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東欧夫婦のえっ、なにそれこわい 30 コアラ無い人 sage 2009/06/17(墺) 21 57 44 妻「なにか鮭の魚になるようなのつくってきましょうか?」 わたし「魚をどうやって作るんです?」 妻「余り物で適当に作ってきますけど、烏賊が」 わたし「えっ」 妻「えっ」 わたし「いくらから?」 妻「お金はいらないわよ」 わたし「えっ」 妻「えっ」 わたし「なんだか気持ち悪いからいらないです」 妻「そう。さっきの大根の煮物の鯵はどうでした?」 わたし「鯵なんてなかったですよ」 妻「うそ。ちゃんとしみこんでたはずよ」 わたし「大根に鯵が?」 妻「ええ。山車と神その鯵が」 わたし「なにそれこわい」 妻「えっ」 わたし「えっ」 31 眉毛有る人 sage 2009/06/17(英) 23 29 58 それで結婚できたのかよお前はw 結婚前のエピソードkwsk 34 コアラ無い人 sage 2009/06/18(墺) 00 44 34 . 31分かりました 洪「血痕って・・・どう思います?」 わたし「えっ」 洪「私の事嫌いですか?」 わたし「あなたのことはだいすきです」 洪「じゃあ血痕の事も考えてみてください」 わたし「なにそれこわい」 洪「えっ」 わたし「こわいから・・・ずっといっしょにいましょう」 洪「なにそれ素敵」 39 コアラ無い人 sage 2009/06/18(墺) 03 03 34 洪「死期は・・・いつが良いですか?」 わたし「えっ?」 洪「この日なんてどうですか?」 わたし「どうしてその日なんです?」 洪「この日ならみんな死期に来れるし」 わたし「わたしが死んだらどうするんですか?」 洪「そんな事言わないでください・・」 そう言って 彼女はわたしの唇をそっとふさいだ・・・ 彼女が死神ならそれも運命です・・ わたしは受け入れることにした・・ わたし「良いですよ・・その日で・・」 洪「あの、教会で殺りたいんですけど・・」 わたし「はい・・あなたがそうしたいなら・・」 洪「やっぱ撲死って良いですよね」 わたし「なにそれひどい」 洪「教会といったら撲死でしょう?」 わたし「そうなんですか・・あまり痛くしないでくださいね」 洪「えっ?」 わたし「えっ?」 47 コアラ無い人 sage 2009/06/18(墺) 11 43 19 普「じゃあ、神父に誓いのキスな」 わたし「えっ」 洪「ほら、早く」 わたし「なんでキスしないといけないんですか?」 普「は?神父と永遠の愛を誓うんだろ?」 わたし「そんなのいやです!」 普「えっ」 洪「えっ」 わたし「みんなでわたしをだましてたんですね!」 会場「ざわ…ざわ…」 洪「…私を永遠に愛すると誓ってくれないのですか?」 わたし「誓います!!」 普「えっ」 会場「えっ」 洪「えっ…?」 チュッ 51 コアラ無い人 sage 2009/06/18(木) 14 14 37 洪「結婚後は仮定に入ろうかしら」 わたし「そんな、あなたとわたしの愛は偽りだっていうのですか?」 洪「えっ」 わたし「えっ」 洪「私はあなたのために仮定に入ろうと思ったんですよ」 わたし「わたしのためを思うなら仮定には入らないで欲しい、そのかわり家庭に入って欲しいです」 洪「えっ」 わたし「えっ」 洪「言ってることがよく分からないけど、仮の話ってことですか?」 わたし「わたしが欲しいのは真実の愛です」 洪「えっ」 わたし「真実の愛が手に入るなら、課程なんてどうでもいいです」 洪「じゃあ、私やっぱり仕事を続けるわ」 わたし「なにそれひどい」 洪「えっ」 わたし「えっ」 52 メシマズ無い人 age 2009/06/18(仏) 16 18 33 うん、お兄さんちょっと感動した お幸せにな .
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第三回やらしまオゥフ開催日時 2013年4月13日(土) プリキュア映画鑑賞組:10時35分新宿集合 やらしま宅合流組:13時40分 小田急相模原駅集合 20時解散予定 開催場所 やらしま宅 参加メンバー 定員6名 伊藤,内山,皆嶋,江口,宮村,福田,葉桜(未定) やる事(予定) プリキュア映画鑑賞(バルト9) ボードゲーム 第二回やらしまオゥフ開催日時 2012年9月8日(土) 10時 小田急相模原駅集合 20時解散 開催場所 やらしま宅 参加メンバー 定員6名 伊藤,内山,皆嶋,江口,福田,原島(未定) やった事 やらしま部屋探険隊:フィギュア開封 プリキュア鑑賞会(複数話) ボードゲーム:カタン,パンデミック ひるめし! よるめし! 第一回やらしまオゥフ開催日時 2012年3月3日(土)桃の節句・雛祭り 10時 小田急相模原駅集合 20時解散 開催場所 やらしま宅 参加メンバー 定員6名 伊藤,皆嶋,宮村,内山(柴田研OB、ゲスト参加),原島 やった事 オフラインゲームボードゲーム:パンデミック 富〇フイ〇ム寮凸(未決行,次回持ち越し) テレビゲームPS3:ワンピース海賊無双 PSP:桃太郎電鉄 ひるめし! よるめし!
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検索してはいけない言葉(イメージ検索) 画像検索すると「野崎コンビーフ」「イメケン トラウマ」「蓮コラ」「かわいくさせて」など 検索してはいけない言葉の集大成なので一番危険なのかもしれない。 補足:管理人はモタ男が、副管理人は蓮コラが苦手です。
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どこが良いやら ▲upWed, 23 Apr 2008 23 37 18 GMT ブログのお引っ越しは、もっと画像を載せられるところを 探しています。 ここは枚数にも制限ありますし、不適切な画像はngなので。 これからもうちょっとアダルトな画像を載せたかったので ヤプログさんだとすぐに削除されてしまいそうです。 連休は旅行するので、その時にでもゆっくり探してみま~す。 それまではこちらで。 前の日記 次の日記 「ぽっちゃりソープ嬢さくらのブログ☆出勤は謎☆」
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言葉は、時に残酷だ。 人を幸せにする力もあれば、何気ない一言で、絶望の底に叩きつけられる事もある。 何の心の準備もないまま言い放たれれば、大小に関わらず、心が傷つけられる事も少なくない。 唯一、人が使う事の出来る言葉というものを、私達はコミュニケーションの手段としているわけだけど。 常用的に使用する手段だから、よっぽど注意していないと、ぽろっと対話している相手が不快に感じる事をこぼしてしまう事もある。 私が抱いている気持ちも、直接的ではないにしろ、言葉にする事で傷つく人がきっといる。そう思って、今までずっと隠してきたのに。 なのに、日に日に大きくなって、抑えきれなくなりそうなこの気持ちは、いつになったら治まってくれるんだろう。 いや…抑え切れるようなものじゃない事位、もうわかっているのかもしれない。 でも、伝える事で壊れてしまう日常が怖くて、辛くて。 どっちかを選ぶなんて出来ない臆病な私の心は、悲鳴をあげはじめていた。 そんな矢先の出来事。 私の想い人の放った言葉は、私の胸に深く突き刺さった。 『届けられない言葉』 夏の暑さと言うのはとどまる事を知らず、雲ひとつない空から、太陽は休む事なく、元気に私達を照らし続ける。 外で、緑の生い茂る木々に留まって、太陽と同じように元気に鳴いている蝉は、暑さを助長しているように感じるのは何でだろう。 冷たい飲み物も、飲んだそばから汗になって放出されてしまって、気休め程度にしかならない。 そんな、眩暈さえしそうな長いようで短い夏休みが先月の事。 3年目、高校生活最後の夏を迎えた私達は、決して今までのように遊んでばかりはいられなかった。 夏休みは宿題もあったし、受験勉強だって手を抜けない。 そんな中、こなたやみゆきと一緒にいる機会は増えたような気がする。 大抵は勉強会をしていたんだけどね。 その機会が増えたのは、こなたが動いていたからだって事を、私は知ってる。 あいつは、夏休み前に自分が言っていた事をすぐ行動に移していた。 勉強会をしようと言い出すのは、だいたいはこなたから。 そういう機会だからって、私達の家とは少し離れた場所にある家から、みゆきもわざわざ出向いてくれた。 勉強会はそれぞれの家を行き来していたんだけど。それでも、勉強会は週に2回程度。 こなたは、事もあろうか、ほぼ毎日のようにうちに押しかけてきた。 その時の言い訳は、決まって「さびしんぼのかがみうさぎが寂しがってると思ってネ~」だった。 つかさは、こなたが遊びに来るのが余程嬉しいのか、ほいほい家の中に招き入れてしまう。 一応、受験生の自覚が少しは出てきたのか、勉強道具は持参してるんだけど…。 この2人が揃ってしまったら、勉強なんて出来るわけがない。今までの経験上、間違いないと、私の直感がそう告げる。 まぁ、わざわざ暑い中をうちまで来たのに、門前払いというのもさすがに可愛そうだから、私も何も言わなかったけど。 でも、せめてアポ位とれよな…。私達が家にいなかったらどうするつもりなんだ。 そうして家に入れてやると、最初こそ問題集とノートを広げてうんうん唸っているものの、 すぐに集中力が切れて、つかさ共々遊びだしてしまう。 「冷房がきいてる部屋だと、外の暑さとの差を嫌でも感じちゃうから、堪能しておきたいのだよ」 そんな言葉につかさも賛同していたけど、こいつらの場合は暑かろうが涼しかろうが関係ないのは知ってる。 結局そうなるのは目に見えていたけど、やれやれだわ…。 勉強会をしようって、いつも言いだしっぺがそんな姿勢じゃなぁ。 けど、珍しくこなたは宿題を自力で解こうとしているのには驚かされた。 思った事を言ってみたら、 「私だって、やる時はちゃんとやるんだよっ」って、口を尖らせて、頬を膨らませてむすーっとした顔がやたら可愛かったのを覚えてる。 ただ、日を重ねるにつれて、そのやる気とやらはどこかへ行ってしまったみたいで、最終的には、私がやった宿題を写している始末。 せっかくやる気を出したと思ったら、結局そうなのよね、予想はしてたけど。 