約 160,074 件
https://w.atwiki.jp/ohgami/pages/47.html
サタン フラーワ ゴスゴイル ブロッケン バズズ・シャドウ? ××× 阿修羅・シャドウ? ××× 蚩尤? ××× 悪魔系02←→悪魔系04 悪魔系へ戻る ネバーワールド覚書へ戻る
https://w.atwiki.jp/ohgami/pages/49.html
××× ××× ××× ××× ××× ××× ××× ××× ××× ××× 悪魔系04←→悪魔系06 悪魔系へ戻る ネバーワールド覚書へ戻る
https://w.atwiki.jp/ggenew/pages/1011.html
パイロットアビリティ 白い悪魔 アムロ・レイの異名。 1年戦争時、伝説の白いMSに搭乗し幾多の戦場を駆け抜けて数多くの敵を撃破した事に由来する。 特定の機体に搭乗した時、攻撃力、機動力アップ。 Lv Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 Lv6 Lv7 Lv8 Lv9 LvMAX 上昇値 3 4 5 6 7 8 9 10 12 15 必要AP - 70 70 80 80 90 90 100 100 100 習得キャラ 習得レベル アムロ・レイ(1st) Lv 15 対応ユニット ガンダム系 デビルガンダムJr.
https://w.atwiki.jp/dark_summoner/pages/85.html
番号 40001 50001 種族 悪魔 読み れんごくのあくま BP 16 名前 煉獄の悪魔 ウィング ○ 絵師 マツモトカズトク 伝承 悪魔の中でも強力な力を持った高等悪魔。快楽主義で踊るように破壊の限りを尽くす。 ランク A A+ ステータス 攻撃力 防御力 生命力 攻撃力 防御力 生命力 Lv1時 2,082 1,566 966 1,897 2,019 1,428 LvMax(70)時 5,340 4,895 3,560 6,120 5,610 4,080 スキル 攻撃力アップLv1 攻撃力アップLv1 入手方法 所感 コメント (ログはこちら) test - 2012-08-13 14 36 36
https://w.atwiki.jp/rumiardry/pages/30.html
小悪魔 出現階層 6Fイベント タイプ 悪/愛 防御・弱点 ○=格闘、知識△=悪、ゴースト、愛×=エスパー、電波 ステータス Lv10 Lv50 HP 40 400 攻撃力 21 85 防御力 25 105 精神力 29 125 抵抗力 29 125 敏捷力 29 125 スペカ一覧 スペカ 修得Lv はたく 初期 なきごえ 初期 説教 11 マジックミサイル 12 スピードスター 13 リフレッシュ 14 ヒーリング 15 かみつく 16 つばさでうつ 17 サイレンス 18 ブライトネス 19 コンフュージョン 20 おんがえし 21 うそなき 22 炎の翼 25 氷の翼 25 鋼の翼 25 虹色の翼 25 うたう 26 シャドーボール 27 ヒロイック 28 悪の波動 29 かえんほうしゃ 30 れいとうパンチ 32 漆黒の翼 35 涙 37 夢幻爆弾 38 ヒップアタック 39 ダーククルセイド 40 リバイバル 40 悪の華 42
https://w.atwiki.jp/trustwiki/pages/25.html
♂ 夜さん #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (※) 【キャラクター名】 夜悪魔 【部活:性別】 格闘部 【スタイル】 力精 【Lv:エリア】 セイント財団本社ビル 【新規項目】 ※ 【新規項目】 ※ 【コメント】 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (※) 【キャラクター名】 TheGeratDipper(白い恋人) 【部活:性別】 魔術部(女) 【スタイル】 補助 【Lv:エリア】 ※ 【新規項目】 ※ 【新規項目】 ※ 【コメント】 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (※) 【キャラクター名】 TheSouthernCross(白い恋人) 【部活:性別】 弓術部(女) 【スタイル】 敏捷 【Lv:エリア】 ※ 【新規項目】 ※ 【新規項目】 ※ 【コメント】
https://w.atwiki.jp/aquarianagetcg/pages/2829.html
Character Card [[WIZ-DOM]] 悪魔/[[ワーカー]] 2/(2)/1 ▼/[[ドロー]]+1 No.2444 Rarity UC Illustrator 山鳥おふう Expansion 正義の鼓動 カード考察
https://w.atwiki.jp/propoichathre/pages/589.html
小悪魔6 5スレ目 775 「あ~ぁ。司書の仕事も楽じゃねぇなぁ……パチュリーもどこにいるものやら」 片方の手に紅茶セットの入ったバスケットを持ち、だだっぴろい図書館の中をパチュリーを探す。 紅茶持ってきてやったのにそんなときに限っていつもの場所にいないとは猫度アップだな。 しかし果たしてパチュリーは猫だろうか? 猫耳だけではきついな。眼鏡を足せば……うむ! 合格だ! じゃあ小悪魔に猫耳は……いや、悪魔羽と猫耳は共存しないなやはりそのままの君でいて などと自分でもよく分からない妄想を垂れ流したまま広大な図書館を彷徨い歩く。 今日も平和だ。 主に俺の頭が。 やっと見つけたパチュリーは、図書館の端にある小さな部屋にいた。 部屋と言ってもたいした大きさではなく、ちょっとした調理が出来る台所と言った感じの部屋である。 薬か何かを作っているらしく、かまどに火が焚かれている。 そのおかげで薄寒く暗い図書館もこの部屋だけ紅明るく、ほのかに暖かい。 火にくべられてくつくつと煮える中華鍋の中からは、おそらく薬草か何かだろう、不思議な匂いが漂う。 ……って、中華鍋? 中華鍋って、主に炒め物に使う道具じゃなかったろうか。 そもそも製薬中の魔女と言って中華鍋に向かう魔女を思い描く者はおるまい。 肉体言語魔法少女並に何か間違ってる。 「なに」 こちらの気配に気づいていたのだろう、背中越しに声をかけられる。 「魔女と中華鍋というミスマッチ具合が実にパチュリーらしいな」 ひとまず思ったことを口にするとぴたりと手が止まり、 いつもよりわずかに目を大きくして、しかしいつも通りめんどくさそうに振り返った。 「あら。あなただったの」 誰だと思ったのやら。 「てっきり小悪魔だと思ったわ。今気づいたけど、あなた達、色がよく似てるのね」 色? なんだそりゃ。 「五味はね、五行に繋がっているの。 五味を統べるとも言える中華鍋は、七曜の魔女である私に最も似合っている調理道具だと思わない?」 「思わない」 あ、むくれた。即答しすぎたか。 いつも以上に不満憤懣たるやといったジト目で見られるが気にしない。 「悪いが俺は製薬理論を聴きに来たんじゃなく、紅茶を持ってきただけなんだ。ほれ、飲もうぜ」 テーブルにポットと三つカップを並べて紅茶を注ぎ、勝手に自分のを飲み始める。 パチュリーは仏頂面で頬を膨らませたまま、鍋に蓋をしてぺたぺたと近寄ってきた。 「カップ、一つ多いんだけど」 「ん。んん、あー。小悪魔も誘ったんでな。後で来るとさ」 「ふーん、そう」 ごくなにげない調子でパチュリーは続けた。 「あなた、あの子のこと好きよね」 「んぐっっ! げふっ、げほっ、えほっ………えへんえへん。ん゛ん゛っ、ん゛っ。 フッ……何を言い出すかと思えば」 「紅茶噴いた顔でかっこつけ直しても遅いわよ、ほら、良いからちょっと耳貸しなさい」 顔を近づけあってぼそぼそと声をひそめる。 「(なぜ気が付いたッ!? 他人の色恋沙汰に気づけないほどは鈍感だと思っていたのにッッ)」 「(五月蝿いわね。咲夜から聞いたの。 紅魔館のメイド長は世界一ィィィィィィィィィ! 知らん事などナァァァァァァァァイ! だそうよ)」 「(市はr……あー……うん、ごめん。謎の敗北感と共にすごい納得した)」 「(って、そんなことはどうでもいいわ。あなた、今のままで良いの? さっさとくっついちゃいなさいよ?)」 