約 856,210 件
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/248.html
2014年9月29日 Index 書誌データ 『京城の日本語探偵作品集』収録作および初出の一覧 京城探偵趣味の会について探偵趣味の会宣言(1928) 山崎黎門人 京城探偵趣味の会のその他の同人阜久生 吉井信夫 大世渡貢 山岡操 太田恒彌(太田恒弥) 平春日 『京城の日本語探偵作品集』に収録されたコナン・ドイルの2作品 江戸川乱歩の「探偵趣味」(『朝鮮及満洲』1927年1月号)について 2014年7月、韓国で非常に興味深い本が出版された。1920~30年代に朝鮮半島の日本語雑誌に掲載された日本語探偵小説を集めた『京城の日本語探偵作品集』である。京城(けいじょう)というのは今のソウル。解説等は韓国語だが、当時の誌面をそのままスキャンして収録した本なので本文は日本語である。 収録作の中には、韓国人が書いた最初の日本語探偵小説とされる金三圭(キム・サムギュ)「杭に立ったメス」(1929-30)もあるが、ほとんどは当時の在朝日本人の作品である。京城探偵趣味の会のリレー探偵小説「女スパイの死」(1931)、「三つの玉の秘密」(1934)なども収録されている。 収録作は雑誌『朝鮮公論』から採られたものが多い。創作だけでなく翻訳物も何編かある。たとえば、シャーロック・ホームズ物の短編「まだらの紐」を倉持高雄という人が訳した「謎の死」(初出:『朝鮮公論』1925年9~12月号)など。 『京城の日本語探偵作品集』に収録されている作家はほとんどが日本では無名だが、1つ、有名な探偵作家の作品が収録されている。森下雨村の佐川春風名義の短編「宝石を覘(ねら)う男」。初出は『朝鮮地方行政』1928年3月号だそうだが、日本の森下雨村ファンの間では知られているんだろうか。 ちなみに同じ趣旨の本の台湾版は12年前に日本で出ている。1910~40年代に台湾で日本語で発表された短編探偵小説・探偵実話を集めた『台湾探偵小説集』(緑蔭書房、2002年11月)である。台湾の日本語探偵小説については、下記のTogetterでお薦め作品などをまとめましたのでどうぞご覧ください。 Togetter:韓国で出版された『京城の日本語探偵作品集』と『日本推理小説事典』/韓国と台湾の日本語探偵小説 書誌データ 日本資料叢書 第10巻 植民地日本語文学・文化シリーズ 第20巻 『경성의 일본어 탐정 작품집』(京城の日本語探偵作品集) 初版印刷:2014年3月20日 初版発行:2014年3月31日 ※実際は印刷が遅れ、本が完成したのは2014年7月だと関係者から聞いている イ・ヒョンジン(李賢珍)、金津日出美 共編 出版社:学古房(ハッコバン) ISBN 978-89-6071-370-3 出版社サイト内の書籍紹介ページ 「日本資料叢書」の第10巻であり、「植民地日本語文学・文化シリーズ」の第20巻であると同時に、裏表紙見返しによれば「植民地期日本語大衆文学シリーズ」の第8巻でもある。 日本国内では、韓国の書籍を専門に扱う東京の高麗書林で購入可能です。(高麗書林『京城の日本語探偵作品集』) 『京城の日本語探偵作品集』収録作および初出の一覧 この本は作品自体は日本語で読めるが、初出データなどは韓国語でしか示されていない。そのため、ここで初出データを示しておく。 # ページ 作者 角書き タイトル 初出 1 3-34 金三圭 探偵小説 「杭に立ったメス」 『朝鮮地方行政』1929年11月号~1930年1月号(全3回) 2 37-75 京城探偵趣味の会同人山崎黎門人、阜久生、吉井信夫、大世渡貢 連作探偵小説 「女スパイの死」 『朝鮮公論』1931年1~5月号(全5回) 3 79-110 京城探偵趣味の会山岡操、太田恒彌、山崎黎門人 連作連載探偵小説 「三つの玉の秘密」 『朝鮮公論』1934年2~4月号(全3回) 4 113-169 コナン・ドイル作、芳野青泉訳 「名馬の行方」 近代世界快著叢書 第四編『名馬の行方』(1918)より 5 173-203 コナン・ドイル作、倉持高雄訳 探偵小説 「謎の死」 『朝鮮公論』1925年9~12月号(全4回) 6 207-241 秋良春夫 探偵小説 「捕物秘話」 『朝鮮公論』1934年2~3月号(全2回) 7 245-257 青山倭文二 「水兵服の贋札少女」 『朝鮮公論』1936年9月号 8 261-269 青山倭文 探偵小説 「犯罪実験者」 『朝鮮公論』1937年4月号 9 273-301 総督府 野田生 小説 「青衣の賊」 『警務彙報』1920年10月号~1921年5月号(全8回) 10 305-332 京城帝国大学予科 末田晃 探偵小説 「猟死病患者」 『警務彙報』1929年7月号、11月号、1930年4月号(3回掲載/未完結) 11 335-343 森二郎 実話 「共産党事件とある女優」 『朝鮮公論』1930年8月号 12 347-350 Y・黎門人 探偵実話 「彼をやっつける」 『朝鮮公論』1933年11月号 13 353-356 白扇生 探偵奇談 「闇に浮いた美人の姿」 『朝鮮公論』1934年9月号 14 359-362 倉白扇 探偵奇談 「暗夜に狂う日本刀 脳天唐竹割りの血吹雪」 『朝鮮公論』1934年10月号 15 365-371 ヒアルトフ・アルクナア作、伊東鋭太郎訳 翻訳探偵小説 「夜行列車奇談」 『朝鮮公論』1936年9月号 16 375-378 佐川春風(=森下雨村) 短篇探偵小説 「宝石を覘う男(ほうせきをねらうおとこ)」 『朝鮮地方行政』1928年3月号 17 381-382 木内為棲 探偵小説 「深山の暮色」 『朝鮮地方行政』1928年4月号 18 385-387 探偵趣味の会同人 山崎黎門人 探偵コント 「意地わる刑事」 『朝鮮公論』1928年6月号 19 391-393 京城探偵趣味の会 山崎黎門人 掌篇 「蓮池事件」 『朝鮮公論』1928年10月号 20 397-402 京城探偵趣味の会同人 吉井信夫 「癲狂囚第十一号の告白」 『朝鮮公論』1931年1月号 21 405-408 京城探偵趣味の会同人 古世渡貢 「空気の差」 『朝鮮公論』1931年1月号 22 411-415 江戸川乱歩 「探偵趣味」 『朝鮮及満洲』1927年1月号 作者名につけた肩書、タイトルの角書きはどれも初出で付されているもの。 2「女スパイの死」の執筆者 … 第1回 山崎黎門人、第2回 阜久生、第3回 吉井信夫、第4回 大世渡貢、第5回 大世渡貢 3「三つの玉の秘密」の執筆者 … 第1回 山岡操、第2回 太田恒彌、第3回 山崎黎門人 8の著者名「青山倭文」は「青山倭文二」の脱字だと思われる。青山倭文二は『変態遊里史』(文芸資料研究会、1927年)という著書があるほか、『ぷろふいる』1935年9月号に「幸運」が載っている。戦後は茜書房『猟奇』3号(1947年1月)に「ランドリュー事件」など。 11は末尾に「以下次号」とあるが、これはこの作家の実話物の連載が続くということであって、「共産党事件とある女優」はこの号で完結している。 14の著者名は「倉白扇」となっているが、解説によればほかに「藤倉白扇」という筆名も使用したそうで、ここで「倉白扇」となっているのは脱字によるものかもしれない。 15の原著者の原綴りは解説では「Hiartoff Arkner」と推定されている。