約 2,072,318 件
https://w.atwiki.jp/mmmmnnnn/pages/118.html
弥さんのかいたこれが我等の潘璋君です 潘璋一人目 潘璋二人目
https://w.atwiki.jp/pacman69/pages/23.html
【ポン酢】これが俺のガチAIM 【内容】 ポン酢社長とぱっくんによる初公開動画です。 基本ポン酢社長は毎日暇人です。 コメント コメントバンバンよろしく~♪ -- ぱっくん (2009-08-15 00 05 22) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/25438/pages/3059.html
律「やっぱ寒いなー……」 澪「冬だからな……」 ビュウウウウウウウ! 澪「うう〜っ!」 律「おおおおおお……! 寒すぎる……!」 澪「強い風はこたえるな……」 律「だな……。ん、あれは?」 澪「どうしたんだ?」 律「雑誌落ちてる。マンガの雑誌かもしれないぞ!」 澪「お、おい! そんな落ちてる物なんてきっとロクな物じゃ……」 律「別に授業はないんだから今日くらいいいだろ〜。んーどれどれ? ……マンガ雑誌っぽいぞ!」 澪「まったく……」 律「ゲット! …………こ、これは!」 澪「えっ?」 ── ──── 律「……てなことがあったんだ」 澪「…………」 梓「ふつう落ちてる物拾いますか?」 律「まあまあ。気分よかったから宝物見つけた気分だったんだよ」 唯「朝からノリノリだね」 律「ああ、今日は目覚めがよかったんだ」 紬「それで、どのマンガ雑誌だったの?」 律「え、ああ……実はそのことなんだけど……」 澪「……本当に、律はバカだ」 唯紬「えっ??」 梓「どういうことなんですか?」 澪「その落ちてた雑誌を……今ここに持ってきたんだ!」 梓「ええっ!?」 律「あはは……つい……」 梓「落ちてたんですよね? 汚いですよ……」 律「ビニールに入れてるから一応大丈夫だと思う。雨も降ってなかったみたいだし」 唯「ねー何のマンガだったの?」 律「……………………コレダ」スッ 澪「…………」 梓「…………」 唯「…………」 紬「あっ」 梓「……これエロ本やんけ!」 律「ああ……って、まさかの関西弁ツッコミ!?」 梓「なんでこんな物部室に持ち込むんですかー! ここは軽音部ですよ!」 律「ま、まあそうだけどさ……軽音部の部室であって何も聖域ってわけじゃないから……」 梓「そういう問題じゃなーい! まったく……」 紬「梓ちゃん落ち着いて!」 唯「そうだよ、あずにゃん! リラックス、リラックス」 梓「すいません……。でも、どうしてエロh……成年誌なんて……」 律「みんなのリアクションが気になったんだ」 梓「えっ」 律「私たちの学校……女子校だろ? 男子いないから、他の女子高生と比べてその手の話題少ないだろ? 少なくとも私たちは。そういうエロトークになったらどうなるのかなーってさ」 梓「……はあ〜。そんな理由で……」 澪「私も律がそのエロh……成年誌を拾った時に反対したんだ。でも、律がどうしてもって聞かなくて……」 律「ということだ! みんなの感想を聞かせてくれ!」 紬「じゃあとりあえず……」 唯「読んでみる?」 梓「(どうしてこんなことに……)」 律「じゃあ開くぞ! 私もチラッとしか読んでないんだ」 パラッ 唯「おー……」 紬「あっ、この子かわいい」 パラッ 澪「絵が不安定な人も多いな……仕方ない気もするけど」 律「やっぱ基本的に巨乳が多いな」 パラッ 唯「あっ、もう終わりかあ……」 紬「何作品くらい載ってるのかな……」 律「えーとな……」 パラッ 律「全部で12本だな」 紬「意外と多いのね!」 パラッ 梓「…………」 パラッ パラッ パラッ…… ── ──── 律「ふうー……どうだった?」 唯「意外と楽しかったよ」 澪「うん。ちゃんとしたストーリーのある作品もあったから、思っていたよりは」 梓「私もまあ、そう思いました……」 紬「こっちもなかなかいけるわね……」 律「(……?) まあ、普段読んでるマンガとは違ってたな。聡のやつも1冊くらいは隠し持ってるかもな! 今度捜索を……」 澪「やめてあげろよ」 律「ジョーダン、ジョーダン。マイケル・ジョーダン」 梓「私たちも、いつか男の人と付き合うことになれば……どうなんですかね……」 律「どうだろうな……。まあ、単にエロい人もいれば、女にとって最低の人間、逆に誠実な人だって必ずいると思うぞ」 梓「はあ……」 律「その辺りを“女の直感”ってやつで見極めないとな!」 梓「……そうですね!」 唯「じゃあ、この本は男の人視点で勉強になるのかな?」 律「それはわからないけど……。まあ、誠実なお付き合いがお互いに望ましいってことだ!」 唯澪紬梓「はーい」 おしまい! 戻る
https://w.atwiki.jp/karakuri_ss/pages/221.html
オーストリア大統領『ルドルフ=ポルガー』の紹介イイイィィィ!!! 年齢!:44歳イイイィィィ!!! 性別!:勿論!男オオオォォォッッッ!!! 趣味!:音楽鑑賞!オカルト!東洋の文化研究ゥゥゥ!!! サウンド・オブ・ミュージック!ここオーストリアは音楽大国であるッ!! ここに一人のNEETがいた!その青年の名は『ルドルフ=ポルガー』! 彼はウィーン国立音楽大学を受験したものの滑っちまったのだ!! ルドルフ青年「音楽が好きなので音楽家になることを決意し頑張ってきたものの 音楽大学を受験したのに、バカ教授に才能を認められず落ちちまったじゃあねーか! “努力は人を裏切る!” クソッタレーッ!!!もう人生どうでもええわいィィィッッッ!!!」 ※本当はルドルフ青年に音楽家の才能はほとんどありません。でも、家は結構裕福だったので生活には困りません。 ルドルフ青年は働きもせず毎日ネットの匿名掲示板で音大の悪口を書き込んだり、有名人のブログやSNSを炎上させて憂さを晴らす ダメ人間の日々を過ごすことになったのです。 ↓ こんな日々を過ごすうちにオカルトやら東洋の文化(中国拳法やらチベット仏教など)のことを 知りのめり込むようになってしまいます。ダメ人間に拍車がかかってきます。 ↓ ブラッククロス絡みのテロ事件やらなんやらが起こり政情が不安定になります。 ルドルフもいい年したおっさんになりました。両親は亡くなりましたが財産を食いつぶしながらも生きています。 この頃から、極端な右翼思想を持ってしまい極右政党に入党します。 『変な正義感』に目覚め弁論大会にも積極的に参加し、ここで『弁舌』という才能を大きく開花します。 ↓ 政情が不安定になり、入党していた政党が選挙で大躍進! ルドルフもいつの間にやら党首にまで登りつめていたぞ! “努力は人を裏切らない!” NEETでダメ人間だった男はここで大きな自信を得て… ↓ オーストリアの大統領になったぞオオオォォォッッッ!!! ↓ 手始めに軍備の強化だ!その為には『人の覚醒』である!!(ここでオカルトの趣味が生き始めたぞ!) 超能力だ!ニュータイプだ!気だ!瞑想だ!座禅だ!古代文明の研究だ!榎本喜八の研究だ! (部下をアジア・アフリカを中心に派遣させ情報収集と研究をさせる) ↓ ダークフーゴーという男の存在を知ることにより QX団とサイボーグの情報を得る!興味津々だ!! この技術めちゃほしいよな!!! ↓ 百文字とレディ・ミィラに接触… ↓ QX団との技術提携を確立させる。 ↓ そして現在…!! ※ この紹介は理海王さんから頂いた資料から抜粋されています。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ○クロガネの賛歌 第5章 “オーストリアよ、こんにちは” 第 2 話 「 耐 撃 の 百 文 字 v s リ ヒ ャ ル ト ・ ク ラ ウ ス 」 ○ルドルフ=ポルガー邸 応接間 応接間である! 其処には二人の男が居た!! 片や、レゼルヴェ国の真の首相・耐撃の百文字!! 片や、オーストリア大統領・ルドルフ=ポルガー!! 沈黙の中…。 百文字が先に口を開く。 「良い記念になった。」 「前々からジークには会いたいと思っていたのだ。」 「固い握手も交わした。良き友となれた。言う事無しである。」 ルドルフも口を開く。 「こオオォォちら、とてエエェェェ!!」 「神回ありがとうであるぞ、百文字イイイィィィ!!!」 「オーストリアの名がまた一段と輝かしいモノとなったのだアアアァァァ!!」 「やはり、百文字をビスケットカデンツに出演させたのはアアアアァァァ!!!! 大!大!大!正解であったぞ、オーストリアのビスケットカデンツは世界一イイイィィィ!!!」 百文字は微笑みながら。 「フッフフ。相変わらず激しい男であるな、ルドルフ。」 「お前と話していると、ダークフーゴーの事を思い出す。」 「アヤツもまた良き男であった。激しくも強い男であった。」 ルドルフは叫ぶ。 「ほほオオオォォォう!それは嬉しき言葉であるなアアァ、百文字イイイィィィ!!!」 「ダークフーゴーこそは、新しき音楽を作曲(創り出す)為に、 己が身を、サイボーグにした男オオオォォォ!!この私によって彼が思い出されるとはアアアアァァァ!! 喜ばしい事、この上無いぞ、オーストリアのダークフーゴーは世界一イイイィィィ!!!」 百文字は切り出す。 「それでだ。こうして、お前に会いに来たのは用件があっての事だ。」 「一つは『アムステラ星人の死体』だ。『優れた身体能力』を持っていた。 サイボーグ化すれば、強きサイボーグと化すだろう。」 「二つは『アムステラ空母のデータ』だ。手に入れる事に成功した。 当然の事ながら、アムステラの技術によって作られた空母である。 色々と役に立つであろう。」 「三つはそれに伴う『資金』だ。QX団時代と違い、我等の資金は乏しい。 これらを提供する代わりに軍資金を頂きたい。」 「以上だ。」 ルドルフは答える。 「何とオオオオオオォォォォォォ!何と魅惑的な話ではないかアアアアアアアァァァァァァァ!!」 「『アムステラ星人!』『空母!!』どちらも欲しい!!実(じ)イイィィつに欲しいぞオオオォォォォ!!!」 「しかアアアァァし!しかしだ、百文字イイイィィィ!!」 「『資金』に関しては余り力になれぬかも知れぬ!ひっじょオオオォォォに心苦しくはあるのだがアアアアアァァァァ!!!」 百文字が問う。 「と言うと?」 ルドルフは言い放つ。 「一つに国家の方向性であるウウウゥゥゥ!!」 「超能力だ!ニュータイプだ!気だ!瞑想だ!座禅だ!古代文明の研究だ!榎本喜八の研究だ! と手を広げて来たの対し『サイボーグ』はどうか? 路線を逸脱してないかと言う声も少なくない!!くそっったれいイイイィィィ」 「二つはレゼルヴェ国への有用性疑問視だアアアアアアアァァァァァ!!!」 「QX団の縮小版としか言えぬ現状、このまま技術提携をするのはどうかと言う声が出ておるウウゥゥゥ!!」 「三つは『私情』ウウウゥゥゥ!!」 「私はそれでも尚、百文字よオオォ!!お前達との提携を続けたいと思っておるウウウゥゥゥ!!!」 「だから意見は割れる!だから意見はまとまらない!!