約 36,208 件
https://w.atwiki.jp/truck8/pages/3.html
サイトマップ 作品一覧 トラッククエスト8 空戦と海戦と陸戦と呪われし大戦争 鞠也はファンタジー世界で引っ越し代を稼ぐようです トラッククエスト4 ~戦国に導かれし転生者たち~ 幽霊とボクは宿屋を立て直すようです キョン子は傭兵を率いて運命にあらがうようです 超時空AMAZON 妖精さんと七人の主人公 魔王子がんばる!! シンジが瀕死の祖国を救おうと必死なようです 東条さとりが対米交渉に臨むようです やる夫の人類再生計画 やる球磨・イオン・さとり・由乃のオールスターバトル トリップもの由乃と雪輝の異世界貿易と欧州無双 8時なので安価スレはじめる 松田が勇者を異世界に放り込んで遊ぶスレ【エター】 過去のトリップ 古明地さとりが天下をさとるようです キル夫がイオンと戦国入り やる夫がキョージュと天下を統一するようです やる夫の植民地開拓記 やる夫が球磨川と天下を統一するようです 戦略・経営・外交シミュ系安価スレッドを考えたいスレ、個人板、その他関連スレ 別分野の作品 動画(sazaeP) 小説(最高25度) 二次創作 作品一覧 個別作品シンジが世界を相手に戦い抜くようです 更新履歴 取得中です。 未作成 トラ転8/資料/実行済みチート トラ転8/資料/チート案 トラ転8/資料/実行済み案/1940年
https://w.atwiki.jp/kakodpmatome0607/pages/59.html
米国(ユーチューブ社) 07/05/20 10 22 日本(ニワンゴ) 07/05/21 2 42
https://w.atwiki.jp/vipbunko100/pages/33.html
84日もの間、不漁の苦渋を味わってきた老漁師サンチャゴ。 そして迎えた85日目、ついに彼は巨大なマカジキに遭遇する。 激闘の末、彼は闘いに勝利するが、今度は血の匂いをかぎつけたサメたちが、獲物を襲いにやってくる。 自然の荒々しさ、そしてそこに生きる人間の逞しさを、徹底した外部描写によりリアルに描き出した傑作。
https://w.atwiki.jp/guildsds/pages/12.html
死神道化師団 団員リスト 団長 黒裂りん 四天王 氷長石 光天 clementis ローゼルシア 団員 ERUFU TEZCATLI TEZCATL crestia0924 jecoaster mayuzumi べにた ゼンエクレア ノウルズ フリーデリア レオニーズ レグリオ 中二病患者 亞桜あおい 如月愛 幸璽 未乃 架水 江草 特攻屋 瑠海姫 神威紗羅 紅異 純白の悪魔 黒裂あい 黒裂みと 敬称略 2009年08月18日更新 新規作成用テンプレ Special Thanks→こめだもん!
https://w.atwiki.jp/gods/pages/2490.html
ハニヤマヒメ(埴山姫命) 日本神話の土、陶器の女神。 日本書紀の一書ではカグツチ(軻偶突智)との間にワクムスビ(稚産霊神)をもうけたとされる。 関連: ハニヤスビメ (波邇夜須毘売神・同一視) 別名: ハニヤマビメ (埴山毘売神) ハニヤスノカミ (埴安神) ホノメ (火女神) ホノメノカミ (火女神) 祭神とする神社: 愛宕神社(京都府京都市) 磐椅神社(福島県耶麻郡)
https://w.atwiki.jp/megido72_item/pages/201.html
入手方法 合成 必要素材 必要総素材 費用 ゴーレムの角×1傭兵の羽根飾り×2傭兵の腰布×1オーガの腰巻×1 40G 要求するメギド一覧 メギド 進化の段階 個数 備考 ザガン ☆5→5.5 1個 マエストロハットの素材 合成できる素材 素材名 必要素材 費用 マエストロハット バトルモンテラ×1海姫のアンカー×2歴戦の勇角×2 920G 説明 ステータス強化 制限レベル 売却値 ザガンへの贈り物制作にはメギドの素材が必要 最大HP+16防御力+8 20 122G
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/4087.html
ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君 概要 プロローグ 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 その後の展開 ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君(iOS/Android版) 概要(iOS/Android) 変更点・評価点(iOS/Android) 問題点(iOS/Android) 総評(iOS/Android) ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君 【どらごんくえすとえいと そらとうみとだいちとのろわれしひめぎみ】 ジャンル RPG 裏を見る 対応機種 プレイステーション2 メディア DVD-ROM 1枚 発売元 スクウェア・エニックス 開発元 レベルファイブ 発売日 2004年11月27日 定価 8,800円(税別) プレイ人数 1人 セーブデータ 178KB以上(最大30ファイル保存可) レーティング CERO A(全年齢対象) 廉価版 アルティメットヒッツ2006年7月20日/2,800円(税別) 判定 良作 ドラゴンクエストシリーズ 概要 言わずと知れた国民的RPGのナンバリングタイトル8作目で、シリーズ初の完全3D化作品。「スクウェア・エニックス」名義初の『ドラクエ』シリーズのナンバリングタイトルでもある。 発売前から大いに期待された前作『VII』が賛否両論だった事から、今作発売前の期待は前作ほどには盛り上がらなかった。 また「2Dゲームの王道であったドラクエが、エニックスのスクウェアとの合併後に3D化」という展開に不安を覚える古参シリーズファンも少なからずいた。 しかし発売後は前評判から一転、シナリオ・キャラクター・システムなど多くの面で好評を得てその懸念を払拭することとなった。 後に『レイトン教授』シリーズ等を手掛け、大手のパブリッシャーとして名を馳せていくことになるレベルファイブの出世作でもある。 プロローグ いにしえの昔から、邪悪な力を持つと語り継がれてきた伝説の杖。その杖を封印していた城に、ドルマゲスという道化師が現れ、杖の封印を解き放ってしまいます。目覚めた邪悪な力の呪いによって、城の時は止まり、国王や姫も姿を変えられてしまいました。ただひとり呪いから逃れたあなたは、城や国王たちを救うための冒険に旅立つのです。 特徴 従来作同様のコマンド選択型RPGだが、本作ではハードをPS2に移したことに伴い、様々な新機軸となる要素が導入されている。 シリーズ初のフル3Dグラフィック。キャラクターデザインに忠実なキャラグラフィックが実現し、そして広大に作りこまれたマップは思わず端から端まで探索したくなってしまうほどのリアルさに溢れている。 前作『VII』の作中ムービーの質の悪さから「ドラクエと3Dの相性は悪い」という考え方が根付いてたが、今作はその問題を一枚絵から3Dモデリングを作り出すトゥーンレンダリングという技術を採用することで解決した。デザイナーの鳥山明氏の手がけたデザインを忠実に、かつ違和感なく立体として表現する事が実現しており、アニメ絵調ながらも違和感を生じさせない仕上がりになっている。 広大さを感じさせる工夫として、遠くの建物などがかすんで見えるようになっているという工夫がなされている。これはいわば遠近法の手法であり、今作最大の持ち味でありキャッチコピーの「見渡す限りの世界」がこれでもかと表現されている。 建造物は『DQ』的な雰囲気を損なわないレベルのデフォルメがなされている。マップ上にも様々な建物の廃墟があったりなど、一切の手抜きもなく精密な作りこみがなされている。グラフィックの質自体もPS2ではトップクラス。 終盤で飛行出来るようになった際のグラフィックも見事の一言。「遥か上空を滑空している臨場感」「眼下の各大陸を見下ろしているパノラマ感」がこれでもかと出ており、地形や地点のシンボルも手抜き無く描かれている為、ただ何気なく景色を見ているだけでも楽しめる。 3D化により、戦闘シーンだけでなくイベントシーンの表現力も向上した。特にアスカンタ城のイベントは非常に美しいものとなっている。 戦闘シーンでは、味方側のメンバー全員が表示される他、装備した武器によって手に持つ武器のグラフィックがメンバー全員で変化するようになっているが、主人公とゼシカ限定で一部の装備した防具で衣装が変化する。フル3Dになったことにより衣装も鮮明に表現されたため今までよりもコスチュームチェンジ気分が楽しめる。主人公は衣装チェンジのタイミングがクリア後限定なため、衣装チェンジのメインはゼシカで、『ドラクエ』恒例でありながら視覚的表現の機会が限られていた「セクハラ装備」の数々とゼシカの乳揺れが美しいグラフィックで存分に堪能できる。 フィールド上に表示されるのは先頭の1人だけだが、「なかま」コマンドで仲間と会話が出来る。その際のテキスト量は膨大で、すべてのイベントに対し何らかのリアクションが用意されている。またフィールドでは馬車の音も聞こえるなど、抜かりなく作りこんでいる。 前回のプレイ内容を忘れてもゲーム再開時に「なかま」コマンドを使うと、これまでのあらすじや次の目的地などを話してくれる。 上述のようにイベントに対するリアクションは用意されているが、「個々の村人・町人への会話時のリアクション」は同年発売のPS2版『V』に比べると抑え目になっている。 「錬金釜」 RPG等ではお馴染みの「合成システム」で、各地で入手出来るレシピを参考に武器や防具や道具、錬金用の素材を合成する事で違うアイテムに変化させる事が出来る。錬金でしか入手出来ない武具も存在する為、強力な装備を求めるならば必然的にこのシステムを活用する事になる。…と、この手のシステムとしてはオーソドックスなタイプである。 最初は2つまでしか素材アイテムを投入出来ないが、シナリオが進むと3つ投入できるようになる。また素材投入からアイテム完成までには一定の歩数移動しなければならない(*1)。完成までの歩数はアイテムごとに異なる。このシステムは次回作にも引き継がれることとなる。 なお、投入するアイテムが分かっていればレシピが無くとも錬金できる。攻略情報があったり、すでに1度クリアしているならば、より楽に冒険を進めていける。 「テンション」システムの導入。 過去作での特技「ちからため」「きあいため」等を、新たな戦闘システムとして昇華させたもの。 戦闘中に「ためる」コマンドを選択する、あるいは特定のアイテムを使用するなどにより気合を溜め、溜めた気合を消費して次にとる行動をパワーアップ出来る。 攻撃ならば攻撃力が、回復ならば回復力が、スクルトやピオリムなどの補助呪文であれば強化量が、それぞれ増幅補正される。「ぼうぎょ」コマンドならばダメージ軽減率が増加する。 例外的に、与ダメージ量増加が2倍で固定となっているバイキルトや無条件でHP全回復となっているベホマ・ベホマズンなど、効果量が固定となっているものについては効果を発揮せず、ためていたテンションは消費されずに残る。 1回ごとに5 ⇒ 20 ⇒ 50 ⇒ 100の順で強力になってゆき(*2)、100にまで達すると全身が紫のオーラに包まれ「スーパーハイテンション」状態となる。次の行動の倍率補正が7.5倍となるほか、この状態でいる間は「ぼうぎょ」を選択していなくても受けるダメージを30%軽減できる。ただしこの状態への上昇は一定確率で失敗することがある。 テンションは1回ためるのに1ターン消費する。しかし1回ためるだけでは通常攻撃2回相当にはならず、3回はためないとターンの消費と威力が釣り合わなくなる。そのため、テンションをためたい状況でピンチにさらされた時に攻撃と回復どっちを優先すべきか柔軟な対応が必要になったり、非常に硬い敵に対してはテンションをためて大打撃を与えるのが有効だったりなど、『VII』までの保守的なコマンド式戦闘に比べ、戦術性が格段に向上した。 また、ゾンビ系・エレメント系のモンスターはテンションをためないとダメージが通りづらいようになっているが、逆にテンションをためた攻撃だと通常よりも格段にダメージ量が増えるなどといった措置が取られており、ボス戦だけでなく通常戦闘でもテンションは重要な要素として働いている。 ここだけ見るとどんな敵相手でもひたすら溜めておけば良いと思われがちだが、おたけびやラリホー等により行動不能状態にされたり、「いてつく波動」を受けるとテンションが0に戻ってしまう。他にもテンションを下げる攻撃を持つ敵がちらほら出てくる為、テンション溜め一辺倒にならないように配慮されている。 敵にもこのシステムが採用されており、複数回行動をとる敵は複数回やたらテンションを溜めてきたり、一気にスーパーハイテンション状態になる敵も居る。 