脱字などが多いことを考えると、「ヒアルトフ・アルクナア」ではなくて「リヒャルト・ファルクナア」だったりという可能性もあるかもしれない。訳者の伊東鋭太郎はシムノンをドイツ語から重訳したり、ドイツのミステリを『探偵倶楽部』などの雑誌で多数訳したことで有名。 p.387に「探偵趣味の会宣言」がある。 以上の収録作のうち、1~5および22を韓国語に翻訳して収録したアンソロジーが2012年3月に韓国で出版されている。日本ミステリ叢書第2巻『탐정 취미』(探偵趣味)(韓国のネット書店)である。ユ・ジェジン准教授ほかの編訳。ちなみに日本ミステリ叢書第1巻は伊藤秀雄『近代の探偵小説』の韓国語訳『일본의 탐정소설』(日本の探偵小説)(韓国のネット書店)である。2011年2月発売。そして日本ミステリ叢書第3巻が、先ほどのTogetterでも紹介している『日本推理小説事典』である。 京城探偵趣味の会について 1928年ごろ、京城(けいじょう、現ソウル)で「京城探偵趣味の会」が結成されている。メンバーの一覧などは残されていないが、在朝日本人が結成した会だと見ていいだろう。日本では江戸川乱歩らが1925年に「探偵趣味の会」を結成しているので、それに倣ったものだと思われる。『朝鮮公論』1928年6月号に松本輝華による「探偵趣味の会宣言」が掲載されている。 探偵趣味の会宣言(1928) 探偵趣味の会宣言(『朝鮮公論』1928年6月号/『京城の日本語探偵作品集』ではp.387) 京城探偵趣味の会は発会式などはヌキにして(そんなしち面倒くさいことはいやだからである)事実上既に京城のどこかに存在している。そして同人丈けはいろいろな顔ぶれが揃っていることも事実である。先ず新聞記者も居れば画家も居る。刑事さんも居れば警部も居るのである。未だ此の会は影のような幽霊のような(妖怪味すらそなえた)存在である。だが吾等の探偵趣味の会はそんなとこに面白味があるのかも知れない。由来探偵趣味畑には妖怪味は附きものだからである。さて此の影の存在がハッキリと姿を顕わして来るようになれば幸いである。そして朝鮮からも朝鮮の小酒井不木や江戸川乱歩が出ればいよいよ世の中は面白くなる。次ぎに紹介する一篇は第一回の推せん作である。先ずこんなところからボツボツ出発して来て軈ては本格モノにまで進めば吾等の喜びは大きくなる。(松本輝華) 引用中で「第一回の推せん作」とされているのは、同号に掲載されている山崎黎門人の「探偵コント 意地わる刑事」のことである。宣言文執筆者の松本輝華は『朝鮮公論』で文芸時評や映画評などを書いていた人物だが、この人物自身が書いた探偵小説は『朝鮮公論』には載っていない。 山崎黎門人 京城探偵趣味の会の「第一回の推せん作」として『朝鮮公論』に掲載されたのは山崎黎門人の「探偵コント 意地わる刑事」(1928年6月号)だった。その後も山崎黎門人は『朝鮮公論』にしばしば作品を寄稿しているが、掌編や探偵実話が多く、本格的な創作短編は確認できない。 以下は2012年末に国会図書館で調査した山崎黎門人の作品一覧。 1 探偵趣味の会同人 山崎黎門人 探偵コント「意地わる刑事」 『朝鮮公論』1928年6月号(183号、16巻6号) 97-99 2 京城探偵趣味の会 山崎黎門人 掌篇「蓮池事件」 『朝鮮公論』1928年10月号(187号、16巻10号) 94-96 3 京城探偵趣味の会同人 山崎黎門人 連作探偵小説「女スパイの死」第1回 『朝鮮公論』1931年1月号(214号、19巻1号) 105-112 4 京城探偵趣味の会 Y・黎門人 「棄子と彼氏」 『朝鮮公論』1931年6月号(219号、19巻6号) 57-58 5 Y・黎門人 「巷説・生首事件」 『朝鮮公論』1933年6月号(243号、21巻6号) 140-146 6 Y・黎門人 巷説「続生首事件 ―行商婦殺し等々―」 『朝鮮公論』1933年7月号(244号、21巻7号) 126-137 7 Y・黎門人 探偵実話「彼をやっつける ―奥様方読む不可―」 『朝鮮公論』1933年11月号(248号、21巻11号) 80-83 8 京城探偵趣味の会 山崎黎門人 連作連載探偵小説「三つの玉の秘密」第3回 『朝鮮公論』1934年4月号(253号、22巻4号) 131-144 『朝鮮公論』1931年1月号では京城探偵趣味の会によるリレー探偵小説「女スパイの死」が始まったほか、同会の吉井信夫の「癲狂囚第十一号の告白」、古世渡貢(大世渡貢と同一人物?)の「空気の差」も載っており、さながら京城探偵趣味の会の特集号のようになっている。 京城探偵趣味の会によるリレー探偵小説は「女スパイの死」(1931)と「三つの玉の秘密」(1934)の2つが確認されているが、その両方に参加しているのは山崎黎門人だけである。山崎黎門人は会の中心人物だったと推定していいかもしれない。 ひょっとしたら「朝鮮の小酒井不木や江戸川乱歩」になっていたかもしれないこの山崎黎門人とは何者なのだろう。調べてみると『朝鮮行政』という別の雑誌の1938年11月号(2巻11号)に同名で「放送夜話 ――日頃の夢想など――」という随筆を寄稿しており、その肩書は朝鮮放送協会放送部となっている。また、京城雑筆社『京城雑筆』1941年2月号には「農村民への宣伝」(現物未見)という記事を寄稿しており、ここでの肩書は「国民総力聯盟宣伝部」となっている。 また、リレー小説「三つの玉の秘密」(1934)で山崎黎門人は第3回(最終回)を担当しているが、第2回の末尾に、「第三回は同人山崎金三郎君の分担である」と記されている。この山崎金三郎というのが恐らく本名だろう。『朝鮮』という雑誌の1940年6月号には、朝鮮放送協会中央放送局の山崎金三郎という人物が「「放送」覚え書」というのを寄稿している。これも、山崎黎門人の本名が山崎金三郎だという説を補強する。当時の所属と本名が分かったので、この人物に関しては本気で探ろうとすればその生涯を明らかにすることも可能かもしれない。 また、「こちらの資料」に出てくる山崎金三郎が同一人物だとすると、山崎黎門人(金三郎)は鉄道学校を卒業し、旋盤工を経て1930年には『朝鮮新聞』(?)の記者になっていたことになる。1928年の「探偵趣味の会宣言」には、同人には「新聞記者も居れば画家も居る」云々と書かれていたが、この新聞記者というのは山崎黎門人のことを指していたのかもしれない。 京城探偵趣味の会のその他の同人 京城探偵趣味の会の同人で山崎黎門人以外に名前が分かる人物には、阜久生、吉井信夫、大世渡貢(以上、リレー小説「女スパイの死」執筆者)、山岡操、太田恒彌(以上、リレー小説「三つの玉の秘密」執筆者)、平春日がいる。 阜久生 不詳。リレー探偵小説「女スパイの死」(『朝鮮公論』1931年1~5月号、全5回)の第2回を担当したのみ。 吉井信夫 リレー探偵小説「女スパイの死」(『朝鮮公論』1931年1~5月号、全5回)の第3回を担当。ほかに創作は「癲狂囚第十一号の告白」(『朝鮮公論』1931年1月号)。『朝鮮公論』ではほかにも「日本性的見世物志」(1931年3~5月号)などのよみものを何度か寄稿している。 ネット上で検索してみると、愛媛県出身の詩人、山辺珉太郎(1905-1947)の年表(1954年刊の『山辺珉太郎詩集』に基づくものとのこと)に「吉井信夫」という名前が出てくる。山辺珉太郎は1920年代半ばから1945年まで京城で暮らした。こちらの年表「山辺珉太郎関連年表 ver.2」には「1927(昭和2)4月20日、京城市内・吉井信夫宅で『詩祭』同人の集まり。