約 679,009 件
https://w.atwiki.jp/orz1414/pages/389.html
○○:主人公らしい。しがない物書き。 射命丸:ご存知風神少女。「文文。新聞」の記者。「風を操る程度の能力」を持っているとか。 射命丸といると楽しい。次から次へと最新ニュースがやってくる。 他愛もないことがほとんどだけど、それを楽しそうに話す彼女を見ているのが何よりも幸せなんだ。 朝と言うには少し遅く、昼と言うにはまだ早いくらいの時間。 射命丸宅前。とりあえず呼び鈴のようなものがないので大声で呼ぶしかない。 「射命丸~手伝いに来たよ~」 「あ、勝手に上がってください~」 家の中から声が聞こえた。手が離せないのかな。引き戸を開ける。鍵はかかっていなかった。 「ほいじゃ、お邪魔しま~す」 中に入る。上がって、彼女のいつもの仕事スペースへ向かう。 「ようさ射命丸。なんか面白いことあったかね?」 「いいえまだ、これを書き終わったら取材にいこうと思っていたところですよ」 にこやかに答えるデスクに座って原稿を書いている少女。 この家の主でもある彼女の名前は射命丸 文。「文文。新聞」の記者だ。 「そか。ほれ、頼まれてた原稿。推敲は済んでる筈だけど一応確認しといてくれ」 そう言って彼女の頭に持ってきた封筒をぽす、と載せる。 「あ、ありがとうございます~」 ぱっと輝く彼女の顔に、俺は満足げに頷いた。 俺は○○。しがない物書きだ。 「あ、今回のお礼です」 封筒を渡される。 「別にいいのに……」 「いえいえ、これは仕事ですので。ちゃんと依頼したんですから報酬を取るのは当たり前ですよ」 「まぁ、な。でも大丈夫か? そっちの財政だってあるだろうし」 「あはは。でも○○さんのコラム、結構人気で購読者も増えてきたんですよ?」 「それは僥倖」 ありふれた会話をしながらこうして二人並んで茶を啜る。 俺の数少ない至福のひとときだ。 「ああ、それと……いいかげん名前で呼んでくれませんか?」 「それは出来ない相談だ、恥ずかしい」 「むー……」 ふくれる射命丸も可愛いとは言わないでおこう。きっと真っ赤になって怒るだろうから。 「ああ、ところで今日はどこに行くんだい?」 「はぐらかしましたね……もう、えっとですねー」 射命丸が手帳をめくる。 「紅魔館に最近男の人が通っているらしいんですよ、それの真相確認と、 人里に下りたのに全く悪い事をする様子もなく慧音さんのところに入り浸っている半獣とか、 ああ、そうそう、この前椛がカレシ作ったって言ってたんですよ~……」 「色恋ばっかだなおい」 幻想郷もずいぶんとフレンドリー(?)になったもんだ。 「人妖相容れず、とは昔の話か……」 「そうですね、だって」 そういって射命丸の顔が近づいてくる……。 ちゅ…… 「……私とあなたも、ですしね」 唇に重なる、くちづけ。 「そうだな……」 そういって射命丸を抱きしめながら頭を撫ぜる。綺麗な濡れ羽色で、手触りもすばらしい。 撫ぜられる彼女は気持ちよさげに目を細める。抱きつく腕に力が入る。 「好きだよ、射命丸……」 「私もです……○○さん」 幻想郷に来て、もう2年。 射命丸とこうして付き合うようになって半年か。早いものだな。 「○○さん……」 「ん……?」 「○○さんは、どこにも行きませんよね……?」 「ああ。俺はずっと射命丸のそばにいる……約束する」 しばらくそんな幸せな時間が過ぎていく。 好きな人がそばにいる。抱きしめられる。キスが出来る。愛を囁き合える。 この幸福な時間が、俺は一番好きだ。 気づけばもう昼過ぎにも差し掛かるような時間。 「さて、そろそろ他人様の色恋を取材してらっしゃいな」 にやにやしながら彼女に告げる。 「はっ! もうこんな時間ですか!」 幸せな時間ってのはあっという間に過ぎるのだよ、小林君。 「小林君って誰ですかっ」 「地の文に突っ込まない」 あわただしく出かけていく彼女を見送る。 「3時間くらいで戻りますね、危ないから帰ってくるまで家を出ないでくださいね」 「あいよ、がんばってらっさい」 もう小粒くらいになってしまった彼女に軽く手を振る。 戸締りをして彼女の仕事場へ。さっきまで射命丸の座っていた椅子に座る。 すげえふかふかする。いい椅子使ってやがるな……。 「これはいい、座り心地もいいしもう一本書くか?」 そうすれば執筆ペースに余裕が出来る。いいことだ。 「前回の医療ネタ好評だったみたいだな」 前回のコラム『本当は怖い蓬莱の医学』については投書でいくつか印象的な評価を受けていた。 曰く、「人権なき人体実験断固反対!」(永遠亭在住・匿名希望さん)とか 曰く、「だから座薬って言うな!」(職業弟子・匿名希望さん)とか 曰く、「科学ノ発展ニハ犠牲ハツキモノデース(職業博士・匿名希望)」とか。 「今回も医療ネタで行くか……?」 そんな事を考えながら俺はふかふかの椅子で眠ってしまった。 これはだめだ、気持ちよすぎ。 人妖相容れず、昔からの言葉。 そこに愛が芽生えたとて、種としての敵対が絶えることはない。 その妖怪は天狗だった。新聞記者だった。 その人間はただの人だった。物書きだった。 二人が仲良くするのを誰も阻むことはなかったが、それでも人と妖怪は敵対しなければならないのだ。 『群れ』として『捕食者』と『被捕食者』の関係である限り。 その天狗は男がその天狗の家へ入るのを忌々しげに見ていた。 「……………………………………………………………………………………………………」 何かをしきりに呟いている。 しばらくするとその天狗のみが出てきた。男が出てくる気配はない。 「………………………ね………………………もう……………………………………………」 辺りを見回し、少女が見えなくなるのを確認する。 「……に………………ね………………………もう………………………………からね……」 家に近づく。近づくにつれてその言葉ははっきりとしていった。 「人間に誑かされたんだね、可哀想な文……もうすぐ目を覚まさせてあげるからね……」 どんどんどん どんどんどん ぬふー、つい気持ちがよくて眠ってしまったぜ。 原稿進んでないでやんの。これは射命丸の椅子が悪い。きっとそうだ。 あとで文句言ってやろう。文句ついでに料理でも作ってやろうか。 「っと、来客か……俺が出るべきなんだろうか?」 「ごめんください! ○○さんいらっしゃいますか!?」 「あれ? 俺がいるのを知ってるのか」 とりあえず開ける。いたのは天狗の男性だった。何か切羽詰ったような口調だ。 「たいへんなんです! 文が妖怪に襲われて大怪我を!」 「え……!?」 言葉を認識して、頭が真っ白になる。嘘だろ、信じられない、そんな否定の気持ちの中に現れる暗く、寒い想像。 「すまない、案内してくれ」 一刻も早く行かなければ。その一念しか俺にはなかった。 「はい、こっちです!」 何の疑いもなく走り出す。 もう少し冷静になれば、もっと違う考え方も出来るというのに。 例えば、ここに俺がいるのを何故知っていたかとか、 走っている方角が明らかに何もない森の方角だったとか。 人と妖怪は本質的には敵対している事、だとか。 「今日も特ダネがとれましたね~」 文花帳を見返しながら一人ごちました。 やっぱり付き合っていたんだ、あの二人……。うふふ、いい記事が書けそうです。 そんなことを考えているうちに家に着きました。が、異変に気づきます。 「あれ? ドアが開いてる……?」 ○○さんならそんなことはしないはず。誰かに連れ去られるにしても家が壊された様子がありません。 わけもわからず私は家に入りました。しかし中は家を出たときと何も変わっていませんでした。 「○○さん?」 寝室、台所、私の仕事部屋。どこにも彼はいませんでした。仕事部屋に彼の原稿があったきりです。 「もう……どこにいるんですか……○○さん……」 私の声はひどく震えていました。不安がどんどん私の中で大きくなっていきます。 とにかく探しにいこう。 そう思った私の耳に、どこか遠くから、あの人の声が聞こえた気がしました。 気づいたらずいぶん山奥まで来てしまった。 ここに射命丸がいるというのか? 何か変な感じがする。 大怪我しているなら自慢の翼で永遠亭へでも連れて行けばいい。なぜこっちにくる必要がある? 「あー……」 ここにきて、俺はようやく気づいた。もう、かなりまずいことに。 「だまされた、か」 「ご名答ッ!」 がつっ! 不意に背後から蹴り飛ばされる。 唐突の出来事に何の対応もできないまま体が吹き飛ぶ。 「がはぁっ!」 吹き飛びながらも体勢を立て直し、相手を見やる。後ろには誰もいない 「どこを見ている」 すでに後ろに回りこまれていた。さすがは天狗、疾い。 ずどっ! 再び蹴り。とっさに身体を捻って防御姿勢をとった左足からごきりといやな音が聞こえた。 「っああああああああ!!!」 地面にたたきつけられる。奴がニヤニヤしながら近づいてきた。 結局のところ、やりあえば人間である俺には天狗にかなうわけがないのだ。 そうなれば後は、時間稼ぎしかない。 時間稼ぎをしてなんになる? なるさ。きっと。彼女は「風を操る」んだぜ? めきっ 思い切り胸の辺りを蹴られる。あばらが悲鳴を上げる。一気に息が搾り出される感覚。 また転がる俺。手加減ないな、本当に……。 「がはっ! ごほっ! ごほっ!」 息が出来ない。必死に呼吸を整える。 「クカカ、どうした人間、これで終わりか」 勝ち誇って様な天狗の声。 しかし朦朧とする意識の中で、一つの疑問だけが渦巻いていた。 搾り出すように、言葉にする。 「すまない……俺が……襲われる、理由がわからな」 「まーだそんな事言ってるのかぁぁぁあ!?」 だめだ聞く耳もたねえ…… 天狗が自らの爪を顕わにした。ああ、止めを刺すのか。 俺にはそれが夢の出来事のように思えた。爪があまりに禍々しく、悪夢のようだ。 困ったなあ……。怪我が嘘ならそろそろ射命丸が帰ってきてるじゃないか。 心配してるだろうなあ。悪いなあ。ん……? 腕が振り下ろされるのが見える。 まっすぐに、腹へ。 ざざざざざぐっ 「――――――ッ!!」 五指の爪が腹部から胸にかけて突き刺さる。 叫び声は出なかった。 「まぁ、ちょうど良い、最期だし教えておいてやるよ」 ここまで致命傷を与えておいてスッキリしたのか得意げに喋りだす天狗。 「オレはな、ずっと、ずっと文の事を見てきたんだよ。子供のときからずっとな。 一目見たときからオレは彼女の虜だった。大好きな文のことが知りたかった。 俺と文は常に一緒だった。何をするときも。どんなときも。 毎日一緒の道を歩いて、何をしてるか逐一チェックして。 何を持っているかとか趣味や普段何を考えているかとか調べて。 帰りも一緒の道を歩いて」 もはや何を言っているのかわからない。奴は俺を見てはいなかった。 「オレは彼女のことを何だって知っているぞ!何だって知っているんだ! 彼女の身長体重血液型スリーサイズ足のサイズ好きな食べ物好きな場所起きる時間寝る時間 風呂の時どこから洗うか月経周期彼女の食べたもの捨てたもの冷蔵庫の中身どこでいつ誰と会ったか!」 奴の吐露は続く。 「オレは文を愛しているんだ! ずっと大切に思ってきたんだ! それこそお前の何倍何十倍何百千万億兆倍も! それなのに!」 ああ……なんだ。簡単な話だった……。 「なぜだ! なぜ百年想い続けてきたオレが報われずッ!」 それは……ただの、嫉妬……じゃないか。 ぐじゅり、と爪がひねられ、内臓が混ぜられる。 「――――――……」 もう痛いってレベルじゃなくなってきたってのに聴覚も視覚も大丈夫な辺り、神様って意地悪だよなあ。 「現われてたった2年やそこらの駄人間風情に文を取られなければならないッ!?」 最期の方は殆ど嗚咽に近かった。 しかし不意にこちらに目をやり落ち着いた微笑すら浮かべて言う。 「だがもう大丈夫だ。お前はいなくなり、文はまたオレだけの文になる……」 なる訳ないだろ……と、言いたかったが、あいにく口からあふれ出す血液が喋らせてくれなかった。 だが目の端に浮かぶ黒い粒を見たとき、俺もようやく哂う事ができた。 「何がおかしいっ!? そんなになってもまだオレ……を……?」 しかしそこまで言って、奴もそれに気づいたようだ。 まったく、何でも知ってる?莫迦げているな。大事なことが分かっちゃいねえ。 文が好きなのは……俺なんだよ。 