約 48,671 件
https://w.atwiki.jp/fukusuke224/pages/9.html
@wikiにはいくつかの便利なプラグインがあります。 アーカイブ コメント ニュース 人気商品一覧 動画(Youtube) 編集履歴 関連ブログ これ以外のプラグインについては@wikiガイドをご覧ください = http //atwiki.jp/guide/
https://w.atwiki.jp/hsrwiki/pages/361.html
魔性の女 クラス 種族 レアリティ マナ 初期LV 初期HP 初期ATK 最大LV 最大HP 最大ATK 固有スキル 昇格 ガンナー 猫 5 4 1 6 3 15 生贄 魔性の女>魔性の復讐者 魔性の復讐者 クラス 種族 レアリティ マナ 初期LV 初期HP 初期ATK 最大LV 最大HP 最大ATK 固有スキル 昇格 ガンナー 猫 6 4 15 25 生贄 魔性の女>魔性の復讐者 昇格素材 狙撃の手袋 狙撃のベスト 狙撃のマスク 狙撃の名銃 入手方法 ねこ祭りガチャ 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yukue/pages/344.html
「あーもう、ムカつくな!消えろこのザコ!」 13番道路の外れに存在する洞窟、ジャイアントホールの草むらの中。 そこで少年は、手持ちの1匹であるタブンネに悪態をつきながら蹴りを入れていた。 タブンネは小さく蹲り、たまに涙でビショビショになった顔を上げ、また蹴られる。その繰り返しだった。 「はぁ~ぁ……レアポケかと思って頑張ってゲットしたのになんだよこの屑…… 進化もしない、ステータスはカス、覚える技も微妙……なんでこんなゴミポケが人気あるのか分かんねぇな」 少年は大きな溜息を吐き、独り言を呟きながら震えるタブンネの背中を踏みつけ、そのままぐっと力を込めた。 タブンネの口からは苦しげな短い鳴き声と荒い息が絶えず漏れ出し、時折少量の血が吐き出された。 「ふー、どうしようかなコイツ……別にいらないし、かといってボックスに入れる価値も無いし……そうだ!」 少年はタブンネを踏みつけたまま考え込むが、すぐに何か思いついた顔をして、タブンネを蹴りながら洞窟の奥へと向かっていった。 「はぁ、やっぱり野生うぜーなぁ……数多すぎだろ」 そんな事を呟きながら、少年はタブンネをボールから出した。 ボールの中でも何度か吐いたのか、可愛らしいピンクの体や丸い尻尾は赤黒い血液や嘔吐物に塗れていた。 「うわ、きったねー……こりゃ本当にゴミだな」 既に瀕死の状態のタブンネを見下ろし、少年はバッグから小型の刃物を取り出す。 昔から刃物好きだった少年が愛用しているその刃物――小型ノコギリを、タブンネの尻尾の根元にあてがった。 「こんな汚物触りたくねーけど……ブルンゲルがいるし洗い流してもらえばいいか」 少年はタブンネの尻尾を鷲掴みにして強く引っ張り、そのままノコギリを動かし始めた。 「ぴっ……ぴ、ぴいぃぃ……」 やめるよう懇願しているのか、黙っていたタブンネが弱々しく鳴き始めた。 しかし少年は全く気にする事はなく、タブンネの尻尾を切り落とす事に集中した。 やがて尻尾は完全に体から離れ、それを見たタブンネは目を大きく見開いて絶叫した。 「ぴ……ぴっ、ぃ……ぴぃぃぃぁぁぁぁっ!!!」 「ちっ……うるせーよゴミクズが!」 不快に感じた少年がタブンネを思いっきり蹴り飛ばすと、タブンネは背中から壁に勢いよく叩きつけられた。 その衝撃でタブンネは大量に吐血し、力なく地面にゆっくりと落ちた。 「ほら、せめて止血と回復はしてやるよ。ここで一生1匹で暮らしな。じゃあな」 すごいキズぐすりをタブンネの体にぶっかけると、少年は何も無かったような顔で外へと歩いていった。 その後ろ姿を、タブンネが憎しみと怒りの籠った目で睨みつけているのにも気付かずに…… 「はぁー、図鑑埋めるのって結構大変だな……またあそこに行かないといけねぇのか……」 数ヶ月後、少年は再びタブンネを捨てた場所でもあるジャイアントホールに訪れた。 既に図鑑を埋める、という目的しか頭になく、タブンネの事はすっかり頭から消え去っていた。 ゴールドスプレーを何度も使いながら、少年は洞窟の奥へと進んでいく。 草むらのあるエリアに辿り着くと休まず走り回り、ピッピやメタモン等を捕獲し続けた。 「はぁ……そろそろ休むか……お?」 しばらく捕獲を続けた少年が何気なく辺りを見回すと、壁の一部の大きな穴を発見した。 「あれって確か……キュレムってのがいたところだよな……?よし、行ってみるか」 少年はボールからウォーグルを出して飛び乗り、その穴の中に入った。 「うーん、やっぱり復活はしてないか……あ?なんだアレ……」 かつて伝説のポケモン、キュレムが存在し、少年を待ち受けていた場所。 そこに今、少年がここで捨てていった元・手持ちのポケモン、タブンネが立っていた。 愛らしい顔つきは憎しみ等で凶悪なものへと変わり、じっと少年を睨み続けている。 しかし少年はそんなタブンネを見ても動じず、鼻で笑いながら蔑みの視線をタブンネに向けた。 「ふん、お前生きてたのかよ。とっくの昔に死んだかと思ったぜ」 その言葉を合図にしたかの様に、タブンネはギガインパクトをなんの躊躇いもなく少年に向けて使用した。 当然、人間がポケモンの全力での攻撃に耐えられるハズもなく、少年は一瞬で後方の壁に叩きつけられた。 主人を傷つけられて怒り狂ったウォーグルはタブンネに突っ込んでいく。 しかし、タブンネのワイルドボルトにより少年と同じ様に叩きつけられる。 