約 1,225,367 件
https://w.atwiki.jp/2chroyal/pages/134.html
ステマ ~Stealth Murder~ ◆shCEdpbZWw 巛彡彡ミミミミミ彡彡 巛巛巛巛巛巛巛彡彡 | i フッ | ⌒ ⌒ | | -・=- , (-・=- | (6 ⌒ ) ・ ・)( ^ヽ | |. ┏━━┓ | あーあー、まったくかなわんわー ∧ | ┃ヽ三ノ ┃ |/\\ヽ ┗━┛ ノ/ \ \ヽ. ─── /|\ ノ7_,,, 、 (⌒、"⌒ソ⌒ヽ- イノ `、 ( ィ⌒ -'"",う ~''(_)(_)(_)(_)ソ-ィ ヽノ ,イ^ _ヽ /`、_, ィ/ ヽ ヽ─//,ィ'"/ / `、 ) / / i 愚痴るようにして関西弁の男が起き上がる。 プロ野球選手、中村紀洋――御年39歳。 高校時代には無名の公立高校を甲子園へと導き、プロでは390本のアーチを描いてきた。 ほんの僅かとはいえ、メジャーのグラウンドにだって立った、そんな一流のアスリートだ。 にも関わらず、世間の彼に対する風当たりは冷たい。 彼に付き纏うイメージは幾度と無く行われた"銭闘"行為などからくる黒っぽいものであった。 だが、そのことを彼は気にも留めない。 39歳の自分がプロ野球の舞台で第一線で働けるのももう残り僅かという自覚があった。 超一流の証である400本塁打、そして2000本安打にもう一歩というところまで迫った今。 彼は「ノリさん」という名の持つブランドイメージをそんな黒さを吹き飛ばすほどの輝きを持たせねばならぬと考えていた。 そのためには懐に憂いを感じることなく野球に打ち込めるだけの収入は必要不可欠だ。 引退後の身の振り方も定まっていない今、プロとして"カネ"にこだわる彼の姿はある意味で正しい。 チームは今年も惨たらしく負けを重ね続けた。 それでもなお、プロである以上は最高の状態でグランドに立ち続けねばならない。 リターンにこだわるプロだからこそ、そこに至るまでの準備だって当然手は抜けない。 だからこそ、消化試合だった残りの試合や秋に控えるキャンプでもう一度鍛えなおそう。 ノリさんはそう考えながら自宅で眠りについた……はずだったのだ。 ……が、気がついたら何やら訳の分からない場所にいて。 そこで唇の特徴的な変な男に殺し合いをするように命じられ。 まるで見せしめにでもするかのように3人が殺されるのを見て。 そしてまたそこで意識が飛んで現在に至る。 「何でワイがこんなことに……」 思わず愚痴るノリさんだったが、そんなことで状況が好転するわけがない。 何せ、口にした通り自分が殺し合いに巻き込まれる心当たりなんてないからだ。 プロ野球の世界はある意味で生存競争である。 レギュラーの枠を巡って……それはつまり自らの生活、いや人生を賭けての争いだ。 そんな世界に20年以上身を置いて生き残ってきたノリさんとはいえ、本当に生命を賭けての争いなど経験が無い。 「と、とにかく……誰かに襲われたらたまらんからな」 自分から打って出るにしろ、あるいは向かってくる敵を迎撃するにしろ。 手持ちのカードを確かめてみないことには話が始まらない。 早速ノリさんが傍らのデイバッグに手を突っ込んだ。 「何やこれは……名簿、か?」 ズラリと65人の名前が連なった名簿を手にノリさんは首をかしげる。 それもそのはず、「中村紀洋」で探したところでその名前で彼は掲載されていないのだから。 数分名簿とにらめっこをしたノリさんは、ようやくその他の名前が凡そまともな人間の名前でないものが多いことに気づく。 「どうなっとるんや……? こんなやる夫やらクマーやら……よ、よるかみつき……か? とにかく普通の人間の名前とは思えん名前ばっかりやないか」 そこに気づいたノリさんは、ようやく自分の名前と思われる「ノリさん」にあたりをつけた。 「つーか、まず間違いなくこれがワイのことやろな。 まったく、面倒くさいことしおって……」 たかだか自分の名前を探すだけで手間取ったノリさんに苛立ちが募り始める。 しばらくそのふざけた名簿と格闘するうちに、あるひとつの名前に目が留まる。 「……これって、もしかしてあいつのことやないか……?」 ノリさんが指差す先にある名前は「加賀」だった。 「なんであいつも殺し合いさせられとるんや……?」 ノリさんは自分と「加賀」の共通点を必死に思案する。 つまり、ノリさんの脳内はこうだ。 確かに「加賀」はベイスターズのチームメイトだ。 だが、ポジションも違えば年齢もかなり離れており、その他大勢のチームメイト、それ以上でもそれ以下でもないのがノリさんの認識だ。 そんな二人がこの殺し合いの舞台に呼び出されている……それが意味するものとは……? ひとしきりうむむ、と唸ったノリさんではあったが、 「ダメや。全然意味が分からへんわ。 ……まぁ、ワイの知ってるのはこいつくらいしかおらへんしな。 あいつに死なれたらウチのブルペンは本気でヤバいし、何より寝覚めが悪いからな……」 ……というわけで、ノリさんは当面の目標を「加賀」との合流に定めることとした。 これが壮絶な勘違いであることを彼はまだ知る由も無い。 この場に呼び出されているのは、横浜DeNAベイスターズの中継ぎ・加賀繁投手などではない。 太平洋戦争において主力空母として活躍した航空母艦「加賀」であるのだ。 「……って、アカンアカン。こんな名簿なんかに時間取られてしもたわ。 まず、武器や武器! 丸腰は勘弁してほしいからな」 思い直したノリさんが再びデイバッグに手を伸ばした。 しばし、ゴソゴソと中を漁るノリさんだったが…… ぬめっ。 妙な弾力とひんやりした感触を覚えたノリさんは、思わず驚いて手を引っ込めてしまう。 「な、何や……?」 再び恐る恐るデイバッグに腕を突っ込んだノリさんは、えいやとばかりにその妙な何かを取り出す。 「……」 掌の中にあるものを見てノリさんの顔が引き攣る。 ノリさんの手の中にあったもの、それは…… どう見てもこんにゃくです、本当にありがとうございました。 「ちょっ、ふ、ふざけんなや……! おま、こんにゃくでどうやって殺しあえっちゅうねん!?」 思わずツッコミを入れてしまうノリさん。 そのまま地面にこんにゃくを叩きつけてしまいたくなる衝動をどうにか抑えながら呟く。 「ま、まぁ食糧が他人よりちょっと多い、って思えばええんや、うん」 どうにか気持ちを落ち着かせながらさらにデイバッグに手を伸ばすと、ちょっぴりしっとりした紙が一枚。 「ん? これはこのこんにゃくに付いてきた紙やな? なになに……使い方? ご丁寧にレシピでも付けてくれたんか?」 そう思いながら折り畳まれた紙を開いてみる。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ☆ つかいかた ☆ 1.まず、服を脱ぎます 2.そして、直立不動の姿勢をとります 3.上体を後ろにひねりましょう 4.こんにゃくを片手に持って、あとはお尻をペチン、ペチンと叩くだけ! ◎ワンポイントアドバイス 時間は5分から30分くらいかけてやりましょう! 最初は真顔で、終わりのほうは恍惚感溢れる表情だとグッド! 5.使い終わったこんにゃくは細く切って近くの川に流して供養しましょう! ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 巛彡ミミミミミミ彡 巛巛巛彡彡彡彡 | . \、 ,/ #| | 《;.・;》 《;・;.》. .| (6. ⌒ ) ・・)'⌒ヽ6) | ┃iuUuui.┃ ..| / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ┃|,-v-、|┃ | < ナメとんのかああぁぁっっ!! \ ヽニニノ / \__________ ヽlー--ーイ γ⌒" ̄ `Y" ̄`⌒ヽ /´ 、 ¥ ノ `ヽ. さすがのノリさんもついにキレた。 思わず説明書をビリビリと破いてしまう。 殺し合いの武器としてこんにゃくが支給された上に、食品を冒涜する説明書を付けられれば致し方ないのだが。 ノリさんは破り捨てた説明書を地面に叩きつけ、さらにそれをひとしきり踏みつける。 興奮して息を荒げたノリさんだったが、次第に虚しさに心を支配されてゆく。 「はぁ……何をやっとるんや、ワイは」 ため息混じりにこんにゃくをデイバッグへと戻す。 そして、何かきちんと役に立つ武器はないのかと再びデイバッグを探ろうとしたその時だった。 「あ、あのぉ……ベイスターズの中村選手……でちゅか?」 語尾は可愛らしい。 ……だが、その声色は明らかに男のそれである。 ぎょっとした表情でノリさんが声のするほうへと振り返る。 そこに立っていたのは自分より同じくらいの年齢と思われる一人の男。 「あっ、すごい、ほ、本物だ」 その目は有名人に会えたという喜びでキラキラと輝いていたのだった。 * * * 巛彡ミミミ彡彡 巛巛巛巛巛彡彡 | | | ___、 ,_,l | =・ニ , 〔・={ |(6 ` _ 」 } | l ┃' ー-=-'┃ はっはっは、それはそれは……しかし、私がいればもう大丈夫ですよ! | 、 ┃ ⌒┃! |`ヽ、 ヽ、 ━━/ /ト、 フ.7 `ヽ、_ / | ~''x‐''''~~ / `ー/ | ,,イ;;;; 、 / | / | / 「さすが中村選手、頼りになりまちゅわ!」 ――プロ野球選手たるもの、ファンの前では紳士であるべきだ、それがノリさんの思いだ。 ファンに見てもらえないことにはスポンサーがついてこない、ひいては自分の報酬へと響いていく。 一度自分のいたチームが潰れた経験を持つ彼は、そのことを痛いほど理解していた。 だから、彼はファンの前ではあくまで紳士だ。その代わり、フロントにはその分もしっかり要求するのであるが。 「中村選手、なんてそんな他人行儀はやめてくださいよ。 こんな状況なんですから、お互い対等の関係でいきましょう」 「え、ええ……い、いいんでちゅか?」 「もちろんですとも。私と貴方は、この殺し合いの場で信頼し合える仲間にならなければいけないのですから」 ノリさんの目の前にいる妙な口調の男は、やはりというかなんというか、殺しに乗る気はないらしい。 一人心細くこのエリアを彷徨っていたところ、誰かの声がしたのでそちらに行ってみたところノリさんに遭遇した、ということらしかった。 ノリさん自身、殺し合いに乗るかどうかを思案していたところではあった。 (ま、ええか。武器もまだ見つかっていない今は殺しに乗りたくても乗れへんわ) それに、自分に対して目を輝かせる目の前のファンが殺しに乗らないのなら、自分もそうしてみるか、と思いつつあったのだった。 「どうです、是非とも私のことは"ノリさん"と呼んでいただきたい。 幸い、名簿にもそうやって載っていることですしね」 破顔一笑しながら目の前の男に語りかける。 見たところ、平々凡々、取り立てて何の力も持ち合わせていなさそうな一般人だ。 なれば、そこは自分がリーダーシップをとって引っ張ってやらねばならない、ノリさんはそう考えていた。 一応それは建前で、本音では自らが主導権を握って動きやすくなりたい、ということもあったのだが。 「は、はい……! それじゃ……ノリさん、よろしくお願いしまちゅ!」 そんなノリさんの思惑に気づく様子もなく、男は嬉々として頭を下げた。 「えー、それで、ですが。私は貴方のことをなんとお呼びすればいいですかね?」 「あたちでちゅか……? みんなからは"ぼっさん"と呼ばれてまちゅわ」 素直な物言いではあるが、ノリさんにはどうにもその語尾が気になる。 (ええ年して、なんちゅう言葉遣いやねん……) なるたけ棘のないよう、柔らかい物腰でそのことをノリさんは指摘してみるのだった。 「なるほど、ぼっさんですね…… と、ところで……その話し方は何かの癖、でしょうか……?」 すると、ぼっさんは慌てたように首と手を振りながら返す。 「ち、違うんでちゅ! あたちだって、本当なら普通に喋れるんでちゅ! でも、どういうわけか知らないけれど、こんな風にしか喋れないんでちゅ!」 泣きそうな顔をしながらぼっさんが弁解をする。 身体能力も人並み、その頭脳も人並みの彼がこの場で科せられた制限……いや、規制とでも言うべきか。 それは、そのコミュニケーション能力に対して規制をつけられてしまったのだ。 「いい年したおっさんがこんな言葉喋ってたら絶対怪しまれることくらい、あたちだって分かりまちゅ! でも……どうしても普通に喋れないんでちゅよぉ……」 ぼっさんがしょんぼりした表情へと変わる。 (ふぅん……そうとしか喋れへんなんて眉唾もんやが……ウソ吐いてる風にも見えへんわな……) うぅむ……と唸りながらノリさんがぼっさんの表情をうかがう。 「……分かりました、ぼっさんの言うことを信じましょう。 わざとそんな喋りをして怪しまれるんじゃ、ぼっさんにメリットが無さすぎますからね。 もし騙そうっていうのなら、もっと上手くやりますよ」 「よ、よかった……ノリさんに信じてもらえて嬉しいでちゅわ」 ぼっさんが安堵の表情を浮かべたその時。 カツン、と小石がアスファルトを叩く音が響き渡る。 その音に驚いたぼっさんがその身を竦め、ノリさんが音のする方へと呼びかける。 「誰や!!」 状況が状況だけに、"きれいなノリさん"の仮面が一瞬外れてしまう。 (いったい何者や……? こいつは殺しに乗っておらんかったが、次の奴もそうだとは限らへんで……) 身構えながら声のする方を睨みつけるノリさんだったが…… 音のする物陰から姿を見せたのは予想外のものだった。 「……お、女の子?」 きょとんとした表情でぼっさんが声を漏らす。 そう、物陰から出てきたのはパッと見10歳くらい、銀髪にゴスロリファッションに身を包んだ少女だったのだ。 「あ、あの……」 か細い声で少女が声を発する。 先ほどの自分の恫喝に怯えたのか、その身を震わせているのを見て、ノリさんはその行いを反省しながら、 「な、なんだ、女の子か……ゴメンね、急に大きな声出しちゃって」 と、再び"キレイなノリさん"モードに戻りながら声をかける。 (こんなガキまで殺し合いをさせられとるやと……? いったいどういうこっちゃ……?) ノリさんは訝しげには思いながらも、こんなところにか弱き少女を放っておくわけにもいかない。 「おじちゃんたちが怖いのかな? 大丈夫、安心して、ね?」 そうして跪きながら、その両腕を大きく広げる。 包容力のある大人であることのアピールだ。 「大丈夫、怖くないでちゅからね?」 ぼっさんも腰を曲げて少女と目線の高さを合わせる。 なんとかして怯えさせないよう、逃げられないよう必死だ。 二人の努力は実を結んだらしく、まだ少しおどおどした様子ながらも少女が物陰から完全に姿を現す。 つたない足取りでトコトコと二人の下へと駆け寄ってくると、そのままノリさんの胸へと飛び込んだ。 「う、うわ~ん! こ、怖かったよ~!!」 そのまま顔を埋め、しばらく泣きじゃくる。 「無理もないでちゅわ。ただでさえこんな真夜中だっていうのに、殺し合えなんて言われちゃったら……」 その心中を慮ってか、ぼっさんがポツリと吐き捨てる。 よしよし、とその頭を撫でながらノリさんが精一杯優しい声色を作った。 