約 1,465,820 件
https://w.atwiki.jp/suproy3/pages/197.html
鍛えよ、守るために ◆JxdRxpQZ3o 「二人の容態はどうだ?」 「ダイヤ君は頭部からの傷の出血が派手だけどそれ自体は浅い。軽い貧血状態だ。 すぐに目を覚ますとは思う。彼女の方は――」 「なにか問題があるのか!?」 言いかけて口ごもる万丈の態度にドモンの顔から血相が失われていく。 「僕も医療に関しては素人だ。はっきりとした診断が下せるわけじゃない。疑問に思うことがあってね。 かすり傷が体中にある。だがどれも長く意識を失う程の外傷じゃない。 原因がわからなければどうなるかも見当が付かないってことさ。 体の内側に問題があるなら、ここではなく病院に連れていって診なければ原因も特定できない」 一息で言い切った万丈が一拍置いてドモンに尋ねる。 「ドモン、君がダイヤ君を発見したときになにか言っていなかったか?」 ドモンは首を横に振った。ダイヤはドモンと出会った瞬間に安心感からか気絶したのだ。 「そうか。ともかくそれなら一度病院へ行ってみよう」 「心当りがあるのか?」 「ここに来る途中、A-5の方で赤十字の入った建物を見てね。」 ジャイアントロボを目印に、街中でテッサ達を捜索していたがなかなか見つからない。 嫌な予感がする。そう感じたドモンはよく見ていなかった地面を中心に探索を再開した。 その後、ボロ雑巾のようになった彼ら二人を発見したのは放送が過ぎてからだった。 ドモンはすぐさま万丈たちに連絡を取り、万丈が率先して近場で医療用品がある程度あるだろう小学校へ移動した。 そして現在に至るというわけだ。 二人はお互いに気絶した子供たちを背負い、保健室から退室した。 「俺があの時、一緒に行動していれば……テッサも、こいつらも」 「言うな、ドモン。後悔しても始まらない。今は残されたこの子達を守ることを第一に考えよう。 テッサという人のためにもね」 「そうか――そうだな」 バニングが言っていたドモンに対する心配が自分にも垣間見えたことを万丈は確認した。 弱いものを守るために、導き手となるために行動するドモンの気負いは並大抵のものではない。 だがその弱いものや導くものを突かれたときに彼自身もグラついてしまう。 (なら、僕やバニング大尉で彼をサポートするべきだろうな。しかし――) 万丈がふと笑みを見せる。8時間で27人が死亡したこの殺し合いに不安を感じていた。 この蟲毒の坩堝の中にはバニングが出会った二人組やカヲルのような殺し合いに乗った参加者ばかりなのだろうか、と。 だがドモンやシーブック、死んでしまったがショウやテッサなど抗おうとする立場の人間がこれだけ居ることに安心したのだ。 「どうかしたのか、万丈?」 そんな万丈の笑みを見たドモンが声をかけた。 表情を見ればその笑いに他意が無いことはわかってはいるが確認のつもりだ。 「君たちに出会えて良かったと思えたのさ」 「俺も……正直そう思っている。万丈。俺とシーブックだけではこいつらも今頃どうなっていたか。 ――そういえばあの二人を見張りに頼んで良かったのか? シーブックはバニング大尉にあまり良い印象を持っていないようだったが」 「大丈夫さ。いや大丈夫でなきゃ困る。僕たちは仲間なんだから」 ◆ ◇ ◆ 春風小学校のグラウンドにドモンと万丈が乗っていた2機の機動兵器が鎮座する。 その二機を守るためにデスティニーが上空で静止している。 学校の周囲を警戒してながらストライクノワールだ。 敵機が出現すればすぐに対応ができるように音声回線を開いているが二機の間に会話は無い。 必要が無い会話はしなくても良い。自由とはそういうことだがシーブックは居心地の悪さを感じていた。 自分は万丈やバニング、ドモンにすら先ほどのことを謝ってはいない。 先ほど一人きりになったときは精神的に立て込みすぎていて、そこまで頭が回らなかった。 冷静になれた今なら自分の発言は謝ればならないことだと痛感できる。だが切欠が掴めない。 放送があり、ドモンが戻り合流し見張りは自分たちが頼まれた。まだ四人は戻ってこない。時間は幾らでもあるはずなのに。 相手が連邦軍人であると思っているからなのだろうか。一緒にいたのが万丈ならまた別だったのだろうか。 そんなことを考えているとふと開いていた筈の音声回線が切れていることに気づいた。 自分では何も弄ってはいないはずだ。バニングに何かあったのかと急いで通信を開く。 「ウラキ、なぜお前が死ななきゃならないんだ」 漏れ聞こえた音声はシーブックも考えていなかったバニングの呟き。 ウラキというのは先ほどの放送で流れた死亡者の名前だ。そしてバニングの部下であるとも聞いている。 「あのバニング――大尉」 「ん。なんだ聞こていたのか」 結果的に盗み聞きしてしまっていることも気づかずに思わずバニングに声をかけてしまったことに焦る。 「す、すみません。聞くつもりは無かったんですが回線が切れていて、心配になって……その」 「気にするな。なに、一人きりになれたときに部下に弔いでもと思っただけだ。 万丈たちやお前さんに聞かれて心配はかけられんからな。それと無理に大尉とは呼ばなくても構わん。 こんな所じゃ階級なんてお飾りもいいところだからな」 「わかりました。あの、ウラキさんってどんな方だったんですか」 純粋に興味から聞いてしまう。 バニングは思っていた連邦の軍人とは違うように感じられたからだ。 あの呟きも全て嘘ではないとシーブックにはそう思える。 「元々俺は奴の教官だった。ヒヨッ子もいい所のパイロットさ。だが腕は悪くなかった。 少なくともこんな所で死んでよかった奴じゃない。あいつには未来があったんだ。 ――アノー、お前は死ぬなよ」 「はい。――バニングさん、さっきはあんなこと言ってしまって……すみませんでした」 「ああ、万丈も俺も気にしちゃいないさ。こんな状況じゃ仕方が無い。 学生のお前がそこで妙に分別があったら逆に気味が悪いくらいだ。 少なくとも俺はお前が人間らしい反応をしてくれて安心したよ。」 「バニングさん、僕は――」 「ここで起きたことは一人で抱えきれることじゃないだろう。 辛いときは俺や万丈にも頼ってくれて構わん。少しは楽になるだろう。さ、見張りに戻るぞ」 バニングとのやりとりはそこで途切れた。 僕もバニングさんと話せて良かった。口には出さずともシーブックはそう思う。 自分が何をすればいいのか、答えは未だ出ては来ない。 だが仲間という存在が心強いものであると認識できたのは確かだった。 ◆ ◇ ◆ 「……ここは?」 ドモンに背負われていたダイヤが声をかけてきた。 「目を覚ましたか――ここはB-4にある学校だ。」 説明を始めるドモン。同時に少年にどこまで真実を伝えるべきか、迷う。 一方でダイヤはドモンの説明を聞きながら隣の見知らぬ男を見つめる。 「僕は破嵐万丈。ここで彼らと出会って行動をともにしている。 今は彼女を背負っているからすまないけど今は握手は出来ない」 自己紹介をする万丈の背に負ぶさっているイルイを見つめ良かったと安堵する。 少しずつ思考能力は覚醒していき、自分が気絶する前の記憶が蘇る。 ドモンに出会う直前に流れた放送。 フラフラの状態だったにも関らずダイヤの耳に確かに届いた剣児、五飛、テッサの名前。 思わず、擦り切れるほどの勢いで上下の歯を食いしばる。 「ドモンさん、テッサさんは――」 重い沈黙。最初に口を開いたのは万丈だった。 「亡くなった。そう考えて間違いない。」 「万丈!」 「ドモン、こういったことは隠していても仕方がない」 「だがだからと言って――」 「良いよ、ドモンさん。俺も放送で聞いていたし。」 「ダイヤ……」 ダイヤがドモンの背から降りる。 まだ少しふらつくがこの程度なら歩くのにも支障はない。 そしてドモンの前に回り込み、しっかりとドモンの目を見据えた。 「それでドモンさんに頼みがあるんだ。俺を鍛えてくれ! どんな奴が来ても戦えるように強くなりたいんだ。お願いだよ」 「ダイヤ。それは――」 「わかってる。でもこれは復讐のためなんかじゃないんだ。 剣児さんも、五飛さんも、テッサさんも、みんな俺やイルイを守ろうとして死んでいった。 イルイだって俺のためにこんなに苦しんでる。そんなのもう嫌なんだ! ドモンさんたちの足手纏いにならないように、俺はイルイを守るための力が欲しい!」 ドモンを見つめるダイヤの瞳は濁りも無く、迷いも無い。 これほどの苦境に立たされながら、この瞳を保てるのは子供ゆえか彼本来の性格のためか。 ダイヤの熱意は万丈もドモンも止めることは出来ないと強く感じさせるだけのものがあった。 「わかった。お前に教えられるだけのことを教えよう。良いか?万丈」 「僕に止める権利は無いさ。ダイヤ、彼女のことは僕に任せておいてくれ」 ダイヤは目を覚まさぬイルイへと目線を移す。 (俺が絶対に守るからそれまでゆっくり休んでてくれよ) ◆ ◇ ◆ 「――というわけで僕はこれから病院に向かい、ドモンとダイヤは荒野の方で訓練を行ってもらう。 最低一人は護衛のために僕たちと行動してもらいたいんだが」 「僕が行きます。あとダイヤ君の機体はどうするんです?」 「俺のキングゲイナーを譲ることにした」 「おいおい、お前さんがいくらガンダムファイターとかいう奴でも気ぐるみ1つでは無茶だろう」 「大丈夫だ。バニング大尉。ボン太くんは見た目ほど軟じゃない」 ドモンに対しては常識というものが通用しないのだろうかとバニングは顔を顰める。 自分以外の人間があまりそこら辺を気にしていないというのも気にはかかるが。 「そういうことならダイヤ、僕のデスティニーとキングゲイナーを交換しよう」 「えっ?どうしてさ」 「バニングさんは元々MSの教官でしたよね?」 「ん?まあそうだが。もしかしてお前?」 「へえ。それならこれで決まりですねバニング大尉。操作技術を学ぶならその道のプロに習ったほうがいい」 「しかし、俺の扱っていたMSとノワールやデスティニーは基本的には別物でだな」 「だが、根本的には同じものでしょう。」 「万丈、それはそうだが。そもそもアノー。お前はキングゲイナーを動かせるのか」 「えっ?キングゲイナーは元々僕に支給されたものですけど言っていませんでしたっけ?」 こともなげにいうシーブックにまたもやバニングの顔が歪む。 ということはキングゲイナーに乗り、操縦系統も違うだろうデスティニーに難なく乗り換えたということになる。 いくらマニュアルが常備されているとはいえ8時間でこれだけの順応を見せるのは異常と言ってもいい。 自分でさえMS乗りの経験を生かせる機体だったのが幸運だったと思っているほどなのにだ。 ドモンや万丈含めこんな規格外の連中ばかりが集まるとはバニングは思ってもいなかった。 「わかった。俺の負けだ。それで良いかダイヤ?」 「俺は構わないよ。よろしくバニングさん」 機体の交換を行い、それぞれが向かうべき場所へと動き出す。 「それじゃあ行って来るよ。こちらが一段落したら学校へ戻ってくる。 17時までに戻ってこなければ独自行動を開始してくれ」 「わかった。気をつけてろよ万丈、シーブック」 「イルイを頼んだぜシーブック兄ちゃん」 「ああ、わかってるよ」 「ツワブキ。他人の心配の前にまずその機体を浮かせるようにしろ」 賑やかになりそうだった大所帯も二つに分かれることになった。 また出会うことが出来るのか。それは今誰にもわかることではなく。 【一日目 14 45】 【ドモン・カッシュ 搭乗機体:ボン太くん(フルメタル・パニック? ふもっふ) パイロット状況:健康 機体状況1(ボン太くん):良好、超強化改造済み、ガーベラ・ストレート装備 現在位置:B-4 街 第一行動方針:B-4荒野にてダイヤを鍛える。17時までに万丈たちと合流できなければ別行動 第二行動方針:他の参加者と協力して主催者打倒の手段を探す 第三行動方針:シンを助けたい。補給システムからの情報に対しては疑念 第四行動方針:ダイヤとシーブックに期待。 最終行動方針:シャドウミラーを討つ】 【サウス・バニング 搭乗機体:ストライクノワール@機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER パイロット状況:健康 機体状況:良好 現在位置:B-4 街 第1行動方針:B-4荒野にてダイヤを鍛える。17時までに万丈たちと合流できなければ別行動 第2行動方針:シーブックやドモンのポテンシャルに驚いている 第3行動方針:アナベル・ガトー、イネス・フレサンジュ、遠見真矢、渚カヲルを警戒 最終行動方針:シャドウミラーを打倒する】 【ツワブキ・ダイヤ 搭乗機体:デスティニーガンダム+ミーティア(機動戦士ガンダムSEED DESTINY) パイロット状態:頭部に包帯。軽い貧血 機体状況:良好、ミーティア接続中 現在位置:B-4 街 第一行動指針:ドモンとバニングに鍛えてもらう。17時までに万丈たちと合流できなければ別行動 第二行動方針:イルイをもっと強くなって護る。もう誰も失いたくない。 最終行動方針:皆で帰る】 【ミーティア(機動戦士ガンダムSEED DESTINY) 機体状況:右アーム切断 備考:核以上の出力があり20m前後のモビルスーツ程度の大きさならば、どんな機体でも着脱可能に改造されています】 【シーブック・アノー 搭乗機体:キングゲイナー(OVERMANキングゲイナー) パイロット状況:健康。心労 機体状況:小破、全身の装甲に軽い損傷 現在位置:B-4 街 第一行動方針:万丈と共に病院へ 第二行動方針:仲間と情報を集める 第三行動方針:ジャミルの遺志を継ぐ 第四行動方針:北の方角(トビアの死んだ方角)が気になる 最終行動方針:リィズやセシリー、みんなのところに帰る 備考:謎のビデオテープを所持】 【破嵐万丈 搭乗機体:トライダーG7(無敵ロボ トライダーG7) パイロット状況:健康 機体状況:装甲を損傷、行動に影響なし 現在位置:B-4 街 第一行動方針:病院へ行きイルイの状態を診る 第二行動方針:弱きを助け強きを挫く。ま、悪党がいたら成敗しときますかね。 第二行動方針:渚カヲルを必ず倒す 最終行動方針:ヴィンデル・マウザーの野望を打ち砕く。】 【イルイ(イルイ・ガンエデン) 搭乗機体:なし パイロット状態:気絶。極度の消耗。悲しみ 機体状況:なし 現在位置:B-4 街の入口 第一行動指針:ダイヤと一緒にいる 最終行動方針:ゼンガーの元に帰りたい 備考:第2次αゼンガールート終了後から参加 超能力をこれ以上使用した場合、命に関わります】 BACK NEXT 102 The Garden of Everything 投下順 104 想い彼方へ 時系列順 BACK 登場キャラ NEXT 095 求める強さは誰がために(後編) ドモン・カッシュ 095 求める強さは誰がために(後編) サウス・バニング 095 求める強さは誰がために(後編) ツワブキ・ダイヤ 095 求める強さは誰がために(後編) シーブック・アノー 095 求める強さは誰がために(後編) 破嵐万丈 095 求める強さは誰がために(後編) イルイ・ガンエデン
https://w.atwiki.jp/pararowa/pages/286.html
私であるために ◆Z9iNYeY9a2 吐き気のする気分だった。 重労働での疲労困憊状態で長時間睡眠を取った後の寝起きのように頭が働かない。 頭脳に関しては絶対の自信を持っていたはずなのに、これでは形無しだ。 理由については覚えがある。 先ほど見せられた、あの夢のような、しかし脳裏にこびり付いて離れない光景。 夜神月がマオのギアス、ザ・リフレインで見せられた夢。 それはデスノートを拾う前の、ただの学生であった自分の記憶。 そして、Lと共にヨツバキラを追っていた、デスノートの記憶を失っていた頃の記憶。 ただの夢であるならばよかった。 だが、あの少女の見せた光景は幸せな自分の記憶だったという。 (…そんなことがあるはずがない) 自分がキラである、神であることが至上の喜びであり、望みであったはずだ。 多くの人に崇められ、神として君臨する新世界。それが幸福のはず。 なのに、何故見せられた記憶がそんな当たり前の一刻、そして憎むべき敵と共闘した記憶なのか。 先ほど父に言われた言葉をまだ引きずっているのか? いや、まさか、それこそが自分が本当に幸せだった時間だとでも言うのか? 言いようのない不快感の原因が、それだった。 だが、今はそんなことに気を割いている場合ではない。 何しろ、目の前にいるのはあのオルフェノクなる怪人の一人なのだから。 だから、それらの思いを心の奥に押し込めて、月は今の状況を見据えていた。 ◇ 5人と数匹が向かった場所、そこはポケモンセンターだった。 そこを選んだ理由は、単に一部の存在にその場所が必要だったからに過ぎない。 ポッチャマ、そしてサイドン。彼らのダメージを回復させるにはポケモンセンターによるのがいいというほむらの判断に他のメンバーが従った形となった。 ちなみにその知識を持ちだしたのは、その事実をオーキドより聞いていた村上である。 最短距離で向かおうと思ったところで川に道を阻まれ、あるいは遠回りする必要性にも駆られそうになったところで一同が支給品をチェックした中にあったものが役立った。 謎のディスク状の物体、そして赤い電子機器。 ディスク状の物体はわざマシンといい、ポケモンに使用することで技を覚えることができる道具。 赤い電子機器はポケモン図鑑といい、ポケモンについての情報が載せられた電子図鑑のようなものだ。 