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年越しまりちゃ村 15KB 小ネタ 現代 乱文 年越しまりちゃ村。 それはまぁぶっちゃければ年末年越し村のパクr、もといインスパイアであり、 本家と同様に生活保護が必要な者に対する一種の簡易宿泊所と言っても良いだろう。 利用できる条件は唯一つ、『まりさ種(子ゆっくりだと尚良し)』だけである。 年末、都内某公園内。 噴水を中心とした広場には幾人かの人間と、多数のまりさで溢れかえっていた。 ここに居るまりさ種は全て『まりちゃ村』の噂を聞きつけてやって来た、筈だ。 その証拠に誰も彼もが汚い身なりに似合わず瞳を輝かせている。 「おかーしゃん、ゆっくちできしょうだにぇ……!」 「ゆゆぅ、そうだねおちびちゃん!」 「ここにくりぇばゆっくちできりゅってみんにゃいっちぇるのじぇ!」 「まりちゃたち、ゆっくちちたいのじぇ!」 「ゆぅぅ……ここ、どこにゃのぉ……?」 母親と嬉しそうに話し合うもの。 姉妹仲良く声を張り上げるもの。 何処からか迷い込んだらしく、完全にこの場所の意味を知らないもの。 千差万別ではあるが彼女たちが期待するところは大きかった。 そうこうしている内に多数のまりさ達の前に一人の青年が立った。 上下とも青い作業服、同じ色の帽子を被ったその顔はニッコリ笑顔。 彼は『まりちゃ村』の計画・立案者であり、まりさ達の年越しを支援する者の内の一人でもある。 以後彼を年越しお兄さんと呼称しよう。 「はい、まりさの皆さん!今日は寒い中、当宿泊施設をご利用になられる事まことに感謝いたします! 早速ですが検査に入らせていただきます!テントまで誘導いたしますのでこちらに列を作ってお並びください!」 『ゆ?』 いきなりの年越しお兄さんの弁に戸惑うまりさ達。 それはそうだろう。検査をするなんて聞いていなかったのだから。 僅かに動揺し始めるまりさの群れを見て、お兄さんは話を続けた。 「安心して下さい!検査といっても大したものではありません!先程この公園内において他種のゆっくりを確認したためです! 当施設はまりさ種の為のもの、他種の方はご利用を断らせていただきます!」 「ゆっ!しょれにゃらあんしんだにぇ、おきゃーしゃん」 「ゆゆ、そうだね」 「まりしゃじゃにゃいのにまりしゃむりゃをちゅかおうだにゃんてじゅるいのじぇ!」 「じゅるいゆっくりはしぇーしゃいしちぇやるのじぇ!」 「にゃにいってりゅの……?」 安心したり他種の誰かに対して怒りを顕にしたりやっぱり理解していなかったり、 多少の差はあるがまりさ達は落ち着きを取り戻す。 そのまま列を作り――体の構造上どうしてもそうなる――押し合いへし合いながら、 ぞろぞろと並び自分の番を待つまりさ達であった。 「はい、それでは検査を行います。 大きく口を開いて下さい」 「ゆあぁーーーん」 テントの中、一匹のまりさが一人の作業員と向かい合っている。 彼を診察お兄さんとしよう。 対するまりさはどう見ても成体。見積もる所40センチオーバーの巨漢(?)であった。 「ちょっと我慢して下さいねー」 「ゆっ……・・・ゆ゛お゛ぇ゛っ」 大きく開いた口の奥に、竹べらをぐっと差し込む診察お兄さん。 当然舌圧子による吐き気が巨まりさを襲う。 だが当然それを許す彼ではない。さらにペンライトを巨まりさの咽喉――正確にはちょっと違う――に押し込む。 吐き気倍率ドン、更に倍。 「ゆ゛お゛っ、お゛ぇ゛っ、お゛、ゅ゛ごっ、ゆ゛お゛お゛お゛お゛!!!」 「苦しかったら右手上げて下さいねー」 ちなみに巨まりさに四肢と呼べるものは存在しない。 「ゆ゛お゛お゛ぉ゛っ、お゛ごお゛お゛ぉ゛っ、お゛っ、ざざっだあ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!」 「気のせいですよー……っと。良し」 とどめとして咽頭に竹べらを突き刺して、漸く診察お兄さんは巨まりさを解放した。 崩れ落ちながらゼイゼイと荒い息をつく巨まりさ。 しばらくは怒鳴るような事はなさそうだった。 軽く腕組みをして考え込む診察お兄さん。 そして唐突に一言。 「いけませんねー、あなた。 まりちゃじゃ無いじゃないですか」 「…………ゆ゛?」 これには流石の巨まりさも呆然とした。 意味が分からない。なんか訳分からん検査の後に、非まりさ宣言と来た。 怒りに火が付くのは一瞬も要らなかった。 「な゛にいっでるの゛おぉ!?どおみだっでまりざはま゛りざでじ……ゆ?」 が、その一瞬さえ診察お兄さんには不要。 巨まりさが自慢のお帽子を奪われているのを知ったのは、その行為より5秒後である。 くわ、と見開かれる目。 これからゆっくりが取る行動は決まってひとつ。 「まりざのずでぎなおぼうじざんがああぁぁ!!!がえじでね!!がえじ」 「困るんですよねぇ、こういうの………『まりさ種の帽子を被って誤魔化そう』だなんて」 まりさの言葉に耳を貸さず、そう診察お兄さんは嘯いた。 つばの両端に両手をかける。 そのまま少し引っ張れば、 「がえじで……ゆ゛あ゛あ゛あぁぁぁっ!!!まりざのぼうじざんがあ゛ぁ゛あ゛ぁぁ!!!」 いとも容易く真っ二つになる巨まりさの帽子。 それをまた重ねて四つ、八つ、さらに倍……と引き千切っていくお兄さん。 巨まりさの元に戻った頃には、それはもはや只の布切れでしかなかった。 「じゃ、規則ですんで。 『まりさ種ではないゆっくり』にはお引取り願いますよ」 「どぼっ……どぼじでごんなごどずるぶべらあ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛っっ!!!!」 顔面に突き刺さる爪先。 底部が地から離れる。 巨まりさは空を飛んだ。 そのままテントから外に吹っ飛び、どこぞへと転がっていく『まりさで無い何か』と診断を受けたモノ。 両目を上手く潰された彼女に、再び此処まで辿り着くのは難しいだろう。 そこまで確認すると、診察お兄さんは、 「はい、次の方ー」 にっこり笑ってそう言った。 * * * * * * * * * 『年越しまりちゃ村』はゆん種制限有り。 当施設は身寄りの無いまりちゃ=赤ゆっくり~子ゆっくりまでのまりさを対象としています。 成体のまりさは自活して下さい * * * * * * * * * 「はい、このまりちゃさんは大丈夫ですね。 でもそこのは駄目です。お引取り下さい」 「どうちてええぇぇ!!?おかあしゃあああぁぁぁん!!!?」 「ぢびじゃあああああゆべじいいいぃっ!!!」 「あ、貴方達は水上まりちゃですね。 どうぞこちらに。専用の休憩所にご案内します」 「ゆ?」 「よくわかんにゃいけどゆわーい!」 この場所には"まりちゃ"だけしか居なくなった。 『年越しまりちゃ村』が本格的に活動するのはこれからである。 「はい、それではこれから皆さんにテントをお配りしまーす! しっかり組み立てて、立派なお家にして下さーい!」 『ゆぅぅ~~!!』 年越しお兄さんの言葉に色めくまりちゃ達。 テントなるものの事は良く知らないが、どうやらお家を配ってくれるらしい。 ここに居るのは大抵が野良で、その上満足におうちも作れない年齢のまりちゃばかり。 当然家持ちだった者は十に満たず、だからこそ此処にこうして来ているのだが。 「はい、テントですよ。 風に飛ばされないように注意して下さいね」 「ゆぅぅ、ゆっくちありがとうなのじぇ!………ゆ?」 目をキラッキラさせてお兄さんから"おうち"を貰うまりちゃ。 しっかりと口に銜えて、無くさないように努める。 清潔感溢れる白さ。 軽量かつ強度に優れるだろう素材。 このおうちはゆっくりの天敵である水分を決して通す事は無いだろう。 段ボールのおうちにすら劣らない、素晴らしいおうちだとまりちゃは思った。が、 どう見てもただのビニール袋です、本当にありがとうございました。 かくして。 公園の広場に数十のビニール袋が風にはためくという珍妙な光景が誕生した。 「ゆうううぅぅぅ………」 「しゃむいよ……がしゃがしゃうるしゃいうよぅ………」 「にぇむれにゃいのじぇええ!?」 ビニール袋の中に入って、あるいはくるまって眠るまりちゃ達。 当然寒い。五月蝿い。ぬくもりなんぞ期待できるわけが無い。 段ボールのおうちに劣る所しかなかった。 「いやー全く、まりちゃ達が暖かそうで良いことだよ、うん」 「俺らって良いことしてるなー」 「愛で派と言っても全く通用するよな」 ちなみに、お兄さんたちはきちんと立派なテントを張って暖房まで用意していた。 更には厚着、ホッカイロを大量に持参している。 ぬくぬくとテント内からまりちゃ達に向けて生暖かい視線を送るお兄さん達であった。 ちなみのちなみ。 検査の時に水上まりちゃと診断された者は、特別な寝床を用意している。 噴水の上だった。 「ゆううぅぅぅ!おみずしゃんこあいいいいぃぃ!!」 「まりちゃまじゃちにちゃくにゃいいいいぃぃ!!」 ぷーかぷーかと水上に浮かぶ彼女達にとって、周りとは即ち死地である。 勿論検査を受けたといってもアレはデタラメ、水上まりさの真似事をするのも今日が始めてだろう。 気を抜けばすぐさま水の中へと落ちてしまう。 ましてや眠ることなど論外だった。 * * * * * 当施設は携帯式の"おうち"を用意させて頂きます。 軽量、丈夫。扱いやすく、まりちゃにも納得の一品です。 尚、水上まりちゃには専用の休憩所をご用意しております。 * * * * * 「はい、ご飯の時間になりました! 皆さんにご飯を配りますので、列を作って順番にお並びくださーい!」 『ゆゆっ!?ごはん!?』 夕食の時間。 今までがさがさと動くだけだったビニール袋in饅頭達は揃って活気付く。 おうちはアレだったがご飯はきっと良いものが出るに違いないだろう。 そんな思考のもと、まりちゃ達はずりずりと這いよってくる。ビニール袋被ったままで。 新種のまりさつむりみたいだった。 ここに居るのは大抵が野良で、その上狩りも満足に出来ない……似たようなことを既に述べた。 兎に角飯を集りに来たのが大多数なのだ。 そればっかりは譲れぬ、とばかりに期待しまくっている。 「まりちゃね、ちあわせ~になれるごはんむーちゃむーちゃちたいよ!」 「まりしゃも!まりしゃもちあわせ~になりゅ!」 「ゆゆ~ん!!たのちみだにぇ!!」 瞳をキッラキッラさせながらそんな事を話し合っているまりちゃ達。 給仕担当のお兄さん……給仕お兄さんは、そんなまりちゃ達に対して笑顔で配給食を配る。 「はい、お待たせしました! ゆっくり食べて、ゆっくりしていってね!」 「ゅゅ~ん!!おにいしゃん、ありがちょう!!」 配給食を銜えながらポンポンとスキップよろしく跳ねるまりちゃ。 列から外れ、ゆっくりとむーしゃむーしゃできる場所に陣取る。 「いただきまーしゅ!むーちゃむーちゃ、しあ……?」 配給食はスナック袋の中に入っていた。 当然、噛めないし噛んでも味はしなかった。 「どぼちてぇぇぇ!!!?」 「まりちゃのごはんしゃああん!!!ゆっ!おうちしゃあああん!!?」 「むーちゃむーちゃむーちゃむーちゃむーちゃむーちゃむーちゃむーちゃ………」 とりあえず嘆くもの。 嘆きまわった挙句、うっかりビニール袋を風にさらわれるもの。 味がするまで噛み続けようとするもの。 様々だが、誰もしあわせー、とは言わなかった。 「ゆぅっ!?ごはんしゃんのなかからあまあましゃんがでてきちゃよ!!」 偶然一匹のまりちゃが袋を開けることに成功した。 裂けたスナック袋。 そこから覗く暗い茶色。 このまりちゃは知っていた。これはチョコレートさんだ。 「じゅるいじぇ!まりちゃにもしょのあみゃあみゃしゃんよこちゅんだじぇ!!」 「いやだよ!!このあまあましゃんはまりちゃのだもん!!」 他のまりちゃに絡まれかけたが無視する。 目の前にはあまあまさん。 いてもたってもいられず、まりちゃはそのあまあまさんを口いっぱい頬ばった。 「むーちゃ!むーちゃ!むーちゃ!むーちゃ!むーちゃ!」 表面のチョコを舐め上げる。咀嚼する。 一口ごとにまりちゃの餡子に幸せが走った。 短いゆん生、一度も口に出すことの無かったあの言葉を今なら言える。 まりちゃは大きく口を開けて、 「し☆あ☆わ☆sゆげりょおおおっ!!!」 吐いた。 チョコを吐いて餡子を吐いて、ついでに幸せな記憶も吐き戻した。 そのまま昏倒。ゲロの海に沈むまりちゃ。 周囲のまりちゃは思いっきり引いた。 「そういえば給仕お兄さん、まりちゃ達には何をご馳走してあげたんだい?」 「うん、まずまりちゃ達の好みを考えてチョコを思いついたんだ。 後は僕の好みを合わせて……柿ピーチョコレート。妙案だろう?」 「そいつはYESだね、給仕お兄さん!」 お兄さんたちは暖かい鍋を囲みながら談笑していた。 一般にゆっくりは、辛いものが苦手である。 それは成体に成るにつれてある程度緩和されるのだが、まりちゃ=幼年体にまだそれほどの耐性は無い。 時には体内の餡子を吐き尽くして死んでしまう事もある。 柿ピーチョコレートはその点、絶妙なチョイスだと言わざるを得ない。 最初はコーティングされたチョコレートがまりちゃの警戒心を薄れさせ、然る後に本体へと到達。 柿ピー本来のピリリと来る辛さによって、まりちゃは嘔吐を余儀なくされるのである。 辛さも抑えられているので絶命するには至らない。 まさにまりちゃの為に存在しているかのようなお菓子であった。 * * * * * * * * * 食事は清潔第一をモットーに、パックに包装したものをお渡しいたします。 一日の活力はあまあまから。 チョコレートをアクセントにしたスナック菓子でまりちゃ達を飽きさせる事は有りません。 * * * * * * * * * ちなみに、水上まりちゃ達はというと。 「ゆぐっ……ゆぐっ……」 「ごはんしゃん、おにぇがいだきゃらゆっきゅりもどっちぇきちぇぇ………」 「おにゃかちゅいたよおおぉぉ!!ゆえええぇぇぇん!!!」 浮かぶことで手一杯なのに、それ以外のことが出来るはずも無く。 ぷーかぷーかと浮いているスナック袋を相手に、延々と呼びかけていた。 『おかあしゃあああああああん!!!』 『おちびちゃああああああああん!!!』 まりしゃ達は現在、一本の映画を鑑賞していた。 題名は『母を訪ねて3000cm』。 某世界名作劇場のゆっくり版、と言った所だろうか。 これはそのクライマックス、マリチャ=ロッシが捜し求めていた母親と再会するシーンである。 ゆっくりの感性からすれば、この作品は感動モノに類するらしい。 既にちらほらと、というより殆ど全員が泣いている始末である。 お兄さんたちは開始3分で寝た。 『もうはにゃさにゃい……おかあしゃん、おかあしゃん!』 『おちびちゃん、がんばったんだね……』 涙ながらに語らうロッシ母子。 今までの分を埋め合わせるかのように子が親に甘え、親が子に対してすーりすーりをする。 どう見ても幸せ以外には見えないだろう。 そんな中、ある一匹のまりちゃがいた。 先の検査で親まりさから引き離された者である。 一滴の涙も流さず、まりちゃは、 「おかあしゃん……まりちゃにもいたのに………」 と、暗く呟いた。 途端に現実に戻されるまりちゃ達。 感動の涙は一瞬で枯れ、別ベクトルの涙が溢れ出てくる。 嗚咽は慟哭へと変わり、最早目の前の映画は嫌がらせ以外の何ものでもない。 「おがーちゃ……どぼぢて……」 「にゃんでまりちゃにはおかあしゃんいにゃいのおおぉぉぉ!!?」 「ゆ゛え゛え゛え゛えぇ゛ぇぇ゛ん!!!」 「おがああああぢゃあああああん!!!」 ここにいるまりちゃ達は全員親無しである。 仮にいたとしても、そんなものは最初の検査で亡き者にした。 そこに親子愛を云々する映画とか見せられたらまぁアレだろう。 丁度映画はスタッフロールが流れ出した。 まりちゃ達も涙が流れ出した。 「……ん……ふあぁ………ん? あ、終わった? イイハナシダッタナー」 「よし次の映画なんにしよう。『フランダースのまりちゃ』にしようか」 『フランダースのまりちゃ』とは、孤児のまりちゃが何一つ良いことなく無駄に死んでいく物語である。 インスパイア元より無駄に辛辣だと評判だった。 * * * * * * * 当施設では、娯楽の提供も怠りません。 日に2本の映画を上映し、まりちゃ達のレクリエーションを行う予定です。 * * * * * * * 「もっぢょ……ゆっぎゅり……」 「まりちゃああああああ!!」 水上まりちゃの内一匹は、文字通り涙に溺れてその命を散らしていた。 おおよそこんな感じで『年越しまりちゃ村』は運営されている。 少なくとも此処では外敵に襲われる心配はない。 その代わりちょっと飢えたり寒かったり他ゆの幸せをまざまざと見せ付けられたりはするが。 何、命に比べればそんなものは水素より軽いのだ。問題ない。 尚、『年越しまりちゃ村』はその年の12月31日23時59分まで有効である。 裏を返すと新年に入った瞬間から彼女たちは公園から叩き出されるのだが些細なことである。 