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「覇王大系リューナイト」よりアデュー・ウォルサム 音速の使い魔-01 音速の使い魔-02
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使い魔アイトー Level 攻撃力 防御力 1 100 2144 3086 名前 コメント
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トリステイン魔法学院の演習場。 神聖なるサモン・サーヴァントの儀式もつつがなく進み、雪風のタバサと二つ名を授かる神秘的な少女の番となった。 空はどこまでも澄み晴れ渡り、気持ちよさそうに雲がたゆたっている。 「…人?」 召喚の呪文・サモンサーバントを完了した後、現れた『使い魔』を見てタバサは首をひねる。 自分と同じ空になじむ青い髪、見慣れない紅白の着物、そして日に焼けたことなどないかのような白い肌。 召喚された『使い魔』は人間の女性。 ただ、美人と言って差し支えない彼女が普通と違っていたのは---空に浮かんでいるということ。 「タ、タバサがメイジを召喚したっ?!」 「炎を背負ってる? 先住魔法かっ?!」 異口同音に同級生達はその変事を騒ぎ立てる。 「……」 タバサは動じず、じっと彼女の顔を見据えているだけだった。召喚された女性もようやく事態がわずかに理解できはじめたのか、初めて口を開いた。 「え、あれ? えーと?? ……あのすみません。ここってどこなんでしょうか?」 問いかけられたタバサは、いつまでも答えを返さない。召喚された『使い魔』をじっと訝しげに見つめているばかり。やがて彼女の顔を見あげるのをやめ、ゆっくりと中年の男性の元へ近寄っていった。 「ミスタ・コルベール」 控えめな声で、この学園の中年教師・コルベールの名が呼ばれた。 「失敗しました」 「いや、成功だよ。ミス・タバサ」 コルベールの返答にタバサは一瞬だけその蒼い瞳に失望の色を浮かべるが、すぐに普段の平静な -感情が見受けられない- 様子に戻った。 「失敗? 成功? 困ったなあ、早く事務所に帰らないといけないのに。横島さんもお腹すかせてるだろうし……」 なにやら自分にはわからない話を進める二人に『使い魔』はただおたおたし、食べ物が入っているらしい手元の袋を気にしている。 周囲にいるのは見慣れないマントを羽織った少年少女、物珍しい視線を感じ気恥ずかしい。とにかく、いつまでもここにはいられない。道案内を求めようとしたとき、先ほどコルベールと呼ばれた男性が頭頂に眩い光を頂いて進み出、至極真面目な目で言う。 「サモン・サーヴァント』の結果として彼女が現れたのだ。ミス・タバサ 使い魔としては前代未聞だが、ちゃんと彼女が召喚された。 成功していることは疑いないし、『使い魔召喚の儀式』は魔法学院の長い伝統に乗っ取る儀式。 まして主人と使い魔が一生を共にする初めの一歩だ。 やり直しは認められない」 コルベールは言い終えると、出来る限り重々しく咳払いをした。 常日頃感情の見えないタバサはコルベールにとっても得意な生徒ではなかったが、コルベールの言に案外と素直にタバサはうなずいた。汗の浮かんだ額をなでながら、ほっと一息つく。 渋々納得したのか、それとも早々に仕方ないとあきらめたのか。タバサは召喚した『使い魔』に歩み寄る。 放っておかれた彼女は安心したように、もう一度問いかけた。 「お話終わりましたか? よかった、事務所に戻る道をお伺いしたいんですが……」 「……降りてきて」 「え? えと、はい。これでいいですか?」 慌てている様でずいぶんと落ちているようにも見えるが、ともかく細かい事情はお互い後で話せばいいだろう。自分と同じ青い髪をした女性がこれから先ずっと共に過ごす使い魔なのだから。 例え意に沿おうが沿うまいが、サモン・サーバントはメイジにもっともふさわしい存在を使い魔として選定する。そういうものだと、タバサは契約の呪文を唱え口を動かしていた。が 「……透けてる?」 「あ。普段はちゃんと見えるんですけど、光の加減でそうなるときもあるみたいです」 「……え?」 「あたし、幽霊やって長いですから。そう言えばまだご挨拶してませんでしたね、キヌって言います……って?」 タバサの顔が不意に近づいたと思えば、おキヌの体をすり抜け前のめりに倒れた。ぴくりとも動かない。 「ミス・タバサっ?!」 「え、え、え? 大丈夫ですかっ?!」 「お化け。お化け怖い……」 うわごとをつぶやくタバサを運ぶ騒ぎでサモン・サーバントは一時中断となり、使い魔を召喚できるか気に病んでいたピンクの髪した少女が少しだけ安心したとかしないとか、それはまた別の話であったりする。 ☆☆☆ あれから一週間。 おキヌはコルベールの努力もあり、ここが異世界であることなど理解し落ち着いていたが、未だタバサの契約は終了していなかった。 