約 3,071,663 件
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/5029.html
俺が朝目覚めると、目の前にハルヒの寝顔があった。 一瞬戸惑ったが、昨日のことを思い出す。 ちなみに俺達は付き合っていたのだが、こういうことをしたのは今回が初めてだ。 俺もまぁしたくないわけではなかったのだが、ハルヒに拒否されるかと思うと怖くて出来なかったんだ。しかし、昨日ハルヒが俺のことを挑発してきて、ついに俺の理性がぶちぎれてしまったわけだ。 そう、俺とハルヒはその何と言うかまぁそういうことをしてしまったわけだ。 ハルヒは中学時代に付き合いまくってたにも関わらず初めてだった様だ。まぁ、俺もそうだったがな。 そんなことを思いながらハルヒの寝顔を見る。 やっぱりきれいだ。俺の自慢の彼女だもんな。 時計を確認すると、そろそろおきたほうが良い時間のようだ。今日は学校もあるしな。さぼろうかと思ったが、ハルヒと二人でさぼったら古泉たちに何を言われるか分からん。 さて、ハルヒを起こすか。 俺が起こすと、ハルヒは比較的寝起きが良いようで、スッと起きた。 「おはよう」 あぁ、おはよう。体、大丈夫か? 「あ、うん///大丈夫そう。ちょっとスースーするけど…」 学校行けそうか? 「大丈夫」 そうか、じゃ早く準備して行くぞ。 「キョン、おはようのキスして。」 あぁあぁ、わかりましたよ。 チュッと軽いキスを落とす。 「ねぇ、もっとやってよぉ」 仕方ねぇな・・・学校前だぞ? 俺たちはさっきより濃厚なキスをした。 「ぷはぁ・・・キョン、朝から激しすぎよ。」 すまん、お前が可愛すぎだからだ。 「もう///」 すると、俺はあるいたずらを思いついた。 おいハルヒ、お前今日俺のいう事聞いてくれるか? ちなみにこういうとき、ハルヒは大抵俺のいう事を聞いてくれる。付き合う以前はともかく、こいつから告白してきたし、ハルヒは俺と二人っきりの時は比較的素直だ。 「何?キョン」 これ挿れて学校行ってくれないか? 「え、これって…」 俺達は昨日、初夜だとは思えないほど激しいプレイをし、道具なども使ったわけだ。 俺の手に握られていたのは、昨日ハルヒの前戯に使ったバイブだった。 「でも…」 いいだろ? 「ばれちゃわないかな?」 大丈夫だよ、お前もスリルは大好きだろ? ほら入れるぞ。 「あ・・・ん」 ハルヒの中にバイブを入れる。 「ん・・・あぁん・・・」 おいハルヒ、もう感じてるのか?一日持たないぞ? 俺の中で何かのサディズムが目覚めてしまったようだ。 まぁ、付き合う以前は散々尻に敷かれていたし大丈夫だろう。 何やかんやあったが、俺達は無事に学校に時間通りについた。何とか一緒に来たこともばれなかったようだ。 そして ハルヒの膣には今バイブが挿入されている。 授業は始まったが、ハルヒは真っ赤な顔をしたままずっと下を向いたままだ。 かくいう俺はチラチラと後ろを確認している。 すると、ハルヒが俺をつついて小さな声で言ってきた。 「キ、キョンー…あ・・・はぁ・・・もう無理っぽいよぉ・・・」 確かに、もうハルヒの秘部から出たと思わしき匂いが充満し始めている。このままじゃばれてしまうかもしれない。 じゃぁ、この授業が終わるまで我慢できるか? 「が、頑張ってみるわ・・・」 休み時間になった瞬間、ハルヒが話しかけてきた。 「キョンー・・・早く抜いてぇ・・・もう無理だよぉ」 そうかそうか、よく我慢したな。 ほら、立て。保健室行くぞ。 ハルヒは立とうとしたが、その瞬間にしゃがみこんでしまった。 「キョン、立てないよぉ、足に力が入らない・・・」 仕方がない、俺はハルヒをお姫様抱っこして保健室に行った。 すると、ちょうど良いことに保健の先生は居なかった。 ほら、ハルヒ、寝転がれ。抜いてやるから。 「ありがと・・・キョン。」 ハルヒは顔を真っ赤にしていて、相当感じているようだ。 俺はハルヒをベッドに寝かせ、先生が来てもばれないようにベッドの周りのカーテンを閉める。 ハルヒ、足を開けろ。 グチョ、ヌチャ いやらしい音を立てながら、ハルヒが股を開く。 俺はパンツの上から、軽くハルヒの秘部を撫でる。 「あ・・・」 ビチョビチョじゃないか、むしろ洪水だ。感じてるのか?ハルヒ。 「ん・・・もう、キョンのせいなんだから。」 俺はハルヒのパンツをずらし、バイブを抜いた。 抜いたあとにハルヒのハルヒの穴を見ていると、何かを求めているようにヒクヒクしている。 「キョン、そんな見ないで・・・」 そうか。 俺はそういうとハルヒのパンツを元に戻した。 正直俺も今すぐにでも押し倒したかったし、俺の息子もかなり大きくなって居た。それにハルヒも感じていて、もっとして欲しいようだ。だが、あえて裏切ってみる。 「え・・・?キョン、もっとしてくれないの?」 何言ってるんだ、ここは学校だぞ?家まで我慢できたらやってやるよ。 「えー・・・」 やれやれ、これからあと学校が終わるまで、俺もハルヒも耐えられるかな・・・ っていうか初めてなのに二人ともやりすぎだろw
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/4455.html
「覚えてないのも当たり前ですよね、だって私が記憶をけさせたんですから」 俺はこの一言に、愕然とした。なんだって? 内から込み上げる怒りという衝動を抑えつつ問いただすことにした。 「何故、俺が記憶を消されなくてはならないんだ?」 なんとか抑えたものの、表情までは抑えれなかったかもしれん。 少しの沈黙が、俺を不愉快にさせる。自然に拳に力がはいってしまっていた。 俺の目の前の少女は不適な笑みを浮かべ、 「あなたは、涼宮ハルヒの鍵であり、佐々木さんの鍵でもあるからです」 俺は自分の耳を疑った、佐々木?なんで佐々木が? それに鍵だって?なんの事かさっぱりだが、古泉もそんなことを言っていたような気がする。 少女は続けて、 「私は佐々木さんの友達、いや。佐々木さんとの契約者とでもいったほうがいいでしょう」 契約?なんのことか解らないが、どうやらこいつは佐々木と少なからず縁がある者らしい。 「あなたはね、私の計画とは違う動きをされてもらっては困るのですよ」 さてね、俺がなにしようがお前には関係ないし、指図されるのはごめんだね。 俺は皮肉を込めて言ったつもりだが、少女は気にすることなく続けた。 「あなたが佐々木さんを裏切るような事をするからいけないのです。 あなたは佐々木さんだけを見ていればよかった。そうしたら、世界は幸せになれたのに。 涼宮ハルヒにあの能力を持たせていればいずれは世界は滅んでしまう。 彼女は感情を露にしすぎですし、なによりコントロールできていませんから」 と饒舌に語りはじめるそいつを俺は黙ってみていた。 それもそうだ、ここ数日で俺の周りが目まぐるしく変化しているからだ。 これで混乱しないほうが普通ではない。 「佐々木さんはいいました、あなたを手に入れられるなら。 他はなにもいらないと、だから私は彼女にあなたを与える計画を企てたってところです。 それでも、私一人じゃ出来ないことなので彼女に協力していただきました。」 少女が指を指した方向に目をやった、しかし最初はそこに何が在るか解らなかった。 目を凝らしてみると、確かにそれはいた。俺はこいつを知っている。 だが記憶に靄がかかり、鮮明に思い出すことは不可能だった。 俺が呆気に取られた表情を浮かべていたのか、少女はクスッと笑った。 「あなたの側に未来人の子が一人いますよね。実は私の側にも一人います。 彼が言うには涼宮ハルヒが能力を持ち続けるのは規定事項だ。というんですよ。 でも、それが事実であれば私達はただの脇役でしかなくなっちゃいますよね。 私はね、未来は与えられるものじゃなく造るものだと思っているんです。 これは私達の組織の創意でもあるんですが。 そう、与えられなかったが為にそれを欲するのは至極当然の事だと思うんですよ。 それに、彼ら未来人は過去を固定する為だけに暗躍するんですよ。 可笑しいですよね、未来から来てるならその未来が確立されているはずのに、 だから私達の考えでは、「過去」つまり現在に当たるのですが、 実にあやふやなものなのじゃないでしょうか。あなたもそうだったはずです。 なにも告げられずにただ言われたままに動いて未来を確立させられていた。 とはいっても、今のあなたは覚えていないでしょうけど」 俺は自分の知識以上の事を言われ、更に混乱しはじめていた。 それに、頭も割れそうに痛み出してきた。くそ、なんだってんだ。 少女は笑顔を殺し、俺の側に歩みよってきた。 「だから、私は未来を変えたいと思うんですよ。だからそれにはあなたが必要なんです」 というと、少女は足を翻し背を向けた。遠くに佇む得体の知れないものになにか話しかけているようだが。 ここで逃げ出せばよかったものの、強張る体と痛む頭の所為で俺は身動きできなかった。 少女はこちらを振り返り話を続けた。 「あなたを助けにくる人は誰もいません。彼女に結界を張って頂いているので、 長門さんも気付いていないはずです」 長門だって?俺は痛む頭を支えながら少女に問いかけた。 「あら、今のあなたは聞いていないんですか?まぁいいでしょう、教えてあげます。 彼女は対ヒューマノイドインターフェイス、情報統合思念体が派遣したアンドロイドです。 アンドロイドといっても、体を構築しているものは私達と一緒らしいんですが。」 なんですか、そのなんたら思念体っていうのは。くそっ訳がわからなくなってきた。 俺が困惑の表情を浮かべると、少女の顔付が変わった。 「そろそろ始めましょう。これからあなたにはただの人形になって頂きます。勿論、 これから喋ることも出来なくなると思います。本当はすぐ死んで頂きたいんですが、 そうするとかなりの確立で情報爆発が起こる可能性があるので、 無駄な事は私達は望んでいないのです。情報爆発のタイミングが必要なんですよ。 だから、あなたにはそれまで生きた屍になって頂きます。」 はは、何を言い始めるんでしょうこの人は。 と笑っている場合ではない、はやくここから逃げないと。 「無駄ですよ、周防さんお願いします」 少女がソレの名前を読んだその瞬間、一瞬で俺の目の前にきたソレは無機質な表情をしていた。 その曇ったガラスみたいな瞳に俺が映りこんでいた。 あぁ、俺は今恐怖に駆られているんだ。それは絶望でもあった。 ソレの手が俺の頭を掴み、何かを高速でつぶやき始めた。 その瞬間俺の頭の中が掻き乱されるような激痛が走った。 「やめ、やめろ…うがぁが…」 俺は声を張り上げることすら不可能になっていた。 さっきまであんなに幸せな時間を過ごしていたのに、脳裏に浮かんだ映像が全て消えていく。 だんだんと意識が薄れ、俺は気を失った。 どれくらい眠っていたんだろう、ピッピッっという電子音で気が付いた。 俺の目の前には真っ白い天井があった。ここはどこなんだ。 少し考えにふけっていると、唐突にそれは訪れた。 俺は、誰だ。 言い知れぬ恐怖と、絶望が俺を襲った。
https://w.atwiki.jp/win7890/pages/107.html
autolink 温玉@wiki > 登場人物 > きゃぶっち > 声まね一覧 > 涼宮ハルヒ 涼宮ハルヒ 編集中
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/5013.html