現在混迷の一途を辿っておオオオォォる!!」 「…そんな状態だ!」 「余り期待はしないで頂きたい。」 百文字は立ち上がる。 「ならば簡単な事である。」 ルドルフが問う。 「と言うとオオオォォう?」 百文字が言い放つ。 「如何にワシが有用なサイボーグであるかを示せば良いだけの事。」 「さすれば、反対意見も収まると言うモノだ。」 「試合(力比べ)をしようではないか。 オカルトと中国拳法に彩られたオーストリア軍人よりも強き事を示してやろう。」 ルドルフ! 「むむウウウゥゥゥ!!ソイツは聞き捨てならんぞ百文字イイイィィィ!!!」 「オーストリア軍人は世界一イイイイイイイイイイィィィィィィィィィ!!」 百文字! 「故に試合(力比べ)をしようと言っておるのだ。実際に体験した方が早かろう。サイボーグの強さをな。」 ルドルフ!! 「のったアアアァァァ!!! 丁度、リヒャルト少佐がブーたれてたトコだ。ヤツと戦ってもらアアアアァァァァう!!」 百文字!! 「では用意をすると良い。ワシは何時でも構わぬ。」 そして、試合場として最寄りの演習場が用意された。 ○オーストリア 演習場 立禅 心を穏やかに保ち呼吸は自然に。 中腰になる。 高い椅子に腰掛けるように。 かかとを少し浮かし足親指の付け根に重心をかける。 両手で大きなボールをかかえるように円をつくる。 手の指全体がつながっているような感覚。 頭は天から吊り下げられている感覚。 脚は地面の中に埋まって根を張っている感覚。 自らが中心であることを意識する。 顎は玉を挟むような感覚。 目は軽く開きやや上の方を観る。 意識を遠くに放つ。 耳はわずかな物音にも反応する。 上記の姿勢を20~30分続ける。 もっとも、下限も上限もないので続けるか否かは個人の判断による。 終了させる場合は急に止めるのではなく、揺りに移行して体をほぐしてから終了させるのが望ましい。 また立禅の修行によって以下のような効果が得られるという。 心身をひとつにする。 身体の中心感覚を養成する。 人間の持つ本能を呼び覚まし動物的な反応や動きが可能になる。 ・ ・ ・ ・ ・ 立禅をする者。それはこの私『リヒャルト・クラウス少佐』だ。 何を隠そう私は太気拳の使い手である。ん?ポっとでの設定じゃあないぞ?? SRCで私がサイボーグとして出てくる作品の、武装をチェックすると良い。 そこにしっかり、太気拳と言う単語が確認出来るハズだ。 そもそも太気拳とは…! 太気拳 太気拳(たいきけん)、1947年に日本で創始された中国武術。 正式名称は太氣至誠拳法(たいきしせいけんぽう)。 日本人武術家・澤井健一が創始した武術である。 澤井は中国において、外国人としてただ一人、意拳創始者・王向斉の直弟子として意拳を学んでいた。 王から許可を得て日本で武術を普及するに当たり、澤井は自らの流派を『太気至誠拳法』、通称『太気拳』と名乗った。 その名前は、山岡鉄舟の残した「至誠天に通ず」という言葉に由来している(原典は孟子)。 意拳の流れを汲むため、套路(連続的な攻撃方法、防御方法、立ち方(站とう法、姿勢)、歩き方(歩法、走法)、呼吸法、運気法(気功)などを総合的に盛り込んだ一連の身体動作)ではなく、 『立禅』『這い』『揺り』『練り』といった基本動作と、推手や自由組手による稽古が中心となっている。 この他にも袋竹刀を用いた剣術の稽古や、掴まれた手を瞬間的に外す『逆手』などの稽古も行われている。 澤井自身は、かつて柔道などを修業していたためか門弟に寝技を教授することもあり、 時に意拳の原型となった形意拳(太極拳、八卦掌と共に内家拳の代表格とされる中国武術であるが、見栄えのする大技が少なく、非常にシンプルな外見をしているのが特徴)の基本技・五行拳を指導することもあったという。 その練習体系の斬新さと合理性から、多くの武道家・武術家・格闘家たちから高い評価を受けている。 澤井は極真会館創始者・大山倍達と親交があったため、かつては極真会館と太気拳一門との間で積極的な交流組手も行われていた。 初期の極真空手の構えなどには太気拳が影響を与えたと言われており、また太気拳門下には極真会館出身者が少なくない。 澤井亡き現在は、澤井の娘婿である佐藤嘉道をはじめとする各師範が、各地で指導にあたっている。 ・ ・ ・ ・ ・ 少々解り辛いか?どのような拳法かは私がサイボーグを倒した時、明らかになるであろう。 フム。部下共の声が聞こえる…。 「如何にサイボーグと言えど、我々が毎日鍛錬をしている太気拳に適う訳無し。」 「“人の覚醒”を果たした我々に、言わば養殖物の“サイボーグ”が勝てる訳無いのだ。」 「ううむ…。見える!見えるぞぉ!!サイボーグが崩れ落ちるように倒れる姿が!!」 「私も感じるぞ!『キュイン』と何かが閃いてそれを知らせるのだ!!」 「おぅ!おぅ…!おぅ…!刻(とき)の流れ見える。そして“サイボーグ”の最期まで…!!」 フハハハハ!誰も彼もが私の勝利を疑ってなぁぁぁぁぁい!! む?大統領がやって来たではないか! この勝利を私は『ルドルフ=ポルガー大統領』に捧げぇぇぇぇぇぇる!! 横に居るのが、サイボーグか? ッ!! 何ィ!コイツはァー!! ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴゴゴゴ ゴゴゴ ゴゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ それは、黒づくめの男であった。 スーツだって黒いし・・・。靴も黒い。帽子も黒い。手袋も黒い。 色素の薄い肌が、その黒を際立たせ。黒づくめのその姿が、岩を人型にくり抜いたようなその巨体と顔に映える。 猛禽類のような鋭い目をしている。『油臭(ガソリンしゅう)』と『機械音』がする。 人ならざる臭いと音。 そう・・・彼は『サイボーグ』。 レゼルヴェ国の真の首相!耐撃の百文字であるッ!! ッ ッ それを見た。オーストリア軍人はうろたえる!! 「アイツは百文字!ビスケットカデンツにゲスト出演した“耐撃の百文字”じゃあないか!!」 「“人の覚醒”を果たした私には解る!アイツはヤバイ!!」 「ううむ…。見える!見えるぞぉ!!ヤツの剛力が振るわれる様が!!」 「私も感じるぞ!『ピキィン』と何かが閃いて危険を知らせるのだ!!」 「おぅ!おぅ…!おぅ…!刻(とき)の流れ見える。そして“百文字”のヤバさまで…!!」 バ シ ィ バ シ ィ バ シ ィ バ シ ィ バ シ ィ 平手打ちである!リヒャルトは部下に平手打ちを見舞った!! そしてこう言う!! 「うろたえるんじゃあない!オーストリア軍人うろたえない!!」 「我がオーストリア軍人は、オカルトと中国拳法により、 他国の軍人が決して到達しえない『極致』に達したのだ!」 「それが百文字ぃぃぃぃぃ?そんなヤツに負けるか、ばーたれい!!」 軍人の一人がこう言う。 「で・でもヤツは人間を『ジャガれます』よ!?」 バ シ ィ リヒャルトはその軍人を平手打ちにする! 「だからお前はダメなんだよ…!」 「人殺すのに『ジャガる必要があるか?』」 「太気拳を信じろっつーの!!」 そこにルドルフ=ポルガー大統領が割って入る。 「部下への指導ご苦労であるぞ、リヒャルト少佐アアアァァァァ!!」 リヒャルトは答える!! 「上司として!当然の事をしたまでです、大統領!!」 ルドルフはこう言う。 「相手はサイボオオオォォグ!されとてエエエェェ!! オーストリア軍人の力は世界一イイイィィィィである事を見せつけて欲しイイイィィい!!」 リヒャルトは再び答える。 「 御 意 ッ ッ ! ! 」 リヒャルトは百文字の方を向き、こう言う。 「ヤイ!百文字!いつ始めるか?」 百文字は答える。 「もう開始(はじま)っておる…!!」 二人の決戦が開始された!! 距離10m!地は切り揃えられた草地! 片や、レゼルヴェ国の真の首相・耐撃の百文字!! 片や、オーストリア軍人・リヒャルト少佐!! 火蓋は切って落とされる!! 先に仕掛けたのはリヒャルトであった!! 両手をパーに前に出し、両手ともやや曲げる。 膝も若干曲げ、重心は下がり過ぎない程度。 その姿勢を守りつつ、ぐいぐいと攻め込んでくる。 ス…! 百文字が、右手を前に出そうとすると…! パァン! すぐさまをそれを弾く!! そ し て ! バ シ ィ ! リヒャルトの右掌打が、百文字の顔面にブチ当たる!! 続 け 様 ! バ シ ィ ! リヒャルトの左掌打が、百文字の顔面にブチ当たる!! バシィ! バシィ! バシィ! バシィ! バシィ! 続け様に掌打を当てながら、リヒャルトはこう言う。 「テメーはタダの『パワー馬鹿』なんだよ、百文字!!」 「オーストリア軍人が学ぶ“太気拳”は実戦を想定した武術だ!!」 「ただの力自慢がどうにか出来る…そんなレベルの代物じゃあない!!」 「ちなみに、ジークも太気拳の使い手だぞ? 手四つなどせず、実戦を行っていれば、お前など相手にもならなかったろうなァ!!」 バシィ! 10発目の掌打が入ったトコロで、百文字がぐらつく! 「トドメだ、機械仕掛けのボロ人形!!」 スッパァァァァアアアアアアアア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ン ! ! ! 「上段廻し蹴りだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 その時、リヒャルトは耳にする。 「ム、レスラーの賛歌その6だと?」 そして百文字は叫ぶ!! 「 『 ワシは捧ぐるッ! 』 」 「 『 炎の飛龍 、そして ナチュラル・ボーン・マスター へと、この『 D R A G O N S C R E W 』 を ッ ッ ! ! 」 『DRAGON SCREW(ドラゴン・スクリュー)』 炎の飛龍・藤波 辰巳(本名)により開発され、ナチュラル・ボーン・マスター・武藤 敬司(本名)により『必殺技』へと昇華した、変則的な投げ技である。 相手の片足を両腕で掴む。足首を抱えて自分の脇腹に押し付けて固定する。 自ら素早く内側にきりもみ状態で倒れこみながら相手の膝を捻り、相手を投げる。 (補足 固定した状態から、「 捕らえた足の脛(すね)側の方向 」に素早く仰向けになるように倒れながら『 捻 り 投 げ る 』のだ。 ) その際、相手は掛けられた足を軸に、きりもみをしながら倒れる。 この『きりもみ』は、柔道の受身の意味合いを持ち、怠る事により『 致命的な大怪我を負う可能性 』を秘めている。 「さて少々変則ではあるが、DRAGON SCREWである!!」 「リヒャルト!貴様の攻めが軽い打撃の『掌打』である以上、必ずトドメの一撃となる技は、振りの大きい技である事が読めた!!」 「そして、体の重心から探り、その技は、『右上段廻し蹴り』である事も読めた!!」 「ならば、どうする?」 「 こ う す る ! ! 