約 77,664 件
https://w.atwiki.jp/freetrain-exav/pages/29.html
最終更新日時:2010年05月02日 (日) 06時47分27秒 FAQ(よくある質問に対する答え)列車運転編 FreeTrainEX A-version(FreeTrainEX Av)でよくある質問と、それに対する答えのうち、列車の運転についてのものをまとめました。 なお、FreeTrain(EX)(Av)と書いてある項目については、FreeTrainEX Av固有の質問ではなく、FreeTrainEXにもFreeTrainにも当てはまることを示します。 FAQ(よくある質問に対する答え)列車運転編Q. 列車を線路に配置しましたが、走らせたい方向と逆に走っていってしまいました Q. 機関車が客車を牽引している列車なのですが、線路に配置したときに向きが逆になったので直したい Q. 機関車が客車を牽引している列車なのですが、終点に着いて折り返してくるとき機関車が客車を押す推進運転になります Q. 前項のデルタ線折り返しをすると、〔3〕〔2〕〔1〕〔機関車〕→が←〔機関車〕〔1〕〔2〕〔3〕となりますが、こうではなく←〔機関車〕〔3〕〔2〕〔1〕として折り返せませんか? Q. マップの外につながる線路に列車を走らすとどうなりますか? Q. マップ外につながる複線の線路に列車を走らすとどうなりますか? Q. 駅のダイヤ設定を、ホーム(番線)ごとに設定することはできますか? Q. ある駅に10 00に到着・12 00発車して下っていった列車を、上りでは11 00に到着・13 00に発車させたいです。しかし駅のダイヤで高度な設定をしても上りも12 00に発車してしまいますが? Q. 駅に運転停車することはできますか? Q. 駅に停車するダイヤを設定したのに、列車が通過してしまいます Q. 信号や駅ホームに「対向通過待ち」「追い越し待ち」はありますか? Q. 信号は自動閉塞しますか? Q. 車庫に、運転しない列車を飾りとして置くことはできますか? Q. 「車両の配置」メニューで、「新しいグループの追加」で追加したものの不要になったグループがあるので削除したいのですが、どのようにすればよいですか? Q. 「駅プロパティ」を表示した時の「乗車待ち客数(実数)と(需要)」とはどういう意味ですか? Q. 列車を線路に配置しましたが、走らせたい方向と逆に走っていってしまいました A. 列車の上に白い矢印が表示されています。この矢印が、列車の走っていく方向を示しています。 配置したときに列車の上をクリックすると列車の方向を変えることができます(矢印が切り替わります)。 走行中の列車に対しても、その列車の配置を選んで列車をクリックすると方向を変えることができます。 該当 FreeTrain(EX)(Av) Q. 機関車が客車を牽引している列車なのですが、線路に配置したときに向きが逆になったので直したい A. 前項のやり方で列車の走行方向を一回変えてすぐ撤去してください。そしてもう一度列車を配置すると先ほどと逆に向いて配置されます。 該当 FreeTrain(EX)(Av) Q. 機関車が客車を牽引している列車なのですが、終点に着いて折り返してくるとき機関車が客車を押す推進運転になります A. 折り返しで推進運転になるのはFreeTrain(EX)(Av)の仕様です。 なお、β2.0.2.2以降もしくはPrototype3.0.1.7以降であれば、駅・信号に詳細なダイヤを設定して折返させる際、「反転折返」「反転回送」を指定することで、下記のリバース線を使うのと同様に編成が反転して折返させることができます。 折り返すとき普通にそのまま折り返すのではなく、下のイラストのようなデルタ(Δ)線を使ったりリバース線を使ったりして先頭が機関車のまま折り返してくるようにするといいです。 またマップ外につながった線路に走らせてもリバース線を使ったと同様に帰ってきます。 Q. 前項のデルタ線折り返しをすると、〔3〕〔2〕〔1〕〔機関車〕→が←〔機関車〕〔1〕〔2〕〔3〕となりますが、こうではなく←〔機関車〕〔3〕〔2〕〔1〕として折り返せませんか? A. FreeTrain(EX)(Av)ではできません。 詳細なダイヤで「反転折返」「反転回送」を使った際にもできません。 Q. マップの外につながる線路に列車を走らすとどうなりますか? A. 数時間後に、下記のように編成がひっくり返ってマップ内に帰ってきます。 Q. マップ外につながる複線の線路に列車を走らすとどうなりますか? A. 外に出て行った線路の1つ右側の線路を使って帰ってきます。左側通行の複線そのものになります。 Q. 駅のダイヤ設定を、ホーム(番線)ごとに設定することはできますか? A. 現在のバージョンではできません。駅のダイヤ設定はその駅に属するすべてのホーム(番線)で共通となります。 ホームごとに列車の動きを制御したい場合は、ホームの1ボクセル先に信号を設置し、ホームごとに行いたい設定を信号に対して設定することで代替することは可能です。 Q. ある駅に10 00に到着・12 00発車して下っていった列車を、上りでは11 00に到着・13 00に発車させたいです。しかし駅のダイヤで高度な設定をしても上りも12 00に発車してしまいますが? A. 現在のバージョンでは駅単体のダイヤでは質問のようなダイヤにはできません。 これもホームの1ボクセル先に信号を設置し、駅のダイヤは「発車 12 00」、下り信号は通過・上り信号は「発車 13 00」と設定することで代替することは可能です。 Q. 駅に運転停車することはできますか? A. 現在のバージョンでは駅のダイヤで運転停車を指定することはできません。駅に停車すると必ず乗客の降車が発生します。 これもホームの1ボクセル先に信号を設置し、駅のダイヤは「通過」、信号にて「発車 xx yy」と設定することで代替することは可能です。 Q. 駅に停車するダイヤを設定したのに、列車が通過してしまいます A. 列車を駅に停車させるには、その列車の編成長以上のホーム長が必要です。5両編成の列車の停車には、5両分以上の長さのホームが必要となります。 その列車の編成長にホーム長の足りない駅は通過してしまいます。 Q. 信号や駅ホームに「対向通過待ち」「追い越し待ち」はありますか? A. A7,A8のダイヤでは設定できる「対向通過待ち」「追い越し待ち」ですが、現在のFreeTrain EX Avでは実現されていません。 FreeTrain EX Avの信号・駅ホームに設定できるダイヤは、時刻での停止・発車・通過の指示のみです。 対向通過待ち・追い越し待ちをさせたい場合は、対向列車の通過時刻や優等列車の追い越し済み時刻をあらかじめ調べ、その時刻にあわせた発車時刻を設定するという手順で実現するしかありません。 なお、FreeTrainでは信号システムをpluginで拡張して機能追加することは可能ですので、nanashiさんの作成された「通過監視信号(PassMonitorSignal)」pluginを利用することで、対向通過待ちをさせることは可能です。 