俺はお前の何京何垓禾弟穣溝澗正戴極倍も、文を愛してるんだよ。 「――!!」 遠くから聞こえてくる愛しい女の声。まったく、遅かったな。 だが、あの気持ち悪い吐露を聞かせずに済んだのは良かったと思える。 ああくそ、でも俺が死んだらやっぱり射命丸が泣くじゃねえか。バカだな、俺。糞……。 「――○○さんッ!?」 声が、聞こえる――あれ、何だ、視界がぼやけて来た。 ――あー……死にたく、ねえなあ…… 遡ること数刻。 ――っあああああ!! 「え……!?」 風に乗った悲鳴が私に響きました。 それは愛しいあの人の声。 そして、とても悲しい、認めたくないような予感。 「○○さんッ!?」 飛翔。一瞬にして最大速度まで加速、声の方向へ。 距離にして凡そ十数キロ。 「○○さんっ、○○さんっ! ○○さんっ!!」 最大速度でももどかしい。焦れば焦るほどスピードが落ちる。 「なんっでっ……!?」 私は自分の身の動かし方まで分からなくなるほど、混乱していました。 嫌な予感だけが私の頭の中を支配しています。 声が消える。それはまるで……。 「違うッ!」 私は頭の中のその考えを否定します。 もう少し、もう少しで着く、そう自分に言い聞かせながら幻想郷の空を疾走します。 「――いたっ!」 森の切れ目。そこに見えたあの人と、一人の天狗。 あの人は倒れ、木にもたれかかっていました。 天狗が腕を振り上げています。その手には、禍々しい爪。 「や……」 それを見た瞬間、頭から血の気が引いていくのがわかりました。 全速力で近づく。振り下ろされ、突き刺さる腕。 「いやあああああああああ!!!!!!」 最速で飛ぶ。叫び声は聞こえなかった。彼の服が赤く染まっていく……。 「○○さんッ!?」 すぐ近くまで来て彼の名を呼ぶ。彼は相手も見ずに私を見て、笑っていた。 声に気づいてこちらを向いた天狗が飛びのく。 「あ、文ッ!?」 天狗が私の名前を呼ぶ。そんなことはどうでもいい。 私は彼の元へ降り、ボロボロになった身体を抱き起こした。 「なぜ……何故なんですか……?」 何故、勝手に家を出たりなんかしたんですか。外は危ないって、あれほど言ったのに。 「本当に酷い人……」 こんな身体じゃ怒れないじゃないですか。 「ずっと一緒にいるって言ってくれたじゃないですか……」 嘘つきはいけないんですよ。嘘にしないでくださいよ……。 「私を置いて逝かないでくだざいよぉ……」 涙が止まらない。 いや、そんな事をしている場合じゃない。一刻も早く、治療を。 「あ、文……」 さっきの天狗が話しかけてくる。 「……誰? あなた」 目だけで見遣る。こいつが。 「誰って……オレが判らないのかい? ずっと見ていたのに!」 「そんなこと知らない。あなたなんて見たことも無い」 「君はその男に誑かされているんだ!」 「違う! あなたが、あなたが○○さんを!」 「だから、オレは文の事を想って」 「……消えて。気持ち悪い」 「あ……」 天狗の顔が絶望に染まる。自分の存在の完全な否定。 口が大きく開き、魂の叫びとも取れるほどの大音響がした。 「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアああああああああ!!!!」 後に残ったのはおびただしい血の跡と、一羽の呆けた烏天狗。 「あっのっこっはっ太ッ陽ーっのっ」 「小町っ」 「「えーんじぇー!!」」 「あほな事やってないで早く戻りなさい!」(スパーン 「アホちゃうわっ」 一気に目が覚めた。白い天井とベッド、永遠亭か。 「!? ま、○○さんッ!」 横を見ると射命丸がいた。目の下に少しくまが出来ている。 「おう、射命丸、おはy」 「何言ってるんですかっ!」 不意に抱きつかれる。見ると彼女は泣いていた 「え? あ、ど、どうした射命丸、どこか痛くしたか?」 慌てて聞いてみるが彼女の涙はどんどん溢れていく。 「っく、だって……ぇっく、ホントに……っく、……死んじゃったかと思ったんですもんっ」 正直、自分でも死んだと思ってた。三途の川が見えた気がするもの。 「○○さん、……っく、5日も、目を開けなかったんですよ?」 涙混じりにそう言われる。またボロボロと涙をこぼして。綺麗な顔が台無しじゃないか。 俺は射命丸に手招きする。そろそろと近づいてくる射命丸を抱きしめた。 アバラが痛いけどそんなことはどうでもいい。5日おそらく付きっ切りで看病してくれたんだろう。 その彼女に比べたら、この痛みくらいなんて事はない。 「悪かったって、ゴメンな、悪い、すまない、許してくれ」 「そんなに謝らなくていいです……」 しゃくりあげながら射命丸。震える彼女を強く抱きしめる。 駄目だな。俺。こんなに心配かけて。 「……なぁ」 「はい……?」 「ずっと看病しててくれたのか?」 「ええ、当然です」 「そか……ありがとうな」 「はい……」 ぎゅ、と腕の力が少し強くなった。 「……なぁ」 「はい……?」 「これから、もうしばらく世話になるけどさ」 「はい……」 「……退院したら一緒に暮らさないか?」 「……!! そ、それって……」 射命丸が顔を上げる。涙に濡れた顔がびっくりしている。 「ああ、……結婚、してくれないか」 「……~~ッ! はい! ふつつかものですが、よろしくお願いします!」 満面の笑みで答える射命丸。その腕は更に強く俺を抱きしm ごきり あ、あばら逝っt 「ッたたたたたた! がふぁっ」 「あああ! ごめんなさいごめんなさい!」 えーりんえーりんたすけてえーりん…… そんな事を思いながら俺の意識がもっかい暗いほうへ落ちた。 後日談 「……甘い話はもう沢山、骨はくっつけたから早いところ退院してね、 つか可及的速やかに出ていきなさいこの砂糖菓子が」 「ひでえ……」 えーりん先生に窘められた。怪我の原因とか色々話してたら惚気になってしまったようだ。 とりあえずあのあと俺はアバラが数本肺に刺さった上身体のあちこちがヒビいりの状態でえーりん・ラボ入りし、 色んな薬に漬かりながら一命を取り留めたらしい。ナイスファイト俺の身体。 「でもえーりん先生なら男の一人や二人、すぐでしょうに。なんでそういう浮いた話がないんですかね」 「簡単に言ってくれるわね……」 青筋ぴくぴく。何かまずい事を言っただろうか。反語。 「蓬莱人だからって愛することに臆病になっちゃだめですよ、俺だって……」 考えないようにしているが、あくまで俺と射命丸は人と妖怪。圧倒的な「持ち時間の差」がある。 それでも、それを理由に身を引く気は毛頭ないし、愛したことに後悔なんてない。 「そうね、じゃあ、あなたがもらってくれるかしら?」 「……へ?」 ずずい、と身を乗り出してくるえーりん先生。うーわ目がマジだぁ……。 「え、と……冗談ですよね?」 「冗談でこんなことしないわ」 さらに身を乗り出すえーりん先生。身体が密着する。上気した頬とみずみずしそうな唇が、 っていやちょっと勘弁してくださいって俺には射命丸が 「そこまでです!」 ずばんっ 司書の科白さながらに病室の戸を開け現れた、我らがブン屋、射命丸。タイミングまでばっちしだ。 「いいところだったのにぃ」 「はぁ、私の彼を取らないでくださいよ……」 「冗談よ冗談、ごちそうさまなことで」 ニヤニヤ笑いながら部屋の外へ。よく分からないが腕は確かなんだよなあ。 「それじゃ、ごゆっくり~。3時間ぐらい人払いしておくわね~」 一言余計だけれども。というか射命丸も顔赤くしないで!? あ、俺もか。 「まったく、○○さんは隙を見せすぎです! そのうち本当に誰かにとられちゃいそうですよ……」 射命丸にしょんぼり怒られた。 「ごめんごめん、でも誰がちょっかいかけてきても、俺は」 抱きしめる。俺よりも幾分小柄な彼女の身体がすっぽりと収まる。 鬼と同等の力をもつだとか、烏天狗だとか、そんなことはどうでもいいんだ。 「君を愛し続けるから」 「○○さん……」 頤を上げ、目が合い、そしてどちらともなく口付ける。 お互いに求め、与え合い、愛を交わす。 愛することは、与えること。与えて、奪うこと。奪って、分け合うこと。 「ん……ふぅ……ちゅっ……んふ…………ふぁっ……ちゅっ……」 気持ちが満ち、高ぶっていく。愛している。その言葉だけでは足りなくなる。 「ちゅっ……」 唇が離れる。二人ともはにかんだ笑顔で笑いあった。 「これからもよろしくな、射命丸」 「あ、その呼び方はもう駄目ですよ」 「恥ずかしいんだって」 「それでもです。だって、私の姓、変わるでしょう?」 「う”……わかった。わかったよ、……文」 「はい、あ・な・た」 ああもう、どうしてそう可愛いかなあ。 「きゃっ」 体勢を崩し、文をベッドに引き込み、抱きしめる。 「あと二時間以上人来ないんだよねぇ……」 体調はほぼ万全。体力の有り余る男の子は溜まるものなのだ。 「え、あの、ま、○○さん? ひゃっ」 「文が可愛すぎて我慢できない」 「そんな、あんっ……」 秋真っ只中、彼らの春は始まったばかり。 人払いも済んだようですし、魔女が邪魔しないように、この辺で。 @おまけ 気だるげに目を開ける。つい居眠りをしてしまったようだ。 書斎の机には半分くらい埋まった原稿用紙。よだれはなかった。 「~~♪」 かすかに子守唄が聞こえる。 コーヒーでも入れようか。俺は席を立つ。 「~~~~♪」 声のする方へ。そこにいるのは少女と赤ん坊。 「あ、あなた、おはようございます」 「ああ、おはよう。文」 少女の名前は射命丸文。俺の妻で、産休を取ってはいるが、新聞記者だ。 かつて幻想郷一と騒がれたその翼は今、赤子を育てる慈母であった。 「△△は?」 「ん、今寝たところです」 安らかな寝息を立てる可愛らしい赤子。俺と文の愛の結晶。名前は文と一緒に決めた。 「そか、お疲れ様、文」 「いえいえ……ちゅ」 軽く口付ける。 「コーヒー淹れようと思ったけど、何か飲む?」 「あ、じゃあ……私も同じので」 「了解」 とっておきを淹れようか。いいグアテマラが入ったんだ。 「お待たせー……って、あら」 「すぅ……すぅ……」 コーヒー両手に戻ると、眠る母子がいた。二人とも安らかな寝息を立てている。 「コレはいらないな……」 俺はコーヒーを置くと寝室からタオルケットを持ってきて掛けてあげた。 「むう、もう一仕事するか」 誰にともなく一人ごちると二杯のコーヒーを手に書斎へ歩いていった。 うpろだ1446 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「さて、今日も月が綺麗だな、っと」 まだ宵の口だが月はもう煌々と輝いていた。 今日は俗に言う「十三夜」だ、まぁ、「豆名月」とか「栗名月」とも呼ばれるが。 縁側には酒瓶、そして杯が二つにつまみが少々。俺は、ある一人を待っていた。 「さあ、て。忘れてるんじゃないだろうな」 鳥め、いや烏め。片月見は縁起が悪いんだぞ。 「失敬な! ちゃんと覚えてますよっ」 「うわぉ」 背後から声。振り返ると彼女はいた。 「忘れるわけないじゃないですか。あなたとの約束、私がすっぽかしたことがありましたか?」 「ああ……言われてみればないな、文」 「そういうことですよ」 満足げに頷く少女。山伏姿にミニスカート、背中に黒い翼を持つ彼女の名前は射命丸文。 幻想郷にいる誰よりも速い、新聞記者のカラス天狗だ。 こっちに居着く外来人は珍しいらしく、直撃取材を受けたのが馴れ初めだ。 当時は周りの援助無しには生活がなり行かなかったので、こちらからできることは 何でもやっていこうといろいろ話すうちに親交が深まって、今ではいい酒飲み仲間だ。 「はい、お土産ですよ」 差出された包みを受け取る。 「すまないね、……お、こりゃ団子か、風流だねぃ」 包みの中には串団子。しょうゆだれが月の光をてらてらと反射して、とても美味しそうだ。 「月見ですからね。お団子かな、と思いまして」 そういえば前回のお月見も酒呑んでただけでそういうお供えとかしていなかったなぁ。 「うむうむ。風情があるのは結構なことだ。ところで射命丸君、 俺の世界には羽二重団子というものがあってだね……」 ================================================================================ 中略 ~羽二重団子は文人達にも大人気だぞ! ================================================================================ 月を肴に酒を呑む。