」 ヒュゴォオオオ!! (百文字の側頭部目掛けて放たれる、リヒャルトの右上段廻し蹴りを…!!) ガシィ!!!!!! (左手で、迫りくる蹴りの踵付近を掴む!!) グォオオオオオ!! (掴んだヤツの左足を、腹をしならせながら、捻(ひね)りッッ!!) ウォンウオォン!! (そして、蹴りのエネルギー共々流用し、その蹴り足を軸に反時計回転(投げ飛ば)したのだッッ!!) ギ ィ ィ ャ ヤ ヤ ルル ルルル ルル ル ル ルルル ルル ル ル ル ォ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ ギャンギャ ン ギ ャ ン ギ ャン ル ルル ル ル ルルルル ルゥゥゥゥルルルルゥゥルルゥォォオオオオ オ オ オ オ オ オ オオオオ オ ッ ッ ! ! ! ! 手品か、いいや真実よっ!! オーストリア軍人リヒャルト・クラウス少佐が!!! 『 宙 空 き り も む 独 楽 と 化 し たぁあああ あ ああ ああああ あ ああ あ あ あ あ ッ ッ ! ! ! 』 リヒャルトは絶叫する!! 「何!何!何!ぬぅわにぃぃいいいいいいいいいいいいいい い い い い い い い い い い い い い い い い い い い い ! ! ! 」 オーストリア軍人達も驚愕する!! 「に・人間が空中で回転するとはぁぁぁぁぁああああああ!!!」 ルドルフも驚く!! 「ひゃ・百文字イイイィィ!!こんなにも強かったとはアアアァァァァ!!!」 そして、時が経つにつれ、地球の重力に任せ、リヒャルトは落下する。 ズ ド ォ そして、百文字はすぐさま追撃をはかる!! 「ワシは捧ぐるッ! 『革命戦士』と呼ばれた、ハイスパート・レスリングの第一人者へと、 こ の 『 サ ソ リ 固 め ( SCORPION DEATH LOCK ) 』を ッ ッ ! ! ! 」 『サソリ固め(さそり・がため)』 倒れている相手の両足の間に『右足』を入れ、相手の左脇腹の横へ踏み込み、 相手の両足を膝でクロスをさせた後、相手の右足を自分の右腕でロック。 右足を軸にして反転 (ステップオーバー) をし、相手をひっくり返し『腰を落とす!!』 掛けられた相手の姿が『サソリのように見える』事からこの名が付いた!! 完全に極まれば相手の「足首」、「膝」、「腰」が締め上げられ、また「気道」や「横隔膜の動きが」制限されるため、 相手を『窒息』させる効果も併せ持つッッ!! 故に、必殺の技ッ! フィニッシュ・ホールドとして使用される事が多い!! ガッッッッ シィィィ ィ ィ ! ! ! ! ! ! 百文字はリヒャルトにサソリ固めを極めた!! 「終いである。リヒャルト。負けを認めよ。でなければ怪我をする事になる。」 だが、リヒャルトは!! 「うるさぁぁぁぁい!! このオーストリア軍人、リヒャルト・クラウス!!」 「足の2本や3本折れても、むざむざと負けを認めるものぉぉぉぉぉか!!」 百文字は冷酷に!! 「では仕方あるまい…!!」 そ の 時 ! ルドルフが止める!! 「やめいイイイィィ!!そこまでだアアアァァァァ!!!」 スッ…。 その声と共に、百文字は技を解いた。 そしてこう言う。 「ルドルフに感謝するのだな。」 リヒャルトは心底悔しそうに。 「くそぉぉぉおおおおおお お お お お お お ! ! ! 」 敗北を悔やんだ。 ルドルフがこう言う。 「流石だなアアァァァ!百文字イイイィィィ!!」 「リヒャルトの攻勢が一転にして逆転され、大技を見せた後、 トドメの関節技を見せるとは思わなかったぞオオオォォォ!!」 百文字は答える。 「これで…。サイボーグの有用さが伝わったであろう?」 しかしルドルフがこう言う。 「しかし、このリヒャルト少佐はなアアァァァ! “陸軍最強の戦車乗り”と呼ばれておってなアアアアァァァァ!!」 「やはり、その本当の強さを見せるのは『戦車』に乗ってこそと、思うのだアアアアァァァァ!!」 「やってくれるか、百文字イイイィィィ??」 百文字は逃げずに答える。 「良いだろう。受けて立とうではないか。」 ルドルフはリヒャルトにこう言う!! 「戦車ならば負けまいイイイィィィ!期待しておるぞ、リヒャルト少佐アアアアァァァァ!!」 リヒャルトは答える!! 「 御 意 ィ ィ ィ ィ ィ ィ ! ! ! 」 距離100m! これは戦車が遠距離兵器であるが故!! 地は同じく切り揃えられた草地である!! 片や、レゼルヴェ国の真の首相・耐撃の百文字!! 片や、オーストリア軍人・リヒャルト少佐! そして搭乗するは!『レオパルドンⅡ』ッ!! レオパルドンⅡ リヒャルト・クラウス少佐用に作られた戦車。 長射程のリヒャルトツインカノンをメインに、 小型シールドのリヒャルトガード。 格闘兵器のリヒャルトバヨネットが搭載されている。 戦車 攻撃力として敵戦車を破壊できる強力な火砲を搭載した旋回砲塔を装備し、 防御力として大口径火砲をもってしても容易に破壊されない装甲を備え、 履帯による高い不整地走破能力を持った装甲戦闘車輌。 リヒャルトがレオパルドンⅡに内蔵されている拡声器で叫ぶ! 「良いか百文字!こっちは戦車で行くぞ!! 生身こそ遅れを取ったが、今度はそうはいかぬと言う事をとくと味あわせてやる!!」 百文字は答える! 「来るが良い!目に物を見せてやる!!」 リヒャルトは思考する! (よっしゃー!このバーカめぃ!!弾について何も言及していなぁーいッ!! 演習用のペイント弾ではなく、実弾で吹っ飛ばしてやるぜ、ザマーミロィ!!) そしてリヒャルトはこう言う! 「では、大統領!試合開始の合図をお願いします!!」 ルドルフが叫んだ!! 「試合開始イイイイイイイィィィィ ィ ィ ィ ィィ ィ ! ! ! ! ! ! 」 そ の 瞬 間 ! リヒャルト!! 「 ク タ バ レ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ! 」 必殺のリヒャルトツインカノンを発射させる!! ゴッッッッッ ワァァアアアアアアアアアアアアアア ア ア ア ア ア ア ア ! ! ! ! ! 発射ァー!発射ァー!先手必勝だァー!! ツインカノンである!ツインカノンである!! 当たれば大惨事!戦車の華・巨砲が今放たれ、流石の百文字も…!! 否 ァ ! 「 『 ヌ ゥ う ゥ ぉ お お お ぉ ぉ ォ お お お お お お オ 雄(オ) ーーーー ー ー ー ッ ッ ッ ! ! ! 』 」 ッ ッ ッ ガ ッ ッッ ッ ッ ヅ ォ ォ ォ オ オ オオ オ オオ オ オ オ オオ オ オ オ ! ! ! ー かち上げたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!! 一度身を屈め、立ち上がる勢いと共に、両の腕で持って!! 迫りくる砲弾を、上部へと“かち上げた”のだ!! ー これには見る者全てが唖然としたッ!! オーストリア軍人も。 「し・信じられない。これがサイボーグの力なのか…!!」 リヒャルト・クラウスも。 「あ…あがががががががががががが!!!?」 大統領も。 「この技術が欲しいと思った訳だが…。 これ程までに凄まじいモノなのかアアアアァァァァ!!」 そ し て ! ダ ッ ! ! 百文字は接近を試みる! レオパルドンⅡに!! 「何度もあんな芸当をしては腕がイカれるのでな。 短期決戦で行かせてもらおう!!」 リヒャルトは正気を取り戻す!! 「おのれぃ!」 ダン! ダン!! リヒャルトクラフトガンで応戦するも。 リヒャルト! 「く!速過ぎる!!」 そ し て ! ダァァァァァァァァァアアアアアアアアアアア ア ア ア ア ア ン ン ン ン ! ! ! レオパルドンⅡにタックルをかます!! グラ! グラ! 揺れるレオパルドンⅡ!! しかしリヒャルトは動じない!! 「接近戦なら、バヨネットがある!くらぇい!!」 バヨネット 銃剣(じゅうけん)の事を指す。 銃の先端部に装着して、槍のような戦い方ができるように工夫された武器のことである。 現代では短剣に着剣装置をつけたものが一般的だが、歴史上では刺突に特化した針(スパイク)状のものも多い。 ヒュゴォ オ オ オ ! ! リヒャルトバヨネットで、百文字を刺しにいく!! が ! ガシィィィィィ!!! バヨネットは百文字に捕獲される!! そ し て ! バッッッッキィィィィィ!!!! バヨネットをへし折る!! 百文字ッ!! 「 レ ス ラ ー へ の 賛 歌 そ の 2 1 ・ ・ ・ ッ ! ! 」 「 ワ シ は 捧 ぐ る ッ ! ! “ 狂 犬 ” と 呼 ば れ た “ ス ー パ ー ・ ロ デ オ ・ マ シ ー ン へ と 、 こ の “ B R A I N B U S T E R ” を ォ ー ッ ッ ! ! 」 『BRAIN BUSTER(ブレーン・バスター)』 立っている相手の正面に立ち、相手を前屈みにさせ(レスリングでの「がぶり」の体勢)て、 相手の頭部を自分の腋に抱え込み、もう片方の腕で相手のタイツを持って、相手の身体が逆さまになるように真上に持ち上げる。 そこから相手をリングに対してほぼ垂直になるよう抱えた状態のまま、自ら後方へ倒れ、同時に相手の頭部をマットへ叩き付ける。 ちなみにこれは“垂直落下ブレーン・バスター”のやり方である。 ブレーン・バスターとはキラー・カール・コックスが開発し、 後にこの技の名手として名を馳せたのが、アメリカ南部でコックスと抗争していたディック・マードックであった。 両者共に頭部を下にした体勢から垂直に落とすスタイルのブレーンバスターを使用していた。 ッ ッ グッッッ ォォォォオオオオ オ オ オ オ オ オ オ ! ! 百文字はレオパルドンⅡを持ち上げる!! さしもの、これにはリヒャルトも!!? 「オイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイ!!?」 焦りを覚える!! そして間髪入れず!!!!! 「 『 ち ぇ り ぃ ぃ い い い ぁ ぁ ぁ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ ーーーー ー ー ッ ッ ! ! 』 」 ・ ・ ・ ・ ・ ズッッ ッ ド ゥ ォォオオオオオオオオオオ オ オ オ オ オ オ オ オ オ ン ン ン ! ! ! ! ! 垂直落下!縦に地へと叩き付けられ、さながら墓標の如く佇む、オブジェと化した。 こうなっては、もう動けない。勝負は百文字の勝ちであった。 リヒャルトは訴える!! 「こうなれば!こうなれば大統領!! 私を『サイボーグ』にして下さいィィィ!!」 「オーストリア軍人、リヒャルト・クラウス!! このままおめおめと負けたままで居られませぬゥゥゥ!!!」 ルドルフが答える!! 「何と言う愛国心ンンンンンンンンンンンン!!! このルドルフ=ポルガー!嬉しく思うぞオオオオォォォォォ!!」 リヒャルト! 「ではッッッッッ!!!」 ルドルフ! 「だが、リヒャルト少佐!お前にはまだやってもらう事があるウウウゥゥゥ!!」 「もしお前が死んだ時は優先的にサイボーグとしてやろうウウウゥゥゥ!! それで良いなアアアアァァァァ!!」 リヒャルト!! 「有り難き幸せェェェェェェェェェェ!!!」 ルドルフ!! 「百文字よオオオオォォォォォ!!