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あるゆっくりできない2匹の一生 9KB ※駄文、稚拙な表現注意。 ※俺設定注意 ※賢いゆっくりは漢字もしゃべります。 人生は選べない。 人種、祖国、親、家柄、容姿、才能。何ひとつとして自由に選べるものなど存在しない。 人の多くは「もっと金持ちの家に産まれたかった。」「もっと美人に産まれたなら良かったのに。」と思いながら、自分の人生を自分なりに生きている。 そしてそれはゆっくりも同じなのだ。 これはそんな自分の境遇に不満を持つ2匹の物語。 あるゆっくりできない2匹の一生 作、長月 れいむはゆっくり出来なかった。 れいむは100円ゆっくりだ。加工所で産まれ、機械におけるランク付けで「不良品」と認定された。 そして場末のゆっくりショップに卸され、処分品コーナーで売られることになる。 値段は文字通り100円。ジュース1本すら買えない値段だ。 処分品コーナーは二畳ほどのスペースに数十匹の赤、子ゆっくりがひしめく超過密状態。 ここにはゲス化した個体やお飾りを失った個体、そしてれいむのような不良品と認定されたゆっくりが溢れている。 「おいそこのじじい、このまりささまをかうんだぜ!!そしてあまあまよこすのぜ!!」 「ぼうしのないやつはこないでね!!ゆっくりできないよ!!」 「どうしてそんにゃこというにょぉぉぉぉ!!」 「うがあああああ!!ゆっぐりでぎないぃぃぃぃぃ!!」 餌も満足に与えられていない上、この狭さなのでどのゆっくりも殺気立っている。 「ぎゃぁぁぁぁ!!おしゃにゃいでぇぇぇぇぇ!!ちゅぶれりゅうぅぅぅぅ・・・ゆべっ。」 過密状態なので時々小さな赤ゆっくりは押し潰される。しかし死体の掃除をする必要はない。 「はふっはふ。うめっ、これめっちゃうめえぇ!!」 「ぺーろぺろ。もうあまあまさんないの?」 このように死んだそばから他のゆっくりが食べてしまうからだ。ご丁寧にも餡子のしみついた床まで舐めている奴まで居る。 まさにゆっくりの地獄絵図だ。家畜のほうがまだましな生活をしている。 いくら安いとはいえ、こんなゆっくり達が売れるはずも無く、普通の客達はできるだけ目を合わせないように足早に通り過ぎていく。 元々このゆっくりたちはれみりゃやふらんの生餌用なのだ。普通の客は買わない。 そんな地獄のなか、れいむは隅っこでただ震えるしかなかった。気の弱いれいむにここは刺激が強すぎたのだ。 しかしれいむには夢があった。 いつか白馬に乗った優しい王子様が「れいむ迎えに来たよ」といって自分を攫ってくれるに違いない。 そして一生、どこかのゆっくりプレイスでれいむを可愛がってくれるのだ。 どこで覚えて来たのか知らないが、そんな妄想にふけるれいむ。 しかしその期待は無残にも裏切られることになる。 「ヒャッハー!!このれいむ下さいッ!!」 そういってれいむを買うその男は頭はモヒカン。着ているものは素肌に革ジャンで、れいむを嗜虐に満ちた目で見ている。 どう見ても虐待お兄さんだ。(もしくは北●の拳でケンシ●ウに瞬殺されるザコ) 自分の夢見ていた飼い主とは違う。 そう思うれいむだったが、商品であるれいむが飼い主を選ぶことなど出来るはずもない。 そのままそのお兄さんに売られていくれいむ。虐待用ゆっくりとしてのゆん生が始まるのだ。 こうしてれいむのゆっくりできない生活が始まった。 「ゆうぅぅぅ・・・」 腐臭漂う生ゴミの中、れいむは起き出す。虐待お兄さんにより生ゴミを捨てるコンポストを寝床として宛がわれたのだ。 「ヒャッハー!!れいむ、朝の虐待だー!!!」 朝っぱらから近所迷惑になりそうな大声で叫ぶ虐待お兄さん。 れいむの朝は虐待から始まる。使い込まれた改造ハエ叩きでお兄さんに飽きるまで叩かれるのだ。 当然拒否することなど出来ない。れいむは虐待用ゆっくり。虐待されることが仕事なのだ。 本当はシャンプーしてもらったり、ブラシで髪をとかしてもらったりして欲しいが無理なことだ。 れいむは100円ゆっくり。そのような贅沢を言える立場ではない。 そして朝食となるのだが・・・れいむはこれにもうんざりしていた。 腐りかけた生ゴミに七味トウガラシがトッピングされている。そしてデザートは自分のうんうんだ。 ちなみに七味トウガラシは体が痺れるが死なない程度に量が調節されている。 正直こんなもの食べたくないが、食べないとお兄さんに殴られるので食べなければならない。 本当はケーキさんやクッキーさんを優しいお兄さんに頭を撫でられながら食べるのが理想だがそんな事はありえない。 なぜなら自分は虐待用ゆっくりだから。 れいむは自分の境遇を呪った。 そんなある日、れいむは虐待お兄さんの考えた野外虐待プレイの帰りにとてもゆっくりしたゆっくりに出会った。 ビロードのようにきれいで艶やかな髪。 汚れひとつ無いきれいなおぼうし。 もちもちの美肌は飼い主がいつもスキンケアを怠らない証だろう。 近づいてみるとシャンプーのいい香りがした。 ああ。自分もこうだったらいいのになあ。飼い主の優しそうなお兄さんを見ながられいむはそのゆっくりとすれ違った。 てんこはゆっくり出来なかった。 てんこは高級ゆっくりだ。高級ゆっくり専門のブリーダーのもとで産まれ、高級ゆっくりとして生を受けた。 そしてある高級ゆっくりショップのVIP用販売コーナーで売られることになる。 値段はなんと100万円。中古なら外車が買える値段である。 VIP用販売コーナーでは広々としたスペースに数匹の高級希少種たちが飼育されている。 ちなみにテレビ、エアコン、ゆっくり用遊具、緊急用オレンジジュースが完備されており、外に面する壁はガラス張りになっているので店の外からもこの部屋が見えるようになっていた。 ここに居るのは皆コンクールや品評会で上位入賞したゆっくりを親にもつ由緒正しき高級ゆっくりたちだ。 「いっらっしゃいまし、おきゃくさま。さくやたちをゆっくりごらんくださいですわ。」 「ゆかりんのお帽子は今日もゆっくり素敵ね。」 「あらえーりんのお帽子こそゆっくりできるわ。」 「ゆーん。きょきょはゆっくりできるよ。」 ここのゆっくりは食べ物にも困らず、広々としたスペースに最高の環境で育っている為、皆一様にゆっくりしている。 「いじゃいよぉぉぉぉ!!ゆっくりできなぃぃぃぃぃ!!」 そんななか急に泣き出す赤れいせん。どうやら遊具で怪我をしたらしい。しかし治療の心配をする必要はない。 「べろべろばー。れいせんちゃん、なきやむですわ。」 「これぐらいの傷ならばんそうこうとオレンジジュースで十分ね。」 ゆっくりさくやとえーりんの的確な処置により泣き止む赤れいせん。そして2匹へ感謝と親愛のすーりすりを始めた。 まさにここはゆっくりたちの理想郷。下手な人間よりいい暮らしをしている。 そんな愛らしいゆっくりたちに通行人は足をとめ、自分もこんなゆっくり飼いたいなぁ、と思いをはせる。 しかしここは会員のセレブ専門の販売コーナーなのだ。普通の客では買えない。 そんな理想郷で、てんこは隅っこでただ退屈していた。ドMなてんこには刺激がなさ過ぎたのだ。 しかしてんこには夢があった。 いつかハーレーに乗ったモヒカンの虐待お兄さんが「ヒヤッハー、てんこは虐待だー!!」といって自分を攫ってくれるに違いない。 そして一生、生かさず殺さずの虐待プレイでてんこを虐めてくれるのだ。 どこで覚えて来たのか知らないがそんな妄想にふけるてんこ。 しかしその期待は無残にも裏切られることになる。 「このてんこ下さい。」 そういっててんこを買うその男は顔はイケメン。着ているものは高級ブランドで、てんこを愛情に満ちた目で見ている。 どう見ても愛でお兄さんだ。(しかもお金持ち) 自分の夢見ていた飼い主とは違う。 そう思うてんこだったが商品であるてんこが飼い主を選ぶことなど出来るはずもない。 そのままそのお兄さんに売られていくてんこ。愛玩用ゆっくりとしてのゆん生が始まるのだ。 こうしててんこのゆっくりできない生活が始まった。 「ゆうぅぅぅ・・・」 ふわふわのクッションの上で、てんこは起き出す。愛でお兄さんにより高級羽毛入りクッションを寝床として宛がわれたのだ。 「おはよう。てんこ。ブラッシングの時間だよ。」 にっこりと爽やかな笑顔でてんこに笑いかける愛でお兄さん。 てんこの朝はシャンプーとブラッシングから始まる。お兄さんは手馴れたやり方で優しくてんこの髪をシャンプーし、とかしていく。 当然拒否することなど出来ない。てんこは愛玩用ゆっくり。飼い主の愛を受けることが仕事なのだ。 本当は熱湯をかけてもらったり、ハエ叩きでバシバシ叩いて欲しいが無理なことだ。 てんこは高級ゆっくり。そのようなはしたない事を言うのはプライドが許さない。 そして朝食となるのだが・・・てんこはこれにもうんざりしていた。 最高級ゆっくりフードにチョコーレートがトッピングされている。デザートは老舗の和菓子だ。 ちなみにチョコレートと和菓子は太り過ぎないようにカロリー控えめになっている。 正直こんなもの食べたくないが食べないとお兄さんが心配するので食べなければならない。 本当は生ゴミや自分のうんうんを虐待お兄さんに「ヒヤッハー!!さあ食いやがれこのメス豚てんこ!!」