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wiki管理 新しいページ 検索 ページ一覧 RSS @wikiご利用ガイド 管理者に連絡 ログイン 運営用コメント wiki運営のためのコメントがあれば書き込んでください。 仕様の変更や改善依頼等もこちらにお願いします。 未整理の所に記載のバグが当方でも発生しました。奇襲じゃなく通常戦闘開始→即、ラスオブゴッドでファナのカットインのみ出ず、進行不可能に。 -- (タカ) 2008-11-16 21 48 05 名前 コメント すべてのコメントを見る
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はいはいはい、ここは、 寿と琉璃のwikiとなっております(´∵`) お楽しみくださいませ( ℃゜ )
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姫路の高校生広場@Wiki(仮題)TOP サイト内検索(Wiki) 検索 合計: - 今日: - 昨日: - メニュー 姫路の高校生広場@Wikiは、姫路市の高校生広場のコンテンツの1つです。 主に姫路周辺に関する地域情報(飲食店、カラオケ、ボウリングetc...)を紹介しあうために設置されたWikiです。 お互い、自慢のオススメスポットを出し合って史上最高のデータベースを完成させましょう! Wikiって何?という方はこちらへ。 なお、編集・コメントする前に必ず利用規約を読んでいただくようお願いします。 利用規約 サイト内検索(Wiki) 検索 一言コメント てす -- (774@削除人) 2005-11-04 22 25 09 テス、テス。 -- (774@削除人) 2005-11-04 22 28 30 テス、テス、テス。 -- (774@削除人) 2005-11-05 14 04 17 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/clickvip/pages/150.html
wiki編集部へようこそ。こちらはwikiを管理・運営している編集部チームの紹介ページです。クリッカーが走り続ける限りwiki編も一緒に走り続けます。Edit or Die! wiki編集に参加してみませんか? wiki編集部では編集に携わる人を常時募集しています。 編集スキルを持つ方をはじめ得意分野がある方はどんどん参加してください。 もちろんスキルがなくても大歓迎!新人の方は全力でフォローします。 今重点的に募集している担当 wiki編集部では、全てのコンテンツを全員が見るのではなく、各自の適性や興味に応じてなんとなく分担作業が行われています。現在wikiで十分に対応できていない 外交周りの編集 ハンガリーや台湾に関する情報の充実。 過去の交流の記録や、他国との交流のガイドなど。 外交部との連携・掛け持ちも大歓迎です。 テクニカルサポート ツールやBAN対策等の最新情報のフォロー。 初心者向けのわかりやすいガイドの作成など。 最新情報拾うぜ係 ツール新バージョンに応じてのリンクの変更やトップ告知。 過去ログのアップ ブログの編集 毎日の日誌を、他の人が書いていないときのフォロー ツール情報や戦況のニュース記事 などを手伝ってくださる方、熱烈に募集中です! 現在担当募集中のページ一覧 連絡先 wiki編集部入部希望およびその他の連絡は click-japan(あっと)hotmail.co.jp までメールをお願いします。 送信後、Wiki編集部スレにてご報告ください。 今すぐwiki編集をやってみる! 過去にwikiが荒らされた経緯があり、現在wiki編集にはID登録が必要になっていますが、編集員登録しなくても「誰でも編集可能!」なページもいくつかあります。 以下のページは気づいた方がどんどん更新してください。 誰でも編集可能なページ一覧 本スレッド用テンプレート 質問スレッド用テンプレート 宣伝広報部ページ 外交臨時(日本紹介分の作成状況) 外交ラジオ(ハンガリーの海賊ラジオにメッセージを送る)※企画終了 情報解析部ページ ねとらじ支部ページ ねとらじ配信者向け情報 ねとらじ過去の放送一覧 スレ自治 情報共有(スレなどで重要情報ができたら教えてください) 求人広告 wiki編集の経験が無い方へ 自由に書き消しOKなページを用意しました。 このページは内容がぐちゃぐちゃになっても失敗しても大丈夫です。 前の人の内容を消しちゃってもかまいません。 色々試して練習してみてください。 wiki編集練習用ページ wikiの構文について分らないことがあったら「 初心者ガイド 」や「 助け合い掲示板 」を参考にしてください。 