約 170,739 件
https://w.atwiki.jp/nipponnokiki/pages/163.html
私は、学校に通うことが、自分の教育の邪魔にならないように、いつも気をつけていました。 マーク・トウェイン(アメリカの作家) <目次> ■偏向したままの歴史教育 ■歴史教科書よりも酷い公民教科書 ■歴史学の成果からかけ離れた偏向歴史教科書が今も跋扈 ■日本の歴史をきちんと知ろう ■偏向した歴史教育の全体像を知るページ ■偏向したままの歴史教育 http //www.nicovideo.jp/watch/sm2915894 子供たちは今、どんな歴史教科書で学んでいるのか? ①古代編(高森アイズ -平成20年4月2日号) (コメントを消す場合は画面にカーソルを当てて右端のマークをクリック) http //www.nicovideo.jp/watch/sm2972872 沖縄修学旅行で今も行われている自虐教育~高校生の感想文から(高森アイズ -平成20年4月8日号) (コメントを消す場合は画面にカーソルを当てて右端のマークをクリック) 【関連】 沖縄戦集団自決命令問題 ■歴史教科書よりも酷い公民教科書 http //www.nicovideo.jp/watch/sm6519895 歴史教科書よりもひどい公民教科書(チャンネル桜・報道ワイド日本 -平成17年7月25日号) (コメントを消す場合は画面にカーソルを当てて右端のマークをクリック) 【関連】 一般常識の館 GHQの占領政策と影響 ■歴史学の成果からかけ離れた偏向歴史教科書が今も跋扈 http //www.nicovideo.jp/watch/sm7530054 【どこの国が作った?】日本の偏向教科書の実態(桜プロジェクト -平成21年7月1日号) (コメントを消す場合は画面にカーソルを当てて右端のマークをクリック) http //www.nicovideo.jp/watch/sm7171717 中韓隷属を進める歴史教科書 1/2(桜 -平成21年5月27日) (コメントを消す場合は画面にカーソルを当てて右端のマークをクリック) http //www.nicovideo.jp/watch/sm7171758 中韓隷属を進める歴史教科書 2/2(桜 -平成21年5月27日) (コメントを消す場合は画面にカーソルを当てて右端のマークをクリック) ■日本の歴史をきちんと知ろう http //www.nicovideo.jp/watch/sm3418391 【日本の恵まれた歴史】東アジアの国家統一の3パターン比較(高森アイズ -平成20年5月24日号) (コメントを消す場合は画面にカーソルを当てて右端のマークをクリック) ■偏向した歴史教育の全体像を知るページ ⇒ 歴史問題の基礎知識 へ ■自虐史観から完全に目覚めるために!セットで読む歴史解説ページ 中国の歴史・中国文明 辛亥革命~中国近代化運動の実際 中国はなぜ反日か? 自虐史観の正体 GHQの占領政策と影響 大東亜戦争への経緯 大東亜戦争への経緯・上級編 南京大虐殺の正体 沖縄戦集団自決命令問題 韓国はなぜ反日か? 日韓併合の真実 偏向教科書の正体 NHKの正体 当サイトは、日本人の自虐史観(東京裁判史観)からの完全脱却を応援します。 ブログランキング応援クリックをお願いいたします(一日一回有効)。 ⇒#ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (人気ブログランキングへ) 当サイトは日本唯一の愛国放送・チャンネル桜を応援しています! ■セットで読む中国の民族問題解説ページ■東トルキスタン侵略の正体チベット侵略の正体南モンゴル侵略の正体中国の歴史・中国文明辛亥革命~中国近代化運動の実際
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/2963.html
「できれば、〝彼〟や涼宮ハルヒ、朝比奈みくるには黙っていて欲しい。」 長門さんに教科書を貸した後の英語の授業の最中、僕はいつかの様に僕の教科書を抱きかかえた長門さんの台詞を何べんも反芻していた。 最初は、長門さんの教科書は一体どこへ行ってしまったのか、本当に盗まれてしまったのだろうか、では、一体だれが? などと、一通り考えてはいたのだが、思考は確実に先ほどの会話へ流されていく。 「涼宮ハルヒや〝彼〟は私に対して、少し過保護すぎると思われる面がある。 盗難されたと決まったわけではない、騒ぎを大きくしたくない。 第一、涼宮ハルヒが何かしらの怒りを覚えると、それはすなわち……あなたの苦労に繋がる。 それはいや。 朝比奈みくるは隠し事に向いていない。 それが彼女のいいところ。」 喋り方は相変わらず淡々としていたがその内容は、SOS団のメンバーのことをよく見て考えて、 なおかつ、自分が周りからどのように思われているか、ちゃんと理解しているものだった。 かつての彼女ならば、自分が何かの被害を受けたことに〝彼〟や涼宮さんが怒りをあらわにする理由が分からなかっただろう。 そして、何より僕のことを心配してくれたことが嬉しかった。 閉鎖空間の拡大にともなる世界崩壊ではなく、僕の苦労を心配してくれたことがどうしようもなく嬉しかった。 そして、その後、長門さんが白くて細い長門さんの指を口元に持っていき、 「2人だけの秘密。 禁則事項。」 と、言ったのを思い出すと、あれからもう15分以上の時間が経過しているにも拘らず、ボン!と湯気が出そうなくらい顔が赤くなるのを感じる。 あれは、可愛かった。 今思い起こせば、少し長門さんの口角が上がっていたような気がする。 僕の、妄想かもしれないけれど。 ……いや、そんなことはどうでもいい。 僕が頷くと、長門さんはちいさく、ありがとう、と言った。 それが何故か、耳に甘く響いた。 しかし、最近の長門さんは、本当に饒舌だ。 いや、一般的に考えると彼女は激しく無口、という状況のままだろう。 けれど、以前のそれこそSOS団発足当時の長門さんに比べれば、冗談を言ったり、僕をからかったり、 涼宮さんや〝彼〟と一緒になって僕にいたずらを敢行したり、朝比奈さんにお茶のリクエストをしてみたり、僕の言葉の揚げ足を取ったり、本当によく喋る様になったと思う。 あれ、僕ばっかり酷い目にあっているような。 ……気のせいだろう。 気のせいと言うことにしておこう。 「この単語の発音は、日本語では後方に来ているが、実際は前半、この2番目のoに来る。 センターのイントネーション問題でもよく出題される単語だ。 よく覚えておけよ~。」 正直、先生の話なんて右から左だ。 ノートも真っ白。 あとで山田くんに写させてもらおう。 秘密。 2人だけの、秘密。 僕と長門さんだけの秘密。 僕が抱えている秘密ならたくさんある。 それこそ、星の数ほどだ。 〝彼〟にも言っていない『機関』の裏事情、僕の過去。 涼宮さんに対しては正体やら、目的やら、そのほかにもいろいろ隠し事がある。 『機関』の中でも、部署が違ったり、考えにずれがある派閥に対してはやっぱり秘密はあるし、 森さんが楽しみに冷やしてたプリン食べちゃったのは実は僕、という個人的なものまである。 ちなみに、新川さんが買ってきたワラビ餅を勝手に食べてしまったのは、圭一さんだったりする。 そんなたくさんの秘密の中の一つだと言うのに、長門さんとの約束は、随分と意味のあるもの様に感じた。 秘密、ひみつ、ヒミツ。 長門さんの教科書がなくなってしまったと言うのに不謹慎ではあるけれど、秘密と言う言葉が、こんなにもワクワクするものだと感じたのは、小学生以来だ。 しかも、その記憶も段々劣化し始めている。 今まで過ごしてきた年月の中で、ただの古泉一樹だった時間と、超能力者古泉一樹だった時間と、どちらが長いと聞かれたら、 間違いなく、ただの古泉一樹だった時間のほうが長いと答えるが、自信はない。 数字で見れば確実な12年と4年の年月の差が、その内容の濃度の違いのせいであやふやになてしまっている。 今更、ただの古泉一樹に戻りたいなんてさらさら思わないし、今の自分に自信を持ち始めているのも事実だ。 しかし、その分、僕は確実に、ただの古泉一樹であることを忘れてしまっていた。 