参加者、吉井信夫、山辺珉太郎、古屋武、水島良策、藤岡靖子。岡田弘、珉太郎と初めて会う。」とある。後述するが、この年表には京城探偵趣味の会の大世渡貢の名前も出てくる。「吉井信夫」という名前は珍しいものではないが、京城探偵趣味の会同人の吉井信夫と『詩祭』同人の吉井信夫は同一人物だとみてよいだろう。 大世渡貢 『京城の日本語探偵作品集』では名前の読み方が「ダイセ・ワタク」となっているが、「おおせと みつぐ」または「おおせど みつぐ」と読むのが妥当だろう。 リレー探偵小説「女スパイの死」(『朝鮮公論』1931年1~5月号、全5回)の第4回と第5回(最終回)を担当。『朝鮮公論』ではほかに「大世渡貢」の名前は見当たらないが、『朝鮮公論』1931年1月号には京城探偵趣味の会同人「古世渡貢」の掌編「空気の差」が掲載されている。大世渡貢と古世渡貢は恐らくは同一人物だろう。 先ほども言及したが、愛媛県出身の詩人、山辺珉太郎の年表「山辺珉太郎関連年表 ver.2」には「大世渡貢」という名が出てくる。比較的珍しい名前なので、同一人物だと考えるのが妥当だろう。同年表によれば、大世渡貢は竜山機関区に勤める鉄道関係者だったようだ。「1927(昭和2)6月5日、山辺珉太郎、合田佳辰(朝鮮鉄道永登浦駅で切符を売っていた)、岡田弘(竜山駅の貨物係)、大世渡貢(竜山機関区)、加藤八十一(京城中学の教員・東牧人)の五人で同人雑誌『機関車』第一号を発刊。アナキズムの傾向。」。また、1953年の時点で広島在住だったとのことである。なおほかの資料では、朝鮮総督府鉄道局運転課所属とされている。 こちらのページ「東京アナキズム文献探索記 (掲示板2003年後半)」にも大世渡貢の名が出てくる。情報源として参照されているのは同じく1954年刊の『山辺珉太郎詩集』である。なお、この本は国会図書館には所蔵されていない。 本名は「大世渡貢」だと思われるが、「古世渡貢」というのが単なる誤植だったのか意図的なペンネームだったのかは分からない。 山岡操 リレー探偵小説「三つの玉の秘密」(『朝鮮公論』1934年2~4月号、全3回)の第1回を担当。また、その前月号には「血だらけの拳闘」が載っている。最初のリレー小説「女スパイの死」に参加していた阜久生の名前が「おか・ひさお」と読むものだとすると、この「やまおか・みさお」と似ていなくもないが、なんとも言えない。 太田恒彌(太田恒弥) 『朝鮮公論』では、リレー探偵小説「三つの玉の秘密」(『朝鮮公論』1934年2~4月号、全3回)の第2回を担当したのみ。 国会図書館には、太田恒弥『赤道従軍 ボルネオからフィリピンへ』(富士書店、東京、1943年)という蔵書があるが、同一人物であるかは不明。またほかに、ルポルタージュ『戦ふ輸送船』(東京出版、1944年12月)という本もあるようだが、これも同一人物かは不明。 平春日 『朝鮮公論』1931年11月号(224号、19巻11号)pp.65-69に探偵コント「シャイロック、ホルムズの小切手」が載っている。著者名のところには「京城探偵趣味の会 平春日訳」とある。また、作品末尾に(Kウエスト作)とあるが、不詳。 『京城の日本語探偵作品集』に収録されたコナン・ドイルの2作品 コナン・ドイル作、芳野青泉訳「名馬の行方」(近代世界快著叢書 第四編『名馬の行方』より) … 「銀星号事件」の翻案(ホームズは堀見、ワトソンは友野) コナン・ドイル作、倉持高雄訳「謎の死」(『朝鮮公論』1925年9~12月号、全4回) … 「まだらの紐」の翻訳(ホームズ、ワトソンの名はそのまま) 『京城の日本語探偵作品集』には収録されていないが、倉持高雄は『朝鮮公論』でほかに「銀星号事件」の翻訳もしている。タイトルは「名馬の行方」で、1928年7月号(184号、16巻7号)から連載されたが、翌月号に第2回が載り、そこで中断してしまった。 芳野青泉翻案の「名馬の行方」は近代世界快著叢書第四編『名馬の行方』(白水社、東京、1918年)から収録されたものだが、なぜ『京城の日本語探偵作品集』に東京の出版物から作品が採られたのか、やや不可解である。解説を読んでみると、これは朝鮮総督府図書館に所蔵されていた『名馬の行方』から採ったものだと書かれているが、それだけでこれを「京城の日本語探偵作品」扱いしてよいものだろうか。(朝鮮総督府図書館の蔵書印は『京城の日本語探偵作品集』のp.113で確認できる) 江戸川乱歩の「探偵趣味」(『朝鮮及満洲』1927年1月号)について 韓国で『探偵趣味』(2012年3月)というアンソロジーが出版され、そこに江戸川乱歩の謎の(?)随筆「探偵趣味」(初出:『朝鮮及満洲』)が翻訳掲載されているということを知ったのは2012年12月のことである。即座に国会図書館にいってコピーしてきた。これは日本では知られていなかったものである。 コピーは入手したが一体どういう性質のものか分からなかったため、同月中に『江戸川乱歩執筆年譜』の編者の中相作氏にうかがったところ、『ラヂオ講演集 第十輯』(日本ラヂオ協会・博文館、1926年11月)(近代デジタルライブラリー)に収録された江戸川乱歩の「探偵趣味」と内容がほぼ一致するとの返答をいただいた(文章には異同がある)。元のラジオ講演はその前年、1925年の11月9日に放送された。ラジオ公演を別の人物が文字起こししたものということだろうか。 関連ページ 伊藤秀雄『近代の探偵小説』の韓国語訳/韓国で刊行されている《日本ミステリ叢書》について
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2647.html
ゆっくりいじめ系2744 B級ホラーとひと夏の恋虐共希無 ゆっくりいじめ系2754 ゆっくりできないおみずさん虐共希無 ゆっくりいじめ系2756 ゆっくり障害物競走?虐共希無 ゆっくりいじめ系2762 れみりゃはメイド長虐希無 ゆっくりいじめ系2775 信じてくれない虐共希無 ゆっくりいじめ系2790 さとれない虐共希無 ゆっくりいじめ系2837 風に乗ってどこまでも滅希無 ゆっくりいじめ系2876 おかーさんとめでぃすんの話虐制家共希ゆ ゆっくりいじめ系2941 飴玉の関係虐希無現 ゆっくりいじめ小ネタ517 見えない恐怖虐緩巨希無
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4823.html
ゆっくりいじめ系2744 B級ホラーとひと夏の恋虐共希無 ゆっくりいじめ系2754 ゆっくりできないおみずさん虐共希無 ゆっくりいじめ系2756 ゆっくり障害物競走?虐共希無 ゆっくりいじめ系2762 れみりゃはメイド長虐希無 ゆっくりいじめ系2775 信じてくれない虐共希無 ゆっくりいじめ系2790 さとれない虐共希無 ゆっくりいじめ系2837 風に乗ってどこまでも滅希無 ゆっくりいじめ系2876 おかーさんとめでぃすんの話虐制家共希ゆ ゆっくりいじめ系2941 飴玉の関係虐希無現 ゆっくりいじめ小ネタ517 見えない恐怖虐緩巨希無
https://w.atwiki.jp/trivia-mike/pages/3979.html