年越しは成功しているのだ、看板に偽りはない。 「ヒャッハー!まりちゃは消毒だー!」 「どうちてぇぇぇぇ!!?」 「ゆんやああぁぁぁ!!!」 新年初ヒャッハーも当施設の名物である。 まりちゃ達のお帽子を使ったどんど焼きなども開催されるので、興味がある方は是非寄って欲しい。 余談。 近年、活動が功を奏してか飼いゆっくりのまりちゃちゃんを預ける人が現れ始めている。 飼いまりちゃちゃんも涙を流してまりちゃ村の生活をエンジョイしてくれた。 新年を迎えても飼い主が現れなかったりするが、それはおそらく気のせいだろう。 何にしてもまりちゃ村が世間に認められ始めたと、自負する所である。 「………だそうだ、まりさ。 という訳でお前の子供『まりちゃ村』に送っていい?」 「どぼじでぞんなごどいうのおおおおおおおお!!!?」 おわり * * * * * 頑張って書いてみようと思ったけどやはり山無し落ち無し意味無しのgdgdになった。 反省している。 byテンタクルあき 過去作品 ふたば系ゆっくりいじめ 2 散歩した春の日に ふたば系ゆっくりいじめ 3 ちょっと鴉が多い街のお話 ふたば系ゆっくりいじめ 22 伝説の超餡子戦士 ふたば系ゆっくりいじめ 38 とある野良ゆっくり達の話 ふたば系ゆっくりいじめ 46 散歩した5月の日に ふたば系ゆっくりいじめ 48 ゆうかにゃんと色々してみよう! ふたば系ゆっくりいじめ 128 れいむとまりさがだーい好き!! ふたば系ゆっくりいじめ 136 つむりはとってもゆっくりできるんだよ! ふたば系ゆっくりいじめ 324 散歩した秋の夜に ふたば系ゆっくりいじめ 372 新世代清掃工場 ふたば系ゆっくりいじめ 385 どうしてそう思ったの? ふたば系ゆっくりいじめ 386 最終地獄 ふたば系ゆっくりいじめ 635 散歩した冬の日に ふたば系ゆっくりいじめ 645 捨てゆっくりin 冬 ふたば系ゆっくりいじめ 648 ゆき合戦 テンタクルあきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 中途半端 -- 2013-07-19 12 36 20 年を越したあとも幸せなまりちゃは居ないんだね よかったよかった -- 2011-08-17 19 21 31 わざわざ年末の年越しにクソ寒い公園でテント張って まりちゃを一生懸命虐めてるお兄さん達を想像すると笑えるww でも一回くらいなら参加してみたいかもw -- 2011-06-11 06 30 18 ↓↓成体は最初から駆除対象として集められたのでは? 最初でかいまりさが殺られてたし。 -- 2011-01-04 18 43 46 コメントが素なのかどうかわからんから言うけど 最後の部分見ればこれ最初から虐待目的なのわかるだろw -- 2010-12-13 17 02 51 ・利用できる条件は唯一つ、『まりさ種(子ゆっくりだと尚良し)』だけである。 ↑ ↓ ・当施設は身寄りの無いまりちゃ=赤ゆっくり~子ゆっくりまでのまりさを対象としています。成体のまりさは自活して下さい。 あれ、矛盾してない? -- 2010-11-05 21 09 26 年越しまりちゃ村運営者は天然お兄さんの同類かw -- 2010-11-05 21 00 34 餡子脳のお兄さん達にゆっくりできない… -- 2010-10-24 17 07 39 「まりちゃ」って文字列だけでストレスがマッハ 「れいみゅ」の10倍はイラッとするよね! -- 2010-09-15 04 23 19 なんか実際のにんげんさん達の行政も実のところこんなカンジなのかもね。本人達はよくやってるつもりでも本当はクソの役にもたってないってゆー・・・。 -- 2010-08-01 15 12 14 そんなこと言ったら「年末にこんなめんどくさくて意義に乏しい虐待を嬉々としてやってるいじめSS」を 読みに来てる俺たちっていったい……ってなるからやめましょうぜ…… -- 2010-07-26 20 48 05 一番下の人が馬鹿すぎてゆっくりできない・・・ 年末にこんなめんどくさくて意義に乏しい虐待を嬉々としてやってる連中に知性なんか期待できないだろ -- 2010-07-26 15 04 55 だとしても、お兄さんたちの言動にもう少し知性が欲しい。 -- 2010-07-07 07 32 36 虐待目的でまりちゃを集めてるのがわからないアホがいてゆっくりできない… -- 2010-03-31 22 12 08 お兄さん達が馬鹿すぎてゆっくりできない・・・ -- 2010-03-24 15 29 27
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ある男の家に、一匹の赤ちゃんれいむがいた。 これは、ゆっくり愛好家である男の家に暮らしていたゆっくり一家の末子である。 一家が親子水入らずでハイキングに出かけたある夏の日、里一帯は午後から急な夕立に見舞われた。 それ以来、ゆっくり一家は帰って来なかった。 男は信じたくなかったが、おそらくは隠れる場所の無いところで雨に降られ、全滅したのだろう。 しかし生まれて間もないこの赤れいむだけは、部屋の物陰で寝過ごしており、 ハイキングに行きそびれて運良く生き残ったのであった。 家族がいつまでも帰って来ないことに、赤れいむは夜通し泣きじゃくり、男もつられて涙をこぼした。 男は、一家の忘れ形見であるこのれいむだけでも大切に育てようと思った。 さて、ある程度育ったゆっくりならいざ知らず、赤ゆっくりの育て方を男は良く知らなかった。 なので、母ゆっくり達がいた頃の飼育法を見よう見真似でやってみるしかなかった。 赤ゆっくりは食べ物をうまく消化出来ないことがある。 なので、食べ物は親ゆっくりが一旦咀嚼し、ある程度餡子に変えた状態で与えるのだ。 少なくとも、男が見ていたゆっくり親子はそのようにしていた。 男もそれに倣い、野菜など歯ごたえのあるものは、自分が咀嚼して吐き出したものを与えた。 本来ならすり鉢などですり潰せば良いだけだろうが、今は自分が親代わりなのだ。 ゆっくりなりの親子のコミュニケーションというのを体験させた方が生育上良いと思った。 赤れいむも、そうして与えられた物を喜んで食べた。 餡子には変わっていなかったが、噛み砕かれた食べ物は赤れいむでも消化出来たようだった。 そのように男は一つずつ、親ゆっくりから学び取った赤ゆっくりの育て方を実践していった。 半年が経ち、男の世話の甲斐あって、れいむも立派なゆっくりに成長した。 すでにバレーボールほどの大きさがある。親に似た、心豊かなゆっくりである。 度々外に遊びに行っていたので、運動能力も充分。虫を追いかけて捕まえることも出来た。 ある日れいむは、男に対してこのように言った。 「おにいさん、いままでれいむをゆっくりさせてくれてありがとう! れいむはもうひとりでもいきていけるよ!だからもりにいってみようとおもうよ! ばっぢがあるともりのゆっくりとゆっくりできないから、ばっぢをゆっくりとってね!」 突然の申し出に男は驚きつつも、言われた通りに飼いゆっくり証明バッヂを取ってやった。 「本当に行くのかい? ずっと家でゆっくりしていっても良いのに」 「ゆ!でもれいむは、おかあさんやおねえちゃんたちをさがしてみようとおもうよ! もうしんじゃったかもしれないけど、もしかしたらいきているかもしれないよ!!」 「そうか……一緒にいられないのは残念だが、そういうことなら仕方ない。 餞別にお菓子を持たせてあげよう。それと雨には気をつけるんだよ」 「ゆっ!おにいさんありがとう!れいむはいってくるよ!!」 またいつでも帰って来いよ、と言って男は旅立つれいむを見送った。 れいむがもらったお菓子は飴だった。れいむは飴を一粒舐めながら道を歩いていった。 しばらくして、近くに川の流れる林道に出た。この辺りはお母さんと一緒に一度来たことがある。 そう思って歩いていると、口から飴をこぼしてしまった。道を外れ、なだらかな坂を転がっていく飴玉。 れいむが目で追っていると、坂の下にいた二匹のまりさ達が飴を拾って舐めていた。 「しあわせー!」と言っては吐き出し、二匹で回し舐めしている。 そしてれいむと目が合った。せっかくなのでれいむも坂を下り、まりさに話を聞くことにした。 「ゆっくりしていってね!」 「「ゆっくりしていってね!」」 「このへんではみないれいむだね!」 「れいむはにんげんにかわれていたんだよ。でもさっきひとりだちしてきたんだよ。 そのあめもにんげんがくれたんだよ」 「ゆっ!もっともってたらまりさにちょうだいね!」 「いいよ!でもれいむのしつもんにこたえてね! はんとしぐらいまえ、このあたりでゆっくりのいっかをみなかった?ばっぢをつけてるいっかだよ!」 「ゆゆ?まりさはむかしのことなんておぼえてないよ!」 「そういうのはぱちゅりーにきいてね!」 ということで、れいむはまりさ達の群れに案内され、群れの長であるぱちゅりーの前に通された。 ぱちゅりーは他のゆっくりに比べて知能が高く、記憶力も良いらしかった。 れいむが事情を話すと、すぐに答えが返ってきた。 「むきゅ!たしかにみたわね!このもりをぬけたはらっぱでゆっくりあそんでたわ!」 「ゆゆゆっ!ほんとう!?」 「ゆん!でもおおあめにふられて、みんなとけちゃったみたい。これがそのときのこったばっぢよ! にんげんよけになるかとおもったけど、ゆっくりだけではつけられないからとっておいてるの」 そう言うとぱちゅりーは、巣の奥から沢山の飼いゆっくりバッヂを運んできた。 ちょうど家族の人数分あり、親姉妹達のもので間違いなさそうだった。 れいむは親たちが生きているというわずかな可能性を断ち切られ、意気消沈した。 「ゆ~・・・やっぱりれいむのおかあさんたちはもういないんだね」 「ゆっ、れいむ!げんきだしてね!」 「まりさたちがともだちになってあげてもいいよ!!」 「むきゅ、そうね!いくあてがないなら、わたしたちのむれでゆっくりしてもいいのよ!かんげいするわ!」 「ゆっ!そうさせてもらうね!これからよろしくね!」 しかし家族の死を確認出来たことは、前へ進むために過去を吹っ切ったという意味も持っていた。 れいむは森の群れの中で、野生ゆっくりとしての新しい生活を始めた。 他のまりさと仲良くなってつがいになり、ゆっくりしたかわいい赤ちゃんを沢山産んだ。 時には他所の一家の親が狩りに行っている時、その子供の面倒を見たりもした。 長ぱちゅりーが体調を悪くした時も、群れのみんなで交代して看病をした。 家族を失ったれいむにとって、群れというコミュニティでの生活は、心の充足をもたらした。 れいむはとてもゆっくりできていた。 れいむが群れに馴染んで来てしばらくした頃、群れの中である奇病が報告された。 突然口の中が痛いと言い出すゆっくりが現れたのだ。 しかし一見口の中に怪我などはなく、原因は不明とされていた。 一応、ぱちゅりーが薬草として知られている草をいくつか食べさせたが、効果は薄かった。 発症したゆっくりの痛みは日に日に増していくようだった。 「ゆぎい゛ぃぃぃぃぃぃ!!いだい!!いだいよぼおおおぉぉぉ!!」 「まりさ!おちついてね!ごはんをたべてゆっくりねたらきっとなおるからね!!」 「いや゛だびょぉぉ!!ごばんだべだぐないぃぃぃぃ!!だべるどいだいのぉぉぉ!!」 「ゆゆっ・・・どうずればいいのお゛ぉぉぉぉぉ!?」 あるまりさの一家などは大パニックであった。大黒柱である親まりさが奇病を発症し、 三日三晩のた打ち回った挙句、やがて餡子を吐き出して死んでしまった。 それはれいむが初めてこの群れに来た時、友達になってくれたあのまりさであった。 こうなると群れは恐慌状態である。やがてその家の子まりさまでもが痛みを訴え出した。 「ゆ゛~!ゆ゛~!いちゃいよおかあしゃん!」 「ゆっくりでぎないよぉぉぉぉ!!」 「ゆゆゆ!みんながまんしてね!ゆっくりなおってね!なおらないとまりさおかあさんみたいにしんじゃうよ!!」 「「ばりざじにだぐないよぉぉぉぉぉ!!」」 「むきゅ・・・もしこのびょうきがどんどんうつったら、むれのみんながゆっくりできなくなってしまうわ。 かなしいけど、なおすほうほうがみつかるまでどこかにでていっていてもらうしかないわね」 「どぼじでぇぇぇぇ!?まりざだちなんにもわるいごどしでないよぉぉぉぉ!!」 「うるさいよ!おまえたちはいるだけであぶないんだよ!」 「まりさたちといるとゆっくりできないよ!ゆっくりでてってね!!」 病気を恐れた群れのゆっくりたちは、一家を追い出して隔離してしまった。 れいむは心苦しかったが、群れを守るためだと自分に言い聞かせ、みんなと一緒に病気の家族を追い立てた。 さて、そうなると事態は深刻である。痛みを訴えれば、病気の感染者として群れから隔離されるのだ。 事実、その後も激しい痛みを訴えたゆっくり達が、家族ごと群れから追い出され、森の奥へと隔離されていった。 そんな雰囲気の中なので、口の中が痛み出したゆっくり達も、しばらくは痛みを我慢して黙っていた。 発症するのは子ゆっくりや赤ゆっくりが多かったため、両親は喚くわが子の口を封じるのに一苦労である。 中には自分達が追い出されない為に、痛みを訴える子供達を巣の奥に押し込めておく親ゆっくりもいた。 それだけならまだしも、痛みに暴れまわるわが子を思わず押し潰してしまう親までいたのだ。 また今は健康な他のゆっくりも、どこから感染し、いつ自分も発症するかわからない。 自然とゆっくり同士のコミュニケーションは減り、群れの縄張りは静かになっていった。 今や群れ全体がゆっくり出来なくなっていたのだ。 「ゆぅ・・・なんだかむれがばらばらになっていくよ。これじゃゆっくりできないよ」 「みんながもっとゆっくりできればいいのにね・・・」 れいむたち夫婦も、巣に篭もってごはんをもそもそと食べていた。 群れ全体を包む緊張感の中での食事は、ちっともしあわせではなかった。 もうすぐ冬がやってくる。越冬の為にみんなで協力し合わなければならない時に、こんな調子では…… その時、子れいむの一匹が木の実を食べて「ゆ゛っ」と呻いた。 「おかあさん・・・なんだかおくちのなかがいたいよ・・・」 「ゆっ!?」 「まりさも!まりさもいたいよ!!」 「なんだかゆっくりできないよ!」 「ゆ゛ゆ゛っ!!おちついてね!!きのせいかもしれないよ!」 「ぎのぜいじゃないよ!!いだいよ!!ごはんだべられないよ!!」 「な゛んでぇぇえ゛ぇぇ!?でいむおながへっでるのに゛ぃぃいいぃぃ!!」 「い゛ぎぎぎぎぎぎぎぎっ!!!」 次々に騒ぎ始める子ゆっくりたち。痛みを感じていない子ゆっくりも、病気のことは知っているのだろう、 痛みを訴える姉妹たちから離れ、親にすがりつくようにして震えている。 れいむはどこか他人事だと思っていた脅威が、とうとう自分達の家族を襲い始めたことに戦慄した。 そして何より、自分の口の中にも何か違和感があることに気付いてしまったのだ。 いや、以前から気付いていたはずだ。しかし無意識のうちに気付かないフリをしていたのだ。 いたいいたいと泣く子供達を見ているうちに、その違和感が痛みに変わっていくのを感じた。 「ゆゆゆゆ!れいむもなんだかいたくなってきたよ!!」 「ぞんなぁぁぁ!れいむまでびょうきになったら、まりざどうすればい゛いのぉぉぉぉ!!」 「おかあしゃん!いたいよ!こわいよ!!」 「ばりざじにだぐないよぉぉぉぉぉ!!」 「なにごれぇぇぇぇ!!れいむなんにもわるいごどじでないのにぃいぃぃぃぃ!!!」 「ゆ゛っぐりざぜでよぉぉぉおおぉぉ!!」 巣の中はパニック状態だ。痛み自体はまだそれほどでもないのだが、家族が群れから追い出され、 ゆっくり出来なくなるというビジョンの恐怖が、混乱に激しく拍車をかけていた。 そしてやがて待っているのは、苦しみのた打ち回った末、餡子を撒き散らして死ぬ運命である。 あまりの恐怖に錯乱した一匹の子まりさが、叫びながら巣から飛び出していってしまった。 「ゆゆっ!ゆっぐりまってね!!いまそとにでちゃだめだよ!!」 「ばりざぁぁぁぁあのあかちゃんをづがまえでえぇぇぇ!!でいぶだぢゆっぐりじだいよぉぉぉぉ!!」 「ゆっ・・・わかったよ!!みんなはここで静かにまっててね!!ゆっくりなおってね!!」 「ゆ゛っ・・・ゆ゛っ・・・ゆ゛っ・・・」 錯乱状態のれいむに頼まれ、親まりさが飛び出した子まりさを連れ出すことになった。 親まりさが巣穴の外に出てみると、辺りに他のゆっくりの姿は見当たらない。どこも同じような状況なのだろうか。 しかしそれなら好都合だ。他のゆっくりに見つかる前に連れ戻してしまえば、追放は免れるかもしれない。 足跡を辿って子まりさを追っていくと、林道に差し掛かった辺りで一人の若い男に捕まっていた。 (ゆゆっ!?あれはにんげんだよ!ゆっくりにげるよ!!) もう親まりさの頭の中は、子まりさを見捨てて恐ろしい人間から逃げることで一杯だった。 