約 715 件
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/39991.html
登録日:2018/07/21 Sat 16 00 00 更新日:2024/05/10 Fri 17 28 26 所要時間:約 4 分で読めます ▽タグ一覧 光言宗 剣士 堀江由衣 天叢雲剣 屍姫 最強 最強の屍姫 轟旗神佳 道反大神 "私は" "貴方を" "斬る" 轟旗神佳(とどろきかみか)とは漫画『屍姫』の登場人物の一人である。cv堀江由衣 身長172㎝、体重50㎏、O型。享年20歳。 光言宗六僧正の一人、高峰宗現(たかみねそうげん)と契約を交わした屍姫であり、異名は「最強の屍姫」 一見物静かで知的な女性だが、彼女もまた屍姫。その内面には死んでも死にきれないある強い執着・未練が渦巻いている。 ◆過去と未練 神佳は生前ある剣術道場の娘として生まれ育ち、父親を師に鍛錬の日々を送っていたが、ある日父は暴漢に刺され殺されてしまう。それから彼女は父の刀を手に取り、毎晩街を徘徊し喧嘩を繰り返すようになる。最初は父を殺した相手を探すという目的があったようだが、次第に戦いそのものにのめり込んでいくようになる、そんな時間が数年続き、ある日後に契約を結ぶ仏僧・高峰に出会う。興味本位で高峰と梅原の後を尾行し、屍との戦いに巻き込まれてしまった。そして… 「私は…もうずっと前から…父よりも深く……重く」 「とり憑かれていたんだ…"最強"に……」 「なんてろくでもない…私は結局…"強い"か"弱い"かでしか物事を考えられないんだ……」 「今だって、この相手の強さ…人間離れした体力と千切れても尚動く身体のことを考えている…」 「そして…どうやったら勝てるか…どうやったら斬り殺せるかを考えている…!!」 屍との戦闘で己の歪み・飢えの正体を自覚するとともに神佳は死にかけるも、ある素質があったことでそのまま死ぬ屍姫になるかを高峰に問われ、彼の屍姫となる。 ◆呪い 神佳の持つ"最強"という異名は最も強いから呼ばれる冠ではない。(実質的な意味でも最強の屍姫ではあるが) その正体は己こそが最強でありたいという未練に付けられたただの名前に過ぎない。家族への情すら超える最強への執着… 発現した能力は「振り抜くことで敵を必ず両断せしめる呪い」。その効力は彼我の距離・刀身の有無・視界、感覚の有無すら無関係に切り滅ぼす無比の一撃。 一方で、「単体を対象としているため集団・集合体に対して効果が無い」「狙いが逸れると威力が半減する」「反動が大きい」といった弱点が存在し、最強ではあっても汎用性はほとんどない。 後に呪いを変容させ、倒したい"最強"の敵を唯一人に限定することで、彼に対してのみに働く特効を手に入れた。 ◆活躍 序盤から出番自体はあったものの、本格的な参戦は教主ミラムによる光言宗本山襲撃まで待つことになる。 単騎でありながらその強大な力で光言宗を蹂躙していた彼女を、マキナ、オーリの援護により呪いで両断し勝利する。 だがミラムは即死には至っておらず、残された時間で本山の源泉を自らの血肉で穢すという目的は達成されてしまう。 梅原僧正と守護らが「御霊封神」に失敗し王と教主らが本山に侵攻した際は教主アイギスと相対し、未だ発展途上だったとはいえ彼を打倒し捕獲する。 大僧正と魔縁の戦いが終わってから玉室に駆けつけ、大僧正から万象輪を預かり本山から敗走した。 この邂逅で神佳はどこにあるのかわからなかった"最強"が形を持って現れたと、つまり崇神魔縁こそが己の未練を果たすための最強最後の障害であると覚悟する。 現存する全ての契約層、全ての屍姫、全戦力を投じた魔縁を討つ最後の作戦「光言陣」では神器「天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)」を携え直接対決での魔縁打倒を担う。 その戦いで一度は死したものの、神剣の「なぞり」により神性を与えられ、屍の王を斃すという相克を持って甦った。そして彼女の全てを込めて振るった生涯最高の一太刀は魔縁を両断し、ここに神佳の最強という未練は消え去った。 「いつだってそうしてきた。私に出来ることなんて初めから一つ……」 「だから私は……いつだって"この言葉"を繰り返す………!!」 「私は―――…」 「あなたを(最強だけを望み)―――…」 「切る(殺し斬る)―――!!!」 神佳の得た神格は「道反大神(チガエシオオカミ)」。人と屍の間である屍姫に許された唯一の神格。そう、なぞりの最終段階とは神佳が生と死の境界を塞ぐ黄泉路の石となり、死の国そのものと化した魔縁を封じることだったのだ。 「―――そなたは、これで満たされたのか?」 「望みを手にしたのにそれに浸る間もなく、誰の祝福を受けることもなく、この僅かな刻のみで…そなたは全て満たされたというのか…?」 「ええ。元々…屍姫になるときに決めていました。もし…私が望みに至った時には…」 「その後でどんな最期になったとしても、きっと満足して逝こう…って」 「―――…そうか……少しだけ、そなたが羨ましいぞ」 「余の願いは叶うことがなかった……そして叶うまで余が真なる意味で止まることはない」 「幾度でも幾度でも、肉も心も地脈に溶けたとしても、不滅の身たる余は醒めぬ夢を繰り返すだけだ」 「―――だが、それでも王には供が必要だろう」 聞こえるはずのない声に驚き振り返る。最期を選べる道があるなら神佳と行く道がいい…神佳と魔縁の死出の道に現れた高峰とそして、もう一人。 今度こそ現世に一切の心残りなく、最強の屍姫とその契約僧は共に消えていった。 追記修正お願いします △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/animesongs/pages/3053.html