となじられながら食べるのが理想だがそんな事はありえない。 なぜなら自分は愛玩用ゆっくりだから。 てんこは自分の境遇を呪った。 てんこは愛でお兄さんとの散歩の帰りに、とてもゆっくりしたゆっくりに出会った。 使い古した竹箒のようにボサボサな髪。 ボロ雑巾のようなりぼん。 ガサガサでアザだらけの肌は飼い主からいつも殴られてる証だろう。 近づいてみると生ゴミのすえた臭いがした。 ああ。自分もこうだったらいいのになあ。飼い主のモヒカンお兄さんを見ながらてんこはそのゆっくりとすれ違った。 結局この2匹は2度と会うこともなく、2匹を救う王子様や虐待お兄さんなど居るはずもなかった。 2匹はゆっくりできないまま年を取り、そしてゆっくりできないまま死んでいった。 今日の希少種 ゆっくりてんこ 希少度 A ドMなことで知られるゆっくり。タフネスはゆっくりのなかでもトップクラスで、どんな虐待をしても喜ぶので究極の虐待お兄さんキラーとも言われている。ただしマゾでない個体も存在しており、その場合善良なアリス種の上位変換のような個体になる。 ちなみにてんこの親ゆっくりはそのタイプのゆっくりで当然その子供もそうなるだろうと思われていたが、なぜか本作のような病的なまでのドMゆっくりになってしまった。 あとがき 前回は酷い超解答SSを書いてしまいすいませんでした。しばらくは推理物は書かずこんなかんじの短編を書こうと思っています。 今回のSSは少し感じを変えてみましたけどいかがだったでしょうか。れいむパートとてんこパートを交互に読んでいくとまた面白いかもしれません。ご意見、ご感想をコメントに書いていただけると励みになります。 今まで書いた作品 ふたば系ゆっくりいじめ 176 ゆっくりちるのの生態(前編) ふたば系ゆっくりいじめ 185 選ばれしゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 196 新種ゆっくり誕生秘話 選ばれしゆっくり番外編 ふたば系ゆっくりいじめ 208 ゆっくり見ていってね ふたば系ゆっくりいじめ 218 またにてゐ う詐欺師てゐの日々 ふたば系ゆっくりいじめ 227 VS最強のゆっくり 史上最低の戦い ふたば系ゆっくりいじめ 247 夢と現実のはざまで ふたば系ゆっくりいじめ 264 あるまりさの一生 ふたば系ゆっくりいじめ 298 ゆっくりを拾ってきた ふたば系ゆっくりいじめ 336 ゆっくり Change the World(出題編) ふたば系ゆっくりいじめ 357 ゆっくり Change the World(出題編2) ふたば系ゆっくりいじめ 391 ゆっくり Change the World(解答編) トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る てんこの飼い主は愛でお兄さんではなくて虐待して欲しいてんこを逆に愛でるということに喜びを感じるドSだったり -- 2017-01-17 15 51 57 虐待用に100万出せるセレブモヒカンは希少中の希少だな -- 2015-12-20 23 39 55 てんこはヒャッハーされたいんだねーわかるよー -- 2014-07-31 16 51 52 ザコ… -- 2014-01-25 00 12 40 ヒャッハー!からの、このれいむください(敬語)に吹いたWx -- 2012-05-25 13 11 52 「100万のてんこだってー!?ひ、ひゃっは・・・高級なてんこは愛でながら虐待・・・ちょこっとでいいからしたいなあ~ -- 2011-11-09 02 00 29 ハーレーにのったモヒカンお兄さんが王子様って…… -- 2011-08-16 12 44 26 人もゆっくりも価値観はそれぞれだな。この話はかなり極端だがw -- 2011-04-19 16 17 48 希少種優遇の俺だけど赤れいせんの泣き声にイラッときた。 あの泣き声は赤れいむとしか思えない。 -- 2011-03-29 01 28 59 100万にヒャッハーはできねえなww -- 2010-10-15 19 59 42 てんこ高え、、、、 生まれはえらべないか、、、 -- 2010-07-24 19 21 52 なるほど・・・ -- 2010-06-22 01 39 46 やっぱり、てんこちゃんへの愛情は「ヒャッハー」で表すものだよね -- 2010-06-21 11 44 21 この発想はなかった。面白かったです。 -- 2010-03-05 12 33 56
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ぎゃんぶらー 23KB 虐待 理不尽 家族崩壊 ゲス 現代 虐待薄め 銀色の硬貨が空き缶に吸い込まれていく。 金属音を響かせながら缶の中を暴れている百円玉。 微細な振動音を伴い、完全停止したお金を見て満足そうに頷く黒帽子のゆっくり。 そのまりさの側に居る家族達は、キラキラと輝く瞳で缶の中にある百円を凝視していた。 「ゆんっ! たしかにおかねさんをかくにんしたよ!」 家族の先頭で、薄汚れた風貌のまりさが声を上げた。 「これからちゅうせんをゆっくりするよっ!」 まりさはそう宣言した後、体を左右に揺らし始めた。 少し時間を遡る。 ここは先程と同じ場所にあたる2車線の市道。 俺はそこに設置された歩道をゆっくりと進んでいた。 今は休日の昼下がり。家にお菓子が全く無かったので購入する為、外に足を運んでみた。 近頃天気が曇りがちだったので久しぶりの日差しが肌に心地よく照らされる。 コンビニの袋に片手を突っ込み、ガサガサと煩く音を立てながら、先程購入した肉まんを取り出した。 まだ暖かくて良い匂いを漂わせる肉まんに、俺は辛抱たまらずかぶりつく。 肉まんの齧った歯形の断片から天に向かってい白い湯気が立ち昇る。 その芳醇な香りに再度魅了された俺は、片手に掴んでいる幸せの塊を口の中に押し込み、 奥歯でじっくりとモチモチの外皮やジューシーな肉汁を噛み締めていく。 まさにこの世の極楽浄土。 特選を冠に付けているだけの事はある。 「ん?」 俺は違和感を感じて足元を見下ろした。 先程安易に立てた袋の音と、漂う香りに引き寄せられたゆっくり達が、俺の足元に群がっている。 「そのあつあつのにくまんさんをまりさに……ゆぶぇっ゛!?」 「ちょうだいね!? れいむにゆっくりちょうだい……ごぶぅおおおっ゛!?」 「んっほおおおおっ!? とかいはなにくまん……あじずのぺにぺにがあああああっ゛!?」 「げほげほっ! ぱちゅにえいようさんをください……むきゅ?むしされたの? かなしいわ……」 俺はそのゆっくり達を蹴って踏んで千切って無視をした。 折角補給した栄養をそんなクズ共に使う事は無駄である。 半殺し状態のゆっくり達は、冷たい地面の上でグネグネと苦しそうにもがいて、その内動かなくなった。 哀れな野良ゆっくり達。 寒空の下、空腹でも無く事故でも無く、慈悲も与えられず潰されるという終焉を迎えたゆっくり達。 このゆっくり達に無かったのは運だった。 以前、物乞いしたら食べ物を貰えたという経験。与えられた事による自己備讃の増長。声を掛けた人物。 様々な不幸が交じり合い、大きな絶望を生み出した。 その結果がこの世とのお別れ。 だが、厳しい季節が訪れる前に永遠にゆっくりしたのは、幸せな事なのかもしれない。 道路を挟んだ向こう側の歩道でれいむ達が歌を歌っていた。 親れいむの周囲に寄り添う多数の小さな子供も声を高らかに上げて合唱を行っている。 しかし、心響く音色とは程遠い耳障りな雑音。 歌いきった家族は、"キリッ!"とした表情でおひねりの投入を待っている。 なんてずうずうしいのだろうか。 俺は道路を横断して潰そうかと思っていたその時、れいむ達家族の後ろにある店のドアが開いた。 れいむ達は顔を綻ばせ、現れた人物にずいずいと足元の空き缶を突き出しながら、何かをおねだりしている。 その悪びれないれいむ達の態度を見ていた店のマスターが怒りを爆発させた。 親れいむが肌色のお腹に蹴りを受けてお空を飛んでいく。 その短い滑空の後、地面に体を強く打ち付けて汚い声を漏らし、小さく弾みながらコロコロと道路中央に転がっていった。 親れいむは口から拳大の餡子を吐き、マスターを睨みながら道路の上で文句を言おうとして、 大きく口を開いたその直後、荷物を満載に積んだ4tトラックにサックリと轢かれ、道路上で黒い塊を撒き散らしながら爆ぜた。 それを見ていたれいむの子供達。 親と同じく大きなお口を開けたまま、悲鳴を高らかに上げている。 それがまた癇に触れたのだろう。 マスターはその場に屈みこみ、柔らかくて小さい子ゆっくり達を乗せている新聞紙の端を摘み、泣き喚く塊を包み込んでいく。 そして、その後店の裏へと消えていった。 「赤ちゃん達、ゆっくりしていってね~。ってか?」 歩きながら全てを見ていた俺は、そんな皮肉を無意識に口ずさんでいた。 「ゆっくりしていってねっ!」 「あかちゃんはゆっくりできるよっ!」 「?」 呟いた俺の言葉に応答が返ってきた。 少し目を見開きながら声のした方向に顔を向ける。 『『 ゆっくりしていってね! 