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姉と弟。 第1話 姉と弟。 第2話
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最終更新 2007-04-0119 10 25 田舎の危ない人 「私の名はサルノ。金星人です。まもなくキングギドラが地球に現れます」 映画「三大怪獣 地球最大の決戦」 「普通の人間には興味なんかないわ。宇宙人、異次元人、未来人、超能力者は私のところに来なさい」 TVアニメ他「涼宮ハルヒの憂鬱」 SOS団団長の一発目 「午前0時の時報とともにアンドロイドゼロ指令が発令されます」 「ウルトラセブン」第9話「アンドロイド0指令」デパートにて 「わかりました。それではトラを追い出してください」 TVアニメ「一休さん」 「クララがたったわ」 テレビアニメ「アルプスの少女ハイジ」 「線路とおにぎりが好きなの…」 TVドラマ「裸の大将」の山下清 「アラジンと魔法のランプ(中略)アラン・ドロン+アル・パチーノ<あなた」 榊原郁恵♪アル・パシーノ+(たす)アラン・ドロン<(より)あなた♪ 「まず足が大きくなったわ。次に風邪を引かなくなったわ。先生にはつける薬が無いって言われたわ。どういう意味かしら?」 馬〇の大足、マヌケの小足。〇鹿は風邪引かない。馬〇につける薬は無い。
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姉と弟 (痛みの刻印) COMMAND C-033 青 1-2-0 R (防御ステップ) 「特徴 女性」を持つキャラ1枚をリロール、またはロールする。その場合、「特徴 男性」を持つキャラ1枚をリロール、またはロールする。 移動 再生 出典 「ブレンパワード」 1998
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< 【back】 委員長の危ない味覚 委員長の味覚についていまいち引っかかる俺は、自分の気持ちのモヤモヤをハッキリさせるべく食事に誘ってみた もちろん二人きりではデートの様で気まずいので伊万里も呼んである 俺達三人は委員長のオススメである狂狂亭に来た 外から伺っても店内は暗く見える 「営業中って書いてあるね…ホントかな?」 「はい この店はいつもこうですよ?」 中に入ってもお客は誰もいない様だ 「オススメは?」 「もちろん醤油ラーメンです ラーメンの基本ですからね」 委員長のテンションが少し上がっている様な気がする 「醤油ラーメンを三つ下さい」 しばらく待つとテーブルにラーメンが運ばれてくる 見た目はごく普通のラーメンだが匂いは変だ 「何の匂いだろう…」 一口食べて違和感を覚える 今までに体験した事の無い、それでいて記憶にあるような感覚 「うん この味です!」 そう言いつつズルズルとおいしそうに麺を食べる委員長を横目に俺と伊万里は困った表情で目を合わせた < 【back】
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―――――――― 『っ……、…』 「……ねぇ、羊、さん?」 『!』 「……どうしたの?」 『ふー…、ふー……!』 「けが、したの?」 『寄るなッ…!』 「うっ…」 『は……』 「でも、くるしそうだよ!」 『っ、やめ…』 「ねぇ、――、ばんそうこう、もってる?」 「もってるー!」 『っ、この…』 「うわぁッ?! び、びりびりした…」 『だから、いっただろう』 「っ、」 『な――!?』 「いっ、う」 「おねえちゃん!」 『キミ、何して…!?』 「だって、ほっとけないんだもん!」 『……、』 「でき、たぁっ!ばんそうこうはれたよ!もういたくない?」 『……キミは…』 「えへへ、いたくなったら、ばんそうこう、だよ!」 『…バンソウコウ』 「そ!ばんそうこう!」 「も、へいき?」 『――あぁ、もう、へいきだ』 「「やったー!」」 ―――――――― 「ゆーちゃん、入るよ」 「だめ。…いやだめっつったろ、なんで入ってきてんだ」 スイネからアドバイスをもらったその日の夜、榛名有依は弟である榛名譲の部屋へと押し入った。 「だめだ」と言ったにも関わらず、扉を乱暴に開けた姉に「返事聞く気が無いなら聞くなよ」とか 「もっと静かに開けろよ」だとか、いろいろと文句を言いたかったが、面倒くさいのでやめた。 ―――まぁ、乱暴に扉を開けた割には、姉の表情が暗い、というのも、理由だったのだが。 「あの、さ。ちょっと話したいことあるんだけど、笑わないで聞いてくれる?」 「どうしたんだよ、姉貴らしくねーな」 「その、ね――アタシ、変なんだ」 変?とユズリは首を傾げる。元々変なのに、何を今更。 なんてことは、言えなかったが。 椅子でくるくると回りながら、姉の話を聞いてみることにする。 「ここ最近ずっと、自分が変なんだ。いる人、物、全部数字に見えたり、シャーペンが出せたり、飛ばせたり なんでかって深く考えようとすると、頭がガンガン痛むんだ」 「………」 「こんなこと、友達に話したら笑われるだろうしさ、ゆーちゃんに―――?」 ユウイは、途中で話すのを止めた。 いや、止めざるを得なかった。 すとん、と自分の後ろの壁に何かが突き刺さったのである。 ふ、と見てみると、鋏だった。 「―――!?」 「姉貴の「変」ってのは、コレのことか?」 気付けばユズリは椅子から立ち上がっており、彼を囲むようにして数本の鋏がふよふよと浮いている。 瞳が灰色に鈍く輝くその姿は、まるで自分のようで。 「もしかして、あんた、も―――?」 