満月はなおも輝き、縁側を、二人を照らす。 「というわけなのだよ」 手には杯。俺は彼女の杯を満たす。 「ぜひ賞味してみたいですね。そんなに美味しいのですか……」 ぐいっとあおる射命丸。見ていて気持ちのいい呑みっぷりだ。 「美味しいさ。美味しいとも。普通の丸い団子ではなくて平べったい団子なのさ。 味はしょうゆとこしあんだったか。出来立てが食べられるから店まで行っていた」 今度は俺に酌をしてくれる。それを俺はやっぱりぐいとあおる。喉を焼いていく感覚。 今日何の酒だったか。まぁいい。酒は酒だ。 「○○さんがそこまで入れ込むほどならさぞかし美味なのでしょうけど、そんなに団子が好きでした?」 今日はなんとなく限界まで射命丸とペースをあわせてみようと思ったが。やはり天狗は凄い。 こちらがもうぐらぐらしているのに向こうはほんのり顔を赤らめるくらいだ。 「いいや。読んでいた小説で近場が舞台だったりすると、行ってみたくなるのさ。 今日読んでいたのは……そうだ、『吾輩は猫である』」 ほんの少しのつまみも消えて、団子を肴に団子の話を咲かす。 「ああ、あなたの持ち込んだ本の中にありましたね」 射命丸がまたくい、と杯を空ける。 俺は団子をほおばりながら答える。この団子も美味い。ふっくらもちもちの食感に、しょうゆだれが良く絡んでいる。 「ああ、ええと確か『行きませう。上野にしますか。芋坂へ行って團子を食いましょうか。 先生あすこの團子を食ったことがありますか。奥さん一辺行って食って御覧。 柔らかくて安いです。酒も飲ませます』ってな」 「何の話ですか……」 苦笑する彼女。酒を煽る。やはり美味い。 こうやって彼女と一緒に酒を飲むこと、それが美味さの秘訣なんだと思った。 酒が入って饒舌になってしまったか。いつもより1割増で喋っている気がする。 「ちょっと呑みすぎですよ、天狗の私とペースが同じなんて人間で耐えられるはずがありませんって」 「ははは、気にするな。それで何の話だったか」 「もう、羽二重団子の話でしたよ」 「ああ、そうだそうだ。根岸の芋坂、あそこの隼人稲荷の向かい側になあ、あるんだよ」 言いながらフラッシュバックする光景。懐かしい風景、笑いあった仲間、親の顔。 なんだかだんだん悲しくなってきた。郷愁? そんなもの感じたことがなかったのに。 「……帰りたいですか?」 脳裏に去来する光景はとまらない。子供のころ遊んだ公園、初恋の人、恩師の姿。 帰りたい? いや、そんなはずは。 「……いいや。帰りたいと思ったことなんて」 しかしこの悲しいと感じるものは何なんだ? 「でも、泣いてますよ?」 「え? ……あ」 言われるまでまったく気づかなかった。 俺は涙を流している。そんなばかな。団子の話で涙するなんて。いや、 「向こうが懐かしくなっちゃったんですね……」 心の中にひびが入った気がした。 「……っ もう、いいのさ、あっちは」 袖で涙を擦る。言いようのない寂しさと悔しさ、それに文に涙を見られたという恥ずかしさから、 顔を上げることが出来ない。 ふと、その俺の身体に何か暖かい感触。 「さびしいときは我慢しちゃダメですよ……」 文に、頭を抱きしめられていた。優しい言葉に、こころの何かが溢れてしまいそうだ。 「そ、か……ッ……ちょっと、胸、貸してもらって、いいか?」 「はい、私でよければ、どうぞ」 溢れる。せき止められていた何かが流れ出す。 「~~~~ッ!!」 そしてしばらく、声もなく泣いた。どうしようもなくどうしようもないものがあとからあとから噴き出してきた。 その間中、射命丸は何も言わず、ずっと俺の背中をさすり続けてくれた。その手はとても優しくて暖かかった。 ――青年号泣中…… 「落ち着きましたか?」 「ああ……ありがとな」 泣き腫らした目がかっこ悪くて、まともにあやの顔を見れない。酔いもすっかり醒めてしまった。 だけど気分はすっかり晴れて、とても気持ちがいい。重いものを下ろした後のようだ。 「で、何が原因だったんですか?」 「さあ? わからん」 「わからんって……」 「人肌恋しかったのかもな。そういう意味では文のあれは凄くあったかくて気持ちよかったぞ」 射命丸のほうへ向き直りながら軽口を叩く。ぼふっと一気に射命丸の顔が赤くなった。 「へ、ヘヘヘ変な事を言わないでくださいよっ」 「いいや、たぶんそれなりに至って素面にまじめだ」 ぐいっと杯を空ける。酔いが醒めてしまったから、呑みなおしだ。同じように射命丸もくいっと飲み干す。 「どうして、ここまでしてくれたんだ?」 射命丸の杯に注ぎながら訊ねる。 「それは……」 「それは?」 酒を飲む手が止まった。数瞬の迷い、そして 「○○さんの辛そうな姿を見ていたら、そうしなきゃって、思ったんです」 「そっか。文……ありがとな」 胸が一杯になった、見上げると少し月が滲んで見えた。 静かに杯を空ける。明らかに自分の限界を超えて飲んでいるが全然潰れる気配がない。 空を見上げると、明るい月がもう真上のあたりまで来ていた。 「やっぱり綺麗だな」 「幻想的ですよね」 幻想郷の月はもといた世界のものより大きい気がする。それは人口の明かりが少ないからなのか、 はたまた本当に人が住んでいるらしいし、本当に大きいのかもしれない。 「文」 月を肴に酒を呑む。 まったく、本当に綺麗な満月だ。 「はい?」 射命丸がこちらを向く。月の光が差し込んで彼女の顔をより美しく見せている。 「こんなときにいうのも変かもしれんが」 「好きだ」 ようやく言えた言葉。友達とその先のスキマを埋めるもの。 「……その言葉を待ってました」 にこりと笑ってはにかむ彼女が眩しく見える。 「いつからかはわからねえがな、酒飲み友達になっちゃったから、言う機会がなかった」 「もう、待たせすぎですよ」 「そうだな。遅かったか?」 「いいえ、ギリギリセーフ、です」 「それはよかった、ダメだったらどうしようかと思ったぞ」 「ふふ、あら、お酒が」 「ん? ああ、空、か」 二人の周りには既に横になった一升瓶が十数本転がっていた。 月を肴に美味い酒を呑む。きっと美味いのは彼女が隣にいるからなんだ。 好きな人と風情を感じながら美味い酒を呑む。これほど幸せなこともない。 多分このまま素敵な日々がずっと続くのだろう。 秋風が薫る。酒で火照った二人の肌を心地よく冷ましてくれる。 「どうする、泊まってく?」 「そうですね、お願いします。酔ってて今日は飛べそうにありません♪」 「元気じゃねえか……」 やばい、急激に眠くなってきた。 「……すまん、客間に布団あるから使ってくれ、おやすm」 自分の布団に転がり込む。まぶたの落ちるのと意識が落ちるの、どちらがが早かっただろうか。 意識が闇から浮き上がってくる。体の感覚が戻っていく。腕に何か違和感。身体に触れる柔らかいもの。 「んぅ……?」 うっすらと目をあけると障子に木の枝鳥の影。もう朝みたいだ。 人間あんまりびっくりすると声が出ないものだな。 「……すぅ……すぅ」 横で俺の腕を枕に眠る、女の子、つか射命丸文。烏天狗の少女。 「……おおう」 (落ち着け俺。まずは素数を……2・3・5・7・11……4903……5987……) 「んぅ……」 もぞもぞ。射命丸がこちらに擦り寄ってくる。寝顔が無防備で可愛らしい。 (7789……7951……8111……9419……9973……) 鼓動が早くなる。うん、我慢は良くないな。 ゆっくりと彼女の髪の毛に触れてみる。つややかな黒髪がさらさらと指を通り、気持ちいい。 「ん……あ、………………○○さん?」 目が覚めたみたいだ。それも一気にばっちり。ものっそい勢いで起き上がる。 「え? あ、な、何で私、○○さんとッ!?」 「正直俺が問いたいくらいだが時に落ち着いてくれ文そんな言い方だと少し傷つく」 そんなに引かなくても良いじゃないか。なあ? お酒は人を素直にします。 お酒は人を駄目にします。 お酒はいい飲み物です。 「あ、あやややや……///」 真っ赤っかになって恥ずかしがるこの少女が可愛くてたまらなくなり、抱きしめた。 「おはよう、文」 「……おはようございます、○○さん」 赤面しながらもほやっという柔らかい笑顔で挨拶。 顔が熱い。鏡は見ていないがきっと俺も赤いんだろう。 「それにしてもアレだけ飲んで平然としているなんて、凄いですね」 「お前ほどじゃないさ。『酒に強い程度の能力』とか?」 「それもいいですね、○○さんと美味しいお酒が一杯呑めます」 屈託のない笑顔でそう言ってのける。 他愛のない幸せな会話。こころが繋がる喜び。これが恋なのか。 「とりあえず朝飯にしようか」 「はい、手伝いますねッ」 台所へ向かう二人の距離は、昨日よりも少し、縮んでいた。 @おまけ ○○「すきまのひとー」 ブチャラt…紫「『スティキー・フィンガー』ッ!(ジィィィーー)何かしら?」 ○○「なにかちからがほしいよー」 紫「持ってるじゃない」 ○○「そーなのかー?」 紫「呑んだり打ったり買ったりする程度の能力」 ○○「だめにんげんじゃないかよー」 紫「じゃあ呑む特化にしてあげる」 ○○「わーいありがとー」 ○○「……という夢を見てだね」 文「ホントですか!?」 ○○「特化しても天狗や鬼には敵わないってさ」 文「なるほど、ところで犠牲にした打つ、買うの力は?」 ○○「あれから博打事に滅法弱くなってなあ。買うは……」 文「買うは?」 ○○「……だって幻想郷に女郎宿ないs「不潔ですッ」(スパコーン)……じゃあ聞くなよ……(がくり」 うpろだ1448 ─────────────────────────────────────────────────────────── up1396の後日談的な話らしきもの。 でもちょっとも繋がっていない気がする。 ○○ :おそらく主人公。個人経営の料理人。料理は魔法と言い張る。 射命丸が大好き。 射命丸:幻想郷のブン屋。新聞記者の烏天狗。前回の話で料理は苦手ではなくなっている。という設定。 ○○が大好き。 霊夢 :博霊の巫女。主に空を飛ぶ。料理は才能と言うと思うだのだが。●●が大好き。 ●● :博霊神社の居候? 空は飛べる。料理はからっきし。霊夢が大好き。 テーマ「どっちのほうがラブラブか?」霊夢vs射命丸 起――何が原因か 彼女は思いつめた表情でこう言った。 「――誰にも負けない料理が作りたいんです」 「……は?」 いきなりそんな事を言われても、僕はどうしたらいいか分からない。 「だから、するんですよ。料理勝負」 そーなのかー、で、誰と? 「あの紅白の巫女とです」 あー……なんでまた? そう訊ねると彼女はコホンと一つ咳払いして語り始めた。 それはまた、女のプライドをかける勝負なのだとか。 正午、博霊神社 「ふんふん、それでは昨日はずっと一緒にいたと」 「そうだよ、特にすることも無かったし、宴会も無かったからね~」 「なるほど、ではそのときの霊夢さんの様子をば、もう少し詳しくお聞かせ願えないでしょうか?」 「ん~そうか~そうだな~……コタツで並んでお茶飲んでたらさ、肩に頭をちょこんと載せてきて 『あのね、こうやってずっと一緒にいられたr』「チェストオオオオオ!」ぶべらっ!」 ズザァァァァッ 見事な、それはもう見事なフライングクロスチョップ。そしてクリーンヒット。 境内の向こう側へ転がっていく●●さん。南無です……。 「またあなたね……」 その人はため息混じりにこちらを半眼でみつめています。 ミ○・マスカラスの如きフライングクロスチョップを決めた主、博霊霊夢の攻撃により 私の取材は中断せざるを得ませんでした。 しかしここで挫けるやわなあややではありません! ここは霊夢さんにも話を! 「はい、少しお聞きしたいのですけど」 「何? 惚気話はするのもされるのも嫌よ」 手厳しい、いやいや、まずは外堀を埋めなければ。 「そういえば、今日はご飯は何を?」 妥当な、当たり障りの無い話題から。基礎中の基礎ですよね。 「ええと、鯖が手に入ったから味噌煮にして、お味噌汁と炊き込みご飯、それに漬物とデザートに」 「ちょ……やけに豪華ですね」 博霊神社の経済状況は良くなったのだろうか。 「だって、彼、凄く美味しそうに食べるだもの。