約 2,570,389 件
https://w.atwiki.jp/rikku0805/pages/134.html
カセドリア連合王国軍アマテラス~修練の書~ 第11話 試験 後編 ニッシンさん達に連れられて、私達はグラウンドの中央にある巨大クリスタルに向かった。 そこには、他のクラスで試験を合格してきた人達も集まっていた。 べ「沙羅さん、貴方も合格していたんですね。」 私に気付いたのか、ベルクさんが私に近づいてきた。 沙「ベルクさんも合格してたんだね!」 べ「少し危ない場面もありましたが、何とか合格できました。」 何時の間にかゼノ君も近くに居た。 ゼ「この分だと、この最終試験も合格できそうだね。」 べ「そうですね。このまま皆で一緒に卒業しましょう!」 ベルクさんからレインさんが、ゼノ君からキルシュさんが共に合格してきていると聞いた。 やっぱり彼女達も合格してきてるんだね。 3人で次の試験がどのような物なのか予想していると、急に回りが騒がしくなった。 や「これより、最終試験を開始しますッ!!」 やふやふさんの一言で、周りの空気が変わった。 いったい、どんな試験なんだろう? や「最終試験はこのクリスタル内部で行います。」 やふやふさんがそう言うと同時に、巨大クリスタルが眩く輝いた。 気がつくと私達は、クリスタルが作った仮想空間内部に居た。 べ「どうやらここが、最終試験場の様ですね。」 私の近くには、ゼノ君とベルクさん。 そして、キルシュさんとレインさんも居た。 どこからともなく、やふやふさんの声が響いた。 や「この仮想空間内部に居る私に触れる事……これが、最終試験ですッ!」 べ「見つけても簡単には触れられなさそうですね。」 最終試験なんだから、簡単には合格できそうにないね。 ゼ「そうだね。多分教官達が護衛してると思うよ。」 キ「ここは分かれて探すよりも、皆で協力した方が良さそうね。」 5人で固まってやふやふさんを探す事になった。 レ「べ、別にあんたと組みたいから一緒に行動する訳じゃないからね! 勘違いしないでよ!!」 べ「はいはい、分かっていますよ。」 ベルクさんがやれやれと言った感じの返事を返した。 この二人、仲が良いんだか悪いんだか…。 5人でしばらくやふやふさんを探していると、倒れている生徒を発見した。 沙「どうしたの?大丈夫ですか?!」 倒れていた生徒を起こすと、弱弱しく何かを口にした。 「化け…が、きょう………。」 最後まで言い終わる前に生徒は光となった。 …化け? べ「どうやら、私達の予想はちょっと甘かったようですね。」 化け……、化け物? 沙「化け物?」 ゼ「化け物ってなんだろ? 仮想空間だから、モンスターがやふやふさんを護衛してるって事かな?」 なるほど、それなら納得できる。 けど、いったいどんなモンスターなのだろうか? キ「皆静かに!」 突然キルシュさんが静かにするように言った。 すると、遠くから遠吠えの様な物が聞こえた。 皆で其処に向かうと、兵士と思しき人影と、その周りを走り回っている狼達が居た。 そして、その中央にやふやふさんが居た。 べ「あれは…、ファントムウルフ?!」 ファントムウルフ…、その姿と強さとから『冥界の猟犬』と言われるモンスターだ。 ゼ「でも、ファントムウルフは一匹しか居ないんじゃないの?!」 レ「あんた馬鹿?ここは仮想空間なのよ、何匹居たっておかしくないわよ。」 確かに、仮想空間だからあれだけの数が居てもおかしくは無い。 そんな事よりも私が気になったのは、狼達の中央にいる兵士だった。 沙「あの顔、どう見ても人間じゃないんだけど?」 体は人間のようだけども、顔はまるで……狼の様な顔だった。 キ「仮想空間だから教官の誰かがあんな顔をしてるのか、それともあれが化け物なのかしら?」 皆で思案していると、不意に兵士が吠えた。 それと同時に、狼達は私達に向かって走ってきた。 べ「気付かれましたね。」 レ「何悠長に構えてんのよ、あんな狼くらい私が倒して見せるわ!」 そういうと、レインさんはジャッジメントレイを唱えた。 しかし狼達は無数の雷に降り注ぐ雷を避けた。 レ「そんなッ?!」 キ「こうなったら徹底抗戦よッ!」 キルシュさんが短剣を構えて迎撃の態勢をとった。 狼達は私達に近づくと、私達を囲むように広がった。 そしてまた、さっき聞いた遠吠えが聞こえてきた。 すると、狼達は物凄い速さで私達を囲んでいた円を縮めてきた。 しかしそれは私達を攻撃する為ではなく、何処へ運ぶような感じだった。 べ「いったい、何処へ連れて行くんでしょうか?」 狼の背中に乗せられて、私達はやふやふさんの所へ連れて行かれた。 や「あら、やっぱり沙羅さん達でしたか。」 やふやふさんまで10歩程の所で降ろされた。 沙「やふやふさんまであと少し、一気に走れば合格できる!」 私がそう言うと、皆がやふやふさんに向かって走っていった。 「一気に走れば触れる事が出来るかもしれない、理には適っている。だが」 もう少しの所で護衛をしている兵士に私達は吹き飛ばされた。 「それはこの俺が居なかったらの話だな。」 や「…相変わらず、手加減無しですね。」 ゼ「もう少しだったのに…。」 後一歩位だったろうか、合格できると希望を持った瞬間だっただけに、絶望も大きいようだ。 「隊長に触れたきゃこの俺を倒してから行け。」 そう言って私達の前に仁王立ちした。 俄かに狼達が騒ぎ出したと思ったら、私達の後ろにスモーキーさんが立っていた。 そしてそのままやふやふさんの所へ近づいた。 ス「おいおい隊長、最強の護衛をつけるって言うから来て見れば……こいつかよ。」 や「最強と言えば最強でしょう?」 ス「いくら仮想空間とは言え…まさか、ここまでとはな。」 沙「あの、スモーキーさん。この人は教官の誰なんですか?」 私は疑問に思っていた事をスモーキーさんに聞いていみた。 するとスモーキーさんは、兵士を指差しながら答えた。 ス「こいつは俺だよ。しかも、3年前のな。」 や「顔とかは変えましたよ、でもあの時の私にはこう見えましたけどね。」 やふやふさんが笑いながら言った。 ス「悪いが隊長、こいつを護衛につけるってんなら俺は沙羅達に加勢するぞ。」 や「どうして?」 やふやふさんはスモーキーさんの言葉に対して、不思議そうな顔をした。 確かにやふやふさんが不思議がるのも無理は無いと思った。 教官達は私達を落す為に居るようなものなのに、それが生徒に協力するというのである。 沙「どうして私達に協力するんですか?」 するとスモーキーさんは、自分のかばんの中から何やら液体の入った瓶を取り出した。 ス「こいつはな、お前らが適う相手じゃねえんだよ。」 そう言うと、手にした瓶を開けて中の液体と飲み干した。 飲み干したかと思うと、スモーキーさんの目が変化していた。 それと同時に、護衛の兵士が臨戦態勢になった。 「誰だろうと隊長に危害を加える奴は許さねえッ!」 ス「かかって来いや雑魚がッ!」 二人が私達とやふやふさんを挟んで戦い始めた。 や「賭けませんか?」 不意にやふやふさんが言って来た。 べ「教官とこの兵士の勝敗ですか?」 や「そうです。もしもスモーキーさんが勝ったら、貴方達全員を合格にしてあげます。 でも、スモーキーさんが負けた場合は…。」 沙「全員不合格って事ですね。」 ゼ「くやしいけど、僕達だけじゃ3年前の教官を相手に勝てそうに無いよ。」 ゼノ君の言うとおりだった。 スモーキーさんと兵士の戦いは、とても今の私達では出来そうも無いような戦いだった。 …まるで、本当の獣同士が戦っているような状況だった。 今の私達には、スモーキーさんが勝つことを祈る事しか出来なかった。
