約 331,139 件
https://w.atwiki.jp/hanahotel/pages/26.html
2010年 月刊会津情報誌「会津嶺」に掲載された花ホテル講演会参加者の感想・報告文です。 花ホテル講演会の魅力 斎藤 優貴子 +出典:会津嶺 2010年11月号 No.380 「花ホテル講演会」が開催されていることを知ったのは、今から一年ほど前のこと。知人からの誘いで、塩田さん(花ホテル滝のや支配人)主催のイベントのお手伝いをしたことがきっかけでした。 花ホテル講演会が開催される柳津町と私が住む西会津町はすぐお隣ですが、塩田さんと知り合うまでは、そんなに交流がありませんでした。今では頻繁にお邪魔させていただいています。塩田ご夫妻いつも心遣いありがとうございます。塩田さんと連絡先を交換してしばらくすると、パソコンに花ホテル講演会の案内メールが届きました。講演会のタイトルや内容を見て、難しそうで気軽に参加出来ないなぁ・・と当初は思っていました。講師陣は毎回多彩な面々、聴講する人達も著名な活躍されている方から私までと幅広いファンがいます。今は、ジャンルやキャリアの全く違った人のお話を、生で聴けるチャンス☆勉強させていただこう!と言う思いで、参加しています。 講演会後に行われる講師を囲んでの懇親会が何とも楽しく有意義な時間になります。美味しい料理とお酒を囲み話が弾みます。初めて参加した時には懇親会のルール?を知らず頓珍漢な言葉を発したことを思い出します・・・。ルールと言いますか、席に着くと時計回りに、一人一人の自己紹介タイム。時には、二周三周となることも・・・。 人前で話すのが得意でない私は、毎回「訓練」と思いながら、皆さんの前で自己紹介させていただいています。毎回へたくそな私の話にも、耳を傾け聞いて下さる皆さん、ありがとうございます。 講演会や懇親会に何度かお邪魔するようになり、地域SNS会津SICONに誘われました。 仕事の上司や尊敬する先輩方、お友達も登録していること、会津だけに留まらず県外・海外でも登録している方もいる「SICON」と言う地域SNSサイトがあることは以前から知っていましたが、普段からメールなどマメな方ではないので登録せずに いました。積極的な塩田さんに登録を勧められSICONデビューしたのも一年前のことです。登録翌日、早速お友達要請メールが届きました。仕事で何度か一緒になった○○さんからだ!その方は、たくさんのお友達を紹介して下さいました。 花ホテル講演会は、会津SICONのオフ会の場でもあります。リアルに顔を合わせることができると言うのは、とても楽しみになります。私のように住むところが近いと参加しやすいのかもしれませんけどね。離れたところにお住まいの方もネットで講演会のライブ映像を見ることができますし、参加してみてはいかがでしょう。 西会津町で仕事をさせていただいていること、花ホテル講演会や地域SNS会津sicinに誘っていただき、たくさんの尊敬する人達とお知り合いになれたことetc・・・。無知で未熟な私に、いろんな事を教えてくれた人。見たことのないものを見せてくれた人。経験させてくれた人。また、私が悩んでいる時に真剣にアドバイスをくれた人。自分より年齢もキャリアもずっと上の人達が、気さくに真剣に接して下さること、そういった空間を作れる素敵な大人の方々と出会えたこと。 この1年間は、今の私にとってとても大切な出会いがたくさんありました。素敵な大人が集う場所・・・それが、花ホテル講演会です。 参加すると元気に前向きになれる、素敵な出会いの場でもある花ホテル講演会。今後500回・1000回と継続していくことでしょう。人と人との出会いやつながりを大切に、感謝の気持ちを忘れず、これからも参加させていただきます。 来年年明けには、知人の女性が講演する予定です。聴講している方が、次回講師をすることになったり・・・面白いですよ♪花ホテル講演会。 次、花ホテルで講演するのはあなたかも。 花ホテル講演会の七不思議 会津若松市在住 柾屋 奈津子 +出典:会津嶺 2010年10月号 No.379 私は『花ホテル講演会』のファンのひとりです。昨年の六月に初めて参加してから、 十三回お邪魔しています。そんな私が日頃、花ホテル講演会について不思議に思ってい ることをお話したいと思います。 題して、《花ホテル講演会の七・不・思・議》 花ホテル講演会に参加すると・・・ 一、 どんな分野のことにも興味・関心がもてるようになる 二、 宴会場が・・・早代わり 三、 初対面の方とでも仲良くなれる 四、 講演会終了後に開催される懇親会が魅力的♪ 五、 なぜか自己紹介が好き(クセ)になる 六、 柳津町が近くに感じる 七、 花ホテル講演会に友人を誘いたくなる 一、 どんな分野のことにも興味・関心がもてるようになる 「今回の講演会はどうしようかなぁ・・・」と思っていると、なぜか塩田さんから 連絡がきます。誘われて行ってはみるものの、私が聞いて理解できるのだろうか? などと思いながら席に着き、知り合いの方と挨拶を交わし、待つことしばし。講演会 が始まると、心配はどこかに吹っ飛び、メモを取りながら真剣に聞いている私がいま す。難しい話と思っていたけれど、私にも分かってしまう内容なのです。それは講師 の先生が、会場の雰囲気に合わせてご講演をしてくださっているからだと思います。 ありがとうございます。知らなかった世界をのぞけることも「花ホテル講演会」の魅 力のひとつです。 二、 宴会場が・・・早代わり 時には、大学の教室。時には、花ホテル音楽堂、マジックショーのステージに。そ して、寄席にも早代わり。もちろん、懇親会の会場にも使われます。まったく違和感 がありません。なんと万能な宴会場なんでしょう。 三、 初対面の方とでも仲良くなれる 私の性格を知っている方は「柾屋さんだからでしょう!!」と思われるかもしれません が、講演会を聞いた後、会場全体に連帯感が生まれ、初対面の方とでも名刺交換や挨拶 を交わして皆さんがコミュニケーションをはかっています。私は「花ホテル講演会トモ ダチ」がたくさん出来ました。(私がトモダチだなんて、恐れ多い方もいらっしゃいま すが、ここではトモダチと呼ばせて下さい。宜しくお願いします。) 四、 講演会終了後に開催される懇親会が魅力的♪ 五、 なぜか自己紹介が好きになる(クセになる) ※関連性があるので合わせてお話します。 講演会終了後は懇親会へ直行で講演会は通常午後七時から八時半くらいまで、その後、 講師の先生と参加者の皆さんでの懇親会があります。おいしい食事とたのしいお酒で話が 弾みます♪ここで登場するのが「自己紹介」です。始めは名前を言うだけの簡単なもので すが、これが楽しい、クセになります。是非、お試しください。 六、 柳津町が近くに感じる 私のうちから花ホテル滝のやさんまでは28kmです。もちろん物理的な距離は縮まりま せんが、感覚的な距離は縮まるようです。常連の皆さんはいかがでしょうか? 七、 花ホテル講演会に友人を誘いたくなる 花ホテル講演会に参加すると元気になります。毎回、発見があり、出会いがあります。本やテレビ等でも知識を深めることは出来ます。昨今ではインターネットで何でも瞬時に調べられる時代ですが、やっぱり「ライブ」です。講師の先生に会って、直接お聞きする話には、言葉に力があります。私の目標は元気な人を増やし、会津を元気にすることです。私は講演会に参加するときは必ずどなたかを誘うようにしています。それは、帰りの車で感想を話し合いたいからです。柳津の往復は安全運転で参ります。皆様宜しくお願い致します。 つたない文章をお読み頂きありがとうございました。常連の皆様《花ホテル講演会の七不思議》はいかがでしたでしょうか?まだ参加されたことの無い方には講演会の素晴らしさが伝わりましたでしょうか?百聞は一見にしかず、私がはまってしまった『花ホテル講演会』皆様も是非、お試しください。 最後になりましたが、塩田さん、いつもお世話になっています。花ホテル講演会は末永く続けてください。これからも宜しくお願いします。 講演会とSNSの相乗効果 会津若松市 菅野俊太郎 +出典:会津嶺 2010年9月号 No.378 「伝えるべきことと伝えてはいけないこと」。