』』 そこに居たのは地面に広げたチラシの上で互いに寄り添う家族の姿。 黒帽子を被ったまりさに大きなれいむ。それと赤ゆっくりが2体。ありふれた組み合わせだ。 さっさと潰そうと思いながら、俺は右足を上に持ち上げる行動を起す。 「まりさたちとしょうぶをしていってね!」 その言葉に俺の右足が止まる。 俺はその突拍子も無い発言に興味を引かれたのだろう。 何故ならば大人しく次の言葉を待っていたのだから。 「たったひゃくえんさんで、ごうかしょうひんがあたるよ!」 まりさは笑顔で愛想を振り撒いている。 周囲の家族も満面の笑みだ。正直気持ち悪い位の作り笑い。胸焼けがしてくる。 俺はその家族から視線を背け、ポケットから出した小銭入れから硬貨を取り出し、親まりさの前にある空き缶に百円玉を指で弾いた。 宙を舞う一つの硬貨。 空き缶に吸い込まれていく百円玉を見ている家族の笑顔は、段々と黒く薄汚れた笑みに変わっていく。 (こいつらは最悪だ) 弧を描きながら空を飛ぶ硬貨の軌跡に合わせて視線を移動させているゆっくり家族を見ながら俺はそう思った。 銀色の硬貨が空き缶に吸い込まれていく。 金属音を響かせながら缶の中を暴れている百円玉。 微細な振動音を伴い、完全停止したお金を見て満足そうに頷く黒帽子のゆっくり。 そのまりさの側に居る家族達は、キラキラと輝く瞳で缶の中にある百円を凝視していた。 「ゆんっ! たしかにおかねさんをかくにんしたよ!」 家族の先頭で、薄汚れた風貌のまりさが声を上げた。 「これからゆっくりとちゅうせんをするよっ!」 まりさはそう宣言した後、体を左右に揺らし始めた。 「ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆっ……」 下手なドラムロールを口ずさみながら、目を閉じて激しく揺れる親まりさ。 暫く揺れた後、いきなり"ピタッ!"と止まり大きな声を上げる。 「はずれだったよ! ざんねんしょうをあげるね!!」 抽選結果を告げたまりさは、後ろに積まれていたゴミの山(そうとしか見えない)から、数本の草を咥えてきた。 そして俺の足の先に雑草が置かれる。色々と残念すぎる結果に頭が痛くなりそうだ。 「ハズレだったのかい? どんな抽選方法をしてるのかな?」 「それはごくひじこうだからおしえられないよ! でも、つぎはあたるきがするよ!」 「れいむもそうおもうよ! だからひゃくえんさんをいれてねっ!?」 キラキラとした欲望全開の瞳で追加を求めるまりさ達。 俺は財布から硬貨を取り出し空き缶に投げ入れた。 「ゆっくりさいちゅうせんするよ! ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆ……!」 まりさがまたも左右に揺れながら口を小さく窄み唸り出す。 今回は追加のお金に興奮した親れいむも左右に体を揺すり出した。 ウザさ倍増。困ったもんだ。 「ゆっくりざんねんしょう! こんかいもはずれだったよ!」 またもまりさはゴミの山に顔を突っ込み、残念賞の石っころを俺に差し出した。 どう見ても道端の石にしか見えない。 「きれいないしさんだよ! よかったね!」 まりさは笑顔で俺に声を掛ける。凄く満面の笑みだ。 しかし、そのまりさの横で赤れいむが煩く騒いでいる。 「ありぇはれぇいみゅのちゃきゃりゃみょのにゃんだよっ!? ゆっきゅりかえちてにぇえっ!」 俺は地面に転がる石を摘んで目の高さに持ち上げる。 どう見ても普通の汚れた石にしか見えない。ここまで情熱的に叫ぶ魅力があるとはとても思えないのだが。 「ゆっくりがまんしてねっ! おかねさんのほうがきれいでしょっ!」 「やじゃやじゃああああああああっ! りぇいむはあにょいししゃんがいいにょおおおおおおっ!?」 「わがままばっかりいうわるいこは、ごきんじょさんのありすにれいぷされるよっ!」 親に説得されている赤れいむは全く泣き止む様子が無い。 俺はこれ見よがしに、宝物の小石をポケットへと放り込む。 「ゆえええええええええええええええええええんっ゛!」 それを見ていた赤れいむは大号泣。 親まりさ達は困った顔をした後、すぐさま怒り顔に変えて赤れいむに体罰を与えた。 俗にいうお尻ペンペンだ。 「ゆびやぁあああっ!? ぎょめんにゃちゃいぎょめんにゃちゃいいいっ!!」 「わがままいうこはおしおきするよっ!」 真っ赤に尻を腫らした赤れいむは体を横にしてすすり泣く。 大人しくなった赤れいむにご満足の親達は、やけにすっきりした笑顔を浮かべていた。 うん。やっぱりこいつら最低だわ。 「おにいさんまたちょうせんしない!?」 「つぎはぜったいあたるよ!」 息を荒くしながら詰め寄ってくる親まりさ達。 ちょろいカモを手に入れたとでも思っているのだろう。目の奥には"¥"の文字が爛々と光り輝いていた。 俺は少し大きめの硬貨を財布から取り出す。 それを見たまりさ達は目を見開きおしっこ漏らさんばかりの勢いで叫んだ。 「ごひゃくえんさんだよおおおおおっ!?」 「あれがあればおなかいっぱいたべれるねっ!? まりさっ!!」 こいつらがお金の区別が付くのは最初から予想の範疇だ。 現代社会の町野良ならば知っていても不思議ではない。 道端でしている技能を伴った物乞いの主は現金となり、中途半端な仏心を出して食べ物を与えると舌打ちされるのだ。 その後は当然『ゆっくりごときが何様だ!』と、潰される光景はこの周辺に限り日常茶飯事になりつつある。 「これで何回抽選が受けれるのかな? 5回位は出来るよね?」 「ゆゆゆっ。いっかいだよ! いちまいしかないからいっかいしかできないんだぜっ!」 「そうだよ! にんげんさんはばかなの? けいさんもできないの?」 まりさとれいむが一回しか出来ないと吼えた。 なんという業突く張りなのだろうか。地獄に落ちるのは確定だな。 単に計算が出来ない可能性もあるが。 「ゆっへっへ! それではちゅうせんをはじめるよっ!」 親まりさは、空き缶に入った五百円硬貨を舐め上げるように見つめた後、やっと抽選体制に入った。 ちなみに親れいむは、まだ缶に入った大きな硬貨を涎を垂らしながら見続けている。 「ゆゆゆゆゆゆっゆん! ゆん! ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆ!」 何時もより長めの抽選が行われていた。俺は、 『別に結果は解りきってるからさっさと終われば良いのに。』と、思いながら大きくアクビして抽選報告を待つ。 「ゆじゃあーん! はずれだよっ! おしいところでとうせんをのがしたよ~。ざんねんだったね!」 親まりさはそう伝えた後、全身を使いゴミ山を俺に向けて押し出した。 ゴリゴリと地面を擦る音を鳴らしながら、ガラクタが俺の目の前に積みあがる。 「ごひゃくえんをくれたからさーびすだよ! まりさたちにかんしゃしてねっ!」 「さすがまりさはふとっぱらだね! ほれなおしちゃうよっ!」 「ゆわーい!こりぇでごうきゃなぎょはんしゃんだべりゃれるねっ!」 「ゆぐ……、ゆぐっ……。れぇいみゅのちゃかりゃもにょっがっ……」 幸せそうに体を擦りつけあっているまりさ家族。(例外1体) 赤まりさは親まりさの帽子に乗せられ、親れいむが七百円入った空き缶を咥えて商店街へと歩き出した。 思い焦がれるのは大量の食べきれないお菓子に埋もれたまりさ達。 夢一杯の家族は地面に泣き伏せる赤れいむの姿は瞳に映らない。 その場に赤れいむは置いてけぼりになり、ナチュラルに捨てられそうになっていた。 「もう一回勝負しようよ」 「ゆ?きょうはもうみせじまいだよっ! おとといきてねっ!」 「ゆっくりせずにりかいしてねっ! おにいさんはばかなの?」 かなり失礼な言葉を口走る興奮した一家。 大金を手に入れた為、頭に血(?)が昇っているようだ。 「そう言わずに勝負しようよ? ほら、これを賭けてさ」 ガサリと音を立てて左手のビニール袋を見せびらかすように持ち上げる。 『それがなんなの?』と言う顔でまりさ達は見ていたが、袋の口を広げて内容物を露にした時、家族の顔色が変わった。 中にはお菓子が入っていた。別にそれ程多くは無い。 でも、一仕事終えて空腹のまりさ達には魅力的に写ったハズだ。 お金を手に入れる欲求は先程満たした。残るは食欲のみ。 まりさ達は滝のような涎を流しながら解り易い欲望を露にしている。 「一回百円で俺とひと勝負。まりさが勝ったら全部あげるよ」 「ゆっ?ゆう……どうしよう」 「まりさ。どうするの?」 れいむは心配そうにまりさを見つめている。 まりさはうんうん唸りながら悩んでいた。 「ゆ~ん! ちょってもゆっきゅちできりゅあみゃあみゃしゃんだにぇっ! まりしゃありぇがたべちゃいよっ!!」 親まりさの頭上で赤まりさが興奮気味に叫んだ。 それがまりさの思考を狂わす。 「……いっかいだけ。いっかいだけするよっ!」 「毎度ありー」 親まりさは、側に居るれいむが咥えた空き缶の中から百円を取り出し、自分に言い聞かせるように呟く。 そして、舌で掴んでいた硬貨を俺の掌に乗せ、鼻息荒く気合を入れてその場で鎮座した。 「そうだな……勝負方法はこの百円玉がどちらの掌に入っているのか?に、しようかな」 俺は硬貨を両掌で少し泳がせた後、右手に握りこんだ。蝿が止まるような遅すぎるスピードで。 