Q. 信号は自動閉塞しますか? A. FreeTrain EX Avの信号は自動閉塞の動作はしません。 FreeTrain EX Avの基本的な信号pluginで設定できるダイヤは、時刻での停止・発車・通過の指示のみです。前方の進路が開通しているかどうかをFreeTrain EX Av側で判断して停止や発車を切り替えることはできません。 なお、nanashiさんが「閉塞信号」pluginを作成されていますので、このpluginを利用して閉塞区間と対応信号を設置することで、閉塞運転をすることが可能になっております。ただし閉塞信号pluginを利用した場合は時刻指定によるダイヤ設定は不可能となります。 Q. 車庫に、運転しない列車を飾りとして置くことはできますか? A. できます。 車庫の列車を停めておきたい位置に、停止位置票や入換信号などダイヤを設定できる信号を設置します。新規ダイヤを1つ用意して、そのダイヤで設置した信号に「高度な設定」を選択して、ダイヤ詳細内容は設定しないままにします。 このダイヤを適用した列車は、車庫の信号で停止していつまでも出発しませんので、飾りとして置いておく列車にすることができます。 Q. 「車両の配置」メニューで、「新しいグループの追加」で追加したものの不要になったグループがあるので削除したいのですが、どのようにすればよいですか? A. 現在までのバージョンのFreeTrain EX Avでは、不要になったグループの削除はできません。申し訳ありません。 残しておいて、将来新グループが欲しくなったときに名前を変えて流用するぐらいしかありません。 Q. 「駅プロパティ」を表示した時の「乗車待ち客数(実数)と(需要)」とはどういう意味ですか? A. 駅は、その周辺にある建物の持っている「人口」をもとに、その時点の乗車待ち客需要を計算します。この計算した値が(需要)にあたります。 最初は(需要)と同じだけの(実数)の客が駅で待っているのですが、列車が到着して出発すると、待っていた人の30%が乗車して行ってしまうので、乗車した人数分だけ駅で待ち続けている実数は減ります。この減った後の数字が(実数)にあたります。
https://w.atwiki.jp/arateam/pages/72.html
鉄研遺産登録。高麗人参エクスプレスの後継車。寝台列車の車両ケースの中にかぎタバコを投下した。しかし、においがつく前に発覚、かぎタバコが撤去されてしまった。 関連項目 鉄研遺産 高麗人参エクスプレス
https://w.atwiki.jp/phasmophobia20/pages/54.html
復讐や恨みなどの未練を残し、現世をさまよい続けるゴースト。 証拠 特徴長所 弱点 説明 行動指針 証拠 ・ゴーストライティング ・ゴーストオーブ ・氷点下の温度 特徴 長所 他のゴーストと比べ、正気度により大きな影響を与える。 弱点 ゴーストハウスでスマッジスティックを使用するとその部屋に長時間閉じ込めることができる。 説明 行動指針
https://w.atwiki.jp/yukue/pages/24.html
ぼくは、とてもたいようがまぶしいひに、うまれました この人がぼくのトレーナーさん、きょうからよろしくね でも、トレーナーさんはなんだかうかない顔、お腹でもいたいのかな? そんなある日、ぼくはボックスから出されました きょうから、きっとぼくもトレーナーさんのやくにたてる日が、かつやくできる日がきたんだ! ぼくはうれしかった でも、あいてはLv50のゴーリキー、とてもLv1のぼくではかてませんでした トレーナーさんは、ぼくをかかえてポケモンセンターとかいうところまではしってくれました ありがとうトレーナーさん、ごめんなさいトレーナーさん、やくにたてなくて・・・・ センターにつくと、トレーナーさんは、ジョーイさんをすどおりして、パソコンにはしりました そして、トレーナーさんは、ぼくにカーソルをあわせて、こういいました 「バイバイ、ゴミ」 ゴミ、とはぼくのニックネームでした つけられたときは、とてもすてきな名前だと思ってたけど、あとで意味をきいてから、ぼくはがくぜんとしました ひんしの状態で投げ出されたぼくのまえに、たくさんのやせいのポケモンがあつまってきました こわい、こわいよ あのゴーリキーにかてなかったから、ぼくはこんなめにあっているの? ぼく、これからトレーナーさんのところでがんばるよ、がんばってレベルあげるよ だからおねがい、ゆるして・・・・たすけて・・・・ たすけて おねがい・・・ 数ヶ月後の今、僕は、元は主人だったと思われる人間の首を片手に、夜の草むらの上で立っていた 後ろには、人間がロストタワーと名前をつけた辛気臭い塔が、僕を嘲笑うかのように眺めていた 僕の名前はゴミ、種族?確か今は、みんなからゲンガーって呼ばれてるよ 作 初代スレ 183-184
https://w.atwiki.jp/4423/pages/1914.html
編集する。 2021-12-08 18 49 18 (Wed) - [[]]とは、 videoプラグインエラー 正しいURLを入力してください。 リンク内部リンク 外部リンク 出典、参考 リンク 内部リンク [[]] [[]] 外部リンク 編集する。 2021-12-08 18 49 18 (Wed) - 出典、参考
https://w.atwiki.jp/puku1/pages/86.html
◆幽霊船討伐イベント 8月27日(土) 18:00 ~ 19:45 (Zephyrosワールド) 1.実施日時の18:00または20:00より、アテネにてスタッフキャラクターが出演する出陣式を行います。 ※出陣式に参加しなくても「幽霊船討伐イベント」に参加できます。 2.プレイヤーの皆さんは、出現する幽霊船を討伐してください。該当の海域に入ると、海賊船の出現座標がメッセージで表示されますので、現場に向かい、海戦を挑みましょう。幽霊船は多数出現しますので、準備は万全に! ※戦闘エリアは、東地中海、イオニア海です。 集合場所 17 30 リスボン三番商館 18 00 アテネ 遅れてきて流れ合流も可。 人数が多いときは「まったり」と「ガツガツ」に艦隊を分けます。 希望をかいてくださ 参加表明 なまえ 参加開始時間 種類 備考 ヨシハル 17 30 どちらかというとガツガツ どっちでもいいけどね さま~ 18 30 どちらかというとまったり 姪っこの誕生日祝いの展開次第で遅刻 Swan 17 30 がっつん KOEIめ、隅田川花火大会デートを邪魔する気だな! PAT 19 00 まったりかなあ 夕食の時間次第。どちらでも空いてるほうで 編集の仕方がわからないかたはコメントで表明お願いします おじゃるで参加します。(アテネで待機 -- Holy (2011-08-25 15 50 22) 帰宅時にはイベント終わってるようです。。。。。 -- Robby (2011-08-26 21 01 26) E鯖高台にw -- ヨシハル (2011-08-27 19 32 32) 名前 コメント .