それでも悪びれた様子も見せずに、うちに通い続けるこなたを、本当は私も歓迎していた。凄く嬉しい事だった。 口では「本当に毎日来るなよ!」と言ってたけど。 有言実行である事もそうだし、相変わらず広がり続けるこなたへの想いも相まって。 今まで以上に忙しかったけど、充実した夏休みを過ごせたと思ってる。 それはきっと、4人の時間が何ら変わりなく、そこにあったから。 勉強していようが、遊んでいようが、内容は関係なくて。 皆の気持ちが一緒だから、不安なんてどこにもない。それを、ひしひしと感じる事の出来た夏だった。 その長いような短いような、時間の感覚が曖昧になりそうな休みも既に終わり、季節的には秋。 今日もからっと晴れていて、まだ残暑が厳しいけど。 緑で生い茂っていた木々も、段々と草葉を枯らせていき、やがては脱ぎ捨てた衣を木枯らしとして舞わせる時期がやってくる。 あの充実した日々が、とうの昔のように感じられる、9月の半ば。 「あ~あ…休みが終わっちゃったよ…」 いつも通り、お昼のチョココロネを食べ終わった後に、机にべたーっと張り付きながらこなたはそうぼやいた。 片付いたお弁当箱をランチクロスに包みながら、つかさがうんうんと大袈裟な位に頷く。 「そうだよね~、夏休みの間は長いな~って思うんだけど、終わっちゃうと恋しくなっちゃうよね」 「だよねー。何もかも、皆懐かしい…」 「あんたは、またそのネタか」 いつも通りに突っ込みを入れながらも、私も実際は同じ気持ちだった。 目を閉じれば、忙しくも充実した夏休みがまだ鮮明に思い出せる。 時が経つにつれて、その記憶は多分薄れてしまうだろうけど、この夏の事はきっと忘れないと思う。 しっかり記憶に刻まれる位、思い出を残したつもりだから、後悔の念はない。 でも、どうしてなんだろう。 半開きの教室の窓から吹き込む緩やかな風が私の髪を揺らす。 風に乗って、ほんのり甘く香るのは…金木犀かしら。 金木犀の匂いがすると、秋もそろそろ本番って感じがする。 この後は、きっと駆け足で紅葉が校庭の周りにも映えて、更に駆け足で葉は枯れて、冬が来る。 そう思うと、少しだけ。 本当に少しだけだけど、寂しい気持ちになる。 私達の、高校最後の夏は、もう終わってしまったんだって。 私も、つかさにみゆき。そしてこなたも。 口には出さないけど、きっと思ってる事は一緒なんだと思う。 きっとまた、4人で過ごす夏はすぐ訪れる。 けど、同じ時は二度と来ない。だからこそ、今が大切なんだって、私は思ってる。 この何の代わり映えのしない日常が、本当はとても幸せな事なんだって、知ってるつもり。 だからこそ、季節が移ろう匂いがすると寂しいって、そう感じるのかもしれない。 それでも、私は前に進むって決めたから。未来を切り開くのは、他でもない、自分自身。 この日常が続くかは、要するに私次第なんだ。 後ろを向いて、過去に囚われていたら、私の中の日常はそこで終わってしまう事に気付けたから。 季節は、時間は、きっと駆け足で過ぎていくと思うけど、私もそれにしっかりついていかなきゃ。 私達の日常を、これからも続けるためにも。 そんな事を考えていた。 その思考を止めて、そっと目を開けると、広がるいつもの風景。 私の親友3人をゆっくり見渡すと、少しの寂しさはもう払拭出来たような、清々しい顔をしていて。 3者3様の笑顔を私に向けてくれる。これが絆なのかなって思った。 心で通じ合えてるんだ。 口にしちゃうと、すごく陳腐なものに聞こえちゃうかもしれないけど。 柄にもなく、私はそう思わずにはいられなかったから。 だから、私も3人の笑顔に向けて微笑んだ。 「しかし、折角の夏休みだったし、大きなイベントに参加したかったな~」 こなたは、椅子の背もたれによっかかりながら、口を尖らせた。 「そうですね、今年は皆さんのお宅にお邪魔した位で、私もどこにも出かけませんでした」 さすがのみゆきも、今年は勉強に専念していたし、当然よね。 (ていうか、みゆきの家なら別荘とか持ってそうだから、避暑地って感じで、そういう所で勉強したりしないのかしら…?) でも、みゆきが別荘を持っているかなんて聞いた事もないから、予想の範囲を脱しないんだけど。 「私も、今年は出来るだけ勉強に専念しようと思って。いつも予定通りに動けないから」 えへへと頬を掻きながら困ったような笑顔を浮かべる我が妹。 だけど、結局予定通りには動けなかったのよね。 「予定なんて、立てるだけ無駄なのさっ。だから私は最初から立てないヨ!」 「えばるな!ていうか、つかさが予定通りに動けなかったのは主にあんたのせいだろうが!」 うん、こいつが毎日のようにうちに押しかけてくるから、つかさもそっちに気が引かれるんだ。 つかさの意志が弱いと言ったらそれまでだけど。 「何だかんだ言って、かがみだって私が来るのが嬉しかったくせに~」 「そ、そんなわけないでしょ!誰があんたなんか…」 思ってる事とは違う言葉が出てしまうのが私の性分だから、つい否定の言葉を口にしてしまう。 こなたの、私をからかうようなにまにま顔が、全てお見通しだ!と言わんばかりに見えて、見栄を張ってるのかもしれない。 これだから、こなたにツンデレとか言われるのかな。 「でも、お姉ちゃんも追い返したりしないよね。それに、こなちゃんが来るかもしれないからって、お部屋片付けたり宿題を―――」 「つかさ!何余計な事喋ってるんだ!?」 慌てて側にいたつかさの口を手で塞いだ。 どうしてこう、つかさは口が軽いのよ…。そりゃ、誰にも言うな、とは言ってなかったけど。 でも、塞いだ時には既に遅かった。 「ほっほう。かがみ、やっぱり嬉しいんじゃん?宿題も絶対見せないとか言いながら…いやぁ~、私も愛されてるね~」 「う…うるさいっ」 顔がすごく熱い。 それに、心臓の音が少しうるさい。 恥ずかしいっていうのもあるけど、取り方によっては、こなたに気があるような行動だから、ばれてないよね?って言う気持ちもある。 実際、気はあるわけだけど。 でも、今まで隠し通して来たんだ。今ここでばれて、この日常が壊れるのだけは避けたい。 それなのに、憎まれ口を叩くものの、否定しきれてない否定しか出来ない。 今更気付いたけど、私ってすごくわかり易いかも。 「かがみってば、顔赤くしちゃって。相変わらずのツンデレっぷりだネ」 …でも、当の本人がこれだけ鈍感だと、さすがに少し寂しいわね。 いや、こんなのは普通じゃないんだから、考えないのが普通だけど。 ていうか、いつもいつも気にしてるのが私だけなんて。 (なんか納得行かないっていうか…) 不公平だなと思った。 これだけ想ったところで、私の気持ちはこなたには届かないし、こなたにとって私といる事は、私の思っているそれとは違うだろうし。 親指をぐっと立てて、いい笑顔でぐっじょぶ!とか言ってくるけど、それが逆に悲しくなったのは何でだろう。 素直に喜べないのは、多分私が望んでいるのが非日常だから。 この気持ちに気付いてからはいつだって、この気持ちを隠し通す事への不安と、本当に少しの期待に揉まれながら過ごしてきた。 言葉にする事も出来ない気持ち。けど、治まるどころか、広がり続ける気持ち。 期待しても報われない望みだったら、捨ててしまいたかった。 いっそ、吐き出してしまえたら楽だった。 でも、出来なかった。しちゃいけない。 同性同士、気持ちのいいものじゃ決してないんだと思う。 こなたなら、そういう人がいても理解はしてくれそうだけど、その矛先が自分に向いてると知ったらどう思うだろう。 怖いけど、聞いてみたい。何よりも知りたくないけど、何よりも知りたい。すごく矛盾した気持ち。 最近、本当にそんな事ばかり考えるようになっていた。 受験だ何だと言っていたのに、私の方が気になって集中出来てないんだから、せわないわ。 同性ってだけで、こんなに悩む事になるなんて、考えてもみなかった。 本当なら、普通の友達同士、いつまでも仲良くやっていけるはずだったのに。 どこかで歯車が狂った。 けど、そんな言葉で片付けたくない、今は大切な気持ち。 自分が女だと言う事を恨んだ事はない。こなたが女だと言う事を恨んだ事もない。 今の私達だからこそ、この関係でいられるんだから。 どっちかが欠けるだけでもダメ。 だから、私がこれ以上を望んだらいけないのも必然で。 二つの欲望に挟まれて、そんな堂々巡りを繰り返してる。 何も出来ずに悲鳴を上げるしかないのが、今の私。 (苦しいわよ…こなた…) 空は雲ひとつない、からっと晴れた青空。風も段々と澄んで来ていて、心も体もクリアにしてくれそうな気さえする。 けれど、私の心が穏やかになる事は、ここ最近はずっとない。 誰に聞こえるでもなく、私は本当に小さく、本日何度目かの溜め息をついた。 「でも、あんたの場合はコミケとか行ったじゃないのよ。十分大きいイベントじゃない」 「コ…コミケ…」 コミケという単語を聞いた瞬間にびくっと、怯える小動物のようにつかさは肩を震わせた。 つかさにとって、あの時の事がよっぽどトラウマになっているらしい。 その要因を作った本人は相変わらず、例の同人即売会には足を運んでいる。 この小さな体のどこにそんなパワーがあるのか疑いたくなるほど、気力に満ち溢れる特大イベントなわけだ。 「まあね~。年に2回の祭典だよ?そんなイベントを私がみすみす逃すと思うのかね、かがみん」 「あ~…はいはい、わけないわね」 その時の事を思い出しているのか、自身のアホ毛を揺らしながら、興奮冷めやらぬ様子のこなたとは対照的に、ちょっとげんなり気味な私。 なぜかと言えば、懲りずに今回も、こなたの誘いに付いていった事が原因だったりする。 だって、「かがみだけしかいないんだよ~!」なんて、瞳を潤ませて、少し泣きそうな顔して懇願されたら、断れないじゃない。 惚れた弱みって言うのかしら…我ながら情けないとも思うけど。 そもそも、早朝とはいえ、ただでさえ暑い時期に、あんな行列の中でよく並ぶ気になれるものだと感心してしまう。 普段なら、暑い、やる気出ないとへたばってる癖に、そういう事に関しては、まるで別人のようになっちゃうんだから。 結局、私にとっては何も変わった事なんてなかったし、疲れて帰って来ただけなわけで。 それでも、私もこの手のイベントには慣れたもので、こなたに指示されたルートを回りきれるようになったし、 雰囲気を楽しめるようになってきた上に、持ち帰ってきた疲れさえ、少し心地よく思えるような気さえするようになってしまった。 