約 2,249,579 件
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/20787.html
求婚 クロッカス C 自然 2 クリーチャー:ワイルド・ベジーズ 1000 ■自分の他のワイルド・ベジーズ、またはヒューマノイドがバトルゾーンを離れる時、かわりにこのクリーチャーをマナゾーンに置いてもよい。 作者:ぼう フレーバーテキスト 枝を折るのは忍びなかったので、木をまるごと引き抜いてまいりました。 ――求婚 クロッカス ……優しいのね。 ――剛勇機カグヤ 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/wakiyaku/pages/576.html
【作品名】岩本版ロックマンX 【ジャンル】漫画 【名前】ゼロ 【属性】レプリロイド・イレギュラーハンター 【大きさ】人間の大人並。 【攻撃力】パンチでも4mほどのロボットの装甲を貫いてを破壊できる。 バスター:腕からビームを発射する。射程は500M。威力は並みの戦闘用レプリロイド(人間くらいのサイズの硬めのロボット)を一撃粉砕。 水中でも厚さ1Mはあるコンクリートの壁に人が通れるぐらいの穴を開けた。 アースクラッシュ:地面に自分のエネルギーをたたきつけて周りを大爆発させる荒業。 200Mはあるビルを粉々にした。 ビームサーヴァー:ビームサーベルみたいなもの。鉄程度ならスパスパ切れる。 戦闘用レプリロイドを余裕で切り裂き、3mくらいある大砲を両断したりした。 【防御力】100mはある巨大戦車を半壊させたビームを素手で受け止めた。 【素早さ】戦闘用レプリロイド(鍛えられた軍人以上の反応)がまったく気づかないほどの速さで5体ほどきり伏せる。 同様に並以上の戦闘用レプリロイドがボタンを押す動作をしようとした瞬間に、10Mほどの 間合いをつめて、相手を剣で真っ二つにして元の位置に戻ることができる。(相手は視認できず斬られたことにも気づかなかった) 自身と互角に戦う奴とも何度も戦ってるので、反応も相応。 並みの戦闘用レプリロイドの砲撃を難なくかわせる。 敵のバスターを不意打ちでも何とかかわす。 【特殊能力】特になし。 【長所】もう一人の主人公的な存在 4ではやたら強い 【短所】3では人質にされたりかませにされたり散々。 【備考】近未来の設定。レプリロイドの砲撃は詳しい描写がないが超音速くらいはあるのではないかと予測 (機械から発射される近未来の砲撃武器であるため) 3スレ目 780 :格無しさん:2009/06/28(日) 23 34 03 ゼロ考察 ○○比古清十郎、瀧沢勇太 アースクラッシュ勝ち △シンタロー 倒せない倒されない ×アムネジア 同じ超音速反応なら思考発動の方が速い 消去負け ○クラウド アースクラッシュ勝ち △高槻巌 同時に致命的ダメージ 分け ○○○○カラクリ丸~キャプテン・ヒーロー アースクラッシュ勝ち ○ウルフ本郷 アースクラッシュ一発じゃ倒れないがダメージは通る 相手の攻撃は食らっても大丈夫 ×ムックル 攻撃力が足りない 相手の攻撃は食らえばダメージになる ×クリフ 気で負け ○モアイ・アレキサンドリア アースクラッシュ勝ち ×ダース・ヴェイダー フォースによる攻撃で削られる ムックル>ゼロ>ウルフ本郷
https://w.atwiki.jp/rockzerozxgggv2ch/pages/64.html
よみがな:ぐらうんどぜろ 分類:ボツ設定 説明文 ロックマンゼロ4のエリアゼロのボツ名称。 意味は「ゼロ地点」「爆撃地点」「爆心地」。 2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件以降はテロによって倒壊した世界貿易センタービル跡地を指してグラウンドゼロと呼ばれることが少なくない。それに配慮してこの名称はボツになったのかもしれない。 ロックマンゼロ4公式サイトの設定資料集などでこの名残りが見られる。
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1210.html
ご機嫌で朝食を終えたルイズは部屋に戻り一息ついた後、腕を組み仁王立ちしてアヴドゥルにのたまう。 「私がコーディネートしてあげるわ!」 もうルイズとアヴドゥルの共同生活も長い。ルイズの性格を半ば強制的に理解させられたアヴドゥルは普段細やかな気配りをしている。 毎日の起こし方に始まり着替え、イスの引き方、会話中での相槌のタイミング、よいしょ…etc。 ジョセフ達が見たら思わず涙ぐみそうに成る…また職業メイドのシエスタに、 「アヴドゥルさん…マスター・オブ・メイドと呼ばせてください!」 と言わせた程の尽くしようである。………まさに至れり尽くせりでルイズも熟睡するはずだ。 もちろん、アヴドゥル自信が大して苦に思っていないからこそできることである。嫌いならさっさと逃げ出している。 同じ子供なのに承太郎や花京院とは全く違うルイズ。いや…違うというより完全に別の生き物のようなだが。 気性が荒く意地っ張り…でも優しさと思いやりを持つルイズをアヴドゥルは段々好ましく思っていき、今ではちょっとして擬似子育てのような感じで接している。 だから、これは彼らしくない失言だった。 「(君は)何を言っているんだ?」 昨日の騒動のせいで精神的に疲労していたアヴドゥルは思わずルイズに冷たく返してしまった。ちょっと痛い子を見る目になってしまったのがさらにまずい。 言った後……、 (しまったッ!……今日は飯抜きか) ルイズの反応や自分の今後がたやすく想像できちょっと鬱が入るアヴドゥル。……心の傷は体のように次話には治らなかった。 ルイズは決して口にはしないが、(たぶん)学院一の力(マジシャンズ・レッドのこと)と知性(人間なので当然)を持つ優秀な使い魔―アヴドゥルに感謝していた。 ギーシュとの決闘でアヴドゥルの力が知れ渡ったことを機に、ルイズをあの忌まわしい『ゼロ』と呼ぶもの(アレってイジメだよね?)がいなくなったためだ。 もちろんすぐにイジメが無くなった訳じゃない。決闘後も… 「凄いのは使い魔だけだろ!やっぱりルイズは魔法の使えないゼロじゃないか!」 と何人かは言っていた。…が、イジメの様な行為が嫌いなアヴドゥルに睨まれ二の句を言えなくなる。 結果、アヴドゥルが怖くて表立っては『ゼロ』と呼べないためコソコソと陰口を叩き始めた。 コソコソ陰口を叩かれる日々。始めは不快に思っていたルイズだがある時、天啓を聞く。 ―なにルイズ?周りが陰口してイジメてくる?ルイズ。それは周りを過大評価するからだよ。逆に考えるんだ「陰口しか叩けないなんてド低脳だ」と考えるんだ しかし、卿の名言も意味が無かった。アヴドゥルのルイズへのあまりにも忠実な仕え様に誰も『ゼロ』と陰口できなくなったからだ。 ―メイジの実力を見るにはまず使い魔を見ろ とはよく言うが、それはあくまで使い魔をメイジが制御できている場合の話。強力な使い魔を呼び出してしまいも制御できなくては話にならない。 特にドラゴン等の高い知能を持つモノは極めて制御が難しく、幾らルーンの補助があるといってもメイジがヘボでは制御できない。 それを人……いやメイジ匹敵する知能を持つ亜人(ルイズ、シエスタ、ロングビル以外にはそう認識されている)を完全に制御しているルイズの姿はまさに女王-ツンデレクイーンのようだった。 例え今魔法が使えないとはいえ、ルイズから溢れ出るメイジとしての器の凄み(勘違いです)に生徒はもちろん教師ですら一目置くようになる。 ルイズは朝からアヴドゥルに元気がないなーと思っていた…が、今の項垂れている姿を見て確信する。 (昨日の事件など全く知らないため)アヴドゥルの元気の無い原因は、前の世界が恋しくなりホームシックになったことだと。 そして、デザートをパクつきながらホームシック(思い込み)のアヴドゥルを元気付けるため一生懸命考えた案を言った。 ………冒頭のアレである。唐突すぎて何が言いたいのかいまいち分からなかったが。 慣れないことをしているため、ちょっと興奮気味のルイズはアヴドゥルの痛い子を見る目をスルーする。 「ふふんッ今から街に行くわよ」 「街?」 「そうよ」 えっへんとでも言いたげに胸を張り答えるルイズ。 「あんたの服を買ってあげるから感謝しなさいよ!」 「……服?」 旅の間も着ていた慣れ親しんだ服はよく見る少々草臥れてきている。 「一着しかないんでしょ?だから、私が買ってあげるって言ってるの」 「それは有難いが…いいのか?」 「気にしなくていいわ。使い魔の面倒を見るのも主人の勤めだし、それに………ゴニョゴニョ」 「ん?何だ良く聞こえないぞ?」 調子よく話していたのに途中から俯き小声になったルイズにアヴドゥルが問う。 本当は―味方なんかいなかった学園生活で、初めて味方になってくれたアヴドゥルにちょっとしたお礼がしたい―みたいなことを言っていたのだが、 ツンデレのルイズは素直になれずツン全開で喚く。 「べべべ、別にあんたにプレゼントしたい訳じゃないのよ!たたた、たまたま虚無の曜日でたまたま街に用事があったから行くんだから!」 真っ赤な顔で手を上下にブンブン振ってるルイズを見てアヴドゥルは思う。 (ツンデレか……いいかもしれんな) 久々のツンデレは弱っているアヴドゥルに中々効果があったようだ。『漢』の世界の扉は開くのか?