しかし腐っても我が子のことなので、もう少し遠巻きから様子を見てみる。 人間は、掴み上げた子まりさに何やら話しかけているようだ。 「おいおい、全然ゆっくり出来てねえゆっくりだな。血相変えてどうした」 「ゆががががが!!ゆっくりはなじでね!!ぐぢのなががいだくてゆっくりでぎないんだよ!!」 「口の中? 口内炎かなんか出来たのか? どれ、ちょっと見せてみろよ」 と言うや、男は子まりさの口を顎を外すような乱暴さで、上下にがばっと開いた。 子れいむは「ゆ゛ぎっ」とうめきを上げ、親まりさも一瞬恐怖した。 「あ~あ、こりゃひでえ。見事な虫歯だな」 「ふ、ふじば?ひゃにひょれ!?ぶっふりえぎる?」 「何言ってんのかわかんね。口の中っつーか歯が痛いんだろ? 虫歯は歯の病気だよ。 しかしゆっくりも虫歯になんてなるんだなあ。歯磨きどうしてるんだ? お母さんが磨いてくれなかったの?」 「ゆぶっ!だじがにはがいだいよ!!ふしばってなあに?はみあきなんてきいだごどあいよ!!」 「お母さんも歯磨きしてないのか? とするとゆっくりにはそもそも虫歯という概念がなかったのかな。 確かに俺も結構色んなゆっくりを見てきたけど、虫歯の心配してる奴なんかいなかったな。 ま、お前らのことだからどうせ人間の食べてる物でも横取りして食ったんだろ。 人間の口には虫歯のばい菌がいるからね。それで移ったんだ。自業自得だね!」 「ゆ゛ゆ゛!!ばりざにんえんのものなんへとっへないお!!もうゆっふりはなしへね!!」」 「まあまあ、せっかくだから俺が虫歯抜いといてやるよ。そらっ」 そういって男は、子まりさの口から歯を一本ブチッという音を立てて抜き去った。 それも一本だけではなく、太い歯を何本も何本も。 抜かれるたびに子まりさは「い゛があああああああああああ」と悲鳴を上げていたが、男はケタケタ笑うだけだ。 歯茎に空いた穴から餡子が噴き出し、男の手を汚す。 結局5、6本の歯を抜いてから、男は子まりさをべしゃっと投げ捨てた。 「い゛がい・・・・いだいよぉ・・・」 「は~あ、元から苦しんでるゆっくりを虐待しても面白くないね。 まあ良い悲鳴聞けたし、もう帰っていいよ」 「ゆぎぎぎいぃぃ!!しね!!ゆっくりできないにんげんはゆっくりじね!!」 「ゆっくりはてめえらだけでしてろ、カス」 悪態をつく子まりさを男は爪先で蹴飛ばし、道を去っていく。 吹っ飛んできた子まりさは親まりさに激突し、二匹は「ぶげっ」とうめいて餡子を吐いた。 「お、おがあざんんんんん!!どうじでだずげてぐれながっだのぉぉぉぉぉ!!」 「じがだないでじょおおおぉぉぉぉ!!にんげんにづがまっだらしんじゃうんだよおおぉぉぉぉ!!」 「がわいいごどもをだずげるのはとうぜんでじょぉぉぉぉおぉぉぉぉ!!」 としばらく言い争ってから、親まりさは本来の目的を思い出し、 他のゆっくりが現れる前に、子まりさを巣へと連れ帰った。 巣ではれいむと子供達が痛みと恐怖に震え続けていた。帰って来た二匹を目に留めたれいむは慌てて駆け寄る。 「ゆゆっ!ほかのみんなにはみつからなかった!?」 「だいじょうぶだよ!でもまりさのこどもはにんげんにつかまっていじめられたよ。はをいっぱいぬかれたよ」 「にんげんに!?ころされなくてよかったね!!」 「ゆぐ・・・ゆ゛ぐぅ・・・」 れいむが帰って来た子まりさを見ると、口元を餡子まみれにして涙ぐんでいる。 しかし家を飛び出す前と違って落ち着いているようだ。痛みはどうしたのだろうか。 「ゆっ?まりさ、もうおくちはいたくないの?」 「いだいよ・・・でもにんげんにはをぬかれたらすこじおさまっだよ。 まりさはおくちじゃなくてはがいたかったんだよ」 「は?」 そう言われると、口の中でも特に歯が痛むような気がしてくる。 ゆっくり達が歯の痛みに気付けなかったのは、ゆっくり特有の鈍感さ、大雑把さに加え、 虫歯というものを知らなかったので、歯が痛むという感覚に馴染みが無かったからだ。 しかし言われてみれば段々そんな気がしてきたのだ。 「ゆゆっ!たしかにはがいたいきがしてきたよ!!」 「れいむ・・・れいむはにんげんにかわれてたっていってたよね?」 「ゆ?そうだけど、それがどうかしたの?」 親まりさのれいむを見つめる不穏な目つきに、れいむはたじろいだ。 「さっきのにんげんは、まりさのくちがいたいのは“むしば”だっていってたよ。 ゆっくりはむしばにならないのに、にんげんからうつったんだっていってたよ」 「ゆ・・・?なにいってるの?むしばってなあに?」 「とぼけないでね!!」 いきなり親まりさはれいむに体当たりした。 まさかそんなことをされるとは思っていなかったれいむは簡単に吹っ飛ばされ、 後ろにいた子ゆっくりもれいむにぶつかって転がっていった。 「きっとれいむがにんげんのくちについたものをたべたからいけないんだよ!! れいむがかみくだいたあんこをたべたあかちゃんたちにもむしばがうつっちゃったんだよ!! れいむがむしばをむれのみんなにうつしたんだよ!!」 「ゆゆ!?」 そういえば、お兄さんはゆっくりの親がするように、一度噛み砕いて柔らかくしたものをれいむに食べさせてくれた。 そして自分も同じように、自分の家族だけでなく群れの赤ちゃんたちに、噛み砕いた餡子を食べさせていた。 更にこれはれいむも覚えていないことだが、最初に痛みを訴え出したまりさはれいむの落とした飴玉を拾って舐めていた。 これにより、そのまりさの家族および仲が良い家族の赤ちゃんなどは細菌に感染していくことになる。 本来ゆっくりはミュータンス菌などの虫歯の原因になる細菌を保持していないので、 どのような生活を送っても虫歯に苦しむことはない。しかし、一度何かの原因で他の動物から細菌に感染してしまえば、 食べている側から食べ物を餡子に変換するゆっくりである、虫歯が進行していくのはあっという間なのであった。 「れいむのせいでむれのみんなはゆっくりできなくなっちゃったんだよ!! にんげんにかわれたきたないゆっくりはゆっくりしね!!」 「ゆゆっ!!?どうじでぞんなごどい゛うのぉぉおお゛ぉぉぉぉ!!」 「ゆ゛ぅぅぅ!!まりざだぢのはがいだいのもおがあざんのせいだよ!!」 「きちゃないおかあさんからうまれたかられいむたちもゆっくりできないんだよ!!」 「ゆっくりできないおがあざんはゆっぐりぢねぇぇ!!」 親まりさは親れいむに激しい体当たりを始め、子供達もそれに便乗した。 家族によって巣から追い立てられ、やがて森の広場まで追い込まれたれいむ。 いつの間にか一匹の子供がぱちゅりーを呼び出しにいっており、その報を聞いた他のゆっくりも集まっていた。 れいむはまりさや子供達に叩かれ続けながら、ぱちゅりーに涙目で訴えた。 「だずげてばぢゅりぃぃいいぃぃ!!でいむのかぞくがいじめるのぉぉぉ!!」 「むきゅ!れいむ、こんなことになってほんとうにざんねんだわ!」 「!?なにいってるのぱちゅりー!?はやくみんなをとめてね!!」 「うるさいよ!びょうきをもちこんだれいむはゆっくりしんでいってね!」 「おまえのせいでみんなゆっくりできなくなったよ!!」 「おお、きたないきたない」 「ゆっくいしんえね!」 大小さまざまなゆっくりがれいむを取り囲み、罵詈雑言を浴びせていた。 みんなの怒りの渦の中で、れいむの思考は真っ白になっていった。どうしてこんなことに? れいむは今まで群れの為によく働き、みんなとも仲良く出来ていたはずなのに…… 「れいむ!あなたのせいでむれはめちゃくちゃよ! にんげんのかいゆっくりなんてなかまにしたのがまちがいだったわ!!」 「なんでばぢゅりーまでぞんなごどい゛うのぉぉぉぉおおぉぉぉ!? でいぶなんにもわるいごどじでないよぉぉぉぉおお゛ぉぉぉぉ!!」」 「むぎゅうう!みぐるしいわ!!おまえをむれにおいていくわけにはいかないのよ!! ゆっくりしないででていきなさい!!ころされないだけありがたくおもってね!!」 「ぞんなああ゛ぁぁぁぁあ゛ぁぁぁぁぁ!?」 普段は温厚なぱちゅりーからは考えられないほどの暴言であった。 それもそのはず、実はぱちゅりーの歯も数日前から痛み出していたのだ。 虫歯の痛みとそこから来る怒りが、ぱちゅりーから冷静な思考力を奪っていた。 ぱちゅりーの合図で何匹ものゆっくりが飛び出し、れいむにボコボコと体当たりを仕掛けた。 れいむはそのまま巣の縄張りから押し出され、「にどとはいってこないでね!!」と唾を吐かれ、 ボロクズのように捨てていかれた。辺りには小雨が降り出していた。 「ゆぐうぅぅぅぅ・・・どぼじでごんなごどにぃぃぃぃ・・・」 れいむはまたしても家族を失ったのだ。それもみんなに憎まれるという最悪の形で。 残ったのは全身の傷と、口の奥底から無限に湧き上がってくる虫歯の痛みだけ。 とにかく、雨を凌ぐためにゆっくり出来る場所を探さなくてはならない。 れいむはべちょべちょになりながら、森の中を這うように跳ねて行った。 やがてれいむは、木の下に住居を構える一匹のまりさの姿を見つけた。 「ゆ!あめがやむまですこしやすませてね!」 「いいよ!ゆっくりしていってね!!」 まりさは快くれいむを受け入れてくれ、れいむにはそれが心に沁みて嬉しかった。 木の下の巣はとても暖かく、雨の冷たさに感覚を失ったれいむの肌をじわりと癒していった。 まりさはまだ少し小さいようだったが、他の家族の姿は見当たらなかった。 狩りにでも出ているのかと思ったが、この天気なら帰って来ても良さそうだし、巣の中も家族がいるにしては質素だった。 「いまからごはんにするところだよ!いっしょにたべようね!」 「ゆ~?まりさのかぞくはいないの?」 「ゆ・・・おかあさんもおねえちゃんもみんなおくちのびょうきでしんじゃったよ!」 「ゆ゛!?」 「まりさはげんきだけど、かぞくのびょうきのせいでむれからおいだされたんだよ。 だからほかのゆっくりとゆっくりするのはひさしぶりでうれしいよ!ゆっくりしていってね!」 一人で集めたであろう、とても多いとは思えない備蓄かられいむの分もご飯を並べ、 無垢な笑顔を向けてくる子まりさ。れいむは愕然としていた。このまりさは自分達が群れから追い出したまりさの子供であった。 そしてこんなに優しいまりさから家族を奪い、ゆっくり出来なくしたのは自分なのだ。 その自覚は、みんなにお前のせいだと喚き立てられるよりも、ゆっくり確実にれいむの心を苛んでいった。 「ゆっくりたべてね!」 「ゆっ・・・むーしゃ、むーじゃ、じあわぜぇぇ~~!!」 「ゆゆっ!そんなにおなかすいてたの?」 れいむの滂沱の涙に、驚きつつも楽しそうに笑う子まりさ。 れいむの歯は相変わらず痛んだが、そんなものは心の痛みに比べれば大した痛みではなかった。 食後も二匹は互いに頬ずりしたり、巣の中で飛び跳ねたり、お歌を唄ったりして過ごした。 子まりさとれいむにとって、久々に思う存分ゆっくりできる時間であった。 結局雨は夜まで降り続き、子まりさはれいむに泊まっていくよう促した。れいむもその言葉に甘えた。 二人は寄り添うようにして寝床に就いた。だが子まりさのゆぅゆぅという寝息が聞こえても、れいむは寝つけなかった。 「ゆ・・・なんでこんなことになったのかな・・・」 ゆっくりの口癖であるこれは、必ず物事の責任の所在をどこかに見つけ出すことで、 自分がゆっくりすることを正当化したがるという習性に由来するものである。 れいむはゆっくりの中では聡明な方であったが、所詮ゆっくり。餡子脳の限界には勝てなかった。 今までは自分が悪いのだという気がしていたが、断続的に自分を苛む虫歯の痛みが、 自らも理不尽な暴力の犠牲者であるというような被害意識を刺激し続けていた。 その感情はやがて、自分のかつての恩人であるお兄さんへの恨みへと転化していった。 そうだ。あのお兄さんが自分にばいきんを移したから、自分は今激痛に苦しまされている。 しかも仲が良かった群れをめちゃくちゃにし、この子まりさや自分から家族を奪い、不幸のどん底に追い込んだ。 全部あのお兄さん……いや、ばかなにんげんのせいではないか。 そのせいで自分は、多くのゆっくりの恨みを買い、要らぬ良心の呵責と歯の痛みに苦しまされているのだ。 自分には何の責任も無い。いやしくもゆっくりの親の真似などした、あの人間が全て悪いのだ。 朝になって目覚めた子まりさの隣に、れいむの姿は無かった。 小雨の夜のことである。 あるゆっくり愛好家の男の家の戸を、何者かが激しくどんどんと叩いた。 「誰だろう? こんな夜中に……」 夢の入り口から引き戻された男は、開ききらない眼を擦りながら玄関へと向かった。 新たに飼い出したゆっくりれいむも目が覚めてしまったらしく、不安そうに玄関を眺めている。 「ゆぅ・・・おにいさん、なんだろう?」 「ちょっと様子を見てくるから。れいむはそこでゆっくりしててね」 男の家は村の外れにある。通りがかりの旅人が訪ねて来たり、急病人に軒を貸すことも少なくない。 今回もその類だろうかと思いつつ、男は玄関の扉を開いた。 「ゆ゛がぁぁぁぁああ゛あ゛ぁぁぁぁぁ!!」 「うわっ!? ゆ、ゆっくり?」 飛び込んで来たのは、憤怒に顔を歪ませたれいむであった。 大きく剥かれた歯は虫歯によってガタガタに変形し、顔全体の禍々しさを一層増している。 そんなゆっくりの恐ろしい形相に男は気圧され、思わず腰を抜かしてしまう。 すかさず飛び掛り、激しく連続で踏みつける虫歯れいむ。 「おまえがっ!!おばえのぜいででいぶはぁぁぁぁっ!!」 「ちょ、ちょっと痛い痛い!」 「じね!じね!!ばがなにんげんはゆっぐりじないでじねぇぇぇぇぇえぇぇぇ!!」 「ゆっ!おにいさんにらんぼうしないでね!!」 その様子を見ていた飼いれいむは、闖入者に体当たりをぶちかまし、家の外まで吹っ飛ばした。 水を吸ってぬかるんだ地面に叩きつけられた虫歯れいむは、泥まみれになりながらも起き上がり、男を睨み付けた。 その形相の異常さと、ゆっくりなんてどれも変わらんという理由から、男はそれがかつて飼っていたれいむだとは微塵も気付かなかった。 「ふぅ、びっくりしたなあ……有難う、れいむ」 「ゆっ!こんなにやさしいおにいさんをいじめるゆっくりなんてゆるせないよ!ぷんぷん!」 「ゆ゛ぎぃぃぃぃぃ・・・」 虫歯れいむは更に腹が立った。新しい飼いれいむは丸々と育っており、普段のゆっくりぶりが見て取れた。 自分が与えられていた幸せを取られたというような錯覚、何も知らずにゆっくりしている飼いれいむへの理不尽な恨み、 そして自分のことを完全に忘れ、新たな被害ゆっくりを生み出そうとしている男への怒り。 様々な感情が入り混じって、虫歯れいむの肉体は無意識のうちに全身全霊のタックルを繰り出していた。 これまで狩りでどんな大きな獲物を仕留めた時も、捕食種と戦いになった時も、このような攻撃は出来なかった。 そのような生涯最大の攻撃だった。これに当たって無事でいられる者はいない。そう確信できた。 男は玄関に立て掛けてあったつっかえ棒で、飛んでくる虫歯れいむを叩き落した。 「ゆ゛びぇっ!!」 「何があったのか知らないけど、人間に危害を加えるゆっくりを放っておくわけにはいかないな。 村の人達がゆっくりを危険視して、罪のないゆっくりまでも駆除されてしまう」 「ゆっ!ゆっくりのてきだね!ゆっくりしないでしね!」 軒先に飛び出し、虫歯れいむを容赦なく踏みつける飼いれいむ。 しばらく餡子を吐きながらうめき声を上げていた虫歯れいむだが、何度目かの踏み付けで、完全に潰れて絶命した。 「お疲れ様、れいむ。餡子の匂いがするとゆっくりが怖がるから、ちゃんと片付けておこうね。 もう遅いから、お前は先に寝床に戻って早く寝なさい」 「ゆぅ~~、おにいさん、れいむなんだかねむくなくなっちゃったよ。ねるまえにおはなしきかせてね!」 「ははは、しょうがないなあ。じゃあ今日はどんなお話をしようか」 飼いれいむと談笑しながら、死体を手際よく片付けていく男。 やがて玄関の戸が閉まると、後には何も残らなかった。 終わり このSSに感想を付ける