「よしよし、もう大丈夫だから、ね?」 「お嬢ちゃん、名前はなんでちゅか?」 ぼっさんの呼びかけに、依然として泣きじゃくりながら少女は答える。 「……ハルトシュラー」 「ハルトシュラー……あぁ、名簿にそんな名前もありまちたね」 得心したかのようにぼっさんがうんうん、と頷く。 一方、ノリさんの心中はこうだ。 (ハルトシュラー……閣下って確かなっとったな。この髪の色からして、どうも日本人じゃなさそうや) そのまま思考の海へとノリさんは飛び込む。 (閣下、とついとるからには、結構な家柄の令嬢とちゃうんか? つまり、もしワイがこの娘を護ってみせたら……) その時はきっと莫大な見返りがあるはず、ノリさんはそう推測した。 なんとも都合のいい推測ではあるが、今は少しでも都合よく考えておきたかったのだ。 「ハルトシュラー、じゃ呼びづらいから、ハルちゃん、って呼んでもいいでちゅか?」 「おっ、それはいいね。ハルちゃんもそれでいいかな?」 そんなノリさんの心中など知る由も無く、ぼっさんが一つの提案を出す。 特にそれを却下する理由も無い、むしろ警戒心を解くためには必要なことだと、ノリさんもそれに乗っかる。 対するハルトシュラーはしばらく無言で二人の顔を交互に見つめた後、小さくコクリと頷いた。 「……いいよ」 なんとかうまくいった、と安堵の表情をノリさんとぼっさんは浮かべた。 「ありがとうね、おじさんのことはノリさん、って呼んでくれていいからね」 「あたちはぼっさんでちゅ、よろしくね」 笑顔とともにぼっさんが握手をしようと手を差し出す。 しばらく迷いの表情を見せた後、ハルトシュラーはその小さな手でぼっさんの手を握り締めた。 「もう怖がらなくていいでちゅよ。おじちゃんたちが、お家に帰してあげまちゅからね」 「……ありがと」 強張っていたハルトシュラーの表情も、少しずつ和らいでいくのを見て、二人は大きく胸をなでおろしたのだった。 【C-4 東側埋立地路上/1日目・深夜】 【ノリさん@なんでも実況J】 [状態]:健康 [装備]:無し [道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、こんにゃく@ニュー速VIP、参加者名簿@現実、不明支給品0~1 [思考・状況] 基本:生き残る、人前では殺しに乗らない 1:ぼっさんと共にハルトシュラーを保護、生還して見返りを狙う 2:加賀を探し出して合流したい ※こんにゃく以外の不明支給品は確認していません ※参加者の「加賀」をベイスターズの加賀投手のことだと勘違いしています 【ぼっさん@ニュース速報】 [状態]:健康 [装備]:無し [道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、不明支給品1~3 [思考・状況] 基本:殺し合いには乗らない 1:ノリさんと共にハルトシュラーを保護 ※会話能力に規制がかけられており、常に語尾がおかしくなっています * * * (……チョロいですわ) 目の前で安堵の表情を浮かべる中年男二人を見て、ハルトシュラーは内心毒づいた。 彼女の正体は時に魔王とも称されるほどのもの、その外見に騙されてはいけないのだ。 彼女自身、パロロワと称して様々な殺し合いを描く者たちの存在は知っていた。 そして、それをなんとも下らぬ児戯であるとして内心見下していたのだった。 ところが、いざ自分がそれに巻き込まれてしまった時に彼女は考える。 殺し合いに乗るのは自分が見下した行いに加担するようで気に食わない。 かといって、座して死を待つのもまた腹立たしい。 創作の舞台は、己が主張を作品に乗せてぶつけ合う一つの戦場である。 話し合いも無くは無いが……それで互いが分かり合えることなど少ないことを彼女は知っている。 それぞれが自分の哲学をぶつけているわけなのだから、最悪平行線を辿る不毛なものなのだ。 そんなところで議論をするくらいならば、作品で自分の思いを語るべきだ。 圧倒的な作品のクオリティを前にすれば、議論など起こらずただ黙ってしまうしかない、そんな光景だってごまんと見てきた。 ゆえに、彼女は最初から誰かと手を組んでこのゲームに立ち向かうことを無謀だと断じていた。 所詮人間など、心のうちでは何を考えているのかは分からない。 見知らぬものと仮初めの同盟関係を結んだところで、それが瓦解すれば一巻の終わりではないか、と。 積極的に殺しに乗るのも気に食わない。 座して死を待つのも腹立たしい。 チームを組んで立ち向かうのは無謀なこと。 おおよそ取り得る選択肢がほとんど塗りつぶされてしまったわけだが、それでも決断しないわけにはいかなかった。 そして彼女は決断する。 死ぬのは論外、かと言って誰かと手を組むのも難しい。 ならば、思惑に乗せられているようで癪だが、生き残るために殺しに回ろう、と。 そこまで考えた時に彼女は一つの事実に気づく。 彼女は「自身の設定を自由に変えることが出来る」というインチキめいた設定を持ち合わせている……はずだった。 だが、適当な武器を召還しようと力を込めても何の反応も無い。 (武器に関しては支給品に限定されているからかしら……?) 無理やり納得させたハルトシュラーは、続いて「自分は100メートルを8秒のペースでいつまでも走り続けられる」、そう自分を設定しようとした。 しかし、走り出してみるとその速度はあまりにも鈍い。外見年齢である10歳の少女のそれとほぼ等しいのだ。 (何よ……自分の設定を変えることが出来ないというの……?) ハルトシュラーは歯噛みする。 拳法の技術や日本刀を用いた剣術に関しては体が覚えているのかもしれないが…… それを発揮するための道具や筋力に乏しい今の自分は、ただの10歳の少女にすぎない。 誰かに襲い掛かられたらひとたまりも無いのだ。 (こうなったら……発想を変えるしかないか) 身体能力が大幅に制限された今、彼女が最大限に生かすことの出来る武器とは何か? それが、この"10歳の少女"という外見である。 相手が殺し合いに乗り、その能力なり技術なり武器なりを持ち合わせているのなら話は別だが。 そうではない穏健派からすれば、自分はまず間違いなく保護の対象になるであろう。 そうして庇護されながら、隙を見てチームを崩壊に導いていこう。 人々の間を渡り歩きながら装備を整え、体力を温存し…… 最後の局面で持てる力を出し切って壁を乗り越え、そして帰還する。 そう決めた彼女の耳に、男の大きな声が飛び込んできた。 「ナメとんのかああぁぁっっ!!」 どうやらすぐ近くに別の参加者がいるらしい。 (……この声の主が殺し合いに乗っているようなら危ないけれど……) 逆にその存在を確かめさえすれば、情報を振りまく好機にもなり得るわけで。 これこれこういう人が武器を振り回していたの、と穏健派に告げればいずれは包囲網が出来るはずだ。 大人が相手なら状況を考えて疑われることもあるかもしれない、が無垢な少女の外見をした自分なら話は別だ。 真実も巧みに織り交ぜて自分の行いを信じさせなければ、いざ裏切る時に失敗しかねない。 (……ここは慎重に様子をうかがうとしましょうか……) 周りを気にしながら声のした辺りを目指したハルトシュラー。 辿り着いた時には既に先客がいたらしく、なにやら会話を交わしているようであった。 殺し合いに乗っているのなら、暢気にお喋りに興じることも無いだろう、彼女はそう推測する。 物陰から様子をうかがった彼女は、頃合いを見計らって足元にある小石を軽く蹴飛ばした。 二人の男の声以外には特に音もしないこの場所では、小石が跳ねる音でさえよく響いた。 