約 3,222 件
https://w.atwiki.jp/bsr_e/pages/2060.html
そのまま、お互いに見つめ合っていた。 全身を覆う気怠さはあったが、眠気はなかった。 と言うより、寝てしまいたくなかったと言うのが正しい。 「朝が来たら…奥州に帰られてしまうのか」 「んな寂しそーな顔すんなよ。まぁ、まだしばらくはこっちの屋敷にいるさ」 眉根でも寄っていたか、ぐりぐりと眉間をなぞられた。 「江戸にも屋敷をお持ちなのか」 「あぁ、俺が作った仙台の城程じゃあねぇけどな、庭も立派な良い屋敷だぜ」 なぞられた眉間を擦りながら聞けば、嬉しそうに自慢する。 自分の事はあまり喋りたがらないが、建物や物の造形にこだわるのが好きなんだと感じた。 「奥州はどのような所でござるか」 ふと、この方の生まれた国に興味を持った。 「そうだな…寒い所だ。寒いと言っても、雪はほとんど山向こうの最上に落とされ、乾いた風の吹く冷たい土地だな」 政宗殿の横顔が、遠く故郷を想う顔になった。 「だがその分人情に厚い。そーやって身を寄せ合ってなきゃ生きてけねぇってとこもあるんだろうが…」 自嘲気味に、だが誇らしげに政宗殿は続けた。 「俺はそんな、あいつらの住む国を、豊かにしたいと思ってる。農民も町人も武士も、みんなだ」 「…素晴らしい国なのでござろうな」 政宗殿があまりにも嬉しそうに喋るので、こちらまで何か嬉しくなった。 「お前は?お前の郷はどんな所なんだ、幸村?」 唐突に自分に矛先が向けられ、困惑してしまった。 先日、慶次殿に聞かれた時もそうであったが、故郷の事などほとんど覚えていない。 「確か…家の裏に林や小川があり、そこで駆け回って遊んでいた覚えがありまする」 政宗殿は黙って聞いていた。 「後は、何も…生まれ育った部屋も家も、もうおぼろげにしか覚えておらぬのです」 覚えていない事は寂しくなかったが、忘れてしまった自分を少し薄情だなとは思っていた。 「…帰りたいか?」 純粋な興味かと思いきや、聞いた政宗殿自身が辛そうな顔をしてお聞きになるものだから、少し返答に詰まった。 「いいえ…某の故郷は、最早ここにございますれば」 そう答えれば、政宗殿の顔が、少しほころぶ。 「某、帰りたいとは思いませぬが…」 「ん?」 「政宗殿の治める国は、見てみとうございますな」 きっと住み良い場所なのだろうと、想像しただけで胸が躍った。 「あぁ…そのうちな、見せてやる…」 それだけ答えると、政宗殿は俺を抱き締め、髪に顔をうずめるように眠りに落ちた。 俺も、その感触に酔いしれながら、いつしか浅い眠りに落ちていった。 花魁35
https://w.atwiki.jp/genesis-ticket/pages/609.html
【名前】 聚楽第 【読み方】 じゅらくだい 【主】 羽柴・秀次 【クラス】 不明 【登場巻】 4巻・上~ 【詳細】 伊達・小次郎こと羽柴・秀次が保有する航空艦。 未だ襲名者がいなかった羽柴の甥である秀次の居城。 秀次が眠った状態であるため艦長代理が駒姫であり、補佐として丹羽・長秀がついていた。 特徴は防御系が非常に高いこと。 4の下では沈み行くノヴゴロドを支えるために駒姫が船員を全員逃がしてから、 奥州を守るためにノヴゴロドを支えるが、沈みそうになる。 突貫しようとした駒姫だが武蔵サイドが兼定を使用。意識を取り戻した羽柴・秀次の 援助もあってかノヴゴロドの落下を和らげることに成功。 聚楽第はそのまま大破した。
https://w.atwiki.jp/bsr_e/pages/892.html
早朝の路地は昼の暑気を退け、到来間近の秋の涼やかさを運ぶ。 しかしそれがやさしく揺らす稲穂はまだまだ青くみずみずしく、金に実って頭を垂れるにはまだ遠い季節。 武田からの使いは、雄叫びと火の粉ともに現れた。 「開門願うッ!某は真田幸村、お館様からの使いでござるっ!」 来客にガンをくれることが役目の門番も、今日ばかりは耳鳴りを堪えて駆け出した。 だが、生憎と奥州筆頭は領内の見回りから戻ってきてはいない。 客室にてお待ちあれ、という女中の言葉を聞いているのかいないのか、 「ならばこの幸村、政宗殿を追うまで!」 熱血武者は行き先も聞かずに駆け出していった。 政宗×女幸村2