屍姫 赫 angela「屍姫 赫」主題歌 Beautiful fighter 屍姫 赫「Beautiful fighter」(Amazon) 発売元・販売元 キングレコード株式会社 発売日 2008.11.12 価格 1143円(税抜き) 内容 Beautiful fighter 歌:angela My Story 歌:angela Darling 歌:angela Beautiful fighter(off vocal) My Story(off vocal) Darling(off vocal) 備考
https://w.atwiki.jp/animesongs/pages/2224.html
屍姫 赫 ANGELA「屍姫 赫」主題歌 Beautiful fighter imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 屍姫 赫「Beautiful fighter」(Amazon) 発売元・販売元 キングレコード株式会社 発売日 2008.11.12 価格 1905円(税抜き) 内容 CD Beautiful fighter 歌:angela My Story 歌:angela Darling 歌:angela Beautiful fighter(off vocal) My Story(off vocal) Darling(off vocal) DVD Beautiful fighter PV 備考 裏面: imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。
https://w.atwiki.jp/animesongs/pages/2307.html
屍姫 玄 屍姫 玄 オリジナル・サウンドトラック imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 屍姫 玄 オリジナル・サウンドトラック(Amazon) 発売元・販売元 キングレコード株式会社 発売日 2009.05.13 価格 2667円(税抜き) 内容 死への賛美歌 歌:清水菜穂子 闘いの代償 縁という絆 呪いの力 未練 Tragic End Distorted Monster 性 Transition 北斗 異月と嵩柾 護るという愛 The Hunting Mass Troops 血塗られた記憶 Beginning(ピアノバージョン) Untouchable Zone 最終戦争 歌:清水菜穂子 い・の・ち 備考
https://w.atwiki.jp/isekaikouryu/pages/171.html
天に雷、地に嵐。 刻は夕闇、戦場は荒野。 敵は『屍姫』率いる屍徒の群。 「灼熱槍!用意!」 イストモス義勇騎兵団総団長ゼラ・ファンタズマールの号令に、残騎僅かのケンタウロス騎士達が精霊との『交渉』を開始する。 『松明に宿る火の精霊、大気に満ちる風の精霊たちよ…』 火の精霊力を槍の穂先に。風の精霊力を四つの蹄に。 ランスの先端に集中させた莫大な熱量と、風の精霊によって強化された機動力。 西方イストモス騎士が得意とする野戦戦術、『灼熱槍による疾風突撃』。 「構え!突撃!!」 赤熱化したランスの先端を揃えてケンタウロス重騎兵団が疾風の速度で突撃する。 屍徒が犇めく暗闇の戦場を、幾筋もの灼熱の死線が引き裂いていく。 スラフ島の攻防戦。 それは亜人・獣人たちによる『人類連合軍』と、屍姫サミュラ率いる『屍軍』の戦争だった。 ◆◆◆ 深く美しい森。 実り豊かな穀倉地帯。 西方イストモスの白亜の城館。 武勇の誉れ高き、騎士ファンタズマールの一族。 出陣する三人のケンタウロス騎士。 三人の娘を見送る母。 「行って参ります。お母様。」凛として生気溢れる女騎士の声。長女のゼラ。 「三人とも無事で。特にデュラは無茶をしないように。」老いた母の心配そうな声。 「お母様、私たちはその“無茶”をしにスラフ島に行くのよ。」デュラと呼ばれた娘は笑いながら答える。三姉妹の次女。 「ご安心下さいお母様!ゼラ姉さま率いるイストモス騎士は地上最強。ケンタウロス騎兵の波状突撃を支えられる軍勢などありません!」 年若いケンタウロス騎士が元気一杯応える。つい先日騎士叙勲したばかりの末妹ミラ。 スラフ島の対『屍軍』戦に義勇軍として参戦する『イストモス義勇騎兵団』。 その総団長を務める騎士ゼラ・ファンタズマールとその妹たち。 冷静沈着な長姉ゼラ、剛毅闊達な次姉デュラ、天真爛漫な末妹ミラ。 