「おどかす」コマンド 戦闘中、キャラの行動前にこのコマンドを選択すると、敵全体を大声でおどかす事ができ、成功するとモンスターが逃げ出す。 こちらの「にげる」との大きな違いは、敵から逃げる為こちらの逃走回数にカウントされないこと、経験値やゴールドは得られないが、普通に倒した時と同じ判定でアイテムを落とすことがあるという事。上手く利用すれば逃走する事なく面倒と感じた戦闘を終わらせる事が出来たり、欲しいアイテムを少ない手間で入手出来たりする。 ただし敵がこちらより強かったり、感情のない機械やゾンビ系だったり、特定の敵だと無視されたり攻撃してきたりして被害を受ける事があるため、使いどころは慎重に見極める必要がある。メタル系スライムにはこちらのレベル関係なく効果がランダムで現れ、エレメント系の敵は必ず逃げる。 スキルシステムの導入。 本作には職業の概念がなく、レベルアップ時に取得できる「スキルポイント」を各キャラに設定された5つのスキルに振り分けることによってステータスを上昇させたり特技や呪文を覚えられる。これにより『VI』『VII』の転職システムのような煩わしさが減った。 使用するとその場でスキルポイントを得られる「スキルのたね」も新登場。 スキルによって覚える特技は、大半が「そのスキルに対応する武器」を装備していないと使用できない。例えば従来では斧を持っていても剣技のはやぶさ斬りなどが使えたりしていたのだが、今作での剣技は剣を装備しないと使えなくなっている。 ただしククール・ゼシカの杖スキルによって覚える呪文や各キャラの固有スキルで覚える特技など、武器を問わず使用できるものもある。 また、ゼシカがおいろけスキルで覚える「投げキッス」と「ヒップアタック」は使い勝手が微妙(というかより強い特技の影に隠れている)であまり使われないため指摘される事は少ないが、『VI』や『VII』の格闘技同様、何故か武器の攻撃力が加算されている。 かなりの序盤からスキルポイントを取得出来るため自由度は高いが、スキルを割り振れる限界の計算式にレベルが関わっており、最大の100まで上げられるようになるのはレベル38と通常のクリアレベル付近。一点集中型で育てていても一定のレベルで打ち止めになるため、序盤から最強の特技が使用できるなどといったことはない。 「プレイヤーによる自由な選択」「キャラの個性」「わかりやすさ」「ゲームバランス」など、多くの要素の葛藤の末、国民的RPGであることをじゅうぶんに意識した上で、絶妙な調和を果たしたシステムである。のちのシリーズ作品の『IX』『X』や、『DQMJ』以降のモンスターズシリーズに形を変えながらすべてに導入されているため、シリーズの戦闘システムに革命を起こしたともいえるだろう。 「スカウトモンスター」 『V』『VI』にあった「仲間モンスター」の変化版。任意イベント後に各地に居る「スカウトモンスター」と呼ばれる特殊なモンスターを倒す事でこちらのチームにスカウトする事が出来、3体で1つのチームを作る事が出来る。 ただし、『V』『VI』とは異なり、単体での戦闘参加や命令して戦わせることはできない。 スカウトしたチームは「モンスターバトルロード」で他のチームと戦わせたり、主人公が習得する「チーム呼び」で主人公達に代わって一定ターン戦闘させる事が出来る。モンスターバトルロードは勝ち進むごとに様々な特典や貴重なアイテムを得る事が出来る為、大きなサブイベントとして通い続ける事になるだろう。 スカウトモンスターの種族や通り名の組み合わせによってパラメーター等にボーナスが付いたり、特定の2~3体で連携して放つ「必殺技」を使わせる事が出来る。そのためチーム編成においても様々なテクニックが存在する。 リメイク版『IV』のように「せんれき(戦歴)」が見られる。 それまでの行動に応じてトロデ王がさまざまな評価をしてくれる上、その内容も面白みがある。 例えばあえて最初から一切戦歴画面を開かず、中盤で船を手に入れてから初めて戦歴を見ると「見るのが遅すぎじゃ!」と怒られる。またとあるイベントでトロデ王だけがご馳走にありつけなかったというものがあるのだが、その直後に戦績を見ると拗ねてそっぽを向いているなど芸が細かい。 「1ターン最大ダメージ」という項目にはやりこみプレイヤーからの注目が集まっている。 その他の特徴 武器の系統が明確に分別された 上記したスキルシステム搭載により、今迄は剣も槍も斧もシステム上ほとんど一緒くたにされていた武器の種類が、それぞれ独立した種類として扱われるようになった。 モンスターの系統も今迄以上に丁寧にされている。 今迄でも特定の特技や呪文のダメージが増減するなど系統わけそのものはされていたが分別に曖昧さが残っており、明示される事もあまり無かった。本作になって敵一体一体に「○○系」と明記され、武器などの特効もより広く設定された。 戦闘時のカメラを引くことにより、サイズの大きい敵が大量に同時に出てくるようになった。 今作では、「キングスライム6体」「よるのていおう8体」など、旧作では有り得ない出現数で登場するようになった。つまり「サイズによりたくさん出ないから安心」と油断はできなくなったのである。体の大きい敵は大概強いため、それが大量に現れるとなると苦戦は免れない。特に「クラーゴン4体」「ベリアル6体」など登場すると適正レベルから鍛えていても総力戦を強いられる。中でも「アイスチャイム」は呼ばれた仲間が同一ターンで行動するため、「8体+トロル」の合計9体という大所帯になることもある。 なお、以前の作品では最大4グループまで出現していたのだが、今作では合体モンスターを除き最大3グループまでしか出現しなくなったため、グループ単位の匹数は増えている。これにより、全体的なグループ攻撃の価値は少しだけ上昇している。また、サイズが中程度の敵だと、8匹以上の集団で出ることもある。 これに伴い、戦闘にもよりやり応えが増すようになった。回復タイミングの判断が重要になり、範囲攻撃や補助呪文の有用性が上昇するなど戦略性が高まり、大量の敵と戦うからこその面白さを味わえる。この仕様も攻撃呪文の価値低下にブレーキをかけることとなり、『V』~『VII』よりも攻撃呪文の利用価値が上がった。 一方、今作ではプレイヤーが単体攻撃の対象を自由に決められるようになった。単体攻撃の利用価値が無くなった訳ではない。 これまでの作品では敵単体対象の行動であってもグループ単位でしか決めらなかった。大抵の場合は「倒せる敵の中で一番HPが高い敵を狙う」「倒せる敵がいないならば最もHPが少ない敵を狙う」「麻痺状態の敵への攻撃は避ける」等、有利になる様に攻撃対象が決定されていたが、HPが満タンの敵を狙いたいのに同じグループにいる瀕死の敵に強力な攻撃をしたり、眠りや混乱やアストロン状態でほうっておいてもいい敵を攻撃する等、思い通りにいかない事もあった。 敵の強さは今までのような「明らかに場違いなモンスター」はほとんど存在せず、寄り道的存在のダンジョンに裏ダンジョンのモンスターがごくごく稀に出てくると言った程度。 代わりに敵の攻撃力や素早さが全体的に高めに設定されている。また中盤以降のザコは様々な搦め手(1ターン休みにしてくる特技や攻撃、ラリホーやメダパニなど行動不能に陥らせる呪文(特技)など)を使う敵が増えている。テンションを潰されるのはもちろん、運次第では一気に瓦解しかねない。 こちらにも打てる策は多数あるため、理不尽な難易度というわけではない。昨今の作品に比べると頭を使うことが増えたともいえる。 一部の状況下における敵の行動の調整 敵の行動のうち、強力な行動は同じグループ内では1ターンに一度になるように修正されている。グループ内で二匹も三匹も強力な全体攻撃の「はげしい炎」などが吐かれるようなことは通常はない。 戦闘において一定確率で敵が先制する事もあるが、その際の行動が比較的弱めに調整されるなど、不意打ちによるリスクが幾分か減った。 いきなり襲いかかってきたが、メタル系モンスターを筆頭にその瞬間に逃げだしたり、または無駄行動をしたりするなど、状況的に矛盾した行動も取らなくなった。 呪文や特技の大幅な調整 多くの特技がMPを消費するようになった他威力が下がる等調整が入り、特技一辺倒になりづらくなった。 これまで威力が固定だった呪文は、今まで死にステだった「かしこさ」で威力が上昇するようになり、『V』以降と比べて軽視感が減った。 「すばやさ」も行動順の調整以外にも、一定以上上昇すると物理攻撃を回避率が上がる効果が追加された。 『IV』以来久々に復活したすばやさを上げる呪文の「ピオリム」は、その気になれば簡単に999まで上げられ、すばやさの上昇にともなう打撃攻撃回避率上昇効果も狙えて、重要度が上がった。 有用な回復アイテムの大量追加 今迄の回復用アイテムと言えば、「やくそう」か「アモールのみず」といったほぼ序盤用レベルか、入手が難しい最高位アイテムの二極化になりがちで終盤はあまり使う機会がなかった。 しかし本作ではHPを100以上回復する「上(特)やくそう」や複数の状態異常を回復する「万能ぐすり」…といったバリエーション豊か・かつそこそこ強力なアイテムが追加され、全編渡って道具全般の使用価値が上がった。 全滅時のペナルティの緩和 所持金半減のペナルティは旧作同様だが、本作では死んだ仲間も全員生き返るようになり、蘇生のためにお金を使う必要がなくなった。 評価点 王道的ながら奥深さあるストーリー 人間の負の部分を前面に押し出したような人物描写やシナリオ展開が多い。 大筋こそ王道ではあるが、愛する王妃を失って2年間も喪に服して政治を放棄している王や、もともと腐敗していたが人格ある院長の死後さらに悪化してゆく修道院、召使いに対して自分が飼っている犬以下の扱いをする大魔道士など、王道に留まらないシリアスな設定が多く含まれている。 また、ストーリーの都合上、登場キャラクターの死亡シーンが従来作品に比べて多い。 重いエピソードが多い点は「暗い」と評する意見の根強かった前作『VII』と共通してはいるが、シリアスな展開や世界観の闇の部分の見せ方が序盤は抑え目で 物語を進めるにつれて徐々にクローズアップされていく構成、各エピソードの舞台に前作の石版世界のような閉塞感がないことなどもあってか、作風全体が「暗さが際立つ」と評されることはあまりない。 リアリティある「教会」の描写。 過去のシリーズの教会はストーリーに関わる事こそあれ、おおむね冒険の記録やキャラの治療・蘇生用の施設、つまりシステム上のアイコンとして描かれていたが、今作では世界中に影響力を持ち、各所に大聖堂や「聖堂騎士団」という独自の戦力すら擁している一大組織として設定されている。 それゆえに一枚岩というわけではなく、教会内部での裏切りや策謀・権力争いが横行し、各所では現実世界の宗教改革直前に見られたような腐敗も進んでいるなど、かなり現実感のある描写になっている。 これらのただの王道では終わらせない内面的で奥深いシナリオは、大幅に進化した演出面とも相まって高い評価を受ける事となった。 随所に組み込まれた遊びやすくなる工夫 等身大のフル3Dグラフィック、さらに視点もキャラクターの真後ろからのため、従来シリーズに比べると一画面にある情報の少なさから迷ってしまいがちだが、迷わせないように工夫されている。 町・フィールド・ダンジョンの各所では□ボタンで地図を見られる(*3)。 地図がない序盤のフィールドは迷ってしまいがちだが、道や看板に目立つオブジェクトが設置されているし、仲間や町人からのヒントも併せて進めば目的地に辿りつけないことはない。 また、サブイベントをこなすことでキラーパンサーに乗って快適な移動ができるようになる。呼びだすときのムービーが利用頻度のわりに長い、呼びだせないときもムービーが流れるなどの難点もあるが、見渡す限りの世界をモンスターに乗って疾走する感覚は爽快。 練り込まれた戦闘バランス "その他の特徴"の項でも一部述べたが、本作の戦闘は直近の作品よりも繊細な戦略性を要求されるようになり、やや高めな難易度ながら概ね安定したバランスに仕上がっている。 とりわけ『V』以降の特技の台頭によって長らく問題視されていた「MP無消費の一部の強力な特技を連発して速攻で敵を殲滅」という大味な戦法については大きくメスが入れられた。多くの有用な特技に相応の消費MPが設けられたほか、敵の同時出現数が増えたことにより速攻撃破が難しい場面も多くなり、補助呪文での足止めや全体攻撃呪文を有効に活用した「MPを消費すること前提の戦い方」を考える重要性が増した。 今作の独自要素であるテンションシステムも、シンプルな性質がら使い道は多岐にわたり、ためるか・ためないか・どの段階までためるか…といった要素が加わることで戦い方の選択肢が大幅に広がった。 際立って強力な特技は一部存在するものの、極端に消費と強さのバランスが壊れていると言えるものは後述の「チーム呼び」程度。 システムが類似していた『VI』『VII』から大幅な改変・追加を行いつつ、手堅くまとまった良質なゲームバランスを実現したことはプレイヤーから高い評価を受けている。 