本当に、こなた色に染められてる気がしてならないわね。 「かがみも何だかんだ言って付き合いいいよね~。散々文句言いながらも付いてきてくれるんだから。 もしかして、かがみとのフラグが立った!?」 「た、立つわけないだろ!」 嘘。もうとっくのとうに立ってた。 こなたが言ってる事は寸分違いなく当たってる。 でも、人をからかうようなニマニマ顔でそんな風に言われたら、こなたは冗談で言ってるんだろうなって、すぐ分かる。 分かるけれど。そんな風に目を輝かせて嬉しそうにされたら、気になっちゃう。 気付いて欲しい。でも、気付いて欲しくない。 心地よい胸の高鳴りと、知らせる事の出来ない苦しみとで、何とも言えない気持ち。 …何だか、今日の私はいつもより感傷的みたい。 「まあさ、かがみには本当に感謝してるわけだよ。私の用事なのに、毎回付き添ってくれるから、行き帰りも、待ち時間も楽しくてね~。 お父さんが行ける時はいいんだけど、行けない時はずっと私一人で行ってたし。だから、深い内容がわからないまでも、 一緒に行ってくれる人がいるって言うのは、嬉しい事だヨ」 こなたは、嬉しそうにそう言った。 よく、そういう気持ちを素直に言えるなと感心する。 私とは正反対なその素直さが羨ましい。 「べ、別に…たまたまその時期が暇なだけよ。暇つぶし位にはなるかなと思って、付いて行ってあげてるだけなのよ」 結局、照れ隠しに思ってる事とは逆の事を言ってしまう。 たまには、素直に自分の気持ちを言えたらいいのに。 「いやいや、いくら暇つぶしだからって、帰宅後に神社の手伝いがあるあの年末の時期に、 わざわざ疲れの溜まるイベントに行く物好きはいないって」 ぅ…痛いところを…。 そう、私のところは神社だから、大晦日から元旦にかけては当然家の手伝いがある。 コミケも大体御用納めから大晦日にかけて開催される。タイミングがどんぴしゃりだ。 それが去年の話だけれど、結局私も付いて行ったのよね。つかさも初参戦で、それがトラウマになってしまったんだ。 確かに、あの後の家の手伝いはかなりしんどかったわ。 仕事後にすぐベッドに倒れて、そのままぐっすり、夕方まで眠っちゃったわよ。 「まあ、私は行くけどネ!」 「あぁ、あんたなら間違いなく行くだろうな…」 あの時の事を思い出すと、どっと疲れが出るような気がして、力ない返答しか出来なかった。 さっきは心地よい~なんて言ったけど、疲れるものは疲れる。 疲れた体に鞭打って仕事してるんだから、なかなかの拷問だ。 その度、もう次はないぞと思うけれど。 結局、こなたの頼みを断りきれない自分の姿が容易に想像出来てしまうのがちょっとだけ癪だった。 まあ、その想像は現実のものとなったわけだから、私の意志も弱いと言うか、何と言うか。 「ま、次もよろしく頼むよ、かがみん~」 「ちょっと待て、私が行くのはもう決定なのか?」 「え、だって私達戦友じゃん?」 「誰が戦友か!断固拒否よ、拒否!」 「ふふん、そんな事言って、結局付いて来てくれるもんね、かがみは」 机にべたーっと張り付いていたこなたは、目の前に立っている私を見上げながら、嬉しさ満点の笑顔を浮かべてる。 心を見透かされてるようで、直視出来ずに思わず視線を逸らせてしまった。 顔は相変わらず熱い。心の火も燃え広がってる。きっと、顔は赤い。 逸らした先でふと気付いた。 つかさとみゆきが、何だか幸せそうな顔で私達の事を見ている。 「二人共どうしたのよ。そんなにニコニコして…そんなに私達のやりとりがおかしかった?」 「え、えっと…面白かったのは確かなんだけどね。それだけじゃなくて、何かいいなぁ~って」 羨ましそうな顔で、そんな風に言われた。 つかさが羨ましがる事なんて、今のやりとりであったかしら? 「ええ、いいですよね。御二人の受け答えを見ていると、何だか気持ちが和むんです」 つかささんもそうですよね?と、やんわり笑顔を保ったままみゆきは問いかけた。 「うん。お姉ちゃんもこなちゃんも、すごく仲よくて羨ましくてね。見てるだけで、何だかふんわりした気持ちになれるんだぁ」 つかさが何を言いたいのかは何となくわかったけど、イマイチぴんと来なかった。 私とこなたが仲が…まあ、悪いとは思わないけど、それを見てるとふんわりした気持ち…? 嬉しそうに笑うつかさの顔を見ると、あんたの方がよっぽどふんわりしてるわよ、と突っ込みを入れたくなった。みゆきも然り。 「ただこなたがしょうもない事言ってるから、私が諭してるだけじゃないのよ」 「ふふ、そうですか」 それでも、みゆきは意味深な微笑みを浮かべるだけだった。 つかさもニコニコしながらこっちを見てくるもんだから、また恥ずかしくなってきて。 また、こなたの方へ視線を戻さざるを得なくなって、そちらへ瞳を移すと。 小首を傾げてちょっと考えている風な顔が視界に入った。 頭の上にクエスチョンマークがいくつも浮かんでいそうだ。 「私達はいつも通りのつもりなんだけどねぇ。ねぇ、かがみ?」 どうやら、こなたも私と同じ事を考えていたらしい。 私はそれに同調するように、手を広げて肩をすくめるジェスチャーをして見せた。 「何て言うのかな…姉妹みたいっていうかね」 「いや、面倒のかかる妹はあんただけで十分よ」 「ちょ、ひどっ!」 フォローするように言葉を紡いだつかさに、すかさず突っ込みを入れてしまった。 そんな私の突っ込みに、こなたも反射的に不満の声を漏らした。 あまりに勢いよく椅子から立ち上がったために、「ふぉ!?」と情けない声を出しながら、バランスを崩しそうになって、机をがたんと揺らす。 そのやりとりを見て、やはりみゆきはくすくすと笑っていた。 「そのようなやりとりが自然に出来るのが羨ましいんですよ」 そうは言われても、私はつかさともみゆきとも同じように接してきたつもりだ。 最近は…と聞かれると、少し自信はないけど。 こなたが私をからかうような事ばかり言ってくるから、思わず突っ込んでしまうだけ、それだけなのよ。 「う~ん、みゆきさんやつかさにも同じようにしてるつもりだよ?」 私の思いを代弁するかのように、こなたがみゆきに問いかける。 みゆきはそれに対して深く頷いて、それから私達に柔和な笑みを余す事なく浮かべる。 見ているだけで、同性でありながらも心奪われそうになるその笑顔は、本当に聖人君子だなぁと思わせる。 「えぇ、存じています。でも、こなたさんとかがみさん、御二人の間には、言葉には出来ない力が働いているんだと、私はそう思いますよ」 「力…?う~ん、よくわかんないよ」 先程クエスチョンマークをいくつも頭の上に浮かべていたこなたが、更にクエスチョンマークの数を増やしたようだ。 その疑問も当然だと思う。私も全く意味がわからない。 それなのに、何故かつかさだけがみゆきの言っている事がわかっているかのように、うんうんと頷いている。 いつもと違う光景に、すごく違和感を感じてしまう。 「そうしようと思って発している力ではないので、御自身で理解するのは難しいかもしれませんね。 ですが、第三者である私から見れば、そういう風に感じるんです。御二人の楽しそうな姿を見るのが、日課のようになっていますから」 私とこなたに目配せした後、またにっこりとみゆきは微笑んだ。 それに対して、珍しくこなたは少し頬を桜色に染めながら、頬をぽりぽりとかいた。 「何か面と向かってそう言われると照れちゃうよネ。そんな風に考えた事もなかったよ」 全く同感だった。 過去に言われた事もないような事を急に言われれば気恥ずかしくもなる。 ましてや、みゆきやつかさの言う事だ。お世辞や冗談でそういう風にはきっと言わない。 本当にそんな風に見られてるんだって思ったら、余計に恥ずかしくなった。 「うーん…めおと?」 「…はぁ?」 つかさのわけのわからない発言は、熱くなった顔に水をかけられたみたいで、少し面食らってしまった。 ていうか、何でいきなり何の脈絡もなく夫婦なのよ。 「ほら、お姉ちゃんとこなちゃん、夫婦漫才みたいだな~って」 「したくてしてるんじゃないっての。ていうか、そんな風に見てたのか?」 苦笑しながら、つかさのおでこを小突いてやった。 小さく「あぅ…」と声を上げて、つかさは自身のおでこをさすった。 そんな可愛らしい反応に、私もみゆきもこなたも。皆、自然に笑顔になった。 いつもとは少し違う雰囲気だったけど、流れているのはいつもの時間だ。 みゆきやつかさが言う力っていうのが、イマイチ何なのかはわからないままだけど。 むしろ私は、この時間こそが、みゆきの言う力ってやつが働いてるものだと思ってるから。 私の好きな、温かい時間は、今日もこうしてゆっくり流れてる。 …はずだった。 「あ、じゃあ恋人とか?」 「…え?」 まだ、つかさの意味不明なパラレルワールドは続いていたらしい。 いや、私にとっての問題はそこじゃない。今、何て言った? もしかして… 「いつも一緒にいて楽しそうだから、そういう言葉が似合うんじゃないかな~って。違うかな?」 正直ほっとした。一瞬、ばれた?と疑ってしまった。それ位に、私を動揺させるには十分な単語だったらしい。 でも、言いたい事は大体わかったけど、それはいくら何でも飛躍しすぎだろ。 そもそも、何でそんな風に思って、それを口に出したんだ。 "恋人"。 それはきっと、今私が一番望んでいて、でも望んじゃいけない禁断の果実のようなもの。 けど、わかっていても、手を出したくなるのが人の真理と言うものなのかもしれない。 手を出したくなる衝動をずっと堪えてきた自分が言うのだから、きっとそうだ。 そこに、何の前触れもなく舞い込んで来たその一言は、私の心の炎に更に油を注ぐには十分だった。 「ち、違うも何もっ!何で私とこなたが…こ、恋人なのよ!女同士じゃない!」 語気を荒げてしまった気がする。その証拠に、つかさが一瞬びくっとなって、目を瞑った。 つかさは何気なく言っただけだし、私がそんなにムキになる事でもないはずだと、5秒程経ってから思い至った。 それについて謝ろうと思ったところで、違和感に気付いた。 いつものボケが未だに来ない。 気になって、横目でこなたの事を覗き見てみると。 何故か、目をぱちくりさせて、微動だにしない姿がそこにはあった。 昼食後のゆるやかな時間の流れを、B組の教室にいる数名で醸し出しているわけだけど。 まるで、そこだけ時間が切り取られたかのように、動きを感じさせない。 「こなた?」 私の声に肩をびくっとさせ、「うぇ!?」と、変な声を上げる。 