全ては3か月前に始まった。 『屍姫』と名乗る者からスラフ島の諸国家に通達がなされたのだ。 「ここスラフ島に『全ての民が幸福の中で暮らせる永遠の国』を建設する。諸国家の君主たちよ、武器を棄てて我が計画に参画せよ。」 『屍姫』から与えられた猶予期間を待たずして、スラフ島の全国家が徹底抗戦を決定。 世界の主要大国に援軍要請を行った。結果として国家は動かなかったが、個人はそうでは無かった。 スラフ島からの援軍要請を受け、世界中から続々と義勇兵が集まりつつあった。 妖精郷エリスタリアのハイランダー。オルニトの鳥人達からなる飛空傭兵団。 クルスベルグの鋼鉄戦士団。ドニー・ドニーからはオーガやトロルの海賊戦士たち。 ミズハミシマの竜の武人や大延国の仙術使い、マセ・バズークの蜘蛛人や百足人の狩人まで集結している。 そして輸送と兵站を一手に引き受けるはラ・ムールの連合商船団。 それは国家の意思では無かった。 志を持つ一人一人が屍姫の野望を阻止すべく、自らの意思で義勇軍に参加したのだ。 対『屍軍』戦は、人類連合と屍族の全面対決の様相を呈してきていた。 そして今、若き女騎士ゼラ・ファンタズマールに率いられたケンタウロス義勇兵500騎がスラフ島に赴かんとしていた。 ◆◆◆ 絶望的な戦闘。 迫りくる屍徒の軍勢。 次々と打ち倒されていく味方。 そして、味方の屍が新たな敵となって襲い掛かる。 それは、まさに死の軍勢だった。 亡霊の騎士のランスチャージ。それが通り過ぎた後に残るのは血糊で彩られた深紅の絨毯のみ。 漆黒の動甲冑の大剣の旋風に巻き込まれたが最後、血肉も鋼も諸共にミンチと化す。 増殖し続ける屍徒の軍勢。その中央に鎮座する髑髏の屍術師。不可視の糸でヒトの軍勢を切り刻み、新たな屍兵を編み上げていく。 鎧の軍勢を率いる屍族の少女。斃した敵の甲冑を自軍に編入して屍徒の軍勢を無限に増強していく。 天空から死を振り撒く二体の高位屍族。翼あるものと翼なきもの。 所詮、生あるものが立ち向かえる相手では無かったのか。 白い布に零したインクの沁みのように、急速に戦場を“死”に塗り替えていく。 ヒトの軍勢は、夜を迎える度にその戦線を後退させていった。 ◆◆◆ スラフ島に向かう高速帆船。 ラ・ムールの富豪が私費で用意した輸送船団の一隻。 イストモス義勇兵500騎を乗せて、海上を軽快に飛ばす。 「ねえ、デュラ姉さま。スラフ島とはどのような土地なのですか?」あどけなさを残す声で妹のミラが問う。 「そんなことも知らずに乗り込もうだなんて。無謀にも程があるわね。」姉のデュラが笑いを含んだ声で妹をからかう。 「むっ無謀じゃありません!姉さまと一緒なら怖いものなんて無いんですから!」むきになって反論するミラ。 デュラは歳の離れた妹を目の中に入れても痛くないくらい可愛がっていた。 可愛い妹の亜麻色の髪をくしゃくしゃと撫でて、ぎゅっと頭を抱き寄せる。 「大丈夫、ミラ。ゼラ姉さま率いる私達ケンタウロス騎士にかかれば屍姫の軍勢なんか鎧袖一触よ。」 「はい!デュラ姉さま!」 大好きな姉を信頼しきった声で、幼い騎士が元気一杯応える。 水平線の向こうに、スラフ島の陰鬱な島影が見え始めていた。 ◆◆◆ 「ゼラ・ファンタズマール総団長、御討死に!」 イストモス騎兵に衝撃が走る。 ゼラ総団長が、鎧の軍勢を率いる屍族の少女との壮絶な一騎討ちの末、遂に首を飛ばされたのだ。 指揮権が次女デュラに移る。残り少ない味方は無数の屍徒の軍勢に包囲されつつある。 「楔形陣形!風の防護陣!」 デュラの号令でイストモスの騎士たちは即座に陣形を組み換え、風の精霊力で周囲に空気の防御膜を張った。 生き残りのケンタウロス騎士たちは、一つの巨大な“槍”の穂先と成った。 「十時の方向!突貫!」 敵の包囲網に一筋の間隙を見出したデュラは、一点突破に自身と部下の生死を賭けたのだ。 巨大な楔の決死の突進に、屍徒の軍勢が道を開ける。 脱出が成ったかと思われた、その時。 楔の正面に髑髏の屍術師がゆらりと立ち塞がった。 微かな風切り音と共に無数の煌めきが空中を奔り、イストモス騎士たちの四肢を捕えその動きを封じる。 「なんだ!?これは!!」 髑髏の屍術師が放つ不可視の糸が、ケンタウロス騎士たちの四肢を縛り上げその肉体を自在に操る。凄惨な同志討ちが始まった。 同朋相討つ悪夢のような乱戦の中、背後から一つの手がデュラの肩にかかる。 デュラは右手にランスを握ったまま、反射的に左手で騎士剣を振り下ろした。 「ミラ!?」 振り下ろした剣が、髑髏の糸に操られた妹の頭部を、脳天から喉元まで一太刀で縦に断ち割っていた。 ◆◆◆ どこをどう走ったかも判らなかった。 見渡す限り戦場を埋め尽くす無数の屍徒の群。 そして、荒野の戦場に独りデュラだけが生き残った。 姉ゼラも、妹ミラも、共に海を渡ったイストモスの騎士達も、従者の狗人も全て死んだ。 今更生き延びるつもりは無い。だが唯では死なぬ。 玉砕覚悟で敵の本陣に最後の突貫を試みる。 北方の上空に禍々しい瘴気の巨柱が屹立している。 ほぼ間違いなく、あの巨柱の根元が『屍姫』の本営。 デュラは精神を集中し、火の精霊との交渉を開始した。 『灼熱槍』と比べて集中させる火の精霊力がケタ違いに大きい。 