約 156,103 件
https://w.atwiki.jp/saikyousyujinnkou3/pages/3311.html
【作品名】北風小僧の寒太郎 【ジャンル】みんなのうた 【名前】寒太郎 【属性】北風小僧 【大きさ】数十cmくらい 【攻撃力】体格相応の刀を装備 木の葉を3回切り付けて雪に変えられる マントを広げることで自身の全長の2倍ほどの範囲に北風を起こせる 【防御力】大きさ相応の人並み 【素早さ】十数cm上空から舞い落ちてきた木の葉に3回切り付けられる 飛行可能 数mほどの距離を数秒で移動 【長所】冬でござんす 【短所】寒うござんす vol.20 91 :格無しさん:2008/08/17(日) 07 25 52 寒太郎考察 ○鮒 斬殺勝ち △ちびロボ 秒速1mなのでこっちが速い でも斬れない △たいやきくん 当てられない倒されない ○範馬勇次郎 斬殺勝ち △ちいさいかわ 川の中に入らなければ溺れない 分け ○○○アポロ~オスカー 斬殺勝ち ××マイケル、我輩 ここらあたりになると相手が大きくなり厳しい マイケル>寒太郎>オスカー
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3947.html
前話 次話 京太郎「さて、和と優希はどこに行ったんだか……あ」 和「あ、須賀くん」 優希「おお、京太郎」 西田「え?何々?」 京太郎「2人とも何やってるんだよ……新道寺の花田さんに会ったけど、行ってないみたいじゃねぇか」 和「それが、優希が道を間違えてしまって、さっきまで新道寺の控え室の反対方向に進んでまして」 京太郎「あー……優希、咲みたいなことしてんなよ」 優希「さ、咲ちゃん程酷くないじぇ!」 咲「...zzz……へくちっ……...zzz」 和「それで、さっきこの記者の方に道を教えてもらったので、そのお礼でインタビューを、ということになりまして」 西田「いやー、悪いね?今から行っても間に合わないし?」 京太郎「なるほど、話は分かりました」 西田「で、君は?まさか2人のどちらかの彼氏?」 和「そ、そんなことないです!!」 優希「そそそんなことないじぇ!!」 西田「……え?」 京太郎「2人が言う通り、俺はただの男子部員ですよ」 西田「なんだ……面白い記事になると思ったのに」 和「な、何書く気ですか!」 西田「で?2人は別室で試合見ながらインタビューだけど、君も来る?」 京太郎「俺は選手でもないですし、居ても邪魔になるだけですよ」 和「いいんですか?」 優希「そうだじぇ。京太郎、お前1人寂しく試合見てていいのか?」 京太郎「気にすんなって。あ、花田さんに連絡しとけよ?あの人心配してたから」 優希「わ、分かってるじぇ!」 和「全く、優希はいつも……え……穏乃、憧、玄さん……」 京太郎「へ?」振り返る 穏乃「和……」 憧「え?嘘……」 玄「和ちゃん……」 優希「確か、のどちゃんが言ってた阿知賀の知り合いか?」 憧「3年ぶり!」 穏乃「どうして?試合は今日じゃないだろ?」 和「試合を見にきて、色々あってこのマスコミの方と別室で見ることになったんです」 穏乃「和。うちら必ず決勝行くから、和も必ず来てよ!」 和「……そんな約束はできませんが、私自信はできる限り頑張るつもりです!」 穏乃「うん。また、遊ぼうな!」 和「はい!」 玄「……ちょっといいかな?」 憧「……玄?」 玄「和ちゃん、久しぶりに会えて、うれしいのです」 和「はい。私もとても嬉しいです」 玄「うん。何より、またあの頃より大きくなって……いよっしゃあ!!」ガッツポーズ 京太郎「ちょっと玄さん、落ち着きましょうよ」 穏乃「え?Kちゃん本人!?」 憧「てかなんで玄と知り合いっぽいの!?」 宥「あ、そういえば会ったの言ってなかったね」 灼「忘れてた……ごめん」 穏乃「3人だけ!?ずるいですよ!」 玄「……京太郎くん」 京太郎「……玄さん」 ガシッ! 穏乃「……へ?」 憧「……は?」 優希「な、なんで握手?」 和「ふ、2人とも?」 玄「京太郎くんが送ってくれた永水の人達の写メ、本当にすばらしかったよ!」 京太郎「玄さんこそ、千里山の清水谷さんの写メはすばらなアングルでした!」 玄「そんな……京太郎くんは宮守や姫松のおもちも送ってくれたのに、私のは少なくて」 京太郎「量じゃないです質です!数こそ少ないものでしたが、その分素晴らしい質のものばかりでした!」 玄「京太郎くん……」 京太郎「真のおもち好きに、悪人はいないんですよ?」キリッ 優希「いきなり何言ってるんだー!」飛び蹴り 京太郎「あでっ!!」 憧「玄ものらないの!」チョップ 玄「あたっ」 和「……玄さんも変わりませんね」 穏乃「あはは……2人は和の友達?」 優希「おう!私は1年生の片岡優希!清澄の先鋒だじぇ!」 宥「先鋒……玄ちゃんと同じだね」 優希「これと?」 玄「うぅ……痛いよぅ」 和「優希、一応年上ですよ」 灼「一応って言うんだ……分かるけど」 京太郎「3人は知ってるけど改めて、俺は須賀京太郎。1年生で麻雀部員だ。もっとも初心者で男は俺1人だが」 憧「男子が1人って……下心ありまくりじゃない」 和「憧、そういうふうに判断しないでください」 京太郎「和……」 和「確かに須賀くんは私の胸を見てたり、他校の胸が大きな人に見とれたり、最近はなぜか他校の知り合いが増えたりしてますけど」 和「麻雀部の雑用を文句も言わず1人でやってくれたり、家事など大抵できたり、良い人なんですよ!」 優希「のどちゃんのどちゃん。前半で台無しだじぇ。事実だけど」 穏乃「えっと……ようするに、良い人だね?」 憧「しず、そう言い切るのは無理があるわ」 和「だ、大丈夫です!須賀くんが好きなのは胸が大きい人ですから、穏乃なら大丈夫です!」 優希「おい」 穏乃「あー、うん。胸無いのはいいけど、そう言い切られるのは……」 憧「……ようするに、良い人だけど胸が好きってこと?」 玄「つまり私と同じ!」 灼「……駄目っぽい」 宥「あはは……」 京太郎「……なんか酷い」 憧「まぁ、和が良い人って言うならそうだろうけどね……胸か……」 穏乃「胸なんか無くてもいいんだー!」 優希「おぉー!!分かってるじゃないか!よしタコスをやろう!ほれ、同じ胸がないあんたにも!」 灼「あ、ども……おいし」 穏乃「あ、ほんとだコレおいしい!」 和「優希!それは花田先輩への差し入れじゃないんですか!」 京太郎「こんなこともあろうと結構多めに作ってある。優希だし」 優希「さすがだじぇ!他の3人もほれ」 京太郎「お前が食いそうだからだよ。それ、人にやったんならお前の分ねーぞ?」 優希「じぇ!?」 憧「あ、でもこれ本当においしい」 宥「これが、手作り?」 玄「おいしいですのだ!」 京太郎「それは何よりです」 放送『試合が始まります。選手の方は…』 憧「あ。もう行かなきゃ」 穏乃「うん。それじゃ和。決勝でね!」 和「ええ。穏乃達も頑張ってください」 玄「行ってくるねー」 優希「私は花田先輩を応援すれけど、それなりに応援してるぞー」 灼「それ微妙……」 宥「一応、応援してくれているから、いいんじゃない?」 京太郎「頑張ってくださいねー」 憧「……コレを手作り……負けた気がする」 穏乃「いいじゃん……私ならこんなの無理だし。でも、良い人って言うのは本当みたいだな」 憧「そうねー……玄、後でアドレス教えてよ?」 京太郎「さて、和と優希も行ったし、俺は席に行くか」 放送『先鋒の選手は…』 京太郎「始まるのか……先鋒の選手か」 京太郎(ここから会場までそこまで遠くないし、誰か1人くらいに会いに行くかな) 京太郎(先鋒の人は、一応全員知り合いだし。あ、照さんはマスコミ多そうだし、後でいいかな) 京太郎(園城寺さんに会いに行こう) 怜「はぁー……チャンピオンか……しんどそうな相手や」 怜「……ウチなんかが相手できるんやろか」 京太郎「あ、園城寺さーん!」 怜「須賀くん?どないしたん?」 京太郎「試合前に、先鋒の人に会っておこうと思いまして」 怜「先鋒?ウチ以外にも3人いるやん」 京太郎「その3人とも知り合いなんですよ」 怜「チャンピオンともか?すごいなぁ」 京太郎「いえいえ、ただの幼馴染ですって」 怜「で、ウチを選んでくれたんか?嬉しいなー……でも、ウチはそんな期待されてるほどやないよ」 京太郎「どういうことですか?」 怜「んー……ウチは今までなんとかやってきたけどな、結局それも色々なもんが偶然うまくいっただけや」 怜「……そんなウチが、こんな大舞台におってええんやろかな……」 京太郎「……いいんじゃないですか?」 怜「は?」 京太郎「そんな考えなくても」 怜「や、そう軽く言う話やなくてな……こう、シリアスなとこやで?」 京太郎「初対面からギャグみたいだった人にシリアス言われても」 怜「あー……あの時の話も結構本当のことやったんやけどね」 京太郎「もういっそ開き直って、照さん、チャンピオンと刺し違えるくらいでいきましょうよ」 怜「同時にトビ?いやそれ負けやん!?そして無理やって!!」 京太郎「意外にいけるかもしれませんよ?あの人も結構ドジですから」 怜「……ドジなとこが想像つかんよ」 京太郎「中学生の時、迷子の呼び出しくらったんで引き取りに行きました。当時小学生の俺が」 怜「ぷっ!……チャンピオンが?……中学生でて……面白すぎやん!」 京太郎「……その後も妹と何回か繰り返して、迷子センターの人に顔覚えられて」 怜「あははは!……あの澄ました顔でそれて……やっば、本人前にしたら吹き出しそうや」 京太郎「ほら、いけそうじゃないですか」 怜「あー……確かになんとかなるかもって思えてきたわ。色々考えてたんがアホらしくなってきた」 怜「チャンピオン、冷たい感じやったけどそうでもないんやね」 京太郎「むしろ結構温かい人ですよ」 怜「ありがとな、緊張もほぐれたわ」 京太郎「いえいえ。それじゃ、頑張ってください、園城寺さん」 怜「……怜や」 京太郎「はい?」 怜「怜。そう呼んでや。ウチも京太郎くんって呼ぶから」 京太郎「それじゃあ……怜さん、頑張ってください」 怜「うん。あ、ちょっと聞いたんやけどセーラと泉の知り合いやろ?」 京太郎「あ、はい」 怜「後でアドレス聞いてメール送るから、返事してなー」 京太郎「はい。分かりました」 怜「ほな、またなー京太郎くん」 怜「あ、チャンピオン」 照「…………」軽く会釈 怜「……迷子て……」プルプル 照「!?」 玄「?」 煌「?」 怜「……ふー。よろしくな」 照「……よろしく」 怜「……やっぱ笑いそうや」 照「……ちょっと後で聞きたいことがあるけど」 怜「京太郎くん、で分かる?」 照「……京ちゃん……言わないでって言ったのに……」 怜「ほな、はじめよか」 前話 次話 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/nitihou/pages/25.html
【講義名】商法1(商法総則・商行為) 【担当者】工藤師 【問題】 相次運送おいてなぜ商法に特段の規定があるかを商法511条・577条・579条及び766条を用いて論ぜよ(確かこんな感じ) 【補足】月1出席あり 予告あり 六法参照可
https://w.atwiki.jp/saikyousyujinnkou3/pages/836.html
【作品名】オバケのQ太郎 【ジャンル】漫画 【作品解説】 言わずと知れた藤子FとAの合作ギャグマンガ(初期は明らかに石ノ森御大が描いたであろうコマもある)。 時系列は「オバケのQ太郎」→「新オバケのQ太郎」→(十年以上経過)「劇画オバQ」となっているが テンプレ作者は旧の序盤、P子すらいなかった時代の話しか読んでません。ごめんね。 【共通設定】 オバケ族:Q太郎を始めとするオバケの種族。卵から生まれる。 もともとは地上に生息していたが、人間の文明が発達したため雲の上で暮らすことにしたらしい。 オバケ族の中でもQ太郎はかなり出来が悪い個体らしく、基本Q太郎に出来ることは他のオバケは皆出来るっぽい。 【名前】Q太郎 【属性】オバケ 【大きさ】子供並 【攻撃力】重量68㎏の人工衛星シンコム3号を抱えて数万㎞飛行しても息一つ切らさない。 【防御力】大きさ相応。空気銃で体をぶち抜かれても一瞬で傷がふさがった。宇宙空間でも平気。 【素早さ】高度35,784kmの静止軌道まで恐らく1時間程度で往復できる(飛行速度マッハ57)。 さすがにいつもこの速度で飛んでいるわけではない(基本的に時速50㎞程度)。 反応速度は子供並。 【特殊能力】動物語が話せる。 口の中に入れたものを消化させずに腹の中の袋に溜め込むことが出来る。 あのデカ口に入るサイズなら何でも貯蔵できる模様。 透明化:任意発動。一瞬で透明になることが出来る。体の一部だけ透明にすると言った器用な真似も行える。 霊体化:透明化とは別に、完全に霊体になることで壁を抜けたりする。 基本的には霊体化時には不可視ではあるが、霊体化したまま可視化することも可能。 言うなれば霊体化しているか実体化しているか、可視か透明かで4パターンの形態があると考えてもらって結構。 霊体化した際には体積を変化させたりできる(ラジオの中に入って歌を歌うなど)。 部屋の中で書いた手紙を掴んだまま霊体化して壁抜けて、外にいる誘拐犯に 手紙を届けたシーンがあるので霊体化中でもモノを掴むくらいはできる。 音痴:ものすごく歌が下手。TV出演した際にはあまりに下手すぎて全国で救急車がてんてこまい、TVが爆発した家庭もあったらしい。 近くで聞かされていた小学生が耳を押さえて悶え苦しみ「おねがいだからやめてくれ」とか懇願する余裕がある程度。 【長所】テンプレにしたらとんでもねえバケモノになってしまった 【短所】靴にしか化けられない。犬が大の苦手。 【戦法】霊体化+透明状態で参戦。後ろに回って首を絞める。 乗り物なら内部に侵入して首を絞める。 参戦 vol.108 vol.138 868格無しさん2023/02/01(水) 23 20 03.31ID rwcaQI+x 禍が抜けたので正義の味方、Q太郎、比良まさよしをちょい再考察 正義の味方 △Q太郎 お互い決め手なし ○比良まさよし 攻防差勝ち Q太郎 △比良まさよし お互い決め手なし 正義の味方=Q太郎>比良まさよし vol.135 294: カッツ ◆XksB4AwhxU :2021/10/07(木) 21 47 55 Q太郎再考察 思考発動の壁から負けまくるのでその下 ×孫悟飯(超武闘伝2) かめはめ波負け ×孫悟空(DATACH) かめはめ波負け △承太郎(ゲーム) 倒せない倒されない △禍 倒せない倒されない △正義の味方 倒せない倒されない ○DD-T1 侵入勝ち △キングスパイダー 倒せない倒されない △シャークトパス 倒せない倒されない △キマイラ 倒せない倒されない 〇日野日出志 人外なので効かない、首絞めて勝ち ○プレイヤーwithニンテン弐号 侵入勝ち △葦原鋼 倒せない倒されない △猫耳メイド 倒せない倒されない △カミシナ・ジンwithトア 倒せない倒されない △JAKEwithMR.Dwithアパッチ 倒せない倒されない ○ランツ大尉withスーパーサンダーブレード 侵入勝ち △天童陽司 倒されない倒せない 〇山本五十六with土佐 侵入勝ち ○主人公with土佐 侵入勝ち 承太郎(ゲーム)>禍=正義の味方=Q太郎>DD-T1 vol.123 269格無しさん2018/10/22(月) 00 50 47.92ID eAOffkQF 272 ざーっと更に見たけど、下のキャラが大量に消えるから 鷹取迅と大河内三郎と仮面ライダーブレイド・キングフォームと来須蒼真とケンシロウと墨村良守と男鹿辰巳&ベル坊も再考待ち 反応が遅すぎる あとQ太郎と武藤遊戯も絶対に下がる Q太郎は子供並で 武藤遊戯はブラックマジシャンが遅すぎる 619格無しさん2019/01/20(日) 16 39 43.61ID oMdEbr1h Q太郎再考 思考発動の壁から負けまくるのでその下 △正義の味方 倒せない倒されない △シャークトパス 倒せない倒されない 〇日野日出志 人外なので効かない、首絞めて勝ち △カミシナ・ジンwithトア 倒せない倒されない △天童陽司 倒されない倒せない 〇山本五十六with土佐 首絞めて勝ち 〇穂村一機 人外なので効かない、首絞めて勝ち 〇市ヶ谷ヒロキ 人外なので効かない、首絞めて勝ち △ヨーヨーマン99 倒されない倒せない △はんたwithRウルフ 倒されない倒せない シャークトパス>Q太郎>日野日出志 vol.109 208 :格無しさん:2015/04/16(木) 10 28 26.71 ID VtFbV7eQ Q太郎考察 物理透過+不可視、攻撃力は鍛えた人よりマシくらいか νガンダム(霊体)のほぼ下位互換なのでそこから下がる ×最終皇帝 クイックタイムからの範囲不思議攻撃負け △νガンダム どちらの攻撃も効かない 分け △ウルトラホーク1号 飛行速度で負けてるので侵入できず 透過分け ○?ジェネシス‐3 中に操縦者はいるのか いるなら勝ちいないなら分け △リボー・ブレンディッド ぎりぎり攻撃は効かないか 透過分け △クロノア 攻撃効かない 不可視分け △ケンシロウ 範囲不思議攻撃は範囲が足りないだろう 不可視分け △朱雀 攻撃効かない 透過分け ×来須蒼真 攻撃効かない、そのうち追尾する魔法弾喰らって負け ×ハヤタ・マン 光線の範囲広いな スぺシウム光線負け △緑ライオコンボイ 攻撃効かない 透過分け ×魔神勇二 刻印負け △ゴルゴ13(ゲーム) 攻撃効かない、透過分け ×仮面ライダーブレイド・キングフォーム 時間停止負け ○武藤遊戯 攻防で勝っている、魔導波は遊戯も巻き込む為使えないだろう △ウルトラマン(楳図かずお版) 不可視分け、ウルトラマンなのに時間制限ないのか △クリプト138 侵入いても攻撃は効かない、相手の攻撃も効かない 分け ○×3優愛菜~気の毒な少女 常時能力は効かない 首絞め勝ち △×2ジタン・トライバル~ 攻撃効かない、不可視分け ○ジン・サオトメ 侵入して首絞め勝ち ○鈴木正継with車 常時能力効かない、首絞め勝ち ○伊佐未勇withネリーブレン 侵入して首絞め勝ち ○琉々朱・爛縁侍with蜃気楼 侵入して首絞め勝ち 仮面ライダーブレイド・キングフォーム>Q太郎>武藤遊戯 vol.108 396 :格無しさん:2015/01/19(月) 20 11 29.56 ID 4QaBiXIQ 394 68Kgの人工衛星って軽すぎないか、摩擦で燃え尽きそうだが 397 :格無しさん:2015/01/19(月) 20 20 20.18 ID SsXCN8LB 68キロを持ち上げて移動しても息切れ一つ起こさないってなると鍛えた人~軍人並みかそれよりちょい上ってところか?なんか攻撃力ってよりもスタミナの説明っぽいな 398 :格無しさん:2015/01/19(月) 20 32 40.60 ID gEr8s1nZ どうでもいいけど重量が10kgしかない人工衛星とかあるよ NHKが衛星放送の実験で使ったA型衛星ってやつだけどね 399 :格無しさん:2015/01/19(月) 20 43 46.79 ID 4QaBiXIQ それって宇宙で分離してからとかじゃなくて? よくわからんが大気圏内の話だよね 400 :格無しさん:2015/01/19(月) 21 12 38.95 ID /9BSVFvo 396 http //spaceinfo.jaxa.jp/ja/syncom_3.html テンプレ作成の際に参考にしたシンコム3号に関するサイト 401 :格無しさん:2015/01/19(月) 21 21 03.61 ID gEr8s1nZ ごめんごめん 例えが悪かったかな A型衛星はスペースチャンバーっていう宇宙空間を作る施設で実験に使ったやつなんだ ただ、日本が最初に打ち上げた人工衛星も重量が30kgもないやつだし、軽いのはいっぱいあるよ 当然でかいのに比べたら燃えやすいけどね 402 :格無しさん:2015/01/19(月) 23 01 57.27 ID /9BSVFvo 369 すまん数百㎞飛行じゃなくて数「万」㎞だったわ 403 :格無しさん:2015/01/20(火) 04 54 30.17 ID rAD+n9vy 394 霊体化した状態で相手の首絞められるの? あと相手に触るのは歌が効かないの確認してからの方が安全じゃないかな それが勝敗にかかわってくる事滅多にないだろうけど一応 404 :格無しさん:2015/01/20(火) 09 11 47.87 ID i2oVjxj9 394 歌の詳細を頼む 救急車がてんてこまいといっても 気絶するのかや体調を崩すだけなのかといった事で 性能が変わってくると思う 405 :格無しさん:2015/01/20(火) 11 05 19.27 ID 9SBszEPW 404 近くで聞かされていた小学生が耳を押さえて悶え苦しみ「おねがいだからやめてくれ」とか懇願する余裕がある程度 うん、ジャイアンに比べれば大したことねーなこれ やっぱ歌は戦法から外してください(そもそも全話呼んだわけじゃないんですよ、オバQの単行本は殺人的な価格だから) 407 :格無しさん:2015/01/20(火) 15 39 12.26 ID EeHTrxtp 405 オバQってそんなに高いのか、知らなかった。ただ歌だと笹島聖斗あたりは倒れこんで「いっそ殺して」と懇願する程度でも精神攻撃扱いになってた記憶がある。 408 :格無しさん:2015/01/20(火) 15 47 38.73 ID i2oVjxj9 (省略) 405 結局 403の疑問(霊体化した状態で相手の首絞められるの?)についてはどうなのかな (省略) 410 :格無しさん:2015/01/20(火) 19 17 05.87 ID 9SBszEPW 408 部屋の中で書いた手紙を掴んだまま霊体化して壁抜けて、外にいる誘拐犯に手紙を届けたシーンがあるから モノを掴むくらいはできるのかも
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/1159.html
前話 次話 朝 久「さて……私達の出番はまだ先だけど、気を抜かずに行くわよ」 まこ「そうじゃな。で、今日はどうする?」 久「基本自由よ。練習してもいいし、観光してもいい。本番で全力が出せるようにしておきなさい」 優希「分かったじぇ!よし京太郎タコスだ!!」 京太郎「ねえよ。というかなんでだよ」 優希「私の全力=タコスだろ?」 京太郎「まだ先だっつってんだろ。お前、ただ食いたいだけか?」 優希「な、なじぇそれが!?」 和「ゆーきですからね」 京太郎「ったく仕方ねえ。散歩がてら行って来てやるよ」 優希「3分だけ待ってやるじぇ!」 京太郎「無理だ!」 咲「あはは。麻雀しながら待ってるね」 煌「……これはすばらくないですね」 姫子「……花田」 煌「いやいや、諦めたらいけませんよ?姫子、まず歩きを止めないことが…」 姫子「お前が道間違えたけんやろが!!」 姫子「はぁ……花田の『こっちにいいお店があるんです』っちゅう言葉ば信じたんが間違いやった」 煌「い、いやぁ~。いいお店なんですよ?朝からやっててこれが…」 姫子「やからって勘で進むのは無いわ」 煌「ははは……面目ないです」 姫子「朝のちょっとした散歩んつもりやったから携帯もなか。どーすると?」 煌「じゃ、私が右行くんで姫子は左…」 姫子「左はさっき来た道やからね」 煌「じゃー……そこの通りすがりの人に聞きましょう。あ、すいません」 京太郎「……はい?俺ですか?」 煌「ええ。少し道を聞きたいんですけど」 姫子「……あ!Kちゃん!?」 京太郎「……へ?」 煌「……はい?」 姫子「あ……気にせんといて下さい」 京太郎「はあ……」 煌「ちょ、いきなり何言い出すんですか!」小声 姫子「だって……Kちゃんご本人がおったけん」小声 煌「だからっていきなりKちゃん!は無いでしょう!」小声 姫子「だってインハイの景品っちゅう噂まであるんよ!いきなりKちゃん!もあるやろ!」小声 京太郎「あー、道なら俺はあんまり詳しくないですね」 煌「あ、そうですか……」 京太郎「でも、これからタコス屋に行くんで、そこで道を聞きませんか?」 煌「タコス屋?そこです!すばらです!」 煌「遅くなりましたが、私は福岡の新道寺女子高校の2年生の花田煌といいます」 姫子「同じく新道寺女子高校の2年の鶴田姫子。よろしく」 京太郎「俺は長野の清澄高校1年の須賀京太郎です」 京太郎「それにしても目的地が同じタコス屋だったなんて」 煌「すばらですね」 姫子「案内ありがとうね。K、須賀くん」 京太郎「タコスなんて珍しいもん好んで食うのはウチのぐらいかと思ってましたよ」 煌「長野でタコスですか。ひょっとして片岡優希ですか?」 京太郎「え、知ってるんですか?」 煌「私は中学まで長野にいまして、優希や和と同じ中学でした」 煌「一緒に麻雀を打ったりとても楽しかったです」 煌「優希はその時からタコス好きでして。そのせいか私もたまに食べたくなるんですよ」 京太郎「なるほど……タコスおそるべし」 姫子「タコス……そがんおいしかと?」 煌「少なくともおススメできるくらいはおいしいですよ?」 京太郎「それにしても……九州の新道寺っていう強豪校の人に会えるなんて思ってませんでしたよ」 姫子「そこまで言わんでもよかとに」 京太郎「ははは。いや、俺、初心者なんで麻雀が強い人とか憧れるんですよ」 煌「清澄にも強い人はいるじゃないですか。和とか分かりやすい例でしょう」 京太郎「それもそうですけど……あいつらみたいになれる気はしないんですよね」 姫子「全中チャンプか……牌譜ば一度見たけど、あそこまでのデジタル打ちは簡単やなかやろね」 京太郎「あ、着きましたよ」 煌「すばらです。じゃ、頼みましょう」 姫子「そやね。そん後聞こうか」 煌「タコス小をひとつ」 姫子「うちも同じやつば」 京太郎「タコスの中と大を1つずつお願いします」 姫子「おっきか……男の子やね」 京太郎「いや、俺は中で大は優希の分です」 煌「相変わらずですね」 姫子「道も聞けたし、ここで一緒に食べていかん?」 京太郎「じゃ、そこに座りましょうか」 煌「では、いただきます……うん、おいしいです」 姫子「これは……なかなかいけるね」 京太郎「でも毎日何回も食うのは……」 煌「ほんっと変わってないですねー」 姫子「どんな子なんそん子は」 京太郎「あ、鶴田さん顔に付きましたよ?」 姫子「え?どこ?」 京太郎「じっとしてて下さい」 ティッシュで顔ふきふき 煌「!」 姫子「!?ちょ、ま、待って」 京太郎「動くと余計とりにくいですから」 姫子「~っ」顔真っ赤 京太郎「はい、綺麗になりましたよ?」 姫子「……酷か」 京太郎「え!ひょっとして化粧かなんかしてました?」 姫子「しとらん!けどね、君は…」 京太郎「ああ、化粧落ちた訳じゃないんですね。もっとも化粧の必要ないですけど」 姫子「は!?どがん意味!?」 京太郎「え?元から可愛いから化粧いらないって意味なんですけど」 姫子「ひゃっ!?」 煌「すばら……」 姫子「え、や。か、可愛かって……」 京太郎「アレ?変なこと言いました?」 姫子「……よか」プイッ 煌「京太郎くん……すばらですね」 京太郎「はい?」 姫子「えへへ……」 京太郎「あ、そろそろ行かないとどやされるんで、俺は行きますね」 姫子「あ、携帯持っとる!?」 煌「姫子が持ってないでしょう」 姫子「あ……」 京太郎「じゃ、連絡先を紙に書きましょうか?」 姫子「よかと!?」 京太郎「ええ。こんな可愛い人に聞かれて断る理由はないですよ」 姫子「か、かわいー……」顔真っ赤 煌「姫子ー。帰ってきてー」 京太郎「はい。連絡待ってますね?」 姫子「う、うん!ちゃんと返してね?」 煌「あー、私もしますからね?優希と和によろしく言っておいて下さい」 京太郎「はい。それじゃ、また」 煌「戻りましたー」 哩「お、帰ってきたか」 美子「やけに長かったけど、どがんかしたと?」 煌「いやー、道に迷ったのと……」 姫子「可愛い……えへへ……」 煌「ああなりまして」 仁美「一体なんがあったと」 哩「姫子?姫子ー?帰ってきー?」 姫子「はっ!あ、部長!!」 哩「お、おお。どがんした?」 姫子「優勝しましょうね!!」 哩「あ、ああ。当然優勝したかけど…」 姫子「優勝して……Kちゃんを!!」 美子「ほんと何があったとー?」 煌「ご本人に遭遇、口説かれる?、連絡先ゲット、の3本です」 哩「れ、連絡先!?姫子!教えて!!」 姫子「いや!その前に練習です!!優勝するためにも、もっと縛りましょう!!」 哩「姫子ーー!!ご本人に会ったって縛っ……」 仁美「……なんもかんもKちゃんが悪い」 昼 京太郎「さて、買い出し買い出しっと」 京太郎「俺は大会に出れないし、せめて皆が実力を出しきれるよう雑用でもやるか」 京太郎「えっと……これか」 桃子「あったっす!」 京太郎「アレ?消えた!?」 桃子「あ、すいませんっす」 京太郎「え?幽霊!?」 桃子「よく言われるっす……でも生きてるっすよ」 京太郎「この不透明だが大きなおもちは……東横さん!」 桃子「……そんな見つけ方されたのは初めてっすよ」 京太郎「これとこれと……」 桃子「これっすか?」 京太郎「それそれ。これで買い出し終了だ」 桃子「結構な量を……1人で?」 京太郎「1年で試合も出てないし、当然だろ」 桃子「私はあんまり買い出ししないっすから」 京太郎「え?1年だろ?麻雀が強いからとか?」 桃子「私が行くと店員が気付いてくれなくて買えないっす……」 京太郎「……苦労してんだな」 桃子「だから先輩が見つけてくれた時は嬉しかったっすよ!」 京太郎「ああ、大将の。あの人すげーよな。あのメンツ相手にあそこまで立ち回るんだから」 桃子「そうっす!それに先輩は他にもすごいんすよ!」 京太郎「例えば?」 桃子「実は脱いだら結構…」 ゆみ「何を言っているんだ!」ベシッ 桃子「……痛いっす。そして先輩も来てたの忘れてたっす」 ゆみ「余計なことを言おうとするからだ」 京太郎「くっ……続きが気になる……」 ゆみ「君も叩くべきか?」 桃子「すいませんっす……つい嬉しくて」 ゆみ「全く……褒められて悪い気はしないがな」 桃子「先輩……!!」 京太郎「苦労してるんですね」 ゆみ「このくらいどうってことないさ」 ゆみ「苦労といえば、君の方じゃないのか?」 京太郎「俺?俺は別に雑用は好きでやってることですから…」 ゆみ「そっちじゃない。ぬいぐるみの方だ」 桃子「あー、Kちゃんぬいぐるみっすね」 京太郎「……へ?」 ゆみ「今さらだが、アレ結構人気なんだぞ?主に女子高生の雀士に」 桃子「つまりこのインハイの場にはKちゃん持ってる子がいっぱいいるってことっすよ」 京太郎「そうですか?」 ゆみ「そうですかって……そんなとこにぬいぐるみそっくりどころかぬいぐるみのモデルがいるんだ。結構な騒ぎになると思うぞ?」 京太郎「今のとこそんなことないですけどね」 桃子(なんっすかね……すっごく突っ込まないといけない気がするっす) ゆみ「ま、気をつけておくに越したこと無いだろう」 京太郎「分かりました。一応気をつけておきます」 桃子「なんかあったら消えるといいっすよ」 ゆみ「それができるのはモモだけだ」 京太郎「あはは。女子高生の雀士に人気ってことはもしかして加治木さんと東横さんも持ってるんですか?」 ゆみ「え……」 桃子「あー……」 京太郎「アレ?どうかしました?」 ゆみ(本人にあなたのぬいぐるみ持ってますって言うのはどうなんだろうか) 桃子(なーんか地味に好意持ってますって言うみたいっすね) ゆみ(うーむ……合宿では結構雑用をしてくれたりで悪い印象はないからな) 桃子(見つけ方はアレっすけど私を見つけてくれるひとりでもあるっすからね) ゆみ「まあ……流行っているからな」 桃子「そうっすね。こう、話題にもなればって思って」 京太郎「そうなんですか。こんな身近な人も持ってるって思うと少し照れますね」 ゆみ(身近どころか全国レベルだ) 桃子(何人の女子高生雀士がKちゃん抱いてると思ってるんすか) 京太郎「まあ、おふたりみたいな綺麗な人が持ってるって思うと嬉しいですね」 ゆみ「な……」 桃子「綺麗……っすか」 京太郎「あ、それじゃ俺はこっちなんで」 ゆみ「あ、ああ。分かった」 桃子「……須賀くん。あんまり女の子にそういうこと言うのは止めた方がいいっすよ」 京太郎「そういうこと?」 桃子「その……綺麗、とかっす。お世辞言いすぎはよくないっす」 京太郎「いや、事実だから言ってるだけだぞ?」 桃子「……~っ」 京太郎「それじゃ。こっちにもいつでも来てくださいね」 ゆみ「……アレ、素なのか?」 桃子「だったら、とんだ天然タラシっす」顔真っ赤 ゆみ「……Kちゃん買って良かったな」 桃子「……はいっす」 夜 京太郎「夜の都会って聞くとなんかアレだが実際はそんなことなかったな」 京太郎「ま、適当にブラブラするのもここまでにして帰るかな」 京太郎「ふう。夏だけど夜は少しはすごしやすいな。昼間ほど熱くないし」 宥「……寒い」 京太郎「……なんだあの厚着は。そして厚着の上からでも分かるすばらなおもちは!」 玄「おもち!?どこ!?」 京太郎「あの厚着の人だ。あれは目立たないが、なかなかのものだろう」 玄「ほほう、おねーちゃんのおもちを見切るとは……あなたもおもちマイスター?」 京太郎「イエス。ナイスおもち!」ガシッ 玄「ナイスおもち!」ガシッ 熱い握手 京太郎「……で、誰ですか?」 玄「……あなたこそ誰?」 宥「あ、玄ちゃん」 玄「私は奈良の阿知賀女子学院2年生の松実玄です」 宥「その姉で3年生の松実宥です」 京太郎「俺は長野の清澄高校の須賀京太郎です。よろしくお願いします」 玄「こちらこそ。あ、私は玄でいいからね?松実だとおねーちゃんか分らなくなるし」 宥「わ、私も宥でいいよ~」 京太郎「じゃ、俺も京太郎でお願いします」 玄「よろしくね京太郎くん。で、すばらなおもちでしょ?」 京太郎「ええ。すばらです」 京太郎「セーターに巨乳は偽乳などという意見もありましたがこれはすばらですね」 玄「ふっふっふ。それがすごいのだ」 宥「玄ちゃん?それくらいにしとこうね?」 玄「む、おねーちゃんが言うなら仕方ないです。京太郎くん、続きはまた後日」 京太郎「ええ。あ、連絡先交換しませんか?」 玄「もちろん!同じおもち好きなら」 宥「わ、私もいい?」 玄「え?」 京太郎「ええ。あなたの連絡先を断る理由なんてありませんからね」 京太郎(すばらなおもちでかわいい年上ですからね) 宥「あ、ありがとう……」 玄「おねーちゃん、男の人に自分から連絡先を聞くってどしたの?」小声 宥「玄ちゃん、この人Kちゃんの人だよ?」小声 玄「なんですと!」 京太郎「どうかしました?」 玄「あ、ううん。大丈夫ですのだ」 玄「ほ、ほんとに?」小声 宥「うん。それに、あったかそうな人だしね?」小声 玄「……京太郎くん」 京太郎「はい?」 玄「あ……えっと……よろしくお願いします!」ペコッ 京太郎「?こちらこそ」ペコッ 玄「あ、あはは。何やってるんだろね」 灼「……玄に宥さん?こんなとこでどしたの?」 宥「灼ちゃん」 灼「その人は……Kちゃん!?」 京太郎「あ、そのモデルです」 灼「え!?じゃ、本物!?」 宥「お、落ちついて」 玄「こちらは鷺森灼ちゃん!我が阿知賀女子麻雀部の部長さんです!」 京太郎「あ、どうも。清澄の1年生の須賀京太郎です」 灼「さ、鷺森灼。2年生ね」 京太郎「え?2年生で部長?」 宥「灼ちゃんしっかりしてるから」 灼「別に……ハルちゃんに言われただけだし」 京太郎「確か……監督の赤土晴絵さんでしたっけ?10年前に小鍛冶プロに大きいのかました」 灼「知ってるの!?」 京太郎「いや、色々調べている内に知りまして」 灼「ハルちゃんすごいよね!」 京太郎「ええ。10年前とはいえ、あの小鍛冶プロ相手にっていうのがすごいですよね」 灼「でしょ!」 京太郎「その赤土さんに指名されるんですから、鷺森さんは本当にしっかりしているんですね」ニコッ 灼「え……そ、そんなこと……」顔真っ赤 玄「……灼ちゃん陥落?」小声 宥「アレはね……」小声 京太郎「あ、そろそろ俺行きますね」 玄「うん。メールしてね~」 宥「わ、私も待ってる」 京太郎「玄さん、宥さん……ええ、必ず」 灼「ま、待って!」 