「(簡単に言ってくれるのな……そりゃ俺だって是非そうしたいが)」 「(私が近いうちにセッティングしてあげるから、そこで……! というのはどう?)」 「(マテマテマテ、そもそもなんでそんなに積極的なんだよ)」 「(楽しいから。)」 うむ。新しいおもちゃを目にした子供のような、実に期待に満ちた楽しそうな表情だ。腹立つほど。 「はぁ。それにしても意外だな。本にしか興味がないと思ってたのに」 「そうだったんだけどね。私も色々変わってきたのよ。主に人間の所為で」 妖怪は人間に比べて寿命が長く、それゆえ変わりにくい。 しかし、人間――魔理沙だとか、咲夜さんだとか、俺だとか――と接するようになったことで、変わってきた。 そういうことらしい。 確かに『楽しいから』なんて俺や魔理沙が言いそうなセリフである。光栄な話だ。 「あなたのことは……性格はかなり変だけど、買っているわ。 あなたも、同じくらい本を愛してくれている。 そして本と同じくらいお互いに好意を持っている。 だから。あなたは二人で幸せになる義務があるわ」 そう言ってぬるくなりはじめた紅茶を啜る。 「……そこまで思われてたとは、心強い話だ。 ご期待に添えるよう、努力する。やってみるぜ」 全く。 全く、実に心強い話だ。 さらにしばらくして、やっと小悪魔は来た。 「すみません、遅くなりました~、って、あれ? なんだか焦げ臭くないですか」 「「あ」」 パチュリーの製薬成功率がまた下がった。 BadEnd 01、火にかけた鍋からは離れないようにしよう! 予定外の精製失敗のおかげで、パチュリーは早くも“セッティング”をその日の午後にもってきた。 俺と小悪魔に薬草の収集を命じ、魔法の森の近くにある花畑に向かわせたのだ。 ぽかぽかと陽気が漂う昼下がり。 それは、まぁ、確かに一日中カビ臭い薄暗い図書館にいては一生得られそうにない絶好のシチュエーションだった。 ああ、それにしても今日はいい天気だなぁ……やっぱ小悪魔綺麗だよなぁ…… 何もかもが美しい、天使のような小悪魔。 瑪瑙のように煌めく瞳、柔らかそうにふくらんだ唇、 落ち着きと知性を漂わせる表情、ぱたぱたと動く羽。 しかし何と言っても少しウェーブのかかった、ふわっふわの紅く煌めく長い髪が素晴らしい。 こんな日に、踊るように花を摘む小悪魔に見とれないヤツなんているわけがないね。 そして事実俺は自分が摘むべき草も忘れて小悪魔に魅入られていた。 直前にパチュリーにつつかれていた所為も、場所のおかげもあったかもしれない。 けれどそんな綺麗な横顔を見ていると、俺の気持ちはごく自然に口をついて出ていた。 日々寝る前に顔から鳳翼天翔するくらいキザなセリフを練習していたのが嘘のようだった。 「小悪魔」 「はい?」 「好きだ。愛してる」 「はい。ありがt……ぇ? はれ? ほぁぇぇっ??」 元から大きめな瞳がさらに大きく見開かれ、頭と背中の羽も尻尾もピン!と直立し、 両手を口元に当てて驚いたままの表情で固まってしまった。 そしておずおずと両手を胸元あたりに降ろすと、うつむきかげんで視線を彷徨わせ始めた。 「あれ? ぇっと、本気…です、か? あ、ごめんなさい変なこと聞いちゃって。失礼ですよね」 「突然だったことは謝る、ごめん。でも、もちろん本気で言ってる」 ぱたぱた、ぶんぶんぶん 「そっかー、そですか……」 「うん」 ぱたぱたぱたぱた、ぶんぶんぶんぶんぶんぶん 「うーんと、えーっと、ぅーん……?」 音がするほどのあの尻尾と羽の振り様、顔の赤らみようなどから言って、小悪魔は喜んでくれていた。 誰より小悪魔を愛している俺が言うんだ間違いない。 しかし、同時に怒っているようにも見えたし、悲しんでいるようにも見えた。 しばらくそんな難しい顔をしたあと小悪魔が絞り出した答えは。 「あの……ごめんなさい、返事は……しばらく待ってもらってもよろしいですか?」 「おかえり、って……えーと……」 俺の渋い表情を見て良い結果でなかったことは悟ったのか、パチュリーが開きかけた口を噤む。 「まだわかんないけど…保留だってさ。どうかな、ダメなのかな」 パチュリーは眉間にしわを寄せて、何か言おうと口を開いては何も出てこずに口をへの字に曲げることを何度か繰り返した後、一言だけ、ありえないわ、と呟いた。 どうにも合点のいかない小悪魔の対応を訝しみながら、その日は足早に自分の部屋へと引き籠もった。 3日経った。 何も変わらなかった。 1週間経った。 何も変わらなかった。 10日経った。 何も変わらなかった。そう、何も変わらなかった。 毎日顔を合わせているが、何事もなかったかの様に接してくる小悪魔に覚えた感情は、苛立ちだったか、哀しさだったか、それとも感謝だったろうか。 そんなある日のこと。 いつものように図書の整理をしていた俺は、ぼーっとしていてうっかり、 「痛っ!」 「どうしたの?」 「本の金具で指切ったみたいだ。おーいてぇ」 血ぃ出てきたー、とぼやきながら切れた人差し指をパチュリーに見せる。 するとパチュリーは、 「あら、大丈夫? 痛くない?」 「ああ、ま、これくらないなら舐めてりゃ治るかな」 「ええっ!? あ、ああ、貴方が舐めるのね」 「おいおい、なんだと思ったんだ」 「な、なんでもないっ! なんでもないのっ!」 ツンと怒ったように顔を赤くして言うと、読んでいた本に顔を隠すかのように、ばっとうずめた。 と、 「あら何でもないんですか? 残念ですぅ」 「うおっ、小悪魔!? どっから現れた?」 いきなり背後から声をかけられびっくりする。この辺はさすがに紅魔館にいるだけあって神出鬼没だ。 後ろから肩口を覗きこむように抱きつかれ、ケガした指を両手で包み込んでくれる。 こんなに距離が近づいたのは実は初めてかもしれない。 というかなんかふっくらと当たってる。当てられてるのか! ……いやいやその前に。何がしたいんだ小悪魔。泣くぞ俺。 「ふふっ、パチュリー様がやらないのでしたら私が代わりにやっちゃいますよ?」 ……小悪魔? 「別に良いわよ」 「あら残ね……」 けらけらとまんま小悪魔の様な笑いを上げかけて――あれ? とそのままの表情で固まった。 「あの。今なんておっしゃいました?」 「ダメって聞こえたかしら? 好きにしたら?」 「…………あれあれ? いいんですかパチュリー様? そんなこと言って。 もらっちゃいますよ、○○さん」 「良いわよ。それで満足したら早く仕事に帰ってちょうだい」 「…………」 「MPが足りなかったかしら」 「いえ、あの。えと、ホントに良いんですか? 何があったか知りませんが些細なことで喧嘩しちゃダメですよ? 後になってから『やっぱり○○のこと好きだったの』とか言ってももう譲りませんよ?」 「……?」 「あなた、何言ってるの?」 パチュリーが俺と顔を見合わせて不思議そうに首をかしげる。 「いや、だから…あれ? あの、パチュリー様。好きだったんじゃないんですか? ○○さん」 そんなことは初耳も良いところなんだが……そして謎はほぼ解けた。 パチュリーはパチュリーで、ふふぅん、と小馬鹿にしたような呆れ顔を浮かべて小悪魔を見やる。 「あなた何十年私の下で働いてるの? 私が本の知識以上に心惹かれるものなんかあると思って?」 いや、ありがたいことに本の知識以上には俺達のことは気にしてくれていたような気もするが。 「ほぇ……あ……れ……あの日だったか…パチュリー様告白してたじゃないですか……。 そう、私、厨房のそばで聞いてたんですよ?」 「?? 何のこと?」 「そんなこと悪魔に誓って無かったわ」 「ありましたよ! だから私は告白してもらって嬉しかったけど、 それ以上に○○さんが二股かけるような人だと思ってすごく残念だったんですよ!」 パチュリーと二人で難しい顔をして記憶の糸をたぐり寄せる。……ん~? 「あっ。ねぇ、○○。そう言えば小部屋に二人でいたとき……」 「あー。ああ、なんだっけ。たしかに告白した時のセリフとも聞こえる会話だったような」 あ、小悪魔が真っ白になって、みょん侍のように半分魂が抜け出てる。 耳を澄ますとエクトプラズムと共に こ あ ぁ ぁ ぁ ぁ、とかいう苦悶の音をはき出している。 呆然とする小悪魔を尻目に、事件解決ね、後は任せたわ、と言ってパチュリーはすぅっと図書館から出て行こうとする。 その背中に向けて、慌てて小悪魔が我を取り戻して声をかける。 「ちょ、あの! ホントにホントに良いんですね!? 