デュラは自ら火の玉と化して『屍姫』本人に特攻をかけるつもりだった。 その時、脳内に少女の声が雷鳴のように轟いた。 『…良くぞこの地獄の戦場でここまで生き残った。君は見込みがある。』 血塗れのランスの先端に立つ一人の少女。 長い銀髪を戦場の風に靡かせ、その肩に一羽の鴉を乗せている。 (……屍姫?) 一瞬、敵の巨魁の名が浮かぶ。 だが、違った。 目の前の存在は、それを遥かに超えた巨大でおぞましい何か。 あの髑髏の屍術師や鎧を率いる屍族の少女とも違う、完全に別次元の力の持ち主。 恐怖と絶望に四肢が萎えそうになるのを必死に踏み止まる。 全身の気力を振り絞って誰何する。 「何者か。騎士の槍に足を掛ける無礼者め。」 「素晴らしい…素晴らしい精神力だ。ケンタウロスの騎士よ。」 少女は吹き荒ぶ風に髪が乱れるままに任せ、讃嘆の念を隠さず言葉を続けた。 「だが、君が最後だ。他のものは全て“死んだ”。 ここまで生き延びた君に一つ、褒美をあげよう。 死神が憎いか?屍姫を斃したいか?屍徒どもを滅ぼしたいか? 君が願うなら“それ”が叶う『力』を与えよう…」 少女の言葉に誘われ、デュラの脳裏に閃光のようにここ数時間の情景が浮かぶ。 髑髏の屍術師の糸に操られ、互いに殺し合う僚友たちの涙。 鎧を纏った屍族の少女の大剣に斬り飛ばされた姉ゼラの首。 デュラ自身の剣で脳天から二つに断ち割られた妹ミラの顔。 美しいデュラの顔が醜く歪む。 歯軋りで奥歯が割れる。 血の涙が頬を伝う。 ドス黒く熱いマグマの様な何かがはらわたの奥で産声を上げる。 憤怒と憎悪が、気高く剛毅な騎士デュラ・ファンタズマールの心を赤黒く塗り潰していく。 「…力が欲しい。奴らを斃す力が…!」 「ようこそ、屍徒の国へ。」 次の瞬間、イストモスの女騎士の首が熟した林檎のようにゴロリと地面に転がった。 かくして騎士デュラ・ファンタズマールは『転生』した。 ランスの先端に引掛けて、地に転がる自らの首を無造作に拾う。 両の眼から吹き出る青い炎が、ランタンのように戦場の暗闇を照らす。 握りしめたランスの先端が、全身を覆う白銀の甲冑が、憤怒と憎悪で赤黒く染まっていく。 新たなる屍徒『首なし騎士』は、斃すべき『敵』を求めて、死者が蠢く無人の荒野を奔り去っていった。 ◆◆◆ スラフ島北端。 屍姫サミュラの本営、トゥルゴヴィシュテ城『星辰の間』。 屍姫に近侍する一人の貴族が呟く。 「…大勢が決しましたな。サミュラ様。」 貴族の名はキエム・デュエト。後の「審議候《ジャッジメント》」キエム・デュエト侯爵である。 キエム侯は無数の風の精霊と交渉を持ち、スラフ島の全戦線の状況を風の精霊からの情報で把握している。 こうして把握した戦況を屍姫サミュラに「実況」するのが彼の役目だった。 キエム候からの最後の「実況」を聴き終え、屍姫サミュラは深い溜息を洩らした。 「…被害は、“彼ら”の被害はどれくらいなのですか。」 「無抵抗の者、武器を捨てて投降した者は一人たりとも傷付けてはおりません。しかし最後まで抵抗した者は全て…」 「何故…彼らは抵抗を止めなかったのでしょう。投降すれば生命は助けると通告したはずなのに…」 屍姫の美しい眉が曇る。 キエム候は一瞬何かを言いたげな顔をして、しかし慎ましく沈黙を守った。 その時、屍姫とキエム候の脳内に雷鳴の如く少女の声が轟いた。 『ヒトには、時に自らの生命より優先するべきものがあるのだ。』 突如、目の前に出現した屍姫と瓜二つの少女。その肩には一羽の鴉。 即座にその正体を察したキエム候は、無言で一礼し、音も無く退出する。 「モルテ様…」 鴉を肩に乗せた少女は、愛おしげな眼差しで屍姫を見下ろす。 「サミュラ…君のように聡明な者でも理解できない事があるのだね… いや、かつて君が“あの世界”で生を謳歌していた時には、きっと当たり前のように理解してた事なんだ。 ヒトとケモノを分けるもの。命よりも大切な何かに殉じる事。“死”に立ち向かう意志。 …だから僕は、ヒトが愛しくて仕方無い。」 サミュラと呼ばれた少女は、自らの創造主に向かって静かな怒りを込めて反論する。 「そうやってどれだけの命を、魂を弄べば気が済むのですか。哀れな騎士の魂を弄んで、貴方はまた一人『怪物』を造ってしまった…」 「ああ、やはり君の眼は誤魔化せない。そう、彼女は気高く剛毅で稀有な魂の持主だった。だから“選んだ”。 他にも何人か選ばれし者が出たよ。やはり戦場は素晴らしい魂の狩り場だ… この戦争を起こしてくれた君には、いくら感謝してもしきれない。」 死神の残酷な言葉に、屍姫は一瞬目を見開き、そして目を伏せ静かに涙を流した。 「彼女の怒りと憎しみは周囲のすべてに災厄を齎すでしょう… 生あるもの。死せるもの。今の彼女には等しく滅ぼすべき敵にしか見えない。 でも何の為に?何故このような哀れな存在を生み出したのですか…?」 死神は屍姫の問いに答えず、一人もの思いに耽っている。 「彼女は自らの憤怒と憎悪に縛られている。そしてそれこそが屍徒となった彼女を支えている。 いずれ彼女の呪縛を解く者が現れるだろう。その者とは何者か。自らの呪縛から解放された彼女はどのような『もの』になるのか…」 屍姫は静かな哀しみ湛えた表情で、死神の独り言に聴き入っている。 