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攻略動画 ファイル番号 サイズ ホール 種類 備考 4547 5.6MB PW 15H 1on -
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浦安鉄筋家族 11~20 第12巻 浦安鉄筋家族 (平成8年10月5日初版発行 平成14年7月5日46版発行)ISBN4-253-05445-5 163発目 鼻ペン 164発目 続・馬鹿サラダ 165発目 フーナイマン 166発目 かしわ 167発目 巨大馬鹿 168発目 つーはんモンタン 169発目 ガゼール 170発目 める 171発目 えけつ 172発目 つまさきマンボ 173発目 丸い肉 174発目 弟人間 175発目 ちくちく 176発目 ベムペン 177発目 血の海 第16巻 (平成10年1月5日初版発行 平成14年9月25日33刷発行)ISBN4-253-05449-8 223発目 アストラダムス 224発目 うんち 225発目 ヒカデン 226発目 生と死と 227発目 京四郎参上 228発目 肉アント 229発目 ビバ脳 230発目 引越し寸前 231発目 洗い中 232発目 くそったれ馬鹿野郎 233発目 のり子ダちょーん 234発目 花子23の誓い 235発目 サモ・ハン・キンポ 236発目 ポリマーおばさん 237発目 沈む肉5 第18巻 (平成10年8月5日初版発行 平成12年10月5日18版発行)ISBN4-253-05451-X 253発目 ギャグ描け 254発目 グレイシー・ローズ 255発目 青田くん 256発目 生クリスマス 257発目 のうみそか(ほのぼの編) 258発目 のうみそか(暗黒編) 259発目 白い鼻汁 260発目 黒い鼻汁 261発目 神は人間の画策を笑う 262発目 パンツをよごす黄色い水 263発目 ザッツ・ベム 264発目 野良PPK 265発目 橋友元年 266発目 トッカータと大鉄 267発目 ジン・ハー 第19巻 (平成10年11月15日初版発行)ISBN4-253-05452-8 268発目 2年2組起立! 269発目 静かに笑え 270発目 カタスとトロフ 271発目 老兵は死なず、ただクソするのみ 272発目 失神5秒前 273発目 ギリギリです〔改訂版〕 274発目 交響曲第九番二短調「老人つき」 275発目 くさい豆 276発目 まんじゅう 277発目 肉片 278発目 GJG 279発目 歯肉解禁 280発目 くやしい気持ち 281発目 初主猿 282発目 最終貝 戻る
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麻生高校 見えっぱり家族(顧問・矢口敦子 中沢えり子) 作 高場光春 出演 佐々木愛子 大久保 未来 佐々木幸子 栗俣 菫 佐々木みどり 坂本 麻純 佐々木吾郎 斉藤 弘一郎 宮本健作 藤原 和紀 スタッフ 演出 石橋 優里 舞台監督 石橋 優里 音響 我如古 テレサ 千ヶ崎 奈々 照明 中山愛璃 箕輪奈々 大道具・小道具 我如古 テレサ 千ヶ崎 奈々 中山愛璃 箕輪奈々 衣装 麻生高校演劇部 メイク 麻生高校演劇部 第28回大会
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ニコニコ動画とは ニコニコ動画は誰がやっているの? ニコニコ動画の中身は? 愛称は? 1 ニコニコ動画(ニコニコどうが)は ニワンゴが提供している動画配信関連サービスです。 ニコニコ動画の創設者は西村博之・2ちゃんねる管理人。 現在ニコニコ動画ユーザーは一般登録者数が375万人(2007年10月28日現在) 有料会員も11万人を突破。 2 ユニークな機能や独自性も次々と企画・実現されており もはやyoutubeなど目じゃなのではないかと思わせるくらい 破竹の勢いでユーザーを増やしている巨大サイトです。 なんとなんと、オタクたちの棲家だというのにグッドデザイン賞も受賞しました。 ミスマッチさが猛烈にうけます。 3 愛称は「ニコ動」「ニコニコ」などです。 これについて他に -- (管理人) 2009-07-05 09 51 56 あれば自由に -- (管理人) 2009-07-05 09 52 33 名前 コメント すべてのコメントを見る
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図鑑No 0001~|0051~|0101~|0151~|0201~|0251~|0301~|0351~ ※エネミーのマジックスキルは個人的な印象です。 家族のためのにコボルト 図鑑No 名前 属性 タイプ 移動 0009 家族のためのにコボルト 無 ため 移動しない 説明 お宝を集めるために冒険の旅に出て、帰宅途中のモンスター。 なぜか必ず帰宅途中の休憩中に襲われてしまうという、悲劇的伝説をもつ。 倒すと高破率でお宝をドロップする、ラッキーモンスター。 家族構成は、嫁と長男と娘の4人。 攻撃方法 攻撃しない。 備考 ドロップ要員。
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SMP/W60-004 カード名:“家族でご飯”うみ カテゴリ:キャラクター 色:黄 レベル:0 コスト:0 トリガー:0 パワー:500 ソウル:1 特徴:《サマポケ》・《時間》 【永】あなたのターン中、他のあなたの前列の中央の枠の《サマポケ》のキャラに、パワーを+1000。 【起】集中[①このカードをレストする]あなたは自分の山札の上から4枚をめくり、控え室に置く。それらのクライマックス1枚につき、次の行動を行う。「あなたは2枚まで引き、自分の手札を1枚選び、控え室に置く。」 きゅうじゅうごてん! レアリティ:R Summer Pockets収録