狙い通り、筋肉達磨の男が気づいたらしく、こちらを怒鳴りつける。 細工は上々、あとは"無垢な少女"を演じればいい。 そう設定することが出来れば楽だが、それが出来ない以上は口調などに気をつけて振舞わねばならない。 普段のような淡々とした、見た目とは異なる大人びた口調では何かと誤解を生みかねない。 ただ、目の前にいるのは脳髄まで筋肉まで出来ていそうな男と、うだつの上がらない中年男の二人。 あまり頭が回るようには見えないだけに、当面の肉壁としては悪くない、彼女はそう思う。 (最悪、この二人に連れ回されていた、ってことにして乗り換えるという手もアリよね) いたいけな少女を連れ回す二人の中年男。 状況が状況なら社会的に死んでしまう可能性は大だ。 (それが出来なくとも、私に支給されたこれを使えば……) 銃器や刃物の類が支給されなかった彼女が、懐に手を伸ばす。 中には小さな薬瓶が一つ、中は液体で満たされていた――いわゆる毒薬である。 集団に取り付いてそれを中から崩壊させるにはうってつけの代物と言えた。 (よし、行くとしようか) そう呟き、ハルトシュラーは怯える少女の顔を取り繕う。 そして、瞳に涙を浮かばせて二人の男の下へと駆け寄る。 ……彼女がほくそ笑んでいたのを、二人の男は知る由も無かった。 ハルトシュラーは、無垢な心を持つ幼女ではない。 修羅の心を持つ妖女だった。 【C-4 東側埋立地路上/1日目・深夜】 【ハルトシュラー閣下@創作発表】 [状態]:健康 [装備]:何かの毒薬 [道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、不明支給品0~2 [思考・状況] 基本:10歳の少女を演じながら、ステルスマーダーに走る 1:ステルスマーダーとして二人を扇動したい 2:場合によっては毒薬の使用も検討 ※身体能力の一切が10歳の女の子並みに制限されています ※召還術も使えません、自分の設定を変えることも出来ません ※拳法の技術や、剣技は体が覚えていますが、筋力などがついていきません ※毒薬の成分、効果等については、次の方にお任せします 【こんにゃく@ニュー速VIP】 低カロリーの食品として長らく愛されている食品である。 主におでんをはじめとした煮物の材料にされることが多い。 また、2007年秋に香川県高松市在住の女子大生(当時)が提唱した通称「ペチング」と呼ばれる行為も2chでは有名 なお、日本国内で生産されるこんにゃくの9割は 群 馬 県 産である グンマーとの関わりについては……リレーをされる方にお任せします No.21:命も賭けずに殺し合いとな!? 時系列順 No.23:バカとノートと機関銃 No.21:命も賭けずに殺し合いとな!? 投下順 No.23:バカとノートと機関銃 ノリさん No.49 銭闘民族の特徴でおまんがな ぼっさん No.49 銭闘民族の特徴でおまんがな ハルトシュラー閣下 No.49 銭闘民族の特徴でおまんがな
https://w.atwiki.jp/pokemonpikatyuu/pages/32.html
あ
https://w.atwiki.jp/2chroyal/pages/120.html
殺し合い中?でもゆっくりしていってね!!! ◆i7XcZU0oTM 「はぁ……」 真っ暗な部屋。照らすのは、窓から入る月明かり。 その光は、室内の古びた椅子やら何やらを、柔らかく照らす。 埃っぽいベッドに腰かけ、壊れた窓から空を見上げる。 「一体、俺が何したって言うんだ……。殺し合いに巻き込まれる程、悪い事はしてねえぞ……」 がっくりと項垂れると同時に、深い溜息が勝手に出て来てしまう。 ……本当、何で俺がこんな目に。 いつものように一日を過ごし、いつものように眠った、はずだったのに。 何で、俺が。 訳分かんねえよ。 「はぁ……」 ここに来てから、ずっと落ち込んでる気がする。 いや、ここに来る前から、そうだったのかもしれないな。 一人、闇の中で苦笑いを浮かべる。 (このカバンも……大した物、入ってなかったし……俺に、死ねってか?) 俺がここに来てからまずしたのは、鞄の確認。 誰かに襲われた時に身を守れるような物があるはずだ、と思ったからだ。 だって、「殺し合い」なんだろ? 素手で、こんな所に放り出すとは思えないじゃないか。でも……。 「何で、よりによって麦茶だけなんだよ……。麦茶って……」 思い出して、軽く落ち込む。 ……思い出すんじゃなかったよ、こんなこと……。 だが、いつまでも落ち込んでられない。 これからどうするか、考えなきゃな。 まず、殺し合う気はない(そりゃそうだ)。人殺しなんて、怖くてできたもんじゃない。 じゃあ、何をするか?……そもそも、こんな非常事態に、俺に出来る事があるのか? とにかく、死なないように、生きるしかない。 「…………この建物がなんなのか、見て回ってみようかな」 何か、役に立つ物……そうだな、強い武器とか。 武器じゃなくても、何か今の状況に対して、役に立つ物。そんなのが見つかればいいんだが。 そんな事を考えていた時。……部屋の扉が急に開き、誰かが入って来る。 一体誰だ、と思っておそるおそる顔を向けると……。 _,,....,,_ _人人人人人人人人人人人人人人人_ -''" `''> ゆっくりしていってね!!! < ヽ  ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄ | ;ノ´ ̄\ \_,. -‐ァ __ _____ ______ | ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、 _,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 'r ´ ヽ、ン、 rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 ,'==─- -─==', i r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i | !イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .|| `! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ !Y!"" ,___, "" 「 !ノ i | ,' ノ !'" ,___, "' i .レ' L.',. ヽ _ン L」 ノ| .| ( ,ハ ヽ _ン 人! | ||ヽ、 ,イ| ||イ| / ,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ レ ル` ー--─ ´ルレ レ´ 「 ! ? 」 あまりにも唐突すぎた。 唐突に現れた、でかい饅頭みたいな奴。 そいつは出会い頭に「ゆっくりしていってね!!!」と言った後、黙ってしまった。 ……表情から察するに、俺の返事を待っているようだが……。 何て答えればいいんだよ。 (こいつら、2ちゃんで見かけた事があるような……) 何だったかな、どっかのスレで見たような。 答えが、喉元まで来ているのに。 「ゆっくり? ……何言ってるんだ、ゆっくりしてられる状況じゃないだろ」 「どんなときでも、ゆっくりする心は忘れちゃいけないんだよ?」 「はぁ……」 何故か諭された。何で、俺が諭されなきゃならないんだよ。 ……って、違う。こいつらは、一体何なんだ。 えーっと、こいつらは…………確か…………。 