約 5,216 件
https://w.atwiki.jp/true_tears/pages/65.html
=比呂美が仲上家に来るよりも、しばらく前の話です。 ある日の出来事 「あっ、来た来たっ。眞一郎!こっち!」 愛子が手を振って呼んでいる。 「ちょっとさー、何だよ…いきなり呼び出してさ。何の用?」 眞一郎は近づきながら少し不機嫌そうに問い正す。 「どうせヒマなんでしょー?いいじゃん、買い物に付き合ってよ」 「あのねぇ、勝手にヒマって決め付けることないだろ?」 「彼女いないじゃん。休みの日にすることないでしょ?」 「そういう問題じゃなくて。そういう風に言われるのイヤなんだよ」 「はいはい、ごめんなさいね。じゃ、行きましょ?」 「どこ?」 「だから、買い物!はい!こっち!」 「おおっ、と…わかったってばっ…」 愛子は強引に眞一郎を引っ張って、歩き始めた。 (ん?あれは比呂美か?) 少し向うに、寂しそうにしている比呂美が見えた。 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― (あっ!あれは眞一郎くんだ…) 愛子と眞一郎のやりとりを少し離れた場所で比呂美は見ていた。天気の良い日 なので、散歩がてら買い物にでも行こうかと友達に誘われ、待ち合わせしてい た。そこで偶然眞一郎を見かけたのだ。しかし、当の本人は愛子に連れられて、 どこかに二人で行くようで、残念に思っていた。 (休みの日に眞一郎くんに会えるなんてあんまりないのに…) 比呂美は偶然見かけたチャンスを生かせず、気落ちしていた。携帯電話でメー ルを打ち、友達との約束をキャンセルしてしまう。 (何だか、気晴らしっていうのもできないよなぁ。こんなんじゃ…) とぼとぼと当てもなく、歩いていった。 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― (あれ?どうしてこんなとこに?) 気付くと、小さい頃によく来た小高い丘に、比呂美は来ていた。自分でも何故 ここにたどり着いたのかはよく分からなかった。分かるのは、何となく足がこ ちらに向いたんだろうなぁということぐらい。別にお気に入りの場所でも何で もない、特に変わったとこもない普通の丘。 「おっ、やっぱり、ここだったか!」 「えっ!?」 突然少し上のほうから、眞一郎の声がした。振り向くと、微笑を浮かべた顔が 見下ろしていた。 「何だよー。見かけたんなら、声を掛ければいいだろ?…」 「えっ!?」 比呂美はどうして眞一郎がここにいるのか、検討もつかなかった。 「よし、ちょっと降りるから。待ってなよ、っと。て!、うわっ!」 「きゃっ!」 ひょいっと、飛び降りるように着地しようとして、眞一郎が転んだ。 「痛ってーっ!」 「だっ…大丈夫?」 「痛ったたたた。とくにケツが痛い。石があった。痛い」 「ぷっ」 「わ、笑うなよ!」 眞一郎は照れながら、自分の尻をさすっている。 「ぷっ…くっ…」 「笑うなってば!ほんとに痛いんだって!石だよ?ケツで石を踏んだんだよ?」 ちょっと真剣に抗議してしてみるが、その表情がさらに比呂美の笑いのツボに はまったようで、堪えられない。 「くぷっ…くくくっ…」 「痛いんだって!笑うな!」 「だってっ…ぷっ…普通、そんな段差で転ばないでしょ?、くぷっ…」 「違う!足場がちょっと柔らかくて…って、笑うな!」 「あはっ…あはははっ!…」 「笑うなって!」 「あははははははははははっ…」 どうしても堪えきれずに、笑い出してしまう。さっきまで沈んでいた気持ちは、 知らない間にどこかへ行ってしまった。 「う~ん、せっかく来てやったのに。笑われるとは…」 「あははははははははははっ…」 眞一郎の言葉を聞き逃すくらい笑いが止まらなかった。嬉しさが止まらないの で、笑いも止まらない。 「で、笑い終わった?」 面白くなさそうな眞一郎の表情。 「くぷっ…、うん…」 我慢している比呂美。 「まだだな…ちょっと笑ってる」 「ぷっ…、もう大丈夫だよ?」 「信用ならない。あ~、ケツが痛てぇなぁ」 「くぷぷぷぷっ…」 「やっぱり!笑ってる!」 