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ゆっくりけんをきわめてね! 13KB ※独自設定垂れ流し 例によって独自設定考察なお話 斬ってきた。 男は無数のゆっくりを斬ってきた。 れいむを斬った。まりさを斬った。ありすを斬った。ぱちゅりーを斬った。 数えきれないほど多くの普通種を斬り、希少種も斬ってきた。 剣の修行のためだった。 平和な現代、戦う相手などいない。。 歪とは言え人の顔をし、稚拙とは言え人の言葉を操るゆっくりは、男の求める修羅の剣の 修行に適した獲物だったのだ。 銃刀法に守られた世だ。刀を使うわけには行かない。 だが、男は道具を選ばなかった。小さなペンナイフだろうと手頃な長さの木の枝だろうと、 男の手に掛かれば刀と変わらぬ鋭さでもってゆっくりを切り裂いた。 男の剣は鋭さを増していった。低い姿勢から斬り上げる独特の斬撃は、もはや神速の域に 達していた。 だが、それはもはや人が人に対して使う剣術ではなかった。 本来、剣術は低い場所にある標的を斬るのに適さない。常に低い位置にいるゆっくりを斬 ることに特化した男の剣は、もはや剣術とは言えないものになっていた。 男は剣の腕を磨くためにゆっくりを斬るのではなく、ゆっくりを斬るために剣の腕を磨く ようになっていた。手段と目的が入れ替わっていた。 だが、男はそれでも良かった。 楽しかった。純粋に、斬ることが楽しくてしようがなかった。 おまけにゆっくりは幾ら斬ってもすぐに湧いてくる。男が飽きることはなかった。男の充 実した剣の修行は、いつまでも続くかと思えた。 だが、ふとしたとき。男はゆっくりを斬ることに躊躇いを覚えるようになった。 「……何故だ?」 男を迷わせたもの。それは、男が最も信頼している自らの剣だった。 数多のゆっくりを斬ってきた男は、卓越した審美眼を持つようになっていた。ゆっくりを 見ただけで善良かゲスかれいぱーか、あるいは普段どんなものを食べており、巣の位置か ら群れの規模までおおよその検討がつく域に達していた。 それなのに、斬った手応えがおかしい。 同じ種類、同じような環境にいる同じようなゆっくりを斬っても、その手応えがまるで異 なるのだ。 それは常人であれば感じ取れない微妙な差違ではあったが、男の剣は確かに「違う」と告 げていた。 自分の目で得たものと、剣の手応えが一致しない。 それは剣を極めることを志し己を磨いてきた男にとって、あまりにも受け入れがたい矛盾 だった。 悩みに悩み、思いあぐねた男は、ある小さな大学に駆け込んだ。ゆっくりについての研究 をしている――そんな噂を聞きつけて、たまたま訪れた大学だった。 だが、男が訪れたのは偶然ではなく運命だったようだ。 「あなたのような方を待っていました」 男の突然の訪問、異常な質問を聞いた大学の研究員は、そう言って男を迎え入れたのだか ら。 ゆっくりけんをきわめてね! 「ゆんゆんゆ~ん♪ ちょうちょさん、かわいいれいむにゆっくりつかまってね~♪」 男が連れてこられたのは、大学の構内にある小さな庭だった。 そこでは一匹のゆっくりれいむが蝶を追って跳ねていた。 「あのゆっくりを斬れますか?」 研究員の問いに、しかし男はなにも反応しない。 答えるまでもない質問だったからだ。 研究員も男の不快を察したのだろう。 「もちろん、ただ斬るのではありません。れいむが蝶を追い、跳ねた瞬間。痛みを感じる 暇もなく縦に両断して欲しいんです。できますか?」 次の瞬間。研究員が見たのは、男の立っていたはずの場所で揺れる芝生だった。 慌ててれいむの方に目をやれば、既に全ては終わっていた。 「これでいいのか?」 研究員が慌てて駆け寄る。 男の足下には綺麗に両断されたれいむが転がっている。 二つに割れた顔は、あまりにものんきな笑顔だった。それはまさに蝶をつかまえようと跳 ね、もうじき届く瞬間を思わせるもの。自分が斬られたと意識する暇すらなく、正確に中 枢餡を切られた証拠だ。 「い、いったいどうやって……!?」 男がつまらなそうに掲げたのは、どこの街の文房具屋でも売っていそうな、ありふれた3 0センチほどの定規だった。 「普段はこんなものを使っている。まともな獲物を使わせてもらえれば、もっと綺麗に斬 ってみせよう」 研究員は目を白黒させた。 れいむの断面は研究員が見た中で、もっとも綺麗だったのだ。どこも歪なところもない美 しい直線。 研究員は感激した。 「やはり、あなたはここに来るべき人だった! 我が大学の研究によって、あなたの疑問 は晴らされることでしょう!」 そして、男はその日から大学の研究に協力することになった。 とは言っても、男のやることは変わらない。 ゆっくりを斬ることだ。それも、必ず縦に両断する。 ただ、様々な条件を課せられた。 眠っているゆっくりを斬る。あるいは、起きた瞬間に斬る。 「ゆっくりしていってね」という定型句を発する寸前に斬る。あるいは、言った直後に斬 る。 「むーしゃむーしゃ、しあわせー」と言う直前に斬る。あるいは、言った直後に斬る。 交尾を始める直前に斬る。あるいは、交尾を始めた直後に斬る。 すっきりーの直前に斬る。あるいは、すっきりーの直後に斬る。 跳ねる直前に斬る。あるいは、着地した直後に斬る。 虐待で死ぬ直前に斬る。あるいは死んだ直後に斬る。 いずれの状況も、常人であれば見極めることすら難しく、ゆっくりがいくら鈍いとは言え 気づかれもせずに斬るなどできないだろう。 だが、男は難なくこなしていった。 大学によってあてがわれた模造刀もまた、男の手によくなじみ、その斬撃をより鋭く精妙 なものとしていた。 ゆっくりは自分が斬られたという自覚すらなく、その瞬間をまるで写真に撮られたように 時間を止め、真っ二つに斬られていった。 男が斬るたび、研究員はゆっくりの死体を慌ただしく回収していった。 男は次第に、なかなか結果のでない研究にはそれほど興味が無くなっていった。 ただ、今までにない様々な状況でゆっくりを斬ることを楽しんでいた。いずれ、斬ってい くことで疑問の答えにたどりつけるのではないかと考えるようになっていた。 そんな充実した日々。 しかし、ある日突然、終わりが訪れた。 「俺が出ても意味がないんじゃないのか?」 ある日のことだった。 男は、突然に研究の発表会に招かれた。 慣れぬスーツを身につけさせられ、年輩の教授や研究への情熱に目を輝かす学生に混じっ て席に着くのは、実に居心地の悪いものだった。 「いえ! あなたのおかげでようやく研究の成果が出たんです! 是非見ていただかない と!」 隣に座るのは、男が大学に来たとき迎えた研究員だ。この研究員によって、男はこの発表 会に強引に参加させられたのだ。 研究の成果が出たのなら、こんな発表会ではなくすぐに男に告げるのが筋だろう。 だが、研究員曰く、こうした晴れの舞台で見るのが一番で、かつわかりやすいのだという。 男は少々呆れていたが、もう諦めてもいた。こうして会場に来てしまったし、いよいよ男 の協力した大学の研究成果発表が始められようとしていたからだ。 「ゆっくり餡子変異学説」 そんなタイトルで公演は始まった。 壇上に立つのは大学の教授のハズだが、男にはぼんやりとしか見覚えがない。 ゆっくりをいかに斬るか。そればかり考えていた男にとって、他のことはどうでもいいこ とだ。それはこの発表会についても同じ事で、男はほとんどを聞き流しゆっくりをどう斬 ろうかとばかり考えていた。 そんな男の思考を断ち切ったのは、壇上に透明な箱に入れられたゆっくりれいむが連れて こられてからだ。 ゆっくりに目がいき、自然に教授の声も耳に入った。 「ゆっくりはご存知の通り、餡子でできた饅頭という極めて奇妙なナマモノです。食べた ものは餡子に変換し、苦しめれば苦しめるほど甘くなる。また、中の餡子は中枢餡と呼ば れる核となるものや、筋肉の役割をする筋餡などがある。そういったことはわかっていま す。しかし、そこでこの謎のナマモノへの探求を止めてしまってはいないでしょうか? 思考を停止させていないでしょうか?」 おもむろに、教授はゆっくりれいむの底部に近い皮を、中の餡子ごと引きちぎった。 「ゆぎぃぃぃぃぃ!? どぼじでごんなごどずるのぉぉぉ!?」 ちぎられた頬からは粘りけのある餡子が漏れ出る。一定以上出ると、やがてその流出は止 まる。 「今、私はゆっくりのあんよに当たる部分をちぎりました。さて、ではこちらのスライド を見ていただきましょう」 そして、壇上のスクリーンにスライドが表示される。 スライドにはゆっくりの断面図が描かれていた。ゆっくりの断面はそれぞれ色分けされて おり、中枢餡や筋餡といった注釈がつけられている。 「これは一般的なゆっくりの体内構造図です。私が今ひきちぎったのはこのあんよから餡 子変換器――人間で言うところの消化器に当たる部分です。この図が正しいとするなら、 餡子も漏れて、餡子変換器は重大な損傷を追ったことになります。つまり、このゆっくり は食物の摂取に障害が出ることになります」 続いて、教授はれいむにケーキを与えた。 「ゆぐぅ……むーしゃ、むーしゃ、しあわせー♪」 初めは痛みが気になっていたようだが、すぐにケーキの甘さに酔い、れいむは元気な声を 上げる。 「御覧になりましたでしょうか? このようにれいむは問題なくケーキを食べました。障 害は発生していません」 講堂がざわめく。 ゆっくりの体内構造は複雑怪奇にして不条理。体内構造図はあくまで目安に過ぎないのは ゆっくりの研究における常識なのだ。 だが、教授はひるまずに続ける。 「私は、ある特殊な手段によってゆっくりの様々な状態における餡子の情報を得ることが できました」 スライドが切り替わる。 先ほどと同じく体内構造図だが、内臓に当たる器官が無く、殆どが筋餡がしめている。 「これが運動時のゆっくりです。ゆっくりがあれほど高く跳ねるためにはこれだけの筋餡 が必要になります。そして、落下時の衝撃を吸収するためにも必要です。内臓が傷つかな いことが疑問視されていましたが、実は運動時のゆっくりには内臓がないのです」 講堂のざわめきがより強くなる。 同じように、男の心の奥のざわめきもまた強くなっていた。 教授の言っていることはまるでわからないことばかりだ。だが、自分の身体が知っている。 これが正しいことだと叫んでいる。だから、男の心はざわめく。 そして、次々とスライドは切り替わる。 男がそれらのスライドを見るのは初めてだ。だが、見覚えがある。間違いない。男の斬っ てきたゆっくりを元にスライドは作られているのだ。この研究のために大学は男にゆっく りを斬らせたのだ。 ゆっくりの食事時、生殖時、就寝時。 スライドはそれぞれの状態で、体内の構造がまるで違うことを示していた。 たまらず聴衆のひとりが問うた。 「おかしい! いくらゆっくりでも、そんな無茶苦茶な変化はありえない!」 対して、壇上の教授は頭を振った。 「いいえ。ゆっくりだからこそ、こんな無茶苦茶な変化があり得るのです。ありとあらゆ る食べたものを餡子に変換する。痛めつければ痛めつけるほど甘くなる。そこから考えれ ば当たり前のことだった」 教授は講堂にいる全ての人間を包み込むように両手を広げ、目を輝かせ叫んだ。 「ゆっくりは、状況に応じてその体内を突然変異させる――それが私の主張する、『ゆっ くり餡子変異学説』なのです!」 ざわめきは最高潮に達した。 講堂にいるほとんどのものが納得しなかった。 跳ねるときは身体全部が筋肉になる。食べるときは身体全部が内臓になる。生殖するとき は身体全部がそのための器官になる――そんなこと、常識的に考えて納得のいくことでは ないのだ。 だが、男は納得した。いや、納得していた。ずっと前から身体は知っていたのだ。無数に 斬ったゆっくりの感触から、とうに答を出していたのだ。 それをようやく頭が理解することができた。 「はははははははははは!」 みながぎょっとして見た。 気づけば、男は笑い出していた。 男はおかしくてたまらなかったのだ。 ――なんだ、自分が悩んでいたのは、こんなに簡単なことだったのか、と。 「どうしても行くんですか?」 「ああ」 大学の正門前。 旅立とうとする男と、それを引き留める研究員の姿があった。 「研究はもう俺無しでもできるんだろう?」 「それはそうですが……」 「ゆっくり餡子変異学説」は、ゆっくり研究会に大きな波紋を呼んだ。それにより研究資 金の確保ができた。これからは男に斬ってもらわなくても、様々な計測器によってゆっく りの状態を探ることができる。 その意味では確かに男の役目は終わったと言えた。 「でも! あなたがいることによって研究は認められた! あなたはこの大学にとって大 切な人だ! あなたが望めば一生暮らしていける地位だって……」 「そんなものに興味はない」 「それに! 研究が進めばこれまで謎とされていたことだってわかります! あなたは知 りたくないですか? 例えば……そうだ! なぜゆっくりが痛めつけるほど甘くなるかと か……」 研究員の言葉に、男は笑い出した。 「おまえら学者は頭が固いな。ゆっくりを痛めつけるほど甘くなる理由? 決まってる。 群れを生き残らせるためだ」 「群れを生き残らせるため……?」 「やつらを捕食するものがいたとする。そいつが一匹目を喰らったとする。続いて二匹目 を喰うと、追われる恐怖で一匹目より甘くなっている。三匹目、四匹目とどんどん甘くな る……やがて味の虜になって、群れを追うのを忘れる。犠牲は出るが、群れは生き残れる って寸法さ」 男は舌なめずりして言った。 経験したことがあるのだ。山籠もりをしたとき、ゆっくりの群れを全滅させようとしたこ とがあった。途中、空腹に負けて斬り捨てたゆっくりを口にしたとき、体験したことだっ た。 「やはり、あなたはすごい。経験によって真理に近いところにいる。それを世に広めよう とは思わないのですか……?」 「研究の発表で得られるのは何だ? 地位か、名誉か、それとも金か? 興味ないね。俺 はそんなことより楽しいことを知ってしまったからな」 そして、男は大学を去っていった。 男が見つけた楽しいこと。それは、この大学の研究によってハッキリと知ったゆっくりの 生態だ。 やつらは状況に応じて体内構造を変化させる。 ゆえに斬ったときの手応えが異なる。 それはつまり、様々な状態に応じた最適な斬り方があるということだ。 その探求が男の目的となった。 それは想像を絶するほど奥の深いことだろう。 男は楽しみのあまり、口元に野性的な笑みを浮かべた。それでいて、その瞳の輝きは知的 好奇心に満ちていていた。 今や、男は「剣」の者であり、「賢」の者でもあった。 男はこれからもゆっくりを斬っていく。 今まで斬ってきたゆっくりなど比較にならない数のゆっくりを斬り、より真理を究めてい くのだが……それはまた別の物語である。 了 by触発あき なんとなく過去作品一覧 ふたば系ゆっくりいじめ 4 ゆっくり井戸 ふたば系ゆっくりいじめ 5 ゆっくり定量保存の法則 ふたば系ゆっくりいじめ 9 ラジコンに引きずられて ふたば系ゆっくりいじめ 11 まりさの見つけた大切なもの ふたば系ゆっくりいじめ 12 ゆっくりヤリ方を工夫するよ! ふたば系ゆっくりいじめ 13 今のしあわせ無くしたゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 15 餡子遺伝子の深淵 ふたば系ゆっくりいじめ 18 幻想郷のゆっく輪廻 ふたば系ゆっくりいじめ 20 ゆっくりみさせてね! ふたば系ゆっくりいじめ 21 ゆ虐地獄でゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 23 ちぇんじとかいはとれいん! ゆっくり最後の日 ふたば系ゆっくりいじめ 25 むーしゃむーしゃのしあわせを求めて ふたば系ゆっくりいじめ 27 無能なれいむに愛の足を! ふたば系ゆっくりいじめ 29 れいぱーキャンセラーありす ふたば系ゆっくりいじめ 35 スグルイ ふたば系ゆっくりいじめ 39 太陽と水のゆっくり一家 ふたば系ゆっくりいじめ 40 おはなばたけのゆうかにゃん ふたば系ゆっくりいじめ 41 餡小話の感想れいむ ふたば系ゆっくりいじめ 44 裏切りのおにいさん ふたば系ゆっくりいじめ 47 夢みるモノ達の夢のない話 ふたば系ゆっくりいじめ 49 ゆっくりを、叫ぶだけ ふたば系ゆっくりいじめ 56 ゆっくり害獣駆除 ふたば系ゆっくりいじめ 59 ゆっくり害獣駆除・餡子サイド ふたば系ゆっくりいじめ 63 システム・オブ・ブラック ふたば系ゆっくりいじめ 67 それでもぱちゅりーは本を読む ふたば系ゆっくりいじめ 69 ゆ~性遺伝の育てたモノは ふたば系ゆっくりいじめ 73 ありすの成ゆん式 ふたば系ゆっくりいじめ 75 ゆっくり存在概論 ふたば系ゆっくりいじめ 77 泣きゆっくりのあやし方 ふたば系ゆっくりいじめ 82 ルナティック・カウンター ふたば系ゆっくりいじめ 93 電子レンジでチンしてポン! ふたば系ゆっくりいじめ 99 流産の果てに ふたば系ゆっくりいじめ 102 おはだでゆっくりあそんでいってね! ふたば系ゆっくりいじめ 104 れいむのけっかいはゆっくりできるんだよ! ふたば系ゆっくりいじめ 110 目標にセンターを入れてゆっくり 触発あきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ↓いいやつじゃなくていいssです すみません -- 2015-08-19 00 05 05 俺が見たなかで一番いいやつだな この男はゾロの域に達している 続きを見てみたいな -- 2015-08-19 00 02 48 この男の物語も見てみたいな -- 2012-12-13 18 10 15 男が格好良すぎる!!やばい、絵にしてくれ!! ↓「慣れないスーツ」=「いつも和服」だったら面白いwww -- 2011-12-25 12 41 46 かっこいいじゃねえか、修羅! 宮本武蔵見たいのがあのまんじゅうを切ってると思うとシュールだけど -- 2011-08-15 13 35 07 男がかっこよすぎるわ! -- 2010-12-29 21 39 50 絵師様はおられるか!絵師様はおられるか! 早くこのSSに絵をつけてくれ!絶対に笑える絵ができる!w -- 2010-09-07 03 50 13 おお!なんかかっこいいかも? まあ、まんじゅうを切ってるだけなんだけどw -- 2010-08-27 07 48 47 面白い話だった 状況によって切る感覚の違いとか面白かった -- 2010-08-13 12 44 20