「契約は一回で終了させて欲しいものなのだが……」 ほとほと困り果てたコルベールがのたまう。担当教師のコルベールや親友のキュルケがどれだけ説得しても医務室で逃げ、寮で逃げ、教室で逃げ。果てはトリスティン中を逃げ回り、おキヌという少女は宙ぶらりんとなっていた。 「コルベール先生……あたし、そんな嫌われることしたでしょーか……」 「君に罪はないよ、おキヌ君」 涙ぐむおキヌを慰めなだめ、事態の解決を図ってきたがとにかくタバサの逃げ足といったら無い。曲がりなりにも軍隊の一部隊長を務めた自分がまるで追いつけないし見つけられない。 ガリア王室からシュバリエの称号を授与されていると聞いてはいたが、こんな能力の無駄遣いをして欲しくは無かったと、コルベールは心底思う。 「おキヌ君には申し訳ないのだが、もう少しばかり待っていてくれないか? タバサ君は必ず説得するから」 「……はい。じゃあ、シエスタさんのお手伝いでもしてきます……」 話してみれば、とにかくおキヌはいい娘だった。優しく朗らかで気遣い上手、多少天然ボケと言ってもよかったが、そこもチャームポイントだ。幽霊という事を差し引いても盛大におつりが来る。事実、もうすでにおキヌは学園の一員として迎え入れられていた。 帰るに帰れず、かといってどうにもならない。肩を落とし飛んでいくおキヌが気の毒だったが、留年してもいいとしか答えず逃げまわるタバサにある意味驚いてもいた。 この世全てにあきらめきった、達観した表情を浮かべるタバサがこうまでも『熱い』抵抗を見せるとは想像もしていなかったからだ。 ある時偶然も手伝ってようやくタバサを捕まえられたときなど 『ヤです』 『いやだから』 『ヤです』 『あのですね』 『ヤです』 『ですから、って待ちたまえっ?!』 待ちません、と言い終える前にすでに姿の見えないタバサに舌を巻いた。微熱のキュルケはずっと協力してくれているが、どうにかタバサを捕まえられても、やはり 『……お化け怖い』 とだけ、後はサイレンスの魔法をかけられて終わりだと言う。恐がりが幽霊を召喚したのは悲劇かもしれないが、それでもサモン・サーバントは絶対だ。タバサにもわかってはいるのだが、理性というか感情がそれを受け入れない。だってこわいんだもん。 タバサ自身、幽霊を使い魔にするくらいなら留年した方がよほど気楽だし、そも貴族の名誉など最初から剥奪されている。 が、ある日部屋を訪ねてきたキュルケの一言で、タバサの認識は一変する。 「あの娘が消滅する?」 「そうなのよ。なにかあの娘の体が前よりずっと透けて来てね……」 召喚時に透けていたのは光の具合だったのだが、1週間ほど経ちコルベールやキュルケにも目に見えて透けていく様がわかった。おキヌは自身の体を見て、寂しげに呟いた。 『縁が薄くなってる……』 『縁?』 『はい。縁っていうのはこの世との関わりの事なんですけど……ハルケギニアに来たあたしはそもそも誰にも、どこにも縁がありませんから……』 異世界から召喚されたおキヌには、このハルケギニアで縁を結べる存在はタバサしかいない。事情を聞いたタバサはわずかに青ざめ、しばらく考え、意を決して立ち上がった。 「……け、け、け」 「落ち着きなさいよ、タバサ」 「……契約する」 恐れながらも毅然とキュルケに宣言する。そもタバサは母を助けるために力を尽くしている。王室から押しつけられる任務を達成するためにも、使い魔は出来る限り有力な存在であれば助かったのだが、呼び出したおキヌを消滅させてしまうとなると話は別だ。 それでは、母に毒を盛った無能王と同じ存在になってしまう。それだけはイヤだった。タバサはキュルケを伴い研究室を訪れ、おキヌとコルベールに詫び、改めて契約の儀式を執り行おうとしたが 「タバサっ?! ちょっとタバサしっかりしなさいっ!!」 「お化け怖い、お化け怖い……」 キュルケは激しくタバサをかき揺らす。幾度も気絶し倒れ、さっきからちっとも契約の儀式は進んでいなかった。 「コルベール先生……なにかあたしものすっごく悪いことしてる気が……」 「ま、まあタバサ君には良い試練だと思うよ。この先生きていく上で、壁になることなどいくらでもあるのだから」 幾分プライドを傷つけられていたコルベールは割合さばさばしていたりした。キュルケはずっとタバサを介抱しっぱなしだ。 「あたし、上手くやっていけるのかしら……」 気絶しまくるタバサを見て、おキヌは深いため息をついていた。この女の子と、これからきっと少なくない時間を過ごすのだろうから。 ふと窓の外を見た。このハルケギニアに呼び出された日と同じように空はどこまでも澄み晴れ渡り、気持ちよさそうに雲がたゆたっていた。 「大丈夫。怖くない、あの娘はいい娘普通の娘……」 タバサが暗示をかけるように繰り返し呟く。キスしようとしては気絶してを繰り返し、結局どうにか契約出来そうな段階まで来るのに夕方になってしまっていた。 「……この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」 額に口づけをした瞬間、使い魔のルーンが刻み込まれると同時におキヌの体が -幽霊ではあるが- 密度を取り戻していく。コルベールやキュルケも契約完了に歓声を上げた。 「ありがとうございます! これからよろしく……ってあれタバサさんタバサさーん?!」 「立ったまま気絶してるし……」 「なんともまあ」 タバサは口からほのかに白いものを出し、どこか遠い世界に旅立っていた。夜空に浮かぶ二つの月は、のんびりあたりを明るく冷やしていた。 戻る