その様子をまりさ達はしっかりと見ていた。右手に硬貨が吸い込まれていくその状況を。 「さて、どちらにコインが入っているのかな?」 まりさは含み笑いが抑えきれなかった。 『この人間は本当に馬鹿でカモにしかならない奴だ!』と、心底思っていたのだから。 『百円であの大量のお菓子が手に入る! 今日はなんて最高の一日なのだろうか!』と。 「みぎてさんにはいってるよ! おまぬけなおにいさん!」 「右手にするんだね?」 俺はゆっくりを掌を開いていく。 まりさはお菓子を手に入れた後、『この間抜けな人間の目の前で見せ付けるように食べてやる!』と思っていた。 既に勝者の笑みで結果を待つまりさ。と言うか、待ちきれなくなってお菓子の入った袋へと少しずつ擦り寄っていく。 親れいむも上下に跳ねながら大喜びだ。 空き缶に入った硬貨が擦れる金属音が周囲に響く。 幸せ一杯のゆっくり家族。 その家族に賭けの結果が示された。 ぴるぴると体を震わせるゆっくり家族。 「どぼじであだらないのおおおおおおおおおおおおおおっ!!!?? 」 「まじざのばがああああああああああああああああああっ!!!?? 」 親れいむの口から叫び声が上がり、空き缶が地面へと転がっていく。 その中から硬貨の音は全くしなかった。 スッカラカン。 そう。中に入っていたお金は全て無くなっていたのだ。 お腹空いたと泣き喚く赤れいむ。 親まりさに詰め寄りながら文句を言い続ける親れいむ。口をへの字に曲げて、ゆうゆうと唸る親まりさ。 まだチラシの上でシクシク泣き続けている赤れいむ。 そこに幸せ一家の面影は無かった。 「もう終わり? 毎度ありがとうございまーす」 俺は七百円を片手で弄び、軽く宙へと舞い上げる。 その硬貨が舞う姿を見ていたまりさ達。『あれは自分達の物だったのに!』との思いが溢れ出し、 それが涙に変換されて肌色の頬を伝っていく。 まりさ達は最初の確信めいた勝負を外した。 男が開いた右掌には硬貨が無かったのだ。 驚きに目を見開くまりさ家族に男は伝えた。 『まだやりますか?』 それを耳に入れたまりさは、 『もういっかいだけするよっ!』 頭から火が飛び出さんかのような真っ赤な顔で宣言した。 親れいむは当然止めた。六百円あれば十分だと。 一番冷静だったのはこのれいむだけだった。 しかし、親まりさと赤まりさの暴走は収まらない。 追加の百円が消え、勢いのまま五百円を使おうとしたまりさ達を止めようと踊りかかったれいむを突き飛ばし、 理想の夢を求めて賭けに挑戦したまりさ達。 待っていたのはどん底に落ちていくような絶望だった。 カラになった空き缶を覗きながられいむが号泣する。 「れいむのごひゃくえんさんがなくなっちゃったよおおおおおっ゛!? どぼじでごんなひどいごどずるのおおおっ゛!!! 」 これで美味しいお菓子も購入する願いは叶わない。 お腹がこんなに空いているのに食べる物は何も無い。 自分達のなけなしの宝物(ゴミ山)は男に取られたのだから。 「れいむはかわいそうなんだよっ! ゆっくりそのあまあまをちょうだいねっ!?」 目をうるうるさせながらコンビニ袋へと近づいて来る親れいむ。 腹から絶えず鳴り続ける怪音が耳障りで不快極まりない。 「ゆっくりいただきまー、ごぶっ゛!? ゆうううううっ!!」 「お菓子に近づくな。れいむは馬鹿なの? 死ぬの?」 俺に蹴られて歩道上を転がっていく親れいむ。 それを誰も追いかけない所がもの悲しい昼下がりの午後。 れいむは、『ゆっ! ゆおっふ!?』と、おっさんみたいな声を上げながら、逆さになった体制を戻そうと懸命に足掻いている。 「わかったよ! おにいさんはいかさまをしてるんだね! まりさにはおみとうしだよっ!」 考え込んでいたまりさは"キリリ"とした顔で確信に迫る。 と言うか、今頃気付くのはいかがなものか。 「証拠はあるのかい? 負け犬野郎」 「まけいぬじゃないもん! まりさはゆうしゅうなゆっくりなんだからね! いかさまもできるんだよ。ゆっへん!!」 ペラッと暴露したまりさ。 伸び上がって偉そうに胸を張っている場合では無いのだが。 俺は溜息を吐きながら頭を傾げた。 「まあいいや。勝負は続けるかい?」 「ゆ……。でもまりさのおかねさんはなくなっちゃったよ!」 「別に賭けるのはお金じゃなくても良いだろ」 「ゆ?」 俺は親指をクイッと曲げてある物に向ける。 その場所にまりさの視線も釣られて動いた。 そこには飽きもせずスンスンと泣き伏せている赤れいむ。 まりさはお菓子の入った袋と赤ゆを交互に見ながら深く頷いた。 「やめてねっまりさっ! なにをかんがえてるのっ? あたまがおかしいのっ゛!?」 「はなすんだぜっ! れいむっ! はなせえええええええええっ!!」 まりさに体当たりされたれいむは、再度歩道をコロコロ転がっていく。 この家族の中では、地味に全身擦りキズだらけの不幸なれいむ。 「ぴゃぴゃやめちぇにねっ! れぇいむがきゃわいきゅにゃいのっ!?」 「ゆん?あー、かわいいかわいいよ? でもいまはすこしがまんしてね」 「いにゃああああああああああっ!?」 乾いた顔でまりさが愛の無い返答を赤れいむに伝える。 目が完全に何処か遠くを見ていた。 「それでは早速……」 「だめだよっ! べつのしょうぶにゆっくりかえてねっ!」 まりさはこの賭博では勝ち目は無いと見切っていた。 だから変更を訴えた。そうすればこの人間はボロを出すと信じて。 「……それじゃあ表裏当てにするか」 「おもて? うら?」 勝負内容はコインの表裏を当てると言う単純なもの。 回転を加えながら弾いた硬貨を手で受け止めどちらかを宣言する。 説明が終わりまりさが承諾した所で、俺は百円を空へと打ち出した。 (ゆっふっふ! これならかてるよ!) 嫌らしい笑みを浮かべながら勝利を確信したまりさ。 急に変えたこの勝負方法ならばイカサマは出来ないハズだとの思いがあった。 そうなれば優秀な自分が余裕の勝利を収める。そんな的外れな考えをしながら空に浮かぶ硬貨を見つめていた。 「はい。どちらでしょうか?」 「ゆ~。…おもてだよっ! まちがいんだぜっ!」 ゆっふー。と、息を吐きながら予想を声に出したまりさ。 その顔は自信に満ち溢れていた。 「残念でしたー。裏でーす」 「ゆええええええええええええええええっ!?」 一瞬にして自信が崩壊。 俺の投げた残念賞の雑草が、まりさの湿った顔にペタリと張り付いた。 「どぼじでっ!? ごんなのおがじいよおおおおおおおおっ!!」 まりさはその場でゴロゴロと転がる。 相当悔しいらしい。 「それではもう一回しようか? 次なら勝てると思うよ」 「?」 泥に塗れた顔を上げたまりさ。 そこには男の手に摘まれて宙に浮かぶ赤まりさの姿があった。 「かっ……かえしてね!? まりさによくにたかわいいあかちゃんかえしてねっ!!!?? 」 赤れいむとの違いが解るゆっくり。その名はまりさ。 凄まじい贔屓を垣間見た瞬間だった。 「大丈夫だよ。まりさなら勝てるさ。もう一回だけ……そうだろ?」 「ゆん……もういっかいだけ? そうだね……もういっかいだけ……」 俺が囁く悪魔の言葉でまりさは誘惑されていく。 まだ見ぬ未来の可能性を信じて夢を追い続ける。 進むべき道など無いという事も解らないままに、まりさは懸命に走り続ける。 まりさはもう後に引き返せない。 「ゆっ……ゆへへへへへへへ」 まりさが道端で仰向けになって空を見上げている。 大きく変わった所をいうならば、自慢の黒くて立派なお帽子が無い。 見開いた両目からは止まる事無く涙が流れ続けていた。 あれからまりさはまたも全敗。 赤まりさというコインを失い、その後ツガイのれいむをBETしたのだが、あっけなく連敗。 苦汁の決断をして自分のお帽子を賭けの対象にしたがあっさりと負けた。 この短い文章で説明が終わる位の見所が全く無い一方的な負け戦だった。 「ゆ~ん! ゆっくりおにいさんのうちにいくよ! すっごくたのしみだよ~」 「れぇいむのちゃかりゃもにょおきゃえりにゃさい! しゅーりしゅーりしゅるよっ!」 「まりしゃはおにゃかしゅいたきゃら、あみゃあみゃたべしゃせてにぇっ!」 賭けの対象で手に入れたれいむ親子が俺の手元で煩く騒いでいた。 れいむはツガイの黒帽子を被り、既に俺のパートナー気取りだ。 赤ゆ共は相変わらず煩い。というか赤れいむの執念は凄いと感心せざるを得ない。 赤まりさの態度は終始ムカツクだけだった。 「賭けをしようか?まりさ」 「ゆへへへ! するよっ! いっぱいするよっ!」 俺は赤まりさを摘んで空高く持ち上げる。 「この高さから赤まりさを落としたら、息があるのか絶えるのか。さぁドッチ?」 「ゆへへへへへっ! しんじゃうよっ! ゆっくりしちゃうよっ!」 喚く赤まりさを地面へと投下する。 その際の親れいむは、喚く事も涙も流そうともせずに、落ちる赤まりさを無表情で見つめていた。 この親の冷たい仮面を視界に焼き付けて赤まりさは地面へと落ちていく。 赤まりさは硬い硬いアスファルトの表層へと近づいていった。 「おめでとう。まりさの勝ちだ! 商品は落ちた赤まりさをプレゼントしよう」 「やったよ! ゆははははは! まりさはゆうしゅうだよっ! うめっこれうめっ! あまあましあわせええええっ゛!!! 」 ザリザリと地面を舐める帽子無しまりさ。 