約 156,108 件
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/2301.html
http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1363393348/ ――3月某日・須賀家―― 京太郎「もうすぐホワイトデーか……」 京太郎(咲達にはクッキー辺りでも渡すとして優希にはどうすっかなあ……) 京太郎「バレンタインの時はあいつから貰ったポッキーでポッキーゲームして、その後俺が渡すはずだったチョコで……」 ――…… 優希『あっ、み、耳噛んじゃ、や……』 優希『はぷっ、ちゅっ……』 優希『はっ…ぁ…ひょうたろー……』 優希『……最後は、いやじゃなかったじょ』 ――…… 京太郎「……」 京太郎「今思うと俺、よくあの時あのままあいつを襲わなかったな」 京太郎「とにかく、ホワイトデーは暴走しないように注意しよう……師匠の言葉を借りるなら男は紳士であれってな」 カピ「キュー」スリスリ 京太郎「おっ、お前もそう思うかカピ。 よしよし、今度は頑張るから応援頼むぞ」ナデナデ カピ「キュー♪」 ――同時刻・片岡家―― 優希「もうすぐホワイトデーかあ……」 優希「京太郎はなんかくれるだろうし、やっぱり私もお返しするべきなのか?」 優希「直接貰ったわけじゃないんだけどな。 あの時は……」 ――…… 京太郎『なんのことだ? ここにチョコレートがついてるのはお前がこぼしたからだろ?』 京太郎『ここも甘いな……もしかしてお前砂糖で出来てんのか?』 京太郎『口の中に、チョコレート残ってるだろ?』 京太郎『優希……お前、すっげえかわいいな』 ――…… 優希「……」 優希「あの時の京太郎、ちょっと怖かったけどかっこよかったじぇ」 優希「……また、あんな風にならないかな」 優希「……って、私は何を考えてるんだ!?」 優希「さっさと寝て変な事は忘れるじぇ……」 ――ホワイトデー当日―― 咲「京ちゃんいるー?」 京太郎「よぉ、咲。 なんか用か?」 咲「バレンタインのお返しを持ってきたんだけど……」 優希「んっ、どうした咲ちゃん?」 咲「ううん、相変わらず仲いいなあって思っただけ」 咲(もう皆慣れちゃったのか何も言わないしね……優希ちゃんが京ちゃんの膝に座って休み時間過ごしてるの) 男A「須賀のやろう、ニヤニヤしやがって……こっちはホワイトデーに返す宛もないのに」 男B「羨ましいぞ、こんちくしょう」 男C「死ねばいいのに」 咲(あ、あはは……気にしてないわけじゃあないんだね) 京太郎「じゃあ先にこっちの渡しとくか……ほら、クッキー」 咲「ありがとう、京ちゃん。 はい、私からもクッキーだよ」 京太郎「サンキュー」 優希「……」ジー 優希(見るからに手作りだな……むむむ、咲ちゃんに限ってそれはないとは思うけどなんか落ち着かないじぇ) 京太郎「んっ、なんだよ優希?」 優希「なんでもないじぇ……」 京太郎「んー?」 咲「あはは……そうだ、京ちゃん知ってた?」 京太郎「何をだ?」 咲「ホワイトデーって返す物によって意味があるんだよ」 京太郎「へぇ、そうなのか」 咲「たとえばキャンディーなら【好き】、マシュマロなら【嫌い】、それでクッキーは【友達でいよう】なんだよ」 京太郎「なるほど、だからお前もクッキーくれたのか」 咲「まあね。 京ちゃんは大切なお友達だから」 京太郎「俺としては咲は保護対象みたいなもんだけどなー」 咲「むっ、どういう意味かなそれ」 京太郎「迷子のお前を探す的な意味だ」 咲「……いつもお世話になっております」 京太郎「うむ、くるしゅうない」 優希(友達でいよう、か……じゃあクッキーが手作りなのに深い意味はなさそうだじぇ、ふふっ)モゾモゾ 京太郎「ちょっ、おい優希」 優希「なんだー?」 京太郎「人の膝の上で身体揺らすなよ」 優希「どうして?」 京太郎「どうしてってそりゃ……まあ、何というか」 咲「京ちゃん……」 京太郎「な、なんだよ、そんなかわいそうなものを見る目で見るなよ! しょうがないだろ、俺だって男なんだから!」 京太郎(ただでさえ最近優希を変な風に見ちゃう時があるっつうのに、こんな風にもぞもぞされたらヤバいに決まってんだろう!) 優希「ほほう、なんだかよくわからないけど京太郎の弱点を見つけたじぇ!」モゾモゾ 京太郎「だから動くな、やめろ、色々ヤバいから! 咲からも何とか言って……おいこら、逃げるな薄情者ー!」 男A「リア充爆発しろ」 男B「リア充不幸になれ」 男C「リア充に呪いあれ」 ――放課後―― 京太郎「ったく、さっきはひどい目にあった……優希のやつ、自分のしてる事にたいして無防備過ぎて困るっつーの」 ガチャッ 京太郎「ちわーっす」 咲「あっ、京ちゃん。 さっきぶりだね」 京太郎「さっきはよくも人を放置して逃げてくれたな、咲~」 咲「だ、だってチャイム鳴ってたし。 私にはどうしようもなかったんだもん」 京太郎「……はあ、いや別にいいんだけどさ。 ところで他にはまだ誰も来てないのか?」 咲「うん。 和ちゃんと優希ちゃんは来てすぐまた出ていっちゃったけど」 京太郎「ふうん、じゃあそんなにしない内に帰ってくるか……」 ガチャッ 和「今戻りました」 優希「ご帰還だじぇー!」 咲「おかえり、和ちゃん、優希ちゃん」 和「ありがとうございます、咲さん」 優希「おぉ、元気にしてたか、京太郎!」 京太郎「つい一時間前まで一緒だっただろうが。 よっ、和」 和「こんにちは、須賀君。 あっ、そうそう、バレンタインのお返しを持ってきたので受け取っていただけますか?」 京太郎「おっ、サンキュー。 和もクッキーかなんか?」 和「いえ、ホワイトデーというくらいですから白い物がいいかなと思いまして……はい、どうぞ」 京太郎「」 咲「あ」 優希「じょ?」 和「あ、あら? お嫌いでしたか……マシュマロ」 ――少女事情説明中―― 和「す、すいません、まさかマシュマロにそんな意味があったなんて……」 京太郎「いいんだ……お嬢様の和が知らないのも無理はないのわかってるし、わざとじゃないのもわかってるから……」 優希「のどちゃんだったらこんな回りくどい真似しないで、はっきり『あなたなんか嫌いです』って言うからな!」 和「ゆ、ゆーき! それではまるで私が血も涙もない冷血漢みたいじゃないですか! というか今の変な裏声は私のまねですか!?」 咲「あっ、そういえば私、昔和ちゃんに退部を迫られたような……」 和「咲さんまで何を言うんですか!?」 咲「クスクス、大丈夫だよ和ちゃん。 和ちゃんはちょっと生真面目なだけで優しい子なのは知ってるから」 和「もう……いたずらにしては悪質過ぎます!」プイッ ガチャッ まこ「相変わらず賑やかじゃのう」 優希「あっ、染谷新部長のご到着だじぇ!」 咲「新部長って……普通に部長でいいんじゃないかな」 和「染谷部長、こんにちは」 まこ「おう。 で、そこでうなだれてるのはどうしたんじゃ?」 京太郎「ああ、気にしないでください。 予想以上にショックがでかかっただけですから……」 まこ「ん? よくわからんが、まあこれでも食べて元気を出しんしゃい」 京太郎「これは?」 まこ「バレンタインのお返しじゃ。 ホワイトデーじゃから白い物がいいと思っての」 咲「あれ、なんかデジャヴ……」 優希「さっきもこんな光景があったような……」 和「まさか……」 まこ「ほれ、マシュマロじゃ」 京太郎「」 ――再び少女事情説明中―― まこ「いやあ、すまんすまん! マシュマロはよくホワイトデーに使っとるからそんな意味だとは思いもせんかった」 京太郎「普段そういうの見せる事少ないから、はっきり言う和よりダメージがでかくなりそうなんですけど」 咲「確かに和ちゃんと部長なら部長の方がショックかも」 優希「のどちゃんはクールビューティーだからな! やっぱり違和感がないんだじぇ!」 和「須賀君も咲さんもゆーきも私をなんだと思ってるんですか……!」 京太郎「それにしてもお菓子業界もわざわざ嫌いだなんて意味をお菓子につけんなよな……モグモグ」 まこ「確かにの。 まあそれはさておいてそろそろ練習を始めるとするか!」 咲・和・優希・京太郎「はい(だじぇ)!」 まこ「よし、それじゃあ一年組は卓につけ。 わしは京太郎を後ろから見ておくからのう」 京太郎「あっ、ありがとうございます」 まこ「気にする必要はないぞ。 京太郎には夏の雑用ばかりさせていた期間を取り戻す勢いで教えていくつもりじゃからな」 京太郎「はい!」 まこ「和、対局が終わったらわしと交代して京太郎を見てやってくれんか。 咲と優希は感覚型の打ち手じゃから教えるのは不向きじゃしの」 和「わかりました」 まこ「咲と優希はとにかく打って実力を高めていけ。 去年全国三位の辻垣内や チャンピオンの宮永照とやり合ったお前さんらは互いを相手にするだけでいい経験になるじゃろう」 咲「はい」 優希「……」 まこ「それじゃあ始めるぞ!」 ――…… 京太郎「えっと、これは……この牌かな」タンッ まこ「うむ、それで正解じゃな」 京太郎「やった!」 優希「……」タンッ 和「ゆーき、それロンです」 ――…… 和「須賀君、ここはこうした方が……」 京太郎「あっ、そうか……ありがとな、和」 和「いえいえ、どういたしまして」 優希「……」タンッ 咲「優希ちゃん、ロンだよ」 ――…… 京太郎「……よし、リーチ!」 咲「ごめんね、通らないよ京ちゃん」 京太郎「ぐへぇ!」 咲「が、頑張って!」 京太郎「おう……よっしゃ、仕切り直しといくか!」タンッ 咲「ふふっ、その調子だよ京ちゃん!」タンッ 優希「……」タンッ まこ「優希、それロンじゃ」 ――…… まこ「うーむ」 部内対局総合結果(半荘5回) 宮永咲……一位3回、二位2回 原村和……一位1回、二位2回 染谷まこ……一位1回、三位1回、 須賀京太郎……二位1回、三位4回 片岡優希……四位5回(その内二回はトビ) まこ「まさかの結末じゃなあ……」 優希「」チーン 京太郎「俺が一回もラスにならなかったなんて初めてだぞ……」 咲「ゆ、優希ちゃん、調子でも悪いの?」 優希「大丈夫、だじぇ」 和「……どこか対局に集中出来てないようでしたが?」 優希「っ……」 まこ「なんじゃ、何か気になる事でもあったのか?」 優希「それは……」チラッ 京太郎「ん?」 咲(あっ、もしかして……) 和(まさかゆーき、あなた……) まこ(ああ……そういう事か) まこ「京太郎」 京太郎「はい、なんですか?」 まこ「今思い出したんじゃが、今日わしは店に出なきゃいけないんじゃ」 京太郎「はあ」 まこ「じゃから後の事を頼んでもいいか? これ部室の鍵じゃ」 京太郎「あっ、はい」 まこ「じゃあまた明日な。 クッキーはありがたくもらっておくからのう」 ガチャッ、バタンッ 京太郎「なんなんだ、いきなり……」 咲「あー!」 京太郎「おわっ、なんだよ咲!?」 咲「図書館で借りてた本、返却日が今日までだったんだ! ごめん、私も帰るね!」 京太郎「はっ、おい、待てよさ……」 ガチャッ、バタンッ 京太郎「本当になんなんだ……」 優希「……京太郎」 京太郎「ん?」 優希「のどちゃんも用事があるって帰っちゃったじょ」 京太郎「はあああああ!?」 京太郎「……」 優希「……」 京太郎(なんかすっげー気まずいんだけど) 京太郎「優希」 優希「えっ、な、なんだじょ!」 京太郎「いや、なんでもない……」 優希「そ、そうか……」 京太郎「ああ……」 京太郎(なんでこんな空気になってんだ、おい) 京太郎「あー……ネト麻でもやるか」 優希「……」ピクッ 京太郎「優希、前みたいに先生やってくれるか? 調子悪いなら今日は終わりにしてもいいけど……」 優希「や、やる! 喜んでやらせてもらうじょ!」 京太郎「お、おぉ、そうか。 じゃあよろしく頼む」 京太郎(急に元気になったな……さっきまでのあれはなんだったんだ?) 京太郎「……」カチカチ 優希「……」ジー 京太郎「えっとここは……なあ優希」 優希「……」ジー 京太郎「優希?」 優希「えっ」 京太郎「いや、えっじゃなくてここはこれでいいよな?」 優希「あ、ああ、うん」 京太郎「よし、じゃあ……」ロン 優希「あ」 京太郎「あっちゃあ、地獄単騎かよ。 竹井部長みたいな事しやがって……」 優希「ご、ごめん」 京太郎「いや、謝らなくてもいいって。 これはさすがに予想外だったしな」 優希「うん……」 京太郎「気を取り直して続き、続きっと」 京太郎「そういえばさ」カチカチ 優希「じょ?」 京太郎「久々にこうして2人きりになれたな」 優希「なっ!?」 京太郎「元部長……竹井先輩が卒業してから皆今まで以上に気合い入れて活動してたから、 あんまり2人きりで過ごせてなかっただろ?」 優希「……確かに京太郎の指導は染谷先輩とかのどちゃんばっかりがやってたな。 私は咲ちゃんとひたすら打たされてたじぇ」 京太郎「まあ、お互いに麻雀上手くなるために必要な事だったんだろうけどさ。 俺としては少し寂しくもあったわけだ」 優希「……のどちゃんにデレデレしてたくせに」 京太郎「それは誤解だぞ!? そりゃ確かに和が魅力的なのは認めるけどデレデレなんか……」 優希「ジトー」 京太郎「そ、そんな目で見なくてもいいだろ! ああ、じゃあ証拠にこれやるから!」 優希「これは……」 京太郎「部活前に急いで買ってきたキャンディーだよ。 お返しどうしようかなーって ずっと考えてたけど咲に教えてもらったし、そういう意味もこめてそれにしてみた」 優希「そういう意味……」 咲『ホワイトデーのお返しには意味があるんだよ。 キャンディーなら【好き】』 優希「……」 京太郎「しっかしわかんねえよな。 なんで一番安そうなキャンディーなら好きなんだ?」 優希「……」ガサガサ 京太郎「よし、これで今日は終わりっと……なんだかんだで7時近くなっちまったな」 優希「……」パクッ 京太郎「遅くなって悪かった、優希。 じゃあ帰るか……」 優希「んっ」チュッ 京太郎「」 京太郎「……は?」 優希「んんっ!」コロン 京太郎(なんか優希の口から転がってきた……ああ、さっきやったキャンディーか、これ……って!) 京太郎「ちょ、ちょっと待て待て、待って!」 優希「わわっ!?」 京太郎「い、いきなりなんだよお前! 別にするなとは言わないけどこっちにも心の準備って奴が必要だろ!」 優希「……甘かっただろ?」 京太郎「えっ、ああ……レモン味だったな」 優希「そういう事だじぇ」 京太郎「はい?」 優希「キャンディーが好きだって意味の理由。 キスはレモンの味だって言うからな!」ドヤァ 京太郎「……」 優希「京太郎?」 京太郎「っ!」グイッ 優希「えっ」ドサッ 京太郎「……」 優希「京太郎……?」 京太郎「お前さ、ちょっと警戒心低すぎだろ」 優希「な、なんの話……」 京太郎「いつも暇さえあれば人の膝の上に座って、抱きついてきて、挙げ句にこれ…… 俺が人畜無害なんかじゃないのはバレンタインの時に理解したんじゃないのか?」 優希「それは……」 京太郎「それでも我慢したよ。 ああ、我慢したさ。 お前を傷つけたくないし、 二度とあの時みたいな暴走だけはしないって心に誓ったから、 お前をこうして押し倒してやりたい気持ちをずっと押さえ込んできたんだ」 優希「……」 京太郎「なのにそんな事されたら我慢なんか出来るかよ! なんなんだよ、お前誘ってんのかよ、これ以上俺を勘違いさせないでくれよ……!」 優希「……」 京太郎「……変な事して悪かった。 悪いけど落ち着きたいから少しだけ1人にして……」 優希「勘違い、じゃない」 京太郎「……えっ?」 優希「私が、軽い気持ちでこんな事してると思ってたのか? 私が何にも考えないでこんな事出来る子供だとでも思ってたのか? 京太郎こそ、私を甘く見るな……!」 京太郎「優希、お前」 優希「恥ずかしくないわけない! 京太郎が狼な事なんか理解してるに決まってるじょ! それでも、それでも私は……」 京太郎「はは、じゃあなにか? お前、ずっとこうさせるために誘ってたのか?」 優希「……そんな事、言わせるな、バカ!」 京太郎「ああ、なんだよ……本当にバカみてえだ。 必要もない我慢だけずっと繰り返してたとかよ……」 優希「京太郎……ひゃっ!?」 京太郎「……もう、我慢なんかしねえ。 今さら泣き事言っても、止まってなんかやらねえからな」 ――…… 優希「んん、んっ!」 我慢なんかしないという言葉の通りなのか、今日初めての京太郎からのキスはバレンタインの時のような激しいもので。 最初は自分の中に入ってくる舌に優希も自分のそれで拙く対抗していたが、 そんなものはまるで通じずいつしかただ蹂躙され翻弄されるだけになってしまっていた。 優希「はふっ……はあっ……」 京太郎「っ……!」 京太郎はキスの勢いを弱めると、自分の首に回した優希の腕の力が 離さないと言うかのように強くなる事に気付き心の中で驚喜する。 自分は目の前の少女に求められているのだ、それだけで胸が熱くなり下手をすれば涙すらこぼれてしまいそうになる。 京太郎(……ああ、誰かに求められるってこんなに嬉しいもんだったんだな) 今年は雑用としてしか部の力になれなかった自分。 来年もやめずに麻雀部に残ると決めはしたものの、新入生も入部してくるだろうそこに はたして自分の居場所はあるのか……もうすぐ二年生となる京太郎は漠然とした不安を抱えていた。 優希「京太郎っ……京太郎ぅ……」 だけどもう、そんな不安はほとんどない。 わかるからだ、彼女は自分を必要としてくれている、どんな理由だとしても他でもない須賀京太郎を欲してくれているのだと。 優希「京太郎……なんで泣いてるんだ?」 京太郎「えっ……」 優希「もしかして、これから私とそういう事が出来るから感激のあまり涙が出てきたのか!?」 京太郎「……」 優希「なーんて冗d……」 京太郎「……ああ、そうかもな」 優希「うえっ!?」 自分で言い出したのに慌てふためいている優希がたまらなく可愛く見えて。 京太郎は一年近く前なら考えられなかったな、などとのん気に思いつつその小さな身体を抱きしめた。 優希「あの、京太郎」 京太郎「どうした?」 優希「あんまり見ないでほしいじぇ……」 部室にあるベッドに場所を移し、制服の上着を脱いでから急にそんな事を言い出した優希に京太郎は疑問符を頭に浮かべる。 はて、自分は何かマズい事でもしただろうか……少しばかり考えて、ふと優希が胸を必死に腕で隠してる事に気付いた。 優希「京太郎が大きいの好きなのは知ってるじょ……いずれはのどちゃんみたいになるけど、今はまだ小さいから」 優希が本気で将来和みたいな胸を手に入れるつもりなのかよくわからないが、 少なくとも今は小さい胸にコンプレックスがあるのだろう。 目をそらしながらそんな事を言った優希に、大きい胸が好きなのが周知の事実である京太郎の出した答えは…… 優希「ひゃああ!?」 優希の腕を半ば無理やり引き剥がし、その起伏の乏しい胸を愛撫する事だった。 京太郎「柔らかいな……」 優希「やっ、ダメ、そこはぁ……!」 その小さな身体に見合ってるとも言えるなだらかな丘に手を這わせれば、優希は常の彼女からは考えられないような声を漏らす。 物理的に小さく、また普段は精神的にも幼く感じられる優希の女の声に京太郎は頭の理性が2、3本焼き切れたような気さえした。 京太郎「優希っ……!」 優希「はっ、あぅ……!」 もう人などほとんどいないだろうとはいえ学校で、しかもいつも皆で過ごしている部室で こんな事をしているという事実は予想以上に2人の心を熱くさせる。 心臓は痛いくらいに鼓動を鳴らし、視界はお互いしか入らず、口を開けば出るのは睦言と互いの名前のみ。 京太郎「あっ……なんか硬くなってきた」 優希「い、言うんじゃない、バ……ああっ!」 手のひらで全体に愛撫を繰り返していた京太郎は優希の胸に起きた小さな異変にすぐ気付き口に出す。 酷く羞恥を刺激するそれに当然抗議しようとした優希だったが、 その言葉は京太郎が硬くなったその突起を指で摘まんだ事によって出た嬌声にかき消されてしまった。 京太郎「さっきより声出たな……な、なあ、ここがいいのか?」 優希「そんなっ、ふあっ、い、言えるわけ……ひうっ!」 京太郎「あー……大丈夫、態度でだいたいわかるから」 このままいっても問題ないと判断したのだろう、京太郎は重点的にそこを攻めていく。 指の腹で擦り、赤ん坊のように吸い、舌を這わせ、軽く歯を立てる……その度に身をよじらせ、 掠れた声を吐き、切なげに目を潤ませる優希に京太郎の興奮はますます高まっていった。 優希「はぁ、あうっ、んんっ!」 京太郎「……」 片手で胸を弄りながら京太郎は空いた手で優希の肌を撫でていく。 腹部から脇腹、さらに太ももに優しげな手付きで腕を滑らせていき、 一瞬迷うようにその手を止まらせた後……意を決したように下腹部へと手を動かした。 優希「えっ……あっ、そこは!」 ようやく優希も京太郎が何をしようとしているのかを察し、慌てて制止するが時すでに遅し。 優希が本能的に脚を閉じるよりも、京太郎の指先がスカートの下にある秘裂に触れる方が早かった。 京太郎「ん……?」 優希「うっ、あっ……」 優希が誰にも触らせた事のない場所への接触に身体を縮こませる一方で京太郎は違和感を感じていた。 京太郎(触ったの初めてだからよくわからないっちゃわからないけど……もしかして) 京太郎「濡れ、てる?」 優希「~~~!!///」 思わず零れた声に優希は顔を真っ赤に染め、手で見られたくないと言わんばかりに隠してしまう。 その反応と指先を濡らす汗とは違うだろう水に、京太郎はようやく納得した。 京太郎「感じてたのか、胸だけでこうするくらいに」 優希「聞くな、聞くなあ! うう、恥ずかしくて死んじゃいそうだじぇ……」 京太郎「悪い。 だけどさ……」 優希「ひあうっ!?」 京太郎が指で入口をほんの少し触るとそれだけで優希の身体が跳ね、腰が浮く。 指に漏れだした愛液を絡ませながら、何回も何回もピッタリ閉じた割れ目を 擦りあげてみれば全身の産毛が逆立つような感覚が襲いかかり、優希は身体を大きく震わせた。 京太郎「俺は、嬉しいぜ?」 優希「はっ、んっ、な、なにが、ああっ!」 京太郎「お前が、感じてくれててだよ!」 経験などない自分の、おそらく下手であろう愛撫に気持ちよくなってくれているという 事実は、男としてのプライドもある京太郎にとっては嬉しい事この上ないもので。 さらに自分がこうして触る毎に水音が大きくなり、手を濡らす愛液の量が 増しているというのも、京太郎に自信を与えてくれていた。 優希「やぁ、京太郎、私、なんか、変……!」 京太郎「いいぜ、イッてくれて!」 ガクガクと身体を一層大きく震わせる優希に限界が近いのを見て取った京太郎は、指での愛撫にラストスパートをかけていく。 優希「ああぁあぁぁっ!!」 そして人差し指を浅く秘裂の中に入れ、親指で入口の上にある小さな突起を 刺激すると優希は一際高い声を上げて絶頂を迎えた。 優希「はあっ、はあっ、はあっ……」 京太郎「……すご」 京太郎は初めて自分が絶頂させた女の肢体に半分見とれていた。 それが普段からはこんな姿を想像出来ない優希である事も相まって既に自分の下腹部は痛いくらいに熱を帯びている。 京太郎(おいおい、指だけでこんな風に出来るならこの先はどうなるんだよ……) 優希「京、太郎っ……」 京太郎「続き、いいか?」 優希「……いいじぇ」 許可は出た、だけど焦ってはいけないと京太郎は今すぐにでも襲いかかってしまいそうな自分の心を戒める。 指を浅く優希の中に入れた時、京太郎はそのあまりの狭さに一瞬凍り付いていたのだ。 京太郎(俺の方は比較対象がいるわけじゃないからなんとも言えねえけど……こいつが小さいのは間違いない) はたして優希が自分を受け入れられるのか……それに疑問すら浮かぶ2人の体格差。 だからこそ先に進むためには入念な準備が必要だろうなと、京太郎は優希の肉体を解すべく再び指を浅く中に沈めていく。 優希「痛っ……!」 だがそういう時に限って失敗するものなのか、少し深めに指を中に進めてしまったらしく、優希が痛みを訴える。 京太郎「あっ、悪い! 大丈夫か?」 優希「だ、大丈夫だじょ……」 口では大丈夫だと強がっている優希だが、その目は痛みで涙を浮かべ顔は少し強ばっていて。 京太郎(少し深め、それも指でこれか……これ以上は無理、だな) 今の優希はおそらくこの先の行為にまで進む事は出来ない、やったとしてもそれはきっとお互いに禍根を残す結果になるだろう。 