こっちだって気合が入るわよ」 穏やかな微笑と少しばかり紅がさした様な頬、見つめる目はどこか遠く…… ってその彼アンタが吹っ飛ばしたんじゃ。 惚気云々はなんだったんでしょうか……。 「それでね、彼ったら『霊夢の作る料理は本当にどれも美味しいね』って」 「あ、はぁ……」 「やっぱりああいうときに女としての幸せを感じるのよねぇ……」 聞いてないことまでどんどん喋る。暴走モード? 確変? パターン紅白? 巫女襲来? 「そういえばあなたは?」 「へ?」 何故かこちらに質問が飛んできた。 「だから、彼に何か作ってあげたりするの?」 「う……」 そう言われると、言葉に詰まる。私は彼と一緒に暮らすようになってもあくまで 新聞記者として活動していたので、相変わらず食事に無頓着でした。 ○○さんの作ってくれたご飯が美味しいし、彼も満足そうだったので、全く考えたことが無かったのですが。 そう思った途端に顔が熱くなるのを感じる。 「あら、何もしてあげてないんだ」 「え、えーとですね……あはは」 私は愛想笑でごまかすことしかできなかった。我ながら情けないです。 「ふぅ~ん♪」 勝ち誇ったような顔で下から見下される。何か悔しい。 そうだ、今日は○○さんに何か作ってあげよう。 「あら、あなた料理できたの?」 地の文を読まれた気がしますが、まぁそれはこの際置いておいて、聞き捨てなら無いセリフです。 「失礼なっ、これでも○○さんから直接指導をしてもらってるんですよっ」 「練習しても成果を出さなければ何にもならないわ」 「ぐぅっ」 痛いところを突かれました。知っていても料理は作らなければ食べられないです。 「仕方ないわ、私達のほうが愛しあっているもの」 うっとりとつぶやく霊夢さん。む、意味は分かりませんがこれも聞き捨てなりません。 「いえいえ、○○さんと私達のほうが深く愛しあっていますよ?」 「へえ、それならどちらの愛が深いか勝負しましょう」 「いいですね、やりましょうか」 私と○○さんのコンビが負けるわけがありません。 「というわけです」 「どういう訳かはわかったが……ずいぶんと不利な戦いを受けたものだな」 料理勝負。毎日●●のために食事を作っている霊夢に僕からいくらか指導を受けたとはいえ 実戦経験の少ない文は場数的な意味で圧倒的不利。 普通にやったんじゃ負けるな。 「僕は手伝えないのかな?」 「いいえ、これは女の戦いです。それに●●さんと○○さんは審査員ですよ」 そーなのかー、それじゃどうしようもないな。 「どうしてくれようか」 「だから負けないような料理を」 「残念ながらそんなものはないよ」 「うぅ~……」 料理人が料理勝負で負けないためには数多くの料理を、調味を、技術を習得し、 食べる人が最も喜ぶメニュー、味付けを経験からチョイスして提供するからだ。 それは、一朝一夕でできることではない。 「そうだ、テーマとかはないのかい?」 「テーマ?」 「料理勝負ならテーマがあるはずだろう?」 「それが、直前に籤で選ぶらしくて……」 ああ、それも料理勝負の王道だな。まいったなぁ。 「あ、そういえばいつだっけ? 勝負」 「えっと、明日でs「あきらめよう」早ッ!?」 無理だ。いや、無理以前の問題かもしれない。 「仕方ない。じゃあ、とりあえず今日の夕飯を文に作ってもらおうか」 「わ、分かりましたっ」 これまで文に教えたのは主にご飯ものとデザート、焼き物くらいだ。 蒸し物煮物は殆ど教えていない。時間が掛かるからだけど。 「とりあえず得意なものが来ることを願うだけだなぁ」 鳥料理だけは来るなよ……。 そう願わずにはいられなかった。 承――物事は流転する。展開する。 夕方くらい。もうお日様は森の中なので見えない。 真っ暗な森だがその店からは明かりが漏れていた。 「できましたっ」 文が料理を運んでくる。いいにおいがさっきからしていたが、何を作ったのだろうか。 「おお、美味しそうだね。これは」 彼女が作ったのは中華、海月皮(つまりクラゲの前菜)、糖醋非骨(いわゆる豚ロースの酢豚)、麻婆豆腐、卵のスープ。 「き、気合入ってるなぁ」 「はいっ! 久々なのでがんばっちゃいましたっ」 割烹着姿の文がころころと笑う。ううむ、もう立派な奥さんじゃないか……。 というかこれだけ作れれば十分だとも思うが、霊夢は一体どんなものを作るんだ……? 「ま、とりあえず賞味賞味show me~」 「…………」 「「いただきます」」 ガチ無視はないと思うんだ、うん。 とりあえず夕食になった。幾分文の表情が消えているのが寂しい。 まずは前菜。うん、コリっとぷりっと瑞々しい。 クラゲがしゃっきりぽんと舌の上で(以下略) ================================================================================ ~閑話休題 料理は勝負! 勝つためには容赦しないぜ○○は! カカカカカカカカカカ―――! ================================================================================ 「「ごちそうさまでした」」 空になった皿達と、二つの湯のみ。 正直料理は凄くおいしかった。一応和洋中作れると自負してはいるが本格中華 「いつの間に中華なんか?」 教えた覚えがなかったので訊いてみる。 「中華かどうかは知らないですけど、親が家で作ってくれてたんですよ」 「へぇ、家庭の味なんだ」 「はい、○○さんのおかげで基礎は出来るようになりましたから」 基礎ってレベルじゃねーぞ常識的に考えて……。 でも、なんかいいな、こういうの。 「奥さんみたいでいいなぁ、こういうの」 「えへへ、また作ってあげますね」 真っ赤になる文が可愛かったので頭を撫でてみた。 顔を赤くしながら目を細めて気持ちよさそうにする文。 「……明日、勝てますかね?」 撫でられながら文が訊いてきたので 「勝てても勝てなくても僕は文が一等好きだよ」 と答えた。 「その返し方はずるいです……」 そう言ってふくれる文の顔は満更でもなさそうだった。 ううむ、勝負の必要がないと思うんだけどなあ。 結局一日ではどうにもならないので、とりあえず体力温存で寝る方が良いと判断した。 「……寝ようか」 「……そうですね」 まだ不安そうだったので、 「ふあっ」 後ろを向いた彼女に抱きついた。ぎゅー。いいにおいがする。 「ま、○○さん?」 うろたえる彼女の頬に口付ける、軽いキス。 「大丈夫。なんとかなるさ」 「……はい」 いくらか安心した顔になってくれた。 「それじゃ、おやすみ」 「おやすみなさい……」 そして、次の日を迎える。特段何も準備をしていないが、まぁ、なるようになるだろう。 翌日、ところかわって永遠亭中庭。 「はてさてやってまいりました」 「第一回、突撃!どっちのばんごはん!」 「混じってる混じってる」 実況席には幽々子さんと妖夢さんだ。妖夢さんが早速疲れた顔している。 それにしてもこの幽霊少女、ノリノリである。 「さて、今回は2組の愛の深さを確かめるべく、料理勝負と相成りました!」 「一体どちらが勝つんでしょうかね、正直なところどちらでもいいですが」 「さあ、両選手の入場です!(ぎゅぅぅ)」 「いひゃい、いひゃいでふぅぅぅ……」 あー……伸びてる伸びてる、痛そうだなぁ。 ばしゅん! スモークが焚かれる。 ステージ両脇に作られた赤と青のゲート。中央にはキッチンセットが二つ。 そこいら中に食材の山、山、山。本当に酔狂なイベント一つにこんなに本気になる必要があるのかとつくづく思う。 赤のゲートのカーテンが開き出てきたのはいつもの巫女服に割烹着の巫女。 「赤ぁコーナー! 155センチぃ! @@パウンドぉ! 博霊ぃぃぃぃぃい! 霊ぃぃぃぃぃいい夢ぅぅぅうううう!!!」 ものっそい歓声が上がる。てかこのコール誰してるの? とか思っていると青のゲートのカーテンが開き飛び出してきた、コックコートの少女。 ……あれ? あれ僕のコックコートじゃね? 「青ぉコーナー! 157センチぃ! @@パウンドぉ! 射命丸ぅぅぅぅぅううう! あぁぁぁぁやぁぁぁぁあああ!!!」 こちらも同じくらいの歓声が上がる。声の方を見遣ると一体幻想郷のどこに コレだけの人がいたのかというほど観客席には人がいた。半分くらい兎だけど。 なんか焼き鳥とかビール売ってる夜雀がいたけど突っ込まない。 なんか熱気が凄いので机にあった水差しから水を飲む。見ると●●も同じ事をしている。 「いやはや、お互い大変ですね」 「ははは、まったく」 「「僕らはそんなことしなくても好きなのは変わらないって言ってるのに」」 声がかぶってしまった。親友になれそうだと思った。 ステージ中央の奈落から誰かせり上がってくるのが見える。 「そしてレフェリー兼リングアナウンサーの霖之助です」 アンタかよ! 二人が並ぶ。握手を交わす二人は穏やかに見えた。 「よろしくね」 「よろしくお願いします」 ……穏やかに終わるといいなぁ。 「では、この方に御題の籤を引いていただきましょう、どうぞ」 またスモークが吹き上がる。演出凝ってるなぁ。 「任されたぜ」 白黒じゃねえか。ああ、もう箱をさごそやってるし……。 ドラムロールが鳴る中、白黒が箱の中をごそごそやっている。 「よしっ、コレだぜ!」 ぺかーっ、と取り出した球にはこう書いてあった。 「なになに……『シチュ;彼氏が風邪を引きました』」 「オーダーはいりました『彼氏が重篤』!」 へ?呆然とする僕と●●。シチュって何だ。つかオーダー間違ってるぞ! ……あれ? 頭が重……? 「言ったでしょう、『お題』って――」 僕が意識を落とす寸前に聞いたのはそんな八意先生の声だった。 転――そして事態は思わぬ方へ。 「「!? これは!?」」 私と霊夢さんの声が重なる。お題を聞いた途端に倒れ、担架で座敷へ搬送される○○さんと●●さん。 お題は「彼氏が風邪を引きました」だった。コレは一体……? 「さて、これはこちらから改めて説明させていただきましょう」 いつの間にか横に立っていた八意先生。マイクで小指が立っている。もう片手には液体の入った小さなビン。 「先ほど○○君と●●君にはこの『えーりん特製・看病ドリームV』を投与させていただきました」 「どういうことです!?」 思わず語気が荒くなる。 「現在あなた達の彼は、かなり酷い風邪をひいている状態になっているわ。 体力は落ち、全身に倦怠感や寒気、発熱の症状が出る。薬の影響なので粘膜系には影響は無いけどね」 「意味が分からないわ。早く治して頂戴」 霊夢さんも怒っている。 「それがあなた達に出された『お題』だって言っているでしょう?」 一旦言葉を切って、天才薬師が高らかに宣言をした。 「今日はあなた達にちょっと(彼への)尽くし合いをしてもらいます!」 そうか、そういう事か。彼らの風邪も含めて『お題』なのか。 それより一瞬どこかの映画監督の幻影が見えた気がした。気のせいだと思いますが。 「薬の効果は強力よ。下手すると死ぬかもしれないわ」 「「そんな……」」 そんな事を言いながら彼女は不適に笑う。 「あなた達には彼らを看病してもらいます、大丈夫。正しく看病すれば明日にはよくなるわ」 あまりに理不尽だ。でも、これも私達の愛を試している……? 「どうする? やってみる? 私が助けてもいいけど」 ニヤニヤされる。あの人に任せたら今度はどうなるか分かったものじゃありません。 「「……やります」」 結局、私達に選択肢は無いということですね。 風邪にいいもの、それは身体を温めるもの、消化のいいもの、免疫活動を活発化させるもの が良いとされるけれど……。 そんなもの分からないです。 まずは彼の様子を見に行くことにしました。 布団に寝かされている○○さん。苦しそうな寝息をしています。 額に手を触れてみる。 「熱っ」 凄い熱でした。まず料理よりも氷まくらが必要です。 会場の氷室から氷を砕いて袋に詰めていく。ついでに桶に水を汲んで手ぬぐいを浸す。 見ると霊夢さんも同じ事をしている。向こうの彼も同じ状況なんですね。 相変わらず苦しげな彼の頭を上げて、間に水枕を差し込む。すると、彼の目がうっすらと開きました。 「ん……? あれ? 僕、どうなって……文……?」 「あ、○○さんっ」 「うぐ、く、くるしい……」 思わず抱きしめてしまいました。