私の勘違いだったことは50歩くらい譲って認めますけど、 もっと後になってから『ホントは○○のこと好きだったの』とか言ってももう譲りませんよ!」 「それさっきも言ったわよ。好きになさい」 と、扉を開けたところでパチュリーが肩越しに振り返って口を開く。 「小悪魔。細かいことは言わないわ。今ここに、たった一つだけ私と契約しなさい。 ――幸せになること。」 「え、あ、は、はい。はいっ! 絶対幸せになります! ありがとうございます!」 それを聞いて満足そうに笑みを浮かべたパチュリーは、今度こそ扉の外へと姿を消した。 ばっ、と弾かれた様に俺に向き直る。 胸の前で手を組んで、眼を潤ませて 「○○さん……ごめんなさい、勝手に勘違いして、怒って、返事もせずにすみませんでした。 今からでも許してもらえるなら、言います。好きです……。私も、好きです! 貴方を愛してます!」 その言葉を、その気持ちを。幾星霜待ち続けていただろうか。 「小悪魔っ…!」 ぎゅっと、抱きしめる。 もう離さない。ずっと、側にいてくれ。そう耳元で囁くと、胸の中でしっかり、はい、と返事をしてくれた。 「私、私……ごめんなさい……」 そう言ってすすり泣く。 涙は似合わない、そう言おうと思って頬の涙を掬った指をふっとさらわれ。 気が付くと俺の指は――好きな人の口の中に吸い込まれていた。 「んっ……ちゅ……れろ…」 「こっっっっこここここここあっくま?」 わたわたと焦る俺の指がぬるりと解放され、つぅと糸を引く。 「血が出ていました、舐めていれば治りますよね」 えへへ、と目尻を赤くしたまま悪戯っぽく笑って、再び指をちゅっと吸い込む。 吸われている部分からぞくぞくとした快感が伝播してくる。 「う、ぁ……」 くすぐったさと恥ずかしさに思わず、手首を握っていた小悪魔の手を取り、同じようにその人差し指に吸い付く。 「ふ、ぁ……ぅん……」 少し驚いて指を一瞬口から離した小悪魔だったが、すぐにとろけるような表情に戻り、指を舐め合う。 ほっそりと白く長い小悪魔の指は、少しだけ本の黴くさい匂いがしたが、ほんのりと甘かった。 口の中で時たまぴくぴくと蠢くものから温もりを受け取り、温もりを与える。 とろとろと熔けそうになる指先からは甘い波が伝わり続け、じんじんと意識までも融かしてゆく。 いつしか、どちらが誘ったか。 お互いの手と手が少しずつ近づいてゆき、自然、ふっと微かに唇が触れ合って――すぐに離れる。 「え、えへへへへへへへへへへへへへへへ」 顔を真っ赤に染め上げてはにかむ俺の恋人。 でも、自分も同じくらい顔が紅く火照って頬がゆるんでいるのを感じる。 お互い恥ずかしくって、二人照れあって、一緒に何か言わなきゃ、と思ってわたわたして。 そして、二人とも同じくらい間抜けなことをしていることに気付いて、ぷっ、と同時に吹き出す。 「「あはははははははははっっ」」 二人でいられる。二人で想っている。二人で感じ合っている。 そんな些細なこと、されどそんな奇跡が幸せで、笑いが止まらない。 ひとしきり笑いあって落ち着いたころ、小悪魔に惚れてからこのかた、長い間夢だった願いを口にする。 「ねぇ。小悪魔。笑ってほしい。ずっとずっと、こうして俺の隣で笑っていてほしい。 俺のためだけに笑っていてほしい。 君の太陽の様な笑顔が、大好きなんだ」 「はい……はい! ずっと、ずっと貴方の傍にいさせて下さい。そうすれば、私は貴方のおかげでずっと笑顔でいられます」 夕立のあとに輝く太陽のように晴れやかな笑顔で応えてくれる。 俺だけに向けられている、向日葵のような笑顔。 もう二度とその笑顔を離さないよう、ぎゅっと強く抱きしめる。 ――ああ、俺は、小悪魔を好きになって、心底良かった。 「あぁ、もったいない。行動に多少問題はあったけど優秀だった司書を、一気に二人も解雇しちゃったわ」 「あいつら勝手に住み着いただけで、元から雇ってないし解雇してもいないじゃん? それに、大丈夫よ。 すぐ三人に増えるわ。ああ、もっと増えるかもね。きっと賑やかになるわ」 「――そう。レミィが言うのならきっとそうなのね」 咲夜が来て、レミィは変わった。 霊夢が来て、レミィはまた変わった 魔理沙が来て、妹様は変わった。私も変わった。 ○○が来て、あの子は変わった。 人間が来るたび、新しい風が吹き込み、紅魔館は変わっていく。 今度来る人間は、きっと悪魔と人間のハーフ。多分。 そして、また新しい風が生まれ、何かが変わっていくのだろう。 この世に生を受けて、はや1世紀が経つパチュリー。 こんなにもめまぐるしく変わってゆく世界は初めての経験だった。 人間という種族からは、どんな本から得る知識も敵わない量の生きた知識を得ることが出来る。 そのことに気付かせてくれた人間達に感謝しつつ、パチュリーは、 その知識を得られることを思って、早くも期待に胸を躍らせるのだった。 7スレ目913 本棚を見上げる。天井は薄暗くて見えない程、遠い。 壁が本で造られていると言える程、本棚が列を成している。上を見れば崖と思わせ、左 右を見れば迷宮と惑わせ、下を見れば整理されていない海。全ての角度から見ようと、全 てが本。活字嫌いが幽閉されようものなら、数時間で精神障害を起こすのではないかと危 惧さえしてしまう。 と、感慨深く思った所で……要するに片付いてないだけ。 「えっとこの本は……うげ。これ南西端側の棚じゃないか。なんでここまで持ってくる必 要があるんだ」 図書館内といっても、今自分がいる位置から該当する本棚へはかなりの距離がある。そ のぐらいこの"仕事場"は広大すぎる。歩いて何分かかるだろうか。 付近に放置されていた書籍類の本棚は見事にバラバラで、東奔西走南船北馬と口に言え ば軽いが、距離を換算したら気が滅入る結果になる。 しかし、雇われてしっかり図書館の主から貰う物貰ってる以上、やらざるを得ない。主 人曰く、ぎぶあんどてーくの精神らしい。 とはいっても、支給元は紅魔館当主からなのだが。 「さて、どこから突っ込んでいくかな」 回収した本の基本位置情報を一つ一つ脳内の図書館見取り図と照らし合わせ、ルートを 弾き出す。だが、結局行って帰っての応酬で時間短縮は見込めそうにない。 「……はぁ」 無意識に重い息が出た。そんな自分に気分が苦くなったが、耳に入って来た小さな声が 苦味をかき消した。 柔らかに笑う、音。 「お疲れのようですね」 「それなりに、かな」 踵を返し、空中を漂う主人の従者に答える。俺に微笑みかけるその優しい表情は、大人 の色香を持ってはいるが、案外茶目っ気があったりドジ踏んだりおっちょこちょいだった りして、保護欲をかきたてられてしまう。"リトル"という名も、性格から鑑みて頷けるい い名前に思えた。 「私の作業は終わりましたから、遠くの本は持って行きます」 両手を差し出して本を受け取ろうとするリトルに、「大丈夫」と俺は軽く手を振って否 定の意を表した。 「構わず休んでてくれ、主人と茶でも飲みながらさ。後で行くから」 「ダメですよっ」 振っていた手をガシッと両手で握られ、リトルの真剣な眼差しにたじろぐ。 「休憩ぐらいご一緒しましょうよ。それに……パチュリー様は今し方気分が優れないとお 部屋に戻られました。私一人で寂しく紅茶を啜れと仰いますか……?」 「言ってない、そこまで言ってないから」 真剣かと思えば、瞳を潤ませ上目遣いで懇願されると、さすがに意思が折れる。ここま でされて拒否を続けられる程、サディズムなんてない。 しかし、ずるい業だ。理解していようとも、従ってしまう。 「でしたら、お手伝いさせて下さい」 「む……そこまで言うなら。これと、これが南西方面なんだ。悪いけど、頼めるか?」 「はい、お任せ下さい。ぱぱーっと片付けてきますからっ」 嬉々として本を受け取り、颯爽と飛んでいく。そんな姿が好ましく、重労働である図書 館の作業も続けられるというもの。 確かに、我が雇い主も妖艶かつ蟲惑的な空気を持ちつつ容姿は少女というなんともミス マッチなお方だが。両手に華なんてお門違いもいい所だが、恵まれてると実感する。 最近、というより数ヶ月も好調のようだった主人が急に体調不良とは少々驚いた。加え て妙に元気というか気合の入ったリトルの姿にも違和感があるのだが。 とかく、後々主人の見舞いでもさせてもらおう。 「よし、さっさと終わらせよう」 拳に力を入れ、数冊の本を抱えて歩き出す。本来あるべき地へ納める為に── 「先ほどの終わりました。