ウォーグルは生きたままかえんほうしゃで焼かれ、その後原形を留めない程に食い千切られていった。 一瞬の出来事だった。強力な野生ポケモンが生息するジャイアントホールで何ヶ月もの時を過ごしたタブンネにとって、 普通の旅のトレーナーである少年を倒す事など、木の実を食べるより簡単な事だったのだ。 少年が繰り出したポケモン達も、何もできないうちにタブンネに殺されていった。 ブルンゲルとスイクンはワイルドボルトで、ゲンガーとライチュウはシャドークローで。 最後のリザードンはギガインパクトで。それぞれ凄惨な方法で殺された。 この状況になって初めて、少年はこのタブンネに恐怖を抱いた。 逃げようにも体が動かず、声を出す事すらできなかった。 その時、少年の頭の中に子供の様な少し高い声が響いた。 「っ!?なんだ、これ……」 最初はよく聞き取れなかったその声が、徐々にはっきりとしていく。そこで少年は、ある事に気がついた。 「まさか、お前か?お前がやってるのか……?」 少年はその声を聞きながら、少しずつ歩み寄るタブンネを見つめながら、必死に頭を働かせる。 ――まさか、コイツがテレパシーを?エスパータイプでもないのに? ――ただの平凡な、ノーマルポケモンの癖に? ――い、いや、そんな事はどうでもいい!逃げないと…… そこまで考えた時、タブンネの牙が少年の足を噛み砕いた。 牙は骨まで達し、その骨までもが一瞬で砕かれる。 「ぎゃあっ!?いっ……てぇ……っ!」 少年は悲鳴を上げ、涙が滲む目でタブンネを見下ろす。 しかしタブンネはその顔にもギガインパクトを発動し、少年の顔と声帯を潰した。 何もできなくなった少年を睨みながら、タブンネは少年の脳内に語りかける。 ――どうして?どうして私を捨てたの? よく分からない機械で覚えられない技を無理やり覚えさせたぐらいで、あとは可愛がってくれると思ったのに…… タブンネが少年達に向けて使用した、ギガインパクトとシャドークロー。 これは本来タブンネは覚えられない技であるが、少年はある機械で強制的に覚えさせた。 そのせいかタブンネの体は一部が変形し、自由に動かせない状態にあった。 しかしそんな体でも、彼女は少年への復讐を可能にした。 痙攣する少年への攻撃を続けながら、タブンネは思考を送り続ける。 ――どう?痛い?私はもっと痛かったのよ?貴方のせいでね。 あの時私がどんな事を思ったか、貴方に分かるかしら? この数ヶ月、私の事なんて全然気にしてなかったんでしょうね。さっきだってずっと忘れてたような顔してたし。 許さない。貴方、絶対に許さないから……! 死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね殺す殺す殺す殺す殺す殺すっ!! 殺す殺す許さない許さない殺す殺す殺す死ね死ね!!あああぁぁぁっ!! 数週間後、子供のトレーナーと手持ちと思われるポケモンの死体がジャイアントホールの奥地で発見される。 それと同時に、イッシュ地方の各地で全身に血痕のような汚れのある、尻尾の無いタブンネが目撃されるようになったという。
https://w.atwiki.jp/dagirl2/pages/31.html
復讐の獣イオマンテ ■キャラクター名:復讐の獣 イオマンテ ■性別:基本的には雄 ■所持品:爪と牙 特殊能力【亡キ心(ナキゴコロ)】 忘却を操る能力。 イオマンテを見た者はまず、【助けを呼ぶこと】を忘れ去る。 逃げるにせよ戦うにせよ、単独で挑まなくてはならない。 また、イオマンテの爪、もしくは牙で傷をつけられるたびに追加で何かを忘れてしまう。 傷が深ければ深いほど、忘れてはならないものが失われる。 何を忘れさせるかの調整は基本的に不可能である。 しかし相手が無抵抗でイオマンテの爪と牙を受け入れる場合に限り、何を忘れさせるか調整できる。 プロフィール かつて、人間と山の獣たちは対等の立場であった。 互いに互いの居場所を尊重し、同じ一つの命であった。 しかし人間が増えるに従い、山の獣の居場所を、命を、人間は奪わなくてはいけなくなってきた。 その行為に人間は心を痛め、かつて対等であった獣たちに「忘れずに語り継ぐから」と許しを請うた。 山で命を奪われた獣たちが無事に神のもとに逝けるように祈ってきた。 その祈りの代表こそがアイヌに伝わる山送りの儀式、 イオマンテ である。 強大なエゾヒグマを、『エゾヒグマの姿を借りて人間の世界に降りてきた神霊』と捉え、もてなした上で見送りの宴と共に神々の世界に送り返す儀式。 命を奪い、居場所を奪い、肉を、皮を、毛を、牙を奪う以上、 その相手に敬意を示し「忘れず語り継ぐから」という想いを示す儀式。 同様の想いは各地の山で見られた。 マタギは獣の命を奪う事を「山言葉にする」と表現し、獣たちは山の一部となり永遠に在るとした。 宮沢賢治は『なめとこ山の熊』でマタギと熊の対等な在り方を記した。 山送りは全国各地で行われ、数多の獣の命が捧げられた。 そう。山の獣と人間は対等であるとして、神に捧げたのだ。 命を奪うときには敬意を示し記憶に刻んだ。語り継ぐと誓った。 ──しかし、人間は忘れた。 かつて対等であった山の獣たちと交わした儀式を。 あの日に口にしたはずの想いを。 山の獣たちはただの害獣に成り下がった。 山の神であったはずの熊ですら、いまや駆除の対象でしかない。 それどころか愛護団体などは 「可哀想だから殺さないであげましょうよ」 などと、山の獣たちを、明確に立場が下である“憐憫の対象”とした。 話が違う。 話が違う! 話が違うぞ人間! 