約 2,072,229 件
https://w.atwiki.jp/mangaaa/pages/151.html
570 名前:名無しさん@├\├\廾□`/[sage] 投稿日:2005/05/25(水) 00 49 50 ID eOBcMoZe 倉内安奈 ,. -‐‐- 、 /⌒ー‐ `ー 、 ノ ,. - ‐‐ ‐‐ -- . ヽ ,ィ´ /. / i , ヽ`ヽ `ヽ ( , / / / ハ i ヽ ヽ ノ ./ i / /i / l ト. i iV く i i i__i_ /i / | l i l |. 〉 |ハ__j lリレレ レ リ TNハ iノ r~_」 | 化 ト、 イr ト.Yi iー、 ///| | it . j it; .j ilノ |- ,〈/〈/l |ヽ""" . "" リil ト . / / i |l i\ ー‐ イ ll | 〉 / / ハ |i i l ト-- --r ´ i |l | . / / / / l |ト.;l,ィ〔>-- <〕 l |i | / / / / ∧ ll ヽ\ /∧\77ハ┬リ ト. i / / / /イ´\ }\/ / \ \ V / i |レ i //i i | ヽ! .〈_/ \/ V /ハl リ N | ヽj r‐ v‐‐ v`.__,.._r‐-‐;rヘ i ヽ| ヽirへィ┴┴メr‐┐f´⌒⌒irメメヘ . 〈`^^^ j_/ Yj.ー i} ;; リ ´ , 「 ̄ iト. }.ir‐┐i} ト.__,ィメ.入 〈`ーr‐;ヘ ` ´ `ー== ’ j \ ´ ヽ 「 ̄ iハ _ _ - ‐‐ ´ { ヽ. , | }-ト‐ -- -- -- ‐ フ入 ,`~ ヽ /| /´ \ー -- ---‐‐ / ヽ , ヽ \/. / / / \ ヽ. ヽ i __/ / ハ フハ , 45 名前:ちゃこぺん ◆hOdQ/VJSok [sage] 投稿日:2005/06/11(土) 21 48 08 ID f4MvUSu4 . / . / . . . . . ./ . . / i ; l . . . . . . ! ll ヽ . , , . . l .r ´ `ヾ! `ヾ、 ., .;イ . . . . . .ム-ナ ´l; l . . . ` T¬ー- ,、, ;. .l .l ,.... /ハヽ.、,イ . , .! . . . . . .; l;; 、 .._l; l l ;. . . .l-,,,ニ、-‐、 , ヾ l゙´ . . , , l、 , ;. . . l . , l . . . . . .i /.i ヾt llヽ . .l´i ヽ ヽ l .l . . . , , .lヽi , ;. . ; . ! .! . . . . . l , l ; ; , ll ヽ! | ; ;; l ` l .! . . , ., .lー l l. ;.; ;l l . . . . .;l . ,.、辷シ 辷___/ノ l l . .. ; .! ; ノ .l ; . ;. . . . ;ll;.i //// ///// l l . . .; レ´ハイl. l ; . . l l! ;l ____ , ; . . ヽ、レリ. リN ;. .l l ヾ .、 ; l ,ノ , . . . ./` -_ l ;! ヾ > 、 、__ノ , ´ // ,イ /r ´ ミ ,,、、- `` ー--‐ ´ , - ,, // ´ ゞ、 沢渡いずみ(これが私の御主人様) 372 名前:(*゚Д゚)さん[sage] 投稿日:2006/01/09(月) 19 15 48 ID D2fxVZ1a j 、 ヽ 、 ヽ ヽ ヽ / ト、 ヽ \ \ \ i , l / / ,ヘ. ヽ丶 \ l \ \ l |! ! i l | ` ヽ \ ` ‐ 、 | /ヽ ,\ l | i . ! l ! \ヾ 、 丶|/ /、/l | | | | | \\_ 、 /|` ‐- /ヾ ! 人_j | | | _, -─‐ ベ\ `¨ ‐l // `| /  ̄ ヽ | | l ´ -,===‐ 丶、  ̄>==ニ7′ | | l /, .-. 、 ヽ `¨ /´, .‐.-、 / で こ こ | |! l イ /////i l////ハ! す. れ | || l ! ゞ////! └ ‐ ‐ ‐ ! : が l !l l ////////////.ノ : 私 . l , ヽ.////////////i. : の l , ト /////////// ! 御 l i l \ u, イ 主 ! l ! 丶、 rっ /| l 人 l | | ト __,. j_ ヽ. 様 | | | l  ̄ ~^ー~^ー~ l j ゝ . ! ! j / ∨ 7 ト / 、 l | / /; /レ |! ̄ ヾ ヘj ̄\__ __//i /イ`7ヽ、_ 大牧 愛佳(これが私の御主人様)
https://w.atwiki.jp/tiraurara/pages/24.html
俺は絶望している。 誰にも分からない絶望を常に抱いている。 ……ん?この場にいるものは全員絶望しているだって? ……否、断じて否 ……俺は歓喜している…!……この場にいることを……この場に己の存在があることを 俺以外の全員が絶望しようが、俺は今まで絶望を常に抱いて生きてきた。 そして、今の俺は喜びに満ち溢れている。 それは、誰にも変えることは出来ない事象。 今まで俺の周りを覆っていた禍々しいほどの欲望に溢れた空気であり しかしながら、肌に伝わる全てはぬるま湯そのものだった。 絶望とは何も熱湯や冷水に漬かっているヤツだけのものではない。 人間とは熱湯に覆われることもあれば冷水に漬かることもある。 だからこそ、中間であるぬるま湯を求めるのだ。 だが……俺にはない!!!! その希望というものや……向かう先……目的というもの…… 庶民が求める金、名声、女 何もかも生まれたときから憑いて来た。 人は俺を恵まれていると思うだろう。 だが、その想いもまた俺の絶望を囃し立てるのだ。 周りに存在するものは、己の親父を除いて全てのものが仮面を被り俺に縋ってくる。 それが先輩であろうが後輩であろうが教師であろうが……それこそ、校長であろうが 全ては……仮面。 本心が見えない相手しか俺の世界には存在しないのだ。 ……分かるか?この絶望が? だが、それも昨日までだ。 今の俺は殺し合いの舞台とやらにいる。 最初は夢かとも思ったが、先ほど男の死体を見つけた。 別にたいして驚きもしなかったが、胴体を真っ二つに切り離されたその肉片を見て 何となく、現状を理解した。別に非現実というつもりもない。 世の中には知らないことも不可解なことも起こりうるものだ。 ……そして、これは己が求めた舞台でもある。迎え入れることはあっても突き放すことはしない。 殺し合いが本当のものであるならば、自分に立ち向かってくる人間は今までみたこともない本当の意味での人間。 仮面を外し、獣と化した人間が襲ってくるのだ。 ……思わずクククと声が漏れる。 己の父親にも似たその悪魔のような笑い方。 今度は声が漏れるレベルではなく、周囲に聞こえるようにあえて声を張り上げる。 「……ククク」 男の名前は兵藤和也 【兵藤和也@賭博堕天録カイジ】 所持品:不明
https://w.atwiki.jp/lucas776/pages/78.html
「ひいじいちゃん!」 ふと後ろから懐かしい声が聴こえて振り向くと、案の定視線の先にはカノンと真人の姿。 どうやら近くにいたらしい鬼道達は何のことかサッパリのようだ。 当然だけど。 だって、俺と豪炎寺しか知らないことだから。 「じゃあ、未来から来た円堂のひ孫…信じられないけど…確かに円堂にソックリだよな…」 半田が信じられないような顔で見ているけど、実物を見せられたら信じるしかないようだった。 確かに俺とカノンは目元とかソックリだって、豪炎寺に言われたしなぁ… 「で、こいつが豪炎寺の従兄弟か…なんで従兄弟なのに未来から…?」 「…まだ情報がない。あんま突っ込むな。」 「メタ発言はやめろ!」 なんだか豪炎寺と鬼道がよくわからない会話をしていたが、気にしないことにした。 「それにしても以前お二人だけが会ってたんですね、キャラバンで全国を回ってる時、ですか…?」 面白そうな場面を見逃した、と音無が愚痴をこぼした。 …面白そうって… 「いや、東京に帰ってしばらくしてからだったかな。さすがにびっくりしたよ。」 「あの時はいきなりだったしねー…ごめんよひいじいちゃん。」 目の前のカノンがいたずらっぽく笑う。 それを真人がこづく。なんだか豪炎寺と俺を見ているみたいだ(顔だけじゃなくて、仕草とか、関係も) 「…まぁ未来から来たと言うのは…信じよう…だが…円堂にひ孫って…」 鬼道の言いたいことはわかる。 俺のひ孫ってことは俺の子孫なわけで。 でも今は豪炎寺と…その…付き合ってるわけだから子供なんかできるはずがない。 「それは一種のパラレルワールドというやつでしょう!」 「「「うわぁ!!!」」」 いきなり現れた目金にその場にいた全員が情けない声をあげる。 普段冷静な豪炎寺や鬼道でさえも…珍しいものを見たかもしれない。 「ぱ…ぱられる…?」 「未来は無限の可能性があるってことですよ。」 「…未来の1つに円堂が女性と子供をつくる、という事実があった先がカノン、というわけか?」 「そうです!」 いくらなんでもそれは漫画の読みすぎなんじゃ… まぁ宇宙人とか(宇宙人じゃなかったけど)、目の前にいる未来から来たカノンとか(実際見たこともない機械とか持ってるし)…いるけどさぁ… 「いや、それはないな。」 豪炎寺が急に真剣な表情で反論する。 そして何を考えているのか、豪炎寺は俺を抱き寄せた。 何だろう、こいつはたまにすごく変な言動をするから…嫌な予感しかしない。 「円堂は俺のものだ。そして俺は円堂のものだ、死ぬまでな。そして…子供ができないとも限らないだろう。」 「ちょ、何言ってんだよ!できるわけないだろ!」 「……いや、試してみないとわk」 「できねーから!」 「仲いいなーひいじいちゃんたち。」 「…俺達も…」 「ん?なんかいった真人?」 「…なんでもない。」 「また後でひいじいちゃんちに行くねー!」 「おう、後でなー!」 カノン達はまた2人で文化祭を見て回るそうだ。 まぁいつまでも一緒にいてもあれだもんな。 …俺も…豪炎寺と2人っきりで回りたいし…空気を読んだのか鬼道達もいない… 「なぁ、豪炎寺。」 「…どうした?」 ―嬉しかった。ほんとは。 恥ずかしいけど…あそこまで真剣になって言う豪炎寺がかっこよく見えて。 なんて、さすがに言えないけど。 「…文化祭終わるまでは、2人っきりでいような!」 「…後は…?」 「カノン達とか染岡とか呼んで家でバーベキューとかどうだよ。」 「…まぁ、それもいいか。」 豪炎寺が少し困ったように、でも優しく笑う。 俺は、豪炎寺が大好きだ。ずっと… あとがき 収集つかなくなってきたんで無理矢理まとめちゃいました^q^ 人多くなると難しいですね…神視点の方がよかったかしら( この後文化祭打ち上げバーベキュー…書くかは…たぶん書きますかね。 染岡さんと吹雪とかバンガゼももうちょい出したいし。 いきなりすぎとかかーちゃんが驚くとかあるけどまぁそのへんは超次元なんで( でもオールキャラはまず書かないんでいい機会でしたね。 今冬だけど海ネタとかもやりたい…なんて…クリスマスはもちろんやるます! …え?悲しくなんてないお…? それはそうと最近渋いおじさまキャラが好きになって…まいった。 イナイレの話じゃないですがねwww
https://w.atwiki.jp/animerowa/pages/414.html