あまあまと勝利を手に入れて凄く幸せそうだ。 「こんなごみはゆっくりできないよ!」 「……ちゅーやちゅーや。むにゅむにゅ」 かつてのツガイを一瞥して上から目線で貶す親れいむ。 宝物を胸に抱え、泣き疲れて眠りに付いた赤れいむ。 「そうだな。ゆっくり帰るか」 「きょうのばんごはんは、はんばーぐにしてねっ! ぜったいだよ!? やくそくだからね!」 俺は右手に肌色の荷物を載せて帰宅する事にした。 「こんなものはいらないよ! ぽいぽいするよっ!」 親れいむは被っていた黒帽子を勝手に放り投げる。 帽子はふわふわと漂い地面へと落ちた。 「ゆへへへへ!……ゆ? まりさのおぼうしだああああっ! ゆうしゅうなまりさのおぼうしだああああっ゛! げはははは!」 千鳥足で帽子を追いかける壊れまりさ。 それを横目に俺達は歩道をまりさとは逆方向へと進んでいく。 「まてまてえええええっ! まりさからはにげられないんだぜえええええっ゛! ゆやっほおおおおおっ!」 車道へと風で帽子が流されて、まりさもそれを追う形で足を向ける。 そして、遥か前方を歩いていた俺の横を、大きなトラックが通り過ぎて後方へと進んでいく。 その直後、何かが爆ぜる音とくぐもった声が聞こえた。 だが、その声にれいむ達は全く反応を示さない。 まだ見ぬハンバーグに夢中の親れいむと、睡眠から覚める事が無い赤れいむ。 興味を失った物に対しての非情さは、流石ゲスと言わざるを得ない。 こうしてまりさ親子達のゆん生は静かに幕を閉じた。 鮮やかなテーブルクロスの上に皿が置かれた。 白い湯気が立ち上り美味しそうな匂いが周囲に広がっていく。 「ゆゆゆゆっ! はんばーぐさんだよおおおおおおおおっ!」 「しゅっごくいいにおいだにぇっ!」 それはれいむがリクエストしたデミグラスソースたっぷりのハンバーグ。 肉厚があるハンバーグの上に乗る乳白色のチーズがトロリと溶けてお肉を包み込んでいた。 側に添えられたニンジンとポテトからの甘く香ばしい匂いもたまらない。 立ち上る蒸気を口に含むだけで濃厚な味が口内に広がる感触がある。 食べたらもっと幸せになるに違いない。 「いただきまーす!」 大きな口を開けて歯を噛み締める。 しかし、素晴らしい幸せは訪れず、勢い良く閉じた歯の打ち鳴らす音だけが辺りに響いた。 「ゆ!? れいむのはんばーぐさんゆっくりかえしてねっ!」 「れぇいみゅは、おにゃかちゅいてちんじゃいしょうだよっ!?」 俺は食器を掴み高い戸棚の上へと置いた。 れいむ達は必死に体を伸ばして何とか食べようとするが、到底届くような距離では無い。 「おまえはばかなの!? それともあほなの!? むしろしねえええええええっ゛!」 「きゃわいいれぇいむがしぇくしーぽーじゅをひろうしゅるよっ! ちらっ! こりぇでみゃんじょくちた!? しゃっしゃとよこちぇ! きゅしょやりょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ゛!!! 」 態度が増徴していく赤れいむに強めのデコピンを一発お見舞いした。 苦しげな声と共に、テーブルの上を面白いくらいに転がっていく。 「れいむのゆっくりしたおちびちゃんがあああああああああっ゛!?」 まりさの時には決して上げなかった悲痛の声を叫ぶ親れいむ。 涙ながらに転がっていった赤れいむを追って行く。 「さて、勝負をしようか?れいむ」 「なにをいっているの? ばかなの!? しぬ……」 れいむの言葉が途中で止まる。 鈍く光るハサミがれいむの前に突き出されたからだ。 「今から勝負をしてれいむが勝ったらハンバーグを与えよう。ただし、負けたらそのリボンを貰う」 「ゆゆゆゆ!? れいむのすてきなおりぼんは……」 「別に違うのでもいいぞ。例えば……あそこに居るアレとかな」 「ゆ?」 れいむはアレを見つめて渋い顔をしながら考えた。 自分の大切なリボン。可愛いアレの存在。美味しそうなハンバーグ。勝算の割合。 頭の中の優秀な天秤で答えを導き出したれいむ。 顔を上げたれいむの目は輝いていた。 「……そうか、それでは始めようか?」 「ふん! れいむにさからったことをこうかいしてねっ!」 賭けの対象にされた哀れなアレが泣き叫ぶ。 小さなリボンがバラバラにされる未来しか無いのに、親のれいむは自信満々で勝負を受けた。 ハンバーグが冷める頃には何らかの決着が付いてるだろう。 それまでれいむは悲痛を込めて叫び続けた。 「どぼじでぜんぜんかてないのおおおおおおおおおおっ!?」 れいむ達。ここ一番の勝負で俺に勝てる訳がないぞ? なにせ、俺は息を吐くようにイカサマをするゲスなのだから。 ・イカサマ(?)のお話 ゆっくりが勝てる要素が見当たらない こんな子供だまし以下の技量でも簡単に引っ掛かりそう ・自分が考えているれいむ達のその後は 体のパーツを賭けながらジックリと絶望を味わっていくという結末です 過去作 ふたば系ゆっくりいじめ 507 火の用心 ふたば系ゆっくりいじめ 500 駄目だよ? ふたば系ゆっくりいじめ 458 ドゲスー ふたば系ゆっくりいじめ 449 希少種の価値 2 ふたば系ゆっくりいじめ 448 希少種の価値 1,5 ふたば系ゆっくりいじめ 443 希少種の価値 ふたば系ゆっくりいじめ 398 ゆっくり達を必殺技で葬る物語 ふたば系ゆっくりいじめ 382 穴だらけの計画とその代償 ・他、4点(収録済み放置) トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ぱちゅりー愛 -- 2016-08-30 16 52 59 ぱっちぇさん… -- 2011-08-12 18 22 12 適当に拾ったゴミかと思ったら子供の宝物で驚いた…… ってかごみ拾ってくるぐらいの手間惜しむなよ饅頭w -- 2011-05-12 23 12 49 ぱちゅりーは横で死んでるゲス共で栄養補給しときな。 -- 2011-03-07 01 45 19 赤れいむへの虐待がもっと見たかったw -- 2011-02-17 15 58 08 ゆっくりは欲望に忠実かつ自分の都合の良い方向に考えるんだから 賭け事を前にしたら絶対に賭けるだろうなw -- 2010-11-10 00 51 38 賭け事に何か手を出すからーwww ゆっくりに賭け事させたらあっと言う間に破滅しそうだな -- 2010-10-17 11 53 11 れぇいみゅが一番ウザかった。一人で泣き続けたまま一生放置されて野垂れ死んで欲しいな、とちょっと思った。 -- 2010-09-14 15 49 21 通りすがりのぱちゅりーが何か気に入ったw 幸せになってほしい。 -- 2010-08-26 18 07 00 楽しそうな遊びだ。このSSさんはゆっくりできるな。 「げほげほっ! ぱちゅにえいようさんをください……むきゅ?むしされたの? かなしいわ……」 このぱちゅりー良い子っぽいのでなんか残念。 -- 2010-08-09 17 23 38 イカサマは極めれば美学 それを理解できないゲスゆっくりは死んで当然w ざまぁw -- 2010-08-05 03 22 24 目の前にある幸せを賭けのために手に入れられないゆっくりはざまみろだね! -- 2010-08-04 23 18 38 こういう虐待もありか。 -- 2010-07-20 14 06 57 ドゲスなんだね~わかるよ~ -- 2010-06-08 22 24 53
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「ふたば系ゆっくりいじめ 715 下拵え/コメントログ」 わーい ゴミがゴミになったよ -- 2010-06-28 02 34 48 ありす喰いたい -- 2010-07-03 18 56 41 子ゆの悲鳴はゆっくりできます。 -- 2010-07-25 11 19 36 ゲスじゃなくても超ウザい これぞ赤ゆクオリティ -- 2010-07-29 22 21 55 子ゆうぜぇ~! でも、食べてみたいな -- 2010-07-30 00 48 02 ゆ虐は何気に腹が減るSSが多くて困るぜw 食べてみたいなー -- 2010-10-01 06 47 46 街中のゆっくりなんか何食ってるかわかんないし食いたくないな。 加工所では、食用に品種改良とかしてるのかなー? -- 2010-10-28 16 32 42 おもしかったです! でもゴミ食ってる野良の子ゆなんか食べたくないよw -- 2011-06-29 06 42 13 子ゆを捜してる親ゆの姿にとてもゆっくり出来た -- 2011-07-03 17 10 24
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教師がいじめ認識か 神戸の高3男子自殺 2007/09/19 18 15 【共同通信】 恐喝未遂事件で、担任教師が自殺前から、いじめがあったことに気付いていた可能性があることが19日、分かった。 学校関係者によると、7月3日に自殺を図る1年ほど前、担任教師が男子生徒の名前を挙げて「もうこれ以上、彼をいじめ るな」と教室で同級生の少年らに注意している場面を複数の生徒が目撃していたという。同校は共同通信の取材に、担任の 注意は「聞いていない」としている。