涼宮ハルヒのOCG③ (2008/9/1の制限改訂です) 「やっほー! みんな、新しい制限改訂が出たわよーーー」 団員全員が机に座って向かい合ってるという、いつもと少し違う日常を過ごしていた俺たちだが、その日常を変えるのが、ドアを蹴破るようにして部室に入ってきた我らが団長涼宮ハルヒ。まったく、もう少し静かに入ってきてくれ。ドアが壊れても俺は知らんぞ。 「さっきコンビニ行ってVJ買ってきたわ、みんな見ていいわよ?」 なんかえらくハルヒが上機嫌だな。とはいえ制限改訂となれば俺も気になる。前回は死者蘇生が戻ってくるなんていうハプニングもあったしな、どれどれ・・・。 新禁止が・・・早埋、混黒、次元融合とかか、まあ妥当だな。インスタントワンキルはもうこりごりだ。サイドラも制限か、世界大会での採用率が高かったらしいしこれも普通かな? 準制限と制限解除が・・・・ 「裁きの龍はライトロードというファンデッキのエースカードのはず、準制限は疑問。」 長門、それは流石に無理があるぞ。制限にならなかっただけでも喜ぶべきだ。 「・・・そう」 「ダムドが準制限でよかったあ。それに増援とディアボリックガイが解除です。これは私の時代が・・」 朝比奈さんがいつものメイド服のままはしゃいでいる。というか朝比奈さん、未来人ならこの制限改訂の結果も知ってたんじゃないですか? 「ふふ、禁則事項です☆」 朝比奈さんはいたずらっぽくウインクしながら、ハルヒのお茶を淹れる為に食器棚に向かっていった。今回の制限改訂、うーんまあ風帝が緩和されなかったのが俺としては残念だ。邪帝が無制限なら風帝ももう少し緩和を・・・、んっ、ちょっと待て、ダムドビートはダムドが準制限、ライトロードは裁きの龍が準制限。剣闘獣はどうしたんだ? 「どうやら○ナミも剣闘獣の規制に関してはお手上げだったようですね。」 頼んでもいないのに古泉がしゃべりだした。お手上げなんてことはないだろ、ガイザレスなりベストロウリィなりチャリオットなりを規制することはできたはずだ。 「そうは言われましても、もう発表されてしまったものはしょうがないです。僕としては、これで今日は閉鎖空間へ行かなくて済みそうなので大歓迎ですが。」 といいつつハルヒを見ると満面の笑みを浮かべている。やれやれ、この改訂もハルヒが願ったからなんて言わないでくれよ。 「さあみんな!デッキを新制限にむけて組みなおすわよ!キョン、あんたは大してデッキ変わんないんだから、有希やみくるちゃんが組みなおしてる間にあたしと勝負しなさい!」 よーし受けてたってやる。環境最前線ばかりが強いわけじゃないてことを教えてやるぜ。 「キョンのくせに生意気ね、マッチで勝ったほうがジュースおごりよ。ジャンケン、ポン!あたしの先攻!」 こうしてやたら白熱した放課後は過ぎていった。正直に言おう、けっこう楽しい。 カバンをとって部室をでようとすると誰かに袖をつかまれた。こういうことをやるやつは1人しかいない。 「どうした?長門。」 振り返ると黒曜石のような目をして俺をみているヒューマノイドインターフェイスがいた。何かいいたそうだな。 「今日、7時にいつもの公園に」 長門は透き通るような声でそれだけをいうと、すたすた歩いていった。またなんか事件か?ハルヒは今日終始ご機嫌なように見えたのだが。もしかしたら長門自身のことかも知れない。まあいずれにせよ、長門の頼みを断る理由なんてあるわけない。俺でも長門の役にたてるなら、なんだってやるさ。 家族には適当な言い訳をして俺はいつもの公園へとチャリをとばしていた。あの公園もいろいろあったものだ。まだ眼鏡だったころの長門との待ち合わせ、朝比奈さんとのタイムトラベル、さて今度はなんだろうか。とまあいろいろ考えてるうちに公園に着いた。だが、珍しいことに長門はまだ来ていなかった。まさか時間か場所を間違えたか?だが、まだ時間前だったのでベンチに座って待っていると、 「久しぶり」 背後から聞き覚えのある声がかけられた。と、同時に俺は身震いして声のした方へ身構えた。この声は・・・ 「5月以来?それとも冬以来かな?」 クラスの元委員長にして情報統合思念体急進派のインターフェース、消えたはずの朝倉涼子が立っていた。 「どういうことだ、なんでお前がまたここに?」 俺は少しずつ後ずさりながら言った。くそっ、部室にいた長門は偽者だったのか?いや表情を見る限りそんなことはなかったはずだが・・・ 「あれ、長門さんから聞いてないの?」 朝倉は微笑みながらゆっくりこっちへ近づいてきた。その手にはいつのまにかナイフが握られている。そして周りの風景はいつかの情報封鎖空間と化していた。やばい、マジでやばい。長門、来れるなら来てくれ・・・・ 「彼に説明するのを忘れていた。・・・うかつ。」 長門が俺のすぐ横にいた。長門、頼むからどういうことか分かりやすく説明してくれ、俺では理解できん。 「今目の前にいる朝倉涼子はあなたに害意をもっていない。彼女は一度情報連結を解除された後、思念体に回帰し派閥を変えて穏健派となった。穏健派になって以降の彼女とは私は定期的に連絡をとっていた。最近の活動内容を話したところ、彼女も興味をもち、今日はあなたとデュエルするためにここに私が呼んだ。だが彼女はまだインターフェースを持たない為、通常空間では長く存在することが難しい。よってこの空間を生成し、現在に至る」 長門にしては分かりやすい説明だ。だがなんで朝倉はナイフをもっているんだ? 「それは・・・」 「演出、そうよね?長門さん」 「そう。」 まったく勘弁してくれ。こっちは寿命が3年ほど縮まったような気がするぞ。 「驚かせてごめんね。で、さっそくデュエル始めない?」 朝倉は悪びれた様子も無く笑い、ナイフを捨てて(ナイフはすぐに消えた)言った。いや、別にやるのは構わないんだが、机も椅子も無いこの空間でどうやってやるんだ?というか俺はデッキをもってきてないぞ。 「私が今作成した。こっちがエキストラ。」 長門がデッキを俺に向かって差し出していた。スリーブの色までまったく同じだ。ちなみに茶色だ。朝倉は濃紺のようだ。 「方法は・・・せっかく情報封鎖空間にいるんだし、ちょっとリアルにやってみない?」 朝倉はそういうと例の高速詠唱を始めた。3メートルほど離れて対峙していた俺と朝倉それぞれの前に、半透明で空中に静止しているデュエルフィールドが現れた(なんかスペースがいつもより1つ多いと思ったら除外ゾーンだった。○ナミより気がきくんだな) 「やり方はいつもあなたたちがやってるのと全く同じ。ただ、モンスターや魔法・罠がCGで私たちの間に実体化されるだけ。それじゃ、準備はいい?」 こうなったら俺も男だ。売られた勝負は買ってやるぜ。それに今回は命の危険があるわけでもないしな。いざとなったら長門がいる。どうにでもなるさ。よし、いつでもいいぞ朝倉。 「ただ決闘普通に決闘やっても面白くないから、何か賭けをしない?」 賭けだと?別に構わないが、互いの命を賭けるとかは無しだぞ。 「もう、そんなこと言わないって。信用無いなあ、私」 とはいっても俺は二回もお前に殺されそうになってるんだ、そのくらいは警戒して普通だろ? 「二回目はここにいる私の意志と関係ないんだけどな・・・。まあいっか。負けたほうが勝ったほうの言うことを一つだけ有機生命体ができる範囲でなんでも聞く。これでいい?」 了承だ。ならジャンケンだ朝倉、先攻後攻を決めないとな。 「先攻はあなたにあげる。5月のおわびも兼ねて。」 少々詫びる観点がずれてる気もするが、くれるものはありがたくもらっとくぞ。俺の先攻、ドロー! ハーピイ・クイーンを攻撃表示で召喚。カードを一枚伏せてターンエンドだ。 「私のターン、ドロー。豊穣のアルテミスを攻撃表示で召喚。カードを3枚伏せてターンエンドよ。」 俺のターン、ドロー。やたら伏せカードが多いのが気になるな・・召喚権は残しておこう。バトルフェイズ、ハーピイ・クイーンで敵モンスターに攻撃だ。 「攻撃宣言時に伏せカードを発動するわ、次元幽閉。」 そうはいくか、こっちも伏せカードオープン、ゴッドバードアタックの効果でハーピイ・クイーンをコストに・・・ 「うん、それ無理。チェーンして魔宮の賄賂を発動。ゴッドバードアタックは無効ね。」 くっ・・・魔宮の賄賂の効果で1ドロー。逆順処理終了か。しかしこのCGシステムはリアルだな、本当に次元の裂け目にハーピイ・クイーンが吸い込まれていきそうになりやがった。ダイレクトアタックの時はどうなるのか、考えたくも無いね。 「魔宮の賄賂で罠カードをカウンターしたことにより、手札より冥王竜ヴァンダルギオンを特殊召喚するわ。残念ながらあなたのフィールド上にカードがないから効果は不発だけどね。」 なんだって、これは予想してなかったぜ。というか朝倉のデッキはパーミッションか。けっこう頭使うんだよな、このデッキは。 「さらに豊穣のアルテミスの効果で1ドロー。あ、安心して。このデュエル中、私は一切の情報操作は使えないわ。普段なら読もうと思えばいつでも読める有機生命体の情報をあえて読めなくすることによって駆け引きがうまれる。こんなに面白いことはないわね」 朝倉はニコリと微笑んだ。1学期当初に見ていた笑みとは違って、心から楽しんでいるような笑みだった。こいつもこんな笑い方するんだな。メイン2、裏守でモンスターをセット、カードを一枚伏せてターンエンドだ。 「私のターン、ドロー。ねえキョン君、私は派閥を移して長門さんと定期的に連絡をとるようになってから、昔はわからなかった感情とかがいろいろと理解できるようになったわ。パーミッションのデッキを組んだのも、相手との駆け引きがしたかったから。ただ単純にモンスター効果で攻めて倒すのは私にとってつまらないの。」 今日はよくしゃべるんだな、朝倉。別にしゃべるのは自由だがお前のターンだぞ。 「普段は長門さんとしかしゃべらないからね・・。少し嬉しくて。バトルフェイズ、ヴァンダルギオンで裏守に攻撃よ」 裏守は魂を削る死霊だ。こいつは戦闘では破壊されない。どうする朝倉? 「どうしようもないわね。1枚伏せてターンエンドよ」 俺のターン、一枚ドローして、メイン入るぞ。霞の谷の戦士を召喚。7シンクロで呼び出すのは、ブラック・ローズ・ドラゴン。誘発効果で全体除去を・・ 「モンスター効果にチェーンしてコストを払い天罰を発動。効果は無効に・・」 あまいぜ朝倉、こっちも天罰にチェーンして伏せカード発動!神の宣告だ。ライフを半分払って天罰を無効にする。 「そんな・・・。」 ブラック・ローズ・ドラゴンの効果は有効。よってフィールド上のカードは全て破壊だ(全体除去は爆発するんだな・・。これもなんかリアルだ)。俺はこのままターンエンドだ。 「アルテミスの永続効果でドローするわ。全体除去をした後にフィールドに何も伏せないの?こっちがモンスター召喚したらダイレクトアタックをうけるわよ?」 ああ、かまわん。これしかなかったんだ。パーミッションならモンスターもそう多くはないだろう。大丈夫だ、多分。 「私のターン、ドロー。残念、いいモンスターはひけなかったみたい。裏守をセット、カードを2枚伏せてターンエンドよ。」 正直助かった。ライオウとかでてきたらどうしようかと思ったぜ。やれやれ。俺のターン、ドロー、よしいいカードを引いたぜ。手札から(今ドローした)死者蘇生を発動、墓地のハーピイ・クイーンを蘇生させる、ハーピイ・クイーンをリリースして邪帝ガイウスを召喚、効果で裏守を除外するぜ。裏守は・・・・おっと危ねえ、マシュマロンだ。さらに墓地の風闇2体を除外してダーク・シムルグを特殊召喚!2体で攻撃だ。 「両方とも通すわ。けっこう痛いわね」 これで朝倉のライフは2800.俺は4000.どうなるかはまだ微妙なところだな。ターンエンドだ。 「ドロー、豊穣のアルテミスを攻撃表示で召喚、ターンエンドよ。」 俺のターン、朝倉の場には伏せカードが2枚。1枚はさっきの召喚・攻撃のときなにも発動しなかったからおそらくブラフだろう。問題はもう一枚だが・・・。あれが何かのモンスター破壊だったとしても、もう1体の攻撃は通る。伏せが少ない時にパーミッションは叩いとかないとまずいからな。ちなみに聖バリはさっきブラックローズの除去のときに墓地へ行ったのを確認してあるぜ。よし行くか、邪帝でアルテミスを攻撃! 「ダメージステップに速効魔法、収縮を発動するわ」 くっ・・・400のダメージか、だがこれは想定内だ。ダルシムで豊穣のアルテミスに攻撃だ! 「それも無理、ダメージ計算時、手札からオネストを墓地に捨てて効果発動よ」 うおっ・・これはやばい、やばすぎる。俺のライフは残り2000。オネストめ・・ああ忌々しいカードだ。だがまだ召喚権が残っていたのが幸いだったな。裏守を一枚セット、カードを一枚伏せてターンエンドだ。 「オネストは忌々しいカードではない。非常に有用。」 今まで黙っていた長門が急にしゃべりだした。どうやら俺が忌々しいって言ったのが耳に入ったようだ。まあそりゃ長門もライトロード使ってるんだし有用なのは分かるが・・・こっちとしては嫌なもんなんだぜ。 「・・・そう。でも環境を破壊するカードではない。」 そうだな。仕方ないなオネストは。分かったからこっちを微妙に睨まないでくれ長門。 「えーっと私のターンに入っていいかしら?」 ああすまん朝倉、デュエル中だったな。どうぞやってくれ。 「アルテミスで裏守に攻撃よ」 攻撃宣言時に聖なるバリアミラーフォースを発動だ。チェーンは・・ 「あるわ。罠にチェーンして神の宣告を発動。聖バリは無効にするね」 マジでくたばる5秒前、ずっと伏せてあったカードはブラフじゃないかったのか。やられたぜ朝倉。だがまだ俺のライフポイントは残るはすだ。 「罠カードをカウンターしたことにより、手札からヴァンダルギオンを特殊召喚。これで終わりね、キョン君。ヴァンダルギオンの攻撃!死になさい。」 まだだぞ朝倉、さっき破壊された裏守モンスターはネクロ・ガードナー。こいつを墓地から除外してヴァンダルギオンの攻撃は無効だ。間一髪、助かったぜ。 「惜しかったわね。ターンエンドよ。」 朝倉のライフは1400、俺のライフは400。朝倉のフィールドに伏せカードはない。だが、今の俺の手札では次のターン確実に終わりだ。朝倉の言うことを何か一つ聞かなくちゃいけなくなる。・・・長門がいるからそう無茶は言えないはずだが、そんなことより俺は負けたくないね。なんとかして勝ちたい。いくぜ、俺のラストターン、ドロー! ・・きた。悪いな朝倉、この勝負俺の勝ちだ。 「手札にオネストがあるっていっても?」 朝倉はニコリとわざとらしく笑って言ったが、今の俺には関係ないね。オネストがあろうがなかろうが俺の取るべき方法は1つしかない。手札から魔法カード、地割れを発動。アルテミスを破壊するぜ。そしてハーピイ・クイーンとデスカリバーナイトを手札から除外して、ダーク・シムルグを墓地から特殊召喚! 「ヴァンダルギオンの攻撃力は2800。ダルシムじゃ勝てないわよ。」 ああ、わかってる。だが俺はまだバトルフェイズに入ってないんだな。ダーク・シムルグをリリースして、風帝ライザーをアドヴァンス召喚!起動効果でヴァンダルギオンをデッキトップに戻す。バトルフェイズ、風帝ライザーでプレイヤーにダイレクトアタック! 朝倉のライフが0になった瞬間、俺らの前に展開していたデュエルフィールドが消滅した。 「あ~あ残念。まさかあの状況から負けるとは思わなかったな。」 