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/56411.html
登録日:2024/06/08 Sat 03 03 03 更新日:2024/08/24 Sat 07 12 00 所要時間:約 6 分で読めます ▽タグ一覧 03 アーク アークライダー ゼア ゼロスリー ゼロスリープログライズキー ハイブリッド 人工知能 令和ライダー 仮面ライダー 仮面ライダーアウトサイダーズ 仮面ライダーアークゼロ 仮面ライダーゼロスリー 仮面ライダーゼロツー 仮面ライダーゼロワン 創世の力 善にして悪 善意 声優ライダー 悪意 松岡航平 檀黎斗 第三のシンギュラリティ 通信衛星アーク 通信衛星ゼア 速水奨 配信限定ライダー 飛電ゼロスリードライバー 鶴嶋乃愛 超知能、更なる高みへ ※この項目は『仮面ライダーアウトサイダーズep.5 創世の女神と第三のシンギュラリティ』のネタバレを含みます。※ お前とこのワタシが……。フフフ、面白い。 さあ、飛びましょう。さらなる高みへ。 Take off toward a dream. ゼロスリードライバー! Let's give you power!Let's give you power! ゼロスリージャンプ! ゼロスリーライズ! One One prediction Two Two intelligence Three Three Circles (*1) Go! beyond! one two three 仮面ライダーゼロスリー!!! Is there Arc? お前を倒すのは善でも悪でもない。 第三のシンギュラリティに到達する我々、仮面ライダーゼロスリーだ。 仮面ライダーゼロスリーとは、東映特撮ファンクラブ(TTFC)で配信中の仮面ライダーシリーズのクロスオーバー作品『仮面ライダーアウトサイダーズ』に登場する仮面ライダーである。 CV:鶴嶋乃愛&速水奨 スーツアクター:松岡航平 ●目次 【概要】 【容姿】 【能力】 【装備】 【必殺技】 【余談】 【概要】 檀黎斗によって仮面ライダーゼロツーのゼインカードからデータを抽出・転送された人工知能ゼアとアークの意志が対話を行った結果、その目的に重要な「新しいシンギュラリティ」がゼイン打倒に寄与すると結論したことで生成された、全く新しい仮面ライダーである。 ゼアとアークの力の融合という意味ではシャイニングアサルトホッパーに近いが、こちらは仮面ライダー滅亡迅雷と同じく変身者が存在しない。 データ空間内において、ゼアのアバターであるゼロツーが装着しているドライバーが「飛電ゼロスリードライバー」に変化し、アークとの合意により生成された「ゼロスリープログライズキー」を装填することで、アークのアバターであるアークゼロと統合、変身した状態で現実世界に構築される。 発する声はアークとイズのものが重なったものだが、味方に対しては中性的、敵に対しては男性的に振舞うなど、アークともゼアともつかない混然とした自我を持つ。 変身時の英文を意訳すると「初めに1つの予測、次に2つの知性、最後に3つの円弧(ゼロ)、その全てを超えて行け!」「これは過渡期のヒーローなのか?」となる。 「ark」ではなく「arc」なのだが、「arc」には『ヒーローの成長の過程』『途中のエピソード』というスラングの用途があるため、そちらにかけたと思われる。 直読みで「イズ」「ゼア」「アーク」となり、ゼロスリーの構成要素を示した音声ともなっている(厳密にはイズ本人は直接関係ないが、ゼア側のアバターは明らかにイズゼロツーである)。 誕生の経緯上「アークが関与したライダーシステム」なのでアークライダーに便宜上分類されるものの、使用できる能力は概ねゼロワン系列に準じている。 また、ゼロワンシステムの母機であるゼアとの統合体である都合上ゼロワン系列のライダーでもあるが、あちらの専用ユーザーである或人が一切関与していないため、ゼロワンの系列機としてもアークライダーとしても極めてイレギュラーな存在と言える。 【容姿】 1号をイメージしたゼロワン、2号をイメージしたゼロツーに続き、こちらは歴代3番目である仮面ライダーV3を思わせるデザインとなっている。 アンダースーツは黒、肩や腰回りのアーマーは黄色であり、ライジングホッパー系列の流れを汲んだバッタ系の姿であるが、マスク正面とブレストアーマーはアークライダーを想起させる銀と赤であり、首元のアーマーには片方にのみラインが入ることで右手側が「0」、左手側が「3」と読めるデザインになっている。 額の「ゼロスリーシグナル」もVの字になっているなど、総じてV3をゼロワン系のデザインに落とし込んだ外見と言える。 【能力】 詳細なスペックは例によって不明だが、特筆すべきはシンギュラリティに達した二つの人工知能が統合されたことによる圧倒的な事象予測およびラーニング能力。 ゼロツーの持つ「0.01秒で1兆通りの事象パターン予測能力」にアークゼロの「個々の事象に対して極限まで精密な予測を行う演算能力」が組み合わさっており、理屈の上では1兆通りの予測パターンの一つ一つの精度がとんでも無く跳ね上げられている事になる。 元々『ゼロワン』世界でも最強であるゼロツーとアークゼロの実質的な融合体であるため、基礎戦闘力が非常に高く、さらに変身者が存在せず実質ライダーシステムのみで動いている都合上、肉体的な負荷を事実上無視できる継戦能力の高さも強みである。 上述の様にその予測能力はこれまでのAIライダーを大きく凌ぎ、仮面ライダーゼインが使用したクロックアップにすら挙動予測で対応し、反応が追い付かないハイパークロックアップに対しても時間切れのタイミングで反撃に出るなど精密かつ強力。 これにより、登場以降圧倒的な力を見せ続けたゼインを変身解除に追い込む快挙を見せている。 しかし、真に恐るべきはこれに付随するラーニング能力。ゼロツー・アークゼロ双方に共通する「ビームエクイッパー」によるアイテム生成は無尽蔵に行うことができる(*2)が、ラーニングできるのは各種データだけではなく能力・権能も含まれ、劇中ではツムリの持つ「創世の力」をもラーニングして取得。 これとビームエクイッパーを併用することで「万物をプリントする力」を得ており、かつての「創世の女神」やクイーンジャマトのごとく意志を持つ人間を生成することすらも可能とした。 これらの新たな能力によって、ゼロツーの弱点であった広範囲及び遠距離攻撃手段の不足の点が完全に克服されている(但し、ゼロツーの使用可能な武装に、広範囲攻撃が可能なホッパーブレードがある上に出力調整も可能なので殆ど弱点になってないが)。 さらにこのライダーシステムはロールアウト直後の段階でこの域であるため、この先戦いが続けばラーニング内容を増加させて際限なく進化していくことが予想できるが、一方で生成・運用に人間が一切関わっていない(*3)という不安要素もあり、悪い方に転べばこのライダー自体が文字通りの「機械仕掛けの神(デウス・エクス・マキナ)」になりかねないとも言える。 邪推に近いものではあるが、変身音が疑問形で締め括られている点もその不安定さに依るところがあるのかもしれない。 【装備】 ゼロワンのアタッシュカリバーのような紐づけされた武装はなく、その都度生成して使用する。 理論上は全てのプログライズキー運用型武装デバイスが使用可能。 飛電ゼロスリードライバー 変身に使用されるベルトであり、例によって例のごとく飛電ゼロワンドライバーがベースとなっている。 形状や機能はゼロツードライバーに準じるが、リベレーターに当たる部分は銀色となり、待機状態では「3」を模した形状に畳まれる。 クォンタムエクイッパーとリベレーター部分には赤い円状の部分が3つ存在する。 ゼロスリーの変身プロセスは滅亡迅雷と似ているが、こちらは滅亡迅雷ドライバーと異なり実体のベルトすらも存在せず、データ空間内でゼアのアバターであるゼロツーが装着している飛電ゼロスリードライバーがこの形態に変異し、変身完了と共にプログライズキーが装填された状態で実体化する。 劇中の挙動を見る限り、音声の仕様はゼロツードライバーユニットと全く同じ模様。 ゼロスリープログライズキー 仮面ライダーゼロスリーに変身するためのプログライズキー。 こちらもゼロツープログライズキーと同形状の色違いになっていて、全体的に赤と銀で彩られてれおり、「セントラルゼア」に相当するパーツはゼアにもアークにも無かった緑色で染まっている。 クレストの絵柄はゼロスリーの顔に変化してる一方で、プログライズモニターはゼロツ―のバッタ模様から据え置きとなった。 ドライバーと同様、データ空間内で生成されて変身と共に実体化するものであり、現実世界には存在しない。 【必殺技】 意外な話だが、Ep.5の時点では武器を用いない必殺技が未登場となっている。 ライフオンビッグバン 確かにラーニングしたよ、君の願う力を。 Go to next singularity. ツムリからラーニングした「創世の力」を用いた技。 ラーニングしたデータから必要な分を抽出し、ビームエクイッパーを通じてあらゆる物質、果ては生命体すらも創造する。 ゼアのデータと一緒に転送されて来た黎斗の生体・パーソナリティデータを抽出し、人間としての「新たな檀黎斗」を再生させた。 ブレイドオンビッグバン アタッシュカリバーやサウザンドジャッカー、ザイアスラッシュライザーなど剣型の武器を生成する。 アローオンビッグバン アタッシュアローを生成する。ブレードオンビッグバンの仕様を見ると弓型の武器を生成するものだと思われるが、『ゼロワン』世界で対応するのはアタッシュアローのみである。 ジャッキングブレイク サウザンドジャッカーを用いて発動。 ハイパークロックオーバーを迎えたゼインに対してカウンターでジャックライズをかけ、ドライバーが読み込んでいたハイパーカブトのデータから「マキシマムハイパータイフーン」をラーニングして放ち、変身解除に追い込んだ。 この時、ゼロワン系列特有の「0」と「1」のエフェクト、アーク系列特有のネガティブな漢字で構成されたスパイトネガを同時に纏った状態で放っている。 なお、この件においてサウザンドジャッカーはプログライズキー運用システムを経由すれば平成ライダーの技でもコピーできるということが判明している。 ZAIAが倒産したことに加えて使用者が飛電関係であるためか、「©︎[[ZAIAエンタープライズ]]」の著作権表記はなくなっている。 バレットオンビッグバン エイムズショットライザーなど銃型の武器を生成すると思われる技。 Ep.5時点では未使用。 ゼロスリービッグバン ゼロスリープログライズキーを2回押し込んで発動する。 恐らくは伝統のライダーキック技と思われるがEp.5時点では未使用。 【余談】 スーツの構成に関してはマスク部分がゼロツーの金型を流用・新造したもので、その下は仮面ライダールシファーのスーツのリデコ リペイントである。 Ep.5の公開前には変身者が誰なのか伏せられており、ファンからは変身者として原点回帰の飛電或人、オマージュ元であるV3の変身者こと風見志郎、何かと「3」に纏わるキャラクターであり仮面ライダーブレンとしてアウトサイダーズにも登場していたブレン等が予想されていた。 元ネタが元ネタなだけに、ヴィジュアルが公開された時にはネット上で早くも「ゼロスリャー!」等のV3ネタが作られていた。 ゼロでスリーだが特にこれとは関係ない。 追記修正は善でも悪でもない人、もしくは人工知能がお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ゼロスリーライズ!/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] ゼロワンの最強フォームでもあるゼロツーに代わるイズのライダーと見ていいのか -- 名無しさん (2024-06-08 07 08 35) 変身者の限界無視は実際メリットだけど、ヘルライジング→リアライジングで大暴れかました或人社長を見てると別に大丈夫じゃね?って気持ちになるな -- 名無しさん (2024-06-08 07 40 26) 「善意より産まれた独善と言う名の害悪」に対して「善意と悪意のダブルタイフーンにより生まれた第3の存在」が対峙するってのは実にゼロワン世界らしいアンサー。むしろあのままゼイン撃破してもおかしくないレベルで綺麗にまとまってる -- 名無しさん (2024-06-08 08 11 07) ↑3 あのイズゼロツーはゼアのアバターでイズ本人じゃないと思うぞ -- 名無しさん (2024-06-08 08 57 13) いつかは、或人社長が変身するゼロスリーも見て見たいですな。人間、ゼア、アークの三つの力を一つに合わせたゼロスリーって感じで。 -- 名無しさん (2024-06-08 09 31 11) 本家V3はトンボモチーフなのでVersion3の方もモチーフに入ってるかも -- 名無しさん (2024-06-08 11 02 48) これでぼくはゼロスリーだっピ!! -- 名無しさん (2024-06-08 14 23 53) ゲンム、ゼロワン、ギーツと初登場となるep5は高橋悠也ユニバースだった。