約 3,071,621 件
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/2567.html
古泉が病室を出て行き、部屋の中には俺とハルヒの二人っきりとなった。 ……何だ、この沈黙は? なぜだか全くわからないが微妙な空気が流れる。 おそらくまだ1、2分程度しか経っていないだろうが、10分くらい経った気がする。 やばいぜ、ちょっと緊張してきた。何か喋らないと。 『涼宮ハルヒの交流』 ―最終章― 沈黙を破るため、とりあえずの言葉を口にする。 「すまなかったな。迷惑かけて」 「別にいいわ。けどいきなりだったから心配したわよ。……もちろん団長としてよ」 「なんでもいいさ。ありがとよ」 再び二人とも言葉に詰まる。 「……あんた、ホントにだいじょうぶなの?」 「どういう意味だ?」 「だってこないだ倒れてからまだ半年も経ってないのよ。何が原因なのかは知らないけどちょっと異常よ。 ひょっとして、あたしが無茶させすぎちゃったりしてるからなの?」 確かに、普通はそんなにしょっちゅう意識不明にはならないよな。 けど今回の原因はハルヒだなんて言えねぇし。 どうでもいいが無茶させてる自覚があるならもっと優しく扱ってくれ。 「だいじょうぶさ。もうピンピンしてる。別に体に問題があるわけでもない」 「そう……、ならいいけど」 ハルヒに元気がないな。そんなに心配してくれてたってのか? それともここも実は異世界で、これは違うハルヒだったりするのか?いやいや、そんな馬鹿な。 ……ん?そうだな、そういえば言わなきゃいけないことがあったな。 「ハルヒ、昨日はすまなかったな」 ハルヒは不思議そうな顔で目を向ける。 「だから、別にいいって言ったでしょ」 「……ああ、いや、そのことじゃない。昨日の昼のことだ」 「ああ、……あれね」 途端に不機嫌な顔になる。やっぱかなり怒ってんのか。 「つい、つまらないことでムキになっちまったな。すまん。 けどな、お前からはつまらないことかもしれないけど、俺にとっては結構大事なことだったんだ」 「………」 あのハルヒと同じように黙ったままだ。 「別にSOS団として不思議を探すのは構わん。宇宙人、未来人、超能力者を探すのも構わん。 お前が手伝って欲しいってんならできる限りのことはやってやりたい。できる限りはな。 けど、な。……そいつらを見つけたら、俺は用済みになるのか?」 「そんなことは言ってないでしょ!」 「言ってはないかもしれんが、ひょっとしたらそうなんじゃないかって思ってしまったんだ。 そうしたら、きっと怖くなっちまったんだろうな」 「そんなことあるわけないでしょ。あんたあたしが信じられないの?」 「そうだったのかもしれない。いや、信じられなかったのは俺自身なのかもしれない。 そんなやつらがいる中で、いつまでもお前の側にいられるような資格がないと思ったのかもしれないな」 「そんなことないわ。だってキョンは、……キョンはあたしにとって……。あたしはキョンが……」 「でも、もうそんなことはどうでもよくなった」 ハルヒは驚いて悲しそうな顔になった。心なしか、涙が浮かんでいるようにも見える。 「まさか……もうやめるって言うの?なんでよ!?」 ああ、そういう風に捉えますか。というか言い方がまずかった気はしないでもないな。すまん。 「いや、すまん。そういう意味じゃない。俺はこれからもSOS団の一人としてやっていくつもりだ。 俺が言いたいのは、そのなんていうか……簡単に言うと自信が付いたってこと、か?」 「何言ってるのあんた。全然意味わかんないわよ」 だろうな。俺もよくわからん。どうやって話を進めたらいいやら。 「昨日言っただろ。普通じゃない人間なんて見つかりこないって。あれは本当のことだ。 けど、それはそういうやつらがいないって意味じゃない。こっちからは見つけられないって意味だ。 だっていきなり『お前は宇宙人か?』って聞かれて、はいそうです、って、本物だとしても答えるわけないだろ?」 「じゃあどうしろっていうのよ!」 「別に何もしなくていいと思うぞ。強いて言うなら、そういうやつらが現れるのを願い続けることだな。 そうすれば、お前の周りにいるそいつらは、時がくれば自分からそのことをお前に告げてくれるさ」 「あのねぇ、あたしには気長に待ってる暇はないのよ。時っていつよ?こないならこっちから探すしか――」 俺はハルヒの小さな肩に手をやり、ほんの少しだけこちらに引き寄せる。 「その時ってのは今だ」 「あんた何言ってんの?」 「あのな、ハルヒ。実は俺、異世界人なんだ」 「は?」 さすがに目が点になってるな。そりゃそうか。 「俺は異世界人なんだ」 「ちょっと、あんた。本気で言ってんの?んなわけないでしょ」 「本気だ。俺は異世界人なんだ。まぁそりゃあ普通の人間には簡単には信じられないかもしれないだろうがな。 それにしてもせっかく待ちに待った異世界人が現れたってのに、信じないなんてもったいない話だよな」 「わ、わかったわ。仕方ないから信じてあげるわよ」 なんて簡単に挑発にかかるんだ。こいつは。 「だからな……」 「だから何よ」 ハルヒの肩に置いていた手に、ギュッと力を込める。 やべぇ、めちゃくちゃ緊張してきた。 「俺は普通の人間じゃない異世界人だから、俺と付き合ってくれないか?」 ああ、ついに言っちまった。 「は!?あ、あんたちょっとまじで言ってるの?」 「ああ、俺は大まじだ。お前言ってただろ?普通の人間じゃないやつがいたら付き合うって。ありゃ嘘か?」 「嘘なんかつかないわよ。けど……、まぁあんたが異世界人だってんならしょうがないわね。 わかったわ。そこまで言うなら付き合ってあげるわよ」 意外とすんなりいったな。『あんたが異世界人だっていう証拠は?』とか言われたらどうしようかと思ってたが。 証拠なんてないしな。行き方も知らない。まぁハルヒは実は自分で知っているわけだが。 俺が本物かどうかなんてたいした問題じゃないってことなのか? まぁなんでもいいさ。 「一つ聞いてもいい?」 「なんだ?質問にもよるぞ」 「あんたの言う異世界ってどんな世界?」 どんな世界、か。どう言えばいいものか。ここと変わんねぇんだよなぁ。 「基本的にはこことほとんど同じだな。よくいうパラレルワールドってやつか?人もほとんど同じだ」 「ふーん、てことはあたしとかもいるわけ?」 「ああ、いるぜ。ちゃんとSOS団もある」 「じゃあ、何が違うの?全く一緒ってわけじゃないんでしょ」 そうだな?何が違うんだ?あまり違和感がなかったからな。 「なんだろうな。人の性格とかに微妙に違和感があるくらいか?」 「例えば?」 例えば、か。何かあったかな。 「あ、長門の料理がうまかった。昼の弁当もうまかったし」 ハルヒの目付きが変わる。 「へえー、有希に弁当とか作ってもらってたんだぁ」 いや、まて、それはだな。いろいろあって、とりあえず落ち着け。な。 「……まぁいいわ。そっちのあたしはどんな感じ?」 どんなって言われてもなぁ。確かにちょっと違ってはいたが。力のこともあるし。 「……お前をさらに強気にした感じだ」 としか言いようがない。 「なるほどね。まぁいいわ」 「というかお前案外簡単に信じるんだな」 「嘘なの?」 「いや、そういう意味じゃないが」 「ならいいじゃない。あんたが本当って言ってるならそれでいいのよ。何か問題あるの?」 「いや、ちょっと話がうまく行き過ぎてて。ハルヒ、本当に俺でいいのか?」 「あたしがいいって言ってんだからそれでいいのよ。何?取り消したいの?」 「そんなわけあるか!俺はお前のことが、……本当に好きなんだから」 空いているもう片方の手もハルヒの肩に置く。 「ならさっさと好きって言いなさいよね。全く。こっちだって不安なんだから」 「そうだな、すまん。……ハルヒ、好きだ」 「あたしもよ。……キョン」 両の手に少し力を入れて引き寄せると、それに従いハルヒも近づいてくる。 ……あと20cm。 俺が顔を近付けるとハルヒも顔を近付ける。 ……あと10cm。 残りわずかのところでハルヒが目を瞑る。 ……あと5cm。 顔を少し傾け、目を閉じているハルヒの唇に俺の唇をそっと重ね―― コンコン! バッ!! ドアがノックされる音に慌ててハルヒの体を引き離す。 「入りますよ」 そういって古泉が入ってくる。そういえばジュースを買いに行ってたんだっけ? というか手ぶらじゃねぇか。どういうことだ?その満面の笑みは何だ? 「いえいえ、なんでもありませんよ。」 古泉の後ろには隠れるようにしている二人の姿が見える。 お見舞いのフルーツセットと、それとは別にお見舞いの品の袋を持った朝比奈さんとなぜか大量の本を持った長門の姿が。 「長門、それに朝比奈さんも。来てくれたんですね」 「……来ていた」 「キョ、キョンくん、具合はどうですかぁ?」 ん?なんか様子が変だ。朝比奈さんに至っては顔が真っ赤だし。 ってハルヒも顔が真っ赤になってるな。しかも口を開けたまんま固まっている。どういうことだ? 「古泉、何かあったか?ジュースはどうした?」 「ああ、そういえば飲み物を買いに出たのでしたね。うっかりしてました」 「は?じゃあお前はジュースも買わずに今までどこ……って、お前まさか!?」 「いやあ、この部屋を出たところで偶然このお二方と会いましてね。中に入ろうかとも思いましたが……ねえ?」 と、長門の方に振る。 「……いいところだった」 嘘だろ?まさかこいつら全部聞いてたんじゃ。 「……古泉、どこからだ?」 「そうですね。『すまなかったな。迷惑かけて』からですね。最初の方でしょうか?」 最初の方っていうか一番最初だぜこのヤロー。 ……そこから全部聞かれてたってことなのか?そんな馬鹿な。ぐあっ、死にてえ。 思わず頭を抱える。ハルヒはまだ固まっている。 「キョンくん、気を落とさないでください。だいじょうぶですよぉ。カッコ良かったですぅ」 いえ、朝比奈さん。それ全くフォローになってませんから。 「まぁいいじゃないですか。一件落着ですよ」 くそっ、こいつに言われると腹立つな。 どうでもいいけどお前間違いなく開けるタイミング狙ってただろ。 「さて、なんのことでしょう?」 くそっ、いまいましい。 ハルヒいい加減正気に戻れ。 「わ、わかってるわよ。うっさい」 まぁいいさ。これでこの一件は無事に終わったってわけだ。やっぱりこういう世界が一番だな。 あんな悪夢のような時間は出来ればもう過ごしたくないものだ。 俺はここでこのSOS団のみんなと俺は楽しく過ごしていくさ。 だからそっちのSOS団もそっちで楽しくやってくれ。そっちの俺たちも仲良くな。頑張れよ、『俺』。 「とりあえず元気そうで良かったですぅ」 「安心した」 二人からちゃんとしたお見舞いの言葉をもらっていると、 「やっぱりキョンを雑用係にして酷使し過ぎたのがまずかったのかしらね」 だから自覚あるならやめろっての。 ハルヒは朝比奈さんが持ってきた俺へのお見舞いのメロンを食べ終えて言った。 ってお前、そのメロン全部食ったのかよ。それ俺のだろ? 「そうかもしれませんね」 古泉、お前思ってないだろ。とりあえずその手に持ったバナナの束を置け。 「だからキョンには新しい役職を与えて、雑用はみんなで分担することにするわね」 そう言ってハルヒはどこからともなく腕章とペンを取り出した。 って、どこから出したんだよ。ってかなんでそんな物持ってんだよ。 キュキュっとペンを走らせ、それを俺に突きつける。 「これでどう?嬉しいわよね」 渡された腕章には大きな字でこう書かれていた。 『団長付き人』 やれやれ、これからも大変そうだな。 今日からは俺も異世界人、これでSOS団の一員として新しくスタートってわけだ。 確かに向こうに行ってた時間は悪夢のような時間だったかもしれない。 けど、こうなってみると、この結果になったのは間違いなく異世界のおかげと言えるだろう。 異世界でのSOS団の出会い、ハルヒとの出会いがなければ俺はハルヒに告白なんてできなかったたろう。 ハルヒ。ひょっとしてこれもお前の望んだとおりの結果なのか? 異世界との交流を通して、俺に答えを出すことを望んだのか? まぁなんでもいいさ。 お前も望んでくれるなら、俺はいつまでもハルヒの隣にいたいと思う。 「ああ、ありがたく頂くよ。これからもよろしくな」 さて、これからはどんな新しいものとの交流が待っていることやら。 今から楽しみだぜ。 「ちょっとキョン!あたしのプリン食べたでしょ!?」 「いや、それ朝比奈さんが俺のお見舞いに持ってきたやつだから。しかも俺は食ってないぞ」 周りを見渡す。長門が食べていた。 長門はハルヒの方を向いて僅かだけ微笑みを感じさせる顔で言う。 「プリンくらいはあなたから貰ってもいいはず」 ◇◇◇◇◇ 最終章後編へ
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/24.html
『情緒クラッシャー』 「ちょっとキョン!あたしのプリン食べたでしょ!?」 「食ってねぇ」 「言い逃れなんてしても無駄よ!机の上に空の容器が…」 蹴り飛ばされる机。身をすくませるハルヒ。 「食ってねぇ」 「…わかった。食べてないのね」 「あぁ。食ってない」 「…そう」 「謝れよ」 「え…」 「謝るんだよ。俺に。当然のことだろう?勝手な憶測で人を疑ったんだから」 「………」 床に手を付き頭を下げるハルヒ。 「…疑ってごめんなさい」 「…それから?」 「え?」 「さっきのは疑ったことについての謝罪だろ?二度も同じことを言わせたことについての謝罪がないじゃないか」 「…二度も同じことを言わせてごめんなさい」 「いいよ。気にしてないから。俺そういう細かいことを引きずる方じゃないんだ。ただ次からは注意してくれよな。俺はお前のことが大好きだからさ。 もう殴ったりしたくないんだよ。顔面がかぼちゃみたいになってたり、足引きずったりしてるハルヒを見るのはホント辛いんだよ。 なぁ?分かるよなハルヒ?」 「…うん」 「『うん』?」 「は、はい!」 「いい返事だ、ハルヒ。 分かったらさっさとパンツを下ろせよ。あと今週の分な」 「ひぃふぅみぃ…足りてないぞ」 「あの…そのことなんだけど…もうこれ以上…家からお金持ってくるのは…」 ゴッ 「俺は足りてないって言ったんだよ」 「………」 「当たり前だろ。家の金を取るなんて親御さんに悪いじゃないか。だからそれ以外の方法を取ってるんだろ」 「…キョン…お願い…私…限界なの…」 「あ?」 「もうキョン以外とするのイヤ…イヤなの…お願い…もう…」 「…そうか。お前は死ねって言うんだな、俺に。借金があって大変な俺に。そりゃそうだよな。好きでもない男とするのなんて誰だってイヤだよな。 俺だってイヤだよ、大好きなお前を他の奴に抱かせるのなんて。愛してるからな。ハルヒのこと。分かった。死ぬよ、死ねばいいんだろ。死ねばお前も満ぞ…」 「嘘!嘘だから!もっと…もっと私稼ぐから…我慢して…もっといっぱい…!!だからお願い…冗談でも死ぬとかそんな…!」 「そう言ってくれると信じてたよハルヒ。次の分は今日の足りてない分とペナルティー合わせて…4万追加でいいや。お前も少しは寝ないと体もたないだろ?」 「…ありがとう」 「いいって。さ。尻上げろよ。