これがあたし達の全力全開 ◆2kGkudiwr6 まるで神話の始まり、もしくは終わりのような光が走る。 コンクリートでさえ易々と砕かれ、溶解していく。 「うわあああ!?」 「た、太一くん!」 後ろの二人も離れるどころの話ではない。あまりの衝撃に、余波だけで太一は吹き飛ばされかけた。 100kg以上の重量を誇るドラえもんでさえ、太一を掴んで倒れないように支えるのがやっとだ。 だが、その真っ只中にいるカズマは少しも怯む様子を見せない。 シュツルムファルケンを先導として、拳を金色の光へ突きつける。 しかし、その足はその場に踏みとどまるのが限界。 『勝利すべき黄金の剣』による圧倒的な熱量と暴風。 シュツルムファルケンによってある程度相殺されてなお、その勢いはシェルブリットによる突進を圧し留めていた。 「ぐぅ……!」 「……もっとだ! もっと輝けぇ!!!」 カズマとヴィータの顔に焦りが浮かび始める。 この均衡状態が続けば、先に魔力が尽きるのは確実にヴィータの方。もはや彼女には上半身の左半分と顔しか残っていない。 そうすれば、カズマも終わりだ。アルターより先にカズマの体そのものが焼き尽くされるだろう。 そうでなくとも、極光を放っているセイバーと極光を直接受けているカズマ、どちらの消耗が早いかは自明の理だ。 ヴィータの表情を少しずつ、だが確実に絶望が侵食し始め…… 突然、矢が加速した。 ヴィータの力ではない。その証拠に、彼女の表情には驚愕が浮かんでいる。 だが、その表情も亀裂が走り始めたレヴァンティンを見て変わった。 (……そっか、お前も付き合ってくれるんだな) 強引に魔力を搾り出そうとした所為か、レヴァンティンもまた自壊を始めている。 けれど。しっかりと魔力を放てるだけの機能は残している。 だから、叫んだ。全ての力を極光へぶつけ、その奥にいる相手に思い知らせるために。 「これが、あたし達の全力全開!!!」 『Explosion!』 それが、消えかけた口が最期に紡いだ言葉。爆発するレヴァンティンが出した最期の言葉。 最期の魔力が矢を押し出し、爆ぜる――消える前の蝋燭のごとく。 だが、それでも相手は伝説の宝具である。そしてそれを担うは騎士王。 どれほど魔力を注ぎ込もうと、その攻撃が不完全である以上黄金の剣が打ち破られることはない。 ――そう、シュツルムファルケン「だけ」ならば。 それだけではないのなら、打ち破れる。 単純な足し算だ。小学生でも、カズマでも分かる。 一つで足りないならば……数を増やせばいいだけの話! 「ウォォォォォオオオオオオオ!」 カズマが叫ぶ。目の前への光の壁へ。 だが叫ぶだけで現実は変わらない。カリバーンの閃光に、ファーストブリットの勢いが殺されていく。 だがらこそ…… 「撃滅のォォォォォオオオオオオオオ! セカンドブリットォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」 再び加速する。 目の前にある物がどんなものであろうと関係ない。 それが「壁」の体を成すならば……カズマがすることはただ一つ。 「貫けェェェェェェェ!!!」 突き破る、それだけだ。 目前の光と熱に目を瞑りながらも、決して突進だけは止めようとはしない。 限界を迎えたシュツルムファルケンが飲み込まれ、消える。 魔力によって生み出された強力な熱がカズマ自身を直接炙っていく。 だが、それでも彼は諦めない。 「倒れるか、倒れるかよ……倒れるとしても前のめりだッ!!!」 叫ぶ。意志が尽きないことを、声とその右腕で示す。 矢さえも消失した今、道しるべは己が拳唯一つ。 アルターの亀裂も焼けていく肌も意に介さず、ただ前だけに突き進み。 そしてついに、命を宿した矢を先導に――拳一つで、宝具の閃光を潜り抜けた。 圧倒的な熱量によって、カズマの体中には火傷と裂傷が新たに刻まれている。 劉鳳との戦闘によるダメージも未だに残っている現状、万全とはとても言い難い。 ……しかし、『勝利すべき黄金の剣』を放ったセイバーにも言えることだ。 『約束された勝利の剣』ほどではないものの、それでもかなりの魔力を持っていかれるのには変わりない。 半日以上前、しかも六時間近い休息を取ったとは言え、既にここで宝具を一度使っているのだから尚更だ。 「くっ……『全て遠き理想郷』!」 だからこそ、頼りとする鞘の真名をセイバーは呼んだ。 遥か遠き理想郷。全ての攻撃を遮断する妖精郷。これならシェルブリットさえ確実に防ぐだろう。 ――しかし、鞘は展開されず。 唖然とするしかないセイバーへ、カズマのシェルブリットが叩きつけられる! とっさに剣で受けたものの、そのような腑抜けた防御で受け止められる攻撃ではない。 今度はセイバーが吹き飛ばされる番だった。そのまま吹き飛ばされる先は、川の上。 「貰った! 抹殺のラストブリットォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」 相手を川底に叩きつけるべく、カズマの拳が唸る。勝利の確信を胸に抱き。 カズマはセイバーに飛行能力はないと推測していた。 飛べるのなら最初の攻撃は自由落下ではなく、飛行による加速を使うはず。 自分と同様、圧倒的な推進力で「跳ぶ」のが限界。 だからこそ、水の上、空中という足場のない場所なら相手は攻撃を防ぎようがない。 (風王結界とやらで飛ばす余裕なんて与えねえ! 沈みやがれ!) 勝ち誇った笑みと共に、シェルブリットが加速する。 ――確かにその推測の「過程」は当たっていた。 だが、根本的な結論を間違えている。なぜならセイバーは、 「何ィ!?」 「はあああああああ!」 水の上に、立てるのだから。 水面をコンクリートかのように踏みしめ、セイバーはカズマへ剣を振るう。 湖の精霊の加護。それがこの力の正体だ。剣と拳、その二つが激突しあい、水面に波紋を起こしていく。 カズマが見たことがある相手は、空を飛べる相手と力ずくで跳ぶ相手。 そして後者の中に空は飛べないが水に立てるなどという、 そんなまどろっこしいアルター能力者は存在しなかった。 だからこそセイバーを単純に後者だと予想したのであり、この能力までは予想し得ない。 先ほどの衝突、セイバーの勘違いがカズマに勝利をもたらした。 今回の衝突はカズマの思い違いが存在する……故に結果も変わるのが当然の摂理。 魔力放出とシェルブリットの破壊が収まっていく。 相殺される。それはセイバーにとって喜ばしいことであり、カズマにとっては最悪なことだ。 三発撃ち切ったカズマは飛ぶことができず、水の上に浮くこともできない。 このままいけばカズマは水中に落ち、水の上からセイバーに斬られて終わりだ。 もっとも、セイバーは待つ気さえないようだった。 空中にいるカズマへ向け、カリバーンを振りかざす。 カズマとて、黙っているわけではない。すぐにアルターの再構成を開始していた。だが…… (まずい……アルターの再構成が間に合わねえ!) 川の上だということはここでも災いする。 再構成に使えるもの……全てが遠い。 僅かコンマ数秒の遅れに過ぎない。だがそれが致命的な遅れになる。間に合わない。 何よりも最悪なのは……そうと分かっていても、カズマはアルターを再構成することしかできないことだ。 (くそ、速さだ。速さが足りねえ……!) 今回ばかりはカズマもクーガーに同意せざるを得ない。 速さだ。今必要なのは、何よりも速さだ。 焦る意識と対照的に、視界に映るものはスローモーションのように遅い。 それでも方策は思いつかず、剣は着々とカズマの首を刈り取るべく迫っている。 (まだだ、まだ諦めねえ!) しかし、カズマは目を閉じようとはしなかった。 間に合わないと分かっていても、アルターの再構成を行う。 間に合うということに賭けて。命ある限り、反逆する。 瞬間、それに応えるかのようにシェルブリットが光り出した。 一発だけでよかった。少しでも準備ができれば、その時点でシェルブリットを放つつもりだった。 しかし、それどころか肩に、背中に、顔に。 アルターは再構成されシェルブリットが真の姿を開放していく。 セイバー以上に事態が全く理解できないカズマの脳裏によぎったのは、赤い少女。 (まさか……テメェの……) その考えは直感によるものに過ぎなかったが……紛れもない真実であることに変わりはない。 ほんの偶然だ。霧散したヴィータの体が魔力として僅かな間残っていたのも、それがたまたまここまで流れてきたのも。 だが……偶然であろうと必然であろうとここに在ることもまた、変わりはない。 「こ、これは!?」 「……これは! この光は! 俺とヴィータの!!! 輝きだァッ!!!!!」 金色の剣さえ上回る、反逆の光が騎士王へ奔る。 そう、カズマにとって理屈など関係ない。 ヴィータの魔力を取り込んだことで、アルターの回復が通常以上に促進された、などという理屈は関係ない。 必要なのはただ一つ――ヴィータが手を貸してアルターを再構成したという事実のみ! それでも、撃てるとすれば一撃だけだ。 魔力というロスト・グラウンドに存在しないものを使い、 更にほとんど時間も掛けずに急遽生成したアルター。どう足掻いても、隙間だらけの歪な物にしか成りえない。 だが、その一撃は―― 『「鉄槌のォォォォォオオオオオオオオオオオオ!!!」』 カズマが叫ぶ。 その声に、どこか幼い声が唱和しているような気がしたのは、カズマの気のせいだっただろうか。 『「シェルブリットォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」』 そう、その一撃は――二人分の、重さがある。 カリバーンとシェルブリットが再びぶつかり合う。 その衝撃は先ほどのぶつかり合いの比ではない。 もっとも、セイバーの剣は同じだ。違うのはただ一つ……カズマのシェルブリットのみ! 「砕け散れェェェェェ!!!」 カズマが叫ぶと同時に、ピシリと音がした。発生源はカリバーン。 息を呑むセイバーを尻目に、次々に亀裂は広がっていき。 カリバーンを、完膚なきまで粉砕した。 更にそれに留まらず、シェルブリットはセイバーの頭部目掛けて突き進む。 剣を失った剣の英霊に、最早勝てる道理など存在しない。 だが、セイバーの瞳に諦めなどない。 そう――その道理を覆してこそ、剣の英霊! 「――調子に乗るな!!!」 「なにィ!?」 迷いは無く、行動は神速。 セイバーは素早く腰に構えていた鞘を抜き放ち、カズマの拳を迎え撃つ。 鞘を盾にするどころか剣として扱うという行動には、流石のカズマも息を呑んだ。 剣の英霊としても、騎士王としても在り得ぬ愚行。もっとも、今のセイバーにそんなことを構う余裕などないが。 だが、カズマが驚いたのはそれだけではない。 (鞘が――見えなくなってやがるだと!?) 叩きつけられた鞘はその色を失い、光を透過し始めていた。 もっとも、理屈さえ分かれば単純な話。セイバーはアヴァロンに風王結界を纏わせることで、即席の剣と成したのだ。 切れ味は宝具どころかせいぜい普通の業物程度しかないが……風に包まれた中身は聖剣の鞘。 丈夫さは折り紙つきだ。 なおも進軍する反逆の徒を討ち払うべく、伝説の鞘が振るわれる――! 「ハアアアアアアアァァァァアアアアアアアアアアアアア!!!」 「ッオオオオオオオオオオオオオオォォォォォオオオオオ!!!」 反逆者(トリーズナー)と騎士王(アーサー)。 その全てを賭けた衝突は強烈な爆風と破壊を生んだ。 川は局所的に干上がり、津波を起こし。 自然災害かと見まごう程の破壊が起こる。 そして――破壊の均衡は、どちらにも傾かず。 そのまま二人を、彼方へと吹き飛ばした。 ■ 「……くぅ」 爆発の源から数百mは離れた箇所。そこでセイバーは歩いていた。 下手に踏みとどまらず、爆風に身を任せたのがよかったのだろう。歩く程度ならば支障はない。 だが、それでも戦闘の代償は大きい。治りきっていない傷は悪化し、魔力はかなりの量を消費。 そして何より、カリバーンは砕け散った――かつてと同じ様に。 「……分かっていたことです」 そうセイバーは吐き捨てて、今後の方策へと頭を切り替えた。 まず川の上を歩き、渡る。目指すのはC-2かD-2、その二つが禁止エリアになるならE-1だ。 飛行能力や水上移動能力を持つ者は少ないはず。D-1に侵入できない現状、C-2やD-2に来るものはいないだろう。 そこで少なくとも6時間、つまり次の次の放送までは休みたい。 傷は大方治せるだろうし、魔力も風王結界の展開なら問題ない程度まで回復できるはずだ。 そうすれば、アヴァロンを剣と成し戦える―― そこまで考えて、思わず彼女は笑っていた。 「今の私を見てマーリンがなんと言うか、見ものですね」 鞘と剣どちらが大切か――そう問われた時のことを思い出す。 あの時は、剣が大切だと答えたセイバーに彼は怒ったものだ。 それどころか、鞘を剣として扱っている現状。激怒するに違いない。 「それでも、こうするしかない」 息を吐き、川へ降りた。そのまま水上を歩き出す。 どう足掻いても……その身は剣となり、他人を討つことしかできない身だった。 剣が人を庇う鞘になれるはずはない。 ――Yet, those hands will never hold anything. So as I pray―― ■ 川の水が先ほどの破壊を洗い流すかのように流れ、正常な流れへと戻っていく。 同時に、その中から一人の男が顔を出した。 「げほ、げほ……」 カズマである。 彼は吹き飛ばされた先も川だった。セイバーが下流方面だったのに対し、こちらは上流だが。 疲労困憊、おまけに体中の傷に水は染み、先ほどまでの戦闘で流れが相当おかしくなっていたために溺れかける羽目になっていた。 ――もっとも、溺れかけたのはもう一つ理由がある。 カズマの手には、おかしな顔のうさぎの人形が握られていた。服から落ちて沈みかけたものを回収したのだ。 ヴィータの物であるこれが、いつカズマの服に引っかかっていたかは知らない。知る必要もない。 大切なことは、これがここにあるということ。 ――ただ一つ、ヴィータの生きていた証を示すものがあるということ。 「分かってるさ……仇を討ってくれるまで消えきれないって言うんだろ? 俺だって劉鳳の馬鹿をぶっ飛ばすまで死ねねえしな」 呟きながら岸に上がって……突然、ふらりと来た。 もはやカズマも限界だ。川から上がることはできたものの、 劉鳳とセイバーから受けた数々の傷は耐え切れないレベルまで達している。 そもそも、彼のシェルブリット第二形態は相当な負担を強いるもの。 それを強引に放ったのだから、それだけでも倒れるのには十分だ。 だが、倒れるわけにはいかない。少なくとも、やることが一つある。 それは、言葉を紡ぐこと。 「オッケー、ヴィータ……お前の名前、刻んだ」 短い言葉の中に、百の決意を込めて。 【E-3 1日目・夕方】 方針:市街地へなのはを探しに行く 【八神太一@デジモンアドベンチャー】 [状態]:右手首より先喪失(出血中) [装備]:無し [道具]:支給品一式 [思考・状況] 1:痛いけど泣かない 2:カズマが気がかり。 3:ヤマトやルイズも気がかり。 基本:これ以上犠牲を増やさないために行動する。 [備考] ※アヴァロンによる自然治癒効果に気付いていません。 ※第一回放送の禁止エリアはヴィータが忘れていたのでまだ知りません 【ドラえもん@ドラえもん】 [状態]:中程度のダメージ、頭部に強い衝撃 [装備]:無し [道具]:支給品一式×2、"THE DAY OF SAGITTARIUS III"ゲームCD@涼宮ハルヒの憂鬱 [思考・状況] 1:太一の怪我の処置 2:カズマを探す 基本:ひみつ道具と仲間を集めてしずかの仇を取る。ギガゾンビを何とかする。 【D-3 1日目・夕方】 【カズマ@スクライド】 [状態]:疲労大、全身大程度の負傷(打身・裂傷・火傷)、気絶一歩手前 [装備]:なし [道具]:高性能デジタルカメラ(記憶媒体はSDカード)、携帯電話(各施設の番号が登録済み) かなみのリボン@スクライド、のろいウサギ@魔法少女リリカルなのはA's、支給品一式 鶴屋の巾着袋(支給品一式と予備の食料・水が入っている)ボディブレード@クレヨンしんちゃん [思考・状況] 1:なのはが心配というわけではないが、ヴィータの名前を刻んだこともあるし子供とタヌキを守る。 2:かなみと鶴屋を殺した奴とか劉鳳とかギガゾンビとか甲冑女とかもう全員まとめてぶっ飛ばす。 【E-2水上/一日目/夕方】 【セイバー@Fate/Stay night】 [状態] 腹三分、疲労大、全身に中程度の裂傷と火傷、両肩に大程度の傷、右腕に銃創、魔力消費大 [装備] アヴァロン@Fate/Stay night [道具] 支給品一式(食糧1/3消費)、スコップ、なぐられうさぎ@クレヨンしんちゃん (黒焦げで、かつ眉間を割られています) [思考・状況] 1:水上を移動してC-2かD-2、その二つが禁止エリアになるならE-1へ。傷と魔力の回復を待つ。 2:できれば剣が欲しい。エクスカリバーならば尚良い。 3:優勝し、王の選定をやり直させてもらう。 4:エヴェンクルガのトウカに預けた勝負を果たす。 5:他にサーヴァントがいないかどうか確かめる。 6:迷いは断ち切った。この先は例え誰と遭遇しようとも殺す覚悟。 ※アヴァロンが展開できないことに気付いています。 ※防具に兜が追加されています。ビジュアルは桜ルートの黒セイバー参照。 【ヴィータ@魔法少女リリカルなのはA's 消滅】 【レヴァンティン@魔法少女リリカルなのはA's 破壊】 【カリバーン@Fate/stay night 破壊】 [残り43人] ※勝利すべき黄金の剣とシュツルムファルケン+シェルブリットによる衝突の轟音と、 カリバーン+アヴァロンと鉄槌のシェルブリットによる破壊の轟音が周囲のエリアに響き渡りました。 時系列順で読む Back 避けてゆけぬBattlefield Next 受容 投下順で読む Back 避けてゆけぬBattlefield Next 受容 191 避けてゆけぬBattlefield 八神太一 198 Infection of tears 191 避けてゆけぬBattlefield ドラえもん 198 Infection of tears 191 避けてゆけぬBattlefield カズマ 198 Infection of tears 191 避けてゆけぬBattlefield セイバー 216 此方の岸 191 避けてゆけぬBattlefield ヴィータ
https://w.atwiki.jp/2jiseihaisennsou2nd/pages/572.html
俺とお前はよく似てる/少年よ我に帰れ ◆EAUCq9p8Q. 「今すぐ乳を揉ませろ!!!!! セイバァァァァ――――――!!!!!」 夕闇に染まっていく街に、そんな声が木霊した。 B-5地区、賃貸マンションの上で遠く、B-4地区高級マンションのある辺り眺めていた男も勿論、その声を聞いた。 そして、不安にかられて一気に飛び退る。 階段と自身の間に割りこませないよう、自身の背中を取られぬよう。 一気に逃げられればどれだけ良かったか。男は少し歯噛みした。 退路を潰されなかっただけ、運がよしと取るべきだろうか。 逃げるよりも早く、『それ』は現れた。 ピンク色のオーラを身にまとい、怒気を感じさせる表情をした青年。 ヤクザことアサシン、ゴルゴ13は初めて自身のマスター以外のマスターと敵対する。 青年、真玉橋孝一は初めて自身のサーヴァント以外のサーヴァントと相対する。 「おい、アンタ……今、何見てた?」 その声は、つい今しがたヤクザが聞いた声と相違ない。 『セイバー』と叫んだ青年。 ヤクザの気配遮断を看破し、一気に距離を詰めてきたことからも明らかだ。 この青年は、月を望む聖杯戦争の参加者だ。 「何見てたか、って聞いてんだよ!!!」 そう判断したヤクザの反応は早かった。 ポケットに隠してあったリボルバーを取り出し、飛び込んできた青年の眉間に向けて構える。 一秒にも満たない、人間の反応速度を上回った速さ。 そして放たれる弾丸。 銃声が、闇に染まりゆく空を切り裂き、俺とお前の目を覚ます。 ◎ ◎ 「……ニューハーフ……そうか、ニューハーフだな!!」 男でも女でもないものとは何なのか。 真玉橋孝一にとってそれは、なんとも難しい問題だった。 男が居る。女が居る。 だが、男でも女でもないものが居る!? 居るのか!? それは女と扱っていいのか、それとも男と扱うべきなのか!? そればっかりだった。 セイバー・神裂火織の進言など、最早どこにも残っていないようだ。 『……ニューハーフも、もともとは性別があるのでは』 「なにぃ!? じゃ、じゃあ違う、のか……いや、でも……だとしたら…… ああああああぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!」 足りない頭を必死に回して考える。 まるでネズミ滑車がからから回る音が聞こえてくるようだ。 頭をかきむしり、唸り声を上げながら天を仰ぐ。 天から答えが降ってくるのを、待つように。 「……あいつ、何やってんだ?」 ふと、自身の拠点のあるマンションの屋上を眺めながら孝一が呟いた。 セイバーも意識をそちらに向けるが、そこには何も居ない。 しかし、孝一は無人の屋上から何かを受け取ったらしい。 「セイバー、実体化だ」 「はい?」 「……いいか、セイバー。あいつは、おそらく、俺の知らない、超・重要な情報を持ってる!! ここで見逃せば、俺はその情報を手にすることができなくなる!!」 意味がわからない。 屋上に誰かがいるというのか。 一瞬気配遮断を持つサーヴァントの可能性も考えたが、それならば孝一に見えてセイバーが見えない道理はないはずだ。 「くっ、仕方ねぇ!!」 セイバーが沈黙で答えると、孝一はおもむろに右手を突き出した。 その所作は間違いなく。 開始前に見たあれと同じ。 「令呪を持って命じる!!」 孝一の魔力が右腕へと流れこむ。 まずい、これはまずい。 こんな下らないことでまた一画消費するのか。 それだけは避けなければ。 そう思い、セイバーが慌てて実体化したのを見計らって。 不敵な笑み、飛び出す命令。 「今すぐ乳を揉ませろ!!!!! セイバァァァァ――――――!!!!!」 孝一は、世にも下らない令呪を、もう一度口にした。 こうして、話は冒頭へとつながる。 ◎ ◎ ◎ 弾丸が真玉橋孝一の眉間へと迫る。 常人ならまず対応できない速度。 寸分の狂いもなく、全くブレのない。確実に、命を奪える一撃。 しかし、弾丸は空を切る。 ピンクのオーラが巻き上がり、掻き消える。 孝一は既にそこには居ない。 気づけば、人間離れした速度で数m横に避けていた。 ヤクザの眉間に、かすかにシワが寄る。 ―――説明せねばなるまい。真玉橋孝一がなぜ屋上に飛び込み、銃弾を避けることが出来たのかを。 Hi-Ero粒子は、とても不思議なエネルギーだ。 種の存続に必要なエネルギーであり、なくなれば人間がペンギンになる。 これだけでも十分不思議であるが、特に真玉橋孝一の放つHi-Ero粒子は異質だった。 生まれながらに身につけていた高濃度のHi-Ero因子。 他者にエロいことで干渉をした時に発現する他者を圧倒するほどのエネルギー。 そのエネルギーの恩恵はダイミダラーの操縦、セイバーへの魔力供給にとどまらない。 落ちてきた十数本の鉄骨を片手で受け止めるほどの膂力を与える。 助走なしで数mの高さがある塀を飛び越える脚力与える。 小学生を下回るとされているペンギンコマンドにすら負ける真玉橋孝一の身体能力を、爆発的に向上させる。 それは最早単なるエネルギーの発生ではなく、自身に作用する身体強化魔術の域と言っても過言ではない。 方舟は真玉橋孝一を再現し、更に彼の持つHi-Ero粒子を完璧に再現した再現した。 即ち、この方舟においては。 自身とそのサーヴァントに作用する強化礼装として、Hi-Ero粒子は存在する。 >CodeCast[Hi-Ero Particle Full Burst] 孝一はHi-Ero粒子の力で大きく飛び上がり、ベランダを掴んでまた飛び上がり、と屋上までただよじ登った。 孝一はHi-Ero粒子の力でただ初期動作を見切り、がむしゃらに横に避けた。 ただそれだけ、ただそれだけを実際やるから、この青年は実に厄介なのだ――― 「お、おい、いきなり何を」 言葉を遮り、再び銃声が掻き消す。 超速移動、再び立ち止まり、何故か青年・孝一のほうが驚愕の表情を浮かべる。 なぜそんなことをするのかが本当に分からない、というように。 回避行動が単調。歴戦の雄であるヤクザでなくとも、ある程度の腕前があれば『観測射撃』を行えるほどに。 避けるスピードはもう覚えた。 一回の可動範囲ももう覚えた。 動き出しの動作ももう覚えた。 そして、回避方向ももう覚えた。 拳銃を構え、引き金に力をかける。 それを確認した瞬間孝一の目がカッと開き、足に力が籠もる。 孝一の影が消えた。 ヤクザの動きを射撃の初期動作と見て走りだしたのだ。 方向は、ヤクザの予想通り。 すぐさま銃口を数センチずらし、引き金を絞る。 銃声。着弾。 間一髪、孝一はヤクザの異変を見抜き、最後の一歩をなんとか半歩で踏みとどまれていた。 右頬に焼けるような熱を感じ、その後痛みがやってくる。 異能の世界でロボットに乗って命のやりとりをしていた孝一にとって、初めての『生身同士での直撃』だった。 「ッぶねぇッ!!! テメェ、なんでさっきから」 孝一の体勢は立て直っていない。 