現行スレッド 一番クリックした国が優勝 Wiki編集部 in パー速 5 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1190005535/l50 情報提供、意見、タレコミ等はこちらへ! ログ 一番クリックした国が優勝 Wiki編集部 in パー速 4 一番クリックした国が優勝 Wiki編集部 in パー速 3 一番クリックした国が優勝 Wiki編集部 in パー速 2 一番クリックした国が優勝 Wiki編集部 in パー速 Wikiへのご意見(あったらいいなページ・いらなくねページ、なども) 急ぎの要望等は編集部スレのほうが確実です。 日本に対して複雑な感情を持っている台湾人がいるのは -- j (2007-07-25 04 08 39) 日本の統治はきっちりしていたし、植民地どうこうでなく中国の反日工作がまだ根を引いてるからだろ -- j (2007-07-25 04 11 11) ご意見ありがとうございます。台湾在住の方や台湾人の意見も取り入れての記述です。ご了承ください。 -- wiki編集 (2007-07-25 12 44 22) 名前 コメント wikiの課題
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2133.html
※原作好きの方もそうでない方も気分を害される可能性があります。 ※いじめ分薄めです。 ※40字改行です。 【東方緩慢堂】 夕暮れの幻想郷。 魔法の森と人里の境。 泣き出しそうな空の下、不思議な建物の店が佇んでいた。 入り口の看板には「香霖堂」の文字。 店内には何に使うのやら分からない品が、所狭しと並べられていた。 「これは・・・降ってきそうだな」 窓から空を眺め、ひとりごちた。 読みかけの本に視線を戻し、ページを捲る。 本日の売り上げ、及び来店人数は共にゼロ。 なに、別に珍しい事ではない。 紙が擦れる音に、雨音が混じり始めた。 「・・・降ってきたか」 これでは来客も見込めないだろう。 いい時間だし、今日は店じまいにしようか。 そう思い、立ち上がる。 「・・・・・・・・・よ・・・」 「・・・・・・で・・・・・・ね・・・」 何やら、声が近づいてくる。 雨宿りの類だろうか。 そんな事を考えていると、乱暴にドアが開け放たれた。 ――ドン、ドン、バンッ ――カラン、カラン 「いらっしゃ・・・」 いらっしゃい。 入り口にに向かって、そう声を掛けようとして僕は固まった。 「「ゆっくりしていってね!!」」 生首だ。 首が喋ってる。 霊夢と魔理沙? いやいや彼女達は人間だ、首だけで喋れるはずが無い。 「「おにいさんはゆっくりできるひと?」」 落ち着け、落ち着くんだ。 こいつらが何者なのかは一先ず置いておこう。頭が痛くなる。 大事なのはこいつら何をしに僕の所へ来たのかということだ。 「おにいさんきいてるの!?」 「ゆっくりへんじしてね!」 「ああ、すまない。それで、うちになにか御用かな」 「おそとでゆっくりしてたよ!」 「あめさんがふってきてゆっくりできないんだぜ!」 「ふむ」 どうやら知能も力も余り高くは無いらしい。 生まれたばかりの妖怪か妖精の類だろうか。 それにしても見た事の無いタイプだが・・・。 「ゆっくりさせていってね!!」 「ついでにごはんもってきてね! おかしでもいいよ!」 「・・・帰ってくれ」 お客様ではない事はよく分かった。 とてもお金を持っているようにも見えない。 ならばばこんな得体の知れない生き物をうちに置いておく義理は無い。 厚かましいとあっては尚更だ。 「どおしてそんなこというのぉ!?」 「ゆっくりできないおじさんはしぬんだぜ!」 魔理沙っぽい方が飛び掛ってきた。が、 ――ヒョイ ――べしゃっ! ・・・遅い。僕でも難なく避ける事ができた。 黒い帽子を被った生き物は顔面から床に突っ込む形となった。 「ゆびぃぃ!?」 「ま、まりさ!?」 「・・・」 「ど、どぼじでよ゛げるの゛お゛お゛お゛ぉぉ!?」 「まりさをいじめないでね! ゆっくりあやまってね!」 なんだか僕が悪者みたいだ。 何も悪い事はしていないはずだが。 「ゆ゛ぅ゛・・・いたいんだじぇ・・・いたくてしぬじぇぇ・・・」 「どおしてこんなことするの! おになの! あくまなの!?」 仕方がない、今日は面倒を見てやる事にしよう。 「はぁ・・・。悪かった、雨がやむまでは置いてやるよ。 後はご飯だったか。お菓子でいいのかい?」 「「ゆっ!」」 「ありがとうおにいさん!」 「ゆっくりしないでもってくるんだぜ!!」 お菓子と聞いた途端、目を輝かせる2匹。 黒いの、さては嘘泣きだったな? 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせぇぇ♪」 「がつがつ・・・うっめ、がっがっ・・・これめっちゃうめ!」 床に煎餅と最中を置いてやると、凄まじい勢いで食べ始めた。 食べかすが飛び散っている。居間に上げなかったのは正解だった。 「君達、もう少し落ち着いて食べれないのかい」 「むーしゃむーしゃ♪」 「うっめ!これめっちゃうっめ!」 全く聞こえていないようだ。 