約 27,085 件
https://w.atwiki.jp/forsale-lawyer/pages/209.html
排日問題と反動運動に対してプロレタリアが執る可き態度 山崎今朝彌 戦争はどの道プロレタリアに徳はありません。 日米問題は全く反動運動の好餌であります。吾々は極力戦争防止に努めねばなりません。 併しゴマメの歯ぎしりではあります。正実は、我関せず焉で戦争でも起つたら、其れを利用する事は考へた方が得のやうです。 <以上は、山崎今朝弥氏が著作者である。> <旧仮名遣いはそのままとした。旧漢字は適宜新漢字に直した。> <底本は、『復刻版進め』(不二出版、1989年)、底本の親本は、『進め』(進め社)第2年6号(大正13年(1924年)6月号)23頁>
https://w.atwiki.jp/forsale-lawyer/pages/16.html
弁護士大安売 度胸のないのと、胆玉の小さいのとで有名の僕は、従つて又随分と物事に注意を払ふ。然るに広告では屢々不注意極まる失敗を仕出かす。序に今茲に実例二三を並べて其法律上の関係を攻究せん。 (一) 僕が明治四十年に米国伯爵と欧米各国色々博士を唯一の土産として帰朝した当時は、僕の気が驕り、心が大きくなつて居た時であるから、前後の弁へもなく、米国大使館前に事務所を開き、大々的広告をして、某小さい下宿屋の一室を借受け看板を出した。処が其頃は電話が至つて少なく、初めて開業する弁護士が其場所を選定するには、先づ第一要件として、近所に電話の架かつてる家があるか否やを調べたと云ふ仕末であつた。 僕の近所には電話がなかつた。僕は田町辺の或肉屋に電話を見付け、之を名刺や広告に濫用した。初めの間は肉屋でも妙な電話がよく懸る位に思ふていたが、仕舞に僕の業と知れて、肉屋から尻を持ち込まれた。 右の僕の行為は明かに、民法第七百九条の所謂、故意又は過失に因り他人の権利を害したる者で、同条の規定により僕は、其電話加入者に対し、之に因りて生じたる損害を賠償すべきものである。併し僕の行為は所謂故意であるか過失であるか、害した権利は財産権であるか名誉権であるか或は其他の権利であるか、随分面倒な法律問題であると思ふ。 (二) 僕は又其頃盛んに左の如き広告を東京と郷里信州との新聞に出した。 ------ 公事訴訟は弁護士の喰物 東京米国大使館前 弁護士 米博士 山崎今朝彌 電話赤局八〇〇番 弁護士頼むな公事するな ------ 東京では流石にこんなものは問題にはならなかった、が信州では問題が湧いた。当時長野在住弁護士で僕の同窓たる某君からは親切に左の意味の手紙を呉れた。 君の広告が当地弁護士会の問題となつた、僕等の組織してゐる何曜会では委員を挙げて調査を為し其結果君を懲戒裁判に付すべく、君の属する東京弁護士会へ交渉する事に決議した。僕は個人の資格で君に質問する、一体公事訴訟が弁護士の喰物と云ふ「喰物」とは何の意か? 僕は直ちに左の如く応えた。 拝復御親切を特に感謝仕候従て御返事は仕らず候、只、某会へなら左の如く答へ度候。 拝復扨御照会に相成候「喰物」とは、口扁に食と云ふ字にて甘く参れば飯が食へ、不味く参れば飯が食へ申さず、此処が千番に一番の兼合に御座候 山崎伯爵家家扶一同 貴会 御中 何某 君 此問題は其後、今は既に口無き平出修弁護士の報告に拠れば、正式か不正式か判然せぬが、長野弁護士会の委員から東京弁護士会へ交渉があって、前塩谷弁護士会長等の強硬論が多数で、すんでの事僕は訴追を受ける事となった処、誰だかが(多分現小川弁護士会長だと云つたと記憶する)君等は(長野の委員を指した話の様に記憶する)山崎の事務所を見た事がないからソンナ問題が心配になる、一度行つて見て来給へ、との一言で問題が消滅したとの事である。 此広告の法律問題は只、公事訴訟は弁護士の喰物だなと云ふ事は弁護士の職務を侮辱したものであって、弁護士法により懲戒裁判に付せられるべきものなりや否やと云ふにある、小川東京弁護士会長?の論?は、法律上の意見ではない、一体諸君が騒ぐのはエンビーにあらずんばセンボーに過ぎぬ、併し山崎の下宿屋へ行つて見れば其んな勇気は失せて仕舞ふ、と云ふ心理学上の説明である、が私は法律上こんな事は問題にならぬと思ふ。