「あんた、どうしたのよ」 「え?あー…つかさがあまりにも突拍子もない事言い出すから、びっくりしちゃってねぇ」 手をひらひらとさせながら、あはは~と、軽く笑った。 「つかさは時を止められたんだね~。しかし…おれが時を止めた…9秒の時点でな…そして脱出できた…やれやれだぜ…」 「またあんたは、他の人を置いてけぼりにしてわけのわからん事を…」 私はまだわからなくもないけど、つかさとみゆきなんてきょとんとしちゃってるじゃないのよ。 一体、どこからそんなにぽんぽんとネタが出てくるのか知りたい。 「てめーの敗因はたったひとつだぜ…つかさ…たったひとつの単純な答えだ…てめーはおれを怒らせた」 「えぇ!?私、こなちゃんを怒らせちゃったの…?」 「こなた、もうあんたは黙れ!」 何かの漫画ネタを真に受けて、つかさはちょっと泣きそうだ。 こなたはそれが言いたいがためにつらつらと喋ってただけだっていうのに。 ていうか、人の妹脅してるんじゃないわよ…。 「やっぱいいね~、第3部は!」 「わからんっての…もう満足したか?」 うん!と本当に満足そうな声が、秋の風に乗って、B組の教室内に渡った。 この無邪気さが、どうも憎めない。 「よかったぁ、私が言った事を怒ってるのかと思ったよ~」 「いやいや、そんな事位じゃ私は怒らないって」 いつもの、飄々とした姿。 そもそも、こいつが本当に怒った姿なんて見たことがない。 …まあ、こっちが意識してなくても、実は…なんて事も、あるのかもしれないけど。 言葉の魔力は魅力的であり、怖いものなんだ。 「大体、私とかがみが恋人なんてあるわけないじゃん~。私、ノンケだし」 何かが聞こえた気がした。 …違う、言葉の意味がまだ理解出来ていないだけ。 今、こなたは何て言ったんだろう? ノンケ。要するに、そういう気はないって事…よね。 それは別におかしなことじゃない。むしろ普通よ。 でも、そこじゃない。 『私とかがみが恋人なんてあるわけない』と、確かそう言った。 そっか。私とじゃ"あるわけない"んだ…。 そう理解した途端に、私の胸は痛みを伴って、燃え広がっていた火が急速に治まる。 切られた瞬間は何も感じないけど、気付いた途端に痛みがじわじわと広がる。そんな感じ。 苦しい。今までの心地よい感じは全くなくて、痛みだけが私の心を支配する。 きっと、こなたは何の気もなしに言った言葉だ。普段みたいに冗談めかして言っただけ。 それが、私の心をこんなにも抉るなんて、想像もしてないはずだ。 だって、私がこなたに想いを寄せてるなんて、普通だったら考えない。 心は、亀裂が入って、今にも崩れてしまいそうだった。 でも、そういうわけにはいかなかった。これはまだ、私の中だけの問題。 ここでばれるような事があれば、尚更私の心は傷を負ってしまう。 この状況でここまで考えられた私は冷静なんだろうか。 違う。頭はこなたが発した言葉でいっぱいになっていて、自分を守る事で精一杯になってるだけ。 言葉は、相手に想いを伝えられる、素敵なものだ。 だからこそ、怖い部分も存在する。今の私がそうであるように。 今まで、認めたくないと思って考えないようにしていた事を目の前に突きつけられて。 その言葉を認めるには、私の気持ちは大きくなりすぎていた。 行き場のない悲しみとか、自分への苛立ちが、色々と混ざって、よくわからない。 真っ白な画用紙に様々な絵の具の色が落ちて、白を塗りつぶしていく感じ。 「おーい、かがみ?かがみんや~い」 目の前でその小さな手を上下に振られて、かろうじて残っていた理性が、私の反応を促した。 「…何でもない」 そんな、ぶっきらぼうな言葉が聞こえてきた。 自分で言ってて聞こえて来たっていうのも変だけど。 今の私は、頭と口が別のものとなってしまっていたんだと思う。 意志とは無関係に、言葉が紡がれる。感情が篭るわけもない…かな。 自分の言葉とは思えないくらいに、少し冷たい感じがした。 「…?かがみ、元気ないね。だいじょぶ?」 心配してそう聞いてくれるこなたの言葉を、私はどう取ったのか。 やっぱり、気付いてくれてないと落胆したのかもしれない。 あるいは、気付かれなかったと、ほっとしたのかもしれない。 何にしても、情けない事、この上なかった。 「…ごめん、ちょっと調子悪いみたいだわ。先、戻るわね」 「あ、うん…」 こなたの言葉に便乗する事で、私はその場から逃げ出した。 私の様子に、呆然として、頷く事しか出来なかったこなたを横目に。 その時に見えたつかさとみゆきの表情が、何かを言いたそうだった気がしたけど、 私はそれを気のせいだと思い込んで、足早にB組の教室から立ち去った。 緩やかな時間が流れていた教室も、何だか無機質な気がして。 少しでも、その場にいたくなかった。 私の好きな温かい時間が、今にも崩れてしまいそうで、それが見たくなかったからかもしれない。 自分の教室まではそんなに距離はないはずなのに、偉く遠くに感じた。 午後の授業の内容は全然頭に入ってこなかった。 黒板の文字を板書するわけでもなく、机に広げたノートをじっと見つめ続けて。 何も書かれていない、真っ白なページに、何故かあいつの青が見えた気がして、目をぎゅっと瞑った。 (何やってるんだろう、私…) 頭では、それがどれだけ特異な事かはわかっていた。 でも、そんな事ばかり繰り返していたのは、崩れかけた私の心が、あれが事実だと認めたくなかっただけなんだと思う。 ゆっくりと目を開けて、眼前に広がる文字一つ書いていないノートは、他の色が映るわけもなく、ただ真っ白なだけだった。 まるで私の心の色とは正反対なその白が、今は何だかすごく切なくて。 いてもたってもいられずに、ノートを閉じて、その上に突っ伏した。 その後の事もよく覚えていない。 いつの間にか授業が終わって、放課後になっていて。私を迎えに3人が教室までやってきて。 唯一覚えてるのは、私はまだ調子が悪いからって、3人には先に帰ってもらった事位かな。 3人ともすごく心配そうな顔してくれたけど、私の元気がない理由が理由なだけに、面と向かって話す事が出来なかった。 単なるわがままで振り回してしまっている事が情けなくて、腹が立って。 でも、自分の保守に走ってしまう自分の心の弱さに、どうしようもない苦しみを感じてる。 帰り道もどうやって帰ってきたのかは覚えてない。 いつの間にか家に着いていて、今は自分の部屋のベッドに身を投げ出している。 玄関の戸を開けた事とか、靴を脱いだ事とか、誰かがおかえりと言ってくれた事とか。 私の中では、それらの事象は二の次になっていた。意識していないから、よく覚えていないというわけか。 机の上に置いてある目覚まし時計を見やれば、もう19時を回っていた。 この気持ちを落ち着けようと思って、確かシャワーを浴びた気がする。 頭の上から降りそそぐ、無限とも思える温かい水滴の束が、私の髪を、体を、手を、足を伝って、排水溝へと流れていく。 少しは嫌な気持ちも一緒に流してくれたような気がした。 多分、学校にいた時よりは、幾分か落ち着いた。 それでも、私はお風呂から上がった後も、こうして何をするでもなく、時の流れに身を任せている。 部屋の電気もつけずに、暗がりの中で、自分の腕に顔を埋めていた。 一つだけついている窓から差し込む月の青白い光が、まだ乾ききっていない、湿った私の髪を薄く照らしている。 何で、こうなったんだろう。 まだ言葉にもしていないのに、その前に終わってしまった恋。 (言葉に…って) 失笑してしまった。 (言葉にする勇気もないのにね…) そもそも、始まってもいなかった。私はただ怖くて逃げていただけなんだから。 結局、私は私の言葉をあいつに届ける事は出来なかったのかもしれない。 やっぱり、この気持ちは叶わないものだったんだと痛感するには十分すぎる出来事だった。 こなたの気持ちは私には向いてないんだから、もう諦めるべきなのよ。 それなのに。 (なんでよ…) それでも、私の頭に浮かぶのは、あいつの無邪気に笑う姿。 私をからかってくる時のにまにま顔。 滅多に見せる事のない、天使のような柔和な笑顔。 それらがいつまでも私の頭に居座っていて、消える気配がない。 傷のついた私の心も、いつの間にかあの温かい火が灯っている。 まだ、私の気持ちを悟られてない今なら。 私が諦めれば、今まで通り、親友同士に戻れる。 だけど、私の心は、諦める事を拒絶しているようで。 また、今日みたいな思いをしたいんだろうか。 必死に抑えつけようとしても、それ以上の力で押し返されるような感覚。 「なんで出来ないのよ」 ぽつんと、誰もいない部屋に呟いた言葉は、暗がりの中に溶けて消える。 それがひどく寂しく感じて、自分がこの世に1人しかいないような気さえして。 「こなた…」 思わず、あいつの名前を呼んでいた。 名前を呼んだ途端に、何か熱いものが込み上げて来て、私の視界をぼやけさせた。 「……っ」 抑えようと思っても、堰を切ったかのように、滝の如く勢いで溢れ出したものは、止まらなかった。 抑えようにも、諦めようにも、もう私の気持ちは大きくなりすぎていた。 だから、今日みたいな事があっても、あいつの事ばかり考えちゃうし、苦しくなる。 自分で想像していた以上に、あいつの事が好きだったんだって、嫌でも実感してしまう。 そう思ったら、止める事なんて出来なかった。 あいつへの気持ちに嘘をつきたくなかった。 だから、感情のままに、心を委ねてしまおうと思った。 側にあった自分の枕に顔を押し付けて、声を押し殺して泣いた。 言葉は届けられない。 でも、気持ちが治まる事はなくて。 私の心を板ばさみにする常識と、異端な気持ちとどうやって向き合っていけばいいのかわからなくて。 ただ、私は感情の赴くままに、その夜、枕を涙で濡らした。 コメントフォーム 名前 コメント つ〜づきよみてぇぇぇぇぇ‼‼‼ -- 名無しさん (2011-01-31 04 49 07) すごい悲しいよお・・・ かがみとこなたは、両思いにナって欲しいなー・・・ -- HANA (2010-08-06 22 53 09) このままじゃ切なすぎるよ… でもとても良い作品でした。 続編を期待しています。 -- 名無しさん (2010-07-22 15 40 45) 続きは書かれないのでしょうか? いつか、時間が出来たときにでも、是非お願いします。 -- 名無しさん (2010-04-16 12 09 44) 続きが気になります! いい作品ですね。 -- NAO (2009-09-12 00 09 15) 投票ボタン(web拍手の感覚でご利用ください)