次はどこのでしょうか」 「──速すぎだろ常識的に考えて」 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/谷・)_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_ /_/_/ 「アールグレイとジャワがご用意できますが、どちらがよろしいですか?」 「アールグレイ、お願いできる?」 リトルは笑って頷くと、茶葉の入ったポットに熱湯を注ぎ始めた。色々と工夫をしているみたいだが、詳しくはわからない。多分、本格的な淹れ方なのだろう。 数刻前は残骸の山に見て取れたテーブルの周囲も、今ではすっきり爽やかさんくm…… 失礼。綺麗に清掃されている。 「少々お待ち下さいね、もうすぐ良い香りになりますので。あ、よろしければ先にお茶菓 子をどうぞ。頑張って作ってみたんですよ」 「お、リトルが作ったのか。……ん? 見たことないな、コレ」 テーブルには、主人と三人で休憩を楽しむ際によく見るクッキーやドーナツの他に、全 く知識に存在しない細い棒の束があった。全体的に黒く、先端が白い。 「最近また、新しい雑誌が来まして。その中に書かれていました。ポッキーって言う名前 のお菓子です」 ぽっきー。確かに、見た目通り簡単に折れそうな名前だ。 「へぇ、ちょっと一本。……ぉ、チョコレートとビスケットってやつか」 「大体そのような感じですね」 リトルの作った新作に感嘆しつつ、淹れ立ての紅茶がテーブルに置かれた。 アールグレイは薫り高く、ドーナツはふっくらと、クッキーは芳ばしく、ポッキーの小 気味良い音が俺とリトルの雑談に花を添えてくれる。主人はおらず、本日の作業は全て終 わっている。止め処ない語りは、時間の流れを意識させなかった。 「それでまぁ、あれは臭いったらありゃしないよ本当に」 「ですよねぇ、臭いですよねぇ~」 一段落ついでに何かしら菓子を取ろうとして……手元がスカる。テーブルを見れば、あ るのはポッキリいくのが一本のみ。 「あ、悪い。結構食っちまったか」 「いえ、お構いなく。美味しく召し上がって頂けたようで、嬉しいです」 満面の笑みが目に焼きついて、急速に気分が高揚してくる。この笑顔で三倍飯だ。 彼女が魔族である事は知っている。ただ、魔族と思える節が全く見えない。笑顔で人を 救ってしまえるのではと思う程、魔族とかけ離れている。 「じゃあ、最後のこれはリトルが食べてくれ。俺は貰いすぎたよ」 「そうですか……? あの、でっ、でしたら、半分ずつにしましょう」 急に挙動がおかしくなった気がしたが、そのままリトルが手にしたポッキーが半分に割 れて渡されるのを待った。 が、折らずに咥え、テーブルから身体を乗り出してきた。 「ん?」 リトルが、ポッキーの先端を咥えたままお戯けた笑いを向けてくる。 「──へ?」 「ふふ、わかりませんか?」 唇で挟みながらも器用に喋るリトル。 意図がわからず、呆ける。しばらくして、ハッと脳内が鮮明になった。 ま、さ、か…… 「は、はんぶん?」 「はやくして下さいよ。私の方、濡れて折れちゃいます」 目が細まり、からかいの意が伝わる。これを食べろ、と言いたいらしい。 一回だけ里で聞いた事がある。外来人が開いた集団お見合いみたいな集まりで、男女一 組で一本のうどんを互いに両端から食べて度胸試しみたいな事をしたと。 リトルもその意味を理解してやっている様子で、目や口元は『どうしたんですか? 食 べないんですか~?』と挑発しているが、頬は夕暮時を越える紅色。 つまり。俺は試されている。男としての度胸を試されている。と、思う。 「一応聞くけど……手で半分に折ったら?」 「怒ります。大弾を妖夢さんの未来永劫斬並の剛速球で投げます」 「イタダキマス」 とは言ったものの、緊張で身体が強張る。しかも、リトルは目を瞑ってる。しかし、躊 躇して時間を経てれば経てる程状況は宜しくなくなってしまう。 意識を高める。我は獣、目の前の糧を喰らうのみ。 ポッキーの半分を口に入れ、乾いた音が耳に届く。折れた合図に心で頷き── リトル側の半分がテーブルに落ちるのを最後まで見てしまった。 「……」 身体が止まる。頭も、首も、腕も、足も。四肢の骨が鉄の棒にすり換えられた。 逆に、内部は灼熱が迸る。鉄は炉で熱されたばかりの真紅に染まり、肉が煙を立てて焼 け焦げる。 どれほど接触していたか。柔らかく、肉厚な桃色のそれが自分から離れていった。呆然 とした俺の口から、折った棒が落ちて転がった。 「り、リトル? 今、俺に何をしたかわか──」 「わ、わかってますっ」 うつむいていて、表情は窺い知れない。きっと、鬼灯の赤だろう。きっと、俺も。 「おぉ、俺はうれしっ、いややや。別にいいけどさっ、い、いいのか、リトルは」 「……他の男の人とは、絶対しません」 脳天直撃。これは酷い、いや。これはやばい。 「あ、新しい茶葉取って来ますねっ」 言うが早いか、視界からリトルの姿が消えた。 「これは、これはいいのか? 本当に? ど、どうすんのよ! どうすんのよ俺ぇ!?」 明らかにリトルからの積極的な意思表示なのは分かっているが、脳内の整理がつかず、 眩暈に似た感覚に侵食される。驚きと、喜びと、欲が沸いて混じっては押し殺す。思考が 混沌に満ちている。 テーブルに頭を打ちつけ、痛みと時間で熱が収まるのを促そうとした。結果は、頭痛が 酷くなって額から血が滲み出てきただけだった。 「いでぇ……」 愚の骨頂って言葉は、今の自分に適しているかもしれない。 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/皿゚)_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_ /_/_/ 仕事は既に、終わっている。 自分の住居はここではない。独り身とはいえ、家はある。導き出される、次に取るべき 行動は、"帰路につく"こと。 「……」 「……」 図書館の出入口へ向かう、二人。俺の後ろを俯いたままついてくるリトル。少し振り向 いて、声を掛けようとして、喉がつまり……また歩く。 あれから、会話していない。俺もリトルも。何を話せばいいのかわからない。いや、違 う。リトルの顔を見てしまうと、あの映像が蘇り、全ての言葉が忘却の彼方、だ。 扉が見えた。外に出れば、この重さから解放される。そして同時に、何かが砕け、終わ るとも。 伝える必要があった。 「リトル」 「……はい」 仔猫を思わせる小さな声。背中を向けたまま彼女を見ずに、言を続ける。 「さっきは取り乱して悪かった」 「いえ、あの。私こそあんな、はしたない事をしまして……でも」 「ぁぁ、大丈夫。はしたないとか思ってないし、厭でもないし。寧ろ、踊りたくなる程こ う……なんつーか……あぁ!」 自分の気持ちが言葉にならず、頭を掻き毟る。自分の莫迦さに反吐が出る。 至る所、簡潔かつ直球なものしか選べなかった。 「嬉しかった。初、ってやつだったんだけどさ、俺。相手がリトルなら問題なし。もう癖 になって毎日一回はしてもらわないと気が済まなくなりそうだよハハハハハハッ!」 自分で言って、自分で身体を爆破させたい程、莫迦で下らない。乾いた笑い声が図書館 に響き、虚しさとして耳に戻ってくる。 背中にぶつかる音は、無い。今振り向けば、呆れ顔のリトルが見れるかもしれない。 扉の取っ手を掴み、「お大事にって、主人に伝えておいて」と捨て台詞。 開けば、"おわる"── ──おわらせていいわけ、ないだろう。 扉を開けたいと焦る逃亡の意。踏みとどまれと足を重くする打破の意。頭の中で白い小 人と黒い小人が言い争うなんて喩えがあるが、まさにそんな気分だ。 「ひとつ、聞いていいかな」 また、背中で語る。 「はい」 また、小さな声が背中に刺さる。 「さっきのキスって、俺だから、だよな。だとしたら……俺も同じ考えだ」 「……」 刺さらない。空虚が纏わりつく。 音もなく、腕を捕まれ身体が動かされた。 リトルの手が腕を掴み、自分の身体が半回転し終えた時には、俺達は密着していた。両 手を腰に絡めて離そうとせず、顔は胸元にうずくまっている。 「リトル……」 「あなた以外の方とは、したくないです」 腰を覆った腕の力が少し強くなった。俺の手も、軽くリトルの柔らかな髪を撫でると、 軽い喜びの音と共に身じろぎした。 「俺も、リトル以外は願い下げだ」 顔を上げたリトルと視線があい、笑う。