その瞬間をヤクザは見逃さない。 熱の抜けきらぬ弾倉が60度回転する。 爆裂、発射。 立て続けの二つの衝撃。 再び弾丸が孝一の眉間を狙う。 ◎ ◎ ◎ 「手荒い真似、許してください」 真玉橋孝一は、まだ生きている。 少し離れたところに突き飛ばされ、尻もちを付いているが、まだ生きている。 助けに来たのは当然、セイバー。 『乳を揉ませろ』という命令が恙無く執行され、少しの間を置いて拘束が解除されたのだ。 そして、彼女もその身体能力で孝一を追い、間一髪のところで彼を押し倒した。 「成程、これが貴方の言っていた『重要な情報を持つ人物』ですか」 セイバーは内心で感嘆していた。孝一の言葉は本当だった、屋上には『誰か』が居たのだ。 セイバーに見えなかったことを鑑みれば、彼はやはり『気配遮断』を持ったアサシンのサーヴァント。 その気配遮断を孝一がなんらかの方法でかいくぐり、偵察をしているアサシンに気づき、そのまま突撃した。 しかし、とセイバーは考える。 目の前の、アサシンと思われる男をどうするべきか。 普通は考えるまでもない。 マスターかサーヴァントかは分からないが、敵意があるのは間違いない。迎撃の必要がある。 しかし、と。 心のなかで引っかかる。 彼と戦い彼を殺すということは、『マスターを殺すことになる』という事実が、心にかかる。 そのしこりを、無理やりぐっと飲み込む。 まずは無力化する。 それだけならば問題はない。それで情報を渡すようならば、 もし、それでも戦うと言うならば……致し方ない、と。そう割り切るしかない。 じり、じりとヤクザが後退る。 しかし、セイバーはその撤退を許さない。 「……『七閃』」 2mはあろうかという刀の鍔を弾き、収める。 常人には抜いたとも悟らせない程の速さ。 しかし、その精度は間違いなく無比。 数瞬もおかず、ヤクザの全身に傷が刻まれた。 「……何かを見ていたようですが、それが何か、教えてくれませんか」 威圧的な声。 その声に込められているのは当然『敵意』。 断れば傷が増え、最悪死ぬことになるというニュアンスを声だけで伝えている。 ヤクザはその鋭い瞳で自身の体と周囲を見つめ、考える。 解放された宝具『七閃』。それによって刻まれた幾つもの傷。その軌道と数。 すべての傷が等しい深さで、肉体の端から端までに走った。 ならばこの攻撃は斬撃ではなくもっと広範囲。かつもっと……あの長刀よりも更に長く細い『何か』で斬りつけられた そして、目を凝らす。 鍛えあげられた暗殺者の目が、培われた直感が見抜く。自身の血の伝う『何か』を。 鉄線か、ワイヤーか、テグスか。それとも別の何かか、魔力を込めた紐を張り巡らせた『紐の結界』。 そう考えるのが妥当だ。 そして、今もその結界は展開してある。 鉄線がヤクザを取り囲むように幾重にも配置してある。 もし、退こうとすればヤクザを斬撃が襲う。 もし、前進しようとすればヤクザを斬撃が襲う。 もし、マスターを殺そうとすればヤクザが死ぬ。 身じろぎ一つ許されない状態。 唯一自由にできるのは、孝一に向けて撃ったまま未だ下げられていない銃。 銃口の少し横に、今度はセイバーを捉えられる位置にあるリボルバー。 スミス&ウェッソンの銃口数センチ程度が、ヤクザに残された『悪あがきの範囲』。 「撤退が出来るとでも?」 分かりきったことを問いかけるセイバー。 「……どうかな」 重い一言。 初めてヤクザが口を開く。 たった四文字に込められた意志はいかほどか。 七天七刀の柄を握るセイバーの手に力が籠もる。 一言で分かった。 まず、撃つ。ヤクザは必ず引き金を引く。 だが、何を撃つか。 銃口はセイバーの方を向いている。ならばセイバーを撃つか。 その程度のサーヴァントならば恐るるに足らない。 セイバーとヤクザの間には、数本の鉄線が走っている。 位置をずらすまでもなくセイバーへ向かう弾丸は鉄線で弾かれ、届かない。 そして、その銃口からは一切の『敵意』を感じない。 まるで水面に移る月に石を投げ込むときのように、平静そのもの。 ならばその間にある鉄線を見越した上での狙撃か。 これならば、敵意がないのも頷ける。 しかし、『その程度』でこの鉄線が切れると思っているなら大間違いだ。 仮にも宝具、魔力のこもった弾丸の一発や二発で打ち抜けるものではない。 ヤクザのカミソリのような眉が横に滑る。 深い、深い、呼吸音。 それはまるで、体の中にある『何か』を全て吐き出すように。 銃口は動かない。 敵意は感じない。 そして。 ――― 一瞬の殺意。 銃声が響き、セイバーが駆ける。 ヤクザの弾丸が放たれる。 発射の瞬間、銃口は本の0.数ミリだけずれた。 その0.数ミリでは、弾丸は鉄線を射線に捉えたまま。 しかしそれこそがヤクザの狙い。 銃弾が鉄線に直撃して跳弾する。 銃弾が別の鉄線を掠めてもう一度進路を変える。 セイバーが気づいた時にはもう遅い、弾丸はすでに『七閃』の結界を掻い潜っている。 その進路の先にいるのは。 「……ッ、マスター!!!」 セイバーのマスター、真玉橋孝一。 尻餅をついたままの、Hi-Ero粒子による身体能力ブーストの切れた彼の眉間に向かって、まるで吸い込まれるように弾丸は飛んでいった。 セイバーがその超人的な身体能力で駆け、初めて七天七刀の刃を見せる。 鞘から抜かれた1m程抜かれた刃が、孝一に当たる寸前で弾丸を切り分けた。 狙ったというのか、今の跳弾すら。 宝具の類ではない。魔力の流れは感じなかった。 ただの技術でそれが狙ってできるというのだとすれば、最早人間技を超えている。 しかし、予想外の出来事は続く。 セイバーが再びヤクザの方へ意識を向けた時、ヤクザの『逃走』は完了していたのだ。 ヤクザが先ほど見抜いていた『紐の結界』の仕掛けはもうひとつ合った。 『紐の結界』はセイバーによって操られていた。つまり、セイバーの手元に紐の根本は集まっている。 もっと言えば、抜刀の所作で紐が位置をずれて攻撃に転ずる、つまり紐の根本は右手もしくは刀の柄部分に集まっているということ。 ならば、セイバーが数m移動すれば、移動した分だけ紐がずれてたわむ。 ヤクザの銃弾が狙ったのは、セイバーではなく、鉄線の切断でもなく、真玉橋孝一でもなく。 真玉橋孝一を狙うことでセイバーが銃弾を迎撃する、それを利用した『紐の結界』の無力化。 紐の結界がたわんだその瞬間をヤクザは見逃さない。 身動きに問題がなくなったのを確認した瞬間、ヤクザは懐から『それ』を取り出しピンを抜いて空中に放り投げ、即座に身を翻し、駆け出した。 セイバーが体勢を立て直すよりも早く逃げ切るために。 セイバーは舌打ち混じりで七閃を再び放とうとして。 「上だ、セイバー!!」 主の声に釣られて上を見上げる。 そこには、まさに今、自由落下に切り替わろうとしている手榴弾が飛んでいた。 どうやらこれがあの男の置き土産らしい。 たかが手榴弾程度、セイバー一人なら難なくいなせるだろう。 しかし、同時にマスターを守りきれるかと言えば話は別だ。 もし、これが炸裂すればマスターはただじゃすまない。 もし、自分があれを迎撃すれば、自身と七天七刀がその衝撃をもろに受けることになる。 迷うことはない、そんなの『自分を犠牲にする』のが最善だ。 そう思い、セイバーが飛び上がろうとした瞬間。 「これだああああああああああああああああああ!!!!」 孝一が叫び、彼の右手が唸る。 右手の先にあるのは当然――― もにゅん。 もにゅん、もにゅん。 ―――当然、セイバーのおっぱいである。 「……こ、この非常時に……貴方は何を!」 「こんな時だからこそ、だ!!! ああ、すげぇ……やっぱりお前のおっぱいは……」 こんな時に、いや、こんな時だからこそ乳を揉む。 それは真玉橋孝一にとっては至極当然のことであり、彼の思いついた唯一の『打開策』。 眦が裂けんばかりに目を見開き、思いの丈を声に込めて高々と叫ぶ。 「最ッ高だぁぁぁぁぁああああああああああああ!!」 唸るリビドーが燃料となり、常人をはるかに上回るHi-Ero粒子に火をつける。 彼の体内に眠るHi-Ero粒子が輝きを放ち、その超常的な身体強化を再び解き放つ。 ピンクのオーラ、滾る勇気、目に宿るのは不屈の炎。体の底から湧き上がる力。 ファクターたる真玉橋孝一の潜在能力、覚醒。 真玉橋孝一、再度Hi-Ero粒子フルバースト。 孝一はすかさずセイバーの体を抱き上げ、そのまま空中へと飛び上がった。 1m、2m、高く、まだ高く。上空にあったはずの手榴弾を飛び越えて、まだ、まだ、まだ高く。 5mは飛んだだろうか、というところでようやく上昇はとまり、それとほぼ同じタイミングで破裂音が響いた。 ◎ ◎ 手榴弾の残した爪痕の上に難なく着地し、セイバーを地面に下ろす。 「怪我はねぇな」 いつものようなスケベな顔ではなく、真剣な顔でそう問いかける。 どうやら、命のやりとりをした、と判断するくらいの脳みそはあったらしい。 二度も乳を揉まれた不快感から少しだけ顔をこわばらせながら、それでも平静を装ってセイバーは尋ねる。 「あのサーヴァント、追いますか?」 「いやいい。というより、俺達にはまだやるべきことがある! お前、目はいいか!?」 「……え、まあ……」 「探せ! あの男が見てたものがあるはずだ!! 今ならまだ間に合う!!」 ようやくセイバーは合点が行った。 つまり孝一は、屋上にNPCが居るのを見て、『何者かが偵察を行っている』と判断した。 セイバーが先ず近寄れば敵にその存在を明らかにするだけであり、もしもただ操られているNPCだったらセイバーが何かをしかけた時点で罠に嵌ることになる。 そこまで読んでの行動だった、ということか。 言われたとおりに、屋上から周囲を見回す。 目を凝らすまでもなく、見えた。 今朝まであった高層マンションが消滅している。 明らかに大規模戦闘の後だろう。 「マスター、あちらを……マンションが消えています。彼はおそらく」 「は? マンションが消えてる!? んなの後だ後!!」 しかし、孝一はその進言をぴしゃりと叩ききった。 不思議に思ったのは勿論セイバーの方である。 「あ、あの……マスター……マスターは彼があのマンションを見ていたとは思わないんですか?」 「当たり前だろ」 「じゃあ、彼は何をしていたんだと?」 「……何って……あれは覗き趣味の親父だろ?」 「……は?」 愕然。 それ意外に言いようがない。 「しかし……迂闊だったぜ……まさかうちのマンションの上に、理想的なビューポイントがあるなんてな…… あの親父、目つきがただもんじゃなかった……多分、全裸だな……女子寮か、銭湯か、そういった女が多くいる風呂場が見えるはずだ!」 つまり真玉橋孝一は。 屋上に居た人物を『覗きを日課として嗜む人物』と判断して特攻をしかけただけにすぎないのだ。 今回はそれがたまたま敵サーヴァントとの遭遇になった。それだけだ。 令呪を一画使って、これ。少し見なおせば、これ。 どうしてこうなった。 どうしてこうなった。 ◎ ◎ 「なあ、セイバー」 顔面にいくつも痣と瘤を作った孝一が、室内で実体化しているセイバーに語りかける。 「あの時、なんで宝具であいつを倒さなかったんだ」 湯気が立ち込め、ケトルがけたたましく存在をアピールする。 初戦闘を終え、念のため室内の確認も終えた孝一は、少し早い夕食の準備中だった。 彼もあの『アサシン』がサーヴァントであるということには戦闘開始後に気づいたらしい。 体にパラメータが見えた、とのことだ。数値を聞いたが特出した点は幸運以外なく、そこから考えてもやはり彼は『アサシン』で間違いないだろう。 のほほんとした孝一の様子に少し不快感を覚えながら、セイバーはこう答えた。 「……彼にも、マスターが居る。そう思ったからです」 「そりゃ居るだろ、サーヴァントなら。でも、マスターいるからってなんでやめるんだ?」 湧いたお湯をカップ麺に注ぎながら孝一が言う。 恐ろしいことを、さらりと口にする。 その様子は、セイバーを苛立たせるのに十分なものだった。 「……貴方は、マスターが死ぬのをなんとも思わないんですか!」 「……死ぬ?」 語気を荒らげた問いかけに、返ってくるのはオウム返し。 何故か聞き返される。 「死ぬ、って……マスターがか? サーヴァントを、殺されて?」 まるで『知らなかった』と言わんばかりの反応に再び呆れそうになり……そういえば、と思い出す。 セイバー自体、この聖杯戦争を『従来の聖杯戦争』と同じものと思っていた。 