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動物が追いやられる(対決カード) 連鎖 下位 上位 植物の生え方が変わる集中豪雨山火事巨大化する山火事 動物が追いやられる 植物の生え方が変わる生き物絶滅海があたためられる 関連Q A
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云えない言葉 ◆.WX8NmkbZ6 「……どうする、次元」 「どうするも何も、二人でやるしか……ねぇだろ!!」 言いつつ、次元と五ェ門は放たれた銃撃を左右二手に別れて避ける。 暫しマグナバイザーで応戦するも、それだけでは対応出来ないと判断したレイは一枚のカードを抜く。 シュートベント――ギガランチャーのカード。 しかしレイがカードを抜く瞬間の隙を、五ェ門は見逃さなかった。 対してレイは五ェ門の実力を知らない。 充分に距離を取っていたつもりが、その距離は五ェ門にとっては一跳びで越えられるものだったのだ。 レイは踏み込んで来た五ェ門の斬撃をバックステップで避けようとするが、そこで後方の次元の気配に気付く。 剣を避けて後方に跳んでも銃弾に襲われる――挟み打ちだ。 レイはカードの装填を後回しにし、マグナバイザーを撃ちながら五ェ門の剣先から逃げるように左へ跳ぶ。 「甘い!!」 だが五ェ門はその動きに瞬時に対応し、弾を避けながら追い縋った。 五ェ門の体術は常人離れしているが、それだけではない。 レイが左右どちらかに逃げる事を、五ェ門は予測していた。 次元がレイの背後を取っている事に気付いていた為だ。 長年同じ一味に身を置き、幾度となく協力してきたからこそ、何の相談も無く二人は息を合わせる事が出来る。 剣の切っ先はレイの左腕に届き、レイは手にしていたカードを落とした。 接近していた次元がすかさずそれを拾い上げ、ようやく正面玄関へ辿り着いた北岡に向かって投げ飛ばす。 「北岡、持ってろ!!」 走って移動していた為息を切らしていたが、北岡は次元の声に反応しカードを受け止めた。 レイが左腕を動かして動作を確認すると、出血はしているものの行動に支障は無い。 しかし戦力が削られてしまった事は忌々しく、レイは歯噛みした。 先刻の失敗からレイは更に距離を取ろうとしていたが、五ェ門はそれを許さなかった。 マグナバイザーを連射されようと、五ェ門はそれら全てを見切ってかわし、一定以上の間合いは空けさせない。 そしてその合間に次元がレイを狙い、レイがそれをかわす――膠着状態となった。 それを変えたのは五ェ門の失速だった。 治療を済ませたとは言え五ェ門は負傷しており、先程ジェレミアと切り結んだばかりだ。 五ェ門の動きが鈍ったのに気付いたレイは連射の手を止めて間合いを広げ、デッキからもう一枚カードを抜く。 今度は五ェ門の速度をもってしても、装填を阻む事は出来ない。 しかし五ェ門は体勢を立て直し、レイに向かって最速で駆ける。 レイに残されたカードは、北岡の話からすればファイナルベントとシュートベント、ガードベント。 ファイナルベントは切り札であり、ガードベントはシュートベントのサポートに用いられる。 ならばレイがこの場で選ぶのはシュートベントだ。 そしてカードを抜いたゾルダは攻撃に移るまでに、マグナバイザーへのカードの装填、武器の出現、発砲の三行程を辿らなければならない。 武器の出現まで許したとしても、撃たれる前の一撃で倒せばいい。 ――STRIKE VENT―― レイとの距離が残すところ数メートルとなった時、五ェ門の耳に届いた機械音声。 シュートベントではない。 五ェ門は違和感を覚えたが、既に遅い。 レイが手にした武器はギガキャノンではなく、右手に装着するアタッチメント――ギガホーンだった。 一撃でレイを討ち取る為に五ェ門は自身に出来る最高速度で移動しており、踏み込む足は止められない位置にある。 そして普段ならば斬鉄剣で止める攻撃も、デルフリンガーでは受け止められない。 「ぐぅっ……」 マグナギガの頭部の角を模したギガホーンは、五ェ門の腹に突き立てられていた。 レイがマグナバイザーで至近距離から追撃するが、五ェ門は素早く身を退いて回避する。 しかし大きな距離を取れないまま膝から崩れ落ち、デルフリンガーが乾いた音を立てて地面を転がった。 これは北岡のミスだ。 ライダーについて何の知識も持たなかった五ェ門に対し、まず「ライダーとは何なのか」から説明する必要があった。 その上ゾルダ以外のライダーについても教えねばならず、ゾルダに関する全てを伝えるには至らなかったのだ。 ゾルダのデッキを手にした男が北岡のような一般人ではなく、デッキを用いなくとも戦えるような人間である可能性も失念していた。 故に、北岡が普段使う事のない近距離戦用のカードの事は話していない。 咄嗟に北岡は倒れた五ェ門に駆け寄ってデルフリンガーを拾い、肩を貸して立ち上がらせた。 急いで建物内に移動し、止血する必要がある。 ――SHOOT VENT―― 次元が発砲し阻もうとするも、それを避けながらレイは今度こそギガキャノンを出現させた。 普段通りの装備ならばこんな隙は与えないが、弾数を限られた今はけん制もろくに出来ないのだ。 次元は舌打ちする――この一発で、次元の銃に籠められた弾はゼロになった。 レイにしてみればギガホーンを出現させた事に特別な理由は無く、近距離戦を主体とする五ェ門への対抗手段として選んだだけだ。 そこへ標的の方から突っ込んで来たのだから僥倖と言えた。 次元は弾切れ、北岡は非戦闘員。 五ェ門の剣が喋っているように見えた点に違和感はあったが、レイは迷い無く北岡と五ェ門に砲門を向ける。 この場にゾルダの砲撃を防ぐ手立てはない。 そこで風を切り、飛来して来る何かの気配にレイは顔を上げる。 レイは次元との交戦中に現れた五ェ門とクーガーの二人以外に、この病院内にまだ参加者がいると考えていなかった。 そして今まさに北岡らに止めを刺そうという瞬間。 この瞬間だけ、レイは油断していたのだ。 それは四階の高さから直接レイを狙った、機械の左脚による飛び蹴り。 仮面の男――ジェレミアによる一撃を頭部に受け、レイは十メートル程弾き飛ばされる事になった。 ▽ 庭園に立っていた。 碧い木々の生い茂る広い庭――見間違えるはずもない、アリエス宮の一角。 普段よりも広い視界に戸惑い、顔に手を伸ばす。 仮面の代わりに左眼を覆っているのはモノクルだった。 視線を下へ移せば皺ひとつ無い薄いシトラス色のスーツと、磨き込まれた革靴。 確かめてみると、左半身も左眼も生身のまま。 裾を引っ張られる感覚に気付く。 ほんの少し後ろにはV.V.が立っており、隠れるような姿勢で遠慮がちに前方を見詰めていた。 その目線の先、庭園の中心にはルルーシュとナナリーの姿がある。 手を取り合い、ワルツを踊る二人。 ナナリーの長い髪とドレス、ルルーシュの貴族服の裾が二人の動きに合わせて舞う。 それをマリアンヌとシャルルが庭の片隅から眺めている。 誰もが表情に笑みを湛えていた。 静かな午後の日差しの中、穏やかな時を過ごす皇族一家。 それに仕え、兄妹の成長を見守る自分。 この時がいつまででも続けばいいと、その為ならば何も惜しくはないと、月並みな言葉でしかその幸せを表せなかった。 知っている。 これらは全て、夢に過ぎないのだと。 ナナリーは目と足を奪われた。 マリアンヌとルルーシュは命を落とした。 シャルルは兄妹を日本へ追いやり、その後侵略した。 ジェレミアは半身と地位を失い、V.V.は殺し合いの舞台を用意しルルーシュを死に追いやった。 何一つ実現し得ない夢。 どんなにもがき、手を伸ばそうと届かない夢。 それでもそのささやかな幸せを、夢見ずにはいられない。 世界に反逆した主君が本当に求めていたものは、ブリタニアの破壊でも世界征服でもなく。 たったこれだけの事だったのではないか―― 「ジェレミアさん、起きろ!!!」 乱暴な物言いと身体を揺すられる感覚に、ジェレミアは薄く目を開けた。 「……をはようございました」 「何寝ぼけてるんです、頭でも打ったんですか!? 今大変なんですよ!!」 真剣な表情の奈緒子の後ろでは、半ば怒鳴り合うような形でアイゼルと詩音が口論をしている。 そして心配そうに覗き込んで来るつかさと目が合った事で、気絶するまでの経緯をはっきりと思い出した。 部屋にクーガー達の姿は無く、どうやら気を失っている間に事態が大きく動いたらしいと意識を覚醒させる。 ゾルダのデッキを持った男と次元が戦闘になり、五ェ門は援護に加わったがクーガーは戦線離脱した。 それだけの情報が伝えられると、ジェレミアはすぐに立ち上がって窓へと駆けてゾルダの姿を視認する。 戦況は拮抗している――むしろ次元達が優勢でいるようだったが、ゾルダには切り札がある。 一刻も早く参戦すべきだろう。 「あの!」 背後からつかさの声が掛かった。 しかしジェレミアは振り返る事も言葉を返す事もせず、ただ耳を傾ける。 「私がジェレミアさんにお願いをするなんて、おかしいと思います……でも、私に出来る事なら何でもします、だから!」 不安と、焦燥と、心配が入り混じった声。 「だから、お願いします……北岡さんと五ェ門さんを、助けてあげて下さい……!!」 その感情は痛い程分かった。 ほんの数時間前、放送の前まで、ジェレミアはそれと同じ思いを抱いていたのだから。 「……知らんな。 私は自分の身に降りかかる火の粉を払うだけだ」 北岡も五ェ門も今後この殺し合いからの脱出を目指す上で協力が必要になる相手であり、つかさに言われなくとも助けるつもりだ。 それでも分かり合う事を拒むように、振り返らないまま敢えて冷たく言い放つ。 つかさが息を飲む気配を無視し、ジェレミアは足に力を込めて飛び下りようとした。 だが後ろ髪を引かれたジェレミアは足を止める。 「しかし、一つ……確認しておきたい事がある」 一刻も早く戦線に加わらねばならない。 しかし確かめずには前に進めない――ジェレミアはその問いを口にした。 ▽ 吹き飛ばされたレイは暫くその勢いのまま地面をガリガリと削っていたが、勢いが弱まるよりも早く体勢を立て直して立ち上がった。 「ふん、やはりこの程度では効かんか」 これはつかさと話す時間を惜しんでいれば避けられた事態であり、そもそも五ェ門の体力の無駄な消耗を招いたのはジェレミアだ。 