わざマシンに登録されていたのは冷凍ビームという技であり、どうやら対象を凍らせる光線を放てるらしい。 そしてポケモン図鑑の情報曰く、これはポッチャマに適正があるという。 結果、ポッチャマにそれを使用、川に向かって冷凍ビームを使わせたところ、人が乗っても大丈夫なほどの氷の足場が水面上に作成された。 そして現在。モンスターボールに収まったサイドンを回復装置らしい機器に、ボールがないポッチャマをまた別の機材の上に寝かせ。 広間の大机の傍に5人は座っていた。 「なるほど、つまりあなた方は先に仕掛けてきたマオに対しての自衛として彼女を殺した、と」 「そうね。あいつの能力はアリスを殺しかけたんだし、生かしておいては危険だったもの」 「確かに、彼女の能力は心地よく優しい世界を見せてくれるものですね。私も身を以て味わいました」 「待って、マオのギアスを食らってあなたは大丈夫だったの?」 「はい、私にとって過去の幸福など求めるべくものなどではありません。我らオルフェノクにとっての幸福は、未来にしかない。彼女のギアスは、私にとっては子供騙しのようなものでした。 最も、生身の人間にとってどうなのか、というのは分かりませんがね」 「……」 村上の言葉に思わず黙りこくるアリス。 アリス自身はただの人間ではない。今や魔導器の一部を受け継いだギアスユーザーだ。 しかし、そんな彼女でもってしてもアレに抗うことはできなかった。ほむらの手助けがなければどうなっていたか―― 「あれ…?ちょっと待って。 ねえほむら。あんたはあのギアスに抗えたの?」 「ええ。少し時間がかかってしまったけど。 魔法少女であったことが何かしら影響してたのかもしれないわね」 「なるほど、魔法少女なる存在はあれ、もしくは類似した能力に耐性があったというのですね」 ソウルジェムがギアス能力に反応していたように、もしかしたら魔法少女の能力とギアスには何かしらの関わりがあるのか。 それによってザ・リフレインによる精神攻撃に対する抵抗が可能だった、と。 そういうことなのだろうか。 「同じく身を以て味わった私としての推察ですが、あれを受けて尚も自力で抜け出すことができる者がいるとすれば2種類の者がいると考えますね。 私のように過去の幸福の一切を切り捨て未来のみを求めているか。 あるいは、自身の幸福そのものを求めていない、か」 「………」 「無論、例えそうだとしてもただの人間にはどうにもできない可能性もありますが、彼女も命を落とした今となっては大した問題というわけでもないでしょう」 思いつくことはたくさんあるが、もう死んだ者のことについて考えていても仕方ない。 この話はここまでだろう。 「そして差し当たっては現状で最も気になっていることがあるのですが。 そこで仮面とマントを被られたあなたです」 と、村上が指し示したのは机の一角で静かに腕を組んで座っている男。 ゼロ、と名乗っているが月はKと呼んでいた。理由についてはゼロが二人いることに対する混乱を避けるためと言っていたが。 「ふむ、確かによく出来た衣装だと思いますが、ゼロという者がいることを認知した上でその服を纏われていることには何か事情があるのでしょうか?」 「…これは私の罪の証のようなものだ。気にしないでくれ」 「気にするなってもねぇ。実際にゼロがいる以上、そんな恰好してる男をしてるやつをおいそれと信じろってのが無理なんだけど」 「今はそんなことは重要ではないと思いますが」 ふとその事実の追求にかかった一同に口を挟んだ月。 この中では彼だけそのゼロに会っていないこともあり、その事実をそこまで追求しようとは思わなかったし興味もなかった。 「それもそうですね。ともあれ、まずこの場で見つけたもの、気付いたこと、あるいは何かこの会場についての考えなどがあったら互いに共有していきましょう」 ◇ 「ではそのナナリーという少女は間桐桜という女の手によって殺された、ということか」 「そうなるわね。…あんたナナリーを知ってるの?」 「いや、聞いただけだ」 情報交換を進める中で、アリスとほむらが明かしている中、ゼロがふとそう問うてきた。 それまで特に話を聞く中で食いついてくるようなことがなかっただけに、その部分だけアリスには妙に引っ掛かっていた。 「なるほど、魔法少女、ですか。アカギの言っていた魔女の口づけ、なるこの刻印とも何かしらの関わりがあると?」 「そうね。魔女とは私達のような魔法少女が倒さなければならない敵。人々の絶望を糧として生きる魔物、と言ったところかしら。 ただ、残念だけどそれ以上のことは分からないわ。この刻印を解く方法なんて検討もつかない」 「ふむ、ではこれ以上の詮索は時間の浪費となるのでしょうか。それに関してはこちらで調べるしかありませんね」 ふう、と腕を組む村上。 情報交換の中では、彼は先ほどまで共に行動していたオーキド博士なる者を不慮の事故で失ってしまったらしい。 その疲労もあるのだろうか、とアリスやスザクは思っていたがほむら、月は正直あまりその言葉を信用してはいなかった。 「Nの城にある謎の情報機器、と言ったか。そこには各々の連れて来られた世界に関する情報が入っている、と」 「はい。しかしそれを見るにはそれぞれの世界の人間が何かしらのキーワードを入れる必要があるようで、私とオーキド博士では2つの世界の情報しか得られませんでした」 「Nの城、か。そういえば夜神月、お前の知り合いにLという人間がいると言っていたが何か関わりはあるのか?」 「…知らないな。心当たりはないわけでもないが、そいつは名簿に別の名前で載っていた参加者だ。きっとそれとは別人なんだろう」 月のいう心当たりとはニアのことだが、そのニアは名簿に記載されている。つまりニアとは別でNという名の存在がいるということなのだろう。 ともあれ、もしそうであるなら魔法少女である暁美ほむらは何としても同行してほしいと考えていた村上。 しかしほむらは頷かない。 「悪いけど私にも行かなきゃいけない場所があるの。そっちの方に向かうとそこから離れてしまうわ。 今そこに行くことはできないし、もしこの場の謎に関わる情報があるとするならそんなものの中においておくとは思えない」 「ふむ、一理あります。が、可能性とはどこにあるかは分からないものです。 あなたにとってその向かうべき場所、あるいは目的というのはこの場の謎を解き明かして脱することよりも大切なのですか?」 「ええ。私はそのために生きていると言ってもいいくらいに大切なことよ。無理にでも、というのならここからすぐさま逃げさせてもらうわ」 「仕方ありませんね。では今から同行していただく、というのは諦めましょう」 そもそも村上から聞いた情報には、その中にあったのは彼らにとって真新しいものはなかったという。 ならば魔女についても自分たちの知っている以上の情報があるとは考えにくい。 可能性があるとすれば他の魔法少女がその情報を持っている時、となるだろうが自分以上に魔女のことを知っている魔法少女はいないはず。 美樹さやか、巴マミ、佐倉杏子。美国織莉子ですらもそこまでの核心を持ってなどいないだろう。もし知っているならまどかの命を狙うなどという直接的な発想にはならないはずだ。 もしなければ貴重な時間を浪費したことになってしまう。 「さて、では一旦この話はこれまでにしておきますが。 では、あなた達はどうするのですか?」 と、村上が見たのはゼロ、そして月。 共に情報交換の後は口数少なく、あまり会話に混じろうとはしていない。 ゼロは表情が見えないため、その心中を察することもできないが、月は何かを常に思考しているかのような印象を受けていた。 「私としてはアヴァロンに向かおうと思っていたところだが、特に何にも増して優先しなければならないものでもないな。 そのNの城とやらにあるものというのも気になる。そちらに向かわせてもらってみよう。月もそれでいいな?」 「ああ、構わない」 「一つお聞きしてもよろしいでしょうか?アヴァロンというのは何なのでしょうか?その口ぶりからだと知っておられるようですが」 「ブリタニアの航空戦艦だ。 空中の飛行も可能なKMFの母艦で、制御することができれば強力な力ともなり得るだろう」 「なるほど。戦艦だったのですね。しかしもし私が主催する立場であったならば、そんなものを配置するにしても武装のほとんどはオミットするでしょうね」 「だが、全く意味のないものというわけでもないはずだ。何かある可能性は高い」 「ふむ。ではもし向かう際には私もご一緒させてもらっても構いませんか?」 村上はゼロからのアヴァロンの説明を受けて興味を引かれたのか、Nの城を探索した後はそこに同行したいと申し出た。 ゼロは断る理由もなかった様子で、その申し出を受け入れた。 と、その時村上はふと思い出したかのようにバッグを取り出した。 