城外では、スラフ島の全制覇と、屍姫が願った『全ての民が幸福の中で暮らせる永遠の国』の建国を祝福する屍族たちの歓呼の雄叫びが鳴り響いていた。 ◆◆◆ そしてスラフ島はヒト為らざる者共の版図となり、いつしか『スラヴィア』と呼ばれるようになった。 『首なし騎士』は、思うがままに憤怒と憎悪に身を委ねながら、スラヴィアの荒野を疾走していた。 かつてデュラ・ファンタズマールと呼ばれた『首』が、歓喜に打ち震えて高らかに宣言する。 我、この地に棲まう者どもに、遍く等しく災厄を齎さん。 我、この地に棲まう者どもの天敵と成らん。 我は“復讐者”。 我こそは“災厄の騎士”。 end ●あとがき 読んでくださった方ありがとうございました。『首なし騎士』デュラ・ファンタズマール女侯爵の誕生話です。 前々からwikiの設定を見て他の貴族とは異質なキャラだなと思ってまして、【屍界戦線】のスラフ島戦役に絡めて自分なりに書いてみました。 いろいろ穴がありますが少しでも楽しんで頂ければ幸いです。(この穴をどなたか補完して頂けるとホント助かります。) ●以下、余談。 作中で死神モルテが言及していた「『首なし騎士』を呪縛から解き放つもの」。 まだきちんと決めてませんが、何となくスラヴィアンではない誰かのような気がします。もしかすると地球人かも知れません。 それと、【美死姫の初陣】から「審議候≪ジャッジメント≫」キエム・デュエト候に登場していただきました。 変人とバトルマニア揃いの「最古の貴族」の中では珍しいタイプだと思います。今後もいろんな場面に登場して頂くことになりそうです。 壮絶な三姉妹の顛末に思わず絶句しました。屍軍との戦いというものがスラフ島戦役で初めてだったのならスラヴィアの面々の脅威もまだ周知ではなく敗北必至の戦いに多大な兵が投入されたのも頷けますね -- (名無しさん) 2013-03-24 19 09 52 サミュラの庭を創るためだったけど予想のほか面白い駒が増えてスラフ戦役ごちそうさまって言ってそうなモルテ -- (名無しさん) 2013-11-02 22 09 37 名前 コメント すべてのコメントを見る -
https://w.atwiki.jp/sioni/pages/2.html
メニュー トップページ プラグイン紹介 まとめサイト作成支援ツール フェイトは屍姫の世界で総理大臣を目指すようです 屍姫戦記 リンク @wiki @wikiご利用ガイド 他のサービス 無料ホームページ作成 無料ブログ作成 2ch型掲示板レンタル 無料掲示板レンタル お絵かきレンタル 無料ソーシャルプロフ ここを編集
https://w.atwiki.jp/vahren_ency/pages/493.html
出自・経歴の一切が謎に包まれた美女。 古くから魔物たちを率いる姿が度々目撃されており、大陸に伝わる「屍姫伝説」に登場する屍姫本人ではないかと噂される。 後世では、古代文明の遺跡から彼女によく似た人物の肖像や記録が発見されており、彼女と屍姫、古代文明の関係が歴史家の重要な研究テーマとなっている。 結局謎の美女のままなのがニクいと思った。 いろいろ妄想してたけどこいつは曖昧なままなのがいいか。 -- 名無しさん (2010-01-29 12 03 57) 率いてる面子には死霊・悪魔系が居なくてあんまり邪悪な感じはしないね。 どの種族とも最高の相性だし一目で相手を魅了してしまうような魅力があるのかな? -- 名無しさん (2010-02-14 08 39 47) しかし何の列伝にもなってねーな。本編に関係ない話多すぎる。 -- 名無しさん (2010-02-14 14 25 11) 実際、本編に関係しない人物だから。 -- 名無しさん (2010-02-14 15 03 00) 全種族と相性が最高なのは”死”だからかもしれない、と シリアス的に考えてみる -- 名無しさん (2010-02-14 15 30 32) ↑旨いなおい。 -- 名無しさん (2010-02-14 19 46 53) すると人材スケルトンとか登場すれば・・。 -- 名無しさん (2010-02-14 19 52 54) 何の列伝にもなってねーな。 さすがに、こいつの場合「列伝」はムリじゃね。 -- 名無しさん (2010-02-14 19 55 34) 屍姫伝説についての妄想なら出来そうだ。 -- 名無しさん (2010-11-13 16 28 10) 個人的には「灰色の魔女」って呼んでる。ほら、弱小勢力の救世主だったりするところとか、ちょっと似てると思うんだ。 -- 名無しさん (2010-11-15 10 39 04) 発達した文明の滅亡に伴い、科学的な不死化をその身に課せられて、純粋なアンデッドとして生きていかねばならなくなった。 永遠の安息を手にいれる為に現代の魔術の知識を探し続け、その実行者(本人に魔力が乏しい為)を探し続けている。 屍姫伝説はその途上で生まれた。 元来の生物とはまるで違った構造体なため、その意思疎通は精神感応を軸としている。 ゆえに現世の世情には興味がまるでない。 ……という妄想。 -- 名無しさん (2010-12-19 15 06 59) ↑いいね -- 名無しさん (2013-04-03 13 27 17) 最終決戦が3まで続くきっかけになった、すべての始まり -- 名無しさん (2023-08-29 22 17 17) エンディング後のスタッフロールにも出てくる。 S1ばかりやっていると彼女の存在感は凄く薄い。 -- 名無しさん (2023-08-30 12 23 34) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/vahren_ency/pages/965.html
