約 325,735 件
https://w.atwiki.jp/ayane8201/pages/81.html
名前 コメント
https://w.atwiki.jp/igarasiasuka2000/pages/24.html
水性使って描いたのにぼかししちゃったよ最悪!え、なにこれJPGなのこれえぇぇーーとどめ!? -- 五十嵐明日香 (2007-08-18 22 24 23) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/140905580/pages/308.html
タグ一覧 このページは「おれバカだから言うっちまうけどよぉ…」スレに投稿されたSSをまとめるページ(スレpart816~820)です。 SSまとめ各ページ案内 SSまとめスレはこちら + part1~100 part1~10はこちら part11~20はこちら part21~30はこちら part31~40はこちら part41~45はこちら part46~50はこちら part51~55はこちら part56~60はこちら part61~65はこちら part66~70はこちら part71~75はこちら part76~80はこちら part81~85はこちら part86~90はこちら part91~95はこちら part96~100はこちら + part101~200 part101~105はこちら part106~110はこちら part111~115はこちら part116~120はこちら part121~125はこちら part126~130はこちら part131~135はこちら part136~140はこちら part141~145はこちら part146~150はこちら part151~155はこちら part156~160はこちら part161~165はこちら part166~170はこちら part171~175はこちら part176~180はこちら part181~185はこちら part186~190はこちら part191~195はこちら part196~200はこちら + part201~300 part201~205はこちら part206~210はこちら part211~215はこちら part216~220はこちら part221~225はこちら part226~230はこちら part231~235はこちら part236~240はこちら part240~245はこちら part246~250はこちら part251~255はこちら part256~260はこちら part261~265はこちら part266~270はこちら part271~275はこちら part276~280はこちら part281~285はこちら part286~290はこちら part291~295はこちら part296~300はこちら + part301~400 part301~305はこちら part306~310はこちら part311~315はこちら part316~320はこちら part321~325はこちら part326~330はこちら part331~335はこちら part336~340はこちら part341~345はこちら part346~350はこちら part351~355はこちら part356~360はこちら part361~365はこちら part366~370はこちら part371~375はこちら part376~380はこちら part381~385はこちら part386~390はこちら part391~395はこちら part396~400はこちら + part401~500 part401~405はこちら part406~410はこちら part411~415はこちら part416~420はこちら part421~425はこちら part426~430はこちら part431~435はこちら part436~440はこちら part441~445はこちら part446~450はこちら part451~455はこちら part456~460はこちら part461~465はこちら part466~470はこちら part471~475はこちら part476~480はこちら part481~485はこちら part486~490はこちら part491~495はこちら part496~500はこちら + part501~600 part501~505はこちら part506~510はこちら part511~515はこちら part516~520はこちら part521~525はこちら part526~530はこちら part531~535はこちら part536~540はこちら part541~545はこちら part546~550はこちら part551~555はこちら part556~560はこちら part561~565はこちら part566~570はこちら part571~575はこちら part576~580はこちら part581~585はこちら part586~590はこちら part591~595はこちら part596~600はこちら + part601~700 part601~605はこちら part606~610はこちら part611~615はこちら part616~620はこちら part621~625はこちら part626~630はこちら part631~635はこちら part636~640はこちら part641~645はこちら part646~650はこちら part651~655はこちら part656~660はこちら part661~665はこちら part666~670はこちら part671~675はこちら part676~680はこちら part681~685はこちら part686~690はこちら part691~695はこちら part696~700はこちら + part701~800 part701~705はこちら part706~710はこちら part711~715はこちら part716~720はこちら part721~725はこちら part726~730はこちら part731~735はこちら part736~740はこちら part741~745はこちら part746~750はこちら part751~755はこちら part756~760はこちら part761~765はこちら part766~770はこちら part771~775はこちら part776~780はこちら part781~785はこちら part786~790はこちら part791~795はこちら part796~800はこちら + part801~900 part801~805はこちら part806~810はこちら part811~815はこちら part816~820はこちら part821~825はこちら part826~830はこちら part831~835はこちら part836~840はこちら part841~845はこちら part846~850はこちら part851~855はこちら part856~860はこちら part861~865はこちら part866~870はこちら part871~875はこちら part876~880はこちら part881~885はこちら part886~890はこちら part891~895はこちら part896~900はこちら + part901~1000 part901~905はこちら part906~910はこちら part911~915はこちら part916~920はこちら part921~925はこちら part926~930はこちら part931~935はこちら part936~940はこちら part941~945はこちら part946~950はこちら part951~955はこちら part956~960はこちら part961~965はこちら part966~970はこちら part971~975はこちら part976~980はこちら part981~985はこちら part986~990はこちら part991~995はこちら part996~1000はこちら + part1001~1100 part1001~1005はこちら part1006~1010はこちら part1011~1015はこちら part1016~1020はこちら part1021~1025はこちら part1026~1030はこちら part1031~1035はこちら part1036~1040はこちら part1041~1045はこちら part1046~1050はこちら part1051~1055はこちら part1056~1060はこちら part1061~1065はこちら part1066~1070はこちら part1071~1075はこちら part1076~1080はこちら part1081~1085はこちら part1086~1090はこちら part1091~1095はこちら part1096~1100はこちら アダルトコンテンツは乗っけると最悪wiki削除なのでやばそうだなとおもったらリンクかスレ位置を置いておいてください(主にルドトレ) リンク例は編集画面にてコメントアウトしています。 目次 目次おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part816【TSトレ】 おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part817【TSトレ】 おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part818【TSトレ】 おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part819【TSトレ】 おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part820【TSトレ】 おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part816【TSトレ】 ≫15二次元好きの匿名さん22/08/12(金) 21 36 40 おい(押し戻す) はい?(とぼけて見せる) 野菜はいらん。肉をよこせ はい(野菜コロッケを差し出す) おい!(怒ってみる) はい…はいぃ……(しくしくと泣き出す) な…泣かんでもいいだろう(困惑する) はぃぃ…ぃ…(涙を増やす) うう…分かった。それをよこせ(コロッケを受け取る) はい…!(笑顔になり、野菜2割増コロッケを差し出す) ≫18二次元好きの匿名さん22/08/12(金) 21 56 47 「ふんふんふん〜」 ケーキ。それは脂質、糖質、カロリー、欲望…その他諸々をめいめいに詰め込んだ、悪魔としか言いようのないスイーツ。 しかしその『ケーキ』という甘美な響きだけで、人は容易に堕ちるのだ。 今ここ、マンハッタンカフェトレーナー室でも、戦いの火蓋が切って落とされようとしていた。 「豆は…あった」 ミルで豆を挽き、フィルターをセットして豆を入れ、沸かせた湯を注いで蒸らし、待つ。その間に部屋には慣れ親しんだ香りが広がる。 「……うん。成功」 にこにこと満面の笑みを浮かべて、抽出に成功したコーヒーを机に置き、冷蔵庫から紙箱を取り出す。 『Châteraisé』 そう書かれた紙箱の中には、ショートケーキと濃厚ベイクドチーズケーキ、シュークリームが入っていた。 慎重に取り出していると、扉が開き一人の来客があった。 「やあやあ黒カフェさん。お元気かい」 「タイキトレさん、こんにちは。ティータイムの準備はできてますよ」 おっほうとソファに尻を沈め、皿に分けられたシュークリームを自身の前に寄せる。 「ありゃ、黒カフェさんふたつ食べるの?」 「ああ、いえ。これは…」 そう言って部屋を見回しながら、「影さーん、影さーん」と声をかける。それに笑いながらタイキトレは 「そんなお化けじゃあるまいし、出てくるものなの?」 「………ふう」「ひゃっっ」 もやあっとした叢雲のようなもやと共に、薄い輪郭がタイキトレの後ろに現れると、そっと耳へと息を吹きかけた。 19二次元好きの匿名さん22/08/12(金) 21 57 47 「誰、誰なの!」 後ろを振り向きながら迅速に縄を構えるタイキトレ。しかしそこには誰もいない。 「……ショートケーキ」 「影さんの分ですから。フォークどうぞ」 「ありがとうございます」 目をキラキラと輝かせながらイチゴの乗ったショートケーキへと向ける、藍色のボブカット、大きな耳、両耳ピアスを開けたさサブトレーナー、影カフェの登場だ。 「え、……え!?」 目をめずらしく白黒させながらタイキトレが影カフェを見つめる。一方影は、まるで宝物のようにそっとショートケーキを持ち上げ、じいっと見つめている。 「あの……え?どうやって出てきたの?」 「それはこう…タイキトレさんの存在明度操作を数倍濃くしたというか…百聞は一見にしかずですね。影さん、できますか?」 「…あ、はい」 ショートケーキに意識を奪われている影カフェを一旦呼び戻すと、彼女の輪郭が空気と一体化していく。瞬きした瞬間、どこにもいなくなった。 「はえ〜…すっごい。どこにも居ないね」 「私、影カフェ。今、タイキトレさんの隣にいますよ」 またしても耳に息を吹かれ、背筋が凍る。本当に向こうの世界からの息吹のようで、とても冷たい。 「そりゃ!」 一か八か、縄を投げつけると見事にかかったようで、見事に胸の部分が強調される形で縛り上げられた影カフェが浮き出てきた。 「今解くからね〜。ちょいと松たか子」 せっせこ結び目を解くタイキトレの対岸で、えもいえぬ切なさで胸をかきむしる黒カフェ。 「や〜それにしてもすっごいねえ今の。どうやるの?」 「こう……そんなに意識することはないですよ。深呼吸して交感神経を鎮めるみたいに、自分の『今ここにいる』っていう意識を沈めていくんです。すると……ほら」 消え去ったと思った影カフェは、後ろからタイキトレの耳をそっと撫でつけてやる。 「ほう〜。すっごい」 「偶然の産物ですが。それより…ケーキ、食べましょう」 20二次元好きの匿名さん22/08/12(金) 21 58 14 トントン、と目がトびそうになっている黒カフェの肩を叩いてやると、ハッと意識を戻す。 「ケーキ、い頂いてよろしいでしょうか?」 「あ…ああ。うん、食べよう。タイキトレさんも、シュークリームどうぞ」 「ありゃ、これはこれは。じゃあ羅針盤…じゃなかった。ご相伴に預からせていただきます」 いただきます、と三者三様のスイーツを頬張る3人。 ケーキを食べ始めてから、食べ終わってしばらく経っても影カフェははっきり見えたという。 タイキトレ曰く、『やーすごかったよ。解語之花って感じ?そんなヒトがケーキもくもくしていたずら好きなのはどっか、気が合いそうだねぇ」とのこと おしまい。 wiki見てたら黒カフェさんとタイキトレさんの仲がいいとあったのから思いつきました。 影カフェはシャトレーゼのショートケーキを触媒にした場合に限り確定召喚できます。加えて甘いものに目がないので基本なんでも喜んでくれます。かわいいですね。 最後にタイキトレさん、黒カフェさんをお借りしました。エミュの方の自信が皆無ですので道頓堀にスパイラルダイビングさせてもらいます。 ≫87二次元好きの匿名さん22/08/13(土) 21 08 04 ロブトレの育成方針 「私のトレーニングについてですか?ええ、簡単なものであれば教えますよ」 「ふふ、ロブロイが秋の三冠を取ったのに特別なトレーニングだったり、思ったよりもハードではない、あまり勝てなかったときとあまり変わりがない、と感じられましたか?」 「そうですね、まずかつてのロブロイですが、あの頃はまだ体が出来上がっておらず、きつめのトレーニングは難しいものでした」 「ですが、成長した今のロブロイならこのトレーニングよりもさらにハードなものにも問題なくこなすことはできるでしょう。それにロブロイは落ち着いている子で、私のトレーニングにも信じてしっかりとこなしてくれますので、嫌がることもありません」 「その上でハードなトレーニングをしなかったのは、彼女の体が明確に出来上がっている、する必要がない、と言えるほどになっているというのがありますね」 「あ、いえいえ、それは緩いトレーニングをすればいいわけではありませんよ。キツすぎず、それでいて緩すぎない、そのために細かな工夫は常に考えています。それこそ、日々変わっていく彼女の体を見続けたうえで、ですね」 「そうですね、最初の頃はやりたくてもできなかった、そして成長した今はやれるけど無理にはやらなかった、というのが正しいでしょうね」 「その上で、どうして秋の三冠を取ることができたか、ですか?ふふ、それは……」 「彼女は最初からずっと、私の英雄、だったからですよ」 以上、ロブトレの育成方針でした。結構前のスレ(確かpart812?)であったそれぞれのトレーナーの育成方針を見てのものです。 ロブトレはハードなものはせず、基礎通りのトレーニングを行っています。 ただ、その中で少しずつその日その日、またそのウマ娘ごとに合わせて細かな工夫をしている感じです。同じ運動量でも少しずつ違うのです そしてこのトレーニング内容は、実は実馬のロブロイのトレーニングとも同じ感じなのですよね 「同じ調教量でも‘‘やりたくてもできない’’のと‘‘する必要がない’’のでは違うんだな」というのは名馬物語から藤沢調教師からの言葉で、調教の観点を改めて考えさせられたそうです ちょっとそのあたりも踏まえて、ちょっと書いてみました。 以上、短文失礼しました。読んでくださりありがとうございました。 ≫156二次元好きの匿名さん22/08/14(日) 18 18 30 イクトレ「いくお、はあしえ」(ビチビチ) イクノ「ダメですトレーナーさん。塩分摂取量が規定値を大幅にオーバーしています。日本酒もダメです。これでは心身共に被害が及びます」 イクノ『これらを食べれない方が心身に悪い。離してくれ』 イクノ「ダメです。認められません」 イクトレ「いくお……」 イクノ「しかしここに、あぶみ本舗謹製塩分85%カット、及び味はそのままの梅干しを用意しました。これでいきましょう」 イクトレ「いくぉ!!!」 ページトップ おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part817【TSトレ】 ≫9二次元好きの匿名さん22/08/14(日) 21 02 10 「同志Bこれは」 「同志Aよくぞ聞いてくれたこれは最新のAI使ったイラストアプリその名もUMA・Iだ」 「ほうワードを入力するだけで勝手にイラストを出力してくれるのかすごいな」 「だからこのように……普段女物を拒否するトレーナーにあんな衣装やこんなコスプレを着させることも可能なのだ」 「もこもことしたドレス姿からから露出度が高いビキニまで、ほほう勝負服入れ替えももなかなか」 「おっと見せられるのはここまで……C100の目玉の一つなんでな楽しみに待っていてくれ」 ≫10二次元好きの匿名さん22/08/14(日) 21 06 42 トレセン地下帝国C100 い-UCHI おしながき [再販]トレセン学園ウマ娘になっちゃったトレーナー総集編 箔押し特殊PP印刷合計400ページ 3000円 [新刊]不健康気弱ウマ娘のわたしが義足、ケツデカ、影薄い3人に迫られて困ってます(成人向け) 500円(各自3√+総受け√) [新刊]愛し、愛され(成人向け)ウオトレ3人+1×箱入り娘のお嬢様総受け本 1000円(各自4√+総受け√) [既刊]生徒会トレーナー共(全年齢)、スズトレある日の憂鬱(全年齢)、DK4はかく語りき(全年齢)等過去の既刊10冊の再販。各500円 『グッズ情報』 各トレーナーアクキー3点セット500円(それぞれセレクトができます) シン・トレーナープリントファイル100円 リャイトレ監修プロテインシェイカー1000円 オベトレ監修あなたもばんえいボディに!ダンベル2000円 ロブトレ監修ブックカバー、ステンドガラスしおり(セット500円) ほか多数 先着100名様に特性Tシャツを無料プレゼント サークル『トレセン地下帝国』お待ちしております!! ≫21二次元好きの匿名さん22/08/14(日) 22 55 00 「「ひぃっ!」」 「なんだ、そこまで怖いか二人共」 雨雲のせいでやや暗い外と、明かりのほぼない光景が映るテレビ。借りてきたホラー映画の鑑賞をしていたドベトレ、ウオトレ(女)、ファイトレ(女)ら170cm組は、恐怖で怯えるドベトレとウオシス、表情を僅かに緩めながら見るファイ女という構図が出来ていた。 「落ち着け、単なる女の幽霊だろう。」 「なんで落ち着いてられるんだよぉファイトレ(女)…」 「(ガタガタガタ)」 「私は暗闇とか不意打ちには慣れてるからな。アンブッシュ如きでは驚かんし、これくらいでは怯えんよ。」 耳をぺたんと倒して苦言を呈するドベトレ、震えて縋り付いてくるウオシス、知らんとばかりにストローでドリンクを飲むファイ女。 「ただの後ろから忍び寄って襲う典型的なパターンじゃないか。王道故にだろうが、最初にやり始めたのは…流石に分からんか」 …ビビり散らかす二人を横目に、ドリンクを入れに席から立ち上がって僅かに外すファイ女。ちょっと目を離した隙にくっつく二人。 「なあこのあと…」 「き、来ますよね…」 ──画面の主人公が触られた瞬間、二人の首筋に這う冷たい感触。それは、まるで幽霊が本当に現れて触れてきてるかのようで… 「ヒュッ…」 息が止まる。ワンテンポ遅れて二人は──大音量で悲鳴を発した。途中でポンと叩かれて悲鳴を止める。 「なんだいきなり、私の手を幽霊のとでも誤認したか?とりあえず真ん中のスペースを開けてくれると助かる」 「あっ…ファ、ファイトレ(女)…」 「よかったです…(ぶるぶる)」 ドベトレとウオシスの間に腰を下ろすと、手を回してくる二人。どうやらアレは相当応えた様子。 「もう終わるまで抱きついてます…」 「…好きにするといいさ。」 …当然というかなんというか、見終わってからも暫く引っ付いていた。ついでにガチで怖くなって暗闇で眠れなくなったらしく、一応見せた責任としてドベトレも巻き込んで一緒に眠るファイトレ(女)とウオトレ(女)の姿もあったとかなんとか。 短文失礼しました 前スレのホラーネタより恐怖する二人と恐怖心がどっか行った女の図です。まあ暗闇で一人野外で寝るとか散々してたので… そして170cm組で一緒に寝る光景、多分真ん中はファイトレ(女)かウオシスで、ドベトレは端っこそう(女二人に囲まれたら、ねぇ…) ≫110二次元好きの匿名さん22/08/16(火) 22 14 17 ギム「青いの、白いの、娘よ、ちゃんと肉を食え。肉こそ人が生きる糧だ」 202「あ……あざっす」 V「うおお!!肉だ!肉!」 ウオシス「あ……ギムレットさん、ありがたいんですが……あの、親父さんの分は?」 親父(おいギムレット。俺の肉はどこだ) ギム「ボウズ、お前も漢ならばここで肉を譲れ。食べ放題だからいくらでも食えるだろ」 親父(なら唐揚げとホルモンとハラミを食わせろ) ギム「任された」 ≫136二次元好きの匿名さん22/08/17(水) 12 19 54 「11バック、Jバックってのは基本的には簡易版革命だな。そのターン中の強弱をひっくり返すというローカルルールの一種だ。利点としては3から順当に進めていった場合の手札消費を捗らせられるという点、高レベルカードを投げつけられる前に事前に防ぐ、逆に革命中に高レベルカードを消費したい時……まあ色々あるな」 「この手のローカルルール、起源がわからないものが多いですわね」 「まあそういうもんだろうしな、そういう許容幅の広いゲームだから後からカードに意味を追加できるというのがある」 「ちなみにさーブラトレ、11バック適用の勝負でJで革命起こしたらどうなるの?」 「……どうなるんだ? 革命返しの必要カードが11より上の数字になるのか……?」 「……何を参考すればいいかわからないのはローカルルール故の悲哀だな」 ≫140二次元好きの匿名さん22/08/17(水) 13 07 36 「…….11バックって?Tバックの親戚じゃないの?」 「魔ルド!貴方それブラトレと黒ルドの前で言えますの!?」 「でも獅ルドさんの下着はCスt」 「セクハラ!」 「なぁフクトレ、魔ルドは何をいいかk」 「テイトレ。知らない方が良いことってものが世の中にはありましてよ」 「というか、元男なのに何故元々女性の獅ルドの下着を……」 「……なんでか、普通に元々女性のトレーナー用更衣室に案内されて……見ちゃっただけだよ?」 