約 2,596,753 件
https://w.atwiki.jp/english_anime/pages/289.html
引越ししました。メニューバーのリンクをクリックしてください。
https://w.atwiki.jp/tvsponsor/pages/3391.html
明石家さんまのずっとあなたが好きだった2017秋(2017.10.15) 19時台0'30″…豊田自動織機、SUNTORY、小林製薬、NTT docomo、サカイ引越センター、The Pokémon Company、DAIHATSU(PT) 20時台1'30″…P G※注1 0'30″…おとなの自動車保険(セゾン自動車火災)、SUNTORY、Audi、マルちゃん 東洋水産、アクサダイレクト
https://w.atwiki.jp/wiki9_nurupo/pages/240.html
#blognavi 109 本当にあった怖い名無し sage 2006/05/11(木) 09 37 30 ID PUZ5CI0Y0 気配をころしてはいってくる先生が居た。 好きだった カテゴリ [【霊魂とか】見えないものを見る方法【妖精とか】] - trackback- 2006年05月11日 19 08 26 名前 コメント #blognavi
https://w.atwiki.jp/smoksan/pages/296.html
染岡君も豪炎寺君のこと、好きだったよね 48話の吹雪の格言。 炎のストライカーを土門と一緒に探しているときに言った言葉。 吹雪が染岡依存症であることを感じさせる。 吹雪は39話で杉森に豪炎寺の話をされるまで、その存在を知らなかった。 しかしここで当然のごとく土門にこの発言である。 もう誰の目から見ても豪炎寺へのデレ岡さんっぷりはハンパなかったのである。 それにしても年頃の中学生がよく男が男を好きとか恥ずかしげも無く言えるものである。 しかもこの時期はアツヤが主人格で女の子も苦手になっていたはずなのに…。 【関連】 想像以上のダメージだった
https://w.atwiki.jp/83452/pages/383.html
1 2 3 律澪編 澪梓・律和編 ※さわ子「待たせたな!」の続き 2009/09/19 http //yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1253339824/ 和「今日の突撃!隣の晩御飯は田中井律さんのお宅です」 1 2 澪梓・律和編の続き ※律和 2009/09/24 http //yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1253791544/ 戻る 名前 コメント すべてのコメントを見る 和ちゃんいい役してるなwww -- (名無しさん) 2011-12-09 06 28 13 全カプ組ませりゃいいというワケではないという見本である -- (名無しさん) 2011-11-24 14 51 13 澪梓よかっただけに中途半端でもったいないな -- (名無しさん) 2011-11-20 04 57 29 澪梓半端だけどまぁ良かった。 そしてモノマネする唯がかわいい。憂も。 -- (名無しさん) 2011-11-02 16 44 36 ↓ あぁ、そう言うことかありがとう。 この梓が好きって書いたけど、この和も最高だな! -- (名無しさん) 2011-07-19 01 34 04 どんなスポーツもこなせるって意味かと。 -- (名無しさん) 2011-07-17 01 48 12 この梓、なんかかわいい。 ところで憂はガチャピンってどういう意味か、誰か教えて! -- (名無しさん) 2011-07-13 09 12 23 良かったよ、いろいろと -- (ぴ) 2011-05-08 14 12 13 澪梓確かに半端だなー もうちょっと頑張ればいい感じにまとまったぞ!きっと! てかムギさわのさわちゃん 某作品でかなりかっこよかったからそれが残っててギャップすごいww あなたの誕生日はいつかしら だっけw -- (ねむねむ) 2011-04-01 20 25 48 ミオアズが半端 -- (名無しさん) 2011-01-27 15 56 55
https://w.atwiki.jp/83452/pages/1165.html
律「……てな事を梓に言われたんだけど」 和「それって梓ちゃんが律に宣戦布告したって事じゃない?」 律「えっ?まさか梓まで澪が好きってか?」 和「多分ね……まあ同性でもかなり魅力的だからね澪は」 律「マジかよ……あっまさか和まで澪好きって言うんじゃないだろうな?」 和「まさか。好きだけど恋愛感情まではないわよ」 律「だ、だよなぁ~!はっははは!」 和「どっちかって言うと律の方が好みだし」 律「は?」 和「ねぇ律……私と付き合ってみない?」 律「待て早まるな!いい友達でいよう!なっ!?」 和「そんなんじゃこの火照った身体は満足しないの」 律「こっこれ以上近づくな和っ!バリアーバリアー!」 和「そんなデコの反射では私を抑える事は出来ない」 律「やかましい!」ベシッ 和「あっ夫婦漫才っぽい」 律「だからなんだ」 和「相性いいわ私達」 律「強引なやつだな!」 和「冬だと言うのに私の体温はグングン上昇してるわ」 律「キャラ変わってるぞ。真面目なやつだと思っていたのに」 和「バカね。真面目なタイプ程、実はむっつりだって知らないの?」 律「とにかく遠慮する!じゃあな和!」 和「待ちなさい!逮捕する!」 律「冗談じゃねぇや!あばよとっつあん!」 …… 紬「うふふふ……何かとんでもない事になってるじゃない」●REC さわ子「どうしてこうなっちゃったのかしらね」 …… 唯「澪ちゃ~んほら見て!雪だるま作ったんだ!」 澪「すごいモアイっぽいな……」 梓「澪先輩冷えたんじゃないですか?温かい缶コーヒーいかがです?」 澪「ありがとう梓」 唯「あずにゃん私のは?」 梓「ある訳無いじゃないですか」 唯「ぶぅ~……あっそうだ澪ちゃんの私にも分けて~♪」 澪「ん?いいぞ」 憂「ダメ!ゼッタイ!」 唯「な、なんでだよぅ憂~」 憂「人のものをねだるなんていやらしいでしょ!」 唯「だって澪ちゃんとその……」モジモジ 梓「そもそも私が買ってきたんですから分け合うなら私とですよ」 澪「お金なら払うよ梓」 梓「結構です。私の勝手な好意ですから澪先輩は気にしないで欲しいです」 澪「でも飲みたかったんなら返すぞ?口つけちゃったけど」 梓「じゃ、じゃあ一口だけ」 唯「ああっあずにゃんずるい!」 梓「ほぅ……お返しします澪先輩」 澪「あれ顔赤くないか梓?大丈夫か?」 梓「へへへっちゃらですっ!」 澪「そうか?どれ」ソッ 梓(みっ澪先輩の額と私の額が合わさってる!)プシュー 澪「う~ん平気そうだな……でもあんまり無理はするなよ?」 梓「ひゃ、ひゃいっ!」 唯「あ、あ、あずにゃにゃにゃん……」プルプル 唯「さっきから何してくれちゃってるのかな?」 梓「暴力反対です唯先輩」 唯「ただのスキンシップだよあずにゃん……」ギュウー 梓「きょ、今日は激しいですね」 憂「お姉ちゃん私には~?」 律「お~い澪~!」 澪「あっ律!どうした?」 律「競争しようぜ競争!前よりは私上手くなってるからさぁ!」 澪「いいぞ。どうせ勝つのは私だがな」 律「おっ言ったな~?その言葉後悔させてやるぜ!」 