まぁ、これだけおいしそうに食べてもらえば、賞味期限の切れた最中も本望だろう。 僕も食事を摂ることにしよう。 「ゆぅ・・・。ゆぅ・・・。」 「ゆぴー・・・。ゆぴー・・・。」 あれから煎餅と最中を食べつくし、 更に僕の夕飯を半分平らげた所で、ようやく満足したようだ。 この体のどこにそれだけのスペースがあったというのだろうか。 食後に話を聞くと、黒い帽子を被ったほうは「まりさ」、 赤いリボンを付けた方は「れいむ」と名乗った。 姿も名前も似ているとなると、やはりあの少女達と関係があるのだろう。 今度魔理沙か霊夢が来たら、この不思議な生き物について聞いてみるとしよう。 他にも普段は森で仲間と暮らしているとか、 長時間雨などの水に触れていると体が溶けてしまうという話を聞いた。 それにしても、良く眠っている。 僕が信用されているのか(自惚れか?)、危機管理能力に欠けているのか。 どちらにしろ、店の中は森よりは寝心地がいいのだろう。 なんとなく眺めていると、突如ある情報が「視え」た。 (名称:饅頭 用途:食用・観賞用・ストレス解消用) 道具の名前と用途が判る程度の能力。 本来人妖や動物などの生き物には通用しない能力のはずだ。 饅頭に何かが憑いている? もしくは妖怪変化の途中で、饅頭と妖怪の境界を跨ぎ切っていないのか。 しかし、正体が饅頭とは驚いた。 見た目はアレだが、饅頭というなら食用というのも頷ける。 起きている時はふてぶてしい表情をしていたが、 こうして見ると可愛げが無い・・・こともない。 それにしても最後の「ストレス解消用」とは一体どういうことだろう。 それ以上踏み込むのは良くない気がしたので、その日は寝てしまうことにした。 早朝。 雨はすっかり上がっていた。 れいむとまりさは「「ゆっくりしていってね!!」」の声と共に起き、 大量の食料を消費した後、元気に飛び跳ねて行った。 「またきてあげるね!!」 「ごはんをよういしてまっててね!」 「もう来なくていいよ・・・」 味を占めて懐かれなければいいのだが。 入り口の札を「営業中」に切り替え、店内に戻る。 そして、僕はいつものように本を読み始めた。 ――カラン、カラン 「おーい、香霖いるかー?」 「ああ魔理沙、丁度良かった」 「あー?」 「昨日、妙な生き物が入ってきてね」 「私は動物の専門家じゃないぜ」 「簡単にいえば、魔理沙と霊夢の生首だ」 「あー、それなら「ゆっくり」だぜ。あと私と一緒にするな。胸が悪くなる」 魔理沙によれば、あの生首のような生き物はその口癖から「ゆっくり」と呼ばれていて、 なぜか幻想郷の少女に似た顔をしているらしい。本人達はかなり迷惑しているようだ。 「香霖はもうちょっと外に出た方がいいぜ。人里ではもう常識だぜ?」 「そうなのか。所で、あれは食べられるのかい?」 「ああ、見た目さえ気にしなければうまいらしい。私は食べないがな」 「食べるといえばそろそろ昼時だな。魔理沙も食べて行くかい?」 「それなら、私が作るぜ。キノコも採ってきたしな」 「初めからそのつもりだったんじゃないだろうな」 魔理沙は何も言わずお勝手に入って行った。 せっかく作ってくれるというのだ、本でも読みながら待つとしよう。 「できたぜ~。いつもながらろくな食料がないんだな」 メニューは、キノコ汁と漬物がメインだ。 質素だが、僕は半分妖怪だから余り食べる必要はない。 そのためもともと食料を多く置いていないのだ。 その上、昨日の夜から今朝にかけて大量に食べるやつがいたしね・・・。 食べようか、としたその時 ――バンッ! 「「ゆっくりしていってね!!」」 今朝見送ったはずのゆっくりが飛び込んできた。 「おにーさん! れいむたちにごはんちょうだいね!!」 「ゆゆ!? ごはんのにおいがするんだぜ!」 そういったかと思うと、断りもなく土足(?)で居間に入ってきた。 「ゆ! やっぱりごはんだぜ!!」 「れいむたちのためによういしてくれたんだね!」 「おい、お前・・・ 魔理沙が止める間もなく、2匹が卓の上に飛び乗った。 キノコ汁の器がひっくり返り、香の物が宙を舞う。 呆然とその光景を見守る僕達。 「ゆゆ!? ごはんがなくなったよ!?」 「まりさのごはんどこなんだぜ!?」 「・・・」 ――ピシッ まりさが、まりさといった瞬間、場の空気が変わったような気がした。 「お前達が、やったんだろ。それにお前達のご飯じゃない」 「ゆ!? おねえさんだれ!? どこからはいってきたの!?」 「ここはまりさとれいむとおにーさんのおうちだよ!!」 いつから彼女達のおうちになったんだろう。 僕は今までもこれからも一人で住んでいるつもりだが。 「今すぐ、出て行け」 魔理沙の最後通告。 僕は家が壊されないか気が気でなかった。 「なにいってるの! へんなこというめすぶたはしんでね!」 「さっさとでていってね! でもそのまえにごはんよういしてね!」 「・・・」 魔理沙がゆっくりに近づいて行き、 「お、おい、ここで暴れないでくれよ」 通り過ぎ、窓を開け放った。 「ゆっ!?」 