京太郎「鷺森さん?」 灼「私も連絡先!」 京太郎「あ、はい」 灼「……灼でいいから」 京太郎「へ?」 灼「灼って呼んでいいって言ったの!!またね、京太郎!」タッタッタ 宥「あ、待ってよ灼ちゃん」 玄「じゃ、またね」 京太郎「あ、はい」 京太郎「……今日は良い日だ」 玄「良い人だったね、京太郎くん」 宥「うん。私、もっと話したいな」 灼「……私も」 朝 京太郎「東京の交通機関ってマジ便利……そして超複雑」 京太郎「さて……このハギヨシさんに教わったタコスレシピの材料はっと」 エイスリン「♪」 エイスリン「!」ズルッバターン!! 京太郎「うっわ、あの子思いっきり転んだな」 京太郎「あの、大丈夫ですか?」 エイスリン「?」涙目 京太郎(外国人!?それもめっちゃ美少女!!) 京太郎「あー、怪我ないですか?」 エイスリン「……ダイジョブ」 京太郎(あ、日本語大丈夫か。良かった) 京太郎「立てます?」手出す エイスリン「アリガト」手つかみながら立ち上がる エイスリン「……ココドコ?」 京太郎「……え?迷子、ですか?」 エイスリン「…………」カキカキ 京太郎(なんか持ってるスケッチブックに書きだした) エイスリン「ハイ!」人混みの絵 京太郎「……つまり人混みの中ではぐれたと」 エイスリン「ソノトオリ」 京太郎「……俺、迷子に縁があるかな」 塞「……エイスリンどこ行っちゃったんだろ」 塞「携帯も通じないし、大丈夫かな」 塞「ん?……あれは」 京太郎「制服着てるってことは高校生ですよね?」 エイスリン「ウン、ミヤモリノセイト」 京太郎「宮守?……どっかで見たんだよな」 エイスリン「ガンバレ!」 塞「エイスリン?ここにいたの?」 エイスリン「サエ!」 京太郎「保護者の方ですか?」 塞「同い年ね。君が一緒に居てくれたの?ありがとう、探してたんだ」 エイスリン「アエテヨカッタ!」 京太郎「いえいえ」 塞「自己紹介しとくね。私は岩手の宮守女子高校の臼沢塞。3年生で一応麻雀部の部長ね」 塞「こっちはエイスリン・ウッシュアート。同じく3年生で麻雀部」 エイスリン「ヨロシク!!」 京太郎「俺は長野の清澄高校1年生の須賀京太郎です」 京太郎「それにしても麻雀部だったんですか」 塞「そ。インハイに出てるんだよ?」 京太郎「おお、すげー」 エイスリン「デショ!」 塞「……それにしても、君、どっかで会ったことある?」 京太郎「え?」 エイスリン「ギャクナン?」 塞「違うから!……変な意味じゃなくてね、なーんか既視感っぽいのを感じるんだよね」 京太郎「うーん。勘違いじゃないですか?俺は岩手に行ったことはありませんし」 エイスリン「ワカッタ!!」 塞「ほんとに!?」 エイスリン「Kちゃん!」Kちゃんの絵 京太郎「あ、俺」 塞「……あー、そっちかー。ひょっとして君が」 京太郎「ええ。俺がモデルですよ」 エイスリン「ホント!スゴイ!!」 塞「ある意味会ってた訳か」 京太郎「アレ本当に売れているんですね」 塞「ま、ウチじゃあんまり手に入らないから1人しか持ってないけどね」 エイスリン「デモ、イイ!!」 京太郎「あはは。こんな綺麗な人にもそう言ってもらえると嬉しいですよ」 エイスリン「!!」カキカキ 塞「なんでまたハートの絵描いてるの?」 京太郎「絵描くの早い上に上手いですね」 エイスリン「ア、アリガト……」ハートを射る矢の絵 京太郎「おお、すごく良く描けてますね」 塞「……君もすごいね」 京太郎「それじゃ、俺はこれで」 エイスリン「!!」カキカキ 塞「……携帯の絵?ああ、連絡先が知りたいのか」 京太郎「いいですよ。むしろ光栄ですよ」 エイスリン「ワ、ワタシモ」顔真っ赤 塞「じゃ、私もついでに」 京太郎「ついで、なんかじゃないですよ」 塞「はは、ありがと」 京太郎「それじゃ、また」 エイスリン「ン!!」手を振っている絵 塞「普通に手振った方が早いよ?」 塞「良い人だったね」 エイスリン「ウン」 塞「……また会いたい?」 エイスリン「ウン!!」ハートを射る矢の絵 塞「それ、気に入ったのね」 昼 京太郎「東京は人が多い」 京太郎「咲じゃないが、買い出しだけで迷子になりそうで怖いな」ドンッ 泉「わっ!」 京太郎「あ、すいません!ぶつかってしまって、怪我とか無いですか!?」 泉「いや、こっちもよそ見してましたし、大丈夫で、す……」 京太郎「どうしました?」 泉「け、Kちゃんですか!?」 京太郎「ああ、そうですよ?一応俺がモデルです」 泉「あ、あの、私も持ってて」 京太郎「とりあえず落ち着いて立ちませんか?」手出す 泉「あ……はい」手取る 泉「改めまして大阪の千里山女子高校1年生の二条泉です」 京太郎「長野の清澄高校1年生の須賀京太郎です」 泉「同じ1年ですか。やったら、敬語やめません?」 京太郎「分かった。二条、でいいか?」 泉「泉でええよ。私も京太郎くんて呼ぶから」 京太郎「分かった、泉。あ、怪我ない?」 泉「大丈夫、大丈夫」 泉「で、京太郎くんがKちゃんなん?」 京太郎「逆な。あっちが俺」 泉「ほー。なるほどね」 京太郎「大阪でも売れてるのか?」 泉「自分が全国レベルって分かっとった方がええよ?」 京太郎「実感がねーよ。特にモテる訳でもないのにぬいぐるみは人気、なんて信じられねーって」 泉(京太郎くんが気付かないだけちゃうんかな) 京太郎「泉は…」 セーラ「泉!ここにおったんか!!」 泉「わ、先輩!」 セーラ「どこ行ってたんや!みんなでファミレス行くゆうたのにどっか行って!」 泉「すいません。人が多すぎて」 セーラ「心配したんやで?次は気ぃつけや」 泉「はい」 セーラ「っと、一方的に喋ってすいません。泉と話してたみたいやのに」 京太郎「いえ、大丈夫ですよ?」 セーラ「どう、も……」 京太郎「?」 セーラ「泉、ちょお来い」ガシッ 泉「先輩?ちょ、行きますから離して下さい!あ、京太郎くん待っとってや!」 京太郎「あ、ああ」 セーラ「おいなんでKちゃんおるんや!そしてなんで親しげなんや!」小声 泉「いやー、なりゆきで?」小声 セーラ「お前……帰ったら覚悟しときや?」小声 泉「何する気ですか!?」小声 セーラ「あー……なんか泉が世話になったみたいで……」 京太郎「え?いやいや、こっちがぶつかったんですから」 セーラ「あ、俺は千里山の3年で江口セーラです」 京太郎「あ、長野の清澄高校1年生の須賀京太郎です」 泉「1年の二条泉です」 京太郎「さっき言っただろうが」 泉「いやぁ、つい」 セーラ「ところで、さっき泉に聞いたんやけど須賀くんKちゃんなん?」 京太郎「そうですよ。後、京太郎でいいですし敬語もいいです」 セーラ「なら俺もセーラでええから」 セーラ「しっかし、本人に会えるなんて思ってなかったわ」 京太郎「あ、持ってるんですか?」 セーラ「あー、少しおかしいかもしれんけどな」 京太郎「え?どこがですか?女の子がぬいぐるみ持ってておかしいことなんか無いですよ?」 セーラ「え?や、俺こんなんやし」 京太郎「関係無いでしょう。セーラさんは女の子なんですから」 セーラ「……ありがとな」 泉「京太郎くん狙ってへん?」 京太郎「何を?」 泉「や、女の子、とか?」 京太郎「俺は事実しか言ってねえよ。お世辞も言わない」 泉「……じゃあ、私はどう?」 京太郎「魅力的な女の子だろ?」 泉「……具体的にどこが魅力的なん?」 京太郎「うーん。健康的な感じとか?」 泉「う……」 京太郎「話しやすいとことかもだな。会って間もないのに話せてるし。後は結構…」 泉「も、もうええから!それ以上は、やめて……」顔真っ赤 京太郎「そうか?さて、そろそろ行くわ」 セーラ「そうか。やったら連絡先交換せえへん?」 泉「わ、私も!」 京太郎「分かった……じゃ、また連絡しますねー」 セーラ「これは、本人もなかなかやな……」 泉「真正面から褒められるって、結構きますね……」 夜 モブ3A「明日はあの清澄か……」 モブ3B「まずこいつらに勝たないと」 モブ3C「普通にやれば?」 モブ3D「普通に強いだろ」 モブ3E「……いい考えがある」 朝 実況「さあ、インターハイも3日目!ちらほら強豪も現れます!」 解説「今日は荒れそうですね。姫松などのおしくもシード落ちした高校などそろそろ出てきます」 実況「どうなるか期待ですね」 放送「先鋒の選手は、速やかに…」 優希「よし!京太郎手作りのタコスも食べたじぇ!気合充分!!」 まこ「おう、思いっきりいってこい」 久「ええ。派手にやっちゃっていいわよ」 優希「うおおおお!燃えてきたじぇ!!」 和「全くゆーきったら」 咲「でもすごいね。緊張とかしないのかな」 優希「タコス食ったからな!」 京太郎「全くだ。手作りまでしたんだから、しっかりやれよ」 優希「おう!優希様の活躍をしかと見るんだじぇ!!」 実況「さあ、続々と選手が集まってまいりました」 解説「今はモブ校1、モブ校2、清澄だけか」 実況「いや、モブ校3が入ってきました。ん?アレはなんだ?」 解説「アレは……」 優希「な……」 モブ1A「おいおい……そりゃありかよ」 モブ2A「……心理作戦?」 モブ3A「何よ。いいに決まってるわ」 モブ3A「Kちゃんぬいぐるみ持って打っちゃいけないって規則はないもの」 実況「なんとモブ校3、ぬいぐるみを持って来たー!!」 解説「ほう……これはアリだな」 実況「アリなんですか!?」 解説「普段に近い状況を作り普段通りの力を出す、という作戦で私物を持ち込む選手はいる」 解説「何より、ぬいぐるみの持ち込みはすでに清澄が県大会でやっているんだよ」 久「これはまた……予想外の作戦ね」 和「まさか私と同じような人がいるとは」 咲「で、でも優希ちゃんは普段和ちゃんと打ってるんだし…」 まこ「いや、分からんぞ?なんたってKちゃんじゃからな」 京太郎「?俺見たってどうってことないでしょう」 まこ「ほんっとこいつは……」 久「とにかく優希を信じましょう」 モブ3A「ふっふっふ。清澄、あなたは文句言わないわよね?あの原村和がやっているんですもの」 優希「くっ……」 モブ1A「その手があったか……後半は持ってこよう」 モブ2A「……同意」 優希「も、持ってきているのか!?」 モブ3A「どう?今はぬいぐるみだけど、優勝して本人をいただくのはうちよ?」 優希「は?何言って…」 モブ3A「さあ、始めましょう?」ギュッ 前半戦 実況「前半戦終了ー!!」 解説「さすがインターハイ、というレベルの試合でした。注目すべきは清澄とモブ校3ですね」 解説「清澄は東場は圧倒的、そしてモブ校3は要所要所で上手く上がっています」 実況「ぬいぐるみ効果でしょうか?」 解説「どうでしょうね。他の選手が動揺したようではありましたし、無意味とは言い切れません」 モブ3B「よっし作戦通り!」 モブ3C「Kちゃん持ってって動揺誘うって……最初はどうかと思ったけど」 モブ3D「なかなか上手くいったな」 モブ3E「このままいけばいい」 優希「京太郎ー!!いるか!!」 京太郎「いるっての。なんだ、タコスはあるぞ?」 優希「それももらうが、そこに立っているんだじぇ」 京太郎「?」 優希「……あむ……タコス旨い」 和「ゆーき?」 京太郎「?俺見ながらタコス食ったって増えねぇぞ?」 優希「違うじぇ……あいつが持ってたのはぬいぐるみ」 まこ「そうじゃな」 優希「京太郎はここにいる」 京太郎「当たり前だろう?俺は清澄の生徒だぜ?」 優希「……よっし!それでいいじぇ!!」 咲「優希ちゃん?」 久「自分が持ってないのに他校の生徒がKちゃん持ってたのが悔しかったってとこかしら?」 優希「部長。少し違うじぇ」 京太郎「じゃあなんだよ」 優希「……秘密」 咲「優希ちゃん……」 和「……ゆーき、時間ですよ?」 久「……そーね。須賀くんも見てるんだし、しっかりやってきなさい」 まこ「うむ。まかせたぞ先鋒」 優希「片岡優希!行ってくるじぇ!!」 優希(正直、あいつがぬいぐるみ持ってきたの見て驚いた) 優希(他が持ってるの聞いて、悔しかった) 優希(でも、本物は、京太郎は1人だけだ) 優希(あいつらは持ってない、清澄高校の須賀京太郎は1人しかいない) 優希(そして京太郎は私を見ている) 優希(だったら、ぬいぐるみ持って満足している連中に負けるわけにはいかない) 優希(私は、京太郎が) モブ3A「あら?あなたはKちゃん無いんだ」通常Kちゃん モブ1A「ま、急遽持ってきたわけだがな」忍者Kちゃん モブ2A「……負けない」ハンターKちゃん 優希「…………」 モブ3A「ま、あなたが持ってなくても私はKちゃん抱いて打つけどね?」 優希「……ふっ」 モブ3A「……何笑ってるの?」 優希「別に、Kちゃんが無くてもいいじぇ」 モブ1A「ほう、どうしてだ?」 優希「本物が、京太郎がウチの部にはいるからな」 モブ2A「……それは当然」 優希「さっきは手料理食ってきた、と言ってもか?」 3人「!?」 優希「だから言ってやる。ぬいぐるみで満足してる連中に、負けないじぇ!」 実況「先鋒戦終了!!清澄が2位と大きなリード付けて1位です!!」 解説「前半戦では南場での失速も目立ったが、後半はそれが気にならない程東場で暴れたな」 実況「他校がぬいぐるみを持ち込む中、むしろ落ち着いた様子でしたね」 解説「だが、まだ始まったばかり。ここからひっくり返ることも充分にありえる」 優希「悪いが、京太郎が持ってるんで」 モブ1A「……こりゃかなわん」 モブ2A「……見事」 モブ3A「……こんな、ことになるなんて」 まこ「おう、お疲れさん」 優希「染谷先輩!」 まこ「よーやった。こっから引き離してくるわ」 優希「なんかぬいぐるみ持って来てたじょ」 まこ「そんなもん、本物がついとるわしらに関係ないじゃろ?」 優希「そのとおりだじぇ!」 まこ「県大会決勝は情けないとこ見せてもーたし、いっちょやってくるわ」 モブ1B「来たか清澄」通常Kちゃん モブ2B「この差、詰めさせてもらうよ」眼鏡Kちゃん モブ3B「ところであなたもKちゃん無し?」侍Kちゃん まこ「……なんじゃ、みーんな持っとるんかい」 モブ3B「先鋒といい、清澄は持ってないの?こんないいものを?」 まこ「わしにそんな手は通じんぞ」 モブ3B「無いものの僻み?」 まこ「そりゃお前さんらじゃろうが」 モブ3B「は!?」 まこ「ま、ええわ。さっさとやってしまおうかの」 実況「次鋒戦終了!!清澄が差をさらに広げました!!」 解説「こりゃ下手したらモブ校3のトビ終了もありえるぞ」 実況「それにしてもあっという間に終わりましたね」 解説「気のせいだろ」 まこ「ふう。汚名返上、かの」 久「あら、まだ気にしてたの?」 まこ「そりゃな。あんな負け方して平気でいられるほど図々しくないわ」 久「でも文字通り汚名返上したからいいじゃない」 まこ「そうじゃな。まかせたぞ部長」 久「ええ。終わらせてしまっても、構わないんでしょう?」 久「あらお揃いで」 モブ1C「いい加減こっちも早く点棒が欲しくてね」ブラックKちゃん モブ2C「そうだねー。部長だっけ?泣いてもらうよー?」犬耳Kちゃん モブ3C「後が無くて私が泣きそうだよ。ひっくり返す予定だけど」祓魔師Kちゃん 久「私も部長として、3年生として負けられないから」 久「泣かせちゃったら、ごめんなさいね?」 他の会場 実況「決まったー!姫松高校愛宕洋榎、役満だー!!」 いちご「そんなん考慮しとらんよ……」 洋榎(インハイで初めて役満和了ったわー) 洋榎「ってなんで誰も迎えに来んのや!」 絹恵「お姉ちゃんおかえりー」 恭子「主将を信用してるからですよ」 洋榎「そーか。ってなんや?まだやってるとこあるんか?」 漫「清澄ってのがえらい連荘してまして」 由子「バカヅキおさげなのよー」 実況『決まったー!!清澄高校中堅竹井久、6連荘でモブ校3のトビ終了だー!!』 洋榎「これは……ってなんで清澄以外Kちゃん持ってんねん!!」 恭子「そっち!?」 由子「なんかモブ校3が持ち込んでから清澄以外も持ち込んだのよー」 漫「色々な種類ありますね」 洋榎「こうなったら2回戦はうちらも持ち込むで!」 絹恵「いやお姉ちゃんはうちに忘れてきてたよね?」 洋榎「せやったわ!こうなったら同じ持ってきてない同士の清澄!負けへんで!!」 恭子「清澄が持ってないとは限りませんけど……聞いてないかな」 由子「まー勝てばいいのよー」 久「ごめんなさいねー」 モブ1C「やれやれ。ここまで、か」 モブ2C「……ぐすっ」 モブ3C「ひっくり返すどころか叩き返された……」 実況「清澄高校、副将に回すことなく終了!!」 解説「すごいな……これが初出場のチームか?」 実況「一部で有名な清澄でしたが、ここまでだと誰が想像したでしょうか」 解説「だが、次はそうもいかないだろうな」 実況「と、言いますと?」 解説「何せ、あの姫松高校が次だと聞いた。さらにシードの永水だ。今回みたいなことは起きないさ」 久「ただいまー!」 優希「部長、おかえりだじぇ!」 咲「和ちゃんと私の番が来る前に終わらせるなんて、さすが部長ですね!」 和「ちょっとオカルト染みた打ち筋でしたけどね」 まこ「なにより勝ったんじゃ。次を考えるぞ」 久「次はシードの永水に強豪の姫松。後は」 京太郎「あ、今宮守ってとこに決まりましたよ」 久「私達と同じく初出場の宮守か」 和「相手がどこでも変わりません」 優希「そりゃのどちゃんだからだじぇ」 咲「うう、怖い人だったらどうしよう……」 まこ「少なくとも今日みたいにぬいぐるみ持ち込むようなことはしてこんじゃろ」 小蒔「前半戦だけ!全部駄目なら前半戦だけでいいですから!!」 霞「小蒔ちゃん?さすがに、ね」 初美「本家の人も見てるですよー?」 春「……だから代わりに私が」 巴「そもそも持ち込むのが駄目だって」 白望「……どうする?」 エイスリン「リレーホウシキ!」ぬいぐるみを渡し合う絵 豊音「それちょーいいよー」 塞「いや、シロしか持ってないからってそれはちょっと」 胡桃「そもそも麻雀するとこに持ち込むの駄目だから!」 洋榎「……絹!やっぱうち取り帰って」 絹恵「お姉ちゃんそれ駄目やって」 漫「主将……」 恭子「でも清澄の原村和は持ち込んでますし…」 由子「でも洋榎の相手は持ち込んで無かったのよー」 久「どんな相手にせよ、普段通りの麻雀やって勝つわよー!!」 咲・和・優希・まこ「おーっ!!」 京太郎「……しっかしなんで持ち込んだんだ?何も変わらないのに……和の真似?」 咲「……京ちゃん、わざとやってない?」 清澄高校、1回戦突破!! 前話 次話 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/ladio/pages/36.html
【亀太郎】(かめたろう) ラジオタイトル ♂高1 亀太郎のメンタルラヂオ ♂高2 亀太郎のラヂオ~ごおいんぐ、まいうぇい~ 放送状況 2006年03月05日 放送開始 特色・紹介 バイト先の話しや日頃の鬱憤・愚痴とレス読みがメイン DJの偽者が出たためにID制をとっている ゲストに出る時は一言レスする 最近はゲスト懇願 放送の最後にジャンケンをする オフ会を計画している リスナー数が23を超えると張り切る 癒し声の持ち主 倉木麻衣LOVE テンションあがるとエロくなる 下の毛にもハーバルエッセンス いろんな人の本名と顔を集めている 定時制高校に通う日々 たまに「にゃー」と言う 冗談は言うが通じない 学校でのあだ名は電波君 プリクラに興奮 自称ミスタービーン カラオケでブリトラ歌う この年で喫煙者 タバコの値上げにキレている デスクトップに秘書が居る 関連URL 放送用BBS ♂高2 亀太郎のラヂオ~ごぉいんぐ、まいうぇい~ コメント 名前 コメント today - yesterday - total -
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3326.html
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 京太郎「まさか、こんな日が来るとはなぁ…」 ハギヨシ「………」 京太郎「やっぱ重てぇな、男だもんなぁ」 京太郎「にしても…ハギヨシさんが熱中症で倒れるとはな………」 ハギヨシ「………」 京太郎「しかし、夜だからあまり目立たないとはいえ………」 京太郎「少々、いやかなりキツいもんがあるな、これ………」 -約1時間前、インハイ会場付近- 純「悪りぃな、須賀。こんな忙しい時に」 京太郎「全然大丈夫っす!それよりハギヨシさんは?」 純「日陰で寝かせてる」 ハギヨシ「」 京太郎「マジかよ…」 純「ああ、俺も信じられねぇよ…」 京太郎「というか他の方々は?救急車とか…」 純「ああ、それはだなぁ………」 ハナシナサイ、ハジメ トーカキモチハワカルケド ビェエエエンハギヨシー フタリトモオチツイテ 純「あの調子でな、レスキュー隊どころか自衛隊呼びそうな勢いでさ。」 京太郎「ああ…」 純「という訳でさ、ヨッシーおぶってホテルまで頼むわ」 京太郎「はいぃ?!」 京太郎「いや、普通に救急車呼びましょうよ?」 純「大袈裟にしたく無ぇんだよ、ウチも色々あってさ…それにヨッシーの為にもさ」 京太郎「え、いや、それなら純さんが…」 純「すまん無理、そろそろあの二人じゃ透華達押さえ切れなくなる頃だから」 純「という訳で後は頼んだぞー!」 ハナシナサイハナシテハギヨシー アアモウダメ… ビエーン マタセタナフタリトモ! イケメンキタコレデカツル オトコジャネェー! 京太郎「」 京太郎「と、いう訳なんだけど………って誰に説明してんだか」 ハギヨシ「本当にご迷惑をお掛けしてしまいましたね」 京太郎「ハ、ハギヨシさん、起きてたんですか?!」 ハギヨシ「ええ、今しがたですが」 京太郎「ああ~良かったぁ、本当びっくりしたんすから」 ハギヨシ「実に申し訳ない、このハギヨシ一生の不覚です…というか降ろしていただいてm「それは駄目です!」 京太郎「ついさっきまでぶッ倒れてた人が何言ってんですか!それに純さんにも頼まれてますから」 ハギヨシ「そうですか………」 京太郎「そうです、ハギヨシさんは俺とは違うんっすから…色んなモンしょって立ってる人なんすから!」 ハギヨシ「須賀くん?」 京太郎「と、兎に角早く良くなって貰わないと。俺も、龍紋淵の皆さんも心配したんっすから」 ハギヨシ「須賀くん、何か悩みでも?」 京太郎「何言ってるんですか、今はハギヨシさんの話で……」 ハギヨシ「そうですか、ならば少し眠らせてください。そしてこれからするのは只の寝言」 京太郎「え、えぇ~?」 ハギヨシ「確かに今の君に背負える物は無いのかもしれません」 京太郎「しかし共に歩む仲間はいるではありませんか、まずそれを自覚なさい。」 京太郎「は、はい!」 ハギヨシ「そして現状を憂うならまずより努力をなさい、いささか君は移り気が多すぎます…色々と」 京太郎「うぐっ、ぞ、存じております……」 ハギヨシ「ですが、物事を広く受け止める姿勢は大変よろしい、もしかしたら私よりも多くの物を背負えるかもしれませんね」 京太郎「も~どっちなんすか~」 ハギヨシ「んっふ」 ハギヨシ「よろしければ、個人的に教授して差し上げたいところですが…」 京太郎「え?!」 ハギヨシ「いささか人目に付き過ぎたようですね。」 ナニアレーウワーナイワーイヤアリダヨーダル… 京太郎「あ…」 ハギヨシ「また日を改めてということで…」シュバ 京太郎「き、消えた………やっぱ執事ってすごい、改めてそう思った」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ HGYS(危ない、実に危ない…) HGYS(あのような若い情熱を見せられてはまた悪い虫が起きてしまう) HGYS(久しぶりの東京…二丁目でハッスルしすぎて倒れたばかりだというのに、いけないいけない) HGYS(しかし…) HGYS「おんぶというものもいいものですね」 HGYS「次は私が須賀くんを…んっふ」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 花子「あっぢぃぃぃぃ」 京太郎「じゃあ降りましょうよ…」 花子「やーだよ歩くのめんどいんだよ」 京太郎「ノーヘルなんかで原付乗るから」 花子「このクソ暑いのにヘルメットなんか被ったら死ぬ死ぬ」 京太郎「どう見てもそのニット帽の方が暑そうです」 花子「こーれはオシャレなの!お前もカワイー女の子を堪能できてまんざらでもないんだろー?」 京太郎「確かに、それは言えますねー」ハハハ 花子「正直者め、ごほーびにこうもうちょっと密着して」ギュッ 京太郎「あ、やわらけぇ」 ミーンミンミンミン 花京「…」 花子「やっぱ密着すると暑いわ…」 京太郎「そですね…」 ミーンミンミン ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 京太郎「また咲が迷子になったので皆で手分けして探していたら、会場外のベンチで寝ている咲を見つけた」 京太郎「こんなとこに居たのか……おい、咲ッ!」 咲「…zzz」 京太郎「起きろよ咲!風邪引くぞ!」ユサユサ 咲「……zzz」 京太郎「全く起きねぇ…しょうがない、おぶって連れてくか」ヨッコイセッ 咲「…zz…ウ~ン、固い」ムムム 京太郎「文句言うな!我慢しろ!」 咲「…スー…スー…スー」 京太郎(寝息がくすぐったい…///) 咲「…スー…スー…スー」 京太郎(こいつこんなに軽かったのか。最近たくましい姿しか見てなかったから忘れてたけど…) 咲「…スー…スー…スー」 京太郎(こういうとこは変わって無くてちょっと安心) 咲「…スー…ンン…スー」 京太郎(でも、胸はもう少し大きくなって欲し……あっ、尻は見た目よりあるかも!) ゴッ! 京太郎「痛っ!!……頭突きされたし。」 咲「…フンッ」 なんだかんだで控え室近く 京太郎「お姫様ー。もうすぐ部屋着きますよー。」 咲「ウーン」 京太郎「恥ずかしいから、そろそろ起きろー。」 咲「ウウッ」 京太郎「おーい、咲さーん?」 咲「………お姉ちゃん」グスッ 京太郎「咲?」 咲「……お姉ちゃん…私強くなるから……また一緒に…麻雀……」 京太郎「咲……」 京太郎(そういや照さんもこの会場にいるんだよな…清澄の最大の敵として) 京太郎(咲…お前が努力してるのは俺達みんなが知ってる。きっとお姉さんもお前の活躍を見てる。) 京太郎(麻雀を楽しむお前を見てると俺も楽しいから。お前達の見る世界を俺も見たいから。) 京太郎「だから……頑張れ、咲。」 咲(ありがとう京ちゃん)ギュッ カン! ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 昨日姉帯さんとケンカをしてしまった。 理由はほんの些細な事だったが、滅多に怒らない姉帯さんと本気の口論をしてしまい 未だに口を利くことはおろか顔も合わせてもくれない。 それからだ。 肩にずしりと、何かの重みを感じるようになったのは…… 豊音「」ムスー 京太郎「……あの、姉帯さん。重いんでそろそろ降りてくれませんか」 豊音「」ギュウゥゥゥゥ 京太郎「いでででで!すいませんすいません!!重くないから絞めないで!」 豊音「京太郎君のばかー…」グスッ 京太郎「ですからオレが悪かったですって!!だからもうそろそろ……」 豊音「ヤー」ギュゥゥゥゥ 京太郎「ぎゃああああああああ」 胡桃「……なにやってんの、あれ」 白望「……じゃれてるんじゃない?ダル……」 カン! ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| ――目眩がする。 ――欠けた夢を見ているようだ。 幼い頃、母が死んだ。 とても悲しいことで、泣いて泣いて、ただ泣いて。 そうして、私は妹より先に泣き止んだ。 いや、止まざるを得なかった。だって、妹はまだ泣いている。 甘えたかっただろうに、もう母はいなかった。 だからだろう、父は人一倍妹に気を配った。 父に背負われるのは、いつでも泣いている妹だった。 私は大丈夫、泣き止んでいる。だから、えこひいきだったとか、 そんなことはちっとも思わない。 ただ――ふと気付いてしまった。 私は、お父さんに、一度も背負われたことがない。 もちろん、それが原因で仲違いする訳はない。 父はいつでも優しく、厳しく、私たちのことを愛してくれていたし。 妹だってそうだ。私のことを心から慕ってくれている。 それは本当に嬉しいことだけど――。 それでも、たまに思うのだ。 ほんの少し、ほんの少し――姉であることを忘れて、泣き続けていれば。 あの人は私を背負ってくれたのだろうか、と。 ああ、何て我が侭。 何もかもが充足しているくせに、私は未だそんな他愛もないことを 引き摺っている――。 ――瞼を開く。 ――薄い橙色の日差しが、目に眩しい。 景色が動く。 私は無意識に足を動かそうとして、それがろくに動かないことに気付いた。 「ん……」 「ああ、起きた起きた。おはようございます、宥さん」 目を開いて、私は大層驚いた。 私は、須賀京太郎君に背負われていた。 「あれ、私――どうして?」 「温室で眠っていたので、玄さんに頼まれて家まで送っているところです」 「そっかぁ。………………ご、ご、ごめん! あの、今」 今すぐ離れる、と言い掛けて私の言葉は止まってしまう。 長年仄かに思い続けていた夢が、違った形で叶えられていることに気付く。 「…………あぅ」 「どうしました?」 「あの……もう、もう少しだけ、このままでいい?」 私の体はすっかり成長してしまって。 背負われるなど、夢のまた夢だったけれど。 そうか、こういう形もあるのか。 「いいっすよ」 「ごめんね、重いよね?」 「いやいや、軽いものです。女の子っていうのは、そういうものでしょう」 離れよう、と思ったけど思い直して顔を首筋に近付ける。 男の人の匂いだ、と私は思った。 この匂いをかいだだけで、私はひどく落ち着いてしまう。 回した両腕が、ごつごつとした体の固さを伝えてくる。私がその身を 預けても、平気で突き進む――力強い体だ。 「ねえ、京太郎くん」 「はい」 「私ね、たまに凄く泣きたいときがあるの」 「……そうですか」 「でね。もしそうなったときに、お願いしたいことがあるの」 「何ですか?」 ――あなたの背中を、貸して下さい。 「……はあ。俺なんかの背中でよければ」 「うん、ありがとう」 瞼を閉じる。 彼に背負われているだけで、私はこんなにも幸福で――。 「……しあわせ」 そう呟いて、首に回した腕の力を少しだけ強くした。 カン! ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| ハギヨシ「んっふ」 京太郎「おんぶ!ハギ!おんぶ!」 ハギヨシ「仕方ないですねぇ、京太郎君の甘えんぼさん♪」 京太郎「にぃに!にぃに!」 ハギヨシ「ほら、私につかまりなさい」 京太郎「んんー!ハギ!おおきー!」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| マホ「うーんうーん……」 京太郎「うーむ……」 マホ「ダ、ダメです、もう頭がパンクしちゃいそうです……」 京太郎「全くだな……」 優希「咲ちゃん、マホと京太郎は何をしてるんだ?」 咲「和ちゃんから麻雀の問題集を貰ったんだって。1日五ページをノルマにしてるらしいんだけど……」 優希「要するに勉強に苦しんでるわけか、気持ちはよくわかるじぇ……」 和「あら、問題集ならゆーきにも用意してますよ?こちらは数学ですが」 優希「じょ!?」 和「今度こそ赤点を取らないようにしてあげますからね……さあ、行きましょうか」 優希「いやああああ!さ、咲ちゃん助けてー!」 咲「が、頑張ってね優希ちゃん!」 優希「そんなああああ……!」 ―― 京太郎「お、終わったー!」 咲「お疲れ様京ちゃん。はい、お茶」 京太郎「おう、ありがとうな咲……ん?」 優希「」チーン 京太郎「どうしたんだ、優希は……」 咲「和ちゃんとテスト勉強してたから……」 京太郎「ああ、なるほどね……」 マホ「すう、すう……」 咲「あっ、マホちゃん、寝ちゃったんだ?」 京太郎「休ませないとオーバーヒートしちゃいそうだったからな。本人はまだ出来ますとか言ってたけど無理やり休ませた」ナデナデ マホ「ふにゅ……」 咲「なんか京ちゃん、マホちゃんと仲いいよね……」 京太郎「いやあ、初心者仲間がいるってこんなに素晴らしい事だったんだな!」 咲「京ちゃん……」 京太郎「さてと、そろそろ帰るか……よいしょっと」 咲「えっ」 京太郎「ほら、優希起きろ。そろそろ帰るぞ」 優希「お、おう……ってんなっ!?」 京太郎「なんだよ、マホが起きちまうから大声出すなよ」 和「あれ須賀君、なんでマホをおんぶしてるんですか?」 京太郎「ほら、せっかく寝てるから起こすのも可哀想だろ?それにいつもの事だしな」 咲「いつもの……」 優希「事ぉ?」 京太郎「あれ、言わなかったっけ?最近俺達麻雀の勉強のために休みとか一緒なんだぜ?」 京太郎「マホは時々寝ちゃうからそういう時はこうしておんぶして送るんだよ」 咲「」 優希「」 和「そうだったんですか。勉強熱心なのはいい事です」 京太郎「期待には応えたいからな。じゃあ帰ろうぜ」 咲「……ま、まさかこんな」 優希「予想外のライバルがいたとは……」 マホ「むにゃ……京太郎先輩大好きです……」 カン! ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| ハギヨシ「んふふ、大きいのは背中だけじゃないんですよ?」 京太郎「ハギ?」 ハギヨシ「ほら、御覧なさい。ここもおっきなんですよ」ボロンッ 京太郎「うわー!ハギおっきしてる!ちゅっゆっ?」ペロッ ハギヨシ「おうふ!そこは舐めちゃいけませんよ、京太郎君!」 京太郎「んー!ハギのあそこ美味しい!ちゅっちゅー!」 ハギヨシ「あふぅ///」 京太郎「のど輪締めするー!」 ジュッポズゴゴゴゴゴジュポポポ ハギヨシ「ん"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"っ?」 ハギヨシ「おうふっ!!」ビュルルルルル! 京太郎「ふえっ!?」ゴクゴクゴク ハギヨシ「ハァハァ……」 ハギヨシ「い、一体どこでそんな技を覚えてきたんですか!」 京太郎「ハギのために頑張った!んちゅっ!」 ハギヨシ「まったく、京太郎君ときたら……んちゅっ!」 京太郎「あたし、ハギのことだーいちゅきっ!」 カン ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 哩「んあっ!…ふぁぁ…っっ!」クチュ 哩(外で…人気のない公園でこげなこと…これ興奮してやめれんけん…) 哩「やぁあっ…気持ちよかっ…」ヌチャ 男「よぉ…一人でお盛んだな?」 哩「なっ!」 男「俺もちょっと溜まっててな…ちょっと相手してくれよ…」 哩「いっ…いやっ!」 男「そんなこと言わないでさ…期待してたんだろ?」ズルッ 哩「~~ッッ!」 男「へへっ…大きさには自信あるんだぜ?」 哩「来んで!」 男「ほら…まず口で…「哩さん!」がっ!」ドゴッ 京太郎「ほら!今のうちに逃げますよ!」 哩「きょっ…京太郎…けんど腰ば抜けて…」 京太郎「なら背中に捕まって!急いで!」 哩「わっ…わかった!」ギュッ 男「てっ…てめぇ…」 京太郎「逃げるが勝ちってな!」ダッ 男「待ちやがれ!」 京太郎「誰が待つかよっ!」 京太郎「はぁ…どうやら逃げ切ったみたいですね…」 哩「京太郎…怖かったけん…」ギュ 京太郎「もう!ああいう人通りのないところに女の子一人は危ないんですから!」 哩「ごめんなさい…」 京太郎「今回はたまたま俺が通りかかったから良いですけど…哩さんみたいなかわいい人は注意しないと!」 哩「かっ…かわいい…//」 京太郎「今日はこのまま家まで送っていきますから…」 哩「助かるちゃ…まだ歩けそーになかね…」 京太郎「哩さんみたいなかわいい人をおんぶできるならお安い御用ですよ」ハハッ 哩「うちも京太郎をこげん近くに感じられてうれしか…」 京太郎「何言ってるんですか?」 哩「京太郎の背中ば…大きくて…そいであたたかくて…」 京太郎「…哩さん?」 哩「普段は頼りなしゃそうで…ばってん、いざっち時は頼りになっち…」 京太郎「……」 哩「さっきもヒーローみたく助けてくれて…やけんうちは…京太郎ばすいとーよ」 京太郎「…そんなこといってると本気にしちゃいますよ?」 