長門さんとの秘密の約束は、そんな僕を、一気にただの古泉一樹に戻してしまったのだ。 長門さんとの秘密だからかもしれない。 いつも寡黙な、長門さんとの初めての約束だからかもしれない。 だから、こんなにもワクワクするのかもしれない。 すごく楽しい。 心臓が煩い。 でも、すごく心地いい。 ああ、僕も人間なんだな、と、意味不明なことを考えてしまう。 暦の上では、とっくの昔に秋になっているはずの炎天下の中、薄い窓ガラスの向こうで蝉だけが僕の心臓と同じくらい騒いでいた。 「よーし、今日はここまで! 次回小テストするからな、勉強しとけよ~」 いつの間にか終わった授業のあとの騒がしさの中、僕は、廊下側にある山田くんの席へと向かった。 先ほどの時間、上の空でとり損ねたノートを写させてもらうためだ。 そして、教科書を返しに来るであろう長門さんを待つためである。 9組の次の授業が日本史なのだ。 また前回、前々回のように山田くんに大声で呼ばれなどしたら、僕は恥しさのあまり穴を掘ってでも隠れたくなってしまうだろう。 それだけは、ごめんこうむりたい。 「山田くん、ちょっといいですか?」 「んお? なに、古泉。 なんか用か? 言っとくが英語教えてくれってのは勘弁してくれよ。 俺は英語と国語はさっぱりなんだ。」 「知ってますよ。 理数系教科しか取柄が無いって散々ご自分で仰っていましたから。 そうじゃなくて、さっき授業のノート、写させてくれませんか? ボーっとしてたものでとり損ねまして。」 「……長門か。」 「ちがいます。」 「分かりやすいな、お前。」 そう言ってニヤニヤ笑う山田くんに、僕は首をかしげる。 よく〝彼〟は、僕の顔はいつも笑っていて表情が読めないと怒り出すのに。 僕自身でも、ポーカーフェイスは得意なつもりだ。 ポーカーは、お世辞にも強いとはいえないけれど。 「ま、どうでもいいけどさ。 ほら、ノート。 写すんだろ。 字が汚いとか言って怒んなよ。 お前よりマシだ。」 「悪かったですね、字が汚くて。」 「汚いって言うか、乱暴なんだよ。 そんな外見の癖にさ。 お前のテストの採点するセンコーたちはすげーな。」 余計なお世話だ。 僕自身、そのことにはちゃんと考えていてこれからは長門さんの字をお手本に丁寧に書いていこうと決めたところなんですから。 そんなことを考えていたら、教室前の廊下にこの炎天下だというのに涼しげな雰囲気が漂ってきて、思わずそちらの方に視線を向けた。 それと同時に、僕の鼓膜を打つ、凛とした声。 「古泉一樹。」 「……長門さん。 あ、教科書を返しに来てくださったのですね。 すみません、急がせてしまって。」 「いい。 もともと借りているのは私の方。 そして、あなたの次の授業が日本史なのだから、すぐに返すのは当然。 あなたが謝る必要はどこにも無い。」 「確かにそうかもしれませんが、そうお気を使わずとも構いませんよ。 授業が終わってすぐ来てくださったのでしょう?」 「他に用事がなかっただけ。 そう急いではいない。」 「そうですか。」 「そう。」 ああ、会話が続きません。 しかも、真横からまたニヤニヤした視線を感じます。 いい加減飽きませんか。 思わず、ちらりとそちらを向くと、山田くんはばちんとウィンク。 その目は確実にこう言っている。 『俺の存在は、空気だと思え!』 思えるか! と、言わせて頂けるとありがたいのですが。 「……ノート。」 突然、僕と山田くんの目と目の会話を遮るように、長門さんが広げられた僕と山田くんの英語のノートを指差した。 そこには男子2人のお世辞にも綺麗とは言えないアルファベットや日本語が並んでいる。 2人して、下敷きも定規も使わないからノートはがたがただ。 「……はい?」 「なぜ、休み時間にノートを写しているの?」 あー、それはですねぇ。 適当な言い訳を並べようとしている僕に言葉を繋げさせず、それを遮るおせっかいな声。 「それがなー、古泉の奴、さっきの時間、長門のこと考えててノート取れなかったとか言うんだぜ。」 なんてことを言ってくれるんですか! たしかに、長門さんの秘密にワクワクしていたのは事実ですが、その言い方じゃまるで―― 「……本当?」 「……………。」 何も、言えなかった。 馬鹿とでも、なんとでも言ってください。 あんな風に見上げられて嘘が言えるほど、僕は大人じゃないし、本当のことが言えるほどの勇気もない。 長門さんは、何も言わない僕に、そう。 と一言つぶやいてから、僕と山田くんを交互に視線を送った後、失礼する、と言って背中を見せた。 そのとき、ほんの小さな、僕にやっと聞こえるくらいの小さな声で159ページとだけつぶやいて、ちょっとした急流に流されるように6組がある方向へと去って行ってしまう。 日本史の授業が始まるまで、あと3分を切った。 <続く>
https://w.atwiki.jp/kbt16s/pages/285.html
私は、学校に通うことが、自分の教育の邪魔にならないように、いつも気をつけていました。 マーク・トウェイン(アメリカの作家) <目次> ■偏向したままの歴史教育 ■歴史教科書よりも酷い公民教科書 ■歴史学の成果からかけ離れた偏向歴史教科書が今も跋扈 ■日本の歴史をきちんと知ろう ■偏向した歴史教育の全体像を知るページ ■偏向したままの歴史教育 http //www.nicovideo.jp/watch/sm2915894 子供たちは今、どんな歴史教科書で学んでいるのか? ①古代編(高森アイズ -平成20年4月2日号) (コメントを消す場合は画面にカーソルを当てて右端のマークをクリック) http //www.nicovideo.jp/watch/sm2972872 沖縄修学旅行で今も行われている自虐教育~高校生の感想文から(高森アイズ -平成20年4月8日号) (コメントを消す場合は画面にカーソルを当てて右端のマークをクリック) 【関連】 沖縄戦集団自決命令問題 ■歴史教科書よりも酷い公民教科書 http //www.nicovideo.jp/watch/sm6519895 歴史教科書よりもひどい公民教科書(チャンネル桜・報道ワイド日本 -平成17年7月25日号) (コメントを消す場合は画面にカーソルを当てて右端のマークをクリック) 【関連】 一般常識の館 GHQの占領政策と影響 ■歴史学の成果からかけ離れた偏向歴史教科書が今も跋扈 http //www.nicovideo.jp/watch/sm7530054 【どこの国が作った?】日本の偏向教科書の実態(桜プロジェクト -平成21年7月1日号) (コメントを消す場合は画面にカーソルを当てて右端のマークをクリック) http //www.nicovideo.jp/watch/sm7171717 中韓隷属を進める歴史教科書 1/2(桜 -平成21年5月27日) (コメントを消す場合は画面にカーソルを当てて右端のマークをクリック) http //www.nicovideo.jp/watch/sm7171758 中韓隷属を進める歴史教科書 2/2(桜 -平成21年5月27日) (コメントを消す場合は画面にカーソルを当てて右端のマークをクリック) ■日本の歴史をきちんと知ろう http //www.nicovideo.jp/watch/sm3418391 【日本の恵まれた歴史】東アジアの国家統一の3パターン比較(高森アイズ -平成20年5月24日号) (コメントを消す場合は画面にカーソルを当てて右端のマークをクリック) ■偏向した歴史教育の全体像を知るページ ⇒ 歴史問題の基礎知識 へ ■自虐史観から完全に目覚めるために!セットで読む歴史問題・解説ページ 中国の歴史・中国文明 辛亥革命~中国近代化運動の実際 中国はなぜ反日か? 自虐史観の正体 GHQの占領政策と影響 大東亜戦争への経緯 南京大虐殺の正体 沖縄戦集団自決命令問題 韓国はなぜ反日か? 日韓併合の真実 偏向教科書の正体 NHKの正体 靖國神社と英霊の御心 教育勅語とその精神 右翼・左翼の歴史 戦後レジームの正体 マルクス主義と天皇制ファシズム論 丸山眞男「天皇制ファシズム論」、村上重良「国家神道論」の検証 政治の基礎知識 歴史問題の基礎知識 ブログランキング応援クリックをお願いいたします(一日一回有効)。 人気ブログランキングへ 当サイトは日本唯一の愛国放送・チャンネル桜を応援しています! ■セットで読む中国の民族問題解説ページ■東トルキスタン侵略の正体チベット侵略の正体南モンゴル侵略の正体台湾の真実中国の歴史・中国文明辛亥革命~中国近代化運動の実際