「……まさか、姉貴も、なんてねぇ…」 はは、と力無く笑い鋏を消してどすんと床に座るユズリ。 まさか姉まで「殺されて」能力を手に入れているとは思っていなかったのだろう。 自分と同じように「姉も殺されていた」という事実を受け入れたくなかったのかもしれない。 「「死んで」手に入る能力らしいぜ、これ」 「死ん、で……」 「俺は友達の女に殺された。階段から突き落とされて、鋏で、こう…な?」 左手でVサインを作り、それを腕に宛ててみる。死因を話すのは辛くは無いようだった。 ユウイは、と言えば。まさに何も言えない、の状態。まさか、自分の弟が自分と同じ能力を持っているだなんて。 「そっ、か…前にゆーちゃんが病院に運ばれたのって」 「そ、コレが原因」 「ぶっちゃけ、特殊能力とかには憧れてたけど、ちょっと、精神的にきちぃな。「殺された」っつーのは――」 「て、ことはさ」 「?」 「ゆーちゃんも、友達、殺しちゃってるんだよね…」 「…そう、だな」 「………」 「………」 「…辛くないの?」 「………」 「………」 「…辛ェに決まってんだろ、アホ姉貴…」 (持っていないものを手にしたからといって) (必ずしも、幸せになれるわけではない) (……そのことを、私たちは忘れてはいけない) 姉と弟 ―――――――――― 「くっ…、ここ、は…」 『あぁ、目が覚めたのね!よかった…』 「お前は……?」 『大丈夫。私は何もしないわ。ただ、貴方を助けたいだけ』 「お前、頭が残念なのか…?!今は戦――ッつぅ!」 『ほら、傷に響くでしょう!お願いだから、大人しく…』 「何故、私を助ける…?ただの人間、の、くせに」 『そんなの関係ないわ。困っている人がいたら助ける、当たり前のことよ』 ――――――――――
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他人じゃない関係♥(たにんじゃないかんけい♥) 概要 ハーツに登場した称号。 登場作品 + 目次 ハーツ 関連リンク ハーツ イネスの称号。 取得者 イネス 取得条件 効果 ▲ 関連リンク
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501 姉と弟。1 sage 2010/04/19(月) 23 47 17 ID Kaw9ZtDj 「姉貴!また勝手に俺の部屋を漁っただろ!?」 先月から高校生になった少年――氷川太郎は、姉の氷川舞に詰め寄る。 それを受け、舞は平然とした顔で、 「え?それがどうかしたの?」 と言った。 その返答に苛立ちを増した太郎は、先ほどよりも声を大きくする。 「姉貴と同じ高校に入ったら、もうこんなことはやめるって約束しただろ!」 それに対し、理解できないといった顔で舞。 「……タローちゃんが高校生になったからこそ、だからこそ、お姉ちゃんはむしろ今までよりも厳しくタローちゃんを見守らなくちゃいけないのよ」 そして大人が子供に言い聞かせるように、 「タローちゃんにはまだよくわからないかも知れないけれど、世の中は危険な誘惑でいっぱいなのよ。お姉ちゃんはタローちゃんをそんな誘惑から守っているの」 言い終わると舞は太郎の頭を優しく撫で始めた。 ちなみに舞は高校二年生で太郎と年は一つしか違わない。 更に身長差もかなりなもので、太郎の179cmに対して舞は148cmしかないのである。 なので、軽くつま先を立て精一杯腕を伸ばし太郎の頭を撫でる童顔の舞は、おしゃまな小学生にしか見えない。 「や、やめろよなっ!いつまでも俺の事を子供扱いすんなっ!」 太郎は声を荒げると踵を返し、自分の部屋のドアを開けその中へと消えていってしまう。 「タローちゃん……」 哀しげな声が舞の口から漏れた。 小学生の頃、舞はこんなに可愛い弟がいる自分はなんて恵まれた人間なのだろうかと思っていた。 舞はいつもどこへ行くにも太郎を連れて歩き、太郎もそれを喜んでいた。 しかし舞が中学にあがり太郎と学校が離れると、自然と二人の心の距離も離れた。少なくとも舞はそう感じていた。 なので舞はその分を埋め合わせる為に家では出来る限り太郎と触れあう事にする。 具体的には、まず、毎日必ず一緒にお風呂に入るようにした(今までは週に2、3回程度だった)。 次に、それまでは別々だった子供部屋をひとつにする事を両親に提案した。 それは弟の非行防止にもなるし、勉強も私が教えるからと。 弟はイマイチ納得していないようだったが無理やりに押し切った。 そうこうしている内に太郎も小学校を卒業する。舞は『あぁ、やっとまたあの頃に戻れる』そう思い歓喜した。 しかし、その喜びも長くは続かない。 ――太郎の身長が急激に伸び始めたのだ。 すぐに、背の低い舞は太郎に身長を抜かれた。それでも最初、舞はその変化を歓迎していた。 『タローちゃんは私の為に男らしくなっていってるんだ!』 だがそれも舞が中学三年、太郎が中学二年の秋までだった。 舞は、学校の廊下で並んで歩く太郎とおそらくはクラスメイトであろう女を見てしまった。 ただ、弟が、私以外の女と歩いている。その事実だけでも許せない、許してはいけない。 だけどそれだけではない。 弟とその女の身長差だ。 当時の太郎の身長は170cm、横に並んだ女は約160cm。 自分と。舞と並んでいる時とは何かが違っていた。 ――そう、まるで二人がお似合いの彼氏彼女であるかのように見えたのだ。 502 姉と弟。2 sage 2010/04/19(月) 23 49 17 ID Kaw9ZtDj 舞は自分をこんなに小さく産んだ両親を心の底から怨んだ。 いくら太郎という素敵な弟を作ってくれたからといって帳消しになりはしない。 こうして舞は、心の中で両親に感謝をする事をやめた。 