哩「うそじゃなか…本気ばい…」ギュッ 京太郎「……」 哩「京太郎ん返事聞かせて欲しかな…」 京太郎「哩さんはいつも凛々しくてかっこよくて…だけどかわいらしくて…」 哩「……」 京太郎「でもちょっと…いや、かなり変態で姫子さんと一緒にいつも回りに迷惑かけてたり…」 哩「大きなお世話たい…」プイ 京太郎「他にも色々ありますけど…そういうところもひっくるめて…哩さんのこと好きですよ…」 哩「京太郎…」 京太郎「なんかちょっとくさかったですね?」 哩「そげなことなかよ?」 京太郎「哩さんすごいドキドキしてますね…くっついているからよくわかります…」 哩「京太郎も同じやろ…」 京太郎「背中からでもわかるくらいドキドキしてます?」 哩「なんっちなくばい…」 京太郎「……」 哩「……」 京太郎「…それじゃあ今から恋人同士ってことでいいんですかね?」 哩「もちろんたい…京太郎以外は考えられんけん…」 京太郎「なんか顔がにやけちゃいますね…」 哩「おんぶだと顔見えんのが残念やけん…」 京太郎「こんなだらしなく緩んだ顔見られなくて助かりました…」 哩「うちもこげな顔見られなくてよかった…」 京太郎「あらら…残念…見たかったのに」 京太郎「もうそろそろ着きますね…」 哩「京太郎…今日ば両親帰っち来んのやけど…」 京太郎「いきなり誘ってるんですか?」 哩「ばってん…うちは変態やし…」プン 京太郎「開き直りましたね…なら遠慮せず泊めてもらいますよ?」 哩「期待しちょるよ?」 京太郎「がんばります…」 哩「なあ京太郎…」 京太郎「んっ?」 哩「大好きったい!」 カン! ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| ヤ1「大変です!花山組のやつらが攻めて来やした!」 智葉「なんだと!状況はどうなってる!」 ヤ1「いま入り口で…がっっっ!」 花山組の若いの「死ねえぇ! 辻垣内智葉ああぁっ!」パン 智葉「ぐうぅっ!」 京太郎「おじょー!こいつめ!」パン 花山組の若いの「がああぁぁあぁっっ!」ドタ 智葉「くそっ…へましちまった…」 京太郎「まずいな…足打たれてやがるぞ…」 ヤ2「しかもこの出血量…太い血管が傷ついてやがる…早く病院に行かないとまずいな…」 ヤ3「だが…おそらく囲まれて逃げ場はないぞ…」 ヤ4「どうやら腹くくるしかないようだな…須賀…よく聞け…」 ヤ4「この通りおじょーは足を打たれ動けない…俺たちが特攻して何とか逃げ道を作る…だからおじょーを担いで逃げろ…」 京太郎「なっ!」 ヤ3「お前とおじょーには指一本触れさせやしねぇさ…だから頼んだぜ?」 京太郎「なんでですか!こういうことは新入りの俺が…」 ヤ2「うるせぇ!」ガッ 京太郎「ぐっ!」 ヤ2「新入りなんだから上の言うことは黙って聞いてろ!」 ヤ3「それによ…やつら前にして逃げ出したとあっちゃ…先代や頭に顔向けできねぇんだよ…」 京太郎「兄貴いっっ!」 智葉「おまえら…わかった…背中は任せたぞ…」 ヤ4「いくぞおめぇら!最後に花山組に俺たちの男気見せてやるぞおおぉぉおぉっっ!!」 『うおおぉぉぉおぉぉおぉ!!』 智葉「須賀っ!走れっ!」 京太郎「くっ…うおぉおぉぉっ!」ダッ 京太郎「はぁ…はぁ…何とか逃げてこれたか…おじょー…すぐに病院に…」 智葉「ああ…須賀の背中は…広くて…暖かいな…」 京太郎「おじょー…何言ってるんですか?」 智葉「お前の…背で…死ねるな…ら…しあわ…せ…だ…」 京太郎「弱音はいてどうしたんですか!いつものおじょーらしくないですよ!」 智葉「なあ…最後に…名前…を…」 京太郎「もうすぐ病院です!あきらめないであと少し…」 智葉「須賀…私は…お前のこ…と…」 京太郎「さと…は…?」 智葉「……」 京太郎「智葉ああぁああぁぁぁあぁっっっ!!」 ------------------------------------------------------------------ ダヴァン「今年のブンカサイの演劇はこれで行きましょう!」 智葉「おい…ぶっ殺されたいのか?」 京太郎「俺も手伝います…」 カン! ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| もこ「……」ジトーッ 京太郎「あん?」 京太郎(なんだこいつ。もしかして俺の方見てる?) もこ「……」ジトーッ 京太郎(なんか気味悪いな。はやくここから逃げよう……ん?) もこ「……」サッサッサ 京太郎(今のはサイン?) もこ「……」サッサッサ 京太郎(えーと……お・ん・ぶ……何!?俺におんぶしてほしいのか!?) 京太郎(そういえばあいつ腕に包帯巻いてるし、怪我でもしてるのか!) 京太郎(こうしちゃいられねえ!男京太郎、怪我人を無視するほど人間腐っていねーぜ!) 京太郎「おい!頭にへんてこなリボンつけた女!」 もこ「……」 京太郎「歩けないんだろ?ほら、おんぶしてやるから俺につかまれ!」 もこ「……」 京太郎「はやくしろ!俺だって暇じゃねえんだ!」 もこ「……」コクリ ガシッ 京太郎「よし、つかまったな!行くぞ、うおおおおおおおおお!」ドドド もこ「……」 京太郎「とりあえず病院いけばいいのか!?」 もこ「……」 京太郎(くそっ、喋れないほどの激痛なんだな!) 京太郎「しっかりしろ!俺が絶対にお前を助けてやるからな!!」 もこ「……」 病院 京太郎「はぁはぁ……やっと着いた」 京太郎「おいナース!急患だ急患!こいつの手当てをしてやってくれ!」 憩「はーい、ちょっと待ってなー」 憩「ってあれ、もこちゃん。どこか怪我でもしたん?」 もこ「……」フルフル 京太郎「は!?」 もこ「……」ボソボソ 憩「え、なんかいきなりおんぶしたいって変な男に連れまわされたって?」 京太郎「なにいいいいいいいいいいいいいいいいいい!?」 憩「……あの、警察に一応通報しておくから」 もこ「……」コクリ 京太郎「ちょ、待てよ!誤解だ誤解!」 憩「あ、もしもし。なんか痴漢みたいな事件があったんですけど――」 京太郎(くそっ!こうなったらとことん逃げるしかねえ!!) 京太郎「うおおおおおおおおお!スタコラサッサだあああああああああああ!!」ダッ ガシッ!! 京太郎「!?」 もこ「……」 京太郎(な、何だこいつの握力!まったく身動きがとれねえ……!) もこ「……」 ピーポーパーポー 池田「おい!痴漢はどこだし!」 憩「あ、警察さん。こっちですぅー」 池田「お、こいつが噂の金髪痴漢やろうか!見るからに女の尻を追っかけまわしてる顔してるしwwwww」 一「さあ、署まできてもうらうよ!パトカーに乗りな」 京太郎「そ、そんな!違うんです、話を聞いてください!」 一「はいはい、署で話を聞くから大人しくしててね」 京太郎「うわあああああああああああああああああ」 京太郎「はっ!」 京太郎「……夢か」 おわり ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 郁乃「は~いド~ン!」ガシッ 京太郎「のおっ!?」 郁乃「須賀くんの背中、ええなぁ~」ニコニコ 京太郎「何すかいきなり!」 郁乃「そら街で偶然背中を持て余してる須賀くんがおったら抱き着きたくなるやろ~?」 京太郎「全く理解できねえ……」 郁乃「それで~須賀くんは何してるん~?」 京太郎「見ればわかるでしょう、部活の買い出しですよ……ってぇ!」 京太郎「なんで監督のアンタがここにいるんですか!」 郁乃「え~?なんでやろな~」 京太郎「アリさんマークですか、ったく」キュッ 郁乃「え」 京太郎「落ちないでくださいよ、っと」 郁乃「す、須賀く~ん?」 京太郎「何、っすか、両手買い物袋で後ろにあなたでキツいんですけど」 郁乃「そないにエグいんやったら降ろせばええやろ~?」 京太郎「ダメです、絶対に部室まで連れて行くんですからね!」 郁乃「ほ、ほら、私って重いやろ?」 京太郎「ちょー軽いんで大丈夫です!」 京太郎「代行(を部室へ連れて行く使命)のためならこんなんへっちゃらですもんね!」 郁乃(私のためなら……)カァァ 郁乃「……」ウツムキ 京太郎「はぁ、代行も黙ってれば可愛いのに、ってか黙っててくださいずっと」 郁乃(かわいい、須賀くんが可愛いって言ってくれた……) 郁乃(い、今まで言われたことなかったのに……)ポシュー 京太郎(心臓バクバクしてるし、動揺してるのバレバレなんだよなぁ) 京太郎(ま、大人しけりゃ問題ナッシングだからいいんだけど) 京太郎(顔をうずめてるせいか背中が熱い……) 郁乃「///」ポシュー 京太郎(顔が見たいなぁ……) 京太郎(それはそうと、洋榎が見たら癇癪起こすよな、これ) 京太郎(部室に着く前に降ろして一緒に行けばいいか) 浩子(……あれは確か姫松の新監督と、洋姉の……) 浩子「フッ」ニヤリ 京太郎「ただいま戻りましたー!」 恭子「主将、帰ってきましたよ」 洋榎「もうええ……どうせウチは捨てられたんや……」 絹恵「……須賀くん、ちょっとええか?」 京太郎「洋榎、どうしたんですか?」 絹恵「この写真を見てもしらばっくれる気なん?」スッ |手ぶらの京太郎が郁乃をおぶっている写真| 京太郎「……は?」 絹恵「なんで須賀くんは買い出しもせんと、代行とイチャイチャしとるんや?」ニコニコ 京太郎「いや待ってくださいって、俺こうやって買い物袋持ってるじゃないっすか。代行と会ったのも買い物の後ですし」 洋榎「どーせっ、代行と会う約束してデートしてたんやろ、ぐすっ」シクシク 京太郎「だから誤解だってば!」 絹恵「でも見てみぃ須賀くん、代行の顔」 京太郎「代行の顔がどうしたんすか」 郁乃「ほへぇ~///」ニマニマ 絹恵「表情めっちゃほころんどる」 京太郎「いつもの顔じゃないっすか!」クワッ 京太郎(何だよこの写真、誰が撮ったんだよ、加工したんだよ!) 洋榎「京太郎、ぐすっ、えぐっぅ、はぁ、もうウチのこと、げほっ、どうでもええんやろ?ぐすっ」 京太郎「泣き止めよいい加減!」 京太郎「俺はいつでも洋榎一筋なんだから、信用しろよ!」 洋榎「いつっ、も、オカンとっ、絹の胸、ぐすっ、見てへんやつなん、ぅっ、って信じられ、へん」 京太郎「そ、そんなことは…………」チラッ 洋榎「……」ジーッ 京太郎「バレてたか……」 絹恵「バレバレや」 京太郎「なあ、許してくれよ」 洋榎「うっさいわ、あほ!」 恭子「何しとるんや、あのアホップルは」 漫「須賀くんが代行とイチャイチャしとったらしいですよ」 由子「洋榎も須賀くんも大変なのよー」 絹恵「須賀くんの自業自得ですから、私らはあっちで打ちましょう」 恭子「せやな、半荘後には終わってるやろ」 ―――半荘終了後 京太郎「洋榎、俺の背中はどうだ?」 洋榎「あったかくて、デカくて、筋肉質で、京太郎の臭いもして……最高やで」 京太郎「ん、そっか」 洋榎「京太郎?」 京太郎「どうした?」 洋榎「あんな……ウチ、やっぱり……」 京太郎「やっぱり?」 洋榎「めっちゃ、めっちゃ、めぇーちゃっ!好きやで!京太郎!」ギュッ 京太郎「おう、俺だって滅茶苦茶好きだぜ、愛してるぜ!洋榎!」 アハハ アハハ アハハハハ 一同(リア充爆発しろ) 郁乃(須賀くんの背中、気持ち良かったなぁ~)ポケー カン! ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 初美「京太郎~もっと早く走るですよー」ケラケラ 京太郎「これが限界でぇぇすっ!!」 初美「言い訳なら聞きたくないですー」 京太郎「ちょっとは聞いて!お願いだからはっちゃんさん!!」 初美「軽く境内を3周するですよー」ゲシッゲシッ 京太郎「いでっ!ちょっ馬じゃないんだから蹴らないでってば」 霞(いやね、何も私もおんぶしろとは言わないわよ?) 霞(でもね、少しばかり目に付くと言うか意識しちゃうと言うか……) 春「楽」ポリポリ 京太郎「あの春さん?髪の毛に食べ零しが乗るんだけど」 春「女子みたいなこと言わないの」ポリポリ 京太郎「いや待てって。春が食べるの止めたら良いんだよ。明白にそう言ってんじゃん」 春「私に……死ねと?」ジワッ 京太郎「うん。なんか……ごめん。もうそのままで良いや」 春「やた」ニコッ 霞(これはみんなの為、そうみんなの為に思ってのことなのよ) 霞(最近雰囲気が明るくなったのは良いことだけれど、それに比例して腑抜けちゃってるもの) 霞(ここで律することが出来るのは家系から考えても私くらいだし) 霞(嫌われ役……やってみせるわ)グッ 小蒔「これはすごく良いものですね」 京太郎「そうですか?まあ小蒔さんからしてみれば楽して動ける訳ですけど」 小蒔「それもあるとは思いますけど………うーん。なんと言えば良いのでしょう」ムムムッ 京太郎「ハハ…そんな深く考えなくても…」 小蒔「………お父様」ポソッ 京太郎「はい?」 小蒔「そうですお父様です!京太郎さんにこうされていると昔お父様にして頂いた時のことを思い出しました!」 京太郎「……俺、小蒔さんより年下ですけど……」 小蒔「………あれ?ではどう言えば良いのでしょう」ハテ? 霞(そうと決まれば心を鬼にして挑まなくちゃね) 霞(私はここの規律の為みんなの為、鬼になります) 巴「ちょっと!私は良いってば!」 初美「良いから黙っておんぶされてろですー」 春「快適だからオススメ」ポリポリ 小蒔「とても不思議な心持ちになれますよ巴ちゃん!」 京太郎「だそうなのでやってみました」 巴「君のそのノリの良さがたまに怖くなるよ」 京太郎「だって……断れる空気じゃないんですもん」 初美「いやー。これで永水制覇ですよー」 春「この達成感はなかなか」ポリポリ 小蒔「次、また私でも良いですか?」ウズウズ 霞「……………」 霞「……………くすん」シュン ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 京太郎「ん、と……この場合は」カチカチ 淡「ねぇ~」ドシーン 京太郎「のわぁっ!?」 淡「キョータローあーそーんでー。ひまひまー!」 京太郎「ちょなぁ今、牌譜整理しながら勉強してるんだからさぁ。1人で遊んでてくれよ」 淡「やーだー、1人やだー。ちょっとでいいからー」 京太郎「ったくもう。少しは落ち着けよせわしねーな」 淡「むー」 京太郎「なんスか?」 淡「ねぇキョータロー。私って邪魔? 本当にウザくて真剣に嫌い?」ウルウル 京太郎「そんなこと一言も言ってないだろ。ちょっとやかましいけどお前といると面白いし楽しいよ」 淡「…………プ、ククク……あはははっ! 引っかかったー!」 京太郎「な!? おま、この野郎!」 淡「お前といると楽しいよキリッ!」 京太郎「もういい。お前キライ」ノソノソ 淡「やーだーもう、キョータローってば冗談通じないんだもん!」ガバッ 京太郎「あ、コラ! 背中に乗っかるな!」 淡「わーいおんぶおんぶ! 行けキョータロー全速前進!」 京太郎「なにが全速前進だ! ってか降りなさい、そろそろ……」 ガチャ 咲「京ちゃーん、玄関の開いてたから勝手に上がっちゃった、よ……」 淡「あ! サキー! いらっしゃーい」ヨッス 京太郎「oh……」 咲「で、どうして淡ちゃんが京ちゃんにおんぶさってるのかな」ピクピク 京太郎「いや、あの……淡が勝手に……」←なぜか正座気味 淡「ふふーん。私とキョータローは恋人同士なんだからこれくらいのスキンシップ普通だもん!」フフン 咲「こ、恋び、……~~本当なの京ちゃん!」バンバン 京太郎「いえ、一切身に覚えがないんですが……」 京太郎(後、机をバンバン叩かないでください) 咲「……!」キッ 淡「将来的にそうなるんだから今から明言しても一緒だもん!」 咲「というか、淡ちゃんはいつまで京ちゃんにおぶさってるの!」バンバン 淡「むふー、キョータローの背中って大きくて温かくてなんだか落ち着くんだー」フニャー 咲「むー! 京ちゃん脚崩して!」 京太郎「え?」 咲「早く!」 京太郎「は、はい!」 咲「じゃ、じゃあ私はこっちでいいよね?///」ノソ 咲「///」ギュゥゥ 淡「~♪」ギュゥゥ 京太郎(ちょっと待て。まず状況を整理しよう。え~、背中に淡がおぶさってて、膝の上で咲を抱っこしている。――以上) 京太郎「え、なにこの状況っ!?」ガタッ 淡「あ、もう……キョータローあんまり動かないでよ。落ちちゃう」 京太郎「あっと、わりぃ」 京太郎「…………じゃねぇよ! 降りろよ! 咲もそこ退きなさい」 淡「やーだ」ギュッ 咲「ん///」ギュッ 京太郎「ってか君らアレですよ。言っときますがそこは恋人専用の場所ですよぉー」 淡「乙女か」 咲「夢見がちか」 京太郎「なんでしょうね、この扱い。えー、お前らさっきと言ってること違くない?」 淡「サキー後で場所交代して!」 咲「いいけど、じゃあ私にも背中譲ってね」 淡「うん!」 咲「じゃあいいよ♪」 京太郎「もう少し僕の意見も大事にしよう」 咲「京ちゃんは黙って座ってればいいの!」 淡「そーだそーだ! キョータローのクセに生意気だ!」 京太郎「あーもう、……へいへいわかりましたよお姫様方」 カン! ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 京太郎「おんぶっていいよなぁ」 京太郎「女の子の重さとか柔らかさとか全部同時に味わえるし」 京太郎「スタイルのいい子なら胸とか尻とかを十二分に堪能出来る」 京太郎「逆にちっちゃい子だとしたら保護欲を刺激されてこれまた素晴らしい」 和「…………」 京太郎「はぁ……おんぶしてえなぁ……おんぶ……」 和「そう言いながら近づくの止めてください」 京太郎「べ、別に俺は和をおんぶしたいだなんて一言も」 和「白々しい……というか隠す気もありませんね」 京太郎「おんぶさせてください!!」 和「正直なのは良いですけど、嫌です」 京太郎「じゃあどうすりゃいいんだよ!!」 和「知りませんよ何キレてんですか」 京太郎「どうすりゃいいんだよぉ……俺はぁ……ウッ……」 和「そんな、泣かれても……」 京太郎「よぉーっしわかった。和、俺におんぶさせてくれたら俺のことおんぶさせてやるよ」 和「デメリットしか無いじゃないですかお断りします」 京太郎「んなら俺のことおんぶしてくれたらおんぶしてやんなくもないぜ?」 和「なんで上から目線なんですか嫌ですよ勿論」 京太郎「んじゃあ俺と麻雀をして、勝ったほうが相手をおぶる。負けたほうは相手をおぶる。これでどうだ!?」 和「勝っても負けてもどっちも変わらないじゃないですか」 京太郎「そう。だからこの際勝ち負けなんて関係ないんだよ」 和「何がしたいんですかアナタ」 京太郎「和をおんぶしたいの!!」 和「嫌です」 京太郎「おーんーぶ!おーんーぶー!!」 和「駄々こねても嫌です」 京太郎「おっんーぶっ! おっんーぶっ!!」パンッ パンッ 和「アンコールみたいに言われても嫌です」 京太郎「なぁ和……。どうしてこの世から紛争が無くならないんだろうな」 和「え、なんですか急に」 京太郎「地球は広大……それでいて宇宙は膨大、未だに広がり続けている……」 和「はぁ」 京太郎「そう考えたらさ、和が俺のおんぶを拒否するのってとても小さなことに思えてくるだろ?」 和「まぁ」 京太郎「よし、こい!」バッ 和「しませんよ」 京太郎「我思う故に我あり。これはデカルトの言葉だ」 和「そうですね」 京太郎「おんぶする故に我あり。これは俺の言葉だ」 和「聞いたことないです」 京太郎「ところでいい加減俺におんぶされる気になってきた?」 和「須賀くんこそいい加減諦める気になってきませんか?」 京太郎「和ってさ、俺以外におんぶされたことある?」 和「息を吐くように嘘つかないでくださいよ、ビックリしましたよ一瞬」 京太郎「あ、親とか女性とかは無しだぜ! そういうのはおんぶとは言わない言わない」 和「アナタおんぶというものを勘違いしてません?」 京太郎「で、どーなのよ!」 和「…………。 親を含めないんでしたらまぁ……」 和「ありませんけど?」 京太郎「…………」 和「なんでそんなんで泣くんですか……」 京太郎「良かった……まだ和のおんヴァージンは残ってたんだ……」 和「おんヴァージン……」 京太郎「ところで和。調度良く俺の背中が一人分空いてるんだけど……」 和「そんなこと言われて乗る人いませんよ」 京太郎「今ならお安くしとくぜ?」 和「金取るんですか。 おんぶで」 京太郎「おはよう和! 今日もいいおんびゅよりだな!」 和「え?」 京太郎「……」 和「今、なんていいました?」 京太郎「今日もいいおんぶ日和だな」 和「かみましたよね?」 京太郎「おんぶ日和だなー!」 和「今ゼッタイかみ」 京太郎「おんぶ日和だなーー!!」 和「ごまかさ」 京太郎「おんぶ日和!!!」 和「……」 和「……クスッ」 京太郎「!!!」 京太郎「和ぁ! 怪我したんだって!!?」 和「なんでそんな嬉しそうな顔なんですか……腹立つ……」 京太郎「準備できてるぜ」スッ 和「あの、怪我したの指なんですけど」 京太郎「遠慮するな。 さぁこい」ススッ 和「おんぶする必要皆無なんですけど」 京太郎「照れてるのか? 大丈夫、周りに誰もいないよ」 和「帰れ」 和「昨日、B組の○○くんにおんぶしてもらいました」 京太郎「 」 和「……須賀くん?」 京太郎「 」 和「……い、息をしてない!!」 京太郎「 」 和「冗談ですから!! おんぶしてもらってないですから!! こんな下らない理由で死なないで須賀くん!!!」 7 和「須賀くーーん!!!」 京太郎「 」 ―カンッ ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 煌「皆さんお揃いのようで…すばらですっ!」ガラッ 哩「どうや姫子ー」 姫子「高いとですぶちょー!」 哩「そらよかばい」 美子「あんたらほんと仲えーね」 仁美「ばってん姫子ケツ丸出しやと」 煌「なーにやってんですかね」 仁美「おお花田、物理的リザベーションをすることで二人の絆がどーとか」 煌「ああ…それは…まあすばらですね」 美子「無理せんでよか、誰が見てもアホばい」 哩「何を」 姫子「バカにしてー」ドドド 美子「合体したままこっちくんな」スタタタ 煌「と、言うことがありまして」 京太郎「はぁ」 煌「それでですね!私も!」ピョンピョン 京太郎「成程、やりたいわけですね」スッ 煌「では失礼して」ガシッ 京太郎「軽っ!普段何食ってんすか」 煌「それはすばらくない質問ですねぇ、乙女の秘密って奴ですよ京太郎さん」 京太郎「乙女は謎だらけだ…それで乗り心地はどうです?」 煌「そぉれはもう!すばら!超すばらですよ!高いです」キャッキャ 京太郎「それはよかった」 煌「では早速このまま部室に行きましょー」 京太郎「マジっすか!?」 煌「さあ走るのです!」 京太郎「誰もいませんね」オンブ 煌「はて」オンブ 哩「おー花田…」ガラッ 姫子「すばらやっと…」 京太郎「…」 煌「…」 姫子「…」 哩「…」 姫子「…ふっふっふ花田、とうとうどっちのおんぶが最強か決める時が来たようやね」 煌「今日の日は負けないよ姫子ぉ」シャドーボクシング 京太郎「白水さん、今日は手加減できませんよ」 哩「誰に口ば聞いとるんね須賀ぁ。姫子乗るんや」スッ 姫子「合点!」 仁美「今年の代表の自由が丘は強いんやろうか」 美子「まー一昨年選抜に出て2回戦まで行っとったし」 仁美「言うても夏は初めてやけん」 美子「相手は宮崎の代表や言うとったよ」 ワーワー 仁美「何か部室が騒がしか」 美子「まーた部長らが騒いどるんやろ…」ガラッ 京太郎「うおー」ドタドタ 哩「やるな須賀ー」ドタドタ 煌「すばらー!」 姫子「まてー花田ー」 美子「今日は帰ろか」 仁美「賛成、ラーメンば食いにいくばい」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 胡桃「ぐ、ぐぎぎぎ…」プルプル… 京太郎「あの、先輩…俺一応男子ですしそんな無理しない方が…」 豊音「そうだよー、いくらなんでも無茶だってー」 胡桃「う、うるさい!京太郎をおんぶするぐらい私だってできるよ!!」グググ… 塞「胡桃…さっきからかった事は謝るからさ、もうやめなって」 白望「傍から見ても無理してるのが分かる…」 エイスリン「クルミ、カオマッカ!」 胡桃「そ、そんなことない…うおりゃぁぁぁぁ!!!」グォォォォ!! 京太郎「うおっ!」 豊音「すごい、本当におんぶできたよー!!」 胡桃「どう、私だってこのぐらい…あっ」グラッ 塞「あっ」 白望「あっ」 豊音「あっ」 エイスリン「oh!」 京太郎「えっ、ってうわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 ドシーーーーン!!! 塞「胡桃―!!!」 エイスリン「クルミ、ツブレマンジュウ!!」 白望「エイスリン、何気に酷い…」 豊音「そんな事言ってないで2人を助けようよー!」 胡桃「うっ…京太郎のデブ、豚。もっと痩せろぉ…」グスッ 京太郎「はいはい、何とでも言っていいので大人しくしててくださいね」ヨイショット 豊音「けど、大事にならなくて良かったよー」 塞「といっても胡桃が少し足を捻挫しちゃったんだけどね」 白望「それで京太郎におんぶしてもらってるっていう…」 エイスリン「マサニ、ミイラトリガミイラ!!」 胡桃「う、うるさいそこぉ!」 京太郎「先輩、今の体勢で怒っても説得力がないです」 胡桃「うぅ…」 豊音「やっぱり胡桃はおんぶするよりされる方が似合ってるよー」 エイスリン「クルミ、マルデコアラ!!」 塞「はいはい2人ともこれ以上胡桃をいじらない。一応怪我人なんだしね」 白望「ダルっ…」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 京太郎(道で足を挫いてた巫女さんを送ってきたのはいいんだけど) 憧「どうしてお姉ちゃんが京太郎におんぶされてるのよ!」 望「道で困ってたらおんぶでここまで送ってもらったの」 憧「彼女のあたしですらしてもらったことはないのに!」 望「ちょっと落ち着きなさい、憧」 望「でも気持ちよかったからこのまま京太郎君もらっちゃおうかな~?」 望「京太郎君は年上に興味ない?」 憧「もう、お姉ちゃん!」 京太郎(なに、この修羅場) 霞「巫女なら私を忘れてもらっては困るわね」 京太郎(なんか増えたよ) 霞「京太郎君は私みたいなおもちの大きなこの方がいいもんね」ギュッ 京太郎(おぶさったときのおもちの感触がすばら!)デレー 望・憧「ぐぬぬ」 霞「永水に来たら毎日こうしてあげるわよ?」 京太郎「それはすばら!」 憧「京太郎の浮気者~!」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 京太郎「まったく熱中症で倒れるぐらいならアイドル活動休んでくださいよ」 いちご「ちゃちゃのんはアイドルじゃけぇファンは裏切れんのじゃ」 京太郎「アイドルとして背負いすぎでしょう。たまにはこんな風に俺も背負いますから」 いちご「あ、ありがとう」 いちご(京ちゃんの背中がこんなに気持ちいいなんて考慮しとらんよ///) ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 京太郎「シロ先輩もたまには自分で歩いてくださいよ」 シロ「ダルいからやだ」 シロ(京太郎を取られるのはもっとダルい) 京太郎「先輩聞いてます?」 シロ(京太郎を取られないようにするには)チュ 京太郎「先輩何してるんですか!?」 シロ(これで京太郎は私のもの) 後日 豊音「あれー。京太郎君首筋虫に食われたのー?」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 霞「私が行き遅れるという風潮があるらしい」 京太郎「そうなんですか?」 霞「ほかにも加齢臭がするとかかすみさんじゅうよんさいだとか」イジイジ 京太郎「俺はそんなこと思わないんですがね」ギュッ 京太郎「俺がこうして背中から抱きしめてる限りは大丈夫でしょう?」 霞「あらあら大きな赤ちゃんね」クスッ 霞「でも本当の赤ちゃんも早くおんぶしたいわね」 霞「頑張ってね、あ・な・た」 京太郎「が、頑張ります…」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 京太郎「うっ…」 智美「どうしたんだー?」 京太郎「いえ…急に体が重く…」 智美「おー?少し雑用を任せすぎたかなー」ワッハッハ 京太郎「いやいやいやいや、これは結構マジで洒落にならない感じなんですけど」 智美(まーこの匂いはモモの奴だなー) 京太郎「な、なんか柔らかい…」 智美「ワハハ…不思議なこともあるもんだなー」 京太郎「そ、そうですね…具体的にはなんか黒髪の影の薄い巨乳娘に背後から覆いかぶさられてるような感触ですね…」 桃子「気付いてたッスか!?」ガーン 京太郎「ワハハ」 智美「ワハハ」 京太郎「うあー気持ち悪い」 智美「水も飲まずに無茶するから熱中症なんかになるんだぞー」 京太郎「面目ない…」 智美「しっかし須賀君は重いなー」ワハハ 京太郎「大丈夫ですか?」 智美「何、おねーさんに任せときなさい」ワッハッハ 智美「そんかわり調子良くなったら今度はおぶってもらうぞー」 京太郎「あ、歩きでいいんじゃ…」 智美「バカだなー須賀君は」 京太郎「…先輩」 智美「なんだー?」 京太郎「シャンプー何使ってんすか?」 智美「な、なんか変か?」ワタワタ 京太郎「ちょーいい香りっす」 智美「いいだろー、秘密だけどなーワッハッハ」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 玉子「まさか自分が大戦犯になるなんて…」グスッ 京太郎「先輩、そろそろ泣き止んでくださいよ」 玉子「でも…」 京太郎「先輩の悲しみは俺が引き受けます、だから先輩は笑っていってください」 玉子「うむ…」zzz 京太郎「おんぶしたら寝ちゃったか、先輩頑張ってたし」 玉子「京太郎、よきにはからえ」ムニャ ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 京太郎「野依プロどうですか?」 理沙「快適!」プンスコ 京太郎「このままホテルまでお送りしますね」 理沙「了解!」プンスコ 理沙(でもこのままお別れはやだ)ギュッ 京太郎「の、野依プロ、首絞まってますって」 理沙「名前!」プンスコ 京太郎「分かりましたから理沙さん、首絞めないで!」 理沙「このまま///」ギュッ ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 玉子「NOである~……」 京太郎「あん?」 玉子「私はこのかた生まれておんぶをしてもらったことがないのだ」 京太郎「……」 玉子「お、いいところに私をおんぶしてくれそうな青年がいたのである!」 玉子「おいそこのお前」 京太郎(うっわ、なんか関わっちゃいけないやつに声かけられたぞ……) 玉子「私をおんぶしてくれ!」 京太郎「い、いや~、俺はちょっと……」 玉子「YESである!」 京太郎「は?」 玉子「そこはYESであるとこたえてほしかった!」 京太郎「……あの、頭だいじょうぶですか?暑さでやられましたか?」 玉子「NOである!私はいたって真面目で落ち着いておる!」 京太郎「めんどくせぇ」 優希「おい京太郎!」 京太郎「お、優希。丁度よかった。変なのにからまれたんだ、助けてくれ」 優希「うるさい!そんなことはどうでもいい!」 優希「それより私はお腹が空いて歩けないのだ!」 優希「私をおぶってタコス屋までつれていけ!このバカ犬!」 京太郎「へいへい。まったくホントお前は口を開けばタコスタコスタコスだな」 優希「ふん!ほら、私をはやくおぶるのだ。えいっ!」ピョン 京太郎「うわわ、いきなり背中に乗るな!」 優希「いけー!バカ犬号!私をはやくタコス屋まで連れて行くのだ!」 京太郎「まったく、お前にはかなわんよ」 イチャイチャラブラブ 玉子「こんな展開NOである~……」 おわり ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 京太郎「弘瀬先輩て重そうですよね」 淡「あーそうかも」 照「特に一部が脅威」 京太郎(なんて会話を聞かれてたらしい) 菫「そんなに言うなら試してみればいいじゃないか!」 京太郎「ちょっと先輩、落ち着いてくださいよ」 菫「私は落ち着いている!」 京太郎「少なくとも落ち着いてる人は叫ばないと思いますよ」 菫「うるさい、お前なんかこうしてやる!」ギュ 京太郎「ちょ、いきなり来たら危ないですって」 菫「うるさい、お前なんか私に潰されてしまえばいいんだ!」 京太郎「先輩は重くないですよ?」 菫「じゃあ、あの会話はなんだったんだ?」 京太郎「あれは弘瀬先輩がアタックまでの尻が重いっていう話ですよ」 菫「え?」 京太郎「先輩、なかなか俺のアプローチに応じてくれないじゃないですか」 菫「あうあう」 京太郎「でもこれは俺に脈ありってことでいいんですよね?」 菫「わ、私と付き合うからにはちゃんと結婚のことまで考えて何歳でお互いの両親に挨拶にいくとか」 菫「子供は何人欲しいとか私は3人は欲しいなとか庭付きの一戸建ての白い家で犬を飼いたいなとか色々決めることがあるだろう!」 京太郎「はいはい」 淡・照「やっぱり菫の(愛は)重い」 おわり ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 成香「うぅ、控室まで帰りたくないです……」カタカタ 成香「皆さんにどうお詫びすればいいのでしょうか……」ガクッ 成香「もう足がすくんで動けないです、ぐすっ」 京太郎「大丈夫?手、貸そうか?」スッ 成香「えっ、す、すみません……っ」プルプル 成香「あぅっ」コケッ 京太郎「おっと」ガシッ 成香「すみません……」プルプル 京太郎「歩けるか?」 成香「えっと……無理、です、すみません」プルプル 京太郎「ん……そうか」 京太郎(部長に頼まれた用事があるんだけど、このまま見放すわけにはいかないよな) 京太郎(結局先鋒戦見れなかったし、早く控室に戻んないと優希にどやされるだろうし……よし) 京太郎「じゃあ俺が運んでいくよ、乗って」 成香「乗る、って……そ、そんなの悪いですよ!」 京太郎「いーからいーから、早く乗れって」 成香「私、重いですから、大丈夫ですよ」プルプル 京太郎「脚をプルプル言わせてるやつが何言ってんだ、さっさと乗れって」 成香「す、すみません!」ギュッ 京太郎「んっ、道案内頼めるか?」 成香「はい……自信ないですけど」 京太郎「オッケー、出発だ!」 成香(おんぶ、なんてお父さんにしてもらって以来です) 京太郎「ここはどっちに行けばいいんだ?」 成香(でも、どうしてこの人のおんぶは……) 成香(どうして、こんなに落ち着くんでしょうか) 成香(ずっとこうしていたいです) 京太郎「おーい」 成香「は、はい!」 京太郎「どっちに曲がればいいんだー?」 成香「え、えっと、ここは左です!」 京太郎「あいよ」 京太郎「君、あんなとこで泣いてたけど、なんかあったの?」 成香「……仲間のみんなに迷惑をかけてしまったんです」 京太郎「迷惑?」 成香「はい……私のせいで半分以上削られてしまって、ぐすっ」 成香「私のせいで、みんなが……っ」 京太郎「……俺もさ、部活の中で弱くって、大会じゃ一回戦負けでさ」 京太郎「他の仲間はここまで進んで来れたのに、俺はあいつらの顔に泥塗るだけで、嫌だったんだ」 成香「そう、だったんですか」 京太郎「ああ、悔しくて悔しくてたまらなかったけど、こんな俺でも役に立ちたい、って思った」 京太郎「みんなのために働いて、誰にも見られなくて、誰にもほめられないけど、俺はそれで良かった」 京太郎「あいつらが麻雀に専念できるように、俺があいつらのためになれている、って思うとこんな裏方の仕事でも十分だった」 京太郎「そりゃ表に出たら戦犯だ何だって叩かれたりするかもしれないけど、よく頑張ったって褒めてくれる人もいる」 京太郎「俺とは違って、理解してくれる人がいるんだよ」 京太郎「君は、表に出て、負け続けて、それでも最後まで頑張ったんだろ?」 成香「……はい」 京太郎「なら、君は胸を張って居場所に戻るべきだ」 京太郎「それは恥ずかしいことじゃないんだよ、むしろ勲章さ」 京太郎「だからそんなとこで泣かないでくれ」 成香「……すみません」 京太郎「で、次はどっちだ?」 