「…そういえば、思い出しました。ゼロ、あなたのその割れた仮面ですが、私はそれと同じものを持っていたのですよ」 バッグの中から出てきたのは、頭部をすっぽり覆うような形状の黒い仮面。 ふとゼロがそちらに視線をやったのが分かる。 「私には必要のないもので、持ち運ぶにも若干のかさばりを感じていたところです。かと言って支給されたものである以上捨てるにも忍びない。 どうですか?その割れた仮面の代わりにこちらを被られるというのは」 「…何が狙いだ?」 「そのように疑われなくても大丈夫ですよ。私とてこうして情報をいただき同行までしていただくあなたに何もしないのでは気分が悪い。 いわば謝礼の前払い、といったところでしょうか」 「………」 当然ゼロは警戒を続けていたが、しかし結局その仮面を受け取ることにしたようだ。 仮面を替えてくる、と一人廊下に出て行くゼロ。 残されたほむら、アリス、そして月と村上。 ふとほむらは机の上に出された2つのバッグに視線を映した。 「一ついいかしら?そのバッグにはどういった支給品が入っているの?」 「おや、気になりますか?」 「私にも必要な道具、武器はあるわ。もしあれば譲って欲しいのだけど」 「しかしさっきの仮面と違い、さすがに武器を無条件で取り出し譲る、というのは考えものですね。 とりあえずあなたの支給品も見せていただけませんか?」 「いいわ」 と、ほむらとアリスは持っていた道具を机の上に並べた。 拳銃が合計3丁。ヒモ状の物体が2つ。薬品が2つ。 ドライアイス、黒猫、リボン、輝くタマ。 あとはこの場にはないが外に置いてあるサイドバッシャー、ポケモンセンターで回復させているポッチャマとサイドン。 それが全てだった。 一方で村上もバッグの中から道具を取り出す。 入っていたのはまず細長い銃器が一つ。 確かグロスフスMG42という機関銃のカスタム品で、かつてほむら自身も用いたことのあったものだ。 そしてもう一つ。黒く小さな宝石のような物体。 それはほむらが探し求めていたものの一つ。 「…グリーフシード…!」 「これが必要なのですか?」 「そうね、それとそっちの銃器もできれば譲って欲しいと思うわ。 どうせあなた達オルフェノクには不要でしょう?」 「確かに必要ない、といえば必要ありませんが、腐っても武器であることには変わりないですし、ただで差し上げる、というには少し高いのではないですか?」 「何が欲しいの?」 「そうですね、あなたの持っているポケモンをどちらか一方でも譲っていただけるのであればこれらの道具をお渡しするのもやぶさかではないのですが」 「………」 ほむらにしてみれば迷う要素もない。 持っているポケモンにしても、どうしても必要というわけではない。拾ったばかりのサイドンの方は尚更だ。 が、しかしこれは仮にもインキュベーターに回収するように言われたものだ。そうおいそれと渡していいものなのだろうか。 グリーフシードと機関銃は欲しい。しかしポケモンを渡してしまって大丈夫なのか。 こんな時に限って黒猫は毛繕いをするような仕草をしながらまるで本物の猫のように転がっている。 答える気はないようだ。こちらで判断しろということなのだろうか。 「どうしたのよほむら?マオの持ってたサイドンってやつ、いらないなら渡しちゃえばいいのに」 「…そうだけど……」 言えない事実がほむらに迷いを生み、しかしそれを口にするわけにはいかない。 疑いと迷い。それがほむらに判断を鈍らせる。 手放していいものなのかどうか。 あれは、インキュベーターが自分に優先して回収させたものは果たして機関銃とグリーフシードで釣り合うものなのだろうか。 決断を下すには、情報も知識も、そしていざという時の思い切りも今ほむらには足りていなかった。 「…ふむ、なるほど。 それではもう一つ別の選択肢を出しましょうか。 こちらはあなたの支給品と引き換え、というわけではありません。少し私に手を貸していただきたいことがあるのです。 時間についてを気にしておられるなら心配はありません。そう手間は取らせませんから」 「…?そんなにあっさり引き下がっていいの?」 「ええ。少なくともその事実についてを確かめるのは私にとっても大事なことになります。もし了承していただけるならこの2つは共にあなたに差し上げましょう。 ただし、こちらはリスクが若干重い。あなたにやるべきことがある、というのならあまりオススメはしない選択肢です」 村上の謎の譲歩。 それはあまりに自分にも都合の良すぎる提案。 受けるべきか否か。 「いいわ。ならそちらを選ばせてもらいましょう」 「ほむら、それ絶対怪しいわよ。止めておいた方が――」 「多少のリスクなら受け止めてみせるわ。リターンは大きいのだから」 もし何か不都合があるようであれば最悪踏み倒せばいい。 今は隙を見せないこの男の前で無闇に時を止めることは避けたいが、もしその取引に応じればどこかで隙はできるだろうから。 「分かりました。では前払いとしてこのグリーフシードは渡しておきましょう」 と、グリーフシードをこちらへと投げてよこした村上。 「一つ確認を取りたいのですが、そのグリーフシードは魔法少女の命の要である、という認識でよろしいのですよね?」 「ええ、その通りよ」 「あなた達魔法少女は魔力でどうにか出来る限りは、その生命を保ち続けることができる」 「それがどうかしたというのかし――――」 ら、と。 それを最後まで言う暇もなかった。 突如にほむらの胸に走った衝撃。 まるで体を何かが貫いたかのよう、しかしそこに痛みは不自然なほどになかった。 視線を下ろすと、そこには心臓に位置する場所を貫いていた一本の灰色の触手。 さらに視線を変えると、その先には村上の指。触手は彼の人差し指から伸びていた。 「―――ほむら!」 咄嗟にアリスが銃を引き抜き発砲。しかしそれを読んでいたかのように村上は体を射線上から逸らした。 同時にその胸から触手が引き抜かれる。 力なく膝を落とし手を地面につくほむら。 「―――あっ……、…はぁ…はぁ…――――」 「しっかりしなさい!ほむら!」 駆け寄ってその体を支え、触手で貫かれた胸に手をやるアリス。 しかしそこには一滴の血も流れておらず、触手で貫かれたことを示す傷も残ってはいなかった。 それでもほむらの顔色は悪く、息を切らしている。 「あんた、今何をした!」 「魔力によってその生死を作用される魔法少女。その存在は人間を越えたものです。 であれば、もしその魔法少女に使徒再生――人をオルフェノクへと変化させる儀式を行えばどうなるのか。 あるいはその存在はオルフェノクへと変化し得るものなのか。それを確かめさせていただきました」 「それ、ほむらに実質死ねって言ってるようなものじゃない!」 「そうですね。もしその身がオルフェノクへの進化を促せるもので、しかし肉体が進化についてこないのであればその肉体は灰となるでしょう。 しかしあなた方魔法少女は魔力さえあれば死ぬことはない、とお聞きしました。そのグリーフシードなる石を先に渡したのはそのためです」 「だからって―――」 「あ、アリス、…いいの、よ。それより……グリーフシードを……」 村上に詰め寄ろうとするアリスをほむらは止め、変身を解除してグリーフシードをソウルジェムへと翳した。 使徒再生による死を避けるためか、闇色の濁りは宝石のほとんどを覆っていた。 先と比較してもその覆いようは異常だ。魔法を使っただけであれば短時間でここまで消費することは稀だろう。 翳されたグリーフシードはその濁りのうちのほとんどを吸収し、ソウルジェムに輝きを取り戻した。 しかしほむらの顔色は優れない。 「…なるほど。オルフェノクとなることはなかったようですね。今度も失敗ですか」 「今度も…?あんたもしかしてさっき言った事故で失った同行者って…!?」 「はい。彼のことは残念でした。オルフェノクとなってくれる素質さえ持っていれば生き永らえることもできたのですが」 「……!」 淡々と、残念そうに言ってこそいるがそこに罪悪感を全く感じさせずに告げる村上の姿にアリスは絶句する。 「約束は約束です。この銃器はお渡しいたしましょう」 「………」 警戒心を露わにしたまま、アリスは顔色の優れぬほむらを肩で担ぎ。 バッグに手を突っ込んで薬品を一つ村上に投げて寄越した。 「…これは?」 「C.C.細胞―――ギアスユーザーが力の源とする魔女の細胞の抑制剤を中和する薬品。 砕いていうと人造ギアスユーザーの力を増幅させる代わりにC.C.細胞による侵食、ギアスユーザーを死に近づける薬よ。 本来は抑制剤とセットで使うべきものだけど今は持っていないし、それに今の私には必要ないからあなたにあげるわ」 「ほう、なるほど。ギアスユーザー専用の強化剤ということですか。それも諸刃の刃の」 と、村上はアリスから視線を外し抑制剤に目を向ける。 