https://w.atwiki.jp/kolia/pages/675.html
私は、学校に通うことが、自分の教育の邪魔にならないように、いつも気をつけていました。 マーク・トウェイン(アメリカの作家) <目次> ■偏向したままの歴史教育 ■歴史教科書よりも酷い公民教科書 ■歴史学の成果からかけ離れた偏向歴史教科書が今も跋扈 ■日本の歴史をきちんと知ろう ■偏向した歴史教育の全体像を知るページ ■偏向したままの歴史教育 http //www.nicovideo.jp/watch/sm2915894 子供たちは今、どんな歴史教科書で学んでいるのか? ①古代編(高森アイズ -平成20年4月2日号) (コメントを消す場合は画面にカーソルを当てて右端のマークをクリック) http //www.nicovideo.jp/watch/sm2972872 沖縄修学旅行で今も行われている自虐教育~高校生の感想文から(高森アイズ -平成20年4月8日号) (コメントを消す場合は画面にカーソルを当てて右端のマークをクリック) 【関連】 沖縄戦集団自決命令問題 ■歴史教科書よりも酷い公民教科書 http //www.nicovideo.jp/watch/sm6519895 歴史教科書よりもひどい公民教科書(チャンネル桜・報道ワイド日本 -平成17年7月25日号) (コメントを消す場合は画面にカーソルを当てて右端のマークをクリック) 【関連】 一般常識の館 GHQの占領政策と影響 ■歴史学の成果からかけ離れた偏向歴史教科書が今も跋扈 http //www.nicovideo.jp/watch/sm7530054 【どこの国が作った?】日本の偏向教科書の実態(桜プロジェクト -平成21年7月1日号) (コメントを消す場合は画面にカーソルを当てて右端のマークをクリック) http //www.nicovideo.jp/watch/sm7171717 中韓隷属を進める歴史教科書 1/2(桜 -平成21年5月27日) (コメントを消す場合は画面にカーソルを当てて右端のマークをクリック) http //www.nicovideo.jp/watch/sm7171758 中韓隷属を進める歴史教科書 2/2(桜 -平成21年5月27日) (コメントを消す場合は画面にカーソルを当てて右端のマークをクリック) ■日本の歴史をきちんと知ろう http //www.nicovideo.jp/watch/sm3418391 【日本の恵まれた歴史】東アジアの国家統一の3パターン比較(高森アイズ -平成20年5月24日号) (コメントを消す場合は画面にカーソルを当てて右端のマークをクリック) ■偏向した歴史教育の全体像を知るページ ⇒ 歴史問題の基礎知識 へ ■自虐史観から完全に目覚めるために!セットで読む歴史解説ページ 中国の歴史・中国文明 辛亥革命~中国近代化運動の実際 南京大虐殺の正体 中国はなぜ反日か? 韓国はなぜ反日か? 日韓併合の真実 自虐史観の正体 偏向教科書の正体 NHKの正体 GHQの占領政策と影響 大東亜戦争への経緯 大東亜戦争への経緯・上級編 沖縄戦集団自決命令問題 当サイトは、日本人の自虐史観(東京裁判史観)からの完全脱却を応援します。 ブログランキング応援クリックをお願いいたします(一日一回有効)。 ⇒#ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (人気ブログランキングへ) 当サイトは日本唯一の愛国放送・チャンネル桜を応援しています! ■セットで読む中国の民族問題解説ページ■東トルキスタン侵略の正体チベット侵略の正体南モンゴル侵略の正体中国の歴史・中国文明辛亥革命~中国近代化運動の実際
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/3072.html
「できれば、〝彼〟や涼宮ハルヒ、朝比奈みくるには黙っていて欲しい。」 長門さんに教科書を貸した後の英語の授業の最中、僕はいつかの様に僕の教科書を抱きかかえた長門さんの台詞を何べんも反芻していた。 最初は、長門さんの教科書は一体どこへ行ってしまったのか、本当に盗まれてしまったのだろうか、では、一体だれが? などと、一通り考えてはいたのだが、思考は確実に先ほどの会話へ流されていく。 「涼宮ハルヒや〝彼〟は私に対して、少し過保護すぎると思われる面がある。 盗難されたと決まったわけではない、騒ぎを大きくしたくない。 第一、涼宮ハルヒが何かしらの怒りを覚えると、それはすなわち……あなたの苦労に繋がる。 それはいや。 朝比奈みくるは隠し事に向いていない。 それが彼女のいいところ。」 喋り方は相変わらず淡々としていたがその内容は、SOS団のメンバーのことをよく見て考えて、 なおかつ、自分が周りからどのように思われているか、ちゃんと理解しているものだった。 かつての彼女ならば、自分が何かの被害を受けたことに〝彼〟や涼宮さんが怒りをあらわにする理由が分からなかっただろう。 そして、何より僕のことを心配してくれたことが嬉しかった。 閉鎖空間の拡大にともなる世界崩壊ではなく、僕の苦労を心配してくれたことがどうしようもなく嬉しかった。 そして、その後、長門さんが白くて細い長門さんの指を口元に持っていき、 「2人だけの秘密。 禁則事項。」 と、言ったのを思い出すと、あれからもう15分以上の時間が経過しているにも拘らず、ボン!と湯気が出そうなくらい顔が赤くなるのを感じる。 あれは、可愛かった。 今思い起こせば、少し長門さんの口角が上がっていたような気がする。 僕の、妄想かもしれないけれど。 ……いや、そんなことはどうでもいい。 僕が頷くと、長門さんはちいさく、ありがとう、と言った。 それが何故か、耳に甘く響いた。 しかし、最近の長門さんは、本当に饒舌だ。 いや、一般的に考えると彼女は激しく無口、という状況のままだろう。 けれど、以前のそれこそSOS団発足当時の長門さんに比べれば、冗談を言ったり、僕をからかったり、 涼宮さんや〝彼〟と一緒になって僕にいたずらを敢行したり、朝比奈さんにお茶のリクエストをしてみたり、僕の言葉の揚げ足を取ったり、本当によく喋る様になったと思う。 あれ、僕ばっかり酷い目にあっているような。 ……気のせいだろう。 気のせいと言うことにしておこう。 「この単語の発音は、日本語では後方に来ているが、実際は前半、この2番目のoに来る。 センターのイントネーション問題でもよく出題される単語だ。 よく覚えておけよ~。」 正直、先生の話なんて右から左だ。 ノートも真っ白。 あとで山田くんに写させてもらおう。 秘密。 2人だけの、秘密。 僕と長門さんだけの秘密。 僕が抱えている秘密ならたくさんある。 それこそ、星の数ほどだ。 〝彼〟にも言っていない『機関』の裏事情、僕の過去。 涼宮さんに対しては正体やら、目的やら、そのほかにもいろいろ隠し事がある。 『機関』の中でも、部署が違ったり、考えにずれがある派閥に対してはやっぱり秘密はあるし、 森さんが楽しみに冷やしてたプリン食べちゃったのは実は僕、という個人的なものまである。 ちなみに、新川さんが買ってきたワラビ餅を勝手に食べてしまったのは、圭一さんだったりする。 そんなたくさんの秘密の中の一つだと言うのに、長門さんとの約束は、随分と意味のあるもの様に感じた。 秘密、ひみつ、ヒミツ。 長門さんの教科書がなくなってしまったと言うのに不謹慎ではあるけれど、秘密と言う言葉が、こんなにもワクワクするものだと感じたのは、小学生以来だ。 しかも、その記憶も段々劣化し始めている。 今まで過ごしてきた年月の中で、ただの古泉一樹だった時間と、超能力者古泉一樹だった時間と、どちらが長いと聞かれたら、 間違いなく、ただの古泉一樹だった時間のほうが長いと答えるが、自信はない。 