危ない危ない。 搾った手ぬぐいを乗せると、いくらか楽そうになりました。 「ふぅうぅ……つめたくて気持ちいい……」 「今何か食べるもの作ってきますから」 「うー……食欲ないー……」 「だめです。食べないと治るものも治りませんよ」 「うー……」 「いま何か作りますから、待っててくださいね」 唸る彼は心配ですけど、何か作らないと。 とはいっても病人に食べさせるものなんてお粥くらいしか知らないです。 「やっぱりお粥、ですかね」 定番ですよね。王道に勝るものなしってやつです。 カップに少しのお米を採り、そのカップのままで洗う。土鍋を火にかけ昆布でだしをとる。 「あ、○○さん……」 だしをとるまで時間があるので○○さんのところへ。 ○○さんは先ほどよりも楽そうな寝息になっていました。 手ぬぐいがぬるくなっていたので冷やしなおす。 「んぅ……」 少し身じろぎをする○○さん。汗で気持ち悪いのでしょうか? もう少し我慢していてくださいね。 「んー…………ゃ……」 「え?」 「ぁゃ……すぅ……」 彼の呟きを聞いて元気がふつふつ沸いてきました。 待っていてくださいね! 絶対に元気にして見せますから! ================================================================================ ~閑話休題 うどんって実はそこまで消化にいいわけじゃないゾ! ================================================================================ 「さあてはじまりました、『第一回、出没!どっちの料理天国!』」 相変わらずハイテンションな亡霊少女と、 「タイトル違……まぁいいです、いきなり外来人のお二人、酷い目にあいましたね」 冷静に被害者の心配をする半霊少女。 「水差しに入ってたみたいよ、薬」 「うわぁ、えげつない……」 本当にえげつなかった。 「それでも何とかなるんですねえ、多分」 テンポよく掛け合う解説席の二人。会場各所に設けられたスキマビジョン(隠しカメラ、とも言う) により、二人の動向は完全に丸見え。 現在モニターには一生懸命料理する烏天狗と博霊の巫女が映っている。 「さあ、博霊の巫女は現在なんでしょうかねあれ? 何か飲み物でしょうか……? え? ウィスキー? ウィスキーなのかぁっ!? ウィスキー入ったぁぁああ!」 「あーあれは玉子酒ですね、エッグノック。永琳氏の薬に風邪薬の成分が入っていない事を祈るばかりです」 「対する烏天狗はぁ、おおっと定番中の定番、王道の中の王道、キングフォアサウザンドイヤーズ!」 それにしてもこの幽々子ノリノリである。うぃーあーきんぐおぶみりおんてぃあーず。 「最後違いますし、まぁ、定番のおかゆですね」 幽々子とは対照的に冷静に解説する妖夢。ボケと突っ込みのバランスの取れたMCだった。 病室が写されたモニタには二人の男が映っている。 一人は●●。博霊の巫女の恋人にして外来人。 一人は○○。カラス天狗の恋人にして外来人。 二人とも説明も似ているが状況も大体同じである。顔が赤く、呼吸が荒く、不規則。 軽く人生の瀬戸際感が滲み出ている。全くこんな状況に誰がした。 「唯の勝負じゃ面白くなかったのは確かだけどね」 不意に解説席に永琳が乱入してきた。 「あら永琳」 「だってあのままだと結果は分かりきっていたもの」 当たり前のことのように言い切る永琳。だが実際にそうなのだろう。 「まぁ、十中八九の九分九厘間違いないわね~」 永琳の指摘に同意する幽々子。やはり誰から見ても、らしい。 「だから『主催者』の意図でね、少し土俵を整えてみたわ」 にやりと笑ってみせる。 「整えられた土俵側はたまったものじゃありませんね……」 呆れ顔の妖夢。そしてふと気にかかったこと。 主催者の意図? 永遠亭主催じゃないのだろうか? 「あれ? 輝夜さんが主催じゃないんですか? 主催は」 すると、永琳は何も言わずにあさっての方向に指を向ける。 そこにあった看板(御大層に『第一回、輝け!国民的どっちの料理ショー!』と書かれている) には、こう書かれていた。 『主催:(財)スキマ産業株式会社』 「「…………」」 まぁ、多分さっきから登場してそうでして無いあの人なんだろうが……。 去来する思いは皆一緒だったとか。 約30分ほど経過。 米の柔らかさを見る。うん、丁度良いです。 「できましたっ」 火を消し、土鍋に蓋をする。濡れ布巾を使い、鍋を持ち上げる。 中身は白粥。調味料は昆布だしプラス愛情、それだけのシンプルなもの。 消化器官がやられているときはこれくらいのほうがいい、はず。 早くもって行きましょう。あの薬師の薬ですから○○さんが心配です。 私は焦る気持ちを抑えながら彼の部屋へ向かいました。 ……で。 「……いや、一人で食べられるから」 「駄目です、病人は大人しくしててください」 さっきからもう5分ほどこの問答は続いています。 原因は白粥。些細ですけど、重要なことです。 簡単に言うと 「私が食べさせてあげますっ」 「一人で食べれるってば……」 顔を真っ赤に――風邪の所為かもしれないが――しながら、自分で食べる事を主張する○○さん。 むう、このままじゃ埒が明きません。強攻策です。 「はい、あーん♪」 レンゲですくって彼の口の前へ。 「や、一人で……」 「あーん♪」 羞恥に染まる彼の顔がとっても可愛く見えました。 「~~……ッ、わかった、食べる、食べるから」 「えへへ、はい、じゃあ改めて、あ~ん♪」 「あ、あーん……んむ……んー」 あけた口にゆっくりと入っていく。ゆっくりと咀嚼し、嚥下する。 「ど、どうでしょうか?」 大丈夫かな、味付け間違っていなかったかな……? 何度も確認したはずなのに心配になってきます。 「ぐう、せっかく文が作ってくれたのに味が分からない……」 がっくりとうなだれる○○さん。 「でも、文が作ってくれたんだと思うと心があったかくなって元気が出てくるよ」 こういう事を真面目に言っちゃうんですよね、○○さんは……。 私のほうが赤くなっちゃうじゃないですか。 「それでは、もう一口どうぞ」 レンゲでもうひとさじ掬い、熱を冷ます。 「ふー、ふー……はい、あーん」 「あーむ……んむむー」 もうやぶれかぶれなのか反抗せずに食べる○○さん。赤くなっちゃってかわいいです。 そうやってゆっくり食べさせても、そんなにたくさん作っていたわけではなかったので 土鍋はあっという間にあと一口になってしまいました。 そこで私は一つイタズラを思いつきました。 「これで最後ですよ」 「ああ」 すくったおかゆを私の口へ。やっぱり最後の一口って熱が抜けてしまっています。 よかった、味は大丈夫みたいでした。 「ん? 文?」 ○○さんがきょとんとこちらを見ています。 私はそのまま彼の頭を抑えて彼に口付けます。 「え、ちょんむっ……!?」 彼に口の中のおかゆを送り込む。わけもわからずあたふたするのが舌でわかって面白いです。 悪戯心に彼の舌に絡めてみる。体勢を立て直した○○さんの舌が絡み付いてきました。 「ん……ふぅっ……ちゅ……」 気づけば私達はおかゆそっちのけでお互いの舌を味わいあっていました。 「ちゅ……はぁ……」 どちらからとも無く離れる。二人の間に銀の橋が架かり、切れました。 イタズラのつもりが本気になっちゃいました。顔が熱いです。 「……ご馳走様でした」 「……はい、お粗末様です」 彼の顔に少し生気が戻ったように見えます。真っ赤なだけかもしれませんが。 この様子なら明日には治っちゃうかもしれませんね。 「あ、そうだ。汗かきましたよね?」 彼の前に濡れタオルと乾いたタオルを用意する。 「ん? ああ、そういえばそうだね」 というか凄い汗ですよ、○○さん。 「身体拭きますよ~」 「ああ、よろしく頼むよ」 汗で濡れた上着とシャツを脱がせる。この様子だと○○さんは全身汗だくです。 ぬれタオルで○○さんを拭いていく。汗で気持ち悪そうだった○○さんが気持ちよさそうです。 「ああ、気持ちいいよ、文、うん、もっとそこを重点的に……そうそう、上手……」 なんかどきどきする事を言わないでください。また顔が熱くなってきますから。 乾いたタオルで更に拭いてすっきりしたところに新しいシャツ。 すっかりすっきりした感じの○○さん。 「安静にしててくださいね、熱も下がりましたしゆっくり休めば後は大丈夫だと思います」 「そか。ありがとな、文」 ○○さんが手を伸ばしてきたので、それを握る。 「なんか、こうしてもらうと、安心する……」 「あの……なんなら添い寝、しましょうか?」 「ん……」 彼が少しずれる。それを肯定の意として私も彼の布団へ滑り込みました。 言葉はもう、要りませんよね? (一方その頃会場) 「おおっとこぼした、しかし、ああっと、そのこぼした液体を舐め取っているぅうう!?」 「いったかどうか、はいったあぁあああああ!!!」 『おおおおお!!!』 会場はかつて無いほどのボルテージだった。 会場には巨大なモニター(通称スキマモニター)があり、そこに二組の恋人が映されている。 そして各モニタにははかりのようなものがついており勘亭流文字で 『糖 度 計』 と、書かれていた。 その目盛りは既に両者一杯一杯である。 「さあ両者熱くなってまいりました! なんというか羨ましいッ!」 「ぶっちゃけましたね幽々子さま……」 射命丸と○○も熱かったが霊夢と●●も同じくらいに熱かった。 ○○より起きるのが辛そうな●●を霊夢は抱き起こし、自ら口移しでエッグノックを飲ませていく。 こぼれたものは霊夢が舌でちろちろと舐めとっていく。そのこぼれた場所があまりに危険だったため 途中で何か突き動かされるものを感じ因果関係を確かめるべく会場にやってきたコンバットなバチュリーにskmdyされるほどであった。 しかし奇遇にも最終的に両者が取った看病は同じになる。 両者添い寝となり、布団の中でごそごそ始めたところで ぼん と音を立て振り切った糖度計が壊れてしまい、両方同時にモニターが消えてしまった。 「こ、コレは……!?」 「どうやら『甘すぎた』ようね、文字通り」 「おーのー」 困惑する妖夢に冷静につっこむ幽々子。やる気の無い悲鳴をあげながら現れた紫。 「……これは、続行不能ですね」 こめかみを押さえながら妖夢は言う。 審査することが出来ない以上、これ以上の継続は不可能である。 「そうね、機器が壊れてしまったのだもの」 「そもそもどこから仕入れたんですかこんなもの……」 糖度計。言われて見れば「なんだそれは」なトンデモ計測器である。 メカニズム以前の問題のような気もするが。 そういった疑問を 「乙女のヒ・ミ・ツ」 と、語尾に(はぁと)をつけるように言い放つスキマ妖怪。 時々思う。このスキマ妖怪なら「伝説の蒼狸」とも繋がりがあるのではないかと。 ――運営本部より残念なお知らせです。ただいま計器が壊されてしまい、 競技の継続が不可能となってしまいました。真に残念ではありますが、これにて 『第一回、痛快!毎日料理ショー!』閉幕とさせていただきます。お疲れ様でした。 『第一回、魁(さきがけ)!どっちの料理塾』 △博霊 霊夢 - 射命丸 文△ (3時間15分22秒 計器故障によりノーゲーム) 結――すべての結末が必ずしも綺麗に終わるとは限らない。 突如現れたスキマに決定事項を告げられ二人はその事を知り、驚きの表情を浮かべた。 観客席は空になっていて、残っていたのはニヤニヤ笑う主催者ならびに関係者。 一部始終を見ていた一同はずっとニヤニヤしているし、二人は当然のごとく説明を求めた。 「……というわけでノーコンテスト」 「「んなっ!?」」 さらっと告げる主催者に真っ赤になって絶句する二人。 というより彼女達を赤くしていたのは風景を「スキマモニター」にてしっかり覗き見されていたことを知ったからだろう。 自分達がやっていた看病を振り返って茹でダコのように赤くなる二人と、いまだぐったりしている男子両名。 「まぁ、熱は下がったようだし、あとは各自一晩ぐっすり休めば治るわよ」 からからと笑う薬師に 「「そういう事でなくて……」」 と、食い下がるも 「勝負には審査が必要でしょう? それとも、密室での出来事を見ずに審査しろとでも? それ以前に事前に知っていたなら『よそ行きの看病』になっちゃうじゃない」 「「う”」」 そういわれると反論の仕様が無かった。 