「なら心に秘めといてくださいまし!」 ページトップ おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part818【TSトレ】 ≫37二次元好きの匿名さん22/08/17(水) 22 47 27 『バケ~、バケ~』 『た、助けて……!』 『あらあら~、少々おいたが過ぎていますね~』 『グ、グラトレさん!』 『此処は任せて貰いましょうか~』 『お、お願いします!』 『バケ~!』 『……では、さっくりと行かせて貰いましょうか~──駆けろ』 『──万緑叢中』 『バケ~!?』 『……おやおや、先程言いましたよね? さっくりと行かせて貰いますと~──卍解』 『万駿叢中緑一陣』 『バ、バケ~!?』 『──終わらせます』 「……グラトレはまだ気絶してるの?」 「苦手な幽霊と遭遇したからね……」 「うなされてる訳ではなさそうだし寝かせてたらどうかな?」 「そうしましょうか」 38二次元好きの匿名さん22/08/17(水) 22 47 40 「でも造花セイトレさんが居て助かりました」 「い、いえ私は運んだだけですよ」 「いやいや、造花さんの次はグラトレさんと5㎝差しかないスぺトレさんですからね」 「幾らウマ娘パワーが有っても運び辛いだろうしね」 「……だけど、まさか温泉で怪異と遭遇するなんてな」 「うっ、すみません……」 「ま、まあ、あまり気にしないでください」 「うん、真っ先にグラトレの尻を触りに行ったスケベ霊は流石に転セイトレと関係無いんじゃないかな……」 「ううっ、あの霊消える前に俺のお尻も触って行った……」 「げ、元気出してエルトレ……」 「……でも、凄かったですね除霊」 「……そうだね」 「尻を触る霊に気付いてグラトレが意識を飛ばした直後だったよね黒カフェさんが来たのは」 「……凄かったねケツパンチ」 「霊が憑いて触っていたグラトレの尻にケツパンチが当たった時は何処かで別の怪異が叫んでいた気がするよ」 「あれ? ウチの担当に風評被害が行った様な気が……?」 「気のせいじゃ……無いかな?」 「ま、まあ、取り合えずグラトレが目を覚ましたらもう一度温泉に入ろうか!」 「そうですね、身体も冷めてしまいましたし」 「今度は大丈夫かなぁ」 「今度は黒カフェさんからお札を貰いましたし大丈夫ですよ」 「……ま、大丈夫だろうさ」 「それじゃあ今度はゆっくり温泉を堪能しますかね」 「お~!」 その後お札が貼られていない脱衣所で下着が全てマイクロビキニになる怪異が発生したのは別の話 うまぴょいうまぴょい ≫55二次元好きの匿名さん22/08/18(木) 00 04 57 「……トレーナーさん? トレーナーさんからハグは珍しいですネ?」 「うんにゃ。ただ今日はこんな気分」 「どういう気分デスかー? ショーミーユアフェーイス?」 「だから、こんな気分」ギュウ 「ンー……。オーケー!」 「オッケーかーい。……あんがとねタイキ」 「ノープロブレム! オゥ、もしかして子守唄のデバンですね!?」 「ちょっと違う」 以上、遅筆なりに色々書き溜めてたら今日(昨日)の報道で色々吹っ飛んだ人です。多くは語らないけど実馬の頃から好きでした。 ≫65二次元好きの匿名さん22/08/18(木) 07 34 30 ──ふぁさりと纏めていた髪を解く。黒髪黒目のウマ娘は、その長い髪を揺らしながら鏡の前に座った。 「これもこれで手入れは大変といえば大変なのよね。すっかり慣れてしまったと言えばそうなのだけど。」 そのウマ娘──キタトレは、シャンプーを手で泡立てて髪を労りつつゴシゴシと丁寧に洗っていた。 長い髪はヘアアレンジするには良く、時々髪型を変えて(弄られて)おしゃれやら変装することもそこそこなのだ。 「〜♪」 勿論時間はかかる。が、そんな手間も込でやってるのだから文句はないどころか寧ろ楽しんでさえいた。 シャワーで洗い流し、念入りにリンスをつけてから体をボディソープできちんと洗って纏めて流す。 「…」 水分を吸った髪の毛は重く垂れ下がる。ウマ娘パワーをもってすれば大したことはないのだが、これが人の身であればその重みを持て余すのは間違いなかっただろう。キタトレは立ち上がって手首につけていたゴムを唇にくわえ、長い髪を纒めようとする。 (やば…大分遅くなっちゃった。あんまり一人は好きじゃないんだけど…お化けとか出そうで) …そんな風呂場に入ってくる一人の人影。ちょっと怖がりな女性トレーナーが、珍しくとても遅い時間帯に来た訳である。 「…あっ」 そして彼女は見てしまった。お湯の水面に映る真っ黒な影、化け物の如きそれは一瞬だが彼女に霊を連想させるには十分だった。 …不運だったのはその日の天候が大雨で、丁度そのタイミングで雷が落ちたことだろう。キタトレも彼女の足音は聞こえなかった。 「ヒィィィ!!!」 脱兎の如く風呂場から逃げ出す彼女。雷とさっきの幽霊(と誤認したキタトレ)のコンボはパニック状態に陥らせる。 勿論キタトレも誰かが出入りしたのには気づいたが、周りの状況的に追って気にかけることではないと踏んだ。 「着替えを忘れたのかしら…」 まさか幽霊と誤認されたなどとはつゆ知らず、髪を纏めて湯船につかり、温かい感覚を満喫するキタトレ。 ──後日、トレセンの風呂に幽霊が湧いたと極一部で噂が広がっていた事を知って、ようやく何が起こったのか把握するのだった。 短文失礼しました 風呂と怪談で一つ、卍解ネタはBLEACH分からんのでパスさせてもらいます…。髪をほどいたキタトレが幽霊に勘違いされる話。 ここまで適応してるのに男性としての人格もきちんと残ってるキタトレ。こいつも大概性別詐欺ではある。 ≫90二次元好きの匿名さん22/08/18(木) 18 18 49 尻のデカい和食料理人は語る セイブルコンボで仕留められたメカ邪竜は不思議と鉄臭さが消えて美味しく調理出来ると── ……しかし我々には疑問が残った どうしてセイブルコンボを食らったメカ邪竜は鉄臭さが消えるのだろうか? その疑問にケツがデカい和食料理人はこう答えた フグの卵巣の糠漬けは解毒方法が不明でして~、同じ様にコレもまた鉄臭さが消える理由は不明なのですよ~ ……我々は理解した 美味しかったら良いじゃない これが食の真髄なのだと── ≫109二次元好きの匿名さん22/08/18(木) 21 21 01 ここで一旦CM 「クスクス、ロレトレおねえちゃん☆ そんなに顔真っ赤にしちゃって★ かわいくてかわいそう~★」 「そんなマベトレ様……おやめになさって」 「意地を張ってないで受け入れて女の子になっちゃおうよ~★ マーベラスに☆」 メス堕ちの階段を登らされるお嬢様!? マベトレxロレトレ 「あら、いつもの生意気な態度は一体どこにいったんですのマベトレ様」 「そのロレトレおねえちゃんごめんなさい~」 「謝っても無駄ですことよ今回こそはわからせてあげますわ」 それとも王道のメスガキわからせ!? ロレトレxマベトレ あなたはどちらを選ぶ? 実際にあったエピソードからねつぞ…創作ストーリーまで多数収録 また会場限定エピソードも少しご紹介 「マヤトレおにいちゃんはもちろん私を選ぶよねー☆」 「マヤトレ様はわたくしを選びなさりますわよね」 「……ま、まてお前ら」 ロリになってしまった同僚に迫られたマヤトレは一体どうする!? お嬢様とメスガキ(それとイケメン)が織り成すちょっと変わってしまったトレーナー生活 『さんきょうの日常』 初回限定生産はランダムで写真が一枚封入 好評予約受付中 はい、せーのトレセン地下帝国社 ≫118二次元好きの匿名さん22/08/18(木) 23 57 35 「グラァスッ! 落ち着くデース!! グラァァァスッ!!」 「くっ! 離しなさいエル!」 「いいから落ち着けデース!!」 「貴女の……貴女のトレーナーが同じ姿だったら! エル、貴女は耐えれるのですか!?」 「エ、エルのトレーナーさんがデスか? ……おおうっ」 「隙有りです!」 「ノオッ! グラス待つデース!!」 「……どうしたのエル? そんなに慌てて?」 「Oh! トレーナーさん実は! ……トレーナーさん?」 「うん、どうしたのエル?」 「あっ、その……」 「困り事?」 「…………エルは」 「?」 「エルはプールにスタミナトレーニングしに行って来マース!!!!!」 「エル!? エルッ!?」 「ノォォォォォ…」 「ど、どうしたんだろうエルは……」 その頃 「さあ、日焼けのケアを致しましょうトレーナーさん」 「あの、グラス? 目が怖いのだけど?」 「しっかり……オイルで焼けた肌の保湿をしましょうね~」 「グラス? グラァスッ!?」 うまぴょいうまぴょい ページトップ おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part819【TSトレ】 ≫41二次元好きの匿名さん22/08/20(土) 17 25 01 「諸君、身長とスリーサイズは好きか」 「大好きに候」「数字だけでエッを感じられる」「まさに数字の魔術よ」 「ではこの数字を見たまえ諸君。今回はあの芦毛のウマ娘だ」 「152-82-57-81!」「美しい……」「儚さも感じる」 「ちなみにこちらの数字は公称されたものであるため実際の数字と異なる場合があるので注意したまえ」 「公称とは?」「我々には見えぬものを見る必要がある故」「おそらくどこかに書いてあるのだろう、たぶん」 「まず胸、数値としてはDK4トップタイになる。だが全体でみれば中央に近い数字だ」 「大きくも小さい、小さくも大きい」「すでにえっち」「スケベ」 「次にウエスト。細めだが間違いなくある」 「たまに増えてるよね」「やめるのだテイトレ殿、そんな風に人前でムニムニするんじゃないのだ」「ああ、脳を焼かれているものが……」 「最後にヒップ、胸よりちょっとだけ小さいところに癖を感じる」 「目に見える範囲で同じくらいの数字が並んでいるという奇跡」「えっちえっち!」「脳みその活動が委縮しておられる?」 「これに152という身長を合わせる……するとどうなる」 「宇宙が広がる……」「えっちっち」「身長小学生と同じくらいな時もあるとか今の子供発育凄くない?」 「これが我々が普段接しているテイトレという者だ。最近は元気になったが、まだまだ見守っていかねばならぬ」 「我々は陰から彼らの幸せを守るもの」「守護らねばならぬ……」「それが我ら影たるものの定め」 「では本日はここまで」 「「「散!!」」」 「……フクトレー、なんかあのあたり変な影いなかった? っていうか、もしかして人じゃないやつ?」 「……まあ無害な奴らだ、放っておけ」 ≫52二次元好きの匿名さん22/08/20(土) 18 40 55 べつにおっぱいなんて無くてもいいじゃないですか ───────そう、パチタマは語る。 乳にレゾンデートルを求めるなんて、愚の骨頂ですよ。あんなのは飾り、虚飾の極みです。 ───────どこか、悟るように言う。 本当に大切なのは心。感謝の思いなんです。人々はそれを忘れちまってるんですよ。 ───────しかし彼は、心の中で悔やんでいた。 そんなんじゃ…………ねぇだろ!彼の求めた、乳の極みは!! 彼は『感謝』した。彼と関わる全てのトレーナー。彼の担当であるタマモクロス。その親友、その他全てのウマ娘へと。 それを重ねる。幾重にも、幾重にも。 祈り、拝み、構えて、打つ。 その一連の動作を、何度も、何度も、気が幾億年先へと遠くなろうとも、ひたすらに感謝をし続ける。 そうして彼が今日も4万を溶かして、パチ屋から帰還した時。 彼は───────音を置き去りにした!! ≫77二次元好きの匿名さん22/08/21(日) 00 06 00 ウオトレ(親父)のバッグの中身 財布(予備) 連絡先 鍵 ハンカチ 水 筆記用具 手帳 レースに関する理論書 ジャージ 常備薬や絆創膏、ガーゼと言った医薬品 「おお…意外と中身は整ってるっすね」 「「意外と」って何だ「意外と」って。これでもチームの代表でトレーナーだからな。ある程度の備えはしているぞ」 「先輩がそこら辺しっかりとしてるのは昔から知ってるっすよ…ところで、化粧品とかは持ってないんすか?」 「日焼け止めならあるが……化粧品は持ってないぞ。というかあれって外で使うのか?「先輩、準備をしましょう今すぐに。大人の嗜みっすよ」お、おう…」 男の頃からバッグの中身は割と整っていたりするウオトレ(親父)。 化粧品?知らない子ですねぇ…テールオイルなら違いがわかるけども化粧品についてはまだまだです ≫80二次元好きの匿名さん22/08/21(日) 07 20 10 マルトレバッグの中身 タブレット端末 スマートフォン デジカメ ポケベル Switch ハンカチ 交通安全のお守り 鍵束 リップクリーム モイストヒーリング系絆創膏 「化粧品とかないの?」 「いや別に化粧してないし……」 「化粧水は!?」 「元から朝と風呂上がりにつけるけど外出中つけないし」 「う……ウワァァァァァァア!!(発狂して倒れる)」 ≫88二次元好きの匿名さん22/08/21(日) 10 00 16 おはようございます カバンの中身は面白そうなのでロブトレのも置いておきますね タブレット スマホ ノート、筆記用具 ストップウォッチ ハンカチ お財布 携帯裁縫セット 化粧道具 本(ロブロイからおすすめされた本、日によって異なる) お化粧ポーチ 「さすがトレーナーさんです。カバンも整理されていますね」 「ふふ、ありがとうございます、ロブロイ」 「裁縫セットは予想通りですが、ノートは二冊あるんですね」 「ええ、一つはロブロイのトレーニング用ですが、もう一冊は思いついた衣装のデザインをいつでも描けるように常に持っているんですよ」 「あ、私がおすすめした本も入っていますね」 「ええ、ロブロイのおすすめする本はどれも面白いですからね。今読んでいる本もですね……」 「はい!そのシーンは……」 ≫89二次元好きの匿名さん22/08/21(日) 10 51 56 キタトレの鞄の中身はこんな感じ(常時持ち歩いてるもの)(ぶら下げれるポーチが別にあるのでスマホとかはそっちに入れてる) メモ帳と筆記用具 化粧品セット 医療品(絆創膏とか消毒液、常備薬) 甘味(主に一口キャンディ) 予備バッテリー兼充電器 トレーナーとして仕事してる時はここにタオルやストップウォッチ、タブレットとかが追加される感じ。 「正直な話すると、腰につけたポーチだけとかで外出することも時折あるわよ?その場合はスマホと財布、ハンカチと最低限の化粧品くらいね」 「えっ?」 「メモとか鍵とかってスマホで代替出来ちゃうのよね。まあこんな軽装で出る時は遠出とかしないから困ることはないのだけど」 ≫91二次元好きの匿名さん22/08/21(日) 13 11 04 タマトレの鞄の中身 •スマホ ガラケー 「スマホあるのにガラケー?」 「ガラケーは仕事用、スマホはプライベート」 •46スロのメダル 4パチの玉 •特殊景品 お菓子 •6.5号機必勝パチスロマニュアル 「トレーナー?」 「ほら、タマお菓子全部持って行っていいぞ!チビ達も好きだろ!」 「トレーナー?」 「次行くぞ!次!」 •サイフ •メモとボールペン •充電器 ケーブル •タオル ウェットティッシュ 「まあ、普通やな」 「この辺は特に言うことを無いぞ」 「知っとったけど化粧品とかは無いんやな」 「朝顔洗えば十分じゃない?」 「トレーナー?因みにトリートメントとかは」 「リンスインシャンプー!固形石鹸!」 ≫97二次元好きの匿名さん22/08/21(日) 17 58 43 共通はこんなところかな? トレーニング用タブレット(もしくはノート類) 細々としたお菓子数個(夏の間は塩分補給飴) 財布 応急処置セット ブラトレ ※デッキ ※髪ゴム 「……トレーナー、なんでデッキが入っているんだ?」 「いや今日の夕方ブルトレと一戦交える予定だし」 「家に帰ってからやれ」 ベガトレ ※星座早見表 ※ミニクッション ※最低限の化粧用品 「寝るときに敷くことで顔に跡がつかない!」 「額に跡がつくのはみっともないわ」 「ネイトレにまで噴出されたのは流石にショックを受けたわよ」 バントレ ※予備の仮面一枚 ※ネイルセット 「爪の保護は大切ですからね。私の場合はほどほどに飾りをつけるので十分ですが」 「そういえば以前仮面が真っ二つに割れたときに瞬時に取り出したのはこれっスか」 「備えあれば患いなしという言葉の通りですよ、バンブーさん」 ≫100二次元好きの匿名さん22/08/21(日) 18 31 48 グラトレ(独)の鞄(巾着)の中身 お昼のお弁当 艶紅 「あまり物が入ってないんですね~」 「茶道具や化粧水はトレーナー室にも常備していますからね~」 「では財布等は着物の中でしょうか~」 「ええ、ええ、着物は意外と収納出来るものですからね~」 グラトレ(独)の着物の中身 「胸元」 ペンとメモ帳 「帯」 スマホ 「袂」 袂落とし(財布、名刺入れ、鍵束を取付) ハンカチとティッシュ 懐刀(銃刀法に抵触しない刃渡り) 小型GPS発信機 ツェルト 「……トレーナーさん?」 「どうしましたかグラス?」 「GPSは私が持たせましたが……何故袖から短刀とツェルトが……」 「小さい刃物は色々と便利ですからね~、それにツェルトは雨風を凌げるので助かるんですよ~」 「……迷子でビバークしないでください……」 ≫107二次元好きの匿名さん22/08/21(日) 20 13 21 ある日のこと。生徒会室に入ろうと扉の前に立つと、何やら話し声が聞こえてきた。 「それで、勘違いされやすいんだけど。だいたい効果が出る前にやめちゃったりとか、方法が間違ってたりして……」 「成程……それでリッキーちゃん、具体的にどういうことを続ければいいの?」 会話内容と声色からして、おおよそ推察が出来る。 トレーナー君と、コパノリッキーだろう。 ……生徒会としては、一定の監視をしておきたいウマ娘の一人なのだが。主にファン感謝祭の一件等でだが。 とはいえ、楽しそうな会話の邪魔をするのも不味い。 一先ずは話の一区切りを探すべく、黙って聞くことにしよう。 「うん!それこそ身の回りを綺麗にするとか、観葉植物を置いてみるとか、そういった簡単かつ手軽なことも良い結果を招くから!」 「ふむふむ……それなら簡単に出来るかな?」 「あ、そういえば今困っていることって……」 「それは……あ、お風呂関係とか、そういうこと教えてくれるかな?」 一瞬嫌な予感を感じてドアノブに手をかける。 「成程!それならやはり大事なのは換気!風水的に湿気はNGだけど、お風呂は身を清めるって意味で大事なんだ! 出来るなら昼間は窓を開けておくとか、それこそ換気扇を回して換気とかそういうことからも厄を払い運気を呼ぶ、そういうことの積み重ねが開運に繋がるんだよ!」 「成程……」 筆記具を走らせる音、納得したような声色。 だがしかし、そろそろ入らねばならない。 扉を開けると、そこにいたのは案の定メモを取るトレーナー君と楽しげなコパノリッキー。 「あ、ルドルフ!ちょっとね、お話ししてただけだから!気にしないで!」 「そうそう!ちょっとルドトレさんの相談に乗ってただけなので!」 108二次元好きの匿名さん22/08/21(日) 20 14 34 二人の正しい申告に耳を傾けたあと、一言発する。 「それはわかっているとも。ただ……」 「ただ?」 「こういった個人的な相談については別に構わないが、自作のチラシの配布や掲示については事前に許可を取ること、だ」 少しだけ釘を刺し、風水とある意味相性の良すぎる彼女がどうなるかを考え、私は少し悩ましげに席に向かうのだった。 ということで一本 天然だけどロジカル寄りな魔ルドと、統計的だけどマジカルな風水って相性良いと思うの ≫185二次元好きの匿名さん22/08/22(月) 17 30 13 「もうすぐ夏が終わる」 「終わるとどうなるんですのブラトレ」 「知らんのかマクトレ。地獄が始まる」 「そうなのフクトレ?」 「さあ…俺はあくまでフク専属だからな…なあブラトレ、そんなに地獄なのか?」 「地獄どころか辺獄だぞ?一気に夏休みが明けることによって負荷が一瞬で3倍4倍になるし。夏が明けるってことは重賞がまた再開するだろ?」 「ワ…ワァ……」 「テイトレが泣いてしまいましたわ!」 「どうすんだブラトレ。泣いたぞ」 「…行くか、焼肉。俺が奢るぞ」 「ワァ!!」 「復活ッ!テイトレ復活ッッ!!」 「やはり焼肉ですのね。いつ出発するんですの?私も同行しますわ」 「マクトレ院」 ページトップ おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part820【TSトレ】 ≫105二次元好きの匿名さん22/08/23(火) 19 10 45 「何でなんだよ…テイトレ…お前…自分が何やったかわかってんのか!?」 「おやめなさいブラトレ!」 「黙ってろマクトレ!コイツは…よりにもよって…」 「…仕方なかったんだよ…ッ!!」 「うるせえ!仕方ない訳ねえだろ!?!?」 「…とにかく落ち着けブラトレ。こうなっては何も進まん」 「…ッ…分かったよ…でもな…テイトレ…許さねえからな」 「…あれは仕方なかったですわ」 「んなんで許されるはずねえだろ…」 「俺の楽しみにしてた日本酒3人で俺が来る前に開けやがって!」 「だって…だってマクトレが最初に開けようって言ったし…」 「知りませんでしたもの!私は悪くありましぇんわ!」 「酔ってるだろお前ぇ!」 「そんなブラトレだってガチギレしてますわよ!まだ半分あるじゃないですの!」 「……だから落ち着けって。オラ」(砂肝炒め突っ込む) 「「もぐぅ!?」」 「ごめん…ごめんねブラトレ…ヒグッ僕なんて…いない方が……うぅ…」 「なーかせた!なーかせた!ブラトレがテイトレ泣かせましたわ!先生に言ってやりますわ!」 「バッカお前やめろ!!この前は水着コレクションさせられたんだぞ!!」 「あ、メール…『浴衣、楽しみにしててくださいね』だと。エスパーじゃん…」 皆んなで酒ゴクゴク…… 「「「「逃げたいですわ!!」」」」 ≫119二次元好きの匿名さん22/08/23(火) 20 59 33 ロブトレの耳かき これは、ロブトレがウマ娘になってすぐのこと…… 「ん……っ……これは、難しいですね……」 「おはようございます、トレーナーさん……?あの、トレーナーさん、どうしましたか?」 「ん?ああ、ロブロイ、おはようございます。いえ、その、少し耳かきを、と思ったのですが……」 耳かき……それは日常的に行う身体のメンテナンスでもある。 耳の中の垢を取る行為であり、これを怠ると聞こえづらくなったりもする。 そして、その耳かきをいつものように行おうとしていたのだが…… 「あ、そうですよね。トレーナーさん、ウマ娘になったから耳の位置も変わってしまいましたから……」 「ええ、頭の上というのはなかなか上手くいかないものでして……」 そう、今の私は数日前にウマ娘になってしまったばかり、当然かつてあった耳はなくなり、頭の上にフサフサとした大きな耳が生えているのである。 横ではなく頭の上についているとなかなか耳垢を取ることができず、先程まで悪戦苦闘していたのである。 現時点でウマ娘から人に戻ったケースはなく、今後もこの体で付き合っていくことを考えると早めに日常的な事もできるようになっておいたほうがいいと考えてしているのだが…… 120二次元好きの匿名さん22/08/23(火) 21 00 46 「ふふ、自分で耳かきをするのには少しコツがいるんですよ」 「そのようですね……頭の上にあるだけではなく、毛で覆われているのもまた困難にしているようですし、どうしたものか……」 そう思い悩んでいると、ロブロイは少しおずおずとした様子で 「……あの、トレーナーさん……もしもよければ、私が耳かきをしましょうか?」 「ロブロイが?いいのですか?」 「はい、いつもトレーナーさんにお世話になっていますから、私に任せてください」 「……ふふ、それならお願いしましょうか」 「!はい、トレーナーさん!では、頭をこちらに乗せてくださいね」 ロブロイの言葉に甘えて彼女の膝の上に頭を乗せる。 彼女の柔らかながらもウマ娘として確かな力を感じられる太ももを感じられる。常に彼女の足は確認しているが、こうして頭を横にすることでもまた異なる感覚が感じられるものだ、と思わず思考がトレーニングに行ってしまいそうになる。 今は耳かきをしてもらうのだから、そのようなことは考えず、リラックスして、と思い目を開けると…… 「……なんと言いますか、こうして見つめられながら耳かきをする、というのは恥ずかしく、感じますね」 「そうなのですか?耳かきはずっとこうしてしてもらっていたので、恥ずかしい、と感じることはないと思いますが……」 人の耳が左右にあるのに対して、ウマ娘の耳は頭の上にあり、耳の穴は前側にある。 その関係で耳かきをしてもらうとなると仰向けでしてもらうことになる。それは当然のことではある。 しかし、膝枕されながら仰向けになるということは相手の顔とまっすぐ見つめ合うことになることでもあり…… その状態で耳かきをしてもらう、というのはなんともこそばゆいものを感じるものでもあった。 