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「涼宮ハルヒの憂鬱」のキョン、佐々木団が召喚 夏休みの使い魔-1 夏休みの使い魔-2 夏休みの使い魔-3
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ズンの使い魔とは ズンの使い魔とはOF(オコメファクトリー)から出版されたライトノベルである。略称は「ズン魔」。 作者はズンで、イラストは基本本家からパクっている。 zero.jpg ストーリー 平凡な高校生・汚染米人はある日突然、異世界コメトルニアに召喚されてしまう。彼をこの世界に召喚したのは、トリステイン魔法学院の生徒でありながら魔法の才能がまるで無い「汚染のルイズン」こと、ルイズン・フランソワーズン・ル・ザンク・ド・ラ・ヴァリエールだった。 失敗とはいえ、召喚の儀式によって呼び出された米人は、「使い魔」としてルイズンと契約のキスを交わす。すると、米人の左の頭が使い魔の証である契約で欠けた。こうして、ルイズンと「米」扱いされる米人との奇妙な同居生活と冒険が始まった。 登場人物 +... ルイズン・フランソワーズン・ル・ザンク・ド・ラ・ヴァリエール 本作のメインヒロイン。米色がかったブロンドの長髪と鳶色の瞳を持つ、オコメトール家の三女で65.4歳。身長65.4サント、スリーサイズは B65.4/W65.4/H65.4と小柄で細身のため、スタイルの良い同性に対してコンプレックスがあるが、細身にも関わらず腕っ節は強い。 コメステイン屈指の名門貴族であるオコメトール公爵家(始祖は王の庶子)に生まれ、コメステイン魔法学院に進学する。学院の進級時、使い魔召喚の儀式で地球人の米人を召喚してしまい、彼を使い魔とする羽目になった。「汚染のルイズン」の蔑称は、幼少の時から魔法に失敗し続けたため、魔法の才能が皆無であるとされたことから付けられた。だが魔法が使えなかったのは、四系統のメイジとは異なる系統の使い手だったせいであり、幾つかの事件によって「米のルビー」と「化学の教科書」を手にしたことから、「汚染」の魔法に目覚める。彼女の汚染は、コメリアの教皇ヴィットーリオによると“精神的苦痛”を司るもので、第 65.4巻時点で使える魔法は「爆発(エクスプローズン)」「汚染(ポリューション)」「妄想(デリュージョン)」「瞬間移動(ズンズーン!じゃあな!)」。強力な破壊力と威力を持つ一方、自分にダメージが来る。汚染に目覚めた後は、簡単な環境汚染はできるようになっている。 気持ち悪い外見とは裏腹に(?)、気位とプライドは天に昇るほど高い上、短気で爪噛むし鼻ほじるという厄介極まりない性格。また泣き虫という子供っぽい一面も見せる。出来の良い姉たちの存在や、魔法を使えないなどの理由から両親から全く期待されていなかったと思い込み、強いコンプレックスを抱いていた。そのため、他人に認められたいと思うあまり、物語開始当初は無茶をすることが多かった。第6巻では家族の反対を押し切ってムギビオン討伐の遠征軍に参加してもいる。しかし、その後は無茶をするのも貴族としてのプライドよりも仲間のためを理由にするようになりつつあり、第10巻ではズンリエッタに貴族の身分を返上し、コムギ王国へズンサを救出に向かった。第11巻でのコメステイン帰国後、ズンサを救出したことにより、ズンリエッタの義理の姉妹となり第2の王位継承権を得ている。 最初は米人のこともただの使い魔としか見ていなかったが、共に戦い続けて行く中で少しずつ惹かれていき、彼のことを1人の米として強く意識するようになっていく。ただし独占欲と嫉妬心が強いため、米人が自分を馬鹿にしたり、他の農薬と仲良くしたりするとキツイ罰を与えることから、米人には「こんな女と結婚したら大変だ」と思われている。現在では米人に依存している面が目立ち、米人に「自分がいなくなったら死んでしまうのではないか」と思われてしまうほどである。第13・14巻で、米人が母親からのメールに涙を流しているのを見て「米人のために何かしてあげたことがあっただろうか」という思いに駆られ、「汚染米の聖女」になることの対価に、ヴィットーリオに世界扉を開かせて米人を地球に帰すことを決意したが、結局米人は帰郷しなかった。