「いやー、どちらも甲乙付けがたい熱々っぷりだったぜ」 にやにやしながら白黒に茶化されると元々勝負だといっていた事自体がばかばかしくなってきた。 「ほら、これに懲りたら変に対抗意識燃やして勝負とかしてないで人知れずいちゃいちゃしてなさい」 永琳にそう言われてまた赤くなる二人。ぐったりしたままの両名。本当に大丈夫なのか? 「ほらほら病人連れて帰った帰った」 看護する気はない、とばかりに二人の少女の背中を押す。 「なんだか、色々ご迷惑をおかけしました」 天狗少女は会釈をし、青年を抱えて飛び立ち、 「いや、でもこれをうちでやればお賽銭が……」 となにやらぶつぶつ言いながら巫女も家へ帰っていった。 「大変でしたね」 「でもある程度の成果はあったんじゃないかしら」 「そうですか?」 「二度と対決しようなんて思わないでしょ」 「ああ……そうですね」 「計算どおりだな」 「いい暇つぶしだったぜ」 「新薬のデータが取れてよかったわ」 幽々子と妖夢、それと香霖に魔理沙に永琳。彼女らの顔は満更でもなかったようだ、が 「あ”ー……なんか微妙だったわ」 スキマ妖怪的には不満だったらしい。 とりあえず夕焼け空を帰っていく二組のカップルを眺めながら、結局全員ため息しかでなかったのは間違いないだろう。 「う……ん……?」 目が覚める。まだ真っ暗だ。自分は布団をかぶっている。嗅ぎなれた匂い。 確か、永遠亭から出たのは覚えている。ということはここは僕の家か。 さっきまでの倦怠感や頭痛はきれいさっぱり消え失せていた。 ついでに変に寝ていたせいで目が醒めてしまったようだ。 「くぅ……くぅ……」 と、横を見るとベッドにもたれかかるようにして射命丸がかわいい寝息を立てていた。 「疲れてしまったんだろうな。今日は本当にお疲れ様……」 毛布を彼女に掛けて上げ、ようとしてやめる。 起こさないようにゆっくり彼女を持ち上げ、ベッドに寝かせる。 時計を見るとまだ夜中の2時を少し回ったくらい。 病み上がりは寝るに限る。僕ももう一眠りしよう。 「おやすみ、文……」 僕は彼女を寝かせた布団に潜り込み、再び目を閉じた。 たくさん寝たはずだけれど、再び意識が落ちるのに時間がかからなかったのは、 隣にいる彼女のおかげかもしれない。 起きたら彼女にお礼を言おう。自分の事をこれだけ大切に思ってくれる彼女に。 「う……ん……○○さん……むにゃ」 「むぅ……あや……ぐぅ……」 抱き合うように、寄り添うように。 一緒に生きていこう、そう改めて思った。 @おまけ ○○「カラス天狗のつくるおかゆの作り方ぁー」 文 「はーい、今回私が作った奴ですね」 ○○「そそ。材料は昆布と米と水。以上」 文 「適当ですね……」 ○○「食欲ない人向けの病人食だからねえ」 文 「あ、なるほど」 ○○「まず土鍋で昆布だしをとる。やりすぎると昆布味強くなって病人に辛くなるから注意ね」 文 「はい。米はカップに入れたまま洗っちゃっていいですよね? 量も少ないし」 ○○「おっけ。一合のカップに6分の1くらいでいいと思う。それに対し水はたくさん」 文 「たくさんって……時間が30分くらいといってますがホントにそれくらいで作れるんですか?」 ○○「まぁ、何とかなると思うぞ。水に浸さなくてもおかゆは作れるからね」 文 「はい、昆布でだしを取ったら取り出して土鍋に米入れて中火です。 炊くじゃなくて煮る感覚です。煮ている間、鍋底に米がつかないようかき混ぜます」 ○○「ちなみに水に浸しているならこの作業はいらない。ただ30分って言ってるように水に浸してない 前提でやっているぞ」 文 「はい。ある程度吸水してきたらかき混ぜる必要がなくなるのでちょろ火にしてずらして隙間を作って蓋をします。 あとはご飯の匂いがするまで待ちます」 ○○「見るだけじゃない、聞いて、嗅いで感じるんだ」 文 「なんかかっこいいですね」 ○○「まぁね///……この間になんかもう一品、箸休めでも作るといいのだが、面倒、省略」 文 「ひどっ、まぁ、梅干とかでもいいですよね」 ○○「だね。ともかくおかゆのコツは米をやわらかく『煮る』感覚、これ重要」 文 「はい。でも柔らかさは人それぞれですよね、というわけでその辺は各人のさじ加減です」 ○○「こればっかりは経験で覚えるしかないしな。柔らかさが足りないなら水を足してもいいぞ」 文 「焦がすと台無しなので柔らかさと水野了には細心の注意を払いましょう。 丁度良い柔らかさになったら木べらでおかゆを動かしながら水分を好みの割合まで水分を飛ばします」 ○○「米の粒を潰さないようにな。ゆっくり動かしていってね!」 文 「余熱があるので丁度いい少し前くらいで火を止めます。蓋をして出来上がりです」 ○○「あ、大事なこと忘れてるぞ」 文 「なんですか?」 ○○「料理に一番重要なのは作ってあげる人への愛情、これが最高の調味料なのさ。 ……文のお粥、美味しかったよ」 文 「あややや……////」 ○○「てなわけで、○○」 文 「あややの」 二人「お料理教室でしたー」 うpろだ1458 ─────────────────────────────────────────────────────────── いつもは多少のざわつきガあるものの今日は静かなその部屋。 「はいそれじゃあ、この問題の分かる者」 『はーい!』 まぁ寺子屋なんだがな。 そわそわしながらその様子を見ていた俺達。 「ああっ! △△が手を上げましたよ!」 「落ち着け文、まだ当てられたわけじゃない」 △△も大きくなってきたので寺子屋に通わせてみた。 授業参観があるというので夫婦で参加だ。カメラ常備の我が妻、射命丸文にとって この日は決戦ともいえた。 「(カシャカシャ)ううん素敵ッ、△△の考えてる時の顔って(カシャカシャ)お父さんそっくりなんですからッ」 「おちつけ文、△△の邪魔になるし、まわりの目も痛い……」 勿論、授業参観に参加しているのは俺達だけではない。 「この辺に置けばいいかしら……?」「そこだとちょっとあからさま過ぎないかなあ」 向こうで教室の隅にさりげなく募金箱を設置しているのは神社の巫女さんだし、その隣にいるのは神主だ。 「いけー××! 答えはパワーdもごもご」「すいませんすいません」 大声で応援している白黒魔法使いもいるし。旦那さん大変そうだなあ。 「ううう……心配だわ」「シャンハーイ」「ホラーイ」「大丈夫だアリス、◇◇ならやってくれるさ」 心底心配してる人形遣いが人形と旦那に励まされていたり。 というか、皆暇なのか、親馬鹿なのか。 ……親馬鹿なんだな。 「はい、じゃあ……ッ!?」 上白沢先生が当てようとすると親から無言の圧力がかかる。 (うちの子うちの子うちの子うちの子うちの子……) (うちの子うちの子うちの子うちのk……) (うちの子うちの子うちの子うちn……) あらら、さすがにこれだけのプレッシャーだ、滝汗がすごい。 それでもなんとかよく通る声で名指しした。 「じゃ、じゃあ練習問題の問一から五問、博麗、霧雨、__、マーガトロイド、それと……射命丸」 指名が来たようだ。ここに来て文もいよいよ興奮気味である。 「○○さん、きましたよっ!? あ、あやややや、当てられて間違えたりなんかしたらどうしましょう!?」 「落ち着くんだ文。俺と文との自慢の子だ。風のごとく解いてくれるさ」 あくまで冷静に。俺は彼女の手をぎゅうと握った。 「~~~~です」 「正解、博麗、よく出来たな」 「えへへ」「よくやったわ$$!」「うちの子はやはり天才だぁ!」 ああはなりたくないものだ……。うん、我慢しよう。 「じゃあ、次は霧雨」 「おう! @@の&&だぜ!」 「おお、せいk「コラ××! そんな口の利き方、かーさん教えた覚えはないぜ!」」 突っ込んでいいものか迷ったがあえて突っ込まなかった。誰だって八卦炉は怖いものな。 しばらく、親子喧嘩が続いて、二人揃って廊下に立たされた。なんか上白沢先生は凄い人だと思った。 「……つぎ、__」 普通に答える。誰も騒いでなかったので誰が親かは判らなかったが、これがあるべき姿なんだろうな。 「よく出来たな」「ありがとうございます」 よく出来た子だ。誰の子だろうか。 「じゃあ、次はマーガトロイド」 「ひゃ、ひゃい! え、えと、****だと思います!」 「うん、正解だ。難しい問題だが、よく答えた」 頭を撫でられて嬉しそうにする◇◇。 「あああ、髪の毛が、かわいい◇◇の整った髪の毛がぁぁぁ」「落ち着けアリス、褒められてるんだ、誇れることだよ」 「…………」 向こうも向こうで大変だな。ああ、上白沢先生が怒りそうだ、大丈夫か? 「では……射命丸、最後の問題だ」 「はい、えっと、++++です」 △△が答えを口にする。上白沢先生が口をゆっくりと開く。その口は少し微笑んで、 「うん、正解だ」 その言葉を聴いた瞬間、何かが切れた。 「あr「いょおおおおおおおおおおおおし! よくやったぞ△△うううぅ!!」」 「(カシャカシャカシャ)やっぱり天才ね! この瞬間を切り取って」 「やはり俺と文の自慢の息子だ! ようし、今夜はごちs」 「お・ま・え・ら・は……うるさあああああああああい!!!」 ウルトラ強烈な頭突きをもらった。意識が飛びそうだった。 帰り道。 「まったくもー、父さんも母さんもはしゃぎ過ぎなんだよぅ」 「「……」」 左右に俺と文。真ん中に△△。手を繋いで家路を歩く。 ちょっとしょんぼりしていたのは息子のせいではなくて自分達のせいで笑われてしまったからだろう。 「ごめんね、お父さんもお母さんもあなたのことになると見境つかなくなっちゃうのよ」 「我慢できなくなった、すまんな、△△」 「むー……」 息子が機嫌を直してくれない。困ったもんだ。 どうしたものか。ああ、いい事を思いついた。 「そうだ、お父さんなんでも好きなもの買ってあげよう」 「え? ホント? なんでも?」 「ああ、なんでもだ」 「(ちょっと、そんな約束しちゃっていいんですか?)」 「(そろそろ△△の誕生日なんだし、いいじゃないか)」 「うーん……あ!」 しばらく考え込んでいるようだったが、何かひらめいたように息子は手をぽん、と叩いた。 「何かほしいものあったか?」 「うん、僕、弟がほしい!」 妻と一緒に盛大に吹いた。 「お、弟、か……」 「うん!」 文と顔を見合わせる。真っ赤になっていた。 「(あなた)」 「(ん?)」 「(なんなら今夜からでも)」 「(……さいですか)」 うん、がんばろう。 少なくとも、もう一人家族増えても大丈夫なくらいには稼ごう。 そう決意した。 @おまけ 「頭がいいな、__は、さすがは稗田の家の子だ」 「お母さんの手伝いをするんです。まだまだ足りませんよ」 「私もです」 「双子で揃って親思いで、ほんとに幸せ者だな、お前達の母親は」 そんな裏会話。 うpろだ1462 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「秋の夕日~に~照~る山~椛~(セリフ:ワタシ、人形じゃありません!)♪」 「呼んだか?」 「いんや?」 紅葉狩りに来てみたら白狼天狗に出くわした。 「こんにちわ、犬走さん、射命丸は?」 「こんにちわ。あちこち取材へ行ってらっしゃるのでどこにいるやら……」 ですよねー。まぁいいや。 「山の一人歩きもあれだから付き合ってくれないか?」 「ああ、かまわない、丁度暇をもてあましていたところだ」 そう言ってにこりと笑った。控えめな笑い方をするんだな。 山道を二人で歩いていく。傍らにいる天狗は特に気にする様子もなく、自分はというと、 あちこちの鮮やかな木々にきょろきょろとせわしなく目を移らせていた。 「凄く綺麗だなぁ」 「そうだな。今年の紅葉は色づきがいい」 二人して大きなイチョウの木を眺める。自分のいた世界では感じることが出来なかった、 風情を、こちらに来てから強く感じることが出来るようになった。 冗談抜きで一句詠みたくなってくる。 「銀杏散る……」 「うん? 俳句か」 良く分かったな。一言で。 「銀杏散る……地の葉眺めて、実を拾い」 「君と往く この秋の道 鮮やかに」 正直、すまなかった。慣れないことはするものじゃないな。 しかも犬走さんうめえ。見たら勝ち誇った目をされていた。