「そうだ!!」 俺の突然の大声に驚いたのか、2人(体?)がビクッとする。 まぁ、そんなことはどうでもいい。 こいつらの名前を、思い出した。 「そっちのリボンの奴が『ゆっくり霊夢』、帽子の奴が『ゆっくり魔理沙』……のはずだ」 そうだ、そうだった。 こいつら、あのAAの奴らなのか。 まさか、現実に現れるなんて、信じられねえ。 こいつらは、ただのAAじゃなかったのか。 「どうだ、合ってるだろ!!」 「な、なんでゆっくり達の名前を……?」 「そりゃ、結構AAを見かけるからな。名前も、入って来るってもんだ」 俺の発言に、ゆっくり達は首を傾げている。首があるのか知らないが。 ……何だ、こいつらは自分がAAだと思ってないのか? AAでないなら、何なんだ。 まさか、本当に生命を持って現実に飛び出してきたってのか? そんな馬鹿な話があるか……と否定したいが、こいつらが存在している時点で、否定出来なくなった。 (一体どうなってるんだよ、これは) ……。 訳が分からない。 俺の、理解の範疇を超えてるんじゃないのか、これ。 ――――とりあえず、こいつの鞄の中身、見てみるか。 何か、武器があるかもしれない。 もしあったとしたら、俺が使わせてもらうか。 ……ふと思ったが、こいつらに武器が使えるのか? 手が無いんだから、持てないだろ。 「ゆっ! お兄さん、かってに人のものをあさっちゃいけないんだよ!」 「固い事言うなよ。つーか、頭だけなのによくここまで鞄を持って来れたな」 未だに、ゆっくり達は俺の周りをぽいんぽいんと跳ね回って抗議している。 うぜぇ……。 できるだけ、気にしないようにしながら中身を取り出す。 ――――どうやら、こいつらはウザいだけじゃなかったようだ。 だって、俺にこんな幸運を運んでくれたんだから……。 (おいおい、銃って…………本物かな、これ) ひんやりとした、鉄の感触。 間違い無い。 これは、本物の銃だ。 ……しかも、結構デカい。 「……!! こ、こっちにむけないでね!!」 「心配しなくても向けねえよ。ちょっと黙っててくれ」 他にも何か入ってるみたいだが、まあいいや。 とりあえず、この銃があれば何とかなる。 こんなもん、ゆっくりに持たせとくのは勿体無さすぎる。 さっきも言ったが、こいつら銃とか使えないだろ。 ……まあ、俺も銃なんか持つの初めてなんだが。 「それはわたしたちのかばんに入ってたものだよ! ゆっくり返してね!」 「これは俺が借りる! お前ら、これ使えるのか? 使えない物持ってても意味ねえよ」 「そんなことないよ! やってみないと分からないよ!」 「やる前から答えは明確だろうが……」 ……全く。 何で、俺がこんな目に遭わなきゃならないんだ。 俺は、2回目の深い溜息を付いた。 ◆ 暗い屋内。 僕が持つランタンだけが、辺りを照らしている。 確か、殺し合いだったっけ? ……そんなことよりも、大事なことがある。 (1さん…………君は、何処にいるんだい? 君の事が心配で心配で、僕は…………) 1さん……。 僕の、大切な人……。 君が、死んでしまったら、僕は……。 一体、どうすればいいんだい? 「ハァハァ、待っててね1さん。僕が、絶対君を護るからね!」 とは言うものの、ここは一体どこなんだろう? 何だか廃屋みたいだけど、誰かいるのかな。 沢山部屋があるおかげで、誰かいても簡単には分からないや。 1つ1つ回っていくなんてできそうにないし、そんな時間もない。 特に何かあるわけでも無さそうだし、早くここを出て……。 「…………分からないよ!」 「…………明確だろうが……」 どこかから声が聞こえた。 1さんの声じゃなかったけど、誰かいるのかな? ちょっと、会って話を聞いてみようかな。 ……いや、ダメだ。 そんなこと、してる暇なんてない。 僕は、1さんを護らなきゃならないんだ。 その為にも、無駄な時間は過ごせないんだ。 一体誰がいるのか気になりはするけど、調べてる暇なんかない。 僕は、1さんを護る。 その為には、行動あるのみだ。 (よし……行こう) 本当なら、この階段だって駆け降りて行きたい。 でも、こんな暗い状況じゃそんなこと出来そうにない。 下手に転んで動けなくなったら、それこそ……。 駄目だ、そんなこと考えちゃいけない。 とにかく、ここを出てしまおう。 「…………」 階段をゆっくり降りながら、考える。 そう言えば、いつの間にこんな場所に僕は連れてこられたんだろうか。 確か、いつものように1さんに会いにいったはず、だったんだ。 1さんの家の近くまで来た、のは覚えてる。 そこで、何故か僕は気が遠くなって……。 気が付いたら、あそこにいた。 そして、2回目の気絶から目が覚めたのが……ここだった。 「…………」 ……こんなこと、考えても仕方が無い。 僕がやるべきことは、殺し合いに乗るような危ない輩から、1さんを護ることなんだから。 例え、他の誰かを殺めようとも……。 僕はどうなってもいい。1さんさえ無事なら、それでいいんだ。 ◆ 「…………」 下へ続く階段が無くなった。 と言う事は、ここが1階か。 今までと同様に、ロビーへ続く道であろう場所も、ボロボロだ。 下手に転んだら、体が汚れちゃいそうだ。 「うーん、出口は……あ、あそこだ」 ガラスは割れ、中途半端に隙間が開いている自動ドア。 自動ドアも壊れちゃったら、普通のドアより開けるのが面倒だなあ。 よいしょ、と力を込めてドアを開ける。 …………とりあえず、自分が通る分だけ隙間を広げればいいや。 「よいしょっと……。さて、ここはどこなのかな」 鞄から地図を取り出して、眺めてみる。 ……ここが何処の辺りなのか分からないと、地図があっても駄目だね……。 どこかに、ここがどこか書いてないかな……。 「ううん、ここはどこだろう?」 とりあえず辺りを見てみても、良く分からない。 ……暗くて、遠くまで見通せないんだ。 月明かりが、あるにはあるけれど。 太陽の光には、及ばない。 (よく分からないな……何か、役に立ちそうな物があれば……) そう言えば、僕、まだ持ち物をよく調べてなかった。 ランタンを取り出した時や、地図を出した時に、チラッと見ただけだ。 何があるのか、まだ良く分かってない。 こう言うのは、はっきりさせておかないとね。 ……それに、1さんを護ることのできる武器も欲しいしね。 一応、見つかりにくいであろう植え込みの影に身を隠して、っと。 これで良し。 (何があるのかな……) 強い武器があればいいのにな……。 武器でなくとも、役に立つ物なら大歓迎だけど。 「拳銃……!ずいぶん、ずっしりした拳銃だなぁ」 こんなしっかりした武器が、最初から手に入るなんて。これは、十分役に立ちそうだ。 残りも見てはみたけど、両方とも武器じゃなかったから、鞄に仕舞っておくことにした。 他にも、食料や水、筆記用具なんかもあったけど、今は特にいらないや。 それ以外で役に立ちそうなのは……と言うか、これに関しては説明があったなぁ。 PDA……2ちゃんねるが見れるらしいけど、それは別にいいや。 それより、気になるのはオーナー情報。この「オーナー」って、僕のことだよね。 とりあえず、開いてみると……。 (忍法帳……確か誰かを殺すと、レベルが上がるんだったかな?) 今の所、レベルは0。 それ以外は、特に変わったボタンは……ん? 下の方に、「現在地:A-6」と書いてある。 ……これってもしかして、僕の現在地を指してるのかな? (と言う事は、僕が今いるのは「A-6」……ずいぶん、隅っこなんだなあ……) ……改めて、地図を眺める。さっきも言ったけど、ずいぶん端っこだ。 さて、改めて。