「なにするの! まりさをはなしてね!」 「・・・」 そしてまりさを掴み、大きく振りかぶる。 「なにするの! はなしてね! ゆっくりやめていってね!」 「ゆっくりしていってね! ゆっくりしていってね! ゆっくりしていってねぇ!?」 窓から外へ投げる。全力で。 「ゆびゅあぁぁああぁぁ!? おねえさんのばかああぁぁぁ・・・ぁ・・・・・・!」 「ま゛り゛ざあぁぁぁぁぁ!!?」 その後、れいむも同じ道を辿った。 「ま、死んではいないだろ。これからは戸締りに気をつけろよ」 「魔理沙は僕に店じまいをしろと?」 「そうは言ってないぜ。でも元々客なんて来ないじゃないか」 今日は帰るぜ、といって魔理沙は帰って行った。 これから居間を片付けることを考えると気が重い。 ゆっくり、か。やっかいな生き物に懐かれてしまったものだ。 ――カランカランカラン 「霖之助さん、いるかしら」 「ああ霊夢、久しぶりだね」 霊夢はきまぐれで、毎日のように来ることもあれば、一月近く顔を出さないこともある。 「最近変な生き物が増えてるの。知ってるかしら」 「ゆっくりのことかい?」 「そう! それでね、山に棲んでるのはまだいいんだけど人里や神社を荒らすやつらがい るのよ。それはまだいいとしても、私を真似たような顔をしているのが許せないわ」 「それは災難だね」 「ああそれとは関係ないんだけど、服の修繕を・・・ ――バーン! ――カラン、カラッ 「「ゆっくりしていってね!!」」 あのゆっくりが、ふてぶてしくもキリッとした表情でこちらを見上げている。 「・・・それでね。弾幕ごっこで服が破れちゃって。修繕を頼みたいのよ」 「またかい?」 「「むししないでね!! おにいさんはごはんちょうだいね!!」」 「これなんだけど。もちろんお代はツケでね」 「あのなぁ霊夢。いつも言っている事だが、商いというものは・・・ 「じゃまなおねえさんはきえてね!」 「ここはれいむとまりさのおうちだよ!!」 「あっ」 ゆっくりに体当たりをされて、霊夢が体勢を崩した。 更にボスボスと追い討ちをかける。 「お、おい。大丈夫か?」 「れいむのまねをしてかわいくなったつもりなの! ばかなの!?」 「ぶさいくなおねえさんはみのほどをわきまえてね!!」 「・・・」 ――ヒュッ ――ペタタッ 「「ゆ・・・? ゆぎゃああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛!!!?」」 「身の程を弁えるのはアンタ達よ、このド饅頭。」 「あ゛づい゛い゛い゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!! これな゛んな゛の゛おぉ゛ぉ゛!!?」 「い゛だい゛ぃぃぃぃ!!! ゆっぐりでぎな゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!!」 いつのまにかゆっくり達の額に、妖怪退治用の札が貼り付いていた。 札のふちから、少し煙が出ている。 「ゆっぐりはがれてね゛えぇぇ゛え゛ぇ゛え゛!!?」 「おね゛え゛ざんはがしでぐだざい゛ぃぃぃぃぃ!!!!」 よほど辛いのだろう、滂沱の涙を流しながら 額を床に擦りつけたり、霊夢に懇願している。 「・・・霊夢、やりすぎだ」 「こいつらは甘やかすと付け上がるから、これくらいで丁度いいのよ」 そういいながらも剥がしてやる霊夢。 途端に逃げ出すゆっくり達。 ぴょんぴょん飛び跳ねながら時折振り返り、何やら叫んでいる。 「ゆっくりできないばばあはしんでね!!」 「きょうはこれくらいでゆるしてやるんだぜ!!」 ―その夜。 僕は霊夢と魔理沙、そしてゆっくり達の事を考えていた。 ゆっくりが彼女達をモチーフにしていることはまず間違いない。 しかし本人達にもその理由は分からないようだった。 昼間の霊夢もそうだが、魔理沙もゆっくりにいい感情を持っていないようだった。 自分達の同じ顔の生き物がいれば確かに気味が悪いかもしれない。 しかし、それ以上の何かを彼女達からは感じた。 ゆっくりは人里を荒らすと言うから、もしかしたら同じ顔をした彼女達に対する風当たり が強くなってストレスを溜めているのかもしれない。 だとすれば、僕に何かできる事はないだろうか。 思い過ごしならばそれでいいのだが・・・。 黄昏の幻想郷。 魔法の森と人里の間にある道。 ゆっくりが2匹跳ねていた。 2匹の額には四角いアザのようなものがある。 「ゆっ ゆっ ゆっ」 「おにーさんにごはんわけてもらおうね!!」 「いじわるなおねーさんにきをつけるんだぜ!」 「れいむのまねをするなんてばかなおねーさんだね!」 「れいむのほうがひゃくばいかわいいんだぜ!」 「ゆぅ てれるよまりさぁ」 「馬鹿で悪かったわね」 「「ゆううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!?」」 「今度は逃がさないわよ」 「「ゆっくりにげるよ(ぜ)!!」」 「・・・ホーミングアミュレット」 「ゆぷぷ、どこねらってるのおねえさん!!」 