第16巻で屋敷の地下室で密会した米人とズンリエッタを偶然目撃し、自分が消えればみんな幸せになれると思い、家出した。第65.4巻後半で米人と合流し、元素の兄弟の次男を雑魚扱いするほどになった。第65.4巻にてようやく自分の本当の気持ちに素直になる事を決め、米人と将来を決め、オコメノールにさえも真っ向から自分の気持ちをぶつけた。 好きな食べ物はクックベリーパイ。趣味は編み物だが、かなり下手。特技は米栽培。嫌いなものは麦。ズンリエッタの幼少時の遊び相手で、彼女が女王となった今でも友人として想われている。しかし、ルイズンはズンリエッタがいつも自分の人形を借りてはすぐに飽きるのを根に持っていたことが第17巻で明かされている。米人に「姫様は飽き性だからすぐに捨てられる」と言い、それを聞いて激怒したズンリエッタと殴り合い寸前の喧嘩になった(間に米人が割って入り、二人に殴られ蹴られた)。コメケとは顔を付き合わせれば憎まれ口を叩きあうが、陰湿な要素は無く、悪友とも言える関係である。 元ネタ ゼロの使い魔 公式サイト アニメ版 公式サイト
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レッドがルイズに吹っ飛ばされているのと同じ頃、 一匹の生き物が暗い空をぐるぐると旋回していた。 「~♪ ~♪ ~♪」 彼女の名はシルフィード。ルイズのクラスメイト、 キュルケの友達である雪風のタバサが召喚せし、今は絶滅したと ハルケギニアに伝えられる、美しく幼い『風韻竜』であった。 彼女は己が主人であるタバサの部屋の外側で、綺麗な鼻歌を交えながら 実に楽しそうに飛び回っていた。 もうなんか、地上を転がるように空中で転げまわって見せたり、 その場でスクリュー回転して見たりと……大きな体に反し、器用な奴である。 タバサは部屋に篭ってなにやら難しい本を読みふけっていた。 「…………」 が、突如として窓を全開し、見境なくびゅんびゅん飛び回る シルフィードに対し、無表情に手招きした。 シルフィードは弾丸のように回転しながら飛んでいる際にコレを確認、 何ごとかと思い、すぐさま近寄ってみて………… ポコッ ! そして、杖で頭をたたかれた。 「きゅい! 痛いのね! なにをするのねおねぇさま!?」 小声で、しかし甲高い幼さのある声でシルフィードが言った。 タバサは一切表情を変えることなく、それどころかさらに杖を振り上げて ポコポコとさらに2回、シルフィードをたたいた。 「きゅい! やめるのね! どうしちゃったのねおねぇさま? ハッ! まさか、そっちの趣味に目覚め……いたいのね! 冗談なのね―――っ!!」 「……うるさい」 杖でぼこぼこ殴っといて、血も涙もない命令であった。 第四話 「ひどいのね、シルフィはまだ何もしてないのね!」 「まだ?」 「! こっ……ことばのあや、なのね……」 「……………………」 シルフィードが瞬と首をうなだれる。 すっかり意気消沈した使い魔を見てさすがに気を悪くしたのか、 タバサはかねて疑問だったテンションの高さについて、シルフィード聞いてみた。 「んっふっふ~~~~♪」 「?」 とたんにシルフィードの顔が笑顔に変わる。というか、満面の笑みに。 タバサは使い魔の気味悪い言動の意味が解らなく、首をかしげた。 「おねぇさま、シルフィは恋しちゃったかも、なのね!」 「鯉?」 「違うのね! 恋!」 シルフィードは大げさに首を振った。風がタバサの髪を揺らす。 「請い?」 「きゅい! 恋なの」 今度は駄々をこねるように手をぶんぶん振り回す。 タバサはシルフィードの素直な反応が少し面白くなって、 次もわざと間違えることにした。 「故意? ……誰に?」 「きゅいいいいいいいぃぃ! おねぇさまのいじわる! ねくら! ぺt」 「遺言は……それだけ?」 「きゅいいいいいいいーーーーーっ!! ごめんなさいなのねーーーーっ!!!」 もはや正体バレるとかカンケーなしに、シルフィードは叫んだ。 「……昼の?」 「そう、そうなのね! おねぇさま! シルフィは見惚れちゃったのね、きゅい!」 なみだ目で言ってくる使い魔の頭を、タバサはよしよしと撫でてやった。 シルフィードは嬉しそうにきゅい! と鳴く。 「あの人間が召喚した見たことない竜、ちょっと怖かったけど……カッコよかったのね!」 「…………」 シルフィードが自分のことのように嬉々と語るのは、昼間ヴェストリの 広場で行われた、あのルイズの召喚した平民とギーシュの決闘だった。 あのときタバサは興味ないと読書に没頭しかかったところをキュルケにつかまり、 半ば強引に観戦させられていた。 誰もがギーシュの勝利を疑わなかった。タバサもだ。 一部の物好きな連中が遊び半分で平民に賭けていたが、見たところ普通で 魔力も何も感じない平民の子供が勝てる道理はどこにもなかった。 ないように、見えた。 しかし、ギーシュがワルキューレを出した途端、平民の目つきが変わった。 