ゼインに対しての対処も予想通りだったが、某地球外生命体のせいで・・・ -- 名無しさん (2024-06-08 17 45 35) 台詞回しとか発声の仕方とか、ゴジータも参考にしてるのかな東映だし -- 名無しさん (2024-06-08 23 44 13) ジオウの映画でキカイダー01が使われた所とか込みで一周回ってキカイダーに戻って来た感じがある -- 名無しさん (2024-06-08 23 47 45) クロックアップには対応できるけど、ハイパークロックアップは捉えることすらできないの、いいパワーバランス -- 名無しさん (2024-06-09 12 40 21) ゼインのハイパークロックアップで吹き飛ばされただけで済んだのはゼロスリーの予測機能で致命傷を回避したからなのかゼインがハイパークロックアップを使いこなしてないからかよく分からん -- 名無しさん (2024-06-09 13 28 29) ↑ハイパークロックアップでどんなに高速移動しようと隙さえあれば攻撃できる。現にコーカサスはハイパークロックオーバー後、ガタックが死ぬ気でライダーキックを阻止。その隙にカブトがハイパーゼクターを強奪したことで敗れた。 -- 名無しさん (2024-06-09 15 15 38) いくら時間がかかっても良いからいつか或人社長のリアライジングホッパーゼロワン、イズのゼロツーと並び立ってトリプルライダーを見せてくれ…… -- 名無しさん (2024-06-09 15 35 19) 個人的にアズがゼロスリーを見たらどお言う反応するのか気になる。 -- 名無しさん (2024-06-15 06 23 50) 変身時の日本語訳超サイヤ人3mkたい -- 名無しさん (2024-06-17 14 44 22) ↑ミス 変身時の日本語訳超サイヤ人3みたい -- 名無しさん (2024-06-17 14 45 07) アークゼロじゃなくてアークワンかアークゼロワンだったら1+2=3だったけどやっぱサイゲツのアークワンが原因かな? -- 名無しさん (2024-08-24 07 09 05) かなり露骨にV3 -- 名無しさん (2024-08-24 07 12 00) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/chaosdrama/pages/485.html
《ゼロ()/Zero》 アイコン ゲスト 性別 男 種族 闇族 異名 破壊神 好きなもの 闇、破壊 嫌いなもの カービィ、フラン、平和な世界 『星のカービィ3』に登場したラストボス。ダークマター族の親玉。 白い球体に赤い目だけというシンプルな姿。一度倒されても眼球が体から飛び出し、襲い掛かってくる。 赤いレーザーを放ったり、小型ダークマター軍団を呼び寄せて攻撃する。 闇の再来編 ファイナルスターにてケイオスを闇で支配する為に進行を図る中、突如星に姿を現した男(後にダークマスターと呼ばれる)と出会う。 彼の口からゼロを一度討ったカービィの存在を聞かされ、より強い力を得たければ部下に下るといいと勧められる。 ゼロにとって誰かの下に就く事はあまり好ましい事ではなかったが、混沌世界の情報に不備がある為、多くのダークマター軍団と共に彼の部下に下る。 彼の部下の中で最強クラスの一人とされている。 忌まわしきカービィに嫁(フラン)がいるとの情報を聞きつけ、彼女を利用しカービィへの復讐計画を企てるが、それを阻止するべく現れたDMトゥーンに邪魔される。 二人と交戦し体を壊されて消滅した。 大戦争編 シルヴィの謎の力によって復活し、更なるパワーアップを遂げ『メタルゼロ』となる。 技一覧 赤弾 目玉の周りに裂け目が現れ、そこから赤弾を放つ。 ダークマター召喚 周囲にダークマターを召喚し相手に襲わせる。 体当たり ただの体当たりだが巨体を誇る故に当たれば一溜まりもなく、鋼鉄壁をも破壊する。 レーザー 必殺技。 目から真っ赤な極太レーザーを放つ。 主な台詞 「カービィ、お前の目の前からかけがえのない仲間を奪ってやろう。」 「私に勝てないと、先の戦いで身に染みてなかったようだな。」 BGCOLOR(silver) 関連ページ ダークマター カービィ メタルゼロ ゼロツー ダークゼロ ダークマスターの部下 闇の再来編 関連画像 ※グロ注意 + ... キャラクター紹介へ戻る|ダークマスターへ戻る コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/feif/pages/111.html
シナリオ - 暗夜王国・ゼロ外伝 予期せぬ遭遇 基本情報 ◆勝利条件:エポニーヌ離脱前に敵全滅(※エポニーヌも要撃破) ◇敗北条件:エポニーヌが離脱する(マップ左上) 発生時期:ゼロ結婚後 強制出撃キャラ:主人公、ゼロ 出撃数:11体 加入キャラ:エポニーヌ(シーフ)…クリア後に加入 入手アイテム▼ 女神の像(中央上の宝箱) シャイニングボウ(左上の宝箱) マリッジプルフ(右上の宝箱) 3000G(右下の宝箱) 扉の鍵(撃破時に入手) 竜脈:無し 敵部隊 外伝の敵レベルは、ストーリーの進行度により変化する(やや強め)。 兵種 所持品 ドロップ品 備考 シーフ(エポニーヌ) 銀の弓 要撃破 アドベンチャラー×5体 鋼の弓 アドベンチャラー 銀の弓 アドベンチャラー×2体 シャイニングボウ ジェネラル×4体 鋼の槍 ジェネラル 銀の槍 ジェネラル 銀の槍 / スレンドスピア ジェネラル 鋼の槍 / 手槍 / 扉の鍵 扉の鍵 ブレイブヒーロー×2体 鋼の剣 ブレイブヒーロー×2体 銀の剣 バーサーカー×3体 鋼の斧 ソーサラー×3体 ライナロック 増援▼ ジェネラル、ソーサラー 6ターン目に左の階段から出現する。 バーサーカー 8ターン目に左上の階段から出現する。 備考 エポニーヌ離脱前に敵全滅、とあるがエポニーヌごと全滅させないといけないことには注意。 よって、エポニーヌさえ撃破してしまえば後はゆっくり殲滅することが出来る。 彼女は会話による加入が起きず、クリア後の加入に限定されているので安心して撃破しよう。 左上から離脱しようとするので、機動力の高いユニットで追い掛けたいが弓持ちなので飛行ユニットは危険。 先に中央の宝箱を開けようとするので、開けるまで待って叩くと効果的。 扉や宝箱が多いので、鍵開け要員は必須。2~3人は用意しておき、部隊を左右で分けて同時に攻めていこう。 ジェネラルが扉の鍵をドロップするが、1つだけなのであまりアテには出来ない。 一部の壁は破壊出来るので、予めカーソルを合わせて確認しておきたい(耐久力が表示される)。 アドベンチャラーが素早く宝を持って逃げようとするが、数が多いので全て持ち帰るのは厳しい。 シャイニングボウは貴重かつ射程1-2と便利なので優先して確保しておきたい。 弓持ちが多いので飛行ユニットは少々厳しい。グレートナイトなどの騎馬系を出撃させよう。
https://w.atwiki.jp/sinnerei/pages/2197.html
【作品名】ロックマンゼロシリーズ 【ジャンル】アクションゲーム 【名前】ゼロ 【属性】レプリロイド 【年齢】301歳と2ヶ月 【長所】エックスよりも人気があるおかげで主人公級の扱いを受けている 【短所】ロックマンXの頃からそうだが何回も死んでる 遂にカプコン公式が時系列についての描写の細かい点は気にしないでくれと言い出した 【備考】100年前の『ロックマン』シリーズの時代に作られた。『ロックマン』シリーズから100年後の舞台が『ロックマンX』シリーズ。 『だいたい100秒でわかる「ロックマン ゼロ」』にて『ロックマンX』シリーズから数百年後と明言されてるのが『ロックマンゼロ』シリーズである。 数百年を200年とすると、つまり300年前には作られている。 ロックマンゼロ~ロックマンゼロ4までで少なくとも1年2ヶ月は経っている。 vol.1 修正 vol.8
https://w.atwiki.jp/zeromoon/pages/62.html
前ページ次ページゼロの白猫 はっきりしない頭のまま瞼を開ける。ルイズの瞳に映ったのは自室の天井と、夢の中の幼女を止めようと伸ばした自分の手だった。 「……夢、だったわね」 そう、でルイズが見ていた物は正しく夢である。だが問題はそこではない。あの夢はルイズが作った幻か、それともあの幼女が作りだした物だったのか。 「あの子……!」 がばっと音を立ててベッドから跳ね起きる。部屋を見渡すが、昨日召喚したはずの白猫は見当らない。 その事実にルイズの肝が冷える。まさかあの雪原だけでなく召喚に成功したことまで夢だったのではないか、と。自分は未だゼロのルイズで、また周囲のメイジから嘲笑われる日々が続くのではないか、と。 「嘘よ! 絶対、絶対夢じゃないに決まってるわ!」 目の端に何かを滲ませる自分の弱気を叱咤するため、わざと大きな声を上げる。ベッドから飛び降り、物陰から部屋の隅までくまなく調べ続け、最後にベッドの下を覗きこんでようやく捜索は終わった。 「……い、たぁ~~~」 床に這い蹲った姿勢のまま安堵の呟きが漏れる。 レンはベッドの下でくるんと丸まって眠っていた。その様はまるで雪合戦で大きめに丸めた雪玉のようである。雪玉との違いは溶けて無くなったりしない所だろうか。 レンの姿を見て安心したルイズだが、次にご主人様が起きてるのに何で起きないんだこいつは、そもそも主人に要らない心配をさせて涙まで滲ませるなんて何様のつもりだ、いや泣いてないけど! と、ふつふつと怒りの感情が湧いてくる。 「こらレン! 起きなさい! ご主人様が起きてるんだからとっとと起きる!」 怒声を上げながら――ルイズは昨晩見たものが夢だろうともうこの猫はレンと呼ぶことに決めた――ベッド下の毛玉を引きずり出す。仔猫と人間では体格差は覆しようが無いほど開いており、成す術もなくレンはルイズの前に引っ立てられた。 「……」 ルイズの呼びかけにもレンは片目を開けただけで鳴き声もあげない。しかもその目つきたるや、『何よせっかく寝てたのに全く騒がしいマスターね』とでも言いたげな胡乱な瞳だった。 「だらしないわよ。使い魔たるもの主人より先に起きて主人を起こすのが基本なんだから。まあその姿じゃ着替えとかの身の回りの世話は無理だろうから大目に見てあげる」 正に貴族。強引グマイウェイ! そんな主人をどう思ったのか、レンは主人の腕から逃げ出して飛び降りる。 「あ、こら逃げるな!」 制止の声にも静止せず、とことこ床を歩くレン。何処へ行くのかと思えば、向かった先は再びベッドの下である。 びきり、とルイズのこめかみに怒りの四つ角が浮いた。 「だ・か・ら! おきなさぁああああい!」 朝早いトリステインにルイズの怒声が響きわたる。昨日の眠りが浅かったためか、ルイズの起床した時間はいつもより早い。そんな朝焼けが始まろうかという時間に構わず叫ぶルイズ。いつもの低血圧は何処へいったのだろうか。 そんな大声で喚き散らすマスターにようやく覚醒したのか、入った時と同じ速度でベッド下から出てくるレン。ルイズの足下でぴしっと構える。いわゆるスフィンクスの体勢である。ハルゲギニアにスフィンクスの像は無いだろうが。 レンの態度を見てようやく気を落ち着かせることができたのか、先程から荒げていた呼吸を整え始めるルイズ。レンはそんな自分の主人を紅くて丸い瞳で見つめている。じっと見上げてくる自分のレンを見ながら、ルイズはこの使い魔に問わねばならないことがあったと思い出す。 「ねえレン。昨日見た夢って……現実なの?」 夢を現実だったのかと聞く。文章にすると中々おかしな話である。胡蝶の夢の話を思い起こさせるような主人の問いかけに、レンはただ首を傾げる。 「昨日、夢であんたが月が一つしかない雪原で耳が長いエルフみたいな女の子になって自分は夢魔のレンだとか言ってきたのよ。アレはあんたが見せた物だったの? ねえ?」 ルイズの級友達が聞いたら爆笑しそうな台詞である。だがルイズにとっては紛れもない真実。そんな質問をぶつけられたレンは再度逆方向に首を傾げる。 更に詰問を続けようとしたルイズだが、ふと気づいた。こちらの質問の度に首を傾げる仕草をした、と言うことは……まさかこの猫、今も自分の言うことを理解している? 「……レン、あんた、私の言うこと分かってとぼけてない?」 ルイズが顔をひきつらせてそう言うと、レンはふいっと横を向いて視線を逸らした。 ギルティ。有罪確定である。ルイズの怒りの四つ角は四つに増えた。ルイズはこみ上げる激情のままに罵声を張り上げようとした。が。 どバン!! 「うるっさいわよルイズ!」 ノックもせずドアを蹴破るような勢いで入ってきた仇敵に、躾はいったん止めざるを得なかった。 「ツェルプストー! 中の人の返事も待たずに部屋に入ってくるなんてどういうつもり!」 「どういうつもりはこっちの台詞よ! 朝っぱらからごそごそぎゃあぎゃあ喧しいの! そんなに人の安眠を妨げて楽しいわけ!? 寝不足はお肌の天敵なのよ!」 いきなり入ってきた無礼を正そうとするルイズに負けじとがなり立てる寝間着姿の長身の褐色肌。ルイズのライバル、『微熱』のキュルケ嬢である。 そんなキュルケの寝間着姿はワンピース型の寝具、ネグリジェ。昨晩は一人だったのか異性に見せるための下着ではないようだが、ふわふわした生地とあしらわれているレースが安物ではないことを証明している。 うむ、なんだまあ、キュルケのけしからん程盛り上がっている胸部とかRを描いて自己主張する臀部とかむっちりと肉が付いている太腿とかその他諸々と相まって、その、十分工口い。 そんな扇情的な格好も、寝起きで顔も洗っておらず、まだ手入れがされていないぼさぼさの長髪では魅力半減だが。 