ん、何だろう。7月7日、花ホテル講演会の副題に目が留まった。旅行業界に詳しい横田純子さんによる「観光?着眼点と表現力」をテーマにした講演だ。 「伝えるべきこと」はあらかじめ何となく想像が付いた。その土地ならではの魅力を具体的に示す必要性を述べるのだろう。しかし「伝えてはいけないこと」はよく分からなかった。一度話を聞いてみたい方で、参加してみた。 横田さんは活気のある方で、主に宿泊施設における多くの事例を挙げながら、特長となる気付きの大切さを説かれた。「キャッチは短く」「データは丁寧に」など、基本を大事に、客の心をつかむこつを強調していたのが印象的だった。 「伝えてはいけないこと」とは、例えば訪れた人が「ここはきれいですね」と言ったとする。その際、受け入れ側は「いやいや、昔はもっときれいだったんですよ」などと客の感動に水を差すような言葉を控えるべきだという。とにかく相手の話を受け止めることが大切だということだろう。 この講演会の良さは多彩な講師陣はもちろん、講師を囲んでの懇親会の存在も大きい。老若男女気さくな方ばかりで、前向きな参加者の皆さんから何か元気をもらえたような気がした。初めて参加した方もきっと打ち解けた会話ができると思う。 最近、講演会の関係者から、地域SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)「会津sicon(シコン)」への参加を勧められた。講演会に参加している多くの方が会員になっているという。 早速登録すると、わたしを引き入れてくれた方の紹介で、すぐに会員から「友達要請」の好意的なメッセージが届いた。講演会で知り合った方が多いが、会ったことがない方でも紹介者を仲介して知り合えるのは新鮮だ。自分の関心事が共通する方とはその後、話が弾んだ。 しばらくして今度は紹介者から「日記デビューしませんか」と誘われた。普段、全く日記を書かない面倒くさがり屋だが、やってみることにした。 まず?出掛けた場所の話題を簡単に綴った。書いた後、日記に対するコメントという形で反応が返ってきた。今回の講演会で知り合った方はもちろん、全く新規の方からも頂いた。 続けて書いてみる。今度はドライブ中の見慣れぬ光景を記した。当然ながらまた別の方が詳しく教えてくださる。閲覧件数やレスが増えていく。講演会で知り合った方が多く参加していて会津siconはなじみやすい。 講演会は単なる勉強会の域を超え、地域SNS会員同士が実際に顔を合わせるオフ会の性格もあるようだ。講演会と会津siconの両方が組み合わさることで相乗効果をもたらすことを少しずつ感じている。 花ホテル講演会 泥酔記 新城榮一(会津若松在住)談 +出典:会津嶺 2010年8月号 No.377 ん~。なんでい?人がイイ気持ちで呑んでるのに。何?「花ホテル講演会」の題で何か書くように塩田さんが言ってきた?しょうがねえなあ。塩田さんには色々と無理をお願いしてるし。しかし、こんなに酔っ払ってまともに書けるかな。ん?オネエチャンが書いてくれるのか。ありがてえ。んじゃ、喋るから適当に書いつくれ。 そもそも、なんで花ホテル講演会に最初行ったのか・・・。実はよく覚えてねえんだ。4~5年前だったかな。ナンカの用事でタマタマ花ホテルに行ったんだな。そしたらズドン!その日が講演会だったわけ。まあ講演会はどうでも良いんだが、その後に懇親会という名前の「呑み」が有るっつうじゃねえか。これは天の恵み。で、酒呑みの前座の講演会とかいうのに出たわけだ。何?「ヤッパリ呑む話か」だあ?黙って書け! そしたら、大槻ケンジみたいなのが出てきて何か喋ってるんだな。これが面白かった。後で聞いたら「デザイなんとか」いう会社の前田社長とか言う御仁だったらしい。講師もちょん髷で変だったが、参加してる方もまた面白れえんだ。まともに勉強してるってよりは、仲間の報告会。んで、その後はその話を肴に酒を呑むわけだ。これにハマッちまった。 塩田さんが知恵者だと思ったのは、講演会を聴いてる人に次の講師を振ったりすんの。なるほど。聴衆が講師になるシステムならば、拡大再生産。資本主義の王道を行ってる。 そしたらその内に、オイラにも何か喋れとお鉢が廻ってきたので、得意の酒の呑み方を講釈したわけだ。なにい?「どういう話だ」だあ?酒の呑み方は1つしかねえ。べらぼうに呑むんでえ。 「そんな話で良いのか」だあ?何でも良いんだ。テーマも内容も講師に任されるんだ。面白えとお客さんが増えるし、面白くねえとお客さんが来なくて、塩田さんが客集めに苦労するつうわけだ。 最近、気がついたのは、そうやって知り合ったヤツラが、何人も一緒に仕事をしてんだな。なるほど。講演会は出会いの場でもあるわけだ。講演会でどんなことを話してるか。その後の懇親会でどんな発言や感想を持つか。その後、どんな行動をそいつは取ってるか。要は「言ったことをやってるか」だな。そうやってくと大体の人物評価ができちまう。 まあ、中には眼鏡違いもあるが、それも愛嬌だろう。 そのおかげでこうやってオイラは酒が呑めるし、アンタは記事が書けるわけだ。 そしたら、塩田さんは講演会の裏バージョンを始めっちまった。「お見合いパーティ」。確かに、出会いの場の応用としては「そのまんま」という気もするが、何をやってるかはわからねえ。オイラはカアチャン怖いから出たことたねえから。 最近は講演会もインターネットで配信したりしてるらしいから、結構、気を使って喋らないとイケなかったりして、チット窮屈だったりするが、これも世の中の流れだろう。とにかく200回以上続けてきたというのは、講演会が大勢に支持されているか、塩田さんが相当にシツコイか、もしくはその両方だと思うぜ。 あら、酒が無くなっちまった。お~い。酒買ってコ~イ! (記者注:酒を買いに行くフリをして、この酔っ払いから逃走します。皆様もどこかで、この酔っ払いに出会ったら重々ご注意ください。) 地域に開かれた「学びの場」 会津坂下町 江川和弥 +出典:会津嶺 2010年7月号 No.376 この花ホテル講演会をはじめたい、と塩田さんからお話を聞いた時には、やめた方が良いのでは・・・と思ったりしました。私自身、人の話を聞いて行動を変えた経験や深く学んで生き方に影響を受けた経験はさほどなかったからです。「講演会」は日本人は好きですが、そこに双方通行ができないと誠につまらない「独演会」になってしまいます。それでも講演会が好きな人は、自分で人とあまり関わらないで学びたい人なのかもしれません。 花ホテル講演会は、いい意味で期待を裏切ってくれました。講演者は地元の人が中心で、講演を終えて必ず懇親会があり、相互の関係性や講師とのやりとりがあります。そこはお互いに自分を「開く」パブリックな「場」として存在しています。話をする中で自分の方向性を見つけ出す「若者」の姿や有為な人材を捜し仕事のパートナーとする人たちもいます。 私にとっては、「情報収集の場」です。ここで会津のあらゆるジャンルのプレイヤーに会う事ができます。自分が何か刺激を受けたいとき、考えているとき、ここで話をする事で次の何かを得て帰る事ができます。 その意味で塩田さんは誰にでも無防備に自分を開く事ができる貴重な人材です。そのコミュニケーション能力とネットワーク力がなければこの場をつくる事ができなかったと思います。「場」が優れているから人は自分の思いを十分に開花させ、自分なりの成果を持ち帰る事ができるのだと思います。 前回のアムジャドさんも書いていましたが、次のステージが必要な時期にあると思います。1つ提案させていただければ花ホテル講演会は、学びをさらに深める「奥会津大学」(仮称)への衣がえです。温泉でもっと学びの楽しさを追求することで、体と心を自由にし、社会に帰ってその充電の活かすような場になればいいのではないでしょうか?生涯学習とビジネスや社会起業のインキュベーター、健康を回復し、世俗の疲れを癒す場としての機能を果たす。まさにそれこそが21世紀型温泉地の役割のような気がしています。 テーマを設定したりカリュキュラムをつくるのは、既存の参加者に任せて情報発信しつづければ学びたい人は集まります。自分で書いていてもワクワクします。いやこれはできるかも?