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次元科学講義 時崎空は、次元科学を殊に研究する様になってから、一般人・学生・研究者・企業経営者・政府関係者等々、 実に幅広い種類の人間に対する講義の依頼を受ける様になった。 それがある程度慣習化してくると、彼女は基本的な流れをメモに書き記す様になった。 以下は、一般人向けにそれを纏めて分かりやすく図と共に解説したものである。 ◇図の内、黒い丸が我々の住む様な"次元世界"、その中の白い丸が次元世界毎にある地球の様な"惑星"、 そして、それを囲む青い楕円が"十一次元空間"である。 ◇次元世界は、十一次元空間に泡の様に浮いているのではなく、お互いに重なり合っている。 ◇十一次元空間と次元世界の空間座標の関係は=ではなく>であり、 十一次元空間で一の距離を動くと次元世界では十の距離を動く。 (但し、これは分かりやすい例えであり、実際は異なる) また、これを応用して、超長距離を極短時間で移動することが可能となる。 ◇近年、度々観測されるようになった"惑星の虚像"は、 それが観測された時に偶然重なり合った"別の次元世界"に存在するもので、 それが我々の次元世界の空間に投影されたものである。 ◇虚像の発生原因は十一次元空間の乱れであり、他の次元世界と重なり合っている時に発生すると、 互いの空間に虚像が投影されるが、この際、重なり合った先の次元世界への跳躍が極めて容易となる。 ◇逆に、重なり合っていない他の次元世界へ跳躍する際に次元が乱れていると、 座標の特定が難しくなるなどの要因により、跳躍が極度に制限される。 例として、目的地から大きくずれた場所へ出たり、 そもそもコンピュータ側が情報を演算出来ず跳躍を実行出来ないなど。 ◇これまで発見され、名称付与・開拓された次元世界には、実際に他の次元世界に存在する惑星と、 地球と同一の次元世界の遠く離れた場所に存在する惑星の二種類があり、 殆どは、空間座標の算出及び指定が容易な後者である。 era1 行事
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クラルダチョウ 草原から砂漠まで、何処でも走れる陸上の鳥。 頭部と尾羽、退化した翼から生える色鮮やかな羽毛は、本来求愛の為のものだが 人間の貴族や資本家の心を射止めたことで、現在は彼らの乗り物として重宝されている。 気性は穏やかだが非常に憶病な性格であり、一度暴れると手が付けられなくなる。 直線距離を時速40キロで駆け抜けるその巨体に直撃すれば、死は免れない。 era2 era3 種族 魔物
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人類変異種《ドワーフ》 era2初期、気候の変化に対応するために外形を変えた人間種の1つ。 通常種やエルフと比べ絶対数が少ない。 身長140~150cmと小柄で、全身が岩のように堅い筋肉で覆われており、 種全体として怪力、あらゆる環境での生存を可能とする強靭な肉体を持つ。 文明の発達前には主に狩人や鍛冶職人として生計を立て、少人数での生活を好んだ。 そのため彼らは町や都市部には居を構えず、町外れの森や山間の丘等に住み着いていることが多い。 era2の文明開化後もその生活様式を変えることはなく、時代の流れに不干渉であった。 関連項目 ユナート ソッツィ・アーペィ ザ・ルーブ era2 era3 人種
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Desert Demon 上級悪魔は通常、こちらの世界には来れないと云われているが、 何かしらの執着によってゲートを通ってくるとも考えられている。 今回の場合、この悪魔の執着は一輪の花であった。 この悪魔は出現地点の砂漠地帯から、少し先にある湖までの道を毎日行き来していた。 湖が人間に使われることになり、度々現れていたこの悪魔は討伐対象となってしまう。 長らく討伐隊を退けてはいたが、日増しに傷は深くなり、その日やってきた討伐隊に追い回され、 虫の息となりながら目的の場所へと辿り着いた彼は、最後の水やりを終え消滅した。 era1 era2 era3 悪魔
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遠出の巡視者 通常の魔物は人工物の周囲に近づこうとしない。 強力な力を持つ大型級などは、縄張りの守護や周辺への威嚇のために縄張りから動こうとしないし、 脆弱な小型級などは身を守る為に、敢えてそのような場所に寄りつこうとしないからだ。 しかし、老朽化が進んだり自然に飲み込まれた旧世界遺物へは頻繁に現れたり、集団で住みついたりしている。 これに対し魔物狩り達は各国の軍と協力し、人間領域への侵入を未然に防ぐために辺境の遺跡へ退魔処置を施している。 この対策もあって、近年では辺境地への魔物出没数はある程度の減少をみせ、改善傾向に向かっている。 era2 era3 協会