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176 名無しさん@ピンキー sage 2009/02/23(月) 00 52 38 ID Oj00U9qM ヘッドフォンから僅かにノイズが聞こえた。 珍しい、と思った次の瞬間、リアルタイムで送られてくる弟の映像にいくつもの線が走る。 画面いっぱいに表示していた弟の部屋の映像が何度か揺れた、驚いている間に灰色の砂嵐に飲み込まれた。 「あれ、なにこれ、ちょっと……」 全画面表示を解除して砂嵐だけを映すウィンドウを端に追いやり、なにも聞こえなくなったヘッドホンを外す。 いくつかの設定を確認し、周波数を確認してみる。 しかしウィンドウを埋めた灰色が消える様子はなく、ヘッドフォンからは小さなノイズしか返ってこない。 高品質と耐久性を両立させた、それなりに高価なカメラを設置したのだが、使用わずか半年でもう壊れてしまったのだろうか。 「もしかして使いすぎなのかしら」 ほぼ24時間稼動させているし、私が弟に抱く膨大な愛情を間接的とはいえ受け続けているわけだし。 いやでも、この類のカメラは常に稼動していることに価値があるのではないだろうか。 もしや電子機械を過労死させたとか。私の弟好きもついに極まったのかも知れない。 「よしよし、今度予備のカメラを設置してこなきゃ」 177 名無しさん@ピンキー sage 2009/02/23(月) 00 53 11 ID Oj00U9qM 隠しカメラを設置して以来、私の弟に対する愛情は鰻上りだ。 本来なら隠すべき弟のあらゆるシーン……着替えや寝姿はもちろん、自慰の姿まで覗き見ることができるのだ。 恥ずかしがりな弟のこと、私と恋仲になってもそういう無防備な姿は見られないだろうと思えばこそ、この卑しい盗撮行為をやめられない姉を許し てほしい。 それまで覗き見ていた映像、最後に砂嵐が入ってしまったのは残念だが、ひとまず弟の凛々しい勉強姿を収めたファイルを保存する。 日付、撮影日時を打ち込み、弟専用HDDにもバックアップとして保存し、PCの電源を落とした。 「これ使うのひさしぶりだなぁ」 ビデオカメラを設置して以来、引退していた盗聴器のチューナーを机の下から取り出す。 カメラと付属していたマイクがなかなか高性能で、それより前に設置したこの盗聴器はあまり使わなくなったのだ。 しかし設置してある数が多いため、音声の拾い具合だけなら勝るとも劣らない。 まだ盗撮に至る前の私は、弟のノイズ交じりの寝息を拾うヘッドホンを装着して眠るのが日課で、はしたない夢を見てはお漏らしした様にベットを 濡らしたものだ。 「机、机、机の周波数はー……こうだったかな」 こちこちとダイヤルを捻って弟の勉強机の裏に仕込んだ盗聴器に周波数を合わせる。 この機械、見た目こそアナログだが、なかなか味があってお気に入りだ。 他人に見られてもラジオだといえば簡単に誤魔化せるのも高ポイント。 PCからヘッドフォンのジャックを引き抜いて、チューナーに差し込む。 前はイヤホンを使用していたが、最近購入したこのヘッドフォンを使えば、あるいは常に弟に耳元で囁かれているような感覚を楽しめるかもしれな い。 高い買い物だったが、弟が自慰をする際のあえぎ声を拾った時点で、弟篭絡七つ道具にランクインさせた。 「あれ、おかしいな……あ、こっちか。よし、おとう…と…の……」 178 名無しさん@ピンキー sage 2009/02/23(月) 00 53 50 ID Oj00U9qM 『なあ、なんなんだ、それ』 『兄さんへの贈り物ですよ。よく似ていると思いませんか?』 『ああ、さすが手芸部。でもどうしていきなり。というかそんなとこ置くな』 『あ、いけません。動かさないでください。そこはこう……風水的に悪い位置ですから』 『尚更そんなところに置くなよ』 『私の人形が、悪いものから兄さんを守るんですよ。天井のタペストリーも剥がしてはいけませんからね』 『風水とか信じてたのか?』 『直感と経験論で導く風水ですけどね』 『それは風水と言わないんじゃないか』 これは、この声が、なぜ弟の部屋から聞こえるんだ。 ヘッドフォンから聞こえる忌々しい声に、私は思わず立ち上がっていた。 『いいんです。妹が兄に送ったものを無下になさるおつもり?』 『いやまあ……いいけどさ。それより、どうしたんだ?』 忘れるはずも無い一月前、父が念願の再婚を果たした相手の、連れ子。 卑しくも私と同じ……弟と同じ苗字を冠し、だが一滴の血の繋がりさえないのに弟を兄と呼ぶ忌まわしい女。 私と弟の間に入らないのなら捨て置くことも可能だったろうが、この売女、あろうことか弟に懸想しているというではないか。 以前からなにかと弟の前に現れては妄言を繰り返していたが、ついに弟の部屋に押しかけるまでになったのか! 『ちょっと街まで食事に行こうかと思いまして。兄さんは勉強中みたいだけど……』 『ああ、そろそろ中間考査の準備しようかと思ってさ』 『さすが私のお兄様。私の目に狂いは無いわね』 『……さすがに、まだ根をつめて勉強するほどじゃないからな、ご一緒させてもらうよ』 『ふふっ、ありがとうございます』 『外出許可は取ってあるのか?』 『いえ、事務の方に申請書を用意していただくようお願いしただけです』 『そっか。じゃあとりあえず名前書くだけでいいのか』 あの女、弟の優しさに漬け込んで……! 机に拳を叩きつける。いまから弟の部屋に向かって間に合うだろうか。 いや、おそらくあの女のことだ、すでに外出理由って考えてあるだろうし、間に合っても簡単についていく事はできない。 どうする、どうしたらいい。 『じゃ、私は先に玄関で待っていますから』 『ん、すぐ用意できるから一緒に行こう』 『あら、私の兄様はおやさしいこと』 『からかうなよ……』 くすくすと耳障りな笑い声に頭の中が沸騰しそうになる。 ヘッドフォンを毟り取ってベッドに力任せに叩きつけた。 「どうしよう、どうしよう!」 179 名無しさん@ピンキー sage 2009/02/23(月) 00 54 21 ID Oj00U9qM 何もできない。私には何もできない。 だいたいあの女は卑怯なのだ。 以前から弟と知り合いだったかなんだか知らないが、父の再婚相手との会食で会ったとたんに運命だのなんだの……。 お前なんて、弟と同じ部活だったってだけじゃないか。 こっちは弟が生まれたときから一緒にいるんだぞ。運命なら私と弟が添い遂げる以外に考えられないだろうが! もういい、とにかく弟の部屋に向かおう。 妹になったから、義理とはいえ家族だからとあの女に優しくする弟の意思は尊重してやりたいが、あの女だけは許容できない。 窓を開けて縄梯子を投げ下ろし、落ちるように滑り降りる。手に焼けるような痛みが走ったが、そんな些事を気にしている暇は無い。 寮長として褒められる行為でもないが、そんな些事にかまっている時でもない。 あの女がどうやって弟の部屋までいったか知らないが、私とて寮長、男子寮に入るくらい、もはや朝飯前だ。 茂みの中に飛び込んで突き進み、女子寮、男子寮の囲いをよじ登って越える。 