今日はあんまり時間が無いんだ。帰りに長門の家に寄らないといけないんだ。あんまり待たせると可愛そうだからな。あれでアイツさびしがりなところあるんだぜ。あー…きもちぃー♪」 「キョン…私、キョンの彼女なのよね?あ…ん…私達…付き合ってるの…よね?」 「当たり前だろ。あ、今日安全日だっけ?違った?まぁいいか。とにかく出すからなー。 あ、後、次からは焼きプリンで頼むな。今日のはあんまり好きじゃないんだわ」 「う…うぅ…」 「愛してるぜーハルヒー」 ガチャ… ハ「いやっほ~キョ…」 キ「ハルヒ、うるさいぞ、長門は今読書中なんだ、静かにしてあげなさい」 ハ「ごめんなさい…キョン、有希…今日はもう帰るね」 キ「………」 長「………」 バタン 長「………(ハルヒの奴、キョンに注意されて帰ってやんのwwwwwざまぁwwwwww)」 『右から左へ』 ハルヒ「ちょっとキョン!あたしのプリン食べたでしょ!?」 キョン「次の休みどこ行きます?」 ハルヒ「ちょっとキョン!あたしのプリン!?」 みくる「そうですねぇ。あ。そろそろ紅葉がキレイな季節じゃないですか?」 ハルヒ「あたしのプリン食べたでしょ!?」 古泉「なるほど。紅葉狩りというわけですね。確かに今が一番いい時期かもしれません」 ハルヒ「ちょっとキョン!あたしのプリン食べたでしょ!?キョン!?」 長門「こうよう…」 ハルヒ「ちょっとキョン!あたしのプリン食べたでしょ!?」 キョン「お。長門、紅葉を知らないのか」 ハルヒ「ちょっと!ちょっと!キョン!あたしのプリン食べたでしょ!?」 長門「………」 ハルヒ「ちょっとキョン!あたしの、あたしのプリン食べたでしょ!?」 みくる「えっとぉ…冬が近付くと一部の植物がぁ…」 ハルヒ「ちょっと!あたしのプリン食べたでしょ!?」 古泉「朝比奈さん、百聞は一見に如かず。理屈よりも、連れて行って差し上げれば一目瞭然ですよ」 ハルヒ「ちょっとキョン!あたしのプリン、プリン食べたでしょ!?」 キョン「決まりだな。正直ボーリングだ、カラオケだって金も続かなくなってたとこだし、ちょうどいいぜ」 ハルヒ「ちょっとキョン!あたしのプリン食べたでしょ!?食べたでしょ!?」 みくる「私、お弁当作りますねぇ」 ハルヒ「ちょっとキョン!キョン!あたしのプリン食べたでしょ!?」 キョン「ありがたいなぁ!さ。今日はそろそろ帰りましょうか」 ハルヒ「ちょっとキョン!あたしのプリン!あたしのプリン食べたで…」 バタン ハルヒ「ちょっとキョン! 咽喉が渇いたから『ドンッ!』っ!?」 キョン「何だって?」 ハルヒ「な、何するのよ! 吃驚するじゃ『ドンッ!』ひっ!?」 キョン「だから何だって?」 ハルヒ「や、やめて『ドォンッ!』よぉっ!?」 キョン「聞こえねーよ。何が言いたいんだよ、ったく」 ハルヒ「つ、机『ドン!』っひ、ぃ、『ドン!』蹴らない『ドォン!』で、よぉ……」 キョン「あー? 聞こえねーっつーの」 ハルヒ「……うぅ」 ナッパ「白菜うめぇwwww」 あたしは今いじめにあっている。 でも、そんなの中学からのことだった。 みんな馬鹿だからそうなんだって思ってた。 でも、高校に来ていじめはエスカレートしていった。 移動教室から帰ってくると机には「気違い死ね」の文字が書かれていた。 それだけじゃなくて、鞄にも「キモイ死ね」の文字。 ご丁寧にも油性のマジックで書くものだから落ちない。 水で洗っても洗っても落ちない。 部室に行く時は手で隠しながら入った。 ばれたら嫌だったから。 汚れた机を雑巾で拭くと、周りでクスクスと蔑む声が響いた。 でも、あたしのが頭もいいし、顔だっていい。 運動神経だっていいし、こんなやつら一撃で倒せる自信がある。 でも、それはできなかった。 過去に余りに腹を立てて男子を殴ってしまったことがあった。 もちろんあたしは勝った。 でも、次の日集団で来てあたしをリンチした。 ブラジャーを取られて排水溝へと投げ捨てられた。 それがどんどんエスカレートしていった。 止まる事はない延々と続けられる嫌がらせ。 耐えられなくなってあたしはキョンに相談した。 キョンは親身になって聞いてくれた。 あまりの嬉しさに、今までの孤立感、屈辱、羞恥、全てが涙に変わっていた。 その時、あたしはキョンに身体を許してしまった。 次の日、キョンは殺人的な言葉を口にしていた。 「あいつ抱いてやったよ。くせぇしきたねぇし、顔だけだな。ヤリマンだなありゃ」 取り巻きは爆笑。 あたしは人間不信に陥っていった。 誰に相談すればいいんだろう? 悪いのはあたし? あたしは一度だけ自殺を試みました。 紐で首を縛って、力いっぱい引っ張りました。 でも、死ねませんでした。 生きていることに気付いた時、あたしの目からとめどなく涙が溢れました。 今でもあたしは馬鹿な人の卑劣ないじめに耐えています。 悪いのはあたし? 馬鹿キョン馬鹿キョン! と。何度も俺の頭を叩くハルヒの手首を握って制止し、 「止めろ!」ドスの聞いた声と共に、と睨みつけた。 「いい加減にしろ! ったく、毎度毎度。俺はお前の奴隷じゃないんだぞ!」 「何よ! 何か文句あるっていうの。キョンの癖に!」 怖じもへったくれもなく睨み返してきやがる。 その目が、口の聞き方が、傲慢な態度が、全部が癪に触る。 「あんたは黙って私のいう事を聞いていれば良いの!」 「だから! 俺はお前の奴隷じゃないっつーの!」 「はん! 何よ! 文句あるの! 無いわよね! あんたは奴隷よ、奴隷!」 「――っ!」 目の前が真っ赤になった。血が上るどころか、瞬間沸騰した。 何度かこういう事はあったが、桁が違う。止める奴も居ない。 衝動は思考を陵駕する。本気で握りしめた拳は、力の限り振り切られた。 「っ!?」 イスを巻き込み、机にぶつかり、吹き飛ぶハルヒの体。 顎を殴られたうえに、頭を机にでもぶつけたのだろう。 「う、あ、あぁ……っ」 顔を両手で覆い、気持悪い呻き声を上げながら、ジタバタと床の上で跳ねる。 「……もう一回言ってみろ」 髪の毛をつかみ引き摺って、無理矢理に身体を起こす。 痛い痛い痛い……! と喚き散らす。唾を飛ばし、口の端から血を垂らし、喚く。 「な、に……」 すんのよ、とでも言いたかったのだろうか。 言葉が続く前に、顔面を机に思い切り打ちつけてやった。 「おい、聞こえないぞ。しゃきっとしろよ」 髪の毛を引っ張って顔を起こし、耳元で呟いた。 ハルヒはぼろぼろと涙をこぼしながら、鼻血を垂らしている。 俺の顔を見て「ひっ」と顔を痙攣させた。あぁ、どうやら俺が恐いらしい。 「ほらほら。もう一回言ってみろよ? 俺はお前の何だって?」 恐がらせないように、とびきりの笑顔でワンモアトライ。 「ごめ……ん、なさ……い」 ガン! 「……ご、め……な、」 ガン! 「や……め、」 ガンガンガン!!! 「……」 パクパクと口を引き攣らせている。 どうやら「ゆるして」と言っているらしい。 俺はずい分可愛くなってしまったハルヒの顔に唾を吐き、部室を出た。 ハルヒ「みんな聞いて、大ニュースよ大ニュース!!」 !...あれ?あんただれ?」 美代子「引っ越し・引っ越し・ さっさと引っ越し、シバくぞ!」 鶴屋さん「繰ーりー出せー鉄拳~♪」 みくる「ふぇ~」 長門「無理です…」 ハルヒ「ハブられた…」 キョン「あははー」 ハ「やっほーみんな」 キ「お前誰だ?」 ハ「はぁ?何言ってんのアンタ?私はハルヒよ!」 キ「お前こそ頭大丈夫か?はるひはそこに居るだろう」 は「え?呼びましたか?」 ハ「え?」 ハ「……」 ハ「ちょっちょっちょっちょっと!まってアンタ私の派生キャラじゃない!なに私の団長椅子に座ってんのよ!」 は「え?えぇ?あ、あのー」 み「どこの誰か知りませんがはるひちゃんをいじめないでくれませんか?」 キ「つーか派生キャラ?何を言っているんだこいつ?そうかキチガイだ……よし古泉コイツを職員室に連れてくぞ」 古「わかりました」 ハ「ちょっと!話なさいあんた達私が」バタン み「……よしハルヒちゃん今日はめいどさんの服着てみようか?」 は「え?またですか?」 長「…スク水巫女服もある」 は「あ、じゃあめいどさんの服をください」 み「はーいじゃあそっちでお着替えしてくださいね~」 長「スク水巫女服……」 ハルヒ「すごいことを発見したわ!」 キョン「なんだイキナリ」 ハルヒ「谷口のWAWAWAについてよ!」 キョン「ああ、アレについてね。何だ言ってみ、聞くだけ聞いてやる」 ハルヒ「いい?谷口のWAWAWA…パソコンで入力してみてよ、キーボードに注意して!」 キョン「なんでだよ」 ハルヒ「いいから!」 キョン「まったく…、w・a・w・a・w・aっと…ん?…こ、これは!?」 ハルヒ「そう!つまり谷口は突 徒 子 公 太 郎 だ っ た の よ !」 キョン「なんだそんなことかよ…」 ハルヒ「(´・ω・`)」 キョン「…ヌプ」 古泉「ひゃっ!?キョ、キョンたんのえっちぃ!」 キョン「…ドピュ」 古泉「いや~///」 長門「ヴァギナー!!!」 キョン「ちょ、直球だな小娘…」 古泉「…わ?」 長門「ノン ノン ノン 『ヴァ』」 キョン「クチュ…」 長門「ヴァギナー!!!」 古泉「ゃぁ~///」 ハルヒ「ちょっとぉ、ちょっとちょっと!なんで有希は良くて私は無視するのよぉ!?」 キョン「………」 古泉「………」 ハルヒ「なんとかいいなs 長門「ヴァギナー!!!」 ハルヒ「ちょ/// 有希うるさっ 指指すなぁ!///」 古泉「か~え~る~の~う~た~が~」 キョン「か~え~る~の~う~た~が~」 長門「き~こ~え~て~く~る~よ~」 ハルヒ「き~こ~え~て~く~る~よ~」 古泉「………」 キョン「………」 長門「………」 ハルヒ「な、なんなのよあんた達最近!!も、もう知らないんだからっ! ウワァァン。゚(つд`゚)゚。」 バタン 古泉「………」 キョン「………」 長門「……グワッ」 古泉「グワッ」 キョン「ゲロゲロゲロゲロッ」 長門「グワッ」 古泉「グワッ」 キョン「グワッ」 ハルヒ(なんなのよちくしょー!) ハルヒ「あれ?…そういえば最近みくるちゃん見ないわね…」 古泉「………プッ」 長門「………プリッ」 キョン「ひゃ~いw」 ハルヒ「な、何よ、あんた達何か知ってるの?」 古泉「or2=3 プッw」 ハルヒ「腐っ! なによ!い、言いたいことがあるならっ、て本当に臭い!!」 長門「ケアル」 キョン「長門はケアルを唱えた。でもみくるんはアンデッドだった…」 ハルヒ「な……そ、それどういう意味?」 古泉「裏切りに」 キョン「死を」 長門「巨乳に」 キョン「制裁を」 ハルヒ「ちょっと、ちょっとちょっと!あんた達みくるちゃんに何をしたのよ!?」 みくる「あの…私ならずっとここにいるんでしゅけど…」 ハルヒ「答えなさいよキョン!」 みくる「またでしゅか?また無視でしゅか?いい加減にしないと泣きましゅよ?」 ハルヒ「なんで無視するのよ!!」 みくる「せ~の、」 ハルヒ・みくる「ウワァァン。゚(つд`゚)゚。」 キョン「あ~る~日♪」 古泉「あ~る~日♪」 キョン「森の中♪」 古泉「も、もも森さんの膣内…ハァハァ」 キョン「ハルヒに♪」 古泉「電波を」 キョン「出会った♪」 古泉「受信した♪」 キョン「はぁ…」 長門「まぁそうクヨクヨすんなよ。そのうち良いことあるって、なっ?」 キョン「長門…ありがとう…俺頑張るよ!」 古泉「しょ、しょんなことより僕の替え歌どうでしゅたか?」 キョン「イェーイ!イツキたんサイコーwww」 長門「なんか涙出てきた…GJ!」 ハルヒ「………」 シンジ「泣いてるの?」 ハルヒ「な、泣いてなんかないわよ!」 キョン「わいわい」 古泉「がやがや」 長門「きゃっきゃっ」 ハルヒ「ねぇ!みんな今度の連休ぅ……」 キョン「………」 古泉「………」 長門「………」 ハルヒ「あ…ううん、なんでもない…」 キョン「わいわい」 古泉「がやがや」 長門「ざわざわ…」 ハルヒ「………グス」 獅子丸「ハルヒちゃん泣いてるの?」 ハルヒ「な、泣いてなんかっ、て誰よあんた!?」 長門「部室の蛍光灯を白熱灯にしてみた」 キョン「いいんじゃないか。部屋の雰囲気が落ち着いた気がするよ」 古泉「なんか…眠いよ…(つω-`)ゴシゴシ」 キョン「ハハハwまったく、イツキは子供だなぁw」 長門「子守り歌歌ってあげるね」 古泉「う…ん……zzZ」 長門「あら…必要なかったみたい」 キョン「そうみたいだn ハルヒ「歌なら私に任せて!!!」 キョン「!」 長門「!」 古泉「うわっ!なになに!?」 キョン「……チッ」 長門「……ちっ」 ハルヒ(あぁ…伝わる、ただの舌打ちなのに色んな感情が伝わってくるわっ! 主に『空気読めよ電波』みたいな刺々しい負の感情が……!!嬉しい、キョンが今だけは私を無視しないでいてくれてる!) 長門「涼宮アヒルの憂鬱」 ハルヒ「ガアガア、って誰がアヒルじゃい!」ビシィ キョン「おーッと、団長様のノリツッコミだッーーー!サイコーだぜウチの団長はよォッーーー!」 古泉「団長!団長!」 みくる「団長!団長!」 鶴屋さん「団長!団長!」 コンピ研部長「団長!団長!」 コンピ研ズ「団長!団長!」 長門「団長!団長!団長!!団長!!」 一同「団長!!!団長!!!たすけて団長ォーーー!!!!」 ♪~~♪~~♪~~♪~~←あの曲 ハルヒ「わ私が悪かったです!謝りますからどうか、テンションをお鎮め下さいィ~~」バッサバッサ 不思議探索当日。 ハルヒ「キョン遅いわよ罰金ね!」 ハルヒ「じゃあいくわよ、古泉君、有希!」 ハルヒ「午前は大した成果が無かったわね…午後こそ何か見つけること!」 ハルヒ「…今日も何も収穫無し、ね。じゃあ解散、また学校でね」 ハルヒ「………全員にボイコットされたからって一人芝居は寂しかったかな………」 「ハルヒ、好きだ。付き合ってくれ」 「ええええええええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!」 「なんだその驚きようは、失礼な」 「何言ってんのよ、あのね、あたしはね、あの、その、そう! つまり団内恋愛は禁止なのよ! わかった? わからなくてもだめー」 「ふふふ、そう言ってくれると思ったぜハルヒよ」 「? ?? ??? なに? なんなの??」 「というわけだ、谷口。俺の勝ちだな」 「ちぃっ、俺の告白も断らなかった涼宮がよりによってキョンの告白を断るとはな……しかたない、麻雀のツケはチャラにしてやる」 「古泉ばっかり相手にしてるとゲームの腕が落ちるんだよなー、ハルヒ、こんどはゲーム付き合ってくれよ」 「まさか、あんたたちあたしがキョンの告白を受け入れるかどうかで賭けしてたんじゃないでしょうね」 「おいキョン、ちょっとヤバイ雰囲気じゃねーか?」 「そうだな、逃げるぞ!」 「待ちなさいこのアホバカども~!!」 「あたしはただ、キョンに告白されたいなって思ってただけだったのにぃ……ぐすん」 長門「SOS団の団長は私。文句ある人は?」 ハルヒ「(´∀`)∩はいぃ~~」 キョン達「異議無し」 ハルヒ「(;´∀`)何でぇ~~?」 長門「新団長をよろしく」 キョン達「団長!団長!よろしく団長!」 ハルヒ「(;´∀`)さみしぃ~~」 キョン「あああああああ!!クッソ涼宮がっ!!ウッゼェェエエエんだよヴォケナスがあぁぁぁあ!!!!」 キョン「死ねっ!!!死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねぇええ!!!」 ハルヒ「(ヒッ!やだ、また犯されちゃう……でも、)」ビクビクッ ハルヒ「ちょっと…みんな、私を無視しないでよ……」 ハルヒ「……無視っていうか全員にボイコットされたんだけどね……部活……」 ハルヒ「ちょっと…キョン、私を無視しないでよ……」 キョン「………( ゚ ж ゚;)プルプルプル」 ハルヒ「キョン……どうして私を無視するのよぉ!」 キョン「………(((((; ゚ ж ゚ )))))ガタガタガタブガクルブルブル」 授業中にクラス一のブスの顔に髭が生えてるのを発見した時の俺のリアクション。 はるひ「みんな~次は何して遊ぶ?」 キョン「じゃあおままごとなんかどうだ?」 はるひ「いいよ~じゃあキョンくんが旦那さんで私が奥さん、いつきくんが子供でみくるちゃんはペットのポチ、有希ちゃんはタマだよ~」 古泉「なるほど、父との禁断の関係に溺れる息子の役ですね」 みくる「私はご主人様の忠実なメス犬です♪」 長門「了解、アパートの隣に済む旦那を狙う泥棒猫の役と認識」 幼子の前で何を言い出すんだこいつら はるひ「ちがうよ~へんな設定を付け足さないでよぉ」 ほら見たことか、わけが分からず泣いちゃったじゃないか 古泉「すみません軽いジョークですよ」 みくる「ごめんねはるひちゃん」 長門「謝罪する」 キョン「どうするはるひ?」 はるひ「えへへへじゃあ良いよ!みんなであそぼ」 古泉「(やはりこちらのはるひさんに着いて正解ですね)」 長門「(能力が同じならば観察しやすい方をとる)」 みくる「(しかしあちらのハルヒさんはどうします?)」 古泉「(最近能力自体が弱まっているのが観測されてるので、消滅は近いでしょう)」 長門「(ほっておくのが得策)」 みくる「(ですね)」 ハルヒ「何のつもりよ!!!早くここから出しなさいよ!!」 キョン「フン」 10日後 ハルヒ「いやぁぁぁ・・・・・はやくお家へ返してよぉぉぉ」 キョン「フヒヒヒヒ」 古泉「おい 俺にもやらせろよ」 みくる「あ、ずるい あたしが先!」