俺だって風帝を引かなかったら負けだったさ。まあデュエルの勝負はこういう逆転劇があるからこそ楽しいんだ。 「私の負けね。キョン君、何か1つ私に命令していいよ。賭けだからね。」 朝倉は柔らかく微笑んで言った。谷口がAAランク+をつけただけのことはある。心から笑ってる朝倉は朝比奈さんやハルヒにも劣らないほど可愛いね。さて、朝倉に何か命令・・・か。まあ言うことは決まっているんだが、どう伝えるか。 「あなたの思うことを言えばいい。私も賛同する。」 長門がそういってくれると心強いな。よし、なら言うぞ・・・ 「朝倉、命令だ。俺とまたデュエルしてくれ。」 朝倉はキョトンとして首をかしげた後、言った。 「今日はもう無理だけど、長門さんに頼んで情報封鎖空間をつくってもらえば私はいつでも・・・・」 そうじゃない。俺はこんな妙な空間でお前とデュエルしたいわけじゃないんだ。お前がまた北高に戻り、俺たちと一緒に普通の生活をしてほしい。ハルヒが世界改変を行ったとき、俺はみんなに会いたいと思った。そのみんなの中に、朝倉、お前も入ってたのさ。まあ教室でやるわけにもいかないだろうが、SOS団の部室に来ればいつでもできるさ。ハルヒには俺と長門から言っておけばなんとかなる。もしかしたらお前をSOS団に勧誘するかもしれない。これが俺の命令だが、どうだ?朝倉。 「私はそうしたいんだけど・・・統合思念体は・・・」 「今許可が下りた。一両日中に以前使用していたインターフェースを用意するとのこと。ただし能力は非常時を除いて制限される。」 決まりだな。長門、北高に転入してくるときはお前のクラスにしとけよ。 「なぜ?」 長門は黒曜石のような目でこっちを見てきた。何故かって?お前もSOS団にいる時だけじゃなく、クラスにも友達がいたほうがいいだろ? 「・・・・そう。」 長門は僅かにうなずいた。俺の目の錯覚じゃなければ、少し嬉しそうにみえた。 「この空間はあと33秒で崩壊する。」 長門は視線を朝倉へと移すと、淡々と告げた。周りを見ると、よくわからん幾何学模様が渦巻いてた空間が、徐々にいつもの公園の風景になっていく。 「今日はいろいろありがとう。キョン君、長門さん。私は楽しかった。」 見ると朝倉も徐々に光の砂になって消えていた。もう上半身しかない。 「じゃあね。それと・・・・・また明日。」 消える直前に朝倉は微笑み、消滅した。同時に空間も消えて、いつもの公園とベンチがそこにあった。 「・・・あなたのおかげ、感謝する。」 長門はそれだけ言うと、俺に背をむけて歩き出した。感謝するのはこっちの方だぜ、長門。お前が会わせてくれなかったら、朝倉は戻って来なかった。それにな、気を許せる同姓の友達ってのはどんなやつにもいた方がいいんだ。改変世界での朝倉は、お前のことをいろいろと気づかってた。最後に俺を殺そうとしたのも、長門を守る為だったんだろう。今となってはそう思う。 「パーミッションか・・・。やれやれ、明日も部室は決闘祭りだな。」 そう呟いて、俺は自転車にまたがって帰路へついた。 END
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/507.html
これは「涼宮ハルヒの改竄 VersionH」の続編です。 プロローグ あたしはこの春から北高の生徒になる。 そして明日は待ちに待った入学式だ。 担任教師からは「もっと上の進学校へ行け」と言われたがそんなのは耳に入らなかった。 親父と母さんは「ハルヒの人生なんだからハルヒのしたいようにするといい」と言ってくれた。 あたしにはどうしても確かめたい事があった。 それは「あいつ」と「ジョン・スミス」の関係。 もしかしたら「あいつ」も「ジョン・スミス」もいないかもしれない・・・ 何も無い退屈な3年間の高校生活が待っているかもしれない・・・ ハンカチを返せないかもしれない・・・ でも、「あいつ」とはまた会えるという予感は3年経った今でもはっきりしている。 「あいつ」と会ったらまず何を話そう・・・ 「あいつ」と3年間の高校生活で一緒になにをしよう・・・ なんて言ってハンカチを返そう・・・ そんな期待と不安が頭を支配して全然眠れない。 もし「あいつ」がいたら同じクラスだといいな。 もし「あいつ」が同じクラスだったら席はあたしの前がいいな。 そんな「もし」をいくつも考えていたらあたしはいつの間にか眠っていた。 とてもいい夢を見ていた。 どうせなら、現実と入れ替えたいと思うような夢だった。 なんで、夢だって分かるのかって? だって、それは現実ではありえないことだったから・・・ だから夢だって分かるのよっ! どうやら夢というのは一番いいところで終わるらしい。 あたしが目を醒まし、起き上がると目覚まし時計が床に転がっていた。 寝ぼけながら投げ飛ばしたらしい。 あたしってこんなに寝起き悪かったかしら? 時計を拾って時間を確認する。 そこで頭が一気に覚醒した。 ヤバッ、寝坊したっ!! 「涼宮ハルヒの入学 version H」 慌てて部屋を出て階段を駆け下りたあたしを母さんが出迎えた。 「あらあら、ハルちゃんおはよう。女の子が朝から階段でダッシュしちゃダメよ?」 「おはよう母さん、次からは気を付けるわ。って今はそれどころじゃないのっ!!寝坊しちゃったのよっ!マズい、このままじゃ完全に遅刻よっ!どうしよ~」 も~、どうしてあいつに会えるかもかもしれない大事な日にこんな大ポカかますのかしらっ!! あたしが地団太を踏んでいると母さんがあたしの肩を叩きながら言ってきた。 「まぁまぁ、ハルちゃん落ち着いて。今日は私たちも式に参加するからお父さんの車で一緒に行くって言ったでしょ?だから、まだ時間に余裕はあるから早く準備しちゃいなさい。いつまでも地団太踏んでるとホントに時間なくなるわよ」 あ、そうだ。 今日は親父の車で行くから時間に余裕があったんだ。 「でもハルちゃんが寝坊なんて珍しいわねぇ。というかハルちゃんが学校へ行くのにワクワクするなんてあの高校には何かあるのかしら?」 それを聞いたあたしは、顔に血が昇ってくるのを感じた。 母さんの勘は鋭い。 「べ、別に、何にもないわよっ!!ただ、普通に寝坊しただけよっ!!」 って言ったって顔が真っ赤になってたら説得力ないわよね。 すると母さんはあたしを後ろから抱きしめた。 「今度は、あの子と同じ学校になれるといいわね」 あたしにはそれが恥ずかしくて、小さく頷く事しか出来なかった。 あたしには、どうしても振り払えない不安があった。 あいつ、あたしのこと覚えてるかな・・・ もし忘れられてたら辛いな・・・ 「もし、あの子がいたら綺麗になったハルちゃんをたっぷり見せ付けてやっちゃいなさい。ゴリゴリ押して勝利を掴むのよっ!!」 母さんの言葉から沢山の勇気をもらった。 あたしはその言葉に感謝を込めて、今度は大きく頷いた。 「母さん、親父はどこに居るの?」 そういえば、まだ親父に会ってないわ。 「今、車を洗車しに行ってるわ。あと10分位で帰ってくるって電話があったからサクサク準備しちゃいなさいね」 あたしは時計を見てまたパニックになった。 あと15分以内に準備を済ませないとホントに遅刻だわ。 高速で身支度を済ませたあたしは、新しい制服に身を包み洗面所の前に立っている。 さて、今日はどんな髪型にして行こうかしら。 このまま下ろして行ってもいいんだけど、なんとなく括りたい気分なのよね。 よし、今日はポニーテールにしよう。 あたしはお気に入りの黄色いゴムバンドで腰まである後ろ髪を括り立派なポニーテールをつくった。 「ハルちゃ~ん、そろそろ行かないとホントに遅刻するわよ~?」 「は~い、今行くわっ!!」 外に出ると親父と母さんがスーツ姿で立っていた。 「おはよう、ハルヒ。晴れてよかったな」 「おはよ、親父。ホント最高にいい天気ね」 あたしは雲1つないそらを眺めた。 「じゃあ、時間も無いしそろそろ行くとするか」 あたし達は、車に乗り込むと北高へ向けて走り出した。 道路は空いていて予定よりも早く到着しそうだった。 あたしは助手席から北高へ続く長い長い坂道を眺めていた。 これからはこの坂を毎日往復しなきゃならないのね・・・ 入試の時は、ハイキング気分が味わえていいなぁと思ったけど、毎日だったらうんざりしそうだわ。 そんな事を考えていたら北高の正門に到着していた。 そこであたしと母さんが車から降りると、親父は指定された駐車場へ車を置きに行った。 あたしと母さんは親父を見送ると受付へと向かった。 受付には40代位の用務員がいて、あたしはそこで名前と受験番号を答えた。 「はい、では涼宮ハルヒさんのクラスは1年5組になります。座席表は教室の入り口に貼ってありますから教室に入る前に確認して下さい。保護者の方は体育館の方にお席を用意しておりますのでそちらの方でお待ち下さい。本日は御入学おめでとうございます」 「ありがとうございます。じゃあ母さん、行ってくるわ。また後でね」 「ええ、ハルちゃん。いってらっしゃい」 あたしは用務員にお礼を言うと、母さんと別れ1年5組の教室を目指した。 教室の前に着くとあたしは自分の名前を探す前に「あいつ」の名前を探した。 けど、あたしは「あいつ」の名前を知らない・・・ なにやってんだろあたし・・・ あたしは気を取り直して自分の名前を探し出すと、教室に入り席に着いた。 教室をぐるっと見渡すと、クラスの机のほとんどに誰かが座っている。 やっぱり「あいつ」はいないのかな・・・ あたしの心を嫌な予感がどんどん支配する。 いえ、もしかしたらクラスが違うだけかもしれないわ。 きっとそうよ、後で探しに行こう。 あたしの心が期待と不安の間を揺れているとこのクラスの担任教師が入ってきた。 「みんな、おはよう。このクラスの担任になった岡部だ。これから1年間よろしく頼む。色々話をしたいがそろそろ式が始まるので廊下に出て番号順に1列に並んでくれ」 担任教師の話を全く聞いていなかったあたしは、ぞろぞろと教室を出るクラスメイトに気づいて慌てて教室を出た。 体育館に着いてパイプ椅子に座った後、あたしは他のクラスの中に「あいつ」がいないかキョロキョロと探していた。 周りのやつらから見れば、あたしはかなり変な奴だったでしょうね。 でも、そんな事を気にしてる余裕は今のあたしに無かった。 もし、「あいつ」がいなかったらこの学校に来た意味が無い。 もし、「あいつ」がいなかったらあたしの疑問は一生解けない。 もし、「あいつ」がいなかったらまたハンカチを返せない。 もし、「あいつ」がいなかったらまたあたしは一人ぼっちだ。 もし、「あいつ」がいなかったらあたしは寂しい。 幾つもの「もし」を重ねていたら式は終了していた。 その後、来た時と同じくクラス毎に並んで退場し、あたしは式が始まるまで座っていたあたしの席に座っていた。 担任教師が全員が席に着いたのを確認すると教卓から話を始めた。 「まず最初に、1つ空いてる席があるが、そこの奴は、朝階段で転んで病院行ってから来ると式が始まる前に連絡が入っている」 初日からそんなドジするなんてどんな奴よ? って、あたしも人の事は言えないか。 「では改めて、このクラスの担任になった岡部だ。みんな1年間よろしく頼む。俺はハンドボール部の顧問をしているので、このクラス全員がハンドボール部に入部してくれる事を期待している」 さっきからハンドボールの話ばっかね、他に話す事無いのかしら? つまらない担任教師の話を聞きながら、未だに誰も座っていないあたしの1つ前の席をぼーっと見ていた。 初日に階段から落ちるなんてホント間抜けよね。 いい加減、「あいつ」が居ない事でいつまでもヘコんでいるあたし自身にイライラしてきた。 でも、あたしにはどうにも出来ない。 「あいつ」と会ったあの日からまた「あいつ」と会うことだけを目標にしてきたのだから・・・ 「あいつ」と会って変わったあたしを見てもらいたかった。 七夕の日に会ったジョン・スミスと「あいつ」がどういう関係なのか確かめたかった。 でも、どうやらそれも叶いそうにないな・・・ あの日からどんな事があっても絶対に流さなかった涙が滲んでくる。 「じゃあ、まずはじめに1人1人自己紹介をしてもらおうかな。出席番号1番から順番に頼む」 どうやら担任教師のハンドボール話が終わったようで、クラスメイトの自己紹介が始まった。 どいつもこいつも同じような事しか言わない。 趣味は読書とかスポーツとか、もっと具体的な内容まで言えばいいのに。 全く、オリジナリティが欠落してるわね。 なんて、クラスメイトの評価をしていたらあたしの番になった。 よし、オリジナリティってもんを見せてやるわ。 全員、耳の穴かっぽじって聞きなさい。 あたしは勢い良く席を立った。 「東中出身。涼宮ハr「遅れてすいませんでした~」 突然のやる気の無い声があたしの勢いを全て奪った。 あたしは自分の勢いを奪われたイライラとあたし自身へのイライラの両方でかなりプチっときた。 「あ~、とりあえずスマン」 反省の色が全然見えないので鉄拳制裁してやろうとそいつを睨みつけた。 ら、そこにはバツが悪そうな顔をしたジョン・スミスが立っていた。 「ちょっとジョン、なんであんたがここにいるのよ?」 「誰だ?そのジョンというのは?頼むからこれ以上変なあだ名は増やさないでくれ。はるひ」 「じゃあ、あんたはあの時の「あいつ」なの?」 「あぁ、久しぶりだな」 「ホントにね。ってか何であたしの名前知ってんのよ?」 「それは話せば長くなるんだが、とりあえず後にしよう」 は?