自由度の高いスキルシステム 最低限の自由度を保った上で、『VI』『VII』の職業システムが抱えていた「ゲームバランスの難・熟練度上げとレベル上げの相反する性質」「自由度が高すぎるゆえのキャラの没個性化」などの大きな問題点を解消している。 レベルアップによってスキルポイントが得られるが、一定のレベルを超えるまで振れる量に制限が設けられているので場違いに強い特技は習得できない、キャラクターによって習得できるスキルが分かれているのでイメージや性能を崩さず自由に強化できるなど。 使いこなせば効率よくスキルや武器を使い分けて冒険をより進めやすくすることも可能。 ただし、後述するようにいくつか問題点も存在する。 ロード時間の快適さ PS2で発売されたRPG作品としてはロードがとても短い。 開発段階では容量の関係上2層ディスクにする構想があったのだが、あくまでロード時間などの快適さを優先した結果1層ディスクにこだわったという。 高品質なBGM すぎやまこういち氏作曲のBGMは相変わらず好評。 フィールドBGM「広い世界へ」は、これまでのフィールド曲のイメージから一転して、穏やかかつ雄大な雰囲気を帯びた曲調で、フル3DCGで描写された広大な世界を的確に表した曲になっている。 ラスボス戦のBGMは、『III』の「おおぞらをとぶ」を壮大にアレンジした物でシリーズ屈指の名曲との評判である。 本作のBGMについて氏は「(音源が)鑑賞に耐えうるだけの質になった」と語っており、前作まではオーケストラ編曲版より後にリリースされるのが通例だったゲーム音源版のサントラが、今作では初めてオケ版に先行してリリースされている。 モンスターのデザイン 多数のモンスターが新規に追加され、いずれも好評を博している。 特に人気があるのはプリズニャン、ウィッチレディ、デンデン竜など。いずれも3Dならではのユニークな特徴を反映した見た目をしつつ、ドラクエらしさもしっかり持ちあわせている。『XI』に登場しなかったことを悔やむ声も。 既存のデザインのモンスターも、ボスとして登場するオセアーノンなどはインパクト大。3Dになったグラフィックの強みを生かしている。 賛否両論点 徹底的に管理された「優れた戦闘バランス」。 評価点で述べた通り、本作の戦闘のバランスは間違いなく優れてはいるのだが、反面味方側の強化や強力な戦法はかなり厳しく制限されており、人によっては窮屈な印象を受けやすい作りになっている。 「入手すれば格段に戦闘が楽になるアイテム」「これさえ覚えれば一気に殲滅力が上がる強力な呪文・特技」といったものに乏しく(*4)、シリーズ他作品と比べて強くなった実感を抱きにくい。 合成システムを採用しているゲームにしては珍しく、レシピや合成チャートさえ知っていれば序盤から一足飛びで作れる強力なアイテムも少なく、たとえ攻略情報をフル活用してもそこまで劇的に攻略が楽になることはない。『DQM』のように意図的にゲームバランスを壊せる遊び・余地に欠ける、と言えば分かりやすいか。 極端に過酷なダンジョンは存在しないものの敵は全体的に強く、同時出現数も多いため一戦一戦に時間がかかることもあり、全編を通して常に一定の苦戦を強いられている感覚に陥りがち。 これらに加え、移動距離に対してそこそこ高めなエンカウント率や、問題点にて後述する「戦闘のテンポの悪さ」「報酬の少なさ」等の要素が合わさり、サクサクした進行が難しく、爽快感やカタルシスを得にくいバランスとなっている。 無論、こうした厳格に調整されたバランスは先に述べたように評価点でもあり、ゴリ押しや誤魔化しが効かない中で丁寧に立ち回り強敵を倒していく本作のゲーム性に楽しみを見出すプレイヤーも多い。 どちらが優れているというよりは結局のところプレイヤーの好みによるところが大きく、ひいては「丁寧に調整された戦闘バランスが必ずしも万人に好まれるわけではない」一例とも言える。 またシリーズ他作品のゲームバランスが悪いわけではなく、全体の難易度調整やストレスを感じにくい快適な調整など、基本的な部分は寧ろ非常に優れていた。一部バランスブレイカーとなるキャラクター、特技、戦法が存在するといった詰めの甘さ散見される程度であり、言ってみれば『「優れたゲームバランス」を「非常に優れたゲームバランス」にするために自由度が引き換えになった』このあたりが賛否が分かれる理由であると言える。 Uターン操作 当時の3D操作で振り向きは『ゼルダの伝説 時のオカリナ』のインターフェースに合わせたボタン+スティック(方向キー)が主流だったが(*5)、本作はそれを踏襲していないため慣れるまで時間がかかったプレイヤーが続出。 慣れてしまえば、他の動作も兼ねているボタンを使うゼルダ操作よりも誤動作は少ないが、今度はドラクエVIIIに慣れると他のゲームでまたもたつく事も。 問題点 3D化に伴う演出面の難点 3D酔いが起きやすい。 最初の街トラペッタは、ゲーム中でも特に立体的かつ入り組んだ構成になっているので、3D慣れしていない人間には特にキツい。ゲームに慣れさせるために初めをあえて難しくというのは開発側の意図したものらしいが、逆効果になっている。 3D酔いと言うのは体質的な物なので、気にならない人にとっては全く気にならないだろう。一方で、ダメな人にとってはどうしようもない。 戦闘の軽快さの減少。 味方や敵の行動時には、『FF』シリーズと同様に味方キャラとモンスターが三人称視点で対峙する形となっており、コマンド入力時のみ、従来と同様の主観視点のコマンド入力画面でコマンドを入力する形になっている。そのため、コマンド入力画面と三人称視点の画面が行動の度に切り替わっていくのでややもっさりしている。また、キャラの攻撃前にカメラワークの移動とキャラの移動が行われることが多く、それに対する批判も多い。 他にも「じんめんじゅ」や「びっくりサタン」系統等の敵はモーションが全体的に長く、しかも多数出現する事も頻繁にある為、開幕早々一網打尽にしない限り一度の戦闘で相当時間がかかってしまう。 ただし、演出の長さは裏を返せば「演出力が強化されている」ということにもなる。 複数の敵にダメージを与えたとき、今までのシリーズでは敵ひとりひとりに順番にダメージを受けたエフェクト&ダメージ数を表示していたのが、本作ではエフェクトで各自のダメージの数字を表示しつつ、メッセージの方は一気に平均値でダメージ数を表示することですばやくすませるなど、極力冗長さを抑える工夫も見受けられる。 戦闘時の一部の特技の不自然さ。 戦闘を3Dで表現したことによって一部不自然なモーションとなる特技も存在する。格闘スキルの技に顕著であり、砂地であろうが船の上であろうが大岩を地面から掘り起こして投げつける「岩石落とし」や敵陣をバク転しながら強行突破する「ムーンサルト」など。 戦闘の様子をエフェクトと文章だけで表現できた過去作品がやり過ぎただけだったかもしれないが。例を挙げると3DS版『VII』では「しっぺ返し」といった明らかに表現が難しい技が軒並み削除されている。 敵も同様で敵の攻撃動作がまだキャラクターに対して行われていないのに(攻撃がまだ当たっていないのに)「痛恨の一撃!」と表示される他、痛恨攻撃を回避するといったよくわからない不自然な現象も起きるようになった。前者は3DS版では修正された。 「喋らない主人公」である事による弊害 主人公が喋らないこと自体はプレイヤー=主人公という図式を持つシリーズの伝統なのでそれ自体は問題点ではないのだが、「世界観やキャラクターが緻密なグラフィックで表現されているため、想像による補完の余地が少なく、感情移入が難しくなった」「これだけリアルなグラフィックなのに主人公が一言も喋らないままなのはさすがに違和感がある」との意見も少なからず聞かれる。他の仲間達は随所でそれなりにアクションしているので、ほぼ驚きの表情しか見せない主人公が浮いてしまうこともしばしば。 イベントシーンでの演出がぎこちない 特に目立つのが、登場人物が敵に殺されてしまうイベントシーンにおいて、主人公がその場にいるにもかかわらず、キャラクターが殺されるまで棒立ちのまま傍観しているように見えてしまう点。追い詰められた人を庇おうとしたり、殺害された瞬間に(無言であっても)大きなアクションを見せるといったこともないため、事態が終わってから取ってつけたように表情を変えるなどの不自然さやぎこちなさが目立つ。 これらの点は「感情移入を重視したい」と言う堀井氏の方針によるものである。 上記二点については、「感情移入を重視したい」と言う堀井氏の方針によるものである。確かにドラクエシリーズは、プレイヤーに感情移入させるため主人公に個性を持たせないようにして来ており、表現力の限られていたFC・SFC・PS時代であれば「無個性無反応に見える主人公やキャラクターだが、実際はこんな反応をしているのだろう」と想像で補完出来たのでこの手法でも問題なかった。 だが、本作のような3Dのリアルな演出下においては「棒立ちで反応しない主人公」が想像の余地なくはっきりと目に見えてしまっているため、逆に感情移入を阻害してしまっている。 世界地図の入手が遅い。 フィールドが3Dになったことで従来作に比べてマップの重要度が格段に増しているのだが、本作では物語をある程度進めて「世界地図」を貰うまではマップを見ることが出来ない。最序盤から広大なフィールドが広がっているのに、地図を見ながら歩けない時期がそれなりに長く続くため探索をしづらいのはもどかしい。 この問題は、下記のフィールド上宝箱の回収のしづらさにも繋がっている。 フィールド上の宝箱の場所がわかり難い。 しかも盗賊の鼻(ダンジョンや町に落ちているアイテムの数を確認する特技)でも確認できず(*6)、どれだけ回収できたかはわからない。見つけたと思ったら鍵がかかっている場合もあり、鍵を入手してから出直す必要があることも多い。取らなくてもクリアは可能だが、「宝箱は全部取りたい」といったやりこみ派にとってはきつい仕様である。 フィールド上では主人公しか表示されない。 3D化によるグラフィックの変化やハード性能の都合もあるだろうが、主人公ただ独りだけしか表示されないのは寂しい。 シナリオに関する面 前述の「イベントシーンの演出」や「喋らない主人公による弊害」も含まれる。 ヒロイン・ミーティア姫の影が薄い。 ミーティア姫は「ドルマゲスの呪いによって変えられた姿を元に戻す」という形で主人公一行の旅の大きな動機付けを担っている。サブタイトルでその存在を押し出されていることからも本作の象徴的キャラクターでもあり、同時に「最初から最後まで主人公たちの旅に同行する」という、これまでのシリーズに登場する姫キャラの中でも目立った立ち位置に据えられている。にもかかわらずパーティメンバーでもなく終盤までずっと物言わぬ馬のまま大した活躍も見せないため、立ち位置に反して存在感があまりない。 同じく呪いで魔物の姿となった彼女の父親であるトロデ王の存在も、この影の薄さを際立たせている。トロデ王も姫とともに主人公一行に終始同行するが、彼は不気味ながらも愛嬌のある外見と強烈な性格とでキャラが非常に立っており、戦歴画面にも常に顔見せし、かつシナリオ内で一時的に彼を操作する機会すらあるなど、姫よりよほど目立つ本作の「マスコット妖精」とでも言うべき立場となっている(*7)。 ミーティアのために用意されているイベントとしては、中盤のイベントで一時的にだが姿が元に戻り、以降は宿泊時の夢の中や「ふしぎな泉」で会話できるようになる、と言う物がある。だが、普通にしていれば見れる夢はともかく泉は(初回を除き)強制ではなく任意で発生させるサブイベント的位置づけであるため、すべてのプレイヤーが必ずしも実行するとは限らない。しかも困った事に、 全ての会話を見るのに物凄く手間がかかる ようになっている。 具体的は、大きなイベントをクリアするごとに2種類の会話が追加される。ただし2種類を1度見る事が出来ず、1つ見たらしばらくフィールド上を歩く必要がある(*8)。そしてこれらの会話は時限式であり、次のイベントをクリアすると、前の期間の会話は見られなくなる。 この仕様や会話更新のタイミングは、ゲーム中では一切説明されない(「今は会話を見られない」と言う事だけは分かる)。そのため、「泉に行ってみたけど会話がなかった」とか「その期間にまだ会話がある事を知らずに次のイベントをクリアしてしまった」と言った事が非常に発生しやすくなっている。さらには、それが重なり「面倒になってイベントを見に行かなくなった」と言うプレイヤーも少なくない。 このような状況にもかかわらずエンディング及びエンディング後に見られる隠しエンディングの内容は、泉での会話内容を一通り把握していることが前提となっているため、会話をこなしておかないと唐突な感が否めない締めくくり方になってしまう。ライターの意図した情報をプレイヤーが共有しなかったために評価が分かれてしまった。 彼女自身は良く言えば天然でおっとり、悪く言えばブリっ子的な言動に好みは分かれるが、性格そのものは純粋ながらも献身的な人物として描かれており、非常識な言動の類もないため、キャラクター性の面で露骨な嫌悪感を催させることはない。 