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/4389.html
「久しぶりにオセロでもやらないか?古泉」 古泉君がきちんと整列した真っ白い歯を輝かせ、微笑む。 「長門、この前貸してくれたあの本、思いの他面白くてさ。昨日の夜もつい遅くまで読み耽ってたぜ」 有希が膝の上に置かれた本を黙読することを中断し、ゆっくりと顔をあげる。 「いやあ、朝比奈さんの淹れたお茶は何時飲んでもおいしいなあ」 みくるちゃんがお盆を抱え、少し頬を赤らめた。 いつもと何ら変わりの無い放課後だった。 今日もこうして時間は過ぎ、日が暮れる頃にハードカバーの閉じる音がした。 下校の合図。これもごく日常的な習慣。 次々と席を立ち、帰り支度をした後に、 「それでは、皆さんお気をつけて」 まずは古泉君が、 「……また明日」 その次に有希が文芸部室を後にする。これもごく日常的な帰宅の流れだ。 「それじゃあ…着替えるから」 そしてみくるちゃんが、 「待っててくださいね、キョン君」 とはにかむ。 いつもと何ら変わりの無い放課後だった。 鮮明に刻まれた記憶。身体と車が接触する瞬間。 それはすれ違い様に肩と肩をぶつけることとまるで変わらない、ほんの一瞬の出来事。 その一瞬の間にあたしは、「嗚呼、スローモーションになんてならないじゃない」、そんなことを辛うじて考えていたような気がする。 命の終わりなど本当に呆気ない。 そうして、あたしは死んだ。今から丁度一ヶ月前の出来事だ。 けれどあの時、事故に遭ったのはあたしだけではなかった。 キョン。 一緒に事故に遭ったキョンは奇跡的に無傷だった。 あたしは死に、そしてアイツは生きている。 あたしという存在を無かったことにして。 ――涼宮ハルヒの忘却―― あたしは毎日、キョンが「あたしの存在など無かったかのように」過ごすのを傍観している。 事故の日から今日まで、誰一人あたしのことについて触れることは無かった。 不自然に置かれている団長席、教室の机。それについてすらも誰も疑念を抱かない。 忘れてしまっているのだ。キョンは勿論、みくるちゃんも有希も古泉君も、谷口も国木田も鶴屋さんも、終いには家族でさえもあたしのことを忘れている。 あたしの部屋はあたしが使用していたそのままで残っているにも関わらず、家には遺影も位牌も置かれていない。葬式だって行われた様子は無い。 あたしの生きた痕跡が残る中で、『存在が無かった』と自然に振舞っている姿は苦笑してしまうほどに不自然極まりなかった。 最初は何かの冗談だと思った。 元々あたしは死んでなんていなくて、皆があたしを忘れたフリをしているのだと。 でも事実あたしは死んでいた。何かに触れることは勿論地に足をつけることもできないし、誰に話しかけたところでそれが聴こえることは無い。 あたしはあの時事故で死んだ、それは紛れもない事実だ。 そして、あたしという存在が無かったとされているこの世界…これも事実、現実の出来事なのだ。 「……朝比奈さん、あの……」 「何?キョン君」 「あの、えっと手、繋いでもいいですか?」 「えっ、あ……えっと、どうぞ……」 「……」 「……」 「……」 「……キョン君?」 「はっ、はい?」 「ふふ……みくるでいいって、何度も言ってるじゃない」 「あ」 「それにその敬語もやめてよね」 「はい……じゃない、……わかったよ、みくる」 あたしは、手を繋いで下校する二人のすぐ後ろをつけていた。 距離にして5センチも無いだろう。時折歩くペースが乱れ身体が重なることもあるが、二人が気付くことは無い。あたしの身体はもう物理的接触を行えない。 あたしはただひたすらキョンの顔だけを見ていた。この男の頬が赤いのは夕日に照らされているせいなのか。 それとも。 『ねえキョン』 キョンは答えない。 「あさひ……みくる、明日って暇か?」 『何してんのよ』 キョンは答えない。 「そうか、よかった。どこか行かないか?」 『何忘れてんのよ』 キョンは答えない。 「映画か……そうだな、見たいものでもあるか?」 『アンタ、言ってたじゃない』 キョンは答えない。 「じゃあそれにしよう。……俺?俺は何だっていいんだ、みくると一緒なら」 『……キョン』 キョンは答えない。 「それじゃ、また明日な……」 無言で見つめあう二人。それを無言で傍観するあたし。 キョンとみくるの唇が重なると同時に、あたしの唇から自然と言葉が零れていく。 『アンタはあたしを裏切ったのよ』 軽く触れるようなキスを繰り返す二人。深くお互いを求め合う二人。 抱き合う二人。見つめ合う二人。幸せそうに微笑む二人。 次第に胸の奥底からふつふつと湧き上がる感情。 憎悪。 『……許さない』 あたしはキョンを憎んでいる。 あたしを忘れたキョンを憎んでいる。 あの言葉を忘れたキョンを憎んでいる。 ―――地獄の果てまで着いていくぜ、ハルヒ。 アンタだけが生きて幸せになるなんて、そんなの絶対に許さない。 ◇ ◇ ◇ 純愛映画デート。いかにもみくるちゃんが憧そうな王道プランだが、そんな反吐がでるようなベタな事をこの男が好むはずが無かった。 にも関わらずキョンは終始ニヤニヤと楽しそうにしていて、あたしは反吐が出そうだった。 実にくだらない。 使い古された展開ばかりのB級映画に金を払うなんて。 その程度の物で感動してしまうような安い女の涙を拭ってやるなんて。 あたしはこの間抜け面をぶん殴ってやりたい気持ちで一杯だった。 無論、それが可能なら今にも実行していたことだろう。 立ち寄った喫茶店でロイヤルミルクティーと鼻水を啜る女に、キョンはハンカチを差し出した。 「いい加減泣き止んでくれよ、みくる……」 「ふええっ、ぐすっぐすっ……ごめんなさぁああい……」 キョンは目の前のみくるちゃんを気遣いつつも、周囲に視線を配っては居心地悪そうに背筋を丸めていた。 店内の客の視線を一斉に浴びてしまうのも無理は無い。傍から見れば別れ話をしていると思うのが自然だ。 ようやくそれに気付いたみくるは、絞れる程に涙を含んだキョンのハンカチで目を懸命に擦る。 「おいおい、目が腫れるぞ」キョンは腕を伸ばしてみくるの手を掴んだ。 「うん…ぐすっ、もう平気…ごめんねキョン君…」 「謝るなって」 キョンは呆れたような声で盛大に溜め息を漏らしたが、行動とは裏腹に、愛おしそうに、大切そうにみくるちゃんを見つめていた。 嘲笑わずには居られない。 馬鹿馬鹿しいことこの上なかった。この男はみくるちゃんを愛してなんかいないし、大切に思っているわけでもないのに。 ただこの可憐でか弱い、男性の理想を具現化したような彼女を気遣う行為が気持ちいいだけ。守ってあげることで気分を良くしているだけ。 要は、自分に酔っているのだ。 自己満足。何て醜いのだろう。 この最低男。 「なあみくる……俺の家に寄って行かないか?今日は、その……親も妹も居ないし」 極めつけがこれだ。 ――この、最低男。 「えっ……キョン君の、家……?」 その言葉の意味を理解したみくるちゃんは顔を真っ赤にし俯いた。しかし拒否することはしない。それは肯定の合図だった。 「いい……のか?」 「うん……」 「そ、そうか……じゃあ……えっと……い、行こうか!」 喜びを隠せないのか、それとも照れているのか。キョンは慌しく席を立つと伝票を取った。 「あ、キョン君、私払います!」 「いいんだよ、俺に払わせてくれ」 「でも私、映画代もキョン君に払ってもらっちゃったし……」 申し訳なさそうにするみくるちゃんの頭を優しく撫でたキョンは、 「……癖なんだよな」 不思議そうに首を傾げながらそう言った。 何が癖よ。この馬鹿。 堪えきれなかった喘ぎ声と、二人分の荒い呼吸が湿った部屋に充満していた。 経験など微塵も無い。AVの類を見たことも、夜中に両親の真っ最中を目撃したことだってない。 そんなあたしが衝撃を受けるには、初めて同士のつたない行為でも充分すぎるほどだった。 苦痛に顔を歪めつつも、時々悦びの声をあげ上の男にしがみついていて。 欲望に思考を乗っ取られ、機械のように腰を振って女を打って。 なんて醜い行為なのだろうと思った。気持ち悪い。気持ち悪い。気持ち悪い。 それでもあたしは耳を塞ぐことも目を瞑ることもしなかった。 そうして一部始終を見届けてやったあたしは、行為を終えて余韻に浸る二人に吐き捨てた。 『……不潔よ』 「みくる」 「なあに?」 「幸せか?」 「……うん」 「そうか、よかった」 キョンはみくるちゃんの白く細い肩に優しく手を添えると、ゆっくり自分の胸に引き寄せた。 みくるちゃんは満足そうな吐息を漏らし、キョンの胸に耳を当て瞳を閉じている。 淀んだ空気の中、不意にキョンが呟いた。 「俺たち……何もおかしいことなんてしてないよな?」 酷く擦れた言葉だった。 「何……突然言い出すの?」 みくるちゃんは身体を起こそうとしているが、キョンの腕は彼女を離そうとしない。 そのままでキョンは続ける。 「これで……このままで居ていいんだよな?幸せに浸っている俺たち、何もおかしくなんてないんだよな?」 「どうしてそんなこと聞くの?」 みくるちゃんの声が不安に染まった。あたしも先程まで考えていたことなど忘れ、キョンの次の言葉を待つ。 「みくるは何もおかしいと思わないんだな?」 「えっ、うん……どうして?何がおかしいと思うの?」 「……いや……そうか、そうなんだよな」 キョンはみくるちゃんから離れると、気だるそうに上体を起こした。 「じゃあ、何でもないんだよな。きっと……」 「キョン君……?」 隣に居るみくるちゃんのことなど忘れてしまっているのか。キョンは独り言のようにポツリ、ポツリと呟く。 「これでいいんだよな?…………なぁ……」 宙を見つめるキョンに、あたしは届かぬ問いを投げかける。 『誰に話しかけてんのよ、アンタ』 キョンの瞳は、虚ろだった。 ◇ ◇ ◇ 翌日の文芸部室。 空席…つまりあたしの定位置だった団長席に腰掛けながら、いつも通りの放課後を眺めていた。 昨日のキョンの言葉で、あたしは確信した。 キョンはこの不自然さに気付き始めている。 この世界は不自然で、忘れている何か、見逃している何かがある。その何かがわからぬ自分に苛立ち、そして怯えているのだ。 ―――それが実に愉快だった。 昨日から笑いが止まらない。止められない。間抜け面が溜め息をつく度噴出しそうになるくらいだ。 全てを思い出した時、キョンの前に姿を現すことができるだろうか。……いや、この際出来なくったていい。 ただこの男がどん底に落ちてくれればいいのだ。 この男が絶望に襲われ、苦痛に顔を歪め泣き叫ぶ姿を見たいがために、今あたしはここに居る。 あたしを忘れ、無かったことにしたこの男に制裁を。 それだけがあたしの望みなのだ。 「なあ古泉」 「はい、何でしょう」 「何か違和感とか感じてないか?ここ最近」 「違和感……ですか?特に感じませんが、それはどういった違和感なのですか?」 「いや……それならそれでいいんだが、長門は?」 「……特に、何も」 「そうか。そうだよな……」 そう、それでいい。 キョン以外の人間があたしを思い出すことだけはあってはならない。 一番最初に思い出すのはキョン、アンタでなければならないのよ。 誰かに告げられた事実ではなく、アンタが自分の頭で思い出して一人苦悩するの。 それが最高のシナリオ。 下校時刻になる。 「それでは、皆さんお気をつけて」 「……また明日」 有希と古泉君が部室を後にし、文芸部室にはキョンとみくるちゃんの二人が残った。 二人っきり――といってもあたしが居るのだが――の空間で少し語らった後、「あ、もうこんな時間」とみくるちゃんが慌しく立ち上がる。 「それじゃキョン君、着替えるから外で待っててね」 「ああ」 返事をしつつも、キョンは立ち上がらない。 「えと、キョン君?」 キョンは答えずに、ポカンと口を開けた彼女を凝視している。 みくるちゃんは何かに気付いたかのようにハッとし、戸惑いながら、 「あの……昨日の今日で言うのもなんだけど……えっと、やっぱり学校だし、着替えくらいは……あの」 「……あ、いや、そういうつもりじゃないんだ、すまん……」 キョンはポリポリと頭を掻きながら立ち上がるが、やはりそこを動こうとはしない。みくるちゃんを見つめたまま立ち尽くしている。 「キョン君、やっぱり昨日から変よ……?」 「何があったの?」と心配そうに尋ねられると、キョンは意を決したかのように真面目な顔をし、 「…みくる、一つ聞いていいか?」 「えっ?」 「そのメイド服は……―――自分で用意したのか?」 あたしは、自然と口端が吊りあがるのを感じた。 「……ほえ?こ、この服のこと?」 みくるちゃんはスカートを摘み上げ自身が纏うメイド服を凝視した。 「……あれ……どうだったっけ……?えと」 「なあ、その服、自分で着たいと思ったのか?」 「えっと……ううん、そうじゃなかったような……あれ……?」 みくるちゃんは心底不思議そうに首を傾げた。 対して私は笑っていた。そう、そうよ。アンタは思い出さなくていい。 