なんで?と頭に?マークを浮かべていると「あいつ」は手で周りを見るように促してきた。 あたしはグルッと教室を見渡すと、クラスメイトが苦笑いしていた。 あたしはそんなのを気にしないけどこれから幾らでも話が出来るんだから今は我慢する事にした。 「あいつ」は担任教師に報告を済ませると、あたしの前の席に着いた。 階段から落ちたドジってこいつだったのね。 「じゃあ、今来た○○○○には最後に自己紹介をしてもらう。悪いが涼宮もう一回頼む」 すっかり勢いを無くしたあたしは 「東中出身。涼宮ハルヒ。趣味は不思議探索です、以上」 という中途半端な自己紹介しか出来なかった。 あとで「あいつ」にたっぷり文句を言ってやるわ。 その後、「あいつ」の自己紹介を期待していたんだけど、平凡な自己紹介だった。 ちょっと、がっかりね・・・ でも、あたしは「あいつ」の事何にも知らないのよね。 これから、「あいつ」の事いっぱい教えてもらおう。 そして、「あいつ」にあたしの事も知ってもらおう。 あの日から、頑張ってきた事を聞いてもらいたい。 今日の予定は全て終わったみたいでSHRの後解散になった。 あたしが「あいつ」に文句を言ってやろうとした時、他のクラスメイトが「あいつ」に話しかけていた。 「キョン、朝から災難だったみたいだね~」 「あぁ、全くだ」 どうやら「あいつ」のあだ名はきょんっていうみたいね。 あたしがそう呼んでも怒らないかな? 「キョン、この後はどうするの?」 「あぁ、ちょっと用事がある」 「そうなんだ、じゃあまた明日ね」 「あぁ、じゃあな国木田」 キョンが友達を見送るとこっちを見てきた。 「な、何よ?キョン」 それを聞いたキョンは少し驚いた顔をした後「やれやれ」と言いながら溜息をついた。 あたしにはそれがなんだかくすぐったかった。 「お前も、俺をその名で呼ぶのか?出来たら勘弁してもらいたいのだが」 「いいじゃない。キョンの方が愛嬌があるんだから」 「はぁ、もう好きにしてくれ」 もっと、言いたい事が沢山あったはずなのに、何も頭に浮かんでこない。 「そうするわ。でもホントに久しぶりだわ。キョンはあんまり変わってないわね」 背が伸びて格好良くなったなんて今のあたしにはとても言えそうにないわ。 「ははは、そうかもな。ハルヒはとっても綺麗になったな。一瞬誰か分らなかったぞ」 しばらく何を言われたのか理解できなかった。 理解したらぐんぐん顔が熱くなるのが分かった。 キョンはあたしの様子を見て、自分が何を言ったのか理解したらしい。 キョンも顔が真っ赤だわ。 全く、初日から何してるのかしらあたし達・・・ その時、あたしの携帯が鳴った。 発信は母さんだった。 キョンの方を見るとキョンの携帯もなっているようだわ。 あたしはキョンの方を見るとキョンもこっちを見てきて無言で頷いた。 あたしも頷き返すと電話に出た。 もうちょっとキョンと話がしたかったな。 「もしもし、母さんどうしたの?」 「あ、ハルちゃ~ん。お疲れ様~、今から昼ごはん食べに行くから早く降りてきなさい」 「分かったわ。今から行くわ、じゃあ切るわよ」 「ちゃんと、あの子と一緒に出てくるのよ。じゃあ待ってるわね」 「ちょ、母s「プチ」 ツー ツー ツー 何で母さんがキョンがいるって知ってるんだろ? 隣を見るとキョンがあたしと同じような事を考えてる様な顔をしていた。 キョンはまた「やれやれ」と溜息をついた。 あたしとキョンは横に並びながら昇降口へと向かった。 昇降口を出ると、親父と母さんが知らない人と話をしていた。 誰かしら?親父達の知り合いかしら? ふと隣にいるキョンを見てみたらポカーンと口を開けていた。 「キョン、どうしたの?」 「あれ、お前のとこの両親だよな?」 「うん、そうだけどそれがどうかしたの?」 「隣に居るのは俺の両親と妹だ」 「ふーん、そうなんだ。って、えぇ、な、何であたしの両親とあんたの両親が仲良く話してんのよ?」 「俺にもさっぱり分からん」 するとキョンの妹ちゃんがこっちに気づいたみたい。 「あ~、キョン君達来たよ~」 「や~っと来たの。もう、ハルヒちゃん可愛いから2人の世界に入っちゃうのは分かるけど、少し位周りの事も考えなさいねキョン」 「ですよね~。でもキョン君もあんなに格好良いからハルちゃんが夢中になるのも分かるわ。あたしもあと20歳若かったらキョン君狙ってます」 等と母さんとキョンの母が冷やかしてくる。 「ちょ、何勘違いしてるのよっ!?あたし達はそんなんじゃないわよ」 「「ふ~ん」」 「あ~もう!!黙ってないでキョンも何か言ってやりなさいよっ!!」 「スマン、ああなると母さんは止まらないんだ。諦めてくれ」 「あんた、苦労してるのね。親からもあだ名で呼ばれてるし」 「分かってくれるか?」 「えぇ、あんたに送ってもらった日からあたしの母さんもあんな感じだから・・・」 「お互い苦労するな」 「全くね。でも、あんたとなら誤解されてもあたしは嫌じゃないけどね」 「え、それはどういう意味だ?」 「なんでもな~いわよっ!!」 あたしはキョンを置いて母さん達の所へ走っていった。 その後、あたしの家族とキョンの家族とで合同入学祝いをやったわ。 「高校生にもなって酒も飲めんでどうする~」 とかいって親父がキョンに酒を勧めている。 キョン父が止めてくれるだろうと思っていたけど悪ノリして親父と一緒に飲ませようとしている。 母さんたちは母さんたちで 「早く孫の顔を見たいですよね~」 とか言ってるし。 孫って何よ? 幾らなんでも気が早すぎるわよ。 母さん達がアテにならなそうなのであたしは単身でキョンを助けることにした。 テーブルに置いてあった水を一気に飲み干してあたしは親父達に言った。 「ちょっと、あたしのキョンになにしてんのよっ!?いい加減あたしに返しなさいよっ!!」 って何言ってんのあたし? 何か頭回らないし、ぼーっとするわ。 親父達がポカーンとしている間にキョンは抜け出したらしく、慌ててあたしの手を引いて部屋から出た。 キョンは中庭に出るとあたしを備え付けられたイスに座らせた。 こうしてるとあの時みたいだな・・・ と思っていたらキョンが話し出した。 「どうしたんだ、いきなり?あんな事言うからビックリしたぞ」 「ん、ごめん・・・」 キョンは俯いているあたしの頭をやさしく撫でてくれた。 あたしは恐る恐る顔を上げてキョンを見上げた。 そこにはとっても優しい微笑があった。 「もう、すっかり元気になったみたいだな。これでも結構心配してたんだぞ?」 「ホントに?ホントに心配してくれたの?」 「あぁ、ホントに心配したぞ」 「ありがと・・・」 あたしはキョンに抱きついていた。 キョンは驚いていたけど、それでもあたしの頭を撫でてくれた。 あたしがキョンの胸元から顔を覗きこむとキョンは何かを決意したらしくそっとあたしの顔に自分の顔を近づけてきた。 あたしも応えるようにキョンの首に両腕を回した。 そしてあたしは目を閉じてキョンを待った。 「あ~、キョン君とハルヒちゃんがちゅーしようとしてる~」 突然の声に驚いたあたしとキョンはばっと離れて声がした方を凝視した。 そこにはキョンの妹ちゃんが指を指しながら立っていた。 「妹よ、そこで何をしている?」 「ん~とね、お母さん達がキョン君達帰ってくるの遅いから呼びに言ってきてって」 「そうか、分かった。今から行くから先に戻ってなさい」 「うん、分かった~」 キョンの妹ちゃんが足早に中庭を出て行ったのを見計らってキョンが話掛けてきた。 「だ。そうだ。残念だが次回に持ち越しだな」 「そうね、ホントに残念だわ」 「仕方ない。戻るぞ」 「えぇ、そうしましょ」 と立ち上がろうとした。 けどうまく立ち上がれなかった。 転びそうになったけど恐怖は無いわ。 だって、キョンが抱きとめてくれるから・・・ 「やれやれ」と溜息をつきながら 「大丈夫か?またおんぶしてやろうか?」 「大丈夫、歩いていけるわよ」 あたしは真っ直ぐ歩けないほどフラフラしていた。 次にくる台詞はなんとなくだけど分かった。 「なんなら、お姫様抱っこでもいいが?」 「そうね、そうしてもらうわ」 そう言ったらキョンはあっけにとられてたわ。 しばらく考えてたみたいだけど、ついに覚悟を決めたらしい。 「よし、いくぞ」 そう言ってあたしを持ち上げた。 あたしはもうドキドキしすぎて声も出せない。 「スマンが、慣れてないから首に掴まっててくれるとありがたい」 あたしは言われた通りに首に両腕を回しながら言葉を無理矢理搾り出した。。 「自分からするっていったんだから、しっかりしなさいよね」 「おう、任せとけ」 部屋に向かってる最中あたしはキョンに聞いた。 「ねぇキョン、あたし変われたかな?頑張れたかな?」 「お前が自分で変われたって、頑張れたって思うのなら達成出来てるんじゃないか?」 「うん、そうだよね。でもね、あたしを変えてくれたのも、頑張れるようにしてくれたのもキョンなんだよ」 「そ、そうなのか?」 「うん、そうだよ」 「そうか、それは光栄だね」 「だからキョン、これからずっとよろしくね!!」 「おう、こちらこそよろしくな」 部屋に到着するとみんなビックリしていた。 まぁ、当然よね。 あたしはキョンの腕から下ろされて残念だと思っていたら、キョンにハンカチを返すのを忘れていた事に気づいた。 あたしは制服のポケットからアイロンをかけたハンカチを取り出した。 「キョン、これ返すわ。いままでありがと」 「ん、あぁ、これか。なんだったらずっと持ってていいぞ」 「ありがと。でも、もう必要ないわ。だって・・・」 「だって?」 「これからはずっとキョンと一緒なんだからっ!!」 fin エピローグ どっちの両親もベロンベロンでもう帰れそうにないわ。 キョンの家はこっから近いみたいだけどあたしの家は結構距離がある。 どうしたものかしらと悩んでいたらキョンの母がとんでもない事を言い出した。 「涼宮さん、今日うちに泊まっていったらどうですか?」 「えぇ~、いいんですか~?ハルちゃ~ん、どうしよっか~?」 「だ、駄目に決まってるじゃない。何言ってるのよ?」 「ハルちゃんもあぁ言ってる事ですし、お世話になりま~す」 「やったぁ、じゃあ、そろそろ行きましょうか?ハルヒちゃんはキョンの部屋に泊まってね」 「人の話をちゃんと聞け~っ!!」 エピローグ2 キョンの部屋にて 「キョン、ホント迷惑かけてごめんね」 「もう気にすんな。そもそも迷惑だと思ってねぇよ」 「うん。ありがと」 「さぁ、もう寝よう。俺は疲れた」 「ぅん」 「ハルヒがベッドを使ってくれ。俺は床で寝るから」 「ぇ?一緒に寝てくれないの?」 「いや、流石にそれはマズいだろ、色んな意味で」 「あたし、枕替わると眠れないのよね」 「だからなんだ?」 「腕枕してくれたら眠れる気がする」 「・・・分かった。ハルヒがそうしたいならそうしよう」 「ホント?ありがとキョン大好きっ!!」 あたし達は今同じベッドで横になっている。 逆にドキドキして眠れないわ・・・ 「こんなに早く夢が現実になるとは思わなかったわ」 「そりゃ奇遇だな。俺もだ」 え?今のどういう意味?キョンも同じ夢を見てたの? だったらなんかうれしいな。 なんて思うのは一人ヨガリかな? なんか一緒にいるだけじゃ我慢できなくなってきた。 もっとキョンを感じたい・・・ 「ねぇ、キョン。さっきの続きしよ?」 こうして二人っきりの夜は更けていった・・・ 番外編 ver バカ親’S キョンの部屋の前 「ねぇ、キョン。さっきの続きしよ?」 H母「ずっと他人と距離を置いていたハルちゃんがあんなに積極的になって・・・母さんもう死んでもいいっ!!」 K母「ちょ、涼宮さん、声大きいですよ。これじゃ気づかれちゃいます」 H父「そうだぞ母さん、ここからがいい所なのに邪魔しちゃ悪いだろ?」 H母「分かってますよ、でもお父さんだって娘があんなに立派に成長してくれて嬉しいでしょ?」 H父「そりゃ、嬉しいさ。あんなに格好いい彼氏つくってまさしく青春って感じだな。そう思いますよね?」 K父「そうですね、でもハルヒちゃんはうちのにはもったいない位です。」 K母「ホントよね。キョンにはもったいないわ」 H母「そんなこと言わないで下さい。キョン君以外の子にハルヒを上げる気はないんですから!ね、お父さん?」 H父「そうですよ。十分ハルヒと渡り合っていけます。あの子が私以外の異性であんなに楽しそうに話すのはキョン君だけなんですよ」 K父「そう言ってもらえると光栄です。これからもうちのをよろしくお願いします」 K母「あたしからもよろしくお願いします」 H母&H父「「こちらこそ」」 その時、勢いよくドアが開いた。 ハルヒ&キョン「さっさと寝ろ~っ!!雰囲気ぶち壊しだ~っ!!!!」 涼宮ハルヒの入学 versionK
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/464.html