我らの魂を奪ったのは、山に送ったのはなんだったのだ? あの日の敬意は、言葉は、祈りは、嘘偽りだったのか? それとも… “そのときは” 真実であったが綺麗に忘れ去ったというのか? あれほど日々を忘れることが出来たというのか? 何故我らを憐憫の目で見ているのだ? 許せん 許せん 許せるはずもない 許してなるものか!!!!! 山の獣たちの無念は、遂に結実し形となった。 【山に送られ殺されたにもかかわらず、忘れ去られた獣の魂の集合体】 それこそが【イオマンテ】である。 山送りで死んだ獣の魂の集合体であるため、どの獣の姿を取ることもできるが、基本的には最強である雄のエゾヒグマの姿を取る。 その姿は通常のエゾヒグマを更に狂化したものとなっている。 体長3m、体重500kg。 その爪はたやすく人間の首を捩じり切り、その牙はたやすく人間の背骨を砕く。 血に濡れたかのような赤黒い毛並みは、天然の鎧であり刃を通さない。 霊魂が集合し物質化した存在であるため、イオマンテの牙と爪は霊的事象にも通用する。 その代わりにイオマンテには物質的攻撃も通用する。 例えば普通の銃弾であっても上手くやればダメージを与えられる。 その瞳は夜を映すかのような虚無に満ちた漆黒。 イオマンテと目を合わせた人間は、自分が許されぬ罪人であり、被食者であると瞬時に悟るであろう。 イオマンテは、悠々と街を歩み、目についた人間を嬲り殺しにして喰らう。 人間たちはそれを見ても逃げ惑うばかりで警察を呼んだり誰かに話したりしない。 彼らはイオマンテの能力、亡キ心(ナキゴコロ)により助けを呼ぶことを忘れてしまっているから。 忘れるがいい、忘れるがいい、人間よ。 かつて我らを忘れたように、此度もまた忘れ去るがいい。 思い出すのは、喰われるそのときでいい。 イオマンテは、今この瞬間も人間社会に在り、目についた人間を悠然と喰い殺している。 仮にこの復讐の獣が、全寮制の女子校に踏み入れたとしたら、被害がどのくらいになるか予想も出来ない。 ──なお、余談ではあるが、今年の都内の行方不明者数は去年の三倍であるという。 プロローグSS『佐藤伝助の報告書』 はじめましての方ははじめまして。 そうでない方はお久しぶりです。 私は、魔人警察に属する捜査員の一人、佐藤伝助と申します。 貴方は、このメッセージをどのような形で受け取っているでしょうか。 音声?手紙?メール? なんにせよ、貴方が一番受け取りやすい形で届いていることかと思います。 私の魔人能力、『君に届け』は完全自動発動の情報伝達能力です。 佐藤伝助に訪れた情報を、客観的に、正確に、 今こうして伝えている “もう一人の佐藤伝助”が “どうしてもその情報を必要とする複数の者”に、 最も受け取りやすい方法で連携いたします。 数年前に起きた警察官連続誘拐殺人事件を覚えているでしょうか? あれを解決したのは私の能力です。 囮としてわざと襲われ、全ての情報を他の捜査員に伝えたのです。 私の能力を初めて体験する捜査員もいること。 ごく稀ではありますが捜査員以上に情報を必要とする何者かがいること。 そういった、私の能力を初めて受ける方もいらっしゃいますので、毎度のことではありますが能力の説明をさせていただいております。何回もこの説明を聞きウンザリしている捜査員の方もいらっしゃるでしょうがご容赦ください。 ──前置きが長くなり恐縮ですが、佐藤伝助が得た情報を伝えさせていただきます。 効果的に活用いただけることを祈っております。 ■■■■ 新宿、歌舞伎町。 言わずと知れた日本屈指の繁華街であり、様々な欲望の渦巻く伏魔殿。 そこからの通報が、今回私がお話しする事件のきっかけでした。 やや中心地から離れた通りに、大量の血痕が残されていたとの通報があったのです。 通りのど真ん中にぶち撒かれていた血液は、掠れ、飛び散り、あちこちにこびり付いていました。 誰かが悪戯で血を撒いた、などはあり得ない。 【誰か】が、【何か】に襲われ、もがき、戦い、逃げ惑う姿が幻視されるような、酷く生々しい血痕でした。 そしてその残された血量から、その【誰か】はすでに亡くなっているであろうことは明白でした。 その現場を、私は酷く奇妙なものと捉えました。 確かにそこは中心地から離れてはいましたが、それでも新宿歌舞伎町の通りの一つ。 早朝だろうが深夜だろうが、人通りが無い筈がないのです。 その通りで、これだけ派手に血潮が飛び散るような事件があったならば、通報があってしかるべきなのです。 にもかかわらず、事件そのものの通報はなく、痕跡に対しての通報があるのみ。 この事件は単純な事件ではなく、何か恐ろしいものが根底に眠っている。 捜査員としての勘とでも言うべきものが、私の肌の下でザワリと蠢いたのを覚えています。 その勘が当たっていたことは、監視カメラの分析で明らかになりました。 残された映像には信じがたいものが映っていたのです。 熊です。 例えだとか冗談ではなく、巨大な熊が大都会新宿を悠然と歩んでいたのです。 しかも、早朝でも、深夜でもなく、人が溢れかえる夕過ぎの街並みの中を。 カメラに映る人々は、突然の熊に、怯え、戸惑い、散るように逃げ始めました。 しかしおかしなことに、誰も悲鳴を上げないのです。 悲鳴で誰かを呼ぶ、悲鳴で誰かに危機を知らせ助けを求める。 そんな動物的な本能すらも“忘れてしまったかのように”、誰も彼も散り散りに逃げていました。 そして皆、手にはスマホを握りしめているにもかかわらず、警察に通報しようとしないのです。 写真を撮って誰かに共有しようともしないのです。 誰かに助けを求める。 そのために情報をシェアする。 そういったことなど、思いもつかないといった動作。 