互いの鼻先が触れ、息が二人の熱を共有する。 ただ、後悔はあった。 「しかし、情けないな俺も。自分から切り出すつもりが、リトルに言わせてしまうとは」 切り出す気があっても、逃げ腰だったのが現実。 「雑誌の受け売りですけど……女の子って、想いが強ければ強い程、男の人よりずっと大 きくなれるんですよ」 「確かに、今のリトルは俺の何倍も大きくみえるよ。いいのか? ヘタレな俺で」 わざとらしく、自分を謙らせて悪戯めいた笑いに頬が少し膨れる。ただ、その上目遣い はすぐに、惚けて潤み、蕩ける。 「私には……あなたしかいません。見えません。存在しません」 「ぅ……」 熱視線に気おされる。が、それが悪戯返しだとニヤけた表情に切り替わって理解した。 してやられたと、眉間に皺が寄る。 「そう言われたら、どうします?」 「押し倒して、今夜は寝させないぞ。まである」 「期待してます」 緊張感が無くなり、異常に負担をかけていた膝から力が抜ける。本棚に寄りかかって座 ると、リトルも俺に乗りかかる形で座った。優艶さ漂う吐息が、一寸先は俺の首と、暖か にくすぐってくる。 「私は……魔族です。正真正銘の悪魔です」 「知ってる」 知っているが、俺にとっては関係の無い事。魔族でも悪魔でも。 「でも、それ以前に女の子なんです」 「わかってる」 わかっているからこそ、種族なんて意識せず、俺は接してきた。 「女の子は、大好きな人の事を想うと──溶けちゃうんです。溶けて……大好きな人と同 じ色になっちゃうんです。わかって、頂けますか?」 「……俺の色はかなり酷いぞ。後悔するなよ」 「はい──」 顔を引き寄せ、今度は自分から押し付ける。リトルは拒まず、受け入れてくれた。微か に涙ぐんだ瞳で求めてくる目の前の女の子に激情をかられ、手が柔軟な肌の感触を欲し始 めて震えだす。 理性が本能に蝕まれていく。これが男の"さが"というものなのか── 首筋が、冷えた。とても、金属質な冷たさ。 「業務時間は過ぎました……が、何をしてるんでしょうか?」 紅魔館のメイド長がいた。 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/△')_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ 一ヶ月待った、と聞かされた。 俺もリトルも、互いに意識はしていたものの、主人の存在が壁になっていた。加えて持 病の喘息がここぞとばかりに表に出ず、好調だった。本来ならば喜ぶべき話だが、なんと も複雑な期間になってしまっていた。 更には、主人は俺の事を気に入ってくれていたようで、お陰で長期の図書館内業務を受 ける事ができた。そんな主人の俺に対する感情が、リトルにとっては焦燥感そのものだっ たらしい。そして主人の急な体調不良が引き金になった。なんとも、愛らしい話だ。 「──女性のいる前で、他の子を想い耽ってると嫌われるわよ?」 「むぉっ!? これは失礼しました」 館を、木々を、萌える若草を照らす太陽。涼しい風と穏やかな雲の流れ。外に足を向け るには絶好の日和。 「とりあえず、まだ準備に時間かかるようなので、ここで待ちます。メイド長はここにい て大丈夫なんですか?」 「あなた達二人を見送るのも仕事よ。一通りの人員管理も私の役目ですから」 紅魔館の正門前。外出を許されたリトルを待つ俺……と、メイド長。館の上層部が来て るとあってか、普段ボーっとしている門番も胸を張って仁王立ちしている。 「色々とやる事多くて大変ですね。お疲れ様です」 「そう思うなら、厄介事は増やさないでね」 笑顔だが、語気が強い。実直に頭を縦に振った。 「本来、職場恋愛は厳罰なんですから。お嬢様に毎日の感謝をお忘れなきよう」 「わかってますよ、命の恩人ですし」 「一言余計です」 「失礼」 メイド長に発見された後── 問答無用で蹴り飛ばされた俺は意識が吹っ飛び、そのまま無数のナイフに刺されて三途 の川に直行だったはずだが、リトルが本気で大弾投げて騒然となったらしい。翌日、俺の 意識が戻った後、メイド長に連行されて紅魔館当主から処罰を言い渡されたのだが、『そ の程度、目くじら立てる程ではないでしょう、好きになさい』と放任発言。さすがのメイ ド長も豆鉄砲を食らっていた。 そして、公にリトルの"お相手"として認められてはや数日。 図書館の主人は一向に調子が良くならず、今し方長い銀髪の女性が有名な薬剤師のもと へ連れて行くと、背負っていった。 俺とリトルも同行しようとしたのだが、『あんたら分の送迎が面倒だよ』と一蹴されて しまった。要するに、"ひま"が出てしまった。 「まぁ、たまの休みだから羽を延ばしていらっしゃい。お役目も忘れないようにね」 「了解しました」 当主直々から『お遊びついでに、リトルに館外の知識を見せて来なさい』と命令? を 受けて今に至る。『霧雨と博麗という女には近づかないように。いらぬ無駄知識しか増え ないわ。百害あって一利なし、よ』と釘も刺された。 大きく背伸びをして……見れば、はにかむ笑顔。 「お待たせしました。あの……変じゃ、ないですよね?」 「何言ってんだ。似合いすぎて言葉が見つからないぞ」 喜び、笑うリトル。外の眩しい日差しは、彼女の輝きと同化する。 黒き翼に純白のワンピース。白と黒のモノトーン調というのは、格好良くもあり、綺麗 でもあり、可愛くもある。語ろうとして語りきれるものではないだろう。 「行ってらっしゃい。道中、気をつけなさいよ」 「わかりました」 深々と頭を下げて一礼し、メイド長が館の奥へ消えていく。ここからは、二人の時間が 始まるんだと、手を差し伸べた。 「行こうか。丸々一日、遊び倒すぞ」 「はいっ」 勢い良く抱きついてきたリトルを回転しながら抱え上げ、大きく一歩を踏み出す。 遠くに見える木々が風でなびく。俺とリトルの出発に手を振って送ってくれた。 ──想うんだ、俺は。 黒い翼の天使がいてもいいんじゃないかと。なんつってな── 7スレ目 564 小悪魔「はい、これが私との契約書です♪」 ○○ 「おう。」 小悪魔「本当に?本当に私が主側の契約でいいの?」 ○○ 「君はすでにパチェの従者だ…君と絆を作るには、 俺が君の従者になるしかない。」 小悪魔「う、嬉しい…」 (にこ…) ○○ 「で、何処にサインすればいいんだ?」 小悪魔「サインではなく…○○さん自身の血で血判を押してください。 ココに…レミリア様の認可印がありますね、その脇です。」 ○○ 「ここだな。」 俺はこのとき、契約書をよく読みもせずに、指を軽く噛み、自分の血をにじませて、 小悪魔のいわれるがままに血判を押してしまう。 (ぺたっ) 小悪魔「できたー♪」 これでめでたく、俺と小悪魔の主従関係契約が成立…したはずなのだが… ○○ 「おかしいな…何も変わった感じしないぞ…」 小悪魔「はい、だってこれ婚姻届ですから♪」 ○○ 「ぶっ」 小悪魔「悪魔との契約に期限も解約もありませんからねっ!幸せにしてくださいね!」
https://w.atwiki.jp/pata3finn/pages/780.html
(おおがらのあくま)※仮名です。作中では言及されていません【Big Demon】 ナイトスフィアに住む悪魔の一人。周りの悪魔よりやや大きな体躯。口が“+”のような形。 ※注意※作品内容に関するネタバレ記述あり 魔王との謁見を目指す悪魔たちの列に並んでいた。彼の前に行こうとするフィンたちに対し脅しをかけた。(#43-A) 魔王(魔界のお守りによって魔王と化しているマーセリン)との謁見で、体を半分にされた。(#43-B) タグ:キャラクター
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/3379.html