https://w.atwiki.jp/aizufudoki/pages/254.html
陸奥国 若松 郭外 千石(せんごく)町 大日本地誌大系第30巻 169コマ目 一番丁、二番丁、中間町、専福寺脇片原丁、高井丁通、専福寺前通、薬師前通、鷹匠町、餌指町 ※国立公文書館デジタルアーカイブ『新編会津風土記20』より 徒町の北にある1区にて通数条あり。 蒲生家の時知行100石を領せし者10人住せし地故(ゆえ)この名ありとぞ。今多くは足軽同心の居とす。 一番丁 願成就寺前通の北に並ぶ東西の通なり。 長1町47間・幅2間、家数7軒。 西端より北に折て二番丁に出る小路あり。 二番丁 一番丁の北に並び、長1町38間・幅4間、家数35軒。 西は専福寺前通より東は田圃(たんぼ)に通す。この丁、一に千石町大通ともいう。 (千石町分の地雑れり) 角場 この丁の北頬にあり(千石町分の地なり)。 寺院 千手院 この丁の東端にあり。 捕陀落山と號す。大町一桂院の末寺真言宗なり。 文禄2年(1593年)高清という僧開けり。 本尊千手観音客殿に安ず。 観音堂 境内にあり。 中間(ちゆうげん)町 二番丁の北に並び、通2条あり。 南を一番丁といい東西1町29間・幅2間、家数46軒。 北を二番丁といい東西1町29間・幅2間、家数37軒。 中間(*1)共の居所なり。 (千石町分の地雑れり) 専福寺脇片原(せんぷくじわきかたはら)町 中間町二番丁の北に並び、東西54間余・幅2間、家数11軒。 東端より南に折て中間町二番丁に出つ(東黒川千石町分八角分の地雑れり) 高井丁(たかいちやう)町 高井丁の末に続き前の数丁の東にある小路なり。 長1町余、家数3軒。 (千石町分の地なり) 専福寺前(せんぷくじまへ)通 前の数丁の西にて薬師前通の末に続く小路なり。 長1町26間余。 北は専福寺の門前に至る(この通みな東西の丁の裏行なり)。 寺院 専福寺 この通の北端にあり。 堂度真宗京師西本願寺の末山なり。應永の頃(1394年~1428年)助観という僧能登国よりここに来り本郡南青木組一堰村に一宇を結び遍く世俗を教化せり。天文中(1532年~1555年)助観より3世恵昌が時火災に罹り佛像経巻残なく焼失せり。永禄の始(1558年~)葦名盛氏恵昌が孫慶心という者に命じて寺を今の郭内米代の地に移さしむ(今その地詳ならず)。文禄元年(1593年)助慶が時蒲生氏の命によりて赤井丁(下町)に移れり。元和6年(1620年)助慶大谷本願寺に至り准如に謁し当寺の来由及び天文中火災に罹りしことを訴えしに准如即弥陀像、親鸞の影像、及び宗門の縁起等を授与し世々内陣に列せしむという。寛文中(1661年~1673年)災いに罹り今の地に移れり。 客殿 6間に5間半、西向。 本尊弥陀。 鐘楼 客殿の西にあり。 鐘径2尺5寸。寛文中(1661年~1673年)改め鑄る所なり。 『奥州會津若松縣專福寺大鐘寛永三丙寅曆仲冬十八日寛文七年未四月晦日願主釋覺源造冶工早山恒吉』と彫付あり。 ※寛永3年=1626年。寛文7年=1667年。 寶物 親鸞画像 一幅。裏に『慶長七年壬寅三月廿八日奥州會津郡門田庄若松專福寺常住物也本願寺釋准如願主釋助慶』とあり(慶長7年=1603年)。 聖徳太子画像 一副。裏書同上 顯如影像 一幅。『元和三年丁巳五月廿四日奥州會津門田郷若松專福寺常住物也釋准如判願主釋助慶』という裏書あり。 聖徳太子木像 一軀。長2尺5寸。自作の由いい伝う。 薬師前(やくしまへ)通 徒町願成就寺前通より北の方、臺町薬師堂の門まで長32間。 左は西に転じ臺町に出つ。長53間。 右は屈曲して専福寺前通に通す。長52間。 またはじめの通の中程より東に指たる行留の小路あり。長30間。 総て薬師前通と称す。 家数31軒。 (千石町分の地雑れり) 鷹匠(たかじやう)町 専福寺前通より西に折れ臺町の北に続ける小路に出る通2条あり。 南は1町11間余・幅2間、家数17軒。 北は1町9間余・幅2間、家数17軒。 蒲生氏の時鷹匠を置きし故(ゆえ)名けり。今も多くは鷹匠の居なり。 (千石町分の地雑れり) 餌指(えさし)町 前の2条の北に並び、長1町6間余・幅2間、家数21軒。 蒲生氏の時餌指(*2)の者を置し所故(ゆえ)名けり。 今もここに居住する者多くは餌指の者なり。