「みくるは、そのメイド服を毎日着るよう誰かに義務付けられた……なあ、違うか?」 キョンはみくるちゃんの両肩を押さえつける。 「おかしいだろ?俺やみくるだけじゃない、皆そのことを忘れてるんだ。なあ、これっておかしいと思わないか?」 「やっ……ちょっ、と」 「頼むから思い出してくれよ、みくる」 「わっ、ふっ、やめっ」 キョンはみくるちゃんの身体を激しく揺さぶりながら続ける。 「何のために毎日メイド服なんて着てるんだ?誰に言われて着るようになったんだ?なあ!」 「痛っ、痛いよ、キョン君っ……」 「なんで誰もおかしいと思わないんだ!なんで俺は思い出すことができないんだ!!俺は……俺は一体何を忘れてるんだ!?なあ、教えてくれよみくる!」 一層大きな声で怒鳴りつけると、キョンは我に返ったかのようにみくるちゃんから離れた。 「ひっ……ぐすっ……うっ……う、うっ……」 「あ……す、すまん、すまない……」 身体を震わせすすり泣くみくるちゃんにもう一度手を伸ばすも、それは弱弱しく払いのけられる。 みくるちゃんは先程の言葉とは裏腹に、泣きながらメイド装束を脱ぎ始めた。慌しく着替え終えると、乱暴に鞄を取り小走りで文芸部室を飛び出していった。 キョンはその背中を見届けた後、悪態を吐きながらパイプ椅子を思い切り蹴りつけた。 椅子と椅子が激突する音と、キョンの怒鳴り声が文芸部室に響き渡る。 『…キョン…』 その様子を傍観していたあたしは、無意識に間抜けなあだ名を呟いていた。 その声が聞こえたかのように、あたしの居る方に視線を向けるキョン。そのまま凄まじい形相でこちらに近づいてくる。 「何なんだよ!ここには誰が座っていたんだ!……俺は何で思い出せねえんだよっ!!」 キョンが机に拳を叩きつける。渇いた音と共に机が軋む。 「畜生!」 きっと10センチも無いだろう。その先に、キョンの顔があった。 こうして至近距離に居ても、キョンがあたしと目を合わすことは決して無い。 キョンが見ているのはあたしでは無く、この席に座っていた『誰か』なのだ。 こんなに近くに居るのに、キョンの荒い息はあたしにかからない。 こんなに近くに居るのに、キョンはあたしに気付かない。 こんなに近くに居るのに、キョンはあたしを思い出さない。 『……あたしはここに居るわ!キョン!!』 キョンは答えず、俯き、歯を食いしばるだけだった。 キョンが苦しんでいる姿。あたしは何よりもそれを望んでいたはず。 それなのに、どうしてかすごく気分が悪かった。 ◇ ◇ ◇ キョンが帰路についた後も、あたしは文芸部室に残った。 キョンが苦しみ、取り乱した姿が目に焼き付いて離れない。 今まで間抜けで能天気なアイツばかり見てきたのだから、アイツのあんな様子を見て動揺するのも無理は無い。 しかしあたしはこうなることを望んでいたはずだ。 今のあたしの心境は矛盾している。 どうして願いが叶ったにも関わらず、こんなにも不愉快なのだろう。 ならば、あたしはどうしたかったのだろうか。 『笑っちゃうわね。あたしは恨んでいるのよ、アイツを』 『アイツは地獄の果てまで着いて行くって誓ったのよ』 『それなのにアイツはあたしを忘れてみくるちゃんと……』 『許せるはずないじゃない』 『あんな奴苦しんで当然なのよ』 『アイツだけ幸せになるなんて……そんなの……』 あたしはアイツへの憎しみを確認するかのように独り言を呟いた。 それでもあたしの心が晴れることは無い。むしろ逆効果だった。 『あたしは…』 あたしはどうしたかったのだろう。どうなってほしかったのだろう。 何故? 今となっては思い出すこともできない。 あたしが何を望み、どうしてここに居るのか。 あたしは…何かを忘れている? そんな時だった。 もうとっくに下校時刻を過ぎた今、文芸部室のドアを開かれたのだ。 『キョン!?』 ドアを開いたのは他ならぬキョンだった。 キョンはひどく疲れていたようだった。げっそりとした顔に、腫れた赤い目。よろよろとパイプ椅子に腰をかけると、宙を見つめ呟いた。 「……思い出せないんだ……」 うわ言のように繰り返される言葉。 「忘れてしまったんだ……大切な、何かを」 『……どうして、思い出せないの?』 あたしはこの男の独り言に、無意識に返事をしていた。何となく、キョンが返答を求めていたような気がしたからだ。 当然返事は無い。キョンはそれから目を閉じたまま動かなかった。 再び訪れる沈黙。あたしはキョンの胸中を伺えず、諦めて部室の外へと視線を移した。 怪しく浮かぶ月には雲がかかり、この不自然な世界に灰色の光を降らしていた。 灰色の世界。二人きりの学校。 思い出されるのは、おかしな夢、交わしたキス―――…… ああ、 なんだ、そうか。 そうだったんだ。 『キョン……』 あたしはキョンの方へと向き直った。目を閉じている彼の頬を涙が伝っている。 キョンの頬へと手を伸ばし、それを拭おうとした。 触れられない。 もうキョンに触れることすらできない。 死んでしまったあたしには、キョンを哀しませることしかできないのだ。 『……忘れていたのは、あたしの方ね』 キョンがあたしを忘れたのは、他でもないあたしの願いだった。 彼を哀しませないためにあたしが望んでやったこと。 涼宮ハルヒという存在をを無かったことにしたのは、涼宮ハルヒ自身だったのだ。 どうしてこんな大事なことを忘れていたんだろう。 全てはキョンが好きだったから。 あたしは一番大切な気持ちを忘れてしまっていたのだ。 『……キョン』 もう触れられぬとわかっていても、あたしは何度も彼の頬を拭った。 『思い出さなくていい……もう苦しまなくていいのよ』 拭えぬ涙は止め処なく流れ続けていた。 それでもキョンは心なしか、頬を撫でられ擽ったそうにしているように見える。 キョンの体温が温度を持たぬこの手に伝わってくるような気さえしていた。 『好きよ、キョン』 もう涙すら流せないこの身体。 もう触れることすらできないこの身体。 もうキョンを哀しませることしかできない、あたしの存在。 『あたし……行くわ』 これで最後と、あたしはキョンの頬に手を添えるようにした。 そしてそっと唇を近づける。 灰色で、二人っきりの世界。 アンタはキスをして夢から覚める。 そして次に目を開けた時、アンタは完全にあたしを忘れる。 今度は痕跡も無くあたしは消えるわ。 だからもう苦しまなくていいのよ。 ごめんねキョン。 アンタは生きて……幸せになって。 好きよ。 好きよ。 大好きよ。 誰よりも愛してるわ。 だからあたしを忘れなさい。 あたしはアンタを忘れない。 アンタを好きなこの気持ちを二度と忘れない。 「……ハルヒ」 最後に、キョンのうわ言が聞こえたような気がした。 「勘違いしないでよ。あたしはアンタを彼氏にするつもりは無いわ!」 「な、なんだと?」 「その代わり、団員その1は永久名誉雑用係に昇進です!」 「……はあ?ハルヒお前、何言って……」 「だからアンタはずっと、一生、死ぬまであたしの傍に居なくちゃならないの。仕事だって今までの何倍も増えるわよっ!覚悟しなさい!」 「…………」 「……ちょっとキョン、聞いてるの?」 「ああ。地獄の果てまで着いていくぜ、ハルヒ」 終
https://w.atwiki.jp/niconamafx/pages/15.html
概要 CV 平野綾 本作のもう一人の主人公にしてメインヒロインという作品の中心人物。SOS団の団長。 世界を思い通りに歪めて空想を現実にする力を持っており、神に等しい存在。ただし本人には自覚はない(ただし無意識下では異変を感じ取っている。また彼女の深層意識は、キョン以外の3人の正体を知っている)。すなわち、彼女が世界の滅亡を本気で望むと本当に世界が滅亡してしまうため、周りにいる事情を知る者は彼女がそんなことを考えてしまわないよう、彼女の要求に素直に応じざるを得ないなど、気苦労が絶えない。 小学生の時は靴下を履かないで素足にスニーカーを履いて小学校へ通っていた。また中学生の時も私服の時は素足にスニーカーを履いていた。 みくると比べると霞んでしまうもののプロポーションも一般女子の平均を上回るようで、、作中でみくるを紹介した際にも「わたしよりでかいのよ!」と発言していたことから、バストサイズにはそこそこ自信があったと思われる。キョンからも「スレンダーだが、出るとこは出ている」と評されていた。アニメ版では実際紛うことなき巨乳として描かれている。『らき☆すた』第20話にゲスト出演した際には尋常じゃない勢いで乳揺れしまくっていた。 原作では黒目黒髪だが、アニメでは黒髪ながら茶色がかった色に変更されており、原作のイラストにもそれが反映されつつある。 性格 美少女(キョン曰く「えらく美人」)だが、その性格は唯我独尊・傍若無人・猪突猛進かつ極端な負けず嫌い。極端に言ってしまうなら傲慢かつ自己中心的。好奇心も非常に強く、思い立ったら即行動に移すタイプで、周囲の人間を振り回す。 「恋愛感情は一時の気の迷いで精神病の一種」と言う持論を持つが、その割にはキョンの過去の恋愛をやたらと気にしたり、キョンとみくるを何かと理由を付けてくっ付けない様にしている。何故かは……お察しください。 彼女を知る上で、次の2つの台詞は是非押さえておきたいところである。 「ただの人間には興味ありません。この中に、宇宙人・未来人・超能力者がいたら、あたしのところに来なさい、以上!」 「ないんだったら、作ればいいのよ!」 この二つの台詞は彼女の代名詞で、上はクラスでの自己紹介時、下は部活さがしでの台詞である。無限の好奇心と旺盛な行動力を的確に表しているといえ、特に「ただの人間には興味ありません~」は、アニメに詳しくない人でも知る人の多い、有名なものと言える。 ただし、前述の言動とは矛盾するようにも思えるが、ハルヒ自身は非常に自制心が強く、常識的な思考回路を持った人物でもある(そうでなければとっくに世界は崩壊している)。ハルヒが周囲を振り回すエキセントリックな言動を行う理由の根底には、彼女が小学六年生の時に痛感した「現実」が存在しており、そこから生まれる「憂鬱」を解消していくことが本作の真のテーマであるとも言える。 また、ハルヒも自身の能力と周囲で起きている事態を無意識に察知しているらしく、有事には団員を護る為の抑止力として自らの分身を生み出したこともある。 閉鎖空間 怒りや嫉妬などが原因でハルヒの精神状態が不安定になると発生する灰色の空間。発生する頻度や場所は一定ではなく、基本的には古泉ら「機関」の超能力者のみ空間の発生を察知し、内部に侵入することが出来る。 空間の内部は概ね現実世界と同じだが、全体的に薄暗く、生命体が存在しない。電気は一応通っているが、通信機器の類は使用不能(長門の能力でパソコン等を介して外部と連絡をとることは可能だが、僅かな時間しか続けられない)。 更に、ハルヒのストレスが溜まりすぎると、空間の内部に神人(しんじん)と呼ばれる青色の巨人が出現し、周囲の建物などを破壊し始める。この神人はハルヒのストレスが具現化したものと考えられており、破壊活動はストレス解消のためだとされている。神人の閉鎖空間内での破壊活動は現実世界には影響しないが、神人が現れた閉鎖空間は神人が存在する限り消滅せず、また閉鎖空間を放置すると範囲が拡大して最終的に現実世界と入れ替わってしまうらしい。 そのため、古泉たちは閉鎖空間の発生を未然に阻止するためにハルヒのストレスが溜まらないよう奔走しており、閉鎖空間が発生したら内部に入って神人を攻撃し、閉鎖空間ごと消滅させている。 なお、ハルヒと同じ力を持つ佐々木も閉鎖空間を発生させているが、ハルヒのものとはかなり異なっている。詳しくは彼女の項目を参照。 スピンオフ 涼宮ハルヒちゃんの憂鬱 原作よりはっちゃけていて、たまに泉こなた化する。カチューシャが無くなるとポテンシャルが大幅にダウンする。原作者曰く、「こっちのハルヒの方が原作よりもハルヒらしい行動を取っている」とのこと。 にょろーんちゅるやさん 原作と違い、終始テンションが低く主役がちゅるやさんなのでSOS団のメンバーともほとんど絡まない。また無理だと思えばすぐに諦めるなど負けず嫌いな設定もない。・・・・するわよ~~。 長門有希ちゃんの消失 長編涼宮ハルヒの消失と同様に「光陽園学園」に通学している並行世界。世界を改変するような能力は有しておらず、性格も若干穏やかなので、原作とは多少印象が異なる。でも予想の斜め上を行く発言・行動はまったくもって変わっていない。 備考 pixivにおいては、涼宮ハルヒ本人以外しか描かれていないイラストにも、「涼宮ハルヒの憂鬱」タグではなく、このタグが付けられることがある。また、事実上全く本編とは関係のないスピンオフ作品集「ハルヒ性転換シリーズ」にまで、このタグが付けられることがある。こうなってしまうと1キャラクターとしての涼宮ハルヒのみを検索するには、なかなか労力を要する。
https://w.atwiki.jp/jinruisaikyou2/pages/105.html
【涼宮ハルヒ】 【作品名】ハルヒシリーズ 【ジャンル】アニメ 【名前】 涼宮ハルヒ 【属性】 世界の中心 【大きさ】人間並み 【攻撃力】一般的な体育会系女子高生並み&金属バット 【防御力】一般的な女子高生並み(体操着) 【素早さ】一般的な体育会系女子高生並み 【特殊能力】 新しい時空を生み出し、その時空に移動する。 次元断層の隙間に閉鎖空間を生み出す能力の延長線と思われる。 この新しい時空は最初の内は元の時空と繋がりが有るが、極めて入りにくい。 次元断層の隙間の閉鎖空間に入れる能力者が何人も(少なくとも7~8人)全力を振り絞り、 ようやく幻のような存在を一人送り込み、数分の伝言を届けられる程度。 長門有希も干渉を試みたが、新時空のパソコンに文字情報を送り数分間会話するのがやっとだった。 しばらくすると(長くて数時間)、本来の時空間との連結が完全に消滅し、 更にしばらくすると、本来の現実空間が閉鎖空間に変わってしまうらしい。 古泉曰く『世界の破滅』。 これによる勝ち、あるいは『優勢・封印勝ち』を狙う。 現実空間が閉鎖空間に変わるのに掛かる時間は作中の記述から推測して 長くてもせいぜい丸1日程度。現実空間側からは干渉できない。 世界から逃げられる奴なら別世界に退避してドローには持ち込めると思われる。 ……と、考えたいところだが 実際には世界は滅びていないので単なる時空生成能力である可能性がある。 【長所】 とりあえず運動能力は人並み以上。 【短所】たとえ目の前に宇宙人や未来人や異世界人や超能力者がいても気づかない可能性がある。 この能力で世界を破滅させた実績が無い。(能力を使った時点で逃亡負け) 【戦法】殴る 野球大会のやつで参戦 1スレ目 183. 格無しさん [sage] 2010/09/09(木) 22 01 53 ID gx8M74WS ミルドレッド・アヴァロン ×>仙水>カズマ:瞬殺負け ×>範馬勇次郎:早いし攻撃力高いのでボコボコ ○>朱鷺宮神依:対象時止めと上空移動+ビームがほぼ同時。ビーム負け ○>飴谷 千歳>雨霧 >二条レン=俺:先手ビーム勝ち 範馬勇次郎>ミルドレッド・アヴァロン>朱鷺宮神依 涼宮ハルヒ 運動神経が非常にいいため>鶴屋さん以上 涼宮ハルヒ>鶴屋さん>相模 正人 (金属バットの壁) .