何処を目指そうか?1さんが行きそうな場所って、どこだろう? とりあえず、人の集まる場所に行けば、出会えるかな? ……その、「人の集まる場所」がどこか、具体的には分からないけど。 とにかく、行動あるのみだ。この間にも、1さんの命は危険に晒されているんだ。 急がないと……。 「1さーん! 君は僕が絶対に護るよぉぉぉぉぉ!!」 僕は、月明かりの元走り出した。 ――――1さんを、何としてでも護るために。 【A-6・廃ホテル前/1日目・深夜】 【八頭身@AA】 [状態] 健康 [装備] デザートイーグル(7/7)@現実 [道具] 基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)不明支給品×0~2(武器は無し) [思考・状況] 基本:1さんを護る。邪魔する奴には、容赦しない。 1:とにかく、「人の集まる場所」を目指そう。待っててね、1さん!! ※八頭身の叫びが辺りに響きました。 相変わらず、ゆっくり達はぽいんぽいんと跳ねて俺の後ろを付いて来ている。 全く、変な奴だ……だけど、流石に武器を取った上にあそこに放置して行くほど、俺は鬼じゃない。 ……だが、今考えてみれば。 やっぱ、あそこに放置して行けば良かったかな、と思い初めていた。 想像してみろよ、自分の周りを跳ね回りながら「ゆっくり(ry」と何度も言われる姿を。 「ゆっくりしていってね!!!」 だから、ゆっくりしててもどうしようもないだろ。 と言うか、ゆっくりしてる余裕なんて無えよ。 ……こいつら、今の状況分かってんのか? (今がどんな時か、理解してるのか? よく、呑気でいられるもんだな) 俺だったら、とてもこんな風に呑気にいられない。 ……今だって、内心ビビってる。 こんな暗い中じゃ、誰が何処に隠れてたっておかしくはない……。 いきなり飛びかかられちゃ、銃を持っていても勝てるかどうか。 ――――そもそも、そんな状況で俺が冷静でいられるかどうかすら、怪しいけどさ。 「……はぁ」 「どうしたの? ゆっくり元気だしてね!」 「お前らのせいで落ち込んでるんだろうが……」 「?」 うぜぇ。 本気で、ここらに放置して行こうかな。 そんな事を考えていた時、 「1さーん! 君は僕が絶対に護るよぉぉぉぉぉ!!」 「「!?」」 ……何か、大声が聞こえたような。 いや、「ような」じゃない。はっきり聞こえた。 (1さんって…………おいおい、またAAキャラか。 あんな事言う奴、1人しか思い付かないぞ) ――――八頭身モナーか。もしかして、アイツはここにいたのか? ……そう考えると、俺って結構危ない事してたんじゃ。大声上げてたし。 (1さんへの愛は尋常じゃないからな……1さんのために、殺し合いに乗ってもおかしくねえ) まぁ、実際の所はどうだったのか、俺には分からない。 それを、確かめる術もない。 追いかけようにも、何処に行ったかなんて分からないし。 「…………あいつの事は忘れよう」 そうそう。 変な奴には、関わらない方が身の為だ。 ――――ゆっくりとか言う、妙な奴に出会ってはいるが。 こいつだって、十分「変な奴」だ。 (どうなんのかな、俺) ふと、脳裏にカーチャンの顔が浮かぶ。 ……カーチャン、何してんのかな。 いきなりいなくなったんだから、俺の事心配してんのかな。 (…………お、俺は別に心配なんかしてねえけどな) 【A-6・廃ホテル内/1日目・深夜】 【タケシ@ニュー速VIP】 [状態] 健康、不安 [装備] イングラムM10(32/32)@現実 [道具] 基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、麦茶@ニュー速VIP [思考・状況] 基本:殺し合う気は無い。死にたくもない 1:死にたくはないが、どうすりゃいいんだろうな…… 2:カーチャン……べ、別に心配なんか…… ※2chに関する記憶があるようですが、あまりはっきりしていないようです 【ゆっくりしていってね!!@AA】 [状態] 健康、ゆっくり [装備] なし [道具] 基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、不明支給品×0~2 [思考・状況] 共通:ゆっくりしていってね!!! 1:とにかく、ゆっくりしていってね!!! ※ゆっくり霊夢とゆっくり魔理沙、2体で1人扱いのようです ※片方が死亡したらどうなるかは、後続の書き手さんにお任せします ≪支給品紹介≫ 【麦茶@ニュー速VIP】 麦茶ばあちゃんが量産している物。夏が来た。 たっぷり用意してあるので、多人数で飲める。 【デザートイーグル@現実】 装弾数7発。使用弾薬は.50AE弾。 数ある銃の中で、結構な知名度を誇るのではないだろうか。 それ故、色々な作品で攻撃力の高い銃として登場したりしている。 【イングラムM10@現実】 装弾数32発。使用弾薬は9mm×19弾。 もはやお馴染みの短機関銃。 No.12 とうとう11月が来てしまった! 時系列順 No.14:モッピー知ってるよ。モッピー達がバトルロワイアルでも大暴れするって!! No.12 とうとう11月が来てしまった! 投下順 No.14:モッピー知ってるよ。モッピー達がバトルロワイアルでも大暴れするって!! ゆっくりしていってね!! No.37 僕らはいずれ誰かを疑っちまうから 八頭身 No.42 探し物はなんですか~? タケシ No.37 僕らはいずれ誰かを疑っちまうから
https://w.atwiki.jp/air2ch/pages/117.html
Q.神尾家の構成員は晴子と観鈴だけ? A.観鈴を引き取る時点で、既に晴子は一人きりであの家に住んでいたようだ。 もし晴子の両親、つまり観鈴の祖父母が生きていれば、観鈴の面倒は彼らが見たろうから晴子がそんなに嫌がるはずがない。 晴子が観鈴を引き取ったのは10年前、つまり18歳の時。その時点で観鈴は6~7歳ということは、晴子が小学生を卒業する頃には既に、姉は家を出てしまっていた(晴子12歳、観鈴0歳)。郁子が様々な反対を押し切って子を産んだらしいという描写があるので、その時はまだ両親はいたのだろう。 晴子が中学生に上がり、高校生になるまでには、両親は亡くなった。それからは、高卒ながらも仕事を見つけ、たった一人であの家で暮らしてきた。晴子の苦労と寂しさは察してあまりある。そして、たった一人、血の繋がった肉親である(そして郁子や両親の面影を残していただろう)観鈴への愛着も。
https://w.atwiki.jp/air2ch/pages/37.html