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<神戸・高3自殺>教頭を降格 校長は退職 高校3年の男子生徒のいじめ自殺事件が昨年7月にあった神戸市須磨区の私立高校が31日、 教頭を系列校の一般教諭に降格させるなど計5人の処分(4月1日付)を発表した。校長は責任をとって 31日付で退職した。校長と教頭は辞職を申し出ていたという。他に処分を受けたのは、 3年生の学年主任と、自殺した男子生徒の2、3年時の各担任、生徒指導部長で、いずれも訓戒(3月19日付)。 (毎日新聞)
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プレミアムゆン ~餡子~ 10KB 観察 考証 実験・改造 野良ゆ 赤ゆ 子ゆ 独自設定 ゆぶぶ ドキュメンタリー風 二行作 ゆっくり、脆弱かつ不可思議な生き物。近年、その驚くべき生態が明らかになりつつあります。 『YHKスペシャル・プレミアムゆン』 この番組はそんなゆっくり研究の最先端をご紹介致します。 なお、当番組の内容はいずれも研究途上のものであり、いわゆる独自設定であることをご了承下さい。 『YHKスペシャル・プレミアムゆン ~餡子・儚き生命に秘められた驚きのメカニズム~』 ある野良ゆっくりが、廃材置場で暮らしています。れいむ種が4匹。3匹が赤ゆで、もう1匹も子ゆっくりです。 どんな生き物においても赤子は食欲の体現者。ゆっくりならばなおさらです。3匹の幼きれいむも、空腹を訴え続けています。 しかし、どんなに泣いても叫んでも、親ゆらしき姿は現れません。恐らく、子供を残してずっとゆっくりしてしまったのでしょう。 子ゆっくりの姉は、妹達のいるところから少し離れて、何やらもぞもぞと体を動かしています。盗み食いでもしているのでしょうか。 カメラを寄せて、その動きを見てみましょう。 なんとこのれいむ、トタン板の端で自分の頬を傷付けています。割れてギザギザになった破片が皮膚に食い込む度、その顔が苦痛に歪みます。 見れば、姉れいむの表皮には到るところに自傷の痣が残されています。どれも餡子の手前で止まっているものの、浅い傷ではありません。 痛みには恐ろしく弱い生饅頭。そのショックは当然、体を蝕んでいきます。 姉れいむが遂に、ゆぶぶと餡子を吐き出しました。吐餡と呼ばれる、深刻なストレス状態です。 しかしこのれいむは、一風変わった行動に出ます。自分の餡子をアイスクリームの蓋めがけて吐いているのです。 吐餡が落ち着いたのか、紅饅頭が上下に伸びて息を整えています。 しばしの後、姉れいむは蓋の縁をくわえ、満載された餡子ごとずーりずーりと運んでいきます。 たどり着いた先は、3匹の妹。姉が自分の中身を差し出すと、赤ゆ達は大喜びで食らい付きます。 餡子で汚れた妹の顔。それを、姉は青ざめたままにこやかに眺めています。 姉れいむは這いつくばりながら、またも妹から離れます。そして、自分は辺りに生えている雑草を舐め取り、長い時間をかけて咀嚼していくのです。 この映像は、世話品大学の雨宮助教授が撮影したものです。 助教授は、ゆっくりの暮らしぶりについて研究しています。ゆっくり種の社会生活から、生態の秘密を探ろうとしているのです。 今回も、土地の所有者の許可の元、半月に渡って隠しカメラで野良れいむ姉妹を撮り続けました。 雨宮助教授に、お話を伺います。 「どうやられいむ達は、親なしでの生活を強要されているようです。原因までは分かりません。 そこで子供だけの狩りとなるのですが、4匹のうち3匹が赤ゆ。しかも、この赤ゆは既に舌が肥えているようですね。 撮影初日には、姉がペースト状の草を与えていたのですが、全て吐き出してしまいました。 次に姉れいむの取った行動は、ご覧の通りです。もしかしたら、親も同じような行動を取っていて、それを真似たのかもしれません。 それにしても、ゆっくりとしては理に適った行動といえます。仮におたべなさいや類似する方法で餡子を与えるとなると、回数は大幅に限られてしまいます。 しかしこの吐餡による方法なら、幾度も上質のあまあまを与え続けることができるのですから」 そもそも、吐餡とはどういったメカニズムで起るのでしょうか。 そのきっかけは強いストレスであることは知られています。加えて今までの説では、『ゆっくりできない記憶を餡子と一緒に吐き出している』とされてきました。 しかし、世話品大学は少し変わった視点から、吐餡を探ろうとしています。 強いストレスを受けたゆっくりの餡子は甘くなる。彼らはこの定説からとらえ直すことにしました。 生きた餡子の糖分が上がるのは、これまでストレスによりホルモンバランスが変化するためとされてきました。 しかしそれが『甘くなる』ということと、どう結びつくのか。何故、苦くなったり辛くなったりしないのか。世話品大学の研究陣は頭を悩ませました。 その疑問に一石を投じたのは、大学の重鎮・滋賀教授の呟きでした。 「ストレスの対極は、リラックスではないか。ならば、ゆっくりにとってのリラックスとは?」 その言葉がカギとなりました。ゆっくりが最もリラックスできること、それは甘いあまあまを食べることです。 そこから、こういった仮設が導き出されたのです。 まず、強いストレスを感じた餡子は、ゆっくりが最も好むあまあまに近い物質に変化します。 そして、それを口内を通じて排出しようとします。『吐餡』です。 この時、吐しゃ物が口内を通過する時に感じる甘味によって、ストレスを和らげているのではないか、という説です。 雨宮助教授は語ります。 「端的にいえば、『あまあまを食べている気になって、嫌なことを忘れようとしている』ということです。 ゆっくりしていない記憶が吐しゃ餡に含まれているという説は、吐しゃ餡を食べたゆっくりがストレス状態になることから考えられたものです。 しかしいくら甘味とはいえ、目の前で醜く吐き出されたものを食べれば強いストレスを受けるのも当たり前です。 だからこそ冒頭の野良れいむは、こっそりと吐餡をしていたのでしょう。現場さえ見られなければ、姉が持ってくるのは単なるあまあまなのですから」 さらに、この吐餡新説は、ゆっくりのショック死の解明にも繋がるといいます。 以下は、世話品大学がまとめたレポートによるものです。 ショック死のパターンは2つ。まずは、過剰な吐餡による出餡多量死です。 これは、激甚なストレスを打ち消そうとする余り、次々に口蓋めがけて変換されたあまあまが排出されるために起る現象です。 そしてもう1つは、吐餡を伴わない完全なショック死です。 ここに、あるゆっくり実験のデータがあります。使われたのは、1つの茎に実った2体の実験用まりちゃです。 まりちゃの茎は採取後、特殊な砂糖水に付けられて、生れ落ちるまでの期間を調整されています。 落下までの間、このまりちゃ達には催眠を施しました。 まず過去の実験時に録音したゆっくりの断末魔を延々と流し、潜在意識化に刷り込みます。 そして、オルゴールが鳴るとそれを徐々に思い出すように、チャイムが鳴ると全て一気に思い出してしまうように暗示をかけたのです。 ある日、遂にまりちゃが生れ落ちました。ほぼ2匹同時です。 「「ゆっくちしていっちぇね!!!」」 ただちに1匹を透明な小箱に入れ、睡眠ガスで眠らせます。 「ゆ? まりちゃのいもーちょは?」 どうやら箱に入った方が妹だったようです。 妹を案じる可愛い姉まりちゃに向けて、オルゴールを鳴らします。 「ゆげぇ・・・にゃにきょれ・・・」 心休まるメロディーが、姉まりちゃにとっては地獄の旋律となりました。減らず口を叩く間もなく、まりちゃは吐餡を繰り返します。 「もっちょ・・・」 断末魔も言い終えぬまま、短いゆん生は幕を閉じました。体は萎み、お飾りさえ飲み込むほどの吐しゃ餡がまりちゃを包んでいます。 じっくりと締め上げるような深いストレスが、このような事態を招いたのです。 次は、妹まりちゃの番です。まずは小箱に覚醒ガスを吹き込みます。 小箱の蓋を開けると、まだ寝ぼけ眼のまりちゃが、研究員に向かってご挨拶をしようとしました。 「ゆ・・・ゆっきゅりおひゃよ」 すかさずチャイムを鳴らします。一気に突き抜けるようなストレスを呼び起こすものです。 すると、妹まりちゃは『おひゃよ』と言った表情のまま、固まってしまいました。どうやら、一撃でショック死したようです。 この2匹のまりちゃの成分を調べたところ、姉の吐しゃ物と同じものが、妹の体内にみっちり納まっていることが分かりました。 つまり、姉がじわじわとあまあまを吐き出したのに対し、妹は一瞬にして体内があまあま化してしまったのです。 あまりにも急激なストレスは、排出運動に必要な分の餡すらも変換してしまうようです。 生きている饅頭が一瞬で単なる饅頭に変わる。これも、ゆっくりならではの生態なのです。 ゆっくりの餡子は、或いは幹細胞に近いものなのかもしれません。運動も思考も記憶も切れ目のない1つの餡子で行われ、しかも時には食料にさえ変わります。 未だ分からないことだらけのゆっくり餡ですが、これを医療分野に役立てようとする動きがあります。 世話品大学でも、筋肉や神経が渾然一体となったこの餡黒物質を使って、義手を作ろうとしています。 まず、シリコンで作られた外装の中に、大学で培養された生餡子を詰め込みます。 生餡子はペットボトル内で育てられた、半融解状態で生きているゆっくりです。目や口などのグロデスクな器官はなく、栄養チューブで育てられた純粋な餡子生物です。 この餡子が詰まった腕の付け根に、制御チップを埋め込まれた中枢餡を取り付けます。制御チップは体内から流れる信号や物質に反応し、餡子の腕を動かすのです。 未だ臨床にはほど遠いものですが、既に簡単なものをつかむことには成功しています。 ただ、普通のものとあまあまを並べると、スリのような速度であまあまを取ってしまう不具合があり、この調整に難航しているそうです。 大学の滋賀教授は、ゆっくり餡の医学的な可能性を認めつつも、ある懸念を表します。 「・・・ゆっくりはその餡によって、消化も解毒も心肺機能も賄います。 これは、将来においてゆっくり餡を臓器として利用できる可能性も示唆していると私は考えます。 しかし、もし人間の体内を餡で補うようなことになれば、人間と胴付きゆっくりの境界はどうなるのでしょうか。 そして、餡子でできた体は簡単に傷付き、簡単に修復します。この簡便性は生命の尊厳を脅かしかねません。 近い未来、人造人間ならぬ餡造人間が現れた時、我々の研究はどう評価されるのでしょうか・・・」 YHKは取材の最終日、再び雨宮助教授の元を訪れました。 「ゆっくり餡による臓器の生成ですか。 私は息子を医学部に通わせているんですがね。医者になっていざ体を切ったら中身が餡子だった、なんて馬鹿な目には合わせたくないですね」 そう言いながら、雨宮さんは我々にあのVTRの続きを見せてくれました。 映し出されたのは廃材置場。微笑んだまま動かない姉れいむ。文字通り、ずっとゆっくりしてしまっているようでした。 「所詮、子ゆっくりです。あのような生活に耐えられるわけはなかったんです。 赤れいむどもですか? いつの間にかいなくなってましたね。 餌をくれなくなった姉を見捨てて、どこかに行ってしまったのか。それとも守ってくれるものが死んで、自分達も後を追う羽目になったのか」 それでも、姉れいむの死に顔は幸せそうでした。敢えて自分を傷つけて得た餡子によって、幼い妹をゆっくりさせたれいむ。 或いはその場しのぎであり、自己満足であったかもしれません。 しかし、今、れいむは正にゆっくりしています。それは『ゆっくり』という感情で動くお饅頭にとって、最も望ましいゆん生だったのかもしれません。 『YHKスペシャル・プレミアムゆン ~餡子・儚き生命に秘められた驚きのメカニズム~』 製作著作:YHK(ゆっくり放送局) 脚本:二行 協力:世話品大学 (有)砂利廃材 『プレミアムゆン』、いかがでしたでしょうか。 この春には、『プラネットゆース ~密林の戦争~』も公開予定です。知られざる秘境で展開する脅威。ご期待下さい。 (終) 【過去作】 ※YHKアーカイブス 本作 ふたば系ゆっくりいじめ 840 プラネット・ゆース ~ドスまりさ~ ふたば系ゆっくりいじめ 675 プラネット・ゆース ~きめぇ丸~ ふたば系ゆっくりいじめ 658 緊急特別SS ゆっくり割れる窓ガラスさんの謎 ふたば系ゆっくりいじめ 594 プラネット・ゆース(うーぱっく&すぃー) ※世話品市のカオスな面々 ゆんやー ふたば系ゆっくりいじめ 947 はげの復活(上) ふたば系ゆっくりいじめ 428 はげの行進 ※ほんの少し未来の話 nue082 「現実には起こりえない話」 ふたば系ゆっくりいじめ 1146 ゆっくりしていただけの群れ ふたば系ゆっくりいじめ 906 蟷螂の斧 ※単発物近作 ふたば系ゆっくりいじめ 1124 おひさまさんをつかんでしまった ふたば系ゆっくりいじめ 1059 でか帽子まりしゃと姉まりしゃ ふたば系ゆっくりいじめ 1055 さげゆん ※続編準備中 ふたば系ゆっくりいじめ 560 なずーりんに祝福を ふたば系ゆっくりいじめ 796 Detroit Yugyaku City 2 ※どろわ&ぬえ draw006 「パラダイゆch」 nue079 「素晴らしき世界」 nue059 「スキャット・ゆん・ジョン」 nue022 「ゆナッフTV」 nue009 「ブラックペーパー・チャイルド」 その他の作品に関しては、ふたばSS@WIKIの『二行の作品集』をご覧下さい。 餡娘ちゃんとWIKIあき、感謝。 二行の作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 赤ゆっくりにあまあま食べさせたら餓死するか、同属殺しのゆっくりにしかならないだろうに・・ -- 2010-08-20 01 58 43