週刊少年ジャンプで掲載された経験のある作品について解説。 連載中作品(2023年4月現在) HUNTER×HUNTER-週刊とは異なる方式で連載 ONE PIECE SAKAMOTO DAYS アオのハコ あかね噺 暗号学園のいろは アンデッドアンラック 一ノ瀬家の大罪 ウィッチウォッチ 呪術廻戦 逃げ上手の若君 ブラッククローバー 僕とロボコ 僕のヒーローアカデミア マッシュル-MASHLE- 夜桜さんちの大作戦 ギンカとリューナ - 打ち切り ルリドラゴン - 長期休止中 WEEKLY週ちゃん - 編集部企画 ◆掲載された作品だ たぶんA-Z、アイウエオ順。だよ。画数でなく読み方優先。 連載中のものは長期休載を除き無印。 ただいま一生懸命、調査中しております。もうしばらくおじかんを。 アルファベット AGRAVITY BOYS - 移籍 BLEACH 打切 BORUTO - 月一連載のち移籍 BUILD_KING -打ち切り BURN THE WITCH DANNY s RADIO - 読切 DC3 - 読切 Dr.stone - 打ち切り HUNTER×HUNTER - 休載中 i-ショウジョ - 移籍 NERU-武芸道行--打ち切り Nooneknows - 読み切り ONE PIECE PPPPPP - 打ち切り ROBOT×LASERBEAM -打ち切り SAKAMOTO DAYS - New THE COMIQ - 打ち切り U19(WJ) -打切 VROOM‼︎!-ブルン- WEEKLY週ちゃん ZIPMAN - 打切 あ アイテルシー - 打ち切り アオのハコ あかね噺 アクタージュact-age - 打切 アメノフル - 打切 あやかしトライアングル - ジャンプ+に移籍のため本誌打ち切り アヤシモン - 打ち切り 暗号学園のいろは 暗殺教室-打切 アンデッドアンラック 磯部磯兵衛物語〜浮世はつらいよ〜 - 打切 一ノ瀬家の大罪 いぬまるだしっ - 打切 ウィッチウォッチ エム×ゼロ - 打切 炎眼のサイクロプス - 読切 逢魔ヶ刻動物園 - 打ち切り か カガミガミ - 打切 学級国宝パワースポット三上くん - 読切 学級法廷 - 移籍のち打切 家庭教師ヒットマンREBORN!-打切 カミジョーさんは食いしん坊 読切 髪をゆいは髪を結い - 打切 鴨乃橋ロンの禁断推理 - 読切 鬼滅の刃 -打切 キルアオハル 読み切り ギンカとリューナ キン肉マン -打切 くじら大吾-打ち切り クロクロク-打切 クロスアカウント -打切 クーロン・ボール・パレード - 打ち切り 高校生家族 - 打ち切り コンクリートと花 - 読み切り こちら葛飾区亀有公園前派出所 -連載→不定期掲載 ゴーレムハーツ - 打切 さ 最後の西遊記 - 打ち切り 最弱‼︎ジェノサイドクイーン-読み切り サムライうさぎ - 打ち切り 左門くんはサモナー - 打ち切り ジガ-ZIGA- -打切 ジキルの使い魔-読切 ジモトがジャパン- 最強ジャンプ移籍 灼熱のニライカナイ - 打ち切り シャーマンキング -打切り すごいスマホ 守れ!しゅごまる 呪術廻戦 食戟のソーマ - 移籍 思春期ルネサンス!ダビデ君 - 打切 新米婦警キルコさん-打切 除霊師・錬太郎の約束 - 読切 森林王者モリキング セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん - 打切 総合時間事業会社 代表取締役社長専属秘書 田中誠司 - 打切 た 大東京鬼嫁伝-読み切り タイムパラドクスゴーストライター - 打ち切り ダブルアーツ 打切 デビリーマン -打切 チェーンソーマン-打切 地球の子 チャゲチャ 打切 ツギハギ漂流作家 - 打切 Dr.スランプ 打切 道産子ギャルはなまらめんこい - 出張読切 とっても!ラッキーマン-打切 トマトイプーのリコピン ジャンプ+ 移籍 ドラゴンボール 打切 ToLOVEる 打切 トリコ- 打切 ドロンドロロン 打ち切り な NARUTO 打切 逃げ上手の若君 - 新連載 ニセコイ 打切 ノアズノーツ 打切 は ハイキュー‼︎ 打ち切り 破壊神マグちゃん - 打ち切り バカバカしいの!-打切 バクマン。 打切 はだしのゲン -打切 バラバルジュラ-読切 バリハケン - 打切 ビビの冒険 -読み切り ふたりの太星-打切 ブラッククローバー プリンプリン吉田の華麗なる人生 - 読切 プーコラ保護区‼︎ - 読切 ぼくたちは勉強ができない - 打ち切り 北斗の拳 打切 僕とロボコ 僕のヒーローアカデミア ぼくは少年探偵ダン♪♪-打切 ぼくらの血盟-打ち切り 仄見える少年-打ち切り ポポ(WJ) - 読み切り ボボーボーボボ・ボボーボ - 打切 ポロの留学記 -打切 ボーンコレクション - 打切 ま 魔女の狩人-打切 魔人探偵脳噛ネウロ-打切 マッシュ-MASHLE- 守れ!しゅごまる - 打ち切り ミストの怪剖録-読切 ミタマセキュ霊ティ - 打切 ものの歩-打切 紅葉の棋節-打切 や 約束のネバーランド - 打切 ヤマビコな日常 -読 切 ゆらぎ荘の幽奈さん - 打切 夜桜さんちのスパイ大作戦 ヨド・ヴィーナス - 読切 ら ルリドラゴン レッドフード - 2021年29号〜49 わ ワールドトリガー - ジャンプS.Q.に移籍
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/559.html
傾向 虐待 --□------ 制裁 虐待者 名無し □-------- 東方キャラ 虐待方針 生かさず殺さず ---□----- 皆殺しダァ! 出演ゆっくり 良いゆっくり --□------ 悪いゆっくり ゆっくりいじめ系791 ゆっくりと瓶制性家無 ゆっくりいじめ系813 赤ちゃんのお帽子そ性家無 ゆっくりいじめ系822 ドスの中身虐性共無 ゆっくりいじめ系851 どちらかのお帽子虐共無 ゆっくりいじめ系873 べたべたのお肌そ捕無 ゆっくりいじめ系940 三角の頭巾そ無 ゆっくりいじめ小ネタ151 みょん語体性 ゆっくりいじめ系1026 ゆっくり宅に挨拶そ無 ゆっくりいじめ系1027 ゆっくりの救急車そ無 ゆっくりいじめ系1062 甘い言葉?そ無 ゆっくりいじめ系1189 心地よい箱?虐環家無 ゆっくりいじめ系1236 頭の良い生き物?虐魚外
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/39.html
ゆっくりいじめ系6 リモコンゆゆゆ 制 虐 性 ゆっくりいじめ系8 創造主誕生 そ 神 ゆっくりいじめ系11 ゆっくりの王虐共 ゆっくりいじめ系26 ゆっくりさせないと…… 虐環 ゆっくりいじめ系31 騒音公害 制性 ゆっくりいじめ系35 ゆっくりの恩返し 制家 アリス×ゆっくり系4 UNIQQLI 制 美鈴×ゆっくり系1 Y-1グランプリ 虐そ共 ゆっくりれみりゃ系いじめ2 いないいないうー虐 ゆっくり×ゆっくりれみりゃ系1 こわいこわい 虐 制 捕 その他 ゆっくり太郎 そ その他 ゆっくり対幻想郷 そ その他 ゆっくりテクニック そ性 ゆっくりれみりゃ系いじめ5 紅魔館の大掃除虐 ゆっくりいじめ系67 頭無双制共家 ゆっくりいじめ系71 栗祭り虐 永遠亭×ゆっくり系3 頭が哭く日々虐 白玉楼×ゆっくり系2 月見ゆっくり制性料 ゆっくりいじめ系79 高速ゆっくりそ性 ゆっくりいじめ系80 甘い肉まん制 その他 恐怖のゆっくり人間 そ その他 piaマウンテンにようこそ! そ料 美鈴×ゆっくり系5 磔刑虐 紅魔館×ゆっくり系2 さらば愛しきメイド長制 ゆっくりいじめ系111 予定調和虐そ家無 ゆっくりいじめ系127 ゆっくりリサイタル その他 七夕伝説そ ゆっくりいじめ系150 ゆっくりのエラ虐そ性無 ゆっくりれみりゃ系いじめ15 パラサイト虐性捕 その他 ゆっくりプロデュースそ その他 理想郷へ虐そ ゆっくりいじめ系191 撲滅運動虐そ無 永琳×ゆっくり系8 蓬莱饅頭虐制薬 その他 真(ゆゆ~)!!ゆっくりゆゆこ~世界最後の日~虐そ その他 走れれいむそ その他 フェアリー・テイルそ ゆっくりいじめ系292 ゆっくりの守護者虐制無 ゆっくりいじめ系689 三回擦ってすぐ絶頂~驚異の三擦り半~虐性 ゆっくりいじめ系716 ストリートミュージシャン その他 ちょうしにのったけっかがこれだよ!! ゆっくりいじめ系1161 まだ見ぬゆっくりを探して ゆっくりいじめ系1469 ふる・ゆっくり・じゃけっと ゆっくりいじめ系2125 大往生