皆、ただただ己の力だけで逃げようとしていたのです。 そんな人々を、熊は… いえ、あれを熊などと言うことは私には出来ません。もっと…もっと悍ましい何かです。 奴、とでも呼ばせてください。 奴は、逃げ惑う人々を見てニンマリと笑ったのです。 楽しくて仕方ないというように。にちゃりと粘ついた音が聞こえるような笑顔を見せたのです。 熊が笑うわけないと思われるかもしれませんが…私は確かに、奴の漆黒の瞳が残酷な愉悦で光っているのを見ました。 そうして奴は、通りの真ん中で、腰を抜かして震えていたホスト風の若者の顔面に爪を振り下ろしました。 若者の顔面は果物の皮でも剝くかのようにベロリと垂れ下がりました。 痛みと衝撃で若者は転げまわり、必死で奴から離れようとしましたが無駄です。 奴は口を大きく開くと、若者の太ももをがっしりと噛み、力任せにぶん回しました。 骨のひしゃげる鈍い音が、映像越しにも聞こえてきたような気さえしました。 若者は床に、壁に、電信柱に、無造作に叩きつけられました。 奴が本気を出したらば、おそらく若者は即死していたでしょう。 しかし奴は、死なない程度の力で、丁寧に若者を振り回していました。 奴が、 心の底から人間を憎んでいること 対話など不可能な害悪的存在であること それがハッキリと伝わってくる蹂躙劇でした。 そうして玩具にされズタボロの肉塊となった若者は、奴の腹の中に納まりました。 通りには湯気が立つかのような温かな血が、派手にぶち撒かれていました。 夕方の新宿で、そのような殺戮が起きているというのに、警察への通報は一本も無かったのです。 殺戮の主は、満足したのか、逃げ惑う人々を追いもせず、楽し気に去っていきました。 その映像を見た私は、急ぎ現場に調査に向かいました。 奴を野放しにしておいてはどれだけの被害が起きるか。それを思うと動かずにはいられなかったのです。 ──誰にも協力を要請せず。たった一人で。 今思えば他にも捜査員がいたような気がするのですが、誰も彼も一人だけで捜査をしていたように思います。 ■■■ 私は残された痕跡、そして映像から、奴の現在の寝床は新宿中央公園であると推察をつけました。 その推察自体はたやすかったです。なんせ奴の姿は全て防犯カメラに残されているのですから。 一般市民に犠牲が出るのを避けるため、私は深夜に新宿中央公園に踏み入りました。 夜の中央公園は、酷く静まり返っていました。 空気がピンと張りつめ、嫌な寒気に満ちていました。 “いる” 半ば確信をもって私は捜索を始めました。 巨大な体を隠そうともしない奴の痕跡は、あちらこちらに残っていました。 爪を研ぐために使われた巨木。 汚れを落とすために使われたのか、血と人毛の浮いた噴水。 そして何より、重量感のある足跡。 足跡の底では、体液を撒き散らしたカナブンが地面の染みになっていました。 私は、そのカナブンをそっと指の腹で撫でました。 黒緑色の体液が指を濡らしました。 まるで乾いていない虫の死体は、巨大な足跡の主がつい先ほどここを通ったことを意味していました。 私は電気警棒を取り出し、警戒しながら足跡を追いました。 私は戦闘力は高くありませんが、防衛能力だけはなかなかのものと自負しています。 時間稼ぎさえできれば、死にさえしなければ、『君に届け』で情報連携をして助けを呼ぶことが出来る。 だから私は相手の攻撃を捌き生き延びるスキルを伸ばしていたのです。 警察官連続誘拐殺人事件の犯人を捕らえたのも、仲間が来るまでの時間を稼ぐことが出来たからです。 警戒心を最大にすれば、奴が正面から来たとて、なんとか生き延びることが出来る。 そう自分に言い聞かせ、足跡を追いました。 足跡は真っすぐに公園の管理事務所に向かっていました。 普段であれば施錠されているはずの事務所の扉が半開きとなり揺れていました。 キィ キィ という甲高い音が私の不安を増させました。 既に中では惨劇が起きているかもしれない。 緊張と恐怖が体に走るのを自覚しながら、息を大きく一つ吐き、勢いよく扉を蹴り飛ばして中に踏み込みました。 しかし中には誰もいませんでした。 足跡は確かにこちらに向かっていたのに。何故?どこへ? その瞬間、私は嫌な豆知識を思い出しました。 一部の哺乳類は、追跡から逃れるために自らの足跡を踏みながら後退し、その途中で別方向へ跳ぶことがある。バックトラック、もしくは止め足と言われるテクニック。確かその技を熊が使ったというケースがあったはずでは? ──もしも、その技を奴が使ったとするならば、奴はどこに? その答えは言うまでもありません。 私はハメられたことに気づき、即座に後ろを振り返りました。 その瞬間、私は美しい女性と目が合いました。 闇の中、ぼうっと一つ浮かぶ女性の顔。 白い肌と透き通った鼻立ち。年のころは22~3といったところ。 夜の街で働いているのか、化粧がやや濃かったですが、どこか純朴なところが残っている女性でした。 それは、奴の口の中に転がる、女性の生首でした。 そしてその生首は、私と目が合った直後に奴の胃の腑に飲み込まれていきました。 私の体は恐怖で無様に硬直しました。 魔人警察に属する身として、何か悍ましい存在と対峙する覚悟は出来ていました。 しかし…しかし、ここまでとは(・ ・ ・ ・ ・)思っていなかったのです。 奴は無造作に、大上段から爪を振り下ろしました。 受けに回った電気警棒があっさりとへし折れ、勢いそのままに私の額の肉は抉りとられました。 焼けた鉄棒を差し込まれるような痛みが顔面を襲いました。 その痛みを無視して、私は全力で逃げだしました。 