https://w.atwiki.jp/tokaidosanyo/pages/9.html
500系V編成使用列車 ◆500系V編成使用列車◆下り(2009/2現在) 岡 山0616→博 多0920 こだま623 新大阪0759→博 多1309 こだま639(博多南1339) 新大阪1138→岡 山1303 こだま653 岡 山1451→博 多1821 こだま659(博多南1837) 小 倉1836→博 多1856 こだま769(博多南1909) 新大阪2238→岡 山2349 こだま689 ◆500系V編成使用列車◆上り(2009/2現在) 福 山0609→新大阪0747 こだま620 博 多0612→新大阪1105 こだま628 博 多1650→新大阪2205 こだま668 博 多1804→小 倉1824 こだま762 博 多1912→広 島2120 こだま724(博多南1900) 広 島2315→福 山2358 こだま682
https://w.atwiki.jp/retrogamewiki/pages/7255.html
今日 - 合計 - A5 A列車で行こう5の攻略ページ 目次 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 名前 コメント 選択肢 投票 役に立った (0) 2012年10月09日 (火) 16時37分19秒 [部分編集] ページごとのメニューの編集はこちらの部分編集から行ってください [部分編集] 編集に関して
https://w.atwiki.jp/monosepia/pages/9050.html
事件・事故 +クチコミ検索〔茅野駅不審物〕 #bf +ブログサーチ〔茅野駅不審物〕 #blogsearch +ニュースサーチ〔茅野駅不審物〕 gnewプラグインエラー「茅野駅不審物」は見つからないか、接続エラーです。 ■ 茅野駅 不審物の画像×5枚がヤバい!!! 「NEW+WEB(2018/7/27)」より / 長野県にあるJR中央東線の茅野駅(ちのえき)の不審物が注目されています。 いったいこの不審物の中身は何だったのか? 今回は、茅野駅の不審物について動画や画像やWIKIや 口コミ情報等で紐解いて見ていきましょう。 ※mono....以下のツイートは存在しません。 茅野駅で危険物が発見、不明液体が散布された模様で、駅構内が封鎖されている。 消防車、救急車が集まり、辺りは騒然としている。また、防護服を着用した人が不審物を撤去開始をし、現在撤去が完了した模様。安全確認が取れ次第だが、未だ駅構内への立ち入りは禁止されている。 pic.twitter.com/9wiqKhqzCs — 植松 真一 (@Asagiri_san) 2018年7月27日 ーーー ■ 茅野駅が電車内の不審物で騒然!ビニール袋に液体?何が入っていた? 「駆け抜ける、日々(2018.7.27)」より ーーーーー ★ 茅野駅2時間超閉鎖 中央線で列車に不審な液体入り袋 「信濃毎日新聞(2018.7.28)」より / 27日午後4時20分ごろ、山梨県北杜市のJR中央東線長坂―小淵沢間を走行中の高尾発長野行き普通列車(6両編成)の車内で、車掌が液体の入った不審なビニール袋を発見した。JR東日本は危険物などの恐れがあるとして、茅野駅(茅野市)でこの列車の運転を打ち切り、乗客約200人と駅構内にいた人を駅外へ避難させた。けがや体調不良を訴えた人は確認されていない。長野県警の捜査などのため、同駅は2時間半近くにわたって閉鎖された。県警は袋が置かれた経緯を調べている。 JR東日本長野支社によると、ビニール袋に入った液体は透明で無臭。約40人が乗車していた4両目の座席下の近くで見つかった。ビニール袋は透明で袋口が縛られ、液体が漏れた様子はなかった。 通報を受けた諏訪広域消防本部の消防隊員らが化学防護服を着て車内に入り、ビニール袋を回収。液体が何か特定するため、県警科学捜査研究所(科捜研)に送ったとしている。消防が現場で4種類の有害物質のテストをしたところ、いずれも検出されなかった。4種類の中身は明らかにしていない。 乗客によると、ビニール袋は車両後方の3人掛け席近くの床にあった。列車が青柳駅(茅野市)を通過後、乗客は駅員の指示に従って別の車両に移動したという。 中央東線は午後8時まで、小淵沢―塩尻間の運転を見合わせた。普通上下10本が運休・区間運休。特急10本を含む上下19本が最大約2時間20分遅れ、約5千人に影響が出た。飯田線も伊那新町―辰野間で一時運転を見合わせて上下2本が最大30分余遅れた。 .
https://w.atwiki.jp/meidaibungei/pages/309.html
2005年10月03日(月) 11時53分-月組 ◆藤枝(26) ほんの、瞬きをする間のことだった。 それこそ瞳をわずかに背けた瞬間に、全ては終わっていた。 彼、伯爵が再びモニターに視線を戻した時にはすでに、そこには何も映ってはいなかった。 「これは・・・どういうことだ」 苛立ちを含みながら、座っているジャンルーカに声をかける。が、彼女は答えない。 「何をしたと聞いているのだ」 答えない。 聞こえるのは、 殺人鬼の笑い声 何かの叫び声 衛兵同士の身内話 魑魅魍魎の雑念 現状を打破しようとする男の胸中 ――霧の声のみ。 彼女の心は、聞こえない。 この、『伯爵の領土』において。 わからぬものがあるなどとは。 「ヒッヒッヒヒヒヒャッハハハハハハアアハハハハハハハハハ! ッハ!」 ガシャン、と水鏡の入った盆をひっくり返したことにも気付かない様子で、ユージュは笑い転げた。 過信には戒めを。 『伯爵の領土』において、伯爵は完璧なもの――だが、自身そのものを隅から隅まで熟知している存在など、どこにあろうか。盲点はあり、そして、そこから好機は透けて見えるのだ。 「あ~あ・・・ッハハハ! 笑った笑った」 滲む涙を吹き払いながら、距離をとって様子をうかがっている三人――ストルク、アイビス、車掌――に目を向ける。 「何サ」 とたんに笑い顔が引っ込み、憮然とした表情になる。それからわざとらしく鼻を鳴らしてから、彼女はこう言った。 「キサとかいうのは連れ戻したよ」 ストルクとアイビスが顔を見合わせ、良かった、と安堵の溜息を漏らした瞬間。 こう続いた。 「さァ、約束だ。さっさと列車を出しな」 伯爵のモニターには、突然苦しみだしてうずくまっている青年の姿と、そこに相対している男の姿が映し出されていた。また別のモニターには、空っぽの寝台が映し出されている。また別のものには、徘徊する衛兵達が。また別のものには、小柄ながらも一生懸命に働いている伯爵の僕(しもべ)達の姿が。また別のものには、白刃を閃かせて魑魅魍魎を撃退しようとする甲冑らが。また別のものには、それとは異なったものが映し出され、また別のものには、また別のものが映し出され―― 「・・・これは、ルール違反だ」 ブツン、と音を立ててモニターが真っ黒になった。