ならばその借りを返すまでと、ジェレミアは剣を抜き放つ。 攻撃を回避出来ない状態にある敵をレイが見逃す理由は無く、ギガキャノンの砲門を北岡達へ、マグナバイザーの銃口をジェレミアへ向ける。 だがジェレミアはマグナバイザーの打ち出す弾を避けながら、砲門と北岡達を結ぶ射線上に割り込んだ。 「おおおおお!!!」 ジェレミアが左腕でその砲撃を受け止めると全身に衝撃が伝わる。 そして数歩分後退を余儀なくされたが、傷は負っていない。 ジェレミアにはKMFの爆発に巻き込まれても無傷でいられる程度に、爆発への耐性がある。 しかしこれと同じ威力の攻撃を何度も受け止められるか、ゾルダの切り札に耐えられるかと言えばそこに確証は無い。 ギガキャノンの砲撃に耐えながら北岡達が建物内に姿を消すのを見届けると、ジェレミアは防御から回避へ転じる。 ジェレミアが攻撃を引き付けている間に、次元は予備マガジンの弾丸を銃に装填していた。 レイはマグナバイザーとギガキャノンでジェレミアと次元をそれぞれ狙うが、回避に専念した相手には当たらない。 そしてこうしている間も時間は過ぎ、既にゾルダの残りの変身時間は五分以下だ。 次元とジェレミアの二人掛かりならば充分に押し切る事が出来る。 次元達にとって優位なその状況を崩したのは、一同の頭上を通り過ぎた影だった。 ジェレミアも次元も初めて見る異形。 だがレイだけは殺し合い開始から間もなくの頃に一度姿を見ており、それが何を意味しているかを知っている。 それは参加者がもう一人、この総合病院を訪れたという事実。 「祭りの場所は、ここか……」 頭上を通り過ぎた影の正体は、エビルダイバー。 それに続く浅倉威――仮面ライダー王蛇の出現が、戦況を更に一変させる。 ▽ 「ルルーシュ様は……最期に何と?」 つかさは、覚えていなかった。 ルルーシュを殺害した時のつかさは自分でも驚く程に冷静で、苦しんでいるルルーシュを楽にしてやる事ばかり考えていた。 ルルーシュの声は苦悶の音ばかりで、そこに意味を見出そうとすらしていなかった。 それでもつかさは記憶を辿る。 ――かがみさんは最後まで、この戦いに抗っていましたよ。 クーガーの言葉に、つかさは悲しみながらもホッとした。 姉が――今では妹となってしまったかがみが、最期までかがみらしくあったと知る事が出来たからだ。 だからこそ、それを知りたいと願うジェレミアの気持ちが分かってしまう。 人を殺した瞬間の事を思い出したいと思えるような神経を、つかさは持ち合わせていない。 しかしあの時つかさとルルーシュは二人っきりだった――つかさが思い出せなければ、ルルーシュの声は誰にも届かずに消えてしまう。 ルルーシュと出会ったところから順番に、山小屋で浅倉に会った事、一緒に歩いた事、襲われた事―― (思い出さなきゃ……思い出して……!!) 胸を押さえ、蹲りながら息を大きく吐くルルーシュの姿。 一緒に段差から転がり落ちた事。 銃の感触。 一度失敗して、明後日の方向に飛んで行った弾丸。 反動で痺れた腕、それから―― ――ナ……ナ… 苦痛の中でただ声が漏れてしまっただけなのか、それとも何かを言いかけたのか、つかさには判別出来なかった。 しかしジェレミアにとっては、無意味なものではなかったらしい。 ルルーシュの声を伝えた時にジェレミアが見せた表情は、「やはりそうか」と納得するような。 喪失の哀しみを改めて噛み締めるような、何かを思い出すような―― ルルーシュが最後に絞り出した最期の声は確かな言葉であったのだと、つかさは知った。 「ここも危険と感じたら、貴女達はすぐに逃げたまえ」 ルルーシュの言葉に関しては何も言わず、ジェレミアはそう告げた。 それは奈緒子とアイゼル、それに詩音に向けられていた物のはずだ。 しかしつかさには、それが自分に対しての物でもあったのではないかと思えた。 そして窓から飛び降りるジェレミアの背を見送り、つかさもまた階段で正面玄関へ向かう。 謝罪の言葉はまだ云えていない。 つかさがルルーシュを殺した事実が揺るがない以上、ジェレミアと和解する事は恐らく今後も出来ないだろう。 ただそれでも、届いたものは確かにあったはずだと、つかさは信じたかった。 ▽ 「急いでくれ……拙者は戻らねばならん」 「駄目です、五ェ門さん……こんなに血が出てるのに」 階段で移動していたつかさが合流し、止血を手伝う。 王蛇は恐らく変身したばかりだ。 ゾルダは時間切れが近付いているとは言え、まだファイナルベントを残している。 残弾の少ない次元と疲弊したジェレミアだけで対処するには危険が大き過ぎた。 「眠りの鐘は使えないかな?」 「アイゼルさんにも話したんですが、ライダーの人達に通じなかった時、危ないって……」 眠りの鐘を使えば、次元やジェレミアを巻き込んでしまう代わりにライダー達を行動不能に出来るかも知れない。 しかし、眠りの鐘の能力は制限されている。 もしライダーに効かなければ、味方だけを眠らせるという最悪の結果を招く。 一度も試していない以上、そのリスクは負えなかった。 「じゃあ俺の武器はこれだけか……」 一分間に百二十発の弾丸を射出するマグナバイザーに対し、デリンジャーの総弾数はたったの二発。 ライダー達やそれと互角に戦うような面々が闊歩する戦場に行っても、ただの足手纏いになるかも知れない。 心強いとは言えない装備を握り締め、北岡は思案に暮れる。 弁護士と、負傷した剣士と、少女と、錆びた剣。 この戦いの中で、彼らに出来る事は―― 【一日目午前/G-8 総合病院正面玄関内】 【北岡秀一@仮面ライダー龍騎(実写)】 [装備]レイの靴@ガン×ソード 、レミントン・デリンジャー(2/2)@バトルロワイアル、デルフリンガー(錆び)@ゼロの使い魔 [所持品]シュートベント(ギガランチャー)のカード [状態]肩こり、腰痛、筋肉痛、数か所の擦過傷 [思考・行動] 0:五ェ門の応急処置。 1:金髪の男(レイ)からデッキを奪い返す。 2:1を達成し、浅倉と決着をつける。 3:戦闘は五ェ門、交渉は自分が担当する。 ※龍騎勢が、それぞれのカードデッキを持っていると確信。 ※一部の支給品に制限が掛けられていることに気付きました。 【石川五ェ門@ルパン三世】 [装備] [支給品]支給品一式(水を消費)、確認済み支給品(0~2)(剣・刀では無い) [状態]左手のひらに大きな傷、右肩に刀傷、軽い裂傷が数か所(それぞれ処置済み)、腹部に裂傷(未処置)、疲労(大) [思考・行動] 0:止血が済み次第、戦線に復帰する。 1:北岡、つかさを護衛する。 2:浅倉と決着をつける気があるなら、北岡のカードデッキを奪い返す手伝いをしてもいい。 3:早急に斬鉄剣、もしくは代わりの刀か剣を探す。 4:ルパンと合流し、脱出の手だてを探す。 ※錆びた剣であるデルフリンガーを折らないよう、加減して戦っています。 ※龍騎シリーズライダーについてはほぼ正確に把握しました。 【柊つかさ@らき☆すた】 [装備]なし [支給品]支給品一式(水のみ二つ)、眠りの鐘@ゼロの使い魔、確認済み支給品(0~2) [状態]腕と脚に数か所の擦過傷、左足首にねんざ(固定済み) 、悲しみと決意 [思考・行動] 0:北岡、五ェ門と協力する。 1:精神的に強くなる。 2:こなた、みなみに会いたい。 3:ジェレミアに謝罪の言葉を伝える。 4:霊安室に行ってかがみに会う。 ▽ 窓から状況を見つつ、アイゼルは考える。 ゾルダ一人に次元とジェレミアが対処して、漸く均衡を保っていた。 その戦況に王蛇が加わり、更に今のジェレミアが冷静な判断を出来ているとは限らない。 「奈緒子、あなたはここにいなさい! 詩音さんの事、任せたわよ!!」 「ちょっと、アイゼル!? 私を置いて行くな!」 勢いでアイゼルの事を呼び捨てにしてしまった奈緒子の抗議の声を無視し、アイゼルは走った。 戦いは得意とは言えないが、やれる事はある。 アイゼルのデイパックの中にある一振りの日本刀。 双剣が本来の武器であるというジェレミアか、戦線復帰出来る状態ならば五ェ門か、どちらかに渡す。 アイゼル自身は後方からの援護に回ればいい。 出来れば詩音の銃も次元に渡したかったが、そちらは詩音達に何かあった際に自衛手段が無くなる為諦めた。 ジェレミアと奈緒子に協力すると決めた。 自分よりも年下のつかさですら、出来る事をしようとしているのだ。 やれる事があるのにやらずに逃げ隠れしているのでは、白髪の男と対峙した時と何も変わらない。 (同じ立場なら、あなただってきっとこうしているわよね……エルフィール……!!) アイゼルはリノリウムの床を蹴り、正面玄関へ駆ける。 置いて行かれた詩音と奈緒子は、デイパックの引っ張り合いをしていた。 「離して、下さいよ……!!」 「だから、復讐なんて、駄目ですってば……!!」 ぎちぎちとデイパックが嫌な音を立てるが、二人は手を放そうとしない。 「あなたに何が分かるって言うんですか……!」 「分かりませんけど、駄目なんですよ……!」 クーガーはどこかに行ってしまい、状況は悪くなるばかりだ。 これ以上不利になれば、詩音がゾルダを殺す機会は失われてしまう。 詩音は興奮状態にあるが、だからと言って素手でゾルダを倒せるなどと勘違いをするつもりはない。 殺害には銃が必要で、奈緒子から力づくでも奪わなければならない。 「だったら、あの紫色の王蛇とかいうのと戦ってるジェレミアさんはいいんですか? あれも復讐でしょう?」 「あ、確かに」 奈緒子がつい納得し、油断した瞬間に詩音はパッと手を離した。 「ニャッ!?」 引っ張り合いの中、後方に向かって全体重を掛けていた奈緒子は勢い良く円を描くようにすっ転ぶ。 詩音は床に落ちたデイパックをすかさず拾い上げ、中からカラシニコフを抜いて奈緒子に向けた。 「手を挙げて――」 「すみません、もう邪魔しません。許して下さい。撃たないで下さい」 奈緒子は手を挙げろと言われる前から手を挙げていた。 その様子に詩音は若干拍子抜けするが、すぐに思考を切り替える。 この場で殺すべきかどうか。 悟史が死亡してしまった可能性も高く、一人でも参加者を殺して優勝に近付いておいてもいい。 しかし詩音が奈緒子を殺害したと発覚すれば、ジェレミアを始めとした面々が許しはしないだろう。 それは逆に優勝を遠ざける事になる。 「いいですか、追ってくれば容赦はしません」 奈緒子はコクコクと頷く。 詩音は銃を向け、視線を奈緒子に合わせたまま廊下の方へゆっくりと向かい、奈緒子が視界から外れると走り出した。 ――悟史君もお姉も沙都子も、私が手を汚したと知れば悲しむかも知れない。 ――でもそれはバレたらの話。 ――バレないように殺せば、三人トモ悲しマないヨネ? ――くけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけ。 「やった! 生きてる!」 詩音がいなくなった事を確認し、一人取り残された奈緒子はホッと息を吐く。 殺し合いに巻き込まれただけでも迷惑なのに更に命の危険に晒され、疲れ切っていた。 この会場内で起きている常識外の出来事がそれを助長する。 ライダーデッキ。カードをデッキに装填すると武器が出現する。 どこかに隠し持っていただけだ。 剣が喋る。 五ェ門はああ見えて腹話術が上手いらしい。 クーガーのアルター。 あの靴はどこから出したんだろうか。 無くなった椅子は、黒子がどこかに運んだに違いない。 ジェレミアとアイゼルにしても、改造人間と錬金術士などと言われて信用出来るはずがない。 特撮と現実をごっちゃにされては困る。 それを皆して当然のように受け入れるなんて、どこかの新興宗教のようだ。 (もういいや、逃げよう) 奈緒子は元々危なくなったら逃げるつもりでいたので、この機会に全員と手を切ってここを離れる事にした。 正面玄関周辺はとても近付ける状況ではないが、ここは総合病院というだけあって非常階段や非常口がそこかしこに用意されている。 (……) 奈緒子には詩音の気持ちは分からない。 それでもこれまでに関わって来た事件の中で、復讐を理由に罪を犯す人間は多く見て来た。 どれも後味が悪く、思い出したくもない――そんなものを見るのは、もううんざりだった。 ――ここも危険と感じたら、貴女達はすぐに逃げたまえ。 ――詩音さんの事、任せたわよ!! (……どっちだよ!!) 病院から逃げるか、詩音を追うか。 奈緒子はどちらを選択するのか―― 【一日目午前/G-8 総合病院内】 【アイゼル・ワイマール@ヴィオラートのアトリエ】 [装備]:無限刃@るろうに剣心 [所持品]:支給品一式、うに(現地調達)、不明支給品(0~2) [状態]:軽傷 [思考・行動] 0:ジェレミアか五ェ門に無限刃を渡し、援護する。 1:うに、ジェレミア、奈緒子と一緒に脱出! 2:ジェレミアと奈緒子に協力を惜しまない。 3:次に白髪の男(雪代縁)に会うことがあったら見逃さない。 4:奈緒子にうには渡さない。 [備考] ※自分たちが連れてこられた技術にヘルミーナから聞かされた竜の砂時計と同種のものが使われていると考えています。 ※うにのことをホムンクルスだと思っていますが、もちろん唯のウニです。 ※ジェレミアの説明で、電気や電化製品について一定の理解を得ました。 【園崎詩音@ひぐらしのなく頃に(ゲーム)】 [装備]AK-47(カラシニコフ銃)@現実、白衣@現実(現地調達) [支給品]支給品一式、AK-47のマガジン×9@現実、SEAL(封印)@仮面ライダー龍騎、クマのぬいぐるみ@ひぐらしのなく頃に 、消毒薬×1 [状態]手に軽い裂傷、疲労(小)、殺意、雛見沢症候群L4 [思考・行動] 0:ゾルダ(レイ)と北岡を殺す。 1:悟史、沙都子、魅音、及び他の参加者を探して放送の真偽を確かめる。 2:仲間(圭一、レナ)と合流する。 3:放送が真実だった場合、会場中の人間を殺す。くけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけ。 [備考] ※雛見沢症候群が悪化しています。 【山田奈緒子@TRICK】 [装備]なし [所持品] 支給品一式(鉛筆一本と食糧の1/3を消費)、咲世子の煙球×3@コードギアス 反逆のルルーシュ、こなたのスク水@らき☆すた、ミニクーパー@ルパン三世 [状態]健康 [思考・行動] 0:ジェレミアとアイゼルを見捨てて逃げる? 1:とりあえず上田を探す。デイパックの構造については上田に任せる。 2:もう危険な目に遭いたくない。 3:今は腹八分目。でもアイゼルのうにを食べる。 4:ジェレミアにお礼を言いそびれた。……まあいいか。 [備考] ※ジェレミアを(色々な意味で)もの凄く変で非常識な人物と認識しています。いい人なんだけど……。 ※ジェレミアがモール内でベーグル@現実を補充していたようです。他にも何かあるかも知れません。 ▽ 浅倉は疲労していた。 殺し合いが始まって以降休憩はほとんど取っておらず、何度も戦闘に参加しているのだから当然の結果と言える。 しかし休むという発想が生まれない程に、浅倉はイライラしていた。 ゾルダを追おうにもゾルダの向かった方角が分からなかった浅倉は、南へ向かった。 そこにゾルダがいると思った訳ではなく、単に施設が多い地域の方が他の参加者に会い易いだろうと考えた為だ。 最初に到着した図書館には、男の死体しかなかった。 それはルルーシュ・ランペルージの死体を見付けた時の事を思い出させ、浅倉のイライラは増す事になる。 浅倉は当然知らない事だが、浅倉が到着したのは北岡達が出発した直後。 つまり入れ違いになったのだ。 無駄足だった事に苛立った浅倉は死体を蹴飛ばし、暫し本棚に頭突きを繰り返した。 地図を思い出せば、図書館から近いのは水族館か総合病院。 殺し合いに危機感を持っている人間なら、向かうのは総合病院だろう。 今度こそ獲物を発見する為、北岡達に遅れを取りながら浅倉は総合病院へ向かった。 そして病院へと足を進める中で耳に入ったのはゾルダの武器による銃撃音――渇望するように求めた宿敵が、今まさに戦っている音。 当たりだ、と浅倉は口に笑みを形作った。 戦況を確認する手間すら惜しみ、民家の窓ガラスにデッキをかざして変身する。 エビルダイバーを先行させながら、王蛇は悠々と病院の敷地へ足を踏み入れた。 ▽ 「見付けたぜ、北岡――……?」 執着し続けた宿敵の姿――仮面ライダーゾルダを見、浅倉は上機嫌な声を出した。 しかし同時に、浅倉の聴覚は別の方角から北岡の声を捉えた。 変身によって上昇した視力でその方角を見やれば、建物の中に北岡秀一その人の姿がある。 「……誰だてめぇは」 今ゾルダに変身しているのは北岡ではない。 つまりそれは、浅倉と北岡の決着に横槍を入れる人間が現れたという事だ。 浅倉は途端に不機嫌になり、聞く者の肝を底冷えさせるような低い声で問う。 対するレイは無言。 そしてもう一人、ゾルダと王蛇の戦いに横槍を入れる人物が両者の間に立った。 「貴様が浅倉威か」 「あぁ?」 悪くなった機嫌を更に損ねながら、面倒そうに気だるげな声を出して仮面の男を睨む。 「私はジェレミア・ゴットバルト。 ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア殿下の騎士だ」 ヴィ・ブリタニア、殿下、騎士と浅倉の耳に慣れない言葉に眉を顰めるが、その意図を理解し仮面の下で口角を上げる。 「ああ、あの時殺し損ねた間抜けなガキの仲間か」 人をこけにしておきながら、殺そうと思った時には既に死んでいた。 その怒りはこの殺し合いの中で浅倉を突き動かす、原動力の一つとなっている。 それを紛らわせる「代わり」が現れたのは、浅倉にとっては喜ばしい事だった。 仮面ライダー王蛇――つかさ達を襲撃し、ルルーシュの死の元凶となった人物だと北岡は主張していた。 そしてその浅倉の言葉に、ジェレミアは確信する。 この男こそが主の仇であると。 ルルーシュ死亡の詳しい経緯こそ聞かなかったが、この男が引き金となった事に間違いは無いだろう。 浅倉の挑発には応えず、レイとの戦闘で少し乱れた呼吸を整える。 倒さなければならない、主君への忠義の為に。 ここで死ぬ訳にはいかない、主君が最期まで抱いていた想いをその妹へ届ける為に。 「貴様だけはこの手で討つ……全力でな!!!」 言い終わらないうちに、ジェレミアは浅倉の間合いへと踏み込んだ。 「おいあんた」 浅倉達の方へ視線を向けていたレイに対し、次元は自分に注意を向けさせた。 隙を見せている間に奇襲を掛ける事も、逆に隙を見せたレイを放置して時間を稼ぐ事も、次元はしない。 「あっちも盛り上がっちゃいるがよ。 こっちはこっちでケリをつけようや」 あと数分、時間稼ぎが出来れば次元の勝利は決まったも同然だ。 あと数分、北岡が言うゾルダの『切り札』さえ使わせなければ。 しかし―― 「俺もガンマンの端くれなんでな。 やられっぱなしって訳にはいかねぇんだ」 これまでにレイに放った十三発の弾丸は全て外れた。 だがその腕で裏社会最高のガンマンの地位を不動のものとしてきた次元には、プライドがある。 言葉の通り、ガンマンとして。 ルパンファミリーの一員として。 残弾がたった五発であっても、次元は純粋な勝利を求めた。 王蛇――浅倉の出現は、レイにとって好都合だった。 浅倉が放送前に死んでいなかった事に少しだけ驚きはあったが、浅倉の登場が無ければ構図は二対一のまま。 デッキに制限時間がある以上、あのまま続けていればレイはいずれ取り押さえられていただろう。 だが一対一になったところで、状況が打開出来たとは言えない。 制限時間はこうしている間にも、刻々と近付いている。 打開策――レイの切り札は【FINAL VENT】。 “世界の終わり”の名を冠するカード。 一度使えばその強過ぎる火力で周囲の全てを焼き払い、レイが求める武器も一緒に灰にしてしまう。 しかし敵だらけの状況に於いて、これ程有用なものはない。 それに北岡やここにいる面々を殺せば、ゾルダとレイを結び付けられる者はいなくなる――口封じも同時に出来るのだ。 利用しようと考えていた北岡の名が次の放送で呼ばれるのは惜しいが、それに足るメリットがある。 多少の躊躇いはあったが、レイはエンドオブワールドの使用を決意した。 ゾルダのデッキの変身時間が切れるまで、あと―― 【一日目午前/G-8 総合病院正面玄関前】 【浅倉威@仮面ライダー龍騎】 [装備]なし [所持品]支給品一式×2、王蛇のデッキ@仮面ライダー龍騎、FNブローニング・ハイパワーのマガジン×1(13発)、不明支給品(未確認)2~3 [状態]疲労(大)、全身打撲、イライラ(中)、王蛇に変身中 [思考・行動] 0:ジェレミアとゾルダに変身した人物を殺す。 1:北岡秀一を殺す。 2:大剣の男(五ェ門)、茶髪の男(カズマ)、学生服の男(桐山)を後で殺す。 3:全員を殺す。 [備考] ※ライダーデッキに何らかの制限が掛けられているのに気付きました。 【ジェレミア・ゴットバルト@コードギアス 反逆のルルーシュ】 [装備]なし [所持品] なし [状態]右半身に小ダメージ、疲労(大)、精神的疲労(中)、顔に打撲、左腕の剣が折られたため使用不能 [思考・行動] 0:浅倉を殺す。 1:アイゼル、奈緒子と協力して元の世界に帰還する。 2:9年前の事件について聞いた上で、V.V.を殺す。 3:アイゼルと奈緒子にV.V.の情報をどの程度伝えるか決める。 4:アイゼルが住んでいた世界について聞く。 5:ルルーシュの遺体を探してナナリーの下に届け、最期の言葉を伝える。 6:つかさに関しては後回し。 7:全て済ませた後、ルルーシュの後を追う。 【次元大介@ルパン三世(アニメ)】 [装備]FNブローニング・ハイパワー@現実(5/13) [支給品]支給品一式×2、水鉄砲@ひぐらしのなく頃に、庭師の如雨露@ローゼンメイデン、レイピア@現実、前原圭一のメモのコピー@ひぐらしのなく頃に、 知り合い順名簿のコピー、バージニア・メンソール×五箱(六本消費)@バトルロワイアル、北条悟史の金属バット@ひぐらしのなく頃に、確認済み支給品0~1個 [状態]健康、満腹、疲労(小) [思考・行動] 0:金髪の男を殺し、ゾルダのデッキを取り返す。 1:V.V.を殺して、殺し合いを止める。 2:ルパンを探す。 3:ロロは信用しない。 4:危険人物には容赦しない。 [備考] ※庭師の如雨露をただの如雨露だと思っています。 ※ギアス世界の情勢を知りました(ただしギアスについては知りません) ※ジェレミアから枢木スザクに関する情報を得た為、ロロの情報の信憑性が下がりました。 【レイ・ラングレン@ガン×ソード】 [装備]ゾルダのカードデッキ@仮面ライダー龍騎 [所持品]支給品一式×2(食料と水を一つずつ消費)、鉈@バトルロワイアル、確認済み支給品0~2(銃器類は入っていません) [状態]ゾルダに変身中、頭部に痛み、疲労(小)、左腕に裂傷 [思考・行動] 0:エンドオブワールドを使用し、この場にいる人間を全員殺害する。 1:優勝を目指す。 2:銃を入手する。 3:願いを叶える権利が本当なら、カギ爪の男を連れて来させる。 [備考] ※デルフリンガーが喋ることに気付いていません。 ▽ 全力疾走で逃げるこなたと、それを余裕をもって追うクーガー。 二人は市街を爆走し、縦断する。 「いいですか、例えどんな不思議アイテムが跋扈する会場内であろうと死んだ人間が生き返らないのは自然の摂理であり覆せない真理であり、それを乗り越える事で人は成長するのです!! やり直したい、あなたのその気持ちに間違いは無いがそれでこれ以上他者を傷付ける事はかがみさんも望んでいない! この殺し合いを終わらせて元の生活に戻る為にもあなたは正気に戻り現実と向き合わなければならないんです!! それにしても負傷している時に走りながらこんなに叫んでいては酸素が足りない! だがしかしそれでも俺はやるのだ!! こなたさぁ――――――――――――ん!!!!!!」 「ひぇえええ、分かってた事だけど恐いよこの人ー!!!」 のんびり観戦なんてしてなきゃ良かったよ、とこなたは盛大に後悔していた。 こなたに残された手は、他の参加者を見付けて悪人であるクーガーに追われている事を話し、クーガーの対処を押し付けて逃げる事。 こなた個人ではクーガーを倒せない以上、クーガーから逃れる手段はそれしかなかった。 クーガーはこなたを追いながら焦っていた。 最速の男にとってアイテムで少々強化された程度の少女の足に追い付く事、そして捕らえる事は容易い。 それに総合病院にはファイナルベントという切り札を持つゾルダがいるのだ。 走り続ければ病院は遠ざかり、更にこの追いかけっこを他の参加者に見られれば危険人物と思われるのはクーガーの方だ。 手早くこなたを捕まえ、説得を後回しにしてでも病院に戻った方がいい。 しかしこなたの説得には既に一度失敗しており、力づくではこなたの態度を更に硬化させてしまうだろう。 ならばどうすればいいのか、クーガーは迷う。 クーガーとこなたの鬼ごっこは、まだ続いている。 【一日目午前/F-8 総合病院付近】 【ストレイト・クーガー@スクライド】 [装備]:葛西のサングラス@ひぐらしのなく頃に [所持品]:基本支給品一式、不明支給品(確認済み)0~1 [状態]:身体中に鈍い痛み、腹部に裂傷、疲労(大) [思考・行動] 1:こなたを正気に戻す。 2:かがみと詩音の知り合い(みなみ、圭一、レナ)を探す。 3:詩音が暴走した場合、最速で阻止する。 4:総合病院の面々が心配 【泉こなた@らき☆すた】 [装備]:女神の剣@ヴィオラートのアトリエ [所持品]:支給品一式、確認済み支給品0~2個、ルイズの眼球、背骨(一個ずつ) [状態]:健康 [思考・行動] 1:クーガーから逃げ、他の参加者に助けを求める 2:優勝して、ブイツーからリセットボタンをもらう。 3:他の参加者を教会に向かわせて後藤と戦わせる。後藤が弱ったら後藤を倒す。 ※総合病院での九人(クーガー、詩音、ジェレミア、奈緒子、アイゼル、北岡、五ェ門、つかさ、次元)の情報交換の内容 1.金髪の男(レイ)、茶髪の少年(圭一)、白髪の男(縁)、ナイトのデッキの少年(ミハエル)、こなた、後藤、浅倉が危険人物である事 2.それぞれのロワ内での大まかな動向、及び元からの知り合いに関する情報 3.ライダーデッキとミラーモンスターに関する情報 4.喋る剣(デルフリンガー)の存在 5.アルター能力 次元は1.の項目、及び3.の簡易説明のみです。 それぞれどこまで詳細に伝えたのかは、後続の書き手の方にお任せします。 クーガーと詩音が院内で回収した医薬品や包帯は各グループで分配しました。種類は後続の書き手の方にお任せします。 時系列順で読む Back 癒えない傷 Next Reiner Rubin 投下順で読む Back 癒えない傷 Next 嘘か真実か 100 癒えない傷 柊つかさ 105 夢の終わり(前編) 石川五ェ門 北岡秀一 次元大介 ジェレミア・ゴットバルト 山田奈緒子 アイゼル・ワイマール レイ・ラングレン 園崎詩音 ストレイト・クーガー 108 Waiting for the End of the Ground 泉こなた 081 光を求めて影は 浅倉威 105 夢の終わり(前編)
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■挨拶はやらしく!(2009年10月18日) 12 49 (Elli) こんにちわ 12 49 (kyara__) こんにちはー! 12 49 (kyara__) よおこそ 12 49 (Romance) こんにちは~ 12 49 (Elli) エリーと申します。(* ̄ ̄ ̄ ̄∀ ̄ ̄ ̄ ̄*)ノょろしく 12 49 (Bernie) こんにちは 12 49 (SUTONA) やらしくっ!!!!!11 12 49 (Romance) わざとかしら 12 50 (ai) 攻められたいのヵしらっ 12 50 (nakasu) よろしく~…すとにゃんのえっち~!! 12 50 (SUTONA) nakasuさんは息絶えた! 12 50 (kyara__) あら、やらしいわ・・・ 12 50 (ai) Elliさん こんちゃ~ 12 50 (ai) よろしくお願いします 12 50 (SUTONA) おはやうと同じですっ 12 50 *ai topic 挨拶は やらしくっ!!!! 12 51 (nakasu) うわぁ… 12 51 (SUTONA) わぁふぅ~! 12 51 (nakasu) 和風 12 51 (kyara__) 和風 12 51 (ai) わふぅ 12 51 (e) 和風 12 51 (kyara__) 和風。 12 51 (SUTONA) わふぅ~! SUT○NAさんは素敵だなぁ(棒読み)
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作品名 URL ハグルマドリーマ http //neetsha.in/16108
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元親は、彼女がいまだ男を知らぬ身だとは思ってもみない。 成人しているのだから当然、その上これだけの容姿なのだから男なんて選び放題だろう。 (つうか、こういうのに限って床ではすげぇ淫乱だったりするんだよな。) 元親は、その『選び放題』の中から自分が外れているらしいのが気に喰わない。 (くそ。ぜってぇ惚れさせる。 やらしい事しまくってヒィヒィ言わして、この俺に骨抜きにさせてやる。) 元親は、常ならばあまり女を泣かせるような性交は好まない。 人生や戦と同じく性交も楽しむもので、相手が辛いのは後味が悪くて萎えてしまう。 しかし、今回狙ったお宝を手に入れるのは少しばかり手荒い方法を採らなければならないようだ。 (騎乗位だと逃げるかな。いいや腕力では確実に負けないだろう。 細い手首を捕まえて、結合部が丸見えだぜとか言葉責め。 対面座位、これがいいか。縋りつかせてみたい。 いやいや後ろから抱いて鏡に映った自分の姿見せつけてやるのがいいな。 うん。さっそく実行しよう。何しろ時間はもう今夜しかない。) 一方元就は。 元親が考えているような卑猥な行為がある事すら夢にも思わず、ただ彼が次に発する言葉を待っていた。 心の中がどうしてか霧がかかったように晴れず、どうしていいかわからない。 言いたい言葉も結局みつからない。 だから、彼が何か言えば。会話が進めば、この不快で理解出来ない気持ちの正体も判明するかもしれない。 そうでなくとも、先程のようにまたきつい言葉を返せば、(――嫌われてしまえば)楽になるだろう。 そんな事を思っていた。 遠くに、かすかな雷を聞きながら。 潮の花17 ―――――――――― 番外編開始時に『エロはなし』と書きましたが、このままだと今後長曾我部が可哀想な展開になるのと、 当方自身どうにもリビドーを抑えることが出来なくなったのでエロシーン追加します。 まだしばらく二転三転するのですが。 投下の間が空いたのは辻褄合わせと後のエピソードの削除や追加をしていたからでした。 市の責めが酷くなって、伊達の出番が減ったくらいですけど。