そんな舞も高校生となり、またもや弟とは離ればなれに。 ――この頃から舞は、太郎の抜けた体毛、血をふいた紙、切った爪などの収集を始める。 白い体液も手に入れたかったが、同じ部屋を使っていることがあだとなり、それは叶わなかった。 太郎の痕跡をポケットに忍ばせ堪える高校生活、そんな時分、太郎は舞の想像を超えた暴挙に出る。 なんと太郎は、舞とは違う高校に行きたいなどと到底舞には理解できない事を言い始めたのだ。 これには舞も驚き、怒り狂った(それを表情に出すことは無かったが)。 愛し合っている二人が特に理由もなく、別々の場所に通う必要は無いはずなのだ。 表面上は冷静に、しかししつこく同じ高校に行くよう諭す舞についには折れた太郎は、その代わりにと三つの条件を舞に出す。 一つ、部屋を別々に戻すこと。 二つ、部屋に自分の許可なく入らないこと。 三つ、人の入浴中、浴室に侵入してこないこと。 舞はそれらの条件を即座に呑んだ。 初めから守る気などはさらさら無かったが……。 ――そして太郎は舞と同じ高校に通い始めた。 太郎が怒って部屋に閉じこもってしまいやることが無くなった舞は、夕食までの時間を自分の部屋で『タローちゃんグッズ』を眺めながら過ごすことにした。 「ふふ、別々の部屋なのは寂しいけど、タローちゃんのこのお汁が手に入るようになったのは棚ぼただったな」 呟きながら手に持ったカピカピの紙を鼻に近づけ、スーッと深くその香りを吸い込む。 「あぁ……、タローちゃんの匂い……、素敵……」 何度も何度も嗅ぎ続けていると、下半身がピリピリと痺れたような感じになる。 だが、彼女はオナニーをしない。 自分の何もかもを太郎の為に取っておきたかったからだ。 今後、たとえオナニーをするとしても、それは太郎に「俺に見せつけるようにオナニーしろ」と言われた時だけ。 そう決めていた。 精液の付着したティッシュを心ゆくまで堪能した舞は、それを大切そうに密封式の透明な袋に入れると次に太郎の爪の入った小瓶を取り出す。 蓋を外し、手の平に小瓶の中の爪をいくつか取り出すと、まずは親指の腹でその感触を楽しむ。 舞は、太郎の足の親指の爪が特に気に入っていた。 その大きさ、ザラザラとした固い感触、独特で深く乾いたような匂い……。 これらの爪には太郎の古くなって切り離された魂の一部が宿っているのだと舞は考えていた。 半年前の爪だから、半年前の魂の一部が。 「つまり過去のタローちゃんが私の手の平の上にいるのと同じことなんだよね……、こうして、いつまでも変わらずに私と……」 この上ない安らぎを感じる。 「そういえば、タローちゃんの集めてた漫画で似たような事をしている人がいたっけ」 あちらは自分自身の爪だという違いはあったが。 彼も、私のように過去を懐かしみながらその爪を口に含んだりはしたのだろうか? 舌でさんざんなめ転がし、前歯で軽く噛んだことは? 唾液とあわさる事によってより濃厚になった匂いを嗅いだことは? ……あの漫画が、舞は何故か無性に読みたくなっていた。 503 姉と弟。3 sage 2010/04/19(月) 23 51 45 ID Kaw9ZtDj 舞、太郎、母親三人での夕食が終わると、すぐに太郎は自分の部屋に戻っていった。 「ねぇ、舞。また太郎と喧嘩でもしたの?太郎、何か機嫌悪そうだったけど」 母親は二階にある太郎の部屋のあたりを見つめながら尋ねた。 「ううん。別に、喧嘩なんてしてないよ」 この馬鹿は突然何を言い出すかと思えば私とタローちゃんが喧嘩をした?喧嘩をしたかだって? それに『また』?『また』と言ったのかこの女は。 タローちゃんが本当は照れているだけだということがわからないのだろうか?……まぁ、わかっていないんだろうな。 所詮は『結婚』なんてイカレた事をした惨めな売女だ。頭蓋の中に四十過ぎのおっさんの汚い精液が詰まっているのだ。 「そう、それなら良いけど」 母親は立ち上がると、テーブルの上に置かれた食器を流しに持って行く。 「あ、お母さん、私も手伝うよ」 舞は母親が一度には持ちきれなかった食器などを手に取りながら腰を上げた。 洗い物を済ませ、浴槽に湯を張ると舞は階段を上り太郎の部屋のドアをノックした。 「タローちゃん、お風呂沸いたよー」 「あー、わかったぁー」と太郎。 少しの間をおき、 「ちょっとさ、部屋、入っても良いかな?」 舞はそう言うと太郎から返事をもらう前にドアを開けた。 「おまっ、俺は入って良いなんて言ってないぞ!」 「ああ、うん、でも良いんでしょ?」 「全っ然、良くない!」 「見られて困るものでもあるの?」 「別にないけど、これはプライバシーの問題だから!」 「プライバシーの意味は?」 「……確かあれだろ、自分の私生活を守る権利とかそんな感じだろ」 「お姉ちゃんが部屋に入るとタローちゃんの私生活は脅かされるの?」 「……いや、何もそこまで言うつもりはないけどさ」 「じゃあプライバシーの問題じゃないじゃん」 太郎の顔が苦虫を噛み潰したそれになる。 「と、とにかく、勝手に人の部屋に入るのはやめてくれよ」 「入る前に確認はしたはずだよ?」 「だから入って良いとは言ってなかっただろ!」 「そんなにお姉ちゃんが部屋に入ると都合が悪いの?」 「そこまでは言ってないってさっきも言っただろ!」 「ならなんで入っちゃダメなの?」 「入るなとは言ってない!俺が許可してからにしろって言ってるんだ!」 「わかった、じゃあ許可して」 「だーかーらー、入ってから言っても遅いんだって!」 「だったらお姉ちゃんはどうすればタローちゃんの部屋に入れるの?」 「何度も言わせんなっ!俺が入れと言ったら入れ!」 「わかった、入れって言って」 太郎は頭を滅茶苦茶にかきむしる。 