いいかも?と思っている人はぜひぜひ賛同して下さい。ツイッターでつぶやき合いましょう!!。 「次のステージに想いを馳せる」 東京都 バーバル・アムジャド +出典:会津嶺 2010年6月号 No.375 東京をベースに活動している私が「花ホテル講演会」の存在を知ったのは、5年前。経緯を書くと長文になってしまうが、当時の東京でのビジネス関係の「お友達のお友達」から受け取った講演会メルマガに反応し、柳津町に向けクルマを走らせたのが始まり。たしか、裏磐梯の某ホテルに関する再生案件の講演だったと記憶。 当時、「柳津町」とは聞いたこともなく、「やないづまち」と正しく読めないありさま。そんな柳津町には、今では1~2か月に一度のペースでお邪魔しており、会津で活躍されているビジネスオーナーをはじめ、自治体・行政の方々など幅広くお会いできる機会に恵まれ、あらゆる角度から「会津のいま」を勉強中である。 今回、筆を執らせて頂くにあたり、200回を継続できた講演会の背景を私なりに考えたい。 経済的には、講演会運営には、講師謝礼とインターネット放送用の機材調達、厳密に言えば、支配人塩田さんが講演会運営するにあたっての、宿泊施設としての逸失利益もカウントするべきかもしれない。懇親会の飲食費用もかかる。 収入もあるが、金銭的アウトプットが着実に伴っているわけだ。詳細な収支はわからないが、お金の出入りがあると言う事実に照らし合わせると、講演会は、立派な「ビジネス」と言える。わずかな額でも毎回赤字を積みかねていれば、200回は到達できるはずがなかった。 私見だが、スタートアップとして、”Start small. Run small”、「小さくはじめて、小さく続ける」に徹したことが、まるで、プールでのけのびのように、最初の一蹴りで効率よく遠くまで進めたのかもしれない。 講演会のネット配信用には決してプロ用の高価な機材をそろえたわけではなく、三洋の市販モデルXactiが大活躍。講師謝礼も、失礼ながら、遠方の交通費が出るかでないかのレベル。 決して潤沢なバックアップがあっての運営ではないのだが、そんな逆風を吹き飛ばす、花ホテル講演会のもっとも大きな特徴と言えるかもしれないのが、「ノン・プロ講師の積極起用」。芥川賞作家や大学などで教鞭をとっておられる、いわゆる、「先生」と言われる方々も、私のような、ひとりのビジネスマンも、まったく同じ条件でマイクスタンドの前に立つことができる。 「○○の知識は、絶対に先生より知っている!」、「△△のことなら2時間喋れる」・・と言う、人間が持つ、淡い自己顕示欲発表の場を(結果的に)広く平等に提供し続けてきた事実もまた、200回と言う数字に繋がり、謝礼を度外視して、講師陣の協力を得られたと思う。 と、講演会の背景を読み解くと、ここまでの継続が、むしろ、「必然」とも言えるシナリオが動いていたわけである。果たして、塩田さんご本人がそこまで読んでいたかどうかは定かではなく、むしろ、ご本人は、「より多くの町の人、会津の人にお話を聞いてもらいたい」と、小さく、経済的に無理せずに始められたと思う。 200回を数え、この数字は立派な、「実績」として輝いている。今や塩田さんのパソコンには、200回分のあらゆる分野の講師のデータベースが出来上がっている。 今後はこのデータベースを、花ホテルを飛び出したところでも活用できないか模索することも、要検討ではないだろうか?柳津町に限らず、商工会や会津若松市まで範囲を広げて。更には、福島県としても講師データベースに目を通すだけの機会があってもいいと思う。 講師陣には、観光カリスマや経済・ビジネスの専門家、ネットショップのスペシャリスト、地元密着のNPO法人などが含まれており、大学の先生もいらっしゃれば、県の内外でリアルにビジネスの世界で活躍されている方が多く、観光やビジネスに即効性がある話が聞けるかもしれない。 塩田さんをはじめ、講演会ファン、県の内外から協力を惜しまなかった講師陣が創り上げた花ホテル講演会。 次のステージに想いを馳せるときが来た。 2010年月刊「会津嶺」5月号より +出典:会津嶺 2010年5月号 No.374 のちほど。 花ホテル講演会に参加してみませんか? 喜多方市 大竹 好子 +出典:会津嶺 2010年4月号 No.373 月に何度か開かれている「花ホテル講演会」に参加するようになってから、私の中で気付かされたことがいくつかある。様々な認識であったり価値観であったり物の見方であったり、これから生きて生活していくうえでの私の「支心」であったり、それら全ては「人の話を聞く」という基本的なことから始まっている。そこには何も難しい事はなく、人と人との関わりの必要性を感じることが出来る。元々、人と話しをしたり、人の話しを聞いたりすることが好きで、例えば、買い物に行った先での店主とのたわいないおしゃべりに花が咲き、そんな会話の中から改めて気付かされることがある。 人と人との関わりから生まれ出るものは量り知れず、1+1=2 ではなく、時には 1+1=3 になったり4になったり、そんな経験をしてしまうと、人と関われずにはいられない病になる。実際、花ホテル講演会に参加させて頂くことを通して何度となく得した気分になっている。私個人では決して知ることの出来ない様々な講演題目と講師の方々の多彩なことといったら。主催者の人脈の広さを感じさせる。不思議なことに、堅苦しい内容の講演を想像していて、ある程度の覚悟をして参加しても良い意味で裏切られるのである。講演会の後には必ず講師の方との親睦会が設けられ、又別の角度からの話しに花が咲き、お酒の力も手伝ってとても和気あいあいとした雰囲気の中で、自分自身の人脈が少し広がったような嬉しい気持ちになるのだ。 私は3人の子を持つ普通の母親である。好奇心旺盛、ポジティブ、物怖じしない、フットワークが軽いなどなど、いたって普通の「オバサン」である。自分から求め行動する時、その結果はすぐに出なくても、自分の「栄養素」の1つとしてどこかしらの細胞に効いてくれてると信じ期待しつつ、いつか近い未来にどこかしらの私自身の細胞を活性化させてくれ、少しずつ若返らせてもらえるような気がするから。若返りの水の話じゃないけど、私としては若返りの講演会とでも名付けたい気分。 塩田さんの企画運営する数々の試みは着々と地域や人々に根付きつつ、今も広がりつつあり、あわせてかなりのユーモアセンスのある方だということも知った。何事も始まりは『好き』になることから、次に「続ける」ことに繋がるというのは私の自論。今後も興味ある講演会へは時間の調整がきく限り参加し、少しでも若返れたらという期待を胸に、おいしいコーヒーとお茶をお供に。まだ未体験の方、参加してみてはいかがですか。 花ホテル講演会に参加してみませんか? さくら ももこ(仮名) +出典:会津嶺 2010年3月号 No.372 会津地方の情報タウン誌として370回を超える会津嶺。月1回の発行をざっと計算すると、30年続いている事になり、考えただけで気が遠くなります。はてはて、私が何歳の時から続いているのだろう・・・。 毎回、旬の情報を収集して形にするのは、大変な労力だと思います。何気なしに目にする会津嶺の裏方の事を思うと、ただただ頭が下がる思いです。製作している皆さんの想いが世代を超えて、多くの方々に愛され支持されているからこそ、こんなにも長く続けられているのだと思います。 時折手に取る会津嶺の中に『こちら会津柳津温泉「小さな宿の勉強会」報告』という連載記事があります。会津に住んで居ながら何も分からない私も「へー、こんな講演会をやっているんだぁ」と、頭の片隅に感じていました。 私事ですが、数年前から仕事の関係で「滝のや」さんにときどきお邪魔しておりましたが、この勉強会と「滝のや」さんが頭の中で一致することはなく、ただ仕事をしているだけでした。 そんなある時、社長の塩田さんから「実はね、こんな事をやっているんですよ」と見せられたのが会津嶺。花ホテルの勉強会の記事でした。「あっ!!そうだったんだ!!」と、その時初めて、絡まっていた糸がほどけたものでした。 その後も何度か仕事でお邪魔しながら塩田さんご夫妻の人柄に触れ、この勉強会発足のきっかけや会津に対する熱い想いを聞いているうちに、私もこの勉強会に参加してみたいと思う様になりました。 