残念ではあるが時間も時間だ、部室の鍵も返さなければならないしここいらが潮時だったのだ…… そう判断した京太郎は学ランを脱ぐとそれを優希に渡した。 ――…… 優希「えっ、京太郎?」 京太郎「ここまでにしとこうぜ、優希。 お前、もうこれ以上出来ないだろ?」 優希「っ……そんな、事」 京太郎「震えてるのにか?」 優希「あ……」 京太郎「無理、なんだろ?」 優希「……ごめんだじょ」 京太郎「いいって。 じゃあ俺ちょっと外出てるから服着といてくれるか?」 優希「……わかった」 京太郎「また、後でな」ガチャッ、バタンッ…… 優希「……」 優希「……ごめん、京太郎」グスッ 京太郎「あー、これどうすっかなあ。 トイレでも行くしかないか……」トボトボ ――…… 京太郎「すっかり遅くなっちまったな」 優希「おー……」 京太郎「明日も練習頑張らないとなー。 見てろ優希、今年こそ俺も全国出場してやるからな!」 優希「おー……」 京太郎「……」 優希「……」 京太郎「優希」 優希「じょ?」 京太郎「んっ」ギュッ 優希「じぇ!?」 京太郎「本当俺は気にしてないから、お前も気にすんなって。 別に今すぐしなきゃ死ぬわけでもないんだから」 優希「……」 京太郎「な?」 優希「……うん」 京太郎「よし、それでいい!」 優希「だけど京太郎も変な奴だじぇ」 京太郎「どこがだよ?」 優希「こういう時男はがっつくものなんじゃないのか?」 京太郎「あー、そういうことか。 それはだな……」 優希「それは?」 京太郎「やっぱりちんちくりんだとがっつく気が起きな……」 優希「ふんっ!」ゴスッ 京太郎「ごふっ!?」 ――1ヶ月後―― ガヤガヤ…… 京太郎「うわあ、随分たくさん来たな」 咲「あわわわ、人がいっぱい……せ、先輩として恥ずかしくないようにしなきゃ……」 京太郎「……咲」 咲「な、なに京ちゃん」 京太郎「イメージを崩したくないならお前がやる事はただ1つ……何もするな」ポンッ 咲「ひどいよ京ちゃん!?」ガーン 和「たくさん来てくれたのは嬉しいんですけど、ミーハーなだけの人も多そうですね」 京太郎「全国優勝校だからなあ……まあ、有名税って事で諦めるしかないだろ」 和「さっきから胸元にチラチラと視線も感じますし……」 京太郎「あはは……」 京太郎(俺も元々そういう目的だったから責めらんねえや……ってあれ?) 京太郎「なあ、優希は?」 和「えっ、さっきムロと話した後タコスを買いに行きましたけど……」 京太郎「なんだよ、別に買いに行かなくてもちゃんと用意してあんのに」 咲「……京ちゃんって優希ちゃん大好きだよね」 京太郎「な、なんだよいきなり」 咲「いえいえ、なんでもありません」 優希「だーかーら、私は別にそういうのはいいじょ!」 京太郎「んっ?」 和「ゆーき?」 優希「あっ、京太郎、のどちゃん助けてほしいじょ!」 京太郎「どうしたんだよ?」 優希「さっきからあいつがしつこいんだじぇ!」 後輩A「い、いや僕はただ同級生同士交流を深めようと……」 京太郎「……あのな、こいつこれでも二年生だぞ?」 後輩A「ええっ!? こんなにロリっぽいのに」 和「……全国にはゆーき以上の年でもっと幼そうな人もいますけどね」 咲「衣ちゃんとかね……」 後輩A「だ、だけど年上だろうと関係ありません! 僕はあなたに一目惚れしました!」 優希「じぇ!?」 京太郎「……あ?」 優希「そ、そんな事言われても困るじぇ!」 後輩A「そんな、せめて携帯の番号だけでも!」 京太郎「……」 優希「だから私には彼氏がいるって何回言ったら……」 後輩A「略奪から始まる愛もありますよきっと!」 京太郎「……」ブチッ 優希「ううっ、こいつあの副会長より危険な匂いがするじょ……」 後輩A「はあはあ……先輩ー!」 京太郎「おいこら待て」ガシッ 後輩A「え」 京太郎「お前も麻雀部に入るつもりならさ、麻雀で話を付けようじゃねぇか」 後輩A「えっ、でも僕初心者……」 京太郎「安心しろ」 京太郎「俺達がたっぷり教えてやるからよ……なあ、咲、和?」 咲「そうだね、歓迎も込めてちょっと打とうか」ゴッ 和「……まあ、少々手荒くなってしまうかもしれませんがいいでしょう」ゴッ 後輩A「えっ、ええっ?」 京太郎「まぁ、頑張れ。 運がよければトバないから」 後輩A「ま、まさか片岡先輩の彼氏って……」 京太郎「俺だよ」 後輩A「」 京太郎「さあ早く打とうぜ、後輩君」 京太郎「ようこそ、清澄高校麻雀部へ」 咲(この後、私達と打った後輩A君が麻雀部に来る事はありませんでした) 咲(私と和ちゃんと京ちゃんの3人がかりでなにもさせないで散々トバしたからかも…… ちょっと危なそうな人だからってやりすぎちゃったかな?) 咲「反省してます」ペッコリン カン!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/4469.html
梢(不味いです不味いです不味いですっっ!!!) 梢(全裸の須賀くんがロッカーに近づいてきますっ!) 梢(このままでは見つかってしまいますっ!) 梢(ど、どうすれば!) スタスタ 京太郎「このロッカーか、開けてみるか」 梢(ああっ!もう駄目ですぅ!) 梢「神様……」 ガチャ 京太郎「……梢部長?」 梢「す……須賀くん」 京太郎「……何してるんですか?」 京太郎「こんな蒸し暑いところで」 梢「こ、これはですね……色々と訳があ、ありまして」 梢「そ、それよりも須賀くん……」 京太郎「?」 梢「ま、前!前!」 京太郎「?……!?」 京太郎「すいませんっ!!」 京太郎(何でおれが謝ってるんだ……) 京太郎(男子更衣室に女の子がいるなんて考慮できるかっ!) 京太郎「着替え終わりましたよ」 梢「うぅ……すいません」 京太郎「……すごい汗ですけど、大丈夫ですか?」 京太郎(汗だくの梢部長はエロいな……) 梢「は、はい……何とか」 京太郎「そうですか……で、本題なんですけど」 梢「はい……」 京太郎「何であんなところにいたんですか?」 梢「え、えとですね、それは……」 京太郎「それは……?」 梢「あ、あのですね……」 京太郎「教えて下さい」 梢「うぅ……」 京太郎「部長!」 梢「うぅっ……ひぐっ、ごめんなさぁい……」ポロポロ 京太郎「え、ぶ、部長!?何泣いてるんですか!?」オロオロ 梢「うわぁぁん……すいませぇん……」ポロポロ 京太郎(ヤバイ、どうしよう) 京太郎「す、すいません!教えなくていいですから!」 京太郎「だから泣き止んでください!」 梢「うぅ……ほ、ほんとですか……?」 京太郎「ホントです、ホントですから……」 梢「うぅっ……ひっ……そ、そうですね」 梢「ご、ごめんなさい……少し、取り乱してしまいました……」 京太郎「いえ……良かったです」ホッ 梢「本当にすいません……」グスッ 京太郎「大丈夫ですよ、もう気にしてないですから」 梢「そ、そうですか、良かった」 京太郎「じゃあ、部活行きますよ、さあ」 梢「は、はい」 その後、何事も無かったように6人で部活を行う。 そして部活終了後、京太郎だけ帰宅。 部室には女子5人が残った。 美幸「……須賀くんは帰った?」 澄子「はい、帰りましたよ」 友香「うっし!」 莉子「……」 美幸「で、梢ちゃん?」 梢「は、はいっ!」 美幸「どうだった?撮れたの?」 澄子「見つかりませんでしたか?」 梢「あ、あのっ……」 友香「早く見せて!見せて!」 莉子「友香ちゃん落ち着いて……」 梢「……」 美幸「?、梢ちゃんどしたの?」 梢「写真を撮ることはできたんですが……」 梢「須賀くんに見つかってしまいました……」 美幸「ファッ!?」 澄子「え、それは……」 友香「?、どゆこと?」 莉子(あぁ……) 美幸「み、見つかったって……」 美幸「話したの?この全裸会のこと」 梢「い、いえ!大丈夫です!」 梢「この会の事はばれてません!」 澄子「そ、それは良かったです……」 友香「??」 莉子(須賀くんは盗撮犯を見逃した……?) 美幸「ば、バレテないなら問題ないね……セーフ」 莉子(アウトでしょ。) 美幸「では、早速写真を拝見するよ、カメラをこっちに」 梢「は、はい……どうぞ」 澄子「楽しみですねぇ」 友香「わくわく」 美幸「ふむふむ……結構な枚数だね」 美幸「……あれ?」 一同「?」 美幸「……おかしいな」 美幸「……変だな」 梢「え?」 澄子「どうしたんですか?」 美幸「……んとね」 美幸「写真は撮れてることは撮れてるんだけど」 美幸「全部ぶれてて何写ってるかわかんないよもー!!」 梢「え!?そんな」 澄子「うわ、ホントですね」 友香「なんでー……がっかり」 莉子(逆にモザイクがかかったほうがエロいですね) 美幸「梢ちゃん、しくじったね」 梢「え……私は……」 澄子「これは教育ですね」 友香「だねー」 美幸「ともかく入会は白紙だよ」 梢「そ、そんな……ひどい」 梢「あんまりです!せっかく頑張ってきたのに!」 梢「ひどいです!ひどいです!うぅ……」 莉子「お、落ち着いて下さい……」 梢「あ……すいません」 美幸「……梢ちゃん」 梢「は、はい……」 美幸「ともかく失敗は失敗だよ」 美幸「私たちを失望させた罪、償ってもらうよ」 梢「そ、そんなぁ……」 友香「ふふふ……」 澄子「ふふふ……」 梢「や、やめて……来ないでぇ……」 美幸「ふふふ……」 梢「い、嫌ぁ……助けて……」 莉子(ゲス過ぎますね……) 京太郎(なぜ、部長が男子更衣室にいたのか) 京太郎(少なくとも、部長が自分の意志でいたとは思えないな) 京太郎(何か裏がありそうだ……) カン!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6226.html
特別編 side千里山 京太郎と竜華が付き合ってます △月□日 竜華さんと付き合い始めてしばらく経つ 色々な面でパーフェクトな竜華さんだが、最近あまり膝枕をしてくれなくなった 付き合い始めはよくしてくれたし、今もそれ以上のことは…… という訳で今日は竜華さんに膝枕をしてもらうために、色々やってみた ちょっと横になって枕が無いなー、と言ったり ウチ、病弱やから……と言ってみたり ストレートに膝枕してほしいと言ったり しかし、どうやっても竜華さんは膝枕をしてくれなかった せめて理由を聞きたいと言う、竜華さんは真っ赤になって俯いてしまった なんだ?何かやったか?この前の新しいプレイか?と考えていると、竜華さんが何か小さくつぶやいた 聞こえなかったのでもう一回と聞くと、 「や、やから!胸が大きくなりすぎて膝枕したら顔が見えへんから嫌なんや!!」顔を真っ赤にしてそう言った おもちが大きくなった……俺のせいだ つまり、自業自得? しかしそんなことで諦める訳にもいかない 本当にそうなのか試すため、と必死に説得し、なんとか膝枕してもらった 久しぶりの膝枕、そう思って横になったが……すごかった やばい。ちょっと竜華さんが体倒したら、おもち俺の顔に乗るわ おもちで窒息死がガチでできそうだった 流石に今回のことは反省しつつ、今後解決手段を探していこう、ということになった 今後、おもちいじるのは控えよう 怜「ほほー、ウチにもしてくれんのは京太郎のためや思うとったけど、違ったんやなー」 セーラ「まー目に見えて大きくなったしなー」 泉「あの、おっぱい星人、一体どんだけ胸を大きくしたんですかね」 浩子「ちょっとデータ取ってええですか?」 竜華「ひ、他人事やと思ってー!!真剣な悩みなんよ?」 怜「どこがや」 セーラ「ノロケやん」 泉「自慢やないんですか?」 浩子「自分が一番大きいからってなぁ……」 竜華「冷たない?なぁなんか方法考えてや?」 4人「自分で考えや(てください)」
https://w.atwiki.jp/pokecharaneta/pages/367.html
桃太郎 桃太郎 犬 猿 雉 お爺さん お婆さん 鬼 場所川 山 お爺さんとお婆さんの家 鬼ヶ島 鬼桃太郎苦桃太郎 毒竜 狒 狼 鰐魚 コメント 主人公の桃太郎が犬・猿・雉をおともに鬼退治に行く、おなじみの日本に古来より伝わるおとぎ話。 通信対戦で味方側(桃太郎)と敵側(鬼)に分かれて対戦すると物語らしく再現できる。 桃太郎 ストライク モモワロウ:桃太郎をモチーフにしたヤツといえばコイツ。 エルレイドorネギガナイト 刀を武器に戦うので。 バルビート 無理がある ルカリオ 〃 キリキザン 〃 ピカチュウ 岡山のポケモンストアのクリアファイルの表のイラストより+主人公繋がり。 クチート 備考:ブルンゲルやアマカジはピンクだが♀しかいないのでNG。 犬 ポチエナorグラエナorガーディorヨーテリーorトリミアンorワンパチorパピモッチ イイネイヌ:桃太郎の犬をモチーフにしたヤツといえばコイツ。 ウインディ かみつく かみくだく等覚えているとGJ ライボルトorムーランドorヘルガーorイワンコorルガルガン(まひるのすがた) 同上。 フシギダネ 「トキワジム!さいごのバッジ!」で犬の配役をやったので ヤドンorスリープorキリンリキ エスパータイプで統一するなら。 ライコウorエンテイorスイクン 伝説のポケモンで統一するなら。 猿 マシマシラ:桃太郎の猿をモチーフにしたヤツといえばコイツ。 オコリザル ひっかく みだれひっかき等覚えているとGJ ゴウカザルorバオッキorエテボースorヤナッキーorヒヤッキーorナゲツケサル:同上。 ゼニガメ 「トキワジム!さいごのバッジ!」で猿の配役をやったので。 ケーシィ エスパータイプで統一するなら。 レジロックorレジアイスorレジスチルorジラーチorデオキシスorレジギガス 伝説のポケモンで統一するなら。 マンキー 無理がある 雉 キチキギス:桃太郎の雉をモチーフにしたヤツといえばコイツ。 オニドリル つつく みだれづき等覚えているとGJ エアームド 技はドリルくちばしあたりで ケンホロウorオオスバメorツツケラ 見た目 ピジョン 「トキワジム!さいごのバッジ!」で雉の配役をやったので。 ネイティオ エスパータイプで統一するなら。 ドードリオ 同上。 フリーザーorサンダーorファイヤー 伝説のポケモンで統一するなら。 ヤミカラス あくタイプで統一するなら。 お爺さん ジジーロンorジュカインorカットロトム 山へ芝刈りに… お婆さん バクガメスorフローゼルorウォッシュロトム 川へ洗濯に… 鬼 オニゴーリ:鬼のポケモンといえばコイツ。 オーガポン:桃太郎の鬼をモチーフにしているが、♀しかいないのが難点。 ブーバーン:赤鬼 ダイケンキ:青鬼 エレキブル:黄色鬼 ボスゴドラ:黒親分 ドサイドンorランドロス:鬼大将 場所 川 トージョウの滝 山 トキワの森orお月見山 お爺さんとお婆さんの家 主人公の家or研究所 鬼ヶ島 アクア団アジト:悪役の住処+海関係。 海神の穴:なみのりを使わないと行けないため。 鬼桃太郎 尾崎紅葉による桃太郎のパロディ。 苦桃太郎 ボルトロス やきつくすで火焔を再現 ダイケンキ つるぎのまいで外道舞 毒竜 レックウザ そらをとぶで飛行自在の術 ハクリュー 湖に棲むという記述から。技はまきつく アーボック 竜ではないが、毒タイプということで。こちらもまきつくを ハブネーク 〃 狒 ヒヒダルマ 狼 グラエナ 鰐魚 オーダイル コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る キタカミ英雄獣??? -- (名無しさん) 2023-03-02 22 35 58 鬼(6匹) オニゴーリ -- (史也だよ) 2022-07-10 13 13 48 キュウコン 犬 ナゲツケザル 猿 -- (キバニア) 2022-07-10 13 12 37 ジクザクマ 犬 アチャモorワカシャモor 雉 -- (史也) 2022-07-10 13 11 47 ポチエナorグラエナ 犬 マンキーorオコリザルorヤルキモノor猿 -- (カポエラー) 2022-07-10 13 09 59 桃太郎はダイケンキでも合いそうです。 -- (ユリス) 2018-03-29 19 10 13 サンムーン監禁後 アマカジ:桃太郎 果物繋がり イワンコ:犬 ナゲツケザル:猿 ツツケラ:雉 ウルトラビースト(筋肉の方):鬼 見た目重視 -- (名無しさん) 2016-09-24 15 37 55 桃太郎ピンクプルンゲルは? -- (名無しさん) 2013-05-17 16 26 28 桃太郎はフタチマルがいいと思いますよ。 雰囲気が似てる。 -- (名無しさん) 2012-03-30 17 33 29 ↑反映させました。 -- (名無しさん) 2011-02-21 10 20 03
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/39052.html
登録日:2018/03/14 Wed 03 08 34 更新日:2024/08/18 Sun 07 31 21 所要時間:約 4 分で読めます ▽タグ一覧 EH500形 Fateサーヴァントネタ元項目 au まさかり まさかりかついだきんたろう キンタロス キンレンジャー ツキノワグマ トリビアの泉 三太郎 仮面ライダー電王 坂田金時 坂田銀時 山姥 平安時代 日本昔話 昔話 気は優しくて力持ち 源頼光 濱田岳 熊 相撲 神奈川県 英雄 親孝行 説明できないストーリー 足柄山 野生児 金太郎 金太郎あめ 鉄道 銀魂 頼光四天王 鬼灯の冷徹 突然ですが、ここでクイズです 「金太郎」の正しいストーリー、説明できますか? 制限時間は3分。よーい、スタート! ……たぶんこう言われても戸惑う人が大多数だろう。 それもそのはず、 この物語は異説が非常に多く、クライマックス以外のほぼ全てが語られている媒体によって異なっている のである。 「足柄山に住むまさかり担いだ金太郎がクマと相撲したりクマに跨って御馬の稽古をする」以外ほとんど何もわからない、という人も多いだろう。 桃太郎、浦島太郎と並ぶ日本三太郎の一角であり、EH500形の愛称(ECO-POWER金太郎)で有名であるが、 桃と浦島は細部は多少異なっても大筋のシナリオは日本人全員が共通のはずなのに、金太郎はまず誰も説明できない。 テレビ番組『トリビアの泉』では「どれくらいの日本人が昔話「金太郎」の大筋のシナリオを話せるのか」という検証がされたが、正確に話せたのは4700人中67人、割合だとなんとたった1.4%という散々な結果だった。同時に行われた桃太郎は91%、浦島太郎は73%だったのに対し明らかに少な過ぎる。 というわけで、ここでは「金太郎」について少しばかり説明したいと思う。 そもそも金太郎とは? 金太郎とは、坂田金時(さかたのきんとき)の幼名である。 ……決して銀魂の主人公ではない。元ネタではあるけれど。ついでにパロディキャラの偽者が元ネタと同名という訳の分からない事態も起きたけど。 坂田金時とは、源頼光の部下である「頼光四天王」の一角。 他の三人は恐ろしくマイナーだが、渡辺綱、碓井貞光、卜部季武。 しかも筆頭格とされるのは渡辺綱で、金時ではない(*1)。 江戸の和泉太夫が語り始めた古浄瑠璃のひとつ『金平浄瑠璃』では 息子である坂田金平(公平)が主役で人気となった。 実在性についてだが、「恐らくは架空の人物、ただしモデルはいる」と言ったところか(頼光の方は実在の人物である。ただし酒呑童子退治はさすがに創作)。 「下毛野公時」(しもつけのきみとき/きんとき)という人物がモデルになったと思われる。 次代が下るにつれて「公時」がいつの間にか「金時」となり、その幼少時の名前として「金太郎」が創作されたと思われる。 なお、この時代としてはむしろ「○○太郎」は元服後に良く見られる名前である。 (*2) 活躍としてよく知られるのは、大江山の酒呑童子退治。というかむしろこれしか活躍がない……。 なお、退治した方法は「眠り薬入りの酒を飲ませて不意打ち」でトドメを刺したのも主人の頼光なので、ぶっちゃけここでも大した活躍はしていない。 ただ、流石にこれではアレなので後世の金太郎伝説では大幅に脚色されて、金太郎が鬼たちを相手にちぎっては投げの大立ち回りを演じることが多い。 おとぎ話によくみられる金太郎 昔々、足柄山というところにお母さんと二人で暮らしている金太郎という元気な男の子がいました。 金太郎はいつも元気いっぱい。重い鉞を背負っては、山の動物たちを相手に相撲を取って遊んでいました。 金太郎は熊(*3)相手にも負けたりしません。とうとう彼は山一番の力持ちに育ちました。 谷の向こうに動物たちが渡ろうとして橋がなくて困っていた時は、木を倒して橋にしてやることもありました。 ある日、「源頼光」という偉いお侍さんが金太郎のことを見て、彼を武士にしてやろうと言いました。 それを受けた金太郎は「坂田金時」と名を改め、とても立派な武士になったそうです。 ……というのが比較的一般的な金太郎のストーリーである。 とりあえず、これだけでも説明できれば立派なものだろう。 ちなみに「少年時代の金太郎に頼光が出会ってスカウトした」というのが良く見られる金太郎伝説だが、 実際の金太郎伝説では、頼光と金太郎が出会ったのは 数えで18歳の時 であり、どう考えてもこの時代なら成人である。 この歳になって腹掛け一枚というのはただの変態でしかない…… 色々と異説の多いストーリーであり、ぶっちゃけ「金太郎という力自慢の少年が頼光にスカウトされる」という大筋以外に共通点はないと言っても過言ではない。 ざっと上げるだけでも…… 母親の正体は山姥 母親の名前は「八重桐」 父親は赤い龍or雷神 山の動物たち全員と綱引きして負けなかった 池の主である巨大な鯉を捕まえた 烏天狗と遭遇 卜部季武がきこりに扮して金太郎と相撲を取り、彼の力を見定めてスカウトする ……など、種々多様なエピソードが挿入されるため、人によって知っている話がまるで異なるという事態が頻発するのである。 そもそも、この話には桃太郎の「桃から生まれた男の子がきび団子で犬と猿と雉を仲間にして鬼ヶ島で鬼退治をする」、浦島太郎の「助けた亀に乗って海底にある竜宮城に行っておもてなしを受け、お土産の玉手箱でおじいさんになってしまう」といったわかりやすいインパクトのある個性がなく、童話としてはあまり印象に残らない側面もあるのかもしれない。イマイチ「教訓」的なものが足りないため子供の教育に役立てにくいのも理由の一つか。 基礎となる物語も上述したようにプロローグというかキャラ紹介というか、そういう物語としてもある種完成している構成とも言えないことも大きな理由だろう。 こうした理由からか、学校などでのお芝居や紙芝居では桃太郎や浦島太郎などのメジャーな昔話と比べて金太郎はあまり行われず、漫画やアニメで登場人物が昔話の芝居をする話でも金太郎はほとんど見かけない。バラエティ等で金太郎の童話がネタにされた場合、「物語として面白くないからあまり伝わっていない」と言われる場合も。 ただ、金太郎とその息子のキャラクター自体は国民に大変愛されるものとなり、 五月人形のモチーフになったり、「金太郎あめ」「金平牛蒡」などの日本文化の一端を担うこととなった。 ちなみに『今昔物語』には、頼光四天王がアホをやらかすというエピソードがある。 今昔物語集巻二十八第二『頼光の郎等共、紫野に物見たる語』がそれである。 古典の教科書に載っているので、学校の授業で触れた人も多いだろう。 頼光四天王は賀茂祭の見物に行こうとするが、馬に乗っていくのは見苦しいし、牛車に乗っていくと貴族に因縁をつけられるかもしれない。 じゃあ牛車を女性風に仕立てて乗って行こうという話になった。 しかし、普段乗り慣れない牛車に乗ったものだから、ひどい乗り物酔いになってゲロを吐き散らかし、見物どころではなかった。 帰りも牛車に乗って行くのはもう嫌だということで、人通りが少なくなるのを見計らって、顔を隠しながら徒歩で帰ったという話である。 なお、この話では四天王のうち、リーダーの渡辺綱は参加しておらず、ゲロ吐かずに済んだ。 今日のサブカルにおける金太郎キャラクター ストーリーがうろ覚え、という人は多くとも、そこは日本三太郎の一角、知名度は抜群であり、金太郎をモチーフとしたキャラクターも存在する。 銀魂 前述したとおり、主人公「坂田銀時」の元ネタは金太郎こと坂田金時。 何でも屋を営む無気力でギャグ時空を生きる二十代(アラサー?)