ほんの数秒。それがアリスから目を離した時間だった。 そしてその時の後、村上は再度そちらに視線を向けた。 しかし、そこには誰も居ない。 「あの二人なら、村上さんが目を離した隙に消えるようにどこかへ行きましたよ」 「この薬品は私の気を引くための囮だった、というわけですか。彼女の言ったことが嘘だとも感じられなかったですが」 結局今ここに残っているのは、村上と夜神月のみ。 ゼロが戻ってくれば3人、ということになるのだろう。 ここで村上は夜神月へと意識を向けた。 「あなたは逃げないのですか?」 「…逃げる?どうして?」 「人間とは矮小で弱く、しかし狡猾な生き物です。 力の及ばぬ存在に敵対する際も決して正面から立ち向かおうとはせず、あらゆる手を尽くしてその弱点を調べ尽くした後に不意をつくように戦いを仕掛ける者がほとんどです。 この会場にいる参加者にはそうでない者が多く見受けられましたが、しかしあなたはむしろそちら側の人間のように見えます」 夜神月は何の力も持っていない。 少なくともオルフェノクを見れば恐れ、逃げ惑うほとんどの人間か。 あるいはその恐れをオルフェノクに対する脅威へと昇華させ如何なる手段を持ってでも滅ぼそうとする、若干厄介な存在か。 そのどちらかに属するような人間だろう。 少なくとも村上のこの分類は夜神月の印象から見たものにすぎない。 実際は月は死神という人ならざる存在を認知しているため、人外に対する恐怖もほとんどの人間が感じる恐怖ほどには届いていなかった。 だが、それ以上に月の中には一つの好奇心が生まれつつあった。 「オルフェノクとは、何なんですか?」 「オルフェノクは人間の進化した姿。いわば新人類というべき存在です」 「人間とは違うのですか?」 「ええ。かつては人間であったとしても、オルフェノクとなった者はもはや人とは別の存在となるのです」 「だから、そんなに息をするように人間を殺すような行為に及ぶことができると?」 「これは生存競争、我々オルフェノクが繁栄するために必要なものなのですよ。人間の行う野蛮な殺人とはまた一線を画したものです」 悪びれる気配もなく、村上はそう言い放つ。 そこには一切の罪悪感もなく、ただ人を超越した者であるが故の傲慢さ、そして迷いのなさを感じ取れていた。 そんな村上の姿に、どこか魅せられ憧れている自分がいるような気を、夜神月は感じていた。 実質人を殺す行為である行動を、己の使命のごとく果たすことができる、そんな姿に。 ◇ ポケモンセンターの外の物陰。 前面の割れた仮面を、その下に被っていたひょっとこのお面を外す。 割れた仮面はもう使い道もないためここに置いていけばいいだろう。 割れた仮面、というのも別に機能的な不都合があるわけではない。 ルルーシュのようにギアスを使うためにレンズを開閉する必要もない。 しかし顔を隠すという点においてはお面と併用しなければならず、その場合視界が狭まり戦闘の際には死角を作ってしまう。 生存のギアスを持った自分にとっては、気づかれない死角からの攻撃というのは最も警戒しなければならないもの。 だからこそ代わりの仮面、というのは有難いものだった。 この場で仮面を外すのは2度目。 この恰好は自分とは別のゼロという存在があるこの場においてはやはり不都合なのだろう。 しかし、この恰好を正す気はない。 仮面とお面は傍に置いていこう。もう必要ない。 そうして軽く身嗜みを整えた後、ポケモンセンターに戻ろうとしたところで。 ガチャッ 入り口が開き、中から二人の少女が姿を表した。 ぶつかりそうになったところで咄嗟に足を止める。 「ポチャッ?!」 ポッチャマの鳴き声が足元から聞こえる中で視線を上げたところで。 暁美ほむらに肩を貸したアリスがゆっくりと歩んでいた。 「っ…。何だ、あんたか」 「もう行くのか?」 「ええ。あいつの傍には居たくないから」 あいつ、というのは誰か。おそらく村上峡児だろう。 夜神月に対していきなりここまでの敵意をむき出しにするようなことがあるとは思えない。 一体何があったのかも聞いておきたいと思ったが、ここから離れることを急いでいる様子の彼女が話してはくれないだろう。 「一応警告はしておいてあげる。村上峡児には気を付けておきなさい」 「む、分かった」 「それじゃあ、私達は……っ」 と、歩むアリスの足がバランスを崩す。 抱えたほむらの体が彼女の重心を普段から大きく外していたのだろう。それに力仕事になれている体にも見えない。 よろめくアリスの体を、咄嗟にスザクは支えた。 「大丈夫か?よければバイクまで運ぶが」 「――――!」 そう気を使いつつアリスの体にスザクが触れた瞬間だった。 アリスが目を見開き、こちらを拒絶するかのように体を離した。 その反応に驚くスザクだった。 「…あんた……」 何か驚くような顔でこちらを見るアリス。しかしスザクにはそのような顔をされる心当たりなどない。 やがてアリスはそのまま急ぐようにスザクに背を向けて去っていった。 「…何だったんだ?」 その後ろを慌ててついていくポッチャマの姿を見送りつつ、スザクは解決しない疑問を抱いたままポケモンセンターの中に入っていった。 ◇ アリスはサイドバッシャーのサイドカーにほむらを横たわらせた後、ゼロに触れられた箇所に手をやる。 あの男に触れられた瞬間、妙な感覚が走った。 ゼロと相対した時のような、しかしその時のような負の感覚ではない。 そしてこの感覚をかつて味わったことがある。 (…この感覚は、枢木スザクに触った時の……。 …K、ゼロのことを知っている……。だが、もしそうであったら何故あんな格好を……?) あれが本当に枢木スザクであったのだとしたら色々と説明がつかないこともない。 アッシュフォード学園の服に一瞬反応したように見えたこと、ナナリーのことを妙に気にかけていたこと。 思わず離れていってしまったが、もう少しカマをかけてみた方がよかっただろうか。 だがあの村上のいる場所には戻りたくなどない。 「…何かあったの?」 ふと聞こえてきた声に振り向くと、ほむらが起き上がってこちらに視線を向けていた。 「ほむら!あんた、体のほうは大丈夫なの?!」 「ええ、どうにかね。気分は最悪だけど命には問題ないみたい」 「そう、よかった…」 ほっと胸を撫で下ろすアリス。 するとほむらはサイドカーから降り、隣のバイクに座り込んだ。 「出発するわよ。武器もグリーフシードも一通りの情報も得られた以上、ここには用はないわ」 「いいの?少し休んでいった方がよくない?」 「心配いらないわ。こっちは私の体よりも重要なことだから」 「あんたね…。せめてもう少しは自分の体大事にしなさいよ。 まどかって子もそんなボロボロな体になってでも助けて欲しいなんて思ってないでしょ」 「………」 ほむらはバイクから降りようとはしていない。 早急に出発することを変えるつもりはないようだ。 溜め息をつきながら、アリスはサイドカーに座り込む。 向かう場所なら想像はつく。探している相手の最も寄りそうな場所、鹿目邸だろう。 「ねえ、アリス。あなたは誰かを殺したいほどに憎んだことってあるかしら?」 「何よ、いきなり」 「深い意味はないわ。ただの雑談よ」 不意に振られた話題。 アリスは少し考えた後、ほむらのその唐突な問いかけに答える。 「そうね、憎いと思う相手ならいないわけじゃない。 だけど、もし一番殺したいほど憎い相手がいるとしたら、それは無力な自分ね」 「あなたは、例えばあなたの大切なナナリーを殺した子を憎んではいないの?」 「憎いわ、当然。だからもしあいつに次にあったら、まずその顔を引っ叩いて蹴り飛ばしてやるわ」 「殺さないの?」 「どうかしらね。もしあいつが救いようのない、それこそマオみたいなやつだったら迷わず殺せるんだけど。 でもナナリーはあの子も救って欲しいって言ってたのよね…。だから分からない」 「そう。なら、あなたはきっと殺さないのでしょうね」 そう呟いて、ほむらはサイドバッシャーを発車させた。 「…私にはきっとそうはなれないわ」 その直前にふとほむらの口からこぼれ落ちるように呟かれたその言葉の意味。 アリスにはそれを図ることはできなかった。 ◇ 暁美ほむらにとって唯一の存在である鹿目まどか。 それは何にも増して優先するべき事項であり、かけがえのないものだった。 今この場においても、そしてこれまでもこれからも、きっとそれは変わらないのだろう。 世界と天秤にかけられることがあったとしても、きっとまどかを選ぶ。それほどの存在だ。 ならば、その唯一の存在を殺されたとすると、その相手はどうするだろう。 それも魔女によるものでも、インキュベーターの企みによるものでもない、第三者の人によることだとしたら。 ほむらにとっては最悪の事態であり、想像もしたくない可能性。 だが、それが実際に起きてしまった時間軸がたった一つだけ存在した。 