成香「右、だったと思います」 京太郎「うい、りょーかい」 成香「あ、ここまででいいです」 京太郎「もう歩けるのか?」 成香「はい、元気をもらえましたから」 京太郎「にしし、じゃあ大丈夫だな!」 成香「あ、あの、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」 京太郎「須賀京太郎だ、横須賀の須賀と京都の太郎だ、君は?」 成香「私は本内成香です、本の内と成り上がりの香りで、本内成香です」 京太郎「じゃあまた、どっかで会えるといいな」 成香「はい、ご迷惑をおかけしました」 京太郎「んー……本内さん、そういうときは謝るんじゃなくて「ありがとう」って言ってほしいな」 成香「すみま……はっ」 成香「ありがとうございました」ペコッ 京太郎「おう、どういたしまして」ニカッ 京太郎「俺は……あっちか」 成香「あ、あ、あ……」 成香(須賀さんに励ましてもらったのに、私は何もしてないじゃないですか!) 成香(何か、言わないと―――!) 成香「す、須賀さん!」 京太郎「ん?」 成香「これからも、須賀さんも!」 成香「頑張ってくだしゃぁっ!」 京太郎「…………」 成香「…………」 成香「うぅ、噛んでしまいましたぁ」ウルッ 京太郎(結婚しよ) 京太郎(本内成香ちゃんかぁ、lineのIDだけでも交換するべきだったかな) 京太郎(小っちゃくって可愛くって、あれが母性本能をくすぐるっていうのか?いや俺男じゃん) 京太郎(おっぱいは無いけどああいう子もいいなぁ)ダラー 京太郎(さーてと、控室に帰らないとな) #aa(){{{ /´〉,、 | ̄|rヘ l、 ̄ ̄了〈_ノ _/(^ーヵ L__」L/ ∧ /~7 /) 二コ ,| r三 _」 r--、 (/ /二~|/_/∠/ /__」 _,,,ニコ〈 〈〉 / ̄ 」 /^ヽ、 /〉 ´ (__,,,-ー ~~ ̄ ャー-、フ /´く// `ー-、__,| }}} 誓子「ねえ、君、なるかと一緒にいたよね?」 京太郎「え?」 誓子「肉塊とミンチ、どっちがいいー?」ニマァ 京太郎「」 カン! ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 紘「出かけたら転んでしまうなんて…」 京太郎「どうかしましたか?」 紘「ちょっと転んでしまいまして」 紘「でも大丈夫です」 京太郎「うわ、足腫れてるじゃないですか」 京太郎「病院に送りますから俺の背中に乗ってください」 紘「いえ、ご迷惑ですし…」 京太郎「俺のことは気にしないでください」 紘「あ、ありがとうございます」ニコッ 京太郎「やっぱりお姉さんは笑ってる方が可愛いですよ」イケメンスマイル 紘「は、はい///」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| ~中学生設定~ 京太郎「帰り道にじゃんけんして負けた奴が勝った奴の荷物を背負っていくゲーム」 京太郎「ましてや今日は終業式。絶対に負けられない幾多の荷物を持ち帰らねばならない日……!」 京太郎「だと、いうのに!」 咲「あ、また勝った」 京太郎「咲さん強すぎじゃないですかね!」 咲「きっと『カン』が良いんだね、私。ふふふ」 京太郎(だがもう咲の荷物はない! 負けても俺が文字通り背負うリスクはない!) 京太郎(必勝の背水の陣、この勝負、ここか――) 咲「あ、次負けたら私を背負って帰ってね?」 京太郎「え゛」 宮永父「……うちの娘が、いつの間にかSM女王の才能を開花させてた件」 咲「ち、違うよ!?」 京太郎「ぜひゅー……ぜひゅー……な、何が違、ガ、ゴハッ、ゴッ、ハッ」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 憩「あー東京は暑いなぁ…温暖化最悪やわー」 もこ「……」コクン 憩「こう暑いと熱中症の人が…あら?」クラッ もこ「…?」 憩(まずったなぁ…これあかんやつや…)ドタッ もこ「……!!」ビクッ 憩「もこ…ちゃ…」 もこ「……」オロオロ 京太郎「~~~♪」 もこ「……!」ピカーン 憩(…んっ?) 京太郎「気が付きましたか?」 憩「…君は?」 京太郎「あの子に連れてこられました…あなたが倒れてたので…」 もこ「……」コクン 憩「あー迷惑かけてごめんなぁ?」 もこ「……」フルフル 憩「もうこんな時間やないか…阿知賀の試合始まってるやないか…」 もこ「……」コクリ 憩「うちのことはええからもこちゃんだけでも見に行ってええよ?」 もこ「……」オロオロ 京太郎「憩さんは俺が連れて行きますから先に行ってください」 もこ「……」コクリ 憩「あぁ…うちも見たかったなぁ…」 京太郎「今から見に行きますよ?」 憩「でも…まだうち歩けそうにないんよ…」 京太郎「ならこうします!」グイッ 憩「わわっ!」 京太郎「おんぶされるのは恥ずかしいと思うけど我慢してくださいね?」 憩「ちょっとこれは恥ずかしすぎる…//」 京太郎「試合見れなくてもいいんですか?」 憩「うっ…背に腹は変えられんか…」 京太郎「今から行けば次峰戦が終わる前には着きますから」 憩「ほんま迷惑かけてごめんなぁ…」シュン ~移動中~ 京太郎「実家は病院なんですか!」 憩「うん…でもナースが熱中症で倒れるなんてダメダメやなぁ…」 京太郎「医者の不養生ってやつですか?」 憩「まったく持って反論できん…ところで聞きたいことあったんやけど?」 京太郎「なんですか?」 憩「さっき倒れたとき応急処置で…脇の下や股のところにも冷やしたタオルあったけど…まさか君が…?」 京太郎「医療行為ですから…」 憩「…えいっ!」グイ 京太郎「ちょっ…し…絞まって…」 憩「乙女の恥ずかしい部分を見た罰や…//」ググッ 京太郎「りっ…理不尽だ…」 憩「あんなとこ見られたらもうお嫁に行けへんやん…」 京太郎「仕方ない状況でしたしそんな気にしなくても…」 憩「女の子ってのはそういうもんなんですぅ!」 京太郎「ならお詫びに俺の秘密の部分を…」カチャ 憩「もしもし!警察ですか!」ケイタイトリダシポパピプペ 京太郎「すいません!調子に乗りました!」デートシテクレマスカ? 憩「まったく…セクハラは犯罪やでー」 京太郎「暴力も犯罪やでー」 憩「んっ?なんか言ったぁ…」グググッ 京太郎「ぐへぇ…」 憩「京太郎くんおもしろいなぁ…」クスクス 京太郎「面白いで首絞められたらたまったもんじゃないです…」 憩「まあ冗談やから…これでも感謝しとるんやで?」 京太郎「なら態度で示してくださいよ…」 憩「さっきからうちの太股撫で回してるやん…ご褒美やろ?」 京太郎「おんぶしてるから仕方ないじゃないですか!」 憩「これじゃあ不満か…ならば…えいっ!」ギューッ 京太郎「…何してるんですか?」 憩「こうやっておもいっきり抱きつけば背中で私の胸の感触が味わえるやろ?」 京太郎「…何言ってるんですか?」 憩「……」グググ 京太郎「ちょ…ごめんな…さ…絞まっ…て…」 憩「女の子を傷つけること言ったらあかんでぇ…気にしてるんやから…」 京太郎「すいません…でも胸がなくても憩さんはかわいいですって…」 憩「お世辞でもうれしいでー」 京太郎「お世辞じゃないですよ?憩さんみたいなかわいい彼女できたら良いのになぁ…」 憩「でも京太郎くんは面白いしそれなりの顔やし彼女くらいすぐできるやろ?」 京太郎「現実ってのはそう甘くないんですよ…」 憩「私ならあいとるでー」 京太郎「ぜひ俺の彼女に!」 憩「お断りやでー」 京太郎「ですよねー」ガクッ 京太郎「…着きましたね」 憩「ありがとなぁ…もう歩けそうやから大丈夫よ?」 京太郎「じゃあ降ろしますよ…よっと…」 憩「ご丁寧にどうも…わざわざほんとにありがとうな…」 京太郎「いえいえ…俺もこっちの方に用事あったので」 憩「お礼の1つでもせなあかんなぁ…ちょっとしゃがんでくれへん?」 京太郎「こうですか?」 憩「ええで…んっ…」チュッ! 京太郎「」 憩「あー固まってもうたか…ならうちの連絡先ポケットに入れとくでー」 京太郎「」 憩「いきなり彼女は無理やけど…お互いのこともう少しわかってから…それなら喜んで彼女さんになったるで?」 カン! ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 怜「ごめんな、京太郎。わざわざ迎えに来て、その上おんぶまで……」 京太郎「いいてすよ別に。それより、帰ったらちゃんと皆にごめんなさいして下さいね」 京太郎「試合に勝つためとはいえ、あんな無茶して、心配かけたんだから」 怜「そうやな、ちゃんと謝らなな……」 怜「それにしても京太郎の背中、気持ちええなぁ」 京太郎「そうですか?」 怜「そうやで。竜華の膝もええけど、こっちもクセになりそうや」 京太郎「俺の背中でいいなら、いつでもどうぞ」 怜「ホンマに?」 京太郎「本当です」 怜「ホンマのホンマ?」 京太郎「ホンマのホンマですよ」 怜「……なんで?」 京太郎「どうしました?」 怜「なんでそんなに京太郎は、ウチに優しくしてくれるん?」 京太郎「それは……」 怜「そない優しくしたら、勘違いしてまうやろ」 京太郎「……勘違い、じゃないですよ、多分」 京太郎「オレは、園城寺先輩のことが好きだから、だから……」 怜「待って、京太郎」 京太郎「はい?」 怜「その続き、インターハイが終わってから、聞かせてくれへん?」 京太郎「……はい、わかりました」 怜「それと……」 京太郎「なんです?」 怜「これからは、名前で呼んでくれると、その、うれしいなって……」 京太郎「……はい! 怜先輩!」 カン! ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 某年某日某所 タッタッタッ ドンッ 男の子「うわぁ!?」 女の子「きゃあ!」ドサ 男の子「てて、うわごめん! 大丈夫?」 女の子「ふぇ……」ジワッ 男の子「え?」 女の子「ふええええええ」ビエーン 男の子「わわわ!? ちょっそんな泣くほど痛かったのか!?」 男の子「えーと、つまりお姉ちゃんと喧嘩して出て来ちゃったって事?」 女の子「うん……」グス 男の子「うーんっと……」 女の子「グス……ヒック……」 男の子「ほら、連れて行ってあげるから一緒に帰ろう」 女の子「……」 男の子「はぁ、よし! おんぶしてやる! 乗れ!」 女の子「ふえ?」 男の子「ほら! 早く」 女の子「で、でもお父さんが知らない人に着いていっちゃダメって……」 男の子「俺! 須賀京太郎! よろしく!」 女の子「え?」 京太郎「これでもう知らない人じゃないだろ! さぁ乗れ!」 女の子「えっと、あの……わた」 京太郎「ほら早く!」 女の子「う、うん……」ヨジ 京太郎「よーし! しっかり掴まってろよ!」 タッタッタッ 女の子「わわわ」アセアセ テクテク 京太郎「ちょっとは気、晴れた?」 女の子「……」 京太郎「君はさ、どうしたいの?」 女の子「どう……って」 京太郎「お姉ちゃんと仲直りしたい?」 女の子「うん……」 京太郎「じゃあ、さ。君のほうから行かないと」 京太郎「大丈夫! 君は悪い子じゃないし、君のお姉ちゃんだってきっと仲直りしたいって思ってるよ?」 女の子「でも! ……でも、また喧嘩になっちゃったら、もし嫌いって言われたら」 女の子「怖い……」 京太郎「そうだね……誰だって嫌われるのはイヤだね」 京太郎「でも努力しないと」 京太郎「がんばらないと」 女の子「でも、がんばってダメだったら……」 京太郎「また挑戦する!」 女の子「それでダメだったら!?」 京太郎「また、がんばればいいよ」 女の子「それでも……ダメ、だったら……?」 京太郎「そしたら、俺のとこに来なよ」 女の子「ふぇ?」 京太郎「それでもダメだったら、俺がまたこうやっておんぶしながら家まで送ってあげるよ」 京太郎「それなら、またがんばれるだろ?」 女の子「…………うん」 京太郎「うん!」 京太郎「そういえば、まだ名前聞いてなかったね」 女の子(さっき言おうと思ったら遮ったのそっちなのに) 女の子「私、宮永咲。です……」 京太郎「サキ、か。どんな字書くの?」 咲「えっと、花が咲くの咲」 京太郎「花が咲く……咲」 京太郎「綺麗な名前だね!」ニカッ 咲「っ!?///」トクン 京太郎「よろしくな! 咲!」 ~数年後 京太郎「ったぁ~っくよう。補習なんてついてねぇ」 京太郎「小テストの点数くらいおまけしてくれればいいのに」ブツブツ 京太郎「今から部活行っても大した時間……あ、部長からメール着てる」 『今日の部活は終わったわよん♪ そのまま直帰で構わないから』 京太郎「oh……」 京太郎「まぁ連絡入れてもらえただけよしとするか」 京太郎「しゃーない帰るか」 咲「京ちゃん」 京太郎「ん? 咲?」 京太郎「どうしたんだ? こんな時間まで。あ、さてはまた図書館で本の虫だったんだろ」 咲「あはは、そんなとこ。一緒に帰ろうと思って待ってたんだけど、大丈夫かな」 京太郎「おう! もちろんいいぜ」 テクテク 京太郎「……」 咲「……」 京太郎(さぁーてこの状況) 京太郎(示し合わせて一緒に帰るなんて高校始まって以来だな。なんかあったか) 咲「ねぇ、京ちゃん」 京太郎「うん?」 咲「おんぶ、してよ」 京太郎「は?」 咲「ダメ……?」 京太郎「いや、ダメって言うか。どうした突然」 咲「……」 京太郎「はぁー仕方ねーな。ほれ!」スッ 咲「ありがと、京ちゃん」ヨジ 京太郎「掴まったか? 立つぞ」 咲「うん。大丈夫」 京太郎「よっと、お前昔とぜんぜん変わらないな」 咲「どう言う意味?」 京太郎「こういうシチュエーションなら嬉し恥ずかしなイベントがいたたたたたた」 咲「ど、う、言、う、意、味、か、な、!?」ギギギギ 京太郎「痛い痛い痛い!? 首の皮を抓らないで! 本気で痛いから!」 咲「まったく、京ちゃんはホントにエッチなんだから」プンプン 京太郎「ちょっとした冗談なのに……」グスン 咲「京ちゃんは大きくなったね」 京太郎「そうか?」 咲「うん、背中すごく大きくなった。けどこの温かさと匂いは昔のままだね」ギュッ 京太郎「汗臭いだけだ」 咲「そんなことないよ。私の好きな匂いだよ」 京太郎「お前さ、マジでなんかあった?」 咲「私ね。麻雀部、…………入ったよ」 京太郎「そっか……」 咲「それだけ?」 京太郎「お前が自分で考えて決めたんだろ? ならそれでいいじゃん」 京太郎「つい最近までお前が麻雀出来る事すら知らんかった俺にどうこう言う資格無いって」 咲「……」 京太郎「お前のそれってのはさ、照さん関連の話なわけ?」 咲「それって……?」 京太郎「麻雀が嫌いとかどーとかって」 京太郎(って言うか、咲がそんな落ち込んだりするのってたいてい照さん絡みだし……) 咲「……」 京太郎「話聞いてくださいって状況作っといて黙り込むなよ」ハァ 咲「あ!? っ、ごめん……」 京太郎「あーいや、悪い。俺もいじわるな言い方だった。話したくないなら別に」 咲「わからないの……」 京太郎「わからない?」 咲「うん。なんでお姉ちゃん、私を置いて行っちゃったのか。なんで疎遠になっちゃったのか……」 京太郎「…………」 咲「だから、麻雀部で全国に行ければ……この道を辿って行けば、その先にお姉ちゃんに会えるなら」 咲「京ちゃん」 京太郎「ん?」 咲「私、がんばるから」 京太郎「うん」 咲「もっとがんばるから」ギュゥゥ 京太郎「うん」 咲「もう少しだけ、こうしてて良い……?」グス 京太郎「おう」 咲「えへへ、ありがと。京ちゃん」 京太郎「咲、俺さ。お前のこと……」 咲「うん?」 京太郎「いや、俺がんばってるお前を見てるのが好きなんだ。だから」 京太郎「がんばれよ! 咲」 京太郎「ずっと応援してる。そんでもしまたしんどくなったら、そん時は」 京太郎「また、俺の背中くらい貸してやるから」 咲「うん! ありがとう、京ちゃん」 咲「大好き!」 カン ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 清澄高校 部室 ガチャッ 京太郎「あれ、部長まだいたんですか? 外とっくに暗くなってますよ」 久「そういう須賀くんこそ。部活終わってからまだ学校にいたの?」 京太郎「俺は友達に返さなきゃいけないものがあったので、そいつを待ってたんです。…部長は?」 久「ヤボ用があってね。その用事が終わったんだけど、ちょっと疲れたからゆっくりしているところよ」 京太郎「そうですか。じゃあ俺と一緒に帰りましょうよ」 久「んー?」 京太郎「えっ?」 久「なに? それは須賀くんからのお誘い?」 京太郎「えっ、いや、外は暗いですし。部長一人で帰すのも駄目かなって思って…」 久「ふーん、気遣いは一人前じゃない」 京太郎「どうも。いや、普通じゃないですか」 久「でもいいわ。私もう少し部室でゆっくりしていきたいから。須賀くん先に帰ってていいわよ」 京太郎「え、でも……」 久「気にしないの。先輩が帰っていいって言ってるんだから素直に従っておきなさい」 京太郎「部長」 久「ほらほら、帰った帰った」 京太郎「……じゃあお先に失礼します」 バタンッ 久「……」 久「……」 久「痛っ…」 久「それにしても足のこの痛み、なかなか引いてくれないわね…」 久「……」ソーッ ピトッ 久「痛っ! や、やっぱ無理。立てないわ」 久「あーもう! どうにかならないかしら……」 ガチャッ 久「!」 久「……」 京太郎「怪我してたなら早く言ってくださいよ。本当に帰ろうかと思いましたよ」 久「言えるわけないでしょ! 部室で逆立ちしてたら雀卓に足ぶつけたなんて!」 久「こんな情けない姿、後輩には見せられないわよ……」 京太郎「別に俺ならかまいませんよ。しっかり者の部長にもこういう一面があるんだってわかって、おもしろいです」 久「……!」ブンッ 京太郎「痛っ! 物投げないでくださいよ」 京太郎「ほら、乗ってください」 久「お、おんぶ……」 京太郎「だっこの方がいいんですか?」 久「わかったわよ……」 久「あぁもう! こんなところ、ほんとに咲たちには見せられないわ……」 京太郎「じゃ、行きますよ」スクッ 京太郎「落ちないようにちゃんと掴まってくださいよ。落ちたらまた足痛くしますからね」 久「うん……」ギュッ 久「いい、須賀くん? このことは他の皆には言っちゃ駄目よ」 京太郎「やっぱり駄目ですか」 久「当然よ。皆から何言われるかわからないじゃない」 京太郎「染谷先輩や優希には、からかわれ続けますね」 久「私は部長として威厳を保たなきゃならないの。それくらいわかりなさいよ」ギュッ 京太郎「グッ…首絞めないでくださいよ…」 久「ふん」 京太郎「わかりました。俺と部長だけの秘密ってことで…」 久「わかればよろしい」 久「…でも、ありがとう」 久「須賀くんに運んでもらえなかったら、それこそもっと恥ずかしいことになってたかもしれないわ」 京太郎「どうってことないですよ、それに……」 久「?」 京太郎「部長みたいな美人をおんぶするってのもけっこう嬉しいんですよ」 久「……」 京太郎「背徳感があるっていうのか、すげえドキドキして……」 久「やっぱり下ろして」 京太郎「無理です」ガシッ 久「下ろしてー!」ジタバタッ 京太郎「ちょっと、暴れないでくださいよ!」 チョットマッテー ハヤクカエリタインダケドー 久「!」 久「す、須賀くん、脇の教室に入って!」 京太郎「どうしたんですか、いきなり?」 久「前から人が来るでしょ! 早く隠れて!」 京太郎「別に見られたっていいじゃないですか。外を出たら人目につかないわけないんですし」 久「こ、校舎で見られるのはなし! 知りあいかもしれないじゃない!」 京太郎「他のクラスの教室に入っちゃっていいんですか?」ニヤニヤ 久「いいから早く入りなさい!」パシッ 京太郎「痛っ、わかりましたよ…」 ガラッ 京太郎「電気つけなくていいですよね?」 久「当たり前よ。とりあえずさっきの人たちが通り過ぎるまで……」 久「!」 久「やばっ……この声は……!」 京太郎「どうかしたんですか?」 久「今近づいてくる子たち、私の知りあいだわ……」 久「このクラスの子なのよ…!」 京太郎「じゃあこの教室に入ってくるってことですか?」 久「たぶん……でも今からじゃ出られないし……」 京太郎「ひょっとしてまずい状況だったりします?」 久「決まってるじゃない! こんな暗い教室で何してたかって…!」 アレ? イマナンカキコエナカッタ? 久「!!」ギクッ 久「やばいわ、この教室に向かって…!」 京太郎「部長、こっちです!」ダッ 久「えっ?」 京太郎「逃げられないなら隠れるしかないです!」 久「でも隠れるところなんて…」 京太郎「何を言ってるんですか!」 京太郎「ロッカーがあるでしょう!」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 和「もう!ゆーきなんて知りませんからね!」 優希「のどちゃん!」ズルッ ドシャァッ 優希「痛いじぇ……」 京太郎「おい、大丈夫かよ」 優希「誰だ?」 京太郎「足腫れてるな、立てるか?」 優希「どこの馬の骨とも知らないやつにィッ!」グキッ 京太郎「無理してんじゃねえよ、俺におぶされ」 優希「うるさい!うるさい!」 京太郎「なんだよ、人が親切してやってんのに」 優希「だからお前の手助けなんかいらないじぇ!」 京太郎「いいからとっとと乗れ、脚悪くなっても知らねえぞ」 優希「……そこまで言うなら、背負わせてやるじぇ」 京太郎「素直じゃねえやつだな」 前を向くアイツの顔は見えなかった アイツの身長とかからすると、私と同じ学年だろうか そうやって観察をしたあと、のどちゃんとの喧嘩が頭に浮かんできた このままのどちゃんと喧嘩したまんまなんて嫌だ そう思って俯くと、アイツの首元におでこが当たった 京太郎「あんまし上手いこと言えないけどさ、喧嘩ができるような友達がいるってのはいいことなんだぜ」 京太郎「……まあ、頑張れよ」 そう呟いたアイツの髪は夕日に照らされて金色に輝いていた、暗い気持だった私を照らしてくれるような、眩しい金色だった 京太郎「おんぶっていいよな」 京太郎「なんか懐かしくて、なんかあったかくて……」 京太郎「相手の顔なんて見えねえのにそいつの思ってることが伝わってくるような気がするんだ」 アイツの口調は楽しそうで、そんなアイツの言葉は今でも覚えている 京太郎「おい、優希ー、着くぞー」 優希「わかってるじぇ、ちょっと黙ってろ!」 京太郎「痛っ!お前後で覚えてろよー!」 今の私は夕日の中で京太郎の頭を見ていた かんしょーを邪魔されたので腹いせに頭を叩くと、笑半分怒り半分の声が返ってくる 今日の体育でけがをした私は京太郎におんぶをされて、いつかの道を通っていた 降りる場所は、京太郎と私の家までの道を分かつ交差点、そこはもう目の前だったけど、 京太郎の背中から離れるのは名残惜しかった 京太郎が麻雀部に見学に来たとき、私は一目でアイツだと気付いた。 でも京太郎は私を見るとすぐにのどちゃんのおっぱいへ目線を移した 感想を言うと、久しぶりの京太郎の背中はあったかくて、懐かしかった だからだろうか、おんぶをされて、励まされたことを私は覚えているのに、京太郎は気づかない。 その寂しさともどかしさが私にはたまらなかった だけど――― 京太郎「なあ、優希」 京太郎「おんぶっていいよな」 カン! ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| あの夢のようだったインターハイは瞬く間に過ぎ去り、 早まった日の暮れが夏の終わりを告げている。 落ちかけた夕焼けに染められた部室は、いつもと変わらない光景のはずだったけれど 私には他の何所よりも眩しい。 そんな感傷に浸りながら思い出に馳せていた私は不意に現実に引き戻される。 「部長」 ベッドに腰かけていた私の顔を覗き込むように須賀君が声をかけてきていた。 彼の方へ向きなおす。 「あら、私はもう部長じゃないわ」 私は今日この麻雀部を引退したのだから。 そう言わんばかりの返事に竹井先輩、と口ごもりながらも律義に呼びなおしてくる彼が可愛い。 「そろそろ時間です」 時計を見れば下校時間までもうわずかにせまっていた。 帰らなければ。 とはいえ、須賀君の手伝いもあり後はまとめた荷物を持って立ち去るだけなのだけど。 でも今の私はそれができずにいた。 「……もう少しだけここにいたいの」 ここには私の青春が詰まっているから。 だからここが私の居場所ではなくなってしまうということを受け入れたくない。 今ここを出て行けば全てを失くしてしまうようで怖い。 ただのわがままだ。 私は弱い。 せめて最後くらい、今日くらい、格好つかないものか。 俯いてしまった彼に、取り繕うようにたずねる。 「ねえ須賀君?」 「はい」 「あなたには用を押しつけてばかりになっちゃったけど、須賀君は……楽しかった?」 「はい。俺、麻雀部に入って本当によかったです」 「そっか……」 嬉しいけれど、それはなぜかとても淋しい。 まっすぐな彼の言葉が引き金となったかのように抑えられない感情が込み上げてくる。 鼻の奥がツンとする。きっと今私の顔はひどく歪んでいることだろう。 参ったな。こんなはずじゃなかったのに。 誤魔化すように言葉を繋ぐ。 「じゃあ、最後にもうひとつお願いしていいかしら?」 いつも通りにと思うほど耐えられない。 自分でもわかるくらいに声が震えてしまっている。 「なんですか?」 「ちょっとあっち向いててくれる?」 「え……?」 「い、い、か、ら」 上手くは言えていなかったと思うがもうかまわない。 私は静かに後ろを向いた彼の背中におぶさるように飛び乗った。 これでもう彼に私の顔は見えないのだ。 あとは驚いてバランスを崩しかけた須賀君を傍目に囁くだけだ。 いつもからかうように。なるべくいたずらっぽく。 「今夜は帰りたくないの。だから、あなたがここから連れ出して?」 最後の一言は声が掠れてひどいものだった。 須賀君は冗談らしいため息ひとつで返して、背中で泣きじゃくる私を運んでくれた。 結局私の涙が枯れたのは夜闇につつまれた田舎道の中だった。 秋を感じさせる夜風は涼しく、泣きはらして熱をもった頬に涼しい。 でも、街灯に照らされた道路を歩く須賀君の背中はあたたかで私の気持ちを落ち着かせた。 「ねえ、須賀君」 返事はなかったけれど。 「……ありがと」 不甲斐ない私の言葉を背中で受け止めてくれた彼が、 私の初恋の人だったかもしれないと気付いたのはそれから随分先のことだった。 カン ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 晴絵「ごめんね須賀くん、他校の生徒にこんなことさせちゃって。まさかあんなところに小鍛冶健夜が……」 京太郎「会って挨拶しただけで腰抜かすって、赤土さんって本当に小鍛冶プロが好きなんですね」 晴絵「違う! あいつのせいで私は、私は、う、ゥオェエェ!」 京太郎「ち、ちょっと吐かないで下さいよ!」 晴絵「だ、だいじょーぶ、だよ……?」 京太郎「しっかりして下さいよ」 晴絵「うぅ、面目ない。あ、そこの角曲がってすぐの部屋が……」 灼「……」 晴絵「あ、灼、ただいま」 京太郎「あ、阿知賀の方ですか。俺、清澄のすが……って、ちょっと!」 晴絵「ま、まって灼! あなたは大きな誤解を……」 ガチャ、バタン!! 晴絵「してるぅ……」 ガチャリ 京太郎「あ、戻ってきた。よかった。実は赤土さんが腰を……」 バンッ!! 京太郎「抜かして、しま、しま……」 灼「……ハルちゃんをおろせ」 京太郎「そ、そのボーリングの球はいったい……」 灼「いいからおろせ!」 京太郎「は、はい! あ、赤土さん、立てます?」 晴絵「か、壁に手をつけばなんとか」 京太郎「よかった。それならもう……」 バンッ!! 京太郎「ハイナンデショウ!」 灼「そのまま回れ右、そして三つ数える内に私達の視界から、消えろ……」 晴絵「あ、あのね灼、これはそういうんじゃなくてって須賀くんもういないし!」 ~その頃 京太郎「あの娘恐かったなあ。また寒気がしてきた」ガクブル 京太郎「あれ? 寒気が止まんない?」((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル 咲「京ちゃん」ゴゴゴゴ… 京太郎「咲? ど、どうしたお前、なんか雰囲気が……」((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル 咲「さっきおんぶしてた女の人、誰?」ゴゴゴゴゴゴ… 京太郎「いや、あの……」((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル 咲「誰なの? ねえ、誰なのって聞いてるんだよ?」ゴゴゴゴゴゴゴゴ… 京太郎「((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル」 咲「誰なのよッ!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…… 京太郎「(((((((( ;゚Д゚))))))))ガクガクブルブルガタガタブルブル」ショワァ… ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 京太郎「今日も一人で頑張ってたのか?」 数絵「だって私一人なんだから仕方ないじゃない」 京太郎「だからってこんなに疲れるまで打つことはないだろうに」 京太郎「立てなくなるくらいまで雀荘にこもる必要はないだろう?」 数絵「私はおじいさまの期待を裏切りたくないの」 数絵「そのためならどんなに厳しい東場にだって耐えれるようになってみせる」 京太郎「努力は立派だけどそれで潰れちゃ意味ないだろう?」 京太郎「それにお前は可愛いんだからへんな奴がよって来るかもしれない」 京太郎「その辺もっと自覚持てよ」 数絵「う、うん///」 数絵(京太郎が助けてくれるならどんな逆境でもまくってみせる!)ギュッ ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 哩「んひぃぃいぃっ!」ビクッ 姫子「ああぁぁああぁぁっっ!」ビビクン 京太郎「どうしたんですか!!」 哩「あぁ…これ…気持ちよすぎて…」 姫子「ぶ…ちょ…26藩は…しゅご…すぎ…」 京太郎「…」 煌「…」チラッ 京太郎「配牌で純正九蓮宝燈だと…これを縛ったのか…」 煌「とりあえずこの2人をどうにかしないと…もう下校時間です…京太郎くんは姫子をお願い」ハァ 京太郎「煌先輩は一人で平気ですか?」 煌「安河内先輩でも呼んでに2人で運びますよ…」 京太郎「それじゃあそっちはお願いします…よっと!」 煌「おお…おんぶとは大胆な…すばらっ!」 姫子「京太郎…ごめ…ん…」 京太郎「いえいえ…これぐらいならなんでもないですから…」 姫子「はぁ…んんっ!」 京太郎(てかさっきから背中で姫子先輩が息を荒くしていて…それが首筋に当たってやばい…しかもいいにおいするし…) 姫子「あっ!ああっ!」ビビクン 京太郎(たまに小刻みに震えたりして…なんかエロい…あとYシャツの下のほうが濡れてるんだが姫子先輩の汗だろうか?) 姫子「んっ…」モゾモゾ 京太郎(やめて!体こすり付けないで!やわらかい感触がまずいの!) 姫子「えへへ…」ギューッ 京太郎(そんな強く抱きつかれたら…背中に小さいけど確かなおもちの感触が!) 姫子「きょーたろー…」 京太郎(…もうお持ち帰りして良いんじゃないだろうか?) 姫子(こげんアピールしても手ば出さんとは…もっと過激なことせんといかんね…) カン! ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 絹恵「痛たたたた……ホンマにすまんなぁ、京太郎くん」 京太郎「このくらいへっちゃらですから」 絹恵「せやったらもーっと体重かけるなー」ムギュゥ 京太郎「はうっ!?」 京太郎(絹恵さんのおっぱいと太ももが俺の上半身に寄せられているゥ!?) 京太郎「ブフォッ」ドバァ 京太郎(なんつー破壊力、流石は絹恵さんだぜ!) 京太郎(って、いやいや、そうじゃなくて、ここは姫松高校のマネージャーとして注意しなきゃだよな)フンス 京太郎「まったく、絹恵さんの丸いものを見たら蹴る癖、いいかげん治してくださいよ」 絹恵「いやーそれは体に染みついてもうたーというか……その……京太郎くんも中学おったから知っとるやろ」 京太郎「知ってますけど、今回だってなんで超合金カーネルの頭なんか蹴ってんですか」 京太郎「……ってか超合金カーネル・サンダースって何だよ」 京太郎「とにかく、心配したんですからね?」 絹恵「うん……ごめんな」 京太郎「ったく、なんで洋榎さんといい絹恵さんといい愛宕家は……」ブツクサ 絹恵(京太郎くんに怒られてもうた、あはは) 絹恵(おんぶも気持ちええし、ほんまお父さんみたいやな) 絹恵(年齢的に言えば弟やけど) 絹恵(……お父さんにおんぶしてもろたことないやん) 絹恵(そんなんしてもらう前に死んでもうたからなぁ) 絹恵(やっぱり今は京太郎くんの時代やな、一家に一台京太郎くん!なんつって) 絹恵「京太郎くーん」 京太郎「何ですかー?」 絹恵「私のお父さんにならへん?」 京太郎「嫌です」 絹恵「即答した!?」 絹恵「もっと迷うと思ったんやけど」 京太郎「絹恵さんの父親なんて距離、嫌ですから」 京太郎「俺は、もっと……」カァァ 京太郎「もっと絹恵さんの傍にいたいですから」ボソボソ 絹恵「そ、そっか……」 京太郎「……」カァァ 絹恵「……」カァァ 絹恵「すっ、進むスピード遅いで!はよ歩きぃ!」バシバシ 京太郎「のんびりゆっくりまったり行きましょうよー」 絹恵(今のって、告白ってことでええんやろか?) 京太郎(何やってんださっきの俺!絹恵さんが何も聞いてなくて返事に困ってたみたいだから良かったものの) 京太郎(二人でインターハイに行けたときに告白するって決めたんじゃないか!ホント何してんだ!) 京太郎(まあ告白したとしても 「弟とか、そんなんみたいやと思ってたさかい、ごめんな」 とか言われてフられるんだろうな) 絹恵(私は、京太郎くんのことをどう思っとんやろ) 絹恵(頼りになるお兄ちゃん?偶に甘えてくる弟?) 絹恵(あと、一緒におると胸がドキドキして、これは何なんやろ、動悸?息切れ、気つけ……救心?) 絹恵(それは置いといて) 絹恵(自分の気持ちがようわかれへんわ) 絹恵(京太郎くんは私のことが好きなんやろか、私は京太郎くんのことが好きなんやろか) 絹恵(……やっぱりようわかれへん) 絹恵「……はぁ」 京太郎「ため息吐くと、幸せが逃げますよ」 絹恵「私は、京太郎くんとおれるだけで幸せやから」 絹恵「むしろ古い幸せを捨てて新しい幸せを吸ってるんや」 京太郎「さっぱりわっかんねー」 絹恵「……京太郎くんは、私とおれて幸せ?」 京太郎「俺は……毎日が幸せですよ」 絹恵「大袈裟やなぁ」 京太郎「こんなこと言うの、絹恵さんだけですよ」 絹恵「……お互い、どうして面と向かって言えないんやろか」 京太郎「おんぶしてるからじゃないっすか」 絹恵「そらそうやけど……なんかもうアホらしなってきよったわ、家でカルピス飲みたい」 京太郎「あ、俺も飲みたいです!」 絹恵「ほなこのまま家までよろしくなー」 京太郎「了解です!」 京太郎(そうか……そうだったんだ!) 京太郎(走れば走るほど、絹恵さんのおっぱいは弾み、弾んだおっぱいは俺の背中に当たる!) 京太郎(つまり速く走ればその分絹恵さんのおっぱいを楽しめる!) 京太郎(クッソ、なんでこんな簡単なことに気づかなかったんだバーロー!)ダダダダ 絹恵(今なら、抱き着いてもばれへんやろか……)ドキドキ 絹恵(ほんの少し大胆になるくらいやったら……ええやろ)ギュッ 京太郎(は、弾まなくなった……だと……?) 京太郎(弾まなくなった割には背中には柔らかい感触がある、これは……まさか……) おっぱい「残像だ」 京太郎(なんだよ残像って) 絹恵「今日は迷惑かけてもうたね」 京太郎「いえ、呼んでくれればどこでも行きますし、なんでもしますよ」 絹恵「ふふっ、頼もしいヒーローさんやな」 京太郎「そうでしょうそうでしょう、もっと褒めてください」 絹恵「じゃあ、そんなヒーローさんにお礼するから、目閉じてくれる?」 京太郎「はい……」 絹恵「……京太郎くんの気持ち、全部届いとったで」 絹恵「今度は、もっとちゃんとした言葉で聞かせてな」 絹恵「私もその頃には自分の気持ち、京太郎くんに伝えるから」 絹恵「今はまだ待ってな」 絹恵「……あと」 絹恵「いっつもおおきに」 チュッ ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 京太郎(それで俺たちの関係が遠くなるっていうのは嫌だから告白したくない俺もいるわけで……) 咲「京ちゃん!」 京太郎「ん?どうした、咲」 咲「最後にお願いがあるんだけど……いいかな?」 京太郎「最後?どういう意味だ」 咲「あのね……もう一度私をおんぶしてほしいの」 京太郎「お、おんぶ?いや、もう十分おんぶしただろ!」 京太郎「だってほら、8月6日からずーっとおんぶし続けてるんだぜ?」 京太郎「流石に俺も体力尽きたわ……」 咲「そんな……ぐすっ、京ちゃんなら私のいうこと聞いてくれると思ったのに……」ウルウル 京太郎「いや、泣かれても困るんですけど……」 咲「ひっく……」 京太郎「……」 咲「ふえぇ……」 京太郎「…………」 京太郎「……仕方ない。ほら、背中空いてるからつかまれよ」 咲「京ちゃん!」 京太郎「ほら、あと10レスしか残ってねえぞ。急げバカ」 咲「う、うん!ありがと、京ちゃん」 京太郎「咲はまだまだ甘えんぼさんだな」 咲「えへへ」 ウオオオオオオオオオオオオオ 京太郎「あん?」 優希「おいバカ犬、私もおんぶするんだ!」 京太郎「は?お前どこから現われて……」 優希「うるさうるさいうるさーい!いいから私に従えバカ犬!」 京太郎「いや、もう無理――」 久「あら、須賀君。私もおんぶしてくれないかしら?」 京太郎「部長まで……」 まこ「そんならわしもおぶってもらおうかのう」 京太郎「この流れは……まさか!」クルッ 和「……」 京太郎「……」 和「え?嫌です」 京太郎「ですよねー」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 池田「おい、須賀!」 京太郎「うわ、どうしたんですかいきなり」 池田「昨日キャプテンをおんぶしてたってのは本当か!?」 京太郎「えっと、なりゆきで…」 池田「華菜ちゃんが休んでる隙に……くぅ~羨ましいし!」ガシッ 京太郎「のしかからないでくださいよ…」 池田「で! どんな感じだったんだし?」 京太郎「何がですか?」 池田「キャプテンを背負ってみての感想だよ。お前、キャプテンが憧れだって言ってたじゃないか」 京太郎「……」 京太郎「敢えて言うのであれば、そう。至福でした」 京太郎「後ろから香る美穂子さんの匂い、耳元をくすぐる静やかかつ甘い吐息」 京太郎「背中にあたるこの世のものとは思えないほどの柔らかさを誇る母性の塊、手に触れたエロティックな太腿」 京太郎「それを自らの五感を持っておんぶしている間のわずか4分29秒。存分に堪能しつくしました」 美穂子「……」/// 京太郎「!」 池田「それじゃあ邪魔ものの華菜ちゃんは帰るし!」 京太郎「この野郎!」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/682.html