唯「わ~い澪ちゃんがんばれ~!」 梓「澪先輩、律先輩を涙目にしてやってください」 憂「でも律さんも相当上手かったよ」 和「これは見物ね」 唯「あっ和ちゃ~ん!」ヒシッ 和「唯~!」ヒシッ 憂(1……1……1……1……1……) …… 律「くっ……負けた……ボロクソに負けた」 澪「いや紙一重だったよ。途中までは律がリードしてたし」 律(ていうか抜かれてから追いすがる間もなく置き去りにされたし) 唯「澪ちゃんカッコいい……」 梓「はい……」 憂「お姉ちゃんかわいい……」 憂「はい……」 澪「でも律ホントに上手くなってたぞ。びっくりした」 律「余裕だな……これが胸の差なのか……」 和「律はそこがかわいいんじゃない」 紬「同意」●REC さわ子「同意」 …ペンション 唯「ねえねえ澪ちゃん!私と付き合ってくれるか考えてくれた!?」 澪「あ……ああ~……」 梓「決まってます。答えはNOです」 唯「あずにゃんに聞いてないんだけど」 憂「NOだね」 唯「うい~……」 澪「あのさ唯、何ていうかごめん」 唯「ガーン」 梓「ざっ残念でしたねぇ~唯先輩」プクク 唯「笑い堪えてるのバレバレだよあずにゃん……」 憂「うっふふふっふふふっ!」 唯「うい~……」 律「まあしゃあねえよ唯。将来王子様と結婚するとか言うやつだから」 澪「小さい頃の話だろ!ってか良く憶えてるなそんな事」 唯「白馬?白馬に乗ればいいのかな?」 律「落ち着け唯、城も持ってなきゃいけないんだぞ」 さわ子「服なら用意出来るけど」 澪「お前らが落ち着け」 澪「大体律だってトラクターになるとか言ってたじゃないか」 律「あれっ?そこそこ近付いてね?」 澪「その言葉の意味する所が分からない」 律「いや人間の大きさ的に?」 澪「ますます分からない」 さわ子「分かるわ」 澪「ややこしくなるから合わせないでください」 唯「私もアイス屋さんになるためにアイスばっかり食べてるんだよ」 憂「お姉ちゃん健気」 梓「じゃあ私はタイヤキ屋さん」 和「みんな目標に向かって頑張っているのね」 紬「応援するわ」 律「お~何かそれ良いな。方向転換しようかな」 唯「りっちゃんパクリはダメだよ」 …… 梓「澪先輩」 澪「ん、梓か?どうした?」 梓「唯先輩をどうして振ったんですか?」 澪「あ、いやその……」 梓「分かってます。王子様でしょ?」 澪「まあ……そうかな」 梓「律先輩ですね?」 澪「えっ」 梓「でもあいにく律先輩は澪先輩の想いには応えませんよ」 澪「何言い出すんだ梓……」 梓「冗談にして、はぐらかして終わりです。そういう人ですから」 澪「……」 梓「私は違います」ギュッ 澪「や、やめろ梓……」 梓「好きなんです。もう諦めない」 澪「すごいな……怖くないのか」 梓「怖いですよ……震えてるでしょ?」 澪「でも告白した……私はダメだ。決意してた筈なのに」 梓「澪先輩の事ずっと気付かない律先輩が悪いんです」 澪「……脈がないってのは分かってたさ」 梓「律先輩を一番良く分かってる人ですもんね」 澪「ああ……でも言わなきゃいけなかったのに……」 梓「いいじゃないですか!私なら澪先輩を受け入れられる!」 澪「ありがとう……梓」 梓「澪先輩……」 律「……」 …… 和「どうしたの律?何か元気ないじゃない」 律「えっ?いやっそんな事ないよ!りっちゃん元気!」 唯「和ちゃ~ん!りっちゃんなんかより傷心の私を慰めてくだされ!」 憂「ばっちこ~い」 唯「うい~?」 憂「ばっちこ~い」 さわ子「ドゥフフフフ……」ガバッ 憂「せっ先生!?」 さわ子「私を誘っているのよね?ね?」 憂「ちっ違います!私はお姉ちゃんを……」 さわ子「憂ちゃんもやっぱりか~わいい」サワサワ 憂「やっやだっ!」 唯「さわちゃん!憂に変な事しちゃダメだよ!」 憂「お姉ちゃん!」 律「大変だ助太刀するぞ和!」 和「分かったわあなた!」 紬「ほほ~……いいですねぇ」●REC …… 律「……」 澪「律?どうしたこんな所で一人になって」 律「みっ澪……」 澪「明日でこの旅行も終わりか……寂しいもんだ」 律「澪はあんまり遊べなかったしな」 澪「いや最後に律とも競争出来たしさ、良かったよ」 律「……あのさ澪……あ、梓と付き合うのか?」 澪「えっ……聞いてたのか律?」 律澪編 澪梓・律和編
https://w.atwiki.jp/83452/pages/16293.html
―――― 「澪先輩、少しお話しがあるので部活終わりにお時間頂けますか?」 梓からの頼みは唐突だった。 なにやら悪巧みの会談をしようとでもいうみたいな、私だけに聞こえるくらいの小声だった。 それにつられて、私も囁くように了承の意を伝えた。 部活後、物置状態の一室を整理するという名目で私が居残り、梓はその手伝いをするという口実を使った。 音楽室から他の三人が帰ってしまうと、梓と二人きりになった。 「さて、話っていうのは……?」 「え、えーと……。笑わないで、聞いてくれますか?」 梓の目は潤んでいた。自分の罪を懺悔する人みたいに見えた。 「ああ、誠実に聞くよ」 「私、澪先輩のことが好きです」 きっぱりと、梓は言い切った。私はややあって、それが勇気ある告白なのだと理解した。 「好きっていうのは、そういう意味で……ってことだよな」 「は、はい! 実は私、ずっと澪先輩のこと……、あの新歓ライブで唄っているのを見てから憧れてて。 軽音部に入ってから、凛として見えてた澪先輩の、優しいところとか笑顔とか、 色んな面を知ってからも、もっともっと好きになって……」 「あ、あずさ」 「なんですか?」 「恥ずかしくなってくるから、やめてくれ」 「……そういう表情の先輩も、ちょっと可愛いかなって」 梓には意外と、強気なところもあるみたいだ。 ギターが巧いのも、こうした性格が関係しているのかもしれない。そして何より、 「ありがとう、梓。気持ちを伝えてくれて」 同性に告白するその勇気を、褒めてやりたくなった。 思い返してみれば、梓の私への態度はとても親身で優しかった。 けれど、自分が好かれているなんて夢にも想像にもなかった。 「澪先輩に引かれたら、軽音部やめようと思ってました」 ふと、気付いた。スカートの裾を握り締めた梓の手が細かく震えている。 その小さな胸を、どれだけ煩悶に苦しめたことだろう。 そう思うと、庇護欲や母性愛に似た、これまでにない感情が、私に芽生えた。 唯のことは頭の片隅にあったし、どうしてそんなことをしたのか明確に説明するのは難しいけれど。 震える梓の手を取って、私はその唇にキスをしていた。 ―――そこにただ、黒髪だけが揺れている。 そのキスは空虚なものだった。 純粋な後輩の気持ちをいたずらに高ぶらせるだけだった。 梓にとっては、思いがけない幸福だったらしく、私の手を強く握ってきた。 最後に、触れたその唇に舌を這わせて、離れた。 舌を絡めるような深いキスをしたわけでもないのに、梓の瞳は濡れて艶めき、息はあがっていた。 こちらから腰を屈めてしたのに、いつのまにか梓は爪先立ちだった。 「せん、ぱい……」 「びっくりさせたな。ごめん」 「いえ。その、私は後輩ですから」 俯いて、消え入りそうな声で梓は言った。 「もっと、先輩から……教えて欲しいです」 「……おねだり上手、って言われるだろ」 「みっ、澪先輩!」 「はは、冗談だよ。梓」 後輩の頭をくしゃくしゃ撫でていると、考えなくてはいけないことが消えていった。 一言も好きだなんて言わなかったのに、梓はこのキスを告白に対する返事だと受け取ったらしい。 