https://w.atwiki.jp/bsr_e/pages/849.html
長曾我部の船が、奥州を出港してから2日目。 引っ切り無しに襲い来る高波に、船の乗組員たちは船が沈まぬように、と懸命の作業を繰り返していた。 「水をかき出せ!船の均衡を保つ為にも、各員分散して配置につくんだ!」 「合点だ、お嬢!」 「これしきの波、まだまだ嵐とは呼べねぇぜ!」 叩き付ける雨に怯む事無く、元親は部下に指示を出し、自らも作業を続ける。 「元親」 「バカ!何で出てきたんだ!アンタは危ないから、船ン中にいろ!」 「貴様が船上で動き回っているのを、我にただ指をくわえて見ていろと言うのか!」 悪天候からか、ふたりは通常よりもかなりの大声で言葉を交わす。 「人を相手に水軍を操るのとは、訳が違うんだ!いいから餅は餅屋に任せてくれ!」 「お前をひとり、嵐の前に置き去りに出来るか!」 「頼むから言うとおりにしてくれよ!アンタにもしもの事があったら、アンタの心臓だけじゃなくて、俺の心臓まで止まっちまうんだから!」 雨に濡れた元親の表情が、まるで泣いているようで、元就は返事も忘れて彼女の顔に見入ってしまう。 周囲の囃し立てる声を背に受けて、元就は渋々ながらも船室に引っ込む事にした。 だが、そんな元就が足を動かそうとした刹那。 「つぅ…っ!」 「元親!?」 「──お嬢!?」 突如、腹を押さえて甲板の上にへたり込んだ元親に、一同は何事かと振り返った。 日増しに暗雲は、奥州の空を覆い始めていた。 幸村は、一向に晴れぬ気配の見込めない空と雲を仰いだ後で、部屋の角に纏められた荷物の一式に視線を移す。 いざとなれば、いつでもここを出立する事が出来るようにしてあるのだが、幸村にはどうしてもその決心がつかないでいた。 旅籠の人間の言うとおり、この調子では、十五夜に月を拝むのは無理だろう。 ならば、雨脚が強くなる前に奥州を去った方が良い。 元々、信玄の計らいで、通常よりもかなりの日数を頂戴していた使いである。 これ以上、滞在を延ばして「お館様」に迷惑を掛けるのも憚られる。 しかし。 (十五夜には、ここへ来て俺と月見をしろ。いいな!) あの時の、顔を赤らめながら自分を誘ってきた政宗の姿が、幸村の脳裏に蘇る。 「…政宗殿……」 果たして自分が取るべきは、主君への忠誠か、大切な人との約束か。 未だに答えが見出せない幸村は、溜息混じりに政宗の名を呟いていた。 嵐の過ぎ去った夜の海は、それまでの激しさとは打って変わった静けさに包まれていた。 空と海の両方に浮かぶ望月に、長曾我部の男たちは、船上の宴会と洒落込んでいた。 酒を飲まない元就は、海賊達から貰った月見団子と茶を載せた盆を手に、船内の奥にある元親の部屋まで進む。 「元親」 戸口で呼びかけると、中からくぐもったような掠れ声が返ってきた。 「入るぞ。良いか?」 「……どうぞ」 いつもの元親とは違う声色に、元就は極力音を立てずに部屋の扉を開けた。 焚かれた香と、紙燭の僅かな灯に包まれたそこには、段差のある場所に寝床を敷いた元親が、ゆっくりと身体を起こそうとしていた。 「無理をするな。辛いのだろう?」 「ん。でも、昨日よりは平気…薬も飲んだし。それよりいいの?今の私に近付くと、不浄に触れる事になっちゃうよ」 「我は神ではない。そのような下らぬ穢れなどクソくらえだ」 そんな元就の物言いが、幼き頃の彼のそれと良く似ていて、元親は面白そうに微笑んだ。 あの時。 嵐の中、突如うずくまった元親に元就は狼狽したが、何故か長曾我部の海賊達は、特に慌てた素振りも見せずに「姫様、お休み下さい」と、元親を船内に帰したのである。 