弟の部屋を訪問するのに何度も通った道だ、目を瞑っていてもたどり着ける自信がある。 私と弟が在籍するのは全寮制の山深い場所に位置する学校で、男女の交際硬く禁じている。 こんな山奥に全寮制の学校を建てる以上、風紀に厳しくなるのは仕方ないことだ。 もとより私はそれを見込んでこの学校に入学したのだし、弟にも強く勧めて同じ学校を受験させた。 進学校として高い実績と、敬い敬われる人間を育てることを謳い文句に掲げるこの学校への入学は、父親も賛成してくれた。 時同じくして素敵な女性と知り合ったらしい父親を浅はかにも応援しつつ、私と弟はまず厳格で知られた父の目の届かぬところへ旅立つ。 そして、高校を卒業する頃には姉の真の魅力に心奪われた弟に求婚され、卒業と同時に結婚。 若々しく女を求めてくる弟に組み敷かれて何度も愛を注ぎ込まれ、二人の家庭はやがて幸せな子供たちの笑い声でいっぱいになる。 ……という完璧な計画は、男女の交際どころか姉弟の仲まで引き裂こうという学園の凄まじき妨害のせいで遅々として進まない。 思い募らせて弟に会いに行こうとすれば寮監督と風紀委員が阻み、弟との外出許可を申請すれば一人で行けと跳ね返される。 そのくせ、肝心の校則は賢しい女が弟に接近することを許してしまっている。 弟との幸せ家族計画を推し進めるために吟味を重ね、血の滲む様な努力をしてこの学校に入ったというのに……。 変わったことと言えば忌わしい泥棒猫が弟と私の間に入り込もうとするようになっただけだった。 弟の衣類は手に入らず、料理に体液も混入してあげられない。 夜中に寝顔を眺めたり朝勃ちを視姦してあげることもできない。 これではここに入学した意味がまったく無い。 この学校は私と弟を遠ざけようとする悪魔の城だ。 だが私だって指を加えて見ていただけではない。 誰もやりたがらない寮長に立候補して各所の鍵を預かったり、男子寮の鍵をこっそり持ち出して合鍵を作ってみたりと涙ぐましい努力をしている。 寮監督と教師の見回りのローテーションを調べて、時には身をもって危険を確認し、弟の部屋への道を確保する。 少ない資金をやりくりして盗聴、盗撮機材を買い、徹夜で検討を重ねた場所に設置して、ついでに弟の寝顔をオカズにする等など。 弟を愛する姉は、どんなことにも屈しないのだ。 180 名無しさん@ピンキー sage 2009/02/23(月) 00 54 58 ID Oj00U9qM 寮棟はいくつかに分けられているが、私の部屋がある寮と弟の部屋がある寮はちょうど玄関口を向かい合わせる形で建てられている。 だが正直に表玄関から入ろうとすると反省文を何十枚も書くことを強要されるため、ぐるりと回って裏手から進入しなければならない。 もちろんその程度で進入を許すわけも無く、各寮の一階はすべて物置や寮監督、職員の部屋になっている。裏口も常に施錠され、開くのは年に一度 あるかないかという徹底振りだ。 素早く左右を確認して、その裏口に飛びつく。そして、いつもの鍵を差し込んだ。 ただの鍵ではない。これこそは私に希望を与えてくれる男子寮マスターキー。数ヶ月をかけて完成させた弟を篭絡する七つ道具の一つ。 慣れないヤスリで指の関節を擦り、アカギレに絶え、弟のそばにもっといたい一心で作り上げた渾身の一品だ。 「とりゃ!」 いつも湧き上がってしまう達成感もほどほどに、扉の奥を確かめる。 誰もいない。この棟には教職員の部屋が無いため他の棟より見回りが多いのだが、今回は機会に恵まれたらしい。 施錠し直した扉を背後に廊下を走り抜け、階段を一段飛ばしで駆け上がる。 二階、すらりと並んだ扉の前を姿勢を低くして一つ二つ、ついに弟の部屋に立ち……! 「ああ、もう!」 やっぱり間に合わなかった! 鍵がかかっている。ということは、もう弟は部屋にいない。 街に食事に行くと言っていたから、バス停に向かっているに違いない。 いまから追いかけて間に合うだろうか。 時計を見る。正午を過ぎて半刻。 ……たしか、街と学校を行き来する数少ないバスの時刻が、もうあと数秒で……いや、たった今、発進した。 「ぁ、ぁああっ、もう、もう、なんでよ!」 あの女のことだ、バスに遅れるような行動を取るとは思えない。 きっと弟をせっつかして外出届にサインさせ、腕を引いてバスに乗り込んだに違いない。 私は。わたしは弟のいない部屋の前で拳を握り締めることしかできないというのに、卑しくも妹を名乗るあの女は私の愛する弟と食事に出かけるこ とにまんまと成功したのだ! 181 名無しさん@ピンキー sage 2009/02/23(月) 00 55 52 ID Oj00U9qM 「ぐ、くぅぅ、あんの、泥棒猫めぇえ……っ」 体内を内側から弾き飛ばさんとする怒気を思い切り吐き出そうとした私の耳に、わずかに足音が届いた。 まずい、誰か来る。おそらく食堂で食事をしていた男子生徒が帰ってきたのだろう。 ここはひとまず落ち着いて、努力の鍵で弟の部屋を開場して飛び込む。 音を建てないよう、できるだけ素早く扉を閉めて、耳をすます。 「…………ふぅ」 足音が扉の向こうを通り過ぎ、いくつか隣の部屋でばたんと音がするのを確認して、私は知らず止めていた息を大きく吐いた。 まったく、お前が弟を食事にでも誘っていればあの女にかどわかされることもなかっただろうに。 昼食前の弟鑑賞タイムも、あの女に中断されたとあっては台無しではないか。 まあ、いい。 こうして昼間から弟の部屋に忍び込むことができる機会もあまりないし、ここは一つ気持ちを入れ替えて下着でも物色するとしよう。 いや、それよりカメラを回収するべきだろうか。こんなことになるのなら、予備のカメラを持ってきておけばよかった。 弟が先ほどまで座っていた椅子に座り、丁寧にそろえて置かれたノートに頬ずりする。 バスの時間食事の時間を鑑みるに、弟は最低あと二時間は帰ってこないだろう。 弟の部屋にいるというのに、終わったことにいつまでも泣き言を零していては姉が廃る。この時間を有意義に使わなければ。 とりあえずベットに潜り込んで三回ぐらいオナニーしよう。寝ないように気をつけなくちゃ。 「よし、今日は匂いを全身に刻み付けて………なに、あれ」 下着を膝まで下ろして顔を上げた私の視界に、ありえないものが飛び込んできた。 私がいままで出会ってきた中でもっとも消し去りたい女。弟にすりより、話しかけ、ついには妹となって私達の仲を侵食する、あの女を模った人形 。 サラン樹脂で丁寧に再現された長い黒髪に、つり上がった大きな瞳、人間をそのまま小さくした様な四等身に再現性の高い小さな制服を身に着けた 、あの忌々しい女のぬいぐるみ。 