「あーーーー!もういいよ!入れ入れ!」 504 姉と弟。4 sage 2010/04/19(月) 23 56 37 ID Kaw9ZtDj 「うん、入りました!」 満面の笑みで舞。 「……はいはい、それで何の用?」 呆れ顔で太郎。 「ちょっとタローちゃんの漫画読ませてもらおうかなぁーって」 「漫画ってどの漫画?」 「ほら、前にタローちゃんが『最悪なんだけど格好良い敵役が出てくる』とか何とか言ってお姉ちゃんに読ませてくれたのがあったでしょ?」 「あぁ、……でもあの漫画、絵が気持ち悪いからあまり好きじゃないって言ってなかったっけ?」 「うん、そうなんだけど、何だか急に読みたくなっちゃって」 「まぁ、それは良いけど、前に読ませたのはそいつが出てくる四部の途中からだったよな?今回は最初から読む?」 「四部って?」 「あれは一部二部三部四部って主人公を替えながら続いてんの」 「へぇ、そうなんだ。ああ、でも別に最初からは読まなくて良いの、タローちゃんの言ってたキャラが気になるだけだから」 「……ん。じゃあ少し待ってろ」 部屋のクローゼットを開き、中の衣装ケースに詰めた漫画本数冊を取り出しパラパラとページを捲る太郎。 「あー、ここからだな。でっと……」 更に数冊を確認し、計12冊の漫画本を床の上に積み上げた。 「え?こんなにあるの?」 「あるよ」 「四部の途中からなんだよね?」 「そうだよ」 「無駄に多くない?」 「いや、多いけど面白いから無駄ではないよ」 「はぁ……、ま、いいや。じゃあ借りてくね」 「おお、別に急いで返さなくても良いからな」 「はーーい」 部屋から出て行こうとしている舞の後ろ姿を眺める太郎。 「……姉貴が少年漫画ねぇ……」 小さく呟く、すると、 「ん?何か言った?タローちゃん」 舞は閉じかかったドアの隙間から顔を覗かせる。 「いや、特に何でもないよ」 「……そう?」 舞が出て行くと、今は完全に閉じられたドアを見つめながら、これまた小さく太郎が呟いた。 「……やっぱ、可愛いよなぁ、姉貴」 太郎は幼い頃からいつも一緒にいて頼れる姉の舞に強い憧れを抱いていた。 端的にいえば『好き』だった。 しかし、当時それはあくまでも肉親としての『好き』であり、姉を異性として見るような事はなかった。 ――太郎が中学にあがり、舞の身長を追い越すまでは。
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673 姉と弟。5 sage 2010/05/02(日) 22 00 23 ID RJcgIXC0 「ほら、タローちゃん!早く学校行くよ!」 「ちょっ、ちょっと待てって!お姉ちゃんっ」 ――太郎、中学一年の春。この時、まだ太郎は舞の事を『お姉ちゃん』と呼んでいた。 「もー!また遅刻しちゃうでしょ!」 ワタワタと慌てて教科書を鞄に詰め込んだ太郎の腕を引っ張って家の玄関まで来た舞は、 「これからは寝る前に次の日の準備をすることっ!」 そう言って、軽く太郎の額にデコピンをした。 今ではほとんど同じ高さになった姉の目を恨めしく見ながら太郎は、 「昨日はお姉ちゃんがお話がしたいって言って深夜まで俺を付き合わせたんだろ……」 「それとこれとは関係ないでしょ?」 シレっとした顔で舞。 「あ、あるだろ!」 「寝る前に次の日の準備をしておくことと、それと、何の関係があるの?」 「そっちじゃなくて遅刻の話だよ!」 「そうそう、遅刻するから急がなきゃだね!」 舞は、靴を履いた太郎の腕に自分の腕を絡ませると玄関の扉を開け、 「いってきまぁーす!」 急ぎ足で学校へと向かった。 ――それから数ヶ月後、季節が秋になる頃には太郎は舞よりも背が高くなっていた。 その変化の中で太郎は、今まで『姉』として好きだった舞を『異性』として意識し始める。 だが、これはあくまで太郎の認識である。 舞は、それよりもずっと前、太郎が小学二年の時から自分を女として好いているのだと思っていたのだ。 原因は小学二年の太郎が舞に言ったあるセリフにあった。 「お姉ちゃん、大人になったら結婚しようね」 舞はすぐに泣き笑いの表情になり「もちろんだよ!」と返事をした。 しかし、そのすぐ後、太郎は知る。 「僕、大人になったらお姉ちゃんと結婚するんだ」と語った太郎に担任の教師が、 「残念だけどね、姉弟では結婚出来ないんだよ?」 そう教えたからだ。 更にはクラスメイト達からも、 「お姉ちゃんと結婚なんて気持ち悪ぅ」 不味いものでも食べたような顔で馬鹿にされた。 学校が終わり、舞との下校中、泣きながら太郎は舞に姉弟では結婚出来ない、ごめんなさいと繰り返した。 舞はその瞬間から『結婚』というものに悪感情をいだくようになった。 何故、本当に好きあっている私たちが結婚出来ないのだろうか? 姉弟であるという理由だけで。 今まで結婚に憧れを感じていた舞だからこそ、裏切られた反動も大きかった。 弟を泣かせた糞以下な制度が『結婚』、私たち姉弟を祝福しない最低な契約が『結婚』、 お互いを真の意味で信頼しあえない豚共が涎を垂らしながら喜んでするのが『結婚』。 舞にとっての『結婚』は、脳をウジ虫に食い荒らされた犬畜生の作り出したイカレたモノだという事になった。 こうして舞の心に大きな変化をもたらせた太郎の結婚発言は、当然太郎自身にも作用した。 太郎はより強い結婚への憧れ、そして『姉』を『異性』として見てはならないという戒めを持ったのだ。 そして幼い記憶の中で持ったことすら忘れていたその戒めが、中学生になった太郎を苦しめる。 『姉を異性として意識してはならない』『姉とは結婚出来ない』『姉と結婚したいなんて言う奴は異常者だ』。 そんな中で太郎は舞の呼び方をお姉ちゃんから姉貴へと変えた。 