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ゆっくり種 11KB パロディ 実験・改造 同族殺し 群れ 自然界 現代 人間なし 創作亜種 独自設定 種のパロディなので俺設定満載です。 『ゆっくり種』 希少種が変な能力を持っています 俺設定満載のパロディなので生暖かい目でよろしくお願いします。 ウゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーー 非常警報が闇夜に響き渡る。 ここは特餡研究所、特殊なゆっくりを研究したり生み出したりする場所である。 この日、一匹のゆっくりが脱走したのである。 職員総出で山狩りをしたが夜を徹しても発見する事はできなかった。 たかがゆっくり一匹の話であるのに何故ここまでの騒ぎになるのか・・・・・ 研究員は黙して語る事はなかった。 半年後 まりさ 『れいむはまりさにとってはとてもゆっくりしたそんざいなんだぜぇ』 れいむ 『おせじでもうれしいよ、ゆっくりしていってね』 まりさ 『ゆゅゅ・・・・つれないんだぜ~』 まりさのアピールをサラッと流すれいむ、この光景を近くで微笑ましく見つめるピンクの髪をしたゆっくりがいた。 ゆっくりさとりであった。 希少種であるはずの彼女は、何故か通常種の群れで生活をしていた。 群れは彼女を虐げる事もなく、彼女も群れの一員であるべく仲間を大事に思っていた。 さとり 『まりさはれいむにぞっこんですね』 まりさ 『そうだぜ!まりさはれいむのためならしにたくないけどしねるんだぜ』 聞きようによっては嫌々にも聞こえる覚悟を唱えるまりさだった。 れいむ 『それそろゆっくりかえろうね』 まりさ・さとり 『『ゆっくりりかいしたよ』』 日も傾きだしたので群れへと帰る事とする。 ポインポインと先頭を元気よく跳ねるまりさをゆっくりついてゆく二匹 れいむ 『まりさ~そんなにいそいでごはんさんをおとしたらおしおきだよ』 まりさ 『だいじょうぶなんだぜ!まりさはそんなどじなゆっくりじゃないんだぜ~』 さとりは半年前に研究所を脱走してこの森で動けなくなっていた所をこの二匹に助けてもらった。 希少種は忌み嫌われると死を覚悟したさとりを自らの巣に連れて行き介抱してくれた。 れいむの説得により群れの一員にも加えてもらう事もできた。 この二匹はさとりにとっては正に恩ゆんであり、親友でもある。 れいむ 『さとり~はやくかえらないとまりさがごはんさんをぜんぶちゃべちゃうよ』 まりさ 『そうだぜ~ぜんぶむしゃむしゃしちゃうんだぜ~』 遅れたさとりを二匹は冗談を言いながらせかした。 さとり 『いまいきますよ~』 二匹の友情に心で感謝しながら影を追った。 先行する二匹が群れを一望できる丘で立ち止まっていた。何やら様子がおかしい・・・・・ さとり 『どうかしましたか?』 まりさ 『ゆ・・・ゆ・・・・ゆゅゅゅ・・・むれが・・・みんなが・・・』 さとりが二匹に並び丘から見下ろすと群れのありらこちらから火が上がっているのが見えた。 さとり 『なんですかこれは・・・・みんながあぶない!わたしがみてきます。まりさたちはここにいてください』 単独で群れに行くと言うさとりを二匹は承知しなかった。 れいむ 『ゆゅ!だめだよほのおさんはゆっくりできないよ。』 まりさ 『ここはいくのはまりさのしごとなんだぜ!』 さとり 『まりさがいったらだれがれいむをまもるのですか?わたしならだいじょうぶです。みなをここにゆうどうしますからおねがいします!』 言うが早いかさとりは群れへと駆けて行く。通常はまりさ達に合わせているさとりであったが、流石は希少種!通常種よりも優れた運動神経をみせアッと言う間に群れへと下りていった。 群れに辿り着いたさとりが見たのは見知らぬドスまりさがドススパークで群れを焼く姿であった。 さとり 『なにをするんです!やめてください!』 懸命に訴えるさとりを見てドスまりさは首を傾げる。 ドスまりさ 『ゆゅ?どうしてきしょうしゅがむれにいるんだぜ?むのうなゆっくりをせいさいしてるだけだぜ』 さとり 『むのう?なにをいっているのです!あなたもつうじょうしゅではありませんか!』 ドスまりさ 『どすはきしょうしゅなんだぜ!あんなむのうといっしょにしないでほしいんだぜ!』 無能な通常種だから制裁すると言い放つドスまりさにさとりは嫌な雰囲気を感じた。何か良からぬ何かが背後にいる気がしていた。 ドスまりさ 『むのうをかばうならおまえもせいさいしてやるんだぜ~』 ドスまりさはさとりに体当たりを食らわしさとりは吹き飛ぶ ドスまりさ 『とどめなんだぜーーー』 大きく飛び跳ねてさとりを踏み潰しにかかった。 その時! ブゥゥゥゥン さとりを薄い光か包み込み髪の毛が逆立ったかと思うと素早くドスの攻撃をかわした。 ドスまりさ 『ゆゅ?なんだぜ?』 さとりのピンクの髪の毛が金色に染まっていき頭には透けて見えるお帽子が現れる。 さとり 『しかたありませんね・・・これだけはみせたくありませんでしたが・・・・・』 ドスまりさ 『なんなんだぜ!ゆっくりできないゆっくりはさっさとしぬんだぜぇぇぇ!!』 再び襲いかかるドスまりさ さとり 『どすすぱーく』 ドゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーー!!!! ドスまりさしか使えないはずのドススパークを放つさとり、その姿もまりさを思わす風貌へと変化していた。 ドスまりさ 『ゆ”・・・・・ゆ”ゅゅ・・・』 さとりのドススパークはドスまりさの左下半身を吹き飛ばした。 辛うじて残った右半身で堪えて倒れないドスまりさ。 ドスまりさ 『ゆ”げへっへっへ・・・・まだ・・・終わりじゃないんだぜ・・・・・』 さとり 『そんなからだでなにを・・・・・』 ドスまりさ 『ど・・・・どす・・すぱーーーーーーーーく』 ドゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーパーーーーン! ドスまりさはドススパークを放つと耐え切れなかったらしく身体が弾ける。 最後の攻撃はさとりではなくあらぬ方向を薙ぎ払って立ち消えた。 子ありす 『ゆえぇぇぇ~んぴゅぴゅぁ~みゃみゃ~ありちゅいちゃいよ~』 ドススパークを喰らってしまった者がいたらしく、運が良かったのか子ありすだけが生き残ったらしく泣き声が聞こえる。 流石に置いてはいけない、半狂乱に泣きさけぶ子ありす上に乗せて長の家へと急いだ。 その頃、群れの収納子では群れ自慢の超大型すぃー「あーくえんぜるさん」を炎より守るべく幹部のみょんが移動をさせていた。 みょん 『いそぐみょん!これをうしなったらおさにめんもくがたたないみょん!』 ちぇん 『わかったんだよ~でもこのすぃーはおおきいからじかんがかかるんだよ~わかってね~』 グゥォォォォー 大きなタイヤが少しずつ回っていく、こうして「あーくえんぜるさん」は炎の危機からは逃れる事はできた。 長の家についたさとりは既に息絶えた長と幹部数匹を目の当たりにする。 さとり 『なんてこと・・・・・』 ムキュウゥゥゥゥゥゥゥ~ 補佐のぱちゅりーの悲鳴が響きわたる。 補佐はまだ生きている!さとりは声のした場所へと急いだ。 ぱちゅりー 『どうして・・・・』 さなえ 『あなたがたはゆるされてはならないそんざいなのです!かくご!』 緑の髪と蛙のお飾りが特徴の希少種ゆっくりさなえが補佐ぱちゅりーを追い詰めていた。 さとり 『まちなさい!』 間一髪二匹の間に割って入る。 さなえ 『じゃまをするのならさきに・・・・・・さとり?さとりなの?』 さとり 『?・・・・・・・あ!・・・・・・さなえ・・・・』 二匹は顔見知りのゆっくりであった。研究所にいた頃ゲージが隣どうしだった事もありよく話しをした中である。 あの夜さとりが脱走する時には他所の部屋に移動されていて所在が不明だったため離れ離れとなってしまった親友である。 さなえ 『どうしてあなたがつうじょうしゅのむれに・・・・・いえ!そんなことはどうでもよいのです。 さとり!わたしたちのとこにきなさい、あなたはこんなむのうなれんちゅうといっしょにいてはだめ!いっしょにいきましょう』 状況を理解できておらず困惑するさとりにさなえは群れを捨て一緒に同行するように求める。 さとり 『え・・・・・だめ・・・・・いけない・・・・わたしはみんなをおいてはいけない・・・・』 困惑しながらもさとりが選んだのは群れに残る事であった。 この群れが無かったら、まりさやれいむがいなかったらさとりは間違い無くあの時死んでいたのだから見捨てる事なぞできるはずがなかった。 さなえ 『あなたはだまされているのよ!』 さとり 『だめ・・・・・ともだちをおいていけないわ・・・』 さなえ 『つうじょうしゅのともだちなんか『さなえぇ!てったいするぞ!!』ま・・・まって・・・まだ』 二匹の会話の間を割って仮面をつけて目の周りを隠したまりさが現れる。 仮面まりさ 『あしつきすぃーにはにげられてしまった!さくせんはしっぱいだよ!てったいする』 さなえ 『く・・・・さとり・・・・つぎはつれてかえるからね!』 さなえと仮面まりさはそれぞれスィーに乗って見えなくなった。 後にはさとりと子ありすと補佐ぱちゅりーだけが残されて呆然としていた。 子ありす 『おにゃいちゃんあいちゅらのなきゃまにゃの?』 子ありすの声に我に戻るさとりと補佐ぱちゅりー ぱちゅりー 『むきゅ・・・・ぱちゅもそれはきになるけどまずはあんぜんなばしょにいどうしないと・・・・・』 炎の向こうから一台のスィーが走ってくる。思わず彼女らが戻ってきたのかと身構える二匹 スィー乗りまりさ(以後スィまりさ) 『ぱちゅりーけがはない?あのゆっくりできないゆっくりはむれからさったよ。ゆっくししてないではやくほのおさんからにげてね・・・・』 現れたのは群れ一番のスィー乗りのスィまりさである。彼女のスィーは特別製で通常の倍以上のスピードで走る事ができ、群れでも彼女にしか乗りこなせない品物であったゆえ彼女専用とされていた。 さとり 『そうですね・・・・おかのうえでまりさとれいむもまっています。はなしはそのあとで・・・・』 子ありすとぱちゅりーはスィまりさのスィーに乗せてもらい一行は群れを脱出した。 結局は希少種の襲来を逃れる事ができたのは全部で11匹ほどしかなく、生き残れた幸運を素直には喜べなかった。 大型スィーあーくえんぜるさんとも合流でき、補佐ぱちゅりーは全員で今後の方針を決める事にした。 ぱちゅりー 『こんごをどうするかみんなできめるわ。まずはだれがおさになるかね、ぱちゅはまりさ(スィまりさ)がいいとおもうの』 最初に長を決めてから長を中心に方針を決めたほうが良いと判断したのかスィまりさを推薦するぱちゅりー みょん 『まりさはたしかにてきにんだとはみょんもおもうみょん!でもまりさはうごきまわるのがはやいからみんながついていけないみょん』 スィまりさ 『まりさはむれのためにまりさにしかできないことをやるよ。おさはぱちゅりーがやってね。』 ちぇん 『わかるよ~ぱちゅりーがおさにはふさわしいんだよ~』 まりさ 『まりさはおさになりたいんだぜぇ!』 れいむ 『まりさがおさじゃみんなゆっくりできないよ!くうきさんよんでね。れいむもおさはぱちゅりーがいいよ。』 長にぱちゅりーを推す声が多かった。他のゆっくりも多数派の尻馬に乗る形になったので必然的にぱちゅりーが長に就任する事となった。 ぱちゅりー 『むきゅう!これはせきにんじゅうだいね、ぱちゅはがんばるわ』 長も決まり続いて今後の方針だが、この場所に居たら再び希少種の襲来を受ける可能性がある。 まずは先代長の仲間であったドスまりさを頼って山向こうの群れまで移動する事となった。 幸いにも大型スィーあーくえんぜるさんは10匹のゆっくりを乗せる事ができ、これにスィまりさのスィーも使えば全員歩かずに移動する事が可能だったので遠征にはなるが大丈夫であろうと思われた。 あーくえんぜるさんの先端には人より貰ったお菓子の箱に描かれてあった金色の天子が貼り付けられており、それが機体の名前の由来でもあった。名を知らぬ他の群れからは大きなタイヤが足に見える事からあしつきさんと呼ばれている。 機体が大きい分当然動きも遅く、襲われでもしたら逃げようが無かったので山を迂回し海岸沿いに進む事となった。 海沿いのルートはゆっくりが嫌う水と塩分で溢れていたので安全だとの判断から選ばれた。 ぱちゅりー 『そろそろきかしてもらえるかしら?』 山向こうへの移動中の野宿で皆に聴かれる事がないよう離れた場所でさとりを問う長ぱちゅりー さとり 『わたしがけんきゅうじょをにげてきたのはおはなししましたね?』 ぱちゅりー 『むきゅう!たしかむれになかまいりしたときにきいたわ。』 思い出したくない記憶をさとりは掘り起こす。 研究所でさなえとは仲が良かった事、変な力を研究所によってつけられた事 そしてそんなゆっくりがまだ沢山あの研究所にいる事 さなえも何かしらの力を持ってはいるがどういう能力なのかは判らない事 知っている事はぱちゅりーに話した。 ぱちゅりー 『むきゅ・・・・・これはみんなにはないしょにしているほうがいいわね、さとりがゆっくりできなくなるわ・・・』 異種をゆっくりできないと嫌う通常種のゆっくりは、さらに変な能力をも持っていると知ればさとりを迫害する可能性があった。ぱちゅりーはそれを心配しさとりに口止めをする。 さとり 『そうですね・・・・さとりのためにみながゆっくりできなくなってしまいます。』 ぱちゅりー 『さきはながいわ!がんばっていきましょう。』 皆に秘密ができたのは後ろめたい感じはするが仲間割れしてる場合ではないのでこのさい仕方がない、2匹はそっと野宿の仲間元に戻った。 思っていたより長くなりそうなので何作かに分けようと思います。評判悪ければ続かないかもしれません。 生暖かい目でゆっくりしていただければ幸いです。 誤字等あれば勘弁して下さい これまで書いた物 ふたば系ゆっくりいじめ 1097 ゆ虐ツアー ふたば系ゆっくりいじめ 1111 ゆ虐ツアー お宅訪問編 ふたば系ゆっくりいじめ 1116 雪原のまりさ ふたば系ゆっくりいじめ 1122 ゆヤンワーク ふたば系ゆっくりいじめ 1129 まりさの思い出 ふたば系ゆっくりいじめ 1152 まりさとつむり トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る これかいたやつ許さん ゆっくりいなくなってね!!!主さん -- 2013-02-22 12 04 59 種ガンかよ・・・ -- 2012-04-14 02 54 40 ↓そう言う、こうしろ、これはやめろ、的な言い方は控えた方が良い ただ、このSSは元ネタと同じで何がしたいのかよく解らなかった、長編にするならせめてある程度キリの良い所まで書いてから投稿した方が話の趣旨や流れが伝わりやすいと思う -- 2010-08-21 00 19 28 台本形式はやめろ -- 2010-08-20 22 45 56
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しあわせ補足 1KB 考証 小ネタ 人間なし 独自設定 しあわせ補足 【注意】 「ふたば系ゆっくりいじめ 1039 しあわせ」の補足説明です 完全に蛇足ですし「ふたば系ゆっくりいじめ 1039 しあわせ」を読まないと、自分にも意味がわかりません。 ※ゆっくりの知能が高いように見えますが、おちついて行動だけを見てください。 【まりさ親子の軌跡】 00.親子三匹、沈んだ様子で【白昼の歩道】を移動。 抵抗せずに捕獲される(子供も逃がさない)親まりさ右目喪失。 01.ケージの中 [ 食事が与えられて、それが甘ければ『おちびちゃん』] ⇒味覚知識:子ゆっくり≪あまあま≫ [ ある時から、まるでゆっくりできた記憶がない。] 02.赤まりさ虐待 [ 昨夜叫びすぎて喉が壊れたらしい]参考:虐待される赤ゆっくりのテンプレート ⇒『みゃみゃたすけちぇ』『ゆっくちちちゃい』『じねぇぇぇぇぇ!!』喉が枯れそうなのはどれか 03.親子再会、親まりさ実子を捕食 [ 辛かっただろう、苦しかっただろう]テンプレート該当 [ 自分の名前呼んだのだろうか、助けを求めたのだろうか。]テンプレート該当 親まりさ:子まりさに与えるえさを知っていながら残さない。 [ そこら辺に転がっていた、自分の右目でも与えればいい、当面はそれで持つハズだ。] 子ゆの食事量:参考、食べざかり。 [ それが『にんげんさん』を、堪らなく悦ばせるとわかっていて、それでも口にせずにはいられない。] ⇒テンプレート「 どぼじでこんなごどずるのお゛お゛お゛お゛お゛おおおおおおおおおっ!!」 結果:娘が一匹生き残り、出産に耐えるまで成長。 (相手不明の)赤ゆっくりを出産し、ケージで飼われるも、最終的に処分。 ※まだピンと来ないなら、ゆっくりの性能を最低に設定して読み返してください。 ご指摘を受けたロジックと言うほどの物は無いですが ちょっと親まりさを見る目が変わるかもしれません。 カテゴリの中に【自業自得】が含まれています。 【おわり】 最近ゆっくりを、ちょっとかいかぶっていませんか? by古本屋 古本屋の作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 親まりさがでいぶみたいな奴だったって事か、奴隷扱いの番いが死んで子供食って…な感じの -- 2013-12-25 02 59 47 ごちゃごちゃ親まりさの心情っぽいものが書いてあって惑わされるけど、 それを省いてしまえばただのいつものテンプレ飼いゆっくり要求話ってことじゃないの? 1.あまあま&飼い要求 2.赤まりさを自分の身代わりに差し出す 3.あまあまを独り占め 4.親虐待死、子まりさだけ残して虐待 かと -- 2011-07-06 22 48 26 00から判断して、飼いゆっくりになろうとしたゲスの話だろ ぺろぺろなめるシーンで子ゆっくりの目を食べていて、だからその後人間が爆笑している -- 2011-06-06 00 07 38 00 →わからん 01 →子ゆっくりがあまあまだと知っている=子ゆっくりを食べたことがある 02 →三つ目の叫びが喉がかれる=死ねが口から出やすい=ゲス資質? 03 →おそろいの“ぼうし”=おちびちゃんはみんな“まりさ”=まりさ同士のすっきり⇒相手は?⇒おちびちゃん ちょっと判断材料が少ないかな? -- 2010-11-18 22 10 43 餡庫でフルボッコにされてたな -- 2010-09-09 00 26 17 叙述トリックさんだったのぜ? 餡子脳にはわからないのぜ -- 2010-07-04 15 37 51 分かんないけど、親まりさが子まりさを孕ませていたということ? -- 2010-06-28 07 45 18