今迄は成るべく問題になればよいと思ふて説明や弁解をせずに仕舞ふて居たが、到底問題になる望がなくなつたから白状するが僕の広告文は、公事訴訟と云ふものは弁護士の喰物になる計りのものであるから、公事訴訟をするなと云ふので、弁護士は訴訟を喰物にする者だから矢鱈に頼むなと云ふのではない、問題にならふ筈がない。 (三) 米国大使館前の事務所が没落して、僕が信州諏訪へ退去したのは明治四十年十月頃であつた。諏訪では法務局と法律所を発明して種々雑多の広告はしたが大した問題は起さなかつた。只左の広告に付ては当時の上諏訪区裁判所判事、今の新潟公証人松澤常四郎氏より君の大胆には呆れたと厭味を云はれたが、之れは大胆と云ふ程でもないと思ふ。 ------ 下らぬ判決に不服ある者の為めに 上諏訪町本町 山崎博士法務局 電話二二四番 専ら公共的に控訴事件を取扱ふ ------ 此外門前に『泥棒掛取醜議員の類一切入るべからず』との表札を掲げ、此表札を承知しながら売つた掛金は、請求出来るや否との法律問題を起させたり、『保証連帯無効之印章』と云ふ実印を作つて矢鱈に保証連帯になつてやつたりした事があつた。 戊申詔勅のあつた頃であつたかと記憶する、僕は諏訪から甲府へ移転し、左の披露をして問題を起した。 ------ 拙者儀昨年春より人に看板を貸し申、諏訪と甲府を股に掛け、夜と昼とを利用して、稼ぎに稼ぎ候処、今回挙国一家総て甲府に移住仕り候に就ては、御繁忙中甚だ恐入候へ共、明日午後正六時より機山館迄御賁臨の光栄を得て左の順序に従ひ(順序書略す)聊か披露の祝宴相催し度とは存候ものの時節柄貧乏に聖旨の在る所を奉体し只単に端書を以て御挨拶のみに止め申候也 甲府遊郭大門前化物屋敷 年 月 日 弁護士 山崎今朝彌 何某 殿 ------ 僕に云はせるとこれとて終り迄読んで呉れたら何んでもなかつたのだ、ソレを周章狼狽してフロツクで会場へ駆付けた者が数名あつた計りに、僕は大に世の非難を受けた。ソコへ僕が直ちに左の新聞広告をした。 ------ 売出に付 弁護士大安売 甲府法務局長 平民法律所長 山崎今朝彌 甲府遊郭大門前旧化物屋敷 ------ 此広告には二つの法律問題が起つた。弁護士の品位問題と大屋よりの損害賠償問題即ち之れ。先づ前者については、当時の石氏弁護士会長が第一に反対の声を挙げた。其説は(当時の新聞紙に拠る)弁護士は呉服屋太物屋と違ふ、果して然らば弁護士大安売等と呉服屋太物屋の株を奪ふ如きは、弁護士の体面を汚すこと甚しきものだと云ふにあつた。次に[甲野]弁護士は『多数弁護士会員の意見を代表する個人の資格』で弁護士は百世の師表現代の権威でなくてはならぬ、ソレを弁護士大安売とは何事ぞやと、頗る真面目に歯を反らして僕を詰責した。 弁護士会の方は多少予期した事だが、思ひ掛けなかつた家主の法律論に依れば、此家が仮令旧は化物屋敷であつたにせよ、ソレを新聞にまで吹聴する法はない、借る者に迷惑はなくとも貸す身になれば、後に借り人も少なくなり従つて家賃も安くなり大に迷惑である非常の損害であるとの説であつた。 成程民法七百九条には、過失にても他人を害し他人に損害を与へたるときは損害を賠償する責に任ずと書いてある。僕が悪かつた。弁護士諸君の説には至極賛成は出来ないが、これも人の厭がる事を強いてやる必要を認めぬ故、其後は新聞広告を左の如く改めた。 ------ 甲府市新青沼町五十七番地 民刑 品々 弁護士 山崎今朝彌 追て旧化物屋敷の儀は今後家賃に障るとて大屋大目玉に付全部取消 ------ 此広告を見た大屋は直ぐ飛んで来て、取消の広告は是非止めて貰ひ度いと申込んだ。其後此家主と僕とは心安くなり、自分の住むために建てた家を僕に借りて呉れと申出た位だから、家主と僕との間の損害賠償問題は暗黙の合意で消滅したものと思ふ。又弁護士会の方も問題が立消になつたのかして其後何等の咎めも無かつた。尤も[甲野]弁護士に聞いたら、マー君は少し気違ひだと云ふ事だから許して置く事にした、又取消広告でも出されては大変だからなー、と云ふ事だった。[甲野]弁護士は間もなく確かに気違になって、東京辺へ飛出して来ては、百世の師表当代の権威大弁護士[甲野太郎]と頻に広告した事があつたが、今は死んだのか弁護士名簿には載つて居ない、石氏会長は其後市会議長をしたり刑事被告人になつたりして居つた。 <[ ]内仮名> <山崎今朝弥著、弁護士大安売に収録>