数字で見れば確実な12年と4年の年月の差が、その内容の濃度の違いのせいであやふやになてしまっている。 今更、ただの古泉一樹に戻りたいなんてさらさら思わないし、今の自分に自信を持ち始めているのも事実だ。 しかし、その分、僕は確実に、ただの古泉一樹であることを忘れてしまっていた。 長門さんとの秘密の約束は、そんな僕を、一気にただの古泉一樹に戻してしまったのだ。 長門さんとの秘密だからかもしれない。 いつも寡黙な、長門さんとの初めての約束だからかもしれない。 だから、こんなにもワクワクするのかもしれない。 すごく楽しい。 心臓が煩い。 でも、すごく心地いい。 ああ、僕も人間なんだな、と、意味不明なことを考えてしまう。 暦の上では、とっくの昔に秋になっているはずの炎天下の中、薄い窓ガラスの向こうで蝉だけが僕の心臓と同じくらい騒いでいた。 「よーし、今日はここまで! 次回小テストするからな、勉強しとけよ~」 いつの間にか終わった授業のあとの騒がしさの中、僕は、廊下側にある山田くんの席へと向かった。 先ほどの時間、上の空でとり損ねたノートを写させてもらうためだ。 そして、教科書を返しに来るであろう長門さんを待つためである。 9組の次の授業が日本史なのだ。 また前回、前々回のように山田くんに大声で呼ばれなどしたら、僕は恥しさのあまり穴を掘ってでも隠れたくなってしまうだろう。 それだけは、ごめんこうむりたい。 「山田くん、ちょっといいですか?」 「んお? なに、古泉。 なんか用か? 言っとくが英語教えてくれってのは勘弁してくれよ。 俺は英語と国語はさっぱりなんだ。」 「知ってますよ。 理数系教科しか取柄が無いって散々ご自分で仰っていましたから。 そうじゃなくて、さっき授業のノート、写させてくれませんか? ボーっとしてたものでとり損ねまして。」 「……長門か。」 「ちがいます。」 「分かりやすいな、お前。」 そう言ってニヤニヤ笑う山田くんに、僕は首をかしげる。 よく〝彼〟は、僕の顔はいつも笑っていて表情が読めないと怒り出すのに。 僕自身でも、ポーカーフェイスは得意なつもりだ。 ポーカーは、お世辞にも強いとはいえないけれど。 「ま、どうでもいいけどさ。 ほら、ノート。 写すんだろ。 字が汚いとか言って怒んなよ。 お前よりマシだ。」 「悪かったですね、字が汚くて。」 「汚いって言うか、乱暴なんだよ。 そんな外見の癖にさ。 お前のテストの採点するセンコーたちはすげーな。」 余計なお世話だ。 僕自身、そのことにはちゃんと考えていてこれからは長門さんの字をお手本に丁寧に書いていこうと決めたところなんですから。 そんなことを考えていたら、教室前の廊下にこの炎天下だというのに涼しげな雰囲気が漂ってきて、思わずそちらの方に視線を向けた。 それと同時に、僕の鼓膜を打つ、凛とした声。 「古泉一樹。」 「……長門さん。 あ、教科書を返しに来てくださったのですね。 すみません、急がせてしまって。」 「いい。 もともと借りているのは私の方。 そして、あなたの次の授業が日本史なのだから、すぐに返すのは当然。 あなたが謝る必要はどこにも無い。」 「確かにそうかもしれませんが、そうお気を使わずとも構いませんよ。 授業が終わってすぐ来てくださったのでしょう?」 「他に用事がなかっただけ。 そう急いではいない。」 「そうですか。」 「そう。」 ああ、会話が続きません。 しかも、真横からまたニヤニヤした視線を感じます。 いい加減飽きませんか。 思わず、ちらりとそちらを向くと、山田くんはばちんとウィンク。 その目は確実にこう言っている。 『俺の存在は、空気だと思え!』 思えるか! と、言わせて頂けるとありがたいのですが。 「……ノート。」 突然、僕と山田くんの目と目の会話を遮るように、長門さんが広げられた僕と山田くんの英語のノートを指差した。 そこには男子2人のお世辞にも綺麗とは言えないアルファベットや日本語が並んでいる。 2人して、下敷きも定規も使わないからノートはがたがただ。 「……はい?」 「なぜ、休み時間にノートを写しているの?」 あー、それはですねぇ。 適当な言い訳を並べようとしている僕に言葉を繋げさせず、それを遮るおせっかいな声。 「それがなー、古泉の奴、さっきの時間、長門のこと考えててノート取れなかったとか言うんだぜ。」 なんてことを言ってくれるんですか! たしかに、長門さんの秘密にワクワクしていたのは事実ですが、その言い方じゃまるで―― 「……本当?」 「……………。」 何も、言えなかった。 馬鹿とでも、なんとでも言ってください。 あんな風に見上げられて嘘が言えるほど、僕は大人じゃないし、本当のことが言えるほどの勇気もない。 長門さんは、何も言わない僕に、そう。 と一言つぶやいてから、僕と山田くんを交互に視線を送った後、失礼する、と言って背中を見せた。 そのとき、ほんの小さな、僕にやっと聞こえるくらいの小さな声で159ページとだけつぶやいて、ちょっとした急流に流されるように6組がある方向へと去って行ってしまう。 日本史の授業が始まるまで、あと3分を切った。 <続く>
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/3111.html
「なぁ、古泉? お前、まさかとは思うけど、恋をしたことがないなんていわないよな?」 5時間目の科学の時間、僕は今度は先ほどの山田くんの台詞を反芻していた。 最近まともに授業受けてないんじゃないか? と、少し不安になったりもするが、 まぁ、教科書と参考書を交互ににらめっこすればどうにかなるだろう。 今までだって、神人退治をしながらこのクラスで何とかやっていけたんだ。 涼宮さんの精神がある程度安定している今なら多少の無理もきくだろう。 そんなときに限って、〝彼〟が墓穴を掘るんだとか、そんなことは敢えて考えないでおこう。 恋……か。 そういや、まったくと言っていいほど経験のない分野だ。 そりゃ、僕だって幼少時代や小学生時代に誰それちゃんのことが好き! とかいう麻疹みたいな物は経験したことがあるが、あくまでそれは、likeの延長線だろう。 loveに直結する、愛してる、恋してるの段階での『好き』 と言う感情は、今の今まで実感した記憶がない。 そういうのをしておくべきであった中学時代は、それこそ能力が目覚めたばかりでそれどころではなかったし、今は今で、任務が任務だ。 ありえない。 別に、それが悲しいことだとは、今現在は思わない。 しかし、それが10年先、20年先と考えたらどうだろう。 周りの友人や知り合いがどんどん人生のパートナーを見つける中、自分は一人で、一体、何をしているのだろう。 まさか、死ぬまで『機関』の構成員として戦うだけの人生を送るわけではあるまい。 いや、今のままだとそういう可能性も無くは無い。 〝彼〟と涼宮さんには一刻も早く互いに対して素直になて貰いたいものである。 もちろん、あの2人が結ばれたからと言って、閉鎖空間の発生がなくなるとは言い切れないが、発生数が激減することは確実である。 ああ、幸せな悩みが増えて僕らの仕事が増えると言うことも考えられなくは無いですね。 困ったものです。 いや、しかし、僕この先どうなるんでしょう。 やはりずっと一人ぼっちなのでしょうか。 いや、友人と呼べる人は、こんな身の上であるにも拘らず2本の手じゃ数え切れぬほどいるのだけれど、 彼等にしても、いつまでも僕と一緒にいてくれるとは限らない。 いずれ、パートナーを見つけ、僕の過ごした後はその人の元へ帰っていくのだろう。 では、僕は、誰の元に帰れば? いや、それよりも。 恋愛なんてものが、世界を創っている、人生そのもの、などと少女漫画のようなことはおもわないが、何をどうあがいていい訳を重ねても、僕の中にある、 誰か自分に特別な人に恋をして、好きな女性と男女としてのお付き合いをすると言うせん無い憧れを否定することは出来ない。 所詮僕だって男だ。 本能に抗えぬ劣情もあるし、それを抑えるための、なんていうかまぁ、そういうこともしなくはない。 そのことに相手を求めることは……今のところ無いけれども、それでもどうせなら、好いた相手と、と思うのが人間である。 