悪魔城伝説 【あくまじょうでんせつ】 ジャンル アクション 対応機種 ファミリーコンピュータ メディア 3MbitROM+64kbRAMカートリッジ 発売・開発元 コナミ 発売日 1989年12月22日 定価 6,500円 配信 バーチャルコンソール【Wii】2009年4月21日/500Wiiポイント【WiiU】2014年4月16日/514円 判定 良作 悪魔城ドラキュラシリーズリンク 概要 ストーリー 主人公とパートナーになる3人の特徴 新規、古参プレイヤーに対する配慮 評価点 賛否両論点 問題点 総評 海外版 移植・配信 関連作品・外部出演 余談 概要 FC版『悪魔城ドラキュラ』シリーズ3作目。他機種での初代『悪魔城ドラキュラ』リメイク移植作なども含めたシリーズ通算では6作目にあたる。FC版3作の制作スタッフは同じであり、当初タイトルはゲーム雑誌で『ドラキュラIII』と発表されていた(*1)。 FC版2作目『ドラキュラII 呪いの封印』はアクションRPGだったが、再び初代同様のステージクリア型の純アクションとして作られた。 従来の作品同様、意図的に融通が利かなくなっている操作性から来る高い難度と全体に漂うゴシックホラーな世界観がウリ。 仲間になるパートナーキャラクターやステージ分岐、VRC6音源によるFCとは思えない驚きのBGMなど、数々の新システム・要素が惜しげもなく詰め込まれており、シリーズの中でも屈指の人気を誇る作品となった。 ストーリー 15世紀、ヨーロッパ。この暗黒の世に、恐るべき人物がいた。 トランシルバニアの「ヴラド・ツェペシュ」またの名を、ドラキュラといった。 殺戮をよろこびとし、破壊の限りを尽くすことに飽き足らなくなった彼は、 遥かなる太古に失われし魔法を復活させ、暗黒邪神をこの世に呼び覚ました。 狂王は邪神の力を借りて、忌まわしき魔物を次々と世へ送り出し、 ワラキア全土を暗黒と、殺戮の地へと変えていった。 そして自らの野望に狂った王は、 ついにはその魔の手をヨーロッパ全土に広げようとはかったのであった。 この地を汚し、血で染めようと… このことを重くみた正教会は、ただちに手を打って、軍隊を送り込んだ。 また、かの地でも、ドラキュラに対して、戦いを挑もうとする者たちがあった。 だが、しかし、誰一人として生きて戻ってきた者はいなかった… なす術の無くなった正教会は、 ついに、真正ヴァンパイア・ハンターと呼ばれるベルモンド家に、ドラキュラ討伐を委ねることを決意した。 ベルモンド家とは太古まで遡る古い血筋を持ち、 忌まわしき者たちとの戦いの中で生き延びてきた一族であった。 しかし、そのあまりにも人間離れした能力のために、人々からは恐れられ、うとんじられてきた。 そのため、いつしか人々の前から姿を消し、久しい間彼らを見たものはいなかった… 教皇はあらゆる手を尽くしついに、ベルモンド家の血を受け継いだ人間に巡り合うことができた。 その若者の名は、「ラルフ・ベルモンド」であった。 シモン・ベルモンドの時代を遡ること100余年、 ドラキュラと人間の戦いが、今ここに始まろうとしている… (※デモ画面より抜粋) 主人公とパートナーになる3人の特徴 ラルフ・C・ベルモンド 本作の主人公。鞭と5種類のサブウェポンを駆使して戦う。 初代のシモンとほぼ同じだが、鞭の振りと連射性能が上がり、振ってからしゃがむ(立つ)ことで範囲攻撃出来るようになったりと扱いやすくなった。特別飛び抜けた性能は持たないが、どんな場面でも対応しやすいバランスの良さは主人公ならではである。 グラント・ダナスティ 移動速度とジャンプ力に優れ、空中制御も可能。壁や天井に張り付いて移動することもできる。小柄なため当たり判定も小さく、1マスの隙間があればどこへでも入っていくことができる。 メインウェポンはラルフのサブウェポンと同性能の短剣(連射不可)で回数制限がない。天井に張り付いている場合は真下に投げる。サブウェポンは斧(2連射まで)と懐中時計の2つ。 サイファ・ヴェルナンデス 打たれ弱いが、攻撃力で他の追従を許さない魔法(サブウェポン扱い)が使える。「炎」、放射状に放ち触れた敵を凍らせる「冷気」(凍った敵は足場にもなり杖の一振りで粉砕できる。また、流水のギミックを一時的に凍らせることができる(流されなくなり上に乗れる))、敵を自動追尾する「ライトニングオーブ」の三種類。特に冷気魔法を使ってアックスアーマーやホワイトドラゴン、ケセランパサランを粉砕するのは病み付きになる楽しさ。 メインウェポンは杖で、リーチは短いが振る速度が速いため、単位時間でのメインウェポンによる火力は最強である(接近するリスクが非常に高いので、これが活きる場面はあまりないが)。 アルカード ドラキュラの息子にして父親によって強引に悪魔の洗礼を受けさせられた元人間。 ハートを消費してコウモリに変身し、空中を自由に飛び回ることができる。ラルフが攻撃を受けて吹っ飛んでいる状態でも交代して変身できるため、落下死回避能力にも優れる。 メインウェポンはショット弾で、パワーアップすると最大3方向に打てるようになるが、一発の攻撃力は低い。さらに階段に乗っているときは攻撃が出来ないという欠点があり、サブウェポンは懐中時計だけしか使えず、他の二人よりも戦いには向かない。但し、メインウェポンのレベルが上がると、最終ボス戦で足場に乗ることなくダメージを与えられるなど、応用次第で多様な攻撃ができる。 新規、古参プレイヤーに対する配慮 FC版前2作はディスクシステムでの発売だったこともあり、本作で初めて悪魔城シリーズに触れるプレイヤーも多かった。 その点を考慮したのか、『悪魔城ドラキュラ』と同じシチュエーションが存在したり、ストーリーが一新されてシリーズ未経験、古参プレイヤーどちらにも受け入れられやすい内容となった。例を挙げると… 本作のストーリーが『悪魔城ドラキュラ』よりも昔の設定になっているのは新規プレイヤーを考慮しての事であろう。 悪魔城城内2番目のブロックは『悪魔城ドラキュラ』のブロック1と似た雰囲気で、BGMも「Vampire Killer」のアレンジである「Dejavu」(こちらはゲームのサウンドテストでの曲名で、後述の完全版サウンドトラックでタイトルが正式に定められ、「Dejavu -Vampire Killer-」に改題)が流れる。 『悪魔城ドラキュラ』で登場したボスは「類似、同一の者だがパターンが変わったり変身したりする」、あるいは「別の存在だが行動パターンが似ている」という形で全員登場する。 評価点 特定のステージをクリアするとルートが分岐し、任意に選択できる。 寄り道的なものから中盤の展開がガラリと変わるものまであり、単純に比較すれば、初代が全6ブロックなのに対し、本作はなんと全15ブロックと大幅にボリュームが増した。 ルート分岐は専用の画面で行われ、地図や分岐先のイメージ絵も表示されるので視覚的に解りやすくなっている。 様々なステージギミック。 乗ると回転する床、巨大な歯車や時計の振り子に乗って進む場面、シーソーのような仕掛け、立っていると体が沈んで行く沼地、床を溶かす水滴、徐々に崩れていく床、強制的に上や下へスクロールさせられる場面(取り残されるともちろんミス扱いとなる)、徐々に水没していくステージなど多彩。 雷雲が光っているときに短剣を投げると、短剣目掛けて落雷が発生し、ボスに大ダメージを与えるというような仕掛けまである。 ただひたすらにストイックであった初代に比べ、その良さを削ぐことなく程よいアクセントとなっている。 世界観にマッチしていて、かつ個性的な敵・ボスキャラクター。 複数の棺の中の怪物に次々と憑依する形で連戦になるボス「デスファイア」「デスファイアキング」は特に印象深い。 凄まじい耐久力を持ち行く手を邪魔するケセランパサランや、パートナーを含むプレイヤーキャラと同じ姿・攻撃をするドッペルゲンガーなど、後のシリーズで度々登場する敵も本作初出。 『悪魔城ドラキュラ』で登場したボス達も容姿や攻撃方法などを変えて再登場。「死神」は今回も終盤の難関ボスとして立ちはだかる。 特定のステージでパートナーを加入させることが出来るようになった。ただし同時に連れていく事が出来るのは一人のみ。 パートナーはセレクトボタンでいつでも交代でき、特長を活かせる場面で交代していくことで有利に進めることができる。 パワーアップ状態やサブウェポンは個別に管理されるので、サブウェポンの使い分けもできる。 ライフとハートは二人で共有する。これによってより一層「協力しあっている」感が演出されている。 パートナーはそれぞれ長所・短所はあるものの、総じてラルフの欠点を補える便利な能力を持っているので、初心者の救済措置に一役買っている。 セーブ機能はないが、4×4のマスに3種類のアイコンを配置するという単純で解りやすいパスワード方式を採用している。 3種類のアイコンもメモ帳やノートに描きやすいものが使われている(*2)。 大容量(当時)3MbitROMに加え、独自に開発した拡張チップ「VRC6」を搭載。 