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/3475.html
プロローグ 地球上で人類を始めとする生物たちが生きていけるのは、様々な条件が偶然にも好都合に揃っているからで、そのうち何かが欠けても生きていけないのは、今更俺が言うまでもない常識以前の問題だ。 その条件の中でも最重要といえる位置にあるものの1つが太陽だろう。太陽がなければ気温も上がらず、地球はひたすら不毛の地でしかなかったと言うのは過言でも何でもない。 しかし、地球はそのありがたい太陽の周りをぐるぐる回りながら尚かつ自分でもぐるぐる回っており、しかも回る面に対し傾いて存在しているわけだからタチが悪い。 つまり、季節があり、昼夜があると言うことだ。極地は一定期間太陽の恩恵自体受けられなくなる。 12月──今の季節は冬。楕円形の公転軌道から言うと太陽に近くなっているにもかかわらず、太陽の恩恵が少ない季節だ。 まあ、こんな読み飛ばされることを前提とした誰でも知っている蘊蓄なんざどうでもいいことだが、 街がキリストの生誕に浮かれる季節の早朝6時過ぎという、太陽の登る直前──つまり最低気温が記録されるだろう時間に自転車を飛ばしている俺としては、文句の1つも言いたくなるわけだ。 寒い。夏が恋しいね。 すでに日課になってしまった早朝サイクリングも、まだ始めた頃は良かった。 俺たちの住んでいる街は、全国的に言ってもさほど寒い地域ではなく、したがって少々着込めば多少の寒さは凌げるわけだ。 しかしここ最近は頂けない。 着込んだダウンジャケット越しに冷たい空気が肌を刺す。 露出している顔はすでに痛み以外の感覚がなく、おそらく赤らんでいることは間違いない。 それでも、ここ2ヶ月続けている早朝サイクリングを止める気はない。 放課後、文芸部室に行くのが当たり前のように、毎朝俺はこの時間に自転車に乗って登校する。 別に運動部に入って朝練をやっている訳でもない。 では何故──と言われると困る。こんなに早く行く必要性は全くない。 強いて言えば、あいつが怒るからか。 そんなことを考えているうちに、第1中継点に到着した。 「キョン! おっはよ~~!!」 冬だと言うのに、笑顔とパワーは真夏なみの我らがSOS団団長、涼宮ハルヒが挨拶とともに出迎えた。 「朝早いんだからあんまり騒ぐな。近所迷惑だ」 「何よ。朝だからこそでしょ! 1日だって最初が肝心なんだから!」 相変わらずのテンションで言った後、アヒル口になって文句を言った。 「それより挨拶返しなさいよ」 ああ悪い。おはよう。 そう、俺はハルヒを迎えに行って、一緒に登校しているのだ。しかも朝早くから。 こんなことになるとは、数ヶ月前の俺なら全く思いもしていなかった。 世の中何が起こるかわからん、ということだけは身に染みていたにもかかわらず、だ。 というわけで、少しだけ回想してみよう。 ことの起こりは2ヶ月ほど前だった。 何のことはない。ハルヒが怪我をした、ということだ。 決して俺のせいではない。ハルヒが勝手に転んだだけだ。 俺は近くにはいたが、手の届くところではなかった。 それなのに、ハルヒは俺の責任と宣言したあげく、登下校の送迎を命令しやがった。 何故? Why? 結局ハルヒが俺に反論の余地をくれるはずもなく、俺はアホみたいにハルヒの足と化していた。 例によって遅刻は罰金だそうで、ハルヒに負けまいと早く行ったのが仇になり、未だにこんな早朝登校を続けている。 母親が弁当を作ってくれなくなったが、冷食と残り物を使うのを認めてくれたので、自分で冷食を放り込んだだけの弁当を用意している。 財布が厳しいからな。 ハルヒの顔は、10日ほどで治った。別に続ける必要もない。 なのに、俺は何の気の迷いかハルヒの傷が癒えてからも、続けていいかと聞いてしまったのだ。 せっかく早起きが身に付き始めたのに終わらせるのが勿体ない──というのは建前だ。 本音を言おう。 俺は結構楽しかった。 朝早くからハルヒを迎えに行き、一緒に登校して、部室で茶を飲みながらしゃべる。 ただそれだけなのに、楽しかった。 こんな時間がずっと続けばいい、本気でそう思った。 ハルヒはどうなんだ? そんな疑問もあったが、それは解消済みだ──と思う。 2週間か、もっと前か。いつもの早朝の部室で、ハルヒが突然お礼を言ってきた。 ハルヒに礼を言われるという珍しい体験をしたうえ、あろうことがハルヒは俺に ──キスしてきた。 礼、なんだそうだ。あくまでも。欧米かよ。 いや、嬉しかったさ。ハルヒが黙っていれば美少女とかそういうことじゃなくて、ハルヒ自身がキスしてくれたってこと自体が。 『お礼』じゃなければもっと嬉しかったんだけどな。 そう思った俺は例の閉鎖空間で行ったことをそのまましてやった。 セリフもそのままだ。そこ、笑うな。 恥ずかしい回想はこの辺にしておこう。 まあ、そういう訳で俺は今朝もハルヒとともに早朝の学校に向かっているわけだ。 付き合っている、という訳ではないと思う。 第一、俺たちはお互いの気持ちを口に出した訳ではない。──行動には出したが。 それに、あれから何かあったか?と聞かれると何もない。 いつも通りの俺たちであり、いつも通りのSOS団であった。 こんな中途半端な関係だが、今のところ俺はこのままでもいいと思っている。 ハルヒが側にいるしな。枯れてるとか言うなよ。 俺だって普通の男子高校生だ。そりゃいろんな欲求がないとは言わないさ。 でもな。相手はあのハルヒだぜ。急いては事をし損じるなんて生易しいもんじゃないだろ。 急いては世界が滅びる。誇張でもなんでもなくな。 今はまだゆっくりやればいい。俺は本気でそう思っていた。 結論からいうと、俺は間違っていた。 こんな悠長な思いで毎日を過ごしていたかと思うと腸が煮えくりかえるね。 これからの1週間がとても長く、あんなに苦しい物になるなんて、このときの俺は思ってもいなかった。 1.落下物 へ
https://w.atwiki.jp/kfrog6army6/pages/71.html
【名前】涼宮ハルヒ 【読み】すずみや はるひ 【出典】涼宮ハルヒの憂鬱 【種族】人間 【性別】女性 【声優】平野綾 【年齢】15歳 【外見】 【性格】 【口調】 一人称:私 二人称:呼び捨て、〜ちゃん 【主な能力】
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/2449.html
「佐々木」 俺は言った。 「お前のしわざだったんだな」 これはあの佐々木だ。十八日以降の、SOS団(世界をおおいに見守るための佐々木の団)の団長としての、中学三年生から北高までずっと同じクラスの友人だったことになっている佐々木。 その佐々木はさらに驚いた顔をする。わけがわからないというような。 「なぜ、ここに、キョンが」 「お前こそ、なんだってここにいるのか自分で解ってんのか?」 「散歩だよ」 佐々木は微かな声を出した。目を大きく開けて俺を見つめる少女の顔で、その瞳が街灯の光を反射していた。それを見ながら俺は思う。 そうじゃない。そうじゃないんだよ、佐々木。 こいつは疲れていたのだ。ずっとずっと、俺への想いを封じ込め続けてきたことで、疲労が溜まっていたんだ。 長門が残してくれた緊急脱出プログラムで舞い戻った過去の長門の部屋で、長門は言った。 『涼宮ハルヒの時空改変能力を奪い取った彼女は、自己の望みを実現するために時空改変を行なった』 そして淡々と、 『なぜ彼女がそれを望んだかは、わたしには不明』 俺には解る。 あのときの長門には到底理解できないことだったろう。だが、今の長門なら少しは理解してくれるかもしれない。 ──それはな。感情ってヤツなんだよ。 橘京子は佐々木のことを完全に誤解してやがったな。 「佐々木さんは世界を作り替えたり、破壊しようなんて全然考えないのです」だと? そう考えて佐々木に『力』を移し変えた結果がこのざまだ。 誰だって、世界を自由にできる『力』があると自覚すれば、それを使ってみたくなるのは当然だろ? これは佐々木の望みだ。ずっと俺のそばに居続けて、そして俺に告白するようなそんな世界を、佐々木は望んだんだ。 俺の記憶だけを残して、それ以外を、自分を含めたすべてを変えてしまったのだ。 数日間俺を悩ませていた。この疑問の答えだって今なら自明だ。 ──なんでまた俺だけを元のままにしておいたのか? 答えは単純、こいつは告白に対してありのままの俺の答えが欲しかったんだろう。 すまないな、佐々木。 俺の答えはもう決まっている。 俺の居場所は、「世界をおおいに盛り上げるための涼宮ハルヒの団」なんだ。「世界をおおいに見守るための佐々木の団」じゃないんだよ。 「佐々木」 俺は立ちすくむ佐々木に歩み寄った。佐々木は動かず、じっと俺を見上げている。 「何回言われても俺の答えは同じだ。元に戻してくれ。お前も元に戻ってくれ。お前の気持ちにずっと気づいてやれなかったことは本当にすまなかった。だけど、俺はお前の気持ちには答えてやれない。それでも、お前は俺の親友だ。それだけは変わらない。だから……」 佐々木の瞳が、脅えたような色を浮かべている。 「キョンくん……」 朝比奈さんが俺のシャツの裾を引いている。 「この佐々木さんには何を言ってもだめよ。だって、彼女はもう自分を作り変えているもの。この佐々木さんは、何の力もないただの……一人の、女の子だわ」 唐突に思い出す。 髪の長い佐々木。ポニーテール姿で、普段からは想像もつかないような俯いた表情で告白してきたあいつ。 佐々木を無邪気に持ち上げまくりの橘京子の笑顔。 本を読むことすらせずに窓際でただ座っている周防九曜の茫洋とした表情。 それらの様子にただひたすら皮肉をかまし続けていたあのいけ好かない野郎。 あいつらとはもう会えなくなる。正直、心残りが皆無なわけじゃないさ。だがこの世界はもともと偽りの存在だったのだ。さよならを言いそびれたのは残念だが、俺は俺のSOS団を取り戻す。決めた。 「すまん」 俺はピストル型装置を構えた。佐々木が身体を凍りつかせ、その反応にかなりの罪悪感を強いられる。しかしここに来て躊躇は無用だ。 「すぐに元に戻るはずだ。おまえが望むなら、クリパで一緒に鍋をつつこうぜ。冬の山荘にもみんなで一緒に行こう。今度はお前が名探偵をやってくれ。完璧な推理で事件を解決するスーパー名探偵ってのはどうだ、それが──、」 「キョンくん! 危な……! きゃあ!!」 朝比奈さんの叫びと同時に、俺の背中に誰かがぶつかってきた。どん、という衝撃が身体を揺らし、街灯の光を受けた俺の影も揺れた。その影に何者かの影が溶け合っている。何だ? 誰だ? 「佐々木さんを傷つけることは許しません」 首をねじって振り向いた。肩越しに女の白い顔が見えた。 橘京子。 「な……」 言葉が出なかった。脇腹に冷たい物が刺さっている。平べったい物が深々と体内に侵入している。やけに冷たい。激痛よりも違和感が勝る。なんだこれは。なんなんだ。なぜここに橘がいるんだ。 「ふふ」 笑うはずのない仮面が笑ったような微笑だった。 橘は滲むような動きで俺から離れ、俺の横腹に突き刺していた血まみれの長い刃物を引き抜いた。 それで支えを失い、俺は錐のように回転しながら地に倒れこんだ。 その俺の目の前で──佐々木が腰を抜かしたように尻餅をついていた。わななく唇が、 「橘……さん」 橘は俺の血が絡みつくアーミーナイフを挨拶するように振った。 「そうよ佐々木さん。わたしはちゃんとここにいます。あなたを脅かす物はわたしが排除します。そのためにわたしはここにいるんですから」 橘は嗤った。 「あなたがそう望んだから。そうでしょう?」 嘘だ。佐々木が望むはずはない。思い通りに鳴かない鳥はいっそ殺してしまえなんて思ったりしない。違う。俺への想いに狂ってしまった佐々木。その佐々木が改変した橘も異常なヤツになったんだ。こいつは佐々木の影役だ……。 橘は俺の上に薄い影を落とした。橘の頭上に欠けた月が見えて、すぐ翳った。 「トドメをさします。死ねばいいんです。あなたは佐々木さんを苦しめます。痛い? そうでしょうね。ゆっくり味わうといいでしょう。それがあなたの感じる人生で最後の感覚ですから」 振り上げられるゴツいナイフ。 (時系列切り替え) 朝比奈さんが走り出し、同時に長門自身も動き出した。夜風よりもすみやかに移動した長門は、一瞬後に橘の振り上げたナイフの刃をつかんでいる。橘が恐懼と憎悪のミックスボイスで叫ぶのを耳にしながら、俺も自分のもとへと向かった。 朝比奈さん(小)が泣きながら『俺』に取りすがっている。心配してくれているのは嬉しいが、そんなに揺すると早死にさせちまいますよ……。 目頭が熱くなることに、必死に『俺』に呼びかける彼女はすぐそばにいる女性に注意を払うことを忘れている。本当にありがとうと叫びたい。 「…………な……」 そう声を漏らしたのは記憶どおりの佐々木だった。心臓に微痛の走る姿だ。ポニーテールのそっちの佐々木は、尻餅をついて驚きにまみれた表情でいる。見開いた瞳が倒れ伏す『俺』から橘へ、そしてセーラー服へ移動し、最後に俺に向けられた。 「どうし……て……」 こっちの佐々木にかけるべき言葉を俺は持たない。俺がするべきこと、言うべきことは一つだった。 過去の長門が作ってくれた短針銃を拾い上げ、俺は自分を見下ろした。例のセリフを言うために俺は口を開き、記憶にある通りの言葉を投げかけた。これで合っていると思うが、だいたい似たようなセリフなら多少の違いは許容範囲だろう。 その『俺』はわずかに開いていた瞼を完全に閉じ、くたりと首を横に向けた。死んだかもしれんと思えるくらいの見事な気絶シーンだが、そろそろ止血しないとマジに死にそうだぜ。 さて、ここからは完全に俺たちの出番だ。これ以降に何が起こったのかは俺にもまだ未知なのである。 まず俺が目にしたのは、橘を止めてくれた長門の行動だ。 「…………」 長門のつかんだナイフが煌きながら砂と化す。飛び退こうとした橘だが、足が地に接着したように動かない。長門が小さな早口を述べた。 「そんな、なぜ……?」 凝然とした橘は最後まで疑問を口にしながら、やがてナイフにつられるように崩れ落ちた。眠らされたようだ。 ほぼ同時に。 「あ?……くう」 朝比奈さん(小)が『俺』に身体をつっぷすように前のめりになっている。柔らかく閉じられた目と薄く開いた唇はどう見ても寝顔であり、力の抜けた愛らしい上級生の首筋に朝比奈さんの(大)の手が軽く乗っていた。 長門が膝をついて屈み込み、ナイフでえぐられた『俺』の脇腹に手を添えた。そのおかげで間違いない。ともかく出血は収まり、『俺』の蒼白な顔が少しはまともに見えてくる。傷を治してこれたのはやはりこいつだったのか。 