これでサイボーグの凄さは伝わった!! 否定的だった意見も一掃する事が出来るだろオオオォォォう!!」 「しかし、負けっ放しと言うのも癪(しゃく)に障るウウゥゥゥ!! こうなれば『オーストリア・サイボーグ』の強さをお見せしようウウゥゥゥ!!」 ッ ッ ! 「 ド ン ナ ー ・ シ ュ タ ー ル 中 尉 ! ! 」 ザ ッ ! 一人のオーストリア軍人が前に出る!! ルドルフ!! 「今から、『オーストリア・サイボーグ』の強さを見せつけてもらう!!」 ッ ッ ! 「 服 を 脱 げ ッッッッッッッ ! ! ! ! 」 ドンナーは答える!! 「はい!大統領!! ドンナーは服を脱ぎますッ!!」 バ ッ ! 惜しげも無く軍服を脱ぐ潔(いさぎ)の良さッ!! その体のトコロドコロは鋼鉄であり、正しくその姿はサイボーグであった!! そして!その下着は『 フ ン ド シ 』 ッ ! ! 彼は!ドンナーは!!“フンドシ愛用者”であるのだ!! 何とも雄々しい男であった!! ルドルフは続けてこう言う!! 「 さ ぁ ! 乾 布 摩 擦 を す る の だ ッッッッッッッ ! ! ! ! 」 ドンナーは答える!! 「はい!大統領!! ドンナーは乾布摩擦をしますッ!!」 そう言うと、ドンナーは、フンドシから手拭を取り出すッ!! そ し て ! 「 ふ”ぉ”お”お”お”お”お”お”お”お”お”お”お”お”お”お”!”!”!” 」 ッ ッ ゴ”シ”ゴ”シ”ゴ”シ”ゴ”シ”ゴ”シ”ゴ”シ”ゴ”シ”ゴ”シ”ゴ”シ” ゴ”シ”ゴ”シ”ゴ”シ”ゴ”シ”ゴ”シ”ゴ”シ”ゴ”シ”ゴ”シ”ゴ”シ”!”!” ッ ッ 炎だ!まるでマグマの如き乾布摩擦であった!! 男が乾布摩擦をすると言う行為が、かくも熱きモノか!! そ し て 次の瞬間、驚くべき化学現象が発現するッ!! バ ” リ ” バ ” リ ” バ ” バ ” バ ”リ ” ブ”ゥ” ア”ア” ア” リ” ブ” ァ” リ” リ” ヴ ” ァ ” ヴ ” ァ ” ヴ”ァ”リ”バ”ァ” リ ” ン ” バ ” リ ” バ ” バ ” リ ” リ ” バ”リ”リ”ヴ” ァ ”ヴ ” ァ ” ァ ” ア ” ッ ッ ! ! ! ーーーー 「 『 オ ー ス ト リ ア 製 サ イ ボ ー グ 的 “ 発 電 現 象 ” ! ! ! 』 」 ーーーー ー そうだ!発電だ!!乾布摩擦によって生み出された『静電気』を“増大”させ、強力な電流を生み出すサイボーグ!! ー それこそが!『“フンドシ電気サイボーグ”ドンナー・シュタール』その人なのであるッ!! そしてドンナーがこう言い放つ…!! 「Mr.百文字…!今度はこの『ドンナー・シュタール中尉』が相手だ!!」 「アンタのトコ(QX団)の発電サイボーグ“企業戦士”ジャック・ダグラスよりも強いと思うぜ?このドンナーはな…!!」 百文字は答える。 「大きく出たな。企業戦士(ダグラス)はQX団No.3のサイボーグ。」 「それだけの実力が貴様にあるかどうか、一つ試してやろう…!!」 かくして二人は激突をした!! ーーーーーー 戻る リンク集に戻る ・・・続く。
https://w.atwiki.jp/gone0106/pages/104.html
第四十四話 これが反撃の合図だ! 投稿者:兄貴 投稿日:08/11/24-15 38 No.3746 「うわ~、シモンさんもヨーコさんも凄かったですね~、それにお二人が使っていた力、あれが魔法でも気の力でもない螺旋力・・でしたっけ?」 ヨーコとシモンの試合が終わり、2回戦の準備までの幕間の時間、ハカセは感心したような声を上げて超を見る。 「うむ、努力云々ではなく遺伝子的に秘められた力、気合とは実に理不尽な力ネ!」 言葉の内容は批判だった、しかし言葉を告げる超の顔は実にうれしそうである。ハカセは少し気になったがもう少し機嫌のいい超の様子を見ていたくなり、あえて何も言わなかった。そもそもシモンが立ち上がったとき超が拳を握り締めながら目を輝かせていたのにも驚いた。もっともハカセ自身も研究の成果などとは別に生身の人間相手に感動してしまった経験はそれほどなかったため、超の気持ちが分からなくもなかった。 「最初から強い天才相手ならよかったネ・・・・・」 「超さん?」 途端に超の表情が少し寂しそうな笑みになった。 「最初から強い人が相手なら私は、その人物に何を言われても靡かない・・・・強い人間に弱い人間の気持ちは分からないネ・・・だが・・・」 「だが?」 「ボロボロになり、どれほどみっともない姿を晒そうとも、最後には立ち上がり、あきらめずに立ち向かう・・・・・。魔法でも科学でも立証できない気合・・・魂・・・・この力に否定されると・・・・胸が痛むネ・・・」 超は自分の胸をさすりながら呟いた。彼女は少し複雑な感情の板ばさみに苦しんでいた。ハカセも察したが、人一倍人類の感情に疎い彼女にはどうすることも出来なかった。少し戸惑っているハカセだが、超は少し作り笑いで「大丈夫」と呟いた。 「それを否定するために私は過去まで来たネ、心配ないハカセ・・・・・私は私の成すべきことをするだけネ!」 「超さん・・・・・」 背を向ける超、彼女はそのまま歩き出した。その背中を少し寂しそうに思いながらハカセも続いた。 「ハカセ、最終日前の準備を整えておくネ!ネギ坊主はどうするか分からないが当面の敵はグレン団、ならばロボット兵器も惜しみなく使うネ・・・・それと・・・」 「はい?」 「あの出来損ないの巨大ロボットの準備をするネ・・・・茶々丸にもそう伝えてほしい・・・・・」 再び超は会場から離れた。超がどんな思いでその言葉を告げたのかはハカセには分からなかった。 「シモンさん本当にええの?魔法で怪我治さなくて・・・」 「ああ、これはこのままでいい」 試合が終わり控え室に戻ったシモンたち、シモンのヨーコから受けた傷は相当だったが、シモンは木乃香の魔法による治癒を拒んだ。 「これは俺の弱さで受けた傷だ、甘んじて受け入れるさ、そうじゃないと心を痛めて戦ったヨーコに申し訳ないよ。目に見える傷ぐらいならなんてことないさ」 「シモンさん・・・・ですが私たちは・・・・・」 「そんな顔するなよシャークティ、俺はもう大丈夫だ」 痛みを抱えながらこのままいくとシモンは告げる。ヨーコとの戦いで目に見えぬ心の傷が治ったかどうかは分からない、しかし「俺は俺だ」と胸を張って言えたことにより、心が少し救われた気がした。そのためにヨーコは己の心を痛めながらシモンと戦ってくれたのだから、受けた傷は受け入れるとシモンは木乃香に告げる。しかしその言葉に少し木乃香の表情が曇った。 「目に見える傷・・・・せやな~・・ウチは怪我しか治せへん・・・シモンさんの心の傷なんて気づきもせんかった・・・・」 少しネガティブな思考になっていた。彼女は彼女で自分の幼さに嫌悪感を感じていた。ヨーコを見てそのことにすごく悔しく思っていた。少し慌ててアスナたちがフォローしようとするが益々木乃香は暗くなる。するとシモンが自分の指を木乃香の額まで持っていき、 ――ピンッ 「あたっ!?」 「まったくお前たちは、すぐに暗くなったりするのは悪い癖だぞ!」 デコピンではじいた。木乃香が額をさすりながらキョトンとした目でシモンを見る。 「木乃香・・・お前とヨーコの違いって何だと思う?」 シモンは木乃香に対してした質問だったがこの場にいた全員が考え込んだ。自分たちとヨーコの違いは一体何なのか?おそらくその違いこそがシモンがヨーコを信頼できる理由なのかもしれないと思い、皆真剣に考えていた。すると直接質問を受けた木乃香が自分の身体のある一部をさわりながら答える。 「ウチとヨーコさんとの違い・・・・・・おっぱい?」 「その通り!ヨーコのおっぱいはグレン団の・・・って違う!?」 思わず乗りツッコミをしてしまうシモン、木乃香の答えが否定されたことにより他の者たちもホッと胸を撫で下ろした。 「あっ・・・そうなん?よかったわ~」 「「「「「(私たちもよかった~)」」」」」 どうやら真剣に答えていたらしい。木乃香は決して対抗できないものが自分とヨーコとの差ではないと分かり安心した。するとシモンは木乃香の的外れな答えに少し呆れながら頭をぼりぼり掻きながら答えを言う。 「まったく・・・確かにそれもあるけど・・・・簡単に言えばヨーコはヨーコで、木乃香は木乃香ってことだ」 「・・・・・・ウチは・・・ウチ?」 「そう、ヨーコと木乃香が違って当たり前、俺が・・・アニキじゃないようにな。俺だって穴掘りを取っちまえば何にも出来ない、人の怪我を魔法で治すことも出来ない、だったらそれでいいじゃないか。ヨーコができることを木乃香が無理にする必要はない、木乃香ができることをすればいいじゃないか」 シモンの言葉は木乃香たちには理解できた、しかしそれでも複雑な部分もあった。 「う~・・・せやけど・・・・・」 「さっきはヨーコにしか分からない俺の弱さをアイツのやり方で活を入れてくれた、それだけのことだ!だからこの話はこれで終わりだ、だからいつまでもお前もそんなこと気にするな!」 シモンはその言葉とともに立ち上がり木乃香の頭を軽く手で叩き。指を天井に向かって指した。 「下向きな時は上向きに!後ろ向きな時でも前向きに!暗い時でも明るく生きる!それでいいじゃないか!」 「シモンさん・・・・」 それだけ告げてシモンは会場の外へ向かった。 「どちらへ?」 「ヨーコのとこに行ってくる、帰ってくるまでに明るくなっていてくれよ」 シャークティの問いに簡潔に答え、シモンは控え室を後にした。後に残されたネギたち、木乃香はシモンの言葉を少し真剣な表情で考えていた。刹那も同じような表情だった。シモンは今では試合中の自分の弱さに対して引きずっている様子はなかったし、自分たちもそう感じたため、もうそのことについて話題に触れるものもいなかった。しかしやりきれない思いもあった。 そして試合中にニアについて初めて知ったハルナもそうであった、 「そのさ・・・・木乃香も桜咲さんも・・・・その・・・ニアさんって人のこと・・・・知ってたんだよね・・・・」 「・・・はい・・・・修学旅行のときに私たちは知りました・・・・」 ハルナはいつものように饒舌ではなく、言葉の抑揚もなく少し暗かった 「いや・・・あのさ~、私も面白半分でからかってたけど・・・・・二人とも・・・・いやエヴァンジェリンさんも・・・・そのことを知ってても・・シモンさんを・・・その・・・・」 今まで木乃香たちのシモンへの想いをからかっていた節があったため、少し自己嫌悪に陥っていて柄にもなく少し黙り気味だった。もっとも少し時間がたてば元に戻るのだが。今はそのことが気になっていた。正直試合でのシモンの豹変振りを見る限り、相当シモンはニアという女を愛していたことが痛いほど分かった。もしそうだとしたら木乃香たちはどうなのか気になっていた。 「ウチも最初あきらめよう思っとったんよ・・・・・・シモンさんは絶対にウチを見てくれへん思て・・・・・せやけど・・・・」 木乃香はチラッとネギとのどかを見る。 