ヤッパッパーヤッパッパーイーシャンテン はしゃぐ恋は池の鯉 ヤッパッパーヤッパッパーイーシャンテン 胸の鯛は抱かれタイ #訳もわからずに ハルヒハルヒで、日が暮れる 君と逢ってから ハルヒハルヒで ナンダカンダと、すったもんだの世紀末 なぜもっと静かに「好きだよ」と言えないの? 張り合うと私も じゃじゃ馬になっちゃう! ベルも鳴らさずに そよ風の様に 胸のワンルーム住みついた君なの 迷惑よ だけど …今夜だけいいわ (明日までいいわ) ヤッパッパーヤッパッパーイーシャンテン 踊る接吻は海の鱚 ヤッパッパーヤッパッパーイーシャンテン 恋の鰺は隠し味 見つめられる度 ハルヒハルヒで、目が回る 恋になりそうで ハルヒハルヒで タンマタンマで そんなもんねとお友達 迫力で口説かれ 星の街逃げ出した 夢見てたデートが マラソンになっちゃう! 痒いメルヘンも 乙女には媚薬 君の優しさに 包まれてみたいの 冗談よ だけど …ハートは透けちゃう (…いつかは透けちゃう) (※ 繰返し) 見つめられる度 ハルヒハルヒで、目が回る 恋になりそうで ハルヒハルヒで、お友達 (# 繰返し) …何か、合ってる様にしか見えない…ピッタリじゃねぇか… ハルヒはかわいい。 だが、すぐ怒る ツンデレだし気が強い。 おまけに天上天下唯我独尊で 成績も中の上。 言い訳が得意。 口癖は「バカキョン」 座右の銘は「変わりたい」 俺たちは、恋していく。 生きていく。 byキョン キョンは優しい。 だが、バカ。 ツンデレだし気が普通。 おまけにツッコミ役で 成績も中の中。 歴史だけは得意。 口癖は「やれやれ…」 座右の銘は「SOS団を続けたい」 あたしたちは、恋していく。 生きていく。 byハルヒ 朝倉はかわいい だが、すぐ刺してくる 委員長だし責任感強い。 おまけにいつも笑顔でいて 成績はかなりいい。 いろんな説明が得意。 口癖は「うん、それ無理」 座右の銘は「強行突破」 俺たちは、恋していく。 生きていく。 by俺 キョンは優しい。 だが、バカ。 ツンデレだし気が普通。 おまけにツッコミ役で 成績も中の中。 歴史だけは得意。 口癖は「やれやれ…」 座右の銘は「SOS団を続けたい」 あたしたちは、恋していく。 生きていく。 by古泉 俺は優しい。 だが、バカ。 ニートだし気が弱い。 おまけにいじめられ役で 成績も下の下。 オナヌーだけは得意。 口癖は「ハルヒは神」 座右の銘は「みくるは俺の嫁」 俺は、ひきこもっていく。 生きていく。 by俺 長門は無口。 だが、宇宙人。 静かだし気が普通?。 おまけに助けてくれるし 成績も中の上。 読書だけは得意。 口癖は「…ユニーク」 座右の銘は「守りたい」 俺たちは、守っていく 生きていく byキョン ハルヒ みくる 古泉 谷口はお茶目 だが、馬鹿 馬鹿だし頭が弱い オマケに馬鹿だし 成績は下の下 忘れ物だけは得意 口癖は「WAWAWA」 座右の銘は「空気」 俺は見守っていく、これからも、ずっと。 by国木田 ハルヒはすぐ怒るけど…キョンに対してツンデレ キョンはハルヒを見守ってるけど…ハルヒに対してツンデレ そんな二人は気付かないけど、強い絆を結ばれてる… 長門はハルヒを守り、キョンを強い勇気与えてくれる… みくるは、ハルヒとキョンを見守りながらも頑張ってる… 古泉は、ハルヒを暖かく見守り、キョンを応援してる… そんな、ハルヒとキョンは心を通じながらも生きていく… 世界が変わるまで恋していく… それが 世界を変えた奇跡の二人… 永遠に別れることの無い愛… 二人は強く生きていく… 世界が変わる時が来るまでに… 原爆みたいに地球上消し飛ばしたら みんなでどこまでも逝けるね あの世の果てまでドーン ノースでコリアなこの事件は 世界中を巻き込んだ騒動で アソボウ★ ある晴れた日のこと 魔法のようなミサイル 限りなく降り注ぐ ありえなくない 明日また会うとき 笑いながらハミング できるかな わかんないよ 滅亡なんかは一瞬 またうつのかな うたないでいて 大きな 夢 夢 好きでしょ 夢みたいな あの人の温もり 現実から身を投げ、消え去ろうとした私を受け止めて 微笑んでくれたあの人の温もり あの人はどんなに辛くても最後は笑っていてくれた ただ私がお別れを言うと泣いた ねえ、笑って? 私は私から出た言葉に驚いた でもそれは私の真実の言葉 もし私が消えてなくなっても、その笑顔なら思い出せる急がして さよなら……キョン そう残して、私は泣いた 初めて私は彼を呼んだ 彼は最後に笑ってくれた 「おやすみ、長門……有希」 おやすみなさい パーソナルネームナガトユキ 私が目を開けたとき そこは私の生まれた場所 ナンジニ、フタタビメイレイヲ そう聞いて私は再び目を閉じた 再び目を開けた時 私はあの窓辺にいた 彼が泣いていたあの窓辺 近くに落ちていた無題の本 私のたった一つの願い 私の記憶の最初からを綴った本 私は震える手でページを巡る しかし私が消えた時まで読んでも、まだページは半分 そこからは白紙 どこまでも白紙 不意に部屋のドアが開いた 私は見上げた 彼がそこに立っていた 彼は再び笑ってくれた 「おかえり、長門有希」 ただいま 長門有希 課された役割が終わり 消え去ろうとした 私の手を 彼がつかむ どこへいく? 私は帰る どこへ? 私のいるべき場所へ それはここだろう? もし私が笑えるのなら この時私も笑っていただろうか 朝比奈みくる 泣いた ずっと泣いた 任務が終わり 未来へ帰る時 泣いていた私を 繋ぎ止めてくれた 逃げるの? 消え去ろうとしてやめた有希さんが尋ねる 逃げる? 私は逃げない ごめんなさい 私、まだ帰らない 涼宮ハルヒ 私が目覚めた時 傍に彼がいてくれた みんながいてくれた 私がつむいだパズルのピース 誰一人欠けることなく 私は泣いた 初めて泣いた 彼を見て泣いた 皆を見て泣いた 私まだここにいていいの? 当然だろ? ごめんなさい そしてありがとう 終わりまで たった一人で生きること それが私に課せられたさだめ さだめと言うの名の未来 ただ繰り返し 傍観し 孤独でいる運命 私にとって 色も音も存在しない世界 なのに いつの間にか そこにあなたがいた あなたが私の世界で絵を描いた あなたが私の世界で楽器を鳴らした 誰のために そんなことをするのだろう あなたはこう言った気がした お前の ためだ と ありがとう 伝えられぬ想い 紡がれる感情 もし 私に笑顔があるのなら あなたのために 笑いたい 長門 有希 夢追う先に何が隠れてる それすらわからずただ動き出す じっとしているのが苦手なだけ そんな言い訳はもういらない ただ走り続けたいの どこまでも できることならば終わりなんて来ないで欲しい あいつと 私と 皆と 私 いつも一緒に走り続けたい 永久へと向けて もうあの頃には戻らない 戻りたくない ただうつむいて 影でないてた 私は 私の 操り人形 でも あいつが 私の糸を外してくれた 糸の切れたあやつり人形 おぼつかない足取りで あいつが手を引っ張ってくれた わかった ごめんね もう歩けるよ ありがとう まだ 一緒にいて欲しい 涼宮 ハルヒ 冬の夜空に舞い散る雫の様に 冷たく冷え切った心 私は何も望まなかった 望みたくなどなかった ただ景色の一部を彩る欠片に過ぎなかった それが役目だったのだから あなたが私に話しかけるたび 私に暖かい感情を向けるたびに 私は消えてなくなりそうな気がした まるで 雪が溶けて なくなってしまうように 長門 有希 どうしようもなく どうにもできない時 そんな誰にでもある 虚しいファンタジー 主人公は誰でもない自分自身だと 気がついたのはだいぶ後になってからだった 自分自身の手で物語を書き上げる それはとても恐れ多く 俺には荷が重すぎた 誰かに代わって欲しい そう何度も呟いた だけどある日 気がついた 選ばれたのは俺だと あいつらと共に歩むことのできるのは俺だと だから 守る あいつらと その笑顔を キョン 動き出した たった一つの時の流れ 守れるものが 目の前にあった その方法もわかっていた 大切な時をその中で刻んだ それは とても 大いなるものだった 何もかもが指の合間から崩れ落ちることのないように 僕にしかできない覚悟を持って もしその中に組する者へと 広大な危機が迫るとするならば 僕は世界の全てを裏切り その中の者達と戦うだろう それだけの勇気を貰った それだけの覚悟を手に入れた 僕も その中の一人だと 教えられたのだから 古泉 一樹 時の流れ それは時に全てを忘れさせてくれる 優しい春風 そして時に全てに別れを与える 寂しい木枯らし 出会い 別れ 涙 笑顔 それは人の力の及ぶものではなく そして決して刃を持つものでもない 時は静かに刻み続ける 私と 皆の 思い出を そして静かに歩みを寄せる 私と 皆の 別れの時を 願わくば もう少し 願わくば 目が覚めるまで 私はまだ ここにいたいから 朝比奈 みくる 決して終わることのない悪夢 ただひたすら同じ事を繰り返すだけ 現実というものはなぜこうもつまらないのか だから私はあらがった それが無意味なものだと知りながら それが私にできるただ一つのことだから そんな私についてきてくれた人達がいた 彼がいた 彼女がいた 彼女がいた 彼がいた 影で 私は 泣いた 終わりまで 最後まで 夢が覚めるまで 私はここにいる 涼宮 ハルヒ 決して終わることのない悪夢 ただひたすら同じ事を繰り返すだけ 現実というものはなぜこうもつまらないのか だから私はあらがった それが無意味なものだと知りながら それが私にできるただ一つのことだから そんな私についてきてくれた人達がいた 彼がいた 彼女がいた 彼女がいた 彼がいた 影で 私は 泣いた 終わりまで 最後まで 夢が覚めるまで 私はここにいる そうです、私が変なおぢさんです(´・ω・`) 黒みくるの歌 撲殺天使 バットでドスドス ミクルちゃん 撲殺天使 血みどろどろどろ ミクルちゃん 斬って殴って嬲って 刺して晒して垂らして でもそれってボクの「愛」なの 名前変えただけだし微妙だな これが勝利の鍵だ! アッガーレ! 音も無い世界に 舞い降りた I was snow グレイの陰謀 人類滅亡 どこまですごいノストラダムス!! 宇宙人 未来人 超能力者SOS!! SOS!! MMR!! SOS!! MMR!! グレイ マシャール 最終戦争 ノストラダムスMMR!! SOS!! MMR!! SOS!! MMR!! ―――――なるほど行きましょう。 超人集合SOS 超常現象MMR 日常体SOS 人類滅亡MMR 二人は一体共同体!! 閉鎖空間 セカンドレイド 情報統合思念体 グレイ マシャール グランドショーフ←? 最終戦争ノストラダムス!! あなたとの関係の段階が物語り創っていく 俺が長門で長門が俺で二人は合体融合体!! SOS!! MMR!! SOS!! MMR!! SOS!! MMR!! 長門さんに会いたいNA!! SOS!! MMR!! SOS!! MMR!! SOS!! MMR!! 俺も読書が趣味なんDA!! SOS!! MMR!! SOS!! MMR!! SOS!! MMR!! 踊りませんか長門SAN!! SOS!! MMR!! SOS!! MMR!! SOS!! MMR!! 伝えたい!! 伝えたい!! 貴方に言いたいご覧の通り!! 私は一つの豆電球 皆で飾った部室の中で 彩る一つの豆電球 別にいなくても変わらない 私は拙い豆電球 配線が切れてつかなくなった 私はこのまま捨てられるだろう 彩る一つのパーツに過ぎない だから私は消えるだろう 想い重ねて瞼を閉じる さようならとも言えずにサヨナラ 突然私に光が戻る あなたが繋げた配線で 驚く私にあなたが言った 私も大事な仲間なのだと 浮かぶ涙を必死にこらえ あなたに言ったありがとう 長門有希 眠れない夜、ふとあの人の事を考える この感覚はなんなのだろう 私の中へ蓄積されてゆくエラー それはとても苦しく哀しく、だけどとても暖かいもの 私はただ一つの目的で作られただけのもの ただ一つをまっとうすべきもの だけど、だけどその場所に あの人がいた 決して表に出すことの許されない感覚 それは私の指命とは異なるもの だけどもし、私が一つだけ、望むことが許されるのならば、 まだ、あの人の傍らで本を読みたい 長門有希 姉歯元一級建築士の憂鬱 鉄骨でしょでしょ? 偽装はいつも私の夢に 何でだろう? 小島を選んだ私です もう止まらない ヒューザー様から 決められたけど I believe ネジだけじゃつまらないの My dream night! 儲かるから 強度偽装だけをするよ 鉄骨でしょ?でしょ? ほんとにネジを減らす物件で 金になるから 偽装するのよ ヒューザーのためじゃない 一緒に来てください 証人喚問で 私を見てよね 明日ヅラを取った頭姉歯設計 コストを減らそう 隠そう偽装を I believe ナガモンユカイ ナゾナゾみたいに情報連結解除したら キョンくんと何処までも行けるね また図書館に Booon ノイズでエラーなこの想いは 何もかもを巻き込んだ妄想で 遊ぼう アル雪ノ日ノ事 朝倉の触手が 限りなく突き刺さる ナガモン じゃないわ 明日また会うとき 無表情で ハミング♪ 邪魔者は砂と化す カンタンなんだよ こ・ん・な・の 追いかけてね つかまえてみて 小さな 胸&胸 好きでしょ? 星空見上げ 私だけのヒカリ教えて あなたはいまどこで 誰といるのでしょう? 楽しくしてるコト思うと さみしくなって 一緒に観たシネマひとりきりで流す 大好きなひとが遠い 遠すぎて泣きたくなるの あした目が覚めたら ほら希望が生まれるかも Good night! I still I still I love you! I m waiting waiting forever I still I still I...........