伯爵は平素を保った表情の下に黒い憎しみと怒りを込めながら、ジャンルーカを睨み据えていた。 「何故ならば」 言い放つ。 「私が賭けをしたのはあの男――賈玉鳴であり、君でも、そしてあの呪術師もどきの女ではない」 ジャンルーカからは何の感情も意思も伝わらない。 「つまりこれは、八百長ということになる。そう、無効試合だ」 何も返って来ない。 「ならば、賞品を戻すことに何ら不思議は無かろう。そして、私の崇高なる趣味を妨げた罪は重い――」 それでも、何も。 ただ。 「それは違うね」 別の方向から、声が聞こえた。伯爵が振り向いた先には、人間の青年がいた。 気配も無く、霧に思考を感じ取られることも無く、彼はそこにいた。 「何で、って思ってない?」 「ルール違反はどちらかな?」 青年はふぅっと溜息を一つ吐き出してから、「・・・噛み合わね~」と呟いた。それから、顔を上げる。 「ま、どっちでもいいんだけどね、俺的には。じゃさ、その“ルール違反”ってのを覆す理由を挙げるから、判断してもらおうか」 今度は伯爵が黙る番だった。青年はそれを承諾と受け取ったような素振りで話を続ける。 「一つ目。賈のおっちゃんは何らルールを破っていない。おっちゃんはルールが設定された瞬間の“この城に存在するものだけで戦”ったし、“外の仲間に助けを求めて”なんかいない。あのバアさん・・・いや、外見はまだそれなりに若そうに見えるからせめておばさんかな・・・まぁいいや。ともかく、あの人が勝手に乱入してきただけであって、そういった部外者についてのルールの言及が無かった」 そうだろ?、と得意げな顔を向ける青年に、伯爵は無言で返した。 「次に二つ目。勝敗についてだけど、あんたこう言ってたよな。“ちょうど朝日が昇る頃だ。それまでに彼女を――希沙ちゃんのことだ――この城から連れ出せればおまえの勝ちだ”と」 反応を示さない伯爵とジャンルーカに、青年はうん、と一つ頷いてから言葉を続ける。 「つまり、希沙ちゃんは賈のおっちゃんと一緒に逃げ出す必要は全然無い。乱暴な言い方をすれば、誰かが希沙ちゃんを連れ去ったっていいってことだろ? 日が昇る時に、希沙ちゃんが城にいなければ、あんたは負けちまうんだからさ――でもって、そろそろ朝日が昇る。霧ん中じゃ、わかんねぇけど」 彼の言う通り、ということかどうかはわからない――何せ霧が濃くなってきている――が、それでも、空は白っぽい明るさを放ちつつあった。 「・・・詭弁だな」 「そんなに負けたのが悔しい? 自分の中にいるのに、思うようにならなかったり、わからないことがあったりするのがそんなに嫌?」 ニカッと青年が笑う。 「詰めが甘いんだよ~」 あっけらかんと笑う灰青色の髪の毛の青年に皮肉な笑みを向けながら、伯爵はこう返した。 「成る程。願わくば、君らに永久(とこしえ)の不幸を」 「有難く頂戴いたしますよ、偉大なる伯爵閣下」 それから青年は恭しく一礼をすると、今度はこう言い出した。 「その強大なお力に甘えて、お願いがあるんですけど」 「断る」 「つれないなぁ~」 クスクスと青年が笑う。 「でも、双方にとってうまみのある話だと思うんだけどな」 「――それで、それからどうしたの?」 ガタタン、ガタタン、と定期的なリズムを刻みながら、列車は走っていた。食堂のテーブルの上には、食後のお茶とお菓子が並べられている。 「おう、そこで俺は言ってやったのよ。『おい、兄ちゃん! 嘆くより先に立ち上がれ!』ってな」 「ええ、そうでしたね。あの時は恨みましたよ。せっかく僕があの男を死に物狂いで押しのけたっていうのに、また剣を取らせようとするだなんて――って」 「こっちだってびっくりしたぜ? 囲まれてるっつうのに『嫌だ! 戦いたくない殺したくない』一点張りで。じゃあ死ぬ気か!って言っても動こうとしなかったからな。あれは焦った。嬢ちゃんも見つけなきゃなんねぇっつうのに」 「・・・そこで、老賈の華麗な中国喧嘩殺法が炸裂した、と」 言って笑うストルクに、賈は大真面目に頷く。 「ありゃ10体以上は軽くいったな」 「そう、でしたっけ」 少し首を傾げているのは、件の男――カーレルだった。彼もまた、無事に列車に戻ってきたわけであるのだが。 「・・・そっちじゃなくて」 アイビスが首を振る。知りたいのは、どう策を弄したら、皆が皆、無事に戻ってくることが出来たのか、という点である。 「絶体絶命のピンチで手近な扉を開けたら、そこが列車の『あの』扉だった――んんっ、私は、その、理由を知りたいのよ」 そのときの情景を思い出して、アイビスは少しどもった。 朝日が昇り始め、希沙(それと一緒にいたローゼン)の無事を確かめさせられ――彼女の部屋で二人はすやすやと眠っていたのだ――それによって、ユージュが強引に列車を走らせてしまった後のことだった。 もう皆は戻って来れないだろうと思っていたアイビスの、すぐ目の前の扉から、ドバッと賈とカーレルが飛び込んで来たのだった。まさしく、“噴出した”という表現がぴったりだった。 何が起こったのか尋ねても、「甲冑どもに襲われて、無我夢中で扉を開けたら何で列車の中なんだ?」という答えが返ってくるだけ。 だがおかしかったのは、賈が下敷きにしていたカーレルに全く気付かずに、うっかりひどい目にあわせてしまっていたことで。 ――それはともかく。 どうして連れさらわれたはずの希沙が自室で眠っていたのか(しかもローゼンも一緒に)。 どうして賈とカーレルが開けた扉が列車につながっていたのか(車掌もこれに関してはわからないと言っていた)。 だが思うに、それらの鍵を握っているのは、その後から悠々と、それこそ観光先から戻って来るかのように戻って来てこれまたうっかり賈とカーレルを踏んでしまった、ジャンルーカと見知らぬ青年であろう。 「・・・というか、聞いてるんですか?」 アイビスは向かいの席に座っているジャンルーカを見据えた。だが、青年の姿は見えない。というもの、その少女に膝枕をしてもらっているであろうからだ。ジャンルーカとその隣にいるはずのストルクの間の距離は不自然に開いている。 「ねえ、ジャンルーカ」 答えないだろう、ということをわかってはいても、何も答えないのはやはり腹立たしい。だが、彼女はやはり微動だにしない。 と、それに答えるように、青年はいきなり身を起こすと、 「眠い」 とだけ呟くと、ジャンルーカの手をとって、有無を言わさず扉の向こうの一般車内へと消えてしまった。 「・・・もう!」 アイビスはお茶を飲み干すと、ぷいと立ち上がった。 ユージュは列車が走り出してから自室にこもりっきりだし、希沙はまだ色々なショックが抜けきっていないために簡易医務室で療養中、ローゼンはテラスから伯爵の館を見つめ続けているし、食堂にいる男連中の話ももう聞き飽き始めた。 というか、眠い。アイビスもまた、夜を徹して祈り続けていたために、眠くてならないのだ。 