会津嶺の掲載記事の左側を見ると、すでに190回を過ぎています。月に3、4回のペースで行われる勉強会を企画運営出来るのも、塩田さんの素晴らしい人柄と幅広い人脈の賜物だと思います。 お言葉に甘えてロビーでお茶をご馳走になっていると、いろんな方が次から次へといらっしゃいます。そこで私も顔見知りになったりします。希薄になっている人と人との繋がりを感じずにはいられません。 毎回テーマが違うので自分の興味のある事、知りたいお話が必ずあると思います。大きな気付きや発見、明日への活力、心に残るお話に出会えたら、それはそれは、すごい感動だと思います。私も気になるテーマがあるので、次回は是非都合をつけて必ず参加したいと思っています。 花ホテル講演会に参加して 奥会津金山町 目黒 謙 +出典:会津嶺 2010年2月号 No.371 花ホテル講演会を知ったのは、約3年半前、奥会津の実家に戻ってまもなくでした。実は私は長年、故郷奥会津を離れ神奈川、長野県で電機企業に勤務し、30数年ぶりに戻った人間です。田舎でノンビリ過ごそうという想いも半分ありましたが、地域のお役に立ちたいと思うようになりました。それは会津地域も経済の停滞と共に過疎化が進んでいるからです。 昔はにぎやかだった大通りもシャッター通りになっていました。そんな時、地域活性化事業の知り合いから、「会津若松から金山町に帰る途中、柳津の花ホテル滝野屋さんがあるから、そこのご主人(塩田さん)と話をすると面白いよ」と教わり早速その日の夕方、突然の訪問をしました。ご主人からは、ちょうどその日も講演会があると、誘われるまま参加しました。講演会終了後の交流会にも参加しましたが、会津にはこんなに元気な人達が一杯いるんだと驚き、また頼もしく思いました。いつの間にか私自身が数ヶ月先に講演をする約束もしていました。 この花ホテル講演会は、とにかく回数が半端ではなく、またテーマも多方面にわたります。私自身は興味あるテーマの際に参加するようにしているのですが、毎回のように出席される常連さんも多いのが特徴です。またこの講演会の良さは、テーマだけでなく、講演会終了後の講師、そして出席者多数とのアルコールの入った交流会にあります。大勢の仲間たちとの意見交換ができます。私(元半導体エンジニア)にとっては異業種の方々が多く、今までは知らなかった世界に戸惑うこともあるのですが、知る楽しみが味わえます。最近は私自身、奥会津での地域活性化関連の仕事が増えてしまい、講演会に参加する機会も減っていますが、何とか時間を捻出して、また元気をもらいに行きたいと思っています。 黒澤 さん +出典:会津嶺 2010年1月号 No.370 のちほど掲載。 以下広告
https://w.atwiki.jp/3size/pages/2306.html
『崖っぷちホテル』 出演者情報 役名 名前 年齢 身長 体重 B W H カップ 更新日 桜井 佐那 戸田恵梨香 33 163 75 56 78 B 2016/07/06 ゲスト 第3話(2018/4/29)ゲスト 役名 名前 年齢 身長 体重 B W H カップ 更新日 小山内裕子 川栄李奈 26 152 79 58 82 2016/07/12 第4話(2018/5/6)ゲスト 役名 名前 年齢 身長 体重 B W H カップ 更新日 山井 松永渚 30 156 45 81 58 89 2016/03/31 第6話(2018/5/20)ゲスト 役名 名前 年齢 身長 体重 B W H カップ 更新日 後藤 ミチル 大沢ひかる 26 167 83 63 88 2015/10/19 第8話(2018/6/3)ゲスト 役名 名前 年齢 身長 体重 B W H カップ 更新日 長女:イレーネ 小川紗良 25 159 76 62 92 2019/10/13 次女:ニーナ 泉はる 25 170 47.7 76 61 85 2016/07/17 三女:サーラ 渡辺瞳子 28 166 89 65 90 2018/06/17 四女:ヨハンナ 高橋明日香 34 153 80 59 80 2018/06/17 第10話(2018/6/17)ゲスト 役名 名前 年齢 身長 体重 B W H カップ 更新日 川北久美 谷村美月 31 159 80 56 80 2011/01/05 ホテル・スィーヴルのスタッフ 西山繭子 43 165 82 59 84 2011/09/16
https://w.atwiki.jp/p2kwsk/pages/118.html
ほてるぷれあです 概要 鳴海区に存在する高級ホテル。 南条圭は日本滞在中、ここのペントハウスに宿泊しており、パラベラムでの接触後情報交換が行われ、 南条orエリーが仲間に加わることになる。 正面から入ると観光客向けのショッピングモールがあり、 エボニー、クレール・ド・リュンヌ、パパラチャといった高級な店が軒を連ねる。
https://w.atwiki.jp/wrtb/pages/6293.html
鳥の楽園ホテル 名前:The Birds of Paradise Hotel ロケーション:『スティッチ!ザ・ムービー』(2003年) 概要 ハワイ*のカウアイ島*のコカウア・タウンにあるホテル。ジェイムソンさんが経営しており、後にナニ・ペレカイが働いている。 宿泊者専用のプールがあり、宿泊者用のタオルを使っている人しか使用できない。タオルの色は日替わりであるため、宿泊者を騙って入り込むことは困難。 登場作品 エピソード スティッチ!ザ・ムービー リロ・アンド・スティッチ ザ・シリーズ エピソード スティッチ!ザ・ムービー リロ・ペレカイ&スティッチがスパーキーを追って辿り着いたホテル。二人の連携プレーでスパーキーを捕獲する。 リロ・アンド・スティッチ ザ・シリーズ 「クリップ」では、リロとスティッチがクリップを捕まえるために訪れる。 「メルティー」では、ナニ・ペレカイの初の出勤日となる。リロとスティッチはタイムマシンを使って何度も過去をやり直してより良い未来にしようとするが、何度やってもうまく行かず、最終的に微妙な一日を終える。おかげでナニは完璧な一日を終えることができた。 「スワーリー」では、人気番組「あなたがヒーロー*」の生放送が行われた。 「ドラウジー」では、ガントゥと試作品625号がベルボーイに扮し、リージス・フィルバン*を誘拐しようとするが、リロの機転によって失敗。 「ラックス」では、T.J. デトワイラー*、ビンス・ラサール*、アシュリー・スピネリ*、グレッチェン・グランドラー*、マイキー・ブラムバーグ*、ガス・グリズウォルド*が滞在。リロとスティッチと協力してラックスを追う。
https://w.atwiki.jp/nakamatachi55/pages/9.html
関連ブログ @wikiのwikiモードでは #bf(興味のある単語) と入力することで、あるキーワードに関連するブログ一覧を表示することができます 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_161_ja.html たとえば、#bf(ゲーム)と入力すると以下のように表示されます。 #bf
https://w.atwiki.jp/nakamatachi55/pages/5.html
更新履歴 @wikiのwikiモードでは #recent(数字) と入力することで、wikiのページ更新履歴を表示することができます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_117_ja.html たとえば、#recent(20)と入力すると以下のように表示されます。 取得中です。
https://w.atwiki.jp/nakamatachi55/pages/6.html
アーカイブ @wikiのwikiモードでは #archive_log() と入力することで、特定のウェブページを保存しておくことができます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/25_171_ja.html たとえば、#archive_log()と入力すると以下のように表示されます。 保存したいURLとサイト名を入力して"アーカイブログ"をクリックしてみよう サイト名 URL