グラフィック面のみならず、音源も拡張させることができる。実際に曲を聴くとそのレベルは別次元であり、それによって生み出された「Beginning」は「Vampire Killer」、「Bloody Tears」と並ぶシリーズ三大名曲と呼ばれる。その他の曲も総じて高いレベルでまとまっており、「全ての曲が名曲」と言っても過言ではないほど。 具体的には「Aquarius」「Clockwork」「Riddle」「Mad Forest」辺りの人気が高く以後のシリーズで何度もアレンジされて使われている。 前述の「Dejavu」は音源によって原曲に比べて同じファミコン作品とは思えない程、厚みのある曲にグレードアップしている。機会があれば聞き比べてみてほしい。 VRC自体は以前よりコナミ製のゲームに搭載されていたが、音源が拡張されたのは今回が初めてとなる。 「SCC」という拡張チップも搭載されている(*3)。64kbRAMとしても使えるので3M+64kbというように記載されたりもするが、これは単純にバンクメモリとして使われているのみ(*4)。 賛否両論点 初代に劣らずの高い難易度。 求められるアクションスキルは高いものの、パートナーの存在により難易度を抑えることは出来る。 また、初代は4面以降は敵の攻撃に4回当たるとミスになっていたが、ラルフ基準で見ると本作ではボスを含めて敵の攻撃力が全体的に抑えられており、回復アイテムが隠されている場所も増えているので、パートナーも駆使すれば難易度は初代より格段に落ちるだろう。 グラントの能力が高いため、彼をメインに使っていると難易度が落ちてしまう。ただし、これは初心者への救済措置と好意的に捉える意見が多数である。 しかし、グラントはメインウェポンを外した時に隙が大きく、他のキャラに比べて動きに若干癖がある。また、ジャンプ攻撃が他のキャラであればジャンプの頂点で出していればほぼ事足りるが、グラントの場合は頂点より少し低い場所で攻撃しないと当たらない場合がある(ドラキュラの第一形態がわかりやすい)ので、グラントのみだと却って難しくなる場面もある。 因みに海外版ではグラントは大幅に弱体化されている。スタッフ側は調整不足と認識しているようだ。 ゲーム本編に関わることではないが、ストーリーに従来作品の設定とは異なる部分が存在する。 過去に一度、ドラキュラはこの世に復活した。しかし、ドラキュラの全世界を暗黒の雲でおおい、闇の世界に君臨しようとする野望は、英雄クリストファー・ベルモンドによって打ち砕かれたのであった。 ドラキュラがクリストファー・ベルモンドとの死闘に敗れ、トランシルバニアの片田舎に再び眠りについて百年がたとうとしていた。 (悪魔城ドラキュラの説明書より引用) 今作は「シモン・ベルモンドの時代をさかのぼること100余年」というストーリーであるが、初代『悪魔城ドラキュラ』ではシモンの100年前はクリストファーであり、「過去に一度ドラキュラはこの世に復活した」となっていた。 『ドラキュラ伝説』ではクリストファーが主人公だが、ドラキュラが復活するのではなく「ドラキュラが魔王になった時代の話」となっていた。 つまりこの三作品のストーリーにはそれぞれ異なる設定があり、「ラルフ→クリストファー→シモン」という系譜は本来ならありえないのである。 ただし、この矛盾に関しては一つ興味深い説があるので、下記に挙げさせていただく。 + ... シモンの100年前はクリストファーであり、ラルフ・C・ベルモンドの「C」はクリストファーのCである。先述のように本作は初代『悪魔城ドラキュラ』『ドラキュラII』と同じ開発による正統続編であり、本来タイトルは『ドラキュラIII』、主人公は「クリストファー・ベルモンド」になるはずが、別の開発チームの『ドラキュラ伝説』の出現によって名称変更を余儀なくされたと思われる。 同じシモン主人公でもストーリーは多少異なる作品が複数作られているように、『悪魔城伝説』も『ドラキュラ伝説』も本来はクリストファーの話なのである。 なお「3作目で過去にさかのぼった原点話かつ集大成」という手法は当時『ドラゴンクエストIII』でも見られた。 というもの。いかにもありえそうな話だがあくまで矛盾を解消するために考察された説に過ぎない。仮に制作者が肯定するようなことがあっても、コナミ公式では後にラルフとクリストファーは別人ということになっている。 2000年前後頃は作品毎の矛盾にしっかりとした整合性をとらず、公式サイトのシリーズ紹介でも「パラレルワールドなのかもしれません」とコメントしていた。 その頃まではシリーズを統括する部署が存在しておらず開発チームの一存で設定が作られていた。シリーズ設定が管理されるようになったのはPS『悪魔城年代記 悪魔城ドラキュラ』でIGA(五十嵐孝司)氏がプロデューサーに就任して以降。 年表も『悪魔城伝説』と『悪魔城ドラキュラ』の間の出来事として『ドラキュラ伝説』を置き、「ドラキュラが魔王になった」という矛盾については触れないという曖昧な扱い。 現在の公式の年表でも『悪魔城伝説』内ではあくまで元のままシモンの約100年前としつつ、全作の整合性をとった年表では本作をシモンの約200年前に置いている。 血筋ではラルフ・C・ベルモンドとサイファの子孫がクリストファー・ベルモンドであり、クリストファー・ベルモンドの息子ソレイユの子孫がシモン・ベルモンドになっている。結末が4つ存在し、その後をプレイヤーの想像に任せる『悪魔城伝説』において、その後を公式自らがどれか一つに確定させる行為は本来するべきではないとする意見もある。 ただし、後に探索型アクションRPGとしての側面を強めていくことになる悪魔城シリーズにおいて、統一したストーリーラインを設定する必要に迫られていたのも事実である。 ちなみに『Grimoire of Souls』では「ラルフ達の戦いは文献等の記録にほとんど残らなかったことで大衆から忘れ去られ、シモンの時代では『クリストファーこそがドラキュラを初めて討伐した男』という認識が広まっていた」という設定が加えられた。 問題点 パートナーチェンジにかかる時間が概ね5秒ほどと少々長い。 単独でならそう長いわけでもないのだが、頻繁に行う場合はややテンポを損ねてしまう。 サイファの「ライトニングオーブ」のバグ(?)。 「ライトニングオーブ」を撃った際に、攻撃判定が消えた光弾が画面内を延々と飛び続けることがある。画面から全ての光弾が消えないと次を撃つことが出来ないため、厄介な現象である(特にボス戦でボスに密着して撃つと起こりやすい)。 パートナーチェンジをすれば強制的に消すことが出来るので致命的ではないが、前述のようにチェンジする時間が少々かかるので鬱陶しい。 アルカードルートの操作キャラによる難易度の違い アルカードルートには空を飛べば楽に行けるよう調整されているステージがあるが、アルカードが居なかったり飛べなかったりすると難易度および所要時間が極端に変わる。 特に顕著なのが上から落ちてくるブロックの積み上げを待つ場面(*5)で、飛べばすぐに抜けられるのだが、飛ぶ手段がないとかなり長い間ブロックの積み上げを待たなくてはならないため、途中で死んでやり直しになるとダレやすい。 ちなみにこのステージは積み上げを考慮しないとしてもトップクラスの長さと難しさを誇っている。 ブロックの落ちてくる順番は固定(途中から落ちてくる順番が変わるため2パターンある)なので、それを覚えてしまえば時間は掛かるが難しくはない。また、一列ずつ積み上がっていくため、直前に落ちてきたブロックの上にはみ出さないように乗れば、その列が埋まるまでは安全である。 ブロック7のボス「デスファイアキング」の3体目は「レッサーデーモン」なのだが、大ジャンプしてくるこの敵をジャンプの頂点(画面最上部)でトドメを刺してしまうと、デスファイアキング本体の魂が爆裂した後、出現するはずの魔力の玉が出現しなくなり、タイムアップを待つしかなくなってしまうという不具合がある。 総評 FC三部作の最後を飾るにふさわしい素晴らしい作品。 「FCでもここまでできる」というグラフィックとBGMは、観るだけではなくぜひとも実際に体験してその凄さを感じてほしい。 難しさは相変わらずだが、これだけ毛色の違うパートナーが3人もいれば、きっと自分のプレイスタイル(腕前)に合ったキャラクターがみつかるはず。 