訳が判らず理由を尋ねる元就に、海賊達は何処かにやけた顔で返してきたのだった。 何だかんだ言っても、あの人は『お姫様』だってコトだよ、と。 「予定では四国に帰ってからの筈だったんだけど、多分、月の満ち欠けに引き寄せられちゃったんだろうな」 下腹部の鈍痛に顔を顰めながら、それでも元親は冗談交じりに言葉を紡いだ。 元就は、室内の空気を入れ替える為に壁際の小窓を開けると、寝台の端に腰を下ろす。 「──ごめんね、元就」 「…何がだ」 「だって…ふたりっきりなのに、私、何も出来なくて……」 「馬鹿者」 申し訳なさそうに眉根を下げている元親の頭を、元就は手を伸ばして軽く小突いた。 姉貴37
https://w.atwiki.jp/bsr4serihu/pages/53.html
特定ステージ限定台詞<信玄> 又兵衛乱入時 「フッ、まとめて捻り潰すのみッ!」【皇】 応仁の跡 吟芽 開始時 「おぬしがワシをどう見るか…ワシも見せてもらうぞ」【皇】 安土四天集結 開始時 「ワシを置いて最強を語るな、小僧共ッ!」【皇】 関ヶ原の戦い西陰 開始時 「武田が天下を獲る為には、避けて通れまいて」【皇】 三河・小牧長久手 開始時 「腕も漢も上げておるようじゃな、竹千代!」【皇】 賤ヶ岳・織田尖兵進攻 開始時 「油断大敵じゃのう、若いの…フッフッフッフッフ!」【皇】 奥州・青葉城 火炎放射器を見て一言 「この軍配を、芭蕉扇代わりに、吹き消してくれるわッ!」【皇】 大坂・竜虎の陣 ステージ開始時 「フッフ…どれ、圧倒してみせようかのう」【皇】 全門開門時 「あの程度、防ぎのうちに入らぬわ!」【皇】 直虎女道場 ステージ開始時 「おぬしの試練、乗り越えてみせようぞッ!」【皇】 復活した直虎と戦闘時 「おぬしの中に風林火山を感じるわい」【皇】 遠江・井伊谷城 開始時 「フム…その自信、余程鍛えておると見た」 【皇】 出羽・最上川 開始時 「国も人も見栄えではない!中身じゃッ!」【皇】 加賀・前田花吹祭 開始時 「ワシに敵うと思うてかァーッ、ヌッハッハッハ!」【皇】 出雲・白鹿城 開始時 「見習いとて武士の端くれ! 恥じぬ働きぶりを、して見せい!!」【皇】 海賊要塞 百鬼富岳 百鬼丸と戦闘時 「これは…壊し甲斐がありそうじゃわい」【皇】 厳島三兵衛占拠 陣土竜と戦闘時 「これは…壊し甲斐がありそうじゃわい」【皇】 日ノ本穴道・如水線 穴道車に乗車時 「ヌハハハハハ!ワシを乗せ、何処までも走れいッ!」【皇】 武田漢道場 奥州主従に変化にした忍を見て一言 「おぬしら、一段と術を磨いたのう…大いに結構ッ!」【皇】 パワーアップした将軍を見て一言 「それでこそ武家の棟梁たる漢…見事じゃッ!」【皇】 豊臣双腕(一騎打ち) 「それがおぬしの選んだ道か、三河の… ならば良し! 虎の息吹を咲かせてみせい!」【皇】 儚し過日(一騎打ち) 「迷える若人か…ワシの出る幕はなさそうじゃが どれ、少し背中を押してやろうかの…!」【皇】 消えた姉上(一騎打ち) 「フム…浅井の、少し襟を正さねばならぬのではないか?」【皇】 いきもの協奏曲(一騎打ち) 「フッフッフ…! たまには羽目を外すのもよかろうて!」【皇】
https://w.atwiki.jp/chaosdrama/pages/934.html
2010年11月4日 それは、この日起こった新たな戦。 奥州の伊達、安芸の毛利 二つの軍勢による超大決戦が繰り広げられた。 安芸の毛利軍武将、毛利元就は あのシルヴィの力も無意味に変えてしまう恐ろしい新兵器、要塞「日輪」を用意し 伊達軍に襲いかかった。 あの要塞に勝てるわけがない。そう思った伊達軍は、高い所から奇襲をかける作戦を実行した。 結果、要塞に乗りこむことができ、いよいよ毛利軍との戦が始まった。 この乱戦の最後、衝撃的な展開が迎えていたのだった・・・・。 ―――――――――――混沌乱戦!混沌ヶ原の戦い BGCOLOR(silver) 関連ページ 大戦争編へ戻る コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/3900/pages/14.html