滅びそのものとも言うべき死霊軍を前にして、ホルスとイオナは残された生きとし生ける者に、民族の垣根を越えた団結を呼びかけ、ラザム同盟を結成した。 しかしラザム同盟に協調するアルナス諸侯によって倒されたスネアが、屍姫・デッドライトによって転生。更に屍姫によって神剣ラグラントゥーを奪われ、ローニトークまでも殺されてしまう。 絶望的な状況の中で、ホルスたちは聖地グリンシャスに眠る「大いなる力」に最後の希望を託そうとしていた。 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/isekaikouryu/pages/454.html
"真月"の夜が訪れようとしていた。 スラヴィアの中天に禍々しく輝く三つの満月。 狂気の三姉妹が時を同じくして満ちる災厄の夜であった。 領民は家の堅く扉を閉ざし、貴族は恐怖を紛らわせるように酒宴に興じる。 家畜は月光を直視しないように目隠しされ、野の獣も巣穴に篭ってひたすら夜明けを待つ。 しかし、本来なら生き物一つ居ないはずの真月の荒野に、一人の女の人影があった。 腰まで届く金髪は千々に乱れ、血と泥に汚れた身体に衣服も着けず、睨むように暗い天を見つめている。 かつて"慈悲のエリザ"と呼ばれ、その美貌と慈悲深さを讃えられた大貴族、エリザヴェート・チェイテ女侯爵であった。 ◇◇◇ 全ての始まりは十年前だった。 エリザヴェートが参戦した『饗宴』の舞台である野戦場に、かの屍姫サミュラが伴も連れずに降臨した。 異例の事態にエリザヴェートは全軍を停止させ、その真意を確かめるべく自ら屍姫の元に赴いた。 近寄ってみると想像以上に異様な光景が繰り広げられていた。 屍姫が一人の村娘を抱かかえ、背後からその首筋に接吻している。 村娘の頬は紅潮し口元から涎が垂れている。小刻みに腰を揺すり、両手で己が乳房を揉みしだいている。 「サミュラ様…であらせられましょうか?」 エリザヴェートの問いに対する応えは無く、ただ村娘の荒い息遣いが聞こえるだけだった。 やがて屍姫の接吻から解放された村娘は、陶然とした表情で集落の方角へふらふらと歩いていった。 エリザヴェートは深まる疑念を押し殺し、屍姫の前に恭しく跪いた。 「拝謁を賜り光栄でございます。私はこの地を治めるチェイテ侯エリザヴェートと申す者。 サミュラ様ともあろう御方が、このような『饗宴』の場においでになるとは如何なる事でございましょう。」 「…君が"慈悲のエリザ"か。噂は以前から耳に入っている。慈悲深い領主として領民から大変慕われているそうだね。 しかも学問に優れ、領地経営と軍の指揮に卓越した手腕を持っているとか。結構、大変結構。」 「…お褒めに預かり恐悦至極でございます。」 賞賛の中に不可解な興奮と残忍さが垣間見える。屍姫とはこのような物言いをする人だっただろうか? 相手の真意が見えず訝しげな表情のエリザヴェートに、屍姫はにっこりと無邪気な笑みを返した。 「だからこそ、試す価値があるというものだ。」 突然変わった屍姫の声音に、エリザヴェートは思わず面を上げた。 その瞬間、目の前に信じられない光景が飛び込んできた。 先ほどの村娘を先頭に、大勢の村人達が幽鬼の様な表情で歩み寄ってくる。 村人たちの様子がおかしい。生者の気配がしない。村人全員が屍人と化しているようだ。 「さあゲームの始まりだ、"慈悲のエリザ"よ。 君の気高く慈悲深い魂が軋む音を聞かせてくれ…」 「サミュラ様!これは一体…!?」 屍姫は笑いながら手を振ると、次の瞬間忽然と姿を消した。 エリザヴェートは思わず後を追って走り出しそうになったが、それどころではなかった。 我が子の如く慈しみ、愛おしんできた領民たちが、屍人と化して襲い掛かってきたのだ。 あまりの異常事態に対応が遅れた。鎮圧の指示も防御撤退の指示も出来ないまま同胞相討つ乱戦が始まった。 如何に屍人と化したとはいえ武術の嗜みの無い唯の村人たちである。侯爵家の正規軍にみるみる殲滅されていく。 しかし村人たちは屍人としても異常だった。首を落としても手足を落としても構わずに素手で掴み掛かって来る。 傷口と傷口を接合させ、組体操のように肉体を編み上げて異形の人肉巨人となって襲い掛かる。 村人たちの顔は一様に幸福そうな笑みを浮かべ、歌うような笑い声を口々に上げている。 地平線の向こうが白み始め、村人の返り血に塗れたエリザヴェートが我に返ったときには、村人も自軍の兵も悉く物言わぬ骸と化していた。 「何故…?何故なのですかサミュラ様!!」 荒涼たる夜明けの原野に、エリザヴェートの叫びがこだました。 ◇◇◇ この一件は後に『チェイテ侯事件』として記録に残された。 『饗宴』の予定戦場周辺の十ヶ村の領民とチェイテ侯爵家の兵は全滅。 "主犯"と目された前チェイテ侯爵エリザヴェートは逃亡。 チェイテ侯爵領はキエム・デュエト侯爵家預りとなった。 これが公式記録の全てであった。 ◇◇◇ エリザヴェートは失踪した。 数ヶ月の間、海岸沿いの洞窟に身を隠し鼠と蝙蝠の生血を啜って永らえていた。 何故……呆然とした心の中で唯それだけを繰り返していた。 (さあゲームの始まりだ)(だからこそ試す価値がある)(君の魂が軋む音を聞かせてくれ) サミュラの口から出た言葉と悪夢のような情景が繋がりやがて一つの理解に到達する。 エリザヴェートの相貌が一変していた。 かつて"慈悲のエリザ"と呼ばれた気高く慈悲深い女領主はそこには居なかった。 そこに居たのは憤怒と憎悪に心を塗りつぶされた一人の復習鬼であった。 皮肉なことに、配下に分与していた『力』が全て還ったことでエリザヴェートの力は一段と増していた。 だがそれでもまだ遥かに届かない。仇は怪物の中の怪物。天に突き立つ峰のように遥かな高み。 死神の花嫁。スラヴィアの国母。全てのスラヴィアンの『力』の源泉。屍姫サミュラ。 屍族としての『力』では、どう足掻いても追いつけない。 死神の『力』で足りないのであれば、別の『力』を身に付けるしかない。 運命の巡り会わせか、そのチャンスがすぐそこに迫っていた。 エリザヴェートは洞窟の中で十年間その時を待った。 ◇◇◇ そして遂に、数百年に一度の『合』が始まった。 真円を描く三姉妹の輪郭がゆっくりと統合されていく。 赤月と青月と黄月が重なり禍々しい"真月"を成す。 無色透明な狂気が地上に降り注ぐ。 轟轟轟轟轟轟轟轟 エリザヴェートは決意に満ちた瞳で真っ直ぐに"真月"を睨み続けている。 真月に焦点を合わせたエリザヴェートの瞳孔に、物質化寸前の濃密な狂気が注ぎ込まれる。 狂うのは構わない。自分が無くなってしまっても構わない。屍姫を斃す、その一念さえ失わなければ。 凄まじい狂気の濁流に呑み込まれ、エリザヴェートの記憶が、感情が、人格が削り取られていく。 そして最後に小さな結晶のように残ったのは、屍姫への憎悪、それだけであった。 みちっ、ぎしっ、ごりっ… 狂気が凶暴な形状で具現化する。変質した魂が肉体を造り変えていく。 全身の皮膚を突き破って角が、棘が、牙が、触手が生え、暗い天に向かって伸びていく。 垂直に天に向けられた喉から、月神に捧げるように歓喜の絶叫が立ち昇っていく。 ◇◇◇ ふいに、エリザヴェートの絶叫が止んだ。 一瞬、間を置いてエリザヴェートの首がごとり、と地面に落ちる。 訝しげな表情のエリザヴェートの眼前で、彼女の肉体が次々と細切れにされていく。 「……!?」 最後に通り抜ける一陣の風。 エリザヴェートの生首が縦に真っ二つに断ち割られた。 彼女の残骸から死神の『力』が燐光を放ちながら抜け落ちていく。 残されたのは細切れの肉片を湛えた半径数メートルの血溜りだけであった。 「間に合ったようだな。」 (目的を遂げる為に破滅を選ぶなんて…愚かな女…) 数メートル先の空間から、整った容貌に地球産の『サングラス』をかけた高位屍族と、長い髪の風精霊が姿を現す。 貴族の正体はスラヴィアの柱石たる最高実力者の一人、「審議候」キエム・デュエトその人であった。 傍に侍る風精霊は、空気の密度を変化させ光を自在に屈折させる能力を操り、エリザヴェートの転生を望遠するとともにキエム・デュエトの身体を隠蔽していたのだ。 (ちょ、ちょっと細かく刻み過ぎちゃったかしらー?) 小型の竜巻に小さな身体をすっぽり収めた風精霊が、おろおろと地面の血溜りと縦に割られたエリザヴェートの生首を見比べる。 真空の刃を操りあらゆる物体を切り刻む"かまいたちの風精霊"である。 (サミュラ様とつながりました。交信どうぞ、マスター。) 盗聴不可能な遠距離音声通信を得意とする"超音波の風精霊"が、冷静な口調で周波数を調整する。 微かなノイズを含んだ屍姫の音声がキエム・デュエトの耳元に届く。 『御苦労でした、キエム・デュエト。』 「完全に変貌する前に仕留めることができたのは僥倖でした。危うく"首なし騎士"クラスの災厄が生まれるところだった…」 『姿を消してから十年…あの気高く優しいエリザヴェートが月神の狂気に魂を捧げようとしていたなんて…』 「如何に生き、如何に死ぬかは各人の自由。しかし何人たりとも己が行為の責を免れることはできません。」 『わかっています。さあ、貴方も早くお戻りなさい。月神の狂気が貴方の心まで冒してしまわないうちに。』 「御意。」 屍姫との交信が終わり、審議候キエム・デュエトは周囲の風精霊たちに呼びかけた。 「仕事は終わった。さあ城に帰ろう、私の愛しい恋人たち。」 (了解、ご主人!さあさあ、みんなもこっちに集まってー!) 審議候の"恋人たち"の中で最も速い風を操る"ジェット気流の風精霊"がキエム・デュエトの身体をふわりと包み込む。 他の風精霊たちがキエム・デュエトの元にわらわらと集まり、溶け込むように一体化する。 キエム・デュエトの身体が宙に浮かび、次の瞬間、ふっと空中に掻き消えた。 ◇◇◇ 「ちっ、出遅れたか。」 