何も考えていないようで、私は梓がそうすることを卑しく打算したのかもしれなかった。 また一つ嫌いな自分を発見して、それを数えた。 ―――― 「あっずにゃん!」 「はわ! もう、なんなんですか唯先輩?」 「ギー太が反抗期に入っちゃってさー」 梓に唯がくっつく。それが二人の距離の近さ。 ムギは喜んで眺めているが、私は梓に小さく嫉妬を覚える。 いつもならそうだったのだが、その日は違った。 「……唯先輩、離れてください」 「えー、いーやー」 「離れてくださいっ!」 「あ、あずにゃん?」 ぎゅっと目をつぶって、梓が叫んだ。 音楽室がしんと静まって、唯がおずおずと梓から離れた。 「……うわぁああん! あずにゃんに嫌われたぁっ!!」 ふわりと唯の匂いがすると思ったら、抱き締められていた。 柔らかな身体に思わず手を回そうとして、じぃっと私を見つめる梓と、唯の肩ごしに目が合う。 その視線が痛い。 仕方なく、肩に手をやった。 「ほら、しっかりな。梓だって本気で嫌ってるわけじゃないし」 様子を少しうかがうと、梓は非難がましい目をしている。何が不満なのだろう。 私の梓に触るな、くらい言ってほしかったのか。 ともあれ、唯の身体を引き剥がすと、今度はムギにくっついた。磁石みたいなやつだ。 ムギはムギで、落ち込む友達を慰めるのが夢だったのーだとか言いだしそうな笑顔だった。 「おっすー! 追試で遅れたぜー!」 良いタイミングで空気を読まずに律が入ってきた。 お陰で場は収まったけど、唯は元気のないまま、その日の部活は終わった。 ―――― 「だ、駄目です、こんなところで」 「まだ誰も来ないよ」 「んっ……あっ」 二人きりの音楽室で、梓に触れる。 嫌がる梓が、しかし本気で抵抗することはなかった。 私は何をやっているのだろう。 唯の笑みを思い出しながら、梓のスカートの中に手を忍ばせて、その柔らかな内腿を撫ぜている。 そこがいまに十分な湿り気を帯びようものなら、更に深い行為を始めるはずだった。 それで悦ぶのは梓だけだ。 私は冷えきった心のままで、梓の絶頂を観察するだろう。 緊張と弛緩を繰り返す膣のなまめかしい動きを、指で感じとるだろう。 結局のところ、私は可愛い後輩という玩具を得たにすぎなかった。 唯の代わりとしての、不純な動機で。 「……ふぁっ、いや……澪せんぱぃっ」 膝が立たなくなり始めて、梓はほとんど机に腰掛けていた。 スカートの裾をめくると、はっきり判るくらいのひどい濡れ方だった。 それを見ても、なんら興奮を覚えなかった。 淫乱だと罵ったらどんなに愉快だろうと思ったけれど、結局は虚しくてやめた。 「……私は、悪い先輩だな」 呟くと、朦朧とした目の梓が私を見つめた。 息はあがり、顔は紅潮して、いやらしく口を開いていた。 その時、ふいに音楽室の扉が開いた。 「あら、二人とも早いのね。さっそくお茶にしましょう」 入ってきたのはムギだった。 スカートはめくれ、頬も赤い、扇情的な様子の梓は、私の身体が死角になって見えなかったらしい。 梓は素早く服を整え、私を突き飛ばし、ムギの横を駆け抜けていってしまった。 「澪ちゃん……、梓ちゃんと何かあったの?」 心配そうな声音で、けれど好奇心は隠そうとせずに、ムギが聞いてきた。 何となく考えていることが判る。二人きりの放課後、高まる鼓動、禁断の姉妹愛―――、そんなところだ。 「ちょっと、な」 その受け答えさえ、ムギには意味深長に聞こえたのだろう。 恥じらうように両頬に手をあて、まあまあまあなんて呟きながら、顔を赤らめていた。 こんな状態のムギには話が通じそうにもなく、梓はどこへいったのかなとぼんやり考えた。 梓でも良いのかもしれない。 どんなに私がアプローチしたところで、唯は絶対に私の想いには気付いてくれないから。 しかし、もし梓が私に全てを捧げようとしたら。 艶やかな黒髪の先から、開きかけの蕾みたいな乳房までもが私の物になるとしたら。 果たしてそれを自分の物にする資格が、私にあるのだろうか。 どこまでも不誠実な、この私に。 日曜日が来て、梓と二人で街へ出かけた。 特別な約束事として休日を一緒に過ごすのは初めてだった。 「澪さん、って呼んじゃダメですか?」 些細なことにまで許可を求めてくる梓はいじらしく、立ち振る舞いをはかりかねる恋人のようで可笑しかった。 「なんなら、澪って呼んでくれてもいいけど」 「い、いえ。さすがに年下で後輩なんですから」 「今日は休日だし、上下関係も無礼講ってことにしないか?」 「じゃあ……澪……?」 「なんですか、梓さん」 「……先輩、いじわる」 からかい過ぎたのか、梓は口を開かなくなってしまった。 二人きりの時は名前で。 そう約束すると機嫌が直った。 梓は私を呼び捨てにするのがしっくり来なかったらしく、最終的に澪さんという呼び方に落ち着いた。 梓はよく喋った。私の口数が少なくても、二人の間に気まずさが生まれないように話す、頭の良い女の子だった。 最初に訪ねた楽器店では、梓がギターを試奏した。 レスポールではなくて、テレキャスターだった。 それに気付いて、梓はどこまで私を見透かしているのだろうと不安になった。 「いい音です」 「そうだな」 「とても繊細で、美しい、澪さんみたいな」 「か細いけど、芯のある音だ」 梓は物足りなさそうだった。仕方ないじゃないか。 何度も歯の浮く台詞を言われれば、耐性もつこうものだから。 やはり、梓は上手い。 白魚のように跳ねる指先が、指板を叩く。 ギターがとても心地よさそうに鳴く。 バンドのポップなリフを弾くときより、色気のあるジャズのフレーズを弾くほうが、様になっている。 「指先、綺麗だな」 私が言うと、びぃんと嫌な音がした。 梓にしては珍しい、派手なピッキングミスだ。 「ジャズをやってる梓、格好いいよ」 びぃん。 「普段の可愛い梓からは想像出来ないくらいだ」 びぃん。 びぃん。 心にもないことを言えば、梓は容易く動揺してくれる。 もっとおだてようかと思ったけれど、あまり褒め言葉が浮かばなかった。 ―――玩具を褒めるのに、慣れていないのだ。 梓のミスをひとしきり楽しんだ後、店を出た。自然と手を繋いでいた。 その指の先は、少しだけ硬かった。 私はどうしても梓に没頭することが出来ずにいた。 その表情や言葉、仕草のどれ一つとして、私の心を動かすものはなかった。 梓にキスをしたのは私なのに。 情愛だとかの類がそんなにも簡単に移ろいでしまうのなら、 心から信じられるものなんて、どこにもないような気さえする。 それからショッピングモールの服や化粧品を見て回った。 次から次へと私を引っ張る梓に、心が晴れていくような気がした。 「アイス、食べたいです」 三十余りのアイスを選べる店の前で、梓は立ち止まった。 「私も食べたいな」 「何にしますか?」 「梓と同じやつで」 そう言うと、俄かに梓の表情が曇った。 「……先輩、私と居るのがつまらないんですか?」 「そんなことないよ」 「だって、何がしたいか全然言ってくれないじゃないですか! どこへ行きたいですかって聞いても、この服似合いますかって聞いても、ちっとも自分の思ったこと、言ってくれない……」 怒鳴った後で、怒鳴った自分に傷ついたように、梓は泣き始めてしまった。 私はどうしたら良いのか分からず、ただ梓の頭を撫でることしか出来なかった。 「落ち着いたか」 「……はい」 しばらくして、梓は泣き止んだ。 ごしごし擦ったせいで目蓋が腫れぼったくなっていた。 