https://w.atwiki.jp/preusosrematome/pages/36.html
カーソル&nrLaunchを回答できなかった方、↓の方が直してくれたリンクからもう一度落としてみてください。訂正前のリンクでは一見正常なページに飛べますが落とせるファイルがバグったものになっていました。今なら大丈夫なはずです。 -- (名無しさん) 2009-07-16 22 29 27
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/815.html
ゆっくりいじめ系6 リモコンゆゆゆ 制 虐 性 ゆっくりいじめ系8 創造主誕生 そ 神 ゆっくりいじめ系11 ゆっくりの王虐共 ゆっくりいじめ系26 ゆっくりさせないと…… 虐環 ゆっくりいじめ系31 騒音公害 制性 ゆっくりいじめ系35 ゆっくりの恩返し 制家 アリス×ゆっくり系4 UNIQQLI? 制 美鈴×ゆっくり系1 Y-1グランプリ? 虐そ共 ゆっくりれみりゃ系いじめ2 いないいないうー?虐 ゆっくり×ゆっくりれみりゃ系1 こわいこわい? 虐 制 捕 その他 ゆっくり太郎? そ その他 ゆっくり対幻想郷? そ その他 ゆっくりテクニック? そ性 ゆっくりれみりゃ系いじめ5 紅魔館の大掃除?虐 ゆっくりいじめ系67 頭無双制共家 ゆっくりいじめ系71 栗祭り虐 永遠亭×ゆっくり系3 頭が哭く日々?虐 白玉楼×ゆっくり系2 月見ゆっくり?制性料 ゆっくりいじめ系79 高速ゆっくりそ性 ゆっくりいじめ系80 甘い肉まん制 その他 恐怖のゆっくり人間? そ その他 piaマウンテンにようこそ!? そ料 美鈴×ゆっくり系5 磔刑?虐 紅魔館×ゆっくり系2 さらば愛しきメイド長?制 ゆっくりいじめ系111 予定調和虐そ家無 ゆっくりいじめ系127 ゆっくりリサイタル その他 七夕伝説?そ ゆっくりいじめ系150 ゆっくりのエラ虐そ性無 ゆっくりれみりゃ系いじめ15 パラサイト?虐性捕 その他 ゆっくりプロデュース?そ その他 理想郷へ?虐そ ゆっくりいじめ系191 撲滅運動虐そ無 永琳×ゆっくり系8 蓬莱饅頭?虐制薬 その他 真(ゆゆ~)!!ゆっくりゆゆこ~世界最後の日~?虐そ その他 走れれいむ?そ その他 フェアリー・テイル?そ ゆっくりいじめ系292 ゆっくりの守護者虐制無 ゆっくりいじめ系689 三回擦ってすぐ絶頂~驚異の三擦り半~虐性 ゆっくりいじめ系716 ストリートミュージシャン その他 ちょうしにのったけっかがこれだよ!!? ゆっくりいじめ系1161 まだ見ぬゆっくりを探して ゆっくりいじめ系1469 ふる・ゆっくり・じゃけっと ゆっくりいじめ系2125 大往生
https://w.atwiki.jp/sinsougou/pages/201.html
前ページ次ページなのはクロスの作品集 シン編 第2話『切り札』 十年前 時空管理局本局次元航行部隊 アースラ艦内 クロノの私室 海鳴大学病院を出たシンはその足ですぐさまアースラへと向かった。 前々からクロノに頼んでいた品を受け取りに行くためだ。おそらく簡単にいかないだろう事はシンも予想していた。 なにせ頼んでいた『物』は、十年に第一級捜索指定ロストロギアになる代物だ。クロノの性格を考えると、それがどんなものか既に調べているだろう。 もしかすると、持ち出せないかもしれない。 シンは自身の警戒を悟られないように、クロノの私室へ向かった。 シン 「クロノ、例のあれは見つかったのか」 クロノ「ああ、『レリック』だったね? すでにアースラの内部に保管してあるよ。しかし、なぜ、ロストロギアがあそこにあるとわかったん だ?それにこれは極めて危険で重要度の高い代物だぞ」 シン「う、裏時空管理局にいたとき発見したものなんだ。そのときは任務優先で無視したんだけどな」 シンがクロノに依頼していたのは『レリック』と呼ばれる超高エネルギー結晶体の回収だ。 実際の歴史では、新暦71年4月ある遺跡で発見され、なのは、フェイト、はやての三人が初の対ガジェットドローンとの戦闘を繰り広げたあと、無事に回収されている。 シン「それで相談なんだが、はやてを助けるのに『レリック』が必要なんだ。少しの間だけ貸してくれないか?」 下手に言い訳すると疑われると考えたシンは、思い切って本音を打ち明けることにした。 クロノ「かまわないよ。ただし、準備に時間がかかるから、適当に待っていてくれ」 当然クロノは渋い顔をすると思っていたが、意外にもあっさり許可をしてくれた。 アースラの保管庫から転送されたレリックは、厳重に包装されてシンに手渡された。 これだけ厳重に封印すれば、めったなことがない限り暴走しないだろう。 シン 「じゃあさっき言ったとおりこれは借りていくぞ」 クロノ「もちろん貸し出しは許可しよう。だが、君の自由までは許可できない」 突然地面に現れた魔方陣が輝き、幾多の鎖がシンの体を拘束した。 クロノの使う捕縛魔法の一つ、ディレイドバインドだ。 普段ならば、起動六課でバインドに慣れているシンがこんな手に引っかかることはない。 しかし、闇の書に関する焦りと、親しかったクロノへの油断がシンから警戒心を奪い取っていた。 シン 「くっどういうことだ!今は時間がないんだぞ!」 クロノ「本当のことを話してくれれば、すぐに開放するよ」 シン 「何を言ってるんだ?俺は裏時空管理局の・・・」 クロノ「本気で誤魔化せると思っていたのか?あんな嘘に騙されるのは、よほどの天然か、お人よしくらいだ。残念だが僕はどちらでもない」 言葉に詰まったシンをほっといて、クロノは言葉を続けた。 クロノ「君にかかっているのは、ロストロギアを狙った時空犯罪者の容疑だ。」 シン 「ふざけるな!何で俺が!」 クロノ「証拠ならいくらでもある。裏時空管理局なんて存在しないのに、なぜか君はレリックのある場所を知っていた。そして、それがどんな代 物かもだ。 おまけにあの場所は時空管理局も手をつけていない未開世界だ。たとえ裏時空管理局があったとしても、君達の説明は矛盾 が多すぎる。さて、まだ続けようか?」 シン 「・・・・」 クロノ「今回の君の狙いは『闇の書』とそのレリックみたいだな。時空管理局を利用してロストロギアを回収しようなんて豪胆な奴だ。うまく入 り込んだようけど、それもここまでだね。」 シン「・・・・」 こんなことになるならデス子を連れてくるんだったと、シンは今更ながら後悔した。 このまま真相を話すわけにはいかない。だからと言ってディレイドバインドを引き千切っても、 転移魔法が使えないんじゃ地球には戻れない。 