召喚されたその瞬間、たしかに彼女は『英霊同士のみでの決着』を望んでいた。 そして、時間が経過することで『マスターも共に消滅する』という認識を取り戻した。 もしかして、方舟に呼ばれる際に記憶のどこかに齟齬が生じているのかもしれない。 普通はありえるはずがない。 だが、セイバーがそうであったように、孝一もこの聖杯戦争を『従来の聖杯戦争』だと勘違いしていた可能性は否定出来ない。 ひょっとすると、今が聖杯戦争だという認識すら失っているマスターすら居るかもしれない。 偶然か、それとも何らかの介入の結果かは分からない。 だが、彼も忘れている。 『サーヴァントが死ねばマスターも同じく死ぬ聖杯戦争』ということを、忘れている。 「マスター、聞いてください」 だからなのか。 どうかはわからない。 もう一度だけ、おなじ質問を。 今度は、分かりやすく。 「貧乳の女性がマスターやサーヴァントの場合もあり、幼い子供が相手と言うこともあります。 聖杯を手にすると言うことは、マスター・サーヴァント問わず彼ら全てを、殺すということです」 二度目のその問いで、二人の間に横たわっていた『何か』が氷解を始める。 「ま、待て……待て、待て! マスターは、マスターも死ぬってのか!?」 「そういったはずです。『なんとかする』は、なんだったんですか」 「サーヴァントは死なねぇ、元居た場所に帰るだけ! んで、サーヴァントが消えてもマスターが死ぬことはねぇ…… だから、サーヴァントだけを攻撃して、マスターは護る。そうすりゃマスターを殺す必要はない!! それじゃ駄目なのか!?」 孝一の口から出る『何とかする』の作戦。 それは奇しくもセイバーが最初に考えていたものと同じ方針。 そう、彼もまた勘違いしていた。 サーヴァント同士が戦いえばサーヴァントが消滅するだけ、という『従来の聖杯戦争』だと。 甘く見ていた。 舐めていた。 だからこそ、ああまでちゃらんぽらんに生き、下らないことに令呪が使えた。 セイバーは目を伏せ、告げる。 世の中はもっと残酷だ、と。 「死にます」 告げる。 「この月を望む聖杯戦争では、サーヴァントを失ったマスターは消滅。実世界でも死亡となります」 告げる。 「聖杯を獲るためには、誰かを確実に、殺さなければなりません」 孝一がわなわなと震え、力強く机を叩く。 その顔は、おっぱいを揉む時と同じくらい真剣だ。 「おっぱいってのは夢だ! そうだろ!?」 「おっぱいは平和、おっぱいは平等、おっぱいは自由だ!!! 誰かの犠牲の上に成り立っていいものじゃねえ!!!」 彼の中では当然の理屈。 当然、救うべき人々。 当然、救われるべきππ。 それは屍の上に築くものではなく。 夢と、理想と、救いのもとにあるべきものだ。 「誰かを殺して……人を殺しておっぱいを獲るなんて、やっていいわけがない!!!」 悲痛な叫び。 昼と同じ。 だが、昼よりも数段強く。 まるで実の母親に心臓を貫かれた時のような、信じていたツインテールに逃げられた時のような、そんな心からの叫び。 沈黙が走る。 先に口を開いたのはセイバーだ。 「……私は、最初に言ったとおり、『皆の幸福』のために、聖杯を望んでいます。 そのためには、最低でも1人の『人間』を殺さなければなりません」 多数を救うために少数を切り捨てる。 聖人として、あるまじき望み。 通常の聖杯戦争ならまだしも、この場では『人の死』を介さなくては為されない願い。 もし、この場に彼が居たなら。 誰よりも愚直に『ハッピーエンド』を信じる『あの男』が居たならこう言ってのけるはずだ。 「幸せになりたかった誰かを殺した時点で、皆が幸福なんて言えるかよ!!!」 孝一が息を荒らげてそう叫ぶ。 彼がそう言う、とセイバーが思ったように。 『右手』をテーブルに叩きつけ、叫ぶ。 セイバーは、その瞳を知っている。 その握りしめた右の拳を知っている。 当然別人だ。 だが、その瞳と、その右の拳に宿っている物は変わりない。 バカのつくほどお人好しで、夢の様な『最善の結果』を疑いもしない。 自身の心にまっすぐ正直で、直情的で、熱しやすい、呆れるほどに『正義の味方』。 「そうだろ、セイバー!! アンタのおっぱいがオンリーワンなように、世界の女のおっぱいはどれも皆素敵だろ!? それを、願いを叶えるために殺すなんて、お天道様が許そうが、俺は許せねぇ!!!」 言葉はアレだが、伝えたい内容はだいぶ共通している。 もしかしたらセイバーは、堕天使エロエロメイドではなく『彼』とよく似たその『正義』に惹かれて召喚されたのかもしれない。 きっとそうだ、そうに違いない。 そうであると信じて。 実際はそうじゃなくてもそうであるということにして。 「……確かに、そのとおりです。では、もう一度聞きます」 「『何とかする』とは、どうするのですか?」 孝一は少し目を瞑り、考えると。 『妙手浮かびたり』と言うように笑みを浮かべてこう言った。 「……月を望む聖杯戦争では、人が死ぬ? 簡単じゃねぇか」 「だったら、聖杯戦争自体を変えりゃあいい!」 月を望む聖杯戦争だから起こった、不幸な『行き違い』を修正する。 それは方舟に対する宣戦布告。 それは人が空を見上げそこを走ってみせると宣うが如き、馬鹿げた行い。 だが、その目は真剣そのもの。 歴戦の勇士であるセイバーが一瞬気圧される程の迫力。地球を守ってきた男の気概。 セイバーが思わず息を呑み、そして、聞き返す。 「そんなことが……」 「出来る!!!」 彼の瞳は曇らない。 「俺は別の世界に行ったことがある! ペンギン帝王は、俺に木片をくれた奴は、別の世界から来て、別の世界へ旅立ってった!」 真玉橋孝一は特異な参加者である。 彼は、平行世界を行き来したことがあるのだ。 同一宇宙に地球が複数存在する、ではない。 同一銀河に宇宙が複数存在する、ではない。 全く違う空間に、『世界』が、複数存在する。 ペンギン帝王が元居た、真玉橋孝一が流れ着いた世界。 真玉橋孝一の居た世界。 ペンギン帝王が次に向かった世界。 今居る方舟の世界。 少なくとも4つの世界が存在する。 そして、別れ際のペンギン帝王の口ぶりなら、もっと多くの世界が存在する。 そして、存在する。『世界同士をつなぐ橋』が。 孝一の放てるものをはるかに上回る濃度のHi-Ero粒子がそうであるように。ペンギン装置がそうであったように。 「だったら、あるはずだ。この世界にだって、別の世界に行く方法が!!」 別の世界に行き、『月を望む聖杯戦争ではマスターが死ぬ』という大前提を崩す。 方舟からの脱出。逃れられぬ死の概念からの逸脱。 常識で考えて、出来るわけがない、なのに彼は叫ぶ。 「可能性はゼロじゃねえだろ!!」 だって自分が異世界へ行ったのだから。 今だって異世界に居るのだから。 彼はいっぺんの曇りもなく、そう信じている。 その姿は、やはりセイバーにとって……数時間前まで彼に抱いていたものとは違う、なぜだかとても誇らしいものだった。 「マスター。もう一つ確認させてください。貴方は、この聖杯戦争…… システムを理解した上で、どう動くつもりですか?」 向き合い、問う。 その問いは、根底へ向く問い。 「俺には全ての乳を救うために聖杯がいる。でも、そのために誰かを殺すなんてまっぴらだ。 だったら俺は、誰も殺さずに聖杯を手に入れてみせる!!」 向き合い、答える。 その答えは、根底を覆す答え。 「無茶を言いますね」 だから、方舟自体を変える。 変えられないなら、方舟自体から脱出する。 そして、マスターの死の絡まない聖杯戦争で決着をつける。 荒唐無稽な計画。 実現不可能な夢。 「ですが……私は、その言葉を待ってたのかも知れません」 でも、その夢を抱くものが二人なら。 夢は一歩先に進み、希望に変わる。 愛したのは、人としての挟持。 願ったのは、人としての正義。 淀み燻っていた正義の心が、方舟の根幹に狙いを定める。 「いいのか? セイバー」 「私は……元よりそのつもりでした」 自然と笑みがこぼれた。 不思議なものだ。 少し前まで心の底から嫌っていた、とは思えない程に。 彼のことを受け入れられる。 初めて、彼と『心』が通じたのを感じた。 「セイバー、神裂火織。マスターが夢を掴むまで、お伴しましょう」 「……そうか。俺ぁ真玉橋孝一だ、よろしく頼むぜ!」 右手を差し出し、応えて右手を差し出す。 差し出した右手がおっぱいを掴み、応えて右手で頭をはたく。 二人は、ようやく出会った。 そして、ようやく歩き出す。 ◎ ◎ 早めの夕食を終え、孝一とセイバーはウェイバーの部屋の前に居た。 「にしても遅えな、ウェイバーの奴……何かあったのか?」 『どこかで戦闘に巻き込まれた、か……最悪すでに「脱落」した可能性もありますね』 「……そうか」 孝一の顔が歪む。 のんべんだらりと過ごしていた一日も、聖杯戦争の只中だったのだ。 もし、『マスターが死ぬ』と知っていたなら、学校になんて行かなかった。 「セイバー、明日のことだけどよ」 孝一が口を開き、いくつかの計画を伝える。 まず、明日以降学校には行かない、ということ。 孝一が学校に行っている間にも、聖杯戦争は進み、マスターは死ぬ。 方針が固まった今、学校に行っている余裕はない。 初日の様子を見るに、学校にはマスターは居なさそうだと孝一は判断した。 もしかしたら孝一たちのような温厚なスタンスのマスターが居るかもしれないが、そういったマスターとは出会うのは難しいだろう。 ならば、自分たちで街を歩き回ってマスターらしき人物を探すしかない。 次に、ウェイバーと再び出会えたならば、彼とも意見を交換したいということ。 彼がこの聖杯戦争でどう動くのか。 もし、優勝を望むならば、それは人を殺すに足るものなのか。 マスターが死ぬこと無く聖杯戦争が出来る世界を目指す、という絵空事に加担する気はないか。 そして、もう一つ。 「ペンギン帝王みたいなやつを探したい」 『ペン……誰ですって?』 ペンギン帝王。 心優しき侵略者。 世界を変え、種を救った人物。 彼の『願い』は宇宙の摂理を覆した。 もし、彼のような人物が居れば、きっと出来る。 この絵空事に、命が吹き込まれる。 孝一は、根拠もなくそう信じていた。 「ペンギン帝王だ。くちばしがあって、体は黒と白で、マント付けてて、立派な前しっぽがあってだな」 『……それは、本当に人間ですか?』 「分からねえ……ただ、あいつも……『趣味の合うスケベ野郎(とも)』だった」 ポケットから取り出した『それ』を握りしめ、眺める。 方舟に来るまでお守りとして持ち歩いていたもの。 数少ない『異世界』の存在の証明。 変えられない友情の証にして、世界を変えた男からの贈り物。 彼を方舟まで運んだ片道チケット、『ゴフェルの杭』。 『今、凄い単語に「とも」ってルビ振りませんでしたか?』 セイバーの言葉を無視して、空を見る。 どうか、ウェイバーが無事であるように。 どうか、今生き延びているマスターが死ぬことがないように。 そしてどうか、おっぱいに悲しい傷跡が残らないように。 世界を変える楔になれるか。 大海を漂う木片と化すか。 二発の弾丸が装填され、方舟相手の大勝負にかかる! 戦え、真玉橋孝一! 揉まれろ、セイバー! そして戦え、健全ロボダイミダラー!! 方舟世界に存在しないが、何かの間違いで出る可能性を信じて!! 【B-5/賃貸マンション・ウェイバーの拠点前/夜間】 【真玉橋孝一@健全ロボ ダイミダラー】 [状態]瘤と痣(夜間終了時には消えます)、魔力消費(小) [令呪]残り1画 [装備]学生服、コードキャスト[Hi-Ero Particle Full Burst] [道具]ゴフェルの杭 [所持金]通学に困らない程度(仕送りによる生計) [思考・状況] 基本行動方針:いいぜ……願いのために参加者が死ぬってんなら、まずはそのふざけた爆乳を揉みしだく! 0.他のマスターを殺さずに聖杯を手に入れる方法を探す。 1.ウェイバーを待ち、聖杯戦争について聞く。 2.ペンギン帝王のような人物(世界の運命を変えられる人物)を探す。 3.好戦性の高い人物と出会った場合、戦いはやむを得ない。全力で戦う。 π.救われぬ乳に救いの手を―――! 4.アサシン(カッツェ)の性別を明らかにさせる。 [備考] ※バーサーカー(デッドプール)とそのマスター・ウェイバーを把握しました。正純がマスターだとは気づいていません。 ※アサシン(カッツェ)、アサシン(ゴルゴ13)のステータスを把握しました。 ※明日は学校をサボる気です。 ※学校には参加者が居ないものと考えています。 ※アサシン(ゴルゴ13)がNPCであるという誤解はセイバーが解きました 【セイバー(神裂火織)@とある魔術の禁書目録】 [状態]健康、魔力消費(小) [装備]なし [道具]なし [思考・状況] 基本行動方針:救われぬ者に救いの手を。『すべての人の幸福』のために聖杯を獲る。 0.他のマスターを殺さずに聖杯を手に入れる方法を探す。 1.マスター(考一)の指示に従い行動する。 2.バーサーカー(デッドプール)に関してはあまり信用しない。 3.アサシン(カッツェ)を止めるべく正体を模索する。 4.聖杯戦争に意図せず参加した者に協力を求めたい。 [備考] ※バーサーカー(デッドプール)とそのマスター・ウェイバーを把握しました。正純がマスターだとは気づいていません。 ※真玉橋孝一に対して少しだけ好意的になりました。乳を揉むくらいなら必要に迫られればさせてくれます。 ※アサシン(ゴルゴ13)、B-4戦闘跡地を確認しました。 ※アサシン(カッツェ)の話したれんげたちの情報はあまり信用していません。 ※アサシン(カッツェ)は『男でも女でもないもの』が正体ではないかと考察しています。 同時に正体を看破される事はアサシン(カッツェ)にとって致命的だと推測しています。 ※今回の聖杯戦争でなんらかの記憶障害が生じている参加者が存在する可能性に気づきました。 [共通備考] ※今回の聖杯戦争の『サーヴァントの消滅=マスターの死亡』というシステムに大きな反感を抱いています。 そのため、方針としては『サーヴァントの消滅とマスターの死亡を切り離す』、『方舟のシステムを覆す』、『対方舟』です。 ※共にマスター不殺を誓いました。余程の悪人や願いの内容が極悪でない限り、彼らを殺す道を選びません。 ※孝一自身やペンギン帝王がやったように世界同士をつなげば世界間転移によって聖杯戦争から参加者を逃がすことが可能だと考えています。 ですが、Hi-Ero粒子量や技術面での問題から実現はほぼ不可能であり、可能であっても自身の世界には帰れない可能性が高いということも考察済みです。 BACK NEXT 125 ほんの少しの休息 投下順 126b 俺とお前はよく似てる/アリアドネの幸運 125 ほんの少しの休息 時系列順 126b 俺とお前はよく似てる/アリアドネの幸運 BACK 登場キャラ:追跡表 NEXT 111 シュレディンガーの性別 真玉橋孝一&セイバー(神裂火織) 158 EX tella 107 戦争考察 アサシン(ゴルゴ13) 126b 俺とお前はよく似てる/アリアドネの幸運 ▲上へ
https://w.atwiki.jp/lucas776/pages/75.html
「…おい、は…バーン。」 「なんだよガゼル。」 なんでこんなところに連れてきた、だの。 なんで私に手を回してるのか、だの。 言いたいことはたくさんあるが。 「なんで円堂がここにいる?」 「はぐれたんだとよー。」 「豪炎寺とな…途中で手離れちゃって。」 ごめんな邪魔して、と謝る円堂に私は何も言えないが。 …邪魔して? 「待て、なんで邪魔なんだ。」 「お前等も俺と豪炎寺みたいなもんじゃないの?」 「…だとよ、ガゼルちゃん。」 「…ちゃんはやめろ。あと離せ馬鹿。」 私はバーンの手を払いのけ離れる。 いくら私が人目を避けようと、バーンは関係なしにべたべたしてくる。 人目なんぞお構いなしだ。 「私はなるべくばれないようにしているのだが。この馬鹿がな。」 「…俺もさ、そういうの恥ずかしくてダメだったんだ。でもさ、豪炎寺ってモテるし…何度か妬いたりもしたし。」 …なぜいきなり円堂は惚気始めているんだ。 「ほうほう、でー?」 バーンはまじめに聞いているし… 「いろいろあったけど、やっぱり豪炎寺に優しくしてもらえるの好きだし…恥ずかしいけど、やっぱ好きな奴と一緒ならいいかなって。つまらないことで嫉妬して後悔するより、ずっといいよ。」 「…!」 思わず息をのんで、バーンの方を見る。 こちらの様子には気付いていないようだ、よかった。 「円堂!」 後ろから豪炎寺の声が聞こえる。 人ごみからいきなり現れては円堂をだき締める。 その激しいスキンシップに驚きながらも、円堂は嬉しそうだ。 「…円堂。」 「ん?どうしたガゼル?」 ありがとう、と声に出さずに伝える。 すると円堂は満面の笑顔で返事をした。 「おう!またな!」 豪炎寺は何の事だかわからないのか、円堂と私をしばらくの間見つめた後、そのまま円堂を連れて校内へ消える。 …円堂とは、またゆっくり話がしたいと思った。 「あいつらと何話してたんだ?」 「ん?豪炎寺のことだけど。」 「…そうか。」 少し頬を染めて照れる豪炎寺が面白くて、つい手を握り返した。 こうやって豪炎寺の珍しい表情が見れるのも、豪炎寺が俺のことを好きでいてくれるから。 ―それが嬉しい。 「おい、ちょっと食いすぎだぞ。」 「んなことないってばー」 俺と春奈、そして半田は先ほどの円堂と豪炎寺?を探して校内を回っていた。 変わった格好だったのですぐに見つかったが、それは確かに円堂と豪炎寺のような外見だった。 だが。 「…ちょっと違うかなー…なんか幼いというか…中学生くらいに見えない?」 「というか豪炎寺に似てる子、髪降ろしてるし…豪炎寺も降ろしたらああなるのかな?」 「春奈、半田…なんで俺達がコソコソしてるんだ?」 「イチャイチャしてるの邪魔しちゃいけないでしょお兄ちゃん。」 「…俺もなんとなくそう見えちゃって…」 春奈はさも当然そうに、半田は疲れた顔をしてそう言った。 …半田は毎日あいつらを見ているせいかそう見えるのだろうか。 「あれ?あっちから来るの円堂と豪炎寺じゃないか?」 「またそっくりさんじゃ…ないですね。」 「あいつら…結構見境なくベタベタするようになったな…」 …というかこのままだと鉢合わせだぞ。 別に隠れているわけでもないのだが。 「あれ?鬼道達じゃん!」 円堂が自分から離れたことに、豪炎寺は隠そうともせず舌うちをした。(少しは遠慮をしろ…) すると円堂の声があちらにも聞こえたのか、そっくりの2人組もこちらの方を向く。 「ひいじいちゃん!」 …ひい…じいちゃん…!? 「ガゼル、そろそろ帰るか。」 「ああ…」 そう返事をするとバーンは私の前に手を差し出す。 繋いでいこう、ということなのだろうか。 気まぐれなのかはわからないが、その手を取って握る。 「…ガゼル…お前…!」 「……別に……」 「…熱でもあるのか…?」 「……」 とりあえず、蹴っておいた。 「いってえ!!何すんだよ…」 …気付け……馬鹿…… あとがき まだまだダラダラ続きます^q^ とりあえずバンガゼはガゼルが主導権握ってると思う。 でもバーンもやるときはやる。本名はあんまり呼び合わないかなーと というか言ったらどちらにしろガゼルがバーンを殴りそう( それにしてもガゼルの口調ってちょっとわかりにくいというか書きにくいですね( とりあえず後は多分目金の登場で話が進んで終わりそうな展開。 実はこの話以前(中学時代)に円堂と豪炎寺だけカノンと真人に会ってる設定。 たびたび2人は遊びに来てます。 それはまた後ほど小説として書けばいいとして、自分はファイアだけしか持ってないので真人の口調がわかりませぬ。 …まぁきっと修也さんよりは幼い(下の兄弟いなそうだし)かなぁと。 カノン君は兄とかいてもいいけどきっと1人っ子でしょうねー それにしても更新に時間置いてしまって申し訳ないです^q^ なんか微妙な小説になってしまってる感が否めない…
https://w.atwiki.jp/karakuri_ss/pages/223.html
『壁画の男』…。 それを発見したのはオーストリアは田舎。 山脈の奥深くにそれは在った。 それは不思議な壁画であった。 人間と思われる壁画に角が生えていた。 腕から竜巻のようなモノを出しているようであった。 更に奥深くと進む。 すると驚くべく者が其処には居た!! 岩肌と同化した角の生えた人間!! まるで生きているかのような艶やかな岩肌!! 明らかに私が知る生き物とは違う存在!! この者を『壁画の男』と名付け、 国(オーストリア)に知らせた!! この生き物を“我が国の力”にしたいと!! ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ○クロガネの賛歌 第5章 “オーストリアよ、こんにちは” 第 4 話 「 壁 画 の 男 」 オーストリア 山脈付近 ー 地下研究室 ー 研究員はこう口を開く。 「眠っているな。『壁画の男』は。」 別室に一人の男が眠って居た。 男は全裸である。 眠って居るその別室は鋼鉄の壁に囲まれている。 カメラで、動向を確認している。 もう一人の研究員が答える。 「ああ、2000年眠って居たって話なのによく寝る男だ。」 「しかし、よく寝ようが何をしようが、不思議な力を持っている。」 ー 超人的な身体能力。高く跳び、その拳は岩をも砕く。 ー 超再生能力。腕が千切れ飛んでも、くっつける事で元通りになる。 ー 風操能力。風を操れる。一種の破壊空間も生み出せる。 「これら三つ並べるだけで、生唾(なまつば)ごくりモンの生物だ。」 「何としてもオーストリアの力となって欲しい。」 違う研究員が、こう言う。 「む、起きたぞ!!」 さっきの研究員。 「さて、今度は何をやらかすか…。」 壁画の男が目覚めた。 「ん~んん~~~~~~~~ん。」 伸びをし。 「良き眠りであった。」 一言ポツリ。 「おはよう、皆の衆ゥゥゥウウウウウウウウ!!!」 そして叫び声を挙げる!! スピーカーから聞こえる、その声に、研究員達は皆、耳を塞ぐ。 研究員が慌てて、マイクで返事をする。 「聞こえている!聞こえている、壁画の男くん!!」 壁画の男は笑ってこう言う。 「ハッハッハ!目覚めの一発!!デッカイ声で爽快だっただろう?」 「ンンンンン!!実に良い目覚めだぁぁぁぁああああああああああああ!!!!!」 また叫び声だ。これには研究員も堪らない。 「解った!解ったから!!用件は何か?言ってくれ!!」 壁画の男は答える。 「挨拶だろう?君等も元気よく答えるんだ。“おはよう”とね。」 「さん、はい♪」 研究員達は叫ぶ!! 「おはようございますゥゥゥウウウウウウウウ!!!」 壁画の男は更にと。 「もっと、大きな声で!!」 研究員達は叫ぶ!! 「おはようございますゥゥゥゥゥゥゥウウウウウウウウウウウ!!!」 壁画の男は満足しない。 「もっっっと、大きな声でっっっっっ!!」 研究員達は腹の底から叫んだ!! 「おぉぉぉぉはぁぁぁぁぁよぉぉぉぉぉうぅぅぅぅございますゥゥゥゥゥゥゥウウウウウウウウウウウ!!!」 そして、壁画の男は満足する。 「上出来だ。拍手を送ろう。」 パチパチパチパチパチパチパチパチ!! 研究員が答える。 「ハァ…ハァ…。ご満足頂けて良かったよ…。」 (この、怪物め!) (お前が国の役に立ちそうじゃなかったら、こんな真似許さんのに!!) 壁画の男が語る。 「君達には感謝しているよ。」 「岩化して休眠をし、2000年振りに目を覚ました私に、色々良くしてくれたからねぇ。」 「特に情報が嬉しかった。進化した文明。今の世情。美味しい料理。Hな本。どれも素晴らしかった。」 研究員は上機嫌でこう言う。 「そうでしょう、そうでしょう♪」 「つきましては、その力を我が国の為に使って頂きたく…。」 壁画の男は止める。 「いや。いいんだ。もう、いいんだ。」 研究員は不思議そうに。 「と言いますと?」 壁画の男は続ける。 「実を言うとね。私は“宇宙人”なのだよ。2000年前にこの地球(星)に来たね。」 「私の星が滅びてしまってねぇ。星の寿命と言うヤツだ。こればかりは仕方ない。」 「そうして、宇宙船でこの星に来たと言う訳さ。青くて美しい星…。実に素晴らしい♪」 「そんな星だからこそ、私はこの星を『自分の王国にしよう』。そう思っているんだ。」 「もう十分、今の地球の事が解った。そろそろ君達には消えて貰う事にするよ。」 「今まで本当にありがとう♪楽しい時間だったよ♪♪」 研究員達はざわめく。 「おいどうする?」「どうするって言ったって…。」「ヤバくねコレ??」 「ヤバイよな。殺す気らしいぞ…!」「でも、どうやって?」「それだよな、それ。」 「厚い鉄板に囲まれたあの部屋からは抜け出せない。」「そうだ。このままなら安心だ!!」 そうこうしている内に。 ダ ッ ! 