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里からそう離れていない森の中、人一人分くらいの高さの小さな崖の斜面に不自然な穴を発見した。 崖下の地面の高さに洞窟のように開いているが、穴の高さはひざよりも低い。 申し訳程度に葉っぱが詰まれた入り口の内側には、葉のついた枝が何本も立てかけてあり、 枝の下には結構な数の石が置かれ、枝がずれたり倒れたりしないように固定している。 土の見える斜面にそこだけ葉っぱが敷かれているので、入り口こそバレバレであるが 枝の数はそれなりに多く、日中でも中は暗い為奥の方を覗き見ることが出来ない。 この様な偽装を行うのはゆっくり位なもの、間違いなくゆっくりの巣だろう。 耳を済ませてみるが、中からゆっくりの声は聞こえてこない。 内側から枝が立てかけてあるので、少なくとも中に1匹もゆっくりが居ないと言う事は無いはずだが、 1匹しかいないのか、パートナーに留守を任せて餌集めにでも出かけているのだろうか。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆ!ゆっくりしていってね!」 巣穴の中に呼びかけてみると返事が返ってきた。在宅のようだ。 巣の中からぽよんぽよんとゆっくりの跳ねる音が聞こえ、 少しするとゆっくりの舌が入り口の枝を内側から外し始めた。 見つかって餌をたかられても困るので、すぐ側にある木の陰に移動し様子を見ると、 枝を外し終えた1匹のまりさがぽよんぽよんと巣から飛び出して来た。 先ほどの返事も1匹分しか帰って来ていないので、巣にはこのまりさしか居ないのだろう。 まりさは辺りをきょろきょろと見回すが、声の主は見当たらない。 首をかしげるかのように体を傾け、眉をひそめて「ゆ~?」とつぶやくとまた巣に戻って行った。 体を使って、巣から出るときに踏み散らかした葉っぱを出来るだけ元に戻し、 外した枝も舌を使って器用に立てかけて行く。 その作業はお世辞にも速いとは言えず、枝が元通りになるまで数分は掛かっている。 まりさが入り口を塞ぎきり、奥に跳ねていった所で巣の前に戻る。 見つからない相手を探すまりさの様子は滑稽なものだった。 もう一度呼び出せばまた見られるだろうか、再度呼びかけてみる事にする。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆうっ?ゆっくりしていってね!」 すぐに木の陰に隠れると、再びまりさが跳ねてくる。ゆっくりにしては早く跳ねており 急いでいる事がわかるが、入り口の枝が多い為中々出て来れない。 しばらくして、少し息を切らしながら出てきたまりさはきょろきょろと声の主を探すが、 やはり木の陰に隠れている相手を見つける事が出来なかった。 「ゆーっ!なんなの?ゆっくりでてきてね!」 不機嫌そうに呼びかけるも一向に現れない相手に、まりさはぷくぅぅと頬を膨らませると巣に帰って行く。 何度も入り口を戻すのはゆっくりにとって楽な作業ではないが、それでも外敵に襲われるよりは良いのだろう、 もたもたとした動きではあるが、しっかりと入り口を封鎖して奥に戻って行った。 穴の中からは「ゆーっ!」と言う苛立ち気味な声と共に、ぽいんぽいんと饅頭が跳ねる音が聞こえて来る。 ストレスでも溜め込んでいるのだろうか、名前の割にゆっくりしていない生き物だ。 さすがに3度も同じセリフでは警戒されるかもしれないので、言葉を変えて呼びかける。 「ち────んぽっ!!」 「ゆうぅーっ!なんなの!?」 言うや否や、まりさは乱暴に跳ねながら入り口に向かい、枝を無理矢理引っこ抜いては投げ捨てて行く。 体を膨らませて威嚇状態のまま飛び出すが、またも姿を見せない声の主にまりさは声を張り上げた。 「かくれてないで、でてきてねっ!ゆっくりできないみょんはいたずらをやめてね!」 ちーんぽ、と言えばみょんなのだろう。居もしないみょんに対し威嚇を続けるが誰も現れない。 まりさは顔を真っ赤にして、「むぅぅーっ!」と地団駄を踏むように跳ね続けるが、 誰も出てこないとわかると再び巣に戻って行った。 入り口前の葉っぱには手をつける気も起こらず、乱暴に捨てた枝をおざなりに立てかけて奥に向かう。 未だに地団駄を踏んでいるのだろう、時折ぼいんぼいんと跳ねる音が聞こえる巣穴に4度声を掛けてみる。 「んほおーっ!まりじゃ!愛しいまりじゃ!二人で愛の金字塔を建立しましょうねーっ!!」 「ゆっくりじねっ!ありすとはゆっくりしないよ!」 さすがにありすでは無理か。しかも「ゆっくりできない」ではなく「ゆっくりしない」とまで言われた。 名乗らずともありすと断定されるあたり、ゆっくりの間でも変態キャラで通っているのかと関心するが、 今はありすよりまりさである。 鼻息荒く「ゆっくりしね!ゆっくりしね!」と繰り返すまりさのプライドをくすぐってみる。 「まりさは全然ゆっくりしてないね!」 「ゆ…ゆがっ!?」 「ゆっくりしてないね!ゆっくりしてぬゎいねぇぇ~!」 「だまれぇぇっ!」 突然の指摘に頭に餡子が上ったまりさは、一刻も早く声の主を見つけようと入り口に突進し、 そのままの勢いで立てかけてあった枝に「ゆべっ!」と衝突してしまった。 反動で後ろにごろんと1回転するが、余計に怒りが高まったのか、八つ当たりするかのように 枝を固定する石を乱暴に蹴散らし、体当たりで枝を跳ね除けながら飛び出して来る。 「ゆふーっ、ゆふーっ!ゆっくりしないであやまってね!まりさはゆっくりしているよ!!」 息を切らし、全然ゆっくりしていない様子で、自分はゆっくりしていると主張するまりさ。 それでも現れない声の主に、じたばたと暴れながら泣き出してしまった。 「ゆぎいぃっ!なんでかくれ゛でるのお゛ぉぉぉ!?ゆっぐりさぜでよお゛ぉぉ! ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁん!」 わんわんと泣いて、その場から動こうとしないので、足元にあった石をまりさの向こう側に放り投げる。 人間の居る方向とは反対側に着地した石の音に、まりさは音の主がそちらに居ると確信し、 「ゆゆっ!そっちにいるんだね!もうあやまってもゆるさないからね!」 と音のする方に跳ねていったが、居るはずの無い相手を見つけられるはずも無く 数分もするととぼとぼと帰ってきた。そのまま巣の入り口に入るが、葉っぱも枝も元に戻さず 巣の外側に振り返ってじっと動かない。 「もうおこったよ!ぜったいにみつけてやるからね!」 入り口を塞ぐ枝が邪魔で、巣の外に出るのに時間が掛かると気がついたようだが、 自分が姿を見せている事でいたずらの犯人が現れなくなるとは考えていないのだろう。 どうしたものかと辺りを確認したところ、遠くの木々の間にゆっくりれいむの姿を見つけた。 まりさの視界に入らないようにれいむに近づき声を掛ける。 「やあ、ゆっくりしていってね」 「ゆっくりしていってね!にんげんさんはゆっくりできるひと?」 「ああ、ゆっくり出来るよ、とてもゆっくりできる方法を知ってるからね」 「ゆゆ?れいむにもおしえてね!れいむもゆっくりしたいよ!」 ゆっくり出来る方法に興味津々のれいむはぴょんぴょんと飛び跳ねて催促してくる。 そのれいむを空中でキャッチし、遠くの穴の入り口で頬を膨らませているまりさを指差して見せてやる。 「ほら、あそこにまりさが居るだろ?あのまりさに元気良く挨拶すると とてもとてもゆっくりした巣に招待してくれるんだ」 「ゆゆっ!れいむもしょうたいされたい!」 「ああ、ゆっくりしておいで」 とれいむを放してやると、一直線にまりさの元に向かって行く。 程なくしてまりさの前に到着すると、そのまりさの後ろに巣穴が続いているのが見えた。 これが人間の言っていたゆっくり出来る巣なのだろう。期待が膨らんだれいむは、 いつも以上に元気な挨拶をまりさに贈った。 「ゆっくりしていってね!!」 「お…お…」 「ゆ?」 突然ぶるぶると震えだしたまりさに、れいむは首をかしげる。なんで巣に案内してくれないのだろうか。 「ゆっくりしていってね!!!れいむをすにあんないしてね!」 「おまえかぁぁぁ!」 「ゆべえっ!」 目の前のれいむをいたずらの犯人と判断したまりさは、怒りに任せてれいむに突進した。 れいむの顔面の中央、鼻っ柱にあたる部分を突き上げるように自分の体をぶつけると、 後ろに突き飛ばされたれいむは痛みに顔を歪ませ、我慢できずに泣き出してしまう。 「ゆ゛うっ!?いだい゛い゛ぃ!な゛んでごんなごどずるの゛お゛ぉぉ!?」 「うるざい!ゆっくりできないれいむはゆっぐりじねぇぇ!」 相手がひるんだとみるや、まりさは大きく跳ねてれいむの頭上に飛び乗ると、 そのまま何度も跳ねてれいむを押しつぶし始めた。 「ゆ゛べっ!やめ゛っ!や゛め゛でっ!」 「ゆっぐりじねっ!ゆっぐりじねっ!ゆっぐりじねっ!」 まりさが跳ねる度にれいむは口から餡子を吐き出し、やがて餡子が足りなくなったのか痙攣を始める。 このまま放っておけば死ぬだろう。もう十分と判断したまりさはれいむから飛び降り、 ゆひゅー、と満足げに息を吐いた。 「ゆっぐり…じだがっっだ…」 「まりさにいたずらしたけっかがこれだよ!れいむはあのよでゆっくりはんせいしてね!」 もう自分のゆっくりを邪魔する奴は居なくなったと、安心したまりさは意気揚々と巣に戻る。 荒れたままになっていた葉っぱを入り口の前に積みなおし、散らかした石を戻して 丁寧に枝を立てかけて行く。 これで安心と巣の奥に跳ねて行った所で、もう一度声を掛けてみた。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆ、ゆぅっ!?」 いたずらをするれいむは退治したはず。何が起こっているのかわからず混乱したまりさは、 またゆっくりと枝を外して飛び出したが、そこに居るのは先ほど踏み潰したれいむのみ。 れいむはもう、うめき声すら上げる事が出来ずにぷるぷると震えている。 「ゆ、ゆぅ…?」 自分が踏み潰した事で、れいむがもう死を待つだけの姿になっている。 さっきは夢中だったが、同族殺しを目撃されていたら自分も殺されてしまう。 「ま、まりさがわるいんじゃないよ、れいむがいたずらするからだよ!」 誰にともなく言い訳をしたまりさは、そそくさと巣に入って行く。 もたもたと枝を戻している間に、れいむの震えは止まり、まったく動かなくなった。 れいむの死体を掴み上げて、巣の入り口の枝の目の前に置いて声をかける。 「れいむを殺したまりさはゆっくり出来ないよ!」 「ゆ、ゆうっっ!?」 突然の指摘にまりさはパニックに陥る。誰かに目撃されていたのだろうか。 それでもれいむのいたずらを説明すれば許してもらえる、 そう判断したまりさは巣から出ずに説明を試みる。 「ま、まりさはわるくないよ!れいむが…」 「もうゆっくりさせないよ!れいむのお化けがまりさに会いに行くからね!」 「ゆひっ!?お、おばけはこないでね!おばけはあっちにいってね!」 化けて出ると聞いた途端、まりさはひどく怯えだした。 ゆっくりにも幽霊が出るって風習があるのだろうか。 「だめだよ、れいむはもうまりさの後ろまで来てるよ」 「ゆひいっ!!!」 まりさは顔面蒼白になって固まり、振り返る事が出来ない。 誰も居ないはずの後ろ側に気配を感じ、背筋に強烈な寒気が走る。 声が巣の外側から聞こえるのだがパニックになったまりさには正常な判断が出来ない。 「まりさぁー、れいむと一緒に地獄に行こうねぇぇ~っ」 「い゛やだぁぁぁぁっ!ゆっぐりざぜでぇぇー!」 れいむがお化けになって自分を殺しに来た。圧倒的な恐怖に支配され、 まりさは一刻も早く暗い巣穴から出ようと枝を外し始めるが、 恐怖で震えた舌ではうまく枝を掴む事が出来ない。 「ゆ゛っゆ゛ぅっ、だして!だしでっ!」 焦りながらもまりさは、枝を固定する石をどかして行く。 支えを失った多くの枝がばらばらと倒れると、目の前にれいむの死体が現れた。 「ゆぎゃぁぁぁ!なんでぇぇぇぇぇぇ!?」 自分の後ろに居ると言ったれいむが、いつの間にか巣の外へ先回りしていた。 逃げ場を失ったまりさは跳ねる事も出来ず、ずりずりと後ずさりする。 れいむの死体に目が釘付けになり、その後ろに居る人間には気付いていないようだ。 死体れいむの後頭部をわっしとつかみ、左右にがくがくと揺らしながら巣穴に押し込み、 ゆっくりとまりさに近づけて行く。 「ま゛~~~~り゛~~~~ざぁ~~~~!」 「………!!」 ゆっくりらしからぬ異常な動きで迫って来るれいむのお化けに、 恐怖が限界に達したまりさは白目を向いて気絶してしまった。 見ればあごにあたる部分から砂糖水を漏らしている。恐怖のあまり失禁までしたようだ。 死体のれいむを巣の中に残したまま、石を集めて巣穴の入り口を塞ぐように積み上げ 土や枝で石の隙間を埋めた。これをゆっくりが中からどかす事は出来ないだろう。 気絶から立ち直ったまりさが入り口を塞がれた真っ暗な巣穴で、 自分が殺したれいむと一緒だと知った時どんな顔をするだろうか。 これからのまりさの様子を確認する手段がないのが残念だが、 暫くしたら石をどかして中の様子を見る事にしようと、帰路についた。 おわり。 その他の作品。 ゆっくりいじめ系791 ゆっくりと瓶? (fuku2335.txt) ゆっくりいじめ系813 赤ちゃんのお帽子? (fuku2368.txt) ゆっくりいじめ系822 ドスの中身? (fuku2386.txt) ゆっくりいじめ系851 どちらかのお帽子? (fuku2437.txt) ゆっくりいじめ系873 べたべたのお肌? (fuku2467.txt) ゆっくりいじめ系940 三角の頭巾? (fuku2628.txt) ゆっくりいじめ小ネタ151 みょん語体? (fuku2670.txt) お帽子の人? このSSに感想を付ける
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このページには、ゆっくりいじめ系1001~1250まで一覧となっています。 作品の後ろにある文字の説明はジャンルマークについてに纏めてあります。 1000以前および1251以降につきましては下記から。 ゆっくりいじめ.250 ゆっくりいじめ.500 ゆっくりいじめ.750 ゆっくりいじめ.1000 ゆっくりいじめ.1500 ゆっくりいじめ.1750 ゆっくりいじめ.2000 ゆっくりいじめ.2250 ゆっくりいじめ.2500 ゆっくりいじめ.2750 ゆっくりいじめ.3000 ゆっくりいじめ系1001 考え方の根本が違うそ無 ゆっくりいじめ系1002 鯛焼き ゆっくりいじめ系1003 万能お兄さん1_1 ゆっくりいじめ系1004 万能お兄さん1_2 ゆっくりいじめ系1005 出産妨害ってほど妨害してない ゆっくりいじめ系1006 ゆっくり郷 ゆっくりいじめ系1007 見守るドスまりさ制無 ゆっくりいじめ系1008 後悔、先に立たず ゆっくりいじめ系1009 家にゆっくりが居た ゆっくりいじめ系1010 ゆっくりクイズ ゆっくりいじめ系1011 ありすに厳しい群れ(中) ゆっくりいじめ系1012 冬のゆっくり そ 環 家 ゆっくりいじめ系1013 手を汚すのが嫌いな虐待おねーさん(その1) ゆっくりいじめ系1014 どすのせいたい ゆっくりいじめ系1015 プロの虐待お兄さん ゆっくりいじめ系1016 家畜饅頭ゆプー(前)虐家機料道無 ゆっくりいじめ系1017 家畜饅頭ゆプー(後)虐機道無 ゆっくりいじめ系1018 忘却 ゆっくりいじめ系1019 ゆ狩りー1 虐 家 ゆっくりいじめ系1020 ゆ狩りー2 虐 家 ゆっくりいじめ系1021 ゆっくり駆除アリス 虐 家 性 ゆっくりいじめ系1022 万能お兄さん2_1 ゆっくりいじめ系1023 万能お兄さん2_2 ゆっくりいじめ系1024 嘘つき少女の悲劇 制 捕 ゆっくりいじめ系1025 赤姫 ゆっくりいじめ系1026 ゆっくり宅に挨拶 ゆっくりいじめ系1027 ゆっくりの救急車 ゆっくりいじめ系1028 盲導ゆっくり(前編)制無 ゆっくりいじめ系1029 盲導ゆっくり(後編)制無 ゆっくりいじめ系1030 ドキッ☆ゆっくりだらけの運動会 ゆっくりいじめ系1031 ドキッ☆ゆっくりだらけの運動会2 ゆっくりいじめ系1032 手を汚すのが嫌いな虐待おねーさん(その2) ゆっくりいじめ系1033 大根の本気 虐 制 環 ゆっくりいじめ系1034 プロの虐待お兄さん2 ゆっくりいじめ系1035 赤ゆれいむ ゆっくりいじめ系1036 レポート ゆっくりいじめ系1037 僕とわがまままりさのギスギスしたおもてなし ゆっくりいじめ系1038 たっぷりしていってね!_01 ゆっくりいじめ系1039 たっぷりしていってね!_02 ゆっくりいじめ系1040 チャリンコ 虐 家 無 ゆっくりいじめ系1041 ゆっくり一家、デパートへ逝く ゆっくりいじめ系1042 蹴る虐家無 ゆっくりいじめ系1043 彼岸花 ゆっくりいじめ系1044 ゆっくりと共同生活 ゆっくりいじめ系1045 奇跡のゆっくりプレイス ゆっくりいじめ系1046 一匹のゆっくりを捕まえてきた ゆっくりいじめ系1047 発電する国虐環機無 ゆっくりいじめ系1048 一匹のゆっくりを捕まえてきた。