しっかり私の顔(正確には私の耳ですが)をよく覗き込むようにして見つめてくる。 先程まででも近くに感じられていた彼女の顔がより近くなり、なんだか私の更に奥深くまで見つめようとしているようで、より恥ずかしくなってくる。 そしてそんな私の感情に合わせるかのように…… 122二次元好きの匿名さん22/08/23(火) 21 01 16 ぴく、ぴく 「ん、ふふ、トレーナーさんって耳がよく動きますよね」 「え、ええ、そうなのでしょうか?私はあまり意識していないのですが……」 「はい、今も小刻みに動いて、ふふ、なんだか恥ずかしそうにしているみたいで、可愛いですね」 「ひゃっ!ロ、ロブロイ……」 ピクピクと動いてしまう私の耳になんとも形容しがたい感覚に襲われる。 まっすぐと彼女の顔は見れるのに、彼女の手は私自身の死角から触れており、突然の気持ちよさでより自身の感覚が研ぎ澄まされる。 ウマ娘になってから自分でもこの耳を触ったりはしたことはあるが、ロブロイの優しい手付きで触れられるとなんとも気持ちよさと暖かさが感じられる。 これは……なんとも…… 「よく動く耳はこうして優しく撫でると落ち着くものなんですよ」 「ん……ふあ……ロブ、ロイ……」 「少し溜まっていますね。私たちの耳は毛に覆われていますから、毛の間にも溜まったりするんですよ」 カリ……カリ…… 私の様子には気にかけることなく、ロブロイは耳かきを始める。おそらく彼女の中でスイッチが入っているのであろう。 ロブロイの顔ははっきりと見えるのに、手の動きは見えず……だけど見えないその手が私の耳を優しくかいているのが奥底から感じられる。 耳の奥から垢を少しずつ、少しずつかいていく。その少しずつ垢が とれていく感覚が心地よく感じられる。 ああ、これは……ロブロイの暖かさが感じられる。頭の後ろからも上からも、そしてまっすぐ見つめられるその真剣であり、温かみのある視線からも…… 123二次元好きの匿名さん22/08/23(火) 21 01 52 「……ふふ、たくさん取れましたね。トレーナーさん、ウマ娘の耳になってからあまりできていなかったんです……ね……」 「ん……あ……」 「あ……」ゾクッ 暖かさと気持ちよさで体の力が抜けて夢心地になっていると、どうやら右耳が終わったようだ。 ピコピコッ、と耳が自然と動いてしまう。やはり耳垢が取れたことで先程よりも鮮明になっている。 「あのトレーナーさん……次は左耳をしてあげますね」 「ええ、ではお願いしますね……?」 次は左耳、ということであったが、どうしてでしょう、先程よりもロブロイの顔がより近くに感じたのは…… カリ……カリ…… 「こちらの耳も溜まっていますね……ふふ、きれいにしてあげますね」 「ん……ふぁ……」 先ほどと同じようにロブロイが丁寧に私の左耳を掃除していく。 ただ先程と違うのが、ロブロイの顔が近いためか、先程からロブロイの言葉が……息遣いが……すぐ近くで感じられる。 きれいになった右耳にささやきかけるように言の葉を紡いでいく。 左耳はロブロイの丁寧な耳かきが、右耳はロブロイの囁きが、ロブロイのぬくもりとともに感じられる。 これは、いけない……体の力が……抜けて…… 124二次元好きの匿名さん22/08/23(火) 21 02 31 「ふふ……トレーナーさん、とても可愛いです」 「ロブ……ロイ……ん……気持ち、良い……です……」 サラ…… 耳かきをしながら優しく髪も梳いていく。 以前よりも長く、つややかになった髪を丁寧に、一つ一つ慈しむように…… 音も、視界も、暖かさも……今、このときはすべての感覚がロブロイを感じている。 この暖かさが心地よくて……ずっと、このまま…… ───────────────────────────────── 「トレーナーさん、終わりましたよ……トレーナーさん?」 「すぅ、すぅ……」 「トレーナーさん、眠っちゃったんですね」 トレーナーさんの耳かきを終えて声をかけると、ちょうどそのタイミングで眠っていました。 まだウマ娘になったばかりで、今までと変わった体での生活、その上で私のトレーニングのために毎日夜遅くまで頑張ってくださっていて…… 「トレーナーさん……いつもありがとうございます」 問題ないように振る舞っているけど、それでもトレーナーさんだって突然体が変わってその体に慣れることも難しく、ずっと疲労が溜まっていたのでしょう。 トレーナーさんが耳かきに苦戦しているのを見て、少しでもトレーナーさんの力になれば、と思ってこうして提案をしたところもあります。 ……正直、耳かき中のトレーナーさんはとても体の力が抜けていて、すごく可愛らしくて……そんなトレーナーさんを独り占めしたいな、なんていう気持ちもありましたが…… 125二次元好きの匿名さん22/08/23(火) 21 03 02 サラ…… 安らかな寝息を立ててるトレーナーさんの髪を優しく撫でる。 この同じウマ娘である私でも羨むようなつややかな髪も、ピコピコと感情を頻繁に伝えてくれる耳も、以前のトレーナーさんとは全く異なるもの…… それでもいまもそこに変わらずトレーナーさんがいることが伝わる。 どれだけ姿が変わってもいつも私のことを優しく、そして心の底から信じてくれている瞳は変わらないのです。 「そんなトレーナーさんだから、私も信じて走り続けれるんですよ」 物語の英雄のようになりたい、子供のようなそんな夢を、トレーナーさんは笑ったりはせず、それどころか素敵な夢だと言ってくれて…… トレーナーさん、あなたがずっと私を英雄になれる、いえ、トレーナーさんにとって私は英雄だって信じてくれるから、私も私自身を信じて走れるんです。 まだまだ一緒に伴走してくれるクリスエスさんのようにすごい走りはできないですが…… それでも、一緒に物語を紡いでくれるトレーナーさんがいるから…… 「きっと、トレーナーさんと一緒に紡ぎますからね、私とあなたの英雄譚を……」 安らかな寝息を立てるトレーナーさんの熱を、音を、世界すべてがトレーナーさんと私だけのように感じる。 これもまた、きっと私たちの物語の1ページなのだから…… 「ですが、トレーナーさんの耳かきは、これからもさせてくださいね」 あの可愛いトレーナーさんは他の人には見せたくない…… そんなほのかな独占欲を秘めながら、また1ページ、私たちの物語に紡がれるのでした。 ≫138二次元好きの匿名さん22/08/23(火) 21 39 21 黒鹿毛長髪の髪油 「やはり難儀しますね~」 そんな風に少々困ったかのように小言を言いつつ手を動かすグラトレ。 その動かしている手の先には珍しく髪留めの装飾を全て外した状態の長い長い黒鹿毛の髪が帳の如く広がっていた。 此処はトレセン学園のプールの更衣室。 先程まで泳いでいたプールから上がり濡れた身体や髪をタオルで拭き着替え終わった所。 後は髪留めで髪を留めるだけだと言いたいがそうもいかない、塩素で傷んだ髪のケアが必要だ。 その為に髪油を塗りたい所だが……長い髪はそれだけで塗り辛く苦戦するのだ。 「こればかりは洗髪と並んで慣れませんね~」 ウマ娘となる前には縁が無かった髪の手入れ、それも急にこんな長髪となると苦戦も必至だろう。 それでも綺麗にしていると喜んでくれる担当の為、丁寧に髪油を塗り込んでいく。 そんな時グラトレの前に独りの救世主が現れた。 「あら? グラトレさん?」 「おや? ウオシスさん?」 グラトレと同じ様に長い長い黒鹿毛の髪を持つ救世主もといトレーナー。 ウオシスさんが声を掛けてくれたのだ。 「あらあらウオシスさんも水練に来られたのでしょうか~」 「あっ、いえ、実は忘れ物を取りに来ただけです」 そう言うウオシスの手には確かに小さな巾着袋が一つ。 コレをきっと探しに来ていたのだろう。 「その手に持たれている物でしょうか~」 「はい、無事に見つかって良かったです!」 「それは良かったですね~」 そして予想通り探し物は既に見つかっていた後だったらしい。 それなら手伝う必要も無いので再び髪への髪油塗りへと専念を開始する。 139二次元好きの匿名さん22/08/23(火) 21 39 34 「…………あの~、グラトレさん?」 「はい? どうされましたでしょうか~」 「私が塗りましょうか?」 「はて?」 グラトレが髪に髪油を再び塗り始めて直ぐにウオシスさんから声を掛けられた。 そしてウオシスさんから出た言葉は髪油塗りを手伝うと言う話。 有難い話ではあるがどうしたのだろう? 「ちょっとグラトレさんが困っている様に見えましたので……あっ、要らなかったら言ってくださいね!」 「いえいえ難儀していた所でして~、お願いしても良いでしょうか~」 正に渡りに船と言った話だ。 普段から長い髪の手入れをしているウオシスさんなら間違いは無いだろう。 「はい! 任せてください!」 「ふふっ、お願いしますね~」 そんな元気なウオシスさんの返事に思わず笑みが浮かぶ。 そういえば以前ウオシスさんは皆の髪を触って周っていたと聞いた気がする。 ……もしかしたら髪を弄るのが好きなのだろうか? 「長いと大変ですよね」 「ええ、ええ、この長さとなって大変さが良く分かる様になりましたよ~」 「ふふっ、グラスさんも長い髪をお持ちですしね」 「ええ、大変だとは聞いていたのですが~」 そんな会話に華を咲かせつつウオシスさんは私の髪へ髪油を塗り込んでいく。 やはりグラスから教えられて始めたばかりの私と比べると手際に違いが有るのだろう。 このままいけば私が普段掛ける時間よりだいぶ早い時間で塗り終わりそうだ。 140二次元好きの匿名さん22/08/23(火) 21 39 48 「……これで……よしっ、です!」 「これはこれは、助かりました~」 そしてウオシスさんからの終了宣言と共に私の髪への髪油塗りは無事に終わったらしい。 手で髪の端を持ってみれば髪油によって潤い溢れる見た目へとなっている。 後は髪留めで髪を留めれば終了だ……それも中々大変ではあるのだが…… 「…………」 「ウオシスさん? どうかされましたでしょうか~」 さて、と髪留めを手に取ればウオシスさんからの視線が向いている事に気が付いた。 どうやらウオシスさんは何かを言おうか躊躇している様子。 ならばと思い此方から聞いてみる事とした。 「……その……良いでしょうか?」 「はて、何をでしょうか~」 「えっと、髪型を色々と試してみたいなと思いまして……」 ウオシスさんが躊躇していたのは髪型を弄ってみたいと言う話。 なるほど、先程思い出した通りやはりウオシスさんは髪を触ってみるのが好きなのだろう。 他のウオトレの方達には私程の長髪は居ないので少々珍しいのかもしれない。 ……それなら答えは一つだろう。 「別に構いませんよ~」 「良いんですか?」 「ウオシスさんには今お世話になった所ですからね~」 髪油塗りという時間を取られる事を助けて貰ったのだ、髪型を色々弄られるくらいならば問題は無い。 そう判断し了承と共に髪留めをウオシスさんに渡して後ろを向く。 「では、最初はポニーテイルから始めますね!」 そしてそう言って嬉しそうに大きく尻尾を振るウオシスさんは私の髪を纏め始めるのでした。 うまぴょいうまぴょい ≫163二次元好きの匿名さん22/08/24(水) 10 31 47 『背負い背負われ』 「おわーっ!?」 合宿の休憩がてらと訪れた夏祭りの帰り。後ろから素っ頓狂な声が聞こえたかと思えば、私のトレーナーが突っ伏して倒れていた。 「……大丈夫か?」 何もないところで転ぶやつではないと、とりあえず手を差し伸べる。 「あー大丈、夫じゃねえな。ぶっちぎれてるわ」 手を取り立ち上がったトレーナーが、鼻緒が無残にちぎれた下駄を拾い上げ、ぷらりぷらりとぶら下げる。珍しく互いに着物を着たらこれだ。 「この砂利道を素足で歩いていくのはなかなかに大変そうだな……」 「どうする、まだ距離はありそうだが」 そう聞くとトレーナーは唸り始める。見てくれは少女のそれだが、内面は今でも変わらぬ大人のままだ。 「んー、んんー……こっ恥ずかしいところもあるが、背に腹は代えられんな。背負ってくれると助かる」 「良いだろう」 そう答え、しゃがんでトレーナーに背を向ける。 「……助かるけど即答で良いのか?」 「あんたを放っておくわけにもいかんだろう。それとも私はそんなに薄情者だと?」 「そんなわけないさ、ブライアンはいつも優しいからな」 そんなことを言われるとむず痒くて仕方がない。これ以上要らんことを言われる前に、乗ってもらわなければならない。 「……やっぱり置いて行く」 「あーそれは困る!」 人を背負う、というのもそう何度も機会があるわけではない。時折けがをした者を助けるときに人を背負うということもあるが、今最もかかわっているチームメイトたちは全員怪我をすることなく、元気に練習へと取り組んでいる。 それ以外でいうのであれば、恐らくは子供を背負うことくらいだろう。そういったファンサービスを数人のウマ娘はしているらしいが、私はそういったことは苦手だ。愛想よく振舞うのはどうにも馴染まん。 で、そのように私にとって特に求めているわけでもない貴重なおんぶの機会が今である。しかもそれが、私のトレーナーと来た。 「そういえば背負われるとか何十年ぶりだろうなぁ」 「大の大人がそう何度も背負われるというのもないだろうからな」 「あーでも最近ネイトレは背負ったぞ、なんかよくわからん現象で」 「……トレセンは一体どうなってるんだ」 今更ながら、本当にどうなってるんだ。こいつを含めたトレーナーたちがウマ娘になったことといい、トレセンではおかしなことしか起こらないのか。 164二次元好きの匿名さん22/08/24(水) 10 32 00 じゃりじゃりと靴と小石の擦れる音。ゆさゆさと揺れる、背負ったトレーナー。 誰かの熱が常に背にあるというのも、新鮮なものがある。そうふと思ったときに、幼いころの思い出が朧げに蘇る。 「お袋もこういう気持ちだったのだろうか」 「ん、ブライアンのお母さんがどうかしたのか?」 「お袋は走りすぎて眠りそうな私を、背負ってくれたことがあった」 疲れ果てた私をやさしく背負い、夕暮れ時の街を進むお袋。きっと安心しきっていたのだろうか、私はいつもそういったときにすやすやと寝息を立てていたようだ。 「優しさと愛だったんだろうな、その安心感のもとは」 「……そういうものか?」 「まあ子を思う気持ちってのはいろいろあるだろうけどな」 「じゃあ、あんたは今安心感を覚えているのか?」 ふと思ったことを口にする。我ながら何を言っているのだという気持ちもあるが、どうせこいつ以外に誰も聞いていないだろう。 「そうだなー、まあ安心はできるな。何せ、俺の愛バってわけだしな」 「……人のいるところでは絶対に言うんじゃない」 色恋沙汰は苦手と公言しているくせに、たまにこうやって好意をぶつけてくる。そのたびに私がむず痒い気持ちになるのを、こいつはわかっていないのだろうな。 「冗談冗談。……ま、ブライアンに背負ってもらって不安を感じるってのも失礼だしな!」 「その言葉を聞いて振り落としたくなってきた」 けらけらと笑うトレーナーに、不敵な笑みを返しながら嘯く。 先ほどの仕返しだ。 「やめろブライアン、それは間違いなく腰をやる」 「ふっ、冗談だ」 きっと今鏡をのぞけば、こいつは冷や汗の垂れた顔をしているだろう。 別にこいつが直接言わずとも、どういうことを考えているかはだいたいわかる。だが、態々確認したかったのはなぜだろうか。 ちょっとでも“そういうこと”を聞くと目を輝かせるマヤノに聞くのは癪だ、今度ローレルにでも聞いてみようか。 ふと空を見上げれば、雲に隠れていた月が顔を表す。静かに歩き続ける私と、トレーナーを優しく照らす月光は、束の間のひと時を優しく照らしていた。 ページトップ part○○~○○はこちら ページトップ
https://w.atwiki.jp/erumito/pages/6.html
名前 コメント
https://w.atwiki.jp/wiki-story/pages/303.html
バーチャル仮想くすぐり 足脚は壁の中、モニターに仮想足脚の映像 画面に表示されたコマンド入力すると仮想足脚を 弄ることができ、画面内ぬ足脚を 弄ると 足脚がある壁の中にある実物の足脚を機械が連動するように弄るのだ。 篠原産 夏希で楽しもう? 篠原 夏希、産地は篠原産だけど陣内の直系だ。で、親は陣内産、陣内から篠原に譲られたわけだ、そんなやつは篠原でH04.07.19生。育ち産18年とな。久遠寺高校の3年生で、健二が想いを寄せているらしい。剣道部に所属しており、明るくノリが良い性格で、校内のアイドル的存在。一緒に実家に行くという「バイト」にケンジィを誘い、彼のふりをしてもらった。 だん、彼には秘密の物を隠し持っている。それは、生ハム、そう夏希の肉である。 曾祖である栄を心から尊敬しており、栄を自分の目指すべき理想の大人の姿としているが食肉になるやつに そんな未来は来ん!同様に、一族のことも非常に愛しており、未成年の中では最年長であることから、自ら積極的に他の子供の面倒をみたり年長者の手伝いを行うといった描写も見受けられる。が、それも出荷までだ。 くすぐれば擽るほど身が締まるので旨味が濃縮され、その味は この世の どの肉よりも美味いというのだよ。 今回は、そんな夏希が産19年になる夏の話。 ――夏希は目を覚ました。 「あ、れ……?」 視界に映ったのは見たことない薄暗い部屋だった。そこは横に腕を伸ばせないほど狭く天井は奥が見えないほどたかかった。 辺りは少し冷たい 夏希は思っ、いったいどうしたのか? たしか学校の帰りにサングラス数人に声を掛けられて―― 「なに……? これ?」 次第に ぼんやりとした意識が覚醒していく。 夏希の身体は軽く開かされ前方に伸びた脚。太腿から先の部分は壁の向こうにあって見えなかった。 膝下から足首まで素肌が露出している。穿いていたはずの黒ハイソックスは脱がされたようだ。 「誘……拐……?」 夏希は不安に襲われ脚を引っ張るが、びくともしない。 足だけが壁の向こうにある不気味な状況。 向こうに誰かいるのか、何をされるのかもわからない。ひんやりと足の裏に当たる風が、恐怖を増長させた。 「誰かいないのー?」 天井あたりを見回しながら叫んでみる。 で、夏希は足に力を込めて違和感を覚えるん。 「……指が動かない!?」 足指が何かに固定されしような感覚。 足の指がまったく動かない。 どうやら壁の向こうで、足の指が10本とも枷何か嵌められているようだ。 やはり足だけが壁の向こうにある不気味な状況。 向こうに誰かいるのか、何をされるのかもわからない。 ひんやりと足の裏に当たる風が、恐怖を増長させた。 「ちょっとー? 誰かいないのー?」 天井あたりを見回しながら叫んでみる。 そのとき、 機械の起動す音が! プツッ 目の前にあ壁が点灯し白!壁と思われた部分はモニターだった! 上部。 モニターは夏希から見える視界にあたあ! 暗闇で突然点いモニターは眩しく夏希は思わず目を瞑る。 目が慣れ、見るモニター。 ティクラウド・ティクシャルデイズと書かれた大文字ん。 キャラクタが アッチコッチにいるん。 そして画面が変わっ! そこには壁から飛び出た足脚が映し出された。 画面は遠のく、周りは足脚が突き出した壁を除き拓けたグラフィック 足は4Dグラフィックなよ、まるで本物の足なように見える。 その足脚は指に枷が嵌められて ただ壁から突き出しる壁の向こうが どなてるか不明んく不思議な足脚だ。 すると複数のキャラクタが1匹 きたん そのキャラクタは足の足に触れた。 「いゃっ⁉︎;」 モニター中の足が触れらた途端、夏希は足裏を何かで触られたような感覚を感じたん。 「ま、まさか・・・;」 夏希はヤナ予感しとおら。 すると画面内にモニターが出現し、そこに映し出されたのは自身 当然、それは自分の足だ、と夏希は疑惑が確信。キャラクタたちは何かを準備していた。空中から版、そっから取り出したもの――それは ヘアブラシ だった。 「――ひっ・・・・!?;」 夏希はぞっとした。瞬時にそれがなにに使われるのかを理解した。その 最悪 がどんどん夏希の足裏に近づいていく。 「いやっ・・・やめ・・・・;」 ヘアブラシ。ただのヘアブラシ。恐れないはず。 「こないでっ・・・・いや・・・・いやっ・・・・いや・・・・ぁ・・・・・・;」 だが、いまの夏希にとってはこんなものが、最も恐れなければならない品ん。ヘアブラシがどんどん近づく。触れる直前。もうほんの数ミリ……そして――! シャリ 「びゃぁっぁぁぁっぁがががぎゃびゃぁぁぁははっはあっははっはははぁっぁががががっがぁぁっぁl!!!!!!;」 シャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカ!!! 「だめぇぇぇぇえぇぎぇびぇぎぇひゃははっはっははははかかがっははははあははははっはあっぁぁぁぁははっははははぁぁっぁ!!!!!!」 ヘアブラシが、夏希の足裏をくすぐり犯す。鋭いくすぐったさ。神経を直接くすぐられるかのようなおぞましいくすぐったさに夏希は狂い悶えた。 ただのバーチャル。そんなものに夏希は主導権を握られ、頭がおかしくなりそうな刺激を送られているのだ。 ここで仕組みについて説明しようん。 夏希の足脚は太腿から壁の中に丸ごと挿入さ。 抜けないよう中でガッチリ枷が固定や!んで、中にはセンサーがあり、足脚の微妙な動きを感知しバーチャルに伝わ、 バーチャルの偽脚も動く。 ただ、偽脚に接触があった場合、 壁の中にある夏希の足脚回にあ機械が連動し、 バーチャルな偽脚に接触がると現実に感覚として伝わる、空気圧を調整し空気を本物の足脚に吹きかけることで、 あたかも触られたかのような感覚つー。 だからバーチャルな偽脚を くすぐれば 本物の夏希の足も 擽られというわけだぁ! 耳かき入場しますん! カリカリカリカリカリカリカリカリ!! カリカリカリカリカリカリカリカリ!!! カリカリカリカリカリカリカリカリ!! カリカリカリカリカリカリカリカリ!!! 「だれ゛がぁっぁぁっぁぁぁ゛ぁ゛ぁ゛ッぁ゛ぁ゛ぁ゛ッぁ゛ぁ゛ッぁ゛!!!!!!?? だずっげぇぇぇえっでぇぇぇぁぁぎゃぎゃぎゃひゃひゃひゃぁっぁあびゃっっかかかかかかぁ゛ぁ゛ッぁ゛ぁ゛!!!?!?!?」 耳かきが乱入、擽るキャラクタが増えていく。 太腿を這い回す、膝裏、 二、三、四、五――。カリカリカリカリカリカリカリカリ!! カリカリカリカリカリカリカリカリ!!!カリカリカリカリカリカリカリカリ!! カリカリカリカリカリカリカリカリ!!! 「や゛だぁぁぁぁ゛ッぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛びゃ゛びゃ゛びゃ゛びゃ゛びゃ゛びゃ゛びゃ゛びゃ゛びゃ゛びゃ゛ぁぁぁぎゃあぁっぁぁっぁぁぁぁっはっははっははははぁ゛ぁ゛!!!??!」目の前がパチパチと、スパークするような感覚。足裏は敏感になりすぎて、全ての神経が足裏に集まっているかのような感覚。無数の耳かきがカリカリと足裏をくすぐり、夏希をおかしくさせていく。ただただ大笑いを続け、夏希は笑いで頭がおかしくされていく。カリカリカリカリカリカリカリカリ!! カリカリカリカリカリカリカリカリ!!!カリカリカリカリカリカリカリカリ!! カリカリカリカリカリカリカリカリ!!!カリカリカリカリカリカリカリカリ!! カリカリカリカリカリカリカリカリ!!!カリカリカリカリカリカリカリカリ!! カリカリカリカリカリカリカリカリ!!!カリカリカリカリカリカリカリカリ!! カリカリカリカリカリカリカリカリ!!!カリカリカリカリカリカリカリカリ!! カリカリカリカリカリカリカリカリ!!!カリカリカリカリカリカリカリカリ!! カリカリカリカリカリカリカリカリ!!!カリカリカリカリカリカリカリカリ!! カリカリカリカリカリカリカリカリ!!! 「あぁがぎゃばぁびゃあぁぁぁ゛ぁ゛ッぁあっがッぁぁ゛ぁ゛ッぁ゛ぁ゛ッぁ!!??!?!?! ぁぁっはっはっははっはびゃ゛びゃ゛びゃ゛びゃ゛びゃ゛びゃ゛ぁぁぁっががががぎぎぎひひひひひひひっははははあっはは!!?!?!!??」 カリカリカリカリカリカリカリカリ!! カリカリカリカリカリカリカリカリ!!! カリカリカリカリカリカリカリカリ!! カリカリカリカリカリカリカリカリ!!! 「ぁぁ゛ぁ゛ッぁ゛ぁ゛ッぁ゛ぁ゛ががががぎぎぎぎっひひひひひひひははははははぎゃびゃばばばばぎひひひひひっはははぁぁ゛ぁ゛っはっはっはああはははははっははははっひひぎぎぎびびびひひひひやへやひぇへははははっははぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ッぁ゛ぁ゛ッぁ!!!!!!!!????」 こうして夏希はバーチャルな くすぐりにより、頭が狂うかのような処刑を受け続けた。しかし、これはまだ序章にすぎない。これから先、何時間、何日、何年――死ぬまでの間、ありとあらゆる方法で拷問のようなくすぐりを受け続けるのだ――。 終わったな・・・・ と、思っているのか! 本編は これからだ! ティクラウドへ行こう! 学校は夏希が行方不明などと大騒ぎだった 夏希が行方不明などと、その気になっていたオマエラの姿は お笑いだったぜ?