「違う!くぷっ…、眞一郎くんが…、ぷはっ、笑わせてるんでしょ?」 「ケツが痛てぇで笑うか?」 「くぷぷぷぷっ…」 「ムカツク」 「くぷっ…、もう大丈夫だから、はぁ」 「ケツが痛てぇ」 「ぶはっ、大丈夫でしょ、ほら?」 「う~ん…」 「くぷっ…」 「ううぅ~ん?」 「ぷっ…」 顔を覗き込まれたので、両手で口を覆って笑いを止める。ぎりぎりで成功した。 「まあ、この辺で勘弁してやるか」 「はぁ…良かった。ね?、もう笑っていないでしょ?」 「…」 「何?笑っていないでしょ?」 「あのねぇ、声に出していないかもしれないけど、顔が思いっきり笑ってるぞ」 「えっ?」 声を抑えることには成功したが、明らかに比呂美の表情は笑っていた。それも、 誰がどう見ても笑っている顔だ。弁解の余地はない。 「まぁ、いいや。ケツで石を踏んだから、しょうがないか…」 「ぶはっ!」 「…どうでもよくなってきた」 「ぶぶぶっ…、もう少し、くぷっ…、待って…、あははははははっ…」 「はぁ…はぁ…はぁ…、疲れたぁ」 ようやく笑いの衝動がおさまり、比呂美が一息ついた。 「…」 眞一郎は、じと目で見ている。 「もう大丈夫だよ、笑わない」 「疲れたからだろ?」 「笑わない」 「もう…いいや」 「どうして、ここに来たの?」 話題を変えるために、眞一郎が来た理由を聞くことにした。 「ん?なんか…比呂美を見かけた時に寂しそうな感じだったから、かな?」 「えっ!?私、そんな顔してた?」 「してたよ、ちょっとしか見えなかったけどな」 眞一郎は少し不機嫌な話し方になっているのは、仕方が無い。 「よくここだって、わかったね」 「え?どうしてだろうな?」 「まぁ、いいけどさ…。どこかへ行ったんじゃなかったの?」 (女の子に手を引っ張られてね…) 比呂美は先程のことを思い出してきた。面白くない。ちょっと拗ねた口調。 「あ?ああ…電話で呼び出されて、どっか行ってしまった」 「ふ~ん、フラれたんだ?」 「違う。愛ちゃんは幼馴染で、お姉ちゃんみたいなもんだから、違うね」 「同じようなもんじゃないの?」 何故か今度は機嫌のいい口調になってきた。 「違うね。姉弟みたいな場合はそれに当てはまらないね」 「ま…いっか。で、どうする?」 「どうするって?」 「ここでお喋りしてもしょうがないでしょ?」 「あ…そっか。天気いいし、歩くか?」 「うん!いいよ!」 その後、学校のことや色んなことを話しながら、ぶらぶらと散歩して夕方まで 二人は一緒に過ごした。 「じゃあね!また明日!」 「また明日」 比呂美の家の近くまで、送ってから眞一郎は自宅へ帰った。 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 次の日、学校で。 「ねぇ、仲上君ってお尻にあざがあるんだって?」 「!」 「子供の頃から消えてないの?」 突然クラスの女子から言われても、眞一郎にとって犯人を特定するのは簡単。 「比呂美っ!」 「きゃぁーっ♪」 二人が平和に学校生活を楽しんでいた頃のお話。 END -あとがき- 8話の「眞一郎くん…、置いていかないで…」の夢のシーンから作りました。 ありがとうございました。
https://w.atwiki.jp/stimme/pages/3022.html
順不同 Hinano hiro ひし美ゆり子 ひと美 ひなき藍 ひなたぼっ子 ひの夏子 ひらり ぴろす ヒマリ 一柳みる 久嶋志帆 久川綾 久村栄子 久行敬子 兵藤まこ 平井理子 平井花海 平井道子 平山あや 平山せい 平山ゆかり 平山未樹 平松晶子 平田宏美 平田由季 平田絵里子 平辻朝子 平野佳奈 平野夏那子 平野文 平野智恵 平野綾 平野裕加里 平野響子 平間樹里 広木由架 広橋涼 広江美奈 広津佑希子 廣瀬仁美 廣田詩夢 引田有美 弘中くみ子 弘崎みちる 日向裕羅 日比愛子 日比野朱里 日比野美佐子 日笠山亜美 日笠陽子 日野未歩 日野由利加 日高のり子 日高奈留美 日高里菜 日髙のり子 東さおり 東山麻美 東野佑美 東野里加 柊瑠美 柊美冬 樋口あかり 樋口すみれ 樋口智恵子 比佐廉 比嘉久美子 比未子 比留間明花 氷上恭子 氷青 火野カチコ 疋田由香里 百武彰子 秀島史香 雛野まよ 響綾香 飛志津ゆかり ページ先頭へ