だが、かつては白夜叉と恐れられた攘夷志士で、今でも決めるべきときはカッコよく決めてくれる。 平安時代の侍が何で宇宙人の蔓延るヘンテコ幕末で侍志望のツッコミメガネと毒舌チャイナ娘を率いて主人公を張ってるのかは不明。 鬼灯の冷徹 衆合地獄のガードマンとして登場。CV 羽多野渉。 立派な成人男性だが、イメージを守るため(ファンサービスも兼ねて)幼少期の前かけ(+褌)スタイルを貫いている。 困っている人を放っておけないお人好しなため、地獄の女性たちの憧れの的。 お香からも「優しい人」と思われており、鬼灯も彼のお人好しぶりに感心していた。 桃太郎と一寸法師、芥子ちゃん(*4)とは日本昔話の主役同士で意気投合している。 仮面ライダー電王 主人公・野上良太郎の仲間イマジンズの一人が金太郎(とクマ)をモチーフとするキンタロス。 関西弁で浪花節が好きな人情家であり、居眠りの常習犯(時の列車の中でもだいたい寝ている)。 その怪力を活かし、イマジンズ4人の中で最もパワフルな戦い方をする。 スピンオフのミニアニメ「イマジンあにめ」においては「金太郎の内容を知ろう」と称してWikipediaのスクショを丸々引用した。 Fateシリーズ 坂田金時名義で登場。 むっきむきマッチョの大男で金髪&サングラスというヤクザかチンピラにしか見えない風貌だが、中身はヒーロー然とした快男児。 auのCM「三太郎シリーズ」 演じるのは濱田岳。桃ちゃん(松田翔太)、浦ちゃん(桐谷健太)とは幼少期からの親友。 たまにお金絡みで興奮すると銭ゲバムーブを始めるため、「金太郎というよりカネ太郎」と呆れられたことも。 Wonderland Wars 「怪童丸」として登場。CV 小西克幸。 基本コンセプトはまさかりを担いだSUMOU相撲取りで、移動速度は遅いが各動作は敏捷である。 豪快な性格をしているがそれは元々の気質もあるが実は身体に雷神を飼っており、弱気や臆病風を考えれば一瞬で食いちぎられてしまう為である。 ifを書いたアナザーキャストとして宿敵の酒天童子に身体を貸した(もしくは乗っ取られた)「邪道丸」も登場しているが、こちらは人格者…いや鬼格者となっている。 にゃんこ大戦争 超古代勇者ウルトラソウルズの一体として登場。 エリート社員きんちゃんとして働いており、進化すると獣達を引き連れ、バズーカに合体する乗り物に乗る猛銃戦隊キンレンジャーになる。 天使を鈍足にしつつ渾身の一撃で叩く遠方範囲キャラクター。 なに?全然金太郎関係ない?まあにゃんこだし。 追記・修正は熊と相撲を取りながらお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 水曜日のダウンタウンでも金太郎のストーリー知ってる人0人説やってたな -- 名無しさん (2018-03-14 06 53 46) あくまでも金太郎は「頼光の鬼退治伝説エピソード0」であって、単体で語られるべき話ではないって事なんだろうなあ。だからピンだとヤマもオチも意味もない話になっちゃう。 -- 名無しさん (2018-03-14 11 37 21) ↑1,2,3って続いたシリーズの前日譚みたいなものだよね、確かに。しかも単体で話がきちんと完結してるとも言い難い構成 -- 名無しさん (2018-03-14 11 39 30) 今なら「人気に乗っかって作られた感で正直必要性が見出せない。こういうのばかり作られてはシリーズ人気も落ち込みそう」とかレビューされそうだな -- 名無しさん (2018-03-14 12 03 52) 言ってみれば本の冒頭のキャラクター紹介の部分だよね。「オッス、オラ足柄山の金太郎。母ちゃんはヤマンバで父ちゃんは知らねぇ。毎日クマと相撲をとるぐれぇ強えんだ。ワクワクすっぞ」←ここまでしか書いてなくてブルマが出てこないんだから独立した話になる訳がない。 -- 名無しさん (2018-03-14 12 57 58) 頼光四天王を描いた絵画では、山姥とのハーフらしく坂田金時だけ鬼みたいな赤色の肌のゴリマッチョとして描かれる事が多い -- 名無しさん (2018-03-14 14 07 01) 鯉の話は小さい頃読んだ絵本にあったな。しかもそれを見た頼光が鯉のぼりを作りそれが端午の節句になったとかとんでもないことが書いてあったような・・・ -- 名無しさん (2018-03-14 18 57 56) 絵本によっては一休さんのように武勇伝を纏めた短編集みたいな構成になってる。 -- 名無しさん (2018-03-14 19 06 21) 月曜から夜ふかしでも現地の人はストーリーを正しく説明できるのかって検証があったね。んで鬼退治に行ったっていう回答が不正解だったけど酒呑童子討伐にも参加してるから実は不正解じゃないんだよね。 -- 名無しさん (2018-03-14 19 51 32) JR貨物の電気機関車が真っ先に思い浮かんでしまう -- 名無しさん (2018-03-14 20 42 02) ↑2 なんだその検証する側が答えを正しく把握してないって…。ちなみに自分が昔読んだ絵本ではむしろ酒呑童子退治の方がメインだった -- 名無しさん (2018-03-14 23 29 40) ↑5 ちなみに背中に金太郎が取り付いた鯉のぼりは実在する。 -- 名無しさん (2018-03-15 06 50 40) 大抵の昔話は地域ごとに差異が見られるし場合によっては別の話と混交してるケースすらあるんだから何処のが正しいなんて口が裂けても言えないわ -- 名無しさん (2018-03-17 20 04 32) イマジンあにめで同じネタでもめていたな。 -- 名無しさん (2018-03-29 09 47 19) 物語によっては金太郎スカウトしたのは「卜部末武」ということになっている。 -- 名無しさん (2018-03-29 09 48 51) ↑ 碓井貞光の方じゃね? 山の中を探索する話(金太郎、温泉、大蛇)は碓井、弓と産女が卜部 -- 名無しさん (2018-03-29 09 55 34) 子供の頃に読んだ絵本では、木を倒して橋にする様子を頼光の家来が見ていて、それが縁で頼光にスカウトされたことになっていた。 -- 名無しさん (2018-03-29 11 17 10) 教えてFGOでも、ぐだ夫がろくにストーリー覚えていないのはネタにされてたね -- 名無しさん (2019-03-03 20 02 30) 自分が見た話では、オヤジがクマなんて大した事ねぇと嘯く>実際に相撲でクマすら圧倒した>このままではDQNになると危惧したオヤジが”馬”を恐るべし動物に設定>頼光が馬に乗って訪問>金時頼光を尊敬し部下になるって流れだった -- 名無しさん (2019-06-03 18 29 16) 「まさかり担い“だ”」じゃなくて「まさかり担い“で”」だよ!間違えないで! -- 名無しさん (2019-06-03 19 25 25) ↑ だ だとずっと思ってたので衝撃 ありがとう -- 名無しさん (2019-10-17 15 11 40) モンストでは例によって女体化してるが、神化形態のインパクトが凄まじいんだよな…(個人的に) -- 名無しさん (2020-05-01 21 02 59) ヒグマより小さいとは言え、ツキノワグマも生身の人間ではまず太刀打ちできないような相手だよな。ツキノワグマが人を襲った事故の話を聞くたびに金太郎さんパネェ…と思ってしまう -- 名無しさん (2021-07-31 22 29 10) 永井豪の「手天童子」の事も追記したいけど、コンパクトにまとめるのが難しい。 -- 名無しさん (2023-07-02 19 05 49) 絵本としては令和の今も出版されてるんかな -- 名無しさん (2023-07-17 20 46 31) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3468.html
http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1377983742/ ガラス製の丸テーブルの上にはアップルパイにチョコレートケーキ、エクルズケーキ、シュークリーム、マカロン、クッキー、 スコーンとその添え物の生クリームとストロベリージャムが所狭しと並び、それから人数分のミルクティーが置かれている。 咲「わぁすごいね」 京太郎「まぁな。ちょっといろいろ奮発してみた」 半分は買ってきたものだが、もう半分は俺の手作りだ。 京太郎「照さんも遠慮せずにたくさん食べてくださ、……」 照「……」サクサクサクサクサクサクサク 言う前から、すでにマカロンやクッキーを頬張っていた。はえぇよ。 ちょっと用意しすぎたかとも思ったが杞憂だったようだ。 咲「お姉ちゃん……」 京太郎「あ、はは……まぁ咲も遠慮せずに食べてくれよ」 咲「えっと、京ちゃんが作ったのはどれかな?」 京太郎「ん~っと、アップルパイとシュークリームとクッキーかな。後そのイチゴジャムは俺の自作」 咲「じゃあシュークリームを」 そういって咲がシュークリームに手を伸ばそうとした瞬間、まるで小動物を強襲する猛禽類のような速度で照さんの手が翻る。 一瞬早く、照さんが菓子を掻っ攫っていく。 双眸には猛獣の眼光。 咲「……」 京太郎「てい」 指先で照さんの額を弾く。 照「あう」 京太郎「まったく。大人気ないことしおって」 京太郎「ほら、咲」 咲「あ、うん。ありがと京ちゃん」 照「京ちゃん。酷い……」サスサス 京太郎「あんたが悪い」 用意したお菓子の半分が照さんの手によって消費された頃、ようやく一息つく。 咲「美味しかったよありがと京ちゃん」 京太郎「どっちが?」 咲「どっちも、と言いたいところだけど、身内贔屓で京ちゃんかな」 京太郎「花を持たせてもらったって感じがするけどまぁ良いか。俺も久々に思いっきり料理が出来て楽しかった、ありがとな」 咲「うん」 照「……」サクサク 京太郎「照さんは……うん、まぁ作り甲斐があってよかったです。うん」 照「?」 照「ふぅ……」 ようやく照さんも一息。 咲「なんだか久し振りだね。この雰囲気」 京太郎「3人で集まったのはインハイの決勝の後だったっけ?」 咲「そうだけど、なんかそれよりももっと長く感じる」 京太郎「まぁ実際そうだしな」 照「……」ジー 京太郎「? どうかしました? 照さん」 こちらをジッと見ている照さんを疑問に思いつつミルクティーの注がれたカップに口をつける。 照「京ちゃんは、今好きな人っているの?」 京太郎「ぶふぅっ!?」 吹いた。盛大に。 咲「ちょ! おおおお、お姉ちゃん、いきなりなに聞いてるの!?」 京太郎「ゴホッ、ゴホッ!」 いかん、気管支に入った。苦しくて涙が滲む。 咲「京ちゃん、大丈夫?」サスサス 京太郎「ゴホッ、ああ、うん。すまん咲、ありがとう。ゴホッ」 咲に背中をなでてもらってなんとか持ち直す。 京太郎「あ、えー照さん?」 照「なに?」 京太郎「なんでいきなりそんな話に?」 照「京ちゃんは清澄の人たちはもちろん、うちや阿知賀のみんなと仲が良い。だからどうなのかなって」 もしかしてこの人この間ずっとそのこと考えてたのか? 京太郎「それ答えないとダメなの?」 照「ダメ」 京太郎「言い切ったな」 京太郎「大体なんでこんな話を、咲からもなんか言ってやってく、」 咲「……」モジモジ わーお。君もそっち側なの? 咲は俺と目を合わせないように、けどチラチラこちらを伺いながら早く話せと無言で続きを催促してくる。 京太郎「好きな人ねぇ。好きな人……いません」 照「京ちゃんは私たちのこと嫌いなんだって咲」メソメソ 咲「ええ!? そうなの京ちゃん!」 京太郎「なんでそうなった!? どんな飛躍だよ!」 照「じゃあ好き?」 咲「///」 京太郎「はぁ……究極の二択ですね。もちろん好きですよ」 照「だって、やったね咲」 咲「わ、私は別に……///」 京太郎「あの、ゆっときますけどそんな深刻な意味じゃないですよ?」 照「にやり」 京太郎「おい、その『してやったり』みたいな顔やめろ」 照「でも今好きって言った」 京太郎「いいよそういう言葉のマジック!」 照「京ちゃん、うちの淡や阿知賀の玄ちゃんとも仲いいよね」 咲「!」ピク 京太郎「あの、もうちょっと会話の前後の繋がり重視してもらっていいですか?」 京太郎「そりゃまぁいいですけど、別にそんな、そういうアレじゃないですよ」 照「付き合いたいとか、そういった考えはないの?」 京太郎「俺だって別にそういった願望がないわけじゃないですよ。たとえばその2人に限らずに」 京太郎「ただ、俺のポンコツ許容量は君ら2人で本体、予備、緊急用、来世の前借分までいっぱいなんでそういった隙がないだけです」 ポンコツの姉とポンコツの妹、両方面倒を見なくちゃいけないのが中間管理職の辛いところだ。 咲「ホッ」 照「よかった」 照「好きな人がいないなら、じゃあ好きなタイプとかは?」 京太郎「好きなタイプ~?」 照「たとえば年上と年下ならどっち?」 京太郎「俺、どっちかって言うと同い年か年下がいいんだけど」 咲「ホント!?」ガタッ 京太郎「お、おう?」タジ 照「ちなみにどうして?」 京太郎「俺が主導権を握りたいから……」 京太郎「っと最近まで思っていたんだけどどうも俺は年齢に関わらず女性に頭が上がらない気質らしく、正直これはどっちでも良くなった」 照「じゃあ次の質問」 京太郎「あ、これ続くのね」 照「家事は出来るほうがいい?」 京太郎「家事ねぇ、別にどっちでも。最初は出来なくてもやってくうちに上手くなるだろうし」 京太郎「最悪、俺が自分でやるし」 咲「京ちゃん……」ホロリ 照「では最後の質問です」 京太郎「へぇ」 照「胸は小さいほうがいいよね?」 京太郎「なにその質問」 京太郎「おも、胸は大きいほうが……いや待て今のは無しだ。なんで幼馴染の女の子2人に俺の性癖暴露せにゃならんのだ」 照「そもそも京ちゃんのその趣向はおかしい」ズビシ 京太郎「ほう、言ったな。一席打つか?」 照「たとえば人の価値観って育ってきた環境に影響さえたりするよね」 照「たとえば、お金持ちの人から見たら価値のないものでも、貧しい人から見たら価値があるとか」 京太郎「はぁ」 照「京ちゃんは、私たちの一緒に育ってきたんだから、私や咲みたいなポンコツで胸の無い娘を好きになるはず」 京太郎「いやむしろその環境にあったが故のというか。後、自分で言ってて悲しくありません?」 照「少し」 咲「私! 私はまだこれから大きくなるよね! 牛乳だって飲んでるし」 照「……」 京太郎「……」 咲「お姉ちゃん!? 京ちゃん!?」 京太郎「なぁ咲、遺伝学的に考えてこの先そんなことが起こりうると本気で思ってるのか?」 咲「それは……」チラッ 照「」テルーン 咲「ふえぇぇぇぇぇぇ、京ちゃぁぁぁぁん!」 こうまで科学的な証拠を提示されてはさしもの咲も納得せざるを得ない。 咲は止め処もなく、失意の涙を滂沱と流した。 照「2人とも失礼」ムゥー 咲「やっぱり京ちゃんは胸が大きいほうがいいんだ!」 咲「だから和ちゃんとか渋谷さんとか松実さんのお姉さんとかには対応が妙に優しいんだ!」 京太郎「ん? ん、まぁそうだけど」 けどそれ宗教上の理由であって、いやまあ可愛いと思うしぶっちゃけ結婚するならああいった人たちがいいけど。 京太郎「それがすべてじゃないから、な? なんで泣いてるかわかんないけど泣き止めよ。お前が泣いてると俺も悲しい」 照「咲を泣かせるなんてダメだぞ。京ちゃん。お姉ちゃんは憤慨します」 京太郎「あの、ちょっと黙っててもらっていいですか?」 照「胸なんて飾りです! 京ちゃんにはそれがわからんのです!」 咲「そうだ! そうだ! 胸はなくても人権はあるぞ!」 京太郎「ちょっと落ち着け! っていうかなんか会話の方向性おかしくない? 後、俺ばっか質問されてて釈然としない」 京太郎「逆に聞きたいんだけど、2人はどうなの? 好きな人とかいるの?」 照「黙秘権を行使します」 咲「お、同じく……」 京太郎「まぁ絶対そういうと思ってたけどね!」 この俺ルールっぷり。これについては我々はもう熟知してるのでね、最早なんの感慨もないですが。 京太郎「淡はいるかあああああああっ!!!」バーン! 白糸台の面々が泊まっている部屋の戸を盛大にブチ開ける。 何故俺がこんなに怒り心頭なのか。昼飯の後サロンのソファーで昼寝をしていた俺は、 目を覚ましてから洗面所で顔を洗おうとして鏡を覗き込んで驚愕した。 それはもうなんか、なんかすごいとんでもなく面白い顔になっていた。噴飯ものである。 根拠はないがこんなことをするのはきっと淡だ。俺の本能がそう言っている! 菫「!?」 部屋にいたのは弘世先輩だけ。突然の不躾な訪問に驚いているようだ。そういえばノックするのを忘れていた。 普段、礼節を重んじる俺だがそんな精神的余裕は存在しなかった。 菫「す、おま、……!?//////」 京太郎「?」 真っ赤になりながら口をパクパク開閉させる。弘世先輩。 よく見れば服の胸元が肌蹴ている。微かな違和感。 一瞬で状況把握。 はっはっはっ。な~んだ、今日は俺の命日だったのか。…………っておいぃぃ!? 京太郎「すんませんっした!? さーせんっした!!」 即座に土下座した。有史以来最も美しい形だったと自分でも思う。 菫「いいからさっさと出ていってくれ!」 曰く至言。 俺は速攻で回れ右をし、部屋を出て行こうとする。 パタパタパタ 響いたのは足音、しかも複数。おそらくこの部屋に向かってきているらしい。 京太郎「」 ちょっと待て、この状況はすごくまずいんじゃないか? 菫「くっ! 来い!」 弘世先輩に襟首を掴まれ、次の瞬間世界が回転。 暗闇の中に放り込まれる。背中には柔らかな感触を感じ、 次いで身体の前面にも背中に感じるものとは違う柔らかくまた仄かに温かななにか。 ガラッ 淡「あれー? スミレいないねー」 誠子「どこかに出かけたのかな」 尭深「別の場所も探してみよう?」 パタパタパタ 声と足音が遠ざかっていく。っていうかちょっと待て! そこにいるのは世界の根源悪である淡か! ちくしょう! そこを動くな! 菫「おい須賀! モゾモゾ動くな!」ボソボソ かなり近い位置から弘世先輩のこれが聞こえる。 まさかこのあったかくて柔らかいものは……。 京太郎「弘世、先輩……だと」モゾリ 菫「こらだから動くなと、あ、ん……」 なにか手のひらに一際やわっこいものが掠めた。 一瞬だが弘世先輩の声に色が混じった。 これはもしや……おもち!? 玄さん、俺やりましたよ。初めておもちに触れました。今晩は赤飯だな。 ようやく理解できた。 ここはどうやら備え付けの押入れの中で、布団やその他の雑多なものに紛れて俺と、 俺に抱えられるようにして弘世先輩が押し込まれているようだ。 菫「くっ、いいか須賀。とりあえずいったんここから出るぞ。貴様を尋問するのはその後だ」 そういって身を捩るが完全にはまり込んでしまっており俺達は抜け出せない。 菫「どういうことだ? 無理矢理とは言え入れたなら出れるはずだろう!?」 京太郎「……」 菫「そんな短時間で人間の体積が大きくなるわけ……」 暗闇に慣れてきた目に弘世先輩の顔が薄ぼんやりと映る。その顔には極大の嫌悪感。 菫「おい、この腰の辺りに当たる硬いものはなんだ?」 京太郎「えっと、その……リー棒とか、じゃないでしょうか?」 菫「こんな大きなリー棒があるか!?」 京太郎「いやいや、わかりませんよ? 大判トランプとかありますし、それにほら悪魔の証明ってあるでしょう?」 京太郎「まずは存在しないことを証明しないと」 京太郎「案外、大きなリー棒とかジョークで作られたりとかも痛たたたったたたっい!?」 弘世先輩が遮二無二にでも出ていこうとして俺の下半身に凄まじい荷重が加わる。 菫「うるさい! こんな不愉快な状況1秒たりとも我慢できるか」 京太郎「ちょっ! ホント、ホントに痛いんですって! 悪魔? 悪魔は実在したの!? 弘世先輩自身が悪魔なの!?」 俺は這い出そうとする弘世先輩の身体をガッチリ抱きしめる。 菫「あ、こら! なにを抱きついている! 離さないか!」 京太郎「いや、もうホント勘弁してください。ホント、マジで」 菫「じゃあこの状況をどうしてくれるんだ?」 京太郎「少しだけ時間をくれませんか? 時間が、そう優しい時の流れだけが僕らを癒してくれるんです」 菫「よし、わかった。君を気絶させよう。そうすればその超局部的体積膨張も解消され、ここから抜け出せる。そこから改めて君を処刑しようか」 京太郎「ひぃ!? なんでそんな実力行使なんですか!?」 菫「心配するな、これでも私は武道の心得があるし人体急所もきちんと把握している。顎を出せ、一瞬で昇天させてやろう」 京太郎「死にますよね!? それ死んでますよね!?」 菫「いいから早くしろ。私はあまり気が長いほうではない」 京太郎「あの、えっと……そうだ! そもそも弘世先まで一緒にここ入る必要なかったですよね!? 必死に捻り出した俺の疑問をぶつけると、押し入れ内に充満していた凄まじいまでの怒気が収まっていく。逸らせたか!? 菫「須賀。貴様、私の胸に触れたな。どう思った?」 京太郎「すみませんだした! お願い殺さないで! 俺まだ命が惜しい……」 菫「いいから答えろ」 京太郎「えっと、なんていうか。やんごとなき手触りで。いやすいません、正直思ってたより小さいというか」 菫「そうか……」 先輩の声には落胆。 京太郎「弘世先輩?」 菫「実は普段のあれはパットだ」 京太郎「」 最初に感じた違和感の正体はこれか。 ってかマジかよ。世界は嘘と欺瞞に満ちていた。もう、もう俺は誰も信じない。世界なんて信じない。 菫「……」 京太郎「あの……じゃあここに一緒に入ったのはそれを他に人にバレないようにってことですか?」 菫「……」コクン 京太郎「隠すくらいならなんでそんなこと……」 菫「元からこうだったわけではないんだ。ある日突然、朝目が覚めたら小さくなっていて……」 京太郎「」 どゆこったい。 アレか? 世界の修正力か? いや知らんけど。 玄さんがいっていたのはこれか。さすがおもちソムリエ、その審美眼に一点の曇りなし。 京太郎「だからってそんな隠さなくても」 菫「だって……」 京太郎「だって?」 菫「恥ずかしいじゃないか///」 京太郎「」キュン 可愛いなぁもう! 菫「だから須賀、できればこのことは他言無用で」 京太郎「わかりました。誰にも言いません」ナデナデ 菫「お、おい//////」 気付けば俺は弘世先輩の頭を撫でていた。 京太郎「は!? すみませんつい」 菫「いや、いい……ちょっとビックリしただけだ」 京太郎「そ、そうですか……」 菫「その、続けてもいぞ……?」 京太郎「え?」 菫「だから、頭、撫でてもいいぞ///」 京太郎「クスッ、はい」 なんだか腕の中に納まる弘世先輩の身体が一回りだけ小さく感じられた。 おおよそ四半刻が経ったころ。ようやく俺達は狭苦しい押入れから抜け出した。 菫「い、いいぞ」 背中越しに声。肌蹴ていたブラウスを正した弘世先輩に向き直る。 京太郎「あの、いろいろすみませんでした」 そしてありがとうございました。 菫「いや、いい。もう……///」 いつもハキハキとした弘世先輩にしては歯切れが悪い。 京太郎「そうですか? けどそれじゃあ俺の気が済みません。いずれこのお詫びは必ず」 菫「君の気が済むのなら、じゃあそれで」 京太郎「はい!」 菫「いいか、念を押しておくがこの件は絶対に他言無用だぞ」 京太郎「はい! 2人だけの秘密ですね」 菫「2人だけ、そうか2人だけの秘密か。ふふ」 京太郎「?」 なにやら嬉しそうだ。ぶっちゃけ玄さんにもバレてたし、案外知ってる人いそうだけども。 菫「頼むぞ京太郎」 京太郎「!? はい! 菫先輩」 いろいろあったが少しだけ弘世、いや菫先輩と仲良くなれた気がした。 ――――― ――― ― 淡「そういえばスミレって胸小さくなったよねー」アハハハ 照「知ってた」テルーン 菫「貴様らあああああああああ!!!」 それはそれは凄まじい折檻だったという。 京太郎「ってなんで俺まで!?」 菫「連帯責任だ!」 京太郎「理不尽だ!?」 みんな忘れてると思うけど、この合宿はインターハイ後の8月中旬から下旬にかけての期間に行われている。 8月といえば我々学生は夏休みの真っ最中なわけだが、っとくれば日本全国の学生諸君の大敵である、 そう夏休みの宿題も当然あるわけである。 