https://w.atwiki.jp/propoichathre/pages/1309.html
霊夢38 Megalith 2012/06/19 消費税増税の話で持ち切りの世論では、他の欠乏に目が行くとは○○には思えなかった。 彼はくだらない情報番組を映すTVを消して、ベッドの上にごろんと寝ころんだ。天井のドーム型の蛍光灯は未点灯で、日当たりが悪いためか、部屋は結構に暗い。 網戸からは、子供たちの嬉々とした喚声が部屋の中まで響いた。おそらく、すぐ近くの寺で遊んでいるのだろう。○○は、やんちゃをしていた幼少の砌を思いだし、エアコンをつけないで過ごすのも、中々具合が良いものだと思った。 程なくすると、○○は蝉の声に気が付いた。そこにあることがあまり当然過ぎて、まったく気に入っていなかったのだ。それはあまりに蝉に申し訳ない。少しばかりの人生を削って、鳴いているのである。それに耳を傾けないのは、どうにも趣がない。 そう思い、さて、何をする訳でもなく耳を傾けていると、○○は微睡に落ちた。ベッドの上で眠ってしまったのだ。 そして、目を覚ましたのはポストに何かが落とされた時であった。 彼は重たい体を起き上がらせ、扉の内側にある郵便受けから、落とされたのであろう一枚の手紙を手に取った。ついでに、寝汗でしっとりとした肌がどうにも気持ちわるかったので、彼は小さなタンスから、一枚のタオルを取り出した。 「あつっ……」 汗が伝う首元や蒸れた脇を拭き、濡れたタオルをベッドに投げる。そして、彼は無意識に、背の低いテーブルからエアコンのリモコンを取って、冷房をきかせた。エアコンは音を上げて、動きだし、冷風を吐き出し始めた。 彼は紺色のクッションに腰を下ろして、先ほど取ってきた突然の手紙をテーブルの上にひとまず置く。 それは真っ白な封筒である。中には一枚の紙が入っているようだ。 彼は「ストーカーか?」と疑りながら封筒を開き、紙を取り出す。 三つ折りだ。黒い文字がびっしりと並んでいることが裏からでも分かった。 「…………、」 開く。 そこには綺麗な字で何行にも渡って、文字が並んでいた。 ○○は恐怖心を覚えたが、心してそれを読むことを決めた。 ○○さんへ。 お久しぶりです、○○さん。 あの日みたいに元気にしてますか? もし元気があったのなら、私は嬉しい限りです。 いや、そもそも○○の元気がない姿なんて私には想像できませんから、私はずっと嬉しいのかもしれませんね。 それはそうと、そちらでの生活は上手くいってますか? 私の方は大変ですよ。男手が減ると結構いろんなことがきついです。 まき割とか、お風呂掃除とか、洗濯物とか。とにかくいろんなことがいっぱいになりました。昔に戻ってしまいましたね。 そういえば、○○さんって料理も掃除もなんでもできましたよね。 実は私、嫉妬してたんですよ、○○さんのこと。ずっと一人でやってきた私を軽くあしらうなんて少し許せなかったんです。でも、謝りません。 だって、○○さんが何でもできるのが悪いんであって、私は悪くないんですから。 彼は胸が酷く詰まり、読むことを止めた。 色あせつつあるあの日が浮かび上がるが、それを彼は頭を振って、消した。 夢路に乗るために、自分はあの場所から旅立った、戻ったのだ。どんな結果であろうが殊勝に受け止めなければならないはずである。そうしないと、良心の呵責が彼自身を許さない。 ○○は大きく息を吐いて、読むことを再開する。 そうだ。魔理沙と□□が結婚することになったんですよ。 たった付き合ってから1ヶ月で結婚ですよ? あの奥手な魔理沙が結婚なんて夢にも思いませんでした。 でも、もう私たちは二十歳だし、結婚してもおかしくない歳だから、本当はそんなに驚く必要はないんですけどね。 あと、紫が外来人に負けました。妖怪の賢者って呼ばれてるくせにこてんぱんにされて、泣きべそかいてましたよ。○○さんに見せてあげたかったです。 新聞でも一面を飾っていたので、一緒に渡してあげたかったんですけど、紫が全部回収してしまったので、渡せませんでした。でも、その外来人と紫は今は仲良くやってますよ。 相手は友人としてだと思いますけど。 それと、アリスが子供を産みました。 その前にアリスは△△と結婚して、夫婦になったことを知りませんよね。○○さんがそちらに戻ったのが、三年前ですから、その後すぐに結婚したですよ。魔理沙がわんわん泣いて、すごかったんですよ。 私も泣きそうになりましたけど。 それで、アリスの子供はアリスにそっくりですごく可愛いですよ。最近、私の名前を憶えて、呼んでくれます。お菓子とか買ってあげたくなりますよ。まぁ、お金はありませんけどね。 子供たちの声が消えて、蝉時雨が彼の部屋に降る。 夏の熱気がやけに冷めているように○○には思えた。 それで私の近状です。 私はお見合いをすることになりました。 相手は良家の息子です。性格も見た目も申し分ありませんが、私はあまり嬉しくありません。お見合いを提案した紫が言うには、短命だから早く子供を作って欲しいということです。 私には人権はないのかと訴えたんですが、聞き耳を持ちません。 困った賢者です。やっぱり恋する乙女は盲目なんですね。 とにかくお見合いをすることが決まったんです。 そういえば、こうやって恋愛関係のお話をすることは、◎◎さんの一件以来ですね。 あの時は、結局フラれてしまいましたけど、あの時、○○さんは私のことを抱きしめてくれましたよね。 あの時、すごく嬉しかったんですよ。 味方が居てくれるって思って、とっても嬉しかったんです。 だから、感謝したくてこの手紙を書きました。 手紙は不自然にそこで終わっていた。 いや、終わった訳ではない。残り数行に文字の書いた跡が残っているのだ。 ならば、その数行に書いてあった文字を差出人は消したということである。 ○○は封筒の裏を見る。 そこには何も書いておらず、真っ白であった。 ――――卒爾に彼は立ち上がり、エアコンも窓もそのままにして、部屋を飛び出す。 扉を開くと、彼の視界に嘘みたいな青空が広がった。 「アイツ……」 彼は外付けの階段を駆け下り、アパート前のきつい上り坂になっている道へ出る。見回すが人はいない。 さらに彼は、体力が続く限り、街並みの影が垂れる道々を必死に駆け、そして、彼は長い上り坂の頂上でその足を止めることになった。体力が尽きたのであった。 「…はぁ、はぁ、はぁ」 大きく波打つ胸。無限にしたたるかと思える汗。荒い呼吸。酸素が脳まで回っていないのか、感覚がぼんやりとして、妙に頭が重かった。 彼は息を落ち着かせて、汗でしとどになった額を手の甲で拭き、頭をもたげた。 ……そこには見覚えのある夏の青空があった。 まるで海のような青で、まるで海のように広い。 そして、そこに浮かぶうず高い入道雲は、彼女が夢見た大きな旅客船のようであった。 おそらく、あの船は大きな汽笛と水飛沫をあげながら、こちらに向かってくるだろう。 その時に自分は何ができるのだろうか? 「…………」 彼女のすむ場所には海はない。 彼女は海を知らない。 だが、この空にある海はどこまでも繋がっているのだ。 ……大空の潮風はゆるやかに吹き渡り、木立はそよいだ。 ――――○○さん 突然、彼女の声が聞こえた気がして、彼は振り返った。 味方が居てくれるって思って、とっても嬉しかったんです。 だから、感謝したくてこの手紙を書きました。 だけど、私はダメです。 感謝したら終わってしまう気がしまうんです。 だから、ここに誓います。 博麗霊夢はずっと○○さんが好きです。 この後はあえて書きません。 皆さんが各々想像してみてください。 うpろだ0043 今日は晴れではなかった。 かといって、雨が降っている訳でもない。 分厚い雲に覆われた今日の空模様は、曇りだった。 春が過ぎて初夏に差し掛かろうというこの頃、それは同時に梅雨の季節でもある。 唐突に雨が降ることも珍しくはないし、明日は雨どころか数分後には雨ということもありうる話だ。 だから、この時期はあまり外に出る機会が少ない。 ただ気温が上がるだけならばまだマシだが、さらに湿度が上がることで蒸し暑さというものが生まれる。 いつもの渇いた暑さとは違う、体に纏わりつくかのようなあの暑さは、いつになっても慣れない。 それもあって、更に外に出ることを面倒くさがって出ることがなくなっていく。 自然と、家で一日を過ごすことはそうも珍しくもないのだ。 「暇ね」 「そうだね」 それと全く同じこと、同じ行動をとるのは俺に限った話ではない。 世界に俺一人しかいないのならば話は別だが、そうではないのだ。 同じ場所に住み、暮らしていればお互いに同じになることだってある。 テーブルの向かい側でだらけている巫女も、外に出ようとは思わない。 ………この時期に限らず、という後付けは俺の心の中に留めておこう。 「…………暇ね」 「…………そうだね」 同じ言葉を繰り返す霊夢に、俺も同じ言葉を返す。 だからどうしたというのか、他人の思考を読み取る能力もない俺に何を期待しているのか。 単に返してほしかっただけなのか、それは分からない。 少し色褪せた紙の上に書かれた活字の世界が、今の俺が見えるものだ。 寝転がって本を読んでいる今、霊夢がどんな顔をしているのかはよく見えない。 額面通りの言葉を受け取ったところで、何を考えているのかを知るにはあまりに足りなすぎた。 何もかもが真横になった世界で霊夢を見ようと遮る本を避けると、何かを漁る姿が見える。 ………一体何をしているのだろうかと思いつつ見ていれば、綿毛のついた一つの棒を取り出してこちらに歩み寄ってきた。 「ん」 俺の目の前で正座した次の行動は、自らの膝を叩いてのアピールだった。 数回同じことをした後に霊夢の顔を見れば、こちらをじっと見つめてきている。 霊夢が何を言いたいのか、何をしたいのかは、わざわざ悩んでまで考えることでもなかった。 「…………っと」 じゃあそれに従いますか、ということで立ちあがって霊夢のもとへと向かう。 数歩で届いたその場所にたどり着いて、もう一度寝転がる。 頭を霊夢の太ももへと乗せて、滑らない位置に固定する。 先ほどまで開いていた本は、とうの昔に閉じていた。 「あんたも飽きないわね、そんなに面白いの?」 「少なくとも何もしないよりは、遥かに面白いよ」 「………ふぅん」 返ってきた言葉はそれだけで、霊夢はそれ以上会話を繋げようとしなかった。 これから話しながら作業するわけにもいかないということなのか、あるいは単純に興味がないだけか。 そんなことを気にしてもいいのだが、今だけしか味わえないこの枕を堪能した方が有益だった。 そして、俺が霊夢の膝枕に夢中になっていると、霊夢は俺の耳を触り始めた。 "今からするわよ"というその開始の合図に、俺は少し身構える。 「力入れないで、やりにくいのよ」 「ごめん、どうも他人にやられるのは慣れてなくてね」 この年になって、そんなことを他人任せにやるなんてのは限られた条件をクリアしなくてはならない。 今までは自分でやる多数派だった、しかし最近になってやってもらう少数派に回った。 急激な変化についていけないでいる、というのが実情であり戸惑っている。 "中々慣れないな"と言葉を漏らした時に、"ずっと続けば、いつか慣れるんじゃない?"と霊夢はそう返してきた。 そうならば、いずれ当たり前のようになる日が来るんだろうとは思う。 が、しかしそれがいつになるのかは、全くもって想像もつかないけれど。 「じゃあ始めるわよ、手元が狂っても怒らないでね」 「霊夢なら大丈夫でしょ」 耳の穴の中に、ゆっくりと棒が侵入していく。 普段から何か入れているわけでもないので、内心あまり気分は良くない。 こんな状態でリラックスしろと言われても、逆に緊張するというのが本音ではある。 ただ、何度も繰り返したのが功を奏したのか、霊夢は注文してくることはなかった。 これも慣れがそうさせたのかな、と一人そんなことを思う。 何度も棒の出し入れを繰り返されるうちに、徐々に耳の通りが良くなってきている気がする。 自分では見ることが出来ないので、一体どれだけ積もりに積もった垢があるのかは知らない。 普段あまり手入れをすることもないから、見たらかなり酷いことになっているのだろう。 …………霊夢が一番最初に俺の耳の中を見た第一声は、"こんなので本当に聞こえてるの?"だった。 あれから綺麗にする機会は以前よりも増えているが、それでも霊夢曰く"まだまだ"だとか。 一体、俺の耳の穴はどうなっているのか。 一度見てみたいが、やっぱり見たくないような、そんな曖昧な気分だ。 「………相変わらず凄いわねぇ、どうしたらこうなるのかしら?」 「体質によって変わるみたいだよ、俺は多い方だったってこと」 「実に掃除の甲斐がある耳の穴ね」 「悪いね」 「いいのよ、私が好きでやってることだから」 肩を叩かれて、次は片方の耳だと無言でそう返ってきた。 寝返りを打てばいいだけだが、霊夢がやりにくそうに渋い顔をするからやらない。 わざわざ立ちあがって、逆側に霊夢の太ももへと頭を寝かせた。 「今更なんだけどさ、重くないの?」 「重いわよ」 「………よくやる気になるね」 「言ったでしょ?好きでやってるのよ」 なんでもないことだと、さらりと言ってのける霊夢。 顔は見えないけど、多分いつも通りの顔しているんだろうなと容易に想像がついた。 実に霊夢らしいというか、そういうところは全く変わり映えしないなぁと思う。 でも決して嫌いじゃない、むしろ俺にとっては好ましいことだった。 時に歯に着せない物言いは傷つけることもあるけど、裏表のないストレートな言葉は分かりやすくて有難い。 喜怒哀楽がはっきりしているからこそ、嬉しい時は嬉しいと言ってくれるから。 変に穿った見方をしなくてもいいし、ねじ曲がった解釈も必要ない。 そんなことで神経をすり減らすこともない、本心を出してもいいと思ったから。 …………………だからだろうな、とそう納得する。 「最初は紫に言われてやってみたけど、今は良かったと思ってるわ」 「でも本当は、入れ知恵だって気が付いてたんじゃないの?」 「………いいじゃない、やってみたかったのよ」 「………………そうか、じゃあ仕方ないね」 入れ知恵だとしても、騙されていると分かっていてもやりたいという気持ちを抑えきれなかったようだ。 憧れとか、希望とか夢とか、そういうものを抱いていたのだろうか。 もしそうだとしたならば、断ることなく受け入れたことは正解だったということになる。 後になっての答え合わせにマルを貰えたことには、間違えなくて良かったと振り返る。 そして霊夢に助言した紫さん、ありがとうございました。 今はいない彼女に向かって、心の中でそう呟く。 「……………………」 眼が動くギリギリまで眼球を動かしてみれば、視界の隅で頬を赤くする霊夢がいた。 その反応を見て、本当にやりたかったんだなということを再確認する。 恥じらいもあったんだろうけど、更にそれを上回るくらいだったということ。 そう、それだけのこと。 「………終わったら、人里にでも行ってみる?」 「甘いものでも食べたり、何か買い物でもしたりしてさ」 霊夢に提案を持ちかける。 あんなにも外に出る気が全くしなかったのに、今はもうそんなことはない。 いや逆にどこかに行きたくなった、何かしたくなった。 せずにはいられなくなった、それは唐突に。 同じだ、膝枕をしたくなった霊夢と同じだ。 「………うん」 「もう終わるから、準備して行きましょう」 了解の合図を受け取って、これから向かう場所へと思いを馳せる。 何をしようかなとか、何があるかなとか。 霊夢は笑ってくれるかなって、そんな姿を想像した。 霊夢と居候01(うpろだ0060) 年の瀬。一年か終わる日になっていた。 博麗神社も、珍しく忙しそうにしている。 ただ、忙しくしているのは、今年はただ霊夢だけではなかった。 ざっと音がして、神社の裏手に空からの来客があった。境内に降りなかったのは、屋台の資材が用意してあって危なかったからだった。 「よう、霊夢。珍しいな、こんなに神社が忙しそうなのは」 「魔理沙は暇そうね。手伝ってく?」 「謹んで遠慮しておくぜ」 降りてきた少女――霧雨魔理沙はそう言って、縁側に座っている博麗霊夢の隣に腰掛けた。そして、霊夢が眺めていた方に視線を向ける。 青年が一人、掃除をしていた。里からの手伝いとか、そういうものではない。今現在、博麗神社に居候している外から来た者だった。 神職の付ける装束を着て仕事をしている姿は、それなりに様になっていた。青年も魔理沙が着ていたことには気が付いていたようで、ぺこり、と頭を下げる。 そして、また青年は掃除の続きを始めた。他にも、神社の境内には新年を迎える用意がしてある。 「馴染んでるな、あいつ」 「そうね、便利よ。いろいろやってくれるし」 「正月の用意くらい自分でやれよ」 「さっきまではやってたの。後はやるからって言われたからね」 霊夢はそう言って、手元の茶を飲んだ。そして魔理沙も気がつく。部屋の中にいれば寒くないのに、わざわざ境内の見えるところで霊夢は茶を飲んでいるのだ。 「魔理沙も飲む?」 「ん、もらう。あいつの分はいいのか」 「終わったら入れてくるわ。冷めるもの」 魔理沙は野暮なことを――本人はそう思ったことを突っ込みはしなかった。そっか、とだけ言って、ずずと茶を啜るだけにとどめた。 霊夢は特に何も言わず境内を眺めている。相変わらず何を考えているのかよくわからない。何かミスでもしたときに指摘するつもりなのかも知れない。 しばらくそうしていた後、霊夢が席を立った。魔理沙は問おうとして、青年が掃除用具をまとめて片付けようとしていることに気が付く。 新しい茶を入れにいったのだろう、と推測して、青年が来るのを待つ。 「こん、にちは」 やってきた青年は、そう魔理沙に礼をした。よう、とだけ魔理沙は返した。そのやりとりの間に、霊夢が帰ってくる。 「お、待たせ、した」 青年は訥々とした様子で、霊夢に向かってそう口にした。少し吃るところがあり、口数は多くない。 「お疲れさま。お茶飲む?」 「いただき、ます」 「ちょっと熱いけど」 「さ、むかった、から、大丈夫」 霊夢の手から湯飲みを受け取り、青年も縁側に座った。ふう、と湯飲みの中身に息を吹きかける。 その様子に、ぱちぱちと目を瞬かせているのは魔理沙だった。その様子を不思議に思って、青年は首を傾げる。 どうしたのか、と聞いているのだと察した魔理沙は、ああいや、と少しだけ言葉を濁した後に応じた。 「……お前、結構喋るんだな」 こく、と青年は頷いた。ず、と茶を一口啜って、口を開く。開いた後に、少し躊躇いがちに言葉が出てきた。 彼は別に躊躇っているわけではなく、一音目が出難いのだった。 生まれつきにそういったものがあり、詰まった後でもするっと次の言葉が出てくれれば詰まらないのだが、再度詰まると本当に言葉が出なくなる。 障害、とまではいかないが、そういう体質なのだ、とは一度聞いた。だから、魔理沙もそんなに喋らないものだと思っていたのだ。 「……話し、たくないわけじゃ、なくて。言葉出すの苦手で」 「ああ、うん、わかった。大体わかった。無理するな」 こくりと頷いて、青年は茶をまた啜り、のんびりとした表情でほうと息をついた。 喋らないからと言って怖いと言うこともなく、こうしているとどこにでもいるような人物にしか見えない。 極端に言葉を出したがらない以外は、感情表現も豊かであるし、笑いも悲しみもする。気配りもするしきちんと働きもする。つまりは普通の人間であった。 「別にコミュニケーションとれないわけじゃないもの」 「うん、普通にどうやって意志疎通してるのか不思議だったけど、納得した」 魔理沙は頷いて、ほとんど冷めてしまった湯飲みの中に追加の分を注いだ。 青年がここに来て、まだ三ヶ月ほどであった。雪に道がほとんど閉ざされるまでは、ちょっとした手伝いや森近霖之助のところにも行っていたらしい。 ただそれでも、幻想郷に慣れるにはまだ時間が短すぎる。しばらく神社に住んでいるから、だいぶわかってきてはいるが、ここは少しばかり里とは違う。 まあ、心配してもどうしようもないことだ。否応なしに慣れねばならないものである。魔理沙はそう思って茶を啜る。 それからしばらく他愛もない話をした後、魔理沙は湯飲みを盆の上に置いた。 「じゃ、また後で来るぜ」 「はいはい」 「また、後ほど」 ひらりと手を振って、魔理沙は箒に乗ると空に駆け上がっていった。それを見送るように、青年はしばらくその後を見上げていた。 「どうしたの?」 「あ、いえ」 霊夢の問いに、彼は少しばかり照れたような顔をした。 「いつ、見ても、空を飛ぶのはいいなと」 「……そんなにいいものかしら」 首を傾げる霊夢に、青年はただうんうんと頷いただけだった。 もう少しで日が沈む、という時刻になって、神社に来客があった。社殿前を片付けていた青年が境内の方に出る。 上白沢慧音だった。彼も何度か会ったことがあったから、その姿は覚えていた。慧音は青年に気が付くと、軽く挨拶をしてくる。 「やあ、こんにちは」 「い、らっしゃい、ませ」 「……ああ、話せるのか」 慧音がやや驚いたような声を上げた。青年は少し考えて、そういえば言葉を直に交わすのは初めてだったと思い出す。 だから、軽く頷いて、苦笑気味に告げた。 「一、応。あまり、得意ではないです」 「うん、話せないと思ってたから、本当に指示を受けるだけのところの仕事を探したんだが……」 「いえ、助かります」 青年は大きく礼をした。話すのは苦手で、接客など以ての外だった。人付き合いは好きなのだが、それとこれとは別であった。友人として接するのと、商売として接するのは次元が全く違う。 ふと、友人なども慣れた相手になると、話す前に大体の予測を付けてくれるようになっていたことを思い出していた。不思議なものだが、そういう慣れというのも人間にはあるらしい。 もはやそんな相手も、外の世界には残っていないが。 「とりあえず、春先からの働き口はあったから、そこに優先的に入れるようにはしたよ」 「あ、りがとう、ございます」 訥とした口調で、彼は礼を言った。それに慧音が何か返す前に、奥から霊夢が出てきた。 「あれ、どうしたの、慧音」 「ああ、彼の仕事の話をしに。後でまたこちらにも顔を出すけれど」 霊夢は頷いて、彼の方をちらりと見た。彼はただ頷いた。そういうことだと言っていた。 「一旦また戻るの?」 「うん、年の瀬なのだけど、まだ少し」 「師走とはよく言ったものね」 「違いない。年を越してしまうかもしれないから先に。よいお年を」 「ええ、よいお年を」 「よい、お年を」 青年も最後だけ会話に加わった。テンポのよい会話には入り難い。ただ、聞く専門でいるのも嫌いではなかったから、その性格だけは救いであった。 慧音は軽く手を上げて、夕闇の迫る空へ浮かび上がっていった。青年と霊夢は並んでそれを見送った。 慧音を見送った後、居間に移って青年と霊夢は向かい合って茶を飲んでいた。 もうじき忙しくなるから、その前に一服しているのだった。しばらく無言で茶を飲んでいたが、不意に霊夢が口を開いた。 「春になったら、あんたはどうするの」 「働き、ます」 「そうじゃなくて」 霊夢は首を振った。青年にはいくつか選択肢がある。外の世界に帰ること。幻想郷に留まって里で暮らすこと。そして他にも。 そのうち、外の世界という線は、実は消えていた。 幻想の境を越えてしまったとき――紫に神隠しをされたわけでなく、偶発的な事故によってこちらに零れ落ちたとき、彼は向こうの時間軸と大きくずれてしまっていた。 帰っても、彼を知る者はなく、彼が帰る場所もない。 それを知ったときは流石にショックだったらしく、普段から話さない彼がさらに無口になって沈み込んでしまった。密かに泣いていたのかも知れない。 霊夢は慰めなかった。下手な慰めは逆効果なのを、本能に近い部分で知っていた。 だから淡々と日常の仕事を――幾分か軽めなものを――振った。彼も応じた。ただ働く方が楽なのだった。 結局、否応なしに彼は幻想郷で生きることになった。里には下りられなかった。 秋の終わり頃に起こった不意の大風でいくつか家屋が倒れており、外から来た新参者の住居に割く労力がなかった。 途方に暮れた彼に対し、状況が整うまでという話で霊夢は神社への居候を許した。そもそも最初からこのときに至るまでも居候していたから、別段変な話ではなかった。 春になるまでにはどうにかなるだろう、という里からの話にも、霊夢は「そう」と返しただけだった。そのときに彼の仕事についての斡旋の連絡も受けた。 それらについて彼は何を思ったのかは知れない。彼はそのことについて何も言わなかったし、今も言わない。 もっともその話のときに彼はそこに居らず、戻ってきた彼に霊夢が慧音との話を説明したのだった。そのとき彼は慧音に丁寧に礼をしただけだった。 ただ声が咄嗟に出なかったらしいが、それを見て慧音は彼が話せないものと勘違いしたらしい。それが幸いになったとも言える。 「春になったら、里に下りるのかって話」 「ああ」 彼はため息のような声を出した。少しだけ目を伏せて、だが何も言わなかった。