Q.往人はなぜ消えた? A.佳乃シナリオにヒントがある。 SEEN506.TXT 【往人】「…本当に、危ないところだったんだ」 【往人】「俺の力では、道をつなげるのが精一杯だった」 【往人】「だから佳乃は、自分で帰ってきたんだ」 【往人】「あれ以上強く、力を使おうとしたら…」 【往人】「俺は跡形もなく、消えてしまったかもしれない」 【往人】「あの羽根みたいにな…」 佳乃編では消える一歩手前まで行ったが、観鈴編では本当に消えてしまった。そんなところだろうか。 往人の言葉を、そのまま観鈴編に当てはめてみる。 往人は観鈴の心にアクセスし、道をつなげた。 だが観鈴は自分では帰って来れなかった。 引き戻すために限界まで力を使った往人は、跡形もなく消えてしまった。 往人は観鈴を引き戻すために法術の力を使いすぎて、跡形も無く消えてしまったのかもしれない。 佳乃と観鈴の共通点 佳乃編と観鈴編は色々な点で共通点、対照的な点が見出せる。 たとえば上記のような「消えたか、消えなかったか」の他にも、 突発的な異常行動 佳乃には時々「二人目の人格」が現れる。それは羽根に刻まれた白穂という女の記憶だった。観鈴は時々「癇癪」を起こす。それは転生前の人格、神奈という少女の悪夢だった。 夢の共有 佳乃と結ばれた次の日の『白穂』の夢、観鈴と結ばれた次の日の『神奈』の夢。白穂と八雲としての夢を見る往人と佳乃、柳也と神奈としての夢を見る往人と観鈴。 佳乃は神奈の羽根とシンクロ、観鈴は神奈の記憶を受け継ぐ。 シナリオの構造 佳乃に殺されそうになっても佳乃を探しに行く往人、観鈴の呪いで死にかけて逃げ出した往人。佳乃も観鈴も往人を殺しかけてしまったことを気にかけ、二人とも「ごめんね」と謝り、罪悪感にとらわれる。観鈴は生きる意思を失って衰弱死寸前、佳乃は空へ逃げようとバンダナを解いて意識不明。往人が引き戻そうとした際に、佳乃シナリオで消えたのは羽根、観鈴シナリオで消えたのは往人自身。 SEEN400.TXT(103) 【みすず】「ごめんね、往人さん」 SEEN503.TXT(524) 【佳乃】首のキズ、ホントにごめんね。 似ている そらが佳乃を見て「観鈴に似ている」。二人とも「空に向かって生きている」からだろう。誰かに迷惑をかけながら生きているという疎外感や罪悪感を抱えている二人は、癇癪や呪いさえなければきっといい友達になれたことだろう(出会いすらしなかったが)。 SEEN305.TXT 【佳乃】「もしも魔法が使えたらね」 【佳乃】「あたし、お母さんに会いたい」 【佳乃】「会って、謝りたいなって…」 SEEN251.TXT 【観鈴】「わたし、本当に邪魔者だから…」 【観鈴】「ずっと晴子叔母さんにも迷惑かけ続けてる」 空と大地 二人とも空に憧れている。そして本当に空へ消えた観鈴、大地に残った佳乃。 そらとポテト 二人ともペットがいる。ポテトは芋、つまり大地に根付く植物であり、鳥であるそらとは対照的。 夏祭りのやり直し 子供の頃、夏祭りで大泣き。佳乃は風船を、観鈴はひよこを買ってもらえなかったから。二人とも、やり直しとしてもう一度「母親的立場の人間」に買ってもらえる。
https://w.atwiki.jp/air2ch/pages/101.html
Q.少年の言葉「無限の終わり」って何のこと? A.【推測】同じ時点(7/17)でそらが考えていたことと対照的な言葉として言っている。 AIR編7/17 小さな影たちは、歩きはじめた。 どこまでも遠く、おわりのない道を歩きはじめた。 その先にあるものを怖がらずに、前に進んでいく。 それはきっと、ぼくが持っていないものだ。 つばさがふるえるのを感じた。 AIR編ラストシーン(DREAM編7/17) 【少年】「じゃ、いこうか」 彼女が先に立って、待っていた。 【少女】「うん」 【少年】「この先に待つもの…」 【少年】「無限の終わりを目指して」 「どこまでも遠く、おわりのない道」。これはつまり「無限」のことだ。そらは無限に続く道を怖がっている。それに対して、少年は「無限」が「終わる」ことを知っているようだ。その終わりを目指すことができている。 無限とは何か? 少年が登場するAIR編ラストシーンの直前、飛び立つ前のそらはこんなことを言っている。 果てのない旅路に思えた。 どこまでも空は高く、限りがない。 「限りが無い」、つまり「無限」。次の部分でも、「限りなくどこまでも続く」といって「無限」に言及している。 限りなくどこまでも続く蒼… 何も終わりを知ることなく、続いてゆく世界。 その無限へと還ってしまった少女。 少年がそらの記憶を引き継いでいるのなら、「無限」とはこの「限りが無い空」のことを指しているのだろう。観鈴は死に、神奈の魂として空に戻っていった。彼女たちは、再び輪廻の繰り返しへと還ってしまったのだ。そらは、限りなく広がる空に、翼人たちが無限に繰り返してきた輪廻を巡る悲劇を見る。 AIR編開始時 小さな影たちは、歩きはじめた。 どこまでも遠く、おわりのない道を歩きはじめた。 AIR編ラスト直前 果てのない旅路に思えた。 どこまでも空は高く、限りがない。 ラスト直前、そらが向かった空は「どこまでも空は高く、限りがない」。これはAIR開始時(7/17)のそらのセリフ「どこまでも遠く、おわりのない」と意味の上でも構造の上でも完全に対照を成している。そらは、空に「無限」を見る。 そして少年も、海岸線に「無限」を見る。そらの転生、少年の言う「無限の海岸線」とは、そらがずっと怖がっていた「無限の空」だが、「終わり」という言葉は、そらとはまったく反対の意味で使っている。そらには「終わり」が見えず、歩き出す勇気すらないが、少年は「終わり」を目指す。少女と二人で。 では、どうして少年は目指せるのだろう? 何を目指す? ずっと恐れていた空。 飛べるだろうか。 彼女と一緒に飛ぼうとした空。 今も恐かったけど… でも飛べる。 そう信じる。 飛ぼう。 僕は駆け始めた。 あの日の彼女の背中を追って。 AIR編の冒頭で「どこまでも遠く、おわりのない道」をずっと怖がっていたそらだったのに、この時のそらはその「どこまでも高く、限りがない空」に挑もうとしている。なぜか。そこではきっと観鈴が待っているからだ。 恐怖に立ち向かうこと。我々はそれを「勇気」と呼ぶ。そして、そらの「勇気」は少年に引き継がれた。 少年は恐れない。無限としか思えない辛く長い道でも、歩き続けていけば、その先には必ず終わり(ゴール)はあるのだと、もう知っているのだから。 彼女と一緒ならば、きっと迷わずに、ずっとどこまでも歩いていける。 晴子は言う。 【母】「それでも、踏み出せば、どんどん道は続いてる」 それこそが「生きる」ということなのだと。 ……。 …。 「無限」とはまた観鈴や翼人たちが永遠のように「ずっと」繰り返してきた輪廻のことでもある。それはそらの以下の言葉からもわかる。 限りなくどこまでも続く蒼… 何も終わりを知ることなく、続いてゆく世界。 その無限へと還ってしまった少女。 無限に続く蒼い空、無限に続く永遠の世界。空間的な無限、時間的な無限。そらは「空」に二面性を見ている。そらが目指したのは、その無限の空の果てであり、無限の繰り返しの終わりだった。 だからそらは、空にいる観鈴を、大地に連れ帰らなければならない。空という無限から、限りある大地へと。 そらと観鈴の転生であるラストシーンの少年と少女は、既にその「無限」のループを抜けた記憶を引き継いでいる。二人は「無限」の先にあるもの(ゴール)を知った。だから「無限」のように見える「どこにもたどりつけないような」海岸線でも、「終わり」があると信じて先に進めるのだろう。 以下、余談。 無限の空を怖がり地上を彷徨うそらに、晴子は言う。 【母】「うちも長い時間かかってしもたけど…」 【母】「ようやく、踏み出すことできたんやで」 【母】「いろんなこと変わってしもたけど…」 【母】「それでも、踏み出せば、どんどん道は続いてる」 【母】「生きていくんや、うちは」 【母】「夏は終わったけど、空は果てなく続いてる」 【母】「うちは歩いていくから…」 【母】「ずっと、雲追いかけて…」 【母】「せやから、あんたは飛ぶんや」 【母】「翼のない、うちらの代わりに…」 空を怖がるそらを励ましている。ただ、なぜ以下のようなセリフが晴子から出てくるのかわからない。 【母】「ひとの夢とか願い…ぜんぶ、この空に返してや」 【母】「そうすれば、うちらはきっと…ずっと穏やかに生きていける」 【母】「そんな気がするんや…」 空に返すというのは、もちろん「観鈴の記憶」で「上書き」した「翼人の記憶」だ。