優希「うあ~なんでこんな遠出してまで宿題なんてやらないといけないんだじぇ~」 京太郎「そら、お前がぜんぜんやってないからだろ」 優希「こちとらインハイ優勝チームなのに!」 和「たとえそうでも学生の本分は勉学ですよゆーき」 京太郎「事実そうなんだけど、ちょっとその意見には同意しかねる」 京太郎「そっちも悪いね。付き合わせちゃって」 玄「あはは、いいよ。ぜんぜん」 憧「まぁこっちも同じようなのがいるからね」 穏乃「あ~なんでこんなことしなきゃいけないの~」 どこも苦労するな。 そしてもう1人……。 淡「む~ん」 こいつ……。 京太郎「ペンくらい持てよ。やる気ゼロだな」 淡「だって~つーまんないー」アワーン 優希「大体京太郎! なんでお前はそんな呑気にしてるんだじぇ!」ガタッ 穏乃「そうだそうだ! 京太郎はどう考えてもこっち側の人間だ!」ガタタッ ぎゃーぎゃー騒ぎ出す。いいから口じゃなくて手を動かせ絶頂バカ2人! 京太郎「は? そりゃお前俺は時間だけはあったからな。コツコツやってたんだよ」 京太郎「まぁ大半テキトーに埋めただけだけど」 和「それもどうなんでしょうか」 優希「くっ、のどちゃんや咲ちゃんはともかく京太郎はこっち側だと思って高を括っていたのに」 穏乃「酷い裏切りだよ! こんなのってないよ!」 京太郎「ちょっとその俺も同じタイプ認定やめてくれる? お前らが仲良いのわかったからさぁ。俺そっちのグループ入りたくないんだけど」 優希「春は曙、曙って?」 京太郎「明け方ってことだ」 優希「やうやう白く、やうやうって?」 京太郎「徐々にとか、だんだんととかってことだ」 優希「なりゆく山際、山際って?」 京太郎「山と空の境界線の、っていうかあのさぁ」 優希「なんだじぇ?」 京太郎「一節ごとに聞いてくるのやめてくれない。なんかそういう規約でもあるの?」 優希「そんなのこの文章に言ってほしいじぇ! なんでこんな読みにくいんだ、そういいたいなら最初っからそう書けばいいのに!」 京太郎「いや、うん、まぁ、そうだけどさ、これ古典だし。言い回しってのも覚えると結構便利なんだぞ?」 優希「知らないんだじぇ! 私には関係ないんだじぇ!」 京太郎「だじぇだじぇ言いやがってこいっつぅ~」 穏乃「なんで英語なんて勉強しなくちゃいけないの~」ムーン 憧「なんでって」 穏乃「大体私達は日本人なんだから! 日本語だけで十分じゃん!」 京太郎「地球人だろ地球語勉強しろ」 京太郎「それに日本語の勉強って、それはそれでアレだぞ」 俺はうんうん唸っている優希の方を指差す。 優希「のどちゃ~ん、これ教えて~」 和「この『たなびきたる』の『たる』は、助動詞『たり』の連体形止めで、これは体言止めと同じ働きを」 穏乃「日本語って難しい……」 京太郎「英語といえばさ。俺、以前部長の指令で姫松に遠征に行った事があるんだけど」 憧「ふぅん、それで」 京太郎「そこの主将の洋榎先輩が英語の授業で『I can fly』のlがrになってたらしく」 憧「ぷふっ」 察した憧が小さく噴出す。 京太郎「これって直訳すると『私はからあげになるぞ!』って意味なんだよな」 京太郎「主将これは痛恨のミス! 末原先輩達にしばらくネタにされてたんだわな」 玄「それは、なかなかのなかなかだね……」アハハ 玄さんのリアクションに困ったかのようなぎこちない笑い。わかります。 京太郎「今どうしてんだろな、からあげ先輩」 ――――― ――― ― 洋榎「はっ! 今ガースーがうちのこと考えてるような気ィする」 絹恵「おねーちゃん頭大丈夫?」 恭子「あかんやろなぁ」 淡「クロー、これはー?」 玄「あ、えっとね。これは3ページ前の……これ。この公式に数字を当て嵌めて」 京太郎「あなたそれ20分くらい前にも聞いてなかった?」 淡「だって忘れちゃったんだもーん」 博士の愛した数式かよ……4分の1しか保ててないけど。 京太郎「淡って得意な科目とかあんの?」 淡「ありまへん」 京太郎「え、じゃあ苦手な科目は?」 淡「恋?」アワ? ぶ、ぶん殴ってしまいたい……。 優希「淡ちゃんがんばるんだじぇ! 私も痛みに耐えてがんばるから!」 淡「ユッキーがそこまで言うならがんばる!」ムン 和「痛みに耐えて?」 京太郎「なんか政治みたいな話になってきたな」 玄「け、けど。京太郎くんって意外と真面目なんでね」 間を取り持とうと話題を振ってくる玄さん。 京太郎「俺って基本どんな風に見られてんだろうな?」 憧「見た目通りでしょうよ」 京太郎「左様で」 和「そういえば咲さんが、須賀君は赤点の補習でインターハイ一緒に行けるか、なんて話を以前してましたよ」 優希「ほら見ろ! ほーら見ろ! やっぱり犬は所詮犬だじぇ!」 京太郎「うっせ! 俺だって真面目にやれば赤点なんて取らねぇんだよ!」 憧「じゃあ不真面目にやったらどうなるのよ」 京太郎「実は中2の一学期にな、クラスの奴と赤点チキンレースなるものをやってな」 憧「なにその聞くからに頭の悪そうなレース」 京太郎「まぁその名の通り、いかに赤点ギリギリを多くの科目で取れるかという過酷な競技でな」 和「あ、大体察しました」 京太郎「まぁ予想の通り盛大にオーバーランしたんだわ俺、その数なんと7つ。で、補習で夏休みの大半を消費しちまってな」 京太郎「咲と約束していたプールだとか夏祭りだとかをほとんどぶっちぎってしまい」 京太郎「これには普段温厚で通ってる咲さんもぶち切れてね」 京太郎「機嫌を直すまでしばらくかかってな、二学期になっても1週間くらい口利いてくれなった」 優希「アホだじぇ」 穏乃「アホだ」 憧「アホね」 和「アホですかあなたは」 淡「アーホー!」 ぼろくそ言うなこいつら。 玄「でもほら、今年は大丈夫だったみたいだし合宿もこうして一緒に参加出来てるから良かったよね!」アセアセ 京太郎「さすが玄さん! 俺のことをわかってくれる高徳の聖者はあなただけだ!」ニギ 俺は身を乗り出し、対面に座る玄さんの手を握る。 玄「はわわわわわ!?///」 急に顔を赤らめる玄さん。熱かったのだろうか。冷房の設定いくつだったっけ? 京太郎「玄さん……」ジッ 玄「京太郎くん……///」ポォ しばし見詰め合う俺達。 淡「むぅ~いつまで見詰め合ってんの!」ピシッピシッ! 小さく刻んだ消しゴムの欠片を指先で弾いて跳ばしてくる淡。 京太郎「くっ、地味な攻撃ながら心にズンとく来る!?」 玄「……」ニギニギ ガチャ 晴絵「ん……お! 雁首揃えて何してるかと思ったら」 扉が開き、そこから顔を覗かせたのは赤土先生。 晴絵「ほぉ、宿題とは関心関心」 憧「やだハルエ、そんな教師みたいなこと言って」アハハ 晴絵「教師ですが」 穏乃「センセー! なんで学校ってこんな勉強しなくちゃいけないんですか!?」 晴絵「なんでってそりゃ、将来のためとかいろいろあるでしょ」 穏乃「学校の勉強なんて将来役に立つわけないじゃないですか!」 晴絵「先生もそう思ってた時期があったんだけどね」 晴絵「社会に出てから、これが案外使うから困り物なのよ」 京太郎「先生も苦労してるんですね」 晴絵「ありがとよ」 心底嫌そうにお礼を言われた。 京太郎「どういたしまして」 憧「ハルエはこれから?」 晴絵「灼とちょっとドライブ」 和「そういえば、小学校の頃から気になっていたんですが憧は何故先生に対して呼び捨てなんですか?」 晴絵「私が許可してんの。気安いほうが私も楽だし、年功序列は年寄りに悪しき風習だからね」 穏乃「私は先生は先生って感じだな~」 晴絵「穏乃は良い子だね!」グリグリ 穏乃「あはは、やーめーてーよー!」 口では拒否しつつも決して振り解こうとはしない穏乃。師弟、微笑ましい光景である。 京太郎「ふむ……気安い感じか」 優希「どうしたんだじぇ?」 京太郎「よっしゃ、ハルエちょっと焼きそばパン買って来い!」ピッ! 晴絵「調子に乗るなよ青二才」 先生が去って再びここ。 京太郎「なぁ、俺、今どんな顔してる?」 穏乃「んとね、ストⅡの負けたキャラの顔グラみたいな顔」 京太郎「マジか。ちょっと写メ撮っとこうかな」パシャ 憧「はいはい。横槍入ったけどほら、宿題の続き」パンパン 手を叩いてその場を仕切り直す憧。 優希「ちぇ~このまま煙に巻けるかと思ったのに」 穏乃「憧は容赦ないな~」 憧「このまま見限ってもいいのよ?」 穏乃「やるよ! ゆーき!」 優希「合点だじぇ! しずちゃん!」 淡「スピー……」Zzzz 全員「え?」 玄「寝ちゃってるね」 憧「やけに静かだと思ったら」 京太郎「あの、もうホント俺こいつもう見放したいんだけど」 和「大星さんは寝てしまったようですし、どうしましょうか?」 京太郎「起こす? 起こす!? 鉄拳で!」 俺は右の拳を硬く握り締める。淡を叩き起こせと轟き叫ぶ。 玄「可哀想だよ~こんな気持ち良さそうに寝ちゃってるのに」ナデナデ 淡「ふにゃ……」Zzz 京太郎「じょうがねぇなぁ」ガタ 悪態をつきながら俺は席を立つ。 穏乃「どかしたの?」 京太郎「そのまま寝てて風邪でも引かれても寝覚めが悪いからな」 京太郎「なんかかけるもん取ってくる」 ガチャ、バタン 穏乃「なんだかんだいって優しいよね、京太郎って」 玄「だね~、気配り上手だよね」 和「そうですね。須賀君自身はなんでもないことのように振舞ってますけど」 優希「それがあいつの良いところだじぇ」フンス 和「特にゆーきは日頃からお世話になりっぱなしですよね」 和の声に僅かにからかいの要素が含有されていた。普段の彼女からは珍しい行為である。 優希「ちょ、違うじょ! 私は犬の飼い主として普段から躾を」 憧「とかなんとか言って~ホントは構ってもらいたいだけのくせに~」ニヤニヤ その空気に便乗し、ここぞとばかりに優希を弄りだす。 玄「あはは、仲良しさんだ~」ニコニコ 一緒になって笑う玄。この人に関しては本気でそう思っているんだろう。 ガチャ 穏乃「お、帰ってきた」 京太郎「ただい、……なにこの雰囲気?」 帰ってきてみると、女性陣はなんともいえない雰囲気に包まれていた。 和と玄さんは楽しそうにニコニコと微笑み、憧は訳知り顔で朗笑している。穏乃だけは平常運転。 優希だけがなにやら納得いかないといった顔で俺を睨んでくる。心なしか顔も赤い。何故だ? 京太郎「なに怒ってんのお前?」 優希「なんでもないじぇ!」 怒鳴られた。不合理だ。 憧「それよりかけるもの取ってきたんじゃないの?」 京太郎「おっとそうだった」 憧の指摘で本来の目的を思い出す。 京太郎「タオルケットみたいな手頃なものが無かったからダンボール持ってきた」 憧「何故そうなる」 俺は畳んであったダンボールを広げ、底辺だけをガムテープで止めると即席で箱を組み上げる。 京太郎「そうだ、名前も書いといてやろう大、星、淡っと」 油性マジックで側面に超前衛的な字で署名をしておいてやった。 京太郎「どうだこの特別仕様感。きっと喜ぶぞこの天然記念物バカは!」 ダンボールといえば咲のアイデンティティーだが今回は同い年のよしみで見逃してもらおう。 俺は机に突っ伏して寝ている淡の上にそっとダンボールを被せる。 うん、完璧。 和「あれは絶対根に持ってますね」 憧「淡が起きた後がさぞ見ものね」 不穏当な会話が聞こえるが華麗にスルー。 ___________ .... -‐'''¨´ .... -‐''''¨^| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | | | |__ | | 大星淡. | / <Zzz… | | .. ''´ |________|_.. -‐'''¨´ / / '――――――――' 京太郎「『だよー』、『なのよー』、『ですよー』……『三よー』!!」 和「なにを言ってるんでしょうか彼は」 憧「あたしに聞かないでよ」 穏乃「わかった! つまり『よー』の部分がかかってるんだ」 京太郎「さすが穏乃! よくわかってくれた、俺のこの難解なギャグをよくわかってくれた」 玄「わかる?」 優希「さすがに無理だじぇ」 穏乃「understand、う、うんだー……?」 京太郎「アンダースタンドな」 穏乃「意味は?」 京太郎「理解する」 穏乃「ほうほう。り、か、い、す、る……っと」 京太郎「ちなみにアンダー(下)がスタンド(勃つ)するって意味じゃないぜ! アンダスタン?」 憧「ちょっと、京太郎ちょっと」 京太郎「なんじゃらほい」 憧「黙れ」 京太郎「はい」 穏乃「さぁいい具合に場が白けてきたところでなんかして遊ぼう!」 憧「いやシズは宿題やりなさいよ」 優希「今日はもう十分やったよ! もうそろお開きでいいと思うじぇ」 京太郎「そんんだからお前らは、今この結果があるんだろうが」 厳然たる事実がそこには横たわってますよ? 京太郎「そんなんで休み明けのテストとか大丈夫なんか?」 穏乃「大丈夫! 私、本番に強いタイプだから」 優希「私も私も!」 京太郎「ホントか~」 自信満々で言ってのける穏乃に怪訝な視線を向ける。 穏乃「ホントだよ!」 京太郎「じゃあ得意な科目は?」 穏乃「ずがこーさく!」 『折り紙』とは、 正方形の色紙を決まった手順で折り動植物や生活用品などを形作る日本伝統かつ、日本起源の遊び。 古くは千代紙と呼ばれる和紙を使用した。 もっとも一般的な正方形の紙を使用する不切正方形一枚折り。 いくつかの部分に分けてそれを組み合わせる複合折り。 紙に切り込みを入れて角の数を増やしたり一部を切り取ったりする切り込み折り。 形作ったものを動かせる玩具として作られた仕掛け折りなのどがある。 憧「ってなんであたしたち折り紙なんてやってるのよ」 京太郎「そらお前、穏乃が工作得意だって言うから」 完成した風船を机に置く。 京太郎「まぁいった本人はアレだが」 穏乃「うにゃ!? またズレた!」 和「…………」バババババババババ 玄「和ちゃんは折り紙を見た瞬間、折鶴職人みたいになってるね」 和の周りには出来上がった折鶴が群舞となって散乱する。 京太郎「ああ……いるいる、クラス1人はこういう女子」 和「ふぅ……」 一段落したからか洗脳が解けたのか、和は忙しなく動かしていた手を止め額を拭う真似をする。 京太郎「和はなんていうか、……すごいね」 俺が賛辞を送ると、和は今で見たこともないような朗らかな顔で笑う。 和「そうですか!? 私、折鶴には少し自信があるんです!」 やや興奮気味に詰め寄ってくる。こんな和かつてないな。 和「実は『秘伝千羽鶴折形』も愛読してまして」 なにそれ? 魔導書? 和「これは原本はもう手に入らないんですが、改訂版が出版されてて」 なんだこいつの目。目が離せねぇ、キラキラ輝いてまるで星みたいな……。 玄「そういえば和ちゃんがまだ吉野にいたころ」 玄「赤土先生のお誕生日会をやろうってなった時もこんな風に折り紙で飾り付けとかしたよね」 憧「やったやった。色紙切って連環にして飾ったりね」 穏乃「花とかも作ったよね。紙だけど」 和「懐かしいですね」 言葉の通り、昔を懐かしむように和が目を細める。 玄「またこうやってみんなで集まれたらなってずっと思ってたから、とっても嬉しいよ」 憧「ま、それもシズの行動力のおかげかしら」 穏乃「憧は最初、断ったくせに~」 憧「もう! そのときの話はもういいでしょ!」 玄「あははは」 幼馴染組が仲良く談笑しているのをよそに俺は何かに没頭している優希を観察する。 京太郎「それ、さっきからなにやってんの?」 優希「これか? ふふふ、見ろ! 折り紙で作ったタコスだじぇ!」 優希はドヤねん顔でその白と緑と赤と橙の色紙を重ねて折っただけの物を俺に突き出してくる。 眼前の物体を反芻するがやっぱり白と緑と赤と橙の色紙を重ねて折っただけの物にしか見えない。 京太郎「いやどう見ても色紙を重ねて折っただけの物にしか見えんのだが?」 優希「犬の目は節穴か! よく見るんだじぇ!」 そういって優希は同じ物を大量に作り出す。 なんだこの不毛な生産光景……。 京太郎「よし! お前のそのタコスに対する飽くなき執着心はわかった。ちょっと待ってろ!」 それだけ言い残すと俺は再び部屋を出て行った。 穏乃「またどっか行ったね」 和「ゆーき。まさかまたなにか無茶を言ったんですか?」 優希「言い掛かりだじぇのどちゃん! 私はなにも言ってないじょ」 憧「どうせいつもの発作でしょ? 放っておけばその内戻ってくるわよ」 玄「て、手厳しいね……」アハハ トン 憧「あ、玄それ……バラ?」 玄「うん!」 穏乃「へぇーよく出来てますね」 憧「これ難しい? 簡単?」 玄「簡単だよ。慣れれば2分もかからないくらい。良かったら教えようか?」 玄「他にもアサガオ、アジサイ、コスモスとかもあるよ」 穏乃「教えて教えてー!」 憧「玄先生教えてくださーい!」 和「この感じ……」 園児『のどか先生ー!』ワーワーキャッキャッ 和「~~~///」ポワァー 玄「和ちゃん?」 憧「なんか咲いてる」 ガチャ 京太郎「待たせたな!」 穏乃「遅かった じゃないか」 俺は開いた片手で後ろ手に扉を閉めつつ、もう片方で持っていたトレイをテーブルの上に置……こうとしてその異常性に気付く。 京太郎「って、うお!? なにこの薔薇園? ちょっと退けて退けて」 俺が手で横に退けるようにジェスチャーを送ると、女性陣によってテーブルにスペースが作られそこに持ってきたトレイを今度こそ置く。 穏乃「なにして来たの?」 京太郎「これよ!」 トレイの上の皿に山積みにされいていたのは、 優希「タコスだじぇ!」 言うが早いか、優希の手がサッと翻り我先にとタコスを頬張る。 後、ついでにみんな喉渇いたんじゃないかと思ってお茶淹れてきた。 京太郎「どうよ優希、これが本物のタコスだ」 優希「ん、ん~?」 咀嚼しながら、自身が先ほど作っていた良くわからない紙の集合体に目をやる優希。 優希「んぐ、なんだぁ!? この紙切れはぁ!!」 そういって紙切れをテーブルに叩きつける。 京太郎「いや、それお前が作ったんだろ」 穏乃「これ私たちも貰っていいの?」 京太郎「おう! たくさん作ったからいっぱい食ってくれよ」 和「ありがとうございます♪」 玄「いただきます!」 憧「それにしても見事な手際ね」 京太郎「慣れりゃ簡単なもんよ」 憧「高1の男子が料理に慣れって……」 京太郎「いや~、実は1学期の家庭科の調理実習と裁縫の実技でA評価を貰ってしまってな」 京太郎「これは喜んでいいのかどうか……」 和「ま、まぁ成績が上がるのは良い事ですよね?」タジ 京太郎「そういうそっちはどうなんだよ。一応、女子高だろ?」 憧「あたしはそれなりには出来るわよ」 玄「旅館のまかないは私の担当ですのだ」 優希「タコスうまー!」バクバク 穏乃「これなら毎日でも食べたいよー!」バクバク こいつらはダメそうだ。 優希「やはり犬のタコスは絶品だじぇ、まぁそこにこそ価値があるからな!」 京太郎「お前は俺を全自動タコス製造機かなんかと勘違いしてないか?」 憧「前脚の使い方がお上手だものね」 そう言いながら憧が俺の右手の甲を摘んでくる。それを振り払いつつ、俺も負けじと言い返す。 京太郎「お前もさり気無さを装うことなく俺を犬扱いするんじゃねぇ」 憧「そうね、犬の方が賢い物ね」プクク 京太郎「玄さん! あいつが、あいつがー!」 悪びれる素振りを見せない憧を指差しつつ、玄さんに泣き付く俺。 この上なく情けない光景だが、そんなん知るか! 俺は味方がほしい。 玄「もう! そんな言い方ダメだよ憧ちゃん」ナデナデ 京太郎「そうだよ! 憧ちゃん!」 憧「ちゃっとなにいきなりちゃん付けで呼んでんのよ!」 京太郎「だって~」 玄「女の子だも~ん」 京玄「「ね~♪」」 そういって笑い合う俺と玄さん。うん、見事なコンビネーション。 憧「しゃぁぁ~~らくっせぇぇぇぇ~~……(巻き舌気味)」 穏乃「ぶふぅ!? ちょ、憧! 顔、顔!? すごいことになってる!」 放送コードに引っ掛かりそうな凄まじい、筆舌し難い憤怒の形相を浮かべる憧。 マジで怖いんだけど。 京太郎「よっと、これで完成」 玄さんに教えてもらった通りにバラを折る。 顔に真っ赤な紅葉を浮かべながら赤いバラを折る俺。う~ん、マンダム。 京太郎「ちょっとよれてるかな?」 玄「そんなことないと思うよ?」 和「須賀君は本当に器用ですね」 京太郎「こういうチマチマした作業は昔から得意なんだよ」 京太郎「なんか俺の人生そのものみたいで」 和「嫌な表現ですね」 京太郎「しかし、これはちょっと作り過ぎじゃないか?」 穏乃「調子に乗って遊びすぎたね」 俺と穏乃は今やすっかり忘れ去られた眠れる淡、 その淡が被るダンボール箱に作った花や鶴、連環や切り紙のレリーフを糊で飾り付けている。 なんか邪教の祭壇みたいになってきたな。 淡「ふにゅ……」Zzz 俺は細く切った紙に花やレリーフをくっ付け即席の花冠を作る。 それをソッと、穏乃の頭に載せる。 京太郎「結構似合うじゃん」 穏乃「任しといて」フフン 京太郎「うん?」 溢れかえる折りバラの中に1つ珍しい物を見付ける。 京太郎「なんか青いバラが混じってるぞ」 玄「ホントだね」 玄「そういえばブルーローズは自然界には存在しない花という事で、花言葉には『不可能』や『奇跡』って意味があるらしいよ」 玄「後、『神の祝福』とか」 玄「もっとも今は品種改良が進んで実在するそうなんだけどね」 和「なんだかロマンチックですね」 京太郎「玄さん詳しいですね」 玄「おねーちゃんがお花とか好きで、一緒に見てたら自然とね」 あー、なんか納得。 憧「へぇ。で、誰がこれ作ったの?」 穏乃「あ、それ私」 なんでもない事のように普通に穏乃が手を挙げる。 京太郎「え”」 憧「しししし、シズがバラを創造した!?」 和「しかしこれはなんとも見事の川崎ローズ!」 京太郎「まさに奇跡!」 穏乃「いや、それアサガオのつもりだったんだけど」 京太郎「え、なに? お前んち実は錬金術師の家系なの? とうとう摂理超えちゃったの?」 穏乃「いえ家は代々和菓子屋ですが?」 穏乃「だって私、山登りばっかりしててこういうのあんまりやったことないんだもん」ブーブー お前さっき得意科目は図画工作って言ってたですやん。 京太郎「なに、じゃあそんな小さい頃から山に登ってたのか?」 穏乃「そうだよ! 吉野の街の子は5歳も過ぎればみんな山で修行して育つんだよ!」 京太郎「……」チラッ 俺はさり気無く穏乃の同郷の友に視線を送る。 憧玄「「」」ブンブンブンブンブンブン!! すげー勢いで首を左右に振る阿知賀メンバー。 さすがにそのレベルはお前だけらしいぞ。 穏乃「いやー、うち、おかーさんがさぁ『穏乃はもっと女らしくしなさい! 山は危ないから無闇に入っちゃダメ!』って」 穏乃「その抑圧された感情が、ね? だから私、日頃からいかにして山に行こうかってそればっかり考えてたよー!」タハー 京太郎「猛獣かお前は」 和「花言葉って面白いですよね」 憧「いろいろあるわよね。しかも大体2つ通りで、意味が反転してたりするの」 京太郎「タロットに通じる物があるな」 玄「たとえばこの黄色いバラだと、『友情』または『誠意がない』とかかな」 京太郎「なんか今日の玄さん格調高いね」 憧「友情、誠意がない……」 憧「京太郎は後者かしらね~」 したり顔でそんなことを言う憧。 京太郎「どーゆー意味かなそれ?」 憧「言葉通りの意味だけど」 京太郎「おいおい俺は誠実さと爽やかさと透明感でここまでやってきたんだ」 憧「ああ、モテない男が大事にしてそうな語群ね」 京太郎「言ったなこの野郎っ!! ちょっと澄ましたキャラ気取りやがって実はこっそり絵日記つけてるくせに!」 憧「ななな、なんであんただそんなこと知ってるのよ!? 見たの!? 読んだの!?//////」カァァァ 京太郎「穏乃に教えてもらった」ケロ 憧「シィィィィィズゥゥゥゥアァァァァァァ!!」 穏乃「うわぁぁこっちに振るなぁ!?」 和「もう! どうしてあなたあなた達は仲良く出来ないんですか」バン 机を勢いよく叩きさすがに和が仲裁に入る。 京太郎「い、いや待て和。これは俺と憧なりのスキンシップなんだよ!」アセアセ 憧「そうそう、仲の良さって別にベタベタするだけじゃないと思うのよね!」ワタワタ 和「本当ですか~?」ジトッ うろんげな表情でこちらを伺う和。 あ、これぜってー信じてねぇ。 京太郎「憧もほら、嘘でもいいからいっぺん俺のこと好きって言ってみ?」 憧「え~しょうがないな~」 まさに不承不承を絵に描いたような表情である。 憧「コホン」 _. .-. . . . ̄. .゙. . . 、 , '´ . . . . /. . . . . . . . . .ヽ / ;ィ´ / . . . .ヽ. .\ _,-─tァヽゝL _/_ ,' | . . .