https://w.atwiki.jp/forsale-lawyer/pages/150.html
「法治国」新聞紙法違反被告事件 『法治国』は山崎が一時期在籍していた東京法律事務所の機関誌である。 『法治国』1918年9月号に掲載された荒畑勝三(寒村)氏の「大正聖代の一揆」と題する記事が新聞紙法第41条(安寧秩序紊乱)に触れるとして、荒畑、編集発行人たる長野国助(東京法律事務所の事務員、のち弁護士、日弁連会長)、及び小松利兵衛(同事務所の事務員)の3人が起訴されるという事件が起きた。この記事は1918年に起きたいわゆる米騒動について述べた記事であり、同月号は米騒動について特集した号であった。 この記事は、長野国助「我が法廷の記(1)」『判例時報』(345号2頁)、及び「長野国助」伝刊行会編『長野国助』(1976年)91頁に全文収録されている。 この事件の弁護人は48名もの大弁護団であり、山崎も弁護人の1人として参加している。法治国秩序紊乱事件弁論要旨はこの事件の第一審における山崎の弁論要旨である。 山崎は本件が有罪ならば内田魯庵や与謝野晶子、福田徳三は本件記事より穏当でない記事を発表しているから同罪である。したがって、彼らを告発するとして告発状(案)を朗読するという「奇妙な弁論」(森長英三郎)をした。 この弁論は法的にみれば、スピード違反のねずみ捕りに捕まった運転手が、なぜ他の運転手も捕まえないのかと弁解したところで反則金を免れないのと同じことであって、いわば無意味な弁論である。しかし、本件記事が著名人によって有力雑誌に掲載されていたならば不問とされていたはずであるという論旨は、我々の常識に合致した名弁論というべきだろう。後の公訴権濫用論(不平等起訴)の先駆けといえるかもしれない。 なお、本事件は、第一審(判決年月日1919年3月7日)、控訴審(判決年月日1919年10月21日)とも無罪であったが、上告審(判決年月日1920年5月18日)は逆転有罪判決となった。この上告審判決は『法律新聞』1705号22頁、長野国助「我が法廷の記(3)」『判例時報』(348号6頁)に掲載されている(「法治国」事件上告審判決)。 以上については、長野国助「我が法廷の記(1)~(3)」『判例時報』(判例時報社、345、347、348号)、森長英三郎「「法治国」発禁事件」『史談裁判第三集』(日本評論社、1972年)96頁、「長野国助」伝刊行会編『長野国助』(1976年)87頁を参考にした。
https://w.atwiki.jp/forsale-lawyer/pages/316.html
期日進行再度上申書 大正十一年(よ)第壱号事件に付左に上申候。 要領 口頭弁論期日一日も早く御指定相成度候。尤も期日と通知との間は極めて短く願上候。明日の期日が今日の通知にても差支無之候。判決言渡は即日に願度、送達一切は電話により当方より書記課へ出頭請取候て差支無之候。 右希望申上候。 理由 実の処小生は本件を拾ひ物の様に考へ居り、こんな事で人に厄介をかけてはと、凡て消極的に謹慎仕り候処、友人は色々と心配して呉れ、会ふ毎に結果や成行を聞かれ又は意見を提出され、其親切に困り居り候。之れを無視し何時迄もだまし通すは何だか悪い様な気持が致し候。と申して一々正直に報告するも何んだか同情に甘へる様にも見え、之れも厭に候。依て小生は二三日又は五六日病気して、此間に疾風迅雷的に、判決言渡より控訴申立迄済まし、然る後一々報告かたがた控訴審の弁護を依頼し度と考へ居り候。(一審は前に上申した通り欠席します) 最初は控訴なぞする考も無之候ひしが、小生と全然考を異にする友人沢山有之、何処までも強情を張り通せる程の変人で無き小生は、遂に不本意ながらも之れに服従することと相成候。併し平凡に終るは矢張残念で堪らず候故、思ひ切つて思ふ存分の控訴理由を自分で書き、之れに懼れす驚かす、喜んて弁護して呉れる者だけの弁護を受けて見度く、突然控訴する考になりました。