しかし、なぜだろう、ここ最近、そういうことを考えると必ず、長門さんの軽蔑したような摂氏-273.15の視線を垣間見てしまうのだ。 それは、もちろん本物の長門さんではなく、僕の想像の産物であることは言うまでもないのだが、それでも心に来るものがある。 まるで、氷の剣で心臓を一寸の狂いも無く突き刺されたみたいな感触だ。 いや、実体験したことはないので、それぐらいの衝撃と言うことだけれど。 僕は、長門さんのことが好きなのだろうか。 正直それは、僕にも分からない。 likeかdislikeか、と訊かれたら即likeだと答えるが、loveか、と訊かれると困る。 正直に言えば、いまだ僕にはloveは理解できていないのだ。 〝彼〟に対して、鈍いだの何だの抜かしながら、その点にいたっては僕はどうしようもないほど子供なのである。 弱みを見せないために知ったかぶりしているに過ぎない。 事実、僕が〝彼〟にしたアドヴァイスなど、殆ど妄想的なものか、森さんの入れ知恵だ。 感謝してます、森さん。 そして、さて、自分のこと、となると何もかもがさっぱりなのだ。 はたして、僕は長門さんが、好きなのか。 長門さんは、綺麗な方だ。 美しいとも言える。 髪一本、つま先まで、何一つ無駄がない。 頭脳明晰、運動神経抜群、知識量もすさまじく、思慮も深い。 それは、山田君に話したとおり。 でも、実は極稀にご本人曰く『うかつ。』なことをしでかし、その大半が僕を苦笑いさせてくれるものなのだが、 その苦笑いには、あまり無理を感じない。 表情は苦笑いでも、何かしら温かいものを感じるのだ。 そう、強いていうなら、可愛い、と感じているのだろう。 それが恋愛感情に直結するかと聞かれえれば、判らない。 可愛い、と言う漢字は、「愛する」ことが「可能」と書く。 だから、人は自分の子供を可愛いと思うし、自分より年下の兄弟を可愛く思う。 恋人に対してだって、友人に対してだって「愛」すことが「可」能だから、可愛いと感じるのだ。 僕が長門さんに抱いている「可愛い」は、一体、どの「可愛い」なのだろう。 ……考えるのはよそう。 せん無いことだ。 大体、いくら僕が長門さんを可愛いと思ったところで、長門さんは僕のことを友人の一人くらいにしか思っていないだろう。 そうに違いない。 「良好な関係」の友人。 そのポジションに、長門さんから指名されたのは、今のところ僕一人だけだろう。 〝彼〟でも、涼宮さんでも、朝比奈さんでもなく、僕が選ばれた。 なら、僕は、長門さんを「良好な関係」の友人として愛するべきなのだ。 これまでと一緒。 僕にとってSOS団は、単なる観察対象ではなく、大切な友人。 長門さんも、その一人。 そう考えると、僕の悩みは割とあっさり、しかし、何かの糸くずのようなものを残して消えていった。 怖くて仕方なかったお化け屋敷に抜け道を見つけたような感じだ。 これでいいのだ。 バカボンじゃない。 僕は、科学の演習問題を解くフリをしながら、机の中に入れっぱなしになっていた件の日本史の教科書の159ページの端の、長門さんからのメッセージの下に 「僕も、そう望んでいます。」 と、いつもより、ほんの少し丁寧な字で書いてみた。 元素記号など、どうでもいい。 そして、僕はほんの少し、勘違いを期待していた。 その教科書を、次の日、次の時間に日本史の授業を控えた長門さんに渡し、僕は一人、心臓を高鳴らせていた。 二時間目と三時間目の間の休み時間である。 教科書を受け取った長門さんが、あの涼しげな眼でじっと僕を見上げた時、逃げ出したくなったのは秘密だ。 思わず、何故か長門さんの唇を凝視してしまったのは、口が裂けても言えるわけが無い。 桃色だった。 あれは、友情としての、「良好な関係」。 友人としての「良好な関係」。 言い聞かせても、言い聞かせても心臓は破れそうだった。 普段の僕のキャラからは考えられない。 なにが、いったい、どうなっているのか。 頭がスパークしそうだった。 それを山田くんを初めとしたクラスの面々に見られ、余計に恥しくなる。 「羨ましいなぁ。」 とか 「青春だなぁ、古泉。」 と、にたにたと声をかけられ、 思わず、「違います! そんなのじゃありません!」と、情けないことに声を荒げてしまったり、と、 それはまさしく中学時代、クラス中に好きな女の子がばれておもちゃにされていた同級生の行動と全く同じであり、 高校生にもなって僕は何をやっているんだ、っていうか、こんな行動は逆に誤解を招くだろう、第一、僕のイメージとずいぶん違うじゃないか。 と分かっていても体が熱を持って言うことを訊かず、誤解ばかりが広がっていく。 本当にその光景は、僕が中学時代、冷めた目で、しかし、どこか憧れを抱いて見ていたクラス内の騒ぎにそっくりで、もう何がなんだか分からなくなってしまった。 「長門から返事が来るのは、あさってか。 長いな、古泉?」 「いい加減にしてください。 僕をからかって楽しいですか?」 「ああ、たのしい。」 わざわざ僕の前の席の椅子に背もたれをまたがって座って即答した丸坊主の野球部員をいつもの僕では考えられないような顔で見ていると、目の前の山田くんは、声を上げてケタケタと笑い始めた。 「そう! その顔! お前さ、確かに顔は男の俺から見ても相当イケてると思うけどさ、なんていうの? いっつも笑ってるからさ、人間味薄いんだよな。 でも、お前、長門が絡むととたんに照れたり、ムキになったり、ころころ表情が変わってるんだ。 気が付いてたか? みんな、嬉しいんだよ。 変な時期に転校してきてさ、いきなり変な団体に加入して、なんか笑顔で壁作ってるっぽいお前が、 こうやって、照れたり、ムキになったり、赤くなったり、百面相してさ。 なにより、どこか楽しそうなの見て、皆嬉しいんだよ。 俺たち、同じクラスの仲間だろ。 たしかにさ、SOS団だっけ? あーゆーのも楽しいかも知んないし、あれも一つの仲間の集まりかも知んないけどさ、9組(俺たち)だって仲間だろ? 違うか?」 そう言って、ニカッと笑う山田くんを見て、僕は少し、いや、かなり驚いた。 転校生である僕は、基本的にあまりクラスの中で中心になることも無く、極稀に意見を聞かれれば可もなく不可もない流れるような意見を言うだけの存在で、 尚且つ、涼宮さんが設立した(彼らからすれば)怪しげな団体のメンバーとして少し距離を置かれているように思っていたから、 正直に言えば、クラスの面々が自分をこうも心配してくれているとは思っていなかったのである。 「でも、あの長門が薄ーくとはいえお前の教科書にメッセージを書いてきて、 それにお前が書き足して返事をしてって……これから、そういうのか続いたら、文通みたいだな。 教科書文通。 いいな、なんか交換日記みたいで。 生真面目なお前ぽい。 長門もなんか時代錯誤っていうか、箱入りっぽいしさ。 奥手っぽいお前らにはちょうどいいじゃね?」 「だから違うって言ってるでしょう!?」 <続く>
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/3001.html