「な、なによこれ」 こんなもの、前に弟の部屋に来たときは無かった。 弟が手芸部とはいえ、よりによってあんな女に似たぬいぐるみを作るなんて信じられない。 いやまさか、あの女が自ら作って弟に押し付けたのか。 そうだ、そういえば先ほど盗聴器でそんな会話を拾った覚えがある。 あいつめ、なにが悪いものから人形が守ってくれるだ。 真っ先にお前がいなくなってくれれば弟はすぐにでも幸せになれるはずなのに。 182 名無しさん@ピンキー sage 2009/02/23(月) 00 57 17 ID Oj00U9qM ……それにしてもよく似ている。特徴を掴んでいると言うべきか。 弟を誘惑する許しがたい体つきや、常に人を見下ような鋭い目つきなどそっくりではないか。 私は下げた下着を持ち上げて…ちょっと濡れていて気持ち悪い…その人形の前に立つ。 近くで見ると、ますます憎らしい。 「よしっ」 拳を握り締めて、思い切り振りかぶった。 遠慮なんてしない。むしろ全力を尽くす。 「でぇいっぎぃやぁああ!」 人形のどてっぱらにフルスイングの拳を叩き付けた瞬間、私はあまりの痛みに我を忘れて飛び上がった。 感覚が消えた拳を抱えてうずくまり、腕全体から体までも蝕む激痛に奥歯をかみ締める。目に涙が浮かび、たちまち頬を流れ落ちる。 このぬいぐるみ、硬い。 いや、なにか硬いものが入っている。 「な、なんなのよ、もぅ」 皮が敗れて血が滲み出した拳骨に、ゴミ箱の中からかぐわしい匂いのティッシュを探して押し当てる。 めちゃくちゃ染みて本格的に泣きたくなってきた。 まだレベルが足りなかったようだ。 素直に血を舐めとりながら、ぬいぐるみを床にはたき落とす。 つま先で裏返して制服を押し上げ、綿をつめるためのジッパーを露出させた。 生意気にも腰が括れたぬいぐるみのジッパーゆっくりと下ろし、左腕を突っ込んでまさぐる。 指先に触れた硬質の何かに、慎重に指を這わせて掴み、腹いせに勢いよく抉り出した。 「ん、なにこれ?」 ぬいぐるみの中から取り出したのは、黒い金属製の箱だった。 見た目より重く、塗装された表面には傷ひとつ無い。 インテリアにしては無骨な気もするし、ぬいぐるみの中に入れてあった理由がわからない。 裏返し、振ってみる。これは、しかしなぜか見たことがある気もする。 「んー、……んー」 そうだ。あれは確か、盗撮機材の資料を集めようとインターネットを駆使していたときではなかったか。 見知らぬ第三者の盗聴被害に怯える女性もこれで安心、とかいう記事を見て、知らないうちに盗聴盗撮されるのはつらいだろうなと同情した覚えがある。 たしか多くの盗聴器で使われる周波数と同調し、周囲数メートルに存在する盗聴器の電波を妨害するジャミング装置だったはずだ。 テレビの防犯対策特集で紹介されたのを見たこともある。 183 名無しさん@ピンキー sage 2009/02/23(月) 00 58 09 ID Oj00U9qM 「こ、これがここにあるということは……」 あの女、まさか私が弟の部屋にカメラを仕掛けたことに気付いたのだろうか。 盗撮とは名ばかりの弟を愛でる私の楽しみを奪うために、わざわざこんなものを買って、ぬいぐるみで隠して弟に送りつけたのか。 「ぐ、く、くぅぅぅううう!」 なんたる侮辱だ。あの女、弟になんと言っていた? 悪いものから兄さんを守るだと。 まさか、この私を悪いものだと指していたのだろうか。 弟が生まれる前から恋をして、今も弟への思慕に身を焦がし続けるこの姉を。 綿を飛び散らせたぬいぐるみを踏みつけ、蹴り上げる。 弟のベットに落ちかけたところを引っ掴み、首をねじ切るつもりで締め上げながら床に押し付けた。 まったくの平静で睨み返してくるぬいぐるみの瞳が憎たらしい。 あの女、本物のあの女も、同じようにしなければこの気持ちは治まらない。 「うっ、ぐぅ、く、そぅ!」 だが、あいつは今学校の中にいない。 私の弟と食事に出かけている。 「うぐっ、ひっ、ぅ、ひぐっ、うぁ、ぁ」 なんで、どうして。 わたしが何をしたんだ。 こんなに努力して、がんばっているのに。 なんで私の邪魔をするんだ。 こんなに弟が好きなのに。 弟と幸せになりたいだけなのに。 184 名無しさん@ピンキー sage 2009/02/23(月) 00 59 19 ID Oj00U9qM 「うぇ、ひんっ、うぇ、ぐすっ」 いけない。泣いてない。 泣いてはいけない。私はお姉ちゃんだ。弟を愛するために、こんなところで泣いている場合ではないのだ。 手が痛むし、感情は吐き出さずに溜め込んでおかなければならないけど、この悔しい気持ちを糧に日々をまい進するのだ。 あんな女ごときに弟を奪われては私の人生に価値はない。私が認める私だけが、弟と添い遂げることを許されているのだから。 体の震えが消え、体内を反響するような腕の痛みもだいぶ和らいできた。 拳骨に滲む血をなめ取る。見たところ傷は浅いようだが、骨に影響はあるだろうか。 恐る恐る指先を動かす。感覚も戻ってきているが、やはり動きは鈍く震えるのを抑えることができない。 明日になっても痛みが引かないようであれば病院に行かなくては。 返す返すも忌々しい。 とりあえず、この装置だ。 たしか盗聴器の妨害を主としたもので、盗撮に使われるカメラなどには影響を及ぼすことができない安物だったはず。 とはいっても学生が手を出すにはそれなりにきつい値段でもある。 この盗聴妨害装置は売却処分するとして、盗撮を妨害する装置が別にあるはずだ。 そういえば、弟との会話でタペストリーがどうとか聞こえたが……。 「あれかな」 部屋の端、ベッドの上に貼り付けられた布製のタペストリー。 おのれ、あんなところに貼り付けるとは、弟の夢の中にまで汚染を拡大させるつもりか。 弟は夢の中で私と愛し合うのに忙しいのだからお前の出る幕など1secもありはしないのに。 おそらく裏に装置を仕込んであるのだろう。垂れかけるのではなく貼り付けてあるのが何よりの証拠だ。 弟が寝たときに常に見えるように配置しつつ、その裏には弟の幸せを引き裂く装置を仕込むとは恐ろしい女だ。 「ふん、剥ぎ取ってやるわ」 人形ともども焼却処分だ。弟は怪しむかもしれないが、私を疑うことはないだろうし、遠慮なんてするものか。 ふん、と弟の愛が詰まったティッシュで鼻をかむ。芳しい匂いに全身に力が漲った。 新しいものを採取して今日は弟の精液の匂いに包まれて寝るとしよう。寝れるだろうか。 俄然やる気が沸いてきた。そうと決まればさっさとタペストリーを取っ払ってしまおう。 カメラが復活すれば弟とのシンクロオナニーも精液の香りつきで楽しむことができる! 