http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1347610677/ 福路『あん♪須賀くんは欲張りですね、上埜さんと繋がりながら、んっ、私のおっぱいも食べたいなんて♪』 福路『赤ちゃんみたいに吸い付いちゃって・・・そんなにおっぱいちゅきなんでしゅか~?フフフ』 部長『あっ!あっ!いいわよ、須賀くん、射精してっ、っこのまま、気持よく中に射精しちゃいなさい♪』 シュッシュッ 京太郎「うっ」ドクドク 京太郎「・・・」 京太郎「っぷー 出した出した。やっぱりキャップと部長の3Pがベストシチュだな」フキフキ 京太郎「オレの超一流のコラ技術を持ってすればどんな女も丸裸だぜ」※顔を切り抜いてエロ本に貼り付けただけ 京太郎「んっ?これは!オナ禁で雀力が上がる・・・だと・・・?」 京太郎「エロ雑誌の巻末広告とはいえ・・・こいつはどえらい情報を見つけちまったぜ」 京太郎「なになに・・・『新素材ヤリマンガンで性欲を溜めるほど強くなれるんだよ。若い者には最適だねぇ』」 京太郎「ヤリマンガンネックレス・・・25000円か・・・懐に痛いが・・・試す価値はあるか・・・?」 京太郎「そうだ、いつまでもパシリで、ぬるぬるとオカズを増やす日々じゃあ・・・先がなさすぎる!」 京太郎「結ぶぞ!その(売買)契約!」 3日後 配達員「チアース熊倉通販サッアラオ届け物デースハンコッネガイッシャース」 京太郎「はい」 配達員「ァイドリガトッゴザース」 京太郎「ついに来たか・・・なんとか個人戦に間に合ってよかったぜ」チャラッ 京太郎「しかし3日でこれか・・・健全な青少年には辛すぎるぜ。」モッコリ 京太郎「静まれ息子よ。決戦のときは近い。ステンバーイ ステンバーイ」 放課後 京太郎「いよいよオレの性・・・雀力を実践で試す時が来た。はず。今日はパシらされなければいいが」 京太郎(しかし溜まってるせいか、最近部長とか和とか前よりなんかソソる気がするんだよな) 優希「ハイヨー!シルバー!」ガバッ 京太郎「のわっこのやろう!いきなりおぶさんな!降りろ!」 優希「うるさい!毟るじょ!若ハゲになりたくなかったらこのまま部室までレッツゴーだじょ!」ギュウウ 京太郎「自慢のサラサラヘアーに触るな!くそっちくしょおおおお」ダダダダダ 優希「ご苦労ご苦労」 京太郎「ハァ・・・ハァ・・・」 京太郎(しかし今まで気づかなかったがタコスの奴、ちんちくりんのぺったんこの癖に妙な柔らかさが・・・はっ) 京太郎(くそっオレは何を考えてるんだ。相手はタコスだぞ。和ならまだしも・・・) 和「あら優希。先に来てたんですね」ユサッ 京太郎(あっ揺れた)ジー 優希「犬に乗馬の訓練をしてやってたじょ!」 京太郎「犬で乗馬っておかしいだろ」 京太郎(やっぱり和っぱいでっけえ)ジー 和「須賀くん・・・?何か?」 京太郎「あ、いやなんでもないない」サッ 京太郎(やべえ。オナ禁のせいで無意識に視線がおっぱ引力に惹かれてしまう。やべえ) 和「宮永さんはまだ来てないんですね」ユサユサ ムクムクムク 京太郎(!ヤバイ!! くそっ中腰に・・・不自然だ、そうだ、座ればいいんだ) 優希「お、京太郎が真っ先に卓につくなんて珍しいじょ」 京太郎「ああ・・・今日は久々に、どうしても打ちたい気分なんだ。あー早く誰か後一人こないかなー」 咲「お待たせー」 京太郎「ツモ!2000・4000!」 京太郎(ヤバイ。ハネマンガンネックレス・・・・・・本物だ!!) 咲「京太郎ちゃんなんか調子いいねー」ジャラッ 京太郎「オレだって一応麻雀部員だ。伊達にパシられてるだけじゃないぜ!」キリッ 優希「京太郎の癖に生意気だじょ!」 咲「カン」 京太郎「おっとすまねえな、咲、そいつだ」パタン 咲「えっ!?」 和「槍槓とは珍しいですね」 ワカメ「なんじゃ確かにいつもと違うのう」 部長「もしかしたら個人戦、いいところまで行けるかもしれないわね。」 京太郎(あれ?部室ってこんなにいい匂いしてたっけ?) 団体戦決勝戦大将戦 咲「カンカンカン!ツモ!麻雀って楽しいよね!」 加治木「ギャー」 池田「ウボワー」 衣「ウワー」 優希「咲ちゃんがやったじょ!」 和「咲さん!」 ワカメ「まさか本当に全国に行けるとはのう」 部長「あら、言ったでしょ?」 ワカメ「いや、京太郎の方じゃ」 部長「確かにね。何かが変わったとは思ってたけど、まさかあそこまで伸びるとは思わなかったわ」 部長「ただ最近・・・」 ワカメ「なんじゃ?」 部長「いえ、なんでもないわ」 部長(時々、須賀くんから野生の獣みたいな視線を感じる時があるのよね・・・) 京太郎「やったな!咲!」 咲「ありがとう。京ちゃんも・・・全国、おめでとう!」 京太郎「おう!ってもギリギリ3位だけどな。まあ本番はこれからさ!咲も個人戦頑張れよ!」ポン 咲「う、うん///」 咲(なんだか最近、京ちゃんがかっこ良く見えるよ・・・麻雀が強くなったせいなのかなあ) 京太郎(あ~咲なら不意勃起の心配しないで話せるから楽だわ~最近タコスでもやばいからな) 部長「・・・・・・」 全国3日前 咲「お疲れ様でした」 和「咲さん、途中まで一緒に帰りましょう」 咲「あ、うん、いいよ」 咲(・・・京ちゃんと一緒に帰りたかったな) 優希「京太郎、あたしを送っていくじょ。夜道は危ないんだじょ」スリスリ 京太郎「断る。お前を襲う奴はいねーよ」ベシッ 京太郎(くふぉおおおまた無邪気なスキンシップががが むしろオレが襲うっつーの ハーッ ハーッ) 部長「あ、ごめんね。須賀くんはちょっと残ってくれる?去年の男子個人戦の牌譜をまとめてあるから。かいつまんで説明しておくわ」 京太郎「え、あ、はい」 優希「じょ・・・」 京太郎(部長と二人きりいいぃいぃぃぃ・・・っべーわ・・・マジベーわ) 部長「まあかけて」 京太郎「はい」 部長(大体ストッキングって素肌を隠すためのものだろ?黒ストの方がエロイってどういうことだよ) 部長「・・・」キィ 京太郎(アダルティックなオーラ出しやがってこのいい意味で年増が!こう正面から唇とか指先とか見てるだけで・・・) ムクムクムク 京太郎「・・・あの、部長」 部長「何?」キィッ 京太郎「去年の牌譜は・・・」 部長「そんなものないわ」 京太郎「はい?」 部長「・・・ごめんなさい。ちょっと須賀くんとお話がしたくて」 京太郎「え、は、はあ」 部長「まずは改めて個人戦全国出場おめでとう。きっと来年には男子の団体戦も組めるわね」 京太郎「は、はあ。みんなに鍛えて貰ったおかげです」 部長「本当に?」 京太郎「え・・・」 部長「・・・単刀直入に訊くけど、もしかして私達に何か隠し事してるんじゃない?」 部長「ただ部長として、不安要素があるなら取り除いておこうと思って」 京太郎「・・・」 部長「何もないならいいの。私も全国を目前にして、ちょっとナーバスになってるのかもしれないわね」 京太郎「あの、・・・実はこの、雀力が上がるネックレスっていうのを通信販売で買ったんです」チャラ 部長「え?それって、よく雑誌の後ろにあるパワーストーンみたいな?」 京太郎「はい」 部長「そんなので麻雀が強くなるなら今頃世の中はプロだらけじゃない」 京太郎「オレも最初はそう思ってました!でもコイツは本物だったんです!オレの・・・その・・・」 部長「須賀くんの・・・?」 京太郎「その・・・」 部長「・・・もしかして、最近麻雀部や他校の女子部員をいやらしい目で見つめているのと関係あるのかしら?」 京太郎「!」ドッキーーーン 部長「図星ね」 京太郎「あのあのあのあのその、ばれてタンデスカ」 部長「半分はカマかけだけど・・・たまに須賀くんがギラギラした視線を送っているような・・・」 部長「女の子は男の視線に敏感なのよ。無理に見ないようにする視線にもね」 京太郎「アノアノアノみんなにもばれてて?」 部長「それは無い・・・と思うわ。多分ね」 部長「前から須賀くんが胸の大きい子が好きってのは知ってたけど、誰彼かまわずそんな目で見ているきがして・・・あ、ごめんなさい」 京太郎「いえ、言い難い事を言ってくれてありがとございます。オレも正直に話しますよ」 京太郎「このヤリマンガンネックレスはオレの性欲を雀力に変換しているんです」 部長「えっ」 京太郎「つまり、溜めれば溜めるほど強くなれるんです」 部長「溜めるって・・・その、せ、性欲を、よね。どうやって?」 京太郎(わかって聞いてるんじゃないだろうなこの人) 京太郎「部長、オナニーって知ってますよね」 部長「///」コクン 京太郎(かわいいいいい!) 京太郎「年頃の男は毎日3回自分で処理しないとどんどん性欲が溜まって大変なことになるんですよ」 部長「き、聞いたことはあるわ」カァ 京太郎(聞いたことがあるぅ~?部長もオナニーしますよね?て言いてええええ!)ハァハァ 京太郎「つまりその、正直めちゃくちゃ溜まっててですね、日常生活を送るだけで大変なんですよ」 京太郎「なぜか他校の生徒も麻雀部員はかわいい人が多いですし・・・」 京太郎「溜まってると女子はみんなかわいく見えてくるし・・・部長みたいに元々好みなタイプとか襲いかかりたくなるほどで・・・あ」 部長「えっ」ドキ 京太郎「す、すいません失言でした。ウソです。いやウソじゃないんですけど」ワタワタ 部長「わ、私は和とかに比べてとそんなに胸は大きくないと思うんだけど」ドキドキ 京太郎「胸だけじゃないんです!顔とか雰囲気とか・・・いやパーツは関係なくて、とにかく部長はかわいいと思います!」グッ 部長「え、ええええ」ドキーン 部長「す、須賀くん」ドキドキドキ 京太郎「部長・・・」ドキドキムクムク 京太郎(あ、近・・・部長意外とまつ毛長い・・・)ガシッ 部長(え、なんで肩掴んで、あ、さっき襲いかかりたいって、そうなの?そういうことなの?) 京太郎(いい匂いする・・・フェロモンか、フェロモンなのか。気が遠くなる・・・) 部長「まって、ぁ、ぁ・・・」 チュ 京太郎(あったか やわこい もっと)ギュウウ 部長「ぁ・・・だ、め・・・」 チュ チュ 部長(だめぇ・・・痛いくらい抱きしめられてるのに、なんか安心しちゃう・・・) チュ チュル ムチュ レルレル ムチョ レロルロ 部長(あああ・・・おくちの中なめられるのって、きもちいいのね)ボー コンコン 副会長「会長、います~?」 京太郎・部長「!!!!」ビックゥゥゥゥ バッ 部長「え、ええ。いるわよ」ナオシナオシ 副会長「ああよかった。失礼します」 ガチャ 副会長「来年度予算関係で、一枚だけサイン抜けてる書類があったんです。今日までなんで助かりましたよ」 副会長「お!わが校の期待の星、須賀くんもご一緒でしたか」 部長「申し訳ないわね。そっちに色々押し付けちゃって」 副会長「いえ、初の全国大会ですから。これも僕なりの応援のつもりです。思いっきり戦ってきて下さい!」 部長「ありがとう」 副会長「いえ。どうしたしまして では」 パタン 部長「・・・」 京太郎「・・・」ビキビキ 京太郎「部長!ごめんなさい」ドゲザー 部長「!」 部長(謝るぅ!!??) 京太郎「勢い余ってと言いますか、ご覧のように常にリミッターギリギリの状態なんですよ」 部長「・・・・・・・・・ふーん」 京太郎(ああやっぱり怒ってる) 部長「須賀くん」 京太郎「はい」 部長「なんでわたしが怒ってるかわかるかしら」 京太郎「すいません!急に抑えが効かなくなってしまって。本当にゴメンナサイ!」 部長「全然わかってないのね・・・はぁ、もういいわ」 京太郎「すいません・・・」 部長「須賀くんの方の事情はわかったわ。けど、須賀くんが自分で気づいてない変化もあるのよ」 京太郎「えっ?」 部長「雀力が上がったせいかと思ったけど・・・須賀くんの魅力も上がってるみたいなの」 京太郎「魅力?」 部長「それもネックレスの副作用かはわからないけどね、優希とか咲が須賀くんを見る目がね熱がこもってるというか・・・」 部長「漫画的に言うと恋する乙女の瞳になってるって感じかしら」 京太郎「ええ~?それはないでしょ~」 部長「最近、急にスキンシップが増えたとか思わない?あとは女生徒に優しくされるようになったとか」 京太郎「う~ん」 モヤモヤ 優希『京太郎!今日もおんぶするじょ!だっこでもいいじょ』 京太郎『やだよ。自分で歩けよ』 優希『京太郎!一緒にお昼食べるじょ・・・おお咲ちゃん!』 咲『京ちゃん・・・優希ちゃんいつも来てるの?』 京太郎『おお、最近急にな』 咲『ふーーーーん』 優希『今日のあたしの弁当は特製タコス弁当だじょ。犬に一品くらい分けてやってもいいじょ』 咲『はい、京ちゃんの好きなさよりの塩焼きあげる』 京太郎『おお!ありがとうな、咲』 優希『むううううう』グイグイ 咲『ふふん』グイグイ 京太郎『おい、こら、お前ら、近い、つか食べにくい押すな、潰れる!』 京太郎『うーん何飲もうかな』 和『あ、須賀くん、何飲むか決まってないんですか?』 京太郎『ああ、どうしようかと思って。新発売の』 和『じゃあ邪魔なのでどいてください。私決まってますので』 モヤモヤ 京太郎「そう言われてみればそんなこともあるような気もするような」 部長「ね。正直私からみてもかっこよくなったように感じるもの」 京太郎「そうですか?いや~照れますね」 部長「だから『勢い余って』『急に抑えが効かなくなってしまって』あんなことをされちゃったわ」ニッコリ 京太郎(なんか笑ってるのに怖い) キラッ 部長「え、何今の光」 京太郎「わかりません。あ、ネックレスが・・・」 パアアアアアア 倍 満 貫 京太郎「おお!バイマンガンネックレスになった」 部長「え?ヤリマンガンじゃないの?」 京太郎「オレもよく知らないんですけど、ここのところが最初は満貫ってかかれてたんです」 京太郎「でもすぐに消えて、隣のところに跳満って文字が浮かんできたんで、ハネマンガンって呼んでたんですよ」 部長「それが今度は倍満になったわけね。ふむ・・・」 京太郎「スゲェ・・・なんか前より雀力が滾ってるような気がします!」 部長「レベルアップの条件は?」 京太郎「いや、とんと。性欲が溜まったからかなーとか思ったり。なんちゃって」 部長「・・・確かある程度精子が溜まると、発射しないでも結局体内に吸収されてしまうのよね」 京太郎「そうらしいですね。メカニズム的には」 京太郎(詳しいなこの人。つかオナニーで照れたのに精子はいいんだ) 部長「推測だけど、自然に溜まる性欲ではハネマンガンまでしか性長しないんじゃないかしら」 京太郎「と、いいますと」 部長「さっき、須賀くんが『勢い余って』私の唇を奪った時、とっても興奮してたけど発射しなかったでしょう」 京太郎「は、はい」 京太郎(引っ張るなあ部長) 部長「それがトリガーだとすれば、より性欲を高ぶらせた上でさらに溜め込むことで、雀力のステージが上がることになるわね」 京太郎「そ、れは」 部長「ええ、もし雀力のステージを上げようとするなら、かなりの諸刃の剣ね」 部長「三倍満とかまで上げるならBとか、その先はCとか」コホン/// 部長「まかりまちがって性欲を開放してしまえば一気に雀力が5まで戻ってしまうわ」 京太郎「なるほど」 京太郎(オレの雀力5だったんだ・・・) 部長「長野県で3位の実力から、どのくらい上がったかわからないけど、バイマンガンでも全国に通じる実力のはずよ」 京太郎「・・・」ゴクリ 部長「麻雀部部長として命令します!」 部長「インターハイで優勝するまで、須賀くんは全ての誘惑を断ち切って、性欲を絶対に開放しないこと!」 京太郎「え、ええ、そりゃまあ、元々そのつもりでしたが少しプライベートの問題というか」 部長「・・・それは充分に解ってるわ。ただ、今の清澄麻雀部の背負っている期待は個人レベルの問題ではないの」 部長「応援してくれる学校のみんな、地元のみんな、来年の生徒数の増加による学校側の収入」 部長「PTA役員が中心になって後援会を結成するという動きもあるわ」 部長「そしたら予算も設備も増えるし、プロに指導してもらって練習なんてのも出来るようになるかも」 京太郎「後半は大人の思惑もアリアリですね」 部長「私達もすぐに大人になるのよ。インターハイでそれなりの成績を収めた初出場麻雀部の部長で学生議会長」 部長「これだけ泊が付けば私の人生設計もより良い物になるわ」 京太郎「・・・」 部長「だから、ね。須賀くん」キュッ 京太郎「あ、あばば部長」 京太郎(近い近い柔らかい) 部長「これはただの取引だと思っていいから。もし須賀くんが優勝したら・・・」 ポショポショ 京太郎「」ムクムクビキビキ 京太郎「ぶ、ぶちょおおおおおおおおお」ガバッ 部長「ストップ!どうどう!ハウス!今開放したら無い話しよ!?ここで終わりよ?」ドキドキドキ 京太郎「ぐううううおおおおわああああああ静まれ!静まれい!オレの中腕よ!南無大慈悲弓具救難・・・」 後日 咲「京ちゃん。そうだったんだ・・・ごめんね」 和「そんなオカルトありえません」 京太郎「ぶっちょおおおおおおお!なしてみんなにばらしたとですか!?」 部長「その方が都合が良いからよ。須賀くんも余計な誘惑を耐え切るのは精神力を使うでしょ?」 京太郎「そりゃまあ・・・」 優希「うん。邪魔をして京太郎に嫌われたくないじぇ。京太郎が求めて来ない限りは我慢するじょ・・・」 京太郎「求めたらどうなるんだ?」 優希「ど、どうしても、知りたいか?、きょーたろぉ・・・」スリスリ 京太郎「うあっく、やめっ」ムクムク ワカメ「はいはいストップ。いやー話は聞いたがこりゃあ大分苦労しそうじゃのう」 和「去勢した方がいいんじゃないですか?」 部長「それだと性欲が溜まらないのよ」 和「冗談ですよ。信じる信じないはともかく、須賀くんが強くなったのは事実です」 和「咲さんは私が責任持って須賀くんに近づけないようにしますのでご安心下さい」 京太郎「いや、咲には別に性欲感じないし」 咲「えっ」ガーン 京太郎「い、いや、ほら、幼馴染だし、いい意味でだな」 咲「・・・」ポロポロ 京太郎「あ、スマン、感じる感じる!性欲感じる!あ、凄い咲を襲いたくなってきた!」 咲「本当?」 京太郎「本当だぞ!だかな泣くな」ナデナデ 和「やっぱりウソじゃないですか。咲さんに触らないで下さいこの性獣」バシッ 京太郎「ちくしょう」 インターハイ会場 部長「どう、全国の舞台は」 京太郎「予想はしていましたが、凄いですね・・・」 和「当たり前です。長野と同じように、激戦を勝ち抜いてきた学校しかいないんですから」 京太郎(いやまさか和よりでかいおっぱいの持ち主がいるとは。しかも巫女さんとは)ムクムク 部長「須賀くん。永水の胸にご執心のようね」 京太郎「え?え、いや、そんなことないですよ?」 部長「バレバレよ、和の胸と永水女子を視線が顔ごと往復してるじゃない・・・どんどん露骨になってるわね」 京太郎「え、え、いや~おかしいな、くそ、隠さないと。和、エトペンかしてくれ」 和「絶対にイヤです。死んでください」 優希「咲ちゃんがいないじょ!」 部長・和・ワカメ・京太郎「!」 優希「控え室にいると思ったけど、多分ひとりでトイレにでも行ったんだじょ」 部長「会場から出ることはないと思うけど、万が一トラブルがあったら厄介ね」 和「手分けして探しましょう!」 京太郎「そうだな」 部長「・・・ええ」 部長(その場合、むしろ心配なのは須賀くんの方なんだけど・・・) ワカメ「ワシは控え室で待機しとるけえ。無事戻ってきたら電話するわ」 京太郎(つっても広い上にトイレも何個もあるからな~)スタスタスタ タッタッタッ ドンッ 京太郎「うぉわ!」 塞「きゃっ!」 京太郎「いつつ・・・」 塞「あ、ごめんなさい!大丈夫ですか?」 京太郎「ああ、これぐらい全然・・・あんたは?」 塞( カ ッ コ イ イ ) 塞「あ、あの、私、宮守女子の臼沢塞っていいます!よろしくお願いします!」 京太郎「え?ああ、よろしく?」 京太郎(大丈夫かどうか聞いただけなんだけど) 塞「へー初出場なのに個人戦で全国ですか!凄いですね!」 塞「あ、私は団体戦ににしかエントリーしてないんですけど同じく初出場なんですよー」 塞「高3だけど麻雀部も出来たばっかりでみんな初出場なんです。奇遇ですねー」 京太郎「あ、ああ年上だったんですね」 京太郎(よく話す子だな・・・よく見たら、腰の辺りがなんか、今まで見たこともないほどエロいような)ピク 京太郎(はっイカンイカン) 京太郎「すみません、ちょっと人を探してるのでこれで」 塞「探し物なら任せて下さい!うちの監督は色々便利な道具を持ってますからすぐ見つかりますよ」グイグイ 京太郎「え、ええ?」 京太郎(何この流れ。誘拐に近いような。・・・でも腰つきエロいな)ムク 塞「」ギュッ 京太郎(ナチュラルに胸当たってるんだけど東京ってこうなの?いや青森だっけ) バーン 塞「ただいまー」 胡桃「ドアは静かに開ける!って・・・誰?その人」 シロ「なんかダルいのが来た・・・」 姉帯「でもちょーカッコイイよー」/// エイスリン(///)カキカキ パッ 【ハートマーク】 熊倉「んん?おやおや・・・これまた厄介というか面白いのを連れて来たねぇ」 塞「長野の清澄高校の須賀くんです。さっきそこで偶然運命の出会いをして、ゆくゆくは・・・」 熊倉「ちょっとまった。モノクルを付けてから、見てみなさい」 塞「?」 塞「えっ?あれ・・・ええ~ 須賀くん?だよねぇ」 姉帯「なんかちょーフツーだよー」 シロ「ダル・・・」 エイスリン「・・・」カキカキ パッ 【ハートがパリーン】 京太郎(なんか一方的に持ち上げられて失望されたような) 熊倉「あんた、そのネックレスは通販かい?」 京太郎「は、はい」 熊倉「はっはっは、よくあんなのに金を出す気になったねぇ。いや、だからこそなのか」 京太郎「???」 熊倉「そのネックレスはあたしの甥が作ってるもんだ。多分ね。はっきり言ってインチキ商品だよ」 京太郎「」 熊倉「だがよっぽど運がいいのか、ちょっとだけ力のある一つに、あんたの相性がばっちりだったんだろうねえ」 塞「監督、説明してもらえませんか?」 塞「なんで私の運命の人がなんの魅力もない凡人に見えるんですか?いや、本来は逆なのか・・・」ブツブツ 京太郎(ひでぇ) エイスリン「サイ、ダマサレタ?」 姉帯「悪い人は許さないよー」ゴゴゴ 京太郎「おいおい」 熊倉「ん~あんたたちはそういうのに疎いからねえ。まあいつかは自然と知るもんだけど」 熊倉「まあ道具との相性は大切だって話しさ。さあもう帰りなさい。あまり寄り道すると妖怪にとって喰われるかもしれないよ」 京太郎「??は、はあ。ありがとうございます」 熊倉「長野、清澄高校か・・・一応注意しておいたほうがいいかもねえ」 京太郎(なんだったんだ?でもあの眼鏡で見られた瞬間雀力が下がったような・・・) 咲「京ちゃ~ん」ギュッ 京太郎「お、咲!みんな探してたんだぞ」 咲「トイレ探してたら見つからなくて・・・やっと見つけたら帰りに辺なゴウンゴウン機械が動いてるところに出ちゃって・・・」グシグシ 京太郎「お前相変わらずだな」 咲「誰かに聞こうと思ったけど、なんでかみんなこっち見てこわばってて話しかけずらくて・・・」 京太郎「ふむふむ」 咲「ねぇ京ちゃん」 京太郎「ん?」 咲「キスして?」 京太郎「はいぃ?」 京太郎「あのなあ、お前が今そんな気分なのはこのネックレスの力であって・・」 咲「違う!」 咲「私は・・・ずっと前から・・・だもん」 京太郎「えっ」ドキッ 咲「してくれなかったら帰らない。麻雀もやめる」 京太郎「お前なあ・・・本気じゃないよな?」スッ 咲「どうかな・・・」 チュッ 京太郎(やっぱり咲とちゅーしても部長みたいに興奮しねぇ) チュッ 京太郎(でも別に全然嫌いなわけじゃないんだよな) 京太郎「・・・いいか?」 咲「ふ~ん部長には舌入れるのに私にはフレンチだけなんだ」 京太郎「咲、おまっえるふぇ」 ムチュッ グニュレロ チュレロ 咲(なんかぬめぬめする えっちぃ) ツー ハァ 京太郎「プハァ・・・」 咲「ハァ・・・これえっちぃよぉ京ちゃん」キュゥゥン 京太郎「・・・見てたのか?」 咲「部長が言ってたの。迷惑そうに。でも優越感アリアリだったから・・・」 テクテクテク 咲「和ちゃんも京ちゃんに惹かれてると思うよ」 京太郎「いやいやいや。明らかになんか前より非道いぞ」 咲「それだよ。照れ隠しなんだよ多分」 京太郎(ええ~) 咲「京ちゃんが永水女子の方みてたとき怒ってたけど、ほっぺた赤かったもん」 タッタッタッ 和「咲さん!探しましたよ!大丈夫でしたか!?具体的には金髪の淫獣に襲われませんでしたか!?」 京太郎(相変わらず非道い言い草だが・・・照れ隠しなのか?) 京太郎(ということは、将来的にはオレがこの爆乳を揉みたくる権利を有すると!?)ムクムク 京太郎「こいつめ、もしかしてもうひょっとして片乳くらいオレのものに・・・」ハァハァ 和「っ!触らないで下さい」パァン 京太郎「」 1回戦 優希「ダブルリーチだじぇ!」 ワカメ「わしが振り込む”未来”を”消し飛ばし”た・・・お前に振り込むという未来に到達することは永遠にない」 部長「ツモ!」バシーーーーッ 京太郎「すげぇ・・・中堅で終わらせちまった」 咲「男子の個人戦はこの後だっけ」 京太郎「ああ、何故か三日間に別れてるんだよなあ」 咲「人数が多いからとか?」 京太郎「いや、人数はかわんねぇよ。多分、長引くんだな・・・よし、行ってくる」キリッ 咲「頑張って///」 和「負けないでくださいね。あくまで清澄のために」 京太郎「よろしくお願いします」 矢木「よろしく」 浦部「よろしゅうに」 南郷「よろしく頼む」 ズンッ 京太郎「ぐおっ」 京太郎(なんだ・・・この重圧・・・プレッシャーは) 矢木「くくく・・・どうしたい。まだサイを振っただけだぜ」 京太郎(これが・・・全国!) 京太郎(だがオレだって、ただオナ禁してるわけじゃねぇぜ!毎日美少女に囲まれた、地獄の天国でオナ禁を耐え抜いてきたんだ!) 京太郎「リーチ!」 浦部(ほぉ・・・) 京太郎(頼むぜ、バイマンガン!)ギュッ 控え室 カチャッ 京太郎「ふぅ・・・ふぅ・・・ただいま・・・」 京太郎(うぉっ 男臭い会場から戻ってきたらいい匂いが際立つ!)ムク 優希「おかえりだじぇ!京太郎!ドリンクだじぇ」ダッ 咲「お疲れ様、はい、タオル」ダッ 京太郎「ああ、ありがとう」ゴクゴク 和「なかなかになかなかの激戦でしたね」 部長「でも、今のところは暫定一位通過ね」 京太郎「ええ、個人戦で3日もかける理由がわかりましたよ・・・これは持たない」 部長「大丈夫、須賀くんも相手に同じプレッシャーを与えているはずよ」 京太郎「そうだといいんですが・・・」 部長「えー、ところで、その、ソレなんだけど」チラチラ ボキーン 京太郎「なあっ!?」 優希「なんでだじょ?あたしは触ってないじょ?」 部長「なんか凄い突っ張ってるけど大丈夫なの?」 京太郎「うっ ぐっ 」 咲「京ちゃん苦しそう・・・」 京太郎(くそっなんで急に・・・匂い・・・か?いや違う!) 京太郎「やられた・・・疲れマラだ・・・」 ワカメ「!なるほど、疲れマラとはのう」 和「知っているんですか!?染谷先輩!」 ワカメ「知らん」 部長「確か、著しく体力を消耗した時に生命の危機を感じて、子孫を残すべく勃起してしまう現象・・・だったかしら」 優希(子孫・・・)キュン 咲(京ちゃんの赤ちゃん)キュン 和「・・・」 京太郎「流石は部長。概ねその通りです」 京太郎「勃起さえしなければ本来オナ禁は容易いんですが・・・この状態はかなりマズイですね」 京太郎「銃で言えば安全装置を外して引き金に指をかけているに等しい」 優希「どうするんだじょ、さすればいいのか?」オロオロ 京太郎「それだけはやめろ」 部長「仕方ない・・・ついにアレを使う時が来たようね」 優希「おお!なんか秘策があるのか!?」 咲「勃起を鎮める薬とか?」 部長「薬物検査に引っかかるでしょ。こんなこともあろうかと副会長に用意させたのよ。勃起を一発で鎮めるアイテムを!」 優希「おお!あのロリコンメガメもなかなかやるじょ」 京太郎「そんなものが・・・?」 ガサゴソ 部長「といっても私も見てないんだけどね。えーとたしかこの袋に・・・あったわ!」 部長「瑞原プロの水着写真集!!」 京太郎「ぬおおおお!」 ビキビキバキバキ 部長「あら?」 和「余計に大きくなったように見受けられますね」ドキドキ 咲「テントみたい・・・はっ!テントを張るってこういうことなんだ」ジーン 京太郎「副会長・・・オレは・・・改めてあなたを軽蔑します・・・」 京太郎(いかん・・・このままではズボンの圧迫感だけで・・・) 京太郎(そうだ・・・思いだせ・・・染谷先輩のヌードを・・・幾度と無くオナ禁で危機を救ってくれたあのイメージを!) 京太郎「染谷先輩・・・ちょっと」 ワカメ「なんじゃなんじゃ」 京太郎「体洗う時どこから洗います?」 ワカメ「左のおっぱいからかのう」 京太郎(ここだ!トレース・オン)キン! シュルシュル 京太郎「ありがとうございます!なんとか半立ちくらいまで戻せました」フゥフゥ ワカメ「?いやいや役に立ったならなによりじゃ」 部長「試合も終わったし、今日はもうみんなホテルに戻ったほうがよさそうね。勃起してたらおちおち移動も出来ないわ」 京太郎「すいません」 和「はい」 シャワー 京太郎「ふぅ、やっぱり冷水は効くぜ。火照った体と心を冷やしてくれる」 京太郎(しかし残りの日数、特に3日目だ。バイマンガンネックレスだけで勝ち抜いて行けるのだろうか・・・) キュッ 京太郎(今日は襲われないようにしっかりカギをかけて寝ないと・・・ハハ、女みてえな心配だ) 京太郎(しかし喉は渇くな・・・栄養の付かないやつ・・・水かお茶でも買いに行くか) ガチャ パタン 自販機コーナー 京太郎(ん?アレは誰だ?) 京太郎「もしかして、大沼プロじゃないですか!」 大沼「ん?おお、確か須賀くんとか言ったか。偶然じゃのう」 京太郎「なんでオレの名前を?」 大沼「今日男子個人戦の解説しとったろうが。あ、ところで10円貸してくれんか?転がっちまってのう」 京太郎「いや、それでも覚えててくれたなんて感激です。はいどうぞ」 大沼「ありがとうよ」ピッ ガターン 京太郎(ロイヤルミルクティー・・・好きなのかな。おっ綾鷹あるじゃん)ピッ ガターン 大沼「ふうむ・・・なかなかいい雀気を纏っておる。少々溜め込み過ぎじゃがのう。はっはっは」 大沼「立ち話もなんだ。10円返してやるからわしの部屋に来い」 京太郎「え、いいですよ10円くらい」 大沼「年寄りのいうことは素直に聞くもんじゃ」 京太郎「はぁ・・・」 京太郎(なんか今日こういうの多いな・・・) 京太郎「うおおおスゲー!スイートルームだー!やっぱりプロになると違いますねえ!」 大沼「ふん、TV局が勝手に取った部屋じゃ。わしは和室の手狭な部屋の方が落ち着くわい」 ピッ ウィーン 大沼「雀卓があるところだけは気に入っとるがのう」 京太郎「うおお床から!?」 大沼「さて、打つか」 京太郎(!?) 京太郎「えっ今から麻雀を?オレと大沼プロがですか?」 大沼「他に誰がおる」 京太郎「いやあもちろん光栄なんですが、流石に勝負にならないというか、いいんですかね。色々と」 京太郎「中立的な立場とか。明日試合があるのに」 大沼「大丈夫じゃ。須賀くんは明日も試合があるんじゃから、もちろん長引かせる気はないそれに10円分返すだけじゃ」 大沼「まずわしが牌を切る。そして次に須賀くんが牌を切ったら須賀くんの勝ち。どうじゃ?」ニッコリ 京太郎(???それだけ?) 京太郎「はい。よくわかりませんが、よろしくお願いします!」 ジャラジャラジャラジャラ 大沼「好きなとこに座っていいぞ」 京太郎(わからない・・・一体何をしようとしてるんだ、ただのお遊びなのか?10円・・・10円分の・・・) 京太郎「じゃあ東家で」 大沼「ほおっふおっほおっ。いいのうその攻めの姿勢。若いのう」 大沼「じゃあワシは対面じゃ」 ウィーン カチャ カラカラカラ チャッ チャ チャッ チャッ チャ 大沼「・・・」 京太郎(配牌を取るだけの、ひとつひとつの動作が、なんていうかすげえ。まるで牌が指に吸い付いてるみたいだ) 京太郎(さて親・・・あ、関係ないんだった。まず大沼プロが・・・) 大沼「フゥー」 ド ン ッ 京太郎「むぐぅううっ」ガッ 京太郎(ぐおえっなんだこれ・・・まるで肩になにか・・・・いや全身の細胞一つ一つに鉛を入れられたような・・・っ) 大沼「・・・」スゥー 京太郎(夕飯が昇ってきやがるまだ・・・まだ切り終わらないのか?)チラッ 京太郎(なんで牌があんな高さに・・・雲の上・・・いやここは室内のはず)グラグラ ヒュン 京太郎(落ちて・・・) ドーーーーン 京太郎「」 ・ ・・ ・・・ 京太郎「ハッ!!」 大沼「やっと気が付いたか」 京太郎「大沼プロ・・・オレはどれくらい寝てたんですか?」 大沼「大体5分くらいかのう」 京太郎「はぁ・・・あれがプロの力なんですね・・・オレには遠すぎて・・・」 大沼「プロ?アホ言え」カッカッカ 大沼「まあインターハイで解説なんぞやっとると、多分こいつは優勝するだろう・・・そいうのは目星が付いてくる」 大沼「今のは大体そいつと同じぐらいのプレッシャーを真似してみただけじゃ。ま、ちょっと鯖よんだかも知れんがな」 京太郎「あのプレッシャーが・・・同じ高校生?」 