https://w.atwiki.jp/rikku0805/pages/155.html
カセドリア連合王国軍アマテラス~鍛錬の書~ 第11話 沙羅の決断 前編 スモーキーさんの言葉が聞こえた瞬間、私は耳を覆った。 そしてそのまま、その場に膝をついてしまった。 沙「スモーキーさんが私のお父さんを殺したなんて……嘘だッ!」 ス「認めたくないだろうが、これは事実だ。」 話を聞く前から、多少の衝撃は受けると思っていた。 しかし、その衝撃は想像していた物よりも大きかった。 いや、大き過ぎた。 ス「今から話す事は全て事実だ。 しかしそれを信じるも信じないもはお前の自由だ。」 沙「……聞かせてください。」 すると、スモーキーさんが一個のクリスタルを取り出した。 ス「俺が説明するよりも、これを見せたほうが早いだろうな。」 そう言って、私にクリスタルを渡した。 ス「そのクリスタルには、あの頃の俺の記憶が入っている。 まともな人間がそれを見て、正気を保てるとは思えん。 それでも尚、あの事件の真相を知りたければ、そのクリスタルを頭に近づけろ。」 私は少し躊躇した後、クリスタルを頭に近づけた。 クリスタルを近づけた瞬間、意識が吸い込まれるような感覚になった。 そしてそのまま、意識を失った。 意識が戻ったと思って目を開けると、先ほどとは違う景色になっていた。 …此処は何処だろう? 部屋を見回してもベッドが一つあるだけで、窓等は無かった。 そして、ベッドに子どもが一人腰掛けていた。 私が思案していると、研究員の様な人達が入ってきた。 私は慌てて隠れようとしたが、研究員達に私は見えていないようだった。 そう言えば、これはスモーキーさんの記憶なんだよね。 …という事は、この子どもがスモーキーさん?! スモーキーさんは研究員達に逆らうことなく、部屋を出て行った。 後を追ってみると、何かの研究所の様な所に着いた。 其処には何台ものベッドが並んでいた。 その中の一つに、スモーキーさんは拘束されていた。 研究員達が薬品を他のベッドに拘束されている子どもに投与した。 すると、その子どもは急に何かを叫びだしたかと思うと、静かになった。 「…チッ、死んだか。」 「うーん…間違えたか?」 「まあいい、モルモットはまだまだ居る。」 酷い…、人間とは思えない。 しかし、これが事件が起きた時の記憶なら、この中に私のお父さんが…。 研究員の一人が、スモーキーさんに薬を投与した。 そして、先ほど同様にスモーキーさんも苦しみだした。 しかし、先ほどとは違い、じたばたと暴れ続けた。 すると、腕を拘束していた鎖が砕けた。 鎖が砕けた瞬間、目の前に居た研究員が悲鳴をあげた。 よく見ると、体には獣にでも引っ掻かれた様な傷が出来ていた。 「だ、誰かこいつをとりおさえ」 傷ついた研究員が助けを呼ぼうとしたが、言い終わる前に再度引っ掻かれた。 最初に犠牲になった研究員……、まさかこの人が…お父さん?! 私が驚いている間に、研究室に居た研究員達は全員切り刻まれていた。 そして、スモーキーさんがお父さんに近づいたかと思うと、お父さんの懐に手を入れた。 すると、手帳の様な物が出てきた。 その手帳を手にしたまま、スモーキーさんは部屋を出て行った。 これが…、あの事件の真相。 これが、私のお父さん……。 こんなの…こんなのお父さんじゃない! 私が頭を抱えていると、また意識が吸い込まれるような感覚になった。 意識が戻ると、どうやらスモーキーさんの記憶から戻ったようだった。 そしてそれを確認すると同時に、先ほどの記憶が蘇えった。 お腹の中から何かがこみ上げて来るのを感じた。 私は部屋にあるトイレに駆け込んだ。 ス「その行動はあの時の俺に対してか?それとも、あいつらに対してか?」 トイレから戻った私に対し、スモーキーさんが問いかけてきた。 沙「……。」 私が黙って俯いていると、スモーキーさんが近づいてきた。 そして、私の手にあったクリスタルを取った。 ス「これが、あの事件の真相だ。 お前の父親がどんな人間だったか、俺達がどんな環境に居たのかも分かったか?」 私は無言で頷いた。 あれが…、あんな酷い人が私のお父さんだなんて……。 私はスモーキーさんの部屋から逃げ出した。 自分の部屋に戻ると、自分のベッドに倒れこんだ。 そしてそのまま、泣き出した。 その私を見て、ベルクさんが優しく背中を摩ってくれた。 べ「沙羅さんが泣き崩れる様な話だったとは…。 やはり、止めるべきでしたね。」 泣き続ける私に、ベルクさんは優しく話しかけ続けてくれた。 一頻り無くと、気持ちが落ち着いたのか、眠気に襲われた。 そして、そのまま眠りについてしまった。 気がつくと私は、自分の部屋に居た。 しかし何処か様子がおかしい。 …これは、私が小さい頃の部屋だ。 そうか、ここは夢の中なんだね。 夢の中と分かると同時に、下の方が賑やかになった。 降りていってみると、小さい頃の私と、お母さんが居た。 母「さあ、夕食にしようか沙羅。」 幼沙「うん!」 二人で食卓を囲む。 やはりお父さんは居ない。 幼沙「ねえお母さん、どうしてお父さんは帰ってこないの?」 幼い私の質問に、お母さんは困ったようだ。 お母さんは、お父さんがどうゆう仕事をしていたのか知っていたに違いない。 しかし、それを私に話さない方が良いと思ったのだろう。 母「仕事が急がしいみたいね。でも、沙羅やお母さんの為に働いてるのよ。 だから、お父さんの悪口を言っちゃ駄目よ?」 幼沙「うん。お父さん、早く帰ってくると良いね。」 お父さん…、あんなのお父さんじゃない! あんなお父さんなら、スモーキーさん達に恨まれても仕方が無い……。 その時、私を呼ぶ声が聞こえた。 ?「沙…さ…、沙羅……。」 誰だろう? べ「沙羅さん!」 沙「はい?!」 べ「大丈夫ですか?ずいぶんと魘されていたようですが?」 どうやら私が魘されていたので起こしてくれたようだった。 沙「大丈夫です。ただ、小さい頃の夢を見てただけです。」 べ「小さい頃の夢で魘されるなんて…、何かあったのですか?」 沙「そうじゃないんです。」 べ「…そうですか。」 私の魘されていた理由を感じ取ったのか、それ以上詮索してこなかった。 外を見ると、朝日が昇り始めていた。 沙「…どうしてあの時、助けてくれたんだろう?」 私が呟いた言葉で全てを理解したのか、ベルクさんが思案し始めた。 べ「教官の話が、大体分かった様な気がします。 しかし、教官は沙羅さんを何度となく助けて居ます。 だから、沙羅さんに対して何か意識している事はあきらかでしょう。」 沙「例えば…、私を自分の手で殺すとか?」 ベルクさんは思案したあと、首を横に振った。 べ「そうだとするなら、3年前に沙羅さんを助けた時点でしているかと?」 確かにそうだ。 何故スモーキーさんは私を助けてくれるのだろう? 二人で暫く考えてみたが、答えは出なかった。 不意に外から素振りの音が聞こえた。 …こんな時間に訓練をする人。 べ「教官が早朝訓練を始めましたね。」 ベルクさん同様、私もスモーキーさん以外考えられなかった。 窓辺から外を見ると、スモーキーさんが素振りをしていた。 べ「危険かもしれませんが、教官に聞いてみては如何ですか?」 