他でもない、この場にもいる美国織莉子の手でまどかの命が奪われたあの時間軸だ。 しかしあの時はその事実に対して何もすることはできなかった。 まどかは手遅れで、下手人の美国織莉子も既に死んでいた。言うなればあいつの勝ち逃げ状態だった。 結局その時もそれまでと同じ、繰り返す時間の中の一つとして心の奥底に仕舞っておくしかなく。 果たされない、まどかを殺した美国織莉子への憎しみは消えることなく、しかし心の表に残り続けることもなく忘却の中で封印されていた。 しかし、その感情を、あの時マオの見せた夢は思い出させたのだ。 もう少しでまどかを助けられただろうあの時間軸の戦い。 何も知らない、あの子の笑顔。 それを奪った憎き仇敵に対する、果たされることのない復讐。 今ならまだ間に合う。あの日果たせなかった復讐を今ここでなら討つことができる。 インキュベーターに聞いたのが美国織莉子のいる場所であったのも、それが理由だ。 そしてあいつはきっと、まどかを狙って鹿目邸へと向かっているのだろう。インキュベーターから聞いた現在地から推測した情報だ。 幸いにして、村上達とのやり取りを通じて武器やグリーフシードを手に入れることはできた。 ポッチャマとサイドンの状態もほとんど万全の状態となっている。 不安はあるが、今とり得る状態としては比較的最善だ。 (さあ、行きましょうか。美国織莉子の元に) 今回だけはまどかのためではない。 ――――私のために。あの日の私自身の仇を取るために。 「ポチャ…?」 アリスの膝の上でほむらの顔を見たポッチャマだけが、その時彼女が浮かべていた表情を見ていた。 決して笑っていない目で、しかし口元だけは妙に嬉しそうに釣り上がった、不気味な笑みを。 【C-4/森林/一日目 日中】 【夜神月@DEATH NOTE(漫画)】 [状態]:疲労(中) [装備]:スーツ、 [道具]:基本支給品一式、レッドカード@ポケットモンスター(ゲーム) [思考・状況] 基本:???? 1:とりあえずゼロと行動する。まずはNの城に向かって情報を集める 2:人ならざるものにして、人を殺めることに何の感情も思いも抱かないオルフェノク(村上峡児)という存在に若干の羨望。 情報:ゲーチスの世界情報、暁美ほむらの世界情報、暁美ほむらの考察、アリスの世界情報、乾巧の世界情報(暁美ほむら経由) ※死亡後からの参戦 【枢木スザク@コードギアス 反逆のルルーシュ】 [状態]:細マッチョのゼロ、「生きろ」ギアス継続中、疲労(中)、両足に軽い凍傷 [装備]:バスタードソード@現実、ゼロの仮面と衣装@コードギアス 反逆のルルーシュ(仮面は支給品の中にあった予備のもの) [道具]:基本支給品一式(水はペットボトル3本)、ランダム支給品0~1、エクスカリバー(黒)@Fate/stay night [思考・状況] 基本:アカギを捜し出し、『儀式』を止めさせる 1:月を伴い移動する。ただし頭脳は買うが人格まで信用はしない 2:Lを探し、 政庁で纏めた情報を知らせる 3:村上に同行しNの城へと向かう。しかし警戒は怠らない 4:生きろ」ギアスのことがあるのでなるべく集団での行動は避けたい 5:許されるなら、ユフィの世界のスザクに彼女の最期を伝えたい 6:誤解を招きそうだから、とりあえず名前を聞かれた際はKと名乗っておく [備考] ※TURN25『Re;』でルルーシュを殺害したよりも後からの参戦 ※学園にいたメンバーの事は顔しかわかっていません。 【村上峡児@仮面ライダー555】 [状態]:疲労(小)、人間態 [装備]:なし [道具]:基本支給品×3、拡声器@現実、不明ランダム支給品0~2(確認済み)、C.C.細胞抑制剤中和剤(2回分)@コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー [思考・状況] 基本:オルフェノクという種の繁栄。その為にオルフェノクにする人間を選別する 1:月、ゼロ(スザク)と共にNの城に向かう。 2:ミュウツーに興味。 3:選別を終えたら、使徒再生を行いオルフェノクになる機会を与える 4:出来れば元の世界にポケモンをいくらか持ち込み、研究させたい 5:魔王ゼロはいずれ殺す。 [備考] ※参戦時期は巧がラッキークローバーに入った直後 ※マオのギアス、魔女因子、ポケモンに興味を持っています ※スザク以外の学園に居たメンバーの事を大体把握しました(あくまでマオ目線) 【アリス@コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー】 [状態]:疲労(中)、ダメージ(小)、ネモと一体化 [服装]:アッシュフォード学園中等部の女子制服、銃は内ポケット [装備]:グロック19(9+1発)@現実、ポッチャマ@ポケットモンスター(アニメ) [道具]:共通支給品一式、 [思考・状況] 基本:脱出手段と仲間を捜す。 1:ナナリーの騎士としてあり続ける 2:情報を集める(特にアカギに関する情報を優先) 3:脱出のための協力者が得られるなら一人でも多く得たい 4:ほむらが若干気になっている 最終目的:『儀式』からの脱出、その後可能であるならアカギから願いを叶えるという力を奪ってナナリーを生き返らせる [備考] ※参戦時期はCODE14・スザクと知り合った後、ナリタ戦前 ※アリスのギアスにかかった制限はネモと同化したことである程度緩和されています。 魔導器『コードギアス』が呼び出せるかどうかは現状不明です。 【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】 [状態]:ソウルジェムの濁り(5%) 、疲労(中) 、不快感 [服装]:見滝原中学の制服 [装備]:盾(砂時計の砂残量:中)、グロック19(14発)@現実、(盾内に収納)、ニューナンブM60@DEATH NOTE(盾内に収納)、 グロスフスMG42@魔法少女まどか☆マギカ(盾内に収納)、サイドバッシャー(サイドカー半壊、魔力で補強)@仮面ライダー555 [道具]:共通支給品一式、双眼鏡、黒猫@???、あなぬけのヒモ×2@ポケットモンスター(ゲーム)、ドライアイス(残り50%)、 グリーフシード(残り30%使用可)@魔法少女まどか☆マギカ モンスターボール(サカキのサイドンwith進化の輝石・全快)@ポケットモンスター(ゲーム)、まどかのリボン@魔法少女まどか☆マギカ、はっきんだま@ポケットモンスター(ゲーム) [思考・状況] 基本:アカギに関する情報収集とその力を奪う手段の模索、見つからなければ優勝狙いに。 1:鹿目邸へと向かい、おそらくいるであろう美国織莉子を抹殺する 2:全てを欺き、情報を集める(特にアカギに関する情報を優先) 3:協力者が得られるなら一人でも多く得たい。ただし、自身が「信用できない」と判断した者は除く 4:ポッチャマを警戒(?)。ミュウツーは保留。ただし利用できるなら利用する 5:サカキ、バーサーカー(仮)は警戒。 6:あるならグリーフシードをもっと探しておきたい 最終目的:“奇跡”を手に入れた上で『自身の世界(これまで辿った全ての時間軸)』に帰還(手段は問わない)し、まどかを救う。 [備考] ※参戦時期は第9話・杏子死亡後、ラストに自宅でキュゥべえと会話する前 ※『時間停止』で止められる時間は最長でも5秒程度までに制限されています ※ソウルジェムはギアスユーザーのギアスにも反応します ※サイドバッシャーの破損部は魔力によって補強されましたが、物理的には壊れています ※アリスは”友達”として信用できる存在と認識しました ※村上による使徒再生を受けましたが、多量の魔力を消費することと引き換えに生存しています ※ほむら、アリス、村上、スザク、月の5人はロワ内であったこと、ある程度の共通認識、世界観についてある程度の情報交換を行いました。 【グロスフスMG42@魔法少女まどか☆マギカ】 オーキド博士に支給。 第二次世界大戦内の1942年にナチス・ドイツにより開発・供給された汎用機関銃を改良したもの。 アニメ『ストライクウィッチーズ』においてウィッチが使用しているものと同じものであるとかないとか。 117 空白 投下順に読む 119 蒼の精度 116 その手で守ったものは(後編) 時系列順に読む 110 君の銀の庭 暁美ほむら 124 閃光の真実と深淵の影 アリス 枢木スザク 133 神のいない世界の中で 夜神月 村上峡児
https://w.atwiki.jp/nicyannotubuyaki/pages/35.html