2 ゆっくりいじめ系1049 一匹のゆっくりを捕まえてきた。3 削除しました 削除しました ゆっくりいじめ系1052 ゆっくりとガチバトル そ ゆっくりいじめ系1053 ゆっくり咲夜来襲! ゆっくりいじめ系1054 子沢山(にんっしんっ篇) ゆっくりいじめ系1055 コシアンルーレット 前編 ゆっくりいじめ系1056 ゆっくり漫才 ゆっくりいじめ系1057 万能お兄さん3_01 ゆっくりいじめ系1058 万能お兄さん3_02 ゆっくりいじめ系1059 種付けゆっくり・前編 ゆっくりいじめ系1060 種付けゆっくり・後編 ゆっくりいじめ系1061 まきぞえ ゆっくりいじめ系1062 甘い言葉虐無 ゆっくりいじめ系1063 ゆっくり黄昏てね ゆっくりいじめ系1064 ゆっくり潰し ゆっくりいじめ系1065 奇形たちの楽園 前編 ゆっくりいじめ系1066 奇形たちの楽園 後編 「ゆっくりいじめ系1067 冬篭りのせいで歯車がズレたか……は作者の要請により削除されました。」 ゆっくりいじめ系1068 放置プレイ? ゆっくりいじめ系1069 ゆっくり想像妊娠(前編)制環捕無 ゆっくりいじめ系1070 ゆっくり想像妊娠(後編)制環捕無 ゆっくりいじめ系1071 コシアンルーレット 後編 ゆっくりいじめ系1072 ドキッ☆ゆっくりだらけの運動会3 ゆっくりいじめ系1073 ゆっくり視点 ゆっくりいじめ系1074 まりさとぱちゅりーの子育て_01 ゆっくりいじめ系1075 まりさとぱちゅりーの子育て_02 ゆっくりいじめ系1076 てんことお兄さん2 ゆっくりいじめ系1077 飼い猫のジョン ゆっくりいじめ系1078 何かがいる ゆっくりいじめ系1079 僕とわがまままりさのギスギスしたごっこ遊び ゆっくりいじめ系1080 母をたずねて三里 ゆっくりいじめ系1081 戦闘お兄さん001 ゆっくりいじめ系1082 まりさは貝になりたい 本編 ゆっくりいじめ系1083 ゆっくりーまん ゆっくりいじめ系1084 ゆっくり実験01 ゆっくりいじめ系1085 ゆーちぇ ゆっくりいじめ系1086 ゆっくり家族愛 ゆっくりいじめ系1087 潜入!ボスの群制無 ゆっくりいじめ系1088 まりさとぱちゅりーのお引越し ゆっくりいじめ系1089 青い空 ゆっくりいじめ系1090 ゆっくり食べてね! ゆっくりいじめ系1091 情報屋まりさ ゆっくりいじめ系1092 のうかりんランド① ゆっくりいじめ系1093 ゆっくりエレエレしてね! ゆっくりいじめ系1094 黒ゆっくり1 ゆっくりいじめ系1095 鉄ゆ ゆっくりいじめ系1096 飼いドス ゆっくりいじめ系1097 アストロン ゆっくりいじめ系1098 アストロン対策 ゆっくりいじめ系1099 頭 ゆっくりいじめ系1100 不幸なゆっくりまりさ ゆっくりいじめ系1101 冬の三角形 ゆっくりいじめ系1102 醜い男 ゆっくりいじめ系1103 capsize 1 ゆっくりいじめ系1104 capsize 2 ゆっくりいじめ系1105 ゆっくりホームステイしていってね!! ゆっくりいじめ系1106 一匹のゆっくりを捕まえてきた。外伝1 ゆっくりいじめ系1107 ゆくぶつかん ゆっくりいじめ系1108 赤ちゃんまりさとまりさつむり ゆっくりいじめ系1109 やっぱりこの人はすごい ゆっくりいじめ系1110 頭の良いゆっくり ゆっくりいじめ系1111 協定破棄 復 無 ゆっくりいじめ系1112 社会とゆっくり 1 ゆっくりいじめ系1113 社会とゆっくり 2 ゆっくりいじめ系1114 最強の遺伝子 ゆっくりいじめ系1115 ゆっくり食べてね! ゆっくりいじめ系1116 2008年宇宙の旅 ゆっくりいじめ系1117 ゆっくり剥製 ゆっくりいじめ系1118 ベーシック加工場を目指してみた ゆっくりいじめ系1119 悲しき聖帝ゆっくり! お前は愛につかれている!!1 ゆっくりいじめ系1120 加害者ありすの献身虐制性無 削除しました ゆっくりいじめ系1122 恐怖のリッツパーティ ゆっくりいじめ系1123 定型句 ゆっくりいじめ系1124 スカウトマンゆかりん前 ゆっくりいじめ系1125 スカウトマンゆかりん後 ゆっくりいじめ系1126 れいむの転落人生 ゆっくりいじめ系1127 ありすほいほい ゆっくりいじめ系1128 悲しき聖帝ゆっくり! お前は愛につかれている!!2 ゆっくりいじめ系1129 庇護 ゆっくりいじめ系1130 ゆっくりちくろ ゆっくりいじめ系1131 悲しき聖帝ゆっくり! お前は愛につかれている!!3 ゆっくりいじめ系1132 庇護─選択の結果─ ゆっくりいじめ系1133 ゆっくりCUBE外伝(後) ゆっくりいじめ系1134 おろし金 ゆっくりいじめ系1135 ちょっと熱めなお兄さん ゆっくりいじめ系1136 恵みの饅頭 ゆっくりいじめ系1137 ゆっくり苺大福 「ゆっくりいじめ系1138は作者さん要請により削りました。by管理人」 ゆっくりいじめ系1139 やねのうえのゆっくり ゆっくりいじめ系1140 親れいむのがんばり ゆっくりいじめ系1141 ゆっくりする事を求めて(前) ゆっくりいじめ系1142 ゆっくりする事を求めて(中) ゆっくりいじめ系1143 ゆっくりする事を求めて(後)1 ゆっくりいじめ系1144 ゆっくりする事を求めて(後)2 ゆっくりいじめ系1145 硬いお菓子 ゆっくりいじめ系1146 スーパー系お兄さん 1 ゆっくりいじめ系1147 スーパー系お兄さん 2 ゆっくりいじめ系1148 ゆっくりベビーシッター ゆっくりいじめ系1149 ゆっくりさくやと私 ゆっくりいじめ系1150 人里は餡外魔境 ゆっくりいじめ系1151 ひも付きゆっくり家族 ゆっくりいじめ系1152 僕とわがまままりさのギスギスした山登り ゆっくりいじめ系1153 ありすに厳しい群れ(後) ゆっくりいじめ系1154 じっくり虐待・1 ゆっくりいじめ系1155 じっくり虐待・2 ゆっくりいじめ系1156 お兄さんとドスれいむ ゆっくりいじめ系1157 変わる日常。変わらないもの ゆっくりいじめ系1158 毒人形 「ゆっくりいじめ系1159 ゆふらんセブン 哀・まりさ編は作者さんの要請で削除されました。」 ゆっくりいじめ系1160 子れいむのがんばり ゆっくりいじめ系1161 まだ見ぬゆっくりを探して ゆっくりいじめ系1162 人間 ゆっくりいじめ系1163 冬ごもりすっぞ!? ゆっくりいじめ系1164 虐殺お兄さんの弱点 ゆっくりいじめ系1165 ゆっくりれみりゃの生涯 『希少種への進化編』 ゆっくりいじめ系1166 ゆっくりによる裁判 ゆっくりいじめ系1167 ゆっくりゆうかの一生 ゆっくりいじめ系1168 鬼意屋敷殺人事件 ゆっくりいじめ系1169 ゆっくり転生 ゆっくりいじめ系1170 等価交換 ゆっくりいじめ系1171 しろくろ ゆっくりいじめ系1172 二匹のゆっくりを育ててみた ゆっくりいじめ系1173 しろれいむ 1話 ゆっくりいじめ系1174 頭 ゆっくりいじめ系1175 灼熱地獄 ゆっくりいじめ系1176 甘い話には裏がある(前) ゆっくりいじめ系1177 甘い話には裏がある(中) ゆっくりいじめ系1178 甘い話には裏がある最終話 ゆっくりいじめ系1179 どり~む ゆっくりいじめ系1180 ゆっくりホームステイしていってね!! 2 ゆっくりいじめ系1181 しろれいむ 2話 ゆっくりいじめ系1182 悪徳の栄え1 ゆっくりいじめ系1183 おねしょゆっくり ゆっくりいじめ系1184 のうかりんランド② 1 ゆっくりいじめ系1185 のうかりんランド② 2 ゆっくりいじめ系1186 二匹のゆっくりを育ててみた。2 ゆっくりいじめ系1187 ジュースを片手に森で踊ろう ゆっくりいじめ系1188 漢方『湯繰丹』 ゆっくりいじめ系1189 心地よい箱 ゆっくりいじめ系1190 ゆっくりの巣 ゆっくりいじめ系1191 どすの加工所 ゆっくりいじめ系1192 ゆっくりさとり ゆっくりいじめ系1193 れいむをまもるもの ゆっくりいじめ系1194 ゆっくりの裏ビデオ ゆっくりいじめ系1195 ゆっくり釣っていってね!!! ゆっくりいじめ系1196 ゆっくり釣らないでね!!! ゆっくりいじめ系1197 おでんとからし ~おでん~ ゆっくりいじめ系1198 おでんとからし ~からし~ ゆっくりいじめ系1199 ゆっくりできた日々1 ゆっくりいじめ系1202 ゆっくりプリズムリバー ゆっくりいじめ系1203 うーぱっくと果樹園 ゆっくりいじめ系1204 観察 ゆっくりいじめ系1205 幻想樹の迷宮 ゆっくりいじめ系1206 幻想樹の迷宮Ⅱ ゆっくりいじめ系1207 もりのおう ゆっくりいじめ系1208 あるゆっくり魔理沙の記録 ゆっくりいじめ系1209 ことばのろうそ環家無 ゆっくりいじめ系1210 もやし ゆっくりいじめ系1211 扇風機 ゆっくりいじめ系1212 仲良し姉妹 ゆっくりいじめ系1213 ともだち ゆっくりいじめ系1214 【餡れいざー】 ゆっくりいじめ系1215 取らぬゆっくりの餡算用 ゆっくりいじめ系1216 実力の無い話 ゆっくりいじめ系1217 水夫と学者とゆっくりと ゆっくりいじめ系1218 ゆっくり ゆっくりいじめ系1219 ゆっくりとにとり ゆっくりいじめ系1220 ゆっくりいじめ系1221 むてきまんじゅう さんゆっくすりぃ vs 農耕士○ンバイン(嘘) ゆっくりいじめ系1222 ゆっくり繁殖させるよ! ゆっくりいじめ系1223 終わらないはねゆーん 前編 ゆっくりいじめ系1224 モンスターバスター ゆっくり襲来vol.1 ゆっくりいじめ系1225 少年 ゆっくりいじめ系1226 悪徳の栄え2 ゆっくりいじめ系1227 ゆー戯王 ゆっくりいじめ系1228 ありすの望み ゆっくりいじめ系1229 ゆっくりが好きな子供 ゆっくりいじめ系1230 万能お兄さん4 ゆっくりいじめ系1230 万能お兄さん4_2 ゆっくりいじめ系1231 こんにゃゆっくちいりゅかな?そ家 削除しました ゆっくりいじめ系1233削除 ゆっくりいじめ系1234 【樽】 ゆっくりいじめ系1235 現ゆ ゆっくりいじめ系1236 頭の良い生き物 ゆっくりいじめ系1237 ゆっくりサファリパーク ゆっくりいじめ系1238 ゆっくりsacrifice ゆっくりいじめ系1239 マタニティゆっくり 前編 ゆっくりいじめ系1240 でーしーえす ゆっくりいじめ系1241 【球体】 ゆっくりいじめ系1242 日々淡々とした話 ゆっくりいじめ系1243 兵器にもならぬゆっくり ゆっくりいじめ系1244 トカゲのたまご1 -たまご ゆっくりいじめ系1245 徹夜でゆっくりしようぜ! ゆっくりいじめ系1246 二人のお兄さんと干しゆっくり ゆっくりいじめ系1248 人間の味方 ゆっくりいじめ系1249 赤ゆっくり物語 ゆっくりいじめ系1250 緩動戦士まりさ
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KPさんのシナリオが出来上がるまで透水の企画、『彩りはじめた季節』を 習作として製作する事になりました。(今回は一本道シナリオです) 2006年12月30日、完成いたしました。 DLはTOPからできます。 あらすじ 何もない日常をなんとなく過ごす主人公の前に突然現れた少女。一変する日常。 そんな日々に疲れ、元の平穏な日常を求める主人公。 しかし、元に戻ったと思われた日常は、平穏でも何でもないただの空虚だった。 登場人物 五十嵐 亮介(イガラシ リョウスケ) 20歳 活発な少年だったが、幼馴染の碧の死から心を閉ざすようになった。 一時は誰とも話すことはおろか、目を合わすことすらしなかったが 浩一のおかげもあり、現在では元通りとは言えないまでも元気を取り戻している。 唯一、浩一だけが本心から信頼できる友人。 大学へ入学してすぐ、両親が仕事の関係で海外へ転勤。 一家で住んでいたマンションにそのまま一人暮らし状態。 講義が終わった後浩一と遊びに行き、別れた先でナンパされて 困っている碧にそっくりな少女を見つけ、思わず助けに入る。 碧にそっくりな結花を放っておけず世話を焼くが、結花を 知れば知るほどに碧のことを強く思い出してしまう。 服装:フードトレーナー+ジーンズ(+ダウンジャケット) 体格:178cm 65kg 佐倉 結花(サクラ ユカ) 18歳 活発で明るくお節介焼き。かなり人懐っこく、ときどき甘えたがる(父親がいないため) 姉の碧に瓜二つ。 3歳の頃に両親が離婚、母の実家へ引き取られることになったので、亮介たちと面識がない。 碧と苗字が違うのは、離婚したときに母方の姓に変えたため。 父が病気で亡くなり、家の片付けを引き受けることになった。 そこで碧が事故に遭う直前に書き、出されることのなかった 結花宛ての手紙を見つけ、姉の代わりに亮介に会いに行く決心をする。 が、亮介がどこに住んでいるのかわからず、駅前で佇んでいたとき ナンパに遭い、偶然亮介が助けに入る。 亮介の名前を聞いて驚き、少し迷うが旅費もあまりなく、 亮介の人柄を知りたいと思い家出中ということにして亮介の家に 泊めてもらおうという大胆な行動に出る。 亮介の人柄や姉への気持ちなどを確かめるつもりで、素性は隠している。 服装:タートルネックorハイネックセーターカーディガン+チェックスカート 体格:159cm 47kg 葉山 碧(ハヤマ ミドリ)故16歳(亮介・浩一と同い年) 幼稚園からの亮介・浩一の幼馴染。 高校生の頃に事故で亡くなっている。 父に引き取られていた。 育った環境の違いか、大人しい性格で控えめなところがあるが、 明るく世話焼きで親しい間柄だけだが人懐っこいのは結花と同じ。 離れていたが、結花とはちょくちょく連絡をとっていて、亮介のことも よく話していた。 中学の頃から亮介と付き合っていたが、幼馴染のせいか恥ずかしがって お互いはっきりと好きだと言ったことはない。 そのことをずっと気にして、結花にもそのことは話していた。 遠藤 浩一 20歳 亮介・碧の幼馴染、閉じこもっていた頃から亮介が唯一心を開いている 存在。 見た目通り軽い振る舞いをしているが、実は情に厚く、友人思い。 奈緒と美緒という双子の妹がいて、病気といっていいほどのシスコン。 碧の死には浩一もショックを受けていたが、ひどく沈む亮介を見て、 助けてやりたいと思い立ち直る。 服装:ブレザージャケット+カーゴパンツ 体格:181cm 69kg 製作スタッフ 『彩りはじめた季節』 設定…………………透水 シナリオ ……………スミス サブシナリオ ……… K.P.、Rabi、SK、hacchi、562 原画 (浩一)…………GAT 原画 (結花)・イベント画…MAG 原画 (双子)…………SK 原画 (デューク) …… hacchi スクリプト……………562 音楽…………………YOU、Rabi 彩色…………………SK 背景…………………hacchi 作業進行状況 企画・シナリオ・ミキシング……透水 進行状況 %・近況-脱退 ・プロット作成 -済 ・街(ミキシング) -済 ・メインテーマ(ミキシング) -済 原画(ユカ)………………MAG 完成! ・立ち絵 100% ・イベント絵 5/6 ・イベント絵ラフ 6/6 スクリプト…………562 進行状況 100%・近況-完成 ・スクリプト作業 -終了 ・サークルまとめ作業-随時作業中 音楽………………YOU 進行状況 %・近況- ・キャンパス用の曲作成中 -現在の完成度は40%ぐらい ・部屋用の曲はあと少しで完成。(このまま使われるかは別として) 音楽………………RaBi 進行状況 ・街 -済 ・悲しい -済 ・回想 -済 ・メインテーマ -済 ・緊迫 -没 彩色………………SK 進行状況 完成! ・彩色(イベント) -6/6 ・立ち絵彩色 -済 ・ネクストアイコン製作 -済 ・HP素材作り -topのみ済 ・HPデザイン -済 ・セーブ画面デザイン中 -済 ・臨時まとめサイト作成-済 ・メッセージウインドウデザインラフ-済 ・メッセージウインドウデザイン-済 背景………………hacchi/はち ◆rXoM1hPf2E 進行状況100%・近況- 完成 ・イメージBG-作業 - 全うp済み。 ・立ち絵背景-全UP済み ・デュークつくってみたり(済) ・フローチャート作成・シナリオ整理(済) ・シナリオ日常部分お手伝い(済) ・タイトルデザイン-済 ・OP用素材-済 ・暫定用タイトル画面&ボタン-済 ・立ち絵背景ラフ-済 ・枯葉素材-済