https://w.atwiki.jp/pam-iwate/pages/1994.html
男鹿市 男鹿市ホームページ http //www.city.oga.akita.jp/ 男鹿市観光協会 http //www.namahage.ne.jp/~ogakk/ 男鹿市商工会 http //www.namahage.ne.jp/~ogasho/ 観光コース 鉄道・バス タクシー[[]]… レンタカー 空港 温泉 日帰り温浴ランド おが…多彩な浴槽や、さまざまな施設が 夕陽温泉WAO…黄昏のきらめく日本海を眺めながら・・・・ 宿泊〈男鹿温泉郷〉 湯本ホテル…天然温泉100%かけ流し セイコーグランドホテル…大自然が目前に広がる露天風呂 大浴場 元湯 雄山閣…お湯は、季節や気温で茶褐色、緑、白色と湯色を変 男鹿ホテル…自家源泉を贅沢に掛け流しでお楽しみ頂いておりま 白龍閣…お部屋食ができる宿としてご好評を頂いております。 萬盛閣…男鹿の魚でおもてなしをしています 男鹿観光ホテル…男鹿観光の途中で、あるいは釣りや海水浴のお 男鹿グランドホテル…男鹿半島で初の二本の源泉掛け流しの宿 国民宿舎 男鹿…天然温泉100%の温泉宿 ホテル帝水…海と入り陽の宿 ホテルサンルーラル大潟…花・料理・美容・釣り・観光のルーラ ホテルきららか…男鹿の自然そのものが最高の施設です 宿泊施設 ホテル 旅館漁師旅館 親栄館…漁師で頑固で・・・でも、やさしい親父の宿 磯乃家旅館…海の幸満載 磯料理の宿 旅館 浜彩…日本海と館山崎の絶景を一望 民宿民宿 亀屋旅館…夏には活きウニや岩ガキ、冬にはハタハタ寿司や ログハウス・ペンション キャンプ場なまはげオートキャンプ場…さあ、自然の中に溶け込もう! 観光施設 観光スポットなまはげ館…出かけませんか?なまはげに出会う旅へ 男鹿水族館GAO…男鹿の海を中心に国内外の代表的な生き物と 展望台寒風山回転展望台…360°の大パノラマを満喫することが出来 遊覧船男鹿観光海底透視船株式会社…遊覧海底透視船で魚たちや美しい 秋田湾観光…海からの眺めは また格別です 博物館・美術館・資料館 道の駅 ゴルフ場男鹿ゴルフクラブ…日本海を一望できる寒風山の中腹に リゾートエリア宮沢海岸リゾートエリア…北緯40度、黄昏のきらめく日本海を ダイビング男鹿市ダイビングセンター…初心者からベテランまで安心して お土産・お食事寒風山観光パラダイス…お食事から民芸品・特産品のおみやげま 男鹿海鮮市場…新鮮な男鹿の幸ここにあり! いちりき家…鮮魚販売コーナー、おみやげコーナー、食堂に ドライブイン 灯台荘…入道崎にあるお食事、おみやげ、日本海眺 ニュー畠兼…男鹿半島入道崎・海鮮料理・観光おみやげ みさき会館…入道崎のオレンジの外観が目印のお食事処 特産品 お土産・お菓子お菓子のゴンタロー…美味しいお菓子と季節のスイーツを アイス児玉冷菓…元祖“ババヘラ” 千釜冷菓…秋田名物「ナマハゲアイス」 杉重冷菓…秋田名物“パラソルアイス” 進藤冷菓…秋田の味「ババヘラアイス」がみなさまとの“ふれあ 農産物八郎めん…しょっつる入りの「男鹿やきそば」誕生! 畜産物 海産物 工芸品 グルメ お食事お食事処 海陽…秋田県男鹿半島でのお食事・お土産なら 雄和丸の店…海に沈んでいく夕日を、見ながらお食事ができます 和食きりん亭…生け簀のある和風レストラン 福の家…親子が奏でる秋田三味線に酔いしれて食す 男鹿ジャン…男鹿のおいしいものを集めておもてなし 洋食 中華 携帯サイト ※携帯電話でQRコードを読み取ってご利用下さい 観 光 見 本 見 本 見 本 見 本 グルメ 〈ブログ:男鹿市〉 #blogsearch #blogsearch /
https://w.atwiki.jp/kirakira8010/pages/89.html
- THE 有頂天ホテル オススメ度★★★★★ お芝居のようなドタバタドタバタが飽きさせない楽しさでした 意外なところで意外な人が出てきたり 次はどうなるの??o(^-^)o ワクワクッ 最後まで楽しく見ることができました 心が沈んだ時に是非観てみてください まつり★ 戻る コメント 名前 コメント THE 有頂天ホテル スペシャル・エディション [DVD] カテゴリ [日本映画]
https://w.atwiki.jp/harukaze_lab/pages/107.html
亡霊ホテル 山本周五郎 ------------------------------------------------------- 【テキスト中に現れる記号について】 《》:ルビ (例)伊藤豊治《いとうとよじ》 |:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号 (例)吉|博士《はかせ》 [#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定 (例)※[#感嘆符二つ、1-8-75] ------------------------------------------------------- [#3字下げ]惨劇の部屋[#「惨劇の部屋」は中見出し] 伊藤豊治《いとうとよじ》青年が洗面を済まして着換えをしているところへ、制服を着た給仕《ボーイ》が朝の珈琲《コーヒー》を運んで来た。 「お早うございます」 「ああお早う」 「好《よ》くお寝《やす》みになれましたか」 伊藤青年はネクタイを結びながら、給仕《ボーイ》の支度する珈琲《コーヒー》の卓子《テーブル》に向って掛けた。――あまり機嫌の好い顔つきではない。 「よく眠れなかったよ君、一体この向うの部屋にはどんな客が泊っているんだい? ひと晩中へんな音をたてたり妙な声をしたり、実に閉口したぜ」 「向うの部屋と申しますと?」 「廊下の向うさ、この翼屋《よくや》で、向うと云《い》えば此室《ここ》と廊下の向うと二部屋しか無いじゃないか」 給仕《ボーイ》はなにか思い当る事があるらしく、サッと顔色を変えながら眼を外《そ》らした。 伊藤豊治は九州大学の工科研究室に籍のある研究生で、恩師の鹿谷《しかや》弘吉|博士《はかせ》が、或る研究報告をするため上京した後を追って、その助手を勤めるために昨夜東京へ着いたのである。――ところがこのホテルへ来てみると、博士は研究上の用務を帯びて仙台へ出張したということで、伊藤青年はゆうべ独りでホテルへ泊ったのであった。 彼の泊った部屋はホテルの翼屋で、そこには廊下を隔てて二つの部屋が向い合っている。その向う側の部屋から、――ゆうべひと晩中、女の呻《うめ》くような悲しげな声や、長い紙を静かに引裂《ひきさ》くような物音が、絶えては聞え絶えては聞えして来るので、妙に苛々《いらいら》と寝苦しい思《おもい》をしながら一夜を明かしたのであった。 「――矢張《やは》りお聞きになりましたか」 給仕《ボーイ》はやがて声をひそめて云った。 「矢張りって? 何かあるのかい」 「あの部屋には何誰《どなた》も泊ってはいらっしゃいません。もうずっと以前からお客様をお入れしない事になっていますので、――と申しますのは、実は極《ご》く内々のお話なのですが、彼室《あそこ》は『亡霊の部屋』と云《い》って、私共仲間でも怖がって近寄らないくらいです」 「ふふふふ今どき亡霊とは古風だな」 「お笑いになりますが、現に昨夜、貴方《あなた》様がそれをお聞きになったではございませんか」 伊藤青年はふっ[#「ふっ」に傍点]と笑い止めた。――ゆうべ深夜に聞いた、悲しげな女の呻声《うめきごえ》を思出したのである。給仕《ボーイ》は更《さら》に声をひそめて、 「そうなんです、――此処《ここ》だけのお話ですが、二年まえの冬の或夜、あの部屋へ泊ったお客様……御老人の方とその若い美しい夫人でしたが、お泊りになった晩、御老人が若い夫人を短刀で刺殺《さしころ》したうえ、御自分も自殺なすったという事件がございました。