゙ . . ヽ ,〃,r‐'7ハ レ!__,'_ ;イ | /!! ヽ. l . . .、 / 〃 l ト、| .| ハ Tハ! | { || .| | ゙. .!_l |ミヽ、 ,' ./ ! | | LL_ヽ| ! || ! |'T ‐ -|、 | ト、 !| \ ヽ ,' / .| . | | ハチ≧ト、|ハ !土_ヽ | | ! .|. .ヽ!! ヾ.、 ,'/ λ .r=| |.{ ;; Cヾ ヽ|チ不≧!/! | !. ./,'| ヾ 、 |l ハ | (! !`ー'' { {゚ ;; C | | .! .|, './|j ヽl 好きよ、京太郎。 || | |ヽト、! .!xxx ' ` ー'' ,イハ| | /. l || | !. |N l .ミト、! .| 、 xxx /ノノ ! .| _;| | ! | l r、 .N .ト {ヽ !、 ー ,イf.l´. . | .j//ハ l .| i! | \\ | ゙、| | ヽ | 、_ .... -≦| . . .| ! . . .|,.'/ . ∧ .| .|. 从! l\\ | | l ! | |ヽ| ! . . .| | / ,イ| ゙、 ヘ ! .| ハ ト l Lf~ヽ `_ヽ_ !|ヽ ||、-、ヽ _L`_r"∠! ! ∧ | . ! ,' | !ミ、 | 、ゝ.|´ヽ ヽヽ ヽ-、 ,.r! >‐'{ | |ノ|ノ7 | . .ヘ. ,' . |! |,' |!| ヾ,へ.ヽハノ、/ ̄`ヽヾ´ ̄`| \_ヽ_!__! .| /| .! . ∧ ./ . . !i! |i| ! | |\,ゝ | ヽ | /´ /` ̄ヽ | . .∧/ . . . ||i! 言わせておいてなんだけど凄まじく疑わしい。 京太郎「本当かよ」 憧「いや、嘘だけど」 京太郎「嘘とか言うなよ」 憧「いや、だって嘘でも言えっていったじゃない」 京太郎「憧ってもしかして俺のこと嫌いのか?」 憧「好かれてるとでも思ってるんなら京太郎の頭はおかしい」 京太郎「」 なんだこの一連のやり取り。 和「嘘をつきましたね。嘘をついた須賀君には罰を下します」 京太郎「え!? 嘘ついたの俺じゃなくね!?」 和「言い訳は聞きたくありません。罰として原稿用紙3枚分の反省文を書いてください」 和「もしくは『将来の夢』をテーマに作文を書いてください」 京太郎「うう、僕の将来の夢は~……」カリカリ 俺の将来の夢か。 やはりそれを語るに当たって欠かせないのが俺の中学生の頃の話だろう。 それは遡ること3年前……ブツブツブツブツ ガチャ 咲「こんにちわ~」 和「咲さん?」 優希「んぐ、いや~食べた食べた」 穏乃「まだ食べてたんだ……」 憧「あれ? 咲ってチャンピオンと出掛けてたんじゃなかったっけ?」 咲「うん、そうなんだけど。今帰ってきて聞いたらみんなここだって」 玄「おかえり、紅茶飲む?」 咲「あ、ありがとうございます」 玄「どういたしまして♪」 咲「ところでさっきから京ちゃんはなしてるの?」 京太郎「ん? おお、咲か。今ちょうどお前の自叙伝書いてたところだ」 咲「なにしてるの!?」 京太郎「タイトルはこう、単純に『咲』と」 京太郎「いや、これは過去話に当たるわけだからなんか副題つけるか『咲~過去編~』。いや、『咲~中学生編~』 京太郎「ん~『咲-Saki-中学生編 episode of Once Upon a Time 在りし日の二人』ちょっとくどいかな? いやいいか」 京太郎「これは面白い! これは売れる!」 京太郎「皆さんも是非、お茶の間の皆さんも是非これ買ってくださいこれ。全国の書店にて絶賛発売中!」 和「誰に向かってしゃべってるんですか?」 憧「壁のほう向いてることはだけは間違いないわね」 京太郎「あれ? 俺今なにしゃべってた? なんか一時のテンションに身を委ねてわけのわからないこと口走ってた?」 咲「うん。そこだけは間違ってないね」 京太郎「まぁいいや。どうせここ編集でカットするし」 憧「残念これはライブ中継」 和「人生に編集点なんてそんなオカルトありえません」 僕の将来の夢は本の印税で優雅に暮らすことです。 咲「なにこれ?」 咲が怪訝な表情を向けたのは邪神崇拝の祭壇。……ではなく淡が被るダンボール箱。 京太郎「バカ! 不用意に近付くなその下には世界によって封印された暴虐の邪神が眠ってるんだ」 京太郎「静かに、静かにこっちに来い」 咲「う、うん……」 頷くとゆっくりと戻ってくる。……と。 ガタッ 咲「あ……」 咲が淡の座っている椅子に脚を引っ掛けた。 京太郎「あ……」 淡「う、う~ん」 呻きを零しながら、ダンボールがモゾモゾと鳴動する。 淡「あわ!? なにこれ暗い!?」 淡「なにこれ? なにこれ!?」 ガタガタと動くダンボールもとい、淡。 優希「京太郎の仕業だじぇ」ボソ あこらバカ! 優希てめぇなに火ぃくべてんだよ!? 動きがピタリと止まる。 ダンボールの天面に貼られたガムテープが白磁のような10本の指で押し上げられ、 張力限界を超えて剥がれ落ち、蓋の部分がゆっくりと開かれる。 淡「キョォォォォォォタロォォォォォォォ…………」 地鳴りのような底冷えする声。現れたのは髪を大きく逆立て、口元は憎悪に痙攣し、眼球には毛細血管が浮かんでいる、 これでもかというほど装飾のあしらえられたダンボールを胴体とし、赫怒の炎を背景効果に纏った異形の邪神がそこにいた。 麻雀の対局中ですら、こんな激烈な殺気を放っている奴になどいまだかつて出逢ったことがない。 京太郎「なぁ、俺、今どんな状態になってる?」 穏乃「んとね、わかりやすくいうと小説版デビルメイクライのギルバ」 京太郎「つまり包帯でぐるぐる巻きってことだな?」 和「わかりにくいネタ持ってこないでください」 淡「ふんだ!」バクバク 京太郎「ちくしょう、愚かしいほどの真摯な善意でやったことなのになんでこうなるんだ」 淡「そりゃ寝たのは私だけどさ! ダンボールは無いでしょダンボールは!」 京太郎「だから手頃なもんがなかったんだって」 淡「じゃあ、……その、上着とかでもいいじゃん」ボソボソ 京太郎「え? なんだって?(難聴)」 淡「なんでもないもん!」 優希「すまんじぇ淡ちゃん、うちの僕用犬が」 淡「ううん。ユッキーは悪くないよ」フルフル 京太郎「わかるぞ、その『ぼくよう』って字が牧羊じゃなくて『しもべ』って意味の僕ってことが俺にはわかる」 優希「うっさじょ犬」 淡「そーだそーだ犬~」 京太郎「なにこの仕打ち。ちくしょう淡まで俺を犬扱いしてきやがる」 淡「犬~犬犬犬犬犬!」 京太郎「あ? 俺が犬ならじゃあお前は猫か?」 淡「私のどこが猫なのよ!」 京太郎「その自分勝手なところとか、気分屋なところとか、後エサやってるとき以外はまったく可愛げないところだろうが!」 淡「ふ~んだ、猫らしさっていうのは自分でルールを決める自由さ。飼い犬とは違うのよこの首輪ヤロー!」 京太郎「こっの……はぁ、なんか疲れた。これやるから機嫌直せよな」 俺は手元に残っていた折りバラの中から白いバラを1つ取り上げ淡の頭に載せる。 淡「ふん、こんなんで誤魔化されるわけ、」 玄「淡ちゃん、淡ちゃん」チョイチョイ 淡「なぁに? クロ」 玄「白いバラの花言葉はね、『私はあなたに相応しい』って意味なんだよ?」ボソボソ 淡の目が見開かれる。玄さんがなにやら耳打ちしているが俺の位置からでは聞き取れない。 淡「もうもう! しょうがないな~キョータローは~」アワアワ え?! なんか一瞬で機嫌が直ってるんだけど? 白いバラを手に握り360度どこからどう見てもニコニコ顔である。 視線を向けると、玄さんが指でOKの形を作りサインを送ってくる。 よくわからんがさすがベスト・オブ・マイフレンズ。 京太郎「そういえば、一番代表的な赤いバラの花言葉ってなんなんですか?」 玄「え?」 俺の質問に、玄さんは一瞬虚をつかれたような顔になる。 玄「え、え~とそれは……///」 口ごもる玄さん。 え? そんな言いにくいことなん? 映画や小説でもよく贈り物とかになってるし良い意味なものだとばかり思ってたけど実は不吉な意味があるとか。 和「あ、それなら私も聞いたことありますよ。確か……」 ___ ,. ' ´ . . ` ヽ___ ,.-、r/ ; ; . . , . . .;. ヽ `〈 i | / / / / . /i i ! i ハ 、 . ゙、 ..、゙、 { } i . i . i. i| . | .! | . | .|_!_゙、、 . i| . |. .! |、 ,! | || || ;!-‐!ハ ! !ハ-!`|iヽ!| . i .|‐'ヾゝ ∠/ i. | |.! .|リ!_」_!、_ヽ、!ゝィ=‐、リ! ノノ!_,、_〉 ーァ|、!、!、! /!、 i` ト; ! 〉i;イノ | | .`ヽ!゙、ヽゞ-' ,  ̄ |ノi | | . .| |ゝ、 '''''' __ ''"" / | ! ! 私を射止めてください! とか i / リ/i \_ ´ー ′ /| . | |. | r-、 // / .ハ!__!__/ノi ー--‐' |_ | ./ .! ヽヽ.// / ./ァ' ̄/ r' |; \/ i| | .,)┴'ヽ/ ./' . . / ト、 __/ |. || | ;' 、ヽノ|./ . . / ト--へ/ | || ト、 |ヽJ┘ノ/ . . /\ | / |... || | | /⌒ _>、/⌒ Y¨¨¨ 、 /´> ´ , } \ , ´ / 、 ヽ / / ' | | ∨ . ー‐イ' / / | | l } | | | . / ' ' / |{ | / /| } l | | // / { |-+-|、 | ,-}/-}/- / } { / ,..イ , 从,ィ=从{ l / ィ=tミ}イ/ /_ 从  ̄´ |∧ { Vリ ∨' Vり /' /- } / } / 从ム , ム,イ-、/l , . r ' /|/ 八 __ _ / / 、 イ Ⅵ \___ イ |ヽ 「 、 | r <///| |/}_」 |//(_)//|_ , <///〈 ,」////イ////> 、 r--- <////////∧ /////////////////> 、_ //////////////〈/ }---{///////////////////////ハ {//|////////////Ⅵ |////////////////////////} |//|//////////////| /////////////////////////l| |//|//////////////{__/////=====///イ///////| ,...-‐ ‐-.、 / `ヽ /. . . . . . . . . . . , . . . . . . . . . . . . . \ / . . . .. . i. . . i . . . | . . . . . . . . . . . .、 . . . ヽ / . . . . . .; . .| . . i| . . . | .i . ... | . i i ゙、 . . ゙、. / . . .i . i .| |_;. !.| . . . | .| .-‐ト-、|_ . .| . . i . . . .i / ||. . 、'´!、 |丶 . . i、!ヽ . !_\!.i` | . . . ! . .. . | i i .;ノ! .i . . .`、≠ヾ、\! '!_  ̄ヽイ . . / . . . . | レリ''"ト、!、 . .V.r' ! r' ;、 } '! . /ヘ . . .! | | . . . ヽi゙ 、;ン └-‐' レ'∫ } . /リ | .i、 . . .| " " ' " " _,..イ /. V \ .ト、 __ ,.ィ' .;. .ノレ′ ` ` 、_ ´ / И/ ` i' ´ !_,..、 / フi / \ ノ 〔 ′_/ ,,=≧ー-、 ,ィi" |_ / ;; '"/ `ヽ i i i、!i | / ;; " // ,; ===| |i !.\=、 ! /; = " / ./ / | |.i ヽ __ヽレ'― . ' " , .イ / ! |. |. V 「`T´ ̄ ̄ | / i | |. | /1'{ ======i、l!/ ヽ { /! i i . | . ゙、 、 、V `i / | i | . .! . . .゙、 \ / | ,........-――--....、 ,. ´ `ヽ、- 、 / , \ \ \ , ' , / / { ヽ ヽ、 ヽ 、 / / , // / / ∧ ヽ ', | | ヽ , ∧ . / / / // / / / マ |_ |__ | | l ∨ , | . | ' / //  ̄|`|' | ´} ∧ } , } | / } ', { { {l | {从_ {__{ }/イ__}/ イ/ / } / / . 从 八 {ム,イ _斧` イ _)斧ヽ} イ/_ / . \{从{ Vり Vzソ | / Y | | } ' | l 'ノ | |圦 _ , ,ィ| |イl | | / . イ_,/イ | | }' `__-r-=≦__」'/ } | | | _,/ 「 ̄ _/|__| | / / | `=={j====イ / `ヽ , ∧ \ l| イ ∧ / -r‐ /.. ../.. .. .. .. .. ./. .. .. .. .{.. .. .. .. 、.. ヽ.. .. .. ∀ニ=- 、 /... '⌒7.. ../.. .. .. .. .. ./.. .. .. .. .. |.. .. .. 、 ゚。.. ..゚, .. ..} ゚, \ .. ヽ /.. .. / /.. .. .′.. .. . /./′.. .. .. .. |.. .. .. .i.. ..゚。.. .゚ ..イ .. 。 丶 . .、 /.. .. / / ! l.. .. .. './ ! l.. .. .. ..|..|v .. ..|.. .. .}.. ..i/ } .. . ゚。 .. 。 /.. .. / ′ .. .. |..ト-. .、l |..l, .. .. .. |..| ゚。,.斗-‐.|.. ..|/j. | 。. . 。 .. .. ..′ !.. .. .. ..|..|リ、. {リ\ { ゚。.. .. {..{/\{ }ノ|.. ..| . .. . | ∨ハ i.. .. . |..! .. .. .|..|,.イ芹℡x{ \..{リxrf芹ミト│.. | .′ | | .. |.. .. | リ!.. .. .l..代{ .トil刈 ` { .トil刈 〉.. .j} ゚. ..,| | .. |.. .. | |i. .. .|.. 弋こ,ノ 弋こ,ノ |.. ..′ .゚ .| | .. |.. .. | |i. .. .|..| . . . . , . . . |.. 。.. .。l | .. |.. .. | |i. .. .|..「} /|.. ′. ゚ . . l | . . |.. .. | |i. .. .|..|人 ー‐ イ .゚./.. .. 。. .! |. .. |.. .. | |i. .. ハ..゚。 .i.≧o。.. .。o≦ | . //.. .. . ゚ . .l | .. |.. .. | 小.. . . .ハ.゚。! . . .-r| ` ´ |=ミ . | //.. .. ./ . . l | .. . .. .. .| / |.. .. . . .∧{<=「ノ }`iニ/イ.. .. .. ___ . .l | .. . .. .. .. | f¨¨~}.. .. . ./ 乂二|___ ____|=/=′ .{ニニニ>ュ. | .. / .. .. ..| ∧ .′. . .′ニニ=|_, -―‐- ,_|ニニj .. .. ..|/ニニニ/、 .. / .. .... .. | / ∨.. .. ./二ニニニl lニニ{.. .. .. |ニニニ// } } .. ......-‐……‐-..... .......................................................、 /...........................................................\ /......................... . . . .... . . ..............................\ ................. . . . . . . . . . . . ....\.................... /......./... . | . . ...ヽ ..................,. /............ . | | . . ... . ................′ ........... . l l | | _ i ;..../| i | i斗‐| { i 「\ \ i | | i | / | i l| i | |八 i | \ \| | l | | |i | l l| iΝ \ ∨ ≫ぅ弌ミj| | l | | {; | |八 i≫ぅ斥 \ r' ノrい》 Ll | | | ヽ《 r' ぃ ∨ .(ソ | ト| | , | l V(ソ | | ! | ′ | i 小 ,,, , '''' | |j | 乂j い | | l [_] { i 人 ー ' | } } | / { {i i >... / } // / | | { 八 { i ≧ァr / // / | | \|\ i /{_j _/厶イ, | | ∨\;;| i \ / // 廴厂〉 | l\ | | i 厶イ /| | /∧ | | ニ=- |/ / ∨ | | 厶=ーx' | | \ / / 厂 ̄ ̄ア7゙ ノ | | ⌒` .. i / 〉 《__jヽ | | | / . | | | { ノ八 | | i |. / i | | | ∧_/ /| \__,ノ | i || / | | | | / // | } | i || , | ______ ,r─ 、 ≠ ¨ ̄ ̄ ̄ ̄¨¨ 丶 __ ,r┤ } \)⌒`ヽ / ゝ _ ノ \ 、 \ ′ 「 l | | ヽ ヽ X x ヌ | |l j| } | | j ヽ ぃ ヽヌ | ′ j| 从/ /}I j| } ハ ぃ リ | ′ 〃 孑天らリ ノノ ノ「乏らメ、 } ぃ | / // |ィ爪示らヽ イ示うヽル ハ .ノxイ{l ! |{ |i ℃| ! ℃} || j| ! |l ! l刈 弋辷 ソ 弋zソ !| l| 八} || jI jl ハ⊂⊃ r──‐v⊂⊃ 从ハリ ヽ .ノヽ八从乂> . _ ゝx‐'x ノ _ .≠ _ ≪. . . . ア二二ニフ" つ ま ~ / ≫/⌒} {⌒ヽ、 / /{ ( ) ( )} 〈 \ヽ/ー===ゝ=彡′ -‐==‐- ´ ` / ヽ / , ! | | i. / |i , ‐‐i| . ト、_|‐‐ | i| | l / |i | |/八 . | | | i| | |/ 〔!| N ○ \| ○ |ノ ,リ. 〔 八! l圦 ,, ' ,, l // | N | . ワ . ∨/ . | ヽ| | l_≧=ァ≦ト /_,′ 八 ノ厂| l 〔, / / `丶、 ` /∧ i| | 「⌒ / / /∧ / イ′ j ト、∧ / ′´ .イ ' / | |\ハヒ/| |ニニ/ 〉 / ノ〈 i i ニ| | ´y' ! | .' / 〉 / j / ノ i| | 〔___! ト、〕. 〔′| `ー‐' /// | | i| Υ─| | .′ /`ヽ . - ─ ─- . /`ヽ . - ───<_人 _ .┼ ./ /´ __.rr.─‐┐ノ ´Y´ . _ 人 _ \し ' r<´ |ll | /. .`Y´. ヽ } └ .─ ┴‐─ ┴,. // / ! _人_、 .斗 ‐‐─ァ── < ./ / / / / . / i .`Y´ > ´  ̄ フ./ / .// ./_ /_ / _ /. / / ! ∧___..斗< / /i { / / / /`ヽ. ./ / i .! / ∧. / /´ ! . 从 芹竿ミx. | ./ / `メ .! / / .∧ / /!/ | |人{弋 _メckj / / /. ム リ / / / .∧. / /人.N | ⌒ ー '' 「笊ckくj / / ./ / .∧ / // ヽ! .| """" 辷..ソXl| / / / .∧. / //__人_ j | , """ノリルイ⌒ `ヽ/ .∧ / // .`Y´.| ト、 、_ /. i . | `マ}ー/ // _人_ .j . | .|\ ー ' . イ. 人_ | i∨`Ⅴ「ー`Y´─.! | .|. \ . イ .! .`Y´. ! ___ 人 ___ \ \ ! l .|  ̄「 i j . | l . l `Y´ \ \ 从 .j .| |N\ l ! .リ . .リ l ト、\ 人 l .| } jト、 \j リ / / | .\ \ ヽ j\ _ _j ハハ ` <' ./ | \\ \ \ ⌒ } i `<}ト、 | \\ \ \ .N // ト、 たぶん今の俺達は外人四コマの2コマ目みたいな顔してるんだろうな。 和「ああああああああああ//////」 和「だったような気がするんですが、咲き方とかによってもいろいろ違うみたいでえええ///」 京太郎「へぇ」 和「あの、須賀君」 京太郎「ん? なんだ和」 和「人生の編集点ってどこで入れれば良いんでしょうか?」 京太郎「そうさな、やらかしちゃった時点から大体10秒前くらいに血痕が落ちてるから。まず、それを回収して……」 照「……」タコスー
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/1293.html
京太郎「あー……熱い。なんでこんなに暑いんだ。これが東京……なんか違うな」 京太郎「とにかく、早く買い出しを」フラッ 京太郎「あ……」ドサッ 京太郎(ミスったな……部長も無理しなくていいって言ってくれたのに……) 「君!大丈夫!?」 京太郎(……誰だ?意識が……) 「これは……ちょっとアカンな……ちょお手貸してや」 京太郎(……ナース?) 京太郎「……ん?ここは……」 憩「あ、目覚ました?はい、寝ながらでええからこれ飲んで」 京太郎「ん……スポーツドリンク?」 憩「君、軽い熱中症やったんよ?やからこうして冷房聞いとる屋内で休んで、水分とか補給」 京太郎「ありがとうございます……ところで、なんか顔が近い気がするんですけど」 憩「そりゃ膝枕やもん」 京太郎「ああ、なるほど……ええ!?」 憩「まだ体休めんといかんよ?一回倒れたんやから」 京太郎「そうかもしれませんけど膝枕って……すぐ立ってどいて、あれ?」フラッ 京太郎(やば……これは倒れて) 憩「キャーッチ」ガシッ 京太郎「へ?やわらかくて、白い?」 憩「もう、そんなに女の子の胸に飛び込んできたらアカンよーぉ?」 京太郎「……つまり、俺は」 憩「うちの胸に顔うずめてるね。あ、深呼吸とかはさすがに恥ずかしいからやらんでね?」 京太郎「もっと駄目じゃないですか!すぐに立って…」 憩「アカンよ」ギュッ 京太郎「も、もっと押しつけるって…」 憩「……君、何があるか知らんけど頑張りすぎや」 京太郎「……え?」 憩「倒れた後も『はやく』とか『行かないと』とか言って、もっと自分の体大事にせなアカン」 憩「無理して、取り返しつかんようになったらどうするんよ」 京太郎「……すいません」 憩「ん、よろしい。今はゆっくり休んでなーぁ」ニコッ 京太郎「……白衣の天使って、いるんですね」 憩「あはは、そうでもないって」 京太郎「ところで、いつまでこのままなんですか?」 憩「んー、もっと続ける?……うちは続けたいんやけどね?」 京太郎「……え?」
https://w.atwiki.jp/jidai/pages/117.html
孫太郎の略歴は↓こちら 孫太郎 - wikipedia 作者名 発行日 作品名 シリーズ 時代 ジャンル 受賞歴 文庫化 映像化 電子書籍 安部龍太郎 1999/09/01 海神 孫太郎漂流記 全1巻 江戸時代 歴史小説 ○