京太郎(はは・・・ウソだろ・・・・・・勝てない) 京太郎(と、思ううちは絶対に勝てない!!)サッ 京太郎「大沼プロ。ありがとうございました。勝てなかったので、10円は貸したままにしておきます」 大沼「ん?」 京太郎「いつか、プロの舞台で取り返しに来ますよ」 大沼「はあっはっはっはっは!おもしれえ!ガキが!吐いた唾飲むんじゃねえぞ!」ニカッ 京太郎「ええ、大沼プロが棺桶に入る前には追いついて見せますよ」ニコッ 大沼「おい、超えちゃいけないライン考えろよ」 京太郎「すいません」 パタン 京太郎(大沼プロ・・・本当にありがとうございました)キッ 京太郎「やるしかない・・・ステージアップサンバイマンガンだ。行くぜ部長の部屋へ!」 コンコン ガチャ 部長「・・・どうしたの?」 京太郎「部長・・・お願いがあって参りました」 部長(・・・)ピク 部長「・・・やる気なのね」 京太郎「はい。何があったかは話せませんが、このままでは優勝できないって気づいたんです」 京太郎「部長。チェーンを外してください」 部長「ダメよ。別に優勝できなくてもいいじゃない。失敗したら5なのよ?絶対に一勝すら出来ないのよ!?」 京太郎「それでもオレは!勝ちたいんです!インターハイで優勝して!」 部長「来年でも再来年でもいいじゃない!」 京太郎「ダメです!!」 部長「どうして!!」 京太郎「部長がいないからです!!!」 部長「えっ・・・」ドッキーン 京太郎「・・・・・・」 部長「それは、その、どういう・・・」 京太郎「すいません、全然なんていうか、その、上手く言えないんですが、確かにオレは巨乳大好きっていうか」 京太郎麻雀部入ったのも和目当て、みたいなとこもありましたけど、部長がすごく頭いい人だなって思って・・・」 京太郎「近寄りがたい感じだったんですけど、時々すごくかわいいなって思うところもありました」 京太郎「そう、インターハイで優勝するぐらいかっちょいいところ見せないとオレじゃ吊り合わないかなって、部長の力になりたくて・・・」 京太郎「要するにその・・・・・・すいません、やっぱりうまく言えないです」 部長「・・・言えないの?」 京太郎「もしインターハイで優勝出来たら言います」 部長「ずるいわ・・・そんなの」 パタン 京太郎(ダメか・・・) カチャカチャ ガチャ 部長「早く入って。結構大きな声出してたから誰か来るかも」 京太郎「あ・・・」 部長「早く///」 京太郎「失礼します」 部長「ちょっと、照明落とすから待ってて」 ファ… 京太郎(あ・・・シャンプーの匂い)ムクリ 京太郎「お風呂入ったばっかりだったんですか?」 部長「ええ、あまりにもタイミングがいいから、覗かれてたんじゃないかってちょっと疑ったわ」パチ パチ 京太郎「ははは、それは無いですよ」ガバッ 部長「きゃ!ちょっと、いきなり、」 京太郎「部長の裸なんて見たら、絶対こうやって襲いかかってますから」ハァハァ 部長「須賀くん、あ、当たってるから///、ちょっと、わかってるわよね、出したらダメなのよ?」 京太郎「大丈夫です!わかってマス!」ハァハァハァ ンムチュ チュプル ルロルロルロ ルクチュロ 部長「フム…ンム…ンムゥ…」 チュルチュチュル ルロレロカチュ 京太郎(あああなつかしの部長のお口の中ぁぁぁあったかいよーテロテロやわこいよー) チュパル チュパァ ツツー 部長「んはぁ・・・須賀くん、綾鷹飲んだでしょ///」ハァハァ 京太郎「えっわかるんですか?」 部長「わかるわよ、あっ、もう、いつの間に帯外したの?」 京太郎「正直バスローブでよかったですよ、女の子の服の脱がし方なんて知りませんから」 部長「本当でしょうね」ジー 京太郎「もちろんです」キリッ 部長「ま、まあどうでもいい事だけどね///」 部長「じゃあ、その、サンバイマンガンだったわね、ベッドで色々と触ったりしないといけないわね」 京太郎「はい。あ、お姫様だっことかしましょうか?」 部長「いえ、そういうのいいから」 京太郎(・・・)ショボーン 部長(そういうのは本番にとっておかないと///) 京太郎「なんか言いました?」 部長「なっなんでもないわ。行くわよ」 部長「えっ須賀くんも脱ぐの?」 京太郎「はい、正直ズボンの中だと圧迫されて出ちゃうかもしれないので・・・」 部長「ああ、そうね、そうよね」 京太郎「」ブルン 部長(えええあんなに大きいの?///ウソ、ウソ、お腹に引っ付きそうじゃない) 京太郎「あの、部長?」 部長「はいっ↑」 京太郎「あ、いや、脱いでもらわないと触れないかなーなんて。脱がしましょうか?」 部長「あ、大丈夫よ、自分で脱ぐわ。・・・あんまり見ないで///」ススス 京太郎「却下です。見ないと触れません」 京太郎(開け・・・開け・・・開け・・・開け・・・白っ! 開け・・・開け・・・もっと開け・・・ふおお!オパ、オパパおっぱぱぱチクビッ!) 部長「ど、どうかしら。あんまりスタイルいいとは思わないけど」ドキドキドキ 京太郎(しっかり上向きおっぱいから腰がくびれておしりとふとももはムッチムチ!) 京太郎(暖色のライトの中で白いのと桃色のがわかるなんてどんだけなんすか!) 京太郎「素晴らしいです!じゃあ部長、じゃあさわ、さわ、触わわわわわわ・・・アカーン!」ダッ ガラララ キュキュッ シャワーーーーーー 部長「須賀くん!?」 京太郎「3.1415292829644t472904847265656174…」フゥ…フゥ… キュッ 京太郎「すいません、ちょっと危ないところでした」フゥー 部長「大丈夫?やっぱり無理なんじゃ・・・」 京太郎(くそ・・・確かに・・・仮に部長のおっぱいがオレの童貞力をフル稼働させて想像した至極のおっぱい) 京太郎(触り心地そのままだったとしてもやばい。さらにその上を行く可能性すらある・・・おそらく触れただけで・・・) 京太郎(だがこのままでは・・・くそっ諦めるな、なにかないのか、何か・・・ん?あれは・・・) その時、須賀に電流走る 京太郎( こ れ だ ) 京太郎「部長!この髪留めちょっと借ります!」 シュシュ パチン 精神的に我慢出来ないのなら物理的に出ないようにすればいい まさに異端 異質 悪魔の発想 天性の才能 京太郎(・・・いける!) 部長「それ、あとで捨てといてよね」 部長「鬱血とか、大丈夫なの?」 京太郎「確かにあまり時間はありません、急ぎましょう。では早速」フンフン 京太郎(あの部長、この部長、その部長のおっぱいを今夜、揉みます!)ソ~ フニュ 部長「んっ///」キュッ 京太郎「」 京太郎(おかーーーさーーーーーーーん!) 京太郎「ハッ」 京太郎(やばい、完全に一瞬雲の上にいってたぜ。出て・・・ないな、ありがとう部長の髪留め!) 部長「須賀くん、大丈夫?」 京太郎「問題ありません。ここからが本番ですよ。御免!」 フニュ 部長「んんっ///」 京太郎(ふをわああああああイイッ!) ホニュ 部長「ッく///」 京太郎(手のひら、手の甲、指の腹、裏、爪で触っても や わ ら か い ナンダコレ!ナンダコレ!) シュニュ 部長「んくぅっ///」 京太郎(くそっおっぱいはふたつあるのにオレの腕はひとつしかないなんて・・・いやいや、そういえば2つあるんだった) 京太郎(腕の存在すら忘れさせるとはこのおっぱいめ、くらえダブル!お前はおっぱいだ!このおっぱいおっぱいいっぱい!) 京太郎(うらうらうらうらうららうらぁ!どうだ!まいったか!) モミモミフニャフニャモミモミホニュホニュモミモミモミ 部長「ふぅんぁぁぁぁぁぁぁん///だめぇ、須賀っくん、お願い、ちょっと、まってぇ」 京太郎「っはっ!なんですか、おp・・・部長」 部長「ちょっと、タンマ、激しすぎて・・・」 京太郎「っすいません。痛かったですか?」 部長「そうじゃなくて・・・笑わないでね?ちょっとイッちゃいそうになっちゃって」 京太郎「え!失敬ながら部長は、その、まだ経験は無かったのでは・・・」 部長「だって・・・須賀くんの触りかたが、・・・・・・とっても気持ちよかったから・・・///」 京太郎「」ブチッ 謎の光で再び意識が戻った時、オレの前には四肢の力が完全に抜けた部長がクッタリと横たわっていた 部長「はぁ・・・はぁ・・・ん・・・」 胸を大きく上下させて荒い呼吸を繰り返す部長の身体は全身がほんのり桜色にそまり、汗が玉になって流れている 部長「はぁ・・・す、すがく・・・ん・・・あ・・・」 何度も吸い付かれたのであろう乳首は赤く充血してピンピンに勃ち上がり、寝崩れしない白い乳房全体に噛み後が散っていた 部長「ん・・・っふ・・・はぁはぁ・・・」 そして白い粘液が見える股の下の部分のシーツに赤い染みが・・・ それを見た途端、頭がズキリと痛み、朧気な記憶がアルバムをランダムに再生するように細切れで甦る 部長を押し倒し、乳房に思う存分吸い付くオレ。部長の嬉しそうな声。 部長の両足首を跡が残るほど握り、無理やり広げた股の間に顔を埋めるオレ。部長の喘ぎ声。 部長の両腕を掴みあげ、ベッドに埋め込むように押さえつけて男性器を挿しこむオレ。部長の叫び声。 這って逃げるかのような姿勢の部長の腰を後ろから掴み、拍手と見紛う程の速度で臀部に腰を打ち付けるオレ。部長の悲鳴。 部長の片足を抱えて出し挿れするオレ、胡座をかいて座らせて腰で持ち上げるように突くオレ、壁に押さえつけて、持ち上げて、 正面から抱き合って、部長を自分から動かさせて、その全てに聞こえた、耳に残る部長の獣のような声。 京太郎「ぶ・・・ちょう・・・」 未だに呼吸が整わない部長に近付き声をかける。 何があったのか。いや、失敗は明白だ。せめて部長に懺悔を。 声に反応したのが少しずつ顔がこちらを向き、ゆっくりと目の焦点がオレの顔に合う。 涙の跡が消えない部長が、無理に笑顔作って囁いた 部長「須賀くんの・・・ケダモノ///」 部長の、掠れた、嬉しそうな声。 京太郎「成功!?」 部長「ええ。しかも最初に想定していた以上にね」 京太郎「ってことは・・・」 部長「ほら、見てみればいいでしょ」 京太郎「これは・・・ヤクマンガン!!」 京太郎「うおおおお溢れる、体の底から雀力が湧いてくるうううううう」 部長「どうでもいいけど、早く股間のそれを外さないと落ちるわよ」 京太郎「うおおおマイサン!なんて変わり果てた姿(色に!)あ、痛い、これ無理 外せない」 部長「これはもうちょん切るしか無いわね」 京太郎「えええええ!そんな!まだ使ってない・・・いや使ったけど、真の意味では使ってないのに! 部長「髪留めの方よ。ほら、切ってあげる」 京太郎「慎重に、慎重に頼みますよくれぐれも・・・あ、痛い、ちょっと切れた!」 部長「ちょっとくらい怪我してて痛いほうがオナニーも出来なくていいんじゃないの?」 京太郎「いやだって、あと2日でインターハイ優勝ですし、そしたら部長と・・・!」 部長「・・・呆れた。あれだけしといて、まだするつもりなの?///」 京太郎「オレはもう2ヶ月こっち、一回も!出してないんですよ!正直今でも危ないです。後ろ向いてるので早く服を着て下さい」 部長「はいはい」 京太郎(ん?そういえばこの白っぽいのは精液じゃないのか?)ネチャ クンクン 部長「何嗅いでるの」ペシッ 京太郎「え、だって精液っぽいのがあるから」 部長「あのね、それ私のなの。女の子もすごく興奮した時は、そういうのが分泌されるの!///言わせないでよ!」 京太郎(そーなんだ) 翌日 部長は声が掠れているのを思いっきり突っ込まれたが、 クーラーをかけっぱなしで寝てしまったため、乾燥して喉を痛めてしまった、という事にしたようだ。 だが優希と和と咲は、オレと部長との間に流れる空気に何か感じ入るものがあったらしく、結局バレてしまった。 染谷先輩は最初から部長の部屋にいたらしい。全く気づかなかった。 2日目の試合は拍子抜けするほど楽に進んだ。 それもすべてヤクマンガンの・・・部長のおかげである。 だが3日目、インターハイ個人の決勝は、 未だに何故勝てたのか不思議なほどの接戦だった。 京太郎「よろしくお願いします!」 赤木「・・・・・・」フフッ 竜「よろしく」 阿佐田「おう、よろしくな」 ギリギリ・・・本当にギリギリの戦いだった。 もしあそこで大沼プロに会っていなければ・・・と、考えるだけでゾッとする。 そして紙一重で優勝したオレは、突然有名人になった慌ただしさと共に、 部長「せっかく優勝したのに・・・どうせ、痛くて自分でもできないんでしょ?」 京太郎「ええまあ・・・でもそれは部長でも一緒じゃ・・・」 部長「んふふ///どうせならぁ・・・舐めて治してあげようかなって・・・」ペロッ 京太郎「・・・部長、エロ過ぎです!」ムクムクビキビキ 部長「きゃあん♪須賀くんのケダモノ♪」 ちなみに体感的には、ペットボトル一本分くらい出た・・・気がした。気持よすぎて気絶したので覚えてません。 頭が良くて、年上で、大人なのに時々かわいくて、どエロい彼女を手に入れたのだった。 これもすべて・・・ ヤリマンガンネックレスのおかげです ありがとう!熊倉通販のヤリマンガンネックレス! 今ならったったの25000円のヤリマンガンネックレス!(送料無料) ヤリマンガンネックレスは、宝くじに当たるよりも人生を変えてくれます! ※使用者の感想であり、効能・効用を保証するものではありません。また、効果には個人差があります カン
https://w.atwiki.jp/hiriahai/pages/481.html
imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 ヘゲッwwwwwwwwハムタロナノダッwwwwwwww ●概要 出生及び経歴不明の謎に満ちたマスコットキャラクターである。 公太郎という名前も仮であり正式な名前は誰も知らない。 現在は新しく参入してきたキャラクターによって居場所を追われているが愛好家は少なからず存在する。 S「今日はとっても楽しかったね。明日は、もっと楽しくなるよね、公太郎?」 公「ヘゲッwwwwwww」 彼に明日はあるのだろうか・・・ ●余談 ちなみに公太郎として認識されているが、実際は「メロンパンマンに登場する雑魚敵」である。過去に色の塗り方がわからない有志によって白のベースに着色が施され投稿されたことがきっかけである。 またハム太郎の物まねの元ネタは(^U^)である ぽこ・・・?
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3368.html
5・ 牌の世界 京太郎「今日、本藤先輩との再戦だ」 牌「……へえ」 京太郎「俺、強くなったかな」 牌「さあ、なってないんじゃないの」 牌「もうこれ以上強くなりようがないもん」 牌「考えうるパラメーターはもう限界まで伸びてるんだよ?」 京太郎「あとは配牌と、ツモ運」 牌「なに? 上げて欲しいの、ツモ運」 京太郎「その言い方だと……やっぱりダメか」 牌「やだね、やだやだ。めんどくさい」 京太郎「そこをなんとかさー、俺が頑張ってるとこ見ただろ?」 牌「……うん、見てたよ、全部」 京太郎「ちょっとは感化されたんじゃないか」 牌「ないない、全くもって。男には感化しないよー」 京太郎「そっか……なら、しょうがないな」 牌「……どうするつもり」 京太郎「このまま打つしかないだろ」 牌「認められんの?」 京太郎「しばらく麻雀にブランクがあったうえで、このまえ本藤先輩と打ったんだ」 京太郎「この一週間でだいぶ勘は取り戻した。それを成長ということにしてもらおうと思ってる」 牌「………………」 京太郎「じゃ、また明日」 牌「………………見とく」 部室に意識が戻る。 八坂「よう」 京太郎「やっさん! どうしてここに」 八坂「本藤先輩と打つんだろ? それの観戦に来た」 まこ「入るか?」 八坂「ありがとうございます、遠慮なく」 京太郎「麻雀部に入ってくれるのか」 八坂「京ちゃんが本藤先輩に認められればな」 京太郎「そりゃまた難しい条件」 八坂「それぐらいできないと、あいつは倒せない」 京太郎「あいつって……?」 八坂「来たみたいだぜ」 扉がゆっくりと開く。 巨体が京太郎の前に立ちふさがった。 本藤「見せてもらうぞ、お前の変化を」 対面に座る。 八坂「京ちゃん、本藤先輩の強さの秘密はもうわかったのか」 京太郎「前に気づいたよ。防ぎようねーけど」 本藤先輩の使う技術は「神逆」という手法だ。 理論はさほど難しくない。 筋力で雀卓を変形させるだけだ。 上手く変形させれば数枚ほどの牌なら任意の場所に持ってこれる。 プロならば笹塚プロ、掛橋プロあたりが使い手として有名だ。 大沼プロも若いときは使っていたらしいけど。 京太郎(操れるのは多くても4枚ほど……この前打ったときは赤ドラを2枚と両隣の牌を集めてた……) 京太郎(和了り形を見たら毎回入ってたしそれは一目瞭然。高火力なのもうなずけるってものだ) 配牌を見る。 8シャンテンの形。 本藤「会話はできたか」 京太郎「…………?」 本藤「わからないか、牌とのだよ」 京太郎「なっ……」 本藤「その様子だと出来たみたいだな」 京太郎「まさか本藤先輩……あなたも」 本藤「んなわけないだろ、俺にはできないよそんなこと」 京太郎「じゃあなんで」 本藤「お前はそれができるやつだと思ったからだ」 京太郎「………………」 本藤「出来るやつなんてほとんどいねーよ。というか、それが出来るやつはあと一人しか知らない」 八坂「本藤先輩、それってもしかして、上崎って人ですか」 本藤「なんだ、知ってるのか?」 八坂「俺が麻雀から離れた原因ですから」 六巡目。 京太郎「……ツモ。七対子ドラ1。1600」 河がまだ一列のときに和了れたのは何年ぶりだろうか。 本藤「ムダヅモなしか? 牌に愛されてるな」 京太郎「いや……さっき協力しないって言われたんですけど」 協力してくれる気になったのか、牌。 しかし東ニ局。 本藤「ツモ。3900オール」 京太郎「うわ、マジか……協力するのはさっきの一回だけってことかよ」 捨て牌に並ぶ裏目った牌たち。 八坂「つーかツモ運悪くなってね?」 京太郎「さっき運よくした分、代価を払えって感じなのか? もっと純粋に協力してくれてもいいのに……」 その後も捨てた牌を次にツモるということが続き、オーラス。 跳満直撃で本藤先輩をまくれるところまできた。 本藤「次、チャンスをやる。それで俺に勝ってみろ」 本藤先輩は「神逆」を、京太郎の配牌に発動させる。 京太郎の配牌が4シャンテンになった。 京太郎「本藤先輩、これって……」 本藤「神が決めたことに逆らうから、『神逆』と言うんだ。一度くらいならこれぐらいは出来る」 本藤「さあ、打ってみろ。その配牌ならばお前の力を発揮できるだろ」 京太郎「……はいっ!」 その日、京太郎は八年ぶりの三倍満を達成し、本藤先輩に勝利を収めたのだった。 次の日。牌の世界。 京太郎「勝ったぜ」 牌「ふーん、興味はないけど、おめでとう」 京太郎「東一局目、ありがとな」 牌「なんのことやらさっぱり」 知らんぷりをする牌。せっかくお礼を言っているのに。 まあ、いいけど。 京太郎「今日は、聞きたいことがあってさ」 牌「……なに?」 京太郎「俺とお前、昔、会ったことがないか?」 牌「……さあ、よくわかんないけど、いつの話?」 京太郎「9年前」 記憶のほとんどない9年前。 蓋をした9年前。 そこから漏れだした記憶の断面に、確かに牌はいた。 牌「どうだろう」 上を見上げて退屈そうに、牌は言った。 牌「私、付喪神なんだけど」 京太郎「付喪神……」 長く使った道具に宿る神、だったか。 牌「私が神になったのは8,9年前くらいなのだ。だけど、神になってから誰か人間に会ったことはないよ」 京太郎「って、ことは」 牌「勘違いじゃない?」 京太郎「勘違い……?」 本当にそうなのか? だってこんなにも記憶の中の少女と牌はそっくりなのに。 なのに別人? 他人の空似? 京太郎「わかった、変なこと聞いて悪かったな」 疑問は残るがこれ以上追求しても埒があかない。 それに、このことはこれ以上追求しないほうがいいような気もするし。 牌「ま、待って!」 京太郎「ん?」 牌「あ、あの」 京太郎「なんか思い出したか!?」 牌「そうじゃなくて、あの……あ……がとう」 京太郎「えと……」 牌「ぁ……ありがとう、これ」 そう言って牌が指をさしたのは、PCとコミスタ(パッケージ版)。 京太郎「あ、ああ……素直にお礼を言うとは……大人になったな」 牌「大人も何も神だ!」 京太郎「はいはい、わかってるよ」 頭を撫でる。 牌「く……気持ち悪い……屈辱……! でも、今はお礼のため、我慢……」 京太郎「別に俺、髪フェチじゃないから」 牌「じゃあ無駄に触るな!」 京太郎「はいはい……」 せっかくセットした髪型が崩れるので、気安く他人の髪を触るのはやめましょう。 5・終 6・ 京太郎「咲……」 咲「京ちゃん……」 手が重なりあう。 暗闇の中では視覚が役に立たない。 それにともなって他の感覚が鋭くなってくる。 衣服の擦れる音が聞こえる。 時計の針が動く音が聞こえる。 心臓の鼓動が聞こえる。 触覚が、敏感になっていく。 京太郎「本当にいいのか、咲……」 咲「うん……」 咲の肩に手を置いて、そして――。 「おっきろーーーーーーーーー!」 ――ようやく目が覚める。 さて、牌の世界へ飛ばされるとかいうファンタジーな展開に、京太郎がたいして動じなかったのには理由があった。 それはすでに京太郎があるファンタジーを飼い慣らしていたからだ。 京太郎「……おはよう、カピ」 カピ「あ、ようやく起きた! ご主人さま、起きた!」 喋るカピバラというファンタジーだ。 京太郎「いい夢だったのに……! 正直、これ夢だなってわかってたけど……! あとちょっとだったのに!」 カピ「なになに? いい夢? 知りたい!」 京太郎「教えない」 カピ「さきちゃんの夢でしょ!」 京太郎「へ? なんのことだ?」 カピ「寝言でさきさき言ってた! ごまかせない!」 京太郎「ひどい」 カピ「フラレたのに健気!」 京太郎「うぅ……」 カピ「ストーカー野郎!」 京太郎「今日のお前ひどくね?」 カピ「それにしてももう高校生だっていうのに女の子の一人も部屋に連れてこないとは……人間の寿命は長いって言うても心配やわ」 京太郎「やめてください」 カピ「いないの? 仲いい女の子?」 京太郎「いや、そんなこと言われてもさあ……。あ」 カピ「どしたの」 京太郎「そういえば今日、和が来るんだよ」 カピ「へ~! その人、仲いいの?」 京太郎「う~ん、向こうはまだ俺のことを信用してない感じはあるんだけど」 カピ「じゃあ、何で来るの」 京太郎「こんなことがあってさ……」 昨日のこと。 見事、ニ人の男子部員を集めた京太郎。あと二人の男子部員と、一人の女子部員を求め、和に相談した。 京太郎「和。お前に憧れてここに来た麻雀の強いやつっていねーの?」 和「いえ……別に私は憧れられるような存在じゃありませんし」 そんなわけない。 京太郎「後輩とかは?」 和「あ……二人いるんですけど……確かにあの子たちは慕ってくれますね。嬉しいです」 京太郎「二人? 中学も強豪校ではないのか」 和「高遠原です」 京太郎「へえ、優希と一緒か。二人は幼馴染だったり?」 和「私は中学2年生のときにこっちに引っ越してきたんです。親友ですけど、幼馴染というわけではないんですよ」 京太郎「引っ越しか。前の中学は麻雀部強かったのか?」 和「そんな有名じゃない……いえ、麻雀部はありませんでした」 京太郎「なんてとこ?」 和「阿知賀女子学院中等部、です。知らないと思いますけど……」 京太郎「……奈良県の?」 和「知ってるんですか!?」 京太郎「小2のころから小4までの間、奈良県の小学校に行ってたんだよ」 和「私は小6からなので……ちょっと時期が違いますね」 京太郎「阿知女かぁ……じゃあ、もしかしてだけど、高鴨穏乃って人、知ってるか?」 和「え!? 知ってます! 須賀君も穏乃の友達だったんですか?」 京太郎「う~ん……どっちかというと、穏乃のおばあちゃん――雪乃さんと仲が良かったんだけどな」 和「えっと、たしかお土産屋でしたっけ?」 京太郎「和菓子屋でもあるけどな。和菓子を買うため、その店によく行ったんだ」 京太郎「最初は親と一緒に、だけどな。……雪乃さん、優しくって。いろいろよくしてくれたよ」 京太郎「学校帰りとかしょっちゅう雪乃さんのところに遊びに行ったっけ……いい思い出だ」 雪乃さんには大切なことをいろいろ教わった。京太郎の人生観の一部は、彼女によって形作られたと言っても過言ではないくらいだ。 京太郎にとっての初恋は咲であることに間違いはないが、雪乃さんにもほんのり淡い恋心を抱いていた。 年齢差は大変なことになるけど、それはまあ……。 和「穏乃とは、そのときに?」 京太郎「ああ。小学校は違ったけどな。雪乃さんを通して紹介された。遊んだのは数回だけど……まあ穏乃はあんな性格だ」 京太郎「人見知りだった俺とも、仲良くしてくれたよ。いいやつというか……すごいやつって印象だった」 和「……そうですね、私もそう思います」 奈良で過ごした三年間、それは幸せな時間だった。 奈良に来る前はあんなに心が苦しかったのに……。 ――苦しかった? あれ? 何で苦しかったんだっけ? 何で俺、引っ越したんだっけ? 和「そのころ穏乃はどんな感じでした?」 京太郎「見るか? アルバムにそのころの写真があるし」 和「お願いします」 京太郎「あ、そうだ。小6の穏乃も見たいな。どんな風に成長したのやら」 和「じゃあ、私もアルバムを持っていきますね」 持っていく? 持ってくるじゃなくて? 和「須賀君の家へ」 カピ「のどかちゃんのこと好きなの?」 京太郎「ん? おもちが大きいから好きだぜ。咲と絡ませたら最高の百合ップルだろうな……」 胸の大きさに差がある百合ップルは最高。京太郎が辿り着いた、一つの真理だった。 カピ「そうじゃなくて、恋愛感情的に」 京太郎「ははは、まだ出会って一ヶ月も経ってないんだぜ? どうやって惚れるんだよ」 カピ「そういえば気になる! どうしてご主人さま、咲ちゃんのこと好きになったの?」 京太郎「え~? うふふふ///」 カピ「なんか気持ち悪い」 京太郎「いろいろ咲のことが気になるイベントはあったんだけど……決定的だったのは修学旅行のときだな」 カピ「お、何だかまともそう」 京太郎「修学旅行の一日目、夕食の時の話だ。その夕食はいくつかのコースから好きなメニューを選べた」 京太郎「まあ若者の集団なわけだからみんな肉料理とかを選んでた。その中で咲は秋刀魚の塩焼きを頼んでたんだ」 京太郎「いや、秋刀魚の塩焼きも、もちろん美味しいよ? でも、それを選ぶ人は少なかったからさ、思わず注目しちゃったんだ」 京太郎「それでな、すごいんだぜ、咲。すっげー綺麗に魚を食うの」 京太郎「骨と身を綺麗に分けて、食べれるところは全部食べて、最後に残るのは綺麗な骨」 京太郎「俺、魚食うの苦手でさ、親に厳しくしつけられたからそこそこ綺麗には食えるんだけど」 京太郎「咲のは今までに見たことがないくらいに綺麗だった。あのときは、もう、マジで惚れたね。結婚したくなった」 カピ「目の付けどころが、シュールです」 京太郎「そうかな、惚れ惚れするぜ?」 カピ「まあ、それはいいんだけど……のどかちゃんが来る前に本棚の百合本は隠してね」 京太郎「……忘れてた」 本棚上部から下部までそびえ立つ百合! 百合! 百合! こんなの見られたらドン引き間違いなし! 京太郎「片付け完了! あとは和が来るまでゆるゆりの最新刊を読んで待ってよう」 カピ「片付け完了してない!」 京太郎「………………」 京太郎「……ふへっ」 京太郎「…………ふぬっ」 京太郎「……ふぅ。ゆるゆりは百合じゃないよなー。ほんのり百合っぽい、友情日常漫画って感じ」 カピ「そうなの?」 京太郎「ひまさくは百合だけど」 カピ「あれ」 京太郎「結京も百合だけど」 カピ「おい」 京太郎「あれ? やっぱり百合漫画じゃね?」 京太郎「っていうか、この世の漫画は全部百合漫画じゃね?」 京太郎母「京太郎ー! お友達が来たわよー!」 京太郎「うおおっ! 思ったより来るの早い! ゆるゆりは……ベッドの中にでも入れとくか」 カピ「ガンバッ!」 京太郎「いらっしゃい、和」 和「お邪魔します、須賀君」 部屋に和を招き入れる。 普段部室でしか会わない人が自分の部屋にいるのは何だか不思議だった。 和「……何だかいろいろと驚きました。須賀君ってお金持ちだったんですね」 京太郎「違う違う、お金持ちなのは俺の親」 京太郎「尊敬はしてるけどな、親のこと」 京太郎「ま、そこに座ってくれ」 小さいテーブルの前に置かれた座布団の一つを指さす。 和が座ったのを確認し、その反対側に京太郎も座る。 和「須賀君、結構本を読むんですね」 本棚を見上げながら和は言った。 ちなみに百合本棚はクローゼットに入れ、普段はクローゼットに入れている麻雀関連の本棚を外に置いてある。 カモフラージュのためだ。 和「麻雀関連の本がいっぱい……これ、一年やそこらで集められる量じゃない気が……」 京太郎「ん? ああ、5,6年分くらいだけど」 和「須賀君って麻雀を始めたの、最近じゃなかったですっけ」 ……そういうことにしてるんだった。 自分の昔話は秘密にしておくようにやっさんに頼んだのだ。 本当は強いんだぜー! とか恥ずかしいし。 つーか今の俺じゃ、誰にも勝てないから、バレるわけないんだけどな! 京太郎「えーと、打ち始めたのは最近だけど、本とか見て研究は昔からしてたんだ」 京太郎「さ、そんなことより、アルバム見ようぜ」 カピ「キュー!」 京太郎「ん? お前も見たいか?」 カピ「うっす!」 和「いま喋りませんでした!?」 京太郎「珍しいな、和がそんな変なことを言うなんて」 カピ「キュー」 和「き、気のせいですか」 京太郎「そうそう。カピバラが喋るとか非科学的。せーの、はいっ……『そんなオカルト』?」 和「それ、持ちネタじゃないです!」 1ページ目。 手をつないでる写真。 和「仲良かったんですね」 京太郎「懐かしいなあ……」 家族同士で写っている写真。 和「家族ぐるみの付き合いだったんですね」 京太郎「むしろそっちが中心だったかな。よくいろんなところに行ったなぁ」 京太郎「山とか、キャンプ場とか、山とか、なっらーけんこーらーんどとか、山とか」 山での写真が何枚か出てくる。 和「このときから穏乃、山が好きだったんですね……」 京太郎「へえ、その言い方だと今も好きなのか? うん、確かにあいつ、山には並々ならぬ執念があったし」 京太郎「一回だけ、だけどな。俺と穏乃の二人で山に登ったんだよ。近くの小さな山」 京太郎「まだあのときは幼かったし、遭難――ってほどじゃないけど迷子になって――」 心細くて、不安で、怖くて、泣きそうだった。 でも穏乃は違った。 楽しそうだったんだ。 京太郎「怖くないの?」 あのとき、俺は聞いた。 その質問に、うん、と答えるだろうと期待して。 穏乃「そんなことないよ。山は怖いものなんだよ」 穏乃「天気だって、動物だって、地形だって、山は人間に牙をむくことがあるんだ」 穏乃「それでも、そういうことをちゃんと理解したとき」 穏乃「山は私たちにいろんなものを与えてくれるんだ」 穏乃「私は、楽しさをもらった」 穏乃「山は怖いけど、楽しいんだ!」 そのときの穏乃の顔を見ているうちに、心が落ち着いたんだ。 落ち着いた心で周りを見回したら、帰り道が何となく見えたよ。 ……あ、この話にオチはないんだけど、印象に残ってる、大切な思い出だ。 和「私も、穏乃と登ったことがあります」 京太郎「お、そうなのか」 和「1つだけ穏乃に言いたいことは、山登りに適した格好をすべきということです」 京太郎「その辺はなあなあで済ませよう」 和「いいんでしょうか……山登りが好きなある人が」 和「『こんな格好で山登んな!小さい山だろうが慣れた山だろうが関係ねえ! 山なめんな!』って激怒してましたけど」 京太郎「どんなものでもマニアというのは面倒くさいものだからな」 百合男子もそうだけど。 京太郎「さてと、次のページ……」 一緒にお風呂に入ってる写真。 京太郎「……は、また今度にして、和の持ってきたアルバムを見せてくれ!」 和「何ですか、今の写真」 京太郎「恥ずかしかったのでナシ」 和「お風呂ですか」 京太郎「まだお互い幼かったからな――実に微笑ましいよな!」 和「はぁ……まあ、普通ならそうなんでしょうけど……穏乃の場合はそうはいかないような」 京太郎「へ? なんで」 和「穏乃が小6のときの写真です」 京太郎「変わってない」 和「こっちが中1のときの写真です」 京太郎「難易度の高い間違い探しか」 和「最後、引っ越すときに撮った写真です」 京太郎「女の子らしくなった……ということはなかった」 和「つまりその写真は幼かったころの微笑ましい1ページというわけにはいかないんです。今現在の写真と言っても過言じゃないんです」 京太郎「いや、その理屈はおかしい」 本当におかしい。 和「というわけでこの写真はお預かりするということで」 京太郎「いやいや、なんでそうなる……ハッ」 もしかしてもしかすると。 百合名場面図鑑収録「あの子の写真を持ってるのは私だけじゃないとイヤ」なのか!? そういえば和のカバン。誰かから貰ったんじゃないかと妄想したが、あれは現実!? あのカバン、穏乃のイメージとマッチングしてるし! 間違いない! 穏和は現実だったんだ! 百合はファンタジーじゃなかったんだ! 百合は現実だったんだ! 京太郎(いや、落ち着け俺、素数を数えるんだ。2,3,5、7、11、13……あ、間違えて奇数を数えるの忘れてた) 和「どうしたんですか?」 京太郎「なんでもない、とにかくその写真を元の場所へ」 手を伸ばす。少し届かなかったので体を乗り出した。 和「そんなに必死に取り戻そうとするとは……やはり」 京太郎「ないない、ありえな、うわっ!」 バランスを崩す。 和を押し倒す。 ベッドにダイブ。 京太郎「………………」 和「………………」 今朝見た、夢のことを思い出した。 目の前の少女が咲だったらな、と思った。 京太郎「和……」 和「す、須賀君」 カピ「キーッス!」ヘイッ! カピ「キーッス!」ソレ! 和「あれ、なにか言いました?」 京太郎「……ちょっと待っててくれ」 和「なにをするんですか?」 京太郎「カピを可愛がってくる」 和「それ今する必要あるんでしょうか……」 京太郎「クッ……まさかこのことを教えなければならないとは」 和「な、なんですか」 京太郎「誰にも言うなよ?」 和「は、はい」 京太郎「俺と和、二人だけの秘密だからな?」 和「わかりました」 京太郎「実は俺……一時間に一度はカピをモフモフしないと手が震えたりするんだ」 和「モフモフ中毒ってやつですか? 大変ですね。もしモフモフしなかったら、いったい……」 京太郎「俺自身がカピバラになる」 和「予想通りです」 京太郎「と、いうわけで、さあ! こっちの部屋でモフモフだ! カピ!」 カピ「堪忍してくれー!」 バタンッ! ―――――――――――― 京太郎「と、いうわけで、さあ! こっちの部屋でモフモフだ! カピ!」 須賀君はニコニコとした表情でカピさんを抱きかかえた。 カピ「堪忍してくれー!」 気のせいだろうか。喋った気がするのだが。 いや、そんなオカルト――いや、やめよう。持ちネタ扱いされる。 バタンッ! 扉が閉まる。 和「そういえば、さっき……」 ベッドに倒れたとき、背中にゴツっとしたものが当たった気がする。 和「何でしょう、四角い感触でしたけど……」 布団の中に手を入れると、中から本が出てきた。 和「漫画……でしょうか?」 タイトルは「ゆるゆり」。聞いたことはない。 しかし、その本が放つ魔力に、和は冒されていた。 読んでみたいという、恐ろしい魔力に。 和「……須賀君が来るまでの間、読んでみましょうか」 カピをモフり終えた京太郎は、自分の部屋に戻ってきた。(※モフる=人前で喋らないように指導すること) 京太郎「わるい、和。遅くなった」 和「い、いえ。だ、大丈夫です」 ……何故だろう。 心なしか和の顔が赤い気がする。 そしてそれ以上に。 和から百合のにおいがする気がする。 和「ま……まさかあんな世界があっただなんて」 京太郎「和?」 和「は、はい!」 京太郎「もしかして、体調が悪いのか?」 和「い、いえ! そういうわけでは」 京太郎「ならいいんだけど」 和「そ、そうです、須賀君! カピさんは?」 京太郎「今は眠ってる」 和「そうなんですか」 京太郎「物理的に」 和「どういうことですか!?」 