従つて其れ迄は是非凡て極内密に致し度検事局の方では書記課より新聞記者に洩れた例も有之候へば此点も何卒宜敷願上候。 大正十一年五月卅一日 右上申人 山崎今朝彌 東京控訴院に於ける懲戒裁判所 御中 懲戒裁判所の判決(第一審東京控訴院) 判決 東京市新桜田町十九番地 平民 東京地方裁判所々属弁護士 山崎今朝彌 明治十年九月生 右に対する懲戒事件に付き検事三浦栄五郎干与の上審判する如左 主文 被告今朝彌を停職四月に処す 理由 被告今朝彌は東京地方裁判所々属弁護士にして其業務に従事中曩に第二審として広島地方裁判所刑事部に繋属したる新聞紙法違反被告事件に付き判決を以て有罪の言渡を受たる被告人小川孫六同丹悦太の選任に因り同被告等の上告審に於ける弁護人と為り、大正十一年二月廿日上告趣意書を大審院に提出したる所其の論旨中第一点前段に於て「広島地方裁判所が前記被告人等に対し有罪なりと認定したる新聞紙の記事は文詞用語頗る冷静平凡奇矯に失せず激越に渉らず十数年来萬人の文章演説に上り都鄙各所に行はれたる常套の論議なれば毫末も社会の平静を紊り共同の生活を乱すものにあらず」との旨を説示し、更に第二段に於て「若し之をしも強ひて安寧秩序を破壊するものなりとせば日常毎日の新聞雑誌は悉く秩序紊乱となり之を不問に付する全国の司法官は前記有罪判決に関与したる判事山浦武四郎江本清平西巻芳二郎三名を除くの外皆な偉大なる低能児の化石なりと謂はざるを得ず、天下豈此の如き理あらんや、然らば広島地方裁判所が之を以て安寧秩序を紊乱するものと為し新聞紙法の罰条に問擬したるは不法も亦甚しく真に呆きれて物か言へすと云はざるを得す」との語句を羅列したるものなり 証憑を案するに 一、東京地方裁判所検事局書記尾崎力の作成に係る弁護士名簿の謄本に長野県平民山崎今朝彌明治十年九月廿五日生は明治四十四年二月十七日弁護士会へ加入し且つ甲府地方裁判所属より登録換になりし旨の記載 一、被告小川孫六同丹悦太に対する新聞紙法違反被告事件記録中広島地方裁判所の公判始末書に同裁判所刑事部に右両名に対し新聞紙法違反被告事件の控訴が繋属し其構成員は裁判長判事山浦武四郎判事江本清平同西巻芳二郎なる旨の記載並に同裁判所の判決書に右被告両名を各有罪に認定して罰金刑に処したる旨の記載 一、同上被告事件の記録中の弁護届に小川孫六丹悦太の両名より大審院に宛て弁護士山崎今朝彌を以て右両名に対する新聞紙法違反上告事件の弁護人に選任する旨の記載 一、大正十一年二月廿日付弁護士山崎今朝彌が大審院に提出したる大正十一年(れ)第九九号小川孫六丹悦太上告趣意書第一点に原判決か安寧秩序紊乱として判示したる被告等署名発行本件記事は判示の如く自由?死?と題し第一段に現代社会の幸福は所謂「ブルジヨアジー」のみの享くる所にして無産者は毫も顧られざることを論じ其例として言論の自由は憲法に於ては保証さるる処なるも事実に於ては保証金なき「プロレタリア」は一新聞をも発行するを得ざることを挙げ第二段に社会運動者が常に不法の圧制干渉を受くる事総ての法律規則が特権階級に有利にして無産者の保護に欠くる所ある事罰則の適用も亦「ブルジヨアジー」には比較的寛大なることを説き末段に於て現在の特権階級は跋扈跳梁専恣横暴を極むるが故我等は全力を尽して無産者の為め暁鐘を撞かんとするものなりとの趣旨を述べたるに過ぎずして事実全く其通り少しの誇張も虚飾もなく文詞用語も亦頗る冷静平凡奇矯に失せす激越に渉らず十数年来萬人均しく文章に演説に都鄙到る処に言ひ古されたる有触れたる論議なれば毫末も社会の平静を紊り共同の生活を乱すものにあらず若し之をしも強ひて安寧秩序を破壊するものなりとせば日毎日常の新聞雑誌は悉く秩序紊乱となり之れを不問に付する全国の司法官は原審判事山浦武四郎殿江本清平殿西豊芳二郎殿三名を除く外皆偉大なる低能児の化石なりと謂はざるを得す。天下断して豈此の如き理あらんや。