シン 「・・・・・・(くそっどうする?こうしている間にもはやては)」 なんとか脱出しようともがいていると、何故かクロノが耳元で話しかけてきた。 クロノ「・・・信用し・・いい・・か?」 シン 「何?」 クロノ「君にレリックを渡せば、はやてもリインフォースも助かるのか?」 シン 「・・・? ああ、絶対に助けて見せる!」 クロノ「・・・・・・わかった」 シンが困惑していると、何を考えたのかクロノは突然ディレイドバインドを解いた。 そしてそのまま、何もない壁に向かって氷結の杖デュランダルを構えると、躊躇無くブレイズキャノンを叩き込む。 威力はセーブしてあったようだが、それでも掛けてあったカレンダーが粉々に吹っ飛んでいた。 シン 「な、な、な????」 クロノ「こう見えても人を見る目はあるつもりだ。君は犯罪を犯す人間には見えない」 シン 「は? だってさっきは・・・」 クロノ「真相はこれだよ」 クロノは先程までカレンダーがあった場所に近付くと、燃えカスを一つ拾い上げる。 クロノ「小型の盗聴器だよ。この部屋の会話は、時空管理局の上層部に筒抜けだったのさ」 シン 「上層部って、なんでそんな奴らが俺を?」 クロノ「僕は当然だと思うけどな。闇の書に近付いた上、ロストロギアまで見つけたんだ。いやでも上の連中の目に入るさ」 クロノが言っていたように、この時代に来たシンはかなり目立っていた。 あれか? リーゼ達にツインパルマをかましたからか? それとも、デス子が本局の食料庫を荒らしたからか? いや、伝説の三提督の一人であるミゼッタさんにパルマをかました時もだいぶやばかった! そういえば、地上本部にいったときに、偶然レジアスと会ったとたん、 デス子がいきなり「テレビで見た通りホントに六角形ですよ、マスター」と言ったのが致命的だったかもしれない。 今考えてみると目をつけられる心当たりなど、数えてみればきりがなかった。 シン 「でも、本当によかったのか? もちろん俺は助かったけど、執務官の立場上まずいだろ」 クロノ「上の連中には散々暴れたあと、転移魔方陣で逃げたって言っておくよ。それに僕はもう見たくないんだ。親しい人が『こんなはずじゃな い人生』を歩むのはね」 シン(そうか、確かクロノの父親は・・・) クロノの父親であるクライド・ハラオウンは11年前、「闇の書」の輸送中に、「闇の書」に彼が指揮していたアースラ同型艦「エスティア」の制御を奪われた。そのときやむなく乗艦と共に沈められ死亡している。 クロノ「時間が無い。すぐに海鳴市に転送しよう」 デュランダルを一振りすると、すぐさま転移魔法陣が出来上がった。あいかわらず、驚異的な詠唱スピードだ。 クロノ「はやてとリインフォースは託したよ、シン・アスカ」 シン 「了解しました! 帰ったら酒でも奢りますよ、クロノ提督」 魔法陣の上に立つと、一瞬でシンの体は海鳴市に転送された。 クロノ「提督? それに僕はまだ15歳なんだが・・・」 闇の書の自動防衛プログラム再生まであと『11時間27分』 クロノ「さて、単独で犯人を追い詰めたものの逃亡を許し、レリックまで奪われた。母さんはともかく、上層部にはどう言い訳するかな?」 だが、予想に反して、エイミィは何も言わなかったし(なぜか楽しそうだった) リンディ提督はにこにこしながら上層部を丸め込んだそうだ。 (もちろん、クロノは始末書を書く羽目になったが) その際、上層部の何人かは希望退職(名目上)したそうだが、関係があるかどうかは定かではない。 シン編 第3話 『御神の剣士』 十年前 海鳴臨海公園前 大通り アースラから海鳴市へ無事に転移したシンは、そのまま真っ直ぐ海鳴市藤見町64-5に走っていた。 いきなりお邪魔するのも迷惑なので、道中リンディ提督にもらった仕事用の携帯で連絡を入れる。 幸いにも、帰宅していた恭也が電話に出てくれた。 恭也「はい、もしもし」 シン「あ、恭也さんですか?俺です、シンです」 恭也「シンか!はやてが倒れたそうだが、大丈夫なのか?」 シン「そのことも含めて、お話したいことがあります。今からそっちにいきますから・・・」 恭也「なに?一体どういうこ・・・(ピッ)」 今は説明している時間が惜しい。どうせ向こうに行ったら話すことになるんだ。 その前に、状況を確認するためにデス子に連絡しなくては・・・。走りながらだったため、二、三度番号を間違えたが四度目でようやく繋がった。 シン「デス子、俺だ。リインフォースは見つかったか?」 デス子「海鳴市の周辺から調査してるんですが、まだ見つかりません。そっちの用事は済みましたか?」 シン 「あと一つ残ってる。今度のはたぶんギリギリまでかかると思う。それまでにはリインフォースを見つけておいてくれ」 デス子「任せてください!マスターこそ、遅れたら駄目ですよ!」 数十分後、御神流剣士の正装をしたシンが、高町家の道場で静かに時を待っていた。 しばらくして、恭也が道場に入ってくる。彼もまた御神流剣士の正装を着ていた。 恭也「すまない、遅くなったな。」 シン「いえ、理由も話せないのに、無理を言ったのは俺ですから」 二人とも普段とは纏っている雰囲気が違った。荒々しいが殺気とは違う。しいて言えば闘気が一番近いだろうか。 恭也「先に言っておくが、俺だけじゃなく父さんや美由希も反対だ。君は御神流攻撃の法も『斬』と『徹』しか会得してないし、『飛針』や『鋼 糸』にいたっては触ったことすら無い」 御神流攻撃の法は三つある。 通常の斬撃ではなく、引きながら切り裂くように切る『斬(ざん)』 御神流で使われる撃ち型で、表面から衝撃を伝え内面を破壊する技『徹(とおし)』 そして、相手の防御や回避のパターンを見切り、その隙を付いて攻撃を与える『貫(ぬき)』 【他には目を使わず、音と気配によって相手の居場所を知る『心(しん)』があるが、これは暗殺などをこなしていた不破家の技なのであえて除外】 小太刀だけでなく、『飛針(とばり)』と言われる相手へ向けて投げる小型の刃物、 『鋼糸(こうし)』と呼ばれるドイツの繊維メーカー・ゲインベルグ社製の鋼鉄の糸なども御神の剣士は武器として使用している。 シンがこの二つの武器を使えないのは、ナイフを扱っていた経験を生かして、小太刀の鍛錬を優先してやっていたからだ。 恭也「どこで体を鍛えたかはあえて聞かない。だが、逆に考えれば、基礎が出来上がっていたとは言え、たった三週間で『斬』と『徹』を会得で きたとも言える。君の剣士の資質は十分だ。」 シン「・・・・ありがとうございます」 恭也「だからこそ君の頼みは聞けない。君を俺の二の舞にはしたくないからな」 恭也は静かに語りだした。ずいぶん昔、まだ恭也と士郎が高町ではなく、不破と名乗っていた頃の話、テロ事件で士郎さんが大怪我をしたこと、小学生だった自分は家族を支えようと無理を繰り返していたこと、そのせいで交通事故に遭い大怪我をしたこと、現在は完治したが、当時は歩行すら困難だったこと、そしてその原因が『御神流奥義』の習得するための無茶な鍛錬あったことも・・・。 恭也「俺も六つある『御神流奥義』の内、四つ会得するのに17年掛かった。父さんですら、まだ全て会得できてるわけじゃない。先に断言してお くが、諦めたほうがいい。八時間では不可能だ。」 シン「・・・それでも、例え不可能だとしても、俺は諦める訳にはいかない!俺にも守りたい人たちがいる。そしてそのためには、あと十時間以内 に少しでも強くならないといけないんです!」 