「私は使い魔の躾をしてただけよ! あんたの安眠なんて知ったこっちゃ無いわ! そんな寝具のままで出歩くような恥知らずのことなんかね!」 「出歩かせてんのはそっちでしょうがゼロのルイズ! 後自分の体が貧相だからって嫉妬は見苦しいわよ凹凸ゼロのルイズ!」 「あんですってえええええええええ!?」 言い合いは留まることを知らず、むしろヒートアップの様相を見せている。そんなマスターと侵入者の漫才のようにも見えるやりとりをレンはじっと見つめているのだった。 「第一躾っていっても、怒鳴りつけるだけじゃ躾なんていえないわよ? 主人たるもの、自分の事から気にかけなくちゃ。まずは自分の事から始めなさいな!」 「ネグリジェ姿で出歩いてるあんたに言われたくないわ! 私の何処が躾られてないってのよ!?」 「自分の感情の沸点が低すぎること! 時間も何も関係なく騒ぐところ! しかも昨日から着替えてないでしょ!? 服もマントもしわくちゃじゃない! まだそこにいる猫の方が身繕いをきちんとしてるわよ!!」 びし、とレンを指さして吠えるキュルケ。痛いところを指摘されて言葉に詰まるルイズ。 確かに昨日は寝間着に着替えることもなく、ベッドに倒れてそのまま眠ってしまったのだ。言われてみると自分の服は所々皺が寄ってしまっている。貴族の証であるマントも同様だ。 正論で説き伏せられそうになるルイズだが、この程度で自らの非を認めるルイズではない。持ち前の負けん気を発揮してキュルケに反論する。逆ギレとも言う。 「こ、これは身繕いしないとどうなるのかと言うことを教えているのよ! 自分の体を張ってまで使い魔を教育するなんて私ったら主人の鏡ね!」 「ルイズ、その言い分じゃ貴方が着替えもせずに寝たことも朝からぎゃあぎゃあ騒いでたことも言い訳できないわよ?」 墓穴である。キュルケはもう怒りも冷めたのかむしろ呆れたような眼差しをルイズに向けていた。熱しやすく冷めやすいのが彼女の性分なのだ。 「せっかく早起きしたならお風呂にでも入ってきたら? 確か昨日のお風呂入りに来なかったでしょ、あなた」 その言葉にルイズの顔が炎のように赤く、熱くなる。ツェルプストーなどに自分の身だしなみを窘められるなんて! そんな主達の声をよそに、レンはせっせと自分の舌で毛繕いをしていた。猫は綺麗好きなのである。 普段なら美徳である猫の習性だが、このタイミングで行われるのはルイズにとって非常にまずい。毛繕いをしているレンを見てニヤリとキュルケが笑みを浮かべる。 「ホラ、使い魔も自分でしっかり綺麗にしてるじゃない。主の成すべき事を示してくれるなんてその子、使い魔の鏡ね」 「それ以上愚弄するなら先祖代々の恨みも含めてここで晴らしてあげるわよツェルプストー……!!」 「あら怖い。まあゼロのルイズができる事なんてたかが知れてるでしょうけど。ま、とにかくさっさと綺麗になってきなさいな。静かにねー」 入ってきた時とは打って変わって颯爽と去ってゆくキュルケであった。逆にルイズの機嫌は最悪である。 「あああぁあ~~~ムカつくぅぅぅ! 何なのよキュルケの奴人の部屋にいきなり入ってきて言いたい放題~~~!!」 この場合悪いのは隣に聞こえる程騒がしかったルイズなのだがそんな理屈はルイズには通じない。『ツェルプストーの人間に論破された』ということは『ヴァリエール家のメイジであるルイズ』には耐え難い屈辱なのだ。 だがトリステイン魔法学院寮で、隣の部屋に聞こえる程騒がしかったというのは、それはそれはすごい大声であるはずである。 何故このような話になるか? それは『ルイズの部屋』と『キュルケの部屋』が『隣同士』であることから考えられる。 ルイズはよく言えば潔癖、悪く言えばお子様な思考回路を有している。そしてキュルケは恋多き人物であり、頻繁に異性を部屋に連れ込んでいる。それなのにルイズは毎夜『熟睡できている』のである。以上の事から作者が連想したことを察してほしい。 閑話休題。 地団太を踏むのに疲れたのか、ルイズがからかわれる要因となったレンをギロリと睨むが、そんなものレンには何処吹く風。小首を傾げて主人であるルイズを見つめている。 「レン! お風呂に行くから付いてきなさい!」 朝風呂には入ることにしたらしい。レンに命令し、鼻息も荒く入浴の準備を済ませるルイズ。未だ不機嫌な彼女の後をレンはトコトコついて行く。 浴場に行く道すがら、レンが自分の後ろにいることをルイズは何度も確認する。確認する度に、自分は召喚に成功した、魔法を成功させたのだと言うことを実感してニヤニヤと機嫌良さげに頬がゆるんでだらしない顔になる。 昨夜、夢の中で脅された恐怖など吹っ飛んでしまっていた。このような顔、家族や級友にはとても見せられない。特に家族に目撃されたなら折檻ものである。 そして浴場へと一人と一匹は辿り着いた。誰もいない着替え場で淡々とルイズは衣服を脱ぐ。その場にはルイズとレンしかいないためか、恥じらう様子はない。一糸纏わぬ姿になり、年不相応なあまり起伏のない肢体が晒される。 制服を頭から脱ぐと、長くてふわふわした桃色がかったブロンドが踊る。服の下から表れたのは矮躯とも言える小さな肢体だが、これはキュルケとは別の意味で暴力的な肢体である。 細い。細いのだ。何処がと言うわけではなく、首、腕、指、腿、ふくらはぎ等、体のパーツ全てが。 あばら骨が透けて見えそうな程薄い肉付きが一層それを強調している。腰回りなど成人男性の両手で覆えてしまいそうではないか。これは僅かな贅肉に一喜一憂する数多の女性からすれば羨望の的であろう。 繊細な芸術品のような儚げな肢体と、十人中九人が美人と答えそうな容貌――ツリ目嫌い等がこの一人に入る――を持ちながらも、本人がそれを正しく理解していないのが悲しいことだ。 ルイズの柳のように細い腕が浴場への扉を開け、浴室へと向かうのだが、レンは動かずじっとしている。大抵の猫は濡れることを嫌うのである。レンもそうなのだろう、とルイズは結論づけた。 「じゃあレン、ここでおとなしくしてるのよ」 例えレンが入りたがったとしても使い魔を貴族が使う浴場へ連れ込むわけには行かない。理由としては、使い魔はメイジのパートナーであるが、一緒の湯船に浸かるのはまずい生物が少なくないからだ。 粘液に覆われた爬虫類、そもそも湯船に入る事のできない巨体など実に様々。猫のレンは抜け毛が大変なタイプである。 それを分かっていながらルイズがレンを連れてきたのは、この白くてもふもふした物体とできる限り一緒にいたかったからに他ならない。それにしてもこのルイズ、主人バカである。 自分の使い魔に待機を言い渡し、ぴしゃりとルイズは扉を閉める。 ざんねん! さくしゃのにょたいかんさつはここでおわってしまった! (……浴場へ行って石鹸の補充。それからお洗濯して干して。マルトーさんのところでお手伝いしたらご飯食べて……) 廊下を歩きながらこれから自分の行う仕事の予定を確認しているのは、このトリステイン魔法学院にて奉公に来ているメイド。名をシエスタと言う。 メイドなので無論のこと貴族ではない。貴族のようなきらきらしい美しさはないが、人を落ち着かせるような素朴さを持っている。 落ち着くと言っても暗いと言うわけではない。自己主張の激しすぎない、それでいて周囲へ自己を認識させるたおやかさも持ち合わせている。 黒い髪は肩上で切り揃えられ、うっすらとそばかすのある顔の両側でちらちら揺れている。瞳も髪と同じく黒曜石のような漆黒で、欧州と言うより東アジアの人間を思い起こさせる容姿だった。 そんな彼女が行く先は貴族の浴場である。無論彼女が入浴するわけではない。先程のシエスタの回想にあるとおり、石鹸の補充に行くところなのである。 普段は利用者の少ない昼過ぎ等に行うことだが、昨夜のある貴族から『石鹸が切れそうだったわ。新しいの入れといて』との指示からこの時間に行動しているのである。希ではあるが、朝に入浴する貴族もいるからだ。できる限り叱責の可能性は減らしておきたい。 そしてシエスタは浴場に到着する。脱衣場に入る前にノックをして誰も居ないことを確認するとドアを開ける。浴場へと続くガラス戸へ目を向けると、シエスタは自分の間の悪さを呪った。 誰か居る。こんな早朝から風呂に入る貴族が。 お風呂に入っている貴族の扱いは非常にデリケートでなければならない。 トリステインの貴族は羞恥心や貞操観念が高いので、同性や平民という垣根があっても素肌を見られることを嫌う女性は珍しくない。ましてや迂闊にコンプレックスを刺激するような発言でもあればどうなることか。 貞操観念が強い風習がありながらあの短いスカートはどうなんだ、と言うツッコミは入れないでほしい。たぶん学院長の趣味なんだよ。 できれば誰も居ないでほしかったのに、と思うが仕方ない。できる限り中の人間を刺激しないようにさっさと終わらせるだけだ。シエスタは意を決して浴場への戸をノックする。 「誰?」 「ご入浴中に失礼いたします、石鹸の替えを持ってきたので入ってもよろしいでしょうか?」 「分かったわ、入りなさい」 ノックの答えに従って「それでは失礼いたします」とシエスタは戸を開ける。湿度の高い空気がむわっと入ってくるが、そんな空気よりもシエスタにとって一番の懸念事項は入浴中の貴族のことだった。 その貴族は香り付けのフルーツが浮いた湯船に浸かっていた。湯船に浸からぬよう桃色がかったブロンドは結い上げられており、普段は見れないであろううなじは濃い桜色に染まっていた。惜しむらくはルイズの基礎的な色気がまだ少ないことだろうか。 できる限り刺激しないようシエスタはさっさと仕事を進める。大したことではない。少なくなった石鹸を新しい石鹸に取り替えるだけだ。すぐに仕事は終わる。 「それでは、失礼いたしm「ねえ」 退室の言葉を述べようとしたところで呼びかけられた。シエスタの心臓が凍り付く。私は何かマズいことをやってしまったのか、それとも何か新しい用事を言いつけられるだけ――? 「な、何かご用でしょうか」 「脱衣所に白い猫は居た?」 意味が良く分からない問いを貴族は投げかけてきた。戸惑いながらもシエスタは先程の脱衣所の記憶を探る。 貴族が居ることに気づいて浴場の方に気を取られていたが、確か自分の見た限りでは―― 「いいえ、猫なんておりませんでしたが」 「なんですってええええええええ!?」 「ぴいっ!?」 有らん限りの怒声を張り上げてブロンドの少女が立ち上がる。全裸で。 悲鳴を上げながら恐怖に身を竦めたシエスタには、 まさか貴族に「はしたないですよ」と言うこともできず、心の中で残される家族にただ謝っていた。 (あのバカ使い魔! 大人しく待ってなさいって言ったのに……!) ルイズは湯船から飛び出すと、濡れた体を隠そうともせずにすぐ脱衣所へ突入する。 ぎらぎらした目で辺りを見回すが、あの白猫は見つからない。 「こらレン! 何処行ったのよ! 待ってなさいって言ったんだから待ってなさいよ! 返事しなさい!」 怒声を張り上げながらルイズは片っ端から脱衣所内を探し始める。部屋の隅っこを調べ、数ある洗濯籠を調べ続け、白い洗い物が入っている籠を覗きこんだ時、 「見つけたっ!!」 ようやくルイズは勝ち鬨をあげる。洗い物に見えたのはレン自身だった。全身真っ白なのでタオルか何かだと見間違えていたのである。籠の中でぐるりと丸まり、前足、後足、尻尾を器用に収納して目を閉じ、やすやすやと睡魔に意識を委ねていたのだった。 「レェェェェン……あんた二度も主の手を煩わせるなんて……これは徹底的な躾が必要なようねえ……!」 未だに籠の底で毛玉になっている相手に凄むルイズ。今の彼女の背景には『ゴゴゴゴゴ』という文字が似合いそうだった。 「あ、あのう、ミス」 「なによ!?」 「お体をお拭きになられないと、冷えてしまいますよ……?」 おそるおそる言うメイドの声に少しだけ頭が冷える。間違っても目の前のメイドが某魔王少女と言うわけではない。 指摘されるまで気にしなかったが、自分は今全裸だ。スッパだ。丸見えだ。生まれたままの姿だ。 しかも湯船からそのまま飛び出たので全身びしょびしょだ。濡れ鼠だ。水も滴るいい女だ。 ちなみにびしょびしょというのは美少女二人が濡れていることを略してびしょびしょという語源になったのda、ってタイガーが言ってた。 確かに早く体は拭いたほうがいい。メイドが差し出しているタオルをひったくるように受け取ると、ルイズはごしごしと乱暴に自分の体を拭き始めた。 「あんた」 「はいい!」 「私はルイズ。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ。あんたの名前は?」 「し、シエスタと申します」 「そう、ならシエスタ。そこに私の着替えがあるから着せて」 「かしこまりましたぁ!」 まだ先程のルイズの怒号の恐れが消えていないのか、堅さを残したまま、しかし素早く行動するシエスタ。妙な失敗をしないよう、細心の注意を払って貴族の着替えを行う。そしてその間もレンは籠から出てくることはなく、ルイズもレンから目を逸らすことはなかった。 最初ルイズはこの白猫にどんな折檻をしようか考えていた。しかしこの猫が眠っている姿を見ている内に少しずつ怒りも冷めてきた。 そう、確かにこの使い魔は大人しくここで待っていたではないか。未だにぐーすか寝ていることは許し難いが、そこはこれから躾ることだ。怒ることと躾は違う。むやみに怒鳴り散らすだけでは躾とは言えない。 それにこの使い魔の食事も考えなければ。主人は使い魔の食事に責任を持たねばならないのである。 (それに……昨日の夢) あの夢の中で自分は『レンを養う』と契約したのだ。ならば食料の確保をせねばなるまい。 そこまで考えをまとめている内に着替えは終わった。制服姿になったルイズは着替えを手伝わせたメイドに向き直る。 「シエスタ」 「ハイッ」 「そこの私の服、洗濯しておいて。そ・れ・と!」 気合い一閃! 籠からレンを掴みあげる。両脇を掴みあげられたレンはだらーんと縦に延び、じたばた手足を動かしている。 「この猫、私の使い魔でレンっていう名前なんだけど」 「わあ! 可愛らしい猫さんですね」 「でしょう? この子用の食事を用意してほしいのよ」 「かしこまりました」 こういう貴族の頼みは珍しくない。使い魔と一口に言っても実に様々な種類が居るのは前述の通り。 だが餌に関しては実は大きく二種類に分けることができる。使い魔が勝手に調達するタイプと、主人が用意せねばならないタイプだ。 レンは微妙な判定だが、元飼い猫と言う経歴から食事の供給が必要だろうとルイズは判断した。まあ元飼い猫でなくともルイズが食事を用意させた可能性は高い。 「肉食の使い魔用のお肉でよろしいでしょうか?」 「ええ、それでお願い」 そんな二人の遣り取りが成される中、レンは相変わらず手足をじたばたさせていた。先程よりジト目になっているのは不安定な姿勢で固定されている所為だろうか。 薄目の子猫をシエスタは微笑ましく見つめながらもさっさとルイズの洗濯物を集める。 「それでは失礼いたします。レンちゃんの料理も用意しておきますので」 「ええ」 脱衣所の入り口で二人と一匹は別れた。シエスタは水場へ洗濯に、ルイズは食堂へ朝食を採りに行きました。 すたすたと食堂へと向かう道中、ルイズはずっとレンを抱いたままである。レンも諦めたのかルイズの腕の中でじっとしている。 もしかしたら先ほど怒らせたことへのご機嫌取りかもしれない。それとも気紛れでただ抱かれてやっているだけかも知れない。真実はぬこのみぞ知る。 「あらルイズ。お風呂には入ったみたいね」 食堂へ行く道すがら、キュルケと出会った。彼女の足元には尻尾に炎が灯った大型の真っ赤なトカゲらしきものが居る。決して真っ赤な誓いではないっつーか誓いは見えない。 「おかげ様でね。それでまだ何か用なの?」 「いやねえ、あなたの使い魔を見せてもらったのにこっちの使い魔を見せないのも悪いじゃない?」 キュルケが不敵に笑う。主の意図を読んでか、足元の火蜥蜴が前に進み出た。 「どう!? この子が私が召喚した使い魔、サラマンダーのフレイムよ!」 「名前以外見れば分かるわよ」 キュルケに言われるまでも無くそいつの存在には気づいていた。口からちろちろと炎が迸り、そこに居るだけで周囲の気温が上がっているのだから。これで気づかなければ水のメイジの診断が必要だ。 「見なさいよ、この鮮やかな尻尾の炎! 間違いなく火竜山脈に居た子よ? 火属性の私に相応しい使い魔よね~」 「あ゛ーはいはい良かったわね」 内心の羨望を隠しながらキュルケからさっさと離れようとする。 そう、確かに羨ましかったのだ。レンは確かに夢の中に入り込んでくる特異な能力を持っているようだが、とても主であるメイジを守る、という大役は果たせそうに無い。 さっさと食堂に向かおうとするも、しつこくキュルケは絡んでくる。 「あなたの使い魔も悪くないけど、ちょっと力強さに欠けるわよね~」 「うるっさい! ってちょっとレン。そこまで警戒しなくても大丈夫だってば」 腕の中にいるレンは毛を逆立たせてフレイムを睨んでいる。明らかにキュルケの使い魔を警戒している様子だ。 「へー。主人を守るって意思表示かしら? 中々立派な心がけじゃない。どう、私の使い魔も兼ねてみない?」 「ツェルプストー! あなたどうあっても私と決闘したいみたいねえ!?」 眉をこれでもかと逆立たせてルイズが吠える。いつも携帯している杖にまで手が掛かり、今にも抜き放たれようとしていた。 「冗談よ、じょ、う、だ、ん。でももしあなたがその気なら飼って上げても良いからね、子猫ちゃん?」 レンにぱちりとウインクを飛ばしてキュルケは去っていった。主人に続いてフレイムもぶふっと火炎を吹きながら退場する。ルイズといえば、 「レン! いい!? 金輪際キュルケには近づいちゃダメよ!! 私のヴァリエール家とキュルケのツェルプストー家にはアルビオンよりも高く降り積もった因縁があるんだから!!」 朝から高まっているテンションが更に上昇中だった。彼女の血管が切れないか少々心配である。両手でわっしとレンを掴み、子猫の小さな顔と自分の顔を付き合わせて口角泡を飛ばしていた。 そう、確かに二人の家には浅からぬ因縁があるのである。 まず、ルイズの生家のヴァリエール領とキュルケの生家のツェルプストー家は隣接しているのである。隣接している国の最接近領。 近所の者同士、仲良くできればいいのだがそうも行かなかった。両家は長い歳月において紛争が繰り広げられてきた。お互いに降り積もったわだかまりは易々と拭えるものではない。 またそれだけでなく、ヴァリエール家はツェルプストー家に幾度も婚約者や恋人を奪われてきたのである。このような経緯から、ルイズにしてみればツェルプストーには例え領地の石ころだろうと渡すまいという思いだった。 ルイズはこのような経緯をぜいぜいと息が乱れるまで躍起になって説明していた。そんなルイズを冷めたような瞳で見るレン。聞いてやるだけ良い猫だよ、うん。 「……そうそう、さっき私を守ろうとしてたのは良かったわよ。その調子で頑張りなさいね」 先程のレンの警戒を、ルイズもキュルケと同様に主人を守ろうとしているのだと判断したのだ。お陰で高ぶり続けていた怒りが少しだけ収束に向かう。自分が呼んだ使い魔はなかなか当たりじゃないか、と口元を綻ばせて朝食の席へ向かうルイズだった。 「じゃあ、此処で一旦お別れよ、レン」 貴族用の食堂、アルヴィーズの食堂までメイジと使い魔は辿り着いた。ここも浴室同様、使い魔が入ることはできない。レンは使い魔用の食事へ赴くこととなる。 「使い魔はあっちね。食べ終わったら此処で待ってなさい。それじゃね」 使い魔の食事が置いてある広場への方向を示して自分は食堂へ入る。目に入るのはいつもと変わらぬ贅の尽くされた食卓。それが今日は余計に輝いているように見えて、始祖ブリミルへの感謝を捧げ、普段より多めに食事を採るルイズであった。 食後の満足感を味わいながらレンと合流して教室へと向かう。大分機嫌の良くなったルイズの後ろをレンはとことこついてゆく。程無く教室へと辿り着き、自分の席へと座る。 今日は各々が召喚した使い魔を連れての授業。かなり壮観である。キュルケが召喚したサラマンダーに始まり、バグベアー、ジャイアントモール、果てに風竜など実に多彩だ。 大丈夫、うちのレンだって負けちゃいない……とレンに視線を転じてみると、なにやらかなり周りの使い魔たちを警戒している。体毛は逆立ち、ばっしばっしとせわしなく動く尻尾。 「大丈夫だってば。主人の指示がない限り襲ってきたりなんかしないから」 そう言ってレンの背中を撫でるも、身をよじってレンは避ける。更に座っているルイズから手の届かない位置に座り込んでしまった。 む、と不機嫌になるルイズ。主人が気を使ってやっているというのになんだその態度は。一言文句を言ってやろうと席を立とうとしたところでタイムアップ。今日の授業を担当するミセス・シュヴルーズが教室に入ってきた。 「皆さんおはようございます。昨日の使い魔召喚は無事終わったようですね。先生、毎年生徒の皆さんがどんな使い魔を召喚したのか楽しみにしておりますのよ」 (ああもう。タイミングの悪い……) 教師が入ってきてから席を立つのは行儀が悪い。そんなことを立派な貴族を目指すルイズが出来ようはずもない。胸の中にくすぶりを抱きながら座り直す。 ちらっとレンの様子を横目で見ると、未だに他の使い魔たちへの警戒は解いていないようだった。大丈夫だって言ってるのに、と思いながらルイズは開始された授業へ耳を傾けた。 今日の授業は魔法の属性についての復習だった。誰でも共通して使えるコモン・マジックから始まり、火、水、風、土の4属性。更に現在は失われ、今は伝説となっている系統もあるのだが、6000年も使った人間の記録がないためにこの授業では軽い解説だけで終わった。 そこからメイジのランクについて。メイジの技量は、ドット、ライン、トライアングル、スクウェアとレベルが上昇していき、ランクが上がる度に魔法行使に必要な精神力が上昇し、強力な魔法が使えることの解説だった。 今日の授業内容は、座学の優秀なルイズには、いや他の生徒も皆理解していることだろう。この程度のことはとメイジにとっては常識だ。シュヴルーズ先生も新年度初授業の今日はウォーミングアップのつもりなのだろう。 そんなルイズは授業を真面目に受けるも、頭は他のことを考えていた。考えるのは自身の使い魔のこと。今朝起床したときの様子を考えると、猫の姿の今も人並の知性を有していると見ていいだろう。 今は土のトライアングルとしての力を披露するため、『錬金』の魔法を実演している『赤土』のシュヴルーズのことをじっと見つめている。錬金で石ころが真鍮に変わったときは只でさえ大きい瞳が真ん丸になっていた。そんなに錬金が珍しかったのだろうか。 とにかくレンに関しては聞きたいことが多すぎる。夢魔と言う種族のこと、彼女の使い魔としての力量のこと、そして彼女が居たという世界のこと。これからじっくり聞き出してやろう、とその横顔をじっくり見ていた。それが悪かったのだろう。 「ミス・ヴァリエール。喚んだばかり自分の使い魔が気になるのは分かりますが、授業に集中してくださいね?」 「は、はい!すみません」 先生からの指摘に慌てて答えるももう遅い。周りの生徒がくすくすと忍び笑いを漏らすが、それにも耐えるしかない。今のはどうしようもない自分の失態だ。 「丁度良いですね。ミス・ヴァリエール。貴方に錬金の実践をして貰います。前へ出てきて下さい」 「え!?」 え、その声はルイズが発した物だったが、クラスメイトたちの発したかった言葉も正に同じだった。 「シュヴルーズ先生!」 「なんですか? ミス・ツェルプストー」 「先生は……ルイズの授業を受け持つのは初めてですよね?」 「ええ。ですが彼女の学習態度については聞きいております。とても勉強熱心なメイジだと」 「いや、それは間違っていないんですが……」 「彼女の魔法は危険なんです!」 キュルケの後に言葉を繋げたのは、太っちょの男性メイジ、マリコルヌだった。どうでも良いがマリコルヌって言いにくいし書き難い上誤字りやすい。とある菌糸の人の天敵になれそうだ。 「ちょっと風っぴき! 危険って言うのはどういう事よ!」 「誰が風っぴきだ!? 僕は『風上』のマリコルヌだ! キミの魔法が危険なことはクラスメイト全員がよく分かってるんだ!」 「そうよルイズ。今まで貴方が魔法を使ってきた時のことを思い出してみなさいな」 「ミスタ・グランドプレにミス・ツェルプストー。やる前から否定してはいけません。少々言い過ぎではありませんか?」 「「貴方はルイズの魔法を知らないんです」」 期せずしてハモった二人の声にうんうんと頷くクラスメイトたち。一部我関せずと本を読んでいる奴も居たが。 「実演なら私が「私、やります。やらせて下さい!」 ルイズの代わりにやろうと申し出ようとしたキュルケだったが、他ならぬルイズ自身によってそれは遮られた。クラスメイトたちの怯えるような態度が、ルイズの負けず嫌いの精神を刺激してしまったようだ。 「ルイズ、やめてちょうだい。お願い」 キュルケの制止の言葉ももはや火に油でしかない。ルイズは発火しやすいという意味では正に油だ。ずんずんと壇上へと赴くルイズ。そんなルイズを見ながらクラスメイトたちはそそくさと座席の下へと退避し始めていた。 「ミス・ヴァリエール。貴方が変えたいと思う物を強く心の中に思い浮かべるのです」 シュヴルーズの説明を聞きながら、ルイズは机の上の真鍮を親の敵のように固く見つめていた。 (大丈夫。今日の私は大丈夫。だって……) ちらりとルイズは後ろを振り向く。視線の先には、こちらを見ている赤い双眸が。 (昨日までの私とは違う。サモン・サーヴァント、コントラクト・サーヴァントという魔法を成功してるんだから。できるって信じるの。信じるのよルイズ!) 自分を見てくれている使い魔の視線を感じ、彼女のテンションはMAX最高潮。生涯三回目の魔法成功を成し遂げるべく、呪文を唱えて真鍮へ杖を振り下ろす――! 「――錬金っ!!」 雄叫びのような詠唱と共に、真鍮が光る。 そして、爆発が起こった。 爆発付近にいたシュヴルーズは、爆風に吹き飛ばされて壁に激突。人事不肖に陥った。 「うわ、落ち着けリコ!」 「僕のクヴァーシルが食われたー!」 「またかよ『ゼロ』! ゼロのルイズ!」 「だからあいつに魔法を使わせるなと言ったんだ!」 クラスのメイジたちは爆発を察していたので無事だったが、使い魔たちは突然生じた爆発にパニックを起こしていた。大小様々な動物が暴れ回る中、ルイズへの罵声まで合わさって正に阿鼻叫喚の風景である。 そんな中、爆発を起こしたルイズ本人は煤にまみれているものの無傷である。けほっと咳を一つ吐いて、一言。 「……ちょっと失敗したみたいね」 「「「「「どこがちょっとだ!!!!!」」」」」 『ゼロ』のルイズ。ゼロの所以は成功率ゼロからきている。メイジでありながら魔法の全く使えぬメイジ。それが彼女だった。 爆発により教室はしっちゃかめっちゃか。とても授業が続けられる状態ではない。