然らば原審が奮然と意を決して之れを安寧秩序紊乱と目し新聞紙法第四十一条に問擬したるは不法も亦甚だしきもの真に呆きれて物か言へずと云はざるを得ず、原判決は畢竟破毀を免れさる旨の記載 一、東京控訴院検事三浦栄五郎の山崎今朝彌に対する聴取書に其供述として大審院十一年(れ)第九九号被告小川孫六同丹悦太新聞紙法違反被告事件上告趣意書は自分が作成して大審院に提出したるものなり其記載中偉大なる低能児の化石云々の文字及其前後の文句殊に山浦江本西豊の三判事の氏名を掲げたること又真に呆れて物が言へず云々の文句の如きは誠に穏当ならざる言句なりと思惟す、就中右三判事の氏名を列挙せざりしならばまだ宜しかりしが其氏名を掲げたることによりて甚だ穏当を欠くことに至りしなり。実を申せば文章として書くときには左様に悪しき文句と思はずに書き之れを上告趣意書として提出したりしが今熟読して考ふれば洵に不穏当の言句と思惟せらる、自分は本件に付き弁明の意味にて中央法律新報に自分の考を寄稿したり、夫れは大正十一年四月初旬頃なる旨の録取記載 一、大正十一年四月十五日発行に係る中央法律新報に執筆人山崎今朝彌名義にて我輩の懲戒問題の題下に法律新聞第千九百五十五号に山崎弁護士の奇異な上告趣旨と云ふ題で弁護士山崎今朝彌は今回民権新聞に対する新聞紙法違反事件に付きて上告趣意書を大審院に差出したるが其趣意書中の一節に曰く若し之をしも強いて安寧秩序を破壊するものなりとせば日毎日常の新聞雑誌は悉く秩序紊乱となり之を不問に付する全国の司法官は原審判事山浦武四郎江本清平西豊芳二郎三名を除く外皆偉大なる低能児の化石なりと謂はざるを得ず。天下断して豈に斯くの如き理あらんや云々原裁判は真に呆きれて物が言へずと云はざるを得ず云々猶同氏は曩に麹町警察の巡査及警部を傷害被告人として東京区裁判所へ告発したるが萬一検事が右暴行巡査の氏名をさへ遠慮するが如きことあらば由々しき一大事なりとて其趣を葉書に印刷し塩野検事を始め諸方へ配布しつつありと云ふ記事が出ると間もなく都下十数の新聞に僕が其の為め又懲戒裁判に付せられたとかの記事が大々的に報道された二三日我慢したが僕が遂々敗けて各社に取消文を送つた「四五日前の貴紙上に私の出した上告趣意書が過激だつたとの理由で私が懲戒裁判に付せられた旨の記事が出ましたがあれは途方もないうそ間違ですから宜敷御取消を願ひます、元来私は懲戒されない事を左程名誉とも思つていませんから懲戒された処が決して不名誉とも思ひませんから此点では取消して貰ふ必要もありませんが、あの記事の為めに当然無罪になるものが有罪になつたり又は常に事を好み上を憚らざる不届者奴がなどと其筋からにらまれたりしては困ります、既に懲戒裁判があつたものと早呑込して四方八方から悔みや見舞を受けてるにも弱つています。元来あんな無茶の判決を攻撃叱咤するにあの位の文句を使用する事は吾々の権利であらねばなりません。思想問題に関しては大審院は下級裁判所より厳刑主義を採り原判決を取消すなどのことはそれが仮令従来にない例であらうともこれに限つては必らず原判決が破毀され被告が無罪とならねばなりません。かような確信の下に書いた私の上告趣意書少しは過激に渉つた点ありとするも一字一句一句一節のみ読ます文章全体を読んで貰へはそう大した問題になる程の不穏文書でないことは私が誓て全国の司法官も保証する処であります。右全文御掲載の上全部御取消相成度し」然るに飽くまで非を遂け我を通す新聞社は期せずして一致して此取消を出してくれなかつた。依て私は貴紙を借り問題の論文と問題の上告趣意書とを発表して総てを解決する旨記事の掲載 あるに依り判示事実を認定するに十分にして其第二段の論旨は前段の趣旨を布衍釈明するに付き何等必要なく唯徒に判決裁判所の構成員を刺譏したるに止り当該被告事件の上告趣意書として甚しく不謹慎なる言辞を弄したるものと謂はざるを得ず。其行為は弁護士の体面を汚すべきものにして東京弁護士会々則第三十九条に該当するを以て弁護士法第三十三条第三号を適用し主文の如く判決す 大正十一年六月十二日 東京控訴院に於ける懲戒裁判所 裁判長判事 牧野菊之助 判事 西郷陽 判事 遠藤武治 裁判所書記 澤路茂樹 右謄本也 大正十一年六月十二日 東京控訴院に於ける懲戒裁判所 裁判所書記 澤路茂樹 <山崎今朝弥著、山崎伯爵創作集に収録>
https://w.atwiki.jp/forsale-lawyer/pages/203.html