「・・・ストルク、私、部屋で寝てる」 「ああ、わかった」 「おう、おやすみ、嬢ちゃん」 「おやすみなさい」 「おやすみ、なさい・・・アイビスさん」 「ええ、おやすみなさい」 アイビスが手を振って自室へ戻る。それを見届けてから、再び男達は、この不可思議な出来事についてあれこれ花を咲かせていた。 伯爵は、どこかしら新鮮な気持ちを持て余しながら、去り行く列車を見ていた。といっても、実際に見えているわけではない。列車が『伯爵の領土』――つまり自分から遠ざかっていっていることを、自分の身をもって感じ取っているのだ。 「・・・ふむ」 軽く溜息。 「私ともあろうものが、あのような口車に乗せられるとはね」 苦々しい思いと共に、あの時の記憶が蘇る。 あの時、青年は言った。 「賭けをしよう」 ルールは簡単。彼の名前を当てることだった。 賭けに出した賞品もまた、単純なものだった。 伯爵が勝てば、詭弁を弄した勝利は無かったものとする――つまり、希沙はここに残り、賈とテューンは敗北が確定し、勝負の邪魔をしたユージュとジャンルーカには罰を与えることが出来るようになる。 この青年が勝てば、彼の出した条件を飲む――つまり、列車に乗っていた者達を全員、無事に列車に戻してやる。 伯爵に、負ける要素は何一つ無かった。 ここにおいて彼は全てであり、彼の中に身を置く者達は全て彼の支配下にあるも同然だったからだ。 そこで、伯爵は言った。 「君の名は、無い」 勝ち誇ったように。そしてある男の名を付け足す。 「あえて言うならば、あの男――ジュラン・フェンゲルという者の、偽者だろう?」 以前にここに立ち寄った、異質な力を操る魔性の男。 そして、それに間違いは無いはずだった。見た目こそ違えど、その魂は非常に似通っていた――青年が偽者である限り同質とは言いがたいが、差し支えは無かった。何故なら、偽者に名前があろうはずが無かったからだ。 「――甘かったな」 伯爵は、こう思っていた。 ――この男は、目の前にいるこの幻の少女ジャンルーカが、自らの代弁者として生み出したものに過ぎないのだ、と。 そして、それが早合点であったことを知った。 あの時の衝撃は忘れはしない。そしてこれからも色褪せはしないだろう。 伯爵の見ている前で、青年は笑った。そして見る間に、一匹の猫へと変わってしまったのだ。 ――テューンか・・・ 呟いていたのか、どうだろうか。 いったいいつから、あの猫の姿が見えなかったのだろうか。 迂闊だった。 全てが。 ユージュのくだらない呪術のタネはわかっていた。ジャンルーカという少女に呪いをかけ、その瞳に映ったものを転移させる、という子供だましのものだ。それが成功してしまったのは単なる偶然――カーレル、いや、ケビンとかいう殺人鬼が、希沙とローゼンを殺そうとしたからだ。呪いの正体に気付き、片時もジャンルーカから目を離さなかった伯爵が思わず目を瞑ってしまった瞬間に、奪い取られてしまったのだ。(ちなみに、一緒にいたローゼンが奪われてしまったのもそのためだった。あの呪いは、手近にあるものまで一緒に引っ張っていってしまうからである) しかし、あの猫――テューンの正体を見破れなかったのは自分のミスだった。 慢心、と認めても差し支えないだろう。 どこまで見通していたのかはわからないが、結局、勝負に勝ったのは彼だったのだ。 あの特別な少女、希沙。そして愛すべきローゼンを奪われたことは確かに手痛い。 だがそれ以上に。 甲冑に囲まれ絶体絶命の賈とカーレル(少し前にケビンから戻ってしまったのだ)の最期を見れるかもしれないという楽しみを。 そして勝負に負けた時に見せる敗者のあの苦悶と絶望に満ちた表情を見る愉悦を。 彼がやすやすと奪い去っていったことの方が段違いにつらい。 あの、自分でわざわざ小鳥を逃がす苦しみ――賈とカーレル、そしてジャンルーカとテューンを、わざわざ列車まで自分の力で送り届けた時の煮えたぎる感情といったら! 予想外のことが起きようともそれを自らの目的に沿うように修正し、最終的には目的を達成する――そう、あの、ジュラン・フェンゲルのように。 「・・・面白い」 笑う。 ジュランのときは警戒してたのもあり、手ひどい仕打ちを受けることは無かったが、今回ばかりは完全なる敗北を認めざるを得ない。 伯爵は笑うと、意識を列車に乗っているローゼンに向けた。まだ、伯爵の領土からで切ってはいない。となれば―― 『ローゼン』 呼びかける。 ややあって、か細い声で『伯爵様』と返ってきた。聞こえるのは小さい声だったが、喉も裂けんばかりに叫んでいる彼の健気な姿を感じ取って、伯爵は満足げに笑って続けた。 『もはやおまえは暫く、ここには戻っては来られないだろう』 泣きそうなローゼンの顔。楽しみたいとも思うが、自分の声が聞こえなくなってしまっても困る。ここは我慢して続ける。 『だが、心配は要らない。別れは短い間のこと。それまで、外の世界を見てきて欲しい・・・私の瞳となり、耳となり、口となって』 『しかし・・・!』 『命令だ、ローゼン』 まだ何か言おうとするローゼンに、伯爵は続ける。 『私はローゼン、おまえを通して旅に出たも同然なのだ。おまえにはわかるまいが、私は常におまえを感じているし、おまえの全ての感覚が伝わってくる』 ローゼンの声が遠い。もうあまり時間が無いようだった。 『私のために・・・尽力しなさい、ローゼン』 笑いかけて、そして暫くして、列車の気配が消えた。ローゼンの視界を通して見ても、霧に囲まれた館はおぼろげにですら見えはしない。 ――だが、これでいい。 また、笑う。 これは、同じく慢心をしたユージュのミスだ。 伯爵を振り切り、全て終わったと思い込んでいる彼らへの――いや、あのテューンという男への、甘美なる棘。 ――よもや、この私が傍にいるとは思うまい。 笑う。 久々に、面白いことになってきた。どんな遊戯よりも胸躍る、見世物。 残念なのは、自分が相手に何一つしてやれないことだ。伯爵がここにいると宣言し、相手を怯えさせることすら出来ない。しかし、そのじれったさもまた新鮮で胸が高鳴る。 「時には、思い通りにならない歯痒さもいいものだ」 朝焼けの中、列車は走る。伯爵の笑いを、振り切ったと信じて、前へ、前へと。 そこに線路がある限り、列車は走る。 ◆27(あれ、29では? 穂永) 朝焼けの日は天気が崩れる。 と言って大崩れしたわけではない。明るい雲から静かな雨がさらさらと滑り落ちてきただけだ。雨水が列車の窓を洗い流していく。窓の外には森が広がる。冬も葉を落とさぬ針葉樹の森。木の葉の色は暗く、思いのほか木の下は明るい。揺れから察するに、線路はわずかに傾斜した坂を上っていっているようだ。かなたに山が見えた。高い高い山。あるいは列車は、あの山を目指しているのだろうか。 伯爵の領土を去って六時間ほどが経とうとしていた。一時は沸いた車内の空気も次第に冷め、暗く重くなっていた。軽やかな雨の音と、心地よい列車の揺れが、場違いに思えるほどに。 