海外版 タイトルは『Castlevania III Dracula s Curse』。 主人公の名前が「Trevor(トレバー)・C・Belmont」になっている。 「聖なる鞭をポルターガイストキングなる者から授かった」とされる妙な設定が追加されている。 難易度大幅上昇。敵から受けるダメージ量が全体的に増加、敵弾の高速化等。アイテムの配置などにも変更があり、サブウェポンが短剣に置き換わっている場所が多い。 特に二周目から登場するメデューサヘッドに代わる敵の動きがランダム化されているため、一部の箇所は突破が完全に運に左右される。 ネームエントリーでは全5種のチートコードネームが追加された。 拡張チップに音源が搭載されていないため、楽曲のアレンジが違う。これは海外版FC、つまりNESはカートリッジからの音声入力ができず、拡張チップもVRC6からMMC5へ変更されているため。音のみならずグラフィックも若干パワーダウンしている。(*6) グラントのメインウェポンが近距離攻撃のナイフに変更され(別途サブウェポンに短剣が追加)、壁や天井に張り付いての攻撃にサブウェポンとハートが必要になる等、若干弱体化している(通常攻撃の連射がよかったり、サブウェポンが三連射できたりと強化されている部分もある)。 右手と左手で交わしていたパートナーとの奇妙な握手は修正された。 移植・配信 Wii/Wii Uのバーチャルコンソールにて配信されている(*7)。また、携帯電話アプリにも移植されている。 海外では、本作を含むNES三部作とNES版魂斗羅2作のセット『Konami Collector s Series Castlevania Contra』(Windows版)が発売された(『Castlevania』と『CONTRA』で「C C」というコラボ的なパッケージである)。 2019年5月16日発売、ダウンロード専用「悪魔城ドラキュラ アニバーサリーコレクション」(PS4,XBOX ONE,STEAM,NINTENDO SWITCH)に収録され、後に海外版も併せて収録された。 関連作品・外部出演 後のシリーズ作『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』はアルカードが主人公。 『悪魔城伝説』ではドラキュラもアルカードも暗黒邪神崇拝の儀式によって吸血鬼になったこの時代の人間だったが、『悪魔城ドラキュラX 血の輪廻』ではリヒターの時代に800歳(=ラルフと戦った時点でドラキュラは数百歳)という設定になっており、『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』はこれを反映してアルカードは産まれながら吸血鬼ハーフということになった。以降の作品ではドラキュラXの設定が継承されていく。 アルカードの設定だけでなく、外見を含め有り得ないくらい大幅な変化を遂げている。 同作内ではリヒター・ベルモンドについての話を振られたアルカードが、悪魔城伝説のゲームグラフィックそのままのラルフを連想しているというネタが有る。 ラルフ、グラント、サイファの姿に化けたフェイクのボス敵も出る(グラフィックも作品に合わせてリファインされている)。 後に本作の前日談としてGB『悪魔城ドラキュラ 漆黒たる前奏曲』、後日談としてPS2(海外ではXbox版も)『悪魔城ドラキュラ 闇の呪印』が発売されているが、どちらも本作の制作スタッフは1人も関わっておらず、ゲーム的にもほぼ無関係な別物である。 『漆黒たる前奏曲』ではアニメ風デザインによる新たなアルカード、『闇の呪印』では小島文美氏デザインによる新たなラルフが登場。 『闇の呪印』ラルフはパチスロ版『悪魔城ドラキュラ』シリーズでも登場する。パチスロ機「I」「II」は「闇の呪印のラルフ視点」という半ばオリジナル設定なのに対して、「III」は『悪魔城伝説』ベースとなっていて、ストーリーも同じものが使われている。 「III」では新たにサイファ(*8)とアルカード(*9)も味方キャラとして液晶演出に登場するが、グラントだけはストーリー文にしか登場しない(*10)。なお、グラント自身はその見た目のせいか、後述のアニメ版では存在そのものが抹消される等、外部出演の機会に恵まれてない。 また、後の『ロードオブシャドウ』シリーズは本作を含めたリ・イマジネーション作品でもある他、Netflixで配信中のアニメ『悪魔城ドラキュラ-キャッスルヴァニア-』は本作をモチーフにしている等、キャラクターの外部出演の多さも相まって近年ではシリーズの中でも最も優遇された作品と言えるだろう。 アニメ版ではトレバー・ベルモンドを置鮎龍太郎氏が、アルカードを三木眞一郎氏が演じており、悪魔城ファンからは「配役が逆では?」とツッコまれたとか。(*11) 『悪魔城ドラキュラ ジャッジメント』にはラルフ、グラント、サイファ、アルカードの4人も参戦している。 この作品ではキャラクターデザインを漫画家の小畑健氏が担当しており、グラントがデスノートの死神レム似で頭にバンダナを巻かず代わりに全身に包帯を巻いている、サイファに至ってはきつい性格の女騎士風などデザインは従来のイメージとは大幅に異なる。 一方でアルカードは『月下の夜想曲』がベースとなっている。 音楽ゲーム『ポップンミュージック18 せんごく列伝』にて、上記パチスロ版の楽曲の担当としてラルフが登場している。プレイヤー使用も可能。 ただし、このラルフは同シリーズに登場済のシモンのモーションの使い回し(3Pカラー扱い)であり、デザインは『闇の呪印』およびパチスロ版のラルフを元にしている。 その後、パチスロ版のシリーズ展開に合わせて『ポップンミュージック19 TUNE STREET』『ポップンミュージック Sunny Park』にも彼の担当楽曲が収録されている。 『モンスター烈伝 オレカバトル』のドラキュラ戦のBGMにおいてこのゲームのBGM「Beginning」のアレンジが使われている。原曲はドラキュラにアイテム「壊れた懐中時計」を持たせると聴ける。 ゲームブック『悪魔城伝説 真正バンパイアハンター』ではラルフの数百年後が舞台で、オリキャラのシド・ベルモンドが主人公。仲間はグラントの子孫、サイファの子孫、アルカードの子孫。 余談 徳間書店のファミコン情報誌『ファミリーコンピュータMagazine』1990年7号(4月6日号)では「地下道のブロックが降ってくる区間で、そのブロックを使ってテトリスができる」というトンデモなウソテクが掲載された。 この号は創刊100号の記念号でもあり、まさしくそんな号を飾るかのような豪華なウソテクであった。 上述したアルカードルートにおけるブロック積み上げステージの難しさは、CS番組『ゲームセンターCX』にて有野課長が挑戦した際にこのステージだけで 8時間 も費やしながら結局クリアできなかったというエピソードからも窺える。 評価が高いのにサントラに曲が個別収録されたことがない作品でもある。 サントラ収録は「悪魔城ドラキュラ ベスト」が初出で収録方法が場面毎に分かれ、ラルフが階段を登る音・教会の鐘の音・軋みながら開く扉の音などが間に差し込まれた曲のみを聴きたいユーザーには不満の出る構成になっているのだが、以降のCDでも何故かこの音源を再録している。(*12) 値段の高い完全版であるはずの「悪魔城ドラキュラ Best Music Collections BOX」でもやはり再録の使い回しとなっていた。 Amazon.co.jp限定となるが、2021年12月15日に「Music from 悪魔城ドラキュラ 黒」にてついに、分曲による完全収録が実現した。 ただしこちらは13枚組ものCD-BOXにもなるのでこれだけのために買うのは少々厳しい。(全タイトル分揃える場合、別売りの赤の13枚組も合わせた26枚組にもなる。) シリーズプロデューサーの一人であるIGA氏が後にリリースしたBloodstained Curse of the Moonは、パートナーキャラの存在や、画面構成など、本作を意識している部分が見受けられる。 コナミは後にパチンコ、パチスロに事業拡大しドラキュラシリーズも看板シリーズだけあって起用されることとなる。 ドラキュラシリーズのパチスロ第1弾『悪魔城ドラキュラ』は2009年1月にホールに登場することとなるのだが、その主人公にはシモンではなく本作のラルフが起用された。