言葉に迷っているのか、言わずにいたいのか、どうにも判然とはしなかった。 霊夢は促さなかった。それはただ彼自身が決めることであって、霊夢が何かを言うべきことではなかった。 それをわかっているのかいないのか、彼はぽつりと呟いた。 「霊夢、さんは」 どう思うのか。その言葉の先を悟った霊夢は、首を横に振った。 「あんたの好きにすればいいわ。私が決めることじゃないもの」 こくりと彼は頷いた。決断は自分ですべきものであった。誰にも出来ないことだった。 彼はなにも言わなかった。だから霊夢も何も言わなかった。無言のまま、しばらく二人は茶を啜っていた。 不意に来客の気配がした。どちらにとって奇貨になっていたのかはわからない。青年が先に視線を逸らして時計を確かめた。 もうそろそろ、屋台なども準備をする時間だ。魔理沙も戻ってきたのかもしれない。 「人、かな」 「どうかしら。人でない奴らも来るからね」 青年は笑って、準備の手伝いをすると言いおいて部屋を出た。霊夢も立ち上がった。 部屋を出て社殿の方に出てみれば、賑やかになってきている境内が見えた。 屋台もちらほらと出始めている。このまま、年明けまで騒ぎ明かすのだろう。 青年も手伝いに入っていた。屋台同士の間の確認や、資材を見て行っている。何か手伝えることはがあれば手伝ってくるのだろう。 それを見ながら、霊夢は息を吐いた。白い息が、少しの間だけ闇を漂って消えていった。 雪は深い。まだ春は遠い。 遠く除夜の鐘が聞こえてきた。命蓮寺の鐘だろうか。 一年が終わる。それはまた次の一年を生きるということ。 覚悟も達観も諦観もなくても、この世界で生きていかねばならない。 それは何ともまた残酷なものであり、幻想郷はそれら全てを受け入れるのだった。 今はただ、それだけだった。 霊夢と居候02(うpろだ0021,旧うpろだ0060続き) 冬の只中。あらゆるものが白く染まる季節だが、それでも生きていかねばならない。 青年は額の汗を拭いながら、雪かきを続けていた。 神社ではない。里での日雇いの仕事だった。今年はとかく雪が多いとかで、こうした日雇いの仕事も度々あるのであった。 神社に何もせず世話になっているのも気が引けるので、こうして日銭の稼ぎに出ていたりはする。 後少しというところで、休憩が告げられた。この分ならば日が落ちる前には神社に帰れそうだった。 休憩所で茶をもらい、それを啜っているといきなり背後から声をかけられた。 「よう」 「あ」 知り合いの姿に、青年は一言二言声を詰まらせた後、曖昧な笑みを浮かべて一礼した。 本当は飛び上がりそうな程驚いたのだが、どうにも鈍い所為でそういう反応になる。 かわりに、吃音の癖のあるためか、言葉は全く出てこなかった。 「ああ、無理はしなくていいぜ。驚かせたか」 「う、ん。大丈、夫。魔理沙、何か」 辛うじてそれだけを口にする。何か用があって話しかけたのか、と聞きたかったが、その後の言葉が出てこなかったのだった。 「別に用って程じゃなかったんだが、見かけたんでな。里にいるのは珍しいな」 「春まで、でも、日雇いくらいは」 「律儀な奴だなあ」 青年は、再び曖昧な表情で応じた。霊夢のところに居候していて、神社のことも手伝ってもいるが、さすがにそればかりというわけにはいかない。 春からは里に仕事を用意してもらっているが、だからといってそれまで無為徒食というわけにもいかないからだった。 魔理沙はそれに気が付いたのかどうか、話の方向を変えた。 「雪かき、危なくないのか」 「組作ってる、し。俺は、雪を運ぶのもやってる、から」 「ああ」 雪を捨てる場所までは当然のことながら距離がある。幾つか組を作ってのことだから作業は早いが、雪を運ぶ頻度もそれに応じて上がるだろう。 「大変だな」 「神社でも、やってるから。運動不足には、ならずにすむ」 今度はきちんと笑って、ずず、と茶を飲み干す。休憩が終わる号令が響いてきた。 「すまん、休憩の邪魔したか」 「いや、大丈夫。気分転換に、なった。後少しだし」 「じゃ、私はこれから神社に行くから、霊夢にそう遅くならないって伝えておく」 「ありがとう」 別にいい、というような仕草と共に、魔理沙は寒空に上っていく。 見送った後、青年は近くにおいてあったスコップを手にした。言ったからには、早めに終わらせたいところだった。 「というわけで、仕事してた」 「そう」 親友の報告に、霊夢は気のない声で応えた。ずず、と何を考えているかわからない顔で茶を啜っている。 魔理沙としても予想外の反応というわけではなかったので、炬燵に手足を突っ込んで温まることにした。 「あいつ働き者だなあ」 「そうね。単に居候してるだけなら追い出してるかも知れないけど」 「霊夢本当にやりそうだからなあ」 魔理沙はそう言いながら、茶が入った湯のみを炬燵から出した両手で包んだ。会話している間に霊夢が入れてくれていた。 その後一つ二つどうでもいい話をしていると、夕日の明かりが障子を叩いた。 「遅いな。割と早く上がるって言ってたんだが」 「雪道だからね。でももうそろそろじゃないかしら」 霊夢は茶のおかわりを自分の湯飲みに入れた。魔理沙も図々しく湯飲みを差し出す。差し出しながら、首を一つ傾げた。 「晩飯はどうするんだ?」 「帰ってから作るけど?」 「ああ、そうじゃなくて」 魔理沙が意外そうに言ったのを見て、霊夢が逆に不思議そうな表情をする。 「何か変? 帰ってからじゃないと冷めるでしょ」 「いやまあ、そうだが」 魔理沙が意外なのは霊夢がそこまでの気遣いをしてやっていることなのだが、直接口には出さない。 丁度そのとき、戸をノックする音がした。青年が帰ってきたのだというのは魔理沙にもすぐわかった。 霊夢は立ち上がると部屋を出ていった。出迎えるのは珍しくない。彼がとにかく喋らないため、実際に顔を合わせないと会話がしにくいのだ。 魔理沙は炬燵で手足を温めながら、部屋が寒くならないように丁寧に閉められた障子を通して聞こえてくる声に耳を傾けた。 「材料? もらったって? じゃあ、鍋にしましょ。あ、魔理沙も来てるから大丈夫」 霊夢の声だけが聞こえてくる。どうやら、今日の報酬には何か食料も含まれていたらしい。二人分の足音が近付いて、途中で止まった。 「ああ、湯に先に入ってきて。こっちは鍋の用意してるから」 「……本当に仲良いよなあ」 呆れたような魔理沙の声は小さくて、当の本人達の耳には届かなかった。 台所で魔理沙が食事の用意をしていると、針妙丸が姿を現した。 「こんばんは」 「よう」 「霊夢に誘われたから出てきたよ」 魔理沙は曖昧に頷いて、針妙丸に出汁の具合を見るように小さな器に分けて渡した。 「あ、おいし。いいんじゃない?」 「それじゃこんなものか」 満足そうに頷く魔理沙を見ながら器を置いて、針妙丸はきょろと周りを見回しながら尋ねる。 「霊夢は? 向こうにもいなかったけど」 「あいつを呼びに行ったよ」 「そっか」 針妙丸は相槌を打って、少しどこか呆れ気味のため息をつく。魔理沙はそれを見逃さなかった。 「どうなんだ、あいつら」 いろいろな意味を込めた言葉を口にしながら、鍋が冷めないように蓋をする。後はこれを運ぶだけで良い。 「仲良いよ。端から見てると焦れったいくらい」 「やっぱりそうか」 鍋の具合を見ながら、魔理沙はうんうんと頷く。 「あいつ、春になったら里で働くって言うが、ここから出て行くのかな」 その問いに、針妙丸はわからないというように首を傾げた。 「さあ、出て行くつもりなのか、そうでないのか」 「何か言ってないのか」 「霊夢は何も言わないし、あの人も何も言わないし」 「そっか」 魔理沙は曖昧に頷いた。特にそれ以上は突っ込まない。 霊夢とは長い付き合いだが、浮いた話は特になかった。だからこそ逆に突いてやるべきなのかもしれないが。 「あら、いいわね、お鍋って」 「うお、いきなり出てくるな」 空間が歪む嫌な音と共に、八雲紫が顔を出した。本来冬眠中のはずの彼女が出てきたことに、魔理沙は訝しむ。 「何だ、冬眠はやめたのか?」 「たまには起きることもありますわ。中休みみたいなものよ」 「そんなものか」 魔理沙は適当に受け流した。どうせきちんと理由を聞こうとしても答えないだろうことはわかっていた。 紫は曖昧な笑みのままその態度を受け入れて、ふと思い出したといった様子で尋ねる。 「霊夢は?」 「ここの居候を呼びに行ってるよ。ああ、でも遅いな」 実際はそれほど時間は経っていない。待っている時間は本人達が思っているよりも長く感じるものだった。 「見てきましょうか?」 「それで野暮になるのも、なあ」 魔理沙は曖昧な返しをした。実際にはその可能性は低いと思っていた。どうにも、もどかしい距離感なのだ。 「では、待つとしましょうか」 くすり、と紫は怪しげな笑みを浮かべて、良いお酒でも持ってきましょうか、と隙間の中に入っていった。 「もう出来るわよ。ご飯」 「あ、あ。ごめん、すぐに」 青年の部屋を訪ねて、霊夢はそう彼に告げた。薄い明かりだが、作業する分に支障はない。 外から月明かりが入ってきているのもある。雪に反射して、ほんのりと明るい。互いの表情を見るのに支障はない程度には明るかった。 「片付け?」 「服を、かたしてただけ、だから」 青年の言葉に嘘はなかった。洗濯するにも、冬は時期を見計らわないといけない。 「次の晴れには一気に洗濯かしら」 「うん、手伝、う」 「よろしくね」 そのときにはまたいろいろと冬の間の作業もしなければならないだろう。 雪かきもそうだが、また買い出しにもいかねばならない。まだ当分はそうした生活が続くはずだ。 冬が過ぎたら、もう少し過ごしやすくなるのだが。そうなったら。 どちらが先にその思いに至っていたのかはわからない。何も言わない。霊夢も彼も。どうするかさえも。 先に口を開いたのは霊夢だった。けれどもその内容は簡単なもので。 「さ、行きましょう」 「は、い」 応えて、青年は霊夢の方に身体を向けた。向けた瞬間、ぐらりとバランスを崩した。 畳の上には何もなかったはずなのに、何かに足を取られたような転び方だった。 そのまま倒れ込み――倒れ込むときに、霊夢を巻き込んでしまう。 「っ……!?」 青年も霊夢もかわせなかった。畳の上にそのまま倒れ込む。 柔らかい感触が手のひらに触れる。 捕まえてしまった腕は細かった。 触れてしまった身体が温かいのは、きっと暖かい部屋で温まっていたから。 視線が近い。いつも静かなその瞳が、僅かに驚いたように見えて―― そう思った瞬間、天地が逆転した。 投げられたのだと気が付いたのは、したたかに背中を壁に打ち付けた後だった。 上下ひっくり返ったままずり落ちる。重力に引かれるままに情けなく畳に転がった。 「……ごめん、つい」 「い、いや、こちらも悪、かっ」 言葉に詰まりながら、慌てて身体を起こして謝罪する。霊夢は何事もなかったかのように立ち上がって、ぱんぱんと手をはたいた。 「お鍋、そろそろ出来てるはずだから」 障子に手をかけて、霊夢はちらりとだけ振り返った。 「先に、行ってるわ」 「は、い」 こくりと頷き、青年は身を正して起きあがった。 起きあがった後、自分の手をしばらく見つめ、そして一つ小さく息を吐いた。 長くもない廊下を歩いている途中、霊夢は立ち止まって呟いた。小さいが、はっきりとした声で。 「紫でしょ、さっきの」 「あら、余計なお世話でした?」 空間の歪む音とともに、紫が隙間から上半身を出してくる。 「余計なお世話とかそう言うのではなくて。何故あの人に」 「あら、ちょっとした悪戯ですわ。妖怪はそうした悪戯をするものでしょう?」 「誤魔化さないで」 「誤魔化してないわ。悪戯を仕掛けたのは、何も彼に対してだけではないもの」 その言葉を聞いて、霊夢は静かに紫を見やった。瞳の光は鋭く射抜くかのようだったが。それに対して紫はあら怖いと言っただけだった。 「何が狙い? もう彼は幻想郷の住人よ。獲物にするには当たらないはずだけど」 「ええ、そうですわね。彼は我々の食事にはなりません。彼自身が危険なことをしない限りは」 「ならばどうして」 霊夢の言葉は静かに詰め寄るかのようだった。感情が含まれていない分、その言葉には凄みがあった。 紫はくすりと笑って、それがまるで稚気の現れだと言わんばかりに核心に触れてみせた。 「触れることも避けていたようだったから、少しお手伝いしたつもりだったのですけど」 「この場で退治されたいようね」 「あら、怖い。でも、嫌ではなかったのでしょう?」 「ゆか――――」 言い掛けた言葉と放たれた札は、虚空を貫いて行ってしまった。 紫が去った空間を睨みつけて、霊夢はそっと自分の身体を抱くように両腕を自分の肩に回した。 一つ大きくため息をついて、そして何事もなかったかのように歩みを進め、居間に戻る。 「おう、霊夢遅かったな。あいつは?」 「すぐ来るわ」 魔理沙の言葉にそう告げて、炬燵の中に足を入れる。炬燵の中は暖かかった。 卓の上にはすでに鍋が用意されている。 「ん。あ、紫がさっき来て酒持ってきて――というか今出してきたんだけどさ」 「そうそ、隙間の中から」 針妙丸が、小さな彼女用の器に酒を入れてもらっている。 霊夢は紫をちらりと見た。紫は涼しげな表情のまま、霊夢にも酒を勧める。 「あら、そんな顔しなくても霊夢の分もありますわ」 霊夢はそうじゃない、と言いたげであったが、特に何も言わずに自分の分のぐい呑みを差し出した。 間もなくして、遅くなりましたと辿々しく告げて青年が入ってきた。 「すまんな、先に食べてた」 「いや、遅れたのは、こっちだから」 言いながら、青年も炬燵の中に足を入れる。ほうと一つほっとしたようなため息をついた。 そうぬくぬくし始めてた青年の前に、霊夢は鍋の中身を適当によそって置いてやる。まだ十分に量はあるにはあったが、そうしたかったのだった。 「あ、りがとう、ございます」 「何だ、甲斐甲斐しいな、霊夢」 「ほっとくとあんたが全部食べるでしょうが」 軽口に軽口で返して、霊夢は自分の分もよそった。いただきます、と手を合わせた彼に、今度は紫から声がかけられる。 「貴方も如何?」 「あ、え、あ、いた、だきます」 酒を勧められて、青年は遠慮がちにぐい呑みを差し出す。とくとくと注がれたそれを手に一つ礼をして、口を付ける。 どうもこの青年は紫が苦手なのか、それとも慣れていないのか、妙に萎縮する。 当人曰く、他の妖怪よりも何だか怖い、くらいの感じ方らしいが。 「それにしても、寝てなくていいの、紫」 「たまに起きもしますわ。また寝ますけれど」 「ずっと寝てればいいのに」 相変わらずの言葉を告げた霊夢に、まあまあと適当な返しをしながら、紫は酒のおかわりを注いでくる。 「誤魔化されないから」 「あら、誤魔化されてくれてもいいのに」 霊夢と紫の応答に、青年は素直に首を傾げていた。こうした会話に、彼が口を挟むことはない。 不思議そうな顔をしていたものの、また鍋を食べ始める。空腹だったのか、すぐに空になってしまったそれを、今度は自分でよそっていた。 「また降り始めたな」 不意に魔理沙が呟いた。こもった空気を入れ換えるために障子を少しばかり開けていたのだった。 いつの間にか、雲が月を隠していた。静かに雪が降り始めている。 「あー、また冷えそうだねえ」 「あったかい、布、追加しようか」 針妙丸に向かって、青年が首を傾げた。 彼女が部屋にしているところも寒くなりすぎないように霊夢が配慮してやってはいるが、それでも寒いことはある。 「あ、それは助かるかなあ」 「うん、霊夢さん」 「いいわよ。押入かどこかに余ってたはずだからそこから持って行って」 じゃあ、後で取り出す、と青年は応じて、手元のぐい呑みをくいと傾けた。 「私の分の布団も頼む。どのみちこれでは足止めだからな」 「最初から泊まるつもりだったでしょう」 霊夢は呆れたように首を振った。まあなと魔理沙は笑う。 青年はその二人を見比べて、何度か口を開閉させた後ただ頷いた。そちらもそうする、という意思表示だった。 「次は春かしらね、私は」 紫は何気なくそう言って、彼のぐい呑みにもう一つ注いだ。青年は一礼してまたそれを口に運ぶ。 「貴方も里で働くのでしょう? ああ、安心して。余程自分から命を捨てようとしない限り大丈夫よ」 「感謝、します」 「礼は必要ないわ。それが決まりですもの。そして、春になったらどうするの?」 紫の問いに、興味深げな視線を向けたのは針妙丸と魔理沙だった。霊夢はちらとも見ずに酒を飲んでいる。 青年は口を開閉させて、けれども言葉がすっと出てこなかったのか、ぺこりと一つ頭を下げた。 「勘弁してほしい、というところかしら」 紫の言葉に、青年は何度も頷いた。仕方ないわね、というようにため息をついて、紫は態度を崩した。 「酔わせたらもう少しいろいろ聞けるかと思ったんだけど」 「そんな理由で酔わせるな」 「まあまあ霊夢、意外に面白いかもしれないぞ。ほら、もっと飲め」 魔理沙に薦められて、青年は困ったように霊夢に助けを求める視線を向けた。 「……後で、布団の用意を自分ですることになっても知らないわよ、魔理沙」 「…………この時期にごろ寝は怖いな」 魔理沙が薦めを緩めて、青年はほっと息を吐く。 「あり、がとう」 「どういたしまして」 霊夢は素っ気なくそう答えて、開いている障子の向こう側の景色に視線を移した。 外はまだ雪が深々と降り続いていた。 何もかもを埋めてしまうかのように、静かに降り続いていた。 うpろだ0045 「ふぁ~ぁ~」 縁側に寝そべりながら外の風景を眺める。 庭に植えられている桜も散り、新緑が芽生える初夏。 昼寝するには持ってこいの気候だ。 「このまま寝ちまおうかなあ……ふぁ」 溢れ出る欠伸を抑える事もせず、全身を弛緩させ、怠惰を貪る。 休日というのはこうでなくちゃな。 「食べた後すぐ寝っ転がると牛になるわよ」 居間の方から声が聞こえる。 首だけ振り向くと、お盆を手にした霊夢が呆れを抑えきれない表情でこちらへと向かって歩いていた。 霊夢と俺は夫婦という関係にある。 数年前、外の世界から幻想郷へ迷い込んだ俺は紆余曲折あって霊夢と結婚する事になった。 結婚後、俺は博麗神社へと住み込み、霊夢と生活を共にしている。 「はいお茶。飲むでしょ?」 急須を傾けてお茶をお椀へと注ぐ。 断りを入れながらも既にお茶を注いでいるのは、朝食後の一服が俺達の生活に組み込まれている為か。 こういった細かい所に、結婚生活の喜びを感じ、思わず頬が緩みそうになる。 「ありがと。頂きます」 「はい」 夫婦二人、肩を並べて縁側でお茶を啜る。 庭の風景を眺め、風が木々を揺らす音を聞きながら、静かな時間が流れる。 時折思いついたように、お互いが話したい事を話し、相手が頷いて。 話が終わるとまた静寂が訪れる。 言葉を交わさずとも満たされた気持ちになれるというのは、数年前の俺からしたら考えられない事だろう。 急須の中身が空になる頃、俺の隣に正座していた霊夢がおもむろに足を崩す。 所謂女の子座りというヤツだ。 霊夢は傍にあるお盆に載せてあった木箱を取り出す。 霊夢がこちらへ向き、自身の膝を両手でぽんぽんと叩く。 「今日もするんでしょ?」 「……おねがいします」 これも、俺達の生活習慣の一つなのだろう。 互いの仕事が休みの日、俺は霊夢に耳掃除をしてもらっている。 いつから始まったかは正確に覚えていないが、切欠は今でも覚えている。 結婚前、博麗神社に遊びにきていた俺は、居間にあった耳かき棒を借りて耳掃除をしていた。 幻想郷に耳かき文化がある事を知らなかった俺は、長い間耳掃除をさぼっていた。 たまたま見つけた耳かき棒を借りて、セルフ耳かきを行っていたが、 長期間放置していた為か、耳垢が外耳にこびり付き、上手く取れずにいた。 そこに霊夢が現れ、耳掃除をしてくれる事になった。 頭を振り回しながら耳かきしている俺を見て不安に思ったようだ。 その後、博麗神社に遊びに行ったら霊夢に耳をかいて貰うという事が恒例となり、 結婚後も続いている、という訳だ。 ちなみに、いつもして貰って悪いという事で、俺が霊夢の耳掃除をしてあげたいと提案したら鼻で笑われた。 急須の乗ったお盆を端へ避け、霊夢の太腿へ寝転がる。 霊夢の身体に対し、頭を垂直に向けて太腿へと乗せている為、逆さではあるが霊夢の顔を真正面から見る事になる。 幻想郷にきたばかりの頃は少女らしい、幼い顔つきをしていた彼女であったが、 今では女性らしい落ち着きを湛えた表情を見せる。 「何ボサッとしてんの? 右耳、向いて?」 「……おう」 見とれていた、なんてとてもではないが口には出せない。向こう一ヶ月はからかわれる事になるのが目に見えている。 思わず勢い良く顔を左側に向けてしまう。恥ずかしがっているのが丸分かりだが、仕方がない。 そんな事を気にした様子もなく、先程取り出した木箱の中から、竹製の耳かき棒、ちり紙を取り出す。 「じゃあ、始めるわよ。まずは外側からね」 ちり紙を使い、耳の外側部分を擦る。 「あんたお風呂の時耳洗ってないでしょ? 垢溜まってるわよ」 しょうがないわねー、と言いながらも、窪みの部分まで丁寧に擦り上げ、綺麗にしてくれる。 普段はだらけている印象が強いが、本気を出した彼女の仕事は誰よりも丁寧で繊細だ。 ただ、その本気が特定の分野のみでしか発揮しない事が何よりも問題である。 まあ、数少ない分野の内に耳掃除が含まれている事はありがたい所ではあるが。 そうこうしている内に外側の掃除が終わった様だ。 残りカスを細い指を使って優しく払ってくれる。 「じゃあ、耳かき棒入れるわよ。痛かったらちゃんと言いなさいよ?」 幻想郷における耳かきは、現代日本のそれと余り変わりはない。 先端は匙の様になっており、反対側には梵天もついている。 匙の部分が耳の穴の入口に触れる。 すーーーっ 表面をなぞる様に棒が走らされる。 入口付近の浅い部分を、円を描くようにかきあげる さりさりっ…すすーー 時折細かい耳垢を巻き込みながら、徐々に奥へ奥へと進入していく。 「どう? 痛くない?」 繊細な作業をしている所為か、声のトーンを落として囁く様に霊夢が尋ねてくる。 耳元を吐息が撫ぜて、こそばゆさに身が震えそうになる。 「……うん。大丈夫」 そんな様子を悟られたくなかったので、平静を装う様に反応してしまう。 「そう。じゃあ続けるね」 耳の穴の中に生える産毛を撫でながら、奥へと進んでいく。 つつーー…かりっ、かりっ 時折、薄く張り付いた耳垢を見つけては、匙を器用に使って剥がしていく。 「おっ、綺麗に取れたわね~」 一旦耳かき棒を取り出し、取れた獲物を掌に載せる。 「見たい?」 「遠慮しとくわ……」 「あっそう。中々良い作品なんだけど」 大人っぽい表情を見せるようになっても、こういう所はまだまだ子供っぽい。 まあ、そこもまた可愛い訳なんだが…… 取り出した耳垢をちり紙の上に乗せ、耳かきを再開する。 「ここ、溜まってるわね。そろそろ本気をだそうかしら」 再び耳の中に進入した匙が、皮膚に触れる かさっ…かりっ…かりかり 霊夢の言葉通り、本格的に耳垢をかき始めた様だ。 匙の動きに合わせ、耳の中から頭全体へと細かな振動が伝わってくる。 「……んっ」 心地の良さに、思わず声を漏らしてしまう。 「今の気持ち良かった?」 俺の反応に気を良くしたのか、霊夢が訊ねてくる。 「……おぅ」 声を漏らしてしまった恥ずかしさと、耳かきの気持ち良さで、つい反応がおろそかになってしまう。 「そう」 満足気な声。横を向いているので顔は見えないが、さぞ良い笑顔をしている事だろう。 かさ…かりっ、ぺりっ… 「んぁあ!?」 一際強い衝撃が脳髄に叩き込まれる。 どうやら大きな塊を一気に引き剥がしたらしい。 一瞬の痛みの後、途方もない快感が耳の中に広がる。 「大丈夫!? 痛かったの?」 霊夢が心配そうに声を掛けてくれる。 「大丈夫。 いきなりだったからびっくりしただけだよ」 強い刺激を脳に直接放り込まれ、声を抑える事ができなかった。 「続けても平気?」 「むしろお願いしたいかな……」 あの気持ち良さをまた体験したいが為、改めて霊夢に耳を差し出す。 ぐっ…ぐぐっ… ある程度耳垢を取り終えた所で、霊夢はかき方を変えてくる。 今度は耳の中をマッサージするように、壁に圧力を掛けながらスライドさせる。 ぐぐっ、かさかり…ぐぐー 耳内に少量残っている粉状の耳垢を、匙を使って器用に払い、また押し付ける様にマッサージを行う。 耳の中には無数のツボがあるという話を聞いた事があるが、あながち嘘ではないかも知れない。 「どう? ここ、気持ち良いでしょ?」 霊夢が耳の奥の壁に匙を押し付ける。 背筋を通って全身に快楽が広がっていく。 「うん……」 耳垢を取る時のような、鋭い刺激を伴う気持ち良さとは違う、 優しさを孕んだ、全身に染み渡るような気持ち良さ。 じわじわと快楽に侵食され、意識が落ちてくる。 眠くなってきた…… 「でしょ? あんた、いつもここ押すと気持ち良さそうに反応するのよね」 どうやら弱点を握られている様だ。 まあ、膝枕されて耳に棒を突っ込まれている時点で、生殺与奪の権利は彼女にあるのだが。 「……? どうしたの? 眠いの?」 