https://w.atwiki.jp/author/pages/322.html
海音寺潮五郎をお気に入りに追加 くちこみリンク1 #blogsearch2 Amazon.co.jp ウィジェット キャッシュ 使い方 サイト名 URL くちこみリンク2 #technorati 報道 日航機事故の慰霊塔制作 半田さんの作品が故郷へ 遺族が安中市に35点寄贈 記念企画展で紹介 - 東京新聞 志穂美悦子「“愛を捧げる”気持ちで活けさせて頂きました」角川映画祭開催記念! - 映画ログプラス 【大河ドラマ】「上杉謙信」役で一番好きな人は誰? 4人を紹介!(ねとらぼ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 歴史作家、町の本屋さんになる - 産経ニュース 伝説の『犬神家の一族』の逆さ足が所沢に出現!公開記念限定グッズも発売開始!『角川映画祭』 - 映画ログプラス <土曜訪問> 宮城谷昌光さん(作家) - 中日新聞 城の石垣を作る石工を描いた物語! 『塞王の楯』刊行 今村翔吾インタビュー(Book Bang) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース もうすぐ98歳の作家・佐藤愛子さんが本気で責任編集! 文春ムック『佐藤愛子の世界』が6月17日発売 - PR TIMES なぜNHKが独走?「歴史番組」の知られざる歴史 - 東洋経済オンライン 司馬遼太郎 知られざるデビュー作「週刊文春」でマンガ連載開始作画は『月と金のシャングリラ』の蔵西 - アットプレス(プレスリリース) 『天と地と』などの名作から転換する上杉謙信像 - JBpress 【司馬遼太郎 没後25年】作家・門井慶喜さん「モンゴル紀行」印象的だった星空を眺めるシーン - 産経ニュース 「麒麟がくる」がもたらした明智光秀の新たな人物像 - JBpress 15歳のニュース フィギュア世界選手権 3月にスウェーデンで開催 - 毎日新聞 【戦国こぼれ話】名勝負として有名な川中島の戦い。武田信玄と上杉謙信の一騎打ちは虚構だったのか!?(渡邊大門) - 個人 - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 鹿児島のさまざまなうたをオンラインで紹介 - 朝日新聞デジタル これは、私の落とし噺 - nhk.or.jp 今村翔吾さんが読んできた本たち 作家の読書道(第219回)|好書好日 - 好書好日 【藤代三郎・馬券の休息(97)】追悼・阿部牧郎/その1 - サンケイスポーツ 【本郷和人の日本史ナナメ読み】戦国の女性たち(下)不倫もしていた!? 歴史を動かした「美魔女」の力 - 産経ニュース 成分解析 海音寺潮五郎の77%はマイナスイオンで出来ています。海音寺潮五郎の14%は気の迷いで出来ています。海音寺潮五郎の5%は黒インクで出来ています。海音寺潮五郎の4%は気合で出来ています。 ウィキペディア 海音寺潮五郎 掲示板 名前(HN) カキコミ すべてのコメントを見る ページ先頭へ 海音寺潮五郎 このページについて このページは海音寺潮五郎のインターネット上の情報を集めたリンク集のようなものです。ブックマークしておけば、日々更新される海音寺潮五郎に関連する最新情報にアクセスすることができます。 情報収集はプログラムで行っているため、名前が同じであるが異なるカテゴリーの情報が掲載される場合があります。ご了承ください。 リンク先の内容を保証するものではありません。ご自身の責任でクリックしてください。
https://w.atwiki.jp/chaina_battle/pages/777.html