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「ふたば系ゆっくりいじめ 238 夏のお遊び①/コメントログ」 wktk -- 2010-07-07 04 45 56 いいかんじの出だしだな。 -- 2010-08-01 14 32 09
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「ふたば系ゆっくりいじめ 733 あるドスの最後/コメントログ」 脅迫に脅迫を重ねる人間はゆっくりできない・・・ ドスがゆっくりできなくなったのはいいんだけどさぁ 駆除じゃなくて虐待するためにそこまで用意するってのがきもい -- 2010-03-26 12 45 48 ここは「ゆっくりいじめss」をまとめてんだよ 虐待きもいなんて文句はお門違いだろ -- 2010-04-01 03 40 34 ふたばは完全ないじめSSだけが投稿される場所じゃないけどな。 それなら専用のゆっくり虐め投稿所があるわけだし。 -- 2010-05-26 10 28 14 ゆっくりを虐待するゲスドスは制裁されていいんだよ -- 2010-06-02 17 05 09 きもいとか言ってるやつは今からでも遅くない、ゆっくりは愛でるだけにしとけ 自分的にはこのSSこそゆっくりできる -- 2010-06-30 03 22 50 ま、ドゲスとゲス人間なんて精神構造かわらんだろう。 ドスは単純、人間は複雑くらいの差はあろうけど。 -- 2010-07-08 09 54 53 どのSSのコメントも注意書きを無視する奴がいるよね ゆっくりできないよ -- 2010-08-30 02 32 17 人間とゆっくりの外道さでは比べ物にならんかw 一度弱みを握られるともうお仕舞いだねー ドスのゲス苛め位なら私は問題ないと思うんだが、 ゆっくり界の対面は人間より遥かに厳しいなw -- 2010-10-30 20 36 44 これって、このお兄さん以外誰も得してない話だからな。しかも、よそ者だし。 村の人たちにとっては話の分かるドスだし、これが失われたらゆっくりの被害だけで話がおわらんだろ。 村のゲスをお兄さんに提供する共生関係で話し終わらせれば面白かったのに。 -- 2011-07-12 21 36 45 このゲスドス好きだったのにつまらん最後を遂げたな 自分の群を自分で壊滅させるくらい活躍してほしかった >登場させたゆっくりは一匹たりともゆっくりさせない。 どんなに善良なゆっくりであってもまりさ・れいむならば不幸のどん底叩き落とさないと 気が済まない嗜好の俺にとっては今回のSSは合うはずなんだけど なんかこう今回のお兄さん達の虐待に美学を感じないというか無粋に感じてしまったんだよな -- 2011-07-14 18 43 53 ラストは人間が・・・だったかぁ少し残念 俺もドスが自ら破滅してくれないかと 期待してた、鬼兄惨が来た時には 満身創痍のドスとか期待したわ -- 2012-08-23 17 47 47 正直いまいちだわ…ドスによるゆ虐は面白かったのに、人間が登場した途端一気にテンプレ一直線とか -- 2013-06-19 20 50 49 ドスはちゃんと人間のルールに従ってるのにお兄さんは人間のルールを破ってるクズ人間だから全くゆっくりできない -- 2013-07-30 01 52 33
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おひさまさんをつかんでしまった 7KB パロディ 小ネタ 悲劇 飼いゆ 野良ゆ 愛護人間 雰囲気モノ 二行作 【はじめに】 今回は、雰囲気モノです。 説明不足とも取られる描写がありますが、仕様ですのでご了承下さい。 【本編】 『おひさまさんをつかんでしまった』 (作・二行) 太陽をつかんでしまったまりさは、ライオンの付いたプールで死んでた。 まりさは野良ゆっくりだった。 同じ境遇のありすと一緒に、つつましく暮らしていた。 初めておちびを授かった時の感動を、まりさは忘れない。 そんな何ものにも換え難い宝物は、野良猫があっというまに連れ去ってしまった。 悲しみに押し潰されそうになりながら、2匹の饅頭は街をさまよう。 いつのまにか、まりさは宙に浮いていた。 振り向けば、大きな大きな人間さんの腕。 無駄を承知の抵抗。慟哭するありす。 覚えているのは、そこまでだ。 華やかなカーペットの上に、雲のようなソファーが敷かれている。 自分がそこに寝かされていたことに、まりさはようやく気が付いた。 頭を起こすと、瞳の先に広い芝生。 穏かな風、美しい泉、整備された花壇。 まるで楽園のような光景を目の当たりにして、まりさの餡子は硬く震えた。 これは人間さんのおうちだ。野良がここに入れば、生命はない。 まりさは逃げることさえ諦めた。 頭をふかふかさんに突っ込む。 ずっとゆっくりさせられる前に、せいぜい目の前のゆっくりを楽しもう。 尻丸出しのまりさに、ゆっゆっと呼びかけるものがいる。 再び頭をもたげると、目の前にいたのは楽園の素敵な饅頭。 見たこともないほどの美れいむだった。 まりさは知るよしもないことだったが、ここは気の毒な金持ちの家だった。 何が気の毒かといえば、有り余る財産をゆっくり如きに費やしていたからだ。 ある時は、ゆっくり型のカラクリ時計を街に寄贈したり。 ある時は、ゆっくりの群れがいる山を買い取り、愛護団体に預けたりしていた。 そんな彼が一番大事にしていたのは、丹精込めて育て上げたれいむだった。 湯水の如く金を注ぎ込んだ甲斐もあり、品評会では信じられないほどの値が付いた。 勿論、金持ちにれいむを売る気はない。 大輪の薔薇を思わせるリボン、黒い絹を思わせる髪の毛、聖母のようにふくよかな頬。 何より慈悲深くものどかな性格が、男の気持ちをつかんで放さなかったのだ。 れいむは通常種とは思えないほどの謙虚さを保ち、我儘など口にしたこともない。 しかしたった一度だけ、自分の希望を金持ちに打ち明けた。 飼い主と車に乗って出かけた時に見かけた、野良まりさ。 そんな貧乏ゆっくりに一目惚れしてしまったのだ。 出来れば、あのまりさと一時で良いから一緒にゆっくりさせてほしい。 そんな細やかな願いであった。 金持ちは親馬鹿の常として、過剰に反応した。 即座に野良まりさを拉致し、最高級のクリーニングを施した後、家に連れてきたのだ。 そんな黒饅頭は今、ゆっくり用ソファーに頭を突っ込んで震えている。 れいむの呼びかけでようやく身を起こしても、どこかオドオドとしていた。 金持ちはそんな光景を、微笑ましく眺めている。 今から2匹は番だと告げられた時、美れいむも野良まりさも困惑した。 だが、美れいむの表情はすぐに紅潮する。 末永くよろしくお願いします。 おおよそゆっくりらしからぬ求婚の言葉を、まりさは跳ね除けることが出来なかった。 こうして、野良まりさは飼いゆっくりとなった。 それも愛護セレブの下で、美れいむの夫としてである。 まりさは生涯に渡るゆっくりを約束されたのだ。 まるで太陽を手中にしたかのような僥倖であったに違いない。 太陽をつかんでしまったまりさは、太陽から手を離したくなかった。 まりさは1匹で過ごすことが多かった。 美れいむはセレブの飼いだけあって、パーティーなどに引っ張りだこだったのだ。 番とはいえ、まりさの出番はなかったし、行きたいと思ったこともなかった。 美れいむとまりさには、小さいながらも家が与えられている。 屋敷の中に建てられた、庭付き一戸建ての豪勢なゆっくりプレイス。 道楽の極みであった。 よくまりさは、庭にあるプールの側でゆっくりしていた。 プールには常に花びらが浮かべられて、鮮やかな色彩を湛えている。 時折まりさは、帽子に乗って遊泳をしたりする。 それを美れいむが、ことのほか喜ぶからだ。 留守番まりさは、今は泳ぎ回ることもなく、ひなたぼっこをしている。 プールの端には一段高いところがあって、そこが黒白饅頭のお気に入りであった。 水上の花びらが気ままに泳ぐ様を見下ろす。見ていて飽きない。 プールの真ん中にはどういうわけか、大きなライオンの半身像がある。 マーライオンよろしく、獅子の口からは水が絶え間なく流れ落ちていた。 大きな顔をしたそれもまた、まりさには好ましく思えるのだった。 ライオン像の向こう側には、生垣がある。 厳重な塀ではない。その気になれば抜け出すことも可能だろう。 今の暮らしを、あのありすはどう思うだろう。 かつての番を、まりさは忘れてはいなかった。 いっそこっそり迎えに行こうかと思ったことも、ある。 思い出すのは、野良としての毎日。 人間、動物、同族、環境、天候。 全てが明確な敵意を持っていた。 もしあの生垣を越えてしまえば、2度と帰ってこれないかもしれない。 そうなったら、またあの頃に戻ってしまうのだ。 この庭から、出られるはずもなかった。 太陽をつかんでしまったまりさは、どうしてもそこから動けずに立ってた。 穏かな昼下がり。まるで、この家に来た日を思い出す。 空の太陽は遥か高みにあり、幸福を手に入れたまりさを照らし出していた。 