「よっ、はっ……」 別途に上ってタペストリーに手を伸ばす。 まったく、普通に垂らしておけば引きちぎってやったものを。 ベッドの上で立ち上がり、バランスを取りながら腕を伸ばす。 185 名無しさん@ピンキー sage 2009/02/23(月) 01 00 25 ID Oj00U9qM 「…………と、届かない!」 くそ、今ほど我が身の短躯を恨んだことは無い。 腕を伸ばしても、あと40センチほどが異様に遠い。 この学校は設計段階から私を邪魔をするようにできていたのか。 「くっ、くそっ、このっ」 ベットの上では飛び跳ねるにも限界がある。 指先が引っかかってくれれば一気に引き剥がしてやれるのに、もう少し、どうしても届かない。 ギシッギシとベットが軋む。台になりそうで、ベットの上にも置ける物なんてない。 申し訳なく思いながら、枕を踏みつけて跳躍する。だが、振り回した指先は空を掻くばかりだった。 「ええい、明日から牛乳も残しません! だから、届け!」 「それは良いことを聞かせてもらったわ」 不意に聞こえた声にびっくりして振り返る。 義理の妹、私から弟を奪い去ろうとする悪の化身が、いつのまにか部屋にいた。 「なっ、うひゃ!」 「あ、危ない!」 あまりに唐突なそいつの登場に、着地を忘れてベッドに倒れこむ。 ぎっ、と一際鋭い音を立てて軋んだベッドに体を跳ね返され、空中に投げ出された。 何で私がこんな目に、私の邪魔をするだけでは飽き足らず、ついに陰湿な攻撃をしてくるまでになったか。 迫る床に思わず硬く目を閉じ、体を強張らせる。 しかし予想した衝撃が走ったと思った瞬間、私の体は勢いよくと回転して何か柔らかいものに受け止められていた。 恐る恐る目を開ける。 「まったく、世話がやけますね。もう少し回りを見るようにしてください」 視界いっぱいに、こちらを覗き込む不埒者の顔が移った。 膝と肩を抱き上げられている。まさかこれはお姫様だっこか。 「は、離して! はなせっ!」 膝を伸ばし、顔に手を伸ばす。私を助けて借りでも作った気になっているのか。 お前が来なければ転ばなかったし、助けられるぐらいなら転んだほうがましだ。 暴れる私を、それでも憎らしいほど平静な瞳で見つめてくる。 「その前に言うことがあるでしょ、姉さん」 「あ、あんたが私を姉と呼ぶな!」 「135センチメートル」 「身長でよぶなぁ!」 指先をそろえて顔につき込む。 その小さな鼻の穴を一つに繋げてやろう。 だが、肩口に鋭い痛みが走って、思わず腕を引っ込めてしまった。 失念していたが、こちらの腕は怪我していたのだった。 186 名無しさん@ピンキー sage 2009/02/23(月) 01 01 02 ID Oj00U9qM 「うぃ、う、っ、くう」 「あら、怪我してるの?」 「う、うるさい、さっさと離せ」 「仕方ない子ね……」 まるっきりの子ども扱いに腹が立つ。膝で顎を狙うが、すでにその顔は遠く、私は床の上に立たされていた。 この女、小賢しいことに合気道の有段者なのだ。祖父が運営する道場に幼いころから足繁く通い、その実力は全国で通用する腕前だとか。 学校では手芸部員として弟を誑かす一方で、弟を仕留める牙を着々と研ぎ澄ませる泥棒猫。それがこの女だ。 腕を押さえて睨み付ける。この女は、いつもそうであるように涼やかな目で見つめてくるだけだった。 「見せてください」 「うるさい、なんであんたがここにいるのよ」 「あなたこそ。いいから見せなさい」 ふん、と背中を向けて拒絶の意思を表明する。 どうせ傷口をえぐったり塩をすりこんだりするに違いない。 血は止まってるようだが、傷口の周りには固まりかけた血が付着し、なんとも痛々しい。 骨が心配だが、悪くともヒビが入った程度だろう。これを利用して弟にあーんとやってもらうのも悪くないかもしれない。 「血が出ているじゃないですか」 「あ、ちょっと、こら!」 肩越しに伸ばされた腕が私の肩をつかんだ。 慌てて払いのけようとする腕が逆から伸びて来た腕に捕まれる。 ならば顎を脳天で打ち抜いてくれる、と膝に力を入れると、肩を肘で押さえられた。 「こ、このう!」 「……結構深いけど、大丈夫そうね。これ、痛いですか?」 「いっ、何すんの! あと頭が暑苦しいから離れてよ!」 この野郎、悪意で膨らんだ脂肪の塊を私の頭に載せていやがる。 少し早く成長期が来ただけのくせに、何だというのだ。私の胸は弟にもんでもらえば無限に大きくなるんだぞ。 結婚するころにはこんなもの鼻で笑ってやるくらい大きくなるはずだ。 「どうせ私の人形を叩いたんでしょう。結構苦労して作ったのに……まあ破れたりはしてないみたいですけど」 「あんなもの弟には必要ないの! 自分の部屋にでも飾ってなさい!」 「どんなナルシストですかそれは。ちゅっ」 「ぬぉあああ!」 こ、この女、あろうことか私の手を舐めた! 血を吸って悪魔にでも捧げる気だ! 187 名無しさん@ピンキー sage 2009/02/23(月) 01 01 42 ID Oj00U9qM 「化膿しないようにです」 しかも、間接キスじゃないか! 弟に捧げるはずの私の体液が、こんな女に奪われてしまった。 「はな、離しないさい、この変態!」 「へ、変態って……」 「変態変態! いいから離せ!」 暴れようとして、しかし妙な感じで力がかかっているため、足を上げることさえできなかった。 足が床にくっついてしまったような、足にだけ重力がかかっているような感触に抗えず、指先から耐え難い感触が再び広がってくる。 「ちゅっ……。ん、なにこれ。擦過傷?」 肘が肩から離れ、腕からも力が抜かれた瞬間、私は弟のベットに飛び込む。 弟の匂いで少しでもこのおぞましさを軽減しなければと思ったのもつかの間、肩をつかんで振り返らせた。 まっすぐ進んだように滑らかに体を反転され、一瞬混乱してしまう。 「ぁ、こ、このぉ!」 カッとなって突き出した腕に何かが巻きつく。 「もう少し考えて行動してください。痛い思いをするのは貴女なんですよ」 「な、なにが……なによ、これ」 白い布……ハンカチが私の手に巻かれていた。 繊細な刺繍が施され、素人目にも上等な布であることがわかる。 本来なら血を吸わせることに躊躇さえしてしまいそうだが、寧ろこの女のものだと身に触れるのさえ汚らわしい。 「こ、こんなもの……」 「それは兄さんが作ったものです」 な、なんだとう! 弟め、こうなることを見越してこの女にハンカチを預けたな。 恥ずかしがり屋な可愛いやつめ。 