ここで戸惑っていては映像で見たホスト風の若者と同じ末路を辿るだけです。 全身全霊で逃げなくてはいけない。 そう自分自身に気合を入れ、闇に包まれた公園を必死に駆けました。 奴の脚力は恐ろしいものと推察されますが、私とて魔人警察の端くれ。 新宿中央公園のマップも頭に入っている。 低い確率ではあるが逃げることは決して不可能ではないはずです。 文字通り命がけで、走りました。 熱い息を吐きながら、我武者羅に駆けました。 ほんの1分ほどでしょうか。 私の脚はいう事を聞かなくなり、ガクガクと震えました。 ほんの少し駆けただけなのに、足がもつれました。 息が激しく上がり、上手く走ることが出来ません。 ガクリと膝から力が抜け、無様に地面に倒れました。 確かにいい一撃を額に喰らってしまったとはいえ、想定以上の速さで体力が失せていきます。 おかしい。いくらなんでも足の進みが遅すぎる。自分はもう少し走れるはずだ。 まだ何とかなるはずだ。 そう思い、必死に立ち上がろうとする私の手に、べちゃりと液体が触れました。 それは温かな鮮血でした。私の周囲に、血だまりが広がっていたのです。 私は慌ててあたりを確認しました。 だって私はまだ額にかすり傷を負っただけ。 これほどの血を流す負傷はしていない。 ならば私の他に負傷者がいるはずだ。 そう思い濃い闇に包まれた公園を見渡しましたが、周りには誰もいません。 耳を澄ましても他人のうめき声など聞こえません。 聞こえるのはただ、 ぴちょん ぴちょん という水滴の音だけでした。 酷く不安にさせる、嫌な音でした。 その音がどこからするのか、必死で周りを確認し、ようやく気が付きました。 水音は私の腹部から鳴っていたのです。 正確には、皮膚から零れ、垂れ下がる内臓からの血が、足元の血だまりに落ちて音を立てていたのです。 一体いつ?いつこんな負傷を? 恐怖に震え、訳も分からず虚空に腕を伸ばしました。 グチャリと、私の目の前で伸ばした腕が消失しました。 ここまできて、ようやく私は既に奴が目前に立っていることを思い出しました。 そうでした。 最初の一撃をもらったときに、逃げ出す私の背に向けて奴はもう一撃入れたのでした。 本当に不思議な話なのですが、その瞬間、私は痛みを忘れ、傷を受けたことを忘れたようです。 傷を受けたことすら忘れ、ノロノロと走る私の背を、腹を、嬲るかのように爪が抉りました。 私はそれに気づくことも無く必死に逃げていたのです。 どうして私は、こんなにも当たり前で、恐ろしいことを忘れることが出来たのでしょう。 背中に一撃を貰い、大きな負傷を追った人間が巨大な熊から逃げきれるはずもない。 そんな当たり前のことすら私は忘れていたのでした。 足がもつれて倒れた?上手く走れない? 馬鹿な話でした。 奴に追いつかれ、無残に打ち倒され、地に伏した私は、 “追いつかれたことさえ忘れて” まだ何とかなるはずだと思っていたのです。 すぐそばにいる奴の存在を忘れ、認識すらできず、滑稽に踊っていたのです。 思い出すと同時に、忘れていた痛みも戻ってきました。 恥も外聞もなく転げまわり、ビクビクとのたうち回りました。 そうして、死にたくない、助けて、やめて、とうわ言のように呟きながら、 ゆうっくりと奴に咀嚼されていったのです。 ■■■■ 以上が、私のお伝えする情報になります。 今まさに私の本体は奴の腹の中で消化されております。 本体死亡時に能力がどう発動するかは私自身もよく分かっていませんでしたが… 幸いなことにこうして発動できているようです。 何か奴は…記憶操作…もしくは認識阻害能力を持っているようですね。 どうして奴の能力を受けながら皆様に私のメッセージが届いているのか? こちらの推察を最期に私は消えることといたします。 可能性其の一:私の『君に届け』が奴の能力を上回った これが一番うれしい考えですが少し楽観的に過ぎるでしょうか。 可能性其の二:『君に届け』は届いていない。私の壁打ちに過ぎない 私はこの言葉が誰かに届いていると信じておりますが…能力が発動すれど届かず、という可能性だってあるでしょう。とすればこの言葉はただの一人遊びです。 可能性其の三:奴の能力の有効範囲を過ぎた 奴の認識阻害能力には時間的、もしくは距離的制限があり、それを越えたから『君に届け』が発動した。 …もしそうならば、この情報は時間差で届いていたりするのでしょうか? 可能性其の四:奴の能力は全く別物である 私の本体に起きた事象から、奴は記憶操作もしくは認識阻害能力を持っていると推察しましたが、あくまでも推察に過ぎません。全く違う能力かもしれません。 こんなところでしょうか。 嗚呼。そろそろ本体が完全に消化されそうです。 こんな形で人生を終えるとは思いませんでしたが…最期にこうして誰かに何かを伝える、それが出来たのは良かったかと思います。自分自身が消えゆくことに特に何も思わない、魔人能力により生まれた残滓ではありますが、もし届いているならば…貴方には私を覚えておいてほしい。 贅沢かもしれませんが、覚えておいてほしいのです。 それではご清聴ありがとうございました。 …一点、忘れておりました。 いや、最後に嘘をつくのはやめましょう。 これを伝えるべきか悩んでいたのですが…やはり伝えるべきと判断いたしました。 少しお時間いただきたく思います。 最後に確認させてください。 最初に申し上げました通り、私の能力『君に届け』は、私が得た情報を “どうしてもその情報を必要としている方”に届けます。 貴方がこのメッセージを受け取っているという事は、奴の情報がなんとしても必要な方だと思われます。 ──さぁ、貴方は、誰ですか? 