「なぁ、古泉? お前、まさかとは思うけど、恋をしたことがないなんていわないよな?」 5時間目の科学の時間、僕は今度は先ほどの山田くんの台詞を反芻していた。 最近まともに授業受けてないんじゃないか? と、少し不安になったりもするが、 まぁ、教科書と参考書を交互ににらめっこすればどうにかなるだろう。 今までだって、神人退治をしながらこのクラスで何とかやっていけたんだ。 涼宮さんの精神がある程度安定している今なら多少の無理もきくだろう。 そんなときに限って、〝彼〟が墓穴を掘るんだとか、そんなことは敢えて考えないでおこう。 恋……か。 そういや、まったくと言っていいほど経験のない分野だ。 そりゃ、僕だって幼少時代や小学生時代に誰それちゃんのことが好き! とかいう麻疹みたいな物は経験したことがあるが、あくまでそれは、likeの延長線だろう。 loveに直結する、愛してる、恋してるの段階での『好き』 と言う感情は、今の今まで実感した記憶がない。 そういうのをしておくべきであった中学時代は、それこそ能力が目覚めたばかりでそれどころではなかったし、今は今で、任務が任務だ。 ありえない。 別に、それが悲しいことだとは、今現在は思わない。 しかし、それが10年先、20年先と考えたらどうだろう。 周りの友人や知り合いがどんどん人生のパートナーを見つける中、自分は一人で、一体、何をしているのだろう。 まさか、死ぬまで『機関』の構成員として戦うだけの人生を送るわけではあるまい。 いや、今のままだとそういう可能性も無くは無い。 〝彼〟と涼宮さんには一刻も早く互いに対して素直になて貰いたいものである。 もちろん、あの2人が結ばれたからと言って、閉鎖空間の発生がなくなるとは言い切れないが、発生数が激減することは確実である。 ああ、幸せな悩みが増えて僕らの仕事が増えると言うことも考えられなくは無いですね。 困ったものです。 いや、しかし、僕この先どうなるんでしょう。 やはりずっと一人ぼっちなのでしょうか。 いや、友人と呼べる人は、こんな身の上であるにも拘らず2本の手じゃ数え切れぬほどいるのだけれど、 彼等にしても、いつまでも僕と一緒にいてくれるとは限らない。 いずれ、パートナーを見つけ、僕の過ごした後はその人の元へ帰っていくのだろう。 では、僕は、誰の元に帰れば? いや、それよりも。 恋愛なんてものが、世界を創っている、人生そのもの、などと少女漫画のようなことはおもわないが、何をどうあがいていい訳を重ねても、僕の中にある、 誰か自分に特別な人に恋をして、好きな女性と男女としてのお付き合いをすると言うせん無い憧れを否定することは出来ない。 所詮僕だって男だ。 本能に抗えぬ劣情もあるし、それを抑えるための、なんていうかまぁ、そういうこともしなくはない。 そのことに相手を求めることは……今のところ無いけれども、それでもどうせなら、好いた相手と、と思うのが人間である。 しかし、なぜだろう、ここ最近、そういうことを考えると必ず、長門さんの軽蔑したような摂氏-273.15の視線を垣間見てしまうのだ。 それは、もちろん本物の長門さんではなく、僕の想像の産物であることは言うまでもないのだが、それでも心に来るものがある。 まるで、氷の剣で心臓を一寸の狂いも無く突き刺されたみたいな感触だ。 いや、実体験したことはないので、それぐらいの衝撃と言うことだけれど。 僕は、長門さんのことが好きなのだろうか。 正直それは、僕にも分からない。 likeかdislikeか、と訊かれたら即likeだと答えるが、loveか、と訊かれると困る。 正直に言えば、いまだ僕にはloveは理解できていないのだ。 〝彼〟に対して、鈍いだの何だの抜かしながら、その点にいたっては僕はどうしようもないほど子供なのである。 弱みを見せないために知ったかぶりしているに過ぎない。 事実、僕が〝彼〟にしたアドヴァイスなど、殆ど妄想的なものか、森さんの入れ知恵だ。 感謝してます、森さん。 そして、さて、自分のこと、となると何もかもがさっぱりなのだ。 はたして、僕は長門さんが、好きなのか。 長門さんは、綺麗な方だ。 美しいとも言える。 髪一本、つま先まで、何一つ無駄がない。 頭脳明晰、運動神経抜群、知識量もすさまじく、思慮も深い。 それは、山田君に話したとおり。 でも、実は極稀にご本人曰く『うかつ。』なことをしでかし、その大半が僕を苦笑いさせてくれるものなのだが、 その苦笑いには、あまり無理を感じない。 表情は苦笑いでも、何かしら温かいものを感じるのだ。 そう、強いていうなら、可愛い、と感じているのだろう。 それが恋愛感情に直結するかと聞かれえれば、判らない。 可愛い、と言う漢字は、「愛する」ことが「可能」と書く。 だから、人は自分の子供を可愛いと思うし、自分より年下の兄弟を可愛く思う。 恋人に対してだって、友人に対してだって「愛」すことが「可」能だから、可愛いと感じるのだ。 僕が長門さんに抱いている「可愛い」は、一体、どの「可愛い」なのだろう。 ……考えるのはよそう。 せん無いことだ。 大体、いくら僕が長門さんを可愛いと思ったところで、長門さんは僕のことを友人の一人くらいにしか思っていないだろう。 そうに違いない。 「良好な関係」の友人。 そのポジションに、長門さんから指名されたのは、今のところ僕一人だけだろう。 〝彼〟でも、涼宮さんでも、朝比奈さんでもなく、僕が選ばれた。 なら、僕は、長門さんを「良好な関係」の友人として愛するべきなのだ。 これまでと一緒。 僕にとってSOS団は、単なる観察対象ではなく、大切な友人。 長門さんも、その一人。 そう考えると、僕の悩みは割とあっさり、しかし、何かの糸くずのようなものを残して消えていった。 怖くて仕方なかったお化け屋敷に抜け道を見つけたような感じだ。 これでいいのだ。 バカボンじゃない。 僕は、科学の演習問題を解くフリをしながら、机の中に入れっぱなしになっていた件の日本史の教科書の159ページの端の、長門さんからのメッセージの下に 「僕も、そう望んでいます。」 と、いつもより、ほんの少し丁寧な字で書いてみた。 元素記号など、どうでもいい。 そして、僕はほんの少し、勘違いを期待していた。 その教科書を、次の日、次の時間に日本史の授業を控えた長門さんに渡し、僕は一人、心臓を高鳴らせていた。 二時間目と三時間目の間の休み時間である。 教科書を受け取った長門さんが、あの涼しげな眼でじっと僕を見上げた時、逃げ出したくなったのは秘密だ。 思わず、何故か長門さんの唇を凝視してしまったのは、口が裂けても言えるわけが無い。 桃色だった。 あれは、友情としての、「良好な関係」。 友人としての「良好な関係」。 言い聞かせても、言い聞かせても心臓は破れそうだった。 普段の僕のキャラからは考えられない。 なにが、いったい、どうなっているのか。 頭がスパークしそうだった。 それを山田くんを初めとしたクラスの面々に見られ、余計に恥しくなる。 「羨ましいなぁ。」 とか 「青春だなぁ、古泉。」 と、にたにたと声をかけられ、 思わず、「違います! そんなのじゃありません!」と、情けないことに声を荒げてしまったり、と、 それはまさしく中学時代、クラス中に好きな女の子がばれておもちゃにされていた同級生の行動と全く同じであり、 高校生にもなって僕は何をやっているんだ、っていうか、こんな行動は逆に誤解を招くだろう、第一、僕のイメージとずいぶん違うじゃないか。 と分かっていても体が熱を持って言うことを訊かず、誤解ばかりが広がっていく。 本当にその光景は、僕が中学時代、冷めた目で、しかし、どこか憧れを抱いて見ていたクラス内の騒ぎにそっくりで、もう何がなんだか分からなくなってしまった。 「長門から返事が来るのは、あさってか。 長いな、古泉?」 「いい加減にしてください。 僕をからかって楽しいですか?」 「ああ、たのしい。」 わざわざ僕の前の席の椅子に背もたれをまたがって座って即答した丸坊主の野球部員をいつもの僕では考えられないような顔で見ていると、目の前の山田くんは、声を上げてケタケタと笑い始めた。 「そう! その顔! お前さ、確かに顔は男の俺から見ても相当イケてると思うけどさ、なんていうの? いっつも笑ってるからさ、人間味薄いんだよな。 でも、お前、長門が絡むととたんに照れたり、ムキになったり、ころころ表情が変わってるんだ。 気が付いてたか? みんな、嬉しいんだよ。 変な時期に転校してきてさ、いきなり変な団体に加入して、なんか笑顔で壁作ってるっぽいお前が、 こうやって、照れたり、ムキになったり、赤くなったり、百面相してさ。 なにより、どこか楽しそうなの見て、皆嬉しいんだよ。 俺たち、同じクラスの仲間だろ。 たしかにさ、SOS団だっけ? あーゆーのも楽しいかも知んないし、あれも一つの仲間の集まりかも知んないけどさ、9組(俺たち)だって仲間だろ? 違うか?」 そう言って、ニカッと笑う山田くんを見て、僕は少し、いや、かなり驚いた。 転校生である僕は、基本的にあまりクラスの中で中心になることも無く、極稀に意見を聞かれれば可もなく不可もない流れるような意見を言うだけの存在で、 尚且つ、涼宮さんが設立した(彼らからすれば)怪しげな団体のメンバーとして少し距離を置かれているように思っていたから、 正直に言えば、クラスの面々が自分をこうも心配してくれているとは思っていなかったのである。 「でも、あの長門が薄ーくとはいえお前の教科書にメッセージを書いてきて、 それにお前が書き足して返事をしてって……これから、そういうのか続いたら、文通みたいだな。 教科書文通。 いいな、なんか交換日記みたいで。 生真面目なお前ぽい。 長門もなんか時代錯誤っていうか、箱入りっぽいしさ。 奥手っぽいお前らにはちょうどいいじゃね?」 「だから違うって言ってるでしょう!?」 <続く>