ミーティアの言動をよく読み込むと、彼女の優しさや器の大きさは、ドラクエシリーズの中でもトップクラスであることが分かる。アクの強いキャラが多くなりがちな近年の作品において、貴重なキャラクターである。 シナリオの一部に対する批判。 従来作が「ラスボスの本拠地に少しずつ近づいて追い詰めていく」という流れなのに対し、本作のシナリオは「ラスボスが野望を成就してゆくのをひたすら後追いする」という流れになっているため、シナリオを押し付けられているという批判もある。 + ネタバレ注意 「封印の鍵となる賢者の末裔たちの殺害を企む暗黒神の暗躍を阻止する」というのが物語の大筋だが、毎回主人公らの奮闘虚しく出し抜かれて殺害され、最終的には誰一人守れず暗黒神の復活を許してしまう。復活しなければ話が成り立たないとはいえ、努力がことごとく徒労に終わった上に人が死ぬことになるのだから、プレイヤーにとっても非常にやるせない。 「たどり着いた時には既に殺された後だった」「阻止するべく立ち向かうも力及ばず…」といったものならまだしも、終盤は「誰が狙われているかわかるために一度は守ったが、その後隙を突かれて殺される」「人質を取られて見殺しにせざるを得ない」といった後味の悪い展開が多い。何よりもシナリオ構成上、「救えないことを事前に予想できてしまう」という点が問題で、暗黒神がラスボスであることは早い段階で察知できるため、賢者の末裔たちが皆殺しにされるのは普通に予想できる。ゆえに、作中で奮闘するパーティメンバーに対してプレイヤー側の心情が乖離してしまう。 主人公の出自に関しては謎が多く、それに関する伏線もちゃんと張られてはいるのだが、肝心の伏線の回収がエンディング後の隠しイベントで行われ、本編中では明かされない。本編クリアで満足して隠しイベントの存在を見逃してしまい、結局主人公が何者だったかわからずじまいだったという人も多かっただろう。 ストーリー中盤で登場する人物イシュマウリは不思議な能力を持ついかにも重要な立ち位置にありそうなキャラなのだが、中盤のイベント以降一切登場しなくなる。彼が何者なのか、彼の発言である「旧き世界」の意味などは一切説明されない為、消化不良としか言いようがない。 質問サイトでは「イシュマウリは何者なのか」という質問がよく見られる。彼に関するイベントを見過ごしてしまったのではと疑ったプレイヤーも発生したようだ。 他にもラスボス戦の直前で必須となる七賢者にまつわるオーブ探しも、それまで特に伏線が張られていない状態で言及され、このイベントからいきなり現れる2人の巫女らしき人物に関しても伏線や事前情報などが全くないため、取って付けた感が否めなくなっている。また、このイベント区間における会話システムの台詞がなぜか用意されておらず、オーブ探しの最中でも「こんな所に居る場合じゃないだろう」という趣旨の汎用台詞で文句ばかり言われるという不自然な状況になる。 戦闘バランス面 序盤の難易度の高さ パーティが2,3人しかいない序盤の難度は過去シリーズと比較して高い。 前述した通り全体的に敵の素早さや攻撃力が高めで、行動も序盤から熾烈なものが多い。通常戦闘では前述の通り敵の出現数が多く、シリーズ最弱のザコことスライムですらかなりの素早さを持ったり、先手を取られたり窮地に陥ることが多い。主人公はホイミをすぐに覚えられるが、ヤンガスはにんじょうスキルにポイントを振らないと覚えないということもあって、やくそうを持たせないと回復が追いつかずジリ貧になりがち。 今作から「痛恨の一撃」のモーションをとったモンスターは回避しなければ必ず当たる仕様となったため、旧作からプレイしているユーザーにとっては体感だと「痛恨の一撃」を喰らう頻度が高くなったと感じる。 初見だと「ボス戦闘ではテンションを貯めて大ダメージを与える攻撃をすればいい」と考えがちで、現に最初の街の住人からも「戦闘ではテンションが重要だ。とにかくテンションだ」という話が聞ける為、初心者だけでなくシリーズ経験者であっても「せっかくの新システムなのだから使った方が有利なはず」と考えてしまう危険性も高い。上に記したように実際は3回はためないと十二分な威力を発揮できないのである。その為頭数が少なく回復役と攻撃役を分担できない序盤のボス戦闘でテンションを3回もためるのは相当な悪手であり、大抵は3段階目になる前に倒されてしまう。 序盤のボス「ザバン」は「呪いの霧」でヤンガスを行動不能(*9)にするほか攻撃魔法のギラも使ってくる。次の「オセアーノン」は「もえさかるかえん」や「なぎはらい」といった強力な全体攻撃を使用してくる。せっかくためたテンションを行動不能によって打ち消されたり、回復にまわす羽目になったりしがちで、テンション攻撃に拘ると却って不利になりやすい。両者共に行動パターンが決まっているが、それを見抜いたプレイヤーはそう多くはないだろう。オセアーノンに勝てずに投げ出したという声も見られる。 「テンションをただ溜めれば有利というわけではない」「ラリホーやおたけびといった行動不能にする技を使う敵との戦闘や回復役が安定しない状況ではテンションを溜めないほうがいい」というセオリーを知らしめる意味合いもあると思われるが、それらを把握していようが序盤のボスとしては歴代のシリーズでもかなり難易度が高くなっており、把握していない場合は設計として不十分である。 全滅対策の施設であるゴールド銀行を利用できるのが中盤の船入手後というシリーズで飛び抜けた遅さ(*10)ということも序盤の難易度に拍車をかけている。 上げるスキルによっては攻略難度が変動する。 厳しいとされるのは、中盤以降に火力不足に陥りがちな主人公のブーメランスキル、他スキルに汎用性に乏しく見劣るヤンガスの打撃スキル、覚える特技が弱い上に単体攻撃しかできないゼシカの短剣スキルなど。これらを選ぶと多少なりとも難易度が上がってしまうとされる。 全キャラが所持する格闘スキルは、いわゆる縛りプレイ用スキルであり、他のスキルに比べて総じて微妙。「せいけんづき」「がんせきおとし」「ばくれつけん」など過去作で役に立った特技が目白押しなので一見有用に見えるが、それらを使う為には武器を持たずに素手になる必要がある。スキルによって素手の威力も底上げされるが、他の武器スキルも同様に底上げされるので火力に関しては数段下回る。 堀井雄二の談によれば、「格闘スキルは武器に頼りたくない人へのやり込み用として用意された面もある」とのこと。 それを見越してかパッケージや説明書のイラストでは仲間キャラが剣、斧、ムチを持っていてイメージを定着させている他、「スキルお姉さん」が「格闘は上級者向けのスキル」と説明してくれる。一般的感覚で伸ばすスキルを選べば(*11)、攻略に大幅に支障をきたすことはないというライトユーザーへの配慮もある。また各キャラは装備とは関係ない固有のスキルを持っていて、使っていく武器の選択を後回しにできる配慮もされている。 確かに初心者には厳しいが、慣れれば格闘スキルだけでも充分クリア可能。ラスボスやクリア後の隠しボスに素手で勝つ事も可能であり、ラスボスを素手で倒した時の称号があるほか、クリア後のボスに素手で挑んだ時と素手で倒した時専用の台詞と称号まである。 一番悪いとされるのは5つのスキルすべてを均等に上げること。割り振りシステムのある作品ではよく行われる手法だが、本作の場合スキルポイントを得られる機会や一度に得られるポイントが少なく、均等を目指すと割り振れるスキルポイントが非常に少なくなってしまう。その為冒険を進めても中々強力な効果や特技を覚えられず結局「何でもそこそこしか出来ない器用貧乏」のキャラになってしまい、多数の武器を揃える関係から金不足に陥りがち。 本編攻略中は伸ばすスキルを1~2個に絞り、それらを最優先に伸ばす特化型が推奨される。 一般的なイメージ通りに主人公に剣を使わせるプレイヤーが多いことは予想できるのだが、最序盤で入手できる剣が「どうのつるぎ」止まりなのも不親切。上位の「はがねのつるぎ」が手に入るまでの長い期間で火力が低いまま。ブーメランとヤリの場合は「ハイブーメラン」「ロングスピア」「ホーリーランス」等、店売りまたは錬金で上位の装備が手に入るのに対してバランスが取れていない。序盤は剣スキルに振りつつ、装備はブーメランにするという、という器用なプレイを初見でするのは難しく、装備に合わせてスキル振ってしまって前述した器用貧乏キャラになる危険も高い。 ククールは最後に仲間になるキャラなのに、レベルアップで覚えるスキルポイントがなぜか極端に少ない。同じく後から加入するゼシカは1レベルごとに10ポイント前後も貰えるのに対し、ククールは僅か3~4ポイントしか貰えない。そのため計画的なポイントの割り振りをしないとなかなか技を習得できない。素で覚える呪文が役立つとはいえ、これはいくら何でも不公平である。 ゼシカが強すぎる。 本作の戦闘メンバー4人は各々でやれることが異なるため単純比較こそできないが、それを差し引いても強キャラ筆頭と評されるのが魔法使いキャラのゼシカ。 攻撃面ではムチスキルで覚える特技「双竜打ち」が公式チート級。指定したグループの中でランダムな対象に攻撃力1.5倍単体攻撃を2回 というもの。 指定したグループの敵が1体なら3倍ダメージで、対単体最強技。スーパーハイテンションの状態だと脅威の22.5倍となり、これを越える手段は殆ど無い。消費MPはたったの3、習得も23ポイントと少ないので、ムチと併用できる呪文・特技を覚える「杖スキル」「おいろけ」を並行して育てやすいのも利点。 ゼシカ本人の力は低いので攻撃力の高いムチでないと性能を発揮しにくいが、ムチは加入直後から作れる「ヘビ皮のムチ」を筆頭に錬金で作成可能なものが充実しており、終盤に行けるカジノで入手可能な最強の「グリンガムのムチ」も本作のカジノの緩さから入手しやすい。 この特技一つで、ゼシカは女性の魔法使いでありながら男3人を差し置いて「物理最強」の名声を手に入れてしまっている。 もちろん魔法使いなので習得できる呪文も充実しており、メラ・ギラ・イオ・ヒャド系の攻撃呪文やラリホー・バイキルト・フバーハといった有用な補助呪文をスキルに依らずに自力習得可能。杖スキルでは僅か3ポイント振るだけで本作で有用度が大幅に上がったピオリムを覚えられるほか、極めればザオリクを習得するため、育て方次第では最終的に高い威力の攻撃、優秀な補助や蘇生をこなす万能キャラと化す。おまけに素早さが一番早い仲間であるため、加入直後から「ベホイミ」「ベホマ」に相当する「上やくそう」「万能ぐすり」など今作から導入された錬金によるアイテムを使用できるため道具による安定した回復役としての使用も有用。 あまりにも多芸なため、特にボス戦では補助呪文との兼ね合いが難しく、先述の強力無比な双竜打ちですら使うタイミングがなかなか訪れないという有様(*12)。 本作の戦闘は4人それぞれが役割を持って立ち回ることが前提のバランスとなっているため「ゼシカがなんでもできるから他のキャラの出番が無い」というわけではない(*13)が、上記の通り戦闘における彼女の重要度は明らかに突出しており、役割分担の面においてはバランスを欠いてしまっていることは否めない。 主人公が覚える特技「チーム呼び」が非常に強力。 スカウトモンスターのチームを呼び、一定ターンの間代わりに戦わせるものだが、尋常ではないコストパフォーマンスを誇るため、せっかく用意された他の呪文や特技を食ってしまいがち。 モンスターが出ている間は主人公達が一切ダメージを負うことはないので、動きが良ければ無傷で勝てる。必然的に回復に使うMPを節約できる。攻撃性能的に見て、人間キャラより優れる状況も多々ある。 モンスターがいくら傷ついても、死なない限りは次の戦闘の際にHPが完全回復している。そのHPも主人公たちの2倍近くは有しているため、その辺の雑魚ではまず削りきれないし、呼び出せるチームは2つまで持てるのでそう死んでしまうことはない。 メンバー編成は自由で、痛恨の一撃を出しやすいモンスターを集めたチーム、回復や補助を狙えるチームなどが構成可能。攻撃重視なら相手がボスでもHPを半分は削ってくれる。 特定のスカウトチームで使える補助や回復系の必殺技は主人公達にも有効な為、攻撃のみならず強力な補助や起死回生の回復役としても非常に有用。 消費MPが10とやや高めだが、本作の主人公は比較的MPが高く、ゆうきスキルを上げると最終的には5に半減出来る上、MP回復用のアイテムも比較的入手しやすい為、それらが整ってくると消費を気にせず使える。元々本作は雑魚戦であっても効率的にMPを使っていかなければ被害が大きくなりやすいバランスなこともあり、下手に渋って主人公達で相手をするよりも強力なチーム呼びに頼った方がかえって消耗が抑えられる形になりがち。 弱点は1チームにつき一度しか戦闘中に呼べないこと、AI任せなので細かい融通が利かない、倒されたモンスターを蘇生するにはバトルロード闘技場地下のモリーに話しかけるという面倒な手段ほぼ一択になることなど、考え無しに頼りきれるほどに万能ではないのだが…。 