「それで、姉さん」 「あんたの姉じゃない」 「姉さん、どうしてここにいるのですか」 「お、弟の部屋に姉がいてなにが悪いって言うの」 「弟の部屋を盗撮する姉でなければ、悪くはないのですけどね」 188 名無しさん@ピンキー sage 2009/02/23(月) 01 02 14 ID Oj00U9qM やはり気づいていたか。 ハンカチに血を染み込ませるか、綺麗なままで保存するか悩む。 いやしかし、手にこの女の唾液がついたままというのは耐え難い。しかし弟のハンカチに付着させるなんて……。 「……それ、本当は私が作った物ですよ」 「こんのあまあぁああああ!」 「お、大きな声出しすぎです。隣には人がいるんですよ」 この優等生を反省室送りにするのは悪くないが、私も先週、次に捕まったら親を呼び出すと脅されたばかりだ。 この学校は私に厳しすぎる。 「……どうせ私が兄さんと食事に行くって聞いて、居ても立ってもいられなくて来たんでしょう」 「な、なんで知ってるの」 「飽きれた。本当に聞いていたのね」 ふう、と肩を竦める長身は、この女でなければ実に絵になる光景だ。 私が弟の部屋に設置した装置も見破っていたようだし、ここをなんとか切り抜けなければ、この女に大きな弱みを握られてしまう。 いや、もう手遅れか。私が考えを巡らせる間にも机の下を覗き込んだ泥棒猫が、盗聴器の一つをとりだす。 眉間の間にシワをよせ、腰に手を当てて私を見下ろす。 「いいですか姉さん。家族といえど個人のプライバシーは尊重しなければなりません。こんな犯罪じみた行為はやめなさいとあれほど言ったではないですか」 「うるさいうるさい! 私と弟の間に入ろうとするあんたが悪いんでしょ!」 「私と兄さんが知り合う前にも部屋に忍び込んだりしていたじゃありませんか」 「それは、だから弟と一緒にいるためで!」 「一緒に居たいのならまともな理由で呼び出せばいいのです。そばに居ないと呼吸ができないとか、トイレについて来てほしいとか。そんな理由では許可が降りるわけ無いでしょう」 「なななななんであんたが知ってるのよ」 まさかこの女、職員までたらしこんで私を妨害しようと言うのか。 「風紀委員の友人に聞きました。毎日どんな理由で書類を提出してくるのか楽しみなんですって」 「それこそプライバシーの侵害じゃないのよ!」 「声を抑えて。というか、私もそれが姉さんだって知ったのは最近なんです。ダメな外出許可の申請理由として説明を受けたときはジョークとしか思えなかったんですが」 「だって、だってだって!」 「な、泣かないでください」 私が弟を食事に誘おうとすると、もう頭に血が上って素直な気持ちがこぼれてしまうのだ。 悔しさと歯がゆさに滲んだ涙を袖口でぬぐう。 「泣いてない!」 「涙の後って目立つんですよ。ほら、拭いて上げますから」 「触るなー!」 「まったくもー……いいですから、とりあえず顔を洗って着替えてきてください。大好きな弟さんが呼んでますよ」 「え、なんで?」 そもそも、この女はどうしてここに居るのだ。 弟を食事に誘ったのはこの女だし、ここに居るのはおかしい。 「姉さん、携帯持ってないでしょう。繋がらなかったから私が探しにきたんです」 「私の携帯に繋がらないと、なんでこの部屋に来るわけ?」 「あなたが来るのはここぐらいかなと思いまして。私も忘れ物がありましたし」 189 名無しさん@ピンキー sage 2009/02/23(月) 01 02 45 ID Oj00U9qM そういいながら、扉のすぐそばに置かれていた黒いバックを取り上げる。 そして、その中から取り出したのは例のジャミング装置に似た黒い機械。 「そのタペストリーは本当に風水で調べた位置に飾っただけです。姉さんが探していたのはこれでしょう」 にこりと如才なく笑う様がまったく腹立たしい。 ここにそれを忘れていたということは、その後の私の行動を全部予想していたってことじゃないか。 それを白々しくも忘れていただなんて、もし私が来ていなかったら、それを理由に食事から帰ってきた後も弟の部屋に来るつもりだったに違いない。 悔しさに痛みも忘れて拳を握り締めた。 口惜しいが、この女のほうが、今の私より一枚も二枚も上手だ。 「ふ、ふん、それで弟は、わわわ私に、なんて?」 「一緒に食事に行きたいんですって。おかげでバスに乗り遅れてしまったわ」 ふわりと髪を優雅に翻す女。 クセ一つ無い髪は一本一本が恐ろしく細くしなやかで、毎日の手入れを怠っていないのが一目でわかる。 私なんてどんなに髪を磨いてもクセ毛のせいで手でサラサラとかできないのに。 弟の前で振り返って美しい円形を描く綺麗な髪を見せてあげたいのに。 「ふん、私と弟ちゃんは一心同体なんだから、そうなるのも当然ね」 「そうね。ここは私が片付けておきますから、着替えてきてください。なんでまだ制服なんですか」 もちろん、着替えるのも忘れて弟の着替えを見ていたからだ。 しかしその言葉には答えず、さっさと扉に向かう。 と見せかけて黒い装置に手を伸ばすが、すいっと持ち上げられただけで私には遥かに遠い場所に行ってしまた。 「う~!」 「盗聴器と盗撮カメラも外しておきますからね」 「ぬうううううう!」 腸が煮えくり返る思いだが、ここはぐっと我慢のとき。 素直に諦めて扉を開け、進入したルートを逆に辿って部屋に戻る。 縄梯子を回収し、むん、と気合を入れた。 最近は寮長として雑務を押し付けられたりして、弟と一緒に出かけることが以前にもまして少なくなった。 ここは一つ気合を入れて、あの女の目の前で弟をメロメロにしてやる。 190 名無しさん@ピンキー sage 2009/02/23(月) 01 03 41 ID Oj00U9qM 洗面所で顔を荒い、乱れた髪に櫛を当ててピンで整える。 お気に入りのシャツワンピースにストールを重ね、匂いの薄い香水を、軽く振りかけた。 弟はあまり香水の類を好まないが、これはその弟も気に入ってくれたものだ。 前の誕生日に送られたもので、弟と外出するときは必ず付けることにしてる。 さらに前の誕生日にもらったシルバーのネックレスを胸元にアクセントとして落とす。 ちょっと寒いが、まあいい。弟とのおでかけバッグを引っつかんで玄関に走り出した。 腕の痛みも引いたし、どうやら骨にも異常はなかったようだ。 胸が躍るとはこういう気持ちなのだろう。 私服で通ることはあまり無いのだが、今日は大手を振って出歩ける。 なにしろ弟が誘ってくれたのだ。文句を言われるような外出理由を言うはずが無いし。 ……そういえば弟はどこにいるのだろう。 「あれ、小姉さん、一人?」 「ぃひぃ!」 いきなり背後から聞こえた弟の声に私は文字通り飛び上がった。 まだ心の準備ができていない。