危険では無いだろうけど、素直に話してくれるとは思えなかった。 沙「多分、話してはくれないでしょう。」 べ「いえ、昨日は私や隊長さん達が居たからでしょう。 沙羅さんと教官だけなら、きっと話してくれるはずです。」 沙「そうかな…。」 私は部屋を出て、スモーキーさんの所へ向かった。 宿舎を出て、スモーキーさんが素振りをしている所に着いた。 私が来たのを確認したのか、スモーキーさんが素振りを止めた。 ス「何か用か?」 沙「あ…。」 スモーキーさんは、私の方に向いた。 そして、口篭る私の言いたい事が分かったのか、溜息をついた。 ス「何故俺がお前を助けるのかって言いたいんだろ?」 沙「…はい。」 ス「それは」 「タマライア水源にネツァワル軍が侵攻中!カセドリア国軍兵士は至急集結せよッ!!」 伝令兵の声によって、スモーキーさんの言葉が聞こえなかった。 ス「…ったく、しかたねえな。」 スモーキーさんはそのまま、戦場に向かおうとした。 沙「スモーキーさん!」 ス「悪いな沙羅、この続きはまた今度だ。」 そう言って、スモーキーさんはタマライア水源に向かっていった。 少し経ってから、私も後を追った。 さっきの言葉の続きを聞く為に…。 SS書かずに絵を描いた(まて byスモーキー
https://w.atwiki.jp/rikku0805/pages/164.html
カセドリア連合王国軍アマテラス~精錬の書~ 第2話 聖女王と反乱姫 家に帰ると、佐紀が新しく買った服を着ていた。 沙「ただいま。」 佐「おかえり!」 佐紀は服を自慢したいのか、どう?という感じで一度くるっと回った。 沙「似合うと思うよ。」 佐紀の頭を撫でてあげると、佐紀が笑った。 それから数日後、私は聖女王ティファリス様に呼ばれた。 「準備が整い次第、アズルウッド城に来るようにとの事です。」 沙「分かりました。」 私が部屋で正装に着替えていると、佐紀が入ってきた。 佐「今度は何処に行くの?」 沙「今日はティファリス様からのお呼び出しよ。」 佐「私も行く!」 沙「佐紀は駄目なの!」 私の言葉を聞くと、佐紀が少しだけ引いた。 どうやら強く言い過ぎた様だ。 沙「ごめんね佐紀、今日は私だけで来るようにって言われてるの。だから…。」 佐「…うん、無理言ってごめんね。」 残念がる佐紀をぎゅっと抱きしめた。 沙「ごめんね。次にベルから呼ばれたら、その時は佐紀も連れて行くからね。」 それを聞くと、佐紀が笑った。 そして私の部屋から出て行こうとしたが、扉を開けたまま振り返った。 佐「約束だよ!」 そう言って、扉を閉めた。 アズルウッド城に着くと、謁見の間に通された。 謁見の間にはティファリス様はもちろん、各国を治める王も居た。 その中には当然、ベルも居た。 私を見ると、小さく手を振った。 ベルが手を振るのを、隣に居たフレイヤ王が窘めた。 公の前という事もあり手を振らず、私も小さく会釈するだけに止めた。 「これより、星勲章授与式を行います。」 ティファリス様の前で跪き、頭を下げた。 テ「貴方のこれまでの功績を賞し、ここにフィフスの称号と星勲章を授与します。」 ティファリス様が近づいてきて、四つ並んだ星勲章の横に五つ目の星勲章を付けられた。 ティファリス様が星勲章を付けると同時に、拍手が沸きあがった。 テ「貴方のこれからの活躍を期待します。」 沙「はい。これからもカセドリアの繁栄の為に精進致します。」 星勲章授与式が終わると、各国の王達は謁見の間から出て行った。。 ベルが出て行く前に、佐紀がシュリッツ城に行きたいと思っている事を伝えた。 ベルは少し悩んだが、快く受け入れてくれた。 べ「良いですよ、あの子にはどれほど詫びても足りませんから。」 沙「佐紀はベルの事を怨んで無いわ。だからそんなに自分を苦しめないで。」 べ「そうだと良いのですが…。」 沙「大丈夫だよ。この5年間、佐紀は一度だってベルの事を悪く言った事は無いわ。」 べ「そうですか。」 ベルの表情が少しだけ明るくなった。 べ「それでは今度の休日にでも、城に来て下さい。」 沙「うん、そうする。」 フ「ずいぶんと仲が良いのね。今度は私の城にも来てね。」 何時の間にかフレイヤ王が隣に居た。 城に来てねって、私とベルを聞いていたのかな? よく見ると、首からあのロケットを付けているの気付いた。 沙「そのロケット。」 私が言うと、フレイヤ王がロケットを手に持った。 べ「そういえば前から気になってましたが、そのロケットの中身は何が入っているんですか?」 それを聞くと、フレイヤ王は笑った。 フ「知りたかったら私の城に来るといいわ。」 そう言って、謁見の間を出て行った。 それを見送った後、二人でヒソヒソと話だした。 沙「そんなにお城に来て欲しいのかな?」 べ「しかし気になりますね。あのフレイヤ王の考えを変えさせるほどの物…。 これは言われたとおり見に行くしかありませんね。」 沙「その時は佐紀も連れて行かないとね。」 べ「ではまた、私の暇な時に使用人を行かせますのでその時に。」 そう言って、ベルも謁見の間を出て行った。 テ「本当に沙羅さんはグリュンベルク王と仲がよいのですね。 少し庭を散歩しますが、ご一緒にどうですか?」 振り返ると、ティファリス様が近くに居た。 散歩? よく分からないけど断るのは辞めておこう。 沙「はい。ご一緒させていただきます。」 ティファリス様に連れられて、城の中の庭に向かった。 庭に着くと、まるで森にでも入った様な感覚になった。 テ「私が何度も城から出て森に行っていると、ウィンビーンが庭を造ってくれたのです。 私の為にこんな庭まで造ってくれるウィンビーンには、いくら感謝しても足りません。」 さすが、建国以来ティファリス様を支えて来た人だね。 だからこそ、ティファリス様の森が恋しいって気持ちが分かったのだろう。 それにしても、此処はまるで森の中みたいだね。 とてもお城の中とは思えない。 木々を見ると、元気な物や弱っている物も居た。 コノバショデハキガカワイソウダ。 珍しくエフリシアが嘆いた。 テ「この木は他の木と違い、弱って行く一方です。」 ティファリス様が弱っている木に水を与えてた。 キギノコエヲキイテアゲテ。 私は木に近づき、耳を澄ませた。 すると、木々の会話が聞こえだした。 木「こんな土壌で水をたくさん与えられては、根が腐ってしまう。 このエルフにはわし達の声が聞こえないのかのう?」 なるほど、水の与えすぎが問題なんだね。 沙「ティファリス様、その水を与えるのを控えてはどうでしょうか?」 テ「何故ですか?」 ティファリス様が不思議そうに尋ねてきた。 私はどう説明したものかと思ったが、素直に伝える事にした。 沙「木々は、お城の中の土壌で水をたくさん与えられては根が腐ってしまう。 そう言ってます。」 テ「沙羅さんは神霊達の心がわかるんですね! エフリシアもきっと貴方のような方だったのでしょう。」 コノコハムカシカラシンレイタチノコエガキコエテイナカッタ。 きっとエフリシアが特別だったんだよ。 エルフハミンナシンレイタチノコエガキコエテイタ。 そんな風に言っちゃ駄目だよ。 ティファリス様だって色々あったと思うし。 …ゴメン、スコシダマルワ。 そのままエフリシアは黙った。 ティファリス様と散歩をしていると、小屋の様な物が見えた。 テ「あそこで少し休憩しましょうか。」 沙「はい。」 小屋に入ると、テーブルと二人分の椅子があった。 