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ルーシャン/Rucian era2前期より旧・北米大陸中部から少しずつ流通が始まり、 ソレグレイユの建国によって商業が活発化すると瞬く間に世界中に拡散した新種の麻薬。 旧世界の廃工場から垂れ流された有毒物質によって突然変異を起こした植物『ルーシャンリャンガス』が、 周囲のオールグリーンから産生されるマナを養分と誤認して空気中から取り込んだ結果、 偶然にも体内の有毒性物質と結合し、神経系に強力に働きかけ、 服用すると数分の極楽と数日間に渡る身体の倦怠感を齎す麻薬が誕生してしまった。 この麻薬の最も特徴的な性質は、循環器系を除く肉体や内臓に対しては殆ど変化を及ぼさず、 代わりに精神的な副作用が強烈なことである。 肉体に対する主な副作用としては、 「快楽を得た際に交感神経が過剰に働き、血圧が異常に上昇することで全身の血管が浮き上がる」 「それにより血管の内膜が傷み内出血し易くなる」といった軽いものから、 「服用後の心臓の負担が極端に大きくなることによる脳卒中などの脳血管障害や、 心筋梗塞の様な急性の心臓病」といった重いものまである。 精神に対する主な副作用としては、 「交感神経に作用することによる短期間の興奮」と「揺り返しによる倦怠感」、 「伝達物質に成りすまして神経に働きかけることによる強烈な幻視・幻聴や幻肢の様な触覚異常の誘発」 などが挙げられる。 また、慢性的に使用を続けると、「時空間認識の混乱」、 「破瓜型統合失調症の症状と類似した解体的思考(非合理的で連続性を持たない思考)」などを引き起こし、 それらから来る「錯乱」が顕著となってくる。 これは服用の中止による禁断症状としても見られ、 服用者を収監する刑務所や病院などではルーシャンを求める呻きと叫びが絶えない。 唯一救いとなるのは比較的(飽くまでも"比較的"ではあるが)中毒性が低く、 長期に渡る服用中止で容易に依存症から脱却出来ることだが、 服用者の多くはその前に発狂するか脳出血で死んでしまっている。 それを知っていて尚これを求める人間が減らないのは、 それだけ得られる快楽が心地良いものだからなのだろう。 尚、実際に麻薬効果を齎す物質は、マナとの化合物であるという性質上、 魔術回路や魔導陣などに紛れ込みやすく、 不純物であるこれを媒介にして発動された魔術は失敗することが多い。 魔術回路に取り込まれた場合、エルフ種の健康を著しく損なう危険性もあり、 魔術師側からは他の者以上に忌み嫌われる存在となっている。 関連項目 ルーシャン窟への強制捜査 era2 era3 植物
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アンドラスティア練兵院 外部の人間に魔物と対峙する術を教え、自分たちの後継者を育成するため、 魔物対策推進派として教会を離れた悪魔祓いの一人によって創設された魔物狩りの養成機関。 一般には"練兵院"または"スクール"の通称で知られている。 学舎は城砦都市ヴェルゼムから北に6kmほど離れた山中にあり、 ほぼ外界と隔絶された環境の中で、魔物狩り志願者たちが自給自足に近い生活を営みながら、 魔物の生態や特性を学び、それを討ち果たすための技能を磨いている。 関連項目 ある日の授業風景 実地訓練 卒業試験 era2 era3 ユグドラシル 協会 地名
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Creqrat Viorl(人間には発音不可能) ありとあらゆる星系の知的生命体が滞在し、多次元宇宙全ての科学技術が集結する都市 人間レベルの思考形態を持つ生物の考えうる全ての科学技術が実用化されていると言われる。 そこは、まるで現実のようでありながらも、ありとあらゆる現象が計算機によって作り出された空間であった。 いわゆる仮想世界である。 そこは美化された模範的な『自然』だ。 不快感の無い、仮想の森。 清らかな水が流れ、汚れの無い木々がまばらに立ち並ぶ。 そこに人影のようなものが幾つか見える。 なにか話し声が聞こえる。 談笑しているようだ。 仮想世界でありながら言語を介すというのは如何なものかと思わないでもないが、 たしかにそれは『彼ら』の肉体のある世界でも使う言語であった。 幾つもの発音が同時に成されているそれは圧縮言語と呼ばれるものであり、 人類では発音は勿論、聞き取ることも不可能だろう。 暫くして話が終わる。 そして『彼』はそこからログアウトした。 『彼』は目覚めると、自らの部屋から外を眺める。 『彼』の部屋は高層の建物にあり、眼下に自らの住む街を眺めることが出来た。 天を突くような高さの高層建築物、眼下を埋め尽くす建物。 街は何処までも続いているように見える。 この街の名は《Creqrat Viorl》 ありとあらゆる星系の知的生命体が滞在し、多次元宇宙全ての科学技術が集結する都市。 