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6176.html
6月▲日 週末泊まりの練習試合、今回は鹿児島県 鹿児島と言えば親戚の春もいるのでちょっと行きたかったが、また留守番 やっぱ厳しいか 春に連絡したらすごく残念そうにしていた。インハイで会えたら黒糖でも奢ってやろう 仕方ないので今週もネト麻 最近はネト麻で調子が良く、結構上級卓に行ったりもする そこで仲良くなった人、ハンドルネーム、でーちゃんさん かなりフランクな感じな人ですぐに仲良くなれた 正座が辛いとか相談されたが、何か正座するような習い事でもやっているのか? やってる内に慣れるとだけアドバイスしておいた 穏乃「鹿児島の滝見さんだっけ?京太郎の親戚の」 灼「しれっと京太郎の隣をキープしてた人」 宥「そ、その言い方はちょっと……」 憧「でもあってるじゃない。京太郎も京太郎でそれが当然みたいな感じだし」 玄「ですね。何よりあのおもちがまたすばらしいのです!」 晴絵「玄はブレないなー」 友香「もーちゃん先輩!ちょっと聞きたいんで~」 美幸「もー、どうしたの?」 友香「こっちで好きな人を落とすって、どういう風にするんです~?」 美幸「え?……よ、よく分からないよ~」 友香「ふむ……やっぱりストレートがいいんで~……脱ぐ?」 美幸「もー!そういうのは駄目!!」 春「……今年のお正月も京太郎来てくれない」 良子「彼も彼で忙しいんでしょう。わがままはバッドですよ」 春「……ところで良子さん、その荷物とバイクは?」 良子「……なんのことですかー?決して年末特番の出演蹴って京太郎のところへトラベルしようとか考えてませんよー?」 春「……抜け駆けは許さない!!」 7月×日 今日、憧に相談された 内容は穏乃のジャージについてだった 思えば、穏乃は昔会った時と変わらないジャージだ さすがに女子高生にもなってそれはどうかと思うし、どうにかするために協力してくれないか、ということだった 確かに今のままほっといたらインハイで東京言ってもジャージで東京うろつきそうだしな 穏乃自身のためにも協力することにした といっても普通に言ってどうにかなるなら既に憧がなんとかしているはず なので、ここは男目線で色々と言ってみることにした 俺1人ではアレなので、憧にもフォローしてもらいながらやってみた その日の部室、俺と穏乃、憧の3人だけの時に、とりあえず穏乃も女子だという自覚を持たせるため、女の子らしい部分を褒め倒した まずは髪、元々ポニテにしている髪は綺麗だと思うので、そこから褒めた。というか、元は良いんだし難しくはない 次によく見せている足、山を登ったりしている割に綺麗で、正直触ってみたい 最後に顔、顔立ちは悪くない、というか結構可愛い部類に入ると思う どれもだからもっと女の子らしい恰好を、という方向で持っていったはずだが……なんか穏乃はそのまま部室を出てどこかへ走り去ってしまった 後憧から思いっきり頭を叩かれた 変なことは言ってないはずなんだがなぁ 穏乃「うぅ……いきなり『髪、綺麗だな』とか『足もしゅっとしてていい』とか『結構可愛い顔してる』とか言い出すから!!」カオマッカ 憧「褒めるから完全に口説くになってたのよねー……最終的にちゃんとジャージ以外の服買うようになったからいいけどさ」 晴絵「無自覚に口説くか。京太郎、いつか刺されないよな?」 灼「……無自覚で他でもやってそ」 宥「京太郎くんだしね~」 玄「私も言われてみたい……」 7月○日 放課後、部室に向かっているとソフトボール部の友人に話しかけられた なんでも、ボールが2つほどこっちに転がっていったが見つからないらしい 見てないと言うと、もし見つけたら教えてくれるよう頼まれた 大方どこかの茂みの中とかだろう、そう思いながら部室に着き、ドアを開けた 部室には穏乃しかおらず、その穏乃もこっちに背を向けて気づいていない様子だった とりあえず声を掛けると、穏乃は慌てた様子でこっちを向いた その時、違和感があった 穏乃の胸にはほぼ無いはず、しかしそこに確かに存在する、2つのソフトボール大のそれ それは、一目で見て分かった、偽乳だった 不自然すぎる、しかしそっとしておきたい 一瞬でそんな葛藤が俺の頭をよぎったが、それはすぐに消えた 無慈悲にも、重力に逆らえず落ちるソレ。穏乃のジャージの裾から落ち、床を転がった、2つのソフトボールだった その時、俺はどんな顔でなんて言えば良かったのか、今も分からない ただ無言で転がるソフトボールを目で追い、そして穏乃を見た 穏乃は呆気にとられたような顔をしていたが、すぐに声を上げて泣き出した 俺は転がるソフトボールを拾い、ただただ穏乃の頭を撫でてやった その後、本人の名誉のためにも、後から来て泣いている穏乃に驚いたみんなには何も言わなかった ソフトボールは帰りに友人に渡した 俺は、今日何も見なかった。それが正しいのかは分からないが、穏乃のためにもそう振る舞おうと決めた 晴絵「…………」 憧「…………」 玄「…………」 宥「…………」 憧「……次、いこっか?」 穏乃「せめてなんか言ってよっ!!」 灼「……ドンマイ」ポン 7月△日 今週の泊まりの練習試合、岡山県で俺はまた留守番 今回以外、後3回やる予定らしいが、俺、長野以外全部留守番とか無いよな? ……無いよな? とりあえず今日もネト麻 この前知り合った打倒はやりんさんやでーちゃんさんともまた打ったりした そして、新しい人と仲良くなれた ハンドルネーム、リザベーションさん チャットでやけに丁寧な言葉だっと思ったらよく分からない方言?のような言葉を使ったりする人だった でもすごく上手くて一度も勝てなかった 色々話している内に、大会で負けたことを話すと、リザベーションさんも大会で惨敗した経験を話してくれた リザベーションさんは、諦めず必ず今度の大会でリベンジする、と言っていた 俺も頑張ろう、という気になれた 晴絵「着々とネト麻でコミュニティを広げていってるわねー」 宥「お、女の子と?」 憧「まっさかー。ネト麻よ?誰が打ってるか分からないんだから」 灼「実はプロとかインハイに出場する選手とか?」 穏乃「で、こっそりインハイでその人と会ってたり?」 玄「あははー。それは無いって私でも分かるよー」 哩「うーん……なー花田ー。ちょっとよかかー?」 煌「どうしたんですか?」 哩「んー、標準語っちどがんすりゃ覚えらるっと?」 煌「あー、それは慣れとかしかないんじゃないですか?」 哩「慣れかー……でも会う時困るっちゃけどなー」 姫子「ぶちょー、誰と……まさか東京で男が!?」 哩「そ、そがんじゃなか!大体東京じゃなくて……確か本州の……」 煌「それ肯定してますよ!?」 7月□日 今日の昼、男友達ととあることが話題になった 男友達曰く、元女子校なんだから色々な部分でガードが緩いはず なのに夏服に衣替えしたのに何も良いものが見えない! 元女子校だからこそ起こりうる良いイベントも起きない! これはおかしい!!そう力強く言う男友達、もとい馬鹿野郎 女子も馬鹿じゃないし、一応元はお嬢様高校なんだから、そう上手いこといかないだろうに 冷たい目で見ていると、お前は良い思いしてるだろう!と胸倉を掴まれ。ガクガク揺らされる俺 冗談だろうけど、恨みや妬みからかやけに力が入っていた 周りも半分笑っているし、俺も笑いながらされるがままになっていた そのまま馬鹿野郎は手を離した そして体制を戻し、軽くやり返す……はずだった 何か踏んだのか、足元が滑って俺は軽くバランスを崩し、そのまま周りを巻き込んで後ろに倒れた 運が良かったのか、頭の後ろには鞄があり、それがクッションで後頭部を打つようなことは無かった しかし、仰向けに倒れた俺の視界には、何故かピンク色が広がっていた おまけに何か顔の上に乗っているのか息もしにくい そのまま顔の上に乗っているものをどかそうとするも、やけにそれは動いて、周りもうるさい やっと顔の上のがどいたと思うと、顔を真っ赤にして涙目の憧が覗き込んでいた 俺はやっとまともに息ができる、と思って立ち上がった そのまま憧にどうしたのか聞くと、 「っの、変態っ!!」と言われながら腰の入った捻りの効いたビンタをされた 午後の授業、俺は頬に手形を作ったまま受けた 後で聞いたら、ちょうど憧のスカートの中に顔を突っ込むような形で転んだらしい 羨ましいとか男友達の何人かには言われたが、そのせいか憧が今日は目すら合わせてくれなかった 明日、馬鹿野郎を〆てやる 晴絵「アレ憧だったのか。見事な手形だって職員室でも話題になってたわ」 穏乃「いやー、あの時のビンタは見事でしたよ?タイミング、威力、どっちもすごかった」 憧「うっさい!アレは京太郎も悪いんでしょ!!」 玄「でも結局3日は京太郎くんと話さなかったよねー」 灼「確か京太郎が話そうとするたびに逃げて」 宥「顔、真っ赤にしてたよね?」 憧「……あんなとこ見られちゃ、顔見れないわよ」 7月●日 今週の泊まりの練習試合、北海道 北海道かー……イクラとか、喰いたかったな…… これ見よがしに海鮮丼の写メを送ってきた穏乃は許さん 後でそのまま愛宕(貧)に転送してやる で、ネト麻で発散……できなかった 今日は調子が悪く、負けが多かった こういう日もあるか、と思いながらチャットをよくやった 何故か桃の話題で盛り上がり、ハンドルネーム二刀流さんと仲良くなった 岡山のことにやけに詳しかったけど……地元民? 岡山って桃太郎くらいしか知らなかったし、今後も色々教えてくれると言ってくれた 地元への愛にあふれた雀士か……きっと実力もあるんだろうな 灼「写メってたと思ったら……」 穏乃「こーいうのあったよー、って思って送っただけなんですよ?」 晴絵「無自覚の飯テロか……」 玄「愛宕(貧)さんが可哀想ですのだ……」 憧「オイなんて言った?……にしても岡山ねぇ……確かインハイで対戦しなかったっけ?」 宥「うーん……あ、1回戦の相手だったよ~」 那岐「見てろよ松実玄……インハイでは不覚をとったけど!」 那岐「次は三刀流よ!」 ※いつ対戦するのか、突っ込んではいけない 7月◇日 学校帰りに穏乃の家に呼ばれた 和菓子屋だと聞いて、憧や玄さんも一緒に行った いくつか食べて、素直に美味しいと言うと穏乃の母親がサービスしてくれた 少しした後、新作のお菓子作りの手伝いを頼まれた なんか穏乃に色々聞いて俺を呼んだとか、俺素人だぞ? しかし和菓子が美味しかったので手伝うことに どんなお菓子を作るか考えていると、ふと春の顔が浮かんだ 春といえば黒糖。という訳で黒糖を使った饅頭を作った 奈良で黒糖、特に産地だとか言うわけでもないのでちょっとしたもののつもりだった が、穏乃や憧に玄さんさらに穏乃の母親にも好評だった 穏乃の母親は「……ウチの婿にならない?ほら、こんなんだけど悪くないと思うわよ?」と冗談まで言ってくれた そのまま売るとか言ってたけど……売れるのか? とりあえずアイディアの元になった春に連絡し、多めに作って余った奴を冷凍して送ることにした 春の奴は久しぶりの電話だったのもあったが、黒糖の饅頭を送ると言った時めちゃくちゃテンション高くなったな そういえば春のとこもインハイに出場するらしい 東京で時間があったら会おうと約束した 穏乃「うちの人気商品をありがとうございます」 憧「翌日からバカ売れだったわよね」 晴絵「ひとつ食べてみたけど、京太郎はアレを作れるのか……女子力高いな」 玄「女子力とおもちへの愛なら負けないのです!」 灼「後ろのはいらない……でも、親戚の人といえば黒糖って……」 宥「確か、インハイで会ってた人だよね?どんな人かな~」 春「……黒糖の御饅頭が少ない。食べたの誰?」 初美「知らないですよー……ってなんで六女仙みんないるのに私だけ見るですかっ!?」 巴「もう、そんな疑っちゃダメだよ?」 霞「そうよ、決めつけはよくないわ」 初美「2人とも……」 巴「ちゃんと証拠見つけないとね」 霞「本人の証言もあるわよ?」 初美「だからこっち見ながら言うなですよー!!」 小蒔「明星ちゃんと湧ちゃんは知らないらしいですよー?」 春「なら他は……まさか」 良子「♪」 はやり「なにこの御饅頭。すっごく美味しいけどどこのお店?」 良子「そうですねー……私のダーリンと言っておきましょうか」 はやり「!?」 7月18日 今日の昼頃、愛宕(貧)から『誕生日やから豪華なの作ったでー!』というメールが届いた 鉄板の上にかなり大きなお好み焼きが乗った写メが送られてきた 明らかに学校っぽかったけど学校で鉄板持ち込んで作ったのか? しかしこのまま引き下がるわけにはいかない、という訳で昼休みと放課後を使って豪華なホールケーキを作った ちゃんとハッピーバースデーというコメント付きで写メを送った 『お祝いしてくれるんか!ありがとなー』という返事を確認した後、麻雀部のみんなでケーキは美味しくいただいた ちゃんと食べ終わった後も写メって『美味しかったです』と送っておいた 『なんか納得いかん!!』と返事がきたので、夜にお詫びも込めて、美味しそうなパーティー料理の写メを送っておいた 見てはいないが、何通かメールが来たようだ。きっと、喜んでくれただろう 晴絵「『急に部のみんなにケーキを作りたくなりました』とか言ってきたのはコレか」 玄「あのおっきいケーキにそんな意味が……」 憧「美味しかったから文句はないけど、確かにこれやられたら納得いかないわ」 灼「お祝いしてるようでしてない……」 穏乃「その後、夜にまたってのがな~……私ならまた食べたくなります。ていうか食べます」 宥「よ、夜は止めといた方がいいよ~」 洋榎「うがああああ!!なんでケーキ作りってこんな面倒なんや!!お好み焼きなんてほぼ混ぜて焼くだけやのに!!」 絹恵「お好み焼きはもっとやることあるし、ケーキと比べるもんやないで……ちゅーかお姉ちゃんが見てるケーキの作り方、難しいやつやん」 絹恵「ほら、こういう簡単なのもあるで?」 洋榎「そんなん誕生日に京太郎が写メで送ってきたやつに負けとるやん!絶対京太郎が作ったやつよりすごいの作るんやー!!」 絹恵「……なーんかお姉ちゃんが手のひらの上で遊ばれとる感じするなぁ」 7月▽日 今週の週末の練習試合、久しぶりに俺も行けたぜひゃっほーい! 場所は大阪、北大阪地区三箇牧高校が相手だった 男の俺もOKなんて……なんていい高校なんだ、と思っていた が、なんか無茶苦茶上手くて誰も勝てない選手がいた 「お、君が聞いとった男の子?よろしくお願いしますーぅ」とかのんびりした人なのか?と思ったらとんでもない 2年生の荒川憩さん、団体戦でこそ全国行きは逃したが、去年の個人戦全国2位という人だった そりゃ勝てねーわー。そりゃ俺も飛ばされるわー 練習試合の休憩中、男子1人じゃ流石に居ずらいと外に出たら、気を遣ってか興味本位か、荒川さんはわざわざ追って来て話しかけてくれた 話しやすい人で、色々と話が盛り上がった 俺のこと、荒川さんのこと、互いの学校のこと、麻雀のこと。そして、去年のインハイのこと 「去年のうちは2位っちゅう成績やけど、1位の宮永照は次元が違うんよーぉ……アレはヒトじゃない」そう荒川さんは呟いた 宮永照さん……ねぇ 色々アレなんで誰にも言わなかったが、咲の姉で俺は昔遊んだりしていた、昔の知り合いでもある人 その時のイメージから、雑誌などで見る照さんが同一人物だととても思えなかった ……咲の姉だしなぁ、あのお菓子好き そんなことを考えているのをどうとったのか、「そんな気にせんでええよーぉ。個人で強くても団体戦じゃどうなるか分からんしな?」 そう言ってくれた。多分勘違いしたんだと思うが、そんな風に言われては何も言えなかった。ここだから書けるが、自虐みたいなこと言ってたし お礼を言い、練習に戻ろうとした時、「な、連絡先交換せん?須賀くん一緒に話しとって楽しいし。な?」そう言われて断れる訳なかった 今回の練習試合はかなり充実したものになった 灼「部長の私より先に連絡先交換してる……」 晴絵「しかも荒川憩からとは……麻雀以外でも勝てない?」 穏乃「そ、そんなことないですよ!」 憧「そうよ!まだ決まった訳じゃないわよ!」 宥「ま、負けない!」 玄「おもちなら負けないですのだ!!」 憩「♪~」カチカチ 「憩ちゃん鼻歌歌いながら携帯弄ってるけど、もしかして彼氏?」 憩「いややなーぁ、そんなんやないでーぇ?」 憩「……でも、そうなったらええなっては思うけどな?」ニコッ 7月■日 今日は……なんか無駄に疲れた 朝から憧がなんかしんどそうにしてたと思ったら、休み時間いきなり人気のないところに引っ張られ 「今日だけでいいから、彼氏になって!」と頼まれた なんでも昨日他校の男子から告白されたらしい 断ってもしつこく、彼氏がいないなら、とか言ってきたからつい彼氏がいると言ったらしい どうしても断りたいからと言うので、仕方なく引き受けた そして放課後、指定された場所に憧と行き、そこで待っていたのは晩成の男子だった つーか確か個人戦で当たってね?ギリ勝てたと思うけど とりあえず見せつけるように憧の肩を抱き、「こういうことだから」とそれっぽく言った だが相手もしつこかった そんな奴のどこが、俺の方が幸せにできる、挙句君は騙されている、とまで言い出した 面倒な奴だなー、と思っていると、憧がキレた 「うるっさいのよ!!さっきから黙ってりゃ好き勝手言って!アンタが京太郎の何を知ってんの!?決めつけで言ってんじゃないわよ!!」そう怒鳴り、そこからも続いた 今まであえて黙っていたのもあるのか、かなりきついことを言い続け、それで俺のことを上げるように言った ……ちょっと褒めすぎじゃないか、ってくらい言われてたが、まぁ悪いことじゃないし、俺は止めずに黙ってた 最終的に相手が頭を下げて俺に謝罪してきた。憧やべぇ 帰りに、あれだけ言えるなら俺いらなかったんじゃね?と聞くと 「別に……アンタのこと貶すのが気に入らなかったからだし……」と返された ま、大事な仲間と思ってくれてるのかね。アレだけ言ってくれるのは嬉しいことだ しかし、これ晩成に無駄に広がったりしないよな? 変なことにならなきゃいいが 晴絵「告白されるなんて、憧もやるねー」 憧「あんなのに告白されても嬉しくないっつーの。あー、むかつく奴だった」 灼「そんなに?」 憧「そりゃもう。これには書いる以上に、散々京太郎のこと貶して自分がいい、って言ってきたんだから」 穏乃「なにそれ!」 宥「あったかくない……」 憧「だからつい頭きちゃったわー……あー、私、色々変なこと言ってないわよねー」 玄「京太郎くんを褒めたっていうの?憧ちゃんなら大丈夫!」 7月◎日 夏休みが始まった もっとも今年はインハイ関係が大半になりそうだが 今日は灼さんと部活に関する買い物に 色々なところ回ったけど、結構色々な人達がインハイ応援で声を掛けてくれる 灼さんが部長というのもあるのか。負けられないな 適当な店で休憩していると、たまたま晩成の小走さんと会った 小走さんはこっちに気付くと、いきなり何時が暇か聞いてきた まさか……灼さんとデート?そう言うと「うるさい!彼女いるのに他の女と居ていいの!?」と返された そういえばこの人誤解してた。しかし誤解を解く暇もくれず、小走さんは灼さんに壮行試合の提案をしていた 色々あるが、まぁ奈良の強豪校の晩成との試合はありがたいだろう。灼さんも快諾していた 「じゃ、今度ね……その、アンタは彼女とうまくやんなさいよ」そのまま俺の話も聞かずに小走さんは帰っていった 話聞いてくれよ。そう思っていると、ふと、灼さんが微妙な視線でこっちを見ているのに気付いた 「……彼女持ちって思われて良かったね」そう冷たく言われる。誤解って分かってるはずなのに! その後、微妙に機嫌が悪くなった灼さんに付き合って、灼さん個人の買い物にも付いていくことになった しかし……あの私服のセンスは…… 一応俺が進めたのも買ってくれたから、まぁ大丈夫か? 玄「晩成では憧ちゃんが京太郎くんの彼女なんだね」 憧「そ、そそそんな彼女だなんて……」 穏乃「……いいなぁ」ボソッ 灼「……ところで私の選んだ服がことごとく京太郎に却下されたんだけど、そんな微妙だったかな?」 宥「び、微妙というか……」 灼「まぁ、京太郎が選んだのだし……悪くないとおも……」 晴絵(京太郎、グッジョブ!!) 7月☆日 最後の泊まりの練習試合、福岡 俺は留守番、まぁ2回行けたしいいや お土産を期待しつつ、ネト麻 やけに上手い人達と当たりつつ、のんびりとやった そんな風にやっている中で、1人仲良くなれた人がいた ハンドルネーム、風さん みんなが福岡に行ったので明太子のことを話すとものすっごい食いついてきた 魚卵系が好きらしい。アレが駄目だって友人もいたっけ お互いに好きな魚卵の話をした 最後に、北海道なら安く美味しいのが食べれるって言うと、北海道に移住します、と言ってきた ……冗談だよな? 穏乃「福岡はラーメンが美味しかった!豚骨カレーラーメン、また食べたい!!」 晴絵「シズはがっつり行くわねー。ま、確かに美味しかったわよね」 憧「魚卵系かー。そこまで好きな人……あんまり魚卵食べないとこの人?」 灼「でもそれで移住って……」 玄「好きな人はそこまでするんじゃない?」 宥「実際にどうしたのかな……北海道はあったかくないから私駄目だけど」 明華「今度の合宿は北海道にしましょう」 智葉「……今は大掃除中だ」 明華「ではカウントダウンは北海道で」 智葉「……そんなに北海道のイクラが食いたいのか?」 明華「私、北海道からオファーが来たらすぐにでも行くつもりです」キリッ 智葉「はぁ……メグのラーメン好きの方がよっぽど楽だったか…… 7月★日 今日は晩成との壮行試合兼合同練習、全員で晩成まで行った 晩成では団体戦に出ていた男女のレギュラー、それと数名の部員が待っていた 余り多すぎても仕方ないだろう、という小走さんの気遣いだった 今日改めて知ったが、この人結構いい人だ。麻雀の実力もあるし 玄さんのドラ麻雀初見であの対応だ、奈良個人1位は伊達じゃない 俺も男子のメンバーと打たせてもらった どの人も実力者で勝つのは難しかった けど、個人戦で当たった人や同じ1年生など打ってて楽しくもあった そーいや同年代の男子と大会以外で打つのはかなり久しぶり……いや打ったことあったか?まぁいいや 休憩時間、男子との仲良くなれて、いっそ晩成に来ないか?等誘われたりもした 無論冗談だろう、俺も何か返そうと思ったが、後ろで聞いていた阿知賀のみんなが必死な感じで止めに入った そもそも冗談だ、と言うとみんな恥ずかしそうにしていた その後男子達から軽く叩かれたりした。酷い。でも連絡先交換したりした 休憩時間が終わってからは女子と打ったりした 団体戦のレギュラーだけでなく、他の人とも打ったりした 途中、小走さんや憧の友達の初瀬さんとも打った 色々聞かれたが、何か誤解してるっぽい。話が噛み合わない デートとかどこまでいったかとか何股かとか、絶対勘違いだろう せめて後日誤解を解こうと、連絡先だけ交換した。 でもなんか更に誤解したっぽい……誤解、解けるか? 結局そのまま壮行試合兼合同練習は終わった 色々あったが、かなりいい練習になった またこういう形で打ちたいもんだ 晴絵「あー、あったあった。京太郎引き抜きを止めるみんな」ニヤニヤ 穏乃「うー、だってびっくりしたんですよー」 憧「てかアレ、結構マジだったわよね」 玄「そうなの!?」 灼「冗談っぽいけど、気が変わったらいつでもって連絡先交換してたし」 宥「京太郎くん、晩成の人達とも仲良くなってたからね~」 憧「ってか晩成の人達はなんか私を京太郎の……か、彼女って誤解してるのよねー」 灼「……でも今は何股か掛けてるって話になってるっぽい」 玄「そんなんじゃないのに……」 晴絵「ま、全員で引き抜きを止めたりすりゃねー。いやー、京太郎って愛されてるわー」 穏乃「赤土先生……」 宥「否定はしませんけど……そーいう誤解はちょっと……」 やえ「須賀って阿知賀の誰と付き合ってたんだっけ?」 初瀬「憧……と思ってたんですけど、部長さんともとか、姉妹の方とかも聞きますよね」 やえ「まさか……ハーレムを気付いた王者なのか!?」 初瀬「そ、そんなまさか……」 7月▲日 夏休み、夏らしく海に行きたいという話が出た 練習漬けだったし、そういう息抜きもいいかもと赤土先生も乗り気だった さらにそこに水着の話まで出て……内心ひゃっほーい!とすげーハイテンションだった これが昨日の話だ で、今日 山に来ていた なんでだよ!