内親王(ないしんのう、うちのみこ、ひめみこ)は親王宣下を受けた女子の皇族。またはその身位、称号を指す。 概要 かつての律令制では、天皇の皇女および姉妹を内親王といった。現在の皇室典範では、天皇の嫡出の皇女および天皇の嫡男系の嫡出の皇孫で女子であるもの(6条)、また、天皇の姉妹(7条)を内親王という。 平成20年(2008年)現在、皇太子徳仁親王の娘である敬宮愛子内親王と、秋篠宮文仁親王の娘である眞子内親王と佳子内親王の合計3人がその地位にある。これら3内親王は直系尊属である今上天皇の孫娘にあたる。 内親王が臣下に嫁すことを降嫁という。また、古語では内親王を母として生まれること、または生まれた子を皇女腹(みこばら)といった。 関連項目 宮家一覧 公主 翁主 外部リンク 皇室典範 出典 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』_2008年11月16日 (日) 10 49 。
https://w.atwiki.jp/hirokyun/pages/75.html
愛媛県のスロッタ− 通称:ひろくん。 生年月日:1980年5月20日 血液型:A型 顔文字:^し^ 登録タグ 人物タグ コメント よく何かを食べながら配信する。 配信については、リスナーを飽きさせないを目標とするじーことはことなり、聞きたい人が聞いてくれれば良いと考えている。 配信は自身がこよなく愛するゲームのプレイがメインだが、配信を続けていく中で雑談の割合が増えていった。雑談のテーマは以下のようなものであった。ゲーム:悪魔城ドラキュラ、女神転生、ファイナルファンタジー、ドラゴンクエスト スロット:沖スロ、獣王、大花火、カイジなど 食べ物:ランチパック、ポテトチップうす塩味、スーパードライ 漫画:ジョジョの奇妙な冒険、福本伸行の漫画、こちら葛飾区亀有公園前派出所 スポーツ ジェラード(サッカー)、白鵬(相撲) 女性:皆藤愛子 、ルールー(FF10) 登録タグ 人物 人物タグ トシ ひろくん たつのり じーこ コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/dng12/pages/48.html
ステイシー・ラヴ ■性別 女性 ■学年 1年生 ■所持武器 拳 ■ステータス 攻撃力:9/防御力:9/体力:9/精神力:3/FS(F死体への愛):0 特殊能力『屠殺場の極彩色な赤色』 MAP上にある死体の数×2だけ攻撃力が上昇した状態で同マス全員に通常攻撃する <計算式> 効果1:攻撃力上昇N×2(MAP上に存在する死体の数=N) 24 範囲+対象:自分自身 0.75 時間:一瞬 1.0 効果2:通常攻撃 35 範囲+対象:同マス敵全員 1.2 時間:一瞬 1.0 制約なし 10 発動率:50% 成功率:100% 能力原理 死体がある興奮するの 血塗の赤で血塗られた部屋って素敵だと思わない? キャラクター説明 クラスでもごく普通の女の子 捨石愛子 ごく普通に見える彼女だったが損壊した人体の愛好家であり死体を見ると興奮するのだ
https://w.atwiki.jp/nitendo/pages/7753.html
基本情報 あらすじ キャラクター 声優 内容 コメント 基本情報 ピカチュウ、ゲットだぜ!! 脚本 面出明美 絵コンテ 尼野浩正 演出 小柴純弥 作画監督 酒井裕未武内啓大西雅也野村美妃柳原好貴海老沢咲希坂田愛子 初回放送 2020/08/30 オープニング 1・2・3 エンディング ポケモンしりとり 前回 孤高の闘士サイトウ!オトスパスの脅威!! 次回 サトシとゴウ、砂地獄から這い上がれ! あらすじ キャラクター 【サトシ】 【ピカチュウ】 【ゴウ】 【ラビフット】 【メッソン】 ゲットしたポケモン ピカチュウ→【ライチュウ】 声優 担当キャラ 名前 サトシ 松本梨香 ゴウ 山下大輝 ピカチュウ 大谷育江 サクラギ博士 中村悠一 ムサシ 林原めぐみ コジロウ 三木眞一郎 ニャース 犬山イヌコ ソーナンス うえだゆうじ バタフリー 愛河里花子 ゲンガー 間宮康弘 スピアー 清水理沙 タマンタ 真堂圭 キクナ 千本木彩花 レンジ 観世智顕 ゴウのスマホロトム マリナ・アイコルツ ナレーション 堀内賢雄 内容 コメント 名前 全てのコメントを見る?