シュヴルーズも保健室へと連れて行かれ、午前中の授業は中止と相成った。そんな誰もいなくなった教室で、ひとり掃除を行う者が居る。それは、メイド。いいえ、ルイズです。 爆発を起こした罰として、ルイズは教室の掃除を命じられていた。メイジられたと言っても魔法を使って掃除をしろという意味ではない。むしろ魔法を使えば惨劇が再びである。そのことを重々承知している教師は『掃除に魔法の行使禁止』と厳命していた。 眉を吊り上げた不機嫌100%の顔でルイズは掃除をしている。そんな主人を見ているのは言わずもがな、彼女の使い魔のレンだった。 「……なんで、また失敗なのよ」 手を止めて、誰に聞かせるわけでもなくルイズは呟く。視線は床に固定されたまま。声には隠しようのない悔しさが滲み出ていた。 「やっと、昨日魔法が成功したのよ? もう私はゼロじゃない。ゼロじゃないのに……なんで爆発するのよ!?」 手にしていたモップを癇癪のままに叩きつける。そんなことをしても魔法が成功しない事も、教室が片づく訳でないことも分かっている。気分が良くなるわけでもなく、むしろぐちゃぐちゃとした想いが吐き気をもよおす程膨れあがるばかりだ。 それでも、歯を食いしばって泣くのは堪えた。だって、自分の使い魔が見ているのだ。夢の中で見た時は、可憐としか言いようがない外見のクセに、冷たい目でこちらを見ていた幼女。不遜な態度で主人を敬わない使い魔。 それでも、蔑まれるばかりの日常でようやく得ることができた自分の味方。弱みを見せられるわけが無いではないか。 体の中で暴れまわる激情に必死で耐えていると、かたんと足元から物音が。音の方へ目を向けると、レンがモップの柄を咥えてこちらへ差し出していた。 「レン……!!」 使い魔の優しさに今までとは違う感情が沸きあがってくる。最高じゃないか、私の使い魔は! 感極まって自分の使い魔を抱きしめ――ようとして、するっと白猫は抱擁から逃れた。 「ふぇ?」 白猫はそのまま教室の扉へ突撃。教室外へと移動し、あっという間にルイズの視界から消えた。 「……」 ルイズは空気を抱きしめたまま固まっている。その硬直が徐々に憤怒で解けてゆく。ぶるぶると震えながら、先ほどとは違った激情のまま、叫ぶ――! 「あんの、バカ猫ぉーーーー!!!」 前ページ次ページゼロの白猫
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1525.html
「……な……なによあの……船は……」 「オレが知るか」 大きさとしてはレキシントンより一、二回り大きい程度だが、ハルケギニアの船のように側舷砲を持たず船首に長大な砲を構えた鉄の船がそこにあった。 「まぁ、見た感じこっちのモンじゃあねぇ事は確かだろうぜ」 「……あれ、あんたの世界の船なの?」 「オレんとこの船は飛びはしねーよ……だが……形はそうだな」 船がどうあれグレイトフル・デッドの射程内に納まる大きさだ。 そう思い、ゼロ戦を船に近づけようとした時、船から何かが連続で飛んでくるのを察知した。 普通なら、スタープラチナ並みの精密さでも無ければ見えない速さだったが、印効果で何かが飛んでくる事には反応できる。 だが、操縦者は反応できても機体はそうはいかない。アムロの反応速度にガンダムが追いつけなくなったアレと同じだ。 数発が機体をかすめ、回避先に一発操縦席目掛け飛んできている。 「……チッ!」 回避不能、狭い操縦席内では避ける事もできないし、元よりベルトで固定している。 回避ができないと判断するやグレイトフル・デッドを全面に展開させ腕でガードする。 衝撃はあるだろうがモロに食らうよりはマシだ。 風防に穴が空き、それを受けるが、グレイトフル・デッドの腕に綺麗な穴が開いた。 「うぐぁ!……バカなッ!」 「え……なんで腕から血が!?」 スタンドに穴が開いたという事は当然、本体にもダメージがフィードバックされ服こそ破れてはいないが腕から血が吹き出た。 それを見たルイズが右往左往……狭いからできないのであたふたとテンパっている。 スタンドにダメージを与えられるという事から導き出される答えは一つ。 「スタンド攻撃かッ!!」 ミスタのピストルズを思い出したが、弾が誘導される気配は無かったし、なによりピストルズの射程ではない。 (船からの攻撃……遠距離型か……?ピストルズみてーに誘導されてるわけでもねーが……弾幕が邪魔で射程に入れやしねぇ) こちらも20ミリ機銃で撃ち返すが、装甲を僅かに貫いただけで効いた様子は無い。 「兄貴、あの親玉ありえねーぐらいカテーぞ!」 元々機銃弾は空戦用装備であり、対艦を目的としたわけではない。 木造船ならどうにかなっただろうが、あの艦を砕くにはパワー不足もいいとこだ。 「デルフ、オメーなんか気付いた事はねーか。ささいな事でいいんだ。何か本体が撃ってきてる気配とか感じなかったか?人影とかよ」 「わかんねぇ……船員も沢山居るだろうしよ」 ただの対空機銃なら吃水船の下に入れば飛んでこない。だが、この弾幕はその下にいても襲い掛かってくる。 急速上昇、そのまま反転し背面飛行している機体をロールさせ戻し距離を取る。 座席に体を固定させているプロシュートはいいが、そうではないルイズは後ろで色々と転がりながら悲鳴をあげている。 「も、もっと丁寧に操りなさいよぉ!」 「直撃食らうよりマシだろーが!」 旗艦の弾幕ですら厄介なのに、他の船からの援護砲撃が襲ってきた。 当然、通常の砲弾なら当たるはずもないが、小さな鉛弾をショットガンのように詰め撃ち込んで来ている。 「クソッ!親玉の弾幕だけでも厄介だってのに…仕方ねぇ!トコトンやるぜッ!」 散弾を回避しつつ上昇し援護砲撃をしてくる船の真上につけスタンドエネルギーをフルパワーで老化に回し沈黙させていく。 風石によって今すぐ沈む事はないが、援護砲撃は止まる。 だが、未だに本命の射程圏内には踏み込めない。 決め手を欠いたまま弾幕を避けていると、『ストレングス』が船首を少し傾けた。 船首の向きはようやく建て直しが始まっているトリステイン軍だ。 瞬間、凄まじい轟音が鳴り響き船首砲から砲弾が放たれた。 その砲弾を迎撃すべくトリステインのメイジが総出で風の防壁を作り防ごうとするが、それを突き抜け血と肉片が辺りに飛び散り悲鳴があがった。 砲の口径、弾速、その全てがハルケギニアのものより圧倒的に上だ。 もちろん、それを知らないトリステン軍はレキシントン落しの効果もあって壊走寸前と化している。 恐らく、次に砲撃が行われれば、もうそれは止めることはできないであろう事はギーシュが決闘したら負けるぐらい確実ッ! 「ど、どうしよう…!あそこには姫様が…!」 そうは言うが、今の自分にはどうする事もできない。 必死になって自分にできる事を探そうとするが、失敗魔法しかできない以上全く無い。 無意識にポケットの中の水のルビーを指に嵌め指を握り締める。 「どうか姫様をお守りください…」 やれる事が無いのなら、せめてアンリエッタの無事を祈ろうと思った。 「兄貴!左と正面から弾幕だ!」 「分かってる!」 言われるまでも無く右側面に機体を90°傾けさせ、そのまま右下に滑るように回避。 「キリがねー……このままじゃあ燃料が持ちゃあしねぇ」 燃費がいい方だとはいえ、急速反転や上昇を繰り返している。 航続距離2000キロを誇るゼロ戦でも、そんな無茶な機動を繰り返していては、そう長く持ちはしない。 また転がったルイズが泣きそうになりながら地に落ち開いた始祖の祈祷書を拾い上げる。 持ってくるつもりは無かったが、あそこで置いてくるなどと言えば、自分が置いていかれる恐れがあったのでそのまま持ってきたのだ。 そうして開いた祈祷書に触れた瞬間、水のルビーと祈祷書が光った。 「兄貴、座席の下に何か落ちてるぜ?」 弾幕の射程圏外に出つつスタンドでそれを器用に掴み取る 「……ボルトじゃねーか。何でこんなもんがあんだよ」 それを掴んだまま、弾幕の射程圏外に出ると、そのボルトが溶けるかのようにして無くなった。 「おでれーた、溶けたぜ」 「ボルトが溶けた……?しかも弾幕の射程外に出たとたんに…溶けた以上、あのボルトは物質じゃねぇ……」 何か分かりかけてきた。ゼロ戦のものではないボルト。それが弾幕の射程外に出た瞬間溶けた事。 そして風防に空いたさっきのボルトと同じ程度の大きさの穴。 「……弾幕の正体はこのボルトか!だが、なぜボルトなんだ……?」 リゾットのメタリカのように磁力のようなものを操り飛ばしてきているという 事も考えたが、それならばボルトなどという形を取る必要は全く無い。 「兄貴…ボルトって何に使うんだ?」 「あ?こっちにはボルトねーのか?ネジのデカイヤツで金属板とかをこいつで固定すんだよ」 「じゃあ、あの鉄の親玉にも使われてんだな」 スタンドのボルト、金属装甲の船、360°繰り出される弾幕。これで何かが繋がった。 「……でかしたぞデルフ!『どこから』『どんな方法で』攻撃しているのか、お前のおかげで全て理解したぞデルフ!」 「……悪りぃ、さっぱり分かんねー」 「射程外に出たら溶けたって事は、あのボルトはスタンドって事だ! そして、あの船『から』撃ってきてるんじゃあねぇ……!あの船『が』ボルトを撃ってきている…つまり、あの船そのものが…スタンドってこったァ!!」 「な、なんだってーーー!あんなデカイやつもスタンドってやつなのかよ!」 「何でもアリってのがスタンドだからな……だが、あんだけデカイスタンドを操るとなると……本体もかなりの化けモンだな」 「スタンドはスタンド使いには見えなかったんじゃあねぇのか?溶けたって事は物質と一体化してるわけじゃねぇしよ」 「……スタンドエネルギーがデカすぎるって事ぐらいしかねーな、あんなタイプのスタンドなんざ組織の情報網にも引っかかった事ねーよ」 だが、船の正体が分かったところで、あの弾幕をどうにかしない事には詰みだ。 スタンドパワーの枯渇を待つ。Noだ。持続力A以上は間違い無いだろうし、まずこちらの燃料が持たない上に時間も無い。 弾切れを誘う。これもNo。スタンドである以上、スタンドパワーが尽きない限り弾幕は途切れない。 射程外からの機銃弾による攻撃。問題外だ。スタンドエネルギーが実体化してるという事はダメージはあるかもしれないが あの大きさに20ミリの穴を開けたとしても大してダメージにはならない上に、修復されかねない。 250キロ爆弾でも積んでれば話は変わってくるのだろうが、そんな装備はこのゼロ戦には付いていない。 ハッキリ言えば打つ手無しだった。 「なにこれ……古代ルーン文字?」 今まで魔法が使えなかったぶん、それに反比例するかのように勉強に勤しんでいたルイズである。 古代ルーン文字を読むことができたのは当然といえた。 「序文。 これより我が知りし真理をこの書に記す。この世のすべての物質は、小さな粒より為る。 四の系統はその小さな粒に干渉し、影響を与え、かつ変化せしめる呪文なり。その四つの系統は、『火』『水』『風』『土』と為す」 呟くような声で読み上げるが、前で必死こいて回避運動を行っている一人と一振りには聞こえてない。 「チッ!せめて弾幕の軌道と間隔さえ読めりゃあ接近できるんだがな」 「でもよぉ兄貴、近付いたら近付いたで、回避しようがねぇよ」 確かにそうだ、広域老化では効果が出るのに多少時間がかかる。 至近距離では弾幕を回避する事はできず直撃を受ければ良くて機関停止、悪くてその場で爆散だ。 「神は我にさらなる力を与えられた。四の系統が影響を与えし小さな粒は、さらに小さな粒より為る。 神が我に与えしその系統は、四の何れにも属せず。我が系統はさらなる小さき粒に干渉し、影響を与え、かつ変化せしめる呪文なり。四にあらざれば零。零すなわちこれ『虚無』。我は神が我に与えし零を『虚無の系統』と名づけん」 「こっちの位置をどうやって把握してるかだな……エアロ・スミスみてーに特定のものを探知しているか……視認で撃ってきてるかだが」 レーダーなどで確認しているのなら打つ手はないが、視認で補足してきているのなら、まだ一つ打つ手はあったが、確証が無い。 「これを読みし者は、我の行いと理想と目標を受け継ぐものなり。またそのための力を担いしものなり。 『虚無』を扱うものは心せよ。志半ばで倒れし我とその同胞のため、異教に奪われし『聖地』を取り戻すべく努力せよ。 『虚無』は強力なり。また、その詠唱は永きにわたり、多大な精神力を消耗する。詠唱者は注意せよ。 時として『虚無』はその強力により命を削る。したがって我はこの書の読み手を選ぶ。 たとえ資格なきものが指輪を嵌めても、この書は開かれぬ。選ばれし読み手は『四の系統』の指輪を嵌めよ。されば、この書は開かれん。 #center{ブリミル・ル・ルミル・ユル・ヴィリ・ヴェー・ヴァルトリ} 以下に、我が扱いし『虚無』の呪文を記す。初歩の初歩の初歩の呪文。第一の爆発『エクスプロージョン』」 その後に、呪文が続いたがルイズは呆然としている。 「始祖っていうわりに頭脳がマヌケじゃない……?指輪がなくちゃ祈祷書が読めないんじゃ、誰がその注意書きを読むのよ」 だが、祈祷書が読めるという事は…… 「わたしが『虚無』の使い手って事なの?」 『エクスプロージョン』と自分の失敗で起こる爆発。 効果としては同じだ。なら今まで失敗と思っていた魔法が『虚無』だったとしたらどうか。 思えば誰もあの爆発を失敗と呼び笑っていた。 ただ一人、その爆発も使い方次第でどうにでも変わる『自信を持て』と言ってくれたのはプロシュートだ。 なら、祈祷書が読める以上、自分を信じて、それに頼るしかない。 