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/2561.html
「――て、起きて」 いつものような妹による激しい攻撃ではなく、体を軽く揺すられて目覚める。 ん、何だ。朝か。 「おはよう。朝食、できた」 もう朝ごはん出来てんのか。 「サンキュー、長門。今起きるよ」 長門の動きが止まる。 「朝は、……おはよう」 「あ、ああ。おはよう長門」 『涼宮ハルヒの交流』 ―第四章― 長門の作った朝食は思ったよりも、というのは失礼だろうが、かなりしっかりとしたものだった。 カレーだけじゃなくて普通の料理も作るんだな。 「どう?」 「ああ、おいしい。お前料理うまいんだな」 「そう」 ゆっくりと朝食を食べながら長門は言う。 「私は学校に行く。あなたは?」 そうだな、どうするか。放課後まではかなり時間があるからな。ここでゴロゴロしているのも退屈だ。 かといって別に何が出来るというわけでもないよな。学校へ行けるわけでもないし。 「行ける」 「いや、俺が二人いちゃまずいだろ」 長門は微かに横に首を振る。 「手を出して」 言われるままに右手を差し出す。その手をとり、長門は口を近付けて…… ゆっくりと軽く噛みついた。 ああ、そういえばそうだな。例のあれか。どうでもいいが、これって結構ドキドキするんだよな。 「不可視遮音フィールド。これで周りからあなたの姿は見えない」 なるほどな。これなら自由に動けるってわけだ。 「じゃあ俺もとりあえず学校に行くよ」 「そう」 食後に、片付けと簡単な準備をして、長門と家を出る。 見えないとわかってはいるんだが、どうしても周りからの視線が気になってしまう。 完全に自意識過剰だな。なんせ見えないんだからな。 「結局、昨日から今までで変わったことやわかったことはあるか?」 わけのわからない恥ずかしさをごまかすために長門に話しかける。 「特にはない」 そっか……。じゃあ昨日考えたとおりにするしかないな。 そういえば昨日からずっと気になっていたことがあるんだが、 「長門は俺ともう一人の『俺』ってどうやって見分けてたんだ?宇宙人の力を使えば簡単にわかるのか?」 「力を使えばわかる」 「その違いってのはどういうものなんだ?」 「……言語では説明できない」 「そうかい」 「そう」 なるほどな。ということは普通の人間では二人を認識することはできないってことだな。 「そうではない」 ん、どういうことだ? 「力を使えば簡単にわかるが、使わなくても二人を区別することは可能。少なくとも私にはできる」 それは驚きだ。『俺』は俺から見てもまるっきり同じに見えたんだがな。 「ということは、普通の人でも俺を見て俺が『俺』じゃないってわかるやつがいるってことか?」 何かわけのわからないことを言っている気がするが、きっと長門には伝わってくれるはず。 しかし、長門は首を振り、否定する。 「おそらくそれは不可能。普通の人間にはあなたが二人いるという発想がない」 あ、そりゃそうか。確かに俺を見て少しは違和感を抱くかもしれないが、だからといって、 いきなり『あなたはいつものあなたとは違うもう一人のあなたですね』なんて考えるやつはいないだろう。 仮にいたとしたらそいつはもう普通のやつじゃない。何らかの力をもったやつに違いない。 あるいは俺みたいに突然目の前に自分が現れる経験をしたやつくらいか? 「ちょっといつもと違うな、って思うくらいってことか?」 「そう。それに全ての人にわかるわけではない」 そういえば古泉はどっちがどっちかわかってないようだったな。 ということは長門にはできるが古泉にはできないってことなのか。 「じゃあ結局どうやって区別をつけるんだ?」 そう尋ねると、長門は躊躇いがちに口を開く。 「言語化は難しい。それにどうするかという具体的なものでもない。でも、強いて言うなら……」 言うなら……? 「女の勘」 先ほどの答えが長門のジョークなのか、それとも大マジなのか考えているうちに学校へと到着した。 さて、この後どうしようか。 長門もこちらを向き、俺が何か言うのを待っている。 「とりあえず部室にでも行ってみるよ」 「そう、なら鍵を開ける」 そう言って長門は鍵ではなく例の力を使って開錠する。 ひょっとしていつもこれで鍵開けてんのか?長門。 「昼食は」 しまった、完全に忘れてた。姿が見えないから食堂にも行けないし。……いや、見えてても行けないか。 「昼休みに持ってくるからここにいて」 まじか。助かるぜ、長門。 「また後で」 そう言い残して長門は去っていく。 特にはすることもなく、部室でお茶を飲みつつネットサーフィンをして昼間で過ごした。 余計なことは考えたくなかったしな。 ガチャ、と、突然にドアが開かれる。 時間は思ったよりも早く経っていたようで、既に昼休みになっていた。 「長門か」 「昼食」 そう言って持っていた弁当箱を広げる。 「これどうしたんだ?」 「作った」 朝まだ俺が寝てる時か?俺がすごいダメなやつみたいな気がするんだが。 ……いや、否定はできないが。 それにしても豪華だ。どうみても朝にちょこっと作ったって感じじゃないぞ。これは。 「いつもこんなの作ってんのか?」 「今日だけ」 「というかお前の家にこんな材料とか置いてあったのか?」 「ない。朝に調達した」 「朝に調達したって、店とか開いてないだろ」 「開いているところは開いている。探せばなんとかなる」 そこまでして俺に弁当を作ってくれたってのか?気をつかってくれてるんだな。本当にありがとう。 「どう?」 「ああ、うまいよ。ありがとう長門」 「そう」 この会話もう何回目だ? 長門の弁当は量はあったがなくなったのはあっという間だった。かなりうまかった。たいしたもんだ。 食べ終わるとこれからのことを長門が話し始める。 「放課後、涼宮ハルヒがすぐにここに来る可能性がある。だからあなたはその時間までに屋上に移動して」 なるほどな。壁をすり抜けられるわけでもないし、先に出とかないとまずいことにはなるかもしれんな。 「そこで『俺』と入れ替わるのか?」 「そう。彼にも伝えてある」 「わかった。じゃあまた後でな」 「後で」 そう言い残し、長門は再び部屋を出ていく。 ……なんか寂しいな。 何かしていないと落ち着かない気分になってしまったので、とりあえずお茶を入れてみる。 ……あんまりおいしくないな。 やっぱり朝比奈さんのお茶とは比べものにもならないか。 また朝比奈さんのお茶を飲むことができるのか?いや、もうできないのかもしれないな。 ……いかんいかん、暗くなってしまった。 こんなことばっかり考えててもどうにもならない。 少し早いかもしれないが屋上に出て風にでも当たるか。天気もいいみたいだし。 簡単に片付けをし、部室を後にする。 いい天気だな。 太陽の下、タバコでもあればかっこもつくかもしれないな。もちろん吸ったことなどないが。 けど俺が吸っても似合いそうにないか?間違いなく俺には渋さが足りないしな。 などと何の意味もないことを、屋上の柵にもたれかかりながら考えていると、突然にドアが開いた。 いつの間にか授業も終わっていたようで、そのドアから出てきたのは『俺』だった。 「よう。すまんな」 俺は右手を軽く上げ、『俺』に呼びかける。 が、返事はない。というより俺に気付いてないのか? どういうことだ? 「フィールドが張ってある。現在あなたの姿は見えない」 うおっ!……長門か。そういえばそうだったな。 長門は朝と同じように俺の手をとり、同じように軽く噛みつく。 どうしても慣れないな……。 「うおっ!お前いたのか」 『俺』が急に現れた俺に驚く。と言っても俺はずっといたんだがな。 「ああ、だいぶ前からな。それより今日はすまんな」 「だいぶ前?いや、気にするな。ハルヒはもう部室に行ってると思うぞ」 「そうか。じゃあ早く行かないとまたうるさいかもな」 ははっ、と軽く俺たちは笑う。 あんまりハルヒを待たせるのもよくないだろう。そろそろ行かないとな。 だが、もしもハルヒと出会うことによって何かが起こり、何かが変わってしまうなら、これが別れになるかもしれない。 かもしれない?いや、違う。 なんとなくとしか感じないが、それでもはっきりと確信が持てる。 もちろん根拠などないが、ハルヒと会うことによって何かが変わってしまうはずだ。 俺は『俺』としばらく顔を見合わせ、軽く笑う。 「じゃあ、また後でな。行こうぜ、長門」 だが、長門は首を振る。 「私は行かない。古泉一樹と朝比奈みくるも。二人で話してくるといい」 長門、ありがとう。 「そっか、何から何までありがとな。……この礼は今度するよ」 「楽しみにしておく」 じゃあな、長門。お前に何もしてやれなくて本当にすまない。 そう心の中で別れを告げ、俺は歩き出し背中越しに二人に軽く手を振った後、ドアノブに手をかけ、一気に開く。 背中から風にかき消されてしまいそうな小さな声が、それでもはっきりと聞こえる。 「……さようなら」 俺はその長門の言葉に振り返ることもできず、そのままドアを閉じた。 ◇◇◇◇◇ 第五章へ
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/2763.html
涼宮ハルヒの本心 ・第一章 ・第二章 ・第三章
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/4390.html
最近キョンの様子がおかしい。 何だろう、私に隠しごとがあるような。特に理由があるわけではないけど、なんとなくそんな気がするの。こういう時は直接聞くに限る。 「ねえ、キョン。私に隠しごとしているでしょ」 キョンは一ノ谷から駆け下りる源義経を見た平家のように動揺している。 「いきなり何を言い出すんだ。別に何もねえよ。」 「正直に言いなさい」 「母が次の中間テストで成績が悪かったら予備校に行けってうるさくてな。成績が悪かったらどうしようかと思い、憂鬱なのさ。」 「ふうん。あんたは勉強の仕方が効率悪いのよ。そう言えば来週数学の小テストがあったわね。今度、私が指導してあげるわ。」 「ああ、頼む。」 「ところでキョン。最近どう。元気にしてるの。」 どうもこうも、授業中も放課後もいっつもおまえの前にいるだろ。俺が元気かどうかなんて言わんでもわかるだろ」 「私の知らないところで変わった経験をしたとか、宇宙人が歩いていたとかそういうのはないわけ。普段、しっかり周りに目を配っていたら1つや2つ見つけられるはずよ。あんたそれでもSOS団の団員なの」 「あのな。ハルヒ。そんな体験がごろごろ転がっているわけないだろ。」 私はキョンが一瞬動揺したのを見逃さなかった。 「おまえこそ変な体験をしたことはあるのかよ」 「うーん。そうね。」 心当たりがないわけではない。私だって1つぐらい奇妙な体験をしたことがある。でも、言わなかった。 「まあ、いいわ。不思議な出来事は簡単には見つけられないの。ありふれた日常でもじっくり目を懲らすと転がっていたりするものよ。常に気を引き締めて周りに気を配りなさい。わかったわね。」 キョンは「やれやれ」とでも言いたそうな顔をしていた。 不思議な体験ねえ。もうあれから4年も経つのか。 放課後、いつも通り部室に行く。 部室に入ると、キョンと有希が何かを話していた。キョンは私が部屋に入ってきた途端、話をやめ椅子に座り、有希は私を一瞥してから、本を開ける。何を話し ていたんだろう。みくるちゃんはメイド姿でお茶くみをしている。私は机に座りパソコンに電源をつける。そしてお茶を飲み、メールとホームページのカウン ターをチェックしてからネットサーフィンをする。宇宙人も超能力者もいない、不思議で奇怪な体験も存在しない。SOS団を結成してもうすぐ1年。毎日繰り返されるSOS団的日常。けどそれはそれで楽しかった。そういえば最近のキョンの様子がなにか変なのよね。ここ数日ずっと感じる違和感。予備校の話は本当なんだろうけど、他にも何か隠しているわね。キョンが私に隠さなければいけないことってなんだろう。 