https://w.atwiki.jp/sarpesxmcdarpes/pages/150.html
固体物理学全般 磁性 量子力学 統計力学 物理数学 その他 固体物理学全般 キッテル, 固体物理学入門, 丸善云わずと知れた固体物理学の教科書。 イバッハ, リュート, 固体物理学 21世紀物質科学の基礎, シュプリンガー・ジャパン比較的新しい教科書。最近の実験手法に関するコラム有り。 磁性 芳田奎, 磁性, 岩波書店 太田恵三, 磁気工学の基礎Ⅰ・Ⅱ, 共立出版タイトル通り磁性というより磁気"工学"の本。扱っている内容は近角聰信『強磁性体の物理』とほぼ同じ。コンパクトサイズなので持ち運びに便利なのが売り。 安達健五, 化合物磁性 遍歴電子系, 裳華房 安達健五, 化合物磁性 局在スピン系, 裳華房 久保健, 田中秀数, 磁性Ⅰ, 朝倉書店最近出版された。局在系を扱った本。遍歴系については磁性Ⅱで扱うらしいが、いつ出版されるのだろうか。 量子力学 シッフ, 量子力学 上・下, 吉岡書店内容が豊富なので辞書的に使える。 倉辻比呂志, 幾何学的量子力学, シュプリンガー・ジャパン 統計力学 川村光, 統計物理, 丸善この本を読めば統計力学については一通りの知識が得られる。 R. P. ファインマン 著, 西川恭治 監約, 佐藤仁, 田中新 訳, ファインマン統計力学, シュプリンガー・ジャパン 物理数学 その他
https://w.atwiki.jp/kisosuugaku/pages/3.html
◎教科書 相対論 『場の古典論』ランダウ=リフシッツ 東京図書 集合・位相 『集合・位相入門』松坂和夫 岩波書店 ◎参考書 よくいいよと言われてるものをあげます。(☆が付いてるのは持ってるもの) いずれも、数学の本に関しては数学科の人が読むような難しい本ばかりですので、そういうのがイヤ!って人は買わないほうがいいかも。ただ、どの本も数学の講義で使われてきた教科書とは大違いの詳しさです。 ◆相対性理論◆ 『時空の幾何学』J.J.キャラハン シュプリンガーアフェラーク東京 『空間 時間 物質』H.ワイル 東海大出版(絶版) 『一般相対性理論』佐藤文隆 岩波書店 『相対性理論』内山龍雄 岩波書店 ◇集合・位相◇ 『集合と位相への入門 -ユークリッド空間の位相』鈴木晋一 サイエンス社 ↓↓この人の講義ノートもおすすめ↓↓ http //math.shinshu-u.ac.jp/~hanaki/index-j.html ☆ ※図書館に置いてあるものばかりなので、図書館で読んでみて下さい。 ついでに、 ~数学編~ ◇微積◇ 解析入門Ⅰ,Ⅱ 杉浦光夫 東大出版☆ 微分積分学 笠原 サイエンス社 解析への30講 志賀 朝倉書店(易しめ 面白い) 解析概論 高木 岩波書店 解析入門Ⅰ,Ⅱ 小平 岩波書店 微分積分読本,続・微分積分読本 培風館だったかな?著者知らん ◇ベクトル解析◇ 解析入門Ⅱ 杉浦☆ ベクトル解析 安達忠次 培風館☆ ベクトル解析 岩掘 裳華房 ベクトル解析と電磁場 著者は知らん 岩波書店 ◇複素関数論◇ 理工系の複素関数論 東大出版☆(易しめ~やや難、お勧め) ◇微分方程式◇ いい物を知らない。逆に、教えて欲しい。あの教科書はね…。 ~物理編~ ◆解析力学◆ 古典力学 ゴールドシュタイン 解析力学 ワイテッカー 解析力学Ⅰ、Ⅱ 山本☆ 解析力学 並木☆(お勧めしちゃうね) 量子力学を学ぶための解析力学 力学 ランダウ(面白いと思う) ◆電磁気学◆ ジャクソン電磁気学 電磁気学 太田 丸善☆(いろんなことが載ってる。ムズイ) 理論電磁気学 砂川 紀伊国屋 ◆量子論◆ 現代の量子力学 J.J. Sakurai 初頭量子力学 原島 培風館 新版 量子論の基礎 清水 サイエンス社☆ 量子力学 シッフ 量子力学 猪木 ◆熱・統計力学◆ 1分野につき簡単なもの、難しいけどいろんなことが載っているもの、演習書と3冊持っているとよいとよく言われています。あくまで、“言われています”です。
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/2974.html
「じゃー、この間の続きからいくぞー。 159ペーシ開けー。」 長門さんが去り際に囁いたページが、今日の授業の始まりのページとは一体、なんと言うことか。 策略か? 計算ずくか? まぁ、どちらにしてもいずれは開かなければならないページである。 いったい、何が書いてあるのか。 思考が悪い方向にしか進まない。 希望的観測が取れないと言うよりも、悪い方向へ事態、もしくは状況が進んでしまうのを恐れているのだろう。 人は、追い詰められると悪い方向にばかり考えがいってしまうものだ。 嫌われたらどうしよう。 失望されたらどうしよう。 怒ってしまったかな。 自分に自覚がない分に怖い。 もしかしたら、愛の告白が……! なんて期待できるほど、僕は楽天家じゃない。 正直、谷口くんが羨ましい。 僕もあれくらい、能天気に生きられたらなぁ。 何でもかんでもプラス思考に取れる人間になりたい。 いつもいつも涼宮さんや〝彼〟の前では自信満々に振舞っているけれど、実を言うと何をしでかすにもびくびくしている僕である。 企画が成功するたび、一人心の中で大きく溜息をついているのだ。 まさしく、やれやれってやつだ。 時には裸足で逃げ出したくなるときもある。 涼宮さんは勿論、〝彼〟もある意味では聡明な方だから。 今の今まで、どうにかなってきたこと事態が奇跡だ。 長門さんが、僕の企画の興ざめを示さず、真実を知りながら黙秘を続けると言う形で協力してくれたことも大きい。 そう、長門さんだ。 長門さんが、僕にだけ囁いたページ。 そこには一体、何が書かれていると言うのだろう。 僕は、今までに経験が無いくらい、慎重に日本史の教科書を開いた。 目がぶっ飛んだかと思った。 僕の教科書の159ページの片隅にはこう書かれていたのだ。 P.159 教科書を貸してくれて、ありがとう。 でも、私は、まだあの答えを聞いていない。 私は、あなたと、「良好な関係」でいたいと望む。 あなたは? もし、これが涼宮さんたちの前で口頭で言われた台詞ならば、 「勿論ですよ、当たり前じゃないですか。 僕としてはもっと上の段階へ行きたいくらいです。」 とか、わけの分からない少女漫画のキャラか、テメー!みたいなキザったらしい台詞も吐けると言うのに。 如何せんここは、授業真っ只中の教室、台詞は口頭ではなく教科書に薄く(おそらく消しやすい様にだろう)書かれたメッセージ。 おまけに涼宮さんや〝彼〟が近くにいるはずも無く、それ以前に、長門さんの教科書が無くなったこと、僕が教科書を貸していること自体が秘密、なのだから、このメッセージの存在自体も秘密なのである。 秘密のやり取り、秘密のメッセージ。 「良好な関係」。 いらん妄想が蔓延ってしまいそうだ。 ちがう! 断じて僕は、〝彼〟じゃない! 僕は、悪いことが起きたら守る方であって、毎日ドキドキなんかしていない! ……意味不明だ。 『良好な関係』――――。 長門さんは、どんな気持ちでこのように書いたのだろう。 りょうこう【良好】(名・形動) 状態・調子・成績などがよいこと。 このましいこと。 また、そのさま。 長門さんが思う、僕との好ましい関係とは、どういう関係だろう。 必要以上に互いを干渉しない、あくまでビジネスパートナーと言うか、利害が一致している相手と言う意味での仲間ということか、仲のよい、友人の一人として、ということなのか、もしかしたら―――――――いや、それは無い。 ありえない。 だって彼女は、情報統合思念体が創りだした云々以前に、確かな任務を背負っている身。 そのためにいるんだ。 それは、自分だって同じこと。 