これが太郎なりのけじめの付け方だった。 674 姉と弟。6 sage 2010/05/02(日) 22 01 41 ID RJcgIXC0 ――太郎が中学二年になり、その半分が過ぎた頃、太郎と舞の身長差は20cm以上にもなっていた。 勉強もスポーツもそこそこ出来、顔も悪くない太郎は結構な数の女子から告白をされるようにもなった。 ……ホモなんじゃないかと噂が流れるほど、太郎はその全ての告白を断ったわけだが。 どんなに可愛い子の告白も、姉の顔がチラついてしまい到底受ける気にはなれなかったのだ。 太郎にとって、姉以上に魅力的な女性は存在しなかった。 『このままではマズい』 そう思った太郎は中学三年、姉とは違う高校に行こうと考える。 これはすぐに舞の反対に合い流れてしまったが、その事に安堵している自分を感じ太郎はそれをひどく嫌悪した。 湯に浸かり、ボーっとしていると色々な事を思い出す。 それも、大抵は嫌な思い出ばかりだ。 太郎は湯船の中の湯を両手ですくうとバシャリと顔にかけ、思考を切り替えようとする。 「入るよー」 脳天気な声と共に浴室に侵入してくる舞。 舞はペタンと風呂用の椅子に座ると、シャワーで身体を流し始める。 ババッっと素早く顔を背けた太郎が、 「あ、ああ、姉貴っ!風呂には入ってくるなって言っただろ!」 大声を出すと、 「えーーー?何てー?シャワーの音で聞こえなーい」 狼狽える太郎に白々しく返す舞。 律儀にシャワーの音が止むまで顔を背けながら待っていた太郎は、 「も、もう一緒には入らないって約束しただろ……」 シャワーの音が無くなったせいか、より裸の姉が近くにいることを意識してしまい小声になりながらも言った。 そんな舞がいる方向とは逆の壁を向いて縮こまる太郎の顔に手を伸ばし直に触れると舞は、 「今までは毎日一緒に入っていたじゃない」 太郎を自分の方に向かせながら言う。 やけに色っぽく。 「そっ、それはそうだけど……、今はもう、高校生だし……」 少しだけ抵抗をした後、すぐにされるがままになった太郎は姉の顔だけを見るようにしながら言葉を返す。 「それを言うなら、中学生で一緒に入っていたのもおかしかったんじゃないの?」 舞は太郎の濡れた頭を撫で、微笑みながら言った。 「中学の時に一緒に入りたいって言ったのも姉貴だろ……」 「でもタローちゃんは嫌がらなかったでしょ?」 「何度もやめろって言った……」 「タローちゃんが、本当のホントに嫌だったらお姉ちゃんも少しは考えるけどね」 言いながら湯船の中に入り、太郎に身体を寄せる舞。『ザー』っと湯船から湯が溢れ出す。 「あったかいねぇ」 太郎の開いた脚の間に収まり、男らしくなった胸板に頭を預けて深く息を吐く舞。 太郎はそんな舞の無防備さ(わざとやっているのだが)に胸の鼓動が早くなり、その音が舞に聞かれていやしないかとヒヤヒヤする。 舞は背こそ低くて胸も控えめだが、腰はしっかりとくびれているし、お尻もポテンとして非常に可愛らしい。 何よりも全身がマシュマロのようにフワフワモチモチしているので、ただ触れているだけでも太郎はドキドキだ。 それに姉弟まったく同じボディソープ、シャンプーとリンスを使っているはずなのに、姉からは頭がどうにかなりそうな程の甘い女の香りがしてくる。 更に、舞がお尻を動かす度にその柔らかな桃肉が太郎の股間に擦れ、必死で意識を逸らしていないとすぐさま勃起してしまいそうになる。 姉を異性として見ないように努力をしているつもりの太郎にしてみれば、この時間は大変につらいものだった。 ……あとでこっそりと姉の裸体、匂い、柔らかさを思い出しながらオナニーをしているのだからまったく無駄な足掻きではあるのだけれど。 「ねぇ、タローちゃん」 舞は呟くとまたお尻の位置を少しずらす、それが上手いこと太郎のアレの先を刺激した。 「あっ……」 大きくなった太郎の先端が腰に当たり、思わず声も漏らす舞。 675 姉と弟。7 sage 2010/05/02(日) 22 03 25 ID RJcgIXC0 何かを言おうとして黙り込んでしまった舞の頬がどんどんと紅くなっていく。 舞は太郎の精液の付いたティッシュを嗅いだり、全裸で風呂に侵入したりは出来るが、こういう事にはまだまだウブだった。 生まれて今まで太郎一筋、男性アイドルやイケメン俳優をも素通りして過ごしてきたのだから当然といえば当然である。 普段の気の強さもなりを潜めてただただ俯き紅くなる。だが決して太郎の男性な部分から離れようとはしない。 そんな舞に、太郎は、 ふおおおおおお!かかかかか可愛いよォ!可愛すぎるだろ俺の姉貴!ふぉう! ああ、あああ真っ赤っかだよぉ……、俺のおちんぽで姉貴のプニプニほっぺが真っ赤っかになっちゃってるよぉ…… あッんッ!おっお尻動かしちゃらめぇ!んふァ!らっらめぇッ!いあっ!いあっ! おっ俺たち姉弟なんだからねっ!あっ、おっ……おっお尻ぃいいいいいいいいいい!気持ちいい!気持ちいいです!はい! で……でもでもでもっ!姉弟でこんな事いけないんらからぁ……ハァンッ!波打っちゃう!そんなに腰を動かすと俺のおちんぽ波打っちゃうから! くそぅ……、い~い匂いらなぁ……、姉貴の匂いに溺れて俺ちゃん酔っちゃんちゃん…… うわああああ、姉貴の柔らかフニプニボディたまらないのだ!もうこうなったら姉貴の水分を含んでペッタリとした髪の中で窒息死するしかない! おもいっくそスーハースーハー嗅いで嗅いで嗅いで嗅ぎつくしての窒息死は名誉の戦死です! ぐぬおおお、姉弟でなければ!姉弟でさえなければ今すぐ抱きしめて顔全体を舐め回して俺エキスと姉貴エキスをごっつんこでファンタジーは常にそこにある現実なのに…… ふわっ!エエッ!?