(プロレタリア運動における)政治運動の是非及び能否 □ 山崎今朝彌氏 政治運動は是とも非とも思ふ、時と人とにより賛成もし反対もする。今は勿論昔もこれからも同じだと思ふ。ソコデ時々方向も転換し、一歩前進二歩退却も必要と思ふ。プロレタリアを一団と見て、是が非でもドツチかにキメなければならぬと云ふ理屈は寧ろ却つてツケニクイと思ふ。僕の知つてる範囲では、政治運動賛成乃至熱心の人は代議士位にはなれる可能性のある人だ。僕等の如き人間で賛成者はない様だ。 <以上は、山崎今朝弥氏が著作者である。> <旧仮名遣いはそのままとした。旧漢字は適宜新漢字に直した。> <底本は、『復刻版進め』(不二出版、1989年)、底本の親本は、『進め』(進め社)第1年2号(大正12年(1923年)3月号)15頁>
https://w.atwiki.jp/hachinai_nanj/pages/1565.html
【扇の要が見据える先に】山崎 珠姫 (捕) 最終更新日時 2021/04/26 19 59 15 このページを編集 属性 レア 守備適性 - - - ◎ 〇 - △ - - - - キャラ総評 ???「山崎珠姫選手…なんでハチナイに…」 中二の時名門美南ガールズの正捕手で 強気なリードと守備が魅力的だった人だよ 去年は強打者捕手の台頭で控えだったけど… 私は珠姫さんを使うべきだと思ってた!つまり… 急造キャッチャーしかいない本校にピンズドな補強選手ってこと! ◆原作漫画でのタマちゃんあらすじ 全国大会にも出場する強豪ガールズで野球をしていく中で 辛い練習、厳しい競争、才能の壁などから 野球をやるモチベーションが保てなくなってしまったタマちゃんは、 高校では野球部が不祥事で事実上の廃部となった新越谷高校に行くことに 野球から離れる選択をしたタマちゃんだったが、そこで偶然出会ったのは 幼少時代の友達「ヨミ」ちゃんだった ヨミちゃんとの出会いで再び野球への情熱を思い出したタマちゃんは この新しい野球部で「好きな人と一生懸命少しでも長く野球をやるため」に もう一度、本気で野球に向き合い始めるのでした ──────────────── ??「…あっついなぁ」 ?「こんなタマちゃんが全国を目指すきらら系青春野球漫画とかないよなぁ」 ??「あるよ」 ?「球詠、球詠だよ!」 ???「さぁみんなも乗り遅れないで!球詠 で検索ゥー!」 ガチャは引かんでも原作漫画は買え😡😡😡 試合評価 * ミート パワー 走 力 守 備 備考 素パラメータ 3604 2803 3037 3904 - 恒常スキル後パラメータ 3854 3653 3637 4904 - 打席時/走者1人以上 +500 - +300 - 走力は味方全体で上昇 前打者ヒット +1200 - +200 - 学力+8 守備時/走者1人以上 - - - - 味方投手コントロール+300/変化球効果+4 最大バフスキル後パラメータ(打席時) 5554 3653 4137 4904 味方走力+300/学力+8 * 球速 コントロール スタミナ 変化球発動率 変化球効果 リード 肩 その他 投手バフ +4km/h +1000~1300 +0 +4 +0~+4 +6 ±0 特になし +チームスキル発動条件 チームスキル発動条件 * チームスキル 発動ライン 限界突破数 信頼ランク ミ パ 走 守 胡蝶之夢 走3400 - - 2 - - 俊足打線・先鋒 走3500 - - 2 - - 超俊足打線・先鋒 走4200 - - - - - 俊足打線・中堅 パ3500 - - - - - 超俊足打線・中堅 パ4200 - - - - - 超俊足打線・殿 ミ4200 2 - - - - - - - - 行を追加するときはこの行をコピペ 鉄壁のセンターラインはLv100なら凸と信頼度無しで発動する。(チームスキル名)は2凸8-5でも発動しない。 信頼度によるステータス上昇が不明なため、素ステから確定できる必要な限界突破の回数だけ記載する おそらくパワー3500は乗り、ミート4200も7-5あたりで1凸で済むと思うんやが… タマちゃんすこ勢に期待しておくで 打つほうはあれやけど投手バフは豊富でリードは椎名ちゃんを抜き1位(実装時)と捕手としては優秀やな。 