はうら若き乙女でも、首から下は三十代半ばのおばさんなのだ。 幸いにも、センパイにも向こうのご家族にも理解してもらって 入籍と子作りだけ先に済ませることができた。 センパイが大学を卒業したら、晴れて子供と三人で 一緒に暮らせるという、わりと壮大な計画だ。 私はセンパイ好きだし、卓也っていう息子もいるけど やはり愛し合うからには二人の愛の結晶が欲しい。 今日は妊娠しやすい日だし、何度も何度も中に出してもらったから きっと赤ちゃんできてると思う。センパイ愛してます。 ○月×日 出産したから出席日数がやばかったけど、何とか卒業できた。 まぁ先に生んだミカが進級できたから、何とかなるって思ってはいたが。 この間ミカの子供見せてもらったけど、やっぱハーフって感じで 沙智や卓也、純也とは随分と違って見えた。 子育てと言えば、純也は次男だからか結構我がまま。 早いうちにしつけないと、こりゃ将来が大変かも。 ○月×日 小学校の同窓会があり、十年ぶりに山口先生と再会した。 やはり顔は老けていたものの、首から下は若々しくいい体で 昔の先生より巨乳になっていたように見えた。 元は私の体だったので、惜しくないと言えば嘘になる。 今は三人の子持ちだそうで、写真を見せてくれた。 可愛い子供たちの写真を見て、少し泣いてしまった。 ○月×日 久々に実家に寄った。 佐和子と卓也はクラブ活動を楽しんでいるようで、 二人とも夕方になっても帰ってこなかった。 すっかり手が離れたとはいえ、少し寂しい。 沙智は大検目指してひとりで勉強していた。 頭がいいから、どこかいいところに入ってほしいと思う。 夜は主人の同僚の方がいらしたので、夕食を振る舞った。 人の良さそうな方で、主人がお世話になっていますと挨拶すると 恥ずかしそうに頭を下げてくれた。 私も主人も、二人ともまだ二十代なのに もう純也みたいな大きな子供がいたから驚いていたようだ。 そんなに不思議でもないと思うのだが。 ○月×日 主人とのセックスは欠かしていないが やはり中年の女の体では物足りないのだろうか、 どうしても少し不満そうに見えてしまう。 純也も大きくなって、最近は私の言うことを聞かない。 私学に入れようかと思っているのだが、あんな調子で 受験勉強をさせられるものだろうか。 進学塾の案内をいくつか取り寄せてみたが、どれもパッとしない。 まだ日記をつけているとミカに言ったら笑われた。 そういえば、もうつけ始めて二十年近くになるか。 我ながら、よく続いたものだと思う。 最近はブログの方に気を取られて放置することも多く、 そのうち昔の日記の内容をパソコンに入力してもいいかもしれない。 後で読み返したらきっと赤面してしまうだろう。
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142 名前:give and take 10[sage] 投稿日:2009/11/13(金) 02 52 12 ID M1ucTdCt 静寂が一気に解け、いつもの出勤風景が広がる。 「おはよう、博美ちゃん。」 隣には年上となった早苗の姿。 「おはよう…ございます。」 低いが透き通った若い声。 (私、こんな声だったかしら) 下を見ると、鮮やかな青のチュニックに、白黒のボーダーTシャツ。 そしてカーキ色の7分丈のパンツ。そこから若々しい脚が覗いている、 (え?何この服?) 隣を見ると、早苗はニット地でマスタードイエロー一色のハイネックになっていた。下はブラウンのキュロットパンツに黒のストッキング。脱ぐと、ベージュのキャミソール。覗くブラジャーは黒。 (いい歳になっちゃったわね、早苗ちゃん) そう思いながら、博美も服を脱ぐ。ロッカーに映った姿を見て目を丸くした。 薄いピンクに花柄の飾りが付いたかわいらしいブラジャーが、張りの戻った乳房を包んでいる。 (やだ、こんなかわいいの…) そう思った博美だが、ロッカーの小さな鏡の中には、つぶらな瞳の女の子が映っている。 (若いなぁ。これ私か…) 143 名前:give and take 11[sage] 投稿日:2009/11/13(金) 02 53 06 ID M1ucTdCt 病棟に上がって仕事を始める。若返る前、師長以外は全員年下だった。しかし… 「樋口さん、点滴作った?」「はい。」 早苗に薬を飲ませたときに一緒だった田中恵美子が、年下になった博美に指示を出した。今は1年目の奈都子と2年目の2人を除いては、全員年上だ。 博美が最後に直接指導したのが、10歳離れた彼女だった。きつく指導していたのも懐かしく感じる。 「博美ちゃん、これ。」「はい。」 医師からも下の名前で呼ばれるようになった。本当の自分の歳ではありえないことだ。 (ホントに若い子になっちゃたのね。