悲しみが少しでも薄らぐようにと、私はそこにキスを落とした。 「私、……だだっ子みたいでしたね。ごめんなさい」 「いいんだよ。梓は私が好きなんだから」 「でも、先輩は……」 好きだと一言も言ったことがなかった。 嘘をつくのが嫌だったからだ。 「私は、嘘をつかないから」 「じゃあ答えてください、先輩。……私のこと、好きですか」 私は言った。 「……可愛い、と思う」 込められた嘘に、気付いたかどうか分からない。いや、おそらく気付いたのだと思う。 だから、梓は言った。 「……今から、うちで遊びませんか」 梓の部屋は小綺麗ながらも、机の隅などに、何かの曲の譜面たちが乱雑に置かれていた。 次に目に留まったのは、ベッドの上の毛布の乱れだった。 「椅子、ないので」 梓に差し出されたクッションを床に敷いて、腰をおろした。 二人ともが言葉少なだった。 思い出したように、梓が飲み物を持ってきた。 それを一口飲んで、キスがしたくなったから、梓の隣に座り直した。 「せんぱい……」 けれど、三度目のキスは梓からだった。 もっと相手を知ろうとするかのように、深くて長かった。 他人の舌が自分の中で蠢く。 それば、ぞっとするくらいの禁忌を犯しているようで堪らなかった。 唾液がお互いの口腔を行き来して、どちらのものか分からないくらい、口の周りまで汚れた。 梓が私の上になって、両手を押さえ付ける。下りてきた唾液を飲まされて、喉が小さくこくりと鳴った。 「……っはぁ、はぁ……はぁ」 梓の唇が離れたのも束の間。首筋が舌でなぞられる。 肌にかかる熱い息から、梓がこの状況にひどく興奮していることが判った。 性急な手つきで、私の服が剥ぎ取られる。 欲に浮かされて、頭がいやらしいことで一杯に違いない。 後輩のそんな様子を、微笑ましいとも可愛らしいとも思えなかった。 ただ、強欲な女の浅ましさを見せつけられるようだった。 鎖骨をなぞった指先が、そっと胸元におりてくる。 「……んぅ……」 先の敏感なところに掌が触れて、思わず声を洩らしてしまう。 梓はおずおずと私の乳房をこねた。 何かの道具を扱いあぐねているといった触れ方だった。 滑稽だと思ったし、先輩としてどうすべきかも判っていたけど、何も言わなかった。 「澪先輩、気持ち良いですか」 心細げに、梓が言う。私は黙殺した。 「……続けますね」 梓の唇が、乳頭に触れる。 小さくぴちゃぴちゃと水音をたてながら、私の味を確かめている。 そこがはっきりと勃起しているのは自分でも判った。 性感を呼び起こそうとする梓の動きが、しかし、赤ん坊のようなのは何故だろう。 「はぁ……はぁ……」 私よりも息遣いの荒くなった梓は、標的を下着の下に変えた。 いつの間にかズボンは下げられていた。太ももをなぞるような愛撫が、徐々にその付け根へと動く。 「下、脱がせますよ」 梓は下着の縁を、そっと下げた。 3
https://w.atwiki.jp/83452/pages/16294.html
秘所に触れたその手が止まる。 そこは全くと言っていいほど濡れていなかった。 「澪先輩……、私……」 「すまないな、梓」 初めて私は口を開いた。 「梓のじゃ、私は濡れないみたいだ」 「それって」 言い掛けた梓の唇を奪った。 さっきのが比べものにならないくらいに、激しく貪った。 血の味がする。それでも続ける。 梓のスカートから手を忍ばせると、そこはすでに濡れそぼっていた。 触ってほしくて堪らなさそうな梓の鯉口に、指をはしらせた。 「んぁあっ!!」 嬌声が耳に心地いい。 垂れる蜜に指を絡ませて、敏感なところを擦る。 悶える梓の爪が私の腕に食い込んだ。 発情している猫を相手にしているみたいだった。 「んっ、んっ……やぁっ……」 腰がしなる。私の手から逃れるように。それを私は許さない。 中指を入れた。 「……ぃっ……た……澪先輩……」 「すぐだよ」 「んっ」 中はざらついて、ひくついていた。 私の指を、生めかしく締め付けてくる。 私に男根がついていたら、これに病み付きになるのだろう。 少なくとも今は冷静だった。 くちゅくちゅ、淫らな音がするくらいに十分だった。指を動かすには。 そこをどう扱えば一番いいのかも、私は知っていた。 「……ぁあっ……ん……」 梓の声音が高くなる。 その反応を見て責め方を変えると、腰が跳ねる。 「せっ、んぱい、つよぉ……ぁあ……」 構わず、掻き回す。 固く立った秘芯をなぞりながら、深いところをえぐる。 「イッていいから、梓」 「ぁぁあぁっ!! い、いっちゃ、あぁっぁああ!!」 梓は達した。 何もかも放り投げるような、激しい悶え方だった。 背中に鈍い痛みが走る。梓の爪だった。 「はぁー……はぁー……」 「大丈夫か」 「はい。……すみません、背中」 梓は私に指先を見せた。 私の血で汚れている。 「あいこかな」 私の中指も、梓の初めての血で汚れていた。 「……私、澪先輩を満足させられないみたいですね」 落ち着いてきた梓は、寂しそうに言った。呼び方はいつもの澪先輩に戻っていた。 「もしかして、ほかに好きな人、いるんじゃないですか?」 「……うん」 「……やっぱり」 梓は呆れた。 そのまま愛想を尽かしてくれれば良かったのに、 「でも、好きですから」 誰にも譲れないのが、梓にとっての私らしい。 シャワーを浴びた後、二人で食事をとった。 他愛もないことをつらつらと喋って、話題も無くなると、黙ってテレビを見た。 梓の隣に座って、手を握る。 けれど芒と画面を見つめているだけで、梓は私を相手にしようとしなかった。 私も画面をひたすら見た。 古い映画の中で少年と少女が手を取り合い、向日葵で一杯の丘を駆け下りていく。 「こんなところで、遊んでみたいな」 「はい。私、草の冠とか、首輪とか作れますよ」 「欲しいな、梓の」 会話はそれきりぷつりと途絶えた。 雨が降りだしそうだったから、小さくさよならを言って、梓の家を後にした。 雨粒がひとつ、ぽつりと鼻頭をうつ。 私が欲しかったのは、冠でも首輪でもなく、指輪だったのかもしれない。 ―――― 「すっごい話が来たぞー!!」 放課後の部活。 扉の悲鳴のようなけたたましい音と一緒に、律が音楽室へ飛び込んできた。 「なになに律ちゃん?」 「ライブのお誘いが来たんだっ!!」 律によると、他校の友達が主催するライブイベントがあったのだが、参加バンドのうち二バンドが出演を見送る運びになったため、その代わりとして私達に話が転がり込んだらしい。 「代役ってのはまあ癪だけど、良い機会だし、桜高校軽音部の存在をしらしめてやろうじゃないか!」 「おぉー、りっちゃん格好良い!!」 「あのなぁ……」 唯と律は既に乗り気みたいで、頭が痛い。 「それには他校のバンド演奏に引けをとらないくらい、しっかり練習しなきゃいけないんだぞ」 「やります!」 「やります!」 この二人はどこまでも調子が良い。 「頑張るなら良いんじゃないかしら」 ムギが賛同する。 部活にいつも持ってくるお菓子くらい、二人に甘いんだから。 「……梓はどう思う?」 「多数決では負けてしまってますよ、先輩」 最後の一掴みの藁も、しかし藁だった。 「決まりだな、澪」 律がにたりと笑って言う。 「ああ。じゃあ早速」 「ええっ! 今日はケーキなのっ?」 「うん。昨日、うちの父の誕生日に、食べきれないほど届いたの」 「お前ら……」 バンド名を体現するこのメンバー達を、憎めないのは何故だろう。 そう思いながら、ケーキを半ば自棄になって食べた。 唯と律は言葉の通り熱心に練習してくれた。