https://w.atwiki.jp/fweo/pages/1111.html
+ センシティブな内容 天皇徳仁(64歳) 嫁より背が低いのが目立つチビでチンポも小さく、外交官として世界中の極太チンポを経験した嫁のガバガバマンコにチンポが適合しなかった そのため、常に中折れして雅子を孕ませることができなかった無能 皇后雅子(60歳) 語学堪能で世界中の男のデカいチンポをしゃぶってきた淫乱皇后 結婚後、夫の極小チンポに満足できず他の男のチンポもしゃぶれないため鬱病を発症 2006年、オランダに静養と称して巨大チンポを求める旅に出掛けて鬱病が改善した 男子を産めず不細工なメスガキしか作れなかったため、皇族の女としては無能である 愛子内親王(22歳) 父親のチンポが小さく母親のマンコがガバマンのため無理矢理作られた試験管ベビー とんでもない不細工で結婚は絶望的である 結婚するにしても、小室圭以上のクズ男が寄ってくるのは確実で日本国民は心配してる コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/komyu/pages/313.html
元ユザWarush Warush→Warush2→Warush3→天皇家(ry→愛子様(ry→現ユザ (ryの部分は自主規制 編集主が殴られてしまうので(爆 コミュに来た日は2009年7月8日、雑スレ671らしいです。 その前にも来ていたらしいが、流れが掴めずROM専ですぐ落ちるのが多かったそうな。 モンハン住民で、趣味はワザポユザの黒歴史を漁ることらしいです( 最近は「続きはウェブで」のユザで来ているのをよく見かけます。 黒歴史を漁るのは好きらしいけど、まあ悪い人ではないです(多分 コメント まさかこんなサイトがあるとは… -- (名無しさん) 2016-04-12 02 10 04 教育大四年生になりました -- (LMNR) 2016-04-12 02 11 39 アノさ面白い -- (核爆弾) 2017-01-21 23 05 36 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/true_tears/pages/332.html
true MAMAN 最終章・私の、お母さん~第六幕~ 「黒部さん・・・・」 「こんなところで、何してるって訊いてるのよ、仲上眞一郎!」 眞一郎が今までに聞いたことのない朋与の姿だった。声を震わせ、泣き腫らした目は 真っ赤で、眞一郎はスコットランドの伝説にあるバンシーを連想した。 すぐに慄然とした。バンシーは人の死に現れる妖精だったからだ。不吉な想像が頭を よぎった。 「比呂美に、何かあったのか・・・・?」 不用意な一言は朋与の逆鱗に触れた。朋与は雪の中を眞一郎に近づいていき、彼 の手前1mの辺りで止まった。 「何か?別に昨日と何も変わってませんとも!昨日と変わらず比呂美は泣き続けて、 昨日と変わらず自分を責め続けて、昨日と変わらずあなたに迷惑かけてると謝ってた わよ!ああ、そう言えば今日は雪がまた嫌いになったとか言ってたわね。それとも何? ご高名な仲上家の御曹司は比呂美にもっと劇的な変化をお望みだったの!?」 朋与の声の怒気と隠そうともしない悪意に、眞一郎が思わず一歩退いた。 「いや、俺は、そんなつもりで言ったわけじゃ・・・・そうか、まだ、あいつはそんな事を ・・・・・・・・」 後半は独白だった。 「そんな事!?どういう意味かなそんな事って?あの娘がどんな気持ちで言ってるかまさか わからないの?」 「わからないのって、そんなわけないじゃないか。俺は――」 誰よりも比呂美をわかっている、そう言おうとして、言葉に詰まった。わかっていなかっ たからこそ、現在の状態になっているのである。 「・・・・俺は、あいつの為に俺が出来る事をしてあげたいんだ」 代わりにそう言った。これも本心だった。比呂美の為ならどんなことでもしよう、そう 決めていた。 「出来る事?」 その決意も朋与に感銘は与えない。 「その出来る事ってどれだけ考えた結果なの?本当に比呂美の事を考えて出したの?」 「当たり前じゃないか!・・・・俺は、俺は比呂美の事だけを・・・・」 「そう・・・・そうよね・・・・」 朋与は一度息をついた。昂った感情を一度鎮める。心をクールダウンさせて尚、眞一 郎に対して言わなければならない事、言わずには済まされない事が次々に溢れ出てきた。 