テ「どうぞお掛けになってください。」 ティファリス様に促され、椅子に座った。 小屋を見渡すと、まるで家の様だった。 少しすると、ティファリス様がお茶を持ってきてくれた。 テ「お茶しか出せなくてすみません。」 沙「いえそんな、お茶を頂くだけでも嬉しいです。」 テ「そうですか、それは良かったです。」 沙「この小屋へはよく来るのですか?」 テ「はい。暇を見つけてはよくウィンビーンと此処に来ます。 そういえば、沙羅さんは諸王の間でもよく噂になっています。 皆さん自国にお誘いしたいようですが…。」 確かに、ベルから何度も自分の国に来て欲しいと言われたことはある。 しかし私はカセドリアの兵士だからと断ってきた。 でも本当の理由は、佐紀を匿う為だった。 そこをベルも理解しているのか、あまり強くは言ってこなかった。 ティファリス様はお茶を一口飲んだ後、悩む様な顔になった。 テ「何時になったら平和な世になるのでしょうね…?」 沙「僭越ながら申し上げますが、争いは争いしか呼ばないと思います。」 テ「戦は憎しみを生みます。わかっています…。でも、私にはすべき事があるのです!」 沙「はい。申し訳ありません。」 テ「沙羅さんは、自分が正しいと思ったことをしてくださいね。」 沙「はい。私は、自分が世界に光を齎す者だと信じてますから。」 お茶を飲み終わると、ティファリス様に一礼し小屋を出た。 そしてそのまま自宅へと帰って行った。 私は世界に光を齎す者…。 何故だがスモーキーさんの事が気になったが、それを振り払った。 私は私、自分が正しいと思ったことをするだけよ! 来週からテスト期間だぜ\(^o^)/ byスモーキー
https://w.atwiki.jp/rikku0805/pages/104.html
カセドリア連合王国軍アマテラス~修練の書~ 第3話 試練 次の日、私はスモーキーさんに連れられて、兵士育成機関に向かった。 兵士育成機関に着くと、既に講義や実習の様な光景を目にした。 沙「あの、スモーキーさん。…もう授業は始まってるんじゃ?」 ス「ん?あぁ、他の奴らはな。でもお前は俺が指導するんだから、他の奴らとは違うぞ。」 スモーキーさんは笑いながら私を運動場の方へ連れて行った。 運動場には既に2人の人が待っていた。 他にも2名ほど指導すると言っていたので、この二人が一緒に指導を受けるのだろうと思った。 その二人を加えて、4人で運動場の隅にある休憩所まで行った。 ス「それじゃ、一人づつ自己紹介でもしてもらおうかな。」 休憩所の椅子に腰掛けて、一人づつ自己紹介するようにと言われた。 沙「初めまして、沙羅って言います。ウォリアーをやってます。これからよろしくお願いします。」 ゼ「初めまして、ゼノです。見ての通りスカウトです。これからよろしく。」 べ「ベルクと申します、ベルと呼んでください。これからよろしくお願いします。」 3人の自己紹介が終わると、スモーキーさんが立ち上がった。 ス「俺の名前はスモーキー、お前達の教官だ。呼び方は教官でもスモでもどっちでも良い。 これから1年間でお前達を一人前の兵士にしろという隊長の命令だが、 俺はそんな悠長な事はしない。 今この国は、戦力となる兵士を待っている。 …3ヶ月でお前達を一人前の兵士と呼べるまでに鍛えるつもりだ。 それなりの覚悟はしておくように。」 ゼ「ちょ、ちょっと待ってください。 正規の兵士の育成期間は1年を要すると講義でも言われてます。 それを3ヶ月なんて、無茶です!」 ス「無茶ならそれを可能にしてみせろ。」 べ「ありえない…。3ヶ月で新兵が精兵になると言うんですか?!」 二人が騒いでる中で、スモーキーさんがふと溜息をついた。 そして、私達を見ながらゆっくりと話しだした。 ス「…お前達は良いじゃねえか、3ヶ月も鍛えてもらえるんだから。 俺が初めて戦場に立った時に、どれだけ鍛えられたと思う?」 沙「…1年じゃないんですか?」 ゼ「そんなに言うんだから、1年以内…半年でしょう?」 べ「もしかして、3ヶ月ですか?」 その時、突然スモーキーさんがテーブルを拳で叩き割った。 ス「どいつもこいつも甘ちゃんばっかりだな!俺がお前達位の頃は、 カセドリアは独立戦争の真っ只中だぞ? そんな時間があったとでも思ってんのか?! …0だ。訓練も何も受けて無い子供に、武器を持たせて戦場に送ったんだッ!!」 沙「…そんな、そんな事信じられません!」 ゼ「そうだ、そんなの嘘に決まってる!」 私とゼノさんが嘘だと言っている横で、ベルクさんが一人頷いた。 べ「昔、母さんに聴いたことがあります。カセドリアが独立する時に、 子供も兵士として借り出されたと。 その時に死んだ子供も多かったから、今の1年という育成期間が設けられたって。」 ス「俺の指導を真面目に受けるなら、3ヶ月でお前達を一人前の兵士にする自信がある。 後はお前達のやる気次第だ。」 そう言って、スモーキーさんは何処かに行ってしまった。 スモーキーさんが居なくなって、3人でこれからどうするかを話し合った。 ゼ「無茶苦茶だ。3ヶ月鍛えただけで戦場に行くなんて、無理に決まってる。」 べ「でも、やってみないと分からないですよ。ウジウジしてても仕方ありませんよ。」 沙「それにしても、スモーキーさんは何処に行っちゃったんだろ?」 しばらく3人で待っていると、スモーキーさんは、 スモーキーさんにそっくりな人形の様な物を持ってきた。 沙「何ですか、それ?」 ス「これか? これはな、お前達の相手だ。」 そう言うと、スモーキーさんがポケットからクリスタルを取り出し、 人形の胸の部分に埋め込んだ。 すると、まるで生きているかの様に人形が動き出した。 ス「こいつを3人で相手をしてもらう。」 ゼ「3対1でしかも相手は人形って、教官は何を考えてるんですか?」 スモーキーさんが人形のスイッチを押した瞬間に、人形が私達に襲い掛かってきた。 ス「その減らず口がどこまで叩けるか、見せてみろ!」 ベルクさんが詠唱を開始し、ゼノさんが弓を構えた。 二人の戦闘準備が終わるまで、私は彼らの盾になろうと思った。 人形はどうやらモレクブロウを持っているようだった。 スモーキーさんに貰ったダークブランドと盾を構えて、迎撃の体勢を取った。 人形の初撃を盾で受け流して剣で斬りかかろう。 そう思った矢先、不意に私の視界から人形が消えた。 何処に行ったのか探していると、後ろの方から身の毛も弥立つ程の殺気を感じた。 人「…遅い。」 慌てて盾でガードしようとしたのだが、思った以上の衝撃だったため そのまま5mほど後ろに飛ばされてしまった。 人形は私を追撃しようとしたが、ベルクさんのアイスジャベリンを避ける為、追撃を断念した。 ゼ「大丈夫?!」 ゼノさんとベルクさんが私の所まで来て、私が無事かどうかを確認しに来た。 その間、人形はまるで私達を待っているかのように攻撃して来なかった。 べ「様子見…という所でしょうか?」 ゼ「僕らが新米だから、手加減してるって感じだね。」 沙「どちらにしても好機です。 人形が油断している隙に、一気に倒しましょう。 私が人形の注意を引きますから、二人は隙を見て倒してください。」 ゼ「分かった。」 べ「沙羅さん、お気をつけて。」 私は人形の注意を引くため、盾で身を隠しつつ、人形目掛けて突進した。 二人は人形の様子を伺いつつ、何時でも攻撃できるよう構えた。 人「…面白い技だな。目には目を、技には技で返してやろう。 