金運を上げるためにはまず月初めや支払い、買い物などは控えた方がいいみたいですよ。 月初めにお金が出ていく流れを作ってしまうとこの月はどんどんお金が出て行きやすくなるんだって。 そして1日の中でも午前中はお金を使わない方がいいんだって。 月初めと午前中。これを気をつけるだけでお金の流れを止める事が出来るらしい。 今日からでも出来そうですよね。 バストアップ ランキング バストアップ 体験レポート
https://w.atwiki.jp/aion20memo/pages/1647.html
期限を守るために 遂行地域 北カタラム - マイリン組合 事務所 適正レベル 取得 63 / 遂行 63 報酬 経験値 6,193,362+ 選択報酬特級 生命のポーション(35)特級 精神のポーション(35) -の中から1つ選択 関連クエスト --- 進行順序 1.NPCマイリンと会ってクエスト獲得2.採掘作業の邪魔者を退治せよ-フロステッド ペトラゲルム(8)-ハンドレッド フラ スパゲン(11)3.NPCマイリンと会ってクエスト完了
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/25104.html
しょうじょのためのこうしんきょく【登録タグ NexTone管理曲 し 初音ミク 曲 木片 ツマー】 作詞:木片 作曲:ツマー 編曲:ツマー 唄:初音ミク 曲紹介 屋根裏で泣いていた少女は猫に連れられて魔法の国へやって来ました。 さぁ旅立とう!星の魔法で魔女に立ち向かうんだ! 可愛らしい童話のような曲。 歌詞 逃げ出して 泣きつかれて 屋根裏うたたねしてたら 猫の輪舞曲(ロンド) 光る門扉(ゲート) 魔法の国へ連れ去られて お願いされたの 間抜けな名前を無くした子猫 「魔女から7つの季節を取り戻そう」 星のダンス 見においで 猫たちに 呼びかけて 踊るまわる 月の裏側で 空のキャンパス 描いてく 星を線で 結んでく いつか誰かを導く星座になって 瞬いて 笑顔だって 涙だって 強い力に変わるから 魔法だって 奇跡だって 起こせる不思議な世界では わたしは無敵なの さあ行こう 虹の橋を駆け抜けて 旅立とう 空に浮かぶ妖精の島へと 目を覚ませ 立ち向かえ 取り戻せ 手をとって みんなの魔法で魔女に立ち向かえ 七色の 風が吹く 星屑が 降り注ぐ そして季節を妖精が運んでいく 何処までも もとの世界へと 帰るために 涙の粒を集めて 子猫とお別れ わたしの最後の魔法 忘れないでね 涙 舞い上がり 空 きらめいて 星になって 輝いて ひとつひとつが 誰かの物語 背伸びして 強がって わがままで 泣きむしで そんなわたしの思い出も星になって 瞬いて 星のダンス 見においで 猫たちに 呼びかけて 踊るまわる 月の裏側で 空のキャンパス 描いてく 星を線で 結んでく いつか誰かを導く星座になって 瞬いて さよなら星の物語 誰かに届くように 永遠(とわ)に瞬くように いつかまた会えるように (動画内歌詞より転載) コメント 懐かしい感じの音楽。再生数少なすぎ・・・。 -- 名無しさん (2013-04-22 13 59 12) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/moonlight-mousou/pages/25.html
今日を変えるために とても短い曲だがMOONLIGHTらしい詩で飾られている。 作詞 飯田賢治 作曲 志田愛子 編曲 金子俊之 何ができるの? 生まれてきた生命(いのち)を大切にするためには… 信じることしかできない それすらできない 今日を変えるために やって来た事を 振り返ろう 何を無くしても もう できないと思ったことでも できるかもしれないんだ 信じることができるか 何を当てにするか 明日を変えるためには 何をすべきか 考えよう You do not know all of me OK, it is world curtain raising
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/30525.html
ぼくがぼくであるために【登録タグ ashcolor ほ 巡音ルカ 曲】 作詞:ashcolor 作曲:ashcolor 編曲:ashcolor 唄:巡音ルカ 曲紹介 僕の 僕による 僕のための歌。 ashcolor氏 の18作目。 歌詞 今日も机に向かって 真面目に教科書開いて 正しいことをたくさん知った 覚えるために忘れてゆく ありのままの僕自身を もう痛いのは嫌だから こうして過ぎた一日を お手本と照らし合わせて 曖昧な基準で答え合わせ 間違いの解答には 大きな赤い×を 歪な形の この愛に 汚れた感情は全て ゴミに出したはずなのに 朝には元通り 君を想ってる 僕が僕であるために 変わらなくてもいいこともあるんだ 僕が僕であるために 例え傷付けて 傷付いたとしても テストの名前の横には 大きな赤い○印 こんなの僕じゃないんだよ 伝えたい気持ち 胸の中 本当の自分 無くしたまま 褒めてくれたって嬉しくないんだ 少しは変われたけど いつまでも未完成のままだ こんな僕をこれが僕だと言えるように 僕が僕であるために 変わらなくてもいいこともあるんだ 僕が僕であるために 例え傷付けて 傷付いても 僕が僕であるために ずっと変わらなかったものがあるんだ 僕が僕であるために 傷を背負いながら行けるところまで 歩いてゆこう コメント いいね、すごく好き。 -- 名無しさん (2014-10-12 20 49 59) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/dqff1st/pages/453.html
「何!もう夜明けか」 放送を聞いてファリス一行は慌てて周囲を見渡す 雨の行為で何時の間にか東の空が明るくなってたのに気がつかなかった それに時計を見るのも怠っていた・・・・・ さらにそれからしばらく進むと、突然エリアが立ち止まり小首をかしげる。 「反応が消えた?」 「はい・・・・先程までは感じることができたのですが、今しがた、全く感じることが出来なくなって おそらく先に扉をくぐったのか・・・それとも・・・・」 そこから先は聞きたくなかった、レナが死んだなどと だがそうなると予定を変える必要が出てくる、もはや北に向かう意味は無くなったし・・・・ ここからツェンまでだと急いでようやく時間ギリギリで辿り着ける距離だ だがベクタなら楽に戻れる。 「仕方ない、ベクタまで戻ろう・・・・次の世界で出なおしだな」 そうしてベクタまで戻った4人だった、街の入り口までは何事も無く辿り着けた・・・ しかし城に続く大通りに入った瞬間だった。 「!!」 ファリスがエリアを、ロックがアモスを真横に押し倒す、わずかに遅れて剣風が彼らの立っていた場所を一閃する あと0.1秒遅ければ4人の首は飛んでいただろう・・・・・ そしていつのまにか彼らの目前には銀髪の剣士、セフィロスが静かに佇んでいた。 「くそっ!」 先走ったロックがクィックシルバーを連射する 放たれた弾丸は狙い違わずセフィロスの身体に命中するはずだった だが弾丸はセフィロスが正宗を一閃する事で全て弾かれていた・・・・しかも 「あああっ!」 ファリスが胸を押さえて床に倒れ込む、押さえた手の隙間から大量の血が溢れ出している 弾き返された弾丸は跳弾となってファリスの胸に命中したのだった。 予想外のアクシデントに顔面蒼白になる一同を尻目に セフィロスは悠々と距離を空けると、どうする?といわんばかりに正宗を肩に担いでいる その胸中は、デスピサロとの戦いでの鬱憤をここで晴らしてやろうとの思いに満ちていた。 そんな中、アモスが意を決したように一同に告げる 「ここは私が引きうけた、先に行くんだ!」 「アモッさん、でっ・・でも」 アモスはロックに自分の荷物を渡して、その肩を掴み言い聞かせる 「いいから行け!・・・お前まで抜けたら誰が2人を守るんだ!それに今のお前は動揺している これでは犬死するだけだぞ!!」 その言葉にロックは静かに頷くと、エリアと共にファリスを担いで城内へと入っていく そしてアモスはセフィロスの行く手を阻むように道路に立つ 「貴様がどれだけ強いのか知らんが、その余裕が命取りだぜ!」 アモスの姿がモンストラーへと変わっていく しかしそれを見てセフィロスは驚くどころかますます楽しそうに笑みを浮かべる 「ガァァァァッ」 咆哮と共にアモスの拳がセフィロスに迫る しかしその拳はセフィロスのかざした刀によって防がれ、さらにセフィロスが刀に気合を込めると 拳もろともアモスの片腕は砕けて、千切れ飛んだ。 それでもアモスはひるむことなく体当たりを敢行する だがセフィロスはすでに空中に逃れていた、そしてセフィロスの手から突き出された正宗が アモスの大きく開いた口に突き刺さり、その先端は後頭部に抜けていた・・・・・ そしてスローモーションのようにアモスの身体が傾いていく。 