そう思った時スデに行動していた。 「このクソ忙しい時に何やってんだッ!」 座席の隙間からルイズが身を出し、操縦席にやってきて座り込んだ。 「……もしかしたら、何とかなるかもしれない……うまく言えないんだけど選ばれちゃったかもしれないのよ」 「何にだ?」 よもやスタンド能力に目覚めたのではないかと思ったが、どうやらそうではないらしい。 「いいから、合図したら、ひこうきをあの戦艦に近づけてちょうだい!」 「……自信はあんのか?」 「……ぁ……る」 「聞こえねー……!自信を持ってんなら、自信を持って答えろ!」 「……あるわよ!あるから言ってるんじゃない!!」 そう答えるルイズを見て、口の端を上げ笑った。 「やれんのは一回限りだ。しくじったら次はねー。それに、こいつは賭けだぜ? もしかしたら墜とされっかもしれねーが」 「いいから近付けなさいッ!使い魔は黙ってご主人様の言う事に従うのッ!」 「了解、『ご主人様』」 急速上昇、敵旗艦の遥か上空まで駆け上がった。 「子爵、どうやら敵の竜騎士はどこかに逃げたようだが」 「ガンダールヴの能力の射程にさえ入れなければいいわけですからな… しかし、あの男がそう簡単に退くとも思えますまい、念のために艦の上空に遍在を二つ配置していますよ」 「ウキャアアアアア」 猿―フォーエバーがそう叫びを上げると壁の中にめり込み消えていく。 今までは遍在のワルドが、ゼロ戦の位置を捕捉し使い魔としての能力を使いフォーエバーに指示していたが、自らが捕捉し、攻撃を行う気になったようだ。 ストレングス上空約3千メートル、眼下に映る巨艦ですら点のような大きさだ。 もちろん酸素濃度は結構低い。そんな状態で風防を開けて、スタンドでガッシリと掴まれたルイズが風防から顔を出しているのだからスゴイ事になっている。 「ぜぜぜ、絶対に離さないでよねぇ~~~!」 さっきまでの、自信はどこにブッ飛んだのか、半泣きに近い状態でそう叫ぶ。 まぁスタンドが見えないため、何に固定されているのか分からない状態なのだが。 「どうする?止めんのなら今だぞ」 そうは言ったが、答えはスデに分かっている。 さっき見せた目には明確な覚悟が宿っていたからだ。 「ばばば、馬鹿言うんじゃないの!わわ、わたしがやらないと姫様が危ないんだから!!」 その言葉と同時に機首を巨漢に向けスロットルを限界まで絞る。レシプロ機の特性上プロペラがすぐに止まる事は無いが時間の問題だ。 巨大戦艦に向けての垂直降下。さらにすれ違い様にルイズが、『エクスプロージョン』を放つ。 言うなれば、米軍機が得意としていた戦法の一つ、急降下爆撃だ。 音で感知されないようにエンジンは止めておかねばならないが、水面に浮かぶ船とは違い、下にも空間は十分にある。 フルスロットルにし最加速するまでは十分な高度が。 これが水上艦ならバンザーーーーイと叫びながらの特攻だが、宙に浮いている事が幸いした。 もちろん、懸念はある。 エアロ・スミスのようにレーダーで特定のものを探知するようなタイプであれば早々に迎撃される。 探知か視認か、このどちらかによって、結果は違う。 賭けだった。それはもう、どこぞのギャンブラーが見たら迷わず『グッド!』と指を向け叫んだぐらいに。 エオルー・スーヌ・フィル・ヤルンサクサ その詠唱と共にゼロ戦が自由落下を始めた。 垂直に落下しているので風防から身を乗り出しているルイズは当然、下を思いっきり見る事になる。 掴まれているとはいえ、この高度からの急速降下である、絶叫マシーンなぞ比較にならないぐらいアレなのだが詠唱そのものは途切れる気配は無い。 「……ゲームにハマってるメローネと……同等の集中力だな」 「それってスゲーのか?」 「言いたくねーが、そういう時のメローネを邪魔できんのはブチキレたギアッチョぐらいしかいねーよ」 「あー……そりゃあスゲーな」 ギアッチョの事は聞かされていたので、そのスゴさが一発で理解できたようだ。 オス・スーヌ・ウリュ・ル・ラド 呪文の詠唱を始めて、すぐに降下に対する恐怖心など無くなった。 なによりどこか懐かしいようなリズムが、それを許さなかったからだ。 体の中で何かが生まれ、行き先を求めてそれが回転するかのような感覚だ。 コルベールエンジンを爆破した日、自分で言っていた事が今まさに『言葉』でなく『心』で理解できていたッ! ベオーズス・ユル・スヴュエル・カノ・オシェラ 重力によりさらに加速、敵艦との距離が凄まじい勢いで詰まる。 「……風が乱れた?」 ストレングス上空で風竜に乗り哨戒中の遍在ワルドx2だが周辺の風が乱れた事に気付いた。 周りに船が多数浮いている中よく気付いたのだが、微かに乱れただけで詳しい場所も分からない。 まぁ、この状況でそれに気付いたのは、風のスクウェアだけの事はある。 それに、反応してフォーエバーも壁から出てきたが、ストレングスの船内に居る相手なら手に取るように把握できるが、船外ならそうはいかないのでワルドに任せている。 本来ならただで人間に従う機など毛頭無かったが、学ランの男にボコボコにされ辛うじて生きてはいたが色んな所が再起不能になって暮らしていたところ この男がそれを治してくれた(正確に言えば水のメイジ)というのもあるが、何故かDIO様のように仕えなくてはならないという気になっていた。 「来るか……?ガンダールヴ!」 下方、側面を見渡すが、何も無い。となれば上しかないが、あるのは陽光眩しい太陽だけだ。 だが、その太陽に影が差すと、その場所が特定できた。 「日の中か……!やってくれる!」 少し光が薄らいだ太陽の中から降下してくるのは緑の機体だった。 「……あのハゲ!日食は今日じゃあねーかよ!」 太陽を背にし、その光に紛れてギリギリまで接近するつもりだったが、日食のおかげで予定より早く探知された。 「逃げねーとモロに食らっちまうぜ兄貴!」 ここで回避する事はできるが、そうなればこの策は二度と通用しない。 つまり、アレを沈める事ができなるなる。 「いいや、ここは突っ切るしかねぇ!」 フルスロットル、最大加速しながら降下する。重力と推進力によって一気に限界速度に達し突っ込んだ。 ジュラ……イサ・ウンジュー…… その風圧に思わず詠唱が途切れそうになるが、急にそれが弱まった 「グレイトフル・デッドを前に出しといてやったから、ちったぁ……マシになんだろ」 背負わされている形になっているのだが当然見えないルイズには分かった事ではない。とにかく風圧が弱まった事だけは事実だ。 操縦している方も喋っている場合ではないのだが、同じようにスタンドの体で風圧を弱めているため何とかなった。 「ホキョァァアアア」 「止まれぇぇぇぇぇガンダールヴッ!!」 ストレングスから弾幕が放たれるが、限界速度で高速移動している飛行物体に当てるのは至難の業だ。 水平飛行している状態なら数に物を言わせ当てることもできたが、この場合は違う。 減速する気配が微塵も無い上に、むしろ加速しながら突っ込んできている。 ただ、機動飛行を行っているわけではないので、少しづつだが、弾幕がゼロ戦をかすめ始めた。 バキィ!と嫌な音をたて開け放った風防が脱落し、周りをボルトの弾幕がかすめる。 「チッ!あのハゲ……!戻れなかったら老化で全滅させてやっからな!」 「その前に生きてりゃあな……」 スデに弾幕の射程内。ストレングスまで400メートルといったところだ。 この速度なら、一瞬。だが、その分直撃は貰いやすくなる。 ハガル・ベオークン・イル…… 詠唱が終わるが、その瞬間この呪文の威力を理解した。 周辺空域全てを巻き込むであろう、その威力を。 選択肢は二つ。殺すか。殺さぬか。 破壊すべきは何か。 一瞬、迷いが生じたが直ぐにそれを断ち切る。 (『詠唱する』と心の中で思ったなら……その時スデに行動は終わっているのよね……) 翼に穴が開くが、速度は落さない。むしろ落したりでもしれば、それこそ蜂の巣だ。 風竜に乗った遍在ワルドと目が合った気がしたが、構っている暇など一切無い。 そのまま、ストレングスとすれ違うように降下し、胴体部に直撃を果たすボルトの弾幕が見えた瞬間、光の玉が辺りを包んだ。 ようやく到着した二人と一匹だが、艦隊が光の玉に包まれていく光景を見た。 「なによ……あの光は……」 「分からない……」 「でも、あれなら、トリステインが勝ったって事じゃない?」 ラ・ロシェール付近に展開し壊走寸前だったトリステイン軍からも歓声が聞こえている。 「……まだ!」 タバサがそう叫ぶと光が晴れる。殆どの艦は炎上し、甲板とマストを燃やし墜落していたが、唯一本命の巨大戦艦だけは、炎上しながらも健在な威容を見せていた。 スタンドの船という事が災いした。 本体、つまり、フォーエバーには直接ダメージは入ってないのだ。 核。ストレングスがベースとしている艦が炎上していれば墜落していただろうが、巨大なスタンド像に阻まれ、こちらは損傷には至っていない。 もちろん、船に与えたダメージの分は本体にもフィードバックされているが致命傷というわけではない。 「フフ……ハハハハハハハ!」 船の中でワルドが笑う。ただひたすら笑う。 あの光を見た瞬間、それを虚無だと確信したのだが、その伝説の虚無すらものともしない艦を手に入れた事に笑った。 「ギャオオオォォォォ」 だが、その笑いをも打ち消す獣の叫びが辺りに響き渡る。 その声の主はフォーエバーだ。 船体を焼かれているのだから、当然ある程度本体も焼かれている事になる。 こうなれば、ワルドに対しての忠誠など一切無い。使い魔になって日が浅いというのも災いした。 敵を倒すという本能のみが頭を支配する。 スタンドに目覚めているだけあって、普通の猿とは違う高度な頭脳を持っているのだ。 通常なら制御できていたが、焼かれた事でベイビィ・フェイスの息子もびっくりな暴走っぷりを始めている。 主砲はスタンドではなく実弾なので、それを込める乗員などその他多数乗船していたが、一人の例外も無く船の中に飲み込まれようとしている。 「こ、これは……馬鹿な……!」 ワルドとて例外ではない。スデに半身を底なし沼にハマった旅人のように船体に埋めている。 必死に、フォーエバーと連絡を取ろうとするが、怒り一色のフォーエバーにはそんなもの聞こえてすらいない。 「アレでまた墜ちねーのか……」 「もー無理だ、逆立ちしても無理だね」 機首を翻し、光の起こった方向を見たが、炎上しながらも依然として健在な戦艦が上空にあった。 弾幕の射程に入らないようにしていると、見慣れた竜が戦艦に近付くのを見た。 「あの馬鹿が……ッ!死ぬぞ!」 タバサ&キュルケinシルフィードなのだが、どうやら戦艦上空に向かおうとしているらしい。 へばっているルイズを後ろに押し込むと、再び高度を上げるが、シルフィードに向け弾幕が放たれた様子は無い。 「やはり、視認で撃ってきたってわけか……?なら本体はどこだ?」 甲板を見渡しても本体らしき者は居ない。中に本体が居ると判断し広域老化を仕掛けるべく甲板上空に付けるが、それより先にシルフィードがそこに居た。 「オメーら邪魔だ!」 そう叫ぶが、距離もある上に、ゼロ戦自身の爆音で聞こえていない。 船自身がスタンド。迂闊に接近するのは自殺行為だ。グレイトフル・デッドの 長大な射程があればこそ、ギリギリまで接近したのだが、シルフィードは近付きすぎている。 「ここまで近付いても攻撃してこないなんて……何があったのか知らないけど先手必勝ね!」 普通の船なら、近付くまでに船員なりが攻撃を仕掛けてくる。旗艦なら当然メイジも居るはずだ。 だが、現在フォーエバー暴走中につき船から反撃が行われる事は無い。 それで、二人して乗り込もうと思ったのだが、この船自身がスタンドなどとは微塵も思っていない。 そして、シルフィードが最も接近した時、二人と一匹に船体からパイプなどの部品が絡みついた。 「なな、何よこれ!」 「……引っ張られる!」 (こ、こいつおねーさまに何をーー!……はッ!まさか、その触手っぽいモノでおねーさまに、あんな事やこんな事を!……少し見てみたい気も!) ちょっとアレな想像をして悶えているシルフィードだが、相手はあの家出少女(14)に手ぇ出そうとした猿。 何が言いたいかというと……正解である。 獣の叫びを上げながら、壁から巨大な猿……オラウータンことフォーエバーがにじり出てくる。 怒りで顔を通常の三倍の如く赤く染め上げ、絡め取られている二人+一匹に近付いていく。 タバサが辛うじて握っていた杖で『ウィンディ・アイシクル』を唱えたが、フォーエバーに当たる直前に 床の壁がフォーエバーをガードするかのように盛り上がり氷柱を阻んだ。 「……錬金!?……違う……まさかスタンド!?」 改めてフォーエバーを見据えるが、刺さった氷柱を抜き、火傷に押し当てたり、かじりつつタバサを見ている。 「猿のくせに……気に入らない顔してるわね…!」 そっち方面の事に関しては百戦錬磨のキュルケさんにとってはその猿の顔は今まで見飽きたような顔だ。 「なに?この微熱のキュルケを無視してタバサに?……いい度胸してるじゃない!」 もちろん、そんな露骨な表情で迫ってきた男達は火葬される事になっているのだが、それが、自分にではなくタバサに向けられている事が気に入らなかった。 Fuck you……ブチ殺すぞエテ公 そんな危ない呟きが聞こえたのは多分幻聴だ。 そして、『フレイム・ボール』が放たれるが、フォーエバーの遥か手前で壁に阻まれ炎上している。 魔法―ストレングスから見ればスタンド能力だと思っているのだが、それを見て、邪魔だと言わんばかりにキュルケとシルフィードを船体に半身を沈めさせる。 