また、本作でのバシルーラはこちらが呼び出したチームを確実に戦線離脱させる効果になっており、しかもチームが呼びだされるとほぼ確実に使ってくる。バシルーラを唱えられるより先に動けるモンスターを用意しても、AIなのでうまく狙ってくれるとは限らない。 それらをひっくるめてもかなり優秀なので、ダンジョンなどの消耗戦においては、この特技を持つ主人公のMPをいかに節約するかが鍵と言っても過言ではない。ボス戦でもうまく使えばHPをごっそりと持っていったり、こちらのピンチを立て直すことが容易にできる。裏を返せばボス戦の難易度が高めな本作で(活用さえできれば)救済措置として機能しているともとれるが。 不可解なダメージ限界値の設定。 本作ではそれぞれの呪文にダメージ限界値が設定されており、テンションをどんなに上げてもダメージ限界値は超えないようになっているが、攻撃呪文と一部の特技は低く設定されている。具体的には単体ダメージ最強呪文・メラゾーマが1188、全体ダメージ呪文の筆頭・イオナズンが840、全MPを消費する究極呪文・マダンテが5008、強力な全体攻撃特技・ジゴスパークは1230などで、テンションを上げる場合の主砲としては扱いにくい。 通常の威力面で不遇なマヒャドやベギラゴンに至っては限界値が600以下と、悲惨とも言える値である(*14)。テンションを上げた際の限界値が他の呪文より高ければ、「普段の威力は低いものの、テンションを上げれば使える」という評価にもなり得たのだが…。 一方、攻撃力を参照する物理系の特技は限界値が9999であり、限界値に引っかかりにくい。つまり、テンションやステータスを上げた分だけしっかりと反映されるため、クリア後の冒険になると呪文の威力が限界値に引っかかりやすくなることも相まって、物理の強さが際立ってくる。こうなると、なぎ払いやオノ無双、超パワフルスローなどの集団攻撃物理特技も非常に強い。 さすがに9999ダメージを叩き出すには相応に厳しい条件がある(*15)が、例えばルカニ+バイキルト+ハイテンション+強力な物理特技でも簡単に4桁ダメージになり、呪文の威力限界値をアッサリと超えることができてしまう。クリア前のボス戦でもメラゾーマより物理特技の方が強力。これではやはり呪文の立場が無い。 クリア前の通常戦闘に限り、単体しか攻撃できないものが多い物理系特技よりも範囲攻撃が狙える呪文の方が役に立つのだが…ボス戦やクリア後はお察しである。 攻撃呪文の扱いについて 攻撃呪文の威力が「かしこさ」によって上昇するようになったのは冒頭の通りだが、威力上昇量がかなり控えめな上、それを見越してか素の威力が今迄に比べると低くなっており、「最大まで威力を上げて漸く従来作品と同程度、もしくは数段マシになった」程度の呪文が多い。 最大値にするのに必要な「かしこさ」の値も、キャラが最大レベルになって漸く…というのはまだ良い方で、更に装備品よる補正やドーピングが必要なものも多く、少なくとも本編クリアの時点では上級呪文であっても特技より威力が低い事もしばしばである。結果、終盤以降になると一部の攻撃呪文以外はあまり使われなくなり、特技偏重になりがちである。近年低下している攻撃呪文の価値を復活させる為の処置だったハズなのに、肝心の調整がその趣旨に反したものとなっているのは看過しがたいものがある。 ラスボスに関する面 + ネタバレ注意 スペック自体はHPは5640で攻撃力も420とクリア前ならほぼ最高値、全員に100以上のダメージを固定で与える技も多く、杖の2回攻撃は高い攻撃力もあってそれぞれ120~130ダメージと一形態に絞られている分かなり高め。…なのだが、攻撃パターンがそれをあまり活かせておらず、シリーズでも数少ない「笑っているだけ」という何もしない行動もある始末で、此方の回復が充分行き届き、攻撃のチャンスも非常に多い。途中のドルマゲスやレティスに比して楽勝と言われることが多い。 とはいえ『VII』にも言えるがラスボスの強さというのはある意味味方側との相対評価であり、プレイヤーサイドの育成難易度が低い為、結果的にラスボスが弱く感じてしまうのも要因に挙げられるだろう。なお「途中のボスの方が苦戦した」等の声は過去作からあった。 従来の作品は通常だとおよそレベル40程度でラスボス戦に挑むことになり、本作もそうであるのだが、本作のレベル40時のステータスは過去作に比べるとかなり高め。メタル狩りもやりやすい。道中入手できるレシピを見ながら着実に錬金をこなすだけでも装備にも強力な耐性防具などひと通り以上のものが揃う。 またビジュアル面が非常に不評。 一言で言えばひげづらのメタボのおっさんであり、非常にむさ苦しい外見である。 これはラスボスをとにかくデカくしようとしてしまった結果らしい。戦闘のシチュエーションの都合上、不自然さをなくすためにやむを得ない部分もある。 一応、完全復活を遂げた際にイレギュラーな変化を遂げてあの姿になっただけで本来の姿はまた別だったのでは、と思わせる描写は存在している。 錬金レシピの問題 ゲーム中では錬金に関するヒントが少なく、それどころか損をしてしまう地雷錬金すら存在する。 代表的なのは「金のオノ(鉄のオノ+金塊)」と「キングアックス(金のオノ+スライムのかんむり)」。週刊少年ジャンプの攻略ページにお勧め錬金として載っていたため、結果多くのプレイヤーが被害に遭った。 「金塊」「スライムのかんむり」は強力な装備を作れる錬金素材で、両方とも入手方法が限られている貴重品。それでいて金のオノは鉄のオノよりも弱くなり、キングアックスは市販武器。 一応それに対する警告もゲーム中に存在するが、その後に「ガッカリ武器を蘇らせる高等テクニック」であるかのような紹介文で、金のオノというガッカリ武器のためにキングアックスのレシピを紹介しているので悪質。 ただし、キングアックスが購入できる時期は終盤である。中盤に素材を入手した直後に錬金して入手すれば、その時点では破格の攻撃力を得られる。低レベルでの攻略を目指すプレイヤーにとっては一概に地雷錬金とは言えない。要はプレイヤーの方針次第ということである。 最強のブーメランの「メタルウィング」も、一品物かつ最強の槍「メタルキングのヤリ」が素材となるが、到底それにつりあわない性能故、他の武器を捨ててブーメラン一筋でもない限りかなりの地雷になりうる。 ゲーム中一つしか手に入らない「こおりのやいば」を使うレシピが2種類あるため、錬金レシピをコンプリートすることが不可能。ちなみにこれらのレシピで錬金できるアイテムは2つとも普通に市販されているため、入手自体が不可能というわけではない。 にもかかわらず、トロデ王の評価の中には錬金コンプリートでしか見られないセリフがある。無論データ改造でもしない限り見られない。 移植版では「こおりのやいば」が2つ手に入るようになりコンプリートが可能になったが、上述のような貴重品を市販品に変える損な錬金も避けては通れない。 スカウトモンスター・バトルロード関連 バトルロード自体は評価点で説明した通り、魅力的なサブイベントであり戦闘にも大いに役立つ要素なのだが、イベントそのものを見落とした人も少なくない。 というのもこのイベントを発生させる為には格闘場の屋上にいるモリーに話しかけることが条件であるのだが、入口は施錠されていて、建物の裏にあるスロープを使わなければ屋上に上がれない。入口を調べた時点で「鍵がかかっているからまだ来るべきではない」「上位の鍵で開くのか」と判断してしまった場合、裏手のスロープに気が付かないまま通過してしまうことにつながる。 このイベントは本編の攻略には必要無い為、これを発生せずとも充分無理なくクリアは可能である。だが、裏ボスを倒した後の選択肢の一つの発生条件が「スカウトモンスターのチームを持つ事」なので、このイベントを発生させていないとこの選択肢を選べず、全ての選択肢を選ぶことが条件で戦える形態の裏ボス戦が出来ない。 制作側もこの点を考慮したのか、後述の3DS版では入口を調べるとカメラが切り替わって屋上のモリーが映るという演出が発生するようになった。 スカウトモンスターの種類・強弱バランス 主人公のレベルアップにつれてモンスターのステータスも強化されていくが、元のステータスが低すぎる関係で実戦では使い物にならないモンスターも少なくない。序盤から加入できるモンスターは主人公のレベルの低さもあって初期のランクですらまともに戦えないほか、終盤に加入できるモンスターにもまったく役に立たないのがいる。 また、特技に関しては一切パワーアップすることがないため、ステータスは高くとも役に立たない特技で相手に余裕を与えてしまうようなモンスターもしばしば。 かと思えばスカウトできるモンスターの種類はさほど多くない上、一部の例外(スライム等)を除くとほとんどが1種類1体、しかもバリエーションもいないという偏りよう。相手しか使えないモンスターも多数。しかも、これらの数少ない候補でさえ全部を同時にスカウトすることはできないため、入れ替え式になる(*16)。 チーム編成による連携必殺技は必ずしも全てが強力というわけではなく、特に攻撃系のものは複数体で行う割に火力も追加効果もいまひとつなものが多い。必殺技に参加したモンスターはそのターンの行動を終了してしまうこともあり、ヘタに発動させるよりも普通に1体ずつ行動してくれた方が強いケースも多々ある。 特に終盤は「必殺技が発動してしまわないように気を使ってチームを編成する」なんていう本末転倒な事態も。 上記の「入れ替え式」により、組み合わせを試すのも一苦労である。 バトルロード格闘場で自分のチームが敗北すると全滅扱いになり、戦いの記録の全滅回数に加算されてしまう。 格闘場にはセーブしてくれる神父がいるために知っていればリセットすれば問題は無いのだが、全滅回数は戦歴でのトロデ王のコメントや称号にも関わってくる要素であるため、カウントを意識しているプレイヤーは気づかないうちに全滅回数を増やしてしまう恐れがある。 実害はないが仲間にしたチームモンスターが行動した際のテキストが何故か敵として戦った時と同じ受動態のままで不自然。 ゲーム性に関する面のその他 シリーズとしては自由度が低い。 シナリオ構成の都合上、シナリオは基本的に一本道で、エリアごとに関所などで区切られているのでほとんど順番通りにしか街を回れず、ストーリーの攻略順はほぼ固定。行動範囲までほぼ固定されていた『V』『VII』ほどではないにしろ、自由度は低いと言える。 ただし行動範囲そのものは広く、目先の地点を飛ばして他の町やダンジョンに行くことは可能。序盤でも無茶のある強引なプレイだがククールを仲間にせずにシナリオを2つ3つ進めることもできる。また、船を手に入れた時点で世界を回って、やたらと強い敵に苦戦しながら施設を訪れたり各地の宝箱などを回収することは可能。 ストーリー自体は一本道だが、寄り道できる場所が多数用意されているという構成は『VI』『IX』あたりに近い。 新システムに関するチュートリアルの不足 本作の戦闘における新システム「テンション」「スキルシステム」「おどかす」はいずれも作中での説明に乏しく、ユーザーフレンドリーなDQシリーズにしてはやけに不親切。 テンションシステムについては最初の街に言及するNPCがいるが、「テンションを上げると攻撃が強力になる」程度のことしか話してくれず、先述の様々な仕様・メリットについては特に説明がなされない。 特に「ゾンビ系・エレメント系にはテンションを上げないとダメージが通りづらい」という点についての説明が無いのは攻略上致命的。これらのモンスターはテンションを下げる攻撃を行ってくることが多いため何も知らないと逆にテンション上げを控えてしまいやすく、「今作のゾンビ系は異様にタフ」という勘違いをしたまま進んでしまうプレイヤーも。 スキルについての解説を行ってくれるNPCもいるにはいるのだが、何故か登場が序盤をやや過ぎた時期(2つ目のダンジョンをクリアした先の街)と中途半端に遅い。当然そこに着くまでにスキルポイントはいくらか振ってしまっているため、説明を聞いて方針転換しようとすると場合によってはそれまでのポイントが無駄になってしまう。 おどかすコマンドに至ってはこれといった説明が無い。「にげる」との差別点や独自のメリットが名前から想像しづらいこともあり、よく分からないまま一度も使わずにクリアしてしまう可能性もありえる。 ザコ敵から得られる経験値・G(ゴールド)が少ない。同時出現数が増えたためかもしれないが、それでも低い。 モンスターから得られるGが低く、終盤以降のモンスターでも大半が100G前後しか持っていない。これは従来作の約半分程。 本作では過去作での金持ちモンスターだったおどる宝石でさえ38G、トップクラスの金持ちのゴールドマンですら210G(海外版・スマホ版では726Gに増加)と少なく同時出現数も多くはない為、通常戦闘で金を稼ぐのが難しい。 