と考えていると古泉君が部室に入ってきた。 「どうも、遅れてすみません。」 そうして、団員全員が揃った。 揃ったから何もする訳でもないのだが。私は今日明日に適当な記念日がないかネットで調べたりしていたが「日本気象協会創立記念日」とか「長良川鵜飼開きの 日」とかばっかりでイベントができそうな記念日も見つからなかった。まあいいわ。来週にはビックイベントをしないといけないしね。 キョンは部室を出て行ていく。三者面談があるらしい。 三者面談というのは、先生と生徒とその保護者の3人で進路のこととかを話し合うというくだらない行事で、2年生は5月のゴールデンウィーク明けから実施されている。 しかし暇だわ。なんかすることないのかしら。 そういえば、朝比奈ミクルの冒険DVDの仕上げをしようと思っていたんだわ。キョンがいないし丁度いいわ。DVDのジャケットを決めるためみくるちゃんの写真を何枚かピックアップして画面に表示させる。どれがいいかしら。このメイド服も色っぽいけど、かえるの写真も意外にいけるわね。 「古泉君、あなたはどれがいいと思う?参考までに聞いてあげるわ。」 古泉君が画面を覗きこむ。 「そうですね」 その時ドアが開いた。 「何やってんだ。」 キョンだった。 キョンは不機嫌そうな顔をしている。それを見た古泉君は微笑しながらパソコンから離れていく。 「写真を見ていただけよ。あんたこそ面談じゃなかったの。」 「前の人が長引いていて、まだ順番が回ってこないようだったから部室に戻って来たんだ。」 「そう。」 「で、何やってたんだ。」 キョンがパソコンを見る。隠し通してもよかったが、変に勘ぐられるのもなんだから全部正直に言ってやった。 「そんなもんいつ作ったんだ。俺は知らんぞ。」 「あんたがいない間に作ったのよ」 キョンは古泉君を一瞬睨み、私に 「DVDの発売はまずいだろ。」 「なんで?」 「そんなもん、発売してみろ。あっという間に広がってしまう。朝比奈さんの日常生活に支障が出るだろ。とにかく駄目だ。」 「あんたがなんと言おうと発売するわ。あの映画はSOS団全員で作り上げた汗と涙の結晶。後世に残す芸術作品だわ。みくるちゃんだって承諾しているわ。」 みくるちゃんは捨てられた子犬のような目でキョンを見てぶるぶると首を横に振る。 「だめだ。朝比奈さんも嫌がっているじゃないか。朝比奈さんはグラビアアイドルでも、おまえのおもちゃでもないんだ。だいたい、なんで映画と関係のないセクシー映像が必要なんだ。何がSOS団全員で作り上げた汗と涙の結晶だ。DVD化に俺は参加していないし、そもそもやることするら聞いていない。」 みくるちゃんのことになるとムキになるキョンをみて私も腹立ってきた。 「いちいちうるさいわね。私が発売するって言ったら発売するの。みくるちゃんは私のおもちゃよ。みくるちゃんに決定権なんてないわ。とにかく売り出すのよ。」 キョンの顔がみるみる内に赤くなる。 「こんな“くそ”映画、売り出す価値もない。」 かっちんときた。“くそ”映画。 「ふざけんな。SOS団の総力をあげて作り上げた映画に対して“くそ”はないわ。でてけ!!!」 キョンは部屋を出て行った。 なんなの。あいつ。 椅子に座り、パソコン画面を眺めた。 あー、むかつく。映画作りはあんなに協力的だったのに。“くそ”映画はないでしょ。 キョンは映画作りは楽しくなかったのかしら。 「涼宮さん」 振り返ると心配そうな顔で古泉君が私をみていた。 「彼も本心から映画を罵倒した訳ではないと思いますよ。彼の映画作りに対する情熱は涼宮さんにも負けず劣らぬものでした。にもかかわらずその映画のDVD化の話が自分の知らないところで進んでいたらどう思うでしょうか。」 私はパソコンの画面の方向に目線を向け、返事はしなかった。 「涼宮さん。彼は強情で意地っ張りです。彼は楽しいことでも「楽しい」と声に出しません。素直じゃないんです。彼も反省していると思うのですが、素直に謝ることができない人間なんです。ですから」 古泉君は言いにくそうに言葉を選んで話していた。 「わかってるわよ。」 古泉君の言うとおり。本当にあいつは頑固なんだから。仕方ないわね。私が謝るしかないわね。 しばらくしてキョンが部室に戻ってきた。面談が終わったようだ。 「ハルヒ。」 「何よ。」 「すまなかった。」 「そう。うん。」 ぱたん。有希が本を閉じた。有希が本を閉じる音はSOS団活動終了の合図になっていた。世の中にはタイミングというものがある。いくらこれをしようと考えていてもタイミングを逃してしまうとどうしょうもない。私もキョンに内緒でDVDを作ろうとしたことを謝ろうと思っていたが、どうもそのタイミングを逃してしまった。と、都合のいい理屈をつけてごまかす自分が情けない。謝ろうとは思っているんだけど。結局いつもうやむやになってしまう。 下校はいつも通り。私とみくるちゃんが先頭。後に有希。最後尾にキョンと古泉君がいる。有希のマンションの前でみんなと別れた。 たしかに私も悪かったわ。団員を仲間はずれにするなんて団長として失格ね。明日はちゃんと謝ろう。はあ。大きなため息が自然とでた。 と、ここで私は数学の参考書を学校においてきたことに気づく。宿題は小テストの日までにやればよくまだ余裕があるけど、キョンに教える前に一通り問題を解こうと思っていたんだった。仕方ない。私は学校に引き返えした。 私が有希のマンション前を通ろう としたとき、私はさっき別れたばかりのキョンを見た。あいつも忘れものかしら。このタイミングを逃してはいけない。今度こそ。ちゃんと謝ろう。私は小走り でキョンに近づき、声をかけようとした。しかし、キョンの行き先が学校でないと分かりやめた。キョンは有希のマンションに入っていく。え。どういうこと。 なんでキョンがマンションに。 なんか有希の家に行く用事があったのかしら。いや、でも変だわ。それならどうして私たちがマンションの前を通った時、直接マンションに入らなかったの。まるで、SOS団の誰かに知られたらまずいことでもあるような行動。すっごく嫌な予感がした。でもそれは、実は去年のクリスマスからうすうす感じていたそんな恐怖だった。 オートロックのドアが開きキョンは中へと消えていく。 私は坂を登るのをやめ、家路についた。キョンはいつから、有希のことを思うようになったんだろう。いや、まだ決まった訳じゃないしね。そう自分に言い聞かせる。 なぜか胸が締め付けられる。なんで私はこんな気持ちになるのだろう。はじめて自分の気持ちを気づいた。いや正直に言うわ。本当はずっと気づいていたの。気づいていたけど気づかないふりをしていた。私はキョンが好きだった。 翌日の放課後、部室に行くと誰も来ていなかった。定位置に座り本を読む有希を除いて。 「他のみんなは来てないの。」 「……」 私は椅子に座り、パソコンの電源をつけた。 「キョン達はまだなのかしら。遅いわね、何やってるのかしら。」 パソコンのファンの音が部屋に鳴り響いた。 「ねえ、有希」 「……」 「有希ってどんな本読むの?」 「いろいろ」 「好きなジャンルとかあるでしょ。」 「特に」 「恋愛小説とかは読むの」 「たまに」 「そういえば、有希のタイプの人ってどんな人なのよ」 「……」 「やさしい人、頼りになる人?」 「……」 「古泉君みたいな人は?やさしいし、しっかりしてそうじゃない」 「彼はとても立派。」 「そう。じゃあキョンは?あいつは気が利かないし頼りないけど。」 「……」 有希は何も言わず本に目を落とした。 私が何を言うか思案しているとドアが開く。キョンだった。 「よう」 私はネットサーフィンに忙しいふりをする。 古泉君とみくるちゃんはなかなか来ない。 無音が続いた。 私は心に決めていた。キョンに気持ちを伝えよう。もしかしたら迷惑かもしれない。 でも、私はこの気持ちを自分の中だけにしまい込むことはできそうにない。キョンが有希を選ぶならそれでいい。 とにかく私の気持ちを伝えたかった。2人きりになったときに言おう。学校帰り、みんなが解散した後が狙い目かしら。 沈黙を破るように扉が開く。 「遅れてすみません。面談がありまして。」 古泉君が入ってきた。 みくるちゃんも今頃、面談をしているのかしら。ちなみに私もこれから面談だ。 「そうそう、明日、土曜日は不思議探索ツアーをするから。北口駅9時集合ね。」 キョンの表情が曇る。 「いきなり言われても困るぞ。」 「何言ってんの。団長命令は絶対よ。参加しなさい。」 キョンはまだ怒っているのかしら。 「そうですね。やりましょう。最近やっていませんでしたから楽しみです。」 そう言ったのは古泉君。それを聞いたキョンは古泉君を一瞬睨みつけたが、承諾した。 私は部屋を出る。今日は三者面談の時間だからだ。 面談が終わり、部室に戻る。扉を開けようとしたとき中から声が聞こえてきた。キョンの声だ。 「どういうつもりだ。なんでOKしたんだ。明日の朝9時集合だと。あほか。」 「涼宮さんが集まると言っているんです。仕方ないでしょう。」 「俺たちは忙しいんだ。やらなきゃいけないことだってたくさんある。そんな暇つぶしにつきあっている暇はない。たまには断ってやってもいいだろう。」 「まあ、いいじゃないですか。」 「どうしておまえはハルヒの言うことをそうほいほい肯定するんだ。朝比奈さんも何か言ってやってください。」 「えーと、その、まあ。涼宮さんが決めたことだから仕方ないと思います。」 「やれやれ」 私はその場に立ちすくんだ。帰ろうかな。ドアノブに手をかけた状態で静止し続ける訳にもいかず扉を開ける。 キョンと古泉君はオセロの真っ最中だった。とりあえず椅子に座り、パソコンに電源を入れ、起動を待ちながら頭の中で整理する。 「俺たちは忙しいんだ。」キョンの言葉がフラッシュバックする。なにが忙しいよ。有希の家に行くのが忙しいっていうの。 それに古泉君とみくるちゃんまで。 みんなはSOS団の活動を楽しんでいる。そう思っていた。いや、楽しんでいるかどうかなんて考えもしなかった。 世界中どこにでもある平凡な毎日。不思議も何もない日常。そんな日常を変えようと必死でがんばってきた。世界一面白いクラブを作ろうとそう誓った。 SOS団は世界一面白いクラブだろうか。楽しいと感じていたのは私だけだったのかもしれない。 「そうそう。」 私は思い出したように言った。 「急用を思い出したわ。明日の活動は中止だから」 キョンも古泉君もみくるちゃんも、一瞬表情が変わった。有希までも読書を中断してこっちを見ている。 そんな顔をされるとこっちまで不安になってくるじゃない。 「安心しなさい。また近いうちに活動をするから。」 「楽しみにしています。」 古泉君が笑顔で言った。気を遣ってくれたのかもしれない。 「すみません。ちょっとバイトがありまして。帰らせていただきます。」 古泉君は突然そう言うと部室を去った。 そうこうしているうちに下校時間になる。パタン。 私は考えた。SOS団の団員は私のことをどう思っているのかしら。SOS団のことをどう思っているのだろうか。 今まで「みんながSOS団の活動を楽しんでいるか」なんて考えたこともなかった。 私は誰よりも面白い高校生活を送ろうと思った。世界で一番楽しいクラブを作ろうと思った。そして、そうなるように行動したつもり。 でも、それは私の自己満足だったのかもしれない。この1年私は1人で盛り上がり1人で空回っていたのだろうか。 宇宙人も未来人も異世界人もでてこない平凡な日々。SOS団ってなんなんだろう。SOS団なんてやめようかな。 キョンやみんなと映画を作った日が懐かしい。徹夜で映画の編集作業をしてくれたキョン。 今はSOS団の活動より、有希と一緒にいる方が楽しいのかな。 脱力。という言葉がぴったり合う。私は何もしたくはなかった。テレビを見ても音楽を聴いても、上の空だった。そうして何もせず休日は過ぎ去った。 月曜日。よっぽど学校を休もうかと考えたが、学校には行くことにした。始業時間ぎりぎりに学校に行き、休み時間を告げるチャイムが鳴ればすぐに教室を出た。