ミートが4200に届いて染めの下位打線に置きやすいのもグーや。 条件に「捕手のとき」がない才能「配球バリエーション」は捕手以外でも発動する。 なお対象は自分のため別ポジションから捕手のリード上げるぜ!という作戦は使えない。残念。 デレスト評価 メニュー ランク カード名 属性 力 速 技 効果 練習メニュー ★★★ 素振り 蝶 17 35 0 - 追加メニュー ★★★ ベースランニング 風 25 0 40 - 追加メニュー ★★★ 素振り 蝶 17 35 0 - スキル解説 ランク 投手スキル名 条件 効果 取得可能デレスト1 取得可能デレスト2 ★★★ 戦局を詠んだ配球 守備時/捕手のとき 味方投手のコントロールが超絶に上昇し、球速が超大幅に上昇し、変化球発動率が大きく上昇する ★★ エンドランの秘奥義 打席時/走者あり 自身のミートが大幅に上昇し、味方全体の走力が上昇する ★★ 繋ぐ野球の奥義 打席時/チームの前打席の結果がヒットのとき 自身の学力が大幅に上昇し、ミートが超大幅に上昇し、走力が少し上昇する ★★ アスリートの奥義 なし 自身の走力が超大幅に上昇し、パワーが上昇する ★ 安打製造の極意 なし 自身のミート・パワーが少し上昇する ★ 活力の極意 なし 自身のパワーが上昇し、守備が少し上昇する ★ 電光石火の心得 打席時/3回まで 自身のミート・走力がわずかに上昇する ★ 内野安打の心得 なし 自身の走力・ミートがわずかに上昇する ★ 走力の基礎 なし 自身の走力がわずかに上昇する 才能 才能名 Lv 条件 効果 捕逸0の実力 7 守備時/走者が1人以上いるとき 味方投手の変化球効果が大きく上昇し、コントロールが上昇する 好リード 5 守備時/キャッチャーのとき 自身のリードが上昇し、守備が大幅に上昇する 配球バリエーション 7 守備時 自身の守備・リードが上昇する 連打◎ 5 打席時/チームの前打席の結果がヒットのとき 自身のミートが超大幅に上昇し、学力が上昇する +ネタバレ注意!固有悩み文 マンネリ配球(→配球バリエーション) 条件:守備時 効果:自身の守備・リードがわずかに減少する 『向こうのチーム、投手も捕手も豊富なんだね。 うちの投手はヨミちゃんと息吹ちゃん、あと理沙先輩だけだから…少しだけ羨ましいかも。 それに、うちの捕手は私一人…。 あれだけ捕手がいるチームなら、色々切磋琢磨できて、練習も捗ったりするのかな…』 画像 セリフ集 +押すと開きます 状況 セリフ ホーム ひとつひとつのアウトを、全力で取りにいく…。絶対、負けたくないから! 先制点を取れたのは大きかった。このチームから追加点を取るのは簡単じゃない… だからこそ、虎の子の1点を守るために、ヨミちゃんのリードに全神経を集中させないと… ここで4番打者、東雲さん…だっけ。経験も実力もある手強いバッターだよね でも、私たちのバッテリーだって負けない。ヨミちゃんのボールに、私のリードが合わされば… よし、追い込んだ! 次は勝負球…。一巡目には見せてなかった変化球を、際どいところに…! 空振りを取れればベストだけど、当てられたとしても痛打にはならないはず… しまった! でも、芯は外してる…。大丈夫、きっと大丈夫…! 試合 試合前 - 開始 - カットイン通常 - カットインターニングポイント - 勝利 - - 敗北 - デレスト 特訓 - - コメントフォーム ログを開く 原作勢やから5凸してもうた。かわヨ - 名無しさん (2020-06-21 11 58 32) バフ考えると普通に強いよなぁ - 名無しさん (2020-09-12 10 04 58) 向日葵来たらナンバーワンになるかなあ? - 名無し (2020-09-13 16 19 48) 信頼度8-5でミ3894、パ2953、走3402、守4289 - 名無しさん (2020-09-27 09 43 20) 凸るならミミパパ走かな信頼度8でも1凸でミート4200のらんのやな - 名無し (2021-01-09 12 54 48) 名前