恭也(・・・・・・ふぅ、父さん、悪いが俺に説得は無理だ) この道場に来たとき、恭也には『御神流奥義』を教えるつもりなど毛頭無かった。 三週間しか御神流を習ったことがない人間が、たった八時間で会得ほど御神流の名は軽くはない。 元々才能はあるようだし、基礎もできている。 焦らずじっくり鍛えれば、数年で美由希と戦えるぐらいにはなるはずだ。 今日は何とか説得して、すぐに帰らせるつもりだった。 だが、実際に会ってみて気が変わった。 この闘気、この決意、いまだに剣は未熟だが、その思いだけは本物の御神の剣士だ。 恭也「・・・最初に父さんが言った、御神の剣士の心得を覚えているか?」 シン「今でもしっかり覚えています。士郎さんは始めてあったとき『御神の剣士は力無き人々の牙となり、大切な人々を守るための盾だ。君も大 切な人がいるなら、その人を守るために強くなりなさい』そういって、小太刀を渡してくれました。」 恭也「・・・八時間しかないなら、多少無理をすることになるぞ」 シン「危険は承知の上です! 恭也さん、俺に『御神流奥義』を教えてください。お願いします!!」 恭也は黙って、壁にある木刀ではなく自分が持ってきた二つの小太刀をシンに投げ渡した。 見たくなってしまったのだ。わずか三週間で御神の剣士の心得を体現した男が、このわずかな時間でどれほど高みに上がれるのかを・・・。 恭也「(俺もまだまだ甘いな)来い、シン・アスカ!永久不動八門一派・御神真刀流・小太刀二刀術。その全てを自分の体で受け止めろ!」 シン「は、はい! 全力でいきます!!」 貰った小太刀を裏十字に構え、シンはもてる技術全てを使い恭也に戦いを挑んだ。 【裏十字】 背中側の腰に二刀の刀を十字に交差するようにする刀の差し方で、柄をかなり腰の前まで持ってきている。 そのため、抜刀、納刀を繰り返すのには効果的。 そんな二人の様子を、この人達は道場の扉の隙間からジッと覗いていた。 美由希「あちゃ~、気になって身に来て見ればやっぱり始めちゃってる・・・。お父さん、止めなくていいの?」 士郎 「二人とも止めて聞くような男じゃないからね。しかしいつもクールな恭也をその気にさせるとは、さすが私が見込んだ男だけはある な!」 美由希「うん、でもシン君が怪我しないか心配だよ。いつもどこか危なっかしいから・・・」 士郎 「・・・・・・・・・・ヨクカンサツシテイルネ」 美由希「あ、そういうんじゃないんだって、無愛想だけどホントは優しいんだ///、とかいつも真っ直ぐでちょっといいかも///、とか、全然思ってないし、むしろ守ってあげたいみたいな//////。弟! そう弟みたいなものだよ!!!」 どれだけ言い訳をしても、顔を真っ赤にしてはまったくの逆効果だ。 特にこの男には、弱効果どころか致命的だったらしい。 《士郎の頭の中》 なのは→シンが大好き=好意 桃子→シンはお気に入り=好意 美由希→シンが気になる+同じ御神の剣士として切磋琢磨=恋愛!=結婚!=孫!!! まて、落ち着け士郎。まだそうと決まったわけでは・・・。 それに、親の気持ちより美由希の幸せが第一だ。シン君ならあと五年もたてば娘を任せられるほどになるかもしれん。 それに考えてみると、彼にははやてちゃん達がいるんだし、早々うちの子に手を出すはずがない。彼は子供にも人気があるからな。なのはも懐いてるし・・・。 ん、まさかそれって シン+美由希+なのは=三角関係!!=家庭崩壊!!! もしくは シン÷美由希+八神家+リンディ家=浮気!=美由希との破局!!=家庭崩壊!!! どの状況になっても、美由希やなのはが幸せになれる未来が浮かばないとは・・・。 なんにしろ確かなのは、あの男を生かしておけば御神流(高町家)にとって最大の脅威となる!!!!! 美由希「お、お父さん???」 シン・アスカ、あの時オーブから助けた恩を仇で返すとは・・・。(錯乱中) 再び不破家の姓を名乗るときが来たようだな。 美由希「あ、ちょっと、今入ったらまずいってば!」 士郎は殺気を振りまきながら、道場へと入っていく。 恭也「むっ、この殺気は・・・。いかん! 逃げろシン!!」 シン「なんですか、恭也さん?あ、士郎さん見てたん・・・(なんだ、息苦しい?)」 士郎「・・・うかつだったぜ。俺としたことが・・・こんな危険分子を育てていたとはな」 シン(なんだ、この威圧感《プレッシャー》は・・・。士郎さんの周りの空気がゆがんで見える!) 恭也「早く逃げろ!父さんはすでに少し錯乱している!!」 すさまじいほどの殺気だ。これが、御神の剣士の真の姿なのだろうか?さすが、二代目冥王を生み出した血筋だけはある。 シンにとっても、恐怖で体がすくむなど初めての経験だった。 士郎「シン君、君は『御神流奥義』を覚えたいそうだが?」 シン「え、はい、大切な人達を守りたいですから!」 士郎「なるほど、それなら見せてあげよう。『奥義之極み』以外の奥義を一から六まで順に打ち込んだ後、次はランダムで打ち込む。手加減する から体で仕組みを覚えたまえ」 相変わらず無駄に殺気を振りまきながら、士郎は壁の木刀を手に取った。 ちなみにその木刀は鉄心(中に鉄)が入っている為殺傷力は十分なのだが、本人以外は誰も知らない。 シン「し、士郎さん!? (恭也さん、助け・・・いないし!!!)」 突然の命の危機に、シンは一生懸命恭也の姿を探した。 が、すでに恭也は桃子さんを呼びに、美由希と共に店に走ったあとだった。 美由希「恭ちゃん、シン君は置いてっちゃったけどよかったのかな」 恭也 「あの隙のない構えだ。もはや俺達には手が出せない!シン、俺達が戻るまで死ぬんじゃないぞ!」 はい、無理です。 士郎「では、始めるとしようか」 シン「俺は終わりそうな気がします」 士郎「いくぞ! まずは奥義之壱『虎切』(こせつ)!!」 一瞬で士郎さんの姿が掻き消えると同時に、俺の中に『あの感覚』が発動した。 どうやら今度ばかりは俺もやばいみたいだな。だが、おかげで見える! 奥義之歩法『神速』が目で追える! 後で知った話だが、奥義之壱『虎切』とは超距離からの抜刀術で、鞘走りを使用し、高速で放つ御神流でも一、ニの速度と射程距離を持つ技だそうだ。 すさまじい剣速だ。間に合うか! 鈍い音とともに、小太刀を持っている手にすさまじい衝撃が走った。 シン「・・・・・・っぐうう(なんとか防ぎきったか?)」 士郎「ほう、これを防ぐか。なら次だ!奥義之弐『虎乱』(こらん)」 勢いそのままに突撃した士郎は、密着した体勢のまま奥義之弐『虎乱』を放つ。 虎切の発展型奥義だけあって、連撃を食らったシンは一気に壁際まで吹き飛ばされた。 シン「う、がはっ(速すぎる! 反応できても体が追いつかない!)」 士郎(体を捻って、急所への打撃を避けた!まさかこれほどとは・・・) 何とか体勢を整えようとするシンだったが、士郎が連続で放つ『斬』のせいでうまく動けない。 シン(受け流すだけで精一杯だ! こんなに実力差があるなんて・・・) 士郎「埒が明かないな。ならば、これで終わらせよう!! 奥義之参『射抜』(いぬき)」 『射抜』とは御神流奥義の中で最長の射程距離を誇る超高速の連続突きだ。 そのうえ突きの発動後、薙ぎへと変化させることができる。 案の定、三撃目を受け流したと思ったシンは、徹の発展型の奥義である奥義之肆『雷徹』(らいてつ)をモロにわき腹に受ける。 シン「ごほぉっ(しまった!い、息が・・・)」 そしてそれは決定的な隙となった。 士郎「(ここまでだな)止めだ! 奥義之伍『花菱』(はなびし)」 シンはすさまじい斬撃によって、反対側の道場の壁に叩き付けられる。 