精《くわ》しい事情は存じませんですが……お部屋は血でいっぱい、寝台から這いだした夫人が、扉《ドア》の握《ノッブ》を掴んだまま血みどろになって、さんばら髪で死んでいたその凄さ、――今思い出しても慄《ぞっ》と……」 給仕《ボーイ》はぶるっと身を震わした。 「それ以来、あの部屋へお客様をお泊め致しますと、定《きま》って変な事がございますので、――今では使わない事になっているのです。然《しか》しどうか……この話は決して御他言下さいませぬように、なにしろこんな事が広まっては客商売のことですから」 「その点は安心し給え、僕なら決して誰にも饒舌《しゃべ》りはしないから」 「有難《ありがと》う存じます。若《も》しお望みでしたら早速お部屋を変えましょうか」 「否《いや》ここで宜《い》いよ」 「然し若し貴方《あなた》様に間違いでもありましては」 「まあそれ程の事もなかろう」 給仕《ボーイ》は会釈して出て行った。 厭な話である、ゆうべ慥《たしか》に聞いた女の呻声や、あの長い紙を静かに静かに引裂くような物音が、まざまざと耳に甦《よみがえ》って来る。――扉《ドア》の握《ノッブ》を掴んだまま血みどろになって死んでいたという若い夫人の姿も、どうやら眼にちらつくような気がする。 「ちぇ! 厭な話を聞いた」 舌打をしながらがぶりと珈琲《コーヒー》を飲んで、煙草《たばこ》に火を点けようとした時、卓上電話がジリジリと鳴りだした。――受話器を取ると、いきなり活々《いきいき》した少女の声で、 「あら、お兄さまね?」 と叫ぶように云う。牛込若松町に母と二人で住んでいる妹のみどり[#「みどり」に傍点]だった。――伊藤青年とは七つ違いの今年十八で、みどり[#「みどり」に傍点]の下の二字だけ取って「ドーリイ」と呼ばれているお侠《きゃん》な女学生だ。 「なんだ、ドーリイじゃないか」 「ひどいわ、東京へいらしったのにどうして家へ知らせて下さらないの?」 「君は又どうして僕の来たことを知ったんだ」 「ゆうべホテルのロビイでお友達がお兄さまを見かけたんですって、慥《たし》かにお兄さまらしいからって知らせて来たのよ、どうして家へいらっしゃらないの?」 [#3字下げ][#中見出し]みどり[#「みどり」に傍点]の危難[#中見出し終わり] 「矢張りそうよ」 みどり[#「みどり」に傍点]は電話を切って母の方へ振返《ふりかえ》った。 「で、一体どうしたんだって?」 「なんだか秘密を要する研究報告のために、鹿谷博士と御一緒に上京したんですって、だからそれが済むまでは家へ来られないって」 「そう――じゃあおまえ、福岡の方へ送る積《つも》りで用意しといたズボン下やシャツを持って行ってお上げな」 「そうね、どうせ学校の帰りに麻布の村上さんを訪ねるお約束だから行くわ、そして汚れ物があったら持って来るわね」 一年ぶりで兄に会えると思うと、みどり[#「みどり」に傍点]はもう心も浮々《うきうき》として来るのだった。 学校の退《ひ》けたのが午後四時、それから片町の友達を訪ねたところが、無理に引留められて、六本木の近くにある「山手《やまのて》ホテル」へ着いたのは午後七時を過ぎた頃だった。――受付で部屋の番号を訊《き》くと、若い給仕《ボーイ》がいて三階の六号だと教えて呉《く》れた。 「御案内を致しましょう」 と云うのを断って(不意に行って驚かせてあげよう――と思ったのである)とんとんと階段を登り、右の翼屋の方へ曲って右側の扉《ドア》、六号と書いてあるのを見て、そっと握《ノッブ》を廻してみた、鍵はかけてなかった。 ――いるわ。 と思って、首を竦《すく》めながらそっと明《あ》け、跫音《あしおと》を忍ばせて入った。其処《そこ》は寝室と前部屋と垂帷《カーテン》一枚で仕切られていて、前部屋には仕事|卓子《テーブル》と椅子《いす》が数脚置いてある、――その卓子《テーブル》の側に立って、此方《こっち》へ背を向けて一人の男が何かしていた。 ――お兄さまだわ。 疑ってみる迄《まで》もなくそう信じたみどり[#「みどり」に傍点]は、いきなり後《うしろ》へ駈け寄って、 「お兄さま今晩は……」 と叫んだ。不意を打たれて相手は、 「あっ!」 と云いながら振返った。――意外にもそれは兄ではなかった。全く見知らぬ人である、みどり[#「みどり」に傍点]は吃驚《びっくり》して二三歩退り、「まあ、済みませんでした、あたくし……」 と詫びようとした時、相手の男は凄《すさま》じく歯を剥出《むきだ》したと思うと、いきなり扉口《ドアぐち》へ飛鳥のように跳《とび》ついた。そしてスイッチの音がしたとみる刹那、部屋中の電灯がぱっと消えて四辺《あたり》は真暗闇になった。――これは凡《す》べてあっ[#「あっ」に傍点]と云う間の出来事だった。 「あ、あれ!」 闇の中からみどり[#「みどり」に傍点]の悲鳴が聞え、荒々しい争いの気配がした。然しそれは直《す》ぐに鎮まって、間もなく、――何処《どこ》か部屋の隅の方から、コトンと金具を合せるような物音が聞え……それっきり森閑《しんかん》として人の様子もなくなって了《しま》った。 伊藤豊治青年が鹿谷博士と共に帰って来たのは、それから凡《およ》そ一時間ほど経って後のことだった。――伊藤青年は夕食前に、仙台から帰るという博士の電報を受取《うけと》ったので上野駅まで迎えに行って来たのである。したがって留守中にそんな事件のあった事などは知る由もない。 「君の部屋は何号だね」 「翼屋の六号です」 「ははあ、――ではゆうべ何かあったろう」 博士は眼をしかめながら訊いた。 「御存じなんですか、先生」 「うん、僕も初めあの部屋へ入ったよ、どうやら一番静かそうだから望んだのだがね、前の部屋に亡霊が出て少し怖いから引移った訳さ」 「先生まで亡霊を怖がるんですか」 「君だって怖くない事はあるまい、――が、兎《と》に角《かく》それに就《つい》て少し考えている事があるんだ、まあ……後で僕の部屋へ来給え」 二階の階段で二人は別れた。 伊藤豊治は三階へ上って、扉《ドア》の鍵を(それはいつかもうちゃんと閉まっていた)開け、中へ入って電灯を点けた。――そして、部屋を温めるために煖房器《ヒーター》の栓を捻《ひね》った時、卓上電話がけたたましく鳴りだした。受話器を取ってみると、牛込の母からだった。 「ああお母さんですか」 「豊治かえ、東京へおいでだってね、御用が済んだら牛込へも寄ってお呉れよ」 「ええ一週間ほどしたら伺います」 「待ってますよ。それからみどり[#「みどり」に傍点]は未《ま》だ其方《そっち》にいるかえ、余り帰りが遅いからどうしたか思って」 「ドーリイが来たんですか」 「行っていないのかえ」 「否《いい》え、――尤《もっと》も今まで此室《ここ》を留守にしていましたが、些《ちょ》っと帳場へ訊いてみましょう」 そう云って伊藤青年は呼鈴《ベル》を押した。 [#3字下げ]深夜の探検[#「深夜の探検」は中見出し] 「ふーむ」 博士は深く眉を寄せた。 「母の話では、新しいシャツやズボン下を持たせて寄来《よこ》したと云うんです。片町の村上という友達の家へ問合《といあわ》せたら、六時頃に出たそうですから、どんなに遅くとも来ない筈はないと思います」 「帳場では何と云ったね」 「その時分|丁度《ちょうど》みんな食事中で、帳場には若い給仕《ボーイ》がいたそうですが、それがもう帰ったあとで分らないと云うんです。――然し来たものなら着換えの包みを預けるくらいの事はして行く筈ですから……」 博士は黙って何か考えていた。白いものの混っている眉毛がひどく顰《しか》んで、額に深い立皺が寄っている。 「うむ、うむ、なるほど」 凡そ十分ほども、何事か考えていたのち、博士は急に眉をひらいて呟《つぶや》いた。 「先生、僕ちょっと家へ帰って来たいと思うのですが、妹の身上《みのうえ》がどうも心配で」 「まあ待ち給え」 博士は椅子から立って、西側の窓の鎧扉《よろいど》をがらがらと明けた。――外は初冬の寒い風で、高台の街々はもう大方は灯《ひ》が消えている。然しホテルの建っている場所から、谷を隔てた処に在る第X聯隊《れんたい》のモダン営舎だけは、支那事変のための夜間訓練でもあるか、まだ灯火が美しく耀《きら》めいていた。――博士は暫《しばら》く外の冷たい風を吸ったのち、再び鎧扉《よろいど》を下ろして戻った。 