気合いをいれてヘッドバンキングまでして、唯は首を痛めていた。 「唯、一生懸命なのはいいけど……」 「うぅう、しゅぃません……」 首が回らなくなって、ロボットのようにぎこちない。 それが可笑しくて、後ろから脇腹をつついてみる。 「ほにゃ! だれ今の!?」 くすくす、笑いが起きる。 こういう滑稽さも、ひとえに唯が愛されているからのものだったし、私はそれを嬉しく思った。 ただ一人、梓だけは小さな笑みすら浮かべていなかったけれど。 練習を重ねると、新しい曲もバンドに馴染んできた。 繰り返し演奏する中で何度も自分の書いた歌詞を聞くと、辛くなった。 唯を純粋に好いていた頃の輝かしい言葉が、梓と寝た私を糾弾するようだった。 囁いた睦言。 なぞった首筋。 色に溺れた私。 それらのどれ一つとして、私を慰める物はなかった。 唯一の救いは、唯が朗らかに歌ってくれることだった。 ただそれだけで、私は立っていられた。 泣かずにいられたし、耳を塞がずにいられた。 一年生の時のライブ。 本番直前に、唯は私に微笑んでくれた。 思えば、ずっと助けられていたんだ。 「よしっ、今日は早めに切り上げだ。明日に備えるぞ」 本番前の最後の練習が終わった。 音楽室を出ると蝉の音があたりから聞こえてくる。何かに追われるように、空気はすっかり夏だった。 私を含めた五人の帰り道は寡黙だった。誰もが明日のことを考えていると、誰もが考えているのだろう。 そのうち、律が予備のスティックを忘れたことに気付いて取りに戻った。 ムギは途中で執事の車が来たために、渋々私達と別れた。 唯と梓は一言もなかったから、なんとなく居づらかった。 やがて別れ道に来て、私は二人にさよならを言った。 「明日は、頑張ろうね」 唯の言葉に私は頷いた。 内心、口を利いてくれてほっとする。 梓は無言のままだった。 手を振って、二人と別れた。 ―――― 「うっひゃあ、集まってるぞ……」 本番前の楽屋に私達は居た。 律がステージの裾から観客側を覗いて戦々恐々としていた。 「一番手なんてラッキーだよね」 唯が言う。 そんな気持ちには到底なれそうもなく、私はベースの最終チューニングをしていた。 一つひとつ音の高さを合わせるたび、緊張が高まっていく気がする。 「知らないお客さんばっかりなんて、初めてかもしれないですね」 「アウェーってやつか……」 律の表情が強張り始めた。 全く緊張の色を見せない唯の隣に立つと、その様子が更に目立つ。 「紅茶、持ってきたの」 ムギがバスケットから魔法瓶を取り出した。 ありがたく皆でいただくと、普段の五人の雰囲気が戻ってきた。 「やっぱり、ムギの紅茶には適わないな」 「そうですね」 私が言うと、隣で梓がうんうん頷いた。 何でも私に同意したがるように見えるのが可笑しかった。 いよいよ開演時刻が迫り、他バンドの皆に見送られながら、幕の下りたステージに入った。 ざわざわと話し声が聞こえる。聞き慣れない放課後ティータイムなんてバンド名を噂しているのかもしれない。 途端に足が竦んだ。 この幕が上がる瞬間、幾つもの目が私を射ぬくのを想像して怖くなった。 ムギがキーボードの音色を確認し、梓がアンプの調節とエフェクタの位置を決定している間、私は何も出来なかった。 「澪ちゃん、どうしたの?」 はっとして顔を上げると、心配そうな表情の唯が居た。 「ちょっと、怖く、なって……」 「大丈夫だよ」 唯の手が私の手を取る。その指先を、唯の親指がこねた。 「ほら、こんなに固くなるまで頑張って練習したんだから。ねっ?」 柔らかく、私の愛しい人は笑った。 「……そうだな、ありがとう。……好きだよ、唯」 「うん、私も澪ちゃん大好きだよ!」 屈託なく喜んでいる唯と、私。 残酷なまでに、私たちは平行線を辿るばかりで、その距離を埋める言葉を私は持ち合わせていなかった。 恐らく私たちは、この先ずっとこのままなのだろう。友達でいられるし、恋人にはなれない。 それはこの世で最も悲しい予感だった。 もちろん、別離の予感よりも。 幕が上がる。 律のフォーカウントを刻めば、新曲が始まるだろう。 私の精一杯の、想いをのせた歌詞を、何も知らない唯が歌う。 このライブが終わる頃、きっともう一つの何かが終わる。 でも私は、必ずそこに立っていられるだろうと強く思った。 (Intro) 補足 一応、一区切りです。 今後、書くこともあるかもしれませんが、ここまでを1つの話と考えて頂こうと思います。 きっかけ http //www.nicovideo.jp/watch/sm7071715 前述の唯紬スレ(唯紬「秋、夏、春、そして冬」) あずにゃんの可愛さ お付き合い下さり、ありがとうございました。 4
https://w.atwiki.jp/83452/pages/16295.html
その日の帰り道は皆がちぐはぐだった。 だって明日はライブ本番だもんね。緊張するのは当たり前。 そんな風に考えていたから、あずにゃんが澪ちゃんに別れの挨拶をしなかったのも無理はないと思った。 澪ちゃんと別れて二人っきりになると、あずにゃんは一層険しく物思いをするような表情だった。 これじゃあいけない。 だから、思いっきり抱きついてみた。 「……唯先輩、なんですか」 あれれー? 余計に険しい顔になっちゃった。 「大丈夫だよ、あずにゃん。明日はきっと上手く行くから」 そう言うとあずにゃんはちょっとポカンとして、それからくすくす笑い出した。 「あー、笑ったぁ。良かったー」 「すみません、つい。……私が考えていたのは明日のライブのことじゃなかったんです」 変に勘ぐっちゃったのかな。 それから急に真剣な面持ちになって、あずにゃんは言った。 「唯先輩は、澪先輩のこと、どう思ってますか」 「へっ?」 質問の意味も、その意図さえもさっぱり判らなかった。 「えと、どう思ってるかって」 「唯先輩にとって澪先輩はどんな人ですか」 どんな人、なんだろう。 澪ちゃんはとっても頑張り屋さんで、たまに怖がりで、普段は凄く優しいけれど、怒ると怖くて、でもやっぱり優しくて……。 「んー、……よくわかんないや」 それが私の本音だった。 澪ちゃんは私には少し複雑な女の子だ。 「じゃあ、律先輩やムギ先輩はどうですか」 あずにゃんが興味深そうな目を私に向ける。 「律ちゃんはね、元気の素みたいな感じ。一緒に居るととっても楽しいなぁ。ムギちゃんはひなたぼっこって感じで、とっても温かいよ」 「……なるほどです。唯先輩って、人を見る目がおありなんですね」 なんだか褒められちゃった。 私、何か良いこと言ったのかな。 あずにゃんはまたなにやら思案顔で、空を見つめている。 「そしてあずにゃんはいつも抱いていたい猫のような―――」 「はいはい、今日は暑いんですから」 勢いに任せて抱きつこうとしたのに、軽く流されてしまった。 ちょっと寂しい。 それからあずにゃんと別れて、家に着いた。 なんだかいい匂いがしたから、今日はカレーだって判った。 「たっだいまー、ういー」 「おかえり、お姉ちゃん。いま晩御飯できるからね」 「んー。いつもありがとー」 「えへへ」 二階の部屋に上がって、制服から普段着に着替えた。 ギー太に服を着せたりして遊んでいると、あっという間に御飯の時間になっていた。 「お姉ちゃん、明日ライブなんでしょ?」 「うん、そだよ」 「頑張ってね」 「もっちろん!」 憂の美味しいカレーを食べてからお風呂に入って、またギー太と遊んだ。帽子まで似合ってしまうギー太って凄い! そうしているうちに寝る時間になったから、電気を消してベッドに入った。 