我の周囲の敵を吹き飛ばせ、ベヒモステイルッ!!」 人形まであと少しの所で、下から打ち上げられる様な衝撃を受け、 私は空中に吹き飛ばされた。 私が空中を漂っている間に、人形がゼノさんに接近した。 そして、ゼノさんの腹部を殴った。 ゼ「ぐッ!」 その場に倒れこむゼノさんを横目に、今度はベルクさんに殴りかかった。 ベルクさんはアイスジャベリンを放ったが、それを紙一重で避けて、 ゼノさん同様に気絶させられた。 それに要した時間は、瞬きを1回したか否か位だった。 沙「…そんな、強すぎる。」 空中に居る私には、ただ見ている事しか出来なかった。 そして感じた……明らかな力の差を。 私達が相手をするには、あまりにも強すぎる。 私は、着地すると同時に守りを固めた。 人形が渾身の力でモレクブロウを私に振り下ろしてくる。 もう駄目だッ! しかし、モレクブロウは止まった。 スモーキーさんが、モレクブロウが私に振り下ろされる前に フェンリルで受け止めてくれていた。 ス「…中止だ。まだお前達には無理のようだな。」 スモーキーさんが、失望したと言わんばかりの顔で私達を見た。 沙「・・だ。」 ス「ん?」 沙「嫌だ、まだ終わってない!」 失望されたくない! スモーキーさんに私の成長した姿を見てもらいたい! そう思った瞬間、不意に自分の中で何かが切れる音が聞こえた。 先ほどまで蓄積していたダメージが回復したような感じがした。 ス「そう言うなら、お前の本当の力を見せてみろ!」 私は盾を捨て、ダークブランドだけで人形に斬りかかった。 先ほどまでとは違い、体が羽の様に軽く、自分でも信じられないほど強い力を感じた。 圧倒される程に力の差を感じていたが、今はそれを感じなくなった。 人「面白い。やはりウォリアーはそうでなくてはな。」 人形相手に互角に渡り合っている…いや、むしろ押している。 しばらくの間戦っていると、人形が後ろの方に跳んだ。 そして、ニヤリッと笑った。 人「面白かったけど、飽きてきたから終わりにしてやるぜ。」 人形の姿が一瞬消えたかと思うと、いきなり目の前に現れた。 気付くと、私の体に当たる寸前でモレクブロウが止まっていた。 当たる寸前に、スモーキーさんが人形のスイッチを切った様だ。 私は意識が遠くなるのを感じ、その場に倒れてしまった。
https://w.atwiki.jp/thvisionqa/pages/190.html
No.711 光符「アマテラス」 Node 6 / Cost 4 上白沢 慧音 Spell 【幻想生物】 伝説 維持コスト(3) (自動α)〔相手プレイヤー〕は〔このキャラクター〕の攻撃を、必要ノードが3以下のキャラクターに防御させることは出来ない。 (常時)S:目標の〔プレイされた必要ノードが4以上のコマンドカード1枚〕のプレイを無効とし、破棄する。 (7/7) GRAZE 4 2013年2月15日 Q.No.938 洩矢 諏訪子の(自動γ)について質問です。 テキストにキャラクターとしか書かれていませんが、 奇襲と速攻を持つキャラクターカードを手札から防御を兼ねてプレイすることは 可能でしょうか? A.プレイすることは可能ですが防御を行わせることはできません。
https://w.atwiki.jp/gear-musica/pages/192.html
サクリファイス・スプランディード・アマテラス―Sacrifice-Splendide-Amateras―〔????編〕 imageプラグインエラー 画像URLまたは画像ファイル名を指定してください。 ※ ステータス ??(通常)、??(力解放)、??(???) アビリティ 出身地 職業 英雄士/博士/?? 装備 属性 特技 術技 ―武具― ―??― ―魔術― ―召喚― ―??― 関連人物 『ラビエル・スィカトリス・アマテラス』 『????』
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/1433.html
蒼狼帝のパラドックス・アマテラス SR 水文明 (7) クリーチャー:オリジン/サムライ/ナイト 6000 ジャスティス ■W・ブレイカー ■このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の手札を3枚捨ててもよい。そうしなければ、このクリーチャーをバトルゾーンに出すかわりに自分の手札に戻す。その後、次のうちいずれかひとつを選ぶ。 こうして捨てたカードの中にコスト4以下の呪文があれば、コストを支払わずに唱えてもよい。 こうして捨てたカードの中にコスト4以下のクロスギアがあれば、バトルゾーンに出してもよい。 ■このクリーチャーが破壊された時、カードを4枚まで引く。 作者:赤烏 収録 DMW-09 「帝王編(エクセレント・マスター) 第1弾」 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/rinseidou/pages/71.html
出典 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 天照大神(あまてらすおおみかみ・てんしょうだいじん)は、日本神話に登場する神(人格神)である。『延喜式』では自然神として神社などに祀られた場合の「天照」は「あまてる」と称されている。 概要 太陽を神格化した神であり、皇室の祖神(皇祖神)のひとつとされる。『古事記』においては天照大御神(あまてらすおおみかみ)、『日本書紀』においては天照大神と表記される。別名・大日孁貴神 (おおひるめのむちのかみ)。 『日本書紀』においては複数の神名が記載されているのに対し、『古事記』においては「天照大御神」という神名で統一されている。女神であるが、実は男神だったという異説も存在する。天照大神という神名が、『皇太神宮儀式帳』など政治的な部分で用いられていることから、三品彰英や西條勉が論じているように、本来は高御産巣日神(高皇産霊尊)が皇祖神であり、ヒルメが皇祖神化して天照大神になったとする説もある。 伊勢神宮においては、通常は天照皇大神(あまてらすすめおおかみ)、あるいは皇大御神(すめおおみかみ)と言い、祭事の際神前にて名を唱えるときは天照坐皇大御神(あまてらしますすめおおみかみ)などとも言う。学術的な文書では現在では「アマテラス」と片仮名書きが慣行となっている。古くは天照太神と書かれたという説も存在する。 神話での記述 『古事記』においては、イザナギがイザナミの居る黄泉の国から生還し、黄泉の穢れを洗い流した際に、左目を洗ったときに化生したとしている。このとき右目から生まれたツクヨミ、鼻から生まれたスサノオと共に、三貴子と呼ばれる。このときイザナギは天照大御神に高天原を治めるように指示した。 海原を委任されたスサノオは、イザナミのいる根の国に行きたいと言って泣き続けたためイザナギによって追放された。スサノオは根の国へ行く前に姉の天照大御神に会おうと高天原に上ったが、天照大御神は弟が高天原を奪いに来たものと思い、武装して待ち受けた。スサノオの潔白を証明するために誓約をし、天照大御神の物実から五柱の男神、スサノオの物実から三柱の女神が生まれ、スサノオは勝利を宣言する。 天照大神の物実から生まれ、天照大御神の子とされたのは、以下の五柱の神である。 