水着の話したのに!! 聞くと、ぶっちゃけ海遠いから山で、ということになっていた 水着に気を取られて聞き逃していた!なんという失態!海で未知のおもちなお姉さんとの出会いも何処へ!! でも、山と言っても綺麗な川があるところで、みんなの水着姿が見れたからそれはそれでよかった 宥さんも一応水着ではあったみたいで、一瞬だけ見せてもらえた。すぐに厚着したけど これはこれで眼福眼福 大会前にいいリフレッシュになっただろう 灼「なんか生返事だったと思ったら……」 憧「サイッテー……」 玄「分かる!分かるよ!やっぱりまだ見ぬおもちを求める気持ちは!」 晴絵「アンタは平常運転ねー」 宥「水着……やっぱりもっと頑張った方が……」 穏乃「いやいや、宥さんは大分頑張ってましたって」 7月◆日 今日は東京行きのために色々と道具などの準備していた ついでに部室の中も整理したり片づけたりもしていた 昔、赤土先生が9年前にいた頃から使っているからか、部室には以外と古いものも多かった 9年前のジャ●プやガン●ン、当時のインハイの記事など、じっくり見たいものもあった 赤土先生が遅かったため、古いものはすぐには捨てずに部室の端に置いておいた そんな感じで色々片付けていると、いきなり憧が妙な声を上げた 一体どうしたのかと思うと、憧は古びた段ボールを前に固まっていた ゴキブリでも出たかと思って段ボールを覗き込むと、古い巫女もののエロ本が入っていた しかも相当な数が綺麗な状態で……集めた人のこだわりが感じられた つい、いつもの癖でじっと表紙と中身を見る……時代こそ感じるが、素晴らしい しかし、後ろから視線を感じ、慌てて本をしまおうするが、それをいつの間にか前に来ていた穏乃に取られた そのまま何故か5人でじっくりと俺が見た数ページを見ていた なんとなくその様子を見ていると、「……こういうのがいいんだ」とポツリと憧が呟いた 待ってくれ。いや待ってください。巫女ものは嫌いじゃないよ?でもなんか巫女だけって訳じゃないからな? 必死に弁解したが、灼さんの「じゃあ、どういうのがいいの?」という一言で固まった 性癖暴露しろと?できるか! それからは中に入っていた巫女もののエロ本のページを見せられ、 「こういうのがいいの?」「こういうポーズ?」「これは……ちょっと厳しいよ」等と感想などを求められた 興味津々でエロ本片手にそういうのはやめて 精神的にすごくダメージ大きかった。うん、マジ勘弁してください それから相当な時間が経って、赤土先生が来てそれは終わった なんでも、それらの本は当時そういうのが好きな部員がいたらしい。女子なのに 理由は分からないが、部室に置きっぱなしな罰と言いながら赤土先生がどこかに持っていった エロ本との別れが嬉しい日が来るなんて思ってなかったよ…… そして、俺の性癖がいくつか暴露されたという事実を書いておこう ……胸や巫女さんも好きだけど、うなじも結構好みなんだよ 晴絵「いやー、これは悪かったわ」 憧「ハルエ、笑顔で言っても説得力ないわ」 玄「ああいうのはあんまり見なかったけど……いいきっかけになったよ」 宥「玄ちゃん?買ったりするのは駄目だよ?」 灼「でも……ああいうのがいいなんて……少し難し……」 穏乃「ところで、結局あの本はどうしたんですか?」 晴絵「ちゃーんと持ち主に送ったわよ?着払いで、中身巫女物エロ本ってしっかり書いて」 憧「酷っ!?」 8月×日 インハイ開会式前日、今日東京入りした 移動は赤土先生が運転する車 なので途中途中休憩をいれつつの移動になった ほぼ移動で終わった1日だったが、珍しい出会いもあった 移動中のサービスエリアでの休憩中 憧達に付き合ってパンを買い、適当なベンチで食べようかと思っていた時だった 目の前にショートヘアにセーラー服の娘がいた おもち……なくはないな、うん とにかく1人でどうしたのかと思っていると、急にその娘が耐えきれなかったかのように、地面に膝をついた 慌てて駆け寄ろうとしたが、俺達より早く駆け寄った人がいた 長い黒髪で、ショートヘアの娘と同じセーラー服で、おもち大きめの娘だった 1人じゃなかったとしても、心配なのは変わりないので俺達も一応近付いて大丈夫か聞いた 急に声を掛けたので驚いたようだったが、ショートヘアの娘が何故か俺の顔をジーっと見てきた 顔に何か付いてるか?と思っていた時、グーっとそこそこの大きさの腹の音がなった 全員の視線がショートヘアの娘に向いた瞬間だった。ショートヘアの娘の視線は、俺の持っていたパンに向いていた 「……それ、どこで売ってるん?」それが、俺がそのショートヘアの娘からの第一声だった 数分後、ダッシュでパンを2つ買ってきて、俺達は6人でパンを食べていた 「お騒がせしてごめんなぁ。後、買ってきてもろうてホンマごめん」申し訳なさそうにする長い黒髪の娘 おもち大きめの娘のためなら全然OKだ 「ウチ、病弱やから……」そういうショートの方 嘘だろ、と内心みんな思っていただろう。パンすぐ食べ終わったし その後、ちょっと話した後、2人は同じ高校の人に呼ばれ、行ってしまった そしてその時、赤土先生と灼さんが来て気付いた その2人、怜と竜華と呼ばれていた2人の高校は、全国ランキング2位、シードの千里山女子だった ちょっと映像で見たので、レギュラー5人は思い出せた そして2人も、呼びに来ていた3人もレギュラー このことから導き出される結論は……千里山レギュラーで一番のおもちは、大将の清水谷竜華さん!! 千里山の試合、チェックしとかないとな 玄「だね!あのおもちは大きさもだけど形もまた素晴らしくて…」 憧「ええいおもちが出てきたからってはしゃぐな!京太郎も胸ばっかりか!!」 灼「結構印象的な出会いなのにね」 宥「あったかくない……」 穏乃「この時のパン美味しかったなぁ……」 晴絵「インハイ前だってのに緊張感の無いこと書いて……」 8月○日 今日はインハイ開会式と抽選会 ま、俺どっちも俺は別行動で見てただけだったが さすがに女子の大会でそういうのに出席まではできない 移動中に和に会えれば、とか穏乃達と話したりしていたが、そんなことはなかった が、代わりと言うべきか、懐かしい奴にあった 1人で何やってんだよ、咲…… 恐らく焦っていたのだろう、昔麻雀してる時、ギリギリのこづかいを掛けて本気で打った時に見せたような、そんな雰囲気になっていた 周りがドン引きするからやめろっつったのに 声を掛けると、俺に気付き、ぱぁっと明るい表情になった ああ、迷子でトイレでも探していたんだな、とすべて理解して、トイレに連れて行ってやった コイツ変わってねぇ…… そのまま抽選会場前まで案内してやった 同じ東京にいるんだし、時間が合ったら会おうと約束してその場で別れた それから抽選が終わり、しばらくしてネト麻で知り合った人たちから連絡がきた 8月に東京で会えるかも、とみんなに言ってはいたが、みんな丁度同じ時期に東京にいるらしいので、時間が合い次第会うことになった こういう偶然もあるもんだなー 穏乃「えぇー……アレ昔からなの?」 玄「す、すっごい怖かったのに?」 憧「京太郎のメンタルの強さの片鱗が見えた気がするわ……」 晴絵「こいつ私よりメンタル強くね?」 灼「……そんなに宮永さん怖かった?試合は確かにすごかったけど、これ見るとドジっ娘な印象だけど」 宥「……アレはなんていうか……すっごいオーラ?そんな感じかな」 8月△日 インハイ1日目 今日は阿知賀の試合もないので東京見物を、と穏乃は楽しみにしていたが、それは無くなった 試合に確実に勝つため、1日試合観戦となった 仕方ないと言えば仕方ない 俺もみんなに付き合って試合を見てはいた が、正直俺が試合をするわけでもなく、みんな俺より実力は上だ なので、みんなの買い物や用事等で昼に少し外出した 穏乃が恨めしそうに見ていたので何かお菓子でも買ってくると言ってやった いくつかの買い物を済ませ、後はみんなにお菓子でも買って帰ろうかと思い、適当なスーパーに入ったら、とんでもない人と遭遇した スーパーの駄菓子コーナーで真剣な顔をしているインハイチャンプってもはやギャグだろ 照さん変わってねぇ……う●い棒両手に持って悩んでるとことかマジで昔と同じだった その衝撃で、つい「照さん?」と声を掛けてしまった 照さんは普通にこっちを向き、しばらく俺の顔を見た後「……京ちゃん?」と言ってくれた 昔少し会った程度だが、覚えてくれていたらしい。懐かしさでその場で少し話した 覚えていてくれたことは嬉しかったが、両手のう●い棒は決して離さない照さんだった とりあえず俺も照さんとお菓子を買い、そのまま公園に寄って話の続きをした 咲からも聞いていたが、まだ喧嘩中らしい。元々仲良かったんだから、仲直りすればいいのに まぁ、そこに突っ込んだりはできないが しばらく話していると、「宮永先輩!こんなとこにいたー!!」という声が聞こえてきた 照さんにどういうことか聞くと「……ちょっとお菓子を買いに来ただけだよ?」としれっと言った 迷ったんだな。姉妹揃ってこういうとこ変わらねぇ…… 大人しく帰ってもらうよう言うと、また話したいからと、連絡先を交換して別れた インハイチャンプと連絡先を交換した、って言えばすっごいことに聞こえる 実際は昔の知り合いのポンコツ姉妹の姉だからな…… ま、覚えてくれてたことは素直に嬉しかったし、また連絡しよう 玄「み、宮永さんともうこの時に!?」 憧「玄、落ち着いて。ほら、またアンタと打つ訳じゃないんだから」 晴絵「ちょっぴりトラウマになってるな。しっかしこういう人脈はホントすごいな」 灼「私達が大会やってる裏でどれだけの人と……」 宥「そ、その言い方はちょっと……」 穏乃「すぐ仲良くなるのはいいことですよ」 照「…………」 誠子「宮永先輩、何見てるんですか?」 照「ん、これ」 誠子「雑誌?えっと……宮永照彼氏疑惑!?」 照「夏で公園で京ちゃんと会ってたのが撮られてたみたい」 誠子「京ちゃん?とにかく、いいんですかコレ?」 照「……外堀から埋めるには最適だからいい」 誠子(どこの京ちゃんか知らないけど、ものすごい手段で外堀埋められてるぞー) 8月□日 インハイ2日目、ついに阿知賀の試合も始まった 玄さん大暴れで初戦突破だ! やっぱりあのドラ麻雀には対戦相手も面食らってたな ぶっちゃけ初見のアレは同情するわ しかし三尋木プロが面白いこと言ってたな 『阿知賀のドラゴンロード』、か……二つ名とかいいな こう、中2心をくすぐられる 昔、友達と『ゼ●』だの『ダー●フレイムマスター』だの言ってたのを思い出す やっぱ有名選手だとそういうのあるのかな 照さんならチャンプになるのか? そういうのが付くくらいの上手くなりたいもんだ とりあえず、阿知賀初戦突破おめでとう 穏乃「ドラゴンロード、やっぱかっこいいですよね!」 憧「良かったわね、阿知賀のドラゴンロード」 灼「かっこいいよ、ドラゴンロード」 玄「止めてよー!インハイ終わってからすっごく言われて困ってるんだからー!」 宥「有名になって良かったってお父さん喜んでたよ?」 晴絵(私も一時期レジェンドって言われまくったなー……) 8月●日 インハイ3日目、今日は試合こそないが、再びホテルでテレビとにらめっこ まぁ今日は清澄の試合あるし、姫松も愛宕姉妹いるし、ということで観戦 清澄……和も咲も出る前に終わらせるとかどんだけだオイ つーかあのツモかっけぇ。ちょっと真似したら牌がどっかいって憧に怒られた 姫松も、愛宕(貧)が役満で和了ったのはびっくりした 散々いじったり飯テロしたりで忘れてたけど、あの人って名門校の主将だったんだよなー ちょっと今までのことを反省しようと思ったが、試合終了直後に『今日の試合見たか?見た?どやった?』というメールが来て、反省するのは止めた ドヤ顔が目に浮かぶので、飯テロ用に用意していた画像フォルダから、とっておきのたこ焼き、お好み焼き、焼きそばの画像を送ってやった それからは無視した 夕食後、ちょっと甘いものが欲しくなってコンビニに行くと、お菓子コーナーの前に一昨日見た人がいた またかよインハイチャンプ、つーか一昨日買ってた大量のお菓子はどこに行った ただ、今日は1人ではなく、隣にもう1人いた 白糸台の部長、弘世菫さんだった 照さんに声を掛けると、弘世さんが警戒するように「照のファンか?流石に今サインは…」と言ってきた 照さんが自分の昔の知り合いだと言うと心底驚いていた コンビニを出て、簡単に自己紹介をした後も「あの照に男の知り合いとは……」と弘世さんは半分信じていないような感じだった そんな弘世さんに不満そうな照さん。普段の行動のせいだろう そう言うと「え、分かるのか?」と弘世さんが言った なんとなく察した。この人、苦労してるんだなと この人とその妹のおかげで迷子を探すのが得意になりました、と言うと感極まったように俺の手を握り「分かってくれるか!分かってくれるのか……!」と言う弘世さん 僅かな時間で俺と弘世さんは分かり合い、連絡先を交換した 愚痴なら付き合います、そう言うと弘世さんはとても嬉しそうにしていた またいい出会いがあったな ちなみに照さんは横でずっとお菓子食ってた 出会いのきっかけということは感謝できるけど……感謝したくねぇなぁ 玄「宮永さんのイメージがどんどん崩れていく……」 憧「玄と打ったのは別人だったんじゃない?」 灼「流石にそれは無いとおも……」 穏乃「清澄の大将の咲さんもすれ違ったときすっごく怖かったけど、試合前は普通だったしなぁ」 宥「なんでだろうね」 晴絵「ま、そういう人もいるわよ。ある分野は優れてて、他全部駄目、とかね」 菫「……ふふっ」カチカチ 尭深「どうしたんですか?メールしながら笑って」 菫「あぁ、改めて良い奴だなと思っててな」 尭深(まさか彼氏……) 菫「互いに共感できる話題も多いし、愚痴っても分かってくれるしな……」 菫「しかし、一時期は姉妹両方を相手にしていたのか……そう思うと私は楽な方だったのか?」 尭深(……なんか違うというか、同じ苦労人?) 8月◇日 インハイ4日目、今日もホテルで試合観戦 といっても録画されていた明日の対戦相手の試合だ やっぱ千里山が明日は強敵になりそうだ 昼にホテルを抜け、ネト麻で知り合った2人と昼飯を食べることになっていた 待ち合わせ場所に行くと、世界ランカーと北部九州最強がいた リザベーションさん改め白水哩さん、風さん改め雀明華さん めっちゃ有名選手じゃん、なんて人達と知り合ってたんだよ俺 全員インハイ関係者ということに驚きつつ、適当な店に 最初はどうなるかと思ったが、哩さんの明太子の話に明華さんがすごく食いついたことですぐに打ち解けられた 時間も短かったのでほぼ魚卵談義で終わってしまった 俺も2人も名残惜しそうにしながらも、それぞれで連絡先を交換して別れた どこが勝っても恨みっこなし、という約束もした 夕方、そういえば清澄が勝ってから連絡してないと思い、咲に連絡してみた 携帯に電話してえらく時間かかってから出たと思ったら、寝ぼけてやがった…… あいついつまで寝てんだ 半分寝言で俺の名前呼んでばっかだったけど、どんな夢見てんだ? 晴絵「またすごいのと知り合ってるなぁ……」 灼「白水さん……試合でもすっごく強敵だったのに……」 玄「大丈夫ですのだ!まだおもちでアドバンテージが!」 憧「はったおされるわよ。ところでこの寝言ってなんなのかしら?」 穏乃「京太郎の夢見てたとか?」 宥「夢に出るほど、ってことかな?」 哩「うーん……高けりゃいいって訳じゃ……いや、でもなぁ……」 煌「さっきから明太子コーナーの前でどうしたんでしょう?」 姫子「なんか知り合いから『いくらかかってもいいから最高の明太子を!』って頼まれたらしか」 明華「♪~♪~」 ダヴァン「なんかすっごいご機嫌デスネ」 ネリー「どうしたんだろうねー」 8月▽日 インハイ5日目、そして今日は2回戦だった 結果としてみれば勝ち抜けた。けど、2位でギリギリだった 千里山は、全国2位は強かった 特に先鋒の園城寺さんは1人で4万近く稼ぐなんて……後、リー棒立てるのがちょっとかっこよかった アレどうやってんだろ、できねーわ。穏乃とこっそり挑戦したら憧に俺だけ叩かれた とにかく次の試合はこれに白糸台と新道寺、このままじゃ勝ち目が薄い そう思いながらも穏乃の提案でラーメンを食べにいった アイツ良くも悪くも空気読まねぇ……今回は暗くなりかけてたから助かったけどさ ラーメン屋からの帰り道、おもちの気配がした 玄さんもそれを感じ取っていた。が、見つからない 一体どこなんだ!と思っていると暗がりからいきなりおもちが現れた!! 幽霊……ではなかった。足もおもちもあったし そこで会ったのは、長野の清澄を応援に来ていた、鶴賀学園の人だった すばらなおもち!と思っていたが、穏乃達は何か思いついたのか、その人達に練習試合を申し込んでいた いきなりいいのかと思ったが、鶴賀学園の人達は快く引き受けてくれた それだけでなく、新たなすばらなおもち、もとい、長野の名門校、風越の人まで呼んでくれた そのまま練習試合は始まった 俺はどうするかと思ったが、試合に出ない俺まで打つことに まぁ、負けまくったけどなー ただ、鶴賀の加治木さんと風越の池田さんに、咲や龍門渕の人達と交流があることを言うと驚かれた さらに咲と昔初心者の頃から打っていたことを言うと2人とも何故かとんでもないものを見るような目で見てきた 「お前すげーな……アドレス交換しようぜ!」とのことで池田さんとアドレスを交換した その後しばらく打ったり、すばらなおもちを観察したりした 途中、何度も東横さんを見失いかけた。影が薄いとか言ってたけど、こんなに主張の激しいおもちがあって影が薄いとか納得できない おもちを見失う訳には!と最後には普通に見つけれるようになった もうあなたを見失わない、と東横さんに言うと、なんかえらく喜ばれ、アドレスを交換した かなり遅くなったが、かなり実のある練習になったと思う 帰りを車……車?まぁ、とにかく送ってもらって少し申し訳なかった。今度お礼でもしよう その直後、全員で集まった とにかく明日、片っ端から申し込んで練習試合だ!ということに 明日、忙しくなるかな 晴絵「ほー、またいい出会いがあったんだな」 穏乃「そりゃ、勝つためにも必死でしたから」 憧「あの人達にはお世話になったけど、ここでも京太郎がアドレス交換してるのがねー」 灼「一応、同郷の人だし?」 玄「しかしすばらなおもち……何度か見失うとは不覚……」 宥「あったかい人達だったね」 8月■日 インハイ6日目、今日は雨だった ちょっと長めの日記になりそうだ 昨日、知ってる人達に連絡を取りまくり、なんとか荒川憩さんだけはOKしてくれた 今度、個人的に何かお礼すると言ったら『ほほー……楽しみにしときますーぅ』とか言われたけど……まぁいい! ただ、女子ばかりの練習試合で無理を言ったようなものなので俺は不参加に まぁ、その分今日の試合でも見ておこうと思った どうせなので会場で見ようと思い、会場に向かっている途中、雨の中傘も差さずに駆け抜ける学ランの人がいた どんなワイルドなイケメンだと思い、信号で止まった時に隣に行ってみると、千里山の江口セーラさんだった。イケメンな女子だった 江口さんは俺に気付くと、サービスエリアでチームメイトと会っていたことを思い出したからか「すまん!ちょっとでええから入れてくれ!!」と言って傘に入ってきた 江口さんは会場近くへ向かう途中だったらしいのでそのまま一緒に会場に向かった なんで傘を差していなかったか聞くと、コンビニで色々買った後出ようとしたら、傘が壊れて泣いてる小さな女の子がいたのでその娘にあげたらしい 「雨ん中走るん気持ちええやろ?」と笑う姿はまさしくイケメン。なんだよ性格までイケメンだったよこの人 会場に着くと、待ち合わせていたのか千里山の制服を着た眼鏡の人がすぐに来た。俺にお礼を言って江口さんにすぐに着替えるように言ってセーラー服を渡していた。グッジョブ 江口さんはかなり嫌そうにしつつも受け取っていた。そのまま別れようとした時、なにかの縁ということで江口さんと連絡先を交換した 後でセーラー服を着て恥ずかしそうにするセーラさん(そう呼べと言われた)の写メが送られてきた。『お礼やでby船久保浩子 P.S.愛宕姉妹から話は聞いとる』ともあった あの眼鏡の人、愛宕姉妹の関係者か? 昼に、会場近くの店でネト麻で知り合った2人と昼飯を食べることになっていた そこに居たのは、1回戦の対戦相手と2回戦の対戦相手だった。オイ、どんな偶然だ 二刀流さん改め新免那岐さんと、でーちゃんさん改め森垣友香さん 俺も自己紹介し、正直に阿知賀の生徒だと言った 友香さんは対戦校だけど、直接俺と対戦した訳じゃないし、と全く気にしてない様子だった 那岐さんは、なんか玄さんへのリベンジに燃えていた。まぁ、悪い方向で気にされてても困るからいいけど そのまま打ち解け、話していると時間はすぐだった。昼の間だけ、ということだったので別れが早かった それぞれで連絡先を交換し、2人とも阿知賀負けるな、と残して別れた。いい人達だったな それからはまた試合観戦 中堅戦では春を応援していたが、結局は愛宕(貧)の一人勝ちに。今日は寝るまで1時間起きに画像送るか そして大将戦、ちょっとだけ面識もあり、かつ誰よりも大きいおもちの霞さんを全身全霊で応援していたが……咲……そんなにおもちが憎いか? 結果は清澄と姫松が準決勝に進んだ 試合終了後、春に連絡して永水の控室に 春以外のみんなともちょっとだけ面識はあるので、一応挨拶に行った 永水のみんなは負けはしたが、泣いたりとかそういう雰囲気ではなかった むしろもう、個人戦までどうしようか、となっていた。切り替えはええな とりあえずゆっくりして、暇があったら打たないかと言うと、それに乗ってくれたようだった 予定が合えば良子さんも来れるらしい。春達と打てるのは純粋に楽しみだ しばらく話した後、宮守の人達にサインを持っていくというので、そこで別れた 帰り道、雨は止んでいた みんなが帰ってくる前にホテルに戻ろうと思って歩いていると、ふとお茶の店が目についた 喫茶店とかじゃなく、茶葉とかそういうのだ。長野に居た頃にハギヨシさんに軽く教わった なんとなくその店に入ってみた 時間帯のせいもあるのか店内にお客はほとんどなく、俺と白いセーラー服の人しかいなかった どこかで見覚えがあるセーラー服だと思っていると、その人がちょうどこちらを向いて思い出した 白糸台の制服だった。そして、その白糸台の人は俺を見て「あっ」と声を上げた 知り合いかと思って声を掛けると、その人は白糸台のレギュラー、渋谷尭深さんだった なんでも、照さんと菫さんから俺のことを聞いて、写メまで見せてもらっていたらしい 何時の間に写メ撮ったんだと思ったが、そのおかげでこのなかなかのおもちな人とのきっかけになったと思えば許せる そのまま自己紹介から始まり、お茶についての話で軽く盛り上がった 俺は少し教わった程度だが、それでも渋谷さんはお茶の話ができたことが嬉しそうだった ポツリと、「白糸台にそういう人居なくて……」と呟いていた。まぁ、少なくとも他のレギュラー4人は無縁そうだな。内1人は消費する方専門だし そのまま連絡先を交換して別れた ホテルに戻ると、すでにみんなは揃っていた 何か話していたようだったが、もう大丈夫だと言っていた それより、明日、頑張ろう!と気合いを入れていた その通りだな 明日の準決勝、強敵や知り合いばっかりだけど阿知賀に勝って欲しい 俺も応援など、できることは全力でやろう 憧「ここまで読んでみると、準決勝で当たるどの高校とも知り合いがいたのねー」 穏乃「へー、すごいねー」 灼「対戦前に、って思わなくもないけど」 晴絵「ま、それこそ京太郎の人柄だろうね。アレはすごいよ」 宥「凄いですよね……」 玄「ですのだ!このまますばらなおもちの人達とも…」 憧「胸から離れろ!!」 8月◎日 インハイ7日目、まずは阿知賀、決勝進出おめでとう!! このとんでもない相手の中、1位通過とかやったぜ!! ただ、色々あった 先鋒戦、照さん容赦なさすぎるとか思ってたけど、先鋒戦終了後に怜さんが倒れてそれもふっとんだ 直接知り合いって訳じゃあないが、さすがに驚く 日記を書く前にセーラさんから連絡があり、特に問題はないらしいので安心した 怜さんが運ばれたのを見て、会場入り口から会場に戻ろうとした時、また驚いた 昔の憧のそっくりさんと、和がいた 穏乃に憧、玄さんも驚いていたし、和も驚いていた 「穏乃、憧、玄さん……京太郎くん?」