魔人警察に属する方でしょうか? そうであれば私の情報が必要に決まっています。 それとも、奴に家族を殺された方でしょうか。 奴に喰い殺された方は、ほとんどが行方不明という扱いになっているはずですから、残された家族は殺されたとすら認識していない…よって復讐相手としての奴の情報を必要とはしないと思われますが… もしかしたら、奴を認識し、復讐しようとしている方もいるのかもしれません。確率は低いですが。 それとも。 ──それとも。嗚呼。それとも。 今、まさに、奴に襲われている方でしょうか。 奴に、傷つけられ、忘却の淵に沈んでいる方でしょうか。 大丈夫ですか。 忘れてはいませんか。 大丈夫ですか。 傷ついてはいませんか。 血は流れていませんか。 忘れてはいませんか? 忘れてはいませんか? ──貴方の後ろに、奴がいることを。 忘れてはいませんか。
https://w.atwiki.jp/tetegogakkyoku/pages/79.html
【登録タグ ハンター】 復讐者(レオ) CV. ラレイン 記念プレイリスト 復讐者 記念プレイリスト 参加楽曲 復讐者が歌唱している楽曲はまだ登録されていません。
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/17009.html
超復讐 ジェスター R 闇 7 進化クリーチャー:デーモン・コマンド/侵略者 6000 ■進化-自分の闇のクリーチャー1体の上に置く。 ■このクリーチャーの召喚コストを、自分の墓地にあるクリーチャー1体につき1少なくする。ただし、コストは0以下にはならない。 ■W・ブレイカー ■このクリーチャーが召喚されてバトルゾーンに出た時、自分の墓地からコストが自分の墓地にあるカードの枚数以下の闇の侵略者を1体、バトルゾーンに出してもよい。 作者:だし巻き卵 フレーバーテキスト 収録 DMRA-01 「裏切りのギョギョパラス!!」 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/peabody5/pages/76.html
38 パーティーは復讐とともに
https://w.atwiki.jp/touhoumtg/pages/1764.html
燃え立つ復讐者/Blazing Revenge 燃え立つ復讐者/Blazing Revenge(R)(R) クリーチャー - 人間・フェニックス 燃え立つ復讐者にダメージが与えられるたび、クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。燃え立つ復讐者はそれに同じ点数のダメージを与える。 2/1 参考 蒐集録-レア
https://w.atwiki.jp/quizmagicianblackcat/pages/3294.html
復讐を遂げる刃 ゼノン コスト 28 レベル 1 MAX 進化元 君臨する怨念 ゼノン (A) 進 化 素 材 太陽樹ユグドラシル (樹S) 赤眼の魔法生物ロシェ (ロシェB+) ランク A+ HP 833 1,667 進化先 亡き闇の英雄 ゼノン (S) 太陽樹ユグドラシル (樹S) ヒノキノ・マスター (キノコA) MAX Lv 60 攻撃 902 1,804 進化費用 420,000 ヒノタヌキング (タヌキA) 木漏れ日の神樹 (樹A+) No.1100 Aスキル 闇底からの怒号 敵全体を闇の剣で斬り払う 売却価格 19,700 月夜に踊るフレイフラウ (フラウA) 緋色のドライアド (樹A) 編集 Sスキル バイスアーマー (9) 火・水属性ダメージを70%軽減 入手方法 進化 個別データ 備考
https://w.atwiki.jp/keikenchi/pages/55.html
一応、エンディング分岐 とある道から草むらに潜って、そこの崖を降りたところに、小さいタブンネの集落があった。 その集落のとある場所に、その中の一番大家族が住まう家があった。 傲慢な父、太った母、陰険な兄姉が住む、余り評判のよろしく無い家。 そこで一匹のタブンネ(♂)が生まれ、元気に泣き声をあげた。 しかしそのタブンネに母父兄姉は驚き、嫌悪した。 何故なら、そのタブンネは色が自分たちと違ったからだ。 「お前はタブンネじゃない、生ゴミの固まりだよw」親二匹はその仔タブンネを虐げた。 (この脂肪の塊が…)悪態を付くたびに、「しつけ」として暴力を受けた。 もっとも、日常的に虐げられていたのだが。 食事もろくな木の実を与えず、兄や姉、やがて生まれた妹弟にさえ暴力を振られ、嘲笑の的となった。 「あははっ!死ね死んじまえ!一家の恥が!」「何で生きてるの?ねぇなんで?」 (くそっ…俺が何をしたって言うんだ…!)理不尽な罵倒に、言い返すことはできなかった。 集落のタブンネたちも彼を嫌悪し、すれ違うたびに罵倒した。 もはや家の評判など忘れられ、ひたすっら村一丸となって彼を嫌悪した。 嵐のような罵倒を、唇を噛み耐え忍んだタブンネだったが……とうとう耐えられなくなり、ある夜そこを抜け出した。 しかし正直、彼が居なくなって悲しむタブンネなんて居なかった。 怒りと悲しみに任せて集落を抜け出したまでは良かったが、行く当ての無い放浪は体力を浪費するのみで、長くは続かなかった。 空腹になっても、寒さに震えても、荷物はきのみが2、3個のみ。 草むらを抜け、道を暫く彷徨い続け、ついに倒れこんでしまう。 そこで、一人のトレーナーと出会う。 「なんだ、糞豚か。でも色違いだから捕まえるかな。それに……」 何せ疲労困憊である。