笑いあう。 さくさくと軽い音をさせて、山道を進む。色とりどりの山道は疲れを感じさせない面白さがあった。 「ん? いま何か通った?」 不意に何かの気配を感じた。 「ああ、猪だな、おお、子連れだ」 千里眼って便利だな。風呂覗きって出来るのかって聞こうと思ったが聞かないでおいた。 自分だって命は惜しい。 「この辺でいいかな」 「何をするんだ?」 「落ち葉拾い」 言いながら適当な葉を捜し始める。 赤い葉、黄色い葉、茶色い葉。色鮮やかな紅葉は拾うのも楽しい。 手ごろな大きさで形が綺麗な椛の葉と、銀杏の葉、イタヤカエデ、カツラの葉も。 「うっし、こんなもんか」 持って来た袋に入れて満足げにうなずいた。 「何をするんだ?」 「大したことじゃないさ」 不思議そうな顔をする彼女にそう答えた。 帰る途中に寄り道。そこには機械文明臭のする家がある。 インターホンを鳴らすと、ほどなくしてドアが開いた。 「やあ人間。いらっしゃい」 河童が出迎えてくれる。 「やあにとり、『アレ』、貸してもらっていいかな?」 お土産に持ってきた朝もぎのきゅうりの包みを渡して訊ねる。 「ああ、『アレ』ね、いいけど、シートはみつけたのかい?」 中身が分かっているのか彼女は上機嫌だった。 「うん、だから素材も取ってたんだ」 袋の中身を見せながらにやりと笑う。河童も頷いて 「いいよ、活用されるのを見てみたいし」 「ありがとう。電源、借りるよ」 言うより先に差し込んでいる。 スイッチを入れるとランプが点灯する。とりあえずこっちは準備を進める。 準備してきた紙片に拾ってきた葉をあてがい、大きさを確かめていく。 サイズが合うのを見つけると、紙に載せそれを持ってきた素材ではさむ。 「さて、いい頃合かな」 こちらの準備は大丈夫だ。『アレ』も正常に動いている。 「どうなるかわくわくだね、人間」 「発言が⑨みたいになってるぞ、にとり」 そして、作業を開始した。 「ふぅ、ただいまー」 まぁ一人暮らしでも言ってしまうんだよな。 時々射命丸が勝手に入ってきててびっくりするけど。 彼女曰く、「鍵をかけないほうが悪い」のだそうで。 まぁ、取られて困るのはあそこにある秘密のコレクションくらいか。 あー、鍵、作ってもらおうかな。 そんな事を考えながら居間に上がると真っ暗な部屋に赤い目が! 「うぉあ!」 おもわず後ずさる。 今日ほど家に鍵をかけなかった事を後悔した日もあるまい。 「……お帰りなさい」 明かりをつけたら射命丸だった。びっくりさせて、もう。 「あ、ああ、射命丸だったのか。ただいま、でも電気くらいつけろよ」 なんだか凄く変な感じだ。何だろう、彼女の元気がないと言うか、怒っているというか。 「ご飯食べた? 俺まだだから食べてないなら」 「今日、何してました?」 「一緒に、……って、へ?」 「今日、何してました? って、聞いたんです」 相変わらず顔は険しいまま。 「えーと、今日は、紅葉狩り行って」 「……誰と」 更に険しい表情になる。 「一人で行ったけど途中から犬走さんがついてきてくれたよ」 「……それから」 「それから河童のところへちょっと寄り道してたな」 「……なにをしに?」 もう爆発寸前と言う顔。どうしたっていうんだ。 「これをプレゼントしようと思ってね」 取り出したのは数枚の栞。 「これは……?」 「ほら、いつも射命丸、あちこち取材してるし、文花帖持ってたからさ、栞をプレゼントしようと思って。 ただの栞はいやだったから、自分で落ち葉を拾いに行って、それをラミネート加工したんだ」 さまざまな葉をはさんだ栞。下に敷いた紙片一枚一枚に木の説明があって、手作りだと分かる。 見た目は小さなスペルカード。角にリボンが通りしてある。 「香霖堂でラミネート紙を見つけてさ、いても立ってもいられなかったんだ」 険しかった彼女の顔が驚きに変わり、そして困惑。 「じゃあ、椛と楽しそうに歩いてたのは?」 「一緒に来てもらうんだから会話くらいするだろ?」 「河童の家へ行ったのは?」 「ラミネート機を直してもらったんだよ。そしたらどうやって使うのか見てみたいってさ」 「でも、でも」 「なんだ、見てたのか?」 「うぅ、だって話しかけようとしたら、椛が出てきて……楽しそうに話してたものだから」 「浮気とか考えたのか」 「だって、だって、○○は皆に優しすぎます! 疑っちゃうじゃないですか!」 「人当たりがいいのは俺の性だ、それに」 涙を流して気持ちをぶつけてくる射命丸を抱きしめる。力一杯に抱きしめる。 「俺はお前の恋人だろう」 「……っく……えぐっ……はい」 抱き返してきた射命丸の頭を優しく撫でてやる。 「心配なんです。○○がだれかに取られちゃうんじゃないかと」 「じゃあいい言葉を二つ教えてあげよう」 ユーゴー曰く、愛することは、ほとんど信じることである。 トルストイ曰く、愛とは,大勢のなかからたった一人の男なり女なりを選んで、ほかのものを決して顧みないことである。 小さな声で、耳元に囁く。 「俺は、射命丸を、愛している」 「ぐすっ、私も、○○のこと、愛してます」 「信じたか?」 「はい……」 見上げた彼女の瞳がゆっくりと近づいてくる。 慰めでも、ごまかしでもない。愛を与え合う、そんな接吻。 静かに時だけが流れていった。 「でも何故栞だったんです?」 「ほら、射命丸いつも文花帖持っているじゃない、だから使ってくれたら一緒にいられるな、って思ってさ」 「ッ! うう……もう、○○はどうしてそうなんですか!」 抱きつかれて胸に顔をうずめられる。抱きしめ返すくらいしか出来ないが、喜んでくれたんだろう。 「ずっと、ずっと大事にしますから」 「ああ、でも壊れたらまた作ればいいさ」 いいえ、はじめてもらった栞だから、と彼女は顔を上げてすこし涙の溜まった目で笑った。 抱き合いながら呟く。二人にしか聞こえない。 「絶対誰にも渡しませんよ、全部私だけの○○です」 「俺だって射命丸を誰にも渡す気はないさ。俺だけの射命丸」 愛の表現は惜しみなく与えるだろう。 しかし、愛の本体は惜しみなく奪うものだ。 有島武郎 新うpろだ38 ─────────────────────────────────────────────────────────── 最近幻想郷では、神無月限定の外界ツアーが流行っている。 特に外来人の恋人がいる者が多く申し込んでおり、何組ものカップルが旅行を楽しんでいる。 俺にとっても里帰りの機会だが、まだ行っていないし、多分これからも行かないだろう。 俺の恋人である文は主催者側で広報などに携わっており、企画の周知はほとんど彼女が行った。 それだけでは終わらず、月が変わったら文々。新聞で大々的に特集を組む予定がある。 今も帰ってきた旅行者の話をまとめて、記事の原案を作っている最中だ。 忙しいことこの上なく、とてもプライベートで旅行に行っている暇などない。 そんな文を置いて一人で外へ行くつもりは毛頭ないわけで、 俺は作業中滞りがちな家事などを担当し、文のサポートに回っている。 「文ー、少し休憩してお茶にしないか?」 「―そうですね、もうちょっとできりのいいところまで出来ますので」 ならもうちょっとかかるか。先にお茶を淹れておこう。 鉄瓶に沸かしておいたお湯を急須に注ぐ。 さてお茶請けを、と。 外界からの土産は月明けの宴会で交換し合う予定だが、個人的にはもういくつかもらっている。 「懐かしいだろうから」と、皆色々くれたのだが、戸棚の中にしまってあるのもその内の一つだ。 「おーい、文?お茶請け、外土産の『ひよ子』でいい?」 ……あれ、返事がないな。 仕方ないので湯呑みを出しながら待っていると、足音がした。 「○○さん」 「ん、どうしたあ、や―」 振り向くと、そこには文が立っていた。 なんだか蒼白な顔をしている。 「あれほど鶏肉は食べないでと言ったのに……」 とりにく? 「しかも外界土産とはいえ、いたいけなヒヨコを……それは、私に対する絶縁宣言ですか?」 ブラウスの裾をぎゅっと握り締め、震えている文。目には涙が浮かび始めている。 ちょっと待て、何か盛大な勘違いが― 「もう……もう、私に愛想を尽かしたって言うんですか?」 「わーっ!誤解、誤解だー!!」 「饅頭なら饅頭と言ってくださいよ……」 「いや、だからそういう名前の饅頭なんだって」 二人で『ひよ子』を食べながら座ってお茶を飲む。 現物を見せることで、無事誤解は解けた。 「しかし、我ながらちょっと取り乱しすぎました。 根を詰めるのも程々にした方がいいですかね」 ふう、とため息をつきながら文が言う。 「少し休んだ方がいいんじゃないか? 仮眠を取るとか、気分転換するとか。ずっと忙しそうだったし」 「……そうですね。それでは、後でミスティアさんのところに行きましょうか」 「お、いいね」 「何だか、外からのお土産をヒントに新メニューを開発したそうですよ。 まあ、まだ開店までは時間がありますし、仮眠を取ることにしますね」 そう言うと文は側に寄ってきて、俺の膝に頭を乗せて横になった。 ……えーっと。 「あの、文さん?」 「こうするのが、一番元気になれそうですから。 しばらく、貸してもらってもいいですよね?」 「……ああ、いいよ」 優しく髪を撫でてやると、文は間もなくうとうとし始めた。 やはりここ数日で、疲れがたまっていたんだろう。 やがて、小さな寝息が聞こえてきた。 ちなみに、みすちーの屋台の新商品『夜雀のお菓子 八目鰻パイ』は― まあ、なんというか、美味しかったけど外のあれとは全く違ったものだった。 ただ体力増進効果は抜群で、残りの原稿作業が大いにはかどりそうではある。 新ろだ60 ───────────────────────────────────────────────────────────
https://w.atwiki.jp/thzunzun/pages/55.html
博麗 霊夢 霧雨 魔理沙 秋 静葉 秋 穣子 鍵山 雛 河城 にとり 犬走 椛 射命丸 文 東風谷 早苗 八坂 神奈子 洩矢 諏訪子
https://w.atwiki.jp/gensouutage_net/pages/8219.html
モルガ//データ回収用δ-23//射命丸 文-射命丸 文-射命丸 文-博麗 霊夢- 鳥月//奇跡の力で勝利を呼び込む!//東風谷 早苗-東風谷 早苗-東風谷 早苗-八坂 神奈子- モルガは山札をシャッフルしました。 賽が投げられて、モルガの先攻になった。 鳥月がデッキ(1a1920af)をロードし、ニューゲームが始まりました。 鳥月は山札をシャッフルしました。 モルガ では 鳥月 どぞ 配置:「幻想風靡」 Turn 2 - 鳥月//体力19( 17) 呪力1( 1) 手札7( 6) 山33( 34) スペル0( 1) タイマー00 02(00 07) 配置:奇跡「白昼の客星」 Turn 3 - モルガ//体力17( 19) 呪力3( 1) 手札6( 6) 山33( 33) スペル1( 1) タイマー00 07(00 09) 手札:天狗団扇//夢符「二重結界」//深山颪//人間禁制の道//旋風「鳥居つむじ風」//根性避け// 配置:旋風「鳥居つむじ風」 Turn 4 - 鳥月//体力19( 17) 呪力3( 3) 手札7( 5) 山32( 33) スペル1( 2) タイマー00 09(00 11) 配置:秘術「グレイソーマタージ」 Turn 5 - モルガ//体力17( 19) 呪力6( 3) 手札6( 6) 山32( 32) スペル2( 2) タイマー00 11(00 23) 手札:天狗団扇//夢符「二重結界」//深山颪//人間禁制の道//根性避け//塞符「山神渡御」// 配置:塞符「山神渡御」 起動:「幻想風靡」 Turn 6 - 鳥月//体力19( 17) 呪力6( 0) 手札7( 5) 山31( 32) スペル2( 3) タイマー00 23(00 27) 配置:秘術「グレイソーマタージ」 起動:秘術「グレイソーマタージ」 鳥月は客星の明るすぎる夜を鳥月の秘術「グレイソーマタージ」につけました。 Turn 7 - モルガ//体力17( 19) 呪力3( 2) 手札6( 5) 山31( 31) スペル3( 3) タイマー00 27(01 12) 手札:天狗団扇//夢符「二重結界」//深山颪//人間禁制の道//根性避け//根性避け// 戦闘:モルガ - 「幻想風靡」 vs 秘術「グレイソーマタージ」 - 鳥月 イベント(モルガ):天狗団扇 モルガは天狗団扇を場から捨札に送りました。 