長門は停滞なく立ち上がると、血がついた指先をぬぐおうともせずに、手を差し出して言った。 「かして」 俺は黙って短針銃を持ち上げた。どうにも手持ちぶさたで困ってたんだ。いざとなると抵抗が勝る。どの佐々木にだってこんなもんを向けて撃ちたくはない。 淡々と銃を手にした長門は、座り込んで怯えた顔を維持しているポニーテールの佐々木へ銃口を突きつけ、あっさりと引き金を引いた。 何の音もせず、何かが発射された軌跡も見えなかったが、 「なっ……!」 佐々木は、驚愕の表情を浮かべて、そのまま固まってしまった。 「私は……なんてことを……」 その佐々木に向かって、長門は淡々と告げた。 「あなたが奪い取った時空改変能力は、涼宮ハルヒに返還した。これより、あなたが実行した世界改変をリセットする」 リセットされたら、今回のことに関する佐々木の記憶はすべて消えてるはずだ。 それが、俺と佐々木が親友であり続けるために必要なことなんだ。 (再び時系列切り替え) 白い天井が見える。自宅の俺の部屋ではない。朝か夕方か、透明感のあるオレンジ色の光が天井同様白い壁を彩っていた。 「おや」 徐々にはっきりしてくる頭に、その声は敬虔な信徒が聞く教会の鐘の音のように安らぎに満ちて聞こえた。 「やっとお目覚めですか。ずいぶん深い眠りだったようですね。お早うございますと言うべきでしょうか。夕方ですけど」 古泉一樹の、穏やかな微笑がそこにあった。 これが藤原だったら、俺は裸足で逃げ出していたに違いない。 古泉は、ここは「機関」関連の総合病院だといった。 このあと、古泉から聞いたところでは、俺は学校の階段から転げ落ちて気絶し、三日間も寝込んでいたことになっているらしい。 どうやらあの三日間の記憶が残っているのは、俺だけらしいな。まあ、その方が好都合だが。 「見舞いはお前だけか?」 ハルヒは、と言いかけてすんでのところで唇を止める。だが古泉はくすりと笑みを落とし、 「さっきから何をキョロキョロしているんです? 誰をお捜しでしょう。ご心配なく。僕たちは時間交代であなたを見舞うことにしているのです。あなたが目を開けたときに誰かが側にいるようにね」 古泉の視線が妙に気になった。エイプリルフールの嘘話をあっさり信じ込んだ友人を見て心で舌を出しているような、その目は何だ? 「いえ、あなたを羨ましく思っているだけです。羨望と言ってもいいでしょう」 この状況で言うセリフじゃないだろ。 「僕たち団員は交代制ですが、団長ともなると部下の身を案じるのも仕事のうちだそうでして。涼宮さんならずっとここにいます。三日前から、ずっとね。さらに、もう一人おりますよ。まったく羨ましい限りです」 指差された方角を俺は見た。古泉から俺のベッドを挟んで反対側。その床。 いた。 寝袋にくるまったハルヒが、口をへの字にして眠っていた。 そして、その隣の寝袋には、なぜか佐々木の寝顔もある。 「心配していたのですよ、涼宮さんも佐々木さんも。お二人の動揺ぶりと言ったら……いえ、これはまたの機会にお話ししましょう。とにかく今は、あなたが真っ先にしないといけないことがあるでしょう?」 「そうだな」 寝顔にイタズラ書き……ではない。それもまた、別の機会でいいだろう。これから何度だって来るさ、そんなチャンスはな。 俺は、二人同時に顔をつねってみた。 「「…………ぉが?」」 二人同時に呻き声をあげる。 しかし、次に叫んだのは一人だけだった。 「あ!?」 ハルヒは寝袋に入っていることを忘れていたらしい。パネ仕掛けのように起きあがろうとしてあえなく失敗、ごろんと横回転してシャクトリ虫のように蠢いていたがワタワタと這い出して、すっくと立ち上がるや否や、俺に人差し指を突きつけて叫んだ。 「キョンこらぁっ! 起きるなら起きるって言ってから起きなさいよ! こっちだってそれなりの準備があるんだからね!」 無茶言うな。だが、そんなお前の大声が現在の俺には何よりの薬だ。 「ハルヒ」 「何よっ」 「ヨダレを拭け」 唇と眉をぴくぴくさせながらハルヒは口元を慌ててぬぐい、そのまま顔をぺたぺたとなで回しながら俺を睨め付けた。 「ふむ、ところでいつまでつねったままなのかな? キョン」 ハルヒとは対照的に、振り払うどころかされるがままになっていた佐々木。 そのせいで俺の左手は佐々木の頬をつねりっぱなしになっていたのだ。 「ちょっといつまでやってんのよ!」 俺が手放すより前に、ハルヒの神速の腕によって俺の左手は振り払われた。 「おや残念」 おいおい、佐々木。何が残念だ。 ハルヒは、佐々木の発言に片眉をぴくぴくとさせていたが、やがてこう言い放った。 「佐々木さん。キョンも気が付いたし、今日はもういいわよ。後はあたしが付き添うから」 意外にも、佐々木が反論した。 「涼宮さんの方こそお疲れでしょう。後は私が付き添いますよ」 それから、二人は言い争いを始め出した。 俺としては、付き添いはいいから一人にして欲しいのだが。 そんな俺の意向は、完全に無視され、二人の言い争いは続いている。 おい、古泉。ニヤケてないで、仲裁してくれよ。 「僕の手には余りますね。三角関係に余計な首を突っ込んだら、被害を受けるのはこちらの方です」 何が三角関係だ。わけのわからないことをいうな。 「相変わらずですね、あなたは。さて、巻き添えを食らう前に、僕は失礼させていただきますよ」 おい待て。俺を見捨てる気か!? 「では、ごゆっくり」 これでも、お前は親友だと思ってたのに、なんて薄情な奴だ! 残されたのは、対照的な口調で言い争う二人の女子生徒と、俺……。 その後、この病室で何があったかは語りたくもない。 まったく、やれやれだ。
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/1083.html
第二章 俺の安らかな眠りを妨げる者は誰だ。 目覚まし時計が朝を告げる音を軽やかに鳴らす。 朝特有の倦怠感と思考の低下は、俺の1日の始まりである。 不機嫌な状態で居間へ下り、テレビを観てハッとする。 「8 45」 あれれー? 急いで洗顔を済ませ、歯を磨き、着替えて愛車にまたがる。今日は朝飯抜きだ。 「待て。」 「あ?」 振り返ると1人の男がいた。俺の全神経が集中する。この自嘲的な笑みが憎たらしい。 こいつはいつぞやの俺と朝比奈さんの邪魔をした未来人っぽい奴。 「生憎、俺は男に興味は無いのだが。」 「忠告しに来ただけだ。死にたくないなら、今日は行くな。」 「お前を信用出来ない。お前は俺の敵だろ。」 「知るか。俺の敵は朝比奈みくるだ。」 「朝比奈さんは、俺の見方だ。その敵は俺の敵でもある。」 「まあいいさ。規定事項で近日中にお前は死ぬことになっている。」 ますます嫌な事言うな。「俺はその規定事項を破る為に来た。 お前の存在が与える影響は大きい。お前は未来にとって必要な鍵だ。失うわけにはいかない。 信じる信じないはお前の勝手。俺は勝手に動く。」 そう言ってあいつは俺に背を向け、どこかへ消えた。 駅前に到着する頃には、当に9時を過ぎていた。 「あんた、遅れたら死刑だって知ってる?」 ニゲタイ。デモ、ニゲラレナイ。 目の前の鬼は、表面上は笑顔を取り繕っているが、体から放つオーラが半端じゃない。 「さぁ今日は沢山食べるわよ~♪」 あぁ、不況が続く。 古泉が小声で話し掛けてくる。顔が近い。 「長門さんに頼んで、今日はあなたと涼宮さんを離します。事態が収まるまで続けますよ。」 いつ終わるんだよ。一生はないよな。 「大丈夫。人の記憶は短いですよ。彼女も直ぐ忘るはずです。」 その後ハルヒは、飯まで食いやがった。俺の金で。 「いいじゃない。あんたも食べてるし、遅刻した罰よ。」 それは目覚ましの………もういい。悲しくなる。 さて、くじ引きの時だ。古泉によれば、長門の力で俺とハルヒを離すらしいが…… 「では、僕から。」 古泉はそう言いながらくじを引く。 「印付きです。」 「………」 無言で長門が引く 「印付き。」 そう言い終えると飲みかけのサイダーを音も無く吸い出す。 「次はあたしね♪」 ハルヒが引く 「印無しよ。」 「じゃあ、次は私が。」 朝比奈さんが引く。 くじを前に悩む顔が可愛らしい。何引いたって結果は同じさ。 「印付きです。」 朝比奈さんは柔和な顔で俺にくじを見せた。 とても和みmあれ? 今回はハルヒと一緒。確か俺はハルヒ以外と組むはずなのでは? 古泉を見ると口をあんぐりさせ、長門の方を見ている。 一方、長門はといえば無表情のままだが、どこか情緒不安定に……見えないな。 「さぁ!!行きましょう。」 太陽も引っ込むような笑顔で、ハルヒは俺の手を引っ張り、外へ出ようとする。 その姿はまるで、クリスマスイブにプレゼントを買って貰えるとはしゃぐ、子供のようだった。 俺は金が少ない。会計は古泉に任せてとんずらする事にしよう。 外へ出た俺とハルヒだが、特に行く所も無く、 「何処行くか?」 「ん~あんたの好きな所でいいわ。」 「じゃあ、ゲーセンでも行くか。」 ハルヒしばらく考えた後「いいとこ目つけたわね。そういう場所には宇宙人とかがいるのは定番だし。」 どこが定番なんだろうか。やけに上機嫌なハルヒはドカドカと道を歩み出した。 どうでも良いが、街のど真ん中で鼻歌は止めてくれ。一緒にいる俺まで恥ずかしい。 すると、急に俺の携帯が鳴りだす。古泉からのメールだった内容は… 『先ほどはよくも、逃げて頂きましたね。代償は大きいですよ。 ところで本題ですが、詳しい話は後ほどにでも 現在はお2人を後ろから監視してます。 何かあったら直ぐに駆けつけますので御安心を P.S 良いデートを。ただし、密室は避けること。』 なにが『良いデートを』だ。殴ってやりたいね。いや、殴ってやる。 まぁ密室は避けるべきだな。俺の命に関わってる事だし。 だいたいこんな事になったのもハルヒの妄想電波のせいであり…… 「何してるの?早くついてきなさいよ!」 やれやれ、死のカウントダウンが始まったようだ。 助けてくれ親愛なる仲間たちよ。 十分後、近くのゲーセンに着いた。ハルヒは真っ先に近くのゲームをし始める。 ふと、俺の携帯が呼び出しをしていることに気づく。 長門からだった。 「長門か?」 「トイレで待つ。」 俺は曖昧な返事をして電話を切り、トイレへ向かう。ハルヒに言う必要はない。 トイレの前に古泉はいた。嫌な予感がする。 にやけ面が口を開く。 「どうも。」 「説明してもらおうか。」 「それはですね…」 一呼吸おき、 「や ら n」 「古泉。お前が泣くまでッ殴るのを止めないッ。」 「何もそこまで……アッー!!」 トイレの中で古泉を張り付けにした後トイレの外で長門と朝比奈さんに会う。 「あれ?古泉くんは何処ですか…?」 今頃トイレでキリストになってますよ 「きりすと?」 首を傾げて朝比奈さんは言った。今更だが、朝比奈さんの知識は俺達とかなり異なるみたいだ。 だがしかし、未来人として、歴史を知るという事は重要ではないのか? これがゆとりの力だろう。 「簡単に言ったら救世主ですね。確か一度死んで復活したとかしないとか。」 「宗教的ですねぇ。」 宗教ですからね… 「説明する。」 キリストならもう俺が話したが? 「そちらの方をして欲しい?なら、説明する。 彼が何故救世主と崇められたのは、彼の弟子のユダの裏切りにより…」 「もう結構です。」 「……そう。」 「要点だけ言ってくれる?」 キリストの話じゃないぞ 「結論から言う。私の力が働かなかった。」 「どういう事だ?」 長門の力が働かない? 急進派の陰謀で俺を殺すためとか? 妨害電波の発生か? 四次元ポケットの故障か? 「どれも違う。これは涼宮ハルヒが求めたからである。彼女の力が私の力を上回っただけの事。」 ハルヒが望んだ? 「そうです。彼女がそう望んだのです。羨ましいですね。私もあなたと一緒にいt……ぎゃあ。」 古泉。てめぇ、いつ抜け出しやがった? 「あ、あああ朝比奈さんに助けて頂きました。」 「ふぇ…いけませんでしたか?」 そんな事御座いません。あなたの決定は俺にとって絶対ですからね。 「で、俺はどうすれば良い。」 「………特に無い。」 「ただし、付かず離れずを保って下さい。」 付かず離れず? 「涼宮さんの興味をあなたに引きすぎてもダメ、逆も同じです。」 どうして? 「つくづくあなたは鈍感ですね。本当は気づいているのでは?」 古泉の溜め息が響く。 「………のろま。」 長門まで何を。しかし、まっったく解らん。 「乙女心ですよっ。男のキョン君には、解らないんですね♪」 男の古泉が乙女心を知っているのが不思議なのだが。 朝比奈さん…そんなに嬉しそうに言わないで下さいよ。馬鹿って言われてる気分です。 「これ。」 長門は小型のチップを手渡した。 「発信機。見失っても安心。」 「では、これで。」 3人は俺に会釈(長門は一瞥)をして出て行った。 何故かは知らんが「のろま」という言葉だけ俺の耳に残る。 俺は亀ではない。 渋々ハルヒの所に戻る さて、ハルヒは何か景品を取ったらしく、 「これ、要らないからあんたに一個あげるわ。携帯にでもつけなさい」 俺はハルヒからツキノワグマのぶーさんのキーホルダーを貰った。 「変な趣味だな」 「う、うっさいわね。嫌なら返してよねっ。」 ハルヒから不機嫌オーラが出てくる。 ここは、受け取るべきだな。 「いや、有り難く頂きますよ団長さん。」 「そっ…それならいいのよ。初めから欲しいって言えこのバカ!!」 ハルヒは怒ったような、悲しいような、だけど嬉しそうな…とにかく、滅茶苦茶な表情をしていた。 本当、何が言いたいのかね。 「さぁ、次やるわよ!」 ハルヒはいつもの表情に戻るや否やクレーンゲームに興味を示した。 まぁその辺の詳しい事は割愛させて頂く。 ハルヒはまたぶーさん人形をゲットし、他のアーケードゲームに興味を示す。 勿論、俺も参加する。まぁ、その辺はどうでもいい。問題はその後だった。 とりあえず、長門達が見つかった。 ハルヒが「プリクラを撮るわよ!」とか言って中に入ろうとしたからだ。 普通、誰か居るの確認するだろ。 その後古泉が、「おや?奇遇ですね」などと抜かし、すたこらどっかに消えて行った。 「やっぱりね。」 何が「やっぱりね。」なんだ? 「今までずっとつけられてたのよ。気づかなかった?」 生憎、俺には気を探る能力や、どこぞの宇宙人が持つスカウターは持っていないからな。 「今までの全部見られてたのよ!!恥ずかしいったらありゃしない!!」 「おお、キョンと涼宮じゃないか。」 谷口がいた。変な奴に見つかったな。 「遂に2人でデートか?アツアツだねー。」 「な、何よ。冷やかしに来たの?」 ハルヒは頬を赤らめた。俺だって恥ずかしい。 「あら、その手に持っているの何?」 「あぁこれか。早急拾った………なぁ。」 「どうしたんだよ。」 谷口は俯きながら何か躊躇するような姿勢をとる。 