アメノオシホミミ アメノホヒ アマツヒコネ イクツヒコネ クマノクスビ これで気を良くしたスサノオは高天原で乱暴を働き、その結果天照大御神は天岩戸に隠れてしまった。世の中は闇になり、様々な禍が発生した。(知恵の神様の秩父の神様天の八意思金命(やごころおもいかねのみこと)と天の児屋根命など八百万の神々は天照大御神を岩戸から出す事に成功し、スサノオは高天原から追放された。 葦原中国に子のアメノオシホミミを降臨させることにし、天つ神を派遣した。葦原中国が平定され、いよいよアメノオシホミミが降臨することになったが、その間にニニギが生まれたので、孫に当たるニニギを降臨させた。 解釈 神話中では自分より先に生まれた天津神(高皇産霊尊)に行動の是非を伺ったり、その指示に従っている場面も見られることから、天照大神は神に祭祀(まつりごと)を行って国を治める天皇自体の神格化だとみなす考え方もある。 また、古代の巫女の神格化であるという見方もある。別名の「ヒルメ」は「日の女」で、太陽神に仕える巫女のことである。太陽神は本来男神であるが、それに仕える巫女が太陽神と同一視され、女神になったとする説がある。また、女神であるのはこの神が成立したのが女帝である持統天皇の頃であるからという説や、現在では卑弥呼が天照大神のモデルであったとする説もある。 天照大神・ツクヨミの太陽・月の神の「目」からの誕生は道教の経典・教理書の『霊宝五符序』(6世紀以前)に「目を日月となす」、『業報因縁経』(7世紀初頭)に「左の眼を日と為し、右の眼を月と為し」とあり、道教の強い影響が指摘されている。また、天照大神を祀る伊勢神宮の大神、神宮、斎宮(いつきのみや)、斎館(いつきのやかた)、紫御衣(むらさきのみぞ)、明衣(きよぎぬ)、幣帛(みてぐら)、五色薄絁(うすきぬ)などの用語や、神宮を内宮と外宮とに分ける観念なども道教と一致しているという。 比較神話学的には、天照大神らの誕生神話は、より古い時代(3 - 4世紀)に記録がある盤古神話とほぼ一致しているとの指摘がある。また両目を日月であるとみなすのはアジア一帯に広まっている普遍的なアナロジーであるため、先史時代の民族移動とともに日本に伝播した神話であるという説もある。 神格の変遷 『日本書紀』 『日本書紀』においては神格が三段階に変化しているという説がある。以下、転機となる事件と内容について概観する。 645年:大化改新。天皇家はこれ以前には天照大神を祀っていない。 「日神」(ひのかみ)=「太陽そのもの」。「アマテル」と称された男神が広く祀られていた。『延喜式』には対馬の「阿麻氐留(アマテル)神社」、播磨の「粒坐天照」(イイボニアマテル)神社」丹波の「天照玉命(アマテルミタマノミコト)神社」などの「アマテル」の読みを持つ神社が見られる。ちなみに、男神アマテルとは、アマテラスの孫のアメノホアカリの別名で、アメノホアカリは尾張氏・津守氏・海部氏の始祖でもある。また、このアメノホアカリの弟がニニギで、神武天皇の曽祖父にあたる。 672年:壬申の乱。 「大日孁貴」(おおひるめのむち)=「太陽神をまつる女」=「棚機つ女」(たなばたつめ)。この場合、祭神を女神の大日孁貴とする解釈と、蛇体の男神の「アマテル」とする解釈とがある。 698年:皇大神宮創建。 「アマテラス」=「天皇家の祖先神」。女神。持統天皇をモデルとして自然神から人格神へと創造された。以後も皇祖神以外の「天照」は「アマテル」と呼ばれた。例えば『更級日記』(1060年頃)でも「天照御神」と表記して「天照」の部分は「アマテル」と読まれ、『先代旧事本紀』の「天照孁」にも「アマテルヒルメノムチ」のふりがなが付けられている。 近代 1880 - 1881年、東京の日比谷に設けた神道事務局神殿の祭神をめぐって神道界に激しい教理論争が起こった。神道事務局は、事務局の神殿における祭神として造化三神(天之御中主神、高御産巣日神、神産巣日神)と天照大神の四柱を祀ることとしたが、これに対して「出雲派」は、「幽顕一如」(あの世とこの世との一体性)を掲げ、祭神を「幽界」(あの世)を支配する大国主大神を加えた五柱にすべきだと主張した。しかし、神道事務局の中心を担っていた「伊勢派」は、天照大神は顕幽両界を支配する「天地大主宰」であり、他の神々はその臣下にすぎないと主張するなど、両派は真っ向から対立した。果てには、「出雲派が神代より続く積年の宿怨を晴らさんとしている」「皇室に不逞な心を持っている千家尊福を誅殺すべし」など、様々な風説が飛び交った。やがてこの論争は明治天皇の裁定により収拾(出雲派が敗北)し、天照大神の神格は最高位に位置づけられることになった。なお、政府は神道に共通する教義体系の創造の不可能性と、近代国家が復古神道的な教説によって直接に民衆を統制することの不可能性を認識したと言われている。神道事務局祭神論争参照。 芥川龍之介は自身の小説にて天照大神を登場させる際、別名の「大日孁貴」(おおひるめむち)を用いた。これは「天照大神」と言う呼称では皇祖神をそのまま文中に登場させてしまう事になるため、太陽神、それも自然神という性格付けで「大日孁貴」を用いなければならなかったためである。実際、芥川の小説には軍の検閲によって訂正・加筆・削除を余儀なくせざるをえなかった箇所が多数存在する。 金鶏学院を設立(1926年)した安岡正篤(1898 - 1983)は「日本には天照大神の信仰がある。天照大神とは日本精神を以て世界を光被しようという理想である。」、イザナミ・イザナギの「「いざな」というのはいざなう、換言すれば世界民族の先覚者、先駆者、誘導者となって行こうという理想である。」と述べている。 天照大神を祀る神社 天照大神を祀る神社を神明神社といい、全国各地にあるが、その総本社は神宮(伊勢神宮)の内宮(皇大神宮)である。皇大神宮は三種の神器のうちの一つ八咫鏡(ヤタノカガミ)を御神体として安置する神社である。日本全国のほとんどの神社で皇大神宮(天照皇大神宮)の神札(神宮大麻)を頒布している 。
https://w.atwiki.jp/rikku0805/pages/160.html
~首都アズルウッド~ ラウ君から裁判の結果を聞き、私は首都城門へと急いだ。 シュリッツ城の破壊については、証拠不十分という事でお咎めは無しだったらしい。 しかし、スモーキーさんは自分から首都を出て行くことにしたらしい。 城門を出ると、遠くにスモーキーさんの姿が見えた。 急いでスモーキーさんの所に向かった。 や「待ちなさい!」 スモーキーさんは振り返ると、いきなり頭を下げてきた。 ス「すまないな隊長、やっぱり俺は迷惑をかける男だったよ。」 や「意味がよく分かりません。納得のいく説明を要求します。」 私の追求に対し、スモーキーさんが苦笑いした。 ス「シュリッツ城の事件は、俺が起こしたんだ。 理由は、俺達の研究をしてたからだ。 そして何故首都を出るのかは、これ以上隊長達に迷惑を掛けられないからだ。」 や「…事件を起こした事は分かりました。 しかし私達は、これまで幾度となく苦難を共にしてきた仲間のはずです! それに、前回首都を追放された時だって一緒だったじゃないですか?!」 私の言葉を聞くと、スモーキーさんは目線を反らした。 ス「…悪いな隊長。隊長の夢見てた平和な世界ってのを、一緒に目指したかったぜ。」 スモーキーさんの言葉が終わると同時に、後頭部に衝撃を感じた。 