昼食が運ばれてきた。ロールパン、ほうれん草のスープ、ポークソテー、牛蒡のサラダ。楽しい食事とはならず、空気は相変らず暗いまま。ローゼンは密かにみなの様子を観察した。ストルク、この男が暗いのはいつものことだ。テューンとジャンルーカ、これまたいつものとおり。賈――はいない。疲れて部屋で寝ている。ユージュとカーレル――伯爵が言っていた、この二人は危険であるから近づかないようにと――も部屋に行っていてここにはいない。希沙。ポークソテーがうまく切れないらしく、ナイフを握り締めて皿の上に暴威を振るっている。ため息が出た。 「ちょっと貸してみて」 返事を待たずにソテーの皿を取り、食べやすい大きさに切り分けてから返してやる。 「あ、あの、……ありがと」 少し顔を赤くして希沙が皿を受け取る。今度はフォークを握り締めて、切り分けられたソテーと牛蒡サラダに向かって暴威を振るい始めた。ローゼンは見なかったことにして、自分の皿に向かう。とりあえず、ロールパンをちぎってスープに浸し、口の中へ。悪くない。 三口、四口と食事を進めていると、急に目前に座っていた少女がすっと立ち上がった。 「ごちそうさま」 口はそう動いたように見えたが、声は聞き取れなかった。 「アイビス、もう良いの? ほとんど手をつけてない――」と希沙が言った。 「いいの」とアイビスが応じた。「ダイエット中だし、食欲もあんまりないから」 「身体壊しちゃうよ」 「一食軽めにしたって、たいしたことはないわよ。あ、スープとサラダは手をつけてないから、足りなかったら希沙が食べちゃっていいわ」 「残飯に手を出すほど意地汚くないよ」 冗談のつもりだったらしいが、アイビスを笑わせることはできなかった。アイビスはそのまま部屋に入ってしまった。そうか、おかしかったのは彼女だ、とローゼンは思った。希沙ともストルクとも他の誰とも言葉を交わしていなかったし、今もナイフで肉を切り刻むばかりで――もっとも、マナーのほうは誰かと違ってちゃんとしていたが――細かくなった肉のかけらを口に持って行こうとはしていなかった。 アナウンスが入る。 『皆様、ランチはお楽しみいただけておりますでしょうか。ご案内申し上げます、次の駅、『空の古城』へは夕方五時の到着予定となっております。皆様にはご迷惑をおかけしますが、これより列車は登りに入りますので、揺れが大きくなることと思います。ご気分が悪くなりましたら、乗務員までご連絡ください』 ああなるほど、とローゼンは思った。次は『空の古城』、その次はもう『翼ヶ峰』なのだ。彼女、アイビス・ブロンズヤードにとっては、おそらく宿命の地と言えるだろう。そこへ着くのは、多分明日の昼ころ。もう二十四時間も残っていない。 ――まあ、僕には関係ないか。 思考の間も休まらぬ口と手は、すでに昼食を平らげていた。やや物足りなく感じ、ふと隣を見ると、希沙のテーブルには皿が一つ多い。そしてアイビスのテーブルから、皿が一つ減っている。牛蒡サラダがない。 「残飯に手を出すほど意地汚くはないんじゃなかったんですか」 「ひゃっ、ばれた?」希沙は照れくさそうに笑う。「――みんなには黙ってて」 「条件があります」 「それは?」 「今から僕がすることを、見なかったことにしてください」 そう言って、ローゼンはすっと手を伸ばし、アイビスのテーブルからスープを取った。それから希沙とローゼンは眼を見合わせて、笑った。 雨は、みぞれまじりに変わっていた。一方で空はますます明るくなっている。 ――晴れるかもしれない。あるいは、雨が完全に雪に変わるかも。 どちらになるかはまだ分からない。ただ確実に、列車は『空の古城』へ、そして『翼ヶ峰』へ近づきつつあった。 30(?) バーネット 青一色だった空にわずかに赤が混じる頃、列車は『空の古城』に到着した。 空の、と銘打たれている地ではあるのだが、実際に空に在る――つまり空に浮かんでいるわけではなかった。現にそのレールは今もしっかりと大地に縫いとめられている。それ以前に、そもそも列車が空を飛んだり、レールが宙に浮いていたりということなどあるはずがないのだが、それくらいは出来そうであったり、むしろレールの上を走らずとも空を飛んでいきそうな、そんな不思議な雰囲気がこの列車にはあった。希沙としてはそうだったら素敵だともおもうのだが、実際のところレールもなしに走り、あまつさえ空まで飛んでしまう列車など異常としか言いようが無い。もっともそれはあくまで希沙が心の中で思ったことであるため、つっこんで彼女の乙女チックな幻想を台無しにしてしまうものはどこにも存在しない。存在はしないのだが、現実はしっかりと希沙を裏切ってくれた。 まあ要するに、ひょっとしたら空に浮いているお城に行くんじゃないかという期待を抱いていた希沙がちょっとがっかりした、という話である。 「本日はここで停車し、明日の昼ごろ再び発車いたします。列車の外へ出るのは御自由ですが、暗くなると危険ですのでそれまでには戻ってきてください」 車掌の声が車内に響き渡る。とはいえ実際に車内にいたのはカードをしていた希沙、アイビス、ストルク、ローゼンの四人だけだったが。ちなみにカードの結果はほぼローゼンの一人勝ちで、次点がストルク、希沙とアイビスはぼろぼろであった。勝って自慢げなローゼンにアイビスが噛み付こうとするのを希沙とストルクで止める、というシーンが果たして何度あったことだろうか。希沙だってそれなりに悔しいのだがいっそ清々しいほどのアイビスの形相を見ているとまあいいかという気持ちになれたので普通に楽しむことが出来た。 車掌の声に真っ先に反応したのはすでに遊びの表情ではなくなっているアイビスである。勝負途中のカードをテーブルに投げ出すと、希沙の手をつかみ引きずるようにして出口のほうに歩き出した。慌てたのは希沙である。 「え、えっ? あ、アイビス?」 「行きましょう、希沙。……いいから来なさい」 「う、うん……」 思わず流されてしまった希沙を責めてはいけない。アイビスの表情は希沙を怯えさせるのには十分なほどに険しかったのだから。問題はその後だった。空気が読めていない――というか何がなんだかわからない希沙は助けを求めるように――余計な一言を発した。 「ろ、ローゼン君も一緒に行かない?」 場の空気が――もとから多少そうではあったが――いっきに気まずいものとなった。さすがのローゼンもこれには絶句した。自分に対して怒り狂っている少女と一緒に行くのか、それとも不安そうな目でこちらに助けを求めている少女を見捨てるか、そもそも何故隣の男ではなく自分なのだ――などというローゼンの内心の葛藤は無論希沙には分からない。そしてしばらくの後、ローゼンはゆっくりと席を立った。ただでさえ白い顔がさらに青白くなっているようにすら見えた。 そんなこんなで三人の少年少女は連れ立って列車の出口の前に立っていた。まず不機嫌そうな顔のままのアイビスがさっさと降りていってしまう。続いて希沙。