今、この娘、肩の部分で俺の乳首にダイレクトアタックかましてきましてよ!?ナニッ!?そんなやり方も出来たのっ!? 追加注文!追加注文お願いしますとか思ってたらおちんちんにも刺激がきたああああああああああ! 「ね、ねぇ、タローちゃん……」 「ん?どうした姉貴」 頬を紅く染め小さく声を出した舞に、同じく頬を染め小声で尋ねる太郎。 「そろそろ、あがろっか……」 ポツリと舞。 「そ、だな」 頷くと太郎はタオルで股間を隠しながら別のタオルで身体を拭き、パジャマに着替えると浴室をあとにした。 その後、自分の部屋に戻った太郎が姉をオカズに全力でオナニーをしたことはあえて言うまでもない。 次の日の朝。 太郎が目覚めると、何故かベッドの中には舞がいた。 「あれ……?なんで……?お姉、ちゃん……?」 寝ぼけ眼で状況を確認する太郎。と、 「へ?俺、パンツ履いてない?」 自分のお尻を触りながらベッドに散乱する丸まったティッシュを眺めること数十秒。 「うわああああ!」 そ、そうだ!昨日はオナニーしてそのまま寝ちゃったんだ! て、ていうか姉貴に絶対オナティッシュ見られたよな、うわ、恥ずい! 慌てて精液の付着したティッシュ数枚をゴミ箱に捨てる太郎。 そしていまだ太郎のベッドで眠り続ける舞に目を向けた。 「おーい、姉貴ー、朝だぞー」 小さく声をかけるが起きる気配はない。 あどけのない寝顔だ。それにとても幸せそうな……。 無意識に太郎は、そんな少女の寝顔を見せる舞の頬に唇を触れさせる。 『ハッ』と我に返り、舞から顔を離した時にはもう遅かった。 「ふひひ……、タローちゃんからチューされちゃったぁー」 ベッドに横になりながら顔だけを太郎に向ける舞。物凄いにやけ面だ。 「あ、姉貴……、起きて……」 驚きたいのか泣きたいのかわからないような情けない顔で後ずさる太郎。 「高校生になってからタローちゃん、なぁーんか冷たいから心配してたけど……」 「良かった」嬉しそうに呟くと、太郎にキスされた頬を大切そうに手の平で覆う舞。 幸せそうな姉を見て太郎は、 ま……、まぁいいか。でっ、でも姉弟でキスなんて本当はダメなんだからねっ!今日はサービスなんだからっ!そもそも俺の部屋に勝手に入ってベッドにまで無断で侵入するだなんて―― などとゴチャゴチャしたことを考えながらも、隠しきれない笑みを浮かべていた。
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発売日 2003年4月18日 ブランド TinkerBell某組 タグ 2003年4月ゲーム 2003年ゲーム TinkerBell某組 キャスト 唯川みき(望月香菜美),紬叶慧(神崎瑞穂),桜井薔子(沢木裕子),しまだかおり(柏葉冬美),天天(牧野知美),美留(安藤由紀子),涼森ちさと(渡辺美和) スタッフ エグゼクティブプロデューサー:某 シナリオ:神楽月師走 キャラクターデザイン:裸月,NAKAZY 原画:裸月 プログラム:クリムゾン 音楽・効果音:NSN,TrioDesign 音声編集:simmy 背景デザイン・グラフィック:速水融次郎 グラフィック・システムグラフィック:AYU グラフィック:るんるん♪,立見ねおん,旅人和弘 グラフィック・広報・DTP:王子 Special Thanks:坂田徹也,唯々月たすく,フレーム,秋華,皆村春樹,ZEQU ©Cyberworks
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姉と弟を見守る誰か 07/11/23 22 27 11 ID QgJU04EB 東京で初めて雪が降った日、信じられない光景を見た。 うちの姉が・・他の男と歩いていたのだ。 姉ちゃんは腕を男の腕に絡ませて、男と楽しそうに喋っていた。 今日、姉は学校を早退していた。 AやBがいうには、具合が悪かったらしい。 だから今日は珍しく・・静かな帰り道を歩いていた。 それが、今目の前の光景は何なんだろうか。 学校を早退したんじゃないのか?具合が悪かったんじゃないのか? あぁ・・ずる休みか・・。 男とデートするために、そうか、そうか。 男の外見はまさしく、世でいう『イケメン』の部類に入る容姿だった。 しかも制服は、うちの学校の制服・・同じ学年だろうか。 それに姉ちゃんも弟の俺がいうのも何だが、美人の分類に入る方だ。 白のマフラーと手袋・・あれは確か、妹が誕生日にプレゼントしたものだ。 周りからすれば美男美女カップル・・間違いないだろう。 (姉ちゃんが・・他の男と・・) 普通どこかの弟なら、姉が彼氏と歩いていると驚くか、あぁ彼氏できたんだなと そっけない態度しかとらないだろう。 でも、俺は今まで姉ちゃんからいろいろなことをされてきた。 隙あらばの抱きつき・・バスタオル一枚での俺の部屋への奇襲攻撃・・。 普通の姉と弟の関係をはるかに超えた、いわばブラコン・・超ブラコンか? いやでも、ブラコンじゃなく恋人・・まぁ、そんな関係なんだろうと思っていた。 素直に喜べばいい、姉ちゃんに彼氏ができたことを。 素直に喜べばいい、もう姉ちゃんから何もしてこないだろうと。 素直に喜べばいい、やっと普通の姉と弟の関係に戻れることを。 でも、この胸のモヤモヤは何だろうか。 なんで素直に喜べないのだろうか。 あっ、あぁ・・きっと今ままでの姉ちゃんの行動から、まさか彼氏をつくるなんて思ってもみなかった からかな・・そうだ、きっとそうだ。 だってあの姉ちゃんが・・あの下ネタが好きな姉ちゃんが・・。 俺の事を好きと言ってくれる姉ちゃんが・・いなくなる。 俺は気づいたら家に着いていた。 先に帰っていた妹に「あれ?今日はおねえちゃんと一緒じゃないの?」