「ばかなおねえさんだぜ! げらげらげら!」 「・・・」 「ゆうう!? どぼじてまがるのおおおおお!??」 「どぼじでもどってぐるんだぜえぇぇぇ!?」 「ゆびぃっ!?」 「ゆべっ べべっ!!」 「ゆ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛! いだい゛ぃぃぃぃ!!」 「ゆぐぅ・・・れいむ、ゆっくりしないでにげるんだぜ!」 「お、ゆっくりじゃないか」 「ゆ゛う゛う゛う゛う゛う゛ぅぅぅぅ!?」 「あのどきのおね゛え゛ざん゛ん゛ん゛ん゛!?」 「人の顔をみるなり逃げるなんて酷いやつらだな。『ゆっくりしていってね!』」 「「ゆっ」」 「パスウェイジョンニードル」 「「ゆっくりしていって・・・ね゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!??」」 「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」 「どぼいうごどな゛の゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!?」 「あー、うるさいぜ。霊夢」 「あら魔理沙じゃない」 「「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ」」 「こいつら香霖堂にいたやつらだろ? 止めもらっていいか?」 「別にいいわよ、気もすんだし」 「じゃあ取っておきをお見舞いするぜ。『恋符』・・・ なんだか外が騒がしいな。 霊夢か魔理沙辺りが弾幕ごっこをしているのかもしれない。 ――カランカラン 「いらっしゃ・・・ ってなんだ」 「なんだとはご挨拶だぜ」 「霖之助さん、服仕上がってるかしら?」 「ああ、出来てるよ。それにしても二人で来るなんて珍しいな」 「そこで会っただけだぜ」 「そういえば今日は来ていないんだが、ゆっくりを見なかったか?」 「見て無いわね」 「どうでもいいぜ。なぁ?」 「ふふ、そうね」 「・・・?」 なんだか今日は二人とも機嫌がいいな。 まぁ、僕の心配も取り越し苦労だったということだろう。 今日も幻想郷は概ね平和だった。 おわり ―オマケ― 草叢から、香霖堂を見つめる影があった。 「にんげんのいえだぜ! あそこをまりさのゆっくりぷれいすにするんだぜ」 そろーり、そろーり。 そう、口にしながら建物のドアに近づいていく。 まりさは、体当たりでドアを開け放った。 「ゆっく・・・! そこでまりさがみたものとは。 一人の男・・・いや、漢だった。 クセのない銀髪に爽やかな笑顔。 角ばったメガネと純白の褌のみを身につけている。 筋骨隆々、鋼の肉体は両手の親指だけで支えられている。 「ふんっ! ふんっ! ふんっ! ふんっ!」 彼が腕立て伏せをする度、両腕の筋肉が盛り上がり珠の汗を飛ばす。 「ん・・・? やぁ、ゆっくりしていってくれたまえ!」 「ご・・・ごゆるりと・・・だぜ」 「つれないじゃないかまりさ! ゆっくりしていってね!」 ノーモーションで立ち上がりまりさに近づく霖之助・・・いや、こーりん。 「いやあああああ!? こないでね!? こないでね!? こっちこないでねええ!?」 あっさりつかまってしまうまりさ。 「さあさあさあ遠慮しないで僕の筋肉とすりすりしてね! まずは腹筋だ!」 「ごつごつしててゆっくりできないぃぃぃぃぃぃ!!」 「お次は大胸筋だ! ちなみにDカップだよ!」 「い゛み゛がわ゛がら゛な゛い゛ぃぃぃぃぃぃ!?」 「最後は上腕二頭筋だ! ゆっくりしていってね!」 「いやああああああ!! わきにはさまないでねえええ!? くさぃ゛ぃぃぃ!?」 「まだまだ! もっと僕の筋肉を感じてくれたまえ! ワンモアセッ!」 「い゛や゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!?」 「ゆっぐり゛させでえ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!!!」 あとがき ヤンデレのレイマリに死ぬほど妬まれて ゆっくりできないゆっくりが書きたかったんだけど 見事に失敗した結果がこれだよ! 過去作品という名の黒歴史 眠れない夜 ゆっくりの小学校(前)(後) このSSに感想を付ける