https://w.atwiki.jp/forsale-lawyer/pages/200.html
社会的正義の先駆者 □ 山崎今朝彌 共鳴とは何ぞや、動機とは何ぞや、抑抑現状打破の思想とは何ぞや、等と小六づかしき理窟はぬきにして、要するに私は矢張り遺伝と性格と境遇と感染とよりコンナ人間になつたと思ひます。先祖代々謀反者ヒネクレ者の血を承け、幼にして既に反逆を好み、稍々長じてはテロリケロリで復讐を続け、強情意地ツ張り小面憎く、生れ乍らにして赤貧素寒貧、農家に育ちて耕すにものなく、工場で稼いで小遣手に入らず、見下げ果てたる浮世のバカ者ウツケ者を見るに付け、不平ウツ憤やる瀬なく、世を詛ひ人を茶化すより外なき処へ、先づ初めて米国で赤羽、幸徳、岩佐君等と相識り、コイツ少々話せるなと思ふたが病付きで、友人が悉く革命家若くは社会運動家と変更し、目は何も知らぬ間に耳は確く其ウン奥を極め其後は之を中外に施して決して誤らず過たず、今は只其死期を待つのみと相成候。 <以上は、山崎今朝弥氏が著作者である。> <旧仮名遣いはそのままとし、旧漢字は適宜新漢字に直した。> <底本は、『解放』(大鐙閣)第5巻5号122頁(大正12年(1923年)5月1日発行)>
https://w.atwiki.jp/forsale-lawyer/pages/212.html
<「普選」「治法」共に愈々議会に上呈されんとしてゐる。左記の場合無産階級運動は如何なる運動形態を採つて進む可きか。(一)「普選」のみ通過せる場合。(二)「普選」「治法」共に通過せる場合。(三)「治法」のみ通過せる場合。という問いに対する回答> 暫く逆戻りだ 山崎今朝彌氏 (一)天変地異のなき限り大概(一)と相場はきまつてゐる。治法は検束法即決例程恐いものではないが、充分恐怖には役立つ。で少くとも一時は、右と左が益々左右に分解する。 (二)ここ暫らくは逆戻りとある。 (三)今の形勢で進んで行く。 <以上は、山崎今朝弥氏が著作者である。> <旧仮名遣いはそのままとし、踊り字は修正した。旧漢字は適宜新漢字に直した。> <底本は、『復刻版進め』(不二出版、1989年)、底本の親本は、『進め』(進め社)第3年3号(大正14年(1925年)3月号)7頁>
https://w.atwiki.jp/forsale-lawyer/pages/258.html
「新世界戦争の危機迫れりや、一、日本の「強硬」政策が之をまき起すことになりはしないか、二、新世界戦争が起るとすれば日本は如何なる国と交戦するか、三、国内的国際的に其の結果は如何」という問いに対する回答。 山崎今朝彌 一、そう行けば誠に公式に合ふのですが、ソウ甘くは問屋で卸して呉れず、一定の方針なき日本政府は結局泣寝入りで終り、理屈は何んとか後からゴマかす事になります。ナゼナラ 二、今対支問題で戦争を起せば相手は支那と英米で、其結果は 三、日本政府は取敢ず永遠にツブレて了いますから。 <以上は、山崎今朝弥氏が著作者である。> <旧仮名遣いはそのままとし、旧漢字は適宜新漢字に直した。> <底本は、『布施辰治著作集第14巻』(ゆまに書房、2008年)、底本の親本は『法律戦線』(生活運動社)7巻9号62頁(昭和3年(1928年)9月1日発行)>
https://w.atwiki.jp/forsale-lawyer/pages/280.html
色々後記 ▼本号の如く充実した雑誌は恐らく他に類があるまい。書くべき事でも書く余地が少しもない位充実して居る。 ▼本誌は九月号で八月号で七月号である。雑誌でパンフレツトで書籍でもある。 ▼社会主義研究、解放、解放思想、解放文芸、解放法律と色々云つて見たが、愈々単科雑誌を止めて綜合雑誌で小ジンマリ行く事に極めたから、次号(又九月号)から愈々本マニ『社会解放』と名づけ、名実一致で進んで行く。 ▼同人は前号発表より又増へた。広告部はまだ高野松太郎水谷憲風の両氏。 ▼次号は恐らく活目注視に値する。(十日、山崎今朝彌。) <以上は、山崎今朝弥氏が著作者である。> <旧仮名遣いはそのままとし、旧漢字は適宜新漢字に直した。> <底本は、『解放法律』(解放社)通巻17号、増刊第1号(大正14年(1925年)9月1日発行)>