「まだまだ片思いやけど・・・・・あきれめられんくて・・・・・シモンさんに告白したんや・・・・・まだニアさんどころかヨーコさんにも適わんけどな~」 頬を人差し指で掻きながら、懸命に笑顔を作る木乃香、しかしその笑顔はとても儚く今にも崩れそうな切なそうな笑顔だった。その様子に夕映やのどかは涙を浮かべながら木乃香の手を掴み取った。 「私は・・・私は応援します木乃香さん!」 「私も!」 「はは、ありがとな~夕映、のどか~」 「僕もです木乃香さん!」 「当然私もよ!」 「うむ、がんばるでござる!」 「シモンさんを振り向かせるアル!」 「まあ、私は立場上応援せんが、せいぜいがんばることだな」 「このちゃん・・・でも・・・私は・・・う~・・どうすれば・・・」 まさに青春と呼べる光景が目の前で繰り広げられていた。そのことに教師であるタカミチもシャークティも笑顔を浮かべていた。 「シモンさんは自分で不幸ではないと言っていました・・・・・」 「シャークティ先生?」 「ですが私は違うと思っていました・・・・ですが今・・彼女たちを見ているとその言葉に納得できました。」 この世界の住人でないのに僅かな間にこれほどシモンを慕うものが出来た。それが不幸であるはずがない。 「幸せものですね・・・・彼は・・・」 「僕もそう思います。彼の言う明日へ向かうということは・・・そういうことなのかもしれませんね」 目の前の若者の強い想いにタカミチとシャークティは笑みを浮かべて見ていた。 控え室を後にしたシモンはヨーコを探すが、盛り上がった会場は人ごみで溢れているため見つけるのは困難な状況だった。 「やれやれ、昔っからアイツは勝手にどっかに行くんだな~」 八年前の螺旋王との戦いの後、ヨーコは新政府に残らずに「水に合わない」と言って勝手に消えてしまった。それはそれで彼女らしいと思った。ヨーコに会いに行くとは言ったものの、会っても今は特に用事も無いし、正直少しどんよりとした空気から逃げ出したい口実だった。ヨーコと少し話したいことも無くはなかったが、ヨーコはヨーコで独りになりたいのだろうと察し、無理に探そうとはしなかった。すると・・・・ 「2回戦進出おめでとうございます」 後ろから声が掛けられた。振り向いてみるとそこにいたのはクウネルだった。 「クーネルさん?・・・・・アンタの試合は直ぐでしょ?小太郎と・・・。準備しなくていいんですか?」 「はい、特に準備も必要ありません。小太郎君では私に勝てませんから」 少し気に入らない物言いだがハッタリには微塵も聞こえなかった。するとクーネルが小さく笑みを浮かべた。 「少しお話をしませんか?試合開始までもう少し時間があるようですし」 「何の話ですか?」 「世間話です♪」 正直クウネルの笑顔に胡散臭さを感じた。しかしこの人物はネギの父親の仲間という噂もあるため、悪い人でもないだろうとも思った。そしてシモンはあることを思い出した。それは美空とアスナとの試合の賭けだった。結局有耶無耶になったが、勝てばサウザンドマスターの情報をもらえることを思い出した。するとクウネルも最初からそのつもりで来たような様子だった。 「シモンさん、貴方はサウザンドマスターについてどこまで知っていますか?」 「エヴァ、学園長、あと詠春さんから大まかには、・・・・・・・似てないでしょ?俺とは全然・・・」 「!?・・・・・・そうですね・・・・・たしかに・・・・似ていませんね」 クウネルは少し驚いたような表情をした。どうやらクウネルの感じたことを、エヴァンジェリンや友の詠春までもが感じていたということになる。シモンの言葉からそう感じた。おそらくタカミチもそうなのだろうとクウネルは思った。そしてシモンの言葉も正しかった。正直シモンとナギは似ていない思う、しかし何故か重ねてしまう。それがクウネルの感想だった。それはおそらく多くのものを惹きつけるカリスマのようなもの、シモンがあれだけリングの上で弱さを露呈したにもかかわらず、立ち上がったシモンに多くのものが見入っていた。自分もその一人だった。出会ったときの直感が正しかったと思い、クウネルはこうしてシモンの前に現れたのだ。 「正直俺は魔法使いじゃないからな・・・・あまりネギのお父さんのことを聞いてもしょうがないけど、これだけは聞いておくよ。ネギは生きているって思っているみたいだけど、実際はどうなんですか?」 異世界の英雄、それがシモンのサウザンドマスターへの認識だった。完全に興味がないわけではない、会えるものなら会ってみたいという気持ちもあった。するとクウネルは頷いた。 「ええ、生きています。それは確実です」 「そうですか、それならいつか会ってみたいですね・・・・・」 「学園祭が終われば私のところへ来ていただけませんか?お茶会の場で彼について話します」 クウネルの誘い、どうやら詳しい話は全てが終わった後でネギたちを交えて教えてくれるようだ。だがしかしシモンはこの誘いを断る。 「それは出来ない」 「?」 予想外の答えにクウネルは首を傾げるが、シモンにはどうしても外せない用事があるのだ。それは一度元の世界に帰ってニアに会いに行くという予定だった。結婚記念日に帰ることが出来ず、一年以上も墓をほったらかしにしていたシモンは、この学園祭が終わったらどうしても会いに行かなければならなかった。 「学園祭が終われば、しばらくある女に会いに行くつもりなんです。だからせっかくの誘いですけど俺は行けません。だから・・・もし教えてくれるのなら今教えてください。ネギたちには話さないから」 サウザンドマスターに興味もあるがニアと天秤にかけるまでもなかった。もしこの場でクウネルが拒めばシモンは別にそれでもかまわないという態度だった。クウネルにもシモンのその気持ちが伝わり、少し考え込んだがネギたちには話さないというシモンの言葉を信じて、話していくことにした。 「分かりました・・・・ではお話しましょう。まず彼は生きている、それは私が保証します」 断言するクウネルは数枚のカードを取り出した。 「これが証拠です」 持ち出したのは見覚えのある形のカードだった。それはアスナや美空も持っているパークティーオのカードだった。 一冊の本を持ったクウネル本人と彼を螺旋状に取り囲むたくさんの本。 「これはサウザンドマスターと私のカードです。カードが死ぬとこうなります」 そう言って、もう一枚のカードをシモンに見せる。もう一枚のカードはクウネル本人が描かれているが、螺旋状に取り囲む本が無くなり、簡単なものになっている。 「これが・・・「いやちょっと待って」・・・・?」 少し難しい顔をしてシモンがクウネルの話を止めた。 「俺は魔法使いじゃないからカードの機能とかよく分からないけど、今アンタはネギのお父さんとのカードって・・・・たしかカードって・・・・・キスしないと・・・・・」 「ふふふ♪」 ――ゾクッ! その瞬間シモンの体に悪寒が走った。少し気になるがこれ以上は知ってはいけないという直感が働いた。 「ごめんなさい、なんでもないです。話の腰を折ってすいませんでした・・・・・」 「おや、お聞きにならないのですか?残念です」 ニッコリと笑うクウネルの笑みに全身の鳥肌が立ってしまった。とにかくこの男は危険だと察知した。慌てふためくシモンを見て楽しむクウネルだった。 「まあそれはもういいから・・・・・、それでどこにいるんです?ネギの親父さん」 「そこまでは私も・・・ですが手がかりがあるとすれば・・・魔法世界、ムンドゥス・マギクスへ行くといいでしょう」 「魔法世界!?」 その言葉に聞き覚えがあった。それは超が言っていた魔法使いたちが所有している異界にある国だと言っていた。まだ見ぬ新たな世界、その言葉はシモンの好奇心を突付いた。 「いずれネギ君たちも行くはずです・・・・あなたもご一緒しては?」 「・・・・なぜ俺にそのことを?魔法使いでもないのに・・・・・」 「さあ、・・・・自分でもよく分かりませんが・・・・・そうしてほしいと思ったのです」 どうやらクウネル自身もなぜシモンにそこまで言うのか分からなかった。しかしなぜかそんな気持ちになってしまう、不思議な感覚だった。するとシモンはクウネルに背を向け歩き出した。 「まあ、そんな先のことより俺は今日と明日とその次の予定しか考えていない。魔法世界のことは・・・・手のかかる意地っ張りなお嬢さんと、俺を待っているお姫様との約束を終えてからだ」 そう、超とニア、決着と再会しか今のシモンには考えられなかった。興味はあるがそれより先のことはその後考えるというのがシモンの気持ちだった。 「だがまあ、いつか行くかもしれませんね、決着をつけたい相手は他にも居ますから・・・・」 付け足すようにシモンは告げる。その言葉に少し興味を持ったクウネルはその相手について尋ねる。 「決着をつけたい相手・・・・・魔法使いですか?」 その言葉にシモンは頷く。この世界で二度戦い、魔法の脅威を見せ付けたあの白髪の男。 「フェイト・アーウェルンクス」 「なっ!?」 フェイトの名を告げたシモン、するとクウネルが珍しく驚いたような反応を見せていた。シモンもその反応を意外に思い振り向くと、なにやら考え込んでいるクウネルがいた。 「アーウェルンクス・・・・それはまた・・・懐かしい名前ですね・・・」 「知ってるのか!?」 もっともあれだけ強かったのだから有名でも不思議ではなかった。しかしクウネルの表情はそれだけではなかった。するとクウネルは少しあごに手を置き何かを思い出しているかのような様子だった。 「昔・・・色々ありましてね・・・そうですか・・・・・やはりアナタは普通とは違うのかもしれない」 「?」 クウネルの言葉にどんな想いが含まれているかはやはり分からない、しかしどうやら自分のライバルは只者ではなかった事を証明されたような感じだった。 『では2回戦第一試合を始めます!村上選手!クウネル選手!リングまでお越しください!』 不意に朝倉の声が会場に響いた。その言葉を聞いて観客が歓声を上げる。その言葉を聞いてクウネルはローブをなびかせてシモンに背を向けた。 「それでは私は行きます、シモンさん・・・・・・またゆっくり話せるときを楽しみにしています」 「ああ、また」 ニッコリと笑みを浮かべてクウネルは一瞬で姿を消した。結局肝心なことは何も分からなかったが、今はそのことを追及するのをやめた。自分でも言ったとおり、まずはやるべきことをやってから今後のことは考えようと思った。 「さて・・・ヨーコもいないし、皆のところに戻ろうかな」 シモンも試合を観戦すべく、皆のところに戻ろうかと思ったが、後ろから急に声をかけられた。 「今のはどんな方法だ?人が一瞬で消えるなんてアリエネーだろ」 「?」 シモンが振り返るとそこにはメガネをかけた女生徒がそこに居た。名前は思い出せない、しかしその顔には見覚えがあった。そう、修学旅行のときに見たことのある顔、つまりネギの生徒だ。 「え~と・・・ごめん・・・確か名前は~・・」 「長谷川千雨です、まあ覚えてなくても仕方ないですよ、あの超人クラスではいたって普通の生徒ですからね、まあ久しぶりですねシモンさん」 名前を覚えていなかったことに特に咎めるような様子もない、すると千雨は手元に持っているパソコンを開きおもむろにシモンに突き出した。 