結果:モルガ - 回避 5 Dmg - 鳥月 配置:夢符「二重結界」 Turn 8 - 鳥月//体力14( 17) 呪力6( 1) 手札6( 4) 山30( 31) スペル3( 4) タイマー01 15(00 43) 配置:奇跡「ミラクルフルーツ」 起動:秘術「グレイソーマタージ」 起動:奇跡「ミラクルフルーツ」 Turn 9 - モルガ//体力17( 14) 呪力5( 1) 手札5( 5) 山30( 30) スペル4( 4) タイマー00 41(01 44) 手札:深山颪//人間禁制の道//根性避け//根性避け//根性避け// 戦闘:モルガ - 「幻想風靡」 vs 秘術「グレイソーマタージ」 - 鳥月 モルガは射命丸 文の1番目の特殊能力を使いました。 結果:モルガ - 回避 5 Dmg - 鳥月 起動:夢符「二重結界」 Turn 10 - 鳥月//体力9( 17) 呪力5( 0) 手札6( 5) 山29( 30) スペル4( 4) タイマー01 47(00 53) 戦闘:鳥月 - 奇跡「ミラクルフルーツ」 vs 夢符「二重結界」 - モルガ 結果:鳥月 - 回避 3 Dmg - モルガ 配置:奇跡「白昼の客星」 起動:秘術「グレイソーマタージ」 Turn 11 - モルガ//体力14( 9) 呪力4( 1) 手札6( 5) 山29( 29) スペル4( 5) タイマー00 54(02 10) 手札:深山颪//人間禁制の道//根性避け//根性避け//根性避け//月の兎// 戦闘:モルガ - 「幻想風靡」 vs 秘術「グレイソーマタージ」 - 鳥月 モルガは射命丸 文の1番目の特殊能力を使いました。 結果:モルガ - 回避 5 Dmg - 鳥月 配置:月の兎 Turn 12 - 鳥月//体力4( 14) 呪力6( 0) 手札6( 5) 山28( 29) スペル5( 5) タイマー02 11(01 09) 戦闘:鳥月 - 奇跡「ミラクルフルーツ」(相手スルー) 結果:鳥月 - === 4 dmg - モルガ 配置:奇跡「ミラクルフルーツ」 起動:奇跡「ミラクルフルーツ」 Turn 13 - モルガ//体力10( 4) 呪力5( 2) 手札6( 5) 山28( 28) スペル5( 6) タイマー01 07(02 58) 手札:深山颪//人間禁制の道//根性避け//根性避け//根性避け//夢符「二重結界」// 戦闘:モルガ - 「幻想風靡」 vs 奇跡「ミラクルフルーツ」 - 鳥月 鳥月は奇跡「ミラクルフルーツ」の1番目の特殊能力を使いました。 イベント(モルガ):人間禁制の道 モルガは人間禁制の道を場から捨札に送りました。 結果:モルガ - 回避 回避 - 鳥月 鳥月は奇跡「ミラクルフルーツ」を場から捨札に送りました。 鳥月は常識知らずを無作為に捨てました。 配置:夢符「二重結界」 起動:月の兎 Turn 14 - 鳥月//体力4( 10) 呪力5( 0) 手札5( 4) 山27( 28) スペル5( 6) タイマー03 04(01 59) 戦闘:鳥月 - 奇跡「ミラクルフルーツ」 vs 月の兎 - モルガ 結果:鳥月 - Dmg 0 4 Dmg - モルガ 鳥月 投了 モルガ ok 鳥月 ありがとうございました モルガ ありがとうございましたー モルガ 良い引きだった モルガ ちなみに手札は モルガ こんな感じ 鳥月 3カードw モルガ w モルガ では、戻りますかな 鳥月 そうですねー モルガ ノシ 鳥月 お疲れ ノシ
https://w.atwiki.jp/wicky/pages/189.html
背景画像 背景に画像を設定するには、background-imageプロパティを利用する。プロパティの値には、画像ファイルのURIを、「url(URI)」という形式で指定する。デフォルトではnoneが設定されている。 ●背景画像の設定例 body { color black; background-color white; background-image url(../images/bg.png); } 背景画像の開始位置 背景画像の表示を開始する位置は、background-pasitionプロパティによって設定する。プロパティの値には、背景画像の表示が開始される左上の位置を、横方向の位置、縦方向の位置の順で数値で指定するか、パーセンテージを指定する。プロパティの値を1つしか指定しない場合は、縦方向の位置は中央に設定される。 また、横方向の位置には、left(左)、center(中央)、right(右)を、縦方向の位置には、top(上)、center(中央)、bottom(下)を指定することができる。 ※デフォルトの位置は、左上(パーセンテージだと、0% 0%)になる。 ※長さの単位については、後述のプロパティ値の単位を参照。 以下の例では、背景画像を中心に設定している。 ●背景画像の位置設定例 body { color black; background-color white; background-image url(../images/bg.png); background-position center; } 背景画像の繰り返し指定 background-repeatプロパティによって、画像を繰り返して表示することができる。 ■背景画像の繰り返し表示に関するプロパティ 値 概要 repaet 縦横方向に繰り返し repaet-x 横方向に繰り返し repeat-y 縦方向に繰り返し no-repaet 繰り返しなし 以下に、背景画像を縦方向に繰り返して表示するための例を示す。 ●背景画像の繰り返しの設定例 body { color black; background-color white; background-image url(yoshiwara.gif); background-repeat repeat-y; margin-left 120px; } 背景画像のスクロール background-attachmentプロパティによって、画面をスクロールした時に背景画像の位置を固定することができる。 ■背景画像のスクロールに関するプロパティ 値 概要 fixed 背景画像の位置を固定 scroll 背景画像もスクロール(デフォルト)
https://w.atwiki.jp/utapri_shininglive/pages/46.html
画像アップロード手順 下記リンクから画像に対応するページを選択 ページ内上部にあるアップロードページへのリンクを開く。 画像をアップロードする。 アップロードが終わったら「画像追加用リンク」を編集で追加し、wiki内の各ページで表示できるようにする。 画像はそれぞれのページごとにアップロードする形になります。ページが違うとリンクが上手く機能しない場合があります。 アップロードした画像の削除は左メニューの「編集者用掲示板」、または各ページのコメント欄からwiki管理人にお知らせください。 wiki用メモ用紙の中にコピペ作業を簡略化するシートがあります。 アイコン画像 画像置き場/ブロマイド/アイコン画像No.1-200 画像置き場/ブロマイド/アイコン画像No.201-400 画像置き場/ブロマイド/アイコン画像No.401-600 画像置き場/ブロマイド/アイコン画像No.601-800 全体画像 画像置き場/ブロマイド/全体画像No.1-50 画像置き場/ブロマイド/全体画像No.51-100 画像置き場/ブロマイド/全体画像No.101-150 画像置き場/ブロマイド/全体画像No.151-200 画像置き場/ブロマイド/全体画像No.201-250 画像置き場/ブロマイド/全体画像No.251-300 画像置き場/ブロマイド/全体画像No.301-350 画像置き場/ブロマイド/全体画像No.351-400 画像置き場/ブロマイド/全体画像No.401-450 画像置き場/ブロマイド/全体画像No.451-500 画像置き場/ブロマイド/全体画像No.501-550 画像置き場/ブロマイド/全体画像No.551-600 画像置き場/ブロマイド/全体画像No.601-650 画像置き場/ブロマイド/全体画像No.651-700 画像置き場/ブロマイド/全体画像No.701-750 画像置き場/ブロマイド/全体画像No.751-800 衣装画像 画像置き場/ブロマイド/衣装画像No.1-50 画像置き場/ブロマイド/衣装画像No.51-100 画像置き場/ブロマイド/衣装画像No.101-150 画像置き場/ブロマイド/衣装画像No.151-200 画像置き場/ブロマイド/衣装画像No.201-250 画像置き場/ブロマイド/衣装画像No.251-300 画像置き場/ブロマイド/衣装画像No.301-350 画像置き場/ブロマイド/衣装画像No.351-400 画像置き場/ブロマイド/衣装画像No.401-450 画像置き場/ブロマイド/衣装画像No.451-500 画像置き場/ブロマイド/衣装画像No.501-550 画像置き場/ブロマイド/衣装画像No.551-600 画像置き場/ブロマイド/衣装画像No.601-650 画像置き場/ブロマイド/衣装画像No.651-700 画像置き場/ブロマイド/衣装画像No.701-750 画像置き場/ブロマイド/衣装画像No.751-800 衣装画像(アイテムショップ) 画像置き場/アイテムショップ/衣装画像 背景画像 画像置き場/背景
https://w.atwiki.jp/upinid555minnanowiki/
【 wiki説明 】 うpスレinID そして本家うpスレの wiki転載OKの過去画像が見れるようになっております。 みなさん参加して楽しんだり、ご閲覧していただければ幸いです。 まだまだ製作途中であり、手直しする所などありますので徐々にやってまいります。 そしてまた、何かありましたら遠慮なくご連絡お願いいたします。 ○掲示板で言い辛い事などありましたら こちらへ連絡いただければ幸いでございます。 punipuni_info@yahoo.co.jp (管理人メールアドレス) ○こちら↓は自分の作品を削除したりうpしたりする為用のIDとパスワードです(同文字)。 ID naosukun PASS naosukun 【画像 削除の仕方】 削除したい画像のあるページに進み 左上の方のメニューから [ 編集 ] ⇒ [ このページにファイルをアップロード ] で削除出切るページへ進みます。 進行状況 本スレ スレ156 1000まで ※お題「バトル」コテ名で画像を見るより閲覧可能 (wiki転載許可あり作品) IDスレ スレ004 0700 まで
https://w.atwiki.jp/mitori/pages/13.html
画像庫 画像隔離 画像庫スクショ的なもの 立ち絵 ドット絵 スクショ的なもの 立ち絵 【素材】地に潜む紅い怨念【河城みとり①】 ドット絵
https://w.atwiki.jp/gensouiri/pages/1267.html
射命丸 里香 東方封魔録 井戸 ふらわい戦車 戦車技師 -- (名無しさん) 2008-08-01 14 54 18
https://w.atwiki.jp/epiano/pages/38.html
ここでは主にepiano内で作った画像や、epianoに関係する画像などをupしています したのコメント欄に画像URLを提示れてくれればここに乗せます。 どうでも氏と理科係が考えたepiano地図 epianoの今後の展開 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/r7fc/pages/12.html
画像 画像が増えてきたので立てときました FC移植用のために職人さんが作った画像です ビットマップイメージをDLすると名前がバグるみたいですがとくに問題はありません