ライオンの右肩越しに、花壇が見える。 以前なら、餌場としか見ることが出来なかっただろう。 毎日ゆっくりとしたご飯を頂いている今では、自生する花は景観でしかない。 整備された花々の名前を、まりさは知らない。 美れいむは知っているようで、ひとつひとつ教えてはくれたのだが。 それでも、まりさは思う。 どれかの花が抜かれて仲間達と別れることになれば、泣いたりするんだろう、と。 飼いまりさは、番を思い浮かべた。 ありすではない、美れいむの方を。 確か今日は、飛行機というものに乗ってパーティーに向かっているはずだ。 飛行機は、どこまでも高く、お空を飛んでいけるのだという。 まりさは、別段それを羨ましくは思わない。 今以上のものを、望みたくもなかった。 風がいつもより強く吹いたようだった。 自分が空を飛んでいる気がしたのだ。 いつのまにか、まりさは宙に浮いていた。 飼い饅頭は仰向けの姿勢で空を見つめる。 きっと、後頭部の下にはプールがあるのだろう。 自分の上に、ありすがいた。 突き飛ばされたのか。 逆光でその表情はうかがえない。 見慣れたカチューシャだけが、僅かに確認できた。 赤いお飾りが震えている。 そのことが、何故ここにありすがいるかということよりも、心に残った。 最期にまりさの中身に浮かんだのは、家族のこと。 ありすと、2匹のおちびに囲まれた、あの頃の夢。 激しい水しぶきが上がる。 深いプールに2匹が沈み、形を失っていく。 かつて愛し合った2つの生命が、1つに溶け合って結び合う。 それはゆっくりに許された、数少ない至福であったのかもしれない。 まりさには意識も生命も残されてはいない。 僅かなシミだけを水の底に残し、やがてそれも排水口へと消えていった。 お帽子だけが名残のように、優しく浮いている。 陽光のような花びらに囲まれて、ゆらり、ゆらり、ゆらり。 太陽をつかんでしまったまりさは、ライオンの付いたプールで死んでた。 (終) 挿絵 byめーりんあき 【過去作】 ※単発物近作 ふたば系ゆっくりいじめ 1059 でか帽子まりしゃと姉まりしゃ ふたば系ゆっくりいじめ 1055 さげゆん ふたば系ゆっくりいじめ 1019 餡娘ちゃんに花束を ※カオスVS鬼威惨 次回作頑張って近日 ふたば系ゆっくりいじめ 947 はげの復活(上) ふたば系ゆっくりいじめ 428 はげの行進 ※YHKアーカイブス ふたば系ゆっくりいじめ 840 プラネット・ゆース ~ドスまりさ~ ふたば系ゆっくりいじめ 675 プラネット・ゆース ~きめぇ丸~ ふたば系ゆっくりいじめ 658 緊急特別SS ゆっくり割れる窓ガラスさんの謎 ふたば系ゆっくりいじめ 594 プラネット・ゆース(うーぱっく&すぃー) ※続編準備中 ふたば系ゆっくりいじめ 560 なずーりんに祝福を ふたば系ゆっくりいじめ 796 Detroit Yugyaku City 2 ※どろわ&ぬえ draw006 「パラダイゆch」 nue079 「素晴らしき世界」 nue059 「スキャット・ゆん・ジョン」 nue022 「ゆナッフTV」 nue009 「ブラックペーパー・チャイルド」 その他の作品に関しては、ふたばSS@WIKIの『二行の作品集』をご覧下さい。 餡娘ちゃんとWIKIあき、感謝。 二行の作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る He got the sun -- 2016-08-14 00 35 45 ありす、、、、、、、、、 強し -- 2013-07-17 21 00 33 人の飼いゆっくりを殺すとは何とゲスなアリスだ!!(棒) -- 2011-10-30 22 30 47 ・・・MGEか?>ミッシェルの唄だね。 -- 2010-11-29 21 49 41 どうやって侵入したんだろ? なんか映画みたいな雰囲気だね。 -- 2010-07-26 02 22 26 ありす… -- 2010-07-20 02 31 45 ・・・MGEか?そうなのか!? -- 2010-07-12 22 33 08
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お中元の季節。 我が家に変なモノが届いた。 「なんか、ゴトゴトしてる・・・」 正方形に近い、両手で抱えるくらい大きな箱が揺れている。 中に生物でも入っているかのように。 海老かな、と予想して包装紙をブチ破る。 残念ながら、すぐに俺の期待は裏切られた。 『ゆっくり・フレーバー・キット』 ファンシーなフォントで、デカデカと書かれていた。 その文字の下には、あまり見たことのない種のゆっくりが描かれている。 緑色の髪の毛と、赤い目。リボンや帽子などの装飾品は無い。 「・・・ゆうか種か」 ゆっくり幽香、通称ゆうかだ。 正直、興味無いので今まで見たことも触った事もない。 俺はれいむ種とまりさ種が好きなのだ。 「希少種もお手ごろ価格になったもんだねえ」 一昔前まで、某消費者金融の犬並に値段が張ってたのに。 今じゃお中元に詰め込まれるほど価値が下がったらしい。 「・・・おっと、中身中身」 まだ中を見ていなかったので、ゆうか種が詰め込まれているとは限らない。 無造作に蓋を引き裂く。 ゆうかの絵が真っ二つになった。 「・・・ッ!!・・・ッ!!!・・・ッ!ッ!!!」 予想通り、箱の中にはゆっくり幽香が入っていた。 バレーボールほどの成体サイズだ。 声が外に漏れないようにするためだろう、布らしきものを口に詰め込まれている。 そして、ゆうかの隣にはまた箱があった。 開けてみると、中にはアルコールランプと三脚、花瓶のようなものが入っていた。 「説明書、発見」 箱の隅に、電卓の説明書くらい薄っぺらな説明書が転がっている。 わからないときは説明書を読むのが一番だ。 説明書をまったく読まない人間がいるらしいが、あれは本当に理解できない。 ゲームとか、説明書読んでるときが一番楽しかったりするし。 俺はページをめくった。 二ヵ月後。 俺はゆっくりしていた。 「ああ・・・いい感じでゆっくりしてきた・・・。ゆっくりしたフレーバーだ・・・」 「ぎぴぃぃっ!!!あぢゅいぃいいっ!!!だぢゅっ!!だぢゅげでぇえっ!!!みゃまぁあああっ!!!」 甘く柔らかい、花の香りがほんのりと部屋を包み込んでいる。 その香りを吸い込むと、俺は心の底から幸せな気分になるのだ。 「おにいぁああん!!!だずげであげでええっ!!!ぼうゆ゙るじでぇえ!!!」 そしてこの声。 そもそも俺は、ゆっくりの悲鳴を聞くだけでゆっくりできるのだ。 花の香りと悲鳴のハーモニーは、俺にゆっくりタイムを提供してくれる。 あのお中元、ゆっくり・フレーバー・キットはいわゆるアロマテラピー的な商品だったのだ。 「ゆ゙っゆ゙っゆ゙っゆ゙っゆ゙っ・・・」 気がつくと、赤ゆうかが痙攣を起こしていた。 どうやら少し、ゆっくりしすぎてしまったようだ。 「ん、そろそろ交換だな」 少し面倒だったが、ソファから立ち上がる。 半分眠っているような状態でゆっくりしていたため、ちょっと気分がモヤモヤした。 俺が立ち上がるのを見たとたん、ゆうかの顔が強張った。 あの日、お中元で貰ったゆうかだ。 「ゆっ!!やべでっ!!!も゙うゆうがのあがぢゃんをごろざないでねっ!!」 あのゆうかも、今や100児の母である。 親ゆうかともいう。 どうでもいい話だが、親ゆうかの交尾の相手は毎回変わる。 在庫が切れた時、れいむやまりさを近所の森から適当に拉致ってきて交尾させているからだ。 「さーて、次はどれにしようかな」 水槽に入った親ゆうかは、我が子を守ろうと懸命に威嚇を始める。 何十回、何百回も繰り返してきたことだ。 とうに無駄だとわかっていても、諦めることなく抵抗するその心意気はすばらしいと思う。 れいむ種に勝るとも劣らない母性っぷりだ。 あまりの素晴らしさに、俺は思わず偶然手に持っていた木製ハンマーで親ゆうかを殴りつけてしまった。 親ゆうかの口から、黄色っぽい液が飛び出す。 「はーい、じゃあ次は君ね」 俺は、親ゆうかから少し離れた所で震えていた赤ゆうかを捕獲した。 「ゆっ!?ま、まんまぁあっ!!?ごわいよぉぉおっ!!!だぢゅげでええええ!!!」 「ゆ!!ゆうがのおチビじゃあああああああああん!!!!!」 手の中で赤ゆうかがモゾモゾと不気味に動く。 ついそのまま潰してしまいたくなる。 「いやいや、我慢我慢」 潰したら面倒だ。 ゆうか種は、中身が花の蜜のようなものなのでこぼれ易いのだ。 多少ネットリとはしているものの、カーペットに染み込んだら大変である。 「おにいざんっ!!!ぼうやべでねっ!!!」 親ゆうかが俺に言う。 ボロボロと泣く親ゆうかと、不安そうに姉妹を案ずる赤ゆうか約50匹がこちらを見ていた。 ちなみに、交尾の相手方の種のゆっくりは、普段の虐待に使っているのでここにはいない。 「おにーしゃんいもーちょをいじめないでねっ!!おにぇがいだよっ!!」 「どぼじでこんにゃこちょしゅるのぉお!!」 「ゆーきゃたち、なにもわりゅいことしてにゃいのに!」 ピーピーと、甲高い声で赤ゆうかが抗議する。 とてもやかましい。 悲鳴は好きだが、耳を突くような高い声はあまり好きではないのだ。 