あ、なっちゃったんだぁ) 早苗はというと、こちらも40歳として仕事をしている。業務が終わってから、ナースルームで中堅の看護師と話し合いをしていた。 (評価してるのね、私もしてた。でも、もうされる側になっちゃった。) 「お先に失礼しま~す。」「おつかれさま。」 博美は早苗を脇に見ながら、更衣室へ帰った。 部屋に帰り、クローゼットを開ける。 フリルがたっぷりとあしらわれたチェックのミニスカート、プリントの入ったレモンイエローのタンクトップ、デニム地のショートパンツ… どれも20代でしか着られないデザインや色ばかり。 「これでも仕事用でちょっと地味なのね。まぁこんな感じかも。」 20代だったのは約20年前のこと。ファッションの流行は相当変わっているが、クローゼットの中は自分の好みに合う服ばかりだった。 (細かいとこまでちゃんと変わってるのね…) 144 名前:give and take 12[sage] 投稿日:2009/11/13(金) 02 54 04 ID M1ucTdCt そして4日後の朝。 「いよいよね。」 鏡を通してもわかる瑞々しい肌感。グリーンのTシャツのプリントは、若々しい張りのある乳房に少し歪められている。 ジーンズがキュッと上がったヒップを包む。 「22歳かぁ。こんなだったんだ、私。」 『おはようございます』 「ふふ、どう私。かわいいでしょ?」 『ええ、とっても。今のうちに若い身体を謳歌して下さいね。』 「今のうち?」 薬を買ったあのとき。 「相手の記憶がなくなって、私の記憶はどうなるの?」 『若返っても記憶は残りますよ。』 「記憶が残るって言ったじゃないの。」 『ええ。現に今、わかってるじゃないですか。自分が若返ったって。』 言葉に詰まった博美に対して、男が言葉を重ねた。 『ずっとそのままとは言っていませんよ。』 「じゃ、じゃあ何、私も22歳が当たり前になっちゃうの?」 『ええ、そのうち自分が44歳だったことは忘れてしまいます』 「そんな…」 『44歳の姿に戻りますか?』 「それは嫌。ねえ、ねえいつ忘れちゃうの…」 あどけなさの残る女の子が、男に向かって怯えながら聞く。 『数日ってところですかね。』 「早苗ちゃんは?」 『もちろん彼女も44歳として生きていきますが、それまではこの前のように思い出すことはあるでしょう。』 男はこう続けた。 『でも彼女はもう受け入れてるみたいですよ』 145 名前:give and take 12[sage] 投稿日:2009/11/13(金) 02 56 08 ID M1ucTdCt 「え?この前まで22歳だった?」 男から青い光が放たれ、早苗に降り注ぐ。 「ちょっと、何これ?」 ダークパープルのTシャツに張りのない乳房が丸い曲線を描く。黒いスカートからはストッキングに包まれた細い脚が覗く。 艶のない髪が一本にまとめられ、くすんだ肌が鏡に映っている。 『あなたはこの姿で生きていきます。』 「馬鹿なこと言わないで。」 『もう決まったことですから。戻しますよ。』 「あら、あなた誰?」 『ほら、もうお忘れですね?』 「何のこと?なんかあったような、でも気のせいね…ちょっと、何今の?私なんて…」 早苗が口を開けて驚く。 『だから言ったじゃないですか。このままですよって。』 「やだそんなの!こんなおばさんで生きてくな…あれ?私どうしたの?」 『意識が同居しているんですよ。これはこれで面白いですね。』 「面白い?なんのことかしら?」 『まぁ私がそういう仕様にしたんですけどね。』 「ちょっと、まさか私も?」 『ええ。結末は同じでもそこへ至る過程には私にも関わる余地があるというものです』 「何楽しんでるのよ。私が私じゃなくなるっていうのに。遊んでるんじゃ…」 博美の表情が変わった。 「おじさん誰?」 『22歳に戻ったみたいですね。』 男はそう言うと煙に隠れながら消えた。 「何だったのかな、今の。」 博美はまた、出勤する支度を始めた。 146 名前:give and take 13[sage] 投稿日:2009/11/13(金) 02 57 17 ID M1ucTdCt 病院に着いた博美。更衣室の鏡に姿が映った瞬間、記憶が戻った。 「病院に来てる…全然覚えてないけど…」 グリーンのTシャツにジーンズ。足下にはリボンの入ったかわいらしいヒール付きのゴールドのサンダル。 「やだ、こんな格好。」 しかしながら、そこからはむっちりとした若々しい脚が伸びている。 「そうだ、22歳だったんだ。」 鏡を再び鏡を見る。思わず笑みが浮かぶ。 「やだ、なにやってんだろ。遅れちゃう…」 早苗はデパートでの試着中に記憶が戻った。ゼブラ柄のワンピースを着ている老けた自分の姿。シックなスタイルが44歳の大人の女性によく似合っている。 「何よ、これ…何平気でこんな服着てるのよ。」 すぐに一つ下の階にある若者向けの店へ向かった。