彼女が、自立進化の可能性を求めてここに来た様に、僕にも『機関』の使命がある。 僕なんかが、そんな妄想を抱いていい相手ではない。 僕なんかが、そんな妄想を抱いてはいけない。 それなのに、僕の脳みそは確実にそういう妄想に取り付かれ始めている。 長門さんと、登下校を一緒にして、たまに一緒に休日を過ごし、映画なんかを観たりして、試験前は図書館で勉強会。 馬鹿じゃないか、僕。 そんな普通の高校生みたいなこと、『機関』に救われた時に捨てたじゃないか。 なのに、今更。 馬鹿じゃないか。 なんて、欲深いんだろう。 長門さんとの秘密のことだって、気にしすぎだ。 意識しすぎだ。 あんなにワクワクして。 自分ひとりで舞い上がって、本当にどうかしている。 『良好な関係』。 それでも、そんな夢みたいな妄想は止まらなかった。 授業なんてほぼ耳にはいらない。 おいおい、仮にも優等生で通ってるんだろ? しっかりしろよ、と突っ込みたくもなるけれど、それでも止まることは無いのだ。 いつものSOS団の集合場所に集まるのは、僕と長門さんだけ。 もう他に誰も来る予定はない。 だって、デートなのだから。 僕が少し待っていると、長門さんが来る。 待った? いいえ、今来たところですよ。 いつもの制服じゃなくて、可愛らしい……うん、ワンピースがいいな、清楚な感じの。 すそにレースとか付いてる。 いつもの喫茶店でのくじ引きもなし。 2人きりなのだから、当然だ。 探すのは不思議でもなんでもない。 お昼の集合時間も気にせずに、街をぶらつき店を冷やかして、長門さんの服を見立てて、試着室に押し込んで、彼女が着替え終わるのを待って、彼女がカーテンを開けたら、考えられる限りの感想を言い連ねて。 軽く食事をして、二人並んで映画を観て、感想を言い合って、ゲームセンターのUFOキャッチャーでぬいぐるみを取って、長門さんにプレゼントする。 彼女は喜んで、僕ににっこり笑いかける。 いつしか、日はゆっくり沈み、夕焼けで二人の影は伸び、そして、近づく…… そこまで想像して、我に返った。 目の前に顔がある。 「古泉、お前なに、ニヤニヤしてるんだ?」 目の前にあるのは、悲しいかな長門さんの顔じゃない。 9組担当の日本史教師のヒゲ面だ。 ゲと言っても、ピンクのお姫様を助ける赤い帽子の突貫工事人の洒落たものでも、聖ニコラウスのふさふさしたものでもない。 んともまぁ、哀れな無精ひげ。 年を取ってもこうはなりたくないな。 「そんなに僕はニヤニヤしていましたか?」 「していたな。 まるで、何かやましい妄想をしていたような顔だったぞ。」 そんなに顔に出ていたのでしょうか。 と、いいますか、顔が近いです。 本気で、僕の癖について修正の必要を考えないといけませんね。 これはかなり不愉快です。 「まぁ、古泉も高校生だからなぁ。 そういう妄想の一つや二つあるんだろうが……。 いいか、そういうのは一人きりのときにやれ、さっきからニヤニヤニヤニヤと。 普段からお前は笑っていることが多いが、今日のはきょっと気味が悪かったぞ。 それに今は授業中だ。 授業より、怪しい妄想してるほうが楽しいなんていわれたら、先生拗ねちゃうからな。」 子供ですか、あなたは。 「まぁ、いい。 とりあえずな、」 今まで散々近づけてきた顔をやっと離して、日本史教師がお説教を開始しようとしたところで、まぁなんて都合よくチャイムが鳴った。 お説教のために開けた口はあんぐり。 出そうとしていた言葉をチャイムに飲み込まれたらしい。 助かった。 「……あー、まー、いい。 とりあえず、今日はここまで。」 何ともいい加減な終了宣言だが、幸いとしておこう。 あそこで何を考えていた? と聞かれて、6組の長門さんについて考えていましたなんて、口が裂けてもいえない。 この授業が4時間目でよかった。 四時間目の授業を長引かせると学食派の生徒からクレームが来るので四時間目の授業はチャイムきっちりに終わると言うのが暗黙のルールである。 しかし、口が裂けてもいえないようなことを、例え言わなくとも分かってしまう人間もいるにはいるのだ。 また、クラス中からニヤニヤとした視線を感じる……。 近づいてくるニヤニヤの総本山を感じる。 ほら、振り向けばそこに奴がいる。 山田くんだ。 「古泉ィ。 お前……」 「ちがいます。 長門さんのことなんか、考えてません。」 「俺は長門とは言ってないぜ。」 「な!」 「墓穴掘ったな。 お前、結構バカだろ。」 僕の首に無意味に筋肉質な腕を巻きつける山田くん。 暑い。 9月とはいえまだ暑いんですけど! と、いいますか、正直気持ち悪いです。 そして苦しい。 昼下がりの県立北高等学校の学食。 公立高校だから仕方ないのだが、随分と暗い。 そこにずらっと並んでいる長椅子のひとつについて、僕と山田くんはそれぞれ、うどんとラーメンをすすっていた。 山田くんのラーメンの隣には、何故か大きな弁当箱が鎮座している。 両方とも食べる気なのだろうか。 見ているだけで胸やけがする。 「で、なんなんですか、御用は? あなた大体、お弁当派でしょう?」 学食に設置してあるやかんから、無料でいただけるほうじ茶を口に含みながら、 出来るだけじとっとした目線を送ってみると、目の前の丸刈り男はけらけらととんでもないことを言い出した。 「本当に分かりやすいな。 分かりやすいついでに教えてくれよ。 お前、長門のことどう思ってる?」 ブーッ!!! 思わず、吹いた。 口に含んだ量が少なく、幸い僕のうどんも、山田くんのラーメンも山田くん自身も無事ではあったが、僕の精神的には大ダメージだ。 ネクタイも少しぬれてしまった。 今、この人なんていいました? 「お前反応しすぎだろ。 もうすこし落ち着けよ。 俺はただ、長門のことをどう思ってるか聞いただけだろ?」 「まぁ、そりゃあ、そうなんですけど……」 僕が歯切れ悪く答えるのなどお構いなしで、山田くんはラーメンをおかずにお弁当の白ご飯を食べている。 見ているだけでおなかいっぱいになりそうだ。 「で、どう思ってるんだ?」 「尊敬しています。 成績も優秀ですし、運動神経もいい。 知識量もすさまじく、思慮深い方です。 あんな風になれたら……」 「いやいや、そういうのじゃなくてだな、かわいいとか、思わないのか。」 「美しい方だとは思います。」 「かー!! お前の言い方だと美術品の話をしてるみたいだ! 人間としてじゃなくてだな、そう! 女としてどうだ。 女の子として! 見てるとドキドキするとか、幸せになって欲しいとか、笑っていて欲しいとか、他の野郎と話してるのみたらイライラするとか、無いのか。 もっといや、ムラムラするとか、そういうの!」 「ありませんよ。 そんな失礼なこと感がえられる訳ないでしょう。 第一、僕は出来れば長門さんも含め、皆さんに幸せに笑顔でいてもらいたいですし、 長門さんがほかの方と話していたからと言って、僕にそれを悪く言う権利は無いでしょう。」 「このいい子ちゃんめ。 お前さー、ホントおかしいよ。 異常だよ。なんか、どっか線抜けてんじゃねーの?」 その台詞は、じつは〝彼〟にも言われたことがある。 朝比奈さんや長門さん、涼宮さんのすぐ近くにいて、そういう風な感情にならないのか、と聞かれ、全く。と、答えた時にだ。 事実、そのときはまったくそういう風には思えなかった。 SOS団が結成されて3ヶ月にもなっていなかったし、『機関』のエージェントとしては新米の僕にそんな余裕や、SOS団に対する親情めいたものもなかったからだ。 しかし、今はどうだろう。 現に、長門さん相手に妄想デートプランを立てているあたり、全く。と言うには問題がある。 僕も、結局はただの古泉一樹の成れの果てに過ぎないメッキ加工品のようなものだ。 こうやってぼろが出る。 普通の高校生ならそれでいいんだろうが、僕の場合そうはいかないだろう。 大体、僕のあんな妄想は、長門さんの僕に対する信頼を裏切っているようなものなのだ。 そう簡単に認められるようなものじゃない。 そんなことを考えている僕をどう思ったのか、恐る恐るこう切り出した山田くんは、 「なぁ、古泉? お前、まさかとは思うけど、恋をしたことがないなんていわないよな?」 呆れたような溜息をついて、僕がそれに首を傾げると、また盛大に溜息をついた。 <続く>