俺は偶然手に持っていた木製ハンマーを机に叩きつけた。 シン、と声が止む。 「ゆ゙・・・!!お、おねがいだよ・・・!!おチビじゃんを・・・がえじでね゙・・・」 親ゆうかに背を向け、俺は部屋の隅へと歩いていく。 アルコールランプは三脚の下にセットされ、火がともされている。 三脚の上には花瓶のような、縦長の陶器が置かれている。 この陶器は今、火で熱せられているのでとても熱い。 これが香炉だ。 「・・・死んでるか」 陶器の中をのぞくと、先ほどまで悲鳴を上げていた赤ゆうかが目を見開いて死んでいた。 「これが、お前の未来の姿だ」 赤ゆうかを指で挟み、陶器の中を見せ付ける。 ビクン、と大きく震えるのがわかった。 「おねぇええじゃああああん!!!ゆっぐりじでぇっ!!ゆっぐりじようよぉおおお!!!」 赤ゆうかから涙が溢れる。 俺はお箸で陶器の中のボロカスを摘むと、赤ゆうかに近づけた。 コンガリと香ばしい、花の香りがする。 赤ゆうかが、香りの源なのだ。 ゆうか種の中身である、花の蜜のようなものを利用したアロマテラピー。 説明書によると、ゆうかを焼くことで、全身から花のフレーバーが湧き出てくるという。 なるべくゆっくりと、苦しませるようにすると更に香りが楽しめるのだとか。 れいむ種やまりさ種を痛めつけると、餡子の甘みが引き締まって美味になるのに似ている。 「おねっ・・・!!おねえじゃん・・・!!ごわいよぉお・・・・まん゙ま゙ぁああ・・・ごわいよ・・・」 成体ゆうかでは、皮が厚くてフレーバーがあまり広がらない。 よって、皮が薄くて良い香りを持つ赤ゆうかが必要なのだ。 「じゃあな、ゆうか。せいぜい長持ちしてくれよ。いいフレーバーを期待してるからな」 お箸で赤ゆうかを摘むと、ここぞとばかりに泣き叫んだ。 ここで逃げなきゃ焼け死ぬのだから、当然だろう。 しかし所詮は赤ゆっくり。 俺のお箸ホールドからは逃げられない。 「はーい。さようなら。糞あっつい陶器の中でせいぜいゆっくりしていってね!」 そのまま陶器の中に、赤ゆうかは消えていった。 「ゆっぴぃぃいっ!!!あぢゅぃいいっ!!いだいっ!!ままぁああっ!!!あぢゅいいぃいぃよぉぉおっ!!!」 再び部屋に、ゆっくりとした悲鳴と香りが広がっていく。 在庫はまだ50匹もいる。 今日は奮発して、10匹分くらい楽しもうかな。 ゆうかも、自分の赤ちゃんの香りでゆっくりしていってね。 おわり。 作:ユユー このSSに感想をつける
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「ふたば系ゆっくりいじめ 505 灼熱の冬/コメントログ」 この二匹には最高にふさわしいゆっくりした死に様だね!ざまみろ糞が!! -- 2010-08-04 22 46 02 いいねいいね -- 2010-08-10 21 49 06 ゆっくりは死んでなんぼ -- 2010-10-03 00 29 44 しみじみゆっくりできるねえ 善良なゆっくりに起こる悲劇はゆっくりできるよー -- 2010-11-21 18 31 27 返事がないただのトランクのようだ -- 2019-03-13 11 35 21
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巨大まりさが大規模な群れを作って人里を襲うってあるけど 実際幻想郷にこの群れが出現したらこうなるよなというネタ これは\ゆっくりだー!/?等をみて勝手に考えたネタです。不快に感じたらごめんなさい まずは勝手に作った巨大ゆっくりの群れの設定について簡単に 巨大ゆっくり達で種類ごとに独自の社会を作っている ゆっくりのリーダーは自分がゆっくりすることが最も大切だと思っていることが多い。普通のゆっくりより傲慢 そのためおいしい食べ物をたくさん持っている人間を襲ってゆっくりしようと考えている。ついでに支配しようとも思っている 人間はとても弱いと思っている。もちろん正面からぶつかりあわなければ人間が強い 普通のゆっくりより知識はあるがもちろんゆっくりなので人間より圧倒的に⑨。しかし本人は気づいてない 普通のゆっくりを養殖して主食にしているが、時々近くの虫や花や動物も食べる 別の種類の巨大ゆっくりと交流もしている。が、基本群れは一種類。他のゆっくりと違って死ににくいから その1 幻想郷の管理人 「ゆっゆっゆっ、これだけいるならぜったいににんげんをたおせるよ!」 「れいむたちのゆっくりていこくもめのまえだね!!」 「にんげんをどれいにしてはたらかせればれいむたちはえいえんにゆっくりできるね!」 『ゆーーっゆっゆっゆっ』 大声で笑う巨大れいむ達。そこに普通に部屋に入ってくる妖怪がいた。九尾の狐、藍である 「はいはいさっさと死んでくれ」 あっという間に弾幕によって消し飛ぶ巨大れいむ達。叫ぶ暇すらない。 「ふむ、こっちはこれで全部かな」 「らんしゃまー!こっちのゆっくりは全部つぶしましたー!」 「おお、よくやったな橙。今日の晩御飯は豪華にしような」 「やったー!」 和気藹々とさっていく藍と橙。今日も幻想郷は平和だ。 巨大ゆっくりの群れが現れると必ず近くの森に生息する虫やら花やらがいなくなる。 また、巨大ゆっくりが移動すると周りの木々の枝が大量に折られてしまい成長しにくくなる。 そのためそれらを主食にする力の無い妖怪達が困ることになるのだ。 そういったことを防ぐためにそういった兆候が見られると妖怪達は紫にそのことをつげ、紫は式を派遣するわけである。 こうしてまた一つの群れが消滅した。 その2 霊夢による討伐 「とかいはのありすはけだかく、うつくしく、とうといそんざいなのよ!」 「にんげんにそんなすばらしいありすをゆっくりさせるきかいをあたえなくてはいけないわ!」 こんどは巨大ありす。自分が最も美しい都会派(笑)とか考えるレイパー。 「あー、見つけた。よっと」 「ゆぎゃああああああああっっ!!」 入ってくるなり出会いがしらに針まみれにして瞬殺する本物の霊夢。 「さてさっさとお茶にしましょ」 大量にばら撒かれたカスタードをほっといてさっさと帰る霊夢であった。 ほっといても虫が勝手に処分することだろう。 巨大ゆっくりは存在するだけでかなり迷惑な生き物。それはもちろん人間から見てもである ゆっくりを食べるのはいいのだが周囲のありとあらゆるものを何も考えずに食べるので自然が荒れる。 そのため定期的に霊夢が依頼を受けて駆除したり、自主的に駆除したりする。 ちなみに霊夢が問題を解決するときは鉄拳制裁で反省させるのが基本だが、 ゆっくりの場合どう頑張っても反省しないのでさっさとつぶすようにしている。 その3 妖怪達の食料 「ちーーーんぽ!!」 次は巨大みょん。会話は省略 そしてその近くを通る力のある妖怪達 「あー腹減ったなぁ…人間食いたいなぁ…」 「人間はよっぽど運よく無いと食えないもんなぁ。とりあえず適当なゆっくり捕まえて食っとくか」 「向こうにゆっくりのでかいやついるからそいつでいいんじゃねぇか?」 耳のいい妖怪が仲間に伝える。早速食べにいく妖怪達。 こうしてみょん達は定期的に現れる妖怪達に食べつくされたのであった。 その4 人里を守る方々 「にんげんからおいしいたべものをうばいとるよ!」 「まりさたちのためにたべものをさっさとだしてね!」 人里に向かって一気に突進する巨大まりさ達。ものすごい音を立てて突撃するので人里にもその侵攻が聞こえていた。 「そうはいかんな」 「ゆぎゃああああ!!!!」 「なんでごんだごどずづのぉぉぉっ!!!」 「いだいぃぃぃっっ!!!」 あっというまに慧音の弾幕によって餡子の固まりになる。弾幕相手には巨大ゆっくりもひとたまりもない。 当たり判定が普通のゆっくりよりでかいし。 ちなみに状況によっては居合わせた紅魔館、白玉楼、永遠亭、山の妖怪等も自主的に手伝ってくれる。 人里が無くなると向こうもいろいろと支障が出るが、ゆっくりはいなくなっても別にかまわないからだ。 おまけ 普通にゆっくりさせてみる 「わかるよー」 ゆっくりちぇん。会話は省略 ゆっくりちぇん達は人間にほとんどを虐殺された経験から、出来る限り敵のいない離れた場所に住んでいた。 魔法の森の最も奥のほう、ここはかなりじめじめしている上に日もささないのでかなり生活しづらい。そのためか生き物がほとんどいない。 そのおかげで敵がいないのでほとんど警戒せずゆっくりできる。 食事は通常のゆっくりを養殖することで賄うことができる。飽きたときはキノコを食べる。 ただ、キノコを食べるとトリップして仲間を襲うこともあるので、そういったちぇんは群れで一気に押さえつけて自然治癒を待つしかないが。 それはともかく一見ゆっくりできないこの場所が彼らにとって最もゆっくりできる場所であった。 教訓 臆病な生き物ほど長生きする ~~~~~~~~~~ 今回初めて書きましたがゆっくりのセリフ書くの想像以上に大変ですね 別に書いてる作品でそんなにしゃべってるわけでもないのに苦労してます。 ひらがなとか濁点とか叫び声とか多すぎ。まあいじめてるから叫び声が多いのは当たり前ですが しばらくはのんびり書いていきたいと思います。 あー、名前どうすっかな このSSに感想を付ける