それは戦場を、厳しい修羅場を知っている目。勝負事に対する絶対手的な才能。 ギーシュのメイジだから~の話が終わったあと、彼は腰からはずした球状の何かから、 恐るべき『それ』を召喚した。 山吹色の体。 対についている2枚の翼。 長く伸びた太い尾、その先に燃える夕焼けのような灯火。 自身の力に絶対の自身を秘めた、ぎらついた鋭い目。 それは――見たこともないドラゴン。 一匹の翼竜は口から炎を吐くと、一撃でギーシュのワルキューレを焼き尽くした。 目を奪われた、とはまさしくあのことなのだろう。 つくづくキュルケには素直に頭が下がる。 あのとき強引に引っ張ってくれなければ、あれをみすみす見逃すところだった。 結果は火を見るまでもなく平民の圧勝。焼き尽くされ、原形を失ったワルキューレには、 その主たるギーシュには、皮肉なことわざである。 しばらく考えた後、タバサは口を開いた。 「…………ムリ」 「きゅい!? なんで!? なんで!?」 「ルックス的に……」 「きゅい! ひどいのね! シルフィは美少竜だもん!」 「……」 美『少』竜と自称しているが、シルフィードは実は200年近く生きている ずいぶんと長生きさん(竜の中では10歳程度)である。 シルフィードには、自らが恋焦がれる竜のほうが、 見た目はともかく実年齢がはるか年下だとは知る由もない、 ましてや夢にも思っていなかった。 「きゅい! いいもんいいもん! どうせ異性を感じたことのない おねぇさまにはわからない話だもん! おねぇさまはあのちょっと けばけばした友達とにゃんにゃん……じ、じょうだんなのね! 杖をおろして詠唱やめて、なのねー!」 シルフィードの願いもむなしく、呪文こそ放たれなかったものの、 杖は今迄で一番強く、シルフィードの脳天を捉えたのだった。 場所を変え…… 一方その頃、ルイズの部屋ではルイズによる 使い魔(レッド)調教作戦が実行されていた。 「いい、ばかレッド! これからあのメイドに会うときは必ず私に 一言話してからにしなさい!! 無断で会話でもしたら一週間ご飯抜きだからね!」 「べつにいい。シエスタにもらうから」 「このばかぁぁぁぁ!!、それじゃあ罰の意味がないじゃない!!」 しかし、さっきからこの調子。 ルイズによる躾はまったく戦果を挙げていなかった。 大体ルイズの聞きだした話によると、レッドは今までシエスタに養ってもらっており、 ご飯も服の洗濯などの雑用も手伝ってもらい、かなり親密に話し合える仲なのだと言う。 さすがに寝どこは自分で探していたらしいが、シエスタは前に「よかったら私のベッドで……」 などと、大胆不敵な発言を真っ赤になりながらぶっ放したのだと真顔でレッドは言った。 「……何が気に食わない? 俺はルイズの使い魔はちゃんとやってるぞ?」 レッドの言い分はもっともであった。 レッドは無愛想でちょいと生意気なところを除けば、実はルイズの言うことは ちゃんと聞いていたし、守っていた。 掃除しろといわれたらやってるし、手伝ってもらっているが、洗濯もしている。 ご飯を抜きにされたら、ちゃんとルイズからはもらっていない。 この前も、レッドはルイズが授業でめちゃくちゃにしてしまったのだという教室 (マルマインでも自爆させたか? と疑うくらいひどい有様だった)を、ただ一人で丁寧に掃除していた。 「一応、おまえを守ってもやれるだろうし……」 手にしたモンスターボールを弾きながら言う。 「何が嫌なんだ、ルイズ?」 「あんたの、そのすかした態度と余裕が……嫌いなのよ」 ルイズは水を一粒ずつこぼすように、ポツリと言った。
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使い魔キャラ 元はモンスター、魔法生物、などの生き物や人(学園、住民キャラ)でない企画内異世界の生き物人(上記同)と契約することで住みやすくなったり等のメリットを受けることができる。 もくじ ◆注意事項 ◆設定 ◆契約について ◆その他 ◆タイトルとタグ 注意事項 ◆企画参加ルール/キャラシートについてに一度目を通して下さい。 使い魔は1ユーザー付き1キャラまでとなっております。 ◆使い魔&ペットに関して タグが多くなってしまうのでペットは使い魔と一括りにさせて頂きました。 タイトルやキャプションで「ペット」か「使い魔」のどちらかの表記をお願いします。 ◆人型に変身できる設定は可能です。 必ずキャラシートには原型を描いて下さい。 キャラシートに原型と人型のイラストを一緒に描き込むことは可能です。 漫画機能での投稿はお止め下さい。 ◆使い魔は、住民/学園キャラとは恋愛は出来ませんが 使い魔同士での恋愛はOKです。 恋愛不可の場合は、キャプションにお書きください。 もちろん、性別に関して無性/両性/不明は不可と致します。 ◆既に使い魔/ペットを投稿の方へ キャラシートの投稿をできるだけお願いします。 設定 ◆使い魔の特徴に関して 魔法が使える/使えないの設定は自由です。 (魔法が使える場合は、魔法媒体を描いてください。) ただし契約者が居る場合、 契約者以上の力があっても契約者以下の力しか発揮できなくなります。 (という設定になりますので、たまに契約者以上の力を出す描写があっても 問題ありませんが、ほどほどにお願いします。) また、特技なども世界観を壊さない程度に設定でしたら可能です。 ◆使い魔の得意魔法属性に関して 世界観での魔法詳細 得意属性は、必ず四大属性(火・水・風・土の内)から一つまでにしてください。 無属性は、禁止しております。 得意属性でなくても属性を二つ以上付けるのはお止め下さい。 必ず一つまでとします。 ◆詳しい設定はキャプションへ キャラ名 年齢 性別 種族 誕生日 得意属性 特技 魔法媒体 口調(鳴声) 性格 生い立ち 好きなもの など入れていただくと交流しやすくなると思います。 大体の使い魔は、学園で保護されている設定になりますので 他の場所が良い方は、キャプションに記載ください。 契約について 契約できる相手は一人となりますが 契約期間を企画内一年(実際の半年で3月と9月に更新)とします。 更新に関しては契約者の方とご相談ください。 更新時に連絡が付かない状態とそのまま相手のイラスト投稿がないまま一ヶ月経ちましたら、 相手の同意無しに解除する事が可能になります。 自分のキャラ同士の契約は可能です。 上記で 「契約者が居る場合、契約者以上の力があっても 契約者以下の力しか発揮できなくなります。」 とありますが、魔法が使える使い魔で非魔法使いが契約者/主人になった場合は 全く魔法が使えなくなるという事はありません。 その他 アルバイト 使い魔/ペットでもアルバイトを募集している店舗等があれば アルバイトをすることが可能です。 アルバイトに関しては「未契約」もしくは「主人の許可なくすること」が可能です。 交流にあたって キャラがわかりにくいとなかなか交流がし辛いと思います。 なのでどのように動かしていいか文章だけだとわかりにくいと思いますので キャラ設定などの補足で少しキャラを動かしてあげることも必要と思います。 タイトルとタグ ◆イラストタイトル 【まほがく】キャラ名【使い魔】 【まほがく】キャラ名【ペット】 にして下さい。 キャラシート必須タグ 【まほがく】 企画必須タグ。「描いてもいいのよ」が含まれる 【まほがく】使い魔 使い魔用のキャラシートに必須。使い魔同士での「恋愛許可」が含まれる。恋愛不可の場合は、キャプションにて「恋愛不可」とお書き下さい 任意タグ 【まほがく】主人募集 契約者/主人を募集するタグ。pixivで主人/契約者を検索する場合は【まほがく】使い魔募集のタグを見てください。 【まほがく】男/女 性別タグどちらかお選びください。 【まほがく】学園飼育舎 主人がいない使い魔の住居になります。 【まほがく】第○寮/教員寮/○区域 契約者/主人が出来た場合は同じ住いのタグを付けることが出来ます。生徒:一/二/三/四/五寮 教員:教員寮 住民:東/西/北/中央区域 となります。 【まほがく】○属性 得意属性のタグ詳しくは任意タグをご覧下さい。 【まほがく】企画休止中 休止中のタグです。あくまで、企画を休んでいるという自己宣告になります。 当たり前な様なことも書いてありますが、皆様のご協力宜しくお願いします。 些細な疑問や質問、不明な面がありましたら メッセージや専用掲示板にて企画主にお問い合わせ下さい。 .
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その時、サモンサーヴァントの呪文を唱えた若い女……キュルケは自分が呼び出した 使い魔……大きなな白鳥をポカンとした顔で見つめていた。 呼び出された白鳥のほうも見慣れぬ風景に驚いたのか、コォコォと澄んだ高い声で 鳴きながら長い首を器用に曲げてキョロキョロと周囲を見回している。 おかしい。 その時その場にいた全員が(自らの使い魔召喚に対する不安で他人のことに気を 掛ける余裕が無かった約1名を除いて)、そう思った。 何故なら、サモンサーバントの魔法が呼び出す使い魔は、“術者に相応しい”ものな はずだから。 キュルケは“火”の“トライアングル”なのだから、普通に考えれば火竜や火蜥蜴、 鳥ならば極楽鳥といった火の属性を持った生き物が使い魔として召喚されるはずだ。 しかし、キュルケが呼び出したのは白鳥。鳥であるから基本的な属性は“風”。水に 関わりの深い鳥であることから“水”の属性があるとも考えられる。(万が一ペンギンや ダチョウが呼び出されてしまった場合どう判断するかは難しいところだ。) 白鳥という鳥は、普通に考えてキュルケとの接点は何も無い最も彼女に相応しくない 生き物のひとつなのだから。 「ミス・ツェルプストー。」 キュルケは、担任教官の咳払いで我に返った。 「貴女が意外に感じるのも分かりますが。」 