と不思議がられた。 俺はそんな妹の言葉も聞きもせずに、部屋に入った。 (よかった・・いいじゃねぇか・・姉ちゃんにやっと彼氏ができたんだぞ?) 俺は自分に問いかけた。 (学校早退までして・・男にべた惚れなんだぞ?もう俺にうるさく言ってこないんだぞ) さっきの光景を、日常だと言い聞かすために。 (しかも美男美女・・もう姉ちゃんは・・俺に・・俺に・・) そして、胸のモヤモヤをとるために。 (俺のこと・・好きではなくなったのかな・・) 胸のモヤモヤはとれなかった。 そして、泣いた。 おもいっきり、泣いた。 『HAPINESS WINTER』 序章 弟の気持ち 「HAPINESS WINTER」 一章 姉の気持ち (はぁ・・めんどくさいな) 私は今、男と腕を組み歩いている。 いつもなら弟としか組まないのに、なんでこんな男と・・。 その理由は、昨日の学校にさかのぼって・・。 「お願い!この通り!!」 「だからなんで私なのよ!A!!」 Aが私に土下座して頼んできた。 男・・いや、Aの従兄弟とデートしてくれって・・ちょっと待って! 「私は弟としかデートしないって何回もいってるでしょ!」 「いやぁ・・それはわかってるけどさ・・約束しちゃって」 「約束って・・なによ」 Aがいうには、従兄弟は元彼女のストーカーに困っていたらしい。 そして従兄弟に「お願い!一日だけでいいから彼女のフリして!!」としつこく 言われたらしい。 「・・んで、ゲームに私が負けたら彼女のフリしてあげるって言って 案の定、ゲームに負けたと・・」 「そう!で、私明日用事あると思い出して・・」 はぁ・・なにその勝手な理由、自業自得じゃない。 「・・じゃあ断れば?」 「いや!それは私が約束破ったことになるじゃない!」 「仕方ないでしょ!!Aが悪いんだから!!!」 これで引き下がるだろう・・と思った私がバカだったわ。 Aはいきなり立ち上がって、私の肩を掴みユサユサと揺らした。 「だからだから!!姉に頼んでるんでしょう!!Bも明日用事あるっていうし!」 さらに勢いよく私の肩を揺らすA・・あぁ、気持ち悪くなってきた・・。 「わ・・わかったから・・もう、揺らさ・・ない、で・・」 「えぇぇ!いいの!!ありがとう姉~!!」 肩を揺らすのをやめてAは私に抱きついてきた。 「・・で?明日の何時からなの??」 「そっ・・それが・・」 抱きつくのをやめ、Aは後ろへ引き下がった。 そして、申し訳なさそうな顔をして・・。 「昼からなんだ・・だからさ、早退して行ってくれないかな?」 あぁ、やっぱり断ればよかった。 で、今ここに至ると。 しかも来てみたらAの従兄弟うちの学校の制服着てるし。 従兄弟が言うには「Aさんが姉さんも制服着てくるからって貸してくれて・・」だそうだ。 まったく・・用意だけはいいんだから。 けどどっから持ってきたんだろう?Aのことだからどこかの男子から かっぱらってきたんだな・・ま、いいか。 そしてAの従兄弟とのデート(嘘)が始まったのであった。 「・・あぁ、名前聞いてなかったね、何て言うの?」 「あっ!僕はVといいます。Aさんからはモジモジ野郎って言われてるんですけど・・」 確かに、「僕」っていってるし、なんかなよなよしてるし・・。 「じゃあ、モジモジ君でいいね。じゃあモジモジ君・・」 「えぇっ!モジモジ君って・・」 私はモジモジ君のツッコミを無視して、今回のデート(嘘)の目的の事を聞いた・・。 「でさ、例のストーカー女は・・」 「あっ、あぁ・・もういますよ、姉さんの後ろに・・」 「えっ!」と私は後ろを振り向いた・・あぁ、なんとなくわかるわ。 帽子を深々とかぶって、マスクをしてこちらをジーッと覗いている・・。 しかもその視線は私を見て・・いや、睨んでいる。 あぁ・・私殺されちゃうんじゃないかな。 「あの・・そろそろ行きましょうか?」 「えっ・・あぁ、そうね」 V君及びモジモジ君に言われて、私たちは昨日のAの妙な助言で腕を組んで歩いた。 1分・・5分・・10分・・。 あぁ!なによこのどんよりとした空気は!!なにか喋らないと・・。 「あのさ・・「あの、姉さんは弟がいるんですよね・・」 「えっうん・・いるけど」何よ、喋れるんじゃない。 「それがどうかした?」 「あの、Aさんから聞いたんですけど、弟のことが好きみたいで・・」 「えっ!まぁ、そうね、弟はかっこいいから」 何いってんのかしら私、モジモジ君引いてないかな・・。 「そうですか・・よかった、僕だけじゃないんですね」 「うん・・ってえぇぇぇえぇぇぇ!」 私は引いてしまった。モジモジ君、君はまさか・・。 「・・いや!弟が好きじゃなくてですね!そっその・・」 「あっ・・あぁ、そうなんだ」 何だ、ホモじゃないのね。じゃあ一体・・。 「僕、妹のことが大好きなんです・・」 へっ?妹? 「妹って・・自分の?」 「はっ・・はい、だから彼女と別れた、っていうか付き合ってないんですけど」 そっ・・そうなんだ、私だけじゃないのね。 「でも、付き合ってないっていうのは・・」 「あっちの勝手な妄想なんです、僕と勝手に付き合ってるとか学校で噂流して、んで 気が付いたらストーカーまがいのことされちゃって・・」 「そっ・・そう」大変ね・・モジモジ君。 「それで、妹は・・」 「あっ、あぁ、風子っていうんですけどもうこれがかわいくて、かわいくて・・」 「そう・・そうなのよね・・」私も頷く。 「で、妹のことしか考えられなくなって・・でも、妹はもてて俺の友だちや 下級生、しかも数学の担任にも言い寄られているらしくて」 「そう、私も大変なのよ・・」 似ている・・今の私と弟の状況と似ているわ。 -そこから私とモジモジ君の話はふくらんでいって・・。 