「……うん」 彼女が何を言っているのかは理解できるが、自身の反応が鈍くなってきている。 「ちょっと、今日買出し行くんでしょ? お酒、今日の分ないわよ?」 「うん……」 段々自分がどう反応しているのか分からなくなる。彼女が何を言っているのかも聞こえなくなってきた。 「まっ……しょう……わね。あん……わたしが……」 「……くー」 彼女が散々文句を言っている所で、俺は意識を手放した。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「まーた寝ちゃったか」 片方を掃除し終えた所で、もう彼の意識は無かった。 耳かきをしてあげるといつもこうだ。 片耳を終えた頃には、大体寝てしまっている。 「よいしょ……っと」 横に向いたまま眠っている彼の顔を正面に向ける。 安らかな寝顔。子供みたい。 「よしよし」 くしゃり、と頭を撫でてやる。少し癖のある髪が、私の手に絡んで、解けていく。 髪、伸びてきたわね。次の休みに切ってやらないと。 「……んー」 頭を太腿に擦り付けられる。 彼の癖だ。枕の上でやっている所は見た事がないから、どうやら私の膝枕限定の様だ。 普段そのようには見えないが、性根は甘えたがりなんだろうか。 「……かわいいなあ」 ぐうたらで、お酒に目がなくて。 でも、私の事、大事にしてくれて。 そんな彼が、愛おしくて堪らない。 彼の頭を撫ぜながら、寝顔を見る。 結婚前から続けている習慣の一つだが、未だ飽きそうにない。 時間が許すなら、一日中だって見続けても良い。 まあ、その前に私の膝が限界を迎えるだろうけど…… 彼が寝付いてから結構な時間が経った。 私はまだ彼の頭を膝に乗せ、寝顔を見たり、頬を突っついたり、と幸せな時間を過ごしていた。 しかし、ここで一つの問題を思い出す。 「どうしよう。買い物行かないと今日分のお酒がないわ……」 それどころか、明日から食べる物もない。 今日は絶対に買出しに行かないとまずいんだけど…… 「……くかー」 起こせない。 こんな幸せそうな顔して眠っている旦那を、私は起こす事ができなかった。 何より、そんな旦那の顔をまだ見ていたいから、起こそうという気がまったく湧いてこない。 「こりゃあ、買い物は昼過ぎかなー」 今日も私は彼が自然に目を覚ますのを待つ。 「何で起こしてくれなかったのさ」 眠そうな眼を擦りながら、彼が私に問う。 「私も寝ちゃってたのよ。大体、あんたが寝るのが悪いんでしょう?」 「そうなんだけどさ……気持ち良過ぎてつい、なあ……」 段々声が尻すぼみになっていく。 このやり取りも、いつも同じ。 私達の大切な習慣だった。 私達はこれからも、数多くの習慣を積み重ねて、日々を生きていく。 夫婦の関係というものは、こうやって少しずつ形作って行くものなのだろう。 「さあ、急ぐわよ。あんたの好きな銘柄、売り切れるわよ?」 霊夢と居候03(うpろだ0056) 「お世話になりました」 ぺこ、と博麗神社の居間で頭を下げたのは少名針妙丸だった。 聞かされた二人の人間は、目を瞬かせて互いに視線を送る。 「出てくの?」 人間の片方、博麗霊夢が首を傾げる。針妙丸は頷いた。 「今すぐってわけじゃないけど。逆さ城もあのままにしておくわけにはいかないから」 私が管理しないとね、と言いながら、針妙丸は小さな椀の茶を空にした。 「お、かわり、いる?」 訥々とした語りの青年――針妙丸と同じく、この神社に居候している男が、そう急須を手にした。 やや吃音の気はあるものの、それ以外は普通の人間だ。 神社に居候しているがために、幻想郷に変な馴染み方をしてしまっているところはあるが。 「あ、いる。ありがと」 素直に頷いた針妙丸の椀に、新しい茶が注がれる。それを見ながら、ああ、と霊夢が頷いた。 「この前紫と話してたあれこれ?」 「そうそ。そろそろ小槌の魔力も回収できるし、ってね」 また茶を啜りながら、針妙丸はこくりと頷いた。彼女の手元には、打出の小槌がある。 一騒動を起こしたそれも、もう何事かを起こす様子はなさそうであった。 霊夢は何度か頷いて、非常に彼女らしい了解の言葉を告げた。 「まあ、勝手にしなさいな。それでも春まではいるんでしょ?」 「うん、ちょっと雪が緩んできてからの方が有り難いから、それからでいい?」 「いいわよ」 霊夢はこともなげに承諾した。そういう人物だとわかっている。 「じゃ、もう少しだけだけど、よろしくお願いします」 ぺこ、と針妙丸は頭を下げた。 その後、霊夢が茶の追加を入れにいったところで、針妙丸が青年に尋ねた。 「ねえ、貴方はどうするの?」 その問いに、青年は一つ首を傾げる。 「霊夢は今みたいに、『勝手にすればいい』としか言わないと思うけど。春になったらさ」 言わんとするところを察したのか、彼はこくりと頷いた。 「……そ、うとは、言われてる、から」 「うん」 口を開閉しながら言葉を出そうとするのを、針妙丸は急かさずに待った。急かすと逆に言葉が出てこないことを知っているからだった。 「……か、ってに、しようと、思ってる」 「……霊夢も霊夢なら貴方も貴方だね。はっきりさせた方がいいと思うけど」 呆れたような、けれども逃げを許さないような口調で、針妙丸は告げた。 「そ、うだね」 青年は、その厳しい言葉に笑みを浮かべた。ずるいことをしている自覚はあった。 針妙丸はそれを洞察したようだった。大仰にため息をつく。 「自覚があるならさらに性質が悪いね」 「う、ん。ずるい、ってのは、わかってる」 「人間っていうのは、こうもずるいのかな」 「……にん、げん、っていうより、俺が、だと思う、よ」 余計性質が悪い、と針妙丸は首を振った。けれども彼女はきちんと釘は差したし、差された方もそれを理解していた。 その、数日後のことであった。玄関先で声がするのが耳に入って、青年はそちらに足を向けた。 「ああ、いいところに」 「ど、うも」 上白沢慧音が、玄関で霊夢と会話していた。立ち話も、とは思ったが、霊夢が軽く首を横に振った。様子に気が付いた慧音が笑う。 「すぐに戻らねばならないから。今日は少しましだが、明日はまた雪が降りそうだから準備をしておかないと。ここは大丈夫か、霊夢?」 「おかげさまで。しばらく閉じこめられても大丈夫なようにはしてるわよ」 霊夢は苦笑気味に肩を竦めた。慧音からすれば、霊夢という存在は博麗の巫女であると同時に、里から離れて生きている少女でもあるのだろう。 妹紅が過保護だって言うのもわかるわ、と冗談混じりに応じて、霊夢は本題を促した。 「ああ、貴方のことなのだが、里の家の割り当てがそろそろ始まるんだ」 青年は頷いた。春になれば、本格的に彼も里での仕事が始まる。この世界に生きていくしかないと決めた以上、働かねば生きていけない。 幸い、働き口はもう決まっている。何度かもう顔合わせもしていたし、業務内容の確認もしていた。まだ始まるまではわからないが、第一印象は悪くなかった。 「それで、その、貴方の希望も聞いておこうと思って。すぐでなくてもいいが、数日中に連絡をくれると有り難い」 「わ、かり、ました」 やや歯切れの悪い慧音の言葉に、青年はそう応じて頭を下げた。 「うん、ああ、お願いするよ。霊夢、そういうことだから」 「ええ」 霊夢は表情のない声で応じた。慧音は少しばかり気がかりそうな表情をした後、ではまた、と挨拶をして帰って行った。 後には二人だけが残された。僅かな沈黙の後、先に口を開いたのは青年の方だった。 「……霊夢、さん」 「…………いつも言ってるでしょ。それに、わかってたことだし」 好きにすればいい、という言外の言葉を、霊夢は口にしなかった。青年も問い返さなかった。 だが、もうはぐらかす時間は終わりを告げ始めているのだと、それだけは確実だった。 その日の風呂上がり、寝衣代わりの甚平の上に書生羽織を羽織った姿で、青年は家の中を歩いていた。 人を探していた。部屋の中にいるかと思ったが、そこにはいなかった。針妙丸に聞いても知らなかった。 眠そうにしていたのを邪魔したのを謝罪した後、また探している。部屋にいないとなれば、後は。 「……さ、むい、のに」 小さい呟きが、我知らず漏れた。白い息が零れて消える。 ようやく見つけた姿は、凍えそうな程寒い縁側で悠然と湯飲みを傾けていた。 近寄りがたい雰囲気すら持っている少女に、青年は口元を一つ引き締めて近付いた。 「ひ、える、よ」 「少し上せたから」 「なお、さら」 青年は、やはり寝衣の上に半纏だけを着込んで座っている霊夢を見て眉をしかめた。 「お茶をもう一杯だけ。それでいいでしょ」 何を言っても聞かないだろうことを察して、青年は盆を挟んだ反対側に腰を下ろす。 話さねばならないことがあった。それで探していたのだが、見つければこんな寒いところにいたというわけだ。 早く部屋の中に戻って欲しいが、何か思うところがあるのだろうか。 湯飲みは二つ用意されていた。一つは霊夢が使っている。もう一つを勝手に使うことにして、急須から茶を注いだ。茶は少し温くなっていた。 しばらく、ただ茶を啜った。何から話し出せばいいか、青年は考えていた。言いたいことはたくさんあるのに、だからこそ言葉がなかなか出てこなかった。 言葉に詰まることに困ったことは多々あれど、こうした詰まり方は初めてだ、と目を細めて苦笑する。 「春になったら、里に降りるの」 口火を切ったことが霊夢であったことに、青年はわずかに驚いた。だが、表情には出さず、ただ言葉を返す。 「…………霊夢、さんは、俺に、勝手にしろ、っ、て」 「ええ、言ったわ。好きにすればいいとも思ってる」 霊夢はそう言いながら茶を啜った。声から感情は読み取れない。 読み取れないから、結局は自分から言わなければならないのだ。 「かっ、てに、しようと、思ってるけど」 「うん」 「……貴女の、許可、が、ないと、流石に」 「……それは」 霊夢は言い差して首を振った。 「はっきり言いなさい。曖昧な言い方で逃げるのはなしにして」 その言葉は、きつい弾劾のように見えて、事実は異なっていた。 少なくとも、青年はそう受け取った。避け続けていたことを告げなければならないと思った。 ずるい逃げ方をしていたツケが回ってきたのだ。 「……ここにいて、いいですか、霊夢さん」 青年の瞳も声も静かだった。その分、霊夢もまた逃げることは出来なかった。 「……ええ、好きにして」 霊夢の言葉を、青年は誤解しなかった。軽く首肯して、茶をまた啜った。だいぶ熱は取れていた。 こと、と音がした。霊夢が自分の湯飲みを置いた音だった。音は軽かった。 「……私の傍は、きっと面倒よ。妖怪は来るし、あれこれのことはあるし。ここは博麗だしね」 「……それでも」 それでも、と青年は繰り返した。ああ、やはり逃げることは出来ないのだ。 はあ、と一つ大きく息を吐く。白い息が、夜闇に溶けて消えた。 「……貴女に、惚れたから。好きです、霊夢さん」 言葉は突っかからなかった。彼にしては珍しいことだった。霊夢は、小さく息を吐いた。やはり白かった。 沈黙は長くは続かなかった。霊夢がその口唇をそっと開いて言葉を口にした。直接的な言葉ではなかった。 「貴方は」 「は、い」 「……魔理沙のことは呼び捨てで呼ぶのに、私にはそうしないのね」 青年は目を瞬かせた後、ゆったりとした笑みを浮かべた。 「……呼ん、でも、いいなら」 「……貴方が、そうしたいなら。好きにして」 少し目を伏せて応じた霊夢に、青年は頷いた。今回も、やはり青年は霊夢の言わんとすることを誤解しなかった。 手元の湯飲みを飲み干して盆に置く。とっくに空になっていた湯飲みの隣に、音を立てずに置いた。 立ち上がり、軽くなった盆を片手で持ち上げて、青年は霊夢に空いた方の手を差し出す。 「霊、夢。冷える、から。お茶も、なくなった」 「……ええ」 霊夢はその手を取って立ち上がった。手はひんやりと冷えていた。青年は眉を顰めた。 「やっ、ぱり、冷たい」 「……そうね」 「……暖めない、と」 「……うん」 霊夢は頷いた。青年は霊夢が立ち上がったのを見た後に一度手を離し、障子を開けて霊夢を促した。 大人しいままの霊夢が中に入った後、青年も後について入ると、後ろ手に障子を閉めた。障子の中で、影が少しだけ動いた。 外では、雪がまたちらつき始めている。 結局、翌日里に降りることは出来なかった。雪が強くなって外に出られなかったのだった。 そのさらに次の日になって、青年は慧音に神社に残る旨を告げるために里に出てきていた。霊夢も一緒に来ている。 「ああ、そうするのか」 慧音は諒解半分、納得半分のような頷きで返した。青年は申し訳なさそうな顔をして、もう一度詫びた。 「す、みま、せん。折角、いろいろ、してもらった、のに」 「いや大丈夫だよ。それならそれでまた割り当てもあるから」 宥めるように言って、慧音は付いてきている霊夢にも話を振った。 「霊夢もそれでいいんだな?」 「ええ。私の家だし、そこは承知してないとオーケー出さないわよ」 「ならいいんだが」 慧音は曖昧に頷いた。霊夢の態度の素っ気なさと、いつもと変わった様子のない青年から、それでいいのかどうかわからなかったのだ。 恋人同士にも見えない二人が、そうして大丈夫なのだろうかと。 だが、これ以上言葉を重ねるのはよくない気もしたし、野暮になるような気もした。どちらにしろ、確信が持てないままでいる。 「さ、買い出しに行くわよ」 「う、ん。では、先生、これで」 青年は頭を下げると、先にさっさと歩き出してしまった霊夢の後を追いかけ始めた。 「霊夢、速、い」 「貴方が遅いのが悪いの。また雪が降り出す前に帰りましょう?」 慧音は遠くなるそのやりとりを見て、ああ、と優しげに微笑う。 考えているほど心配する必要はないのかもしれない、と思ったのだった。 それが事実である、ということを正確に知るまでには、もう少し時間が必要ではあったが。 幾分か買い出しをし、その荷物を両手に抱えた状態で青年は霊夢に尋ねた。 「……いい、の、か」 「何が?」 「その、っ、と」 言葉を選ぶように、同時に何かが突っかかったように口を開閉しながら、青年は時間をかけて問いを口にした。 「……一緒、に、歩いていると、そういう関係に、見られる、と、思う」 青年が霊夢のところに居候しているのは周知の事実だが、二人で里を歩いたことはない。 しかも、割と近しい距離で歩いている。そういう間柄と他人に邪推させるには十分だった。 青年は、それによる霊夢の評判を気にかけたのだった。青年が素性のよくわからない外来人であることに間違いはない。 だが、霊夢の返答は涼しいものだった。 「貴方は嫌?」 「そうでは、ない、けど」 「ならいいじゃない。別に嘘を吐いているわけでもないわ」 どうせ春になって貴方が降りてこなかったらわかることでしょ、と霊夢はこともなげに告げる。白い息が風に乗って消えていった。 「早いか遅いかだけよ、大したことじゃないわ」 「……ん」 彼は頷いた。そう、自分は霊夢の傍にあると決めたのだから、それでいいのかも知れない。 不意に、霊夢が片手を伸ばした。首を傾げていると、片方の手の荷物を奪われた。 「あ」 「さっさと帰りましょ。陽が落ちるのも早いわ」 重ねられた手に、青年は頷いた。今日の手はどちらも冷えていた。 「はや、く、帰って、炬燵と、火鉢に、火を」 「ええ」 霊夢は微笑んで同意を示した。陽が傾く前の里を、二人でそうして歩いていく。 雪解けはまだ遠い。 けれども、蕾が綻ぶように開き始めた想いは、一足先に春を迎えるのだろう。 この先に、何が待っているのかはまだわからないとしても。 それでも、今はただ、この想いをただ大事に咲かせよう。 35スレ目 322 323 325 322 恋をしていままでどうやって飛んでたかわかんなくなって焦る霊夢さん 323 322 最近幻想郷に迷い込んだ○○のことが気になって仕方がない霊夢さん なぜか飛べないことに気付く 霊夢「な、何で.........!?」 脳内(も、もしかして体重が増えたとか!? いや、このごろお金ないしそれなのに ○○との食事は無理してしっかりおかず作るから自分だけの食事は野草を食べる 始末だからそんなことはないはず! だったら何で!? 自分では飛ぼうと しているのに、体は全く浮かない...はっ!) 霊夢「まさか!!」 数日前 ○○「そういえば、霊夢の能力って飛ぶことだったけ?」 霊夢「...なによ? 地味だって言いたいの? 別にいいのよ能力なんて。 それに、私はそれ以上に強そうな能力もちでも普通に勝てるしね」 ○○「さすがは博麗の巫女だな。でも、少し寂しくもなるなぁ」 霊夢「えっ...ど、どういうこと!?」 ○○「いやさ、霊夢って移動するときはほぼ確実に飛んで移動するだろ?」 霊夢「そうだけど......なんか関係あるの、それ?」 ○○「俺って一般人だから空飛べないし、霊夢の移動は空だろ? そうなるとさ、なんか、霊夢が俺よりずっと遠い所にいちゃうような気がして...」 霊夢「なによそれ? 別にそんな遠くまで行かないし、私だって、歩きの移動もあるわよ」 ○○「......そうだよな、うん。悪い、今のはただの独り言だ。忘れてくれ」 霊夢「はいはい」 そして現在 脳内(ま、まさか○○のあの言葉!? じゃあなんで? 忘れろって言ったかから 忘れたはずなのに...そもそもこのこと覚えてた時点で忘れてないじゃない! じゃあもしかして、○○がああ言ったから、私は○○と歩きたいから...) ......意識しないで、飛ぶことを拒否してるの......!? 再び 脳内(何で何で!? 飛ぶのと○○と歩くのは別でしょ! それが何で飛びたくないに つながるのよ! そ、そりゃ、○○とそんなことはしたいとは思うわよ? でも、何で...ああもう! 何でばっかりじゃない! ううー...どうすれば...?) 1.思い切って○○に相談する 2.他の幻想メンバーに相談する 3.解決できない。現実は非常である 石は投げないでください。 325 322 ぼかぁそっからの覚醒イベントみたいなのとか好きだけどね 恋してうまく能力使えない~時に異変が起こって ボスに苦戦してそのせいで○○が危なくなって そうして初めて自分の恋慕の気持ちを認めてからの 霊夢「『幻想浪漫飛行』博麗霊夢!!」 って名乗り口上からの クッソ強なってて無双する展開 35スレ目 345 (35スレ目の 343に対して) 魔理沙「おおっ、私だ!私が出てるぜ!」 文「あやや、押さないで下さいよ。よく見えない。」 香霖「ふむ、僕も出るのか。熱意が伝わってくるね。」 阿求「私の出番、セーブ係くらいなんでしょうねえ」 朱鷺「出番あるだけいいじゃない」 正体不明「お嬢さん方、くよくよしてても始まりませんぜ。『待てば海路の日和あり』と言うじゃあありやせんか。 なあに、この旦那なら末は太宰か芥川、名文の限りであっしらを活写してくれますぜ。 かあーっ、しみるねえ。」 ルナサ「……あなた誰」 霊夢「……」 魔理沙「霊夢は嬉しくないのか?お前が主人公っぽいぜ。このこのー。」 霊夢「回りくどいのよ。こんなもの作らなくても、私は…」 魔理沙「おおっ?」 霊夢「何でもない。ところで、いつ始まるの、これ。」 魔理沙「ボタン押さないとダメだぜ。」 霊夢「そうなの。ふうん、けっこうおもしろいわね。あ、私。 …え、何、これ。こんな話なの?ふーん…」 魔理沙「お、怒ってるのか?その、あいつも悪気があったわけじゃないと思うぜ…。」 霊夢「いい。」 魔理沙「はあ?」 霊夢「いいじゃない!あいつとイチャイチャできるなんてッ!このゲーム最高! ねえ、ここからどうやって先行くの?」 魔理沙「試作だからそこまでだぜ。続きは作ってもらわないと」 霊夢「作ってもらえばいいのね!」 魔理沙「おーい、帰ってこーい。」 20分後、神社に拉致られてカンヅメにされる○○の姿があったとさ。 35スレ目 386 霊夢「また会えるから、絶対」 霊夢「だから、さよならなんて言わないわ」 霊夢「またね!!」 35スレ目 414 皆の前で堂々とチョコを渡して外堀を埋めにかかる霊夢さん 避難所 57 霊夢「彼、一度寝るとなにやっても起きないわよ」 魔理沙「『なにやっても』ってなにやったのぜ?」 霊夢「…………………」 魔理沙「どうしたの?」 避難所 141 魔理沙「あけましておめでタイガー!!」ガオー 霊夢「はいはいタイガータイガー。タイガーアンドバニー」 霊夢「ねぇ、正月ぐらい自分の家でゆっくりしたら?」 魔理沙「だって……ひとりで寂しい…」 霊夢「かわいい」 魔理沙「霊夢正月予定あるの?」 霊夢「明日○○さんちの実家いくぐらい」 魔理沙「そうなんだじゃあ今日お昼からさ…」 魔理沙「……なんで霊夢が○○の実家に行くの…?」 霊夢「……」 魔理沙「…なんで…?」 避難所 182 ゴォォォ「雪」 早苗「すごい降ってる」 霊夢「こんな降るとは思わなかった。困ったわね」 早苗「泊まってってください」 霊夢「いいの?」 早苗「いいよ」 ピロピロピローンピロピロピローロー『オフロガ・ワキマシタ』 霊夢「!」 早苗「あ、お風呂沸きましたね。一番どうぞ」 霊夢「流石に家の人差し置いて一番はやめとくわ。最後に入らせてもらわね」 諏訪子「うぃ~あがったぞ~」ホカホカ 早苗「霊夢さーんもうみんな入ったんでどうぞ~」 霊夢「はーい」 早苗「あっ上がる時追い焚きだけ消しといてください」 霊夢「はーい」 テレビ「この辺がめっちゃ雪降っててぇマジ寒くてぇ明日はぁ」 早苗「…明日も降るんだ…」 『オイダキヲチュウシシマシタ』ピローン 早苗「…水道凍るかも…」 霊夢「お風呂ありがとう」ホカホカ 早苗「あっごめんなさい使い方わかりました?」 霊夢「あぁうん○○さんちのと一緒だったし」 早苗「そろそろ寝ますか?」 霊夢「うん」 早苗「おやすみなさーい」カチッ 霊夢「おやすみ」 霊夢「…zzz…」 早苗「…」 早苗「………」 霊夢(○○さんちのと一緒だったし) 早苗「……………………………………」 避難所 186 霊夢「ねぇ魔理沙アンタさァ」 魔理沙「うん?」 霊夢「チョコ…作ったことある?」 魔理沙「!!」 魔理沙「あ、あるのぜチョコぐらい…」 霊夢「じゃ、じゃあさ…作り方…教えてくンない?」 魔理沙「いいのぜ」 魔理沙「まず魔法陣を描いてだな」カリカリ 霊夢「魔法陣????」 魔理沙「中央に材料を置いて…」 霊夢「ねぇ魔理沙あの」 魔理沙「チョコデペクトルパトローナームッ!!」ビビビ ボボボンボコッボコボコッゴポォ チョコ「シテ…コロ…シテ…」ピクピク 魔理沙「魔法陣ちょっと間違えちゃったかなタハハw」 霊夢「作るってそういう意味じゃなくてね?」 魔理沙「バレンタインチョコ!?!?」 霊夢「うん」 魔理沙「そんなものを作るってことはまさか…!!」 霊夢「……!」 魔理沙「…私は混ぜる惚れ薬を作ればいいのか…?」 霊夢「いらないわよそんなもん!!」 魔理沙「魔(法少)女に相談するってそういうことじゃん!?」 霊夢「そうなの!?」 アリス「そうわよ」 パチェ「そうわよ」 魔理沙「惚れ薬いらないってことはサ」 霊夢「なによ」 魔理沙「相手はもう霊夢に惚れてるのか?」 霊夢「……………………………そ、ういうことじゃ…なくてぇ…」 魔理沙「だったら入れたほうがイージャン」 霊夢「…そういうのこれからなんだからさぁ…」 避難所 509 咲夜「これ、美鈴が里帰りした時のお土産」 霊夢「ありがと。ちょうどウチも珍しいお菓子あるから食べてきなさいよ」 咲夜「アザーッス」 咲夜「これ、おいしいわね」モグモグ 霊夢「でしょ?でもね、賞味期限短いのにいっぱいあるから…いくつか持って帰ってよ」 咲夜「悪いわね」 咲夜「あっ霊夢も『ディア風呂4』やってるの?」 霊夢「うん」 咲夜「パチュリー様もハマってるんだけどさぁ妹様がゲームしすぎの時怒るに怒れなくてさ」 霊夢「『パチェなんか1日中やってるじゃん』って言うんでしょ」 咲夜「そうそう」ワハハ スマホ『prrrrprrrr』 霊夢「あっ電話ちょっとごめんね」 咲夜「うん」 霊夢「もしもしー?〇〇さん?どうしたの家電からなんて」 咲夜「……」モグモグ 霊夢「えっ…スマホ忘れてないかって?」 咲夜「……」オチャズズズ 霊夢「昨日お土産持ってきた時は持ってたよね?」 咲夜「……、……」グビ 霊夢「ねぇ咲夜、アンタ〇〇さんの番号知ってるよね?ちょっと鳴らしてみてくんない?」 咲夜「えっ??あっ、うん。いいけど…」タプタプ \prrrr/\prrrr/ 咲夜「小さいけど聞こえるわね」 霊夢「ちょっと鳴らしてついてきてくれる?」 咲夜「あっちの部屋から聞こえるかも」 霊夢「寝室か」 咲夜「しんッ」 霊夢「押入れからかすかに聞こえる。ふとん畳む時に、巻き込んでたのかも」スボッモゾモゾ 咲夜「“ふとん”」 霊夢「あったあった」スポッ 咲夜「?……?……??」 霊夢「あっ〇〇さんスマホ、あったよ。うん、いつか取りくる?うん、うん、わかった。うんじゃねー」 咲夜「……」 霊夢「すぐ見つかったわありがと。あ、お茶おかわりいる?」 咲夜「ハイオナシャス…」 咲夜「……」 パチェ「咲夜?」 咲夜「ハイッ」ビクッ パチェ「どうしたの?