最後にローゼンが降りようとしたとき―― 「すみません、ちょっとよろしいでしょうか」 声をかけてきたのはもはや顔見知りも同然となった車掌である。ローゼンに向かってかけられたものであろうが、気になって希沙も立ち止まった。アイビスも一瞬振り返ったが興味なさそうにそのまますたすたと立ち去ってしまった。その様子をちらりと見た後、ローゼンは車掌へと向き直った。 「それで私に何か御用でしょうか?」 「はい。あなた様の資格のほうを拝見させていただきたいのです。ここはすでに『伯爵の領土』を越えた場所となっております。ここから先に行かれるのであれば資格が必要となります」 「――もし、資格がなければ?」 「申し訳ありませんが当駅にてこの列車を降りていただくことになります」 「え!? ローゼン君降りちゃうの?」 「それはお客様の資格次第です」 驚く希沙の問いに車掌は淡々と答える。希沙はローゼンのほうに視線を移すが張本人である彼自身もいたって落ち着いた様子であった。 「それで私はどうすればいいのですか?」 「この本に触れてくだされば結構です」 そう言って車掌は懐から一冊の本を取り出し、ローゼンへと差し出した。大きさは文庫本程度、ただその割には凝った装飾が施されている代物だった。 ローゼンは指示されたとおりに手で本に軽く触れる。そして彼が手を離すと車掌はそれを頭の高さまで持ち上げ真剣な面持ち見つめた。しばし沈黙。なんともいえない空気の中、希沙は緊張とも不安ともいえる気持ちで二人を見ていた。 車掌の表情がふっと緩んだ。そしてその手に持った本を頭から胸の辺りに移すと軽く一礼した。 「確かに拝見させていただきました。あなた様の資格ならばまだ乗車し続けることが可能です。あと、これは差し上げます。乗車券の代わりとなりますのでくれぐれも無くさないように」 先ほどの本を車掌がローゼンに差し出す。ローゼンは無言でそれを受け取ると無造作にポケットへと放り込む。 「よかったね、ローゼン君」 「いえ、最初から問題などありませんでしたよ。私は『伯爵の使い』なのですから。それより急ぎましょう。これ以上彼女を怒らせないほうがよさそうですから」 そして二人は外へと消えていった。 珍しいものを見た、と彼はひとりごちた。 この列車に乗るには資格が必要となる。資格というのは人それぞれで、実質無限に等しい数だけ存在している。その中には至って平凡なものもあればとんでもない変り種もある。たとえばユージュという名の乗客の資格。彼女の資格は意味不明な記号の羅列で出来ており、読み取ることが出来なかった。また、カーレルという名の乗客は『殺人天才』と『逃げ切れぬ逃亡者』という二つの資格を所持している。基本的には一人につき一つしか資格をもてないにもかかわらずだ。 そして、あのローゼンという少年の資格も珍しいものであった。かの少年の資格は『伯爵の使い』。それは間違いない。ただ、その資格はなぜか少し薄れて見えた。 資格というのはある意味絶対なものといえる。資格と呼べるところまで大きくなったそれを消したり変えたりすることは極めて困難でまず不可能であるからだ。だがあの少年の資格は確かに薄れていた。そして、それの下にほんのわずかではあるが別の言葉が見えた気がしたのだ。それの意味するところはつまり―― (――いけないいけない) 声に出さずにそう呟いて、彼はそこで自分の思考を打ち消した。余計なことを考えるのは自分の役目ではない。むしろやってはならないことだ。なぜなら自分の資格は―― 車外へと消えていった少年と少女を見送ると車掌である彼は自らの仕事へと戻っていった。普段と何も変わらぬ淡々とした態度で。 31?(皆既日食) 昔々、魔法とかいうものがそろそろ世界から消えかかっていた時代に、湖の貴婦人と呼ばれる魔女がいました。 彼女はある湖にずっと住んでいたのだけれど、時は戦国の世、戦いに巻き込まれないよう血生臭い地上を離れて空に住むことに決めました。 魔法を使ってお城を空に浮かべて、貴婦人は誰にも邪魔されず娘といっしょに平和で幸せな生活を送りました。 そんなある日のこと、娘が突然「家を出たい」と言い出したのです。 退屈しのぎに下界を見ていたとき偶然目にした王子様にどうしても会いたいと言うのです。湖の貴婦人は反対しました。地上ではいつも戦争が起こっていて危ないし、なにより魔女の娘ごときと王子様の恋など叶うわけがないのです。しかしそれでも娘はひと目会いたいと言って聞きませんでした。とうとう怒った貴婦人は娘を部屋に閉じ込めてしまいました。きっと娘もすぐに目を覚ましてくれるはず――彼女はそう思っていたのですが、娘は母親の目を盗んで箒に乗って家を出てしまったのです。 大慌てで娘を探した貴婦人でしたが、そのときすでに娘は王子様に侍女として使えていました。なんとか連れ戻したいとは思いましたが、王子様の側にいる娘があまりにも幸せそうで結局連れ戻すのを諦めてしまいました。 そして3年の月日が流れたころ、王子様の国が滅ぼされてしまいました。 湖の貴婦人は血相を変えて娘を探しました。ああ、もっとしっかり見守っておけばよかった!こんなことになるなら無理矢理にでも連れ戻しておけばよかった!! 幸いなことに娘は無事に帰ってきました。しかも最愛の王子様を連れて。 それから3人は平和で幸せな暮らしを送りました――が、ある日、王子様が言いました。 「父と故国の仇を討つため、私に魔法を教えてください」 貴婦人は断りました。故国の恨みは忘れて、この空の城で平和に暮らしましょう。復讐などで人は幸せにはなれないのだから。 それでも王子様は諦めませんでした。何度も何度も頼み込み、結局彼女は娘の想い人の頼みを断りきることが出来ませんでした。 そして王子様が旅立つ日、彼が無事に帰ってきてくれるように一本の魔剣を渡しました。斬ったものすべてを青銅に変えてしまう「ルパルクティング」を。それでもこれが今生の別れだとわかってしまう彼女は、王子様の背中を見て涙しました。 部屋に戻った彼女は、娘もまた王子様についていったことを悟りました。あの日と同じように。 それから湖の貴婦人は空のお城を地上に戻しました。二人がすぐに帰ってこれるように。 春が来て夏が来て秋が来て冬が来て、そしてまた春が来て。彼女はひとりで待ち続けました。 いつまでも、いつまでも。 ◆藤枝 「お弁当、お飲み物、え~・・・その他諸々、販売中で、ございます・・・」 ぎこちない宣伝文句を呟きながら、車掌が荷物のドッサリ乗った手押し車を持って来た。 「・・・珍しい光景ですね」 とこれはストルク。 「ええ、まぁ・・・実はですね、捩れてしまいまして。扉が」 「成る程。しかし、原因は?」 「それがわかりましたら、苦労はいたしませんとも」 「あの、ちょっとすみません」 そんなストルクと車掌さんのやりとりに割って入ったのが、カーレルだ。 「“捩れる”と、どうして車掌さんがこんな・・・車内販売を?」 ウムム、と軽く咳払いをしてから、車掌が答える。 