腕組んでるの忘れるぐらい話し込んでしまった・・。 あぁ、弟は私に惚れこまないかな・・。 デートが終わり、私はモジモジ君と別れた。 あっ・・ストーカー女がモジモジ君に着いていった、まぁいいか。 さぁ、私は早く家に帰って弟の顔を拝みましょうかね♪ 家に帰ると、妹が不思議そうな顔をして階段を覗いていた。 「どうかした?妹」 「えっ・・あぁうん、おにいちゃんが何か暗いの」 「えっ?そうなの?」 はは~ん・・私と一緒に帰れなくていじけてるのね、かわいい弟♪ 「じゃあ、私が弟の様子見てくるわ」 私は勢いよく階段を上っていった。 さぁ弟、私が今「体」で元気づけてあげるからね♪ 「HAPINESS WINTER」 二章 妹の気持ち 「ふぅ…重いな」 私は妹といいます。 私の家族には、双子のおとうとちゃんと美人のおねえちゃんがいます。 「でもこれ…何に使うんだろう?」 私は今、おねえちゃんに昨日頼まれた「ある物」を買って家に向かっています。 その「ある物」とは…。 「でもこんな量のロウソク何に使うんだろう…」 …最近おねえちゃんの部屋から「そう!これよ!」といいながらドタバタうるさかったな…。 それと何か関係あるのかな?その後なんか眠たそうなトロンとした目でおとうとちゃんの 部屋に入ってるっけ…もちろん追い出されているけど。 「はぁ、おねえちゃんはいいよなぁ…」 おねえちゃんは昔からもてた。 体は出るとでててお腹とか引き締まってるし…背は高くて髪の毛もキレイだし…。 …でも、おねえちゃんはおとうとちゃんしか目に入ってない。 「私も…好きなのにな…おとうとちゃんのこと」 でも、お姉ちゃんみたいにセクシーじゃないし、どちらかといえば…いや、全然子供っぽい。 でもでも…最近おねえちゃんみたいにおとうとちゃんに迫っているよ。 …今のおねえちゃんみたいに軽くスルーされているけど。 「…もっと大胆にいった方がいいのかな?」 そう、私はまだ高校生。 もっと成長するはずだよ、おねえちゃんみたく。 よし、頑張ろう。 「おとうとちゃん…えへへ」 もうおとうとちゃんが帰ってきてると思って、私は走って帰った。 「ただいまぁ…まだ帰ってきてないな」 私が先だったか…いつもなら二人とも先に帰ってきているのに。 そしておねえちゃんはスカートひらひらさせながら、おとうとちゃんにぱんてぃ見せてたっけ。 …おとうとちゃんは軽くスルーして部屋に戻るけどね。 「まぁ、いつも早く帰ってくるわけ…」 私がその言葉を言いかけたとき、突然玄関の扉が開いた。 私はすぐに後ろを振り向いて…なんだ、おとうとちゃんか。 あれ…?おねえちゃんと一緒じゃない。 どうしたんだろ、ケンカでもしたのかな…いや、ケンカしても必ず二人で帰ってくるし。 じゃあおねえちゃんの用事?でもでも…。 私が考えているうちに、おとうとちゃんは靴を脱いで階段を上がりだした。 …とても弟ちゃん悲しい顔してた。 「あれ?今日はおねえちゃんと一緒じゃないの?」…無視だ。 そして、部屋に入りガチャリと音がした…鍵をかけたんだ。 おとうとちゃんが鍵をかけるなんて、夜おねえちゃんに襲われないように かけるのと、後は…。 …落ち込んで、部屋にこもる時だ。 何があったのかな、おとうとちゃん。 でも、今私がいっても何もできないな…きっと。 …と私が心配そうに階段を覗いていると、お姉ちゃんが帰ってきた。 「どうかした?妹」 おねえちゃんは私に聞いてきた。 「えっ…あぁうん、おにいちゃんが何か暗いの」 「えっ?そうなの?」 驚いた様に返事したおねえちゃん…そして顔がニヤニヤ顔になり「ウフフ♪」とか …とても喜んでいる。 「じゃあ、私が弟の様子見てくるわ」 そういって、ニヤニヤ顔のまま階段を上がっていった。 …まぁ、おねえちゃんにまかせとけばいいかな。 -そして私がキッチンで料理の用意をしようとしたとき。 事件は、起こった。 「いいかげんにしろよ!姉ちゃん!!」 「なっ…弟、いきなりなにを…」 …おとうとちゃんとおねえちゃんの大きな声が聞こえる。 そしてその声を聞いたとき確信した。 おとうとちゃん、怒ってる。 おにいちゃんはめったに怒らない、温厚な性格だ。 しかも優しいし、私の料理の手伝いもしてくれる…私はそこに惚れたのかなぁ。 …って、今はそんな話じゃないよ~。 「何で弟の俺にそんなことするんだよ!!」 「そんなことって…昨日までずっとしてるじゃない!!」 あぁ…ケンカしてる、めったにケンカしない二人が。 「昨日までって…そうやって…そうやって」 …あれ、いきなり黙り込んじゃった…。 ケンカは終わったのかな?私は心配で階段の方に向かった。 「そうやって!弟の気持ちで弄んで楽しいのかよ!!」 「えぇ!何言ってるのよ!!私は弟が好きだからしてるんじゃない!!」 私は階段を一段ずつ上っていった、そして上がっていくごとに大きく聞こえる ケンカする二人の声…。 「何が!俺が好きだよ!彼氏がいるくせに!!」 えっ…?今おとうとちゃん何て言ったの。 おねえちゃんに、彼氏がいるって…。 「!!見てたの…弟」 えぇ…なんでそこで驚くの?なんでそこであれは違うって言わないの…? おねえちゃん。 「今まで彼氏がいて、それで俺に近づいて…」 「おっ、弟…」 「俺は…俺は…」 「おっ、弟、あれはね」 「姉ちゃんなんか大嫌いだ!!!」 …私が上がりきった頃には、おとうとちゃんは扉を勢いよく閉めて、鍵をかけた。 そして、おねえちゃんは…。 「…えっぐ、ひっく、ひっ…く」 …その場に座って泣いていた。 そして私の方を見て、フラフラと泣きながら階段を下りていった。 私はその場で立ち尽くしていた。 そして何を思ったか、階段を下り携帯である人の番号を探した。 「あった…Aさんの番号」 続く……