店員が怪訝な顔で早苗を迎えるが、構わず服を選んでいく。 「歳の分、財布の中身は多いのね。覚えてるうちに買わなきゃ。」 147 名前:give and take 13[sage] 投稿日:2009/11/13(金) 02 58 30 ID M1ucTdCt 仕事を終えた博美。家へ帰ると、再び記憶が戻った。 「何?今度は家に帰ってきてる…仕事してたのね…」 ベッドの上のグレーのスウェットに着替えようと服を脱ぐ。脱ぐと、水色のブラジャーとショーツ。鏡に映るのは20代の女の子。むずむずするような感覚が襲う。 「この身体でやり直すんだ…こんな下着恥ずかしいけど、22歳なら平気よね。」 その翌日。 「買っておいた服!」 勤務を終え、帰宅して記憶を取り戻した早苗。ショッキングピンクの袋を、クローゼットの奥から引っ張り出す。 まず黒のショートパンツとピンクのTシャツを取り出す。 紺のアンサンブルと黒のスキニーパンツを脱ぐ。その下にはベージュのスリップに黒のブラジャーとショーツ。 「おばさんくさい下着。早く着なきゃ。」 スレンダーな早苗は、どちらもつかえることなく、着ることができたが… 大きく露わになった脚に、22歳の頃の艶はなく、ピンクのTシャツから見える乳房の膨らみからは張りが失われていた。 「何これ…」 愕然とした早苗は、そのまま記憶を失い、床に倒れた。じきにもぞもぞと動き出す早苗。 「やだ、なんで私こんな格好してるの?」 148 名前:give and take 15[sage] 投稿日:2009/11/13(金) 03 00 33 ID M1ucTdCt 「こんなの着てたのねぇ。」 博美も自分の気に入った服を買っていた。 白のアンサンブルに、スカイブルーの波形模様の入ったロングスカート。22歳にしては落ち着いたスタイルだ。 スカートのウエストには、44歳の時にはなかったヒップの盛り上がりが見える。 「ヒップがこんなに…」 アンサンブルからは谷間が覗く。 「やだ、ちょっと屈むと見えちゃう…張りが違うものね。」 満足げに鏡を見ている博美。一瞬目が虚ろになる。 「何、なんでこんなおばさんっぽいの着てるの?」 その翌日。二人は更衣室にいた。 「おはようございます。」 「おはよう。博美ちゃん…」 「は、私なんて?あなた誰?」 「早苗ちゃん、記憶が戻ったのね?私よ、樋口博美。」 「え~!?」 『なかなか戻りませんねぇ。そろそろ私も次の仕事がありますので。』 「ちょっとまさか…」 『ええ、もう時間ですので。』 「もうちょっと、記憶があるままでいさせてよ」 「いや、こんなおばさんになっちゃんなんて絶対ヤダ。ねぇ…あれ、何でこんなに暗いの?あれ、博美ちゃんもいるの?…え、何?博美ちゃんって…」 「早苗ちゃん…あ、早苗ちゃんとか言っちゃった、どうしたんだろ。ごめんね、江守さん。え?ごめんね?あ、なんかすいません…何、今の。だんだん記憶が…」 『元の記憶が消えてきたようですね。私がいなくなると、完全に記憶が消えます。それでは。』 149 名前:give and take 16[sage] 投稿日:2009/11/13(金) 03 01 50 ID M1ucTdCt 季節が過ぎ、冬が近づいてきた。 年の頃は40代半ばくらいだろうか、女性がロッカーの鏡を見ている。白の長袖のインナーにネイビーのワンピース。ブーツの下には黒のストッキング。 「肌がガサガサ。最近乾燥してきたから…」 そこに明るい声で若い女性二人が入ってくる。一人はパーカーの着いたグレーのニットに黒のショートパンツ、イエローのカラータイツ。もう一人はリボンの付いたローズ色のプルオーバーにチェックのスカート。二人ともキャメル色のブーツを履いている。 「あ~あったかい。外超寒いんだけど。」 「ホント。着替えたくないなぁ。」 「ねぇ博美って冷え性?」 「そんなことないよ。そこまでおばさんじゃないよ。」 「そっかぁ。」 声がささやき声に変わる。 「早苗さん、そうなんだって。夜勤の時に言ってた。」 「そっかぁ、あの歳くらいになると結構辛そう。でも、あんまり脚出してるとなっちゃうんでしょ?」 「らしいねぇ。脚出してる博美に言われたくないけど。」 「だって、若くないと出せないじゃん。出せるうちに出しとかないと…」 早苗は逃げるように更衣室を出た。 日が落ちるのが早くなり、外はすっかり暗くなっている。いつもの帰り道の途中に、あるはずのない明かりがぼんやりと灯っている。近づくと、帽子をかぶった怪しげな男性。 「ちょいとそこの方。」 早苗は気味が悪くなって、歩を早めた。しかし… 「若返りたくありませんか?」 露天商の言葉に早苗の足が止まった。
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