物足りんな・・・少しは遊べると思ったのだが・・・・・ ひとまず正宗を鞘に収め、ロックたちを追おうとしたその時だった。 正宗によって脳を貫かれ、地に倒れたアモス その濁った瞳に映っている光景は何なのであろうか?夢か現か・・・・・ 「ここは・・・・・」 薄暗いようなそれでいてまぶしい、そんな不思議な世界にアモスはいた そして彼の目の前には死んだはずのハッサンと彼の知らぬ全身傷だらけの伊達男が立っていた アモスは懐かしいような表情でハッサンに話しかける 「なぁ・・・お前がいるってことは、俺は死んじまうのか?」 「ああ・・・お前はもう死ぬぜ、アモス」 「そうか・・・・」 悔いは無かった・・・わずかでも時間を稼ぐ事が出来たのだから あとはロックがなんとかしてくれるだろう それに心の何処かでこういう最期を望んでもいた、自分は果報者だ 戦士としてこれ以上は無い最期を遂げる事が出来たのだから・・・・・・ だが、ハッサンの隣にいた伊達男が鼻で笑う 「確かに戦士の死にザマとしてはなかなかだが・・・勝負師としては少し足りないな、見ろよ」 男の指差す方を見ると、刀を納めたセフィロスがロック達を追おうとしていた。 そしてロック達は未だに城の中でさまよっていた。 「あいつ・・まだ・・・・」 アモスは全身に力を込めてセフィロスを止めようとするが、すでに死に始めているその身体は動かない その様子を見ながらハッサンは隣の男へと話しかける 「おめぇの言うとおりだぜ、アモスの奴やる気になったみたいだぜ」 「あの世での酒盛りはまだお預けだな・・・・仕方ない」 「へへ、俺たちが力を貸してやる・・・・・立てよ」 ハッサンとセッツァーがアモスへと手を差し伸べる・・・アモスは渾身の力でそれを握りしめ そしてその瞳に再び灯火が宿った。 アモスの両目が生気を取り戻すと、突如地響きと共に飛びあがり セフィロスの背中めがけキックを放つ。 それは、今は亡き盟友ハッサンが放ったのかと見紛うほどの見事な蹴りだった。 寸での所でその蹴りを避けたセフィロスだったがさらにアモスはセフィロスの襟首を掴み、壁へと投げ飛ばす だがセフィロスは空中で体勢を直すとアモスの肩へと袈裟懸けに正宗を振り下ろす 肩から胸の半ばまでを一気に両断されたアモス・・・しかしそれでもその動きは止まらない 片手でセフィロスの首を握り、首の骨を砕こうとする 「いいかげんにしろ・・・・」 腹に据えかねたセフィロスの言葉と同時に再び正宗が振るわれ、 今度はアモスの腹が真一文字に切り裂かれ、大量の血と共に内臓が飛び出してくる。 セフィロスはアモスの手を解くと、そのままロックたちを追おうとする 終わった・・今度こそ・・・・だがしかし! またしても背後の異様な気配に振り向いたセフィロスの腹部にアモスの頭がめり込む 今度はセフィロスといえども避けられない、錐揉みをしながらその身体が城壁へと叩きつけられ バウンドしたところにさらに体当たりを受け、セフィロスは数メートル離れた道路へと墜落する。 ふらふらと起き上がり、正宗をかまえなおすセフィロスだったが その顔には明らかに焦りの表情が浮かんでいた。 何故だ、何故コイツは倒れない? 正宗を一閃するたびに、アモスの肉体は確実に切り刻まれ、そのたびに血と骨と内臓が飛び散っていく たとえ魔獣と化していてもとうに息絶えているはずの傷である だが・・・それでもアモスは未だ倒れることなく、その力を持ってセフィロスをその場に留め続ける その力の源・・・・それが何であるのかは分からないが、友も仲間も無く守るものすらも無い そんなセフィロスには決して理解する事ができない物であるとだけは言えるだろう・・・・・ セフィロスは何時の間にか自分がじりじりと後退していることに気がついた その身体からはじっとりと汗が流れ出て止まらない 何だ・・・この不快な気分は・・・・・これは恐怖か・・・バカな! この私がこんな化け物風情に恐怖しているというのか!? 自分の背中が壁に密着する・・もう下がれない もはやセフィロスはただ闇雲に正宗を振りまわしているだけだった その顔に浮かぶのは恐怖の表情に他ならない ずるずる・・ずるずると、もはや原型を留めぬほどずたずたに刻まれた身体を引きずって アモスがセフィロスに迫る。 その速度はもはや亀のようにのろかったが、それでもセフィロスは1歩も動けない 「~~~~~!!」 セフィロスが声にならぬ悲鳴を上げ、目を閉じる だが・・・そのときアモスの気配が急に消えた。 恐る恐るセフィロスが目を開けると、そこにはセフィロスのわずか数歩手前で力尽きている アモスの姿があった。 奇しくもそれはロックたちが扉をくぐり新たな世界へと向かったのと同時だった。 人間の姿に戻ったアモスの身体は先程の巨体が想像できないほど小さかったが その死に顔には満足気な笑みが浮かんでいた。 恐る恐るその骸に手を触れ・・完全に死んでいるのを確認し、胸を撫で下ろすと 足取りも重くセフィロスはゆっくりと扉に向かった。 もっとも扉をくぐる頃には恐怖は消え去り、またいつもの表情に戻っていたが・・・・ 【エリア 所持品:ミスリルナイフ 加速装置 第一行動方針:ファリスの治療 第二行動方針:クリスタルの戦士との合流 基本行動方針:できることをやる】 【ファリス@忍者(アビリティ:とんずら、瀕死状態) 所持品:食料2ヶ月20日強分&毒薬 吹雪の剣 水1,5リットル×2 小型のミスリルシールド 第一行動方針:治療 基本行動方針:レナの捜索】 【ロック 所持品:神秘の鎧 クイックシルバー 小型のミスリルシールド フィアーの書×7 第一行動方針:ファリスの治療】 【現在位置:新フィールドへ】 【セフィロス 所持品:正宗 最終行動方針:全員殺す】 【現在位置:新フィールドへ】 【アモス 死亡】 【残り 65人】 ←PREV INDEX NEXT→ ←PREV エリア NEXT→ ←PREV ファリス NEXT→ ←PREV ロック NEXT→ ←PREV セフィロス NEXT→ ←PREV アモス NEXT→死亡
https://w.atwiki.jp/ws_wiki/pages/5231.html
autolink() MM/W17-009 カード名:生きるための願い マミ カテゴリ:キャラクター 色:黄 レベル:1 コスト:1 トリガー:1 パワー:2500 ソウル:1 特徴:《魔法》?・《お茶》? 【永】あなたのターン中、他のあなたのキャラすべてに、パワーを+1000。 【自】チェンジ[① このカードを控え室に置く]あなたのドローフェイズの始めに、あなたはコストを払ってよい。そうしたら、あなたは自分の控え室の「宿命を背負うマミ」を1枚選び、このカードがいた枠に置く。 いいものじゃないわよ……魔法少女なんて レアリティ:U illust. 12/01/30 今日のカード。 自分のターン中のみではあるが、全体への1000パンプは優秀。 前列に置いても効果は発動するが、チェンジをする予定なら次のターンまで生き残らせるために後列に置いておきたい。 登場に1コスト、チェンジに1コストと軽い効果なわけではない。レベル2になり手札に余裕があるのならばそのまま後列に置くのもあり。盤面を見て考えて効果を選択しよう。 ・関連カード カード名 レベル/コスト スペック 色 備考 宿命を背負うマミ 2/2 9000/2/1 黄 チェンジ先
https://w.atwiki.jp/in2gensokyo/pages/67.html
[帰るために幻想入る!] [山葵] 動画リンク 一話 紙芝居形式 4話前編まで 【内容】 大学で図書室に行ったところいつの間にか秘封倶楽部のいる未来へとワープ。 現状で帰る手立てが見つからないので、帰るために秘封倶楽部と共に幻想郷へいく。 今のところは高速道路で死にかけてた。 【感想】 初めは微妙なタイトルだとおもったが 発想は悪くない。むしろ幻想入りの中では結構考えられていると思う。 初めのほうは絵が荒っぽいが、だんだん色が付き始め結構なスピードで画力は上昇している。 ただ、作者も言っているが動画内での画力が安定していないのがよくわかる。 ただサムネイル選びが悪く、本気絵を出さずに微妙なところの絵を出している節が多い。 ギャグもあまりさえなくて、無理に入れている感じがしたかもしれない。 テンポが少し速かったり遅かったりで2度見ようかな、とは思いがたい、 63人目にしてはかなりスローペースでまだ4話までしか出ていないが、 今後の展開などを考えると面白くなっていきそうであり、 画力の向上具合なども見て、今後に期待したい。 個人的に幻想入り大御所に宣戦布告したあたりが気に入った。