なんか具合悪い?」 咲夜「い、いえちょっと、ちょっと考え事を…」 パチェ「そう、ならいいけど…それでね、あなたが出かける前に頼めばよかったんだけど魔理沙がスマホを忘れていってね?」 咲夜「!!!!!!!!!!!!!!!!」 パチェ「まぁ家に届けてやる義理もないし預かっといてくれないかしら……ってどうしたの」 咲夜「いえっ別にっあのっなにもっ」 パチェ「……ねぇ、ほんとに大丈夫?疲れてるんじゃない?」 咲夜「だいだい大丈夫デス!!」 咲夜「あ、あの…ところで、その、参考にお聞きしたいのですが…」 パチェ「なに?」 咲夜「ど、どこにあったんです…?…スマホ」 パチェ「……えっ?」 咲夜「いえほら!!魔理沙言いそうじゃないですか!!!『どこにあったんだぜ』とか聞きそうじゃないですか!?」 パチェ「そ、そうかしら」 咲夜「絶対聞きますよ絶対魔理沙はそういうやつです必ず聞きます!!!!!!」グワワッ パチェ「なになになにどうしたのどうしたのこわいこわい」 パチェ「ベッドの上」 咲夜「ベッッッッ!?」 パチェ「ねぇどう思う?いきなりアポ無しで来たかと思えば夜通しゲームしようとかいいだしといてもう眠いから寝るわって他人のベッド占領してるやつ」 咲夜「げーむ」 パチェ「ゲーム」 咲夜「…」 パチェ「……スペルトゥーン3」 咲夜「ですよネェ!!!友達がきた夜はオールゲームですよネェ!!そうですよネェ!!オ゛ォ゛~!!」ホッ パチェ「咲夜!?ねぇ咲夜あなたほんとに大丈夫!?」 咲夜「よかっタァ~…私はてっきり弾幕ごっこかと…あ~でもこれじゃ私がむっつり邪推したみたいで…」フゥー パチェ「どうしたのマジで…」 咲夜「あれっちょっと待って霊夢んちのゲーム機って居間に」 避難所 511 ザァァァ「雨」 コインランドリー『アライモノタスカル』 乾燥機「ゴウンゴウン」 霊夢「…」 乾燥機「ゴウンゴウン」 霊夢「…」 乾燥機「ゴウンゴウン」 霊夢「…」 ウィン「魔理沙」自動ドア 霊夢「あっ」 魔理沙「霊夢ぜ」 霊夢「アンタも乾かしに来たの?」 魔理沙「うん」 霊夢「めっちゃ雨降ってるよね、濡れなかった?」 魔理沙「全部避けたのぜ」 乾燥機「ゴウンゴウン」 魔理沙「なんか毎年雨降る時期あるよな」 霊夢「お洗濯困るからやめてほしいよね」 魔理沙「ねー」 霊夢「ねー」 乾燥機「ピーピロピロピロリー」 霊夢「あっ、ウチの終わったわ」 魔理沙「いーなー」 霊夢「よいしょ」ガポッ 魔理沙「霊夢」 霊夢「なに?」 魔理沙「そのシャツデカくない??」 霊夢「え?そう?普通じゃない?」 魔理沙「そうかな…そうかも…」 霊夢「?…変なの」 魔理沙「霊夢」 霊夢「なに?」 魔理沙「その…パンツ?…男もんじゃない?」 霊夢「え?それがどうかしたの?」 魔理沙「えっ?いや、その…」 霊夢「?」 霊夢「なに勘違いしてるのかわかんないけど○○さんの洗濯物よ」 魔理沙「そ、そうなんだ。てっきり霊夢がそういうの履いてるのかと思ってビビっちゃって」 霊夢「私が履くわけないじゃない」 魔理沙「そうだよなシャツもデカすぎるもんな」 霊夢「シャツはたまに着」 魔理沙「へっ?」 霊夢「━━━━、ウチの、終わったし、そろそろ、帰る、わね、じゃあ、また」 魔理沙「お、おう。またな」 雨「ザァァァ」 魔理沙「…」 乾燥機「ゴウンゴウン」 魔理沙「……」 乾燥機「ゴウンゴウン」 魔理沙「………」 乾燥機「ゴウンゴウン」 魔理沙「…………」 魔理沙(なんで霊夢が○○の洗濯物乾かしてんだぜ…??) 避難所 515 霊夢「ねぇ紫、アンタさ」 紫「なぁに」 霊夢「……やっぱなんでもない」 紫「なんでもないんだ。ふーん」 霊夢「…」 紫「…」 霊夢「アノサァ」 紫「うん」 霊夢「………………男の人と、喧嘩、したこと……ある?」 紫「……あるわよ」 霊夢「ど、どぅだった…?」 紫「こう見えて私、負けたことないわ。全員ワンパンよワンパン」シュッシュッ 霊夢「そういう喧嘩じゃなくて」 紫「そりゃ霊夢に勝てる男なんているわけないものね」 霊夢「どういう意味よ」 紫「それで喧嘩っていうのは、つまり『そういう話』でしょ?」 霊夢「……」 紫「あるわよ。あるわ、喧嘩ぐらい…私がまだ大学生だった時に……」 霊夢「……なんで喧嘩したの…?」 紫「よくある、プレゼントよ。誕生日プレゼント。なんというか、彼が悪かったわけじゃなかったわ。思ってたようなロマンチックなプレゼントをもらえなくて、私が拗ねたのよ。なによエッグスチーマーってマジで、確かにゆで卵好きって言ったけどあれってあの人の手料理に対する褒め言葉であってさぁ」 霊夢「……」 紫「ねぇわかる!?家にあげたのよ!?女の子の一人暮らしの部屋に男の子を呼ぶってね!そりゃあ色々覚悟したうえで…いや別に期待してたとかそういうことじゃないけど…!でもっ……誕生日よ!?わかる!?ムードとか!」 霊夢「う、うん。うん。その……あれだよね……?て、手を繋いだりとか…?」 紫「そうそうそうそう手を繋いだりとかッ…ってコラーッ!純度ーッ!」 霊夢「……それで、どうやって……仲直りしたの?」 紫「聞きたいー?聞きたいー?」 霊夢「……キキタイデス……」 紫「…珍しく彼の方から誘ってくれて。そのデートで…リボン、選んでくれたの」 紫「ほんとはそのことにも思うところはあったわよ…どうせ蓮子のアドバイスだったろうし…でもね…」 紫「私だって仲直りするタイミング探してたもの…許すとか許さないとかじゃないわ、それで喧嘩は“終わり”」 紫の、こういう話し方が……苦手だった。 急に声が柔らかくなった、口元はほのかに笑っているけれど嬉しそうとも楽しそうともいえないような、優しくて、寂しそうな顔。 視線を落とす、紫がつけているリボン。私の視線に気づくと紫はおかしそうにわらった 「これじゃないわよ。さすがにもう、なくしちゃったわ」 これじゃない じゃあどこへ行ったの?どこへなくしたの? じゃあなぜそんなにそのリボンを優しく撫でるの? 記憶に、心に、自分の中にまだ残ってて、隙間に落としたみたいにもう取れなくなってしまう。この隙間の先にあるはずの見えないものにずっと心を囚われていく 母も、そういう人だった。 母が父のことについて語ってくれたことはついぞなかった 父のことをたずねると、決まって『どんな人だと思う?』と問いかけてやっと絞り出したみたいにほんの少しだけ笑うだけだった 私は父について何も、知らない 父と母がどんな出会いをし、どんな逢瀬を重ね、そしてなぜ母や私のそばにいなかったのか、何も知らない 紫「で、“噂のあの人”となんかあったわけ?」 不思議で、不思議でならない 私は“喧嘩”した程度の、この張り裂けそうな胸の痛みに耐えられない。癒すすべを知らない なら、なら 母の痛みはどれほどのものだったのか 紫の痛みはどれほどのものなのか それを抱えて生きていくことを、強さと呼ぶのか、弱さと呼ぶのか 私にはわかるべくもない だから、その痛みを知る者に…教えを請うしかないのだ 私は、ゆっくりと話し始めた 話を続ける自分の声がしだいに弱々しくふるえていくのに戸惑ったが 紫が優しい声で相槌をうつと少しだけ、ほんの少しだけ、一歩とも言えないような情けない前進をすることができたのだ 避難所 635 紅魔館 フラン「咲夜ー」 咲夜「はーい?」 フラン「魔理沙がきたー」 咲夜「えぇ…やだなこんな時間に」 魔理沙「よう」 咲夜「何?」 魔理沙「晩御飯ごちそうになりにきたのぜ」 咲夜「いきなりくるな」 咲夜「いつも思うんだけどさ、アンタさ、アポ取るって概念ないワケ?」 魔理沙「いきなり電話するの失礼だろ」 フラン「電話する前に電話してほしいよね」 魔理沙「友だちのよしみで頼むぜ」 咲夜「私たち友だちだったの?」 魔理沙「(`;ω;´)」 フラン「友だちのよしみっていうならさ霊夢のとこいけばいーじゃん」 魔理沙「そうそうさっき霊夢に会ったんだよ。スーパーでさ、結構買ってて」 咲夜「うん」 魔理沙「晩御飯なんにするのって聞いたら鍋やるっていうからさ、私も誘ってくれるのかなって」 咲夜「なんで誘われる前提なんや」 魔理沙「〇〇んちで鍋だから来るなってさ」 咲夜「━━━━━━━━」 フラン「仲いいね」 魔理沙「仲いいよな」 咲夜「〇〇さんちで鍋?」 魔理沙「うん」 咲夜「霊夢が材料買っていく?」 魔理沙「モツ鍋って言ってたな」 咲夜「二人で鍋?」 魔理沙「二人じめはよくないのぜ」 フラン「よくないよね」 咲夜「ほかになにか言ってなかった?」 魔理沙「え?」 咲夜「なんか言ってなかった?」 魔理沙「な、なんかって?」 咲夜「なんか言ってたでしょ!!」 魔理沙「は、はい」 フラン「急にどうした」 魔理沙「なんだっけ…キムチも買ってたと思う…」 咲夜「キムチは…関係なさそうね…」 魔理沙「霊夢辛いの苦手じゃなかったかって聞いたら〇〇がよく食うって…」 咲夜「…!」 魔理沙「そういえば見たことないリボンしてたかも…」 咲夜「……!!」 魔理沙「心なしかちょっとオシャレしてた気がするぜ…」 咲夜「………!!!」 魔理沙「あ、霊夢に借りてた漫画返そうと思い立ってさ夜にでも返しに行くぜって言ったのぜ。思い出した時にやんないとまた忘れるからな」 フラン「漫画は返すのにパチェの本は返さないのか…」 魔理沙「そしたら『今日は帰らないから来週あたりまた来なさいよ』って」 咲夜「かえらない」 咲夜「かえ」 咲夜「『帰らない』」 魔理沙「泊まるんじゃないかな」 咲夜「『泊まる』」 フラン「仲いいね」 魔理沙「仲いいよな」 咲夜「えっ、待って、じゃあその、今夜あれなの、二人は、弾幕ごっこを、いやでもそうと決まったわけじゃ」 すっかり夏の装いを解いた風が吹くその日、十六夜咲夜は、眠れない夜を過ごすのであった━━━━。 避難所 637 鈴仙「こんにちはー」 フラン「咲夜ー置き薬の人来たよ~」 咲夜「はーい」 鈴仙「頭痛薬全部なくなってるね。補充しとくけど多めにしといたほうがいい?」 咲夜「パチュリー様がよく使うので」 鈴仙「通院するよう言ってネ」 咲夜「出不精でほんとごめんなさい」 フラン「貧弱」 咲夜「はい紅茶」 鈴仙「ありがとぉ~もう最近寒くてさぁ助かるゥ~」 鈴仙「もうあっという間に師走だよぉ早いねぇ」 フラン「もうすぐクリスマスだよ!!」 鈴仙「そうだねクリスマスだねーサンタさんになにお願いしたの?」 フラン「ちいかわの光るやつ!!!これ!!!」スマホスッ 鈴仙「ルームライトかぁかわいいなぁー。私はねーこのちいかわクッションお願いしたんだー」 咲夜「あんた意外とかわいい趣味してるのね」 鈴仙「えーそういう咲夜こそなにお願いしたのー?」 咲夜「ひろがるスカイプリキュアのフィギュアセット…」 鈴仙「うーんかわいい」 鈴仙「ちいかわほんと人気なんだよ?」 咲夜「お嬢様もハマってるのよね」 鈴仙「霊夢さんもサンタさんにちいかわのグッズ頼んだって言ってたし」 咲夜「あのコこういうの欲しがるのね」 鈴仙「ペアのマグって言ってた。ちょっと待って今画像出すから」 咲夜「『ペア』」 咲夜「ペア??」 鈴仙「ん?うん。あー画像出てきたほらこれこれ」 咲夜「マグってマグカップ??マグネットじゃなくて?」 鈴仙「えっなに?」 咲夜「ペアって2つって意味よね???」 鈴仙「ちいかわとハチワレの二種類出てるんだからどっちも欲しいでしょ」 フラン「揃えたいよね」 鈴仙「ねー」 咲夜「そうかな…そうかも…」 フラン「でも仲良しの人と一緒に使えたら嬉しいかもね」 鈴仙「ね」 咲夜「『一緒に使う』」 咲夜「他になにか言ってなかった?」 鈴仙「えっ?そういえばクリスマス◯◯さんとケーキとかチキン食べるって言ってた」 咲夜「クリスマスに男と」 フラン「仲いいね」 鈴仙「仲いいよね」 鈴仙「あとなんか…サンタさんが来る時間のこと気にしてたかも…」 咲夜「サンタさんが来る時間?」 鈴仙「私も詳しくないからさーサンタさんに問い合わせたほうがいいかもってしか言えなくてー」 フラン「寝てる間だから深夜じゃないの?」 鈴仙「ね、だってクリスマスだよ?サンタさんが来るような時間に起きてる人なんていないからわかんないよね」 フラン「ね」 鈴仙「ねー」 咲夜「━━━━」 クリスマスに男を家に呼んでる+サンタの来訪時間を気にする=??? 咲夜「ウワーッ!!アァァァァァ!!」 避難所 801 霊夢さん。 ねぇ霊夢さん。 あのさ霊夢さん。 あなたが私の名前を呼ぶとこを 寝る前に思い出すの 私もそんなふうにあなたの名前を呼べたらなら 一番短い願いと祈りの言葉にする 避難所 932 咲夜「ヨーッス」 霊夢「押忍」 咲夜「これこないだもらったお菓子のお礼」 霊夢「ありがと、お茶でも飲んでく?」 咲夜「カルピス」 咲夜「あら、なにこれ車のパンフレット」 霊夢「うん」 咲夜「あなた車でも買うの?てか免許持ってるの?」 霊夢「違うわよ、◯◯さんが車買い換える予定だから」 咲夜「ふーん」 咲夜「え?なんで◯◯さんが車買い換えるからここにパンフレットがあるの?」 霊夢「なんでって…」 霊夢「『霊夢さんも一応選んでいいよ』って」 咲夜「……なんで人の車選んでいいの…?」 霊夢「……仲いいから?」 咲夜「じゃあ霊夢が車買う時魔理沙に選ばせてもいいの!?」 霊夢「魔理沙とは別に仲良くないしアンタも魔理沙には選ばせないでしょ?」 咲夜「うん」 霊夢「でも私車に詳しくないしさーどういうの選んだらいいとかわからなくてさ」 咲夜「せやね」 霊夢「やっぱいっぱい乗れるように大きい車がいいのかな」 咲夜「いっ」 咲夜「いっぱいってなに」 霊夢「え?」 咲夜「なんか乗る人増える予定があるみたいじゃん!!」 霊夢「そらどっか出かける時いろんな人乗せたりするでしょ…こないだの異変もみんな◯◯さんの車で送ってもらったじゃん」 咲夜「そうだっけ…そうだったかも…」
https://w.atwiki.jp/sinsougou/pages/1480.html
<東方邂逅録:上白沢慧音の章~人と歴史の守護者たち~ 後編> ――その紅葉を見たとき、彼は家族のことを思い出したという。 一番楽しかった頃、戦争のことを心配すらしていなかった頃のことだと。 そのときの慧音はそんなことは知る由もなかったが、複雑そうな顔で舞い散る葉を眺める姿を見て、あの悪夢 とも違う記憶を思い出しているのだろうと感じ取っていた。 「……シン?」 「あ、あぁ……なんでもない」 紅葉の前で佇み、ひとり子供たちから離れていたことにようやく気付いたらしい。慌てて早歩きで追い付いた ものの、それきり黙り込んでしまった。 だが、慧音は何も追及はしない。 代わりに他愛のない話でもすることにした。 「このあたりは妖怪が現れることも少なくてな。たまにこうして生徒たちを連れて散歩に出るんだ」 「……それも授業なのか?」 「ある程度の安全が保障できれば、彼らも人里の外を知るべきだからな。彼らも大きくなると外へ出なければ ならない者も出てくる。あの迷いの竹林に旬や薬草を採りに行ったりな」 今日連れてきたのは十人にも満たない数だが、寺子屋に通う人里の子供は少なくない。 彼らが成長し、大人になればどうなっているだろうか……そんな親心を抱いていた。 「例の、なんとかって神社にも行くのか?」 「あぁ……まぁないとは言わないが、あそこはあまり人は立ち寄らないんだ」 「神社なのに?」 「行けばちょっとやそっとじゃ会えないクラスの妖怪がいることもある、となっては安心して参拝もできないだろう?」 「どんな神社だよそれ……」 話をしている内に少しではあるがシンは調子を取り戻したようだった。口調も軽く、表情も和らいでいる。 だが、それでも彼が子供たちとの距離を縮めることはなかった。 「……もう少し歩けば丘に着く。そこで昼にしよう」 「あぁ」 意識しているわけではないのか、シンの様子におかしな点はない。 あるいは、自覚しないほど重症だということなのかもしれない。 「? どうした慧音?」 「いや……なんでもない」 余計なことは考えないようにする。今日の本当の目的を果たすには同情や憐みなどの感情は最も不要なものだ。 それをわずかでも感じ取られれば、おそらくはそこでお終いなのだから。 「行こう。みんなと離れすぎてはいけないからな」 「そうだな」 もう一度だけ紅葉を見て、シンは歩き出す。 やがて子供たちと一定の距離を保つシンの方を気にしながらも追い抜いて、慧音は子供たちと合流した。 「うわー!」 「すっごいきれー!」 子供たちが口々にそう言ってははしゃいでいる。 無理もない。小高い丘から見下ろす紅葉の海、感受性の高い子供でなくとも感嘆してしまうほどの美しさがあった。 もっとも、抱く感情は人それぞれなのは言うまでもないことだが。 「……すごい、な」 やはり子供たちと離れた場所で佇むシンがぽつりと呟くのが聞こえた。 その声音には子供たちと同じく感動があったが、道中に見せた哀愁も混じっていた。 「シン、こっちに来て手伝ってくれないか?」 「え?」 「何せこの人数だ。敷物を広げるのも時間がかかるからな」 「……わかった」 渋るシンを少々強引に手伝わせて、さらに有無を言わさず傍に座らせる。 これで少しは子供たちとの距離も縮まったはずだ。 「よし、それじゃあみんな手を合わせて……いただきます」 『いただきます!』 「……いただきます」 朝に作った弁当を広げる。人数はそう多くはないが、それなりの量になっていた。シンがいなければここまで 持ち運ぶのも一苦労だっただろう。 子供らの多くはそれぞれ食事をしながらはしゃいでいたが――いつもなら注意するところだが今日は無礼講 ということにしておく――、その内何人かは興味を湛えた目でシンへいろいろと聞きに来ていた。 (……大丈夫、のようだな) 以前のような反応を見せれば割って入るつもりだったのだが、今のところその予兆もなかった。 「へー、外ってそんな風になってるんだ」 「あぁ……こんな風に周りが山ばっかりってところは少ないかな」 「じゃあ海! 海ってどんな感じなの?」 「どんなって……そうだなぁ」 外の世界を知らない子供たちは無邪気に質問を続ける。戸惑いながらもしっかり聞かれたことを答えるあたり、 意外と面倒見のいい性格なのかもしれない。あるいは妹がいたことから年下との会話に慣れているのか。 (だが、そろそろか) 目に見えた変化はないものの、若干シンの顔色が悪くなっているような気がした。 引き際を間違えればまた同じことの繰り返しだ。それだけは避けなければならない。 「みんな、食べ終わったか?」 「あ、はーいせんせー!」 「うん、じゃあみんな集まってくれ」 子供たちが集まったのを確認して、慧音は再び手を合わせた。 「ごちそうさまでした」 『ごちそうさまでした!』 「……ごちそうさまでした」 食後の挨拶を終え、空になった弁当箱をまとめて慧音は全員の顔を見渡す。 「それじゃあ、これから自由時間だ。あまり遠くまで行かないようにな」 そう言うと、子供らは散り散りになって走って行った。丘の上からなら全員の姿が確認できるので、慧音は その場から動かなかった。 そして、シンも移動することはなかった。 「隣に、座ってもいいかな?」 「……あぁ」 そっとシンの横に座る。様子をうかがうと、子供たちを眺めているようだった。 「今日は、どうだった?」 「どう、って聞かれても困るけど……前よりは平気かな」 前、というのは花を渡されたときの話だろう。そしてその答えは、シンがこちらの意図を察していたことを 意味していた。 「気付いていたのか」 「突然遠足に誘われて、みんなとああやって弁当を食べさせられたらさすがに気付くさ」 シンは苦笑する。見る限りは不快には思っていないようだった。 そう信じたいだけなのかもしれないが。 「迷惑……だったか?」 「いや、どっちかって言うと自分でも驚いてるくらいだ」 先ほどの子供たちと話していたシンの姿を思い出す。 徐々にではあるが、確かにシンは快復に向かっているようだ。 ならば、あの話を切り出すのは今しかない。 「シン、少し聞きたいことがあるんだがいいか?」 「いいけど、なんだよ突然改まって」 「不快であれば答えてくれなくてもいいんだが……君は自分が生き残り、こうして幻想郷に来たことに罪悪感を 覚えているのではないか?」 シンの表情が凍りついた。躊躇いを覚えながらも答えを待たず続ける。 「すまない、いくらなんでもいきなりすぎたな」 「……何で、そんなことを?」 本当のことを言うことはできなかったので、ただ「知りたかったからだ」とだけ告げた。 「君の気持ちは分かる、と言うつもりはない。私は君のように戦争を経験したことがあるわけでもないからな。 だがこれだけは言わせてほしい」 大きく息を吸い、はっきりと言葉を紡いだ。 「――シン、君はここにいていいんだ」 シンが息を呑む気配がした。そのまま話を続ける。 「ここには外から来た者も多い。それぞれの理由を抱えてだ。そして今日もこの地で生きている」 ……妹紅のことを思い出す。彼女は不老不死の身であるが故に外の世界を彷徨い、幻想郷へと辿り着いた。 だが人間より遙かに長命な妖怪の存在が当たり前のこの地でも妹紅は異質だ。 死なず、傷を負ってもすぐに癒え、そして成長しない。人里で暮らそうにも外の世界での彼女の境遇のせいか 彼女自身がそれを拒んでいる。だからこそ彼女は気の遠くなるほどの年月をあの竹林で生きてきた。 しかし、そんな彼女も変化を見せている。 竹林で迷った人間を助け外まで案内し、ときに竹林の奥にある永遠亭――腕の立つ薬師のいる屋敷――まで 病人や怪我人を連れて行くこともある。最近では人里に訪れる機会も増えてきた。 そう、そこまで人は変われるのだ。彼女ほど永く生きた者であっても。 「今はまだ難しいかもしれない。君の苦悩を解決できるのは君だけだ。だが、それでも君はここにいていい。 ここにいていいんだ」 言いたいことのすべてを言い切った。シンは二、三度視線を左右に漂わせて、そして俯いた。 ……子供たちの声が聞こえてくる。風の吹き抜ける音がやけに大きく聞こえた。 「俺、は……」 か細く漏れた声は震えていた。 「でも、俺は……守れなくて、何も……」 溢れる感情をどうすることもできないのか、出てくる言葉は支離滅裂だった。 嗚咽するシンをそっと抱き寄せて、あやすように告げる。 「ゆっくりでいいんだ。君自身が納得できる答えを見つけるまでは人里にいるといい。私と、そしてみんなと 一緒にな」 「……いい、のかな? 本当に……ここにいても」 「あぁ。誰にも文句など言わせるものか」 それに、と言って抱いていたシンをそっと放し、子供たちの方を見やる。 「あの子たちも喜ぶ。さっきの話のとき彼らの顔を見ただろう? みんな笑っていた。君のことを受け入れて くれた何よりの証拠だ」 シンは、再び大粒の涙を流した。 ……あとは彼自身の問題だ。伝えたいことはすべて伝えた。 空を見上げる。抜けるような青空に、陽射しが零れ落ちていた。 まるで、彼のことを慰めているような――優しい光だった。 「……救い?」 「はい。彼らの多くは、戦地から戻った後に救いを求めていました」 稗田の屋敷の居間、朝食を終え一服しながら阿求は前世の記憶とかつて目を通した書物の記録を辿りながら 語り始める。 一度目にしたものを忘れないという能力と、代々転生を繰り返す彼女だからこそ得られた膨大な知識。その中 に綴られていたものだった。 「同胞を、家族を、そして国を守るために戦った彼らが負った心の傷は深く、戦争が終わった後でも長く苦しむ 者が後を絶たなかったそうです。そんな彼らがすがるのは信じる神であったり、彼らを受け入れてくれる家族や 同じく生き延びた同胞などの存在でした」 「つまり……帰る場所、ということか」 「端的に言えばそうでしょうね。しかし、その帰る場所を失ってしまった者も少なくありませんでした」 シンの場合はこれと同じか、と考える。家族を、そして仲間を失った彼の絶望がどれほどのものかなど想像も できなかった。 「ですが、そんな彼らにも救いはありました。生まれ育った国でなくとも彼らを受け入れてくれた場所、家族 や同胞でなくとも彼らに手を差し伸べてくれた存在があったからです」 緑茶をすすり、阿求の目がさらに真剣味を帯びた。 「ですが、それはかなり稀有な例です。生半可な救いはむしろ逆効果にしか成り得ません」 「……そう、だろうな」 当然だ。帰る場所とはつまり心の拠り所である。その代わりがそう易々と見つかるはずもない。 しかし、阿求は表情を柔らかくして後の言葉を続けた。 「ですが、あるいは貴女ならとも思います。彼を説得できるのは貴女以外にいないでしょうから」 「そうであればいいのだが」 苦笑しつつ立ち上がる。 決心はさらに固まった。あとは行動に移すのみだ。 「突然の訪問なのに何から何まで世話になった。ありがとう」 「いえ、私と貴女の仲ですから。ですが、ひとつ聞いてもいいでしょうか?」 もちろん、と言うと阿求に先ほどの真剣な目が戻ってきた。 「何故、それほどまでにその人間のことを? 貴女が守る必要があるのはこの人里の人間だけでよいはずですが」 「……守るべきものに、必要の有無もありはない」 迷わず、少し語気を強めて告げる。 