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とある人間の家、ちゃぶ台の上に置かれた透明の箱に ゆっくりまりさがふてぶてしい顔で閉じ込められていた。 正面には家の主であろう人間がまりさを見つめて座る。 「さっさとまりさをここからだしてね!ゆっくりできないひとはさっさとしんでね!」 言いながら抵抗を試みるが、少しきついくらいの箱に押し込められたまりさは 跳ねる事も、頬を膨らませる事も、顔の向きを変えることすら出来ない。 「そうは言うけどねまりさ、勝手に人の家に入って暴れたゆっくりには お仕置きしないといけないんだよ」 「なにいってるの?ここはまりさのうちだよ?ばかなの?しぬの?」 このまりさは勝手に家に上がりこんで自分の家宣言をしてから、 目の前の人間に捕らえられてもう1日は経っていた。 テンプレート通りの返答が帰してはいるが、 既にここが人間の家だと言う事はわかっている。 実際、自分の家宣言をしたゆっくりをちょっと痛めつけたら、 「ごべんだざいぃぃ!ここはまりざのうちじゃだいでずぅぅ!」 と泣いて謝ったと言う事例が何件もあるそうだ。 だが「自分の我侭を押し通す事=ゆっくり」であるゆっくりにとって、 自分の間違いを認めるのは強い抵抗がある事だった。 「まりさはおなかがすいたよ、さっさとごはんをもってきてね!」 自分を箱の中に閉じ込めた目の前の人間に、傲慢な態度をとるまりさ。 その様子に呆れながらも、人間は透明な箱の蓋を開けた。 蓋に押し付けられていた帽子がびょん、と元の高さに戻る。 「ゆ?だしてくれるの?まりさをだしたらごはんをもってきてね、 それからまりさをとじこめたことをゆっくりあやまってね!」 自分を出してくれるのだと安心しきった笑みをこぼそうとするが、 顔面が壁に押し付けられるほどきつめの箱に入っているので ゆがんだ表情は笑いを誘っているようにしか見えない。 そんな馬鹿面を引っ張り出し、帽子を取り上げてちゃぶ台の上に押さえつけてやる。 饅頭の頭に手がめりこみ、箱に合わせて四角くなっていた体が ぐにっと楕円形に歪められた。 「ゆぐっ!やめてね!さっさとてをはなしてね!」 と叫ぶまりさを横向きにし、ちゃぶ台の下から取り出した包丁で 前後の丁度中間の位置で2つに切り分ける。 「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 餡子に直に刃を入れられ、体の上から下まで突き抜ける痛みに まりさは叫びだした。眼球はこぼれ落ちるのではないかと言うほど飛び出し、 切断面と口からはどろりとした餡子が流れ出る。 このままでは餡子を出しすぎて絶命してしまうので、 2つに切り分けた頭部それぞれを、切断面を上にするように倒す。 なみなみと餡子を入れたボウルが2つ並んでいるかのようになると 前面だったものは自分の重さで顔面をちゃぶ台に押し付けられ、 「ゆぐぅぅぅっ!ゆぐぐぅぅ!」 と今だ続く激しい痛みに嗚咽を漏らす。 顔がつぶれ苦しいのか起き上がろうとするが、足にあたる底面ごと半分になった体では うまく起き上がる事ができず、ゆらゆらと揺れるだけに留まる。 背面だったものは細かくビクッビクッと痙攣するだけである。 前面と背面がちょうど半分になるように包丁を入れたので、 どちらのボウルにも餡子は5割ずつ。ゆっくりが思考能力を失うのは 餡子が全体の5分の2になったあたりらしいので、まりさはぎりぎりの量で 思考を許され、苦痛から逃げる事が出来ないでいる。 人間は2つに分かれたまりさが、どちらも死んでいない事を確認すると 今度はちゃぶ台のしたからオレンジジュースの入った水差しを取り出し それぞれのボウルに注ぎ始めた。 「ゆ゛ぎゃぁぁぁっ!?ぎぃぃぃぃ!」 むき出しになった餡子に勢い良くジュースが落ち、鋭い痛みがまりさを襲う。 だが神経にさわるような悲鳴とは裏腹に、前面、背面とも再生能力が上がり 元々は1つだった半身それぞれが1匹のゆっくりになる様に再生してゆく。 まるで酸をかけて溶ける饅頭のビデオを逆回しで見ているかのような光景である。 前面だった体は綺麗な金髪のロングヘアーがするすると伸び、 背面だった体は大きな口とゼラチン質の眼が復活する。 完全な体になった2匹のまりさはぐるんと起き上がった。 「「ゆふーっ!ゆふーっ!ゆふー……」」 先ほどまで前面だった『前まりさ』はずっと悲鳴を上げ続けて居た為 涙を流しながら息を整えようとするのだが、最後に顔面が修復された『後まりさ』も なぜか同じように息を荒くし涙を流し始めた。 半分となった背面側の餡子にも記憶や苦痛がしっかりと残っていたのだろうか。 やがて呼吸が整いだすと、2匹のまりさは口を揃えて苦情を言い出した。 「「なんでこんなことするのぉぉぉ!」」 「ゆっくりできないひとはさっさとしね!」 「まりさのいうとおりだよ!ゆっくりしないでしんでね!」 同じ顔をした饅頭が横に並んで、涙目になりながら訴えてくる様子が微笑ましい。 そんな2匹の前に、先ほど取り上げておいた帽子を置いて見せてやる。 「ゆっ!まりさのおぼうしさっさとかえしてね!」 「ぼうしがないとゆっくりできないよ!」 と2匹それぞれが1つの帽子に向かって跳ね、お互いの側面に勢い良くぶつかると 弾力のある体にぼよんと跳ね返されて、お互いに足を向け合うような形で転がった。 「ゆべっ!?なんでぶつかってくるのぉぉ!?これはまりさのおぼうしだよ!」 「なにいってるの?これはまりさのぼうしでしょ!ゆっくりうそつかないでね!」 2匹ともこれは自分の帽子だと引こうとしないが、同じ餡子から再生した 同一人物なのでどちらも間違ってはいない。 