や「…ッ!」 意識がだんだんと遠のいていく。 最後に見たのは、スモーキーさんの涙だった。 カセドリア連合王国軍アマテラス~鍛錬の書~ 第13話 繰り返す悪夢 後編 泣いている少女に幾つか質問をした。 自分の名前は覚えていないらしい。 そして、少女に家族は居ないらしい。 私は少女を連れてシュリッツ城に戻った。 事情を説明すると、ベルクさんは黙って頷いた。 ベルクさんが昔着ていた服を少女に着せた。 耳がばれないように、帽子も被らせた。 沙「私はこの子を連れて首都に戻ります。」 べ「…そうですか。」 そう言って、クリスタルを扉に当てた。 扉を開けると、そこは私達の部屋だった。 べ「私はこの事件の後始末をします。 知らぬ事とはいえ、少女に酷い事をした事を心からお詫びします。」 少女「……私はこれからどうなるの?」 少女が不安そうな顔で私を見る。 私は自分の家に少女を住ませようと思った。 沙「私の家に来ない?」 少女は少し躊躇したようだが、私の目を見て頷いた。 扉を通り、部屋に戻った。 宿舎を出て、自宅に向かった。 自宅近くに来た時、お母さんの了承を得ていなかった事に気付いた。 大丈夫だとは思うけど…。 家に入ると、すぐにお母さんが出てきた。 母「お帰りなさい、沙羅。」 お母さんは少女と私を交互に見て、不思議そうに話した。 母「その子はどうしたの?」 沙「お母さん、この子を家に住まわせて良いかな?!」 私の言葉に、お母さんは驚いたようだ。 しかし少し考えた後、笑った。 母「何か事情があるみたいね。…良いわよ。」 少女「よ、よろしくお願いします!」 母「おや、元気が良いわね。沙羅の小さい頃にそっくりね。」 少女を空いている部屋へと案内した。 沙「ここが、これから貴方が住む部屋よ。」 部屋を見ると、少女は喜んでくれたようだ。 少女はベッドに寝転がったり、窓の外の景色を見たりしていた。 沙「私はちょっとお母さんの所に行ってくるね。 少し待ってて。」 少女「はい!」 私は少女を残し、お母さんの所へ行った。 しかし私は、どう説明したら良いか悩んだ。 そんな私をお母さんは見ると、無言で頷いた。 母「無理に言わなくても良いわ。」 その言葉を聞き、私も無言で頷いた。 沙「お母さん、ちょっと宿舎まで行って来るね。」 少女を匿う為には、私がいつも傍に居る必要がある。 その為には、宿舎を出ないとね。 宿舎に着き、部屋へ向かった。 部屋に着くと、ベルクさんが荷造りをしていた。 べ「沙羅さん、私はここを出て行くことにしました。」 沙「…私もそう思っていたところです。」 べ「……そうですか。」 二人で荷造りをした。 先にベルクさんの荷造りが終わった。 べ「今回の事件は、元を糺せば私の父がアーシェスに研究を命じたのが発端でした。 よって父であるゲイル王を処罰するよう、聖女王に要望しました。」 沙「それじゃ、シュリッツ国を治めるのは?」 べ「王が処罰されるのです。その罪が私にまで及ぶかも知れません。 その時は…、シュリッツ国が消滅するだけです。」 沙「その時は、ベルクさんの助命を嘆願するだけです!」 私の言葉を聞くと、少しだけベルクさんが笑った。 そして、部屋の扉にクリスタルを取り付けた。 沙「ベル!」 扉を開けて出て行こうとするベルクさんを呼び止めた。 ベルと呼ぶのは、最初の自己紹介の時に言われた時から一度も呼んだ事は無かった。 べ「やっと…呼んでくれましたね。」 ベルクさんは振り返ると、また笑った。 べ「離れ離れになりますが、私と沙羅さんの心は…何時までも一緒です!」 そう言って、ベルクさんは部屋を出て行った。 目には涙を浮かべていた様に見えた。 私も急いで荷造りを終えた。 部屋を出ると、理奈さんに呼び止められた。 理「スモーキーさんが出て行く際に、これを沙羅さんに渡すようにと。」 そう言って、鍵を渡してきた。 どうやらスモーキーさんの部屋の鍵の様だ。 私はスモーキーさんの部屋に向かった。 スモーキーさんの部屋の前に着くと、張文遠さんが居た。 張「御主が持っているのは、この部屋の鍵か?」 沙「そうですけど?」 張「そうか。いや、何でもない。」 そう言って、張文遠さんは何処かに行ってしまった。 私は扉の鍵穴に鍵を通した。 鍵を回すと、鍵が開く音がした。 扉を開け、中に入った。 部屋の中は、綺麗に整理整頓されていた。 私は机の上にクリスタルが置いてあるのに気付いた。 私が近づくと、クリスタルが眩く輝きだした。 光が収まると、目の前にスモーキーさんが立っていた。 ス「よう。お前がこれを見てるって事は、俺はもう首都から居なくなってるって事だな。」 目の前に居るのに、何故首都から居なくなってる事になってるんだろう? 私はスモーキーさんに近づこうとした時、躓いてしまった。 スモーキーさんに向かって躓いたが、私の体はスモーキーさんを突き抜けてしまった。 沙「え?」 ス「ああ、言い忘れたがこの映像はクリスタルが生み出した幻だ。 触れたり、話しかけたりしても俺には聞こえないから注意しろ。」 なるほど。 私が近づいたら、クリスタルが発動するようにセットされてたんだね。 ス「お前にはまだまだ教えたい事や、話したい事がたくさんあった。 だがお前があの力に目覚めたのなら、もう俺が鍛える必要は無いか。」 あの力? スモーキーさんと戦った時に出た力の事だと思った。 ス「いずれは俺は、世界に闇を齎す事になるだろう。 だがお前が居る限り、世界が完全に闇に覆われる事は無いと信じている。 これをお前に返そう。」 そう言って、机に置いてある手帳を指差した。 沙「これは…。」 スモーキーさんがお父さんから盗った手帳にそっくりだった。 手帳を開いてみると、一枚の写真が入っていた。 その写真には、幼い私とお母さんが写っていた。 …なるほどね。 これを見てスモーキーさんは、私のお父さんを殺したと確認したんだね。 しかしそんな事よりも、首都にはもうスモーキーさんが居ないんだね。 軍事裁判で、前回同様に首都追放という判決が出たのかあるいは…。 私は手帳を抱えたまま、その場に泣き崩れてしまった。 ス「泣くなッ!」 …え? 私が振り返ると、まだクリスタルの映像は続いていたようだった。 ス「泣いてなかったら今のは笑えるな。 だがお前の事だから、きっと泣いてるんだろうな。 最後に、もしあの力が何なのか知りたければユグドラの所へ行け。 お前が本当に覚醒すれば、俺を越える事も可能だ。 次に会うときに交わすのは、干戈かもしくは乾杯か…。 願わくば後者である事を願うぜ。」 言葉が終わると同時に、スモーキーさんの姿が消えた。 そして、クリスタルも跡形もなく消えていた。 再び私はその場に泣き崩れた。 沙「甘ちゃんでいい、泣き虫でいいから…。 だから戻ってきてよ……スモーキーさん。」 新年初UP byスモーキー
https://w.atwiki.jp/rikku0805/pages/143.html