あれ、結局練習しなかったなあ。ま、いっか。 何の夢を見るのかなって考えてたら、すとんと眠りに落ちていた。 その晩はとても悲しそうに泣いている澪ちゃんの夢を見た。 大丈夫? 何故泣いてるの? 私は尋ねるのだけど、澪ちゃんは俯いて静かに涙を流すだけだった。 私は居ても立ってもいられずに、その手を握りしめた。 柔らかな輪郭の細い指や、恐ろしいくらいに白い手首が目に焼き付く。 澪ちゃん、なんで泣いてるの? 澪ちゃんのこと、もっと教えて――― そこで目が覚めた。 珍しく憂に起こされずにベッドから抜け出せた。 窓外の東の空に向かって、今日は上手くいきますようにと、こっそりお祈りした。 ―――― 本番まであと10分。 舞台袖に繋がる楽屋で、ムギちゃんの持ってきた紅茶をぐいっと飲み干した。 「唯、そんなに飲むとやってる最中にトイレ行きたくなるぞ?」 少し緊張気味のりっちゃんがぎこちなく笑って言う。 「大丈夫だよー。その時は澪ちゃんに代わってもらうもん」 ねっ、と澪ちゃんに笑いかける。 でも耳に入らないくらい上がっちゃってるみたいで、澪ちゃんはどこか遠くを見つめている。 「こりゃあ心配だな、澪のヤツ」 りっちゃんが心配そうに呟いた。 いよいよステージに入った。 ほとんど音色は変えないから、すぐにセッティングは終わった。 ふと目をやると、澪ちゃんが固まっている。 「澪ちゃん、どうしたの?」 声をかけると、初めて私がいることに気づいたように、こちらを向いた。 「ちょっと、怖く、なって……」 「大丈夫だよ」 私は澪ちゃんの手をとった。 夢に見たとおり、とても綺麗だった。 「ほら、こんなに固くなるまで頑張って練習したんだから。ねっ?」 指先に触れると、澪ちゃんの頑張った跡が確かに残っていた。 「……そうだな、ありがとう」 澪ちゃんの緊張していた顔が綻ぶ。 その表情に胸が高鳴って、私は嬉しくなった。 「……好きだよ、唯」 静かに、でも確かな響きを伴って、澪ちゃんが言った。 私はなんだかくすぐったいような気持ちになった。 「うん、私も澪ちゃん大好きだよ!」 ぎゅうと手を握りしめると、澪ちゃんも握り返してくれた。 「そろそろ幕上がりますが、セッティングのほうは?」 音響さんの方から声がかかった。 「澪ちゃん、平気?」 「あ、えーと……、うん。大丈夫」 「大丈夫でーす!」 「それじゃあ本番よろしくお願いしまーす」 それまで会場にかかっていたBGMがふっと消えて、観客の話し声も止んだ。 それから、幕が上がる。お客さんの入りは良いみたいだ。 気合い入っちゃうな。 「いっくぞー! ワン、ツー、スリー、フォー」 私は、Eのコードを掻き鳴らした。 りっちゃんの激しいタム回しの後、一拍置いてのスネア。 息を合わせて鳴らした新曲の最後のコードも、やっぱりEだった。 ――――ああ、終わっちゃった。 ほんの30分。 言いたくないけど、出来の悪いライブだった。 「放課後ティータイムでした!」 幕が下りて、私は座り込んでしまった。 楽屋に戻って、私はムギちゃんから指先の手当を受けた。 ライブ中に思い切りピッキングをミスして、指が弦に当たってしまったのだ。 血が出てずきずき痛み、演奏は酷いものになった。 「ゴメンね、皆。今日はダメダメだったよ」 「こんな日もあるって。歌は良かったぞ」 「そうです。とっても声が出てて、迫力ありました」 りっちゃんやあずにゃんが慰めてくれたけど、気持ちは上向きそうになかった。 すぐ傍のステージからは、私達より遥かに上手いバンドの演奏が漏れ聴こえていた。 まるで五人の間にあいた会話の隙間を埋めるように。 その後、音作りやバランスの取り方の勉強に、皆で客席に演奏を聴きに行こうという話になった。 私はそんな気になれなかったから、楽屋に残ることにした。 「じゃあ、行ってくる。気が向いたらな」 「うん」 りっちゃんを先頭に、四人は行ってしまった。 残されたのは私と、指先の痛みだけだった。 しばらくすると、なんだか情けなさが込み上げてきた。 ミスは悔しいけれど、それ以上に、簡単にへこんでしまう自分の弱さが嫌だった。 じっと指先を見つめた。ちゃんと動いてよ、って呟いた。 「お疲れ様、唯。飲み物買ってきたぞ」 不意に声がかかる。 びっくりして顔を上げると、澪ちゃんだった。 「見に行ったんじゃ、ないの?」 「なんとなく、唯が気になってな」 ありがたく飲み物を貰った。 一口飲むと、お腹の中にすうっと冷たさが広がって、嫌な気持ちが薄まっていくみたいだった。 「澪ちゃん、あの」 「どうした?」 「……くっついても良い?」 「はは、いつもは許可なんて取らないくせに。……いいよ、くっついても」 「ありがとう……」 私は澪ちゃんに抱きついた。 それから、胸に顔を埋めて少しだけ泣いた。 何も言わず、澪ちゃんは頭を撫でてくれた。慰めの言葉は要らないってことを、ちゃんと判ってくれているみたいだった。 それが嬉しくて、またちょっと涙が出た。 「私さ、いつも本番前とか、唯に助けられてばっかりだったから。今こうしているのが唯にとっての支えになってたら、良いな」 「……うん、そうだよ。ありがとね、澪ちゃん」 「お互い様だよ」 そして二人で、色んなことを話した。 今日見た夢や、昨日あずにゃんが言っていたこと。 「私、澪ちゃんのことよく知らないなあって思ったの。知り合って、友達になったのに」 「よく知らない、か。……でも大抵の人間関係って、そういうものだと思う。 私も律とは長い付き合いだけれど、お互いに知らないことはきっと沢山あるし。 誰かとどんなに強く抱きしめ合ったって、結局は身体の間に隙間が出来るみたいにさ、 お互いを完璧に知り尽くしているような関係なんて、ありえないんだよ」 「でもね、私、澪ちゃんのこともっと知りたいなって思ったんだ。どんなにくっついても、全然足りないくらいに!」 「……そ、それは私としても、嬉しいことだな」 「……えへへ。言うだけ言ったら、なんか恥ずかしくなっちゃった」 私の顔、たぶん今かなり真っ赤だろうな。目の前の澪ちゃんの顔に劣らずに。 もっと色んな表情の澪ちゃんが見たい。そう思ったとき、ある考えが浮かんだ。 「そうだ、澪ちゃん――――」 すべてのバンドが終わって、イベントはお開きになった。 上手かったよと声を掛けてくれる人も居たけれど、素直にその言葉を受け取ることは出来なかった。 だってその人たちのほうがとっても上手かったんだもん。 一通り挨拶を終えてから、五人で歩いて帰る。 昨日の帰り道とはうって変わって、皆が今日のライブについて口々に感想を言い合った。 「今日のコーラは甘さ控え目で良かったわ」とムギちゃん。 「いやいやアレ絶対薄められたコーラだって」とりっちゃん。 「ベースとドラムはタイトに聴こえましたね」とあずにゃん。 「バスドラとスネアの音の切れが良かったみたいだから」と澪ちゃん。 皆は少し興奮気味のようで、会話の種が尽きることもなく、機材についての話から凄い頭をした観客の話まで、まとまりなく喋った。 そのうち、いつの間にやら日が落ちていた。りっちゃんやムギちゃんと別れて、昨日澪ちゃんと別れた道までようやく着いた。 「あっという間にさようならですね、澪先輩」 あずにゃんが昨日はなかった別れの挨拶をする。 そうだ、あずにゃんにも言わなきゃ。 「あのね。今日はあずにゃんと一緒じゃないんだ、私」 「なんでですか?」 「ほら、明日休みだから。