京太郎「俺のモフりテクが気持ちよかったんじゃないか?」 和「妙な造語を創らないでください」 京太郎「さて、それじゃ本格的に和が持ってきた写真を見ますか!」 和の写真。和と穏乃と知らない女の子ふたりの写真。 和「この子――憧というんですけど、誰かに似てると思いません?」 京太郎「えー? うーん……俺の知ってる人?」 和「もちろん」 京太郎「むむむむ……」 普段は女の子を百合妄想のために使っているので、あんまり顔を覚えていないのだ。 大事なのは関係性だし。 顔の良し悪しなんておまけなのだ。 でも、今回は違った。 答えの少女が唯一、京太郎が百合妄想を出来なかった人物だからだ。 京太郎「ゆうき……そうか、優希か!」 ちゃんと顔を覚えている三人のうちの一人だった。 和「そうです。あれ……思ったより時間がかかりましたね……即答すると思ってたんですが」 京太郎「はは……いや、こういうの苦手でさ」 そのとき京太郎の脳裏にあるひらめきが宿った。 まだ京太郎は疑問に思っていたのだ。 なぜ優希で百合妄想をすることが出来ないのかと。 もしその原因が容姿なら。 優希と似た憧という少女でも百合妄想は出来ないかもしれない。 そうなると疑問が解消される。 京太郎「……行こう」 和「行くって、どこへ……」 京太郎「奈良」 和「え」 京太郎「吉野へ行こう!」 和「今からですか!? 五時間はかかりますよ!?」 京太郎「時山さん」 時山「はい、ここに」 京太郎「ヘリ、出してもらえますか」 時山「かしこまりました」 和「え? え? え? 執事さん?」 時山「ちなみに私、萩原さんの旧友です」 和「なんかこの人、めちゃくちゃ下手な伏線を張りましたよ」 京太郎「そういうのは伏線とは言わない」 6・終 7・ 空。 それは無限に広がる自由のキャンパス。 この空間を支配することは人類の夢。 また、ポエムってしまった。 ……とにかく、上空1000メートル。 京太郎と和は空中散歩を楽しんでいた。 和「自家用ヘリって……須賀君、どれだけお金持ちなんですか……」 京太郎「金持ってるのも稼いだのも親だって。俺はすねをかじってるだけー」 褒められたことじゃないのかもしれないが、「親のお金には頼らない!」と言ったことがない。 親の支援なしに生きていくことなんてまだ出来ないし。誰だって親に守られて生きていくんだし。 精神だけ独立しても、それはただの反抗期だ。 本当に親に反抗したいなら経済的にも自立しなければだめだ。 反抗したいと思ったことはないけど。 将来、どうやって生きていくかも決めていないのに。 京太郎(そういえば染谷先輩は、もう将来のことを考えてるんだっけ) 京太郎(すごいよな……染谷先輩) 京太郎(俺も、考えてかなきゃ……ならないよな) 父親の神社を継ぐにしても。祖母の会社を継ぐにしても。 百合愛を活かせる仕事ができればいいのかもしれないけど、お金が得られるようになった趣味は楽しくないとも言うし。 麻雀のプロは……一度潰えた夢だし。 飛行機にはもう何度も乗ったことがあるが、ヘリコプターに乗ったのは初めてだ。 しかもそのヘリコプターは部活の友人のもの。 そしてその友人、須賀君は遠くを見る目で、考え事をしているようだった。 和「あの、大丈夫ですか?」 京太郎「………………」 呼びかけても返事がない。私の声が耳に届いていないようだった。 和「須賀君!」 京太郎「ぅおっと、すまん、考えごとしてた」 和「穏乃のことですか」 京太郎「いや、将来のこと」 和「唐突ですね」 京太郎「そうか? 俺の頭の中じゃ、論理的なプロセスがあったんだけどな……なぁ、和」 和「何ですか?」 京太郎「和は、将来の夢、あるか」 真剣な顔だった。 彼は、ときどきこういう顔をする。 出会ってからまだ少ししか経っていないけれど、もう数回ほどこんな顔を見た。 その真剣な顔を見ると、わたしはギクリとする。 怖いのだ。 何かを抱えてそうな瞳。モヤモヤとしたものがお腹の底で渦巻いているような嫌悪感。 和「……小学校の先生とか、お嫁さんとか、色々なってはみたいものはあります」 京太郎「いいな、それ」 和「だけど、だからといって、なれるわけじゃないですけどね」 京太郎「と、いうと?」 和「いえ、別に……そう思っただけです」 京太郎「親、か?」 和「……その何でも見透かしてるような態度、好きじゃないです」 京太郎「堪えるなぁ。いろんな人にときどき同じこと言われるけど」 和「……すみません」 京太郎「俺は親からの支配とか、そういうの感じたことないから、和の気持ち……わからないよ」 京太郎「だから俺がいくら良いことを言ったところで、それは上辺だけの台詞だ。誰かの借り物の台詞だ」 京太郎「何か悩みがあったとしても、それを解決できるのは俺じゃない。……きっとそのうち、それを解決してくれる誰かに出会えるよ」 和「……はい」 京太郎「でもさ、話したら少し楽になることもあるし、聞かせてくれないか。解決はできないだろうけど、聞くことは出来る」 和「そういう須賀君にもあるんじゃないですか?」 京太郎「なにが」 和「悩み事、です」 京太郎「……う~ん、特に……思い当たることはないな。いくつか疑問とかはあるけど、悩み事ってほどのものじゃないし」 京太郎「基本俺、お気楽に生きてるからなー」 和「本当に、そうですか?」 須賀君の目を見ていると湧いてくるこの感情。 須賀君の過去に、何かあったのではないかという疑惑。 それはまだ消えていない。 和の目は真剣だった。 言い逃れできなさそうな空気。 しかし、京太郎にとっての悩み事は、他人に話せることではない。 京太郎(『どうして百合アンソロジー「つぼみ」が休刊になったのか悩んでる』なんて、とてもじゃないけど言えねえ……) この真実を知ったときは悲しくて悲しくて、どうしてこの世界はこんなにも残酷なんだろうと嘆いたものだ。 京太郎「……やっぱり、悩んでることなんて、思いつかないな」 和「そうですか……そうなんですね」 納得いかないようではあったものの、それ以上の追求はなかった。 和「私も将来のことをいろいろ考えたりしますけど」 京太郎「おう」 和「でも今は目の前に大きな課題があるんです。まずはそれをどうにかしないといけないと思ってます」 京太郎「課題? それって……」 和は言うべきか言わざるべきか少し悩んでいるようだったけど、観念したかのように息をついた。 和「今年のインハイ、優勝できなかったら麻雀をやめさせられるんです」 京太郎「……そっか」 和「………………」 京太郎「残りの部員、見つけなきゃな」 和「……見つかるんでしょうか」 京太郎「そりゃ、きっとどこかに」 和「でも、三年生も二年生も一人ずつしかいなかったんですよ? もう私たちの学年は二人いるのに、あと一人見つけるなんて……」 京太郎「大丈夫だって、必ず見つかる」 そのとき京太郎の脳裏に横切ったのは咲の姿だった。 あいつなら、麻雀をやってくれるかもしれない。 誘ってみよう、そしたらきっと何かが起こるはずだから。 時山「あと五分で到着です」 京太郎「ありがとう、時山さん。例のもの、用意は出来てますか?」 時山「こちらです」 和「須賀君、そのかばん、なんですか?」 京太郎「見たいか? ほら」 カバンの中に入っていたのは、女性用の服、一式。 和「わぁ、かわいい……ブランドは……D.A.SUTUARTですか。私、ここの服、好きなんです」 和「NAGANO STYLEとコラボしたシリーズは大流行でしたよね」 京太郎「NAGANO STYLEの服もあるぜ」 和「これ、今春の新商品ですね! NAGANO STYLE、好きなんですか?」 京太郎「おう、メンズ商品も充実してるからな。少ない布面積に盛り込むふんだんな装飾は海外でも高評価されてるらしいぜ」 京太郎「デザイナーの長野雫さんが、海外の賞を取りまくってたみたいだし」 和「でも、どうしてこんな服を?」 京太郎「和、言ってただろ? 穏乃は今、阿知賀女子に進学してるかもしれないって」 和「実際のところはわからないですけど……」 京太郎「穏乃の家に電話して確かめたんだ。どうやら本当に阿知女みたいだぜ」 時山「そのようにお聞きしました」 和「そうなんですか」 京太郎「で、穏乃は今どこにいるか聞いたんだ。どうやら穏乃は、麻雀部の活動で学校にいるそうだ」 和「麻雀、ですか!?」 京太郎「驚くようなことなのか?」 和「いえ……。穏乃、小学校卒業と同時に麻雀をやめていたので……」 京太郎「……そうだったのか」 和「そうですか……よかった」 京太郎「また穏乃と打ちたかったのか」 和「え……いや…ふふ、そうですね。打ちたかったんだと思います」 京太郎「……よかったな、和」 和「……はい」 きっと和にとって、奈良で過ごした数年は大切なモノだったのだろう。 彼女はそういうことをはっきりというタイプではないのでわかりにくいけれど。 和「で、結局その洋服はなんのために……?」 京太郎「と、言い忘れてた。女装のためだよ」 和「えっと……よくわかりません」 京太郎「阿知賀女子学院は女子校だぜ? 女子校は百合の聖地!」 京太郎「男っぽいものは取り除かねばならない!男の俺も本来なら立ち入るべきではないが……今回は事情が事情だ」 京太郎「極力百合の園を汚さないように女の子になる配慮ぐらいはするべきかと思ってな!」 和「何を言ってるのやらさっぱり……」 京太郎「阿知賀は共学化しやすい学校だが……この世界線は共学化しなかったんだ」 京太郎「いや、共学化なんてしたら百合の花が枯れるから勘弁願いたいんだが……」 和「えっと……結論は」 京太郎「女装したいから、女装する」 和「なるほど、須賀君の声って、女装しそうなタイプの声ですもんね」 ……そこまで思い切ったことは言ってない。 京太郎「和は少しぶっちゃけすぎるところがあるよなー」 和「そんなつもりはないんですけど……せっかくだし、もう少しぶっちゃけてみましょうか」 京太郎「和に『ぶっちゃけ』という言葉は似合わないというぶっちゃけをしたいところだけど、どうぞ」 和「どうして須賀君、急に奈良に来ようと思ったんですか?」 京太郎「えっと……それは」 優希への思いが何なのか確かめるため。 ……そんなこと言えない。 京太郎「穏乃に久々に会いたかったから」 和「それ、本当ですか」 京太郎「和……お前まさか本当の理由を知って……!」 和「本当は最近の阿知賀スレブームに便乗しようとしてるんじゃないですか」 京太郎「ぶっちゃけた!」 ちげーよ! 和「もしくはシリアス展開ばかりが続くのが辛くてギャグ展開で済みそうな場所に緊急避難してるという可能性も」 京太郎「到着だぜ……! 阿知賀……!」 素早く服を着替え、京太郎はヘリから飛び出した。 新子憧は、刺激的なことが好きだった。 しずは、刺激的な少女だ。 私がしずのそばにいたいと思ったのは、そんな刺激的なところに惹かれているのだろう。 しずのそばにいたら、刺激的で、楽しい日々が続くのだ。 部活の休憩時間、憧は屋上へ風に当たりに来ていた。 屋上は四方が高いフェンスに囲まれていて多少開放感は損なわれているものの、校舎の周りの森林を一望できて気持ちがいい。 頭をつかう麻雀を得意とする憧にとって、頭の休憩のために屋上は最高の休憩場所だった。 ……ところで。 刺激的なことが好きとは言ったが。 ヘリコプターが私をめがけて飛んでくる。 エンジンの音なのかプロペラの音なのかはわからないが爆音が耳をつんざく。 そのヘリから一人の少女が飛び出してくる。 息を呑むほど美しい少女だった。 パラシュートが開く。 美しい少女は優雅に体を動かし、巧みに軌道を修正しながら。 ゆったりと、憧のいる屋上へ着地した。 空から降ってきた美しい少女。 屋上を吹き抜ける風で長い髪がうねる。 その少女は輝いているかのようだった。 少女は空を見上げ、自慢気な声で言った。 京子「なるほどSUNDAYじゃねーの」 SATURDAYだ。 ほどなく、ヘリも着陸し、中から出てきたのは、憧もよく知る少女だった。 和「須賀君なんでわざわざパラシュートなんて使ったんですか」 京子「特に意味は無いよ。そして今は京子と呼んで!」 和「跡部人気に便乗するためですか」 京子「和、ぶっちゃけキャラになる気か」 憧「の…………」 和・京太郎「ん?」 憧「和ぁ!?」 和「お久しぶりです、憧」 ……ここまで刺激的なことは求めていない。 京太郎が初めて女装をしたのは中学1年生。 百合を汚さないために始めた女装。 でも今は百合とは別の独立した趣味になっている。 どうしてこの趣味は理解者が少ないのだろうか? こんなに可愛い服を着られるのに。 そもそも男の服にはキュートさが足りない。もっと男の服にもフリフリなやつがほしいです。 最近スカートがメンズファッションとして取り入れられたときは「俺の生まれる時代は間違ってなんかいなかった!」 と思ったものだが、実際のところ、まだ一般化してないし、そもそもスカートと言ったってミニは許されていない。 丈が長くてゆるふわ系フリフリスカートも大好きではあるのだが、短いやつも履きたいのだ。てなわけで今、俺はミニスカート姿だ。 いや、「俺」という無粋な一人称はやめよう。 私、須賀京子は阿知賀女子学院に降り立っていた。 女子校である。 女子校である! 百合の聖地である! 少子化の影響で共学化なんてしてないのである! 阿知賀に来た途端、そこらかしこから百合の香りが漂ってきた! 憧「………………」 阿知賀に来て一番最初に目についた少女もまた、ほのかな百合の香りに包まれていた。 京子「はじめまして!」 憧「あ……はい、はじめまして」 握手をする。 憧「えっと、和、この子は……?」 和「須賀京太郎、男です」 憧「え」 京子「はい?」 憧「え」 和「須賀君、こちらが先ほど写真でお見せした新子憧さんです」 京子「へえ……『女の子は一年もあれば見違えるぐらい変わるものだ』と本藤先輩が言ってたけど、本当なんだね! 私、感心!」 和「案外あっさりなリアクションですね」 京子「女の子はいつでもかわいくなれるんだよ? 私、知ってる」 和「カプ総合スレや阿知賀スレで『憧の急成長に驚く』シチュエーションの話がたくさんあるから」 和「競合を避けるためにあっさりなリアクションしたのかと。ぶっちゃけそう思いました」 京子「ぶっちゃけキャラはやめよう、和」 しかしこんなに姿が変わってしまうと、本来の目的である「優希への思いが何であるか確かめる」が達成できなくなる。 わざわざ奈良まで来て得られるものがなにもないのでは、悲しくなってしまう。 そこで、新たな目的を思いついた。 百合の種探しである。 百合の種探しとは。 もうすぐ百合ップルになりそうな女の子を探して事前に仲良くなり、女の子たちがゆりゆりしているさまを観察させてもらうことだ。 憧「えっと、あの」 京子「あなた、恋、してる?」 憧「はい?」 京子「好きな女の子、いる?」 憧「え、ちょっ、まっ」 京子「いるんだね! 私、応援してるから!」 憧「え? う、うん」 京子「LINEのID交換しよう! それで逐一、好きな女の子とやったイベントを報告してね!」 憧(え? あれ? どうなってんのこれ!?) 京子「ID!」 憧「あ、はい……」 百合の可能性をひとつゲット。幸先のいいスタートだ。 京子「じゃ、他の百合の香りを追ってくるから、このへんで……」 憧「ちょっと待って!」 京子「どうしたの?」 憧「和。この人とどんな関係!?」 いきなり旧友が謎の女装男とともにヘリで現れたら、そりゃ二人がどんな関係なのか気になるだろう。 和「須賀さんとの関係ですか」 京子「和ちゃんとの関係、かぁ……」 部活仲間? 友だち? 何だろう……、私と和の関係って。 ……そういえば。 ヘリの中で話し合った。 将来のこと。将来、なにになりたいか。 私たちは、将来のことを話しあった関係なのだ。 和・京子「将来のことを話しあった関係」 京子「だよ」 和「です」 憧「え」 憧「えええええええええええええええええ!?」 阿知賀麻雀部室にて。 京子は京太郎に戻っていた。 京太郎「ひどい……ひどい……この世界は俺の敵だ……」 玄「ど、どうしたの京太郎くん」 京太郎「玄さん……ここって女子校ですよね」 玄「うん」 京太郎「百合の園ですよね」 宥「ユリの花が咲くのは5月からだけど……」 京太郎「なのに男性教師がいるんですよ!?」 玄「え!? 普通だと思うけど」 京太郎「俺の知ってる女子校は男なんて一人もいないんです!」 玄「どういうこと!?」 京太郎「くそっ……これだから現実は……! もっと百合漫画を見習えよ……!」 京太郎「こんな思いをするぐらいだったらカプ総合スレでいろんな女の子とインスタントにイチャイチャしてるほうがマシだ!」 穏乃「ねーねーきょーたろー。さっきの女の子の姿、もう一回見せてよー」 京太郎「よし、じゃ、着替えてくるぜ!」 灼「ハルちゃんはもうすぐ来るとおも……」 和「そうですか……それじゃ赤土さんが来るまでここで待っていていいですか?」 穏乃「赤土先生は今、職員会議中だから、30分もしないうちに来ると思うよ」 京子「手うがは大切だよ 手うがしようね!」 和「としのーきょーこー?」 京子「 !? 」 和「なんでもありません」 穏乃「わーすっごい! かわいい!」 憧「なじみすぎ!!」 なじんでいた。 憧「っていうかしず! こいつと知り合いなの!?」 穏乃「きょーたろはうちのお得意さんだったんだよ」 憧「玄と宥姉は!?」 玄・宥「初対面」 憧「なじみすぎ!」 京子「すみません……憧さん……。私、邪魔でしたよね……」 京子「みんなと話すのが楽しくて、つい騒いじゃいました……。本当にごめんなさい……」 憧「え……いや……別に怒ってるわけじゃ」 京子「心配して損した!」 憧「譲歩して損したんだけど!?」 元の姿に着替える。 あまりに長い時間京子でいると、自らのパーソナリティを喪失しかねないからだ。 玄「和ちゃんと京太郎くんは将来のことを話しあった関係なんだよね?」 和「はい、そうですね」 玄「いいなあ~……憧れるなあ……」 京太郎「そんなに憧れることですか?」 玄「そりゃ当然! 女の子なら当然なのです!」 京太郎「じゃあ玄さんも俺達と将来のことを考えませんか?」 玄「えぇっ!? だ、だめだよ、そんな! 和ちゃんが怒るよ」 和「構いませんよ」 玄「寛容!? 長野ってそんなに爛れた場所なの!?」 京太郎「何故長野の悪口を……。温泉とかいっぱいあっていいところですよ?」 玄「うちにもいい温泉があるのです」 京太郎「へえ、いいですね! 温泉旅館か何かですか?」 玄「うん。あ、良かったら温泉、どうですか?」 京太郎「あ、それじゃあ、入ります。和も入るよな?」 和「いいですね、温泉。お願いします」 玄「ま、まさか一緒に?」 京太郎「なんでそうなるんですか」 玄「あはは、さすがにまだ早いよね! よかった!」 和「早い遅いの問題なのでしょうか……」 玄「とすると、お二人はどこまで……?」 京太郎「どこまで、とは?」 玄「二人で今までにやったことは?」 二人でやったこと? う~ん、特に思いつかない。 和「そうですね……さっき須賀君の部屋でベッドに押し倒されました」 玄「すごく進んでる!?」 京太郎「あーあれかー。そういえばそんなこともあったな」 玄「そんなどうでもよさそうに……」 京太郎「まあ(バランスを崩して押し倒すなんて)よくあることですし」 玄「長野怖いのです」 京太郎「なぜさっきから長野へバッシングが……? いいところなんですよ長野。交通マナーが少しばかり悪いですけど」 玄「それって良い所だと言えるの……?」 京太郎「奈良も鹿さんの交通マナー悪いんですよね? それと一緒です」 玄「結構違う気が」 玄「でも羨ましいな……。和ちゃんのおもちを自由に扱えるなんて」 京太郎「え、扱えませんよ?」 玄「そこはまだ許してないんだ」 和「『まだ』ってなんですか『まだ』って。一生許しませんよ」 玄「そこはプラトニックなんだ……長野って訳がわからないのです。おもちを触れないとか……長野には行きたくないのです」 京太郎「長野に何か恨みでも……?」 玄「おもち帝国岐阜の隣に位置しながら、長野のおもちは平均以下の大きさしかないんだよ!?」 京太郎「ならば恨むのも致し方無いですね」 玄「そうなのです……ってあれ? 京太郎くん、おもちという言葉をなぜ……?」 京太郎「そういえば玄さん、なぜ俺が作った隠語を……?」 玄「…………」 京太郎「…………」 この世に、奇跡は存在した。 300km以上離れた奈良と長野で、同じ言語文化がまったく別の人間によって誕生していたのだ。 京太郎「奇跡ってあるもんですね……」 玄「うん……私、感動しちゃったよ」 そこで京太郎はあることを思い出した。 京太郎「おもちスレって知ってますか」 玄「うん。私、あのスレの住人だもん」 京太郎「こんな形でオフ会をすることになるとは思ってませんでした」 玄「うん、仲間に会えて、私……嬉しい」 京太郎「俺もです。でもせっかくだったら他の住人さん……」 京太郎「もち吉さんとか、†妖魔†さんとか、黒の騎士さんとか、チャチャさんにも会いたかったですね」 玄「京太郎くん……。ここで重大発表があるんだ」 京太郎「……なんですか?」 玄「その人達、全部、私の自演なんだ……」 京太郎「…………え」 玄「そう、それはあの日のこと――」 おもちのことを語りたかった。 おもちのことで夜を明かしたかった。 でもそんな話を出来る人はいなかった。 日に日に募るおもちへの思い。 それは発散されることはなく。 ――私は、私と語ることにしたのだ。 掲示板を作り。 自分のパソコンと、おねーちゃんのパソコンと、自分のケータイと、おねーちゃんのケータイと 旅館のパソコンを使い分け5つの人格を作り出し。 たった一人でおもち談義をしていた。 楽しい時間だったけれど、虚しさは募り続けた。 だからその日現れたその人は、私にとってかけがえのない人だ。 あなたが初めておもちスレを見たとき、私は人生であれほど嬉しかったことはなかった。 時には心苦しいながらもあなたのおもち観を叩いたりもした。 それでも私は、あなたに感謝している。 玄「ごめんね……自演なんかして……」 京太郎「玄さん……」 痛いほど、彼女の気持ちが理解できた。 京太郎にも似たような経験があったのだ。 百合が好きになって。 誰かと語り合いたいほど好きになって。 でもそれを語れる人はいなかった。 今でもあの頃のことを思い出すと心が寒くなる。 大切な何かが欠けていたあの日々。 それはちょうど紅生姜のない牛丼のようで。 決して戻りたくない過去だ。 京太郎「いいんですよ玄さん……! いいんです……! そんなことはもう……!」 玄「でも、ずっと騙してたんだよ? 大切な京太郎くんを……ずっとずっと騙してたんだよ?」 京太郎「気にしてないです……! 玄さんの気持ち、とても良くわかりますから……!」 玄「京太郎くん……!」 和「そうですよ、玄さん。須賀君は玄さんの気持ちを良く理解してますよ」 玄「和ちゃん……!」 和「須賀君もよくSSスレで自演しまくって自分のスレを人気があるように見せかけてますし」 京太郎「これでぶっちゃけるのは最後にしよう、なっ?」 しばらくすると、阿知賀麻雀部の顧問であるという赤土さんがやってきて、和と話していた。 赤土さんが来た瞬間、灼さんの百合指数が十倍に底上げされ、歓喜したのは言うまでもない。 京太郎はそっと部室を出ると、廊下にある自動販売機でビックルを買い、ベンチに座って瞑想した。 阿知賀女子麻雀部は百合の土壌であるとともに、片思いしかない、悲恋の世界だ。 灼さんの思いは一方通行だし、憧の思いも一方通行だ。 百合の物語は悲しい最後を迎えることも多い。 だからこそ現実ではハッピーエンドを迎えてもいいと思うのだ。 憧と灼さんに、何とかしてハッピーエンドを与えられないだろうか。そう思った。 京太郎「……ん?」 憧「あ……」 そこに、憧がやって来た。 京太郎「何か飲みに?」 憧「……やっぱ戻る」 京太郎「俺のことなんか気にすんなよ」 憧「……別に」 京太郎は立ち上がり、自動販売機の目で財布を出した。 京太郎「何飲む?」 憧「ちょっ……自分で払うから」 京太郎「そうか、つぶつぶドリアンジュースか」 憧「カルピスソーダ!」 京太郎「はい、購入っと」 憧「あ……しま……」 京太郎「隙を見せたな」 憧「くっ……。それ、いらないから」 京太郎「俺、炭酸苦手なんだけど」 憧「……子どもみたい」 京太郎「よく言われる」 憧「……あーもう、貰うわよ! ありがとねっ!」 京太郎「助かるよ」 近づこうと一歩踏み出した瞬間、憧は一歩、後ずさった。 京太郎「…………」スタ 憧「…………」スタ 京太郎一歩前進。 憧一歩後退。 京太郎「…………」スタスタ 憧「…………」スタスタ 京太郎ニ歩前進。 憧ニ歩後退。 これはもしかして、俺、避けられてね? 何故だろう。 嫌われるようなことをしたか? したけども。 京太郎「俺のことは嫌いでも、LINEで百合話をする約束はやめないでください!」 憧「……別にあんたのことが嫌いなわけじゃないわよ」 京太郎「好きというわけでもないのか」 憧「好きになる要素ないでしょ」 京太郎「たしかにな」 否定はできない。 京太郎「じゃあなんで近づこうとすると離れるんだ」 憧「あ……えと……それは」 京太郎「それは?」 憧「……苦手だから」 京太郎「なにが」 憧「お、男の子が……」 京太郎「はは、なるほどな」 憧「……ダメだよね、やっぱり、異性が怖いなんて」 京太郎「……そんなことねーよ」 憧「そんなわけない! 治すべきなんでしょ!?」 京太郎「いいじゃねーか、異性が苦手なくらい。無理して慣れようとする必要はないよ」 憧「でも……」 京太郎「治したいならゆっくり治していけばいい。慌てなくたっていいだろ」 というか。 治してほしくない! 男嫌いとか最高じゃんか! それってもう百合に生きろっていう神様からのメッセージだぜ、きっと。 憧がここまで育てた百合の芽を枯れないように守るのは、「男が苦手」というステータスなのだ。 変な男に捕まったらせっかくの百合の芽が花を咲かせる前に枯れてしまう。 そんなのは許せない。 京太郎「憧、俺は気にしないから」 憧「そっか……ゆっくりでいいんだ」 京太郎「ああ」 憧「……ありがとね、京太郎」 京太郎「?」 憧「うらやましいな……和」 京太郎「へ……? 憧、お前、なに言って……」 穏乃「大変だよ、きょーたろー!!」 そんな憧との会話中、穏乃が慌てた様子で駆け込んできた。 京太郎「どうした!?」 穏乃「和が、和が、熱を出して倒れて……!」 京太郎「え……あっ!」 そうだ。確かに今日の和の様子は変だった。 普段はあんなにぶっちゃける性格じゃないのに、今日はやたらとぶっちゃけていた。 あれは体調が悪くて調子がおかしかったんだ! 松美館。 看病しやすいよう、板場に一番近い部屋を貸してもらった。 板場に氷があるからだ。 晴絵「疲れが溜まってたみたいね。この時期は生活の変化も多いし、体調を崩しやすいからね」 和「……そうですね」 穏乃「おかゆ持ってきたよ! 食べられる?」 和「ありがとう穏乃。いただきます」 京太郎「ごめんな、和……。俺が無理に連れ回したせいで」 和「いえ……私も気づかなかったですから……」 ……そうじゃないんだよ、和。 奈良に来たのは俺の勝手な用事で。 それに巻き込んだのがいけなかったんだ。 京太郎は立ち上がり和のそばを離れ、部屋の入口にいる時山さんのそばへゆっくりと後ずさった。 時山「原村様のご両親への連絡、完了しました」 京太郎「ありがとう、時山さん」 場所が奈良だったのは不幸中の幸いか。 もともと和が住んでいた場所なので、親同士の繋がりもあったため、奈良にいることで大きなトラブルにはならなかった。 時山「この部屋と隣の部屋を使わせていただくよう、手続きも致しました」 京太郎「……いつもすみません」 時山「いえ、お役に立てるのならば」 京太郎「……天江家でのことを思い出してるんですか」 時山「…………違いますよ。それに今の衣様は龍門渕家にいらっしゃるのでしょう?」 時山「龍門渕家にはあの荻原さんがついています。何の心配もいりません」 京太郎「……わかりました」 夜。 京太郎「それじゃ和、何かあったら遠慮なく呼んでくれ。おやすみ」 和「はい、おやすみなさい」 和のいる部屋を出た京太郎は自分の部屋に戻ろうとしたが、思い直してロビーに行った。 ロビーの端にある自動販売機の前に立つ。 京太郎「……昼に一本ジュース飲んじゃったからな。一日二本は飲み過ぎ……」 水を買う。 出てきたペットボトルを目に近づけて、水の向こう側を見通す。 水を通すとゆらゆらと世界が揺れる。 それは牌の世界に似ていた。 京太郎「今日は牌に会えなかったな……」 なぜだろうか。最近、牌のことを考える時間が増えた。 今ごろ牌は何をしてるだろうとか、どんなことを考えてるのだろうとか、過去にどんなことがあったのだろうとか。 考えるだけ無駄なのに、気づけばそんなことばかり考えていた。 ゆらゆら揺れる空間に、揺れる人影が映った。 京太郎「……こんな時間に外出して親に怒られないのか」 穏乃「……和のことが心配で」 憧「ちゃんと許可は取ったわよ」 灼「部長としての責任もある……」 京太郎「大丈夫だ、今は安定してる。ゆっくり休めば元気になるはずだ」 穏乃「そっか……よかった」 安堵したように三人はソファーに腰を下ろした。 京太郎「早く戻ったほうがいいぜ。許可を取ったとはいえ親も心配だろ」 穏乃「許可っていうのは松美館にお泊りする許可だよ」 京太郎「あ、そういうこと……よく親の許可取れたな」 憧「あんたの親はどうなのよ。いきなり外泊なんてして」 京太郎「ふ……俺の親か……?」 視線をそらし、天井を見上げる。電灯が眩しかった。 穏乃「まさか……親」 京太郎「ああ……」 視線を戻す。 京太郎「超怒ると思うぜ!」 穏乃「予想と違った!」 京太郎「はぁ……明日がこえーよ……。何時間説教されるのやら……下手したら説教だけで2ページは消費する可能性も……」 穏乃「のび太のパパか」 憧「和のこと……心配?」 京太郎「そりゃそうだろ」 憧「そうよね、将来のことを話しあった関係だもんね」 京太郎「? 確かに、そうだけど」 穏乃「どうやって二人は知り合ったの?」 京太郎「部活が一緒だった」 穏乃「ほほー……定番だね。で、告白はどっちから」 憧「ちょっと、しず!」 穏乃「ヘヘ……いいじゃんか」 京太郎「告白って何のことだ?」 憧「してないの!?」 京太郎「ただの友だちに告白なんてするわけないだろ」 穏乃「え? ……将来のことを話しあった関係なんじゃ」 京太郎「おう。将来、何になりたいかについて語り合った関係だぜ」 憧・穏乃「………………」 灼「知ってた」 京太郎「え? え? なにこの空気」 灼「アラタ」 その後、旅館の雀卓で三人にボロボロにされた京太郎だった。 麻雀終了後。 京太郎は穏乃を外へ呼び出した。 明かりの近くには虫が沢山いたため、少し暗がりになっていた池のそばへ。 松美館の池は宴会所の窓から一望できる場所にあった。 月明かりが池の表面で反射してきれいだ。 穏乃「どうしたの、きょーたろー」 京太郎「なんだかんだでゆっくり話せなかったからさ。思い出でも語ろうかと」 穏乃「思い出かー。実はそんなにないよね」 京太郎「まーな。期間的には短かったし」 小学校が同じだったわけでも、一緒の麻雀教室に通っていたわけでもない。そんな都合の良い過去はないのだ。 京太郎「あのさ、穏乃は覚えてるか」 穏乃「なにを」 京太郎「俺がここに引っ越してきたときのこと」 穏乃「うーん……半分くらい」 京太郎「俺、何か言ってなかったか」 穏乃「……………………………………」 穏乃は目を閉じて、顔を傾けた。 忘れかけたことを思い出そうとしているのだろう。 穏乃「そういえば、ときどき言ってた気がする」 京太郎「なんて?」 穏乃「『あのとき、俺は足が動かなかった』って」 穏乃「『そんな情けない俺の隣を、あいつは駆け出した』」 穏乃「『あのとき俺がその役目を負っていたら、サキも、テル姉も、あいつも――あんなことには』」 京太郎「……その先は!? まだ他に何か言ってなかったか!?」 穏乃「ん……えっと……何か言ってたっけ」 穏乃の肩を掴む。 京太郎「何でもいいんだ! どんな些細な事でもいいから、頼む!」 穏乃「い……痛いよ、きょーたろー」 京太郎「あ……わるい」 肩から手を離す。 手が痺れていた。どうやら知らないうちに強く握っていたようだ。 穏乃「なにか、あったの」 京太郎「…………」 穏乃「すごく、必死だった」 見抜かれている。 和は俺のことを「何でも見透かしてるよう」と表現したが、穏乃ほどではないと思う。 京太郎「今日、和とアルバムを見たんだ。俺が奈良にいたときの――つまり穏乃との写真。そのアルバムを見て気づいたことがある」 京太郎「そのアルバムに、空白期間があるんだ。二年間分の写真がすっぽり抜けていたんだよ」 それは、記憶に蓋をした時間。 京太郎「俺がそのころの写真を捨てたのか、親が隠したのか分かんねーけど……思い出さなきゃならない」 穏乃「……わかった。あのときのこと、もっと思い出してみる」 穏乃は黙って空を見上げた。 穏乃「ひとつだけ、思い出した」 京太郎「…………」 穏乃「『好きだったのに』」 京太郎「え?」 穏乃「『好きだったのに』って言ってた」 次の日。 阿知賀女子学院屋上。 ヘリに乗り込んだ京太郎たちは阿知賀女子麻雀部の六人に見送られていた。 プロペラの音が轟いている。 穏乃「和! そこからなら、みんなを見れる!?」 和「見えますよ!」 大きな声で和は返事をした。 穏乃「これが、私たちのチーム!」 穏乃が両腕を大きく広げる。 和「はい!」 穏乃「全国で和と遊ぶために、作ったんだよ!」 和「……!」 穏乃「全国、絶対来いよ、和!」 和「そんな約束は……いえ」 和は京太郎の顔を横目で見て、覚悟を決めたように言った。 和「必ず、行きます!」 奈良が離れていく。 京太郎と和にとっての思い出の場所が。 京太郎「そんな約束はできない、っていうのかと思った」 和「そう言うつもりでした」 京太郎「じゃ、なんで」 和「ふふ、どうしてでしょうね」 京太郎「答えは?」 和「答えは教えませんよ」 こうして、二人の奈良の旅は終わった。 旅に意味を求めてはいけないとは言うけれど。 大切なものを手に入れた気がした。 7・終 8・ 京太郎「さあ、今日も牌ちゃんと戯れに、牌の世界に行こう」 部室に一番乗りした京太郎は、卓の上に整理された牌に触れる。 触れた瞬間に感じる、頭から血が抜けるような感覚にも随分と慣れた。 京太郎「到着っと……」 辺りを見まわす。 京太郎「あ、いた。おーい、牌……」 声をかけようとしたところで、あることに気づく。 京太郎「え……牌のそばにいるやつ、誰だ?」 牌のそばにいたのは、遠目にもわかるイケメン高身長な男だった。 京太郎「は……? ちょ……どういうことだよ」 頭が働かない。どうしてこんなことになっているのか。 牌は、楽しそうな表情でその男と会話していた。 京太郎「……いや、別に……あいつが誰と話してようが俺には関係ないし」 そうだ。牌と京太郎の関係はただのライバル関係なのだ。 牌が誰と仲良かろうが、それはどうでもよいことなのだ。 ――だけど。 京太郎「……帰ろう」 話しかけることは出来なかった。 京太郎「咲……俺の白でお前の萬子の混一色に放銃してもいいか?」 京太郎「う゛ん゛、い゛い゛よ゛(裏声)」 友人「……何やってんのお前」 誰もいない教室。 そこでの一人小芝居を見られていた。 京太郎「ゆーと! 見て分かんないのか? 咲を麻雀に誘う練習だ!」 友人「へー、別のことを誘ってるようにしか見えなかったわ」 京太郎「真剣にやってたのに」 友人「はぁ……まったくお前は。もっと普通に誘えばいいだろ」 京太郎「うっ……そうなんだけど、恥ずかしくってさ」 友人「普通に話すみたいに誘えばいいだけだっつーの」 京太郎「あ、そうだ、ゆーと。麻雀部に入ってくれ」 友人「いいぜ」 京太郎「優しい」 友人「今の感じで咲ちゃんを誘えよ」 京太郎「難易度高い」 友人「ヘタレめ」 京太郎「言い訳できねえ」 友人「じゃ、ちょっと練習してみるか。俺を咲ちゃんだと思え」 京太郎「咲はもっとかわいい」 友人「うるせえ、さっさとやれ」 京太郎「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる! 入部しろ!」 友人「自由意志を尊重しろ」 京太郎「安心しろ! ――俺、須賀京太郎は不可能の力と共にここにいるぜ!」 