カセドリア連合王国軍アマテラス~鍛錬の書~ 第4話 束の間の平和 スモーキーさんが軍法会議にかけられたという話を聞いた私は、宿舎に走った。 宿舎に着き、まっさきにやふやふさんの部屋に向かった。 やふやふさんなら詳しい事情を知っているかもしれないと思ったからだ。 部屋の扉をノックしても、返事は無かった。 そこへ、理奈さんが通りかかった。 理「どうかしましたか?」 沙「理奈さん、やふやふさんは何処に?」 理「先ほど副隊長格の皆さんと共に会議室の方へ…。」 沙「分かりました。」 私はそう言うと、一目散に会議室へ走った。 ただの隊員でしかない私が、会議の中に入って良いはずがない。 しかしそんな事よりも、どうしてスモーキーさんが軍法会議にかけられたのか知りたかった。 会議室の中からはやふやふさん達の声が漏れていた。 私はノックをする事も忘れ、会議室の扉を開けた。 すると…。 エ「よし、俺は決めたぞ!三日だッ!」 二「ほほう、後悔はしないんだろうな?俺の二日の方が現実味があると思うぞ。」 リ「何を言う、俺の即日の方が確実だろう!」 三日に二日に即日? どうやら何かの日数を言っているようだった。 そんな中、やふやふさんは私に気付いたらしい。 や「沙羅さん、何かあったんですか?」 やふやふさんは焦りも心配事も無いような顔をしていた。 ア「ダメよ沙羅ちゃん。会議中は副隊長以上じゃないと入ってはダメなのよ。」 沙「皆さんなんでそんなに余裕なんですか? スモーキーさんが軍法会議にかけられたっていうのに?!」 一瞬静まったかと思うと、全員が一斉に笑いだした。 私が訳が分からないといった感じで立っていると、やふやふさんが近づいてきた。 や「それぐらい分かってますよ。だからこうやって会議をしてるんじゃないですか。」 剣「そうそう。スモさんが軍法会議にかけられるなんてよくある事だよ?」 タ「まあでも、沙羅ちゃんは初めてだから気が動揺してるのかもね。」 軍法会議にかけらえるのがよくある事だからって、皆のこの余裕は何? 恋「何か混乱しちゃってるみたいだし、私が説明するね。 軍法会議といっても幅広くてね、重い物もあれば軽い物もあるの。 今回スモさんがかけられたのは、昨晩夜遅くにアズルウッドに帰ってきたからなの。 今カセドリアは盗賊とかが出てて、昨日も何処かの国に出たらしいの。 しかもその夜に帰ってきたから、賊の一味じゃないのかって疑われてるの。」 や「こうゆうのは何処の部隊でもあってるみたいなので、あまり心配はしてません。」 ヌ「それに、スモさんが無罪だって事は……貴方が一番知ってるじゃない。」 シュリッツ城を襲った賊を全滅させたのはスモーキーさんなのだ。 賊の一味であるはずがない。 私が納得したのを確認したのか、アイさんが話しかけてきた。 ア「ところで沙羅ちゃん、スモーキーさんが戻ってくるまでの日数は何日だと思う?」 沙「……よく分かりませんけど、明日には戻ってくると信じたいです。」 ア「分かったわ、それじゃ皆決まりね!」 や「当たった人にはプリン一週間分ですッ!」 リ「ちょ、全員が賭けたリングを総取りで決まりだったろ!」 タ「まあまあ、当たったらその人が望む物で良いじゃない。」 会議室を出た後、私が多目的クリスタルでベルクさんに話しかけた。 スモーキーさんが軍法会議にかけられたこと。 どうしてそうなったのかも説明した。 べ「…なるほど。分かりました、父に相談してみます。 ちょうど父も教官を呼び出そうとしてましたし。」 沙「うん…。まだ盗賊とかが出てるみたいだから、気をつけてねベルクさん。」 べ「はい。それでは、また後ほど。」 私は宿舎を出ると、自分の家に向かった。 家ではお母さんがお昼を作っていた。 母「おかえりなさい、沙羅。お友達の家の人に迷惑をかけてないでしょうね?」 沙「…うん。」 母「どうしたの、何時もの元気がないじゃない? 何かあったのかい?」 沙「何でもないよ。もうお腹ぺこぺこ、早く御飯にしよう。」 母「…そう、なら良いんだけど。何でも盗賊が出てるらしいわね、首都は安全だと思うけど。」 お母さんと二人で昼食をとる。 お父さんは私が幼い頃に亡くなったらしい。 だから我が家の食卓には、いつもお母さんと私の二人だけ。 それを寂しいと感じた事は無い。 スモーキーさんみたいな兵士になりたい。 そう思っていた。 私が兵士になりたいと言った時、お母さんは泣いた。 しかしお母さんの涙を見た時に、それとは別の事が頭を過ぎった。 今この瞬間にも人が死に、誰かが涙を流している。 私が兵士になったからといって、それが減るとは限らない。 ベルクさんと二人で城から脱出する時も、賊を斬った。 あの賊にも家族が居ただろう。 その人達は泣いたのかもしれない。 戦場に立てば、嫌でも戦わなければならない。 …私は、涙を増やしてしまうのかな? 夜になり、ベッドに横になっても、私はすぐには眠れなかった。 …私は、間違ってたのかな? そんな時だった。 不意にベルクさんの声が聞こえた。 べ「沙羅さん、聞こえてますか?聞こえたら返事をしてください!」 沙「な、何、どうしたの?!」 べ「やられました。まさか今夜も賊が来るなんて…。」 沙「賊が?!ベルクさんは大丈夫なの?」 べ「父は出て行ってるので、城の兵士だけでは無理です。 今は隠し部屋に隠れていますが、このままでは見つかるのも時間の問題でしょう。 沙羅さん、助けてッ!」 沙「分かったから落ち着いて、必ず助けるから!」 それ以降、ベルクさんは反応しなかった。 私はベッドから起き上がり、宿舎に向かった。 お母さんには友達が危ないとだけ告げた。 宿舎に着き、やふやふさんの部屋に向かった。 私だけでベルクさんを救う事は無理だと思ったからだ。 やふやふさんの部屋に着くと、一度深呼吸した後に扉をノックした。 や「はい、どちら様でしょうか?」 沙「沙羅です。やふやふさん、ベルクさんが!」 や「…とにかく中へ。」 部屋の中に通されると、部屋の中には副隊長格の人が数名居た。 張「御主も呼ばれたのか?」 二「まさか隊長、新兵を連れて行く気じゃないだろうな?」 や「どうやら私とは別の形でコンタクトをとったみたいです。 事態は急を要するようになりました。各員、至急戦闘準備をッ!」 「「「了解ッ!」」」 沙「私も行きます!」 ア「沙羅ちゃんはお留守番をしててね。」 剣「大丈夫だから。」 沙「でも、此処からシュリッツ城までは馬車でも数時間かかりますよ?!」 すると、やふやふさんがクリスタルを取り出し扉に付けた。 や「沙羅さん。もしも私達が2時間以内に戻ってこなかったら……、その時はよろしく。」 そう言って、皆は扉の向こうに消えていった。 扉が閉まった後に私が開けてみると、外には誰も居なかった。 1時間くらい経った頃、不意に扉が光った。 すると、やふやふさん達が帰ってきた。 や「只今戻りました。」 沙「あの…、ベルクさんは?」 私の言った事が聞こえなかったのか、やふやふさんは反応しなかった。 …まさか! 二「隊長!」 や「…え?あ、ごめんなさい。ベルクちゃんは無事よ。賊も全滅してたわ。」 沙「そうですか。」 しかし、やふやふさんの言った言葉が少し引っかかった。 ……全滅してた? 沙「あの…、全滅してたって?」 ア「さっ今日はもう遅いから、早く帰って寝なさい。」 張「うむ。では、各自解散という事で。」 や「事情は明日説明します。今日は帰って寝てください。」 明日説明するっという事で、私は宿舎を後にした。 帰り道で、ベルクさんと話してみた。 どうやら無事のようだった。 家に着くと、母はまだ起きていた様だった。 母「友達は大丈夫だったのかい?」 沙「…うん。やふやふさん達が迅速に対応してくれた。」 母「そうかい。夜も遅いし、早く寝なさい。」 ベッドに横になっても、やはりすぐには寝付けなかった。 いったい、シュリッツ城で何があったんだろう……。 ユグさん絵サンクスですッ! byスモーキー