澪ちゃんの家に泊めてもらおうと思って」 「えっ……」 あずにゃんが本当にびっくりしたみたいに澪ちゃんを見た。 「そうなんですか、澪先輩」 「ああ、そうだよ」 澪ちゃんが頷く。 あずにゃんは、なんだか少し気落ちしたように、呆れてしまったようにクスリと笑った。 「いいなあ。先輩たち、楽しそうです」 「あずにゃんも来ない?」 私が聞くと、あずにゃんはちらっと澪ちゃんを気にしてから、 「嬉しいですけど、今日は遠慮します」ときっぱり言った。 「じゃあな、梓。また学校で」 「あずにゃん、ばいばーい!」 「はい、今日はお疲れ様でした。さようなら」 あずにゃんと別れて、私たちは歩きだした。 夏の夕闇に包まれた道はどこか素敵な場所へ連れていってくれそうだった。 「唯、晩御飯は何にしようか?」 「うーん。澪ちゃんの家にお世話になるだし、お構いなく!」 「実は、今夜は誰も家に居ないんだ」 「えっ?」 澪ちゃんのお父さんとお母さんは、仕事の都合で職場の方に泊まり込みになってしまったらしい。 どうしよう。一晩中澪ちゃんと遊んでいたって誰にも怒られないなんて! 「だから、夕飯は唯の好きな物。なんでもいいんだ」 「やったー! じゃあねじゃあね……」 ケーキにクッキーにアイスにポテトチップス……、色々な物が頭の中に浮かんでは消えて、最後に一つだけ残った物があった。 「……澪ちゃんの好きな物がいいな」 「せっかく遊びに来てもらうのに、私が決めていいのか?」 「だって、澪ちゃんのことがもっと知りたいんだもん」 そう言うと、澪ちゃんは少し不意を突かれたように沈黙したあとで、柔らかく笑ってくれた。 それが嬉しくて、胸がほわりと温かくなった。 「あっ、憂に電話しておかなくちゃ」 携帯で自宅にかけると、0.02コールくらいで憂が出た。 「お姉ちゃん! いまどこなの!?」 「わわ、耳が痛いよーういー」 「ご、ごめんね」 私はライブが終わって帰る途中であること、今夜は澪ちゃんの家に泊まることを伝えた。 「そうなんだ……。せっかくお料理作って待ってたのに……」 「うー……、ごめんよぅ」 「ううん、気にしないでね。澪先輩の家ではお行儀良く、しっかり挨拶だよ!」 出来た妹だ、と隣で会話を聞いていた澪ちゃんが呟いた。 そろそろ歩き疲れたなあと思いはじめたとき、 「着いた。ここが私の家だ」と澪ちゃんが言った。 そういえば澪ちゃんの家に来たのって初めてだったっけ。 また一つ、澪ちゃんのことを知ったんだ。 「たっだいまー」 「お帰り。って、私の家だからなここは」 「えへへ、お帰り澪ちゃん!」 「……うん。ただいま、唯」 5
https://w.atwiki.jp/83452/pages/384.html
さわ子「折角の冬休み、あんた達どうすんの?」 唯「何も考えてないよ~」 律「左に同じく」 澪「その時になってみないと……」 梓「こたつ」 紬「あらあらうふふ」 さわ子「やっぱり暇なのねみんな」 律「確かにその通りだが何が言いたい?」 さわ子「いやぁねー、ムギちゃんがみんなを誘って スキー行きたいって言うから、どっかな~って」 澪「おおっ!スキーか!(律に告白する絶好のシチュエーションじゃないか!)」 唯「わっ澪ちゃんすんごい反応」 律「澪はスキーめちゃくちゃ上手いからなぁ」 唯「へぇ~!そうなんだ!澪ちゃん飛んだり出来る!?」 澪「い、いや普通!普通だから!好きなだけ!」 紬「じゃあみんないいのね?」 梓「こたつがいいです」 紬「こたつも手配するわよ梓ちゃん」 梓「みかんも欲しいです」 紬「用意するわ」 梓「後、ムギ先輩が編物をして笑っていて欲しいです」 紬「検討するわ」 律「どんだけぐうたらしたいんだよ」 梓「冬弱いだけです」 唯「私も寒さだけは苦手で」 律「唯は夏の暑さにも弱いだろ」 さわ子「じゃあ決まりでいいわね?」 唯「あう~……でも私スキーなんて出来ないよぅ」 澪「大丈夫だ!初めはみんな初心者だよ!」 唯「そ、そっかな!」 律「そうさ澪先生に教えてもらえ?」 澪「かっからかうなっ……教えるけどさ」 唯「うん!」 梓「私はソリ派なんで」 紬「あらかわいい」 さわ子「そうだわ和ちゃんと憂ちゃんもどうかしらね?」 唯「憂と和ちゃんもいいの!?」 さわ子「聞いてみてくれる唯ちゃん?」 唯「うん!多分大丈夫だよ!」 澪「みんな一緒か!楽しみだな律!」 律「あぁ!合宿じゃなくて純粋に遊び行けるのがいい!」 梓「合宿でも純粋に遊んでた気がしますが」 紬「うふふ梓ちゃんもね!」 …… さわ子「これで本当に良かったのムギちゃん?」 紬「ハイ!みんなと一緒がいいんです」 さわ子「私は二人きりの方が良かったな」 紬「もう先生ったら独占欲が強いんだから」 さわ子「当たり前よ。これでも一途なのよ私は」 紬「心配しなくても浮気なんてしませんよ。先生みたいに」 さわ子「いじわるな口ね」チュプッ 紬「んっ……さわちゃん……」チュパッジュプッ さわ子「ムギちゃんの唇甘い……お菓子の味かな」ペロッ 紬「恥ずかしい……」 さわ子「大丈夫よ。誰も見てない」 紬「さわちゃんに見つめられるのがです」スッ さわ子「えっ?あっちょっとメガネ!」 紬「うふふ……やっぱり私この方が好き」 さわ子「ええ~、見えなくて困るんだけどな」 紬「今度は私からするね」 さわ子「優しくね。私だってそんなに慣れてる方じゃないんだから」 紬「ふふっ分かってます」ムニムニ さわ子「やっ……そんなにおっぱいばっかり……甘えん坊さんね」 紬「さわちゃんの胸大きくて羨ましいな」 さわ子「ムギちゃんならすぐにこれ位にはなるわよ」 紬「うふふふ、キスマークつけちゃっていいですか?」 さわ子「好きにして。私はムギちゃんのものなんだから」 紬「嬉しい……私もさわちゃんのものだよ」チュウウッ さわ子「はぁうっ……」ピクンッ …マック 澪「ちょっと気になっていたんだが、何で最近ムギだけ別行動なんだ?」 律「あれっ?澪知らないのか?ムギはさわちゃんと付き合ってんだよ」 澪「ええ!?」 唯「ウソッ!?」 梓「へぇ~へぇ~ほぉ~」 律「何だよ知ってるの私だけかよ。鈍いなみんな」 梓「ポテトMにすれば良かった」 唯「失恋しちゃったぁ……」グスグス 梓「元気出してください唯先輩」 唯「あずにゃあん!」ガバッ 梓「きゃっ」 律「ムギは何となくあっち側だと思ってたけどまさか唯までとは……」 澪「女子高には良くある事だよ律?」 律「見くびるなよ澪。私だって理解がないわけじゃないし、 生暖かい目で見守って行こうと思う」 澪「そ、そう……」 和「話は聞かせてもらったわ!」 唯「あっ和ちゃん~!」ヒシッ 和「唯~!」ヒシッ 梓「何でメガネがここに」 澪「私が呼んだんだ。スキー旅行の事もあるし」 梓(うぐぐ……私のポジションが) 和「実は最初にさわ子先生と付き合っていたのは私だったのよ!」 唯「ええ~!」 律「和!お前もか!」 澪「むしろ律の方がおかしいんじゃない?フフ……」ボソッ 和「でもまああの二人お似合いだったからね。私が身を引いたの」ホロッ 唯「和ちゃん……」 澪「大人だな和」 律「良く分からんがその方が良かったろ」 梓(そんな事言って本当は唯先輩を狙ってるんじゃ)ギリギリ …… 澪「なあ律……ようやく二人きりだな」 律「どした澪?気持ち悪いぞ」 澪「き、気持ち悪いってなんだよ!」 律「いや急に改まって言われてもって感じで」 澪「そっそうかも知れないけど、言い方ってもんがあるだろ!」 律「人に言えない悩みでもあるのか?聞いてやるぜ」 澪「いいよ!