授業は頭には入らず、ずっと雲を眺めていた。 放課後、部室に行くことにする。団長が無断欠席するわけにはいかないし。 部室に入ると誰も来ていない。いつも部屋の隅で本を読んでいる有希さえ来ていない。有希の座っている椅子に手紙が置いてある。 涼宮ハルヒ様へ 明朝体で書かれた字は有希が書いた字で間違いない。私は手紙の封を切った。中には一枚の紙があり、そこにはこう書かれていた。 私の家に来られたし。 なんだろう。果たし状?なわけないか。私に何か話しでもあるのかしら。 私は、椅子に座り誰か来るのを待ったが、だれも来なかった。5分と経たないうちにだれもいない部室に1人でいることに耐え切れずへやから飛び出した。気が進まないけど仕方がない。私は有希の家に向かう。 有希の家に行きインターフォンを鳴らす。 ドアが開き、有希が出てきた。 「入って」 私は伏魔殿に入るかのごとくおそるおそる中に入る。家の中は暗かった。前が見えないぐらい真っ暗なのだ。まだ外は明るい。不自然というか、意図的に暗くしたとしか思えない。 「こっち」 明かりもつけず真っ暗な廊下をまっすぐ歩く有希を追って中へ進む。手から汗が噴き出した。真っ暗なリビングに入ったとき、 パパン 轟音がなり、部屋の明かりが突然ついた。 え。 「ハルヒ。今までありがとう。」 クラッカーを持ったキョンがいた。 「これからもよろしくお願いします。」 と古泉君。 「おめでとうございます」 みくるちゃん。 つくえの上にはケーキや料理がところ狭しと並んでいた。 中央に陣取っている巨大ケーキには、 祝SOS団結成1周年 と書かれている。部屋は飾り付けをしていて、お祝いムード一色。リオデジャネイロのカーニバルに負けないほど賑やかな部屋だった。 このサプライズパーティーについて古泉君が説明してくれた。 「いつも涼宮さんが楽しいイベントを企画して、僕たちを先導してくださっていました。おかげで僕たちはいつも楽しませてもらっています。涼宮さんには感謝しきれません。ですから、SOS団結成一周年の今日ぐらいは役割を交代して、僕たち団員が団長を驚かせようと考えたわけです。 料理は朝比奈さんと長門さんが担当しました。ケーキも含めてみんな手作りですよ。僕たち男2人は部屋の飾りを担当しました。実を言うと、ここ数日、SOS団の活動が終わった後、涼宮さんに内緒で長門さんの家に集まって準備をしていたんです。休日返上でした。正直、涼宮さんが土曜日に不思議探索をやると言ったときにはどうしようかと思いましたよ。」 さらに古泉君は私にしか聞こえないような小さな声で言う。 「ちなみにこのパーティーを発案したのは彼です。」 古泉君は普段の2割増の微笑を浮かべていた。 饒舌な古泉君に対して、キョンは私に話しかけてくることさえしなかったが、時折私の顔色をうかがいたいのか、ちらちら見てくる。 私はあふれる笑みを抑えることが できなかった。無理もないわね。ここ数日感じていた違和感。胸のつかえが一気にとれたんだから。ここ数日キョンの様子がおかしかった理由。キョンが有希の 家に行った訳。不思議探検の実施を嫌がったことも、今ならわかる。理由はたった1つだったのだ。 もちろんSOS団結成一周年のことを私も忘れていた訳ではない。以前から盛大に祝おうと考えていた。けど最近立て続けに起こった出来事のせいでイベントをやる気持ちも失せていたのだ。 私はみんなに言った。 「みんな、ありがとう。」 私は緩んだ顔を引き締める。 「実を言うと、私は一度だけSOS団を解散しようと思ったことがあるの。私は世界一面白い仲間と世界一面白い活動をしようそう思ってこの団を作ったの。でも本当にそうなんだろうかって。宇宙人も未来人もやってこない。別に不思議な出来事もおきない。SOS団の活動もどこにでもある日常なんじゃないかって。 けど私はそう考えた自分を恥ずかしく思うわ。みんなに申し訳ない。SOS団は間違いなく世界一の団体。だって世界一のメンバーが集まっているんだもの。 みんなと出会えて本当によかった。本当にありがとう。 みんな、これからも私についてきなさい。今まで以上に盛り上げるわよ。 そうよ、常に前年を上回らなければいけないもの。 みんな覚悟しなさい。明日から激務が待っているから。」 その後、ケーキに1本のローソクを立て、ハッピーバースディを歌い、みんなで一緒に息を吹きかけ火を消した。そして乾杯してからみくるちゃんと有希の手料理に舌鼓をうつ。 有希は小さい体でよくこれだけ食べられると関心するぐらいもりもりもり食べ、みくるちゃんはメイド姿じゃないけど、ぱたぱたと動き回っていた。つくえにのりきらないほどの料理をみんなで平らげ、食後は古泉君が持ってきたツイスターやジェンガで盛り上がった。 日が沈み暗くなり私たちは解散し た。私は1人夜道を歩いている。暖かくなったといってもまだ夜は肌寒い。私は1つの決心をしていた。キョンにちゃんと気持ちを伝えよう。キョンが有希の家 に向かう姿をみて自分の気持ちに気づかされた。あれは杞憂だったが、今後心配が具現化するとも限らない。もうあんな気持ちにはしたくない。私はキョンが好 きなのだ。たぶんあいつだって。 私は携帯をポケットから取り出した。キョンと会って話をするために。
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/1886.html
例年に比べて少しくらい気温が高かったらしい夏も終わり 通学路の坂、キョンに言わせるとハイキングコースにも涼しさが到来してきた。 季節は秋。 キョンの奴は「うだるような夏がようやく終わってくれた…」なんて呟いてたけど 私に言わせれば夏の方がよっぽど面白い気がする。イベントが多いからね。 まぁ、秋は秋でイベントがあるからいいんだけど。 今日は古泉くんとみくるちゃんは実家の用事、有希は遠い両親に会いにいくらしく休み。 キョンは馬鹿だから先生に呼び出されてるらしい。 つまり私は今一人。理由も言わずに部室の鍵を閉めて帰ったら キョンが混乱するだろうし仕方がないから残ってあげてるって訳。 「あぁつまんない…何で団長のアタシが待たされなきゃいけない訳? 全部キョンのせいなんだから…来たらどう罰を科してやろうかしら? …そうだ、あの馬鹿面見るために隠れていきなり驚かしましょう!!」 そんな事を考えて私は部屋を見渡した後、みくるちゃんのコスプレ衣装の裏に隠れた。 衣装ならたくさんあるし、黙っていればバレないからね。覚悟しなさいよキョン!! その後10分くらいしてようやくキョンが部室に来た。 本当はすぐ出て行こうと思ってたけどキョンが一人の時は何をしているのか気になったし 少し隠れてキョンの観察をすることにした。変態なことしてたら許さないんだから!! 「ん?何だ、今日は皆来てないのか…俺が一番最後かと思ってたんだが…」 なんて阿呆みたいに呟いた後、何とあろうことか団長席に座ったの。信じられない。 後でとっちめてやろうなんて考えてるアタシの耳にその後とんでもない言葉が飛んできたわ。 「ハルヒまで来てないとはな…最近気になって仕方ないし話せなくなるからな。助かった…」 気になる?私を?どんな風に? 「アイツ可愛いよな…」 な……嘘…キョンが私を? 「抱きしめたくなるの何度我慢した事か…偉いぞ俺…」 信じられなかった。いつも振り回しているのに。 そう思ったら嬉しくなったと同時に身体が熱くなった。そう、今まで感じた事の無いような熱さ。 いや、正確に言えばキョンが気になり始めた時に感じた時の熱さと似ている。 でも今度の熱さは私にもしっかり分かった。 性欲。 キョンは私を異性として見てくれている。 恋愛なんて一種の気の迷い、精神病なんて思ってたけど違うのかもしれない。 アタシもキョンを抱きしめたい…それ以上も… そう考えた私は動きが早かった。いい?感謝しなさいキョン。 今からアンタは妄想の中でだけでもアタシに抱かれるの。 アタシはスカートの下から手を入れパンツ越しに秘部を撫でた。 ぐっちょり濡れているのが分かる。これが愛液…キョンを思って出た愛液… アタシの初オナニーの相手はキョンになった…嬉しくてたまらない… 気持ちよくてたまらない…秘部が熱い…ウズウズする… どこかで聞いた覚えのあるオナニーの仕方を思い出しながら必死に指で秘部を刺激する。 そしてもう一方の手で胸を触る…乳首が起っていてまるで自分の身体ではないような感じだった。 しかしアタシはうかつだった。初オナニーだったからかもしれない。 興奮していつしかキョンのいる部室だってことを忘れて一心不乱にしていたせいで 声が漏れて… 「ハルヒ?」 手を元に戻して「隠れてたのよ!!顔が熱いのは熱かったから!!」って言えばいいのに… でも狂ったアタシは止められなかった。 キョンの前で、キョンの顔を見ながら必死に秘部を刺激していた。 よりよい快感。キョンはアタシの前で顔を赤らめて顔を背けている。 止めないと。分かってるのに。アタシの理性じゃ快感には勝てない。 「キョン…キョン…キョン~…もっと…んぁ…」 衣類は乱れ、目の前で愛する人に見られ、二人きりの部室。 そんな状態の中で喘ぎ声なんか止められなかった…ただもう感じるしかなかった… 嫌われたくない…でも…止められない… そしてアタシはとうとう最大まで火照った体をさらけ出しながらキョンにこう言った。 「いい?アタシはね、アンタが好きなの!! アンタを考えながら今生まれて初めての自慰をしてしまったの!! だから…責任を取りなさい!!アタシが好きならだけど… もし好きならだけど…今回だけはアンタの好きにさせてあげるから…」 「本気か?」 え? 「本気でハルヒは俺のことを思って?」 そうよ… 「…嬉しいよハルヒ…俺もお前が好きだ!!だから…好きにしていいか?」 うん… 「初めてだから下手だけど勘弁してくれよ?」 「大丈夫よ…アタシはアンタってだけで大満足なんだから…ん…胸…そんなに強く…」 キョンはアタシを抱きしめると床に寝かせ、キスを一通りした後アタシの両胸を揉んでいた。 「んぁ…いい…キョン…ん…あぁ…」 乳首を指で弾かれる。それだけの行為でアタシの欲求は高まる。 胸を舐められる。それだけの行為でアタシの全てをキョンに委ねたくなる。 「キョン…下も…」 アタシがそう言うとキョンはアタシのパンツに手をかけそっと脱がした。 「凄ぇ…めちゃくちゃ濡れてる…俺が…」 「濡れてるとか言わないでよ…ねぇ…早く…」 分かったよ、と呟くとキョンはアタシのアソコを指で刺激した。 「んん…ぁあ…ヒィ…」 指入れるぞ、そう言うとゆっくりアタシのアソコに指をくねらせていった。 「ぃ…あぁ…ぁん…指…アタシの中に…」 キョンはアタシの一通りの喘ぎ声を聞き終えると自分のモノを出し 「なぁ、入れて…いいか?」 「ん…いいわよ…今日安全日だから……生でも…でも赤ちゃん生まれたら責任取りなさいよね…」 「責任って…」 そう言いながらもキョンはアタシのアソコに軽くモノを触れさせると少しずつ入れていった…」 「ん…痛ッ…や…駄目…ん…血…痛いよ…」 「わ、悪いハルヒ!!大丈夫か?今日はやめ…「やめないで…ちょっと待ってて…」 「分かった…」 その後数十分の間動かさず硬直状態だったけどアタシの「そろそろ…大丈夫そう…」って声で キョンは少しずつ腰を動かした。少し痛かったけどそれ以上にキョンのモノがあるってだけで。 それだけでアタシは満足できた。 「ハルヒ…しまりが…凄い……」 「馬鹿ッ…何言ってんのよ…んぁ…駄目……もうイキそう…」 「俺もだ…抜いた方がいいか?」 「駄目…アタシの中で…中で出して!!」 その声を合図に二人とも同時にイッた。 「キョンの…こぼれたのおいしい…」 「おいハルヒ、床舐めることないだろ…」 「いいじゃない…おいしいんだし…」 こうしてアタシたちの初体験は終わった。 いまでもたまにアタシたちは部室・教室で、普段はキョンの家でしている。 最初夏の方が好きって言ったっけ?あれ、撤回ね。 キョンさえ居ればどの季節だって最高なんだから!!