審議候キエム・デュエトが風と共に去って数分後、一人の少女と一羽の鴉が虚空から姿を現した。 少女は不機嫌と嘲弄が入り混じった表情で、足元の血溜まりを、エリザヴェートの残骸を見下ろしている。 「ふん、相変わらず仕事が早いなキエム・デュエト。 どうせサミュラの差し金だろうが、ボクの先回りをするとは生意気なヤツだ。」 少女は右の人差し指を犬歯で噛み切り、溢れる血液を足元の血溜りに滴らせた。 「だが少々詰めが甘い。折角の仕込みだ、無駄にはしないさ。」 死神の血液を注ぎ込まれ、細切れとなった肉片が時計を逆回しするように統合されていく。 数十秒後には、かつての輝くように美しく慈悲深そうなエリザヴェートがそこにいた。 しかし、その瞳は濃密な月神の狂気に濁り、口元は微かに歪んだ笑みを湛えている。 第二の転生。死神の神力で駆動する肉体と、月神の狂気で駆動する魂。 周囲の空間を狂気で汚染し、視線の先の草花を枯らす。 新たな"怪物"の誕生であった。 「一介の屍族の身で『合』の狂気によく耐えた。君は見込みがある。 この『力』は君の執念に対する褒美だ。さあ、君は自分の為すべきことを為すがいい。」 死神はにっこり笑って手を振ると、現れた時と同じように忽然と虚空に消えた。 後に残されたエリザヴェートは、暫くの間、自分の両の掌をまじまじと見つめていた。 自分の名前も思い出せない。ここがどこかも分からない。 憶えているのは唯一つだけ。 エリザヴェートは唯一記憶しているその名前を口の中で繰り返した。 誰のものかも解らない。しかしその人こそが、自分が今ここに在る意味そのものに違いない。 自分の歩むべき道を見出さなければ。この名前の主に会えばきっと解る。 "慈悲のエリザ"は暗い天に架かる真月を一瞥して、ゆっくりと屍姫の居城の方角へ歩いていった。 end ●あとがき 読んで下さった方、ありがとうございました。月神三姉妹の「合」ネタです。 エリザヴェートの精神は月神の狂気にどっぷり浸かっておりモルテ本人も完全には制御できません。 モルテの暇つぶしゲームに挿入された『イレギュラー』としてゲームを盛り上げる要素になるのでしょう。 キエム・デュエトの"恋人たち"は、真名を貰って個性が定着している強力な風精霊という設定です。 それぞれ得意分野があり、登場した四体以外にもたくさんの"恋人たち"が存在すると思われます。 独自設定てんこ盛りですが、楽しんでいただけたら幸いです。 月神とスラヴィアの組み合わせは考えもしなかったものでどんな災悪が起こるかと思いましたがなるほどこうして防がれていたのかと納得しました。善悪の観念なく自身の興を楽しむモルテのぶれなさも神らしい怖さでした -- (名無しさん) 2013-12-22 19 32 21 夜空に月が消える真月=月神が降臨した証?生命体というよりも想いを原動力に事象を起こす思念体みたいな印象受けた月神 -- (名無しさん) 2018-09-06 22 43 48 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/vipyakyu/pages/699.html
戦う女の子が好きですかぶれら ■選手DATA 項目 回答 年齢 22 性別 男 身長 166cm 体重 67kg 血液型 O型 地域 愛知 職業 プロデューサー 野球暦 小3から少年野球→中学軟式→高校硬式→大学準硬式 守備位置 捕手 内野ならとりあえずできる 投打 右投右打 特徴 めんどくさがり 好きな漫画 屍姫 セキレイ 鋼の錬金術師 ロザリオとバンパイア 好きなMS GAT-X105ストライク トールギス GP01フルバーニアン 嫁 ナンバーズ(なのはStrikerS) 橙条瑠妃 山神異月 月海 高槻やよい 娘 草野 妹 仙童紫 南夏奈 姉 轟旗神佳 座右の銘 なんとかなるだろ ■選手解説 少年野球時代、自分がキャプテンのときに1年通して1勝しかできず。 少年野球で捕手をやっていたため、中学・高校・大学とずーっと捕手をやることに・・・ 先生・・・二塁手がやりたいです・・・ なんだかんだで今じゃ捕手が1番好きなんだけどね 屍姫が大好きなんだけどね、なにあのアニメ。 楽しみにしてたのにあんな仕打ちだなんて・・・心の広い俺でもさすがに見ていられなかったよ あれのせいで屍姫がバカにされるのが本当に悲しいです(´;ω;`)ウッ… ■通算成績(暇な人はどうぞ) 試合 登板 勝 敗 S H 防御率 投球回 奪三振 被安打 与四死球 暴投 失点 自責点 試合 打席数 打率 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 打点 三振 四死球 犠打飛 失策 盗塁 ■最近の試合(暇な人はどうぞ) 日付 対戦相手 場所 結果 投球回 奪三振 被安打 与四死球 暴投 失点 自責点 日付 対戦相手 場所 結果 打席数 打率 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 三振 四死球 犠打飛 失策 盗塁 フルバーニアンが好きとは話がわかる -- oya古田 (2009-11-02 10 38 56) 名前 コメント