律はすぐちゃかすし!」 律「ははっ!澪ってかわいいから、ついからかいたくなるんだよな~!」 澪「かわっ、かわいい私が?」 律「だってファンクラブまであんじゃん!よっ!学校のアイドル!」 澪「はぁ……」 律「へへ~、アイドルの髪触っちゃうよ!」 澪「おい遊ぶなって」 律「ほぉ~、すげえサラサラだぁ!まるでそうめんだね!」 澪「……私が揖保の糸なら律は何だ?めんつゆか?」 律「はは!それいいな!私らはそういう感じだよなぁ!」 澪「う、うん……ふふっ!」 律「唯はあげ、ムギは沢庵、梓はネギ、さわちゃんは……」 澪「薬味だな。一味は欠かせないぞ」 律「私は七味の方がいいけどな~」 澪「七味は騒がしい感じがするんだよ」 律「まあ放課後ティータイムは誰一人欠けちゃダメだってこったな」 澪「ていうかお腹すいた」 律「何だ人がいい話っぽくまとめようとしたのに」 澪「律がそうめんとか言い出すから食べたくなっちゃったし」 律「ははっ私も」 幼律『みおちゃん!しょうらいなにになりたい?』 幼澪『みおはね~、しょうらい王子さまのおよめさんになるんだ!』 幼律『あははは!王子さまなんているわけないよ~!ガッキだねぇ!』 幼澪『む~!いるもん!』 幼律『いないって!それより夢はでっかくトラクターだよ!』 幼澪『……目の前にいるもん』ボソッ 幼律『はぁ?なに~?聞こえないよう、みおちゃん?』 幼澪『うっうるさいっ……バカ』 幼律『またはずかしがっちゃってぇ~……へっへっ、そんな子にはぁ』 幼澪『なっなに?りっちゃん……りっちゃん!?』 律『うへへへへ!よいではないか!よいではないか!』 幼澪『きゃあああぁーーー!!』 澪「はっ夢か……いい所だったのに……」 …スキー当日 さわ子「あー、着いた着いた~」 律「流石ムギ!人が少なくて穴場って感じのいいゲレンデだな」 澪「雪質もいいぞ!サラッサラのパウダースノーだ!」 紬「喜んでもらえて何よりだわ」 唯「パウダースノーって?」 澪「滑ると気持ちいい雪なんだ!きっと唯も気に入るよ!」 唯「でも雪見てると雪だるま作りたくなるよね」 梓「雪合戦も捨てがたいですよ」 澪「いやっ滑ろうよ!?」 和「唯と憂ちゃんは初心者だって分かってるけど、梓ちゃんもそうなの?」 梓「私はソリ派ですから」 憂「でも梓ちゃんソリやれる所は子供ばっかりだよ?」 梓「ソリマスターだし」 律「極めてんのかよ」 梓「唯先輩もやりますよね?」 唯「えっ?私は澪ちゃんに教えてもらうって約束したからやらないよ」 梓「なっ!?」 澪「ああ、教えるぞ唯!」 さわ子「観念した方がいいわね梓ちゃん。一人でソリはかなり惨めよ」 律「あはは~!何なら私が付き合ってやってもいいぞ梓! マスターのお手並み拝見したいからな!」 梓「うぐぐ結構です……」 唯「一緒にがんばろっ!あずにゃん!」 梓「仕方ありませんやってやるです」 唯「わ~い!えへへー!」ガバッ 梓「苦しい(だけど気持ちいい)」 憂「お、お姉ちゃん私も頑張るよ!」 紬「うふふふ」●REC …… 澪「唯そろそろやるぞ~」 唯「えへへ~、よろしくね澪ちゃん!」 …… 律「じゃあ梓には私がマンツーマンで教えてやるよ」 梓「えっ律先輩がですか?」 律「何だ?不服かぁ?」 梓「いえ我慢しますから」 律「引っかかる言い方だな……まぁいいや」 梓「これでも我慢強い子ですから」 律「そんなにイヤなのかよ!」 …… 和「憂ちゃんには私がコーチするわ」 憂「よろしくお願いします」 紬「じゃあ私はその様子をビデオに収めるわね」 さわ子「じゃあ私は一人で滑ってくるわ」 紬「あっ!さわちゃん待って……斎藤ッ!」 斎藤「はっお呼びで」 紬「悪いけどみんなの様子を私の代わりに撮影しておいて!」 斎藤「御意にございます」 さわ子「いや~、ホントまめねぇムギちゃんは」 …… 律「まずは片足スキーやってみよ~か?」 梓「こうですか?」 律「そうそう。感覚つかめるまではそれな」 梓「はぁなるほど、これなら下手に転びませんね」 律「ああ。じゃあ私ちょっと滑ってくるから」 梓「ええ~……」 律「頑張れよソリマスター!」 梓「やかましいです!」 …… 澪「次は転ぶ練習だ」 唯「ほぇ?転ぶだけなの?」 澪「スキーは危険なスポーツなんだ。転ぶ練習は基本だぞ」 唯「そっか!やってみるね!」バタッ 澪「あっそうじゃなくて手を使わずに横向きに」 唯「つめたっ!」ゴロゴロ 澪「いや転がるんじゃなくて……」 唯「これシロップかけたら食べ放題だよね!」 澪「お腹こわしちゃうよ……」 …… 和「歩く事には大分慣れてきたようね」 憂「はい何とか」 和「いやあ、すごい飲み込み早いわよ憂ちゃん。 じゃあ止まり方だけどこんな感じで」 憂「こんな感じですか?」 和「そうそう……それで曲がり方はこうね」 憂「こうですか?」 和「ああなるほどそんな感じ」 憂「なるほど?」 …… 澪「あっ憂ちゃんもう軽く滑ってるのか!?」 唯「はうぅ……私なんてまだちゃんと歩くのもダメなのに」 澪「いっいや唯は普通だ!憂ちゃんが異常なんだ!」 唯「そうだよね憂はガチャピンだもんね!」 澪「そうだ憂ちゃんはガチャピンだから仕方ない!」 …… 梓「私はいつまで片足スキーやってればいいんでしょうか……」 律「よ~、お二人さん」ズシャー 紬「あれ?りっちゃん?」 さわ子「上手いわね。流石に運動神経がいい」 律「いやスキーに関しちゃ澪の方が断然上手いんだけどな」 紬「そうなんだ」 律「うん私も教わった位だし」 さわ子「おっぱい大きいからね」 律「おっぱいは関係ないだろ」 紬「さわちゃんも大きいもんね」 律「そりゃ良かったな」 …… 唯「あう~……澪ちゃんも滑ってきなよ。私なら一人で練習してるし」 澪「気なんてつかうな。ちょっとずつ上手くなってるって唯」 唯「ほ、ほんと~?」 澪「ウソなんて言わないよ。緩い所でちょっと滑ってみるか?」 唯「うん滑る!」 澪「緩くても結構スピードは出るからな。やばいと思ったらすぐ止まるんだぞ」 唯「ひゃいっ!」ドキドキ 梓「あっ楽しくなってきたかも……ふふっ」ズリズリ 唯「わわ、わわわ……」ヨロヨロ 澪「やった!滑ってる!滑ってるよ唯!」 唯「あうっ」ドスン 澪「あっ大丈夫か唯?」 唯「みっ澪ちゃん見たぁ!?澪ちゃんのおかげだよ!」 澪「うんすごい!唯すごいよ!」 憂「お姉ちゃん!」ズシャー 唯「わっ!うい~?」 憂「大丈夫お姉ちゃん大丈夫!?」 唯「大丈夫だよ~」 澪「尻餅ついただけだって」 憂「良かった……スキーは危ないから心配で」 和「憂ちゃん待って早いわ」 憂「ごめんなさい和さん……お姉ちゃんがフラフラしてるのが見えたんで」 唯「もう~憂は心配しすぎだよぉ~」 澪(既に和より上手そうだな……) 唯「私だってちゃんと滑れるようになったんだから!」 憂「ええっすごい!やっぱりお姉ちゃんすごいよ!」 唯「えへん!と言いたい所だけど澪ちゃんのおかげ~!」ガバッ 澪「わっ!ちょちょっと唯!?」 唯「大好き!」チュッ 澪「うっわわわわわっ!ゆっ唯いいっ!」カァー 和「うは大胆ね唯ったら」 憂「……」 澪「何て事を何て事を!わ、私のファーストキスを!」 唯「えっごめん私じゃイヤだった?」 澪「イヤって言うか……なっ何でだよもう~!」 憂(落ち着け……お姉ちゃんを数えて落ち着くんだ……) 唯「良かった!じゃあ別にいいんだね!」 澪「良くなんかないもん!」 和「ちょっと唯が羨ましいかな」 憂(1……1……1……1……1……) 2