中学に入ってすぐ、バスケ部で知り合って以来、朋与は比呂美の親友を自認し、最大 の味方と自負していた。 高一の冬、眞一郎が比呂美の彼氏となった時から、二番目の称号は眞一郎のものとな った。そのことに朋与は異存はない。あの時、付き合うことになった事を朋与に報告す る比呂美は本当に幸せそうだった。1年以上もの間、朋与ではさせられなかった笑顔だっ た。だから朋与も、二人を祝福した。 だが、朋与はそれまでの事を忘れたわけではない。 「――仲上君は、いつだって比呂美の事を考えてくれてたわよね・・・・」 静かな朋与の言葉。その口調とは逆に、眞一郎への圧力は増している。 「去年比呂美と4番の事を嫉妬して喧嘩になったのも、比呂美の事が本当に好きだから だったのよね・・・・」 「それは・・・・その・・・・」 「比呂美を麦端祭の後ほったらかしにしてたのもそう、4番と比呂美を付き合わせようと してたのもそう、比呂美の事を第一に考えた結果なのよね・・・・」 「・・・・皮肉の、つもりかよ・・・・」 思い出したくもない過去を持ち出され、眞一郎の顔が歪む。しかし、朋与は止まらない。 「中三であなたと同居する事になった比呂美が、あんなに辛そうにしてても助けようと しなかったのも比呂美の為――」 「事情も知らないで勝手な事言うなよ!」 眞一郎が大声を出した。最も触れられたくない部分に爪を立てられた。部外者が立入 ってはならない領域に踏み入ってきた。 「あの時は・・・・難しい問題があったんだ・・・・」 「そうね・・・・あたしは何も事情なんか知らない。比呂美は知られたくないと思っていたか ら。だからあたしは気がついても知らないフリをするしかなかった」 朋与はまた泣いていた。他人であれば気付かずに過ごせた、笑顔の裏に気付いてし まったあの日のように。親友に頼りにされない無力感に苛まれたあの頃のように。 朋与が更に二歩、眞一郎に近づく。 「あたしには、せめてあの娘が何か話したくなった時には聞いてあげられるように、でき るだけ側にいてあげるくらいしかしてあげられなかった。それしか出来なかった。 「でもあなたなら事情もわかっていたでしょう!あたしより、はるかに出来る事があった でしょう!本当に、本当に比呂美の為に出来る事を全部してあげた!?」 朋与の指摘は重く、鋭かった。眞一郎は何か言い返そうとしたが、その全てが声帯を 震わせることなく消えていった。 「あなたにわかるの、本当に辛い時に、その事を誰にも気付かれたくないと思う人の気 持ちが!?そんな時にただ見てることしか出来ない人の気持ちが!?ねえ、仲上君にわかる の!?」 朋与と眞一郎は、身体が触れ合うほどに近づいている。朋与の顔はもう涙でボロボロだった。 「・・・・何も言う事はないの?・・・・なら質問を変えるわ。比呂美はなんで誰にも弱音を吐 かなかったと思う?」 「それは・・・・他人を巻き込みたくないから・・・・・・・・」 一瞬、朋与の目が凶悪な光を帯びた―― バシッ! 朋与の右手が眞一郎の頬に飛んだ。不意を突かれた眞一郎は持ち堪えられずに倒 れてしまう。 「ふざけるな!比呂美が巻き込みたくなかったのは周りじゃない!一人仲上眞一郎だ けよ!」 荒く息をしながら、朋与の声は叫びに近かった。 「比呂美が家で辛い思いをしてる事が知れたら、誰もが仲上君を責めるわ。たとえあな たが家で比呂美を守ろうとしていたとしても。だからあの娘は誰にも何も言わなかった のよ。学校では変わらずに振舞ったのよ」 朋与の論理は極論であろう。朋与や友人達を困らせたくないとの配慮が、比呂美の中 になかったとは考えられない。 それでも朋与の言葉は真理であった。眞一郎に反論を許さないだけの説得力が、彼 女の言葉にはあった。 「仲上君はそんな風に比呂美を想った事ある?比呂美が本当にして欲しい事、して欲 しくない事、ちゃんとわかってる?仲上君が考える比呂美の為って、仲上君の頭の中の、 仲上君に都合のいい比呂美に対してじゃないの?」 朋与は眞一郎を睨みつけた。眞一郎はその目を正視する事が出来ない。 「比呂美はここで生きてるのよ!あなたとは違う十八年を生きて、あなたと違う人生観 を育ててきたのよ。全部があなたの理想通りじゃない、不完全な所もあるし、時々は嘘 もつく。そんな自分に幻滅する事もある、普通の女の子なのよ!お願いだからちゃんと あの子を見てあげてよ!」 眞一郎は何も言い返せなかった。かつて「真心の想像力」と呼んだ独りよがりな思い 込み。