「どっちのまりさも、これが自分の帽子で間違いないのかな?」 「ゆっ、そうだよ!これはまりさのぼうしだよ!」 「ちがうよ、このぼうしはまりさのものだよ!」 「そうか…それじゃどちらかのまりさが、嘘をついている偽者と言う事になるな」 「「ゆっ!?!?」」 どちらも本物であるが、ゆっくりに説明してもわかるまい。 「まりさがほんものだよ!うそつきのまりさはどっかいってね!」 「ほんもののまりさはまりさだよ!なんでうそつくのぉぉ!?」 1人称、2人称ともに『まりさ』なのでわかりにくいが、 「私が本物でお前が偽者ぜ!ほんとぜ!」と言い合っている。 傲慢で短気なまりさ種なら大抵「うそつきなまりさはさっさとしね!」と 暴力で解決しようとするものだが、同じ餡子から再生し自分と寸分も違いの無い相手に どこか戸惑いを感じてもいるようだった。 もしかしたら、このまりさもまりさなのかも─── 「どっちが本物かはわからないけど、本物だったら偽者なんかには負けないよね」 「ゆ!?そ、そうだね!ほんもののまりさはとてもつよいんだから、 にせものにまけたりしないよ」 「それじゃ、戦って勝った方がこの帽子を貰うのはどうかな?」 「「…」」 2匹とも黙ってしまう。我侭で自分本位なゆっくりも家族や愛人に情を感じたり、 自分と同じ種、れいむ種同士やまりさ種同士の間で連帯感や信頼感を感じる。 お互い明確にはわかっていないかも知れないが、同じ種どころか同一人物であれば 本能的に争いたくない気持ちが湧いているのかもしれない。 このまりさはまりさとすごくにている。 このまりさとなら、とてもゆっくりできるきがする。 このまりさとなかよくしたい、このまりさといっしょにゆっくりしたい。 でも、ぼうしがなくちゃゆっくりできないし、ぼうしはひとつしかない… 「ゆ、ゆうっ!これはまりさのぼうしだからねっ!」 「ゆ゛っ!?」 先に動いたのは『前まりさ』だった。大きく跳ね『後まりさ』の頭部に 自分の腹部、顎の部分をぶつけようと飛び掛っていく。 「や、やめてねっ!」 このままでは同じサイズのゆっくりに押しつぶされて、そのまま何度も 踏みつけられてしまう。体格差もないのに先制攻撃をうけては、 体制を持ち直すことも出来ずに一方的にやられるのは目に見えていた。 『後まりさ』はタイミングを計って、ぽよんと垂直に飛び上がり 自分の真下に落ちてくる『前まりさ』を時間差で押しつぶそうとする。 「ゆべべっ!」 だが、急に『後まりさ』に避けられて、角度を誤って顔面から落ちた 『前まりさ』は前方への跳躍の勢いを殺す事が出来ず、でんぐり返しの要領で 前方へころんと1回転した。 「ゆゆっ!?どこにいったの!?」 まりさがきえた!?と『後まりさ』は驚愕した。『前まりさ』が消えた落下地点に 底面を叩き付けるように落ち、ぼいんと音を立てて1バウンドする。 バウンドして自由に動けない時間も惜しいと、空中で体を左右にゆすって 『前まりさ』を探すが一向に見つからない。 当の『前まりさ』は『後まりさ』の下をくぐって背面に回っているのだから。 「あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁん!まりざのおがおがぁぁぁ!」 『後まりさ』が自分を見失っている今こそが、『前まりさ』にとって 絶好のチャンスなのだが、顔面から落下した痛みに泣き出してしまった。 前方への跳躍+でんぐり返しによって、既にちゃぶ台の端まで到達している。 目の前に広がる段差は高いものではないが、痛みに悶えるゆっくりは ちゃぶ台から降りて逃げ出そうとするよりも大声で泣き叫ぶ事を選んでいた。 「ゆっ!うしろにいたんだね!」 『前まりさ』の泣き声に気付いた『後まりさ』が振り向くと、 自分に背中を向けてちゃぶ台の端で泣き叫ぶ『前まりさ』の金髪が見えた。 泣く事に必死で『後まりさ』が近づく事にも気付く様子が無い。 『後まりさ』は勝利を確信した。 「まりさのために、にせものさんはしんでね!!」 黙って襲えばいいのに大声で宣言して突進する。 さすがに声に気付いた『前まりさ』が振り向くと、眼前に『後まりさ』が迫っていた。 もう横に飛んでも上に跳んでも避けられる距離ではない。 進退窮まった『前まりさ』は、突進してくる『後まりさ』に向かって小さく跳躍し、 『後まりさ』がぶつけようとしてきたその額に歯を突き立てた。 開けた口に、勝手に『後まりさ』が突っ込んで来たと言うべきかもしれない。 「がっっっ!?」 「ゆ゛も゛っ」 突進の勢いは死なず、額と口がくっついたままの状態でちゃぶ台から落下し、 『前まりさ』が後頭部から畳に激突すると、口から『後まりさ』がすっぽ抜ける。 『後まりさ』の視界は上下逆さまになっていた。 目の前に広がる畳の上にはこちらに頭を向けて倒れる『前まりさ』がいて、 自分はそこから急激に遠ざかっていた。 奇妙な浮遊感を感じ、ふと背中に空気の壁のようなものを感じた瞬間、 「ゆぐっ!!」と断末魔を上げ、べしゃっと壁にたたき付けられた。 