「修学旅行以来の人にイキナリこんなことを聞くのは変でしょうけど、もはやこの大会ツッコミ所満載すぎて・・・・・・、とりあえずこのパソコンを見てくださいよ」 千雨の言葉どおりパソコンの画面を見ると、この大会の一回戦の様子が映し出されていた。この大会を映像に記録することは禁止されているはず、にもかかわらず、ネギや美空や自分の闘っている姿などが映し出されていた。 「これは?」 「ちょっと前から出回ってましたよ、今この映像に関しての話題がネット上で溢れてるんですよ・・・・それと同時に魔法という言葉まで話題となる掲示板で頻繁に使われているんです」 「!?」 「魔法」というキーワード、それで全てが理解できた。超が魔法を公開する準備として打った手の内の一つであることがシモンにも予想できた。すると千雨は全ての疑問を解消すべく、シモンに探りを入れる。 「正直この大会は皆スゴ過ぎて私は信じられません。大体子供のネギ先生があんなに強いのも・・・・何か秘密があるんですか?」 千雨はいたって真剣な表情だった。今更CGや作り物と言っても納得しないであろうが、シモンにとっては今更だった。むしろなぜ他の人間は気づかないのかと思えるぐらいだった。千雨のこの世界では珍しい常識的な反応がむしろ新鮮に感じた。 「少し気になって私も魔法という単語を調べてみたんですが、出るわ出るわ「魔法」という単語の山!そう、よくよく考えればこの学園自体何かがおかしい!超巨大な世界樹や異常に多い留学生!ロボットまでクラスにいるし、そのことに誰も突っ込まないのが更におかしい!今まであえて黙っていましたが、もう我慢の限界だ!常識人の私はごまかせない!この学園はやはりおかしい!」 一気に熱くなり捲くし立てる千雨この学園の生徒になってから常に思っていた疑問を全てこの場で千雨はぶちまけた。 「・・・・・・大丈夫・・・・言いたいことはよく分かった・・・だから少し落ち着け・・・」 千雨のむしろ当然の疑問にシモンは簡潔に頷いた。その様子を見て千雨は軽いため息をついた。 「・・・・さらに今日の大会・・・・・こうなると「魔法」ってのもあながち・・・・・」 シモンの反応を伺うように千雨はシモンを見る。もっともシモンは魔法使いでないためそれほど慌てることはなかった。もし千雨が自分でなくネギあたりに聞いていれば疑惑がより深まっただろう。シモンの反応に変化が無いことを感じ、千雨は自分の考えを否定しようとした。 「ふ~、まあ、こんなバカな考えは忘れてください、でも確かに今ネット上では大騒ぎですよ。まるで誰かがわざと「魔法」ってのを流行らせようとしているようで・・・」 「なあ、俺の試合についてはなんて書かれている?」 「え?当然魔法の単語のオンパレードですよ、変な光の渦がヨーコ選手とシモンさんを包み込んで戦ってるシーンなど抜き出されてますよ」 「へ~・・・・」 映像を見せられると大声で叫びながら拳を交えあうシモンとヨーコの姿が映し出されていた。特に最後の互いの螺旋力を解放して殴りあうシーンに、魔法キター!という単語がずらりと並べられている。だが千雨の言葉を聞いてシモンは少し考えた。少し常識から外れた力にせよ、自分の力もヨーコの力も魔法ではない、ならばこれを利用できないかと考えた。このまま最終日までに超を泳がせておくのもつまらない、こっちも少しずつ攻撃を仕掛けようかと考えた。 「なあ長谷川、お前はパソコンを使えるのか?」 「?・・・・・まあ・・・・人並み以上には・・かなりの腕前だと・・・」 「そうか、だったらこれから俺の頼みを聞いてくれないか?」 「は?・・・・頼みって・・・・・」 超の地道な作戦にシモンも動くことを決意した。まずは超の「魔法」という単語に攻撃を仕掛けることにした。だが今からこの話題を否定してもおそらく収まらないだろう、だったら「魔法」という話題をすりかえればいい、それがシモンの考えだった。そこでシモンは千雨に協力を申し出た。 「俺の試合が一番新しいだろ?だったら俺の試合が話題になっている掲示板とか言うところである言葉を頻繁に使って書き込んでほしい」 「ある言葉・・・「魔法」じゃないんですよね・・・・」 「ああ・・・その言葉は―――だ」 「はあ!?そんな言葉打ち込んで意味あるんですか?まあ・・・・それぐらい構いませんけど・・・・」 シモンの言葉を聞いて少し首を傾げながら千雨はキーワードを打ち込んでいく。すると千雨の表情が一瞬で驚きに変わった。 「なっ・・・・おいおいマジか!?」 シモンは千雨のパソコンを覗き込み現状を確認する。すると 「一瞬でその言葉が広がりやがった・・・すご・・・。私がどれだけ火消しをしてもすぐに話題が復活したのに・・・・」 シモンの作戦はうまくいったようだ、たった一瞬で状況に変化が訪れたことに千雨は驚きを隠せないでいた。 「さっきの試合での観客の反応や、最近のクラスの奴ら見てて思ってが・・・・・シモンさんは本当に影響力のある人なんですね」 「そうかな?だが、これが反撃の合図だ!ここからは好き勝手にはさせないぜ」 千雨はシモンの顔をじ~と見ながら呟く。一見特徴のある顔立ちではない、しかしその姿に多くのものが心奪われ影響されているのは千雨も気づいていた。今時流行らないような熱血でダサくて、試合ではボロボロになり、挙句の果てにはリングの上で大泣きしていた。その理由については分からないが、それでもあまり良い印象ではない。しかし天に向かって指を指し、名乗りを上げたシモンに見入ってしまっていたのも事実である。そして最後の攻防に自分も気づいたら手に汗をかいていたのも事実だった。それゆえ最近の自分のクラスメートや担任がやけにシモンを慕っていることに分からなくもないような気がしていた。 「長谷川、また何かあったら教えてくれ!俺も少し色々動くことにするよ」 「ちょっ・・・なんで私なんですか?大体魔法なんて単語広がろうと私はなんとも思いませんよ・・・」 「どんな説明でも納得できないならお前は自分の考えを否定するよりも信じるほうを選べばいい、魔法が在るのか無いのか、お前の頭ん中での比率が大きいほうを信じればいい!」 シモンの頼み、そして言葉のうらに千雨は、魔法という言葉の肯定のようなものを感じていた。シモンはハッキリとは言わないが、シモンの言うとおり自分の考えでは魔法肯定の比率が大きくなっているのも事実である。 (おいおい・・・・・まさか本当にあるってのか?だがむしろその方が確かに納得できるが・・・・だがこの兄さんは魔法使いってキャラには見えないが・・・・) 「シモンさん・・・・じゃあこれだけは答えてくれ・・万が一、億が一、兆が一、魔法が本当に存在するとして、アンタは一体どっちなんだ?」 箒で空を飛んだり杖で呪文を唱えたりするのが千雨の魔法使いへのイメージである。しかし目の前の男は人並みはずれた力を持ちながら明らかにかけ離れた存在だった。するとシモンは 「いいや違う、俺のは気合!」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 自信満々に言うシモンを見て、本当にシモンを信じて協力していいのか悩んだ。 コンピュータルームにて再び作業を開始した超とハカセ、するとハカセは手元のパソコンに映し出されたページに驚きの声を上げた。 「ちょっ・・・超さん!今ネット上の書き込みが・・・・」 「誰かが話題の火消しでもやっているのカ?そういえば千雨さんが色々動いていたようだがまあ心配ないネ?」 それは自分のプログラムに絶対の自信を持っているからこその言葉だった。今更千雨がパソコンをどうしようと己の超科学と魔法技術に影響はないと確信していたからである。しかし・・・ 「その・・・・それがシモンさんの試合について話題が「魔法」から「気合」に変わっているんです・・・・・・」 「なにっ!?」 「その・・・シモンさんとヨーコさんの試合は本当に魔法じゃありませんし、大声を張り上げながら力を解放して戦ったお二人の姿に、同じ抽象的な言葉で「魔法」より「気合」という言葉にむしろ納得してしまっている人が多いようです・・・・」 「むむむむ・・・話題を消すことよりも話題のすり替えにしたか・・・・意外とこれはうまい手ネ・・・・賛成、否定より別の力としてとらえる・・・・とすると「魔法」というファンタジーな言葉よりも「気合」に心惹かれるものも多い・・・特にシモンさんの映像を見る限りそのほうが納得しやすい・・・」 少し予想外の事態に超は何かを考えているようだった。しかしこの程度の問題はさほど魔法を広めることに影響はないはずだとハカセは思っている。だが超は妙な引っ掛かりを感じているようだった。それは「気合」という単語の発生源だった。一体誰がこの言葉を広めたのかだった。だが犯人は直ぐに思い浮かんだ、どう考えてもシモンしか思いつかなかった。それはつまり徐々に自分たちの戦いが始まってきていることを意味していた。そのことに気づき徐々に心臓の音が高鳴る、超は言い知れぬゾクゾクした感覚に思わず口元に笑みを浮かべた。 「だが心配要らないネ、今行われているクウネル・サンダースと村上小太郎の試合は再び魔法で納得するものが多くなるような戦いネ」 超はモニターで映し出されている小太郎とクウネルの攻防に目を移す。それは犬が手から出たり、分身したりする小太郎、攻撃をくらってもものともしないクウネルの常識外の戦いが繰り広げられていた。戦局はクウネルが圧倒的であるが、小太郎の戦いも話題を盛り上げるのに充分だった。 「たしかに魔法派が盛り返してきてます・・・・・・」 『村上選手気絶!!クウネル選手勝利ーーー!!』 終わってみればクウネルの圧勝だった。別カメラに映し出されるネギたちは驚きの表情を浮かべている。超もクウネルの目的はよく分からないが、再び自分が優位に立ったことが分かった。そして別のカメラに映し出されるシモン、そしてその隣でパソコンを操作している千雨の姿を捉えた。その様子に再び笑みを浮かべた。 「さあ・・・どうするシモンさん?」 超はシモンの次の手に注目する。 リング上で気を失っている小太郎に、ネギの生徒の数名が駆け寄っている。その様子をシモンは観客席から額に汗を流しながら見ていた。 「小太郎があんなに簡単に・・・・・・・・・あれがクウネルさんか・・・・」 正直クウネルの桁外れの力に驚いていた。小太郎の攻撃は自分の目から見ても強力だったが、クウネルになんの効果もなかった。あれがこの世界の英雄の仲間の力なのだと思い、少し鳥肌が立った。 「宇宙は広いな・・・・・・・本当に・・・・・」 素直に賞賛の言葉が出た。それほど自分にとってもクウネルの力を底知れないと感じた。するとシモンのそんな様子とは別にパソコンを操作していた千雨の表情がまた変わった。 「おいおい、今のトンデモバトルにまた魔法派が盛り返してやがる・・・どうします?・・・」 一時は盛り上がりを見せた気合も、ネットで打ち出される巧みな言葉に誘導され、再び魔法が盛り上がり始めた。もっとも最初からこの程度でうまくいくはずもないことはシモンも予想していた。あくまで今のは反撃の狼煙にすぎず、本当の勝負はこれからである。今の小太郎とクウネルの戦い、これで再び魔法派が盛り上がり始めている。どうやらリアルタイムで多くのものが映像を見て意見を交わしているようだ。だとしたら次に反撃の手が再び訪れる。 