錬金システムを活かせば手軽にお金を稼げるためと思われるが、上述したように錬金のヒントが少なく素材となるアイテムを購入するにも結局はお金が必要で、通常プレイにおいてG不足を補うのは難しい。 経験値は控えめだった『VII』ほどではないが、『VI』よりも少ない。これら2作品はレベルを上げずとも強くなれた職業システムが関係していると思われるが、本作はやや厳しめのゲームバランスになっているので純粋に不足気味。 メタル狩りスポットもあるが、効率よく狩るには伸ばすスキルを考える必要があるのでスキル格差にも影響している。こうして報酬が貧相なのにもかかわらずザコ敵が全体的に強いので、メタル系以外の敵を倒す旨みが少ない。 中盤の難所である「ドルマゲス」戦は、ククールがベホマラーを習得するレベル30にするのが望ましいが、普通にプレイしていく分ではレベルが25前後と言ったところで、周辺の雑魚敵を倒すだけではなかなかレベルが上がらない。この時点でメタル系は滅多に出ないトロデーン城か初見ではまず気づきにくい場所にある島しかないので、後者に気づかないとレベル上げは苦行の領域と化す。 カジノについて シリーズ定番の要素だが今作のカジノは非常に大味。スロットが非常に当たりやすく、ただ回しているだけでコインが増やせてしまう。 ビンゴ、ルーレットと新たな種目が登場したものの、どちらも評判はイマイチ。 ビンゴは完全に運ゲーでプレイヤーが介入できる余地が少なすぎる。テンポもあまりよくない。 ルーレットは控除率が滅茶苦茶であり、6マス掛けの場合だと胴元が損をする設定となる。それを利用して確実に損をしない賭け方まで存在するが、スロットで簡単にコインを増やせるので利用価値は薄い。 最初に訪れるカジノは低レートスロットとビンゴしかない上に景品も大したものが無い他、次に訪れるカジノは閉鎖されていてプレイヤーがイベントを進めないと終盤まで開かないという点で、甘すぎるという訳ではないのだが。 他のカジノでは半ば定番であったポーカーが存在しない。劇中の登場人物にそのことを言及させる辺りは、ポーカーをやりたいプレイヤーに対する嫌がらせにも聞こえる。新しい種目をやらせるために意図的に省いたのだろうか。 売値変動システムの妙な点 このシステムに対応したアイテムは売り過ぎると売値が下がると警告され、実際下がるものが多い。しかし、「上やくそう」などはなぜか売値が高めになる。しばらくすると通常値に戻るだけで、完全にメッセージと逆。 カーソル記憶ができない。 唯一、その戦闘中に選択した呪文などは記憶するが、次の戦闘では位置が初期化されてしまう。 スキルポイントをストック出来ない。 レベルアップや「スキルのたね」使用時にスキルポイントを得た場合、必ずその場で何らかのスキルに振らなければならず、「後で決めて振る」「あえてスキルを伸ばさない」といった事は不可能。バランス調整の一環と思われるが、一度振ったらやり直しが利かない分、じっくり考えられないのはやはり不便。 溜めたテンションの扱い テンションを上げてから攻撃をするとテンションがリセットされるのは上述のとおりだが、一部のテンション問わず一定のダメージを与える技や、「ぼうぎょ」した際にもテンションがリセットされてしまう。その為、テンションを維持したい場合に取れる行動が地味に限られてしまうのは手痛い。 効果は上がるのだがピオリムなどのバフ技でも消費してしまうのも痛い。テンションを消費しない行動もあるにはあるが、この行動ではテンションを乗せずとっておきたいというのも虫が良すぎるので何らかの行動取ったら使い切りと割り切るしかない。 移動方法関連 キラーパンサーに乗る「バウムレンのすず」、空を飛んで移動する「神鳥のたましい」はそれぞれ毎回"どうぐをつかって"呼び出す・空を飛ぶ必要がある。 キラーパンサーを呼び出す際、毎回キラーパンサーが来てくれる演出が挟まる。初めての時は感動があっていいのだが"毎回"である。 後半に飛行してフィールドを移動できるようになるが操作性が悪い。小回りがきかず、低空飛行しなければどこに着陸できるかすら分からない。 総評 3Dになっても、ドラクエは変わっていなかった。 シナリオや演出面で若干の問題があり、システム面においては一部の突出した特技の存在、錬金レシピや素材廻りの不備、細部の練り込みにやや欠ける点など、コアなRPGファンからすると少し物足りない面もあるものの、あまりに膨張しすぎてしまった前作から一転、手堅くまとめてある。 PS2の性能を活かしたグラフィック、BGM、演出は今までのドラクエの中でも最高峰といって差し支えない出来であり、『ドラゴンクエスト』の世界にのめり込ませるだけの魅力を十分に備えている。 特に、「普段はRPGをやらないが『ドラクエ』ならばやる」といったライトユーザーにも非常に分かりやすくまとまっている点は大きい。 本格的な3D化を施された最初の本編作品ということでファンからの不安も大きかったが、国民的RPGとして、十分に良作と言えるクオリティに仕上がっている作品である。 余談 総売上は355万本。プレイステーション2ソフトでは国内1位で、唯一のトリプルミリオンを達成した。 開発中に流されていたCMは、銭湯の中で裸の年配のおじさんたちが、序曲を口ずさみながら楽しそうに体を洗うという強烈な演出。 発売以降のCMはゲーム中の映像を用いたものになっている。 海外版も発売されている。典型的なJRPGであるドラクエとしては珍しく海外でも評価は高く、様々な賞も受賞した。 音楽の殆どがオーケストラ仕様になっていたり、一部の脇役キャラクターにボイスがあったり、鳥山明デザインのせいか主人公がスーパーハイテンションになったときにバンダナが外れてスーパーサ○ヤ人になったりする。 また、主人公があるレベルに達すると「dragonsoul」という特技を習得するようになった。これは後にアーケードの『モンスターバトルロード』にて逆輸入され、見ることが出来る。 インターフェイスも文字だけの解説ではなく、イラストを載せることで視覚的に分かり易くなっている。 『FFXII』の体験版Discが同封されていた事も売り上げに貢献した一因であろう。 『VII』の石版システムに不満を持った日野社長が直接エニックスに直談判に行った事で堀井雄二氏と出会う。これがレベルファイブがVIIIを手がけるきっかけになった。 そして制作の中、堀井雄二氏に色々アイデアを提示したがボツにされたモノも多かったという。そのボツにされたアイデアをいくつか使い出来たのがグギャーだという。 他作品とのつながり。 ロト3部作との世界観のつながりが描かれた。そのテキストはエンディングシーンの目玉の1つにもなっている。 また、武闘家や戦士などの外見は『III』のメインキャラにかなり似ているものが多い。 あるところでは『IV』のトルネコとライアンがゲスト出演している。 ラスボス撃破後、「平和が戻ってから数ヶ月たった世界」でちょっとしたアフターストーリーがある。「ラスボスを撃破したら拠点に戻って終わり」だった従来のナンバリング作品とは一線を画し、悪との戦いが終わったことを実感できるようになっている。 ただし、エンディング後にセーブしたデータは隠しダンジョンの解禁のみで、ラスボス撃破前に戻るのは前作までと同じ。次回作『IX』以降は完全に「それ以降の世界を冒険する」ようになった。 よく「シリーズ新作で延期されなかった初のタイトルが『VIII』」と言われる。だが、これまでは初回発表の時に発売日を設定していた所を、『VIII』は初回2002年3月の第一報では発売日は発表せず、2004年6月にようやくざっくりとした発売日を予定するという流れだったので、実際に延期されなかったのかどうかは疑わしい。 発売日を発表しなかったのは、『VII』の時にシリーズ最大級の延期を繰り返したためか。 本作の舞台となる世界には象形文字が刻まれている建物や門柱などが点在しているが、これが五十音に対応した言語であることがプレイヤーによって解読された。 実はこの文字は『X』で使用されている『アストルティア文字』と呼ばれる創作文字と同一のもの。PS2版では解像度の関係もあって長らく解読されておらず、本作の発売から約10年越しで『VIII』初出であることが判明した。 訪れる村や町の名前などの他、とある遺跡内の石碑に刻まれたものに「帰りたい」「きつい」「家でアニメを見たい」「辞めたい」「辞めてやる」という開発スタッフの愚痴が存在することも判明して話題となった。 3DS版でも残されているが、解像度の関係でより読みにくくなっている。 2019年7月31日に有料DLCファイターとして『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』に『XI』の勇者が参戦。カラーバリエーションとして『VIII』の勇者も参戦している。当時、リメイク版の3DSも含めて『VIII』に声はなかったので梶裕貴氏が担当された。 作品上、スクウェア・エニックスからの参戦ではあるが関わったレベルファイブの参戦でもある。 本作には、「船落ち」と呼ばれるバグ技が存在する。 船を入手した後、陸地に接触して「船をおりますか?」という質問で「はい」を選択した瞬間に暗転が晴れる前にアナログスティックを斜め下(場所によって右下か左下か異なる)に入れておくと、キャラクターが接岸部分の岸壁を伝って海に落ち、海の底へ沈んでは突然空中に現れまた落ちる……という繰り返し状態になる。 この状態になると海や岩山といった通常では侵入できない地形をすり抜けて移動することが可能で、陸地に入ると着地して通常の状態に戻る。 このバグ技を使えばストーリー進行上まだ行けない場所に行けてしまい(*17)、本来ならばあるイベントをクリアしなければスカウトできないスカウトモンスターを勧誘し、バトルロードを勝ち進みさらに強力なスカウトモンスターで編成したチーム呼びで無双してしまえるというバランスブレイカーなことも可能になる。 ただし行った場所によっては、ゲームの進行に不具合が起きる可能性もあるので注意。 ちなみにスマホ版でも(やややりづらくはなったが)再現可能。進行に不具合をもたらすことと、バランスブレイカー技にもなりえるという事で3DS版では修正され使用不可となっている。 ラスボスの後世の評価について + ネタバレ注意 道中ボスの高難易度に反した最終決戦の難易度の低さにプレイヤーの多くが肩透かしを食らったからか、当初は歴代最弱とまで言われていた。しかしスキルの選定を誤ったり、錬金に対して無頓着だと苦戦もありえるという見直しの声も後に挙がっている。 加えて後の『IX』よりは断然強いことも相対的に見直しの助けになり、今では最弱説はほぼ否定され、体感的な苦戦度で見ても『V』や『IX』のラスボスよりは明らかに強く、シリーズでは中の下程度の評価に落ち着いている。 その後の展開 2007年6月21日に、本作のバトルロードを模したアーケードカードゲーム『ドラゴンクエスト モンスターバトルロード』が稼働開始した。 本作に登場したモリーが主に登場。初期はモンスターは本作出演のものに偏っていたが、後に他のシリーズのものも広く登場するようになった。 2013年12月12日からスマートフォン用アプリとして移植版が配信された。詳細は後述。 2015年2月26日に発売されたシリーズ初の3DアクションRPG『ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城』にヤンガスとゼシカが出演した。 2015年8月27日に3DS版が発売された。詳細はこちら。 上述の『ヒーローズ』の他にも、本作のキャラクターがゲスト出演ないし主役を張った関連作品が存在している。 悪人面だが人情味も深く、最後まで主人公を慕っていたヤンガスはPS2で不思議のダンジョンシリーズの主役に抜擢され、スピンオフ作品『少年ヤンガスと不思議のダンジョン』が作られた。 トルネコ、テリー、キーファと続く、「本編での活躍が微妙なキャラほどスピンオフで主役がもらえる」ジンクスを受け継いでいる。ヤンガス自身が特に不遇なわけではないのだが、ドルマゲスやラスボスとの因縁が一切なく本筋への絡みが薄かったのがその一因だろう。 トロデ王も、『DQMJ』ではスライム系最強クラスのモンスターとして登場している。 さすがにスライムはあんまりだったのか、『DQMJ2』以降は自然系モンスターに。 『DQMJ2P』ではついにトーポまでモンスターとして参戦を果たした。 ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君(iOS/Android版) 【どらごんくえすとえいと そらとうみとだいちとのろわれしひめぎみ】 ジャンル RPG 対応機種 iOS11.0以上Android5.0以上 発売元 スクウェア・エニックス 開発元 トーセ 発売日 2013年12月12日 定価 2,800円(税込) 判定 良作 概要(iOS/Android) ナンバリングタイトルのスマートフォン移植シリーズ第2弾。 シリーズでも人気の高い作品の初移植、かつその移植先がスマートフォンという点で他のナンバリングタイトルよりも話題になった。 