それでも小太刀を離さず立ち上がれたのは、このまま終わって堪るかと言う彼の意地と根性だ。 シン「・・・・まだ・・終わってませんよ。士郎さん!」 士郎「よく立った。だがこれが最後だ! 奥義之六『薙旋』(なぎつむじ)」 相手へと突進しながら、抜刀術からの四連続の斬りを打ち込む、抜刀術の剣速に突進術の威力も含めた、高度な技だ。 もちろんフラフラのシンが避けられる筈も無く、四つの斬撃全てを喰らい、壁を突き破って道場の外まで吹き飛ばされた。 士郎「・・・・・・少々やりすぎたか?」 思いっきり奥義を放って気が済んだのか、彼はいつもの高町士郎に戻っていた。 士郎(これしきのことで冷静さを失うとは、私もまだまだ修行が足らん。というかシン君死んでないだろうな!!) さすがに心配になったのか、士郎は道場の外にシンを迎えに行った。 しかし、心配ご無用。シンは吹き飛ばされながらもしっかりと着地を決めていたのだ。 ・・・・・・桃子さんの上に。 シン「げほっげほっ、いって~、マジで死ぬかと思った。・・・・ん、なんかやわらかい?(このもみ心地はなかなか)って、桃子さん! 大丈夫で すか!」 桃子「・・・きゅう(気絶中)」 そう言いつつも、桃子さんの胸から手を離さないのがシンのパルマクオリティー。 幸い気絶しているだけのようだし、怪我もない。一度、木に弾かれてから落ちたせいで落下の衝撃が弱まったのだろう。 恭也「・・・・・ここまでピンポイントで落下するとは、相変わらず見事だな」 美由希「シン君! いい加減にお母さんの胸から手を離しなさい!!!!!」 さあ、ここで問題です。この状況を士郎さんが発見したら、どうなるでしょうか? 士郎「シン君、さっきは済まなかった。娘のこととなるとつい・・・・・・・・・」 シン「はっ! ま、待ってください! これは不可抗力で・・・」 A.どう見てもシンが腹いせに桃子さんを襲っているように見えます。 士郎「・・・・・・続きといこう。さっきも言ったように、次はランダムで打ち込む。今度は手加減なしだ」 士郎さんの氷のように冷たい目が俺を睨んでいる。殺気も数倍に跳ね上がり、シンの体は金縛りにあったように動かない。否、動けない。 シン(士郎さんの声が聞こえない。心臓を鷲?みにされたような感覚・・・これが殺されるという本能的な感覚か・・・) 彼はこのときほど、自分の女難を後悔したときはなかった。 士郎「さよならだ、シン君。あの世で桃子に詫びたまえ! オラァ『薙旋』『花菱』『射抜』『虎切』『射抜』『花菱』『虎乱』『雷徹』『花 菱』 『射抜』『虎乱』『雷徹』『雷徹』『虎乱』『雷徹』『花菱』『虎乱』『虎切』『花菱』『虎乱』『虎乱』『雷徹』『花菱』『虎 乱』『虎切』 『虎切』『虎乱』『花菱』『虎乱』『雷徹』『花菱』『虎乱』『虎切』『花菱』『虎乱』『花菱』『虎乱』『雷徹』『虎 乱』『雷徹』『虎乱』 『虎乱』『射抜』『薙旋』『雷徹』『射抜』『花菱』『虎乱』『花菱』『射抜』『虎乱』『雷徹』!!!」 シン「ぐぼぁぁああーーー」 シン・アスカ、現世からリタイア。 あの世 あれ、ここは・・・。そうかまたここへ来たのか。 この何もない殺風景な景色も、目の前にいるひげもじゃの大男の顔もさすがに見飽きたな。 夜摩「お主も懲りずによく来るな。三日に1度は来ているのではないか?」 余計なお世話です。そういえばあいはどうしたんですか? 今日は川にはいないみたいですけど・・・。 夜摩「今日は非番だ。三藁どもと少し出かけるらしい。おかげでわざわざ、ワシが相手をする羽目になった」 ・・・ご苦労様です。 夜摩「まったく、最近は死人が増えて忙しいというのに・・・。もっと気をつけて生きられんのか?毎回送り返す我々の身にもなってみろ」 わかってるんなら、俺の女難を何とかしてください! 好きでこんな目に遭ってるんじゃない! 夜摩「おっと、だいぶ時間が経ってしまった。そろそろ送り返さんとな。」 話をそらすな! それでも地獄を仕切ってんのか、あんた! 夜摩「余計なお世話だ。では、始めるぞ」 現世 光に包まれて、肉体の感覚が戻ってくる。 あれだけ痛めつけられたのに、今は体のどこにも痛みが無かった。 シン 「う、なんだ。もう帰ってきたのか?」 シャマル「シン君、大丈夫ですか?」 シン 「あれ、シャマル? どうしてここに?それに士郎さんは?」 シャマル「私は恭也さんから、シン君が死に掛けてるって聞いて来たんです。間に合ってホントによかった」 恭也 「父さんなら、母さんが連れて行った。そのあとは・・・・聞かないほうがいい」 なるほど、どうやら俺は桃子さんのおかげで、命拾いしたらしい。 俺あんな事しちゃったのに・・・あとで全力全開で誠心誠意謝っておこう。 シン 「って、俺は何時間寝てた! 時計は・・・よかった。まだ三十分しかたってない。恭也さん、続きをお願いします!」 恭也 「もう少し休んだほうがいいんじゃないか?」 シン 「いえ、時間がありませんから! シャマル、はやてとリインフォースを頼むぞ!」 シャマル「あの、他の守護騎士が何をしてるかは聞かないんですか?」 シン 「あれだけいわれて黙ってる奴は、ヴォルケンリッターにはいないだろ」 それだけ言い残すと、シンと恭也は再び道場で鍛錬を始めた。 シャマル「・・・お見通しってわけ、なんか悔しいな」 シャマルが病院に戻ろうとしたときだった。 シャマル「・・・え、クラールヴィントに魔力反応? これはリインフォース!」 町中に張り巡らされたようやく魔力センサーにようやく反応があったのだ。しかも、その場所は・・・ シャマル「海鳴大学病院! いけない、私達も急がないと! ヴィータ、ザフィーラ、デス子ちゃん聴こえますか?」 闇の書の自動防衛プログラム再生まであと『9時間11分』 おまけ 道場内 恭也「シン、あとで美由希にもお礼を言っておいてくれ」 シン「へ? 何でまた?」 恭也「覚えていないかもしれないが、シャマルさんを呼びにいっている間にお前を介抱してくれたのはあいつだ。」 シン「そうだったんですか。じゃあ念入りにお礼言っとかないと・・・」 恭也「それとだな。言い難い事なんだが、お前は心配停止状態でかなり危険だったそうだ。それで、美由希が・・・」 シン「ああ、わかってますよ。士郎さんの事は恨んでません。俺は気にしてませんから、って伝えておいてください」 恭也「・・・・・わかった(集中できなくなるかもしれないし、今は伝えないほうがいいか)」 美由希「人工呼吸はキスじゃない///人工呼吸はキスじゃない////人工呼吸はキスじゃない/////」 桃子 「あらあら、美由希ったら・・・(顔を真っ赤にして、かわいい?)」 十年後 なのは「(ピキ―ン!)今近親者の中から裏切り者が出た上に、とんでもないイベントが起きたせいで、ダントツで先に進まれたような気がしたんだけど・・・・」 はやて「(キュピーン!)奇遇やな。私もこれまでに無いほどの強力なライバルが現われた気がしたんよ」 フェイト「(パキーン!)便乗、便乗?」 アティ「何をやっているんでしょう、あの三人は?」 水銀燈「さぁ? また妄想じゃないのぉ?」 朝倉 「よく似た情報は前にも観測したわ。確かニュータ○プだったかしら」 リインⅡ(あの人たちの場合は唯の電波だと思いますけど) 前ページ次ページなのはクロスの作品集
https://w.atwiki.jp/sk_rexi/pages/452.html
名称:健康第一 アイテム種類 行動(行動) レア度 C 詳細 行動の設定。健康管理に気を使っている。 ★