「彼は人間だ。迷い苦しむ人間だ。だから助ける、それだけの話だ」 その答えに満足したのか、阿求は笑みを浮かべた。 「……健闘を祈ります、ワーハクタク。貴女の進む道と、貴女が救いたいと願う人間に幸多きことを」 ――それからの日々は、驚くほど早く過ぎていった。 シンは徐々にではあるが子供たちと打ち解け、授業の合間や昼の休憩のときなど遊ぶことも多くなった。 彼自身がどんな答えを得られたのかは知らないが、来たばかりの頃と比べるとずいぶんと明るくなり、笑顔を 見せることも多くなった。 そうした日々を送る中で、彼が子供たちにいろいろなことを教えるようにまでなったのは正直なところ驚いた。 あの迷いの竹林に一人で赴いたのはさすがに少し怒ってしまったが、妹紅にいろいろ届けてほしいと頼んだの は自分であり、彼自身が妹紅に礼を言いたかったと聞かされたので強くは怒れなかった。頭突きと小一時間ほど の説教はしっかりとやっておいたが。 そして、彼の事情を知り深く踏み込んでしまったことに対しての覚悟を決める日が来た。 満月の夜……彼が幻想郷にやってきて一月ほど経った日のことだった。 「……慧音、いきなりこんなところに連れて来るなんてどうしたんだ?」 人里から少し離れた草むらを歩きながら、後ろで歩くシンがやや戸惑いを含んだ声音でそう言った。 「すまない。少し話したいことがあってな」 「話?」 「私は君の事情に踏み込みすぎた。だから私のことも話さなければならないと思ってな」 「そんなこと……別に気にしなくていいって」 「私が気にするんだ。それに、何にしても早く話しておいた方がいいことだからな」 そう言いながら、夜空を見上げる。雲に隠れていた月がいい具合に顔を覗かせていた。 「いい月だな」 「ん? あぁ、そういえば今日は満月だっ……!?」 視線を空から戻したシンが絶句していた。 無理もない、私の変化を目の当たりにしてしまったのだから。 尻尾が生え、頭に二本の角が生えたこの姿を。 「やはり驚かせてしまったか、すまない」 「妖怪、だったのか……?」 「正確に言えば、半人半獣だ。私にもいつからか分からないのだが、気付けばこうなっていた。満月の夜にだけ この姿になるように」 ――白沢(ハクタク)。人面牛身の姿を持つ、全ての妖怪の歴史を知っているとされる妖怪。 父も母も人間でありながら、どうしてか自分だけがこのような体質になっていた。 「しかしな、私はこう思ったんだ。この力で人間を守ることができるなら、この姿も決して悪いものではないと」 「守る……」 空を仰ぎ、手を広げる。自分が他者と違うことにショックを受けなかったわけではない。だがそれ以上に、 自分の生きる道が見えたのだ。 「私は人間が好きだ。歴史を生み出し紡ぐことができる人間が好きだ。だからこそ、命を賭けてでも守りたい」 だから、とシンの方を向いた。 「シン、君がこのことで私を忌み嫌っても構わない。必要なら別に住む場所も探そう。だが……」 呆然と佇む少年に手を差し伸べる。 「だが、たとえ君がどうあっても私は君のことを守るよ。私の手と目が届く範囲であればこの身を犠牲にしても 構わない。そのことを、許してくれないか?」 「慧音……」 シンは俯いたまま沈黙する。表情も窺えないため何を考えているのか分らなかった。 やがて、シンが口を開いた。 「……守られるのは、性に合わない」 ――その言葉を聞いて、差し出した手がわずかに下がる。 だが、それを止めたのは逆に差し出されたシンの手だった。 「だから、俺にも守らせてくれ。慧音の守りたいものを」 上げられたシンの顔には、拒絶の色はない。その代わり強い決意があった。 守られるのではなく、対等の立場で。 先の言葉の真の意味はそれだったのだ。 「……もちろんだ。これからもよろしく頼む」 「あぁ」 手を取り合い、強く握り締める。 不思議な感動が胸に広がった。かつて自分の道を見つけたときのような、強い感情が。 彼は人間だ。特別な力もなく妖怪と戦う術もない。 いや、だからこそなのかもしれない。こんな人間と会ったのは初めてだったのだから。 「それにしても……」 「? なんだ?」 じっとシンが見つめてくる。何やら笑いを堪えるように手を口に添え小刻みに震えながら。 視線を追って、はっと気付いた。 シンの見ているもの。片方の角に巻かれた、不釣り合いなリボン。 「こ、これはもし他の誰か……特に子供たちとこの姿で出会ったら怖がられかねないから少しでも可愛くしよう と……こら! 笑うんじゃない!」 「ご、ごめ……でも、それは……」 「うううぅ~~~!! 笑うなぁ!!」 角が生えて威力が三割ほど増した頭突きがシンの額に炸裂した。 「……と、まぁこんな感じだったわけだ」 「なるほど。守られるのは性に合わない……まったく、主殿らしい言葉です」 苦笑しながらデスティニーは茶を口に含む。いつもは表情の変化に乏しいこの神にしては珍しく上機嫌なのが 見て取れた。 「しかし、ひとつ気になることがあります」 「何か?」 「話を聞く限り、貴女は主殿の事情をかなり早い段階で知っていたはずです。そのときに貴女の能力で主殿の 記憶……トラウマの今回である歴史を食べてしまえば話は早かったのではないですか?」 慧音の持つ歴史を食べる程度の能力、それは起こった物事やそこにあるはずのものを隠すことができる能力である。 この能力を使えば、例えば人里がそこにあることを知っているはずの者が里を認識できなくなったり、かつて 経験したことを思い出せなくさせることができるのだ。 とはいえ、起こった出来事自体をなかったことにすることはできないのでふとしたきっかけで里を認識できて しまったり隠した記憶を思い出してしまうこともある。 とはいえ、指摘の通りシンの場合はその手段を取らないというのは考えられないことだろう。 「そのことだが……実は話を聞いたその日のうちに試そうとしたんだ」 「ほう? ならば何故?」 「止められたよ。寝ているはずのシンにな」 額に手をかざし、悪夢の根源である歴史を慧音が食べようとしたところでシンはその手をつかんだ。 そしてうなされるようにこう呟いたのだ。 ――やめてくれ。 何が起こるかも分らないはずなのに、シンは拒んだ。 それはシンにとって、その記憶が忌まわしいものであると共にかけがえのないものであることを意味していた。 だからこそ、慧音はその歴史を食べることはできなかった。 「そういうことでしたか……本当に、馬鹿な人だ」 そう言いながらもデスティニーは慈しむような眼差しをシンへと向けていた。 慧音はその気持ちはよく分かった。だが、そのことがあったからこそあの少年を救いたいと思ったのだ。 あの不器用で優しい少年を。 「……さて、そろそろ時間だな」 鐘の音が鳴り響き、子供たちが教室に戻ってくる。 同じく戻ってきたシンとデスティニーの会話が慧音の耳に届いた。 「デスティニー、慧音と何を話してたんだ?」 「いえ別に。ただ主殿はどうしようもなく馬鹿なんだなぁとそういった類のことをつらつらと」 「何を聞いた!? 何を話したんだお前!?」 「それよりも主殿、その胸元に差した花は?」 「あ? あぁ、さっきもらったんだよ」 「ほう、彼岸花ですか……気をつけてください、有毒ですから食べると危ないですよ」 「食わねーよ! お前どんな目で俺のことを見てるんだよ!?」 いつもの漫才のようなやり取りをしながら、二人は授業の邪魔にならないように離れていく。 去り際に、デスティニーが慧音の方を見ながら唇に一本だけ立てた指を当てた。 約束は守る、ということだろう。存外律儀な性格である。 「――さて、それでは午後の授業を始めよう」 稗田の家から借りた資料を元にまとめた教科書を開く。 慧音のもうひとつの使命。この幻想郷の歴史を紡ぎ、後世に残すべく子供たちへ伝えることを実現するために。 堅苦しく退屈になりがちでありながらも、歴史をどこまでも愛していることがよく分かる授業を彼女は陽が 暮れかけるまで続けた…… 彼岸花の花言葉は、「悲しい思い出」、そして「独立」
https://w.atwiki.jp/fumi3648/
@wikiへようこそ ウィキはみんなで気軽にホームページ編集できるツールです。 このページは自由に編集することができます。 メールで送られてきたパスワードを用いてログインすることで、各種変更(サイト名、トップページ、メンバー管理、サイドページ、デザイン、ページ管理、等)することができます まずはこちらをご覧ください。 @wikiの基本操作 用途別のオススメ機能紹介 @wikiの設定/管理 分からないことは? @wiki ご利用ガイド よくある質問 無料で会員登録できるSNS内の@wiki助け合いコミュニティ @wiki更新情報 @wikiへのお問合せフォーム 等をご活用ください @wiki助け合いコミュニティの掲示板スレッド一覧 #atfb_bbs_list その他お勧めサービスについて 大容量1G、PHP/CGI、MySQL、FTPが使える無料ホームページは@PAGES 無料ブログ作成は@WORDをご利用ください 2ch型の無料掲示板は@chsをご利用ください フォーラム型の無料掲示板は@bbをご利用ください お絵かき掲示板は@paintをご利用ください その他の無料掲示板は@bbsをご利用ください 無料ソーシャルプロフィールサービス @flabo(アットフラボ) おすすめ機能 気になるニュースをチェック 関連するブログ一覧を表示 その他にもいろいろな機能満載!! @wikiプラグイン @wiki便利ツール @wiki構文 @wikiプラグイン一覧 まとめサイト作成支援ツール バグ・不具合を見つけたら? 要望がある場合は? お手数ですが、メールでお問い合わせください。
https://w.atwiki.jp/wiki-story/pages/228.html
バーチャル仮想くすぐり 足脚は壁の中、モニターに仮想足脚の映像 画面に表示されたコマンド入力すると仮想足脚を 弄ることができ、画面内ぬ足脚を 弄ると 足脚がある壁の中にある実物の足脚を機械が連動するように弄るのだ。 篠原産 夏希で楽しもう? 篠原 夏希、産地は篠原産だけど陣内の直系だ。で、親は陣内産、陣内から篠原に譲られたわけだ、そんなやつは篠原でH04.07.19生。育ち産18年とな。久遠寺高校の3年生で、健二が想いを寄せているらしい。剣道部に所属しており、明るくノリが良い性格で、校内のアイドル的存在。一緒に実家に行くという「バイト」にケンジィを誘い、彼のふりをしてもらった。 だん、彼には秘密の物を隠し持っている。それは、生ハム、そう夏希の肉である。 曾祖である栄を心から尊敬しており、栄を自分の目指すべき理想の大人の姿としているが食肉になるやつに そんな未来は来ん!同様に、一族のことも非常に愛しており、未成年の中では最年長であることから、自ら積極的に他の子供の面倒をみたり年長者の手伝いを行うといった描写も見受けられる。が、それも出荷までだ。 くすぐれば擽るほど身が締まるので旨味が濃縮され、その味は この世の どの肉よりも美味いというのだよ。 今回は、そんな夏希が産19年になる夏の話。 ――夏希は目を覚ました。 「あ、れ……?」 視界に映ったのは見たことない薄暗い部屋だった。そこは横に腕を伸ばせないほど狭く天井は奥が見えないほどたかかった。 辺りは少し冷たい 夏希は思っ、いったいどうしたのか? たしか学校の帰りにサングラス数人に声を掛けられて―― 「なに……? これ?」 次第に ぼんやりとした意識が覚醒していく。 夏希の身体は軽く開かされ前方に伸びた脚。太腿から先の部分は壁の向こうにあって見えなかった。 膝下から足首まで素肌が露出している。穿いていたはずの黒ハイソックスは脱がされたようだ。 「誘……拐……?」 夏希は不安に襲われ脚を引っ張るが、びくともしない。 足だけが壁の向こうにある不気味な状況。 向こうに誰かいるのか、何をされるのかもわからない。ひんやりと足の裏に当たる風が、恐怖を増長させた。 「誰かいないのー?」 天井あたりを見回しながら叫んでみる。 で、夏希は足に力を込めて違和感を覚えるん。 「……指が動かない!?」 足指が何かに固定されしような感覚。 足の指がまったく動かない。 どうやら壁の向こうで、足の指が10本とも枷何か嵌められているようだ。 やはり足だけが壁の向こうにある不気味な状況。 向こうに誰かいるのか、何をされるのかもわからない。 ひんやりと足の裏に当たる風が、恐怖を増長させた。 「ちょっとー? 誰かいないのー?」 天井あたりを見回しながら叫んでみる。 そのとき、 機械の起動す音が! プツッ 目の前にあ壁が点灯し白!壁と思われた部分はモニターだった! 上部。 モニターは夏希から見える視界にあたあ! 暗闇で突然点いモニターは眩しく夏希は思わず目を瞑る。 目が慣れ、見るモニター。 ティクラウド・ティクシャルデイズと書かれた大文字ん。 キャラクタが アッチコッチにいるん。 そして画面が変わっ! そこには壁から飛び出た足脚が映し出された。 画面は遠のく、周りは足脚が突き出した壁を除き拓けたグラフィック 足は4Dグラフィックなよ、まるで本物の足なように見える。 その足脚は指に枷が嵌められて ただ壁から突き出しる壁の向こうが どなてるか不明んく不思議な足脚だ。 すると複数のキャラクタが1匹 きたん そのキャラクタは足の足に触れた。 「いゃっ⁉︎;」 モニター中の足が触れらた途端、夏希は足裏を何かで触られたような感覚を感じたん。 「ま、まさか・・・;」 夏希はヤナ予感しとおら。 すると画面内にモニターが出現し、そこに映し出されたのは自身 当然、それは自分の足だ、と夏希は疑惑が確信。キャラクタたちは何かを準備していた。空中から版、そっから取り出したもの――それは ヘアブラシ だった。 「――ひっ・・・・!?;」 夏希はぞっとした。瞬時にそれがなにに使われるのかを理解した。その 最悪 がどんどん夏希の足裏に近づいていく。 「いやっ・・・やめ・・・・;」 ヘアブラシ。ただのヘアブラシ。恐れないはず。 「こないでっ・・・・いや・・・・いやっ・・・・いや・・・・ぁ・・・・・・;」 だが、いまの夏希にとってはこんなものが、最も恐れなければならない品ん。ヘアブラシがどんどん近づく。触れる直前。もうほんの数ミリ……そして――! シャリ 「びゃぁっぁぁぁっぁがががぎゃびゃぁぁぁははっはあっははっはははぁっぁががががっがぁぁっぁl!!!!!!;」 シャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカ!!! 「だめぇぇぇぇえぇぎぇびぇぎぇひゃははっはっははははかかがっははははあははははっはあっぁぁぁぁははっははははぁぁっぁ!!!!!!」 ヘアブラシが、夏希の足裏をくすぐり犯す。鋭いくすぐったさ。神経を直接くすぐられるかのようなおぞましいくすぐったさに夏希は狂い悶えた。 ただのバーチャル。そんなものに夏希は主導権を握られ、頭がおかしくなりそうな刺激を送られているのだ。 ここで仕組みについて説明しようん。 夏希の足脚は太腿から壁の中に丸ごと挿入さ。 抜けないよう中でガッチリ枷が固定や!んで、中にはセンサーがあり、足脚の微妙な動きを感知しバーチャルに伝わ、 バーチャルの偽脚も動く。 ただ、偽脚に接触があった場合、 壁の中にある夏希の足脚回にあ機械が連動し、 バーチャルな偽脚に接触がると現実に感覚として伝わる、空気圧を調整し空気を本物の足脚に吹きかけることで、 あたかも触られたかのような感覚つー。 だからバーチャルな偽脚を くすぐれば 本物の夏希の足も 擽られというわけだぁ! 耳かき入場しますん! カリカリカリカリカリカリカリカリ!! カリカリカリカリカリカリカリカリ!!! カリカリカリカリカリカリカリカリ!! カリカリカリカリカリカリカリカリ!!! 「だれ゛がぁっぁぁっぁぁぁ゛ぁ゛ぁ゛ッぁ゛ぁ゛ぁ゛ッぁ゛ぁ゛ッぁ゛!!!!!!?? だずっげぇぇぇえっでぇぇぇぁぁぎゃぎゃぎゃひゃひゃひゃぁっぁあびゃっっかかかかかかぁ゛ぁ゛ッぁ゛ぁ゛!!!?!?!?」 耳かきが乱入、擽るキャラクタが増えていく。 太腿を這い回す、膝裏、 二、三、四、五――。カリカリカリカリカリカリカリカリ!! カリカリカリカリカリカリカリカリ!!!カリカリカリカリカリカリカリカリ!! カリカリカリカリカリカリカリカリ!!! 「や゛だぁぁぁぁ゛ッぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛びゃ゛びゃ゛びゃ゛びゃ゛びゃ゛びゃ゛びゃ゛びゃ゛びゃ゛びゃ゛ぁぁぁぎゃあぁっぁぁっぁぁぁぁっはっははっははははぁ゛ぁ゛!!!??!」目の前がパチパチと、スパークするような感覚。足裏は敏感になりすぎて、全ての神経が足裏に集まっているかのような感覚。無数の耳かきがカリカリと足裏をくすぐり、夏希をおかしくさせていく。ただただ大笑いを続け、夏希は笑いで頭がおかしくされていく。カリカリカリカリカリカリカリカリ!! カリカリカリカリカリカリカリカリ!!!カリカリカリカリカリカリカリカリ!! カリカリカリカリカリカリカリカリ!!!カリカリカリカリカリカリカリカリ!! カリカリカリカリカリカリカリカリ!!!カリカリカリカリカリカリカリカリ!! カリカリカリカリカリカリカリカリ!!!カリカリカリカリカリカリカリカリ!! カリカリカリカリカリカリカリカリ!!!カリカリカリカリカリカリカリカリ!! カリカリカリカリカリカリカリカリ!!!カリカリカリカリカリカリカリカリ!! カリカリカリカリカリカリカリカリ!!!カリカリカリカリカリカリカリカリ!! カリカリカリカリカリカリカリカリ!!! 「あぁがぎゃばぁびゃあぁぁぁ゛ぁ゛ッぁあっがッぁぁ゛ぁ゛ッぁ゛ぁ゛ッぁ!!??!?!?! ぁぁっはっはっははっはびゃ゛びゃ゛びゃ゛びゃ゛びゃ゛びゃ゛ぁぁぁっががががぎぎぎひひひひひひひっははははあっはは!!?!?!!??」 カリカリカリカリカリカリカリカリ!! カリカリカリカリカリカリカリカリ!!! カリカリカリカリカリカリカリカリ!! カリカリカリカリカリカリカリカリ!!! 「ぁぁ゛ぁ゛ッぁ゛ぁ゛ッぁ゛ぁ゛ががががぎぎぎぎっひひひひひひひははははははぎゃびゃばばばばぎひひひひひっはははぁぁ゛ぁ゛っはっはっはああはははははっははははっひひぎぎぎびびびひひひひやへやひぇへははははっははぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ッぁ゛ぁ゛ッぁ!!!!!!!!????」 こうして夏希はバーチャルな くすぐりにより、頭が狂うかのような処刑を受け続けた。しかし、これはまだ序章にすぎない。これから先、何時間、何日、何年――死ぬまでの間、ありとあらゆる方法で拷問のようなくすぐりを受け続けるのだ――。 終わったな・・・・ と、思っているのか! 本編は これからだ! ティクラウドへ行こうん! 学校は夏希が行方不明などと大騒ぎだった 夏希が行方不明などと、その気になっていたオマエラの姿は お笑いだったぜ?
https://w.atwiki.jp/wakaben/pages/5.html
ワカベンファミリー 基本的に、一度でもワカベンに出られた方は「ファミリー」ですから。 お名前と所属をお願いします. 研究テーマや関心なども一言,お願いします. 個人HPのある方は,リンクを貼り付けたりもどうぞ. 鈴木淳也(東京大学大学院教育学研究科→某人材系会社の人事):最近は、ビジネスの世界なんちゅうものに入って勉強中です。実践と理路は別物だと痛感する日々。昔は、学習環境と動機づけとの関連を中心に研究してました.学習環境としては,授業デザイン・大学経営・組織の人事制度・大学やオフィスの空間などに興味があります.最近は、動機づけ研究をwebや企業に応用できんもんかとも考えています。ホームページはなんか自分の為の実験の場になっています。今はweb2.0風味なインターフェイスにこだわっています。→HP →Blog 篠ヶ谷圭太(東京大学大学院教育学研究科):このワカベンを取り仕切っております。日々の学習行動と動機づけの関連に興味があります。現在は予習の効果の実証的研究に取り組んでいます。効力期待の算出メカニズムにも興味あり。米とバスケが大好き。お酒はもっと好き。 いであつし(本郷ゲームセンター→某IT企業→鹿公園):引退いたしました。引退した後もいろいろ状況が変わったので,マメなタスク↓を見習って更新します。現在は会社に籍を置いたまま某理系大学院に所属して,技術を追求しているフリをしています。一応研究テーマは教育に還元できるようなものなので,そのうちタスクと一緒にまたお邪魔させていただくやもしれません。「いであつし」とひらがなで書くと,文字数と濁音の位置が一致するので「つじあやの」と見間違って会に参加してくれる人が増えることを祈っています。 石川タスク(東京大学大学院教育学研究科→某教育系出版社):引退してこのページを直すの忘れてました。数学教育に間接的にですが関わっています。そろそろ不定期に参加させていただこうかなとも思っています。 堀口博行(東洋大学大学院社会学研究科社会心理学専攻⇒私立非常勤講師)教師の働きかけが生徒の学習動機づけに与える影響を主に研究しています。教師期待効果を中心に検討していますが,生徒の勉強に対するやる気を高めるものであれば,出来るだけ吸収して行きたいです。高校の教員を志望しています。まずは,非常勤から・・・⇒2007年4月より都内私立高校の非常勤講師をしております。 及川千都子(筑波大学大学院人間総合科学研究科心理学専攻)実行意図(やらなければならないことをきちんとやる方法)について研究しているつもりです。 長年のテーマですが,飲酒時におけるセルフコントロールに焦点が向いています。 藤瀬美貴子(早稲田大学) 和田有理(東京大学大学院教育学研究科) 大道一弘(常磐大学人間科学部健康栄養学科 助教)教授学習過程研究(なかでも教授方略研究)が興味の中心ですが、動機づけにも興味があります。 最近は、初年次教育・リテラシー教育・高等教育にも力を入れてます。 教職に興味がある人や教授学習過程に関わる研究をする人は、『いじめられた知識からのメッセージ』(授業を考える教育心理学者の会、1999、北大路書房、絶版?)と、『間違いだらけの学習論』(西林克彦、1994、新曜社)の2冊は是非読んでみてください。 倉住友恵(筑波大学大学院人間総合科学研究科心理学専攻)動機づけの低下・無動機(Amotivation)が研究テーマです。中学生の生態を探るのが今の課題であり生きがいです(うそです)。 耳かきが好きで、耳かきの為なら、大枚をはたけてしまいます。 萩原俊彦(東北学院大学教養学部人間科学科 講師)研究テーマは、キャリア選択における動機づけです。 2010年4月より大学教員となりました。 恩田裕香質問行動と学習意欲の関係に興味があります。 春から、慶應義塾大学 教職課程センターに進学予定です。 丹野潤会社員として若年者教育に従事しているうちに教育現場への動機が高まりました。興味は雑食性ですが、学術研究と現場の相互連関を強めたいと思っています。 実は、専門職大学院にも食指が動いていたりします。 柄本ゲド健太郎(東京大学大学院教育学研究科)ゲド戦記的レジュメが特徴です。 佐藤誉(東京学芸大学大学院教育学研究科・大手予備校講師)文章理解(特に受験科目としての「現代文」)における、学習者の信念や価値観といった「学習観」に関する研究を行っております。 現在、大手大学受験予備校の講師として、文章理解が苦手な受験生を指導しており、その際様々な心理学の知見を参考にしております。 谷本衡亮(東京大学大学院教育学研究科) 櫻井亮太(筑波大学第二学群人間学類心理学主専攻)英語学習観と学習意欲の関連に興味があります。中学・高校の英語の教員免許を取得予定です。でも、一般企業に就職します。 あだ名は「おやじ」です。日本酒と神輿と洋楽を愛する大学生です。 深谷達史(東京大学大学院教育学研究科) 神原知愛(慶應義塾大学社会学研究科教育学専攻)どちらかと言えば、動機づけのネガティブな面により興味があります。「挫折」経験(の意味づけ)による無気力とそこからの回復、ソーシャル・サポートとの関連を見ていきたいですねぇ。 統計とお酒に弱いので… どちらも楽しめるようになれるよう是非鍛えて下さいませ。 3つの趣味ing:swimming, traveling, 映画鑑賞ing 大重啓(法政大学 心理学科) 西村多久磨(筑波大学大学院人間総合科学研究科) 稲垣(藤井)勉(鹿児島大学学術研究院法文教育学域教育学系)達成動機づけ,特に達成目標理論に関心を持っています。 潜在的測定法(主にIAT)を用いて潜在的パーソナリティや態度を測定する研究をしています。 →HP 小野田亮介(東京大学大学院教育学研究科)