彼はトレーナーの言葉を最後まで聞く前に、あっけなくスーパーボールの餌食になった。 目を覚ますと見知らぬ部屋に居た。 ひんやりとした空気の中、ありふれた道に居たはずの自分は、暖かい布団の中で眠っていた。 (俺は夢でも見ているのではないか…?)とも考えたが、暖かさや外の眩しさが現実である事を伝える。 「あ、起きた起きた。」今まで読んでいた雑誌を置き、トレーナーがこちらに近寄る。 どうやらこいつが昨夜自分を捕まえた奴だ。色違いは確信した。 トレーナーはまず、「お前、何でフラフラしてたんだ?教えろ。」と切り出した。 触角を当て、(その前に、何故俺を殺さなかったのか教えろ。)と伝える。 「あははっ、そうきたか。そりゃお前は色違いだし…」なおも言葉を続ける。 「お前は、まだやりたいことがありそうだったしな。」 どきりとした。 普通のタブンネはただ毎日を当てもなく過ごす。 顔は呆け、一日家で寝そべることも珍しくない。 しかしこの色違いは違った。 毎日毎日、自分を虐げるものたちへの復讐を考えた。 それが色濃く顔に出ていたのだろう。 「よし、じゃあお前がやりたいことを教えろ。」トレーナーの言葉が考えを断ち切る。 (俺は俺を虐げたものを殺したい。それだけだ。)と伝える。 「……そうか。じゃあ、俺がお前を鍛えてやる。」トレーナーはきっぱりと伝えた。 それを良しとしない色違い。(いや、これは俺一人でやらなきゃいけないことだ。)と伝えるも、 「お前は俺のポケモンだ。言う事を聞いてもらおうか。」という、当然な言葉に一蹴されてしまった。 (くっ、仕方ない…)「はは、解れば良いんだよ。」トレーナーはけらけら笑う。 「そうだ、俺の名前を教えておこう。ブランっていうんだ。」 (俺は…名前は特に決まってないから、『色違い』とでも呼んでおいてくれ。) 「解った、よろしくな色違い。」 「あ、それと…」トレーナーは、何かを思い出したように言う。 「俺の訓練は、厳しいぞ?」 (望むところだ。)タブンネは、目を細めて伝えた。 ブランの訓練は言葉通り厳しいものだった。 しかし色違いは必死になって食い下がった。 全ては自分のやるべきこと、「復讐のために強くなる事」、それだけであった。 「はぁー……」一通り終え、深いため息をつく。 そこに、「君が色違いか。」声がかかる。 「そうだけど?」目を向けるとそこにはキュウコンが居た。 「私はロートと言う。よろしく。」ロートと名乗るキュウコンは色違いをまじまじと見る。 「なんだ?色違いがそんなに珍しいか?」これまでの体験が蘇り、自嘲気味に言う。 「いや失礼。俺がこれまで屠ってきたタブンネと大分違うもんでね。」 「顔が呆けて無いし、何より卑しさが無い…ご主人が殺さず捕まえた理由はそこにあるかもしれないな。」 ロートはふふ、と笑って踵を返し、走り去っていった。 「あいつらと一緒にされちゃあ堪らんよ…」思わず一言漏らし、訓練に戻る事にした。 「なあロート。ご主人はお前と俺しか飼ってないのか?」日が暮れた後、率直な疑問を口に出す。 「あぁ、そうだな。何でかは知らんが…まぁその分しっかり訓練してもらえるから良いんじゃないか。」 「飯だぞー、こっち来い。」 ご主人が大声で俺らを呼んでいる、急ごう。ロートの言葉を待たずして、色違いは駆けた。 一月ほど経った頃だろうか。 レベルも上がり、技も覚えた。 技は穴を掘る、10万ボルト、どくどく、破壊光線だ。 これらはすべて、来たるべき時のための技。 そして、ついに復讐のときは来た。 「本当に一人で良いんだな?」深夜、集落前まで案内されたブランは問う。 触角を当て、(これは俺一人でやる。それは曲げられない。)あくまでもキッパリと言い放つ。 「……ならば、あいつらが逃げられないようにだけはしてやる。」ブラウは根負けしたらしかった。 (気持ちを汲んでくれてありがとう。じゃあ、行ってくる。)色違いは前を見据え駆け出した。 「……ちゃんと帰ってくるのだろうか。あいつは。」ロートは、なんとも言えない不安を感じていた。 何故かは解らない、しかし、とにかく不安だった。 「よし…ロート、火炎放射!」時を見計らい、命令する。 「了解。」崖の上から飛び出し、口から炎を吐く。 それは集落の周りを包んだ。 「何だ!?燃え始めたぞ!?」見張り役のタブンネが叫ぶ。 「えっ!なんだなんだ?」一斉に飛び起きるタブンネたち。 集落は大パニックだ。 その頃、色違いは集落の真ん中辺り…の地中にいた。穴を掘るだ。 小さく穴を開け、地上を見る。 タブンネたちが逃げ惑っている。 「覚悟しやがれ…糞虫め…」静かに呟き、一気に出た。 「お前はあのクズ…グぁぁッ!」背中から10万ボルトを浴びせる。 「誰がクズだ。ゴミムシめ。」焼け焦げたタブンネが倒れると共に次の獲物に手をかける。 技を使わず首を折った。 こきりという軽い音の後、力の抜けたタブンネはその場に崩れ落ちた。 色違いは自分の家を探していた。当然ながら、最大の標的は彼らだったのである。 家、住人、所かまわず電撃を放つ。 木製の家に飛び火し、集落は炎に包まれた。 感電死、焼死、暴徒化した住人による同士討ちで撲殺…まさに地獄と化した。 しかしまだ自分の家族は残っている。いや、意図的に残したと言ったほうが正しいか。 家のドアを蹴り破り、中に押し入る。 「何しに帰ってきやがったこのクズが!」父親が威勢良く罵声を浴びせるものの、自分に対しての恐怖感は見て取れた。 「何って…親孝行にですよ。お父さん?」嫌みったらしく言うと、どくどくを浴びせた。 「グ…ギィ…ッ」「その毒は動けなくなる毒なんですよ。せいぜい苦しんでください。」 苦しむ一家に詰めよる。 