私に会えて嬉しいのはわかるが、ちょっと準備させてくれ弟よ。 肩、弟が手を置いた肩が融解してしまいそうです! 「あひっ、ひひとっ、ひ、とり、よ」 「おかしいな……って、来た来た」 「ごめんなさい、お待たせして」 向かい合う男子寮の入り口から、認めたくはない義理の妹が姿を現す。 「忘れ物、あったか?」 「ええ。……姉さん、どうしたの」 「なな、なんでも、なななない、わよ」 ダメだ。いま、顔が真っ赤になってる。 モニター越しだと平気になったのに、実際に会うとなんでこんなに緊張するんだろう。 家族なのに。生まれてからずっと傍に居たのに。私はお姉ちゃんなのに。 「小姉さん、大丈夫。 もしかして具合悪い?」 「ダヒッ(裏声)、大丈夫よ! ちょっと鼻血が出るかもしれないってだけ!」 「どんなちょっとよ……」 泥棒猫が私の肩を抱き寄せ、あ、と声を上げる暇も無く、弟との間に体を滑り込ませる。 急速に頭が冷やされた。 「あれ、小姉さん怪我してるの?」 が、愛する弟に腕を取られ、顔が火を噴くのではないかというほど熱くなった。 拳に巻かれた不恰好なハンカチを優しく撫で、心配げな目つきで顔を覗き込んでくる。 腕から走った痛みとは別種の何かに背筋が伸びた。 「あうあ、ちょ、け、怪我って、いうか、うわ、あ、ち、近い!」 「ん?」 「顔が近いんですよ。転んだときに手をついて擦りむいたんですよね」 「う、うん、そう! 転んで殴り飛ばしたら鉄だったの!」 「……姉さん、落ち着いてください」 191 名無しさん@ピンキー sage 2009/02/23(月) 01 04 18 ID Oj00U9qM またしても泥棒猫が割り込んでくる。 だが、今回ばかりは許してやる。ちょっと脳みそが沸騰してまともな思考ができない。 この忌々しい顔を見てクールダウンしなければ。 「なにか食べた後は街を歩き回ろうかって思ってるんだけど……本当に大丈夫?」 「だ、大丈夫大丈夫。うん、門限まで、遊びましょうね」 視界の端に馬鹿女の顔を捉えつつ、弟の神々しさに目を細めて返事を返す。 私が弟の前で冷静で居られなくなったのは、ちょうどこの学校に入学したころだった。 親元を離れ、そして弟と離れ離れになって数ヶ月。 慣れない寮での生活に苦労し、学校の授業にもついていけるよう必死にがんばっていた私がようやく息抜きをする余裕が出てきたころ、連休を利用した始めての帰省でそれは起こった。 弟ってこんなにかっこよかったっけ。 成長期真っ只中だった弟は、その姿を精悍に逞しく成長させ、以前より素晴らしかった内外の輝きをさらに磨いて私を震え上がらせた。 弟とああしようこうしようと胸に溜め込んでいた考えは全て溶け去って、まるで初恋を自覚した少女のように頭の中が幸せな熱で埋め尽くされていた。 玄関で私を満面の笑みで出迎えてくれた弟に抱きついて腰を抜かし、帰省一日目は終わる。 二日目。おきたら弟が覗き込んでいて、次の瞬間に半日経過。ようやく目覚めたときには深夜で、荒い息を上げながら弟の寝顔を覗き込んで、ようやくまともに話せるぐらいの耐性を身につけることができたのだ。 そして、買い物に付き合ってもらい、学校の素晴らしさを語って聞かせ、鼻血を出し、膝枕で介抱されて、数日後にはふらふらになりながらもなんとか学校の寮に帰りついた。 たしかに、私は恥ずかしがり屋だ。しかし赤面症というほどではないし、家族にも恥ずかしがるほどではない。 母が没して以来、家事を一手に引き受け、いつも小さな手を引いてやって育ててきた愛する弟なのだ。 いくらなんでも、喋れなくなるほど頭に血を上らせることがあるか、と。 しかし私は甘かった。 次の帰省で、弟に会うなり私は幸せのあまり意識を失った。 そう、幸せすぎて意識を保てないのだ。 間を空けるたびに弟は魅力を増し、私の弟への思慕は膨れ上がる。 悪とは言い切れない悪循環に私は歯噛みした。 このままでは弟とまともに話すことさえできない。 しかし、明確な対策も打つことができない。弟への熱情は抑えることなどできないからだ。 そうこうしている間に弟は私と同じ学校に入学。 距離は格段に縮まったが、弟の前に平静を保ったままで立つことは今もできないでいる。 最善策と思われた盗聴盗撮による馴らし計画も、ついさきほど頓挫してしまったし……。 「小姉さん?」 「ほ、ほんとに、大丈夫です! ほんとに、ほんとに!」 弟、弟が私の魅力に引き寄せられていることを喜ぶ暇もあればこそ、だっと校門に向かって走り出す。 事務所で書類の手続きをしなければならない私は、弟よりちょっと先行するぐらいがちょうどいいのだ! 192 名無しさん@ピンキー sage 2009/02/23(月) 01 04 48 ID Oj00U9qM 「くっくっ……」 「な、なんだ、どうした」 顔を真っ赤にして走り出した姉の姿に、堪えきれなくなった笑いがもれた。 「いえ、いえいえ、いつもながら、とても可愛い姉さんですね」 「あ、ああ、まあな」 父から受け継いだのだろう凛々しさと精悍さを併せ持った義理の兄は、家族を褒められることを純粋に喜ぶことができる人だった。 以前より手芸部員として親しく付き合い、外見の男らしさに似合わない繊細な作品に引かれたのがきっかけだったか。 互いに片親ということも、あるいは私と兄が親しくなれた理由だったのかもしれない。 私の好きな人。 姉の様子に目を細めて首を傾げるところなど愛嬌があり、私にとってはその鈍感な部分が少しだけ助かってもいる。 「小姉さん、ホントに大丈夫かな?」 「ええ、一人で部屋にいるよりはいいでしょう」 「……なんであんなに緊張されるのかな」 「家族にも明かせないことというのは、あるものですからね」 あの人を誘うのは、私なりの配慮というものだ。 実の弟に並々ならぬ感情を抱く姉。 兄……当時は先輩と読んでいた人と知り合い、その朴訥とした人柄に引き寄せられたころから周囲に姿を現すようになった小さな影の正体。 何をするでもなく、しかし熱心に、あるいは泣きそうな目でこちらを見る幼い影に、まさか座敷童子かと思ったのもいい思い出だ。 先輩の話すところによると、それは自分を心配してくれる姉だというではないか。 物心ついた頃に亡くなった母に代わり、自分を一生懸命に育ててくれた自慢の姉。 料理をすれば指を切り、自分を守って顔面から転び、徹夜でこなした勉強を教えてくれた。 あの小さな姉がいなければ、今の自分は無い、と語る兄に嫉妬したのも、まあ、いい思い出と言えなくも無い。 「それよりほら、いきますよ」 「うわっ、こらっ」 「妹と腕を組むのはお嫌ですか?」 「いや、そうじゃなくて……」 当ててるんですよ、先輩。 