ドラクエシリーズ故かボリューム満点の内容故か、2800円とスマートフォン用アプリとしては高額な値段設定。 なお制作はゲーム業界最大の影武者と言われるトーセであり、レベルファイブは一切タッチしていない。 変更点・評価点(iOS/Android) スマホで遊ぶために操作性が改善されている。 歩いているNPCに近づくとNPCの周辺に円が表れ、その円の中で立ち止まると自動的にそのNPCと話すことができるようになっている。 オートランの追加。オートラン中は視点を変えるだけで進みたい方向に進めるため、特に操作がややこしくなりがちな本作ではありがたい。 戦闘システム コマンド入力が『モンスターズジョーカー』シリーズのものに近いものになった。 ターン開始時に「これで戦う」を選ぶだけであらかじめ設定しておいた作戦に応じて行動するようになる。 独自に行動を決めたいときはキャラクターのステータス横にあるウィンドウを押すとめいれいが出せるようになる。 このシステムに伴って主人公も作戦によるAI行動が可能になった。ワンタップで戦闘ができるというコンセプトの元にこのシステムになったとのこと。 グラフィック 解像度が高くなっており、グラフィックが綺麗になっている。 他の移植と共通しているが、フル3Dグラフィックであるため一段と綺麗に見える。 錬金釜 『IX』と同様に待ち時間無しで完成するようになった。 宝箱の中身が変更されており、こおりのやいばの2本目や一部のレア素材がPS2版よりも多く入手できるようになっている。 アップデートでこおりのやいばをドロップ入手できるようにもなった。 アップデートでメタルウィングからメタルキングのヤリに戻す錬金が可能になった。 ゴールド銀行 ゴールド銀行は歴代シリーズでは1000ゴールド単位でしか預けられなかったが、スマホ版『VIII』のみ1ゴールド単位で預けられるようになっている。 ただし、船を入手してからでないと利用できないのは変更されていない。 問題点(iOS/Android) フレームレートが低下しているためか、カクつきがある。 iOS版は改善されているが、Android版は依然として改善されていない。 仮想パッドによる操作。 スマホ縦持ちによるこの操作は人によって得意不得意があり、苦手な人も多い。 スマホDQシリーズに共通する問題点で最後に配信されたスマホ版『VII』まで批判が多かった。特に3Dである本作ではある程度操作しやすいようにはされているがやはり難のある操作性ではある。 「ドラゴンソウル」が無い 一部海外版に準じた変更点があるが、追加要素の一つであるこの特技は実装されなかった。 『バトルロード』で登場したため日本のシリーズファンにも知名度が広がっていたが、本作への登場は3DS版までお預けとなった。 戦歴におけるトロデのコメントが無くなった。 ユニークなセリフが多かっただけに、非常に寂しいことになっている。 総評(iOS/Android) 据置機から携帯機に移植されたゲームは存在するものの、本作の配信はまだスマートフォン自体が普及し始めた頃であり、『パズル ドラゴンズ』といった所謂ソシャゲの流行もあってかスマホでコンシュマー向けのゲームをするという認識が薄かった時代である。 そんな中でPS2の名作をほとんど劣化なく移植したというのはスマートフォンが携帯ゲーム機として高いスペックを有しているのを見せることができたといっても過言ではないだろう。 公式側もそれを強く意識していたのか、他の移植と比べて独自のUIが多く開発への気合を垣間見える。スペックの関係で削除された要素がわずかに存在する他、操作性で遊びにくかったりはするもののPS2版の問題点も一部解消されており移植としてのクオリティは高い。 現在では携帯機で遊べる『VIII』は追加要素の多い3DS版に負けてしまうが、スマホで遊べる本作ではより手軽さがあるため本作を購入する価値も十分にある。
https://w.atwiki.jp/gods/pages/470.html
ハニヤスビメ(波邇夜須毘売神、波爾安日女神) ヒノカグツチ(火之迦具土神)を生んだイザナミ(伊邪那美神)が病に苦しみながら生んだ神。 粘土の女神。 関連: イザナミ (伊邪那美神、母) ハニヤスビコ (波邇夜須毘古神、兄、夫) ハニヤマヒメ (埴山姫命、同一視) 別名: ニイグソヒメ (新具蘇姫命) 祭神とする神社: 畝尾坐建土安神社(奈良県橿原市) 大井神社(静岡県島田市) 賀茂波爾神社(京都府京都市)
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2227.html
ウサギのナミダ・番外編 少女と神姫と初恋と その2 ◆ 美緒は不安で沈んだ気持ちのまま、待ち合わせのM駅に降りたった。 彼と最寄り駅で待ち合わせ。 彼の家に初めてのお呼ばれ。……理由が何であっても。 心の準備が整う間もなく、放課後はやってきて、あわただしく下校して、家で大急ぎで私服に着替え、最速で身支度を整えて、パティと神姫の装備とメンテナンス用具が入っているカバンをひっつかみ、そのまま自宅を飛び出した。 肩まで掛かる髪を撫でつけながら、思う。 もっと気の利いたおしゃれができるように、なっていればよかった。 梨々香の言うことをもっと聞いていれば、こんなときに困ることもなかっただろうか。 美緒は正直に言って、おしゃれが苦手だった。 きれいな容姿や可愛い格好には、人並みに興味はある。 だが、ファッション誌に載っているような服やアクセサリーが自分に似合うとは、どうしても思えない。 その原因は、自分の身体にあると、美緒は思っている。 やはり、少し太っているから、あんなモデルのように細身の人が似合うような服は、わたしは着られないのだ。 そう思いこんでいる。 梨々香は「そんなことないよ!」と力説するが、それは親友に対する気遣い、あるいはお世辞というものだろう。 そんな思いこみの結果、美緒は何とも無難で地味な服しか持っていないのだった。 こんなおしゃれの欠片もない、地味な女の子を、安藤はどう思うだろうか。 それが不安で仕方がない美緒だった。 改札を出て、左手の出口に向かう。 「おーい、八重樫!」 安藤はもうそこにいた。手を振っている。もう逃げられない。 美緒はもう、不安でどうにも爆発しそうだった。 ◆ 「それじゃ、行くか。今日は頼むな」 「うん……」 安藤は笑っている。 美緒の私服姿を気にもとめていないように、いつもどおりに。 美緒はほっとするのと同時、なんだか不満だった。 安藤ももちろん私服姿である。シャツにジーパン、スニーカーというシンプルな格好だが、異様にかっこいい。 彼の背を見ながらついていくだけでドキドキが止まらない。 なのに、彼は、美緒の姿を見てもいたって普通だ。 もちろん、自分に魅力がないのは分かっているけれど……。 不公平だ、と美緒は思う。 わたしばっかりドキドキしたり不安になったりで、彼はちっとも普段の様子を崩そうともしない。 その原因が、自分のあか抜けなさにあることは百も承知なのだけれど。 ……もし、自分がもっときれいでおしゃれな女の子だったら、彼と一緒に歩いても、釣り合いが取れるだろうか。彼も少しくらいドキドキするのだろうか。 美緒は歩きながら、そんなことを悶々と考えていた。 駅から一〇分ほど歩いた住宅街の中に、安藤の家はあった。 安藤の招きに応じ、門構えをくぐって玄関に入る。 「ただいまー」 「お……おじゃまします……」 美緒が挨拶を言い終えるより早く、 「お、おかえり」 ハスキーな女性の声が聞こえた。 玄関から奥へと続く廊下に、長身の派手な女性が立っていた。 髪はカールをかけたロングヘア、軽く化粧をしているだけのようなのに、目鼻立ちがとても派手である。 細身の長身はプロポーション抜群。肩をむき出しにしたスパンコールをちりばめたトップスが、異様に似合っている上に、目のやり場に困るほどセクシーだった。 「姉貴……いたのかよ」 「いちゃ悪いのかい、弟」 (お姉さん!?) 不機嫌そうな姉弟のやりとりの脇で、美緒は驚愕した。 安藤に姉がいるのは知らなかったし、たとえ知っていたとしても、予想とは全然違っているように思う。 あのさわやか系で通っている安藤の姉が、ギャル系ファッション誌のトップモデルみたいな女性だと誰が思うだろうか。 安藤姉は二人をじろりと睨む。 「姉のいぬ間に女を連れ込もうってか……まったく、浅はかだねぇ」 「姉貴っ! オレの客の前で失礼なこと言うな! 八重樫には、オレから頼んできてもらったんだ」 「はぁん? オマエに女を連れ込む度胸があるとは思っちゃいないが、どういう用件だい」 怒り出した安藤に対し、姉の方はニヤニヤと笑いながら余裕の表情である。 美緒は誤解を解こうと口を挟んだ。 「あ、あの……安藤くんに、神姫のことで教えてほしいことがあるって、相談されて、それで……」 「神姫ィ?」 呆れたような声で言った安藤姉は、前屈みになって、美緒の前に顔を突き出した。 近すぎる派手な美人顔に、思わず後ずさる。 ふーむ、と五秒ほど顔を値踏みするように眺められた。 そして、 「弟、お茶用意しな。彼女はアタシがアンタの部屋に案内しとく」 「なんでオレが……」 「文句言うな! いいからさっさとやる!」 安藤は頭を掻きながら、不満顔のまま玄関を上がった。 「八重樫、とりあえず上がって……姉貴についてってくれ」 美緒にそう言うと、廊下の奥のキッチンに足を向けた。 どうも姉の命令には逆らえないらしい。 美緒はもう一度、おじゃまします、と言って靴を脱いだ。 安藤宅に上がり、改めて安藤姉を見る。 不敵に笑う彼女の存在感に圧倒される。 初対面のはずなのだが、なぜか美緒には、その不敵な笑顔に見覚えがあった。 弟の背がキッチンに消えると、不意に安藤姉の雰囲気が柔らかくなった。 「そんじゃ、ついてきて」 「あ、はい」 姉の先導で、右手にあった階段を上る。 意外なことに、安藤姉の方から美緒に話しかけてきた。 「ヤエガシちゃんも神姫やるんだ?」 「はい……あんまり強くないですけど」 「ああ、バトロンもやってんのね。アタシも少しはやるけど」 「え? お姉さんも……神姫のオーナーなんですか?」 「そうだよ。……ヴィオ、挨拶して」 そう言うと、長い縮れ髪の間から、薄紫のパールカラーのバッフェバニー・タイプが顔を出した。 メイクされた顔立ちは妖艶で、その雰囲気もどこかオーナーに似ている。 「ヴィオレットです。よろしく、ヤエガシさん」 「よろしく……って」 その神姫の名を聞いて、ひらめくものがある。 そう、バッフェバニーのヴィオレットと言えば…… 「もしかして……お姉さんは、Tomomiですか!?」 「あれ、知ってるんだ。そりゃ光栄」 驚愕している美緒に、安藤姉はこともなげに肯定した。 知っているどころではない。 女性の神姫オーナーで、Tomomiの名を知らぬ者はないだろう。 それどころか、美緒と同じ年頃の女の子なら、大半は知っているはずだ。 Tomomiは女性たちの憧れ、カリスマモデルである。 女性向けのファッション誌での活躍はもちろんであるが、彼女には他のモデルにない特徴があった。 神姫を連れていることである。 彼女の神姫・ヴィオレットもまたモデルである。 時にヴィオレットは、Tomomiを飾るワンポイントであり、時にTomomiとお揃いの服を着こなす。 その様子が、新しもの好きの少女たちに受けた。 Tomomiの影響で、おしゃれのパートナーとして神姫のオーナーになった女の子は、決して少なくないだろう。 そんなTomomiとヴィオレットを、神姫業界の方でも放って置くはずがない。 いまや神姫専門誌やら神姫の情報サイトやらでもひっぱりだこだ。 Tomomiとヴィオレットは、非武装派の神姫オーナーたちのカリスマにもなっている。 そんなTomomiが安藤のお姉さんだったなんて……美緒にしてみれば、思いも寄らぬ展開に驚愕するばかりだった。 ふと、美緒は疑問に思う。 お姉さんが神姫オーナーならば、神姫のことを少なくともそれなりに知っているはずではないか? 「あの……Tomomiさんは、神姫に詳しいですよね?」 「うん? まあ初心者に毛が生えた程度のもんだけど」 「だったら、安藤くんは、神姫のことをお姉さんに聞けばいいのでは……?」 「ヤツはアタシのこと毛嫌いしてっからさぁ。 ……あ、ここね」 Tomomiは無造作に、その部屋の扉を開けた。 美緒の目に映るのは、きれいに片づいた、あまり飾り気のない部屋だった。 あまり広くない部屋に、ベッド、机、キャビネット、本棚が機能的に配置されている。 ポスターなどの装飾は見られない。 そんな中、机の上に置かれた武装神姫のパッケージが異彩を放って見えた。 「それに、アタシは絶対教えないね。男だったら自分で神姫の立ち上げくらいやれっての」 美緒を部屋に入れると、安藤の姉はそう言ってからからと笑う。 そしてまた美緒に向き直り、 「まあ、智哉はそんな感じで、気が小さくて、全然頼りないヤツなんだけどさ。よろしく頼むよ」 そう言って派手なウィンクを美緒に寄越した。 美緒は目を白黒させながら、それでも考えている。 