「君はねえ伊藤、――今度の僕の研究が、軍事上の機密に関するものだと云うことを知ってはいないだろうね」 「存じません。ただ厳重な秘密研究だということだけは伺いましたから、此方《こっち》へ来ても誰にも知らせなかったのです。然し――ゆうべこのホテルへ着いた時、ロビイで妹の友達にみつかったそうで、それで妹が」 「否々《いやいや》、僕はそれを責めているんじゃない、寧《むし》ろ妹さんの行方不明になった事が、僕のためには重大な役に立った事を感謝したいくらいなんだ」 「――と、仰有《おっしゃ》いますと」 「妹さんは必ず無事に帰るよ」 博士の言葉は伊藤青年を愕《おどろ》かした。 「それは本当ですか、先生」 「科学者は根拠の無い事は言わんさ、――だから安心して僕のする事を見てい給え」 博士はそう云って時計を見た。 「まだ九時前だね。宜《よろ》しい、――君はお家へ電話をかけて、妹さんは此方《こっち》へ泊ることになったと知らせてあげるんだ。お母さんに心配をかけると不可《いか》んからな、それが済んだら暢《ゆっ》くり寝て宜しい」 「それで妹の事は……?」 「僕が引受けたと云っているじゃないか、それより君は亡霊に喰われぬ要心でもするが宜《よ》い。――じゃあお寝み」 何か子細ありげな博士の様子を見て、伊藤青年は兎も角云われた通り自分の部屋へ戻った。 母に偽りの電話をかけて置いて、寝台へあがったが中々眠れる筈はない。――妹は一体どうしたのか、どんな変事があったのか、それも何より気懸りであるし、又ゆうべ聞いた向うの部屋の亡霊の声も妙に頭へひっ掛って来る。 ――何だか厭な事ばかり続く。 それからそれへ考え廻らしているうちに、それでも朝からの疲れに負けたとみえて、いつかうとうとと眠りはじめた。 ――どのくらい眠ったであろうか、ふと耳許で、 「――起き給え、伊藤……」 と囁く声にはっ[#「はっ」に傍点]と目覚めると、鹿谷博士が闇の中に立っていて、 「音をさせぬように起きるんだ。支度が出来たら是《これ》を持って……」 「――あ、拳銃《ピストル》ですね」 「叱《し》ッ、黙って跟《つ》いて来給え」 何が始まるのだろう、急いで身支度をした伊藤豊治は、渡された拳銃《ピストル》を持って、博士のあとからそっと部屋を出た。――すると、意外にも博士は、例の亡霊の部屋へ入って行くのである。 「先生、どうなさるのですか」 「亡霊を退治するのさ」 博士は闇の中でにやりと冷笑したようだった。 ――その部屋はひどく埃《ほこり》臭かった。勿論電灯は消えていたが、両側の窓の鎧扉《よろいど》が下りていないので、硝子窓《ガラスまど》から星空の光が入って来るため、部屋の様子は朧気《おぼろげ》ながらもよく見ることが出来た。 「此方《こっち》へ来給え、静かに……」 博士は伊藤青年を北側の隅へ引張って行って、其処《そこ》に在る卓子《テーブル》の蔭へ身を隠した。 「黙って待つんだ、音をさせては不可《いか》ん。亡霊は人のいる気配でも嫌うからな、――なるべく楽にして、僕が合図するまではどんな事があっても動かないように」 博士は耳へ口を寄せて囁いた。 この深夜、殺人の行われた部屋で、亡霊の現われるのを待つ、――他人が見たらそれはまるで中世紀の伝奇物語のような光景だと云うだろう。だがいま伊藤豊治にとっては実に切迫した、実に現実的な気持だった。正直のところ彼は、闇の中に息を殺していたその夜の数時間を思うときいまだに不快な、襲われるような恐怖を感ずるくらいである。――夜は更《ふ》けて行った、そして、やがて階下のロビイの時計が午前二時を打ち始めた。 [#3字下げ]煖炉の火床[#「煖炉の火床」は中見出し] 二時を打った時計の余韻が、寝静《ねしずま》ったホテルの廊下にたゆたいながら消えて行った、――そのとたんであった、静かな闇の何処《どこ》からともなく、 「あああああ、ううううう」 と云う女の呻声が聞えて来た。――それは悲しげな、息詰まるような、聞く者を慄然《ぞっ》とさせる死に瀕した者の呻きであった。 「――先生」 「黙って、黙って!」 博士は強く制した。伊藤青年は脇の下に冷汗の流れるのを感じながら犇《ひし》と拳銃《ピストル》を握緊《にぎりし》めていた。――女の呻声は低くなり、やがて又高くなりつつ断続した、と……間もなく、東側の壁のあたりでカチリ、と云う低い音がしたと思うと、丁度床から七|呎《フィート》あまり上の壁に、ピカリ! ほんの微《かす》かな火花のようなものが閃《ひら》めいた。そして同時に、 ビリリリ、ビリリリリ。 と云う、まるで長い紙をそっと引裂いているような、静かな低い物音がし始めた。 凡《す》べてがゆうべの通りである、――瀕死の女の悲しげな呻き、紙を引裂くような奇妙な音、伊藤青年は総身に水を浴びたように、慄然として息をのんだ。 「そうか、――」 不意に博士が低く囁いた。 「そうかそうだったのか、――遉《さすが》にそこ迄はこの鹿谷も気付かなかったぞ、ふふふふ」 「どうなすったのですか、先生」 「叱《し》ッ……誰か来る、――」 慌てて博士が抑えた、――と、いつ何処《どこ》から現われたか、右手の闇の中に白い被衣《かつぎ》を頭から被った亡霊のようなものが、ぼーっと幻の如く現われて来た。伊藤豊治は恐怖のあまり、我を忘れて拳銃《ピストル》の引金に指をかけた。と博士はその手首をぐいと強く掴み、動くな! と云うように押えつけた。奇怪な亡霊の姿が闇の中に現われてから、凡そ二十分も経ったと思う頃……列の紙を引裂くような物音がぴたりと止んだ。――然しまだ、怪しい女の呻声は、断末魔の苦痛を訴えるように続いている。 亡霊は闇の中を辷《すべ》るように、東側の壁の方へゆらめいて行った。――そこで何かしているらしい、カチリと云う音がして、暫くすると今度は、再び辷るように右手へ去って行く。博士は卓子《テーブル》の蔭から半身を出して見送ったが……亡霊の姿は煖炉《だんろ》の処で、急に掻消《かきけ》すように見えなくなって了《しま》った。 「待ち給え、まだ早い」 出ようとする伊藤青年を抑えながら、そのまま約三十分ほど息を殺していた博士は、もう誰の来る様子もなしと見極めがついたか、静かに卓子《テーブル》の蔭から出て、 「さあ愈々《いよいよ》虎穴を探るんだ」 と囁いた。「今度は殊《こと》に依《よ》ると拳銃《ピストル》を使わなければならなくなるかも知れんぞ。だが撃つにしても足を狙い給えよ、決して足の外《ほか》は撃っちゃ不可《いか》んぜ、――来給え」 博士は煖炉の前へ進んだ。亡霊の消えたのは其処《そこ》である、――博士は跼《しゃが》みこんで、根気よく二十分あまりも煖炉の周囲を撫廻《なでまわ》していたが、やがて指先が、煖炉棚《マントルピース》の一角に触ったと思うと、火床が音もなく滑って、人一人が抜けられるほどの穴が、其処にぽっかりと口を明けた。 「あ! こんな所に抜け穴が」 「左様、こんな抜穴《ぬけあな》を使うなんて、亡霊にしては不便極まる話さ。だが、この建物は数年前から煖房器《ヒーター》式になっているので、絶対にこの煖炉は使わないのだから、秘密の通路には持って来いの場所だね、――さあ入るんだ」 「大丈夫でしょうか」 「虎穴に入らずんば虎児を獲ずさ」 身を跼《かが》めるようにして、博士から先にその抜穴へと入った。――入口は狭いが、入った処は梯子《はしご》口になっていて、楽に立ったまま下りられる。二人は拳銃《ピストル》を握ったまま静かに、一段一段|跫音《あしおと》を忍ばせながら下りて行った。 梯子を下りきった処に扉《ドア》があった。博士は扉《ドア》へ耳を当てて暫く様子を窺った後、そっと押明《おしあ》けて中へ入った、とたんに、 「あ、ドーリイ」 低く叫びながら、伊藤青年が博士を押除《おしの》けて中へ跳込んだ。――正にみどり[#「みどり」に傍点]、妹のみどり[#「みどり」に傍点]が、狭い物置部屋の中に椅子へ堅く縛りつけられたうえ、無残に猿轡《さるぐつわ》を噛まされていたのである。 「待ち給え!」 駈寄《かけよ》ろうとする伊藤を、何故《なぜ》か博士は急に押止めた。 「まだ手を触れては不可《いか》ん」 「だって先生こんなに縛られて……」 「宜いから待ち給え、妹さんにはお気毒《きのどく》だが、もう数時間この苦痛を堪忍《たえしの》んで貰わなければならぬ、この事件は生やさしい問題ではない。