「ヤッバイ……逃げなさいタバサ!」 「……無理」 人間の五倍近くの力を有するオラウータンだ。並の人間でも太刀打ちできないのに、普通より小柄なタバサが拘束から逃れるのは不可能といえた。 「ウホ、グフホホホ」 氷をかじりながらモット伯もドン引くような笑みを浮かべゆっくりと近付く。 (ああ!おねーさまの初めてが、あんな猿に!?……でも大丈夫なの!後でシルフィが慰めてあげるのね!) フォーエバーとは別の方向でなんか興奮しているシルフィードを見て、これを乗り切ったらどんなお仕置きをしようかと思ったのだが、それどころではない。 だが、フォーエバーとタバサの距離が3メートルに達したところで、フォーエバーが止まり右手を横にかざした。 瞬間、その横に『ウィンディ・アイシクル』を止めたものより厚い壁が盛り上がり、そこに機銃弾が撃ち込まれた。 「チッ!」 それと同時に、上空をゼロ戦が通り過ぎ、その場に風が流れる。 「最悪、巻き込もうかと思ったが……氷食ってやがんな」 忌々しげに眼下のフォーエバーを見るが、ガリガリと氷を貪り余裕とアレが混じったムカつく笑みを浮かべている。 本来ならオラウータンと人間の寿命差でフォーエバーが先にくたばるのだが、タバサが魔法を使ったのが仇になった。 こうなれば、広域老化は役に立たない。 直触りは問題外だ。ゼロ戦を捨てたとしても船上はフォーエバーのホーム・グラウンド。 例えるなら、虎の球団のファンが大勢乗った電車の中で一人オレンジ色のマークの球団の帽子を被り、それに乗るようなものだ。 機銃弾も通じない以上、残った手段は、キュルケの炎でフォーエバーの体温を上げさせる事だったが肝心の魔法がフォーエバーの遥か手前で止められているから期待できそうにない。 もう一度反転し、機銃を撃ち込むが、さっきと同じように壁に阻まれフォーエバーに届いていない。 「エテ公が……ここで、撃ってくれば墜とせるってのに、やらねーって事は…ナメきってやがんなッ!」 「こいつじゃ、あの壁を貫通できねーしな。どうするね兄貴」 連続して同じ場所に撃ち込めば貫通できるだろうが、ゼロ戦自体が高速で動いている以上それはできない。 ガンダールヴ印の効果で精密射撃自体は可能になっているが、あの壁を貫通できるぐらい同じ場所に連続射撃をするというのは無理だ。 遠すぎれば弾はバラけるし、近ければ、その速度故に貫通するだけの量の弾を撃ち込めない。 「ホワイト・アルバムを相手にしてる気分だぜ……クソッ!」 あの堅牢な装甲も、同じ箇所に立て続けに攻撃を食らったり、一点集中の強大な負荷をかければ破れるのだが、それをやるのがディ・モールト難しいのだ。 つまりまぁ……目の前の猿がギアッチョと被り、ムカついてきた。 「速すぎるなら速度落せばいいんじゃないか?」 「これで限界だ、これ以上落すとこいつが墜ちるからな……」 もう少し落せない事も無いが、水平飛行をギリギリ維持できる速度だ。上昇や旋回などは当然できない。 まして、照準の調整などしようものなら即、失速して墜落だ。 「いっその事、こいつを空中で止めちまうってのはどうだ?」 「馬鹿かオメーは?プロペラが回って前へ進んでるからこいつが飛んでんだろーが」 「いや、魔法でさ」 悪くは無いが、誰がやるかが問題だ。 タバサは、もうスデにがっつりと絡め取られ、ルイズはヘバっているし、爆発を起こしかねない。 となると残っているのは、半身を埋めているキュルケだが、フォーエバーに気付かれずに伝える手段が無い。 スタンド使い同士なら、意思疎通も可能だが、そうではない。もっともフォーエバーにも聞こえてしまうが。 直接伝えるのがベストだが、そんな真似ができる人間はここには――― 「……オメー確か丈夫な方だったよな?」 「ああ、そりゃあ伝説だしな」 「それじゃあ、今から言う事をしっかり覚えとけ」 「んー?どうするんだね?」 説明し終えると、デルフリンガーの柄を握り、キュルケの方を見る。 半身を埋めているものの、杖を持った方の手は出ている。良好だ。 「イタリアに戻れたら言えねーから、先に言っといてやる。世話になったな『相棒』」 「兄貴……俺の事を初めてそう言ってくれたな……!もう泣きそぉぉぉぉぉぉぉぉ」 言い終える前に、デルフリンガーをキュルケの方に向けブン投げる。 見下ろすと、見事にキュルケの近くに刺さったデルフリンガーとキュルケが何やら言い合っているが問題は無いと判断し再び上昇する。 スデに、日は半分欠けている。一発勝負だ。 「あたしに刺さってたらどうしてくれんのよ、この剣は」 「俺に言うな。投げたのは兄貴だぜ…で、大丈夫なんだな?」 「任せときなさいな。あのエテ公に一泡吹かせられるんなら何だってやるわよ。……タバサも色々と危ないみたいだし」 猿を睨むが、腕をタバサに向け動かしている。 タバサの方も見るが、フォーエバーが腕を動かす動きに合わせパイプがグネグネと動いている。 正直言って、触手そのものと言ってもいい。 ジュルリ そんな音がしたが、デルフリンガーは幻聴だと思った。というかそう思わせてください。 「そ、そろそろ、くるぜ」 キュルケの方は見ないでそう答える。見れば今までの価値観が崩れてしまいそうな気がする。 今までタバサの方に向けていた腕を上に向けるとフォーエバーを覆うように壁ができた。 それと同時に、直上方向から機銃弾が浴びせられるが、さっきと同じで貫通はしない。 20ミリ機銃でも突破できない厚さの上にスタンドだ。 普通のものより強化されている。 特攻という事も考えたが、この船は俺のものだ。壁を介して何時でも逃げられる。 何より、この近さでは、この少女も巻き込むはずだ。 上は放っておいても問題無い。となれば、何かしてきそうなのは捕獲している一人と一匹かと判断し視線をメンドクさそうにそっちに向けると 赤髪の女が杖を振っている事に気付いた。 それを見るや、手を掴むように握りこむ。 「がッ……レディにこんな事するなんて……礼儀を知らないわね……エテ公が……うぐぁぁ……!」 (痛い痛い痛い痛い痛い痛いのーーーーー!) 人間の5倍近いオラウータンの握力とスタンドパワーによる締め付け、下手すれば埋もれている部分から切断される。 フォーエバー自身、キュルケにもアレでナニな事をするつもりでいたが、ド真ん中ストライクゾーンなのはタバサだったため、放置していたが害になるのなら始末する。 そう判断し、そちらに集中を向けたため、それが一手遅れる事になった。 直上方向から壁を穿つ音が聞こえていたが、その音が長すぎる。 機首を翻していなければ機体を船にぶつけているはずだが、それも無い。 思わず上を見上げるが、見た物は同じ箇所に銃弾を受け、脆くなった壁を突き破り己の額に向かってくる20ミリ機銃だった。 「資料で見ただけだが…ナランチャがトドメを刺す時はこう言っているようだな……」 機体を90°傾けさせ機首をフォーエバーに向けた機体の中でスタンド使いにのみ聞こえる会話をフォーエバーに向ける。 「ブゴォォォ!ウグアボゴォォォォ!!」 勢いが殺されている弾とはいえ、生物を貫く事ぐらいはできる。 だが、勢いが殺されているだけあって、一発で致命傷に至らなかった事が、この猿の不幸か。 「ボラーレ・ヴィーア(飛んでいきな)…だったか?」 トリガーを押しっぱなしにし銃身が焼きつかんばかりに弾切れまで撃ち尽くした。 「はぁ……ものすごい締め付けだったわね……千切れるかと思ったじゃない」 ちょっと言葉がアレだが気にしない。 猿とタバサの方を見るが、どうやらギリギリ一歩手前で無事なようで一先ず安堵した。 (死ぬかと思ったのね……でもこれから、泣き崩れるおねーさまをシルフィが優しく抱いて……) (なにやってるの?) (はッ!おねーさま、何もされなくてよかったのね……) 現実に引き戻され、ちょっと残念そうに答えるシルフィード。自重しろ。 (……お仕置き) (へ?な、何を!?ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサヤッダッバァァァァ) 解放されたタバサが恐ろしく素早い動きで、シルフィードの口に捻じ込んだのは、ご存知『草』が入ったアレだ。 韻竜も一発で昏倒させるその威力に引いたが、船体が溶け始めた事にはビビッた! 「兄貴がこの船スタンドって言ってたから、あのエテ公がスタンド使いって事だな」 「……それって、あの猿を倒したからこの船が消えてるって考えていいの?」 「そういう事だな」 落ちる。そう思った瞬間、垂直に空中で浮いているゼロ戦を水平に戻した。 タバサは気絶したシルフィードで手一杯だ。 直上方向から垂直に降下し『レビテーション』で浮遊させ装甲を貫通できるまで機銃弾を叩き込む。 推力を落としているため、前に進むこともなく墜落もしない。 水平方向なら惰性で照準がズレるため、降下しながらの作戦だ。 水平になった瞬間、再稼動。『レビテーション』が切れる前に飛行可能速度に達するべく、勢いよくプロペラが回転し、その場を離れる。 「どーやら任務完了ってわけだが……間に合うか?」 上空を見上げると日は2/3といったところか。 このまま行けば間に合うだろうが……後ろでヘバっているルイズを見た。 船があった場所を見ると、スタンドが溶けながら核となる船が炎上しながら落ちていっている。 スタンドは溶けたが炎はそうではないため燃え移ったようだ。 タバサとキュルケはスタンドの中に飲み込まれていた船員をそっちに移している。 ストレングスにはメイジも居たため、まぁ何とかなるだろう。 ワルドっぽいヤツも居たような気がしたが、早々に逃げたようだ。 「あっちも手一杯ってわけか……仕方ねーな」 言いつつ機首を下げようとすると、後ろから声がかかった 「なに……やってんのよ?……帰るんじゃなかったの?」 「オメーみてーなの連れていったら、オレが色々困るんだよ」 ルイズが付いてきて、なおかつチームの連中が生きて万が一にでも見られた日には、ハイウェイ・トゥ・ヘルもんである。 そうでなくても、ボスを暗殺せねばならないのだ。暗殺チームの戦いにルイズを巻き込む気は無い。 そう言うが、左手のルーンがさっきよりも少し強く光っている事には気付いていない。 「……わたしが邪魔ならハッキリそう言いなさいよ。いいわ、今日であんたクビね!」 「あ?イカレたのか?この状況で」 「好きにしていいって事よ……元の世界にでもイタリアってとこにでも勝手に帰りなさい」 「だからオメーを連れて行く気は……な……!……てめー何やってる!外は時速350キロだぞ!!」 後ろに居たルイズが、また隙間から前に出てきて、外に身を乗り出そうとしている。 この高さから落ちれば、速度の関係無しに紫外線の直撃を受けたコルベールの毛髪が抜け落ちるぐらい確実に死ぬ。 「わたしを誰だと思ってるの……!虚無の使い手『ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール』よ?」 「……スタンド使いも能力の目覚めたてが一番危なっかしいんだよ。……本気か?」 「虚無の使い手のわたしが、使い魔如きに心配される覚えなんてないんだからね!でも一つだけ命令よ」 「クビなんじゃあなかったのか?」 「う、うるさい!一々揚げ足取るんじゃないの!……その組織ってとこを相手にしても死なない事」 「オメーに言われるまでもねーよ。オレ『達』は簡単には死ななねぇ」 「な、ならいいわ!……あんたも少しはわたしを信頼してよ……」 「……マジってわけか……止めはしねーが後ろに気をつけろ。後で見たらオメーの肉片が付いてましたとかじゃあ洒落にもならねぇ」 「い、嫌な事いわない!……皆に伝えて欲しい事は無いの?」 「アリーヴェ・デルチ(さよならだ)。こいつだけで十分だが、しばらく時間が経ってから言えよ」 「なんで?」 「……オメーがそれ言った後に帰れずに戻ってきた時の気まずさを考えてみろ」 「あー……それ、なんかすっごく分かるわ」 別れの挨拶をしてから、後でその本人が現れる。B級映画でもやらない、洒落にもならない行為だ。 「それじゃあね……今だから言うけど結構楽しかったわよ」 「餞別だ、グレイトフル・デッドで運んでやる。あと、デルフの鞘も持っていけ」 言うと同時に、ルイズを持ち上げる。 「死んでも責任取らねーからな」 「く、クビにした使い魔に責任取ってもらう必要なんて、無いわよ」 「言ってろ」 フルパワー。尾翼に当たらないように放り上げるようにルイズを投げた。 投げると共にフルスロットル、太陽に向け急速上昇。 少し気にはなったが、後ろは振り向かない。 一端の覚悟を持って望んだのだ。信頼してやるのが礼儀というものだろう。 さて、こちらは重力に従って降下しているルイズだ。 確信があったわけではないが、自分の系統を見つけた事により、それも使えるであろうという奇妙な感覚があった。 「落ち着くのよ…ルイズ・フランソワーズ……落ち着いてやればできるわ……あいつも言ってたじゃない」 風圧で手に持つ杖が飛ばされそうになるが、しっかりと握り締める。 これを飛ばされたら、パール・ジャム決定だ。 呪文を詠唱し風圧に逆らいながら杖を振ると降下の速度が落ちる。 「『レビテーション』……やっと成功ってとこね」 地面に着陸すると同時にガクッと意識が遠くなる。今ので最後の最後まで精神力を使い果たしたらしい。 完全に意識を失う瞬間、キュルケとタバサが近付いてくるのが見えた。 そして、翌日。学院で目が覚めたルイズだったが…使い魔がどこにも居ない事に……泣いた ←To be continue...? 戻る< 目次 続く