「不幸な神奈の記憶」は空に返せない。 星の記憶は、永遠に幸せでなければなりません。 憎しみや争いで空が覆い尽くされた時。 この星は嘆き悲しみ、あらゆるものを生み出した己を忌むことでしょう。 すべては混沌に戻り、そして無に帰すでしょう。 神奈の記憶は返せない。それどころか、翼人の記憶は不幸な記憶しかないのかもしれない。初代翼人が初めて記憶を星に返したこと自体、親子の悲しい別れ、観鈴が言うには「世界で一番悲しい」ことだったのだから。そして2億年前から一度も記憶を返せなかった。「世界で一番悲しい」別れを上回る幸せなど、ただの一度もなかったのだろう。やがて人を殺した呪いが翼人につきまとうようになり、神奈の悲劇の記憶、最後の翼人の死、というように、もう記憶を星に返そうにもどうにもならなくなってしまう。 だが、その不幸な記憶と一緒に「幸せな観鈴の記憶」を返すことで、星は安寧を保つことができる。「ずっと、幸せなばしょ」で観鈴が最期を迎えた記憶。それは、翼人たちと観鈴たちが「ずっと探してたばしょ」。その記憶をもって初めて、二億年を超えた記憶を星に返すことができる。 だが、それは、晴子の預かり知らないことのはずだ。あまり深い意味はないのかもしれないが。 晴子は空にある雲(観鈴の思い出の象徴か)を追いかけていく。その空へと、(観鈴の)夢や願いを返してほしいという。どのような繋がりなのか。これもよくわからない。 以下は個人的な見方。 ラストシーンのラストのCGでは、少女が先に立ち、少年がそれを追う形になっている。 彼女が先に立って、待っていた。 これは「空にいる観鈴に向かうそら」と同じ形になるよう意識して描かれているようにも見える。そらが目指した「無限の空」の終わり、そこには観鈴がいた。観鈴がいたから、そらは空を目指して飛んだ。無限という恐怖を超えて。 少年が無限の終わりを目指すとき、その先には少女がいる。 海岸線 海と大地(砂浜)の境界線。波打ち際。海岸線は普通に見ても水平線まで続いている上に、どこまで行っても陸と海の境界線でしかない。また、どんな大陸でも海に囲まれているため海岸線をたどればいずれは元の場所に戻ってきてしまう。よって海岸線は、風車や線路などと並んで「無限」のメタファになり得る。 地平線 海と空の境界線。
https://w.atwiki.jp/air2ch/pages/83.html
Q.ゴールって何だったの? A.最初は「夢を見続けることで、もう一人のわたしの悲しみを理解すること」、最後は「その理解した悲しみを癒すこと」。 AIR編8/4朝 だからきっと、辿り着ける。 ふたりで目指したゴールに。 誰も辿り着けなかった…ゴールに。 8月4日朝の時点で往人が「ふたりで目指した」と過去形で言っているのだから、これ以前に既に目指す「ゴール」について「ふたり」の共通認識ができていたとわかる。 それは具体的に何だろうか。観鈴は言う。 AIR編8/4夕 【みすず】「わたしが終わらせるの、その悲しみを」 【みすず】「どうしたらいいのか、まだわからないけどね」 【みすず】「でもきっと、その夢を見続けたらわかるはず」 【みすず】「わたしがなにを背負って、今もこの空にいるのか」 【みすず】「それは誰もできなかったこと」 【みすず】「今までわたしだった人たちが、誰もできなかったこと」 「誰もできなかった」という観鈴の言葉が、8/4朝の往人のセリフ「誰も辿り着けなかった」と重なる。これこそが観鈴の目指したゴールだ。 もうひとりのわたしが、何を悲しんでいるのか。なぜ空で苦しんでいるのか。夢を観続けることで、それを理解すること。それが初期の観鈴のゴールだった。 DREAM観鈴シナリオ7/27 【観鈴】「わたし、がんばって夢を見る」 【観鈴】「もっと夢を見れば、わかるかもしれないから」 【観鈴】「その子がどうして苦しんでるのか」 【観鈴】「そうすれば、その子のこと、助けてあげられるかもしれない」 【往人】「…わかった」 俺はそう答えた。 【往人】「俺が手伝ってやるから」 観鈴の目指す目的を、往人が手伝う。だから、二人で目指したゴールになる。 そして8月14日の朝。観鈴は最後の夢を観ることで、本当のゴールを知ることになる。「最後は、どうか幸せな記憶を」という願い、つまり翼人の使命が、神奈を空にとどめ続けたのだと。だから観鈴は、晴子の胸を死ぬ場所として選んだ。「幸せに死ぬ」ことが本当のゴール、だと理解したから。
https://w.atwiki.jp/air2ch/pages/131.html
Q.みちるが国崎往人にボルトを渡すのはなぜ? A.元ネタは「君のひとみは10000ボルト」。 【みちる】「んじゃあ、そのボルトと交換ということで」 【往人】「おまえの瞳は何万だっ」 この往人のセリフは「君のひとみは10000ボルト」というサビの部分を元にしているが、その後に続く歌詞は「地上に降りた最後の天使」。 つまり神奈のこと。 ライターのちょっとしたお遊びと思われる。
https://w.atwiki.jp/air2ch/pages/110.html
Q.結局観鈴は何をしたの? A.神奈や翼人たちの記憶、悲しいだけの思い出に、楽しい夢を見せてあげることで、星に返せるようにしてあげた。 神奈の羽根の一枚、みちるは言う。 DREAM美凪編8/9 【みちる】「その子は、いつも悲しい夢をみるだけで、ほかにはなにもない」 【みちる】「しあわせになれないから、悲しい夢をみるしかない」 【みちる】「みちるはね…その子の悲しい夢のかけらなんだよ」 【みちる】「みちるは…しあわせな思い出をいっぱいもらったから…」 【みちる】「美凪と…それに国崎往人にも、いっぱいもらったから…」 【みちる】「女の子からもらった悲しいだけの思い出に、 少しはしあわせな夢をみせてあげることができたとおもうから…」 【みちる】「だからね、みちるはあの女の子に羽をかえしにいくの」 【みちる】「しあわせな思い出をいっぱいかかえて、女の子に会いにいくの」 この後、美凪と往人からさらに幸せな思い出をもらったみちるは、笑顔で空へ帰る。 観鈴の「やり遂げた」ことも、きっと同じことなのだろう。悲しい思いに空へと縛られ続けた神奈たち翼人、そして空にいる少女たちの記憶を全て受け継いだ上で、幸せな夢を見せてあげる。往人と、そら、そして晴子と一緒に。それこそが、観鈴の成し遂げたことだった。 RMB_3.PDT だから、わたしたちは幸せであり続けましょう。 大地や空や海に暮らす者たちすべてに、無限の恵みをもたらすよう… それこそが、わたしたちという種の役目。 忘れることを許されない、わたしたちの誇り。 星の記憶を担う最後の子には… どうか、幸せな記憶を。
https://w.atwiki.jp/air2ch/pages/33.html
Q.「最後の夢」っていうけど、なぜそれが「最後の夢」だとわかる? A.「最後の夢」で、それ以前の記憶は星に返してしまっていることが判明するため。 別れの時が来ました。 わたしは空に届けます。 この星の最初の記憶を。 あなたと暮らした、幸せな日々の記憶を。 この夢を見た翌朝、「空にいる少女」たちは死ぬ。だから「最後」というわけだが、その真の意味は、神奈の記憶の流入(つまり転生)が終了するからに他ならない。 「空にいる少女」の夢はどんどん過去へとさかのぼって、さかのぼりきった夢が「最後の夢」だった。それはつまり「最初の記憶」でもある。 わかりやすく言い直すと、こういうことになる。 最後の夢=最初の記憶=二代目翼人の記憶 最後の夢より以前の記憶=初代翼人の記憶=星の記憶になってしまっている