背中から放射状に餡子が飛び散り、苦痛に顔を歪めきる間もなかったのか 少し眉をしかめたような顔で壁に張り付いていた。 「ひゅーっ、ひゅーっ、ひゅーっ」 訳)ふーっ、ふーっ、ふーっ ともえ投げと言うにはあまりにも不恰好で、投げ飛ばした方のまりさも 肩で息をするように荒く呼吸をしており、眼の端からは涙の筋が見える。 『後まりさ』に突き立てた飴細工の歯は、勢い良くすっぽ抜ける饅頭の重みに耐えられず 今も壁にはりついた顔の額の部分に数本が刺さっている。 天井を向いて呼吸を整えているまりさに見えるよう、ちゃぶ台の上にあった帽子を 持ってひらひらと揺らしてやる。 そう言えば自分はこの帽子の為に戦っていたのだ。 「ひゅ、まりひゃのびょうひ、かえひへへ…」 訳)ゆ、まりさのぼうし、かえしてね… 何本もの前歯がごっそり無くなったまりさが、ゆっくりとした動きで起き上がる。 2匹でもつれあって落ちはしたが、畳が衝撃を吸収したのか 餡子が飛び散るような破損は無い。それでも満足には動けないようだ。 そのまままりさを誘導するように、帽子をひらひらさせたまま距離を離す。 「ひゃにひへふほ?はっはとかえひへへ」 訳)なにしてるの?さっさとかえしてね 跳ねるのがつらいのか、最後の方はずりずりと這うようにして押入れの前に到着する。 そこで人間は屈み、まりさは距離が近くなった帽子を見上げてぼよんぽよんと 極めて小さく跳ねる。だらしなく口をあけ、餌を待つ雛鳥のようだ。 「本物のまりさなら帽子を返してあげたいんだけど」 「ひゅ?まりははほんももだよ」 「でもね、まだまだこんなに居るんだ」 と言って押入れを開ける。その中を見たまりさは言葉を失って固まってしまった。 まりさがいっぱいいる。 まりさとおなじまりさがいっぱいいる。 押入れの下の段、防音性の広い透明ケースに、帽子の無いまりさが6匹見える。 奥の方は暗くて見えないが、何かがいるような気配を感じる。 その帽子の無いまりさ達は、人間にはただそっくりなだけに見えるが、 まりさの本能が全員同じ、同一人物である事を悟っていた。 混乱したまりさの餡子に、忘れていた記憶が蘇っていく。 人間の家に侵入して、現れた人間にあっけなく捕まって、 必死に抵抗したのに箱に閉じ込められて、 部屋から出た人間がジュースの入った器と包丁を手に戻ってきて… 「ひゅびゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 訳)ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!! 思い出した事にまりさは絶叫した。 何度も真っ二つにされ、何度も再生させられ、そんな苦しみを繰り返すうちに 気を失って、そのときに辛い記憶も消し去っていたのだ。 目の前に居る帽子の無いまりさ達は、昨日自分の半身から再生した自分だ。 びゃあびゃあと泣き喚くまりさの頭を掴むと、押入れから透明ケースを引き出す。 見えなかった部分まで光があたり、中にいるそっくりなまりさ達が 眩しそうに眼を細める。その数は9匹だった。 透明ケースの蓋を開けると、中に居るまりさ達がぎゃあぎゃあと騒ぐ。 「さっさとここからだしてね!」 「ゆっくりできないひとはゆっくりしないでしね!」 「おなかがすいたからおいしいおかしをもってきてね!」 「ぼうしがないとゆっくりできないよ!ゆっくりおぼうしかえしてね!」 「そうだよ、それはまりさのぼうしだからかえしてね!」 「ゆ?あれはまりさのぼうしだよ?ばかなの?」 透明ケースからも人間が持っている帽子が見え、 このまりさ達もこの帽子が自分のものだと主張を始める。 ケースの中に歯の折れたまりさをそっと置いてあげると、 人間はまたまりさ達に教えてあげるのだった。 「帽子は一つしかないよ、みんながこの帽子を自分の物だと言うなら、 この帽子の本当の持ち主以外は偽者のまりさなんじゃないかな?」 9匹のまりさ達にざわめきが起きる。この9匹は昨日のうちに餡子から再生し、 食事も与えずに透明ケースに放置したので、空腹やストレスを感じている。 これ以上人間が誘導しなくても、他のゆっくりを倒して本物にならなくてはいけないと 理解したようだ。9匹の視線は、自然と満身創痍で震える新参者に向けられた。 自分とそっくりなまりさ達がにやにやとこちらを見つめ、 じりじりと近寄ってくる。自分自身に殺されてしまう。 相手が自分と同じだと気付いていない自分に。 「ひゃめへまりひゃ、まりひゃはまりひゃびゃひょぉぉぉ──!」 訳)やめてまりさ、まりさはまりさだよぉぉ──! おわり。 その他の作品。 ゆっくりいじめ系791 ゆっくりと瓶 (fuku2335.txt) ゆっくりいじめ系813 赤ちゃんのお帽子 (fuku2368.txt) ゆっくりいじめ系822 ドスの中身 (fuku2386.txt) お帽子の人? このSSに感想を付ける
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