壁画の男は、壁に向かって走る!! そ し て ! フッ…っと消えてしまったのだ。 ッ ッ ! 「「「「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」 研究員が叫ぶ!! 「何があったッッッッ!!」 もう一人の研究員も叫ぶ!! 「わ・解らない!!」 「でもあの位置には『空気供給管』がある。」 更にもう一人の研究員が叫ぶ!! 「あれは人間が入れる大きさではないぞ!!」 「何があったか、映像を再生させるんだァー!!」 そして映像を再生させる。 Bi…!! ー 壁画の男は空気供給管へと走って行く!! ー そこで『体を折り畳み』『僅かな隙間の中』へと入って行った!! ー そして、現在に至る!! 研究員は驚愕する…! 「わ…私達が知らない能力!!アイツ!隠していたんだ!!」 そして、その研究員は、フラ、フラと後ずさりをする。 もう一人の研究員が叫んだ!! 「おい!そっちは空気供給管が!!」 だが、時すでに遅しであった。 ドッッッッ パァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアン!! 勢いよく現れる『壁画の男』…ッ!! 後ずさりした、研究員は、壁画の男にぶつかり体がミンチになって死んだ。 壁画の男はこう言う。 「うーん、汚い花火だったね。」 「でも安心するんだ。皆あんな風に死んでいくんだからさ。」 「恥ずかしい事は何も無いよ?」 研究員達が銃を抜く!! 「動くな!動くと撃つぞ、壁画の男!!」 そ の 瞬 間 ! パァァァァアアアアアアアアアアアン!! 壁画の男は、あっという間に距離を詰め、 研究員の一人の顔を殴った…!! すると、研究員の頭は小気味よく爆(は)ぜた。 他の研究員達が一斉に銃を撃つ!! 「くらえ!壁画の男ッ!!」 ダキューン!! ダキューン!! ダキューン!! 壁画の男は首無しの死体を盾に使う。 「人間シィィィィィルド!!」 研究員達は口々にこう言う。 「悪魔め…!!」「発想が酷い…!!」「何て事するんだ…!!」 壁画の男は愉快そうにこう言う。 「アッハッハッ!!弾丸に触れるの気持ち悪いからね。」 「もっとも、その程度の火力じゃ、痛くも痒くもないけどさ♪」 「さあて反撃だ!」 ボ ム ギ ! 壁画の男は、死体の腕をへし折り…!! ブ チ ィ ! 引き千切るッ!! そして叫ぶ!! 「人間ロケットパァーンチ!!」 ドヒャォォォォオオオオオオオオオ!!! 投げた!思い切り投擲(とうてき)したってヤツだ!! 次 の 瞬 間 ! ズッッッ パァァァァアアアアアアアアアアアン!! 研究員の一人の胸部が爆ぜた。 急所であった。その研究員は絶命した!! 壁画の男はこう言う。 「投げる部位はまだまだあるよ。」 「さ、君達逃げ切れるかな?」 「そうりゃぁぁぁぁああああああああああああああ!!!」 ドッッッッ パァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアン!! ドッッッッ パァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアン!! ドッッッッ パァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアン!! ドッッッッ パァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアン!! ・ ・ ・ ・ 惨事であった。 皆殺しの宴(うたげ)が其処にはあった。 そして最後の一人。 壁画の男は優しげにこう言う。 「君が最後の一人のようだね♪」 「君を殺せば私は自由だ♪」 「待ち切れない…!」 「すぐに殺そう。」 「楽しく殺そう。」 「薄汚い地球人を駆除しようじゃあないか♪」 「嗚呼…。それは素晴らしい事だから……♪♪」 そ の 時 ! 研究員は叫ぶ!! 「動くな!!」 「動くと、この装置に設置されている『自爆スイッチ』を押す!!」 「この研究所の自爆スイッチだ!」 「如何に再生能力に優れるお前とは言え、只では済まないぞ!!」 壁画の男は喜ぶ。 「ほほう♪凄いね君♪♪」 「そんな事したら君死ぬんだよ?いいの??」 研究員は壁画の男を睨みつけながらこう言う!! 「このまま、むざむざとお前に殺されるぐらいなら、 お前を道連れにする可能性に賭けてやる!! 人間を…!地球人を舐めるなよ、壁画の男ッ!!」 壁画の男は笑った。 「アッハッハッハッハッハッハッハッハ!!」 「カッコ良いねぇー、君♪気に入ったよ!!」 「君はこの私が誇る『最高の必殺技』で仕留めてやろうッッ!!」 ッ ッ ! 「 見 よ ! ! 」 「 砂 神 嵐 ( す な が み あ ら し ) ッッッ !!!! 」 左 腕 を 関 節 ご と 右 回 転 ッ ! ! 右 腕 を 肘 の 関 節 ご と 左 回 転 ッ ! ! そ の 二 つ の 拳 の 間 に 生 じ る 真 空 状 態 の 圧 倒 的 破 壊 空 間 は ま さ に ! 歯 車 的 砂 嵐 の 小 宇 宙 ! ! ! ! グ ” ル ” ゥ ” オ ” ゥ ” グ ” ル ”ル ” ル”ゥ” ア”ア” ア” ア” ア” ア” グ” ル” ル ” ル ” ル ” ル ” ゥ”オ”ォ”オ”ォ” ン ” オ ” ォ ” ン ” オ ” ン ” ォ ” ォ ” ォ”オ”オ”ォ” ン ”ン ” ゥ ” ォ ” ォ ” ッ ッ ! ! ! ・ ・ ・ ・ ・ ー 破壊の後だけ残った。 研究員はズタズタのボロ雑巾のようになり死んだ。 ー 壁画の男は、唯一人となった、この場所でこう言う。 「 夜明けだ…。私は今、自由になる…!! 私 は こ の 星 を 『 自 分 の 王 国 に し よ う 』 。 」 そう言い、壁画の男は、この場を後にした。 オーストリア TV局(ビル) ー ビスケットカデンツ放映場所 ー うたのおねーさんと十数人の子供達が居るこの場。 うたのおねーさんはこう言う。 「みんなー、『ジャガってしまえ』、2番歌うよー!!」 子供達が答える。 「はぁーい!!」 ☆ビスケットカデンツ主題歌 『 ジャガってしまえ・2番 』 ひとりじゃ なにも できないよ ひとと いうじは ひととひとが ささえあっている みんなは ひとりのために ひとりは みんなのために わがままなんて ジャガってしまえ じんせいとは いたわりのきせき ビスケッケッ ビスケッケッ ビスケットットッ カッデンツ ビスケッケッ ビスケッケッ ビスケットットッ カッデンツ 歌が終わり、 次のコーナーへとアナウンスする…。 その時であった!! ヌ ゥ ! 全裸の男がその場に入り居る。 スタッフの者が止めに入る。 「おいおい。昔流行った『安心して下さい。穿いてますよ。』ってヤツかい?」 「おたく穿いてないから。丸出しだから。ピーが出ちゃってるよ、ピーが。」 「ささ、出て行った出て行った。」 「次のコーナーは『いねぇいねぇばあっ!』」 「忙しいんだよ。こっちは。」 スタッフは、全裸の男を押し出そうとする。 す る と 全裸の男はこう言う。 「君、邪魔。死んで♪」 スッッッ パァァァァアアアアアアアアアンン!!!! 手刀であった。 それでスタッフの者の首が飛んで行った。 言うまでも無く、即死であった。 子供達が騒ぐ。 「うわぁぁぁぁああああああああああああああああんんんんんん!!!!」 「怖いよ!怖いよ、お姉さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんんん!!!!」 そんな事お構い無しに、 全裸の男は、うたのおねーさんに近づく。 そして、こう言う。 「初めまして、おねーさん。」 「私は『壁画の男』と言う者です。」 「平たく言えば“宇宙人”です。」 「この国の人達と色々勉強していた中、 “ビスケットカデンツ”と言う番組を見るのが楽しみでしてね。」 「特におねーさん。貴方を見るのが楽しみだったのです。」 「嗚呼。何て可愛らしいんだろう…。」 「貴方こそ、これから作られる『私の王国の妃(きさき)』に相応しい。」 ッ ッ 「 S ○ X し て 下 さ い 。 早 い 方 が い い 。 今 此 処 で し ま し ょ う 。 」 パ シ ィ うたのおねーさんは、壁画の男を平手打ちにする。 続けて、こう言う。 「 こーら、悪い大人! キミのせいで子供達が泣いちゃったじゃないか。 そんな事する子は『めー』だぞ。 」 「 早く出て行きなさい! そして、警察に行って罪を償って来なさい!! 」 す る と ズオ…!! ズオオオ…ッ!! 壁画の男のイチモツがおっ勃っていく!! 「いいねー!その返し!!それこそ、私の妃に相応しいッ!!」 「調教をしてあげよう。抜かずに7発だ。 チ○コの事しか考えられないようにしてあげるよ♪」 「 さ ぁ ! ! ! 」 ズ オ オ ! 竿を思い切りねじ込みに行く…!! そ の 時 で あ っ た ッ ッ ! ! ! 「『いねぇいねぇばあっ!』にコーナーが移らないと思って此処に来てみれば!!」 ドッッッッ!!!! ゴォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオウウウ!!! ッ ッ 掌 底 一 発 ゥ ウ ウ ウ ウ ウ ! ! 吹 き 飛 ぶ は 壁 画 の 男 ッ ! ! そ し て そ の 者 は こ う 言 い 放 つ ッ ! ! 「 お ね ー さ ん の 前 で ッ ! ! 汚 ぇ モ ン 、 エ レ ク ト ロ す る ん じ ゃ あ な い ピ ョ ン ! ! 」 そ う そ の “ 勇 士 ” こ そ は ッ ! ! ッ ッ “ ジ ー ク フ リ ー ト = フ ォ ン = ラ ビ ッ ト ” で あ る ッ ! ! ッ ッ そ し て 、 ジ ー ク は 、 こ う 言 う ! ! 「 壁 画 の 男 と や ら ッ ! お 前 さ ん 、 只 じ ゃ あ 済 ま さ な い ピ ョ ン ! ! 」 「 全 身 全 霊 を 傾 け て 始 末 し て や る ピ ョ ン ! ! 」 ジ ー ク が 戦 闘 態 勢 に 入 っ た ッ ! ! ーーーーーー 戻る リンク集に戻る ・・・続く。
https://w.atwiki.jp/karakuri_ss/pages/224.html
オーストリア TV局(ビル) ー ビスケットカデンツ放映場所 ー 壁画の男は…。 「ん~~~~。」 倒立(逆立ち)をする事で起き上がる。 「ジークか。君の事も良く見ていたよ。」 ジーク。 「気軽にジークと呼ぶなピョン!」 壁画の男は気にせず。 「でもねぇジーク。君の事よりも、私はうたのおねーさんが気になるんだ。」 「いい年した女性がそんな野暮ったい格好をして、とてもサワヤカな事ばかりしている…。」 「それが堪らなく凌辱欲(りょうじょくよく)を高めてねぇ。」 「キャベツ畑やコウノトリを信じている可愛い女のコに、 無修正のポルノをつきつける時を想像するような下卑た快感さ…!!」 「そりゃあ勃起しますよ!乳首ビンビン丸じゃあありませんか!!」 ジークは吐き捨てる。 「クズがッ!」 壁画の男は倒立を止め、仁王立ちしながら、構わずこう言う。 「ジーク。君は私に倒されて、おねーさんがメス犬のよーな喘ぎ声を挙げるのを聞く。」 「さぁ…。S○X前の一運動だ…!!」 壁画の男が動き出した!! ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ○クロガネの賛歌 第5章 “オーストリアよ、こんにちは” 第 5 話 「 ジ ー ク フ リ ー ト = フ ォ ン = ラ ビ ッ ト 」 壁画の男は笑いながら近づく。 「アッハッハッハッハッハッハッハッハ!!」 「アッハッハッハッハッハッハッハッハ!!」 「ジーク!君は偉そうな態度をする中国拳法家や、 マナーのなってないカスどもの駆逐をするのを得意とするが…。」 「規格外の私にどこまで通じるかな…?」 ジークは答える!! 「クズは黙っていろッ!!」 壁画の男は左フックを繰り出す!! 「ほぅら!くらえ!!」 ヒ ュ ! ジーク!! 「馬鹿が!!」 左フックの内側に入り込み、そのまま壁画の男の左膝(ひざ)を巻き込む!! “ ビ ク ト ル 式 膝 十 字 固 め ” で あ る ! ! ガ シ ィ ジーク!! 