「散々俺を殴ってくれましたね?お兄さん。」「それが何だ!お前は一家の恥だから仕方ないだろうが!」 ギャンギャンと喚く兄。それと被るように家族の罵声が覆いかぶさる。 しかし色違いには何も感じさせなかった。 腰につけておいたナイフを取り出し、腹を刺す。 「うぐぅっ、何をすr…」「躾ですよ、糞野郎。」 何回も何回も何回も何回も何回も何回もザクザクザクザクザクザクザクザク刺す。憎しみや悲しみを込めて、力の限り。 「グエァ、やめて…やめてくれぇっ!」「俺がその台詞を言ったとき、貴方はやめてくれましたっけぇ?」 嘲るように言い、止めに首を掻き切った。 「さて次はお姉さん、貴方のその捻じ曲がった顔をまともにしてあげますよ。」 姉が何か言う間も与えず、顔にどくどくをぶっ掛けた。 「ギャアァァァァァ!?顔が、顔ガあァぁァァァ!!!」 顔がどんどん腐食していく。目が零れ落ち、口は解け、鼻は落ちた。 「あははっ!貴女にピッタリの顔ですよ!」思わず笑いを抑えられなくなり、ゲラゲラと下品な笑いを上げる。 「さてわが弟妹よ。君らは俺に何をしてくれたっけ?」 怯えた弟妹の顔を眺め、口角を上げ問う。 「え…えっと…」言葉に出す事ができずに口をもごもごと動かす。 「何をしてくれたんだっけ?ねぇ?ねぇ?」狂気のこもった表情でなおも問う。 答えない二匹に対し、途端に怒りが沸いて出て、色違いは軽い癇癪を起こした。 「もういい!答えなくて良い!そのまま死ね糞虫が!」ついに思いをぶちまけ、二人まとめて10万ボルトで消し飛ばした。 「さて……と。」あとは憎き父母のみ。だが… 「ぐぅっ!」頭に響く一発の鈍痛。振り返ると、そこには。 「居たぞ!こいつだ!」「あのゴミ野郎だったか!」「生きて帰れると思うな!」 数匹のタブンネ。犯人を捜していた自警団が、ついに居所突き止めてしまったようだ。。 「ははは!これでお前は終わりだ!苦しんで死んでもらうぞ!」急に威勢の良くなった父が笑いながら言う。 「はは……」「うん?何がおかしい。」 「元から生きて帰る気なんて無いですよ。あはははっ!」 その瞬間、色違いは破壊光線を放った。 家から光が放たれ、爆散する。 燃え盛る瓦礫の中、吹き飛び反動で動けなくなった色違いはなおも笑っていた。 「あはは、ごめんなブラウ。俺は最初からこうするつもりだったんだ…」 ※エンディング分岐 ED1(一応BAD) 「一体、俺は何のために生まれてきたんだろうか…。」 燃え盛る集落の中で、自分の最期を迎えようとしている時、彼は笑うことを止め自問自答した。 「……駄目だ、答えられないや…」 そのとき流れる一筋の雫。 彼は、生まれて初めて涙を流した。その、ずっと耐え忍んできた涙を。 「でもやっぱ、死にたくなかったなぁ…」涙を流し呟くものの、その細い声は誰にも届かなかった…。 息絶えた彼の上に崩れた瓦礫が覆い被さる。火事は一晩中続いた。 翌日鎮火し、集落に突入するブラウ。 瓦礫と死骸の中をしばらく探し回ると、一匹辛うじて光る箇所があった。 瓦礫をどけ見えたそれは、紛れもなく色違いだった。 「……まさか、最初からこうするつもりだったのか…」「俺は、俺は……ッ!」ブラウは、気づかなかった自分を責めた。 しかしその声はもう、目の前の死骸には届くはずもなかった。 おわり ED2(一応GOOD) 崩れる瓦礫が自分の周りを埋めていく。 空は夜なのに真っ赤に染まり、焼ける死骸の臭いが鼻を突く。 その内視界が歪んでくる。遠くでまた、瓦礫が崩れる音、助けを求める叫び声がする。 「あぁ…そろそろおしまいか…」彼に視界は霞んできていた。 「……」ゆっくりと目を閉じようとしたそのとき。 一つの人の形をした何かと、一頭のポケモンらしき何かが写った。 二つの形が何なのかわかる前に、彼は意識を失った。 目を開くとそこは地獄ではなかった。 前にも体験した事のある景色だ。そして自分を包んでいる温もりも。外の眩しさも。全てが前と同じだった。 一瞬タイムスリップを疑ったが、それはすぐにかき消された。 「良かった!死んでなかったんだな!」ブラウが駆け寄る。目には涙を貯めていた。 触覚をひょこひょこと動かそうとするが、何せ体がうまく動かない。 「今はじっとしてろ。お前に死んで欲しくないんだからな。」ブラウは一方的に言葉を投げつけると、足早に、さっさと部屋を出て行ってしまった。 ぽつんと一人ベットの中に潜り込み、考えを巡らせる。 「やるべきことをやり終えたのに、死ねなかった…。」恥じる気持ちと何故か安心した気持ちが入り混じる。 もうやるべきことは終わってしまったし、また厳しい訓練が待っている事だろう。 ならば自分がやるべきことをまた新しく作ろう。 それは、「ブラウのために強くなる事。」 おわり 以上です、おそまつさまでした。 乙 復讐する -- (名無しさん) 2012-03-03 13 44 36 間違えた 復讐するssもいいね -- (名無しさん) 2012-03-03 13 45 16 復讐ってなかなか新鮮だな・・・面白かった! -- (名無しさん) 2012-03-04 01 07 55 俺はどっちかっていうとアイゴー側だけど、このSSは凄い面白かった。やっぱ個体によって性格が違うんだな。頑張れ色違い -- (名無しさん) 2012-04-16 22 57 20 いい話だ、感動的だな。この色違いはまともなポケモンだし、幸せになってもかまわないだろう。 -- (名無しさん) 2013-07-29 02 56 52 良い話だった‼︎ -- (名無しさん) 2022-02-18 16 03 01 名前 コメント すべてのコメントを見る