そう名前を呼ぶ和。それもそーか、俺は1週間程度しかいなかったし、何より女子の大会の会場にいるわけだし そう呼ばれたので、俺も久しぶり、和と返した すると、隣の昔の憧のそっくりさんが「まさか……お前がのどちゃんのは、むがもご…」そう何かを言いかけ、和に口をふさがれていた 「もう!……ってなんでここに?阿知賀は女子校だったのに……」そう疑問が沢山な和に俺の現状を軽く説明をした 「……なんですかこのオカルトじみた偶然」ありえない、と言いたげな口調な和。まぁ分からんでもないが そうこうしている内に次鋒戦が始まりそうなので話も切り上げた 穏乃達は決勝で会おうと言い、和もそれに応えるように頷いた 俺はとりあえずまた話そうということで、和と連絡先を交換して別れた 試合終了後、赤土先生の勧めで決勝の会場を下見に行った すると、そこに小鍛治プロがいた 赤土先生は、阿知賀の優勝を見届けた後、またプロを目指すと宣言していた 先生も頑張ってるんだな 明後日の決勝、ここまで来たら目指せ優勝!! 穏乃「ほんっとにびっくりしたよね!和がいるんだもん!!」 玄「だよね!またおもちも成長してるし……そういえば憧ちゃんのそっくりさんもいたね」 宥「後でアルバム見てびっくりしたよ~」 灼「生き別れの妹?」 憧「他人のそら似だっつの。全く、京太郎は和と会えて嬉しそうにしちゃって。和も和だし……試合あんのに余裕だったのかしらね」 晴絵「ま、京太郎に関してはそういう性分でしょ。和は……実は京太郎に会いたかったとか」 穏乃「和にとっても大事な友達ですからね」 灼「アレはそういうのというより……」 閑話、8月◎日、某所 和「ふふ、そうですね。実は名前は思い出せなくて……」 和「えぇ、顔を見ると、結構分かって思い出すものなんですね」 和「でも、長野って知ってたらもっと早く会えたのに……」 和「はい、もしかしたら同じ清澄だったかも……なってあったかもしれませんね」 和「でもこうして話せてることも嬉しいですよ?」 和「それはそうと……胸への視線、気付いてますからね?」 和「もう!そんなところは玄さんも変わらないんですから……」 和「なっ……もうこれ以上大きくなんてなりません!!」 和「もう……はい、ではおやすみなさい、京太郎くん」 優希「のーどちゃーん?すっごくすっごく楽しそうだったじょー?」 まこ「ほうじゃなぁ。あの和が男子とここまで楽しそうに話すとは驚きじゃ」 久「ねぇ。まさか決勝前に幼馴染、そして初恋の人との再会。決勝では幼馴染との試合……これ、ドラマ化いけるんじゃない?」 優希「だなー。咲ちゃんもそう思うかー?」 咲「う、うん。だけどまさか相手が京ちゃんだったなんて……」 和「あんまり勝手なことばかり言わないでくださいっ!」 和「私だって、親しい人とは楽しく話しますよ。それに、彼自身もいい人ですし」 咲「京ちゃん誰とでも仲良くなれるからなぁ……」 和「ですねぇ……でも、胸ばっかり見てくるのはどうかと思いますが」 久「いいんじゃない?ほらほらその胸で彼を誘惑しちゃえば?」 まこ「とんでもない武器じゃからな。怖い怖い」 優希「のどちゃんのおっぱい!男はメロメロだじぇ!」 咲「いいなぁ……京ちゃん、和ちゃんのこと胸で覚えてたんだよ?」 和「それは知りたくなかったですね……でも、私は名前を忘れてましたし、おあいこですね」 優希「ん?でも会ってすぐ名前で呼んでたじょ?」 和「顔を見たら思い出せたんです。その、金髪なのは覚えていましたし」 久「へぇ。ちょっと私も会ってみたいわ」 和「意外と顔を見たら思い出せて……昔の面影もありましたし……その……」 まこ「どうしたんじゃ?歯切れが悪いぞ?」 和「ええっと……今思い返してみて……」 優希「うん?」 和「……かっこよくなってたなって」 咲「むっ」 久「あらあら……これは優希の言う通りになるかしら?」 優希「のどちゃん、初恋だな」 まこ「青春じゃのー」 和「ち、ちがっ……ただ客観的に見ても整っているというか……別に私の好みとかじゃなくて……」 咲「……負けないからね」ボソッ 久「へぇ……ま、今身内同士でどうこうっていうのは置いといて、現状一番の強敵は阿知賀じゃない?」 和「確かに……はっ、これは別にそういう訳じゃ……」 優希「向こうも幼馴染で、さらに一緒に居る時間が長いじょー」 咲「私の方が付き合い長いのに……」 まこ「お前さんも拗ねるなって。そんなお前さんを蔑ろにするような男か?」 咲「……今も気にかけてもらってます」 まこ「なら大丈夫じゃろうて」 久「それじゃ、まずは明日勝つこと!それで和と咲の大事な人に、私達の活躍を見せてやりましょうか!」 優希「さんせーい!」 まこ「阿知賀には悪いが面白そうじゃな」 和「そんなんじゃ……無いって訳でも……」 咲「……明日、明後日、みんな倒します!」ゴッ 閑話、カンッ!! 8月☆日 インハイ8日目、決勝前日 今日は準決勝を観戦しながら、明日のために打ったりした 決勝前にまたどこか他校と練習でもできたらいいのに、と憧が言ったので、ちょっと春に連絡をとってみた 春達永水も個人戦前に練習したかったとのことで、わざわざこっちに来てくれた 更に、2回戦後に知り合ったらしい、宮守の人達まで連れて来てくれた 決勝前にありがたかった。みんな驚きつつも喜んでくれた 永水のみんなとはほぼ顔見知りだ。久しぶりに会った霞さんや小蒔さんのおもちがすばらなことになっていた 思わず玄さんと固い握手を交わした ただ、春がいきなり抱き着いてきたのは驚いた 「良子さんに教わった挨拶」とかドヤ顔で言ってたけど、あの人はまた妙なこと吹き込んで…… 何故か憧は蹴られ、灼さんにはつねられた。穏乃と玄さんと宥さんも少し対応が冷たかった。解せぬ 宮守の人達とは初対面だが、みんないい人達ですぐに打ち解けることができた 特に、姉帯豊音さんがクールっぽいと思ったらかなり話しやすくてびっくりした なんか赤土先生にサインを頼み、それで気をよくしたのか赤土先生がかなり機嫌が良くなった 姉帯豊音さんとは特に仲良くなり、連絡先も交換した そうして全員で打った まぁみんなインハイ出場選手。俺は飛んだ 宮守の人達は少し申し訳なさそうだったが、永水のみんな、顔見知りだからって容赦ねーよ 途中、交代しながら休憩を取り、その都度準決勝をテレビで観戦した そんな感じで続けていると、準決勝が終わっていた 結果、勝ち上がったのは清澄と臨海。どっちにも、というか決勝の4校になにかしらの知り合いがいるのはどういうことだろう 準決勝が終わる頃、丁度いい時間になっていたので、そこで練習は終わった みんな、初めて会った人も明日は頑張れと言ってくれた 明日、決勝か……勝てるといいな 晴絵「決勝前日なのに2校も集まってくれたのはありがたかったね」 穏乃「はい。またいろんな人と打てて楽しかったですし!」 玄「特にインハイトップクラスのおもちの持ち主に会えたことが最高ですのだ!」 憧「玄はいいとして……あの永水の春って人……明らかに見せつけるように抱き着いてた気がするんだけど……」 灼「あぁ……なんかそんな感じはあった」 宥「親戚だって言ってたけど……向こうはそう思ってないっぽいよね」 憧「何よりあんなあっさり正面から抱き着いて……」 穏乃「京太郎、されるがままだったよね……」 晴絵「やってみたら?挨拶って」 灼「そ、そんなこと……恥ずかし」 8月★日 インハイ9日目、決勝だった ウチもすげー頑張ったと思う。でも、やっぱり白糸台はすごいわ 昨日1日で対策してきたのか、終始押されっぱなしだった 健闘はしたと思うが、結局最終結果は1位白糸台、2位が阿知賀、3位4位はほとんど差が無いという結果だった なんだろうな、準優勝でも充分頑張ったと思うしすごい結果だと思うけど、悔しがるみんなを見ると何も言えなかった 結局、年長者としての貫録か、赤土先生がなんとかみんなをまとめ、今日はみんなで飯を食べに行って終わった 咲や和、照さんからメールは来ていたが、ちょっと今日は返せなかった 明日からは個人戦、準優勝で終わったがそれでも充分な結果なので個人戦を見たり、観光したりしてから阿知賀に帰るらしい みんな落ち込んでいるだろうし、この数日で立ち直ってくれるといいんだがな 晴絵「あー……これはなー」 宥「うん……悔しかったなぁ……」 憧「みんな『準優勝とかすごい』って言うけど、やっぱどうせなら優勝したかったわよねー」 穏乃「うー、今だって悔しいー!!」 灼「うん……来年リベンジ」 玄「だね。諦めないよ!!」 8月▲日 今日から俺達阿知賀はフリーだが、個人戦1日目、知り合いの人達も何人か出ている みんなは和を応援すると言っていたが、俺は他にも知り合いがいたのでしばし別行動になった 別の会場に移動中、見覚えのあるショートヘアの人に声を掛けられた 千里山の園城寺怜さんだった。園城寺さんも俺を覚えていたらしい というか倒れたのは大丈夫かとも思ったが、本人曰く大丈夫だとか。それでセーラさんと清水谷さんの試合を見に来ていて、後輩とはぐれたらしい ちょうどセーラさんの試合を見に行くところだったので一緒に行った その試合はセーラさん、愛宕(貧)、清水谷さん、憩さんという大阪代表をまとめたような組み合わせだった というか分けてやれよ。途中でセーラさんと愛宕(貧)が色々言いながら打ってるからかなりやかましい試合になった 結果はトップが憩さん、あとはほぼ差が無いと言っていいくらいだった 試合が終わった後も愛宕(貧)さんがセーラさんと何か言い合っていたので、保存しておいた画像を送ろうとすると、隣にいた園城寺さんに止められた 「ちょーっと待ちや。おもろいことしてるやん。ウチも1枚噛ませてもらうで?」そう言って携帯を弄り、園城寺さんチョイスの画像を送った どうやら大阪で有名な店のたこ焼きやお好み焼きだったらしく、『誰や!?絶対大阪の奴が手ぇ貸したやろ!?』と今までで一番いい反応が返ってきた その反応をみて満足気な園城寺さん、今後もいい画像教えるということで連絡先を交換した ちょうど交換している時、セーラさんと清水谷さんが来た 愛宕(貧)への飯テロのことを教えると、清水谷さんも今回の仕返しをしたいとのことで、連絡先を交換して今後手伝ってくれることに おもち美女の連絡先ゲット!この感謝の気持ちはちゃんと愛宕(貧)にも伝えよう!画像多めで 昼にハンドルネーム打倒はやりんさんこと、真屋由暉子と会った ネト麻仲間全員と会えたことになったが、まさか全員インハイ出場者だったとは…… 向こうも俺が阿知賀の生徒と知って驚いていた。でも、元々ネト麻で打ち解けていたので、実際に会ってからもすぐに打ち解けれた なにより!穏乃と変わらない身長なのに和に負けないおもち!!これが素晴らしい!! 打倒はやりんってハンドルネームだったが、アイドルデビューしたら多いに応援するわ そのまま由暉子の先輩の試合を一緒に見て、連絡先を交換して別れた ちょうど阿知賀のみんなと合流しようと移動している時、和に会った 和も待ち合わせ場所は同じらしく、色々話しながら一緒に行った 俺が長野に居た頃の話になったが、本当にどこかで会っていてもおかしくないくらい近くに住んでいたと分かって驚いた たまたま学校が違っただけ、だ。それなのに会わず、インハイで再開なんて改めて考えてみてもすごいもんだ 和も「そういえば咲さんが小説みたいって言ってましたね……小説ならどちらかが優勝でしょうね」と少し悔しそうな顔で言った 事実は小説より奇なり、ってか。まぁその辺り抜きでも、今回は和と咲を他の人より応援してると言った 和は嬉しそうに「約束ですよ?」と言って笑っていた 和や咲も落ち込んでいるんだろうなー。他校の、しかも順位が上の学校の俺がどうこうできる話じゃないが、大丈夫かな せめて応援はしっかりやろう 玄「そーだよねー。和ちゃんだって落ち込んでるはずだし……」 晴絵「すぐに他人、しかも他校の生徒まで気遣えるのはいいところよねー」 穏乃「京太郎のいいとこですよね!」 灼「だからライバルも増える……」 憧「気付いたら増えてるって怖いわ」 宥「京太郎くんだってそんな節操なしな訳じゃ……う、うーん……」 8月◆日 個人戦2日目、今日も色々とすごかった 今日は永水の小蒔さんの試合があったので、みんなと別行動で見に行くと、霞さんに会った 春と巴さんは初美さんの試合に行っているらしい。ここで会ったのも何かの縁ということで、一緒に観戦することに 試合も見たし応援もしたけど、隣にトップクラスなおもちがあるのでテンション高くなったぜ しかしあのおもち……どうやったらあんな大きくなるんだろうか。同い年であろう人達を思い出し、人は平等じゃないと悟った その後霞さんと別れ、咲が出ている試合を見にいくと……対戦相手が照さん、愛宕(貧)、去年の個人戦3位という辻垣内さん、というとんでもないメンツだった なにこの頂上決戦的な組み合わせ。ちょっと愛宕(貧)が可哀想だった このメンツでボケたりしたらすごいが流石にそういう余裕も無かったようだった 咲も照さんも団体戦の時以上の様子だった 結果は照さんがトップ、しかし試合内容は凄かった 終わってから咲と照さんが何か話している様子だった。後で連絡しとくか そして愛宕(貧)が……燃え尽きてた。まぁあのメンツじゃなー 流石に放っておけなかったので、インハイ会場近くのからあげの出店を写メって送ると、すぐに出店まで来た メンタル強い人だな。からあげを幸せそうに頬張るのを見てそう思った。後、からあげを頬張った時の顔もしっかり写メっておいた 玄「あの霞さんと!!くぅ~、あのおもちは是非とも1回はこの手で!!」 憧「はい玄、危ない発言はやめときなさいね」 赤土「しっかし2日目のあの試合は凄かったな」 穏乃「なんか色々と他にも、想いとかそういうのも感じましたね」 宥「でも、終わった後、宮永さんどっちも笑ってたよね」 灼「うん、それは良かったと思う……でも人は平等じゃない……だよね」ペタペタ 玄「?どうしたの灼ちゃん?」 憧「黒糖なのかな……」 8月▼日 個人戦3日目、今日はみんなは午後から東京見物に出かけた 知り合いの試合は午前中に固まっていたからだった 俺はまだいくつか見たい試合があったので午後も会場にいた ある程度見終わった後、和に会った 和の試合も午前中で、午後は自由と言われていたらしい どこか行くかと話していると、赤土先生と良子さんに会った 和や赤土先生は俺が良子さんと知り合いということに驚いていた。そーいえば言ってなかったけど 2人も丁度暇だということで、4人で打つことに 結果は……うん、プロとプロ目指してる人とインターミドルチャンプ、飛ばなかった自分を褒めたい そのまま何故か3人による俺への麻雀指導になった からかっているからか、わざとらしく体を寄せてくる良子さんと、指導に熱が入っているからか、こちらは無意識に体を寄せる和 それを心底面白そうに見る赤土先生、教師なら止めようとか無かったのか 指導はかなり分かりやすく、ためになったから良かったけど 気付くと夕方になっていたので、和を清澄の宿泊施設に送った 帰り際、「今日はありがとうございました。明日の前にリラックスできました」と和がお礼を言ってきた これくらいお安い御用ってもんだ また打とうと言って俺はホテルに戻った 穏乃「自分だけ和と打ってたなんて京太郎ずるい!」 玄「何気に戒能プロとも……一体どれだけ知り合いがいるんだろうね」 憧「何気に良い目に合ってるし……というか晴絵?こんなことあったなんて聞いてないわよ?」 晴絵「いやぁ、美しい青春の1ページをペラペラ喋るのもアレじゃん?」 灼「ハルちゃん、なんか言い方が……」 宥「も、もうちょっと別の言い方じゃないと……なんというか」 憧「おばさんっぽいって言っちゃえば?」 晴絵「おば……憧、今度呼び出しね?」 憧「事実じゃない!」 8月×▼日 個人戦最終日 個人戦の優勝は照さんだった 終わってみれば白糸台と照さんの3連覇という結果、やっぱあの人すげーわ 咲や和もそれなりの結果だった。後でメールしよう 閉会式が終わった後、セーラさんが怜さんと竜華さんを連れて挨拶に来た セーラさんは憧にも打ってて楽しかった、大阪と奈良だし、そのうち合宿でもしてまた打とうと言っていた こっちとしてももちろんOKだし、憧もリベンジしたいとやる気だった 後、愛宕(貧)への飯テロも、今後続けていこうと3人と約束した。3人ともノリノリだった その後、奈良に帰るのは明日なので今日は打とう!という穏乃の提案の下、赤土先生も参加して全員で打つことに 個人戦見てやりたくなったんだろう、勿論俺も打った しばらく打った後、俺はちょっと抜けて、外に夜風に当たりに行った 1人になると改めて色々思い返すものだ 4月に阿知賀に来たこと、みんなと再開したこと、麻雀部に入部したこと 大会に出たこと、東京で色々な人と会ったり再会したこと、どれも大事なことだ ふと、背中を軽く叩かれ、振り返ると憧がいた 「1人でなにやってんの?」と言う憧、ちょっと色々考えていたと返す やっぱり、俺も勝ちたかった。勝って、個人戦だけどインハイに出たかった つい、ポツリと言ってしまった 憧は驚いた顔をしていたが、すぐに俺の背中を思いっきり叩き、「大丈夫。アンタも頑張ってるんだし、勝てるわよ」 そう笑って言ってくれる憧。やばかった。ちょっとテンション低めな状況であの笑顔、うっかり惚れるとこだった 俺も笑顔で憧にお礼を言った ありがとう。俺も、これから頑張っていく。そう言うと憧は少しぼーっとした後、すぐに後ろを向いてしまった それから早く戻るように言って、早足でホテルに戻っていった 俺、頑張ろう ここから頑張っていこう 晴絵「いやー、青春してるじゃない」 灼「ちゃっかり京太郎と2人きりだし」 穏乃「ですね。ところで憧、この時……アレ?なんでそんな顔真っ赤?」 憧「うー……実は……ちょっとこの時の京太郎が……なんていうか、すっごく良い笑顔で……」 玄「あぁ、この時に好きになったんだね」 憧「そ、そんなこと!…………ふきゅぅ……」 晴絵「それまでの積み重ねもあるけど、憧を笑顔で墜とすとは京太郎もやるわね」 宥「ど、どんな笑顔だったのかな」 8月○◆日 今日、阿知賀に帰ってきた 1日かけての移動だけどさー……また行きと同じようにサービスエリアで千里山に会うとかもう会った瞬間お互い笑うわ また同じようにみんなでパン食べて、記念にみんなで写真を撮った セーラさんの提案で『打倒愛宕の面白い方!!』というタイトルで愛宕(貧)に写メを送った それで千里山のみんなとは別れたが、またどこか思いもよらないところで会いそうだ 阿知賀に帰ると、大勢の人が出迎えてくれて驚いた 赤土先生が「私の時は無かったのに」とボソッと呟いたのは聞かなかったことにしよう 色んな人に「お疲れ様」「頑張ったよ!!」「充分すごいよ!!」と言われたり、俺だけ何故か野郎に叩かれたりしたが、帰ってきたんだな とりあえずは荷物等を学校に置いて今日は解散になった みんな、お疲れ様 穏乃「アレビックリしたよね。パン買いに行ったら園城寺さん達がいるんだから」 憧「ホント、偶然にしてもびっくりよね」 玄「みんなのお出迎えもすごかったよね」 宥「うん、また揉みくちゃにされた……」 灼「私なんて危うく胴上げされるとこだった……」 晴絵「良かったなー……なんで私の時とこうも差あるかなー……」 宥「き、気にしない方がいいですよ?」 8月△▲日 残り少ない夏休み 今日は松実館の臨時バイトに駆り出された やっぱりインハイの活躍からか、お客がかなり増えたらしい それに加え今日は団体客が入ったらしいので忙しかった 俺も色々やっていると、1人の女性客に声を掛けられた ちょっと外の店についてだったから俺でも分かる内容だった 紙に簡単な地図を書いたりして説明していたが、この女性客がどこかで見たことがある人だった 説明が終わって、少しじっと顔を見てみると、なんと瑞原はやりプロだった はやりん?と小声で呟くと、女性客、いや瑞原プロは驚いた顔をして 「バレちゃったかー。結構気付かれにくい恰好だったんだけどなー」そう笑う瑞原プロ 確かに髪型やメイクは大分変っていたようだが、そのおもちは見逃さないぜ 軽く話を聞くと、丁度オフで小旅行兼、赤土先生のスカウトで来ていたらしい 俺なんかにそこまで話していいのか聞くと 「君、阿知賀の生徒だよね?良子ちゃんから聞いてるよ☆」と言って、メモ帳の切れ端かなにかサインを書いてくれた そのままウィンクして部屋へと言った牌のお姉さん……テレビで見た時はちょっときついかもとか思ったけど、今日みたいな感じの方がいいかもなー 家に帰ってサインを見てみると、裏にアドレスと電話番号が書いてあった プロの連絡先をこんなあっさり教えていいのかと少し考えた 玄「お客さんが相当増えちゃって大変だったよねー」 宥「うん……それにしても瑞原プロが来てたなんてびっくりだね」 穏乃「お客さんの名簿とかで分からないんですか?」 憧「そこはプロなんだから、黙っていて欲しかったりするんでしょ」 灼「ところでスカウトって……」 晴絵「あぁ、あったあった。ま、スカウトってより遊びに来た感じだったよ。もうちょい頑張らないと駄目だしねー」 はやり「良子ちゃん良子ちゃん」 良子「なんですか?」 はやり「例の男の子、いい子だねー。メールとかしてて楽しいし、良い人柄が伝わってくるというかねー☆」 良子「イエス。自慢の弟分ですから」 はやり「弟、かー……ちょっと本気で狙っちゃおっかな……」 良子「ホワッツ!?」 はやり「ふふ、愛に年の差なんて関係ないよね☆」 良子「こ、これは……非常にバッドです……私も早く手を打たねば」 8月□★日 今日はみんなとプールに行った 前にも見たが水着姿は何度見てもすばらっ!! 未知のおもちを求めるのもいいが、改めて見ても阿知賀のみんなもレベル高いよなー 眼福眼福 途中、なかなかのおもちの女性客が何人も来た つい、俺と玄さんはそっちに目がいってしまった こっそりプールに入ってゆっくり観察しようと思ったが、そこで玄さんが足をつってしまった おもちに気を取られすぎていたからだろう、慌てて俺が助けた ちょっと溺れかけてかなり慌てていたので、無理矢理後ろから抱きかかえるようにしてプールから引き上げた 特に大事は無かったが、安静のため、ということで玄さんはプールから出ることに ただ、足をつって歩きづらそうにしていたので、更衣室近くまで抱えていった おもちのためにまだプールに居たいと言い張るのを、無理矢理抱き上げたからか、かなり大人しくしていた その後も反省したのか玄さんはやけに大人しかった 話しかけても、恥ずかしさからか赤くなって黙ってしまった まぁ、これでおもちを見ても冷静であってくれるならいいな 憧「あったわねー、玄が溺れかけたの」 宥「胸ばっかり見てちゃだめだよー?」 灼「でも、京太郎がすぐに玄を抱き上げたのもすごかった」 穏乃「ですよね。こう、ひょいっ、って玄さんをお姫様抱っこして運んで」 玄「あぅぅ……」 晴絵「玄ー?真っ赤だけど、まさかこの時に……」 憧「あー、水着でお姫様抱っこだもんねー」 灼「確かにあの時かっこよかったし……」 宥「玄ちゃん、落ちちゃったんだね」 玄「だって、京太郎くんがあんなに近くで……ちょっと強引だったし……」 憧「言い方言い方」 穏乃「憧に玄さん……次は誰だろうなー」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/4327.html
京太郎「海」 京太郎「それは数多の生命の源」 京太郎「人は皆それを前にするとつい童心に帰ってしまう」 ゆみ「ど、どうしたんだ急に…」ドンビキ 京太郎「要はですよ」 京太郎「はしゃぎましょうっ!」 京太郎「いやっふーーーーーーーーぅ!!」ドビュン ゆみ「あ、おい!」 ゆみ「少しくらいは準備運動をだな―――」 京太郎「はぅ!?」ビキ 京太郎「いててててて」 ゆみ「ああ、ほら言わんこっちゃない…」 京太郎「や、マジで!痛いですよこれ!」ゴロゴロ ゆみ「どれ、貸してみろ」グイ 京太郎「いちちちちち」 ゆみ「まぁ我慢しろ」グイ 京太郎「ちょーちょーマジで痛いですって――」 京太郎「あっ…」 ゆみ「どうだ?落ちついてきたか?」 京太郎「は、はい…なんとか」 ゆみ「うむ、これに懲りたらしっかりと準備運動をしてだな――」 京太郎「いゃっほーーーーーーーー!!」ドビュン 京太郎「ほぅ!?」ビキ 京太郎「こむら返ったああああああああああああ」ドタバタ ゆみ「少しは懲りろよ!」