「俺ら友達だよな。」 「は?当たり前だ。」 「涼宮は?」 「一応一緒のクラスだし、友達でもいいんじゃない?何なら下僕にしてあげてもいいのよ。」 ハルヒはニヤリと小悪魔みたいに微笑む。 「ハハハ…お前らしいや。ホント良かったよ。お前らが仲間で。」 「お前何言ってるんだ?悩み事ならh……!!?危ねぇ!!避けろハルヒ!!」 谷口の手が光る。あれはナイフだ。それがハルヒに向けられる。 「……え!?」 間に合え!! 俺はハルヒからぶーさん人形を引ったくり、ハルヒを突き飛ばす。 そしてそれを谷口へ向ける。 ナイフはぶーさん人形に突き刺さった。 「谷口ィィィ!!!てめぇ……よくもッ!!」 俺は吹っ切れた。渾身の力で谷口へ殴りかかる。 その手を誰かが止める。古泉がいた。 「いけません。」 止めるな。こいつはハルヒを……… 俺は必死に足掻く。 「彼を見て下さい。もう何も出来ません。」 谷口は自分の手を見て目を疑っていた。 「AWAWAWA……俺……何してんだ?何で……何でこんな事を………ゴメン………ゴメン。」 「落ち着いて下さい。さぁ、ここは人目につきます。外へ。」 横で呆然としていたハルヒを抱え、外へ出る。 その後ハルヒはぐったりとしていたが直ぐに眠りに落ちた。 古泉が誰かに電話をしている。どうせ機関の誰かだろう。 程なくして車が来る。森さんだった。 古泉は谷口を車に乗せる。 「わたしも行く。」 長門も車に乗り込み、車は発車する。 「何で警察じゃないんだ?」 谷口は立派な殺人未遂犯である。警察に突き出すのが当たり前だ。 「気付きません?」 「……ナイフ。」 朝比奈さんが感づいたように呟く。 「まさか谷口……」 その先は言えなかった。悲しすぎた。言うに耐えなかった。 「ええ、ご想像の通りでしょう。」 また車が来た。今度は新川さん。 「涼宮さんとどうぞ。家まで付き添ってあげて下さい。」 ハルヒを抱え、車に乗る。 「古泉。」 「何でしょうか。」 「お前の力凄いな。俺の本気が簡単に止められたのは初めてだ。」 「ふっ、知ってますか?オカマやゲイが強いのは定番なんですよ。」 不思議な名言を残し、古泉と朝比奈さんは手を振る。 「宜しいですかな?」 「お願いします。新川さん。」 車は発車する。 「キョン……」 起きたかハルヒ。 「うん……助けてくれてありがと。」 ハルヒはまだ朦朧としている。 「大丈夫だ。俺がついている。」 ハルヒは急に瞼を全開にして、赤くなる。 「そ、それって…」 「何たって俺はSOS団の雑用係だからな。」 ハルヒは機嫌を損ねたようで、俺のふくらはぎをつねる。 俺何か悪い事言った? 「目覚めたなら頭どけてくれるか?膝枕は意外に疲れるんだ。」 「……バカキョン。」 すると、俺の頬に生暖かい物体が触れた。 ミラーに写る新川さんがにやけていた。 「………お礼よ。」 「………そっか。」 あ、自転車忘れた。 第三章へ
https://w.atwiki.jp/haruhi-2ch/pages/90.html
涼宮ハルヒちゃんの憂鬱(アニメ) 概要 テレビアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』が2006年に放送した後、2007年7月に発売した『月刊少年エース2007年9月号』より連載開始した公式4コマギャグ漫画『涼宮ハルヒちゃんの憂鬱』が原作である。 現在は、『月刊少年エース』『少年エース増刊季刊エースアサルト』偶数月発売『ザ・スニーカー』などで連載中。単行本は2009年2月現在2巻まで発売中。2巻までで累計100万部を売り上げている。3巻は7月発売。 アニメ化が発表されたのは、にょろーん、ちゅるやさんと同日に、2008年8月26日発売の月刊少年エース10月号誌上で発表された。 漫画について詳しく知りたい方は『http //www39.atwiki.jp/haruhi-2ch/pages/39.html』へ。 放送概要 2月13日午後22時より動画投稿サイト『Youtube』上の角川アニメチャンネル内にて配信開始。5月8日配信の第25話、翌週のエンディング配信によって終了、 公式では気まぐれ配信となっていたがそれは前半のみで基本的に、毎週金曜日22時配信となっていた(気まぐれ=不定期配信) 配信は1度に2話分の予定だったと雑誌によると推測できるが、ナイスボート動画の影響か、4話まで1話ずつ公開になっていた。アーカイブは2話のみ。新たに配信されると二つ前以前の話数は非公開に。 配信日 第何話 原作ページ数 時間 ネタ 備考 2009/2/13 第0話 - ナイスボート動画 2009/2/14 オープニング - - - - 2009/2/14 第1話 1巻102P-110P(恨み、羊、キョンの初夢) 5分52秒 2009/2/17 第2話A 1巻23P-24P2本目3コマ目まで(ヒマ、依頼、落下) ABCで2分39秒 2009/2/17 第2話B 1巻17P-18P1本目まで(声、長門の趣味、音量注意) - 2009/2/17 第2話C 1巻7P(助っ人、設定) - 犯人はヤス 2009/2/20 第3話 2巻P136-139(TV、紹介、問題、地域密着、回答、花火、空気) 2分32秒 ハルヒがこなた顔 2009/2/23 第4話A 1巻26P(朝比奈みくるの衝撃、言えません…) ABCで4分30秒 アニメではエロゲ 2009/2/23 第4話B 1巻35P、37P2本目(本vsゲーム、シスター、知らぬ間に…) - 長門のコスプレがゲーム「ななついろ★ドロップス」の高校の制服 2009/2/23 第4話C 1巻38P、41P、56P、77-78P(復活、捕獲、収納、第2の敵、結局、居候、びゅーん、ボケ、ツッコミ) - 2009/2/27 第5話 1巻27P-34P(ハルヒちゃんの熱血ドッジボール) 3分43秒 原作と展開が違う 手書き 2009/2/27 第6話A 1巻54P2本目-55P(危機感、対抗、笑うな) 4分57秒 手書き 2009/2/27 第6話B 1巻75P2本目-76P(クリア、続編、勘違い) - 手書き 2009/2/27 第6話C 1巻P95-96、P113-114(台、結局、プライド、危機回避、ごはん、年越しソバ、お餅、歌の力) - 手書き 2009/3/6 第7話 1巻45P-52P、57P(開会式、チーム分け、借り物競争、心の壁、谷口かわいそう、次の種目、大岡裁き、咲いた) 4分23秒 手書き 2009/3/6 第8話A 1巻129P-130P(節分、歓迎、表、裏) 3分29秒 手書き 2009/3/6 第8話B 1巻149P-150P(トラップ、長門式交渉術、休憩所、お約束) - 手書き 2009/3/13 第9話 2巻140P-143P(企画会議、昼ドラ、ダイジェスト、略奪、余命、愛、メディカルエナジー) 3分30秒 手書き 2009/3/13 第10話 2巻152P-157Pあちゃくらさんの一日(朝、無理、秘技、水責め、恨み、課外活動、お掃除、第二関門、傘と私、天敵、見極め) 2分50秒 手書き 2009/3/20 第11話 1巻117P-120P、131P-132P(収納、バレンタイン大作戦、形にこだわる、再現、復元、トリュフ、活用、忍、収納2、おもちゃ、ケーキ) 4分12秒 手書き 2009/3/20 第12話 1巻121P-128P男達のバレンタイン 3分27秒 手書き 2009/3/27 第13話A 1巻59P-62Pもうすぐハロウィン(情報収集、イメージ、生、きっちり、予定外の物、完成、ハロウィンパーティー) 4分24秒 手書き 2009/3/27 第13話B 2巻158P-159P(買い物、スーパー、シンクロ、就寝) - 手書き 2009/3/27 第14話 2巻25P-29P(風船、鼻の下、穴、尊い犠牲、風船の戦い、素人、決着、風船の遊び方(宇宙人の場合1ページ目まで) 3分53秒 手書き 2009/4/3 第15話 2巻30P-34P風船の遊び方(宇宙人の場合最後まで) 2分30秒 手書き 2009/4/3 第16話 2巻144P-149P(料理、斬る係、簡単、50時間、3分、包丁、自動、匠の技、攻略法、仕上げ、5日) 4分07秒 手書き 2009/4/10 第17話 1巻135P-138P(花見、察し、副団長の実力、わかりやすい解説、イニシャルT、鶴屋さん、いわく) 3分30秒 手書き 2009/4/10 第18話 1巻139P-146P穴は掘っても彫られるな 4分20秒 手書き 2009/4/17 第19話 1巻81P-92P(クリスマスなので、やつら、作戦、加勢、証拠、隠れ場所、決定、谷口と河童最終話 5分31秒 手書き 2009/4/17 第20話 2巻51P-52P(演技、相手にされない、救出劇、後悔) 2分03秒 手書き 2009/4/24 第21話 2巻37P-48P(興味、人気、暇つぶし、なんでもこなす人達、観客、サイン、別行動、鶴屋さんVSメカ森さん(非4コマ)) 5分33秒 手書き 2009/4/24 第22話 2巻71P-72P(こどもの日、主婦モード、褒めて伸ばす、結局) 2分01秒 手書き 2009/5/1 第23話 3巻142P-145P(オープニング、トーク開始、本気、エピソード、特に、シナリオ、選択) 3分12秒 手書き 2009/5/1 第24話A 2巻150P-151P(制服、優先順位、秘策、水風船モード) 4分50秒 手書き 2009/5/1 第24話B 2巻131P-134P(暇人の暇の潰し方) - 手書き 2009/5/8 第25話 2巻1P-19あえてお部屋で(非4コマ-完成度-難易度-出会い-ジャンル)) 8分05秒 手書き 2009/5/15 エンディング - - - - 涼宮ハルヒちゃんの憂鬱 にょろーんちゅるやさんのスタッフ、今回更新したものは下線付きの部分New! 原作=谷川流・いとうのいぢ 漫画=ぷよ(月刊「少年エース連載」)、えれっと(月刊「コンプエース連載」) 監督=武本康弘本編と変わらず武本康弘氏。どちらもギャグアニメになる可能性が高いが、武本氏はギャグアニメ経験は多いので安心してもいいだろう。(ex.ハレグゥ、フルメタふもっふ等) キャラクターデザイン=西屋太志本編のキャラクターデザインの池田晶子氏とは別に2期の総作画監督である西屋太志氏がキャラクターデザインを担当すると発表。 チーフプロデューサー=安田猛角川書店のアニメ部門責任者。伊藤敦氏の上司で1期のハルヒでは製作総指揮などを勤めていた。7,8話以降クレジット。 友情プロデューサー=伊藤敦、八田英明伊藤敦氏は角川書店のプロデューサー、八田氏は京都アニメーション社長。1期本編と変更なし。友情の意味は不明。 演出=坂本一也憂鬱Ⅲのコンテ演出、憂鬱Ⅵの演出補佐、各話原画のほかOP原画も担当。 色彩設定=石田奈央美1期本編の憂鬱と同じく色彩設定を担当。 美術監督=篠原睦雄1期本編の憂鬱の美術監督『田村せいき』氏から変更。篠原氏は1期では参加してはいないが、鍵アニメの美術監督・美術設定を勤めている。 撮影監督=中上竜太1期本編の憂鬱の撮影監督田中淑子氏から変更。 音響監督=鶴岡陽太(楽音舎) 編集=重村建吾(スタジオごんぐ) 音楽=神前暁 音楽プロデューサー=斎藤滋 音響制作=楽音舎 音楽制作=ランティス オンライン編集=板倉玄(キュー・テック) 公式HP制作=旗野篤(山猫) ロゴデザイン原案=佐々木基 番組協力=少年エース編集部(加藤浩嗣)、角川アニメチャンネル(水野寛) 宣伝=西山洋介 アニメーション制作=京都アニメーション以上1期本編の憂鬱と変更なし。 製作=えすおーえす団 クレジット表記=(C)谷川流・いとうのいぢ/えすおーえす団 (C)ぷよ/えすおーえす団※ハルヒちゃんの場合 クレジット表記=(C)谷川流・いとうのいぢ/えすおーえす団 (C)えれっと/えすおーえす団※ちゅるやさんの場合 涼宮ハルヒちゃんの憂鬱 にょろーんちゅるやさんのキャスト}(09/01/23更新)New! 本編アニメである1期憂鬱とキャストは現時点では変更無し 涼宮ハルヒ、涼宮ハルヒちゃん=平野綾 キョン=杉田智和 朝比奈みくる=後藤邑子 古泉一樹=小野大輔 長門有希=茅原実里 鶴屋さん、ちゅるやさん=松岡由貴 朝倉涼子、あちゃくらりょうこ、あしゃくらりょうこ=桑谷夏子 谷口=白石稔 国木田=松元恵 キョンの妹=あおきさやか テーマ曲 涼宮ハルヒちゃんの憂鬱OPテーマ:「いままでのあらすじ」作詞:畑 亜貴 作曲/編曲:神前 暁 歌:SOS団 (涼宮ハルヒ:平野綾、キョン:杉田智和、朝比奈みくる:後藤邑子、古泉一樹:小野大輔、長門有希:茅原実里) CD 2009年04月22日ランティスよりYouTube『涼宮ハルヒちゃんの憂鬱』OPテーマ『いままでのあらすじ』として発売。品番はLACA-4610。価格は1200円(税込)歌い手はえすおーえす団(涼宮ハルヒちゃん:平野綾、キョン:杉田智和、朝比奈みくる:後藤邑子、古泉一樹:小野大輔、長門有希:茅原実里)カップリング曲は発売情報から、『あとがきのようなもの』どちらも(作詞:畑亜貴、作曲・編曲:神前暁)。 DVD(全3巻)セル版、レンタル版ともに発売日は同日。 仕様描き下ろしジャケット/トールケース 収録時間:約37分(本編) 画面サイズ:16 9ビスタサイズ/カラー 音声:リニアPCM ディスク:片面一層/MPEG2 涼宮ハルヒちゃんの憂鬱 にょろーん、ちゅるやさん『DVD最初』(第1巻)2009/5/29発売!価格は5040円(税込)収録時間51分。初回特典は特製サウンドトラックCD(初回生産分のみ、なくなり次第終了) 毎回封入特典は、解説カード(4P)、キャラクタープロマイド1枚(全5種類中)※描きおろしシークレットプロマイドが追加で1枚封入されている場合もある。 DVD第1巻はハルヒちゃんがオープニング+1-10話を収録、ちゅるやさんは1-5話までを収録 涼宮ハルヒちゃんの憂鬱 にょろーん、ちゅるやさん(第2巻)2009/6/26発売!価格は5040円(税込)初回特典は「全巻揃えないと中途半端な全3巻収容DVD-BOX(描きおろし仕様)」(初回生産分のみ、なくなり次第終了) 涼宮ハルヒちゃんの憂鬱 にょろーん、ちゅるやさん(第3巻)2009/7/31発売!価格は5040円(税込)初回特典は特典DVD「鬼口はいかがでしょう(実写映像番組)」(初回生産分のみ、なくなり次第終了) ショップ限定特典 京アニショップ:【名場面フィルム】(涼宮ハルヒちゃんの憂鬱」3枚/「にょろーんちゅるやさん」3枚/計6枚)「涼宮ハルヒちゃんの憂鬱」「にょろーんちゅるやさん」各巻収録話数の名場面をフィルム風にして、京アニミニCut袋に入れて届けるとのこと BD-BOX 2010年8月27日発売。