「大丈夫!次の試合はネギだけど対戦相手は美空だ。そしてその次は俺だ。それしだいでまた気合派が復活するさ!それにこの行動は単に気合を普及するためだけじゃない」 シモンの頭の中には別の作戦も思いついていた。しかしその作戦を実行するにはまだ早いと思っていた。今はまず気合と自分たちの存在をアピールすることに専念した。すると千雨は美空の名前に反応して、シモンを少しジト目で睨む。 「・・・・一回戦見てて思ったんですが・・・・春日の奴も魔法使いなのか?アイツだけは私と同じ常識の中で生きる女だと信じていたんだが・・・」 お互い超人クラスの中では影の薄い存在であり、あまり話したことはないが、美空の存在は千雨にとっては日常を感じさせる貴重な存在だった。しかし一回戦での大立ち回りでその想いが粉々に打ち壊された。 「Yesでもあるが、それだけじゃない。アイツを突き動かすのは「魔力」だけじゃなく「気合」だからな・・・・。シャークティに伝言でも頼んでおくか・・・」 「・・・・どっちにしろ非常識って奴かよ・・くそっ・・・・どうなってやがる・・・・」 もはや本物の常識とは何なのか?千雨の頭の中はその疑問でいっぱいだった。シモンは現状報告と美空への伝言を込めてシャークティに連絡を取り始めた。 「小太郎君が・・・・・・そんな・・・・・」 決勝で会おうと約束した小太郎が負けたことにネギはショックを隠せないでいた。本当はすぐにでも声をかけに行きたかったがアスナたちに小太郎の気持ちを察しろと言われて、ネギは黙っていた。しかしそれでもネギは小太郎が心配だった。すると楓がネギの前に現れた。 「まあ、ネギ坊主、ここは拙者にまかせるでござるよ、小太郎とは拙者が話をしてくるでござる。ネギ坊主は次の試合に集中するでござる」 「でも・・・・僕も・・・・・」 楓の提案だったがそれでもネギにどこか迷いがあった。 「ふん、人の心配するとは随分余裕があるではないか、ぼーや」 「マスター・・・・・」 「そのままでは足元をすくわれるぞ?言いたくはないが春日美空は油断しなくても中々のものだぞ?」 エヴァの言葉を聞いてネギもハッとした。そう、ネギの次の対戦相手はアスナを倒し、その才能を開花させた美空なのである。迷いのあるまま戦って勝てる相手ではなかった。 「そうよネギ!負けたから言うわけでもないけど、美空ちゃんは強いわよ!」 「ええ、私の目から見てもそう思います。ネギ先生は自分のことに集中すべきです」 「アスナさん・・・刹那さん・・・・・わかりました。僕も今は美空さんだけを見ます!!」 「「「「えっ?」」」」 ネギは深い意味を込めて言ったわけではないが、あまりにもネギが真剣だったため少し顔を赤くしてしまう一同、やはりまだまだアスナたちも子供であった。 そんな様子を少し離れてみる美空、正直ネギが油断したままなら、ありがたかったがそうも行かないようである。やるしかないなと思い、準備運動を少し始めた。するとその後ろで先程から携帯でシモンと話をしているシャークティがようやく会話を終わらせた。 「兄貴、なんて?」 「どうやらこの大会がネットで公開されて相当話題になっているそうです・・・・」 「えっ?」 「魔法という単語を惜しみなく使い、話題が広がっているそうです・・・・・超鈴音の仕業ですね・・・」 おそらく学園関係者はまだこの程度では動かないかもしれない、報告したいがシモンとの約束もあり、自分はグレン団として行動することを決めているためにそれが出来ない。超の計画を最初から知っている彼女にとって、学園側の対応が少し疎かのような感じがしてきた。もっとも知っていながら彼女も報告しないわけなのでなんとも言えなかった。昔の彼女ならすぐに報告していただろうが、少し柔軟になったことが自分でも自覚してきた。だからこの場は学園側へ報告するよりもシモンの案に載ることにした。 「今シモンさんが「気合」を普及して「魔法」を乗っ取ろうとしているようです」 「はあ!?」 「そこで美空・・・・アナタは魔法使いの見習いですが、魔力を使ってもいいが気合で戦えとのシモンさんからの伝言です」 「へ~・・・珍しい・・・兄貴が命令するなんて・・・・」 「命令ではなく提案だそうです」 その言葉に美空はニヤリと笑みを浮かべる。そして力強い言葉で、 「だったら乗ったぁ!!」 『続いての試合を開始します!春日美空選手、ネギ・スプリングフィールド選手!リングまでお越しください!!』 「さあて・・・・それじゃあ気合入れていきますか!」 「美空、がんばりなさい」 「美空、ガンバレ」 美空はポキポキと関節を鳴らし、自信に満ち溢れた表情で歩き出した。もうここにはいつものメンドくさがりで臆病だった美空は居ない、たった一度の勝利で才能と自信を手にした彼女の姿は実に堂々としている。たとえ英雄の息子が相手であろうと今の彼女は臆したりなどしない。そんな彼女の後姿を見ながらシャークティは口を開く。 「美空・・・」 「はい?」 「背中のマーク・・・・とてもお似合いですよ・・」 その言葉を聞いて美空は「ニッヒッヒッ」と子供の笑みを浮かべてうれしそうに笑った。彼女の背中のグレン団のマークは実に強く、堂々としていた。 後書き 賛否両論ですがどちらの意見もとても参考になりました。九尾さん、六郎さん、テトルスさん、sさん、漢田さん、ありがとうございます。シモンに弱さがあったにせよ、無かったにせよ、最近影を潜めていましたが、シモンの心の中のニアの存在の大きさを再認識してもらえれば幸いです。
https://w.atwiki.jp/t-kimura_ss/pages/221.html
※ちょいエロ ※性転換ネタ ※燦ちゃんキャラ崩壊 ※モトネタは原作42話 「留奈ちゃん、ワシを男にしてくれぇ!」 カーペットに押し倒された少女は、驚愕と言うよりは思考停止に近い表情で覆い被さる親友の顔を凝視した。 「さ、燦?!アンタな、なな…何やって…!」 「堪忍じゃあ留奈ちゃん!堪忍してつかぁさい!」 間にして数瞬の後、理解し難い状況を理解した彼女の思考は、カオスの極みであった。 (なにこの展開?! 話ってそれ?! 何で私を押し倒してんの?! 男?!男って何?!ためらわない事?!! 私はアイドル。1タス1ハ2……) 次々と沸き上がる思考に対し、口に出すことが出来た言葉は殆ど無い。 「や、やめて燦!ちょっ…ダメっ!」 上体を起こそうとするルナの肩を燦が抑えつける。 「ワシゃあもう、こうするしかないきん!勘弁じゃあ!!」 言うが早いか、燦の手が荒々しくルナの寝間着変わりのTシャツを掴み、引き裂いた。 「キャアアアア!!」 寝静まった満潮家に響く絹を裂くような悲鳴に一階の寝室と屋根裏部屋の窓に灯りが灯る。 床を踏み抜かんばかりの足音が二階の子供部屋…燦とルナがシェアしている一室に殺到した。 「燦ちゃん!今の悲鳴は……」 「私様がヤメロっ!!っつーーのがっ!聴こえないのかァアア!!!!」 ドアを開け放った永澄はルナの声圧に圧倒されその場に固まった。 駆けつけた永澄の両親も入り口で互いに抱き合った形で氷つく。 袈裟懸けに裂かれたTシャツをまとい、肩で息をするルナと、股間を抑えながら苦悶する、先程の悲鳴の主―瀬戸燦。 状況の把握出来ない永澄は青ざめた顔で震える指をルナに向け 「え~~と、、加害者で…」続いて燦を指差し「被害者?」 「違ァ!!」 「「「男になったぁ?!!」」」 急遽開かれた深夜の家族会、燦のカミングアウトに皆が異口同音で驚愕する。 「学校での事じゃ…」 「ああ…アレ…」 永澄は白昼の悪夢と呼ぶに相応しい昼間の出来事を思い出し、深い溜め息を付いた。 (ラスト・アマゾネスの矢…燦ちゃんに当たってたのかァ…) 事の発端は不明だが。突如校内に現れた(自称)女好き好き女傑族最後の生き残り『ラスト・アマゾネス』が生徒を次々と矢で射るという怪事件が永澄達の通う中学校で発生した。前代未聞のこの騒動、しかし死傷者は皆無であった。 なぜならアマゾネスの矢に貫かれた者は一様に傷を受けることはなく男は女に、女は男へと変貌を遂げたのでる…。 「ワシは永澄さんのお嫁さんじゃのに…こんなんになってもーた…」 燦は口の周りに生えはじめた武将髭(?)をさすりながらそう呟いた。 「で、でもそれで何でルナちゃんを…!?」 「…兄弟じゃ…」 「「「はぁ?」」」 四人の声がまたハモった。 「ワシは永澄さんを…離したないきん!お嫁さんが無理じゃったらもお、兄弟の契りしか残っとらんきん!!」 「きょ、兄弟の契りって?」 「そりゃあ勿論……同じ『穴』の共有じゃあ!!」 燦の叫びと同時に永澄の体と前歯が宙を舞った。 「「痛くない…」」 互いに拳を見つめる永澄の両親は、焦点の合っていない目でそう呟くと寝室へと向かった。 「母さん。これは夢だ…寝よう」 「ええアナタ…」 ヨロヨロと居間を去る二人の後ろ姿を見届けた燦は、両頬を抉られ伸びている永澄、そして塩の柱と化しているルナを見やる。 目を瞑り数秒の思案の後、燦はポンと手を打った。 「ほな、始めよか!」 ふぅ。と、ため息をひとつ吐くと、少女は日報に走らせていた筆を止めた。 深い緑色をした瞳が、12時を回った事を告げる掛け時計に止まる。 たいして凝ってもいない肩を揉みほぐしながら、またひとつため息を吐き出した。 今日の出来事を数行の文章にまとめる…普段の彼女ならば造作もない事が妙に億劫に感じられる。 十四歳という若さで同い年の『生徒』に教鞭を振るう自分を誇るでも、嘆くでもなく客観的に考えさせられるこの時間が今日はたまらなく嫌だった。 「委員長怒っとるじゃろか…」 悪魔の副担任として1組に君臨する普段の彼女からは考えられないか細い声色は、しかして生来の内気な性格を顕にしていた。 友達を作ろうとしない自分を心配してくれた唯一の『友達』の顔を思い浮かべると胸の奥がズキンと痛んだ。 教師となった理由は彼女のその気持ちに応えたいとの想いからでもあったのではないか…。 「暇つぶしにはなったけど、人の趣味に水をさすよな事してもーた」 当の本人が聞いたら泣いて否定する様な気の回しに、彼女は真剣に思い悩んでいた。 彼女の名は『サーたん』ラストアマゾネス(委員長)の正体を知る唯一の存在。 そしてネットオークションで手に入れた『性転換弓―ジェンダーX』をアマゾネスに渡し、事の発端を生んだ元凶である。 「正義の変態にジョブチェンジさせてもーたけど…やっぱ無理あったじゃろか…」 ジェンダーXを渡した数分後、あっと言う間に不良共三人と親友の巡を性転換させた手際にサーたんは正直舌を巻いた。 たまっているストレスの発散(本当は違う)に暴れ回る彼女には、おおいに楽しませてもらった。 しかし、女好き好きと言う設定(アイデンティティー)を揺るがし兼ねないのではないか? 「私…やっぱり先生は無理かなァ…」 ポツリと呟いたいつかのその言葉 (サーたん一所懸命先生しよんじゃろサァ?) あのときの言葉が蘇る (ほんなら、なんちゃ問題ないサァ!) 彼女の友人、瀬戸燦の言葉…。 「そうじゃな燦ちゃん…私、一所懸命好き勝手するきん!」 脳内の悪魔(サタン)がそう応えた。 生気を取り戻したサーたんは力強い筆致で日報を書き記した。 『今日、委員長の弱味を握る。 