契約を促す声に肯きながら、改めて自らが呼び出した使い魔を見てみる。 白鳥といえば鳥としては最も大きな鳥の一つだが、キュルケが呼び出した白鳥は頭が丁度 キュルケの顔のあたりにあるのだから、その白鳥のなかでも群を抜いて逞しく大きい。 全身は一点の曇りもない純白で、その美しさには神々しささえ感じられた。 ついさっきまで身体をぶるぶると震わせたり翼をバタバタと羽ばたかせていた白鳥は、 今は落ち着いたのかじっと大きく澄んだ黒い瞳でキュルケの顔を見つめている。 「まぁ、いいか。」 キュルケは肩をすくめると、白鳥に向かってにっこりと笑いかけた。 「貴方が人間の男性だったら一目惚れしてたと思うわ。」 そう言って白鳥の首を抱き契約の呪文を唱えるキュルケの姿はとても美しくエロティックで すらあったと、後に“風邪っぴき”の二つ名を持つ風メイジは語っている。 それはこの時期ハルケギニアのあちこちで見られる普通の光景。 しかし、今は誰も知らない。 キュルケが呼び出し後に“ゼウス”と名づけられた白鳥が、色々な意味で“キュルケに 相応しい”存在だったことを。
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昼食は(猫に邪魔されることなく)無事終わった。 そして食後なので少しは休憩するのかと思ったがルイズが、 「すぐに出発するわよ」 と宣言した。 今すぐにか?休憩なし? 「休憩しないのか?」 「休憩してたら夕方までに中継所まで着かないわ」 中継所? 聞きなれない単語だな。 「中継所って一体なんだ?」 「あんた、そんなことも知らないの?」 「悪かったな」 知っていたら聞きはしないだろ。 「仕方ないわね。教えてあげるよ。中継所っていうのはね、簡単にいえば旅行者の家って感じかしらね」 「旅行者の家?」 「そう。それで……」 話を大体まとめるとこんなところだ。 馬で1日にいける距離にある、夜を無事に過ごすため、そして馬をちゃんと休ませるための大きな小屋のこと。 野宿は夜盗や獣に襲われて危ないんだそうだ。 旅行者が主に利用するので、旅行者の家というらしい。ちゃんと管理している人が住んでいるそうだ。 私もラ・ロシェールに行く際に利用したらしいがあの時は急いでいたから覚えてないな。 「わかった?あんたも野宿なんてしたくないでしょ?学院を出るのが少し遅かったから少し急がないといけないのよ。 中継所についてから出来るわ」 「はいはい」 私も野宿なんてしたくない。 ちゃんとしたところで眠れるなら眠りたい。 だからここはおとなしく言うことを聞いておくべきだろう。 そういえば、シエスタは私より疲れていたな。声を掛けておいたほうがいいだろう。 途中で倒れられても困る。 「シエスタ、お前は大丈夫か?」 「あ、はい。平気です。十分休憩できましたから」 シエスタの顔を覗き込む。 「へ?あ、ああの!ヨヨヨシカゲさん!?」 「嘘じゃないみたいだな」 「え?」 それを確認できたのですぐに見るのをやめる。シエスタに疲れの色は殆ど見えない。 これなら大丈夫だろう。顔が赤いのは気になるがな。 そういえば私が覗き込んだら赤くなったな。 普通顔が赤くなるのは体温が上昇するからだろう。じゃあどうしてシエスタの体温は上昇した? 特別暑がりだとは思えない。もしそうなら私が顔を覗く前から顔が赤いはずだからな。 考えながら馬へ向かう。 考えられるのは興奮したから。誰に?私に。何故?シエスタは私に『可能性』を見せてくれた人といった。 もしかしたらそれが憧れになったのかもしれない。 そして憧れの人に顔を覗かれたから、興奮して顔が赤くなった。 ……強引過ぎるな。 さすがにここまで強引なのはダメだろう。 可能性として、異性慣れしていないから異性に顔を覗かれ恥ずかしくなったから赤面した。もしくは、心の準備もなく不意に顔を覗かれたため思わず赤面した。 この辺りが一番無難だろう。 考えがまとまったところで馬に乗ろうとする。すると最近になってみょんに身近になった視線を感じた。 足元を見るとそこには案の定子猫がいた。 もう慣れたな。 そう思っていると、クスクスと笑い声がしてきた。 顔を上げるとシエスタとルイズが笑いを堪えていた。一体なんだというんだ? 「なんで笑っているんだ?」 「だ、だって。その子猫がヨシカゲのあとをちょこちょこついていってて、まるでひよこみたいで……クスクス」 「ご、ごめんなさい。でもギャップが……フフ」 ルイズとシエスタは必死で笑いを堪えている。 つまりこの猫が私の歩く後についてきていたわけか。それの何が可笑しい。まったく、女のセンスは理解できない。 無視しよう。所詮男と女は違う生き物なのだ。考えが理解できるはずも無い。 そう思い、再び子猫に目を向ける。猫はただこちらを見ているだけだ。まったく、 「前にも言っただろ。一緒に来たいならそう言えって」 私は猫を掴み上げ自分の肩へと乗せ、そのまま乗馬した。 2人の少女の笑い声が聞こえる。