映像特典はノンクレジットOP/ED、CMスポットなど。発売は角川書店、販売は角川映画。 各話スタッフ 不明(クレジットされず) 話数 サブタイトル DVD収録巻 オープニング いままでのあらすじ 1、2、3巻 1話 体は鶴でも心は鷹さっ 1巻 2話 ん?長門オンリー? 1巻 3話 あの犬の名前は何でしょう? 1巻 4話 キョンくん、長門さんが、長門さんが… 1巻 5話 どっぢボールで勝負しよう! 1巻 6話 エッチなのは関心しませんっ! 1巻 7話 ドキっ、若干、女の子多めの運動会 1巻 8話 豆でも喰うか… 1巻 9話 登場人物は全員メイドです! 1巻 10話 傘、すげー 1巻 11話 じゃあ、みくるちゃん。さっそく服を脱いでちょうだい! 2巻 12話 男もただもらうだけじゃなくてなんかこう努力しなさい! 2巻 13話 そうだ。ハロウィンをしよう! 2巻 14話 主人公がしちゃいけない顔になってるわよ 2巻 15話 風船、すげー 2巻 16話 まっわーれっ! 2巻 17話 そういうお前はとーさんだっ! 2巻 18話 キョンくん、キョンくん。こんなん見つけたー 2巻 19話 みんな、今日はクリスマスパーティをするわよ! 3巻 20話 キミドリさーーんっ! 3巻 21話 ひげ仮面ーーんっ! 3巻 22話 これを着てもらえれば分かる 3巻 23話 自称、オレの笑いは伝染する 3巻 24話 あのころの私はそれはもう使命感に燃えていました 3巻 25話 PCゲーム?「涼宮ハルヒちゃんの憂鬱」 3巻 エンディング あとがきのようなもの 3巻 ファンブック 涼宮ハルヒちゃん ちゅるやさんの公式 (コンプティーク編集、角川書店発行、全48P、2009年9月25日発売、892円(税込)P04-05、OP『いままでのあらすじ』歌詞掲載 P06-07、ハルヒちゃんとSOS団の365日そのいちっ! P08-09、長門とあちゃくらさんの24時間 P10、ハルヒちゃんとSOS団の365日そのにっ! P11、キョンと古泉のあいまい30センチ P12-14、ちゅるやさんのにょろーん64連発 P15、ちゅるやさんとあしゃくらさんの7日間戦争 P16、Youtubeの数字コレクション P17、涼宮ハルヒから涼宮ハルヒちゃんとちゅるささんへ20のメッセージ(谷川流×いとうのいぢ) P18-19、クロストークぷよ×えれっと P20-23、描きおろしマンガ『涼宮ハルヒちゃんの憂鬱』 P24-25、メイキングインタビュー武本康弘×西屋太志 P26-29、描きおろしマンガ『にょろーん、ちゅるやさん』 P30-32、『涼宮ハルヒちゃんの憂鬱』 『にょろーん、ちゅるやさん』大辞典 アニメーションVer. P33-37、『ハルヒちゃん』と『ちゅるやさん』(平野綾×後藤邑子×茅原実里×桑谷夏子×松岡由貴) P38、鶴屋さんと森さんの1本勝負 P39、みくるのPCゲーム『涼宮ハルヒちゃんの憂鬱』攻略 P40-42、ハルヒちゃんとSOS団の365日そのさんっ! P43 、白石稔と鬼口と谷口とキミドリさん P44-45、イラストレーションギャラリー P46-47、あとがきのようなもの キャスト 1話涼宮ハルヒちゃん=平野綾 キョン=杉田智和 朝比奈みくる=後藤邑子 古泉一樹=小野大輔 長門有希=茅原実里 キョンの妹=あおきさやか 鶴屋さん=松岡由貴 2話涼宮ハルヒちゃん=平野綾 キョン=杉田智和 長門有希=茅原実里 朝倉涼子=桑谷夏子 ゲームの声=あおきさやか 3話涼宮ハルヒちゃん=平野綾 キョン=杉田智和 朝比奈みくる=後藤邑子 古泉一樹=小野大輔 無限ライオン=松岡由貴 4話涼宮ハルヒちゃん=平野綾 キョン=杉田智和 朝比奈みくる=後藤邑子 長門有希=茅原実里 朝倉涼子/あちゃくら=桑谷夏子 5話(アニメーションDo制作協力)涼宮ハルヒちゃん=平野綾 キョン=杉田智和 朝比奈みくる=後藤邑子 古泉一樹=小野大輔 長門有希=茅原実里 コンピ研部長=こぶしのぶゆき コンピ研部員B=ヤスヒロ コンピ研部員D=小野友樹 6話(アニメーションDo制作協力)涼宮ハルヒちゃん=平野綾 キョン=杉田智和 朝比奈みくる=後藤邑子 長門有希=茅原実里 あちゃくら=桑谷夏子 メイド長=松岡由貴 挿入歌 『Paradaise Lost』 作詞:畑亜貴 作曲編曲:菊田大介 歌:長門有希(茅原実里) TVアニメ『喰霊-零-』オープニングテーマ、『喰霊-零-』主人公土宮神楽(声:茅原実里)の心情を歌った曲。中の人、プロデューサーつながりのネタ。エンディングまで流れたことから、TVアニメ『喰霊-零-』第3話、第12話のパロディ(クレジットと歌のみで絵なしでエンディング) 7話(アニメーションDo制作協力)涼宮ハルヒちゃん=平野綾 キョン=杉田智和 朝比奈みくる=後藤邑子 古泉一樹=小野大輔 長門有希=茅原実里 鶴屋さん=松岡由貴 キョンの妹=あおきさやか 谷口=白石稔 国木田=松元恵 コンピ研部長=こぶしのぶゆき 子供=桑谷夏子 パロディ(ゴールしても良いよね=TV版AIR第12話参照) 8話(アニメーションDo制作協力)涼宮ハルヒちゃん=平野綾 キョン=杉田智和 朝比奈みくる=後藤邑子 古泉一樹=小野大輔 長門有希=茅原実里 鶴屋さん=松岡由貴 あちゃくら=桑谷夏子 谷口=白石稔 9話(アニメーションDo制作協力)涼宮ハルヒちゃん=平野綾 キョン=杉田智和 朝比奈みくる=後藤邑子 古泉一樹=小野大輔 長門有希=茅原実里 無限ライオン=松岡由貴 10話(アニメーションDo制作協力) 涼宮ハルヒちゃん=平野綾 キョン=杉田智和 長門有希=茅原実里 あちゃくら=桑谷夏子 (単行本第2巻にありました。) 10話(アニメーションDo製作協力)涼宮ハルヒちゃん=平野綾 キョン=杉田智和 長門有希=茅原実里 あちゃくら=桑谷夏子 11話(アニメーションDo製作協力)涼宮ハルヒちゃん=平野綾 朝比奈みくる=後藤邑子 長門有希=茅原実里 鶴屋さん=松岡由貴 あちゃくら=桑谷夏子 12話(アニメーションDo製作協力)涼宮ハルヒちゃん=平野綾 キョン=杉田智和 朝比奈みくる=後藤邑子 古泉一樹=小野大輔 鶴屋さん=松岡由貴 森さん=大前茜 13話(アニメーションDo制作協力)涼宮ハルヒちゃん=平野綾 キョン=杉田智和 朝比奈みくる=後藤邑子 古泉一樹=小野大輔 長門有希=茅原実里 鶴屋さん=松岡由貴 あちゃくら=桑谷夏子 14話(アニメーションDo制作協力)涼宮ハルヒちゃん=平野綾 キョン=杉田智和 朝比奈みくる=後藤邑子 古泉一樹=小野大輔 長門有希=茅原実里 15話(アニメーションDo制作協力)あちゃくら=桑谷夏子 長門有希=茅原実里 キミドリさん=白石稔 16話(アニメーションDo制作協力)涼宮ハルヒちゃん=平野綾 キョン=杉田智和 朝比奈みくる=後藤邑子 古泉一樹=小野大輔 長門有希=茅原実里 17話(アニメーションDo制作協力)涼宮ハルヒちゃん=平野綾 キョン=杉田智和 朝比奈みくる=後藤邑子 古泉一樹=小野大輔 鶴屋さん=松岡由貴 18話(アニメーションDo制作協力)涼宮ハルヒちゃん=平野綾 キョン=杉田智和 朝比奈みくる=後藤邑子 古泉一樹=小野大輔 長門有希=茅原実里 鶴屋さん=松岡由貴 新川さん=大塚明夫 森さん=大前茜 19話(アニメーションDo制作協力)涼宮ハルヒちゃん=平野綾 キョン=杉田智和 朝比奈みくる=後藤邑子 古泉一樹=小野大輔 長門有希=茅原実里 鶴屋さん=松岡由貴 キョンの妹=あおきさやか 谷口=白石稔 パロディ(いっぺん死んで見る=地獄少女、おそらく杉田のアドリブ) 20話(アニメーションDo制作協力)あちゃくら=桑谷夏子 長門有希=茅原実里 キミドリさん=白石稔 21話(アニメーションDo制作協力)涼宮ハルヒちゃん=平野綾 キョン=杉田智和 朝比奈みくる=後藤邑子 古泉一樹=小野大輔 長門有希=茅原実里 鶴屋さん=松岡由貴 新川さん=大塚明夫 森さん=大前茜 進行役のお姉さん=松元恵 観客=白石稔 22話(アニメーションDo制作協力)あちゃくら=桑谷夏子 長門有希=茅原実里 キミドリさん=白石稔 23話(アニメーションDo制作協力)涼宮ハルヒちゃん=平野綾 キョン=杉田智和 朝比奈みくる=後藤邑子 古泉一樹=小野大輔 長門有希=茅原実里 無限ライオン=松岡由貴 24話(アニメーションDo制作協力)あちゃくら=桑谷夏子 長門有希=茅原実里 キミドリさん=白石稔 25話(アニメーションDo制作協力)涼宮ハルヒちゃん=平野綾 キョン=杉田智和 朝比奈みくる=後藤邑子 古泉一樹=小野大輔 長門有希=茅原実里 鶴屋さん=松岡由貴 放送されるまでの経緯 2008年8月26日……漫画『涼宮ハルヒちゃんの憂鬱』、二次創作同人である『にょろーんちゅるやさん』がアニメ化すると月刊少年エース10月号で発表された。放送媒体はYoutubeの再生画面からハルヒちゃんが出てくるピンナップから『Youtube配信のみ』になるのではないかと予想されているが、『アニメ化決定』としか公式発表されていないので不明。スタッフやキャストも含めて未定。2008年12月18日に公式サイト上で。『Youtube』の角川アニメチャンネルで配信すると発表されました。 2008年9月8日……月刊ニュータイプ10月号にて『ハルヒちゃん、ちゅるやさん』のアニメ化について続報。制作会社は2期もとい新アニメと同じく京都アニメーションで、監督も同じく武本康弘氏とのこと。なおネタ扱いではなく、真剣に作っているとのこと。版権絵はどちらの絵とも西屋氏が原画で仕上が石田氏であることから、新アニメとはスタッフは被ると考えて良いようだ。監督のほか『涼宮ハルヒちゃん、ちゅるやさん』ともに、キャラクターデザインは西屋太志氏であることも発表され、『両作とも本編とは別に一味違った楽しい画面を作っていきたいと思います。』と意気込みを語っている。ソースはこちら。 2008年11月26日……月刊少年エース1月号にてキョンとハルヒちゃんの設定ラフが発表された。なおクレジット表記も(C)谷川流・いとうのいぢ/えすおーえす団 (C)谷川流・ぷよ/えすおーえす団に変更されている。 2008年12月10日……ニュータイプ1月号の付録に『にょろーん、ちゅるやさん』のクレジットも(C)谷川流・いとうのいぢ/えすおーえす団 (C)えれっと/えすおーえす団と発表された。 2008年12月18日午前4時23分……SOS団公式サイトにて消失イベントが行われ、ハルヒちゃん ちゅるやさんの詳細スタッフとキャスト 配信媒体が発表された。スタッフは色彩設定、撮影監督、美術監督が追加され、一部は1期『涼宮ハルヒの憂鬱』とは異なる。キャストは現時点の発表では、1期『憂鬱』とは変更なし。『Youtube』の角川アニメチャンネルで配信し、『出来たら配信、気が向いたら更新』とされている。 2009年01月17日……『喰霊-零-』、『ハルヒ』のプロデューサーである、伊藤敦プロデューサーによるとレギュラー出演しているランティスネットラジオ「喰霊-零-」超自然災害ラジオ対策室第14回において、『ハルヒ2期』について述べ、脚本の本読み段階に進んでいたが、喰霊の制作のため少し延期していたらしく、京アニに対して申し訳なかったと述べていた。制作中と思われる。なお、ハルヒちゃんはまだやっていない(=放送していない)とのこと。 2009年01月23日……公式サイト上で『涼宮ハルヒちゃんの憂鬱』、『にょろーん、ちゅるやさん』のアニメーション第一回の配信日時が2月13日22時ごろと発表された。テーマ曲も発表されており、キャストの表記が追加されていたり、スタッフが追加されている。 2009年02月08日……公式サイトに涼宮ハルヒちゃん、キョン、長門有希、朝比奈みくる、古泉一樹、朝倉涼子などの設定画が掲載された。 2009年02月10日……月刊ニュータイプ3月号にてハルヒちゃん、ちゅるやさんに関して、スタッフ・キャストの発表ともに、監督、キャスト陣のインタビューが掲載されていた。(平野、杉田、後藤、茅原、小野、松岡、桑谷、白石、あおきさやかなど(松元はインタビュー未掲載))なお、ハルヒちゃん、ちゅるやさんはシナリオはなく、 漫画の四コマから直接コンテを書いている とのこと。谷川氏やプロデューサーも四コマのアイデア出しをしたと監督は述べている。ハルヒちゃんの版権絵は西屋太志が原画を担当している。 2009年02月10日……月刊コンプティーク3月号のほうは、にょろーん、ちゅるやさんのほうに特化していたが、インタビューはニュータイプの増補版。ちゅるやさんの版権絵は坂本一也。2009年02月11日……月刊コンプティーク3月号や月刊ニュータイプ3月号で省略されたキャスト陣のインタビュー部分も含めて全文掲載&1話アフレコしたキャスト陣の写真が掲載された。http //anime.webnt.jp/nt-news/?detail=817 2009年02月13日……予定時間の22時ごろの配信で専用バナーは用意されたものの、そこをクリックすると、タイトルが『涼宮ハルヒちゃんの憂鬱 第1話』とともに内容はヨットが海で航行している映像いわゆる『Nice boat.』動画だった。(2月14日午前8時)の時点で閲覧回数は20万を突破。コメントも2000を大幅に超えており、関心の高さが伺える。(2期発表を含めて)散々待たされた挙句の「Nice Boat」に失望するコメントが目立つ一方、Youtubeが端緒である「Nice Boat」を大胆に採用したネタを評価する声、『団長の気まぐれにより、配信日時、更新日時はコロコロ変わる可能性があります。ご容赦ください』と予め公式サイトで明言されていたことから、今回のネタを織り込み済みとする声も多く、現時点では評価が真っ二つに割れていると見るべきだろう。 2009年02月14日……-2月14日午後2時ごろ、「ハルヒちゃん第1話」「ちゅるやさんそのいちっ」「ハルヒちゃんOP」が無事公開された。「Nice Boat」は非公開になっている。ハルヒちゃん・ちゅるやさん共に原作を忠実になぞった内容で、全編CGで制作されている。なお、OP映像に第2回以降のものと思われるアニメ映像が使われていることから、すでに複数回の制作が進んでいる模様。 2009年02月17日……午後10時ごろ2話目の配信開始。1話目はハルヒちゃん、ちゅるやさんとともに配信停止。と思われたが、数時間後1話が再配信された。 2009年05月04日……『涼宮ハルヒちゃんの憂鬱』、『にょろーん、ちゅるやさん』の公式ホームページリニューアル。