燦ちゃんは今日もfucing great!!』 そんな彼女がちょっぴり後悔するのは翌朝の事であった。 「燦ちゃん…本当にいいんだね?」 「永澄さん…いや、兄貴!男に二言はない…!」 真っ直ぐに見返す瞳…曇りの無い琥珀色の虹彩は今、決意の火を映し出していた。 (ふっ…かなわないな) 諦めのつもりで心で呟いた言葉。しかしその意味は敗北ではない。 瞳を通して送られた移り火に心を染められて出た、感嘆の言葉だ。永澄は、決意を固めた。 「兄貴…ワシを…ワシを漢にしてつかぁさい!!」 そう、今夜彼らは兄弟の契りを交わす。 「「押忍!」」 ガシッと組まれた互いの腕。プンと男の決意が匂った。 「ふざけんなぁぁぁあ!!!!」 「おう!留奈ちゃん。気ぃついたか!」 「ア…アンタ達、私様を挟んで何盛り上がってんのよぅ…」 泣き笑いならぬ、泣き怒りの顔で顔面筋を強張らせたルナは青ざめる。 …手足が動かないのだ。 「燦…サン!冗談よね?何かの間違いよね?」 力を込めるもガッチリと結わえられた四肢からは痺れと痛みしか返ってこない。ルナの防衛本能は警鐘を鳴らす。 「留奈ちゃん…ホンマすまん思うとる」 「燦ちゃん…」 「スマンと思ってんなら今すぐ止めなさいよ~!」 グズグズと鼻を啜るルナ 「ここで引き下がるんは侠が立たん!」 「オトコってなんなのよォ?!アンタはオンナじゃないのさぁ!!」 (ああ、そう言えばルナちゃん居なかったっけ…) 仕事により欠席した彼女はあの惨状を知らない。 「下僕、ゲボクぅ…!お願いよォ…た、助け…ひぁ!」 手首を握られたルナは反射的に身をすくませる。急に接近した永澄の体に堪らず目を伏せた。 「!!…………っん?」 自由になった両手をキョトンとした目見つめる。 「永…兄貴が無理矢理はイカン言うたきん」 ふへへ…。と、はにかむ永澄。 自由を取り戻したルナの足がそのニヤケ顔にめり込んだ。 「燦…どうしてアンタの胸はそんなにまっ平らなの?」 「漢じゃからの!」 「燦…どうしてアンタの顔に髭が生えてきてんの?」 「漢じゃからの!」 「燦…どうしてアンタはフンドシ一丁なの?」 「漢じゃからのぉ!!」 「い、いやああああ!!!!」 シャンプーの匂いのする絹糸のようなサラサラの髪。きめの細かな純白の肌。 少年と言うにはあまりにも女性的な肢体。胸板も、髭も、褌も、まるで下手なコラージュのように異質であった。 プロのアイドルの目で見ても、嫉妬を覚える容姿の持ち主であった燦は性転換を果たした今でさえ、女性であった。 汚された!ルナはその姿の燦を本能的に拒絶した。 「夢よ!何かのとっても嫌な悪夢!とにかくなんかの悪い夢…あふっ!」 這うように逃げ出そうとしたルナは背後からの抱擁に言葉を失う。 「優しくするきに…大人しゅうしとってや」 (へ、変なトコ触んないでよぉ!) 出かかった言葉は続いて襲いくるモノに飲み込まれた。 白い喉を仰け反らせ敏感な反応をしめす躯はただ甘いあえぎを出すだけだった。 「留奈ひゃん…ほこがええのんかはぁ…?んン…」 項をねぶりながら肩甲骨の後ろを、指の腹で擦る…腰に回した手が括れ始めた身体のラインをなぞり、横隔膜の動きに合わせ上下に揺れる。 ルナの顔が見る間に桜色に染まり、目頭に涙が滲み始めた。 「な…ンてとこ……舐めて…はぁん!」 パクパクと口を開け見事な反応を見せるルナに燦は確信を深める。 「ここが留奈ちゃんの性感帯なんな?」 耳元で囁きかける。 このポイントはお風呂を共にした時に気付いたものである。 気を良くした燦は、それなら…と、もうひとつの『ココロアタリ』に舌を這わせていった。 ううん。と唸って永澄は今夜二回目の目覚めを向かえた。 眉間の痛みに目眩を覚えたが、それが生きているとの身体のOKサインである事を彼は『経験により』学んでいた。 脳の働きが正常に戻るにつれ、今ある事態に陥るまでの記憶が朧気に戻ってくる。 「ああ…そう言えば…」 永澄は場違いに呑気声色で目の前の光景に視線を送る。だらしなく開いた口から涎が落ちる。 そこに有るのは見事なオブジェであった…美しく、心奪われるアート…。 中学生の彼には芸術と呼ばれるモノの良さは解らない。ワビだのサビだのよりも、ワサビ抜きのサラダ軍艦が美味しい年頃である。 そんな彼にもこの光景が溜め息が漏れ、心奪われる魅力があるものと感じられた。 永澄…いや、エロ澄にとってはこれこそがアートである。 「ああん!らめ!らめえぇぇ!!」 脇を開けられ、二の腕の内側を吸われたルナは恍惚の咆哮をあげた。 「留奈ちゃんの胸ビレ…んじゅツツ…おいひぃン…」 桃色に染まった肌と肌が触れ合い。まだ幼さの残る熟れかけの丸みが睦合うように重なる。 ダブダブに伸びたTシャツを通しても皺の動きでその下で官能的に蠢く躯の動きをみせつけた。 汗に濡れ、肌に吸い付く胸元に二つの頂を見るにつけ、永澄の理性がメルトダウンしそうになる。 「永澄の兄貴…留奈ちゃん。大人しゅうなったで…」 燦に呼ばれ、永澄はサルアイズと化していた顔を人のソレに振り戻した。 「はぁ…はぁ…げ…ぼく?」 魚類特有の性感帯(なんじゃそれ)を責めたてられたルナは、まな板の上の鯉よろしく布団に力なく横たわった。 ゴクリと永澄は唾を呑む。 「ルナちゃん…燦ちゃん…」 「いんや、永澄さん…ワシは今から瀬戸燦を辞める…!」 燦はムンズと褌に手をかけると、 「ワシは永澄さんの舎弟、瀬戸島燦八じゃあああ!!」 漢の名乗りをあげ、その裸身を露にした。 「「!!」」 「「か……可愛い…!!」」 二人の声が重なった。 「えっ…!?コレが燦のオチ…」 ハッ!マズイことをくちばしった!と、ルナは自分の口を押さえた。 「………」 瀬戸燦改め『瀬戸島燦八』はバッと身を翻すと、机に向かい、何事か書きとめると部屋を飛び出そうとする。 「待ちなさいよ。燦八ちゃん」 そんな燦の肩をルナの手がガッチリと掴み止めた。永澄は机上のメモをチラりとみやる。 『探さんでつかーさい。サン』 「アンタ、男になりたいんでしょう?」 「は…はいですぅ…」 ドカっとルナの足が燦の横の壁に叩き込まれる。 「何?そのポークビッツは?」 「あううう…」 「そんなんで私様を満足させられるとても思っているの?!」 「ああ…言わんといて…言わんといてつかぁさいぃ~!」 「下僕!!」 「はうあ!!」 忍び足でその場を去ろうとしていた永澄がアホ毛を掴まれ大根人形と化す。 「ナ、ナンデゴザイマショウ…ルナサマ」 ふぅ。とルナは溜め息を吐くと、足元で震えている燦と手元で揺れる永澄大根を一瞥する。 ゴクリと唾を飲みこんだ永澄は、ルナの言葉を待った…。 「あ、あんた達の兄弟の契りとやら…こ、この私様が…や、やらせてあげる…」 言葉とは裏腹な乙女の顔で…である。 続き→太陽を盗んだ男
https://w.atwiki.jp/gundamfamily/pages/5322.html
903 名前:通常の名無しさんの3倍 :2011/04/22(金) 07 09 49.33 ID ??? ティファ「ガロード……」 ガロード「ティファ……!」 ティファ「ガロード!」 ガロード「ティファぁっ!!」バッ ルナマリア「おーおー、お熱いわねー」 ネーナ「いいねー若気の至りってやつ?」 シーブック「対して歳変わんないだろう」 ルー「あんたたちまずは自分のことが先でしょうが」 904 名前:通常の名無しさんの3倍 :2011/04/22(金) 08 14 18.42 ID ??? グレミー「その点ルーさんは大丈夫だな。何と言っても私がいるからな」 ジュネ「いや、違うね。ルーさんは私のものだよ」 グレミー「またお前か。ルーさんのヌードを描こうとする変態が!」 ジュネ「それは誤解だと言ってるだろ!それに変態に変態と言われる筋合いはない!」 ルナマリア「見て見て!ルーを取り合って争ってるわよ!」 ネーナ「羨ましいよねー。一度でいいからそんな事されてみたいよ」 ルー「いや、変態に取り合いされるって普通に罰ゲームなんだけど」 905 名前:通常の名無しさんの3倍 :2011/04/22(金) 12 22 55.58 ID ??? ルー「ぶっちゃけね、アタシらに釣り合う男っていないのよね」 エル「だよねー」 ハマーン「もともと今時の風潮のごとく、女がいたらとりあえず男をあてがうという形で 構成された人選でも無いのだしな」 プルツー「最終回で無理矢理それやってくっつけられたカップルしかいないんじゃないか? 作中では必ず拒否されていたのにな」 ルチーナ「うまくいってたのは私とプルツーだけで」 プルツー「ま、待てルチーナ、なんでそういう話に持っていく!?」 プル「だってプルツーが可愛いんだもん♪」 プルツー「私は姉さんも拒否し続けていたぞー!!どうしてここだとこうなってるんだー!!」
https://w.atwiki.jp/smoksan/pages/446.html
これが雷門サッカーだ!(これがらいもんさっかーだ!) 脅威の侵略者において自分のチームが点をとると円堂が無差別的に言う言葉。 相手のオウンゴール以外はどんな点の入れ方でも言うので定期的にネタにされる。 開始30秒で点を取るのも 小学生相手に大量得点差で勝つのも イカサマやってPKに持ち込んだり 禁断の技を1試合に3回以上使用して勝つのも これらすべてが雷門サッカーである。 【関連】 雷門中 影山
https://w.atwiki.jp/haijin7/pages/17.html
廃pediaでの解釈 気づいたときには目の前にある、ありふれた物である。廃人達における絶望は、一般に使われる絶望とは意味合いが異なり、自虐を表す端的な手段として好まれ多用される傾向にある。よって、本来ある絶望と比べるその行為自体が絶望であるといえるだろう。 wikipediaでの解釈 絶望(ぜつぼう)とは、希望のない様子を指す。 概要 実存主義の用語としても用いられる。絶望している際は、ひどい孤独感、世界から孤立し社会的に見捨てられたような感覚、或いは自殺念慮が激しく襲う。原因としては社会的地位の喪失、信頼すべき相手(家族など)の喪失・裏切り、自身の未来の喪失などがある。完璧主義にも影響するが、自尊心の低さが影響している可能性もある。 備考 戦争などの極限状態では絶望が起こりやすい。また、比較的軽度な絶望として社会的に大きく取り上げられるのはリストラやいじめであるが、これ以外の強姦や児童虐待といった絶望の素因となり得る状態について、日本では、あまり重きを置いて取り扱われない傾向があるとされる。こういった場合、周囲の人がまともに取り扱わない点が重要な問題という意見もある。
https://w.atwiki.jp/retrogamewiki/pages/856.html
今日 - 合計 - これがプロ野球’90の攻略ページ 目次 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 名前 コメント 選択肢 投票 役に立った (0) 2012年10月09日 (火) 13時59分21秒 [部分編集] ページごとのメニューの編集はこちらの部分編集から行ってください [部分編集] 編集に関して