国家の重大な機密に関係しているのだ、――斯《こ》う云えば恐らくみどり[#「みどり」に傍点]さんも暫《しば》しの苦痛を忍んで下さるだろう」 椅子に縛られたまま是を聞いたみどり[#「みどり」に傍点]は、雄々しくも眼を輝かせながら、力強く頷いてみせるのだった。 「みどり[#「みどり」に傍点]さんは承知して呉れたよ。さあ是からもうひと働きだ」 博士はそう云うと、まだ渋っている伊藤青年を促しつつ元の部屋へと戻って行った。 [#3字下げ]見えざる間諜[#「見えざる間諜」は中見出し] それから博士と伊藤青年がどんな活躍をしたかは分らない、――翌《あく》る朝十時、ロビイでお茶の時間が開かれた時、博士と伊藤豊治の二人は、さっぱりと身装《みなり》を改めて、片隅の卓子《テーブル》で熱い珈琲《コーヒー》を啜《すす》っていた。 その日はばかに客が多く、朝食だけ喰べに来たらしい紳士や、面会人と見える人々が、それぞれ珈琲《コーヒー》を啜ったり、ト―ストと|塩豚・卵《ハム・エッグス》をつついたりしていた。――十時が十五分過ぎた頃だった。ホテルの表に一台の高級車が着いて、三人の欧羅巴《ヨーロッパ》人がロビイへ入って来た。この三人は毎朝ここへ朝食だけを喰べに来るので、毎《いつ》も奥の方に定《きま》って卓子《テーブル》が用意されてあるくらい馴染《なじみ》の客だった。 入って来た三人は、訛りのある仏欄西《フランス》語で口やかましく話しながら、自分たちの卓子《テーブル》に就いて煙草を取出《とりだ》した、――もう毎日のことで注文は分っているらしく、やがて給仕《ボーイ》(――伊藤青年に亡霊の話をした給仕《ボーイ》である)が銀盆の上へ、珈琲《コーヒー》やトーストやサラダを載せて運んで来た。 「お早うございます」 「ヤアオ早ウ、宜イ天気デスネ」 「左様でございます、――今日は特にベーコン・エッグスを致しましたからどうかお試し下さいまし」 そう云って給仕《ボーイ》が、卓子《テーブル》の上へ銀盆を置いた時である。突然うしろから訛りのない流暢な仏欄西《フランス》語で、 「失礼ですが、そのベーコン・エッグスは私の方へ頂きたいですね」 と声をかけた者がある、――三人の外人が恟《びく》りとして振返ると、そこには鹿谷博士がにやにやしながら立っていた。――否、博士だけではない、意外にも今まで客のように見せていたロビイの人たち、凡そ十七八名の紳士が、ぐるりと周囲を取巻いているのだ、然も手に手に拳銃《ピストル》を持って――。博士は冷やかに続けた、 「XXX国の特務機関員諸君、もうじたばたしても駄目だよ、この通り網の口は締められたんだ。亡霊のからくり[#「からくり」に傍点]は暴露したぜ」 「あ! うぬ――」 「手を挙げろ! 動くと射殺するぞ※[#感嘆符二つ、1-8-75]」 がん[#「がん」に傍点]と喚きながら進出《すすみで》たのは、老紳士とみせた警視庁の高野刑事課長だった。三人の外人は一瞬、紙のように血気《ちのけ》を喪って、両手を挙げながら椅子から起《た》った。 その隙である例の給仕《ボーイ》は影のように身を退《ず》らすとまるで弦《つる》を放れた矢のような勢《いきおい》で地下室の方へ逃げだした。と見た博士が、 「伊藤、みどり[#「みどり」に傍点]さんを檻禁《かんきん》したのは彼奴《きゃつ》だ、逃がすな!」 叫ぶより疾《はや》く、伊藤青年は、 「くそっ」 と一声、弾丸のように走って、いま正に石の階段を半《なかば》まで駈下りた給仕《ボーイ》の背中へ、だっ[#「だっ」に傍点]とばかり跳躍した。思切った奇襲である。もんどり[#「もんどり」に傍点]打って二人は、重《かさな》り合ったまま地下室へ転げ落ちる。 「――衆生《しゅうしょう》!」(支那語で「畜生」という意味) 給仕《ボーイ》は獣のように奥くと、いきなり右手に短剣を抜いてはね起きた。刹那伊藤青年は下から、だっ[#「だっ」に傍点]と蹴上げて置いて、素早く寄身《よりみ》になると、力任せに右手の拳で相手の顎を突上《つきあ》げた。 「あ!」 とよろめくところをもう一撃。 「この豚野郎ッ」 とばかり、鼻柱をへし[#「へし」に傍点]折れよと叩きつけた。妹を苦しめた仇《かたき》と思う憤怒の拳だ。給仕《ボーイ》は鼻から血を迸《ほとばし》らせながら仰反《のけぞ》って倒れた。 「みごとみごと、――もう堪忍してやり給え」 博士が階段口から愉快そうに叫んだ。 「それ以上やると死んで了《しま》うだろう。あとは警視庁の諸君に任せるが宜い、それより早くみどり[#「みどり」に傍点]さんを助けるんだ」 伊藤青年は倒れている給仕《ボーイ》(それは実は支那人であった)の脾腹をひとつ、がん[#「がん」に傍点]と蹴っておいて、物置部屋の方へ駈けだした。 それから一時間の後――。 伊藤兄妹は博士の部屋で、熱い珈琲《コーヒー》を啜りながら、事件の謎を解く博士の言葉を聞いていた。 「彼等はXXX国の間諜《スパイ》だった。あの給仕[#「ボーイ」に傍点]は支那人で、勿論彼等の手先なのだ。――亡霊の話は、あの部屋へ人を近寄せないためだったが、その訳は彼処《あそこ》が秘密の連絡に使われていたからだ。どういう方法で連絡を取ったかと云うと、……あの紙を裂くような音、あれがその機械だ。別の間諜が第X聯隊の横に張込《はりこ》んでいて、聯隊の移動状態を探り、それを光線通信であの部屋へ送っていたのだ」 「ですが先生、若し夜間に光線で通信すれば直ぐ発見されるではありませんか、――現にゆうべ僕たちが見張っていたのに、別になんの光も見えなかったですよ」 「だからさ、見えない光線を使ったのだ」 博士は微笑して続けた。 「つまり赤外線だ。兵営の附近から特殊の機械で、この部屋へ向って赤外線を放射する、君も知っている通り赤外線は人間の眼には見えないものだ。然し同じ受感装置には感じるから、光線を受けると同時に自動的に動きだし、眼に見えぬ通信を完全に記録するんだ。――ゆうべ壁のところでカチリと音がして、小さな火花が閃めいたろう。あのとき記録装置が活動を始めたのだ。それから白い亡霊……あれは例の支那人|給仕《ボーイ》が化けたのだが、あれがその記録を取外し、朝になって彼《か》の三人の外人に給仕をする時、そっと手から手へ渡すという仕組みなのさ……実に敵ながら天晴《あっぱ》れ、赤外線を使ったのは間諜《スパイ》戦はじまって以来是が最初だろうよ」 「――ところで、どうして先生は是を間諜《スパイ》事件だとお気付きになりましたか?」 「初めはそこまで気がつかなかったね。ただあの給仕《ボーイ》が、得々と亡霊の話をしたので、こいつは怪しいと思ったのだ。何故《なぜ》って、――客商売の勤めをする者が、訊かれもしないのに客の厭がる亡霊の話などをする答がないからなあ。是は何かある! と睨んだよ、その次にみどり[#「みどり」に傍点]さんの行方不明を聞いたので、慥《たしか》に此《この》家に何かあると感付いた。そして何の気もなく外の空気を吸おうとして窓を明けたところが、向うに第X聯隊の営舎があるのをみつけたので、――そう、一種の霊感だな、本能的に是は間諜《スパイ》事件に相違ない! と思ったんだ……すると毎朝あの三人の外人が、定《きま》ってロビイへ朝飯に来る事、その給仕はあの男に限っている事などがはっきり思出された。斯うなればあとは簡単さ、みどり[#「みどり」に傍点]さんを縛ったままにして置けば、彼奴《きゃつ》はまだ自分の罪の暴露した事に気付かず、堂々とロビイで連絡を取るに違いない、――そう思った事が図星に当った。頼んで置いた警視庁の諸君も、なかなか立派に芝居をして呉れたよ」 そして博士は次の様に言葉を結んだ。 「つまり奴等はやり過ぎたのさ。不必要な場合に亡霊を宣伝し、また僕の研究の秘密を盗もうとして、折悪《おりあし》く来合せたみどり[#「みどり」に傍点]さんを檻禁《かんきん》した。この二つが自ら事件を暴く緒口《いとぐち》を作ったようなもんだからなあ――諺《ことわざ》に云わずや、それ、過ぎたるは及ばざるに如《し》かず、とね、あははははは」 底本:「山本周五郎探偵小説全集 第一巻 少年探偵・春田龍介」作品社 2007(平成19)年10月15日第1刷発行 底本の親本:「新少年」 1937(昭和12)年11月 初出:「新少年」 1937(昭和12)年11月 入力:特定非営利活動法人はるかぜ