人類と同等の思考形態を持つ生物の理解の及ばないような科学技術が存在する。 そして『彼』はこの街を創り出した種族の末裔であり、 幾星霜もの時を経て、数多くの知的生命と接触してもなお、 『彼ら』よりも知能の高い生物は居なかった。 少しの間街を眺め、『彼』は幾つかの作業を同時にこなす。 その時、『彼』の友人から連絡が届く。 なにやら、1つの案件に結論が出たようだ。 『《判定/ジャッジメント》をすることになった。』 それはとある生命体【人類】に関してだ。 つまり『彼ら』と【人類】が全面的に接触するべきか否かを判定しようということになる。 普段は、知的生命体との接触にそのような事は行わない。 なぜなら『彼ら』が接触するに価するとした知的生命体は、基本的には知能が高く、 争いが無益であることを末端の個体であっても理解しているからだ。 その為、接触をしても短い時間で『彼ら』と協調する事が出来る。 だが、【人類】は知的生命体として未熟であった。 『彼ら』の基準では、同じ種族で争うような生物は本来、知的生命体として扱わない。 そして、知的生命体でなければ、接触はしない。 ではなぜ『彼ら』が【人類】との接触について《判定/ジャッジメント》を行うのか。 それは【人類】の手にした〔次元科学〕の存在があった。 〔次元科学〕は知的生命体の知能指数を計る指標の1つでもある。 本来は、同じ種族内で争うような生物が扱えるような技術では無いはずであった。 じきに【人類】は『彼ら』に気が付くかもしれない。 〔次元科学〕を手にすれば、いずれ『彼ら』が存在する可能性に辿り着くだろう。 「〔次元科学〕を扱えるのは知的生命体だけであり、それ故に【人類】を知的生命体とみなすべきである」 「【人類】が〔次元科学〕を発明出来たのは何故か」 というような議論が起こった事もあった。 ちなみにこの街で、なんらかの"答え"を導き出す為に議論をする必要は無い。 なぜなら議論などせずとも『彼ら』の誇る究極の計算機〔Tegls Viorl Gjltd〕は、 ありとあらゆる事象の回答を出すことが出来るからだ。 誰もが納得するような、理論的で完璧な回答が出るだろう。 それでも『彼ら』は自ら考える。 なぜなら、模範解答を出す必要は無いからだ。 『彼ら』にとって、導き出した答えが[間違い]であっても、問題は生じない。 本当の[正解]を、捻じ曲げることができる程の科学技術を持っているのだから。 発展の時代はとうの昔に過ぎ去った。 これまでもこれからも繁栄し続けるだけ。 今の『彼ら』にとって自らの『生』は娯楽であり、全ての事象が楽しみだ。 自らが望む限りの無限の時を生きる事が出来る『彼ら』は、 まさしく【人類】の見る神の姿ではないだろうか。 そして『彼』の友人はこうも言った。 『【人類】に我らと共にある価値が無ければ、奴隷にでもしてしまえば良いさ』 『彼』は少し笑いながら『私達は、何時の間に彼らの神になったのか?』と返す。 すると『彼』の友人も笑いながら返した。 『彼らは創造主を神としたらしい。 ならば我々は傲慢であっても、創り出しておきながら手助けもしないような彼らの神よりも、 構ってやるだけ神らしいではないか』 関連項目 傲慢なる神 セレクトオーダー 無色のマナ 虚 胡蝶 咎 Tegls Viorl Gjltd CreqratViorl era1 地名 異世界
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旧態の神と巫女 era2の久平においては、旧時代に崇められていた神々を祀るという行為が、自然と再開されていた。 そしてその祀り事を取り仕切り、神との対話を可能とする特別な存在として巫女が宛がわれた。 鳥居が残っている場所を神の社とし、一つの鳥居に一人の巫女が就くことで人と神の架け橋となり、 巫女と神との対話によって神社の再興が進められる。 ある神の下では大衆と共に、またある神の下では巫女一人でそれぞれに役目を果たしていった。 その後、人間と神は信仰と安定という相互利益の下、持ちつ持たれつの関係を構築するに至り、 経済活動とは無縁な自然の奥地においてひっそりと、或いは盛大に人と神の関係は続いている。 era2 era3 久平
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《ユグドラシルの廃棄遺跡/Ruin of Yggdrasill》 ユグドラシル内にある、旧時代の都市の遺跡。既に内部は荒らされていて、人は住めない。 era1以前から長期に渡って保存されてきた遺跡だが、人の手が入れられなくなり、 era3を迎えた今では、木々に侵食される古くさい文明の名残だ。 そこにはユグドラシルから離反したものも住むと聞くが、高温多湿な内部は人の住めるような環境ではなく、 肉食動物の巣になっているところもある。 近年まで全く見向きもされていなかったが、悪魔がこの地点だけ襲わないと言う噂のために、 少しづつだが旅の人間が立ち寄ることもある。 era1 era2 era3 地名 旧世界遺物