それを今、朋与はより苛烈な言葉で指弾しているのだった。 わかっていたはずなのだ。比呂美が普通の少女である事は、二年前にわかっていたはず なのだ。いつの間にかまた、繰り返してしまったというのか。 「・・・・ごめん、俺・・・・ごめん・・・・」 「あたしに謝ってどうするのよ!」 朋与が馬乗りになって襟を掴んできた。眞一郎の頭上に、朋与の泣き顔が覆いかぶ さる。 「謝るくらいなら・・・・行動で示しなさいよ・・・・あなたしか出来ないんだから・・・・・・・・あた しじゃ駄目なんだから・・・・・・・・」 そこから先は言葉にならなかった。朋与は眞一郎の襟首を掴んだまま、声を上げて泣い ていた。 病院のロビーに、眞一郎は座っていた。頬はまだ熱い。口元に手を当てると、手に 血が付いた。 奥の自販機から三代吉が歩いてくる。手に缶を二本持っていた。 「ほれ、コーヒーでいいんだろ?」 そう言って一本を放る。眞一郎は空中で受け取り、蓋を開けた。 「痛むか?」 三代吉の問いに眞一郎は 「堪えたよ」 とだけ言った。 「そっか。あいつも手加減しそうにないからな」 「殴られたのもだけど、あの涙が堪えた。黒部さんの泣く所なんて、想像できなかった」 「俺もだ」 三代吉は表情を変えなかった。 三代吉らはファミレスでの実り少ない議論の後、五人揃って病院に向かっていた。そ して正門に着いたところで、朋与が眞一郎に詰め寄っている場面に遭遇したのだ。 暫らくは皆、その場から動けずにただ見守っていた。朋与が眞一郎を平手打ちした時、 たまらず愛子が飛び出そうとした。 それを、三代吉が肩を押えて制止した。 愛子は振り返って三代吉を見たが、三代吉は黙って首を振った。 愛子は周りを見回した。ルミも、カナも、あさみも黙って見つめていた。 つまり、愛子以外の全員が、程度の差こそあれ朋与の言い分を肯定しているのである。 この中で愛子だけが、身寄りを失ってから眞一郎と交際するまでの比呂美を知らない。 知っている者は、恐らくこの場にいない友人も含めて、大なり小なり朋与と同じ思いを 抱いてきたのだろう。 愛子は初めて、自分が麦端に通わなかった事を寂しいと思った。 朋与が眞一郎の上で泣き崩れたところで、ようやく出ていき、朋与を介抱した。 そしてルミとカナが朋与を家まで送り、愛子とあさみが比呂美を見舞い、三代吉はこ うして眞一郎についていた。 「俺、まだ全然だな」 眞一郎が言った。自嘲するでもなく、淡々と事実を述べる口調だった。 「入試直前にこの騒ぎだ。無理もないさ」 三代吉が控えめに擁護する。 「比呂美を泣かせない、泣いた時は俺が涙を拭ってやるとか格好つけても、俺が泣かして たら世話ない。きっと今までも俺が知らないだけで、俺が泣かしてた事は何回もあったん だろうな」 「かもな」 「黒部さんはそれを教えてくれたんだ。かなり堪えたよ。お前もわかってたんだろ?俺が 比呂美を泣かせてた事」 「さあな。俺はそれほど湯浅に興味はねえし。ただ、それとは別に黒部の気持ちはわかる ぜ」 眞一郎は黙って三代吉を見た。 「こっちは親友のつもりでいる相手が、何か悩みがあるのは間違いないのにそれを隠そう とされるのは、かなりキツイって事」 眞一郎は暫らく言葉の意味を考えていた。その意味するところを理解した時、大きく目 を見開いた。 三代吉は軽く笑いながら付け加える。 「お前だって湯浅の事ではずっと悩んでたんだろ?ただ自分にだけ都合のいい結論を出し てたわけじゃない」 「・・・・・・・・ありがとう」 眞一郎はそれだけを言った。それ以上はどんな感謝の言葉も陳腐になりそうだった。 「で?俺はまだ、お前の相談相手には不足かよ?」 「・・・・いや。けど、どうすればいいのか、何から相談すればいいのかすらわかんねえ」 我ながら情けないと眞一郎も思う。これが偽らざる本音だった。 「初めての相談で悪いが、さすがにそれじゃ力になれねえ」 三代吉が苦笑する。 「お前、大学は行きたいのか?」 「・・・・わからない」 「子供は生んで欲しいのか?」 「もちろん」 即答だった。 「当然、湯浅とは結婚するよな?」 「ああ」 「そのために働いて自力で養いたいと」 「そうだ」 「前にも言ったが、今から職探したって碌なのないぞ。少なくともひとつの仕事じゃ親 子三人食っていくのは無理だ」 「・・・・わかってる」 しぶしぶ同意した。 「絵本はどうなんだ?時々は育児雑誌に描かせてもらったりしてるんだろ?」 