「今考えていることの逆が正解だ。でもそれは大きなミステイク。」 「お前には打撃すら生ぬるい…!骨を折らせてもらう。」 「 私 が ア ン チ ェ イ ン だ ! ! 」 ジークは壁画の男の左膝を思い切り捻(ねじ)ったッ!! そ の 時 で あ っ た ! メ コ ゥ … ! ! 何とも間の抜けた音がする!! ジークは違和感を感じる!! 「折れぬだと?」 壁画の男は答える。 「私はね。超軟体生物なのだ。」 「骨あるが自分の体を折り畳む事が出来るぐらい柔らかいのだよ♪」 「残念だったねぇ、ジークくん♪♪」 ジークはこう言う。 「何を粋がっている?なら洒落にならんぐらいに捻(ひね)ってやるぜ…!!」 ス タ ! ジークは立ち上がり! グルグルグルグルグルグルグルグルグルグル!! 壁画の男の股関節を支点に左脚をグルグルと捻りに捻った!! 壁画の男! 「ほう、面白い。捻り続けてみろよ。」 然る後に!! ブ チ ィ ! 壁画の男の左脚は千切れた!! ジークはその左脚を捨てながらこう言う!! 「パワーこそが全てだ!見たまえ、この逆三角形を!!」 し か し ! ヒ ュ ン ! ! 捨てた壁画の男の左脚が、元の箇所へと飛び戻る!! そして!! シ ュ オ ン … ! ! 再 び 繋 が る ! ! 壁画の男は得意げにこう言う。 「超再生能力だ♪」 「四肢が千切れ飛んでも、くっつける事で元通りになるんだよ♪♪」 ス タ ! 壁画の男は立ち上がる。 「解ったろ?君は私には敵わない。私とおねーさんのS○Xを黙って見てろよ、兎。」 ガ シ ィ ! ジークが壁画の男の両肩を掴む。 そしてこう言う。 「 バ カ だ ぜ ア ン タ ! ! ! ! ! 」 ッ ッ ゴ” キ” ュ” ッ ッ ! ! ! ( ジ ャ ガ っ た ッ ッ ! ! ! ) ゴ” キ” ュ” ッ ッ ! ! ! ( ジ ャ ガ っ た ッ ッ ! ! ! ) ゴ” ッッッ キ” ュ”ウ”ウ”ウ”ウ”ゥゥ ウ ウ ウ ッ ッ ! ! ! ( ジ ャ ガ っ た ァ ァアア ア ア ッ ッ ! ! ! ) ジークは、その豪力にて! 壁 画 の 男 を ! 『 ジ グ ザ ク に、 押 し 潰 し た 』の で あ る ッ ッ ! ! ! 壁画の男は潰れた蛙みたいな声でこう言う。 「出た。ジャガる。だが残念ながら、大きなダメージは…!!」 ジークは更に潰し続ける!! ッ ッ ゴ ” ギ ” ュ ” ゴ ” ギ ” ュ ” ゴ ” ギ ” ュ ” ギ ” ュ ” ゴ ” ギ ” ュ ” ゴ ” ギ ” ュ ” ゴ ” ッ ッ ゴ ” ギ ” ュ ” ラ ” ッ ッ 壁画の男は! 「 グ ボ ォ ! ! 」 吐血する!! ジークはこう言う! 「そこを通すんだ!コイツを倒すにはここじゃ手狭だピョン!!」 「 ち ょ っ と 屋 上 に 行 っ て 来 る ! ! 」 ダム! ダム! ダム! ダム! ダム! ダム! ダム! ダム! ダム! ジークは潰れた壁画の男の体を、バスケットボールの如く、操りながら、 階段で、屋上へ向かい走って行った!! うたのおねーさん! 「頑張って~!ジークー!!」 ジーク!! 「任せるピョン!!」 子供達も応援する!! 「「「ジーク!ジーク!ジーク!ジーク!ジーク!ジーク!ジーク!ジーク!ジーク!ジーク!」」」 スタッフも応援する!! 「「「頼んだぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!ジィィィィィィィィィィク!!!!」」」 皆の声援を後にして、ジークはビルの屋上へ向かった!! オーストリア TV局(ビル) ー 屋上 ー ベンキマンに肉団子にされた超人の如く球体になった壁画の男はこう言う。 「ダメージはある。」 「しかし、回復力が追いつくだろう。」 「私は規格外なのだよ。こんなトコロに来ても無駄だよ、ジーク。」 ジークはこう返す。 「君はとんでもないことをしてくれたね。私に殺意を感じさせたのだから…。」 「うたのおねーさんに対する、様々な卑猥(ひわい)な言葉の数々…。」 「 最 早 許 し 難 い ッ ッ ッ ! ! ! 」 ギ ” ュ ” ン ” (ジークは!) ギ ” ュ ” ン ” (壁画の男を!) ギ ” ュ ” ン ” (思い切り“ジャイアントスイング”する!!) ッ ッ ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ッ ッ ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ッ ッ ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ッ ッ ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ッ ッ ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ッ ッ ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” 何 回 転 も ! 何 回 転 も ! 何 回 転 も ! 何 回 転 も ! ギ ” ュ ” ウ ” オ ” ォ ” オ ” オ ”オ ” ギ”ュ” ル”ル” ル” ル” バ” ォ” ゥ” ゥ” ウ ” ウ ” ウ ” ウ ” ゥ”オ”ォ”オ”ォ” ン ” オ ” ォ ” ン ” オ ” ン ” ォ ” ォ ” ォ”オ”オ”ォ” ン ”ン ” ゥ ” ォ ” ォ ” ッ ッ ! ! ! ー それは凄まじい回転であった!! ー 竜巻でも起きんが如くの回転であった!! ー 回転は遠心力を生み!! ー 遠心力は臨界点に達しッ!! “パ” “ァ” “ン” “ッ” “!” 壁 ” 画 ” の ” 男 ” は ” 思 ” い ” 切 ” り ” 飛 ” ん ” で ” っ ” た ” ! ” ! ” ッ ッ ー ジークフリート=フォン=ラビットの恐ろしさは此処からである!! 「ピョン。」 ドッヒュォォオオオオオオオオオオオオ!!! ドッヒュォォオオオオオオオオオオオオ!!! ビルからビルへと! 跳びて移りながら、 己が放りて投げた壁画の男を追う!! そしてやがて追いつき…!! 「ピョン。」 ズドォォオオオオオオオオオオオオオオ!!! 壁画の男に頭突きを見舞う!! グォォオオオオオオオオオオオオオオオ!!! 壁画の男は更に飛ぶ!! ドッヒュォォオオオオオオオオオオオオ!!! ジークはそれを追う!! 「ピョン。」 ズドォォオオオオオオオオオオオオオオ!!! 頭突く!その繰り返しである!! ズドォォオオオオオオオオオオオオオオ!!! 最中こう言う…! ズドォォオオオオオオオオオオオオオオ!!! 「人は兎には勝てない…。」 ズドォォオオオオオオオオオオオオオオ!!! 「太気拳もコマンドサンボもやってない兎にだ。」 ズドォォオオオオオオオオオオオオオオ!!! 「ならばどーする?」 ズドォォオオオオオオオオオオオオオオ!!! 「 な っ ち ま え ば い ん だ よ 兎 に ! ! ! 」 ズドォォォォォォォォオオオオオオ オ オ オ オ オ オ オ オ ! ! ! 壁画の男は、いつの間にか田舎町まで飛ばされていた!! そして、山の麓(ふもと)に達した時!! ジークはこう言う!! 「オーケーオーケー。これから君は大変なことになるがいいかね?」 壁画の男は!! 「フ…ゴ…!フゴ…ゴ…!!フゴ…!!!」 最早言葉すら発する事が出来ない!! ジーク!! 「 こ れ が お 前 の “ シ リ ア ス プ ロ ブ レ ム ” だ ぜ ! ! 」 ズ ” ッ ” ッ ” ッ ” ッ ” ッ ” ッ ”ッ ” ド”ォ” オ”オ” オ” オ” オ” ォ” ゥ” ゥ” ウ ” ウ ” ウ ” ウ ” ゥ”オ”ォ”オ”ォ” ン ” オ ” ォ ” ン ” オ ” ン ” ォ ” ォ ” ォ”オ”オ”ォ” ン ”ン ” ゥ ” ォ ” ォ ” ッ ッ ! ! ! ー ト ド メ の “ 零 距 離 頭 突 き ” 哀 れ 壁 画 の 男 は 、 地 面 と 激 突 し … ! ! ドッッ ッッ ッ パ ァ ァァ ァ ァ ァ ァア アアアアア ア ア ア ア ア ア アアア ア ア ア ア ン ン ンン ン ! ! ! ! 破裂音がした。 そして次の瞬間。 真赤な液体と・・・。 千切れて、爆(は)ぜた無数の肉片が飛び散って。 霧散をする・・・。 これには、流石の壁画の男も死した…。 か に 見 え た ! ズリ… ズリ… ズリ… 肉片が集まる…!! 再び再生を始める!! ジーク! 「何度でも破壊してやるピョン。」 コキ!コキ! 首を鳴らして、近づこうとするその瞬間。 ??? 「ワシも手伝おうジーク。」 「ソイツが脱走した時点で、 壁画の男の始末を ルドルフより依頼されておる。」 ジーク! 「百文字か!」 百文字! 「気を付けよ。ヤツは“砂神嵐”と言う技を持っておるぞ…!!」 レゼルヴェ国の真の首相! “耐撃の百文字”の登場であるッッ!!! ーーーーーー 戻る リンク集に戻る ・・・続く。
https://w.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/1656.html
1話 これが本当のリアル鬼ごっこ 佐藤翼は古い洋館の中にいた。 「あれ…もう俺は死んだはずじゃ…」 そう、生き返ったのだ。 もしこれなら。 「みんなを生き返らせることもできるんじゃ?」 妹、父さん、洋、みんな生き返る。 だったら。 「やるしかないよな」 翼は立ちあがって歩き出そうとしたが、背後に気配を感じて振り向いた。 そこには、青い鬼が立っていた。 「……?」 そして、その鬼が走ってきたのだ。 「う、うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」 さすがにリアル鬼ごっこを最後まで逃げ切っただけあり、見る見るうちに距離を離していく。 そして、玄関を出て平野にでると鬼はいなくなっていた。 「……ここでも鬼ごっこかよ」 まあいい、と言い翼は歩き出した。 【一日目/深夜/F-2】 【佐藤翼@リアル鬼ごっこ】 [状態]身体的疲労(小) [装備]なし [所持品]基本支給品 不明支給品1~3(未確認) [思考・行動] 基本:このゲームで優勝してみんなを生き返らせる。 1:まずは武器があるか確認したい。 [備考] ※本編死亡後からの参戦です。 ☆ ☆ ☆ そう、自分が洋館の外に出られないと思っただろう? 残念、それは外れだ。 自分はどこまでも追いかけてやる。 そして、全員食ってやろう。 青鬼は洋館から離れて行った。 【一日目/深夜/F-2】 【青鬼@青鬼】 [状態]健康 [装備]なし [所持品]基本支給品 不明支給品1~3(未確認) [思考・行動] 基本:全員食う。 [備考] ※本編終了後からの参戦です。 ※基本能力は最強です。しかし移動速度は遅いです。 希望のメンバーと絶望の殺し合い 時系列順 青木兄妹の親愛的愛情 希望のメンバーと絶望の殺し合い 投下順 青木兄妹の親愛的愛情 START 青鬼 鬼さんこちら、手のなる方へ START 佐藤翼 鬼さんこちら、手のなる方へ
https://w.atwiki.jp/sousetsuka/pages/15.html
ハメのこ、これは! YouTubeの動画です! アトランティカ クレアラシル プロモムービー2008 PC関連 中見出し戦闘音楽に飽きた人は! ※ネクソンでは許されておりませんので自己責任で! 戦闘音楽のフォルダはこちら↓ C \Atlantica\BGSound\BATTLE(Cドライブにインストールした場合) MUSIC_BATTLE_01.ogg MUSIC_BATTLE_02.ogg MUSIC_BATTLE_03.ogg MUSIC_BATTLE_04.ogg MUSIC_BATTLE_05.ogg MUSIC_BATTLE_06.ogg が戦闘時音楽ファイルとなっていますのでコレを差し替えれば音楽が変わります! ちなみにハメはmoveの『DOGFIGHT』等に変更してあります。 これでマンネリ化した狩りも楽しさ倍増! 変換の方法がわからない。こんな曲がいいんじゃない?という方はハメまでご連絡を!