頼りないって……安藤くんが? 美緒にはとてもそうは思えなかったが、とりあえず、こくりと頷くしかなかった。 「それと、もし智哉に襲われそうになったら、大声で助けを呼びな。アタシがヤツをぶっちめてやっから」 そう言って不敵な笑みを浮かべた。 その表情が、彼女の派手な顔立ちに異様なまでに似合っていた。 美緒が驚くばかりで固まっていると、 「こら姉貴! 八重樫に何吹き込んでるんだ!」 安藤がお盆を抱えたまま、横合いから姉をどついた。 「神姫オーナー同士、友好を深めてたんだよ。オーナーじゃないオマエには関係ないだろ」 「つか、関係ないのは姉貴だろ! とっとと出てけ! それに、もうすぐオレもオーナーになるんだからな」 「へいへい」 安藤姉は、艶やかな笑顔で美緒に手を振ると、部屋から立ち去った。 安藤は深い深いため息をつきながら、部屋の扉を閉める。 「……姉貴が帰ってきてるとは不覚だった……」 がっくりとうなだれつつ、部屋の真ん中に置かれた小さなテーブルに、お盆を置く。 お盆の上には、コーヒーカップが二つ載っていた。 どうぞ、と差し出されたカップを素直に受け取る。 湯気の向こうの安藤は、まだうなだれていた。 そんなに姉が在宅だったことがショックなのだろうか。 「で、でも、お姉さんが、あのTomomiだなんて、全然知らなかった」 「学校じゃむしろ秘密にしてるぐらいなんだよ……あんなのが姉貴って、ありえないだろ」 「そ、そうかな……」 美緒も年頃の女の子なわけで、あのカリスマモデルが姉だなんてメリット以外には思いつかない。 安藤もようやく落ち着いたのか、深いため息を一つ吐くと、顔を上げて微笑んだ。 「まあ、あんなヤツのことはどうでもいいから……神姫のセットアップ、はじめようか」 美緒はその微笑にドキリ、と胸を高鳴らし、小さく頷いた。 ◆ 「……それで、ここに小さなチップを三つ、セットすればいいんだな?」 「そうそう。三つのチップの組み合わせで、その神姫の得意なこととか性格が決まるから、チップ選びは慎重にね」 アルトレーネのパッケージを開けた頃から、美緒の緊張も薄らいできていた。 安藤は素直で真面目な生徒だった。美緒の指示をよく聞き、滞りなく作業を進めていく。 「でも、気に入らなかったら、チップの配置をやり直せばいいんじゃないか?」 「うん……そうではあるんだけど」 美緒は眉根を寄せて表情を曇らせる。 「わたしはあんまり好きじゃない……チップの配置を変えると、その前に設定された『心』も消えてしまうの。人間の都合で、何度も何度も神姫の心を消してしまうのは、かわいそう」 「そっか……俺たちだって、誰かの都合で無理矢理性格変えられたりしたら、イヤだもんな」 「うん。だから、はじめに配置したCSCの設定を大事にしたいの」 「そうだな。オレもそうするよ」 安藤は三つのチップを慎重に選び出す。 「八重樫はやさしいな」 「えっ……!?」 視線を合わせずに呟く言葉は、まさに不意打ちだった。 やっと緊張がほどけてきたのに、また心臓が爆発しそうになる。 「そんなこと、ないよ……」 美緒が呟くいつもの言葉は少し震えている。 そう、神姫の心を大切にしたいなんて思うことは、普通、普通だ。 美緒はそう自分に言い聞かせながら、ドキドキが収まらない胸を手で押さえた。 (やだもう、どうしてそんなに、ずるいことばっかり言うのーーーーっつ!?) そのさわやかな顔立ちさえ、美緒には憎らしく思えてくる。 しかし、チップをCSCに慎重にはめ込むときに見せる、真剣な表情に、どうしても見とれてしまうのだった。 「よし、できた」 そんな複雑な乙女心を知るはずもなく、安藤は美緒の方に笑顔を向けた。 美緒は彼の顔をまともに見られず、やっぱりうつむいてしまう。 「そ、そしたら……クレイドルの上に載せて、PCに出てくるメッセージに従って進めればいいから」 「わかった」 安藤が神姫の胸部パーツを閉じ、ボディをクレイドルの上に載せる。 すると、PCが神姫との接続を認識、神姫管理用ソフトを自動的に立ち上げ、初期設定のセットアップに移行する。 いくつかのメッセージに対し、『はい』の解答を行う。 そして、 「武装神姫・アルトレーネ 初期登録モードで起動します」 神姫の口から出た言葉に、安藤は少し動揺した。 その安藤の目の前で、神姫はぱちりと目を見開く。 大きな瞳に、安藤の顔が映っている。 「ユーザーの登録と認証を行います。ユーザーの名前を音声で入力してください」 安藤が振り向き、美緒に目配せしてきた。 美緒は大丈夫、と小さく頷いた。 「あ……安藤智哉」 安藤は少し緊張している。 誰でも初めての神姫の起動の時は緊張するものだ。 大きな期待とひとつまみの不安。 美緒も、パティを起動したときの緊張を思い出す。 「あんどうともや、様で登録しました。安藤様を何とお呼びすればよろしいですか? 音声で入力してください」 「……マスター」 このあたりの入力は、どの神姫でもそうかわらない。 入力項目について、あらかじめ決めておくように、美緒から言い含められていた。 「最後に、神姫の名前を音声で入力してください」 「オルフェ」 抑揚のない神姫の問いに、安藤は即答する。 神姫は黙り込み、空中を見つめているように見えた。 それも一瞬のこと。 「登録完了しました。 オルフェ、通常モードで再起動します」 事務的な口調のメッセージが流れた後、神姫は一度目を閉じ、全身から力を抜いた。 一瞬の後、再び顔を上げ、ぱちりと瞳を見開く。 そこに宿るのは、感情の色。先ほどの事務的で無機質な視線とは明らかに違って見える。 神姫は、安藤を見上げた。 視線が交わる。 安藤は少し驚いて、肩を震わせた。 そんな安藤に、彼の神姫はにっこりと笑いかける。 「はじめまして、マスター。今日からあなたの神姫になりました、オルフェです。これからよろしくお願いします!」 元気のいい、さわやかな声が響いた。 にっこりと笑うオルフェ。 「ああ、よろしく……よろしくな、オルフェ」 「はい!」 少し戸惑いつつも挨拶した安藤に、オルフェは明るく応えた。 美緒はほっとする。オルフェは明るく元気な性格のようだ。きっと安藤とうまくやれるだろう。 CSCの再設定を否定しておきながら、神姫の性格が良くなかったらどうしよう、と密かに心配していたのだった。 「……パティ」 「はい」 持ってきていたバッグから、美緒の神姫が顔を出した。 美緒はパティを手に取り、机の上に立たせる。 安藤は彼女をじっと見つめた。 「へえ、この子が八重樫の神姫かあ」 「あの、マスター。この方は……?」 オルフェにしてみれば、見るもの出会うものすべてが初めてだ。 彼女は美緒とパティを見比べながら、安藤に問う。 安藤はほほえみながらオルフェに説明した。 「彼女は八重樫美緒さん。オレのクラスメイトで……神姫のことをいろいろ教えてもらっている、先生だ」 「……よろしくね、オルフェ」 安藤にフルネームを(特に下の名前を!)呼ばれるのは、なんだかとても気恥ずかしい気がした。 美緒の挨拶に、オルフェは満面の笑みで応えた。 「それから、この子はわたしの神姫で、パトリシア」 「よろしくお願いします、オルフェさん」 礼儀正しくお辞儀をしたパトリシアに、オルフェも頭を下げた。 「こちらこそ。わたしは起動したばかりなので、いろいろ教えてくれると嬉しいです。パトリシアさん」 「もちろんです。……それから、わたしのことはパティと呼んでください」 「はい、パティさん」 二人の神姫はすぐに打ち解けたようだった。 オルフェの相手をパティに任せ、美緒は安藤に講義を続けた。 神姫の扱い方や、メンテナンスソフトの使い方、装備の使用方法や役に立つ情報サイトまで。 教えているうちに二人とも夢中になってしまい、気がつくととっぷりと日が暮れてしまっていた。 ◆ 「今日はありがとな。助かった」 「ううん。気にしないで」 駅での別れ際。美緒は微笑むことができた。ようやく安藤と二人で話すことにも慣れ、楽しいとさえ感じられるようになっていた。 安藤は、頭を掻きながら、ちょっと照れたような表情で言った。 「なあ……八重樫の……その……ケータイの番号とメアド、交換してくれないか」 「……え?」 「またいろいろ相談に乗ってほしいんだ。……神姫に詳しい姉貴があんなだろ? 周りに詳しいヤツもいなくてさ……だめかな?」 それは願ってもない話である。 安藤智哉の携帯番号とメールアドレスなんて、クラスメイト女子が一番ほしがっている個人情報だ。 それを彼の方から交換して欲しいと言ってきている。 美緒はすでに夢心地ですらあった。 夢遊病者のような手つきで、安藤に携帯端末を差し出す。 意識はふわふわと宙を漂っており、ことの成り行きを全く理解していなかった。 数分後、二つの携帯端末を操作し終えた安藤は、片方を美緒に差し出した。 美緒はまた夢遊病者の手つきで端末を受け取る。 安藤ははにかむように笑った。 美緒もつられて笑ったが、なんだか不自然に不気味な笑いになっていたような気がする。 安藤はそれを気にもしない。 「今度は、八重樫たちが行ってるゲーセンに連れてってくれないか?」 「え、ゲーセン?」 「そう。バトルロンド……オレもやってみようと思うんだ」 屈託なく言う安藤を美緒は見つめてしまう。 もちろん、美緒に断れるはずもないし、断る理由もない。 「うん。わたしでよければ、案内するわ」 「やった」 にっこりと笑うと、彼は身を翻した。 「それじゃあ、八重樫。また明日な!」 「うん、また明日」 彼の背に向かって、美緒は小さく手を振った。 美緒の胸はいまだドキドキが止まらない。 ◆ 夢のような怒濤の一日が過ぎてゆく。 美緒は自室のベッドに寝ころび、天井を見つめながら、今日あったことを振り返る。 安藤智哉は憧れだった。 あんな人が彼氏だったら、きっと素敵だろう、そう思って、遠くから見ていただけだった。 彼の素敵なところを見つけては思いを募らせても、決して手の届かない人だと思っていた。 それが今日一日で一変した。 いま美緒が手にしている携帯端末のアドレス帳、その一番最初に「安藤智哉」の名前が表示されている。 美緒はため息をつく。 これはなんという夢なのだろうか。 このまま安藤と仲良くなれば、親しい友達になれるだろうか。 ひょっとして恋人になんて、なれる可能性もあるだろうか。 軽く頭をふり、そんな妄想を打ち消す。 でも、せめて、今のわたしと陸戦トリオの遠野さんくらいには近い関係になることを望んでも、罰は当たらないと思う。 そんなことを考えていると、 「安藤さんは……美緒のことが好きなのではないですか?」 彼女の神姫・パティが大砲を放った。 美緒はその場で転げ回る。 がば、と上げた美緒の顔は、これ以上ないほど真っ赤だった。 「んなっ……何言っちゃってんの、パティ!?」 「美緒と一緒にいるときの安藤さん、とても楽しそうでしたし……憎からず思っているのではないかと」 「そんなこと……安藤くんがわたしを好きだなんて、天地がひっくり返ってもあり得ないわ」 そう、あり得ない。 その可能性を、賢い美緒が考えなかったと言えば、嘘になる。 だが、美緒はそれを自ら強く否定した。 彼と自分とでは、何もかも違いすぎるのだ。釣り合いが取れないし、なによりそんなことを考えること自体が厚かましい。 だが、パティは首を傾げる。 どうして自分のマスターは、こう自分を過小評価するのか、と。 神姫である彼女の贔屓目を差し引いても、美緒は美人であると思う。 もっと自信を持てばいいのに。 それに、気のない女の子をわざわざ自宅に呼んでまで、神姫の相談をするだろうか。 別れ際に連絡先の交換なんて、気になる相手でなければしないのではないか? パティは冷静に、そう分析していた。 マスターと神姫の思いは平行線をたどりつつ、夜は更けていった。 続く> Topに戻る>
https://w.atwiki.jp/trebor/pages/96.html
紹介している神社の地図 (InternetExplorerでは表示できない場合があります。GoogleChromeで表示できることを確認しています。) 都道府県 市区郡・区町村 神社名(未拝受は薄字) 拝受数 青森県 青森市 善知鳥神社 金峰神社 諏訪神社 八甲田神社 廣田神社 5 黒石市 中野神社 羽黒神社 長谷澤神社 袋観音 白山姫神社 4 五所川原市 金木八幡宮 1 つがる市 高城八幡宮 高山稲荷神社 2 十和田市 十和田神社 1 八戸市 龗神社 川口神社 蕪嶋神社 蕪嶋神社 弁財天 櫛引八幡宮 14 四本松神社 神明宮 大佑神社 長者山新羅神社 白山神社 御前神社 三嶋神社 三嶋神社 三八城神社 平川市 猿賀神社 猿賀神社 期間限定 2 弘前市 青森縣護国神社 岩木山神社 巖鬼山神社 熊野奥照神社 高照神社 9 羽黒神社 弘前天満宮 弘前八幡宮 胸肩神社 むつ市 大畑八幡宮 川内八幡宮 2 上北郡 おいらせ町 気比神社 4 野辺地町 野辺地八幡宮 七戸町 七戸神明宮 横浜町 横浜八幡神社 北津軽郡 中泊町 小泊神明宮 1 三戸郡 三戸町 糠部神社 4 階上町 潮山神社 南部町 諏訪神社 御嶽神社 西津軽郡 鯵ヶ沢町 舞戸正八幡宮 1 54