顔を赤らめる表情に好感触を抱き、顔が綻んでしまう。 あの姉の……性癖ともいうべき部分を見過ごすことはできないが、こんな弟なら恋をするのもわからなくも無い。 だがそれは私とて同じこと。あの人は私が弟を奪おうとしているとして隠さず敵意をぶつけてくるが、私としては家族として仲良くしたいのだ。 弟のためと自分を犠牲にし、そのことを疑問にさえ思わず献身を捧げる少女。 いつも弟のために走り回り、その幸せを一心に願うことができる少女に、私は恋敵とはいえ尊敬の念を抱く事を禁じえないのだから。 私は父が没した後ものうのうと母の庇護に縋って生きていた。 幸いなことに親族の暖かな協力を得ることができたし、様々な才能を見出されては周囲に褒められ、認められてきた。 体は日々大人らしく、自覚できる程度には美しく成長し、くだらないと思いつつ異性同姓の視線に密かな優越感を覚えたりもした。 母には言葉ばかりの、心のこもらない礼を尽くして矮小な自尊心を満たしたりしたこともある。 父はいないが、私は幸せになれる。 それを当然だと思っていた時期が、私にはあった。 だがそれは大きな間違いだった。 あまりにも恥ずかしい過去なので鮮明に思い出すことさえしたくないが、先輩……兄に説教されて身にしみた。 私は漫然と過ぎていく日々に胡坐をかいていたに過ぎない。 毎日を一生懸命に生きる彼女の、それを敬う弟のなんと輝かしいことか。 私は、幸福にもその美しい姿を知るばかりか、輪に入る機会をも与えられた。 今は兄と呼ぶこの人と、今は嫌われてしまっている姉とに家族として迎え入れられれば、日々は更なる彩に包まれるに違いない。 193 名無しさん@ピンキー sage 2009/02/23(月) 01 05 19 ID Oj00U9qM 「先輩、知ってますか?」 「な、なにがだ?」 「血の繋がっていない妹とは、結婚できるんですよ」 「げほっ、な、なにを言って」 「何を言っているのよこのギモウトォォオォォ!」 兄に寄りかかった瞬間、ちょうど事務所から顔を覗かせた姉さんが小さな腕を振り上げて走ってくる。 以前の私ならなんとも思わないことだったが、この姉弟に強い興味を持ってからは、妙にかわいらしく見えて困ってしまう。 ちなみに、友人の言うところによると彼女を可愛いと思っていないのは私ぐらいだったらしい。 三年のちいねえさん、といえばなかなか有名なのだとか。 「そんなに暴れるとまた転びますよ」 「いいから離れなさい!」 ぐいぐいと逆の腕を引いて弟から泥棒猫……遺憾ながら私のことらしい……を引き剥がそうとする姉さん。 困ったことに、この姉は弟に本気なのだ。 同じ男に惚れいている以上そのことにとやかく言うつもりは無いが、やはり盗聴やら何やらをはじめとする性癖だけは何とかしていただきたい。 兄の部屋に設置されていたものはすべて回収しておいたが、その、あれをあれしたティッシュなど、どうするつもりだったのか。 そりゃあ、私とて年頃の女、恋する乙女として気にならないわけではないが、姉さんのそれは突き抜けすぎだ。 「小姉さん、書類かけた?」 「がっ、書けてないわッ、だだだだだから迎えに来たのよ弟様!」 顔を真っ赤すると、目の焦点をあらぬ方向に結びながら弟の手を取る。 異常な恥ずかしがりようだが、その気持ちも理解できるつもりだ。 恋する乙女は無敵だが、この少女には少々刺激が強いのだろう。視線が変な方向を向いているのも、意図してのものではあるまい。 その恥じらいはまったく可愛らしいが、弟の見ていないところでも少しは恥らってほしい。 194 名無しさん@ピンキー sage 2009/02/23(月) 01 06 13 ID Oj00U9qM 首筋まで赤く染まった姉の肩を少し押す。 兄さんと姉さんの手を掴み、兄の膝裏に小さくつま先を当てて衝撃を走らせた。 姉さんとは仲良くしたい。できれば頭を撫でたり一緒に料理をしてみたい。 兄さんには私の思慕を受け取ってほしい。女として愛し、女として幸せにしてほしい。 なので、姉さんには悪いが、先輩のことに関して譲るつもりは無い。 私の恋は、姉に妨害されて諦めるほど安くはないのだから。姉を不幸にするつもりも毛頭ないのだから。 再び兄の腕に縋りつき、はしたないと思いつつも胸を強く押し付ける。 逆の腕で姉の、私のハンカチが巻かれた腕の、壊れてしまいそうな細い手首を取った。 「妹を蔑ろにしてはいけませんよ。私はお二人を幸せにする重要な役割を持っているのですから」 当面の問題は、握ったはずの弟の手が私の手に摩り替わっていることに気づかない姉の恋を、いったいどうやって諦めさせればよいのか。 しかし、姉さんを弟慣れさせて、兄が語る以前のような関係に戻すことができれば、事はきっとうまく運ぶに違いない。 根拠は無いが、そうすればこの姉弟はもっと幸せになる。私も、その幸せの中にいられる。 もしもそんな思いが早計で浅はかなものだったとしたら。 だとしても、私は最大限の努力で必ずや私達の幸せを築いてみせよう。 ようやく騒ぎ出した可愛らしい姉と。 空を見上げて頬を赤らめる染める愛しい兄の手を引く。 胸中に湧き上がる心地よい使命感に、若い人生の充足を感じた。 ひとまず今日は、仲良く外出して親睦を深めるとしよう。 全ては私たちが幸せになるために。
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車載動画 しゃさいどうが 【タグ】 車載動画とは、自動車や二輪車に固定したカメラで走行の際の前面展望を録画した種類の動画、およひそれらの動画につけられるタグ。 いわばF1のオンボード映像の一般道路版。鉄道の前面展望映像の自動車版ともいえる。走っている気分を体験したり、どういう道路かを見るのに最適。特に酷道の走行動画は気軽に行けないだけに興味があれば楽しい。 筆者も好きだけど、画面の揺れに酔うのが最大の難点。 タグで動画検索 「車載動画」でタグ検索 動画 F1モナコGPコースを走ってみた(http //www.nicovideo.jp/watch/sm483014) http //www.nicovideo.jp/watch/sm483014 国道157号線 温見峠1(http //www.nicovideo.jp/watch/sm1062564) http //www.nicovideo.jp/watch/sm1062564 さ行の単語一覧にもどる トップページにもどる - -
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