「無茶言うな。あんなもん小遣い銭のレベルだ。とても筆一本で食っていくなんて言え ない」 「そうか、まあそうだろうな。じゃあそれ以外で働いて食わしていくとして、絵本描く 時間が作れると思うか?」 「・・・・・・・・無理、だろうな」 「何年間か描かずにブランクが開いたとして、再開したらすぐに今のレベルに戻れるの か?」 「・・・・」 「どうなんだ?」 「・・・・難しいと思う」 眞一郎は認めた。絵筆を持つ感覚は手放すと急速に衰えていく。再開して描き続けて も、完全に元のタッチに戻る保証もない。 さらに、出版社の担当もその頃まだ残っているとは限らない。人脈という意味でも一 から作り直しになる可能性は意外に大きい。 「なるほど。要するに単なる育児休暇じゃ済まないくらいのダメージなわけだ。湯浅は自 分や子供の為にお前の夢が頓挫したら、悲しむだろうな」 それこそが問題なのだ。比呂美が恐れているのは、大学もさることながら、絵本作家 になるという眞一郎の夢を、自分が邪魔する事である。 だからこそ全ての試験が終わるまで妊娠の事実を隠そうとしてきたし、眞一郎が働くと 言った時にあれほどまでに取り乱したのだ。 眞一郎は頭を抱えた。 「どうしろってんだよ。俺だってやっとモノになる手ごたえを掴んだんだ。こんなところで 諦めたくねえよ。だけど、俺が働かないで誰が子供養うんだよ」 三代吉は黙って眞一郎の独白を聞いている。 「あと一歩なんだよ。もう少しで夢に手が届くんだよ。でも、比呂美と俺の子は夢と天秤に かけられるようなもんじゃないんだよ」 眞一郎の声は消え入りそうだった。 「・・・・どうしたらいいんだよ。俺はどこに向かって進めばいいんだよ」 「・・・・前だけ見て進めよ」 眞一郎が顔を上げる。背中は丸めているので、下から三代吉を見上げるような形になる。 「前?」 「そ、前。悩んだ時はとりあえず前に進んでみろ」 「だからその前ってのがどっちなのか――」 「人と違ってようが、他に誰もいなかろうが、お前が今向いてる方向がお前にとっての 『前』だ」 眞一郎の背筋が伸びる。 「お前は絵本作家の夢は捨てたくない。子供を諦める事なんて冗談じゃない。なら、それが お前の前だ。それ以外の事はとりあえず全部横か後ろだ」 「で、でも、それじゃ・・・・そんな事――」 「普通は通じないわな。ありえねえ理屈だ。勝手すぎて怒る気も失せるわ。それでもそれが 前ならまず通じるかどうかやってみろ。それで駄目なら別の方向見てみりゃいい」 「いや・・・・しかし・・・・・・・・」 「湯浅が元に戻るのに、他にあるか?」 「・・・・・・・・」 「一度おじさんに相談してみろ。どうせまともに話し合ってないんだろ」 眞一郎は恥ずかしそうに頷いた。毎日顔を合わせてはいるが、眞一郎はまともにひろ しの意見など聞こうとしていなかった。 「ま、半分は曽祖父さんの受け売りだけどな。曰く『迷った時は今向いてる方へ進め』。 戻るってのは辞書にないんだろうな」 まだ釈然とはしていない。しかし、他に出来る事がないのも事実だった。 「――わかった。親父と話してみるよ・・・・」 「おい、湯浅には会ってかないのか?」 「この顔じゃ会えないだろ」 眞一郎は口元を見せた。 三代吉は黙って肩をすくめる。 眞一郎が立ち去っていくのを目で追いながら、三代吉は詫びていた。 ――すまない、眞一郎。俺の言ってる事は、お前のプライドをズタズタにしてるな。 それでも、三日間考えて、これしか思いつかなかったのだ。 三代吉も立ち上がり、病室に向かった。愛子と浅海が途方に暮れている事だろう。 了 ノート 朋与と比呂美が知り合ったのが、遅くとも中学でバスケ部に入った時なら、比呂美の親が生きていた頃から付き合いがあるはず。 じゃあ仲上家に引き取られた後、比呂美の変化に気付かなかったのかと考えた時、気付かないフリをしてあげたんだろうなと。 相手が気付いて欲しくないと思っている事に気付かないフリをする、それは友人としてとても辛い選択です。気付いてもいい立場 にありながら勝手に余計な世話ばかり焼こうとする眞一郎は、憎くすらあったのではないでしょうか。 眞一郎のように「相手の気持ちになったつもりで」ピントのずれた事をするタイプは、まず治りません。ですが、常に相手の幸せを 第一に考える姿勢こそが彼の最大の美点でもあり、彼がそんな人物である限り必ず助けの手は差し出されるでしょう。 true MAMAN 最終章・私の、お母さん~第八幕~