伊達政宗(だてまさむね)とは戦国BASARA3に出陣が決定した武将。主人公格のひとり。 3のあらすじ あいも変わらず天下を目指していたところ、新キャラの石田三成に奥州が弱体化するまでにフルボッコにされ、そのリベンジを狙っている。 3においての政宗様 9月3日。公式ホームページにて出陣が確認される。 9月19日。筆頭の体型と成長し続ける顎がどうしても気になる。セリフを聞き、まだ中二病は治っていないと安堵。 10月15日。公式ホームページにて刀4本を両手に上下逆に持ち(解りづら…三国無双知ってる人は曹丕の武器想像してみてくらさい)戦ってるスクリーンショット発見。新技か。
https://w.atwiki.jp/bsr_e/pages/845.html
滞在期間を終えた元親が、とうとう四国に戻る日が来た。 ただ、奥州へ来たばかりの頃と比べて変わったのは、何処か張り詰めていた元親の雰囲気が、目に見えて柔らかくなった事と、そして彼女の隣に無愛想だが、彼女を何よりも大切に想っている男の存在がある事だった。 「んじゃ、世話になったな」 「まったくだぜ。テメェの痴話喧嘩を、こんなトコにまで持ち込みやがって」 憎まれ口を利く事で、政宗は彼女との別離の寂しさを紛らわせる。 元親もそれを判っているのか、薄く微笑みながら政宗の頭をポンと叩いた。 「…アリガトな。色々と」 「お、おう。……ま、まあ、良かったじゃねぇかよ。何だかんだ言ってアイツ、お前にベタ惚れみたいだし。ありゃ逆に、別れて貰えなさそうだぜ?stalkerの素質充分だ」 悪友の揶揄に、元親は小さく吹き出すと、今度は政宗の隣に立つ小十郎を見た。 「貴方にも…本当にお世話になりました」 「また来ると良い」 「はい。頂いた野菜の種と苗木は、大切に育てます」 「判らない時はこれを見ろ。大まかな栽培方法を記しておいた」 「わあ…有難うございます」 周囲の目もあってか、敬語で話す元親を、小十郎はほんの少しだけ物寂しく思う。 手入れの行き届いた元親の指が小十郎のレシピに触れた時、僅かに近付いてきた元親から、 彼だけに聞こえる小さな囁きが届いた。 「──私、貴方の事が好きでした」 思わぬ不意打ちの告白に、流石の小十郎も内心でうろたえる。 「でも、貴方は何処までも政宗様ひと筋だから、早々に諦めちゃったんです。それに…」 「今は、アイツがいるから……か?」 「ええ。どうやら貴方と知り合うずっと前から、私、あの人に『ぷろぽーず』されてたみたいなんで」 「…言うようになったじゃねぇか。アイツに持ってかれるのが、惜しくなって来たぜ」 「ふふ。お世辞でも嬉しいですよ」 (……世辞じゃねぇんだがな) もう少しで吐露しそうになった気持ちを飲み込むと、小十郎は努めて平静を保つ。 すると痺れを切らせたのか、やや大股に歩み寄りながら、元就が出発を促してきた。 「お前の部下が、先程から退屈している。そろそろ切り上げろ」 「んだよ、毛利の知将様は随分とせっかちだな。こっちはお前と違って、これから暫く元親に会えなくなるんだ。もう少し、心の余裕ってモンはねぇのかよ?」 「…黙れ破廉恥女。貴様など、我の中ではそこの従者共々『捨て駒オブ・ザ・イヤー』に祭り上げてやりたいくらいだ」 「破廉恥って言うなっつってんだろ!」 一番言われたくない形容詞をぶつけられた政宗は、途端に顔を怒りに染める。 「ほぉ。ならば、貴様に倣って、lechery(エッチ・スケベの意味)とでも表現するか。ムダに『ぐろーばる』な貴様にピッタリであろう?」 「──この野郎!もう勘弁ならねぇ!」 もう少しで刀に手を掛けようとしていた政宗を小十郎が、そして、暴言を続けていた元就を元親が拳骨で止めた。 「元就がごめんな。でもアイツ、ホントに自分の興味の無いものは、声を掛ける事すらしないんだ。案外、お前の事を気に入ってるのかも知れないぞ?」 「な…あ、あんな陰険オクラ野郎に好かれたって、嬉しくねぇっ!」 「そうだな。