「一言で申し上げますならば、食堂車が使用不可能となった、ということでございます。ああ、ご心配無く」 不安そうな顔をしたストルクとカーレルに、車掌が淡々と告げた。 「臨時停車中に列車内部全ての点検、及び修復を完了いたしますので、明日の昼過ぎからはまた食堂車をご利用いただけます」 「理由が不明なのに、ですか?」 「ええ。知るべきは結果、そしてそれに相応しい対応のみ、でございます」 苦笑交じりで顔を見合わせた二人に一礼をし、「では失礼を」とだけ告げると、車掌はまた歩を進めた。 慣れない販売文句は、そのままにして。 「お弁当に、お飲み物・・・その他ご要りようの物などございますでしょうか」 「泡沫の接吻」 そう手を上げて車掌を止めたのは、ユージュだった。正確には手を、というよりはブレスレットとネイルアートされた長い爪を、とした方がしっくりくるだろう。 「・・・申し訳ございません」 「宵月の草葉、露光る輝石、紫苑の薫香・・・無ければ雪照らす月でもいい。あるだろ?」 「いえ」 ブハァッと口から大げさに煙を吐き出しながら、ユージュが嘲笑った。 「無いわけないだろ? エ? 何か、ここは禁煙車か? そんなワケないだろうよ。それとも何かい?」 簡単な荷物チェックをしている車掌に向かって、嫌味たらしく口を歪める。 「――言葉がわからないわけじゃあ、ないだろうね」 しかし、車掌は冷静だった。 「そのようなものは、ただいま持ち合わせてございません」 チッ、とユージュが盛大に舌打ちする。 「煙草だ、煙草」 「こちらです」 差し出された三つの箱――「金の羽根」「千切れた葉」「血の荊(イバラ)」、どれも彼女にとっては聞き馴染みの無いものばかりだった――を胡散臭そうにジロジロ見て、それからまた舌打ち。 「全部」 「かしこまりました。お支払いは」 「カード、とでも言うと思ってンのかい?」 ジャラジャラと盛大な音を立てて――といっても主にその音は装飾品から出ていた――古ぼけた金貨が一枚投げ捨てられた。あさっての方向に飛んで行った、というか飛ばされたが、車掌は器用にそれを片手でキャッチし、涼しい顔で一礼する。 「ありがとうございました」 それから同じように釣銭を飛ばして去って行く。もちろん、釣銭をはじき返して落としてしまい、ブツブツ言いながら拾い集めているユージュには目もくれずに、だ。 「煙い~」 ゴホゴホ、とテューンが咳き込んでそう叫んだ。と、そこにすかさず煙が吐き出され、テューンの体が一瞬、赤っぽい色に包まれる。 吐き出しそうな顔をして、涙を流してゲーゲーやっている猫の姿を見下しながら、ユージュが唇の端を引きつらせる。 「喫煙は個人の勝手サ」 「アンタさぁ~・・・こんな言葉~知ってる~? 『喫煙は~時間のかかる殺人だ』~って~やつ~」 「初耳さね」 ユージュはそうしらばっくれると、キセルの先でテューンを突付いた。 「そもそもネコの姿で偉そうな口きくんじゃないヨ、エ? この“猫被り”野郎が」 「厚化粧に年齢詐称のクソババアに言われたかないぜ」 バシッと一瞬、両者の間に火花が散った。それから暫くの沈黙の後、ほぼ同時に口を開く。 「――この」 「――そもそも・・・いや、レディー・ファーストだ、お先にどうぞ」 それからユージュはフン、と軽く鼻を鳴らすと、キセルをひっくり返して火種を小瓶に詰めた。 「アタシゃネ、いいかい、つまんないことは嫌いサ」 「で?」 「だから警告しといてやるヨ・・・」 それから煙で濁った空気をすぅっと吸い込んでから、ニヤニヤと紫色の唇を歪めながら言った。 「“時”の駅には降りるんじゃあない。愛しの君を自分の目の前で消したくなければネ」 体を震わせながらそれだけ言うと、ユージュは装飾品から派手な音を立てながら、ズルズルと扉のほうへ去って行った。 「・・・つまりは、アンタにとっちゃ、俺らが存在し続ける方が面白いと踏んだわけだな」 クックック、と背中を向けたまま、黒いローブが震える。 「そりゃあそうサ。見世物は滑稽で、悲劇的であればあるほど、いいモンだからネ」 車掌が事の重大さに気が付いたのは、車内販売を終えた後のことだった。 “扉”に関して言えば、何の問題も無かった。ただ、一種特殊な地域――言うまでも無く、伯爵の領土のことだ――を通過したために、一部の機能が障害に見舞われたというだけのことだ。時間とともに収まっていたし、また、彼にとってはそんなことは茶飯事だった。 ただ、そんな彼にとって、今、自分の身に降りかかっている状況は信じられないものであった。 「――お客様」 彼は言った。 「ここから先は、乗務員以外、立ち入り禁止となっております」 相手は何も言わない。 「規則ですので」 「・・・破ったらどうなる」 ようやく、ボソリとそう呟く声が聞こえた。車掌は黙考した後、「存じません」とだけ返した。 「この車内において、列車が定めた規則は絶対です。如何な状況であれ、例外はございません。また、規則を破棄した結果、どのような事態が引き起こされるのかはわかりません。ただ、試してみたいとおっしゃるのであれば、乗客の生命全てを賭けていただかねばなりません。この世界で足を失うことになりましょうから」 それからクルリと振り返って、感情の無い声で続ける。 「しかし、貴方様はそれをお望みではないはずです、賈玉鳴様」 突然、アナウンスが響き渡った。 「皆様、ご歓談中失礼いたします。当列車は御用命により、『時の忘れ形見』へと向かいます。『翼ケ峰』のご到着が遅れますことを、ご了承くださいませ。また、お客様方には多大なるご迷惑をおかけいたしますことを、ご容赦ください。また、通過地点の『時の廃墟』、並びに『時の回廊』への降り立ちは、お客様各人のご判断にお任せいたします。長々と失礼いたしました」 その急な進路変更の真意を知るものはいない。 ただ一人、賈玉鳴を除けば。 彼の長かった旅はそこ、『時の忘れ形見』にて一端の終わりを見せることになる。 これにて伯爵編は終了だぁああああッ! 自分が言い出しっぺでナンなんですが、こんなに長くなるとは・・・恐るべし伯爵パワー! というか、ローゼンを通して伯爵も旅に同行状態になっちゃってるけど、いいよね? いいよな? 知~らないっと。(藤枝) 次の『空の古城』と『翼ヶ峰』はアイビス編でしょうか。このリレーもだんだん後半に……なってきてるのか?(穂永) 殺人天才。ジーニアスオブマーダー。おお、ちょっとカッコイイかも。こんな感じで各キャラの資格に名前をつけてみるとかどうでしょう。ネタバレが含まれたりしてなければ、ですが。(バーネット) アイビス編ということで剣の塚の続編っぽく。翼ヶ峰もということはひょっとして三部作なのかこの伝説(皆既日食) 賈は、アイビスとストルクよりも、 ”前” に 降車しております。 てなわけで、突然の賈編突入。そして、別れ。出会いがあるかは知らない。 アイビス&ストルク、暫し待たれよ。とはいえ、賈の降車を一言で表される可能性も無きにしも非ずなわけなのだが。(R)