京太郎「俺が咲の入部を受け止めてやる! だからお前は入部届を持っていけ!」 友人「壮大過ぎる」 京太郎「一緒の部に入部して、友達に噂とかされると恥ずかしいし……」 友人「もはや誘ってねえ」 京太郎「な゛ん゛で゛入゛部゛し゛な゛い゛ん゛だ゛よ゛! ん゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 友人「文字数稼げて便利!」 いよいよ咲を誘う時がやってきた。 特別なセリフも気障な口説き文句もいらない。 ただ普通に言えばいいだけだ。 外で本を読んでいる咲を見つけた。 友人「さあ、行け!」 京太郎「あ、明日にしないか?」 友人「行け!」 どんと押された。 京太郎(ええい、ままよ!) 京太郎「咲~!」 咲「京ちゃん」 京太郎「まーじゃ……」 咲「まーじゃ?」 京太郎「まあ、じゃあ、学食へ行こうぜ!」 咲「その間投詞いる?」 食堂。 咲にレディースランチを注文してもらってる間に友人に首を絞められた。 友人「何やってんだお前は」 京太郎「く……苦しい。だ、だってさ」 友人「だってじゃねえ」ギュウウウウ 京太郎「しまってるしまってる! ここで決める! ここで決めるから!」ゴキゴキゴキ 咲「はい、レディースランチ、持ってきたよ」 京太郎「おーう……サンキュー……」ギュウウウ 咲「仲いいね、二人!」 京太郎「これが、仲良くしてるように……見えるのか」ゴキゴキギュウ 咲「じゃれてるだけでしょ?」 それはひどい。 友人は一旦その場を離れ、遠くから俺達を見守ることにしたようだ。 正直友人にはこの場にいてアシストをして欲しかったのだか、この件は俺一人で片付けるべき問題らしい。 京太郎「咲……あのさ」 咲「おいしい?」 京太郎「あ、美味いぜ」 咲「それはよかった」 京太郎「…………ういっす」 タイミングが見つからない。 あれ、勧誘ってこんなに難しいことだっただろうか? ……いや、これは俺のせいだ。 俺が咲に特別な感情を抱いているから、こんなふうになってしまったのだ。 今は咲への感情は切り離そう。 大切な友人を部活に誘う。それだけのことだ。 京太郎「咲、麻雀部に入らないか」 溜めもせず、情緒もなく、京太郎はそう言った。 咲「……ごめん京ちゃん、麻雀キライだから」 京太郎「キライってことは、麻雀、出来るんだ?」 咲「まあ、そうなるけど」 京太郎「なら、大丈夫だ」 咲「大丈夫って……」 京太郎「どんな理由で麻雀が嫌いになったのかは知らねーけど、うちの麻雀部なら大丈夫」 京太郎「あそこなら、あのメンバーなら、たとえ嫌いでも――楽しく麻雀を打てる」 咲「……よくわかんないよ」 京太郎「えっと、つまりだな……あの、その」 咲「でも、京ちゃんがそう言うなら、そうなのかもね」 京太郎「咲……」 咲「いいよ、わかった。行ってみる」 部室。 新メンバー友人と見学の咲を連れてやって来た。 京太郎「みなさんいますかー!!」 本藤「しっ、須賀! 静かにしろ」 京太郎「ど、どうしたんです?」 本藤「部長が眠っていらっしゃる」 京太郎「はあ」 本藤「怖いから起こしてはならない」 本藤先輩、トラウマ克服できてねえ。 本藤「っと、客か?」 でかい図体、威嚇するような面で本藤先輩は言った。 咲のやつ、怖がらねえよな……? 咲「宮永咲です。よろしくお願いします」 なんの緊張もない様子で、咲はお辞儀をした。 そういえば咲は他人に物怖じしないタイプなんだっけか。 友人「こここここんにちは! うううううう梅原友人です」 ……よっぽどこっちのほうが怖がってた。 和「お茶入れますね」 咲「あっ……さっきの――」 京太郎「お前和のこと知ってんの?」 和「先ほど橋のところで――」 八坂「悪いね、ちょっとこいつに用事があるから先に打っといて!」 京太郎「やっさん?」 和の言葉を全部聞く前に、やっさんに腕を引っ張られ、部室の外に出た。 京太郎「どしたよ」 八坂「……あいつはなんだ」 京太郎「どっちのことだ」 八坂「宮永さん」 京太郎「咲か……友だちだけど」 フラれた相手だとは言えない。 京太郎「……どうしたやっさん、顔色、悪いぞ」 八坂「分かんないのか、お前には」 京太郎「え?」 八坂「……化け物だぜ、あいつ」 京太郎「なっ……」 八坂「いや、魔王か……?」 麻雀の強い人間が発する何か。 それは悪魔だとか魔物だとか、にも例えられる。 京太郎「いやいやいや、ちょっと待てよ。俺もそういうのを感知する力があるんだぜ? でも咲からは特に何も」 八坂「隠してるんだ」 京太郎「…………」 八坂「いや、隠れているのかもしれないな。意図的にか偶発的にかはわからないけど、強さが隠れている」 京太郎「なんでお前はそんなことがわかるんだ」 八坂「同種の物を見たことがあるからだ」 京太郎「同種の……もの?」 八坂「あの日――俺が麻雀をやめた日――見たんだ。あれに似た、なにかを」 部室に戻り咲の打ち方を確認する。 京太郎「(……まじかよ)」 八坂「(わざと手を安くしたな。何のためだと思う)」 京太郎「(一位にならないため……とかか)」 咲が麻雀を嫌った理由はわからない。だが人が麻雀を嫌いになる理由は限られている。 その定番といえば、自分が勝つと他の人の機嫌が悪くなる、とかか。 八坂「(一位にならないため、か。それもあるが……それだけじゃない気がする)」 京太郎「(えっ!?)」 八坂「(もう一局見よう)」 ――そこから始まる物語は、咲と和の物語。 その日、咲は3連続プラマイゼロを達成したのだった。 その日の放課後。 一太「部員、九人揃ったのかい」 京太郎「えっと、副会長さん。お久しぶりです」 一太「君ならやると思っていたよ。麻雀部再建」 京太郎「……あと一人、男子が足りてませんよ」 一太「僕を、入れてくれないか?」 京太郎「え?」 一太「君がいれば、会長はもう悲しまなくて済む」 京太郎「よくわからないですけど……入部なら大歓迎ですよ」 ――こうして、男子も女子も団体戦に出られることになった。 一週間後。 通学路の途中、京太郎は草むらに隠れて観察していた。 友人「……何してんの、お前」 京太郎「指」 友人「……は?」 京太郎「いま、和が小指にキスしたんだ」 友人「おう」 京太郎「昨日、咲と和は指切りをしてたんだ。隠れて見てた」 友人「本格的に気持ち悪いなお前は」 京太郎「あれは百合名場面名鑑収録『あなたの触れた場所がじんじんするの……』だ!」 友人「もしかしてこれから先、原作にそって百合百合してる様子を観察するだけの話になるのか!?」 京太郎「いいな、それ!」 友人「よくねーよ。あと2週間しかないんだぞ。盛大に何も始まらないにもほどがあるわ」 学校。 咲「じゃあお昼一緒に食べようねー」 和「はい、ではまた」 京太郎「咲……おまえ……和と仲良くなったのか」 百合ップル誕生への歓喜で、京太郎はそう言った。 咲「うんっ」 京太郎「お……俺もお昼ご一緒してよろしいですか」 もちろん、百合の観察のためである。 合宿をしよう。 そういうことになった。 そして合宿の前日。 京太郎はある場所にやって来ていた。 百合オンリーイベントである。 合宿の日程と重ならないか心配であったが、ギリギリ一日ずれていたのだ。 京太郎「買うぞー! 超買うぞー!」 pixivで追ってる好きな絵描きさんの新刊を素早く買う。 しかし、京太郎にとっての本番はこれからだ。 それは新人の発掘である。 この業界は常に新しい人が入ってくる。 そこにある金の卵を探す。やりがいのあることだった。 京太郎「とりあえず、まずは好きなカップリングの同人誌から見ていくか」 絵柄も好みな「はるちは本」を発見。 京太郎「あの、読んでみてもいいですか」 女性「どうぞ!」 ……うん、やっぱり好みの絵柄だ。 ??「すみません、俺も読んでみていいですか」 女性「はい!」 他に客が来たようだ。 京太郎「あ、俺、邪魔ですか? すみません」 本藤「いえいえ、そんなことは」 紙袋を両腕にいっぱい抱えた、いかつい顔の男が、そこにいた。 まさしく本藤先輩であった。 京太郎「…………」 本藤「…………」 京太郎「き、奇遇ですね」 本藤「お、おう、そうだな須賀」 ??「ちょっとあんたら、そんなとこで立ち話してるんじゃねえよ」 京太郎・本藤「あ、すみませ」 八坂「…………」 つんつん頭の、小柄でツリ目な少年が、そこにはいた。 疑う余地なく、やっさんだった。 京太郎・本藤「……」 八坂「や、やあ!」 京太郎・本藤「……あ、この本、一部ください」 女性「ありがとうございます! やった、完売だよイッチー!」 一太「本当ですか!? やりましたねササヒナ先生」 京太郎・本藤・八坂「おっす」 一太「 」 京太郎「……」 本藤「……」 八坂「……」 一太「……」 あのあと、四人は互いに連携し合い、目当ての同人誌を買い漁った。 ほとんど無言でである。 会場の出口で、その空気に耐え切れなくなった本藤先輩がようやく口を開いた。 本藤「……お前ら明日の合宿の買い物は終わったか」 八坂「あ、まだっす」 京太郎「じゃ、今からみんなで買いに行きますか!」 一太「いいですね、梅原くんも誘いましょう!」 三十分後。 友人「みんなで集まって買い物って……。女子じゃねーんだから」 ぶつくさ言いながらも集合場所にやって来た友人。 友人「お、いたいた。もうみんな集まってんのか」 四人は、何か会話をしているようだった。 タッタッタッと小走り気味に四人に近づき、耳を傾ける。 八坂「女にも性欲はあるんだよ勝手な童貞の妄想を押し付けんな !!」 京太郎「プラトニックラブをバカにしてんのかボケ! 距離感を楽しむものだろうが!」 一太「ひたすらにイチャイチャラブラブしてりゃいいんですよ!」 一太「現実感やら修羅場やらシリアス展開やら、そういうのは作者の自己満足ですよ!」 本藤「笑わせるな! 葛藤や修羅場を乗り越えてこそ真実の愛に辿り着けるのだ!」 本藤「そこに至っていない百合なぞ見せかけ! お前の意見こそ本当の自己満足なのだ!」 八坂「そう、肉体関係まで描かなくても良いみたいな風潮が広まったせいだ!」 八坂「それでアリバイ百合とかいうただの金儲け作品が量産されたんだ!」 友人「よし、帰ろう!」 こんなやつらと同じ場所にいられるか! 俺は一人で買い物するぞ! 京太郎「来たか、ゆーと!」 見つかった。 友人「帰ります!」 本藤「今からカラオケ店で朝まで『百合ソング大会&百合談義』をするのだ。貴様には審査員になってもらうぞ」 友人「いやだああああああああああああ」 一太「僕が一番正しいことを証明してみせましょう」 八坂「はっ、笑わせるぜ先輩。今から宗旨変えの準備をしといたほうがいいですよ」 京太郎「つーか――……」 ――梅原友人はこの日、未来永劫絶対に百合作品を読まないことを心に誓ったのだった。 ――ただし、ゆるゆりは除く。 次の日。合宿の日。 合宿棟に向かう前に、京太郎は牌の世界に来ていた。 京太郎「……よう」 牌「京太郎!」 牌の笑顔。 それを見た瞬間、心がチクリとした。 牌が見知らぬ男と会話をしていた場面を思い出したのだ。 京太郎「……すまん! 今から合宿なんだ。今日はもう帰る!」 牌「ちょっと待ってよ!」 牌に腕を掴まれた。 京太郎「……どうした」 牌「最近、なんか変だよ」 京太郎「……気のせいじゃないか?」 牌「ち、違うもん」 牌が握っている場所がじんじんする。 京太郎「ごめんっ!」 手を振りほどき、元の世界に戻る。 京太郎「はあ、はあ、はあ……」 部室で卓に掴まりながら、呼吸を整える。 咲「大丈夫、京ちゃん?」 京太郎「咲!? 合宿棟に行ったんじゃ……今の、見てたのか」 咲「道に迷っちゃって……いま来たばかりだよ。大きな音が聞こえたからびっくりして」 京太郎「そ、そうか」 咲「京ちゃん……辛そうな顔してるよ?」 京太郎「……んなことねーよ」 誤魔化すしかなかった。本当のことを言うわけにもいかないし。 咲「……信じてあげて、京ちゃん」 京太郎「咲……?」 事情がわからないはずなのに、咲はそう言った。 もしかしたら何となくバレているのかもしれない。 まさか俺が牌の世界に行ってるとまでは思わないだろうが。 ……そうだ。ちゃんと聞こう。誰と話していたのか。その人とどんな関係なのか。 勝手に勘違いするのはやめよう。 次の日。合宿中。 早朝に合宿棟を抜けだした京太郎は部室に向かった。 牌に会いに行くためだ。 旧校舎にはまだ誰もおらず、静かな空気が薄気味悪かった。 卓の上に並べられた牌に触れようとして、手が止まった。 京太郎「まだ怖がってるのか、俺は」 真実を知るのが怖い。 出来るのならば真実を知らないままで生きていたかった。 京太郎「なんたるヘタレ具合だよ、俺は……!」 目を瞑って、勢い良く牌を握りしめる。 牌の世界。 最近はどんどんと明るくなっていった牌の世界も、最近また少し暗くなった気がする。 京太郎「牌……」 牌「……来てくれたんだ」 視線が合う。 どうしようもなく逸らしたくなったけど、我慢した。 目を逸らしてはいけない。 逸らした瞬間にまた勇気を失ってしまいそうだった。 京太郎「牌、聞きたいことがある」 牌「……なに?」 京太郎「10日ほど前、お前が会話してた男、あいつ誰だ?」 聞いてしまった。 怖い。 どうしてなのかわからないけど怖い。 牌は、ゆっくりと口を動かした。 牌「お兄ちゃんだけど?」 京太郎「………………」 牌「?」 京太郎「……お兄ちゃん?」 牌「うん」 京太郎「あ……は……はははは!」 牌「え!? 笑うとこ!?」 なんだ、なんだ、そういうオチか! うじうじ悩んでいたのがアホらしい。 さっさと聞いてしまえば楽だったのに。 京太郎「……よかった」 牌「京太郎……」 京太郎「牌……」 自然と、二人は体を近づけあった。 そして――お互いの身体が触れ――。 卓「妹を貴様には渡さーーーーーーーーーーーーん!!」 触れる前に突き飛ばされた。 卓「この獣め! 我が妹に気安く触れるとは!」 牌「あ、卓兄! おはよ」 卓「うへへへへ、おはよ我が妹よ」 京太郎「何だお前は!」 卓「我か? 我は《麻雀 卓》! 配牌を操る神なり!」 京太郎「配牌を操る、神?」 卓「敬い給えよ!」 京太郎「なーるほど……なぁ……」 卓「なんだ!?」 京太郎「お前かあああああ! 俺の配牌を8シャンテンとかいう糞配牌にしたのは!!」 卓「そのとおりだが?」 京太郎「だが? じゃねえ! さっさと治せ! ろくに麻雀できねーよ!」 卓「我から妹を奪おうとする蛮族にはピッタリの誅罰だ」 京太郎「悪魔あああああああああ!」 卓「野蛮人がああああああああ!」 牌「二人とも元気だねー」 牌はニコニコしていた。 牌「卓兄、京太郎の配牌を良くして、とまでは言わないけど、普通に戻してあげてよ」 卓「な、なぜだ我が妹よ! どうしてこんなやつの味方をする!?」 京太郎「へっ」ドヤッ 卓「ええい、うっとおしい!」 牌「お願いだよ」 卓「く……」 牌「お・に・い・ちゃ・ん?」 卓「任せ給え!!」 あれが兄という種族か……。なんと業の深い……。 卓「我が妹の頼みだから仕方なく貴様の配牌を普通にしてやったが……よく覚えとけ! これは貴様を認めたわけではない!」 京太郎「わかってるよ」 卓「貴様に妹はやらん!!」 京太郎「わかりましたってば、お義兄」 卓「おいいまてめえなんつった」 京太郎「つーかマジモンの兄妹なのか」 牌「んーとね、神様になってから兄妹になったんだよ。牌と卓は兄妹関係になる決まりなのだ」 卓「我は本物の妹と思っておるぞ!」 京太郎「オーケーオーケー」 卓「ええい、聞けいっ!」 ……さてと。 ここらで一つ、片をつけよう。 今あるピースで思い出せることは全て思い出した。 京太郎「さて……そろそろ覚悟を決めるか」 牌「覚悟?」 京太郎「逃げていたことに立ち向かう」 合宿の起床時間は7時半。 現在は6時半。あと1時間ある。 京太郎は自分の家に向かった。 京太郎「母さん」 母「どうしたの、京太郎。合宿中でしょ」 京太郎「俺が小学校1年生だった頃のことを、教えてよ」 母「……そっか。もう、いいのね」 京太郎「もう子どもでいられる年齢でもないしな」 母「ちょっと待ってて」 京太郎の母は薄いアルバムを持ってきた。 母「これが、その時の写真よ」 アルバムを受け取る。 薄くて小さいアルバムなのに、ずしりと重く感じた。 ゆっくりアルバムを開く。 京太郎「……ああ、そうか……やっぱり、そうなのか」 そこに写っていたのは四人の子ども。咲、照、京太郎、そして――牌ちゃん。 京太郎「いや――牌ちゃんじゃない――みなも――宮永みなも」 あの日、8年前。飛行機事故で命を落とした少女。 咲の従姉妹である少女。 俺が――。 初めて好きになった少女。 8・終 9・ その写真は、宮永みなもの最後の写真となった。 それ以来、咲は写真が嫌いになった。 わざわざアルバム委員になって、自分の写真が卒業アルバムにできるだけ載らないようにするくらい。 写真はその当時の記憶を蘇らせるからである。 咲は、カメラのレンズを避けるように生きている。 たまたま映ってしまったときにはその写真を抹消するために全力を尽くす。 昔は別に写真に映ることは嫌いじゃなく、むしろ好きだったのに。 みなもの死は、咲を写真嫌いにした。 みなもは、泳ぐことが好きであった。 いや、正確には――水、海、川、魚、貝。そういう物ならなんでも好きだった。 泳いでる魚をただ見てるだけでも楽しんでいたし、魚を食べるのも好きだった。 魚は綺麗に食べた。みなもはよく、咲に対して魚のきれいな食べ方を伝授した。 今でも咲はきれいに魚を食べる。 そんな咲の姿をみなもと重ねて、京太郎は咲のことが好きになった。 みなもの代用品として好きになったとも言えるけど。 牌の世界は海に似ていた。 みなもは自分の好きな海の世界を、牌の世界で再現したのだ。 そこまでするぐらい、海のことが好きだったのだ。 京太郎「きっかけは事故、だったけ」 咲はあの頃からよくこける子どもだった。 道路の真ん中で、咲がこけたのだ。 運悪く、そこにトラックが迫っていた。 京太郎「穏乃が言ってたのはこれか……」 京太郎「『あのとき、俺は足が動かなかった』」 京太郎「『そんな情けない俺の隣を、あいつは駆け出した』」 京太郎「みなもが、駆け出した」 京太郎「みなもは、咲を救ったんだ」 京太郎「自分の足を犠牲にして」 みなもは泳ぐことができなくなった。 泳ぐことは、みなもが好きなことの一つだ。 それを奪われたことはそうとう悲しいことであったはずなのに。 みなもは笑顔だった。 京太郎「そして、飛行機事故か」 バイトでの、染谷先輩との会話を思い出す。 親戚同士での海外旅行。 宮永照、その妹のみなも。そして二人の従姉妹の宮永咲。その家族たち。 楽しい旅行になるはずだった。 整備不良による事故。 それ以来、整備のことを学び、整備好きになった京太郎はここでは置いておく。 ビルに突っ込んだ飛行機は、燃料を漏らし、ビルを燃焼させた。 燃え盛るビルの中で、みなもは動けなかった。 体を焦がす炎の中で、みなもは動けなかった。 京太郎は蓋をした。 好きだった少女、みなもの死を。咲との日々を。照との思い出を。 蓋をして、無かったことにした。 咲も、京太郎と一緒だったのだろう。 ただ、咲は強くなろうとした。 また誰かを傷つけてしまわないように。 体育の内申点が10あるのは、強くあろうとしたからだ。 ……結局、こける癖は治らなかったけど。 だけど、照は違った。 記憶に蓋を出来るほど、幼くはなかったのだ。 そのときの記憶を保っていられるほどに強く、耐えられないほどに弱かった。 照に、もう妹はいない。 彼女は、咲を許していない。 家を出た京太郎は、湖に来ていた。 合宿の起床時間まであと20分。そろそろ戻らないとまずいけれど、どうしても来たくなったのだ。 四人でよく遊んだ、思い出の場所だった。 京太郎「……もう、誤魔化す必要はないよな」 認めたくなくて、心の中で否定したけれど。 いいかげん、嘘をつくのにも無理が出てきた。 だから、叫ぶ。湖にむかって。自分にむかって。過去にむかって。 京太郎「みなものことが好きだ! 牌のことが好きだ! 愛したい! 愛されてえ! そばにいたい! そばにいてほしい! 京太郎「ずっと見ていたい! ずっと見ていてほしい!」 ああ、なんだ。 認めてしまえばこんなに簡単。 牌への気持ちを。 ようやく、肯定できた。 ――合宿終了。 今日も牌の世界にやって来た。 京太郎「県予選まであと6日だぜ!」 牌「ついでにあと4日で、あの日だ!」 京太郎「あの日?」 今日から4日後というと、7月7日だ。 京太郎「あ、七夕か」 牌「それで、おしまいかぁ……」 京太郎「おしまい?」 何が終わるのだろう? 牌「秘密!」 京太郎「気になるだろ」 牌「知ったところで京太郎じゃどうにもならないし!」 京太郎「久しぶりにヒドイな」 最近は牌ちゃんが優しかったから、この俺に対するヒドさ、なんだか懐かしい感じだ。 京太郎「さてと、そろそろ部室に誰かが来る頃だろうし、帰るわ」 牌「あ……うん」 寂しそう声で牌は言った。 京太郎「どうした?」 牌「……もうちょっと、一緒にいてよ」 京太郎「……わかった」 二人は、手と手を重ね合わせた。 それが、今できる限界だった。 京太郎「今日の牌、少し変じゃないか?」 牌「……どこが?」 京太郎「どこって言われると困るんだけど」 牌「なら、気のせいだよ」 京太郎「…………そっか」 どこか、おかしい感じがするのは確かだが、それが何であるかはわからない。 もしかしたら本当に気のせいなのかもしれない。 次の日。 京太郎「あと5日で県予選かぁ」 牌「緊張してる?」 京太郎「してる、してる、超してる。もともと俺、緊張しやすいタイプだし」 牌「高校入試の日も緊張しまくったんだっけ?」 京太郎「うわっ、懐かし……。あの日はひどい目にあった」 牌「かわいそう」 京太郎「……たしかお前、俺が試験の日にトラブルがいくつも重なってギリギリ合格になるように祈ってなかったっけ」 牌「オボエテナイヨ」 京太郎「覚えてる人の言い方だ!」 次の日。 京太郎「この世界、また明るくなったな」 牌「そうだねー! あと2日でおしまいだもん」 京太郎「おしまい? 前も言ってたよな、『おしまい』って」 牌「そう、おっしまーい!」 京太郎「教えてくれよ、何がおしまいなのか」 牌「だから秘密だって!」 京太郎「乙女の秘密的な何かか?」 牌「はっずれー」 京太郎「むむむ」 次の日。 京太郎「あと3日」 牌「うん」 京太郎「『おしまい』は明日だっけ?」 牌「そうだよー!」 京太郎「あのさ」 牌「うん!」 京太郎「……いや、なんでもない」 牌「へんなの」 牌は、アハハと笑った。 それにつられて京太郎も笑った。 次の日。 久「新しい雀卓が来たわよー!」 旧校舎の入り口で部長は言った。 京太郎「えーっと、この箱を部室に運べばいいんですか?」 久「ごめんね、昼休みなのに手伝ってもらっちゃって」 京太郎「いやいや、いいですよ。少しは雑用をしないと心がざわつくんで」 久「そ、そうなの」 部費を溜め続けること10ヶ月。ついに新しい雀卓を買う資金が溜まったのだった。 京太郎「ようやく、ですね」 久「この雀卓はすごいわよ。洗牌はもちろん闘牌までやってくれるのよ」 京太郎「闘牌はやる必要ないですよね!?」 久「人間がやることは一つもない! これが本当の全自動麻雀卓よ」 京太郎「雀卓業界も迷走してますね……」 久「でも、これで――」 おしまいの合図。 久「あの雀卓の出番も、おしまい――ね」 京太郎「――おしまい」 世界のおしまい。 京太郎「……すみません、部長! ちょっと行ってきます!」 久「須賀君!?」 京太郎は部室に向かって走りだした。 階段を駆け上り、扉を壊す勢いで開き、牌を握りしめた。 京太郎「!? 牌の世界に行けない!?」 いつも通りにやっているのに景色が変わらない。 牌を手のひらに置いたまま、何度か手を握ったり開いたりしたが変わらない。 京太郎「……っ! 手遅れなのかよ!?」 嫌だ。 京太郎「もう逢えないのかよ!」 嫌だ嫌だ嫌だ! これでおしまいだなんて。 これで最後だなんて、そんなのは絶対に嫌だ。 京太郎「頼む、少しでいいから、牌に会わせろおおおおおおおおおおっ!!」 強い衝撃が脳に直撃した。 それは今までに味わったことがないほど強烈な痛みだった。 京太郎「ぐっ……」 世界が反転した。 視界がぼやける。 吐き気もこみ上げてきた。 それでも京太郎は目を大きく開き、世界を確認した。 牌「……来ちゃったんだ」 京太郎「牌……」 牌の世界は崩壊しつつあった。 空間にヒビが入り、砂のように細かく分解され、空間に溶けていく。 世界の終わりとはこういうものなのだろうか。 牌「……もともと、終わるはずの世界だったんだ」 牌「今よりももっと早いタイミングで、この夢は醒めるはずだった」 牌「付喪神の一生って、そういうものなんだよ」 牌「取り憑いた道具が、壊れてしまったら、それでおしまい」 牌「そんな、脆い世界だったんだ」 牌「この世界も、あの日――消えるはずだった」 京太郎「あの日……」 牌は京太郎の顔を見た。 泣いてはいなかった。 牌「そこに、誰かさんが現れた」 牌「その誰かさんは、この世界の寿命を伸ばしたんだ」 牌「ほんと、余計なことをしてくれたよね」 京太郎「よけいな、こと?」 牌「あのときこの世界が終わっていたら、こんな気持ちにはならなかったのに」 牌「京太郎のせいで、すごく、イヤだよ」 世界が崩れていく。 音はなかった。 世界の終わりって、こんなに静かでいいのだろうか。 京太郎「聞いても、いいか」 牌「なんでも」 京太郎「俺の世界には、牌に愛された子と呼ばれる存在がいる。咲とか、照姉とか」 牌「……うん、そうだね」 京太郎「ということはさ、愛してるんだよな、咲のこと」 牌――みなもは、咲を守ったことが間接的な原因となり、命を落とした。 みなもは、咲を恨んでいないのだろうか――ずっと気になっていたことだ。 牌「好き、大好きだよ、二人とも」 京太郎「どうして、好きなんだ?」 牌「……なんでだろう、私が神様になったときにはもう好きになってたんだ」 なるほど、そういうシステムなのか。 人間だったときの記憶は引き継がれず。 けれど、感情は残っている。 思いは、つながっている。 京太郎「……教えてやるよ、牌。お前の感情の理由」 牌「――え?」 世界が、消えた。 崩壊は完了したのだ。 でも、あと一言だけ。一言だけでいいから伝えさせてほしい。 京太郎「お前の名前は、宮永みなも――だ」 牌「――!」 みなも「――ありがとう」 ――ああ。 世界の崩壊って、こんなに――綺麗なんだ。 みなも「だいすきだよ、きょーにぃ!」 気づくと、京太郎は部室で一人、牌を握りしめていた。 京太郎「……こんなにお前は近くにいるのに」 どうしてこんなにも遠くなってしまったのだろう。 牌のことが好きなのに、愛せない、愛されない、そばにいれない、そばにいてくれない、ずっと見れない、ずっと見ていてくれない。 もう、いいよな。 終わらせちゃってもいいよな。 誰も見ていないし、誰も気にかけないだろうし。 なんてことはない、ここで一つの小さな思いが消えてしまっただけなのだから。 京太郎「そういや今日、七夕だっけ」 ――七夕? 京太郎「あ」 そこに見えたのは、一つの希望。 京太郎「紅生姜のない牛丼って、そういうことなのか?」 京太郎「そういう意味なのか?」 大切なモノが抜けているとか、そういう単純なものじゃなくて。 もう一つの意味があるじゃないか。 京太郎「……つーことは、――はあいつで、――は俺?」 京太郎「は」 京太郎「あはははははっ!」 こじつけにも程があるだろ。 でも、今日という日に世界が崩壊したのなら。 とても偶然とは思えない。 京太郎「信じてみるか」 京太郎「紅生姜のない牛丼屋を」 京太郎「俺は」 京太郎「全国優勝してみせる」 止まっていたと思っていた時間は、止まってなんかいなかった。 ずっと、流れ続けていたんだ。 それに気づかないふりをして、両手から大切なモノをたくさんこぼしていたんだ。 ――それを取り戻すための大会が、始まろうとしていた。 9・終 10・ 京太郎「さあ、一回戦だ!」 先鋒、八坂。次鋒、友人。終了。 一太「さて、僕の番ですね」 京太郎「頑張ってください!」 オーラス。 一太「あの日のことを思い出すな……」 次々に麻雀部をやめていく部員たち。 部員が減るたびに、久の寂しい顔を見なければならなかった。 それが、つらかった。 そして、やってはいけないことをした。 自分も部活をやめたのだ。 近くで久の顔を見ているのが辛くなったから。 怖かったから。 あのとき、やめるべきではなかった。 一太「ツモ!」 一二三①②③112233西西 京太郎「出たー! 一太先輩必殺、3以下の数牌を集める『ロリロリハンターズ』??」 一回戦突破。 京太郎「さあ、決勝だ!」 八坂「気をつけろ……ここの大将はマジでヤバい」 大将戦。 京太郎「はあ……はあ……はあ……、くそっ」 近江「麻雀ってよぉ、クソみてえな競技だよなぁ」 京太郎「……運ゲーだからか?」 近江「違う違う、そういうことじゃねえよ」 近江「言い方が悪かったな……人間を悪に染める競技、ってことだ」 近江「普段は温厚な奴が、麻雀やってると怒りっぽくなったり」 近江「他人のためにいろいろやれる人間が、麻雀をやるとマナー悪く他者を貶し始めたり」 近江「虫も殺せない奴が、他人を低く見て侮ったり。負けてりゃ不機嫌。勝ったら聞きたくもねえ自分の麻雀理論を語り始めたり」 近江「初心者がいると勝てねえとか言うやつもいるな……自分よりも圧倒的に強いやつがいても勝てねえくせにな」 近江「そういう奴が欲しいのは自分よりも少し弱いやつなんだ。勝ちてえから、そんなクズみてえになる」 近江「俺は麻雀が嫌いだぜ? だから麻雀やってる奴を潰して、競技人口を減らし、この世から麻雀を消してやろうと思ってる」 すでに、京太郎と近江以外の2人は精神を壊されている。 近江「だから、負けてくれや。俺は全国へ行ってたくさんの選手を潰す必要がある」 京太郎「……いい夢だな。応援してえよ」 京太郎「色んな俺が、みんな口を揃えて同じことを言うんだ」 京太郎「『たとえ負けても、俺は麻雀が好きだ』『才能はねーかもしれねーけど、麻雀を打つのが好きなんだ』 京太郎「『嫌いって言ったけど、やっぱり俺……麻雀のことを忘れられない。俺、こんなにも麻雀が好きだったんだ』 京太郎「『麻雀が好きなんだ』『麻雀が好きだ』『麻雀が好き』『麻雀が好き』『麻雀が好き』」 京太郎「いろんな世界の俺――みんな『麻雀が好き』としか言わない」 京太郎「気持ち悪かった」 京太郎「麻雀が嫌いだとは言えない空気」 京太郎「たとえ嫌いになっても、最後には好きになるという収束感」 京太郎「麻雀が好きじゃないといけない、みたいな強制感」 京太郎「たとえどんな理不尽なことが起こっても麻雀を好きと言わないといけないという押しつけ感」 京太郎「『麻雀が好き』というセリフで誰かを惚れされないといけないという展開の束縛感」 京太郎「麻雀を嫌っちゃいけないのか?」 京太郎「永遠に一生、嫌いなままで麻雀を続けたらいけないのか?」 京太郎「麻雀が嫌いな俺には生きる価値がないのか?」 京太郎「ずっと、そうやって生きてきた」 京太郎「だからお前の行為を否定しない」 京太郎「だからといって、理解もしない」 京太郎「お前を更生される言葉なんて俺には思いつかない」 京太郎「お前を更生されるような劇的な過去、俺にはない」 京太郎「ただ俺は、全国に行きたいからお前を倒す」 ……… …… … 京太郎「ツモ! 字一色!」 近江「この俺がああああああ??」 京太郎「ついに来た……! 全国の舞台、東京!」 千歳「へえ……君が長野代表かい?」 京太郎「誰だ??」 本藤「て、てめえは……インハイチャンピオン千歳真!」 京太郎「インハイ……チャンピオン」 千歳「ねえ、一局打とうよ」 京太郎「出場校どうしは打てない決まりじゃ……」 千歳「いいんだよあんなルール。あんなのはただのオカルト持ちが勝ちやすくなるようにするためにできたルールだ。従う必要はない」 京太郎「だけど」 本藤「いや、やっておけ、須賀。一度体験しておいた方がいい」 本藤「インハイ史上、『最弱』のチャンピオンと呼ばれたやつの打ち方を」 京太郎「最……弱?」 京太郎vs千歳 京太郎「勝ってしまった……!」 千歳「ふー強いね須賀君。……悔しいな。でも」 千歳「麻雀って楽しいな!」 京太郎「……負けたのに楽しいのかよ」 千歳「そりゃ、勝ったり負けたりするのが麻雀じゃないか」 千歳「勝ってるときだけ『楽しい!』って言って、負けてるときだけ『麻雀はクソゲー』とか言うやつもいるけど」 千歳「そういうやつは麻雀を楽しんでるんじゃない」 京太郎「……じゃあ、何を楽しんでるんだ」 千歳「そういうやつらが楽しんでるのはね、勝つことだよ。勝つことを楽しんでるんだ」 京太郎「いったいこの世に、お前が言う意味で麻雀を楽しんでる奴は何人いるんだろうな」 千歳「さあね。ま、君との再戦、楽しみにしてるよ」 そう言うと千歳は去っていった。 本藤「千歳真……。やつの全対局の連対率は三割を切る」 京太郎「それなのにどうやってインハイチャンピオンに……?」 本藤「やつには、ここぞというときに必ず勝つ魔力がある」 本藤「……逆に負けてもいい場面は必ずと言っていいほど負ける。手を抜いているわけではなく、そういう風になってるんだ」 京太郎「だから……『最弱のインハイチャンピオン』」 全国一回戦。先鋒。 八坂「よろしく」 霊山「よろしく」 八坂「(アイドル雀士、霊山祥哉……。あいつの力は……)」 オーラス。 モブ 140000 八坂 130000 モブ 130000 霊山 0 八坂「(宮永顔負けの得点調整力……!)」 咲のプラマイゼロは29600~30500点という幅がある。もちろんこれを狙ってやるのは十分化け物じみているが……。 八坂「(こいつは、本当の意味で0点……。幅はない、少しでも間違えたらトビ終了だ)」 霊山「さーて、0点完成。反撃といきますか」 彼がアイドル雀士と呼ばれる理由は顔の良さだけではない。 0点からの逆転という華やかさ。 これが観客を惹きつけるのだ。 霊山「親は俺だ。まずは天和」 八坂「くっ」 それが霊山の力。一度0点になると最強の力を発揮する。 霊山「リーチ」 霊山「ツモ。12000オール」 八坂「(……強い! この状態になった霊山は上崎にも匹敵する!)」 あの日、麻雀をやめることを決めた日を思い出す。 憧れであり、自分の目標だった小鍛治さんが始めて負けた日のこと。 決勝は9番勝負だった。 そのとき卓にいたのは、永世七冠「小鍛治健夜」。 世界ランキング一位「ライアン・グリーン」。役満率一割越え、役満のクイーン「雪蘭」。 そうそうたるメンバーの中に異彩を放つ存在がいた。 当時、六歳の少年「上崎永楽」だった。 その9番勝負は、たった5戦目で終わってしまったけど、対局時間は過去最長だった。 親である上崎がテンパイし続け、それ以外の三人がノーテン罰符を払い続けることを25回×5局し続けたのだ。 上崎「牌の神様を殺したから」 インタビューでそう答えた上崎を見て、八坂は麻雀をやめた。 八坂「……だけど、決めた」 八坂「上崎を、倒すことを」 八坂「だから、こんなところで立ち止まれねえ!」 ……… …… … 八坂「ロン! 12000!」 霊山「ぐはあああああ」 決勝、オーラス。 千歳「こ、このボクがこんな大切な場面で負けるなんて」 京太郎「悪いな……俺にはこいつがいる」 首から下げたチェーンの先に、一萬がつけられていた。 京太郎「もう一度、会うと決めたんだ」 ――おめでと、きょーにぃ。 京太郎「!」 「紅」べに色の花。あでやかな花。転じて、花のような女性。 「姜」美しい娘。美女。 「生」生きていること。 「紅生姜」とは、生きている美しい少女のこと。 つまり、「紅生姜のない」は、美しい少女が死んだことを表す。 つまり、みなもの死。 「牛」で思い出すのは、牽牛――つまり、彦星だ。 「丼」の「真ん中の点」は清い水の溜まった様子。 牽牛が俺で、清い水が天の川。紅生姜がみなも。 この物語は、七夕伝説と同じだ。 天の川の向こうにいるみなもには、会えない。 京太郎「でも、やっぱりいたんだ」 直接触れ合えなくても、俺のことを見ている。 天の川の向こうで、確かに。 京太郎とみなもの物語は、一言で言うと。 京太郎「紅生姜のない牛丼屋――か」 カン!