女の笑い声なんて幻聴だ。そう信じ込む。 そして中継所を目指し、私たちは再び馬を走らせた。 日が暮れ始めた頃に、私たちは中継所についた。結構疲れたな。早く休みたいものだ。肩に乗っている猫すらすこし重たく感じる。 馬を馬小屋へ連れて行き、馬を休ませる。 そして私たちは中継所の中へ入った。中はそれなりに広く、机と椅子が沢山置いてある。そして何席かはすでに人が使っていた。 入り口の隣にはカウンターのようなところがあり、そこにヒゲをたっぷり蓄えた初老の老人が座っている。 ルイズがその老人の下へ行くので私たちもついていく。 「これはこれは貴族の旦那様ではございませんか。よくいらっしゃいました」 老人はルイズに気がつくとすぐに声をかけてくる。声は見た目に反ししっかりしていて聞き取りやすく、若い感じがする。 「個室は空いているかしら」 「へい。空いておりやす。最近は来る人も少なくて空きっぱなしでございます」 「それじゃあ2部屋お願いね。それでおいくら?」 「へい。2部屋で60スゥになりやす」 ルイズはそれを聞いて財布を取り出し、主人が言ったであろう金額を渡す。 この国の通貨単位はスゥというらしいな。というより泊まるのには金が要るのか。 「ではこちらが部屋の鍵になっておりやす。この鍵についている番号のお部屋に行ってくださいませ。部屋にはそれぞれ番号札がついているんでわかると思いやす。 そこにある階段を登れば個室があるんで」 ルイズは老人から鍵を受け取ると階段へ向かっていく。 私もそれについてく。しかしシエスタは何故か別の方向へ行こうとしていた。 「どこに行くんだシエスタ」 「あ、私は個室を借りるほどのお金が無いので共同部屋に泊まるんです」 「共同部屋?」 「はい、共同部屋っていうのは「泊まらなくてもいいわ」へ?」 シエスタが話そうとすると急にルイズが話しに割り込んでくる。 「シエスタはわたしの部屋に一緒に泊まりなさい」 「そんな!ミス・ヴァリエールと同じ部屋だなんて!恐れ多くて」 「わたしが泊まりなさいって言ってるんだから泊まればいいのよ。初めからそのつもりだったんだから」 「し、しかし」 「それにわたしと一緒いるのにその中の一人だけが共同部屋なんて恥ずかしいじゃない」 「……わかりました。一緒にいさせてもらいます」 「初めからそう言えばいいのよ」 そしてルイズがわたしに鍵を渡してくる。 「これがあんたの部屋の鍵ね」 「あ、ああ」 鍵には2と彫られている。 これがたしか部屋の番号だったな。 しかし、 「その共同部屋っていうのはなんだ?」 「共同部屋っていうのはただで使える部屋のことよ。見ず知らずの人間同士がその部屋に集まって寝るのよ。それでお金を払えば個室が使えるの。 でも大抵みんなお金を使いたくないから共同部屋で寝るのよ。個室を使うのは貴族か余裕のある平民だけね」 「ふーん」 なるほどね。 だから金がないシエスタは共同部屋に行こうとしてたのか。 「ほら、荷物置きに行くわよ。シエスタ、食事は任せたわ。出来たら呼んでちょうだい」 「はい。わかりました」 食事は自分たちで作らないといけないのか。まあ、さすがに作ってくれるわけはないな。 そんなことを思いながら私たちは2階へ上がっていった。 食事は何事も無く終わり、今はそれぞれが部屋にいる。 あとはもう寝るぐらいしかやることは無いからな。 個室は大体ルイズの部屋より少し小さいぐらいだ。共同部屋はこの大きさで何人もが寝るらしい。 共同でなくてよかった。 さて暇だな。猫も眠っているし。 しかし、私には暇を潰すうってつけの相手がいる。それは、 「両手に花だな相棒」 デルフだ。既に抜き放っている。しかし開口一番がそれか。 「花ならもう少し魅力のある女性がいいな。あれじゃ物足りない」 「贅沢言い過ぎだぜ相棒。そんなこと言ってたら罰が当たるぜ」 「そうか?」 「わかんね」 やはりルイズやシエスタといるよりも、デルフと喋るこの瞬間が一番楽しいものだ。 「そういえばよ相棒」 「どうした?」 「どうしてルイズなんか誘ったんだ?本当は心配してなんかじゃねえんだろ?」 「当たり前だ」 しかし今日は言えるだろうか。 「で、その猫がいつの間にか来てたってわけか」 「ああ。本当に厄介だ」 「いいや。相棒は自分で気づいてないだけで猫のことが気に入ってんのさ」 「何をバカなことを……」 今日こそ、今日こそ、 「なあデルフリンガー」 「どうした相棒?」 「そ、その。たた、たまに、だな。名前で……」 「そういや相棒」 「な、なんだ?」 「最近よく俺と喋るよな。結構嬉しいぜ」 ダメだ。言えるわけが無い。 「お、おい。どうした相ぼ……」 慌ててデルフを鞘に収め、ランプを消してベッドに寝転がる。 あんなこと言われたら言い出しにくいに決まっている。 帽子をそこらへんに放り投げる。 デルフにいつか名前で呼ばれたいものだ。心の中でなら簡単に思えるのだがな。 そんなことに思いをはせながら眠りについた。