お前が好かれたい野郎は、他にいるんだし」 元親の指摘に、政宗は途端に口を結ぶと下を向く。 「もうすぐ真田に会うんだろ?」 「ぅ…うん…でも……」 「大丈夫だ。アイツだって、きっとお前に会いたいって思ってるよ」 「……」 そうであって欲しいという期待と、元親がいなくなってしまう不安とで、政宗の心は揺れ動く。 そして気が付くと、政宗は周囲の目も憚らず、元親に抱き付いていた。 「政宗…?」 「もしも…アイツにふられたら、俺、奥州捨ててお前の所行くから」 「……そうなのか?でも俺は、絶対そうはならないと思うぜ?」 「元親…」 「──頑張れよ」 「…ん」 もう一度だけ抱擁を交わした後で、元親は政宗から離れると、船に乗り込む。 そして、それまでの穏やかな『姫』から、海賊の『長』の顔に戻ると、イレギュラーの1名を除いた乗組員全員に檄を飛ばした。 「野郎ども!奥州での命の洗濯は済ませたな!?碇を上げろ!四国に帰るぞ!」 「了解しましたぜ、お嬢!」 「お嬢ーっ!」 誇り高き海の男達の鬨の声に続いて、長曾我部が誇る大型の海賊船は、高らかな汽笛を上げる と、やがてゆっくりと港から離れていった。 姉貴35
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/16275.html
登録日:2012/02/29(水) 13 27 49 更新日:2024/03/18 Mon 19 14 16 所要時間:約 3 分で読めます ▽タグ一覧 南三陸町 宮城県 市町村 東北地方 漁港 町 街項目 被災地 そこがぼくらの故郷だった… 南三陸町とは、宮城県北東に位置する町である。 北側にフカヒレで有名な気仙沼市、西側に登米市、南側に石巻市など、有名な市町村に囲まれ知名度は低い。 しかし、漁業は他の市町村にひけをとらず、ウニ、ワカメ、ホタテなど、様々な海産物を全国に届けている。 南三陸町は、旧志津川町と旧歌津町が合併してできた町である。 先日、本吉町が気仙沼市と合併したため、本吉郡に所属する最後の市町村になってしまった… アニヲタの諸君にとっては、住みにくい場所かもしれない… 唯一のビデオレンタルショップであったケンズが後述する、東日本大震災の津波によって流出し、コンビニなどで調達するようになってしまった。 志津川地区登米市に歌津地区は気仙沼市に買いに行ったほうが早いのが事実である。 それでも豊かな自然、優しい町民たち、有名な心霊スポット、旧水界トンネルなど、都会で疲れた体を癒せる場所には間違いない。 また、南三陸町の都市部とも言える志津川の中心地には、こぢんまりとはしているが、ゲーセンがあり、ファストフードもあるサンポート 安くて、主婦にも人気のあったスーパーウジエスーパー お年寄りから、こどもまでお世話になった志津川公立病院などがあった。 歌津地区には、世界遺産に認定された奥州平泉に勢力を持っていた奥州藤原氏と深い繋がりがある霊峰田束山 国の天然記念物に指定され、世界で南三陸町にしかないとされるウタツギョリュウ化石 歌津の皿貝地区には化石が良く見つかるので、化石マニアの人もよく訪れる。 追記・修正は南三陸町に来た人がお願いします △メニュー 項目変更 あんだだづ、ぜひ おらほさ来てけさいん -アニヲタWiki- しかし、悲劇が起きた 3月11日に起きた東日本大震災により、南三陸町も大きな被害を受けた。 津波は20m近くを観測した。 ニュースで、南三陸町で1000人もの遺体を発見したとのニュースは記憶に新しいのではないだろうか。 南三陸町の町民全員で復興に向けて頑張っている。 震災からもうまもなく1年となる今、未だに頑張っている人々がいることを思い出してほしい… 南三陸町の明日はどっちだ!! 追記・修正は、南三陸町を未だに思う人がしてください △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] で、結局あのトレーラー私物化町長はどうなったんだ? -- 名無しさん (2014-04-15 23 44 07) 名前 コメント